(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】コンタクタ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01R 13/6581 20110101AFI20240308BHJP
H01R 43/00 20060101ALI20240308BHJP
H01R 24/38 20110101ALI20240308BHJP
【FI】
H01R13/6581
H01R43/00 B
H01R24/38
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557769
(86)(22)【出願日】2022-03-29
(85)【翻訳文提出日】2023-09-20
(86)【国際出願番号】 KR2022004411
(87)【国際公開番号】W WO2022211450
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0040532
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518249580
【氏名又は名称】ウィズメムズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】グ,ファン ソブ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ゾン‐グン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ギ サン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ギョン ホ
【テーマコード(参考)】
5E021
5E051
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA08
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB11
5E021FC21
5E021FC32
5E021FC40
5E021LA08
5E021LA14
5E021LA18
5E021LA30
5E051BA05
5E223AB26
5E223AB31
5E223AB41
5E223AB64
5E223AC11
5E223AC21
5E223AC50
5E223BA12
5E223BA15
5E223CA13
5E223CC09
5E223EB01
5E223EB02
5E223EB36
5E223GA08
5E223GA21
5E223GA51
(57)【要約】
伝導体の相互間の接続及び信号伝達のためのコンタクタにおいて、縦方向に伸び、伝導性粒子を含有し、弾性変形可能に形成されるコア部;前記コア部の横方向面を囲み、弾性変形可能に形成される絶縁部;前記コア部と離隔するように前記絶縁部の横方向面を囲み、伝導性粒子を含有し、弾性変形可能に形成されるシールド部を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝導体の相互間の接続及び信号伝達のためのコンタクタにおいて、
縦方向に伸び、伝導性粒子を含有し、弾性変形可能に形成されるコア部;
前記コア部の横方向面を囲み、弾性変形可能に形成される絶縁部;
前記コア部と離隔するように前記絶縁部の横方向面を囲み、伝導性粒子を含有し、弾性変形可能に形成されるシールド部を含む、コンタクタ。
【請求項2】
前記コア部、前記絶縁部及び前記シールド部は、相変化によって硬化されて互いに一体に形成されることを特徴とする、請求項1に記載のコンタクタ。
【請求項3】
前記コア部、前記絶縁部及び前記シールド部は、同心の円筒状であることを特徴とする、 請求項1に記載のコンタクタ。
【請求項4】
前記コア部及び前記シールド部は、それぞれ前記縦方向に前記絶縁部に比べて突出している形状を有することを特徴とする、請求項1に記載のコンタクタ。
【請求項5】
前記絶縁部は、前記縦方向に前記シールド部に比べて突出しており、
前記コア部は、前記縦方向に前記絶縁部に比べて突出しているように形成されることを特徴とする、請求項1に記載のコンタクタ。
【請求項6】
前記コア部と前記シールド部とは、硬度、弾性率及び比抵抗を含む物理的性質のうち少なくとも一つが互いに異なることを特徴とする、請求項1に記載のコンタクタ。
【請求項7】
前記コア部及び前記シールド部に含有される伝導性粒子は、前記縦方向に沿って整列されていることを特徴とする、請求項1に記載のコンタクタ。
【請求項8】
伝導体の相互間の接続及び信号伝達のためのコンタクタを製造する方法において、
縦方向に伸び、伝導性粒子を含有し、弾性変形可能なコア部を形成するステップ;
前記コア部の横方向面を囲むように、弾性変形可能な絶縁部を形成するステップ;及び、
前記コア部と離隔して前記絶縁部の横方向面を囲むように、伝導性粒子を含有し、弾性変形可能なシールド部を形成するステップを含む、コンタクタを製造する方法。
【請求項9】
前記コア部を形成するステップは、
コア部モールドのコア収容部に伝導性粒子が含有された液状のコア部を満たすステップ;
前記コア収容部に対応する位置に磁性体パッドが形成された磁力集中部材を整列させ、前記コア部を硬化させるステップ;及び
前記コア部モールドの少なくとも一部と前記コア部を互いに分離するステップを含む、請求項8に記載のコンタクタを製造する方法。
【請求項10】
前記絶縁部を形成するステップは、
前記コア部の一部分は、前記コア部モールドに支持される状態で、前記コア部の他の一部分が絶縁部モールドの絶縁収容部に挿入されるように、前記絶縁部モールドを前記コア部モールド上に整列させるステップを含む、請求項9に記載のコンタクタを製造する方法。
【請求項11】
前記絶縁部を形成するステップは、
絶縁部モールドの絶縁収容部に液状の絶縁部を満たすステップ;
前記絶縁部を硬化させるステップ;及び
前記絶縁部モールドの少なくとも一部と前記絶縁部を互いに分離するステップを含む、請求項8に記載のコンタクタを製造する方法。
【請求項12】
前記シールド部を形成するステップは、
前記絶縁部の一部分が前記絶縁部モールドに支持される状態で、前記絶縁部の他の一部分がシールド部モールドのシールド収容部に挿入されるように、前記シールド部モールドを前記絶縁部モールド上に整列させるステップを含む、請求項11に記載のコンタクタを製造する方法。
【請求項13】
前記シールド部を形成するステップは、
シールド部モールドのシールド収容部に伝導性粒子が含有された液状のシールド部を満たすステップ;
前記シールド収容部に対応する位置に磁性体パッドが形成された磁力集中部材を整列させ、前記シールド部を硬化させるステップ;及び
前記シールド部モールドと前記シールド部とを互いに分離するステップを含む、請求項8に記載のコンタクタを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝導体の相互間の接続及び信号伝達を行うコンタクタ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
同軸ケーブル(Coaxial Cable)は、伝送線路の一種であって、表皮効果(Skin Effect)により、高い周波数では導線の実効抵抗が上昇する欠陷を有した2線式平行ケーブルを補うためのものである。
図1は、同軸ケーブル及び同軸ケーブルに組み立てられたコネクタを示した図面である。一般的に、同軸ケーブル10は、2つの円筒状の導体及び絶縁体が中心軸を共有する。同軸ケーブル10の中心部導体は、実際的な信号伝送用であり、中心部導体を囲む絶縁体は、中心部導体と外部導体との間に満たされて互いを分離させるように構成される。絶縁体を囲む外部導体は、遮蔽のための金属シールド(網)で構成される。例えば、外部導体は、網状のアルミニウム又は銅から形成されることができる。
【0003】
図1を参照すると、同軸ケーブル10の端部に連結される金属コネクタ20も、中心部のピン、ピンを囲む絶縁体、及び、絶縁体を囲む端子で構成される。コネクタ20は、伝導体の相互間を機械的及び電気的に接続するためのものであり、M型コネクタ、N型コネクタ、F型コネクタなど用途に応じて様々な形状に設計されることができる。
【0004】
ところが、従来の同軸ケーブル10とコネクタ20とは、個別部品の製造及び組立の過程が複雑であり、かつ弾力良く変形して密着される構成がない。よって、従来の同軸ケーブル10とコネクタ20とは、伝導体の相互間に確実な接続を保障し難いという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決するためのものであって、伝導体の相互間の接続及び信号伝達を行い、かつ弾性変形可能に構成されるコンタクタ及びその製造方法を提供しようとする。
【0006】
また、伝導体の相互間の接続及び信号伝達を行うために、一体に形成されるコンタクタ及びその製造方法を提供しようとする。
【0007】
但し、本実施例が達成しようとする技術的課題は、上述のような技術的課題に限定されるものではなく、また他の技術的課題が存在し得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した技術的課題を達成するための手段として、本発明の一実施例は、伝導体の相互間の接続及び信号伝達のためのコンタクタにおいて、縦方向に伸び、伝導性粒子を含有し、弾性変形可能に形成されるコア部;前記コア部の横方向面を囲み、弾性変形可能に形成される絶縁部;前記コア部と離隔するように前記絶縁部の横方向面を囲み、伝導性粒子を含有し、弾性変形可能に形成されるシールド部を含む、コンタクタを提供することができる。
【0009】
本発明の他の実施例は、伝導体の相互間の接続及び信号伝達のためのコンタクタを製造する方法において、縦方向に伸び、伝導性粒子を含有し、弾性変形可能なコア部を形成するステップ;前記コア部の横方向面を囲むように、弾性変形可能な絶縁部を形成するステップ;及び、前記コア部と離隔して前記絶縁部の横方向面を囲むように、伝導性粒子を含有し、弾性変形可能なシールド部を形成するステップを含む、コンタクタを製造する方法を提供することができる。
【0010】
上述した課題解決手段は、単に例示的なものであって、本発明を制限しようとする意図に解釈されてはならない。上述した例示的な実施例の他にも、図面及び発明の詳細な説明に記載された更なる実施例が存在し得る。
【発明の効果】
【0011】
上述した本発明の課題解決手段のうちいずれかによれば、弾性変形によって構造物に加圧及び密着されることで、確実な接続を保障することができ、接触抵抗を減少させることができる。さらに、接触面の公差又は形状差があっても、効果的な相互接続が達成できるコンタクタ及びその製造方法を提供することができる。
【0012】
また、本発明の課題解決手段のうちいずれかによれば、コア部、絶縁部及びシールド部が互いに接合して一体を成すように製造されることで、組立の過程が省略され、製造コストを節減することができる。さらに、コア部、絶縁部及びシールド部のそれぞれを様々な形状及び物性に製造できるコンタクタ及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】同軸ケーブル及び同軸ケーブルに組み立てられたコネクタを示した図面である。
【
図2】本発明の一実施例に係るコンタクタを示した図面である。
【
図3】本発明の他の実施例に係るコンタクタを示した図面である。
【
図4】本発明のまた他の実施例に係るコンタクタを示した図面である。
【
図5】本発明に係るコンタクタを製造する方法を示した図面である。
【
図6】
図5に示したコンタクタを製造する方法のステップを示した図面である。
【
図7】
図5に示したコンタクタを製造する方法のステップを示した図面である。
【
図8】
図5に示したコンタクタを製造する方法のステップを示した図面である。
【
図9】
図5に示したコンタクタを製造する方法のステップを示した図面である。
【
図10】
図5に示したコンタクタを製造する方法のステップを示した図面である。
【
図11】
図5に示したコンタクタを製造する方法のステップを示した図面である。
【
図12】
図5に示したコンタクタを製造する方法のステップを示した図面である。
【
図13】
図5に示したコンタクタを製造する方法のステップを示した図面である。
【
図14】
図5に示したコンタクタを製造する方法のステップを示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、添付した図面を参照しながら、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施例を詳しく説明する。ところが、本発明は様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されるものではない。そして、図面において、本発明を明確に説明するために、説明とは関係ない部分は省略しており、明細書全体に亘って類似した部分に対しては類似した図面符号を付けている。
【0015】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているという場合、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味し、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部分品、又は、これらを組み合わせたものなどの存在、又は付加可能性を予め排除しないものと理解すべきである。
【0016】
以下では、添付した図面を参考しながら、本発明の一実施例を詳しく説明する。
【0017】
図2は、本発明の一実施例に係るコンタクタを示した図面である。本発明に係るコンタクタ100は、コア部110、絶縁部120及びシールド部130を含み得る。
図2を参照すると、コア部110、絶縁部120及びシールド部130は、同心の円筒状に構成され得る。例えば、本発明の一実施例によって同心の円筒状に設計されたコア部110、絶縁部120及びシールド部130は、中心軸を共有することができる。
【0018】
本発明の一実施例に係るコア部110、絶縁部120及びシールド部130は、相変化によって硬化されて互いに一体に形成されることができる。例えば、液状のコア部110、絶縁部120及びシールド部130は、固体状に相変化が起こり、粘性(viscosity)が増加しながら硬化されることができる。コンタクタ100は、相変化によってコア部110、絶縁部120及びシールド部130が一体に直接接合した構造体を形成することができる。
【0019】
このように、本発明に係るコンタクタ100は、コア部110、絶縁部120及びシールド部130が互いに接合して一体を成すように製造されることで、組立の過程が省略され、製造コストが節減できるだけでなく、コア部110、絶縁部120及びシールド部130のそれぞれを様々な形状に製造することができる。以下、各構成について検討する。
【0020】
本発明の一実施例に係るコア部110は、縦方向に伸び、伝導性粒子を含有し、弾性変形可能に形成されることができる。コア部110は、信号伝達のための導線の役割を果たすことができる。また、本発明の一実施例に係るシールド部130は、コア部110と離隔するように絶縁部120の横方向面を囲み、伝導性粒子を含有し、弾性変形が可能なように形成されることができる。シールド部130は、伝導性材質からなり、コア部110の信号伝送時に干渉などを遮蔽する役割を果たすことができる。
【0021】
例えば、コア部110及びシールド部130は、伝導性粒子を含有するシリコーン(silicone)を含む材質からなり得る。コア部110及びシールド部130は、様々な種類の高分子物質を含み得る。コア部110及びシールド部130は、シリコーン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、SBR、NBRなど、及びそれらの水素化合物のようなジエン系ゴムから形成されることができ、また、スチレンブタジエンブロックコポリマー、スチレンイソプレンブロックコポリマーなど、及びそれらの水素化合物のようなブロックコポリマーからなることもできる。さらに、コア部110及びシールド部130は、クロロプレン、ウレタンゴム、ポリエチレン型ゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン-プロピレンコポリマー、エチレンプロピレンジエンコポリマーなどの材質からなることもできる。
【0022】
また、本発明の一実施例に係るコア部110及びシールド部130に含有される伝導性粒子は、縦方向に沿って整列されることができる。例えば、伝導性粒子は、強磁性体である鉄、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、銀、コバルト、アルミニウムなどのような単一の導電性金属材、又はこれらの金属材料の2つ以上の合金材からなり得る。また、伝導性粒子は、コア金属の表面を伝導性に優れた金、銀、ロジウム、パラジウム、白金又は銀と金、銀とロジウム、銀とパラジウムなどのような金属でコーティングする方法によって製造されることもできる。さらに、伝導性粒子は、伝導性の向上のために、MEMSチップ(tip)、フレーク(flake)、線材、炭素ナノチューブ(CNT、carbon nanotube)、グラフェン(graphene)などをさらに含み得る。
【0023】
本発明の一実施例に係る絶縁部120は、コア部110の横方向面を囲み、弾性変形可能に形成されることができる。
図2を参照すると、絶縁部120は、コア部110とシールド部130との間に満たされて互いを分離させるように構成され得る。絶縁部120は、コア部110とシールド部130との間に絶縁を保障する機能を果たすことができる。例えば、絶縁部120は、ガラス、エボナイト又はゴムなどのように熱又は電気を伝達しない材質の絶縁体からなり得る。また、絶縁部120は、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)及びエチレン/プロピレン弾性共重合体(EPR)などのような絶縁素材で製造されることもできる。
【0024】
このように、弾性変形の可能なコア部110、絶縁部120及びシールド部130を含む本発明に係るコンタクタ100は、伝導体の相互間を接続する過程において縦方向及び横方向などに弾性変形が可能であって、構造物に加圧及び密着されることで、確実な接続を保障することができ、接触抵抗を減少させることができる。さらに、接触面の公差又は形状差があっても、効果的な相互接続を達成することができる。
【0025】
図3は、本発明の他の実施例に係るコンタクタを示した図面である。
図3を参照すると、本発明の他の実施例に係るコンタクタ100’は、コア部110’及びシールド部130’がそれぞれ縦方向に絶縁部120’に比べて突出している形状を有するように設計することができる。
【0026】
例えば、
図3に示された本発明に係るコンタクタ100’は、コア部110’及びシールド部130’を絶縁部120’に比べて突出させて、伝導体の相互間の電気的な接続に対する接触不安定を解消させることができる。
図3に示されたコンタクタ100’は、伝導性粒子を含有したコア部110’及びシールド部130’を絶縁部120’に比べて突出させることで、伝導体(例:被検査体パッドの端子)との接触を安定的に達成することができる。具体的に、コア部110’及びシールド部130’は、伝導体と接触する過程において長さ方向に圧力が加えられて圧縮されると、長さ方向に内包された伝導性粒子は、互いに接触しながら長さ方向に電気伝導性を付与することができる。本発明に係るコンタクタ100’は、コア部110’及びシールド部130’をそれぞれ縦方向に絶縁部120’に比べて突出させることで、電気伝導度をより高めることができる。
【0027】
図4は、本発明のまた他の実施例に係るコンタクタを示した図面である。
図4を参照すると、本発明のまた他の実施例に係るコンタクタ100”の絶縁部120”は、縦方向にシールド部130”に比べて突出しており、コア部110”は、縦方向に絶縁部120”に比べて突出しているように形成されることができる。
【0028】
例えば、
図4に示された本発明に係るコンタクタ100”は、コア部110”をそれ以外の構成より突出させることで、つまり、伝導体と直接的に接触するコンタクタ100”の断面形状を小さく形成して微細ピッチのパッド又は端子などに対応させることができ、相手物との組立の際に接触面積を広げて形状を多様にすることができる。
図4に示されたコンタクタ100”は、伝導体と接触する両端部の直径を小さく設計することで、周辺部品との干渉を避けることができ、隣接したピン間の漏洩電流を最小化することができる。よって、本発明に係るコンタクタ100”は、伝導体の相互間の緊密な結合ができるようにし、各コンタクタ100”が個別に正確に動作できるようにして、伝導体の相互間精度を向上させることができる。
【0029】
本発明の一実施例に係るコア部110、絶縁部120及びシールド部130は、硬度(hardness)、弾性率(Young’s modulus)及び比抵抗(resistivity)を含む物理的性質のうち少なくとも一つが互いに異なるように設計することができる。例えば、端子と直接的に接触するコア部110又はシールド部130は、それ以外の構成より硬度及び弾性率を高めるように設計して、接続の際に精度を向上させるだけでなく、繰り返し的な使用による変形や損傷などを防止することができる。
【0030】
また、本発明の一実施例に係るコア部110とシールド部130とは、それぞれ内包される伝導性粒子の性質(例:材質、サイズ、密度など)を互いに異ならせて設計することができる。例えば、上述した伝導性粒子の材質に係り、コア部110又はシールド部130は、伝導性粒子の効果的な整列のためにニッケル粒子を適用することができ、電気伝導度を向上させる必要性のある場合、銅粒子を適用することができる。シリカめっき粒子を適用する場合には軽量化に有利であるという効果がある。
【0031】
他の例として、伝導性粒子のサイズに係り、サイズの大きい伝導性粒子は、加工及び工程が容易であるだけでなく、電気伝導度に優れているという長所があり、サイズの小さい伝導性粒子は、微細な直径の部材の内部にも相対的に均一に分布されることができ、部材の硬度又は弾性率を高めることができる。かかる特性を考慮して、本発明に係るコンタクタ100は、コア部110及びシールド部130内にそれぞれ内包される伝導性粒子の材質、サイズ及び密度を異ならせて設計して、それぞれの硬度又は弾性率を異ならせて設計することができる。
【0032】
このように、本発明に係るコンタクタ100は、コア部110及びシールド部130の物理的性質を互いに異ならせて設計することで、プローブピンの様々な設計要求事項を満たすことができる。つまり、優れた硬度が求められる区間と、弾性変形が許容される区間などに対応して、物理的性質の異なるコア部110及びシールド部130を形成することができる。
【0033】
したがって、本発明に係るコンタクタ100は、弾性変形によって構造物に加圧及び密着されることで、確実な接続を保障することができ、接触抵抗を減少させることができる。さらに、接触面の公差又は形状差があっても、効果的な相互接続を達成することができる。
【0034】
図5は、本発明に係るコンタクタを製造する方法を示した図面である。
図5に示されたコンタクタを製造する方法S100は、
図1乃至
図4に示された実施例によって時系列的に処理されるステップを含む。よって、以下で省略した内容であるとしても、
図1乃至
図4に示された実施例に係る伝導体の相互間の接続及び信号伝達のためのコンタクタを製造する方法S100にも適用される。
【0035】
ステップS110において、縦方向に伸び、伝導性粒子を含有し、弾性変形可能なコア部110を形成することができる。
【0036】
ステップS120において、コア部110の横方向面を囲むように、弾性変形可能な絶縁部120を形成することができる。
【0037】
ステップS130において、コア部110と離隔して絶縁部120の横方向面を囲むように、伝導性粒子を含有し、弾性変形可能なシールド部130を形成することができる。
【0038】
以下、各ステップS110乃至S130について具体的に検討する。
図6乃至
図14は、
図5に示したコンタクタを製造する方法のステップを示した図面である。まず、
図6乃至
図8は、
図5に示したコア部を形成するステップS110を示した図面である。
図6を参照すると、コア部を形成するステップS110は、コア部モールド210のコア収容部211に伝導性粒子111が含有された液状のコア部110を満たすステップS111を含み得る。ここで、コア部モールド210は、磁性のない金属や樹脂からなり得る。一例として、アルミニウム(Al)及びトーロン(Torlon)などを含み得る。
【0039】
例えば、液状のコア部110は、伝導性粒子111を含有し得る。伝導性粒子111は、コア部110の内部に分布されることができ、後述する過程を経てコア部110の長さ方向に配列され得る。伝導性粒子111は、互いに接触してコア部110に長さ方向に伝導性を付与することができる。電気素子である被検査体の検査のために、コア部110が長さ方向に圧力が加えられて圧縮されると、伝導性粒子111が互いにより近くなりながら、コア部110の長さ方向の電気伝導度がより高くなり得る。
【0040】
ステップS111において、
図6を参照すると、例えば、コア収容部211に液状のコア部110を満たし、液状のコア部110を満たした複数のコア部モールド210を積層させて、コア部110の長さ感を形成することができる。他の例として、複数のコア部モールド210を整列又は積層させた後、コア収容部211に液状のコア部110を満たすことができる。
【0041】
図7を参照すると、コア部を形成するステップS110は、コア収容部211に対応する位置に磁性体パッド241が形成された磁力集中部材240を整列させ、コア部110を硬化させるステップS112をさらに含み得る。例えば、磁力集中部材240は、部材上に一定の間隔を置いて配置される複数の磁性体パッド241を含み得る。ここで、磁性体パッド241は、一例として、ニッケル(Ni)、ニッケル-コバルト合金(NiCo)及び鉄(Fe)などのような磁性体金属からなり得る。このとき、磁力集中部材240は、弱磁性体の材質から形成することで、磁性体パッド241に磁力が集中されるように誘導することができる。
【0042】
ステップS112において、磁性体パッド241によってコア収容部211が閉鎖されるように磁力集中部材240をコア部モールド210に密着させることができる。例えば、コア収容部211に液状のコア部110が満たされたコア部モールド210の上端と下端に磁力集中部材240を密着させることができる。磁性体パッド241は、本発明に係るコンタクタ100の磁力を集中させるためである。
【0043】
ステップS112において、既設定された圧力及び温度条件で液状のコア部110を硬化させることができる。例えば、磁力集中部材240によって熱及び圧力のうち少なくとも一つが液状のコア部110に加えられ得る。液状のコア部110は、加えられる熱及び圧力のうち少なくとも一つによって相変化を経て、複数のコア部モールド210に満たされた各層の液状のコア部110が一体に結合することができる。つまり、コア部モールド210に密着された磁力集中部材240に圧力をかけながら熱を加えて、液状のコア部110を硬化させることができる。このとき、
図7に例示したように、磁力によって長さ方向に沿って伝導性粒子が再配置及び整列されることができる。
【0044】
図8を参照すると、コア部を形成するステップS110は、コア部モールド210の少なくとも一部とコア部110とを互いに分離するステップS113をさらに含み得る。例えば、ステップS113において、複数のコア部モールド210にそれぞれ満たされた液状のコア部110が一体に形成されたコア部110をコア部モールド210から分離することができる。このとき、積層された複数のコア部モールド210を一層ずつ除去して、より容易に製造が完了したコア部110をコア部モールド210から分離することができるだけでなく、コア部110に損傷を与えずに分離することができる。
【0045】
図9乃至
図12は、
図5に示した絶縁部を形成するステップS120を示した図面である。先ず、
図9を参照すると、絶縁部を形成するステップS120は、コア部110の一部分は、コア部モールド210に支持される状態で、コア部110の他の一部分が絶縁部モールド220の絶縁収容部221に挿入されるように、絶縁部モールド220をコア部モールド210上に整列させるステップS121を含み得る。例えば、ステップS121において、コア部110の製造が完了すれば、積層された複数のコア部モールド210のうち一部を除去して、絶縁収容部221を含む絶縁部モールド220を積層させることができる。除去されずに残っているコア部モールド210は、絶縁部モールド220の積層時にコア部110を支持する役割を果たすことができる。
【0046】
また、絶縁部を形成するステップS120は、絶縁部モールド220の絶縁収容部221に液状の絶縁部120を満たすステップS122をさらに含み得る。例えば、
図9を参照すると、ステップS122で積層された絶縁部モールド220の絶縁収容部221に液状の絶縁部120を満たすことができる。
【0047】
図10及び
図11を参照すると、絶縁部を形成するステップS120は、絶縁部120を硬化させるステップS123をさらに含み得る。ステップS123において、絶縁収容部221に対応する位置に磁性体パッド241が形成された磁力集中部材240を整列させ、絶縁部120を硬化させることができる。例えば、液状の絶縁部120が満たされた絶縁収容部221が磁性体パッド241によって閉鎖されるように磁力集中部材240を絶縁部モールド220に密着させることができる。このとき、磁力を集中させる必要がない場合は、必ずしも磁力集中部材240が必要とされるわけではない。
【0048】
S123において、
図10を参照すると、絶縁部モールド220及びコア部モールド210が積層されたモールドの上端と下端に磁力集中部材240を密着させ、既設定された圧力及び温度条件で液状の絶縁部120を硬化させることができる。例えば、磁力集中部材240によって熱及び圧力のうち少なくとも一つが液状の絶縁部120に加えられ、液状の絶縁部120に加えられる熱及び圧力のうち少なくとも一つによって液状の絶縁部120が相変化を経てコア部110と一体に結合するように液状の絶縁部120を硬化させることができる。
【0049】
S123において、
図11を参照すると、コア部110の一部分が絶縁部モールド220に支持される状態で、コア部110の他の一部分が絶縁部モールド220の絶縁収容部221に挿入されるように絶縁部モールド220を整列させることができる。整列された絶縁部モールド220の絶縁収容部221に、上述したように、液状の絶縁部120を満たし、既設定された圧力及び温度条件で液状の絶縁部120を硬化させることができる。
【0050】
図12を参照すると、絶縁部を形成するステップS120は、絶縁部モールド220の少なくとも一部と絶縁部120とを互いに分離するステップS124をさらに含み得る。例えば、ステップS124において、絶縁部120の製造が完了すれば、積層された複数の絶縁部モールド220のうち一部を除去することができる。
【0051】
図13及び
図14は、
図5に示したシールド部を形成するステップS130を示した図面である。先ず、
図13を参照すると、シールド部を形成するステップS130は、絶縁部120の一部分が絶縁部モールド220に支持される状態で、絶縁部120の他の一部分がシールド部モールド230のシールド収容部231に挿入されるように、シールド部モールド230を絶縁部モールド220上に整列させるステップS131を含み得る。例えば、ステップS131において、絶縁部120の製造が完了すれば、積層された複数の絶縁部モールド220のうち一部を除去して、シールド収容部231を含むシールド部モールド230を積層させることができる。除去されずに残っている絶縁部モールド220は、シールド部モールド230の積層時に絶縁部120を支持する役割を果たすことができる。
【0052】
また、シールド部を形成するステップS130は、シールド部モールド230のシールド収容部231に伝導性粒子が含有された液状のシールド部130を満たすステップS132をさらに含み得る。例えば、
図13を参照すると、ステップS132で積層されたシールド部モールド230のシールド収容部231に液状のシールド部130を満たすことができる。
【0053】
図14を参照すると、シールド部を形成するステップS130は、シールド収容部231に対応する位置に磁性体パッド241が形成された磁力集中部材240を整列させ、シールド部130を硬化させるステップS133をさらに含み得る。例えば、ステップS133において、磁性体パッド241によってシールド収容部231が閉鎖されるように、磁力集中部材240をシールド部モールド230に密着させることができる。
【0054】
ステップS133において、絶縁部120の一部分がシールド部モールド230に支持される状態で、絶縁部120の他の一部分がシールド部モールド230のシールド収容部231に挿入されるようにシールド部モールド230を整列させることができる。整列されたシールド部モールド230のシールド収容部231に、上述したように、液状のシールド部130を満たすことができる。
【0055】
また、ステップS133において、既設定された圧力及び温度条件で液状のシールド部130を硬化させることができる。例えば、磁力集中部材240によって熱及び圧力のうち少なくとも一つが液状のシールド部130に加えられ得る。液状のシールド部130に加えられる熱及び圧力のうち少なくとも一つによって相変化を経て複数のシールド部モールド230に満たされた各層の液状のシールド部130が一体に結合することができる。つまり、シールド部モールド230に密着された磁力集中部材240に圧力をかけながら熱を加えて、液状のシールド部130を一体に結合した一つの構造体に硬化させることができる。
【0056】
また、シールド部を形成するステップS130は、シールド部モールド230とシールド部130とを互いに分離するステップ(S134)をさらに含み得る。例えば、ステップS134において、複数のシールド部モールド230にそれぞれ満たされた液状のシールド部130が硬化されて製造が完了したシールド部130をシールド部モールド230から分離することができる。
【0057】
上述した説明において、ステップS110乃至S130は、本発明の具現例によって、更なるステップにさらに分割されても良く、より少ないステップで組み合わせられても良い。また、一部のステップは、必要に応じて省略されても良く、ステップ間の順序が転換されても良い。
【0058】
上述した本発明の説明は、例示のためのものであり、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態に容易に変形可能であるということを理解できるはずである。それゆえ、上記した実施例は全ての面において例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。例えば、単一型で説明されている各構成要素は分散して実施されても良く、同様に、分散したものと説明されている構成要素も結合された形態で実施されても良い。
【0059】
本発明の範囲は、上記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。
【国際調査報告】