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特表2024-511787流体製品を包装および塗布するためのデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】流体製品を包装および塗布するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20240308BHJP
   B65D 51/32 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
A45D34/04 515C
B65D51/32 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558604
(86)(22)【出願日】2022-03-15
(85)【翻訳文提出日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 EP2022056721
(87)【国際公開番号】W WO2022200128
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】2102941
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ステファーヌ・ルルー
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AB01
3E084AB09
3E084BA02
3E084CA01
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB13
3E084DC03
3E084FA09
3E084FC01
3E084GA08
3E084GB12
3E084LD30
3E084LG01
(57)【要約】
流体製品を包装および塗布するためのデバイス。
流体製品(P)を包装および塗布するためのデバイス(10)であって、
- ネック(110)を有する容器(11)と、
- 軸(121)によって担持される塗布器部材(120)および軸から突出する少なくとも1つの締結レリーフ(122)を有する塗布器(12)と、
- 塗布器を保持して塗布器部材を拭き取るために一体に鋳造され、容器に締結された構成要素(13)とを有し、
この構成要素は、拭き取り部(132)と保持部(130)とを有し、保持部(130)は、塗布器が容器に取り付けられるとき、前記締結レリーフ(122)がその下で係合する少なくとも1つの保持レリーフ(131)を有し、
拭き取り部(132)は、前記保持レリーフ(131)の下に少なくとも1つの開口(14)を設けるために、その周辺の一部のみで保持部(130)に接続され、この開口は保持レリーフから軸方向に離れて現れる、デバイス(10)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体製品(P)、特に化粧品を包装および塗布するためのデバイス(10)であって、
- ネック(110)を有する、前記製品(P)を含有するための容器(11)と、
- 軸(121)によって担持される塗布器部材(120)および前記軸から突出する少なくとも1つの締結レリーフ(122)を有する、前記製品(P)を塗布するための塗布器(12)と、
- 前記塗布器を保持して前記塗布器部材を拭き取るために一体に鋳造され、前記容器に締結された構成要素(13)とを有し、
この構成要素(13)は、
- 前記塗布器(12)が前記容器(11)内の適所にある場合に、前記軸の長手方向軸(X)の全周に延びる、前記軸および前記塗布器部材を押圧するように構成された拭き取り部(132)と、
- 前記塗布器が前記容器に取り付けられる場合に、前記締結レリーフ(122)がその下で係合する少なくとも1つの保持レリーフ(131)を有する、前記塗布器を保持するための部分(130)とを有し、
前記拭き取り部(132)は、前記保持レリーフ(131)の下に少なくとも1つの開口(14)を設けるために、その周辺の一部のみで前記保持部(130)に接続され、この開口(14)は前記保持レリーフ(131)から軸方向に離れて現れる、デバイス(10)。
【請求項2】
前記塗布器(12)が、少なくとも2つの締結レリーフ(122)、特に互いに直径方向に対向する2つだけの締結レリーフを有し、前記拭き取り部(132)が、前記保持レリーフ(131)の下に少なくとも2つのそれぞれの開口(14)を設けるために、その周辺の一部のみで前記保持部(130)に接続され、前記2つの開口は前記保持レリーフから軸方向に離れて現れる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記保持部(130)が、1つまたは複数の固定レリーフ(16)、特に2つの固定レリーフを有し、前記2つの固定レリーフは望ましくは互いに直径方向に対向し、それらの上を前記1つまたは複数の締結レリーフ(122)が弾性変形によって通過することができ、それにより前記塗布器(12)が前記容器(11)上で回転するのを可逆的に防止する、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記1つまたは複数の固定レリーフ(16)がそれぞれ、2つのノッチ(161)の間に配置されたボス(160)を有する、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記保持部(130)が、前記塗布器の引き抜き位置と前記容器の閉止位置との間の、前記軸(121)の前記長手方向軸(X)回りの前記塗布器(12)の実質的に90°の回転を可能にするように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記拭き取り部(132)が、拭き取りリップ(134)と、前記容器の前記ネック(110)を押圧する第1の封止リップ(135)とを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記拭き取り部(132)が、前記デバイスが前記容器を閉止する前記位置にあるとき、前記塗布器の前記軸(121)を押圧する第2の封止リップ(136)を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
溝(137)が、前記塗布器の前記軸を押圧する前記第2の封止リップ(136)と、前記保持部(130)と前記拭き取り部(132)とを接続する材料(15)の各ブリッジとの間に形成される、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記溝(137)の幅(e)が0.1mm~5mmの間である、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記保持部(130)が前記容器に取り付けるためのスカート(133)を有し、前記取り付けスカート(133)は前記容器の前記ネック(110)を外からカバーする、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記取り付けスカート(133)の一端が、環状隆起(111)などのレリーフに締結され、前記環状隆起(111)は、特に前記ネックの基部に配置される、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記塗布器(12)が、前記軸(121)と一体に作成された把持部(123)を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記保持レリーフ(131)がねじ(138)を有し、前記ねじ(138)は、前記軸の前記長手方向軸(X)回りに時計回り方向に回転するとき、下向きに傾いている、請求項1から12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記ねじ(138)が、可変勾配の部分(138a、138b)を有する、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のデバイスの、前記塗布器を保持して前記塗布器部材を拭き取るための構成要素(13)を離型するための方法であって、前記構成要素(13)が1つの鋳型の中で2つの部品(101、102)に鋳造され、前記離型が、前記鋳型の前記2つの部品を前記構成要素の前記軸(X)に沿って反対方向に移動させることによって遂行される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布される製品を含有する容器と容器内に浸漬されることによって製品とともに取り付けることができる塗布器部材を有する塗布器とを有する、製品、特に化粧品を包装および塗布するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなデバイスは、従来、保持構成要素の使用が適切な場合、容器のネックに締結されたワイパーを設けられ、塗布器部材を容器から引き抜く間に塗布器部材およびそれを担持する軸を拭き取ることを可能にする。
【0003】
一般に、軸は、同じく塗布器を把持するための部材を構成する容器を閉止するためのキャップによって担持される。
【0004】
大部分のデバイスでは、閉止キャップは、容器のネックの上にねじ留めされ、その結果、容器は外側でねじを切られる。
【0005】
しかしながら、1/4回転開/閉システム(または、「鍵開錠」システム)を有するデバイスが提案されている。
【0006】
そのようなデバイスの一例が、図1および図2に示される。それは、保持構成要素1によってネックの中で固定されるワイパー2を有し、保持構成要素1はワイパー2から分離している。保持構成要素1は、塗布器の1/4回転締結を確実にするために、軸の対応するレリーフと協働するレリーフ4を有する。
【0007】
このタイプのデバイスは、それが迅速で容易な開/閉を可能にするので、消費者に非常に人気がある。その一方で、それは、別々に鋳造されなければならない複数の構成要素のアセンブリで作られるので、比較的生産コストが高い。
【0008】
特許文献1は、別々に作成された保持構成要素を介してワイパーがその中に締結されるネックを有する容器を有する同様のデバイスを開示する。
【0009】
特許文献2は、容器と、塗布器部材を担持する軸と一体に作成された閉止キャップとを有する、化粧品、特にマスカラを塗布するための塗布器を開示する。容器は、閉止構成において、キャップの保持レリーフがその下で係合する突起を設けられたネックを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】WO2019/043955
【特許文献2】US9 622 565
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
製造が安価でありながら同時に、容器の迅速な開閉と軸および塗布器部材の十分な拭き取りとを可能にする、製品、特に化粧品を包装および塗布するためのデバイスから恩恵を受ける必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、このニーズを満たすことを目的とし、このことを流体製品、特に化粧品を包装および塗布するためのデバイスによって達成し、デバイスは、
- ネックを有する、製品を含有するための容器と、
- 軸によって担持される塗布器部材および軸から突出する少なくとも1つの締結レリーフを有する、製品を塗布するための塗布器と、
- 塗布器を保持して塗布器部材を拭き取るために一体に鋳造され、容器に締結された構成要素とを有し、
この構成要素は、
- 塗布器が容器内の適所にあるとき、軸の長手方向軸の全周に延びる、軸および/または塗布器部材を押圧するように構成された拭き取り部と、
- 塗布器が容器に取り付けられるとき、前記締結レリーフがその下で係合する少なくとも1つの保持レリーフを有する、塗布器を保持するための部分とを有し、
拭き取り部は、前記保持レリーフの下に少なくとも1つの開口を設けるために、その周辺の一部のみで保持部に接続され、この開口は保持レリーフから軸方向に離れて現れる。
【0013】
「化粧品」という用語は、人の角質物質に塗布することを目的とするメーキャップ製品またはケア製品を意味する。化粧品は、たとえば、液体またはクリームの形態であり得る。化粧品は、マスカラ、アイライナー、アイシャドウ、ファウンデイション、リップスティック、リップグロス、またはリップバームであり得る。
【0014】
「角質物質」という用語は、頭皮、唇、爪、頭髪、まつげ、および眉毛を含む皮膚を意味する。塗布器部材は、唇もしくは顔の皮膚、特に瞼もしくは頬の皮膚、またはまつげもしくは眉毛を対象とし得る。
【0015】
本発明は、容器に締結された単一の構成要素によって、塗布器を拭き取って容器に保持する機能を実行することを可能にする。したがって、より少数の構成部品でデバイスを製造することが可能になり、これは、デバイスの製造コストを低減する。
【0016】
望ましくは、塗布器は、少なくとも2つの締結レリーフ、特に互いに直径方向に対向する2つだけの締結レリーフを有し、拭き取り部は、前記保持レリーフの下に少なくとも2つのそれぞれの開口を設けるために、その周辺の一部のみで保持部に接続され、2つの開口、特に2つだけのそれぞれの開口は、保持レリーフから軸方向に離れて現れる。
【0017】
望ましくは、デバイスは、存在する締結レリーフと同数の開口を有する。
【0018】
互いに直径方向に対向する2つの締結レリーフは、デバイスの正確な閉止を確実にすることを可能にする。変異として、デバイスは、4つの開口および4つの締結レリーフを有することができる。次いで、デバイスは、1/8回転を介して塗布器を回転させることによって完全に開放および閉止され得る。
【0019】
保持部は、1つまたは複数の固定レリーフ、特に2つの固定レリーフを有し得、2つの固定レリーフは望ましくは互いに直径方向に対向し、それらの上を1つまたは複数の締結レリーフが弾性変形によって通過することができ、それにより塗布器が容器上で回転するのを可逆的に防止する。このまたはこれらの固定レリーフは、容器を閉止する位置においてデバイスをロックし、偶発的に開くリスクを低減することを可能にする。加えて、それらは、固定レリーフが上を通過するときにハードポイント(hard point)を生成することによって、デバイスがロックされるときをユーザが容易に識別することを可能にする。
【0020】
1つまたは複数の固定レリーフは、それぞれ、2つのノッチの間に配置されたボスを有し得る。ノッチは、締結レリーフがボスの上を通過するためにボスを押圧するときに、特に半径方向におけるボスの変形をより容易にする。その結果、固定レリーフの弾性変形が、より容易になる。したがって、1つまたは複数の固定レリーフが摩耗して破損するリスクが、低減される。
【0021】
望ましくは、保持部は、塗布器の引き抜き位置と容器の閉止位置との間で、軸の長手方向軸回りの塗布器の実質的に90°の回転を可能にするように構成される。次いで、デバイスは、ほぼ1/4の回転を介して塗布器を回転させることによって完全に閉止および/または開放され得る。容器を閉止する位置において、軸の締結レリーフは、保持および拭き取りの構成要素の保持レリーフの下で固定される。
【0022】
拭き取り部は、拭き取りリップと、容器のネックを押圧する第1の封止リップとを有し得る。
【0023】
拭き取り部は、デバイスが容器を閉止する位置にあるとき、塗布器の軸を押圧する第2の封止リップを有し得る。この第2の封止リップは、ワイパーと軸との間の製品の漏れを防止することを可能にする。
【0024】
溝は、塗布器の軸を押圧する第2の封止リップと、保持部と拭き取り部とを接続する材料の各ブリッジとの間に形成され得る。この溝の幅は、0.1mmと5mmとの間であり得、たとえば、幅は1mmのオーダーであり得る。本発明は、比較的狭い溝を有することを可能にする。
【0025】
望ましくは、保持部は、容器上に取り付けるためのスカートを有する。この取り付けスカートは、容器のネックを外からカバーし得、たとえば、容器のネックだけをカバーする。変異では、取り付けスカートは、容器をその全高にわたってカバーする。
【0026】
取り付けスカートは、取り付けスカートの一端が環状隆起などのレリーフに締結され得るように配置され得、環状隆起は、特にネックの基部に配置される。
【0027】
本発明による塗布器は、軸と一体に作成された把持部を有し得、これは、デバイスの構成部品の数を制限することを可能にする。
【0028】
望ましくは、塗布器はバラストを持たず、これは、塗布器のリサイクルをより容易にする。
【0029】
保持レリーフはねじを有し得、ねじは、たとえば、軸の長手方向軸回りに時計回り方向に回転するとき、下向きに傾いている。
【0030】
このねじは、塗布器を容器内に戻す間に、開口のうちの1つに向けて締結レリーフのうちの1つを導くことを可能にする。ねじは、可変勾配の部分を有し得る。ねじの少なくとも1つの部分は、軸の長手方向軸に直角の平面に関して5°より大きい、さらに良くは20°より大きい、たとえば25°のオーダーの勾配を有することができる。そのような比較的急な傾斜部は、容器内で塗布器の非常に迅速な上昇および下降を可能にする。これのおかげで、消費者は、塗布器が閉止位置から引き抜き位置まで、およびその逆に通過したことに明確に気付く。
【0031】
望ましくは、保持部および拭き取り部は、熱可塑性材料、特にポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリプロピレン(PP)もしくはポリエチレン(PE)で作られる。これらの材料は、安価で鋳造が容易な材料であるという利点を有する。望ましくは、保持部および拭き取り部は、同じ材料で作られる。変異として、保持部および拭き取り部は、異なる材料で作られる。
【0032】
その態様の別の態様による本発明の別の主題は、本発明によるデバイスの、塗布器を保持して塗布器部材を拭き取るための構成要素を離型するための方法であり、前記構成要素は、1つの鋳型の中で2つの部品に鋳造され、離型は、鋳型の2つの部品を構成要素の軸に沿って反対方向に移動させることによって遂行される。
【0033】
本発明は、その非制限的実施例の次の詳細な説明を読むことによって、添付図面を研究することによって、よりよく理解される可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】上記で説明した従来技術によるデバイスを示す図である。
図2図1のデバイスの詳細を示す図である。
図3】本発明による、包装および塗布デバイスの一例の部分的で概略的な縦方向断面の図である。
図4a図3の断面平面に直角の断面平面における図3のデバイスの詳細図である。
図4b図3と同じ断面平面における図4aと同様の図である。
図5図3のデバイスの保持および拭き取り構成要素をそれ自体の上に斜視で示す図である。
図6図5の保持および拭き取り構成要素の上面図である。
図7図6の保持および拭き取り構成要素のVII-VIIの断面の図である。
図8図6の保持および拭き取り構成要素のVIII-VIIIの断面の図である。
図9図5の保持および拭き取り構成要素の断面の図である。
図10図9の保持および拭き取り構成要素における閉止位置における塗布器を示す図である。
図11a】第1の断面平面における離型を示す図である。
図11b図11aの断面平面に直角の断面平面における離型を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図においておよび残りの説明において、同じ参照番号は、同一のまたは同様の要素を表す。
【0036】
図3は、本発明による、流体製品P、特に化粧品を包装および塗布するためのデバイス10の一例を示す。このデバイス10は、製品Pを含有する容器11を有する。この容器11は、その端部の1つにおいてネック110を有する。
【0037】
デバイス10は、製品Pを塗布するための塗布器12を有する。この塗布器12は、塗布器部材120a、たとえば、エラストマもしくはフェルトの端部部品、フロックチップ(flocked tip)、ねじれた金属コアを有するかまたは射出成型もしくは積層造形技法によって作成されたマスカラブラシ、または細筆を締結することを意図した端部120を有する長手方向軸Xの軸121を有する。
【0038】
2つの締結レリーフ122は、軸121から突出し、図4aおよび図4bにおいてより詳細に見ることができる。塗布器は、把持部123も有する。図示の実施形態では、把持部123および軸121は、射出成型によって取得された単一の構成要素を形成する。
【0039】
締結レリーフ122は、この例では、軸121とともに鋳造された、互いに直径方向に対向する2つの突起によって形成される。
【0040】
デバイス10は、容器が閉止されるとき、容器上に塗布器を保持し、塗布器を引き抜く間に塗布器部材および軸を拭き取る構成要素13を有する。
【0041】
図4aおよび図4bに見られるように、この構成要素13は、塗布器12を保持するための部分130を有する。この保持部130は、塗布器が容器11に取り付けられるとき、2つの締結レリーフ122がその下で係合する2つの保持レリーフ131を有する。締結レリーフ122が保持レリーフ131の下で係合されるとき、デバイス10は、容器を閉止する位置にある。
【0042】
保持構成要素13は、容器11上に取り付けるための管状スカート133を有する。取り付けスカート133は、容器11のネック110をカバーし、ネック110の基部に配置された環状隆起111の下でその端部の1つにおいて締結される。
【0043】
構成要素13はまた、塗布器が容器上の適所にあるとき、軸121を押圧するように構成された拭き取り部132を有する。
【0044】
拭き取り部132は、塗布器12が容器11内の適所にあるとき、軸121の長手方向軸Xの全周に延びる。拭き取り部132は、塗布器が容器11から引き抜かれるとき、塗布器部材上に存在する余分の製品Pを除去することを可能にする環状拭き取りリップ134を有する。
【0045】
拭き取り部132は、塗布器12が容器上の適所にあるときに、容器のネック110を押圧する第1の環状封止リップ135と、塗布器12の軸121を押圧する第2の環状封止リップ136とを有する。これらのリップ135および136は、容器の長手方向軸と同軸である。
【0046】
図5から図8に見られるように、拭き取り部132は、保持レリーフ131の下に2つの開口14を設けるために、材料15のブリッジによってその周辺の一部のみの上で保持部130に接続される。各開口14は、開口がその下に位置する保持レリーフ131から軸方向に離れて現れる。保持部130および拭き取り部132は、材料15の2つのブリッジによって互いに接続される。図4bに見られる溝137は、第1の封止リップ135と、保持部130と拭き取り部132とを接続する材料15の隣接するブリッジとの間に形成される。この溝137の幅eは、たとえば、1mmのオーダーである。
【0047】
図9に示すように、保持部130は、互いに直径方向に対向する2つの固定レリーフ16を有することができる。これらの固定レリーフ16は、弾性的に変形可能である。容器の閉止位置から引き抜き位置まで、およびその逆の通路の間に、塗布器12の締結レリーフ122は、弾性変形によって固定レリーフ16上を通過する。
【0048】
デバイス10が閉止位置にあるとき、締結レリーフ122は、材料15のブリッジのうちの1つの隣接エッジ150と、対応する固定レリーフ16との間に保持される。したがって、締結レリーフ122は、回転を可逆的に防止される。固定レリーフ16は、それぞれ、2つのノッチ161の間に配置されたボス160を有することができる。ノッチ161は、特に半径方向におけるボス160の弾性変形をより容易にし、したがって、各ボス160の上を対応する締結レリーフ122が通過するのをより容易にする。ノッチ161は、長手方向軸Xに沿って延びる。
【0049】
図9に見られるように、各保持レリーフ131はねじ138を有し、ねじ138は、一般に、軸の長手方向軸回りに時計回り方向に回転するとき、下向きに傾いている。このねじ138は、対応する締結レリーフ122を隣接開口14の方に導くことを可能にする。
【0050】
ねじ138は、下部傾斜面139aと上部傾斜面139bとの間で軸Xの方向に延びる。これらの2つの面は異なる勾配を有し、ねじ138は軸Xに沿って可変の幅を有する。
【0051】
下部傾斜面139aは、開口14のうちの1つの上を、材料15のブリッジのうちの1つのエッジ150まで延びる。
【0052】
ノッチ161は、図示のように、ねじ138まで軸方向に延びることができる。
【0053】
ねじ138の上部傾斜面139bは、可変勾配の傾斜を有する。特に、図示のように、それは、上部138bと、開口14に隣接する下部138aとを有することができ、下部138aは上部138bより急に傾いている。
【0054】
たとえば、下部138aは、25°のオーダーの勾配を有する。
【0055】
図10は、塗布器12が容器を閉止する位置において構成要素13の中に挿入されるときの塗布器12を示す。この位置において、各締結レリーフ122は、材料15のブリッジのエッジ150に対して開口14の中に配置される。
【0056】
構成要素13を製造するために、熱可塑性材料、たとえばPE、PPまたはPETが、1つの鋳型の中で2つの部品に射出される。
【0057】
図11aおよび図11bは、構成要素13の離型を示す。これらの図11aおよび図11bでは、構成要素13の軸に沿って互いに軸方向に移動することができる、鋳型の2つの部品101および102が、部分的に示される。
【0058】
構成要素13の形状および特に開口14の存在が、離型することができない部分がないことを意味する。
【0059】
当然ながら、本発明は、説明された例示的な実施形態に制限されず、たとえば、1/4回転以内における開放および閉止を取得するために、より多くの開口を有する保持構成要素および塗布器を作成することが可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 保持構成要素
2 ワイパー
4 レリーフ
10 デバイス
11 容器
12 塗布器
13 構成要素
14 開口
15 材料
16 固定レリーフ
101 部品
102 部品
110 ネック
111 環状隆起
120 端部
120a 塗布器部材
121 軸
122 締結レリーフ
123 把持部
130 保持部
131 保持レリーフ
132 拭き取り部
133 管状スカート
134 環状拭き取りリップ
135 第1の環状封止リップ
136 第2の環状封止リップ
137 溝
138 ねじ
138a 下部
138b 上部
139a 下部傾斜面
139b 上部傾斜面
150 エッジ
160 ボス
161 ノッチ
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11a
図11b
【手続補正書】
【提出日】2023-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体製品を包装および塗布するためのデバイスであって、
- ネックを有する、前記製品を含有するための容器と
軸によって担持される塗布器部材および前記軸から突出する少なくとも1つの締結レリーフを有する、前記製品を塗布するための塗布器と
- 前記塗布器を保持して前記塗布器部材を拭き取るために一体に鋳造され、前記容器に締結された構成要素とを有し、
この構成要素は
- 前記塗布器が前記容器内の適所にある場合に、前記軸の長手方向の全周に延びる、前記軸および前記塗布器部材を押圧するように構成された拭き取り部と
- 前記塗布器が前記容器に取り付けられる場合に、前記締結レリーフがその下で係合する少なくとも1つの保持レリーフを有する、前記塗布器を保持するための部分とを有し、
前記拭き取り部は、前記保持レリーフの下に少なくとも1つの開口を設けるために、その周辺の一部のみで前記保持部に接続され、この開口は前記保持レリーフから軸方向に離れて現れる、デバイス。
【請求項2】
前記塗布器が、少なくとも2つの締結レリーフを有し、前記拭き取り部が、前記保持レリーフの下に少なくとも2つのそれぞれの開口を設けるために、その周辺の一部のみで前記保持部に接続され、前記2つの開口は前記保持レリーフから軸方向に離れて現れる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記保持部が、1つまたは複数の固定レリーを有し、前記1つまたは複数の固定レリーフ上を前記1つまたは複数の締結レリーフが弾性変形によって通過することができ、それにより前記塗布器が前記容器上で回転するのを可逆的に防止する、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記1つまたは複数の固定レリーフがそれぞれ、2つのノッチの間に配置されたボスを有する、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記保持部が、前記塗布器の引き抜き位置と前記容器の閉止位置との間の、前記軸の前記長手方向軸回りの前記塗布器の実質的に90°の回転を可能にするように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記拭き取り部が、拭き取りリップと、前記容器の前記ネックを押圧する第1の封止リップとを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記拭き取り部が、前記デバイスが前記容器を閉止する前記位置にあるとき、前記塗布器の前記軸を押圧する第2の封止リップを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
溝が、前記塗布器の前記軸を押圧する前記第2の封止リップと、前記保持部と前記拭き取り部とを接続する材料の各ブリッジとの間に形成される、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記溝の幅が0.1mm~5mmの間である、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記保持部が前記容器に取り付けるためのスカートを有し、前記取り付けスカートは前記容器の前記ネックを外からカバーする、請求項1から9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記取り付けスカートの一端が、環状隆起などのレリーフに締結され、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記塗布器が、前記軸と一体に作成された把持部を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記保持レリーフがじを有し、前記ねじは、前記軸の前記長手方向軸回りに時計回り方向に回転するとき、下向きに傾いている、請求項1から12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記ねじが、可変勾配の部分を有する、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のデバイスの、前記塗布器を保持して前記塗布器部材を拭き取るための構成要素を離型するための方法であって、前記構成要が1つの鋳型の中で2つの部品に鋳造され、前記離型が、前記鋳型の前記2つの部品を前記構成要素の前記軸に沿って反対方向に移動させることによって遂行される、方法。
【請求項16】
化粧品を包装および塗布するための、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記塗布器が、互いに直径方向に対向する2つだけの締結レリーフを有する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項18】
前記保持部が、互いに直径方向に対向する2つの固定レリーフを有する、請求項3に記載のデバイス。
【請求項19】
前記取り付けスカートの一端が、前記ネックの基部に配置された環状隆起などのレリーフに締結される、請求項11に記載のデバイス。
【国際調査報告】