(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】SARS-COV-2 Mpro阻害剤化合物
(51)【国際特許分類】
C07K 5/083 20060101AFI20240308BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20240308BHJP
A61K 38/07 20060101ALI20240308BHJP
C07K 14/81 20060101ALI20240308BHJP
C12N 9/99 20060101ALI20240308BHJP
C07K 5/087 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
C07K5/083
A61P31/14
A61K38/07
C07K14/81
C12N9/99
C07K5/087
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560997
(86)(22)【出願日】2022-04-01
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 GB2022050836
(87)【国際公開番号】W WO2022208113
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523373946
【氏名又は名称】ヘプタレス セラピューティクス リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】マイルズ スチュアート コングリーブ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン アンドリュー クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】マーク ピックワース
(72)【発明者】
【氏名】クリス デ グラーフ
(72)【発明者】
【氏名】アリシア ペレツ ヒギュールエロ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン スティーブン メイソン
【テーマコード(参考)】
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084BA01
4C084BA16
4C084BA23
4C084NA14
4C084ZB33
4C084ZC20
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA12
4H045DA56
4H045EA29
4H045FA20
4H045FA50
(57)【要約】
本明細書において記述されている発明は、式(1b):
の化合物又はその塩に関連しており、前記R
1、R
1a、R
2、R
3及びR
5は、本明細書中に規定されており、SARS-CoV-2及び関連ウイルス並びにSARS-CoV-2と関連している障害の治療におけるそれらの使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1b):
【化1】
の化合物又はその塩であって:
前記R
1及びR
1aは、独立して、H、1~6個のフッ素原子若しくは塩素原子で任意に置換されたC
1-6飽和炭化水素基又は1~6個のフッ素原子若しくは塩素原子で任意に置換されたベンジル基であるか、あるいは前記R
1及びR
1aは結合して追加のヘテロ原子を任意に含む飽和環を形成し;
前記R
2は、フッ素又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換されたシクロアルキル基を含むC
3-5飽和炭化水素基であり;
前記R
3は、飽和基であって、3~5個の炭素原子を含み、任意にシクロアルキル基を含むか、あるいは任意に酸素ヘテロ原子を含む飽和環を含み、フッ素又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換されるか、あるいは前記R
3は、CH
2アリ-ル、CH(CH
3)アリ-ル又はC(CH
3)
2アリ-ルであり;
前記R
5は、C
2-8炭化水素基であって、任意に一又は複数の環又は二重結合を含み、フッ素;塩素;臭素;シアノ;ヒドロキシ;メトキシ;アミノ;から選択される一又は複数の基又はシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリ-ル基若しくはヘテロアリ-ル基で任意に置換されている。
【請求項2】
前記R
1は、H、CH
3、ベンジル、シクロプロピル又は
【化2】
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記R
1aはHである、請求項1又は請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
前記R
1及びR
1aは、両方ともHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
前記R
1及びR
1aは、両方とも-CH
3である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記R
1及びR
1aは、結合して3~6個の原子の飽和環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
前記R
1及びR
1aは、結合してアゼチジン又はアジリジン環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記R
2は、以下の:
【化3】
からなる群より選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
前記R
3は、以下の:
【化4】
からなる群より選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
前記R
5は、以下の:
【化5】
からなる群より選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
式(3b):
【化6】
の化合物又はその塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
以下の:
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2,3-ジオキソ-プロピル]-3-[(2S)-2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-3-メチルブタノイル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-アロイソロイシル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-3-(アクリロイル-L-バリル)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-((1R,2S)-2-メチルシクロプロピル)-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-3-シクロプロピル-2-イソブチルアミドプロパノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-6,6-ジメチル-3-(((S)-2-メチルブタノイル)-L-バリル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-(シクロプロパンカルボキサミド)-2-シクロプロピルアセチル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-シクロプロピル-2-イソブチルアミドアセチル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-(ベンジルアミノ)-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(1-シクロプロピル-4-(シクロプロピルアミノ)-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(2-イソブチルアミド-2-(オキセタン-3-イル)アセチル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-(シクロプロパンカルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-3-((S)-2-アクリルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-3-((S)-2-アクリルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-N-(4-(ベンジルアミノ)-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-(ベンジルアミノ)-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-(ベンジルアミノ)-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-(シクロプロパンカルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-3-((S)-2-(シクロプロパンカルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-N-(1-シクロプロピル-4-(シクロプロピルアミノ)-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-3-((S)-2-アクリルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-N-(1-シクロプロピル-4-(シクロプロピルアミノ)-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(1-シクロプロピル-4-(シクロプロピルアミノ)-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(1-シクロプロピル-4-(メチルアミノ)-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(1-シクロプロピル-4-(ジメチルアミノ)-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-(アジリジン-1-イル)-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-シクロブチル-2-イソブチルアミドアセチル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3-メチル-3-フェニルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-(アゼチジン-1-イル)-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-3-((シクロプロパンカルボニル)-L-バリル)-N-(1-シクロプロピル-4-(シクロプロピルアミノ)-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(2-イソブチルアミド-2-(テトラヒドロフラン-3-イル)アセチル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(1-シクロプロピル-4-(((S)-2,2-ジメチルシクロプロピル)アミノ)-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-フェニルアラニル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-3,3-ジメチル-2-(3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)プロパンアミド)ブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-3,3-ジメチル-2-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)ブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-(アゼチジン-1-イル)-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-3,3-ジメチル-2-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)ブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
又はその塩、
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
SARS-CoV-2 Mpro阻害活性を有する。請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項15】
SARS-CoV-2の治療又はSARS-CoV-2と関連している障害の治療に使用するための、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物又は組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、新規化合物及びSARS-CoV-2のメインプロテアーゼ(Mpro)阻害剤としてのそれらの使用に関する。本明細書において記述されている化合物は、SARS-CoV-2及び関連ウイルス並びにSARS-CoV-2:Mproと関連している障害の治療に有用である。本出願はまた、これらの化合物を含む医薬組成物並びにSARS-CoV-2及び関連ウイルス及びSARS-CoV-2:Mproと関連している障害の治療におけるこれらの化合物及び組成物の製造及び使用にも向けられる。本化合物及び組成物は、SARS-CoV-2及び関連ウイルスに感染した患者において、慢性的な基礎疾患又は併存疾患のために生じる死亡又は合併症を予防するのに役立つことができる。
【背景技術】
【0002】
コロナウイルスは、自然界に長きにわたって存在してきており、人獣共通感染症としてヒトに感染してきた。しかしながら、この20年間において、重篤な呼吸器疾患を引き起こす新規ヒトコロナウイルス感染症の発生が、世界的な健康上の大きな懸念となっている。これには、2002年から2004年に発生した重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)、2012年から2015年に発生した中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)、及び重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)が含まれる、これは、2019年に中国の武漢で確認されたコロナウイルスの最も最近出現した株であり、2019年から2020年にかけて発生したコロナウイルス疾患2019(COVID-19)のウイルス性肺炎の病因物質である。このような突発的な発生による悲劇的で広範な影響や、新規ヒトコロナウイルスの定期的な出現により将来のアウトブレイクの可能性が高まっているにもかかわらず、コロナウイルス感染を標的とした有効な抗ウイルス治療法はまだない。
【0003】
SARS-CoV-2は~30kbの大きなRNAゲノムを持ち、その3分の2は2つのポリタンパク質pp1aとpp1bをコードしている(Hegyiら:595-99)。これらのポリタンパク質は16種類の非構造タンパク質(nsps)に加工され、2種類のウイルス性システインプロテアーゼ、パパイン様プロテアーゼ(nsp3)と3C様プロテアーゼ(nsp5)によって長いポリペプチド鎖から遊離される。後者はメインプロテアーゼ(Mpro)とも呼ばれ、ウイルスのポリタンパク質を11カ所で切断し、12の非構造タンパク質(nsp5-16)を生成する。これらのnspに含まれるのは、RNA依存性RNAポリメラーゼ(nsp12)やヘリカーゼ(nsp13)といった複製・転写機構に関与するものである。Mproがウイルス複製に果たす重要な役割は、突然変異誘発実験によって証明されている(Kimら、Virology 208(1):1-8;Stobartら、Journal of Virology 86(9):4801-10)、コロナウイルス感染を治療するための阻害剤を設計するための魅力的な標的となっている。さらに、同様の切断特異性を持つヒトプロテアーゼは存在しないため、Mproの選択的阻害剤は無毒性である可能性が高い(Anandら、Science 300(5626):1763-67)。
【0004】
ウイルス性疾患の治療におけるプロテアーゼ阻害剤の使用は先例があり(Baconら、The New England Journal of Medicine 364(13):1207-17)、SARS-CoV-2 Mproの活性部位が他のウイルスプロテアーゼと類似していることから、COVID-19の治療に再利用できる臨床的に承認された薬剤を同定する努力が続けられている(Rivaら、Nature,586:113-119)。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)とC型肝炎ウイルス(HCV)の治療用に設計された18種類のウイルス・プロテアーゼ阻害剤をスクリーニングしたところ、抗HCV薬ボセプレビルと、ネコ伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)に対する前臨床阻害剤GC376がSARS-CoV-2 Mproの阻害剤として同定された(Fuら、Nature Communications 11(1): 4417)。GC376は、ボセプレビル(IC50=8μM)よりも強力な組換えプロテアーゼ活性阻害効果(IC50=0.15μM)を示したが、GC376は猫で実施された試験で副作用を示し、潜在的な安全性の懸念が提起されている(Pedersenら、Journal of Feline Medicine and Surgery 20(4):378-92)。ボセプレビルはまた、別の試験でテラプレビルと並んでSARS-CoV-2 Mproの阻害剤として同定されたが、両薬剤ともIC50値が1μMを超えるSARS-CoV-2 Mproを阻害した(Ansonら、2020.doi:10.21203/rs.3.rs-26344/v1)。SARS-CoV-2のMproに加えて、SARS、MERS、HKU1、HKU4、HKU5、NL63、FIPV、IBVを含む他の8種類のコロナウイルスのMproプロテアーゼに対するボセプレビルとテラプレビルの阻害効果も評価された。ボセプレビルはNL63を除くすべてのコロナウイルスのプロテアーゼを阻害し、テラプレビルも同様にSARS、HKU4、HKU5、NL63、IBVで阻害活性を示し、幅広い活性スペクトルを示した。これらの薬剤のSARS-CoV-2 Mproに対する抗ウイルス活性は、臨床開発に十分なものではないが、広範なプロテアーゼを阻害できることから、SARS-CoV-2感染だけでなく、他のヒト・コロナウイルスや将来出現する可能性のある新規コロナウイルスをも治療できる幅広いスペクトルの抗ウイルス薬を設計できる可能性が強調された。
【0005】
SARS-CoVとSARS-CoV-2のMpro活性部位の配列の類似性は、もともとSARS-CoVの治療のために設計されたPF 00835231のリン酸プロドラッグであるSARS-CoV-2 Mpro阻害剤PF-07304814の同定においても利用された(Borasら、BioRxiv、2020.09.12.293498)。PF00835231はSARS-CoV-2のMproをKi値0.27nMで阻害し、さらに10種のコロナウイルス株に対してKi値0.03~4nMの幅広い阻害活性を示した。これは、細胞ベースのライブウイルスアッセイでは~1μMの活性に相当した。PF-00835231とヌクレオシドRNA依存性RNAポリメラーゼ阻害剤であるレムデシビルとの併用による活性も評価された。実際、PF-00835231とレムデシビルは、細胞ベースの抗ウイルスアッセイにおいて相乗効果又は相加効果を示した。このことは、Mpro阻害剤と他の作用機序の抗ウイルス剤との併用が臨床的有用性を示す可能性を示唆している。
【0006】
2020年、SARS-CoV-2 MproとN3(マイケル受容体阻害剤)との複合体の結晶構造が発表された(Jinら:289-93)により、SARS-CoV-2 Mproの阻害剤のバーチャルスクリーニングと構造に基づく薬剤設計(SBDD)が可能になった。このようなSBDDの取り組みには、コロナウイルス及び腸ウイルスの広範な阻害剤としてのペプチド模倣α-ケトアミドの設計が含まれ、最も有望な2つの阻害剤は、腸ウイルスEV-A71及びCVB3、ならびにコロナウイルスSARS-CoV及びNL63のプロテアーゼに対する組換え阻害アッセイで0.71~12.27μMのIC50値を示した(Zhangら、Journal of Medicinal Chemistry 63(9): 4562-4578)。組換えプロテアーゼアッセイで観察された活性は、細胞ベースのライブウイルスアッセイでの抗ウイルス活性とほぼ一致し、IC50値はいずれの系でも10倍以内であった。このことは、プロテアーゼ阻害アッセイでの良好な活性が抗ウイルス活性の良い指標となることを示唆している。
【0007】
現在、COVID-19の治療のための標的治療薬はなく、効果的な治療の選択肢は非常に限られている。多くの研究活動が進行中であり、数多くの臨床試験が行われているにもかかわらず、SARS-CoV-2感染症の治療薬として一部の国で限定的に承認されているのはレムデシビルとファビピラビルだけであるが、その効果はわずかである(Zhouら、ACS Pharmacology&Translational Science 3(5):813-834)。SARS-CoV-2感染の治療のための標的治療薬に対する必要性が存在し、上記の理由から、SARS-CoV-2 Mproは、SARS-CoV-2の魅力的な薬物標的である。本明細書に開示される化合物は、SARS-CoV-2 Mproの阻害剤であることが示され、したがって、COVID-19を含むがこれに限定されないコロナウイルス感染及び関連障害の治療のための潜在的な候補となる。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、SARS-CoV-2:Mpro阻害剤としての活性を有する化合物を提供する。
【0009】
本発明は、式(1b):
【化1】
の化合物又はその塩を提供し:
前記R
1及びR
1aは、独立して、H、1~6個のフッ素原子若しくは塩素原子で任意に置換されたC
1-6飽和炭化水素基又は1~6個のフッ素原子若しくは塩素原子で任意に置換されたベンジル基であるか、あるいは前記R
1及びR
1aは結合して追加のヘテロ原子を任意に含む飽和環を形成し;
前記R
2は、フッ素又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換されたシクロアルキル基を含むC
3-5飽和炭化水素基であり;
前記R
3は飽和基であり、3~5個の炭素原子を含み、任意にシクロアルキル基を含むか、あるいは任意に酸素ヘテロ原子を含む飽和環を含み、フッ素又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換されるか、あるいは前記R
3は、CH
2アリール、CH(CH
3)アリール又はC(CH
3)
2アリールであり;
前記R
5はC
2-8炭化水素基であり、任意に一又は複数の環又は二重結合を含み、フッ素;塩素;臭素;シアノ;ヒドロキシ;メトキシ;アミノ;から選択される一又は複数の基又はシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基若しくはヘテロアリール基で任意に置換されている。
【0010】
本発明の化合物は、SARS-CoV-2:Mpro阻害剤として使用されることができる。本発明の化合物は、SARS-CoV-2及び関連ウイルス又はSARS-CoV-2と関連している疾患若しくは障害の治療に使用されることができる。本発明の化合物は、SARS-CoV-2及び関連ウイルスに感染した患者において、慢性的な基礎疾患又は併存疾患のために生じる死亡又は合併症を予防するのに役立つことができる。かかる慢性的な基礎疾患又は併存疾患は、例えば、高血圧、肥満、慢性肺疾患(TB、喘息及び嚢胞性線維症)、糖尿病及び心血管疾患(冠状動脈性心疾患、先天性心疾患及び心不全)を含むことができる。本発明の化合物は、薬剤の製造に使用されることができる。本発明の化合物又は薬剤は、SARS-CoV-2及び関連ウイルス並びにSARS-CoV-2:Mproが関与する疾患又は障害の治療、予防、改善、制御又はリスクの低減に使用することができる。化合物又は薬剤は、SARS-CoV-2及び関連ウイルスに感染した患者における慢性的な基礎疾患又は併存疾患の治療、予防、改善、制御又はリスクの低減に使用することができる。
【0011】
本発明の化合物は、単剤としてか、あるいは一又は複数の追加の医薬品と組み合わせて使用することができる。本発明の化合物は、SARS-CoV-2及び関連ウイルス又はそれらに関連する症状若しくは兆候(symptoms)の治療に役立つことができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明の詳細な説明
本発明は、新規化合物に関する。本発明はまた、SARS-CoV-2:Mproの阻害剤としての新規化合物の使用に関する。本発明はさらに、SARS-CoV-2:Mpro阻害剤として使用するための薬剤の製造における新規化合物の使用に関する。本発明はさらに、SARS-CoV-2及び関連ウイルス又はそれらに関連する症状若しくは兆候の治療に役立つことができる化合物、組成物及び薬剤に関する。
【0013】
本発明は、式(1b):
【化2】
の化合物又はその塩を提供し:
前記R
1及びR
1aは、独立して、H、1~6個のフッ素原子若しくは塩素原子で任意に置換されたC
1-6飽和炭化水素基又は1~6個のフッ素原子若しくは塩素原子で任意に置換されたベンジル基であるか、あるいは前記R
1及びR
1aは結合して追加のヘテロ原子を任意に含む飽和環を形成し;
前記R
2は、フッ素又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換されたシクロアルキル基を含むC
3-5飽和炭化水素基であり;
前記R
3は飽和基であり、3~5個の炭素原子を含み、任意にシクロアルキル基を含むか、あるいは任意に酸素ヘテロ原子を含む飽和環を含み、フッ素又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換されるか、あるいは前記R
3は、CH
2アリール、CH(CH
3)アリール又はC(CH
3)
2アリールであり;
前記R
5はC
2-8炭化水素基であり、任意に一又は複数の環又は二重結合を含み、フッ素;塩素;臭素;シアノ;ヒドロキシ;メトキシ;アミノ;から選択される一又は複数の基又はシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基若しくはヘテロアリール基で任意に置換されている。
【0014】
また、式(1a):
【化3】
の化合物又はその塩も提供され;
前記Qは、CN又は式:
【化4】
の基であり、
前記R
1及びR
1aは、独立して、H、1~6個のフッ素原子若しくは塩素原子で任意に置換されたC
1-6飽和炭化水素基又は1~6個のフッ素原子若しくは塩素原子で任意に置換されたベンジル基であるか、あるいは前記R
1及びR
1aは結合して追加のヘテロ原子を任意に含む飽和環を形成し;
前記R
2は、フッ素又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換されたシクロアルキル基を含むC
3-5飽和炭化水素基であるか、あるいは前記R
2は、フッ素、メチル又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換された酸素ヘテロ原子を含む飽和環であり;
前記R
3は飽和基であり、3~5個の炭素原子を含み、任意にシクロアルキル基を含むか、あるいは任意に酸素ヘテロ原子を含む飽和環を含み、フッ素又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換されるか、あるいは前記R
3は、CH
2アリール、CH(CH
3)アリール又はC(CH
3)
2アリールであり;及び
前記R
4は、H又はCO-R
5であり、前記R
5はC
2-8炭化水素基であり、任意に一又は複数の環又は二重結合を含み、フッ素;塩素;臭素;シアノ;ヒドロキシ;メトキシ;アミノ;から選択される一又は複数の基又はシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基若しくはヘテロアリール基で任意に置換されている。
【0015】
また、式(1):
【化5】
の化合物又はその塩も提供され;
前記R
1及びR
1aは、独立して、H、1~6個のフッ素原子若しくは塩素原子で任意に置換されたC
1-6飽和炭化水素基又は1~6個のフッ素原子若しくは塩素原子で任意に置換されたベンジル基であるか、あるいは前記R
1及びR
1aは結合して追加のヘテロ原子を任意に含む飽和環を形成し;
前記R
2は、フッ素又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換されたシクロアルキル基を含むC
3-5飽和炭化水素基であるか、あるいは前記R
2は、フッ素、メチル又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換された酸素ヘテロ原子を含む飽和環であり;
前記R
3は飽和基であり、3~5個の炭素原子を含み、任意にシクロアルキル基を含むか、あるいは任意に酸素ヘテロ原子を含む飽和環を含み、フッ素又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換されるか、あるいは前記R
3は、CH
2アリール、CH(CH
3)アリール又はC(CH
3)
2アリールであり;及び
前記R
4は、H又はCO-R
5であり、前記R
5はC
2-8炭化水素基であり、任意に一又は複数の環又は二重結合を含み、フッ素;塩素;臭素;シアノ;ヒドロキシ;メトキシ;アミノ;から選択される一又は複数の基又はシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基若しくはヘテロアリール基で任意に置換されている。
【0016】
提供されるのは、式(2):
【化6】
の化合物又はその塩であり;
前記R
1は、H、1~6個のフッ素原子若しくは塩素原子で任意に置換されたC
1-6飽和炭化水素基又は1~6個のフッ素原子若しくは塩素原子で任意に置換されたベンジル基であり;
前記R
2は、フッ素又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換されたシクロアルキル基を含むC
3-5飽和炭化水素基であるか、あるいは前記R
2は、フッ素、メチル又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換された酸素ヘテロ原子を含む飽和環であり;
前記R
3は飽和基であり、3~5個の炭素原子を含み、任意にシクロアルキル基を含むか、あるいは任意に酸素ヘテロ原子を含む飽和環を含み、フッ素又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換されるか、あるいは前記R
3は、CH
2アリール、CH(CH
3)アリール又はC(CH
3)
2アリールであり;
前記R
5はC
2-8炭化水素基であり、任意に一又は複数の環又は二重結合を含み、フッ素;塩素;臭素;シアノ;ヒドロキシ;メトキシ;アミノ;から選択される一又は複数の基又はシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基若しくはヘテロアリール基で任意に置換されている。
【0017】
提供されるのは、式(2):
【化7】
の化合物又はその塩であり;
前記R
1は、H、1~6個のフッ素原子若しくは塩素原子で任意に置換されたC
1-6飽和炭化水素基又は1~6個のフッ素原子若しくは塩素原子で任意に置換されたベンジル基であり;
前記R
2は、シクロアルキル基を含むC
3-5飽和炭化水素基であり;
前記R
3は飽和基であり、3~5個の炭素原子を含み、任意にシクロアルキル基を含むか、あるいは任意に酸素ヘテロ原子を含む飽和環を含み;
前記R
4はC
2-8炭化水素基であり、任意に1~6個のフッ素原子又は塩素原子で置換され、任意に一又は複数の環又は二重結合を含む。
【0018】
提供されるのは、式(3):
【化8】
の化合物又はその塩であり;
前記R
1及びR
1aは、独立して、H、1~6個のフッ素原子若しくは塩素原子で任意に置換されたC
1-6飽和炭化水素基又は1~6個のフッ素原子若しくは塩素原子で任意に置換されたベンジル基であるか、あるいは前記R
1及びR
1aは結合して追加のヘテロ原子を任意に含む飽和環を形成し;
前記R
2は、フッ素又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換されたシクロアルキル基を含むC
3-5飽和炭化水素基であるか、あるいは前記R
2は、フッ素、メチル又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換された酸素ヘテロ原子を含む飽和環であり;
前記R
3は、飽和基であり、3~5個の炭素原子を含み、任意にシクロアルキル基を含むか、あるいは任意に酸素ヘテロ原子を含む飽和環を含み、フッ素又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換されるか、あるいは前記R
3は、CH
2アリール、CH(CH
3)アリール又はC(CH
3)
2アリールであり;及び
前記R
4は、H又はCO-R
5であり、前記R
5はC
2-8炭化水素基であり、任意に一又は複数の環又は二重結合を含み、フッ素;塩素;臭素;シアノ;ヒドロキシ;メトキシ;アミノ;から選択される一又は複数の基又はシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基若しくはヘテロアリール基で任意に置換されている。
【0019】
提供されるのは、式(2b):
【化9】
の化合物又はその塩であり;
前記R
1は、H、1~6個のフッ素原子若しくは塩素原子で任意に置換されたC
1-6飽和炭化水素基又は1~6個のフッ素原子若しくは塩素原子で任意に置換されたベンジル基であり;
前記R
2は、フッ素又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換されたシクロアルキル基を含むC
3-5飽和炭化水素基であるか、あるいは前記R
2は、フッ素、メチル又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換された酸素ヘテロ原子を含む飽和環であり;
前記R
3は、飽和基であり、3~5個の炭素原子を含み、任意にシクロアルキル基を含むか、あるいは任意に酸素ヘテロ原子を含む飽和環を含み、フッ素又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換されるか、あるいは前記R
3は、CH
2アリール、CH(CH
3)アリール又はC(CH
3)
2アリールであり;及び
前記R
5はC
2-8炭化水素基であり、任意に1~6個のフッ素原子又は塩素原子で置換され、任意に一又は複数の環又は二重結合を含み、フッ素;塩素;臭素;シアノ;ヒドロキシ;メトキシ;アミノ;から選択される一又は複数の基又はシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基若しくはヘテロアリール基で任意に置換されている。
【0020】
提供されるのは、式(2b):
【化10】
の化合物又はその塩であり;
前記R
1は、H、1~6個のフッ素原子若しくは塩素原子で任意に置換されたC
1-6飽和炭化水素基又は1~6個のフッ素原子若しくは塩素原子で任意に置換されたベンジル基であり;
前記R
2は、シクロアルキル基を含むC
3-5飽和炭化水素基であり;
前記R
3は、飽和基であり、3~5個の炭素原子を含み、任意にシクロアルキル基を含むか、あるいは任意に酸素ヘテロ原子を含む飽和環を含み;
前記R
5は、C
2-8炭化水素基であり、任意に1~6個のフッ素原子又は塩素原子で置換され、任意に一又は複数の環又は二重結合を含む。
【0021】
本明細書中の化合物において、QはCNであり得る。Qは、式:
【化11】
の基であり得る。
【0022】
Qは、以下の:
【化12】
からなる群より選択され得る。
【0023】
本明細書中の化合物において、R1aはHであり得る。R1aは、1~6個のフッ素原子又は塩素原子で任意に置換されたC1-6飽和炭化水素基であり得る。R1aはメチルであり得る。R1aはシクロプロピルであり得る。R1aは、1~6個のフッ素原子又は塩素原子で任意に置換されたベンジル基であり得る。R1aは、-CH2-シクロプロピル、-CH2-クロロフェニル、-CH2-フェニル、メチルシクロプロピル、1,1-ジメチルシクロプロピル、1,2-ジメチルシクロプロピル、ジフルオロシクロプロピルからなる群より選択され得る。
【0024】
本明細書中の化合物において、R1はHであり得る。R1は、1~6個のフッ素原子又は塩素原子で任意に置換されたC1-6飽和炭化水素基であり得る。R1はメチルであり得る。R1はシクロプロピルであり得る。R1は、1~6個のフッ素原子又は塩素原子で任意に置換されたベンジル基であり得る。R1は、-CH2-シクロプロピル、-CH2-クロロフェニル、-CH2-フェニル、メチルシクロプロピル、1,1-ジメチルシクロプロピル、1,2-ジメチルシクロプロピル、ジフルオロシクロプロピルからなる群より選択され得る。
【0025】
R
1は、以下の:
【化13】
からなる群より選択され得る。
【0026】
R
1は、H、CH
3、ベンジル、シクロプロピル又は
【化14】
であり得る。
【0027】
R1aは、H及びメチルからなる群より選択され得る。R1aはHであり得る。R1及びR1aは、両方ともHであり得る。R1及びR1aは、両方とも-CH3であり得る。
【0028】
R1及びR1aは、結合して任意に追加のヘテロ原子を含む飽和環を形成することができる。環は、3~6個の原子を含有することができる。ヘテロ原子は、O又はNであってもよい。環は、nが2~5であるアルキル鎖(CH2)nであってもよい。nは、2、3、4又は5であってもよい。R1及びR1aは、結合して3~6員環を形成することができる。R1及びR1aは、結合してアジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環又はモルホリン環を形成することができる。R1及びR1aは、結合してアゼチジン環を形成してもよい。R1及びR1aは、結合してアゼチジン環又はアジリジン環を形成してもよい。
【0029】
本明細書中の化合物において、R2は、フッ素又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換されたシクロアルキル基を含むC3-5飽和炭化水素基であり得るか、あるいはR2は、フッ素、メチル又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換された酸素ヘテロ原子を含む飽和環であり得る。R2は、フッ素又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換されたシクロアルキル基を含むC3-5飽和炭化水素基であり得る。R2は、シクロアルキル基を含むC3-5飽和炭化水素基であり得る。R2は、酸素ヘテロ原子を含む飽和環であり得る。環は、3~6個の原子を含有することができ、そのうちの1個がOである。環は、フッ素、メチル基又はヒドロキシル基から選択される一又は複数の置換基で任意に置換され得る。R2は、シクロブチル、シクロプロピル、メチルシクロプロピルからなる群より選択され得る。
【0030】
R
2は、以下の:
【化15】
からなる群より選択され得る。
【0031】
R
2は、以下の:
【化16】
からなる群より選択され得る。
【0032】
【0033】
本明細書中の化合物において、R3は飽和基であり、3~5個の炭素原子を含み、任意にシクロアルキル基を含むか、あるいは任意に酸素ヘテロ原子を含む飽和環を含み、フッ素又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換され得るか、あるいはR3は、CH2アリール、CH(CH3)アリール又はC(CH3)2アリールであり得る。R3は飽和基であり、3~5個の炭素原子を含み、任意にシクロアルキル基を含むか、あるいは任意に酸素ヘテロ原子を含む飽和環を含み、フッ素又はヒドロキシルから選択される一又は複数の置換基で任意に置換され得る。R3は飽和基であり、3~5個の炭素原子を含み、シクロアルキル基を含み得る。R3は、酸素ヘテロ原子を含む飽和環を含む飽和基であり得る。環は、3~6個の原子を含有することができ、そのうちの1個がOである。環は、フッ素、メチル基又はヒドロキシル基から選択される一又は複数の置換基を含有してもよい。R3は、CH2アリール、CH(CH3)アリール又はC(CH3)2アリールであり得る。アリール基はフェニルであってもよい。R3は、-CH2-シクロプロピル、-CH(CH3)2、-C(CH3)3、シクロプロピル、オキソラン、オキセタン、-CH(CH3)CH2CH3、シクロブチル、C(CH3)2Ph、CH2Phからなる群より選択され得る。
【0034】
R
3は、以下の:
【化18】
からなる群より選択され得る。
【0035】
本明細書中の化合物において、R4は、H又はCO-R5であることができ、前記R5はC2-8炭化水素基であり、任意に一又は複数の環又は二重結合を含み、フッ素;塩素;臭素;シアノ;ヒドロキシ;メトキシ;アミノ;から選択される一又は複数の基又はシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基若しくはヘテロアリール基で任意に置換される。
【0036】
本明細書中の化合物において、R5はC2-8炭化水素基であり、任意に1~6個のフッ素原子又は塩素原子で置換され、任意に一又は複数の環又は二重結合を含むことができ、フッ素;塩素;臭素;シアノ;ヒドロキシ;メトキシ;アミノ;から選択される一又は複数の基又はシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基若しくはヘテロアリール基で任意に置換される。R5はC2-8炭化水素基であり、任意に一又は複数の環又は二重結合を含み得る。R5は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、エチル、-CH(CH3)2、-CH2(CH3)2-CH(CH3)CH2CH3、-CH2CF3、CH(CF3)2、メチルシクロプロピル、ビニル(-CH=CH2)、ビシクロ(1,1,1)ペンタン及びキュバンからなる群より選択され得る。
【0037】
R
5は、以下の:
【化19】
からなる群より選択され得る。
【0038】
R
5は、以下の:
【化20】
からなる群より選択され得る。
【0039】
提供されているのは、式(1):
【化21】
の化合物又はその塩であり;
前記R
1aは、H又はメチルであり;
前記R
1は、H、メチル、ベンジル又はシクロプロピルであり;
又は前記R
1及びR
1aは結合して3~6個の原子の飽和環を形成し;
前記R
2は、以下の:
【化22】
からなる群より選択され:
前記R
3は、以下の:
【化23】
からなる群より選択され;及び
前記R
4はCO-R
5であり、前記R
5は、以下の:
【化24】
からなる群より選択される。
【0040】
化合物は、式(1a)、(1b)、(1)又は(1i):
【化25】
の化合物又はそれらの塩であることができ、前記Q、R
1、R
1a、R
2、R
3、R
4及びR
5は、本明細書において規定されているとおりである。
【0041】
化合物は、式(2)、(2a)、(2i)、(2b)、(2ba)又は(2bi):
【化26】
の化合物又はそれらの塩であることができ、前記Q、R
1、R
1a、R
2、R
3及びR
5は、本明細書において規定されているとおりである。
【0042】
化合物は、式(3)、(3a)、(3b)又は(3i):
【化27】
の化合物又はそれらの塩であることができ、前記Q、R
1、R
1a、R
2、R
3、R
4及びR
5は、本明細書において規定されているとおりである。
【0043】
化合物は、表1において示されている実施例1~35のいずれか1つ又はそれらの異性体若しくは塩から選択され得る。
【0044】
化合物は、以下の:
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2,3-ジオキソ-プロピル]-3-[(2S)-2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-3-メチルブタノイル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-アロイソロイシル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-3-(アクリロイル-L-バリル)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-((1R,2S)-2-メチルシクロプロピル)-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-3-シクロプロピル-2-イソブチルアミドプロパノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-6,6-ジメチル-3-(((S)-2-メチルブタノイル)-L-バリル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-(シクロプロパンカルボキサミド)-2-シクロプロピルアセチル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-シクロプロピル-2-イソブチルアミドアセチル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-(ベンジルアミノ)-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(1-シクロプロピル-4-(シクロプロピルアミノ)-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(2-イソブチルアミド-2-(オキセタン-3-イル)アセチル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-(シクロプロパンカルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-3-((S)-2-アクリルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-3-((S)-2-アクリルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-N-(4-(ベンジルアミノ)-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-(ベンジルアミノ)-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-(ベンジルアミノ)-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-(シクロプロパンカルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-3-((S)-2-(シクロプロパンカルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-N-(1-シクロプロピル-4-(シクロプロピルアミノ)-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-3-((S)-2-アクリルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-N-(1-シクロプロピル-4-(シクロプロピルアミノ)-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(1-シクロプロピル-4-(シクロプロピルアミノ)-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(1-シクロプロピル-4-(メチルアミノ)-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(1-シクロプロピル-4-(ジメチルアミノ)-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-(アジリジン-1-イル)-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-シクロブチル-2-イソブチルアミドアセチル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3-メチル-3-フェニルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-(アゼチジン-1-イル)-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-3-((シクロプロパンカルボニル)-L-バリル)-N-(1-シクロプロピル-4-(シクロプロピルアミノ)-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(2-イソブチルアミド-2-(テトラヒドロフラン-3-イル)アセチル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(1-シクロプロピル-4-(((S)-2,2-ジメチルシクロプロピル)アミノ)-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-フェニルアラニル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-3,3-ジメチル-2-(3,3,3-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)プロパンアミド)ブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-3,3-ジメチル-2-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)ブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
(1R,2S,5S)-N-(4-(アゼチジン-1-イル)-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-3,3-ジメチル-2-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)ブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド;
又はその塩、
からなる群より選択され得る。
【0045】
さらなる実施形態は、SARS-CoV-2:Mpro阻害剤としての本発明の化合物若しくはその塩又は本発明の化合物を含む医薬組成物の使用を含む。本発明の化合物は、SARS-CoV-2:Mpro阻害剤として使用されることができる。本発明の化合物は、SARS-CoV-2又はSARS-CoV-2と関連している疾患若しくは障害の治療に使用されることができる。本発明の化合物は、SARS-CoV-2に感染した患者において、慢性的な基礎疾患又は併存疾患のために生じる死亡又は合併症を予防するのに役立つことができる。かかる慢性的な基礎疾患又は併存疾患は、例えば、高血圧、肥満、慢性肺疾患(TB、喘息及び嚢胞性線維症)、糖尿病及び心血管疾患(冠状動脈性心疾患、先天性心疾患及び心不全)を含むことができる。本発明の化合物は、薬剤の製造に使用されることができる。本発明の化合物又は薬剤は、SARS-CoV-2及びSARS-CoV-2:Mproが関与する疾患又は障害の治療、予防、改善、制御又はリスクの低減に使用することができる。化合物又は薬剤は、SARS-CoV-2に感染した患者における慢性的な基礎疾患又は併存疾患の治療、予防、改善、制御又はリスクの低減に使用することができる。
【0046】
本発明の化合物は、単剤としてか、あるいは一又は複数の追加の医薬品と組み合わせて使用することができる。本発明の化合物は、SARS-CoV-2又はそれに関連する症状若しくは兆候の治療に役立つことができる。
【0047】
本明細書において提供されるように、本明細書中に記述されている化合物又はそれらの塩及び本明細書中に記記述されている組成物は、本明細書中に開示される疾患及び障害のいずれかを治療するための薬剤とともに投与され得る。
【0048】
本発明の化合物は、プロドラッグの形態で提示されることができる。「プロドラッグ」とは、例えば、インビボにおいて本発明の生物活性化合物に変換される任意の化合物を意味する。例えば、いくつかのプロドラッグは、活性化合物のエステル又はリン酸エステル(例えば、生理学的に許容される代謝的に不安定なエステル)である。代謝中、エステル基(-C(=O)OR)又はリン酸エステル基(P(=O)(OH)2-OR)は切断され、活性薬剤を生じさせる。かかるエステルは、例えば、親化合物中に存在するヒドロキシル基をエステル化し、適切な場合には、親化合物中に存在する任意の他の反応基を事前に保護することによって形成されることができ、その後に、必要に応じて脱保護が続く。活性化合物中に存在する他の官能基、例えばアミド基又はアミノ基は、プロドラッグを形成するために使用され得る。また、一部のプロドラッグも、酵素的に活性化され、活性化合物又はさらなる化学反応で活性化合物を生じさせる化合物(例えば、ADEPT、GDEPT、LIDEPTなど)を生じさせる。例えば、プロドラッグは、糖誘導体又は他のグリコシド抱合体であってもよいか、あるいはアミノ酸エステル誘導体であってもよい。
【0049】
その結果、提供されるのは、本明細書において規定されるような化合物のプロドラッグであり、前記化合物は、生理的条件下で水酸基、アミド基又はアミノ基を形成するために変換可能である官能基を含有する。
【0050】
定義
本出願において、別段の指示がない限り、下記の定義が適用される。
【0051】
本明細書で使用する「SARS-CoV-2:Mpro阻害剤」という用語は、SARS-CoV-2:Mproに結合し、その機能を調節する任意の化合物を指す。
【0052】
式(1b)の化合物を含む、本明細書に記載の化合物のいずれかの用途に関連する「治療」という用語は、化合物が、問題の疾患又は障害に罹患している、又は罹患する危険性がある、又は潜在的に罹患する危険性がある対象に投与される、任意の形態の介入を表すために使用される。したがって、「治療」という用語は、予防的(予防的)治療と、疾患又は障害の測定可能又は検出可能な症状が現れている場合の治療の両方を含む。
【0053】
「治療有効量」という用語は(例えば、疾患又は状態の治療方法との関連において)、所望の治療効果をもたらすのに有効な化合物の量を意味する。例えば、病態が疼痛である場合、治療有効量は、所望のレベルの疼痛緩和を提供するのに十分な量である。所望のレベルの疼痛緩和は、例えば、疼痛の完全な除去又は疼痛の重症度の軽減である。
【0054】
「ベンジル」、「二環式」、「炭化水素」、「複素環式」、「炭素環式」、「アルキル」、「アリール」、「アミノ」、「ヘテロアリール」、「シクロアルキル」及び「ハロ」などの用語は、他に指示がない限り、すべて従来の意味(例えば、IUPAC Gold Bookに定義されている)で使用される。任意の基に適用される「任意に置換された」とは、前記基が、所望により、同一であっても異なっていてもよい1つ以上の置換基で置換されていてもよいことを意味する。
【0055】
「C1-4飽和炭化水素基」のような「飽和炭化水素基」という用語は、炭素-炭素二重結合又は三重結合を含まない炭化水素基を意味する。したがって、飽和炭化水素基は、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルキルシクロアルキル基又はアルキルシクロアルキルアルキル基であり得る。C1-4飽和炭化水素基の例としては、C1-4アルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基及びシクロプロピルメチル基が挙げられる。
【0056】
本明細書で使用される用語「シクロアルキル」は、指定された炭素原子数が許容する場合、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルのような単環式シクロアルキル基、ならびに二環式基及び三環式基の両方を含む。二環式シクロアルキル基には、ビシクロヘプタン、ビシクロオクタン、アダマンタンなどの橋かけ環系が含まれる。
【0057】
記載された化合物のいずれかがキラル中心を有する限りにおいて、本発明は、ラセミ体又は分解されたエナンチオマーの形態であるか否かにかかわらず、そのような化合物のすべての光学異性体に及ぶ。本明細書に記載された本発明は、開示された化合物の全ての結晶形、溶媒和物及び水和物に関する。本明細書に開示された化合物のいずれかがカルボン酸塩又はアミノ基のような酸又は塩基性中心を有する限り、前記化合物のすべての塩形態が本明細書に含まれる。医薬用途の場合、塩は薬学的に許容される塩であるとみなされるべきである。
【0058】
挙げることができる塩又は薬学的に許容される塩には、酸付加塩及び塩基付加塩が含まれる。このような塩は、例えば、化合物の遊離酸又は遊離塩基の形態と、1当量以上の適切な酸又は塩基との、任意に溶媒中、又は塩が不溶性である媒体中での反応、次いで標準的な技術(例えば、真空中、凍結乾燥又は濾過)を用いた前記溶媒又は前記媒体の除去によって、従来の手段によって形成され得る。塩はまた、例えば適切なイオン交換樹脂を使用して、塩の形態の化合物の対イオンを別の対イオンと交換することによって調製され得る。
【0059】
薬学的に許容される塩の例としては、鉱酸及び有機酸に由来する酸付加塩、ならびにナトリウム、マグネシウム、カリウム及びカルシウムなどの金属に由来する塩が挙げられる。
【0060】
酸付加塩の例としては、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アリールスルホン酸(例えばベンゼンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、p-トルエンスルホン酸)、アスコルビン酸(例えば、L-アスコルビン酸)、L-アスパラギン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、ブタン酸、(+)カンファー、カンファースルホン酸、(+)-(1S)-カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、シンナミック酸、クエン酸、シクラミン、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン、エタンスルホン、2-ヒドロキシエタンスルホン、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸(例えば、D-グルコン酸)、グルクロン酸(D-グルクロン酸など)、グルタミン酸(例えば、L-グルタミン酸)、α-オキソグルタル酸、グリコール酸、ヒプリン酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、イセチオン酸、乳酸(例えば、(+)-L-乳酸、(±)-DL-乳酸)、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸(例えば、(-)-L-リンゴ酸)、L-リンゴ酸、マロン酸、(±)-DL-マンデル酸、メタリン酸、メタンスルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモイック酸、リン酸、プロピオン酸、L-ピログルタミン酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸(例えば、チオシアン酸、ウンデシレン酸及び吉草酸が挙げられる。
【0061】
また、化合物及びその塩の溶媒和物も包含される。好ましい溶媒和物は、本発明の化合物の固体構造(例えば結晶構造)に、非毒性の薬学的に許容される溶媒(以下、溶媒和溶媒と称する)の分子を取り込むことによって形成される溶媒和物である。このような溶媒の例としては、水、アルコール(エタノール、イソプロパノール及びブタノールなど)及びジメチルスルホキシドが挙げられる。溶媒和物は、溶媒和溶媒を含む溶媒又は混合溶媒を用いて本発明の化合物を再結晶することにより調製することができる。溶媒和物が形成されたかどうかは、熱重量分析(TGA)、示差走査熱量測定(DSC)、X線結晶構造解析など、よく知られた標準的な手法を用いて、化合物の結晶を分析に供することによって決定することができる。
【0062】
溶媒和物は化学量論的溶媒和物でも非化学量論的溶媒和物でもよい。特定の溶媒和物は水和物であってもよく、水和物の例には半水和物、一水和物及び二水和物が含まれる。溶媒和物に関するより詳細な議論、及びそれらの製造及び特性評価に使用される方法については、Brynら、Solid-State Chemistry of Drugs,Second Edition,published by SSCI,Inc of West Lafayette,IN,USA,1999,ISBN 0-967-06710-3を参照のこと。
【0063】
本発明の文脈における「医薬組成物」という用語は、活性剤を含み、さらに1つ以上の薬学的に許容される担体を含む組成物を意味する。組成物は、投与様式及び剤形の性質に応じて、例えば、希釈剤、アジュバント、賦形剤、ビヒクル、保存剤、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、香料、着香剤、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤及び分散剤から選択される成分をさらに含有することができる。組成物は、例えば、錠剤、ドラジェ、粉末、エリキシル剤、シロップ剤、懸濁剤を含む液体製剤、スプレー剤、吸入剤、錠剤、トローチ剤、乳剤、溶液剤、カシェ剤、顆粒剤、カプセル剤及び坐剤、ならびにリポソーム製剤を含む注射用液体製剤の形態をとることができる。
【0064】
本発明の化合物は、1つ又は複数の同位体置換を含むことができ、特定の元素への言及は、その範囲内にその元素のすべての同位体を含む。例えば、水素への言及は、その範囲内に1H、2H(D)、及び3H(T)を含む。同様に、炭素及び酸素への言及は、それぞれ12C、13C及び14C、ならびに16O及び18Oをその範囲に含む。類似の方法で、特定の官能基への言及は、文脈がそうでないことを示さない限り、その範囲内に同位体のバリエーションも含む。例えば、エチル基のようなアルキル基、又はメトキシ基のようなアルコキシ基への言及は、基中の水素原子の1つ以上が重水素又はトリチウムの同位体の形態であるバリエーション、例えば、5つの水素原子すべてが重水素の同位体の形態であるエチル基(ペルデウテロエチル基)、又は3つの水素原子すべてが重水素の同位体の形態であるメトキシ基(トリデウテロメトキシ基)のようなバリエーションも含む。同位体は放射性であっても非放射性であってもよい。
【0065】
治療投与量は、患者の要求、治療される病態の重篤度、使用される化合物によって変えることができる。特定の状況に対する適切な投与量の決定は、当業者の技術範囲内である。一般的には、化合物の至適投与量よりも少ない投与量で治療を開始する。その後、その状況下で最適な効果が得られるまで、投与量を少しずつ増やしていく。便宜上、1日の総投与量を分割して日中に投与することもできる。
【0066】
化合物の有効用量の大きさは、もちろん、治療すべき病態の重症度の性質や、特定の化合物及びその投与経路によって異なる。適切な投与量の選択は、当業者であれば過度な負担なく行える範囲である。一般に、1日の投与量の範囲は、ヒト及び非ヒト動物の体重1kgあたり約10μg~約30mg、好ましくはヒト及び非ヒト動物の体重1kgあたり約50μg~約30mg、例えばヒト及び非ヒト動物の体重1kgあたり約50μg~約10mgとすることができる、例えばヒト及び非ヒト動物の体重1kgあたり約100μg~約30mg、例えばヒト及び非ヒト動物の体重1kgあたり約100μg~約10mg、最も好ましくはヒト及び非ヒト動物の体重1kgあたり約100μg~約1mgである。
【0067】
製剤処方
活性化合物を単独で投与することは可能であるが、医薬組成物(例えば、製剤)として提示することが好ましい。
【0068】
その結果、本発明のいくつかの実施形態において、少なくとも1つの本発明の化合物を少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と一緒に含む医薬組成物が提供される。
【0069】
薬学的に許容される賦形剤は、例えば、担体(例えば、固体、液体又は半固体担体)、アジュバント、希釈剤(例えば、充填剤(fillers)又は増量剤(bulking agents)などの固体希釈剤;並びに溶媒及び共溶媒などの液体希釈剤)、造粒剤、結合剤(binders)、流動助剤(flow aids)、コーティング剤、放出制御剤(例えば、放出遅延(release retarding or delaying)ポリマー又はワックス)結合剤(binding agents)、崩壊剤、緩衝剤、潤滑剤、保存剤、抗真菌剤及び抗菌剤、酸化防止剤、緩衝剤、等張化剤、増粘剤、香料添加剤、甘味料、顔料、可塑剤、味マスキング剤(taste masking agents)、安定化剤又は医薬組成物に従来使用されている他の賦形剤から選択され得る。
【0070】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応又は他の問題若しくは合併症なしに対象(例えば、被験者)の組織と接触して使用するのに適しており、妥当な利ベネフィット/リスク比に見合っている化合物、材料、組成物及び/又は剤形を意味する。各賦形剤はまた、製剤の他の成分と混合可能であるという意味の「許容可能」でなければならない。
【0071】
本発明の化合物を含有する医薬組成物は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、イーストン、PA、米国を参照して公知技術に従って製剤化され得る。医薬組成物は、経口投与、非経口投与、静脈内投与、筋肉内投与、髄腔内投与、皮下投与、局所投与、鼻内投与、気管支内投与、舌下投与、口腔投与、眼投与、耳投与、直腸投与、膣内投与又は経皮投与に適している任意の形態であり得る。
【0072】
経口投与に適している医薬剤形としては、錠剤(tablets)(コーティング又は非コーティング)、カプセル剤(ハード又はソフトシェル)、カプレット剤、丸薬(pills)、トローチ剤、シロップ剤、液剤、粉末剤、顆粒剤、エリキシル剤及び懸濁剤、舌下錠剤、ウエハー剤(wafers)又は口腔パッチ剤(buccal patches)などのパッチ剤(patches)が挙げられる。
【0073】
組成物は、錠剤組成物又はカプセル組成物であってもよい。錠剤組成物は、単位用量(a unit dosage)の活性化合物を、不活性希釈剤又は担体、例えば、糖又は糖アルコール、例えば;ラクトース、スクロース、ソルビトール又はマンニトール;及び/又は非糖由来の希釈剤、例えば、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム又はセルロース若しくはその誘導体、例えば、微結晶セルロース(MCC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びデンプン例えば、コーンスターチと一緒に含有し得る。錠剤はまた、一般的な成分、例えば、結合剤及び造粒剤、例えば、ポリビニルピロリドン、崩壊剤(例えば、架橋カルボキシメチルセルロースなどの膨潤性架橋ポリマー)、潤滑剤(例えば、ステアレート)、保存剤(例えば、パラベン)、酸化防止剤(例えば、BHT)、緩衝剤(例えば、ホスフェート又はシトレートバッファー)及び発泡剤、例えば、シトレート/バイカルボネート混合物を含有することができる。かかる賦形剤は周知であり、ここで詳細に説明される必要はない。
【0074】
錠剤は、胃液と接触することで薬物を放出する(即時放出錠剤)か、あるいは長期にわたって、又は消化管の特定部位で、制御されたやり方で放出する(放出制御錠剤)ように設計される。
【0075】
医薬組成物は、典型的に、約1%(w/w)~約95%、好ましくは%(w/w)の活性成分及び99%(w/w)~5%(w/w)の薬学的に許容される賦形剤(例えば、上記で定義したとおり)又はかかる賦形剤の組合せを含む。好ましくは、組成物は、約20%(w/w)~約90%(w/w)の活性成分及び80%(w/w)~10%の薬学的に許容される賦形剤又は賦形剤の組み合わせを含む。医薬組成物は、約1%~約95%、好ましくは約20%~約90%の活性成分を含む。本発明による医薬組成物は、例えば、アンプル、バイアル、座薬、プレフィルドシリンジ、ドラジェ、粉末、錠剤又はカプセルなどの単位剤形であってもよい。
【0076】
錠剤及びカプセルは、例えば、0~20%の崩壊剤、0~5%の潤滑剤、0~5%の流動助剤及び/又は0~99%(w/w)の充填剤/又は増量剤(薬物の用量によって決まる)を含有することができる。また、0~10%(w/w)のポリマー結合剤、0~5%(w/w)の酸化防止剤、0~5%(w/w)の顔料を含有することもできる。徐放性錠剤は、さらに、典型的に、0~99%(w/w)の放出制御(例えば、遅延)ポリマー(用量によって決まる)を含有することになる。錠剤又はカプセルのフィルムコートは、典型的に、0~10%(w/w)のポリマー、0~3%(w/w)の顔料及び/又は0~2%(w/w)の可塑剤を含有する。
【0077】
組成物は、非経口組成物であってもよい。非経口製剤は、典型的に、0~20%(w/w)の緩衝剤、0~50%(w/w)の共溶媒及び/又は0~99%(w/w)の注射用水(WFI)(用量及び凍結乾燥かどうかによって決まる)を含有する。筋肉内注射(depots)用の製剤はまた、0~99%(w/w)の油を含有することもできる。
【0078】
製剤処方は、1つのパッケージ、通常、ブリスターパックに治療の全過程を含む「患者パック」で患者に提示されることができる。
【0079】
本発明の化合物は、一般に、単位剤形で提示され、そのようなものとして、典型的に、望ましいレベルの生物活性を提供するために十分な化合物を含有するであろう。例えば、製剤は、1ナノグラム~2グラムの活性成分、例えば、1ナノグラム~2ミリグラムの活性成分を含有することができる。これらの範囲内で、化合物の特定のサブ範囲は、0.1ミリグラム~2グラムの活性成分(より通常では、10ミリグラム~1グラム、例えば、50ミリグラム~500ミリグラム)又は1マイクログラム~20ミリグラム(例えば、1マイクログラム~10ミリグラム、例えば、0.1ミリグラム~2ミリグラムの活性成分)である。
【0080】
経口組成物に関して、単位剤形は、1ミリグラム~2グラム、より典型的には、10ミリグラム~1グラム、例えば、50ミリグラム~1グラム、例えば、100ミリグラム~1グラムの活性化合物を含有することができる。
【0081】
活性化合物は、望ましい治療効果を達成するために十分な量(有効量)で、それを必要とする患者(例えば、ヒト又は動物の患者)に投与される。投与される化合物の正確な量は、標準手順に従って、監督医師によって決定されることができる。
【0082】
化合物は、他の薬剤、例えば、SARS-CoV-2の患者の治療に用いられる他の薬剤と一緒に投与されることができる。化合物は、リトナビル又はロピナビル/リトナビルの組み合わせなどの、cypP450を介した代謝を阻害することが知られているHIVの薬と併用されることができる。
【実施例】
【0083】
次に、表1において示される下記の実施例を参照することにより本発明を説明するが、これらに限定されるものではない。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0084】
本発明の化合物の調製
本発明の化合物は、スキーム1において詳述されているが、これらに限定されない経路によって調製される。以下のルートのような標準的な変換の多く及び同じ変換を実施するために使用され得る他の変換の詳細は、「Organic Synthesis」、M.B.Smith、McGraw-Hill(1994)、「Advanced Organic Chemistry」、第4版、J.March、John Wiley&Sons(1992)又は「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、T.W.Greene、John Wiley&Sons(1999)などの標準的な参考教科書から入手され得る。
【0085】
α-アミノ酸の窒素保護誘導体、例えば、Boc誘導体又はFmoc誘導体は、市販されているか、あるいは以下の中間体の合成及び実施例の合成のセクションで詳述される変換を含む、当業者に公知の標準的な変換によって調製され得る。同様に、α-アミノ酸のエステル誘導体、例えば、メチル又はエチルエステルは、市販されているか、あるいは以下の中間体の合成及び実施例の合成のセクションで詳述する変換を含む、当業者に公知の標準的な変換によって調製され得る。
【0086】
α-アミノ酸の窒素保護誘導体中の酸官能性は、アミンと結合させて、対応するアミド誘導体を得ることができ(例えば、ルート1、工程vi;ルート2及び3、工程ix;ルート4、工程iv)、他のカルボン酸も同様である(例えば、ルート3、工程xi;ルート4、工程viii)。アミド官能基はまた、他の手段によっても導入されることができ、例えば、アミンと2,2,2-トリフルオロ酢酸エチルをEt3Nのような塩基の存在下において、MeOHのような溶媒中で、通常室温で反応させる(例えば、ルート4、工程vii)。α-アミノ酸の誘導体をカルボン酸と結合させて、対応するアミド誘導体を得ることができる(例えば、ルート1、工程viii、x;ルート2、工程v、vii;ルート3、工程v、vii;ルート4、工程ii)。α-アミノ酸誘導体中に存在するエステル官能性又は例えば、α-アミノ酸誘導体とのアミドカップリングの生成物中に存在するエステル官能性は、酸性又は塩基性条件下において、例えば、THF、MeOH、H2Oなどの溶媒又はこれらの混合溶媒中で、水酸化リチウム一水和物を用いて、典型的には0℃又はrtで加水分解され得る(例えば、ルート2、工程viii;ルート4、工程iii、vi)。加水分解によりカルボン酸が生成し、次に、上記で詳述したようなアミドカップリング条件下で、アミン又はα-アミノ酸の誘導体と反応し得る(例えば、ルート1、工程vi;ルート2又は3、工程ix;ルート3、工程xi;ルート4、工程viii)。
【0087】
α-アミノ酸誘導体中か、あるいはα-アミノ酸誘導体とのアミドカップリングの生成物中に存在する窒素保護は、当業者に公知の条件下で除去され得る。Boc基は、例えば、EtOAc中のHClの溶液(rt)、DCMのような溶媒中のTFA(rt)、1,4-ジオキサン/DCMのような溶媒混合物中のHCl(rt)を用いるか、あるいはMeOH中のTMSClの存在下において、60℃のような高温で、ニトリル基のメチルエステルへの加水分解のような別の変換と同時に、酸性条件下で除去され得る。Fmoc基は、塩基性条件下、例えば、DMF中の20%ピペリジンで、rtで除去され得る。脱保護反応によりアミン官能基が得られ、その後のアミドカップリング反応において使用され得る。
【0088】
アミドカップリング反応条件は、DCM又はDMFなどの溶媒中において、通常室温で、DIPEA、NMM又はEt3Nなどの適切な塩基の有無にかかわらず、カップリング剤又は薬剤、例えば、T3P、HATU、又はEDCI(しばしばハイドロクロリドとして)及びHOBtなどの薬剤の組み合わせを典型的に使用するであろう。あるいは、α-アミノ酸の誘導体を、DCMのような溶媒中において、典型的には室温で、DIPEAのような適切な塩基を用いて、酸クロリド、例えば、シクロプロパンカルボニルクロリドと結合して、アミド誘導体を形成し得る。
【0089】
α-アミノ酸誘導体に存在する酸官能性は、N-メトキシ-N-メチルアミド誘導体(一般にワインレブアミドとして知られている)を形成すること及びその後に典型的には0℃で、THFのような溶媒中における水素化リチウムアルミニウムの使用のような条件を用いて、アルデヒドへ還元することを含む方法によって、アルデヒドに変換され得る(例えば、ルート1、2及び3、工程i及びii)。次に、アルデヒドを一連の工程で使用して、置換又は非置換のケトアミド官能基を形成し得る。例えば、かかる反応の1つにおいて、典型的には0℃又はrtで、DCMのような溶媒中で、Et3Nのような塩基の存在下で、アセトンシアノヒドリンと反応させること(例えば、ルート1及び3の工程iii)は、1-シアノ、1-ヒドロキシ誘導体をもたらす。1-シアノ、1-ヒドロキシ誘導体中のシアノ(ニトリルとしても知られる)官能性は、例えば、炭酸カリウムのような塩基の存在下において、DMSOのような溶媒中で、通常0℃又はrtで、過酸化水素を用いて第一級アミドに加水分され得る(例えば、ルート1、工程iv)。あるいは、シアノ官能基は、例えば、TMSClの存在下において、60℃などの高温で、酸性条件下でメタノールと反応させることによって、メチルエステルに変換されることができる(例えば、ルート3の工程iv)。エチルエステルへの同様の変換は、第一級アミド基とエタノール及び塩化チオニルを、65℃のような高温で反応させることによって達成されることができる(例えば、ルート4、工程i)。アルデヒドの第2の変換では、AcOHの存在下において、DCMなどの溶媒中で、通常rtで、イソシアニド、例えば、アルキル又はベンジルイソシアニドと反応させることは、アルキルアミノ又はベンジルアミノ置換1-オキソ-2-イル酢酸誘導体をもたらす(例えば、ルート2、工程iii)。酢酸置換基は、MeOH中において、rtで、Et3Nなどの条件下で除去され、置換ヒドロキシケトアミド誘導体をもたらし得る(例えば、ルート2、工程iv)。上記の方法によってアルデヒドから誘導されたヒドロキシ基は、この段階でか、あるいはさらなる変換後にIBX又はDMPなどの酸化剤を用いて、DMSOなどの適切な溶媒中において、通常0℃又はrtで、ケトンに酸化され得る(例えば、それぞれルート1、2及び3、工程xi、x、xii)。
【0090】
【0091】
スキーム1
一般的な手順
調製ルートが記載されていない場合、関連中間体は市販されている。市販の試薬は精製せずに使用された。室温(rt)は、約20~27℃を指す。1H NMRスペクトルは、Brukerの装置で、300MHz又は400MHzで記録された。化学シフト値は、百万分率(ppm)、すなわち(δ)-値で表現された。NMRシグナルの多重度に関して、以下の略号が使用された:s=singlet,br=broad,d=doublet,t=triplet,q=quartet,quin=quintet,h=heptet,dd=doublet of doublets,dt=double of triplets,m=multiplet。結合定数はJ値としてリストに記載され、Hzで測定された。NMR及び質量分析の結果は、バックグラウンドピークを考慮して補正された。反応モニタリング用のTLCは、シリカゲルを固定相として用いるTLC等級を指す。
【0092】
LCMS実験は、以下の条件で実施され、LCMSデータは以下のフォーマットで与えられた:質量イオン、保持時間。
【0093】
方法A.装置:Shimadzu LCMS-2020;カラム:Chromolith@Flash RP-18E 25-2 MM又はKinetex EVO C18 2.1×30mm、5μm;グラジエント[時間(min)/A中の溶媒B(%)]:0.0/5、0.8/95、1.2/95、1.21/5、1.55/5(溶媒A=水中で0.0375%のTFA(v/v)、B=MeCN中で0.01875%のTFA(v/v));UV検出 220及び254nm;カラム温度 50℃;流速 1.5 mL/min
【0094】
方法A2.装置:Agilent 6110 MSD付きAgilent 1200 LC;カラム:Agilent ZORBAX SB-Aq、2.1*50mm、5μm;グラジエント[時間(min)/A中の溶媒B(%)]:0.0/1、0.4/1、3.4/90、3.91/1、4.5/1(溶媒A=水中で0.0375%のTFA(v/v)、B=MeCN中で0.01875%のTFA(v/v)); UV検出 220及び254nm;カラム温度 50℃;流速 0.8mL/min
【0095】
方法B.装置:Shimadzu LCMS-2020;カラム:Kinetex EVO C18 2.1×30mm、5μm;方法Bグラジエント[時間(min)/A中の溶媒B(%)]:0.0/0、0.8/60、1.2/60、1.21/0、1.55/0(溶媒A=水中で0.025%のNH3・H2O(25%、w/w)(v/v)、B=MeCN);UV検出 210~254nm;カラム温度 40℃又は50℃;流速 0.8又は1.5mL/min
【0096】
方法C.装置:Shimadzu LCMS-2020;カラム:Chromolith Flash RP-18e 25×2.0mm又はKinetex EVO C18 2.1×30mm、5μm;グラジエント[時間(min)/A中の溶媒B(%)]:0.0/0、0.8/60、1.2/60、1.21/0、1.55/0(溶媒A=水中で0.0375%のTFA(v/v)、B=MeCN中で0.01875%のTFA(v/v));UV検出 210~254nm;カラム温度 50℃;流速 0.8mL/min
【0097】
方法D及びD2.装置:Agilent G1956A;カラム:XBridge C18、2.1*50mm、5μm;方法Dグラジエント[時間(min)/A中の溶媒B(%)]:0.0/5、0.4/5、3.4/90、3.90/100、3.91/5(溶媒A=水中で0.05% NH3-H2O (25%, w/w)、B = MeCN); メソッドD2 グラジエント [時間(分)/A中の溶媒B (%)]: 0.0/5、0.4/5、3.4/90、4.00/100、4.01/5 (溶媒A=水中で0.05%のNH3・H2O(25%、w/w)(v/v)、B=MeCN);UV検出 220、254nm;カラム温度 40℃;流速 0.8mL/min
【0098】
方法E.装置: Agilent G1956A;カラム:XBridge C18、2.1*50mm、5μm;グラジエント[時間(min)/A中の溶媒B(%)]:0.0/1、0.4/1、3.4/90、4.00/100、4.01/1(溶媒A=水中で0.05%のNH3・H2O(25%、w/w)(v/v)、B=MeCN);UV検出 220、254nm;カラム温度 40℃;流速 0.8mL/min
【0099】
方法F及びF2.装置:メソッドF、PDA及びQDA検出器付きAcquity UPLC;方法F2;PDA及びQDA検出器付きAcquity H-Class;カラム:C18、50*2.1mm、1.6μm;グラジエント[時間(min)/A中の溶媒B(%)]:0.0/3、0.2/3、2.7/98、3.00/100、3.50/100、3.51/3(溶媒A=水中で0.1%のHCO2H、B=水中で0.1%のHCO2H:アセトニトリル(10:90));カラム温度 35℃;流速 0.8mL/min
【0100】
方法F3.装置:PDA及びQDA検出器付きAcquity UPLC;カラム:C18、50*2.1mm、2.5μm;グラジエント[時間(min)/A中の溶媒B(%)]:0.0/3、0.2/3、2.7/98、3.00/100、3.50/100、3.51/3(溶媒A=水中で0.1%のHCO2H、B=水中で0.1%のHCO2H:アセトニトリル(10:90));カラム温度 30℃;流速 0.8mL/min
【0101】
方法G.装置:PDA及びQDA検出器付きAcquity UPLC;カラム:C18、50*2.1mm、2.5μm;グラジエント[時間(min)/A中の溶媒B(%)]:0.0/3、0.2/3、2.7/98、3.0/100、3.5/100、3.51/3(溶媒A=水中で5mMの(NH4)HCO3、B=MeCN);カラム温度 35℃;流速 1.0mL/min
【0102】
方法H.装置:Waters Alliance 2690及びMicromass ZQ付き996 PDA検出器;カラム:C18、150*4.6mm、3.5μm;グラジエント[時間(min)/A中の溶媒B(%)]:0.0/10、7.0/90、9.0/100、14.0/100、14.01/10(溶媒A=水中で0.1%のTFA、B=MeCN);カラム温度 常温;流速 1.0mL/min
【0103】
方法I.装置:PDA及びQDA検出器付きAcquity UPLC;カラム:C18、50*2.1mm、2.5μm;グラジエント[時間(min)/A中の溶媒B(%)]:0.0/3、0.2/3、2.7/98、3/100、3.5/100、3.51/3(溶媒A=水中で0.1%のHCO2H、B=水中で0.1%のHCO2H:アセトニトリル(10:90));カラム温度 30℃;流速 0.8mL/分
【0104】
方法J.装置:Agilent G1956A付きAgilent 1100 LC;カラム:Waters XBridge C18 2.1*50mm、5μm;グラジエント[時間(min)/A中の溶媒B(%)]: 0.0/1、0.4/1、3.4/90、4.0/100、4.01/1、4.5/1(溶媒A=水中で0.05%のNH3・H2O(25%、w/w)(v/v)、B=MeCN);UV検出 220及び254nm;カラム温度 40℃;流速 0.8mL/min
【0105】
方法K.装置:Agilent Infinity II G6125C;カラム:C18、150*4.6mm、3.5μm;グラジエント[時間(min)/A中の溶媒B(%)]:0.0/10、7.0/90、9.0/100、14.0/100、14.01/10、17.0/10(溶媒A=水中で0.1%のNH3(v/v)、B=MeCN);カラム温度 25℃;流速 1.0mL/分
【0106】
方法L.装置:Agilent 1290 Infinity II Series LC/6125 Quadrupole MSD SL;カラム:Waters XBridge C8 50*4.6mm、3.5μm;グラジエント[時間(min)/A中の溶媒B(%)]:0.0/5、2.5/95、4.0/95、4.5/5、6.0/5(溶媒A=H2O中で0.1%のTFA:MeCN(95:5)、B=MeCN中で0.1%のTFA);UV検出 210~400nm;カラム温度 25℃;流速1.5 mL/min.
【0107】
略語
AcOH=酢酸
Boc=tert-ブチルオキシカルボニル
CDI=N,N-カルボニルジイミダゾール
DCM=ジクロロメタン
DMF=N,N-ジメチルホルムアミド
DMP=デス-マーチンペリオジナン
DIPEA=N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMSO=ジメチルスルホキシド
EDCI=1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
EtOAc=酢酸エチル
Fmoc=フルオレニルメトキシカルボニル又は((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)
h=時間(複数可)
HATU=1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム-3-オキシドヘキサフルオロホスフェート
HOBt=1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
IBX=-ヨードキシ安息香酸
L=リットル
LC=液体クロマトグラフィー
MeCN=アセトニトリル
min=分(複数可)
MS=質量分析
NMM=N-メチルモルホリン
NMR=核磁気共鳴
MTBE=メチル-tert-ブチルエーテル
rt=室温
T3P=プロピルホスホン酸無水物
TFA=トリフルオロ酢酸
TFAA=トリフルオロ酢酸無水物
THF=テトラヒドロフラン
TLC=薄層クロマトグラフィー
TMSCl=トリメチルシリルクロリド
UPLC=超高性能液体クロマトグラフィー
【0108】
n-、s-、i-、t-及びtert-という接頭辞は、通常の意味を有する:ノーマル、セカンダリー、イソ、ターシャリー。
【0109】
中間体の合成
中間体1:(1R,2S,5S)-N-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド
【化29】
【0110】
工程1:DCM(2.5L)中のメチル 2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-ジメトキシホスホリルアセテート(551g、1.85mol)の混合物に、0℃で1,1,3,3-テトラメチルグアニジン(214g、1.85mol、233mL)をゆっくりと添加した。0℃で30分間撹拌した後、シクロプロパンカルバルデヒド(100g、1.43mol、107mL)を0℃で反応混合物に添加し、得られた混合物を25℃で、12時間、N2下において撹拌した。H2O(2L)を添加し、得られた混合物をDCM(800mL×3)で抽出し、合わせた有機層をブライン(1L)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。勾配シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc 1:0~10:1)による精製は、メチル(E)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-シクロプロピル-プロプ-2-エノエート(374g、1.55mol)を白色固体としてもたらした。
LCMS(方法A):0.79minでm/z 142.2(M-100+H)。
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6)δ0.59~0.64(2H,m)、0.87~0.93(2H,m)、1.38(9H,br s)、1.59~1.71(1H,m)、3.62(3H,s)、5.61~5.98(1H,m)、8.37(1H,br s)。
【0111】
工程2:THF(2.5L)中のメチル(E)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-シクロプロピル-プロプ-2-エノエート(374g、1.55mol)の溶液に、N2下において、0℃で、BH3-Me2S(Me2S中10M、620mL)をゆっくりと滴下添加した。反応混合物をN2下において、25℃で24時間撹拌した。反応混合物を0℃でMeOH(2L)の滴下添加により急冷し、得られた混合物を25℃で、N2下において1時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。勾配シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc 1:0~10:1)による精製は、メチル 2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-シクロプロピル-プロピオネート(213g、粗)を無色オイルとしてもたらした。
LCMS(方法A):0.83minでm/z 144.2(M-100+H)。
1HNMR:(400MHz,DMSO-d6)δ-0.05~0.01(1H,m)、0.07~0.13(1H,m)、0.35~0.41(2H,m)、0.73~0.79(1H,m)、1.33(1H,br s)、1.38(9H,s)、1.57~1.64(1H,m)、3.61(3H,s)、3.96~4.05(1H,m)、7.26(1H,br d,J=7.6Hz)。
【0112】
工程3:MeOH(600mL)、THF(600mL)及びH2O(600mL)中のメチル 2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-シクロプロピル-プロピオネート(213g、875mmol)の混合物に、25℃でLiOH・H2O(73.5g、1.75mol)を添加した。得られた混合物を25℃で、2時間、N2下において撹拌した後、バキュオで濃縮した。塩酸水溶液(1N)を添加してpHを約7に調整し、得られた混合物を酢酸エチル(600mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(800mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-シクロプロピル-プロパン酸(197g、粗)を無色オイルとしてもたらした。
LCMS(方法A):0.73minでm/z 130.2 (M-100+H)。
1HNMR:(400MHz,DMSO-d6)δ-0.01(1H,br s)、0.07(1H,br s)、0.35(2H,br s)、0.73(1H,br s)、1.37(9H,br s)、1.42~1.46(1H,m)、1.54(1H,br s)、3.81(1H,brs)、6.64(1H,brs)。
【0113】
工程4:DMF(800mL)中の2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-シクロプロピル-プロパン酸(197g、859mmol)の混合物に、HOBt(139g、1.03mol)及びEDCI-HCl(198g、1.03mol)を25℃でゆっくりと添加した。25℃で約12分間撹拌した後、N-メトキシメタンアミンハイドロクロリド(101g、1.03mol)及びEt3N(104g、1.03mol、144mL)を添加し、得られた混合物を25℃で、N2下において2時間撹拌した。H2O(1.5L)を添加し、得られた混合物をEtOAc(800mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。勾配シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc 1:0~10:1)による精製は、tert-ブチル-N-[1-(シクロプロピルメチル)-2-[メトキシ(メチル)アミノ]-2-オキソ-エチル]カルバメート(209g、0.77mol)を白色固体としてもたらした。
LCMS(方法A):0.81minでm/z 173.2(M-100+H)。
1HNMR:(400MHz,DMSO-d6)δ-0.06~0.01(1H,m)、0.07~0.13(1H,m)、0.35~0.41(2H,m)、0.74~0.78(1H,m)、1.14~1.22(1H,m)、1.37(9H,s)、1.58~1.66(1H,m)、3.09(3H,s)、3.73(3H,s)、4.44(1H,br d,J=3.2Hz)、7.01(1H,br d,J=8.4Hz).
【0114】
工程5:THF(1.5L)中のtert-ブチルN-[1-(シクロプロピルメチル)-2-[メトキシ(メチル)アミノ]-2-オキソ-エチル]カルバメート(189g、659mmol)の混合物に、0℃でLiAlH4(25.0g、659mmol)をゆっくり添加し、反応混合物を25℃で、N2下において1時間撹拌した。H2O(25mL)を0℃で滴下添加し、得られた混合物を濾過し、残渣をTHF(1L)で洗浄した。濾液を無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を勾配シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc 1:0~5:1)で精製し、tert-ブチル N-[1-(シクロプロピルメチル)-2-オキソ-エチル]カルバメート(105g、粗)を淡黄色油として得もたらした。
LCMS(方法A):0.75minでm/z 114.2(M-100+H)。
1HNMR:(400MHz,DMSO-d6)δ0.06~0.08(2H,m)、0.38~0.40(2H,m)、0.76~0.78(1H,m)、1.40(9H,s)、1.44~1.48(2H,m)、3.86~3.92(1H,m)、7.31(1H,br d,J=7.2Hz)、9.45(1H,s)。
【0115】
工程6:DCM(1L)中のtert-ブチルN-[1-(シクロプロピルメチル)-2-オキソ-エチル]カルバメート(121g、567mmol)の混合物に、Et3N(86.1g、851mmol、118mL)及び2-ヒドロキシ-2-メチル-プロパネニトリル(74.7g、878mmol、80.2mL)を0℃でゆっくり添加した。反応混合物を25℃で、12時間、N2下において撹拌した。反応混合物を0℃で飽和NaHCO3(500mL)水溶液の添加により急冷し、得られた混合物をDCM(300mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。勾配シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc1:0~5:1)による精製により、tert-ブチル N-[2-シアノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-エチル]カルバメート(69.2g、粗)を淡黄色オイルとしてもたらした。
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6)δ-0.06~0.01(1H,m)、0.09~0.15(1H,m)、0.35~0.41(2H,m)、0.66~0.75(1H,m)、1.33~1.35(1H,m)、1.39(9H,s)、1.48~1.56(1H,m)、3.60~3.71(1H,m)、6.49~6.60(1H,m)、6.93~7.07(1H,m)。
【0116】
工程7:DMSO(500mL)中のtert-ブチルN-[2-シアノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-エチル]カルバメート(71.0g、295mmol)及びK2CO3(81.7g、591mmol)の混合物に、0℃でH2O2(449g、3.96mol、380mL、純度30%、w/w)をゆっくりと滴下添加した。反応混合物を窒素雰囲気下、0~25℃で12時間撹拌した。反応混合物をH2O(1L)で希釈し、0℃で飽和Na2S2O3(1L)水溶液を添加して、ゆっくりと冷却した。得られた混合物を1N塩酸水溶液でpH8付近まで酸性化し、DCM(500mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL)、飽和Na2S2O3水溶液(500mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。勾配シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc 10:1~0:1)による精製は、tert-ブチル N-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]カルバメート(35.6g、0.14mol)をもたらした。
LCMS(方法A):0.70minでm/z 159.2(M-100+H)。
1HNMR:(400MHz,DMSO-d6)δ0.01-0.05(2H,m)、0.37(2H,br d,J=7.6Hz)、0.63~0.67(1H,m)、1.36(9H,s)、1.39(2H,s)、3.77~3.82(1H,m)、3.88~3.91(1H,m)、5.44(1H,d,J=6.4Hz)、5.95(1H,br d,J=9.2Hz)、7.20(2H,br d,J=10.8Hz).
【0117】
工程8:EtOAc(30mL)中のtert-ブチルN-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]カルバメート(5.60g、21.7mmol)の混合物にHCl/EtOAc(4N、34mL)を25℃で添加した。得られた混合物を25℃で1時間、窒素下で撹拌した。バキュオで濃縮した後、分取HPLC(添加物としてHCl)で精製すると、3-アミノ-4-シクロプロピル-2-ヒドロキシブタンアミドハイドロクロリド(3.30g、20.9mmol)を白色固体としてもたらした。
LCMS(方法B):0.38minでm/z 158.9(M+H)。
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6)δ-0.06~0.13(2H,m)、0.37~0.46(2H,m)、0.74~0.85(1H,m)、1.21~1.51(2H,m)、3.45~3.47(1H,m)、4.11~4.28(1H,m)、6.18~6.57(1H,m)、7.42~7.55(2H,m)、7.95(1H,br s)、8.25(1H,br s)
【0118】
工程8の精製のための分取HPLC(HCl)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Phenomenex luna C18 250×80mm×10μm;移動相:A=水中で0.05%のHCl(v/v)、B=MeCN;グラジエント:15minにわたってA中0~10%のB;流速 150mL/min;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0119】
工程9:3-アミノ-4-シクロプロピル-2-ヒドロキシ-ブタンアミド(2.00g、12.6mmol)と(1R,2S,5S)-3-tert-ブトキシカルボニル-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボン酸(2.97g、11.6mmol)をDMF(30mL)に溶解し、Et3N(2.56g、25.3mmol、3.52mL)及びT3P(12.1g、19.0mmol、11.3mL、EtOAc中純度50%)を25℃でゆっくり添加した。H2O(50mL)を添加し、EtOAc(50mL×3)で抽出する前に、得られた混合物をN2下において、25℃で、2時間撹拌した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。勾配シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc 10:11:1)、次いで分取HPLC(添加物としてNH4HCO3)による精製により、tert-ブチル(1R,2S,5S)-2-[[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]カルバモイル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3. 1.0]ヘキサン-3-カルボキシレート(1.43g、3.62mmol)を白色固体としてもたらした。
LCMS(方法C):0.99minでm/z 396.2(M+H)。
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6)δ-0.15~0.11(2H,m)、0.23~0.41(2H,m)、0.62~0.76(1H,m)、0.83~0.87(1H,m)、0.87~1.03(6H,m)、1.27~1.36(9H,m)、1.36~1.40(2H,m)、1.42~1.62(1H,m)、3.23~3.31(1H,m)、3.43~3.58(1H,m)、3.83~4.02(2H,m)、4.03~4.23(1H,m)、5.43~5.88(1H,m)、7.12~7.29(2H,m)、7.39~8.06(1H,m)。
【0120】
工程9の精製のための分取HPLC(NH4HCO3)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Kromasil Eternity XT 250×80mm×10μm;移動相:A=10mMのNH4HCO3水溶液(v/v)、B=MeCN;グラジエント:20minにわたってA中で37-67%のB;流速:140mL/分;カラム温度 40℃;波長:220nm、254nm。
【0121】
工程10:tert-ブチル(1R,2S,5S)-2-[[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]カルバモイル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-カルボキシレート(1.40g、3.24mmol)をEtOAc(5mL)中で、25℃で、HCl/EtOAc(4N、15.3mL)を添加し、得られた混合物を25℃で、N2下において1時間撹拌した。真空中で濃縮すると、(1R,2S,5S)-N-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(中間体1、1.15g、3.89mmol)を淡黄色固体としてもたらした。
LCMS(方法C):0.66minでm/z 296.1(M+H)。
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6)δ-0.16~0.17(2H,m)、0.27~0.44(2H,m)、0.60~0.72(1H,m)、1.02~1.09(6H,m)、1.29~1.64(2H,m)、1.65~1.89(2H,m)、3.02~3.07(1H,m)、3.60(2H,br s)、3.89~3.98(1H,m)、4.18~4.29(1H,m)、7.08~7.38(2H,m)、8.35~8.72(1H,m)、8.72~8.94(1H,m)、9.87~10.23(1H,m).
【0122】
中間体2:(1R,2S,5S)-N-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-3-[(2S)-2-アミノ-3-メチル-ブタノイル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド
【化30】
【0123】
工程1:(1R,2S,5S)-N-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド中間体1(280mg、0.95mmol)及び(tert-ブトキシカルボニル)-L-バリン(309mg、1.42mmol)をDMF(3mL)中、Et3N(192mg、1.90mmol、0.26mL)及びT3P(905mg、1.42mmol、0.85mL、純度50%、w/w)を25℃で、ゆっくりと添加した。得られた混合物を25℃で、12時間、窒素雰囲気下において撹拌した。H2O(50mL)を添加し、得られた混合物をEtOAc(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を分取HPLC(添加物としてギ酸)で精製し、tert-ブチルN-[(1S)-1-[(1R,2S,5S)-2-[[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]カルバモイル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-カルボニル]-2-メチル-プロピル]カルバメート(183mg、0.37mmol)を白色固体としてもたらした。
LCMS(方法C):1.04minでm/z 495.2(M+H)。
1H NMR:(400MHz、DMSO-d6)δ-0.15~0.08(2H,m)、0.26~0.41(2H,m)、0.63~0.72(1H,m)、0.76~0.99(12H,m)、1.00(2H,br s)、1.14~1.30(1H,m)、1.30~1.39(9H,m)、1.40~1.45(1H,m)、1.77~1.95(1H,m)、3.70~3.84(2H,m)、3.85~3.97(2H,m)、4.04~4.29(2H,m)、4.98~5.96(1H,m)、6.88~7.00(1H,m)、7.12~7.28(2H,m)、7.37~7.81(1H,m).
【0124】
工程1の精製のための分取HPLC(ギ酸)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Phenomenex luna C18 150×40mm×15μm;移動相:A=水中で0.225%のギ酸(v/v)、B=MeCN;グラジエント:10minにわたってA中で33~63%のB;流速:60mL/分;カラム温度 40℃;波長:220nm、254nm。
【0125】
工程2:HCl/EtOAc(4N、3mL)を、tert-ブチルN-[(1S)-1-[(1R,2S,5S)-2-[[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]カルバモイル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-カルボニル]-2-メチル-プロピル]カルバメート(150mg、0.30mmol)をEtOAc(3mL)中25℃で溶解し、得られた混合物を25℃で、N2下において、1時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、(1R,2S,5S)-N-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-3-[(2S)-2-アミノ-3-メチル-ブタノイル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(125mg、粗)を淡黄色固体としてもたらした。
LCMS(方法C):0.73minでm/z 395.2(M+H)。
【0126】
中間体3:(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-3-ヒドロキシ-1-((1R,2S)-2-メチルシクロプロピル)-4-オキソブタン-2-イル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド
【化31】
【0127】
工程1:n-BuLi(n-ヘキサン中で2.5M、344mL)を、2-メチルテトラヒドロフラン(1L)中の2-ジエトキシホスホリル酢酸エチル(193g、861mmol、171mL)の溶液に、N2下、25℃で滴下添加した。得られた混合物を25℃で30分間撹拌した後、(2R)-2-メチルオキシラン(50.0g、861mmol、60.3mL)を25℃で添加した。得られた混合物を5Lオートクレーブ中、15Psiの圧力で、150℃で、12時間撹拌した。反応混合物を25℃に冷却し、減圧下(約0.03bar)、100℃で蒸留すると、工程1生成物である(2S)-2-メチルシクロプロパンカルボキシレート(91.0g、710mmol)を無色オイルとしてもたらした。
1H NMR:(400MHz,CDCl3)δ0.63~0.69(1H,m)、1.11(3H,d,J=6.0Hz)、1.13~1.18(1H,m)、1.24~1.28(3H,m)、1.34~1.44(2H,m)、4.07~4.15(2H,m)。
【0128】
工程2:AlMe3(PhMe中2でM、78.0mL、156.0mmol)を、PhMe(100mL)中のN-メトキシメタンアミンハイドロクロリド(15.2g、156mmol)の混合物に、N2下において、0℃で滴下添加した。得られた混合物を25℃で30分間撹拌した後、PhMe(150mL)中の(2S)-2-メチルシクロプロパンカルボン酸エチル(10.0g、78.0mmol)の溶液を0℃で添加した。得られた混合物を25℃で12時間撹拌した後、H2O(100mL)を添加した。水相を酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、合わせた有機相をブライン(100mL×3)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、石油エーテル:酢酸エチル 20:1~5:1で溶出する勾配シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、(1S,2S)-N-メトキシ-N,2-ジメチル-シクロプロパンカルボキサミド(3.00g、21.0mmol)を黄色オイルとしてもたらした。
LCMS(方法A):0.60minでm/z 144.2(M+H)。
1H NMR:(400MHz,CDCl3)δ0.61~0.68(1H,m)、1.13(3H,d,J=6.0Hz)、1.16~1.21(1H,m)、1.31~1.41(1H,m)、1.78~1.90(1H,m)、3.20(3H,s)、3.75(3H,s)。
【0129】
工程3:THF(30mL)中の(1S,2S)-N-メトキシ-N,2-ジメチル-シクロプロパンカルボキサミド(3.00g、21.0mmol)の混合物に、DIBAL-H(PhMe中1M、23.1mL、23.1mmol)を-70℃で、N2下において滴下添加した。得られた混合物を-70℃で30分間撹拌した。別に、n-BuLi(n-ヘキサン中で2.5M、17.6mL、35.2mmol)を、THF(70mL)中のメチル2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-ジメトキシホスホリルアセテート(6.85g、23.1mmol)の溶液に、-70℃で、N2下において滴下添加し、得られた混合物を-70℃で30分間撹拌した後、-70℃で最初の反応混合物に添加した。25℃で12時間撹拌した後、水(100mL)を0℃で添加し、得られた混合物をEtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。石油エーテル/酢酸エチル 10:1から5:1で溶出する勾配シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、メチル(E)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-[(1S,2S)-2-メチルシクロプロピル]プロプ-2-エノエート(3.40g、13.3mmol)を黄色オイルとしてもたらした。
LCMS(方法A):0.85minでm/z 200.1(M-56+H)。
1H NMR:(400MHz,CDCl3)δ0.77~0.85(2H,m)、1.04~1.11(1H,m)、1.12~1.17(3H,m)、1.35~1.42(1H,m)、1.48(9H,s)、3.75(3H,s)、5.74~5.96(1H,m)、6.06(1H,d,J=10.8Hz)。
【0130】
工程4-12:(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-3-ヒドロキシ-1-((1R,2S)-2-メチルシクロプロピル)-4-オキソブタン-2-イル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミドハイドロクロリド(中間体3、0.39g、1.26mmol、淡黄色固体)を、中間体1について詳述した手順(手順2~10)と同様の手順を使用して、メチル(E)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-[(1S,2S)-2-メチルシクロプロピル]プロプ-2-エノエート(23.5g、92.1mmol)から形成した。
LCMS(方法B):1.00minでm/z 310.2(M+H)。
1H NMR:(400MHz,CD3OD)δ0.10~0.61(4H,m)、0.94~1.05(3H,m)、1.11~1.19(6H,m)、1.21~1.49(2H,m)、1.52~1.70(1H,m)、1.78~1.85(1H,m)、3.21~3.30(1H,m)、3.71~3.79(1H,m)、4.08~4.20(2H,m)、4.29~4.48(1H,m)。
【0131】
【0132】
工程1:DCM(50mL)中の(2S)-2-アミノ-3-メチル-ブタン酸メチルハイドロクロリド(5.00g、29.8mmol)の混合物に、DIPEA(11.6g、89.5mmol、15.6mL)及び2-メチルプロパノイルクロリド(3.81g、35.8mmol)を0℃で添加した。得られた混合物を25℃で12時間撹拌した後、DCM(100mL)及び水(80mL)を添加した。有機相を水(2×80mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮して、メチル(2S)-3-メチル-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)ブタノエート(6.00g、29.8mmol)を黄色オイルとしてもたらした。
LCMS (Method A):0.35minでm/z 202.2(M+H)。
【0133】
工程2:LiOH-H2O(2.50g、59.6mmol)を、THF(4.00g、19.9mmol)をTHF(20mL)、MeOH(6mL)及びH2O(6mL)中で、0℃で添加し、得られた混合物を25℃で1時間撹拌し、2N塩酸水溶液を添加して約pH7に調整し、続いてEtOAc(100mL)を添加した。相を分離し、有機相を水(80mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。分取HPLC(添加物としてギ酸)による精製により、(2S)-3-メチル-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)ブタン酸(中間体4、1.60g、8.55mmol)を白色固体としてもたらした。
LCMS(方法A):0.37minでm/z 188.2(M+H)。
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6)δ0.96~0.99(6H,m)、1.11~1.14(6H,m)、2.12~2.20(1H,m)、2.56~2.64(1H,m)、4.00(1H,d,J=6.0Hz)
【0134】
中間体4の精製のための分取HPLC(ギ酸)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Phenomenex Synergi Max-RP C18 250k×50 mm×10μm;移動相:A=0.225%ギ酸水溶液(v/v)、B=MeCN;グラジエント:20minにわたってA中で1~30%のB;流速:150mL/分;カラム温度:40°C;波長:220nm、254nm.
【0135】
中間体5:(1R,2S,5S)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボン酸
【化33】
【0136】
工程1:HATU(10.5g、27.7mmol)をDMF(30mL)中の(tert-ブトキシカルボニル)-L-バリン(5.00g、23.0mmol)の溶液に添加し、混合物をrtで10分間撹拌した。メチル(1R,2S,5S)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレートハイドロクロリド(5.66g、27.7mmol)及びDIPEA(11.9mL、69.1mmol)を添加し、反応混合物をrtで2時間撹拌した。反応混合物を冷水(250mL)及びEtOAc(100mL)の間で分配し、水相をEtOAc(2×70mL)で抽出し、合わせた有機相を乾燥した(Na2SO4)。バキュオで濃縮した後、C18シリカ上の逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、水中0~50%MeCNで溶出すると、メチル(1R,2S,5S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレート(5.90g、16.0mmol)を黄色の粘着性固体としてもたらした。
LCMS(方法F):2.24minでm/z 269.3(M-100)。
【0137】
工程2:DCM(50mL)中のメチル(1R,2S,5S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレート(5.90g、16.0mmol)の溶液に、TFA(6mL)を0℃で滴下添加した。rtで2時間撹拌した後、バキュオで濃縮すると、メチル(1R,2S,5S)-3-(L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボン酸トリフルオロアセテート(6.50g)を黄色の粘着性固体としてもたらした。
LCMS(方法F):0.93minでm/z 269.3(M+H)。
【0138】
工程3:Et3N(7.17mL、51.0mmol)を、THF(100mL)中のメチル(1R,2S,5S)-3-(L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレートトリフルオロアセテート(6.50g、17.0mmol)の溶液に0℃で滴下添加し、反応混合物を0℃で10分間撹拌した。塩化イソブチリル(1.80mL、17.0mmol)を添加し、rtで1時間撹拌した後、水(250mL)及びEtOAc(100mL)を添加し、相を分離した。水層をEtOAc(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮した。水中0~40%MeCNで溶出するC18シリカ上の逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により、メチル(1R,2S,5S)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレート(4.10g、12.1mmol)を白色固体としてもたらした。
LCMS(方法F):1.79minでm/z 339.3(M+H)。
【0139】
工程4:LiOH・H2O(2.48g、60.6mmol)を、THF(20mL)中のメチル(1R,2S,5S)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレート(4.10g、12.1mmol)の溶液に添加し、水(10mL)及び混合物をrtで2時間撹拌した。水(50mL)を加え、混合物を氷酢酸(20mL)でpH約5まで酸性化した。合わせた有機層を乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮して、(1R,2S,5S)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボン酸(中間体5、3.30g、10.2mmol)を白色固体としてもたらし、これをさらに精製することなく使用した。
LCMS(方法F):1.49minでm/z 325.3(M+H)。
【0140】
中間体6:3-アミノ-N-ベンジル-4-シクロプロピル-2-ヒドロキシブタンアミド
【化34】
【0141】
工程1:(S)-2-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-3-シクロプロピルプロパン酸(12.0g、34.2mmol)、EDCI-HCl(7.20g、37.5mmol)及びHOBt(5.06g、37.5mmol)をDMF(20mL)にrtで溶解し、20分間撹拌した。N,O-ジメチルヒドロキシルアミンハイドロクロリド(3.65g、37.5mmol)及びEt3N(5.26、mL、37.5mmol)を添加し、反応混合物をrtで2時間撹拌した。水(200mL)及びEtOAc(100mL)の間で分配した後、水層をEtOAc(2×70mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮した。n-ヘキサンでトリチュレーションし、(9H-フルオレン-9-イル)メチル(S)-(3-シクロプロピル-1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(12.0g、30.4mmol)を淡褐色オイルとしてもたらした。
LCMS(方法F):2.28minでm/z 417.1(M+Na)。
【0142】
工程2:(9H-フルオレン-9-イル)メチル(S)-(3-シクロプロピル-1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(12.0g、30.5mmol)の乾燥THF(50mL)中溶液に、水素化アルミニウムリチウム(THF中2M、15.0mL、30.0mmol)を-78℃で、窒素雰囲気下において滴下添加した。窒素雰囲気下において、-78℃で、2時間撹拌した後、飽和NH4Cl水溶液(70mL)を添加した。混合物をセライトで濾過し、残渣をEtOAc(100mL)で洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、粗(9H-フルオレン-9-イル)メチル(S)-(1-シクロプロピル-3-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(9.20g)を淡黄色固体としてもたらし、精製せずに次の工程に使用した。
LCMS(方法G):2.33及び2.70minでm/z 336.6(M+H)。
【0143】
工程3:DCM(30mL)中の(9H-フルオレン-9-イル)メチル(S)-(1-シクロプロピル-3-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(9.20g、27.5mmol)の溶液に、イソシアン化ベンジル(3.56g、30.2mmol)及び氷冷AcOH(4.71mL、82.4mmol)を0℃で添加した。rtで2時間撹拌した後、1N塩酸水溶液(20mL)、水(70mL)及びDCM(100mL)を添加した。相を分離し、水相をDCM(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO3水溶液(100mL)で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。濾過し、バキュオで濃縮した後、n-ヘキサンで粉砕して、(3S)-3-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-1-(ベンジルアミノ)-4-シクロプロピル-1-オキソブタン-2-イルアセテート(14.0g、2.73mmol)を白色固体としてもたらした。
LCMS(方法F):2.50及び2.53minでm/z 513.0(M+H)。
【0144】
工程4:Et3N(8.00mL、54.6mmol)を、(3S)-3-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-1-(ベンジルアミノ)-4-シクロプロピル-1-オキソブタン-2-イルアセテート(14.0g、27.3mmol)をMeOH(200mL)に溶解し、反応混合物をrtで2時間撹拌した。真空中で濃縮した後、得られた固体を水(100mL)に懸濁し、濾過した。乾燥後、n-ヘキサンで粉砕すると、(9H-フルオレン-9-イル)メチル((2S)-4-(ベンジルアミノ)-1-シクロプロピル-3-ヒドロキシ-4-オキソブタン-2-イル)カルバメート(10.0g、21.3mmol)を白色固体としてもたらした。
LCMS(方法F):2.43及び2.46minでm/z 471.3(M+H)。
【0145】
工程5:(9H-フルオレン-9-イル)メチル((2S)-4-(ベンジルアミノ)-1-シクロプロピル-3-ヒドロキシ-4-オキソブタン-2-イル)カルバメート(10.0g、21.3mmol)をDMF(100mL)中の20%ピペリジンに溶解し、rtで40分間撹拌した。冷水(500mL)で希釈した後、得られた懸濁液をセライトで濾過した。濾液を真空中で濃縮し、MeCN(70mL)で粉砕して、(3S)-3-アミノ-N-ベンジル-4-シクロプロピル-2-ヒドロキシブタンアミド(中間体6、3.00g、7.01mmol)を白色固体としてもたらした。
LCMS(MethodF):0.83及び0.91minでm/z 249.3(M+H)。
1HNMR:(400MHz,DMSO-d6)δ-0.14~-0.19(m,1H)、-0.03~0.06(m,1H)、0.28~0.33(m,1H)、0.35~0.39(m,1H)、0.77~0.81(q,1H,J=5.2Hz)、0.91~0.97(m,1H)、1.24~1.31(m,1H)、1.53(brs,2H)、2.93~2.95(t,1H,J=4.4Hz)、3.83(s,1H)、4.21~4.32(m,2H)、5.56(s,1H)、7.22~7.319(m,5H)、8.29~8.32(t,1H,J=6.0Hz)。
【0146】
中間体7:3-アミノ-4-シクロプロピル-2-ヒドロキシブタン酸メチルハイドロクロリド
【化35】
【0147】
工程1:(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-シクロプロピルプロパン酸(2.42g、10.6mmol)をPhMe(25mL)にN2下において、0℃で溶解した。CDI(1.75g、10.8mmol)を0℃で添加し、反応混合物を0℃で2時間撹拌した。N,O-ジメチルヒドロキシルアミンハイドロクロリド(1.34g、13.7mmol)及びDIPEA(1.86mL、10.8mmol)を0℃で添加し、反応混合物をrtで16時間撹拌した。水(50mL)及びEtOAc(50mL)の間で分配した後、水相をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮して、tert-ブチル(S)-(3-シクロプロピル-1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(2.00g、7.35mmol)をオフホワイトの固体としてもたらした。
LCMS(方法F2):2.04minで、m/z 273.1(M+H)。
【0148】
工程2:LiAlH4(THF中で2.5M、2.95mL、7.35mmol)を、tert-ブチル(S)-(3-シクロプロピル-1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(2.00g、7.35mmol)をTHF(20mL)中で、N2下において、0℃で滴下し、反応混合物をrtで1時間撹拌した。飽和NH4Cl水溶液(50mL)及びEtOAc(60mL)の間で分配した後、水相をEtOAc(2×60mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮して、tert-ブチル(1-シクロプロピル-3-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(1.30g、6.10mmol)を黄色の粘着物質としてもたらし、これをさらに精製することなく使用した。
TLC:Rf 0.6(EtOAc/Hexane, 3:7)。
【0149】
工程3:炭酸ナトリウム(1.94g、18.3mmol)を、PhMe(5mL)及び水(2mL)中のtert-ブチル(1-シクロプロピル-3-オキソプロパン-2-イル)カルバメート(1.30g、6.09mmol)の溶液に添加し、反応混合物をrtで15分間撹拌した。アセトンシアノヒドリン(0.84mL、9.14mmol)を添加し、反応混合物をrtで1時間撹拌した。水(20mL)で希釈し、2NHCl(8mL)でpH約5まで酸性化した後、混合物をEtOAc(3×60mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮した。n-ヘキサン中で0~20%のEtOAcで溶出するシリカ上の順相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により、tert-ブチル(1-シアノ-3-シクロプロピル-1-ヒドロキシプロパン-2-イル)カルバメート(1.00g、4.16mmol)を褐色の粘着物質としてもたらした。
LCMS(方法F2):1.68minでm/z 185.2(M-56)。
【0150】
工程4:塩化トリメチルシリル(2mL、15.7mmol)を、MeOH(15mL)中のtert-ブチル(1-シアノ-3-シクロプロピル-1-ヒドロキシプロパン-2-イル)カルバメート(1.00g、4.16mmol)の溶液に添加し、混合物を60℃で3時間撹拌した。バキュオで濃縮後、水中で0~12%のMeCNで溶出する逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカC18)で精製すると、メチル 3-アミノ-4-シクロプロピル-2-ヒドロキシブタノエートハイドロクロリド(0.80g、3.81mmol)を黄色の粘着物質としてもたらした。
LCMS(方法F2):0.36min、純度約69%でm/z 174.0(M+H)。
【0151】
中間体8:4-シクロプロピル-2-ヒドロキシ-3-((1R,2S,5S)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド)ブタン酸
【化36】
【0152】
工程1:EDCI-HCl(0.35g、1.85mmol)及びHOBt(0.21g、1.54mmol)の溶液に、(1R,2S,5S)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボン酸(中間体5、0.50g、1.54mmol)及びメチル3-アミノ-4-シクロプロピル-2-ヒドロキシブタノエートハイドロクロリド(中間体7、0.35g、1.70mmol)をEtOAc(5mL)及び水(0.5mL)中に溶解した。rtで16時間撹拌した後、反応混合物を水(30mL)及びEtOAc(50mL)の間で分配した。相を分離し、水相をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。水中で0~40%のMeCNで溶出する逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカC18)による精製により、メチル 4-シクロプロピル-2-ヒドロキシ-3-((1R,2S,5S)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド)ブタノエート(0.40g、0.83mmol)をオフホワイト固体としてもたらした。
LCMS(方法F):1.56minでm/z 480.3(M+H)。
【0153】
工程2:1,4-ジオキサン(1mL)及び水(1mL)中のメチル 4-シクロプロピル-2-ヒドロキシ-3-((1R,2S,5S)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド)ブタノエート(0.21g、0.43mmol)の溶液にLiOH一水和物(89mg、2.18 mmol)を添加した。rtで3時間撹拌した後、水(50mL)を添加し、反応混合物をEtOAc(2×30mL)で抽出した。水相を1N HCl(1.5mL)でpH2付近まで酸性化し、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮して、4-シクロプロピル-2-ヒドロキシ-3-((1R,2S,5S)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド)ブタン酸(0.18g、0.39mmol)を褐色の粘着物としてもたらした。
LCMS(方法F2):1.69、1.77及び1.83minでm/z 466.1(M+H)。
【0154】
中間体9:tert-ブチル N-((1S)-1-((1R,2S,5S)-2-((3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル)カルバモイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-カルボニル)-2-メチル-2-フェニル-プロピル)カルバメート
【化37】
【0155】
工程1:THF(60mL)中の3-メチル-3-フェニル-ブタン酸(4.50g、25.3mmol)の混合物に、Et3N(3.83g、37.9mmol、5.27mL)及び2,2-ジメチルプロパノイルクロリド(3.35g、27.8mmol、3.42mL)を-78℃で、N2下において滴下した。反応混合物を白色固体が生成するまで-78℃で撹拌した。反応混合物を0℃に温め、1時間撹拌した後、-78℃に冷却した(混合物A)。THF(80mL)中の(4S)-4-イソプロピルオキサゾリジン-2-オン(6.52g、50.5mmol)の溶液に、n-BuLi(n-ヘキサン中で2.5M、20.2mL)を-78℃で、N2下において滴下添加した(混合物B)。混合物Bを混合物Aに-78℃で加え、反応混合物を-78℃で2時間、次いで25℃で12時間撹拌した。反応混合物を0℃で、飽和NH4Cl水溶液(100 mL)中でゆっくりと冷却し、次いで25℃で1時間撹拌した。合わせた有機相をブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、石油エーテルから石油エーテル/酢酸エチル 5/1に溶出するシリカゲル上の勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー、続いて分取逆相HPLC(添加物としてギ酸)により精製し、(4S)-4-イソプロピル-3-(3-メチル-3-フェニル-ブタノイル)オキサゾリジン-2-オン(6.15g、21.3mmol)を黄色オイルとしてもたらした。
LCMS(方法A):0.91minでm/z 290.2(M+H)。
1H NMR: (400MHz, CDCl3) δ 0.74 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.81 (3H, d, J=6.8 Hz), 1.50 (6H, d, J=1.6 Hz), 2.12-2.20 (1H, m), 3. 36 (2H, d, J=4.0 Hz), 4.01-4.09 (2H, m), 4.20-4.24 (1H, m), 7.15-7.21 (1H, m), 7.27-7.33 (2H, m), 7.37-7.42 (2H, m).
1H NMR:(400MHz,CDCl3)δ0.74(3H,d,J=6.8Hz)、0.81(3H,d,J=6.8Hz)、1.50(6H,d,J=1.6Hz)、2.12~2.20(1H,m)、3.36(2H,d,J=4.0Hz)、4.01~4.09(2H,m)、4.20~4.24(1H,m)、7.15~7.21(1H,m)、7.27~7.33(2H,m)、7.37~7.42(2H,m)。
【0156】
中間体9、工程1の精製のための分取逆相HPLC(ギ酸)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Phenomenex Luna C18 250×80mm×15μm;移動相:A=水中で0.225%のギ酸(v/v)、B=MeCN;グラジエント:35minにわたってA中で55~85%のB;流速:流速:140mL/分;カラム温度 40℃;波長:220nm、254nm。
【0157】
工程2:THF(50mL)中の(4S)-4-イソプロピル-3-(3-メチル-3-フェニル-ブタノイル)オキサゾリジン-2-オン(6.00g、20.7mmol)の混合物に、KHMDS(THF中1M、22.8mL)を-78℃で、N2下において滴下添加した。THF(30mL)中のN-ジアゾ-2,4,6-トリイソプロピル-ベンゼンスルホンアミド(8.02g、25.9mmol)の溶液を、-78℃で滴下添加した。反応混合物を-78℃で0.5時間撹拌した後、HOAc(5.73g、95.4mmol、5.46mL)を-78℃で添加した。反応混合物を40℃で2時間撹拌した後、0℃で、飽和NH4Cl水溶液(100mL)中で急冷し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)、飽和NaHCO3水溶液(5 mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。石油エーテルから石油エーテル/酢酸エチル 20/1で溶出するシリカゲル上の勾配フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により、(4S)-3-[(2S)-2-アジド-3-メチル-3-フェニル-ブタノイル]-4-イソプロピル-オキサゾリジン-2-オン(5.92g、17.9mmol)を淡黄色オイルとしてもたらした。
LCMS(方法A):0.94minでm/z 303.2(M+H-28)+。
1H NMR:(400MHz,CDCl3)δ0.83(6H,dd,J=15.6,7.2Hz)、1.54~1.56(6H,m)、2.28~2.34(1H,m)、3.57(1H,t,J=8.4Hz)、3.87~3.91(1H,m)、3.97(1H,dd,J=8.8,2.0Hz)、5.66(1H,s)、7.25~7.28(1H,m)、7.30~7.36(2H,m)、7.38~7.43(2H,m)。
【0158】
工程3:EtOAc(50mL)中の(4S)-3-[(2S)-2-アジド-3-メチル-3-フェニル-ブタノイル]-4-イソプロピル-オキサゾリジン-2-オン(5.70g、17.3mmol)、Boc2O(8.28g、38.0mmol、8.72mL)及びPd/C(500mg、純度10%、w/w)の混合物を、H2(15PSI)下において、25℃で、12時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。得られた残渣を、石油エーテルから石油エーテル/酢酸エチル 10/1に溶出するシリカゲル上の勾配フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いで、分取HPLC(添加物としてギ酸)、次いで順相分取HPLC(添加物としてNH3-H2O)により、tert-ブチル N-[(1S)-1-[(4S)-4-イソプロピル-2-オキソ-オキサゾリジン-3-カルボニル]-2-メチル-2-フェニル-プロピル]カルバメート(6.50g、16.1mmol)を淡黄色オイルとしてもたらした。
LCMS(方法A):0.95minでm/z 405.2(M+H)。
1H NMR:(400MHz,CDCl3)δ0.76~0.83(6H,m)、1.41(3H,s)、1.43(9H,s)、1.48(3H,s)、2.21~2.29(1H,m)、3.45(1H,t,J=8.4Hz)、3.79~3.83(1H,m)、3.90(1H,dd,J=8.8,2.0Hz)、4.86~5.32(1H,m)、6.13(1H,d,J=10.0Hz)、7.20~7.26(1H,m)、7.28~7.34(2H,m)、7.41(2H,d,J=7.6Hz).
【0159】
中間体9、工程3の精製のための分取逆相HPLC(ギ酸)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラムPhenomenex Luna C18 250×80mm×10μm;移動相:A=水中で0.225%のギ酸(v/v)、B=MeCN、グラジエント:20minにわたってA中で48~78%のB;流速:100mL/分;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0160】
中間体9、工程3の精製のための分取順相HPLC(NH3-H2O)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Welch Ultimate XB-SiOH 250×50mm×10μm;移動相:A=ヘキサン、B=EtOH中で0.1%のNH3-H2O(v/v)、15minにわたってA中で2%のB;流速:100mL/分;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0161】
工程4:THF(80mL)及びH2O(20mL)中のtert-ブチルN-[(1S)-1-[(4S)-4-イソプロピル-2-オキソ-オキサゾリジン-3-カルボニル]-2-メチル-2-フェニル-プロピル]カルバメート(3.00g、7.42mmol)及び1N水性LiOH水溶液(22.3 mL)の混合物に、30%のH2O2水溶液(10.1g、89.0mmol、8.60mL)を、N2下において、0℃で滴下添加した。反応混合物を25℃で12時間撹拌した後、0℃でH2O(100mL)及び飽和Na2SO3水溶液(300mL)を添加した。混合物を25℃で1時間撹拌した後、1N塩酸水溶液を添加することによってpHを約7に調整し、混合物をCH2Cl2(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL)及び飽和Na2SO3水溶液(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。石油エーテル/酢酸エチル(10/1~1/1)で溶出するシリカゲル上の勾配フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製、次いで分取HPLC(添加物としてギ酸)及び分取HPLC(添加物としてNH4HCO3)により、(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-3-フェニル-ブタン酸(1.53g、5.22mmol)を淡黄色固体としてもたらした。
LCMS(方法A2):2.87minでm/z 194.1(M+H-100)+。
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6)δ1.28(9H,s)、1.30(6H,d,J=5.6Hz)、4.01(1H,d,J=8.8Hz)、5.86(1H,d,J=9.2Hz)、7.07~7.13(1H,m)、7.22(2H,t,J=7.6Hz),7.32(2H,d,J=7.6Hz)。
【0162】
中間体9、工程4の精製のための分取逆相HPLC(ギ酸)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Phenomenex Luna C18 250×70mm×10μm;移動相:A=水中で0.225%ギ酸(v/v)、B=MeCN;グラジエント:20minにわたってA中で30~60%のB;流速:140mL/分;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0163】
中間体9、工程4の精製のための分取逆相HPLC(NH4HCO3)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Waters Xbridge 150×25mm×5μm;移動相:A=10mMのNH4HCO3水溶液(v/v)、B=MeCN;グラジエント:10minにわたってA中で14~44%のB;流速:25mL/min;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0164】
工程5:(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-3-フェニル-ブタン酸(中間体9、工程4生成物、669mg、2.28mmol)、HOBt(308mg、2.28mmol)及びEDCI(437mg、2.28mmol)をDMF(5mL)中で、25℃で、0.2時間撹拌した。(1R,2S,5S)-N-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(中間体1、450mg、1.52mmol)及びEt3N(308mg、3.04mmol、0.42mL)を加え、反応混合物を25℃で2時間撹拌した。合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を分取HPLC(添加物としてギ酸)で精製し、次いで分取HPLC(添加物としてNH4HCO3)で精製して、tert-ブチルN-((1S)-1-((1R,2S,5S)-2-((3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル)カルバモイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-カルボニル)-2-メチル-2-フェニル-プロピル)カルバメート(中間体9、42.0mg、0.07mmol)を淡黄色固体としてもたらした。
LCMS(方法A):0.90minでm/z 571.2(M+H)+。
1H NMR:(400MHz,CDCl3)δ0.06~0.22(2H,m),0.40~0.58(2H,m),0.66~0.76(1H,m),0.76~0.89(3H,m),0.96~0.99(3H,m),1.22~1.37(2H,m),1.38~1.43(15H,m),1.44~1.48(2H,m),3.69~3.86(1H,m),4.20~4.33(2H,m),4.61~4.76(1H,m),4.92~5.28(1H,m),5.46~5.71(1H,m),7.29~7.43(5H,m)。
【0165】
中間体9、工程5の精製のための分取逆相HPLC(ギ酸)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Phenomenex Luna C18 75×30mm×3μm;移動相:A=水中で0.225%ギ酸(v/v)、B=MeCN;グラジエント:20minにわたってA中で45~75%のB;流速:25mL/分;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0166】
中間体9、工程5の精製のための分取逆相HPLC(NH4HCO3)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Waters Xbridge 150×25mm×5μm;移動相:A=10mMのNH4HCO3水溶液(v/v)、B=MeCN;グラジエント:10minにわたってA中で32~62%のB;流速:25mL/min;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0167】
中間体10:4-シクロプロピル-2-ヒドロキシ-3-((1R,2S,5S)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド)ブタン酸
【化38】
【0168】
工程1:(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタン酸(5.00g,21.6mmol)及びメチル(1R,2S,5S)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレートハイドロクロリド(5.34g,26.0mmol)をDMF(30mL)にrtで溶解した。34g,26.0mmol)をDMF(30mL)にrtで溶解した。HATU(9.89g,26.0mmol)を加え、反応混合物をrtで30分間撹拌した後、DIPEA(11.3mL,64.9mmol)を加え、反応混合物をrtで3時間撹拌した。冷水(100mL)を加え、得られた沈殿物を濾過して集め、粗メチル(1R,2S,5S)-3-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレート(9.30g)を褐色の粘着性固体として得た。
LCMS(方法F3):2.35及び2.37minでm/z 327.4(M-56)。
【0169】
工程2:1,4-ジオキサン(90mL)中の4N HClを、N2下、DCM(30mL)中のメチル(1R,2S,5S)-3-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレート(9.30g)の溶液に添加した。rtで2時間撹拌した後、反応混合物を真空中で濃縮し、ジエチルエーテル(3×10mL)でトリチュレーションして精製し、メチル(1R,2S,5S)-3-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレートハイドロクロリド(6.70g,21.0mmol)を白色固体として得た。
LCMS(方法F3):1.14及び1.28minでm/z 283.5(M+H)。
【0170】
工程3:Et3N(8.80mL、63.2mmol)を、THF(40mL)中のメチル(1R,2S,5S)-3-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレートハイドロクロリド(6.70g、21.0mmol)の溶液に0℃で滴下し、反応混合物を15分間撹拌した。塩化イソブチリル(2.23g,21.1mmol)を加え、反応混合物をrtで30分間撹拌した後、水(200mL)を加え、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮し、水中で0%~42%のMeCNで溶出する逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカC18)により精製して、メチル(1R,2S,5S)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレート(4.90g,13.9mmol)を褐色の粘着性固体として得た。
LCMS(方法F3):1.88及び1.96minでm/z 353.5(M+H)。
【0171】
工程4:LiOH一水和物(2.92g、69.6mmol)を、メチル(1R,2S,5S)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレート(4.90g,13.9mmol)を1,4-ジオキサン(20mL)及び水(15mL)に溶解し、反応混合物をrtで4時間撹拌した後、水(200mL)及びEtOAc(100mL)を加えた。相を分離し、水相を1N HCl(15mL)でpH2付近まで酸性化し、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮して、粗(1R,2S,5S)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボン酸(4.80g)を白色固体として得た。
LCMS(方法F3):1.59及び1.74minでm/z 339.5(M+H)。
【0172】
工程5:HATU(3.37g、8.86mmol)を、(1R,2S,5S)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボン酸(1.50g,4.43mmol)及びメチル3-アミノ-4-シクロプロピル-2-ヒドロキシブタノエートハイドロクロリド(1.11g,5.32mmol)をDMF(15mL)に溶解し、反応混合物をrtで15分間撹拌した。N-メチルモルホリン(1.95mL,17.7mmol)を加え、反応混合物をrtで30分間撹拌した後、バキュオで濃縮した。水中で0%~46%のMeCNで溶出する逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカC18)による精製により、メチル4-シクロプロピル-2-ヒドロキシ-3-((1R,2S,5S)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド)ブタノエート(1.70g,3.44mmol)を白色固体として得た。
LCMS(方法F3):1.69及び1.75minでm/z 494.5(M+H)。
【0173】
工程6:1,4-ジオキサン(2mL)及び水(2mL)中のメチル 4-シクロプロピル-2-ヒドロキシ-3-((1R,2S,5S)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド)ブタノエート(0.25g,0.51mmol)の溶液に、LiOH一水和物(0.11g,2.53mmol)を添加し、反応混合物をrtで2時間撹拌した。水(70mL)及びEtOAc(50mL)を加え、水層を1N HCl(3mL)でpH2付近まで酸性化し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮して、4-シクロプロピル-2-ヒドロキシ-3-((1R,2S,5S)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド)ブタン酸(中間体10、0.20g、0.39mmol)を白色固体として得た。
LCMS(方法F3):1.55及び1.58minでm/z 480.5(M+H)。
【0174】
実施例の合成
実施例1:(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド
【化39】
【0175】
工程1:DMF(5mL)中の(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3,3-ジメチル-ブタン酸(305mg、1.32mmol)の混合物に、HOBt(178mg、1.32mmol)及びEDCI.HCl(253mg、1.32mmol)を25℃で添加し、混合物を約12分間撹拌した後、(1R,2S,5S)-N-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(中間体1、300mg、1.02mmol)及びEt3N(206mg、2.03mmol、0.28mL)を添加した。反応混合物をN2下、25℃で2時間撹拌した。H2O(50mL)を加え、混合物をEtOAc(20mLx3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を分取HPLC(添加物としてギ酸)で精製し、tert-ブチルN-[(1S)-1-[(1R,2S,5S)-2-[[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]カルバモイル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-カルボニル]-2,2-ジメチル-プロピル]カルバメート(251mg,0.49mmol)を白色固体として得た。
LCMS(方法A):1.08minでm/z 509.2(M+H)。
1H NMR:(400MHz,CDCl3)δ0.05~0.27(2H,m),0.41~0.53(2H,m),0.68~0.81(1H,m),0.86~0.88(3H,m),0.97(3H,d,J=3.6Hz),0.98~1.06(9H,m),1.39(9H,s),1.43(2H,brd,J=6.8Hz),1.52~1.57(1H,m),1.66~1.89(1H,m),3.78~4.19(3H,m),4.19~4.34(2H,m),4.34~4.48(1H,m),6.78~7.20(1H,m)。
【0176】
工程1の精製のための分取HPLC(ギ酸)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Phenomenex Luna C18 150×40mm×15μm;移動相:A=水中で0.225%ギ酸(v/v)、B=MeCN;グラジエント:10minにわたってA中で40~70%のB;流速:60mL/分;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0177】
工程2:EtOAc(4N、5mL)中のHClを、tert-ブチルN-[(1S)-1-[(1R,2S,5S)-2-[[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]カルバモイル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-カルボニル]-2,2-ジメチル-プロピル]カルバメート(220mg,0.43mmol)をEtOAc(5mL)中25℃で溶解し、得られた混合物を25℃で、N2下において、1時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮して、(1R,2S,5S)-N-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-3-[(2S)-2-アミノ-3,3-ジメチル-ブタノイル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(185mg)を白色固体としてもたらし、これを精製せずに粗使用した。
LCMS(方法A):0.68minでm/z 409.2(M+H)。
【0178】
工程3:(1R,2S,5S)-N-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-3-[(2S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(180mg,粗)及びDCM(5mL)中のEt3N(0.12mL,0.88mmol)の混合物に、0℃で2-メチルプロパノイルクロリド(0.06mL,0.57mmol)を加え、得られた混合物を25℃で、N2下において1時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、分取HPLC(添加物としてギ酸)で精製して、望ましい工程3生成物(1R,2S,5S)-N-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-3-[(2S)-3,3-ジメチル-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)ブタノイル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(121mg,0.25mmol)を白色固体として得た。
LCMS(方法A):0.77minでm/z 479.2(M+H)。
1H NMR:(400MHz,CDCl3)δ0.05~0.26(2H,m),0.39~0.53(2H,m),0.68~0.81(1H,m),0.81~0.88(3H,m),0.92~0.99(6H,m),0.99~1.07(9H,m),1.13(3H,d,J=7.2Hz),1.17~1.39(1H,m),1.41~1.60(2H,m),1.70~1.82(1H,m),2.32~2.44(1H,m),3.81~4.21(3H,m),4.25~4.32(1H,m),4.38~4.52(1H,m)、4.54~4.66(1H,m),6.10~6.27(1H,m),6.76~7.00(1H,m).
【0179】
工程3の精製のための分取HPLC(ギ酸)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Unisil3-100C18Ultra150×25mm×3μm;移動相:A=水中で0.225%ギ酸(v/v)、B=MeCN;グラジエント:10minにわたってA中で30~60%のB;流速:25mL/分;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0180】
工程4:(1R,2S,5S)-N-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-3-[(2S)-3,3-ジメチル-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)ブタノイル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(110mg,0.23mmol)をDMSO(3mL)に溶解し、0℃で2-ヨージル安息香酸(161mg,0.57mmol)を加え、得られた混合物を25℃で、12時間、N2下で撹拌した。H2O(0.5mL)を加え、得られた混合物を濾過し、真空中で濃縮した。残渣を分取HPLC(NH4HCO3を添加)で精製し、実施例1、(1R,2S,5S)-N-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2,3-ジオキソ-プロピル]-3-[(2S)-3,3-ジメチル-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)ブタノイル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(55.5mg,0.12mmol)を白色固体として得た。
LCMS(方法D):2.69minでm/z477.3(M+H)。
1H NMR:(400MHz,CDCl3)δ0.00~0.16(2H,m),0.39~0.50(2H,m),0.69~0.76(1H,m),0.81(2H,d,J=2.4Hz),0.95~1.01(9H,m),1.03(2H,s),1.08(3H,d,J=6.8Hz),1.14(3H,d,J=6.8Hz),1.46~1.81(6H,m),2.33~2.40(1H,m),3.76~3.86(1H,m),4.01(1H,brd,J=10.8Hz),4.46(1H,d,J=13.6Hz),4.60~4.69(1H,m),5.35~5.40(1H,m),5.74(1H,brs),6.08~6.16(1H,m),6.79(1H,brd,J=10.8Hz),7.27~7.53(1H,m)。
【0181】
実施例1の精製のための分取HPLC(NH4HCO3)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Waters Xbridge 150×25mm×5μm;移動相:A=10mMのNH4HCO3水溶液(v/v)、B=MeCN;グラジエント:10minにわたってA中で25~55%のB;流速:25mL/min;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0182】
実施例2:(1R,2S,5S)-N-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2,3-ジオキソ-プロピル]-3-[(2S)-2-(シクロプロパンカルボニルアミノ)-3-メチルブタノイル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド
【化40】
【0183】
工程1及び2:中間体2(125mg,0.32mmol)とシクロプロパンカルボニルクロリド(39.8mg,0.38mmol,0.03mL)から、実施例1(工程3及び4)について詳述した手順と同様の手順で、表題化合物(34.3mg,0.07mmol,白色固体)を調製した。実施例2は、分取HPLC(添加物としてNH4HCO3)により精製した。
LCMS(方法D):2.41minでm/z 461.3(M+H)。
1H NMR:(400MHz,CDCl3)δ0.03~0.13(2H,m),0.45~0.49(2H,m),0.67~0.77(4H,m),0.86(3H,s),0.93~0.96(6H,m),1.03(3H,s),1.05(1H,brd,J=3.6Hz),1.37~1.41(1H,m),1.48~1.51(1H,m),1.62~1.68(1H,m),1.75~1.83(2H,m),2.00~2.06(1H,m),3.77~3.84(1H,m),3.97(1H,brd,J=10.4Hz)、4.44~4.55(2H,m),5.26~5.43(1H,m),5.69~5.91(1H,m),6.33~6.44(1H,m),6.75~6.85(1H,m),7.26~7.49(1H,m)。
【0184】
実施例2の精製のための分取HPLC(NH4HCO3)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Waters Xbridge 150×25mm×5μm;移動相:A=10mMのNH4HCO3水溶液(v/v)、B=MeCN;グラジエント:10minにわたってA中で15~45%のB;流速:25mL/min;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0185】
実施例3:(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-アロイソロイシル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド
【化41】
【0186】
中間体1(工程90)及び実施例1(工程2-4)について詳述した手順と同様の手順を用いて、中間体1(380mg,1.29mmol)及び(2S,3R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ペンタン酸(372mg,1.61mmol)から表題化合物(50.0mg,0.10mmol,白色固体)を調製した。実施例3は、分取HPLC(添加物としてNH4HCO3)により精製した。
LCMS(方法D):2.59minでm/z 477.3(M+H)。
1H NMR:(400MHz,CDCl3)δ0.00~0.16(2H,m),0.41~0.52(2H,m),0.66~0.77(1H,m),0.84(3H,s),0.85~0.88(3H,m),0.89~0.96(3H,m),1.03(3H,s),1.06~1.10(3H,m),1.13(3H,m),1.45~1.56(2H,m),1.63~1.70(1H,m),1.71~1.90(4H,m),2.30~2.42(1H,m),3.77~3.84(1H,m),4.04(1H,d,J=10.8Hz)、4.44(1H,d,J=9.6Hz),4.51~4.58(1H,m),5.35~5.40(1H,m),5.96(1H,brs),6.15(1H,brt,J=9.8Hz),6.80(1H,brd,J=11.2Hz),7.27~7.47(1H,m)。
【0187】
実施例3の精製のための分取HPLC(NH4HCO3)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Waters Xbridge 150×25mm×5μm;移動相:A=10mMのNH4HCO3水溶液(v/v)、B=MeCN;グラジエント:10minにわたってA中で22~52%のB;流速:25mL/min;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0188】
実施例4:(1R,2S,5S)-3-(アクリロイル-L-バリル)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド
【化42】
【0189】
中間体2(130mg,0.33mmol)とプロプ-2-エノイルクロリド(38.8mg,0.43mmol,0.03mL)から、実施例1(工程3及び4)と同様の手順で表題化合物(32.4mg,0.07mmol,白色固体)を調製した。実施例4は、分取HPLC(添加物としてNH4HCO3、次いで添加物としてギ酸)により2回精製した。
LCMS(方法D):2.21minでm/z 447.0(M+H)。
1H NMR:(400MHz,CDCl3)δ0.00~0.14(2H,m),0.40~0.51(2H,m),0.68~0.74(1H,m),0.84~0.89(3H,m),0.89~0.93(3H,m),0.95~1.00(3H,m),1.02~1.07(3H,m),1.48~1.56(1H,m),1.61~1.67(1H,m),1.73~1.81(1H,m),1.86~2.09(2H,m),3.80~3.88(1H,m),3.96(1H,brd,J=10.4Hz),4.40~4.49(1H,m),4.56~4.66(1H,m),5.25~5.43(1H,m),5.64(1H,brd,J=10.4Hz),5.81~6.01(1H,m),6.08~6.17(1H,m),6.24~6.31(1H,m),6.36~6.62(1H,m),6.77~6.88(1H,m),7.26~7.45(1H,m)。
【0190】
実施例4の精製のための分取HPLC(NH4HCO3)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Waters Xbridge 150×25mm×5μm;移動相:A=10mMのNH4HCO3水溶液(v/v)、B=MeCN;グラジエント:10minにわたってA中で15~45%のB;流速:25mL/min;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0191】
実施例4の精製のための分取HPLC(ギ酸)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Shim-pack C18 150×25mm×10μm;移動相:A=水中で0.225%ギ酸(v/v)、B=MeCN;グラジエント:10minにわたってA中で12~42%のB;流速:25mL/min;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0192】
実施例5:(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-((1R,2S)-2-メチルシクロプロピル)-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド
【化43】
【0193】
(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-3-ヒドロキシ-1-((1R,2S)-2-メチルシクロプロピル)-4-オキソブタン-2-イル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1. 0]ヘキサン-2-カルボキサミドハイドロクロリド(中間体3、0.37g、1.07mmol)及び(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ブタン酸(232mg、1.07mmol)を、実施例1(工程1-4)について詳述したものと同様の手順で使用した。実施例5は、分取HPLC(添加物としてギ酸)により精製した。
LCMS(方法D2):2.59minでm/z 477.3(M+H)。
1H NMR:(400MHz,CD3OD)δ0.10~0.30(2H,m),0.34~0.62(2H,m),0.88~1.14(23H,m),1.40~1.59(2H,m),1.94~2.17(1H,m),2.43~2.57(1H,m),3.89~4.09(2H,m),4.10~4.53(3H,m).
【0194】
実施例5の精製のための分取HPLC(ギ酸)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Shim-pack C18 150×25mm×10μm;移動相:A=水中で0.225%ギ酸(v/v)、B=MeCN;グラジエント:10minにわたってA中で25~55%のB;流速:25mL/min;カラム温度:25℃;波長:220nm、254nm。
【0195】
実施例6:(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-3-シクロプロピル-2-イソブチラミドプロパノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド
【化44】
【0196】
(1R,2S,5S)-N-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(中間体1,380mg,1.29mmol)から表題化合物(76.6mg,0.16mmol,白色固体)を調製した。29mmol)及び(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-シクロプロピルプロパン酸(383mg、1.67mmol)を、中間体1(工程9)及び実施例1(工程2-4)について詳述した手順と同様の手順で使用した。実施例6は、分取HPLC(添加物としてNH4HCO3)により精製した。
LCMS(方法D):2.51minでm/z 475.6(M+H)。
1H NMR:(400MHz,CDCl3)δ-0.02~0.14(4H,m),0.39~0.50(4H,m),0.62~0.77(2H,m),0.85~0.95(3H,m),1.03(3H,s),1.06~1.10(3H,m),1.11~1.13(3H,m),1.39~1.53(2H,m),1.56~1.64(1H,m),1.64~1.77(2H,m),1.77~1.89(1H,m),2.31~2.41(1H,m),3.80~3.86(1H,m),3.91~4.00(1H,m),4.43(1H,d,J=11.2Hz),4.70~4.80(1H,m),5.29~5.43(1H,m),6.27~6.42(1H,m),6.48(1H,brdd,J=18.8,8.0Hz),6.85(1H,brd,J=9.6Hz),7.19~7.38(1H,m)。
【0197】
実施例6の精製のための分取HPLC(NH4HCO3)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Waters Xbridge 150×25mm×5μm;移動相:A=10mMのNH4HCO3水溶液(v/v)、B=MeCN;グラジエント:10minにわたってA中で18~48%のB;流速:25mL/min;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0198】
実施例7:(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド
【化45】
【0199】
(1R,2S,5S)-N-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(中間体1,180mg,0.61mmol)から表題化合物(16.1mg,0.03mmol,白色固体)を調製した。61mmol)及び(2S)-3-メチル-2-(2-メチルプロパノイルアミノ)ブタン酸(中間体4、114mg、0.61mmol)を、中間体1(工程1)及び実施例1(工程4)について詳述した手順と同様の手順で使用した。実施例7は、分取HPLC(添加物としてギ酸、次いで添加物としてNH4HCO3)により2回精製した。
LCMS(方法E):2.73minでm/z 463.3(M+H)。
1H NMR:(400MHz,CDCl3)δ0.05~0.08(1H,m),0.11~0.13(1H,m),0.47~0.50(2H,m),0.70~0.75(1H,m),0.87(3H,s),0.92~0.96(6H,m),1.05(3H,s),1.12~1.16(6H,m),1.52(1H,brs),1.68~1.72(1H,m),1.76~1.88(2H,m),2.01~2.08(1H,m),2.36~2.41(1H,m),3.80~3.85(1H,m),3.98(1H,brd,J=10.8Hz)、4.47(1H,d,J=12.0Hz),4.50~4.58(1H,m),5.35~5.43(1H,m),5.45~5.53(1H,m),5.98~6.06(1H,m),6.75~6.78(1H,m),7.21~7.44(1H,m)。
【0200】
実施例7の精製のための分取HPLC(ギ酸)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Unisil 3-100 C18 Ultra 150×50mm×3μm;移動相:A=水中で0.225%ギ酸(v/v)、B=MeCN;グラジエント:10minにわたってA中で25~55%のB;流速:25mL/min;カラム温度:25℃;波長:220nm、254nm。
【0201】
実施例7の精製のための分取HPLC(NH4HCO3)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Waters Xbridge 150×25mm×5μm;移動相:A=10mMのNH4HCO3水溶液(v/v)、B=MeCN;グラジエント:9minにわたってA中で21~51%のB;流速:25mL/min;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0202】
実施例8:(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-6,6-ジメチル-3-(((S)-2-メチルブタノイル)-L-バリル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド
【化46】
【0203】
(1R,2S,5S)-N-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-3-[(2S)-2-アミノ-3-メチル-ブタノイル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3. 1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(中間体2、120mg、0.28mmol))及び(2S)-2-メチルブタン酸(28.4mg、0.28mmol)を、実施例1(工程1及び4)について詳述したものと同様の手順で使用した。実施例8を分取HPLC(添加物としてギ酸)で精製した。
LCMS(方法D2):2.60minでm/z 477.0(M+H)。
1H NMR:(400MHz,CDCl3)δ0.00~0.20(2H,m),0.42~0.55(2H,m),0.68~0.76(1H,m),0.82~0.88(6H,m),0.91~0.99(6H,m),1.05(3H,s),1.14(3H,d,J=6.8Hz),1.36~1.42(1H,m),1.48~1.54(1H,m),1.56~1.72(2H,m),1.75~1.89(2H,m),1.95~2.09(1H,m),2.11~2.22(1H,m),3.75~3.90(1H,m),4.01~4.04(1H,m),4.41~4.65(2H,m),5.39(1H,brs),5.60~5.83(1H,m),6.04~6.25(1H,m),6.78(1H,brd,J=11.6Hz),7.42(1H,brd,J=7.2Hz)。
【0204】
実施例8の精製のための分取HPLC(ギ酸)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Phenomenex luna C18 150×25mm,10μm;移動相:A=水中で0.225%ギ酸(v/v)、B=MeCN;グラジエント:10minにわたってA中で32~62%のB;流速:25mL/min;カラム温度:25℃;波長:220nm、254nm。
【0205】
実施例9:(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-(シクロプロパンカルボキサミド)-2-シクロプロピルアセチル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド
【化47】
【0206】
中間体1(工程1)及び実施例1(工程2-4)について詳述した手順と同様の手順を用いて、中間体1(560mg,1.90mmol)及び(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-シクロプロピル酢酸(612mg,2.84mmol)から表題化合物(10.9mg,0.02mmol,白色固体)を調製した。実施例9は、分取HPLC(添加物としてNH4HCO3)により精製した。
LCMS(方法D2):2.44minでm/z 459.3(M+H)。
1H NMR:(400MHz,CDCl3)δ0.01~0.19(2H,m),0.40~0.61(6H,m),0.67~0.81(3H,m),0.86~0.94(3H,m),0.94~1.03(2H,m),1.03~1.10(3H,m),1.10~1.23(1H,m),1.36~1.42(1H,m),1.46~1.53(1H,m),1.66~1.71(1H,m),1.72~1.89(2H,m),3.76~3.99(2H,m),4.22~4.45(1H,m),4.45~4.66(1H,m)、5.36~5.64(1H,m),6.34~6.59(1H,m),6.66~6.83(1H,m)。
【0207】
実施例9の精製のための分取HPLC(NH4HCO3)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Waters Xbridge 150×25mm×5μm;移動相:A=10mMのNH4HCO3水溶液(v/v)、B=MeCN;グラジエント:10minにわたってA中で15~45%のB;流速:25mL/min;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0208】
実施例10:(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-シクロプロピル-2-イソブチルアセチル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド
【化48】
【0209】
中間体1(工程1)及び実施例1(工程2-4)について詳述した手順と同様の手順を用いて、中間体1(560mg,1.90mmol)及び(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2-シクロプロピル酢酸(612mg,2.84mmol)から表題化合物(20.2mg,0.04mmol白色固体)を調製した。実施例10は、分取HPLC(添加物としてNH4HCO3)により精製した。
LCMS(方法D2):2.48minでm/z 461.5(M+H)。
1H NMR:(400MHz,CDCl3)δ0.01~0.06(1H,m),0.09~0.14(1H,m),0.40~0.52(6H,m),0.68~0.73(1H,m),0.89(3H,s),1.04(3H,s),1.13(6H,dd,J=15.6,6.8Hz),1.47~1.53(1H,m),1.68(1H,dd,J=7.6,2.0Hz),1.78~1.83(2H,m),1.84~1.90(1H,m),2.34~2.42(1H,m),3.82~3.90(2H,m),4.36(1H,brt,J=7.8Hz),4.46(1H,d,J=16.8Hz),5.36~5.45(1H,m),5.77~5.91(1H,m),6.32~6.34(1H,m),6.75~6.87(1H,m),7.22~7.34(1H,m)。
【0210】
実施例10の精製のための分取HPLC(NH4HCO3)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Waters Xbridge 150×25mm×5μm;移動相:A=10mMのNH4HCO3水溶液(v/v)、B=MeCN;グラジエント:10minにわたってA中で15~45%のB;流速:25mL/min;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0211】
実施例11:(1R,2S,5S)-N-(4-(ベンジルアミノ)-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド
【化49】
【0212】
工程1:HATU(1.23g、3.23mmol)を、DMF(10mL)中の(1R,2S,5S)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボン酸(中間体5、0.70g、2.16mmol)の溶液に添加し、反応混合物をrtで10分間撹拌した。3-アミノ-N-ベンジル-4-シクロプロピル-2-ヒドロキシブタンアミド(中間体6、0.53g、2.16mmol)及びDIPEA(1.11mL、6.47mmol)を加え、rtで18時間撹拌した後、反応混合物を冷水(150mL)とEtOAc(70mL)の間で分配した。相を分離し、水層をEtOAc(3x70mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。水中0~60%MeCNで溶出する逆相勾配カラムクロマトグラフィー(C18シリカ)による精製により、(1R,2S,5S)-N-((2S)-4-(ベンジルアミノ)-1-シクロプロピル-3-ヒドロキシ-4-オキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(0.59g,1.06mmol)を白色固体として得た。
LCMS(方法G):2.20、2.25、2.38minでm/z 555.9(M+H)。
【0213】
工程2:IBX(0.40g、1.44mmol)を、(1R,2S,5S)-N-((2S)-4-(ベンジルアミノ)-1-シクロプロピル-3-ヒドロキシ-4-オキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(0.40g,0.72mmol)の溶液に、DMSO(5mL)中で、rtで加え、反応混合物を60℃で2時間撹拌した。水(50mL)及びEtOAc(30mL)を加え、相を分離し、水相をEtOAc(2x50mL)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。水中で0~60%のMeCNで溶出する逆相勾配カラムクロマトグラフィー(C18シリカ)による精製により、実施例11(0.22g、0.40mmol)を白色固体として得た。
LCMS(方法H):7.70、及び7.958.29minでm/z 553.3(M+H)。
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6)δ0.08~0.07(m,2H),0.41~0.35(m,2H),0.77~0.69(m,9H),1.01~0.83(m,10H),1.32(d,1H,J=7.6Hz),1.49~1.40(m,2H),1.79~1.69(m,1H),1.91~1.90(m,1H),2.45~2.41(m,1H),3.75~3.72(m,1H),3.89(d,1H,J=10.4Hz),4.11(t,1H,J=9.2Hz),4.43~4.25(m,3H)、5.10~5.05(m,1H),7.33~7.24(m,5H),7.97(d,1H,J=8.4Hz),8.50(d,1H,J=6.4Hz),9.26(t,1H,J=6.0Hz)。
【0214】
実施例12:(1R,2S,5S)-N-(1-シクロプロピル-4-(シクロプロピルアミノ)-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド
【化50】
【0215】
工程1:EDCI-HCl(0.19g、1.03mmol)及びHOBt(0.11g、0.86mmol)を、4-シクロプロピル-2-ヒドロキシ-3-((1R,2S,5S)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド)ブタン酸(中間体8、0.40g、0.86mmol)及びシクロプロピルアミン(59mg、1.03mmol)をEtOAc(4mL)及びH2O(1mL)中0℃で混合し、反応混合物をrtで3時間撹拌した後、真空中で濃縮した。水中で0~46%のMeCNで溶出する逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(C18シリカ)による精製により、(1R,2S,5S)-N-(1-シクロプロピル-4-(シクロプロピルアミノ)-3-ヒドロキシ-4-オキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(0.25g,0.50mmol)をオフホワイト固体として得た。
LCMS(方法I):1.51、1.57、1.66minでm/z 505.6(M+H)。
【0216】
工程2:DMP(0.31g、0.74mmol)を、(1R,2S,5S)-N-(1-シクロプロピル-4-(シクロプロピルアミノ)-3-ヒドロキシ-4-オキソブタン-2-イル)-3-(イソブチリル-L-バリル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(0.25g、0.49mmol)の溶液に、EtOAc(3mL)中で添加し、反応混合物をrtで48時間撹拌した。セライトで濾過し、EtOAc(50mL)で洗浄した後、濾液を真空内で濃縮した。逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(C18シリカ)により精製し、修飾因子として0.1%ギ酸を含む水中0~65%MeCNで溶出すると、実施例12(31mg,0.06mmol)がオフホワイトの固体として得られた。
LCMS(方法I):1.48、1.75minでm/z 503.5(M+H)。
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6)δ0.08~0.03(m,2H),0.42~0.37(m,2H),0.56(s,2H),0.65~0.63(d,2H,J=7.2Hz),0.75~0.74(m,9H),1.11~0.82(m,10H),1.48~1.23(m,3H),1.89~1.69(m,1H),1.92~1.90(m,1H),2.50~2.33(m,1H),2.74~2.60(m,1H),3.74~3.70(m,1H),3.91~3.88(m,1H),4.12~4.07(m,1H)、4.29(s,1H),5.05~5.01(m,1H),7.98~7.96(d,1H,J=8.4Hz),8.47~8.46(d,1H,J=6.4Hz),8.75~8.74(d,1H,J=4.8Hz)。
【0217】
実施例26:(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3-メチル-3-フェニルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド
【化51】
【0218】
中間体9(31.0mg,0.05mmol)から、実施例1(工程2-4)と同様の手順で表題化合物(18.2mg,0.03mmol白色固体)を調製した。実施例26を分取HPLC(添加物としてNH4HCO3)で精製した。
LCMS(方法J):2.80minでm/z539.3 (M+H)。
1H NMR:(400MHz,CDCl3)δ0.03~0.22(2H,m),0.43~0.57(2H,m),0.71~0.78(3H,m),0.78~0.89(1H,m),0.94~0.98(3H,m),1.02~1.08(6H,m),1.27~1.32(1H,m),1.40~1.48(6H,m),1.52~1.62(1H,m),1.80~1.91(2H,m),2.27~2.35(1H,m),2.83~2.89(1H,m),3.69~3.72(1H,m),4.32~4.36(1H,m)、4.97~5.01(1H,m),5.27~5.43(1H,m),5.72~5.88(1H,m),6.09~6.20(1H,m),6.81(1H,brs),7.17~7.23(1H,m),7.26~7.34(2H,m),7.38(2H,d,J=7.6Hz),7.41~7.52(1H,m)。
【0219】
実施例26の精製のための分取HPLC(NH4HCO3)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Waters Xbridge 150×25mm×5μm;移動相:A=10mMのNH4HCO3水溶液(v/v)、B=MeCN;グラジエント:10minにわたってA中で30~60%のB;流速:25mL/min;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0220】
実施例28:(1R,2S,5S)-N-(4-(アゼチジン-1-イル)-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド
【化52】
【0221】
工程1:N-メチルモルホリン(0.17mL,1.59mmol)を、4-シクロプロピル-2-ヒドロキシ-3-((1R,2S,5S)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド)ブタン酸(中間体10,0.19g、0.40mmol)及びアゼチジン(32mg、0.48mmol)をDMF(2.8mL)中、0℃で添加し、反応混合物をrtで4時間撹拌し、水(80mL)を添加し、混合物をEtOAc(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮した。水中0%~60%MeCNで溶出する逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカC18)による精製により、(1R,2S,5S)-N-(4-(アゼチジン-1-イル)-1-シクロプロピル-3-ヒドロキシ-4-オキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(0.15g,0.29mmol)を褐色固体として得た。
LCMS(方法F3):1.58、1.65及び1.70minでm/z 519.4(M+H)。
【0222】
工程2:デス-マーチンペリオジナン(0.17g、0.41mmol)を、(1R,2S,5S)-N-(4-(アゼチジン-1-イル)-1-シクロプロピル-3-ヒドロキシ-4-オキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(0.14g,0.27mmol)の溶液に、EtOAc(3mL)中で添加し、反応混合物をrtで16時間撹拌した後、セライトベッドで濾過し、EtOAc(100mL)で洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、逆相勾配フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカC18)で精製した。1%ギ酸)により、実施例28、(1R,2S,5S)-N-(4-(アゼチジン-1-イル)-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-2-イソブチルアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(57mg、0.11mmol)を白色固体として得た。
LCMS(方法K):7.49minでm/z 517.0(M+H)。
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6)δ0.03~0.11(m,2H),0.35~0.43(m,2H),0.80~1.03(m,22H),1.29~1.31(m,1H),1.43~1.50(m,2H),1.69~1.71(m,1H),2.23~2.27(t,2H,J=7.8Hz),2.54~2.59(m,1H),3.77~3.85(m,2H),3.88~4.00(m,2H),4.20~4.33(m,3H),4.39~4.41(d,1H,J=9.6Hz),4.72~4.77(m,1H)、7.74~7.76(d,1H,J=9.2Hz),8.52~8.53(d,1H,J=6.4Hz)。
【0223】
実施例34:(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-3,3-ジメチル-2-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)ブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド
【化53】
【0224】
工程1:CH2Cl2(5mL)中で、(1R,2S,5S)-N-[3-アミノ-1-(シクロプロピルメチル)-2-ヒドロキシ-3-オキソ-プロピル]-3-[(2S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル]-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(実施例1、工程2生成物、400mg、0.98mmol)の混合物に、Et3N(0.20mL、1.47mmol)及びTFAA(0.20mL、1.47mmol、0.20mL)のCH2Cl2(2mL)中溶液を0℃で滴下添加した。反応混合物を25℃で2時間撹拌した後、H2O(40mL)を加えた。酢酸エチル(20mLx3)で抽出した後、合わせた有機相をブライン(30mLx3)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。分取HPLC(添加物としてギ酸)による精製により、(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3-ヒドロキシ-4-オキソブタン-2-イル)-3-((S)-3,3-ジメチル-2-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)ブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(170mg,0.34mmol)を白色固体として得た。
LCMS(方法A):0.81minでm/z 505.2(M+H)。
1H NMR:(400MHz,MeOD-d4)δ-0.08~0.21(2H,m),0.26~0.53(2H,m),0.64~1.14(16H,m),1.16~2.32(4H,m),3.60~4.73(6H,m)。
【0225】
工程1の精製のための分取HPLC(ギ酸)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Unisil 3-100 C18 Ultra 150×50mm×3μm;移動相:A=水中で0.225%ギ酸(v/v)、B=MeCN;グラジエント:10minにわたってA中で30~60%のB;流速:25mL/min;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0226】
工程2:IBX(305mg、1.09mmol)を、(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3-ヒドロキシ-4-オキソブタン-2-イル)-3-((S)-3,3-ジメチル-2-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)ブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(220mg,0.44mmol)の溶液に、DMSO(3mL)中で添加し、反応混合物を25℃で2時間撹拌した後、H2O(20mL)を加え、酢酸エチル(20mLx3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。分取HPLC(添加物としてギ酸)による精製により、(1R,2S,5S)-N-(4-アミノ-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-3,3-ジメチル-2-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)ブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(195mg,0.39mmol)を白色固体としてもたらした。
LCMS(方法J):3.04minでm/z 503.3(M+H)。
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6)δ-0.14~0.16(2H,m),0.24~0.49(2H,m),0.56~1.20(16H,m),1.34~1.77(4H,m),3.47~3.99(2H,m),4.17~4.64(2H,m),4.74~5.38(1H,m),7.66~7.85(1H,m),7.86~8.11(1H,m),8.26~8.74(1H,m),9.15~9.59(1H,m)。
【0227】
工程1の精製のための分取HPLC(ギ酸)法。装置:Shimadzu LC-20AP;カラム:Unisil 3-100 C18 Ultra 150×50mm×3μm;移動相:A=水中で0.225%ギ酸(v/v)、B=MeCN;グラジエント:10minにわたってA中で33~63%のB;流速:25mL/min;カラム温度:40℃;波長:220nm、254nm。
【0228】
実施例35:(1R,2S,5S)-N-(4-(アゼチジン-1-イル)-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-3,3-ジメチル-2-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)ブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド
【化54】
【0229】
工程1:LiOH(154mg、6.37mmol)を、THF/MeOH/H2O(32mL、10:3:3:3)中のメチル(1R,2S,5S)-3-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキシレート(中間体10、工程1生成物、2.50g、6.37mmol)の懸濁液に、THF/MeOH/H2O(32mL、10:3:3)中で添加し、混合物をrtで3時間撹拌した。水層を1.5N HClでpH2~3程度まで酸性化し、DCM(2x30mL)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4上で乾燥し、真空中で濃縮して、(1R,2S,5S)-3-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボン酸(2.12g,5.60mmol)を白色固体としてもたらし、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
LCMS(方法L):2.26minでm/z 369.3(M+H)。
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6)δ12.53(br s,1H),6.68(d,J=9.6Hz,1H),4.13(s,1H),4.05(d,J=9.6Hz,1H),3.91(d,J=10.4Hz,1H),3.79~3.74(m,1H),1.51~1.47(m,1H),1.41~1.37(m,1H),1.35(s,9H),1.01(s,3H),0.94(s,9H),0.84(s,3H)。
【0230】
工程2:SOCl2(1.15mL、15.6mmol)を、EtOH(20mL)中の3-アミノ-4-シクロプロピル-2-ヒドロキシブタンアミド(2.50g、15.6mmol)の撹拌溶液に0℃で加え、反応混合物を65℃で15時間撹拌した。真空中で濃縮し、トルエン(2x20mL)で共沸すると、粗製の3-アミノ-4-シクロプロピル-2-ヒドロキシブタン酸エチル(2.10g)が褐色の半固形物として得られ、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
LCMS(方法L):1.03minでm/z 188.3(M+H)。
【0231】
工程3:(1R,2S,5S)-3-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボン酸の懸濁液(2.45g,6.25mmol)及びDCM(20mL)中の3-アミノ-4-シクロプロピル-2-ヒドロキシブタン酸エチル(1.65g,7.50mmol)に、DIPEA(3.37mL,18.8mmol)をrtで、続いてT3P(EtOAc中50%)(5.58mL,9.38mmol)を0℃で加えた。得られた反応混合物をrtで3時間撹拌し、10%水性NaHCO3をrtで添加し、混合物をDCM(2x25mL)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4上で乾燥し、真空中で濃縮した。石油エーテル中0~50%EtOAcで溶出する、シリカ上の勾配フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により、エチル3-((1R,2S,5S)-3-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド)-4-シクロプロピル-2-ヒドロキシブタノエート(2.30g,4.19mmol)を淡黄色ガムとして得た。
LCMS(方法L):2.43~2.47minでm/z 538.4(M+H)。
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6)δ7.90(d,J=8.8Hz,1H),6.57(d,J=9.2Hz,1H),5.57~5.50(m,1H),4.27(d,J=2.8Hz,1H),4.11~4.09(m,1H),4.04~4.00(m,4H),3.95~3.85(m,1H),3.82~3.71(m,1H),1.40(s,9H),1.18~1.13(m,6H),1.05~0.95(m,4H),0.93~0.83(m,10H),0.72~0.61(m,1H),0.35~0.09(m,2H),0.15~~0.15(m,2H)。
【0232】
工程4:1,4-ジオキサン中の4M HCl(5mL、20mmol)の溶液に、エチル3-((1R,2S,5S)-3-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド)-4-シクロプロピル-2-ヒドロキシブタノエート(2.20g、4.01mmol)をDCM(10mL)中0℃で滴下し、反応混合物をrtで3時間撹拌した。上澄み層を反応混合物からデカントし、固体グミ残渣をMTBE(10mL)で粉砕した。MTBE層をデカントし、残渣を真空中で乾燥して、粗エチル 3-((1R,2S,5S)-3-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド)-4-シクロプロピル-2-ヒドロキシブタノエートハイドロクロリド(1.80g)をオフホワイト固体としてもたらし、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
LCMS(方法L):1.42~1.79minでm/z 438.4(M+H)。
【0233】
工程5:LiOH(296mg、12.2mmol)を、エチル 3-((1R,2S,5S)-3-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド)-4-シクロプロピル-2-ヒドロキシブタノエートハイドロクロリド(1.45g,2.45mmol)の懸濁液に、THF/MeOH/H2O(16mL,10:3:3)中で、rtで滴下した。rtで3時間攪拌した後、水(5mL)を加え、混合物を1.5Nの塩酸水溶液でpH約2~3に酸性化し、反応混合物を真空中で濃縮し、トルエン(3x20mL)と共沸させて、粗3-((1R,2S,5S)-3-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド)-4-シクロプロピル-2-ヒドロキシブタン酸ハイドロクロリド(2.2g)を淡褐色固体としてもたらし、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
LCMS(方法L):1.05~1.53minでm/z 410.3(M+H)。
【0234】
工程6:トリメチルアミン(1.04mL,7.38mmol)及び2,2,2-トリフルオロ酢酸エチル(0.48mL,4.92mmol)の溶液に、3-((1R,2S,5S)-3-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド)-4-シクロプロピル-2-ヒドロキシブタン酸ハイドロクロリド(2.4g、2.46mmol)をMeOH(20mL)中0℃で加え、反応混合物をrtで16時間撹拌した。次いで、反応混合物を1,4-ジオキサン中4M塩酸(3mL、12mmol)で酸性化し、水(10mL)を加え、EtOAc(2×25mL)で抽出する前に真空中で濃縮した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮し、トルエン(3x20mL)と共沸させて、粗4-シクロプロピル-3-((1R,2S,5S)-3-((S)-3,3-ジメチル-2-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)ブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド)-2-ヒドロキシブタン酸(1.20g)をオフホワイト固体としてもたらし、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
LCMS(方法L):2.03~2.09minでm/z 506.4(M+H)。
【0235】
工程7:N-メチルモルホリン(NMM、1.37mL、12.4mmol)を、アゼチジンハイドロクロリド(467mg、4.94mmol)及び4-シクロプロピル-3-((1R,2S,5S)-3-((S)-3,3-ジメチル-2-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)ブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド)-2-ヒドロキシブタン酸(1.42g,2.47mmol)をDMF(5mL)に溶解し、反応混合物をrtで5分間撹拌した。HATU(1.42g,3.71mmol)を0℃で添加し、反応混合物をrtで2時間撹拌した後、水(2mL)を添加し、バキュオで濃縮した。水中0%~70%MeCNで溶出するシリカC18上の勾配逆相フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により、(1R,2S,5S)-N-(4-(アゼチジン-1-イル)-1-シクロプロピル-3-ヒドロキシ-4-オキソブタン-2-イル)-3-((S)-3,3-ジメチル-2-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)ブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(0.75g,1.18mmol)をオフホワイト固体として得た。
LCMS(方法L):2.06~2.14minでm/z 545.3(M+H)。
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6)δ9.43~9.31(m,1H),7.94~7.71(m,1H),5.22~5.01(m,1H),4.43~4.31(m,1H),4.30~4.17(m,3H),4.15~3.70(m,4H),2.28~2.18(m,2H),1.57~1.48(m,2H),1.31~1.22(m,2H),1.21~0.82(m,17H),0.76~0.65(m,1H),0.39~0.17(m,2H),0.15~~0.19(m,2H)。
【0236】
工程8:デス-マーチンペリオジナン(1.17g,2.75mmol)を、(1R,2S,5S)-N-(4-(アゼチジン-1-イル)-1-シクロプロピル-3-ヒドロキシ-4-オキソブタン-2-イル)-3-((S)-3,3-ジメチル-2-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)ブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(0.50g,0.92mmol)の溶液に、EtOAc(10mL)中で、rtで添加し、反応混合物をrtで2時間撹拌した後、EtOAc(10mL)を加えた。混合物をセライトで濾過し、残渣をEtOAc(50mL)で洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、0.25gの(1R,2S,5S)-N-(4-(アゼチジン-1-イル)-1-シクロプロピル-3-ヒドロキシ-4-オキソブタン-2-イル)-3-((S)-3,3-ジメチル-2-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)ブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド)。シリカC18上の勾配逆相フラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製(H2O+0.1%TFA)により、(1R,2S,5S)-N-(4-(アゼチジン-1-イル)-1-シクロプロピル-3,4-ジオキソブタン-2-イル)-3-((S)-3,3-ジメチル-2-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)ブタノイル)-6,6-ジメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-カルボキサミド(実施例35、185mg、0.33mmol)を白色固体として得た。
LCMS(方法L):2.34minで、m/z 543.3(M+H)。
1H NMR:(400MHz,DMSO-d6)δ9.40~9.35(m,1H),8.73~8.58(m,1H),4.81~4.51(m,1H),4.44~4.18(m,2H),3.97~3.69(m,4H),2.34~2.22(m,2H),1.73~1.34(m,3H),1,34~1.28(m,1H),1.06~0.76(m,18H),0.42~0.36(m,2H),0.18~~0.05(m,2H)。
【0237】
生物活性
SARS-CoV-2 Mproのコンストラクトデザイン
SARS CoV-2-Mpro(メインプロテアーゼ/3C様プロテアーゼ、UniProt ID:P0DTD1)タンパク質配列は、その自己切断境界まで、及びP1グルタミン残基を含む先行するN末端5アミノ酸残基と同様に、大腸菌発現のためにコドン最適化され、BamHI及びXhoI部位を用いてpET26b(Merck、#US169862-3)又はpGEX6P1(Fisher Scientific、#10350355)ベクターにクローニングされた。こうして、発現構築物は、ネイティブなウイルスN末端配列と、P2’位置に代替リジン残基を持つC末端改変3Cプロテアーゼ切断部位(LEVLFQGK)と、それに続くポリヒスチジン(His-8)タグを特徴とした。
【0238】
タンパク質の発現と精製
化学的に適格性のあるBL21(DE3)-RIL大腸菌(Agilent、#230240)細胞を、関連するコロナウイルスMproコンストラクトで形質転換し、適切な抗生物質を補充したLB寒天プレート上で、37℃で一晩培養した。培養はすべて37℃で行った。分光光度計で、600nmで測定した光学濃度(OD)が2.0を超えないように注意しながら、コロニーの掻き取りを15mLの抗生物質添加LB培地で約2時間培養した。この前培養液を500mLの発現培養液に接種した:IPTG誘導発現用のLB培地、又は自己誘導スーパーブロス培地(Formedium、#AIMSB0210)。LB培地では、最終濃度0.5mMのIPTGを添加し、0.7~1.0のODで発現を誘導した。その後、18℃で一晩培養した。自己誘導発現では、0.7~1.0のODが観察された時点で温度を18℃に下げ、一晩培養した。遠心分離で細胞を回収し、使用するまで凍結した。
【0239】
解凍した細胞を再懸濁バッファーに再懸濁した:20mMのTris-HCl pH8.0、150mMのNaCl、DNase I(Merck#4716728001)に懸濁し、超音波処理で溶解した。この溶解液を23,000rcf、15分間、4℃で遠心分離して清澄化した。上清を5mLのNiNTA樹脂(Cytiva、#17-5248-02)に0.5mL/分の流速で負荷した。樹脂を、20mMイミダゾールを含む上記と同じ緩衝液で洗浄した。250mMのイミダゾールを含む同じバッファーでMproタンパク質を溶出した。Superdex S75 16/60 pg(GE、#GE28-9893-33)カラムを用い、再懸濁バッファーで標的タンパク質をさらに精製した。タンパク質の純度はSDS-PAGEで評価し、質量分析で同一性を確認した。精製したタンパク質は濃縮し、後で使用するまで凍結保存した。
【0240】
SARS-CoV-2 Mpro酵素アッセイ
SARS-Cov-2 Mproの活性は、FRET基質Dabcyl-KTSAVLQSGFRKM-E(Edans)-Amideを用いた蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ベースの酵素アッセイで決定した。簡単に説明すると、100nLの試験化合物(濃度は10μM~0.00051μM)を、20mMのTris(pH7.5)、100mMのNaCl、1mMのEDTAを含むアッセイバッファー中で、5μLの5nM(最終濃度)Mpro酵素と室温で20分間プレインキュベートした。25μM(最終濃度)のFRET基質(Dabcyl-KTSAVLQSGFRKM-E(Edans)-Amide)を5μL添加し、反応を開始した。得られたEx=360nm/Em=490nmの蛍光強度を、PHERAstarプレートリーダー(BMG Labtech)を用いて、室温で60分間、90秒ごとに測定した。MARSソフトウェア(BMG Labtech)を用いて、反応の直線部分を選択し、1分あたりのRFUを算出した。pIC50及びpKiは、4PL GraphPad Prismを用いて測定し、データは平均n=2±SDで表した。本発明の化合物のpKi値を表2に示す。
【表2-1】
【表2-2】
【国際調査報告】