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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】原子炉および燃料
(51)【国際特許分類】
   G21C 1/02 20060101AFI20240311BHJP
   G21C 3/62 20060101ALI20240311BHJP
   G21C 3/28 20060101ALI20240311BHJP
   G21C 3/20 20060101ALI20240311BHJP
   G21C 7/08 20060101ALI20240311BHJP
   G21C 21/02 20060101ALI20240311BHJP
   G21D 5/02 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
G21C1/02 100
G21C3/62 700
G21C3/28 600
G21C3/20
G21C7/08
G21C21/02 100
G21D5/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555785
(86)(22)【出願日】2022-03-14
(85)【翻訳文提出日】2023-11-06
(86)【国際出願番号】 US2022020253
(87)【国際公開番号】W WO2022192799
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/160,480
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523059903
【氏名又は名称】オクロ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】デウィット, ジェイコブ
(57)【要約】
商業用核燃料システムは、内側容積を画定する容器と、内側容積内に位置付けられた炉心と、炉心内に配置された複数の燃料ピンであって、複数の燃料ピンの各々は、被覆材内に位置付けられた少なくとも1つの水素化物燃料要素を備えている、複数の燃料ピンとを含む。少なくとも1つの水素化物燃料要素は、核分裂性材料の20パーセント以下に濃縮される。核分裂性材料は、ウラン233、ウラン235、またはプルトニウム239のうちの1つ以上を含む。燃料ピンは、炉心内の格子内に位置付けられている。容器は、第1の容器を備え、第2の容器は、第1の容器内に位置付けられ、複数の燃料ピンを包囲する。少なくとも1つの反射体が、第1の容器内に位置付けられ、複数の燃料ピンを包囲する。遮蔽アセンブリが、反射体と第1の容器との間に位置付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商業用核燃料システムであって、前記商業用核燃料システムは、
内側容積を画定する容器と、
前記内側容積内に位置付けられた炉心と、
前記炉心内に配置された複数の燃料ピンと
を備え、
前記複数の燃料ピンの各々は、被覆材内に位置付けられた少なくとも1つの水素化物燃料要素を備え、前記少なくとも1つの水素化物燃料要素は、核分裂性材料の20パーセント以下に濃縮されている、商業用核燃料システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの水素化物燃料要素は、
金属水素化物と混合された核分裂性材料、または
水素化物を備えている核分裂性材料
のうちの少なくとも1つを備えている、請求項1に記載の商業用核燃料システム。
【請求項3】
前記核分裂性材料は、ウラン233、ウラン235、またはプルトニウム239のうちの1つ以上を備えている、請求項1-2のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項4】
前記複数の燃料ピンは、前記炉心内で格子内に位置付けられている、請求項1-3のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項5】
前記格子は、六角形の格子を備えている、請求項4に記載の商業用核燃料システム。
【請求項6】
前記容器は、前記炉心内の前記複数の燃料ピンを包囲している第1の容器を備えている、請求項1-5のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項7】
前記第1の容器内に位置付けられた第2の容器をさらに備え、前記第2の容器は、前記炉心内の前記複数の燃料ピンを包囲している、請求項6に記載の商業用核燃料システム。
【請求項8】
前記第1の容器内に位置付けられた少なくとも1つの反射体をさらに備え、前記少なくとも1つの反射体は、前記炉心内の前記複数の燃料ピンを包囲している、請求項6または7のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの反射体は、
前記第1の容器と前記炉心内の前記複数の燃料ピンとの間に位置付けられた第1の反射体と、
前記第1の反射体と前記炉心内の前記複数の燃料ピンとの間に位置付けられた第2の反射体と
を備えている、請求項8に記載の商業用核燃料システム。
【請求項10】
前記第1の反射体と前記第1の容器との間に位置付けられた遮蔽アセンブリをさらに備えている、請求項8に記載の商業用核燃料システム。
【請求項11】
少なくとも1つの水素化物燃料要素は、前記被覆材内で積み重ねられた列に配置された複数の水素化物燃料要素を備えている、請求項1-10のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項12】
前記複数の燃料ピンの各々は、少なくとも1つの水素化物燃料要素と前記被覆材との間の接合層をさらに備えている、請求項1-11のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項13】
前記複数の燃料ピンの各々は、前記被覆材内で少なくとも1つの水素化物燃料要素の上方に位置付けられた上側反射体をさらに備えている、請求項1-12のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項14】
前記複数の燃料ピンの各々は、前記被覆材内で少なくとも1つの水素化物燃料要素の下方に位置付けられた下側反射体をさらに備えている、請求項1-13のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項15】
前記複数の燃料ピンの各々は、前記被覆材内で少なくとも1つの水素化物燃料要素の上方に形成されたプレナムをさらに備えている、請求項1-14のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項16】
前記プレナムは、前記被覆材内で前記上側反射体の上方に形成されている、請求項15に記載の商業用核燃料システム。
【請求項17】
前記複数の燃料ピンの複数のプレナムは、流体結合され、冷却流体のための流路を形成している、請求項15に記載の商業用核燃料システム。
【請求項18】
前記流路は、前記容器内に形成された冷却流体流入口および前記容器内に形成された冷却流体流出口に流体結合されている、請求項17に記載の商業用核燃料システム。
【請求項19】
少なくとも1つの水素化物燃料要素は、核分裂性材料の15パーセント、核分裂性材料の10パーセント、または核分裂性材料の5パーセントのうちの1つ未満に濃縮されている、請求項1-18のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項20】
少なくとも1つの水素化物燃料要素は、粉末金属が水素化および合金化されるプロセスによって製造されている、請求項1-19のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項21】
少なくとも1つの水素化物燃料要素は、金属が合金化、粉末化、および水素化されるプロセスによって製造されている、請求項1-19のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項22】
少なくとも1つの水素化物燃料要素は、燃料を含む固体金属合金が水素化されるプロセスによって製造されている、請求項1-19のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項23】
水素化は、水素雰囲気内または水素気流内で生じる、請求項20-22のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項24】
少なくとも1つの反射体が、前記炉心の周辺において移動可能である、請求項8-23のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項25】
少なくとも1つの制御ロッドをさらに備えている、請求項1-24のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項26】
少なくとも1つの制御ロッドは、前記炉心の周辺において移動可能である、請求項25に記載の商業用核燃料システム。
【請求項27】
少なくとも1つの制御ロッドの吸収材料が、BC、ハフニウム、または銀インジウムカドミウムのうちの少なくとも1つを備えている、請求項26に記載の商業用核燃料システム。
【請求項28】
前記複数の燃料ピンのうちの少なくとも1つの燃料ピンは、
少なくとも1つの水素化物燃料要素を前記被覆材の中に装填することと、
前記被覆材内で前記少なくとも1つの水素化物燃料要素の下方、またはその上部に、固体形態においける金属接合材料を位置付けることと、
前記少なくとも1つの燃料ピンをシールすることと
を含むプロセスによって製造されている、請求項1-27のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項29】
前記シールすることは、溶接することを含む、請求項28に記載の商業用核燃料システム。
【請求項30】
前記金属接合材料は、前記少なくとも1つの水素化物燃料要素の下方に、または前記少なくとも1つの水素化物燃料要素の上部に、またはその両方において、前記被覆材の中に事前に装填されている、請求項28または29のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項31】
前記プロセスは、
前記少なくとも1つの燃料ピンを加熱し、前記少なくとも1つの水素化物燃料要素を包囲するように前記金属接合材料を融解することと、
前記加熱された少なくとも1つの燃料ピンを移動させ、前記少なくとも1つの水素化物燃料要素を完全に包囲するように前記融解された金属接合材料を流動させることと
をさらに含む、請求項28-30のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項32】
移動させることは、揺すぶること、軽くたたくこと、または振動させることのうちの少なくとも1つを含む、請求項31に記載の商業用核燃料システム。
【請求項33】
前記金属接合材料は、圧縮性熱接合材料を備えている、請求項28-32のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項34】
前記圧縮性熱接合材料は、多孔質黒鉛を備えている、請求項33に記載の商業用核燃料システム。
【請求項35】
前記被覆材は、低中性子吸収材料を備えている、請求項1-34のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項36】
前記低中性子吸収材料は、ニオブ1%ジルコニウム(Nb1Zr)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ジルコニウム、ステンレス鋼、ニッケル基超合金、または同位体濃縮金属化合物のうちの少なくとも1つを備えている、請求項35に記載の商業用核燃料システム。
【請求項37】
少なくとも1つの水素化物燃料元素は、中性子吸収を減らすための同位体濃縮金属を備えている、請求項1-36のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項38】
少なくとも1つの反射体は、ベリリウム合金、ベリリウムセラミック、または黒鉛のうちの少なくとも1つを備えている、請求項8-37のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項39】
少なくとも1つの燃料供給ダクトまたはチャネルをさらに備えている、請求項1-38のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項40】
前記システムは、トラック、鉄道、荷船、または飛行機のうちの少なくとも1つによって、コンテナ化されたパッケージにおいて輸送するように構成されている、請求項1-39のいずれか1項に記載の商業用核燃料システム。
【請求項41】
方法であって、前記方法は、
請求項1-40のいずれか1項に記載の商業用核燃料システムを通して、熱流体を循環させることと、
請求項1-40のいずれか1項に記載の商業用核燃料システムの動作を通して、前記熱流体を加熱することと、
前記商業用核燃料システムから発電システムに前記加熱された熱流体を循環させることと、
前記発電システムによって、前記加熱された熱流体からの熱を用いて電力を発生させることと
を含む、方法。
【請求項42】
燃料供給ダクトまたはチャネルを通して使用済み燃料ピンを除去することと、
前記燃料供給ダクトまたはチャネルを通して新しい燃料ピンを挿入することと
をさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
トラック、鉄道、荷船、または飛行機のうちの少なくとも1つによって、コンテナ化されたパッケージにおいて、請求項1-40のいずれか1項に記載の商業用核燃料システムを輸送することをさらに含む、請求項41または42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
発電システムであって、前記発電システムは、
請求項1-40のいずれか1項に記載の商業用核燃料システムの熱流体から熱を受け取るように熱結合された一次熱サブシステムと、
前記加熱された流体から、前記一次熱サブシステムを介して熱を受け取るために前記一次熱サブシステムに熱結合された二次熱サブシステムと、
前記二次熱サブシステムに流体結合された動力機器サブシステムと
を備え、
前記動力機器サブシステムは、前記二次熱サブシステムから受け取られた前記熱を用いて電力を発生させるように構成されている、発電システム。
【請求項45】
前記一次熱サブシステムは、
前記商業用核燃料システムを通して前記熱流体を循環させるように構成された少なくとも1つの一次ポンプと、
前記少なくとも1つのポンプに流体結合され、前記熱流体を一次流体に熱結合するように構成された少なくとも1つの一次熱交換器と
を備えている、請求項44に記載の発電システム。
【請求項46】
前記二次熱サブシステムは、
前記少なくとも1つの一次熱交換器を通して前記一次流体を循環させるように構成された少なくとも1つの二次ポンプと、
前記少なくとも1つのポンプに流体結合され、前記一次流体を作動流体に熱結合するように構成された少なくとも1つの二次熱交換器と
を備えている、請求項45に記載の発電システム。
【請求項47】
前記動力機器サブシステムは、
前記少なくとも1つの二次熱交換器を通して前記作動流体を循環させるように構成された少なくとも1つの動力変換ポンプと、
前記少なくとも1つの二次熱交換器から前記作動流体を受け取るために、前記少なくとも1つの動力変換ポンプに流体結合された少なくとも1つの発電機と、
前記少なくとも1つの発電機から前記作動流体を受け取るために、前記少なくとも1つの発電機に流体結合されたラジエータシステムと
を備えている、請求項46に記載の発電システム。
【請求項48】
前記少なくとも1つの発電機は、タービン発電機を備えている、請求項47に記載の発電システム。
【請求項49】
前記商業用核燃料システムの容器に熱結合された少なくとも1つの冷却装置をさらに備えている、請求項44-48のいずれか1項に記載の発電システム。
【請求項50】
前記少なくとも1つの冷却装置は、ラジエータ、熱サイフォン、または自然対流冷却ループのうちの少なくとも1つを備えている、請求項49に記載の発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、商業用動力原子炉に関し、より具体的に、商業用動力原子炉のための核燃料形態に関する。
【背景技術】
【0002】
地球規模のエネルギー増大および汚染および排出物を減らすための意欲は、新しい炉技術の商業化および設計の周りの活動を刺激している。これらの技術のうちのいくつかは、小型の炉を含む。これらの炉のうちのいくつかは、特に、小型の炉心設計を達成するためのそれらの能力に対する水素化物燃料の好都合な中性子特性に起因して、水素化物燃料をそれらの設計の中に組み込む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
金属水素化物燃料を使用する核分裂炉の製造および使用のための技法が、開示される。開示される技法は、小型の炉心をもたらすことができ、例えば、5パーセントを下回るウラン235に濃縮された燃料を使用して動作する炉心を含む。
例示的燃料要素は、ウランおよび水素化ジルコニウムから作製される円筒形の燃料ピンを含み、燃料ピンは、シールされた鋼鉄管内に含まれ、シールされた鋼鉄管は、被覆材とも称される燃料と管との間で液体金属によって熱接合される。これは、燃料ピンシステムを形成し、その多くが、原子炉の炉心を形成するために配置されることができる。
【0004】
いくつかの実装によると、商業用核燃料システムは、内側容積を画定する容器と、内側容積内に位置付けられた炉心と、炉心内に配置される複数の燃料ピンであって、複数の燃料ピンの各々は、被覆材内に位置付けられた少なくとも1つの水素化物燃料要素を含む、複数の燃料ピンとを含む。少なくとも1つの水素化物燃料要素は、核分裂性材料の20パーセント以下に濃縮される。
【0005】
いくつかの実装によると、原子炉は、水素化物燃料の形態におけるウラン233、ウラン235、またはプルトニウム239等の核分裂性材料を含む燃料、燃料と被覆材との間の熱接合剤、被覆材、燃料から離れるように熱を輸送するための液体金属、水、ガス、または超臨界流体を使用するクーラント、クーラントまたは冷却デバイスから動力変換システムに熱を伝達するための熱交換器、および計測設備、支持構造、および遮蔽材を含むことができる。
【0006】
いくつかの実装によると、核分裂性材料は、金属形態にあり、水素化ジルコニウム、水素化イットリウム、水素化チタン、水素化スカンジウム、または水素化トリウム等の金属水素化物と混合される。
【0007】
いくつかの実装によると、ウラン金属は、8.5パーセント未満~45パーセント超の範囲にある重量装填分率に混合される。
【0008】
いくつかの例では、核分裂性材料は、20パーセント以下(例えば、15パーセント以下、10パーセント以下、5パーセント以下)に濃縮されたウランである。いくつかの例では、ウラン金属は、25パーセント~45パーセントの範囲にある重量装填分率に混合される。
【0009】
いくつかの実装によると、エルビウム等の可燃性吸収材が、燃料に追加される。
【0010】
いくつかの実装によると、燃料ピンは、ガスプレナムと、水素障壁と、ウラン、トリウム、黒鉛、またはベリリウムから作製され得る軸方向反射体とを含むことができる。
【0011】
いくつかの実装によると、燃料ピンは、炉心を形成するために、六角形の格子パターンにおいて配置され、スペーサグリッド、フィン、またはワイヤラップが、燃料ピン間の間隔を保存するために使用されることができる。
【0012】
いくつかの実装によると、燃料ピンは、炉心を形成するために、正方形の格子パターンにおいて配置され、スペーサグリッドまたはフィンが、燃料ピン間の間隔を保存するために使用されることができる。
【0013】
いくつかの実装によると、燃料ピンは、一緒に束ねられ、燃料ピンのアセンブリまたは束を形成することができる。アセンブリは、とりわけ、三角形、四角形、六角形、または正方形の形態にあり得る。燃料束は、ダクトによって包囲されることもでき、それらは、直交流を可能にするために、閉鎖または穿孔されることができる。
【0014】
いくつかの実装によると、燃料ピンは、下側グリッドプレートによって定位置に保持され、それは、流動分配器としても機能を果たすことができる。
【0015】
いくつかの実装によると、炉心は、種々の順序の配置において、中性子反射体、流動バッフルまたはガイド、遮蔽材、および容器によって包囲されることができる。
【0016】
いくつかの実装によると、反射体は、とりわけ、黒鉛またはベリリウムから成ることができる。
【0017】
いくつかの例では、炉心は、六角形のパターンにおいて、4.95パーセントのウラン235に濃縮された燃料ピンから作製され、下側グリッドプレートによって定位置に保持され、ワイヤラップによって分離され、丸みを帯びた六角形の容器によって包囲され、黒鉛反射体によって包囲され、遮蔽材によって包囲され、外側容器内に含まれる。
【0018】
いくつかの実装によると、ヘリウム、窒素、または二酸化炭素等のガスは、燃料からの熱を伝達し、熱交換器(熱交換器において、熱が、中間クーラントまたは動力変換作動流体に伝達される)に熱を運ぶか、または、直接、タービン発電機システムに熱を運ぶ。
【0019】
いくつかの実装によると、ナトリウム、鉛、またはナトリウムカリウム合金等の液体金属は、燃料からの熱を伝達し、熱交換器(熱交換器において、熱が、中間クーラントまたは動力変換作動流体に伝達される)に熱を運ぶ。
【0020】
いくつかの実装によると、フッ化リチウムフッ化ベリリウム共晶混合物等の液体塩は、燃料からの熱を伝達し、熱交換器(熱交換器において、熱が、中間クーラントまたは動力変換作動流体に伝達される)に熱を運ぶ。
【0021】
いくつかの実装によると、水は、燃料からの熱を伝達し、熱交換器(熱交換器において、熱が、中間クーラントまたは動力変換作動流体に伝達される)に熱を運ぶか、または、直接、タービン発電機システムに熱を運ぶ。
【0022】
いくつかの実装によると、水または二酸化炭素等の超臨界流体は、燃料からの熱を伝達し、直接、タービン発電機システムに熱を運ぶ。
【0023】
いくつかの例では、クーラントは、循環し、燃料内で生産される熱を対流によって除去し、熱を中間熱交換器に運び、中間クーラントに熱を伝達し、中間クーラントは、次に、動力変換熱交換器に熱を運び、動力変換熱交換器で、熱が、動力変換作動流体に伝達される。いくつかの例では、中間クーラントループは、そのクーラントとして、塩、ガス、水、または液体金属を使用することができる。いくつかの例では、動力変換システムは、ガス、または蒸気または二酸化炭素等の超臨界作動流体を使用することができる。
【0024】
いくつかの実装によると、一次クーラントは、自然循環によって流動し、自然対流によって熱を伝達する。
【0025】
いくつかの実装によると、中間クーラントは、自然循環によって流動し、自然対流によって熱を伝達する。
【0026】
いくつかの例では、炉クーラント流動ループは、炉クーラントシステム内で燃料と熱交換器との間の高さが自然循環を駆動するための適正な浮力を達成するために十分であるように構成される。いくつかの例では、中間クーラント流動ループは、炉クーラントシステム内で熱交換器間の高さが自然循環を駆動するための適正な浮力を達成するために十分であるように構成される。
【0027】
いくつかの実装によると、クーラントは、複数のポンプによって駆動される強制循環によって流動する。
【0028】
いくつかの実装によると、フライホイール等の運動量ベースの循環装置は、ポンプ流出口の後に設置され、クーラントのための回転慣性を提供する。
【0029】
いくつかの実装によると、ポンプは、クーラント、および周囲の環境への放射、伝導、および対流によって冷却される。
【0030】
いくつかの例では、電磁ポンプが、液体金属を圧送するために使用される。
【0031】
いくつかの実装によると、十分なクーラントの化学的性質および純度の制御を維持することは、クーラントおよび構成要素の寿命を確保するために重要であり、フィルタ、コールドトラップ、またはコールドフィンガによって達成される。
【0032】
いくつかの実装によると、余熱または崩壊熱は、補助的な冷却システムを介して除去される。
【0033】
いくつかの実装によると、余熱は、周囲の環境への伝導、放射、および対流によって、炉容器およびクーラントループから直接除去される。
【0034】
いくつかの実装によると、余熱は、周囲の環境への伝導、放射、および対流によって、専用または多目的熱交換器を介して除去される。
【0035】
いくつかの実装によると、空気ダクトは、炉システムを対流によって冷却するために、周囲の環境から冷気を運ぶ。
【0036】
いくつかの実装によると、空気は、送風機等の循環装置によって駆動される。
【0037】
いくつかの実装によると、空気は、自然循環によって流動する。
【0038】
いくつかの例では、空気は、流入口、およびダクト(ダクトにおいて、空気が、容器、配管、および熱交換器に沿って流動するように誘導され、それらを冷却する)を介して炉区画の中に流入し、次いで、流出口を介して区画から外へ流動する。
【0039】
いくつかの実装によると、冷却パネルおよび冷却ジャケットが、炉システムを包囲し、炉システムからの熱は、伝導、放射、および対流を介して、それらに伝達される。冷却パネルおよびジャケットは、次いで、周囲環境に熱を伝達する。
【0040】
いくつかの実装によると、冷却パネルおよびジャケットは、水;窒素または二酸化炭素のようなガス;ナトリウムカリウム合金のような液体金属;または、通常の動作状態において固体であるナトリウムのような可溶性金属等のクーラントを使用し、循環を開始する前、それらの融合の潜熱を介して熱を吸収することができる。
【0041】
いくつかの実装によると、クーラントシステムの流路は、クーラントが融解されたままの状態にあることを確実にするために、能動的に加熱されることができる。
【0042】
いくつかの実装によると、炉システムの遮蔽材および構造は、放射を減衰させるための役割を果たし、熱ヒートシンクとしての機能を果たす。
【0043】
いくつかの実装によると、回転制御ドラムは、炉心の周辺上で使用され、反応度を制御することができる。移動可能反射体も、使用されることができる。
【0044】
いくつかの実装によると、炉心内または炉心の周辺において設置され得る移動可能制御ロッドが、反応度を制御するために使用されることができる。
【0045】
いくつかの実装によると、炭化ホウ素、カドミウム、銀、タングステン、またはハフニウム等の中性子吸収材料が、制御要素内で使用されることができる。ベリリウムまたは黒鉛等の中性子反射材料も、制御要素に関連する場合に使用されることができる。
【0046】
いくつかの実装によると、制御システムのモータおよびハードウェアは、炉容器の上方に位置付けられることができる。
【0047】
いくつかの実装によると、炉計測設備は、炉心内に、炉心の周辺において、反射体内に、クーラントループ内に、かつ容器の外側に設置されることができる。
【0048】
いくつかの実装によると、計測設備および関連付けられたケーブル類は、炉容器の上の専用ポートを通してルーティングされることができる。
【0049】
いくつかの実装によると、炉システム、中間クーラントシステム、および動力変換システムは、区画化およびコンテナ化され、大量生産および容易な輸送を可能にすることができる。
【0050】
いくつかの実装によると、システムは、輸送する能力を可能にする様式において、コンテナ化されることができる。
【0051】
いくつかの実装によると、水素化物燃料要素が、核分裂性材料の15パーセント、核分裂性材料の10パーセント、または核分裂性材料の5パーセントのうちの1つ未満に濃縮される。
【0052】
いくつかの実装によると、水素化物燃料要素は、粉末金属が水素化および合金化されるプロセスによって製造される。
【0053】
いくつかの実装によると、水素化物燃料要素は、金属が合金化、粉末化、および水素化されるプロセスによって製造される。
【0054】
いくつかの実装によると、水素化物燃料要素は、燃料を含む固体金属合金が水素化されるプロセスによって製造される。
【0055】
いくつかの実装によると、水素化は、水素雰囲気内または水素気流内で生じる。
【0056】
いくつかの実装によると、反射体は、炉心の周辺において移動可能である。
【0057】
いくつかの実装によると、制御ロッドは、炉心の周辺において移動可能である。
【0058】
いくつかの実装によると、制御ロッドの吸収材料は、BC、ハフニウム、または銀インジウムカドミウムのうちの少なくとも1つを含む。
【0059】
いくつかの実装によると、燃料ピンは、少なくとも1つの水素化物燃料要素を被覆材の中に装填することと、被覆材内で少なくとも1つの水素化物燃料要素の下方、またはその上部に、固体形態においける金属接合材料を位置付けることと、少なくとも1つの燃料ピンをシールすることとを含むプロセスによって製造される。
【0060】
いくつかの実装によると、シールすることは、溶接することを含む。
【0061】
いくつかの実装によると、金属接合材料は、少なくとも1つの水素化物燃料要素の下方に、または少なくとも1つの水素化物燃料要素の上部に、またはその両方において、被覆材の中に事前に装填される。
【0062】
いくつかの実装によると、燃料ピンを製造するためのプロセスは、少なくとも1つの燃料ピンを加熱し、少なくとも1つの水素化物燃料要素を包囲するように金属接合材料を融解することと、加熱された少なくとも1つの燃料ピンを移動させ、少なくとも1つの水素化物燃料要素を完全に包囲するように融解された金属接合材料を流動させることとを含む。
【0063】
いくつかの実装によると、移動させることは、揺すぶること、軽くたたくこと、または振動させることのうちの少なくとも1つを含む。
【0064】
いくつかの実装によると、金属接合材料は、圧縮性熱接合材料を含む。
【0065】
いくつかの実装によると、圧縮性熱接合材料は、多孔質黒鉛を含む。
【0066】
いくつかの実装によると、被覆材は、低中性子吸収材料を含む。
【0067】
いくつかの実装によると、低中性子吸収材料は、ニオブ1%ジルコニウム(Nb1Zr)、炭化ジルコニウム(ZrC)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ジルコニウム、ステンレス鋼、ニッケル基超合金、または同位体濃縮金属化合物のうちの少なくとも1つを含む。
【0068】
いくつかの実装によると、水素化物燃料元素は、中性子吸収を減らすための同位体濃縮金属を含む。
【0069】
いくつかの実装によると、反射体は、ベリリウム合金、ベリリウムセラミック、または黒鉛のうちの少なくとも1つを含む。
【0070】
いくつかの実装によると、商業用核燃料システムは、システムに燃料供給する容易性のために、少なくとも1つの燃料供給ダクトまたはチャネルを含む。
【0071】
燃料ピンは、本開示による水素化物燃料を含むことができ、以下の利点のうちの1つ以上を結果としてもたらすことができる。例えば、水素化物燃料の使用は、縮小された炉心サイズを可能にしながら、5パーセントを下回るウラン235(例えば、4.95パーセントのウラン235)に濃縮された燃料の使用を可能にすることができる。燃料の低濃縮は、燃料の調達および製造を簡素化し、核分裂炉の費用を減らす。いくつかの例では、5パーセント未満のウラン235に濃縮された水素化物燃料を使用する非常に小型の炉が、輸送可能であり得る。
【0072】
本開示において説明される主題の1つ以上の実装の詳細が、付随の図面および下記の説明において記述される。主題の他の特徴、側面、および利点も、説明、図面、および請求項から明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0073】
図1図1は、本開示による炉心の例示的実装の半径方向断面の概略的例証である。
【0074】
図2図2は、本開示による図1の炉心の例示的実装の軸方向断面の概略的例証である。
【0075】
図3図3は、本開示による炉心の別の例示的実装の半径方向断面の概略的例証である。
【0076】
図4図4は、本開示による炉心の別の例示的実装の半径方向断面の概略的例証である。
【0077】
図5図5は、本開示による炉心の別の例示的実装の半径方向断面の概略的例証である。
【0078】
図6図6は、本開示による炉心の別の例示的実装の半径方向断面の概略的例証である。
【0079】
図7図7A-7Bは、それぞれ、本開示による核燃料形態の半径方向断面および側面図を示す。
【0080】
図8図8は、本開示による原子炉システムの例示的実装の概略的例証である。
【0081】
図9A図9A-9Cは、それぞれ、本開示による原子炉システムを伴う発電システムの上面図、側面図、および3次元斜視図の概略的例証を示す。
図9B図9A-9Cは、それぞれ、本開示による原子炉システムを伴う発電システムの上面図、側面図、および3次元斜視図の概略的例証を示す。
図9C図9A-9Cは、それぞれ、本開示による原子炉システムを伴う発電システムの上面図、側面図、および3次元斜視図の概略的例証を示す。
【0082】
図10A図10A-10Cは、本開示による原子炉容器のための冷却装置の例示的実装の概略的例証を示す。
図10B図10A-10Cは、本開示による原子炉容器のための冷却装置の例示的実装の概略的例証を示す。
図10C図10A-10Cは、本開示による原子炉容器のための冷却装置の例示的実装の概略的例証を示す。
【0083】
図10D図10D-10Fは、本開示による原子炉システムを伴う発電システムの少なくとも一部の例示的実装の側面図の概略的例証を示す。
図10E図10D-10Fは、本開示による原子炉システムを伴う発電システムの少なくとも一部の例示的実装の側面図の概略的例証を示す。
図10F図10D-10Fは、本開示による原子炉システムを伴う発電システムの少なくとも一部の例示的実装の側面図の概略的例証を示す。
【0084】
図10G図10G-10Hは、それぞれ、図10Fの原子炉システムの3次元側面図および3次元斜視図を示す。
図10H図10G-10Hは、それぞれ、図10Fの原子炉システムの3次元側面図および3次元斜視図を示す。
【0085】
図11図11は、本開示の例示的実装に関する耐用期間にわたる炉心設計性能のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0086】
本開示の実装が、ここで、図面を参照して詳細に説明され、これらは、当業者が、例示的実装を実践することを有効にするように、本発明の実装の例証的例として提供される。とりわけ、図および例は、本開示の範囲を単一の実装に限定することを意味せず、他の実装も、説明または例証される要素のいくつかまたは全ての交換によって、可能である。さらに、本開示のある要素が、既知の構成要素を使用して、部分的または完全に実装され得る場合、本開示の理解のために必要とされる、そのような既知の構成要素のそれらの部分のみが、説明され、そのような既知の構成要素の他の部分の詳細な説明は、例示的実装を曖昧にしないように省略されるであろう。
【0087】
地球規模のエネルギー増大および汚染および排出物を減らすための意欲は、新しい炉技術の商業化および設計を取り囲む新しい活動を刺激している。これらの技術のうちのいくつかは、超小型の商業用動力炉を含み、これらのうちのいくつかは、特に、小型の炉心設計を達成するためのそれらの能力および5パーセントを下回るウラン235に濃縮された低濃縮ウランを使用するためのそれらの能力に対する水素化物燃料の好都合な中性子特性に起因して、水素化物燃料をそれらの設計の中に組み込む。商業用動力炉は、電力生産、熱発生、または推進力のために使用される、原子炉である。
【0088】
図1および3-6の各々は、本開示による商業用核燃料システムの例示的実装の半径方向断面の概略的例証を示す。概して、例示的実装の各々は、商業用核燃料システムの炉心を取り囲む(または、形成する)外側容器(例えば、鋼鉄容器)を含む。例示的実装の各々は、燃料格子を形成する複数の燃料ピンを含む。いくつかの側面において、複数の燃料ピンが、燃料格子(図1、3、および6に示されるような六角形に成形された燃料格子等)を形成するように位置付けられることができる。いくつかの側面において、複数の六角形に成形された燃料格子はまた、六角形の燃料格子の形状において、外側容器内に配置されることもできる(図5)。いくつかの側面において、燃料ピンを含まず、制御ロッドを受け取ることができる制御場所(燃料格子(または、複数の格子)内の空隙等)が、燃料格子の縁において(図1、3、および4)、燃料格子の半径方向中心において(図1、3、4、および6)、および/または燃料格子自体内に(図5)等に形成される。いくつかの側面において、反射体が、燃料格子と外側容器との間に位置付けられる(図1、3、4、および6)。反射体は、比較的薄く(例えば、約10センチメートル~約25センチメートルの半径方向の厚さを有する)(図1、3、および4)、または比較的厚く(例えば、約25センチメートル~約50センチメートルの半径方向の厚さを有する)(図6)あることができる。いくつかの側面において、2つの反射体(内側反射体および外側反射体)が、燃料格子と外側容器との間に位置付けられることができる(図5)。いくつかの側面において、六角形の容器等の内側容器(例えば、鋼鉄容器)が、外側容器を伴うことなく、燃料格子に隣接して位置付けられる(図1)。いくつかの側面において、遮蔽アセンブリが、燃料格子と外側容器との間に位置付けられることができる(図5)。いくつかの側面において、(例えば、冷却流体で満たされた)クーラントプールが、外側容器内に形成されることができる(図5)。
【0089】
図1は、本開示による炉心100の例示的実装の半径方向断面の概略的例証である。炉心100は、外側炉容器110と、内側炉容器120とを含む。炉心100は、外側炉容器110と内側炉容器120との間に位置付けられた反射体130も含む。炉心100は、燃料格子150を含む。燃料格子150は、燃料ピン155を含む。燃料ピン155は、水素化物燃料を含むことができる。燃料格子150内に、制御位置、例えば、制御位置140が存在する。炉の制御は、回転制御ドラム、移動可能反射体、移動可能制御ロッド、および制御位置において位置する可燃性毒物を介して達成されることができる。炭化ホウ素、カドミウム、銀、タングステン、またはハフニウム等の中性子吸収材料が、制御要素内で使用されることができる。ベリリウムまたは黒鉛等の中性子反射材料も、制御要素に関連する場合に使用されることができる。
【0090】
図2は、図1の炉心の例示的実装の軸方向断面の概略的例証を示す。図2を参照すると、炉心100は、外側炉容器110と、内側炉容器120とを含む。炉心100はまた、外側炉容器110と内側炉容器120との間に位置付けられた反射体130も含む。炉心100は、燃料格子150を含む。燃料格子150は、燃料ピン155を含む。燃料ピン155は、水素化物燃料を含むことができる。示されるように、いくつかの側面において、燃料ピン155は、1つ以上の燃料要素210(または「燃料スラグ」)の形態において、核燃料を含むことができる。制御位置、例えば、制御位置140が燃料格子150内に存在する。
【0091】
図3は、本開示による炉心300の別の例示的実装の半径方向断面の概略的例証である。炉心300は、外側炉容器310と、反射体330とを含む。炉心300は、燃料格子350と、制御位置340を含む制御位置とを含む。反射体330は、燃料格子350に隣接し、燃料格子350を包囲し、外側炉容器310と燃料格子350との間に位置付けられる。
【0092】
図4は、本開示による炉心400の別の例示的実装の半径方向断面の概略的例証である。炉心400は、外側炉容器410と、反射体430とを含む。炉心400は、燃料格子450と制御位置とを含み、制御位置は、制御位置440と中心制御位置444とを含む。反射体430は、燃料格子450に隣接し、燃料格子450を包囲し、外側炉容器410と燃料格子450との間に位置付けられる。
【0093】
図5は、本開示による炉心500の別の例示的実装の半径方向断面の概略的例証である。炉心500は、外側炉容器510と、クーラントプール515とを含む。炉心500は、遮蔽アセンブリ518を含む。クーラントプール515は、遮蔽アセンブリ518と外側炉容器510との間に位置付けられる。炉心500は、燃料格子550内に、燃料格子550と、制御位置、例えば、制御位置540とを含む。炉心500は、内側反射体530と、外側反射体532とを含む。内側反射体530および外側反射体532の両方は、外側炉容器510と燃料格子550との間に位置付けられる。遮蔽アセンブリ518は、外側反射体532と外側炉容器510との間に位置付けられる。
【0094】
図6は、本開示による炉心600の別の例示的実装の半径方向断面の概略的例証である。炉心600は、外側炉容器610と、反射体630とを含む。炉心600は、燃料格子650を含む。反射体630は、燃料格子650に隣接し、燃料格子650を包囲し、燃料格子650と外側炉容器610外側との間に存在する。
【0095】
図1-6において示されるように、燃料格子の燃料ピンは、炉心を形成するために、六角形の格子パターンにおいて配置されることができ、スペーサグリッド、フィン、またはワイヤラップが、燃料ピン間の間隔を保存するために使用されることができる。代替として、燃料ピンは、炉心を形成するために、正方形の格子パターンにおいて配置されることができ、スペーサグリッドまたはフィンが、燃料ピン間の間隔を保存するために使用されることができる。いくつかの例では、燃料ピンは、一緒に束ねられ、燃料ピンのアセンブリまたは束を形成することができる。アセンブリまたは束は、とりわけ、三角形、四角形、六角形、または正方形の形態にあり得る。燃料束は、ダクトによって包囲されることもでき、ダクトは、閉鎖されることも、直交流を可能にするために穿孔されることもできる。燃料ピンは、下側グリッドプレートによって定位置に保持され、下側グリッドプレートは、流動分配器としての機能を果たすこともできる。
【0096】
炉心は、種々の配置の順序において、中性子反射体、流動バッフルまたはガイド、遮蔽材、および容器によって包囲されることができる。反射体は、他の好適な反射材料の中でもとりわけ、黒鉛またはベリリウムから成ることができる。いくつかの例では、炉心は、六角形のパターンにおいて、4.95パーセントのウラン235に濃縮された燃料ピンから作製され、下側グリッドプレートによって定位置に保持され、ワイヤラップによって分離され、丸みを帯びた六角形の容器によって包囲され、黒鉛反射体によって包囲され、遮蔽材によって包囲され、外側容器内に含まれる。
【0097】
いくつかの実装では、外側炉容器(110、310、410、510、610)は、30センチメートル(cm)以上(例えば、50センチメートル以上、60センチメートル以上、80センチメートル以上)の半径を有する。いくつかの実装では、外側容器は、140センチメートル以下(例えば、120センチメートル以下、100センチメートル以下、90センチメートル以下)の半径を有する。
【0098】
いくつかの実装では、炉心(100、300、400、500、600)は、25センチメートル以上(例えば、30センチメートル以上、40センチメートル以上、45センチメートル以上)の半径を有する。いくつかの実装では、炉心は、50センチメートル以下(例えば、45センチメートル以下、40センチメートル以下、30センチメートル以下)の半径を有する。
【0099】
いくつかの実装では、反射体(130、330、430、530、532)は、10センチメートル以上(例えば、15センチメートル以上、20センチメートル以上、30センチメートル以上)の半径方向の厚さを有する。いくつかの実装では、反射体は、50センチメートル以下(例えば、45センチメートル以下、40センチメートル以下、35センチメートル以下)の半径方向の厚さを有する。
【0100】
図7A-7Bは、本開示による燃料ピン155の追加の概略的例証を示す。いくつかの例では、金属水素化物燃料が、小型の炉心を生産するために使用されることができ、小型の炉心は、20パーセントを下回る核分裂性材料(例えば、20パーセント以下、10パーセント以下、5パーセント以下)に濃縮された燃料を使用して動作するものを含む。いくつかの例では、核分裂性材料は、ウラン233、ウラン235、またはプルトニウム239である。
【0101】
図7A-7Bの例では、円筒形の燃料ピン155は、燃料要素、例えば、燃料要素210を含む。燃料要素210は、水素化物燃料の形態において、ウラン233、ウラン235、またはプルトニウム239を含むことができる。燃料要素210の核分裂性材料は、金属形態にあり、水素化ジルコニウム、水素化イットリウム、水素化チタン、水素化スカンジウム、または水素化トリウム等の金属水素化物と混合されている。ウラン金属は、8.5パーセント未満~45パーセント超の範囲にある重量装填分率に混合されることができる。いくつかの例では、核分裂性材料は、15パーセントのウラン235、10パーセントのウラン235、5パーセントのウラン235のうちの1つ未満、すなわち、4.95パーセントのウラン235に濃縮されたウランである。エルビウム等の可燃性吸収材がまた、燃料に追加されることができる。
【0102】
燃料要素210は、シールされた鋼鉄管(被覆材710)内に取り囲まれる(または、含まれる)。いくつかの例では、複数の燃料要素210が、一列に積み重ねられ、被覆材710によって包囲されることができる。いくつかの例では、接合層720が、核燃料要素210と被覆材710との間に形成される。接合層720は、被覆材710を燃料要素210に接合し、燃料要素210を被覆材710に熱結合する。接合層720は、燃料要素210が膨張すると、変位させられることができる。接合層720は、例えば、多孔質黒鉛材料、ヘリウムまたはアルゴン等のガス、または鉛またはナトリウム等の液体金属を含むことができる。
【0103】
いくつかの例では、被覆材710は、内部水素障壁を有する。水素障壁は、セラミック、例えば、アルミナ(Al)または二酸化ジルコニウム(ZrO)、金属、例えば、ニオブまたはタングステン、および/または炭化物、例えば、炭化ジルコニウを含む材料から形成されることができる。
【0104】
被覆材710は、クーラントによって冷却されることができ、クーラントは、液体金属、水、またはガスを使用することによって、被覆材から離れるように熱を輸送し得る。被覆材710によって包囲された積み重ねられた燃料要素210は、燃料ピン155を形成する。多くの燃料ピン155は、原子炉の炉心を形成するように配置されることができる。
【0105】
燃料ピン155は、ガスプレナムと、水素障壁と、ウラン、トリウム、黒鉛、またはベリリウムから作製され得る軸方向反射体とを含むことができる。図7Bに示されるように、燃料ピン155は、核燃料の上方に位置付けられる上側反射体750および核燃料領域760の下方に位置付けられる下側反射体770のうちの一方または両方を含むことができる。上側プレナム740は、上側反射体750の上方に形成されることができ、例えば、燃料格子(例えば、燃料格子150)内に位置付けられた他の燃料ピン155のプレナムとともに冷却流体流路の一部を形成する。
【0106】
図8は、例えば、図に示される例示的実装のうちの1つの商業用核燃料システムを含む、原子炉システムの例示的実装の概略的例証を示す。図8に示されるように、炉容器800は、炉心850(例えば、核燃料システムを含む)が設置される内側容積を含むことができる。この例における炉容器800(外側容器であり得る)は、(循環矢印860によって示される)クーラントが中へ循環させられ得るクーラント流入口810と、クーラントが外へ循環させられ得るクーラント流出口820とを含む。循環させられたクーラントは、動作(例えば、核分裂)中、核燃料システムによって発生させられる熱の少なくとも一部を除去し、電力の発生のために、発電システムまでそのような熱を伝達することができる。この例では、クーラントは、流入口810から炉心850の下方の下側プレナム830の中に、燃料ピン内に形成されるプレナムを通して炉心850の上方の上側プレナム840の中に、流出口820から外へ流動することができる。
【0107】
いくつかの実装では、炉心(100、300、400、500、600、850)は、50センチメートル以上(例えば、60センチメートル以上、70センチメートル以上、80センチメートル以上)高さを有する。いくつかの実装では、炉心は、100センチメートル以下(例えば、90センチメートル以下、80センチメートル以下、75センチメートル以下)の高さを有する。
【0108】
いくつかの実装では、炉心(100、300、400、500、600、850)は、400キログラム以上(例えば、400キログラム以上、450キログラム以上、500キログラム以上)の燃料質量を有する。いくつかの実装では、炉心は、1,000キログラム以下(例えば、800キログラム以下、750キログラム以下、600キログラム以下)の燃料質量を有する。
【0109】
図9A-9Cは、それぞれ、(例えば、図8の)原子炉システムを伴う発電システムの上面図、側面図、および3次元斜視図の概略的例証を示す。示されるように、発電システムは、以下を含む:(1)一次熱サブシステム900(炉容器901と、少なくとも1つの一次ポンプ902と、少なくとも1つの中間熱交換器904とを含む);(2)二次熱サブシステム910(少なくとも1つの中間ポンプ906と、少なくとも1つの動力変換システム熱交換器908とを含む);(3)動力機器サブシステム920(少なくとも1つの発電機または動力変換システム922と、少なくとも1つの動力変換システムポンプ924と、少なくとも1つの熱放出ラジエータ926とを含む)。
【0110】
いくつかの実装では、炉システム、中間クーラントシステム、および動力変換システムは、区画化およびコンテナ化され、大量生産、および容易な輸送(輸送する能力を含む)を可能にすることができる。例えば、サブシステム900、910、および920は、モジュール式であることができ、したがって、サブシステム900は、サブシステム910およびサブシステム920とは別個に組み立てられることができる。サブシステム900、910、および920の各々は、それぞれの筐体930、940、950を有することができる。サブシステム900、910、および920は、互いから別個に輸送され、据え付けられることができる。定位置にあるとき、サブシステム900、910、および920は、発電システムを形成するように接続されることができる。
【0111】
一次熱サブシステム900は、クーラントを通して、原子炉システムに流体結合され、クーラントは、炉容器901の内側の炉心と中間熱交換器904との間の一次ポンプ902によって循環させられ、クーラントを介して、核燃料システムから中間熱交換器904に熱を伝達する。いくつかの例では、クーラントは、複数のポンプ902によって駆動される強制循環によって流動する。フライホイール等の運動量ベースの循環装置は、ポンプ流出口の後に設置され、クーラントのための回転慣性を提供する。ポンプ902は、クーラント、および周囲の環境への放射、伝導、および対流によって冷却されることができる。いくつかの例では、電磁ポンプが、液体金属を圧送するために使用される。
【0112】
いくつかの例では、炉容器901は、追加の機器および構成要素を収容するための上側機器エンクロージャ905を含む。例えば、制御システムのモータおよびハードウェアは、上側機器エンクロージャ905内の炉容器の上方に位置付けられることができる。炉計測設備は、炉心内に、炉心の周辺において、反射体内に、クーラントループ内に、および/または容器の外側に設置されることができる。計測設備および関連付けられるケーブル類は、炉容器の上の専用ポートを通してルーティングされることができる。計測設備および関連付けられるケーブル類は、炉容器の上の専用ポートを通してルーティングされることができる。
【0113】
ヘリウム、窒素、または二酸化炭素等のガスが、燃料からの熱を伝達するために、一次クーラントとして使用されることができる。代替として、ナトリウム、鉛、またはナトリウムカリウム合金等の液体金属が、燃料からの熱を伝達するために、クーラントとして使用されることができる。フッ化リチウムフッ化ベリリウム共晶混合物等の液体塩も、使用されることができる。水も、超臨界流体と同様、使用されることができる。一次クーラントは、例えば、ナトリウム、ナトリウムカリウム共晶合金、鉛、鉛ビスマス共晶合金、二酸化炭素、超臨界二酸化炭素、水、ヘリウム、および窒素を含むことができる。
【0114】
いくつかの例では、一次クーラントは、自然循環によって流動し、自然対流によって熱を伝達する。炉クーラント流動ループは、炉クーラントシステムにおける燃料と熱交換器904との間の高さが、自然循環を駆動するための適正な浮力を達成するために十分であるように構成されることができる。
【0115】
いくつかの実装では、クーラントシステムの流路は、クーラントが融解されたままの状態であることを確実にするために、能動的に加熱される必要があり得る。炉システムの遮蔽材および構造は、放射を減衰させるための役割を果たし、熱ヒートシンクとしての機能を果たすことができる。十分なクーラントの化学的性質および純度の制御を維持することは、クーラントおよび構成要素の寿命を確保するために重要であり、それは、フィルタ、コールドトラップ、またはコールドフィンガによって達成される。追加の化学的性質の制御が、酸化鉛交換床等の交換床を使用することによって達成され、液体鉛内の酸素の化学的性質を制御することに役立つことができる。
【0116】
クーラントは、熱交換器、例えば中間熱交換器904に熱を運ぶこと(熱は、中間クーラントに伝達される)、または、動力変換システム熱交換器908に熱を運ぶこと(熱は、動力変換作動流体に伝達される)ができる。いくつかの実装では、クーラントは、燃料から直接、タービン発電機システム等の動力変換システム922に熱を伝達することができる。
【0117】
二次熱サブシステム910は、熱流体を通して、一次熱サブシステム900に流体結合され、熱流体は、中間熱交換器904と動力変換システム熱交換器908との間の中間ポンプ906によって循環させられ、クーラントから熱流体に熱を伝達する。いくつかの例では、クーラントは、循環し、燃料内で生産される熱を対流によって除去し、中間熱交換器904に熱を運び、中間クーラントに熱を伝達し、次に、中間クーラントは、動力変換システム熱交換器908に熱を運び、動力変換システム熱交換器908において、熱は、動力変換作動流体に伝達される。
【0118】
いくつかの例では、熱サブシステム910の中間クーラントループは、クーラントとして、塩、ガス、水、または液体金属を使用することができる。中間クーラントは、自然循環によって流動し、自然対流によって熱を伝達することができる。いくつかの例では、中間クーラント流動ループは、中間熱交換器904と動力変換システム熱交換器908との間の高さが、自然循環を駆動するための適正な浮力を達成するために十分であるように構成される。
【0119】
動力機器サブシステム920は、作動流体を通して、二次熱サブシステム910に流体結合され、これは、動力変換システム熱交換器908と動力変換システム922との間の動力変換システムポンプ924によって循環させられ、動力変換システム922は、熱流体から作動流体の中に熱を伝達する。いくつかの例では、動力変換システムは、ガス、または蒸気または二酸化炭素等の超臨界作動流体を使用することができる。加熱された作動流体(例えば、高圧蒸気)は、動力変換システム922を駆動し、電力を生産することができる。動力変換システム922によって使用される作動流体(例えば、低圧蒸気)は、熱放出ラジエータ926によって冷却(例えば、凝縮)されることができる。
【0120】
図10A-10Cは、図9A-9Bの発電システムにおいて使用されるもの等、原子炉容器のための冷却装置の例示的実装の概略的例証を示す。冷却装置の例示的実装は、ラジエータパネルシステム(図10A)、熱サイフォンシステム(図10B)、および/または自然循環閉冷却ループ(図10C)を含むことができる。
【0121】
余熱は、周囲の環境への伝導、放射、および対流によって、炉容器およびクーラントループから直接除去されることができる。専用または多目的熱交換器も、使用されることができる。いくつかの例では、空気ダクトは、周囲の環境から冷気を運び、自然循環によって、炉システムを対流によって冷却する。空気は、容器、配管、および熱交換器に沿って流動するように誘導され、構成要素を冷却し、空気は、流出口を介して、区画から外へ流動する。
【0122】
いくつかの例では、冷却パネルおよび/または冷却ジャケットが、炉システムを包囲し、炉システムからの熱は、伝導、放射、および対流を介して、冷却パネルおよびジャケットに伝達される。冷却パネルおよびジャケットは、次いで、周囲環境に熱を伝達する。冷却パネルおよびジャケットは、水、窒素または二酸化炭素と同様のガス、ナトリウムカリウム合金と同様の液体金属、または通常の動作状態において固体である、ナトリウムと同様の可溶性金属等のクーラントを使用することができ、融合の潜熱を介して、熱を吸収することができる。
【0123】
図10Aの実施形態は、炉容器1001と、冷却パネル1002とを含む。冷却パネル1002は、炉容器1001の外部にある。図10Bの実施形態は、炉容器1004と、冷却熱サイフォン1006とを含む。冷却熱サイフォン1006は、機械式ポンプの必要性を伴わずに流体を循環させる自然対流に基づいた受動的な熱交換のために使用されることができる。冷却熱サイフォン1006は、炉容器1004の外部にある。図10Cの実施形態は、炉容器1010と、冷却ループ1012とを含む。冷却ループ1012は、炉容器1010の外部にあり、閉自然対流冷却ループである。
【0124】
図10D-10Fは、原子炉システムを伴う発電システムの少なくとも一部の例示的実装の側面図の概略的例証を示す。例えば、図9A-9Bに示される発電システムの「水平に配置された」構成とは対照的に、図10D-10Fは、発電システムの垂直に配置された構成を示す。例えば、示されるように、1つ以上のポンプおよび熱交換器が、原子炉システムの炉容器に関して垂直に配置されることができる。
【0125】
図10Dは、炉容器1020に関して垂直にオフセットされて配置された一重ループ(例えば、発電システムを原子炉システムと熱結合する1つの熱交換ループ)が存在する例示的実装を示す。熱交換ループ1014は、ポンプ1016と、熱交換器1018とを含む。
【0126】
図10Eは、炉容器1030に関して水平かつ垂直にオフセットされて配置された二重ループ(例えば、発電システムを原子炉システムと熱結合する2つの熱交換ループ)が存在する例示的実装を示す。第1の熱交換ループ1031は、ポンプ1034と、熱交換器1032とを含む。第2の熱交換ループ1033は、ポンプ1036と、熱交換器1038とを含む。図10Eの実装は、熱サイフォン1035も含む。
【0127】
図10Fは、炉容器1040に関して上方に垂直に配置された(または、「積み重ねられた」)二重ループ(例えば、この図に示されるように、発電システムを原子炉システムと熱結合する2つの熱交換ループ)が存在する例示的実装を示す。図10G-10Hは、それぞれ、図10Fの原子炉システムの3次元側面図および3次元斜視図を示す。
【0128】
図10F-10Hの実施形態では、第1の熱交換ループ1041は、クーラントポンプ1044と、熱交換器1042とを含む。第2の熱交換ループ1043は、クーラントポンプ1046と、熱交換器1048とを含む。図10F-10Hの実施形態はまた、熱サイフォン1045も含む。熱サイフォン1045は、受動的余熱除去システムとして機能する。図10F-10Hの実装は、動力変換ターボ機械類を含む動力変換システム1050も含む。動力変換システム1050は、炉容器1040に関して上方に垂直に配置される。
【0129】
図11は、本開示の例示的実装に関する耐用期間にわたる炉心設計性能のグラフ1100を示す。グラフ1100は、黒鉛から成る反射体(130、330、430、530、532)を有する第1の実施形態に関する炉心耐用期間にわたる反応度減少のプロット1101を示す。グラフ1100はまた、ベリリウムから成る反射体(130、330、430、530、532)を有する第2の実施形態に関する炉心耐用期間にわたる反応度減少のプロット1102を示す。グラフ100に示されるように、炉心耐用期間の開始時において、第1の実施形態は、5,000~7,000パーセントミル(pcm)の過剰な反応度を有し、第2の実施形態は、8,000~9,000pcmの過剰な反応度を有する。第1の実施形態および第2の実施形態の各々は、炉心耐用期間の開始の後、6~8年の持続時間にわたって、約-3,000(pcm)まで減少する過剰な反応度を有する。
【0130】
本開示において、単体の構成要素を示す実装が、限定するものと見なされるべきではなく、むしろ、本開示は、本明細書内で別様に明示的に記述されない限り、複数の同一の構成要素を含む、他の実装も包含することが意図され、その逆も同様である。さらに、本出願人らは、本明細書または請求項内のいかなる用語も、そのようなものとして明示的に記述されない限り、一般的ではない、または特別な意味に属すると見なされることを意図しない。さらに、本開示は、例証として、本明細書内で参照される既知の構成要素に対する現在および将来の公知の均等物を包含する。
【0131】
本明細書は、多くの具体的な実装詳細を含むが、これらは、任意の発明または請求され得る内容の範囲への限定として解釈されるべきではなく、むしろ、特定の発明の特定の実装に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実装の文脈において、本明細書に説明される、ある特徴は、単一の実装において、組み合わせて実装されることもできる。逆に言えば、単一の実装の文脈において説明される種々の特徴は、別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて、複数の実装において実装されることもできる。さらに、特徴が、ある組み合わせにおいて作動するとして上で説明され、最初にそのようなものとして請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、ある場合に、その組み合わせから削除されることができ、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。
【0132】
同様に、動作が、図面において、特定の順序で描写されるが、これは、そのような動作が、望ましい結果を達成するために、示される特定の順序で、または順次順序で実施されること、または全ての図示される動作が、実施されることを要求するものとして理解されるべきではない。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上で説明される実装における種々のシステム構成要素の分離は、全ての実装において、そのような分離を要求するとして理解されるべきではなく、説明されるプログラム構成要素およびシステムが、概して、単一のソフトウェア製品内に一緒に統合され得ること、または複数のソフトウェア製品の中にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【0133】
いくつかの実装が、説明されている。それにもかかわらず、種々の修正が、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、行われ得ることが理解されるであろう。例えば、本明細書に説明される例示的動作、方法、またはプロセスは、説明されるものより多くのステップまたはそれより少ないステップを含み得る。さらに、そのような例示的動作、方法、またはプロセスにおけるステップは、図において説明または図示されるものとは異なる並びにおいて実施され得る。故に、他の実装も、以下の請求項の範囲内にある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図10G
図10H
図11
【国際調査報告】