(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】ミリ波非接触通信用アンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 23/00 20060101AFI20240308BHJP
H01Q 19/30 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
H01Q23/00
H01Q19/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560339
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-10-25
(86)【国際出願番号】 IB2022052980
(87)【国際公開番号】W WO2022208407
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】ギリラージ マントラヴァディ
(72)【発明者】
【氏名】ボジャンナ ジバノヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ウェンチ チェン
【テーマコード(参考)】
5J020
5J021
【Fターム(参考)】
5J020AA04
5J020BA04
5J020BC09
5J021AA05
5J021AA09
5J021AA12
5J021AB03
5J021CA02
5J021FA26
5J021HA10
5J021JA08
(57)【要約】
【解決手段】ミリ波非接触通信のためにアンテナを使用するための方法、システム、及び装置。装置のうちの1つは、通信デバイスであり、通信デバイスは、電気信号を、通信デバイスの第1の表面から実質的に発せられる極高周波(EHF)電磁信号に変換するように構成されたトランスデューサであって、通信デバイスの基板上に位置決めされている、トランスデューサと、基板に結合された集積回路と、を備え、トランスデューサは、アレイ状の複数の並列共振アンテナ素子を含む。
【選択図】
図14A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信デバイスであって、
プリント回路基板と、
該プリント回路基板上に搭載された集積回路パッケージと、を備え、該集積回路パッケージが、
電気信号を、前記集積回路パッケージの第1の表面から実質的に発せられる極高周波(EHF)電磁信号に変換するように構成されたトランスデューサであって、前記集積回路パッケージの基板上に位置決めされている、トランスデューサと、
前記基板に結合されており、前記トランスデューサと電気的に通信するように構成された集積回路と、を備え、
前記トランスデューサが、アレイ状の複数の並列共振アンテナ素子を含み、
前記プリント回路基板が、複数の層を含み、該複数の層が、階段状パターンで切り抜かれている、通信デバイス。
【請求項2】
前記複数の並列共振アンテナ素子が、1つの励振素子及び1つの導波器素子を含む、請求項1に記載の通信デバイス。
【請求項3】
前記複数の並列共振アンテナ素子が、前記励振素子からEHF電磁信号を受信及び放射する複数の非励振素子を含む、請求項1に記載の通信デバイス。
【請求項4】
前記導波器素子が、前記励振素子よりも長さが短く、前記トランスデューサの意図された送信方向の側で前記基板上に位置決めされている、請求項2に記載の通信デバイス。
【請求項5】
前記トランスデューサの反射素子として機能する前記集積回路の接地を更に備え、該接地が、前記導波器素子とは反対の前記励振素子の側に位置決めされている、請求項2に記載の通信デバイス。
【請求項6】
前記集積回路が、前記トランスデューサの反射素子として機能し、前記集積回路が、前記導波器素子とは反対の前記励振素子の側に位置決めされている、請求項2に記載の通信デバイス。
【請求項7】
前記集積回路が、送信機集積回路、受信機集積回路、又はトランシーバ集積回路である、請求項2に記載の通信デバイス。
【請求項8】
トランスデューサであって、
アレイ状の複数の並列共振アンテナ素子を備え、該並列共振アンテナ素子が、電気信号を極高周波(EHF)電磁信号に変換するように構成されている、トランスデューサ。
【請求項9】
前記複数の並列共振アンテナ素子が、1つの励振素子及び1つの導波器素子を含む、請求項8に記載のトランスデューサ。
【請求項10】
前記複数の並列共振アンテナ素子が、前記励振素子からEHF電磁信号を受信及び放射する複数の非励振素子を含む、請求項8に記載のトランスデューサ。
【請求項11】
前記トランスデューサが、基板上に位置決めされており、前記導波器素子が、前記励振素子よりも長さが短く、前記トランスデューサの意図された送信方向の側で前記基板上に位置決めされている、請求項9に記載のトランスデューサ。
【請求項12】
通信デバイスであって、
集積回路パッケージを備え、該集積回路パッケージが、
電気信号を極高周波(EHF)電磁信号に変換するように構成されたトランスデューサであって、前記EHF電磁信号が、前記集積回路パッケージの第1の表面から実質的に発せられ、前記トランスデューサが、前記集積回路パッケージの基板に統合されている、トランスデューサと、
前記基板に結合されており、前記トランスデューサと電気的に通信するように構成された集積回路であって、前記集積回路パッケージの第2の表面に結合されており、該第2の表面が前記第1の表面に平行である、集積回路と、を備え、
前記トランスデューサが、台形形状の導体と、前記トランスデューサの中心線に沿って位置するスロットと、前記トランスデューサの第1の縁部に位置するサイドスロットの第1のセットと、前記トランスデューサの第2の縁部に位置するサイドスロットの第2のセットと、を含む、通信デバイス。
【請求項13】
前記サイドスロットの第1のセット及び前記サイドスロットの第2のセットが、前記トランスデューサの電流経路を増加させ、それにより、広いEHF帯域幅を創出する、請求項12に記載の通信デバイス。
【請求項14】
電気信号を極高周波(EHF)電磁信号に変換するように構成された第2のトランスデューサを更に備え、該第2のトランスデューサが、第2の台形形状の導体と、前記トランスデューサの中心線に沿って位置する第2のスロットと、前記第2のトランスデューサの第1の縁部に位置するサイドスロットの第3のセットと、前記第2のトランスデューサの第2の縁部に位置するサイドスロットの第4のセットと、を含み、前記第2のトランスデューサが、前記集積回路パッケージの前記基板に統合されている、請求項12に記載の通信デバイス。
【請求項15】
前記トランスデューサ及び前記第2のトランスデューサが、異なるEHF帯域に対応するように異なるサイズのものである、請求項14に記載の通信デバイス。
【請求項16】
前記トランスデューサ及び前記第2のトランスデューサが、異なる幅のサイドスロットを有する、請求項14に記載の通信デバイス。
【請求項17】
前記トランスデューサによって発せられたEHF電磁信号を反射するように構成された接地面構造を更に備え、該接地面構造が、前記基板の層上にある、請求項12に記載の通信デバイス。
【請求項18】
前記集積回路が、送信機集積回路、受信機集積回路、又はトランシーバ集積回路である、請求項12に記載の通信デバイス。
【請求項19】
トランスデューサであって、
台形形状の導体と、前記トランスデューサの中心線に沿って位置するスロットと、前記トランスデューサの第1の縁部に位置するサイドスロットの第1のセットと、前記トランスデューサの第2の縁部に位置するサイドスロットの第2のセットと、を備え、
前記トランスデューサは、該トランスデューサに供給される電気信号がEHF信号として前記トランスデューサから発せられるように、電気信号を極高周波(EHF)電磁信号に変換するように構成されている、トランスデューサ。
【請求項20】
前記サイドスロットの第1のセット及び前記サイドスロットの第2のセットが、前記トランスデューサの電流経路を増加させ、それにより、広いEHF帯域幅を創出する、請求項19に記載のトランスデューサ。
【請求項21】
前記第1及び第2のスロットのサイズ及び位置が、前記トランスデューサが特定の周波数帯域幅にわたってEHF放射を発するように構成されている、請求項19に記載のトランスデューサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2021年3月31日に出願された、米国特許出願第17/219,864号の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書は、電磁通信に関する。
【0003】
半導体製造及び回路設計技術の進歩により、一層高い動作周波数を有する集積回路(integrated circuit、IC)の開発及び生産が可能になった。次に、高周波集積回路を組み込んだ電子製品及びシステムは、以前の世代の製品よりも高い機能を提供することができる。追加的な機能は、典型的には、一層に高い速度において一層大量のデータを処理することを含んでいる。
【0004】
いくつかのデバイスは、ミリ波非接触接続を使用して通信することができる。例えば、デバイスは各々、ICが搭載され、ミリ波アンテナを使用して通信される信号がICとの間で通信される1つ以上のプリント回路基板(printed circuit board 、PCB)を含み得る。典型的には、デバイスは、デバイス間の通信を容易にするために、特定の方向に配向される。
【発明の概要】
【0005】
本明細書は、信号を送信又は受信するための1つ以上のICパッケージを有する通信モジュール間の非接触通信に関する。ICパッケージは、特定の周波数帯域内、例えば、極高周波(extremely high frequency、EHF)範囲内の信号を送信又は受信するための構造を含む。本明細書は、アンテナ及び導波管設計を含む、そのようなEHF信号を送信又は受信するための様々な構造の設計及び動作を説明する。具体的には、これらの構造は、無線周波数(radio frequency 、RF)信号を特定の方向に方向付けることによって、特定のデバイス配向のために設計することができる。本明細書は更に、ビーム誘導構造をICパッケージに統合するためのプロセス、並びにデュアルチャネル送信及び受信ソリューションのための構成を説明する。
【0006】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載される。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、以下の説明及び図面から、並びに請求項から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】デバイス間のトップファイア通信の実施例を示すブロック図である。
【
図2】デバイス間のエンドファイア通信の実施例を示すブロック図である。
【
図3A】マイクロストリップアンテナを含む例示的なICパッケージの上面図を示す。
【
図3B】帯域通過フィルタを含むマイクロストリップアンテナを示す。
【
図4A】ボウタイアンテナを含む例示的なICパッケージの上面図を示す。
【
図4B】周波数に基づくボウタイアンテナのシミュレートされた反射係数特性のプロットを示す。
【
図4C】周波数に対するボウタイアンテナのシミュレートされたゲイン及び効率のプロットを示す。
【
図5A】スパイラルアンテナを含む例示的なICパッケージの上面図を示す。
【
図5B】スパイラルアンテナを含む例示的なICパッケージの上面図を示す。
【
図5C】スパイラルアンテナの所与の周波数における電流密度のプロットを示す。
【
図6】アンテナ回転に対する信号強度のプロットを示す。
【
図7A】平坦化されたホーンビーム誘導構造を含むICパッケージの斜視図を示す。
【
図7B】平坦化されたホーンビーム誘導構造を含むICパッケージの斜視図を示す。
【
図8A】デバイス間の通信を例解する側面図である。
【
図8B】
図8AのICパッケージによって提供されるシミュレートされたアンテナ放射強度を例解するプロットである。
【
図9】ビームガイド構造をICパッケージに統合するための例示的なプロセスにおけるステップを例解する図である。
【
図10】ビームガイド構造をICパッケージに統合するための別の例示的なプロセスにおけるステップを例解する図である。
【
図11】デュアルバンドアンテナを含む例示的なICパッケージの上面図を示す。
【
図12A】
図11のデュアルバンドアンテナを使用してシミュレートされたリターンロス及びアイソレーションのプロットを示す。
【
図12B】
図11のデュアルバンドアンテナを使用してシミュレートされたアンテナ効率及びゲインのプロットを示す。
【
図13】サイドファイア放射を生成する例示的なスロットアンテナを示す。
【
図14A】八木-宇田アンテナを含む例示的なICパッケージを示す。
【
図15A】
図14Aのアンテナについてシミュレートされた放射パターンのプロットを示す。
【
図15B】
図14Aのアンテナについてシミュレートされたリターンロスのプロットを示す。
【
図16】例示的な単一プローブ導波管ランチャの斜視図を示す。
【
図17】例示的な平衡プローブ導波管ランチャの斜視図を示す。
【
図19A】2つの重ね合わされた導波管ランチャを含む例示的なICパッケージの上面図を示すブロック図である。
【
図20】例示的なICパッケージの側面図を示すブロック図である。
【
図21A】例示的なICパッケージの側面図を示すブロック図である。
【
図22A】例示的なICパッケージの側面図を示すブロック図である。
【
図23A】例示的なICパッケージの上面図を示すブロック図である。
【
図24A】例示的なICパッケージの上面図を示すブロック図である。
【
図25A】例示的なICパッケージの上面図を示すブロック図である。
【
図25C】代替的な反射器構造を有する
図25Aの例示的なICパッケージの側面図を示すブロック図である。
【
図25D】代替的な反射器構造を有する
図25Aの例示的なICパッケージの側面図を示すブロック図である。
【
図26A】例示的なICパッケージの上面図を示すブロック図である。
【
図26C】代替的な導波管ランチャ構造を有する
図26Aの例示的なICパッケージの側面図を示すブロック図である。
【
図27A】例示的なICパッケージの側面図を示すブロック図である。
【
図28A】例示的なICパッケージの側面図を示すブロック図である。
【
図29A】例示的なICパッケージの側面図を示すブロック図である。
【
図30A】隣接周波数チャネルを使用する例示的な2チャネルソリューションの図を示す。
【
図30B】非隣接周波数チャネルを使用する例示的な2チャネルソリューションの図を示す。
【
図30C】単一周波数チャネルを使用する例示的な2チャネルソリューションの図を示す。
【
図30D】例示的な4チャネルソリューションの図を示す。
【
図30E】別の例示的な4チャネルソリューションの図を示す。
【
図31A】フィードを有する例示的な小型一体型導波管ランチャの側面図のブロック図を示す。
【
図32A】フィードを有する例示的な導波管ランチャの側面図のブロック図を示す。
【
図33A】ループフィードを有する例示的な導波管ランチャの側面図のブロック図を示す。
【
図34A】ループフィードを有する例示的な導波管ランチャの上面図のブロック図を示す。
【
図35】2つのフィードを有する例示的な導波管ランチャの側面図のブロック図である。
【
図36】2つのフィードを有する例示的な導波管ランチャの側面図のブロック図である。
【0008】
様々な図面における同様の参照符号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書は、ミリ波非接触通信のための構造及び技法を説明する。具体的には、本明細書は、トップファイア通信のために構成されたアンテナ設計及びエンドファイア通信のために構成されたアンテナ設計を説明する。
【0010】
非接触通信は、デバイス上の構成要素間(例えば、単一デバイス内の異なる集積回路間)の信号通信を提供するために使用され得、又はデバイス間の通信を提供し得る。一実施例では、密結合された送信機/受信機対は、送信機が、第1の伝導経路の終端部分に配設され、受信機が、第2の伝導経路の終端部分に配設された状態で展開され得る。送信機及び受信機は、送信されるエネルギーの強度に応じて互いに近接して配設され得、第1の伝導経路及び第2の伝導経路は、互いに対して連続していなくてもよい。いくつかの実施例では、送信機及び受信機は、送信機/受信機対のアンテナが近接して位置決めされた別個の回路キャリア上に配設され得る。
【0011】
送信機及び/又は受信機は、1つ以上のアンテナ又は導波管がダイに隣接して位置決めされ、誘電体又は絶縁封入又は結合材料によって適所に保持され得る集積回路(integrated circuit、IC)パッケージとして構成され得る。アンテナはまた、リードフレーム基板によって適所に保持され得る。ICパッケージに組み込まれるアンテナ及び導波管の実施例が、図面に示され、以下に説明される。ICパッケージは、単にパッケージと呼ばれ得、また通信ユニット、通信デバイス、通信リンクチップ、通信リンクチップアセンブリ、通信リンクチップパッケージ、及び/又は通信リンクパッケージと様々に呼ばれる非接触通信ユニットの実施例であり、様々な方法で構成され得ることに留意されたい。例えば、ICパッケージ、通信ユニット、通信デバイス、コムリンクチップ、コムリンクチップアセンブリ、コムリンクチップパッケージ、及び/又はコムリンクパッケージは各々、1つ以上のIC、チップ、又はダイを含み、特定の用途に適した回路機能を有し得る。
【0012】
図1は、デバイス間の例示的なトップファイア通信の側面図を示すブロック図である。ミリ波非接触コネクタを通したデバイス間の通信は、典型的には、
図1に示すように、各デバイスの上面を通して行われる。
【0013】
具体的には、
図1は、第1のデバイス102及び第2のデバイス104を示す。デバイスは、短距離非接触通信のために互いに対して位置決めされる。具体的には、第1のデバイス102及び第2のデバイス104の各々は、信号の方向がデバイスの各々の上面に垂直であるように位置決めされる。
【0014】
図2は、デバイス間の例示的なエンドファイア通信の側面図を示すブロック図である。場合によっては、デバイス間の通信は、トップファイアではなくエンドファイア(「サイドファイア」とも呼ばれる)方向である必要があり、例えば、コネクタレスUSBドングルがデバイスに接続される。
【0015】
図2に示すように、第1のデバイス202及び第2のデバイス204は、短距離非接触通信のために互いに対して位置決めされる。しかしながら、
図1に示されるトップファイア通信とは対照的に、第1のデバイス202及び第2のデバイス204の各々は、信号の方向がデバイスの側面に垂直であるように位置決めされる。
【0016】
それぞれのデバイス内のICパッケージの位置決めに対する通信信号の予想される配向に応じて、異なるアンテナ設計を採用して、特定の方向に沿ってICパッケージとの間で信号を方向付けることができる。
【0017】
図3Aは、例示的なICパッケージ300の上面図を示す。ICパッケージ300は、ダイ302と、電気信号と電磁(electromagnetic 、EM)信号との間の変換を提供するアンテナ304とを含む。具体的には、アンテナ304は、ダイ302のための接続を含むICパッケージ300の基板上に位置決めされる。ICパッケージ300は、追加の構造、例えば、ダイ302に含まれる送信機又は受信機回路に接続されたボンドパッドにトランスデューサを電気的に接続する、ボンドワイヤなどの導電性コネクタを含み得る。ICパッケージ300は、ダイ302及び/又はアンテナ304の少なくとも一部分の周りに形成された封入材料306を更に含む。例示的なICパッケージ300では、封入材料306は、ダイ302及びアンテナ304を完全に覆う。ICパッケージ300は、ボール又はリードフレーム、及び成形構成要素を更に含み得る。ICパッケージ300は、ICパッケージ300が搭載されるプリント回路基板(printed circuit board 、PCB)を含む通信デバイスの一部であり得る。通信デバイスは、携帯電話、ラップトップ、タブレットコンピュータ、デスクトップ、テレビ、拡張現実(augmented reality 、AR)デバイス、仮想現実(virtual reality 、VR)デバイス、車両などであり得る。
【0018】
ダイ302は、好適なダイ基板上の回路として構成された任意の好適な構造を含む。いくつかの実装形態では、ダイは、代替として、チップ又は集積回路と呼ばれることがある。ダイ基板は、任意の好適な半導体材料、例えば、シリコンからなり得る。いくつかの実装形態では、ダイ302は、各々実質的に1.0mm~約2.0mmの長さ及び幅寸法を有する。ダイ302は、ダイ302を1つ以上の外部回路に電気的に結合する、
図3に示されていないリードフレームなどの導電体とともに搭載され得る。ダイ302は、ダイ302上の回路とアンテナ304との間のインピーダンス整合を提供するための変圧器を更に含むことができる。
【0019】
アンテナ304は、電磁信号を送信及び/又は受信するように構成されたトランスデューサである。いくつかの実装形態では、アンテナ304は、電磁スペクトルの極高周波(EHF)帯域内の無線周波数、例えば30~300ギガヘルツの周波数を含む無線周波数で動作するように構成されている。ICパッケージ300に示されるように、アンテナ304は、ダイ302から分離されているが、図示しない好適な導体によってダイ302に結合される。
【0020】
アンテナ304は、接地面の上に位置決めされる。接地面は、ICパッケージ300の一部又は全部を覆うことができる。接地面は、アンテナから発せられた信号を反射して、トップファイア通信のためにEHF信号をICパッケージ300に垂直に方向付けるのを助ける材料から形成される。加えて、接地面は、アンテナのインピーダンスを制御するために使用され得る。
【0021】
図3Aに示されるアンテナ304は、差動フィード(給電)マイクロストリップパッチアンテナである。アンテナ304は、中心にスロット312が形成された矩形部分310を含む。矩形部分310には、一対の結合マイクロストリップライン314によって給電される。アンテナ及びフィードラインは、全て1つの層に包含される。
【0022】
スロット312はスタブとして機能し、その長さは広帯域の周波数に整合するようにアンテナのインピーダンスを変えるパラメータとなる。具体的には、インピーダンスは、概ね、スロット幅とともに増加し、逆もまた同様である。その結果、スロットの設計は、アンテナ全体のサイズを小さく保ちながら広帯域性能を促進するために、アンテナのインピーダンス制御パラメータを供する。いくつかの実装形態では、アンテナは、電磁スペクトルの極高周波(EHF)帯域内の無線周波数で電磁信号を送信及び/又は受信するように設計される。例えば、アンテナは、小さい物理的フットプリントを維持しながら、55~65GHzの周波数範囲で10GHzの帯域幅を達成するように構成することができる。特定の所望の帯域幅に応じて、アンテナサイズは、例えば、0.5~1.5mm×0.3~1mmの範囲内とすることができる。しかしながら、共振周波数及び帯域幅は、例えば、アンテナの寸法を変更することによって、特定の用途に合わせて調整することができる。別の実装形態では、アンテナは、52~68GHzの周波数範囲を有する16GHzのより高い帯域幅を達成するように構成することができる。更に別の実装形態では、アンテナは、73~87GHzの周波数範囲を有する14GHzのより高い周波数及び帯域幅を達成するように構成することができる。いくつかの実装形態では、アンテナの実現されたゲインは、達成された帯域幅にわたって5~6dB以内である。
【0023】
差動フィード(給電)マイクロストリップパッチアンテナは、複雑な設計を必要とせず、小さなサイズでEHF通信を提供する。アンテナの広い帯域幅は更に、製造公差内での動作を許容する。更に、上述したように、周波数帯域は、大幅な設計調整なしに設計をスケーリングすることによって調整することができる。
【0024】
封入材料306は、ICパッケージ300の様々な構成要素を固定された相対位置に保持するのを助けるために使用することができる。封入材料306は、ICパッケージ300の構成要素に対して電気絶縁及び物理的保護を提供するように構成された好適な材料から形成され得る。追加的に、封入材料306は、アンテナ304への、又はそこからの信号の通過を妨げない、又は最適化する材料から選択することができる。例えば、封入材料306は、エポキシ、ガラス、プラスチック、又はセラミックからなることができる。封入材料306はまた、任意の好適な形状で形成され得る。例えば、封入材料306は、矩形ブロックの形態であり得、ダイ302を外部回路に接続する導体の任意の非接続端部を除いて、ICパッケージ300の全ての構成要素を封入する。
【0025】
図3Bは、ハイパスフィルタ328を含むパッチアンテナ320を示す。パッチアンテナ320は、アンテナ304と同様であり、ICパッケージ300と同様のICパッケージの基板の一部として実装することができる。具体的には、パッチアンテナ320は、矩形のパッチ部分322と、スロット324と、一対のフィードライン326とを含む。しかしながら、加えて、パッチアンテナ320は、ハイパスフィルタ328も含む。ハイパスフィルタ328は、アンテナ放出をある周波数(例えば、57GHz)未満に低減するために使用される。ハイパスフィルタ328は、アンテナの送信の出力を最適化するためにアンテナ設計に組み込むことができ、ひいては、受信機への入力を最適化することができる。いくつかの代替実装形態では、ハイパスフィルタ328を使用する代わりに、電磁干渉/電磁適合性(electromagneitc interference/electromagnetic commpatibility 、EMI/EMC)コンプライアンス要件に準拠するために、放射された放出の動作帯域幅(operating bandwidth 、OBW)を低減するためのバンドパスフィルタが使用される。
【0026】
図4Aは、例示的なICパッケージ400の上面図を示す。ICパッケージ400は、ダイ402及びスロット付きボウタイアンテナ404を含む。具体的には、ICパッケージ400の基板は、ダイ402及びスロット付きボウタイアンテナ404を含む。ダイ402及び封入材料406を含むICパッケージ400は、
図3AのICパッケージ300と構造が類似している可能性がある。
【0027】
スロット付きボウタイアンテナ404は、一対の結合マイクロストリップライン408によって給電されるボウタイ部分410を含む。ボウタイ部分410は、各々がそれぞれのマイクロストリップラインに結合された一対の実質的に扇形の部分を含む。より具体的には、扇形部分は湾曲縁部を有する。湾曲縁部の各端部は、直線縁部に接合されている。各直線縁部は、マイクロストリップラインの一部分に入射する。直線縁部は、マイクロストリップラインに到達する前にほぼ交差するように互いに接近し得る。代替的には、各直線縁部の(湾曲した縁部に対する)遠位端は、遠位端を結合する第4の縁部と接合し得る。ボウタイ部分410は、一対の湾曲スロット412を更に含む。湾曲スロットは、実質的に互いに平行で、湾曲縁部と同様の曲率角度、又は異なる曲率角度を有する、それぞれの湾曲縁部を有し得る。湾曲部分の残りの辺は、実質的に直線であり得る。
【0028】
スロット付きボウタイアンテナ404は、
図3Aのパッチアンテナ304と同様に、トップファイア使用のために接地面の上に位置決めされる。したがって、例えば、アンテナによって発せられたRF放射の一部分は、接地面によって基板400の底面から反射される可能性がある。ボウタイアンテナ404は、ミリ波帯域用途向けに構成することができる。ボウタイパターンに一体化された湾曲スロット412は、ボウタイアンテナの電気的長さを増加させ、これにより、低い周波数帯域を減少させる。湾曲スロットを有するボウタイパターンは、追加的に、ボウタイアンテナの入力インピーダンス応答を平坦化し、スムーズなインピーダンス整合性能をもたらし、反射係数(S11)特性を向上させる。S11は反射係数であり、アンテナから反射される電力の量(すなわち、リターンロス)を表す。ボウタイアンテナ404は、遠視野放射パターンの指向性を更に改善し、ゲイン性能を大幅に向上させる。
【0029】
図4Bは、周波数に基づくボウタイアンテナ404のシミュレートされた反射係数(S11)特性のプロット420を示す。具体的には、この実施例では、アンテナは55~65GHzの帯域にわたって放射し、共振周波数は実質的に61.5GHzである。
図4Cは、周波数に対するボウタイアンテナ404のシミュレートされたゲイン及び効率のプロット422を示す。ゲインシミュレーションは、55~65GHzの周波数帯域を通して動作するボウタイアンテナが、6dBの平均広帯域ゲインを有することを示す。
【0030】
図5Aは、第1のスパイラルアンテナ設計を含む例示的なICパッケージ500の上面図を示す。ICパッケージ500は、ダイ502及びスパイラルアンテナ504を含む。具体的には、スパイラルアンテナ504は、ダイ502のための接続を含むICパッケージ500の基板上に位置決めされる。基板は、フィード構造を更に含み得る。ダイ502及び封入材料506を含むICパッケージ500は、
図3AのICパッケージ300と構造が類似している可能性がある。追加的に、上述したアンテナと同様に、スパイラルアンテナ504は、トップファイア用途のためのインピーダンス整合及びRF放射の反射を提供する接地面構造の上に位置決めすることができる。
【0031】
図5Bは、第2のスパイラルアンテナ設計を含む例示的なICパッケージ501の上面図を示す。ICパッケージ501は、ダイ510及びスパイラルアンテナ512を含む。具体的には、スパイラルアンテナ512は、ダイ510のための接続を含むICパッケージ501の基板上に位置決めされる。ダイ510及び封入材料514を含むICパッケージ501は、
図3AのICパッケージ300と構造が類似している可能性がある。追加的に、上述したアンテナと同様に、スパイラルアンテナ512は、トップファイア用途のためのインピーダンス整合及びRF放射の反射を提供する接地面構造の上に位置決めすることができる。
【0032】
スパイラルアンテナ504及び512は、上述したアンテナ並びに従来の折り返しダイポールアンテナと同様のサイズで、それぞれのICパッケージの一部分を占めることができる。具体的には、スパイラルアンテナ504は、連続的なピッチを有する例示的なアルキメデススパイラルを例解する。すなわち、アルキメデススパイラルは、原点からのどのような半直線も、スパイラルの連続する曲線と一定の距離を隔てた点で交差するという性質を有している。
【0033】
対照的に、スパイラルアンテナ512は、例示的な対数スパイラルアンテナを例解する。対数スパイラルでは、対数スパイラルの回転間の距離は、幾何学的(例えば、対数的)進行において増加する。
【0034】
スパイラルアンテナは、アルキメデススパイラルアンテナであろうと対数スパイラルアンテナであろうと、高度の円偏波(circular polarization 、CP)を呈するコンパクトな幾何学形状である。したがって、共線的な送信機アンテナ及び受信機アンテナは、相互の軸を中心とした回転とは無関係に強く結合する。これにより、送信デバイス及び受信デバイスの角度アライメントはそれほど重要ではなく、CP特徴が追加されていない回転データリンクを可能にする。すなわち、十分な信号強度を維持しながら、通信中にアンテナを別のデバイスに対して回転させることができる。加えて、ピッチ、相対的な金属充填、及び全体的なスパイラル長さを調整することによって、より長い波長がスパイラルのより大きい直径を励起し、より短い波長がより小さい直径を励起する、非常に広帯域(wideband、WB)(例えば、帯域幅が5GHzを超える)のアンテナをもたらすことができる。
【0035】
図5Cは、スパイラルアンテナのEHF帯域における所与の周波数、例えば60GHzにおける電流密度のプロット530を示す。このプロットは、放出の有効径が周波数に依存するので、スパイラル設計が広い周波数帯域幅をどのように提供するかを例解している。
【0036】
図6は、アンテナ回転に対する信号強度のプロット600を示す。具体的には、
図6は、スパイラルの平面に垂直な軸の周りの回転中に送信するスパイラルアンテナ、例えば、スパイラルアンテナ504又は512の信号強度を示す。このプロットは、送信された信号が、最小の強度変動で360°回転を通して強いままであることを例解する。
【0037】
図7A及び
図7Bは、平坦化されたホーン形状のビーム誘導構造を含むICパッケージのそれぞれの斜視図を示す。
【0038】
図7Aは、平坦化されたホーン形状のビーム誘導構造702を含むICパッケージ700の斜視図を示す。具体的には、ビーム誘導構造702は、例えば、
図3Aに示されるものと同様のICパッケージなど、ICパッケージのアンテナから発せられる、又はアンテナによって受信されるRF信号の所望の送信方向に対して、ICパッケージ700の側面(例えば、上面)に結合される。ビーム誘導構造702は、チャネル間のクロストークを低減する。例えば、
図3Aに示されるようなEHF通信のためのパッチアンテナは、接地面の上に位置決めし、ダイに結合することができる。次に、ビーム誘導構造702は、ビーム誘導構造の開口部がアンテナと重なるように置くことができる。ビーム誘導構造702は、アンテナから放射されるRFエネルギーを集束させ、これにより、別のデバイスとの結合を改善し、隣接チャネル間のクロストークを低減することができる。
【0039】
ビーム誘導構造702は、アンテナに最も近い側がアンテナから最も遠い側よりも広い開口部を有する、平坦化されたホーン又は逆ホーンの形状を有することができる。平坦化されたホーンの内部幾何学形状は、正方形、長方形、円形、又は任意の他の好適な断面形状を有することができる。ビーム誘導構造は、信号誘導構造によって形成されるチャネルに沿った通信の通過を妨害することなく、外部信号を低減するように構成されている、好適な材料からなることができる。この材料は、放射線吸収材料であり得る。追加的に、ビーム誘導構造の内側のアンテナに面する表面は、導電性コーティング、例えば、銅などの金属層を含むことができる。遠端は、デバイスのハウジングの近くに位置決めすることができる。デバイスハウジングは、別のデバイスと位置合わせされると、デバイス間のトップファイア通信を容易にする。
【0040】
図7Aに示す実施例では、ビーム誘導構造の開口部を充填することができる。充填材料は、ICパッケージ700のアンテナとの間の信号の伝搬に干渉しないように選択することができる。例えば、エポキシ材料を充填材料として使用し得る。
【0041】
図7Bは、平坦化されたホーン形状のビーム誘導構造712を含む別のICパッケージ710の斜視図を示す。
図7Bに示す実施例では、ビーム誘導構造712の上面、すなわち、ダイ上のアンテナから最も遠い表面は、金属コーティング714を含むことができる。金属コーティングは、アンテナと位置合わせされていない着信信号を反射して、チャネル間のクロストークを更に低減することができる。
【0042】
いくつかの実装形態では、平坦化されたホーン又は逆正方形ホーンの形状は、E平面とH平面の両方、すなわち、アンテナの「E」平面に直交する電界ベクトル「E」平面と磁界「H」平面とを包含する平面において偏波を有する。ビーム誘導構造に結合されたアンテナの放射パターンは、
図7BにおいてB及びAとラベル付けされた上下の開口部における逆ホーンの寸法と、
図7BにおいてRとラベル付けされたホーンの高さとに依存し、ホーンのフレア角度にも影響を与える。アンテナの性能を適合させるために、パラメータ(例えば、高さ、開口部、傾斜が平坦であるか湾曲しているなどの形状など)が最適化される。具体的には、パラメータを調整して、ICパッケージによって放射されるビーム幅、その帯域幅に対する結合係数、及びその帯域幅に対する隣接チャネルとのクロストークを調整することができる。ビーム誘導構造は、高結合で広帯域性能を提供することができ、更に相対クロストーク値を低く、例えば約-30dBに維持することができる。
【0043】
図8Aは、デバイス間の通信を例解する側面
図800である。具体的には、
図800は、第1のデバイス802及び第2のデバイス804の一部分を例解する。
【0044】
第1のデバイス802は、第1のPCB812に搭載された第1の送信機ICパッケージ808及び第1の受信機ICパッケージ810を含む第1の通信パッケージ806を含む。第1の送信機ICパッケージ808及び第1の受信機ICパッケージ810の各々は、それぞれの第1のビーム誘導構造814に結合される。それぞれの第1のビーム誘導構造814は、送信機ICパッケージ808のアンテナによって発せられたEHF信号を受信し、それらのEHF信号を第2のデバイス804の受信機に方向付ける。同様に、第1の受信機ICパッケージ810に結合された第1のビーム誘導構造は、第2のデバイスの送信機からEHF信号を受信し、EHF信号を第1の受信機ICパッケージ810のアンテナに方向付ける。
【0045】
第1のビーム誘導構造814は、例えば、それぞれのICパッケージのアンテナの上に位置決めされた
図7A又は
図7Bの平坦化されたホーン形状のビーム誘導構造とすることができる。いくつかの他の実装形態では、異なる形状を有する他のビーム誘導構造を使用することができる。追加的に、ICパッケージは、例えば、
図3A及び
図3B、
図4A、
図5A、又は
図5Bに示されるように、他の好適なアンテナ設計を使用することができる。
【0046】
第1のビーム誘導構造814は、第1のデバイス802の第1のハウジング816の表面に向かって延在する信号チャネルを形成する。例えば、第1のデバイス802は第1の携帯電話である可能性があり、第1のハウジング816は第1の携帯電話の外側ケースに対応することができる。
【0047】
図8に示される例示的なデバイスでは、信号遮断構造818も、第1の送信機ICパッケージ808と第1の受信機ICパッケージ810との間に位置決めされる。このビーム遮断構造は、ICパッケージのそれぞれのチャネル間のクロストークを低減するのに役立つことができる。
【0048】
第2のデバイス804は、同様に、第2のPCBに搭載された第2の送信機ICパッケージ及び第2の受信機ICパッケージを含む第2の通信パッケージを含む。第2の送信機ICパッケージ及び第2の受信機ICパッケージの各々はまた、それぞれの第2のビーム誘導構造に結合される。第2のビーム誘導構造は、第2のデバイス804の第2のハウジングの表面に向かって延在するチャネルを提供する。例えば、第2のデバイス804は第2の携帯電話である可能性があり、第2のハウジングは第2の携帯電話の外側ケースに対応することができる。
【0049】
図8に示すように、第1のビーム誘導構造及び第2のビーム誘導構造は、デバイス間通信中に、それぞれの第1及び第2のハウジングのいずれかの側に実質的に位置合わせされる。すなわち、第1及び第2のデバイスは、それぞれの送信機ICパッケージと受信機ICパッケージとの間の放射送信経路が位置合わせされるように位置決めされる。位置合わせは、第1の送信機ICパッケージから第2の受信機ICパッケージへの、かつ第2の送信機ICパッケージから第1の受信機ICパッケージへのデータ送信からの損失を最小限に抑える。
【0050】
図8Bは、特定の周波数帯域にわたって
図8AのICパッケージによって提供されるシミュレートされたアンテナ放射強度を示すプロット840である。具体的には、
図8Bは、結合を例解する線842を示す。線842は、周波数にわたって概ね平坦であり、アンテナが高い帯域幅を有することを示す。
図8Bはまた、隣接チャネル間のクロストークを示す線844を示す。最後に、
図8Bは、アンテナが別のアンテナからどの程度効率的にエネルギーを受信するかを示す、リターンロスを例解する線846を示す。
【0051】
図9は、ビーム誘導構造をICパッケージに組み込むためのプロセスにおけるステップを例解する
図900である。
図9のプロセスでは、EM構造は、パッケージ単一化の前に大きなマルチユニットフォーマットを使用してパッケージアセンブリプロセス中にICパッケージ上に組み立てられる。
【0052】
信号経路トレース、アンテナ、及び接地面を含む基板が準備される(902)。具体的には、アンテナは、ICパッケージに統合され、基板回路を使用して相互接続される基板上に印刷することができる。アンテナは、例えば、上述のアンテナ設計のうちの1つである可能性がある。具体的には、マイクロストリップパッチアンテナが
図9に例解されている。ダイは、基板レイアウト及び信号トレースに基づいて基板に取り付けられる(904)。アンテナ及びダイを含むICパッケージは、封入材料でオーバーモールドされる(906)。
【0053】
オーバーモールドされたICパッケージの上面は、例えば、接着ダイアタッチフィルム(die-attach film 、DAF)などのダイアタッチ材料を使用して、接着層でコーティングされる(908)。
図7の平坦化されたホーン形状の構造のようなビーム誘導構造が、接着層に取り付けられる(910)。平坦化されたホーン形状の構造は、使用される材料に応じて、例えば成形又は他のプロセスによって事前に製造することができる。いくつかの実装形態では、内面は、信号誘導構造の壁を通る信号送信を防止するために金属層でコーティングされる。例えば、金属層は銅である可能性がある。次いで、ICパッケージの1つ以上の表面をエポキシ成形化合物(epoxy molding compound、EMC)でコーティングして、ICパッケージ用の保護層を提供することができ、その結果、完成したICパッケージが得られる(912)。次いで、完成したICパッケージを、例えば、デバイスの通信モジュールに搭載することができる。多くの従来の方法とは対照的に、ICパッケージは、追加のアセンブリ及び相互接続回路を必要とすることなく、アンテナ及びビーム誘導構造を含む。
【0054】
図10は、ビーム誘導構造をICパッケージに組み込むための別のプロセスにおけるステップを例解する
図1000である。信号経路トレース、アンテナ、及び接地を含む基板が準備される(1002)。具体的には、アンテナは、ICパッケージに統合され、基板回路を使用して相互接続される基板上に印刷することができる。アンテナは、例えば、上述のアンテナ設計のうちの1つである可能性がある。
【0055】
アンテナ及びダイが取り付けられた基板は、オーバーモールドされる(1004)。オーバーモールドは、基板の表面積の実質的に全てを覆うことができる。場合によっては、成形により、アンテナの上にほとんど覆われていない部分が残る。例えば、モールドは、アンテナのすぐ上の小さな層を除いて成形材料の流れを防止するアンテナの上の領域を含むことができる。具体的には、アンテナの上方の領域は、上述した平坦化したホーン形状などのビーム誘導構造の形状に成形することができる。
【0056】
導電層を、成形材料の上部に堆積する(1006)。例えば、スパッタ堆積を使用して、金属、例えば銅の小さな層を成形材料の上部に堆積させることができる。金属は、アンテナの上のビーム誘導構造の上面上及び凹状エリア内の両方に堆積させることができる。
【0057】
アンテナを直接覆う成形材料及び導電層の部分を除去する(1008)。例えば、レーザアブレーションなどの好適な技法を使用して、アンテナを直接覆う凹状エリアの下部から材料、例えば少なくとも導電層を除去して、アンテナへの信号及びアンテナからの信号のための明確な送信経路を確保することができる。
【0058】
最後に、凹状エリア、並びにICパッケージの他の表面を、ICパッケージを保護するが、アンテナの周波数帯域内の信号送信を妨害しないエポキシ材料などのゲル充填材で被覆又は充填することができる(1010)。
【0059】
図11は、デュアルバンドアンテナを含む例示的なICパッケージ1100の上面図を示す。ICパッケージは、例えば、異なる周波数帯域において送信又は受信するように構成されたアンテナをICパッケージに提供するために、デュアルアンテナを用いて構成することができる。ICパッケージ1100は、ダイ1102と、電気信号と電磁(EM)信号との間の変換を提供する第1のアンテナ1104及び第2のアンテナ1105とを含む。具体的には、第1のアンテナ1104及び第2のアンテナ1105は、ダイ1102のための接続を含むICパッケージ1100の基板上に位置決めされる。ICパッケージ1100は、追加の構造、例えば、ダイ1102に含まれる送信機又は受信機回路に接続されたボンドパッドにトランスデューサを電気的に接続する、ボンドワイヤなどの導電性コネクタを含み得る。ICパッケージ1100は、ダイ1102並びに/又は第1及び第2のアンテナ1104、1105の少なくとも一部分の周りに形成された封入材料1106を更に含む。例示的なICパッケージ1100では、封入材料1106は、ダイ1102、第1のアンテナ1104、及び第2のアンテナ1105を完全に覆う。
【0060】
ダイ1102は、上述したものと同様の回路構造とすることができ、ダイを1つ以上の回路に結合する導電体に搭載することができる。同様に、封入材料1106も前述したようなものであり得る。
【0061】
第1のアンテナ1104及び第2のアンテナ1105は、両方とも、キー形状パッチアンテナのタイプである可能性がある。キー形状アンテナは、広い動作帯域幅において対称な放射パターンを呈するコンパクトな幾何学形状である。いくつかの実装形態では、キー形状アンテナは、スロットを台形形状パッチアンテナに組み込むことによって設計され、1つの端部において一対のマイクロストリップラインと結合される。スロットは、アンテナの電気的長さを増加させることによって共振特性を変化させ、それによってアンテナの帯域幅が増加する。スロットを組み込むことによって、電流はアンテナの側面に沿って流れ、それによって電流経路及び電気的長さを増加させる。したがって、アンテナ自体の物理的寸法を低減することができる。加えて、スロットのサイズ及び位置は、アンテナの広帯域幅及び低インピーダンスを達成するように最適化される。
図11に示す実施例では、台形形状パッチアンテナの平行でない辺のスロットが間隔を置いて配置されており、各スロットは対向する辺のスロットと整列している。しかしながら、各辺に対して互い違いに配置すること、又は間隔を変えることを含む他の構成も好適であり得る。追加的に、
図11に示すように、中央のスロットは、
図3Aに示すスロットと同様に、マイクロストリップライン間の間隔から連続している。
【0062】
具体的には、キー形状アンテナの幾何学形状に基づいて、特定の中心周波数をアンテナに対して定義することができる。例えば、第1のアンテナ1104は、第1の中心周波数、例えば75.5GHzを有することができ、一方で、第2のアンテナ1105は、第2の中心周波数、例えば58GHzを有することができる。
【0063】
いくつかの代替実装形態では、単一の周波数帯域を提供するために単一のキー形状アンテナを使用することができる。
【0064】
別の実装形態では、第1のアンテナ1104の偏波は、第2のアンテナ1105とは異なり得る。これは、アンテナ1104、1105の間のアイソレーションを増加させ得る。追加されたアイソレーションによって、デュアルアンテナは、同じ周波数帯域において別々に又は同時に使用され得る。
【0065】
更に別の実装形態では、第1及び第2のアンテナ1104、1105の偏波は類似しており、基板1106上又はチップ1102の内部の別個の構造にアイソレーションが追加された状態で同じ周波数帯域において使用される。追加されたアイソレーションによって、デュアルアンテナは、同じ周波数帯域において別々に又は同時に使用され得る。
【0066】
図12Aは、周波数に関して
図11のデュアルバンドアンテナを使用してシミュレートされたリターンロス及びアイソレーションのプロット1200を示す。
図12Bは、周波数に関して
図11のデュアルバンドアンテナを使用してシミュレートされたアンテナ効率及びゲインのプロット1202を示す。
【0067】
図13は、サイドファイア放射を生成する例示的なスロットアンテナ1300の上面図を示す。アンテナ1300は、アンテナ1300の片側に形成された角度付きスロット1302を有するパッチアンテナとすることができる。ICパッケージのPCB上に位置決めされると、アンテナ1300は、トップファイア方向ではなく横方向に方向付けられたサイドファイア放射を生成する。したがって、
図13に示す上面図から、放射パターンは、スロット縁部から方向付けられ、例えば、
図13の右に発せられ得る。
【0068】
そのようなスロットアンテナは、別のデバイスとの短距離通信リンクを維持するのに十分なゲインを有するエンドファイア放射を有し、例えば、送信機アンテナと受信機アンテナとの間の距離は数センチメートル以内である。それは、高速通信に必要な広帯域幅を呈する。いくつかの実装形態では、スロットアンテナは、2層積層体を使用してパッケージ上への統合のための可撓性を供する。具体的には、スロットアンテナの上方及び/又は下方の積層体は、放射方向がスロット開口部の縁部からであり、ゲインを増加させることを確実にするために接地面を含むことができる。ゲインを増加させるために接地面を使用することにより、アンテナの全体的なサイズを非常に小さくすることができ、場合によっては5×5mm2未満にすることができる。アンテナからの放射放出のパターンは、アンテナを取り囲む接地面をパターン化することによって、誘電体(多層積層体)の内部にアンテナを埋め込むことによって、及び/又は誘電体の誘電率を制御することによって調節することができる。
【0069】
図14Aは、例示的なICパッケージ1400の上面図を示す。ICパッケージ300は、ダイ1402と、電気信号と電磁(EM)信号との間の変換を提供する八木-宇田型アンテナ1404とを含む。具体的には、八木-宇田型アンテナ1404は、ダイ1402のための接続を含むICパッケージ300の基板上に位置決めされる。ICパッケージ1400は、図示されていない追加の構造、例えば、ダイ1402に含まれる送信機回路又は受信機回路に接続されたボンドパッドにトランスデューサを電気的に接続するボンドワイヤなどの導電性コネクタを含むことができる。ICパッケージ1400は、ダイ1402及び/又はアンテナ1404の少なくとも一部分の周りに形成された封入材料1406を更に含む。例示的なICパッケージ1400では、封入材料306は、ダイ1402及びアンテナ1404を完全に覆う。ダイ1402及び封入材料1406は、他のICパッケージに関して上述したようなものとすることができる。
【0070】
八木-宇田アンテナは、エンドファイアアレイ内に2つ以上の並列共振アンテナ素子を有する指向性アンテナである。具体的には、アンテナ素子は、単一の励振素子と、電気的接続のない1つ以上の非励振素子とを含む。非励振素子は、典型的には励振素子よりも長く、意図された送信の方向に対向して配置される反射素子であり得る。非励振素子は、導波器素子であってもよく、導波器素子は、典型的には、励振素子よりも短く、意図された送信方向の側に位置決めされる。非励振素子は、その正確な長さに基づいて異なる位相で、励振素子からの波を受信して再放射し、励振素子の放射パターンを修正する。具体的には、構成に基づいて、素子からの波は、送信方向におけるアンテナのゲインを増加させるように重畳することができる。
【0071】
例示的なICパッケージ1400では、アンテナ1404は、60GHz用途のための高帯域幅アンテナである。図示のアンテナ1404は、1つの励振素子1408と1つの導波器素子1410とを含む。ICパッケージ1400は、例えばランドグリッドアレイ(land grid array 、LGA)タイプのパッケージを使用して、PCB上に組み立てられる。いくつかの実装形態では、ダイ1402の接地又はダイ1402自体が、八木-宇田アンテナ1404の反射素子として機能し、反射素子は、後方放射場を遮蔽する。
【0072】
図14Bは、例示的な層状PCBの断面
図1410を示す。具体的には、
図14Bは、いくつかの別個の層を有するPCB1412(又はPCBの縁部分)を示す。ICパッケージ1414は、PCB1412上に搭載される。PCBは、エンドファイアパッケージビーム指向性を改善するために接地が階段状パターン1416で切り取られた複数の層を含み得る。多層階段状PCB接地は、基板モードへの放射電力損失の一部を軽減するために使用され得る。階段状層の各々は、導電性材料、例えば銅から形成することができる。段差は、PCB1412の上面と35度の角度を形成することができる。
図14Bでは、3つの層が段階的に切断されている。しかしながら、いくつかの他の実装形態では、異なる数の層を階段状にすることができる。ICパッケージ1414は、階段状の層を有するPCBの縁部上に搭載される。各導電層は、PCBの縁部の前で終わることができる。
【0073】
図15Aは、
図14Aのアンテナ1404についてシミュレートされた放射パターンのプロット1500を示す。
図15Bは、
図14Aのアンテナ1404についてシミュレートされたリターンロスのプロット1502を示す。
図15A及び
図15Bに示されるように、アンテナは、10GHzにわたって-10dB未満のリターンロス(S11)及び6.3dBの安定したアンテナゲインを伴う、60GHzにおける高指向性サイドファイア放射パターンの好ましい性質を有する。
【0074】
図16は、単一プローブ導波管ランチャ1600の斜視図を示す。高周波導波管は、ダイをPCBに接続するために通常使用される積層体内に製作される。代替的に、いくつかの他の実装形態では、導波管ランチャは、標準的なプリント回路基板及びフレキシブル相互接続基板を含む、任意の層状PCBのような様式で製作することができる。別の実装形態では、導波管ランチャは、成形相互接続基板(molded interconnect substrate 、MIS)パッケージング、C2iMなどを用いて製作することができ、MISは、成形コンパウンドで作られる。MIS基板内の銅トレースが埋め込まれる。それは、より微細なライン及びスペース、並びに導体の寸法及びそれらのそれぞれの距離のより高い精度を許容する。EHFの分野では、これは機械的公差を改善し、より高くかつより一貫した性能を提供し得る。
【0075】
図16に示すように、導波管は、標準的なPCBプロセスを使用して製作される。矩形導波管1601は、2つの実質的に平行な銅の導電面1602及び1604から作られる。導波管側壁は、3つの側面上で2つの銅平面を一緒に接続する一連の密に間隔を置いて配置されたビアホール1606から作られる。ビアホール1606が波長の数分の一だけ離れて間隔を置いて配置されている場合、それらは固体導電性壁と同様に作用する。RF信号は、プローブ1608が導波管1601の後壁から約4分の1波長の間隔を置いて配置された状態で、この導波管内に発射される。信号は、導波管の開放端から放射される。
【0076】
図17は、平衡プローブ導波管ランチャ1700の斜視図を示す。
図17に示されるように、矩形導波管は、銅の2つの導電面1702及び1704から作られる。導波管側壁は、2つの銅面を一緒に接続する一連の密に間隔を置いて配置されたビアホール1706から作られる。RF信号は、平衡フィードを使用して発射される。平衡フィードは、第1のプローブ1708から半波長の第2のプローブ1710を追加することによって達成される。
【0077】
多層基板が使用される場合、発射プローブは、様々な層上の導体として製作することができ、プローブ本体は、単に、異なる層を接続するために使用されるビアホールとすることができる。他の層は、補助的な相互接続のために、又は追加の導波管を作るために使用することができる。追加的に、物理的サイズは、使用される誘電体材料の誘電率を上昇させることによって減少させることができる。
【0078】
サイドファイア導波管アンテナは、異なるタイプのデバイスを結合するために使用することができる。例えば、サイドファイア導波管アンテナは、光ファイバケーブルを結合するために、又は単一デバイス内の異なるPCB間の通信を提供するために使用することができる。
【0079】
いくつかの実装形態では、デバイス内の構成要素は、高速データ転送を用いて2つの別個のPCB間で効果的に通信することができ、ケーブル及びコネクタを曲げる必要をなくすことができる。構成要素は、フレックス回路及びコネクタを使用する必要なく、高速リンクのために別個の基板上に位置させることができる。短距離では、リンクは空気を通して直接創出することができる。距離が長くなると、エネルギーを方向付け、2つのデバイス間の損失及びクロストークを低減するために、誘電体(例えば、プラスチック材料)導波管を使用することを必要とし得る。導波管は、デバイスが直接位置合わせされていない場合であっても、経路を提供するために(半径ガイドラインの範囲内で)湾曲させることもできる。各チャネルに対して別個の導波管を使用され得る。
【0080】
図18は、例示的な導波管ランチャ1800の斜視図を示す。具体的には、
図18は、導波管構造を通る波の伝搬のシミュレーションを例解する。
【0081】
導波管ランチャ1800は、一体型導波管ランチャ(waveguide launcher、WGL)構造を含む。WGL構造は、薄型であり、集積回路の基板PCBに直接統合することができる。導波管ランチャ1800に供給するために使用される無線周波数エネルギーは、集積回路からPCB上のトレースを通ってWGLに発することができる。
【0082】
いくつかの実装形態では、エネルギーは、様々な構成の1つ以上のプローブ(電圧モード又はE場)又はショートループ(電流モード又はH場)を通してWGLに供給される。送信機及び受信機からなるトランシーバが特定のICの一部である場合、それらは各々、コンバイナ/スプリッタ、インピーダンス整合、及び/又はダイプレクサフィルタを通して、別個のWGLに供給するか、又は同じ広帯域WGLに供給することができる。いくつかの他の実装形態では、複数のWGLは、以下でより詳細に説明するように、積み重ね、並列などのような様々な様式で積層基板に統合され得る。
【0083】
WGLの中に包含される波が創出された後、反射、損失及び回折を最小にするために、不連続面又はインピーダンスの不一致を最小にして導波管自体の中に入る。いくつかの実装形態では、WGLと導波管とを接続するためにWGL変換器が使用される。1つ以上のWGL、シングル又はデュアルモードWGL、1つ以上のフィードを有するWGLなどに対処するために、様々な構造を創出することができる。
【0084】
いくつかの実装形態では、WGLパッケージは、ICパッケージの積層PCBに一体化された単一のWGLデュアルモード小型矩形WGLと、半径方向発射と、それに続く、矩形WGLからのRFエネルギーを単一の楕円形又は矩形のプラスチックファイバケーブルに変換するWGL変換器とを含む。ファイバケーブルは、RF波を包含して誘導するために、箔又はコーティング(反射材料)によってその周囲がシールドされている。複数のモードが異なる位相速度を持つため、楕円形状により、ファイバの周波数がシングルモードであることが許容される。
【0085】
ケーブルは、例えば、別のボード又は製品の対応する他方の側のWGL変換器、WGL、及び送信機/受信機の機能に結合される。ケーブルが反射材料で被覆された可撓性プラスチックから作られる場合、高データレートの通信が、容易な製品展開、高い性能、手頃なコストで可能になり、様々な市場に対処することができる。反射材料でコーティングされた可撓性プラスチックは、プラスチックシェルに含まれ得、両側の非接触コネクタは、大きな位置ずれを許容する。
【0086】
いくつかの他の実装形態では、WGLは短距離非接触接続に関して使用される。そのような実装形態では、WGLパッケージは、ICパッケージの積層PCBに一体化された2つの矩形WGLを有するトランシーバICを含む。具体的には、PCBの積層体に一体化された矩形のWGLは、積層体(及びWGLの導電層)に平行なRF信号を発射する。したがって、これらは単独でサイドファイア用途に使用され得る。しかしながら、以下の様々な例示的な構成において説明されるように、RF信号の方向を変更するために、例えば、トップファイア実装を提供するために、構造及び導波管を含むことが可能である。ICパッケージから出るRF信号の方向にかかわらず、RF信号は、別のデバイスと通信するために外部デバイスハウジングに方向付けられ得る。加えて、そのような導波管ランチャは、種々のデバイスで使用するためにサイズを非常に小さくすることができる。例えば、いくつかの実装形態では、導波管ランチャは、約1mmの高さを有する約3mm×5mmの矩形寸法を有することができる。
【0087】
デバイス間通信の場合、第2のデバイスが同様のソリューションを含むことができる。第2のデバイスが第1のデバイスと通信するように位置合わせされると、それぞれの導波管は互いに位置合わせされ、包含されるチャネルを完成する。これにより、閉じ込められた導波管媒体内で第1のトランシーバから第2のトランシーバへの情報の送信が許可される。この実装形態は、製品展開が容易で、高性能で、手頃なコストでの高データレートの非接触通信を許可し、様々な市場に対処する。
【0088】
図18に戻って参照すると、RFエネルギー発射は、導電面に垂直なE場分極を有し、導波管ランチャの導電面に平行で、導電性ビア側壁を含まない端部に方向付けられた信号経路に沿っている。
図18において、このRF信号経路は矢印1804で示されている。導波管ランチャ1800の側壁は、エミュレートされ、一連の導電性ビア1802によって置き換えられる。ビアの各々の間の分離距離は、閾値未満であるように構成され得、それによって、示されるように、導波管の内側にRFエネルギーを実質的に閉じ込める。各ビア間の距離は、例えば、1Rv~8Rvの範囲とすることができ、「Rv」はビアの半径に対応する。別の実施態様(図示せず)では、同様の構造は、2列のビアで近似された壁を有することができ、各列は、ビアの単一の側壁に対して、ビア間の距離の半分だけ交互配置されている。更に別の実装形態(図示せず)では、同様の構造が、ビアの代わりに連続金属化層で近似された壁を有することができる。これは、例えば銅などの導電層で被覆又は金属化されたPCBのトレンチとして実装することができる。
【0089】
【0090】
ICパッケージ1902は、RF IC1904と、第1の導波管ランチャ構造1906と、第2の導波管ランチャ構造1908とを含む。各導波管ランチャ構造は、それぞれの異なる周波数帯域を有するRF信号を送信するために使用することができる。代替的に、いくつかの他の実装形態では、一方の導波管ランチャがRF信号を送信し、他方の導波管ランチャは、別のトランスデューサによって、例えば別のデバイスから送信されたRF信号を受信するように構成されている。RF ICは、ICパッケージ1902の表面の下の層上に、例えば、ICパッケージ1902に形成された凹部内に位置決めされる。第1の導波管ランチャ構造1906は第1の周波数を有し、第2の導波管構造1908は第2の周波数を有する。RFエネルギーは、導波管ランチャのそれぞれの導電面内で送信又は受信される。第1及び第2の導波管ランチャ構造1906及び1908は、フィード1910を使用してRF IC1904に結合される。代替的には、1つ以上の導波管が受信機として機能する場合、フィードは、RF信号エネルギーを導波管からRF IC2104に運ぶ。第1の導波管ランチャ構造1906及び第2の導波管ランチャ構造1908は、絶縁層1912によって分離されている。絶縁層1912は、非導電性材料、例えば、プラスチック又は吸収材料からなる可能性がある。
【0091】
図20は、例示的なICパッケージ2002の側面
図2000を示すブロック図である。ICパッケージ2002は、
図19A~
図19Bに示すものと同様である。ICパッケージ2002の違いは、RF IC2004が積層体層の上部であってICパッケージ2002の上面において位置決めされていることである。
【0092】
図21Aは、例示的なICパッケージ2102の側面
図2100を示すブロック図である。
図21Bは、
図21Aの例示的なICパッケージ2102の上面
図2101を示すブロック図である。ICパッケージ2102は、
図20に示されるものと同様である。しかしながら、
図21A及び
図21Bの実施例では、RF IC2104は、導波管ランチャ構造に部分的に重なるように位置決めされる。この位置から、それぞれの導波管ランチャへのフィードは、例えば、第1の導波管ランチャ2006へのフィード2108が、RF IC2104により近い第1の導波管ランチャ2006の上面から入るようにすることによって調整することができる。追加的に、この位置では、RF IC2104は、ICパッケージ2102に電気的に結合するためのファンアウトICピンを含むことができる。
【0093】
図22Aは、例示的なICパッケージ2202の側面
図2200を示すブロック図である。
図22Bは、
図22Aの例示的なICパッケージ2202の上面
図2201を示すブロック図である。ICパッケージ2202は、
図21A~
図21Bに示される実施例のように、2つの重ねられた導波管ランチャ構造に部分的に重なるように位置決めされたRF IC2204を含む。ICパッケージ2202はまた、第1の周波数においてRFエネルギーを発射又は受信するように構成された第1の導波管ランチャ2206と、第2の周波数においてRFエネルギーを発射又は受信するように構成された第2の導波管ランチャ2208とを含む。しかしながら、ICパッケージ2202では、第1の導波管ランチャ2206及び第2の導波管ランチャ2208の各々は、第1の方向に沿ってRFエネルギーを発射又は受信し、パッケージの右側で45度の2つの仮想ミラーによる反射後に第2の方向に沿ってRFエネルギーを発射又は受信するように構成されている。各導波管ランチャの仮想ミラー2210は、ブラインドホールビアの「階段」を使用して形成される。反射後、信号は、例えば、トップファイア用途で使用するために、最初の発射から90度で導波管セクションを通して送られる。
【0094】
【0095】
ICパッケージ2302は、PCB基板上に位置決めされたRF IC2304と、第1の導波管ランチャ構造2306と、第2の導波管ランチャ構造2308とを含む。
図19~
図22に関して上述したICパッケージとは対照的に、導波管構造は、ICパッケージ上に重ねられない。代わりに、導波管ランチャ構造は、並んで位置決めされ、各々が、それぞれの周波数において、又はそれぞれの周波数帯域内でRFエネルギーを発射又は受信するように構成されている。導波管ランチャ構造の各々は、それぞれのフィード2310によってRF IC2304から結合される。
【0096】
図24Aは、例示的なICパッケージ2402の上面
図2400を示すブロック図である。
図24Bは、
図24Aの例示的なICパッケージ2402の側面
図2401を示すブロック図である。ICパッケージ2402は、
図23A及び
図23Bに示すものと同様である。しかしながら、
図24A及び
図24Bの実施例では、RF IC2404は、第1の導波管ランチャ構造2406及び第2の導波管ランチャ構造2408と部分的に重なるように位置決めされる。
【0097】
【0098】
ICパッケージ2502は、基板、例えば、PCB上に位置決めされたRF IC2504を含む。ICパッケージ2502はまた、第1の周波数においてRFエネルギーを発射又は受信するように構成された第1の導波管ランチャ2506と、第2の周波数においてRFエネルギーを発射又は受信するように構成された第2の導波管ランチャ2508とを含む。しかしながら、ICパッケージ2502において、第1の導波管ランチャ2506及び第2の導波管ランチャ2508の各々は、例えば、トップファイア通信を提供するために方向を変えることができる信号経路に沿ってRFエネルギーを発射又は受信するように構成されている。したがって、
図25A及び
図25Bに示されるように、導波管ランチャは、それぞれの導波管ランチャの導電面に平行である第1のRF信号経路セグメントを有する。この信号経路セグメントは、例えば1つ以上の反射要素を使用して、別の方向、例えば90度の角度を有する導波管に結合されて、ICパッケージ2502に対してトップファイア通信を提供することができる。各導波管ランチャでの反射は、実質的に45度の面取りされた側面に対応する右側に形成され、反射コーティングによってコーティングされたミラーの結果である。
【0099】
図25Cは、導波管ランチャの各々において代替的な反射器構造を有する
図25Aの例示的なICパッケージ2502の側面
図2503を示すブロック図である。具体的には、
図25Cに示すように、導波管エネルギーを水平な第1の方向から第2の方向に再方向付けする反射器2512は、仮想45度ミラーを形成するために階段パターンで配置されたブラインド金属化ビアのセットを使用して形成される。
【0100】
図25Dは、導波管ランチャの各々において代替的な反射器構造を有する
図25Aの例示的なICパッケージ2502の側面
図2505を示すブロック図である。具体的には、
図25Cに示されるように、導波管エネルギーを第1の方向から第2の方向に再方向付けする反射器2514は、仮想45度ミラーを形成するために階段パターンで配置されたブラインドホール金属化ビアのセットを使用して形成される。
【0101】
図26Aは、例示的なICパッケージ2602の上面
図2600を示すブロック図である。ICパッケージ2602は、PCB基板上に位置決めされたRF IC2604と、第1の導波管ランチャ構造2606と、第2の導波管ランチャ2608とを含む。導波管ランチャ2606、2608は、ICパッケージ上に重ね合わされず、代わりに、並んで位置決めされ、各々が、それぞれの周波数又は周波数帯域においてRFエネルギーを発射又は受信するように構成されている。導波管ランチャの各々は、RF IC2304からのそれぞれのフィードによってRF IC2604に結合される。
図25AのICパッケージ2502とは対照的に、RF IC2604は、それぞれの導波管ランチャに部分的に重なるように位置決めされる。
【0102】
図26Bは、
図26Aの例示的なICパッケージ2602の側面
図2601を示すブロック図である。側面
図2601に示されるように、第1の導波管ランチャ2606及び第2の導波管ランチャ2608の各々は、
図25に関して上述したように、最終的な通信配向に応じて変更することができる信号経路に沿ってRFエネルギーを発射するように構成されている。したがって、導波管ランチャから発射されたRF信号の経路は、1つ以上の反射器構造の構成に基づいて、第1の方向にあり、次いで第2の方向に沿うことができる。第2の方向は、送信又は受信されるRF信号を誘導するための別の導波管構造2607を含むことができる。各導波管ランチャの反射器2610は、仮想45度ミラーを形成するために階段パターンで配置されたブラインドホール金属化ビアを使用して形成される。
【0103】
図26Cは、代替的な導波管ランチャ構造を有する
図26Aの例示的なICパッケージ2602の側面
図2603を示すブロック図である。側面
図2603に示すように、導波管ランチャは、ここでも、第1の方向に沿ってRFエネルギーを発射又は受信し、次いでパッケージの右側において第2の方向に反射されるように構成される。追加的に、反射器2610は、仮想45度ミラーを形成するために階段パターンで配置されたブラインドホール金属化ビアである。しかしながら、この実装形態では、導波管は、信号経路方向の1つに連続していない。この導波管「煙突」構造を除去することにより、製造の複雑さが低減される。
【0104】
図27Aは、例示的なICパッケージ2702の側面
図2700を示すブロック図である。
図27Bは、
図27Aの例示的なICパッケージ2702の上面
図2701を示すブロック図である。ICパッケージ2702は、基板、例えば、PCB上に位置決めされたRF IC2704を含む。ICパッケージ2702はまた、コンバイナモジュール2706及びデュアルチャネル導波管ランチャ構造2708を含む。
【0105】
コンバイナモジュール2706は、例えば、RFコンバイナ、RFスプリッタ、デュプレクサ、ダイプレクサ、スイッチ、又はモジュールとして実装されるか若しくはPCB上にプリントされた他の構造である可能性がある。例えば、コンバイナモジュール2706は、RF IC2704によって生成された別個の周波数チャネル信号を結合し、その結合された信号をデュアルチャネル導波管ランチャ構造2708へのフィードとして提供することができる。次いで、デュアルチャネル導波管ランチャ2708は、導波管ランチャの導電面に平行であり、ビア側壁を有さない導波管ランチャの端部に方向付けられた第1の方向に、両方の周波数のRFエネルギーを発射することができる。別の実装形態では、コンバイナを使用して、第1の周波数においてRFエネルギーを送信し、第2の周波数においてRFエネルギーを受信することができる。第1及び第2の周波数は異なっている可能性がある。
【0106】
図28Aは、例示的なICパッケージ2802の側面
図2800を示すブロック図である。
図28Bは、
図28Aの例示的なICパッケージ2802の上面
図2801を示すブロック図である。ICパッケージ2802は、ICパッケージ2702のものと同様であり、RF IC2804と、コンバイナモジュール2806と、デュアルチャネル導波管ランチャ2808とを含む。しかしながら、ICパッケージ2802では、RF IC2804は、デュアルチャネル導波管ランチャ2808と部分的に重なるように位置決めされる。
【0107】
図29Aは、例示的なICパッケージ2902の側面
図2900を示すブロック図である。
図29Bは、
図29Aの例示的なICパッケージ2902の上面
図2901を示すブロック図である。ICパッケージ2902は、ICパッケージ2702と同様であり、RF IC2904と、コンバイナモジュール2906と、デュアルチャネル導波管ランチャ2908とを含む。しかしながら、ICパッケージ2902では、デュアルチャネル導波管ランチャ2908は、例えば、RFエネルギーを第1の方向に方向付け、次いで、RFエネルギーを第2の方向に反射することによって、発せられたRFエネルギーの方向を変更するように構成されており、受信されたRF信号についてはその逆も同様である。デュアルチャネル導波路ランチャ2908は反射器2910を含み、これは例えば、仮想45度ミラーを形成するために階段パターンで配置されたブラインドホール金属化ビアのセットとすることができる。
【0108】
図27~
図29では、デュアルチャネル導波管ランチャ構造は、各チャネルのための別個の導波管ランチャの代わりに、それぞれのICパッケージで使用される。
図30A~
図30Eは、複数のチャネルを単一の導波管ランチャ構造に組み合わせるための例示的なソリューションを説明する。
【0109】
図30Aは、隣接する周波数チャネルを使用する2チャネルソリューションの例示的な
図3000を示す。
図3000は、例えば、802.11ad展開の一部として、広帯域波長ランチャによって提供される帯域幅3006内の第1の周波数チャネル3002及び第2の周波数チャネル3004を例解する。この実施例では、第1のチャネル3002及び第2のチャネル3004の各々は、2.16GHzの帯域幅を有する。第1のチャネル3002は58.32GHzを中心とし、第2のチャネル3004は60.48GHzを中心とし、4.5GHzの全周波数帯域幅をもたらす。したがって、波長ランチャ構造によってサポートされる最小周波数帯域幅は、4.5GHzである。
【0110】
図30Bは、非隣接周波数チャネルを使用する例示的な2チャネルソリューションの
図3010を示す。
図3010は、例えば、802.1lad展開の一部として、広帯域波長ランチャによって提供される帯域幅3016内の第1の周波数チャネル3012及び第2の周波数チャネル3014を例解する。この実施例では、第1のチャネル3012及び第2のチャネル3014の各々は、3GHzの帯域幅を有し、利用可能な帯域幅内で互いに分離される。この実施例では、チャネルは6.8GHz帯域幅の各端部において位置決めされる。
【0111】
図30Cは、単一の周波数帯域3022を使用する例示的な2チャネルソリューションの
図3020を示す。単一の周波数帯域は、各々が6GHzの帯域幅を有する2つの信号チャネルを有し、したがって、両方のチャネルは、空間ダイバーシティを使用して同じ周波数チャネルでトランスポートすることができる。これは、例えば、
図19~
図26に関して上記で示したように、周波数チャネルのうちの1つを運ぶために少なくとも必要な周波数帯域幅と、互いからの十分なアイソレーションとを有する2つの導波管ランチャを使用して実装され得る。
【0112】
いくつかの代替実装形態では、同じ単一周波数チャネル3022は、各信号チャネルが交差直交偏波で同じ媒体内に方向付けられる偏波ダイバーシティを有する単一の導波管ランチャを使用して実現することができる。
【0113】
図30Dは、例示的な4チャネルソリューションの
図3030を示す。
図3030は、第1の周波数帯域における第1のチャネル3032及び第2のチャネル3034と、第2の周波数帯域における第3のチャネル3036及び第4のチャネル3038とを示す。これは、単一の広帯域導波管ランチャと偏波ダイバーシティを使用して実現することができ、第1及び第2のチャネル3032及び3034は、第1のフィード上の結合機能を通して供給され、第3及び第4のチャネル3036及び3038は、第2のフィード上の直交偏波への結合関数を通して供給される。
【0114】
図30Eは、別の例示的な4チャネルソリューションの
図3040を示す。
図3040は、
図3030に示されるものと同様である。しかしながら、利用可能な周波数帯域幅が最小であれば、チャネル間の周波数分離は最適である。第2のチャネル3044の最大エネルギーは、第1のチャネル3042の変調の第1のヌル上に位置決めされる。第1のチャネルと第2のチャネルとの間の交差偏波は、第2のチャネルから第1のチャネルに向かって、及びその逆にエネルギーが漏れることにつながる何らかの現実世界の不正確さを有し得る。第2のチャネルを第1のチャネルの変調のヌル上に置くことにより、不完全な交差偏波による漏洩エネルギーがあれば、それが減少する。第3のチャネル3046及び第4のチャネル3048も同様に置かれている。
【0115】
より多くの帯域幅が利用可能な別の実装形態では、4つのチャネルを周波数的に広げ、第2のチャネルと第4のチャネルを、可能であれば第1のチャネル又は第3のチャネルの変調の後続ヌル上に置くことができる。
【0116】
【0117】
フィード3104は、RFエネルギーを、例えば、ICパッケージの一部としてのRF ICから導波管ランチャに結合するために使用される。フィード3104は、導波管の下部又は上部平面部分から導波管ランチャ3102に入り、概ねフィード3104に平行な電界Eを励起する。
【0118】
出口端部を除く、導波管ランチャ3102の壁又は境界は、例えばメタ、金属コーティング又は塗装、銅面、金属化ビアなどを含む導電性材料から構成することができる。フィードは、例えばプローブビアとして、底面又は天井面から導波管ランチャの内側に突出し、λgの後壁からある距離に位置決めされる。λgの距離は典型的には、フィード信号波長の1/4であるが、他の値を有し得る。導電性境界内の導波管の内部は、PCBエポキシ、テフロン(登録商標)、プラスチック、空気などの非導電性材料から作ることができ、場合によっては、概して、両方とも動作RF周波数における、電気的剛性に関連する誘電率及び損失に関連するtg(δ)によって特徴付けられる。
【0119】
いくつかの実装形態では、この一体型小型導波管ランチャは、積層体の一部として、及び、例えば、上述のICパッケージと同様に、ICパッケージの一部として、PCBのトレンチ内に実装することができる。垂直壁は、先に説明した導電性ビアで作ることができる。水平面は、PCB導電層、例えば銅から形成され得る。フィードは、例えば、導電性ビア又は導電性ブラインドビアから形成することができる。フィードの先端における任意選択の容量負荷は、フィードの先端の場所においてPCBの特定の層をエッチングすることにより、フィードを丸い形状に構成することで達成できる。右側の導波管ランチャ出口は、RF波エネルギーが導波管ランチャから出ることを許容するように壁が設けられていない。
【0120】
【0121】
導波管ランチャ3202は、
図31の導波管ランチャ3102と同様の材料及び同様の方法で形成することができる。しかしながら、例示的な導波管ランチャ3202では、フィード3204は、サイド(前部又は後部)から導波管ランチャ3203の内側に突出するサイドフィードであり、後壁からλgの距離に置かれる。λgの距離は、典型的にはフィード信号波長の1/4であるが、他の値を有し得る。フィードの場所及び導波管ランチャ3202の幾何学形状が与えられると、フィード3204によって結合されたRFエネルギーは、導波管ランチャ3202内の別の伝搬モードを励起し得る。伝搬モードは、偏波、インピーダンス、差動インピーダンス、背面/短辺、長辺への誘導ラムダ距離、リターンロス、結合効率、sパラメータ、切断周波数、周波数帯域幅などのパラメータのリストのうちの1つ以上を有し得る。
【0122】
図32Bに示すように、電界はフィード3204に平行である。これは、
図31に示されるボトムフィードによって励起される電界に直交する。
【0123】
【0124】
導波管ランチャ3302は、
図31の導波管ランチャ3102と同様の材料及び同様の方法で形成することができる。しかしながら、例示的な導波管ランチャ3302では、フィード3304は、導波管の下部又は上部平面部分から導波管ランチャ3302に入るループフィードである。
【0125】
ループフィード3304は、概して磁界を励起する。磁界の方向は、矢印及びベクトルHで示されている。ループフィードは、導波管ランチャの内部にあり、一端は、底面又は天井面から導波管ランチャ内に突出しており、後壁から約λgの距離に置かれている(逆自己ループインダクタンス効果により最適化される必要があり得る)。ループの他方の側は、概して接地される。ループフィードは、概して低インピーダンスであり、スタブフィードプローブは、より高いインピーダンスである。λgの距離は、典型的には、フィード信号波長の1/4λgであるが、他の値を有し得る。ループのサイズは、その自己インダクタンスによって制限される。最適化の目標は、ループの自己インダクタンスを最小化しながら、Hの交点を最大化することであり得る。例解された実施例では、ループは下部から供給され、側部で終端するか、又はその逆である。
【0126】
図33Bに示されるように、ループフィード3304は、底壁から示され、磁界ベクトル(Hベクトル)は、ループフィード3304に垂直であるように示される。
【0127】
図34Aは、ループフィードを有する例示的な導波管ランチャ3402の上面
図3400のブロック図を示す。
図34Bは、
図34Aの導波管ランチャ3402の側面
図3401のブロック図を示す。導波管ランチャ3402は、
図33の導波管ランチャ3302と同様の材料及び同様の方法で形成することができる。しかしながら、例示的な導波管ランチャ3402では、フィード3404は、側方から導波管ランチャ3402に入るループフィードである。ループフィード3400は、磁界ベクトルHによって表される磁界を創出し、その場所と導波管ランチャ3402の幾何学形状から、導波管ランチャ3402の内部で別の伝搬モードを励起し得る。
【0128】
図35は、2つのフィードを有する例示的な導波管ランチャ3502の側面
図3500のブロック図である。導波管ランチャ3502は、前述したものと同様の材料及び同様の方法で形成することができる。
【0129】
導波管ランチャ3502は、第1のフィード3504及び第2のフィード3506によって供給される。フィードは、RF送信の方向の同じライン上に位置する。しかしながら、第1のフィード3504は後部導電壁に対して実質的に1/4λg2の距離に位置する。第2のフィード3506は、実質的に3/4λg1の距離に位置する。第1及び第2のフィードは、同じ振幅を有するが位相差は180度、1つの差信号、又は2つのFDMA信号を有することができる。
【0130】
図35に示される構成により、RF信号が、非常に高い周波数において価値があり得るシングルエンドに対して差動方式で入力されることが許容される。差動入力を使用する1つの利点は、電源からの平均電流を一定に保つ平衡電子構造を使用することである。別の利点は、WGLに供給される信号振幅が倍増することである。
【0131】
図36は、2つのフィードを有する例示的な導波管ランチャ3602の側面
図3600のブロック図である。導波管ランチャ3602は、前述したものと同様の材料及び同様の方法で形成することができる。具体的には、
図35の導波管ランチャ3502と同様に、導波管ランチャ3602も2つのフィードを有する。しかしながら、導波管ランチャ3602では、2つのフィードが導波管ランチャの方向に平行な同じ線上に位置する。第1のフィード3604は後壁から第1の距離に位置し、第2のフィード3606は第2の距離に位置する。具体的には、距離dlは、電界の最大点に対応し得、距離d2は、磁界の最大点に対応し得る。
【0132】
本発明のいくつかの実施形態を説明してきた。それにもかかわらず、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な修正がなされ得ることが理解されるであろう。したがって、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にある。
【0133】
添付の特許請求の範囲の実施形態及び上述の実施形態に加えて、以下の実施形態も革新的である。
【0134】
実施形態1は、通信デバイスであって、プリント回路基板と、プリント回路基板上に搭載された集積回路パッケージと、を備え、集積回路パッケージが、電気信号を、集積回路パッケージの第1の表面から実質的に発せられる極高周波(EHF)電磁信号に変換するように構成されたトランスデューサであって、集積回路パッケージの基板上に位置決めされている、トランスデューサと、基板に結合されており、トランスデューサと電気的に通信するように構成された集積回路と、を備え、トランスデューサが、アレイ状の複数の並列共振アンテナ素子を含み、プリント回路基板が、複数の層を含み、複数の層が、階段状パターンで切り抜かれている、通信デバイスである。
【0135】
実施形態2は、実施形態1の通信デバイスであり、複数の並列共振アンテナ素子は、1つの励振素子及び1つの導波器素子を含む。
【0136】
実施形態3は、実施形態1又は2の通信デバイスであり、複数の並列共振アンテナ素子は、励振素子からEHF電磁信号を受信及び放射する複数の非励振素子を含む。
【0137】
実施形態4は、実施形態1~3のいずれか1つの通信デバイスであり、導波器素子は、励振素子よりも長さが短く、トランスデューサの意図された送信方向の側で基板上に位置決めされる。
【0138】
実施形態5は、実施形態1~4のいずれか1つの通信デバイスであり、トランスデューサの反射素子として機能する集積回路の接地を更に備え、接地は、導波器素子とは反対の励振素子の側に位置決めされる。
【0139】
実施形態6は、実施形態1~5のいずれか1つの通信デバイスであり、集積回路は、トランスデューサの反射素子として機能し、集積回路は、導波器素子とは反対の励振素子の側に位置決めされる。
【0140】
実施形態7は、実施形態1~6のいずれか1つの通信デバイスであり、集積回路は、送信機集積回路、受信機集積回路、又はトランシーバ集積回路である。
【0141】
実施形態8は、トランスデューサであって、アレイ状の複数の並列共振アンテナ素子であって、アンテナ素子が、電気信号を極高周波(EHF)電磁信号に変換するように構成されている、複数の並列共振アンテナ素子を備える、トランスデューサである。
【0142】
実施形態9は、実施形態8のトランスデューサであり、複数の並列共振アンテナ素子は、1つの励振素子及び1つの導波器素子を含む。
【0143】
実施形態10は、実施形態8又は9のトランスデューサであり、複数の並列共振アンテナ素子は、励振素子からEHF電磁信号を受信及び放射する複数の非励振素子を含む。
【0144】
実施形態11は、実施形態8~10のいずれか1つのトランスデューサであり、導波器素子は、励振素子よりも長さが短く、トランスデューサの意図された送信方向の側で基板上に位置決めされる。
【0145】
実施形態12は、通信デバイスであって、集積回路パッケージを備え、集積回路パッケージが、電気信号を極高周波(EHF)電磁信号に変換するように構成されたトランスデューサであって、EHF電磁信号が、集積回路パッケージの第1の表面から実質的に発せられ、トランスデューサが、集積回路パッケージの基板に統合される、トランスデューサと、基板に結合され、トランスデューサと電気的に通信するように構成された集積回路であって、集積回路パッケージの第2の表面に結合され、第2の表面が第1の表面に平行である、集積回路と、を備え、トランスデューサが、台形形状の導体と、トランスデューサの中心線に沿って位置するスロットと、トランスデューサの第1の縁部に位置するサイドスロットの第1のセットと、トランスデューサの第2の縁部に位置するサイドスロットの第2のセットと、を含む、通信デバイスである。
【0146】
実施形態13は、実施形態12の通信デバイスであり、サイドスロットの第1のセット及びサイドスロットの第2のセットは、トランスデューサの電流経路を増加させ、それにより、広いEHF帯域幅を創出する。
【0147】
実施形態14は、実施形態12又は13の通信デバイスであり、電気信号を極高周波(EHF)電磁信号に変換するように構成された第2のトランスデューサであって、第2の台形形状の導体と、トランスデューサの中心線に沿って位置する第2のスロットと、第2のトランスデューサの第1の縁部に位置するサイドスロットの第3のセットと、第2のトランスデューサの第2の縁部に位置するサイドスロットの第4のセットとを含み、集積回路パッケージの基板に統合される、第2のトランスデューサを更に備える。
【0148】
実施形態15は、実施形態12~14のいずれかの通信デバイスであり、トランスデューサ及び第2のトランスデューサは、異なるEHF帯域に対応するように異なるサイズのものである。
【0149】
実施形態16は、実施形態12~15のいずれかの通信デバイスであり、トランスデューサ及び第2のトランスデューサが異なる幅のサイドスロットを有する。
【0150】
実施形態17は、実施形態12~16のいずれかの通信デバイスであり、プリント回路基板を更に備え、集積回路パッケージは、プリント回路基板上に搭載される。
【0151】
実施形態18は、実施形態12~17のいずれかの通信デバイスであり、トランスデューサによって発せられたEHF電磁信号を反射するように構成された接地面構造を更に備え、接地面構造は、プリント回路基板の層上、又は集積回路パッケージの基板の層上にある。
【0152】
実施形態19は、実施形態12~18のいずれかの通信デバイスであり、集積回路は、送信機集積回路、受信機集積回路、又はトランシーバ集積回路である。
【0153】
実施形態20は、トランスデューサであって、台形形状の導体と、トランスデューサの中心線に沿って位置するスロットと、トランスデューサの第1の縁部に位置するサイドスロットの第1のセットと、トランスデューサの第2の縁部に位置するサイドスロットの第2のセットと、を備え、トランスデューサが、トランスデューサに供給される電気信号がEHF信号としてトランスデューサから発せられるように、電気信号を極高周波(EHF)電磁信号に変換するように構成されている、トランスデューサである。
【0154】
実施形態21は、実施形態20のトランスデューサであり、サイドスロットの第1のセット及びサイドスロットの第2のセットは、トランスデューサの電流経路を増加させ、それにより、広いEHF帯域幅を創出する。
【0155】
実施形態22は、実施形態20又は21のトランスデューサであり、第1及び第2のスロットのサイズ及び位置は、トランスデューサが特定の周波数帯域幅にわたってEHF放射を発するように構成されている。
【0156】
実施形態23は、通信デバイスであり、通信デバイスは、電気信号を、通信デバイスの第1の表面から実質的に発せられる極高周波(EHF)電磁信号に変換するように構成されたトランスデューサと、トランスデューサに結合されており、トランスデューサと電気的に通信するように構成された集積回路と、を備え、集積回路は、通信デバイスの第2の表面に結合されており、第2の表面は第1の表面に平行であり、トランスデューサは、各々がそれぞれのマイクロストリップラインに結合された一対の実質的に扇形の部分を含む。
【0157】
実施形態24は、実施形態23の通信デバイスであり、各扇形導体は、一対の実質的に平行な湾曲縁部を有する湾曲スロットを含む。
【0158】
実施形態25は、実施形態23又は24の通信デバイスであり、基板を更に備え、トランスデューサは基板の表面上に印刷される。
【0159】
実施形態26は、実施形態23~25のいずれかの通信デバイスであり、集積回路は、基板上に位置決めされる。
【0160】
実施形態27は、実施形態23~26のいずれかの通信デバイスであり、通信デバイスは、集積回路及びトランスデューサの少なくとも一部分の周囲に形成された封入材料を更に含む。
【0161】
実施形態28は、実施形態23~27のいずれかの通信デバイスであり、トランスデューサによって発せられたEHF電磁信号を反射するように構成された接地面構造を更に備え、接地面構造は、基板の層上にある。
【0162】
実施形態29は、電気信号を極高周波(EHF)電磁信号に変換するように構成されたトランスデューサであって、一対の実質的に扇型の導体であって、一対の実質的に平行な湾曲縁部を有し、導体内に形成された湾曲スロットを含む、一対の扇型の導体と、一対のマイクロストリップ導体と、を備え、各マイクロストリップ導体は、一対の扇型の導体のそれぞれの一方に結合されている。
【0163】
実施形態30は、実施形態29のトランスデューサであり、扇形の導体の湾曲スロットは、トランスデューサの電気的長さを増加させて、トランスデューサにより低い周波数範囲を提供する。
【0164】
実施形態31は、実施形態29又は30のトランスデューサであり、トランスデューサの形状が、トランスデューサの入力インピーダンス応答を平坦化する。
【0165】
実施形態32は、通信デバイスであり、通信デバイスは、電気信号を、通信デバイスの第1の表面から実質的に発せられる極高周波(EHF)電磁信号に変換するように構成されたトランスデューサと、トランスデューサに結合されており、トランスデューサと電気的に通信するように構成された集積回路と、を備え、送信機回路が、通信デバイスの第2の表面に結合されており、第2の表面は、第1の表面に平行であり、トランスデューサは、スパイラル形状の導体を含む。
【0166】
実施形態33は、実施形態32の通信デバイスであり、スパイラル形状の導体が、アルキメデススパイラル又は対数スパイラルのうちの1つである。
【0167】
実施形態34は、実施形態32又は33の通信デバイスであり、基板であって、トランスデューサが基板の表面に印刷され、集積回路が基板に形成された導電経路に電気的に結合されている、基板と、トランスデューサによって発せられたEHF電磁信号を反射するように構成された接地面構造であって、接地面構造が基板の層上にある、接地面構造と、を更に備える。
【0168】
実施形態35は、実施形態32~34のいずれかの通信デバイスであり、第1の表面から発せられるEHF電磁信号は、スパイラル形状の導体の平面に直交する回転中に実質的に一定の強度を有する。
【0169】
実施形態36は、電気信号を極高周波(EHF)電磁信号に変換するように構成されたトランスデューサであって、それぞれの内側点から出発し、指定されたピッチにおいてスパイラル状に延びる複数の導電性スパイラルアームであって、ピッチ、導電性材料の組成、及びスパイラル全長によって定義される指定されたEHF周波数帯域にわたってEHF電磁信号を発するように構成されている、複数の導電性スパイラルアームを備える、トランスデューサである。
【0170】
実施形態37は、実施形態36のトランスデューサであり、スパイラルアームは、アルキメデススパイラル又は対数スパイラルのうちの1つを含む。
【0171】
実施形態38は、通信デバイスであり、通信デバイスは、基板上に位置決めされたトランスデューサであって、電気信号を、通信デバイスの第1の表面から実質的に発せられる極高周波(EHF)電磁信号に変換するように構成されている、トランスデューサと、基板上に位置決めされており、トランスデューサに結合された集積回路であって、トランスデューサと電気的に通信するように構成されている、集積回路と、平坦化されたホーン形状を有し、アンテナからの信号を特定の方向に狭めるようにトランスデューサに対して基板に結合されたビーム誘導構造と、を備える。
【0172】
実施形態39は、実施形態38の通信デバイスであり、ビーム誘導構造が、平坦化されたホーン形状のより広い直径側が、平坦化されたホーン形状のより狭い直径側よりもトランスデューサに近くなるように位置決めされる。
【0173】
実施形態40は、実施形態38又は39の通信デバイスであり、扁平形状の内面が導電性材料でコーティングされている。
【0174】
実施形態41は、実施形態38~40のいずれかの通信デバイスであり、平坦化されたホーン形状によって形成される空間内に材料を更に備え、材料は、EHF電磁信号の通過を阻害しない。
【0175】
実施形態42は、実施形態38~41のいずれかの通信デバイスであり、ビーム誘導構造は、平坦化されたホーン形状の内径及び高さを含む平坦化されたホーン形状の幾何学的形状に基づいて、トランスデューサからビーム誘導構造に入るEHF電磁信号の出力放射パターンを生成する。
【0176】
実施形態43は、方法であって、基板上に印刷された信号経路トレース、トランスデューサ、及び接地を有する基板を得ることと、基板信号経路トレースに基づいて、集積回路を基板に取り付けることと、基板及び集積回路を封入材料でオーバーモールドして、ICパッケージを形成することと、ICパッケージを接着層でコーティングすることと、接着層にビーム誘導構造を接着することと、を含み、ビーム誘導構造が、アンテナから発せられた信号を集束させ、方向付けるように構成されている、方法である。
【0177】
実施形態44は、実施形態43の方法であり、トランスデューサは、基板上に印刷され、信号経路トレースに電気的に結合される。
【0178】
実施形態45は、実施形態43又は44の方法であり、ビーム誘導構造は、平坦化されたホーン形状を有し、平坦化されたホーンの内面上に導電層を含む。
【0179】
実施形態46は、実施形態43~45のいずれかの方法であり、基板及びビーム誘導構造を封入して、通信デバイスを形成することを更に含む。
【0180】
実施形態47は、方法であって、基板上に印刷された信号経路トレース、トランスデューサ、及び接地を有する基板を得ることと、基板信号経路トレースに基づいて、集積回路を基板に取り付けることと、基板をオーバーモールドすることであって、オーバーモールドが、基板上に印刷されたトランスデューサに対して凹部を含む、オーバーモールドすることと、オーバーモールド材料の少なくとも一部分上に導電層を堆積させることと、導電層及び成形材料が組み合わさって、トランスデューサから発せられた信号を集束して方向付けるように構成されたビーム誘導構造を形成するように、RF信号を妨げない材料で凹部を充填することと、を含む方法である。
【0181】
実施形態48は、実施形態47の方法であり、トランスデューサに最も近い凹部の一部分に対応する導電層の一部分を除去することを更に含む。
【0182】
実施形態49は、実施形態47又は48の方法であり、トランスデューサは、基板上に印刷され、信号経路トレースに電気的に結合される。
【0183】
実施形態50は、実施形態47~49のいずれかの方法であり、凹部は、平坦化されたホーン形状を有するビーム誘導構造を形成する。
【0184】
実施形態51は、通信デバイスであり、通信デバイスは、基板上に印刷されており、電気信号を、通信デバイスの第1の表面から実質的に発せられる極高周波(EHF)電磁信号に変換するように構成されたトランスデューサと、基板上に位置決めされており、トランスデューサに結合されており、トランスデューサと電気的に通信するように構成された集積回路と、を備え、トランスデューサは、パッチを含み、パッチは、パッチの片側に沿って形成された角度付きスロットを有する。
【0185】
実施形態52は、実施形態51の通信デバイスであり、トランスデューサと基板との間に結合された第1の積層体層と、第1の積層体層からトランスデューサの反対側に位置決めされた第2の積層体層と、を更に備える。
【0186】
実施形態53は、実施形態51又は52の通信デバイスであり、第1及び第2の積層体の各々は、サイドファイア通信のためにEHF放射を方向付け、トランスデューサによって発せられたEHF放射のゲインを高めるそれぞれの接地面を含む。
【0187】
実施形態54は、実施形態51~53のいずれかの通信デバイスであり、それぞれの接地面は、トランスデューサの性能を調節するために、対応する積層体内にあるパターンでレイアウトされている。
【0188】
本明細書は、多くの具体的な実装詳細を含むが、これらは、任意の発明の範囲又は請求され得るものの範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ、特定の発明の特定の実施形態に特有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈において本明細書に記載されている特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴は、複数の実施形態で別々に、又は任意の適切な部分組み合わせで実装することもできる。更に、特徴は、ある組み合わせで作用するものとして上記で説明され、最初にそのように請求されてもよいが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によっては、組み合わせから除外することができ、請求される組み合わせは、部分組み合わせ又は部分組み合わせの変形形態を対象とすることができる。
【0189】
同様に、動作は特定の順序で図面に描かれているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作を例解された特定の順序で、又は連続した順序で実行すること、若しくは例解された全ての動作を実行することを必要とするものとして理解されるべきではない。ある状況では、マルチタスキング及び並列処理が有利であり得る。更に、上述の実施形態における様々なシステムモジュール及び構成要素の分離は、全ての実施形態でそのような分離を必要とすると理解されるべきではなく、説明されたプログラム構成要素及びシステムは、概して、単一のソフトウェア製品に一緒に統合することができるか、又は複数のソフトウェア製品にパッケージ化できることを理解されたい。
【0190】
主題の特定の実施形態を説明してきた。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。例えば、特許請求の範囲に記載されたアクションは、異なる順序で実行することができ、それでも所望の結果を達成することができる。一実施例として、添付の図面に描かれるプロセスは、所望の結果を達成するために、示される特定の順序、又は連続的な順序を必ずしも必要としない。場合によっては、マルチタスキング及び並列処理が有利であり得る。
【国際調査報告】