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特表2024-511829充電可能なハイブリッド車両のエンジンおよびレンジエクステンダーを有するハイブリッド車両のエンジンの潤滑
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  • 特表-充電可能なハイブリッド車両のエンジンおよびレンジエクステンダーを有するハイブリッド車両のエンジンの潤滑 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】充電可能なハイブリッド車両のエンジンおよびレンジエクステンダーを有するハイブリッド車両のエンジンの潤滑
(51)【国際特許分類】
   C10M 169/04 20060101AFI20240308BHJP
   C10M 139/00 20060101ALN20240308BHJP
   C10N 20/02 20060101ALN20240308BHJP
   C10N 20/00 20060101ALN20240308BHJP
   C10N 10/12 20060101ALN20240308BHJP
   C10N 40/25 20060101ALN20240308BHJP
   C10N 30/08 20060101ALN20240308BHJP
【FI】
C10M169/04 ZHV
C10M139/00 Z
C10N20:02
C10N20:00 A
C10N10:12
C10N40:25
C10N30:08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560265
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 EP2022058431
(87)【国際公開番号】W WO2022207715
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】2103252
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522232558
【氏名又は名称】トタルエナジーズ ワンテク
【氏名又は名称原語表記】TOTALENERGIES ONETECH
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】ビュレット,ゴーチエ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥボール,ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】セナール,ダヴィド
【テーマコード(参考)】
4H104
【Fターム(参考)】
4H104BA07A
4H104BB31A
4H104BJ07C
4H104DA02A
4H104EA02A
4H104EA02Z
4H104EA04Z
4H104EB05
4H104EB08
4H104FA06
4H104LA04
4H104PA41
(57)【要約】
本明細書は、少なくとも1つの基油と、1~1000 ppmの少なくとも1つの摩擦調整添加剤と、0.1~10重量%の粘度指数を向上させる少なくとも1つのポリマーとを含む、SAEJ300分類にしたがった0W-8グレードの潤滑剤組成物の使用に関しており、前記潤滑剤組成物は、充電可能なハイブリッド車両のエンジンまたはレンジエクステンダーを有するハイブリッド車両のエンジンの潤滑のために、20mm/s以下の、ASTM D445規格にしたがって40℃で測定される動粘度と、5mm/sより低い、ASTM D445規格にしたがって100℃で測定される動粘度と、10~85%、好ましくは25~85%、より好ましくは60~85%の、CEC-L-40-A-93規格にしたがって250℃で測定されるNoack揮発性とを有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの基油と、少なくとも1つの摩擦調整添加剤と、0.1~10重量%の粘度指数を向上させる少なくとも1つのポリマーとを含む、SAEJ300分類にしたがった0W-8グレードの潤滑剤組成物の使用であって、前記潤滑剤組成物が、充電可能なハイブリッド車両のエンジンまたはレンジエクステンダーを有するハイブリッド車両のエンジンの潤滑のために、20mm/s以下の、ASTM D445規格にしたがって40℃で測定される動粘度と、5mm/sより低い、ASTM D445規格にしたがって100℃で測定される動粘度と、10~85%、好ましくは25~85%、より好ましくは60~85%の、CEC-L-40-A-93規格にしたがって250℃で測定されるNoack揮発性とを有する、潤滑剤組成物の使用。
【請求項2】
基油が、1~4mm/s、好ましくは2~3.5mm/sの、ASTM D445規格にしたがって、100℃で測定される動粘度を有する、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
潤滑剤組成物が、潤滑剤組成物の総重量との関係において0.5~4.0重量%の分散剤、好ましくは1~2.5重量%の分散剤を含む、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
ASTM D445規格にしたがって、40℃で測定される動粘度が、10~20mm/s、好ましくは11~15mm/sである、請求項1から3のいずれか一つに記載の使用。
【請求項5】
本発明の組成物の、ASTM D445規格にしたがって、100℃で測定される動粘度が、1~5mm/s、好ましくは2.5~5mm/sである、請求項1から4のいずれか一つに記載の使用。
【請求項6】
潤滑剤組成物が、潤滑剤組成物の総重量との関係において50~95重量%、好ましくは70~90重量%の基油を含む、請求項1から5のいずれか一つに記載の使用。
【請求項7】
潤滑剤組成物が、潤滑剤組成物の総重量との関係において0.01~10重量%または0.01~5重量%、好ましくは0.01~2重量%、より好ましくは0.1~1.5重量%または0.1~2重量%の摩擦調整添加剤を含む、請求項1から6のいずれか一つに記載の使用。
【請求項8】
摩擦調整添加剤が、モリブデン系である、請求項1から7のいずれか一つに記載の使用。
【請求項9】
充電可能なハイブリッド車両のエンジンまたはレンジエクステンダーを有するハイブリッド車両のエンジンを潤滑するための方法であって、エンジンの少なくとも1つの機械部品を、少なくとも1つの基油と、少なくとも1つの摩擦調整添加剤と、0.1~10重量%の粘度指数を向上させる少なくとも1つのポリマーとを含む、SAEJ300分類にしたがった0W-8グレードの潤滑剤組成物と接触させることを含み、潤滑剤組成物が、15より低い、ASTM D445規格にしたがって40℃で測定される動粘度と、5より低い、ASTM D445規格にしたがって100℃で測定される動粘度と、10~85%、好ましくは25~85%、より好ましくは60~85%の、CEC-L-40-A-93規格にしたがって250℃で測定されるNoack揮発性とを有する、方法。
【請求項10】
充電可能なハイブリッド車両またはレンジエクステンダーを有するハイブリッド車両の燃料消費量を低減するための方法であって、エンジンの少なくとも1つの機械部品を、少なくとも1つの基油と、少なくとも1つの摩擦調整添加剤と、0.1~10重量%の粘度指数を向上させる少なくとも1つのポリマーとを含む、SAEJ300分類にしたがった、0W-8グレードの潤滑剤組成物と接触させることを含み、潤滑剤組成物が、15より低い、ASTM D445規格にしたがって40℃で測定される動粘度と、5より低い、ASTM D445規格にしたがって100℃で測定される動粘度と、10~85%、好ましくは25~85%、より好ましくは60~85%の、CEC-L-40-A-93規格にしたがって250℃で測定されるNoack揮発性とを有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電可能なハイブリッド車両タイプおよびレンジエクステンダーを有するハイブリッド車両のハイブリッド車両のエンジンの潤滑に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車両は、2つの動力源、内燃機関と電動機とを有する。たいていのハイブリッド車両において、内燃機関が車輪を駆動し、そして電動機によって補助される。バッテリは、電動機の作動に必要な電気を供給し、従来のハイブリッド車両におけるこのバッテリは、車両内に組み込まれる運動エネルギー回生システム(KERS)によってブレーキング段階中および減速段階中に充電される。
【0003】
ハイブリッド車両のための様々な科学技術が存在する。これらのハイブリッド科学技術の中で、詳細には以下を挙げることができる:
- マイクロハイブリッド車両(ライトハイブリダイゼーションとも呼ばれる)であって、「ストップ&スタート」システムを備えたこれらの車両は、ブレーキングによって発生するエネルギーを回収してバッテリを充電し、バッテリは内燃機関を一時的に補助することができる、
- 加速中の電動アシストを含むマイルドハイブリッド車両、
- フルハイブリッド車両は、完全なハイブリダイゼーションを有する車両である。低速時、バッテリが充電されるとき、電動機が始動および原動力を担う。高速時、またはバッテリが放電するとき、(例えば加速のために)増加した出力が必要であるときには、内燃機関が引き継ぎ、2つの動力源が共に動作する。したがって、内燃機関が停止した状態で数キロメートル運転することが可能である。
【0004】
他の補足的な科学技術、つまり充電可能なハイブリッド車両およびレンジエクステンダーを有するハイブリッド車両が、近年開発されている。充電可能なハイブリッド車両(プラグイン車両とも呼ばれる)は、内燃機関および電動機を有しており、バッテリは配電網で充電されることができ、これらの車両はしたがって、数十キロメートル、例えば50キロメートルの距離にわたって、100%電気モードで駆動されることができる。レンジエクステンダーを有するハイブリッド車両においては、電動機だけが車輪を駆動する。この電動機は、数十キロメートルの間バッテリによって電力を供給される。バッテリが一定の充電閾値(例えばおおよそ30%)に達すると、内燃機関が始動して電流発生器を駆動し、バッテリの充電および電動機の動作の保持のために必要な電気を作り出すことを可能にする。
【0005】
これらの2つのタイプのハイブリッド車両において、内燃機関は、他のタイプのハイブリッド車両のエンジンと比べて、使用頻度がより低く、したがってより低い温度(およそ40℃またさらにはそれよりも低い温度)で動作する。しかしながら低温では、従来の潤滑剤組成物はより粘性があり、また添加剤は、より高い温度での従来の適用例におけるほど活性がない。現行の潤滑剤は、エンジンが熱いときに燃料消費量における利益を得るように最適化されている。
【0006】
したがって、前記モータリゼーションシステムの潤滑、詳細にはより低温での潤滑を可能にする具体的な潤滑剤組成物を提供することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一つの目的は、充電可能なハイブリッド車両のエンジンまたはレンジエクステンダーを有するハイブリッド車両のエンジンの潤滑を可能にする潤滑剤組成物を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、低い動作温度、詳細には40℃より低い動作温度での使用を可能にする前記潤滑剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの目的は、少なくとも1つの基油と、0.01~10重量%の少なくとも1つの摩擦調整添加剤と、0.1~10重量%の少なくとも1つの粘度指数(VI)向上剤とを含む、SAEJ300分類にしたがった0W-8グレードの潤滑剤組成物の使用に関する本明細書によって果たされ、前記潤滑剤組成物は、充電可能なハイブリッド車両のエンジンまたはレンジエクステンダーを有するハイブリッド車両のエンジンの潤滑のために、20mm/s以下の、40℃で測定される動粘度(KV40)と、5mm/s以下の、100℃で測定される動粘度(KV100)と、10~85%、好ましくは25~85%、より好ましくは60~85%の、250℃で測定されるNoack揮発性とを有する。
【0010】
好ましくは、基油(または複数の基油がある場合、基油の混合物)は、1~4mm/s、好ましくは2~3.5mm/sのKV100を有する。
【0011】
基油の粘度KV100はまた、Base Oil Viscosity-BOVとしても知られている。
【0012】
基油の混合物がある場合、基油の混合物のKV100(vM)は、以下のように計算され、例えば2つの基油の混合物について:
【数1】
であって、式中、
x%BO 1は、基油1の%であり、
x%BO 2は、基油2の%であり、
BO 1は、混合物1の粘度であり、
BO 2は、混合物2の粘度であり、
は、混合物の粘度であり、
n個の基油の混合物のために、同じ方程式が使用および外挿されることができる。
【0013】
好ましくは、本発明の組成物は、少なくとも1つの分散剤を含む。前記分散剤は、潤滑剤組成物の使用中の時に形成される二次酸化生成物の不溶性固体汚染物質を懸濁状態に維持しそして排除することを確実にする。このような分散剤は、マンニッヒ塩基、スクシンイミドおよびそれらの誘導体、例えばポリイソブチレン無水コハク酸誘導体、ポリオレフィンアミドアルケンアミンポリオール、の中から選択され得る。
【0014】
好ましくは、本発明の組成物は、潤滑剤組成物の総重量との関係において0.5~4.5重量%の分散剤、好ましくは1~2.5重量%の分散剤を含む。
【0015】
KV40およびKV100は、ASTM D445規格にしたがって測定される。好ましくは、本発明の組成物のKV40は、20以下、好ましくは10~20mm/s、好ましくは11~15mm/sである。好ましくは、本発明の組成物のKV100は、1~5mm/s、好ましくは2.5~5mm/sである。
【0016】
250℃でのNoack揮発性は、CEC L-40-A-93方法にしたがって測定される。好ましくは、本発明の潤滑剤組成物の250℃でのNoack揮発性は、10~85%、好ましくは25~85%、より好ましくは60~85%である。
【0017】
好ましくは、潤滑剤組成物は、潤滑剤組成物の総重量との関係において50~95重量%、好ましくは70~90重量%の基油を含む。
【0018】
好ましくは、潤滑剤組成物はまた、少なくとも1つの、粘度指数(VI)を向上させる添加剤を含むこともできる。粘度指数向上剤、詳細には粘度指数を向上させるポリマーは、良好な冷間始動特性および高温での最小の粘度を保証することができる。粘度指数を向上させるポリマーの例として、ポリマーエステル、スチレン、ブタジエンおよびイソプレンの水素化または非水素化ホモポリマーまたはコポリマー、エチレンまたはプロピレンなどのオレフィンのホモポリマーまたはコポリマー、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート(PMA)、好ましくは、エチレンまたはプロピレンなどのオレフィンのコポリマー、ホモポリマー、またはポリメタクリレートを挙げることができる。
【0019】
詳細には、本発明の潤滑剤組成物は、潤滑剤組成物の総重量との関係において1~15重量%、好ましくは5~10重量%の、単数または複数の粘度指数を向上させる添加剤を含むことができる。
【0020】
好ましくは、本発明の潤滑剤組成物は、少なくとも1つの摩擦調整添加剤を含む。摩擦調整添加剤は、接触金属表面の表面上に吸着する単分子層を形成することによって摩擦を制限することを可能にする。摩擦調整添加剤は、金属元素を提供する化合物および無灰化合物の中から選択され得る。金属元素を提供する化合物の中から、その配位子が酸素、窒素、硫黄またはリンの原子を含む炭化水素化合物であり得るMo、Sb、Sn、Fe、Cu、Znなどの遷移金属の錯体を挙げることができる。無灰摩擦調整添加剤は概して有機由来であり、また、本発明において要求されるモノエステルとは異なる脂肪酸とポリオールのエステル、アルコキシル化アミン、アルコキシル化脂肪族アミン、脂肪族エポキシド、脂肪族エポキシドのホウ酸塩、脂肪族アミンまたは脂肪酸グリセロールエステルの中から選択され得る。本発明において、脂肪族化合物は、10~24個の炭素原子を持つ少なくとも1つの炭化水素基を含む。詳細には、モリブデン系化合物は、モリブデンジチオカルバメート(Mo―DTC)、モリブデンジチオホスフェート(Mo―DTP)、およびそれらの混合物の中から選択され得る。有利には、本発明の潤滑剤組成物は、潤滑剤組成物の総重量との関係において0.01~10重量%、または0.01~5重量%、より好ましくは0.01~2重量%、さらに好ましくは0.1~1.5重量%または0.1~2重量%の摩擦調整添加剤を含むことができる。
【0021】
本発明の潤滑剤組成物におけるモリブデン(Mo)は、有機モリブデン化合物、詳細にはモリブデンジチオカルバメート誘導体(MoDTC)、モリブデンジチオホスフェート誘導体(MoDTP)または硫黄を含まないモリブデン錯体の中から選択される化合物、好ましくはモリブデンジチオカルバメート誘導体(MoDTC)によって提供される。
【0022】
モリブデンジチオカルバメート化合物(MoDTC化合物)は、アルキルジチオカルバメート基の中から独立して選択された単数または複数の配位子に結合された金属コアで形成された錯体である。本発明において使用される組成物のMoDTC化合物は、MoDTC化合物の総重量との関係において0.01~5重量%、好ましくは0.1~1.5重量%のモリブデンを含むことができる。
【0023】
好ましくは、本発明の組成物は、モリブデン系摩擦調整添加剤を含み、また好ましくは、潤滑剤組成物の重量との関係において1~1000ppm、好ましくは400~600ppmのMoを含む(活性含有量)。
【0024】
本発明において、充電可能なハイブリッド車両(プラグインハイブリッドとも呼ばれる)とは、内燃機関および電動機を有する車両を意味し、バッテリは配電網で充電されることができ、この車両はしたがって、数十キロメートルの距離にわたって、例えば50キロメートルの間、100%電気モードで駆動されることができる。
【0025】
本発明において、レンジエクステンダーを有するハイブリッド車両とは、電動機だけが車輪を駆動するハイブリッド車両を意味する。この電動機は、数十キロメートルにわたってバッテリによって電力を供給される。バッテリが一定の充電閾値(例えばおおよそ30%)に達すると、内燃機関が始動して電流発生器を駆動し、バッテリの充電および電動機の動作の保持のために必要な電気を作り出すことを可能にする。
【0026】
とりわけ有利には、本発明の潤滑剤組成物の使用は、充電可能なハイブリッド車両またはレンジエクステンダーを有するハイブリッド車両について、他のハイブリッドモータリゼーションシステムにおけるよりもはるかに大きい、消費量の低減を獲得することを可能にする。
【0027】
本発明の組成物の使用はまた、従来の潤滑剤に比べて、レンジエクステンダーおよびプラグインハイブリッドタイプの車両で証明されるような、燃料経済性(FE)におけるより大きな利益も提供する。
【0028】
本発明の潤滑剤組成物中に使用される基油は、API分類により定義されたクラス(またはATIEL分類におけるその等価物)(表A)におけるI群からV群に属する、任意に再生された、鉱油または合成由来の油またはそれらの混合物であり得る。
【0029】
【表1】
【0030】
本発明の鉱物系基油には、原油の常圧蒸留および真空蒸留とそれに続く溶媒抽出、脱歴、溶剤脱ろう、水素化処理、水素化分解、水素異性化および水素化仕上げなどの精製作業によって得られるすべてのタイプの基剤が含まれる。
【0031】
任意に再生された、合成油と鉱油との混合物も使用可能である。
【0032】
本発明の潤滑剤組成物を調製するための様々な潤滑剤基剤の使用に関しては、それらが、車両のエンジンまたはトランスミッションにおける使用に適している特性、詳細には、粘度、粘度指数、硫黄含有量、耐酸化性に関する特性を有していなければならないという点を除いて、概して制限は全く無い。
【0033】
本発明の潤滑剤組成物の基油はまた、合成油、例えばカルボン酸とアルコールの特定のエステルの中から、およびポリアルファオレフィンの中から選択され得る。基油として使用されるポリアルファオレフィンは例えば、例えばオクテンまたはデセンなどの、4~32個の炭素原子を持つモノマーあって、かつASTM D445規格にしたがって1.5~15mm/sの100℃での粘度を有するモノマーから得られる。その平均分子量は概して、ASTM D5296規格にしたがって250~3000である。
【0034】
本発明の潤滑剤組成物は、組成物の総重量との関係において少なくとも50重量%の基油を含み得る。より有利には、本発明の潤滑剤組成物は、組成物の総重量との関係において少なくとも60重量%、さらには少なくとも70重量%の基油を含む。さらに特に有利には、本発明の潤滑剤組成物は、組成物の総重量との関係において75~95重量%の基油を含む。
【0035】
本発明はまた、少なくとも1つの本発明の潤滑剤組成物、少なくとも1つの基油および少なくとも1つの添加剤を含む、車両のエンジン用の潤滑剤組成物も提供する。
【0036】
多数の添加剤が、本発明のこの潤滑剤組成物のために使用されることができる。
【0037】
本発明の潤滑剤組成物のための好ましい添加剤は、洗浄添加剤、耐摩耗添加剤、極圧添加剤、流動点改善剤、消泡剤、増粘剤およびそれらの混合物の中から選択される。
【0038】
好ましくは、本発明の潤滑剤組成物は、少なくとも1つの耐摩耗添加剤、少なくとも1つの極圧添加剤またはそれらの混合物を含む。
【0039】
耐摩耗添加剤および極圧添加剤は、摩擦面を、これらの表面上に吸着された保護膜を形成することによって保護する。
【0040】
さまざまな耐摩耗添加剤が存在する。好ましくは、本発明の潤滑剤組成物用として、耐摩耗添加剤は、例えばアルキルチオリン酸金属、詳細にはアルキルチオリン酸亜鉛、そしてより詳細にはジアルキルジチオリン酸亜鉛つまりZnDTPなどのリン-硫化添加剤の中から選択される。好ましい化合物は、式Zn((SP(S)(OR)(OR))を有し、式中、RおよびRは、同一のまたは異なるもののいずれかであり、それぞれが独立して、アルキル基、好ましくは1~18個の炭素原子を持つアルキル基である。
【0041】
アミンホスフェートもまた、本発明の潤滑剤組成物中で使用可能な耐摩耗添加剤である。しかしながら、これらの添加剤により提供されるリンは、これらの添加剤が灰分を生成することから、自動車の触媒系にとっては毒として作用し得る。これらの効果は、リンを提供しない添加剤、例えばポリスルフィド詳細には硫黄含有オレフィンでアミンホスフェートを部分的に置換することによって最小限に抑えることができる。
【0042】
有利には、本発明の潤滑剤組成物は、潤滑剤組成物の総重量との関係において、0.01~6重量%、好ましくは0.05~4重量%、そしてより好ましくは0.1~2重量%の耐摩耗添加剤および極圧添加剤を含むことができる。
【0043】
有利には、本発明の潤滑剤組成物は、少なくとも1つの酸化防止添加剤を含むことができる。
【0044】
酸化防止添加剤は概して、使用中の潤滑剤組成物の劣化を遅延させることを可能にする。この劣化は、とりわけ、付着物の形成、スラッジの存在、または潤滑剤組成物の粘度上昇となって現れる。
【0045】
酸化防止添加剤は、詳細には、ラジカル阻害物質またはヒドロペルオキシド分解剤として作用する。頻繁に使用される酸化防止添加剤の中から、フェノール系酸化防止添加剤、アミン系酸化防止添加剤、硫黄-リン系酸化防止添加剤を挙げることができる。これらの酸化防止添加剤のいくつか、例えば硫黄-リン系酸化防止添加剤は、灰分を生成し得る。フェノール系酸化防止添加剤は、無灰である可能性もあるし、または中性または塩基性金属塩の形態をしている可能性もある。酸化防止添加剤は、詳細には、立体障害フェノール、立体障害フェノールエステル、およびチオエーテル架橋を含有する立体障害フェノール、ジフェニルアミン、少なくとも1つのC~C12アルキル基で置換されたジフェニルアミン、N,N’-ジアルキル-アリール-ジアミン、およびそれらの混合物の中から選択され得る。
【0046】
好ましくは、本発明において、立体障害フェノールは、少なくとも1つの、アルコール官能基を担持する炭素に隣接する炭素が、少なくとも1つのC~C10アルキル基、好ましくはC~Cアルキル基、より好ましくはCアルキル基によって、好ましくはtert-ブチル基によって置換されているフェノール基を含む化合物の中から選択される。
【0047】
アミン化合物は、任意にフェノール系酸化防止添加剤と組合わせて使用可能である、別のクラスの酸化防止添加剤である。アミン化合物の例としては、芳香族アミン、例えば、式NRの芳香族アミンであり、ここで式中、Rが任意に置換された芳香族基または脂肪族基であり、Rは任意に置換された芳香族基であり、Rは水素原子、アルキル基、アリール基または式RS(O)の基であり、ここでRはアルキレン基またはアルケニレン基であり、Rはアルキル基、アルケニル基またはアリール基であり、zは0、1または2である。
【0048】
硫化アルキルフェノール、またはそのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を、酸化防止添加剤として使用することもできる。
【0049】
別のクラスの酸化防止添加剤は、銅化合物、例えばチオリン酸銅またはジチオリン酸銅、銅塩およびカルボン酸塩、ジチオカルバミン酸銅、スルホン酸銅、石炭酸銅、アセチルアセトン酸銅のクラスである。銅I塩および銅II塩、コハク酸塩または無水コハク酸塩もまた使用することができる。
【0050】
本発明における潤滑剤組成物は、当業者にとって公知のあらゆるタイプの酸化防止剤を含み得る。
【0051】
有利には、潤滑剤組成物は少なくとも1つの無灰酸化防止添加剤を含む。
【0052】
また有利には、本発明の潤滑剤組成物は、組成物の総重量との関係において0.1~2重量%の少なくとも1つの酸化防止添加剤を含む。
【0053】
本発明の潤滑剤組成物はまた、少なくとも1つの洗浄添加剤も含むことができる。
【0054】
洗浄添加剤は概して、二次酸化生成物および燃焼生成物を溶解させることにより、金属部品の表面上の付着物の形成を低減することを可能にする。
【0055】
本発明の潤滑剤組成物中で使用可能な洗浄添加剤は、概して、当業者にとって公知のものである。洗浄添加剤は、長い親油性炭化水素鎖と親水性頭部とを含むアニオン化合物であり得る。関連するカチオンは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の金属カチオンであり得る。
【0056】
洗浄添加剤は、好ましくは、カルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、スルホネート、サリチレート、ナフテネートならびにフェネート塩の中から選択される。アルカリ金属およびアルカリ土類金属は好ましくは、カルシウム、マグネシウム、ナトリウムまたはバリウムである。
【0057】
これらの金属塩は概して、化学量論量で、または余剰量で、すなわち化学量論量よりも多い量で金属を含む。それらは、この場合は、過塩基性洗浄添加剤である;洗浄添加剤に対して過塩基性を付与する余剰の金属は、この場合、概して例えばカーボネート、ヒドロキシド、オキサレート、アセテート、グルタメートなどの、好ましくはカーボネートの油中で不溶性の金属塩の形態をしている。
【0058】
有利には、本発明の潤滑剤組成物は、潤滑剤組成物の総重量との関係において0.5~8重量%、または2~4重量%の洗浄添加剤を含むことができる。
【0059】
また有利には、本発明の潤滑剤組成物は、少なくとも1つの流動点降下添加剤を含むことができる。
【0060】
パラフィン結晶の形成を減速させることにより、流動点降下剤は概して、本発明の潤滑剤組成物の冷間始動挙動を改善する。
【0061】
流動点降下添加剤の例としては、アルキルポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアリールアミド、ポリアルキルフェノール、ポリアルキルナフタレン、アルキル化ポリスチレンを挙げることができる。
【0062】
本発明は、充電可能なハイブリッド車両のエンジンまたはレンジエクステンダーを有するハイブリッド車両のエンジンを潤滑するための方法に関しており、該方法は、エンジンの少なくとも1つの機械部品を、少なくとも1つの基油と、少なくとも1つの摩擦調整添加剤と、0.1~10重量%の粘度指数を向上させる少なくとも1つのポリマーとを含む、SAEJ300分類にしたがった0W-8グレードの潤滑剤組成物と接触させることを含み、潤滑剤組成物は、20mm/sより低いKV40と、5mm/sより低いKV100と、10~85%、好ましくは25~85%、より好ましくは60~85%の、250℃でのNoack揮発性とを有する。
【0063】
潤滑剤組成物は、好ましくは上記で定義されている通りである。
【0064】
本発明はまた、充電可能なハイブリッド車両またはレンジエクステンダーを有するハイブリッド車両の燃料消費量を低減するための方法にも関しており、該方法は、エンジンの少なくとも1つの機械部品を、少なくとも1つの基油と、少なくとも1つの摩擦調整添加剤と、0.1~10重量%の粘度指数を向上させる少なくとも1つのポリマーとを含む、SAEJ300分類にしたがった0W-8グレードの潤滑剤組成物と接触させることを含み、潤滑剤組成物は、20mm/s以下のKV40と、5mm/sより低いKV100と、10~85%、好ましくは25~85%、より好ましくは60~85%の、250℃でのNoack揮発性とを有する。
【0065】
組成は、好ましくは上記で定義されている通りである。
【0066】
本発明は、後続の実施例を用いて以下に記述されることになるが、それらは決して限定的なものではない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】WLTC試験中のエンジン速度(右側の軸、単位はrpm)および潤滑剤の温度(左側の軸、単位は℃)における傾向を示している。
【発明を実施するための形態】
【0068】
実施例1:本発明の組成物および比較用組成物
以下の潤滑剤組成物(CCは比較用組成物、CLは本発明の組成物)が調製された。
【0069】
【表2】
【0070】
実施例2:WLTCサイクルの消費量の節約
実施例1における組成物は、燃料消費量における節約を決定するために、WLTC試験(またはWLTP-Worldwide Harmonized Light Vehicles Test Procedure、乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法)にしたがってハイブリッド利用のためのシミュレーションを受けた。
【0071】
これについて、トルクセンサがエンジン部品の動きにより生成される摩擦トルクの測定を可能にする一方で、550~2800rpmの回転速度を作り出す発電機によって駆動される、5600rpmで108kWの出力を有する、駆動される日産エクストレイル MR20エンジンを有するテストベッドで、実施例1中に記述された様々な潤滑剤組成物の摩擦試験(FMEP=Friction Mean Effective Pressure、摩擦平均有効圧力)が実施された。試験対象の潤滑剤組成物によって誘発される摩擦トルクを、各温度での各平均トルクについてかつ各エンジン速度について、試験対象の潤滑剤組成物のそれぞれの前後で評価された基準潤滑剤組成物(SAE 0W16)によって誘発されるものと比較した。
【0072】
摩擦トルクの低減値が高ければ高いほど、潤滑剤組成物はエンジン内で発生する摩擦を低減させることがより可能となる。
【0073】
この試験の条件は、以下の通りであった。
【0074】
試験は、以下の順序で実施された:
- 1回のすすぎを含む潤滑油用洗浄添加剤でのエンジンのすすぎと、それに続く、基油の総重量との関係において81.7重量%の基油、17.8重量%の通常の添加剤(4.4%の粘度指数向上剤、0.5%の酸化防止剤、0.20%の流動点降下剤および12.7%の添加剤パッケージ)、および0.05重量%のモリブデンジチオカルバメート(MoDTC)を含む0W-12グレードの基準潤滑剤組成物での2回のすすぎ;
- 基準潤滑剤組成物を使用するエンジンについての、下記で表示されている2つの異なる温度での摩擦トルクの測定;
- 1回のすすぎを含む潤滑油用洗浄添加剤でのエンジンのすすぎと、それに続く、評価すべき潤滑剤組成物での2回のすすぎ;
- 評価すべき潤滑剤組成物を使用するエンジンについての、2つの異なる温度での摩擦トルクの測定;
- 1回のすすぎを含む潤滑油用洗浄添加剤でのエンジンのすすぎと、それに続く基準潤滑剤組成物での2回のすすぎ;および
- 基準潤滑剤組成物を使用するエンジンについての、下記で表示される2つの異なる温度での摩擦トルクの測定。
【0075】
速度範囲、速度変動および温度は、WLTCサイクルを代表するものとなるように、日産との合意の上で選択された。
【0076】
従った指示は以下の通りであった:
- エンジン出力端における水温:30℃/50℃/80℃+/-0.5℃
- ガソリン温度勾配:50℃/80℃+/-0.5℃
【0077】
結果は、以下の表3に示されており、(試験のこの部分のための比較点および標準油として使用される、日産ストロングセーブ X 0W-16オイルと比較した)実施例1における組成物用の温度およびエンジン速度に応じた、%で表される摩擦の低減を示している。
【0078】
【表3】
【0079】
平行して、前述のステップで言及されたものと同じエンジンを有する車両におけるWLTC試験もまた、前記サイクルを通しての燃料消費量および油の温度の明白な測定のために実施された。この走行試験は、ただ1つの基準潤滑剤、上述のFMEP試験用の基準を定めるために使用されたものと同じもの:図1中のグラフによる日産ストロングセーブ X 0W-16オイルを用いて実施された。
【0080】
したがって、油の温度および燃料消費量のレベルが、日産エクストレイル MR20エンジンでWLTCサイクルにしたがって測定された。様々な出力レベルの電動アシストが、(複数のタイプのハイブリダイゼーションを表す)1kWから35kWまで考慮された。
【0081】
これについて、1kWまたは2kWの出力は、ライトハイブリダイゼーションタイプ(それぞれマイクロハイブリッドとマイルドハイブリッド)の電動アシストを表している。
【0082】
5kWの出力は、フルハイブリッド車両の電動アシストを表している。
【0083】
最後に、18kWまたは33kWの出力は、最も進歩したハイブリダイゼーションタイプ(それぞれレンジエクステンダーと充電可能な(プラグイン)ハイブリッド)の電動アシストを表している。
【0084】
次に、油の温度および燃料消費量のシミュレーションが、上述のハイブリダイゼーションタイプに応じて、また電力需要が利用可能な電力レベルよりも低いときに内燃機関が停止していることを考慮して、関係している様々なタイプのハイブリッド車両について実行された。これらのシミュレーションは、実施例1中に記述されているような、摩擦係数に関する結果が既に知られている潤滑剤組成物について実施された。
【0085】
最後に、シミュレーションされた油の温度が(摩擦の結果の線形補間によって)投影され、また得られた利益または不利益(得られた摩擦係数の結果)が、燃料消費量に適用された。燃料消費量は、エンジンが動いているときだけ考慮に入れられた。
【0086】
シミュレーションされた油の温度の各トレースラインは、FTT FE[=f(T℃)&エンジン速度(rpm)]の結果の線形補間によって移し替えられ、また利益/不利益率は、燃料消費量の対応する点に適用された。燃料消費量のトレースはその次に、比較対照可能な総合的な燃料経済性性能のレベルを得るために統合された。
【0087】
以下の結果が得られ、これらの結果は、エンジンが実施例1中の組成物を用いて潤滑された場合の燃料の節約を示している。
【0088】
【表4】
【0089】
表4中の結果は、本発明の組成物が、充電可能なハイブリッドシステム(プラグインハイブリッド)およびレンジエクステンダーを有するハイブリッドのために、大幅な燃料節約を可能にすることを示している。それどころか、本発明のこれらの同じ組成物は、他のタイプのハイブリッドモータリゼーションにおいては実質的な低減を可能にしない。これらの結果は、本発明の組成物が、充電可能なハイブリッドモータリゼーションのために、かつレンジエクステンダーを有するハイブリッドモータリゼーションのために、明確に効果があるということを示している。
【0090】
そのうえ、潤滑剤の平均温度が外挿されたのであり、ハイブリッドでない車両のエンジンについては70℃を超え、マイクロハイブリッド車両については60℃を超え、マイルドハイブリッド車両については55℃を超え、フルハイブリッド車両については50℃を超えており、そしてレンジエクステンダーを有するハイブリッド車両および充電可能なハイブリッド車両については40℃を下回っている。
図1
【手続補正書】
【提出日】2023-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの基油と、少なくとも1つの摩擦調整添加剤と、0.1~10重量%の粘度指数を向上させる少なくとも1つのポリマーとを含む、SAEJ300分類にしたがった0W-8グレードの潤滑剤組成物の使用であって、前記潤滑剤組成物が、充電可能なハイブリッド車両のエンジンまたはレンジエクステンダーを有するハイブリッド車両のエンジンの潤滑のために、20mm/s以下の、ASTM D445規格にしたがって40℃で測定される動粘度と、5mm/sより低い、ASTM D445規格にしたがって100℃で測定される動粘度と、10~85%の、CEC-L-40-A-93規格にしたがって250℃で測定されるNoack揮発性とを有する、潤滑剤組成物の使用。
【請求項2】
基油が、1~4mmsの、ASTM D445規格にしたがって、100℃で測定される動粘度を有する、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
潤滑剤組成物が、潤滑剤組成物の総重量との関係において0.5~4.0重量%の分散剤を含む、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
ASTM D445規格にしたがって、40℃で測定される動粘度が、10~20mmsである、請求項1から3のいずれか一つに記載の使用。
【請求項5】
潤滑剤組成物の、ASTM D445規格にしたがって、100℃で測定される動粘度が、1~5mmsである、請求項1から4のいずれか一つに記載の使用。
【請求項6】
潤滑剤組成物が、潤滑剤組成物の総重量との関係において50~95重量%の基油を含む、請求項1から5のいずれか一つに記載の使用。
【請求項7】
潤滑剤組成物が、潤滑剤組成物の総重量との関係において0.01~10重量%または0.01~5重量%の摩擦調整添加剤を含む、請求項1から6のいずれか一つに記載の使用。
【請求項8】
摩擦調整添加剤が、モリブデン系である、請求項1から7のいずれか一つに記載の使用。
【請求項9】
充電可能なハイブリッド車両のエンジンまたはレンジエクステンダーを有するハイブリッド車両のエンジンを潤滑するための方法であって、エンジンの少なくとも1つの機械部品を、少なくとも1つの基油と、少なくとも1つの摩擦調整添加剤と、0.1~10重量%の粘度指数を向上させる少なくとも1つのポリマーとを含む、SAEJ300分類にしたがった0W-8グレードの潤滑剤組成物と接触させることを含み、潤滑剤組成物が、15mm /sより低い、ASTM D445規格にしたがって40℃で測定される動粘度と、5mm /sより低い、ASTM D445規格にしたがって100℃で測定される動粘度と、10~85%の、CEC-L-40-A-93規格にしたがって250℃で測定されるNoack揮発性とを有する、方法。
【請求項10】
充電可能なハイブリッド車両またはレンジエクステンダーを有するハイブリッド車両の燃料消費量を低減するための方法であって、エンジンの少なくとも1つの機械部品を、少なくとも1つの基油と、少なくとも1つの摩擦調整添加剤と、0.1~10重量%の粘度指数を向上させる少なくとも1つのポリマーとを含む、SAEJ300分類にしたがった、0W-8グレードの潤滑剤組成物と接触させることを含み、潤滑剤組成物が、15mm /sより低い、ASTM D445規格にしたがって40℃で測定される動粘度と、5mm /sより低い、ASTM D445規格にしたがって100℃で測定される動粘度と、10~85%の、CEC-L-40-A-93規格にしたがって250℃で測定されるNoack揮発性とを有する、方法。
【国際調査報告】