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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】整形外科用器具アダプタ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/16 20060101AFI20240308BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20240308BHJP
   A61F 2/46 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
A61B17/16
A61B17/56
A61F2/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560606
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 IB2022052043
(87)【国際公開番号】W WO2022208191
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】17/219,041
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham MA 02767-0350 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ザパリ・フェルナンド・エム
(72)【発明者】
【氏名】シュロー・コーリー
(72)【発明者】
【氏名】マティアス・アーロン・ジェイ
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA03
4C097AA07
4C097BB04
4C160LL04
4C160LL09
4C160LL12
4C160LL27
4C160LL28
4C160LL29
(57)【要約】
概して、整形外科用器具アダプタ及び整形外科用器具アダプタを使用する方法が提供される。例示的な実施形態では、アダプタは、骨に衝撃を与えるように構成されたエンドエフェクタに解放可能に取り付けられるように構成されている。エンドエフェクタは、ブローチ、チゼル、又は他の外科用器具であり得る。アダプタは、エンドエフェクタ内に形成された切り欠き内に解放可能に着座するように構成されたばね式フックを備える。アダプタはまた、骨に対するエンドエフェクタの衝撃付与を駆動するように構成された、整形外科用インパクタなどの外科用衝撃ツールに解放可能に取り付けられるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用システムであって、
骨に衝撃を与えるように構成されたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタ内にノッチが形成されている、エンドエフェクタと、
アダプタであって、
整形外科用インパクタを解放可能に係合するように構成された後方端部と、
前記エンドエフェクタの前記ノッチ内に解放可能に着座されるように構成されたフックを前方端部に有するばね式レバーであって、前記フックが傾斜した前方面を有する、ばね式レバーと、を含む、アダプタと、を含む、外科用システム。
【請求項2】
前記エンドエフェクタの後方方向への水平移動及び前記アダプタの前方方向への水平移動のうちの少なくとも一方が、前記アダプタと前記エンドエフェクタとを接触させ、それによって、前記フックが前記ノッチ内に解放可能に着座するように、前記ばね式レバーの移動を自動的に引き起こすように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アダプタが、ばねを含む解放機構をさらに含み、
前記フックが前記ノッチ内に解放可能に着座した状態で、前記解放機構の作動は、前記フックが前記ノッチから解放されるように前記フックの垂直方向の移動を引き起こすように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ノッチが前記フックをその中に解放可能に着座させた状態で、前記フックと前記エンドエフェクタとの間に単一の接触点が存在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記フックが、前方方向に傾斜する傾斜した後方面を有し、
前記傾斜した前方面は、後方方向に傾斜している、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
1つ以上の追加のエンドエフェクタをさらに含み、前記1つ以上の追加のエンドエフェクタのそれぞれは、内部に形成されたノッチを有し、
前記フックが、1回に前記ノッチのうちの1つに解放可能に着座するように構成されており、
前記エンドエフェクタ及び前記1つ以上の追加のエンドエフェクタのそれぞれが、互いに異なる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記整形外科用インパクタをさらに含み、
前記アダプタが前記整形外科用インパクタに解放可能に係合し、かつ前記フックが前記ノッチ内に解放可能に着座した状態で、前記整形外科用インパクタが前記エンドエフェクタを駆動して骨に繰り返し衝撃を与えるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記整形外科用インパクタが、前記エンドエフェクタを水平方向に駆動するように構成されており、
前記フックが、垂直方向に移動することによってのみ前記ノッチから解放されるように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
外科用システムであって、
アダプタを含み、前記アダプタは、
整形外科用インパクタを解放可能に係合するように構成された後方端部と、
ばねと、
前記ばねによって付勢されるレバーであって、前記レバーは、骨に衝撃を与えるように構成されたエンドエフェクタに解放可能に係合するように構成されたフックをその前方端部に有し、前記フックは、傾斜した前方面を有する、レバーと、を含む、外科用システム。
【請求項10】
前記アダプタが、前記アダプタの前記後方端部と前記アダプタの前方端部との間に延在する第1の長手方向軸を画定し、
前記傾斜した前方面が、前記第1の長手方向軸に対して横方向の角度で傾斜している、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記エンドエフェクタをさらに含み、
前記エンドエフェクタが、前記エンドエフェクタの後方端部と前記エンドエフェクタの前方端部との間に延在する第2の長手方向軸を画定し、
前記フックが、前記第1の長手方向軸及び前記第2の長手方向軸に対して実質的に垂直な方向に移動することによってのみ前記エンドエフェクタから解放されるように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ばねが、前記ばねが前記レバーを下方に付勢し、前記フックが前記エンドエフェクタに解放可能に係合するように構成される非圧縮構成と、前記フックが前記第1の長手方向軸に実質的に垂直な方向に移動して前記エンドエフェクタから解放されるように構成される圧縮構成との間で移動するように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記フックが、前方方向に傾斜する傾斜した後方面を有し、
前記傾斜した前方面は、後方方向に傾斜している、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記エンドエフェクタをさらに含み、
ノッチが、前記エンドエフェクタ内に形成されており、前記フックをその中に解放可能に着座させるように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記ノッチが前記フックをその中に解放可能に着座させた状態で、前記フックと前記エンドエフェクタとの間に単一の接触点が存在する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記アダプタが、前記ばねに動作可能に結合された解放機構をさらに含み、
前記フックが前記エンドエフェクタに解放可能に係合している状態で、前記解放機構の作動は、前記ばねを圧縮し、それによって、前記フックが前記エンドエフェクタから解放されるように前記レバーの移動を引き起こすように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
前記エンドエフェクタをさらに含み、
前記エンドエフェクタが、前記エンドエフェクタの後方端部と前記エンドエフェクタの前方端部との間に延在する長手方向軸を画定し、
前記レバーの前記移動が、前記長手方向軸に対して横方向である、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記整形外科用インパクタをさらに含み、
前記アダプタが前記整形外科用インパクタに解放可能に係合し、かつ前記レバーが前記エンドエフェクタに解放可能に係合した状態で、前記整形外科用インパクタが前記エンドエフェクタを駆動して骨に繰り返し衝撃を与えるように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、整形外科用器具アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
整形外科の分野では、人工関節などの人工装具は、患者の骨の中の空洞内に埋め込まれるか、又は据え付けられることが多い。空洞は、典型的には、手術中に、例えば、医師又は医療専門家が人工装具を据え付ける又は埋め込む前に形成され、医師又は医療専門家は、空洞を形成するために既存の骨を除去及び/又は圧縮する。プロテーゼとも称され得る人工装具は、通常、空洞に挿入されるステム又は他の突出部を備えている。
【0003】
空洞を形成するために、医師又は他の医療専門家は、人工装具のステムの形状に適合するブローチ、チゼル、又は他の外科用器具を使用してもよい。一般に、外科用器具は、空洞を形成するために、インプラント領域に押し進められる。外科用器具を押し込むための1つの技術には、外科用器具をインプラント領域内に押し進めるために、医師又は他の医療専門家が外科用衝撃ツール(surgical impacting tool)をハンマーで手動で打つことが挙げられる。プロテーゼ空洞を形成するための別の技法は、医師又は他の医療専門家によって提供される手動動力を使用する代わりに、空洞を形成するためのコンピュータ制御ロボットアームに依存する。プロテーゼ空洞を形成するための別の技法では、外科用器具を空気圧によって、即ち、圧縮空気によって駆動する。プロテーゼ空洞を形成するための別の技法は、リニア圧縮機に依存し、このリニア圧縮機は、空気を単一ストロークベースで圧縮し、その後、十分な圧力が生成された後に、弁を通してストライカ上に空気を放出して外科用器具を押し進める。
【0004】
ブローチ、チゼル、又は他の外科用器具は、例えば、特定の患者のニーズに対応するのを助けるために、異なるサイズ及び/又は形状の外科用器具を異なる外科的処置において外科用衝撃ツールと共に使用することができるようにするために、摩耗した外科用器具、損傷した外科用器具、又はさもなければ外科用衝撃ツールの残りの部分を交換する必要なしに将来使用するのには望ましくない外科用器具の交換を可能にするために、及び/又は外科用器具についての外科医の個人的好みに対応するように、外科用衝撃ツールに解放可能に結合され得る。しかしながら、上述した4つの技術のような、プロテーゼ空洞を形成するために外科用器具を押し進める様々な技術は、外科用器具を押し進めるのに必要な力に起因して、外科用衝撃ツールに対する外科用器具の取り外し可能な結合を緩める可能性がある。そのような緩みは、外科的処置中に外科用器具を外科用衝撃ツールから予期せず分離させる可能性があり、外科用器具を意図しない方向に振動させ又は他の方法で移動させ、そのため患者に害を与える及び/又は空洞形成に悪影響を及ぼす可能性があり、かつ/又は外科用器具が意図された全力を受け入れて押し進められることができないようにすることによって、空洞形成を妨げる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、改善された外科用衝撃ツールが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概して、整形外科用器具アダプタ及び整形外科用器具アダプタを使用する方法が提供される。
【0007】
1つの態様では、外科用システムが提供され、一実施形態では、外科用システムは、エンドエフェクタ及びアダプタを含む。エンドエフェクタは、骨に衝撃を与えるように構成されている。エンドエフェクタにはノッチが形成されている。アダプタは、整形外科用インパクタに解放可能に係合するように構成された後方端部と、エンドエフェクタのノッチ内に解放可能に着座されるように構成されたフックを前方端部に有するばね式レバーと、を備える。フックは、傾斜した前方面を有する。
【0008】
外科用システムは、あらゆるバリエーションを有することができる。例えば、後方方向へのエンドエフェクタの水平移動及び前方方向へのアダプタの水平移動のうちの少なくとも一方は、アダプタとエンドエフェクタとを接触させ、それによって、フックがノッチ内に解放可能に着座するように、ばね式レバーの移動を自動的に引き起こすように構成され得る。いくつかの実施形態では、アダプタはまた、ばねを含む解放機構を備えることができ、フックがノッチ内に解放可能に着座した状態で解放機構を作動させると、フックの垂直方向の移動が引き起こされ、これにより、フックがノッチから解放されるように構成され得る。
【0009】
別の実施例では、ノッチがその中にフックを解放可能に着座させた状態で、フックとエンドエフェクタとの間に単一の接触点が存在し得る。さらに別の実施例では、フックは、前方方向に傾斜する傾斜した後方面を有することができ、傾斜した前方面は、後方方向に傾斜することができる。さらに別の実施例では、外科用システムはまた、1つ以上の追加のエンドエフェクタを含むことができ、1つ以上の追加のエンドエフェクタのそれぞれは、内部に形成されたノッチを有することができる。フックは、1回にノッチのうちの1つに解放可能に着座するように構成され得る。エンドエフェクタ及び1つ以上の追加のエンドエフェクタのそれぞれは、互いに異なることができる。
【0010】
さらに別の実施例では、外科用システムはまた、整形外科用インパクタを含むことができ、アダプタが整形外科用インパクタに解放可能に係合し、かつフックがノッチ内に解放可能に着座した状態で、整形外科用インパクタは、エンドエフェクタを駆動して骨に繰り返し衝撃を与えるように構成され得る。いくつかの実施形態では、整形外科用インパクタは、エンドエフェクタを水平方向に駆動するように構成され得、フックは、垂直方向に移動することによってのみノッチから解放されるように構成され得る。
【0011】
別の実施形態では、外科用システムは、整形外科用インパクタに解放可能に係合するように構成された後方端部と、ばねと、ばねによって付勢されるレバーと、を備えるアダプタを含む。レバーは、その前方端部にフックを有し、フックは、骨に衝撃を与えるように構成されたエンドエフェクタに解放可能に係合するように構成されている。フックは、傾斜した前方面を有する。
【0012】
外科用システムは、様々な方式で異なり得る。例えば、アダプタは、アダプタの後方端部とアダプタの前方端部との間に延在する第1の長手方向軸に対して横方向の角度を規定することができ、傾斜した前方面は、第1の長手方向軸に対して横方向の角度で傾斜することができる。いくつかの実施形態では、外科用システムはまた、エンドエフェクタを含むことができ、エンドエフェクタは、エンドエフェクタの後方端部とエンドエフェクタの前方端部との間に延在する第2の長手方向軸を画定することができ、フックは、第1の長手方向軸及び第2の長手方向軸に実質的に垂直な方向に移動することによってのみエンドエフェクタから解放されるように構成され得、及び/又はばねは、ばねがレバーを下方に付勢し、フックがエンドエフェクタに解放可能に係合するように構成される非圧縮構成と、フックが第1の長手方向軸に実質的に垂直な方向に移動してエンドエフェクタから解放されるように構成される圧縮構成との間で移動するように構成され得る。
【0013】
別の実施例では、フックは、前方方向に傾斜する傾斜した後方面を有することができ、傾斜した前方面は、後方方向に傾斜することができる。
【0014】
さらに別の実施例では、外科用システムはまた、エンドエフェクタを含むことができ、エンドエフェクタ内にはノッチが形成され、ノッチは、その中にフックを解放可能に着座させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、ノッチがその中にフックを解放可能に着座させた状態で、フックとエンドエフェクタとの間に単一の接触点が存在し得る。
【0015】
さらに別の実施例では、アダプタはまた、ばねに動作可能に結合された解放機構を備えることができ、フックがエンドエフェクタに解放可能に係合した状態で解放機構を作動させると、ばねが圧縮し、それによって、レバーの移動が引き起こされてフックがエンドエフェクタから解放されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、外科用システムはまた、エンドエフェクタを含むことができ、エンドエフェクタは、エンドエフェクタの後方端部とエンドエフェクタの前方端部との間に延在する長手方向軸を画定することができ、レバーの移動は、長手方向軸に対して横方向であり得る。
【0016】
別の実施例では、外科用システムはまた、エンドエフェクタを含むことができ、エンドエフェクタはブローチ又はチゼルを備えることができる。
【0017】
別の実施例では、外科用システムはまた、整形外科用インパクタを含むことができ、アダプタが整形外科用インパクタに解放可能に係合し、かつレバーがエンドエフェクタに解放可能に係合した状態で、整形外科用インパクタは、エンドエフェクタを駆動して骨に繰り返し衝撃を与えるように構成され得る。
【0018】
別の態様では、外科的方法が提供され、この外科的方法は、一実施形態では、アダプタとエンドエフェクタとが接触するように、エンドエフェクタを後方方向に水平に移動させること及びアダプタを前方方向に移動させることのうちの少なくとも一方を行い、それによって、アダプタのばね式レバーの移動を引き起こし、レバーのフックがエンドエフェクタのノッチ内に解放可能に着座し、レバーとエンドエフェクタとの間に単一の接触点が存在するようにすることを含む。外科的方法はまた、アダプタが整形外科用インパクタに結合され、かつフックがノッチ内に解放可能に着座された状態で、整形外科用インパクタがエンドエフェクタを水平方向に駆動して骨に衝撃を与えることを引き起こすことを含む。
【0019】
外科的方法は、任意の数の変形例を有することができる。例えば、フックは、傾斜した前方面及び傾斜した後方面を有することができる。別の実施例では、フックは、エンドエフェクタに対して垂直に移動することによってのみ、ノッチから解放可能であってもよい。
【0020】
さらに別の実施例では、外科的方法はまた、アダプタの解放機構を作動させ、それによって、フックをノッチから解放することを含むことができる。いくつかの実施形態では、解放機構の作動により、フックが垂直に移動してノッチから解放され得、及び/又はアクチュエータのばねは、フックがノッチ内に着座することに応答して圧縮解除され得、解放機構の作動により、ばねが圧縮され得る。
【0021】
さらに別の実施例では、エンドエフェクタは、ブローチ又はチゼルを備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本開示は、以下の詳細な説明を添付図面と併せ読むことで、より完全に理解されよう。
図1】アダプタの一実施形態の斜視図である。
図2図1のアダプタの分解図である。
図3図1のアダプタの底面図である。
図4図1のアダプタの側面図である。
図5図1のアダプタのレバーの側面図である。
図6図5のレバーの一部の側断面図である。
図7】エンドエフェクタの一実施形態に結合された図1のアダプタの断面図である。
図8図7の一部の拡大図である。
図9図1のアダプタ及び外科用衝撃ツールの一実施形態の斜視図である。
図10】互いに結合された図9のアダプタ及び外科用衝撃ツール、及びエンドエフェクタの別の実施形態の斜視図である。
図11】互いに結合され、かつエンドエフェクタの一部が脛骨内に位置決めされている、図10のアダプタ、外科用衝撃ツール、及びエンドエフェクタの斜視図である。
図12】エンドエフェクタが脛骨内に位置決めされている、図11のアダプタ、外科用衝撃ツール、及びエンドエフェクタの斜視図である。
図13】アダプタ及び外科用衝撃ツールがエンドエフェクタから解放された状態の、図12のアダプタ、外科用衝撃ツール、及びエンドエフェクタの斜視図である。
図14図1のアダプタ及びブローチストップの一実施形態の斜視図である。
図15】互いに結合され、図9の外科用衝撃ツール及びエンドエフェクタの別の実施形態に結合され、エンドエフェクタの一部が大腿骨内に位置決めされている、図14のアダプタ及びブローチストップの斜視図である。
図16】エンドエフェクタが大腿骨内に位置決めされている、図15のアダプタ、ブローチストップ、エンドエフェクタ、及び外科用衝撃ツールの斜視図である。
図17図16のアダプタ、ブローチストップ、エンドエフェクタ、及び外科用衝撃ツール、並びにブローチシムの一実施形態の斜視図である。
図18】ブローチシムの使用後の、図17のアダプタ、ブローチストップ、エンドエフェクタ、及び外科用衝撃ツールの斜視図である。
図19】アダプタ、ブローチストップ、及び外科用衝撃ツールがエンドエフェクタから解放されている、図18のアダプタ、ブローチストップ、外科用衝撃ツール、及びエンドエフェクタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ここで、本明細書で開示する装置及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解が得られるように、特定の例示的な実施形態を説明する。これらの実施形態の1つ又は2つ以上の実施例が、添付の図面に例解されている。当業者であれば、本明細書で詳細に説明し、添付の図面に示されるデバイス、システム、及び方法は、非限定的な例示的実施形態であり、本発明の範囲は、特許請求の範囲のみによって定義されることが理解されるであろう。例示的な一実施形態に関連して例解又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような改変及び変形は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0024】
さらに、本開示においては、実施形態の同様の名称の構成要素は概して同様の特徴を有するものであり、したがって、特定の実施形態において、同様の名称の各構成要素の各特徴については必ずしも完全に詳しく述べることはしない。追加的に、開示されるシステム、デバイス、及び方法の説明で直線寸法又は円寸法が使用される限りにおいて、そのような寸法は、そのようなシステム、デバイス、及び方法と組み合わせて使用することができる形状の種類を限定しようとするものではない。当業者には、そのような直線寸法及び円寸法に相当する寸法を、任意の幾何学的形状について容易に決定することができる点が認識されるであろう。システム及びデバイス、並びにその構成要素のサイズ及び形状は、少なくとも、システム及びデバイスが内部で使用される対象の解剖学的構造、システム及びデバイスが使用される構成要素のサイズ及び形状、並びにシステム及びデバイスが使用される方法及び手術に依存し得る。
【0025】
概して、整形外科用器具アダプタ及び整形外科用器具アダプタを使用する方法が提供される。例示的な実施形態では、アダプタは、骨に衝撃を与えるように構成されたエンドエフェクタに解放可能に取り付けられるように構成されている。エンドエフェクタは、ブローチ、チゼル、又は他の外科用器具であり得る。アダプタは、エンドエフェクタ内に形成された切り欠き内に解放可能に着座するように構成されたばね式フックを備える。フックがばね式であることにより、フックが移動してエンドエフェクタと接触するとき、及び/又はエンドエフェクタが移動してフックと接触するときに、フックがエンドエフェクタの切り欠き内に迅速かつ自動的に着座することが可能になる。したがって、ユーザー、例えば、外科医又は他の医療専門家は、アダプタ及びエンドエフェクタを一体に取り付けるために、2つの構成要素を単に移動させて互いに接触させること以外に、いかなる特定の動作も行う必要がない。アダプタとエンドエフェクタとの分離はまた、アダプタのボタンを押すこと又はアダプタの別のアクチュエータを作動させることなどによってアダプタのばねを圧縮して、フックを切り欠きから解放することによって、迅速かつ簡単に達成され得る。
【0026】
アダプタはまた、骨に対するエンドエフェクタの衝撃付与を駆動するように構成された、整形外科用インパクタなどの外科用衝撃ツールに解放可能に取り付けられるように構成されている。アダプタが外科用衝撃ツールに解放可能に取り付け可能であることにより、アダプタは様々な異なる外科用衝撃ツールに解放可能に取り付け可能となり、異なる外科用衝撃ツールを、それぞれ、アダプタに解放可能に取り付け可能な様々な異なるエンドエフェクタと共に使用することができる。エンドエフェクタのそれぞれは、形状及び/又はサイズが互いに異なっていてもよく、それにより、特定の患者の骨に対して実施されている特定の外科的処置における最適な望ましい衝撃付与のために、特定のエンドエフェクタが外科医(又は他の医療専門家)によって選択されることを可能にする。いくつかの実施形態では、アダプタは、外科用衝撃ツールに解放可能に取り付け可能である代わりに、外科用衝撃ツールが様々な異なるエンドエフェクタと共に使用されることを可能にするために、外科用衝撃ツールに解放不可能に取り付けられてもよい。
【0027】
アダプタの後方端部は、外科用衝撃ツールに解放可能に取り付けられるように構成され、アダプタの前方端部は、エンドエフェクタに解放可能に取り付けられるように構成されている。フックは、フックの先端に向かって後方方向に傾斜する、面取りされた前方面を有する。フックの先端は、アダプタがエンドエフェクタに解放可能に取り付けられたときに、フックとエンドエフェクタとの間の単一の接触点を画定する。アダプタに解放可能に取り付けられた外科用衝撃ツールは、アダプタを介してエンドエフェクタに水平方向の力を提供して、エンドエフェクタに衝撃を与えるのを駆動するように構成されている。フックは、切り欠き内に垂直に移動してアダプタをエンドエフェクタに取り付け、切り欠きから出て垂直に移動してアダプタをエンドエフェクタから解放するように構成されている。外科用衝撃ツールからの水平方向の力がアダプタ又はエンドエフェクタの垂直運動を促すことはないので、フックとエンドエフェクタとの間の単一の接触点は、衝撃付与中にアダプタとエンドエフェクタとの確実な取り付けを維持するのに役立ち得る。
【0028】
図1図4は、骨に衝撃を与えるように構成されたエンドエフェクタに解放可能に取り付けられるように構成されたアダプタ100の一実施形態を示す。アダプタ100は、本体102と、レバー104と、レバー104を本体102に枢動可能に取り付けるピン106と、本体102に対するレバー104の移動を容易にするばね108と、を含む。レバー104は、フック110及びボタン112を含む。フック110は、アダプタ100とエンドエフェクタとを解放可能に取り付けるために、エンドエフェクタに形成されたノッチ(本明細書では「切り欠き」とも呼ばれる)内に解放可能に着座するように構成されている。ボタン112は、ノッチ内へのフック110の着座及びノッチからのフック110の解放を容易にするように構成されている。
【0029】
ピン106は枢動点を画定し、レバー104はこの枢動点を中心に本体102に対して枢動するように構成されている。レバー104は、その内部を通って形成されて、ピン106をその中に着座させるように構成された通路114を含む。本体102は対向チャネル116を有し、この対向チャネル116は、本体102の左の側壁及び右の側壁を通って形成され、ピン106をその中に着座させるように構成されている。ピン106は、図1図3、及び図4の通路114及びチャネル116内に着座される。この図示された実施形態におけるように、ピン106は、本体102及びレバー104に対して所定の位置に固定され得、これは、本体102に対するピン106を中心としたレバー104の滑らかな枢動を容易にするのに役立ち得る。ピン106は、例えば、締まり嵌めを介して、接着剤を使用して、溶接を介してその中に着座させることによってなど、種々の方法のうちのいずれかで通路114及びチャネル116内に固定され得る。
【0030】
ピン106は、この図示された実施形態では単一の中実円筒形ロッドである。他の実施形態では、ピン106は、他の構成を有することができる。例えば、ピン106は単一の中空円筒形ロッドであってもよい。単一の円筒形ロッド(中空又は中実)であるピン106は、レバー104の全幅にわたって延在することによって、本体102に対するレバー104の滑らかな枢動運動を容易にするのに役立ち得る。別の実施例では、ピン106は、本体102及びレバー104の左側又は右側に取り付けられる第1の円筒形ロッド(中空又は中実)と、本体102及びレバー104の左側及び右側の他方に取り付けられる第2の円筒形ロッド(中空又は中実)と、を含むことができる。例えば、単一のピンを貫通させて受容するための通路114をレバー104に形成する必要がないという理由から、2つの枢動ピンを含むピン106は、アダプタ100の製造を容易にすることができる。さらに別の実施例では、ピン106は、レバー104と一体的に形成されて、本体102内に着座するように構成されてもよい。さらに別の実施例では、ピン106は、本体102と一体的に形成されて、レバー104内に着座するように構成されてもよい。
【0031】
本体102は、内部に形成された空洞118を有する。空洞118は、図1図3、及び図4に示されるように、ばね108及びレバー104を内部に着座させるように構成されている。空洞118のサイズ及び形状は、概して、ばね108及びレバー104のそれぞれのサイズ及び形状に依存する。空洞118は、図1図3、及び図4に示されるように、ばね108を内部に完全に着座させるように構成されている。空洞118は、図1図3、及び図4にさらに示すように、レバー104を内部に部分的に着座させるように構成されている。レバー104の少なくともボタン112及びフック110は、本体102の外側に位置するように構成され、したがって、少なくとも部分的に空洞118の外側に位置する。図1及び図4に示すように、ボタン112は、本体102の底部対向面102bを越えて延びており、これにより、以下でさらに説明するように、ユーザーが手動で押すためのボタン112へのユーザーアクセスを容易にすることができる。図1図3、及び図4に示すように、フック110は、本体102の前方対向面102fを越えて延びており、これにより、以下でさらに説明するように、フック110がエンドエフェクタ内に形成されたノッチ内に引っ掛かることが可能になり得る。例示的な実施形態では、フック110がノッチ内に着座した状態で、本体102の前方対向面102fは、エンドエフェクタの後方対向面に当接するが、これは、アダプタ100をエンドエフェクタに対して安定させるのに役立ち得る。
【0032】
アダプタ100は、本体102の前方端部にスタビライザ120を含む。スタビライザ120は、本体102から前方方向に延在する。スタビライザ120は、ノッチが形成されているエンドエフェクタ内に形成された空洞内に解放可能に着座するように構成されており、このノッチの中にフック110が着座するように構成されている。スタビライザ120は、アダプタ100をエンドエフェクタに対して安定させるのを助けるために、エンドエフェクタに解放可能に係合するように構成されている。スタビライザ120のサイズ及び形状は、概して、アダプタ100が解放可能に取り付けられるように構成されているエンドエフェクタのサイズ及び形状に依存する。
【0033】
この図示された実施形態におけるように、スタビライザ120は、エンドエフェクタの空洞に隣接するエンドエフェクタの対応するキー機構内に着座するように構成されたキー要素122を含むことができる。キー要素122は、アダプタ100がエンドエフェクタと所定の回転アライメントにあることを確実にするのに役立つように、エンドエフェクタのキー機構内に着座するように構成されている。キー要素122のサイズ及び形状は、概して、アダプタ100が解放可能に取り付けられるように構成されているエンドエフェクタのサイズ及び形状に依存する。キー要素122がエンドエフェクタのキー機構内に着座していない場合、本体の前方対向面102fは、エンドエフェクタの後方対向面に当接することができず、それによって、アダプタ100がエンドエフェクタに適切に取り付けられていないことを示す。
【0034】
この図示された実施形態におけるアダプタ100は、アダプタ100に解放可能に取り付けられたエンドエフェクタの衝撃付与を駆動するように構成された、整形外科用インパクタなどの外科用衝撃ツールに解放可能に取り付けられるように構成されている。アダプタ100は、本体102の後方端部にコネクタ124を含み、コネクタ124は、外科用衝撃ツールに解放可能に取り付けられるように構成されている。コネクタ124は、本体102から後方に延在する。コネクタ124のサイズ及び形状は、概して、アダプタ100が解放可能に取り付けられるように構成されている外科用衝撃ツールのサイズ及び形状に依存する。上述したように、他の実施形態では、アダプタ100は、外科用衝撃ツールに解放不可能に取り付けられ得る。そのような実施形態では、コネクタ124は、アダプタ100から省略され得る。
【0035】
この図示された実施形態におけるように、コネクタ124は、外科用衝撃ツールの対応するキー機構に受容されるように構成されたキー要素126を含むことができる。キー要素126は、アダプタ100が外科用衝撃ツールと所定の回転アライメントにあることを確実にするのに役立つように、外科用衝撃ツールのキー機構内に受容されるように構成されている。キー要素126のサイズ及び形状は、概して、アダプタ100が解放可能に取り付けられるように構成されている外科用衝撃ツールのサイズ及び形状に依存する。キー要素126が外科用衝撃ツールのキー機構によって受容されない場合、本体102の後方対向面102rは、外科用衝撃ツールの前方対向面に当接することができず、それによって、アダプタ100が外科用衝撃ツールに適切に取り付けられていないことを示す。
【0036】
ボタン112は、フック110、したがってレバー104の移動を引き起こすために、ユーザーによって作動されるように構成されている。以下でさらに論じられるように、フック110の移動は、エンドエフェクタへのアダプタ100の取り付け、及びアダプタ100をエンドエフェクタに取り付けた後のエンドエフェクタからのアダプタ100の解放を容易にする。ボタン112は、この図示された実施形態では正方形の立方体形状を有するが、球形、半球形、長方形の箱などの他の形状を有することができる。
【0037】
この図示された実施形態におけるように、ボタン112は、ユーザーがボタン112を指で把持するのを容易にするように構成された把持機構128を含む。この図示された実施形態における把持機構128は、ボタン112の底部対向面112bに形成された複数の凹部を含むが、ボタン112から延出する複数の突出部、テクスチャ加工された表面、摩擦を提供するように構成されたゴム又は他の材料等などの別の構成を有することができる。ボタン112の底部対向面112b上にある把持機構128は、アダプタ100がエンドエフェクタに解放可能に結合された状態でのアダプタ100上の典型的な手の位置を反映する。この典型的な手の位置において、ユーザーの親指は、ボタン112の底部対向面112b上に置かれ得る。
【0038】
ばね108は、レバー104に付勢力をもたらすように構成されている。ばね108は、レバー104のフック110を第1の方向D1に付勢し、レバー104のボタン112を第1の方向D1とは反対の第2の方向D2に付勢するように構成されている。第1の方向D1は本体の空洞118に向かう方向であるが、これは、空洞118は本体102の底側に形成されているので、アダプタ100の上側に向かう方向である。ばね108によってフック110にもたらされる力は、フック110をエンドエフェクタのノッチの中に付勢する。ばね108によってボタン112にもたらされる力は、アダプタ100の本体102から離れる方向にボタン112を付勢して、アダプタ100のユーザーがボタン112にアクセス可能であるように保つのを助ける。図4に示すように、第1の方向D1及び第2の方向D2は、垂直方向である。水平方向は、後方/前方方向に延びるアダプタ100の長手方向軸130によって画定される。
【0039】
ばね108は、この図示された実施形態ではコイルばねであるが、別のタイプのばね(例えば、ねじりばね、圧縮ばねなど)、弾性ケーブルなどの別の付勢要素であってもよい。ばね108は、この図示された実施形態では単一の付勢要素であるが、他の実施形態では複数の付勢要素を含むことができる。
【0040】
ばね108は、本体102の空洞118内に配置され、レバー104のボタン112と位置合わせされる。レバー104に対するばね108の位置は、ボタン112を作動させること、例えば、ボタン112を第2の方向D2に押すことが、ばね108の移動を引き起こすように構成されるような位置である。ばね108は、非圧縮構成と圧縮構成との間で移動するように構成されている。ばね108は、非圧縮構成に付勢される。非圧縮構成では、ばね108は、フック110を第1の方向D1に付勢し、かつボタン112を第2の方向D2に付勢するために、レバー104に付勢力を提供する。ボタン112の作動は、ばね108を押すように構成されている。作動されるボタン112は、ばね108を非圧縮構成から圧縮構成に移動させ、ピン106によって画定される枢動点においてレバー104を枢動させるように構成されている。これにより、ボタン112は第1の方向D1に移動し、フック110は第2の方向D2に移動する。ボタン112を解放することは、ばね108が圧縮構成から非圧縮構成に移動することを可能にするように構成されている。この移動により、レバー104が枢動点で枢動し、フック110を第1の方向D1に移動させ、ボタン112を第2の方向D2に移動させることになる。
【0041】
レバー104は、レバー104の前方端部にフック110を備え、レバー104の後方端部にボタン112を備える。図1図4は、レバー104をアダプタ100の一部として示し、図5は、レバー104を独立型要素として示し、図6は、レバー104の前方部分を示す。
【0042】
フック110は、フック110の先端134に向かって後方方向に傾斜する前方面132を有する。前方面132は、フック110の垂直前方面138によって画定される垂直軸136に対して角度αで傾斜している。傾斜した前方面132は、さらに後述するように、フック110とエンドエフェクタとの単一の接触点における接触を容易にするように構成されている。傾斜した前方面132はまた、さらに後述するように、エンドエフェクタへのアダプタの取り付けを容易にするために、アダプタ100をエンドエフェクタに取り付けている間にエンドエフェクタの対応する傾斜した面に係合するように構成されている。角度αは、この図示された実施形態では約40°であるが、別の角度αも可能である。当業者であれば、値はある値に正確に等しくない場合もあるが、それでもなお、製造公差及び測定機器の感度などの様々な要因のいずれかに起因して、概ねその値とみなすことができる点は認識されよう。
【0043】
フック110は、前方方向に傾斜する後方面140を有する。後方面140は、フック先端134に接して延びる水平軸142に対して角度βで傾斜している。例示的な実施形態では、角度βは、90°超であり、例えば、90°超かつ135°未満、90°超かつ120°未満、90°超かつ100°未満、90°超かつ95°未満、90°超かつ93°未満などである。角度βは、この図示された実施形態では約92°であるが、別の角度βも可能である。90°よりも大きい角度βは、アダプタと、アダプタ100が解放可能に取り付けられる外科用衝撃ツールとの間の非垂直力を防止するように構成されているが、これは、外科用衝撃ツールが水平方向の力を提供する衝撃付与中にアダプタ100が外科用衝撃ツールから偶発的に解放されることを防止するのに役立ち得る。90°より大きい角度βはまた、さらに後述するように、フック110と、フック110がその内部に着座するノッチの表面との間のクリアランスを可能にすることができる。
【0044】
図7は、エンドエフェクタ200の一実施形態に解放可能に取り付けられたアダプタ100を示す。エンドエフェクタ200は、この図示された実施形態ではブローチ(具体的には大腿骨ブローチ)であるが、上述したように、アダプタ100は、他のタイプのエンドエフェクタに解放可能に取り付け可能であり得る。図7及び図8に示されるように、エンドエフェクタ200は、その中に形成されたノッチ202を含み、その中にフック110が着座する。エンドエフェクタ200はまた、アダプタ100のスタビライザ120を着座させる、その後方端部に形成された空洞204を含む。図7及び図8に示すように、フック110がノッチ202内に着座し、スタビライザ120が空洞204内に着座した状態で、本体102の前方対向面102fは、エンドエフェクタ200の後方対向面に当接し、それによって、アダプタ100がエンドエフェクタ200に適切に取り付けられたことを示す。図7及び図8では不明瞭であるが、アダプタ100のキー要素122は、エンドエフェクタ200のキー機構内に着座する。
【0045】
フック110がノッチ202内に着座した状態で、フック134の先端は、図8に示すように、フック110とエンドエフェクタ200との間の単一の接触点を画定する。単一の接触点は、フック110及びエンドエフェクタ200が垂直方向において互いの上/下にあるようなものである。本明細書で説明するように、エンドエフェクタの骨衝撃付与を駆動するための外科用衝撃ツールからの水平方向の力は、アダプタ100又はエンドエフェクタ200の垂直運動を付勢しないので、フック110とエンドエフェクタ200との間の単一の接触点は、衝撃付与中にアダプタ100とエンドエフェクタ200との確実な取り付けを維持するのに役立ち得る。傾斜しているフック110の後方面140は、ノッチ202の前方面208からのフック110のクリアランスを提供して、フック110がノッチ202との単一の接触点を有することを容易にする。
【0046】
例示的な実施形態では、アダプタ100は、エンドエフェクタ200がアダプタ100に向かって後方に水平に移動することによって、及び/又はアダプタ100がエンドエフェクタ200に向かって前方方向に水平に移動することによって、エンドエフェクタ200に解放可能に取り付けられる。アダプタ100とエンドエフェクタ200とが自動的に接触することにより、レバー104の移動、例えば、枢動点におけるレバー104の枢動が引き起こされ、これにより、フック110がノッチ202内に解放可能に着座することになる。アダプタ100及び/又はエンドエフェクタ200を水平方向に移動させると、スタビライザ120は、エンドエフェクタの空洞204内に水平方向に摺動する。アダプタ100及び/又はエンドエフェクタ200の水平移動は、フック100の前方面132をエンドエフェクタ200の後方面206と接触させる。エンドエフェクタの後方面206は、フックの前方面132の角度αに対応する角度で前方方向に傾斜している。フックの前方面132とエンドエフェクタの後方面206との係合は、フック110を付勢して第2の方向D2に垂直に移動させる。その結果、ばね108が圧縮し、ボタン112が第1の方向D1に垂直に移動する。フック110の先端134がエンドエフェクタの後方面206を通過すると、ばねの付勢力により、フック110は、ノッチ202内への方向である第1の方向D1に垂直に移動する。その結果、ばね108が圧縮解除し、ボタン112が第2の方向D2に垂直に移動する。ばね108によってレバー104にもたらされる付勢力は、ボタン112が作動されるまで、フック110をノッチ202内に連続的に付勢する。ボタン112の作動は、上述のように、フック110を第2の方向D2に垂直に移動させ、それによって、エンドエフェクタ200がアダプタ100から離れる方向に前方方向に水平に移動し、かつ/又はアダプタ100がエンドエフェクタ200から離れる方向に後方方向に水平に移動して、アダプタ100をエンドエフェクタ200から解放することを可能にする。アダプタ100をエンドエフェクタ200から解放するためにアダプタ100及び/又はエンドエフェクタ200を水平方向に移動させると、スタビライザ120が水平に摺動してエンドエフェクタの空洞204から外に出る。
【0047】
いくつかの実施形態では、ボタン112は、アダプタ100とエンドエフェクタ200の取り付け中に作動されず、したがって、フック110は、本明細書で説明するように、フックの前方面132がエンドエフェクタの後方面206に沿って摺動することによってエンドエフェクタのノッチ内に自動的に着座することができる。他の実施形態では、ボタン112は、アダプタ100とエンドエフェクタ200の取り付け中に作動される。そのような実施形態では、エンドエフェクタの後方対向面に当接する本体の前方対向面102fは、フック110がノッチ202と適切に位置合わせされ、したがってボタン112が解放されてフック110をノッチ202内に移動させ得ることを示す。
【0048】
アダプタ100とエンドエフェクタ200が互いに解放可能に取り付けられた状態で、アダプタ100は、本明細書で説明するように外科用衝撃ツールに解放可能に取り付けられ得る。代替として、アダプタ100は、エンドエフェクタ200に解放可能に取り付けられる前に、外科用衝撃ツールに解放可能に取り付けられ得る。
【0049】
図9は、外科用衝撃ツール300の一実施形態に解放可能に取り付けられているアダプタ100を示す。外科用衝撃ツール300は、この図示された実施形態では整形外科用インパクタであるが、上述のように、アダプタ100は、他のタイプの外科用衝撃ツールに解放可能に取り付け可能であり得る。
【0050】
外科用衝撃ツール300は、アダプタ100のコネクタ124をその中に受容するように構成された空洞302をその前方端部に備える。外科用衝撃ツール300はまた、アダプタ100のキー要素126を中に受容するように構成されたキー機構304を含む。キー機構304及びキー要素126はそれぞれ、半径方向外向きに延出する複数の対応するスポークを備える。キー機構の放射状スポークのそれぞれは、キー要素の放射状スポークのうちの1つをその中に受容するように構成されている。キー要素の放射状スポークがキー機構の放射状スポークと適切に位置合わせされていない場合、コネクタ124は、外科用衝撃ツール300の空洞302内に位置決めされることができず、本体102の後方対向面102rは、外科用衝撃ツール300の前方対向面に当接することができない。アダプタ100が外科用衝撃ツール300に対して1つの回転位置でのみ外科用衝撃ツール300に解放可能に取り付けられ得るように、キー機構304及びキー要素126のそれぞれの放射状スポークのうちの少なくとも1つは、他の放射状スポークとは異なるサイズ及び/又は形状を有し得る。したがって、アダプタ100は、衝撃付与中に外科用衝撃ツール300に対して予測可能な向きにあることができる。
【0051】
例示的な実施形態では、アダプタ100は、外科用衝撃ツール300がアダプタ100に向かって前方方向に水平に移動すること、及び/又はアダプタ100が外科用衝撃ツール300に向かって後方方向に水平に移動することによって、外科用衝撃ツール300に解放可能に取り付けられる。図9は、外科用衝撃ツール300に向かって後方方向(矢印R)に水平に移動して外科用衝撃ツール300に取り付けられるアダプタ100を示す。
【0052】
図10は、外科用衝撃ツール300に解放可能に取り付けられたアダプタ100を示す。コネクタ124は、空洞302内に着座され、本体102の後方対向面102rは、外科用衝撃ツール300の前方対向面に当接している。
【0053】
図10はまた、エンドエフェクタ400の別の実施形態に取り付けられている(外科用衝撃ツール300に取り付けられている)アダプタ100を示す。エンドエフェクタ400は、この図示された実施形態ではブローチ(具体的には脛骨ブローチ)であるが、上述したように、アダプタ100は、他のタイプのエンドエフェクタに解放可能に取り付け可能であり得る。同様に上述したように、アダプタ100は、外科用衝撃ツール300に解放可能に取り付けられる前に、エンドエフェクタ400に解放可能に取り付けられ得る。エンドエフェクタ400は、その中にフック110を着座させるエンドエフェクタ200のノッチ202に関して上述したものと同様に、その中にフック110を着座させるように構成されたノッチ404(図13参照)を含む。エンドエフェクタ400は、エンドエフェクタ200の空洞204に関して上述したものと同様に、その中にスタビライザ120を着座させるように構成された空洞406(図13参照)を含む。エンドエフェクタ400はまた、上述したものと同様に、アダプタ100のキー要素122を受容するように構成されたキー機構408(図13参照)を含む。アダプタ100は、この図示された実施形態では、エンドエフェクタ400がアダプタ100に向かって後方方向(矢印R)に水平に移動された状態でエンドエフェクタ400に取り付けられているが、上述したように、アダプタ100は、代替的に又は追加的に、エンドエフェクタ400に向かって前方方向に水平に移動されてもよい。エンドエフェクタ200に関して上述したように、ボタン112は、アダプタ100をエンドエフェクタ400に取り付けている間に作動されてもよく、又は作動されなくてもよい。
【0054】
図11は、外科用衝撃ツール300に解放可能に取り付けられ、かつエンドエフェクタ400に解放可能に取り付けられたアダプタ100を示す。図11図13は、外科用衝撃ツール300に解放可能に取り付けられたアダプタ100に解放可能に取り付けられたエンドエフェクタ400を使用する方法の一実施形態を示す。
【0055】
外科用衝撃ツール300は、エンドエフェクタ400を患者の脛骨500に押し込むように作動される。この図示された実施形態における外科用衝撃ツール300は、外科用衝撃ツール300のハンドピース308上のトリガ306を引くことによって作動される(図9及び図10参照)が、他の外科用衝撃ツールを他の方法で作動させることができる。図11は、脛骨500に押し込まれたエンドエフェクタ400を示す。例示的な実施形態では、エンドエフェクタ400は、図12に示すように、エンドエフェクタ400の後方面402が計画された近位脛骨切除面に位置するまで、脛骨500に押し込まれる。
【0056】
エンドエフェクタ400が脛骨500内で不安定であるか、又は骨の欠損502を充填しない場合、エンドエフェクタ400を脛骨500から取り外すことができ、また、例えば、ボタン112を作動させることによって、アダプタ100をエンドエフェクタ400から解放することができる。次に、アダプタ100は、例えば異なるサイズのエンドエフェクタをアダプタ100に取り付けることによって欠損502内に適切に嵌合させるために、別のエンドエフェクタに解放可能に取り付けられ得る。所望の嵌合が達成されるまで、任意の数のエンドエフェクタがアダプタ100に連続的に解放可能に取り付けられ得る。この図示された実施形態において、エンドエフェクタ400は、図12に示されるように、欠損502に望ましく嵌合する。
【0057】
エンドエフェクタ400(又は他のエンドエフェクタ)が欠損502に望ましく嵌合した状態で、アダプタ100は、図13に示されるように、エンドエフェクタ400から解放される。上述したように、アダプタ100のボタン112を作動させることにより、アダプタ100のフック110をエンドエフェクタのノッチ404から解放することができ、次いで、アダプタ100を外科用衝撃ツール300と一体として後方方向(矢印R)に水平に移動させて、エンドエフェクタ400を脛骨500内に残し、コネクタ120をエンドエフェクタの空洞406から取り外すことができる。
【0058】
図14図19は、アダプタ100及び外科用衝撃ツール300を使用する方法の別の実施形態を示す。図14図19の方法は、エンドエフェクタ600の別の実施形態、具体的には大腿骨ブローチの使用を含む。
【0059】
エンドエフェクタ600などの大腿骨ブローチが大腿骨602内に望ましく位置決めされることを確実にするのを助けるために、ブローチストップをアダプタ100と共に使用することができる。アダプタ100は、ブローチストップに解放可能に取り付けられるように構成されたブローチストップコネクタ機構144を含む。この図示された実施形態におけるブローチストップコネクタ機構144は、複数の溝を含む。この図示された実施形態におけるブローチストップコネクタ機構144は、3つの溝を含むが、別の数の溝、例えば、1つ、2つ、4つ等が可能である。複数の溝を有することにより、溝のそれぞれがブローチストップサイズに対応することが可能となる。アダプタ100は、この図示された実施形態におけるように、どのブローチストップサイズが溝のそれぞれに対応するかを示すために、ブローチストップサイズガイド146を含むことができる。この図示された実施形態では、複数の溝のうちの前方の溝が第1のサイズグループ(1~3)に対応し、複数の溝のうちの後方の溝が第2のサイズグループ(8~10)に対応し、前方の溝と後方の溝との間の中間の溝が第3のサイズグループ(4~7)に対応する。ブローチストップコネクタ機構144は、複数の溝と同様に位置決めされる複数の突出部を含むこと等によって、他の構成を有することができる。
【0060】
図14は、ブローチストップコネクタ機構144を介してアダプタ100に解放可能に取り付けられるように構成されたブローチストップ604の一実施形態を示す。ブローチストップ604は、アダプタのブローチストップコネクタ機構144に解放可能に係合するように構成されたアダプタコネクタ機構606を含む。この図示された実施形態におけるブローチストップ604は、中間サイズグループ(4~7)内にあるので、アダプタの溝のうちの中間の溝に解放可能に取り付けられる。この図示された実施形態におけるアダプタコネクタ機構606は、ブローチストップ606の表面に沿って延出する突出部を含み、この突出部は、ブローチストップコネクタ機構144に対応するサイズ及び形状を有して、溝のうちの選択された溝の中に突出部を着座させることを可能にする。突出部は、図14では部分的にのみ見える。アダプタコネクタ機構606は、アダプタから延出する複数の突出部のうちの1つに着座するように構成される溝を含むこと等によって、他の構成を有することができる。
【0061】
ブローチストップ604は、この図示された実施形態では、患者の右大腿骨が関係する外科的処置で使用するための右ブローチストップである。患者の左大腿骨が関係する外科的処置で使用するための左ブローチストップも同様にアダプタ100と共に使用することができる。
【0062】
例示的な実施形態では、アダプタ100は、ブローチストップ604がアダプタ100に向かって垂直に移動すること、及び/又はアダプタ100がブローチストップ604に向かって垂直に移動することによって、ブローチストップ604に解放可能に取り付けられる。図14は、ブローチストップ604がアダプタ100に向かって垂直に(矢印V)に移動してアダプタ100に取り付けられる様子を示す。ブローチストップ604は、内部に形成された窓608を含み、この窓608は、ブローチストップ604が取り付けられた溝に対応するブローチストップサイズガイド146のサイズのうちの1つを、窓608を通して可視化することを可能にするように構成されている。したがって、アダプタ100に対するブローチストップの正しい取り付けは、ユーザーによって視覚的に確認することができる。
【0063】
図15は、アダプタ100に解放可能に取り付けられたブローチストップ604を示す。中間サイズのグループは、ブローチストップの窓608を通して見ることができる。図15はまた、アダプタ100に解放可能に取り付けられたエンドエフェクタ600を示す。エンドエフェクタ600は、脛骨ブローチ400に関して上述したものと同様にアダプタ100に取り付け可能である。図15はまた、アダプタ100に解放可能に取り付けられた外科用衝撃ツール300を示す。上述したように、アダプタ100は、エンドエフェクタ600がアダプタ100に解放可能に取り付けられる前又は取り付けられた後に、外科用衝撃ツール300に解放可能に取り付けられ得る。同様に、ブローチストップ604は、エンドエフェクタ600がアダプタ100に解放可能に取り付けられる前又は取り付けられた後に、アダプタ100に取り付けられ得る。
【0064】
外科用衝撃ツール300は、エンドエフェクタ600を患者の大腿骨602に押し込むように作動される。この図示された実施形態における外科用衝撃ツール300は、上述したように、トリガ306を引くことによって作動される。図15は、大腿骨602内に押し込まれたエンドエフェクタ600を示す。例示的な実施形態では、エンドエフェクタ600は、ブローチストップ604の前方面610が大腿骨602、例えば、図16に示すように、大腿骨602の後方端部の最も突出した面に接触するまで、大腿骨602に押し込まれる。
【0065】
エンドエフェクタ600が大腿骨602内で不安定であるか、又は骨の欠損612を充填しない場合、エンドエフェクタ600を大腿骨602から取り外すことができ、また、例えば、ボタン112を作動させることによって、アダプタ100をエンドエフェクタ600から解放することができる。次に、アダプタ100は、例えば、より大きいエンドエフェクタをアダプタ100に取り付けることによって、別のエンドエフェクタに解放可能に取り付けられて欠損612内に適切に嵌合させることができる。所望の嵌合が達成されるまで、任意の数のエンドエフェクタがアダプタ100に連続的に解放可能に取り付けられ得る。この図示された実施形態において、エンドエフェクタ600は、図16に示されるように、欠損612内に望ましく嵌合する。
【0066】
図17に示されるように、エンドエフェクタ600(又は他のエンドエフェクタ)が欠損612に望ましく嵌合した状態で、大腿骨602のクリーンアップ切除を行うことができる。大腿骨602の後方面は、ブローチストップ604の前方面610又はブローチシム614を使用して切除することができる。
【0067】
図18に示されるように、エンドエフェクタ600(又は他のエンドエフェクタ)が欠損612に望ましくは嵌合し、必要に応じて任意の切除が行われた状態で、図19に示されるように、アダプタ100がエンドエフェクタ600から解放される。上述したように、アダプタ100のボタン112を作動させることにより、アダプタ100のフック110をエンドエフェクタのノッチから解放することができ、次いで、アダプタ100を外科用衝撃ツール300と一体として後方方向(矢印R)に水平に移動させて、エンドエフェクタ600を大腿骨602内に残し、コネクタ120をエンドエフェクタの空洞から取り外すことができる。
【0068】
当業者は、上述した実施形態に基づく装置、システム、及び方法の更なる特徴及び利点を理解するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除き、具体的に示され、かつ説明されている内容によって限定されるものではない。本明細書で引用される全ての刊行物及び参考文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
【0069】
本開示は、本明細書で提供される開示全体の文脈内で、例示のみを目的として上で説明された。本開示の全体的な範囲から逸脱することなく、特許請求の範囲の趣旨及び範囲内の修正を行い得ることが理解されよう。
【0070】
〔実施の態様〕
(1) 外科用システムであって、
骨に衝撃を与えるように構成されたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタ内にノッチが形成されている、エンドエフェクタと、
アダプタであって、
整形外科用インパクタを解放可能に係合するように構成された後方端部と、
前記エンドエフェクタの前記ノッチ内に解放可能に着座されるように構成されたフックを前方端部に有するばね式レバーであって、前記フックが傾斜した前方面を有する、ばね式レバーと、を含む、アダプタと、を含む、外科用システム。
(2) 前記エンドエフェクタの後方方向への水平移動及び前記アダプタの前方方向への水平移動のうちの少なくとも一方が、前記アダプタと前記エンドエフェクタとを接触させ、それによって、前記フックが前記ノッチ内に解放可能に着座するように、前記ばね式レバーの移動を自動的に引き起こすように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記アダプタが、ばねを含む解放機構をさらに含み、
前記フックが前記ノッチ内に解放可能に着座した状態で、前記解放機構の作動は、前記フックが前記ノッチから解放されるように前記フックの垂直方向の移動を引き起こすように構成されている、実施態様2に記載のシステム。
(4) 前記ノッチが前記フックをその中に解放可能に着座させた状態で、前記フックと前記エンドエフェクタとの間に単一の接触点が存在する、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記フックが、前方方向に傾斜する傾斜した後方面を有し、
前記傾斜した前方面は、後方方向に傾斜している、実施態様1に記載のシステム。
【0071】
(6) 1つ以上の追加のエンドエフェクタをさらに含み、前記1つ以上の追加のエンドエフェクタのそれぞれは、内部に形成されたノッチを有し、
前記フックが、1回に前記ノッチのうちの1つに解放可能に着座するように構成されており、
前記エンドエフェクタ及び前記1つ以上の追加のエンドエフェクタのそれぞれが、互いに異なる、実施態様1に記載のシステム。
(7) 前記整形外科用インパクタをさらに含み、
前記アダプタが前記整形外科用インパクタに解放可能に係合し、かつ前記フックが前記ノッチ内に解放可能に着座した状態で、前記整形外科用インパクタが前記エンドエフェクタを駆動して骨に繰り返し衝撃を与えるように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記整形外科用インパクタが、前記エンドエフェクタを水平方向に駆動するように構成されており、
前記フックが、垂直方向に移動することによってのみ前記ノッチから解放されるように構成されている、実施態様7に記載のシステム。
(9) 外科用システムであって、
アダプタを含み、前記アダプタは、
整形外科用インパクタを解放可能に係合するように構成された後方端部と、
ばねと、
前記ばねによって付勢されるレバーであって、前記レバーは、骨に衝撃を与えるように構成されたエンドエフェクタに解放可能に係合するように構成されたフックをその前方端部に有し、前記フックは、傾斜した前方面を有する、レバーと、を含む、外科用システム。
(10) 前記アダプタが、前記アダプタの前記後方端部と前記アダプタの前方端部との間に延在する第1の長手方向軸を画定し、
前記傾斜した前方面が、前記第1の長手方向軸に対して横方向の角度で傾斜している、実施態様9に記載のシステム。
【0072】
(11) 前記エンドエフェクタをさらに含み、
前記エンドエフェクタが、前記エンドエフェクタの後方端部と前記エンドエフェクタの前方端部との間に延在する第2の長手方向軸を画定し、
前記フックが、前記第1の長手方向軸及び前記第2の長手方向軸に対して実質的に垂直な方向に移動することによってのみ前記エンドエフェクタから解放されるように構成されている、実施態様10に記載のシステム。
(12) 前記ばねが、前記ばねが前記レバーを下方に付勢し、前記フックが前記エンドエフェクタに解放可能に係合するように構成される非圧縮構成と、前記フックが前記第1の長手方向軸に実質的に垂直な方向に移動して前記エンドエフェクタから解放されるように構成される圧縮構成との間で移動するように構成されている、実施態様10に記載のシステム。
(13) 前記フックが、前方方向に傾斜する傾斜した後方面を有し、
前記傾斜した前方面は、後方方向に傾斜している、実施態様9に記載のシステム。
(14) 前記エンドエフェクタをさらに含み、
ノッチが、前記エンドエフェクタ内に形成されており、前記フックをその中に解放可能に着座させるように構成されている、実施態様9に記載のシステム。
(15) 前記ノッチが前記フックをその中に解放可能に着座させた状態で、前記フックと前記エンドエフェクタとの間に単一の接触点が存在する、実施態様14に記載のシステム。
【0073】
(16) 前記アダプタが、前記ばねに動作可能に結合された解放機構をさらに含み、
前記フックが前記エンドエフェクタに解放可能に係合している状態で、前記解放機構の作動は、前記ばねを圧縮し、それによって、前記フックが前記エンドエフェクタから解放されるように前記レバーの移動を引き起こすように構成されている、実施態様9に記載のシステム。
(17) 前記エンドエフェクタをさらに含み、
前記エンドエフェクタが、前記エンドエフェクタの後方端部と前記エンドエフェクタの前方端部との間に延在する長手方向軸を画定し、
前記レバーの前記移動が、前記長手方向軸に対して横方向である、実施態様16に記載のシステム。
(18) 前記整形外科用インパクタをさらに含み、
前記アダプタが前記整形外科用インパクタに解放可能に係合し、かつ前記レバーが前記エンドエフェクタに解放可能に係合した状態で、前記整形外科用インパクタが前記エンドエフェクタを駆動して骨に繰り返し衝撃を与えるように構成されている、実施態様9に記載のシステム。
(19) 外科的方法であって、
アダプタとエンドエフェクタとが接触するように、前記エンドエフェクタを後方方向に水平に移動させること及び前記アダプタを前方方向に移動させることのうちの少なくとも一方を行い、それによって、前記アダプタのばね式レバーの移動を引き起こし、これにより、前記レバーのフックが前記エンドエフェクタのノッチ内に解放可能に着座し、前記レバーと前記エンドエフェクタとの間に単一の接触点が存在するようにすることと、
前記アダプタが整形外科用インパクタに結合され、かつ前記フックが前記ノッチ内に解放可能に着座された状態で、前記整形外科用インパクタが前記エンドエフェクタを水平方向に駆動して骨に衝撃を与えることを引き起こすことと、を含む、方法。
(20) 前記フックが、傾斜した前方面及び傾斜した後方面を有する、実施態様19に記載の方法。
【0074】
(21) 前記フックが、前記エンドエフェクタに対して垂直に移動することによってのみ、前記ノッチから解放可能である、実施態様19に記載の方法。
(22) 前記アダプタの解放機構を作動させ、それによって、前記フックを前記ノッチから解放することをさらに含む、実施態様19に記載の方法。
(23) 前記解放機構の前記作動により、前記フックが垂直に移動して前記ノッチから解放される、実施態様22に記載の方法。
(24) 前記アクチュエータのばねが、前記フックが前記ノッチ内に着座することに応答して圧縮解除され、
前記解放機構の前記作動により、前記ばねが圧縮される、実施態様22に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】