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特表2024-511886新規の複素環式化合物およびその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】新規の複素環式化合物およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20240308BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240308BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20240308BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240308BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20240308BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20240308BHJP
   A61P 25/32 20060101ALI20240308BHJP
   A61P 25/30 20060101ALI20240308BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240308BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20240308BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20240308BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20240308BHJP
   A61K 31/4375 20060101ALI20240308BHJP
   C07D 471/14 20060101ALI20240308BHJP
   C12N 15/54 20060101ALN20240308BHJP
   C12N 15/60 20060101ALN20240308BHJP
【FI】
C07D471/04 104Z
C07D471/04 CSP
A61P25/00
A61P25/16
A61P25/28
A61P25/22
A61P25/24
A61P25/32
A61P25/30
A61P43/00 105
A61P3/04
A61P3/02 109
A61K31/437
A61K31/4375
C07D471/14 101
C12N15/54 ZNA
C12N15/60
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561049
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 FI2022050205
(87)【国際公開番号】W WO2022207979
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】20215387
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523375250
【氏名又は名称】エキノーム リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】タキオ ヴィレ
【テーマコード(参考)】
4C065
4C086
【Fターム(参考)】
4C065AA03
4C065AA05
4C065AA18
4C065BB04
4C065CC01
4C065CC03
4C065CC05
4C065DD02
4C065EE02
4C065EE03
4C065HH02
4C065JJ01
4C065JJ02
4C065JJ04
4C065KK01
4C065LL02
4C065LL04
4C065PP01
4C065QQ01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086CB05
4C086CB09
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA55
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA12
4C086ZA16
4C086ZA70
4C086ZB21
(57)【要約】
本発明は、一般式(I)の化合物およびその立体異性体ならびに薬学的に許容される塩に関し;ここで、R1、R2、R7、Ra、Rb、Rcおよび点線は、特許請求の範囲に定義される通りである。本発明はまた、式(I)の化合物を含む医薬組成物、および医薬品として、特に薬物中毒およびCNS関連疾患および状態の治療または予防に使用するための前記化合物に関する。さらに、本発明は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体の調製方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
[式中、
点線は、任意の結合を表し;
およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、1H-インドール基およびベンゼン基から選択される基を形成し、前記1H-インドール基およびベンゼン基は、R、R、RおよびRからなる群から各々独立して選択される1~4つの置換基で任意に置換されており、ここで、各R、R、RおよびRは、ハロゲン、OH、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキル、C1~3-アルコキシ、C1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から独立して選択され;
およびRは、それらが結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、5員および6員環式アミドから選択される基を形成し、かつ
は、Hであるか;または
は、Meであり、かつ
およびRは、それらが結合している窒素原子および炭素原子と一緒になって、5員および6員環式アミドから選択される基を形成するか;または
は、Meであり、
は、Hであるか、または前記点線が結合を表す場合にはRは存在せず、かつ
は、Hであるが、ただし、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、前記任意に置換された1H-インドール基を形成するものとし;
は、ハロゲン、OH、SH、NOR、C1~3-(パー)ハロアルコキシ、CN、C(O)N(RおよびN(Rからなる群から選択されるか、または
は、C1~4-アルキルであってもよいが、ただし、前記1H-インドール基またはベンゼン基は、ハロゲン、OH、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキル、C1~3-アルコキシ、C1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択される1~4つの置換基で置換されているものとし、または
は、Hであってもよいが、ただし、
およびRが、それらが結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、5員および6員環式アミドから選択される基を形成し、RがHである場合、RおよびRは、ハロゲン、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択されるか、または
が、Meであり、RおよびRが、それらが結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、6員環式アミドを形成する場合、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、前記任意に置換された1H-インドール基を形成するか、または
が、Meであり、RおよびRが、それらが結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、5員環式アミドを形成し、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、1H-インドール基またはベンゼン基を形成する場合、前記1H-インドール基またはベンゼン基は、ハロゲン、OH、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキル、C1~3-アルコキシおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択される1~4つの置換基で置換されているか、または
が、Meであり、Rが、Hであり、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換1H-インドール基を形成する場合、前記置換1H-インドール基のRおよびRは、ハロゲン、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択され;
各Rは、H、C1~4-アルキル、C1~4-アルケニル、C1~4-アルキニルおよびC1~3-(パー)ハロアルキルからなる群から独立して選択されるか、またはいずれかのN(Rの一部である場合には、双方のRは、それらが結合している窒素と一緒になって、N、OおよびSから各々独立して選択される1~3つのヘテロ原子を含む3~6員の脂肪族もしくは芳香族複素環式環を形成してもよい]の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項2】
前記化合物は、式(Ia)、(Ib)または(Ic)
【化2】
[式中、
およびRは、それらが結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、5員および6員環式アミドから選択される基を形成し、かつ
は、Hであるか;または
は、Meであり、かつ
およびRは、それらが結合している窒素原子および炭素原子と一緒になって、5員および6員環式アミドから選択される基を形成し;
は、Hであるか、または前記点線が結合を表す場合にはRは存在せず;かつ
、R、R、R、R、Rおよび前記点線は、請求項1で定義されるとおりである]を有する、請求項1記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項3】
前記化合物は、式(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)
【化3】
[式中、
mは、1または2であり;
nは、1または2であり;
は、Hであるか、または前記点線が結合を表す場合にはRは存在せず;かつ
前記点線、R、R、R、R、RおよびRは、請求項1で定義されるとおりである]を有する、請求項1または2記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項4】
前記化合物は、式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)
[式中、
mは、1または2であり;
nは、1または2であり;
、R、R、R、RおよびRは、請求項1で定義されるとおりである]を有する、請求項2または3記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項5】
前記化合物は、式(Ic)
[式中、
は、Hであるか、または前記点線が結合を表す場合にはRは存在せず;かつ
前記点線、R、R、R、R、RおよびRは、請求項1で定義されるとおりである]を有する、請求項2または3記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項6】
およびRは、H、ハロゲン、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択され;
およびRは、双方がハロゲンであるか、またはRおよびRの一方がハロゲンであり、他方がC1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルもしくはC1~3-(パー)ハロアルコキシであり;かつ
は、H、ハロゲン、OH、NOR、C1~4-アルキルおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から選択される、請求項1から5までのいずれか1項記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項7】
およびRは、H、ハロゲン、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択され;
およびRは、双方がFであるか、またはRおよびRの一方がFであり、他方がC1~4-アルキルもしくはC1~3-(パー)ハロアルキルであり;かつ
は、H、ハロゲン、OH、NOR、C1~4-アルキルおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から選択される、請求項1から6までのいずれか1項記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項8】
およびRは、Hおよびハロゲンから各々独立して選択され;
およびRは、双方がFであるか、またはRおよびRの一方がFであり、他方がC1~4-アルキルもしくはC1~3-(パー)ハロアルキルであり;かつ
は、H、F、OHおよびC1~4-アルキルからなる群から選択される、請求項1から7までのいずれか1項記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項9】
、RおよびRは、Hであり;かつ
およびRは、Fである、請求項1から8までのいずれか1項記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項10】
およびRは、Hであり;かつ
、RおよびRは、Fである、請求項1から8までのいずれか1項記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項11】
は、Meであり;かつ
およびRは、それらが結合している窒素原子および炭素原子と一緒になって、5員および6員環式アミドから選択される基を形成する、請求項10記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項12】
およびRは、H、ハロゲン、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択され;
およびRは、双方がFであるか、またはRおよびRの一方がハロゲンであり、他方がH、C1~4-アルキルもしくはC1~3-(パー)ハロアルキルであり;かつ
は、ハロゲン、OH、C1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から選択される、請求項1から5までのいずれか1項記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項13】
およびRは、HおよびFからなる群から各々独立して選択され;
およびRは、双方がFであるか、またはRおよびRの一方がFであり、他方がH、C1~4-アルキルもしくはC1~3-(パー)ハロアルキルであり;かつ
は、F、OHからなる群から選択される、請求項1から5までまたは請求項12のいずれか1項記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項14】
前記化合物は、
5-フルオロ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール;
6-フルオロ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール;
4,6-ジフルオロ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール;
7-フルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(7R,12bS)-7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(7R,12bR)-7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(7S,12bR)-7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
7,9-ジフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
7,8,10-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
4,5,6,7-テトラフルオロ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール;
5,6-ジフルオロ-1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドール;
5,6,7-トリフルオロ-1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドール;
4,5,6,7-テトラフルオロ-1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドール;
7,8,10-トリフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン;
(5S,10R,10aR)-7,8,10-トリフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン;
(5S,10R,10aS)-7,8,10-トリフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン;
(5S,10S,10aR)-7,8,10-トリフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン;
7,10-ジフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン;
9,10-ジフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン;
7,8-ジフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン;
(5R,11S)-10,11-ジフルオロ-5-メチル-1,2,5,6,11,11a-ヘキサヒドロ-3H-インドリジノ[6,7-b]インドール-3-オン;
(6R,12S)-12-フルオロ-6-メチル-6,9,10,11,11a,12-ヘキサヒドロインドロ[3,2-b]キノリジン-8(5H)-オン;
(5R,11S)-11-フルオロ-5-メチル-1,2,5,6,11,11a-ヘキサヒドロ-3H-インドリジノ[6,7-b]インドール-3-オン;
(6R,12S)-1,12-ジフルオロ-6-メチル-6,9,10,11,11a,12-ヘキサヒドロインドロ[3,2-b]キノリジン-8(5H)-オン;
(5R)-9-フルオロ-5-メチル-1,2,5,6,11,11a-ヘキサヒドロ-3H-インドリジノ[6,7-b]インドール-3-オン;
(6R)-2-フルオロ-6-メチル-6,9,10,11,11a,12-ヘキサヒドロインドロ[3,2-b]キノリジン-8(5H)-オン;
(4S)-4,6-ジフルオロ-1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドール;
(5S,6S,10bS)-6,9-ジフルオロ-5-メチル-1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オン;
(5R,6R,10bS)-6,9-ジフルオロ-5-メチル-1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オン;
(5R,6S,10bR)-6,8,9-トリフルオロ-5-メチル-1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オン;
(7R,12bS)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(7S,12bR)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(7R,12bR)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(12bS)-9,10-ジフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(7R,12bR)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(7S,12bS)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(5S,6R,10bS)-6,8-ジフルオロ-5-メチル-1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オン;
(5S,10S,10aR)-8,10-ジフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン;
(1R,4R)-4,6,7-トリフルオロ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール;
(7R,12bS)-7,9,10-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(7R,12bR)-7,8-ジフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(5R,6R,10bS)-6,9-ジフルオロ-5-メチル-1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オン;および
6-フルオロ-1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドール
からなる群から選択される、請求項1から13までのいずれか1項記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項15】
有効量の請求項1から14までのいずれか1項記載の1種以上の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される1種以上の添加剤と共に含む、医薬組成物。
【請求項16】
請求項1から14までのいずれか1項記載の1種以上の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される1種以上の担体と組み合わせて含む、請求項15記載の医薬組成物。
【請求項17】
請求項1から14までのいずれか1項記載の1種以上の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を、他の1種以上の有効成分と組み合わせて含む、請求項15または16記載の医薬組成物。
【請求項18】
医薬品として使用するための、請求項1から14までのいずれか1項記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項19】
CNS関連疾患または病態の治療または予防に使用するための、請求項1から14までのいずれか1項記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項20】
前記疾患および病態が、アルツハイマー病、パーキンソン病、うつ病、不安症、多動症、ナルコレプシー、薬物中毒、アルコール依存症、拒食症、過食症およびミトコンドリア病からなる群から選択される、請求項19記載の疾患または病態の治療または予防に使用するための、請求項1から14までのいずれか1項記載の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩。
【請求項21】
請求項1で定義される式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体の製造方法であって、前記方法は、
- 式(I’)
【化4】
[式中、
、RおよびRは、請求項1で定義されるとおりであり、
およびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって1H-インドール基を形成する場合、前記1H-インドール基の窒素は、任意に保護基で保護されており、
がOHまたはSHである場合、前記OHまたはSHの酸素または硫黄は、任意に保護基で保護されており、
b’およびRc’’は、それらが結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、5員および6員環式アミドから選択される基を形成するか、または
b’は、Hもしくは活性化基であり、Rc’’は、Hである]の化合物を提供する工程と、
- 前記式(I’)の化合物を、任意に1種以上の活性化基反応物の存在下でアルデヒドと反応させる工程であって、ここで、前記1種以上の活性化基反応物は、任意に1種以上の活性化剤と一緒になって環形成を促進するものとする工程と、
- 任意に、1つ以上の脱保護反応を行う工程と
を含み、それにより
- 式(I)
【化5】
[式中、
、R、R、R、R、Rおよび前記点線は、請求項1で定義されるとおりである]の化合物が得られ、かつ前記方法は、
- 任意に、前記式(I)の化合物を、その薬学的に許容される塩に転化させる工程
を含むものとする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、置換1,2,3,6-テトラヒドロピリジンおよび2,3-ジヒドロピリジンから誘導される新規の化合物、ならびに該化合物を含む医薬組成物に関する。より詳細には、本発明は、1,2-または2,3-二置換1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンおよび-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール、ならびに1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-および1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドールから誘導される新規の化合物に関する。本発明はまた、前記誘導体の製造方法に加えて、薬物中毒およびCNS関連疾患の治療または予防に使用するための前記化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
内因性テトラヒドロピリジン誘導体のうち、テトラヒドロハルマン(1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-β-カルボリン)は、血圧を低下させるインドールアルカロイドである。テトラヒドロピリジン構造を有するもう1つのインドールアルカロイドであるレセルピンは、高血圧治療薬として使用されており、精神病症状の緩和効果も示されている。さらに、縮合インドール環を有する既知のテトラヒドロピリジン誘導体は、トリプトリン(テトラヒドロ-β-カルボリン、1,2,3,4-テトラヒドロ-9H-ピリド[3,4-b]インドール)、ピノリン(5-メトキシトリプトリン)、テトラヒドロハルミン((1R)-7-メトキシ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール)、ハルマリン(7-メトキシ-1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドール)およびテトラヒドロハルミン((1R)-7-メトキシ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール)であり、これらは、精神作用、モノアミンオキシダーゼ阻害活性、セロトニン再取り込み阻害活性、中枢神経系刺激作用および神経発生促進作用など様々な作用を示す。合成テトラヒドロピリジン誘導体のうち、ゲボトロリン(8-フルオロ-2-(3-(ピリジン-3-イル)プロピル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール)は非定型抗精神病薬であり、統合失調症の治療用に開発されたが、この化合物は市場調査されることはなかった。もう1つのテトラヒドロピリジン誘導体であるラトレピルジン(ジメボリン、2,8-ジメチル-5-(2-(6-メチルピリジン-3-イル)エチル)-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ピリド[4,3-b]インドール)は抗ヒスタミン薬であるが、アルツハイマー病およびハンチントン病の治療の双方について第III相臨床試験において不合格であった。
【0003】
関連する内因性イソキノリンは、鎮静作用、向精神作用および鎮痛作用など様々な作用を示し、イソキノリンアルカロイドの周知の例は、モルヒネおよびコデインである。内因性イソキノリンは、フェネチルアミンなどの生体アミンとホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの単純なアルデヒドとの縮合によって生成される。これらは、神経伝達、中枢代謝および運動活性を調節することが知られている。内因性テトラヒドロイソキノリン(TIQ)誘導体であるサルソリノール(SAL、1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6,7-ジオール)は、パーキンソン病(PD)の原因と考えられており、一方で(R)-1MeTIQ(1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン)には、抗パーキンソン病活性があることが判明している。近年まで、1-MeTIQは、神経保護/PD予防作用を有する唯一の既知のTIQ誘導体であった。2006年に、Katsuhiro OKUDAら(Biological and Pharmaceutical Bulletin 29 (2006) pp. 1401-1403)は、5-/6-/7-モノヒドロキシル化1MeTIQ誘導体が、親化合物以上に神経保護作用およびPD予防作用を有することを発見した。
【0004】
PD/ADHD(注意欠陥多動性障害)患者の尿および脳脊髄液中では、多くの内因性TIQ誘導体の濃度が対照群と比べて有意に高いが、PD患者の脳脊髄液および脳では、1MeTIQの含量が有意に減少していることが証明されている。
【0005】
SALは、エタノールの主要代謝物であるアセトアルデヒドと哺乳類の脳内のドーパミンとの縮合生成物として、酵素的および非酵素的に形成される。SALは、神経末端へのカテコールアミンの取り込み、貯蔵カテコールアミンの放出、ならびにモノアミンオキシダーゼ(MAO)、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)およびチロシンヒドロキシラーゼの活性に影響を及ぼす。エタノールによるサルソリノール濃度の上昇は、エタノール中毒/アルコール依存症の発症に関与することが知られている。
【0006】
SALは、アルコールの中毒性の一部を媒介すると仮定されている。多くの研究から、霊長類は、特定の脳部位に頭蓋内注射するとナノモル濃度でもSALを自己投与することが判明している。また、アセトアルデヒドも頭蓋内注射すると自己投与されるが、それにははるかに高い濃度が必要である。研究により、SALが授乳期のヒツジの哺乳中に放出されることが確認されている。SALが霊長類の多くの種の強化作用を媒介することは明らかである。研究により、制御された量のエタノール摂取が脳のSAL濃度に及ぼす影響はごくわずかであることが判明している。それでも、エタノール摂取が脳内のドーパミンおよびアセトアルデヒドの濃度を上昇させ、それにより、SALを形成するピクテ・スペングラー反応の出発材料濃度が上昇することは明らかである。このように考えると、エタノール摂取量が多く、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)活性が一般に高いアルコール依存症患者(Alcohol Clin. Exp. Res. 2009 Nov.; 33(11):1935-44参照)が、アセトアルデヒドおよびSALの濃度の低下を飲酒量の増加によって補おうとすることは確かであると考えられる。
【0007】
大半のTIQは、薬理学的に適切な量で脳に浸透し、様々な作用を引き起こす。大半のTIQおよび1MeTIQは脳から排出され(90.4%および95.3%)、未変化のまま尿中に排泄される(76%および72%)。TIQおよび1MeTIQのヒドロキシル化(イソキノリン骨格のC4)誘導体は、尿中に最も多く含まれる代謝物であった(2.7%および8.7%)。
【0008】
European Journal of Medicinal Chemistry 41 (2006) pp. 241-252には、6-フルオロ-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンがパーキンソン病に対する潜在的な薬剤として報告されている。
【0009】
欧州特許出願公開第2090576号明細書には、メタボトロピックグルタミン酸受容体モジュレーターとして使用するためのピラゾロ[1,5-a]ピリジンの製造における中間体としての、特定の5,8-および6,7-ジフルオロ置換イソキノリンが開示されている。
【0010】
国際公開第2002028865号には、環式グアノシン3’,5’-一リン酸特異的ホスホジエステラーゼの選択的阻害剤としての、特定の置換2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドールが開示されている。
【0011】
欧州特許出願公開第3459950号明細書には、抗植物ウイルス活性を有する特定のβ-カルボリン、ジヒドロ-β-カルボリンおよびテトラヒドロ-β-カルボリンアルカロイド化合物が開示されており、殺菌および殺虫活性も有することが開示されている。
【0012】
国際公開第2012/020170号には、薬物中毒およびCNS関連疾患の治療に使用するための6,7-二置換-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-および-3,4-ジヒドロイソキノリンが開示されている。
【0013】
Mangalaraj, S.らは、J. Chem. Sci, 2015, Vol 15, No. 5, pp. 811- 819 (DOI:10.1007/s12039-015-0836-8)において、BBrを用いたイミドカルボニル活性化による縮合テトラヒドロ-β-カルボリン類似体の合成を開示している。
【0014】
Raheem, I.T.らは、J. AM. CHEM. SOC. 2007, Vol 129, pp. 13404-13405 (DOI:10.1021/ja076179w)において、ヒドロキシラクタムのエナンチオ選択的ピクテ・スペングラー型環化反応を開示している。
【0015】
今般、驚くべきことに、特定の置換がなされた1,2,3,6-テトラヒドロピリジンおよび2,3-ジヒドロピリジンが、ジヒドロキシ化合物の不利な代謝的形成をブロックし、それにより当該イソキノリン誘導体の所望の活性をも改善することが判明した。
【発明の概要】
【0016】
本発明の目的は、薬物中毒およびCNS関連疾患に関連する障害および疾患の治療に有用な化合物を提供することである。
【0017】
既知の化合物に関連する問題の1つは、化合物の体内動態、特に代謝安定性である。したがって、代謝安定性が改善された化合物を提供することが、本発明のさらなる目的である。
【0018】
本発明は、本発明の化合物が、薬物中毒およびCNS関連疾患に関連するタンパク質に結合しかつ/またはその活性に影響を及ぼすという認識に基づいている。
【0019】
本発明の目的は、独立請求項に記載されていることを特徴とする化合物および医薬品として使用するための前記化合物によって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に開示されている。
【0020】
本発明は、式(I)
【化1】
[式中、
点線は、任意の結合を表し;
およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、1H-インドール基およびベンゼン基から選択される基を形成し、前記1H-インドール基およびベンゼン基は、R、R、RおよびRからなる群から各々独立して選択される1~4つの置換基で任意に置換されており、ここで、各R、R、RおよびRは、ハロゲン、OH、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキル、C1~3-アルコキシ、C1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から独立して選択され;
およびRは、それらが結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、5員および6員環式アミドから選択される基を形成し、かつ
は、Hであるか;または
は、Meであり、かつ
およびRは、それらが結合している窒素原子および炭素原子と一緒になって、5員および6員環式アミドから選択される基を形成するか;または
は、Meであり、
は、Hであるか、または点線が結合を表す場合にはRは存在せず、かつ
は、Hであるが、ただし、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、前記任意に置換された1H-インドール基を形成するものとし;
は、ハロゲン、OH、オキソ、SH、NOR、C1~3-(パー)ハロアルキル、C1~3-アルコキシ、C1~3-(パー)ハロアルコキシ、CN、C(O)N(RおよびN(Rからなる群から選択されるか、または
は、C1~4-アルキルであってもよいが、ただし、前記1H-インドール基またはベンゼン基は、ハロゲン、OH、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキル、C1~3-アルコキシ、C1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択される1~4つの置換基で置換されているものとし、または
は、Hであってもよいが、ただし、
およびRが、それらが結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、5員および6員環式アミドから選択される基を形成し、RがHである場合、RおよびRは、ハロゲン、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択されるか、または
が、Meであり、RおよびRが、それらが結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、6員環式アミドを形成する場合、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、前記任意に置換された1H-インドール基を形成するか、または
が、Meであり、RおよびRが、それらが結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、5員環式アミドを形成し、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、1H-インドール基またはベンゼン基を形成する場合、前記1H-インドール基またはベンゼン基は、ハロゲン、OH、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキル、C1~3-アルコキシおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択される1~4つの置換基で置換されているか、または
が、Meであり、Rが、Hであり、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換1H-インドール基を形成する場合、前記置換1H-インドール基のRおよびRは、ハロゲン、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択され;
各Rは、H、C1~4-アルキル、C1~4-アルケニル、C1~4-アルキニルおよびC1~3-(パー)ハロアルキルからなる群から独立して選択されるか、またはいずれかのN(Rの一部である場合には、双方のRは、それらが結合している窒素と一緒になって、N、OおよびSから各々独立して選択される1~3つのヘテロ原子を含む3~6員の脂肪族もしくは芳香族複素環式環を形成してもよい]の新規の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を提供する。
【0021】
本発明はまた、有効量の式(I)の1種以上の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される1種以上の添加剤と共に含む医薬組成物に関する。
【0022】
さらに、本発明は、医薬品として使用するための、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩に関する。
【0023】
さらに、本発明は、CNS関連疾患または病態の治療または予防に使用するための、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩に関する。
【0024】
本発明はまた、アルツハイマー病、パーキンソン病、うつ病、不安症、多動症、ナルコレプシー、薬物中毒、アルコール依存症、拒食症、過食症およびミトコンドリア病からなる群から選択される疾患の治療または予防に使用するための、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩に関する。
【0025】
最後に、本発明は、式(I)の化合物の製造方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
発明の詳細な説明
本発明の化合物は、1,2,3,6-テトラヒドロピリジンおよび2,3-ジヒドロピリジンの誘導体であって、該誘導体は、任意に置換された1H-インドール環または任意に置換されたベンゼン環のいずれかにC4およびC5で縮合しており、これらの環と、1,2,3,6-テトラヒドロピリジン環および2,3-ジヒドロピリジン環の特定の置換パターンとが相まって、本発明の化合物の本発明による特性が提供される。また、前記1H-インドール環およびベンゼン環の置換により、本発明の化合物の代謝および/または阻害特性がさらに増強される。
【0027】
本明細書および以下において、それ自体でまたは他の基の一部として使用される用語「ハロゲン」は、第VIIa族元素を指し、F、Cl、BrおよびI基を含み、好ましくはFである。
【0028】
本明細書および以下において、使用される用語「アルキル」は、示された数の炭素原子を有する、脂肪族直鎖状、分岐状または環式、特に直鎖状または分岐状の炭化水素基であり、例えばC1~6-アルキルは、アルキル部分に1~6つの炭素原子を有し、したがって例えばC1~4-アルキルには、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチルが含まれ、C1~6-アルキルには、分岐状および直鎖状のペンチルおよびヘキシルがさらに含まれる。好ましくは、アルキルは、メチルまたはエチルである。
【0029】
本明細書および以下において、使用される用語「C1~4-アルケニル」は、任意の2つの炭素原子間に少なくとも1つのオレフィン性二重結合を有し、好適にはアルケニル部分に1~4つ、好ましくは1~3つの炭素原子を有する不飽和直鎖状または分岐状炭化水素基であり、例えばエテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、3-プロペニルおよびブテニルである。好ましいアルケニル基の例としては、ビニル基およびアリル基のような末端二重結合を有する直鎖状アルケニル基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
本明細書および以下において、使用される用語「C1~4-アルキニル」は、任意の2つの炭素原子間に少なくとも1つのオレフィン性三重結合を有し、好適にはアルケニル部分に1~4つ、好ましくは1~2つの炭素原子を有する不飽和直鎖状または分岐状炭化水素基であり、例えばエチニル、プロピニルおよびブチニルである。
【0031】
本明細書および以下において、使用される用語「C1~3-(パー)ハロアルキル」は、1つ以上の水素原子がハロゲン、特にI、Br、FまたはClで置換された上記のアルキル基のいずれかを指す。ハロアルキル基の例としては、特に限定されないが、クロロメチル、フルオロメチルおよび-CHCFが挙げられる。用語「パーハロアルキル」は、すべての水素原子がハロゲン原子で置換されたアルキル基を指すと理解される。好ましい例としては、トリフルオロメチル(-CF)およびトリクロロメチル(-CCl)が挙げられる。
【0032】
本明細書および以下において、使用される用語「C1~3-アルコキシ」は、-O-(C1~3-アルキル)基を指し、ここで「C1~3-アルキル」は、上記で定義される意味を有する。好ましいアルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシおよびイソプロピルオキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
本明細書および以下において、使用される用語「C1~3-(パー)ハロアルコキシ」は、-O-(C1~3-(パー)ハロアルキル)基を指し、ここで、C1~3-(パー)ハロアルキルは、上記で定義される意味を有する。好ましいアルコキシ基の例としては、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリクロロメトキシおよび1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロポキシが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
本明細書および以下において、使用される用語「5員および6員環式アミド」は、N、OおよびSなどの他のヘテロ原子や、メチル、ヒドロキシ、アミン、チオールおよびメトキシなどの置換基を含んでいても含んでいなくてもよい5員および6員ラクタムを指す。好ましい5員および6員環式アミド基の例としては、2-ピロリドン、2-ピペリジノン、イミダゾリジン-2-オン、オキサゾリジン-2-オン、オキサゾリジン-4-オン、イミダゾリジン-4-オン、テトラヒドロピリミジン-2(1H)-オン、1,3-オキサジナン-2-オン、ピペラジン-2-オン、チオモルホリン-3-オン、4-メチルピペリジン-2-オンおよび5-ヒドロキシピペリジン-2-オンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
本明細書および以下において、使用される用語「オキソ」は、「オキソ」の酸素が結合している炭素原子、および前記炭素原子と前記酸素原子との間の炭素-酸素二重結合と共に、本明細書に開示される化合物のカルボニル基を形成する官能基「=O」を指す。したがって、Rが「オキソ」である場合、「オキソ」の酸素原子が結合している炭素原子は、1つ以上の水素原子を含まないことが理解されるべきである。
【0036】
本明細書および以下において、使用される用語「NOR」は、NORの窒素が結合している炭素原子、および前記炭素原子と前記窒素原子との間の炭素-窒素二重結合と共に、本明細書に開示されるケトキシム化合物のオキシム官能基を形成する官能基であって、前記オキシム官能基は、オキシム官能基の酸素原子で置換されていても置換されていなくてもよく、Rは、本明細書および以下において、定義されるとおりであるものとする官能基を指す。したがって、RがNORである場合、NORの窒素原子が結合している炭素原子は、1つ以上の水素原子を含まないことが理解されるべきである。前記NORは、例えば、カルボニル基(Rはオキソである)を含む化合物と、例えばヒドロキシルアミンとの縮合によって合成することができ、その際、RがNOHである化合物が形成される。NOR基の例としては、ヒドロキシイミノ、メトキシイミノ、(トリフルオロメトキシ)イミノおよび(2,2,2,-トリフルオロエトキシ)イミノ、ならびにその(E)-および(Z)-異性体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
本明細書および以下において、使用される用語「N、OおよびSから各々独立して選択される1~3つのヘテロ原子を含む3~6員の脂肪族もしくは芳香族複素環式環」は、3~6つの環原子を有し、該環原子間に1つ以上の二重結合を含んでいても含んでいなくてもよい、飽和、部分不飽和、不飽和または芳香族の単環式環であって、前記単環式環は、N、SおよびOからなる群から各々独立して選択される1~3つのヘテロ原子を含み、一方で、残りの環原子は炭素原子であるものとする、単環式環を指す。この単環式環は、Nを含む任意の適切な環原子上で、1~4つの置換基で置換されていてよい。好ましい置換基としては、ハロゲン、特にフルオロ、CN、メトキシ、ヒドロキシ、アミノおよびメチルが挙げられるが、これらに限定されない。複素環式環の例としては、アジリジニル、アゼチジニル、1,3-ジアゼチジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリル、ピペリジニル、ジヒドロチアゾリル、ピペラジニル、ピロリジニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルのジオキシドおよびメトキシメチルピロリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
本明細書および以下において、使用される用語「任意に置換された」は、それが指す基が非置換であるか、または安定な化合物を生成するために任意の利用可能な原子に結合した1つ以上、好ましくは1、2、3または4つの置換基で独立して置換されていることを示す。例えば、フェニルは、フェニル環のo位、m位またはp位に結合した標記置換基で1回置換されていてよい。総じて、「置換された」とは、特に断らない限り、本明細書で定義される置換基のうち、その基に含まれる水素原子への1つ以上の結合が、置換基の非水素原子への結合で置換されているものをいう。好ましい置換基は、F、Cl、BrおよびIなどのハロゲン、特にFおよびCl;COHおよびそのエステル;C1~4-アルキル、特にメチル;OH、C1~3-アルコキシ、特にOMe、OEtおよびOCHCH=CH;NO、N、NOHおよびそのエーテル、特にNOMe;CN、NHおよびそのアミド、特にNHC(O)Me;NH(C1~6-アルキル)、N(C1~6-アルキル)、N(C1~6-アルキル)、特にNHMe、N(Me)、N(Me)およびその塩;C(O)N(C1~6-アルキル)、特にC(O)NHMe;NHC(O)-C1~6-アルキル、特にNHC(O)Me;SHおよびそのチオエーテル;C1~4-アルケニル、C1~4-アルキニル、C1~3-(パー)ハロアルキル、特にCFおよびCHCF;C1~3-(パー)ハロアルコキシ、特にOCFおよびOCHCF;SC(O)-C1~6-アルキル、OC(O)-C1~6-アルキル、NHC(O)NH-C1~6-アルキル、NHC(O)O-C1~6-アルキルからなる群から各々独立して選択されるが、これらに限定されない。好ましくは、前記置換基は、OH、NH、COHおよびハロゲンで任意に置換されている。
【0039】
「任意の」または「任意に」は、その後に記載される事象または状況が生じてもよいが生じなくてもよいこと、およびその記載が、その事象または状況が生じる事例および生じない事例を含むことを示す。「含む(comprises)」または「含む(comprising)」は、その後に記載されるセットが他の要素を含んでもよいが、含まなくてもよいことを示す。
【0040】
本明細書および以下において、使用される用語「立体異性体」は、化合物の立体異性体を指す。立体異性体の例としては、エナンチオマー、ジアステレオマー、シス-トランス異性体およびE-Z異性体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
本明細書および以下において、使用される用語「薬学的に許容される塩」は、無毒性であることが知られており、医薬文献で一般的に使用されている塩を指す。典型的には、これらは、本発明の言及される化合物の酸付加塩または塩基付加塩である。
【0042】
表現「酸付加塩」には、式(I)~(V)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)および(I’)の化合物が形成し得る非毒性の有機および無機のあらゆる酸付加塩が含まれる。好適な酸付加塩を形成する例示的な無機酸としては、塩化水素、臭化水素、硫酸およびリン酸が挙げられるが、これらに限定されない。好適な酸付加塩を形成する例示的な有機酸としては、酢酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、安息香酸、フェニル酢酸、桂皮酸、メタンスルホン酸、サリチル酸などが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用される用語「酸付加塩」には、化合物およびその塩が形成し得る溶媒和物、例えば、含水化合物、アルコラートなども含まれる。これらの塩には、ラセミ体のキラル分割に有用な塩も含まれる。
【0043】
表現「塩基付加塩」には、式(I)~(V)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)および(I’)の化合物が形成し得る非毒性のあらゆる塩基付加塩が含まれる。好適な塩基付加塩としては、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩および亜鉛塩など、特にナトリウム塩およびアンモニウム塩の無機塩基由来のものが挙げられるが、これらに限定されない。有機塩基付加塩のさらなる例としては、トリエチルアミンおよびトリメチルアミンなどのトリアルキルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、モルホリンなどの有機アミンの他の塩、ならびにコリン塩が挙げられる。
【0044】
本発明の医薬組成物は、約0.1μg/kg体重~約300mg/kg体重、好ましくは1.0μg/kg体重~10mg/kg体重の投与量範囲内の有効量で投与することができる。本発明の化合物は、1日1回投与してもよいし、1日総投与量を1日2回、3回または4回に分けて投与してもよい。
【0045】
用語「有効量」は、治療対象に治療効果を与える組成物または医薬組成物の量を指す。治療効果は、客観的(すなわち、何らかの試験またはマーカーによって測定可能)であってもよいし主観的(すなわち、対象が効果の兆候を示すか、または効果を感じる)であってもよい。このような治療は、必ずしも病態または疾患を完全に改善する必要はない。さらに、このような治療または予防は、当業者に知られている病態または疾患を軽減するための他の従来の治療と併用することができる。有効量は、典型的には医師によって決定され、治療される病態または疾患、選択された投与経路、投与される実際の化合物、個々の患者の年齢、性別、体重および反応、患者の症状の重症度などに依存する。
【0046】
熟練技能者は、本発明での使用に適した量の薬学的に許容される適切な添加剤を選択できる当該技術分野における知識および技術を有している。さらに、薬学的に許容される添加剤について記載されており、薬学的に許容される適切な添加剤を選択する際に有用であり得る、熟練技能者が利用可能な多くのリソースが存在する。
【0047】
薬学的に許容される適切な添加剤としては、以下の種類の添加剤が挙げられるが、これらに限定されない:希釈剤(例えば、デンプン、マンニトール)、充填剤(例えば、ラクトース、微結晶セルロースまたはリン酸水素カルシウム)、結合剤(例えば、アルファー化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはメチルセルロース)、添加物(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ)、崩壊剤(例えば、バレイショデンプン)、滑沢剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、流動化剤(例えば、ヒュームドシリカ、タルク、炭酸マグネシウム)、造粒剤(例えば、水、エタノール)、コーティング剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、ワックス、シェラック、樹脂、植物繊維)、湿潤剤(例えば、ソルビタンモノパルミテート、ポロキサマー407)、溶媒(例えば、水)、補助溶媒(例えば、エタノール、プロピレングリコール)、懸濁化剤(例えば、ソルビトール、セルロース誘導体、食用水素添加油脂)、乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア)、甘味剤(例えば、スクロース)、香料(例えば、チェリー、ライム)、フレーバーマスキング剤(例えば、バニラ、シトラス)、着色剤(例えば、酸化チタン)、固結防止剤(例えば、二酸化ケイ素)、湿潤剤(例えば、グリセリン、ソルビトール)、キレート剤(例えば、EDTA塩、ヒスチジン、アスパラギン酸)、可塑剤(例えば、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル)、増粘剤(例えば、メチルセルロース)、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸、システイン)、保存剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸メチルまたはp-ヒドロキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸またはアスコルビン酸)、安定剤(例えば、ポリソルベート20および80、ポロキサマー407)、界面活性剤(例えば、ポリエチレングリコール、ポリソルベート80)および緩衝剤(例えば、目的とするpH範囲に応じて、リン酸、クエン酸、酢酸、炭酸またはグリシンのナトリウムおよびカリウム塩の緩衝剤)。添加剤および/または補助剤は、薬学的に使用可能な調合物への活性薬剤の加工を容易にし得る。熟練技能者であれば、薬学的に許容される特定の添加剤が2つ以上の機能を果たすことができ、医薬組成物中に添加剤がどの程度存在するかや、医薬組成物中に他のどのような成分が存在するかに応じて、代替機能を果たし得ることを認識する。
【0048】
本発明の医薬組成物は、最も好ましくは単独で、または組み合わせて使用され、すなわち、他の有効成分、例えば薬学的に活性な化合物または生物学的生成物と同時に、別個にまたは逐次的に投与される。本発明の医薬組成物、特に、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物の量、ならびに他の有効成分および投与の相対的なタイミングは、所望の複合的な治療効果を達成するために選択される。本発明の医薬組成物は、種々の経路で投与することができ、例えば、非経口投与、皮下投与、静脈内投与、関節内投与、髄腔内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、局所投与が可能であり、また皮内注射によって、ならびに経皮、直腸、頬、粘膜、鼻腔、眼球経路を介しておよび吸入を介しておよびインプラントを介して投与することができる。
【0049】
医薬組成物は、適切な医薬製剤への製剤化が可能であり、適切な投与形態としては、例えば、溶液、分散液、懸濁液、粉末、カプセル、錠剤、ピル、放出制御カプセル、放出制御錠剤および放出制御ピルが挙げられる。薬学的に許容される添加剤および/または他の有効成分に加えて、またはその代わりに、医薬組成物の医薬製剤は、薬学的に許容される1つ以上の適切な担体を含むことができる。
【0050】
本明細書および以下において、使用される用語「薬学的に許容される担体」は、薬物投与の選択性、有効性および/または安全性を改善する役割を果たす薬物送達のための医薬組成物中に含まれる基材を指す。薬学的に許容される担体の例としては、薬学的に許容される添加剤、リポソーム、(高分子)ミセル、ミクロスフェア、ナノ粒子およびタンパク質-薬物結合体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
本発明の医薬組成物は、当業者に知られている技術および方法を用いて製造される。本発明の医薬組成物としては、非経口投与用組成物および局所投与用組成物が挙げられるが、これらに限定されず、これらの組成物には、無菌の水性または非水性溶媒、懸濁液およびエマルションが挙げられるが、これらに限定されない。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、魚油および注射可能な有機エステルである。水性担体としては、水、水-アルコール溶液、例えば生理食塩水および緩衝化内部非経口ビヒクル、例えば塩化ナトリウム溶液、ブドウ糖リンゲル液、ブドウ糖+塩化ナトリウム溶液、乳糖含有リンゲル液、または不揮発性油が挙げられるが、これらに限定されない。静脈内ビヒクルとしては、体液および栄養補給剤、電解質補給剤、例えば、リンゲルブドウ糖をベースとするものなどが挙げられるが、これらに限定されない。本発明による水性医薬組成物は、目的とするpH範囲に応じて、適切な緩衝剤、例えば、リン酸、クエン酸、酢酸、炭酸またはグリシンのナトリウムおよびカリウム塩の緩衝剤を含むことができる。塩化ナトリウムを等張化剤として使用することも有用である。医薬組成物は、安定化剤または保存剤のような他の添加剤を含むことができる。有用な安定化添加剤としては、界面活性剤(ポリソルベート20および80、ポロキサマー407)、ポリマー(ポリエチレングリコール、ポビドン)、炭水化物(スクロース、マンニトール、グルコース、ラクトース)、アルコール(ソルビトール、グリセロールプロピレングリコール、エチレングリコール)、適切なタンパク質(アルブミン)、適切なアミノ酸(グリシン、グルタミン酸)、脂肪酸(エタノールアミン)、酸化防止剤(アスコルビン酸、システインなど)、キレート剤(EDTA塩、ヒスチジン、アスパラギン酸)または金属イオン(Ca、Ni、Mg、Mn)が挙げられる。有用な保存剤としては、ベンジルアルコール、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウム、場合によってはパラベンが挙げられる。本発明による医薬組成物は、必要に応じて再構成される濃縮形態または粉末形態で提供することができる。このような場合、上記の注射/輸液用添加剤溶液の粉末製剤を使用することができる。凍結乾燥する場合には、ポリマー(ポビドン、ポリエチレングリコール、デキストラン)、糖類(スクロース、グルコース、ラクトース)、アミノ酸(グリシン、アルギニン、グルタミン酸)およびアルブミンなどの特定の凍結保護剤が好ましい。再構成用の溶液が包装に加えられる場合、それは、例えば、注射用の純水、塩化ナトリウム溶液、デキストロース溶液またはグルコース溶液からなることができる。
【0052】
本明細書および以下において、使用される用語「治療または予防」には、挙げられた障害もしくは病態の防御もしくは予防およびそれに罹患する個人のリスクの低下、または一旦確立された前記障害の緩和、改善、排除もしくは治癒が含まれる。
【0053】
対象または患者に「投与する」または「投与される」という用語は、組成物または医薬組成物を調剤し、組成物または医薬組成物を所望の体内部位に送達するのに適した任意の経路によって対象に送達または適用することを含む。
【0054】
本発明の式(I)の化合物は、動物、特に哺乳動物およびヒトにおけるCNS関連疾患および病態の療法、特に治療または予防において有用であり得る。特に、式(I)の化合物は、アルツハイマー病、パーキンソン病、うつ病、不安症、多動症、ナルコレプシー、薬物中毒、アルコール依存症、拒食症、過食症、ミトコンドリア病、肥満症および多発性硬化症を含むがこれらに限定されないCNS関連疾患または病態を治療および/または防御するための薬理学的特性を有する。
【0055】
本発明の式(I)の化合物は、CNS関連疾患または病態に関与する1つ以上のタンパク質に結合し、これらのタンパク質の若干の例としては、微量アミン受容体、ドーパミンおよびセロトニン受容体、そのそれぞれのトランスポーター、ならびにアシルおよびメチルトランスフェラーゼ、ノルピネフリントランスポーター、モノアミノオキシダーゼ、カテコリン-O-メチルランスフェラーゼ、アドレナリン受容体、チロシンヒドロキシラーゼ、ヒスタミン受容体、オレキシン受容体、NMDA受容体、シグマ-1受容体、ムスカリンおよびニコチン性アセチルコリン受容体、オピオイド受容体、神経ペプチド受容体、メラノコルチン受容体(MC3Rを除く)、ニューロキニン受容体および1型コルチコトロピン放出因子受容体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
本明細書および以下において、使用される用語「保護基で保護された」は、保護基に共有結合しているかまたは保護基で修飾されている原子または官能基を指す。前記保護基は、反応における化学選択性を可能にし、したがって、これらの保護基は、反応時に原子または官能基が反応しないように保護する。保護基は、原子または官能基を完全にまたは部分的に保護し、すなわち、保護基で保護された原子または官能基は、反応において部分的に反応し得ることが理解されるべきである。熟練技能者は、保護すべき原子または官能基に適した保護基を選択できる当該技術分野における知識および技術を有している。さらに、保護基について記載されており、保護すべき原子または官能基に適した保護基を選択する際に有用であり得る、熟練技能者が利用可能な多くのリソースが存在する。適切な保護基および適切な保護基で化合物を保護する方法については、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis, 4th Edition, 2007, John Wiley & Sons, Inc., Hoboken, New Jerseyを参照のこと。保護基での保護が可能な原子および官能基の例としては、任意に置換された1H-インドール、好ましくは1H-インドールの窒素、O、S、N、OH、SH、NH、カルボニル、例えばアルデヒドおよびケトン、エーテル、エステルおよびアミドが挙げられるが、これらに限定されない。保護基の例としては、カルボベンジルオキシ(Cbz)、p-メトキシベンジルカルボニル、BOC、Fmoc、アセチル、ベンゾイル、フェニル、ベンジル、トリチル、スルホニル、例えばフェニルスルホニル、トシル(Ts)、メシルおよびトリフィル;トシレート、シリルエーテル、例えばトリメチルシリル(TMS)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリイソプロピルシリルオキシメチル(TOM)およびトリイソプロピルシリル(TIPS)エーテル;テトラヒドロピラニル(THP)、p-メトキシフェニルエーテル(PMP)、p-メトキシベンジルエーテル(PMB)、β-メトキシエトキシメチルエーテル(MEM)、ピバロイル、チオエーテル、アセタール、ケタール、ジチアン、ベンジルエステル、tert-ブチルエステル、オルトエステルおよび光解離性基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
本明細書および以下において、使用される用語「前記1H-インドールの窒素は、任意に保護基で保護されている」とは、1H-インドールの窒素の水素を置換する任意の保護基を意味し、
【化2】
ここで、R、R、RおよびRは、上記および下記で定義されるとおりであり、したがって、前記保護基は、前記窒素を反応から保護し、前記1H-インドールは、式(I)の化合物のRおよびRと、それらが結合している炭素原子とが一緒になって形成される(前記1H-インドールの(アスタリスクで示される)2位および3位が置換1,2,3,6-テトラヒドロピリジンおよび2,3-ジヒドロピリジンの4位および5位と縮合することで、本発明の化合物が形成される)。同様に、「前記OHまたはSHの酸素または硫黄は、任意に保護基で保護されている」とは、本明細書および以下において、、前記OHまたはSHの水素を置換する任意の保護基を意味し、したがって、前記保護基は、前記酸素または硫黄を保護する。
【0058】
本明細書および以下において、使用される用語「活性化基」とは、反応が生じるのを促進しかつ/または反応速度全体に好影響を及ぼしかつ/または形成される生成物の位置異性体に対する指示効果を有する、化合物の官能基を指す。前記活性化基は、形成される生成物の一部であってもなくてもよく、すなわち、活性化基が、生成物中に存在してもよいし、活性化基が、例えばS2、S1および付加脱離反応において脱離基または脱離基の一部であってもよいことが理解されるべきである。本明細書に開示される化合物は、同一であっても異なっていてもよい1つ以上の活性化基を有することができる。活性化基の例としては、スルホニル、例えばフェニルスルホニル、トシル(Ts)、メシルおよびトリフィル;ハロゲン、(置換)アミノ基、アミド、エステル、ヒドロキシ、アルコキシ、アシルオキシ、チオール、アルキル、(パー)ハロアルキルおよび光解離性基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
本明細書および以下において、使用される用語「アルデヒド」は、アルデヒド官能基を有する化合物、またはアルデヒド官能基を形成する官能基を有する化合物を指す。アルデヒドの例としては、アセトアルデヒド、4-オキソブタン酸および5-オキソペンタン酸のエステルおよび無水物、例えば4-オキソブタン酸メチル、5-オキソペンタン酸メチルおよび1,1-ジエトキシエタン(アセトアルデヒドジエチルアセタール)が挙げられるが、これらに限定されない。1,1-ジエトキシエタンおよび本発明の方法で使用可能な他のマスクされたアルデヒドは、本発明の方法の工程の環形成反応においてその場でアセトアルデヒドを形成することが理解されるべきである。
【0060】
本明細書および以下において、使用される用語「活性化基反応物」は、活性化基を含む反応物であって、反応において化合物と反応することで前記活性化基を含む化合物または中間体が形成される反応物を指す。同じ活性化基を含む異なる活性化基反応物が存在し得ることが理解されるべきである。反応は、同一であっても異なっていてもよい1種以上の活性化基反応物を含むことができる。活性化基反応物の例(括弧内に、対応する活性化基の例を示す)としては、スルフィン酸(スルホニル)、例えばフェニルスルフィン酸(フェニルスルホニル)およびp-トルエンスルフィン酸(トシル);ハロゲン化メシル(メシル)、例えば塩化メタンスルホニル(メシル);アジ化トリフィル(トリフィル)、塩化トリフルオロメタンスルホニル(トリフィル)、ハロゲン(X)、例えばBR(Br);塩化トリフルオロアセチル(TFA)および無水トリフルオロ酢酸(TFA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
本明細書および以下において、使用される用語「活性化剤」は、化学反応を引き起こすために反応に添加される物質または化合物を指す。前記活性化剤は、触媒であってもなくてもよい。前記活性化剤は、反応において消費されても消費されなくてもよいことが理解されるべきである。活性化剤の例としては、ルイス酸、例えばTiCl、三フッ化ホウ素および三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
本明細書および以下において、使用される用語「環形成」は、化合物の1つ以上の環式構造が形成される反応を意味し、形成された化合物は、出発材料化合物(例えば、式(I’)の化合物)よりも多い(例えば、1、2、3または4以上の)環式構造を有する。環形成反応は、1つ以上の反応(工程)を含むことができ、すなわち、反応は、単離されていてもいなくてもよい中間体化合物を最初に生成してもよいし、生成しなくてもよく、前記中間体化合物がさらに反応することで、1つ以上の環式構造を有する化合物、例えば式(I)の化合物が形成されることが理解されるべきである。あるいは、1つ以上の環式構造を有する化合物、例えば式(I)の化合物は、ワンポット反応の1つ以上の環形成反応によって形成される。追加的または代替的に、1つ以上の環式構造を有する化合物(例えば、式(I)の化合物)を生成する一時的な中間体の中間体化合物が形成される。
【0063】
本明細書および以下において、使用される用語「脱保護反応」は、化合物から保護基を除去する反応を指す。熟練技能者は、脱保護反応に適した反応物または試薬を選択できる当該技術分野における知識および技術を有している。さらに、適切な試薬および反応物について記載されており、脱保護すべき保護基に適した試薬および反応物を選択する際に有用であり得る、熟練技能者が利用可能な多くのリソースが存在する。適切な脱保護反応、反応物および試薬については、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis, 4th Edition, 2007, John Wiley & Sons, Inc., Hoboken, New Jerseyを参照のこと。脱保護反応で使用可能な反応物および試薬の例(括弧内に、脱保護すべき保護基の例を示す)としては、テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリド(TMS)、H(ベンジル)、塩基、例えばNaOH(アセチル)、酸、例えばp-トルエンスルホン酸ピリジニウムおよびEtOH(THP)、ならびに2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン(PMB)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
本発明は、式(I)
【化3】
[式中、
点線は、任意の結合を表し;
およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、1H-インドール基およびベンゼン基から選択される基を形成し、前記1H-インドール基およびベンゼン基は、R、R、RおよびRからなる群から各々独立して選択される1~4つの置換基で任意に置換されており、ここで、各R、R、RおよびRは、ハロゲン、OH、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキル、C1~3-アルコキシ、C1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から独立して選択され;
およびRは、それらが結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、5員および6員環式アミドから選択される基を形成し、かつ
は、Hであるか;または
は、Meであり、かつ
およびRは、それらが結合している窒素原子および炭素原子と一緒になって、5員および6員環式アミドから選択される基を形成するか;または
は、Meであり、
は、Hであるか、または点線が結合を表す場合にはRは存在せず、かつ
は、Hであるが、ただし、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、前記任意に置換された1H-インドール基を形成するものとし;
は、ハロゲン、OH、オキソ、SH、NOR、C1~3-(パー)ハロアルキル、C1~3-アルコキシ、C1~3-(パー)ハロアルコキシ、CN、C(O)N(RおよびN(Rからなる群から選択されるか、または
は、C1~4-アルキルであってもよいが、ただし、前記1H-インドール基またはベンゼン基は、ハロゲン、OH、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキル、C1~3-アルコキシ、C1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択される1~4つの置換基で置換されているものとし、または
は、Hであってもよいが、ただし、
およびRが、それらが結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、5員および6員環式アミドから選択される基を形成し、RがHである場合、RおよびRは、ハロゲン、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択されるか、または
が、Meであり、RおよびRが、それらが結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、6員環式アミドを形成する場合、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、前記任意に置換された1H-インドール基を形成するか、または
が、Meであり、RおよびRが、それらが結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、5員環式アミドを形成し、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、1H-インドール基またはベンゼン基を形成する場合、前記1H-インドール基またはベンゼン基は、ハロゲン、OH、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキル、C1~3-アルコキシおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択される1~4つの置換基で置換されているか、または
が、Meであり、Rが、Hであり、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換1H-インドール基を形成する場合、前記置換1H-インドール基のRおよびRは、ハロゲン、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択され;
各Rは、H、C1~4-アルキル、C1~4-アルケニル、C1~4-アルキニルおよびC1~3-(パー)ハロアルキルからなる群から独立して選択されるか、またはいずれかのN(Rの一部である場合には、双方のRは、それらが結合している窒素と一緒になって、N、OおよびSから各々独立して選択される1~3つのヘテロ原子を含む3~6員の脂肪族もしくは芳香族複素環式環を形成してもよい]の新規の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を提供する。
【0065】
本明細書および以下において、使用される用語「点線は、任意の結合を表す」は、存在してもしなくてもよい結合を意味する。点線が存在する場合、点線は、その隣の単結合と一緒になって二重結合を形成し、したがって、式(I)の化合物は、式(II)
【化4】
の化合物に等しく、点線が存在しない場合、式(I)の化合物は、式(III)
【化5】
の化合物に等しいことが理解されるべきである。
【0066】
本明細書および以下において、使用される用語「1H-インドール基」は、式(I)の化合物のRおよびRが結合している炭素と2位および3位で縮合している1H-インドールを指す。本明細書および以下において、使用される用語「ベンゼン基」とは、式(I)の化合物のRおよびRが結合している炭素と縮合しているベンゼンを指す。したがって、本明細書および以下において、使用される用語「RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、1H-インドール基およびベンゼン基から選択される基を形成する」とは、本発明の1,2,3,6-テトラヒドロピリジンおよび2,3-ジヒドロピリジンの誘導体と縮合した1H-インドール環およびベンゼン環を指す。RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって1H-インドール基を形成する場合、式(I)の化合物は、式(IV)
【化6】
[式中、
、R、R、R、R、R、R、R、Rおよび点線は、上記で定義されるとおりである]の化合物に等しく、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になってベンゼン基を形成する場合、式(I)の化合物は、式(V)
【化7】
[式中、
、R、R、R、R、R、R、R、Rおよび点線は、上記で定義されるとおりである]の化合物に等しいことが理解されるべきである。
【0067】
したがって、実施形態において、化合物は、式(Ia)、(Ib)または(Ic)
【化8】
[式中、
およびRは、それらが結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、5員および6員環式アミドから選択される基を形成し、かつ
は、Hであるか;または
は、Meであり、かつ
およびRは、それらが結合している窒素原子および炭素原子と一緒になって、5員および6員環式アミドから選択される基を形成し;
は、Hであるか、または点線が結合を表す場合にはRは存在せず;かつ
、R、R、R、R、Rおよび点線は、上記で定義されるとおりである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。
【0068】
さらに、置換基R、R、R、R、RおよびRの選択は、本発明の化合物の所望の特性を達成するために特に重要である。
【0069】
追加的または代替的に、置換基R、R、RおよびRの選択は、本発明の化合物の所望の特性を達成するために特に重要である。
【0070】
実施形態において、化合物は、式(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)
【化9】
[式中、
mは、1または2であり;
nは、1または2であり;
は、Hであるか、または点線が結合を表す場合にはRは存在せず;かつ
点線、R、R、R、R、RおよびRは、上記で定義されるとおりである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。
【0071】
さらに、置換基R、R、R、R、RおよびRの選択は、本発明の化合物の所望の特性を達成するために特に重要である。
【0072】
追加的または代替的に、m、nおよび置換基R、R、RおよびRの選択は、本発明の化合物の所望の特性を達成するために特に重要である。
【0073】
実施形態において、化合物は、式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)
【化10】
[式中、
mは、1または2であり;
nは、1または2であり;かつ
、R、R、R、RおよびRは、上記で定義されるとおりである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。
【0074】
さらに、置換基R、R、R、R、RおよびRの選択は、本発明の化合物の所望の特性を達成するために特に重要である。追加的または代替的に、mおよびnの選択は、本発明の化合物の所望の特性を達成するために特に重要である。
【0075】
実施形態において、化合物は、式(Id)または(If)、好ましくは(Id)
[式中、
nは、1または2であり、好ましくは1であり;かつ
、R、R、R、RおよびRは、上記で定義されるとおりである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。好ましい一実施形態において、化合物は、式(Id)を有し、nは、1である。さらに、置換基R、R、R、R、RおよびRの選択は、本発明の化合物の所望の特性を達成するために特に重要である。
【0076】
実施形態において、化合物は、式(Ie)または(Ig)、好ましくは(Ig)
[式中、
mは、1または2であり、好ましくは1であり;かつ
、R、R、R、RおよびRは、上記で定義されるとおりである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。好ましい一実施形態において、化合物は、式(Ig)を有し、mは、1である。さらに、置換基R、R、R、R、RおよびRの選択は、本発明の化合物の所望の特性を達成するために特に重要である。
【0077】
実施形態において、化合物は、式(Ic)
[式中、
は、Hであるか、または点線が結合を表す場合にはRは存在せず;かつ
点線、R、R、R、R、RおよびRは、上記で定義されるとおりである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。さらに、置換基R、R、R、R、RおよびRの選択は、本発明の化合物の所望の特性を達成するために特に重要である。
【0078】
実施形態において、化合物は、式(I)
[式中、
およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、1H-インドール基から選択される基を形成し、前記1H-インドール基は、R、R、RおよびRからなる群から各々独立して選択される1~4つの置換基で任意に置換されており、ここで、各R、R、RおよびRは、ハロゲン、OH、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキル、C1~3-アルコキシ、C1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から独立して選択され;
は、Meであり;
はHであるか、または点線が結合を表す場合にはRは存在せず、好ましくは、Rは、Hであり;
は、Hであり;かつ
点線、RおよびRは、上記で定義されるとおりである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。さらに、置換基R、R、R、R、RおよびRの選択は、本発明の化合物の所望の特性を達成するために特に重要である。
【0079】
実施形態において、化合物は、式(I)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)
[式中、
およびRは、H、ハロゲン、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択され、好ましくは、HおよびFから各々独立して選択され;
およびRは、双方がハロゲン、好ましくはFであるか、またはRおよびRの一方がハロゲン、好ましくはFであり、他方がC1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルもしくはC1~3-(パー)ハロアルコキシ、好ましくはメトキシ、メチルもしくはトリフルオロメチルであり;
は、H、ハロゲン、OH、オキソ、NOR、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキル、C1~3-アルコキシおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から選択され、好ましくは、H、F、OHまたはメトキシであり、最も好ましくはFであり;かつ
点線、R、R、R、R、R、RおよびRは、上記で定義されるとおりである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。
【0080】
実施形態において、化合物は、式(I)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)
[式中、
およびRは、H、ハロゲン、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択され、好ましくは、HおよびFから各々独立して選択され、最も好ましくは、Hであり;
およびRは、双方がFであるか、またはRおよびRの一方がFであり、他方がC1~4-アルキルもしくはC1~3-(パー)ハロアルキルであり、好ましくは双方がFであり;
は、H、ハロゲン、OH、オキソ、NOR、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキル、C1~3-アルコキシおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から選択され、好ましくは、H、F、OHまたはメトキシであり、最も好ましくはFであり;かつ
点線、R、R、R、R、R、RおよびRは、上記で定義されるとおりである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。
【0081】
実施形態において、化合物は、式(I)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)
[式中、
およびRは、H、ハロゲン、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択され、好ましくは、HおよびFから各々独立して選択され、最も好ましくは、Hであり;
およびRは、双方がFであるか、またはRおよびRの一方がハロゲン、好ましくはFであり、他方がH、C1~4-アルキルもしくはC1~3-(パー)ハロアルキルであり、好ましくは、RおよびRの一方がハロゲンであり、他方がHであり;
は、ハロゲン、OH、C1~3-アルコキシ、C1~3-(パー)ハロアルコキシ、好ましくは、F、OH、メトキシおよびエトキシからなる群から選択され、最も好ましくはFであり;かつ
点線、R、R、R、R、R、RおよびRは、上記で定義されるとおりである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。
【0082】
一実施形態において、RおよびRは、双方がハロゲン、好ましくはFである。別の実施形態において、Rは、Hであり、Rは、ハロゲン、好ましくはFであり、Rは、ハロゲン、好ましくはFおよびOHからなる群から選択される。別の実施形態において、Rは、ハロゲン、好ましくはFであり、Rは、Hであり、Rは、ハロゲン、好ましくはFおよびOHからなる群から選択される。
【0083】
実施形態において、化合物は、式(I)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)
[式中、
およびRは、Hおよびハロゲンから各々独立して選択され、好ましくは、HおよびFから各々独立して選択され;
およびRは、双方がFであるか、またはRおよびRの一方がFであり、他方がC1~4-アルキルもしくはC1~3-(パー)ハロアルキルであり、好ましくは双方がFであり;かつ
は、H、F、OH、C1~4-アルキルおよびメトキシからなる群から選択され、好ましくは、H、F、OHまたはメトキシであり、より好ましくは、HまたはFであり、最も好ましくはFであり;かつ
点線、R、R、R、R、R、RおよびRは、上記で定義されるとおりである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。
【0084】
実施形態において、化合物は、式(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)
[式中、
mは、1または2であり、好ましくは1であり;
nは、1または2であり、好ましくは1であり;
およびRは、H、ハロゲン、OH、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキル、C1~3-アルコキシ、C1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択され、好ましくは、H、F、メイホキシ、エトキシから各々独立して選択され、より好ましくは、HおよびFから各々独立して選択され;
およびRは、双方がハロゲン、好ましくはFであるか、またはRおよびRの一方がハロゲン、好ましくはFであり、他方がH、C1~3-アルコキシ、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルもしくはC1~3-(パー)ハロアルコキシであり、好ましくは、H、メトキシ、メチルもしくはトリフルオロメチルであり、最も好ましくは、Hであり;
は、ハロゲン、OH、オキソ、NOR、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキル、C1~3-アルコキシおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から選択され、好ましくは、H、F、OHまたはメトキシであり、最も好ましくはFであり;かつ
、RおよびRは、上記で定義されるとおりである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。
【0085】
実施形態において、化合物は、式(Ie)または(Ig)
[式中、
mは、1であり;
およびRは、H、ハロゲン、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択され、好ましくは、HおよびFから各々独立して選択され;
およびRは、双方がハロゲン、好ましくはFであるか、またはRおよびRの一方がハロゲン、好ましくはFであり、他方がH、C1~3-アルコキシ、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルもしくはC1~3-(パー)ハロアルコキシであり、好ましくは、H、メトキシ、メチルもしくはトリフルオロメチルであり、最も好ましくは、Hであり;
は、H、ハロゲン、OH、オキソ、NOR、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキル、C1~3-アルコキシおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から選択され、好ましくは、H、F、OHまたはメトキシであり、最も好ましくはFであり;かつ
は、上記で定義されるとおりである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。
【0086】
実施形態において、化合物は、式(Id)または(If)
[式中、
nは、1または2であり、好ましくは1であり;
およびRは、H、ハロゲン、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択され、好ましくは、HおよびFから各々独立して選択され;
およびRは、双方がハロゲン、好ましくはFであるか、またはRおよびRの一方がハロゲン、好ましくはFであり、他方がC1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルもしくはC1~3-(パー)ハロアルコキシ、好ましくはメチル、トリフルオロメチルもしくはトリフルオロメトキシ、最も好ましくはトリフルオロメチルであり;
は、H、ハロゲン、OH、オキソ、NOR、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキル、C1~3-アルコキシおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から選択され、好ましくは、H、F、OHまたはメトキシであり、最も好ましくはFであり;かつ
は、上記で定義されるとおりである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。
【0087】
実施形態において、化合物は、式(Ic)
[式中、
およびRは、H、ハロゲン、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択され、好ましくは、HおよびFから各々独立して選択され;
およびRは、双方がハロゲン、好ましくはFであるか、またはRおよびRの一方がハロゲン、好ましくはFであり、他方がC1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルもしくはC1~3-(パー)ハロアルコキシ、好ましくはメチル、トリフルオロメチルもしくはトリフルオロメトキシ、最も好ましくはトリフルオロメチルであり;
は、H、ハロゲン、OH、オキソ、NOR、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキル、C1~3-アルコキシおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から選択され、好ましくは、H、F、OHまたはメトキシであり、最も好ましくはFであり;
は、Hであるか、または点線が結合を表す場合にはRは存在せず、好ましくは、Rは、Hであり;かつ
は、上記で定義されるとおりである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。
【0088】
実施形態において、化合物は、式(Ic)
[式中、
およびRは、H、ハロゲン、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から各々独立して選択され、好ましくは、HおよびFから各々独立して選択され;
およびRは、双方がハロゲン、好ましくはFであるか、またはRおよびRの一方がハロゲン、好ましくはFであり、他方がH、C1~4-アルキル、C1~3-(パー)ハロアルキルもしくはC1~3-(パー)ハロアルコキシ、好ましくはH、メチル、トリフルオロメチルもしくはトリフルオロメトキシ、最も好ましくはHであり;
は、ハロゲン、OH、オキソ、NOR、C1~3-アルコキシおよびC1~3-(パー)ハロアルコキシからなる群から選択され、好ましくは、H、F、OHまたはメトキシであり、最も好ましくはFであり;
は、Hであるか、または点線が結合を表す場合にはRは存在せず、好ましくは、Rは、Hであり;かつ
は、上記で定義されるとおりである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。
【0089】
実施形態において、化合物は、式(I)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)
[式中、
、RおよびRは、Hであり;
およびRは、Fであり;かつ
点線、R、R、R、R、RおよびRは、上記で定義されるとおりである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。
【0090】
好ましい実施形態において、化合物は、式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)、より好ましくは(Ie)または(Ig)、最も好ましくは(Ig)
[式中、
、RおよびRは、Hであり;かつ
およびRは、Fである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。
【0091】
10.実施形態において、化合物は、式(I)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)
[式中、
およびRは、Hであり;
、RおよびRは、Fであり;かつ
点線、R、R、R、R、RおよびRは、上記で定義されるとおりである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。
【0092】
実施形態において、化合物は、式(I)、(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)
[式中、
およびRは、Hであり;
、RおよびRは、Fであり;
は、Meであり;
およびRは、それらが結合している窒素原子および炭素原子と一緒になって、5員および6員環式アミドから選択される基を形成し;かつ
およびRは、上記で定義されるとおりである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。
【0093】
好ましい実施形態において、化合物は、式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)、より好ましくは(Ie)または(Ig)、最も好ましくは(Ig)
[式中、
およびRは、Hであり;
、RおよびRは、Fであり;
mは、1または2であり、好ましくは1であり;かつ
nは、1または2であり、好ましくは1である]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。
【0094】
好ましい一実施形態において、化合物は、式(Ig)
[式中、
mは、1であり;
およびRは、Hであり;かつ
、RおよびRは、Fである]を有し、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。
【0095】
実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物は、
5-フルオロ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール;
6-フルオロ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール;
4,6-ジフルオロ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール;
7-フルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(7R,12bS)-7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(7R,12bR)-7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(7S,12bR)-7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
7,9-ジフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
7,8,10-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
4,5,6,7-テトラフルオロ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール;
5,6-ジフルオロ-1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドール;
5,6,7-トリフルオロ-1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドール;
4,5,6,7-テトラフルオロ-1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドール;
7,8,10-トリフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン;
(5S,10R,10aR)-7,8,10-トリフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン;
(5S,10R,10aS)-7,8,10-トリフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン;
(5S,10S,10aR)-7,8,10-トリフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン;
7,10-ジフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン;
9,10-ジフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン;
7,8-ジフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン;
(5R,11S)-10,11-ジフルオロ-5-メチル-1,2,5,6,11,11a-ヘキサヒドロ-3H-インドリジノ[6,7-b]インドール-3-オン;
(6R,12S)-12-フルオロ-6-メチル-6,9,10,11,11a,12-ヘキサヒドロインドロ[3,2-b]キノリジン-8(5H)-オン;
(5R,11S)-11-フルオロ-5-メチル-1,2,5,6,11,11a-ヘキサヒドロ-3H-インドリジノ[6,7-b]インドール-3-オン;
(6R,12S)-1,12-ジフルオロ-6-メチル-6,9,10,11,11a,12-ヘキサヒドロインドロ[3,2-b]キノリジン-8(5H)-オン;
(5R)-9-フルオロ-5-メチル-1,2,5,6,11,11a-ヘキサヒドロ-3H-インドリジノ[6,7-b]インドール-3-オン;
(6R)-2-フルオロ-6-メチル-6,9,10,11,11a,12-ヘキサヒドロインドロ[3,2-b]キノリジン-8(5H)-オン;
(4S)-4,6-ジフルオロ-1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドール;
(5S,6S,10bS)-6,9-ジフルオロ-5-メチル-1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オン;
(5R,6R,10bS)-6,9-ジフルオロ-5-メチル-1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オン;
(5R,6S,10bR)-6,8,9-トリフルオロ-5-メチル-1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オン;
(12bS)-8,9-ジフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(本発明の一部ではない);
(7R,12bS)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(7S,12bR)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(7R,12bR)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(12bS)-9,10-ジフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(7R,12bR)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(7S,12bS)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(5S,6R,10bS)-6,8-ジフルオロ-5-メチル-1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オン;
(5S,10S,10aR)-8,10-ジフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン;
(1R,4R)-4,6,7-トリフルオロ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール;
(7R,12bS)-7,9,10-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(7R,12bR)-7,8-ジフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン;
(5R,6R,10bS)-6,9-ジフルオロ-5-メチル-1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オン;および
6-フルオロ-1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドールからなる群から選択され、またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩である。
【0096】
本発明の一態様において、有効量の式(I)の1種以上の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される1種以上の添加剤と共に含む医薬組成物が提供される。
【0097】
薬学的に許容される添加剤に対して追加的または代替的に、本開示の医薬組成物は、有効量の式(I)の1種以上の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される1種以上の担体と組み合わせて含む。したがって、実施形態において、医薬組成物は、有効量の式(I)の1種以上の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される1種以上の添加剤および/もしくは薬学的に許容される1種以上の担体またはその任意の組み合わせと共に含む。好ましくは、医薬組成物は、式(I)の1種の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、好ましくはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される1種以上の添加剤および薬学的に許容される1種の担体と組み合わせて含む。
【0098】
薬学的に許容される添加剤および/または薬学的に許容される担体に対して追加的または代替的に、本開示の医薬組成物は、有効量の式(I)の1種以上の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を、他の1種以上の有効成分と組み合わせて含む。したがって、実施形態において、医薬組成物は、有効量の式(I)の1種以上の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される1種以上の添加剤および/もしくは薬学的に許容される1種以上の担体および/もしくは他の1種以上の有効成分またはその任意の組み合わせと共に含む。
【0099】
実施形態において、医薬組成物は、有効量の式(I)の1種以上の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、好ましくはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される1種以上の添加剤、好ましくは薬学的に許容される1、2または3種の添加剤、より好ましくは薬学的に許容される1種の添加剤とからなる。
【0100】
実施形態において、医薬組成物は、有効量の式(I)の1種以上の化合物、好ましくは有効量の式(I)の1または2種の化合物、より好ましくは式(I)の1種の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、好ましくはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される1種以上の添加剤、好ましくは薬学的に許容される1、2もしくは3種の添加剤および/または薬学的に許容される1種以上の担体、好ましくは薬学的に許容される1、2もしくは3種の担体、より好ましくは薬学的に許容される1種の担体とからなる。
【0101】
実施形態において、医薬組成物は、有効量の式(I)の1種以上の化合物、好ましくは有効量の式(I)の1または2種の化合物、より好ましくは式(I)の1種の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩、好ましくはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される1種以上の添加剤、好ましくは薬学的に許容される1、2もしくは3種の添加剤および/または薬学的に許容される1種以上の担体、好ましくは薬学的に許容される1、2もしくは3種の担体、より好ましくは薬学的に許容される1種の担体および/または他の1種以上の有効成分、好ましくは他の1種の有効成分とからなる。
【0102】
本発明の一態様において、医薬品として使用するための、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0103】
本発明の一態様において、CNS関連疾患または病態の治療または予防に使用するための、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0104】
本発明の実施形態において、アルツハイマー病、パーキンソン病、うつ病、不安症、多動症、ナルコレプシー、薬物中毒、アルコール依存症、拒食症、過食症およびミトコンドリア病からなる群から選択される疾患または病態の治療または予防に使用するための、式(I)の化合物またはその立体異性体もしくは薬学的に許容される塩が提供される。
【0105】
本発明の一態様において、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体の製造方法であって、前記方法は、
- 式(I’)
【化11】
[式中、
、RおよびRは、本明細書および以下において、定義されるとおりであり、
およびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって1H-インドール基を形成する場合、前記1H-インドール基の窒素は、任意に保護基で保護されており、
がOHまたはSHである場合、前記OHまたはSHの酸素または硫黄は、任意に保護基で保護されており、
b’およびRc’’は、それらが結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって、5員および6員環式アミドから選択される基を形成するか、または
b’は、Hもしくは活性化基であり、Rc’’は、Hである]の化合物を提供する工程と、
- 前記式(I’)の化合物を、任意に1種以上の活性化基反応物の存在下でアルデヒドと反応させる工程であって、ここで、1種以上の活性化基反応物は、任意に1種以上の活性化剤と一緒になって環形成を促進するものとする工程と、
- 任意に、1つ以上の脱保護反応を行う工程と
を含み、それにより
- 式(I)
【化12】
[式中、
、R、R、R、R、Rおよび点線は、本明細書および以下において、定義されるとおりである]の化合物が得られ、かつ前記方法は、
- 任意に、式(I)の化合物を、その薬学的に許容される塩に転化させる工程
を含むものとする、方法が提供される。
【0106】
追加的または代替的に、式(I)の化合物をその薬学的に許容される塩に転化させる工程に対して、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体の製造方法は、
- 式(I)の化合物を、その別の立体異性体に転化させる工程であって、前記工程を、式(I)の化合物をその薬学的に許容される塩に任意に転化させる工程の前または後に行うものとする、工程
をさらに含む。
【0107】
実施形態において、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体の製造方法において、1種以上の活性化基反応物、好ましくは1種の活性化基反応物が、任意に1種以上の活性化剤、好ましくは1種の活性化剤と一緒になって、前記環形成を促進する。
【0108】
実施形態において、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体の製造方法において、1種以上の活性化基反応物、好ましくは1種の活性化基反応物が、1種以上の活性化剤、好ましくは1種の活性化基反応物と一緒になって、前記環形成を促進する。
【0109】
実施形態において、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体の製造方法において、アルデヒドは、アセトアルデヒド、4-オキソブタン酸メチル、5-オキソペンタン酸メチルおよび1,1-ジエトキシエタンからなる群から選択される。
【0110】
実施形態において、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体の製造方法において、式(I’)の化合物をアルデヒドと反応させる工程は、任意にさらに1種以上のアルデヒド、ならびに任意に式(I)の1種以上の化合物を分離および/または精製する1つ以上の工程を含む。
【0111】
本発明の化合物は、文献に十分に記載された反応および市販の出発材料を用いて合成することができる。本発明者らは、主に1MeTIQおよびまたある程度SALの作用を模倣することを目的とした一連の新規のTIQ類似体を探索した。これらの新規の化合物は、多くの望ましい薬理学的反応を達成するために用いることができる。フッ素化は、結合強度、親油性、コンフォメーション、静電ポテンシャル、双極子およびpKaを変化させることができる。
【0112】
代謝攻撃位置での置換、特にフッ素化、主に式(Ia)、(Ib)および(Ic)を有する化合物の置換基R、RおよびRに対応する位置での置換、特にフッ素化は、代謝分解の経路および速度を変更するために用いられる。フッ素化はまた、化合物の組織分布、薬力学および毒性を変化させることもある。水素をフッ素に置換することで、受容体における立体的影響が最小限になると一般化することができる。
【0113】
SALのカテコールヒドロキシルの双方を特にフッ素で置換することにより、薬物分布のより良好な標的化と、より少ない活性投与量とが達成される。SALとは異なり、本発明の化合物は、有機カチオントランスポーターによって血液脳関門を越えて活発に輸送され、脳内に濃縮される。本発明の化合物の大半は、酸化されてエポキシドを形成することができないため、酸化ストレスを引き起こしにくい。本発明の化合物は、SALの場合のような神経毒性や神経変性の代わりに、神経保護特性や神経再生特性がある。さらに、新規の化合物は、SALの望ましい効果を模倣し、アルコール依存症やパーキンソン病を治療する上で、例えば6-モノフルオロTIQよりも優れている。
【0114】
本発明による新規の化合物は、1MeTIQと構造的類似性を示す。したがって、新規の化合物は、例えばアルツハイマー病やパーキンソン病の治療に加えて、アルコールからコカインやヘロインに至るまで、中毒全般の治療または予防に使用することができる。多くの正の薬理学的反応が同時に得られる。これらの化合物は、中毒の再発傾向や発症の可能性を減少させる一方で、全般的な気分安定剤や、顕著な抗パーキンソン性および抗てんかん性を有する全般的な神経保護剤として作用することができる。
【0115】
これらの化合物は、例えば次のような多くの薬理学的反応を示す
- ピーク作用を増強することなくモルヒネの持続時間を延長する;
- モルヒネ耐性の発現に拮抗する;
- ナロキソンによって誘発される禁断症状を軽減する;
- コカイン自己投与の再発を抑制する;
- 欲求を減退させる、モノアミンオキシダーゼ(MAO)の活性を阻害する;
- アセチルコリンエステラーゼ(ACE)の活性を阻害する;
- 微量アミン受容体、ドーパミン受容体およびトランスポーター、セロトニン受容体およびトランスポーター、セロトニンアシルおよびメチルトランスフェラーゼ、ノルエピネフリントランスポーター、モノアミノオキシダーゼ、カテコリン-O-メチルトランスフェラーゼの1つ以上の活性に影響を与え、代謝をそちらに移す;アドレナリン受容体、チロシンヒドロキシラーゼ、ヒスタミン受容体、オレキシン受容体、NMDA受容体、シグマ-1受容体、ムスカリンおよびニコチン性アセチルコリン受容体、オピオイド受容体、神経ペプチド受容体、メラノコルチン受容体(MC3Rを除く)、ニューロキニン受容体、コルチコトロピン放出;
- 神経を保護する;
- カテコールアミン神経伝達物質の異化をカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)依存性のメチル化へとシフトさせる;
- プロラクチン放出を抑制または増強させる;
- ノルエピネフリンを放出させる;
- ニューロン関連アポトーシスおよび/またはネクローシスを誘導または抑制する;
- コカインによって誘導されたノルアドレナリン代謝の阻害を消失させる;
- ミトコンドリア病/機能不全を改善する。
【0116】
さらに、本発明は、HIV転写酵素に関連する疾患または病態の治療または予防に使用することもできる。
【0117】
さらに、式(I)の化合物は、式(I)の化合物から例えば置換基の導入または官能基部分の修飾によって得られる他の化合物、特に薬学的に活性な他の組成物を製造するための合成中間体として使用することができる。
【0118】
本発明の化合物および医薬組成物は、医療機器および医療キットにおいても有用であり得る。
【0119】
全般的な製造法
本発明による化合物は、以下のようにそれ自体公知のプロセスによって製造することができる。
【0120】
以下の例により、式(I)の化合物の製造を例示する。
【0121】
任意に置換されたフェネチルアミンの製造のための全般的手順、全般的手順A
【化13】
【0122】
工程1.1.0モル当量の任意に置換されたベンズアルデヒド、1.2モル当量のニトロメタン、0.47モル当量の酢酸アンモニウムおよび0.35モル当量の氷酢酸(GAA)を、RTで3時間超音波処理(40kHz)した。ニトロメタンを除去した後、ジクロロメタンと水との間で分配し、その後ブラインを使用することにより粗生成物を得て、これを水性(メタ)エタノールまたはAcOHから再結晶させるか;または
1.0モル当量の任意に置換されたベンズアルデヒド、1.2モル当量のニトロメタンおよび0.1モル当量のシクロヘキシルアミンを混合し、4週間、またはHOの形成が停止するまで暗所に保管した。粗生成物を粉砕し、ブラインで洗浄し、水性(メタ)エタノールまたはAcOHから再結晶させるか;または
-ハロゲン置換(好ましくはフッ素)の場合、合成は、ニトロアルコール中間体を経由して進行するが、それ以外の場合には工程4にスキップする:
1.0モル当量のトリエチルアミンおよび1.2モル当量のニトロメタンを添加した1.0モル当量の任意に置換されたベンズアルデヒドを、メタノール中で-12℃で2.5時間撹拌し、まだ氷点下のうちに1.0モル当量のGAAでアミンをクエンチした。溶媒の大部分を真空下でストリッピングし、残留物をジクロロメタン(DCM)に溶解させ、水で2回、ブラインで1回洗浄した。DCMをストリッピングし、粗ニトロアルコールを残した。
【0123】
工程2.(R-ハロゲン置換の場合)DCM中の1.0モル当量の置換ニトロアルコールを1.2モル当量のトリエチルアミンと撹拌し(または溶媒にピリジンを使用し)、転化が完了するまで温度を-5℃に保ちながら、1.1モル当量のp-トルエンスルホニルクロリドをゆっくりと添加することにより、脂肪族OH基を適切なスルホニルエステルにスルホン化させた。生成物をブラインで数回洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0124】
工程3.(R-ハロゲン置換の場合)ハロゲン化カリウム(この場合はKF)を用いたスルホン酸エステルへの修飾フィンケルシュタイン反応は、工程2で得られた1モル当量のスルホニル中間体を、基材1gあたり6mlのアセトニトリル、0.5モル当量の1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートおよび5モル当量のHOを用いて溶解させることにより進行し、その後、1.05モル当量のKFを加え、この溶液を混合し、RTで180分間、またはTLCが完了を示すまで超音波処理した。その後、R-ハロゲン置換化合物をDCMで抽出し、ブラインで数回洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、真空中で濃縮してから進行した。
【0125】
工程4.保護されたR-OH基の場合、合成は、ニトロアルコール中間体を経由して進行する:
当該技術分野で周知の手順に従って、脂肪族OH基を、例えばシリルエーテルとしての適切な保護基で保護し、これを、DCM中の1.0モル当量の任意に置換されたニトロアルコールを1.2モル当量のピリジンと撹拌し(または溶媒にピリジンを使用し)、転化が完了するまで温度を0℃に保ちながら、1.1モル当量の塩化トリメチルシリルをゆっくりと加えることにより行う。生成物をブラインで数回洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、真空中で濃縮するか;または
-アルコキシまたは-(パー)ハロアルコキシ置換の場合、合成は、ニトロアルコール中間体を経由して進行する:
当該技術分野で周知の手順に従って、脂肪族OH基を、例えばO-メチルエーテルとしての適切なアルキル基または(パー)ハロアルキル基でO-アルキル化させ、これを、DCM(またはTHF)中の1.0モル当量の任意に置換されたニトロアルコールを1.05モル当量のジアゾメタンおよび1.0モル当量の三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートと0℃で転化が完了するまで撹拌することにより行う。生成物をブラインで数回洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、真空中で濃縮するか;または
工程5にスキップする。
【0126】
工程5.存在し得るC=C結合およびニトロ基を、当該技術分野で周知の手順に従って、例えば酸化白金(IV)(PtO)、ラネーニッケルおよび/または白金担持炭素(Pt/C)を用いた接触水素化により還元させてアミノ基を生成する。
【0127】
任意に置換された2-(1H-インドール-3-イル)エタン-1-アミンの製造のための全般的手順、全般的手順B
【化14】
【0128】
任意に置換されたベンズアルデヒドの代わりに、任意に置換された1H-インドール-3-カルバルデヒドまたはN-保護1H-インドール-3-カルボキシアルデヒド(例えば、1-ベンジル-1H-インドール-3-カルボキシアルデヒドまたは1-(トリイソプロピルシリル)-1H-インドール-3-カルバルデヒド)を使用したことを除いて、全般的手順Aに従った。
【0129】
任意に置換されたN-トシル-フェネチルアミンの製造のための全般的手順、全般的手順C
【化15】
【0130】
DCM中の、全般的手順Aの工程5で得られた1.0モル当量の生成物に、1.2モル当量のトリエチルアミンを加え(または溶媒にピリジンを使用し)、転化が完了するまで温度を-5℃に保ちながら、1.1モル当量のp-トルエンスルホニルクロリドをゆっくりと添加した。生成物をブラインで数回洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0131】
置換N-トシル-2-(1H-インドール-3-イル)エチルアミンの製造のための全般的手順、全般的手順C’
【化16】
【0132】
DCM中の、全般的手順Bの1.0モル当量の生成物に、1.2モル当量のトリエチルアミンを加え(または溶媒にピリジンを使用し)、転化が完了するまで温度を-5℃に保ちながら、1.1モル当量のp-トルエンスルホニルクロリドをゆっくりと添加した。生成物をブラインで数回洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。
【0133】
任意に置換された5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オンおよび6-メチル-1,2,3,6,11,11a-ヘキサヒドロ-4H-ピリド[1,2-b]イソキノリン-4-オン(式(Ig)の化合物)の製造のための全般的手順、全般的手順D:
【化17】
【0134】
工程1.Tetrahedronによる合成法:Asymmetry 14 (2003) 1171-1178を適合させた;1.0モル当量の任意に置換された5-ベンジルピロリジン-2-オン(m=1)または6-ベンジルピペリジン-2-オン(m=2)(保護されたR-OH基(例えば、R=シリルエーテル)の場合には、1.0モル当量のそれぞれの保護された化合物(m=1または2))を、ジクロロメタン(3mL/ミリモルの任意に置換された5-ベンジルピロリジン-2-オン(m=1)または6-ベンジルピペリジン-2-オン)に溶解させ、次いで2.0モル当量のベンゼンスルフィン酸、1.5モル当量のアセトアルデヒドおよび無水MgSO(0.1g/ミリモルの任意に置換された5-ベンジルピロリジン-2-オン(m=1)または6-ベンジルピペリジン-2-オン)を、室温で順次添加した。この混合物を室温で36時間撹拌した後、Florisilの短いパッドで濾過した。溶媒を除去すると粗スルホンが得られ、これをカラムクロマトグラフィー(7:3ヘキサン-酢酸エチル)で精製した。
【0135】
工程2.1.0モル当量の上記スルホン(2ミリモル)をCHCl(10mL/ミリモル スルホン)に溶解させ、この溶液を-78℃で冷却した。次いで、1.5モル当量のTiClを5分で滴下し、-78℃で45分が経過した後、反応混合物をブラインでクエンチした。分離後に得られた水相をCHClで3回抽出し、回収した有機相をMgSOで乾燥させた。溶媒を減圧で除去した後、得られた任意に置換された5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オンまたは6-メチル-1,2,3,6,11,11a-ヘキサヒドロ-4H-ピリド[1,2-b]イソキノリン-4-オンをカラムクロマトグラフィー(7:3ヘキサン-酢酸エチル)で精製した。
【0136】
工程3.保護されたR-OH基の場合、例えばO-トリメチルシリルで保護された化合物の場合には、当該技術分野で周知の手順に従ってR-OH保護基を除去し、それ以外の場合にはこの工程をスキップする:
テトラヒドロフラン(THF、10mL/モル シリルエーテル)中の1.0モル当量のシリルエーテルの低温(0℃)溶液に、1.1モル当量のテトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)(THF中の1M溶液)を加え、得られた溶液を45分間撹拌し、この混合物を室温に温め、転化が完了するまで撹拌を続けた。得られた溶液をDCMで希釈し、水でクエンチした。有機層をブラインで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで真空中で溶媒を減圧で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、7:3~1:10)で精製し、アルコールを得た。
【0137】
工程4.R-SH基の場合、それ以外の場合にはこの工程をスキップする:
工程3で得られた生成物を、全般的手順Aの工程2に従ってトシレートに転化させた。生成したトシレートをアセトン中の過剰の硫化水素ナトリウムで処理して、粗チオール生成物(R=SH)を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、7:3~1:10)で精製し、チオールを得た。
【0138】
任意に置換された5-メチル-1,2,5,6,11,11a-ヘキサヒドロ-3H-インドリジノ[6,7-b]インドール-3-オンおよび6-メチル-6,9,10,11,11a,12-ヘキサヒドロインドロ[3,2-b]キノリジン-8(5H)-オン(式(Ie)の化合物)の製造のための全般的手順、全般的手順E:
【化18】
【0139】
全般的手順Dに従って、任意に置換された5-((1H-インドール-3-イル)メチル)ピロリジン-2-オン(m=1、R=H、BnまたはTIPS)または6-((1H-インドール-3-イル)メチル)ピペリジン-2-オン(m=2、R=H、BnまたはTIPS)(保護されたR-OH基(例えば、R=シリルエーテル)の場合には、1.0モル当量のそれぞれの保護された化合物(m=1または2))から出発した。Rおよび/またはRに保護基がある場合、当該技術分野で周知の手順に従って保護基を除去し、例えば、全般的手順Dの工程3に従った(R=TIPSおよびR=シリルエーテルの場合、2.2モル当量の(TBAF)(THF中の1M溶液)を使用した)。R-SH基の場合;脱保護されたR-OH化合物を用いて、全般的手順Dの工程4に従った。
【0140】
任意に置換された1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オンおよび1,2,3,6,7,11b-ヘキサヒドロ-4H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-4-オン(式(If)の化合物の製造のための全般的手順、全般的手順F:
【化19】
【0141】
任意に置換された1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オンおよび1,2,3,6,7,11b-ヘキサヒドロ-4H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-4-オンを、ChemComm., 2018, 54(11), 1323-1326に記載の方法を用いて製造し;要するに、全般的手順Aの工程5で得られた任意に置換された1.0モル当量のフェネチルアミン、およびアセトニトリル中の水性リン酸カリウムKPi緩衝液(0.3M)(1:1)中の1.5モル当量のアルデヒド(例えば、4-オキソブタン酸メチルまたは5-オキソペンタン酸メチル)を、1.0モル当量のアスコルビン酸の存在下でアルゴン下に60℃でpH6で18時間撹拌し、次いで炭酸ナトリウム(1M)を添加し、pHを7.5に調整し、この混合物を4時間撹拌してラクタムを得た。このラクタムを、Tetrahedron Lett., 2014, 55, 5047およびNat. Commun., 2017, 8, 14883に記載のとおりに、EtOAc、次いでMeOCOMeを用いた塩基性、次いで酸性の抽出手順で精製した。
【0142】
保護されたR-OH基の場合、当該技術分野で周知の手順に従ってR-OH保護基を除去し、例えばO-トリメチルシリルで保護された化合物の場合には、全般的手順Dの工程3に従った。R-SH基の場合;脱保護されたR-OH化合物を用いて、全般的手順Dの工程4に従った。
【0143】
任意に置換された1,2,5,6,11,11b-ヘキサヒドロ-3H-インドリジノ[8,7-b]インドール-3-オンおよび2,3,6,7,12,12b-ヘキサヒドロインドロ[2,3-a]キノリジン-4(1H)-オン(式(Id)の化合物の製造のための全般的手順、全般的手順G:
【化20】
【0144】
任意に置換されたフェネチルアミンの代わりに、全般的手順Bで得られた任意に置換された2-(1H-インドール-3-イル)エタン-1-アミン(R=H)またはN-保護1H-インドール-3-カルボキシアルデヒド(例えば、1-ベンジル-1H-インドール-3-カルボキシアルデヒド(R=Bn)または1-(トリイソプロピルシリル)-1H-インドール-3-カルバルデヒド(R=TIPS))を使用したことを除いて、全般的手順Fに従った。Rおよび/またはRに保護基がある場合、当該技術分野で周知の手順に従って保護基を除去し、例えば、全般的手順Dの工程3に従った(R=TIPSおよびR=シリルエーテルの場合、2.2モル当量の(TBAF)(THF中の1M溶液)を使用した)。R-SH基の場合;脱保護されたR-OH化合物を用いて、全般的手順Dの工程4に従った。
【0145】
任意に置換された1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドールおよび1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドール(式(Ic)の化合物の製造のための全般的手順、全般的手順H:
【化21】
【0146】
工程1.工業的規模のピクテ・スペングラー反応(欧州特許出願公開第0929527号明細書)を適合させた:全般的手順C’で得られた1.0モル当量の任意に置換されたN-トシル-2-(1H-インドール-3-イル)エチルアミン(R=Hまたは保護基、例えばBnまたはTIPS、R’’’=Ts)および3.0モル当量の三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートを、21.0モル当量の1,1-ジエトキシエタンと共に、N雰囲気下で12時間、またはTLCが完了を示すまで還流した。例えばナトリウム、ナフタレンおよびジメトキシエタンを使用して、またはKOHおよびMeOHを使用して、トシルを除去するか;または
全般的手順Bで得られた1.0モル当量の任意に置換された2-(1H-インドール-3-イル)エタン-1-アミンを、3.0モル当量のアセトアルデヒドと共に1時間還流し、その後、1.2モル当量の塩酸37%を加え、TLCが完了を示すまで還流を続けた。
【0147】
工程2.反応混合物を、酢酸エチル(10mL/1g 基材)と水(10mL/1g 基材)との間で分配し、分離し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウムで2回洗浄し、硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させた。乾燥剤を濾過により除去し、濾液を減圧下で蒸留して所望の化合物を得た。Rおよび/またはRに保護基がある場合:当該技術分野で周知の手順に従って保護基を除去し、例えば、Rおよび/またはRの保護基を、例えば、全般的手順Dの工程3に従って除去した(R=TIPSおよびR=シリルエーテルの場合、2.2モル当量の(TBAF)(THF中の1M溶液)を使用した)。R-SH基の場合;脱保護されたR-OH化合物を用いて、全般的手順Dの工程4に従った。
【0148】
ワンポット化学酵素反応カスケード法を用いた本発明の化合物の製造のための全般的手順、一例としての、任意に置換された1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オンの製造:
【化22】
【0149】
本発明の化合物のワンポット化学酵素合成法において、アセト乳酸合成酵素(ALS)は、任意に置換されたベンズアルデヒド(例えば、3,4-ジフルオロベンズアルデヒド)を、任意に置換された2-ヒドロキシ-2-フェニルアセトアルデヒド(例えば(2R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(ヒドロキシル)アセトアルデヒド)に転化させる。次いで、トランスアミナーゼ(EC2.6.1)が、形成された任意に置換された(R)-2-ヒドロキシ-2-フェニルアセトアルデヒドをそれぞれの任意に置換されたフェネチルアミンに転化させ、次いでこのフェネチルアミンは、ノルコクラウリン合成酵素((S)-ノルコクラウリン合成酵素(EC4.2.1.78))によって、任意に置換された1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オン(例えば、8,9-ジフルオロ-6-ヒドロキシ-1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オン)に転化される。任意に、生成物は、当該技術分野で周知の手順に従って精製することができる。任意に、R-OHを、本明細書に記載の合成方法または当業者に周知の従来のプロセスによって、ハロゲン、OH、オキソ、SH、NOR、C1~3-(パー)ハロアルキル、C1~3-アルコキシ、C1~3-(パー)ハロアルコキシ、CN、C(O)N(RまたはN(Rに転化させることができる。
【0150】
ワンポット化学酵素反応カスケード法はまた、本発明の式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)および(Ig)で表される他の化合物の合成に使用することもできる。したがって、例えば、任意に置換された1H-インドール-3-カルバルデヒドまたは任意に置換されたN-保護1H-インドール-3-カルボキシアルデヒド(例えば、1-ベンジル-1H-インドール-3-カルボキシアルデヒドまたは1-(トリイソプロピルシリル)-1H-インドール-3-カルバルデヒド)をワンポット化学酵素合成法において出発材料として用いて、任意に置換された1,2,5,6,11,11b-ヘキサヒドロ-3H-インドリジノ[8,7-b]インドール-3-オンおよび2,3,6,7,12,12b-ヘキサヒドロインドロ[2,3-a]キノリジン-4(1H)-オンを得ることができる:
【化23】
【0151】
ワンポット化学酵素合成法は、合成する化合物に応じて他の酵素を含むこともできる。また、1種以上の中間生成物(例えば、任意に置換されたフェネチルアミンまたは任意に置換された2-(1H-インドール-3-イル)エタン-1-アミン)をワンポット化学酵素合成法で使用してもよいし、化合物を製造するための上記に開示した1つ以上の化学的方法の反応生成物に対してこの方法を使用してもよい。
【0152】
代替的にまたは追加的に、化学反応を上記の生成物のいずれに対して行ってもよい。例えば、酵素反応により生成された、任意に置換された2-ヒドロキシ-2-フェニルアセトアルデヒドを単離し、任意に精製し、記載された全般的手順Aのとおりに2-フルオロ-2-フェニルアセトアルデヒドに転化させることができる。その後、形成された2-フルオロ-2-フェニルアセトアルデヒドをワンポット化学酵素合成法に供することにより、6-フルオロ-1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オンが得られる。
【0153】
追加的または代替的に、生成され、任意に単離され、その後ワンポット化学酵素合成法に供された生成物に、化学反応によって保護基を導入することができる。さらに、最終的な酵素反応の後、または酵素反応のいずれかの工程の前、その時もしくはその後に、化合物から保護基を脱保護することができる。
【0154】
ワンポット化学酵素合成法では、必要な酵素活性をコードする遺伝子を必要な制御配列と機能的に連結して含む1つ以上の発現プラスミドを使用することができる。必要な酵素活性のためのすべての遺伝子を含む単一のプラスミドは、特に好都合な実施形態を表す。このような方法での使用に適したプラスミドは、本開示の一部を形成する配列プロトコールに示される配列番号1に例示される。
【0155】
配列番号1によって例示されるように、前記1つ以上のプラスミドは、アセト乳酸合成酵素活性(例えば、AHAS 1であり、これは、配列番号1のヌクレオチド1142~3097によってさらに例示される)、
EC2.6.1の活性を有する酵素(例えば、適切なトランスアミナーゼ、例えば、トランスアミナーゼE1V913_HALEDであって、特に、配列番号1のヌクレオチド4603~5985にさらに例示されるもの)、
サルソリノール合成酵素活性を有する酵素(特に、配列番号1のヌクレオチド6779~7009においてさらに例示されるもの)、
EC4.2.1.78の活性を有する酵素(例えば、適切なノルコラウリン合成酵素、例えば、配列番号1のヌクレオチド10117~10689に例示されるようなノルコラウリン合成酵素)および
EC2.1.1.28の活性を有する酵素(例えば、適切なフェニルエタノールアミンN-メチルトランスフェラーゼ(PNMT)、例えば、P11086 PNMTであって、配列番号1のヌクレオチド14784~15335においてさらに例示されるもの)
をコードする。
【0156】
制御配列は、エンハンサー、プロモーター、シグナルペプチド(例えば、AmyEシグナルペプチド、ソルターゼ切断シグナルまたはPrsA)をコードする配列、ターミネーター、5’非翻訳領域(5’UTR)、3’非翻訳領域(3’UTR)および転写制御配列(例えば、アラビノースオペロンまたはCUPオペロンのもの)のような、酵素の発現、翻訳および分泌をもたらすのに必要な配列を含む。通常、プラスミドはまた、プラスミドの維持に必要な付加的配列、例えば、複製起点(例えば、oriU)および/またはレポーターもしくは選択遺伝子(例えば、mRaspberryレポーター)をも含む。このような配列の例を、配列番号1に示す。しかし、当業者は、当業者の一般常識の一部を形成する代替物を認識しており、その配列は、配列データベースにおいて公的に入手可能である。
【0157】
プラスミドの選択された配列およびコドン使用頻度に適合する、任意の適切な宿主を使用することができる。例えば、配列番号1に例示されるプラスミドについては、適切なバチルス菌株、例えば、適切な枯草菌株を宿主として使用することができる。例えば、エレクトロコンピテント宿主として枯草菌(WB-600)を使用することができる。プラスミドを宿主細胞に導入する方法は、当業者に広く知られており、参考文献において提供されている。酵素活性が発現され、宿主細胞の環境中で分泌されるようなプラスミドを含む宿主細胞を、次いでワンポット化学酵素合成法に用いることができる。宿主細胞を合成法に直接使用してもよいし、前記宿主細胞の発酵の上清のみを使用してもよい。適切な発酵手順もまた当業者に知られており、例えば細胞カルチャーコレクションのカタログから公的に入手可能であり、選択された宿主細胞に依存する。
【0158】
式(I)の化合物の薬学的に許容される塩は、当業者に周知の従来のプロセスによって製造することができる。医薬組成物および剤形の製造ならびに製造に使用される担体、希釈剤およびその他の物質については、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 20th Edition, 2000, Marck Publishing Company, Easton, Pennsylvaniaを参照のこと。
【0159】
本発明の化合物の薬理学的活性は、当該技術分野で知られている方法により確認することができる。例えば、アルコール希求行動の抑制効果は、Heidbreder, C.A., et al., Addict Biol. 2007 Mar;12(1):35-50に記載された手順を用いて確認することができる。パーキンソニズム予防活性は、例えば、Okuda, K., et al. Biol Pharm Bull. 2006 Jul;29(7):1401-1403に記載されている。
【0160】
以下の具体的な非限定的実施例により、本発明の化合物をさらに特定する。
【0161】
化合物1
5-フルオロ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール
【化24】
【0162】
4-フルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Bを用い、次いで全般的手順C’およびHを用いた。
【0163】
【化25】
【0164】
化合物2
6-フルオロ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール
【化26】
【0165】
5-フルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Bを用い、次いで全般的手順C’およびHを用いた。
【0166】
【化27】
【0167】
化合物3
1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドール
【化28】
【0168】
1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Bを用い、次いで全般的手順C’およびHを用いた。
【0169】
【化29】
【0170】
化合物4
4,6-ジフルオロ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール
【化30】
【0171】
5-フルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Bを用い、次いで全般的手順C’およびHを用いた。
【0172】
【化31】
【0173】
化合物5
7-フルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン
【化32】
【0174】
1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Bを用い、次いで全般的手順Gを用いた。
【0175】
【化33】
【0176】
化合物6(本発明の一部ではない)
10-フルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン
【化34】
【0177】
6-フルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Bを用い、次いで全般的手順Gを用いた。
【0178】
【化35】
【0179】
化合物7
7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン
【化36】
【0180】
4,5,6-トリフルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Bを用い、次いで全般的手順Gを用いた。
【0181】
【化37】
【0182】
化合物8
7,9-ジフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン
【化38】
【0183】
5-フルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Bを用い、次いで全般的手順Gを用いた。
【0184】
【化39】
【0185】
化合物9
7,8,10-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン
【化40】
【0186】
4,6-ジフルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Bを用い、次いで全般的手順Gを用いた。
【0187】
【化41】
【0188】
化合物10
4,5,6,7-テトラフルオロ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール
【化42】
【0189】
4,5,6-トリフルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Bを用い、次いで全般的手順C’およびHを用いた。
【0190】
【化43】
【0191】
化合物11
5,6-ジフルオロ-1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドール
【化44】
【0192】
5,6-ジフルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Bを用い、次いで全般的手順C’およびHを用いた。
【0193】
【化45】
【0194】
化合物12
5,6,7-トリフルオロ-1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドール
【化46】
【0195】
4,5,6-トリフルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Bを用い、次いで全般的手順C’およびHを用いた。
【0196】
【化47】
【0197】
化合物13
4,5,6,7-テトラフルオロ-1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドール
【化48】
【0198】
4,5,6-トリフルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Bを用い、次いで全般的手順C’およびHを用いた。
【0199】
【化49】
【0200】
化合物14
7,8,10-トリフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン
【化50】
【0201】
5-((3,4-ジフルオロフェニル)フルオロメチル)ピロリジン-2-オンから出発して全般的手順Dを用いた。
【0202】
【化51】
【0203】
化合物15
7,10-ジフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン
【化52】
【0204】
5-(フルオロ(4-フルオロフェニル)メチル)ピロリジン-2-オンから出発して全般的手順Dを用いた。
【0205】
【化53】
【0206】
化合物16
9,10-ジフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン
【化54】
【0207】
2 5-(フルオロ(2-フルオロフェニル)メチル)ピロリジン-2-オンから出発して全般的手順Dを用いた。
【0208】
【化55】
【0209】
化合物17
7,8-ジフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン
【化56】
【0210】
5-(3,4-ジフルオロベンジル)ピロリジン-2-オンから出発して全般的手順Dを用いた。
【0211】
【化57】
【0212】
化合物18
(5R,11S)-10,11-ジフルオロ-5-メチル-1,2,5,6,11,11a-ヘキサヒドロ-3H-インドリジノ[6,7-b]インドール-3-オン
【化58】
【0213】
5-((S)-フルオロ(4-フルオロ-1-(トリイソプロピルシリル)-1H-インドール-3-イル)メチル)ピロリジン-2-オンまたは5-((S)-(1-ベンジル-4-フルオロ-1H-インドール-3-イル)フルオロメチル)ピロリジン-2-オンから出発して全般的手順Eを用いた。
【0214】
【化59】
【0215】
化合物19
(6R,12S)-12-フルオロ-6-メチル-6,9,10,11,11a,12-ヘキサヒドロインドロ[3,2-b]キノリジン-8(5H)-オン
【化60】
【0216】
6-((S)-フルオロ(1-(トリイソプロピルシリル)-1H-インドール-3-イル)メチル)ピペリジン-2-オンまたは6-((S)-(1-ベンジル-1H-インドール-3-イル)フルオロメチル)ピペリジン-2-オンから出発して全般的手順Eを用いた。
【0217】
【化61】
【0218】
化合物20
(5R,11S)-11-フルオロ-5-メチル-1,2,5,6,11,11a-ヘキサヒドロ-3H-インドリジノ[6,7-b]インドール-3-オン
【化62】
【0219】
5-((S)-フルオロ(1-(トリイソプロピルシリル)-1H-インドール-3-イル)メチル)ピロリジン-2-オンまたは5-((S)-(1-ベンジル-1H-インドール-3-イル)フルオロメチル)ピロリジン-2-オンから出発して全般的手順Eを用いた。
【0220】
【化63】
【0221】
化合物21
(6R,12S)-1,12-ジフルオロ-6-メチル-6,9,10,11,11a,12-ヘキサヒドロインドロ[3,2-b]キノリジン-8(5H)-オン
【化64】
【0222】
(S)-6-((S)-フルオロ(4-フルオロ-1-(トリイソプロピルシリル)-1H-インドール-3-イル)メチル)ピペリジン-2-オンまたは6-((S)-(1-ベンジル-4-フルオロ-1H-インドール-3-イル)フルオロメチル)ピペリジン-2-オンから出発して全般的手順Eを用いた。
【0223】
【化65】
【0224】
化合物22
(5R,11aS)-9-フルオロ-5-メチル-1,2,5,6,11,11a-ヘキサヒドロ-3H-インドリジノ[6,7-b]インドール-3-オン
【化66】
【0225】
5-((5-フルオロ-1-(トリイソプロピルシリル)-1H-インドール-3-イル)メチル)ピロリジン-2-オンまたは5-((1-ベンジル-6-フルオロ-1H-インドール-3-イル)メチル)ピロリジン-2-オンから出発して全般的手順Eを用いた。
【0226】
【化67】
【0227】
化合物23
(6R,11aS)-2-フルオロ-6-メチル-6,9,10,11,11a,12-ヘキサヒドロインドロ[3,2-b]キノリジン-8(5H)-オン
【化68】
【0228】
6-((5-フルオロ-1-(トリイソプロピルシリル)-1H-インドール-3-イル)メチル)ピペリジン-2-オンまたは6-((1-ベンジル-5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)メチル)ピペリジン-2-オンから出発して全般的手順Eを用いた。
【0229】
【化69】
【0230】
化合物24
(4S)-4,6-ジフルオロ-1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドール
【化70】
【0231】
(2S)-2-フルオロ-2-(5-フルオロ-1H-インドール-3-イル)エタナミンから出発して全般的手順Hを用いた。
【0232】
【化71】
【0233】
化合物25
(5S,6S,10bS)-6,9-ジフルオロ-5-メチル-1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オン
【化72】
【0234】
4-フルオロベンズアルデヒドから出発して全般的手順Aを用い、次いで手順Fを用いた。
【0235】
【化73】
【0236】
化合物26
(5R,6S,10bR)-6,8,9-トリフルオロ-5-メチル-1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オン
【化74】
【0237】
3,4-ジフルオロベンズアルデヒドから出発して全般的手順Fを用いた。
【0238】
【化75】
【0239】
化合物27(本発明の一部ではない)
(12bS)-8,9-ジフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン
【化76】
【0240】
4,5-ジフルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Gを用いた。
【0241】
【化77】
【0242】
化合物28
7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン
【化78】
【0243】
4,5-ジフルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Gを用いた。
【0244】
【化79】
【0245】
化合物29
(7R,12bR)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン
【化80】
【0246】
4,5-ジフルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Gを用いた。
【0247】
【化81】
【0248】
化合物30
(7S,12bS)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン
【化82】
【0249】
4,5-ジフルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Gを用いた。
【0250】
【化83】
【0251】
化合物31
(7R,12bS)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン
【化84】
【0252】
4,5-ジフルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Gを用いた。
【0253】
【化85】
【0254】
化合物32
(5S,6R,10bS)-6,8-ジフルオロ-5-メチル-1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オン
【化86】
【0255】
3-フルオロベンズアルデヒドから出発して全般的手順Fを用いた。
【0256】
【化87】
【0257】
化合物33
(5S,10S,10aR)-8,10-ジフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン
【化88】
【0258】
3-フルオロベンズアルデヒドから出発して全般的手順Dを用いた。
【0259】
【化89】
【0260】
化合物34
(1R,4R)-4,6,7-トリフルオロ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール
【化90】
【0261】
5,6-ジフルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Hを用いた。
【0262】
【化91】
【0263】
化合物35
(7R,12bS)-7,9,10-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン
【化92】
【0264】
5,6-ジフルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Gを用いた。
【0265】
【化93】
【0266】
化合物36
(7R,12bR)-7,8-ジフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン
【化94】
【0267】
4-フルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Gを用いた。
【0268】
【化95】
【0269】
化合物37
(5R,6R,10bS)-6,9-ジフルオロ-5-メチル-1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オン
【化96】
【0270】
4-フルオロベンズアルデヒドから出発して全般的手順Fを用いた。
【0271】
【化97】
【0272】
化合物38
6-フルオロ-1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドール
【化98】
【0273】
5-フルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Hを用いた。
【0274】
【化99】
【0275】
化合物39
(7R,12bS)-7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン
【化100】
【0276】
4,5,6-トリフルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Gを用いた。
【0277】
【化101】
【0278】
化合物40
(7R,12bR)-7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン
【化102】
【0279】
4,5,6-トリフルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Gを用いた。
【0280】
【化103】
【0281】
化合物41
(7S,12bR)-7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン
【化104】
【0282】
4,5,6-トリフルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Gを用いた。
【0283】
【化105】
【0284】
化合物42
(5S,10R,10aR)-7,8,10-トリフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン
【化106】
【0285】
5-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フルオロ)メチル]ピロリジン-2-オンから出発して全般的手順Dを用いた。
【0286】
【化107】
【0287】
化合物43
(5S,10R,10aS)-7,8,10-トリフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン
【化108】
【0288】
(5S)-5-[(R)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フルオロ)メチル]ピロリジン-2-オンから出発して全般的手順Dを用いた。
【0289】
【化109】
【0290】
化合物44
(5S,10S,10aR)-7,8,10-トリフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン
【化110】
【0291】
(5R)-5-[(S)-(3,4-ジフルオロフェニル)(フルオロ)メチル]ピロリジン-2-オンから出発して全般的手順Dを用いた。
【0292】
【化111】
【0293】
化合物45
(12bS)-9,10-ジフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン
【化112】
【0294】
5,6-ジフルオロ-1H-インドール-3-カルバルデヒドから出発して全般的手順Bを用い、次いで全般的手順Gを用いた。
【0295】
【化113】
【0296】
本発明の化合物の結合親和性に関する実験
本発明の化合物の結合親和性の計算は、Qvina2を用い、明示的にランダムなシードに5061982の値を用いて行った。網羅性は100であった。本発明の化合物の結合親和性計算を実施する方法は、当該技術分野で周知であり、Alhossary A. et al. Fast, Accurate, and Reliable Molecular Docking with QuickVina 2 Bioinformatics (2015) 31 (13) 2214-2216, O. Trott, A. J. Olson, AutoDock Vina: improving the speed and accuracy of docking with a new scoring function, efficient optimization and multithreading, Journal of Computational Chemistry 31 (2010) 455-461, Feinstein WP, Brylinski M. Calculating an optimal box size for ligand docking and virtual screening against experimental and predicted binding pockets. J. Cheminform. (2015), 7 (1): 18, Tetko, I. V. et al. Virtual computational chemistry laboratory - design and description, J. Comput. Aid. Mol. Des., 2005, 19, 453-63, VCCLAB, Virtual Computational Chemistry Laboratory, http://www.vcclab.org, 2005にも記載されている。結合親和性の計算のための中心の探索空間(X,Y,Z)座標は、当該技術分野で周知の方法で得ることができる。例えば、PDB ID 1bp3およびタンパク質ホモログClassA_5ht1a_human_Active_6G79_2018-07-10_GPCRDBの探索空間(X,Y,Z)座標は、それぞれ(13.730, 30.880, 13.170)および(91.84457623, 54.99481, 63.31365)であった。本発明の化合物の計算に使用したタンパク質のPDB IDおよびタンパク質ホモログコードを表1に列挙し、計算結果を表2に示す。
【0297】
【表1(1)】
【表1(2)】
【表1(3)】
【0298】
【表2(1)】
【表2(2)】
【表2(3)】
【表2(4)】
【表2(5)】
【表2(6)】
【表2(7)】
【表2(8)】
【0299】
ドーパミントランスポーターに対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(7R,12bR)-7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(40)である。
【0300】
ドーパミン1型受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(5S,6S,10bS)-6,9-ジフルオロ-5-メチル-1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オン(25)である。
【0301】
ドーパミン2型受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(5R,6S,10bR)-6,8,9-トリフルオロ-5-メチル-1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オン(26)である。
【0302】
ドーパミン3型受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(5S,10R,10aR)-7,8,10-トリフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン(42)である。
【0303】
ドーパミン4型受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(7R,12bS)-7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(39)である。
【0304】
ノルエピネフリントランスポーターに対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(12bS)-8,9-ジフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(27)である。
【0305】
フェニルエタノールアミンN-メチルトランスフェラーゼに対して最も強い結合親和性を有する化合物は、7,8-ジフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン(17)、好ましくは(5S,10aR)-7,8-ジフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン異性体である。
【0306】
セロトニントランスポーターに対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(7S,12bS)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(30)である。
【0307】
セロトニンN-アセチルトランスフェラーゼに対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(7R,12bS)-7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(39)である。
【0308】
N-アセチルセロトニンメチルトランスフェラーゼに対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(5S,10R,10aS)-7,8,10-トリフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン(43)である。
【0309】
5-HT1A受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(7R,12bR)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(29)である。
【0310】
5-HT2A受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(7)、好ましくは(7S,12bS)-7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン異性体である。
【0311】
5-HT1B受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(12bS)-8,9-ジフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(27)である。
【0312】
5-HT2B受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(7R,12bS)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(31)である。
【0313】
5-HT2C受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(5S,10S,10aR)-7,8,10-トリフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン(44)である。
【0314】
5-HT3受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(4S)-4,6-ジフルオロ-1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドール(24)である。
【0315】
モノアミノオキシダーゼAに対して最も強い結合親和性を有する化合物は、7,10-ジフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン(15)、好ましくは(5R,10R,10aS)-7,10-ジフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン異性体である。
【0316】
モノアミノオキシダーゼBに対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(1S,4S)-4,6-ジフルオロ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール(4)である。
【0317】
カテコール-O-メチルトランスフェラーゼに対して最も強い結合親和性を有する化合物は、7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(28)、好ましくは(7S,12bR)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン異性体である。
【0318】
α-1Aアドレナリン受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(7S,12bR)-7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(43)である。
【0319】
α-1Bアドレナリン受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(12bS)-9,10-ジフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(45)である。
【0320】
α-2Aアドレナリン受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(12bS)-8,9-ジフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(27)である。
【0321】
α-2Bアドレナリン受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(5S,6R,10bS)-6,8-ジフルオロ-5-メチル-1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オン(32)である。
【0322】
α-2Cアドレナリン受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、5,6,7-トリフルオロ-1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドール(12)である。
【0323】
β-1アドレナリン受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(5S,10S,10aR)-8,10-ジフルオロ-5-メチル-1,5,10,10a-テトラヒドロピロロ[1,2-b]イソキノリン-3(2H)-オン(33)である。
【0324】
β-2アドレナリン受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(1R,4R)-4,6,7-トリフルオロ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール(34)である。
【0325】
フェニルアラニンヒドロキシラーゼに対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(7R,12bS)-7,9,10-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(35)である。
【0326】
チロシンヒドロキシラーゼに対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(7S,12bS)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(30)である。
【0327】
H1ヒスタミン受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(7R,12bR)-7,8-ジフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(36)である。
【0328】
H3ヒスタミン受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(7S,12bR)-7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(41)である。
【0329】
OX1オレキシン受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(7R,12bS)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(31)である。
【0330】
OX2オレキシン受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(7R,12bS)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(31)である。
【0331】
プロラクチン受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(7R,12bR)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(29)である。
【0332】
NMDA受容体GluN1に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(5R,6R,10bS)-6,9-ジフルオロ-5-メチル-1,5,6,10b-テトラヒドロピロロ[2,1-a]イソキノリン-3(2H)-オン(37)である。
【0333】
NMDA受容体Glu2Bに対して最も強い結合親和性を有する化合物は、4,5,6,7-テトラフルオロ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール(10)、好ましくは(1S,4R)-4,5,6,7-テトラフルオロ-1-メチル-2,3,4,9-テトラヒドロ-1H-ピリド[3,4-b]インドール異性体である。
【0334】
α4β2ニコチン受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、6-フルオロ-1-メチル-4,9-ジヒドロ-3H-ピリド[3,4-b]インドール(38)である。
【0335】
σ1受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(7S,12bS)-7,8,9-トリフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(30)である。
【0336】
ノシセプチン/オルファニン受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(7R,12bR)-7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(40)である。
【0337】
μオピオイド受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、(7S,12bR)-7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(41)である。
【0338】
δオピオイド受容体に対して最も強い結合親和性を有する化合物は、7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン(7)、好ましくは(7S,12bS)-7,8,9,10-テトラフルオロ-1H,2H,3H,4H,6H,7H,12H,12bH-インドロ[2,3-a]キノリジン-4-オン異性体である。
【0339】
技術の進歩に伴って本発明の概念を様々な様式で実施できることは、当業者にとって明らかであろう。本発明およびその実施形態は、上述した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内で種々に変形可能である。
【配列表】
2024511886000001.app
【国際調査報告】