(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】共振デバイス及び音響フィルタ
(51)【国際特許分類】
H03H 9/25 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
H03H9/25 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550300
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 CN2021091885
(87)【国際公開番号】W WO2022174519
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】202120382966.1
(32)【優先日】2021-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110194135.6
(32)【優先日】2021-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523315544
【氏名又は名称】偲百創(深セン)科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【氏名又は名称】北原 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】▲キョウ▼頌斌
(72)【発明者】
【氏名】楊岩松
【テーマコード(参考)】
5J097
【Fターム(参考)】
5J097AA01
5J097AA13
5J097AA32
5J097BB15
5J097EE08
5J097FF01
5J097GG01
5J097KK03
5J097KK09
(57)【要約】
本開示は、共振デバイス及び音響フィルタを開示する。共振デバイスは、ウェハ基板、圧電層及びインターディジタル電極層を備え、圧電層は、ウェハ基板の一側に位置し、圧電層は、圧電単結晶材料を備え、圧電単結晶材料は、互いに垂直な第1の結晶軸、第2の結晶軸及び第3の結晶軸を備え、インターディジタル電極層は、圧電層のウェハ基板から離れた側に位置し、インターディジタル電極層は、圧電層内に電界を生じさせるように構成され、電界の方向は、デバイス方向であり、そのうち、第1の結晶軸は、ウェハ基板に対して垂直であり、且つデバイス方向より第2の結晶軸に回転する回転角は、角A1で、-30°≦A1≦10°であり、又は、第1の結晶軸は、ウェハ基板に対して垂直であり、且つデバイス方向より第2の結晶軸に回転する回転角は、角A2で、170°≦A2≦210°又は-210°≦A2≦-170°であり、又は、第2の結晶軸よりウェハ基板に対して垂直な方向に回転する回転角は、角B1で、-20°≦B1≦40°であり、且つデバイス方向より第1の結晶軸に回転する回転角は、角B2で、-20°≦B2≦20°である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハ基板と、
前記ウェハ基板の一側に位置し、互いに垂直な第1の結晶軸、第2の結晶軸及び第3の結晶軸を備える圧電単結晶材料を備える圧電層と、
前記圧電層の前記ウェハ基板から離れた側に位置し、前記圧電層内に方向がデバイス方向である電界を生じさせるように構成されるインターディジタル電極層とを備え、
前記第1の結晶軸は、前記ウェハ基板に対して垂直であり、且つ前記デバイス方向より前記第2の結晶軸に回転する回転角は、角A1で、-30°≦A1≦10°であり、
又は、前記第1の結晶軸は、前記ウェハ基板に対して垂直であり、且つ前記デバイス方向より前記第2の結晶軸に回転する回転角は、角A2で、170°≦A2≦210°又は-210°≦A2≦-170°であり、
又は、前記第2の結晶軸より前記ウェハ基板に対して垂直な方向に回転する回転角は、角B1で、-20°≦B1≦40°であり、且つ前記デバイス方向より前記第1の結晶軸に回転する回転角は、角B2で、-20°≦B2≦20°である、
共振デバイス。
【請求項2】
前記第1の結晶軸は、前記ウェハ基板から前記圧電層に指向する、
請求項1に記載の共振デバイス。
【請求項3】
前記第1の結晶軸は、前記ウェハ基板から前記圧電層に指向する、
請求項1に記載の共振デバイス。
【請求項4】
前記第1の結晶軸は、前記圧電層から前記ウェハ基板に指向する、
請求項1に記載の共振デバイス。
【請求項5】
前記第1の結晶軸は、前記圧電層から前記ウェハ基板に指向する、
請求項1に記載の共振デバイス。
【請求項6】
前記第2の結晶軸は、対向方向に沿って延伸する正の方向及び逆の方向を備え、
前記角B1が0°に等しい場合、前記第2の結晶軸の正の方向は、前記ウェハ基板から前記圧電層に指向するか又は前記圧電層から前記ウェハ基板に指向する、
請求項1に記載の共振デバイス。
【請求項7】
前記ウェハ基板の主位置決め辺は、第1の方向に位置し、
前記デバイス方向は、前記電界が前記圧電層において励起する音波の伝播方向であり、前記デバイス方向より前記第1の方向に回転する回転角は、角C1で、-30°≦C1≦30°である、
請求項1に記載の共振デバイス。
【請求項8】
前記インターディジタル電極層は、
いずれも前記インターディジタル電極層の第1の側に位置するバスバーに接続され、且ついずれも前記インターディジタル電極層の第1の側から第2の方向に沿って前記インターディジタル電極層の第2の側に延伸し、前記第1の側と前記第2の側とが対向する複数の第1のインターディジタル電極と、
いずれも前記インターディジタル電極層の第2の側に位置するバスバーに接続され、且ついずれも前記第2の側から前記第2の方向に沿って前記第1の側に延伸する複数の第2のインターディジタル電極とを備え、
前記第1のインターディジタル電極及び前記第2のインターディジタル電極は、前記圧電層における垂直投影が交互になっており、且つ互いに絶縁されている、
請求項1に記載の共振デバイス。
【請求項9】
前記インターディジタル電極層の前記ウェハ基板から離れた側に位置し、前記インターディジタル電極層の第1の側のバスバーの少なくとも一部の領域を覆い、且つ前記インターディジタル電極層の第2の側のバスバーの少なくとも一部の領域を覆う金属層と、
前記圧電層の前記ウェハ基板から離れた側に位置し、前記インターディジタル電極層の前記第2の方向に沿った両側に設けられ、前記インターディジタル電極層から絶縁される音響反射グリッドとをさらに備え、
前記インターディジタル電極層の前記第2の方向に沿った各側に位置する音響反射グリッドは、前記第2の方向に沿って延伸し、デバイス方向における幅が前記第1のインターディジタル電極及び前記第2のインターディジタル電極の前記デバイス方向における幅の0.25倍よりも大きく、且つ前記第1のインターディジタル電極及び前記第2のインターディジタル電極の前記デバイス方向における幅の10倍よりも小さい複数の金属条を備え、
前記インターディジタル電極層と隣り合う金属条との間隔は、前記第1のインターディジタル電極及び前記第2のインターディジタル電極の前記デバイス方向における幅の0.2倍よりも大きく、且つ前記第1のインターディジタル電極及び前記第2のインターディジタル電極の前記デバイス方向における幅の10倍よりも小さく、前記デバイス方向が前記ウェハ基板に対して平行で前記第2の方向に対して垂直である、
請求項8に記載の共振デバイス。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の共振デバイスを備える、
音響フィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年02月20日に中国専利局に出願された、出願番号が202110194135.6である中国特許出願の優先権を主張し、該出願の全ての内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、無線通信の技術分野に関し、例えば共振デバイス及び音響フィルタに関する。
【背景技術】
【0003】
高周波(Radio Frequency)音響フィルタデバイスは、無線通信フロントエンドの重要な構成部分として、周波数の選択及び干渉信号の抑制の機能を有する。性能が良好な高周波音響フィルタデバイスは、送信器の感度を向上させて送信器の周波数スペクトルの占有空間を低減させることができるだけでなく、送受信機の信号対雑音比を向上させ、通信リンクにおけるモバイル機器の消費電力を低減させることもできる。高周波音響フィルタデバイスは、共振デバイスにより構成される。
【0004】
共振デバイスは、主に弾性表面波共振デバイス(Surface Acoustic Wave、SAW)及びバルク弾性波共振デバイス(Bulk Acoustic Wave、BAW)である。SAW共振デバイス及びBAW共振デバイスは、各々異なる周波数範囲内の技術及びコスト優勢を有する。モバイルブロードバンド及び高データレートの無線応用のニーズに合致するために、通信規格は、より高い周波数及びより広い帯域幅へと絶え間なく発展しており、関連技術におけるSAW共振デバイス及びBAW共振デバイスは、上記規格を満たすことができなくなっている。
【0005】
例えば、SAW共振デバイスは、低コストという利点を有するが、SAW共振デバイスの動作周波数が低く、SAW共振デバイスの動作周波数を高めるには、共振デバイスの電極幅を調整する必要があり、これにより、SAW共振デバイスの設計は、デバイスのパワー閾値、挿入損失及び製造コストを同時に配慮できず、動作周波数の高いSAW共振デバイスは、コストが高くなり過ぎるか、又は性能が不足する。BAW共振デバイスは、性能及び高周波面で優れているが、BAW共振デバイスの製造プロセスは複雑で、BAW共振デバイスの製造コストが増加してしまい、消費電子市場のニーズを満たしにくい。
【発明の概要】
【0006】
本願は、共振デバイスの低製造コストを保証すると同時に、共振デバイスの動作周波数及び性能を向上させるための共振デバイス及び音響フィルタを提供する。
【0007】
ウェハ基板と、
前記ウェハ基板の一側に位置し、互いに垂直な第1の結晶軸、第2の結晶軸及び第3の結晶軸を備える圧電単結晶材料を備える圧電層と、
前記圧電層の前記ウェハ基板から離れた側に位置し、前記圧電層内に方向がデバイス方向である電界を生じさせるように構成されるインターディジタル電極層とを備え、
そのうち、前記第1の結晶軸は、前記ウェハ基板に対して垂直であり、且つ前記デバイス方向より前記第2の結晶軸に回転する回転角は、角A1で、-30°≦A1≦10°であり、
又は、前記第1の結晶軸は、前記ウェハ基板に対して垂直であり、且つ前記デバイス方向より前記第2の結晶軸に回転する回転角は、角A2で、170°≦A2≦210°又は-210°≦A2≦-170°であり、
又は、前記第2の結晶軸より前記ウェハ基板に対して垂直な方向に回転する回転角は、角B1で、-20°≦B1≦40°であり、且つ前記デバイス方向より前記第1の結晶軸に回転する回転角は、角B2で、-20°≦B2≦20°である、共振デバイスを提供する。
【0008】
以上に記載の共振デバイスを備える音響フィルタをさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本願の実施例に係る1つの共振デバイスの構造模式図である。
【
図2】本願の実施例に係る1つの共振デバイスの平面図である。
【
図3】本願の実施例に係る1つの共振デバイスの断面図である。
【
図4】本願の実施例に係る1つの圧電単結晶材料の構造模式図である。
【
図5】本願の実施例に係る1つの共振デバイスの複数の膜層の間の結合の構造模式図である。
【
図6】本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの複数の膜層の間の結合の構造模式図である。
【
図7】本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの複数の膜層の間の結合の構造模式図である。
【
図8】本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの複数の膜層の間の結合の構造模式図である。
【
図9】本願の実施例に係る1つの共振デバイスの圧電層とウェハ基板との間の結合の構造模式図である。
【
図10】本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの複数の膜層の間の結合の構造模式図である。
【
図11】本願の実施例に係る1つの共振デバイスのインターディジタル電極層とウェハ基板との間の結合の構造模式図である。
【
図12】本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスのインターディジタル電極層とウェハ基板との間の結合の構造模式図である。
【
図13】本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの平面図である。
【
図14】本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの断面図である。
【
図15】本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの断面図である。
【
図16】本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの平面図である。
【
図17】本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの断面図である。
【
図18】本願の実施例に係る1つの共振デバイスの応力分布の模式図である。
【
図19】本願の実施例に係る1つの共振デバイスの変位分布の模式図である。
【
図20】本願の実施例に係る1つの共振デバイスのアドミタンス特性曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面及び実施例に関連して本願を説明する。
【0011】
本願の実施例は、共振デバイスを提供し、
図1は、本願の実施例に係る1つの共振デバイスの構造模式図であり、
図1は、1つのウェハレベル共振デバイスの側面図であり、そのうち、
図1には、該ウェハレベル共振デバイスのウェハ基板10及び圧電層20のみが模式的に示され、該ウェハレベル共振デバイスは、複数の共振デバイス100を備えてもよく、
図1にそれらのうちの1つの共振デバイス100が例示的に示されている。
図2は、本願の実施例に係る1つの共振デバイスの平面図であり、
図2は、
図1における共振デバイス100の平面図であってもよい。
図3は、本願の実施例に係る1つの共振デバイスの断面図であり、
図3は、
図2に示す共振デバイス100を切断線AA’に沿って切断して得られた断面図であってもよい。
図4は、本願の実施例に係る1つの圧電単結晶材料の構造模式図である。
【0012】
本願の実施例における回転変換は、右手の法則に従い、即ち方向ベクトルの頭(方向ベクトルの矢印ありの一端)に沿って方向ベクトルの尾(方向ベクトルの矢印なしの一端)へと見ると、反時計回りの回転は、正の方向の回転であり、時計回りの回転は、負の方向の回転であり、これを踏まえ、第1の方向から第2の方向に回転するときに、回転角の数値の正、負を限定することにより回転方向を表すことができる。即ち回転角度が正の値である場合、該回転角度が第1の方向から反時計回り方向に沿って第2の方向に回転して生成された角度であることを示し、回転角度が負の値である場合、該回転角度が第1の方向から時計回り方向に沿って第2の方向に回転して生成された角度であることを示す。
【0013】
図1ないし
図4に関連して参照し、本願の実施例に係る共振デバイス100は、ウェハ基板10、圧電層20及びインターディジタル電極層30を備え、圧電層20は、ウェハ基板10の一側に位置し、圧電層20は、圧電単結晶材料を備え、圧電単結晶材料は、互いに垂直な第1の結晶軸X、第2の結晶軸Y及び第3の結晶軸Zを備え、インターディジタル電極層30は、圧電層20のウェハ基板10から離れた側に位置し、インターディジタル電極層30により圧電層20内に生じさせる電界の方向は、デバイス方向N3である。
【0014】
第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10に対して垂直であり、且つデバイス方向N3より第2の結晶軸Yに回転する回転角は、角A1で、-30°≦A1≦10°であり、又は、第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10に対して垂直であり、且つデバイス方向N3より第2の結晶軸Yに回転する回転角は、角A2で、170°≦A2≦210°又は-210°≦A2≦-170°であり、又は、第2の結晶軸Yよりウェハ基板10に対して垂直な方向に回転する回転角は、角B1で、-20°≦B1≦40°であり、且つデバイス方向N3より第1の結晶軸Xに回転する回転角は、角B2で、-20°≦B2≦20°である。
【0015】
ウェハ基板10の材料は、サファイアであってもよい。ウェハ基板10は、共振デバイス100に支持、緩衝及び保護などの作用を提供することができる。共振デバイス100における複数の膜層は、ウェハ基板10の上に順次形成されることで複数の共振デバイス100を備えるウェハレベル共振デバイスを形成することができ、ウェハレベル共振デバイスが形成された後、ウェハレベル共振デバイスをカットすることにより共振デバイス100を得ることができる。
【0016】
圧電層20は、一定の規則に従って配置される複数の圧電単結晶材料により構成されてもよく、前記圧電単結晶材料とは、圧電効果を有する単結晶材料である。電界の作用で、圧電単結晶材料には、機械的応力が生じ、前記機械的応力により相応の歪みが発生する。本実施例において、圧電層20の材料は、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム又は窒化アルミニウムのうちの少なくとも1種類であってもよい。
【0017】
結晶構造は、空間配列における3次元周期性を有し、各種類の結晶構造は対応して、3つの結晶軸の結晶軸座標系を含む。本実施例は、
図4に示す三方晶系圧電単結晶材料の結晶構造に関連して例として模式的に説明するものに過ぎず、圧電単結晶材料の結晶構造の種類を限定するものではない。例示的に、
図4に示す圧電単結晶材料は、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム又は窒化アルミニウムのうちのいずれか1種類であってもよく、該圧電単結晶材料の結晶構造において、各結晶軸は、対向方向に沿って延伸する正の方向及び逆の方向を備え、第1の結晶軸Xは、正の方向が(+X)であり、且つ負の方向が(-X)であり、第2の結晶軸Yは、正の方向が(+Y)であり、且つ負の方向が(-Y)であり、第3の結晶軸Zは、正の方向が(+Z)であり、且つ負の方向が(-Z)であり、第3の結晶軸Zは、結晶の長い体対角線に位置してもよく、体対角線の中点が座標原点であってもよく、第1の結晶軸X、第2の結晶軸Y及び第3の結晶軸Zの3者は、右手の法則に従い、3者の間は、互いに90°をなして相互に垂直であり、第3の結晶軸Zに対して垂直な平面を作ることで、第1の結晶軸X及び第2の結晶軸Yが所在する平面を得ることができる。
【0018】
インターディジタル電極層30は、第2の方向N2に沿って延伸する2組のインターディジタル電極を備えてもよく、前記2組のインターディジタル電極は、圧電層20において、2つの手がいずれも圧電層20に対して平行であり且つ2つの手の圧電層20における垂直投影が重なり合わないときに、2つの手の手掌が対向し且つ2つの手の手指が相互交差状を呈するものと類似する金属電極パターンを形成する。前記2組のインターディジタル電極に電気信号(例えば電源電圧信号など)が提供されると、前記2組のインターディジタル電極は、圧電層20に近い空間及び圧電層20内においてウェハ基板10に対して平行で第2の方向N2に対して垂直な電界を誘導して生じさせ、即ち圧電層20の厚さ方向全体にいずれもウェハ基板10に対して平行で第2の方向N2に対して垂直な電界を生じさせる。本実施例において、説明を容易にするために、前記2組のインターディジタル電極により圧電層20内に生じさせる電界の方向は、デバイス方向N3として定義される。
【0019】
一方、圧電層20の厚さ方向全体にいずれもウェハ基板10に対して平行で第2の方向N2に対して垂直な電界が生じると、圧電単結晶材料には、電界の作用で相応の歪みが発生し、これにより、圧電層20においてウェハ基板10に対して平行で第2の方向N2に対して垂直な方向に沿って伝播する弾性表面波が励起される。第2の方向N2(即ちインターディジタル電極の延伸方向)が縦方向として、第2の方向N2に対して垂直な方向(即ちインターディジタル電極の延伸方向に対して垂直な方向、つまりデバイス方向N3)が横方向として定義されれば、圧電単結晶材料は、圧電層20内の横方向電界によって分極され、圧電層20内で伝播する弾性表面波は、分極方向が縦方向であり、即ち縦方向で分極した音波である。最後に、弾性表面波は、相応の電気信号に変換されて出力され、共振デバイス100は、フィルタリング動作を完成させる。
【0020】
上記内容に基づいて、本実施例の技術態様において、共振デバイス100の複数の膜層(即ちウェハ基板10、圧電層20及びインターディジタル電極層30)の間は、特定の方式により結合され、即ち、圧電層20の圧電単結晶材料は、特定のボンディングの方式によりウェハ基板10にボンディングされてウェハ基板10に形成され、且つインターディジタル電極層30のデバイス方向N3は、圧電層20の圧電単結晶材料に対して特定の設置方式を有し、以下、これについて説明する。
【0021】
(一)、第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10に対して垂直であり、且つデバイス方向N3より第2の結晶軸Yに回転する回転角は、角A1で、-30°≦A1≦10°である。このような場合、圧電層20とウェハ基板10との間のボンディング方式は、圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xがウェハ基板10に対して垂直である(例えば第1の結晶軸Xの正の方向(+X)がウェハ基板10から圧電層20に指向する方向であり、又は第1の結晶軸Xの負の方向(-X)がウェハ基板10から圧電層20に指向する方向である)ものであり、且つ、インターディジタル電極層30と圧電層20との間の設置関係は、デバイス方向N3より圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに回転する回転角が-30°ないし10°のうちの任意の1つの角度(例えば-25°、-20°、-15°又は-10°など)であるものである。例示的に、
図5は、本願の実施例に係る1つの共振デバイスの複数の膜層の間の結合の構造模式図であり、
図5において、第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10に対して垂直であり、且つデバイス方向N3より圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに回転する回転角は、角A1であり、そのうち、角A1は、-30°に等しく、
図6は、本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの複数の膜層の間の結合の構造模式図であり、
図6において、第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10に対して垂直であり、且つデバイス方向N3より圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに回転する回転角は、角A1であり、そのうち、角A1は、0°に等しく、
図7は、本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの複数の膜層の間の結合の構造模式図であり、
図7において、第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10に対して垂直であり、且つデバイス方向N3より圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに回転する回転角は、角A1であり、そのうち、角A1は、10°に等しい。
【0022】
(二)、第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10に対して垂直であり、且つデバイス方向N3より第2の結晶軸Yに回転する回転角は、角A2で、170°≦A2≦210°又は-210°≦A2≦-170°である。このような場合、圧電層20とウェハ基板10との間のボンディング方式は、圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xがウェハ基板10に対して垂直であるものであり、且つ、インターディジタル電極層30と圧電層20との間の設置関係は、デバイス方向N3より圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに回転する回転角が170°ないし210°又は-210°ないし-170°のうちの任意の1つの角度(例えば180°、190°、210°、-180°、-190°又は-210°など)であるものである。例示的に、
図8は、本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの複数の膜層の間の結合の構造模式図であり、
図8において、第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10に対して垂直であり、且つデバイス方向N3より圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに回転する回転角は、角A2であり、そのうち、角A2は、-170°に等しい。
【0023】
(三)、第2の結晶軸Yよりウェハ基板10に対して垂直な方向に回転する回転角は、角B1で、-20°≦B1≦40°であり、且つデバイス方向N3より第1の結晶軸Xに回転する回転角は、角B2で、-20°≦B2≦20°である。このような場合、圧電層20とウェハ基板10との間のボンディング方式は、圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yよりウェハ基板10に対して垂直な方向に回転する回転角が-20°ないし40°のうちの任意の1つの角度(例えば-10°、0°、10°、20°又は30°など)であるものであり、且つ、インターディジタル電極層30と圧電層20との間の設置関係は、デバイス方向N3より圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xに回転する回転角が-20°ないし-20°のうちの任意の1つの角度(例えば-10°、0°又は10°など)であるものである。例示的に、
図9は、本願の実施例に係る1つの共振デバイスの圧電層とウェハ基板との間の結合の構造模式図であり、
図9の(a)において、圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yの正の方向(+Y)よりウェハ基板10に対して垂直な方向Lに回転する回転角は、角B1であり、そのうち、角B1は、40°に等しく、且つウェハ基板10に対して垂直な方向Lは、ウェハ基板10から圧電層20に指向する方向であり、
図9の(b)において、圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yの正の方向(+Y)よりウェハ基板10に対して垂直な方向Lに回転する回転角は、角B1であり、そのうち、角B1は、-20°に等しく、且つウェハ基板10に対して垂直な方向Lは、ウェハ基板10から圧電層20に指向する方向であり、
図9の(c)において、圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yの正の方向(+Y)よりウェハ基板10に対して垂直な方向Lに回転する回転角は、角B1であり、そのうち、角B1は、40°に等しく、且つウェハ基板10に対して垂直な方向Lは、圧電層20からウェハ基板10に指向する方向であり、
図9の(d)において、圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yの正の方向(+Y)よりウェハ基板10に対して垂直な方向Lに回転する回転角は、角B1であり、そのうち、角B1は、-20°に等しく、且つウェハ基板10に対して垂直な方向Lは、圧電層20からウェハ基板10に指向する方向であり、これにより、
図9から分かるように、本実施において、圧電層20の圧電単結晶材料は、様々な異なる方式によりウェハ基板10の表面にボンディングされて形成されてもよく、
図10は、本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの複数の膜層の間の結合の構造模式図であり、
図10の(a)において、圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yよりウェハ基板10に対して垂直な方向に回転する回転角は、角B1であり、そのうち、角B1は、-20°に等しく、且つデバイス方向N3より圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xに回転する回転角は、角B2であり、そのうち、角B2は、-20°に等しい。
【0024】
本実施例は、上記いくつかの共振デバイス100の複数の膜層(即ちウェハ基板10、圧電層20及びインターディジタル電極層30)の間の結合方式により、共振デバイス100の動作周波数及び性能を向上させる。原理は、
音波の固体材料で伝播する波速度の大きさは、固体材料の体積弾性率及び密度によって決まり、体積弾性率と密度との比の値が大きいほど、波速度が大きくなり、サファイアウェハ基板10の体積弾性率と密度との比の値が極めて高く、同時に圧電単結晶材料の体積弾性率が異方性(その値が複数の格子方向で異なる)を有し、上記いくつかのサファイアウェハ基板10と圧電単結晶材料とのボンディング方式、つまり上記いくつかの結合方式は、圧電単結晶材料の最大体積弾性率を利用可能であり、そのため、本実施例は、上記いくつかの結合方式により弾性表面波の共振デバイス100で伝播する波速度を極めて大きく向上させ、弾性表面波のウェハ基板10及び圧電層20で伝播する波速度を極めて大きく向上させることにある。
【0025】
f=v/(2*Wpi)であり、そのうち、fが共振デバイス100の動作周波数であり、vが共振デバイス100における弾性表面波が伝播する波速度であり、Wpiがインターディジタル電極の間の間隔であるため、本実施は、インターディジタル電極の間の間隔が変えられない場合、弾性表面波のウェハ基板10及び圧電層20で伝播する波速度vを向上させることにより共振デバイス100の動作周波数を向上させ、同時に、本実施は、インターディジタル電極の間の間隔を変える必要も共振デバイス100の電極幅を調整する必要もなく、上記結合方式を設定する場合であれば、共振デバイス100の動作周波数を向上させることができ、共振デバイス100の低製造コストが保証され、また、圧電層20を上記いくつかの特定方向でウェハ基板10にボンディングさせることはさらに、共振デバイス100の置き方向とウェハ基板10の主位置決め辺とがなす角度を小さくし、ウェハ基板10の利用率の最大化の実現に寄与する。
【0026】
圧電単結晶材料が異方性の特徴を有するため、圧電層20を上記いくつかの特定方向でウェハ基板10にボンディングさせて、共振デバイス100の内部の幾何形状及び構造を調整することはさらに、圧電層20に発生する圧電効果を増強し、共振デバイス100の電気機械結合係数を高めて、共振デバイス100の性能を増強することに寄与する。
【0027】
以上のことから分かるように、本願の実施例の技術態様は、関連技術におけるSAW共振デバイス及びBAW共振デバイスの2者がいずれも共振デバイスの低製造コスト、高動作周波数及び性能を同時に配慮できないという技術課題を解決し、共振デバイスの低製造コストを保証すると同時に、共振デバイスの動作周波数及び性能を向上させて、第5世代モバイル通信システム(the 5th Generation mobile communication system、5G)の通信規格のニーズを満たすことに有利である。
【0028】
以下、共振デバイス100の複数の膜層(即ちウェハ基板10、圧電層20及びインターディジタル電極層30)の間が上記いくつかの状況で結合される方式について説明する。
【0029】
好ましくは、第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10から圧電層20に指向し、且つデバイス方向N3より第2の結晶軸Yに回転する回転角は、角A1である。
【0030】
該種類の方式は、上記状況(一)についての説明であり、圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10の平面外に指向し、且つデバイス方向N3より圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに回転する回転角は、-30°ないし10°のうちの任意の1つの角度である。例示的に、
図7におけるものを参照可能であり、圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10の平面外に指向し、右手の法則に応じて、圧電層20よりウェハ基板10に指向する方向に沿って見ると、デバイス方向N3は、反時計回り方向に沿って10°回転して圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに至り、そのうち、回転角A1は、10°に等しい。
【0031】
好ましくは、第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10から圧電層20に指向し、且つデバイス方向N3より第2の結晶軸Yに回転する回転角は、角A2である。
【0032】
該種類の方式は、上記状況(二)についての説明であり、圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10の平面外に指向し、且つデバイス方向N3より圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに回転する回転角は、170°ないし210°又は-210°ないし-170°のうちの任意の1つの角度である。
【0033】
好ましくは、第1の結晶軸Xは、圧電層20からウェハ基板10に指向し、且つデバイス方向N3より第2の結晶軸Yに回転する回転角は、角A1である。
【0034】
該種類の方式は、上記状況(一)についての説明であり、圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10の平面内に指向し、且つデバイス方向N3より圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに回転する回転角は、-30°ないし10°のうちの任意の1つの角度である。例示的に、
図5におけるものを参照可能であり、圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10の平面内に指向し、右手の法則に応じて、ウェハ基板10より圧電層20に指向する方向に沿って見ると、デバイス方向N3は、時計回り方向に沿って30°回転して圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに至り、そのうち、回転角A1は、-30°に等しい。
【0035】
好ましくは、第1の結晶軸Xは、圧電層20からウェハ基板10に指向し、且つデバイス方向N3より第2の結晶軸Yに回転する回転角は、角A2である。
【0036】
該種類の方式は、上記状況(二)についての説明であり、圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10の平面内に指向し、且つデバイス方向N3より圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに回転する回転角は、170°ないし210°又は-210°ないし-170°のうちの任意の1つの角度である。例示的に、
図8におけるものを参照可能であり、圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10の平面内に指向し、右手の法則に応じて、ウェハ基板10より圧電層20に指向する方向に沿って見ると、デバイス方向N3は、時計回り方向に沿って170°回転して圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに至り、そのうち、回転角A2は、-170°に等しい。
【0037】
好ましくは、角B1が0°に等しい場合、第2の結晶軸Yは、ウェハ基板10から圧電層20に指向するか又は圧電層20からウェハ基板10に指向し、且つデバイス方向N3より第1の結晶軸Xに回転する回転角は、角B2である。
【0038】
該種類の方式は、上記状況(三)についての説明であり、角B1が0°に等しい場合、圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yは、ウェハ基板10の平面内又は平面外に指向し(即ち第2の結晶軸Yが圧電層20からウェハ基板10に指向するか又はウェハ基板10から圧電層20に指向する)、且つデバイス方向N3より圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xに回転する回転角は、-20°ないし20°のうちの任意の1つの角度である。例示的に、
図10におけるものを参照可能であり、
図10の(b)において、角B1が0°に等しい場合、圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yは、ウェハ基板10の平面外に指向し、右手の法則に応じて、圧電層20よりウェハ基板10に指向する方向に沿って見ると、デバイス方向N3は、時計回り方向に沿って20°回転して圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xに至り、そのうち、回転角B2は、-20°である。
【0039】
本実施例において、インターディジタル電極層30のデバイス方向N3は圧電層20の圧電単結晶材料に対して特定の設置方式を有するだけでなく、インターディジタル電極層30のデバイス方向N3はウェハ基板10に対して特定の設置方式を有してもよい。
図11は、本願の実施例に係る1つの共振デバイスのインターディジタル電極層とウェハ基板との間の結合の構造模式図であり、
図12は、本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスのインターディジタル電極層とウェハ基板との間の結合の構造模式図である。ウェハ基板10の主位置決め辺11は、第1の方向N1に位置し、インターディジタル電極層30で圧電層20内に生じさせる電界により圧電層20において励起される音波の伝播方向より、第1の方向N1に回転する回転角は、角C1であり、-30°≦C1≦30°である。
【0040】
インターディジタル電極層30で圧電層20内に生じさせる電界により圧電層20において励起される音波の伝播方向は、つまり本実施例におけるデバイス方向N3であり、デバイス方向N3より第1の方向N1(即ちウェハ基板10の主位置決め辺)に回転する回転角は、-30°ないし30°のうちの任意の1つの角度である。例示的に、
図11を参照し、
図11は、デバイス方向N3より第1の方向N1に回転する回転角が-30°である場合を模式的に示しており、
図1を参照し、
図1は、デバイス方向N3より第1の方向N1に回転する回転角が0°である場合を模式的に示しており、
図12を参照し、
図12は、デバイス方向N3より第1の方向N1に回転する回転角が30°である場合を模式的に示している。
【0041】
圧電層20には、インターディジタル電極層30により印加された電界の作用で機械的応力が生じて、相応の歪みが発生し、これにより、圧電層20においてデバイス方向N3に沿って伝播する弾性表面波が励起され、圧電層20における圧電単結晶材料が異方性の特徴を有することを考慮し、本実施例は、デバイス方向N3より第1の方向N1に回転する回転角を、-30°よりも大きいか又は等しく且つ30°よりも小さいか又は等しくなるように設定することにより、インターディジタル電極の方向とウェハ基板10との間の相対位置関係を調整することを実現し、圧電単結晶材料の最大体積弾性率を利用して、圧電層20に発生する圧電効果を増強し、共振デバイス100の電気機械結合係数を高めて、共振デバイス100の性能を増強して共振デバイス100の動作周波数を向上させる。
【0042】
好ましくは、
図2及び
図3を参照し、インターディジタル電極層30は、複数の第1のインターディジタル電極310及び複数の第2のインターディジタル電極320を備え、複数の第1のインターディジタル電極310は、いずれもインターディジタル電極層30の第1の側に位置するバスバー311に接続され、且つ複数の第1のインターディジタル電極310は、いずれもインターディジタル電極層30の第1の側から第2の方向N2に沿ってインターディジタル電極層30の第2の側に延伸し、第1の側と第2の側とは対向し、複数の第2のインターディジタル電極320は、いずれもインターディジタル電極層30の第2の側に位置するバスバー321に接続され、且つ複数の第2のインターディジタル電極320は、いずれも第2の側から第2の方向N2に沿って第1の側に延伸し、第1のインターディジタル電極310及び第2のインターディジタル電極320の圧電層20における垂直投影は、交互になっており、且つ第1のインターディジタル電極310と第2のインターディジタル電極320とは、互いに絶縁されている。
【0043】
第1のインターディジタル電極310及び第2のインターディジタル電極320は、いずれも金属電極であり、第1のインターディジタル電極310及び第2のインターディジタル電極320の材料は、チタン(Titanium、Ti)、銀(Silver、Ag)、アルミニウム(Aluminium、Al)、銅(Copper、Cu)、銅アルミニウム合金(Aluminum copper alloy、AlCu)、クロム(Chromium、Cr)、ルテニウム(Ruthenium、Ru)、モリブデン(Molybdenum、Moly)及びタングステン(Tungsten、W)のうちのいずれか1種類を含んでもよく、又は第1のインターディジタル電極310及び第2のインターディジタル電極320の材質は、上記材料の組合せであってもよい。各第1のインターディジタル電極310は、共通電極、即ちインターディジタル電極層30の第1の側のバスバー311に接続され、各第2のインターディジタル電極320は、共通電極、即ちインターディジタル電極層30の第2の側のバスバー321に接続される。複数の第1のインターディジタル電極310の幅は、同じ又は異なる可能性があり、複数の第2のインターディジタル電極320の幅も、同じ又は異なる可能性がある。共振デバイス100の動作時に、第1のインターディジタル電極310には、インターディジタル電極層30の第1の側のバスバー311を介して電源信号Vinが入力され、第2のインターディジタル電極320には、インターディジタル電極層30の第2の側のバスバー321を介して接地信号GNDが入力され、これにより、インターディジタル電極層30が圧電層20に第1のインターディジタル電極310及び第2のインターディジタル電極320に対して垂直な方向における電界、即ちデバイス方向N3の電界を印加することを可能にし、圧電層20の厚さ方向全体にいずれもデバイス方向N3の電界を生じさせて、デバイス方向N3に沿って伝播する弾性表面波、即ち縦方向で分極した音波を励起し、弾性表面波を相応の電気信号に変換して出力して、フィルタリングを実現する。
【0044】
図13は、本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの平面図であり、
図13は、
図1における共振デバイス100の他の1つの平面図であってもよい。
図13に示すように、好ましくは、インターディジタル電極層30を、複数の第1のダミーインターディジタル電極312及び複数の第2のダミーインターディジタル電極322をさらに備えるように設け、第1のダミーインターディジタル電極312は、隣り合う第1のインターディジタル電極310の間に位置し且つ第1の側のバスバー311に接続され、第1のダミーインターディジタル電極312は、第1の側から第2の方向N2に沿って第2の側に延伸し、第2のダミーインターディジタル電極322は、隣り合う第2のインターディジタル電極320の間に位置し且つ第2の側のバスバー321に接続され、第2のダミーインターディジタル電極322は、第2の側から第2の方向N2に沿って第1の側に延伸し、第1のダミーインターディジタル電極312、第2のダミーインターディジタル電極322、第1のインターディジタル電極310及び第2のインターディジタル電極320は、互いに絶縁されている。第1のダミーインターディジタル電極312及び第2のダミーインターディジタル電極322の材質は、第1のインターディジタル電極310及び第2のインターディジタル電極320の材質と同じであってもよく、本実施例は、第1のダミーインターディジタル電極312及び第2のダミーインターディジタル電極322を設け、インターディジタル電極とオフされた仮想短絡基フィンガーを形成する(例えば、第1のダミーインターディジタル電極312が、対応する第2のインターディジタル電極320とオフされた仮想短絡基フィンガーを形成し、第2のダミーインターディジタル電極322が、対応する第1のインターディジタル電極310とオフされた仮想短絡基フィンガーを形成する)ことにより、共振デバイス100に励起される弾性表面波を第1のダミーインターディジタル電極312及び第2のダミーインターディジタル電極322に伝播するときに反射させて、弾性表面波を共振デバイス100の第2の方向N2に沿った内部に制限して、共振デバイス100のエネルギー反射率を向上させて不要なスプリアス応答を抑制する。
【0045】
図14は、本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの断面図であり、
図14は、
図13に示す共振デバイス100を切断線bb’に沿って切断して得られた断面図であってもよい。
図2、
図13及び
図14に関連して、好ましくは、共振デバイス100は、圧電層20のウェハ基板10から離れた側に位置する音響反射グリッド330をさらに備え、音響反射グリッド330は、インターディジタル電極層30の第2の方向N2に沿った両側に設けられ、インターディジタル電極層30から絶縁され、各音響反射グリッド330は、第2の方向N2に沿って延伸する複数の金属条331を備え、金属条331の第3の方向(つまりデバイス方向N3)における幅Wrは、第1のインターディジタル電極310及び第2のインターディジタル電極320の第3の方向(つまりデバイス方向N3)における幅Weの0.25倍よりも大きく、且つ第1のインターディジタル電極310及び第2のインターディジタル電極320の第3の方向(つまりデバイス方向N3)における幅Weの10倍よりも小さく、そのうち、第3の方向(つまりデバイス方向N3)は、ウェハ基板10に対して平行で第2の方向N2に対して垂直であり、インターディジタル電極層30と隣り合う金属条331との間隔Wgは、第1のインターディジタル電極310及び第2のインターディジタル電極320の第3の方向N3における幅Weの0.2倍よりも大きく、且つ第1のインターディジタル電極310及び第2のインターディジタル電極320の第3の方向N3における幅Weの10倍よりも小さい。
【0046】
音響反射グリッド330の材質は、第1のインターディジタル電極310及び第2のインターディジタル電極320の材質と同じでも又は異なってもよい。音響反射グリッド330における金属条331の両端は、それぞれバス、即ちバス332及びバス333に接続される。第1のインターディジタル電極310及び第2のインターディジタル電極320に接続されたバスバーは、音響反射グリッド330における金属条331に接続されたバスと繋がってもよいし、接続しなくてもよく、
図2及び
図13は、いずれもインターディジタル電極に接続されたバスバーが音響反射グリッドにおける金属条に接続されたバスと繋がらない場合を示している。本実施例は、インターディジタル電極層30の両側に音響反射グリッド330を設けることにより、音波の回折原理に基づいて、共振デバイス100の両側の音響反射グリッド330の外部に伝播する弾性表面波を減少可能であり、弾性表面波を共振デバイス100の第3の方向N3に沿った内部に制限して、共振デバイス100の電気エネルギーと機械エネルギーとの間のエネルギー変換効率を向上させることに寄与する。
【0047】
インターディジタル電極層30と隣り合う金属条331との間隔Wgとは、音響反射グリッドにおけるインターディジタル電極に最も近い金属条331と、インターディジタル電極層30における音響反射グリッドに最も近い第1のインターディジタル電極310又は第2のインターディジタル電極320との間の間隔である。
図14は、第1のインターディジタル電極310及び第2のインターディジタル電極320の第3の方向(つまりデバイス方向N3)における幅がいずれもWeである場合を模式的に示しており、本実施例は、金属条331の第3の方向(つまりデバイス方向N3)における幅を0.25We<Wr<10Weに、且つインターディジタル電極層30と隣り合う金属条331との間隔を0.2We<Wg<10Weに設定することにより、共振デバイス100の音響反射グリッドで生じられる音波回折を弱めて、共振デバイス100の両側の音響反射グリッド330の外部に伝播する弾性表面波を減少させることに寄与し、弾性表面波を共振デバイス100の第3の方向(つまりデバイス方向N3)に沿った内部に制限して、共振デバイス100の電気エネルギーと機械エネルギーとの間のエネルギー変換効率を向上させることに寄与する。
【0048】
図13及び
図14に関連して、上記実施例を踏まえ、好ましくは、第1のインターディジタル電極310及び第2のインターディジタル電極320の第3の方向(つまりデバイス方向N3)における幅を250nm<We<1μmに設定し、これにより、インターディジタル電極の幅の調節で共振デバイス100の電気機械結合係数を調節して、共振デバイス100の性能を増強して共振デバイス100の動作周波数を向上させる。
【0049】
図13及び
図14に関連して、好ましくは、第1のインターディジタル電極310及び第2のインターディジタル電極320の総個数を50よりも大きくなるように設定し、これにより、インターディジタル電極の個数の調節で共振デバイス100の電気機械結合係数を調節して、共振デバイス100の性能を増強して共振デバイス100の動作周波数を向上させる。好ましくは、音響反射グリッド330における金属条331の総個数を50よりも大きくなるように設定し、これにより、共振デバイス100の両側の音響反射グリッド330の外部に伝播する弾性表面波を減少させ、弾性表面波を共振デバイス100の第3の方向(つまりデバイス方向N3)に沿った内部に制限して、共振デバイス100の電気エネルギーと機械エネルギーとの間のエネルギー変換効率を向上させることに寄与する。
【0050】
図13及び
図14に関連して、好ましくは、第1のインターディジタル電極310と第2のインターディジタル電極320とが第2の方向N2に沿って重畳する長さを15μm<La<200μmに、第2のインターディジタル電極320とインターディジタル電極層30の第1の側のバスバー311との間の距離(即ち第1のインターディジタル電極310とインターディジタル電極層30の第2の側のバスバー321との間の距離)を250nm<Lg<5μmに設定し、これにより、共振デバイス100の電気機械結合係数を調節して、共振デバイス100の性能を増強して共振デバイス100の動作周波数を向上させる。
【0051】
図13及び
図14に関連して、好ましくは、インターディジタル電極層30における隣り合う第1のインターディジタル電極310と第2のインターディジタル電極320との間の間隔を500nm<Wpi<2μmに設定し、隣り合う第1のインターディジタル電極310と第2のインターディジタル電極320との間の間隔は、第1のインターディジタル電極310の第3の方向(つまりデバイス方向N3)に沿った中心と隣り合う第2のインターディジタル電極320の第3の方向(つまりデバイス方向N3)に沿った中心との間の距離であってもよい。f=v/(2*Wpi)であり、そのうち、fが共振デバイス100の動作周波数であり、vが共振デバイス100における弾性表面波が伝播する波速度であるため、波速度が変わらない場合、第1のインターディジタル電極310と第2のインターディジタル電極320との間の間隔Wpiが小さいほど、共振デバイス100の動作周波数が高くなり、本実施例は、第1のインターディジタル電極310と第2のインターディジタル電極320との間の間隔を設定することにより、共振デバイス100の動作周波数を向上させる。
【0052】
図13及び
図14に関連して、好ましくは、第1のインターディジタル電極310及び第2のインターディジタル電極320のウェハ基板10に対して垂直な方向に沿った厚さを50nm<Te<200nmに、圧電層20のウェハ基板10から離れた側の表面とパッシベーション層50の圧電層20から離れた側の表面との間のパッシベーション層50の厚さを100nm<Tp1<600nmに、圧電層20のウェハ基板10に対して垂直な方向に沿った厚さを300nm<Tp2<1μmに設定し、これにより、インターディジタル電極の厚さ、パッシベーション層50の厚さ及び圧電層20の厚さの調節で共振デバイス100の電気機械結合係数を調節して、共振デバイス100の性能を増強して共振デバイス100の動作周波数を向上させる。
【0053】
上記実施例を踏まえ、好ましくは、さらに、圧電層とウェハ基板との間に1層又は複数層の誘電層を設けてもよく、これにより、共振デバイスの電気機械結合係数を調節して、共振デバイスの性能を改善する。
【0054】
図15は、本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの断面図であり、
図15は、
図13に示す共振デバイス100を切断線bb’に沿って切断して得られた他の1つの断面図であってもよい。
図3、
図14及び
図15に示すように、好ましくは、共振デバイス100は、インターディジタル電極層30のウェハ基板10から離れた側に位置するパッシベーション層50をさらに備え、且つパッシベーション層50は、インターディジタル電極層30を覆う。
【0055】
パッシベーション層50の材質は、二酸化ケイ素(Silicon dioxide、SiO2)又は窒化ケイ素(Silicon Nitride、SiNx)であってもよく、本実施例は、インターディジタル電極層30を覆うようにパッシベーション層50を設けることにより、環境における湿度及び酸化を遮断し、インターディジタル電極層30に対する保護を実現する。インターディジタル電極層30のウェハ基板10から離れた側にパッシベーション層50を形成するときに、パッシベーション層50のウェハ基板10から離れた側の上表面を平面に形成させてもよく、又はパッシベーション層50の上表面の起伏をインターディジタル電極層30の上表面の形態と一致させてもよい。
【0056】
図16は、本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの平面図であり、
図16は、
図1における共振デバイス100の他の1つの平面図であってもよく、
図17は、本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの断面図であり、
図17は、
図16に示す共振デバイス100を切断線CC’に沿って切断して得られた他の1つの断面図であってもよい。
図16及び
図17に関連して、好ましくは、共振デバイス100は、インターディジタル電極層30のウェハ基板10から離れた側に位置する金属層60をさらに備え、金属層60は、インターディジタル電極層30の第1の側のバスバー311の少なくとも一部の領域を覆い、且つインターディジタル電極層30の第2の側のバスバー321の少なくとも一部の領域を覆う。
【0057】
金属層60の材料は、チタン(Ti)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銅アルミニウム合金(AlCu)、クロム(Cr)、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Moly)及びタングステン(W)のうちのいずれか1種類を含んでもよく、又は上記材料の組合せであってもよい。本実施例は、インターディジタル電極層30の第1の側のバスバー311の少なくとも一部の領域を覆い、インターディジタル電極層30の第2の側のバスバー321の少なくとも一部の領域を覆うように金属層60を設けることにより、共振デバイス100に励起される弾性表面波を金属層60に伝播するときに反射させて弾性表面波を共振デバイス100の第2の方向N2に沿った内部に制限することに寄与し、同時に、金属層60は、インターディジタル電極に金属層60及びそれにより覆われたバスバーを介して電気信号がアクセスされるように、パッケージが完了された共振デバイス100の表面に露出してもよい。
【0058】
図18は、本願の実施例に係る1つの共振デバイスの応力分布の模式図であり、
図18は、電界の作用での、
図13に示す共振デバイス100の複数の膜層の応力分布状況を模式的に示している。
図13、
図14及び
図18に関連して、電界の作用で、共振デバイス100に生じた機械的応力は、主に圧電層20、インターディジタル電極層30及びパッシベーション層50に存在し、ウェハ基板10には少量の応力しか存在しない。且つ第1のインターディジタル電極310に電源信号Vinが入力され、第2のインターディジタル電極320に接地信号GNDが入力されるため、第2のインターディジタル電極320は、それぞれ両側の第1のインターディジタル電極310と圧電層20の厚さ方向全体において反対方向となる電界E1及びE2を生じさせることができ、相応して、圧電層20において共振デバイス100に生じた応力は極値に到達する。
図18には、圧電層20における第1のインターディジタル電極310と第2のインターディジタル電極320との間に対応する位置での応力が極大値に到達し(Maxに近い)、圧電層20における第1のインターディジタル電極310及び第2のインターディジタル電極320に対応する位置での応力がそれぞれ極小値に到達する(-Maxに近い)ことが示されている。
【0059】
図19は、本願の実施例に係る1つの共振デバイスの振動変位分布の模式図であり、
図19は、電界の作用での、
図13に示す共振デバイス100の複数の膜層の振動変位分布状況を模式的に示している。
図13、
図14及び
図19に関連して、共振デバイス100における音波の伝播で生じられた定在波による振動変位は、主に圧電層20、インターディジタル電極層30及びパッシベーション層50にあり、ウェハ基板10には少量の変位しか存在しない。
図19には、圧電層20における第1のインターディジタル電極310と第2のインターディジタル電極320との間に対応する位置での振動変位が極小値に到達し(Minに近い)、圧電層20における第1のインターディジタル電極310及び第2のインターディジタル電極320に対応する位置での振動変位が極大値に到達する(Maxに近い)ことが示されている。
【0060】
図20は、本願の実施例に係る1つの共振デバイスのアドミタンス特性曲線であり、
図20は、
図13及び
図14に示す共振デバイス100に対して模擬実験を行って得られたアドミタンス特性曲線であってもよい。
図20における(a)に示すように、固有周波数を利用して模擬を行い、本願の実施例に係る共振デバイス100の共振周波数、つまり動作周波数
は、1.75GHzであり、相応の電気機械結合係数
は、32.7%に到達可能であり、
図20における(b)に示すように、
図20における(b)は、
図20における(a)の広帯域応答であり、同等のパラメータで、動作周波数は、0.1GHzないし4GHzであり、これから分かるように、本実施例の態様は、共振デバイス100の電気機械結合係数及び動作周波数を高めることに寄与し、該態様に対応する共振デバイス100の複数の膜層の厚さ、幅、インターディジタル電極のサイズ及び位置、並びに音響反射グリッドのインターディジタル電極に対するサイズ及び位置に応じて共振デバイス100の選択可能な構造及びサイズを決定することに寄与する。
【0061】
本願の実施例は、上記任意の技術態様に記載の共振デバイスを備える音響フィルタをさらに提供する。本願の実施例に係る音響フィルタ及び上記任意の技術態様に係る共振デバイスは、同様の構想に属し、両者は同様の技術的効果を実現可能であり、重複する内容については繰り返し説明しない。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハ基板と、
前記ウェハ基板の一側に位置し、互いに垂直な第1の結晶軸、第2の結晶軸及び第3の結晶軸を備える圧電単結晶材料を備える圧電層と、
前記圧電層の前記ウェハ基板から離れた側に位置し、前記圧電層内に方向がデバイス方向である電界を生じさせるように構成されるインターディジタル電極層とを備え、
前記第1の結晶軸は、前記ウェハ基板に対して垂直であり、且つ前記デバイス方向より前記第2の結晶軸に回転する回転角は、
∠A1で、-30°≦
∠A1≦10°であり、
又は、前記第1の結晶軸は、前記ウェハ基板に対して垂直であり、且つ前記デバイス方向より前記第2の結晶軸に回転する回転角は、
∠A2で、170°≦
∠A2≦210°又は-210°≦
∠A2≦-170°であり、
又は、前記第2の結晶軸より前記ウェハ基板に対して垂直な方向に回転する回転角は、
∠B1で、-20°≦
∠B1≦40°であり、且つ前記デバイス方向より前記第1の結晶軸に回転する回転角は、
∠B2で、-20°≦
∠B2≦20°である、
共振デバイス。
【請求項2】
前記第1の結晶軸は、前記ウェハ基板から前記圧電層に指向する、
請求項1に記載の共振デバイス。
【請求項3】
前記第1の結晶軸は、前記圧電層から前記ウェハ基板に指向する、
請求項1に記載の共振デバイス。
【請求項4】
前記第2の結晶軸は、対向方向に沿って延伸する正の方向及び逆の方向を備え、
前記
∠B1が0°に等しい場合、前記第2の結晶軸の正の方向は、前記ウェハ基板から前記圧電層に指向するか又は前記圧電層から前記ウェハ基板に指向する、
請求項1
~3の何れか1項に記載の共振デバイス。
【請求項5】
前記ウェハ基板の主位置決め辺は、第1の方向に位置し、
前記デバイス方向は、前記電界が前記圧電層において励起する音波の伝播方向であり、前記デバイス方向より前記第1の方向に回転する回転角は、
∠C1で、-30°≦
∠C1≦30°である、
請求項1
~3の何れか1項に記載の共振デバイス。
【請求項6】
前記インターディジタル電極層は、
いずれも前記インターディジタル電極層の第1の側に位置するバスバーに接続され、且ついずれも前記インターディジタル電極層の第1の側から第2の方向に沿って前記インターディジタル電極層の第2の側に延伸し、前記第1の側と前記第2の側とが対向する複数の第1のインターディジタル電極と、
いずれも前記インターディジタル電極層の第2の側に位置するバスバーに接続され、且ついずれも前記第2の側から前記第2の方向に沿って前記第1の側に延伸する複数の第2のインターディジタル電極とを備え、
前記
複数の第1のインターディジタル電極
のうちのそれぞれ及び前記
複数の第2のインターディジタル電極
のうちの相応の1つの前記圧電層における垂直投影
は交互になっており、且つ
前記複数の第1のインターディジタル電極及び前記複数の第2のインターディジタル電極は互いに絶縁されている、
請求項1
~3の何れか1項に記載の共振デバイス。
【請求項7】
前記インターディジタル電極層の前記ウェハ基板から離れた側に位置し、前記インターディジタル電極層の第1の側のバスバーの少なくとも一部の領域を覆い、且つ前記インターディジタル電極層の第2の側のバスバーの少なくとも一部の領域を覆う金属層と、
前記圧電層の前記ウェハ基板から離れた側に位置し、前記インターディジタル電極層の前記第2の方向に沿った両側に設けられ、前記インターディジタル電極層から絶縁される音響反射グリッドとをさらに備え
る、
請求項6に記載の共振デバイス。
【請求項8】
前記インターディジタル電極層の前記第2の方向に沿った各側に位置する音響反射グリッドは、前記第2の方向に沿って延伸し、デバイス方向における幅が前記第1のインターディジタル電極及び前記第2のインターディジタル電極の前記デバイス方向における幅の0.25倍よりも大きく、且つ前記第1のインターディジタル電極及び前記第2のインターディジタル電極の前記デバイス方向における幅の10倍よりも小さい複数の金属条を備え
る、
請求項7に記載の共振デバイス。
【請求項9】
前記インターディジタル電極層と隣り合う金属条との間隔は、前記第1のインターディジタル電極及び前記第2のインターディジタル電極の前記デバイス方向における幅の0.2倍よりも大きく、且つ前記第1のインターディジタル電極及び前記第2のインターディジタル電極の前記デバイス方向における幅の10倍よりも小さく、前記デバイス方向が前記ウェハ基板に対して平行で前記第2の方向に対して垂直である、
請求項
7又は8に記載の共振デバイス。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の共振デバイスを備える、
音響フィルタ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
ウェハ基板と、
前記ウェハ基板の一側に位置し、互いに垂直な第1の結晶軸、第2の結晶軸及び第3の結晶軸を備える圧電単結晶材料を備える圧電層と、
前記圧電層の前記ウェハ基板から離れた側に位置し、前記圧電層内に方向がデバイス方向である電界を生じさせるように構成されるインターディジタル電極層とを備え、
そのうち、前記第1の結晶軸は、前記ウェハ基板に対して垂直であり、且つ前記デバイス方向より前記第2の結晶軸に回転する回転角は、∠A1で、-30°≦∠A1≦10°であり、
又は、前記第1の結晶軸は、前記ウェハ基板に対して垂直であり、且つ前記デバイス方向より前記第2の結晶軸に回転する回転角は、∠A2で、170°≦∠A2≦210°又は-210°≦∠A2≦-170°であり、
又は、前記第2の結晶軸より前記ウェハ基板に対して垂直な方向に回転する回転角は、∠B1で、-20°≦∠B1≦40°であり、且つ前記デバイス方向より前記第1の結晶軸に回転する回転角は、∠B2で、-20°≦∠B2≦20°である、共振デバイスを提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10に対して垂直であり、且つデバイス方向N3より第2の結晶軸Yに回転する回転角は、∠A1で、-30°≦∠A1≦10°であり、又は、第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10に対して垂直であり、且つデバイス方向N3より第2の結晶軸Yに回転する回転角は、∠A2で、170°≦∠A2≦210°又は-210°≦∠A2≦-170°であり、又は、第2の結晶軸Yよりウェハ基板10に対して垂直な方向に回転する回転角は、∠B1で、-20°≦∠B1≦40°であり、且つデバイス方向N3より第1の結晶軸Xに回転する回転角は、∠B2で、-20°≦∠B2≦20°である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
(一)、第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10に対して垂直であり、且つデバイス方向N3より第2の結晶軸Yに回転する回転角は、
∠A1で、-30°≦
∠A1≦10°である。このような場合、圧電層20とウェハ基板10との間のボンディング方式は、圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xがウェハ基板10に対して垂直である(例えば第1の結晶軸Xの正の方向(+X)がウェハ基板10から圧電層20に指向する方向であり、又は第1の結晶軸Xの負の方向(-X)がウェハ基板10から圧電層20に指向する方向である)ものであり、且つ、インターディジタル電極層30と圧電層20との間の設置関係は、デバイス方向N3より圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに回転する回転角が-30°ないし10°のうちの任意の1つの角度(例えば-25°、-20°、-15°又は-10°など)であるものである。例示的に、
図5は、本願の実施例に係る1つの共振デバイスの複数の膜層の間の結合の構造模式図であり、
図5において、第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10に対して垂直であり、且つデバイス方向N3より圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに回転する回転角は、
∠A1であり、そのうち、
∠A1は、-30°に等しく、
図6は、本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの複数の膜層の間の結合の構造模式図であり、
図6において、第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10に対して垂直であり、且つデバイス方向N3より圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに回転する回転角は、
∠A1であり、そのうち、
∠A1は、0°に等しく、
図7は、本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの複数の膜層の間の結合の構造模式図であり、
図7において、第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10に対して垂直であり、且つデバイス方向N3より圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに回転する回転角は、
∠A1であり、そのうち、
∠A1は、10°に等しい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
(二)、第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10に対して垂直であり、且つデバイス方向N3より第2の結晶軸Yに回転する回転角は、
∠A2で、170°≦
∠A2≦210°又は-210°≦
∠A2≦-170°である。このような場合、圧電層20とウェハ基板10との間のボンディング方式は、圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xがウェハ基板10に対して垂直であるものであり、且つ、インターディジタル電極層30と圧電層20との間の設置関係は、デバイス方向N3より圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに回転する回転角が170°ないし210°又は-210°ないし-170°のうちの任意の1つの角度(例えば180°、190°、210°、-180°、-190°又は-210°など)であるものである。例示的に、
図8は、本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの複数の膜層の間の結合の構造模式図であり、
図8において、第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10に対して垂直であり、且つデバイス方向N3より圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに回転する回転角は、
∠A2であり、そのうち、
∠A2は、-170°に等しい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
(三)、第2の結晶軸Yよりウェハ基板10に対して垂直な方向に回転する回転角は、
∠B1で、-20°≦
∠B1≦40°であり、且つデバイス方向N3より第1の結晶軸Xに回転する回転角は、
∠B2で、-20°≦
∠B2≦20°である。このような場合、圧電層20とウェハ基板10との間のボンディング方式は、圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yよりウェハ基板10に対して垂直な方向に回転する回転角が-20°ないし40°のうちの任意の1つの角度(例えば-10°、0°、10°、20°又は30°など)であるものであり、且つ、インターディジタル電極層30と圧電層20との間の設置関係は、デバイス方向N3より圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xに回転する回転角が-20°ない
し20°のうちの任意の1つの角度(例えば-10°、0°又は10°など)であるものである。例示的に、
図9は、本願の実施例に係る1つの共振デバイスの圧電層とウェハ基板との間の結合の構造模式図であり、
図9の(a)において、圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yの正の方向(+Y)よりウェハ基板10に対して垂直な方向Lに回転する回転角は、
∠B1であり、そのうち、
∠B1は、40°に等しく、且つウェハ基板10に対して垂直な方向Lは、ウェハ基板10から圧電層20に指向する方向であり、
図9の(b)において、圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yの正の方向(+Y)よりウェハ基板10に対して垂直な方向Lに回転する回転角は、
∠B1であり、そのうち、
∠B1は、-20°に等しく、且つウェハ基板10に対して垂直な方向Lは、ウェハ基板10から圧電層20に指向する方向であり、
図9の(c)において、圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yの正の方向(+Y)よりウェハ基板10に対して垂直な方向Lに回転する回転角は、
∠B1であり、そのうち、
∠B1は、40°に等しく、且つウェハ基板10に対して垂直な方向Lは、圧電層20からウェハ基板10に指向する方向であり、
図9の(d)において、圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yの正の方向(+Y)よりウェハ基板10に対して垂直な方向Lに回転する回転角は、
∠B1であり、そのうち、
∠B1は、-20°に等しく、且つウェハ基板10に対して垂直な方向Lは、圧電層20からウェハ基板10に指向する方向であり、これにより、
図9から分かるように、本実施において、圧電層20の圧電単結晶材料は、様々な異なる方式によりウェハ基板10の表面にボンディングされて形成されてもよく、
図10は、本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスの複数の膜層の間の結合の構造模式図であり、
図10の(a)において、圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yよりウェハ基板10に対して垂直な方向に回転する回転角は、
∠B1であり、そのうち、
∠B1は、-20°に等しく、且つデバイス方向N3より圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xに回転する回転角は、
∠B2であり、そのうち、
∠B2は、-20°に等しい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
好ましくは、第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10から圧電層20に指向し、且つデバイス方向N3より第2の結晶軸Yに回転する回転角は、∠A1である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
該種類の方式は、上記状況(一)についての説明であり、圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10の平面外に指向し、且つデバイス方向N3より圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに回転する回転角は、-30°ないし10°のうちの任意の1つの角度である。例示的に、
図7におけるものを参照可能であり、圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10の平面外に指向し、右手の法則に応じて、圧電層20よりウェハ基板10に指向する方向に沿って見ると、デバイス方向N3は、反時計回り方向に沿って10°回転して圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに至り、そのうち、
∠A1は、10°に等しい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
好ましくは、第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10から圧電層20に指向し、且つデバイス方向N3より第2の結晶軸Yに回転する回転角は、∠A2である。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
好ましくは、第1の結晶軸Xは、圧電層20からウェハ基板10に指向し、且つデバイス方向N3より第2の結晶軸Yに回転する回転角は、∠A1である。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
該種類の方式は、上記状況(一)についての説明であり、圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10の平面内に指向し、且つデバイス方向N3より圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに回転する回転角は、-30°ないし10°のうちの任意の1つの角度である。例示的に、
図5におけるものを参照可能であり、圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10の平面内に指向し、右手の法則に応じて、ウェハ基板10より圧電層20に指向する方向に沿って見ると、デバイス方向N3は、時計回り方向に沿って30°回転して圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに至り、そのうち、回転
∠A1は、-30°に等しい。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
好ましくは、第1の結晶軸Xは、圧電層20からウェハ基板10に指向し、且つデバイス方向N3より第2の結晶軸Yに回転する回転角は、∠A2である。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
該種類の方式は、上記状況(二)についての説明であり、圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10の平面内に指向し、且つデバイス方向N3より圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに回転する回転角は、170°ないし210°又は-210°ないし-170°のうちの任意の1つの角度である。例示的に、
図8におけるものを参照可能であり、圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xは、ウェハ基板10の平面内に指向し、右手の法則に応じて、ウェハ基板10より圧電層20に指向する方向に沿って見ると、デバイス方向N3は、時計回り方向に沿って170°回転して圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yに至り、そのうち、回転
∠A2は、-170°に等しい。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
好ましくは、∠B1が0°に等しい場合、第2の結晶軸Yは、ウェハ基板10から圧電層20に指向するか又は圧電層20からウェハ基板10に指向し、且つデバイス方向N3より第1の結晶軸Xに回転する回転角は、∠B2である。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
該種類の方式は、上記状況(三)についての説明であり、
∠B1が0°に等しい場合、圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yは、ウェハ基板10の平面内又は平面外に指向し(即ち第2の結晶軸Yが圧電層20からウェハ基板10に指向するか又はウェハ基板10から圧電層20に指向する)、且つデバイス方向N3より圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xに回転する回転角は、-20°ないし20°のうちの任意の1つの角度である。例示的に、
図10におけるものを参照可能であり、
図10の(b)において、
∠B1が0°に等しい場合、圧電単結晶材料の第2の結晶軸Yは、ウェハ基板10の平面外に指向し、右手の法則に応じて、圧電層20よりウェハ基板10に指向する方向に沿って見ると、デバイス方向N3は、時計回り方向に沿って20°回転して圧電単結晶材料の第1の結晶軸Xに至り、そのうち、回転
∠B2は、-20°である。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
本実施例において、インターディジタル電極層30のデバイス方向N3は圧電層20の圧電単結晶材料に対して特定の設置方式を有するだけでなく、インターディジタル電極層30のデバイス方向N3はウェハ基板10に対して特定の設置方式を有してもよい。
図11は、本願の実施例に係る1つの共振デバイスのインターディジタル電極層とウェハ基板との間の結合の構造模式図であり、
図12は、本願の実施例に係る他の1つの共振デバイスのインターディジタル電極層とウェハ基板との間の結合の構造模式図である。ウェハ基板10の主位置決め辺11は、第1の方向N1に位置し、インターディジタル電極層30で圧電層20内に生じさせる電界により圧電層20において励起される音波の伝播方向より、第1の方向N1に回転する回転角は、
∠C1であり、-30°≦
∠C1≦30°である。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
図13及び
図14に関連して、好ましくは、第1のインターディジタル電極310と第2のインターディジタル電極320とが第2の方向N2に沿って重畳する長さを
Laに設定し、そのうち、15μm<La<200μm
であり、第2のインターディジタル電極320とインターディジタル電極層30の第1の側のバスバー311との間の距離
をLg(即ち第1のインターディジタル電極310とインターディジタル電極層30の第2の側のバスバー321との間の距離)
に設定し、そのうち、250nm<Lg<5μm
であり、これにより、共振デバイス100の電気機械結合係数を調節して、共振デバイス100の性能を増強して共振デバイス100の動作周波数を向上させる。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
図13及び
図14に関連して、好ましくは、インターディジタル電極層30における隣り合う第1のインターディジタル電極310と第2のインターディジタル電極320との間の間隔を
Wpiに設定し、500nm<Wpi<2μm
であり、隣り合う第1のインターディジタル電極310と第2のインターディジタル電極320との間の間隔は、第1のインターディジタル電極310の第3の方向(つまりデバイス方向N3)に沿った中心と隣り合う第2のインターディジタル電極320の第3の方向(つまりデバイス方向N3)に沿った中心との間の距離であってもよい。f=v/(2*Wpi)であり、そのうち、fが共振デバイス100の動作周波数であり、vが共振デバイス100における弾性表面波が伝播する波速度であるため、波速度が変わらない場合、第1のインターディジタル電極310と第2のインターディジタル電極320との間の間隔Wpiが小さいほど、共振デバイス100の動作周波数が高くなり、本実施例は、第1のインターディジタル電極310と第2のインターディジタル電極320との間の間隔を設定することにより、共振デバイス100の動作周波数を向上させる。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
パッシベーション層50の材質は、二酸化ケイ素(Silicon dioxide、SiO2)又は窒化ケイ素(Silicon Nitride、SiNx)であってもよい。本実施例は、インターディジタル電極層30を覆うようにパッシベーション層50を設けることにより、環境における湿度及び酸化を遮断し、インターディジタル電極層30に対する保護を実現する。インターディジタル電極層30のウェハ基板10から離れた側にパッシベーション層50を形成するときに、パッシベーション層50のウェハ基板10から離れた側の上表面を平面に形成させてもよく、又はパッシベーション層50の上表面の起伏をインターディジタル電極層30の上表面の形態と一致させてもよい。
【国際調査報告】