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特表2024-511933吸収性インサート用再利用可能な外側シェル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】吸収性インサート用再利用可能な外側シェル
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/74 20060101AFI20240311BHJP
   A61F 13/56 20060101ALI20240311BHJP
   A61F 13/68 20060101ALI20240311BHJP
   A61F 13/62 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
A61F13/74
A61F13/56 200
A61F13/68 100
A61F13/62 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552089
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 EP2021054847
(87)【国際公開番号】W WO2022179697
(87)【国際公開日】2022-09-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506215320
【氏名又は名称】エシティ・ハイジーン・アンド・ヘルス・アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヘレーナ・コーネリウスソン
(72)【発明者】
【氏名】セシリア・テリーン
(72)【発明者】
【氏名】マティアス・ヨハンソン
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200CB01
3B200CB12
3B200CB15
(57)【要約】
使い捨て吸収性インサート(2)用の再利用可能な外側シェル(1)であって、
外側シェル(1)は、前記吸収性インサート(2)に対向するように意図された内表面(3)と、前記内表面(3)の対向する外表面(4)と、を備え、縦方向(L)及び横方向(T)に延在し、前方領域(5)と、股領域(6)と、後方領域(7)と、を備え、前記外側シェル(1)は、前記前方領域(5)に配置される前方ポケット(8)と、前記後方領域(7)に配置される後方ポケット(9)と、を備え、前記前方ポケット(8)は、前記吸収性インサート(2)の前方部(2a)を受け取るように適合され、前記後方ポケット(9)は、前記吸収性インサート(2)の後方部(2b)を受け取るように適合され、前記前方ポケット(8)は、前記吸収性インサート(2)の前方部(2a)上に延びるように適合された前方ポケット横方向遠位端(8a)を有し、前記後方ポケット(9)は、前記吸収性インサート(2)の後方部(2b)上に延びるように適合された後方ポケット横方向遠位端(9a)を有し、前記前方ポケット(8)は、前方ポケット横方向近位端(8b)から前記前方ポケット横方向遠位端(8a)までの前記外側シェル(1)の縦方向中心線(Lc)に沿って測定される前方ポケット長さ(lfp)を有し、前記後方ポケット(9)は、後方ポケット横方向近位端(9b)から前記内側後方横方向端(9a)までの前記外側シェル(1)の前記縦方向中心線(Lc)に沿って測定される後方ポケット長さ(lrp)を有し、前記後方ポケット長さ(lrp)は、前記前方ポケット長さ(lfp)よりも長い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨て吸収性インサート(2)用の再利用可能な外側シェル(1)であって、
前記外側シェル(1)は、前記吸収性インサート(2)に対向するように意図された内表面(3)と、前記内表面(3)に対向する外表面(4)と、を備え、
前記外側シェル(1)は、縦方向(L)及び横方向(T)に延在し、
前記外側シェル(1)は、前方領域(5)と、股領域(6)と、後方領域(7)と、を備え、
前記外側シェル(1)は、
前記前方領域(5)に配置される前方ポケット(8)と、
前記後方領域(7)に配置される後方ポケット(9)と、
を備え、
前記前方ポケット(8)は、前記吸収性インサート(2)の前方部(2a)を受け取るように適合され、
前記後方ポケット(9)は、前記吸収性インサート(2)の後方部(2b)を受け取るように適合され、
前記前方ポケット(8)は、前記吸収性インサート(2)の前方部(2a)上に延びるように適合された前方ポケット横方向遠位端(8a)を有し、
前記後方ポケット(9)は、前記吸収性インサート(2)の後方部(2b)上に延びるように適合された後方ポケット横方向遠位端(9a)を有し、
前記前方ポケットは、前方ポケット横方向近位端(8b)から前記前方ポケット横方向遠位端(8a)までの前記外側シェル(1)の縦方向中心線(Lc)に沿って測定される前方ポケット長さ(lfp)を有し、
前記後方ポケットは、後方ポケット横方向近位端(9b)から前記後方ポケット横方向遠位端(9a)までの前記外側シェル(1)の前記縦方向中心線(Lc)に沿って測定される後方ポケット長さ(lrp)を有し、
前記後方ポケット長さ(lrp)は、前記前方ポケット長さ(lfp)よりも長い、
ことを特徴とする再利用可能な外側シェル(1)。
【請求項2】
前記後方ポケット長さ(lrp)は、前記前方ポケット長さ(lfp)よりも少なくとも15%、任意に少なくとも25%又は少なくとも40%長い、
請求項1に記載の再利用可能な外側シェル(1)。
【請求項3】
前記後方ポケット(9)は、前記後方ポケット横方向遠位端(9a)に沿って延びる後方ポケット横方向遠位端領域(15)を有し、
前記後方ポケット横方向遠位端領域(15)には、弾性部材(21)が配置され、
前記弾性部材(21)は、前記横方向(T)に延びている、
請求項1又は2に記載の再利用可能な外側シェル(1)。
【請求項4】
前記前方ポケット(8)は、前記前方ポケット横方向遠位端(8a)に沿って延びる前方ポケット横方向遠位端領域(12)を有し、
前記前方ポケット横方向遠位端領域(12)には、弾性部材(13)が配置され、
前記弾性部材(13)は、前記横方向(T)に延びている、
請求項1から3の何れか一項に記載の再利用可能な外側シェル(1)。
【請求項5】
前記再利用可能な外側シェル(1)は、
前記前方ポケット(8)の内側で、前記外側シェル(1)の前記内表面(3)上に配置される前方フック部材(10)と、
前記後方ポケット(9)の内側で、前記外側シェル(1)の前記内表面(3)上に配置される後方フック部材(11)と、
を備え、
前記前方フック部材(10)は、前記縦方向(L)に延びる長さ(lf)と、前記横方向(T)に延びる幅(wf)とを有し、
前記後方フック部材(11)は、前記縦方向(L)に延びる長さ(lr)と、前記横方向(T)に延びる幅(wr)とを有する、
請求項1から4の何れか一項に記載の再利用可能な外側シェル(1)。
【請求項6】
前記後方フック部材(11)の長さ(lr)は、前記前方フック部材(10)の長さ(lf)よりも長い、
請求項5に記載の再利用可能な外側シェル(1)。
【請求項7】
前記後方フック部材(11)の長さ(lr)は、前記前方フック部材(10)の長さ(lf)よりも少なくとも15%、任意に25%又は40%長い、
請求項5又は請求項6に記載の再利用可能な外側シェル(1)。
【請求項8】
前記後方フック部材(11)の幅(wr)は、50mmから200mmの範囲内、任意に75mmから150mmの範囲内である、
請求項5から7の何れか一項に記載の再利用可能な外側シェル(1)。
【請求項9】
前記前方フック部材(10)の幅(wf)は、50mmから200mmの範囲内、任意に75mmから150mmの範囲内である、
請求項5から8の何れか一項に記載の再利用可能な外側シェル(1)。
【請求項10】
前記後方フック部材(11)は、第1後方フック部材部(11a)及び第2後方フック部材部(11b)を備え、
前記第1後方フック部材部(11a)及び前記第2後方フック部材部(11b)は、距離(dr)をあけて互いに離間され、且つ、前記外側シェル(1)の前記縦方向中心線(Lc)の両側にそれぞれ配置され、
前記後方フック部材(11)の幅(wr)は、前記第1後方フック部材部(11a)及び前記第2後方フック部材部(11b)のそれぞれの横方向最外端部(11a’,11b’)の間の最大の幅で測定され、
前記後方フック部材(11)の長さ(lr)は、前記第1後方フック部材部(11a)又は前記第2後方フック部材部(11b)のそれぞれの最前端部(11a’’,11b’’)から前記第1後方フック部材部(11a)又は前記第2後方フック部材部(11b)の最後端部(11a’’’,11b’’’)までの最大の長さで測定され、
任意に、前記第1後方フック部材部(11a)は、前記第2後方フック部材部(11b)と同一の幅及び/又は同一の長さを有している、
請求項5から9の何れか一項に記載の再利用可能な外側シェル(1)。
【請求項11】
前記第1後方フック部材部(11a)及び前記第2後方フック部材部(11b)は、前記後方フック部材(11)の長さ(lr)と前記後方フック部材(11)の幅(wr)とを掛けることにより測定される前記後方フック部材(11)の面積の25%から100%を占める,
請求項10に記載の再利用可能な外側シェル(1)。
【請求項12】
前記第1後方フック部材部(11a)と前記第2後方フック部材部(11b)との間の距離(dr)は、前記後方フック部材(11)の幅(wr)の15%から75%に相当する、
請求項10又は請求項11に記載の再利用可能な外側シェル(1)。
【請求項13】
前記前方フック部材(10)は、第1前方フック部材部(10a)及び第2前方フック部材部(10b)を備え、
前記第1前方フック部材部(10a)及び前記第2前方フック部材部(10b)は、距離(df)をあけて互いに離間され、且つ、前記外側シェル(1)の前記縦方向中心線(Lc)の両側にそれぞれ配置され、
前記前方フック部材(10)の幅(wf)は、前記第1前方フック部材部(10a)及び前記第2前方フック部材部(10b)のそれぞれの横方向最外端部(10a’,10b’)の間の最大の幅で測定され、
前記前方フック部材(10)の長さ(lf)は、前記第1前方フック部材部(10a)又は前記第2前方フック部材部(10b)の最前端部(10a’’,10b’’)と、前記第1前方フック部材部(10a)及び前記第2前方フック部材部(10b)の最後端部(10a’’’,10b’’’)との間の最大の長さで測定され、
任意に、前記第1前方フック部材部(10a)は、前記第2前方フック部材部(10b)と同一の幅及び/又は同一の長さを有している、
請求項5から12の何れか一項に記載の再利用可能な外側シェル(1)。
【請求項14】
前記第1前方フック部材部(10a)と前記第2前方フック部材部(10b)との間の距離(df)は、前記前方フック部材(10)の幅(wf)の15%から75%に相当する、
請求項13に記載の再利用可能な外側シェル(1)。
【請求項15】
前記第1前方フック部材部(10a)及び前記第2前方フック部材部(10b)は、前記前方フック部材(10)の長さ(lf)と前記前方フック部材(10)の幅(wf)とを掛けることにより測定される面積の25%から100%を占める、
請求項13又は請求項14に記載の再利用可能な外側シェル(1)。
【請求項16】
前記後方フック部材(11)は、幅と長さの比(wr/lr)が0.7:1から20:1までの範囲内である、
請求項5から15の何れか一項に記載の再利用可能な外側シェル(1)。
【請求項17】
前記前方フック部材(10)は、幅と長さの比(wf/lf)が1:1から40:1である、
請求項5から15の何れか一項に記載の再利用可能な外側シェル(1)。
【請求項18】
前記後方領域(7)における前記外側シェル(1)は、
前記外側シェル(1)の前記内表面(3)上で、第1後方横コーナー領域(17)に設けられる第1フック部材(16)と、
前記外側シェル(1)の前記内表面(3)上で、第2後方横コーナー領域(19)に設けられた第2フック部材(18)と、を備え、
前記外側シェル(1)は、前記外側シェル(1)の前記前方領域(5)で、前記外表面(4)上に設けられたフック取付ゾーン(20)を備え、
前記第1及び第2フック部材(16,18)は、ウエスト開口部を形成するために前記フック取付ゾーン(20)に取り付けられるように適合されている、
請求項1から17の何れか一項に記載の再利用可能な外側シェル(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吸収性インサート用再利用可能な外側シェルに関する。特に、本開示は、吸収性インサートを受け取るための前方ポケット及び後方ポケットを備える再利用可能な外側シェルに関する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、一般に再利用可能及び洗浄可能なおむつに関連し、特に、再利用可能な吸収性インサート及び使い捨て吸収性インサートのいずれかである吸収性インサートを受け取るように適合された再利用可能な外側シェルに関連する。
【0003】
環境的及び経済的な理由により、吸収性物品の一部または吸収性物品の全部は、洗浄可能であり、再利用可能であってもよい。吸収性物品は、例えば、外側シェルに着脱可能に取り付けられ得る吸収性インサートを受け取ることが意図された洗浄可能な外側シェルを含む。洗浄可能な外側シェルは、汚れて、吸収性インサートを取り外した後、新しい吸収性インサートを外側シェルに取り付けることで再利用され得る。外側シェルに新しい吸収性インサートを取り付けることは、煩雑であり得、吸収性インサートを正しい位置に配置し、正しく取り付けることは、快適性及び吸収性物品の漏れの安全性に対して、どちらも重要である。
【0004】
オープンタイプ及びパンツタイプおむつのような使い捨てのおむつは、一般に、漏れを防ぐために、脚の開口部と腰のゴム部に沿って伸縮性のある立体プリーツ素材が提供されている。再利用可能な外側シェル及び吸収性インサートを備える吸収性物品は、吸収性インサートに直接つながるゴムを提供することがより困難であり得る。一般に、外側シェルにゴム要素を持たせることが好ましく、これは、より単純な構造を有する吸収性インサートを使うことができ、結果として使い捨て部品の材料消費を減らすことができるからであり得る。
【0005】
さらに、吸収性インサートの着脱可能に固定するためのフック材料を備える洗浄可能及び再利用可能な外側シェルの洗浄は、フック材料の機能損失や、洗浄中の外側シェルの他の部分や他のものとフック素材との望ましくない付着を起こす可能性がある。外側シェルの他の部分と、フック素材との望ましくない付着は、外側シェルの洗浄に悪影響をおよぼし、外側シェルとともに洗う他のものへの望ましくない付着は、壊れやすい繊維素材を損傷させる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、依然として、漏れの安全性や快適性を向上させること、さらに、使用期間を長くすることが必要である。また、洗浄が容易且つ便利であり、洗浄結果が改善された再利用可能な外側シェルが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の一又は複数の目的は、請求項1に記載の洗浄可能な外側シェルにより達成される。さらなる実施形態は、従属請求項及び以下の説明に記載されている。
【0008】
本開示における、吸収性インサート用の再利用可能な外側シェルは、
吸収性インサートに対向するように意図された内表面と、内表面の反対側に位置する外表面と、を備える。外側シェルは、縦方向及び横方向に延在している。外側シェルは、前方領域と、股領域と、後方領域と、を備え、外側シェルは、前方領域に配置される前方ポケットと、後方領域に配置される後方ポケットと、を備える。前方ポケットは、吸収性インサートの前方部を受け取るように適合され、後方ポケットは、吸収性インサートの後方部を受け取るように適合され、前方ポケットは、吸収性インサートの前方部上に延びるように適合された前方ポケット横方向遠位端を有し、後方ポケットは、吸収性インサートの後方部上に延びるように適合された後方ポケット横方向遠位端を有する。前方ポケットは、前方ポケット横方向近位端から前方ポケット横方向遠位端までの外側シェルの縦方向中心線に沿って測定される前方ポケット長さを有し、後方ポケットは、後方ポケット横方向近位端から後方ポケット横方向遠位端までの外側シェルの縦方向中心線に沿って測定される後方ポケット長さを有し、後方ポケット長さは、前方ポケット長さよりも長い。
【0009】
再利用可能な外側シェルは、使用後汚れた吸収性インサートを取り除き、再利用可能な外側シェルに新しい吸収性インサートを取り付けることで、再利用するように意図されている。
【0010】
外側シェルに新しい吸収性インサートを挿入することは、煩雑であり、正しい位置に正しく取り付けることが、吸収性物品の快適性及び漏れの安全性の両方のために重要である。前方領域に配置される前方ポケット及び後方領域に配置される後方ポケットを外側シェルに設けることで、吸収性インサートが、横漏れが生じる危険性のある外側シェル内での吸収性インサートの斜めでの配置というリスクが低減された状態で、外側シェルに挿入され、且つ、前方領域および後方領域の両方で適所に保持されることができ、ことが本発明者らによって発見された。
【0011】
さらに、吸収性インサートは、前方領域と後方領域とで異なる応力が加えられること、及び前方ポケットよりも長い後方ポケットを備えることが、吸収性インサートの後方領域に吸収性インサートを使用時間の経過とともに正しい位置に保持するために必要な安定性をもたらし得ることが、本発明者らによって発見された。
【0012】
オープンタイプやパンツタイプおむつのような使い捨てのおむつは、一般に、漏れを防ぐために、脚の開口部に沿って伸縮性のある立体プリーツ素材が設けられ、前方領域及び後方領域には、ウエストゴムが設けられている。以下に開示されるような2つの別の部分を備える吸収性物品は、吸収性インサートに直接接続されたゴムを提供することが困難なことがあり得る。本開示のように外側シェルに前方及び後方ポケットを設けることは、ポケットが前及び後ろの漏れ壁を形成するため、前方領域及び後方領域での漏れからの保護を提供することが分かった。
【0013】
再利用可能な外側シェルは、吸収性インサートを取り外し、新しい吸収性インサートに取り換えることで、複数回使用することができる外側シェルである。再利用可能な外側シェルは、例えば、5回から最大40回の洗浄後に本質的な収縮やその他のダメージがなく洗浄できるであってもよい。外側シェルは、洗浄可能な生地のような洗浄可能な素材でできていてもよい。外側シェルは、ポリエステル、ビスコース、ポリアミド及び/又はコットンのうち、1つまたは2つ以上の素材からできていてもよい。外側シェルは、例えば、伸縮性素材でできている伸縮性可能外側シェルであってもよい。外側シェルは、外側シェルの縦方向及び/又は横方向に弾性を示す弾性シェルであってもよい。
【0014】
後方ポケット長さは、前方ポケット長さよりも少なくとも15%、任意に少なくとも25%又は少なくとも40%長くてもよい。この構成は、吸収性インサートの後方部に必要な安定性を向上させ、これによって、吸収性インサートの後方部の安定で、かつ信頼のあるハウジングを提供することがわかった。
【0015】
後方ポケット長さは、35mmもしくは35mmより大きくてもよい。後方ポケット長さは、任意に35mmから100mmまでであってもよい。この構成は、安定で、かつ信頼性のある吸収性インサート後方領域のハウジングを提供し、吸収性インサートの入口特性を損なうことなく、外側シェルの後方領域の漏れ防止を提供することが分かった。
【0016】
前方ポケット長さは、25mmもしくは25mmより大きくてもよい。前方ポケット長さは、任意に25mmから80mmまでであってもよい。これにより、吸収性インサートの入口特性を損なうことなく、安定で、かつ信頼性のある吸収性インサート前方領域のハウジングを提供することが分かった。
【0017】
後方ポケットは、後方ポケット横方向遠位端に沿って延びる後方ポケット横方向遠位端領域を有し、後方ポケット横方向遠位端領域には、弾性部材が配置され、弾性部材は、横方向に延びていてもよい。これにより、特に時間の経過とともに吸収性インサートの後方領域での正しい配置を容易し得る。後方ポケット横方向遠位端が、後方ポケット横方向遠位端に沿って配置される弾性部材とともに立ち上がり得ることで、後方ポケットのバリア機能を高めるという更なる利点がある。
【0018】
前方ポケットは、前方ポケット横方向遠位端に沿って延びる前方ポケット横方向遠位端領域を有し、前方ポケット横方向遠位端領域には、弾性部材が配置され、弾性部材は、横方向に延びていてもよい。これにより、特に時間の経過とともに吸収性インサートの前方領域での正しい配置を容易にし得る。前方ポケット横方向遠位端が、前方ポケット横方向遠位端に沿って配置される弾性部材とともに立ち上がり得ることで、前方ポケットのバリア機能を高めるという更なる利点がある。
【0019】
再利用可能な外側シェルは、前方ポケットの内側で、外側シェルの内表面上に配置される前方フック部材を備え、前方フック部材は、縦方向に延びる長さと、横方向に延びる幅とを有していてもよい。前方ポケットの内側に配置される前方フック部材を再利用可能な外側シェルに設けることが、吸収性インサートの時間経過とともに、外側シェル内の保持及び正しい配置を強化することが分かった。
【0020】
再利用可能な外側シェルは、後方ポケットの内側で、外側シェルの内表面上に配置される後方フック部材を備え、後方フック部材は、縦方向に延びる長さと、横方向に延びる幅とを有していてもよい。後方ポケットの内側に配置された後方フック部材を再利用可能な外側シェルに設けることが、吸収性インサートの時間経過とともに、外側シェル内の保持及び正しい配置を強化することが分かった。
【0021】
後方フック部材の長さは、前方フック部材の長さよりも長くてもよい。発明者らは、使用中だけでなく特に吸収性インサートを取り付ける際に、吸収性インサートの後方部には、前方フック部材よりも高いせん断力及び引張力が働いていることを発見した。吸収性インサートの後方部には、例えば昼も夜も、使用者の歩行や着席、位置の変更や睡眠中の動きによりせん断力が働く。そのため、使用中、特に長時間の使用中、吸収性インサートを保持するために、前方フック部材と比べて、より長い後方フック部材を有することが望ましいことがわかった。
【0022】
後方フック部材の長さは、前方フック部材の長さよりも少なくとも15%、任意に25%又は40%長くてもよい。
【0023】
後方フック部材は、10mmまたは10mmより大きく、任意に10mmから70mmの範囲内であってもよい。これにより、吸収性インサート後方部の満足のいく取り付けが提供され、使用中の外側シェル内の吸収性インサートの正しい配置が維持されることが分かった。
【0024】
前方フック部材は、5mmまたは5mmより大きく、任意に5mmから50mmの範囲内であってもよい。これにより、吸収性インサート前方部の満足のいく取り付けが提供されることが分かった。
【0025】
後方フック部材の幅は、50mmから200mmの範囲内であってもよい。後方フック部材の幅は、任意に75mmから150mmの範囲内であってもよい。
【0026】
前方フック部材の幅は、50mmから200mmの範囲内であってもよい。前方フック部材の幅は、任意に75mmから150mmの範囲内であってもよい。
【0027】
再利用可能な外側シェルは、使用後、例えば、機械による洗浄等で洗浄されてもよい。しかしながら、外側シェルの洗浄は、前方及び後方フック部材の機能性を損なわせる可能性がある。洗浄可能な外側シェルの洗浄中、糸や他のもののごみが、フック部材の中に入り込むことにより、吸収性インサートの裏側に付着するための前方フック部材の能力を低下させる可能性がある。フック部材が設けられる外側シェルのさらなる問題は、洗浄中において、フック素材の外側シェルの他の部分や他のものとの望まない付着が、外側シェルの洗浄に悪影響を与え、外側シェルとともに洗浄される壊れやすい繊維素材を損傷させる可能性がある。しかしながら、前方フック部材と後方フック部材とは、それぞれ前方ポケットと後方ポケットとに設けられているため、本開示における外側シェルは、そのようなフック部材自体を保護し、洗浄中のフック部材の望まない付着を防止する。
【0028】
後方フック部材は、第1後方フック部材部及び第2後方フック部材部を備え、第1後方フック部材部及び第2後方フック部材部は、距離をあけて互いに離間され、且つ外側シェルの縦方向中心線の両側にそれぞれ配置され、後方フック部材の幅は、第1後方フック部材部及び第2後方フック部材部のそれぞれの横方向最外端部の間の最大の幅で測定され、後方フック部材の長さは、第1後方フック部材部及び第2後方フック部材部のそれぞれの最前端部と第1後方フック部材部及び第2後方フック部材部の最後端部との間の最大の長さで測定されてもよい。このような構成により、より少ないフック部材の使用で、外側シェルの後方領域の剛性を高めつつ、それぞれの後方領域角部での吸収性インサートの取り付けが可能となり得る。第1後方フック部材部及び第2後方フック部材部が、縦方向中心線の両側にそれぞれ配置されているため、中心線に沿って外側シェルを折りたたむことが容易になる。
【0029】
第1後方フック部材部は、第2後方フック部材部と同一の幅を有していてもよい。第1後方フック部材部は、代替的に又は付加的に、第2後方フック部材部(11b)と同一の長さを有していてもよい。
【0030】
第1後方フック部材部及び第2後方フック部材部は、後方フック部材の長さと後方フック部材の幅とを掛けることにより測定される後方フック部材の面積の25%から100%を占めてもよい。
【0031】
第1後方フック部材部及び第2後方フック部材部は、後方フック部材の面積の35%から80%を占めてもよい。
【0032】
第1後方フック部材部と第2後方フック部材部との間の距離は、最大の距離で測定される後方フック部材の幅の15%から75%に相当していてもよい。
【0033】
前方フック部材は、第1前方フック部材部及び第2前方フック部材部を備え、第1前方フック部材部及び第2前方フック部材部は、距離をあけて互いに離間され、且つ外側シェルの縦方向中心線の両側にそれぞれ配置され、前方フック部材の幅は、第1前方フック部材部及び第2前方フック部材部のそれぞれの横方向最外端部の間の最大の幅で測定され、前方フック部材の長さは、第1前方フック部材部及び第2前方フック部材部材部の最前端部から、第1前方フック部材部及び第2前方フック部材部の最後端部との間最大の長さで測定され、任意に、第1前方フック部材部は、第2前方フック部材部と同一の幅及び/又は同一の長さを有してもよい。このような構成により、より少ないフック材の使用で、外側シェルの前方領域の剛性を低減しつつ、それぞれの前方領域角部での吸収性インサートの取り付けが可能となり得る。第1前方フック部材部及び第2前方フック部材部が、縦方向中心線の両側にそれぞれ配置されているため、中心線に沿って外側シェルを折りたたむことが容易になる。
【0034】
第1前方フック部材部と第2前方フック部材部との間の距離は、最大の距離で測定される前方フック部材の幅の15%から75%に相当していてもよい。
【0035】
第1前方フック部材部及び第2前方フック部材部は、前方フック部材の長さと前方フック部材の幅とを掛けることにより測定される面積の25%から100%を占めてもよい。
【0036】
第1前方フック部材部及び第2前方フック部材部は、前方フック部材の面積の35%から80%を占めてもよい。
【0037】
後方フック部材は、幅と長さとの比が0.7:1から20:1であってもよい。任意に、後方フック部材は、幅と長さとの比が1.1:1から15:1であってもよい。
【0038】
前方フック部材は、幅と長さとの比が1:1から40:1であってもよい。任意に、前方フック部材は、幅と長さとの比が1.5:1から40:1であってもよい。
【0039】
後方領域における外側シェルは、外側シェルの内表面上で、第1後方横コーナー領域に設けられる第1フック部材と、外側シェルの内表面上で、第2後方横コーナー領域に設けられた第2フック部材と、を備えてもよく、外側シェルは、外側シェルの前方領域で、外表面上に設けられたフック取付ゾーンを備え、第1及び第2フック部材は、ウエスト開口部を形成するためにフック取付ゾーンに取り付けられるように適合されていてもよい。
【0040】
外側シェルは、股領域で、それぞれ外側シェルの縦方向の側部に沿うように配置された脚ゴムと、外側シェルの後方領域で、後方領域横方向端部に沿うように配置されたウエストゴムと、を備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
以下、本発明を非限定的な実施例を用い、添付された図を参照して、詳細に説明する。
図1A図1Aは、本開示による再利用可能な外側シェルを内表面側からみた図である。
図1B図1Bは、図1Aの再利用可能な外側シェルを外表面側からみた図である。
図2図2は、本開示による再利用可能な外側シェルを内表面側からみた図である。
図3図3は、吸収性インサートを備える図2の再利用可能な外側シェルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明は、以下の実施形態を参照してより詳細に説明される。しかしながら、本発明は、様々な形態で実施され、図や本説明に記載された実施形態に限定して解釈されるべきではない。
【0043】
図1A及び図1Bは、本開示における洗浄可能な外側シェル1を示す。外側シェル1は、内表面3と、外表面4と、を備え、縦方向L及び横方向Tに延在している。図1Aは、内表面3側からみた洗浄可能なカバー1を示す図であり、図1Bは、外表面4側からみた外側シェル1を示している。図1A及び図1Bに示される外側シェル1は、吸収性インサート2(図3参照)を受け取るように適合されている。
【0044】
再利用可能な外側シェル1は、複数回使用可能な外側シェルである。再利用可能な外側シェル1は、本質的な収縮やその他のダメージなしで洗浄できる洗浄可能な外側シェルであってもよい。外側シェル1は、洗浄可能な生地のような洗浄可能な素材でできていてもよい。外側シェル1は、ポリエステル、ビスコース、ポリアミド及び/又はコットンのうち、1つまたは2つ以上の素材からできていてもよい。外側シェル1は、例えば、伸縮性素材でできている伸縮性可能外側シェルであってもよく、外側シェル1の縦方向L及び/又は横方向Tに弾性を示す弾性シェルであってもよい。
【0045】
外側シェル1は、前方領域5と、股領域6と、後方領域7と、を備える。外側シェル1は、前方領域5内の前方ポケット8と、後方領域7内の後方ポケット9と、を備える。前方ポケット8は、前方ポケット横方向近位端8bから前方ポケット横方向遠位端8aまでの縦方向中心線Lcに沿った前方ポケット長さlfpを有し、後方ポケット9は、後方ポケット横方向近位端9bから内側後方横方向端9aまでの縦方向中心線Lcに沿った後方ポケット長さlrpを有している。後方ポケット長さlrpは、前方ポケット長さlfpよりも長い。後方ポケット長さlrpは、前方ポケット長さlfpよりも少なくとも15%長い。後方ポケット長さlrpは、35mmまたはそれ以上であってもよい。前方ポケット長さlfpは、25mmまたはそれ以上であってもよい。
【0046】
前方ポケット8及び後方ポケット9は、外側シェル1と同一または異なる素材で構成されていてもよい。ポケットの素材は、外側シェル素材と同様に、本質的な収縮やその他のダメージなしで複数回の洗浄が可能な素材であってもよい。ポケットは、洗浄可能な生地のような洗浄可能な素材でできていてもよい。ポケットの素材は、ポリエステル、ポリアミド、コットン又はビスコースであってもよい。ポケットの素材は、伸縮性素材であってもよく、縦方向L及び/又は横方向Tに弾性を示す弾性素材であってもよい。
【0047】
前方フック部材10は、前方ポケット8の内側で、外側シェル1の内表面3に配置され、後方フック部材11は、後方ポケット9の内側で、外側シェル1の内表面3に配置されている。後方フック部材11は、第1後方フック部材部11aと、第2後方フック部材部11bと、を備える。前方フック部材10は、第1前方フック部材部10aと、第2前方フック部材部10bと、を備える。第1前方フック部材部10a及び第2前方フック部材部10bは、互いに離間され、且つ外側シェル1の縦方向中心線Lcを挟んで両側にそれぞれ配置されている。第1後方フック部材部11a及び第2後方フック部材部11bは、互いに離間され、外側シェル1の縦方向中心線Lcを挟んで両側にそれぞれ配置されている。前方フック部材10は、長さlfを有し、後方フック部材11は、長さlrを有し、それぞれの長さは縦方向Lに延びている。後方フック部材11の長さlrは、前方フック部材10の長さlfよりも長い。
【0048】
前方及び後方フック部材10,11は、フック表面構造を有する任意のフックタイプの素材を備えていてもよく、フック部材という用語は、例えば、VELCRO(登録商標)システムとして知られる面ファスナシステムのフック部分を包含するものとして解釈される。「フック」は、面ファスナシステムのループ部分と係合するように適合された様々な形状を有していてもよい。フックは、あくまでもの一例として、J字状、きのこ形状、ヤシの木形状等であってもよい。
【0049】
外側シェル1は、後方ポケット9上の後方領域7の第1後方横コーナー領域17内の第1フック部材16と、後ろポケット上の第2後方横コーナー領域19内の第2フック部材18と、を備え、ポケット9の横方向の広がりによって、第1及び第2フック部材16,18は、後方ポケット9上又は外側シェル1の内表面3上に設けられていてもよい。
【0050】
図1Bに示すように、外側シェル1は、外側シェル1の前方領域5の外表面4上にフック取付ゾーン20を備える。第1及び第2フック部材16,18は、ウエスト開口部を形成するためにフック取付ゾーン20に取り付けられるように適合されている。
【0051】
第1及び第2フック部材16,18は、フック表面構造を有する任意のフックタイプの素材を備えていてもよく、フック取付ゾーン20は、任意のループ表面構造を有してもよく、また、フック部材という用語には、例えば、VELCRO(登録商標)システムとして知られる面ファスナシステムのフック部分を包含するものとして解釈される。「フック」は、面ファスナシステムのループ部分と係合するように適合された様々な形状を有していてもよい。フックは、あくまでも一例としてJ字状、きのこ形状、ヤシの木形状等であってもよい。フック取付ゾーン20は、任意のタイプのループ表面構造を備えていてもよく、ここでは、面ファスナシステムのフック材が取付可能な表面構造を包含するものと理解されたい。したがって、ループ表面構造は、表面から延びて、表面に戻る真のループを画定する繊維や糸を含み、同様に、フック表面構造は、表面から延び、緩い端を有する繊維や糸を含み、繊維や糸は、互いに絡み合うものでもよい。各フック部材16,18の取り付けにあたり、フック表面構造はループ表面構造と係合し、各要素間の着脱可能な取り付けをもたらす。
【0052】
外側シェル1は、股領域6に、外側シェル1の縦方向のそれぞれの側部に沿うように配置された脚ゴム22,23と、外側シェル1の後方領域7に、後方領域横方向端部に沿うように配置されたウエストゴム24を備える。
【0053】
図2は、本開示における洗浄可能な外側シェル1を示す。外側シェル1は、内表面3側から示され、縦方向L及び横方向Tに延在している。外側シェル1は、前方領域5と、股領域6と、後方領域7と、を備える。外側シェル1は、前方領域5内の前方ポケット8と、後方領域7内の後方ポケット9と、を備える。前方ポケット8は、前方ポケット横方向近位端8bから前方ポケット横方向遠位端8aまでの外側シェル1の縦方向中心線Lcに沿って測定される前方ポケット長さlfpを有しており、後方ポケットは、後方ポケット横方向近位端9bから内側後方横方向端9aまでの外側シェル1の縦方向中心線Lcに沿って測定される後方ポケット長さlrpを有している。後方ポケット長さlrpは、前方ポケット長さlfpよりも長い。後方ポケット長さlrpは、前方ポケット長さlfpよりも少なくとも15%長い。後方ポケット長さlrpは、35mmまたは35mmより大きくてもよく、前方ポケット長さlfpは、25mmまたは25mmより大きくてもよい。
【0054】
前方フック部材10は、前方ポケット8の内側で、外側シェル1の内表面3上に配置され、後方フック部材11は、後方ポケット9の内側で、外側シェル1の内表面3上に配置されている。後方フック部材11は、第1後方フック部材部11aと、第2後方フック部材部11bと、を備える。前方フック部材10は、第1前方フック部材部10aと、第2前方フック部材部10bと、を備える。第1前方フック部材部10a及び第2前方フック部材部10bは、距離dfをあけて互いに離間され、且つ外側シェル1の縦方向中心線Lcを挟んで両側にそれぞれ配置されている。第1後方フック部材部11a及び第2後方フック部材部11bは、外側シェル1の縦方向中心線Lcを挟んで両側にそれぞれ配置されている。
【0055】
前方フック部材10は、縦方向Lに延びる長さlfを有し、横方向Tに広がる幅wfを有する。長さlfは、第1前方フック部材部10a及び第2前方フック部材部10bの最前端部10a’’,10b’’と、第1前方フック部材部10a及び第2前方フック部材部10bの最後端部10a’’’,10b’’’との間の縦方向Lの最大の長さで測定される。
【0056】
後方フック部材11は、縦方向Lに延びる長さlrを有し、横方向Tに広がる幅wrを有する。長さlrは、第1後方フック部材部11a及び第2後方フック部材部11bの最前端部11a’’,11b’’と、第1後方フック部材部11a及び第2後方フック部材部11bの最後端部11a’’’,11b’’’との間の縦方向Lの最大の長さで測定される。
【0057】
後方フック部材11の長さlrは、前方フック部材10の長さlfよりも長い。
【0058】
前方フック部材10の長さは、横方向Tからみて前方フック部材10の少なくとも50%にわたって同じであってもよく、後方フック部材11の長さは、横方向Tからみて後方フック部材11の少なくとも50%にわたって同じであってもよい。
【0059】
フック部材の長さの計測に関して、後方フック部材11の幅wrは、横方向Tにおける第1後方フック部材部11a及び第2後方フック部材部11bの各横方向最外端部11a’,11b’の間の最大の長さで計測される。代替可能なフック形状が、図2の外側シェル1の下方に示されており、第1及び第2後方フック部材部11a,11bは、それぞれひし形状である。したがって、後方フック部材11の幅wrは、縦方向Lからみて一定ではない。後方フック部材11の幅wrは、各横方向最外端部11a’,11b’の最外側部において、縦方向Lに延長線を引き、それらの間の幅を測ることで測定される。
【0060】
第1前方フック部材部10a及び第2前方フック部材部10bは、前方フック部材10の長さlfと前方フック部材10の幅wfとを掛けることにより測定される前方フック部材10の面積の25%から100%を占める。
【0061】
第1後方フック部材部11a及び第2後方フック部材部11bは、後方フック部材11の長さlrと後方フック部材11の幅wrとを掛けることにより測定される後方フック部材11の面積の25%から100%を占める。
【0062】
図2において、第1及び第2前方フック部材部は、同一の幅及び同一の長さを有し、前方フック部材10の幅wfの15%から75%までに相当する距離dfで配置され、例えば、前方フック部材10の幅wfの40%から60%までに相当する距離dfで配置されている。
【0063】
前方ポケット8は、前方ポケット横方向遠位端8aに沿って延びる前方ポケット横方向遠位端領域12と、前方ポケット横方向遠位端領域12に配置され、横方向Tに延びる弾性部材13と、を有している。
【0064】
後方ポケット9は、後方ポケット横方向遠位端9aに沿って延びる後方ポケット横方向遠位端領域15と、後方ポケット横方向遠位端領域15に配置され、横方向Tに延びる弾性部材21と、を有している。
【0065】
各弾性部材13,21は、例えば、それぞれ弾性糸や発泡弾性体、弾性フィルムのストリップ等の任意の適した弾性部材であってもよい。各弾性部材13,21は、同一のタイプの弾性材料であっても、異なるタイプの弾性材料であってもよい。
【0066】
外側シェル1の後方領域7は、さらに第1コーナー領域17と、第2コーナー領域19と、備える。外側シェル1は、外側シェル1の内側上で、第1コーナー領域17に設けられる第1フック部材16と、第2コーナー領域19に設けられる第2フック部材18と、を備える。第1及び第2フック部材16,18は、ウエスト開口部を形成するために、外側シェル1の外表面4上に設けられたフック取付ゾーン20(図1B参照)に取り付けられるように意図されている。
【0067】
図3は、吸収性インサート2が設けられた本開示における外側シェル1を示す。外側シェル1は、その内表面3上で、外側シェル1の前方領域5に配置された前方ポケット8と、その後方領域7の外側シェルの内表面3上に配置された後方ポケット9と、を備える。前方ポケット8は、吸収性インサート2の前方部2aを受け入れ、後方ポケット9は、吸収性インサート2の後方部2bを受け入れる。
【0068】
前方ポケット8は、前方ポケット横方向遠位端8aに沿って延びる前方ポケット横方向遠位端領域12に配置される前方ポケット弾性部材13を備え、後方ポケット9は、後方ポケット横方向遠位端9aに沿って延びる後方ポケット横方向遠位端領域15に配置される後方ポケット弾性部材21を備える。
【0069】
吸収性インサート2を外側シェル1に着脱可能に取り付けるために、外側シェル1は、外側シェル1の前方ポケット8内に配置される前方フック部材10と、外側シェル1の後方ポケット9内に配置される後方フック部材11と、を備える。前方及び後方フック部材10,11は、例えば、不織布やフィルム層の背面シート等の吸収性インサート2の背面シート(不図示)と着脱可能に取り付けられる。前方及び後方フック部材10,11は、吸収性インサート2の背面シート上に設けられたループ素材ゾーンに代替的に取り付けることもできる。
【0070】
前方フック部材10は、第1前方フック部材部10aと、第2前方フック部材部10bとを備え、後方フック部材11は、第1後方フック部材部11aと、第2後方フック部材部11bと、を備える。
【0071】
外側シェル1は、開口おむつタイプである。外側シェル1の後方領域7は、さらに、第1コーナー領域17と、第2コーナー領域19と、を備える。外側シェル1は、第1コーナー領域17に設けられる第1フック部材16と、第2コーナー領域19に設けられる第2フック部材18と、を備える。第1及び第2フック部材16,18は、使用中は外側シェル1の外表面4と対向して配置され、ウエスト開口部を形成するために、外側シェル1の外表面4上に設けられたフック取付ゾーン20(図1B参照)に取り付けられるように意図されている。
【0072】
外側シェル1は、股領域6で、外側シェル1の縦方向のそれぞれの側部に沿うように配置された脚ゴム22,23と、外側シェル1の後方領域7で、後方領域横方向端部に沿うように配置されたウエストゴム24と、を備える。
【符号の説明】
【0073】
1 外側シェル
2 吸収性インサート
2a 前方部
2b 後方部
3 内表面
4 外表面
5 前方領域
6 股領域
7 後方領域
8 前方ポケット
8a 前方ポケット横方向遠位端
8b 前方ポケット横方向近位端
9 後方ポケット
9a 後方ポケット横方向遠位端(内側後方横方向端)
9b 後方ポケット横方向近位端
10 前方フック部材
10a 第1前方フック部材部
10a’,10b’ 横方向最外端部
10a’’ 第1前方フック部材部の最前端部
10a’’’ 第1前方フック部材部の最後端部
10b 第2前方フック部材部
10b’’ 第2前方フック部材部の最前端部
10b’’’ 第2前方フック部材部の最後端部
11 後方フック部材
11a 第1後方フック部材部
11a’,11b’ 横方向最外端部
11a’’ 第1後方フック部材部の最前端部
11a’’’ 第1後方フック部材部の最後端部
11b 第2後方フック部材部
11b’’ 第2後方フック部材部の最前端部
11b’’’ 第2後方フック部材部の最後端部
12 前方ポケット横方向遠位端領域
13 前方ポケット弾性部材(弾性部材)
15 後方ポケット横方向遠位端領域
16 第1フック部材
17 第1後方横コーナー領域(第1コーナー領域)
18 第2フック部材
19 第2後方横コーナー領域(第2コーナー領域)
20 フック取付ゾーン
21 後方ポケット弾性部材(弾性部材)
22,23 脚ゴム
24 ウエストゴム
L 縦方向
Lc 縦方向中心線
lf 前方フック部材の長さ
lfp 前方ポケット長さ
lr 後方フック部材の長さ
lrp 後方ポケット長さ
T 横方向
wf 前方フック部材の幅
wr 後方フック部材の幅
図1A
図1B
図2
図3
【国際調査報告】