(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】足の位置不良を治療および防止するための弾性矯正ストラップを有する履物
(51)【国際特許分類】
A43B 7/26 20060101AFI20240308BHJP
A43B 3/12 20060101ALI20240308BHJP
A61F 5/10 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
A43B7/26
A43B3/12 E
A61F5/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560946
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 EP2022058388
(87)【国際公開番号】W WO2022207691
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】102021108100.9
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520187551
【氏名又は名称】ハルフィックス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブラス、マンフレッド
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー、フランツ
【テーマコード(参考)】
4C098
4F050
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098BB12
4C098BC08
4C098BC15
4C098BD13
4F050AA11
4F050BD14
4F050JA27
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、足の位置異常を治療すると共に予防するための、特に外反母趾を治療すると共に予防するための履物(10)に言及し、履物(10)は、履物(10)に対して足を固定するように構成された保持要素(14)と、つま先に固定されるように構成され、履物が足に固定される状態において、つま先に第1矯正力(F1)を加えると共につま先の中足骨趾骨間の関節に第1矯正力(F1)と反対の方向に向けられた第2矯正力(F2)を加えるように構成された張力要素(16)と、を備え、張力要素(16)が、弾性矯正ストラップである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足の位置異常を治療すると共に予防するための、特に外反母趾を治療すると共に予防するための履物(10)であって、
前記履物(10)に対して足を固定するように構成された保持要素(14)と、
つま先に固定されるように構成されると共に、前記履物が前記足に固定される状態において、前記つま先に第1矯正力(F1)を加えると共に前記つま先の中足骨趾骨間の関節に第1矯正力(F1)と反対の方向に向けられた第2矯正力(F2)を加えるように構成された張力要素(16)と、
を備え、
前記張力要素(16)が、弾性の矯正ストラップである、
ことを特徴とする履物。
【請求項2】
前記足に固定された前記状態において、前記矯正ストラップ(16)は弾性的に変形され、特に少なくとも3mmの程度に弾性的に変形される、
請求項1に記載の履物。
【請求項3】
前記足に固定された前記状態において、前記第1矯正力(F1)および/または前記第2矯正力(F2)は、前記矯正ストラップ(16)に有効であると共に前記矯正ストラップ(16)の弾性変形によって誘起される引張力によって発生されるように構成されている、
請求項1または請求項2に記載の履物。
【請求項4】
前記足に固定された前記履物(10)の前記状態において、前記矯正ストラップ(16)は、前記矯正ストラップ(16)の係合面に沿って、前記つま先および/または前記中足骨趾骨間の関節に接して横たわり、前記矯正ストラップ(16)は、前記係合面に沿って、および/または前記係合面の隣の部分に沿って弾性的に変形される、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の履物。
【請求項5】
前記足に固定された前記状態において、前記矯正ストラップ(16)は、少なくとも部分部分において、前記矯正ストラップ(16)は、前記矯正ストラップ(16)が前記つま先の一側から前記中足骨趾骨間の関節または前記つま先の反対側に延びるように、前記つま先の周りにおいて係合する、
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の履物。
【請求項6】
前記足に固定された前記状態において、前記矯正ストラップ(16)は、前記矯正ストラップ(16)が、前記中足骨趾骨間の関節の領域において前記足の内側に前記つま先の側面からつま先面に沿って延在するように、前記足に接して横たわる、
請求項1~5のいずれか一項に記載の履物。
【請求項7】
前記矯正ストラップ(16)は、第1端部(22)と、反対側の第2端部(24)とを備え、前記履物(10)は、前記足に固定された前記状態で、前記第1端部(22)が、前記つま先と、隣の更なるつま先との間に配置され、前記第2端部(24)が、前記中足骨趾骨間の関節の領域に配置されるように設計されている、
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の履物。
【請求項8】
前記矯正ストラップは、前記第1端部(22)および前記第2端部(24)を介して前記履物のソール(12)に固定して接続される、
請求項7に記載の履物。
【請求項9】
前記第2端部(24)が側方に前記中足骨趾骨間の関節に対して横たわる、または前記中足骨趾骨間の関節から前記つま先に向かう方向(X)において、前記中足骨趾骨間の関節の前方または後方に配置される、
請求項7または請求項8に記載の履物。
【請求項10】
前記矯正ストラップ(16)の接続部(26)は、前記接続部(26)を介して前記矯正ストラップ(16)の前記第1端部(22)が前記ソール(12)に接続されるものであって、前記つま先と、前記隣の更なるつま先との間のつま先間領域の近位端から間隔をおいて離れて配置され、長手方向足軸(X)に沿った前記接続部(26)と前記つま先間領域の前記近位端との間の距離が、4mm~18mmの範囲内にある、
請求項7~請求項9のいずれか一項に記載の履物。
【請求項11】
前記保持要素(14)は、前記足に固定された前記履物(10)の前記状態において、前記履物(10)に対して、前記つま先の隣の少なくとも1つの更なるつま先、および/または更なる中足骨趾骨間の関節を固定するように構成された保持ストラップ(18)を備える、
請求項1~請求項10のいずれか一項に記載の履物。
【請求項12】
前記足に固定された前記状態において、前記保持ストラップ(18)は、前記更なるつま先の領域に接して横たわる、若しくは配置される、および/または前記更なる中足骨趾骨間の関節の領域に接して横たわる、若しくは配置される、
請求項11に記載の履物。
【請求項13】
前記保持ストラップ(18)は、弾性保持ストラップであり、前記弾性保持ストラップは、前記足に固定された前記履物(10)の前記状態において、弾性的に変形され、特に少なくとも3mmの程度に弾性的に変形される、
請求項11または請求項12に記載の履物。
【請求項14】
前記保持要素(14)は、前記足に固定された前記状態において、前記履物(10)に対して前記足の中足骨領域を固定すると共に前記足にその甲の領域において接して横たわる更なる保持ストラップ(20)を備える、
請求項1~請求項13のいずれか一項に記載の履物。
【請求項15】
前記更なる保持ストラップ(20)は、実質的に引張剛性の保持ストラップによって形成される、
請求項14に記載の履物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足の位置異常を治療および予防するための、特に外反母趾を治療および予防するための履物に関する。
【背景技術】
【0002】
患者の中足骨および前足の領域(エリア)における病的な位置異常は、遺伝的素因、不適当な(間違った)履物を着用すること、特にきつすぎる靴若しくはヒールの高い靴(ハイヒール)、または中足骨領域における結合組織の不安定性の結果として足の縦及び横アーチを扁平化することといった、様々な原因を有することがある。特に、中足骨趾骨間の関節における足の親指(母趾)の位置ずれは、外反母趾としても知られおり、変わることなく増加する症例数に起因して重要になっていく。
【0003】
外反母趾は、筋肉の牽引によって足の内側の方向に足の親指(母趾)の中足骨趾骨間の関節(中足指節関節)が引かれていることから出現する。これは、中足骨趾骨間の関節におけるボール状の突起として第1中足骨を足の内側から突起させて、これは偽外骨腫症と呼ばれる。加えて、しばしば、腱の牽引の長さおよび方向における変化は外反母趾を伴っており、これは時間の経過とともに変形をさらに悪化させることがある。結果として、親指(母趾)の中足骨趾骨間の関節の関節症が発症し、これは、進行した段階において外科的に処置されなければならない。
【0004】
疾病過程を止める、または疾病過程に対抗するために、外科的処置に加えて、保存療法の使用が知られている。例えば、テープの帯具または装具の使用が、休止位置(安静位)において足を治療することに関して知られている。治療期間中に足の安静位が必要となることに起因して、これらは主に夜間に使用される。
【0005】
さらにまた、外反母趾の治療的処置のためのサンダルの使用が知られている。例えば、EP3716806A1は、治療されるべきつま先の周りに配置される引張剛性ループセクション(部)を有する外反母趾サンダルを開示しており、ここで、治療的矯正力は、ループセクションに引張力を作用させることによって、治療されるべきつま先に作用する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
既知の先行技術から出発して、本発明の目的は、足の位置異常を矯正すると共に位置異常を予防するための改良された履物を提供することであり、これは、特に効果的な治療処置を可能にし、シンプルな設計を有する。
【0007】
この目的は、独立請求項に規定される特徴を有する履物によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項、本明細書、および図面において明らかにされる。
【0008】
これに従って、履物は、足の位置異常を矯正すると共に予防すること、特に外反母趾を治療すると共に予防すること、のために提供される。履物は、履物に対して足を固定するように構成された保持要素と、つま先に固定されるように構成されると共に、履物が足に固定される状態において、第1矯正力をつま先に作用させまた第1矯正力と反対向きの第2矯正力をつま先の中足骨趾骨間の関節に作用させるように構成される張力要素と、を備え、ここで、張力要素は弾性矯正ストラップである。
【0009】
推奨された履物では、つま先(足指)に作用する第1矯正力、および、加えて足骨趾骨間の関節に作用する第2矯正力を提供し、特に効果的な治療効果が達成され得る。これは、第1矯正力および第2矯正力が、同時につま先の外反位および足骨趾骨間の関節の内反位に治療効果を提供するからである。そうすることによって、足の位置ずれの症状および原因を同時に治療することができる。足に作用する矯正力および関連付けられる治療効果は、履物の関連する構成要素に関して以下でより詳細に説明される。
【0010】
提案された解は、さらに、歩行中に、つま先(足趾)と中足骨趾骨間の関節が、それらの位置を中足骨に対して、特に足の横方向に、屈曲運動およびそれに作用する負荷にため、自然に変化させる傾向にあることを考慮に入れている。本発明の文脈においては、中足骨、つま先、および中足骨趾骨間の関節の間のこれらの相対運動は、特に、より長い期間の歩行のときに患者によって履物が使用される場合に、履物の着用快適性および治療効果の両方に影響を及ぼすことが見出された。このことを考慮するために、提案された履物には、弾性矯正ストラップの形状において提供された張力要素が装備される。弾性矯正ストラップは、足の構成要素の間の自然な相対運動を、ある程度まで、可能にすることによって、履物がより快適に着用されることを可能にし、一方で、矯正力を加え続ける。さらに、提案された履物は、これらの相対運動を利用することを可能にして、履物の作用の治療モードを改善する。具体的には、矯正ストラップによって加えられる力が、その弾性伸びに依存するので、弾性矯正ストラップの使用は、使用中の矯正力の量を適合させる。このように、顕著な相対運動が生じると、それに従って矯正力の量が増加する。
【0011】
既知の装置、それにはつま先ループセクションに引張力を手動で設定する際に矯正力を発生させる多部品の引張機構が装備されているものと比較して、提案される履物は、より少ない努力で足に固定され得る。加えて、履物は、より少ない構成要素から成ることができ、これに従って、コンパクトで簡単な設計を有することができる。
【0012】
提案された履物は、足の病的な変形、具体的にはつま先および/または中足骨趾骨間の関節の病的な位置異常、例えば治療されるべきつま先に関連付けられた中足骨趾骨間の関節を治療し、それに対抗し、および/または、それを予防することが意図されている。具体的には、提案される履物は、外反母趾を予防しまたは治療するために使用されることができ、しかし、この用途に限定されない。
【0013】
本開示の文脈において、履物は、任意のタイプの靴または靴のような履物を指す。例えば、用語「履物」は、例えばサンダル、特につま先鼻緒のサンダル、および類似物といった、オープンシューズおよびクローズドシューズを指すことができる。これ従って、提案される履物は患者の足に固定されること、および、足に固定された状態で、足に、具体的にはつま先および中足骨趾骨間の関節に治療的に作用することが意図される。この文脈において、「履物」という用語は、一対の靴、すなわち、左靴と右靴とからなる一対の靴と、単一の靴との両方を指す。
【0014】
本開示では、「足に適切に固定された状態」という用語は、本明細書では「締結(固定)状態」として参照され、また、履物が患者の足に目的を持って固定される状態であってこれに従って位置異常を矯正しまたは予防することのための所望の治療効果をもたらす状態を指し示す。
【0015】
提案された履物は、締結状態において、足に矯正力を加えるように設計されると共に設けられる。本開示において、「矯正力」という用語は、治療されるべき足に対する治療効果を有する力を指す。具体的には、矯正力は、所望の治療効果を達成するために、位置異常によって影響される足のそれらの部分を、解剖学的に正しい位置または意図された位置内に押し込ませる。
【0016】
上記のように、本開示の文脈において、特段の有効な治療効果が、つま先に作用する第1矯正力に加えて、中足骨趾骨間の関節に作用する第2矯正力を及ぼすことによって達成され得ることが見出された。具体的には、本開示の文脈において、「第2矯正力が中足骨趾骨間の関節に及ぼされる」を規定する特徴は、中足骨趾骨間の関節に治療的に作用するそのような矯正力に関連する。そのような矯正力は、矯正ストラップを用いて中足骨趾骨間の関節に直接に、またはつま先ボールの側方突出部分、特に偽外骨腫(偽エキソスタシス)に直接に、適用され得る。あるいは、そのような矯正力は、矯正ストラップによって中足骨趾骨間の関節またはつま先ボールの突出部分に、例えば、中足骨趾骨間の関節の領域において中足骨、具体的には第1中足骨に矯正力を加えることによって、間接的に作用し得る。特に、第2矯正力は、中足骨の内反位に、特に第1中足骨の内反位に治療的に作用するという特定の目的を有し得る。足に加えられる矯正力のこのように結果として生じる組み合わせは、外反母趾を治療するときに特段に有益であり得る。
【0017】
上述のように、第2補正力は、第1補正力と反対の方向に向けられる。本開示では、これは、第1矯正力を表すベクトルが、第2矯正力を表すベクトルに比べて反対方向を向いていることを意味するように理解される。このようなものとして、第1および第2矯正力を表すベクトルは、互いに平行であり、しかし、異なる方向を指すと共に特に離間している。
【0018】
以下において、矯正ストラップに関連して、単純化のために、一般に広く足のつま先へ参照が為される。具体的には、つま先は、治療されるべき足の親指を指し示す。しかしながら、履物は、この用途に限定されず、「つま先」という用語が、例えば小指にも関連し得るように限定されない。これに従って、第2矯正力に関連して、一般に広く中足骨趾骨間の関節へ参照が為され、ここで、この用語によって、特に親指の中足骨趾骨間の関節が意味されるが、履物はこの適用に限定されない。あるいは、「中足骨趾骨間の関節」という用語は、例えば小指(小趾)の中足骨趾骨間の関節を指すこともある。
【0019】
本開示では、履物を指定するために、特に治療対象の足に関しては、解剖学において一般的であるように、患者の身体の正中線または正中線に近い面(内側面)に向けられる基準系が用いられる。これ故に、締結状態における提案された履物の各構成要素の位置および向き(方向)は、履物に受容された足に対して示され得る。これに従って、用語「正中線に近い(又は内側の)」は、装着者の身体の内側面に向けて指し示す履物の方向または側を参照する。解剖学において、「内側面」という用語は、「正中矢状面」としても知られるものであって、一般に広く、身体を2つの対称部分に分割する解剖学的平面を指す。これに従って、履物を説明する場合、「内側方向に」という用語は、治療されるべき患者の足から患者の他の足に向けて指す方向を意味する。この意味において、用語「横の」は、装着者の身体の内側面から離れるように指し示す履物の側および方向を指す。これに従って、装着者の一方の足に固定される履物を説明するとき、「横の」という用語は、着用者の他方の足から離れて向く方向を意味する。
【0020】
矯正力を提供するために、提案される履物には、弾性矯正ストラップの形状において提供される張力要素が装備される。「弾性ストラップ」、特に「弾性矯正ストラップ」および「弾性保持ストラップ」という用語は、本開示において、第1および第2矯正力を生成するために無視できる程度でない、ある程度まで弾性的に変形可能であるストラップ状またはベルト状の構成要素を意味するために使用される。これは、引っ張り剛性の、すなわち弾性的でないストラップと比較される有意な差である。提案された履物の用途のために、それらの構成要素は、第1または第2矯正力の量の少なくとも10%の荷重に関して線形なまたは非線形な伸縮する挙動を有する弾性として見なされるべきである。言い換えれば、弾性矯正ストラップは、弾性変形によって誘起される張力の形態において第1または第2矯正力の量の少なくとも10%、特に実質的に100%を吸収して和らげる(緩和する)ことができる。言い換えれば、弾性変形によって誘発される矯正ストラップの張力は、第1または第2矯正力の量の少なくとも10%、特に実質的に100%であり得る。特に、弾性矯正ストラップは、その長手方向に沿って、また任意的にその横方向に沿って、弾性的に変形可能であってもよい。
【0021】
特に、提案された履物は、足に締結された状態で、弾性矯正ストラップが弾性変形するように提供される。言い換えれば、弾性矯正ストラップは、足に締結された状態で、張力状態に設定されてもよく、この張力状態では、弾性変形されると共に、弾性変形によって誘発された対応する張力を受ける。しかし、履物が、治療されるべき足から取り外され、また分離される場合、弾性矯正ストラップは、休止状態にあることができ、または休止状態に設定されることができる。足に固定された状態では、つまり、矯正ストラップが張力状態に配置されているとき、弾性矯正ストラップは、少なくとも2mm、または少なくとも3mm、または少なくとも5mmの程度に弾性変形されてもよい。言い換えれば、足に固定された状態では、つまり、矯正ストラップが張力状態に配置されているとき、矯正ストラップの長さは、矯正ストラップの休止状態と比較して、少なくとも2mm、または少なくとも3mm、または少なくとも5mmで弾性変形のため伸長され得る。これに従って、履物は、締結状態において、第1矯正力および/または第2矯正力が、矯正ストラップの弾性変形に有効である(行き渡る、主流である、使われている)張力および矯正ストラップの弾性変形によって誘起される張力によって生成されるように設計および構成され得る。
【0022】
好ましくは、履物は、足に固定された状態で、矯正ストラップが、少なくとも部分部分において、足に、特につま先の領域および/または中足指節関節(中足骨趾骨間の関節)の領域に、とりわけつま先ボール(足指球)の側方突出部の領域に、接して横たわるように構成されると共に設けられる。
つま先および/または中足骨趾骨間の関節に接して、特につま先ボールの側方突出部に接して位置する矯正ストラップの表面は、本明細書では係合表面として参照される。履物は、足に固定された状態で、矯正ストラップがその係合面に沿って、特に係合面の全長に沿って、および/または係合面に隣りの部分に沿って弾性変形するように設計されてもよい。
【0023】
矯正ストラップは、複数の層から構築されてもよく、すなわち、多層構造を有してもよい。例えば、弾性矯正ストラップは、弾性変形可能な層を有していてもよく、この層は、矯正ストラップの弾性特性に実質的に寄与し得る。弾性的に変形可能な層は、エラストマーといったゴム材料によって提供されてもよい。代替的に又は追加的に、矯正ストラップは、少なくとも1つのライニング層(内層)を含むことができる。第1ライニング層は、係合面に沿って配置されることができる。第1ライニング層は、例えば、不織布材料、すなわちフリースで作製されてもよい。この構成によって、装着の心地よさを高められることができる。一実施形態によれば、弾性矯正ストラップは、第1ライニング層及び対応して設計された第2ライニング層が、弾性的に変形可能な層の反対の複数の側に配置され得るように設計されてもよい。
【0024】
固定状態では、矯正ストラップは、少なくとも部分的に、つま先の周りに係合する、またはつま先の周りで把持することができる。本開示の文脈において、「つま先の周りに係合する」という用語は、固定状態において、矯正ストラップがつま先の回りにその周方向に沿って延在することを意味する。好ましくは、矯正ストラップは、つま先に沿って、またはつま先および中足骨趾骨間の関節に沿って、つま先の長手方向軸の周りに実質的にπラジアンの弧度にわたって延在する。すなわち、矯正ストラップは、つま先の周の少なくとも1/2に沿って周方向に延在する。換言すれば、矯正ストラップは、つま先の一方の側から、つま先または中足指節関節の反対側まで延在してもよい。一実施形態によれば、矯正ストラップは、中足骨趾骨間の関節またはつま先ボール(つま先球)の領域において、つま先の横側からつま先表面に沿って足の内側に延在してもよい。あるいは、矯正ストラップは、中足骨趾骨間の関節の領域における足の横方向、具体的には小指の横側に、つま先の表面に沿って、つま先の内側、具体的には小指の内側から延在してもよい。言い換えると、係合面は、旋回面の形態において設けられてもよく、その向き、すなわちその表面法線は、つま先の長手軸に沿って変化し、また好ましくは、つま先の長手軸を指す。
【0025】
矯正ストラップは、第1端部と、対向する第2端部とを備えてもよく、すなわち、第2端部は、第1端部に比べて反対側の端部に配置される。履物は、足に固定された状態で、第1端部が、つま先と、隣りの更なるつま先、特に足の第2つま先との間に位置決められ、また特に履物のソール(底面)に導かれる、ように設計されてもよい。第2端部は、つま先の中足骨趾骨間の関節の領域に位置決めされることができ、ソールに導かれることができる。第2端部は、中足骨趾骨間の関節に接して位置し、または中足骨趾骨間の関節に関連付けられたつま先ボール(足趾球)の側方突出部分に接して横たわることができ、また、特に、その部分の周囲に係合することができる。あるいは、第2端部は、中足骨趾骨間の関節の前方または後方に、中足骨趾骨間の関節からつま先を向く方向に配置されてもよい。
【0026】
さらに、矯正ストラップは、第1端部および/または第2端部を介してソールに接続され、特に強固にまたは固定して接続され、および/または引張りに強固に接続されてもよい。そのようにするために、第1端部および/または第2端部は、ソールに、形を合わせてはめ合わせで接続され、および/または圧力ばめで接続され、および/または接着により接続されてもよい。このようなものとして、第1端部および/または第2端部は、ソールの下側から突出することができ、また、ソールに、例えば凹部に収容されてもよく、または、引張りに強固な方式でソールの下側に固定されてもよい。あるいは、第1端部および/または第2端部は、ソールに導かれてもよく、ソールの層間に配置されてもよい。
【0027】
ソールは、複数の層から構築されてもよく、すなわち、多層構造を有してもよい。換言すれば、履物のソールは、複数の平坦な層から構築されてもよい。例えば、ソールは、以下の要素の少なくとも2つを含むことができ、アウトソール(靴の外底)、ミッドソール、インソール(中敷き)、及びインレーソール(はめ込みソール)。特に、ソールは、アウトソールおよびインソールを備えてもよく、ここで、第1端部および/または第2端部は、アウトソールとインソールとの間に、部分部分に配置されてもよい。
【0028】
更なる発展形態では、矯正ストラップの接続部分は、その接続部分を介して矯正ストラップの第1端部がソールに接続されるものであって、つま先と、隣の更なるつま先との間のつま先合間部の近位端から離間して配置されてもよい。長手の足軸に沿ったつま先合間部の近位端と接続部との間の距離は、4mm~18mmの範囲、特に6mmと15mmとの範囲であってもよい。
【0029】
さらに、履物は、締結状態において、治療されるべき足を履物に対して固定するように、特に、所定の位置において履物に対して足を保持するように構成された保持要素を備える。換言すれば、保持要素は、履物の締結状態において足に保持力を及ぼすように意図されてもよい。矯正力と保持力との相互作用のため、履物は、治療処置のために意図された位置において、治療されるべき足に対して安定に保たれることができ、また同時に足に対して治療的に作用することができる。
【0030】
保持要素は、足に固定された状態で、少なくとも1つの更なるつま先および/または更なる中足骨趾骨間の関節を履物に対して固定するように構成された保持ストラップを備えてもよく、少なくとも1つの更なるつま先は、つま先の隣に、特に第2つま先若しくは第2から第5つま先の隣に配置され、更なる中足骨趾骨間の関節は、中足骨趾骨間の関節に、特に小指の中足指節関節に対向して配置される。特に、保持ストラップは、つま先の隣に配置される更なるつま先に保持力を及ぼすことができ、ここで、特に、保持力は、第1矯正力と反対に向けられることができ、すなわち、第1矯正力に比べて反対方向を指すことができる。このように、保持ストラップは、保持力が足を履物内に安定に保つことができるので、矯正力がつま先および中足骨趾骨間の関節に適切に作用することを確実にすることができる。
【0031】
更なる発展形態では、保持力は、保持ストラップによって加えられるものであって、治療されるべき足に対して治療効果を有することができ、これは、特に、第1および第2矯正力の治療効果に寄与することができ、および/または異なる更なる治療効果を提供することができる。
【0032】
足に固定された状態では、保持ストラップは、つま先の隣に配置されている更なるつま先に接して横たわることができ、および/または、中足骨趾骨間の関節に対向して配置される更なる中足骨趾骨間の関節の領域において足に接して横たわることができる。更なる発展形態では、足に固定された状態で、保持ストラップは、保持ストラップが、更なるつま先、特に第2のつま先の一方側から、更なる中足骨趾骨間の関節の反対側に延在するように、足に当接してもよい。特に、保持ストラップは、更なるつま先、特に第2のつま先の内側から、更なる中足骨趾骨間の関節の外側(横側)に延在することができる。
【0033】
特に、保持ストラップは、足に締結された状態において、弾性的に変形されることができる弾性の保持ストラップであってもよい。より具体的には、保持ストラップは、その長手方向に沿って、および任意的にその横断(横)方向に沿って、弾性的に変形可能であってもよい。換言すれば、足に固定された状態において、保持ストラップは、張力状態に配置されまたは設定されてもよく、張力状態では、弾性変形によって誘発される対応する張力を受けると共に弾性変形される。しかし、履物が、治療されるべき足から取り外されるかまたは分離される場合、保持ストラップは、休止状態にあってもよく、または休止状態に設定されてもよい。足に固定された状態、すなわち、保持ストラップが張力状態に配置されているとき、弾性の保持ストラップは、少なくとも2mm、または少なくとも3mm、または少なくとも5mmの程度に弾性的に変形されてもよい。言い換えれば、足に固定された状態、すなわち、保持ストラップが張力状態に配置されたとき、保持ストラップの長さは、保持ストラップの休止状態と比べて、少なくとも2mm、または少なくとも3mm、または少なくとも5mmだけの弾性変形のため伸長され得る。これに従って、履物は、締結状態では、保持力が、保持ストラップの弾性変形によって誘起されると共に保持ストラップに有効である(行き渡る、主流である、使われている)引張力によって少なくとも部分的に生成されるように設計および構成されてもよい。
【0034】
その材料特性に関して、特にその弾性特性に関して、保持ストラップは、矯正ストラップに対応して設計されることができる。言い換えれば、保持ストラップは、矯正ストラップと同じ材料で作製されてもよい。
【0035】
代替的にまたは追加的に、保持要素は、更なる保持ストラップまたは甲革(上側の皮革)を備えてもよく、これはバンプ(つま革)として参照されるものであり、これは、足に固定された状態で、履物に対して足の中足骨の領域を固定すると共に足の甲の領域において足に当接して横たわる。更なる保持ストラップまたは甲革は、実質的に引っ張り剛性である材料から作製され得る。言い換えれば、更なる保持ストラップは、引張剛性の保持ストラップであってもよく、または甲革は、引張剛性の甲革であってもよい。
【0036】
更なる保持ストラップは、遠位端部分および2つの近位端部分を備えることができ、これらは、ソール(靴底、足底)に固定で接続され、特に引張り剛性的に接続され得る。履物は、足に固定された状態で、遠位端部分が、つま先と、隣の更なるつま先との間に位置決めされると共にソールに固定されるように、および、2つの近位端部分が、足の対向する両側、すなわち、外側および内側上に位置決めされ、またソールにしっかり固定されるように、設計されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明の更なる実施形態は、図を参照して以下により詳細に説明される:
【
図1】
図1は、患者の足に固定された状態において足の位置異常を治療すると共に予防するための履物の上面を示す図面である。
【
図2】
図2は、
図1に示された履物の異なる側面からの斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示された履物の異なる側面からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下において、図面に基づいて好ましい実施形態を説明する。図中において、同一の、類似の又は類似作用の要素には同一の参照番号を付し、重複を避けるためにその繰り返しの説明を省略することができる。
【0039】
図1~
図3は、足の位置異常を治療すると共に予防するための、特に外反母趾を治療すると共に予防するための履物10を示す。履物10は、サンダルの形態、特につま先鼻緒サンダルの形態で提供される。
【0040】
履物10は、ソール12を備え、ソール12には、保持要素14および張力要素16が締結され、各々は、治療されるべき足の異なる部分を受容するためのループを形成する。
【0041】
張力要素16は、ループを形成するように設計され、ループでは、足の親指が受け入れられ、足の親指は、以下「つま先」として参照される。張力要素16は、
図1にベクトル「F1」および「F2」によって示されるように、つま先に締結されるように構成されると共に、つま先に第1矯正力F1を、またつま先の中足骨趾骨間の関節に第1矯正力とは反対方向に向けられた第2矯正力F2を加えるように構成される。張力要素16は、弾性の矯正ストラップの形態で提供され、弾性の矯正ストラップは、以下「矯正ストラップ」として参照される。
【0042】
保持要素14は、履物10に対して、特にソール12に対して足を固定するように意図されている。そうするために、保持要素14は、第1保持ストラップ18と、別個の第2保持ストラップ20とを備える。第1保持ストラップ18は、
図1から集められることができるように、足の第2から第5つま先が受け入れられるループを形成するように設計される。第1保持ストラップ18は、弾性の保持ストラップの形態で設けられる。
【0043】
第2保持ストラップ20は、足に締結された状態で、履物10に対して足の中足骨の領域を固定するように構成される。そうするために、第2保持ストラップ20は、
図1~
図3から集められるように、足の甲の領域において足に接して位置する。第2保持ストラップ20は、引張り剛性の保持ストラップ、すなわち弾性的でない保持ストラップの形態において設けられる。
【0044】
履物10のソール12は、複数の層から構築され、すなわち多層であり、またアウトソールおよびインソールを備える。矯正ストラップ16、第1保持ストラップ18および第2保持ストラップ20は、ソール12に固定して接続される。そうするために、矯正ストラップ16、第1保持ストラップ18、及び第2保持ストラップ20の反対側の端部(セクション)は、固定によりおよび引っ張りに強固にソール12に接続される。より具体的には、矯正ストラップ16の、第1保持ストラップ18の、および第2保持ストラップ20の反対側の端部は、ソールに導かれると共に、形を合わせてはめ合わせ、および/または力ばめ、および/または接着の方式において、アウトソールおよびインソールに接続され、またアウトソールとインソールとの間に配置される。
【0045】
足に締結された状態では、弾性矯正ストラップ16および第1保持ストラップ18の両方は、弾性的に変形され、特に、少なくとも3mmの程度に弾性的に変形される。言い換えれば、足に締結された状態では、弾性矯正ストラップ16および第1保持ストラップ18の両方は、張力状態に配置されており、張力状態では、弾性矯正ストラップ16および第1保持ストラップ18は、弾性変形されると共に、これに対応して、その弾性変形によって誘起される締め付け力を受ける。しかし、履物が治療されるべき足から取り外され又は分離された場合、矯正ストラップ16および第1保持ストラップ18は、休止状態に配置される。足に固定された状態において、つまり、矯正ストラップ16および保持ストラップ18が張力状態に配置されているとき、矯正ストラップ16および第1保持ストラップ18は、少なくとも2mm又は少なくとも3mm又は少なくとも5mmの程度に弾性変形される。言い換えれば、足に固定された状態では、矯正ストラップ16または第1保持ストラップ18の長さ、特に巻き付けの長さまたは周方向の長さは、それらの静止状態と比べて、少なくとも2mmまたは少なくとも3mmまたは少なくとも5mmの弾性変形のため伸長される。締結状態では、矯正ストラップ16によって加えられる第1および第2矯正力F1、F2、並びに第1保持ストラップ18によって加えられる保持力F3は、張力によって生成され、この張力は、矯正ストラップ16および第1保持ストラップ18において有効である(行き渡る、主流である、使われている)と共に弾性変形によって誘発される。図示の構成では、保持力F3は、
図1から集められることができるように、第1矯正力とは反対の方向に第2つま先に加えられる。
【0046】
矯正ストラップ16および第1保持ストラップ18は、複数の層から構成される。より具体的には、それらは、弾性層を備え、特にエラストマーで作られ、その層はその対向する側において2つのライニング層によって覆われている。ライニング層は、不織布材料から作製される。
【0047】
矯正ストラップ16は、その係合面に沿って、つま先および中足骨趾骨間の関節に接して位置する。足に締結された状態では、弾性矯正ストラップ16は、その係合面に沿って、および/または係合面に隣接する部分に沿って弾性変形する。張力状態では、矯正ストラップ16は、少なくとも部分部分において、
図1および
図2から積み重ねることがきるように、矯正ストラップ16がつま先の外側からつま先の表面に沿って中足骨趾骨間の関節の領域における足の内側に延びるように、つま先の周りに係合する。
【0048】
矯正ストラップ16は、第1端部22及び反対側の第2端部24を含む。足に固定された状態では、第1端部22は、つま先と、隣の更なるつま先との間に位置決めされ、より具体的には、その間のつま先間部分に位置決めされる。第2端部24は、
図1から集められることができるように、親指の中足骨趾骨間の関節の領域に配置される。図示の構成では、上述のように、矯正ストラップ16は、第1端部22および第2端部24を介して履物10のソール12に固定的に接続される。第2端部24は、中足骨趾骨間の関節に対して、すなわちつま先ボールの側方に突出する部分に対して、側方向きに接して横たわる。あるいは、第2端部分24は、中足骨趾骨間の関節からつま先へ向かう方向、すなわち、縦方向Xに沿って見たときに、中足骨趾骨間の関節またはつま先ボール(足趾球)の前方または後方に配置されることができる。
【0049】
矯正ストラップ16の第1端部22は、接続部26を介してソール12に接続されている。接続部26は、ソール12に導かれるまたは接触する矯正ストラップ16のセクション(部分)を形成する。換言すれば、第1端部22は、ソール12および接続部26から突出している。接続部26は、長手方向軸Xに沿ったつま先間部の近位端と接続部26との間の距離が6mm~16mmの範囲にあるように、つま先と、隣の更なるつま先との間領域の近位端から間隔をあけて離されて配置される。
【0050】
第1保持ストラップ18は、足に固定された状態で、少なくとも第2つま先および小指の中足骨趾骨間の関節を履物10に対して固定するように構成される。そうするために、第1保持ストラップ18は、第2つま先および小指の中足骨趾骨間の関節に接して横たわる。より具体的には、第1保持ストラップ18は、第1端部28、および対向する第2端部30を含む。足に固定された状態において、第1端部28は、親指と第2つま先との間に位置決めされ、より具体的には、それらの間に設けられたつま先間の領域に配置される。
図1から集められるように、第2端部30は、小足の中足骨趾骨間の関節の領域に配置されている。図示の構成では、上述のように、第1保持ストラップ18は、その第1端部28およびその第2端部30を介して履物10のソール12に固定して接続される。図示の構成では、第2端部30は、長手方向Xにおいて小指の中足骨趾骨間の関節の前方に配置されるように、足に接して位置する。あるいは、第2端部30は、長手方向Xにおいて小指の中足骨趾骨間の関節の後方に配置されてもよく、またはそれに接して側方に位置してもよい。
【0051】
第2保持ストラップ20は、実質的に引張剛性、すなわち弾性的ではないものであって、ソール12に固定して接続される2つの近位端部分34、36および遠位端部分32を含む。遠位端部分32は、親指と第2つま先との間のつま先間の領域に配置され、またつま先間の領域の近位端に当接する。2つの近位端部分34、36は、足の両側(反対側)、より具体的には、外側および内側に配置され、またソールに固定される。
【0052】
適用可能な場合、本発明の範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に示される個々の特徴のすべては、組み合わされ、および/または交換されることができる。
【符号の説明】
【0053】
10 履物
12 ソール
14 保持要素
16 張力要素16;矯正ストラップ
18 第1保持ストラップ
20 第2保持ストラップ
22 矯正ストラップの第1端部
24 矯正ストラップの第2端部
26 接続部
28 第1保持ストラップの第1端部
30 第1保持ストラップの第2端部
32 第2保持ストラップの近位端部分
34、 36 第2保持ストラップの遠位端部分
F1 第1矯正力
F2 第2矯正力
F3 保持力
【手続補正書】
【提出日】2024-01-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足の位置異常を治療すると共に予防するための、特に外反母趾を治療すると共に予防するための履物(10)であって、
前記履物(10)に対して足を固定するように構成された保持要素(14)であって、前記保持要素(14)は、前記足に固定された状態において、前記履物(10)に対して前記足の中足骨領域を固定すると共に前記足に前記足の甲の領域において接して横たわる更なる保持ストラップ(20)を備える、保持要素(14)と、
つま先に固定されるように構成されると共に、前記履物
(10)が前記足に固定される前記状態において、前記つま先に第1矯正力(F1)を加えると共に前記つま先の中足骨趾骨間の関節に
前記第1矯正力(F1)と反
対に向けられた第2矯正力(F2)を加えるように構成された張力要素(16)と、
を備え、
前記張力要素(16)が、弾性の矯正ストラップ
(16)であり、
前記矯正ストラップ(16)は、第1端部(22)と、反対側の第2端部(24)とを備え、前記第1端部(22)および前記第2端部(24)は、前記履物(10)のソール(12)に固定される、
履物。
【請求項2】
前記足に固定された前記状態において、前記矯正ストラップ(16)は弾性的に変形され、特に少なくとも3mmの程度まで弾性的に変形される、
請求項1に記載の履物。
【請求項3】
前記足に固定された前記状態において、前記第1矯正力(F1)および/または前記第2矯正力(F2)は、前記矯正ストラップ(16)の弾性変形に有効であると共に前記矯正ストラップ(16)の弾性変形によって誘起される引張力によって発生されるように構成されている、
請求項1または請求項2に記載の履物。
【請求項4】
前記足に固定された前記履物(10)の前記状態において、前記矯正ストラップ(16)は、前記矯正ストラップ(16)の係合面に沿って、前記つま先および/または前記中足骨趾骨間の関節に接して横たわり、前記矯正ストラップ(16)は、前記矯正ストラップ(16)の
前記係合面に沿って、および/または前記係合面の隣の部分に沿って弾性的に変形される、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の履物。
【請求項5】
前記足に固定された前記状態において、前記矯正ストラップ(16)は、少なくとも部分部分において
、前記矯正ストラップ(16)が前記つま先の一側から前記中足骨趾骨間の関節または前記つま先の反対側に延びるように、前記つま先の周りにおいて係合する、
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の履物。
【請求項6】
前記足に固定された前記状態において、前記矯正ストラップ(16)は、前記矯正ストラップ(16)が、前記中足骨趾骨間の関節の領域において前記足の内側に前記つま先の側面からつま先面に沿って延在するように、前記足に接して横たわる、
請求項1~
請求項5のいずれか一項に記載の履物。
【請求項7】
前記履物(10)は、前記足に固定された前記状態で、前記第1端部(22)が、前記つま先と、隣の更なるつま先との間に配置され、前記第2端部(24)が、前記中足骨趾骨間の関節の領域に配置されるように設計されている、
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の履物。
【請求項8】
前記矯正ストラップ
(16)は、前記第1端部(22)および前記第2端部(24)を介して前記履物のソール(12)に固定して接続される、
請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の履物。
【請求項9】
前記第2端部(24)が側方に前記中足骨趾骨間の関節に対して横たわる、または前記中足骨趾骨間の関節から前記つま先に向かう方向(X)において、前記中足骨趾骨間の関節の前方または後方に配置される、
請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の履物。
【請求項10】
前記矯正ストラップ(16)の接続部(26)は、前記接続部(26)を介して前記矯正ストラップ(16)の前記第1端部(22)が前記ソール(12)に接続されるものであって、前記つま先と、隣の前記更なるつま先との間のつま先間領域の近位端から間隔をおいて離れて配置され、前記接続部(26)と前記つま先間領域の前記近位端との間の長手方向足軸(X)に沿った距離が、4mm~18mmの範囲内にある、
請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の履物。
【請求項11】
前記保持要素(14)は、前記足に固定された前記履物(10)の前記状態において、前記履物(10)に対して、前記つま先の隣の少なくとも1つの更なるつま先、および/または更なる中足骨趾骨間の関節を固定するように構成された
更なる保持ストラップ(18)を備える、
請求項1~請求項10のいずれか一項に記載の履物。
【請求項12】
前記足に固定された前記状態において、前記
更なる保持ストラップ(18)は、前記更なるつま先の領域に接して横たわる、若しくは配置される、および/または前記更なる中足骨趾骨間の関節の領域に接して横たわる、若しくは配置される、
請求項11に記載の履物。
【請求項13】
前記
更なる保持ストラップ(18)は、弾性保持ストラップであり、前記弾性保持ストラップは、前記足に固定された前記履物(10)の前記状態において、弾性的に変形され、特に少なくとも3mmの程度に弾性的に変形される、
請求項11または請求項12に記載の履物。
【請求項14】
前
記保持ストラップ(20)は、実質的に引張剛性の保持ストラップによって形成される、
請求項1~請求項13のいずれか一項に記載の履物。
【国際調査報告】