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特表2024-511922タンデム太陽電池およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】タンデム太陽電池およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10K 30/57 20230101AFI20240311BHJP
   H10K 30/40 20230101ALI20240311BHJP
【FI】
H10K30/57
H10K30/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547418
(86)(22)【出願日】2022-02-21
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 KR2022002482
(87)【国際公開番号】W WO2022186529
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0029647
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0040494
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510149600
【氏名又は名称】ジュソン エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ジェホ
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251AA20
5F251BA11
5F251BA14
5F251DA16
5F251DA18
5F251EA02
5F251GA04
5F251XA01
5F251XA61
(57)【要約】
本発明は、基板上に第1導電性電荷伝達層、光吸収層、および第2導電性電荷伝達層を含む前記ペロブスカイト太陽電池を準備する工程、前記ペロブスカイト太陽電池に分離部を形成して、第1ペロブスカイト単位太陽電池および第2ペロブスカイト単位太陽電池を形成する工程、前記第1ペロブスカイト単位太陽電池にコンタクト部を形成し、前記第1ペロブスカイト単位太陽電池の所定領域を露出させる工程、前記第1ペロブスカイト単位太陽電池および第2ペロブスカイト単位太陽電池のそれぞれの上面に前記バッファ層を形成する工程、複数の第2太陽電池を準備する工程、前記バッファ層上に前記複数の第2太陽電池を合着し、前記第1ペロブスカイト単位太陽電池と前記バッファ層と前記第2太陽電池が順に積層された第1単位タンデム太陽電池、及び前記第2ペロブスカイト単位太陽電池と前記バッファ層と前記第2太陽電池が順に積層された第2単位タンデム太陽電池を形成する工程、および、前記第1単位タンデム太陽電池と前記第2単位タンデム太陽電池とを電気的に連結する工程を含む、タンデム太陽電池の製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に第1導電性電荷伝達層、光吸収層、および第2導電性電荷伝達層を含むペロブスカイト太陽電池を準備する工程、
前記ペロブスカイト太陽電池に分離部を形成して、第1ペロブスカイト単位太陽電池および第2ペロブスカイト単位太陽電池を形成する工程、
前記第1ペロブスカイト単位太陽電池にコンタクト部を形成し、前記第1ペロブスカイト単位太陽電池の所定領域を露出させる工程、
前記第1ペロブスカイト単位太陽電池および第2ペロブスカイト単位太陽電池のそれぞれの上面にバッファ層を形成する工程、
複数の第2太陽電池を準備する工程、
前記バッファ層上に前記複数の第2太陽電池を合着し、前記第1ペロブスカイト単位太陽電池と前記バッファ層と前記第2太陽電池が順に積層した第1単位タンデム太陽電池、及び前記第2ペロブスカイト単位太陽電池と前記バッファ層と前記第2太陽電池が順に積層した第2単位タンデム太陽電池を形成する工程、および
前記第1単位タンデム太陽電池と前記第2単位タンデム太陽電池を電気的に連結する工程を含む、タンデム太陽電池の製造方法。
【請求項2】
前記ペロブスカイト太陽電池を準備する工程が、前記基板上に前記第1導電性電荷伝達層、前記光吸収層、及び前記第2導電性電荷伝達層を順に形成する工程を含む、請求項1に記載のタンデム太陽電池の製造方法。
【請求項3】
前記分離部を形成する工程が、前記第1導電性電荷伝達層、前記光吸収層、及び前記第2導電性電荷伝達層の所定領域を除去して前記基板の上面を露出させる工程を含む、請求項1に記載のタンデム太陽電池の製造方法。
【請求項4】
前記コンタクト部を形成する工程が、前記光吸収層及び前記第2導電性電荷伝達層の所定領域を除去して前記第1導電性電荷伝達層の上面を露出させる工程を含む、請求項1に記載のタンデム太陽電池の製造方法。
【請求項5】
前記バッファ層を形成する工程が、前記第1ペロブスカイト単位太陽電池及び前記第2ペロブスカイト単位太陽電池それぞれの上面に複数のホールを具備したフィルムを形成する工程、及び前記フィルムに具備された複数のホール内部を導電層で充たす工程を含む、請求項1に記載のタンデム太陽電池の製造方法。
【請求項6】
前記複数のホールを具備したフィルムを形成する工程が、前記フィルムを半乾燥状態で形成する工程を含み、
前記第1単位タンデム太陽電池及び前記第2単位タンデム太陽電池を形成する工程は、前記第2太陽電池を前記バッファ層上に位置させた後、前記半乾燥状態のフィルムを硬化させる工程を含む、請求項5に記載のタンデム太陽電池の製造方法。
【請求項7】
前記フィルムに具備された複数のホールが、前記フィルムを貫通して第1方向に延びる複数の第1ホール、および前記フィルムを貫通しながら前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数の第2ホールとを含み、
前記導電層は、前記第1及び第2ペロブスカイト単位太陽電池の上面、及び前記第2太陽電池の下面に接する、請求項5に記載のタンデム太陽電池の製造方法。
【請求項8】

前記フィルムが、前記コンタクト部と重畳することなく、前記フィルムによって前記コンタクト部が遮られずに露出する、請求項5に記載のタンデム太陽電池の製造方法。
【請求項9】
前記第1単位タンデム太陽電池と前記第2単位タンデム太陽電池を電気的に連結する工程が、連結ラインを介して前記第2単位タンデム太陽電池の第2太陽電池の上面に具備された電極パターンと前記第1単位タンデム太陽電池のコンタクト部に露出した前記第1ペロブスカイト単位太陽電池の前記第1導電性電荷伝達層の間を電気的に連結する、請求項1に記載のタンデム太陽電池の製造方法。
【請求項10】
前記連結ラインが、前記第2単位タンデム太陽電池の第2太陽電池の側面及び前記第2太陽電池の下のバッファ層の側面に沿って延び、前記分離部を横切って前記コンタクト部の一側に具備された前記第1ペロブスカイト単位太陽電池の前記第2導電性電荷伝達層の上面と側面および前記光吸収層の側面に沿って延び、前記コンタクト部に露出した前記第1ペロブスカイト単位太陽電池の前記第1導電性電荷伝達層の上面まで延びる、請求項9に記載のタンデム太陽電池の製造方法。
【請求項11】
前記複数の第2太陽電池を準備する工程が、前記導電層と同じパターンの電極パターンを形成する工程を含み、
前記複数の第2太陽電池を合着する工程は、前記導電層と前記電極パターンを重畳させる工程を含む、請求項5に記載のタンデム太陽電池の製造方法。
【請求項12】
基板上に具備された第1ペロブスカイト単位太陽電池、バッファ層、及び第2太陽電池が順に積層された第1単位タンデム太陽電池、
前記基板上に具備され、分離部によって前記第1単位タンデム太陽電池と離隔していて、第2ペロブスカイト単位太陽電池、バッファ層、及び第2太陽電池が順に積層された第2単位タンデム太陽電池、および
前記第1単位タンデム太陽電池と前記第2単位タンデム太陽電池の間を連結する連結ラインを含む、タンデム太陽電池。
【請求項13】
前記第1ペロブスカイト単位太陽電池が、前記基板上に具備された第1導電性電荷伝達層、前記第1導電性電荷伝達層上に形成された光吸収層、前記光吸収層上に形成された第2導電性電荷伝達層、および前記光吸収層と前記第2導電性電荷伝達層の所定領域が除去され、前記第1導電性電荷伝達層の上面を露出させるコンタクト部を含み、
前記第2太陽電池の上面には電極パターンが具備され、
前記連結ラインは、前記第2単位タンデム太陽電池の第2太陽電池の上面に具備された電極パターンと前記第1ペロブスカイト単位太陽電池のコンタクト部に露出した前記第1導電性電荷伝達層の間を連結する、請求項12に記載のタンデム太陽電池。
【請求項14】
前記コンタクト部が、前記バッファ層と重畳しない、請求項12に記載のタンデム太陽電池。
【請求項15】
前記連結ラインが、前記第2単位タンデム太陽電池の第2太陽電池の側面及び前記第2太陽電池の下の前記バッファ層の側面に沿って延び、前記分離部を横切って前記コンタクト部の一側に具備された前記第1ペロブスカイト単位太陽電池の第2導電性電荷伝達層の上面と側面および前記光吸収層の側面に沿って延び、前記コンタクト部に露出した前記第1ペロブスカイト単位太陽電池の前記第1導電性電荷伝達層の上面まで延びた、請求項13に記載のタンデム太陽電池。
【請求項16】
前記バッファ層が、第1方向に延びる複数の第1ホール、および前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数の第2ホールを含む複数のホールを具備したフィルム、および前記複数のホール内部に充たされた導電層を含み、
前記導電層は、前記第1及び第2ペロブスカイト単位太陽電池の上面及び前記第2太陽電池の下面と接する、請求項12に記載のタンデム太陽電池。
【請求項17】
前記第2太陽電池の上面には、前記導電層と同じパターンの電極パターンが具備されていて、
前記電極パターンが、前記導電層と重畳する、請求項16に記載のタンデム太陽電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンデム太陽電池に関し、より詳細にはペロブスカイト太陽電池を含むタンデム太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
タンデム太陽電池は、2つの太陽電池を上下に積層することで電池効率を向上させた太陽電池である。
【0003】
従来には、ペロブスカイト化合物を用いた太陽電池をタンデム太陽電池に適用しようする試みがあった。その一環として基板型太陽電池を製造し、前記基板型太陽電池上にペロブスカイト化合物を用いた太陽電池を蒸着工程またはコーティング工程で積層してタンデム太陽電池を製造する案が提示された。
【0004】
しかしながら、このような従来のタンデム太陽電池の製造方法は、製造工程が複雑であり、基板型太陽電池とペロブスカイト化合物を用いた太陽電池との間の電流マッチング(current matching)が難しいという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した従来の問題点を解決するために考案されたものであり、本発明は、製造工程が単純で、基板型太陽電池とペロブスカイト化合物を用いた太陽電池との間の電流マッチングが容易なタンデム太陽電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、基板上に第1導電性電荷伝達層、光吸収層、および第2導電性電荷伝達層を含むペロブスカイト太陽電池を準備する工程、前記ペロブスカイト太陽電池に分離部を形成して、第1ペロブスカイト単位太陽電池および第2ペロブスカイト単位太陽電池を形成する工程、前記第1ペロブスカイト単位太陽電池にコンタクト部を形成し、前記第1ペロブスカイト単位太陽電池の所定領域を露出させる工程、前記第1ペロブスカイト単位太陽電池および第2ペロブスカイト単位太陽電池のそれぞれの上面にバッファ層を形成する工程、複数の第2太陽電池を準備する工程、前記バッファ層上に前記複数の第2太陽電池を合着し、前記第1ペロブスカイト単位太陽電池と前記バッファ層と前記第2太陽電池が順に積層した第1単位タンデム太陽電池、及び前記第2ペロブスカイト単位太陽電池と前記バッファ層と前記第2太陽電池が順に積層した第2単位タンデム太陽電池を形成する工程、および、前記第1単位タンデム太陽電池と前記第2単位タンデム太陽電池を電気的に連結する工程を含む、タンデム太陽電池の製造方法を提供する。
【0007】
前記ペロブスカイト太陽電池を準備する工程は、前記基板上に前記第1導電性電荷伝達層、前記光吸収層、及び前記第2導電性電荷伝達層を順に形成する工程を含むことができる。
【0008】
前記分離部を形成する工程は、前記第1導電性電荷伝達層、前記光吸収層、及び前記第2導電性電荷伝達層の所定領域を除去して前記基板の上面を露出させる工程を含むことができる。
【0009】
前記コンタクト部を形成する工程は、前記光吸収層および前記第2導電性電荷伝達層の所定領域を除去して前記第1導電性電荷伝達層の上面を露出させる工程を含むことができる。
【0010】
前記バッファ層を形成する工程は、前記第1ペロブスカイト単位太陽電池及び前記第2ペロブスカイト単位太陽電池それぞれの上面に複数のホールを具備したフィルムを形成する工程、及び前記フィルムに具備された複数のホール内部を導電層で充たす工程を含むことができる。
【0011】
前記複数のホールを具備したフィルムを形成する工程は、前記フィルムを半乾燥状態で形成する工程を含み、前記第1単位タンデム太陽電池及び前記第2単位タンデム太陽電池を形成する工程は、前記第2太陽電池を前記バッファ層上に配置した後、前記半乾燥状態のフィルムを硬化させる工程を含むことができる。
【0012】
前記フィルムに具備された複数のホールは、前記フィルムを貫通して第1方向に延びる複数の第1ホール、および前記フィルムを貫通しながら前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数の第2ホールとを含み、前記導電層は、前記第1及び第2ペロブスカイト単位太陽電池の上面、及び前記第2太陽電池の下面と接することができる。
【0013】
前記フィルムは、前記コンタクト部と重畳せず、前記フィルムによって前記コンタクト部を覆うことなく露出することができる。
【0014】
前記第1単位タンデム太陽電池と前記第2単位タンデム太陽電池を電気的に連結する工程は、連結ラインを介して前記第2単位タンデム太陽電池の第2太陽電池の上面に具備された電極パターンと前記第1単位タンデム太陽電池の前記コンタクト部に露出した前記第1ペロブスカイト単位太陽電池の前記第1導電性電荷伝達層間を電気的に連結することができる。
【0015】
前記連結ラインは、前記第2単位タンデム太陽電池の第2太陽電池の側面及びその下のバッファ層の側面に沿って延び、前記分離部を横切って前記コンタクト部の一側に具備された前記第1ペロブスカイト単位太陽電池の第2導電性電荷伝達層の上面と側面及び光吸収層の側面に沿って延び、前記コンタクト部に露出した前記第1ペロブスカイト単位太陽電池の前記第1導電性電荷伝達層の上面まで延長することができる。
【0016】
前記複数の第2太陽電池を準備する工程は、前記導電層と同一パターンの電極パターンを形成する工程を含み、前記複数の第2太陽電池を合着する工程は、前記導電層と前記電極パターンを重畳させる工程を含むことができる。
【0017】
本発明はまた、基板上に具備された第1ペロブスカイト単位太陽電池、バッファ層、および第2太陽電池が順に積層された第1単位タンデム太陽電池、前記基板上に具備され、分離部によって前記第1単位タンデム太陽電池と離隔していて、第2ペロブスカイト単位太陽電池、バッファ層、及び第2太陽電池が順に積層された第2単位タンデム太陽電池、および、前記第1単位タンデム太陽電池と前記第2単位タンデム太陽電池を連結する連結ラインを含むタンデム太陽電池を提供する。
【0018】
前記第1ペロブスカイト単位太陽電池は、前記基板上に具備された第1導電性電荷伝達層、前記第1導電性電荷伝達層上に形成された光吸収層、前記光吸収層上に形成された第2導電性電荷伝達層、および前記光吸収層と前記第2導電性電荷伝達層の所定領域を除去して前記第1導電性電荷伝達層の上面を露出させるコンタクト部を含んでなり、前記第2太陽電池の上面には電極パターンが具備されていて、前記連結ラインは、前記第2単位タンデム太陽電池の第2太陽電池の上面に具備された電極パターンと、前記第1ペロブスカイト単位太陽電池のコンタクト部に露出した前記第1導電性電荷伝達層の間を連結することができる。
【0019】
前記コンタクト部は、前記バッファ層と重畳しないことがあり得る。
【0020】
前記連結ラインは、前記第2単位タンデム太陽電池の第2太陽電池の側面及びその下のバッファ層の側面に沿って延び、前記分離部を横切って前記コンタクト部の一側に具備された前記第1ペロブスカイト単位太陽電池の第2導電性電荷伝達層の上面と側面及び光吸収層の側面に沿って延び、前記コンタクト部に露出した前記第1ペロブスカイト単位太陽電池の前記第1導電性電荷伝達層の上面まで延長することができる。
【0021】
前記バッファ層は、第1方向に延びる複数の第1ホール、および前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数の第2ホールを含む複数のホールを具備したフィルム、および前記複数のホール内部に充たされた導電層を含んでなり、前記導電層は、前記第1および第2ペロブスカイト単位太陽電池の上面および前記第2太陽電池の下面と接することができる。
【0022】
前記第2太陽電池の上面には、前記導電層と同じパターンの電極パターンが具備されていて、前記電極パターンは、前記導電層と重畳することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上のような本発明によれば、次のような効果がある。
【0024】
本発明の一実施例によれば、複数のペロブスカイト単位太陽電池上にバッファ層を形成し、別途作製した第2太陽電池を前記バッファ層上に積層する工程を通じてタンデム太陽電池を製造するため、製造工程が単純であり、ペロブスカイト単位太陽電池と第2太陽電池の間の電流マッチングが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1A図1Aは、本発明の一実施例によるタンデム太陽電池の製造方法を示す工程断面図である。
図1B図1Bは、本発明の一実施例によるタンデム太陽電池の製造方法を示す工程断面図である。
図1C図1Cは、本発明の一実施例によるタンデム太陽電池の製造方法を示す工程断面図である。
図1D図1Dは、本発明の一実施例によるタンデム太陽電池の製造方法を示す工程断面図である。
図1E図1Eは、本発明の一実施例によるタンデム太陽電池の製造方法を示す工程断面図である。
図1F図1Fは、本発明の一実施例によるタンデム太陽電池の製造方法を示す工程断面図である。
図1G図1Gは、本発明の一実施例によるタンデム太陽電池の製造方法を示す工程断面図である。
図2】本発明の一実施例によるバッファ層の概略平面図である。
図3】本発明の一実施例による第2太陽電池の概略断面図である。
図4】本発明の他の実施例による第2太陽電池の概略断面図である。
図5】本発明の一実施例によるタンデム太陽電池の平面図である。
図6】本発明の一実施例による第2太陽電池の概略平面図である。
図7】本発明の他の実施例によるタンデム太陽電池の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の利点および特徴、ならびにそれらを達成する方法は、添付の図と共に詳細に後述される実施例を参照することによって明らかになるであろう。しかしながら、本発明は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で具現されるものであり、単に本実施例は本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に、発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は特許請求の範囲によって定義されるだけである。
【0027】
本発明の実施例を説明するための図に開示された形状、大きさ、比率、角度、数などは例示的なものであり、本発明が図に示された事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって、同じ参照番号は同じ構成要素を指す。なお、本発明の説明において、関連する公知技術に対する具体的な説明が、本発明の要旨を不必要に曖昧にし得ると判断される場合、その詳細な説明は省略する。本発明上で言及する「含む」、「有する」、「からなる」などが使用される場合、「~のみ」が使用されない限り、他の部分が追加され得る。構成要素を単数で表現した場合に、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0028】
構成要素を解釈するにおいて、別途の明示的な記載がなくても、誤差範囲を含むものと解釈する。
【0029】
位置関係に対する説明である場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~横に」などで2つの部分の位置関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」が使用されていない限り、2つの部分の間に1つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0030】
時間関係に対する説明の場合、例えば、「~後に」、「~に続き」、「~の次に」、「~前に」などで時間的先後関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」が使用されていない限り、連続的でない場合も含むことができる。
【0031】
第1、第2などは、様々な構成要素を説明するために使用されるが、これらの構成要素は、これらの用語によって限定されない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素でもあり得る。
【0032】
本発明のいくつかの実施例の各々の特徴は、部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に様々な連動および駆動が可能であり、各実施例は互いに対して独立して実施することもでき、連関関係で一緒に実施することもできる。
【0033】
以下、図を参照して本発明の好ましい実施例について詳細に説明する。
【0034】
図1A図1Gは、本発明の一実施例によるタンデム太陽電池の製造方法を示す工程断面図である。
【0035】
まず、図1Aから分かるように、基板100上にペロブスカイト(Perovskite)太陽電池層200を形成する。
【0036】
前記基板100は、シリコンウエハのように半導体材料からなることもでき、ガラスまたはプラスチックからなることもできる。
【0037】
前記ペロブスカイト(Perovskite)太陽電池層200は、前記基板100上に第1導電性電荷伝達層210を形成し、前記第1導電性電荷伝達層210上に光吸収層220を形成し、そして、前記光吸収層220上に第2導電性電荷伝達層230を形成する工程を通じて形成することができる。
【0038】
前記第1導電性電荷伝達層210が電子伝達層からなる場合、前記第2導電性電荷伝達層230は正孔伝達層からなり、前記第1導電性電荷伝達層210が正孔伝達層からなる場合、前記第2導電性電荷伝達層230は電子伝達層からなる。
【0039】
前記電子伝達層は、BCP(Bathocuproine)、C60、またはPCBM(Phenyl-C61-butyric acid methyl ester)などの当業界で公知された様々なN-type有機物、ZnO、c-TiO2/mp-TiO2、SnO2、またはIZOなどの当業界で公知の様々なN-type金属酸化物、およびその他の当業界で公知の様々なN-type有機または無機物を含むことができる。
【0040】
前記正孔伝達層は、Spiro-MeO-TAD、Spiro-TTB、ポリアニリン、ポリピノール、ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン-ポリスチレンスルホネート(PEDOT-PSS)、またはポリ-[ビス(4-フェニル)(2,4,6-トリメチルフェニル)アミン](PTAA)、Poly(3-hexylthiophene-2,5-diyl)(P3HT)等のような当業界で公知の様々なP-type有機物、Ni酸化物、Mo酸化物、あるいは、V酸化物、W酸化物、Cu酸化物などの当業界で公知の様々なP-type金属酸化物、およびその他の当業界で公知の様々なP-type有機または無機物を含むことができる。
【0041】
前記光吸収層220は、ペロブスカイト化合物からなる。
【0042】
次に、図1Bから分かるように、前記ペロブスカイト太陽電池層200に分離部(P)を形成して複数のペロブスカイト単位太陽電池(UC1、UC2、UC3)を形成する。
【0043】
前記分離部(P)は、前記ペロブスカイト太陽電池層200を構成する第1導電性電荷伝達層210、光吸収層220、及び第2導電性電荷伝達層230の所定領域を除去して形成する。前記分離部(P)は、一次スクライビング工程、特にレーザスクライビング工程を介して形成することができる。前記分離部(P)が形成された領域では、前記基板100の上面が露出する。
【0044】
前記分離部(P)によって第1~第3ペロブスカイト単位太陽電池(UC1、UC2、UC3)が互いに離隔した状態で得られる。ここで、前記第1~第3ペロブスカイト単位太陽電池(UC1、UC2、UC3)のそれぞれは、前記第1導電性電荷伝達層210、光吸収層220、及び第2導電性電荷伝達層230を含む。
【0045】
前記分離部(P)は、第1幅(W1)を有するように形成することができる。
【0046】
次に、図1Cから分かるように、前記第1および第2ペロブスカイト単位太陽電池(UC1、UC2)のそれぞれにコンタクト部(C)を形成する。前記コンタクト部(C)は、前記分離部(P)と離隔する。前記コンタクト部(C)は、前記光吸収層220および前記第2導電性電荷伝達層230の所定領域を除去して形成する。
【0047】
前記コンタクト部(C)は、前記第1~第3ペロブスカイト単位太陽電池(UC1、UC2、UC3)間を直列に連結するためのものである。前記コンタクト部(C)は、二次スクライビング工程、特にレーザスクライビング工程を介して形成することができる。前記コンタクト部(C)が形成された領域では、前記第1導電性電荷伝達層210の上面が露出する。複数のペロブスカイト単位太陽電池(UC1、UC2、UC3)のうちの一側端に、例えば右側端に位置する第3単位太陽電池(UC3)には、前記コンタクト部(C)の形成を省略することができる。
【0048】
前記コンタクト部(C)は、第2幅(W2)を有するように形成することができる。ここで、前記コンタクト部(C)の第2幅(W2)は、前記分離部(P)の第1幅(W1)よりも大きく形成することにより、後述する図1G工程を容易に行うことができる。
【0049】
次に、図1Dから分かるように、第1~第3ペロブスカイト単位太陽電池(UC1、UC2、UC3)のそれぞれの上面に複数のホール(H)を具備した前記フィルム310を形成する。
【0050】
すなわち、第1ペロブスカイト単位太陽電池(UC1)の上面に複数のホール(H)を具備した1つのフィルム310を形成し、第2ペロブスカイト単位太陽電池(UC2)の上面に複数のホール(H)を具備した異なる1つのフィルム310を形成し、第3ペロブスカイト単位太陽電池(UC3)の上面に複数のホール(H)を具備したまた異なる1つのフィルム310を形成する。ここで、前記第1ペロブスカイト単位太陽電池(UC1)の上面に形成された1つのフィルム310、前記第2ペロブスカイト単位太陽電池(UC2)の上面に形成された異なる1つのフィルム310、および前記第3ペロブスカイト単位太陽電池(UC3)の上面に形成されたまた異なる1つのフィルム310は、互いに接することなく離隔している。
【0051】
前記フィルム310は、有機高分子化合物からなることができるが、必ずしもそれに限定されるものではない。ここで、前記有機高分子化合物からなる前記フィルム310は、半乾燥状態で形成することができる。前記半乾燥状態とは、完全に硬化する前の状態を意味するものであり、以後の硬化工程によって他の構成要素と別途の接着層なしで接着することができる状態を意味する。
【0052】
前記複数のホール(H)は、前記フィルム310を貫通するように形成され、それによって、前記複数のホール(H)を介して前記第1~第3ペロブスカイト単位太陽電池(UC1、UC2、UC3)それぞれの前記第2導電性電荷伝達層230の上面が露出する。
【0053】
前記フィルム310は、前記コンタクト部(C)と重畳しないように形成することにより、前記フィルム310によって前記コンタクト部(C)が遮られずに露出していて、それによって後述する図1G工程を円滑に行うことができる。
【0054】
一方、前記フィルム310は、前記分離部(P)と重畳しないように形成することができるが、必ずしもそれに限定されるものではなく、前記分離部(P)と重畳するように形成することも可能であり、この場合、後述する図1G工程において連結ライン500を短縮することができる。
【0055】
次に、図1Eから分かるように、第1~第3ペロブスカイト単位太陽電池(UC1、UC2、UC3)それぞれの上面に具備されたフィルム310の複数のホール(H)内部を導電層320で充たす。これにより、前記フィルム310および導電層320からなる前記バッファ層300が、前記第1~第3ペロブスカイト単位太陽電池(UC1、UC2、UC3)のそれぞれの上面に形成される。
【0056】
前記導電層320は、金属物質で形成することができるが、必ずしもそれに限定されるものではない。前記導電層320は、印刷工程を通じて前記フィルム310の複数のホール(H)の内部に充たすことができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0057】
前記導電層320は、前記複数のホール(H)の下部で前記第2導電性電荷伝達層230の上面と接することになる。
【0058】
このような導電層320が形成された状態でも、前記フィルム310は半乾燥状態を維持することができる。
【0059】
前記バッファ層300について、図2を参照して説明すると以下の通りである。
【0060】
図2は、本発明の一実施例による前記バッファ層300の概略平面図であり、図2から分かるように、本発明の一実施例によるバッファ層300は、複数のホール(H1、H2)を具備したフィルム310、および前記複数のホール(H1、H2)に充たされた導電層320を含むことができる。
【0061】
前記複数のホール(H1、H2)は、第1方向、例えば横方向に配列された複数の第1ホール(H1)、および第2方向、例えば縦方向に配列された複数の第2ホール(H2)を含む。前記複数の第1ホール(H1)と前記複数の第2ホール(H2)は、互いに交差するように形成され、それによって全体として格子構造のホール(H1、H2)パターンを形成することができる。
【0062】
前記導電層320は、前記複数のホール(H1、H2)全体の内部を充たすように具備され、それにより、前記導電層320は、全体として格子構造のパターンで形成することができる。
【0063】
次に、図1Fから分かるように、前記バッファ層300上に第2太陽電池400を位置させた後、硬化工程を通じて前記バッファ層300を構成するフィルム310を硬化させることにより、前記フィルム310と前記第2太陽電池400の間を接着させる。これにより、複数の単位タンデム太陽電池(UTC1、UTC2、UTC3)が形成される。
【0064】
すなわち、第1ペロブスカイト単位太陽電池(UC1)、バッファ層300及び第2太陽電池400が順に積層された第1単位タンデム太陽電池(UTC1)、第2ペロブスカイト単位太陽電池(UC2)、バッファ層300及び第2太陽電池400が順に積層された第2単位タンデム太陽電池(UTC2)、及び第3ペロブスカイト単位太陽電池(UC3)、バッファ層300及び第2太陽電池400が順に積層された第3単位タンデム太陽電池(UTC3)が互いに離隔した状態で形成される。
【0065】
ここで、前記第2太陽電池400は、個別の太陽電池として製造された状態で前記バッファ層300上に位置させて付着する。
【0066】
前記第2太陽電池400は、第1~第3ペロブスカイト単位太陽電池(UC1、UC2、UC3)それぞれの上面上に個別に形成され、前記個別に形成された各々の第2太陽電池400は、互いに離隔している。
【0067】
これにより、前記バッファ層300を挟んでその下側には第1~第3ペロブスカイト単位太陽電池(UC1、UC2、UC3)が形成され、その上側には前記第2太陽電池400が形成される。
【0068】
ここで、前記バッファ層300内の導電層320によって、前記第1~第3ペロブスカイト単位太陽電池(UC1、UC2、UC3)および前記第2太陽電池400を互いに電気的に連結することができる。前記導電層320は、前記第1~第3ペロブスカイト単位太陽電池(UC1、UC2、UC3)の第2導電性電荷伝達層230の上面および前記第2太陽電池400の下面とそれぞれ接する。
【0069】
前記第2太陽電池400は、基板型太陽電池からなることができ、これについて図3図4を参照して説明すると以下の通りである。
【0070】
図3は、本発明の一実施例による第2太陽電池400の概略断面図である。
【0071】
図3から分かるように、本発明の一実施例による第2太陽電池400は、半導体基板410、第1半導体層420、第2半導体層430、及び電極パターン470を含む。
【0072】
前記半導体基板410は、N型またはP型の半導体ウェハからなることができる。具体的には図に示していないが、前記半導体基板410の上面と下面のうち、少なくとも1つの面には凸凹構造を形成することができ、この場合、前記第1半導体層420及び前記第2半導体層430もまた、前記半導体基板410の凸凹構造に対応する凸凹構造で形成することができる。
【0073】
前記第1半導体層420は、前記半導体基板410の上面に形成し、所定の極性を有するように形成し、前記第2半導体層430は、前記半導体基板410の下面に形成して、前記第1半導体層420と異なる極性を有するように形成する。
【0074】
特に、前記第2太陽電池400の下面を構成する前記第2半導体層430は、前述したバッファ層300内の導電層320と接するようになり、前記第2導電性電荷伝達層230の極性と異なる極性を有するように形成する。例として、前記第2導電性電荷伝達層230が電子伝達層からなる場合には、前記第2半導体層430はP型極性を有し、前記第1半導体層420はN型極性を有するように形成し、前記第2導電性電荷伝達層230が正孔伝達層からなる場合には、前記第2半導体層430はN型極性を有し、前記第1半導体層420はP型極性を有するように形成することができる。
【0075】
前記第1半導体層420及び前記第2半導体層430は、それぞれ前記半導体基板410の上面及び下面に所定のドーパントをドーピングして形成することができ、この場合、前記第1半導体層420及び前記第2半導体層430は、前記半導体基板410と同様に半導体ウェハからなることができる。
【0076】
前記電極パターン470は、前記第1半導体層420の上面にパターン形成されている。前記電極パターン470は、スクリーン印刷などの当業界に公知の工程を介して形成することができる。
【0077】
図4は、本発明の他の実施例による第2太陽電池400の概略断面図である。
【0078】
図4から分かるように、本発明の他の実施例による第2太陽電池400は、半導体基板410、第1半導体層420、第2半導体層430、第3半導体層440、第4半導体層450、及び電極パターン470を含む。
【0079】
前記半導体基板410は、N型またはP型の半導体ウェハからなることができる。具体的には図に示していないが、前記半導体基板410の上面と下面のうち、少なくとも1つの面には凸凹構造を形成することができ、この場合、前記第1~第4半導体層420、430、440、450もまた、前記半導体基板410の凸凹構造に対応する凸凹構造で形成することができる。
【0080】
前記第1半導体層420は、前記半導体基板410の上面に化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition;CVD)又は原子層蒸着法(Atomic Layer Deposition;ALD)等のような薄膜蒸着工程を通じて形成することができ、真性半導体層からなることができる。ただし、場合によっては、前記第1半導体層420は、微量のドーパントがドーピングされた半導体層からなることができる。
【0081】
前記第2半導体層430は、前記第1半導体層420の上面に形成する。前記第2半導体層430は薄膜蒸着工程を通じて形成され、多量のドーパントがドーピングされた半導体層からなることができる。前記半導体基板410の極性と同じ極性のドーパントを微量ドーピングして前記第1半導体層420を形成した後、続いて前記ドーパントを多量にドーピングして前記第2半導体層430を形成することができる。
【0082】
前記第3半導体層440は、前記半導体基板410の下面に形成する。前記第3半導体層440は、薄膜蒸着工程を通じて形成され、真性半導体層からなることができる。ただし、場合によっては、前記第3半導体層440は、微量のドーパントがドーピングされた半導体層からなることもできる。ここで、前記第3半導体層440にドーピングされたドーパントの極性は、前記第1半導体層420にドーピングされたドーパントの極性と反対である。
【0083】
前記第4半導体層450は、前記第3半導体層440の下面に形成する。前記第4半導体層450は、薄膜蒸着工程を通じて形成され、多量のドーパントがドーピングされた半導体層からなることができる。ここで、前記第4半導体層450にドーピングされたドーパントの極性は、前記第2半導体層430にドーピングされたドーパントの極性と反対である。前記半導体基板410の極性と異なる極性のドーパントを微量にドーピングして前記第3半導体層440を形成し、続いて前記ドーパントを多量にドーピングして前記第4半導体層450を形成することができる。
【0084】
前記第2太陽電池400の下面を構成する前記第4半導体層450は、前述したバッファ層300内の導電層320と接するようになり、前記第2導電性電荷伝達層230の極性と異なる極性を有するように形成する。例として、前記第2導電性電荷伝達層230が電子伝達層からなる場合には、前記第4半導体層450はP型極性を有するように形成し、前記第2導電性電荷伝達層230が正孔伝達層からなる場合には、前記第4半導体層450はN型極性を有するように形成することができる。
【0085】
前記電極パターン470は、前記第2半導体層430の上面にパターン形成されている。前記電極パターン470は、スクリーン印刷などの当業界にに公知の工程を介して形成することができる。
【0086】
次に、図1Gから分かるように、連結ライン500を介して複数の単位タンデム太陽電池(UTC1、UTC2、UTC3)間を電気的に連結する。
【0087】
具体的には、1つの連結ライン500を介して第1単位タンデム太陽電池(UTC1)と前記第2単位タンデム太陽電池(UTC2)間を直列に連結するとともに、他の1つの連結ライン500を介して第2単位タンデム太陽電池(UTC2)と第3単位タンデム太陽電池(UTC3)の間を直列に連結することができる。
【0088】
前記1つの連結ライン500は、前記第1単位タンデム太陽電池(UTC1)のコンタクト部(C)に露出した前記第1導電性電荷伝達層210及び前記第2単位タンデム太陽電池(UTC2)の第2太陽電池400の上面間を電気的に連結する。ここで、前記1つの連結ライン500と連結する前記第2単位タンデム太陽電池(UTC2)の第2太陽電池400の上面は、上述した図3及び図4の電極パターン470からなることができる。ここで、前記電極パターン470の下に具備された図3の第1半導体層420または図4の第2半導体層430の極性は、前記第1導電性電荷伝達層210の極性と反対であり、それによて、第1単位タンデム太陽電池(UTC1)と第2単位タンデム太陽電池(UTC2)の間が直列に連結される。
【0089】
前記1つの連結ライン500は、前記第2単位タンデム太陽電池(UTC2)の第2太陽電池400の上面と側面およびその下の前記バッファ層300の側面に沿って延び、前記第1単位タンデム太陽電池(UTC1)と前記第2単位タンデム太陽電池(UTC2)の間の前記分離部(P)を横切って前記第1単位タンデム太陽電池(UTC1)でバッファ層300と重畳せずにコンタクト部(C)の一側、具体的に右側に具備された前記第2導電性電荷伝達層230の上面と側面及び光吸収層220の側面に沿って延び、前記第1単位タンデム太陽電池(UTC1)のコンタクト部(C)に露出した第1導電性電荷伝達層210の上面まで延びる。ここで、前記1つの連結ライン500の端部は、前記第1単位タンデム太陽電池(UTC1)において、前記コンタクト部(C)の他側、具体的には左側に具備された光吸収層220とは接しない。
【0090】
図5本発明の一実施例によるタンデム太陽電池の平面図であり、これは、上述した図1A図1Gによる製造方法で製造されたタンデム太陽電池に関するものである。したがって、同じ構成に対しては同じ図面符号を付与した。
【0091】
図5から分かるように、本発明の一実施例によるタンデム太陽電池は、第1単位タンデム太陽電池(UTC1)、第2単位タンデム太陽電池(UTC2)、及び第3単位タンデム太陽電池(UTC3)を含む。前記単位タンデム太陽電池(UTC1、UTC2、UTC3)の数および配置は、様々に変更することができる。
【0092】
前記第1単位タンデム太陽電池(UTC1)と前記第2単位タンデム太陽電池(UTC2)の間、及び前記第2単位タンデム太陽電池(UTC2)と前記第3単位タンデム太陽電池(UTC3)の間には、分離部(P)が形成されている。したがって、複数の単位タンデム太陽電池(UTC1、UTC2、UTC3)は、前記分離部(P)によって互いに離隔されている。前記分離部(P)は、第1方向、例えば上下方向に形成することができる。
【0093】
また、前記第1単位タンデム太陽電池(UTC1)及び前記第2単位タンデム太陽電池(UTC2)のそれぞれは、コンタクト部(C)を具備している。前記第1単位タンデム太陽電池(UTC1)に具備されたコンタクト部(C)は、前記第1単位タンデム太陽電池(UTC1)と前記第2単位タンデム太陽電池(UTC2)の間の分離部(P)近傍で、前記分離部(P)と同じ前記第1方向に形成されている。同様に、前記第2単位タンデム太陽電池(UTC2)に具備されたコンタクト部(C)は、前記第2単位タンデム太陽電池(UTC2)と前記第3単位タンデム太陽電池(UTC3)の間の分離部(P)近傍で前記分離部(P)と同じ前記第1方向に形成されている。
【0094】
前記第1~第3単位タンデム太陽電池(UTC1、UTC2、UTC3)のそれぞれの上面には、電極パターン470a、470bが形成されている。前記電極パターン470a、470bは、前記第1方向に延びる複数の第1電極パターン470a、および前記第1方向とは異なる第2方向、例えば左右方向に延びる第2電極パターン470bを含むことができる。前記第2電極パターン470bは、前記複数の第1電極パターン470aと交差しながら前記複数の第1電極パターン470a間を電気的に連結する。
【0095】
前記第1単位タンデム太陽電池(UTC1)と前記第2単位タンデム太陽電池(UTC2)は、1つの連結ライン500を介して電気的に連結し、前記第2単位タンデム太陽電池(UTC2)と前記第3単位タンデム太陽電池(UTC3)は、他の1つの連結ライン500を介して電気的に連結する。特に、前記第1単位タンデム太陽電池(UTC1)と前記第2単位タンデム太陽電池(UTC2)は、1つの連結ライン500を介して直列に連結し、前記第2単位タンデム太陽電池(UTC2)と前記第3単位タンデム太陽電池(UTC3)は、他の1つ連結ライン500を介して直列に連結する。
【0096】
前記1つの連結ライン500は、前記第2単位タンデム太陽電池(UTC2)の電極パターン470a、470bから前記第1単位タンデム太陽電池(UTC1)のコンタクト部(C)まで延びていて、前記他の1つの連結ライン500は、前記第3単位タンデム太陽電池(UTC3)の電極パターン470a、470bから前記第2単位タンデム太陽電池(UTC2)のコンタクト部(C)まで延びている。
【0097】
ここで、前記1つの連結ライン500は、前記第2単位タンデム太陽電池(UTC2)の複数の第1電極パターン470aのうちの少なくとも1つおよび第2電極パターン470bと重畳しながら前記重畳する少なくとも1つの第1電極パターン470aおよび第2電極パターン470bと直接に連結し、前記第2電極パターン470bの延長方向と同じ第2方向に延びることができ、前記他の1つの連結ライン500は、前記第3単位タンデム太陽電池(UTC3)の複数の第1電極パターン470aのうちの少なくとも1つ及び第2電極パターン470bと重畳しながら前記重畳する少なくとも1つの第1電極パターン470aおよび第2電極パターン470bと直接に連結し、前記第2電極パターン470bの延長方向と同じ第2方向に延びることができる。
【0098】
また、前記1つの連結ライン500は、前記第1単位タンデム太陽電池(UTC1)のコンタクト部(C)の一端(C1)、例えば右側端をとおり過ぎるが、前記コンタクト部(C)の他端(C2)、例えば左側端まで延びずに、前記コンタクト部(C)の他端(C2)とは接しない。同様に、前記他の1つの連結ライン500は、前記第2単位タンデム太陽電池(UTC2)のコンタクト部(C)の一端(C1)、例えば右側端をとおり過ぎるが、前記コンタクト部(C)の他端(C2)、一例として、左側端まで延びずに、前記コンタクト部(C)の他端(C2)とは接しない。
【0099】
図6は、本発明の一実施例による第2太陽電池400の概略平面図であり、これは、第2太陽電池400の一実施例による電極パターン470の構造を示すものである。
【0100】
図6から分かるように、前記電極パターン470は、前記第2太陽電池400の最上部に具備されていて、複数の電極パターン470が第1方向、例えば横方向に配列するとともに第2方向、例えば縦方向に配列することによって、前記電極パターン470を全体として格子構造のパターンとして形成することができる。
【0101】
このような電極パターン470は、上述した図2の導電層320のパターンと同様に形成することができる。すなわち、前記電極パターン470の格子構造は、上述した図2の導電層320の格子構造と同じ構造で形成することができ、それにより、第2太陽電池400の合着工程時に電極パターン470と導電層320が互いに重畳するように形成することができるが、これについて図7を参照して説明すると以下の通りである。
【0102】
図7は、本発明の他の実施例によるタンデム太陽電池の概略断面図である。
【0103】
図7から分かるように、基板100上にペロブスカイト太陽電池層200が形成されていて、前記ペロブスカイト太陽電池層200上にバッファ層300が形成されていて、前記バッファ層300上に第2太陽電池400が形成されている。
【0104】
前記ペロブスカイト太陽電池層200は、第1導電性電荷伝達層210、光吸収層220、及び第2導電性電荷伝達層230を含んでなり、これらの構成は、上述したものと同じであるので、反復説明は省略することにする。
【0105】
前記バッファ層300は、フィルム310および導電層320とを含んでなり、これらの構成も上述したものと同様であるので、反復説明は省略するおとにする。
【0106】
前記第2太陽電池400の上部には電極パターン470が形成されていて、前記電極パターン470の下には具体的には図に示していないが、上述した図3のように半導体基板410、第1半導体層420、及び第2半導体層430を具備することができ、上述した図4のように半導体基板410、第1半導体層420、第2半導体層430、第3半導体層440、及び第4半導体層450を具備することもできる。
【0107】
ここで、前記第2太陽電池400の前記電極パターン470は、前記バッファ層300の導電層320と重畳するように形成する。このように、前記電極パターン470と前記導電層320が互いに重畳するように形成することにより、太陽電池内部に入射する太陽光の光量損失を最小限に抑えることができる。
【0108】
以上、添付の図を参照して本発明の実施例をさらに詳細に説明したが、本発明は必ずしもこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想から逸脱しない範囲内で多様に変形して実施することができる。したがって、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。したがって、以上で記述した実施例はすべての点で例示的なものであり、限定的なものではないと理解されなければならない。本発明の保護範囲は、請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0109】
100:基板
200:ペロブスカイト太陽電池層
210:第1導電性電荷伝達層
220:吸収層
230:第2導電性電荷伝達層
300:バッファ層
310:フィルム
320:導電層
400:第2太陽電池
410:半導体基板
420、430、440、450:第1、第2、第3、第4半導体層
470:電極パターン
500:連結ライン
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】