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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】回生ブレーキ制御システム
(51)【国際特許分類】
   B60L 7/26 20060101AFI20240311BHJP
   B60T 8/17 20060101ALI20240311BHJP
   B60W 10/08 20060101ALI20240311BHJP
   B60W 20/10 20160101ALI20240311BHJP
【FI】
B60L7/26
B60T8/17 C
B60W10/08 900
B60W20/10 ZHV
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556526
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 US2022019964
(87)【国際公開番号】W WO2022197553
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】17/200,850
(32)【優先日】2021-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】タケヒト ヨコオ
【テーマコード(参考)】
3D202
3D246
5H125
【Fターム(参考)】
3D202BB15
3D202CC04
3D202CC52
3D202DD09
3D202DD24
3D246AA08
3D246AA09
3D246AA12
3D246BA08
3D246DA01
3D246GA04
3D246GB38
3D246GB39
3D246GC16
3D246HA51A
3D246HA53A
3D246HA96A
3D246HA97A
3D246JA12
3D246JB02
3D246JB05
3D246JB11
3D246JB26
3D246JB31
5H125AA01
5H125AC12
5H125BA00
5H125CB02
5H125EE41
5H125EE42
5H125EE44
5H125EE51
5H125EE57
(57)【要約】
車両の回生ブレーキ制御システムは、車両のキャビン内に位置する1つ以上のユーザインターフェース要素を含み得る。ユーザインターフェース要素は、複数の回生ブレーキ設定に対応し得る。回生ブレーキ設定の各々は、車両の車輪に掛ける異なる量の回生ブレーキトルクに対応し得る。システムは、ユーザインターフェース要素に動作可能に接続されたプロセッサを含み得る。プロセッサは、車両の重量、車両の重心、車両に動作可能に接続されたトレーラの重量、及び車両に動作可能に接続されたトレーラの重心のうちの少なくとも1つである、状態を検出するように構成され得る。プロセッサは、回生ブレーキ設定についての回生ブレーキトルクの量に、状態に基づいた調整をもたらすように構成され得る。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の回生ブレーキ制御システムであって、
前記車両のキャビン内に位置する1つ以上のユーザインターフェース要素であって、前記1つ以上のユーザインターフェース要素は、複数の回生ブレーキ設定に対応しており、前記複数の回生ブレーキ設定の各々は、前記車両の1つ以上の車輪に掛ける異なる量の回生ブレーキトルクに対応している、1つ以上のユーザインターフェース要素と、
前記ユーザインターフェース要素に動作可能に接続されたプロセッサと、
を備え、前記プロセッサは、
前記車両の重量、前記車両の重心、前記車両に動作可能に接続されたトレーラの重量、及び前記車両に動作可能に接続されたトレーラの重心のうちの少なくとも1つである、状態を検出して、
前記状態の検出に応じて、前記複数の回生ブレーキ設定のうちの1つ以上についての前記回生ブレーキトルクの量に、前記状態に基づいた調整をもたらすように構成されている、回生ブレーキ制御システム。
【請求項2】
前記1つ以上のユーザインターフェース要素は、少なくとも1つのスイッチである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数の回生ブレーキ設定のうちの1つ以上についての前記回生ブレーキトルクの量に、前記状態に基づいた調整をもたらすことは、前記複数の回生ブレーキ設定のうちの1つ以上についての前記回生ブレーキトルクの量に、動的にリアルタイムで調整をもたらすことを含む、請求項1に記載の回生ブレーキ制御システム。
【請求項4】
重量センサを更に備え、前記重量センサは、前記車両の重量、及び前記車両に動作可能に接続されたトレーラの重量のうちの少なくとも1つを検出するように構成されている、請求項1に記載の回生ブレーキ制御システム。
【請求項5】
前記状態を検出することは、前記車両、及び前記車両に動作可能に接続されたトレーラのうちの少なくとも1つの重量が所定の重量閾値よりも高いことを検出することを含み、前記複数の回生ブレーキ設定のうちの1つ以上についての前記回生ブレーキトルクの量に、前記状態に基づいた調整をもたらすことは、前記回生ブレーキ設定のうちの1つ以上についての前記回生ブレーキトルクの量に増加をもたらすことを含む、請求項1に記載の回生ブレーキ制御システム。
【請求項6】
前記状態を検出することは、前記車両、及び前記車両に動作可能に接続されたトレーラのうちの少なくとも1つの重量が所定の重量閾値よりも低いことを検出することを含み、前記複数の回生ブレーキ設定のうちの1つ以上についての前記回生ブレーキトルクの量に、前記状態に基づいた調整をもたらすことは、前記回生ブレーキ設定のうちの1つ以上についての前記回生ブレーキトルクの量に減少をもたらすことを含む、請求項1に記載の回生ブレーキ制御システム。
【請求項7】
重心センサを更に備え、前記重心センサは、前記車両の重心、及び前記車両に動作可能に接続されたトレーラの重心のうちの少なくとも1つを検出するように構成されている、請求項1に記載の回生ブレーキ制御システム。
【請求項8】
前記状態を検出することは、前記車両、及び前記車両に動作可能に接続されたトレーラのうちの少なくとも1つの重心が所定の重心閾値よりも高いことを検出することを含み、前記複数の回生ブレーキ設定のうちの1つ以上についての前記回生ブレーキトルクの量に、前記状態に基づいた調整をもたらすことは、前記回生ブレーキ設定のうちの1つ以上についての前記回生ブレーキトルクの量に減少をもたらすことを含む、請求項1に記載の回生ブレーキ制御システム。
【請求項9】
前記状態を検出することは、前記車両、及び前記車両に動作可能に接続されたトレーラのうちの少なくとも1つの重心が所定の重心閾値よりも低いことを検出することを含み、前記複数の回生ブレーキ設定のうちの1つ以上についての前記回生ブレーキトルクの量に、前記状態に基づいた調整をもたらすことは、前記回生ブレーキ設定のうちの1つ以上についての前記回生ブレーキトルクの量に増加をもたらすことを含む、請求項1に記載の回生ブレーキ制御システム。
【請求項10】
前記複数の回生ブレーキ設定のうちの1つ以上についての前記回生ブレーキトルクの量に、前記状態に基づいた調整をもたらすことは、前記車両の重量、前記車両の重心、前記車両に動作可能に接続されたトレーラの重量、及び前記車両に動作可能に接続されたトレーラの重心のうちの少なくとも1つが増加するにつれて比例して前記回生ブレーキ設定のうちの1つ以上についての前記回生ブレーキトルクの量を増加させることを含む、請求項1に記載の回生ブレーキ制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される主題は、概して回生ブレーキに関し、より具体的には車両の回生ブレーキ特性を調整することに関する。
【背景技術】
【0002】
重量車は、様々なブレーキシステムを備え得る。例えば、内燃エンジンによって動力供給される重量車は、従来の摩擦ブレーキシステム又はハイドロリックブレーキシステムに加えて、(「排気ブレーキ」システム、「ジェイクブレーキ」システム、又は「ジェイコブスブレーキ」システムとも称される)エンジンブレーキシステムを使用し得る。エンジンブレーキシステムは、圧縮サイクル後にシリンダの排気バルブを開放して、シリンダに閉じ込められた圧縮空気を解放することによって車両を減速させ得る。エンジンブレーキシステムは、ユーザが選択可能なエンジンブレーキ設定を備え得る。各設定は、異なる量のエンジンブレーキトルクを車両の車輪に掛けることに対応し得る。したがって、車両の操作者は、エンジンブレーキを用いて摩擦ブレーキ又はハイドロリックブレーキをいつ補助するかを選択し、また、具体的な量のエンジンブレーキトルクを選択し得る。
【0003】
近年、内燃エンジンの代わりに電気モータを備える重量車の数が増加している。電気モータによる動力供給によって、電気自動車、ハイブリッド車、及び燃料電池車を含む当該車両は、摩擦ブレーキシステム及び回生ブレーキシステムを採用し得る。回生ブレーキシステムは、摩擦ブレーキシステムを補助することができ、車両の動いている車輪からエネルギーを回収して、車両の1つ以上のバッテリ駆動システムを充電するために使用することもできる。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、本開示は、車両の回生ブレーキ制御システムを対象とする。回生ブレーキ制御システムは、1つ以上のユーザインターフェース要素を含み得る。1つ以上のユーザインターフェース要素は、車両のキャビン内に位置し得る。1つ以上のユーザインターフェース要素は、複数の回生ブレーキ設定に対応し得る。複数の回生ブレーキ設定の各々は、車両の1つ以上の車輪に掛ける異なる量の回生ブレーキトルクに対応し得る。回生ブレーキ制御システムは、プロセッサを含み得る。プロセッサは、ユーザインターフェース要素に動作可能に接続され得る。プロセッサは、状態を検出するように構成され得る。状態は、車両の重量、車両の重心、車両に動作可能に接続されたトレーラの重量、及び車両に動作可能に接続されたトレーラの重心のうちの少なくとも1つであり得る。状態の検出に応じて、プロセッサは、複数の回生ブレーキ設定のうちの1つ以上についての回生ブレーキトルクの量に、状態に基づいた調整をもたらすように構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】車両の回生ブレーキ制御システムの例図である。
図2A】回生ブレーキ制御システムの1つ以上のユーザインターフェース要素の例図である。
図2B】回生ブレーキ制御システムの1つ以上のユーザインターフェース要素の例図である。
図2C】回生ブレーキ制御システムの1つ以上のユーザインターフェース要素の例図である。
図3】車両における回生ブレーキを制御する方法の例図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
回生ブレーキシステムを備える重量車において、車両が内燃エンジンを有していないため、エンジンブレーキシステムを使用することはできない。更に、ユーザが選択可能な回生ブレーキ設定は、電気自動車に実装されていたとしても、エンジンブレーキトルクと比較して同様の量の回生ブレーキトルクを提供しない場合があり、及び/又はユーザが選択可能なエンジンブレーキ設定ほど操作者にとって使いやすいものではない場合がある。
【0007】
したがって、本明細書に記載される機構は、ユーザが選択可能なエンジンブレーキ設定の効果を再現した、電気自動車に対するユーザが選択可能な回生ブレーキ設定を提供して、その結果、電気自動車の操作者が、従来のディーゼルエンジン車両の運転経験に関する運転の習慣及び挙動を継続して用い得る、システム及び方法に関する。1つ以上のユーザインターフェース要素により回生ブレーキ設定を選択することができ、当該回生ブレーキ設定は各々、車両の車輪に掛けられる異なる量の回生ブレーキトルクに対応し得る。いくつかの例では、車両の重量及び/又は重心は、回生ブレーキの有効性に影響を与え得る。更に、車両がトレーラを備える場合、トレーラの重量及び/若しくは重心、並びに/又はトレーラ及び車両の組合せの重量及び/若しくは重心は、回生ブレーキの有効性に影響を与え得る。回生ブレーキ設定を調整することができ、例えば、回生ブレーキ設定のうちの1つ以上について、回生ブレーキトルクの量を増加又は減少させることができる。本明細書に記載されるように、回生ブレーキ制御システムは、車両の重量、車両の重心、車両に動作可能に接続されたトレーラの重量、及び車両に動作可能に接続されたトレーラの重心のうちの少なくとも1つに基づいて、回生ブレーキ設定のうちの1つ以上についての回生ブレーキトルクの量を調整し得る。
【0008】
詳細な実施形態が本明細書に開示されるが、開示された実施形態は単なる例として意図されることを理解されたい。したがって、本明細書に開示される具体的な構造的及び機能的な詳細は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、単に、特許請求の範囲に対する根拠、及び実質的に任意の適切な詳細構造で本明細書の態様を種々に採用するように当業者に教示する代表的な根拠として解釈されるべきである。更に、本明細書で使用される用語及びフレーズは、限定的であるように意図されるのではなく、むしろ、可能性のある実装態様の理解可能な説明を提供するように意図される。様々な実施形態が図1図3に示されているが、当該実施形態は、示された構造又は用途に限定されない。
【0009】
図示の簡略化及び明確化を目的として、対応する要素又は類似の要素を示すために異なる図の間で参照番号が適宜繰り返されていることを理解されたい。加えて、多くの具体的な詳細は、本明細書に記載される実施形態の完全な理解を提供するために述べられている。しかしながら、当業者であれば、これらの具体的な詳細なしで本明細書に記載される実施形態を実施できることを理解するであろう。
【0010】
図1を参照すると、車両10の回生ブレーキ制御システム100の少なくとも一部の例が示されている。回生ブレーキ制御システム100は、任意の好適な車両10において実装され得る。例えば、回生ブレーキ制御システム100は、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、又は燃料電池車(FCV)において実装され得る。
【0011】
いくつかの機構では、車両10は、トレーラ11を含み得る。トレーラは、任意のタイプのトレーラ11であり得る。例えば、トレーラ11は、フラットベッドトレーラ、バントレーラ、カーゴセミトレーラ、又は任意の他のタイプのトレーラであり得る。トレーラ11は、現在既知であるか又は今後開発される任意の好適な方法で車両10に動作可能に接続され得る。本明細書で使用される「動作可能に接続」という用語は、直接的又は間接的な接続を含み、直接的な物理的接触がない接続を含み得る。トレーラ11と車両10との間の動作接続は、機械的接続及び/又は電気的接続を含み得る。
【0012】
車両10及び/又はトレーラ11は、本体12と、乗客室14と、荷物室16と、ドライブトレインシステム18と、を含み得る。いくつかの機構では、荷物室16は、トレーラ11であり得る。ドライブトレインシステム18は、車輪20と、1つ以上のモータ22と、1つ以上の動力源24と、1つ以上のペダル26と、ダッシュボード28と、インストルメントパネル30と、を含み得る。車両10及び/又はトレーラ11を支持するように車輪20を構成することができ、車輪20を推進又は減速させるようにモータ22を構成することができる。動力源24は、電力をモータ22に提供する1つ以上のバッテリ及び/又は1つ以上の燃料電池を含み得る。ペダル26は、ブレーキペダルとアクセルペダルとを含み得る。ダッシュボード28は、乗客室14内に位置し得る。いくつかの機構では、インストルメントパネル30は、ダッシュボード28の一部であり得る。
【0013】
ドライブトレインシステム18は、摩擦ブレーキシステム32を含み得る。摩擦ブレーキシステム32は、複数の摩擦ブレーキユニット34を含み得る。各摩擦ブレーキユニット34は、車輪20の1つに動作可能に接続され得る。摩擦ブレーキユニット34は、現在既知であるか又は今後開発される任意のタイプの摩擦ブレーキシステムの任意のシステム、構成要素、装置などを含み得る。例えば、各摩擦ブレーキユニット34は、ブレーキディスクとブレーキキャリパとブレーキパッドとを含み得る。各摩擦ブレーキユニット34は、ブレーキペダルに動作可能に接続され得る。車両10の操作者がブレーキペダルを作動させると、ブレーキキャリパは、加圧してブレーキパッドをブレーキディスクに接触させ、それによって、車輪20を減速させ得る。
【0014】
ドライブトレインシステム18はまた、回生ブレーキシステム36を含み得る。回生ブレーキシステム36は、1つ以上の回生ブレーキユニット38を含み得る。回生ブレーキユニット38は、現在既知であるか又は今後開発される任意のタイプの回生ブレーキシステムの任意のシステム、構成要素、装置などを含み得る。例えば、回生ブレーキユニット38は、ドライブトレインシステム18の車輪20、モータ22、及び動力源24を含み得る。回生ブレーキユニット38は、ペダル26、例えば、ブレーキペダル及び/又はアクセルペダルに動作可能に接続され得る。回生ブレーキシステム36はまた、1つ以上のインバータを含み得る。車両10の操作者がアクセルペダルを離すか又はブレーキペダルを作動させると、インバータは、モータ22のコイルにおいて生成される磁場を停止させるように構成され得る。その結果、モータ22はもはや、車輪20を駆動しない。代わりに、モータ22は、車輪20の回転によって駆動される。このため、モータ22は、電気エネルギーを生成する発電機として機能し始め得る。したがって、モータ22は、生成されたエネルギーをバッテリ、動力源24、及び/又は電源40に供給するように構成され得る。次いで、車輪20は、車輪20と道路との間に作用する摩擦によって減速され、それによって、車両10を減速させる。
【0015】
上述の要素に加えて、回生ブレーキ制御システム100はまた、1つ以上の電源40と、1つ以上のユーザインターフェース42と、1つ以上のユーザインターフェース要素44と、1つ以上の回生ブレーキ設定46と、1つ以上の重量センサ48W及び1つ以上の重心センサ48Cを含む1つ以上のセンサ48と、1つ以上のデータストア50と、1つ以上のプロセッサ52と、1つ以上のモジュール54と、1つ以上の回生ブレーキ制御モジュール56と、を含み得る。
【0016】
図1に示されるか又は本明細書に記載される要素の全てを回生ブレーキ制御システム100が有することが必須ではないと理解されるであろう。回生ブレーキ制御システム100は、図1に示される様々な要素の任意の組合せを有し得る。更に、回生ブレーキ制御システム100は、図1に示されるものに対して追加の要素を有し得る。いくつかの機構では、回生ブレーキ制御システム100は、図1に示される要素のうちの1つ以上を含まなくてもよい。更に、示される要素は、長い距離、物理的に分離され得る。回生ブレーキ制御システム100の可能性のある要素のうちのいくつかが図1に示されており、ここで記載される。
【0017】
回生ブレーキ制御システム100の様々な要素、例えば、ドライブトレインシステム18、摩擦ブレーキシステム32、回生ブレーキシステム36、電源40、ユーザインターフェース42、ユーザインターフェース要素44、センサ48、重量センサ48W、重心センサ48C、データストア50、プロセッサ52、及び/又はモジュール54は、1つ以上の通信ネットワークを通じて互いに又は1つ以上の他の要素に対して通信可能にリンクされ得る。本明細書で使用される「通信可能にリンク」という用語は、通信チャネル、バス、経路、又は別の構成要素若しくはシステムを通じた直接的又は間接的な接続を含み得る。本明細書で使用される「通信ネットワーク」という用語は、あるソースから別のソースに情報を送信及び/又は受信するように設計された1つ以上の構成要素を意味する。車両の要素は、好適な通信ソフトウェアを含み、及び/又は好適な通信ソフトウェアを実行することができ、当該好適な通信ソフトウェアは、様々な要素が、通信ネットワークを通じて互いに通信して、本明細書に開示される機能を実行することを可能にする。
【0018】
通信ネットワークは、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、公衆交換電話網(PSTN)、無線ネットワーク、モバイルネットワーク、仮想プライベートネットワーク(VPN)、インターネット、ハードワイヤード通信バス、及び/又は1つ以上のイントラネットとして実装され得るか、又はこれらを含み得るが、これらに限定されない。通信ネットワークは、短距離(例えば、Bluetooth(登録商標)を使用して、又はIEEE802無線通信プロトコル、例えば、802.11a/b/g/I、802.15、802.16、802.20、Wi‐Fi保護アクセス(WPA若しくはWPA2)のうちの1つを使用して構築されるローカル無線ネットワークか、長距離(例えば、モバイル、セルラ、及び/若しくは衛星ベースの無線ネットワーク、GSM、TDMA、CDMA、WCDMA(登録商標)ネットワーク、又は同種のもの)かに関わらず、1つ以上の無線ネットワークとして実装され得るか、又は1つ以上の無線ネットワークを含み得る。通信ネットワークは、有線通信リンク及び/又は無線通信リンクを含み得る。通信ネットワークは、上記ネットワークの任意の組合せ及び/又は他のタイプのネットワークを含み得る。
【0019】
上述のように、回生ブレーキ制御システム100は、1つ以上の電源40を含み得る。電源40は、車両10及び/又はトレーラ11並びに車両10及び/又はトレーラ11の要素を通電することができ及び/又は通電するように構成された任意の電源であり得る。例えば、電源40は、1つ以上のバッテリ、1つ以上の燃料電池、1つ以上の発電機、1つ以上のオルタネータ、1つ以上の太陽電池、及びそれらの組合せを含み得る。ある機構では、電源40は、車両10及び/又はトレーラ11の動力源24であり得る。
【0020】
上述のように、回生ブレーキ制御システム100は、1つ以上のユーザインターフェース42を含み得る。ユーザインターフェース42は、任意の好適な場所で、車両10に提供されて車両10に動作可能に接続され得る。例えば、ユーザインターフェース42は、ダッシュボード28及び/又はインストルメントパネル30の一部であり得る。
【0021】
図2A図2Cを参照すると、ユーザインターフェース42は、1つ以上のユーザインターフェース要素44を含み得る。ユーザインターフェース要素44は、任意の好適な手動のユーザインターフェース要素であり得る。例えば、図2A図2Cに示されるように、ユーザインターフェース要素44は、1つ以上のスイッチであり得る。他の例では、ユーザインターフェース要素44は、1つ以上のボタン、1つ以上のダイアル、1つ以上のレバー、1つ以上のノブ、1つ以上のキー、1つ以上のセレクタ、1つ以上の作動装置、任意の他の好適なユーザインターフェース要素、及び/又は以上の任意の組合せであり得る。追加的に又は代替的に、ユーザインターフェース要素44は、任意の好適なデジタル又はグラフィカルユーザインターフェース要素であり得る。例えば、ユーザインターフェース要素44は、1つ以上のスクリーン又は1つ以上のタッチスクリーンであり得る。
【0022】
ユーザインターフェース要素44は、1つ以上の回生ブレーキ設定46に対応し得る。回生ブレーキ設定46の各々は、ユーザにより選択可能であり得る。回生ブレーキ設定46の各々は、車輪20に掛けられる異なる所定量の回生ブレーキトルクに対応し得る。1つ以上の機構では、回生ブレーキ制御システム100は、3つの回生ブレーキ設定46を含み得る。このような機構では、第1の(LOW(低))回生ブレーキ設定46は、少量の回生ブレーキトルクに対応していてもよく、第2の(MEDIUM(中))回生ブレーキ設定46は、中間量の回生ブレーキトルクに対応していてもよく、第3の(HIGH(高))回生ブレーキ設定46は、多量の回生ブレーキトルクに対応していてもよい。いくつかの機構では、少量の回生ブレーキトルクは、約10%低減のブレーキ力に対応していてもよく、中間量の回生ブレーキトルクは、約15%低減のブレーキ力に対応していてもよく、多量の回生ブレーキトルクは、約20%低減のブレーキ力に対応していてもよい。別の機構又はより多くの機構では、回生ブレーキ設定46は、任意の好適な量の回生ブレーキトルク及び/又は任意の好適な量の低減ブレーキ力に対応し得る。いくつかの機構では、ユーザインターフェース要素44は、任意の好適な数の回生ブレーキ設定46に対応し得る。いくつかの機構では、回生ブレーキ設定46は、範囲を表し得る。範囲は、互いに重複していてもよく又は重複していなくてもよい。いくつかの機構では、回生ブレーキ設定46は、最低の回生ブレーキ設定46と最高の回生ブレーキ設定46との間の回生ブレーキトルクの範囲に対応し得る。
【0023】
図2A図2Cを参照すると、ユーザインターフェース要素44は、回生ブレーキ設定46を制御する任意の好適な数のユーザインターフェース要素44を含み得る。いくつかの機構では、ユーザインターフェース要素44は、オン/オフスイッチ60を含み得る。オン/オフスイッチ60は、回生ブレーキトルクを車輪20に掛けることを選択的に有効及び/又は無効にするように構成され得る。いくつかの機構では、ユーザインターフェース要素44は、1つ以上のレベルセレクタスイッチ62を含み得る。レベルセレクタスイッチ62は、車輪20に掛けられる回生ブレーキトルクの量を変更するように構成され得る。
【0024】
ユーザインターフェース要素44は、オン/オフスイッチ60及び/又はレベルセレクタスイッチ62の任意の好適な組合せを含み得る。例えば、図2Aに示されるように、ユーザインターフェース要素44は、1つのオン/オフスイッチ60と1つのレベルセレクタスイッチ62とを含み得る。レベルセレクタスイッチ62は、3つの回生ブレーキ設定46に対応する3つの位置(LOW(低)、MEDIUM(中)、及びHIGH(高))を有し得る。別の例では、図2Bに示されるように、ユーザインターフェース要素44は、1つのオン/オフスイッチ60と複数のレベルセレクタスイッチ62とを含み得る。図2Bに示される例では、レベルセレクタスイッチ62は、3つのレベルセレクタスイッチであり得る。各レベルセレクタスイッチは、3つの回生ブレーキ設定46に対応し得る。別の例では、図2Cに示されるように、ユーザインターフェース要素44は、組合せのオン/オフ及びレベルセレクタスイッチ60、62を含んでもよく、ここで、スイッチは、オフ設定及び3つの回生ブレーキ設定46に対応する4つの位置(オフ、LOW(低)、MEDIUM(中)、及びHIGH(高))を有する。もちろん、図2A図2Cに示される機構は単なる例であって、他の機構が可能であることが理解されるであろう。
【0025】
回生ブレーキ設定46は、車輪20に掛けられる様々なレベルの回生ブレーキトルクを提供し得る。したがって、操作者は、自身の運転スタイルに従ってブレーキシステムの感覚を制御し得る。しかしながら、いくつかの機構では、車両10の重量及び/若しくは重心、並びに/又は車両10に動作可能に接続されたトレーラ11の重量及び/若しくは重心は、回生ブレーキの有効性に影響を与え得る。
【0026】
それに応じて、回生ブレーキ設定46に対応する所定量の回生ブレーキトルクが調整され得る。本明細書に記載されるように、回生ブレーキ設定46についての所定量の回生ブレーキトルクは、車両の重量、車両の重心、車両に動作可能に接続されたトレーラの重量、及び車両に動作可能に接続されたトレーラの重心のうちの少なくとも1つに基づいて調整され得る。調整は、回生ブレーキ制御システム100によって自動的に行われ得る。調整は、車両の動作中又は多数の運転事象の間に、動的にリアルタイムで行われ得る。
【0027】
図1に戻って参照すると、回生ブレーキ制御システム100は、1つ以上のセンサ48を含み得る。本明細書で使用される「センサ」という用語は、何かを検出、決定、評価、監視、測定、定量化、取得、及び/又は感知することができる任意のデバイス、構成要素、及び/又はシステムを含み得る。センサ48は、リアルタイムに検出、決定、評価、監視、測定、定量化、取得、及び/又は感知し得る。本明細書で使用される「リアルタイム」という用語は、特定のプロセス若しくは決定が行われるのに充分迅速であるとユーザ若しくはシステムが感知する処理応答性のレベル、又はプロセッサが何らかの外部プロセスに追随することを可能にする処理応答性のレベルを意味し得る。センサ48は、車両10のユーザインターフェース42、ユーザインターフェース要素44、データストア50、プロセッサ52、及び/又は他の要素に動作可能に接続され得る。
【0028】
センサ48は、任意の好適なタイプのセンサを含み得る。センサ48は、車両10自体に関する情報(例えば、位置、向き、速度など)を検出、決定、評価、監視、測定、定量化、及び/又は感知し得る。センサ48はまた、車両10が位置する外部環境又はその1つ以上の部分に関するデータ又は情報を検出、決定、評価、監視、測定、定量化、取得、及び/又は感知し得る。
【0029】
センサ48は、車両10及び/又はトレーラ11の重量及び/又は重心に関するデータを検出及び/又は取得するように構成され得る。したがって、センサ48は、1つ以上の重量センサ48W及び/又は1つ以上の重心センサ48Cを含み得る。重量センサ48Wは、車両10の重量、トレーラ11の重量、又は車両10及びトレーラ11の組み合わされた重量に関するデータを検出及び/又は取得するように構成され得る。同様に、重心センサ48Cは、車両10の重心、トレーラ11の重心、又は車両10及びトレーラ11の組み合わされた重心に関するデータを検出及び/又は取得するように構成され得る。いくつかの機構では、重心センサ48Cは、車両10、トレーラ11、並びに/又は車両10及びトレーラ11の両方の重心を決定するために使用され得るデータを取得するように構成され得る。
【0030】
上述のように、回生ブレーキ制御システム100は、1つ以上のデータストア50を含み得る。データストア50は、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含み得る。好適なデータストアの例としては、RAM(ランダムアクセスメモリ)、フラッシュメモリ、ROM(リードオンリーメモリ)、PROM(プログラマブルリードオンリーメモリ)、EPROM(消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ)、EEPROM(電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハードドライブ、若しくは任意の他の好適な記憶媒体、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。データストア50は、プロセッサ52の構成要素であり得るか、又はデータストア50は、プロセッサ52によって使用されるようにプロセッサ52に動作可能に接続され得る。データストア50は、センサ48からのデータを記憶するように構成され得る。
【0031】
上述のように、回生ブレーキ制御システム100は、1つ以上のプロセッサ52を含み得る。本明細書で使用される「プロセッサ」という用語は、本明細書に記載されるプロセスのうちのいずれか、又はこのようなプロセスを実行するか若しくはこのようなプロセスを実行させる任意の形態の命令を実行するように構成された任意の構成要素又は構成要素のグループを意味し得る。プロセッサ52は、1つ以上の汎用プロセッサ及び/又は1つ以上の専用プロセッサで実装され得る。好適なプロセッサの例としては、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSPプロセッサ、及びソフトウェアを実行することができる他の回路が挙げられる。好適なプロセッサの更なる例としては、中央処理装置(CPU)、アレイプロセッサ、ベクトルプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジック回路、及びコントローラが挙げられるが、これらに限定されない。プロセッサ52は、プログラムコード内に含まれる命令を実行するように構成された少なくとも1つのハードウェア回路(例えば、集積回路)を含み得る。複数のプロセッサ52が存在する機構では、プロセッサ52は、互いに独立して機能し得るか、又は1つ以上のプロセッサ52は、互いに組み合わさって機能し得る。プロセッサ52は、センサ48及び/又はデータストア50からデータを受信するように構成され得る。
【0032】
上述のように、回生ブレーキ制御システム100は、1つ以上のモジュール54を含み得る。モジュール54は、プロセッサ52によって実行されると、本明細書に記載される様々なプロセスのうちの1つ以上を実装するコンピュータ可読プログラムコードとして実装され得る。モジュール54は、プロセッサ52の構成要素であり得るか、又はモジュール54は、プロセッサ52が動作可能に接続された他の処理システム上で実行され、及び/若しくは当該他の処理システム間で分散され得る。モジュール54は、プロセッサ52によって実行可能な命令(例えば、プログラムロジック)を含み得る。代替的に又は追加的に、データストア50は、このような命令を含み得る。1つ以上の機構では、本明細書に記載されるモジュール54は、人工知能要素又は計算知能要素、例えば、ニューラルネットワーク、ファジーロジック、又は他の機械学習アルゴリズムを含み得る。更に、1つ以上の機構では、モジュール54は、複数のモジュール54間で分散され得る。1つ以上の機構では、本明細書に記載されるモジュール54のうちの2つ以上は、単一のモジュールに組み合わされ得る。
【0033】
モジュール54の一部として、車両は、1つ以上の回生ブレーキ制御モジュール56を含み得る。回生ブレーキ制御モジュール56は、センサ48及び/又はデータストア50からのデータを分析するプロファイル及びロジックを含み得る。回生ブレーキ制御モジュール56は、データに基づいて状態を検出するように構成され得る。例えば、回生ブレーキ制御モジュール56は、車両の重量、車両の重心、車両に動作可能に接続されたトレーラの重量、及び車両に動作可能に接続されたトレーラの重心のうちの少なくとも1つを検出するように構成され得る。状態の検出は、連続的に、定期的に、不定期に、更にはランダムに生じ得る。
【0034】
回生ブレーキ制御モジュール56は、状態に基づいて回生ブレーキ設定46についての回生ブレーキトルクの量を調整するプロファイル及びロジックを含み得る。回生ブレーキ制御モジュール56は、任意の好適な方法で回生ブレーキ設定46についての回生ブレーキトルクの量を調整し得る。一例では、回生ブレーキ制御モジュール56は、車両の使用中に連続的に回生ブレーキ設定46についての回生ブレーキトルクの量を調整し得る。別の例では、回生ブレーキ制御モジュール56は、1度だけの較正を用いて回生ブレーキ設定46についての回生ブレーキトルクの量を調整し得る。
【0035】
回生ブレーキ設定46についての回生ブレーキトルクの量を調整するために、回生ブレーキ制御モジュール56は、モータ22からバッテリ、動力源24、及び/又は電源40に供給されるエネルギーの量を制御するように構成され得る。供給されるエネルギーの量は、インバータによって制御され得る。モータ22からバッテリ、動力源24、及び/又は電源40に供給されるエネルギーの量は、回生ブレーキトルクの量に影響を与える。例えば、ブレーキ設定46についての回生ブレーキトルクの量を増加させるべきであると回生ブレーキ制御モジュール56が決定する場合、回生ブレーキ制御モジュール56は、モータ22からバッテリ、動力源24、及び/又は電源40に供給されるエネルギーの量を増加させるように構成され得る。別の例では、ブレーキ設定46についての回生ブレーキトルクの量を減少させるべきであると回生ブレーキ制御モジュール56が決定する場合、回生ブレーキ制御モジュール56は、モータ22からバッテリ、動力源24、及び/又は電源40に供給されるエネルギーの量を減少させるように構成され得る。
【0036】
回生ブレーキ制御モジュール56は、車両の重量、車両の重心、車両に動作可能に接続されたトレーラの重量、及び車両に動作可能に接続されたトレーラの重心のうちの少なくとも1つに基づいて回生ブレーキ設定46についての回生ブレーキトルクの量を調整するように構成され得る。1つ以上の機構では、回生ブレーキ制御モジュール56は、車両10の重量及び/又はトレーラ11の重量を検出するように構成され得る。車両10の重量及び/又はトレーラ11の重量が所定の重量閾値よりも高いことを回生ブレーキ制御モジュール56が決定する場合、回生ブレーキ制御モジュール56は、回生ブレーキ設定46についての回生ブレーキトルクの量を増加させるように構成され得る。車両10の重量及び/又はトレーラ11の重量が所定の重量閾値よりも高い場合、車両10及び/又はトレーラ11は、より多くのブレーキ力を必要とし得るため、当該回生ブレーキトルクの量の増加が行われ得る。同様に、車両10の重量及び/又はトレーラ11の重量が所定の重量閾値よりも低いことを回生ブレーキ制御モジュール56が決定する場合、回生ブレーキ制御モジュール56は、回生ブレーキ設定46についての回生ブレーキトルクの量を減少させるように構成され得る。車両10の重量及び/又はトレーラ11の重量が所定の重量閾値よりも低い場合、車両10及び/又はトレーラ11は、ブレーキ力をあまり必要としない場合があるため、当該回生ブレーキトルクの量の減少が行われ得る。所定の重量閾値は、任意の好適な所定の重量閾値であり得る。1つ以上の機構では、回生ブレーキ制御モジュール56は、車両10の重量及び/又はトレーラ11の重量が増加するにつれて比例して回生ブレーキトルクの量を増加させるように構成され得る。同様に、回生ブレーキ制御モジュール56は、車両10の重量及び/又はトレーラ11の重量が減少するにつれて比例して回生ブレーキトルクの量を減少させるように構成され得る。
【0037】
1つ以上の機構では、回生ブレーキ制御モジュール56は、車両10の重心及び/又はトレーラ11の重心を検出し得る。車両10の重心及び/又はトレーラ11の重心が所定の重心閾値よりも高いことを回生ブレーキ制御モジュール56が決定する場合、回生ブレーキ制御モジュール56は、回生ブレーキ設定46についての回生ブレーキトルクの量を減少させるように構成され得る。車両10の重心及び/又はトレーラ11の重心が所定の重心閾値よりも高い場合、車両10及び/又はトレーラ11は、ブレーキ力をあまり必要としない場合があるため、当該回生ブレーキトルクの量の減少が行われ得る。同様に、車両10の重心及び/又はトレーラ11の重心が所定の重心閾値よりも低いことを回生ブレーキ制御モジュール56が決定する場合、回生ブレーキ制御モジュール56は、回生ブレーキ設定46についての回生ブレーキトルクの量を増加させるように構成され得る。車両10の重心及び/又はトレーラ11の重心が所定の重心閾値よりも低い場合、車両10及び/又はトレーラ11は、より多くのブレーキ力を必要とし得るため、当該回生ブレーキトルクの量の増加が行われ得る。所定の重心閾値は、任意の好適な所定の重心閾値であり得る。1つ以上の機構では、回生ブレーキ制御モジュール56は、車両10の重心及び/又はトレーラ11の重量が増加するにつれて比例して回生ブレーキトルクの量を増加させるように構成され得る。同様に、回生ブレーキ制御モジュール56は、車両10の重心及び/又はトレーラ11の重量が減少するにつれて比例して回生ブレーキトルクの量を減少させるように構成され得る。
【0038】
可能性のある様々なシステム、デバイス、要素、及び/又は構成要素を記載してきたため、ここで、方法に関する可能性のある様々なステップを含む方法を記載する。記載される方法は、上述の機構に適用可能であり得るが、当該方法は、他の好適なシステム及び機構で実行され得ることを理解されたい。更に、当該方法は、本明細書に示されていない他のステップを含んでもよく、実際、当該方法は、示される全てのステップを含んだものに限定されない。当該方法の一部として本明細書で示されるブロックは、特定の時系列の順に限定されない。実際、ブロックの一部は、示されるものとは異なる順で実行されてもよく、及び/又は示されるブロックの少なくとも一部は同時に起き得る。
【0039】
図3を参照すると、方法300の例が示されている。ブロック310で、状態が検出され得る。本明細書に記載されるように、状態は、車両10の重量、車両10の重心、車両10に動作可能に接続されたトレーラ11の重量、及び車両10に動作可能に接続されたトレーラ11の重心のうちの少なくとも1つであり得る。検出は、プロセッサ52及び/又は回生ブレーキ制御モジュール56によって実行され得る。検出は、センサ48によって取得されるセンサデータに基づき得る。方法300は、ブロック320に続き得る。
【0040】
ブロック320で、状態の検出に応じて、回生ブレーキ設定46についての回生ブレーキトルクの量に、状態に基づいた調整をもたらし得る。当該調整をもたらすことは、プロセッサ52及び/又は回生ブレーキ制御モジュール56によって実行され得る。方法は、ブロック310に戻り得るか、又は何らかの他のブロックに進み得る。
【0041】
本明細書に記載される機構は、ユーザが選択可能な回生ブレーキ設定の利点を電気自動車の操作者に提供し得る。更に、本明細書に記載される機構は、回生ブレーキを最適化するために、車両10及び/又はトレーラ11の重量及び/又は重心に基づいて回生ブレーキ設定を調整する利点を提供し得る。
【0042】
図におけるフローチャート及びブロック図は、様々な実施形態によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能性のある実装態様のアーキテクチャ、機能、及び動作を示す。この点で、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、指定された論理機能を実装する1つ以上の実行可能命令を備えるコードのモジュール、セグメント、又は一部を表し得る。いくつかの代替的な実装態様では、ブロック図に記された機能は、図に記された順と関係なく起こり得ることも留意されたい。例えば、連続して示される2つのブロックは実際、実質的に同時に実行され得るか、又はブロックは時には、関連する機能に応じて、逆順で実行され得る。
【0043】
上述のシステム、構成要素、及び/又はプロセスは、ハードウェア又はハードウェア及びソフトウェアの組合せで実現することができ、1つの処理システム内の中央集中方式、又は異なる要素がいくつかの相互接続された処理システムにわたって広がっている分散方式で実現することができる。本明細書に記載される方法を実行するように構成された任意の種類の処理システム又は他の装置が好適である。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組合せは、ロード及び実行されているとき、処理システムが本明細書に記載される方法を実行するように処理システムを制御するコンピュータ使用可能プログラムコードを有する処理システムであり得る。システム、構成要素、及び/又はプロセスはまた、機械によって読み取り可能であって、本明細書に記載される方法及びプロセスを実行するために機械によって実行可能な命令のプログラムを有体的に具現化する、コンピュータプログラム製品又は他のデータプログラム記憶デバイスなどのコンピュータ可読ストレージに組み込まれ得る。これらの要素はまた、アプリケーション製品に組み込まれてもよく、当該アプリケーション製品は、本明細書に記載される方法の実装を可能にする全ての特徴を備え、処理システムにおいてロードされると、当該方法を実行することができる。
【0044】
本明細書で使用される「1つ(a)」及び1つ(an)」という用語は、1つ又は複数として定義される。本明細書で使用される「複数」という用語は、2つ又は2つよりも多いものとして定義される。本明細書で使用される「別の」という用語は、少なくとも第2の又はより多くのものとして定義される。本明細書で使用される「含む」及び/又は「有する」という用語は、備える(comprising)(すなわち、オープンランゲージ)として定義される。本明細書で使用される「...及び...のうちの少なくとも1つ」というフレーズは、関連する列挙事項のうちの1つ以上の任意の全ての可能性のある組合せを指し、当該組合せを包含する。例として、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」というフレーズは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、又はそれらの任意の組合せ(例えば、AB、AC、BC、若しくはABC)を含む。
【0045】
本明細書で使用される「実質的に」及び/又は「約」という用語は、当該用語が修飾する用語そのもの、及びそこからのわずかな変動を意味する。したがって、「実質的に平行」という用語は、厳密な平行及びそこからのわずかな変動を意味する。「そこからのわずかな変動」は、15度/パーセント/単位以下の範囲内、14度/パーセント/単位以下の範囲内、13度/パーセント/単位以下の範囲内、12度/パーセント/単位以下の範囲内、11度/パーセント/単位以下の範囲内、10度/パーセント/単位以下の範囲内、9度/パーセント/単位以下の範囲内、8度/パーセント/単位以下の範囲内、7度/パーセント/単位以下の範囲内、6度/パーセント/単位以下の範囲内、5度/パーセント/単位以下の範囲内、4度/パーセント/単位以下の範囲内、3度/パーセント/単位以下の範囲内、2度/パーセント/単位以下の範囲内、又は1度/パーセント/単位以下の範囲内を含み得る。いくつかの例では、「実質的に」は、通常の製造許容差の範囲内を含み得る。
【0046】
本明細書における態様は、その精神又は本質的属性から逸脱することなく他の形態で具現化され得る。したがって、本発明の範囲を示すものとして、以上の明細書ではなく以下の特許請求の範囲を参照すべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
【国際調査報告】