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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】固体電池アノード組成物
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/133 20100101AFI20240311BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20240311BHJP
   H01M 4/587 20100101ALI20240311BHJP
   H01M 4/1393 20100101ALI20240311BHJP
【FI】
H01M4/133
H01M4/62 Z
H01M4/587
H01M4/1393
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023552177
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 IB2022051613
(87)【国際公開番号】W WO2022180554
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】2021900501
(32)【優先日】2021-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521464640
【氏名又は名称】タルガ テクノロジーズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TALGA TECHNOLOGIES LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】キャピグリア、クラウディオ
(72)【発明者】
【氏名】リウ、フェンミン
(72)【発明者】
【氏名】シヴァレディ、サイ
【テーマコード(参考)】
5H050
【Fターム(参考)】
5H050AA15
5H050BA17
5H050CB08
5H050DA03
5H050DA13
5H050EA13
5H050FA17
5H050GA05
5H050HA01
5H050HA02
5H050HA05
5H050HA07
5H050HA08
5H050HA17
5H050HA19
(57)【要約】
【解決手段】黒鉛材料および固体電解質材料を含む固体電池アノード組成物であって、黒鉛材料が、粉砕された一次黒鉛粒子の形態で提供される、固体電池アノード組成物。アノード組成物を含む固体電池アノードを製造する方法も記載される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒鉛材料および固体電解質材料を含む固体電池アノード組成物であって、
前記黒鉛材料は、粉砕された一次黒鉛粒子の形態で提供される、
固体電池アノード組成物。
【請求項2】
前記粉砕された一次黒鉛粒子は、
(i)約15ミクロン未満、
(ii)約10ミクロン未満、または
(iii)約4~6ミクロンの範囲内
のD50を有する、
請求項1に記載のアノード組成物。
【請求項3】
前記粉砕された一次黒鉛粒子は、
(i)約2~9m/g、または
(ii)7~9m/g
の表面積を有する、
請求項1または2に記載のアノード組成物。
【請求項4】
前記粉砕された一次黒鉛粒子は、3.35Åを超えるd002、1000Åを超えるLcおよび1000Åを超えるLaのうちの1つ以上のXRD特性を有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のアノード組成物。
【請求項5】
前記粉砕された一次黒鉛粒子は、3.35Åを超えるd002、1000Åを超えるLcおよび1000Åを超えるLaのそれぞれのXRD特性を有し、99.9%を超える純度を有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のアノード組成物。
【請求項6】
前記固体電解質材料は、硫化物系ガラスを含む、
請求項1~5のいずれか一項に記載のアノード組成物。
【請求項7】
前記硫化物系ガラスは、
(i)LiS-SiS、LiS-PおよびLiS-Bの群から選択される、または
(ii)LiS-Pを含む、
請求項6に記載のアノード組成物。
【請求項8】
前記アノード組成物は、黒鉛材料および固体電解質材料を
(i)黒鉛材料70~90wt%、および
(ii)固体電解質材料10~30wt%
の割合で含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載のアノード組成物。
【請求項9】
前記組成物は、電流休止法を用いたハーフセル測定において、
(i)約60オーム未満、または
(ii)約54オーム未満
の平衡成分を提供する、
請求項1~8のいずれか一項に記載のアノード組成物。
【請求項10】
本発明の前記固体電池アノード組成物は、0.5~2g/cmの圧縮密度の範囲にわたって、10~2×10S/cmの導電率を提供する、
請求項1~9のいずれか一項に記載のアノード組成物。
【請求項11】
前記黒鉛材料は、約96%を超える黒鉛化度を有する、
請求項1~10のいずれか一項に記載のアノード組成物。
【請求項12】
前記黒鉛材料は、
(i)100MPaで約359.5Ω、
(ii)300MPaで約94.7Ω、または
(iii)500MPaで約73.5Ω
のバルク抵抗を有する、
請求項1~11のいずれか一項に記載のアノード組成物。
【請求項13】
前記組成物は、ハーフセル測定において、
(i)3Cで90%より大きい、または
(ii)3Cで約91.6%の
容量を提供する、
請求項1~12のいずれか一項に記載のアノード組成物。
【請求項14】
前記組成物は、ハーフセル測定において、分極効果が実質的にない放電プロファイルを提供する、
請求項1~13のいずれか一項に記載のアノード組成物。
【請求項15】
黒鉛材料および固体電解質材料を順に含むアノード組成物を含む固体電池アノードを製造する方法であって、
前記アノード組成物は、請求項1~14のいずれか一項に従う、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体電池アノード組成物に関する。より詳細には、本発明はさらに、黒鉛材料および固体電解質材料を含むアノード組成物に関する。
【0002】
本発明はさらに、本発明に係るアノード組成物を含む固体電池アノードを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、リチウムイオン電池(LiB)技術は、携帯電話、ラップトップ、タブレット、および電気自動車(PHEV、EV)を含む電気デバイスの用途で成功裏に使用されている。しかしながら、LiBは、その可燃性液体電解質のために安全性に問題がある。固体電池は、高エネルギー・高出力および向上した安全性を両立させる可能性を秘めた、新たな二次電池技術である。この意味で、すべての固体電池(SSB)は、主として不燃の固体電解質の選択のため、その本質的な安全性および広い動作温度範囲により、大きな関心を集めている。さらに、SSBは、高い重量エネルギー密度および体積エネルギー密度に関する利点を提供する[1,2]。液体電解質に浸した多孔質セパレータを利用するLiBとは異なり、SSBは、電気絶縁体およびイオン伝導体としての機能を持つ固体電解質を使用する。電解質の成分は、液体電解質よりもイオン伝導性が低いか、同様か、あるいは高い固体材料で構成される[3,4]。
【0004】
固体電池を製造するための固体電解質というアイデアは、1970年代にライト教授によって提案された。ライト教授は、高分子量ポリエチレンオキシド(CHCHO)における高速イオン伝導を最初に報告し[5]、1990年代にはアルマンドら[6]の研究があった。その後、カピリアらは、SSBのためのSiOナノコンポジット高分子電解質の利用と、EVおよびHEVへの応用とを提案した[7]。それ以来、様々な種類のポリマー、セラミックス、硫化ガラス系の固体電解質について、固体電解質のイオン伝導性を向上させる研究が数多く行われてきた。最も有望な固体電解質の一つは、LiS-SiS[8,9,10,11]、LiS-P[12,13,14,15]、LiS-B[16]を含む硫化物系ガラスである。
【0005】
固体電池は、理論的には非常に高い性能を発揮できるが、実際には、特に電気自動車(「EV」)を含む大規模な用途において、その開発を妨げてきた様々な技術的および商業的な問題に悩まされる可能性がある。現在までに報告されている固体電池の中で、EVにおける現在最高のリチウムイオン電池の性能および経済的要件をすべて上回るものはない。SSB開発の主なボトルネックはアノードであり、金属リチウムの使用は、充放電特性の低下、電池内および大量生産における安全性の問題、コスト高につながる様々な問題を引き起こす可能性がある。タカダら[17]は、LiS-P電解質を用いた黒鉛-固体電解質構造を提案し、セイノら[18]は、350MPAの圧力下で黒鉛-LiS-P系の固体電池を研究した。これらのアプローチは、固体電池のアノード材料として黒鉛の実用性を示した。しかしながら、このような構造の電気化学的特性は未検証であった。
【発明の概要】
【0006】
本発明の固体電池アノード組成物および方法は、その1つの目的として、先行技術のプロセスに関連する上述の問題の1つ以上を実質的に克服すること、または少なくともその有用な代替物を提供することを有する。
【0007】
背景技術に関する前述の議論は、本発明の理解を容易にすることのみを意図している。この考察は、言及された資料のいずれかが、本出願の優先日において一般的な知識の一部であるか、または一部であったことを了承するものでも、認めるものでもない。
【0008】
本明細書および特許請求の範囲全体を通して、文脈上別段必要とされない限り、「comprise」という語または「comprises」もしくは「comprising」などの変形は、記載された整数または整数群を含むことを意味するが、他の整数または整数群を除外することを意味しないと理解される。
【0009】
発明の開示
本発明に従って、黒鉛材料および固体電解質材料を含む固体電池アノード組成物が提供され、黒鉛材料は、粉砕された一次黒鉛粒子の形態で提供される。
【0010】
粉砕された一次黒鉛粒子は、好ましくは、
(i)約15ミクロン未満、
(ii)約10ミクロン未満、または
(iii)約4~6ミクロンの範囲内
のD50を有する。
【0011】
好ましくは、粉砕された一次黒鉛粒子は、約2~9m/g、たとえば7~9m/gの表面積を有する。
【0012】
好ましくは、粉砕された一次黒鉛粒子は、3.35Åを超えるd002、1000Åを超えるLcおよび1000Åを超えるLaのうちの1つ以上のXRD特性を有する。好ましい形態では、粉砕された一次黒鉛粒子は、3.35Åを超えるd002、1000Åを超えるLcおよび1000Åを超えるLaのそれぞれのXRD特性を有し、99.9%を超える純度を有する。
【0013】
好ましくは、固体電解質材料は、硫化物系ガラスを含む。さらに好ましくは、硫化物系ガラスは、LiS-SiS、LiS-PおよびLiS-Bの群から選択される。さらに好ましくは、固体電解質材料は、LiS-Pを含む。
【0014】
本発明の固体電池アノード組成物は、好ましくは、以下の割合の黒鉛材料および固体電解質材料を含む。
(i)黒鉛材料70~90wt%、および
(ii)固体電解質材料10~30wt%。
【0015】
好ましくは、本発明の固体電池アノード組成物は、電流休止法を用いたハーフセル測定において、約60オーム未満、たとえば約54オーム未満の平衡成分を提供する。固体電池アノード組成物の平衡成分は、電流休止法を用いたハーフセル測定において、好ましくは、公知の市販の黒鉛材料の約半分以下である。
【0016】
好ましくは、本発明の固体電池アノード組成物は、0.5~2g/cmの圧縮密度の範囲にわたって、10~2×10S/cmの導電率を提供する。固体電池アノード組成物の導電率は、好ましくは、公知の市販の黒鉛材料の導電率よりも約1桁高い。
【0017】
好ましくは、黒鉛材料は、96%を超える黒鉛化度を有する。
【0018】
さらに好ましくは、黒鉛材料は、
(i)100MPaで約359.5Ω、
(ii)300MPaで約94.7Ω、または
(iii)500MPaで約73.5Ω。
のバルク抵抗を有する。
【0019】
好ましくは、本発明の固体電池アノード組成物は、ハーフセル測定において、3Cで90%を超える容量、たとえば3Cで約91.6%の容量を有する。
【0020】
好ましくは、本発明の固体電池アノード組成物は、ハーフセル測定において、分極効果が実質的にない放電プロファイルを提供する。
【0021】
本発明に従って、本明細書で上述したように、黒鉛材料および固体電解質材料を順に含むアノード組成物を有する固体電池アノードを製造する方法がさらに提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
次に、本発明を、その2つの実施形態および添付の図面を参照して、例としてのみ説明する。
図1図1は、扁平楕円体に近似した形状を有する二次黒鉛粒子を主成分とする本発明のアノード材料の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。
図2図2は、本発明に係る固体電池アノードおよびその固体電池アノードを組み込んだセルの製造方法の概略図である。
図3図3は、本明細書に記載の実施例に従って図2の方法により製造されたハーフセルにおけるACインピーダンスのグラフ表示である。
図4図4は、ヤタら[19]によって提案された「電流停止法」による直流内部抵抗評価の実施を含む、本明細書に記載された実施例に従って図2の方法により製造されたハーフセルの充放電プロファイルのグラフ表示である。
図5図5は、本発明の固体電池アノード組成物の圧力と混合密度との関係を示すグラフ表示である。
図6図6は、本発明の固体電池用アノード組成物の密度と電気伝導率との関係を示すグラフ表示である。
図7図7は、ナイキストプロットを利用した、充電前の交流電気化学インピーダンス測定を示す一連のグラフである。
図8図8は、本発明の固体電池用アノード組成物の0.1C~3.0Cにおける放電曲線を示す一連のグラフである。
図9図9Aは、ナイキストプロットであり、図9Bは、本明細書に記載の実施例に係る等価回路モデルであり、R2はバルク抵抗を示し、R1は電荷移動抵抗を示し、Wはワールブルグ素子を示し、C1はキャパシタを示す。
図10図10は、図4で参照されるハーフセルで達成されるイオン伝導および充放電のグラフ表示であり、オーミック成分、平衡成分および休止抵抗のそれぞれを、充電状態(SOC)および開回路電圧(OCV)のデータとともに示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
発明を実施するための最良の形態
本発明は、黒鉛材料および固体電解質材料を含む固体電池アノード組成物を提供する。黒鉛材料は、粉砕された一次黒鉛粒子を含む。
【0024】
粉砕された一次黒鉛粒子は、
(i)約15ミクロン未満、
(ii)約10ミクロン未満、または
(iii)約4~6ミクロンの範囲内
のD50を有してよい。
【0025】
粉砕された一次黒鉛粒子は、約2~9m/g、たとえば7~9m/gの表面積を有する。粉砕された一次黒鉛粒子は、3.35Åを超えるd002、1000Åを超えるLcおよび1000Åを超えるLaのうちの1つ以上のXRD特性を有する。好ましい態様において、粉砕された一次黒鉛粒子は、3.35Åを超えるd002、1000Åを超えるLcおよび1000Åを超えるLaのそれぞれのXRD特性を有し、99.9%を超える純度を有する。
【0026】
固体電解質材料は、硫化物系ガラスを含む。硫化物系ガラスは、LiS-SiS、LiS-PおよびLiS-Bの群から選択される。たとえば、固体電解質材料は、LiS-Pを含む。
【0027】
1つの好ましい態様において、本発明の固体電池アノード組成物は、以下の割合の黒鉛材料および固体電解質材料を含む。
(i)黒鉛材料70~90wt%、および
(ii)固体電解質材料10~30wt%。
【0028】
一態様において、本発明の固体電池アノード組成物は、電流休止法を用いたハーフセル測定において、約60オーム未満、たとえば約54オーム未満の平衡成分を提供する。一態様において、固体電池アノード組成物の平衡成分は、電流休止法を用いたハーフセル測定において、既知の市販の黒鉛材料の約半分以下である。
【0029】
本発明の固体電池アノード組成物は、0.5~2g/cmの圧縮密度の範囲にわたって、10~2×10S/cmの導電率を提供する。固体電池アノード組成物の導電率は、既知の市販の黒鉛材料の導電率よりも約1桁高い。
【0030】
本発明の固体電池アノード組成物は、ハーフセル測定において、3Cで90%を超える容量、たとえば3Cで約91.6%の容量を提供する。
【0031】
本発明の固体電池アノード組成物は、ハーフセル測定において、分極効果が実質的にない放電プロファイルを提供する。
【0032】
本発明はさらに、上述され、以下に例示されるように、黒鉛材料および固体電解質材料を順に含むアノード組成物を有する固体電池アノードを製造する方法を提供する。
【0033】
以下の表Aは、本発明の組成物および方法において使用するための/として使用するための適切な粉砕された一次黒鉛粒子の例を提供し、一方表Bは、その粉砕された一次黒鉛粒子の元素分析を提供する。
【表1】
【表2】
【0034】
本発明の組成物および方法は、以下の非限定的な例を参照することにより、より良く理解され得る。
【0035】
実施例
本調査に使用したアノード黒鉛のアノード前駆体は、スウェーデン北部のノールボッテン郡にあるビッタンギ黒鉛鉱山から抽出した。この天然黒鉛源は、微結晶フレークを伴う非常に狭い分布を有する硬質粒子が特徴である。この黒鉛は、ルードルシュタットにある出願人のパイロットプラントで化学精製され、固体システムに適用するためにプロセス設計された。このプロセスは、粉砕された一次黒鉛粒子および二次黒鉛粒子(本明細書では、全体を通して「Talnode-E」、「Talnode-E粉末」または「Talnode-C」とも呼ばれる。)の製造について、上述した通りである。
【0036】
図1のSEM画像は、粉砕された一次黒鉛粒子であるTalnode-E粉末が、約5ミクロン未満のD50を有する比較的小さい粒子と、フレーク形状を有する小さい粒子(約1μm)とで構成され、それらは部分的に約10μmの大きさの凝集体を形成しているようであることを示している。
【0037】
固体電解質ペレットは、図2を参照しながら、特注のテフロン(登録商標)製の型およびスチール製ホルダを用いて、本発明の方法に従って準備した。電解質ペレットは、LiS-Pで構成され、粉末を作製圧力で3分間油圧プレスすることにより得られた。Talnode-Eベースの電極アノード複合ペレットは、代わりに、54.3mgの電解質粉末と45.7mgのTalnode-Eのアノード黒鉛とを用いて調製し、プレスした。
【0038】
固体電解質、固体電極ペレット、リチウム-インジウムをSUS電極で挟み、100、300、500MPaの様々なスタック圧力でセルを準備した。プレスしたインジウム箔およびリチウム箔をハーフセルの参照電極として使用した。集電体にはスチールホルダ(SUS)を用いた。電気化学インピーダンス分光法(EIS)測定およびサイクルの間のスタック圧力を制御できるよう、図2に記載したセルホルダにセルを組み立てた。
【0039】
得られたハーフセルは、2.0Vと-0.62Vとの間のカットオフ電圧でLi-Inに対して0.05Cでサイクルされた。セルは70℃±1℃に保たれ、試験中は2時間ごとに10分間の休止があった。試料の電気伝導率は、A.C.インピーダンス法により70℃で測定した。インピーダンススペクトルは、インピーダンスアナライザ(VeraSTAT4 Princeton Applied Research社製)を用いて、周波数範囲0.1Hz~1MHz、振幅50mVで測定し、その結果を図3に示す。
【0040】
図4を参照して、電流休止法(CRM)のセルの充放電プロファイルを、-0.62Vから2.0Vの電圧の間で測定した(電流レートは、70℃で0.05C)。まず、完全に放電したセルを0.05Cのレートで、定電流で120分間充電し、600秒間充電電流を停止した。充電プロセスでは、セル電圧が-0.62Vに達するまで、この充電-休止手順を繰り返した。1時間の休止後、セル電圧が2.0Vになるまで、120分間の放電と600秒間とを繰り返した。0秒から600秒までの電圧変化を通して、電流休止抵抗を測定した。オーミック成分(抵抗)は0秒から1秒まで、平衡成分(抵抗)は0秒から600秒まで計算した。[19]
【0041】
京都研究所では、電極、電解質の準備、インピーダンスおよび他のすべての種類の黒鉛のCRM特性評価に同じプロトコルを使用しているため、Talnode-Eを典型的な市販のアノード黒鉛に対してベンチマークを行った。このような典型的な市販のアノード黒鉛は、本明細書の他の箇所で述べたように、粒径が10μm~20μmの天然および人工の両方を含む約200種類の黒鉛に基づいている。
【0042】
図5は、Talnode-E電極の相対密度と圧力との相関を示す。直径10mmの型内で、固体電解質および黒鉛の混合粉末を一軸圧縮した。圧力は電解質材料の密度に影響する。スタック圧力を0から500MPaまで増加させると、相対密度は1.3から2gcm-3に増加した。印加する圧力が高くなるにつれて密度は増加する。黒い点は、Talnode-Eの圧力による密度依存を表す。黒鉛アノード材料の材料特性を比較するために、市販の黒鉛の典型的な挙動を点線で示した。典型的な黒鉛材料は、密度およびスタック圧力の相関に関して同様の傾向を示すが、Talnode-Eは低圧で密度が高く、これは典型的な市販の黒鉛と比較した場合、Talnode-Eが低圧で高負荷であることを示している。したがって、固体電解質およびTalnode-Eの組み合わせは、典型的な黒鉛と比較して、加圧により驚くほど高密度の電極を提供した。本出願人らは、この挙動はTalnode-Eのユニークなモルフォロジーに関連していると考えている。
【0043】
図6には、密度に対する電気伝導率が示されており、電気伝導率は電流計で測定されている。電極の密度を1.2から2gcm-3に増加させると、電解質の電気導電度は1.27から48.7Scm-1に増加する。これらの結果は、固体電解質および黒鉛の間の粒界接触を改善することによって、固体電解質への圧力が電気伝導率の測定値に影響を与えることを確認した。電気伝導率の傾向は、密度の傾向と同様に増加する。さらに、スタック圧力の増加は、ペレットの密度に比較的小さな影響を与えるため、固体電極の21%から移動する気孔率は、電気伝導率に限定的な影響を与える。天然および人工を含む約200種類の粒径10μm~20μmの市販の黒鉛材料は、密度および電気伝導度の相関関係に関して同様の傾向を有するが、Talnode-Eは、典型的な既知の市販の黒鉛の1つよりも、約1桁高い電気伝導度を示す。この結果は、Talnode-Eの高い黒鉛化度(96%以上)および体積密度に関連している可能性があると、出願人は理解している[20]。セルの電流挙動は、以下の表CのEISおよびCRMを使用してさらに調査されている。
【表3】
【0044】
図7に交流電気化学インピーダンススペクトルを示す。電池セル内の電気化学反応を理解し分析するために、一般に等価回路モデルが選択される。回路モデルは、抵抗器(R)、キャパシタ(C)、インダクタ(L)、定位相素子(CPE)、ワールブルグ素子(W)などの電気回路素子で構成される。定位相素子およびワールブルグ素子は、非理想的なキャパシタおよびリチウム拡散効果を特徴付けるのに有益である。電極および電解質の粗面間の二重層という特性から、CPEの概念を用いることで非理想的な特性を説明できる。リチウム拡散プロセスのインピーダンスを説明するために、ワールブルグ要素が用いられた。セルがキャパシタの特性を持つ場合、90°の拡散性を示し、それ以外の場合は45°の拡散性を示す。
【0045】
これらの要素によって作られる簡略化されたモデルはランドルズモデルと呼ばれ、1947年にファラデー学会で発表された。ランドルズモデルから推測されるプロットは、ナイキストプロットと呼ばれる。ナイキストプロットでは、セルの特性が目に見える形で示される。このモデルは、電気化学システムを理解するために不可欠である。しかしながら、実際のシステムは非常に複雑で入り組んでいる。簡略化したランドルズセルのナイキストプロットを図9aに、その等価回路モデルを図9bに示す。R2は、オーミック抵抗またはバルク抵抗であり、電解質、集電体、およびセパレータの抵抗を含む。R1は、電荷移動抵抗または分極抵抗と呼ばれ、活物質および電解質の間の抵抗を表す。[21]
【0046】
この理論的背景を踏まえて、スタック圧力が半円(電荷移動抵抗)およびTalnode-EのEISにおける拡散部に影響することが説明される。高抵抗領域での半円の出現は、スタック圧が高くなるにつれて、低抵抗(バルク抵抗)領域にシフトした。さらに、スタック圧力が300MPaを超えると、半円は減少した。インピーダンスの粒界が高周波領域での半円の出現に寄与している可能性がある。同様の挙動は、酸化物固体電解質でも観察されている。焼結によってペレットの密度が増加すると、粒界抵抗が減少し、その結果、導電率が増加した[26,27]。拡散曲線が100MPaで拡散率の急勾配を示すのに対して、他の2つのケースの勾配がこの圧力ではそのような急勾配を示さないことは興味深い。
【0047】
Talnode-Eの70℃における0.05Cから3Cの間の高レート試験を、100、300および500MPaのスタック圧力を用いて試験し、その結果を図8に示す。100MPaおよび300MPaのハーフセルの容量は、ほぼ同じである。1サイクル目の0.05Cにおける放電容量(337mAh.g-1および324mAh.g-1)には、コロンビックにわずかな違いがある。しかしながら、500MPaの圧力で測定されたセルは、40~50mAh.g-1の他の2つのケースと比較して、わずか277mAh.g-1と著しく低い比容量を示しており、この差は出願人がモルフォロジーの変化に起因するとしている。しかしながら、3つのケースとも高Cレート試験で高い性能を示した。特に、放電の低い分極曲線プロファイルで97.7%の容量維持率が達成された。この挙動は、アノード材料のTalnode-Eの低い内部抵抗、特に電荷移動抵抗およびCRM測定について後述するリチウムの高い拡散係数が、高Cレート性能を助ける可能性があることを出願人に示した[20]。アノード材料の低い内部抵抗およびリチウムイオンの拡散に関するさらなる調査は、CRM法を通じてさらに実施される。[21]
【0048】
図10および以下の表Dおよび表Eは、全内部抵抗、OCVおよびSOCの関係を示す。実験試料は、スタック圧力を変えて70℃で操作した。実験結果は、試料の内部抵抗が電池のSOCに応じて変化することを示した。オーミック成分および平衡成分の抵抗は、SOCにしたがって減少し、電池容量が70%~80%のときに最小値を示した。しかしながら、SOCが90%になると、抵抗値は再び上昇した。SOCの大部分(およそ10%から70%)における内部抵抗の下降特性は比較的小さく、結果として得られる曲線は、平坦化された放物線形状を示す。この現象は、ハイブリッドパルスパワー特性試験の内部抵抗特性と一致している[22]。この効果は、動力学および物質輸送挙動によって引き起こされる可能性があることが理解されている[19]。
【表4】
【表5】
【0049】
上記説明を参照すればわかるように、硫化物固体電解質中のTalnode-Eの電気化学的特性は、異なる圧力で詳しく調べられ、典型的な市販の黒鉛と比較された。Talnode-E電極は、300MPaで324.1mAh/gの容量を示す。さらに、Talnode-Eの高い電気伝導性により、市販の黒鉛と比較して、約1桁の電気伝導度の向上が見られた。高レート試験により、Talnode-Eは、3Cまでの高容量維持および低分極放電曲線プロファイルに関連した高レート放電能力を有することが示された。この挙動は、従来の黒鉛と比較するとき、Talnode-Eの高いリチウム拡散に起因している。
【0050】
本出願人は、Talnode-Eが、少なくとも硫化物系の固体電池において、低抵抗かつ高イオン拡散性を有する代替アノード材料として使用される可能性が高いと結論付けた。さらに、本発明の固体電池アノード組成物は、エネルギー密度およびサイクル寿命の大幅な改善を示唆する一方、安全性の向上(たとえば、可燃性溶媒を使用しないなど)を伴う高速充電を可能にし、その一方で、最も近い将来の形態の固体電池との幅広い互換性を維持する。
【0051】
固体電池における黒鉛系アノードの使用は、電解質/活物質界面における適切な相互作用を確保し、高インピーダンスおよび機械的疲労などの持続的な問題を軽減するのにも役立つ。
【0052】
現行のリチウム金属アノードを本発明の固体電池アノード組成物で置き換えることにより、固体電池のコストを低減することができ、また、大規模での製造の関連するハードルを低減できることが想定される。
【0053】
本明細書で提供される範囲は、記載された範囲および記載された範囲内の任意の値またはサブ範囲を含むことを理解されたい。たとえば、約1マイクロメートル(μm)から約2μmまでの範囲は、約1μmから約2μmまでの間という明示的に記載された限界だけでなく、約1.2μm、約1.5μm、約1.8μmなどの個々の値、および約1.1μmから約1.9μm、約1.25μmから約1.75μmなどのサブ範囲を含むと解釈されるべきである。さらに、「約」および/または「実質的に」が値を記述するために使用される場合、それらは、記載された値からのわずかな変動(最大±10%)を包含することを意図している。
【0054】
上述の説明は、非限定的なものとみなされる。当業者に明らかであろうような修正および変形は、本発明の範囲内にあると考えられる。
【0055】
参考文献
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図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-01-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒鉛材料および固体電解質材料を含む固体電池アノード組成物であって、
前記黒鉛材料は、粉砕された一次黒鉛粒子の形態で提供される、
固体電池アノード組成物。
【請求項2】
前記粉砕された一次黒鉛粒子は、
(i)約15ミクロン未満、
(ii)約10ミクロン未満、または
(iii)約4~6ミクロンの範囲内
のD50を有する、
請求項1に記載のアノード組成物。
【請求項3】
前記粉砕された一次黒鉛粒子は、
(i)約2~9m/g、または
(ii)7~9m/g
の表面積(BET)を有する、
請求項1または2に記載のアノード組成物。
【請求項4】
前記粉砕された一次黒鉛粒子は、3.35Åを超えるd002、1000Åを超えるLcおよび1000Åを超えるLaのうちの1つ以上のXRD特性を有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のアノード組成物。
【請求項5】
前記粉砕された一次黒鉛粒子は、3.35Åを超えるd002、1000Åを超えるLcおよび1000Åを超えるLaのそれぞれのXRD特性を有し、99.9%を超える純度を有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のアノード組成物。
【請求項6】
前記固体電解質材料は、硫化物系ガラスを含む、
請求項1~5のいずれか一項に記載のアノード組成物。
【請求項7】
前記硫化物系ガラスは、
(i)LiS-SiS、LiS-PおよびLiS-Bの群から選択される、または
(ii)LiS-Pを含む、
請求項6に記載のアノード組成物。
【請求項8】
前記アノード組成物は、黒鉛材料および固体電解質材料を
(i)黒鉛材料70~90wt%、および
(ii)固体電解質材料10~30wt%
の割合で含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載のアノード組成物。
【請求項9】
前記組成物は、電流休止法を用いたハーフセル測定において、
(i)約60オーム未満、または
(ii)約54オーム未満
の平衡成分を提供する、
請求項1~8のいずれか一項に記載のアノード組成物。
【請求項10】
本発明の前記固体電池アノード組成物は、0.5~2g/cmの圧縮密度の範囲にわたって、10~2×10S/cmの導電率を提供する、
請求項1~9のいずれか一項に記載のアノード組成物。
【請求項11】
前記黒鉛材料は、約96%を超える黒鉛化度を有する、
請求項1~10のいずれか一項に記載のアノード組成物。
【請求項12】
前記黒鉛材料は、
(i)100MPaで約359.5Ω、
(ii)300MPaで約94.7Ω、または
(iii)500MPaで約73.5Ω
のバルク抵抗を有する、
請求項1~11のいずれか一項に記載のアノード組成物。
【請求項13】
前記組成物は、ハーフセル測定において、
(i)3Cで90%より大きい、または
(ii)3Cで約91.6%の
容量を提供する、
請求項1~12のいずれか一項に記載のアノード組成物。
【請求項14】
前記組成物は、ハーフセル測定において、分極効果が実質的にない放電プロファイルを提供する、
請求項1~13のいずれか一項に記載のアノード組成物。
【請求項15】
黒鉛材料および固体電解質材料を順に含むアノード組成物を含む固体電池アノードを製造する方法であって、
前記アノード組成物は、請求項1~14のいずれか一項に従う、
方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
好ましくは、粉砕された一次黒鉛粒子は、約2~9m/g、たとえば7~9m/gの表面積(BET)を有する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
粉砕された一次黒鉛粒子は、約2~9m/g、たとえば7~9m/gの表面積(BET)を有する。粉砕された一次黒鉛粒子は、3.35Åを超えるd002、1000Åを超えるLcおよび1000Åを超えるLaのうちの1つ以上のXRD特性を有する。好ましい態様において、粉砕された一次黒鉛粒子は、3.35Åを超えるd002、1000Åを超えるLcおよび1000Åを超えるLaのそれぞれのXRD特性を有し、99.9%を超える純度を有する。
【国際調査報告】