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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-15
(54)【発明の名称】失禁装置用の伸縮性積層体
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/56 20060101AFI20240308BHJP
   A61F 13/62 20060101ALI20240308BHJP
   D04H 1/4374 20120101ALI20240308BHJP
   D04H 3/14 20120101ALI20240308BHJP
【FI】
A61F13/56
A61F13/62 100
D04H1/4374
D04H3/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023579651
(86)(22)【出願日】2022-03-10
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 IB2022000121
(87)【国際公開番号】W WO2022189860
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/160,079
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523348759
【氏名又は名称】アプリックス,エスア
【氏名又は名称原語表記】APLIX, SA
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】レスター,ドナルド,ハーレイ
【テーマコード(参考)】
3B200
4L047
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200BA12
3B200BB03
3B200BB09
3B200DE01
3B200DE13
4L047AB02
4L047AB03
4L047BA04
4L047CA01
4L047CA05
4L047CA06
4L047CB01
4L047CC03
4L047EA02
4L047EA05
4L047EA10
(57)【要約】
【課題】本発明は、失禁装置のための伸縮性積層体を提供する。
【解決手段】失禁装置のための部品は、伸縮性積層体を備え、伸縮性積層体は、10N/インチの引張荷重において、約20%未満のひずみを伴う伸びを有するストレッチゾーンと、10N/インチの引張荷重において、10N/インチの引張荷重におけるストレッチゾーンの伸びよりも少なくとも約20%低い伸びを有するデッドゾーンと、伸縮性積層体のデッドゾーン内に設置されたフック層とを備えており、フック層は高さHを有し、ストレッチゾーンは高さHを有し、フック層が設置されているデッドゾーンは高さHを有し、H+H≧Hである。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の不織布と、第2の不織布と、前記第1の不織布および前記第2の不織布の間に積層された弾性フィルムと、
10N/インチの引張荷重において、20%未満または5%~15%のひずみ(SET)を有する伸びを有するストレッチゾーンと、
10N/インチの引張荷重において、10N/インチの引張荷重における前記ストレッチゾーンの伸びよりも少なくとも20%低い伸びか、または10N/インチの引張荷重において、10N/インチの引張荷重における前記ストレッチゾーンの伸びよりも少なくとも50%低い伸びを有するデッドゾーンと、
前記第1の不織布または前記第2の不織布が貼りつけられたフック層と、
を有する伸縮性積層体を含む吸収性物品装置または失禁装置用の部品であって、
前記フック層および前記伸縮性積層体は、平行な機械方向(MD)と横方向(TD)を有しており、
前記フック層はデッドゾーンに設置されており、および、
前記フック層は高さHを有し、
前記ストレッチゾーンは高さHを有し、
前記フック層が設置されている前記デッドゾーンは高さHを有し、
+H≧Hである、吸収性物品装置または失禁装置用の部品。
【請求項2】
前記ストレッチゾーンが、断面において、少なくとも前記第1の不織布と少なくとも前記第2の不織布と少なくとも前記弾性フィルムの一部とを備える幅を有し、
前記第1の不織布と前記第2の不織布と前記弾性フィルムとが互いに接着され、前記ストレッチゾーンの全幅に伸長されている、請求項1に記載の部品。
【請求項3】
前記デッドゾーンが、断面において、少なくとも前記第1の不織布と少なくとも前記第2の不織布と少なくとも前記弾性フィルムの一部とを有し、
前記第1の不織布が前記第2の不織布に接着されている、請求項1に記載の部品。
【請求項4】
前記デッドゾーンが、断面において、少なくとも前記第1の不織布と少なくとも前記第2の不織布と少なくとも前記弾性フィルムの一部とを有し、
前記第1の不織布が、前記第2の不織布に接着されており、
前記弾性フィルムの一部がそれらの不織布の間にある、請求項1に記載の部品。
【請求項5】
前記デッドゾーン内の前記弾性フィルムの一部が、前記弾性フィルムの全幅のうち、50%未満であるか、40%未満であるか、または30%未満である、請求項4に記載の部品。
【請求項6】
前記デッドゾーン内の前記弾性フィルムの一部が、前記弾性フィルムの全幅のうち、30mm未満であるか、または25mm未満である、請求項4に記載の部品。
【請求項7】
前記デッドゾーンが、断面において、前記第2の不織布に接着された前記第1の不織布を有し、それらの不織布の間のいずれの弾性フィルムも除外する、請求項1に記載の部品。
【請求項8】
前記第1の不織布が、前記弾性フィルムに面する内面と前記内面に対向する外面とを含み、
前記第2の不織布が、前記弾性フィルムに面する内面と前記内面に対向する外面とを含み、
フック層が、前記第1の不織布の前記外面、または前記第1の不織布および前記第2の不織布の前記外面に、直接積層または接着剤または超音波接着によって貼りつけられる、請求項1に記載の部品。
【請求項9】
≧Hであるか、またはH≧1.2×Hである、請求項1に記載の部品。
【請求項10】
はHの0.80~1.20であるか、HはHの0.9~1.1であることを特徴とする、請求項1に記載の部品。
【請求項11】
前記ストレッチゾーンが活性化され、前記ストレッチゾーンの高さHが活性化後に測定されることを特徴とする、請求項1に記載の部品。
【請求項12】
前記フック層は、側縁部の1つまでの間にフックを有し、耳部(Selvage)を有さないか、
前記フック層は、側縁部の1つに1つの耳部と、前記耳部までの間に前記フックとを有するか、または、
前記フック層は、それぞれの前記側縁部の1つに2つの耳部と、対応する前記耳部までの間に前記フックとを有する、請求項1に記載の部品。
【請求項13】
前記ストレッチゾーンの前記第2の不織布と前記デッドゾーンの前記第2の不織布とが、同一であるか、または同一の単一材料もしくは連続材料から形成される、請求項1に記載の部品。
【請求項14】
前記第1の不織布および/または前記第2の不織布が、カード式サーマルボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンボンド/メルトブローンの組合せ不織布、ドライレイド不織布、エアレイド不織布、ウェットレイド不織布、ハイドロエンタングル不織布、ニードル不織布、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の部品。
【請求項15】
前記第1の不織布および前記第2の不織布の1つが、スパンボンド不織布またはスパンメルト不織布である、請求項1に記載の部品。
【請求項16】
前記部品は、少なくとも1つのストレッチゾーンと少なくとも2つのデッドゾーンとを含み、前記デッドゾーンは、前記ストレッチゾーンの両側に配置されている、請求項1に記載の部品。
【請求項17】
請求項1に記載の部品を含む、長尺材料ロール。
【請求項18】
トップシートと、バックシートと、前記トップシートおよび前記バックシートの中間に少なくとも部分的に配置される吸収性コアと、前記トップシートおよび前記吸収性コアの中間に少なくとも部分的に配置される捕捉材料と、請求項1に記載の部品とを含む、吸収性物品装置。
【請求項19】
前記吸収性物品装置は、前記吸収性物品を閉じ込めるために、前記トップシートおよび/または前記バックシートの少なくとも一方の先端に、2つのサイドパネルまたは2つの取っ手を備える、請求項1に記載の吸収性物品装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2021年3月12日に出願された同時係属中の米国仮特許出願番号63/160,079号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、吸収性物品装置(例えば、おむつ、パンツ、失禁装置)の構成部品として使用することができる伸縮性積層体に関する。
【背景技術】
【0003】
吸収性物品装置(例えば、おむつ、パンツ、失禁装置)のサイドパネルまたは取っ手は、伸縮し、適合し、身体の動きをより自由にすることができるため、通常、伸縮性積層体(または弾性複合材)の織物で作製されている。弾性フィルムに接着された1層または2層の不織布ウェブ層を利用した伸縮性積層体(または複合材)が知られている。
【0004】
開放型おむつでは、製造者は通常、伸縮性積層体、フックテープ、および接着剤を別々に購入し、機械で組み立てて、取っ手を形成する。パンツ型おむつでは、パンツの確認や取り外しを簡単にできるように、サイドパネルに面ファスナー(メカニカルファスナー)を含むものもある。また、パンツ型おむつの製造者も通常、伸縮性積層体、フックテープ、および接着剤を別々に購入し、機械で組み立ててパンツを形成する。伸縮性材料、フック、および接着剤を別々に購入すると、巻き戻し、裁断、接着剤塗布、および接着を含む複数の加工ステーションがおむつ製造機上に必要となる。これらの処理ステップは、機械、オペレーター、メンテナンスがそれぞれ必要であり、各材料のスクラップなどを含む、組み立てに必要な原材料が関連している。
【0005】
製造者側の関心は、加工工程の数を削減する一体型固定フック(すなわち、すでに積層体に接着され、おむつ製造機上で処理可能なフック)を備える新しい伸縮性積層体にある。これは入荷原材料の数を削減するので、入荷原材料を接合することにより生じるスクラップを減少させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの新しい伸縮性積層体を、それらの製造者により必要とされるロール形状で製造するには、フックと積層体との十分な接着強度、フック端部の摩損性、均一なロール形成、および費用効果を含む、いくつかの課題がある。積層体からフックを剥離可能な強い剥離力またはせん断力をフックが受けるとき、不織布と伸縮性フィルムとの間の接着層が機能しなくなる危険性がある。また、フックを伸縮性積層体に積層すると、フックを積層した部分のウェブが厚くなり、厚みが均一でないロールの巻き取りにおける課題をもたらすこともある。また、顧客の工程中の巻き戻しの課題とフックが対向する層に係合する場合ロールを巻き戻す労力の増加とがある。
【0007】
したがって、現在使用可能な材料の限界を処理し克服する、これらの新しい伸縮性積層体(すなわち、一体型フックを備える伸縮性積層体)が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
失禁装置用の部品は、10N/インチの引張荷重において、約20%未満のひずみ(set)を伴う伸びを有するストレッチゾーンと、ストレッチゾーンの伸びよりも少なくとも約20%低い伸びを有するデッドゾーンと、伸縮性積層体のデッドゾーン内に設置されたフック層とを備える伸縮性積層体を含み、フック層は高さHを有し、ストレッチゾーンは高さHを有し、フック層が設置されているデッドゾーンは高さHを有し、H+H≧Hである。
【0009】
本発明を説明する目的で、図面に現在好ましい形態が示されているが、本発明は、示された正確な配置および手段に限定されないことが理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】本発明の実施形態の図である。
図1B】本発明の別の実施形態の図である。
図2】本発明の別の実施形態の図である。
図3A】本発明の別の実施形態の図である。
図3B】本発明の別の実施形態の図である。
図3C】本発明の別の実施形態の図である。
図3D】本発明の別の実施形態の図である。
図3E】本発明の別の実施形態の図である。
図4A】本発明の別の実施形態の図である。
図5A図5A1は、本発明の別の実施形態の図である。図5A2は、図5A1の一部の拡大図である。
図5B】本発明の別の実施形態の図である。
図6】本発明の別の実施形態の図である。
図7】耳部を備えるフック層の例の写真である。
図8】閉じた構成における開放型おむつの図である。
図9】開いた構成における開放型おむつの図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のいくつかの非限定的な実施形態が図1~9が示されており、類似の部品は類似の識別子を有する。
【0012】
一般に、本発明は、吸収性物品100または失禁装置100の一つの部品、例えば、取っ手またはサイドパネル200である。失禁装置は、乳児/幼児/大人用であってよく、例えば図8~9のように、開放型失禁装置において使用されてよい。この部品は、伸縮性積層体と一体型フック層とを組み合わせる。この部品は、上述の通り、失禁装置の組立工程におけるステップを削減することで、失禁装置の組立(または製造)を簡略化するように設計されている。
【0013】
一般的に、部品10は、伸縮性積層体30に貼りつけられたフック層20を含む。フック層20と伸縮性積層体30とは、一致する(か、または平行な)機械方向(MD)と幅方向(TD)とを有する。図面(図1~6)において、TDはシートの面を横切るが、MDは(TDに対して垂直であり、)シートの面を通り抜ける(か、または中に入る)。伸縮性積層体30は、MDに延びるストレッチゾーン32と、MDに延びるデッドゾーン34とを有する。ストレッチゾーン32は、断面において、第1の不織布40と、第2の不織布42と、第1の不織布40および第2の不織布42の間に積層される弾性フィルム44とを有する(か、または有してもよい)。デッドゾーン34は、断面において、第2の不織布に接着された第1の不織布40を有する(か、または有してもよい)。フック層20は、デッドゾーン34内に設置することができる。他の実施形態において、図3Eおよび図4Aのように、デッドゾーン34は、断面において、第2の不織布に接着された第1の不織布40と、それらの不織布の間にある弾性フィルムの一部とを有する(か、または有してもよい)。
【0014】
示された実施形態において、層(40、42、44)は、互いに接着されている。任意の従来の接着剤を使用することができる。接着剤を任意の従来の方法で噴霧するか、または押し出すことができる。例えば接着剤は、使用する接着剤の量を減らすために、接着剤ストライプ幅と隣接する接着剤ストライプ間の距離との比(参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8716547号明細書に記載される)が0.33~1であるか、または有利には0.33未満であるように分布させることができる。図1B図3Cに、接着剤ストライプを示す。接着剤の塗布パターンは、全面連続的、断続的、線状、または点状であってよい。接着剤46が示されているが、熱接着、超音波接着、不織布を熱接着するために使用される二成分繊維、弾性フィルムの溶融弾性体を介した自己接着、および/またはカプセル化繊維不織布の接着、およびそれらの組み合わせを含む、任意の従来の接着方法を使用することができる。
【0015】
不織布は、いかなる不織布であってもよい。そのような不織布は、カード式サーマルボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンボンド/メルトブローンの組合せ不織布、ドライレイド不織布、エアレイド不織布、ウェットレイド不織布、ハイドロエンタングル不織布、ニードル不織布、またはそれらの任意の組み合わせを含む。それらは、多成分の繊維もしくはフィラメントか、または異なる繊維もしくはフィラメントの混合物か、またはその両方を使用してよい。ストレッチゾーンの第1の不織布とデッドゾーンの第1の不織布とは、同一であるか、または同一の単一材料もしくは連続材料から形成されていてよい。ストレッチゾーンの第2の不織布とデッドゾーンの第2の不織布とは、同一であるか、または同一の単一材料もしくは連続材料から形成されていてよい。一つの実施形態では、第1の不織布は、カード式スパンレース不織布である。別の実施形態では、第2の不織布は、カード式サーマルボンド不織布である。図3Cおよび図3Dに示されるように、第1および第2の不織布は、様々な高さを有してよいか、または不織布の追加層を含んでよい。伸縮性積層体に使用することができる不織布の例を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
不織布の他の組み合わせを使用してもよく、本明細書はこれらの例で引用された不織布に限定されない。
【0018】
フック層20は、基材25から突出したフックを含むことができる。よく知られるように、これらの種類のストリップは、通常押し出されている。フックは、ストリップの側縁部から側縁部まで、すなわち耳部(selvage)を除き、基材25を横切って延びることができる。これらのフックは、デッドゾーンに設置される。「設置(in register)」とは、フックがデッドゾーンのみにあり、ストレッチゾーン上に延びたり、または重なったりしないことを意味する。いくつかの実施形態では、図3E図4A図7に示すように、フック層は、耳部22を有してよい。これらの実施形態において、フックは、デッドゾーンに設置されている。他の実施形態において、フック層は、ストレッチゾーン内に延びないフック層のフックを含むデッドゾーンに設置される。フック層がデッドゾーンに設置されている限り、フック層は、例えば図3Bおよび図5Bのように、ストレッチゾーンの側縁部からオフセットされるか、または離れていてよい。フック層は、図2~5に示すように、2つ以上のストリップを含んでよい。フック層は、国際公開2019/145647号、および/または国際公開2019/145646号、および/または国際出願番号PCT/FR2020/052380、および/または国際出願番号PCT/FR2020/052379に記載の通りであってよく、すべて参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
フック層と伸縮性積層体とは、接着剤、熱接着、超音波接着、融着接着、カプセル化繊維による機械的接着、および/またはカレンダー処理、およびそれらの組合せのうち1つ以上により互いに貼りつけられる(か、または接合される)。
【0020】
ストレッチゾーンは活性化されてよく、ストレッチゾーンの高さHは活性化後に測定されてよい。活性化は、リングローラーによりされてよい。活性化されたストレッチゾーンの高さは、活性化前のストレッチゾーンの高さより高くてもよい。
【0021】
使用時、フック層は、失禁装置の胴体部(chassis)に貼りつけられたループ材と係合することによって、取っ手またはサイドパネルの自由端を失禁装置の胴体部に取り外し可能に取り付けるために使用される。したがって、ストレッチゾーン材料が取り付けを阻害しない(か、または様々な厚さのロールを生じさせない)ように、フック層上のフックの頂点はストレッチゾーン材料の高さか、またはその付近にすべきである。いくつかの実施形態において、このことは、次のように表すことができる:フック層は高さHを有し、ストレッチゾーンは高さHを有し、フック層がデッドゾーンに設置されている部分の伸縮性積層体は高さHを有し、H+H>Hであるが、その差は10%未満である。他の実施形態において、このことは、次のように表すことができる:フック層は高さHを有し、ストレッチゾーンは高さHを有し、フック層がデッドゾーンに設置されている部分の伸縮性積層体は高さHを有し、H≧Hである。
【0022】
場合によっては、Hは0.3mm~2.0mmであり、好ましくは0.4mm~1.5mmであり、さらに好ましくは0.5mm~1.0mmである。
【0023】
場合によっては、Hは0.20mm~0.5mmであり、好ましくは0.25mm~0.45mmであり、さらに好ましくは0.30mm~0.45mmである。
【0024】
場合によっては、Hは0.25mm~2.5mmであり、好ましくは0.35mm~1.5mmであり、さらに好ましくは0.45mm~1.0mmである。
【0025】
圧力0.1kPaおよび直径23mm、すなわち約415mmの円形キャリパーを使用し、「D-2005-V」を参照する「PRECISION THICKNESS TESTER」を使用することにより、Hおよび/またはHおよび/またはHの値を測定することができる。
【0026】
必要に応じて、光学測定装置、例えばLeica製のZ16APO型マクロスコープ0.57x-9.2xを使用することにより、Hを測定することができる。
【0027】
【表2】
【0028】
吸収性物品装置の部品上に配置されたフック層は、機械方向(MD)の長さが300mm未満であり、他の場合では250mm未満であり、別の場合では200mm未満である。
【0029】
フック層は、高さ0.12~0.33mmのフック、具体的には高さ0.18~0.32mmのフックを含む。
【0030】
図1A図6において、フック層は、不織布に直接積層される、すなわち接着剤なしで表される。他のいくつかの場合、フック層は、超音波接着または熱接着などの他の技術により弾性積層体に貼りつけることができる。
【0031】
図3Dでは、区域36は活性化された区域36を表わし、区域32は活性化された区域36とは異なるストレッチゾーン32を表す。別の実施形態では、活性化された区域またはストレッチゾーンは同じでも異なっていてもよい。
【0032】
吸収性物品装置上に配置されたフック層は、機械方向の長さが30mmより大きく、場合によっては40mmより大きく、他の場合では50mmより大きく、別の場合では60mmより大きい。
【0033】
図1Bおよび図3Cでは、接着剤は、弾性フィルムの中央部に線状に塗布されており、弾性フィルムの端部に接する区域全面に塗布されている。図1A図2図3A図3B図3D図3E図4A図5A図5B、および図6の実施形態の接着剤は表面全体にあるが、図1Bおよび図3Cに表されるものと同様にすることもできる。
【0034】
ストレッチゾーンは、10N/インチの引張荷重において、20%未満(好ましくは5%~15%)のひずみを伴う伸びを有する。このようなひずみを測定するために使用される試験方法は、記載されたものと同一であってよい。
【0035】
用語「20%未満のひずみを伴う伸びを有するストレッチゾーン」は、横方向に及ぼされる延伸力の効果の下で延ばされ、前述の延伸力が解放された後、初期形状および寸法に本質的に戻るのに適した材料という意味で使用される。一例として、周囲温度(23℃)において、初期寸法の100%だけ伸ばされた後、(伸ばされる前の)初期寸法の20%未満である、延伸し解放された後の残留変形または残存(このような残留変形は「永久ひずみ(permanent set)」または「ひずみ(set)」とも呼ばれる)を保持する材料であってよい。参照によりその内容が組み込まれる、欧州特許出願公開1783257号明細書、具体的には、詳細なひずみ測定の例を説明する欧州特許出願公開1783257号明細書段落[0056]~[0062]に記載の通り、ひずみを測定することができる。
【0036】
いくつかの実施形態において、ストレッチゾーンは、5%~15%のひずみを伴う伸びを有する。
【0037】
用語「10N/インチの引張荷重において」は、上述したひずみについての試験と同様であり、10Nにおける最初の伸びの値は、試験サンプルの最初の伸びの間に記録される。
【0038】
いくつかの実施形態では、10N/インチの引張荷重におけるデッドゾーンの伸びは、10N/インチの引張荷重におけるストレッチゾーンの伸びよりも少なくとも20%低い。いくつかの他の実施形態では、10N/インチの引張荷重におけるデッドゾーンの伸びは、10N/インチの引張荷重におけるストレッチゾーンの伸びよりも少なくとも50%低い。
【0039】
いくつかの実施形態では、ストレッチゾーンを得るために、参照によりその内容が組み込まれる米国特許第8236121号明細書に記載の通り、弾性フィルムが張力を受ける(か、または伸ばされた状態である)とき、弾性フィルムおよび/または第1の不織布が積層される。フック層は、15gsm~120gsmであり、具体的には15gsm~70gsmである。基材の高さは0.04mm~0.1mmであり、具体的には0.2~0.8である。
【0040】
あるいは、本発明は以下の通りであってよい。
【0041】
第1の不織布と、第2の不織布と、第1の不織布および第2の不織布の間に積層された弾性フィルムと、具体的には第1の不織布または第2の不織布である伸縮性積層体に貼りつけられたフック層と、10N/インチの引張荷重において20%未満(好ましくは5%~15%)のひずみを伴う伸びを有するストレッチゾーンと、10N/インチの引張荷重における伸びが10N/インチの引張荷重におけるストレッチゾーンの伸びよりも少なくとも20%低く、好ましくは10N/インチの引張荷重における伸びが10N/インチの引張荷重におけるストレッチゾーンの伸びよりも少なくとも50%低いデッドゾーンと、を有する伸縮性積層体を含む吸収性物品装置、例えば失禁装置の部品であって、フック層と伸縮性積層体とが、それぞれ平行な機械方向(MD)と横方向(TD)とを有し、フック層がデッドゾーン内に設置されており、フック層は高さHを有し、ストレッチゾーンは高さHを有し、フック層が設置されたデッドゾーンは高さHを有し、H+H≧Hである、吸収性物品装置の部品である。
【0042】
ストレッチゾーンが、断面において、少なくとも第1の不織布の一部と少なくとも第2の不織布の一部と少なくとも弾性フィルムの一部とを備える幅を有し、第1の不織布は第2の不織布に接着されており、弾性フィルムはストレッチゾーンの全幅に伸長している、前段落に記載の部品である。
【0043】
デッドゾーンが、断面において、少なくとも第1の不織布の一部と少なくとも第2の不織布の一部とを有し、第1の不織布は第2の不織布に接着されている、前段落の1つに記載の部品である。
【0044】
デッドゾーンが、断面において、少なくとも第1の不織布の一部と少なくとも第2の不織布の一部と少なくとも弾性フィルムの一部とを有し、第1の不織布が第2の不織布に接着され、弾性フィルムの一部はそれらの間に接着されている、前段落の1つに記載の部品である。
【0045】
デッドゾーン内の弾性フィルムの一部が、弾性フィルムの全幅のうち50%未満(好ましくは40%未満)である、前段落に記載の部品である。
【0046】
デッドゾーン内の弾性フィルムの一部が、弾性フィルムの全幅のうち30mm未満(好ましくは25mm未満)である、前段落に記載の部品である。
【0047】
デッドゾーンが、断面において、第2の不織布に接着された第1の不織布を有し、それらの間のいずれの弾性フィルムも除外する、前段落の1つに記載の部品である。
【0048】
フック層がデッドゾーン内に設置され、フック層が第1の不織布または第2の不織布に貼りつけられる、前段落の一つに記載の部品である。
【0049】
第1の不織布は、弾性フィルムに面する内面とその内面に対向する外面とを含み、第2の不織布は、弾性フィルムに面する内面とその内面に対向する外面とを含み、フック層が、第1の不織布の外面、または第1の不織布および第2の不織布の外面に、具体的には直接積層または接着剤または超音波接着によって貼りつけられている、前段落の1つの記載の部品である。
【0050】
≧Hであり、具体的にはH≧1.2×Hである、前段落の1つに記載の部品である。
【0051】
はHの0.80%~1.20%であり、具体的にはHはHの0.90%~1.1%である、前段落の1つに記載の部品である。
【0052】
フック層と伸縮性積層体とが、接着剤、熱接着、超音波接着、融着接着、カプセル化繊維による機械的接着、カレンダー処理、およびこれらの組み合わせのうち1つ以上によって、互いに貼りつけられている、前段落の1つに記載の部品である。
【0053】
第1の不織布および/または第2の不織布の少なくとも1つが2成分不織布である、前段落の1つに記載の部品である。
【0054】
ストレッチゾーンは活性化され、ストレッチゾーンの高さHは活性化後に測定されている、前段落の1つに記載の部品である。
【0055】
活性化はリングローリングによるものである、前段落の1つに記載の部品である。
【0056】
弾性フィルムと第1の不織布とが、弾性フィルムが張力を受けたときに積層されている、前段落の1つに記載の部品である。
【0057】
フック層は、フック層の側縁部の1つまでの間にフックを有し、対応する側縁部の1つに耳部がないか、またはフック層は、側縁部の1つに耳部と、その耳部までの間にフックとを有するか、またはフック層は、それぞれの側縁部に2つの耳部と、その対応する耳部までの間にフックとを有する、前段落の1つに記載の部品である。
【0058】
弾性フィルムがデッドゾーン内に延びており、耳部が少なくとも弾性フィルムの一部の上方に延びている、前段落の1つに記載の部品である。
【0059】
ストレッチゾーンの第1の不織布とデッドゾーンの第1の不織布とが、同一であるか、または同一の単一材料もしくは連続材料で形成されている、前段落の1つに記載の部品である。
【0060】
ストレッチゾーンの第2の不織布とデッドゾーンの第2の不織布とが、同一であるか、または同一の単一材料もしくは連続材料で形成されている、前段落の1つに記載の部品である。
【0061】
不織布が、カード式サーマルボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンボンド/メルトブローンの組合せ不織布、ドライレイド不織布、エアレイド不織布、ウェットレイド不織布、ハイドロエンタングル不織布、ニードル不織布、およびそれらの組み合わせを含む、任意の不織布であってよい、前段落の1つに記載の部品である。
【0062】
第1の不織布が、短繊維系不織布であり、具体的にはカード式不織布であり、さらに詳細にはカード式スパンレース不織布またはカード式サーマルボンド不織布である、前段落の1つに記載の部品である。
【0063】
第2の不織布が、短繊維系不織布であり、具体的にはカード式不織布であり、さらに詳細にはカード式スパンレース不織布またはカード式サーマルボンド不織布である、前段落の1つに記載の部品である。
【0064】
第1の不織布および第2の不織布の1つが、スパンボンド不織布またはスパンメルト不織布である、前段落に記載の部品である。
【0065】
デッドゾーンが、接着剤層および/またはフック層の全幅を含む、前段落の1つに記載の部品である。
【0066】
部品は少なくとも1つのストレッチゾーンと少なくとも2つのデッドゾーンとを含み、デッドゾーンはストレッチゾーンの両側に配置されている、前段落の1つに記載の部品である。
【0067】
部品は2つのストレッチゾーンと3つのデッドゾーンとを含み、ストレッチゾーンとデッドゾーンとが交互に配置されている、前段落の1つに記載の部品である。
【0068】
前段落の1つに記載の部品を含む、長尺材料ロール。
【0069】
ロールが遊星ロールまたはクロス巻きロールである、請求項26に記載の部品を含む長尺材料ロール。
【0070】
トップシートと、バックシートと、トップシートおよびバックシートの中間に少なくとも部分的に配置された吸収性コアと、トップシートおよび吸収性コアの中間に少なくとも部分的に配置された捕捉材料と、前の段落の1つに記載の部品と、を備える吸収性物品装置。
【0071】
吸収性物品装置が、吸収性物品を閉じこめるために、トップシートおよび/またはバックシートの少なくとも一方の端部に貼りつけられた2つのサイドパネルまたは2つの取っ手を備える、前段落に記載の吸収性物品装置。
【0072】
おむつ、パンツ、および/または任意の失禁装置である、前段落のいずれかに記載の吸収性物品。
【0073】
デッドゾーン内の弾性フィルムの部分が、弾性フィルムの全幅のうち40%未満(好ましくは30%未満)である、前段落のいずれかに記載の吸収性物品。
【0074】
デッドゾーン内の弾性フィルムの部分が、弾性フィルムの全幅のうち30mm未満(好ましくは25mm未満)である、前段落のいずれかに記載の吸収性物品。
【0075】
以下の段落は請求項であったが、出願手数料を削減するため、出願前に削除されたものである。
【0076】
a)前記フック層と前記伸縮性積層体とが、接着剤、熱接着、超音波接着、融着接着、カプセル化された繊維による機械的接着、およびカレンダー処理のうち1つ以上によって互いに貼りつけられている、請求項1に記載の部品。
b)前記第1の不織布および/または前記第2の不織布の少なくとも1つが2成分不織布である、請求項1に記載の部品。
c)活性化がリングローリングによるものである、請求項13に記載の部品。
d)前記弾性フィルムが張力を受けるときに、前記弾性フィルムと前記第1の不織布とが積層される、請求項1に記載の部品。
e)前記弾性フィルムが前記デッドゾーン内に延びており、前記耳部が前記弾性フィルムの少なくとも一部の上方に延びている、請求項16に記載の部品。
f)前記ストレッチゾーンの前記第1の不織布と前記デッドゾーンの前記第1の不織布とが同一であるか、または同一の単一材料もしくは連続材料から形成されている、請求項1に記載の部品。
g)前記第1の不織布が、短繊維系不織布、またはカード式不織布、またはカード式スパンレース不織布、またはカード式サーマルボンド不織布である、請求項1に記載の部品。
h)前記第2の不織布が、短繊維系不織布、またはカード式不織布、またはカード式スパンレース不織布、またはカード式サーマルボンド不織布である、請求項1に記載の部品。
i)デッドゾーンが、接着剤層および/またはフック層の全幅を含む、請求項1に記載の部品。
j)前記部品が2つのストレッチゾーンと3つのデッドゾーンとを含み、前記ストレッチゾーンと前記デッドゾーンとが交互に配置されている、請求項1に記載の部品。
k)前記ロールは、遊星ロールまたはクロス巻ロールである、請求項25に記載の部品からなる長尺材料ロール。
【0077】
本発明は、その精神および本質的属性から逸脱することなく他の形態で具体化することができ、したがって、本発明の範囲を示すものとして、前述の明細書ではなく、添付の特許請求の範囲を参照すべきである。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】