(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】ポータブル電源システム
(51)【国際特許分類】
H02J 9/00 20060101AFI20240311BHJP
H01M 50/247 20210101ALI20240311BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20240311BHJP
H01M 50/256 20210101ALI20240311BHJP
【FI】
H02J9/00
H01M50/247
H01M50/244 Z
H01M50/256 101
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023524540
(86)(22)【出願日】2022-04-15
(85)【翻訳文提出日】2023-06-06
(86)【国際出願番号】 US2022025117
(87)【国際公開番号】W WO2022221728
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523141862
【氏名又は名称】ワークスポート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルドン,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】リチャードソン,ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】マクドナルド,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ロッシ,スティーブン
【テーマコード(参考)】
5G015
5H040
【Fターム(参考)】
5G015GA11
5G015HA16
5G015JA21
5G015JA53
5G015JA58
5H040AS22
5H040AY05
5H040AY08
5H040CC12
5H040GG22
(57)【要約】
接続された電気器具に電力を供給するためのポータブル電源システム。このポータブル電源システムは、インバーターユニットと、第1のエネルギー貯蔵容量を有する再充電可能な一次エネルギー貯蔵ユニットと、を含む。インバーターユニットは、インバーターと、電源出力と、一次エネルギー貯蔵ユニットを取り外し可能に収容するように構成されたレセプタクル空間を画定する部分と、を含む。インバーターユニットおよび一次エネルギー貯蔵ユニットは、再充電可能な一次エネルギー貯蔵ユニットがレセプタクル空間内に収容されると互いに電気的に接続されて電源出力に電力を供給するように構成されている。また、インバーターユニットは、一次エネルギー貯蔵ユニットがインバーターユニットから解放され取り外されると、電源出力および接続された電気器具に電力を供給するように構成された短期エネルギー貯蔵装置を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続された電気器具に電力を供給するためのポータブル電源システムであって、
再充電可能かつ第1のエネルギー貯蔵容量を有する一次エネルギー貯蔵ユニットと、
インバーターユニットと、を備え、前記インバーターユニットは、インバーターおよび電源出力を含み、前記インバーターユニットは、前記一次エネルギー貯蔵ユニットを取り外し可能に収容するように構成されたレセプタクル空間を画定する部分を含み、前記インバーターユニットおよび前記一次エネルギー貯蔵ユニットは、再充電可能な前記一次エネルギー貯蔵ユニットが前記レセプタクル空間内に収容されると互いに電気的に接続されて前記電源出力に電力を供給するように構成され、前記インバーターユニットは、短期エネルギー貯蔵装置をさらに含み、前記短期エネルギー貯蔵装置は、前記一次エネルギー貯蔵ユニットが前記インバーターユニットから解放され取り外されたときに前記電源出力および接続された電気器具に電力を供給するように構成されている、ポータブル電源システム。
【請求項2】
前記短期エネルギー貯蔵装置は、前記第1のエネルギー貯蔵容量未満である第2のエネルギー貯蔵容量を有する、請求項1に記載のポータブル電源システム。
【請求項3】
前記短期エネルギー貯蔵装置は、前記一次エネルギー貯蔵ユニットが前記インバーターユニットから取り外されたときに、限られた動作可能な時間を有する、請求項1に記載のポータブル電源システム。
【請求項4】
前記限られた動作可能な時間は、約15秒より長い、請求項3に記載のポータブル電源システム。
【請求項5】
前記限られた動作可能な時間は、約15秒から60秒の範囲内である、請求項3に記載のポータブル電源システム。
【請求項6】
前記短期エネルギー貯蔵装置は、再充電可能なバッテリーを含む、請求項1に記載のポータブル電源システム。
【請求項7】
前記短期エネルギー貯蔵装置は、複数の再充電可能なバッテリーの一群を含む、請求項1に記載のポータブル電源システム。
【請求項8】
前記インバーターユニットは筐体を含み、前記短期エネルギー貯蔵装置は、前記筐体内に封入される、請求項3に記載のポータブル電源システム。
【請求項9】
前記短期エネルギー貯蔵装置は、前記一次エネルギー貯蔵ユニットを取り外して交換する間、前記電気器具に電力を供給するのに十分なエネルギー貯蔵容量を有する、請求項1に記載のポータブル電源システム。
【請求項10】
前記インバーターユニットは、昇圧型コンバーターをさらに含む、請求項1に記載のポータブル電源システム。
【請求項11】
ポータブル電源システムを使用して電気器具に電力を供給する方法であって、
第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットと、第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットと、インバーターユニットであって、短期エネルギー貯蔵装置を含むとともに、選択的かつ交互に、前記第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットおよび前記第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットと電気的かつ解放可能にはめ合うように構成された前記インバーターユニットと、を含むポータブル電源システムを準備する工程と、
前記ポータブル電源システムおよび前記第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットで前記電気器具に電力を供給する工程と、
前記第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを前記インバーターユニットから外す工程と、
前記第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを前記インバーターユニットとはめ合わせ、前記第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットで前記電気器具に電力を供給する工程と、
前記第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを外す工程から前記第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットをはめ合わせる工程まで、前記短期エネルギー貯蔵装置で前記電気器具に電力を供給する工程と、を含む、方法。
【請求項12】
前記短期エネルギー貯蔵装置は、限られた時間、前記電気器具に電力を供給するように構成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記限られた時間は、前記第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを外す工程から、前記第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを前記インバーターユニットとはめ合わせ、前記第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットで前記電気器具に電力を供給する工程までである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記限られた時間は、少なくとも15秒である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記短期エネルギー貯蔵装置で前記電気器具に電力を供給する工程は、限られた時間発生し、前記限られた時間は、約15秒から60秒の範囲内である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
第1のエネルギー貯蔵容量を有する第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットと、
第2のエネルギー貯蔵容量を有する第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットと、
インバーターおよび電源出力を含むインバーターユニットと、を備え、前記インバーターユニットは、前記第1のエネルギー貯蔵ユニットおよび前記第2のエネルギー貯蔵ユニットを解放可能かつ交互に収容するように構成されたレセプタクル空間を画定する部分を含み、前記インバーターユニットは、前記第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットおよび前記第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットのうちの前記一方が前記レセプタクル空間内に収容されると、前記第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットおよび前記第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットのうちの前記一方と電気的に接続されて前記電源出力に電力を供給するように構成され、
前記インバーターユニットは、前記第1のエネルギー貯蔵ユニットおよび前記第2のエネルギー貯蔵ユニットが前記インバーターユニットから解放され取り外されると、限られた時間、前記電源出力に電力を供給するように構成された短期エネルギー貯蔵ユニットを含む、ポータブル電源システム。
【請求項17】
前記短期エネルギー貯蔵装置は、第3のエネルギー貯蔵容量を有し、前記第3のエネルギー貯蔵容量は、前記第1のエネルギー貯蔵容量未満であって、かつ、前記第2のエネルギー貯蔵容量未満である、請求項16に記載のポータブル電源システム。
【請求項18】
前記限られた時間は、15秒より長い、請求項16に記載のポータブル電源システム。
【請求項19】
前記限られた時間は、約15秒から60秒の範囲内である、請求項16に記載のポータブル電源システム。
【請求項20】
前記短期エネルギー貯蔵装置は、再充電可能なバッテリーまたは複数の再充電可能なバッテリーの一群を含む、請求項16に記載のポータブル電源システム。
【請求項21】
前記インバーターユニットは筐体を含み、前記短期エネルギー貯蔵装置は、前記筐体内に保持される、請求項3に記載のポータブル電源システム。
【請求項22】
前記短期エネルギー貯蔵装置は、第3のエネルギー貯蔵容量を有し、前記第3のエネルギー貯蔵容量は、前記第1のエネルギー貯蔵ユニットを取り外して前記第2のエネルギー貯蔵ユニットと交換する間に前記電気器具に電力を供給するのに十分な容量である、請求項1に記載のポータブル電源システム。
【請求項23】
前記インバーターユニットは、昇圧型コンバーターをさらに含む、請求項16に記載のポータブル電源システム。
【請求項24】
第1のエネルギー貯蔵容量を有する再充電可能な第1のエネルギー貯蔵ユニットと、
第2のエネルギー貯蔵容量を有する再充電可能な第2のエネルギー貯蔵ユニットと、
インバーターおよび電源出力を含むインバーターユニットと、を備えるポータブル電源システムであって、
前記インバーターユニットは、前記第1のエネルギー貯蔵ユニットおよび前記第2のエネルギー貯蔵ユニットを解放可能かつ交互に収容するように構成されたレセプタクル空間を画定する部分を含み、それによって、前記インバーターユニットは、前記レセプタクル空間内に収容された前記第1のエネルギー貯蔵ユニットおよび前記第2のエネルギー貯蔵ユニットのうちの前記一方と電気的に接続されて前記電源出力に電力を供給するように構成されている、ポータブル電源システム。
【請求項25】
前記第1のエネルギー貯蔵容量は、前記第2のエネルギー貯蔵容量とは異なる、請求項24に記載のポータブル電源システム。
【請求項26】
前記レセプタクル空間は、対向する横方向の側壁、底壁および前壁によって4つの面で画定され、少なくとも1つの面において開放されている、請求項24に記載のポータブル電源システム。
【請求項27】
前記レセプタクル空間は、少なくとも2つの面において開放されている、請求項25に記載のポータブル電源システム。
【請求項28】
前記第1のエネルギー貯蔵ユニットは貯蔵ユニット上壁を含み、前記インバーターユニットはインバーターユニット上壁を含み、前記第1のエネルギー貯蔵ユニットが前記レセプタクル空間内に収容されると、前記貯蔵ユニット上壁は前記インバーターユニット上壁と同一平面にある、請求項24に記載のポータブル電源システム。
【請求項29】
前記第1のエネルギー貯蔵ユニットは貯蔵ユニット後壁を含み、前記インバーターユニットは、レセプタクル空間の対向する面に位置するインバーターユニット後壁を含み、前記第1のエネルギー貯蔵ユニットが前記レセプタクル空間内に収容されると、前記貯蔵ユニット後壁は前記インバーターユニット後壁と同一平面にある、請求項24に記載のポータブル電源システム。
【請求項30】
ポータブル電源システムであって、
再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットと、
インバーターおよび電源出力を有するインバーターユニットと、を備え、前記インバーターユニットは、前記再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを解放可能に収容するように構成された収容空間を画定する部分をさらに含み、それによって、前記インバーターユニットは、前記収容空間内に収容された前記再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットと電気的に接続され、前記電源出力に電力を供給するように構成され、
前記再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットは、ハンドルを含み、前記ハンドルは、前記再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを持ち上げることを可能にする第1の位置と、前記再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを前記インバーターユニットに固定する第2の位置との間で移動可能である、ポータブル電源システム。
【請求項31】
前記第2の位置において、前記ハンドルは、前記再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットの外面と同一平面にある、請求項30に記載のポータブル電源システム。
【請求項32】
前記第2の位置において、前記ハンドルは、前記再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットの外面の凹部内に収容される、請求項31に記載のポータブル電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広義にはポータブル電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ポータブル電源システムは、従来の電力設備を容易にまたは便利に利用することができない場所で使用するために、電源から電力を供給することを目的とした装置である。
【0003】
ポータブル電源システムの一種に、ポータブル発電機がある。しかしながら、ポータブル発電機には、内燃機関と燃料、オルタネータが必要である。ガソリンなどの燃料は内燃機関によって燃焼され、オルタネータがエンジンの回転出力を交流(AC)の形での電気エネルギーに変換する。直流(DC)が求められるのであれば、発電機に整流器と様々なコンデンサ(ならびに他の電子部品)を取り入れて、AC電力をDC電力に変換してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近になって、別の種類のポータブル電源システムも利用できるようになっている。これらの電源システムは、電気エネルギー源から電気エネルギーを受けて貯蔵し、その電気エネルギーを、装置を操作したり装置のバッテリーを充電したりする目的で当該装置に供給するバッテリー主体のシステムである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本発明は、接続された電気器具に電力を供給するためのポータブル電源システムを提供する。このポータブル電源システムは、インバーターユニットと、第1のエネルギー貯蔵容量を有する再充電可能な一次エネルギー貯蔵ユニットと、を含む。インバーターユニットは、インバーターと、電源出力と、一次エネルギー貯蔵ユニットを取り外し可能に収容するように構成されたレセプタクル空間を画定する部分と、を含む。インバーターユニットおよび一次エネルギー貯蔵ユニットは、再充電可能な一次エネルギー貯蔵ユニットがレセプタクル空間内に収容されると互いに電気的に接続されて電源出力に電力を供給するように構成されている。また、インバーターユニットは、一次エネルギー貯蔵ユニットがインバーターユニットから解放され取り外されると、電源出力および接続された電気器具に電力を供給するように構成された短期エネルギー貯蔵装置も含む。
【0006】
もうひとつの態様では、短期エネルギー貯蔵装置は、第2のエネルギー貯蔵容量を有し、第2のエネルギー貯蔵容量は、第1のエネルギー貯蔵容量未満である。
【0007】
別の態様では、短期エネルギー貯蔵装置は、一次エネルギー貯蔵ユニットがインバーターユニットから取り外されたときに、限られた動作可能な時間を有する。
【0008】
さらに別の態様では、限られた動作可能な時間は、15秒より長い。
【0009】
さらに別の態様では、限られた動作可能な時間は、約15秒から60秒の範囲内である。
【0010】
さらに別の態様では、短期エネルギー貯蔵装置は、再充電可能なバッテリーを含む。
【0011】
さらなる態様では、短期エネルギー貯蔵装置は、複数の再充電可能なバッテリーの一群を含む。
【0012】
別の態様では、インバーターユニットは筐体を含み、短期エネルギー貯蔵装置は、筐体内に封入される。
【0013】
さらに別の態様では、短期エネルギー貯蔵装置は、一次エネルギー貯蔵ユニットを取り外して交換する間、電気器具に電力を供給するのに十分なエネルギー貯蔵容量を有する。
【0014】
さらなる態様では、インバーターユニットは、昇圧型コンバーターをさらに含む。
【0015】
別の態様では、本発明は、ポータブル電源システムを使用して電気器具に電力を供給する方法であって、第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットと、第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットと、インバーターユニットであって、短期エネルギー貯蔵装置を含むとともに、選択的かつ交互に、第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットおよび第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットと電気的かつ解放可能にはめ合うように構成されたインバーターユニットと、を含むポータブル電源システムを準備する工程と、ポータブル電源システムおよび第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットで電気器具に電力を供給する工程と、第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットをインバーターユニットから外す工程と、第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットをインバーターユニットとはめ合わせ、第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットで電気器具に電力を供給する工程と、第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを外す工程から第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットをはめ合わせる工程まで、短期エネルギー貯蔵装置で電気器具に電力を供給する工程と、を含む方法を提供する。
【0016】
別の態様では、短期エネルギー貯蔵装置は、限られた時間、電気器具に電力を供給するように構成されている。
【0017】
さらに別の態様では、限られた時間は、第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを外す工程から、第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットをインバーターユニットとはめ合わせ、第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットで電気器具に電力を供給する工程までである。
【0018】
さらなる態様では、限られた時間は、少なくとも15秒である。
【0019】
もうひとつの態様では、短期エネルギー貯蔵装置で電気器具に電力を供給する工程は、限られた時間発生し、その限られた時間は、約15秒から60秒の範囲内である。
【0020】
もうひとつの態様では、本発明は、第1のエネルギー貯蔵容量を有する第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットと、第2のエネルギー貯蔵容量を有する第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットと、インバーターおよび電源出力を含むインバーターユニットと、を含むポータブル電源システムを提供する。インバーターユニットは、第1のエネルギー貯蔵ユニットおよび第2のエネルギー貯蔵ユニットを解放可能かつ交互に収容するように構成されたレセプタクル空間を画定する部分を含む。インバーターユニットは、第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットおよび第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットのうちの一方がレセプタクル空間内に収容されると、第1および第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットのうちの当該一方と電気的に接続されて電源出力に電力を供給するように構成されている。さらに、インバーターユニットは、第1および第2のエネルギー貯蔵ユニットがインバーターユニットから解放され取り外されると、限られた時間だけ電源出力に電力を供給するように構成された短期エネルギー貯蔵ユニットを含む。
【0021】
さらに別の態様では、短期エネルギー貯蔵装置は、第3のエネルギー貯蔵容量を有し、第3のエネルギー貯蔵容量は、第1のエネルギー貯蔵容量未満であって、かつ、第2のエネルギー貯蔵容量未満である。
【0022】
もうひとつの態様では、限られた時間は、15秒より長い。
【0023】
さらなる態様では、限られた時間は、約15秒から60秒の範囲内である。
【0024】
さらに別の態様では、短期エネルギー貯蔵装置は、再充電可能なバッテリーまたは複数の再充電可能なバッテリーの一群を含む。
【0025】
別の態様では、インバーターユニットは筐体を含み、短期エネルギー貯蔵装置は、筐体内に保持される。
【0026】
さらなる態様では、短期エネルギー貯蔵装置は、第3のエネルギー貯蔵容量を有し、第3のエネルギー貯蔵容量は、第1のエネルギー貯蔵ユニットを取り外して第2のエネルギー貯蔵ユニットと交換する間に電気器具に電力を供給するのに十分な容量である。
【0027】
さらに別の態様では、インバーターユニットは、昇圧型コンバーターをさらに含む。
【0028】
別の態様では、本発明は、第1のエネルギー貯蔵容量を有する再充電可能な第1のエネルギー貯蔵ユニットと、第2のエネルギー貯蔵容量を有する再充電可能な第2のエネルギー貯蔵ユニットと、インバーターおよび電源出力を含むインバーターユニットと、を含むポータブル電源システムを提供する。インバーターユニットは、第1および第2のエネルギー貯蔵ユニットを解放可能かつ交互に収容するように構成されたレセプタクル空間を画定する部分をさらに含む。インバーターユニットは、レセプタクル空間内に収容された第1および第2のエネルギー貯蔵ユニットのうちの一方と電気的に接続されて電源出力に電力を供給するように構成されている。
【0029】
もうひとつの態様では、第1のエネルギー貯蔵容量は、第2のエネルギー貯蔵容量とは異なる。
【0030】
さらに別の態様では、レセプタクル空間は、対向する横方向の側壁、底壁および前壁によって4つの面で画定され、少なくとも1つの面において開放されている。
【0031】
さらなる態様では、レセプタクル空間は、少なくとも2つの面において開放されている。
【0032】
もうひとつの態様では、第1のエネルギー貯蔵ユニットは貯蔵ユニット上壁を含み、インバーターユニットはインバーターユニット上壁を含み、第1のエネルギー貯蔵ユニットがレセプタクル空間内に収容されると、貯蔵ユニット上壁はインバーターユニット上壁と同一平面にある。
【0033】
さらに別の態様では、第1のエネルギー貯蔵ユニットは貯蔵ユニット後壁を含み、インバーターユニットは、レセプタクル空間の対向する面に位置するインバーターユニット後壁を含み、第1のエネルギー貯蔵ユニットがレセプタクル空間内に収容されると、貯蔵ユニット後壁はインバーターユニット後壁と同一平面にある。
【0034】
もうひとつの態様では、本発明は、再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットと、インバーターおよび電源出力を有するインバーターユニットと、を含むポータブル電源システムを提供する。インバーターユニットは、再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを解放可能に収容するように構成された収容空間を画定する部分をさらに含む。また、インバーターユニットは、収容空間内に収容されると再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットと電気的に接続されて電源出力に電力を供給するようにも構成されている。再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットは、再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを持ち上げることを可能にする第1の位置と、再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットをインバーターユニットに固定する第2の位置との間で移動可能なハンドルを有する。
【0035】
さらに別の態様では、第2の位置において、ハンドルは、再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットの外面と同一平面にある。
【0036】
さらなる態様では、第2の位置において、ハンドルは、再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットの外面の凹部内に収容される。
【0037】
本発明のさらなる目的、特徴および利点は、本明細書の一部を伝えるために添付された図面および特許請求の範囲を参照して以下の説明を検討すれば、当業者には容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】
図1は、本発明の原理を取り入れたポータブル電源システムの正面斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すポータブル電源システムの別の斜視図であり、ポータブル電源システムのエネルギー貯蔵ユニットが、システムのインバーターユニットから外れた状態を示している。
【
図2.1】
図2.1は、
図3に示すポータブル電源システムの一部の拡大図である。
【
図3】
図3は、ポータブル電源システムのインバーターユニットからエネルギー貯蔵ユニットを離した状態を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図2および
図3に示すエネルギー貯蔵ユニットの斜視図であり、一体型の持ち運び用ハンドルとそのロック機構とを示している。
【
図5】
図5は、エネルギー貯蔵ユニットがインバーターユニットから外れた状態を示すポータブル電源システムの背面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下の説明は、本発明の原理を取り入れた少なくとも1つの好ましい実施形態を例示することを意図している。当業者であれば、本発明の真の意図および公正な範囲から逸脱することなく、本発明に対する改変、変形および変更が可能であることを、真に理解するであろう。従って、本明細書で使用する用語は、説明の言葉の性質で理解され、限定語ではないことが意図される。さらに、以下の説明で使用するように、「上」および「下」などの方向を示す用語は、図面に示したような要素の向きを基準として使用される。したがって、「上」という用語は、図の上に向かう方向を示し、「下」は図の下に向かう方向を示す。また、「左」および「右」という用語も同様に解釈される。「内側に」または「内側」、「外側に」または「外側」という用語は、おおむね、参照対象となる部品の中心軸に向かう方向または中心軸から離れる方向を示し、そのような軸の図示の有無を問わない。したがって、軸方向の表面とは、中心軸に沿った軸方向に面する表面であり、半径方向の表面は、半径方向に、おおむね中心軸から離れる方向または中心軸に向かう方向に面する。しかしながら、実際の実施時には、本明細書で使用する方向の基準が、対応する構成要素または装置の設置、向きまたは使用と必ずしも一致しない場合があることが理解されるであろう。
【0040】
ここで図面を参照すると、本発明の原理を実用化したポータブル電源システムを、大枠で
図1に参照符号10で示す。ポータブル電源システム10は、その原理的構成要素として、インバーターユニット12と、取り外し可能なエネルギー貯蔵ユニット14とを含む。
【0041】
インバーターユニット12は、エネルギー貯蔵ユニット14用の凹形のレセプタクル空間16を画定する部分を含む。この点、レセプタクル空間16は、横方向の側壁17と、前側の側壁19と、底壁21とで画定されており、レセプタクル空間16の後部と上部は開放されている。レセプタクル空間16は、エネルギー貯蔵ユニット14をインバーターユニット12と整列させ、これに固定し、統合する機構18と、エネルギー貯蔵ユニット14をインバーターユニット12と電気的に結合する機構24と、をさらに含む。エネルギー貯蔵ユニット14にも、同様に、整列、固定および統合用の対応する機構22と、エネルギー貯蔵ユニット14との間で電力および/またはデータを送受信することができる電気的結合用の機構24と、が設けられている。エネルギー貯蔵ユニット14をインバーターユニット12と整列させ、これに固定し、統合するレセプタクル空間16の機構18については、様々な異なる構成で提供することができる。
【0042】
1つの非限定的な構成において、機構18は整列リッジ25およびロック溝26を含み、これらは、いずれもレセプタクル空間16を画定する横方向の側壁に設けられている。この構成で、エネルギー貯蔵ユニット14の対応する機構22には、整列リッジ25が受け入れられる整列溝28と、回転可能なロックボス30とが含まれる。
【0043】
図示された構成では、回転可能なロックボス30は、エネルギー貯蔵ユニット14の対向する側面に半円形に設けられている。具体的には、ボス30は、エネルギー貯蔵ユニット14の回転可能な持ち運び用ハンドル32上に設けられている。ハンドル32が設けられているのは、エネルギー貯蔵ユニット14を持ち上げてインバーターユニット12から取り外すためでもある。
図4に示すように、ハンドル32が上がった位置すなわち持ち上げた位置にあると、エネルギー貯蔵ユニット14を持ち上げてレセプタクル空間16から外すことができる。これは、ボス30の半円形が、収容空間16の横方向の側壁17に設けられたロック溝26の、端が開放された出入口の直線部分27にボスが入ることができるような向きになっているためである。エネルギー貯蔵ユニット14が収容空間16に収容されるような位置にくると、収容空間16の横方向の側壁25上にも形成されている整列リッジ25が、エネルギー貯蔵ユニット14の対応する側面上の整列溝28と整列してそこに受け入れられる。その結果、エネルギー貯蔵ユニット14は、インバーターユニット12とエネルギー貯蔵ユニット14とを電気的に接続する機構24が適切にはまり合うように、インバーターユニット12に対して位置決めされる。
【0044】
エネルギー貯蔵ユニット14が下げられて収容空間16に収まると、ボス30がロック溝26の直線部分27に入る。ある構成では、ロック溝はJ字形であり、ボス30は、溝26の湾曲した閉鎖端29隣接するまで直線部分27を通って下降する。その後、エネルギー貯蔵ユニット14をインバーターユニット12に固定してロックするために、ハンドル32を
図1~
図3に示すロック位置まで下方向に回転させる。その結果、ボス30が回転し、ロック溝26の湾曲した閉鎖端29に入る。この位置では、ロックボス30は、ロック溝26の出入口の直線部分27を通ってボス30が後退するのを防止するようにロック溝26と相互作用し、これにより、インバーターユニット12からエネルギー貯蔵ユニット14が外れるのが防止される。
【0045】
逆に、
図2に示すようなロック位置から、
図4に示すようなロック解除位置すなわち持ち運び位置までハンドル32を動かすと、ロックボス30が回転し、湾曲した閉鎖端部分29から外れてロック溝26の出入口の直線部分27に入り、そこで溝26の開放端と整列される。そして、
図2に示すように、エネルギー貯蔵ユニット14を持ち上げ、インバーターユニット12から外して、そこから取り外すことができる。
【0046】
システム10の使用中にハンドル32を不注意で持ち上げてしまい、インバーターユニット12からエネルギー貯蔵ユニット14が外れてしまう可能性をなくすために、エネルギー貯蔵ユニット14またはインバーターユニット12上に、ハンドルロックアウト機構を設けてもよい。一実施形態では、ハンドルロックアウト機構は、エネルギー貯蔵ユニット14の筐体またはレセプタクル空間16を画定している横方向の側壁17上に形成された突起部分に干渉して係合する、ハンドル32上の単なる突起部分であってもよい。あるいは、ハンドルロックアウト機構は、ハンドル32上のスライド式インターロックの形であってもよいし、ハンドル32と係合する形でもよい。
【0047】
エネルギー貯蔵ユニット14がレセプタクル空間16に収容され、インバーターユニット12とはまり合うと、エネルギー貯蔵ユニット14の頂部すなわち上壁は、インバーターユニット12の頂部すなわち上壁と同一平面にある。同様に、エネルギー貯蔵ユニット14がレセプタクル空間16に収容され、インバーターユニット12とはまり合うと、エネルギー貯蔵ユニット14の後部すなわち後壁は、インバーターユニット12の後部すなわち後壁と同一平面にある。このインバーターユニット12と同一平面にある構成は、好ましくは、エネルギー容量に関係なく、インバーターユニット12と使われるすべてのエネルギー貯蔵ユニット14について維持される。あるいは、少なくともインバーターユニット12の頂部が同一平面になる構成は、エネルギー容量に関係なく、インバーターユニット12と使われるすべてのエネルギー貯蔵ユニット14について維持される。
【0048】
エネルギー貯蔵ユニット14の上壁と後壁がインバーターユニット12と同一平面に維持されるか否かにかかわらず、インバーターユニット12上の対応する機構と確実にはまり合うように、エネルギー貯蔵ユニット14上のロック機構18の位置は同じままである。
【0049】
エネルギー貯蔵ユニット14がインバーターユニット12の頂部からインバーターユニット12に対して取り付け/取り外される様子を示したが、エネルギー貯蔵ユニット14およびインバーターユニット12を、インバーターユニット12の後部ならびに側面または底から互いに着脱するように構成してもよいことが、容易に理解されるであろう。
【0050】
インバーターユニット12は、昇圧型コンバーター(DC/DC)およびインバーター(DC/AC)を、システムコントローラおよび様々な電源出力39、41と一緒に耐候性プラスチックシェル38に統合する。インバーターは、電流引込と電圧の要件がポータブル電源システム10の仕様の範囲内にある電気器具に電力を供給するために、インバーターユニット12の1つまたは複数のAC出力39(
図1および
図2に示す)に純粋/クリーンな正弦波AC出力を供給する。AC出力39に加えて、インバーターユニット12には、USB(全種類)ポート、12ボルトの補助電源ソケット(シガレットライターソケットと呼ばれることもある)、様々なピン/ブレードコネクタポートを含むがこれらに限定されるものではない、1つまたは複数のDC出力またはポート41が含まれていてもよい。本明細書で使用する場合、電気器具という用語は、電気器具の動作のために、または電気器具の内部バッテリーの充電用に電力を供給するようにAC出力またはDCポートに差し込まれるか差し込まれる可能性がある装置を網羅することを広く意図している。
【0051】
インバーターユニット12は、インバーターユニット12が限られた時間だけフルパワーで中断することなく動作できるようにする、内蔵された短期エネルギー貯蔵装置52を含む。好ましい一実施形態では、この限られた動作可能な時間は、少なくとも15秒である。別の好ましい実施形態では、限られた動作可能な時間は、約1分である。このように、限られた動作可能な時間は、完全に消耗されたかほぼ消耗されたエネルギー貯蔵ユニット14を取り外し、完全に充電されたエネルギー貯蔵ユニット14あるいは、取り外したエネルギー貯蔵ユニット14より充電量の大きなエネルギー貯蔵ユニット14と交換することができるだけの長さの時間である。一実施形態では、短期エネルギー貯蔵装置52は、24個(12個ずつ2列)のリン酸鉄リチウム(LiFePO4)18650セルまたはバッテリーで形成されるバッテリー群である。各セルは公称電圧が3.2Vであり、エネルギー貯蔵装置52に貯蔵される最大エネルギーは76.8Whであり、最大放電電流は40Aである。エネルギー貯蔵装置52は、専用のバッテリー管理システムによって管理され、その詳細は、本技術の分野で一般によく知られており、本明細書でさらに説明する必要はない。
【0052】
シェル38の横方向の側面50は、好ましくは半透明または透明な材料で形成され、その背後に位置するLED光源54などの光源用のレンズとして作用する。光源54については、後述するように、インバーターユニット12に設けられた照明のオン/オフボタンで点灯することができる。光源54は、利用可能な色または所望の色のうちの1つまたは複数で提供すればよいが、白、黄、赤が好ましい。インバーターユニット12内のコントローラによって、光源54が、異なるレベルの明るさおよび/または異なるモード、例えば連続モードや点滅/閃光モードなどで動作することができるようにしてもよい。
【0053】
昇圧コンバーターおよびインバーターの動作時および動作後に、これらの昇圧コンバーターおよびインバーターを冷却することができるようにするために、インバーターユニット12のシェル38には、その1つまたは複数の側面に、換気ポート40が含まれている。ポート40は、水や埃の侵入を最小限に抑えつつ、十分な冷却用に、インバーターユニット12に対して十分な空気流を出し入れするように構成されている。
【0054】
インバーターユニット12の上側の横方向の側面には、一体成型された固定スタンドオフハンドル42が、シェル38に設けられている。スタンドオフハンドル42は、貫通口46を画定するように協働するウェブ44によって、シェル38から離間されている。これによって、ユーザーの手指を開口44の中とハンドル42の周りに快適に挿入することができるようになる。このようにして、1人または複数のユーザーが、インバーターユニット12および/またはポータブル電源システム10を容易に持ち運ぶことができる。
【0055】
インバーターユニット12の前面には、ユーザーがポータブル電源システム10の「電源オン」、「ACオン」、「DCオン」、「充電」、「点灯」または他の機能を選択することができるようにする、対応するインジケータライトを備えた様々なボタンまたはスイッチ48が含まれていてもよい。例えば、POWER ONボタンの起動は、ACオン機能またはDCオン機能を起動して、そのONボタンが選択された後にだけ、AC出力またはDCポートに電力を供給することができるようにする、マスターON/OFFスイッチとして、動作し得る。あるいは、エネルギー貯蔵ユニット14がインバーターユニット12に挿入されたときにポータブル電源システム10を自動的にオンにすることや、スタンバイモードにすることも可能である。別の構成では、エネルギー貯蔵ユニット14には、バッテリーをREADYモードにして電力システム10の動作を可能にするために起動が必要なボタンが含まれていてもよい。エネルギー貯蔵ユニット14がインバーターユニット12に取り付けられ、ポータブル電源システム10がインバーターユニット12に設けられたAC電源プラグ56と電源コード(図示せず)とを介して外部電源に接続されている間に、CHARGEスイッチを作動させると、コントローラがエネルギー貯蔵ユニット14を充電することができるようにしてもよい。
【0056】
エネルギー貯蔵ユニット14は、再充電可能なエネルギー貯蔵ユニット14であり、そのようなものとして、現在知られている種類の再充電可能なバッテリーのうちの1つであってもよい。好ましくは、再充電可能なエネルギー貯蔵ユニット14は、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)バッテリーであるが、再充電可能なエネルギー貯蔵ユニット14は、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物およびリチウムマンガンコバルト酸化物をはじめとするリチウムイオン、ニッケル水素バッテリーなどの他の既知の再充電可能なバッテリー技術および/または化学物質を採用してもよく、または、まだ開発されていない再充電可能なバッテリー技術および/または化学物質を採用してもよいことは、理解できるだろう。好ましくは、エネルギー貯蔵ユニット14は、0.5kWh、1.0kWh、1.5kWh、2.0kWh、2.5kWhなどの様々な異なる電気容量で提供され、容量の異なるエネルギー貯蔵ユニット14は、各々単一のインバーターユニット12とはめ合わせられて使用可能である。したがって、エンドユーザは、共通のインバーターユニット12と一緒に使用する、電気容量が同一または異なる複数のエネルギー貯蔵ユニット14を所有してもよく、各エネルギー貯蔵ユニット14は、レセプタクル空間16を介してインバーターユニット12と、はめ合わせられるように構成されている。
【0057】
エネルギー貯蔵ユニット14の電気接続機構24および電気接点36は、上述したように、好ましくは、エネルギー貯蔵ユニット14へのデータと電力の転送を可能にする。したがって、電気接続機構24および電気接点36は、エネルギー貯蔵ユニット14または複数のエネルギー貯蔵ユニット14を、自動バッテリー充電器またはソーラー充電器などの独立した別の充電装置もしくは充電ステーション、あるいは、電気接続機構24および電気接点36を介して乗り物に搭載されたバッテリー充電器と接続する充電コードと連結され、これによって充電することを可能にしてもよい。図示はしていないが、エネルギー貯蔵ユニット14には、ユニット14が充電されているまたは充電しているときを示すおよび/またはユニット14内に含まれる充電量を示す、ステータスライトが含まれていてもよい。さらに、エネルギー貯蔵ユニット14は、充電ステーションまたは充電コードに接続されている間、エネルギー貯蔵ユニット14が充電されているか充電されていないかをユーザーが選択することができるようにするスイッチを含むことができる。
【0058】
当業者であれば容易に理解できるように、上記の説明は、本発明の原理の実施形態を例示するものとして意味するにとどまる。よって、本発明は、以下の特許請求の範囲に定義されるように、全ては、本発明の精神から逸脱することなく、修正、変形および変更が可能なものであるため、本明細書は、本発明の範囲または適用を限定することを意図したものではない。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポータブル電源システムであって、
再充電可能かつ第1のエネルギー貯蔵容量を有する一次エネルギー貯蔵ユニットと、
インバーターユニットと、を備え、前記インバーターユニットは、インバーターおよび電源出力を含み、前記インバーターユニットは、前記一次エネルギー貯蔵ユニットを取り外し可能に収容するように構成されたレセプタクル空間を画定する部分を含み、前記インバーターユニットおよび前記一次エネルギー貯蔵ユニットは、再充電可能な前記一次エネルギー貯蔵ユニットが前記レセプタクル空間内に収容されると互いに電気的に接続されて前記電源出力に電力を供給するように構成され、前記インバーターユニットは、第2のエネルギー貯蔵容量を有する短期エネルギー貯蔵装置をさらに含み、前記短期エネルギー貯蔵装置は、前記一次エネルギー貯蔵ユニットが前記インバーターユニットから解放され取り外されたときに前記電源出力に電力を供給するために、前記インバーターユニットをフルパワーで動作させることが可能なように構成されている、ポータブル電源システム。
【請求項2】
前記第2のエネルギー貯蔵容量は、前記第1のエネルギー貯蔵容量未満である、請求項1に記載のポータブル電源システム。
【請求項3】
前記短期エネルギー貯蔵装置は、前記一次エネルギー貯蔵ユニットが前記インバーターユニットから取り外されたときに、限られた動作可能な時間を有し、前記限られた動作可能な時間は、約15秒から60秒の範囲内である、請求項1に記載のポータブル電源システム。
【請求項4】
前記短期エネルギー貯蔵装置は、1つまたは複数の再充電可能なバッテリーを含む、請求項1に記載のポータブル電源システム。
【請求項5】
前記インバーターユニットは筐体を含み、前記短期エネルギー貯蔵装置は、前記筐体内に封入される、請求項1に記載のポータブル電源システム。
【請求項6】
前記短期エネルギー貯蔵装置は、前記一次エネルギー貯蔵ユニットを取り外して交換する間、接続された電気器具に電力を供給するのに十分なエネルギー貯蔵容量を有する、請求項1に記載のポータブル電源システム。
【請求項7】
前記インバーターユニットは、昇圧型コンバーターをさらに含む、請求項1に記載のポータブル電源システム。
【請求項8】
二次エネルギー貯蔵ユニットをさらに含み、
前記二次エネルギー貯蔵ユニットは、再充電可能であり、かつ、第3のエネルギー貯蔵容量を有し、
前記レセプタクル空間は、前記一次エネルギー貯蔵ユニットおよび前記二次エネルギー貯蔵ユニットを解放可能かつ交互に収容するように構成され、
前記インバーターユニットは、再充電可能な前記一次エネルギー貯蔵ユニットおよび再充電可能な前記二次エネルギー貯蔵ユニットのうちの前記一方が前記レセプタクル空間内に収容されると、再充電可能な前記一次エネルギー貯蔵ユニットおよび再充電可能な前記二次エネルギー貯蔵ユニットのうちの前記一方と電気的に接続されて前記電源出力に電力を供給するように構成され、
前記短期エネルギー貯蔵装置は、前記一次エネルギー貯蔵ユニットおよび前記二次エネルギー貯蔵ユニットが前記インバーターユニットから解放され取り外されると、前記電源出力および接続された電気器具に電力を供給するように構成されている、請求項1に記載のポータブル電源システム。
【請求項9】
前記第1のエネルギー貯蔵容量および前記第3のエネルギー貯蔵容量は、前記第2のエネルギー貯蔵容量より大きく、前記第2のエネルギー貯蔵容量は、前記一次エネルギー貯蔵ユニットを取り外して前記二次エネルギー貯蔵ユニットと交換する間、接続された電気器具に電力を供給するのに十分な容量である、請求項8に記載のポータブル電源システム。
【請求項10】
ポータブル電源システムを使用して電気器具に電力を供給する方法であって、
第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットと、第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットと、インバーターユニットであって、短期エネルギー貯蔵装置を含むとともに、選択的かつ交互に、前記第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットおよび前記第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットと電気的かつ解放可能にはめ合うように構成された前記インバーターユニットと、を含むポータブル電源システムを準備する工程と、
前記ポータブル電源システムおよび前記第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットで前記電気器具に電力を供給する工程と、
前記第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを前記インバーターユニットから外す工程と、
前記第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを前記インバーターユニットとはめ合わせ、前記第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットで前記電気器具に電力を供給する工程と、
前記第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを外す工程から前記第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットをはめ合わせる工程まで、前記短期エネルギー貯蔵装置で前記電気器具に電力を供給する工程と、を含み、
前記短期エネルギー貯蔵装置は、前記第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを外す工程と前記第2の再充電可能なエネルギーユニットをはめ合わせる工程との間、前記電源出力に電力を供給するために、前記インバーターユニットが中断することなくフルパワーで動作できるようにするように構成されている、方法。
【請求項11】
前記短期エネルギー貯蔵装置は、少なくとも限られた時間、前記電気器具に電力を供給するように構成され、前記限られた時間は、前記第1の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを外す工程から、前記第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを前記インバーターユニットとはめ合わせ、前記第2の再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットで前記電気器具に電力を供給する工程までである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記短期エネルギー貯蔵装置で前記電気器具に電力を供給する工程は、限られた時間発生し、前記限られた時間は、約15秒から60秒の範囲内である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第1のエネルギー貯蔵容量を有する再充電可能な第1のエネルギー貯蔵ユニットと、
第2のエネルギー貯蔵容量を有する再充電可能な第2のエネルギー貯蔵ユニットと、
インバーターおよび電源出力を含むインバーターユニットと、を備えるポータブル電源システムであって、
前記インバーターユニットは、前記第1のエネルギー貯蔵ユニットおよび前記第2のエネルギー貯蔵ユニットを解放可能かつ交互に収容するように構成されたレセプタクル空間を画定する部分を含み、それによって、前記インバーターユニットは、前記レセプタクル空間内に収容された前記第1のエネルギー貯蔵ユニットおよび前記第2のエネルギー貯蔵ユニットのうちの前記一方と電気的に接続されて前記電源出力に電力を供給するように構成されている、ポータブル電源システム。
【請求項14】
前記第1のエネルギー貯蔵容量は、前記第2のエネルギー貯蔵容量とは異なる、請求項13に記載のポータブル電源システム。
【請求項15】
前記レセプタクル空間は、対向する横方向の側壁、底壁および前壁によって4つの面で画定され、少なくとも1つの面において開放されている、請求項13に記載のポータブル電源システム。
【請求項16】
前記レセプタクル空間は、少なくとも2つの面において開放されている、請求項15に記載のポータブル電源システム。
【請求項17】
前記第1のエネルギー貯蔵ユニットは貯蔵ユニット上壁を含み、前記インバーターユニットはインバーターユニット上壁を含み、前記第1のエネルギー貯蔵ユニットが前記レセプタクル空間内に収容されると、前記貯蔵ユニット上壁は前記インバーターユニット上壁と同一平面にある、請求項13に記載のポータブル電源システム。
【請求項18】
前記第1のエネルギー貯蔵ユニットは貯蔵ユニット後壁を含み、前記インバーターユニットは、レセプタクル空間の対向する面に位置するインバーターユニット後壁を含み、前記第1のエネルギー貯蔵ユニットが前記レセプタクル空間内に収容されると、前記貯蔵ユニット後壁は前記インバーターユニット後壁と同一平面にある、請求項13に記載のポータブル電源システム。
【請求項19】
ポータブル電源システムであって、
再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットと、
インバーターおよび電源出力を有するインバーターユニットと、を備え、前記インバーターユニットは、前記再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを解放可能に収容するように構成された収容空間を画定する部分をさらに含み、それによって、前記インバーターユニットは、前記収容空間内に収容された前記再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットと電気的に接続され、前記電源出力に電力を供給するように構成され、
前記再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットは、ハンドルを含み、前記ハンドルは、前記再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを持ち上げることを可能にする第1の開位置と、前記再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットを前記インバーターユニットに固定する第2の閉位置との間で移動可能である、ポータブル電源システム。
【請求項20】
前記ハンドルは、前記再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットの両側に配置された回転可能なロックボスを含み、
前記インバーターユニットは、ロック溝を備え、前記ロック溝は、前記第2の位置において、各回転可能なロックボスがそれぞれの前記ロック溝から出ることができず、これにより前記再充電可能なエネルギー貯蔵ユニットが前記インバーターユニットに固定されるように、前記各回転可能なロックボスと相互に作用する、請求項19に記載のポータブル電源システム。
【請求項21】
前記第1の位置が実質的に垂直の向きであり、前記第2の位置が実質的に水平の向きである、請求項19に記載のポータブル電源システム。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】