(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】整形外科技術ソケット及びその調整方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/62 20060101AFI20240311BHJP
A61F 2/70 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
A61F2/62
A61F2/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547885
(86)(22)【出願日】2022-03-29
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 EP2022058254
(87)【国際公開番号】W WO2022207635
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】102021107816.4
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502220838
【氏名又は名称】オットーボック・エスイー・ウント・コンパニー・カーゲーアーアー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジーゲル、ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】フィンケ、ラース・ベンヤミン
(72)【発明者】
【氏名】ライネルト、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】フィーア、レオナルド
(72)【発明者】
【氏名】コッペ、マリオ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA02
4C097BB02
4C097BB09
4C097CC01
4C097CC05
4C097CC08
4C097CC15
4C097CC18
4C097DD01
4C097DD11
4C097TB17
(57)【要約】
本発明は、肢断端又は肢に当接、並びに肢断端又は肢を収容するための整形外科技術ソケットであって、少なくとも1つのソケット壁(2)と、近位の導入開口(3)と、-遠位の端(4)と、ソケット(1)に少なくとも1つの遠位の整形外科技術コンポーネント(6)を固定するように配置された少なくとも1つの取付装置(5)を備える整形外科技術ソケットに関し、ソケット壁(2)に少なくとも1つの補剛要素(40)が配置又は形成され、補剛要素に調節装置(30)が割り当てられ、かつ補剛要素によりソケット壁(2)の剛性を少なくとも領域的に可逆的に変更可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
肢断端又は肢に当接、並びに肢断端又は肢を収容するための整形外科技術ソケットであって、
-少なくとも1つのソケット壁(2)と、
-近位の導入開口(3)と、
-遠位の端(4)と、
-前記整形外科技術ソケット(1)に少なくとも1つの遠位の整形外科技術コンポーネント(6)を固定するように配置された少なくとも1つの取付装置(5)、を備える整形外科技術ソケットにおいて、
前記ソケット壁(2)に少なくとも1つの補剛要素(40)が配置又は形成され、前記補剛要素に調節装置(30)が割り当てられ、かつ前記補剛要素により前記ソケット壁(2)の剛性を少なくとも領域的に可逆的に変更可能であることを特徴とする、整形外科技術ソケット。
【請求項2】
前記補剛要素(40)が前記ソケット壁(2)に変位可能に支持されることを特徴とする、請求項1に記載の整形外科技術ソケット。
【請求項3】
前記調節装置(30)が前記ソケット壁(2)に配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の整形外科技術ソケット。
【請求項4】
前記前記補剛要素(40)が、調節要素(20)を介して前記調節装置(30)と結合され、前記調節要素(20)が、歯車、ローラ、クランク、レバー、引張手段、回転要素、ピストン、押し手段、又は弁として形成されることを特徴とする、請求項1-3のいずれか一項に記載の整形外科技術ソケット。
【請求項5】
前記調節装置(30)が、電磁石、ポンプ、電気モータ、ヒータ、冷却要素、圧電素子、電気活性ポリマー、畜力器、又は手動で操作可能な装置として形成されることを特徴とする、請求項1-4のいずれか一項に記載の整形外科技術ソケット。
【請求項6】
前記補剛要素(40)が、流体容積、形状記憶要素、波形体、アコーディオン要素、噛合体、ばね、発泡体、相変化材料、フラップ要素、ダンパ、又は電気粘着要素として形成されることを特徴とする、請求項1-5のいずれか一項に記載の整形外科技術ソケット。
【請求項7】
前記調節装置(30)がアクチュエータ(80)を有し、前記アクチュエータは、割り当てられた制御装置(60)を介して作動可能及び作動停止可能であり、前記制御装置は、少なくとも1つのセンサ(70)又はスイッチと結合され、センサデータ又はスイッチ操作に基づいて前記アクチュエータを作動又は作動停止させることを特徴とする、請求項1-6のいずれか一項に記載の整形外科技術ソケット。
【請求項8】
前記少なくとも1つのセンサ(70)が、温度センサ、加速度センサ、IMU、空間位置センサ、傾斜センサ、力センサ、光学センサ、アース電極、圧力センサ、DMS、又は抵抗センサとして形成されることを特徴とする、請求項7に記載の整形外科技術ソケット。
【請求項9】
前記制御装置(60)に記憶装置(61)、データ処理装置(62)及び/又は通信インタフェース(63)が割り当てられることを特徴とする、請求項7又は8に記載の整形外科技術ソケット。
【請求項10】
前記ソケット壁(2)に前記調節装置(30)及び/又は前記補剛要素(40)のための収容部(90)が配置されることを特徴とする、請求項1-9のいずれか一項に記載の整形外科技術ソケット。
【請求項11】
前記補剛要素(40)と前記調節装置(30)、又は調節要素(20)と前記調節装置(30)と前記補剛要素(40)が補剛モジュールとして統合されることを特徴とする、請求項1-10のいずれか一項に記載の整形外科技術ソケット。
【請求項12】
前記ソケット壁(2)の近位の縁領域(9)に、異なった半径方向弾性を有するセクタ(25)が形成されることを特徴とする、請求項1-11のいずれか一項に記載の整形外科技術ソケット。
【請求項13】
前記セクタ(25)が、それぞれ異なる材料、それぞれ異なる材料厚さ、それぞれ異なった幅の凹部(24)及び/又は前記凹部(24)のそれぞれ異なる密度を有することを特徴とする、請求項12に記載の整形外科技術ソケット。
【請求項14】
個々の前記セクタ(25)に、変位可能なソケット壁セグメント(40A、40M、40R、40P)が補剛要素(40)として割り当てられることを特徴とする、請求項12に記載の整形外科技術ソケット。
【請求項15】
前記ソケット壁(2)に、前記補剛要素(40)と結合された少なくとも1つのフレキシブルな領域(43)が形成されることを特徴とする、請求項1-14のいずれか一項に記載の整形外科技術ソケット。
【請求項16】
肢断端又は肢に当接、及び肢断端又は肢を収容するための整形外科技術ソケットを調整する方法であって、前記整形外科技術ソケットが、少なくとも1つのソケット壁(2)と、近位の導入開口と、遠位の端と、前記整形外科技術ソケットに少なくとも1つの遠位の整形外科技術コンポーネントを固定するように配置された少なくとも1つの取付装置を有する、方法において、前記ソケット壁(2)の剛性が、少なくとも1つの調節装置(30)及び補剛要素(40)により少なくとも領域的に可逆的に変更されることを特徴とする、方法。
【請求項17】
前記剛性が、調節要素(20)を変位させる、前記ソケット壁(2)に配置された前記補剛要素(40)を変化させる、及び/又は前記調節装置(30)を作動若しくは作動停止させることによって変更されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記剛性の変更がセンサデータに基づいて行われ、前記センサデータは、少なくとも1つのセンサ(70)によって検知されて制御装置(60)に伝送され、前記制御装置が前記調節装置(30)のアクチュエータ(80)を作動又は作動停止させることを特徴とする、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記剛性が、ばね要素を捻じる、ばね要素を移動する、ばね要素をブロックする、少なくとも1つの補剛要素(40)を変位させる、流体容積を満たす、若しくは空にする、媒体の粘性を変化させる、加熱する、冷却する、少なくとも1つの補剛要素(40)を形状結合的に係合させる、少なくとも1つの補剛要素(40)を楔で固定する、及び/又は少なくとも1つの補剛要素(40)を捻じることによって変更されることを特徴とする、請求項16-18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記剛性が、前記調節要素(20)を捻じる、移動する、緊張させる、ブロックすること、及び/又は作動させることによって変更されることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記ソケット壁(2)が、剛性に関して互いに独立して変更されるセクタ(25)を有することを特徴とする、請求項16-20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記剛性の変更が、整形外科技術ソケット(1)の使用中に自動的に、特にリアルタイムで、及び/又は運動状況に応じて行われることを特徴とする、請求項18-21のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肢断端又は肢に当接、並びに肢断端又は肢を収容するための整形外科技術ソケット、特に義肢ソケットであって、少なくとも1つのソケット壁と近位の導入開口と遠位の端とソケットに少なくとも1つの遠位の整形外科技術コンポーネントを固定するように配置された少なくとも1つの取付装置とを備える整形外科技術ソケットに関する。本発明は、このような整形外科技術ソケットを調整する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
整形外科技術ソケット、特に義肢ソケットは、肢断端又は肢を収容するために用いられ、多数の実施形態を有することができる。ソケットの一実施形態は、ソケットが当接されることになる肢又は肢断端の型をとって成形されることを企図する。場合によっては材料を追加して、この型に合わせて、例えば熱可塑性プラスチック又は繊維複合材料からソケットが作られる。ソケット壁は、通常、閉じた壁になるように形成され、形状安定であり、近位の導入開口を有する。遠位の端又は遠位の端領域には他のコンポーネント、例えば継手又はそれに類するものを固定するための装置が配置され、特に組み込まれている。
【0003】
これに代えて、ソケットを付加製造法で製造することができる。
【0004】
良好な嵌め合いと、異なった輪郭又は体積への適合を作成するために、義肢ソケットは、開断面で、又は相対して変位可能な複数のコンポーネントから製作される。モータ又は引張手段により、コンポーネントが互いに位置決めされ、かつ互いに締め付けられ、それぞれの位置で固定される。引張手段又はファスナを緩めることによって、肢又は肢断端を収容するために用いられるソケット容積を拡大することができる。これは、例えばソケットを着脱するとき、或いは着座時など肢又は肢断端を解放するために行われる。
【0005】
ソケット、特に義肢ソケットは、一方では他の整形外科技術コンポーネントを肢又は肢断端に確実に保持し、さらに他の整形外科技術コンポーネントが肢又は肢断端に対して正しく位置決めされることを確保する。そのために装具ソケット又は義肢ソケットが十分な剛性と安定性を有し、それに固定される整形外科技術コンポーネントが確実に案内されることを保証する必要がある。
【0006】
ソケットを肢又は肢断端に適切に位置決めするために定置のリジッドな当接面、例えば肢当接部が必要である。しかしこのようなリジッドな当接面は、快適性の点で不利である。
【発明の概要】
【0007】
本発明の課題は、着用快適性の向上、及びそれと同時に整形外科技術コンポーネントの正確な案内の維持が達成される整形外科技術ソケット、及び整形外科技術ソケットを調整する方法を提供することである。
【0008】
本発明によれば、上記課題は主請求項の特徴を有する整形外科技術ソケット、及び並列独立請求項の特徴を有する方法により解決される。本発明の有利な形態及び発展形態は、従属請求項、以下の説明、及び図に開示される。
【0009】
少なくとも1つのソケット壁と近位の導入開口と遠位の端とソケットに少なくとも1つの遠位の整形外科技術コンポーネントを固定するように配置された少なくとも1つの取付装置とを備える、肢断端又は肢に当接、並びに肢断端又は肢を収容するための整形外科技術ソケットは、ソケット壁に少なくとも1つの補剛要素が配置され、補剛要素に調節装置が割り当てられ、かつ補剛要素によりソケット壁の剛性を少なくとも領域的に変更可能、特に可逆的に変更可能であることを企図する。このようなソケットを用いて、ソケット壁の特定の面又は領域が、それが必要な場合に必要な剛性又はリジッド性を有することが可能である。肢又は肢断端の正確な案内と安定した支えを保証するため、或いはソケットを心地よく着用するのに十分な可撓性を提供するために、特に異なった利用状況で剛性を領域的に適合させることができる。
【0010】
補剛要素は、ソケット壁との組み合わせで機能し、かつ対応する領域の剛性を変化させるために用いられる。補剛要素は、特にソケットに取り付けられる、配置される、形成される、又は組み込まれるソケットの追加コンポーネントである。
【0011】
ソケットの一実施形態は、補剛要素がソケット壁に変位可能に支持され、それにより剛性を変化させるべき領域のすぐ近くに位置決めすることが可能である。ソケット壁、特にソケット壁の外面での支持は、例えば修理するか、又は適合させるためにアクセスしやすくする。ソケット壁への配置はハウジングを保護及び形成するためにソケット壁自体を利用し、それにより補剛要素が外部の影響から保護される。ソケット壁内での支持又は配置は、コンパクトな形態と、特にソケット外壁の滑らかな輪郭を可能にする。
【0012】
一変形形態は、例えば駆動装置又は調節装置と補剛要素との間に配置される調節要素を介して、補剛要素にモータ駆動装置が割り当てられることを企図する。駆動装置又は調節装置により、ソケット壁のそれぞれの領域の剛性の所望の変化を達成するために、調節要素及び/又は補剛要素を捻じる、移動させる、曲げる、又は別の仕方で変位又は操作することが可能である。リニアアクチュエータや変位をもたらす切替可能な磁石装置もモータ駆動装置とみなされる。
【0013】
一実施形態では、調節要素は、歯車、ローラ、クランク、レバー、引張手段、回転要素、ピストン、押し手段、及び/又は弁として形成される。引張手段を剛直(starr)又はフレキシブルに形成することができ、引張手段を、特に、フレキシブル及び非弾性に、特に圧縮可撓性及び引張強くすることができる。基本的に、引張手段が弾性を有することも可能であり、それにより引張手段を同時に畜力器及び力制限器としても用いることができる。回転中心又は回転軸線を中心に変位される回転要素は、例えばホイール、ローラ、ソケット、スピンドル、ねじ、或いは捻じり可能又は捩り可能な紐又はチェーン並びにロッドなどのコンポーネントとしても形成することができる。ピストンは直線運動で媒体を押しのけ、代替の実施形態では、ピストンが回転ピストンとして形成され、直線運動ではなく回転ピストンの回転軸線を中心とした回転運動によって媒体を押しのける。押し手段は、圧縮力を伝達するコンポーネント、例えばロッド、コンロッド、プッシュチェーン、又は他の圧縮強いコンポーネントであり、場合によっては畜力及び力制限を可能にする弾性コンポーネントと組み合わせられる。剛性の調節が流体の供給又は排出によって行われる場合、一実施形態では、弁は、切替弁、調節弁、又は流量を調整、又は流路を遮断できる他の調節可能な流量制限器として形成される。畜力器は、特にばね、圧縮可能な流体、電気エネルギー貯蔵器又は熱エネルギー貯蔵器として形成される。
【0014】
調節装置は、一実施形態では、電磁石、ポンプ、電気モータ、ヒータ、冷却要素、圧電素子、電気活性ポリマー、畜力器、手動で操作可能な装置、又は電圧源として形成される。調節装置により、対応する補剛要素、又は場合によって調節要素を調節するか、又は変化させて、ソケット壁の領域の剛性を適合及び変化させることが可能である。電磁石により、補剛要素若しくは調節要素を変位させるか、又は磁場を発生させ、それにより磁気レオロジ液を、その粘性に関して変化させることができる。ポンプにより、流体、又はポンプで圧送可能な他の媒体を容積内又は容積外へ圧送して容積の、したがって容積が入った義肢ソケットの領域の剛性を剛性に関して変化させることができる。例えば液体が容積内へ圧送されると、内圧が高くなることにより容積が入った領域の剛性が高くなる。容積が構造要素で満たされ、真空が印加される場合にも剛性を高めることができる。側壁が負圧によって構造要素に押し付けられ、ソケットの剛性がこの領域で高くなる。電気モータにより、機械的コンポーネントを調節することができ、剛性を適合できるようにするために、例えば異なった面慣性モーメントを有する要素が捻じられるか、又は別の状態に導かれる。モータにより、ポンプを駆動する、力伝達装置を変位又は巻き取る、並びに弁を調節することもできる。意図した領域をヒータ、例えば抵抗ヒータで加熱することによって粘性及び剛性を変化させることができる。逆に特定の領域を冷却することによって固さをを高めることができる。
【0015】
一実施形態では、ソケット壁に配置された調節要素及び/又は調節装置に少なくとも1つの補剛要素が割り当てられる。補剛要素は変位され、作動され、その性質が変更され、別の向きにされ、他の要素に対する配置関係が変えられ、それによって補剛要素が配置されたそれぞれの領域の剛性の変化がもたらされる。補剛要素を、例えば流体容積、形状記憶要素、波形体、アコーディオン要素、噛合体、ばね、発泡体、相変化材料、フラップ要素、スライダ、挿入物、ダンパ、又は電気粘着要素として形成することができる。
【0016】
一変形形態では、調節装置がアクチュエータを有し、アクチュエータは、割り当てられた制御装置を介して作動可能及び作動停止可能であり、制御装置は、少なくとも1つのセンサと結合され、かつセンサデータに基づいてアクチュエータを作動又は作動停止させる。センサに代えて、又はセンサに加えて、制御装置は、アクチュエータを手動で作動させることが可能なスイッチ又は切替装置と結合されてもよい。切替装置を制御装置と結合可能な、例えば遠隔操作器又は携帯電話又は携帯型データ処理装置の形態で形成することができる。結合は、有線接続により、又はワイヤレスで、例えば無線インタフェースを介して行うことができる。そのために携帯型データ処理装置及び制御装置にはそれぞれ対応するインタフェースが割り当てられるか、又は配置されている。調節装置がセンサデータに基づいて自動的に制御される場合、制御装置、又は代替的に外部評価ユニットでセンサデータの評価が行われる。制御装置は、通信インタフェース、記憶装置、プロセッサ、エネルギー貯蔵器、並びに場合によっては信号増幅器及び集積回路などの必要なコンポーネントを有する。制御装置を1つ又は複数のセンサと結合することができ、1つのセンサ又は複数のセンサは、温度センサ、加速度センサ、慣性測定ユニット(IMU)、空間位置センサ、傾斜センサ、力センサ、光学センサ、アース電極、圧力センサ、ひずみゲージ、及び抵抗センサを含むセンサの群から選択される。光学センサは、例えば酸素飽和の有無を検出するか、又は血糖値を測定するために用いられ、アース電極により筋電信号が検出される。抵抗センサは、例えばソケット壁の内面の湿度を測定し、そこからソケットユーザの負荷又は蒸散に関して逆推理を行うことができる。
【0017】
一実施形態では、ソケット壁に補剛要素のための、場合によっては調節要素及び/又は調節装置のための収容部が配置され、それにより調節要素、調節装置、若しくは補剛要素をソケット壁に後から、及び/又は交換可能に取り付けることができる。
【0018】
一実施形態では、ソケット壁は、肢又は肢断端をその全周にわたって取り囲み、したがって全周が閉じた断面を有する。全周が閉じた断面を有する実施形態は、全体として、ソケットの構造的固さを高め、調整可能な剛性を有する領域にわたって、快適性の要求に相応に適合可能である。
【0019】
一実施形態では、補剛要素と調節装置、又は調節要素と調節装置と補剛要素とが補剛モジュールとして統合される。この補剛モジュールは、設けられたコンポーネントの交換、追加装備、又はそれぞれのユーザへの適合を行うことができるようにするため、ソケット壁に交換可能に配置することができる。補剛モジュールは、工業的に事前に製造することができ、遵守されるべき安全規則、防水性、及び他の要件に関して前もって試験することができる。補剛モジュールはソケット壁に可逆的に取り外し可能に、例えば形状結合的又は力結合的に固定することができる。
【0020】
ソケットの場合、工業的に事前に製造された、モジュール式コンポーネントを個別の義肢ソケット又は装具ソケットに組み込むことが可能であり、これらのコンポーネントの剛性が可逆的に調整でき、それによって個々に選択可能な特別な箇所又は特別な領域にソケット若しくはソケット壁の剛性を適合させることができる。装具については、レール、シェル、コルセット、及び/又は骨盤ハーネスに対してもソケットという概念が使用される。ソケットの個々の当接面を剛性に関して可逆的に変化させることができる可能性により、ソケットの特性全体を状況に応じて適合させることができる。あらゆる利用状況に合わせられ、したがって通常、いずれの状況でも最適な機能性を提供しないこのようなソケットを用いることにより、快適性と機能性との間で妥協する必要がなくなる。
【0021】
一実施形態では、ソケット壁の近位の縁領域に、異なった半径方向弾性を有するセクタが形成される。ソケットは、特に義肢ソケットとしての一実施形態では、断端又は肢の実質的に全周にわたって取り囲む。周方向に見て、ソケットを異なったセクタに区切ることができ、これらのセクタは、異なったタスクを引き受け、かつ異なった動作又は状態で異なった負荷にさらされる。大腿ソケットの場合、これは例えば外側セクタであり、このセクタは、特に、体の中心方向に負荷がかかるときの側方の案内と安定性を左右する。前側セクタは、前領域を所定方向に、又は負荷方向に支えるために用いられ、後側セクタは、向かい側に位置する後領域で支えるために用いられる。内側セクタは、体の中心から遠ざかる方向にソケットを動かす負荷を受ける。大腿ソケットの場合、坐骨の領域にいわゆる肢当接部が加わる。他の種類のソケットには、特に、最初に挙げた4つのセクタのみが設けられるが、基本的に、これより多いか又は少ないセクタをソケットに配置又は形成することができる。負荷、負荷の種類、負荷の方向、負荷の大きさ、そしてさらに負荷の頻度が様々に異なるため、半径方向に異なる弾性を有するセクタが形成される場合が有利であり、それにより義肢ソケットの末端をなし、ソケット全長のほぼ上半分又は上3分の1にまで達し得る近位の縁領域に異なった剛性のソケット壁部分を提供することができる。調節装置と、場合によって調節要素は、個々のセクタの剛性を別々に、かつ互いに独立して任意に組み合わせて、必要な大きさで調整する、又は変化させることができる。
【0022】
セクタは、異なった材料、異なった材料厚さ、幅の異なる凹部、及び/又は異なった凹部密度を有することができる。例えば補剛要素が完全に作動停止されるか、それぞれ最小抵抗に調整される場合、近位の縁領域における基本設計によりソケットの半径方向変位に対する異なった基本剛性又は基本抵抗を得ることができる。異なった基本剛性は、異なったセクタにおける異なった材料により提供することができる。例えばプラスチック又は繊維強化プラスチックなどの同じ材料が使用される場合には、異なった材料厚さによりそれぞれのセクタに異なった剛性をもたらすことができる。前述の2つの措置に加えて、又は代えて、ソケット壁のそれぞれの部分の剛性に影響を及ぼす凹部をセクタ内に設けることができる。凹部を形成する可能性の1つは、近位-遠位方向に設けられるスロットである。スロットは、義肢ソケットの上末端まで達することができ、かつ遠位方向に、場合によっては近位の縁領域の端まで延びる。凹部又はスロットの幅は、セクタ間、又はセクタ内でも一様でない。同様に、個々のセクタの凹部の密度は様々であり得る。規格化された円周長さにおいて凹部の数が多いほど剛性が低くなり、凹部の長さが大きいほど剛性が低くなり、凹部の幅が大きいほど、それぞれのセグメントにおける剛性が低くなる。
【0023】
一実施形態では、個々のセクタに変位可能なソケット壁セグメントが補剛要素として割り当てられ、これらは、近位の縁領域に異なった剛性を提供するために個別に、又は互いに組み合わせて動かされるか、又は変位される。
【0024】
一実施形態では、ソケット壁には補剛要素と結合された少なくとも1つのフレキシブルな領域が形成される。フレキシブルな領域は、例えばフレキシブルな領域内の材料の変位を常に半径方向内方に断端又は肢の方向に可能にする。補剛要素が緊張解除されるか、又は作動されない場合、フレキシブルな領域の材料は逆の方向に動くこともでき、それによりこのセクタにおいて肢又は断端の遊びを大きく、又は可動性を大きくすることが達成できる。補剛要素は、例えばベルト又はケーブルなどの引張手段であり、これが引っ張られ、それにより例えば発泡材又は布などの材料の半径方向外方の変位が可能でないか又は制限的にのみ可能である。半径方向外方の可撓性がないか、又は低いことは、高負荷がかかる場合、例えば動作を素早く行う場合に有利である。逆に引張手段の緊張解除は、例えば非動作状態で、負荷を受ける必要がなく、ソケットがユーザの肢又は断端から外れないことが確保されさえすればよい場合に有利である。
【0025】
肢断端又は肢を当接及び収容するための整形外科技術ソケットを調整する方法であって、少なくとも1つのソケット壁を有するソケットが提供され、ソケットは、近位の導入開口と遠位の端とソケットに少なくとも1つの遠位の整形外科技術的コンポーネントを固定するように配置される少なくとも1つの取付装置とを有する、方法は、ソケット壁の剛性を少なくとも1つの調節装置及び補剛要素により少なくとも領域的に変化させることを企図する。特定の領域の剛性を状況に応じて、又は自由に選択して可逆的に変化させ得ることにより、ソケット自体の機械的特性を調整することができ、状況に応じた調整可能性により最適な機能性が提供される。
【0026】
剛性の変更は、一実施形態において、調節要素を変位させることによる実施形態では、ソケット壁に配置された補剛要素を調節する、変位させる、又は変化させることによって、並びに/或いは調節装置を作動又は作動停止させることによって行われる。補剛要素の変化は、例えば移動する、圧縮する、支え要素の設置角度を変更する、又は補剛要素によって形成される部分間の中間空間に材料を挿入又は除去することによって行われる。
【0027】
一変形形態では、剛性の変更は、ばね要素を捻じることによって行うことができ、ばね要素は、向きと方位に応じて変形に対する異なった抵抗を提供する。ばね要素を捻じることに代えて、又は加えて、これを例えば基本的に剛性を変化させるために設けられた領域内へ、又はこの領域から移動させることもできる。ばね要素をこの領域内へ移動させた場合に剛性が高められ、領域から外へ動かした場合、ソケット壁の剛性がこの領域において低下する。ばね要素が常時存在し、それぞれの領域から遠ざけられない場合、ばね要素をブロックすることもでき、それによりばね要素によって基本的に提供される可撓性を利用できなくなり、それによりソケット壁はこの領域において補剛される。補剛要素又は調節要素は、例えば捻じる、押し込む、引き出す、又は圧縮するなど変位させることができる。変更可能な剛性の領域に容積が存在する場合、この容積に相応の流体を充填するか、又はここから排出することによって、並びに/或いは容積に入った媒体の粘性を変化させることによって剛性を変化させることができる。温度に依存する曲げ剛性を変化させることによって所望の変化を達成するために、領域を加熱又は冷却することができる。補剛要素は、例えば互いに対応する歯を互いに噛合又は噛合解除させることで、形状結合的に互いに係合させることができる。
【0028】
剛性の変更は、少なくとも1つのセンサにより検知され、同様にアクチュエータにより作動又は作動停止させることができる制御装置に伝送されるセンサデータに基づいて行うことができる。その場合、例えば加熱がオンにされ、冷却が始動され、補剛要素が捻じられ、又は変位されるなどの剛性を変化させるためにそれぞれ必要なアクションがアクチュエータにより開始され、或いはそれぞれ所望の剛性をそれぞれ所望の領域に提供するための他の措置が講じられる。特に、剛性は調節要素若しくは補剛要素を捻じる、移動させる、緊張させる、ブロックする、及び/又は作動させることによって変更される。
【0029】
一発展形態において、ソケット壁は、円周の周りに配分され、剛性に関して互いに独立して変更されるセクタを有する。剛性の変更は、一実施形態では、整形外科技術ソケットの使用中に自動的に、有利にはリアルタイムで、及び/又は、例えば整形外科技術装置が下肢用に特に義足として形成されている場合はユーザの、例えば歩行状況などの運動状況に依存して行われる。その場合、センサによりデータが記録され、評価及び制御装置に伝送され、これらのセンサデータ及び評価に基づいて、それぞれ所望の、又は必要な剛性の程度に調整するために調節装置が作動、作動停止、又は変調される。それによって、それぞれの状況に適合させた、特に近位の縁領域において、それぞれのユーザの必要性又は好みへの適合が行われる、特にセクタに分けて、剛性を調整することが可能である。センサデータは、ソケットに配置された、及び/又はコンポーネントに配置された、又はソケットに取り付けられたコンポーネントに割り当てられたセンサによるものであり得る。例えば抵抗装置が、整形外科技術ソケットが配置された整形外科技術装置の一部である場合、抵抗装置の制御のために使用されるセンサを、負荷状況を認識するためにも用いることができる。その場合、それぞれの負荷状況に基づいて、抵抗を調整できるだけでなくソケットのそれぞれのセクタの剛性を変化させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図5】異なる剛性状態の2つのソケット縁部分を示す図である。
【
図6a】移動可能な補剛要素を有する義肢ソケット部分の図である。
【
図6b】移動可能な補剛要素を有する義肢ソケット部分の図である。
【
図7a】捻じり可能な補剛要素を有するソケット壁部分の図である。
【
図7b】捻じり可能な補剛要素を有するソケット壁部分の図である。
【
図8】平行なダンパ要素を有する弾性ソケット壁部分の断面図である。
【
図9a】充填可能及び排出可能な容積を有するソケット壁部分の図である。
【
図9b】充填可能及び排出可能な容積を有するソケット壁部分の図である。
【
図11】長手方向に変位可能な補剛要素の図である。
【
図15】磁気レオロジ液を有するソケットの断面図である。
【
図16】液圧補剛要素を有するソケット壁の断面図である。
【
図17a】アコーディオン実施形態の補剛要素の図である。
【
図17b】アコーディオン実施形態の補剛要素の図である。
【
図18】異なった位置にあるフラップ可能な補剛要素の図である。
【
図19】補剛要素が変位された義肢ソケットの図である。
【
図20】緊張可能な補剛要素を有するソケット壁部分の図である。
【
図21】回転可能な補剛要素の実施形態の図である。
【
図23】磁気レオロジ流体を用いる粘弾性要素を有するソケットの実施形態の図である。
【
図24】調節装置を有する
図2の変形形態の図である。
【
図36】調節装置のコンポーネントの詳細図である。
【
図38】取外し可能な補剛要素を有する義肢ソケットの変形形態の図である。
【
図39】調節装置及び調節要素を有する補剛要素の変形形態の図である。
【
図41】トグルレバーファスナとしての補剛要素の図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施例について、添付の図を用いて詳細に説明する。
【0032】
図1において、遠位の端領域に取付装置5を有する義肢ソケットの形のソケット1が示される。取付装置5は、いわゆるピラミッドアダプタとして形成され、下腿パイプ7を介して義肢足部8と結合された義肢膝継手6を取り付けるために用いられる。
【0033】
図2において、ソケット壁2と近位の導入開口3と遠位の端領域4において有する義肢ソケットの形のソケット1が模式図で示される。遠位の端領域4は、図示される実施例では閉じてエンドキャップを形成し、その遠位端には、例えば義肢膝継手又は義肢足首継手などの継手のための図示されない取付装置が配置されている。ソケット壁は、主に形状安定な材料からなって閉断面で形成され、それによりソケット壁2によって取り囲まれる容積内に肢断端を収容することができる。肢断端を義肢ソケット1に直接、或いはフレキシブルで弾性の義肢ライナが真空テクノロジー、又はピンロックを用いた機械的ロックによってロックされる、いわゆるライナテクノロジーを使って挿入し、そこに固定することができる。
【0034】
義肢ソケット1は、外側側では、確実な案内を可能にするために、ソケット壁2を高く形成してあり、内側側では、いわゆる肢当接部を形成するために、ソケット壁2をより深くカットしてある。ソケット壁2の中央領域には、例えば中空に形成されたソケット壁2内の充填可能及び排出可能な容積によりソケット壁2の剛性が可変の第1の領域10が形成されている。さらに、肢当接部の領域には、剛性を変更可能なソケット壁の第2の領域10が形成されている。図示される領域10及び他の領域における剛性を調節する可能性について以下に詳しく説明する。
【0035】
図3は、枝当接の部位に近位縁を有するソケットのソケット壁2の模式的断面図の形の第1の実施形態を示す。ソケット壁2は、この領域に二重ばねを有し、二重ばねの足点11が移動可能に支持されている。足点11の移動はモータにより、又は磁石により変位させることができる。一実施形態では、足点11を空気圧又は液圧により変位させることも企図される。足点11を下へ変位させると、二重ばねの領域10に付勢力がかかり領域10の剛性が変化する。その場合、補剛要素は二重ばねであり、これは図示されない調節装置としてのアクチュエータによって、又は調節装置としてのレバー又はスライダによる手動の調節によって足点11の位置を変化させることで二重ばねの剛性に影響を及ぼすことができる。
【0036】
ソケット壁2及び近位の導入開口3を有するソケットの近位の縁領域を上から見たところを示す
図4に、肢当接部における剛性を調節する一変形形態が示される。近位のソケット縁は、スロットを付けて形成され、補剛要素40と係合する傾斜面35を有する。例えば巻き取られたケーブルによるか、又は歯車駆動装置により補剛要素40を右へ移動させると、補剛要素40の傾斜面45がソケット壁2の傾斜面35に押し付けられ、それに伴い上へ押し動かされる。同時に、周方向に作用する力成分により、対向支持部25に楔が押し付けられ、それによってこの領域10で剛性が高められる。補剛要素40を左へ変位させると、この領域の可撓性が高められる。
【0037】
図5は、例えば調節装置30としてのモータにより補剛要素40を捻じることによって調節可能な剛性を有するソケット壁2の一変形形態を示す。補剛要素40は、ソケット壁2に支持された調節装置30によりソケット壁2の方向に動かされる。調節装置30は、近位及び遠位に向けて旋回可能にソケット壁2に支持され、それによって、ソケット壁2がこの領域でより大きく曲がり、より大きい付勢と、それに伴いより高い剛性を有することをもたらす。補剛要素40を可撓性に形成することもでき、調節装置30により押圧力を変化させることによって、この領域10においてソケット壁2の剛性の変化を点状又は面状に引き起こすことができる。調節装置30による補剛要素40の変位は、例えば、ねじ駆動装置、スピンドル、モータ、又はレバーによって行うことができ、所望の位置での固定は、例えば、ねじのセルフロックにより、又は所望の位置での補剛要素40の締付けによって行われる。その場合、補剛要素40はソケット壁2に作用する。
【0038】
図6a及び
図6bは、移動可能に支持された補剛要素40を有するソケット壁2を示す。ソケット壁2は、剛性を調整可能な領域10が二重ばねの形で形成され、かつ二重ばねの個々の層をブロッキングするために用いられる中間要素としての移動可能に支持された補剛要素40を有する。補剛要素40の位置決めと向きに応じて、この領域に変化した剛性が得られる。補剛要素40の調節は、モータにより調節装置30を介して、又は手動で行うことができる。
【0039】
図7a及び
図7bは、補剛要素40としての回転調節可能な単一層を用いる二重ばねを有する近位の端領域におけるソケット壁2の一実施形態を示す。
図6bに補剛要素40の異なったポジションが示される。
図6bの右図では、左図と比べて低い剛性が与えられる。左図では、補剛要素40の回転対称でない形態を認識でき、それによって、ねじられた状態にあるソケット縁が特殊な形状になる。この場合も補剛要素40の異なった位置がソケット壁2の異なった剛性をもたらす。
【0040】
図8は、ダンパ要素12が配置された一重ばねの形の、剛性が調節可能な領域10を有するソケット壁2の実施形態を示す。壁領域10は、近位の端領域において旋回し、この旋回には、長手方向に作用するダンパ要素の変位によって影響が及ぼされる。ダンパ要素12の抵抗が大きいほど、ばねの、それに伴いソケット壁2の領域10の剛性が高くなる。ダンパ要素12を液圧ダンパ、空気圧ダンパ、又は固体ダンパとして形成でき、例えば付勢要素、又は弁を変位させる調節装置により調整可能である。付勢装置により固体ダンパを圧縮又は緊張解除させることができ、それによって変形抵抗を大きく、又は小さくすることができる。この実施形態では、ダンパ要素12はソケット壁2の剛性の変化を生じさせる補剛要素である。
【0041】
図9a及び
図9bにおいて、充填可能な容積を用いる一変形形態が示される。ソケット壁2は、二重壁で、特に弾性二重ばねの形で形成され、かつ調節装置30としてのポンプにより充填可能又は排出可能な補剛要素40を2つの壁の間の中空空間内に有する。充填度に応じてそれぞれの領域の剛性が変化する。ポンプは、液圧ポンプ又は空気圧ポンプとして形成することができる。調節装置30は、手動で、又は自動的に作動可能又は作動停止可能である。自動的作動は、例えば、例えば空間位置データ、圧力データ、又は温度データなどのセンサデータに基づいて行うことができる。センサデータは制御装置に提供され、制御装置はデータを評価し、作動又は作動停止命令をそれぞれのアクチュエータに伝送する。
【0042】
図10において、ソケット壁2が異なったソケット壁領域に区切られた、断面を上から見た詳細図が示される。内部の一貫したソケット壁領域21は、図示されない肢又は肢断端の円周の周りに延びる。これと平行に、一貫した内部ソケット壁領域21の外面に2つの外部ソケット壁領域22が配置され、図示される実施例では一体成形されている。これらの外部ソケット壁領域22は、ソケット壁において義肢ソケットの外面に沿って一定の高さ、又は一定の近位-遠位延在にわたって延びる。1つ又は複数の移動可能な補剛要素40が同様にソケット壁2に配置され、図示される実施例では、クリップ又はスライダとして形成され、内部ソケット壁領域21の内面と外部ソケット壁領域22の外面とに配置されている。補剛要素40により、内部及び外部ソケット壁領域21、22の可変の割り当てが行われる。補剛要素40を外部及び内部ソケット壁領域21、22の間の中間空間に、並びに/或いはソケット壁領域21、22の溝又はガイドに配置することもできる。2つの外側ソケット壁領域22は、これらの間に欠落部を形成し、それによりこれらの間では、内側ソケット壁領域21のみがソケット壁2の半径方向の全材料厚さとして利用可能である。
図10の上図では、補剛要素40が互いに最大限離れた状態に変位させてあり、それにより2つのソケット壁領域21、22が分裂する領域において、外側ソケット壁領域22と内側ソケット壁領域21との間の機械的割当てと力の伝達が行われる。それによって、ソケット壁2に安定性又は剛性を提供するためにのみ寄与する内側ソケット壁領域21の割合が増加する。下図では、2つの補剛要素40が互いに向かって変位させてあり、それによりソケット壁2に負荷がかかった場合、外側ソケット壁領域22のより大きい領域が力を受けるために寄与し、したがってこの領域に安定性の向上と剛性の増加が設定される。個々の補剛要素40の異なった位置決めにより、近位-遠位方向にも異なった剛性を提供するために、近位-遠位方向に離間したいくつかの補剛要素40をソケット壁2に設けることができる。補剛要素40の調節は、手動で移動させることによって行うことができ、代替的に、移動経路に沿って変位を達成するため、補剛要素40に調節装置の駆動装置、例えば磁石、モータ、ポンプ、又はそれに類するものを割り当てることができる。クリップ状又はスライダ状の補剛要素40を移動させることに代えて、これらをクランプとして形成することもでき、外側ソケット領域22を引くか、又は押して内部のソケット壁領域21に近づけ、それによってこの領域における実効材料厚さが厚くなるか、又は大きくなるようにする。補剛要素40の周方向の変位に代えて、これらを近位-遠位方向に変位可能に形成することもできる。ソケット壁領域21、22が、例えば弾性に形成され、それによりソケット1の長手方向に沿って補剛要素40を上下に移動させることによってこの領域の剛性を変化させることができる。
【0043】
図11は、ソケット壁セグメント23がその長手方向に互いに移動可能な一変形形態を示す。それぞれのソケット壁セグメント23は互いにフラップ可能又は旋回可能に互いに支持され、図示される実施例ではクリップ状に形成された相応の支持部を有する。ソケット壁セグメント23の対応成形された領域は、このクリップに引き込まれるか、又はその上に押し出され、それによってソケット壁セグメント23の楔結合が生じる。楔結合は、例えばソケット壁セグメント23の長手方向に沿って変位可能な調節要素20としての引き-押し棒により行うことができる。ソケット壁セグメント23を互いに向かって変位させて互いに楔結合させると剛性が高くなり、例えばばね力に逆らって引張手段を緊張解除させ、ばね力又は弾性要素がソケット壁セグメント23を引き離すことにより逆の動きが実行されるか、又は可能にされると、ソケット壁セグメント23の互いの旋回性が向上又は容易化され、それによってソケット壁2の剛性が領域的に変化する。
【0044】
図12において、ソケット壁2の外面に櫛状の突出部若しくは切れ込みが配置された別の変形形態が示される。櫛歯又は突出部の間の空所に、ソケット壁2の方向に動かすか、又はそこから遠ざけることができる補剛要素40によりソケット壁2の剛性及び安定性を変化させることができる。補剛要素40には、対応する空室と櫛歯が配置され、これらをソケット壁2の櫛歯間の空室に挿入するか、又はこれらから遠ざけることができる。補剛要素40又は櫛歯が空室に挿入される程度に応じて、この領域の剛性が高く又は低くなる。
【0045】
図13において、
図12の一変形形態が示され、櫛歯又は突出部を有する補剛要素4をソケット壁2から半径方向外方に遠ざけて変位させるのではなく、ソケット壁2の外表面に沿って水平移動が行われる。ソケット壁2の突出部又はブロック状段部は、例えば調節装置によって調節要素を変位させることによって、補剛要素40の突出部又は段部と接触又は接触解除される。ソケット壁2のブロック間の中間空間が覆われ、埋められる程度に応じて、この領域においてソケット壁2の剛性及び形状安定性が高くなるか、又は低くなる。
【0046】
図14において、別の変形形態が示され、ソケット壁2に燕尾形の横断面を有する突起が配置又は形成されている。これに対応して、補剛要素40に燕尾形の形状の突出部が配置される。したがって、補剛要素40とソケット壁2の両方の突出部若しくは突起状要素はアンダーカットを有し、それによって、これらのコンポーネントが示される図示の状態において、よりよい力の伝達を行うことができる。突起若しくは形状結合要素の多重楔形状によって、コンポーネントをより容易に作動させること、及び挿入及び互いの係合を容易化することが可能である。挿入と相互の係合を容易化することが可能である。それに加えて、楔形の形状によって、動きに応じた剛性変更が実現可能である。上図では、半径方向の断面の図が示され、下図では、上図におけるA-A線に沿う断面が示され、これは周方向の断面に相当する。
【0047】
図15において、ソケット1が義肢ソケットとして形成される別の変形形態が示される。ソケット壁2が中空に形成され、その内部に補剛要素としての磁気レオロジ液40を有する。義肢ソケット1の外面には調節装置30としての電磁石が配置され、これらは流体容積に作用する。電磁石30を作動させると磁気レオロジ液40の粘性が変化し、それによって、各領域の剛性が変化し、特に高くなる。ソケット壁2内の容積を互いに分離することができ、それにより互いに分離された容積内の異なった磁気レオロジ液を使用することができ、それにより構造的に異なった粘性変化と、それに伴い剛性の変化が同じ磁場で生じる。異なった磁場強度を有する磁場を提供するために、磁石30を個別に制御することもでき、それによって状況と場所に応じて異なった剛性が義肢ソケット1に提供される。
【0048】
図16において、補剛要素40が中空空間又はクッションとして形成され、2つのソケット壁2又はソケット壁部分の間に中間層として配置される変形形態が示される。クッション40には、例えば液体などの流体が入ったリザーバ41が割り当てられる。ポンプにより、又は例えば手で、又は筋肉活性化によりリザーバの容積を縮小することによって、流体がリザーバ41からクッション40内に移動され、保持される。ソケット壁2を弾性に形成することができ、クッション40が空にされた場合に剛性が比較的低くなり、クッションが満たされた場合に剛性が高くなる。場合によってはポンプを用いて、又はソケット壁領域の代わりに2つの板ばねの間に埋め込まれる補剛要素40を完全なモジュールとして事前に製造してソケット壁に配置して取り付けることができる。したがって、補剛モジュールを中間層として2つのフレキシブルなソケット壁領域の間に、又はソケット壁2の外面に取り付けることができる。
【0049】
図17a及び
図17bに別の実施形態が示される。
図17aにおいて、補剛モジュール、又は2つのソケット壁領域2を有し、これらの間に波形状又はアコーディオン状の形状の補剛要素40が配置されたソケット壁の分解図が示される。補剛要素40は、例えばばね弾性的な金属板から形成される。補剛要素40に引張手段、例えばワイヤ又は紐の形の調節要素20が割り当てられる。
図17bにおいて、調節要素20が巻き取られるロールを駆動するモータの形の調節装置30が模式的に示される。補剛要素40の右端は、ソケット壁領域に定置に支持され、左端を調節要素20により右へ変位させることができる。調節装置30により調節要素20が巻き取られると、補剛要素の左端が調節装置30の方向に変位し、それによって補剛要素の折り曲げられた、又は折り畳まれた領域間の実質的に直線的な部分がより急峻化され、それによってこの領域の剛性が高められる。調節要素20が緊張解除されると、補剛要素40の弾性復元力により、これが初期位置に戻り、ソケット壁2のこの領域の剛性を低下させる。
【0050】
図18において、補剛要素40のアコーディオン状の形態の代わりに複数のフラップ可能な補剛要素40が壁部分の間に配置される代替の実施形態が示される。上図では、ソケット壁の領域10が補剛されるか、又は高い剛性が付与されるのに対して、下図では、巻き取られた調節要素20とモータ駆動装置としての調節装置30とにより補剛要素30が傾けられ、それによってソケット壁領域2を互いにより容易に変位させることができる。剛性要素40は弾性支持されることが有利であり、それにより調節要素20による調節力が存在しなくなっても、これらは再び初期位置に戻る。両方向の旋回を生じさせるために、調節要素20を引張力及び圧縮力伝達要素として形成することもできる。
【0051】
図19において、剛性に関して変更可能な2つの領域10を有する義肢ソケットの一変形形態が示される。ソケット壁2の内の義肢ソケット1の中央に面状の機能領域10の他に、導入開口3の領域における近位縁のいわゆる肢当接部に、図示されない調節装置又は手動で変位させることができる補剛要素40が配置される。補剛要素40は、左図に示される初期位置から、右図に示される解放位置へ変位され、それによりソケット上縁の領域10全体が剛性に関して変化する。例えば着座をソケットユーザにとってより心地よいものにするために、上領域において義肢ソケット1の剛性が低減される。
【0052】
図20において、引張要素として形成された補剛要素40によりソケット壁2の補剛が達成される別の実施形態が示される。取付点27でソケット壁2に固定された補剛要素40を外面における突起、或いは溝又は刻み目の隆起部上を案内して緊張させると、この状態でソケット壁2の剛性全体が高くなる。調節要素20内で一旦調整された張力をクランプ装置により固定することができる。引張要素又は補剛要素40が緊張解除されると、引張要素が緊張した状態で有効なソケット壁領域の付勢が調整及び低減され、それによってこの領域の剛性全体が再び低減される。
【0053】
図21において、それぞれが異なった固さ若しくは剛性を有する2つの部分28、29からなる補剛要素40の2つの異なる向きが示される。左半分部28は柔らかく可撓性の材料からなるのに対して、左図における右半分部29は固く(fest)、あまり可撓性でない材料からなる。力Fが、例えば上から補剛要素40に加えられると、2つの半分部の互いの位置と向きに応じて異なる可撓性と剛性が生じる。左図において、2つの半分部は、互いに平行に配置されたばね要素のように作用する。補剛要素40の中央の切断面の向きが力方向に対して平行であることから、高い剛性又は固さ、並びに変位に対する高い抵抗が生じ、そのことが短い両頭矢印で示唆される。右図に示されるように、力の方向Fの向きに対して90°回転させた場合、曲げ抵抗が小さくなり、したがって補剛要素40が配置された領域の固さが低下する。各力方向に対する回動は手動で、又はモータで、又は別の駆動装置によって行うことができる。
【0054】
図22において、同様に補剛要素40としての引張手段が、例えばロールなどの調節装置30に配置された
図20の変形形態が示される。調節装置30は手動で、又はモータで駆動することができ、スイッチコマンド又はセンサデータに基づいて一方又は他方の方向に変位させることができる。調節装置30とは反対側の補剛要素40の端は、ソケット壁2の突出部に支持され、対向支持部を形成し、それにより引張要素の巻取り、又は巻出しによって、この領域の張力と付勢力の増減が達成される。
【0055】
図23において、ソケット1の領域10における補剛要素40の一変形形態が模式的に示される。義肢ソケット1は、この領域で基本的に弾性に形成され、磁気レオロジ特性を有する埋入物又は補剛要素40を有する。右図では、補剛要素40の2つの状態が示され、左図は、補剛要素40が非常に可撓性である分極されない状態を示す。右図では、磁気レオロジ流体が分極され、粘性が高いために、負荷に対する抵抗がより高い。したがって、この領域において力に対する変形抵抗を大きくすることが可能である。負荷が無くなり、分極が無くなると、義肢ソケット1のソケット壁2は、整形外科技術者により当初調整された初期位置に再び戻る。
【0056】
図24において、補剛モジュールがソケット壁2にモータで駆動される調節装置30とともに示され、調節装置にはクランク駆動装置を介して調節要素20が支持される。回転方向に応じて、調節要素20を近位のソケット縁の方向に、又は逆の遠位方向に変位させることが可能である。調節要素20に補剛要素40が配置され、これは、例えばガイド上を移動可能にソケット壁2に支持されている。ソケットの領域10は、基本的に可撓性に形成され、補剛要素20を上へ移動させることによって補剛させることができ、それにより高いまげ剛性が提供される。
【0057】
図25において、補剛モジュールがソケット壁2に交換可能に取り付けられる
図24の変形形態が示される。代替的に調節装置30なしで、移動可能な調節要素20と移動可能な補剛要素40を有する補剛モジュールを、ソケット壁2の外面又はソケット壁内に配置することができる。調節装置30を回転させることによって、クランク駆動装置を介して調節要素20と補剛要素40が変位され、固定配置された補剛モジュールの剛性がこの領域で変化する。
【0058】
図26において、
図25の実施形態に実質的に相当する別の実施形態が示される。義肢ソケットの外壁に沿って移動可能に支持された補剛要素40を有する調節装置30に加えて、
図26には少なくとも1つのセンサ70と結合された制御装置60が示される。この結合はワイヤレスで行うことができる。代替的又は追加的に、有線又は別の導電接続による1つのセンサ70又は複数のセンサ70の結合が可能であり、かつ設けられる。制御装置60内には、センサ信号を処理するのに必要なコンポーネント、特に記憶コンポーネント61、データ処理装置62、及び通信インタフェース63が収容される。通信インタフェースフェース63は、データを外部装置に送信、又は外部装置から受信し、例えばプロセッサなどのデータ処理装置62に送ることができる。さらに、例えばエネルギー貯蔵器、場合によっては増幅器、或いは他の電気的、電子的、又は電気機械的コンポーネントなどの他の必要なコンポーネントも制御装置62に組み込まれるか、又はこれと結合されている。
【0059】
制御装置60から、必要な作動信号及び/又は作動停止信号が、図示される実施例では電気モータとして形成されたアクチュエータ80と結合された調節装置30に伝送される。伝送は、通信インタフェース63を介して行うこともできる。アクチュエータ80は、例えば調節装置30の回転ディスクを一方又は他方の方向に変位させ、それによりプッシュロッド形の調節要素20を一方又は他方の方向に変位させてソケット壁2の領域10の剛性を変化させる。
【0060】
図27において、ソケット壁2の剛性を変化させるためのすべてのコンポーネントが補剛モジュールに統合されている別の変形形態が示される。補剛モジュールはハウジングを有し、これはねじ又はリベット又は他の取付要素を介してソケット壁2の外面に可逆的に固定可能である。補剛モジュールをソケット壁2に埋め込むか、又はソケット壁2に組み込むこともできる。補剛モジュールのハウジングは、同時に、図示される実施例では、例えばスライダ、変形可能な帯材又はばねなどの長手方向に移動可能な補剛コンポーネントとして形成される補剛要素40のためのガイドとして用いられる。調節要素20を有する調節装置30をアクチュエータ80がどのように変位させるのかに応じて、補剛要素40が上へ押し動かされるか、又は下へ引っ張られ、それにより近位のソケット壁領域10の剛性が変化する。
【0061】
図28において、合計4つの補剛要素40がガイド90においてソケット壁20の外面に配置されている。補剛要素40は、手動で、又は図示されないアクチュエータにより上へ、又は下へ移動させることができる。補剛要素40が上へ変位するほど、後からソケット壁2に設けられ、それに取り付けることができる近位のソケット壁領域10がより剛性になる。このために、ソケット壁2に対応する凹部が作製されるか、又はそこに設けられ、続いて、ソケット壁領域10が、例えば形状結合要素、取付要素により、又は溶接や接着などにより材料結合的にソケット壁2に、特に恒久的に取り付けられる。ソケット壁領域10は、個々の補剛要素40の間にそれぞれスロットを有し、それによりそれぞれの領域を剛性に関して別々に変化させることができる。
【0062】
図29において、周囲に延びるソケット壁2と遠位の端領域4を有する義肢ソケット1の別の実施形態が示される。遠位の端領域4と一貫したソケット壁2は、主要な剛直のスリーブ状の義肢ソケット1を形成し、その近位の縁領域9には近位のソケット縁から遠位方向に延びる凹部24が領域的に設けられる。義肢ソケット1は、合計5つのセクタ25に分かれ、第1の外方セクタ25Lは凹部24を有していない。他の4つのセクタは、前側セクタ25A、内側セクタ25M、後側セクタ25P、及び肢当接部のためのセクタ25Rである。図示される実施例では、外側セクタ25Lを除いて、他のすべてのセクタ25A、25M、25R及び25Pが凹部24を有する。凹部24は、セクタごとに異なる幅、異なる密度、及び/又は異なる長さで形成できる。凹部24が遠位方向に長いほど、このセクタの近位の縁領域9がより可撓性になる。凹部24の幅がより大きい、かつ円周長当たりの凹部24の数が増すか、又は多い場合にも同じことが当てはまる。外側セクタ25Lは主に側方の案内及び安定性を担当し、そこでは義肢ソケットの動きが普通であることから調整可能な可撓性又は弾性の必要がないため、たいていの場合、外側セクタ25Lには凹部が設けられない。凹部24に代えて、又は加えて、ソケット入口平面又は近位の縁領域9の可撓性又は弾性を調整できるようにするために、個々のセクタを異なった材料厚さにすることができる。
図29の右下図には、個々のセクタ25を有する義肢ソケットの平面図が示される。方位と名称は歩行方向に由来する。図示される実施例では、左断端用の義肢ソケット1が示される。
【0063】
個々のセクタ25A、25M、25R、25P、及び場合によって25Lは、個別にその剛性を変更できるように形成されている。その場合、それ以外の領域に十分なリジッド性と安定性を有するために、近位のソケット壁領域9のみを可撓性に、かつ剛性に関して切替可能に形成することが特に有利である。それぞれのセクタの区切りと寸法調整は個別に行うことができる。セクタの分割の一例が、義肢ソケットが平面図で示される
図30に示される。第1の基準点Aは、対角線方向の寸法と外側の前方-後方の対向支持部との交点であり、外側セクタ25Lの前側の端を形成する。対角線方向の寸法は、大転子に対する肢包み込みの寸法である。基準点Bは、会陰の前端と内側の前方-後方の対向支持部の交点であり、前側セクタ25Aは、基準点Aと基準点Bとの間に位置する。基準点Cは、内転筋支持部の前の会陰への移行部の肢出口に位置し、基準点Bと基準点Cとの間に内側セクタ25Mが位置する。肢当接部のためのセクタ25Rは、基準点Cと、肢包み込みの後端を形成する基準点Dとの間に位置する。後側セクタ25Pは、基準点Dと、進行方向に固定された基準点に対して鏡映位置にある基準点Eとの間に位置する。基準点A、Dの間に外側セクタ25Lが位置する。
【0064】
図31において、図示されない補剛要素を1つの調節装置又は複数の調節装置により切り替える11個の可能性が示される。左上から始めて時計回りに、個々のセクタが完全に補剛又は最大限補剛し、それにより義肢ソケットは、近位の縁領域が完全又は最大限に補剛する。前側セクタ25Aの剛性を低減した場合、この領域におけるリジッド性が低下する。断端をこの領域でもさらに案内し、高い可撓性から高い剛性へ切り替えた場合に断端の一部又は一領域が締め付けられることを防ぐために、補剛されるべきセクタ又は補剛されるべき近位の縁領域に、可撓性に形成されたインナソケット26を設けることができる。インナソケット26は、遠位に閉じた領域を有するカップ状に形成することができ、又は近位の縁領域のソケット壁の領域にのみ配置することができる。後方領域の高い可撓性は、後側セクタ25Pの剛性の低減によって生成され、内側セクタ25Mの可撓性を変化させた場合に、このセクタにおいて対応する補剛要素が調節装置によって相応に作動又は作動停止され、これに対応して、セクタ25Rにおける肢当接部における剛性を変化させるか、又は選択的に切り替えることによって剛性の完全な解放又は最大の低減が行われる。これには2つの可能性があり、
図31の上列の最後の図示では、肢当接部25Rのセクタの剛性が最小化され、インターソケット又はライナは設けられないか、又は特に可撓性であり、それによりほぼ完全に自由な可動性が達成可能であり、上列の最後から2番目の図示ではセクタ25Rの剛性が低減されるが、インナソケットはまだある。
【0065】
例えば前側セクタ25A、内側セクタ25M、肢当接部のためのセクタ25R、及び後側セクタ25Pなどの複数のセクタが可撓性に切り替えられると、近位の縁領域9において外側セクタ25Lのみが当初の最大剛性を有することとなり、少なくとも近位の縁領域9で義肢ソケット1の可撓性が最大になる。同様に、例えば前側セクタ25A、内側セクタ25M、及び肢当接部のためのセクタ25Rなどの3つのセクタで剛性の低減を実行することが可能である。代替的に、例えば内側セクタ25Mと後側セクタ25P、内側セクタ25Mと肢当接部のためのセクタ25R、又は側方を囲むために前側セクタ25Aと後側セクタ25Pなど、2つのセクタのみを選択的に剛性に関して変化又は低下させることができる。
【0066】
図32において、それぞれのセクタが剛性に関して相応に調整され得るいくつかの状況が例示的に示される。調整は各人で異なることができ、「剛性」と「可撓性」という純粋に二項対立的な切り替えの他に、異なった歩行状況又は利用状況に対して異なった剛性を各セクタ内に設けることができる。図示された実施例では、着座及び起立する場合に、実施例では調整可能でない外側セクタを除いて他のすべてのセクタが低い剛性に調整され、歩行又は高速歩行の場合、及び起伏のある地面での歩行の場合も他の4つのセクタで高い又は最大剛性となる。カーブ歩行については、内側セクタ25Mが可撓性に切り替えられ、登坂を上る場合には再びすべてのセクタが補剛され、下り坂歩行では、階段上りの場合と同様に後側セクタ25Pがソフトに切り換えられ、階段下りの場合には、再び切替可能又は調整可能なすべてのセクタに低い可撓性又は高い剛性が付与される。
【0067】
図33において、近位の縁領域9におけるソケット入口平面の領域の異なったモード又は剛性の調整が例示的に示される。例えば座る、立つ、歩く、階段を上るという4つの状況に対して2つの異なったモードが設けられ、1つは上列に示されるコンフォートモード、そしてその下に示されるスポーツモードである。2つのモードは、入力装置75により手動で変更でき、それにより患者ごとに各状況で心地よいと感じられる調整になる。コンフォートモードとスポーツモードの切替えは自動で、又は入力装置75を用いて手動で切り替えることによって行うことができる。利用挙動の変化又は異なった運動状況を自動で認識するために、ユーザの動きがセンサによって継続的に監視される。監視は、義肢ソケット1と他の義肢コンポーネント6の両方、又は他の義肢コンポーネントのみに設けることができるセンサにより行われる。近位の縁領域におけるセクタの剛性又は近位の縁領域全体の剛性の調整は、義肢ソケット1の適合した剛性を常に提供できるようにするために、リアルタイムで行われることが有利である。
【0068】
図34において、ソケット入口平面又は近位の縁領域におけるセクタごと、又は領域ごとの剛性の調整に関する一実施例が示され、ここには義肢ソケット1の一実施例の3つの図が示される。義肢ソケット1は、図示されない断端を完全に取り囲むインナソケット26を有し、その外面に、或いはその溝又はチャネルに4つのボーデンケーブルを有するボーデンケーブルシステムが配置されている。ボーデンケーブルは、ソケット壁2の外面にある中央調節装置30によって操作される調節要素20である。4つのケーブルの各々は、義肢ソケットの周囲に延びるか、又は少なくとも部分的に周囲に延びるように配置され、調節装置30に固定された端と調節可能な端とを有する。各ケーブルは、補剛要素40としてのソケット壁セグメントを正確に1つ作動させるように案内されている。各ソケット壁セグメントはシェルとして形成され、それぞれ1つのセクタに対応するように義肢ソケット1の外面に配置されている。図示される実施例において、4つのソケット壁セグメント40A、40M、40R、40P、すなわち前側、内側、肢当接部の領域、及び後側に位置決めされている。調節装置30は、義肢ソケット1の外領域に取り付けられている。義肢ソケット1は、ケーブルをさせた場合に義肢ソケット1の内部空間の内周の変化が生じないか、又は無視できるほどわずかな減少又は変形しか生じないケーブル案内を可能にするのに十分に安定している。ボーデンケーブル20を緊張させた場合、調節要素としてのボーデンケーブル20が外面に沿って案内されているそれぞれのソケット壁セグメント40A、40M、40R、40Pが断端の方向に引っ張られ、この領域における義肢ソケット1の外側外向きの変形を防止又は低減する。それぞれのケーブルは、それぞれのソケット壁セグメントまで延び、その後、ソケット壁セグメントから分離され、例えばボーデンケーブルは、ソケット壁内、又は外面でソケット壁セグメントの内面の義肢ソケットとの間に延びる。
【0069】
図34の左図において、ソケット壁セグメント40又はシェルが遠位で義肢ソケット1と、例えば布又は継手42を介してヒンジ式に接続されている。それぞれのソケット壁セグメント40A、40M、40R、40Pがロック解除された場合、これは限られた程度で義肢ソケット1のソケット壁から持ち上がることができ、それにより、義肢ソケットが近位の縁領域9においてフレキシブルに、特に弾性的に撓むことが可能である。
図34の中央の図示において、義肢ソケット1が外面に、かつ外側セクタ25Lに対して遠位に調節装置30を備え、この調節装置から4つのボーデンケーブルが義肢ソケットの周囲に延びて周りを案内され、少なくともそれぞれ、動かされるべきソケット壁セグメントの背後まで案内されることが示される。後側ソケット壁セグメント40Pと肢当接部のためのソケット壁セグメント40Rが示され、ソケット壁セグメント40Rは外れている。ソケット壁セグメントの遠位領域に、布又は他の固体継手として形成された継手42があることにより、ソケット壁セグメント40Rを義肢ソケットの残り部分から半径方向外方に変位させることができ、断端による負荷がかかった場合に、セクタ25R、及び場合によってはインナソケットを有する義肢ソケットのそれぞれの領域は、設置されたソケット壁セグメントの場合よりも容易に外方へ変位させることができる。右図は、2つの別のセグメントである前側ソケット壁セグメント40A及び内側ソケット壁セグメント40Mを示し、これらの両方がセグメント及び凹部24を有する義肢ソケット1の外面に当接する。
【0070】
ソケット壁セグメント40A、40M、40P及び40Rは、義肢ソケットのアウタシェルの一部を形成し、
図35に拡大して示される中央調節装置30によりボーデンケーブルを介して作動される。調節要素20としてのボーデンケーブルは、図示される実施例ではばね34により付勢され、アクチュエータ32によりロック解除又はロックすることができる。ばね34により、ボーデンケーブルが張力をかけてソケットに保持される。ボーデンケーブル20がロック解除されると、ボーデンケーブルと結合されたソケット壁セグメントを外方へ旋回させることができる。ばね34が緊張した外方旋回位置でボーデンケーブルをロックすることができ、それによりそれぞれのセグメントが割り当てられたセクタにおいて恒久的な緩みと剛性の低下が達成される。ロックが解除されると、ばね34が再び収縮し、ソケット壁セグメントが断端の方向に動く。ばね34が最大限縮んだ位置にあるとき、ボーデンケーブルの有効長が最大限に短縮され、それによりこれと接続されたソケット壁セグメントが最大限に押し付けられる。ボーデンケーブルがこの位置でロックされると、対応するセグメントにおいて、近位の端領域の最大剛性が調整される。
【0071】
図36において、それぞれのボーデンケーブル若しくはばね付勢の解放若しくはロックについての2つの実施例が示される。上図では、引張ばね34は、ロック要素31と係合するボール33又は突出部が取り付けられたケーブル20に作用する。ロック要素31は揺動可能なレバーとして形成され、アクチュエータ32、例えば磁気スイッチ又はそれに類するものを介して図示される解放位置から、矢印で示唆されるロック位置へ、かつ戻る方向に動かすことができる。
図36の下図に代替の変形形態が示され、この場合、ボール33又は突出部がボーデンケーブル20の長手延在方向又はばね34の力の作用に沿って動くのを阻止するために、ロック要素31が図示される解放位置からロック位置へと下へ動かされる。
【0072】
図37において、近位のソケット壁領域に異なった剛性を達成するために、近位の縁領域におけるフレキシブルな領域43が、遠位の閉じた義肢ソケットに揺動可能に取り付けられたリジッドなソケット壁セグメント40Mと一緒に用いられる義肢ソケット1の別の変形形態が示される。一実施例では、剛直の外側セクタ25Lの他に、前側セクタ及び後側セクタにおいて、ボーデンケーブル又は他の調節要素20を介してフレキシブル挙動と弾性挙動との間で切替可能であるフレキシブルなセクタ43が設けられる。ソケット入口平面又は近位の縁領域におけるフレキシブルな領域43は、内方に向いたフレキシビリティを提供する。ボーデンケーブルの形の調節要素20はフレキシブルな領域43内に配置され、緊張又は緊張解除させることができる。緊張状態において、フレキシブルな領域43を有する対応するセクタは、内方へフレキシブルであり、外方へ変位不可能である。緊張解除状態において、半径方向外方へ可撓性が与えられ、ユーザのそれぞれの要求に着用挙動が適合される。そのようなフレキシブルな領域43を、
図34をもとにして説明したリジッドなソケットセグメントと組み合わせることができる。
【0073】
図38において、リジッドな遠位の端領域と、リジッドに形成され、かつソケット壁2のクイックファスナ44により義肢ソケット1の外面に着脱できる4つのソケット壁セグメント40を有する義肢ソケット1の一実施例が示される。断端を収容するための平滑壁的な内表面を提供するために、義肢ソケット1の内面にインナソケット26が配置される。外セクタはリジッドであり、遠位の端領域4に一体に形成され、他のソケット壁セグメント40A、40、40R、40Pは義肢ソケットに当接可能であり、それぞれの領域の剛性を変化させる。
【0074】
図39において、アクチュエータとしての調節装置30が調節要素20と結合されたソケット壁2を有する義肢ソケットの別の実施形態が示される。調節装置30は、調節要素20を矢印方向で上へ、若しくは下へ動かし、近位-遠位方向に相前後して配置された揺動可能に支持された補剛要素40に作用する。左図では、補剛要素40は互いに当接せず、すべての補剛要素40が互いに当接する時点又は状態までの右若しくは外側への可動性が可能である。中央図では、調節要素20が下へ変位され、それにより補剛要素間の間隔とソケット壁2の変位可能経路が拡大され、それによりソケット壁2を上方のくさび状当接要素で外側へ大きく変位させることができる。
図39の右図では、調節要素20は、最大限近位の位置にあり、それによりすべての補剛要素40がこのポジションで互いに当接し、くさび状当接要素にも当接する。したがって右への、又は半径方向外方への動きが阻止されるか、又は少なくとも困難になる。
【0075】
図40において、このうろこ状の実施形態の一変形形態が示され、調節要素20に割り当てられた補剛要素40は、一方のレバー側で次に配置された補剛要素40上に載り、もう一方の側でくさび状調節要素20によって位置が変更されるダブルアームレバーとして形成される。調節装置30によって調節要素20を第1の補剛要素40の方向に最大限変位させた場合に最大の補剛が達成される。その場合、後続のすべての補剛要素40が互いに重なり合って当接して近位の当接要素を下へ押し、それにより最大の補剛が生じる。調節要素20を左へ変位させると、これに対応してモジュールとして構成されたシステムの遊びと可撓性が大きくなる。
【0076】
図41において、トグルレバーとして形成された補剛要素40がソケット壁2に配置される整形外科技術ソケットの別の実施形態が詳細図で示される。
図41の左図では、2つの部分からなる補剛要素40がソケット壁2の外面にあるストッパに当接し、負荷が半径方向外方に作用する場合、図示される実施例では負荷が右へ作用する場合に、近位のソケット縁がそれ以上変位することを防ぐか、又はこれを少なくともほとんど妨げる。
図41における右図では、補剛要素40が圧力作用点を越えて外へ傾き、当接要素における中心の当接点が、例えばモータにより図示されない調節装置によって当接要素から遠ざけられた。次いで半径方向外方に向いた力が近位のソケット壁に作用すると、トグルレバーの2つの要素が中央に配置された支持部を中心に変位し、この領域における義肢ソケットの変形を可能にするか、又は剛性の低下によりこれを容易化する。
【0077】
図42において、義肢ソケット壁2を有する義肢ソケット1の上からの断面図が示される。断端を半径方向に完全に取り囲むインナソケット26が内面に配置される。義肢ソケット1の基本的な構造は
図34の構造に相当し、基本的に、他の実施形態も可能である。ソケット壁セクタ、図示される実施例では前側ソケット壁セクタには重なり合う薄片が配置される。補剛要素40を形成する薄片が重なり合うことによって、個々の薄片を操作することで全領域にわたって、若しくはソケット壁セクタ全体内で剛性を操作することが可能である。例えば中央の薄片が、例えば
図17及び
図18に示されるような補剛要素を用いて剛性に切り替えられると、この補剛要素は隣接する薄片が外へ曲がることをブロックする。個々の薄片を補剛させることに代えて、又は加えて、薄片の接触箇所をセンサ制御し、可逆的に変化させることができることが可能であり、かつ企図される。例えば、個々の薄片の重なり領域及び接触領域における付着摩擦が可逆的に変更される。例えば様々に付着する中間要素によって、付着する中間要素を一時的に覆うことによって、又は薄片の重なり領域における薄片を電磁的にブロックすることによって、個々の薄片の相対運動が阻止される場合、重なり合う薄片からなる薄片複合体全体が補剛され、それにより補剛要素として機能する。
【0078】
図43において、整形外科技術、特に義肢コンポーネントのための詳しく図示されない取付装置が配置又は形成されている同様に閉じた遠位の端領域4が形成された、ソケット壁2を有する義肢ソケット1の別の実施形態が示される。周方向に閉じたソケット壁2を近位の端領域まで提供するために、材料が充填されるか、又はカバーが取り付けられた窓又は切抜き部46がソケット壁2内、図示される実施例では前側領域に設けられる。切抜き部46の近位端には補剛要素40としてのフラップが揺動可能に配置される。
図43の左図ではフラップが開かれ、それによりこの領域で薄片状に形成されたインナソケット26を容易に外方へ変位させることができる。インナソケット26は、薄片状に形成される必要ははい。右図では補剛要素40は、調節装置30と調節要素20により図示されない断端の方向に動かされた閉位置に変位されている。調節要素20はボーデンケーブル又はベルトとしてフレキシブルに、かつ実質的に引張強くに形成されているので、この位置にあるとき、義肢ソケット1は、近位の縁領域でも実質的に剛直である。残りのソケット壁2は剛直又はリジッドである。
図43の一変形形態では、ソケット壁2は、その背後に位置するインナソケット26なしに形成され、それにより補剛要素40としての外へ変位されるフラップが義肢ソケット1の円周を近位の縁領域において拡大し、それによってこのセクタ又は領域の剛性が最小化される。切抜き部46の上方のこの領域においてソケット壁2は変位可能であり、そこでの剛性を最小限に低減する。その場合、切抜き部46は、上方の近位縁にまで達し、近位の縁領域に、補剛要素40としてのフラップによって閉じるか、若しくは開くことができる窓を形成する。
【符号の説明】
【0079】
1 ソケット
2 ソケット壁
3 導入開口
4 遠位の端領域
5 取付装置
6 義肢膝継手
7 下腿パイプ
8 義足
9 近位の縁領域
10 第1の領域
11 足点
12 ダンパ要素
20 調節要素
21 内部ソケット壁領域
22 外部ソケット壁領域
23 ソケット壁セグメント
24 凹部
25 セクタ
26 インナソケット
27 ソケット壁セグメント
28 第1の部分
29 第2の部分
30 調節装置
31 ロック要素
32 アクチュエータ
33 ボール
34 ばね
35 傾斜面
40 補剛要素
41 リザーバ
42 継手
43 フレキシブルな領域
44 クイックファスナ
45 傾斜面
46 切抜き部
60 制御装置
61 記憶コンポーネント
62 データ処理装置
63 通信インタフェース
70 センサ
80 アクチュエータ
90 ガイド
【国際調査報告】