(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】印刷角度が調整可能な三次元印刷ヘッド
(51)【国際特許分類】
B29C 64/209 20170101AFI20240308BHJP
B29C 64/106 20170101ALI20240308BHJP
B29C 64/241 20170101ALI20240308BHJP
B29C 64/245 20170101ALI20240308BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240308BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20240308BHJP
B29C 64/393 20170101ALI20240308BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20240308BHJP
【FI】
B29C64/209
B29C64/106
B29C64/241
B29C64/245
B33Y10/00
B33Y30/00
B29C64/393
B33Y50/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560375
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 US2022017386
(87)【国際公開番号】W WO2022211929
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523370794
【氏名又は名称】マイティ ビルディングス インコーポレーティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】インディク、デニス
(72)【発明者】
【氏名】ボルゴフ、イゴール
(72)【発明者】
【氏名】デュボフ、アレクセイ
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AP06
4F213AP11
4F213AP12
4F213AQ01
4F213AR07
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL32
4F213WL35
4F213WL52
4F213WL73
4F213WL74
4F213WL85
(57)【要約】
3D印刷システムは、押し出しシステム、硬化システム、位置決めシステム、およびフィードバックシステムを含むことができる。押し出しシステムは、印刷材料供給源に結合された供給管と、印刷材料が押し出される長手方向軸を有するノズルとを含むことができる。ノズルは、長手方向軸と印刷される印刷材料の層の上面との間の印刷角度で印刷材料を押し出すことができる。硬化システムは、押し出し後に印刷材料を硬化させるように構成された光または他の硬化コンポーネントを含むことができる。位置決めシステムは、押し出しシステムを支持するプラットフォームと、印刷プロセス中にプラットフォームを回転させて印刷角度を調整するプラットフォーム回転サブシステムとを含むことができる。フィードバックシステムは、プロセッサと、印刷プロセス中に印刷領域内の3D印刷物体または他の物体に対するノズルの位置を検出するセンサとを含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷材料供給源に結合された供給管および供給管に結合されたノズルを含み、ノズルは、3D印刷物体の少なくとも一部を形成する印刷プロセス中に印刷材料が押し出される長手方向軸を有し、ノズルは、供給管を介して供給された印刷材料を印刷角度で押し出すように構成され、印刷角度は、長手方向軸と印刷される印刷材料の層の上面との間の角度によって定義される、押し出しシステムと、
印刷材料がノズルから押し出された後に印刷材料を硬化させるように構成された複数の硬化コンポーネントを含む硬化システムと、
押し出しシステムを支持するように構成されたプラットフォームと、印刷プロセス中にプラットフォームを回転させるように構成されたプラットフォーム回転サブシステムとを含み、プラットフォームを回転させることによって印刷角度が調整される、位置決めシステムと、
を備える三次元(「3D」)印刷システム。
【請求項2】
供給管が、印刷材料供給源に結合された第1セグメントと、第1セグメントに取り外し可能に結合され、前記ノズルに結合された第2セグメントとを含むことを特徴とする請求項1に記載の3D印刷システム。
【請求項3】
供給管の第2セグメントは、直管セグメントを形成することを特徴とする請求項2に記載の3D印刷システム。
【請求項4】
供給管の第2セグメントは、伸縮エルボ管セグメントを形成することを特徴とする請求項2に記載の3D印刷システム。
【請求項5】
押し出しシステムは、ノズルに近接して配置された保護スカートをさらに含み、保護スカートは、印刷材料が前記ノズルから押し出される際に、硬化システムから印刷材料を遮蔽するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の3D印刷システム。
【請求項6】
押し出しシステムは、供給管を印刷材料供給源に取り外し可能に結合するように構成された供給源結合器をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の3D印刷システム。
【請求項7】
押し出しシステムは、供給管とノズルとの間の堅固な接続を提供するように構成されたノズルコネクタをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の3D印刷システム。
【請求項8】
複数の硬化コンポーネントは、発光硬化コンポーネントを含むことを特徴とする請求項1に記載の3D印刷システム。
【請求項9】
複数の硬化コンポーネントは、集光サブシステムをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の3D印刷システム。
【請求項10】
位置決めシステムは、印刷プロセス中にプラットフォームを回転させるように構成された第1駆動装置と、印刷プロセス中に硬化システムを回転させるように構成された第2駆動装置とをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の3D印刷システム。
【請求項11】
少なくともプロセッサと1つまたは複数のセンサとを含むフィードバックシステムをさらに備え、フィードバックシステムは、印刷プロセス中に3D印刷物体に対するノズルの位置を検出することを容易にするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の3D印刷システム。
【請求項12】
フィードバックシステムは、視覚的品質管理を容易にするように構成された1つまたは複数のカメラをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の3D印刷システム。
【請求項13】
1つまたは複数のカメラは、視覚的な工程内品質監視を容易にするように構成されたビデオカメラと、印刷材料の硬化および硬化強度調整の視覚的な工程内検査を容易にするように構成された熱画像カメラとを含むことを特徴とする請求項12に記載の3D印刷システム。
【請求項14】
1つまたは複数のセンサは、さらなる印刷プロセスの補正に関する品質管理を容易にするように構成された少なくとも1つの印刷材料層高測定センサを含むことを特徴とする請求項11に記載の3D印刷システム。
【請求項15】
1つまたは複数のセンサは、3D印刷システムと、3D印刷物体または3D印刷システムの周囲の1つまたは複数の他の物体との間の衝突防止を容易にするように構成された少なくとも1つの安全センサを含むことを特徴とする請求項11に記載の3D印刷システム。
【請求項16】
1つまたは複数のセンサは、システムの較正および位置調整を容易にするように構成された少なくとも1つの位置特定センサを含むことを特徴とする請求項11に記載の3D印刷システム。
【請求項17】
1つまたは複数のセンサは、硬化品質管理を容易にするように構成された少なくとも1つの硬化強度センサを含むことを特徴とする請求項11に記載の3D印刷システム。
【請求項18】
3D印刷物体は、建築構成材であることを特徴とする請求項1に記載の3D印刷システム。
【請求項19】
3D印刷システムに配置され、押出口を有するノズルに供給管を通して印刷材料を供給する工程と、
ノズルの押出口からノズルの長手方向軸に沿って印刷角度で印刷材料を押し出す工程と、ここで、印刷角度は長手方向軸と印刷される印刷材料の層の上面との間の角度であり、
印刷材料の層を形成するために印刷材料がノズルから押し出されている間ノズルを横方向に移動させる工程と、
印刷材料の層を形成するために印刷材料がノズルから押し出された後、硬化システムを使用して印刷材料を硬化させる工程と、
印刷角度を変更するためにノズルの向きを回転させる工程と、
を備える3D印刷物体を3D印刷する方法。
【請求項20】
すべてのステップが同時に実行されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
押出口における印刷材料を硬化システムから遮蔽する工程をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
印刷材料を硬化させる間に硬化システムの向きを回転させる工程をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項23】
印刷材料を硬化させる間に硬化システムの強度を調整する工程をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項24】
3D印刷物体および3D印刷システム近傍の1つまたは複数の他の物体に対するノズルの位置を検出する位置センサからフィードバックを受信する工程をさらに含み、回転は、フィードバックに応答して実行されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願とのクロスリファレンス
本出願は、2021年3月31日に出願された米国特許出願第17/219,866号の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
技術分野
【0002】
本開示は、一般に、三次元(「3D」)印刷に関し、より詳細には、移動する印刷ヘッドを使用する3D印刷に関する。
【背景技術】
【0003】
層ごとの3D印刷に基づく付加製造における最近の進歩は、他の利点の中でも、カスタム設計の多様化、複雑なサプライチェーンを必要としない効率的な製造、低廃棄物、および高度な自動化をもたらした。このような多くの進歩の1つに、3D印刷システム内での可動印刷ヘッドの使用があり、これにより比較的高速での自動3D印刷が可能になる。
【0004】
残念なことに、従来の移動印刷ヘッドの用途は、柔軟性のない印刷ヘッドの動きと、印刷ヘッド内のノズルまたは他の印刷構成要素の固定された角度のために制限されている。例えば、従来の移動印刷ヘッドは、固定角度のノズルを利用し、XY平面内の移動に制限され、その結果、3D印刷された層は、そのXY平面に沿ってのみ堆積される。このため、複雑な曲率または形状を有する物体を印刷する能力が制限され、また、多くの複雑な物体を印刷する速度も制限され得る。
【0005】
移動する印刷ヘッドを使用する従来の3D印刷方法は、過去にうまく機能したが、改善は常に有用である。特に望まれているのは、印刷できる複雑な形状を有する3D物体の種類や、そのような3D物体を印刷する速度をより柔軟にできる3D印刷システムである。
【発明の概要】
【0006】
本開示の利点は、印刷できる複雑な形状を有する3D物体の種類、およびそのような3D物体を印刷できる速度において、より大きな柔軟性を可能にする3D印刷システムを提供することである。開示された特徴、装置、システム、および方法は、調整可能な印刷角度を有する3D印刷ヘッドを含む改善された3D印刷ソリューションを提供する。これらの利点は、ノズルを含む押し出しシステムを支持するプラットフォームを有する位置決めシステム、ならびに3D印刷プロセス中に自動化された移動および印刷角度の変更を可能にするプラットフォーム回転サブシステムおよびフィードバックシステムを含むことなど、複数の方法で達成することができる。
【0007】
本開示の様々な実施形態では、3D印刷システムは、押し出しシステム、硬化システム、および位置決めシステムを含むことができる。押し出しシステムは、印刷材料供給源に結合された供給管と、供給管に結合されたノズルとを含むことができ、ノズルは、3D印刷物体の少なくとも一部を形成するための印刷プロセス中に印刷材料が押し出される長手方向軸を有する。ノズルは、長手方向軸と印刷される印刷材料の層の上面との間の角度として定義される印刷角度で、供給管を介してそこに供給される印刷材料を押し出すように構成することができる。
硬化システムは、印刷材料がノズルから押し出された後に印刷材料を硬化させるように構成された複数の硬化コンポーネントを含むことができる。位置決めシステムは、押し出しシステムを支持するように構成されたプラットフォームと、印刷プロセス中にプラットフォームを回転させるように構成されたプラットフォーム回転サブシステムとを含むことができ、プラットフォームを回転させることにより、印刷角度が調整される。
【0008】
様々な詳細な実施形態において、供給管は、印刷材料供給源に結合された第1セグメントと、第1セグメントに取り外し可能に結合され、ノズルに結合された第2セグメントとを含むことができる。供給管の第2セグメントは、直管セグメント、伸縮エルボ管セグメント、または別のタイプもしくは形状の管セグメントを形成することができる。押し出しシステムは、ノズルに近接して配置された保護スカートをさらに含むことができ、この保護スカートは、印刷材料がノズルから押し出される際に印刷材料を硬化システムから遮蔽するように構成することができる。押し出しシステムはまた、供給管を印刷材料供給源に取り外し可能に結合するように構成された供給源結合器、および/または、供給管とノズルとの間に堅固な接続を提供するように構成されたループコネクタなどのノズル結合器を含むことができる。複数の硬化コンポーネントは、発光硬化コンポーネントおよび/または集光サブシステムを含み得る。位置決めシステムはまた、印刷プロセス中にプラットフォームを回転させるように構成された第1駆動装置と、印刷プロセス中に硬化システムを回転させるように構成された第2駆動装置とを含むことができる。
【0009】
さらに詳細な実施形態では、3D印刷システムは、少なくともプロセッサと1つまたは複数のセンサとを含むフィードバックシステムも含むことができる。フィードバックシステムは、印刷プロセス中に、3D印刷物体または他の物体に対するノズルの位置を検出するように構成することができる。センサは、さらなる印刷プロセスの補正に関する品質管理を容易にするように構成された少なくとも1つの印刷材料層高測定センサ、3D印刷システムと3D印刷物体または3D印刷システムの周囲の1つ以上の他の物体との間の衝突防止を容易にするように構成された少なくとも1つの安全センサ、システムの較正および位置調整を容易にするように構成された少なくとも1つの位置特定センサ、および/または硬化品質管理を容易にするように構成された少なくとも1つの硬化強度センサを含むことができる。フィードバックシステムは、視覚的品質管理を容易にするように構成された1つまたは複数のカメラをさらに含むことができる。そのようなカメラは、視覚的な工程内品質監視を容易にするように構成されたビデオカメラ、および印刷材料の硬化および硬化強度調整の視覚的な工程内検査を容易にするように構成された熱画像カメラを含むことができる。
【0010】
本開示のさらなる実施形態では、3D印刷物体を3D印刷する様々な方法が提供される。適切な工程ステップは、印刷材料を供給すること、印刷材料をノズルから押し出すこと、印刷中にノズルを横方向に移動させること、印刷材料を硬化させること、およびノズルの向きを回転させることを含み得る。印刷材料は、供給管を通してノズルに供給することができ、このノズルは押出口を有することができる。印刷材料は、ノズルの押出口から、ノズルの長手方向軸に沿って、印刷角度で押し出すことができ、印刷角度は、長手方向軸と印刷される印刷材料の層の上面との間の角度である。印刷材料は、印刷材料の層を形成するために印刷材料がノズルから押し出された後、硬化システムを使用して硬化させることができる。ノズルの向きを回転させることで、印刷角度を変えることができる。
【0011】
様々な詳細な実施形態では、前述の工程ステップの全てを同時に実行することができる。追加の工程ステップは、押出口における印刷材料を硬化システムから遮蔽すること、印刷材料を硬化させながら硬化システムの向きを回転させること、印刷材料を硬化させながら硬化システムの強度を調整すること、および/または3D印刷物体に対するノズルの位置を検出する位置センサからフィードバックを受信することを含むことができる。回転は、フィードバックに応答して実行することができる。
【0012】
本開示の他の装置、方法、特徴、および利点は、以下の図および詳細な説明を検討することにより、当業者に明らかになるか、または明らかになるであろう。このような追加の装置、方法、特徴、および利点はすべて、本明細書内に含まれ、本開示の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
含まれる図面は、例示を目的とするものであり、印刷ヘッド又は他の同様の3D印刷構成要素に対して調整可能な印刷角度で3D印刷を行うための開示される装置、システム及び方法の可能な構造及び構成の例を提供することのみを目的とする。これらの図面は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によって本開示に対して行われ得る形態および詳細のいかなる変更も制限するものではない。
【0014】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態による例示的な3D印刷システムを正面斜視図で示す。
【0015】
【
図2】
図2は、本開示の一実施形態による、調整可能な印刷角度を伴う3D印刷の例示的な方法のフローチャートを示す。
【0016】
【
図3】
図3は、本開示の一実施形態による3D印刷システムの例示的な押し出しシステムを側面立面図で示す。
【0017】
【
図4A】
図4Aは、本開示の一実施形態による3D印刷システムの例示的な位置決めシステムを正面斜視図で示す。
【0018】
【
図4B】
図4Bは、本開示の一実施形態による
図4Aの例示的な位置決めシステムを部分的に分解して示す図である。
【0019】
【
図5】
図5は、本開示の一実施形態による3D印刷システムのフィードバックシステムの例示的な側面斜視図で示す。
【0020】
【
図6】
図6は、本開示の一実施形態による3D印刷システムの例示的なフィードバックシステムの概略図である。
【0021】
【
図7A】
図7Aは、本開示の一実施形態によるヒンジ付き構造部品を印刷する例示的な3D印刷システムを側面斜視図で示す。
【0022】
【
図7B】
図7Bは、本開示の一実施形態による3D印刷物体の複雑なインフィル部分を印刷する例示的な3D印刷システムを側面斜視図で示す。
【0023】
【
図8】
図8は、本開示の一実施形態による、既存の障害物の周囲を印刷する例示的な3D印刷システムを側面斜視図で示す。
【0024】
【
図9】
図9は、本開示の一実施形態による3D印刷システムによって印刷された例示的な双曲面物体を正面斜視図で示す。
【0025】
【
図10】
図10は、本開示の一実施形態による、調整可能な印刷角度、光硬化システム、およびフィードバックシステムを含む、建築構成材を3D印刷する例示的な詳細方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
詳細説明
本開示による装置、システム、および方法の例示的な応用例をこのセクションで説明する。これらの例は、文脈を追加し、本開示の理解を助けるためにのみ提供される。したがって、本開示は、本明細書において提供されるこれらの具体的な詳細の一部または全部がなくても実施され得ることが、当業者には明らかであろう。いくつかの実施態様において、本開示を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の工程ステップは詳細に記載されていない。他の適用も可能であり、そのような場合、以下の実施例は限定的なものとして捉えられるべきではない。以下の詳細な説明において、本明細書の一部を構成し、本開示の特定の実施形態が例示として示されている添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本開示を実施することができるように十分詳細に記載されているが、これらの例は、他の実施形態を使用することができ、本開示の精神および範囲から逸脱することなく変更を行うことができるように、限定するものではないことが理解される。
【0027】
本開示は、様々な実施形態において、印刷ヘッドまたは他の同様の3D印刷構成要素の調整可能な印刷角度で3D印刷するための特徴、装置、システム、および方法に関する。開示される実施形態は、特殊な3D印刷システム、および特殊な3D印刷システムを使用する方法を含むことができる。特に、開示される実施形態は、3D印刷プロセス中にその印刷角度を調整することができる印刷ヘッドまたは他の同様の印刷構成要素の使用を含むことができる。具体的には、3D印刷システムの印刷ヘッドは、印刷中にその印刷角度を調整することができる。開示される実施形態はまた、3D印刷プロセス中にその硬化角度が調整され、その硬化強度が調整され得る硬化システムも含む。
【0028】
様々な実施形態において、開示された3D印刷システムは、壁、壁パネル、屋根、床などの家屋およびその様々な部分を印刷するために建築業界で利用することができる。3D印刷システムの印刷ヘッドは、XY平面、YZ平面、XZ平面、およびこれらの任意の組み合わせの各平面、ならびに球面およびこれらの平面および他の平面に対して角度をなす平面内に印刷層を堆積させることができる。3D印刷プロセス中に印刷ヘッドおよびノズルの傾斜または印刷角度を変更できるため、例えば天井や床などのヒンジ付き構造を印刷したり、例えば骨組み上に印刷したり、梁の周囲に印刷したりするなど、障害物の有無にかかわらず任意の表面に層を印刷したり、また双曲面などの複雑な幾何学的形状および構成を有する物体を印刷したりすることが可能になる。
【0029】
開示された実施形態によって提供される多くの利点は、床から天井までの建築構造物を製造し、建築物の構造骨組みの周囲を印刷し、建築構造物または建築構成材の複雑なインフィル(充填)部分を印刷し、双曲面構造などの軽量で耐久性のある複雑な構造物を印刷するための3D印刷の独自の製造方法を可能にする。また、角度を調整して3D印刷することで、印刷材料の反りを回避または大幅に低減し、曲面や複雑な形状の場合に、より堅牢で強度の高い製品を作ることができる。これらおよびその他の利点により、建築物およびその部品の従来の3D印刷プロセスと比較して、効率、人件費の削減、自動化レベルの高品質と精密さ、および開示された技術を利用して印刷できるデザインの多様性という点で大きな改善がもたらされる。
【0030】
開示された実施形態の特徴には、押し出しシステム、硬化システム、位置決めシステム、およびフィードバックシステムが含まれ、これらの各々は、独自の有利な構成要素を有する。押し出しシステムは、印刷プロセス中に調整することができる印刷角度で印刷材料を押し出すノズルと共に、分割または区分された供給管を含むことができる。硬化システムは、ノズルの印刷角度と相関して調整することができる角度で光または他の硬化媒体を集光させることができる硬化コンポーネントを含むことができる。位置決めシステムは、押し出しシステムが取り付けられるプラットフォームと、押し出しシステムの印刷角度と硬化システムの硬化角度とを調整するためにプラットフォームを回転させることができるプラットフォーム回転サブシステムとを含むことができる。フィードバックシステムは、プロセッサ、1つまたは複数のセンサ、および1つまたは複数のカメラを含むことができ、これらを組み合わせて、さまざまな3D印刷システムの構成要素の位置および硬化システムの硬化レベルを検出し、それに応じて自動印刷プロセスを調整することができる。
【0031】
本明細書で開示される様々な実施形態は、建物および建築構成材に関して3D印刷を論じているが、開示される特徴、装置、システム、および方法は、同様に、任意の関連するタイプの3D印刷および任意の3D印刷物体に使用できることが容易に理解されるであろう。例えば、開示されたシステムおよび方法は、モデル、図形、および建物建設に使用するためではない他のアイテムを3D印刷するために使用することができる。図示された実施形態を超える他の用途、構成、および外挿(既知の事柄から推定)も予期される。
【0032】
最初に
図1を参照すると、例示的な3D印刷システムが正面斜視図で示されている。3D印刷システム100は、押し出しシステム120、硬化システム140、位置決めシステム160、およびフィードバックシステム180を含むことができる。いくつかの実施形態では、これらの構成要素の各々は、ガントリーシステム104に結合され得る可動印刷ヘッド102に含まれ得る。ガントリーシステム104は、当業者には容易に理解されるように、3D印刷プロセス中に印刷ヘッド102を様々な方向に移動させることができるように構成することができる。様々な実施形態において、これらのシステムのいくつかの構成要素は、移動可能な印刷ヘッド102とは別の場所に配置することができる。例えば、フィードバックシステム180の1つ以上のプロセッサは、印刷ヘッド102の外部に配置されてもよい。
【0033】
押し出しシステム120は、供給ホースからノズルへの印刷材料の供給を行い、そこで材料が印刷される様々なサブシステムおよび構成要素を含むことができる。硬化システム140は、例えば、光学的硬化システムとすることができ、印刷材料の硬化を提供する様々なサブシステムおよび構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、印刷材料は光活性化材料とすることができ、硬化コンポーネントは、3D印刷作業中に印刷材料を固化させるために光活性化材料上に200~1000nmの間の1つ以上の波長の光を集光することができる。正確な波長は、容易に理解されるように、使用される正確な印刷ポリマーまたは他の材料に依存し得る。位置決めシステム160は、3D印刷動作中に、押し出しシステム120および/または硬化システム140のX軸、Y軸、およびZ軸に関する所望の方向および向きを提供する様々なサブシステムおよび構成要素を含むことができる。フィードバックシステム180は、完全に自動化され得る3D印刷動作中に、他のシステムが動作し、結束して相互作用することを可能にするために、正確で包括的な情報を提供する様々なサブシステムおよび構成要素を含み得る。
【0034】
次に
図2に目を向けると、調整可能な印刷角度を伴う3D印刷の例示的な方法のフローチャートが提供されている。方法200は高レベルの方法とすることができ、1つまたは複数のステップを省略することができ、および/または他のステップを追加することができることが容易に理解されるであろう。例えば、3D印刷プロセス中に硬化システムを回転させるステップおよび/または硬化強度を変更するステップを含めることができる。さらに、様々なステップを異なる順序で実行することができ、いくつかのステップを同時に実行することができる。例えば、ステップ204~210の全てを、連続した3D印刷プロセス中に同時に実行することができる。さらなる詳細なステップおよび説明は、
図10に規定される詳細な方法に関して以下に提供される。
【0035】
開始ステップ202の後、第1の工程ステップ204は、ノズルから印刷材料を押し出すことを含むことができる。これは、印刷材料供給源から印刷ヘッドに印刷材料を供給し、印刷ヘッドに配置されたノズルから印刷材料を押し出すことを含むことができる。
【0036】
次の工程ステップ206では、ノズルを横方向に移動させることができる。これは、印刷ヘッドを移動させることによってノズルを移動させるように、ノズルが取り付けられるかまたは他の方法で結合される印刷ヘッドの移動を伴うことができる。移動は、XY平面、YZ平面、及びXZ平面のうちの単独で又は任意の組み合わせのうちの複数であることができる。印刷ヘッドとノズルを移動させることで、硬化システムを移動させることもできる。
【0037】
次の工程ステップ208では、押し出された印刷材料を硬化させることができる。これは、光硬化、熱硬化、または任意の他の適切な印刷材料硬化技術を含むことができる。様々な構成において、印刷材料は、ノズルから押し出された直後に硬化させることができる。例えば、ノズルに続いて印刷材料がノズルから押し出された直後に印刷材料を硬化させるように、硬化システムを印刷ヘッドに配置することができる。ノズルの遮蔽配置により、ノズル自体での印刷材料の硬化を防ぐことができ、ノズルが押し出されたばかりの印刷材料から離れた直後にのみ硬化が行われるようにすることができる。
【0038】
次の工程ステップ210では、ノズルの向きを回転させることができる。この結果、印刷材料がノズルから押し出される印刷角度を変更することができる。このように印刷角度を変更すると、以前の印刷材料が印刷された角度とは異なる角度で、押し出された印刷材料をさらに印刷することができる。この場合も、すべての工程を同時に、自動化された方法で行うことができ、新しい印刷材料がノズルから押し出され続ける間に、以前に押し出された印刷材料に対して硬化が行われる。また、このプロセスを継続することにより、ノズルの向きが回転する前、その間、および回転した後の連続印刷を可能にすることができる。したがって、建築物、建築構成材、または他の物体の3D印刷が完了するまで、または所望の段階が終了するまで、すべてのステップを所望の限り繰り返すことができる。その後、本方法は終了ステップ212で終了する。
【0039】
ここで
図3に移って、3D印刷システムの例示的な押し出しシステムを側面立面図で示す。押し出しシステム120は、他の可能な構成要素の中でも、供給源結合器122、供給管第1セグメント124、供給管第2セグメント126、ノズル128、ノズル結合器130、および保護スカート132などの様々な構成要素を含むことができるが、これらに限定されない。
【0040】
供給源結合器122は、3D印刷システムの印刷材料供給源と供給管、具体的には供給管第1セグメント124との間の適切な接続を提供することができる。供給源結合器122は、例えばフランジコネクタとすることができるが、他のタイプの結合器を使用することもできる。供給管は、2つの別個のセグメント、供給管第1セグメント124および供給管第2セグメント126を有することができ、これらの一方または両方は、全体的な押し出しシステム120から取り外し可能かつ交換可能であることができる。供給管第1セグメント124および第2セグメント126は両方とも、中空であるか、またはそうでなければそこに印刷材料を流すための内部チャネルを形成することができ、例えばステンレス鋼などの同一または類似の材料から形成することができる。供給管第1セグメント124は、3D印刷プロセスおよび得られる製品を改善するために、3D印刷材料に一貫した流れ条件を提供する直線状の内部チャネルを有することができる。一貫した流れ条件は、例えば、供給管第1セグメント124が、円形ベースで円錐形部分を有する円筒を形成する内部断面を有する場合に達成され得る。
【0041】
供給管第2セグメント126は、ノズル128に到達するために、それ自身の内部チャネルを通って印刷材料の流れを継続することができる。幾つかの構成では、供給管第2セグメント126は、使い捨て可能であるか、そうでなければ交換可能であることができ、そのような供給管第2セグメント126を取り外して別の供給管第2セグメントと交換することができ、そのような供給管第2セグメントは、同じサイズおよび形状であっても、そうでなくてもよい。例えば、1つのタイプの供給管第2セグメント126は、
図3に示されるように、供給管の直線部を形成することができ、一方、別の交換可能なタイプの供給管第2セグメント(図示せず)は、エルボ付き継ぎ目のない供給管セグメントを形成することができる。供給管第2セグメント126は、3D印刷プロセス全体において、異なる印刷目的のために供給管の流れ条件およびパラメータを迅速に変更することを容易にするために、容易に取り外しおよび交換することができる。供給管第2セグメント126の内部断面も円筒形とすることができるが、直径の異なる円錐形チャネル形状を使用することもできる。2つの供給管セグメント124、126は、直管を形成するように接続することができる。あるいは、供給管第2セグメント126は、そこを通る印刷材料の流れに方向変化をもたらすエルボを有することができる。いずれのタイプの供給管第2セグメント126についても、供給管セグメントは、0~90度の間の角度で結合することができ、これは、供給管を通る流れを方向転換し、ノズル128および全体的な押し出しシステム120の印刷角度を調整するための別の手段を提供することができる。
【0042】
様々な実施形態において、供給管は、平面XY、YZ、XZおよびそれらの任意の組み合わせ内で層を堆積させる3D印刷プロセス中に、0~270度の間など、供給管内の角度を調整する可能性を有する角度形態とすることができる。管の内寸は5~50mmである。一実施形態では、供給管は、それに沿って同じ内部寸法を有する完全にまっすぐな管であり得る。別の実施形態では、供給管は、所定のプロセスに対する特定の3D印刷要件に従って一貫した複合材料の流れを提供するために、それに沿って異なる内部寸法を有することができる。供給管の各構成は、異なる3D印刷モードにおいてより優れた3D印刷性能を提供することを目的としている。
【0043】
そのような供給管構成の下では、ノズル128を供給管第2セグメント126の端部に結合して、印刷材料供給源から来て供給管を通過した印刷材料を押し出すことができる。ノズル128は、例えば、スチール、シリコーン、ゴム、および他のポリマーなどの任意の適切な材料で作ることができる。様々な構成において、ノズル材料は、複合材料および印刷材料を形成する任意の他の材料に対して化学的に耐性であることができ、また、光硬化システムから放出される光に対して照射耐性であるなど、硬化システムの影響に対して耐性であることができる。ノズル128は、異なる構成を有することができる。一実施形態では、ノズル128は、一定の円筒形内部寸法を有する円錐部分を有するシリコンシリンダとすることができる。別の実施形態では、ノズル128を通る内部通路は、例えば、3D印刷プロセス中に、より良好な複合材料堆積のための過圧を提供するように、可変のサイズおよび形状を有することができる。
【0044】
ノズル128は、3D印刷物体の少なくとも一部を形成する印刷プロセス中に印刷材料が押し出される長手方向軸を有することができることが容易に理解されよう。動作において、ノズル128は、供給管124、126を介してそこに供給される印刷材料を印刷角度で押し出すように構成することができ、印刷角度は、長手方向軸と印刷される印刷材料の層の上面との間の角度によって定義される。
【0045】
ノズル結合器130は、供給管とノズル128との間の堅固な接続を提供することができる。特に、ノズル結合器130は、供給管第2セグメント126をノズル128に取り外し可能に結合することができる。幾つかの構成では、ノズル結合器は、他のタイプの結合器も使用することができるが、適当に堅固な接続を容易にするためにループコネクタとすることができる。
【0046】
保護スカート132は、ノズル128の押出口付近に配置することができ、押出しの直後に印刷材料がノズルで直接硬化するのを回避することができる。特に、保護スカート132は、印刷材料が硬化システムから押し出される際に印刷材料を遮蔽することができ、この硬化システムは、3D印刷プロセス中にノズル128の動きに追従するように印刷ヘッドに結合され得る。保護スカート132は、スチール、シリコーン、ゴム、他のポリマー、または任意の他の適切な遮蔽材料で作ることができ、ノズルのすぐそばの印刷材料を遮蔽するのに十分な大きさにすることができるが、押し出されてノズルが離れた印刷材料は遮蔽しない。ノズル材料は、複合材料および発光システムから放射される光に対して化学的に耐性がある必要がある。
【0047】
様々な実施形態において、印刷材料がノズル128から押し出され、保護スカート132によって提供される遮蔽領域を出た後に、印刷材料を硬化させるために硬化システムを使用することができる。このような硬化システムは、光学的硬化システムとすることができるが、例えば、熱または化学反応硬化システムなどの他のタイプの印刷材料硬化を使用することもできる。光学的硬化システムは、例えば発光ダイオード(「LED」)などの任意の適切なタイプの複数の光源を含むことができる。レーザーダイオードのような任意のタイプのLEDを使用することができ、LEDの数は2~10,000またはそれ以上の間で変えることができる。印刷材料の層をより良好に硬化させるために、光源の数を増やしてもよい。発光サブシステムは、少なくとも1つの電子ユニットに設置されたレーザー発光器によって示される複数の光源を含むこともできる。
【0048】
様々な構成において、光硬化性能を向上させるために、光源をモジュールに組み合わせることができる。光源モジュールの数は様々であり得、所与の用途に対する所望の3D印刷パラメータに依存し得る。例えば、急速に重合する複合材料が印刷材料に使用される場合、堆積した印刷材料層を上から硬化させる光源モジュールは1つだけで十分である。逆に、ゆっくりと重合する複合材料が印刷材料に使用される場合、1つまたは複数の追加モジュールを使用して、堆積後にも印刷層を後硬化させることが有用な場合がある。このような追加の光源モジュールは、ノズルに対して斜めに配置することができる。このようにして、印刷ヘッドが印刷材料層を互いに重ねて堆積させる際に、印刷ヘッドが次に全く同じ地点に戻って通過するたびに、層を通して後硬化を行うことができる。
【0049】
光重合プロセスの効率を向上させるために、好適な3D印刷光学的硬化システムは、光重合可能な材料の光硬化を実行する発光サブシステムと、発光サブシステムによって放出された光を集光させる集光サブシステムとの2つが接続され調整されたサブシステムを含むことができる。集光サブシステムは、3D印刷層の光硬化を配置するために光出射方向を調整することが望ましい場合に、複雑な3D印刷構造または物体のあらゆる部分が所望の硬化の程度を達成するために等しい光硬化露光期間および光出力を有することができるように、複雑な構造または物体を印刷するために使用することができる。
【0050】
様々な構成において、硬化光源の波長は、他の範囲も可能であるが、約200nm~1000nmの間で変化させることができ、様々な硬化光源は、例えば、天井、床、内壁、外壁、インフィル領域、湾曲領域、またはそれらの任意の部分などの構造または物体のタイプに特有の正確な所望の特性を有する構造または物体を印刷するために、広範囲の化学系(chemical system)を可能にすることができる。1つの硬化システム内に複数の異なる光源または複数の光源を有する硬化モジュールを有することにより、所望の3D印刷パラメータに応じて3D印刷構造の品質を制御することができる。集光サブシステムを使用することで、光パワーを層堆積スポットで様々なレベルに集中させることができ、工程の効率と印刷速度を向上させることができる。光学的硬化システムのさらなる詳細は、「HIGH INTENSITY LIGHT CURING FOR THREE-DIMENSIONAL PRINTING」と題する米国特許出願番号/_に記載されており、この出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0051】
図4Aで続けると、3D印刷システムの位置決めシステムの一例が正面斜視図で示されている。位置決めシステム160は、連続的かつ自動化された方法で、3D印刷プロセス中に印刷ヘッドの印刷角度およびノズルの傾斜を変更するために使用することができる。このような印刷角度の変更により、他の様々な利点の中でも、天井や床のようなヒンジ付き構造の印刷、例えば骨組み上の印刷や梁の周りの印刷のような障害物のある任意の表面への層の堆積、双曲面のような複雑な幾何学的形状および構成を有する物体の作成、複雑なインフィル(充填物)のような他の物体内の内部物体を含む自由形状の構造の印刷が可能になる。
【0052】
位置決めシステム160は、プラットフォーム162、プラットフォーム回転サブシステム164、硬化システム回転サブシステム166、および現在位置センサ168を含むことができる。プラットフォーム162は、印刷ヘッド部品を設置するために使用することができ、固定部分170および回転部分172を有することができる。様々な実施形態において、押し出しシステムは、
図1に示されるような回転部分172に取り付けられ得る。プラットフォーム回転サブシステム164は、プラットフォーム162の固定部分170に対してプラットフォーム162の回転部分172を回転させることなどにより、印刷プロセス中の押し出しシステムの正確な回転を提供することができる。プラットフォーム部分170、172間のこの相対回転を容易にするために、油圧アクチュエータ174または他の適切な作動部品を使用することができる。
【0053】
ここでも、印刷材料が層として押し出され又は堆積される印刷角度は、ノズルの長手方向軸と印刷される印刷材料の層の上面との間の角度によって定義することができる。このように、回転部分172の回転により、押し出される印刷材料の層に対するノズルの傾斜角度が調整され、これにより印刷角度が調整される。様々な構成において、回転部分172はYZ平面内で180度まで回転させることができ、その結果、印刷角度は180度まで調整される。
【0054】
硬化システム回転サブシステム166は、硬化システムの硬化角度を調整するように動作することができ、これは、硬化システム回転サブシステム166に取り付けられるか、または他の方法で結合されることができる。いくつかの構成では、この取り付けまたは結合は、回転部分172の動きが硬化システムの動きも調整するように、回転部分172に相応することができる。他の構成では、硬化システム回転サブシステム166は、硬化角度が印刷角度とは別に調節され得るように、プラットフォーム回転サブシステム164とは独立して動作し得る。これにより、XYおよびYZ平面内の硬化光方向の独立した制御をもたらすことができ、一方、ノズルの傾きおよび印刷角度はYZ平面内で別々に調整される。
【0055】
いくつかの実施形態では、回転サブシステムは、2つの異なる駆動部を含むことができる。1つの構成では、プラットフォーム回転サブシステム164は、ノズルの傾き、ひいては印刷角度を調整するための1つの駆動部を含むことができ、一方、硬化システム回転サブシステム166は、硬化システム、ひいては硬化角度を調整するための別個の駆動部を有することができる。全体的なシステム構成に応じて、より多くの駆動装置を使用することができる。駆動装置の種類は、同じであっても異なっていてもよく、電気式、油圧式、機械式、空気圧式などの任意の適切な種類を含むことができる。
【0056】
位置決めシステム160はまた、1つまたは複数の現在位置センサ168を含むことができ、これらは、他のシステム動作面の中でも、印刷ヘッドの位置、印刷ヘッドの移動、印刷角度、および/または硬化角度を検出するように動作することができる。現在位置センサ(複数可)は、端部センサまたは連続センサとすることができ、例えば、電気式、磁気式、機械式、超音波式、レーザー式など、任意の適切なタイプのセンサ(複数可)とすることができる。
【0057】
図4Bは、本開示の一実施形態による
図4Aの例示的な位置決めシステムを部分的に分解して示す図である。ここでも、位置決めシステム160は、固定部分170と回転部分172とを有するプラットフォームを含むことができる。固定部分170は、その中に複数組の角度設定穴177を有する端部プレート176を含むことができ、この端部プレート176は、遠近法を示すために固定部分170から取り外されている。回転部分172は、端部プレート176の複数組の角度設定穴177に対応する1組の角度設定バンプ179を有する取付ブラケット178を含むことができる。
【0058】
動作において、1組の角度設定バンプ179は、1組の角度設定穴177内の所定位置にロックすることができ、3D印刷プロセス中、固定部分170に対して所定の角度で固定された位置に回転部分172を有する全体的なプラットフォームを安定に保持する。異なる印刷角度が所望される場合、回転部分172は、現在使用中の角度設定穴177のセットを角度設定バンプ179から押し出すのに十分な力で回転させることができ、その後、回転部分172は、異なる角度設定穴177のセットが角度設定バンプ179にロックされる所望の回転の向きに回転される。
【0059】
様々な実施形態において、固定部分170に対する回転部分172の角度回転を保持するために、類似の又は他の機構を使用することができる。例えば、1つまたは複数のピンが、固定部分170および回転部分172の両方の角度設定穴の一致するセットを通って延びることができる。さらに、より多数の設定角度位置、ひいてはノズルおよび押し出しシステムの対応する印刷角度を可能にするために、より多いまたはより少ない組の角度設定穴または凹部を形成することができる。他の構成では、連続的な相対回転配置を使用することによって、実質的に無限の角度位置を達成することができ、相対回転位置は、機械的クラッチおよびロックブレーキシステムによって固定部分170と回転部分172との間に保持される。本明細書に開示されるすべてのシステムおよびサブシステムの場合と同様に、位置決めシステム160の動作は、システムが1つまたは複数のプロセッサおよび電気機械コンポーネントによって制御されることにより、完全に自動化することができる。
【0060】
次に
図5に移ると、3D印刷システムのフィードバックシステムの一例が側面斜視図で示されている。フィードバックシステム180は、3D印刷プロセスに関する正確かつ包括的な情報を提供する様々なサブシステムの一部である複数のユニットを含むことができる。フィードバックシステムは、1つまたは複数のプロセッサ、ビデオカメラ、熱画像カメラ、印刷層測定センサ、安全センサ、印刷ヘッド位置センサ、および光強度測定センサを含むことができるが、これらに限定されず、他の可能なフィードバックシステムコンポーネントも含むことができる。センサ182は、1つ以上の光学モジュール184に近接するなど、印刷システム全体の様々な戦略的位置に配置することができる。
【0061】
ビデオカメラは、3D印刷プロセスを複数の場所および角度から撮影および/またはライブ映像で提供することができる。1つまたは複数の熱画像カメラを使用して、3D印刷プロセスの温度データおよび画像を記録し、熱画像による印刷プロセスおよび重合ダイナミクスの迅速なトラブルシューティングおよびロギングのニーズに対応することができる。印刷層測定センサは、1つまたは複数の押し出し印刷材料層の高さを測定できる。安全センサは、部品の衝突を避けるために、印刷ヘッドの様々な部品が安全で適切な位置にあることを確認することができる。印刷ヘッド位置センサは、印刷ヘッドの現在位置を特定することができる。光強度測定センサは、様々な光硬化パラメータの制御を可能にするように、現在の光強度を検出することができる。例えば、光硬化強度は0.1~10W/cm2の範囲で、印刷プロセス中に調整することができる。
【0062】
図6は、3D印刷システムの例示的なフィードバックシステムの概略図である。フィードバックシステム180は、プロセッサ181および様々な異なるチャネルを有することができる。チャネルは、他の可能なチャネルの中でも、品質保証チャネル182、安全チャネル183、光強度制御チャネル184、および印刷ヘッド位置制御チャネル185を含むことができる。プロセッサ181は、プログラマブルロジックコントローラまたは他の任意の適切なコントローラとすることができ、3D印刷システム全体の自動操作を容易にする。
【0063】
品質保証チャネル182は、1つまたは複数のビデオカメラ186、1つまたは複数の熱画像カメラ187、および1つまたは複数の層高測定センサ188からのデータの収集および処理を含むことができる。ビデオカメラ186は、例えば、約1~50mmの範囲の印刷材料の層の重量を測定することができる。熱画像カメラ(複数可)187は、例えば約20~120℃の範囲で、印刷ヘッド近傍の温度フィールドに関する情報を収集することができる。層高測定センサ(複数可)は、例えば約0.1~20mmの範囲で印刷材料の層の高さを測定することができる。
【0064】
安全チャネル183は、例えば約50~300mmの範囲で印刷ヘッド付近の障害物を認識するように構成された1つ以上の安全センサ189からのデータを含むことができる。このような障害物認識は、3D印刷システム内の他の構成要素だけでなく、外部の障害物との衝突を回避するために使用することができる。安全センサ189は、例えば、超音波、レーザー、3Dスキャン、磁気、機械などを含む任意の適切なタイプとすることができる。
【0065】
光強度チャネル184は、光強度を検出する光強度センサ190と、光モジュールの強度を制御する制御ユニット191とを含むことができる。ここでも、光モジュールは、例えばLEDモジュールとすることができ、各モジュールの光強度は、約0.1~10W/cm2の範囲とすることができる。
【0066】
ヘッド位置チャネル185は、印刷ヘッドの位置、印刷角度、および硬化角度に関する情報を提供するための位置および角度位置センサ192を含むことができる。センサは、例えば、電気式、超音波式、レーザー式、磁気式、機械式など、任意の適切なタイプとすることができる。印刷角度駆動装置193は、これらのセンサからの情報を使用して印刷ヘッドの印刷角度を調整することができ、硬化角度駆動装置194は、これらのセンサからの情報を使用して硬化システムの硬化角度を調整することができる。様々な実施形態において、印刷ヘッド位置は、約0.1mmの公差内で調整することができ、ノズルの傾き(例えば、印刷角度の回転)は、約1度の公差内で調整することができ、これにより、3D印刷システム全体に対して良好な印刷品質を提供することができる。
【0067】
フィードバックシステム180の様々な構成要素は、リアルタイム品質管理を提供し、これは無駄の減少につながる。フィードバックシステム180の使用により実現される更なる利点としては、ビデオカメラによるオンラインビデオ品質管理、熱画像カメラによる熱画像品質管理、高さ測定センサによる印刷層高さ品質管理、安全センサによる装置安全保証、光強度チャネルおよびセンサによる光硬化の品質保証を挙げることができる。
【0068】
次に、
図7Aから
図9に移って、様々な使用用途例を説明する。
図7Aは、ヒンジ付き構造部品を印刷する例示的な3D印刷システムを側面斜視図で示す。構成700は、上に規定されているような、全体的な3D印刷システムのノズル128がヒンジ付き構造部品702を印刷することを含むことができる。そのようなヒンジ付き構造部品は、例えば、天井、床、または所望され得る他の任意のヒンジ付き構造とすることができる。図示のように、ノズル128は、印刷されるヒンジ付き構造部品に対して90度ではない印刷角度で印刷することができる。そのような印刷角度は、他の角度も可能であるが、例えば、45度とすることができる。ノズル128は、印刷ヘッド(説明のために図示せず)の一部として、ノズル128に向かう方向に水平に延びる全体的なヒンジ付き構造部品702を形成するために、3D印刷材料の層上に層を斜めに堆積させるように角度を付けることができる。
【0069】
図7Bは、3D印刷物体の複雑なインフィル部分を印刷する例示的な3D印刷システムを側面斜視図で示す。構成750は、同様に、全体的な3D印刷システムのノズル128が複雑なインフィル部分752を印刷することを含むことができる。そのような複雑なインフィル部分752は、例えば、上記のヒンジ付き構造部品702のようなヒンジ付き構造部品内の角度の異なる部分とすることができる。図示のように、ノズル128は、ヒンジ付き構造部品702が印刷されている角度とは異なる印刷角度で印刷することができる。このような複雑なインフィル部分の印刷角度は、他の角度も可能であるが、例えば、30度とすることができる。ノズル128は、ここでも、ヒンジ付き構造部品702の角度の異なる部分内およびその間に形成され得る全体的な複雑なインフィル部分752を形成するために、3D印刷材料の層の上に層を斜めに堆積させるように角度を付けることができる。
【0070】
図8は、既存の障害物の周りを印刷する例示的な3D印刷システムを側面斜視図で示す。構成800は、全体的な3D印刷システムのノズル128が、以前に存在した障害物810に対して建築構成材802を印刷することを含むことができる。建築構成材802は、所望に応じて、ヒンジ付き構造部品または任意の他のタイプの建築構成材とすることができる。以前に存在した障害物810は、既存の建物の基礎、壁、梁、または障害物の種類の組み合わせとすることができる。示されるように、ノズル128は、印刷される建築構成材802に対して90度ではない印刷角度で再び印刷することができる。そのような印刷角度は、他の角度も可能であるが、例えば、45度とすることができる。
【0071】
図9は、3D印刷システムによって印刷された例示的な双曲面物体を正面斜視図で示す。双曲面物体900は、様々な曲線、ねじれ、曲がり、および他の特徴を有するカスタム設計の複雑な物体とすることができる。上記で詳述したように、双曲面物体900を構築するために使用される3D印刷プロセスは、調整可能な印刷角度を有する印刷ヘッドおよびノズル、ならびに調整可能な硬化角度を有する光硬化システムを使用する連続印刷を含むことができる。印刷角度および硬化角度は、複合3D印刷材料の印刷および硬化に最適な角度を提供するように、3D印刷プロセス中に連続的に調整することができる。このような角度の変更は、印刷される双曲面物体900の曲率、および印刷ヘッドの所与の時間と位置に応じて行うことができる。
【0072】
最後に、
図10は、調整可能な印刷角度、光硬化システム、およびフィードバックシステムを含む、建築構成材を3D印刷する例示的な詳細方法のフローチャートを示す。方法1000は、上述の方法200の詳細版とすることができ、様々なステップおよび詳細は、一方または両方の方法から交換可能および/または除去可能である。前述の方法200と同様に、方法1000の様々なステップは、連続的な3D印刷プロセスの間など、異なる順序で、および/または同時に実行することができる。さらに、所与の3D印刷された建築構成要素または他の物体の印刷が終了するまで、所望に応じて一部またはすべてのステップを繰り返すことができる。
【0073】
開始ステップ1002の後、第1の工程ステップ1004は、供給管を通して印刷材料を供給することを含むことができる。印刷材料は、全体的な印刷システムにおいて印刷ヘッドの外側に位置する印刷材料供給源から来ることができ、供給管は、少なくとも第1セグメントと交換可能な第2セグメントとを有するセグメント化された供給管とすることができる。第1の供給管セグメントは直線状とすることができ、第2の供給管セグメントは、直線状とすることもできるし、第2の管セグメントの長さに沿って一体的に形成されたエルボを有するなど、角度を付けることもできる。また、第1および第2の管セグメントは、互いに対して角度を付けることもでき、あるいは、その代わりに、貫通した一貫した直線状の内部チャネルを形成することもできる。
【0074】
続く工程ステップ1006において、設定された印刷角度でノズルから印刷材料を押し出すことができる。ノズルは、供給管に直接結合され得、設定された印刷角度は、印刷される層の表面に対して0度から180度の任意の角度とされ得る。
【0075】
次の工程ステップ1008では、印刷材料の層を形成するためにノズルを横方向に側面に沿って移動させることができる。これは、ノズルが取り付けられるかまたは他の方法で結合される印刷ヘッドの移動を伴うことができ、印刷ヘッドを移動させることがノズルを移動させるようにする。移動は、XY平面、YZ平面、及びXZ平面のうちの単独で又は任意の組み合わせで行うことができる。印刷ヘッドとノズルの移動は、いくつかの構成では、関連する硬化システムも移動させることができる。
【0076】
次の工程ステップ1010では、押し出された印刷材料を、設定された硬化角度で硬化システムを使って硬化させることができる。この場合も、光硬化、熱硬化、または任意の他の適切な印刷材料硬化技術を含むことができる。様々な構成において、印刷材料は、ノズルから押し出された直後に光硬化させることができる。例えば、ノズルに追従して印刷材料がノズルから押し出された直後に印刷材料を硬化させるように、硬化システムを印刷ヘッドに配置することができる。ノズルの保護スカートは、ノズルが押し出されたばかりの印刷材料から離れた直後にのみ硬化が行われるように、ノズル自体での印刷材料の硬化を防止することができる。
【0077】
次の工程ステップ1012では、ノズルの向きを回転させて新しい印刷角度を形成することができる。この結果、印刷材料がノズルから押し出される印刷角度を変更することができる。このように印刷角度を変更することにより、設定された印刷角度とは異なる角度で押し出された印刷材料をさらに印刷することができる。
【0078】
次の工程ステップ1014では、硬化システムの向きを回転させて新しい硬化角度を形成することができる。これにより、押し出されたばかりの印刷材料が硬化される硬化角度を変更することができる。硬化システムの向きは、ノズルの向きと同様に変更することができ、または、別個の駆動装置によってなど、独立して変更することもできる。
【0079】
次の工程ステップ1016では、硬化システム強度を調整して、新たな硬化強度を提供することができる。これは、光重合可能な印刷材料を硬化させるために配置された複数のLEDまたは他の光源からのような、光硬化強度の増減を含むことができる。この場合も、光硬化強度は0.1~10W/cm2の範囲であるが、他の硬化強度値も可能である。別の硬化構成では、これは、例えば熱などの硬化媒体の硬化強度を調整することを含むことができる。
【0080】
次の工程ステップ1018において、新しい印刷角度でノズルから印刷材料を押し出すことができる。新しい印刷角度もまた、印刷される層の表面に対して0度から180度の任意の角度とすることができ、以前に設定された印刷角度とは異なる角度とすることができる。この場合も、印刷角度は、ノズルの長手方向軸と印刷される印刷材料の層の上面との間の角度によって定義することができる。
【0081】
次の工程ステップ1020では、押し出された印刷材料を新しい硬化角度および新しい硬化強度で硬化させることができる。ここでも、新しい硬化角度は、新しい印刷角度の調整と一致するように調整することができ、または、印刷される領域の特定の条件に応じて、必要に応じて独立して調整することができる。例えば、建築構成材の複雑な湾曲領域を考慮すると、湾曲を考慮した印刷角度の調整が必要となる場合があるが、湾曲領域の複雑さにより、硬化強度を低下させた別の硬化角度が必要となる場合がある。
【0082】
続く判断ステップ1022では、3D印刷プロセスが終了したかどうかについて問い合わせを行うことができる。終了していない場合、方法は工程ステップ1004に戻り、全てのステップを繰り返すことができ、新しい印刷角度は設定された印刷角度になり、新しい硬化角度は設定された硬化角度になり、新しい硬化強度は設定された硬化強度になる。しかし、判断ステップ1022で印刷プロセスが終了した場合、方法は終了ステップ1024で終了する。
【0083】
ここでも、全ての工程は、新しい印刷材料がノズルから押し出され続ける間に、以前に押し出された印刷材料上で硬化が行われるように、同時に、自動化された様式で実行することができる。また、このプロセスを継続することにより、ノズルの向きが回転する前、その間、および回転した後の連続印刷を可能にすることができる。
【0084】
前述の開示は、明瞭性および理解の目的で、例示および実施例によって詳細に説明されてきたが、上述の開示は、本開示の精神または本質的な特徴から逸脱することなく、多数の他の具体的な変形および実施形態で具体化され得ることが認識されるであろう。特定の変更および修正が実施されてもよく、本開示は前述の詳細によって限定されるものではなく、むしろ添付の特許請求の範囲によって定義されるものであることが理解される。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷材料供給源に結合された供給管および供給管に結合されたノズルを含み、ノズルは、3D印刷物体の少なくとも一部を形成する印刷プロセス中に印刷材料が押し出される長手方向軸を有し、ノズルは、供給管を介して供給された印刷材料を印刷角度で押し出すように構成され、印刷角度は、長手方向軸と印刷される印刷材料の層の上面との間の角度によって定義される、押し出しシステムと、
印刷材料がノズルから押し出された後に印刷材料を硬化させるように構成された複数の硬化コンポーネントを含む硬化システムと、
押し出しシステムを支持するように構成されたプラットフォームと、印刷プロセス中にプラットフォームを回転させるように構成されたプラットフォーム回転サブシステムとを含み、プラットフォームを回転させることによって印刷角度が調整される、位置決めシステムと、
を備える三次元(「3D」)印刷システム。
【請求項2】
供給管が、印刷材料供給源に結合された第1セグメントと、第1セグメントに取り外し可能に結合され、前記ノズルに結合された第2セグメントとを含むことを特徴とする請求項1に記載の3D印刷システム。
【請求項3】
供給管の第2セグメントは、直管セグメント
または伸縮エルボ管セグメントを形成することを特徴とする請求項2に記載の3D印刷システム。
【請求項4】
押し出しシステムは、ノズルに近接して配置された保護スカートをさらに含み、保護スカートは、印刷材料が前記ノズルから押し出される際に、硬化システムから印刷材料を遮蔽するように構成されている、
または、
押し出しシステムは、供給管を印刷材料供給源に取り外し可能に結合するように構成された供給源結合器をさらに含む、または、
押し出しシステムは、供給管とノズルとの間の堅固な接続を提供するように構成されたノズルコネクタをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の3D印刷システム。
【請求項5】
複数の硬化コンポーネントは、発光硬化コンポーネント
または集光サブシステムを含むことを特徴とする請求項1に記載の3D印刷システム。
【請求項6】
位置決めシステムは、印刷プロセス中にプラットフォームを回転させるように構成された第1駆動装置と、印刷プロセス中に硬化システムを回転させるように構成された第2駆動装置とをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の3D印刷システム。
【請求項7】
少なくともプロセッサと1つまたは複数のセンサとを含むフィードバックシステムをさらに備え、フィードバックシステムは、印刷プロセス中に3D印刷物体に対するノズルの位置を検出することを容易にするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の3D印刷システム。
【請求項8】
フィードバックシステムは、視覚的品質管理を容易にするように構成された1つまたは複数のカメラをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の3D印刷システム。
【請求項9】
1つまたは複数のカメラは、視覚的な工程内品質監視を容易にするように構成されたビデオカメラと、印刷材料の硬化および硬化強度調整の視覚的な工程内検査を容易にするように構成された熱画像カメラとを含むことを特徴とする請求項8に記載の3D印刷システム。
【請求項10】
1つまたは複数のセンサは、さらなる印刷プロセスの補正に関する品質管理を容易にするように構成された少なくとも1つの印刷材料層高測定センサを含む、
または、
1つまたは複数のセンサは、3D印刷システムと、3D印刷物体または3D印刷システムの周囲の1つまたは複数の他の物体との間の衝突防止を容易にするように構成された少なくとも1つの安全センサを含む、または、
1つまたは複数のセンサは、システムの較正および位置調整を容易にするように構成された少なくとも1つの位置特定センサを含む、または、
1つまたは複数のセンサは、硬化品質管理を容易にするように構成された少なくとも1つの硬化強度センサを含む、ことを特徴とする請求項7に記載の3D印刷システム。
【請求項11】
3D印刷物体は、建築構成材であることを特徴とする請求項1に記載の3D印刷システム。
【請求項12】
3D印刷システムに配置され、押出口を有するノズルに供給管を通して印刷材料を供給する工程と、
ノズルの押出口からノズルの長手方向軸に沿って印刷角度で印刷材料を押し出す工程と、ここで、印刷角度は長手方向軸と印刷される印刷材料の層の上面との間の角度であり、
印刷材料の層を形成するために印刷材料がノズルから押し出されている間ノズルを横方向に移動させる工程と、
印刷材料の層を形成するために印刷材料がノズルから押し出された後、硬化システムを使用して印刷材料を硬化させる工程と、
印刷角度を変更するためにノズルの向きを回転させる工程と、
を備える3D印刷物体を3D印刷する方法。
【請求項13】
すべてのステップが同時に実行されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
押出口における印刷材料を硬化システムから遮蔽する工程をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
印刷材料を硬化させる間に硬化システムの向きを回転させる工程を、
または、
印刷材料を硬化させる間に硬化システムの強度を調整する工程を、または、
3D印刷物体および3D印刷システム近傍の1つまたは複数の他の物体に対するノズルの位置を検出する位置センサからフィードバックを受信する工程をさらに含み、
回転は、フィードバックに応答して実行されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【国際調査報告】