特表 2024-511792 弾性吊具

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-03-15

(54)【発明の名称】弾性吊具

(51)【国際特許分類】

   E04F 21/18 20060101AFI20240308BHJP

   E04B 1/00 20060101ALI20240308BHJP

   E04G 21/16 20060101ALI20240308BHJP

【ＦＩ】

E04F21/18 C

E04B1/00 502Z

E04G21/16

【審査請求】未請求

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2023558725

(86)(22)【出願日】2021-11-18

(85)【翻訳文提出日】2023-11-20

(86)【国際出願番号】 CN2021131409

(87)【国際公開番号】W WO2022199066

(87)【国際公開日】2022-09-29

(31)【優先権主張番号】202110322357.1

(32)【優先日】2021-03-25

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】523363316

【氏名又は名称】青▲島▼▲鑢▼小宝建筑有限公司

(74)【代理人】

【識別番号】100151208

【弁理士】

【氏名又は名称】植田 吉伸

(72)【発明者】

【氏名】サイ フクシン

【テーマコード（参考）】

2E174

【Ｆターム（参考）】

2E174DA14

2E174DA65

(57)【要約】

【課題】弾性吊具を使用し、従来技術に存在する上記の欠点を克服し、簡単な構造を有し、使用が容易で、型材と目的物との間の接続の実現を容易にし、且つ型材と目的物との間の接続の堅固さを保証することである。
【解決手段】内装用金具であり、特に伸縮性吊り金具に関する物である。目的物を固定するための連結板、位置決め板と弾性連結板から構成される。連結板の一端は、位置決め板と弾性連結板とに連結される。弾性連結板の一端は連結板に固定して連結され、他端は、下部が目的物に向かって傾斜した押圧板に連結される。弾性連結板の底部は、位置決め板の下面より低くなっており、弾力連結板は湾曲して位置決め板の上面に向かって突出している。構造は簡単で、使いやすく、型材と目的物の接続より簡易より確実にできる。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

一種の弾性吊具、その特徴は： 目的物を固定するための連結板、位置決め板と弾性連結板から構成される。連結板の一端は、位置決め板と弾性連結板とに連結される。弾性連結板の一端は連結板に固定して連結され、他端は、下部が目的物に向かって傾斜した押圧板に連結される。弾性連結板の底部は、位置決め板の下面より低くなっており、弾力連結板は湾曲して位置決め板の上面に向かって突出している。

【請求項2】

前記弾性吊具は、連結板（１）と、２枚の位置決め板（２）と、弾性連結板（４）から構成される。２枚の位置決め板（２）は連結板（１）の片側に間隔をおいて固定され、位置決め板（２）は平板状であり、位置決め板（２）は連結板（１）に対して垂直に連結され、弾性連結板（４）は２枚の位置決め板（２）の間に位置する。
弾性連結板（４）は円弧状板（６）と弾性押圧板（７）から構成される。円弧状板（６）は位置決め板の上面に向かって突出し、円弧状板（６）の一端は連結板（１）の一側面に固定的に連結され、円弧状板（６）の他端の底部には屈曲板が設けられ、屈曲板の下端は目的物方向に傾斜した弾性押圧板（７）の下端に固定的に連結され、屈曲板の下端は位置決め板（２）の下面より低い。

【請求項3】

請求項２に記載している弾性吊具の特徴として、連結板（１）、位置決め板（２）、円弧状板（６）、折り曲げ縁及び押圧板（７）が一体構造である。

【請求項4】

請求項１に記載している弾性吊具の特徴として、連結板（１）と位置決め板（２）との間に補強リブ（３）を設けたことである。

【請求項5】

請求項１に記載している弾性吊具の特徴として、連結板（１）には複数の連結穴（５）が設けられ、連結板（１）は連結穴（５）内の連結部材を介して、目的物に固定的に連結されることである。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、内装用金具であり、特に伸縮性吊り金具に関する物である。

【背景技術】

【0002】

壁パネル、大理石、タイル等のような目的物を固定するために吊具を使用することは、組立て仕上げで使用される一般的な手段であり、対象を吊り下げた後に水平であることが非常に重要であり、これは吊具によって大きく左右される。吊り施工法では、建物寸法の誤差が大きく、壁の真直度が非常に要求されるため、壁と水平にするために多大な時間とコストが費やされる。現在、壁面のレベリングは一般的に手作業で行われており、壁面のレベリングの良し悪しは作業者の作業レベルに関係し、実際の作業工程では、手作業でレベリングを行っても要求精度を満たせず、後工程で現場での二次加工が必要となる場合があり、組立て装飾に吊り金具を使用する意義が失われている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０２３－１０２３８０号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

本発明の目的は、弾性吊具を使用し、従来技術に存在する上記の欠点を克服し、簡単な構造を有し、使用が容易で、型材と目的物との間の接続の実現を容易にし、且つ型材と目的物との間の接続の堅固さを保証することである。

【課題を解決するための手段】

【0005】

本発明の技術的解決手段は、一種の弾性吊具で、目的物を固定するための連結板、位置決め板と弾性連結板から構成される。連結板の一端は、位置決め板と弾性連結板とに連結される。弾性連結板の一端は連結板に固定して連結され、他端は、下部が目的物に向かって傾斜した押圧板に連結される。弾性連結板の底部は、位置決め板の下面より低くなっており、弾力連結板は湾曲して位置決め板の上面に向かって突出している。

【0006】

本発明では、前記弾性吊具は、連結板と、２枚の位置決め板と、弾性連結板から構成される。２枚の位置決め板は連結板の片側に間隔をおいて固定され、位置決め板は平板状であり、位置決め板は連結板に対して垂直に連結され、弾性連結板は２枚の位置決め板の間に位置する。

【0007】

弾性連結板は円弧状板と弾性押圧板から構成される。円弧状板は位置決め板の上面に向かって突出し、円弧状板の一端は連結板の一側面に固定的に連結され、円弧状板の他端の底部には屈曲板が設けられ、屈曲板の下端は目的物方向に傾斜した弾性押圧板の下端に固定的に連結され、屈曲板の下端は位置決め板の下面より低い。

【0008】

連結板、位置決め板、円弧状板、折り曲げ縁及び押圧板は一体構造になれる。

【0009】

位置決め板の支持力を高めるために、連結板と位置決め板の間に補強リブを設けることができる。

【0010】

連結板には複数の連結穴が設けられ、連結板は連結穴（５）内の連結部材を介して、目的物に固定して連結される。

【発明の効果】

【0011】

本発明の有益な効果は次の通りである：

【0012】

（１）弾性吊具に弾性接続部材を設け、弾性吊具を水平に押す過程の中、型材が弾性接続部材に加える力は弾性接続部材を変形させ、型材が弾性接続部材に加えている力を引き抜くと、弾性接続部材内に発生した弾性力が型材に押す力を作用させ、型材を目的物に強固に固定させ、型材と目的物との接続を実現するものである。上記のような過程により、目的物の装着を極めて容易に実現することができ、装着工程において、吊り下げや横置きのためのスペースを確保する必要がない。

【0013】

（２）吊り下げや側面取り付けに十分なスペースがあれば、当該弾性吊具も簡単に使用できる。使用範囲は広い。

【0014】

（３）使用中、弾性吊具は目的物に連続的な挟む力を与え、型材と目的物との長時間且つ強固な接続を実現することができる。

【0015】

（４）弾性連結部分は湾曲しているため、当弾性連結部分の変形は同時ではなく、その長さも異なるため、現場での取り付けの際、許容範囲は比較的広い。

【0016】

（５）弾性吊具は繰り返し使用することができる。使用するときは、目的物と接続し、水平に押すまたは吊り下げ取り付けによって目的物と型材との接続を実現する。使用後、弾性吊具は目的物から直接取り外すことができ、何回でも繰り返し使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【0017】

【図1】本発明の上面視構造の概略図である。

【図2】本発明の左視構造の概略図である。

【図3】本発明の断面図構造の概略図である。

【図4】本発明の立体構造の概略図である。

【図5】本発明と目的物がぶら下がった状態で取り付けられたときの概略構造図である。

【図6】本発明を推して、目的物に固定するときの構造の概略図である。

【図7】目的物に取り付けられたときの本発明の構造の概略図である。

【発明を実施するための形態】

【0018】

本発明の目的、特徴及び利点をより明白に理解できるため、本発明の具体的な使用方法を添付図面と併せて以下に詳しく説明する。

【0019】

具体的な詳細は、本発明の完全な理解を容易にするために以下の説明に記載されている。しかし、本発明は、本説明書に記載されたものとは異なる方法で実施することが可能である。関連業者は、本発明の本質を反することなく、本発明を類推して使用することができる。したがって、本発明は、以下に開示する特定の使用方法によって限定されるものではない。

【0020】

本発明に記載された弾性吊具は、連結板、位置決め板及び弾性連結板を含み、連結板は目的物に固定的に連結され、位置決め板及び弾性連結板は連結板の一側に連結される。弾性連結板の一端は連結板に固定的に連結され、弾性連結板の他端の下部には目的物方向に傾斜した押圧板が連結され、弾性連結板の下部は位置決め板の下面より低い。弾性連結板は弾性材料によって作られ、弾性連結板は外力の作用で変形を生じることができる。弾性連結板は湾曲しており、位置決め板の上面に向かって突出している。弾性連結板が湾曲しているため、弾性連結板が異なる弾性変形を生じると、弾性連結板が異なる長さになるようにすることができ、現場設置で一定の誤差が発生しても、弾性吊具の使用に影響がなく、現場設置の許容率が比較的高い。

【0021】

当該弾性吊具の使用時には、まず、連結板によって目的物に固定的に連結され、次に、目的物を型材の方向に押す。弾性連結板の一端の下端が型材に接触すると、型材が弾性連結板に上向きの推力を与え、弾性連結板が弾性変形する。弾性連結板の下端が型材から離れると、弾性連結板自体の弾性により、弾性連結板の下端が型材に目的物方向への推力を与え、型材を目的物に押し付け、型材と目的物の連結を実現する。使用終了後には、弾性吊具付き目的物は横向きに引き抜かれ、弾性吊具の再使用が可能になる。

【0022】

弾性吊具は、押し付ける方法以外に、現在一般的に使用されている吊り下げ方式または横付け方式で型材に接続することができる。まず、目的物を連結板に固定して連結し、次に、弾性吊具を型材の適切な位置まで上から下へ、または左から右へ移動させ、弾性吊具の弾性を利用して、型材を弾性吊具と目的物の間に固定的に挟み込み、型材と目的物の接続を実現する。使用終了後には、弾性吊具を装着した目的物を装着経路に従って、または直接横方向に引き抜き、弾性吊具の再使用が可能になる。

【0023】

実施例１
図１～図７に示すように、本実施例の弾性吊具は、連結板１と、位置決め板２と、弾力連結板４から構成される。連結板１には連結穴５が設けられ、連結板１は連結穴５内の接続部材を介して目的物に固定して接続される。連結板１の側縁は、間隔をあけて配置された２枚の位置決め板２に固定的に接続され、弾性連結板４は、２枚の位置決め板２の間に配置されている。位置決め板２は平板状であり、位置決め板２は連結板１に垂直に連結されているため、弾性吊具が型材に接触するとき、位置決め板２は位置を定めて支える役割を果たす。位置決め板２の強度を高めるため、連結板１と位置決め板２の間には補強リブ３が設けられている。

【0024】

弾性連結板４は弾性材料によって作られ、外力の作用により弾性変形することができる。弾性連結板４は円弧状板６と弾性押圧板７から構成され、円弧状板６は位置決め板の上面に向かって突出し、円弧状板６の一端は連結板１の側面に固定的に連結され、他端の下部には湾曲板が設けられ、湾曲板の下端は対象物方向に傾斜した弾性押圧板７の下端に固定的に連結され、円弧状板の下部に圧着縁を形成する。この圧着縁は、位置決め板２の下面より低い位置にある。本実施例では、連結板１、位置決め板２、円弧状板６、折り曲げ縁部および押圧板７は一体構造となっている。 円弧状板６の下面の圧着縁が型材に接触すると、弾性押圧板７が型材に目的物方向への推力を加え、型材と目的物間の圧縮効果が向上し、型材と目的物の接続がより強固になる。

【0025】

本実施例における弾性吊具は、吊り下げて取り付ける、もしくは、側方に取り付けられる方法によって、目的物と型材１０との接続を実現できる。図５に示すように、まず、連結板１を連結部材によって目的物に固定的に連結する。次に、目的物を装着した弾性吊具９を型材１０の外側の位置で上から下へ、または左から右へ滑らせて装着する。このとき、目的物が型材の一側面に接触し、弾性吊具９の底面が型材の他側面に接触し、同時に型材に目的物の方向への推力が作用し、目的物と弾性吊具９との間で型材１０を挟み込んで固定し、型材１０と目的物との接続を実現する。

【0026】

弾性吊具は横方向へ押すことによって、目的物を型材１０に接続することを実現できる。図６に示すように、まず、連結板１を接続部材によって目的物に固定的に接続する。次に、目的物を取り付けた弾性吊具９を型材の方向に水平に押す。弾性吊具９の下部の圧着縁が型材１０に接触するまで押し込むと、型材１０が圧着縁を介して弾性吊具９に上向きの推力を与え、弾性吊具９が弾性変形する。弾性吊具９を押し続け、圧着縁が型材１０から離れると、弾性吊具９自身の弾性の作用により、弾性吊具９の底部の圧着縁が型材１０に目的物に向けて推力を与え、型材１０を弾性吊具９と目的物の間に固定し、型材１０と目的物の接続を実現する。

【0027】

図７に示すように、型材１０が弾性吊具９と目的物の間に固定されると、弾性押圧板７と円弧状板６の下部の湾曲板８が型材１０に推力を及ぼし、それによって型材１０と目的物の接続が実現される。

【0028】

本発明の弾性吊具について、上記で詳しく説明した。本書は具体的な実施例を用いて、本発明の原理および使用方法・実施方式を説明したが、上記の説明は、本発明の方法およびその核心的な考え方を理解するために過ぎない。当業界の専門技術者であれば、本発明の原理から逸脱することなく、本発明に対して若干の改良および変更を行うことができ、これらの改良および変更も本発明の特許請求の保護範囲内であることに留意すべきである。公開された実施例に関する説明により、当業界の技術者は本発明を使用することができる。これらの実施例に対する様々な修正は、当業界の専門技術者にとって簡易であり、本書で定義された一般原理は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施例で実現することができる。従って、本発明は、本書に示されるこれらの実施例に限定されるものではなく、本書に開示される原理および新たな特徴と一致する最も広い範囲に従う。

【符号の説明】

【0029】

１ 連結板、２ 位置決め板、３ 補強リブ、４ 弾性連結板、５ 連結穴、６ 円弧状板、７ 弾性押圧板、８ 湾曲板、９ 弾性吊具、１０ 目的物。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【国際調査報告】