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特表2024-511994眼疾患を処置するための方法および組成物
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  • 特表-眼疾患を処置するための方法および組成物 図1
  • 特表-眼疾患を処置するための方法および組成物 図2A
  • 特表-眼疾患を処置するための方法および組成物 図2B
  • 特表-眼疾患を処置するための方法および組成物 図3A
  • 特表-眼疾患を処置するための方法および組成物 図3B
  • 特表-眼疾患を処置するための方法および組成物 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】眼疾患を処置するための方法および組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4168 20060101AFI20240311BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240311BHJP
   A61K 31/202 20060101ALI20240311BHJP
   A61K 31/232 20060101ALI20240311BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240311BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20240311BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20240311BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20240311BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20240311BHJP
   A61K 9/127 20060101ALI20240311BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20240311BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240311BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20240311BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20240311BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240311BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20240311BHJP
   A61P 27/12 20060101ALI20240311BHJP
   A61P 27/10 20060101ALI20240311BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
A61K31/4168
A61K45/00
A61K31/202
A61K31/232
A61K9/08
A61K9/06
A61K47/06
A61K47/44
A61K47/14
A61K9/127
A61K9/12
A61K47/10
A61K47/32
A61K47/22
A61P27/02
A61P27/06
A61P27/12
A61P27/10
A61P43/00 121
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557270
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-11-20
(86)【国際出願番号】 US2022020803
(87)【国際公開番号】W WO2022197960
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】63/162,960
(32)【優先日】2021-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/219,336
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/283,117
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】518014014
【氏名又は名称】ジェニヴィジョン インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ウェイツェン
(72)【発明者】
【氏名】ウッドワード,デイビッド,エフ.
(72)【発明者】
【氏名】スナイダー,ノンナ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA06
4C076AA07
4C076AA09
4C076AA11
4C076AA12
4C076AA13
4C076AA14
4C076AA17
4C076AA19
4C076AA22
4C076AA24
4C076BB24
4C076CC10
4C076DD09
4C076DD34
4C076DD38
4C076DD41
4C076DD46
4C076DD59R
4C076EE06
4C076EE23
4C076EE51
4C076EE53
4C084AA19
4C084MA02
4C084MA13
4C084MA17
4C084MA22
4C084MA23
4C084MA24
4C084MA28
4C084MA58
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA331
4C084ZA332
4C084ZB082
4C084ZB112
4C084ZB212
4C084ZB262
4C084ZB332
4C084ZB352
4C084ZC202
4C084ZC412
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC38
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA17
4C086MA22
4C086MA23
4C086MA24
4C086MA28
4C086MA58
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA33
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206DA05
4C206DB09
4C206DB43
4C206MA04
4C206MA05
4C206MA33
4C206MA37
4C206MA42
4C206MA43
4C206MA44
4C206MA48
4C206MA78
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA33
4C206ZC75
(57)【要約】
【解決手段】様々な化合物を眼、特に眼の後部に局所的に投与するための組成物および方法が本明細書に記載されている。このような組成物および方法は、様々な疾患および障害を処置するために、ならびに眼の一般的な健康を促進するために有用である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼の後部の疾患または障害に苦しむ患者の前記疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、前記患者の眼の眼窩周囲皮膚に投与する工程を含む、方法。
【請求項2】
前記眼の後部の疾患または障害は網膜疾患を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記網膜疾患は、網膜または脈絡膜の血管系からの出血を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記出血は、全身性高血圧症、糖尿病、脂肪肝疾患、肥満症、揺さぶられっ子症候群、頭部外傷、貧血症、または白血病によって引き起こされる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
網膜の疾患または障害は、網膜または脈絡膜の血管系からの血漿漏出を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記血漿漏出は、全身性高血圧症、糖尿病、脂肪肝疾患、肥満症、揺さぶられっ子症候群、頭部外傷、貧血症、または白血病によって引き起こされる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
網膜の疾患または障害は、網膜または脈絡膜の血管系に関与する黄斑浮腫形成を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記眼の後部の疾患または障害は、加齢黄斑変性(滲出型および乾性型)、乾性および滲出型黄斑変性、格子状変性、黄斑円孔、黄斑パッカー、格子状変性、網膜裂孔、網膜剥離、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、網膜中心静脈閉塞、眼内腫瘍、小児、新生児、または遺伝性の網膜障害、遺伝性網膜ジストロフィー、地図状萎縮、網膜色素変性症(レーバー先天黒内障を含む)、サイトメガロウイルス(cmv)網膜感染、感染性網膜炎、網膜芽細胞腫、眼内炎、脈絡網膜炎、近視性黄斑変性および正常眼圧緑内障、緑内障における網膜変性、限定されないが、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、鎌状赤血球網膜症(Sickel cell retinopathy)、放射線/太陽性網膜症、中心性漿液性脈絡網膜症、高血圧網膜症、末梢性網膜症および神経障害を含む様々な網膜症、黄斑浮腫、網膜出血、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性黄斑虚血、地図状萎縮、シュタルガルト病、ブドウ膜炎(中間部ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、および全ブドウ膜炎を含む)、または、屈折異常(近視、遠視、および乱視)である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
網膜の疾患または障害は加齢黄斑変性である、請求項2~8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記眼の後部の疾患または障害は、後部ブドウ膜炎である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記患者に追加の治療剤を投与する工程をさらに含む、請求項1~10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記追加の治療剤は、VEGF抗体、小分子VEGFアンタゴニスト、VEGF受容体を標的とするsiRNA、TNFα抗体、小分子TNFα受容体アンタゴニスト、TNFα受容体を標的とするsiRNA、炎症性サイトカイン受容体アンタゴニスト、炎症性サイトカインに対する抗体、チロシンキナーゼ阻害剤、セリン/トレオニン-プロテインキナーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤、ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制薬、抗コリン作動薬、サリドマイド、プロスタグランジン受容体アンタゴニスト、神経保護剤、神経栄養剤、神経再生剤、眼圧降下薬、抗生物質、抗ウイルス剤、補体阻害剤、インターロイキン受容体阻害剤、ロイコトリエン受容体阻害剤、腫瘍形成と発育の阻害剤、血管新生阻害剤、または抗酸化もしくは抗微小血管漏出特性を有する剤である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、予防的に、緊急介入として、または所望の改善効果を達成するために必要に応じて、投与される、請求項1~12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物として投与される、請求項1~13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、前記組成物の約0.0001%~約10%(w/w)の量で存在する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記組成物は、水溶液、非水溶液、油性溶液、ゲル、懸濁液、エマルジョン、ローション、クリーム、または軟膏である、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記組成物は軟膏である、請求項14~16のいずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
前記軟膏はワセリン、蜜蝋、またはカカオバターを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記軟膏はワセリンおよび中鎖トリグリセリドを含む、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記中鎖トリグリセリドは、C6、C8、C10、およびC12脂肪酸の混合物を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記中鎖トリグリセリドは、カプリル酸およびカプリン酸の混合物を含む、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記軟膏は、約1:1(v/v)、約2:1(v/v)、約3:1(v/v)、約4:1(v/v)、約5:1(v/v)、または約6:1(v/v)の比でワセリンと中鎖トリグリセリドを含む、請求項17~21のいずれか1つに記載の方法。
【請求項23】
前記軟膏は、約4:1(v/v)の比でワセリンと中鎖トリグリセリドを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記組成物は水溶液である、請求項14~16のいずれか1つに記載の方法。
【請求項25】
前記水溶液はポリオキシルヒマシ油を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ポリオキシルヒマシ油は、ポリエチレングリコール(PEG)化(polyethylene glycol(PEG)-ylated)ヒマシ油である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ポリオキシルヒマシ油はポリオキシル35ヒマシ油である、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
前記ポリオキシル35ヒマシ油は、組成物の約0.1%~約5%、約0.1%~約10%、約0.1%~約15%、または約0.1%~約20%(w/w)の量で存在する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記組成物は眼表面潤滑剤を含む、請求項24~28のいずれか1つに記載の方法。
【請求項30】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、スポイト、ポンプ、スプレー、クリックペンまたはローラー/リザーバーデバイスによって前記患者の少なくとも片眼の眼窩周囲皮膚に適用される、請求項1~29のいずれか1つに記載の方法。
【請求項31】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、ブラシ、Qチップ、またはスパーテルによって前記患者の少なくとも片眼の眼窩周囲皮膚に適用され、適用プロセスは任意選択で、目盛り付きスポイト、シリンジ、クリックペン、またはピペットの使用から開始される、請求項1~29のいずれか1つに記載の方法。
【請求項32】
眼窩周囲皮膚への浸透は、テープストリップピング(tape-stripping)、マイクロダーマブレーション(microdermabrasion)、溶媒、パルスレーザー、イオン導入、またはそれらの組み合わせによって補助される、請求項1~31のいずれか1つに記載の方法。
【請求項33】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、1日おきに1回、3日おきに1回、4日おきに1回、または7日おきに1回、前記患者の各眼の眼窩周囲皮膚に投与される、請求項1~32のいずれか1つに記載の方法。
【請求項34】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日1回投与される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記方法は、上眼瞼の上方、下眼瞼の下方、または上眼瞼の上方と下眼瞼の下方の両方の眼窩周囲皮膚に組成物を投与する工程を含む、請求項1~34のいずれか1つに記載の方法。
【請求項36】
前記追加の治療剤は、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩である、請求項11に記載の方法。
【請求項37】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、およびオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、単一組成物として製剤化および投与される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
眼の後部の疾患または障害に苦しむ患者の前記疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、前記患者の眼の眼表面に投与する工程を含む、方法。
【請求項39】
前記眼の後部の疾患または障害は網膜疾患を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記網膜疾患は、網膜または脈絡膜の血管系からの出血を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記出血は、全身性高血圧症、糖尿病、脂肪肝疾患、肥満症、揺さぶられっ子症候群、頭部外傷、貧血症、または白血病によって引き起こされる、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
網膜の疾患または障害は、網膜または脈絡膜の血管系からの血漿漏出を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記血漿漏出は、全身性高血圧症、糖尿病、脂肪肝疾患、肥満症、揺さぶられっ子症候群、頭部外傷、貧血症、または白血病によって引き起こされる、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
網膜の疾患または障害は、網膜または脈絡膜の血管系における黄斑浮腫形成を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
前記眼の後部の疾患または障害は、加齢黄斑変性(滲出型および乾性型)、乾性および滲出型黄斑変性、格子状変性、黄斑円孔、黄斑パッカー、格子状変性、網膜裂孔、網膜剥離、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、網膜中心静脈閉塞、眼内腫瘍、小児、新生児、または遺伝性の網膜障害、遺伝性網膜ジストロフィー、地図状萎縮、網膜色素変性症(レーバー先天黒内障を含む)、サイトメガロウイルス(cmv)網膜感染、感染性網膜炎、網膜芽細胞腫、眼内炎、脈絡網膜炎、近視性黄斑変性および正常眼圧緑内障、緑内障における網膜変性、限定されないが、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、鎌状赤血球網膜症、放射線/太陽性網膜症、中心性漿液性脈絡網膜症、高血圧網膜症、末梢性網膜症および神経障害を含む様々な網膜症、黄斑浮腫、網膜出血、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性黄斑虚血、地図状萎縮、シュタルガルト病、ブドウ膜炎(中間部ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、および全ブドウ膜炎を含む)、または、屈折異常(近視、遠視、および乱視)である、請求項38に記載の方法。
【請求項46】
網膜の疾患または障害は加齢黄斑変性である、請求項39~45のいずれか1つに記載の方法。
【請求項47】
前記眼の後部の疾患または障害は、後部ブドウ膜炎である、請求項38に記載の方法。
【請求項48】
前記患者に追加の治療剤を投与する工程をさらに含む、請求項38~47のいずれか1つに記載の方法。
【請求項49】
前記追加の治療剤は、小分子VEGFアンタゴニスト、VEGF受容体を標的とするsiRNA、小分子TNFα受容体アンタゴニスト、TNFα受容体を標的とするsiRNA、炎症性サイトカイン受容体アンタゴニスト、チロシンキナーゼ阻害剤、セリン/トレオニン-プロテインキナーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤、ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制薬、抗コリン作動薬、サリドマイド、プロスタグランジン受容体アンタゴニスト、神経保護剤、神経再生剤、眼圧降下薬、抗生物質、抗ウイルス剤、補体阻害剤、インターロイキン受容体阻害剤、ロイコトリエン受容体阻害剤、腫瘍形成と発育の阻害剤、血管新生阻害剤、または抗酸化もしくは抗微小血管漏出特性を有する剤である、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは組成物として投与され、前記組成物は、リポソームまたはナノ粒子における水溶液、非水溶液、油性溶液、ゲル、懸濁液、エマルジョン、クリーム、軟膏である、請求項38~49のいずれか1つに記載の方法。
【請求項51】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物の約0.0001%~約10%(w/w)の量で存在する、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記組成物は水溶液である、請求項50または51に記載の方法。
【請求項53】
前記水溶液はポリオキシルヒマシ油を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記ポリオキシルヒマシ油は、ポリエチレングリコール(PEG)化ヒマシ油である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記ポリオキシルヒマシ油はポリオキシル35ヒマシ油である、請求項53または54に記載の方法。
【請求項56】
前記ポリオキシル35ヒマシ油は、組成物の約0.1%~約5%、約0.1%~約10%、約0.1%~約15%、または約0.1%~約20%(w/w)の量で存在する、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記組成物は眼表面潤滑剤を含む、請求項53~55のいずれか1つに記載の方法。
【請求項58】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、1日おきに1回、3日おきに1回、4日おきに1回、または7日おきに1回、患者の各眼の眼表面に投与される、請求項38~57のいずれか1つに記載の方法。
【請求項59】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日1回投与される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記追加の治療剤は、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩である、請求項48に記載の方法。
【請求項61】
前記オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、組成物として眼窩周囲に投与される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
ブドウ膜炎に苦しむ患者の前記ブドウ膜炎を処置する方法であって、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、前記患者の眼に投与する工程を含む、方法。
【請求項63】
翼状片に苦しむ患者の前記翼状片を処置する方法であって、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、前記患者の眼に投与する工程を含む、方法。
【請求項64】
眼の疾患または障害に苦しむ患者の前記疾患または障害を処置する方法であって、前記方法は、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、前記患者の眼に投与する工程を含み、
前記眼の疾患または障害は、前眼部形成不全、白内障、虹彩炎、翼状片、角結膜炎、角膜炎、結膜炎、円錐角膜、拡張性障害(球状角膜、透明辺縁変性(pellucid marginal degeneration)を含む)、偽水晶体および無水晶体水疱性角膜症、上強膜炎、角膜潰瘍、角膜異形成、角膜潰瘍、フックス内皮ジストロフィーおよび他の角膜ジストロフィー(格子状、顆粒状、斑状、および地図状(map)-点状(dot)指紋状を含む)、眼の瘢痕性類天疱瘡、スティーヴンス・ジョンソン症候群、急性および慢性ブドウ膜炎(前部ブドウ膜炎、中間部ブドウ膜炎)、虹彩外傷を含む角膜、結膜、および前眼部への外傷、または貫通性眼外傷である、方法。
【請求項65】
眼瞼に影響を与える眼の疾患または障害に苦しむ患者の前記眼の疾患または障害を処置する方法であって、前記方法は、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、前記患者の眼に投与する工程を含み、前記眼瞼に影響を与える眼の疾患または障害は、眼瞼炎、眼瞼痙攣、霰粒腫、下垂症、コロボーマ、皮膚弛緩症、外反症、内反症、睫毛乱生症、麦粒腫、瞼板腺炎、マイボーム腺機能不全、涙腺閉塞、涙腺閉塞、脂漏性角膜炎、紫外線角膜炎、細菌感染、またはウイルス感染である、方法。
【請求項66】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物として前記眼の表面に局所的に投与される、請求項62~65のいずれか1つに記載の方法。
【請求項67】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物として眼窩周囲に投与される、請求項62~66のいずれか1つに記載の方法。
【請求項68】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物として前記眼の表面に局所的に投与され、組成物として眼窩周囲に別々に適用される、請求項62~67のいずれか1つに記載の方法。
【請求項69】
前記組成物は、siRNAまたは抗体の同時取り込みを伴うまたはまたは伴わないリポソームまたはナノ粒子における、水溶液、非水溶液、油性溶液、ゲル、懸濁液、エマルジョン、クリーム、または軟膏である、請求項66~68のいずれか1つに記載の方法。
【請求項70】
前記組成物は水溶液である、請求項66~69のいずれか1つに記載の方法。
【請求項71】
前記水溶液はポリオキシルヒマシ油を含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記ポリオキシルヒマシ油は、ポリエチレングリコール(PEG)化ヒマシ油である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記ポリオキシルヒマシ油はポリオキシル35ヒマシ油である、請求項71または72に記載の方法。
【請求項74】
前記ポリオキシル35ヒマシ油は、組成物の約0.1%~約5%、約0.1%~約10%、約0.1%~約15%、または約0.1%~約20%(w/w)の量で存在する、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記組成物は眼表面潤滑剤を含む、請求項70~74のいずれか1つに記載の方法。
【請求項76】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、スポイト、ポンプ、スプレー、クリックペン、またはローラー/リザーバーデバイスによって局所的に適用される、請求項62~75のいずれか1つに記載の方法。
【請求項77】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、ブラシ、Qチップ、またはスパーテルによって少なくとも片眼の眼窩周囲皮膚に局所的に適用され、適用プロセスは、目盛り付きスポイト、シリンジ、クリックペン、またはピペットの使用から開始されてもよい、請求項62~76のいずれか1つに記載の方法。
【請求項78】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、1日おきに1回、3日おきに1回、4日おきに1回、または7日おきに1回、前記患者に投与される、請求項62~77のいずれか1つに記載の方法。
【請求項79】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日1回投与される、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記患者の眼の眼窩周囲皮膚に、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む局所用医薬組成物を投与する工程をさらに含む、請求項62~79のいずれか1つに記載の方法。
【請求項81】
4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む、局所的な眼窩周囲投与に適した医薬組成物。
【請求項82】
前記医薬組成物は、siRNAまたは抗体の同時取り込みを伴うまたはまたは伴わないリポソームまたはナノ粒子における、水溶液、非水溶液、油性溶液、ゲル、懸濁液、エマルジョン、クリーム、軟膏である、請求項81に記載の医薬組成物。
【請求項83】
前記医薬組成物は油性溶液として製剤化される、請求項81または82に記載の医薬組成物。
【請求項84】
前記医薬組成物は前記医薬組成物の約1%~約100%(w/w)の量の油を含む、請求項81~83のいずれか1つに記載の方法。
【請求項85】
前記医薬組成物は、前記医薬組成物の少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.95%、少なくとも約99.96%、少なくとも約99.97%、少なくとも約99.98%、または少なくとも約99.99%(w/w)の量の油を含む、請求項81~84のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項86】
前記油は天然資源に由来する、請求項82~85のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項87】
前記油は植物、植物の種もしくは木の実、またはそれらの任意の組み合わせに由来する、請求項86に記載の医薬組成物。
【請求項88】
前記油は中鎖トリグリセリドを含む、請求項83~87のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項89】
前記中鎖トリグリセリドは、C6、C8、C10、またはC12脂肪酸の混合物を含む、請求項88に記載の医薬組成物。
【請求項90】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、前記医薬組成物の約0.00015%~約10%(w/w)の量で存在する、請求項81~89のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項91】
前記医薬組成物は、1回の投与あたり、1つの眼につき約0.5マイクログラム(μg)~約5ミリグラム(mg)の前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを分注するように構成される、請求項81~90のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項92】
皮膚軟化剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、浸透促進剤、またはこれらの任意の組み合わせをさらに含む、請求項81~91のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項93】
オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩をさらに含む、請求項81~92のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項94】
4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩と、ポリオキシルヒマシ油とを含む、局所的な眼表面投与に適した医薬組成物。
【請求項95】
前記ポリオキシルヒマシ油は、ポリエチレングリコール(PEG)化ヒマシ油である、請求項94に記載の医薬組成物。
【請求項96】
PEG対ヒマシ油の比は約20:1~約50:1である、請求項95に記載の医薬組成物。
【請求項97】
前記ポリオキシルヒマシ油はポリオキシル35ヒマシ油である、請求項94~96のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項98】
前記ポリオキシル35ヒマシ油は、前記医薬組成物の約0.1%~約5%、約0.1%~約10%、約0.1%~約15%、または約0.1%~約20%(w/w)の量で存在する、請求項97に記載の医薬組成物。
【請求項99】
前記ポリオキシル35ヒマシ油は、前記医薬組成物の約1%(w/w)の量で存在する、請求項97または98に記載の医薬組成物。
【請求項100】
眼表面潤滑剤をさらに含む、請求項94~99のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項101】
前記眼表面潤滑剤は、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒマシ油、またはグリセロールである、請求項100に記載の医薬組成物。
【請求項102】
前記眼表面潤滑剤は、前記医薬組成物の約0.05%~約2%(w/w)の量で存在する、請求項100または101に記載の医薬組成物。
【請求項103】
緩衝剤をさらに含む、請求項94~102のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項104】
前記医薬組成物は約6.5~約8.5のpHを有する、請求項94~103のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項105】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、前記医薬組成物の約0.0001%~約10%(w/w)の量で存在する、請求項94~104のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項106】
対象における眼の健康を促進し、または眼の疾患を予防もしくは処置する方法であって、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む局所用医薬組成物を、前記対象の眼の眼窩周囲皮膚に投与する工程を含む、方法。
【請求項107】
前記オメガ-3脂肪酸は魚組織から単離される、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記オメガ-3脂肪酸は、植物源から単離される、請求項106に記載の方法。
【請求項109】
前記オメガ-3脂肪酸は、α-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項106~108のいずれか1つに記載の方法。
【請求項110】
前記オメガ-3脂肪酸はDHAを含む、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記オメガ-3脂肪酸はEPAを含む、請求項109に記載の方法。
【請求項112】
前記オメガ-3脂肪酸は、約0.1mg~約3000mg、約0.1mg~約1000mg、約0.1mg~約500mg、約0.1mg~約200mg、または約0.1mg~約100mgの量で投与される、請求項106~111のいずれか1つに記載の方法。
【請求項113】
前記局所用医薬組成物は、クリーム、エマルジョン、軟膏、または油性溶液として製剤化される、請求項106~112のいずれか1つに記載の方法。
【請求項114】
前記局所用医薬組成物はさらに、皮膚軟化剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、浸透促進剤、抗酸化剤、芳香マスキング剤、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項106~113のいずれか1つに記載の方法。
【請求項115】
前記局所用医薬組成物は防腐剤をさらに含む、請求項106~114のいずれか1つに記載の方法。
【請求項116】
前記局所用医薬組成物はさらに、前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む、請求項106~115のいずれか1つに記載の方法。
【請求項117】
前記局所用医薬組成物は、ローラーボール、クリックペンブラシ、ポンプボトル、または点眼ボトル、およびQチップを有するボトルを用いて投与される、請求項106~116のいずれか1つに記載の方法。
【請求項118】
眼の健康を促進し、眼の疾患を予防または処置することは、ドライアイ疾患および眼の不快感、刺激、疼痛およびストレス、化学熱傷、前眼部形成不全、白内障、虹彩炎、翼状片、角結膜炎、角膜炎、結膜炎、円錐角膜、拡張性障害(球状角膜、透明辺縁変性を含む)、偽水晶体および無水晶体水疱性角膜症、上強膜炎、角膜潰瘍、角膜異形成、角膜潰瘍、フックス内皮ジストロフィーおよび他の角膜ジストロフィー(格子状、顆粒状、斑状、および地図状-点状指紋状を含む)、眼の瘢痕性類天疱瘡、スティーヴンス・ジョンソン症候群、急性および慢性ブドウ膜炎(前部ブドウ膜炎、中間部ブドウ膜炎)、虹彩外傷を含む角膜、結膜、および前眼部への外傷、貫通性眼外傷、眼瞼炎、眼瞼痙攣、霰粒腫、下垂症、コロボーマ、皮膚弛緩症、外反症、内反症、睫毛乱生症、麦粒腫、瞼板腺炎、マイボーム腺機能不全、涙腺閉塞、涙腺閉塞、脂漏性角膜炎、紫外線角膜炎、細菌感染、またはウイルス感染、加齢黄斑変性(滲出型および乾性型)、乾性および滲出型黄斑変性、格子状変性、黄斑円孔、黄斑パッカー、格子状変性、網膜裂孔、網膜剥離、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、網膜中心静脈閉塞、眼内腫瘍、小児、新生児、または遺伝性の網膜障害、遺伝性網膜ジストロフィー、地図状萎縮、網膜色素変性症(レーバー先天黒内障を含む)、サイトメガロウイルス(cmv)網膜感染、感染性網膜炎、網膜芽細胞腫、眼内炎、脈絡網膜炎、近視性黄斑変性および正常眼圧緑内障、緑内障における網膜変性、限定されないが、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、鎌状赤血球網膜症、放射線/太陽性網膜症、中心性漿液性脈絡網膜症、高血圧網膜症、末梢性網膜症および神経障害を含む様々な網膜症、黄斑浮腫、網膜出血、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性黄斑虚血、地図状萎縮、シュタルガルト病、屈折異常(近視、遠視、および乱視)、眼窩のリンパ管形成異常(別名眼窩リンパ管腫)、甲状腺眼疾患(グレーブス眼疾患)、もしくは急性および慢性ブドウ膜炎(中間部ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、全ブドウ膜炎を含む)を処置または予防することを含む、請求項106~117のいずれか1つに記載の方法。
【請求項119】
眼の健康を促進すること、眼の疾患を予防または処置することは、ドライアイを処置または予防することを含む、請求項106~118のいずれか1つに記載の方法。
【請求項120】
眼の健康を促進すること、眼の疾患を予防または処置することは、滲出型および乾性型の加齢黄斑変性を処置または予防することを含む、請求項106~119のいずれか1つに記載の方法。
【請求項121】
眼の健康を促進すること、眼の疾患を予防または処置することは、限定されないが、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症を含む様々な網膜症を処置または予防することを含む、請求項106~120のいずれか1つに記載の方法。
【請求項122】
前記局所用医薬組成物は、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、1日おきに1回、3日おきに1回、4日おきに1回、または7日おきに1回、患者に投与される、請求項106~121のいずれか1つに記載の方法。
【請求項123】
前記方法は、上眼瞼の上方、下眼瞼の下方、または上眼瞼の上方と下眼瞼の下方の両方の眼窩周囲皮膚に前記局所用医薬組成物を投与する工程を含む、請求項106~122のいずれか1つに記載の方法。
【請求項124】
前記局所用医薬組成物を眼窩周囲皮膚に投与することで、投与の30分後に前記対象の眼の網膜において、オメガ-3脂肪酸の組織濃度は、ベースラインと比較して、少なくとも110マイクログラム/グラム高い、請求項106~123のいずれか1つに記載の方法。
【請求項125】
オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、局所的な眼窩周囲投与に適した医薬組成物。
【請求項126】
前記オメガ-3脂肪酸は魚組織から単離される、請求項125に記載の医薬組成物。
【請求項127】
前記オメガ-3脂肪酸は、植物源から単離される、請求項125に記載の医薬組成物。
【請求項128】
前記オメガ-3脂肪酸は、α-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項125~127のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項129】
前記オメガ-3脂肪酸はDHAを含む、請求項128に記載の医薬組成物。
【請求項130】
前記オメガ-3脂肪酸はEPAを含む、請求項128に記載の医薬組成物。
【請求項131】
前記オメガ-3脂肪酸は、前記医薬組成物の約0.01%~約100%(w/w)の量で存在する、請求項125~130のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項132】
前記医薬組成物は、クリーム、エマルジョン、軟膏、または油性溶液として製剤化される、請求項125~131のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項133】
前記医薬組成物はさらに、皮膚軟化剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、浸透促進剤、抗酸化剤、芳香マスキング剤、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項125~132のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項134】
防腐剤をさらに含む、請求項125~133のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項135】
前記防腐剤はビタミンEである、請求項134に記載の医薬組成物。
【請求項136】
脂肪酸ビヒクルをさらに含む、請求項125~135のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項137】
前記脂肪酸ビヒクルは、前記医薬組成物の約0.1%~約99%の量で存在する、請求項136に記載の医薬組成物。
【請求項138】
前記脂肪酸ビヒクルはC14~C22脂肪酸である、請求項136または137に記載の組成物。
【請求項139】
前記脂肪酸ビヒクルはリノール酸を含む、請求項136~138のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項140】
前記医薬組成物の約1%~約100%(w/w)の量の油をさらに含む、請求項125~135のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項141】
前記油は天然資源に由来する、請求項140に記載の医薬組成物。
【請求項142】
前記油は植物、植物種子、または木の実に由来する、請求項140または141に記載の医薬組成物。
【請求項143】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩をさらに含む、請求項125~142のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【請求項144】
眼の後部の疾患または障害に苦しむ患者の前記疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、前記患者の眼の眼瞼の外皮に投与する工程を含む、方法。
【請求項145】
前記眼の後部の疾患または障害は網膜疾患を含む、請求項144に記載の方法。
【請求項146】
前記網膜疾患は、網膜または脈絡膜の血管系からの出血を含む、請求項145に記載の方法。
【請求項147】
前記出血は、全身性高血圧症、糖尿病、脂肪肝疾患、肥満症、揺さぶられっ子症候群、頭部外傷、貧血症、または白血病によって引き起こされる、請求項146に記載の方法。
【請求項148】
網膜の疾患または障害は、網膜または脈絡膜の血管系からの血漿漏出を含む、請求項145に記載の方法。
【請求項149】
前記血漿漏出は、全身性高血圧症、糖尿病、脂肪肝疾患、肥満症、揺さぶられっ子症候群、頭部外傷、貧血症、または白血病によって引き起こされる、請求項148に記載の方法。
【請求項150】
網膜の疾患または障害は、網膜または脈絡膜の血管系に関与する黄斑浮腫形成を含む、請求項145に記載の方法。
【請求項151】
前記眼の後部の疾患または障害は、加齢黄斑変性(滲出型および乾性型)、乾性および滲出型黄斑変性、格子状変性、黄斑円孔、黄斑パッカー、格子状変性、網膜裂孔、網膜剥離、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、網膜中心静脈閉塞、眼内腫瘍、小児、新生児、または遺伝性の網膜障害、遺伝性網膜ジストロフィー、地図状萎縮、網膜色素変性症(レーバー先天黒内障を含む)、サイトメガロウイルス(cmv)網膜感染、感染性網膜炎、網膜芽細胞腫、眼内炎、脈絡網膜炎、近視性黄斑変性および正常眼圧緑内障、緑内障における網膜変性、限定されないが、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、鎌状赤血球網膜症、放射線/太陽性網膜症、中心性漿液性脈絡網膜症、高血圧網膜症、末梢性網膜症および神経障害を含む様々な網膜症、黄斑浮腫、網膜出血、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性黄斑虚血、地図状萎縮、シュタルガルト病、ブドウ膜炎(中間部ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、および全ブドウ膜炎を含む)、または、屈折異常(近視、遠視、および乱視)である、請求項144に記載の方法。
【請求項152】
前記網膜の疾患または障害は加齢黄斑変性である、請求項145~151のいずれか1つに記載の方法。
【請求項153】
前記眼の後部の疾患または障害は、後部ブドウ膜炎である、請求項144に記載の方法。
【請求項154】
前記患者に追加の治療剤を投与する工程をさらに含む、請求項144~153のいずれか1つに記載の方法。
【請求項155】
前記追加の治療剤は、VEGF抗体、小分子VEGFアンタゴニスト、VEGF受容体を標的とするsiRNA、TNFα抗体、小分子TNFα受容体アンタゴニスト、TNFα受容体を標的とするsiRNA、炎症性サイトカイン受容体アンタゴニスト、炎症性サイトカインに対する抗体、チロシンキナーゼ阻害剤、セリン/トレオニン-プロテインキナーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤、ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制薬、抗コリン作動薬、サリドマイド、プロスタグランジン受容体アンタゴニスト、神経保護剤、神経栄養剤、神経再生剤、眼圧降下薬、抗生物質、抗ウイルス剤、補体阻害剤、インターロイキン受容体阻害剤、ロイコトリエン受容体阻害剤、腫瘍形成と発育の阻害剤、血管新生阻害剤、または抗酸化もしくは抗微小血管漏出特性を有する剤である、請求項154に記載の方法。
【請求項156】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、予防的に、緊急介入として、または所望の改善効果を達成するために必要に応じて、投与される、請求項144~155のいずれか1つに記載の方法。
【請求項157】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物として投与される、請求項144~156のいずれか1つに記載の方法。
【請求項158】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、前記組成物の約0.0001%~約10%(w/w)の量で存在する、請求項146に記載の方法。
【請求項159】
前記組成物は、水溶液、非水溶液、油性溶液、ゲル、懸濁液、エマルジョン、ローション、クリーム、または軟膏である、請求項157または158に記載の方法。
【請求項160】
前記組成物は軟膏である、請求項157~159のいずれか1つに記載の方法。
【請求項161】
前記軟膏はワセリン、蜜蝋、またはカカオバターを含む、請求項160に記載の方法。
【請求項162】
前記軟膏はワセリンおよび中鎖トリグリセリドを含む、請求項160または161に記載の方法。
【請求項163】
前記中鎖トリグリセリドは、C6、C8、C10、およびC12脂肪酸の混合物を含む、請求項162に記載の方法。
【請求項164】
前記中鎖トリグリセリドは、カプリル酸およびカプリン酸の混合物を含む、請求項162または163に記載の方法。
【請求項165】
前記軟膏は、約1:1(v/v)、約2:1(v/v)、約3:1(v/v)、約4:1(v/v)、約5:1(v/v)、または約6:1(v/v)の比でワセリンと中鎖トリグリセリドを含む、請求項160~164のいずれか1つに記載の方法。
【請求項166】
前記軟膏は、約4:1(v/v)の比でワセリンと中鎖トリグリセリドを含む、請求項165に記載の方法。
【請求項167】
前記組成物は水溶液である、請求項157~159のいずれか1つに記載の方法。
【請求項168】
前記水溶液はポリオキシルヒマシ油を含む、請求項167に記載の方法。
【請求項169】
前記ポリオキシルヒマシ油は、ポリエチレングリコール(PEG)化ヒマシ油である、請求項168に記載の方法。
【請求項170】
前記ポリオキシルヒマシ油はポリオキシル35ヒマシ油である、請求項168または169に記載の方法。
【請求項171】
前記ポリオキシル35ヒマシ油は、前記組成物の約0.1%~約5%、約0.1%~約10%、約0.1%~約15%、または約0.1%~約20%(w/w)の量で存在する、請求項170に記載の方法。
【請求項172】
前記組成物は眼表面潤滑剤を含む、請求項167~171のいずれか1つに記載の方法。
【請求項173】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、スポイト、ポンプ、スプレー、クリックペンまたはローラー/リザーバーデバイスによって前記患者の眼の眼瞼の外皮に適用される、請求項144~172のいずれか1つに記載の方法。
【請求項174】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、ブラシ、Qチップ、またはスパーテルによって前記患者の眼の眼瞼の外皮に適用され、適用プロセスは任意選択で、目盛り付きスポイト、シリンジ、クリックペン、またはピペットの使用から開始される、請求項144~172のいずれか1つに記載の方法。
【請求項175】
眼瞼皮膚への浸透は、テープストリップピング、マイクロダーマブレーション、溶媒、パルスレーザー、イオン導入、またはそれらの組み合わせによって補助される、請求項144~174のいずれか1つに記載の方法。
【請求項176】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、1日おきに1回、3日おきに1回、4日おきに1回、または7日おきに1回、前記患者の各眼の眼瞼の皮膚に投与される、請求項144~175のいずれか1つに記載の方法。
【請求項177】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日1回投与される、請求項176に記載の方法。
【請求項178】
前記追加の治療剤は、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩である、請求項154に記載の方法。
【請求項179】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、およびオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、単一組成物として製剤化および投与される、請求項178に記載の方法。
【請求項180】
眼の後部の疾患または障害を処置するための薬剤の製造において使用するための、患者の眼窩周囲皮膚への局所投与のために製剤化された有効成分であって、製剤は、患者の眼窩周囲皮膚への局所投与のために製剤化された治療有効量の前記有効成分を前記眼の後部に送達する、有効成分。
【請求項181】
前記有効成分は1000Da以下の分子量を有する、請求項180に記載の製剤。
【請求項182】
前記有効成分は200~500Daの分子量を有する、請求項180に記載の製剤。
【請求項183】
1ミリリットル~10ミリリットルの製剤が、使用毎に前記患者の片眼の眼窩周囲皮膚に局所的に適用され、前記有効成分は、眼パッドを用いて局所的に適用される、請求項180に記載の製剤。
【請求項184】
3マイクロリットル~100マイクロリットルの製剤が、使用毎に前記患者の片眼の眼窩周囲皮膚に直接、局所的に適用される、請求項180に記載の製剤。
【請求項185】
0.01ミリグラム~10グラムの有効成分が、使用毎に前記患者の片眼の眼窩周囲皮膚に局所的に適用され、前記有効成分は、眼パッドを用いて局所的に適用される、請求項180に記載の製剤。
【請求項186】
0.01ミリグラム~100ミリグラムの有効成分が、使用毎に前記患者の片眼の眼窩周囲皮膚に直接、局所的に適用される、請求項180に記載の製剤。
【請求項187】
組成物の約1%~約100%(w/w)の量の油をさらに含む、請求項180に記載の製剤。
【請求項188】
前記油は天然資源に由来する、請求項187に記載の製剤。
【請求項189】
前記油は植物、植物種子、または木の実に由来する、請求項187または188に記載の製剤。
【請求項190】
前記油は中鎖トリグリセリドを含む、請求項187に記載の製剤。
【請求項191】
前記油は大豆油を含む、請求項189に記載の製剤。
【請求項192】
前記有効成分は、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩である、請求項180に記載の製剤。
【請求項193】
前記オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、α-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項192に記載の製剤。
【請求項194】
前記オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、DHAを含む、請求項193に記載の製剤。
【請求項195】
前記オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、EPAを含む、請求項193に記載の製剤。
【請求項196】
前記オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、組成物の約0.01%~約100%(w/w)の量で存在する、請求項192に記載の製剤。
【請求項197】
6.7mgの製剤を投与することで、投与の30分後に前記患者の眼の後部において、オメガ-3脂肪酸30の組織濃度は、ベースラインと比較して約110マイクログラム/グラム高い、請求項192に記載の製剤。
【請求項198】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩をさらに含む、請求項192に記載の製剤。
【請求項199】
前記眼の後部組織において検出可能な有効成分の予想される範囲は、後部組織1グラム当たり約0.1μg~約1600μgである、請求項180に記載の製剤。
【請求項200】
前記有効成分は、前記患者の各眼の眼窩周囲皮膚に、1日4回、1日3回、1日2回、または1日1回投与される、請求項180に記載の製剤。
【請求項201】
前記有効成分は、前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩である、請求項180に記載の製剤。
【請求項202】
前記4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物の約0.00005%~約10%(w/w)の量で存在する、請求項202に記載の製剤。
【請求項203】
オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩をさらに含む、請求項202に記載の製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2021年3月18日に出願された米国仮特許出願第63/162,960号、2021年7月7日に出願された米国仮特許出願第63/219,336号、および2021年11月24日に出願された米国仮特許出願第63/283,117号の利益を主張し、これら各々は本明細書に引用によって組み込まれる。
【0002】
本明細書の実施形態は、眼疾患の処置および眼への化合物の送達を対象としている。
【発明の概要】
【0003】
1つの態様において、眼の疾患または障害に苦しむ患者の上記疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール(imadazol)-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、患者の眼の眼窩周囲皮膚に投与する工程を含む、方法が本明細書で提供される。
【0004】
別の態様において、眼の疾患または障害に苦しむ患者の上記疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール(imadazol)-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、患者の眼の眼瞼の外皮に投与する工程を含む、方法が本明細書で提供される。
【0005】
さらなる態様において、眼の疾患または障害に苦しむ患者の上記疾患または障害を処置する方法であって、抗炎症、抗酸化、抗微小血管漏出、または抗血管新生特性を有する治療有効量の化合物または混合物を、患者の眼の眼瞼の外皮に投与する工程を含む、方法が本明細書で提供される。代替的な態様において、眼の疾患または障害に苦しむ患者の上記疾患または障害を処置する方法であって、抗炎症、抗酸化、抗微小血管漏出、または抗血管新生特性を有する治療有効量の2つ以上の化合物または混合物の組み合わせを、患者の眼の眼瞼の外皮に投与する工程を含む、方法が本明細書で提供される。
【0006】
追加の態様において、眼の疾患または障害に苦しむ患者の上記疾患または障害を処置する方法であって、抗炎症、抗酸化、抗微小血管漏出、または抗血管新生特性を有する治療有効量の化合物または混合物を、患者の眼の眼窩周囲皮膚に投与する工程を含む、方法が本明細書で提供される。
【0007】
いくつかの実施形態において、化合物または混合物は、その抗酸化、抗炎症、神経保護、鎮痛、および血管原性特性の抑制のためにドコサヘキサエン酸(DHA)を含む。いくつかの実施形態において、化合物または混合物は、その抗酸化、抗炎症、神経保護、鎮痛、および血管原性特性の抑制のためにオメガ-3脂肪酸を含む。いくつかの実施形態において、化合物または混合物は、その抗酸化、抗炎症、神経保護、鎮痛、および血管原性特性の抑制のためにオメガ-3脂肪酸エチルエステルを含む。いくつかの実施形態において、化合物または混合物は、その抗酸化、抗炎症、神経保護、鎮痛、および血管原性特性の抑制のためにオメガ-3トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、化合物または混合物は、その抗酸化、抗炎症、神経保護、鎮痛、および血管原性特性の抑制のために、オメガ-3リン脂質、例えば、リゾホスファチジルコリン(LPC)-オメガ-3(LPC-DHAまたはLPC-EPA)およびジ-DHAホスファチジルコリン(PC)などを含む。いくつかの実施形態において、化合物または混合物は、オメガ-3脂肪の代謝産物、例えば、ロイコトリエンB、ロイコトリエンC、ロイコトリエンE、プロスタグランジンE、プロスタグランジンI、トロンボキサンA、プロテクチン、マレシン、およびレゾルビンを含む。いくつかの実施形態において、化合物または混合物は、ジフルオロビフェニル部分を有する以下の一般構造を有する化合物を含み、
【0008】
【化1】
式中、Rは
【0009】
【化2】
からなる群から選択されてもよく、式中、RはClまたはBr、CF3、アルキル、およびH、
【0010】
【化3】
であってもよく、式中、Rはメチル、イソブチル、
【0011】
【化4】
である。いくつかの実施形態において、化合物または混合物は、群
【0012】
【化5-1】
【0013】
【化5-2】
から選択される化合物、3-[(3’-フルオロ-4-フルオロビフェニル-3-カルボニル)アミノ]フェノキシ酢酸イソプロピルエステル、その遊離塩基、アルカフタジン、クロモリン、デキサメタゾン、ブリモニジン、ジフルプレドナート、フルオロメトロン、ロテプレドノール、リメキソロン、アゼラスチン、エピナスチン、フマル酸エメダスチン、オロパタジン、点眼用クロモリン(cromolyn ophthalmic)、ロドキサミド、ネドクロミル、ブロムフェナク、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、ケトロラク、ネパフェナク、ロラダチン(loradatine)、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、塩酸アゼラスチンブロムフェニラミン、シプロヘプタジン、テルフェナジン、クレマスチン、レボカバスチン、トリプロリジン、カルビノキサミン、ジフェニルピラリン、フェニンダミン、アザタジン、トリペレナミン、デクスクロルフェニラミン、デクスブロムフェニラミン、メトジラジン、およびトリメプラジン(trimprazine)ドキシラミン、フェニラミン、ピリラミン、ペミロラスト、クロルシクリジン(chiorcyclizine)、トンジルアミン、シスプラチン、エトポシド、インターフェロン、カンプトテシンおよびその誘導体、フェネステリン、タキソールおよびその誘導体、タキソテールおよびその誘導体、ビンブラスチン、ビンクリスチン、タモキシフェン、エトポシド、ピポスルファン、シクロホスファミド、フルタミド、アドリアマイシン、シクロホスファミド、アクチノマイシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン(duanorubicin)、ドキソルビシン、エピルビシン、マイトマイシン、メトトレキサート、フルオロウラシル、カルボプラチン、カルムスチン(BCNU)、メチル-CCNU、アンピシリン、アモキシシリン、シクラシリン、アンピシリン、セファゾリン、セフラジン、セファクロル、セファピリン、セフチゾキシム、セフォペラゾン、セフォテタン、セフトキシム(cefutoxime)、セフォタキシム、セファドロキシル、セフタジジム、セファレキシン、セファロチン、セファマンドール、セフォキシチン、セフォニシド、セフォラニド、セフトリアキソン、セファドロキシル、セフラジン、セフロキシム、シクロスポリン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、ベシフロキサシン、シプロフロキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、オフロキサシン、アジスロマイシン、エリスロマイシン、バシトラシン、バシトラシン/ポリミキシン、ナタマイシン、ネオマイシン/ポリミキシンB/バシトラシン、ネオマイシン/ポリミキシンB/グラミシジン、ポリミキシンB/トリメトプリム、ペニシリンG、ペニシリンVカリウム、ピペラシリン、オキサシリン、バカンピシリン、クロキサシリン、チカルシリン、アズロシリン、カルベニシリン、メチシリン、ナフシリン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、アズトレオナム、クロラムフェニコール、シプロフロキサシン塩酸塩、クリンダマイシン、メトロニダゾール、ゲンタマイシン、リンコマイシン、トブラマイシン、バンコマイシン、ポリミキシンB硫酸塩、コリスチメタート、コリスチン、アジスロマイシン、オーグメンチン、スルファメトキサゾール、およびトリメトプリム、ならびに前述の化合物のすべての薬学的に許容可能なエステルまたは塩、アナログ、および、アイソフォーム、ならびに/または前述の化合物の少なくとも2つの混合物を含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、化合物または混合物は、以下の式、
【0015】
【化6】
の1つ以上の化合物を含み、式中、Lはリンカー基であり、各リンカー基は独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、またはアルコキシからなる群から選択され、Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、-OH、アルキル、アルコキシからなる群から選択され、R’はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、-OH、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、またはアルコキシからなる群から選択され、R’およびR’’はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、-OH、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、またはアルコキシからなる群から選択される。
【0016】
いくつかの実施形態において、化合物または混合物は、以下の式、
【0017】
【化7】
の1つ以上の化合物を含み、式中、Lはリンカー基であり、各リンカー基は独立して、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、またはアルコキシからなる群から選択され、Rはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、-OH、アルキル、アルコキシからなる群から選択され、R’はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、-OH、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、またはアルコキシからなる群から選択され、R’およびR’’はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、-OH、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、またはアルコキシからなる群から選択される。
【0018】
いくつかの実施形態において、化合物または混合物は、化合物の以下のファミリー:C-Cモチーフ受容体3(CCR3)阻害剤、ビタミンAおよびビタミンAの修飾形態(NCT03845582など)、補体因子1q阻害剤、脱プリン/脱ピリミジン部位エンドヌクレアーゼ1/レドックスエフェクター因子-1(APE1/Ref-1)阻害剤、ステロイド、内皮細胞(EC)特異的受容体チロシンキナーゼTie2アゴニスト(活性化因子)、アンジオポエチン-2アンタゴニスト、レチノール結合タンパク質4(RBP4)アンタゴニスト、補体成分3(C3)阻害剤、pan-アルギニルグリシルアスパラギン酸(RGD)インテグリンアンタゴニスト、コネキシン43ヘミチャネル遮断薬、補体成分5阻害剤、panRGDインテグリンアンタゴニスト、Rhoキナーゼ阻害剤、Ref-1阻害剤、APエンドヌクレアーゼ1阻害剤、セリン/トレオニンタンパク質キナーゼ(SRPK1)阻害剤、CC3(TIP30=30kDaのtat相互作用タンパク質)阻害剤、補体C1Q阻害剤、補体因子(BおよびD)阻害剤、C3コンバターゼ阻害剤、C5コンバターゼ阻害剤、インフラマソーム阻害剤、HtrA1阻害剤、マトリックスモジュレーター(ドキシサイクリンなど)、MASP2(MBL関連セリンプロテアーゼ2)遮断薬、MASP3(MBL関連セリンプロテアーゼ3)遮断薬、抗ウイルス薬(ガンシクロビルなど)、VEGF受容体(R1、R2、R3)阻害剤、PDGF受容体阻害剤(イマチニブ、ソラフェニブ、およびスニチニブを含む)、プロスタノイドIP受容体アンタゴニスト、チロシンキナーゼ阻害剤、PAF(血小板活性化因子)受容体阻害剤、およびこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される。
【0019】
いくつかの実施形態において、疾患または障害は、眼の後部のものである。いくつかの実施形態において、疾患または障害は、眼の前部のものである。いくつかの実施形態において、眼の後部の疾患または障害は網膜疾患を含む。いくつかの実施形態において、疾患または障害は、前眼部疾患(ASED)である。いくつかの実施形態において、疾患または障害は、後眼部疾患(PSED)である。いくつかの実施形態において、疾患または障害は、ドライアイ疾患および眼の不快感、刺激、疼痛およびストレス、化学熱傷、前眼部形成不全、白内障、虹彩炎、翼状片、角結膜炎、角膜炎、結膜炎、円錐角膜、拡張性障害(球状角膜、透明辺縁変性(pellucid marginal degeneration)を含む)、偽水晶体および無水晶体水疱性角膜症、上強膜炎、角膜潰瘍、角膜異形成、角膜潰瘍、フックス内皮ジストロフィーおよび他の角膜ジストロフィー(格子状、顆粒状、斑状、および地図状(map)-点状(dot)指紋状を含む)、眼の瘢痕性類天疱瘡、スティーヴンス・ジョンソン症候群、急性および慢性ブドウ膜炎(前部ブドウ膜炎、中間部ブドウ膜炎)、虹彩外傷を含む角膜、結膜、および前眼部への外傷、貫通性眼外傷、眼瞼炎、眼瞼痙攣、霰粒腫、下垂症、コロボーマ、皮膚弛緩症、外反症、内反症、睫毛乱生症、麦粒腫、瞼板腺炎、マイボーム腺機能不全、涙腺閉塞、涙腺閉塞、脂漏性角膜炎、紫外線角膜炎、細菌感染またはウイルス感染、屈折異常(近視、遠視、および乱視)、ブドウ膜炎(急性および慢性の前部ブドウ膜炎、中間部ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、および汎ブドウ膜炎を含む)、加齢黄斑変性(滲出型および乾性型)、乾性および滲出型黄斑変性、格子状変性、黄斑円孔、黄斑パッカー、格子状変性、網膜裂孔、網膜剥離、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、網膜中心静脈閉塞、眼内腫瘍、小児、新生児、または遺伝性の網膜障害、遺伝性網膜ジストロフィー、地図状萎縮、網膜色素変性症(レーバー先天黒内障を含む)、サイトメガロウイルス(cmv)網膜感染、感染性網膜炎、網膜芽細胞腫、眼内炎、脈絡網膜炎、近視性黄斑変性および正常眼圧緑内障、緑内障における網膜変性、限定されないが、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、鎌状赤血球網膜症(Sickel cell retinopathy)、放射線/太陽性網膜症、中心性漿液性脈絡網膜症、高血圧網膜症、末梢性網膜症および神経障害を含む様々な網膜症、黄斑浮腫、網膜出血、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性黄斑虚血、地図状萎縮、シュタルガルト病、眼窩のリンパ管形成異常(別名眼窩リンパ管腫)、もしくは甲状腺眼疾患(グレーブス眼疾患)、またはそれらの2つ以上の組み合わせである。
【0020】
いくつかの実施形態において、眼の後部の疾患または障害は網膜疾患を含み、網膜疾患は、網膜または脈絡膜の血管系からの出血をさらに含む。いくつかの実施形態において、出血は、高血圧症、糖尿病、脂肪肝疾患、肥満症、揺さぶられっ子症候群、頭部外傷、貧血症、または白血病によって引き起こされる。
【0021】
いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は、網膜または脈絡膜の血管系からの血漿漏出を含む。いくつかの実施形態において、血漿漏出は、全身性高血圧症、糖尿病、脂肪肝疾患、肥満症、揺さぶられっ子症候群、頭部外傷、貧血症、または白血病によって引き起こされる。
【0022】
いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は、網膜または脈絡膜の血管系に関与する黄斑浮腫形成を含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は、加齢黄斑変性(滲出型および乾性型)、黄斑円孔、黄斑パッカー、格子状変性、網膜裂孔、網膜剥離、網膜動脈閉塞、網膜静脈分枝閉塞症、網膜中心静脈閉塞、眼内腫瘍、小児および新生児の網膜障害、遺伝性網膜ジストロフィー、地図状萎縮、網膜色素変性症(レーバー先天黒内障を含む)、サイトメガロウイルス(cmv)網膜感染、感染性網膜炎、中心性漿液性脈絡網膜症、網膜芽細胞腫、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、網膜静脈閉塞、または眼内炎である。
【0024】
いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は加齢黄斑変性である。
【0025】
いくつかの実施形態において、眼の後部の疾患または障害は、後部ブドウ膜炎である。
【0026】
いくつかの実施形態において、上記方法は、追加の治療剤を患者に投与する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、追加の治療剤は、VEGF抗体、PDGF抗体、FGF抗体、SDF-1抗体、HIF-1抗体、PIGF抗体、TNF-α抗体、IGF-1抗体、VEGF受容体アンタゴニスト、PDGF受容体アンタゴニスト、FGF受容体アンタゴニスト、SDF-1受容体アンタゴニスト、HIF-1受容体アンタゴニスト、PIGF受容体アンタゴニスト、TNF-α受容体アンタゴニスト、IGF-1受容体アンタゴニスト、チロシンキナーゼ阻害剤、ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制薬、抗コリン作動薬、サリドマイド、プロスタグランジン受容体アンタゴニスト、神経保護剤、神経再生剤、神経保護をもたらすRNA干渉分子、神経再生を促進するRNA干渉分子、直接、神経保護をもたらし、かつ眼内圧を下げる小分子、神経再生を促進し、かつ眼内圧を下げるRNA干渉分子、神経保護をもたらし、かつ眼内圧を下げるRNA干渉、浮腫、出血、および血管新生を減らす抗体、浮腫、出血、および血管新生を減らすRNA干渉である。
【0027】
いくつかの実施形態において、眼窩周囲皮膚への薬物の適用は、強膜への変化を促進することに起因する眼球の長軸の増加を防止するための強膜への好ましい送達経路となる。
【0028】
いくつかの実施形態において、薬物送達は、ナノ粒子を含み得る。これらは、ポリマー、脂質ベース、リポソーム、アルブミン結合、無機、有機結晶、およびウイルスベースのナノ粒子を含む群から選択され得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、予防的に、緊急介入として、または所望の改善効果を達成するために必要に応じて、投与される。
【0030】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物として投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物の約0.0001%~約10%(w/w)の量で存在する。
【0031】
いくつかの実施形態において、組成物は、水溶液、非水溶液、油性溶液、ゲル、懸濁液、エマルジョン、ローション、クリーム、または軟膏である。いくつかの実施形態において、組成物は軟膏である。いくつかの実施形態において、軟膏はワセリン、蜜蝋、またはカカオバターを含む。いくつかの実施形態において、軟膏はワセリンおよび中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、C6、C8、C10、およびC12脂肪酸の混合物を含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、カプリル酸およびカプリン酸の混合物を含む。いくつかの実施形態において、軟膏は、約1:1(v/v)、約2:1(v/v)、約3:1(v/v)、約4:1(v/v)、約5:1(v/v)、または約6:1(v/v)の比でワセリンと中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、軟膏は、約4:1(v/v)の比でワセリンと中鎖トリグリセリドを含む。
【0032】
いくつかの実施形態において、組成物の分子量は、約50Da~約500Daである。いくつかの実施形態において、組成物の分子量は、約50Da~約100Da、約50Da~約150Da、約50Da~約200Da、約50Da~約250Da、約50Da~約300Da、約50Da~約350Da、約50Da~約400Da、約50Da~約450Da、約50Da~約500Da、約100Da~約150Da、約100Da~約200Da、約100Da~約250Da、約100Da~約300Da、約100Da~約350Da、約100Da~約400Da、約100Da~約450Da、約100Da~約500Da、約150Da~約200Da、約150Da~約250Da、約150Da~約300Da、約150Da~約350Da、約150Da~約400Da、約150Da~約450Da、約150Da~約500Da、約200Da~約250Da、約200Da~約300Da、約200Da~約350Da、約200Da~約400Da、約200Da~約450Da、約200Da~約500Da、約250Da~約300Da、約250Da~約350Da、約250Da~約400Da、約250Da~約450Da、約250Da~約500Da、約300Da~約350Da、約300Da~約400Da、約300Da~約450Da、約300Da~約500Da、約350Da~約400Da、約350Da~約450Da、約350Da~約500Da、約400Da~約450Da、約400Da~約500Da、または約450Da~約500Daである。いくつかの実施形態において、組成物の分子量は、約50Da、約100Da、約150Da、約200Da、約250Da、約300Da、約350Da、約400Da、約450Da、または約500Daである。いくつかの実施形態において、組成物の分子量は、少なくとも約50Da、約100Da、約150Da、約200Da、約250Da、約300Da、約350Da、約400Da、または約450Daである。いくつかの実施形態において、組成物の分子量は、最大で約100Da、約150Da、約200Da、約250Da、約300Da、約350Da、約400Da、約450Da、または約500Daである。
【0033】
いくつかの実施形態において、組成物は抗体を含む。いくつかの実施形態において、組成物は約150kDaの分子量を有する。いくつかの実施形態において、組成物は約7kDaの分子量を有する。いくつかの実施形態において、組成物は二本鎖siRNAを含む。いくつかの実施形態において、組成物は一本鎖siRNAを含む。いくつかの実施形態において、組成物は短いオリゴペプチドを含む。
【0034】
いくつかの実施形態において、短いオリゴペプチドは、約1個のアミノ酸~約6個のアミノ酸の配列である。いくつかの実施形態において、短いオリゴペプチドは、約1個のアミノ酸~約2個のアミノ酸、約1個のアミノ酸~約3個のアミノ酸、約1個のアミノ酸~約4個のアミノ酸、約1個のアミノ酸~約5個のアミノ酸、約1個のアミノ酸~約6個のアミノ酸、約2個のアミノ酸~約3個のアミノ酸、約2個のアミノ酸~約4個のアミノ酸、約2個のアミノ酸~約5個のアミノ酸、約2個のアミノ酸~約6個のアミノ酸、約3個のアミノ酸~約4個のアミノ酸、約3個のアミノ酸~約5個のアミノ酸、約3個のアミノ酸~約6個のアミノ酸、約4個のアミノ酸~約5個のアミノ酸、約4個のアミノ酸~約6個のアミノ酸、または約5個のアミノ酸~約6個のアミノ酸の配列である。いくつかの実施形態において、短いオリゴペプチドは、約1個のアミノ酸、約2個のアミノ酸、約3個のアミノ酸、約4個のアミノ酸、約5個のアミノ酸、または約6個のアミノ酸の配列である。いくつかの実施形態において、短いオリゴペプチドは、少なくとも約1個のアミノ酸、約2個のアミノ酸、約3個のアミノ酸、約4個のアミノ酸、または約5個のアミノ酸の配列である。いくつかの実施形態において、短いオリゴペプチドは、最大で約2個のアミノ酸、約3個のアミノ酸、約4個のアミノ酸、約5個のアミノ酸、または約6個のアミノ酸の配列である。
【0035】
いくつかの実施形態において、組成物はリポソームを含む。いくつかの実施形態において、組成物はナノ粒子を含む。いくつかの実施形態において、リポソームまたはナノ粒子の平均直径は、約0.1μm~約1μmである。いくつかの実施形態において、リポソームまたはナノ粒子の平均直径は、約0.1μm~約0.2μm、約0.1μm~約0.3μm、約0.1μm~約0.4μm、約0.1μm~約0.5μm、約0.1μm~約0.6μm、約0.1μm~約0.7μm、約0.1μm~約0.8μm、約0.1μm~約0.9μm、約0.1μm~約1μm、約0.2μm~約0.3μm、約0.2μm~約0.4μm、約0.2μm~約0.5μm、約0.2μm~約0.6μm、約0.2μm~約0.7μm、約0.2μm~約0.8μm、約0.2μm~約0.9μm、約0.2μm~約1μm、約0.3μm~約0.4μm、約0.3μm~約0.5μm、約0.3μm~約0.6μm、約0.3μm~約0.7μm、約0.3μm~約0.8μm、約0.3μm~約0.9μm、約0.3μm~約1μm、約0.4μm~約0.5μm、約0.4μm~約0.6μm、約0.4μm~約0.7μm、約0.4μm~約0.8μm、約0.4μm~約0.9μm、約0.4μm~約1μm、約0.5μm~約0.6μm、約0.5μm~約0.7μm、約0.5μm~約0.8μm、約0.5μm~約0.9μm、約0.5μm~約1μm、約0.6μm~約0.7μm、約0.6μm~約0.8μm、約0.6μm~約0.9μm、約0.6μm~約1μm、約0.7μm~約0.8μm、約0.7μm~約0.9μm、約0.7μm~約1μm、約0.8μm~約0.9μm、約0.8μm~約1μm、または約0.9μm~約1μmである。いくつかの実施形態において、リポソームまたはナノ粒子の平均直径は、約0.1μm、約0.2μm、約0.3μm、約0.4μm、約0.5μm、約0.6μm、約0.7μm、約0.8μm、約0.9μm、または約1μmである。いくつかの実施形態において、リポソームまたはナノ粒子の平均直径は、少なくとも約0.1μm、約0.2μm、約0.3μm、約0.4μm、約0.5μm、約0.6μm、約0.7μm、約0.8μm、または約0.9μmである。いくつかの実施形態において、リポソームまたはナノ粒子の平均直径は、最大で約0.2μm、約0.3μm、約0.4μm、約0.5μm、約0.6μm、約0.7μm、約0.8μm、約0.9μm、または約1μmである。
【0036】
いくつかの実施形態において、組成物は親油性化合物である。いくつかの実施形態において、組成物は非極性化合物を含む。いくつかの実施形態において、組成物は極性化合物を含む。いくつかの実施形態において、組成物は双性イオンを含む。
【0037】
いくつかの実施形態において、組成物は水溶液である。いくつかの実施形態において、水溶液はポリオキシルヒマシ油を含む。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油は、ポリエチレングリコール(PEG)化((PEG)-ylated)ヒマシ油である。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油はポリオキシル35ヒマシ油である。いくつかの実施形態において、ポリオキシル35ヒマシ油は、組成物の約0.1%~約5%、約0.1%~約10%、約0.1%~約15%、または約0.1%~約20%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、組成物は眼表面潤滑剤を含む。
【0038】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、スポイト、ポンプ、スプレー、クリックペンまたはローラー/リザーバーデバイスによって患者の少なくとも片眼の眼窩周囲皮膚に適用される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、ブラシ、Qチップ、指先、またはスパーテルによって患者の少なくとも片眼の眼窩周囲皮膚に適用され、適用プロセスは任意選択で、目盛り付きスポイト、シリンジ、クリックペン、またはピペットの使用から開始される。
【0039】
いくつかの実施形態において、眼窩周囲皮膚への浸透は、浸透促進剤、テープストリップピング(tape-stripping)、マイクロダーマブレーション(microdermabrasion)、溶媒、パルスレーザー、およびリポソームまたはナノ粒子中の抗体、siRNAなどの高分子を送達するためのイオン導入によって補助され得る。いくつかの実施形態において、組成物は、皮膚バリアに容易に浸透することができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、1日おきに1回、3日おきに1回、4日おきに1回、または7日おきに1回、患者の各眼の眼窩周囲皮膚に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日1回投与される。いくつかの実施形態において、上記方法は、上眼瞼の上方、下眼瞼の下方、または上眼瞼の上方と下眼瞼の下方の両方の眼窩周囲皮膚に組成物を投与する工程を含む。
【0041】
1つの態様において、眼の後部の疾患または障害に苦しむ患者の上記疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、患者の眼の眼表面に投与する工程を含む、方法が本明細書で提供される。
【0042】
いくつかの実施形態において、眼の後部の疾患または障害は網膜疾患を含む。
【0043】
いくつかの実施形態において、網膜疾患は、網膜または脈絡膜の血管系からの出血を含む。いくつかの実施形態において、出血は、高血圧症、糖尿病、脂肪肝疾患、肥満症、揺さぶられっ子症候群、頭部外傷、貧血症、または白血病によって引き起こされる。
【0044】
いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は、網膜または脈絡膜の血管系からの血漿漏出を含む。いくつかの実施形態において、血漿漏出は、全身性高血圧症、糖尿病、脂肪肝疾患、肥満症、揺さぶられっ子症候群、頭部外傷、貧血症、または白血病によって引き起こされる。
【0045】
いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は、網膜または脈絡膜の血管系に関与する黄斑浮腫形成を含む。
【0046】
いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は、加齢黄斑変性(滲出型および乾性型)、黄斑円孔、黄斑パッカー、格子状変性、網膜裂孔、網膜剥離、網膜動脈閉塞、網膜静脈分枝閉塞症、網膜中心静脈閉塞、眼内腫瘍、小児および新生児の網膜障害、遺伝性網膜ジストロフィー、地図状萎縮、網膜色素変性症(レーバー先天黒内障を含む)、サイトメガロウイルス(cmv)網膜感染、感染性網膜炎、中心性漿液性脈絡網膜症、網膜芽細胞腫、および眼内炎である。
【0047】
いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は加齢黄斑変性である。
【0048】
いくつかの実施形態において、眼の後部の疾患または障害は、後部ブドウ膜炎である。
【0049】
いくつかの実施形態において、疾患は神経変性眼疾患である。
【0050】
いくつかの実施形態において、上記方法は、追加の治療剤を患者に投与する工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、追加の治療剤は、VEGF抗体、PDGF抗体、bFGF抗体、SDF-1抗体、HIF-1抗体、PIGF抗体、VEGFアンタゴニスト、チロシンキナーゼ阻害剤、ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制薬、抗コリン作動薬、サリドマイド、プロスタグランジン受容体アンタゴニスト、または神経保護剤、抗血管新生因子(例えば、PEDF)、神経再生剤、神経保護をもたらすRNA干渉、神経再生を促進するRNA干渉、直接、神経保護をもたらし、かつ眼内圧を下げる小分子、神経再生を促進し、かつ眼内圧を下げるRNA干渉、神経保護をもたらし、かつ眼内圧を下げるRNA干渉、浮腫、出血、および血管新生を減らす抗体、浮腫、出血、および血管新生を減らすRNA干渉である。
【0051】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、予防的に、緊急介入として、または所望の改善効果を達成するために必要に応じて、投与される。
【0052】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物として投与される。いくつかの実施形態において、組成物は、水溶液、非水溶液、油性溶液、ゲル、懸濁液、エマルジョン、クリーム、または軟膏である。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物の約0.0001%~約10%(w/w)の量で存在する。
【0053】
いくつかの実施形態において、組成物は水溶液である。いくつかの実施形態において、水溶液はポリオキシルヒマシ油を含む。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油は、ポリエチレングリコール(PEG)化((PEG)-ylated)ヒマシ油である。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油はポリオキシル35ヒマシ油である。いくつかの実施形態において、ポリオキシル35ヒマシ油は、組成物の約0.1%~約5%、約0.1%~約10%、約0.1%~約15%、または約0.1%~約20%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、組成物は眼表面潤滑剤を含む。
【0054】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、1日おきに1回、3日おきに1回、4日おきに1回、または7日おきに1回、患者の各眼の眼表面に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日1回投与される。
【0055】
1つの態様において、ブドウ膜炎に苦しむ患者のブドウ膜炎を処置する方法であって、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、患者の眼に投与する工程を含む、方法が本明細書で提供される。
【0056】
1つの態様において、翼状片に苦しむ患者の翼状片を処置する方法であって、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、患者の眼に投与する工程を含む、方法が本明細書で提供される。
【0057】
1つの態様において、眼の疾患または障害に苦しむ患者の上記疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、患者の眼に投与する工程を含む、方法が本明細書で提供され、眼の疾患または障害は、角結膜炎、円錐角膜、上強膜炎、角膜潰瘍、角膜異形成、角膜ジストロフィー、またはスティーヴンス・ジョンソン症候群である。
【0058】
1つの態様において、眼瞼に影響を与える眼の疾患または障害に苦しむ患者の上記眼の疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、患者の眼に投与する工程を含む、方法が本明細書で提供され、眼瞼に影響を与える眼の疾患または障害は、眼瞼炎、眼瞼痙攣、下垂症、コロボーマ、皮膚弛緩症、外反症、内反症、睫毛乱生症、麦粒腫、霰粒腫、瞼板腺炎、涙腺閉塞、涙腺閉塞、脂漏性角膜炎、紫外線角膜炎、細菌感染、またはウイルス感染である。
【0059】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物として眼の表面に局所的に投与される。
【0060】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物として眼窩周囲に投与される。
【0061】
いくつかの実施形態において、組成物は、水溶液、非水溶液、油性溶液、ゲル、懸濁液、エマルジョン、クリーム、または軟膏である。いくつかの実施形態において、組成物は水溶液である。いくつかの実施形態において、水溶液はポリオキシルヒマシ油を含む。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油は、ポリエチレングリコール(PEG)化((PEG)-ylated)ヒマシ油である。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油はポリオキシル35ヒマシ油である。いくつかの実施形態において、ポリオキシル35ヒマシ油は、組成物の約0.1%~約5%、約0.1%~約10%、約0.1%~約15%、または約0.1%~約20%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、組成物は眼表面潤滑剤を含む。
【0062】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、スポイト、ポンプ、スプレー、クリックペン、またはローラー/リザーバーデバイスによって局所的に適用される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、ブラシ、Qチップ、指先、またはスパーテルによって少なくとも片眼の眼窩周囲皮膚に局所的に適用され、適用プロセスは、目盛り付きスポイト、シリンジ、クリックペン、またはピペットの使用から開始されてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、1日おきに1回、3日おきに1回、4日おきに1回、または7日おきに1回、患者に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日1回投与される。
【0064】
1つの態様において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを含む、局所的な眼窩周囲投与に適した医薬組成物が本明細書で提供される。
【0065】
いくつかの実施形態において、組成物は、水溶液、非水溶液、油性溶液、ゲル、懸濁液、エマルジョン、クリーム、または軟膏である。いくつかの実施形態において、組成物は油性溶液として製剤化される。いくつかの実施形態において、組成物は組成物の約1%~約100%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.95%、少なくとも約99.96%、少なくとも約99.97%、少なくとも約99.98%、または少なくとも約99.99%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態において、油は天然資源に由来する。いくつかの実施形態において、油は植物、植物の種もしくは木の実、またはそれらの任意の組み合わせに由来する。いくつかの実施形態において、油は中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、C6、C8、C10、またはC12脂肪酸の混合物を含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物の約0.0001%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、1回の投与あたり、約10ng~約5mgの4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを分注するように構成される。
【0067】
いくつかの実施形態において、組成物はさらに、皮膚軟化剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、浸透促進剤、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0068】
1つの態様において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩と、ポリオキシルヒマシ油とを含む、局所的な眼表面投与に適した医薬組成物が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油は、ポリエチレングリコール(PEG)化((PEG)-ylated)ヒマシ油である。いくつかの実施形態において、PEG対ヒマシ油の比は約20:1~約50:1である。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油はポリオキシル35ヒマシ油である。いくつかの実施形態において、ポリオキシル35ヒマシ油は、組成物の約0.1%~約5%、約0.1%~約10%、約0.1%~約15%、または約0.1%~約20%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、ポリオキシル35ヒマシ油は、組成物の約1%(w/w)の量で存在する。
【0069】
いくつかの実施形態において、組成物は眼表面潤滑剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、眼表面潤滑剤は、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒマシ油、またはグリセロールである。いくつかの実施形態において、眼表面潤滑剤は、組成物の約0.05%~約2%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、組成物は緩衝剤をさらに含む。いくつか実施形態において、医薬組成物は約6.5~約8.5のpHを有する。
【0070】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物の約0.0001%~約10%(w/w)の量で存在する。
【0071】
1つの態様において、対象における眼の健康を促進し、眼の疾患を予防または処置する方法であって、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む局所用医薬組成物を、対象の眼の眼窩周囲皮膚に投与する工程を含む方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は魚組織から単離される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、オキアミ、大きな黒眼と赤みを帯びた半透明の体を有する小型のエビのような甲殻類から単離される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、植物源から単離される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、α-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸はDHAを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、眼パッドとして使用される場合、1つの眼あたり約0.01mg~約10000mg、約0.01mg~約3000mg、約0.01mg~約1000mg、約0.01mg~約500mg、または約0.01mg~約100mgの量で、眼パッドとして使用されない場合、眼窩周囲皮膚に適用毎に1つの眼あたり約0.01mg~約200mg、または約0.01mg~約100mg、約0.01mg~約50mg、約0.01mg~約25mg、約0.01mg~約10mg、約0.01mg~約5mg、約0.01mg~約1mg、または約0.01mg~約0.5mgの量で投与される。
【0072】
1つの態様において、対象における眼の健康を促進し、眼の疾患を予防または処置する方法であって、オメガ-3脂肪酸エステル、またはその薬学的に許容可能なエチルエステルもしくは塩を含む局所用医薬組成物を、対象の眼の眼窩周囲皮膚に投与する工程を含む方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸エチルエステルは魚組織に由来する。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸エチルエステルは植物源に由来する。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、α-リノール酸エチル、エイコサペンタエン酸エチル、ドコサヘキサエン酸エチル、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸エチルエステルは、眼パッドとして使用される場合、1つの眼あたり約0.01mg~約5000mg、約0.01mg~約3000mg、約0.01mg~約1000mg、約0.01mg~約500mg、または約0.01mg~約100mgの量で、眼パッドとして使用されない場合、眼窩周囲皮膚に適用毎に1つの眼あたり約0.01mg~約200mg、または約0.01mg~約100mg、約0.01mg~約50mg、約0.01mg~約25mg、約0.01mg~約10mg、約0.01mg~約5mg、約0.01mg~約1mg、または約0.01mg~約0.5mgの量で投与される。
【0073】
いくつかの実施形態において、局所用医薬組成物は、クリーム、エマルジョン、軟膏、または油性溶液として製剤化される。いくつかの実施形態において、局所用医薬組成物はさらに、皮膚軟化剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、浸透促進剤、抗酸化剤、芳香マスキング剤、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、組成物は防腐剤をさらに含む。
【0074】
いくつかの実施形態において、局所用医薬組成物は、ローラーボール、クリックペンブラシ、ポンプボトル、または点眼ボトル、眼パッド、およびQチップを有するボトルを用いて投与される。
【0075】
いくつかの実施形態において、眼の健康を促進すること、眼の疾患を予防または処置することは、加齢性視力喪失を処置または予防することを含む。いくつかの実施形態において、眼の健康を促進すること、眼の疾患を予防または処置することは、ドライアイを処置または予防することを含む。いくつかの実施形態において、眼の健康を促進すること、眼の疾患を予防または処置することは、加齢黄斑変性を処置または予防することを含む。いくつかの実施形態において、眼の健康を促進すること、眼の疾患を予防または処置することは、加齢黄斑変性を処置または予防することを含む。
【0076】
いくつかの実施形態において、局所用医薬組成物は、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、1日おきに1回、3日おきに1回、4日おきに1回、または7日おきに1回、患者に投与される。いくつかの実施形態において、上記方法は、上眼瞼の上方、下眼瞼の下方、または上眼瞼の上方と下眼瞼の下方の両方の眼窩周囲皮膚に組成物を投与する工程を含む。
【0077】
いくつかの実施形態において、組成物を眼窩周囲皮膚に投与することで、投与の30分後に対象の眼の網膜において、オメガ-3脂肪酸の組織濃度は、ベースラインと比較して、少なくとも110マイクログラム/グラム高い。
【0078】
1つの態様において、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、局所的な眼窩周囲投与に適した医薬組成物が本明細書で提供される。
【0079】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は魚組織から単離される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、植物源から単離される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、α-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸はDHAを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、組成物の約0.01%~約100%(w/w)の量で存在する。
【0080】
いくつかの実施形態において、組成物は、クリーム、エマルジョン、軟膏、または油性溶液として製剤化される。
【0081】
いくつかの実施形態において、医薬組成物はさらに、皮膚軟化剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、浸透促進剤、抗酸化剤、芳香マスキング剤、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、組成物は防腐剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、防腐剤はビタミンEである。
【0082】
いくつかの実施形態において、組成物はさらに脂肪酸ビヒクルを含む。いくつかの実施形態において、脂肪酸ビヒクルは、組成物の約0.01%~約99%の量で存在する。いくつかの実施形態において、脂肪酸ビヒクルはC14~C22脂肪酸である。いくつかの実施形態において、脂肪酸ビヒクルはリノール酸を含む。
【0083】
いくつかの実施形態において、組成物は組成物の約0.01%~約100%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態において、油は天然資源に由来する。いくつかの実施形態において、油は植物、植物種子、または木の実に由来する。
【0084】
1つの態様において、眼の後部の疾患または障害に苦しむ患者の上記疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、患者の眼の眼窩周囲皮膚に投与する工程を含む、方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、眼の後部の疾患または障害は網膜疾患を含む。いくつかの実施形態において、網膜疾患は、網膜または脈絡膜の血管系からの出血を含む。いくつかの実施形態において、出血は、全身性高血圧症、糖尿病、脂肪肝疾患、肥満症、揺さぶられっ子症候群、頭部外傷、貧血症、または白血病によって引き起こされる。いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は、網膜または脈絡膜の血管系からの血漿漏出を含む。いくつかの実施形態において、血漿漏出は、全身性高血圧症、糖尿病、脂肪肝疾患、肥満症、揺さぶられっ子症候群、頭部外傷、貧血症、または白血病によって引き起こされる。いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は、網膜または脈絡膜の血管系に関与する黄斑浮腫形成を含む。いくつかの実施形態において、眼の後部の疾患または障害は、加齢黄斑変性(滲出型および乾性型)、乾性および滲出型黄斑変性、格子状変性、黄斑円孔、黄斑パッカー、格子状変性、網膜裂孔、網膜剥離、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、網膜中心静脈閉塞、眼内腫瘍、小児、新生児、または遺伝性の網膜障害、遺伝性網膜ジストロフィー、地図状萎縮、網膜色素変性症(レーバー先天黒内障を含む)、サイトメガロウイルス(cmv)網膜感染、感染性網膜炎、網膜芽細胞腫、眼内炎、脈絡網膜炎、近視性黄斑変性および正常眼圧緑内障、緑内障における網膜変性、限定されないが、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、鎌状赤血球網膜症(Sickel cell retinopathy)、放射線/太陽性網膜症、中心性漿液性脈絡網膜症、高血圧網膜症、末梢性網膜症および神経障害を含む様々な網膜症、黄斑浮腫、網膜出血、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性黄斑虚血、地図状萎縮、シュタルガルト病、または、屈折異常(近視、遠視、および乱視)である。いくつかの実施形態において、方法はさらに、追加の治療剤を対象に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、追加の治療剤は、VEGF抗体、小分子VEGFアンタゴニスト、VEGF受容体を標的とするsiRNA、TNFα抗体、小分子TNFα受容体アンタゴニスト、TNFα受容体を標的とするsiRNA、炎症性サイトカイン受容体アンタゴニスト、炎症性サイトカインに対する抗体、チロシンキナーゼ阻害剤、セリン/トレオニン-プロテインキナーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤、ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制薬、抗コリン作動薬、サリドマイド、プロスタグランジン受容体アンタゴニスト、神経保護剤、神経栄養剤、神経再生剤、眼圧降下薬、抗生物質、抗ウイルス剤、補体阻害剤、インターロイキン受容体阻害剤、ロイコトリエン受容体阻害剤、腫瘍形成と発育の阻害剤、血管新生阻害剤、または抗酸化もしくは抗微小血管漏出特性を有する剤である。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、予防的に、緊急介入として、または所望の改善効果を達成するために必要に応じて、投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物として投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物の約0.0001%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、組成物は、水溶液、非水溶液、油性溶液、ゲル、懸濁液、エマルジョン、ローション、クリーム、または軟膏である。いくつかの実施形態において、組成物は軟膏である。いくつかの実施形態において、軟膏はワセリン、蜜蝋、またはカカオバターを含む。いくつかの実施形態において、軟膏はワセリンおよび中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、C6、C8、C10、およびC12脂肪酸の混合物を含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、カプリル酸およびカプリン酸の混合物を含む。いくつかの実施形態において、軟膏は、約1:1(v/v)、約2:1(v/v)、約3:1(v/v)、約4:1(v/v)、約5:1(v/v)、または約6:1(v/v)の比でワセリンと中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、軟膏は、約4:1(v/v)の比でワセリンと中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、組成物は水溶液である。いくつかの実施形態において、水溶液はポリオキシルヒマシ油を含む。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油は、ポリエチレングリコール(PEG)化((PEG)-ylated)ヒマシ油である。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油はポリオキシル35ヒマシ油である。いくつかの実施形態において、ポリオキシル35ヒマシ油は、組成物の約0.1%~約5%、約0.1%~約10%、約0.1%~約15%、または約0.1%~約20%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、組成物は眼表面潤滑剤を含む。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、スポイト、ポンプ、スプレー、クリックペンまたはローラー/リザーバーデバイスによって患者の少なくとも片眼の眼窩周囲皮膚に適用される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、ブラシ、Qチップ、またはスパーテルによって患者の少なくとも片眼の眼窩周囲皮膚に適用され、適用プロセスは任意選択で、目盛り付きスポイト、シリンジ、クリックペン、またはピペットの使用から開始される。いくつかの実施形態において、眼窩周囲皮膚への浸透は、テープストリップピング(tape-stripping)、マイクロダーマブレーション(microdermabrasion)、溶媒、パルスレーザー、イオン導入、またはそれらの組み合わせによって補助される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、1日おきに1回、3日おきに1回、4日おきに1回、または7日おきに1回、患者の各眼の眼窩周囲皮膚に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日1回投与される。いくつかの実施形態において、上記方法は、上眼瞼の上方、下眼瞼の下方、または上眼瞼の上方と下眼瞼の下方の両方の眼窩周囲皮膚に組成物を投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、追加の治療剤は、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩である。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、およびオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、単一組成物として製剤化および投与される。
【0085】
追加の態様では、眼の後部の疾患または障害に苦しむ患者の上記疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、患者の眼の眼表面に投与する工程を含む、方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、眼の後部の疾患または障害は網膜疾患を含む。いくつかの実施形態において、網膜疾患は、網膜または脈絡膜の血管系からの出血を含む。いくつかの実施形態において、出血は、全身性高血圧症、糖尿病、脂肪肝疾患、肥満症、揺さぶられっ子症候群、頭部外傷、貧血症、または白血病によって引き起こされる。いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は、網膜または脈絡膜の血管系からの血漿漏出を含む。いくつかの実施形態において、血漿漏出は、全身性高血圧症、糖尿病、脂肪肝疾患、肥満症、揺さぶられっ子症候群、頭部外傷、貧血症、または白血病によって引き起こされる。いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は、網膜または脈絡膜の血管系における黄斑浮腫形成を含む。いくつかの実施形態において、眼の後部の疾患または障害は、加齢黄斑変性(滲出型および乾性型)、乾性および滲出型黄斑変性、格子状変性、黄斑円孔、黄斑パッカー、格子状変性、網膜裂孔、網膜剥離、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、網膜中心静脈閉塞、眼内腫瘍、小児、新生児、または遺伝性の網膜障害、遺伝性網膜ジストロフィー、地図状萎縮、網膜色素変性症(レーバー先天黒内障を含む)、サイトメガロウイルス(cmv)網膜感染、感染性網膜炎、網膜芽細胞腫、眼内炎、脈絡網膜炎、近視性黄斑変性および正常眼圧緑内障、緑内障における網膜変性、限定されないが、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、鎌状赤血球網膜症(Sickel cell retinopathy)、放射線/太陽性網膜症、中心性漿液性脈絡網膜症、高血圧網膜症、末梢性網膜症および神経障害を含む様々な網膜症、黄斑浮腫、網膜出血、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性黄斑虚血、地図状萎縮、シュタルガルト病、または、屈折異常(近視、遠視、および乱視)である。いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は加齢黄斑変性である。いくつかの実施形態において、眼の後部の疾患または障害は、後部ブドウ膜炎である。いくつかの実施形態において、方法はさらに、追加の治療剤を対象に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、追加の治療剤は、小分子VEGFアンタゴニスト、VEGF受容体を標的とするsiRNA、小分子TNFα受容体アンタゴニスト、TNFα受容体を標的とするsiRNA、炎症性サイトカイン受容体アンタゴニスト、チロシンキナーゼ阻害剤、セリン/トレオニン-プロテインキナーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤、ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制薬、抗コリン作動薬、サリドマイド、プロスタグランジン受容体アンタゴニスト、神経保護剤、神経再生剤、眼圧降下薬、抗生物質、抗ウイルス剤、補体阻害剤、インターロイキン受容体阻害剤、ロイコトリエン受容体阻害剤、腫瘍形成と発育の阻害剤、血管新生阻害剤、または抗酸化もしくは抗微小血管漏出特性を有する剤である。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物として投与され、組成物は、リポソームまたはナノ粒子中の水溶液、非水溶液、油性溶液、ゲル、懸濁液、エマルジョン、クリーム、軟膏である。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物の約0.0001%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、組成物は水溶液である。いくつかの実施形態において、水溶液はポリオキシルヒマシ油を含む。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油は、ポリエチレングリコール(PEG)化((PEG)-ylated)ヒマシ油である。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油はポリオキシル35ヒマシ油である。いくつかの実施形態において、ポリオキシル35ヒマシ油は、組成物の約0.1%~約5%、約0.1%~約10%、約0.1%~約15%、または約0.1%~約20%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、組成物は眼表面潤滑剤を含む。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、1日おきに1回、3日おきに1回、4日おきに1回、または7日おきに1回、患者の各眼の眼表面に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日1回投与される。いくつかの実施形態において、追加の治療剤は、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩である。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、組成物として眼窩周囲に投与される。
【0086】
追加の態様において、ブドウ膜炎に苦しむ患者のブドウ膜炎を処置する方法であって、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、患者の眼に投与する工程を含む、方法が本明細書で提供される。追加の態様において、翼状片に苦しむ患者を処置する方法であって、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、患者の眼に投与する工程を含む、方法が本明細書で提供される。追加の態様において、眼の疾患または障害に苦しむ患者の上記疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、患者の眼に投与する工程を含む、方法が本明細書で提供され、眼の疾患または障害は、前眼部形成不全、白内障、虹彩炎、翼状片、角結膜炎、角膜炎、結膜炎、円錐角膜、拡張性障害(球状角膜、透明辺縁変性(pellucid marginal degeneration)を含む)、偽水晶体および無水晶体水疱性角膜症、上強膜炎、角膜潰瘍、角膜異形成、角膜潰瘍、フックス内皮ジストロフィーおよび他の角膜ジストロフィー(格子状、顆粒状、斑状、および地図状(map)-点状(dot)指紋状を含む)、眼の瘢痕性類天疱瘡、スティーヴンス・ジョンソン症候群、急性および慢性ブドウ膜炎(前部ブドウ膜炎、中間部ブドウ膜炎)、虹彩外傷を含む角膜、結膜、および前眼部への外傷、または貫通性眼外傷である。追加の態様において、眼瞼に影響を与える眼の疾患または障害に苦しむ患者の上記眼の疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、患者の眼に投与する工程を含む、方法が本明細書で提供され、眼瞼に影響を与える眼の疾患または障害は、眼瞼炎、眼瞼痙攣、霰粒腫、下垂症、コロボーマ、皮膚弛緩症、外反症、内反症、睫毛乱生症、麦粒腫、瞼板腺炎、マイボーム腺機能不全、涙腺閉塞、涙腺閉塞、脂漏性角膜炎、紫外線角膜炎、細菌感染、またはウイルス感染である。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物として眼の表面に局所的に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物として眼窩周囲に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物として眼の表面に局所的に投与され、組成物として眼窩周囲に別々に適用される。いくつかの実施形態において、組成物は、siRNAまたは抗体の同時取り込みを伴うまたはまたは伴わない、リポソームまたはナノ粒子中の、水溶液、非水溶液、油性溶液、ゲル、懸濁液、エマルジョン、クリーム、または軟膏である。いくつかの実施形態において、組成物は水溶液である。いくつかの実施形態において、水溶液はポリオキシルヒマシ油を含む。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油は、ポリエチレングリコール(PEG)化((PEG)-ylated)ヒマシ油である。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油はポリオキシル35ヒマシ油である。いくつかの実施形態において、ポリオキシル35ヒマシ油は、組成物の約0.1%~約5%、約0.1%~約10%、約0.1%~約15%、または約0.1%~約20%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、組成物は眼表面潤滑剤を含む。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、スポイト、ポンプ、スプレー、クリックペン、またはローラー/リザーバーデバイスによって局所的に適用される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、ブラシ、Qチップ、またはスパーテルによって少なくとも片眼の眼窩周囲皮膚に局所的に適用され、適用プロセスは、目盛り付きスポイト、シリンジ、クリックペン、またはピペットの使用から開始されてもよい。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、1日おきに1回、3日おきに1回、4日おきに1回、または7日おきに1回、患者に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日1回投与される。いくつかの実施形態において、方法はさらに、患者の眼の眼窩周囲皮膚に、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む局所用医薬組成物を投与する工程を含む。
【0087】
追加の態様において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む、局所的な眼窩周囲投与に適した医薬組成物が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、組成物は、siRNAまたは抗体の同時取り込みを伴うまたはまたは伴わない、リポソームまたはナノ粒子中の、水溶液、非水溶液、油性溶液、ゲル、懸濁液、エマルジョン、クリーム、軟膏である。いくつかの実施形態において、組成物は油性溶液として製剤化される。いくつかの実施形態において、組成物は組成物の約1%~約100%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.95%、少なくとも約99.96%、少なくとも約99.97%、少なくとも約99.98%、または少なくとも約99.99%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態において、油は天然資源に由来する。いくつかの実施形態において、油は植物、植物の種もしくは木の実、またはそれらの任意の組み合わせに由来する。いくつかの実施形態において、油は中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、C6、C8、C10、またはC12脂肪酸の混合物を含む。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物の約0.00015%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、1回の投与あたり、1つの眼につき約0.5マイクログラム(μg)~約5ミリグラム(mg)の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを分注するように構成される。いくつかの実施形態において、医薬組成物はさらに、皮膚軟化剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、浸透促進剤、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物はさらに、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む。
【0088】
追加の態様において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩と、ポリオキシルヒマシ油とを含む、局所的な眼表面投与に適した医薬組成物が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油は、ポリエチレングリコール(PEG)化((PEG)-ylated)ヒマシ油である。いくつかの実施形態において、PEG対ヒマシ油の比は約20:1~約50:1である。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油はポリオキシル35ヒマシ油である。いくつかの実施形態において、ポリオキシル35ヒマシ油は、組成物の約0.1%~約5%、約0.1%~約10%、約0.1%~約15%、または約0.1%~約20%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、ポリオキシル35ヒマシ油は、組成物の約1%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、医薬組成物はさらに眼表面潤滑剤を含む。いくつかの実施形態において、眼表面潤滑剤は、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒマシ油、またはグリセロールである。いくつかの実施形態において、眼表面潤滑剤は、組成物の約0.05%~約2%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は緩衝剤をさらに含む。いくつか実施形態において、医薬組成物は約6.5~約8.5のpHを有する。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物の約0.0001%~約10%(w/w)の量で存在する。
【0089】
追加の態様において、対象における眼の健康を促進し、または眼の疾患を予防もしくは処置する方法であって、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む局所用医薬組成物を、対象の眼の眼窩周囲皮膚に投与する工程を含む方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は魚組織から単離される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、植物源から単離される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、α-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸はDHAを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸はEPAを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、約0.1mg~約3000mg、約0.1mg~約1000mg、約0.1mg~約500mg、約0.1mg~約200mg、または約0.1mg~約100mgの量で投与される。いくつかの実施形態において、局所用医薬組成物は、クリーム、エマルジョン、軟膏、または油性溶液として製剤化される。いくつかの実施形態において、局所用医薬組成物はさらに、皮膚軟化剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、浸透促進剤、抗酸化剤、芳香マスキング剤、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、局所用医薬組成物は防腐剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、局所用医薬組成物はさらに、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む。いくつかの実施形態において、局所用医薬組成物は、ローラーボール、クリックペンブラシ、ポンプボトル、または点眼ボトル、およびQチップを有するボトルを用いて投与される。いくつかの実施形態において、眼の健康を促進し、眼の疾患を予防または処置することは、ドライアイ疾患および眼の不快感、刺激、疼痛およびストレス、化学熱傷、前眼部形成不全、白内障、虹彩炎、翼状片、角結膜炎、角膜炎、結膜炎、円錐角膜、拡張性障害(球状角膜、透明辺縁変性(pellucid marginal degeneration)を含む)、偽水晶体および無水晶体水疱性角膜症、上強膜炎、角膜潰瘍、角膜異形成、角膜潰瘍、フックス内皮ジストロフィーおよび他の角膜ジストロフィー(格子状、顆粒状、斑状、および地図状(map)-点状(dot)指紋状を含む)、眼の瘢痕性類天疱瘡、スティーヴンス・ジョンソン症候群、急性および慢性ブドウ膜炎(前部ブドウ膜炎、中間部ブドウ膜炎)、虹彩外傷を含む角膜、結膜、および前眼部への外傷、貫通性眼外傷、眼瞼炎、眼瞼痙攣、霰粒腫、下垂症、コロボーマ、皮膚弛緩症、外反症、内反症、睫毛乱生症、麦粒腫、瞼板腺炎、マイボーム腺機能不全、涙腺閉塞、涙腺閉塞、脂漏性角膜炎、紫外線角膜炎、細菌感染、またはウイルス感染、加齢黄斑変性(滲出型および乾性型)、乾性および滲出型黄斑変性、格子状変性、黄斑円孔、黄斑パッカー、格子状変性、網膜裂孔、網膜剥離、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、網膜中心静脈閉塞、眼内腫瘍、小児、新生児、または遺伝性の網膜障害、遺伝性網膜ジストロフィー、地図状萎縮、網膜色素変性症(レーバー先天黒内障を含む)、サイトメガロウイルス(cmv)網膜感染、感染性網膜炎、網膜芽細胞腫、眼内炎、脈絡網膜炎、近視性黄斑変性および正常眼圧緑内障、緑内障における網膜変性、限定されないが、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、鎌状赤血球網膜症(Sickel cell retinopathy)、放射線/太陽性網膜症、中心性漿液性脈絡網膜症、高血圧網膜症、末梢性網膜症および神経障害を含む様々な網膜症、黄斑浮腫、網膜出血、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性黄斑虚血、地図状萎縮、シュタルガルト病、屈折異常(近視、遠視、および乱視)、眼窩のリンパ管形成異常(別名眼窩リンパ管腫)、甲状腺眼疾患(グレーブス眼疾患)、もしくは急性および慢性ブドウ膜炎(中間部ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、全ブドウ膜炎を含む)を処置または予防することを含む。いくつかの実施形態において、眼の健康を促進すること、眼の疾患を予防または処置することは、ドライアイを処置または予防することを含む。いくつかの実施形態において、眼の健康を促進すること、眼の疾患を予防または処置することは、滲出型および乾性型の加齢黄斑変性を処置または予防することを含む。いくつかの実施形態において、眼の健康を促進すること、眼の疾患を予防または処置することは、限定されないが、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症を含む様々な網膜症を処置または予防することを含む。いくつかの実施形態において、局所用医薬組成物は、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、1日おきに1回、3日おきに1回、4日おきに1回、または7日おきに1回、患者に投与される。いくつかの実施形態において、上記方法は、上眼瞼の上方、下眼瞼の下方、または上眼瞼の上方と下眼瞼の下方の両方の眼窩周囲皮膚に組成物を投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、組成物を眼窩周囲皮膚に投与することで、投与の30分後に対象の眼の網膜において、オメガ-3脂肪酸の組織濃度は、ベースラインと比較して、少なくとも110マイクログラム/グラム高い。
【0090】
別の態様において、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、局所的な眼窩周囲投与に適した医薬組成物が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は魚組織から単離される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、植物源から単離される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、α-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸はDHAを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸はEPAを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、組成物の約0.01%~約100%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、組成物は、クリーム、エマルジョン、軟膏、または油性溶液として製剤化される。いくつかの実施形態において、組成物はさらに、皮膚軟化剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、浸透促進剤、抗酸化剤、芳香マスキング剤、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、製剤は防腐剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、防腐剤はビタミンEである。いくつかの実施形態において、製剤は脂肪酸ビヒクルをさらに含む。いくつかの実施形態において、脂肪酸ビヒクルは、組成物の約0.1%~約99%の量で存在する。いくつかの実施形態において、脂肪酸ビヒクルはC14~C22脂肪酸である。いくつかの実施形態において、脂肪酸ビヒクルはリノール酸を含む。いくつかの実施形態において、製剤はさらに、組成物の約1%~約100%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態において、油は天然資源に由来する。いくつかの実施形態において、油は植物、植物種子、または木の実に由来する。いくつかの実施形態において、製剤はさらに、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む。
【0091】
追加の態様では、眼の後部の疾患または障害に苦しむ患者の上記疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、患者の眼の眼瞼の外皮に投与する工程を含む、方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、眼の後部の疾患または障害は網膜疾患を含む。いくつかの実施形態において、網膜疾患は、網膜または脈絡膜の血管系からの出血を含む。いくつかの実施形態において、出血は、全身性高血圧症、糖尿病、脂肪肝疾患、肥満症、揺さぶられっ子症候群、頭部外傷、貧血症、または白血病によって引き起こされる。いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は、網膜または脈絡膜の血管系からの血漿漏出を含む。いくつかの実施形態において、血漿漏出は、全身性高血圧症、糖尿病、脂肪肝疾患、肥満症、揺さぶられっ子症候群、頭部外傷、貧血症、または白血病によって引き起こされる。いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は、網膜または脈絡膜の血管系に関与する黄斑浮腫形成を含む。いくつかの実施形態において、眼の後部の疾患または障害は、加齢黄斑変性(滲出型および乾性型)、乾性および滲出型黄斑変性、格子状変性、黄斑円孔、黄斑パッカー、格子状変性、網膜裂孔、網膜剥離、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、網膜中心静脈閉塞、眼内腫瘍、小児、新生児、または遺伝性の網膜障害、遺伝性網膜ジストロフィー、地図状萎縮、網膜色素変性症(レーバー先天黒内障を含む)、サイトメガロウイルス(cmv)網膜感染、感染性網膜炎、網膜芽細胞腫、眼内炎、脈絡網膜炎、近視性黄斑変性および正常眼圧緑内障、緑内障における網膜変性、限定されないが、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、鎌状赤血球網膜症(Sickel cell retinopathy)、放射線/太陽性網膜症、中心性漿液性脈絡網膜症、高血圧網膜症、末梢性網膜症および神経障害を含む様々な網膜症、黄斑浮腫、網膜出血、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性黄斑虚血、地図状萎縮、シュタルガルト病、または、屈折異常(近視、遠視、および乱視)である。いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は加齢黄斑変性である。いくつかの実施形態において、眼の後部の疾患または障害は、後部ブドウ膜炎である。いくつかの実施形態において、方法はさらに、追加の治療剤を対象に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、追加の治療剤は、VEGF抗体、小分子VEGFアンタゴニスト、VEGF受容体を標的とするsiRNA、TNFα抗体、小分子TNFα受容体アンタゴニスト、TNFα受容体を標的とするsiRNA、炎症性サイトカイン受容体アンタゴニスト、炎症性サイトカインに対する抗体、チロシンキナーゼ阻害剤、セリン/トレオニン-プロテインキナーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤、ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制薬、抗コリン作動薬、サリドマイド、プロスタグランジン受容体アンタゴニスト、神経保護剤、神経栄養剤、神経再生剤、眼圧降下薬、抗生物質、抗ウイルス剤、補体阻害剤、インターロイキン受容体阻害剤、ロイコトリエン受容体阻害剤、腫瘍形成と発育の阻害剤、血管新生阻害剤、または抗酸化もしくは抗微小血管漏出特性を有する剤である。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、予防的に、緊急介入として、または所望の改善効果を達成するために必要に応じて、投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物として投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物の約0.0001%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、組成物は、水溶液、非水溶液、油性溶液、ゲル、懸濁液、エマルジョン、ローション、クリーム、または軟膏である。いくつかの実施形態において、組成物は軟膏である。いくつかの実施形態において、軟膏はワセリン、蜜蝋、またはカカオバターを含む。いくつかの実施形態において、軟膏はワセリンおよび中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、C6、C8、C10、およびC12脂肪酸の混合物を含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、カプリル酸およびカプリン酸の混合物を含む。いくつかの実施形態において、軟膏は、約1:1(v/v)、約2:1(v/v)、約3:1(v/v)、約4:1(v/v)、約5:1(v/v)、または約6:1(v/v)の比でワセリンと中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、軟膏は、約4:1(v/v)の比でワセリンと中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、組成物は水溶液である。いくつかの実施形態において、水溶液はポリオキシルヒマシ油を含む。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油は、ポリエチレングリコール(PEG)化((PEG)-ylated)ヒマシ油である。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油はポリオキシル35ヒマシ油である。いくつかの実施形態において、ポリオキシル35ヒマシ油は、組成物の約0.1%~約5%、約0.1%~約10%、約0.1%~約15%、または約0.1%~約20%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、組成物は眼表面潤滑剤を含む。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、スポイト、ポンプ、スプレー、クリックペンまたはローラー/リザーバーデバイスによって患者の眼の眼瞼の外皮に適用される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、ブラシ、Qチップ、またはスパーテルによって患者の眼の眼瞼の外皮に適用され、適用プロセスは任意選択で、目盛り付きスポイト、シリンジ、クリックペン、またはピペットの使用から開始される。いくつかの実施形態において、眼瞼皮膚への浸透は、テープストリップピング(tape-stripping)、マイクロダーマブレーション(microdermabrasion)、溶媒、パルスレーザー、イオン導入、またはそれらの組み合わせによって補助される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、1日おきに1回、3日おきに1回、4日おきに1回、または7日おきに1回、患者の各眼の眼瞼の皮膚に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1日1回投与される。いくつかの実施形態において、追加の治療剤は、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩である。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、およびオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、単一組成物として製剤化および投与される。
【0092】
追加の態様において、眼の後部の疾患または障害を処置するための薬剤の製造において使用するための、患者の眼窩周囲皮膚への局所投与のために製剤化された有効成分が本明細書で提供され、製剤は、患者の眼窩周囲皮膚への局所投与のために製剤化された治療有効量の前記有効成分を眼の後部に送達する。いくつかの実施形態において、有効成分は1000Da以下の分子量を有する。いくつかの実施形態において、有効成分は200~500Daの分子量を有する。いくつかの実施形態において、1ミリリットル~10ミリリットルの製剤が、使用毎に患者の片眼の眼窩周囲皮膚に局所的に適用され、有効成分は、眼パッドを用いて局所的に適用される。いくつかの実施形態において、3マイクロリットル~100マイクロリットルの製剤が、使用毎に患者の片眼の眼窩周囲皮膚に直接、局所的に適用される。いくつかの実施形態において、0.01ミリグラム~10グラムの有効成分が、使用毎に患者の片眼の眼窩周囲皮膚に局所的に適用され、有効成分は、眼パッドを用いて局所的に適用される。いくつかの実施形態において、0.01ミリグラム~100ミリグラムの有効成分が、使用毎に患者の片眼の眼窩周囲皮膚に直接、局所的に適用される。いくつかの実施形態において、製剤はさらに、組成物の約1%~約100%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態において、油は天然資源に由来する。いくつかの実施形態において、油は植物、植物種子、または木の実に由来する。いくつかの実施形態において、油は中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、油は大豆油を含む。いくつかの実施形態において、有効成分は、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩である。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、α-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、DHAを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、EPAを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、組成物の約0.01%~約100%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、6.7mgの製剤を投与することで、投与の30分後に患者の眼の後部において、オメガ-3脂肪酸30の組織濃度は、ベースラインと比較して約110マイクログラム/グラム高い。いくつかの実施形態において、製剤はさらに、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む。いくつかの実施形態において、眼の後部組織において検出可能な有効成分の予想される範囲は、後部組織1グラム当たり約0.1μg~約1600μgである。いくつかの実施形態において、有効成分は、患者の各眼の眼窩周囲皮膚に、1日4回、1日3回、1日2回、または1日1回投与される。いくつかの実施形態において、有効成分は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩である。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物の約0.00005%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、製剤はさらに、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む。
【0093】
引用による組み込み
本明細書で言及されるすべての公開物、特許、および特許出願は、あたかも個々の公開物、特許、または特許出願がそれぞれ参照により本明細書に具体的かつ個別に組み込まれるのと同じ程度にまで、参照により本明細書に組み込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0094】
図1】眼の眼窩周囲領域の解剖学的構造を示す。
図2A】眼表面に直接、局所用眼製剤としてJV-DE1を両側投与したウサギの右眼におけるJV-DE1のバイオアベイラビリティを示す。
図2B】眼表面に直接、局所用眼製剤としてJV-DE1を両側投与したウサギの左眼におけるJV-DE1のバイオアベイラビリティを示す。
図3A】眼表面に直接、局所用眼製剤としてJV-DE1を右眼に投与したウサギの右眼におけるJV-DE1のバイオアベイラビリティを示す。
図3B】眼表面に直接、局所用眼製剤としてJV-DE1を右眼に投与したウサギの左眼におけるJV-DE1のバイオアベイラビリティを示す。
図4】非侵襲的眼窩周囲適用による、角膜経路を介した眼の前部への、および強膜経路を介した眼の後部への化合物(例えば、本明細書に開示される化合物)の送達を示す。
【発明を実施するための形態】
【0095】
本明細書では、眼疾患の処置としての化合物4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン(別名、JV-DE1、JV-MD2)の使用が提供される。いくつかの実施形態において、眼疾患は、眼の後部に関連する疾患および障害である。製剤化された化合物は、眼表面への点眼による適用後、より好適には眼窩周囲皮膚への適用後に、眼の後部におけるバイオアベイラビリティを達成する。いくつかの実施形態において、製剤化された化合物は、非侵襲性眼送達プラットフォーム(NIODP)を介して投与される。非侵襲性眼送達プラットフォーム(NIODP)は、眼窩周囲皮膚経皮投与と、眼組織のμg/gを超える眼薬、特に網膜薬を送達するための適切な薬物製剤との組み合わせである。
【0096】
開示される実施形態は、眼の前部の疾患、および予想外に、眼の後部の疾患を含む眼疾患の処置を対象とする。これらの疾患は、眼の後部、眼の前部から、または、非限定的な例として、糖尿病、関節リウマチ、および全身性高血圧症などの全身性疾患の結果として生じ得る。眼の後極に治療的に適切な量の化合物を送達することができる製剤が含まれ、点眼薬による眼表面への適用または眼球を取り囲む眼窩周囲皮膚への適用によって達成される。
【0097】
眼窩周囲投与を介して眼に向けられるオメガ-3脂肪酸を含む脂肪酸の送達のための方法および組成物も本明細書で提供される。驚くべきことに、ドコサヘキサエン酸(DHA)を含むオメガ-3脂肪酸は、眼窩周囲投与を介して、眼の後部を含む眼におよび眼全体に効果的に送達され得ることが本明細書において分かっている。そのような投与経路は、点眼薬による投与を望ましくなくする油性の特徴を有するDHAおよび他の脂肪酸にいくつかの利点を提供する。このようにオメガ-3脂肪酸を投与することは、眼の健康を促進し、加齢黄斑変性(AMD)を含む眼疾患を予防または処置するのに有用である。
【0098】
さらに、眼瞼の外面への投与を介して、眼に直接、オメガ-3脂肪酸を含む脂肪酸を送達するための方法および組成物が本明細書に開示される。
【0099】
眼の後部の疾患
網膜疾患は、視力を損ない、結果として障害を生じさせ、最終的には完全な視力喪失を引き起こしかねない。それらは一般的であり、主要なリスク因子は「通常考えられる要因(usual suspects)」である、年齢、肥満、および喫煙である。網膜および脈絡膜の血管系の異常、特に出血および血漿滲出は、糖尿病、高血圧、脂肪肝疾患、肥満、頭部外傷、貧血症、および白血病を含む全身性疾患の結果として生じる。
【0100】
網膜は、2つの血液供給、脈絡膜血管系および網膜血管系を有する。脈絡膜循環は、網膜色素上皮、光受容体、および外網状層に血液に基づく栄養素を供給する。網膜循環は、血液媒介性の栄養素を内核層、網状層、神経節層、および神経線維層に供給する。黄斑は、網膜中心動脈の上枝および側枝によって供給される。網膜循環は、硝子体内への出血源であるように解剖学的に位置付けられる。
【0101】
網膜自体に由来する疾患としては、限定されないが、加齢黄斑変性、黄斑円孔、黄斑パッカー、変性、格子状変性、網膜裂孔、網膜剥離、網膜動脈閉塞、網膜静脈分枝閉塞症、網膜中心静脈閉塞症、眼内腫瘍、小児および新生児の網膜障害、サイトメガロウイルス(cmv)網膜感染、ブドウ膜炎、感染性網膜炎、中心性漿液性網膜症、網膜芽細胞腫、眼内炎および地図状萎縮、網膜色素変性症などが挙げられる。網膜血管新生はさらに、小児期の近視の結果生じ得る(Bremond-Gignac D, 2020, Med Sci, 36: 763-763)。したがって、血管系の異常は多くの網膜疾患の主要な特徴である。これらには、出血、浮腫、血管新生、炎症、および線維症が含まれる。
【0102】
脈絡膜および/または網膜の血管系からの出血は重大な問題である。現在、網膜出血の処置のための「リストされた」薬物は存在しない。血管新生の予防に非常に有効な抗VEGF抗体は、硝子体出血の処置においてほとんど価値がない(El Annan, Carvounis PE, 2014, Int Ophthalmol Clin 54: 141-153)。IP受容体アゴニストプロスタサイクリン(PGI2)の放出は、血管拡張を刺激し、眼微小血管系で血流を増加させることができることは周知である(Mori A et al.,2007,Eur J Pharmacol 570:135-141)。脈絡膜または網膜の出血中のIP受容体アンタゴニストの使用は、顕著な血管収縮をもたらし、網膜出血を減少させることになる。血小板活性化因子(PAF)は、眼の炎症のメディエーターであるだけでなく、角膜および網膜の血管新生を刺激することもできる。様々なPAFアンタゴニストは、前部ブドウ膜炎における微小血管系漏出を減少させること(Lin N and Bazan H, et al. 1991; Rubin RM, Samples JR, et al. 1988)、角膜移植片における血管新生を減少させること(Cohen RA, Gebhardt BM, et al. 1992)、およびラットモデルにおける脈絡膜の血管新生を減少させること(Zhang H,Yang Y,et al.,2013)が示されている。4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンのPAFアンタゴニスト特性は、網膜炎症および出血をさらに低減することになる。
【0103】
上昇したプロスタサイクリンレベルが糖尿病性網膜症において報告されている(Davis TME, et al. (1981) Br Med J 282: 1259-1262; Lane LS, et al. (1982) Ophthalmol 89: 763-766)。糖尿病性網膜症は、網膜微小循環における病変から生じ、脈絡膜微小血管系も関与し得る。それは硝子体出血の最も一般的な原因である。硝子体液への血液の漏出は、軽度の症例では飛蚊症、蜘蛛の巣状のもの(cobwebs)、または影として視覚化され得るが、重度の症例では、霞み(haziness)、線条、またはさらには完全な視力喪失を引き起こしかねない。硝子体出血の最も一般的な原因は、進行性糖尿病性網膜症であるが、硝子体出血は、加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞、微小動脈瘤、テルソン症候群(Terson syndrome)、増殖性鎌状赤血球網膜症、および網膜剥離または硝子体剥離などの他の網膜疾患において起こり得る。
【0104】
血管新生はさらに、特定の網膜症の発症における顕著な特徴である。血管内皮増殖因子(VEGF)は、場合によっては、脈絡膜の血管新生をもたらし、抗VEGF抗体は、脈絡膜の血管新生のための有効な処置として広く使用されている。全身投与された受容体選択的IP受容体アンタゴニストも、脈絡膜の血管新生の予防に有効であることが示されており、これは最初に米国特許第9295665号および米国特許第9321745号で開示された。そのような新しく形成された血管は、組織の血液灌流を可能にするが、出血する傾向があり、血漿の滲出を可能にし、その結果、組織の腫脹(浮腫)および最適な視力にとって重要な網膜の寸法の変化をもたらす。VEGFに加えて、bFGF(D’Amore P., 1994, Invest Ophthalmol Vis Sci 35:3974-3979)PDGF、SDF-1、HIF-1(Campochiaro PA.,2015,Prog Retin Eye Res 49:67-81)、PDGF、PIGF(Noma H et al., 2020, J Clin Med 9:3457)、およびIGF-1(Lin S et al,2017,Cell Prolif. 50:e12390)などの血管新生因子は、血管新生の病因に関与している。IGF-1は、PI3K/Aktシグナル経路の活性化により血管新生を促進する(Lin S et al, 2017, Cell Prolif. 50:e12390)。PI3K/AKT/mTORシグナル伝達経路は、多くの腫瘍形成プロセスにおいて異常に活性化され、腫瘍形成および発生において重要な役割を有する。(Feng Z, Levine AJ, Trends Cell Biol. 2010 Jul; 20(7): 427-434)。
【0105】
網膜疾患における視力喪失のさらなる主要な原因は、黄斑浮腫である。黄斑は中心視力に必要不可欠である。黄斑領域への体液の血管外遊出は、黄斑の肥厚および変形に起因して視力障害をもたらす。血流の増加は、組織への流体滲出、特にプロスタノイド媒介血管拡張を増加させることが長い間知られている(Williams TJ, Peck MJ (1977) Nature 270: 530-532)。IP受容体アンタゴニストによるプロスタサイクリン媒介性の組織血流の減少は、黄斑浮腫を改善することになる。PAFは、同様に、血管拡張および組織への血漿滲出の増加を誘導することができ、したがって、網膜変性および炎症性疾患における黄斑浮腫に寄与し得る。VEGFおよびPDGFに加えて、MCP-1、ICAM-1、IP-10、PTX-3、IL-6、およびIL-8も黄斑浮腫の発症に関与している(Noma et al., 2020)。
【0106】
網膜疾患は視力喪失の主な原因である。それらは、出血、浮腫、血管新生、炎症、線維症、および萎縮を含むいくつかの病態を特徴とし、これらは単一の事象としてまたは順列で起こり得る。血管新生および結果として生じる後遺症は、血管内皮増殖因子(VEGF)に対する抗体によって抑止され得る。網膜抗体療法は、眼球の後眼房に位置する硝子体液への注射を必要とする。硝子体内注射は本質的に望ましくない。眼科医による眼への抗体注射の頻度を減らすことに多くの努力が費やされ続けている。眼表面への点眼薬の自己適用は、眼疾患を処置するために典型的であり、好ましい。しかしながら、眼表面に適用される薬物は、眼の後部に適切に作用しない(Awwad S et al., 2017, Br J Pharmacol 174: 4205-4223; Del Amo EM et al., 2017, Prog Retin Eye Res 57: 134-185)。確実な成功は示されていない(del Amo et al., 2017)。局所投与による眼の後部への薬物の送達は、「究極の理想(holy grail)」として記載されている(Rodrigues GA et al., 2018, Pharm Res 35: 245)。したがって、眼表面への局所適用後に後眼部および硝子体液に確実に到達する薬物は、ブレークスルーとなる。
【0107】
IP受容体拮抗作用は、網膜血管系と脈絡膜血管系に関連する出血、血漿滲出、血管新生、および黄斑浮腫を処置するための代替的かつ追加的な作用機序を表し、眼の後部に位置する組織に血液媒介性の栄養素を提供する。治療的介入の現在の主流は、VEGFまたはその受容体を隔離するタンパク質の硝子体内注射である。硝子体へのVEGF抗体注射はリスクがないわけではない。網膜抗体療法は、眼の後眼房への注射を必要とし、これは本質的に望ましくない。注射当たりの眼内炎、網膜剥離、および外傷性白内障の発生率は、それぞれ0.16%、0.17%、および0.07%と報告された(Michels S,2006, Br J Ophthalmol 90: 1333-1334)。患者が1年当たり4~12回の注射を受ける場合、各注射でリスクが加わる。必要とされる硝子体内注射の回数を減らしたい、またはさらにはなくしたいという願望は広く認識されている。IP受容体アンタゴニストはVEGFの放出を防止するが、本発明によれば、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは注射を必要とすることなくその網膜標的を達成することができる。
【0108】
VEGF放出とは無関係に、IPアンタゴニストは微小血管系の血液灌流を低減し、それによって浮腫形成および出血の可能性を低減する。4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン(数的同一性RO-1138452およびJV-DE1も割り当てられる)は、血管新生および線維症を阻害することになるPAF受容体アンタゴニスト特性も有するという点で独特である。失明は多くの患者にとって避けられない転帰であるため、現在、網膜疾患に有効な薬物のわずかな医療設備しか持っていない眼科医に4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを与えることは非常に貴重なことになる。
【0109】
本明細書には、対象における後眼部疾患、網膜の疾患または障害を処置する方法が提供され、上記方法は、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを対象に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、眼窩周囲皮膚として投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、眼に局所的に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、眼の表面に局所的に投与される。
【0110】
いくつかの実施形態において、後眼部疾患、網膜の疾患または障害は、加齢黄斑変性(滲出型および乾性型)、乾性および滲出型黄斑変性、格子状変性、黄斑円孔、黄斑パッカー、格子状変性、網膜裂孔、網膜剥離、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、網膜中心静脈閉塞、眼内腫瘍、小児、新生児、または遺伝性の網膜障害、遺伝性網膜ジストロフィー、地図状萎縮、網膜色素変性症(レーバー先天黒内障を含む)、サイトメガロウイルス(cmv)網膜感染、感染性網膜炎、網膜芽細胞腫、眼内炎、脈絡網膜炎、近視性黄斑変性および正常眼圧緑内障、緑内障における網膜変性、限定されないが、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、鎌状赤血球網膜症(Sickel cell retinopathy)、放射線/太陽性網膜症、中心性漿液性脈絡網膜症、高血圧網膜症、末梢性網膜症および神経障害を含む様々な網膜症、黄斑浮腫、網膜出血、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性黄斑虚血、地図状萎縮、シュタルガルト病、または、屈折異常(近視、遠視、および乱視)である。
【0111】
いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は、加齢黄斑変性(滲出型および乾性型)である。いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は乾性型加齢黄斑変性である。いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は滲出型加齢黄斑変性である。
【0112】
いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は、網膜の血管新生ではない。いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は、血管新生ではない。いくつかの実施形態において、網膜の疾患または障害は、網膜の血管新生を含まない。
【0113】
ブドウ膜炎
さらに、ブドウ膜炎を処置する方法が本明細書で提供され、上記方法は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを患者の眼に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは眼窩周囲に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、眼の表面に局所的に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、眼窩周囲と、眼の表面に対して局所的の両方で投与される。
【0114】
ブドウ膜炎は、3つの部分:虹彩、毛様体、および脈絡膜からなるブドウ膜として知られている眼の部分の炎症を特徴とする疾病である。ブドウ膜炎には4種類ある。(1)最も一般的であり、通常はあまり重篤ではないタイプである前部ブドウ膜炎は、眼の前部の虹彩に影響を及ぼす。(2)中間部ブドウ膜炎は、毛様体および硝子体に影響を及ぼす。(3)後部ブドウ膜炎は、眼の後部の網膜および脈絡膜に影響を及ぼす。(4)全ブドウ膜炎は、眼の前部から後部まで、ブドウ膜のすべての部分に影響を及ぼす。全ブドウ膜炎はブドウ膜炎の最も重篤な形態であり、水晶体、網膜、視神経、および硝子体にも影響を及ぼし、視力低下または失明を引き起こし得る。4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、前部ブドウ膜炎、中間部ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、もしくは全ブドウ膜炎、またはこれらの組み合わせを処置するために投与され得る。ブドウ膜炎は、感染性または非感染性の原因を有し得る。感染原因としては、細菌、真菌、寄生虫、およびウイルス性の感染が挙げられる。非感染性の原因としては、免疫学的問題、アレルギー、悪性腫瘍、および未知の原因が挙げられる。全ブドウ膜炎を含むほとんどの種類のブドウ膜炎の処置の選択肢として、コルチコステロイド点眼薬は炎症および疼痛を軽減するために使用されており、経口薬または注射は重症例を治療するために使用されている。感染性ブドウ膜炎は、コルチコステロイドの有無にかかわらず、感染因子に特異的な抗生物質、駆虫薬、または抗ウイルス剤によって処置することができる。コルチコステロイドの短期間の使用では制御できない中間部ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、および/または全ブドウ膜炎などの慢性、再発性、重篤なブドウ膜炎の場合、または日常活動を妨げる活動性炎症の場合、眼内注射によって送達される免疫調節薬(生物製剤)が必要である。したがって、疾患を処置する化合物を眼の後部に非侵襲的に送達する方法は、既存の処置を上回る大幅な改善を提供する。
【0115】
近視
近視の処置はさらに、強膜に直接重なる眼窩周囲皮膚への治療介入の適用から利益を得ることになる。広く保持されている概念は、焦点が合っていない画像によって作り出される形態覚遮断(form deprivation)が網膜に信号を強膜に伝達させ、それによって眼球の長軸の伸長が強膜への変更によって作り出されることを含んでいる(Wang et al., 1997; Gallego et al., 2012)。眼窩周囲皮膚経路を介して送達される薬物は、強膜および網膜の両方において治療的に有効な薬物レベルをもたらし得る。興味深いことに、抗緑内障剤であるブリモニジン(Carr et al., 2019)およびラタノプロスト(El-Nimri and Wildsoet, 2018)は、その動物モデルにおいて近視の進行を阻害することが報告されている。
【0116】
眼の前部の疾患
眼の前部と関連する特定の疾患および障害を処置する方法も本明細書で提供される。そのような疾患の例としては、眼瞼炎、眼瞼痙攣、霰粒腫、下垂症、コロボーマ、皮膚弛緩症、外反症、内反症、睫毛乱生症、麦粒腫、瞼板腺炎、マイボーム腺機能不全、涙腺閉塞、涙腺閉塞、脂漏性角膜炎、紫外線角膜炎、細菌感染、またはウイルス感染、前眼部形成不全、白内障、虹彩炎、翼状片、角結膜炎、角膜炎、結膜炎、円錐角膜、拡張性障害(球状角膜、透明辺縁変性(pellucid marginal degeneration)を含む)、偽水晶体および無水晶体水疱性角膜症、上強膜炎、角膜潰瘍、角膜異形成、角膜潰瘍、フックス内皮ジストロフィーおよび他の角膜ジストロフィー(格子状、顆粒状、斑状、および地図状(map)-点状(dot)指紋状を含む)、眼の瘢痕性類天疱瘡、スティーヴンス・ジョンソン症候群、急性および慢性ブドウ膜炎(前部ブドウ膜炎、中間部ブドウ膜炎)、虹彩外傷を含む角膜、結膜、および前眼部への外傷、貫通性眼外傷が挙げられる。いくつかの実施形態において、疾患または障害は、前眼部の炎症性疾患を含む。いくつかの実施形態において、疾患または障害は、炎症、出血、浮腫、または線維症に関連する前眼部の障害である。いくつかの実施形態において、これらの疾患または障害は、プロスタノイドIP受容体アンタゴニストまたは阻害剤、例えば、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン(別名JV-DE1)で処置することができる。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、(例えば、液滴製剤において)眼の表面への投与を介して眼の前部の疾患を処置することができる。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、眼窩周囲皮膚を通じる投与を介して眼の前部の疾患を処置することができる。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、(例えば、液滴製剤において)眼の表面への投与および眼窩周囲皮膚への投与を介して眼の前部の疾患を処置することができる。いくつかの実施形態において、これらの疾患または障害は、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩で処置することができる。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、患者の眼の前部の疾患または障害を処置するために、患者の眼窩周囲に投与される。
【0117】
炎症は、ドライアイ、ブドウ膜炎、および翼状片を含む特定の前眼部疾患の発症において重要な役割を果たす。VEGFは、炎症とこれらの疾患との間のクロストークにおけるコア分子であることが提唱されており、これは、これらの疾患の共存の高い発生率を説明し得る(Liu C,Song Y,et al.2020)。
【0118】
IP受容体刺激は、炎症事象を模倣するためにマクロファージをTNFαで刺激した場合に、ヒト免疫細胞からのVEGF放出を強力かつ高度に効果的に促進する。IPアンタゴニスト、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、TNFαの存在下でIP受容体アゴニストシカプロストによって誘導されるVEGF放出を消失させた(US9321745)。したがって、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、その抗炎症効果に起因して、炎症に関連する前眼部疾患において治療効果を提供し得る。
【0119】
血小板活性化因子(PAF)は炎症のメディエーターであり、眼への損傷を引き起こし得る。様々なPAFアンタゴニスト、例えば、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン(別名JV-DE1)は、前部ブドウ膜炎における微小血管系漏出を減少させ(Lin N and Bazan H, et al. 1991; Rubin RM, Samples JR, et al. 1988)、角膜移植片における血管新生を減少させ、好酸球の蓄積を減らす(Cohen RA, Gebhardt BM, et al. 1992)ことが示されている。したがって、PAFアンタゴニストは、眼の前部と後部における血管透過性および走化性活性などの眼の炎症反応を緩和するのに有用であり得る(Bazan H, Yao Y, et al. 1994)。イチョウ抽出物は、低酸素/虚血、発作活性、および末梢神経損傷などの条件下で神経保護特性を有する。イチョウの成分のうちの1つであるギンコライド(ginkgolide)Bは、強力な血小板活性化因子(PAF)アンタゴニストである(Smith P, Maclennan K, et al, 1996)。
【0120】
翼状片
本明細書には、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを対象に投与することによって、対象の翼状片を処置する方法が提供される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、眼の表面に局所的に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは眼窩周囲に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、眼窩周囲と、眼の表面に対して局所的の両方で投与される。いくつかの実施形態において、瞼裂斑または翼状片の処置は、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンおよび別の抗炎症剤を投与する工程を含む。
【0121】
疾患過程の初期には、翼状片は通常無症候性である。しかし、病変が眼表面の不規則な湿潤を引き起こすので、ドライアイの徴候(熱傷、痒み、または流涙など)があり得る。翼状片上皮細胞の特有の特徴は、正常な結膜、角膜縁、または角膜細胞には存在しない異なるタイプのマトリックスメタロプロテイナーゼについてのその陽性免疫組織化学染色である(Krachmer, J. H. et al. 2005)。局所コルチコステロイド点眼薬の短期間の使用は、発赤および炎症を減少させるために使用され得る。眼の乾燥が問題である場合、眼を良好に潤滑に保つために人工涙液が使用される。発赤(局所的な組織出血による)、腫脹、および疼痛などのより重篤な症状があり得る。VEGF抑制を介した抗炎症特性に加えて、IP受容体アンタゴニストは、血管拡張の阻害を介した出血抑制に関与することが示されている。
【0122】
1つの実施形態は、眼の表面への抗炎症剤を含む組成物の局所投与を含む、瞼裂斑または翼状片を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗炎症剤の眼の表面への局所投与は、点眼薬を介して達成される。いくつかの実施形態において、抗炎症剤は、非ステロイド系抗炎症剤である。別の実施形態において、薬剤は、単一または複数の受容体を遮断することができるステロイド、COX阻害剤、またはプロスタノイド受容体阻害剤である。別の実施形態において、薬剤は、コルチコステロイド、限定されないが、例えば、コルチゾン、プレドニゾロン、フルロメトロン、デキサメタゾン、メドリゾン、ロテプレドノールフルアザコルト、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、ベタメタゾン、メチルプレドニゾロン、リアムシノロンヘキサアセトニド(riamcinolone hexacatonide)、酢酸パラメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノニド、フルオシノロン、およびトリアムシノロンである。別の実施形態において、薬剤は、アスピリン、ジクロフェナク、ロフェコキシブ、イブプロフェン、またはインドメタシンなどの非ステロイド系抗炎症剤である。1つの実施形態は、眼の表面へのIPおよび/またはPAF受容体のアンタゴニストを含む組成物の局所投与を含む、瞼裂斑または翼状片を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、瞼裂斑または翼状片を処置するための眼の表面へのIPおよび/またはPAF受容体のアンタゴニストを含む組成物の局所投与は、点眼薬を介して達成される。1つの実施形態は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを含む組成物の眼の表面への局所投与を含む、瞼裂斑または翼状片を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンの眼の表面への局所投与は、点眼薬を用いて達成される。
【0123】
1つの実施形態は、抗炎症剤を含む組成物を眼瞼に投与する工程を含む、瞼裂斑または翼状片を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗炎症剤は、非ステロイド系抗炎症剤である。別の実施形態において、薬剤は、単一または複数の受容体を遮断することができるステロイド、COX阻害剤、またはプロスタノイド受容体阻害剤である。別の実施形態において、薬剤は、コルチコステロイド、限定されないが、例えば、コルチゾン、プレドニゾロン、フルロメトロン、デキサメタゾン、メドリゾン、ロテプレドノールフルアザコルト、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、ベタメタゾン、メチルプレドニゾロン、リアムシノロンヘキサアセトニド(riamcinolone hexacatonide)、酢酸パラメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノニド、フルオシノロン、およびトリアムシノロンである。別の実施形態において、薬剤は、アスピリン、ジクロフェナク、ロフェコキシブ、イブプロフェン、またはインドメタシンなどの非ステロイド系抗炎症剤である。1つの実施形態は、IPおよび/またはPAF受容体のアンタゴニストを含む組成物の眼瞼への投与を含む、瞼裂斑または翼状片を処置する方法を提供する。1つの実施形態は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを含む組成物の眼瞼への投与を含む、瞼裂斑または翼状片を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、瞼裂斑または翼状片の処置は、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンおよび別の抗炎症剤を投与する工程を含む。
【0124】
1つの実施形態は、抗炎症剤を含む組成物の眼窩周囲投与を含む、瞼裂斑または翼状片を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗炎症剤は、非ステロイド系抗炎症剤である。別の実施形態において、薬剤は、単一または複数の受容体を遮断することができるステロイド、COX阻害剤、またはプロスタノイド受容体阻害剤である。別の実施形態において、薬剤は、コルチコステロイド、限定されないが、例えば、コルチゾン、プレドニゾロン、フルロメトロン、デキサメタゾン、メドリゾン、ロテプレドノールフルアザコルト、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、ベタメタゾン、メチルプレドニゾロン、リアムシノロンヘキサアセトニド(riamcinolone hexacatonide)、酢酸パラメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノニド、フルオシノロン、およびトリアムシノロンである。別の実施形態において、薬剤は、アスピリン、ジクロフェナク、ロフェコキシブ、イブプロフェン、またはインドメタシンなどの非ステロイド系抗炎症剤である。1つの実施形態は、IPおよび/またはPAF受容体のアンタゴニストを含む組成物の眼窩周囲投与を含む、瞼裂斑または翼状片を処置する方法を提供する。1つの実施形態は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを含む組成物の眼窩周囲投与を含む、瞼裂斑または翼状片を処置する方法を提供する。1つの実施形態は、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む組成物の眼窩周囲投与を含む、瞼裂斑または翼状片を処置する方法を提供する。
【0125】
他の前眼部疾患
さらに、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンで前眼部のさらなる疾患を処置する方法が本明細書で提供されている。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、前眼部の疾患を処置するために眼の表面に局所的に投与される。いくつかの実施形態において、前眼部の疾患を処置するための、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンの眼の表面への局所投与は、点眼薬を用いて達成される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは眼窩周囲に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、対象の眼瞼に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、前眼部の疾患を処置するために点眼薬と眼窩周囲または眼瞼投与との組み合わせを介して投与される。
【0126】
オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を用いて前眼部の疾患を処置するための方法も本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、患者の眼の前部の疾患または障害を処置するために、患者の眼窩周囲に投与される。
【0127】
いくつかの実施形態において、前眼部の疾患は、前眼部形成不全、白内障、虹彩炎、翼状片、角結膜炎、角膜炎、結膜炎、円錐角膜、拡張性障害(球状角膜、透明辺縁変性(pellucid marginal degeneration)を含む)、偽水晶体および無水晶体水疱性角膜症、上強膜炎、角膜潰瘍、角膜異形成、角膜潰瘍、フックス内皮ジストロフィーおよび他の角膜ジストロフィー(格子状、顆粒状、斑状、および地図状(map)-点状(dot)指紋状を含む)、眼の瘢痕性類天疱瘡、スティーヴンス・ジョンソン症候群、急性および慢性ブドウ膜炎(前部ブドウ膜炎、中間部ブドウ膜炎)、虹彩外傷を含む角膜、結膜、および前眼部への外傷、貫通性眼外傷である。
【0128】
いくつかの実施形態において、前眼部の疾患または障害は、ドライアイ、ドライアイ疾患、眼の不快感、刺激、疼痛、およびストレス、または化学的熱傷である。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、ドライアイ、ドライアイ疾患、眼の不快感、刺激、疼痛、およびストレス、または化学的熱傷を処置するために、患者に眼窩周囲に投与される。
【0129】
いくつかの実施形態において、眼の前方領域の疾患または障害は、眼瞼に影響を及ぼす疾病である。いくつかの実施形態において、眼瞼の疾病は、眼瞼炎、眼瞼痙攣、霰粒腫、下垂症、コロボーマ、皮膚弛緩症、外反症、内反症、睫毛乱生症、麦粒腫、瞼板腺炎、マイボーム腺機能不全、涙腺閉塞、涙腺閉塞、脂漏性角膜炎、紫外線角膜炎、細菌感染、またはウイルス感染である。
【0130】
いくつかの実施形態において、眼瞼の疾病は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを眼の眼窩周囲皮膚に適用することによって処置される。いくつかの実施形態において、眼瞼の疾病は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを対象の眼瞼に適用することによって処置される。いくつかの実施形態において、眼瞼の疾病は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを眼の表面に適用することによって処置される。いくつかの実施形態において、眼瞼の疾病を処置するための、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンの眼の表面への局所投与は、点眼薬を用いて達成される。
【0131】
いくつかの実施形態において、眼瞼の疾病は、眼の眼窩周囲皮膚にオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を適用することによって処置される。いくつかの実施形態において、眼瞼の疾病は、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を対象の眼瞼に適用することによって処置される。
【0132】
眼の前部および後部に影響を及ぼす疾患
眼の前部および後部の両方に関連する特定の疾患および障害を処置する方法も本明細書で提供される。このような疾患の例としては、眼窩のリンパ管形成異常(すなわち、眼窩リンパ管腫)、甲状腺眼疾患(グレーブス眼疾患)、急性および慢性ブドウ膜炎(中間部ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、全ブドウ膜炎を含む)が挙げられる。いくつかの実施形態において、これらの疾患または障害は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンで処置することができる。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、(例えば、液滴製剤において)眼の表面への投与を介して眼の前部の疾患を処置することができる。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、眼窩周囲皮膚を通じる投与を介して眼の後部の疾患を処置することができる。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、(例えば、液滴製剤において)眼の表面への投与および眼窩周囲皮膚への投与を介して眼の前部および後部に影響を与える疾患を処置することができる。いくつかの実施形態において、これらの疾患または障害は、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩で処置することができる。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、患者の眼の前部および後部の両方を処置するために、眼窩周囲皮膚を介して投与される。いくつかの実施形態において、これらの疾患または障害は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンと、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩との組み合わせで処置することができる。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、およびオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、患者の眼窩周囲皮膚に適用される単一組成物として一緒に製剤化される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、(例えば、液滴製剤において)眼の表面に局所的に投与され、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、患者の眼窩周囲皮膚への投与などの代替手段によって送達される。
【0133】
ブドウ膜炎(全ブドウ膜炎を含む)
ブドウ膜炎は、眼内部の炎症反応によって引き起こされる。ブドウ膜炎治療は主に、炎症を排除し、または疼痛を軽減しようと試みる。前部ブドウ膜炎は眼の前方で起こる。これはブドウ膜炎の最も一般的な形態である。中間部ブドウ膜炎は通常、若年成人に見られる。炎症の中心はしばしば硝子体に現れる。後部ブドウ膜炎は、ブドウ膜炎の非常にまれな形態である。それは主に眼の後方に生じ、しばしば網膜と脈絡膜の両方に関与する。治療は、患者が呈するブドウ膜炎の種類に依存する。コルチコステロイド点眼薬の使用および眼の周囲または眼の内側への注射などのいくつかは、もっぱら眼を標的とし得るが、口によって摂取される免疫抑制剤などの他の処置は、疾患が両眼、特に両眼の後部に起こっているときに使用され得る。前眼部および後眼部の両方に関与する全ブドウ膜炎がさらに生じることがある。
【0134】
本明細書には、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを対象に投与することによって、対象のブドウ膜炎を処置する方法も提供される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、眼の表面に局所的に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンの眼の表面への局所投与は、点眼薬を用いて達成される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは眼窩周囲に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、点眼薬と眼窩周囲投与との組み合わせを介して投与される。
【0135】
治療有効量のオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を患者に投与することによって、患者のブドウ膜炎を処置する方法も本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、眼窩周囲に投与される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、患者の眼瞼に投与される。いくつかの実施形態において、全ブドウ膜炎またはブドウ膜炎の処置は、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンと、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を投与することを含む。
【0136】
1つの実施形態は、免疫抑制剤を含む組成物の眼の表面への局所投与を含む、瞼裂斑またはブドウ膜炎を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、瞼裂斑またはブドウ膜炎を処置するための眼の表面への免疫抑制剤の局所投与は、点眼薬を介して達成される。いくつかの実施形態において、免疫抑制剤は、メトトレキサート、ミコフェノール酸、アザチオプリン、またはシクロスポリンである。
【0137】
1つの実施形態は、免疫抑制剤を含む組成物の眼窩周囲投与を含む、瞼裂斑または翼状片を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、免疫抑制剤は、メトトレキサート、ミコフェノール酸、アザチオプリン、またはシクロスポリンである。
【0138】
1つの実施形態は、免疫抑制剤を含む組成物の眼瞼への投与を含む、瞼裂斑または翼状片を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、免疫抑制剤は、メトトレキサート、ミコフェノール酸、アザチオプリン、またはシクロスポリンである。いくつかの実施形態において、瞼裂斑または翼状片の処置は、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンおよび免疫抑制剤を投与することを含む。いくつかの実施形態において、瞼裂斑または翼状片の処置は、治療有効量のオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩、および免疫抑制剤を投与することを含む。いくつかの実施形態において、瞼裂斑または翼状片の処置は、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、治療有効量のオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩、および免疫抑制剤を投与することを含む。
【0139】
1つの実施形態は、抗炎症剤を含む組成物の眼の表面への局所投与を含む、瞼裂斑またはブドウ膜炎を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、瞼裂斑またはブドウ膜炎を処置するための眼の表面への抗炎症剤の局所投与は、点眼薬を介して達成される。いくつかの実施形態において、抗炎症剤は、非ステロイド系抗炎症剤である。別の実施形態において、薬剤は、単一または複数の受容体を遮断することができるステロイド、COX阻害剤、またはプロスタノイド受容体阻害剤である。別の実施形態において、薬剤は、コルチコステロイド、限定されないが、例えば、コルチゾン、プレドニゾロン、フルロメトロン、デキサメタゾン、メドリゾン、ロテプレドノールフルアザコルト、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、ベタメタゾン、メチルプレドニゾロン、リアムシノロンヘキサアセトニド(riamcinolone hexacatonide)、酢酸パラメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノニド、フルオシノロン、およびトリアムシノロンである。別の実施形態において、薬剤は、アスピリン、ジクロフェナク、ロフェコキシブ、イブプロフェン、またはインドメタシンなどの非ステロイド系抗炎症剤である。
【0140】
1つの実施形態は、抗炎症剤を含む組成物の眼窩周囲投与を含む、瞼裂斑または翼状片を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗炎症剤は、非ステロイド系抗炎症剤である。別の実施形態において、薬剤は、単一または複数の受容体を遮断することができるステロイド、COX阻害剤、またはプロスタノイド受容体阻害剤である。別の実施形態において、薬剤は、コルチコステロイド、限定されないが、例えば、コルチゾン、プレドニゾロン、フルロメトロン、デキサメタゾン、メドリゾン、ロテプレドノールフルアザコルト、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、ベタメタゾン、メチルプレドニゾロン、リアムシノロンヘキサアセトニド(riamcinolone hexacatonide)、酢酸パラメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノニド、フルオシノロン、およびトリアムシノロンである。別の実施形態において、薬剤は、アスピリン、ジクロフェナク、ロフェコキシブ、イブプロフェン、またはインドメタシンなどの非ステロイド系抗炎症剤である。
【0141】
1つの実施形態は、抗炎症剤を含む組成物を眼瞼に投与する工程を含む、瞼裂斑または翼状片を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗炎症剤は、非ステロイド系抗炎症剤である。別の実施形態において、薬剤は、単一または複数の受容体を遮断することができるステロイド、COX阻害剤、またはプロスタノイド受容体阻害剤である。別の実施形態において、薬剤は、コルチコステロイド、限定されないが、例えば、コルチゾン、プレドニゾロン、フルロメトロン、デキサメタゾン、メドリゾン、ロテプレドノールフルアザコルト、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、ベタメタゾン、メチルプレドニゾロン、リアムシノロンヘキサアセトニド(riamcinolone hexacatonide)、酢酸パラメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノニド、フルオシノロン、およびトリアムシノロンである。別の実施形態において、薬剤は、アスピリン、ジクロフェナク、ロフェコキシブ、イブプロフェン、またはインドメタシンなどの非ステロイド系抗炎症剤である。いくつかの実施形態において、瞼裂斑または翼状片の処置は、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンおよび抗炎症剤を投与することを含む。いくつかの実施形態において、瞼裂斑または翼状片の処置は、治療有効量のオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩、および抗炎症剤を投与することを含む。
【0142】
いくつかの実施形態において、瞼裂斑または翼状片の処置は、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、治療有効量のオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩、および抗炎症剤を投与することを含む。
【0143】
甲状腺眼疾患
甲状腺眼疾患は、グレーブス眼疾患、グレーブス眼症、またはグレーブス眼窩症(Graves’ Orbitopathy)とも呼ばれることがある。甲状腺眼疾患は通常、グレーブス病によって引き起こされる過活動性甲状腺を有する人々において発症する。グレーブス病は、甲状腺細胞中および眼の後ろの細胞の表面上に存在する受容体に対する抗体によって引き起こされる自己免疫疾患である。甲状腺眼疾患は、眼の刺激またはゴロゴロした感覚、結膜の発赤または炎症、過剰な流涙またはドライアイ、眼瞼の腫脹、光に対する感受性、眼の前方変位または突出(眼球突出)、および複視を引き起こすことがある。甲状腺眼疾患のより進行した症例では、患者は、眼球運動の低下、角膜潰瘍を伴う不完全な閉眼、視神経の圧迫、およびまれに視力喪失を経験することがある。
【0144】
甲状腺眼疾患の処置は主に炎症を排除し、または疼痛を軽減しようと試みる。処置は、冷たい湿布を患者の眼に適用すること、サングラスを着用すること、点眼薬を点すこと、患者の頭部を上げること、プリズム眼鏡、ステロイド、眼瞼手術、眼筋手術、眼窩減圧手術、またはインスリン様成長因子-1受容体(IGF-1R)に対する抗体を含み得る。
【0145】
本明細書には、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを対象に投与することによって、対象の甲状腺眼疾患を処置する方法も提供される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、眼の表面に局所的に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンの眼の表面への局所投与は、点眼薬を用いて達成される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、点眼薬と眼窩周囲投与との組み合わせを介して投与される。
【0146】
治療有効量のオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を患者に投与することによって、患者の甲状腺眼疾患を処置する方法も本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、眼窩周囲に投与される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、患者の眼瞼に投与される。いくつかの実施形態において、甲状腺眼疾患の処置は、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンと、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を投与することを含む。
【0147】
1つの実施形態は、免疫抑制剤を含む組成物の眼の表面への局所投与を含む、甲状腺眼疾患を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、甲状腺眼疾患を処置するための眼の表面への免疫抑制剤の局所投与は、点眼薬を介して達成される。いくつかの実施形態において、免疫抑制剤は、メトトレキサート、ミコフェノール酸、アザチオプリン、またはシクロスポリンである。
【0148】
1つの実施形態は、免疫抑制剤を含む組成物の眼窩周囲投与を含む、甲状腺眼疾患を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、免疫抑制剤は、メトトレキサート、ミコフェノール酸、アザチオプリン、またはシクロスポリンである。
【0149】
1つの実施形態は、免疫抑制剤を含む組成物の眼瞼への投与を含む、甲状腺眼疾患を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、免疫抑制剤は、メトトレキサート、ミコフェノール酸、アザチオプリン、またはシクロスポリンである。いくつかの実施形態において、甲状腺眼疾患の処置は、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンおよび免疫抑制剤を投与することを含む。いくつかの実施形態において、甲状腺眼疾患の処置は、治療有効量のオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩、および免疫抑制剤を投与することを含む。いくつかの実施形態において、甲状腺眼疾患の処置は、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、治療有効量のオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩、および免疫抑制剤を投与することを含む。
【0150】
1つの実施形態は、抗炎症剤を含む組成物の眼の表面への局所投与を含む、甲状腺眼疾患を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、甲状腺眼疾患を処置するための眼の表面への抗炎症剤の局所投与は、点眼薬を介して達成される。いくつかの実施形態において、抗炎症剤は、非ステロイド系抗炎症剤である。別の実施形態において、薬剤は、単一または複数の受容体を遮断することができるステロイド、COX阻害剤、またはプロスタノイド受容体阻害剤である。別の実施形態において、薬剤は、コルチコステロイド、限定されないが、例えば、コルチゾン、プレドニゾロン、フルロメトロン、デキサメタゾン、メドリゾン、ロテプレドノールフルアザコルト、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、ベタメタゾン、メチルプレドニゾロン、リアムシノロンヘキサアセトニド(riamcinolone hexacatonide)、酢酸パラメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノニド、フルオシノロン、およびトリアムシノロンである。別の実施形態において、薬剤は、アスピリン、ジクロフェナク、ロフェコキシブ、イブプロフェン、またはインドメタシンなどの非ステロイド系抗炎症剤である。
【0151】
1つの実施形態は、抗炎症剤を含む組成物の眼窩周囲投与を含む、甲状腺眼疾患を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗炎症剤は、非ステロイド系抗炎症剤である。別の実施形態において、薬剤は、単一または複数の受容体を遮断することができるステロイド、COX阻害剤、またはプロスタノイド受容体阻害剤である。別の実施形態において、薬剤は、コルチコステロイド、限定されないが、例えば、コルチゾン、プレドニゾロン、フルロメトロン、デキサメタゾン、メドリゾン、ロテプレドノールフルアザコルト、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、ベタメタゾン、メチルプレドニゾロン、リアムシノロンヘキサアセトニド(riamcinolone hexacatonide)、酢酸パラメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノニド、フルオシノロン、およびトリアムシノロンである。別の実施形態において、薬剤は、アスピリン、ジクロフェナク、ロフェコキシブ、イブプロフェン、またはインドメタシンなどの非ステロイド系抗炎症剤である。
【0152】
1つの実施形態は、抗炎症剤を含む組成物の眼瞼への投与を含む、甲状腺眼疾患を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗炎症剤は、非ステロイド系抗炎症剤である。別の実施形態において、薬剤は、単一または複数の受容体を遮断することができるステロイド、COX阻害剤、またはプロスタノイド受容体阻害剤である。別の実施形態において、薬剤は、コルチコステロイド、限定されないが、例えば、コルチゾン、プレドニゾロン、フルロメトロン、デキサメタゾン、メドリゾン、ロテプレドノールフルアザコルト、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、ベタメタゾン、メチルプレドニゾロン、リアムシノロンヘキサアセトニド(riamcinolone hexacatonide)、酢酸パラメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノニド、フルオシノロン、およびトリアムシノロンである。別の実施形態において、薬剤は、アスピリン、ジクロフェナク、ロフェコキシブ、イブプロフェン、またはインドメタシンなどの非ステロイド系抗炎症剤である。いくつかの実施形態において、甲状腺眼疾患の処置は、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンおよび抗炎症剤を投与することを含む。いくつかの実施形態において、甲状腺眼疾患の処置は、治療有効量のオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩、および抗炎症剤を投与することを含む。いくつかの実施形態において、甲状腺眼疾患の処置は、治療有効量の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、治療有効量のオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩、および抗炎症剤を投与することを含む。
【0153】
眼窩リンパ管腫
リンパ管形成異常としても知られているリンパ管腫は、リンパ系および血管系を含む多嚢胞性局在性形成異常であり、最も一般的には頭部および頸部に生じ、通常は出生時または2歳までに明らかである。眼窩リンパ管腫は、結膜下組織および眼周囲組織を特徴的に含む。表層構造または前眼窩構造の病変は通常、早期に診断される。多くの患者において、リンパ管形成異常は、PIK3CA遺伝子に活性化突然変異を有する。PIK3CAは、PI3K/mTOR経路を介するシグナル伝達によって細胞増殖を調節する役割を果たすことが知られている。n-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)、すなわち、エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)は、mTOR複合体1(mTORC1)およびmTORC2の両方、ならびにそれらの下流のシグナル伝達を迅速かつ効率的に抑制し、その後、アポトーシスを促進しながら細胞増殖および血管新生を阻害する(Chen Z, et al., 2014, Oncogene, 33, 4548-4557)。眼瞼下垂(垂れ下がっているまぶた)に加えて、症状としては、腫脹、眼窩内出血、眼球突出、蜂巣炎(皮膚の患部における発赤、腫脹、および疼痛)、結膜の小胞が挙げられる(Wiegand et al., 2013)。これらはすべて、JV-DE1およびオメガ-3多価不飽和脂肪酸によって抑制され得る炎症の典型的な症状である。
【0154】
眼窩リンパ管腫または任意の炎症性眼疾患を処置する方法が本明細書で提供され、上記方法は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを患者の眼に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは眼窩周囲に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、(例えば、液滴製剤において)眼の表面に局所的に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、眼窩周囲と、眼の表面に対して局所的の両方で投与される。
【0155】
さらに、本明細書では、眼窩リンパ管腫または任意の炎症性眼疾患を処置する方法が本明細書で提供され、上記方法は、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を患者の眼窩周囲の眼に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、眼窩リンパ管腫または任意の他の炎症性眼疾患を処置するために、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンと組み合わされる。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、およびオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、患者の眼窩周囲皮膚に適用される単一組成物として一緒に製剤化される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、(例えば、液滴製剤において)眼の表面に局所的に投与され、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、患者の眼窩周囲皮膚への投与などの代替手段によって送達される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、患者の眼窩周囲皮膚に送達される。
【0156】
現在、リンパ管形成異常を処置するための主な治療選択肢は、能動的観察、経皮的ドレナージ、手術、硬化療法、レーザー治療、高周波アブレーション、または経口薬物、シロリムス、もしくはシルデナフィルの医学的療法である。硬化療法は、病変の嚢胞状空間に(通常、超音波誘導下で)注射される複数のタイプの薬剤を特徴付ける包括的な用語であり、瘢痕形成ならびに嚢胞および病変のサイズの減少をもたらす。眼窩リンパ管腫の処置のための硬化療法に使用される特定の薬剤としては、OK-432(ピシニビル)、テトラデシル硫酸ナトリウム、ドキシサイクリン、エタノール、ピンヤンマイシン(pingyangmycin)、およびブレオマイシンが挙げられる。
【0157】
本明細書では、治療有効量のテトラデシル硫酸ナトリウムまたはその塩、遊離酸、もしくはエステルを患者の眼窩周囲皮膚に投与することによって眼窩リンパ管腫を処置する方法が提供される。治療有効量のドキシサイクリンまたはその塩、遊離酸、もしくはエステルを患者の眼窩周囲皮膚に投与することによって眼窩リンパ管腫を処置する方法も本明細書で提供される。治療有効量のピンヤンマイシンまたはその塩、遊離酸、もしくはエステルを患者の眼窩周囲皮膚に投与することによって眼窩リンパ管腫を処置する方法も本明細書で提供される。治療有効量のブレオマイシンまたはその塩、遊離酸、もしくはエステルを患者の眼窩周囲皮膚に投与することによって眼窩リンパ管腫を処置する方法も本明細書で提供される。
【0158】
リンパ管腫の原因は不明であるが、多くの患者においてPIK3CA遺伝子に活性化突然変異がある。PIK3CAは、PI3K/mTOR経路を介するシグナル伝達によって細胞増殖を調節する役割を果たすことが知られている。最も確立されたmTOR阻害剤は、臨床試験において様々な腫瘍型に対する腫瘍応答を示した。mTOR阻害剤であるシロリムスは、経口投与を介してリンパ管形成異常を処置するためにFDAによって承認されている。加えて、オメガ-3などのn-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)は、インビトロおよびインビボでmTORC1/2経路の活性を無効にすることができ、癌の予防および腫瘍抑制の可能性を有する(Chen et al.,2014)。本明細書では、治療有効量のmTOR阻害剤を患者の眼窩周囲皮膚に投与することによって眼窩リンパ管腫を処置する方法が提供される。いくつかの実施形態において、mTOR阻害剤は、シロリムス、イデラリシブ、コパンリシブ、デュベリシブ、アルペリシブ、ウムブラリシブ、リンペリシブ、ブパリシブ、またはBGB-10188である。いくつかの実施形態において、mTOR阻害剤とオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩との組み合わせは、患者の眼窩周囲皮膚に投与される。
【0159】
治療有効量のホスホジエステラーゼ5(PDE-5)阻害剤を患者の眼窩周囲皮膚に投与することによって眼窩リンパ管腫を処置する方法も本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、PDE-5阻害剤はシルデナフィルである。いくつかの実施形態において、PDE-5阻害剤とオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩との組み合わせは、患者の眼窩周囲皮膚に投与される。
【0160】
JV-DE1
特定の眼疾患を処置するための解決策は、本明細書では、眼表面に点眼薬として4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン(JV-DE1)を投与することによって、または眼窩周囲皮膚に適用することによって達成されている。意外かつ驚くべきことに、眼窩周囲の皮膚への4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンの適用は、点眼薬によって達成されたよりもはるかに大きな硝子体液および網膜に対するバイオアベイラビリティをもたらした。
【0161】
化合物4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン(JV-DE1、RO-1138452、CAY10441としても知られている)は、網膜疾患の処置において特に価値がある。これは、単一分子において2つの重要な薬理学的特性を具体化する。それは、プロスタノイドIP受容体アンタゴニストおよび血小板活性化因子(PAF)アンタゴニストの両方である(Bley et al., 2006)。血管IP受容体において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、8.2のpA2を有する(Jones RL et al. (2006) Br J Pharmacol 149: 110-120)。PAF受容体では、それは7.9のpKを有する高親和性アンタゴニストであった(Bley KR et al. (2006) Br J Pharmacol 147: 335-345)。単一分子において2つの別個の多様な薬理学的特性を組み込むことは、薬物設計の特定の重要な態様:バイオアベイラビリティ、作用の持続時間、製剤薬物間適合性、および商品のコストに関して明確な利点(Woodward DF, Wang JW (2021) Trends Med .DOI: 10.15761/TiM.1000264)である。
【0162】
JV-DE1を用いる組み合わせ
網膜疾患または後部ブドウ膜炎などの眼の後部の疾患または障害を含む様々な眼の疾患または障害の処置において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン(JV-DE1、RO-1138452、CAY10441としても知られている)は、1つ以上の追加の治療剤と組み合わせることができる。化合物4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、1つ以上の追加の治療薬と組み合わせることができ、この組み合わせは、眼窩周囲に、点眼薬を介して眼の表面に局所的に、または対象の眼瞼に局所的に投与することができる。
【0163】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンで処置されている患者は、ドコサヘキサエン酸(DHA)およびエイコサペンタエン酸(EPA)を含むオメガ-3脂肪酸をさらに投与される。
【0164】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンで処置されている患者は、VEGF抗体またはその機能的断片をさらに投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンの投与は、そうでなければ意図された治療効果をもたらすために投与される必要があるであろうVEGF抗体の量を減少させる。いくつかの実施形態において、VEGF抗体の減少した量は、より低い用量のVEGF抗体として、または好ましくは、より少ないもしくはより少ない頻度のVEGF抗体の注射(例えば、患者の眼へのより少ない注射)として顕在化する。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンで処置されている患者は、VEGF抗体の代わりにまたはVEGF抗体に加えて、小分子VEGF受容体アンタゴニストを投与される。
【0165】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンで処置されている患者は、チロシンキナーゼ阻害剤をさらに投与される。
【0166】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンで処置されている患者は、ステロイド系抗炎症剤をさらに投与される。いくつかの実施形態において、ステロイド系抗炎症剤は、コルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ラミシノロン、フルロメタロン、メドリゾン、デキサメタゾン、ロトプレドノール、ヘキサカトニド、ベタメタゾン、パラメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノニド、フルオシノロン、フルチカゾン、およびトリアムシノロンからなる群から選択される。
【0167】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンで処置されている患者は、非ステロイド系抗炎症剤をさらに投与される。いくつかの実施形態において、非ステロイド系抗炎症剤は、ケトロラク、ネパフェナク、アンフェナク、アスピリン、インドメタシン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ロフェコキシブ、およびセレコキシブからなる群から選択される。
【0168】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンで処置されている患者は、免疫抑制薬をさらに投与される。
【0169】
いくつかの実施形態において、免疫抑制薬は、シクロスポリン、リフィテグラスト(liftegrast)、メトトレキサート、アザチオプリン、PI3K-AKT-mTORシグナル伝達経路の阻害剤(例えば、シロリムス、イデラリシブ、コパンリシブ、デュベリシブ、アルペリシブ、ウムブラリシブ、リンペリシブ、ブパリシブ、またはBGB-10188)、ならびに補体経路の活性化および機能を妨害する薬剤(例えば、POT-4、ARC1905)からなる群から選択される。
【0170】
いくつかの実施形態において、患者は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンとシクロスポリンを同時投与される。
【0171】
いくつかの実施形態において、患者は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンとリフィテグラストを同時投与される。
【0172】
いくつかの実施形態において、患者は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンとメトトレキサートを同時投与される。
【0173】
いくつかの実施形態において、患者は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンとアザチオプリンを同時投与される。いくつかの実施形態において、患者は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、シロリムス、イデラリシブ、コパンリシブ、デュベリシブ、アルペリシブ、ウムブラリシブ、リンペリシブ、ブパリシブ、またはBGB-10188を同時投与される。
【0174】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンで処置されている患者は、ニコチン性抗コリン作動薬をさらに投与される。いくつかの実施形態において、ニコチン性抗コリン作動薬は、ヘキサメソニウム、デカメトニウム、およびメカミラミン(mecamyline)からなる群から選択される。
【0175】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンで処置されている患者は、サリドマイドをさらに投与される。
【0176】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンで処置されている患者は、プロスタグランジン受容体アンタゴニストをさらに投与される。いくつかの実施形態において、アンタゴニストは複数のプロスタグランジン受容体を遮断する。いくつかの実施形態において、アンタゴニストはAGN211377およびAGN225660である。
【0177】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンで処置されている患者は、神経保護剤をさらに投与される。
【0178】
いくつかの実施形態において、神経保護剤は、α2アドレナリン受容体アゴニスト(例えば、ブリモニジン)、NMDAアンタゴニスト(例えば、メマンチン)、AMPAアンタゴニスト、Ca2+遮断薬、σ-Irs受容体アゴニスト、ペンタゾシン、エンドセリン受容体アンタゴニスト、キニンアンタゴニスト、および抗TNFα抗体からなる群から選択される。
【0179】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンで処置されている患者は、神経栄養剤/神経再生剤(例えば、毛様体神経栄養因子、神経成長因子、脳に由来する神経栄養因子、グリア細胞由来の神経栄養因子、ニューロトロフィン3)、熱ショックタンパク質、JNK阻害剤、合成胆汁酸(例えば、UDCA、TUDCA)、プロゲステロン、ドーパミン作動性剤(dopaminergics)、神経栄養因子、カスパーゼ阻害剤、アセチル-L-カルニチン、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、シチコリン、アセチルシステイン、レチノイド(例えば、フェンレチニド)、エミクススタト、抗タンパク質凝集剤、ホスホジエステラーゼ阻害薬、ニコチンアミド、カンナビノイド、シチコリン、クルクミン、ミノサイクリン、エダラボン、エリスロポエチン、エストロゲン、L-テアニン、メラトニン、ミノサイクリン、ヌーペプト(noopept)、ピロロキノリンキノン、セレギリン、シンバスタチン、エスケタミン、メチルフェニデート、ポネシモド、酢酸グラチラマー、パリペリドン、ならびに補体経路の活性化および機能を妨害するビンポセチン剤をさらに投与される。
【0180】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンで処置されている患者は、RNA干渉分子をさらに投与される。
【0181】
いくつかの実施形態において、RNA干渉分子はsiRNA、miRNA、またはshRNAであってもよい。
【0182】
いくつかの実施形態において、RNA干渉分子は、タンパク質をコードする遺伝子配列に相補的である。いくつかの実施形態において、RNA干渉分子は、タンパク質をコードする遺伝子配列に少なくとも部分的に相補的な配列を有する。いくつかの実施形態において、RNA干渉分子の存在は、タンパク質をコードする遺伝子のサイレンシングをもたらす。いくつかの実施形態において、タンパク質は受容体である。いくつかの実施形態において、少なくとも2つのRNA干渉分子の組み合わせが、患者にさらに投与される。いくつかの実施形態において、少なくとも2つのRNA干渉分子の組み合わせは、少なくとも2つのタンパク質をコードする遺伝子を発現停止させる。いくつかの実施形態において、タンパク質は酵素である。いくつかの実施形態において、タンパク質は、VEGF、PDGF、bFGF、SDF-1、HIF-1、PIGF、GLUT-1、クローディン細胞間接着分子、HMBG-1、HuR、Ets1、GSK3β、RTP801、カスパーゼ2-、3-、7-、PGC-1、ICAM1、t-PA、SNAI1、TBK1、ARMS2、TERT、ASK-1、およびNrf-2の群から選択される。
【0183】
いくつかの実施形態において、RNA干渉分子は一本鎖RNAである。いくつかの実施形態において、RNA干渉分子は二本鎖RNAである。いくつかの実施形態において、RNA干渉分子の鎖の長さは、約10ヌクレオチド~約200ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、RNA干渉分子の鎖の長さは、約10ヌクレオチド~約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約30ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約60ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約200ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約60ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約200ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約60ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約200ヌクレオチド、約40ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド~約60ヌクレオチド、約40ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約40ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約40ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約40ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約40ヌクレオチド~約200ヌクレオチド、約50ヌクレオチド~約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約50ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約50ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約50ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約50ヌクレオチド~約200ヌクレオチド、約60ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約60ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約60ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約60ヌクレオチド~約200ヌクレオチド、約70ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約70ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約70ヌクレオチド~約200ヌクレオチド、約80ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約80ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド~約200ヌクレオチド、約90ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約90ヌクレオチド~約200ヌクレオチド、または、約100ヌクレオチド~約200ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、RNA干渉分子の鎖の長さは、約10ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約90ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、または約200ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、RNA干渉分子の鎖の長さは、少なくとも約10ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約90ヌクレオチド、または約100ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、RNA干渉分子の鎖の長さは、最大で約20ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約90ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、または約200ヌクレオチドである。
【0184】
いくつかの実施形態において、RNA干渉分子は、VEGF受容体の発現を妨げるか、またはVEGFおよびその様々なアイソフォームの生合成を弱めることができる。
【0185】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンで処置されている患者は、PDGF、bFGF、SDF-1、HIF-1、PIGF、GLUT-1、クローディン細胞間接着分子、HMBG-1、HuR、Ets1、GSK3β、RTP801、カスパーゼ2-、3-、7-、PGC-1、ICAM1、t-PA、SNAI1、TBK1、SRPK1、C1Q、HtrA1、ARMS2、TERT、ASK-1、およびNrf-2の受容体発現を減少もしくは消失させるか、これらの生合成を減少させる群から選択されるRNA干渉分子をさらに投与される。
【0186】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンで処置されている患者は、抗酸化剤をさらに投与される。いくつかの実施形態において、抗酸化剤は、β-カロテン、ルテイン、ゼアキサンチン、リボフラビン、ナイアシン、ならびに多価不飽和脂肪酸、例えば、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタノン酸(EPA)、ビタミンB3、ビタミンB6、ビタミンB9、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンE、CoQ10、グレリン、α-リポ酸、レスベラトロール、フラビノイド(flavinoids)、イチョウ抽出物、ICAPS R(登録商標)、OFTAN MACULA(登録商標)、およびエピガロカテキン-3-ガレートからなる群から選択される。
【0187】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンで処置されている患者は、治療用抗体をさらに投与される。いくつかの実施形態において、治療用抗体は、PDGF、FGF、PIGF、SDF-1、またはHIF-1抗体である。いくつかの実施形態において、治療用抗体は、補体経路の活性化および機能を妨害する抗体である。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンの投与は、そうでなければ意図された治療効果をもたらすために投与される必要があるであろう治療用抗体の量を減少させる。いくつかの実施形態において、治療用抗体の減少した量は、より低い用量の治療用抗体として、または好ましくは、より少ないもしくはより少ない頻度の治療用抗体の注射(例えば、患者の眼へのより少ない注射)として顕在化する。
【0188】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンで処置されている患者は、アシル化、デアシル化、メチル化、または脱メチル化用のヒストンタンパク質の治療用エピジェネティックモジュレーターをさらに投与される。
【0189】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンによる処置は、レーザー手術またはステロイドインプラントなどの追加の介入物と対になる。
【0190】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンおよび追加の治療剤は、(例えば、患者の眼窩周囲皮膚に適用される単一の組成物として)一緒に製剤化される。いくつかの実施形態において、追加の治療剤は、注射、インプラント、または経口投与などの代替手段によって送達される。
【0191】
オメガ-3脂肪酸
世界保健機関は、成人が、全般的な健康上の利益のためには、1日あたり、ドコサヘキサエン酸(DHA)およびエイコサペンタエン酸(EPA)を含む200~500ミリグラムのオメガ-3脂肪酸を摂取することを示唆している。オメガ-3脂肪酸には3つの主要な形態:冷水魚油に富むDHAおよびEPA、ならびに通常は植物源に由来するα-リノレン酸(ALA)がある。
【0192】
網膜は高濃度のDHAを含有し、これは、正常な網膜の完全性および視覚機能の維持において重要であるだけでなく、網膜および脳において抗炎症性、抗アポトーシス性、神経保護の役割も果たす。その栄養特性、神経保護特性、および抗酸化特性に加えて、DHAは、網膜および眼表面、特に、これらのDHA誘導体がドライアイ疾患の病因に関与している涙腺において炎症応答を消散させ得るシクロオキシゲナーゼ酵素およびリポキシゲナーゼ酵素を含む経路を介したレゾルビンおよび関連化合物(例えば、プロテクチン)の重要な前駆体である(Cortina and Bazan, 2011)。さらに、DHAを含むオメガ-3脂肪酸は、局所麻酔効果をもたらす。DHAは、ラットにおいて侵害受容性の顎開口反射を弱めることが示されており、急性三叉神経侵害受容または三叉神経痛の予防のための治療剤および補完的代替医薬であり得る。DHAは急性炎症の消散を促進し、炎症性および神経因性の疼痛を潜在的に阻害する。
【0193】
DHAを含むオメガ-3脂肪酸のメガ用量の経口投与は、加齢黄斑変性(AMD)、ドライアイ疾患、色素性網膜炎、および未熟児網膜症に有益であり得る。しかしながら、DHAは、少数の食物源にしか含有されていないため、眼の利益のために充分な量で経口摂取することが最も困難である。加えて、こうした化合物の油性特性は、これらを点眼薬として眼に直接入れることを望ましくないものにしている。したがって、治療的または予防的に適切な量のオメガ-3脂肪酸を眼の組織に送達することができる送達方法が必要とされている。
【0194】
この問題を克服するために、驚くべきことに、DHAを含むオメガ-3脂肪酸の投与が、眼の眼窩周囲皮膚に投与される場合、眼の前部および後部の両方を含む眼全体にわたる組織において実質的な生体内分布をもたらすことが分かっている。
【0195】
1つの態様において、眼窩周囲皮膚への投与を介して、前部および後部を含む眼に1つ以上のオメガ-3脂肪酸を送達する方法が本明細書で提供される。オメガ-3脂肪酸は、任意の適切な供給源に由来し得る。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は魚組織から単離される。魚油中のオメガ-3の濃度はエチル化によって増加することがある。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、植物源から単離される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸の植物源は、藻類、海草、海苔、スピルリナ、またはクロレラである。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸の植物源はアマニ油である。
【0196】
いくつかの実施形態において、C16~C24オメガ-3脂肪酸、またはC16~C24オメガ-3脂肪酸の組み合わせである。いくつかの実施形態において、C18~C22オメガ-3脂肪酸、またはC18~C22オメガ-3脂肪酸の組み合わせである。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、超長鎖一価不飽和脂肪酸(VLCMUFA)または超長鎖多価不飽和脂肪酸(VLCPUFA)である。
【0197】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、ヘキサデカトリエン酸(HTA)、α-リノレン酸(ALA)、ステアリドン酸(SDA)、エイコサトリエン酸(ETE)、エイコサテトラエン酸(ETA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ヘンエイコサペンタエン酸(HPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、テトラコサペンタエン酸、テトラコサヘキサエン酸、またはこれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、テトラコサン酸(tetraconsenoic acid)、-酸性物質、ヘキサコサン酸(hexacosenoic acid)、オクタコサン酸(octacosenoic acid)、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、ALA、EPA、DHA、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸はDHAを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸はEPAを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸はALAを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸はDHAとEPAの両方を含む。
【0198】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、オメガ-3エチルエステルの形態である。いったん皮膚に入ると、オメガ-3エチルエステルは、エステラーゼによってオメガ-3遊離酸に変換することができ、これは、角質層および毛孔の細胞間脂質を容易に通過することができる。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸はDHAエステルを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸はEPAエステルを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸はDHAエチルエステルを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸はEPAエチルエステルを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸はDHAとEPAの両方のエステルを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸はDHAとEPAの両方のエチルエステルを含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸はオメガ-3-カルボン酸(主としてEPAとDHAで構成される遊離脂肪酸)を含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸はイコサペント酸エチル(EPAのエチルエステル)を含む。
【0199】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、オメガ-3トリグリセリドの形態である。天然魚油は、オメガ-3脂肪酸EPAおよびDHAを主にオメガ-3トリグリセリドの形態で含有する。オメガ-3トリグリセリドは、約900Daの分子量を有する。いったん皮膚に入ると、オメガ-3トリグリセリドは、リパーゼによってオメガ-3遊離酸に変換することができる。オメガ-3トリグリセリドはさらに、角質層の細胞間脂質を通過し、毛孔を通過し得る。
【0200】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸の代謝産物は、眼の前部および後部の両方を含む眼全体にわたる組織に実質的な生体内分布をもたらすために、眼の眼窩周囲皮膚に投与され得る。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸代謝産物は、ロイコトリエンまたはその誘導体を含み得る。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、リポキシンまたはその誘導体を含み得る。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸代謝産物は、5-シリーズのロイコトリエン(5-series leukotriene)(LTB5、LTC5、LTD5、LTE5)を含み得る。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸代謝産物は、プロスタノイド、例えば、プロスタサイクリン、トロンボキサン、もしくはプロスタグランジン、またはその誘導体を含み得る。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸代謝産物は、3シリーズのプロスタノイドまたはプロスタグランジンを含み得る。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸代謝産物は、プロスタグランジンA3を含み得る。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸代謝産物は、プロスタグランジン13を含み得る。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸代謝産物は、プロスタグランジンF2αを含み得る。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸代謝産物は、トロンボキサンA3を含み得る。EPAは、身体のどこでも(例えば、心血管の健康または疾患のために)慢性疼痛および炎症の低下を助けるのに重要である一方で、DHAは脳にとって最良である。脳の健康を支援するために、必須脂肪酸サプリメントは、少なくとも4:1のDHA対EPAの比を有し得る。いくつかの実施形態において、必須脂肪酸サプリメントは、3:1のDHA対EPAの比を有し得る。いくつかの実施形態において、必須脂肪酸サプリメントは、2:1のDHA対EPAの比を有し得る。いくつかの実施形態において、必須脂肪酸サプリメントは、1:1のDHA対EPAの比を有し得る。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸代謝産物は、マレシンまたはその誘導体を含み得る。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸代謝産物は、レゾルビンまたはその誘導体を含み得る。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸代謝産物は、プロテクチンまたはその誘導体を含み得る。
【0201】
いくつかの実施形態において、対象における眼の健康を促進し、眼の疾患を予防または処置する方法が本明細書で提供され、上記方法は、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む組成物を、対象の眼に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、眼の健康を促進すること、眼の疾患を予防または処置することは、加齢性の視力喪失を処置または予防することを含む。いくつかの実施形態において、眼の健康を促進すること、眼の疾患を予防または処置することは、ドライアイを処置または予防することを含む。いくつかの実施形態において、眼の健康を促進すること、眼の疾患を予防または処置することは、加齢黄斑変性を処置または予防することを含む。いくつかの実施形態において、眼の健康を促進すること、眼の疾患を予防または処置することは、加齢黄斑変性を処置または予防することを含む。いくつかの実施形態において、眼の健康を促進することは、急性炎症と神経障害性疼痛を処置することを含む。いくつかの実施形態において、眼の健康を促進することは、急性三叉神経侵害受容または三叉神経痛を予防することを含む。
【0202】
いくつかの実施形態において、対象の加齢性視力喪失を処置または予防する方法が本明細書で提供され、上記方法は、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む組成物を、対象の眼に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む組成物は、対象の眼窩周囲皮膚に投与される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む組成物は、患者の眼瞼に投与される。
【0203】
いくつかの実施形態において、対象のドライアイを処置または予防する方法が本明細書で提供され、上記方法は、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む組成物を、対象の眼に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、方法は、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む組成物を、対象の眼に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、方法は、オメガ-3脂肪酸、およびヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む組成物を、対象の眼に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む組成物は、対象の眼窩周囲皮膚に投与される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む組成物は、患者の眼瞼に投与される。
【0204】
いくつかの実施形態において、対象の加齢黄斑変性を処置または予防する方法が本明細書で提供され、上記方法は、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む組成物を、対象の眼に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む組成物は、対象の眼窩周囲皮膚に投与される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む組成物は、患者の眼瞼に投与される。
【0205】
いくつかの実施形態において、対象の乾燥性加齢黄斑変性を処置または予防する方法が本明細書で提供され、上記方法は、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む組成物を、対象の眼に投与する工程を含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む組成物は、対象の眼窩周囲皮膚に投与される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む組成物は、患者の眼瞼に投与される。
【0206】
オメガ-3脂肪酸を用いる組み合わせ
網膜疾患または後部ブドウ膜炎などの眼の後部の疾患または障害を含む様々な眼の疾患または障害を処置する際に、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩(DHA、EPAなど)を1つ以上の追加の治療剤と組み合わせることができる。オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、1つ以上の追加の治療薬と組み合わせることができ、この組み合わせは、眼窩周囲または局所的に対象の眼瞼に投与することができる。
【0207】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩で処置されている患者は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩をさらに投与される。
【0208】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩で処置されている患者は、VEGF抗体またはその機能的断片をさらに投与される。
【0209】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩で処置されている患者は、チロシンキナーゼ阻害剤をさらに投与される。
【0210】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩で処置されている患者は、ステロイド系抗炎症剤をさらに投与される。いくつかの実施形態において、ステロイド系抗炎症剤は、コルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ラミシノロン、フルロメタロン、メドリゾン、デキサメタゾン、ロトプレドノール、ヘキサカトニド、ベタメタゾン、パラメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノニド、フルオシノロン、フルチカゾン、およびトリアムシノロンからなる群から選択される。
【0211】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩で処置されている患者は、非ステロイド系抗炎症剤をさらに投与される。いくつかの実施形態において、非ステロイド系抗炎症剤は、ケトロラク、ネパフェナク、アンフェナク、アスピリン、インドメタシン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ロフェコキシブ、およびセレコキシブからなる群から選択される。
【0212】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩で処置されている患者は、免疫抑制薬をさらに投与される。いくつかの実施形態において、免疫抑制薬は、シクロスポリン、リフィテグラスト(liftegrast)、メトトレキサート、アザチオプリン、PI3K-AKT-mTORシグナル伝達経路の阻害剤(例えば、シロリムス、イデラリシブ、コパンリシブ、デュベリシブ、アルペリシブ、ウムブラリシブ、リンペリシブ、ブパリシブ、またはBGB-10188)、ならびに補体経路の活性化および機能を妨害する薬剤(例えば、POT-4、ARC1905)からなる群から選択される。
【0213】
いくつかの実施形態において、患者は、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩と、シクロスポリンとを同時投与される。
【0214】
いくつかの実施形態において、患者は、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩と、リフィテグラスト(liftegrast)とを同時投与される。
【0215】
いくつかの実施形態において、患者は、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩と、メトトレキサートとを同時投与される。
【0216】
いくつかの実施形態において、患者は、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩と、アザチオプリンとを同時投与される。いくつかの実施形態において、患者は、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩と、PI3K-AKT-mTORシグナル伝達経路の阻害剤(例えば、シロリムス、イデラリシブ、コパンリシブ、デュベリシブ、アルペリシブ、ウムブラリシブ、リンペリシブ、ブパリシブ、またはBGB-10188)を同時投与される。
【0217】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩で処置されている患者は、ニコチン性抗コリン作動薬をさらに投与される。いくつかの実施形態において、ニコチン性抗コリン作動薬は、ヘキサメソニウム、デカメトニウム、およびメカミラミン(mecamyline)からなる群から選択される。
【0218】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩で処置されている患者は、サリドマイドをさらに投与される。
【0219】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩で処置されている患者は、プロスタグランジン受容体アンタゴニストをさらに投与される。いくつかの実施形態において、アンタゴニストは複数のプロスタグランジン受容体を遮断する。いくつかの実施形態において、アンタゴニストはAGN211377およびAGN225660である。
【0220】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩で処置されている患者は、神経保護剤をさらに投与される。いくつかの実施形態において、神経保護剤は、α2アドレナリン受容体アゴニスト(例えば、ブリモニジン)、NMDAアンタゴニスト(例えば、メマンチン)、AMPAアンタゴニスト、Ca2+遮断薬、σ-Irs受容体アゴニスト、ペンタゾシン、エンドセリン受容体アンタゴニスト、キニンアンタゴニスト、および抗TNFα抗体からなる群から選択される。
【0221】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩で処置されている患者は、神経栄養剤/神経再生剤(例えば、毛様体神経栄養因子、神経成長因子、脳に由来する神経栄養因子、グリア細胞由来の神経栄養因子、ニューロトロフィン3)、熱ショックタンパク質、JNK阻害剤、合成胆汁酸(例えば、UDCA、TUDCA)、プロゲステロン、ドーパミン作動性剤(dopaminergics)、神経栄養因子、カスパーゼ阻害剤、アセチル-L-カルニチン、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、シチコリン、アセチルシステイン、レチノイド(例えば、フェンレチニド)、エミクススタト、抗タンパク質凝集剤、ホスホジエステラーゼ阻害薬、ニコチンアミド、カンナビノイド、シチコリン、クルクミン、ミノサイクリン、エダラボン、エリスロポエチン、エストロゲン、L-テアニン、メラトニン、ミノサイクリン、ヌーペプト(noopept)、ピロロキノリンキノン、セレギリン、シンバスタチン、エスケタミン、メチルフェニデート、ポネシモド、酢酸グラチラマー、パリペリドン、ならびに補体経路の活性化および機能を妨害するビンポセチン剤をさらに投与される。
【0222】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩で処置されている患者は、RNA干渉分子をさらに投与される。いくつかの実施形態において、RNA干渉分子はsiRNA、miRNA、またはshRNAであってもよい。いくつかの実施形態において、RNA干渉分子は、タンパク質をコードする遺伝子配列に相補的である。いくつかの実施形態において、RNA干渉分子は、タンパク質をコードする遺伝子配列に少なくとも部分的に相補的な配列を有する。いくつかの実施形態において、RNA干渉分子の存在は、タンパク質をコードする遺伝子のサイレンシングをもたらす。いくつかの実施形態において、タンパク質は受容体である。いくつかの実施形態において、少なくとも2つのRNA干渉分子の組み合わせが、患者にさらに投与される。いくつかの実施形態において、少なくとも2つのRNA干渉分子の組み合わせは、少なくとも2つのタンパク質をコードする遺伝子を発現停止させる。いくつかの実施形態において、タンパク質は酵素である。いくつかの実施形態において、タンパク質は、VEGF、PDGF、bFGF、SDF-1、HIF-1、PIGF、GLUT-1、クローディン細胞間接着分子、HMBG-1、HuR、Ets1、GSK3β、RTP801、カスパーゼ2-、3-、7-、PGC-1、ICAM1、t-PA、SNAI1、TBK1、ARMS2、TERT、ASK-1、およびNrf-2の群から選択される。
【0223】
いくつかの実施形態において、RNA干渉分子は一本鎖RNAである。いくつかの実施形態において、RNA干渉分子は二本鎖RNAである。いくつかの実施形態において、RNA干渉分子の鎖の長さは、約10ヌクレオチド~約200ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、RNA干渉分子の鎖の長さは、約10ヌクレオチド~約20ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約30ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約60ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約10ヌクレオチド~約200ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約60ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約20ヌクレオチド~約200ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約60ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約30ヌクレオチド~約200ヌクレオチド、約40ヌクレオチド~約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド~約60ヌクレオチド、約40ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約40ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約40ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約40ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約40ヌクレオチド~約200ヌクレオチド、約50ヌクレオチド~約60ヌクレオチド、約50ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約50ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約50ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約50ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約50ヌクレオチド~約200ヌクレオチド、約60ヌクレオチド~約70ヌクレオチド、約60ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約60ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約60ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約60ヌクレオチド~約200ヌクレオチド、約70ヌクレオチド~約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約70ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約70ヌクレオチド~約200ヌクレオチド、約80ヌクレオチド~約90ヌクレオチド、約80ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約80ヌクレオチド~約200ヌクレオチド、約90ヌクレオチド~約100ヌクレオチド、約90ヌクレオチド~約200ヌクレオチド、または、約100ヌクレオチド~約200ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、RNA干渉分子の鎖の長さは、約10ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約90ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、または約200ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、RNA干渉分子の鎖の長さは、少なくとも約10ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約90ヌクレオチド、または約100ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、RNA干渉分子の鎖の長さは、最大で約20ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約90ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、または約200ヌクレオチドである。
【0224】
いくつかの実施形態において、RNA干渉分子は、VEGF受容体の発現を妨げるか、またはVEGFおよびその様々なアイソフォームの生合成を弱めることができる。
【0225】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩で処置されている患者は、PDGF、bFGF、SDF-1、HIF-1、PIGF、GLUT-1、クローディン細胞間接着分子、HMBG-1、HuR、Ets1、GSK3β、RTP801、カスパーゼ2-、3-、7-、PGC-1、ICAM1、t-PA、SNAI1、TBK1、SRPK1、C1Q、HtrA1、ARMS2、TERT、ASK-1、およびNrf-2の受容体発現を減少もしくは消失させるか、これらの生合成を減少させる群から選択されるRNA干渉分子をさらに投与される。
【0226】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩で処置されている患者は、抗酸化剤をさらに投与される。いくつかの実施形態において、抗酸化剤は、β-カロテン、ルテイン、ゼアキサンチン、リボフラビン、ナイアシン、ならびに多価不飽和脂肪酸、例えば、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタノン酸(EPA)、ビタミンB3、ビタミンB6、ビタミンB9、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンE、CoQ10、グレリン、α-リポ酸、レスベラトロール、フラビノイド(flavinoids)、イチョウ抽出物、ICAPS R(登録商標)、OFTAN MACULA(登録商標)、およびエピガロカテキン-3-ガレートからなる群から選択される。
【0227】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩で処置されている患者は、治療用抗体をさらに投与される。いくつかの実施形態において、治療用抗体は、PDGF、FGF、PIGF、SDF-1、またはHIF-1抗体である。いくつかの実施形態において、治療用抗体は、補体経路の活性化および機能を妨害する抗体である。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩の投与は、そうでなければ意図された治療効果をもたらすために投与される必要があるであろう治療用抗体の量を減少させる。いくつかの実施形態において、治療用抗体の減少した量は、より低い用量の治療用抗体として、または好ましくは、より少ないもしくはより少ない頻度の治療用抗体の注射(例えば、患者の眼へのより少ない注射)として顕在化する。
【0228】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩で処置されている患者は、アシル化、デアシル化、メチル化、または脱メチル化用のヒストンタンパク質の治療用エピジェネティックモジュレーターをさらに投与される。
【0229】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を用いる処置は、レーザー手術またはステロイドインプラントなどの追加の介入物と対になる。
【0230】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩、および追加の治療剤は、(例えば、患者の眼窩周囲皮膚に適用される単一の組成物として)一緒に製剤化される。いくつかの実施形態において、追加の治療剤は、注射、インプラント、または経口投与などの代替手段によって送達される。
【0231】
JV-DE1およびオメガ-3脂肪酸の組み合わせ
眼の前部または後部の疾患または障害を含む様々な眼疾患または障害を処置する際に、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩と組み合わせることができる。4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、およびオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む組成物は、1つ以上の追加の治療剤と組み合わせることができる。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、およびオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、患者の眼窩周囲皮膚に適用される単一組成物として一緒に製剤化される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、(例えば、液滴製剤において)眼の表面に局所的に投与され、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、患者の眼窩周囲皮膚への投与などの代替手段によって送達される。
【0232】
他の有効成分および賦形剤
1つの態様において、本明細書に提供される局所的な眼窩周囲投与に適した医薬組成物は、任意の薬学的に許容可能な賦形剤を含み得る。いくつかの実施形態において、薬学的に許容可能な賦形剤は、1つ以上の酸、塩基、電解質、緩衝剤、溶質、抗酸化剤、安定化剤、および必要に応じて防腐剤を含む。いくつかの実施形態において、薬学的に許容可能な賦形剤は、半フッ素化アルカンを含む。いくつかの実施形態において、薬学的に許容可能な賦形剤はパーフルオロヘキシルオクタンを含む。いくつかの実施形態において、薬学的に許容可能な賦形剤はパーフルオロブチルペンタンを含む。いくつかの実施形態において、局所的な眼窩周囲投与に適した医薬組成物は、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩、および半フッ素化アルカンを含む。いくつかの実施形態において、局所的な眼窩周囲投与に適した医薬組成物は、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩、およびパーフルオロヘキシルオクタンを含む。いくつかの実施形態において、局所的な眼窩周囲投与に適した医薬組成物は、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩、およびパーフルオロブチルペンタンを含む。いくつかの実施形態において、局所的な眼窩周囲投与に適した医薬組成物は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンおよび半フッ素化アルカンを含む。いくつかの実施形態において、局所的な眼窩周囲投与に適した医薬組成物は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、およびパーフルオロヘキシルオクタンを含む。いくつかの実施形態において、局所的な眼窩周囲投与に適した医薬組成物は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、およびパーフルオロブチルペンタンを含む。いくつかの実施形態において、局所的な眼窩周囲投与に適した医薬組成物は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、オメガ-3脂肪酸、および半フッ素化アルカンを含む。いくつかの実施形態において、局所的な眼窩周囲投与に適した医薬組成物は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、オメガ-3脂肪酸、およびパーフルオロヘキシルオクタンを含む。いくつかの実施形態において、局所的な眼窩周囲投与に適した医薬組成物は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、オメガ-3脂肪酸、およびパーフルオロブチルペンタンを含む。
【0233】
眼窩周囲皮膚への投与
網膜疾患の処置において、点眼薬として局所的に適用される薬物は、標的組織に到達しないこと、または眼の後部において薬理学的に不適切な濃度でのみ生物学的に利用可能であることが知られている。小さな眼を有する小さなげっ歯類における研究に従って成功が主張されているが、これらの成功は、ヒトの眼の寸法と類似する寸法の眼を有する種には言い換えられない(del Amo et al., 2017)。ヒトサイズの眼から成功が報告されている場合、これは不適切な実験設計から生じた。薬物自体は、組織学を伴う技術から推定されるのではなく、直接検出および定量化されなければならない。点眼投与後、薬物はしばしば血流中に吸収され、それによって網膜に送達される。血漿または血液レベルをモニタリングし、報告しなければならない。さらに、満足のいく網膜の生体内動態(bio-disposition)は、適切な組織サンプリングによってのみ達成することができる。薬物の滞留は、硝子体液、神経網膜、および下層の後部強膜において確立されなければならない。組織サンプリング中に相互汚染があってはならない。薬物の全身血中レベルを測定しなければならない。上記の考慮事項に加えて、最終的な必須事項は、薬物が片側的に投与されるということである。薬物製剤を含有する点眼薬は片眼に適用されなければならず、対照として反対側の眼に適用されなければならない。薬物で処置および未処置の対照の眼ならびに血漿/血液からの結果の完全な表示は、すべての測定された時点で数値的に報告されなければならない。処置された眼および未処置の眼の後眼部組織における薬物レベルが実験誤差内である場合、網膜バイオアベイラビリティは、全身循環からの吸収(血液媒介送達)の結果である。
【0234】
網膜および硝子体液における薬物バイオアベイラビリティが主張されている場合、最適以下の実験計画がある。以下は、共通の実験的欠損の例を提供する。(1)Acheampong AA et al. (2002) Drug Metab Disp 30: 421-429: 相互汚染をサンプリング (del Amo et al., 2017)、(2)2001年、米国特許第6,242,442号。両側局所投与、血中レベルは報告されていない。(3)2016年、米国特許第9,446,026号。両側性眼投与、(4)Hu S, Koevery S (2016) J Ocular Pharmacol Ther 32: 203-210: ウサギの眼、(5)Kadam RS et al. (2011) Drug Metab Disp 39: 1529-1537:対照としての未処置の眼がない、(6)Kiuchi K et al. (2008) Invest Ophthalmol Vis Sci 49: 1705-1711:薬物レベルが測定されておらず、局所適用後のマウス眼における生物学的効果のみ、(7)Chastain JE et al. (2016) Exp Eye Res 145: 58-67:反対側の対照の眼および血漿からの不適切なデータ報告。
【0235】
したがって、眼の後部の疾患を処置するための化合物の改善された送達方法が必要とされている。驚くべきことに、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンおよびオメガ-3脂肪酸を含む様々な化合物の眼窩周囲投与は、眼全体にわたる化合物の実質的な生体内分布をもたらすことが分かっている。さらに、眼窩周囲皮膚への適用は、硝子体液を介した網膜送達経路を提供し、網膜色素上皮、ブルッフ膜、および血液網膜関門によって妨げられない。図1は、眼の眼球に重なる眼窩周囲領域を含む眼の解剖学的構造の図を示す。
【0236】
化合物の眼窩周囲皮膚への適用は、近視に関連し得る全体的な伸長を予防する目的で、強膜経路を通して強膜および網膜への薬物送達をもたらすことになる。眼窩周囲皮膚の送達経路は、点眼薬の望ましくない侵害受容効果および不便さが回避されるため、最大の近視患者集団となる小児において特に有利であり得る。
【0237】
経口投与に加えて、局所点眼薬は、眼送達のための現在利用可能な2つしかない非侵襲的メカニズムの1つである。局所点眼薬投与のうち、後眼部に薬物を送達するための潜在的に2つの経路:第1に、薬物が眼表面から結膜へと強膜水チャネルを通って拡散して網膜に到達する「強膜経路」、第2に、薬物が角膜表面、眼房水、水晶体/虹彩/毛様体、硝子体液に浸透し、次いで網膜に到達する「角膜経路」がある。小動物モデルにおける眼の後ろへの薬学的に有効な用量での潜在的治療薬の局所送達を報告する複数の公開物があるが、これらは、ヒトの眼球に類似する眼球の関連する眼の解剖学的構造、生理学、およびサイズを有するより大きい種にうまく翻訳されていない。経口投与は、眼薬および栄養素を非侵襲的に輸送する現在利用可能な別の方法である。経口薬は、全身循環を介して網膜に到達する特定の機会を有し得るが、標的組織において効果的な薬理学的有効用量を達成することは困難であった。したがって、高用量の非侵襲的網膜薬物送達は、依然として、満たされていない大きな医学的ニーズであり、眼内薬物送達の最も望ましい方法である。
【0238】
眼窩周囲投与経路を介して化合物を投与することができることは、他のタイプの投与に勝るいくつかの利点を提供する。患者による自己投与が可能である。これは、網膜インプラント、網膜注射、および光凝固処置とは著しく対照的である。これらの治療介入はすべて、医療施設において医師によって行われなければならない。侵襲性硝子体内注射の副作用(眼内炎、網膜剥離、および外傷性白内障)は完全に回避されることになる。
【0239】
眼窩周囲皮膚への投与はさらに、多くの点で点眼薬と比較して有利である。これらの利点は、反射性まばたきおよび点眼薬に関連する不快感の回避を含む。皮膚は、高感受性角膜よりも、外因的に投与される物質に対してより頑丈かつ耐性であるので、より多くの量の薬物が、より頻繁に、かつ防腐剤を含まない製剤において投与され得る。さらに、眼は周囲の皮膚よりも刺激に対してはるかに敏感である。したがって、眼窩周囲送達は、点眼薬中の高濃度の有効成分がしばしば皮膚上で観察されない眼の刺激を引き起こすため、はるかに高い用量強度の送達を可能にする。
【0240】
具体的には、本明細書で報告される研究は、「平均」量(約160マイクログラム)の4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンの適用後の網膜における極めて高い濃度の小分子を明らかにした(表1)。表1で報告されたデータの考察は、眼窩周囲皮膚への投与が、少なくとも1日にわたって、極めて高い薬物濃度を良好に維持することを可能にすることを明らかにしている。物質収支の推定値は、レシピエントの眼にほとんど限定されている薬物適用と一致する。これは、わずかな割合の薬物のみが眼球の内部に送達される点眼薬とは著しく対照的である。まとめると、眼窩周囲皮膚への投与は、分子が網膜中の「到達困難な」ニューロン要素に埋め込まれた標的に到達することを可能にすることが提案される。眼窩周囲皮膚の下に、鋸状縁は、分子および粒子状物質に対して有意な障壁を呈していないようにみえる。
【0241】
眼表面への局所的な眼投与
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、眼の表面への局所的な眼投与を介して投与される。眼表面への投与は、網膜および硝子体液に治療剤を送達する他の投与形態を上回るいくつかの明確な利点を有する。これらの利点としては、自己投与する能力、自己投与の容易さ、眼表面への化合物の迅速な送達、および眼表面で高濃度を迅速に達成する能力が挙げられる。いくつかの実施形態において、眼表面への投与はさらに、網膜などの眼の後部の構造への十分な生体内分布をもたらす。本明細書で提供されるいくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、点眼薬製剤などにおいて、眼の表面に局所的に投与される。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンの組成物は、水溶液、非水溶液、油性溶液、油、ゲル、ヒドロゲル、ローション、軟膏、分散液、エマルジョン、クリーム、または懸濁液として、眼の眼表面への局所的な眼投与のために製剤化される。
【0242】
製剤
眼窩周囲皮膚への投与のための組成物
本明細書には、いくつかの実施形態において、対象の眼の眼窩周囲皮膚領域への適用に適した組成物が提供される。いくつかの実施形態において、これらの組成物は、非侵襲性眼送達プラットフォーム(NIODP)を介して投与され得る。
【0243】
いくつかの実施形態において、組成物は、水溶液、非水溶液、油性溶液、油、ゲル、ヒドロゲル、ローション、軟膏、分散液、エマルジョン、クリーム、および懸濁液の形態である。いくつかの実施形態において、組成物は、軟膏、クリーム、またはローションの形態である。いくつかの実施形態において、組成物は軟膏の形態である。いくつかの実施形態において、組成物は水溶液の形態である。いくつかの実施形態において、組成物は非水溶液の形態である。いくつかの実施形態において、組成物は油性溶液の形態である。いくつかの実施形態において、組成物は油の形態である。いくつかの実施形態において、組成物はゲルの形態である。いくつかの実施形態において、組成物はヒドロゲルの形態である。いくつかの実施形態において、組成物はローションの形態である。いくつかの実施形態において、組成物は軟膏の形態である。いくつかの実施形態において、組成物は分散液の形態である。いくつかの実施形態において、組成物はエマルジョンの形態である。いくつかの実施形態において、組成物はクリームの形態である。いくつかの実施形態において、組成物は懸濁液の形態である。
【0244】
いくつかの実施形態において、組成物は半固体の油性基材を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、石油基剤、鉱油、ポリオール、トリグリセリド、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、組成物は石油基剤を含む。いくつかの実施形態において、組成物はワセリンを含む。いくつかの実施形態において、組成物はワセリン、トリグリセリド、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、組成物はワセリンおよびトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、組成物はワセリン、蜜蝋、またはカカオバターを含む。いくつかの実施形態において、組成物は蜜蝋を含む。いくつかの実施形態において、組成物はカカオバターを含む。
【0245】
いくつかの実施形態において、組成物は油を含む。いくつかの実施形態において、組成物は油または油の混合物を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、1つ以上の油で混合された本明細書で提供される化合物(例えば、オメガ-3脂肪酸または4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン)を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、1つ以上の油で混合された本明細書で提供される1つ以上の化合物(例えば、オメガ-3脂肪酸、および4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン)を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、植物、植物種子、または木の実から生じた/由来する1つ以上の油を含む。いくつかの実施形態において、植物、植物種子、または木の実は、ココナッツ、パーム核(palm kernel)、大豆、ごま、オリーブ、野菜、ヒマワリ、もしくは他の植物源、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0246】
いくつかの実施形態において、組成物はほとんどが油である。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.95%、少なくとも約99.96%、少なくとも約99.97%、少なくとも約99.98%、または少なくとも約99.99%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、油および有効成分(例えば、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン)から本質的になる。
【0247】
いくつかの実施形態において、組成物は組成物の約1%~約100%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の約1%~約20%、約1%~約40%、約1%~約60%、約1%~約80%、約1%~約100%、約20%~約40%、約20%~約60%、約20%~約80%、約20%~約100%、約40%~約60%、約40%~約80%、約40%~約100%、約60%~約80%、約60%~約100%、または約80%~約100%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の約1%、約20%、約40%、約60%、約80%、または約100%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の少なくとも約1%、約20%、約40%、約60%、または約80%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の最大で約20%、約40%、約60%、約80%、または約100%(w/w)の量の油を含む。
【0248】
いくつかの実施形態において、組成物はトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、トリグリセリドは中鎖または長鎖トリグリセリドである。いくつかの実施形態において、トリグリセリドは天然源に由来する。いくつかの実施形態において、トリグリセリドは植物、植物種子、または木の実に由来する。いくつかの実施形態において、植物、植物種子、または木の実は、ココナッツ、パーム核、大豆、ごま種子もしくは植物、オリーブ、ヒマワリ種子もしくは植物、または他の野菜もしくは植物源、またはそれらの任意の組み合わせの一部を含む。
【0249】
いくつかの実施形態において、組成物はほとんどがトリグリセリドである。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.95%、少なくとも約99.96%、少なくとも約99.97%、少なくとも約99.98%、または少なくとも約99.99%(w/w)の量のトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、トリグリセリドおよび有効成分(例えば、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン)から本質的になる。
【0250】
いくつかの実施形態において、組成物は組成物の約1%~約100%(w/w)の量のトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の約1%~約20%、約1%~約40%、約1%~約60%、約1%~約80%、約1%~約100%、約20%~約40%、約20%~約60%、約20%~約80%、約20%~約100%、約40%~約60%、約40%~約80%、約40%~約100%、約60%~約80%、約60%~約100%、または約80%~約100%(w/w)の量の中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の約1%、約20%、約40%、約60%、約80%、または約100%(w/w)の量のトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の少なくとも約1%、約20%、約40%、約60%、または約80%(w/w)の量のトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の最大で約20%、約40%、約60%、約80%、または約100%(w/w)の量のトリグリセリドを含む。
【0251】
いくつかの実施形態において、トリグリセリドは中鎖トリグリセリドである。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは2つまたは3つの中程度の長さの脂肪酸を含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドはC6またはそれよりも大きな脂肪酸を含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、C6~C12脂肪酸を含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、C6~C12脂肪酸の混合物を含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、C6、C8、C10、およびC12脂肪酸、またはそれらの混合物から選択される脂肪酸を含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、カプリル酸、カプリン酸、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリド鎖は、カプリル酸およびカプリン酸を含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、約4:1(w/w)、約4:3(w/w)、約3:1(w/w)、約3:2(w/w)、約1:1(w/w)、約2:3(w/w)、約1:3(w/w)、約3:4(w/w)、または約1:4(w/w)の比のカプリル酸およびカプリン酸を含む。いくつかの実施形態において、比は約1:1(w/w)~約4:1(w/w)である。いくつかの実施形態において、比は約3:2(w/w)である。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、他の脂肪酸(w/w)と比較して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、または少なくとも95%のC6~C12脂肪酸を含む。
【0252】
いくつかの実施形態において、組成物はほとんどが中鎖トリグリセリドである。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.95%、少なくとも約99.96%、少なくとも約99.97%、少なくとも約99.98%、または少なくとも約99.99%(w/w)の量の中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、中鎖トリグリセリドおよび有効成分(例えば、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン)から本質的になる。
【0253】
いくつかの実施形態において、組成物は組成物の約1%~約100%(w/w)の量の中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の約1%~約20%、約1%~約40%、約1%~約60%、約1%~約80%、約1%~約100%、約20%~約40%、約20%~約60%、約20%~約80%、約20%~約100%、約40%~約60%、約40%~約80%、約40%~約100%、約60%~約80%、約60%~約100%、または約80%~約100%(w/w)の量の中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の約1%、約20%、約40%、約60%、約80%、または約100%(w/w)の量の中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の少なくとも約1%、約20%、約40%、約60%、または約80%(w/w)の量の中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の最大で約20%、約40%、約60%、約80%、または約100%(w/w)の量の中鎖トリグリセリドを含む。
【0254】
いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、天然源に由来する。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、ココナッツ、パーム、もしくはパーム核、またはこれらの組み合わせに由来する。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドはココナッツまたはパームに由来する。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、ヤシまたはパームの胚乳から抽出された油である。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、米国食品(National Food)(NF)グレード(NF)または米国薬局方(USP)グレードである。
【0255】
いくつかの実施形態において、組成物は、ワセリンおよび中鎖トリグリセリドの混合物を含む。いくつかの実施形態において、ワセリン対中鎖トリグリセリドの比は、約10:1(v/v)~約1:2(v/v)である。いくつかの実施形態において、ワセリン対中鎖トリグリセリドの比は、約6:1(v/v)~約1:1(v/v)である。いくつかの実施形態において、ワセリン対中鎖トリグリセリドの比は、約6:1(v/v)~約1:1(v/v)、約5:1(v/v)~約1:1(v/v)、約4:1(v/v)~約1:1(v/v)、約3:1(v/v)~約2:1(v/v)、または約3:2(v/v)~約1:1(v/v)である。いくつかの実施形態において、ワセリン対中鎖トリグリセリドの比は、約1:1(v/v)、約2:1(v/v)、約3:1(v/v)、約4:1(v/v)、約5:1(v/v)、または約6:1(v/v)である。いくつかの実施形態において、ワセリン対中鎖トリグリセリドの比は、約1:1(v/v)である。いくつかの実施形態において、ワセリン対中鎖トリグリセリドの比は、約2:1(v/v)である。いくつかの実施形態において、ワセリン対中鎖トリグリセリドの比は、約4:1(v/v)である。
【0256】
いくつかの実施形態において、組成物は皮膚軟化剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、皮膚軟化剤は、植物油、鉱油、芳香油、必須脂肪酸、脂肪酸、脂肪酸エステル、および脂肪酸アルコールからなる群から選択される。
【0257】
いくつかの実施形態において、組成物は保湿剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、保湿剤は、プロピレングリコール、アロエベラ、乳酸、グリセリルトリアセタート、塩化リチウム、ポリデキストロース、キラヤ、ヘキサメタリン酸ナトリウム、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、およびヒマシ油からなる群から選択される。
【0258】
いくつかの実施形態において、組成物は増粘剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、増粘剤は脂肪酸、脂肪酸エステル、および脂肪酸アルコールからなる群から選択される。
【0259】
いくつかの実施形態において、組成物は防腐剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、防腐剤は、ホウ酸ナトリウム/ホウ酸、ポリヘキサメチレンビグアナイド(phmb)、パラベン(パラヒドロキシ安息香酸誘導体、硝酸フェニル第二水銀、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム(benzelthonium chloride)、クロルヘキシジン、クロルブタノール、メチルパラベン、フェニルエチルアルコール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、プロピルパラベン、およびチメロサールからなる群から選択される。
【0260】
いくつかの実施形態において、組成物は防腐剤を含まない。いくつかの実施形態において、組成物は塩化ベンザルコニウムを含まない。
【0261】
いくつかの実施形態において、組成物は抗菌薬をさらに含む。いくつかの実施形態において、抗菌薬は、バジル、オリガノ、タイム、柑橘オイルおよびモノテルペン、セスキテルペン、ならびにフェニルプロパノイドからなる群から選択される。
【0262】
いくつかの実施形態において、組成物は浸透促進剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、浸透促進剤は、エタノール、イソプロピルアルコール、d-ヘキサノール、オクタノール、ドクタノール(doctanol)、ミリスチルアルコール、酢酸エチル、酢酸オレイル((oleoyl acetate)、イソプロピルミリステート、アゾン(azone)、カルバミド、グルセリルモノオレエート、オクチルサリチレート、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、オレイン酸、N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン、2-ピロリドン-5-カルボン酸、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド、ラウリル硫酸ナトリウム、スパン80、Tween 80、シネオール、オイゲノール、D-リモネン、メントール、メンタン、シクロデキストリン、ヒアルロン酸、およびビタミンEからなる群から選択される。
【0263】
いくつかの実施形態において、組成物は臭気マスキング剤をさらに含む。臭気マスキング剤は、残留臭気を有し得る動物の組織に由来する成分(例えば、魚由来のオメガ-3脂肪酸)を含む組成物に特に適している。いくつかの実施形態において、臭気マスキング剤は精油(例えば、花、果実、木材、ミント、ハーブ、または他の精油)である。
【0264】
眼窩周囲皮膚への投与のためのJV-DE1の組成物
いくつかの実施形態において、眼窩周囲皮膚への投与に適した本明細書で提供される組成物は、有効成分として4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを含む。4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを含む組成物は、本明細書で提供される組成物のいずれであってもよい。いくつかの実施形態において、組成物は中鎖トリグリセリドを含む。
【0265】
いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物の約0.00005%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物の約0.00005%~約0.0005%、約0.00005%~約0.005%、約0.00005%~約0.05%、約0.00005%~約0.5%、約0.00005%~約1%、約0.00005%~約10%、約0.0005%~約0.005%、約0.0005%~約0.05%、約0.0005%~約0.5%、約0.0005%~約1%、約0.0005%~約10%、約0.005%~約0.05%、約0.005%~約0.5%、約0.005%~約1%、約0.005%~約10%、約0.05%~約0.5%、約0.05%~約1%、約0.05%~約10%、約0.5%~約1%、約0.5%~約10%、または約1%~約10%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物の約0.005%、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、または約0.1%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物の約0.005%~約0.3%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、組成物の約0.005%~約0.01%、約0.005%~約0.03%、約0.005%~約0.06%、約0.005%~約0.1%、約0.005%~約0.3%、約0.01%~約0.03%、約0.01%~約0.06%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.3%、約0.03%~約0.06%、約0.03%~約0.1%、約0.03%~約0.3%、約0.06%~約0.1%、約0.06%~約0.3%、または約0.1%~約0.3%(w/w)の量で存在する。
【0266】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される組成物は、1回の投与あたり、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンの設定された量を分注するように構成される。いくつかの実施形態において、組成物は、1回の投与あたり、約10ng~約5mgの4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを分注するように構成される。いくつかの実施形態において、組成物は、1回の投与あたり、約1マイクログラム~約500マイクログラムの4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを分注するように構成される。いくつかの実施形態において、組成物は、1回の投与あたり、約1マイクログラム~約5マイクログラム、約1マイクログラム~約10マイクログラム、約1マイクログラム~約25マイクログラム、約1マイクログラム~約50マイクログラム、約1マイクログラム~約75マイクログラム、約1マイクログラム~約100マイクログラム、約1マイクログラム~約200マイクログラム、約1マイクログラム~約300マイクログラム、約1マイクログラム~約400マイクログラム、約1マイクログラム~約500マイクログラム、約5マイクログラム~約10マイクログラム、約5マイクログラム~約25マイクログラム、約5マイクログラム~約50マイクログラム、約5マイクログラム~約75マイクログラム、約5マイクログラム~約100マイクログラム、約5~約200マイクログラム、約5~約300マイクログラム、約5~約400マイクログラム、約5~約500マイクログラム、約10マイクログラム~約25マイクログラム、約10マイクログラム~約50マイクログラム、約10マイクログラム~約75マイクログラム、約10マイクログラム~約100マイクログラム、約10~約200マイクログラム、約10~約300マイクログラム、約10~約400マイクログラム、約10~約500マイクログラム、約25マイクログラム~約50マイクログラム、約25マイクログラム~約75マイクログラム、約25マイクログラム~約100マイクログラム、約25~約200マイクログラム、約25~約300マイクログラム、約25~約400マイクログラム、約25~約500マイクログラム、約50マイクログラム~約75マイクログラム、約50マイクログラム~約100マイクログラム、約50~約200マイクログラム、約50~約300マイクログラム、約5~約400マイクログラム、約50~約500マイクログラム、約75マイクログラム~約100マイクログラム、約75~約200マイクログラム、約75~約300マイクログラム、約75~約400マイクログラム、約75~約500マイクログラム、約100~約200マイクログラム、約100~約300マイクログラム、約100~約400マイクログラム、約100~約500マイクログラム、約200~約500マイクログラム、約300~約500マイクログラム、または、約400~約500マイクログラムの4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを分注するように構成される。
【0267】
外部眼瞼または眼窩周囲皮膚への投与のためのオメガ-3脂肪酸の組成物
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される局所的な眼窩周囲皮膚への投与に適した組成物は、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む。いくつかの実施形態において、これらの組成物は、非侵襲性眼送達プラットフォーム(NIODP)を介して投与されてもよい。
【0268】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される局所的な外部眼瞼皮膚投与に適した組成物は、オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む。
【0269】
いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、組成物の約0.01%~約100%(w/w)の組成物中に存在する。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、組成物の約0.01%~約50%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、組成物の約1%~約50%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、組成物の約1%~約5%、約1%~約10%、約1%~約20%、約1%~約30%、約1%~約40%、約1%~約50%、約5%~約10%、約5%~約20%、約5%~約30%、約5%~約40%、約5%~約50%、約5%~約75%、約5%~約100%、約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約75%、約10%~約100%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約75%、約20%~約100%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約75%、約30%~約100%、約40%~約50%、約40%~約75%、約40%~約100%、約50%~約75%、約50%~約100%、または約75%~約100%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、組成物の最大で約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、組成物の約10%~約15%、約10%~約20%、約10%~約25%、約10%~約30%、約15%~約20%、約15%~約25%、約15%~約30%、約20%~約25%、約20%~約30%、または約25%~約30%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、組成物の約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47 48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は単独で(例えば、ビヒクルなしで)投与される。
【0270】
いくつかの実施形態において、組成物は、約0.1mg~約3000mg、約0.1mg~約1000mg、約0.1mg~約500mg、約0.1mg~約300mg、約0.1mg~約200mg、約0.1mg~約100mgの量のオメガ-3脂肪酸を送達するように構成される。いくつかの実施形態において、組成物は、約0.1mg~約100mgの量のオメガ-3脂肪酸を送達するように構成される。いくつかの実施形態において、組成物は、約0.1mg~約1mg、約0.1mg~約10mg、約0.1mg~約20mg、約0.1mg~約50mg、約0.1mg~約100mg、約1mg~約10mg、約1mg~約20mg、約1mg~約50mg、約1mg~約100mg、約10mg~約20mg、約10mg~約50mg、約10mg~約100mg、約20mg~約50mg、約20mg~約100mg、または約50mg~約100mgの量のオメガ-3脂肪酸を送達するように構成される。いくつかの実施形態において、組成物は、約0.1mg、約1mg、約10mg、約20mg、約50mg、または約100mgの量のオメガ-3脂肪酸を送達するように構成される。いくつかの実施形態において、組成物は、少なくとも約0.1mg、約1mg、約10mg、約20mg、、または約50mgの量のオメガ-3脂肪酸を送達するように構成される。いくつかの実施形態において、組成物は、最大で約1mg、約10mg、約20mg、約50mg、または約100mgの量のオメガ-3脂肪酸を送達するように構成される。
【0271】
いくつかの実施形態において、組成物は、オメガ-3脂肪酸の送達のためのビヒクルを含む。いくつかの実施形態において、ビヒクルは油を含む。いくつかの実施形態において、ビヒクルは油または油の混合物を含む。いくつかの実施形態において、ビヒクルは1つ以上の油に溶解したオメガ-3脂肪酸を含む。いくつかの実施形態において、油は天然資源に由来する。いくつかの実施形態において、ビヒクルは、植物、植物種子、または木の実に由来する1つ以上の油を含む。いくつかの実施形態において、植物、植物種子、または木の実は、大豆、ごま、オリーブ、野菜、ヒマワリ、もしくは他の植物源、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0272】
いくつかの実施形態において、ビヒクルは油である。いくつかの実施形態において、組成物は組成物の約1%~約100%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の約1%~約20%、約1%~約40%、約1%~約60%、約1%~約80%、約1%~約100%、約20%~約40%、約20%~約60%、約20%~約80%、約20%~約100%、約40%~約60%、約40%~約80%、約40%~約100%、約60%~約80%、約60%~約100%、または約80%~約100%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の約1%、約20%、約40%、約60%、約80%、または約100%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の少なくとも約1%、約20%、約40%、約60%、または約80%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の最大で約20%、約40%、約60%、約80%、または約100%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態において、油は組成物の約50%~約99%(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、油は組成物の約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約99%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約99%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約99%、約80%~約90%、約80%~約99%、または約90%~約99%(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、油は組成物の約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%(w/w)を含む。
【0273】
いくつかの実施形態において、ビヒクルはトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、トリグリセリドは中鎖または長鎖トリグリセリドである。いくつかの実施形態において、トリグリセリドは天然源に由来する。いくつかの実施形態において、トリグリセリドは植物、植物種子、または木の実に由来する。いくつかの実施形態において、植物、植物種子、または木の実は、ココナッツ、パーム核、大豆、ごま種子もしくは植物、オリーブ、ヒマワリ種子もしくは植物、または他の野菜もしくは植物源、またはそれらの任意の組み合わせの一部を含む。
【0274】
いくつかの実施形態において、組成物は組成物の約1%~約100%(w/w)の量のトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の約1%~約20%、約1%~約40%、約1%~約60%、約1%~約80%、約1%~約100%、約20%~約40%、約20%~約60%、約20%~約80%、約20%~約100%、約40%~約60%、約40%~約80%、約40%~約100%、約60%~約80%、約60%~約100%、または約80%~約100%(w/w)の量の中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の約1%、約20%、約40%、約60%、約80%、または約100%(w/w)の量のトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の少なくとも約1%、約20%、約40%、約60%、または約80%(w/w)の量のトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の最大で約20%、約40%、約60%、約80%、または約100%(w/w)の量のトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、トリグリセリドは組成物の約50%~約99%(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、トリグリセリドは組成物の約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約99%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約99%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約99%、約80%~約90%、約80%~約99%、または約90%~約99%(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、トリグリセリドは組成物の約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%(w/w)を含む。
【0275】
いくつかの実施形態において、トリグリセリドは中鎖トリグリセリドである。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは2つまたは3つの中程度の長さの脂肪酸を含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドはC6またはそれよりも大きな脂肪酸を含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、C6~C12脂肪酸を含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、C6~C12脂肪酸の混合物を含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、C6、C8、C10、およびC12脂肪酸、またはそれらの混合物から選択される脂肪酸を含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、カプリル酸、カプリン酸、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリド鎖は、カプリル酸およびカプリン酸を含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、約4:1(w/w)、約4:3(w/w)、約3:1(w/w)、約3:2(w/w)、約1:1(w/w)、約2:3(w/w)、約1:3(w/w)、約3:4(w/w)、または約1:4(w/w)の比のカプリル酸およびカプリン酸を含む。いくつかの実施形態において、比は約1:1(w/w)~約4:1(w/w)である。いくつかの実施形態において、比は約3:2(w/w)である。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、他の脂肪酸(w/w)と比較して、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、または少なくとも95%のC6~C12脂肪酸を含む。
【0276】
いくつかの実施形態において、組成物は組成物の約1%~約100%(w/w)の量の中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の約1%~約20%、約1%~約40%、約1%~約60%、約1%~約80%、約1%~約100%、約20%~約40%、約20%~約60%、約20%~約80%、約20%~約100%、約40%~約60%、約40%~約80%、約40%~約100%、約60%~約80%、約60%~約100%、または約80%~約100%(w/w)の量の中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の約1%、約20%、約40%、約60%、約80%、または約100%(w/w)の量の中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の少なくとも約1%、約20%、約40%、約60%、または約80%(w/w)の量の中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の最大で約20%、約40%、約60%、約80%、または約100%(w/w)の量の中鎖トリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは組成物の約50%~約99%(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは組成物の約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約99%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約99%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約99%、約80%~約90%、約80%~約99%、または約90%~約99%(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは組成物の約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%(w/w)を含む。
【0277】
いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、天然源に由来する。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、ココナッツ、パーム、もしくはパーム核、またはこれらの組み合わせに由来する。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドはココナッツまたはパームに由来する。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、ヤシまたはパームの胚乳から抽出された油である。いくつかの実施形態において、中鎖トリグリセリドは、米国食品(National Food)(NF)グレード(NF)または米国薬局方(USP)グレードである。
【0278】
いくつかの実施形態において、ビヒクルは脂肪酸ビヒクルである。いくつかの実施形態において、脂肪酸ビヒクルは不飽和脂肪酸である。いくつかの実施形態において、脂肪酸ビヒクルはC14~C22脂肪酸である。いくつかの実施形態において、脂肪酸ビヒクルはC14~C22不飽和脂肪酸である。いくつかの実施形態において、脂肪酸ビヒクルはリノール酸を含む。
【0279】
いくつかの実施形態において、脂肪酸ビヒクルは組成物の約1%~約100%(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、脂肪酸ビヒクルは、組成物の約1%~約20%、約1%~約40%、約1%~約60%、約1%~約80%、約1%~約100%、約20%~約40%、約20%~約60%、約20%~約80%、約20%~約100%、約40%~約60%、約40%~約80%、約40%~約100%、約60%~約80%、約60%~約100%、または約80%~約100%(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、脂肪酸ビヒクルは組成物の約1%、約20%、約40%、約60%、約80%、または約100%(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、脂肪酸ビヒクルは組成物の少なくとも約1%、約20%、約40%、約60%、または約80%(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、脂肪酸ビヒクルは組成物の最大で約20%、約40%、約60%、約80%、または約100%(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、脂肪酸ビヒクルは組成物の約50%~約99%(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、脂肪酸ビヒクルは組成物の約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約99%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約99%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約99%、約80%~約90%、約80%~約99%、または約90%~約99%(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、脂肪酸ビヒクルは組成物の約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約99%(w/w)を含む。
【0280】
いくつかの実施形態において、非侵襲性眼送達プラットフォームを介した患者への組成物の投与は、眼の少なくとも1つの部分に生理学的に適切な量のオメガ-3脂肪酸をもたらす。
【0281】
いくつかの実施形態において、眼の部分は、上眼瞼、角膜、網膜、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0282】
いくつかの実施形態において、患者への組成物の投与は、眼の少なくとも1つの部分に治療的なまたは他の有益な量のオメガ-3脂肪酸をもたらす。
【0283】
いくつかの実施形態において、眼の部分は、上眼瞼、角膜、網膜、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0284】
いくつかの実施形態において、患者への組成物の投与は、投与の30分後に上眼瞼において、ベースラインレベルを少なくとも10μg/g、少なくとも50μg/g、少なくとも100μg/g、少なくとも150μg/g、少なくとも200μg/g、少なくとも250μg/g、少なくとも300μg/g、少なくとも350μg/g、少なくとも400μg/g、または少なくとも500μg/g上回るオメガ-3脂肪酸のレベルをもたらす。
【0285】
いくつかの実施形態において、患者への組成物の投与は、投与の30分後に角膜において、ベースラインレベルを少なくとも10μg/g、少なくとも15μg/g、少なくとも20μg/g、少なくとも25μg/g、少なくとも30μg/g、少なくとも35μg/g、少なくとも40μg/g、少なくとも50μg/g、少なくとも60μg/g、または少なくとも70μg/g上回るオメガ-3脂肪酸のレベルをもたらす。
【0286】
いくつかの実施形態において、患者への組成物の投与は、投与の30分後に網膜において、ベースラインレベルを少なくとも10μg/g、少なくとも15μg/g、少なくとも20μg/g、少なくとも25μg/g、少なくとも30μg/g、少なくとも35μg/g、少なくとも40μg/g、少なくとも45μg/g、少なくとも50μg/g、少なくとも60μg/g、または少なくとも70μg/g、少なくとも80μg/g、少なくとも90μg/g、少なくとも100μg/g、少なくとも110μg/g、または少なくとも120μg/g上回るオメガ-3脂肪酸のレベルをもたらす。
【0287】
JV-DE1の局所的な眼投与のための組成物
さらに、局所的な眼投与に適した4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン(別名、JV-DE1)の組成物が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、局所的な眼投与は眼の表面に対するものである。いくつかの実施形態において、組成物は点眼薬として製剤化される。いくつかの実施形態において、組成物は、水溶液、非水溶液、油性溶液、油、ゲル、ヒドロゲル、ローション、軟膏、分散液、エマルジョン、クリームとして、リポソーム、またはナノ粒子、または懸濁液で製剤化される。いくつかの実施形態において、組成物は水溶液として製剤化される。いくつかの実施形態において、局所的な眼投与は患者の眼窩周囲皮膚に対するものである。
【0288】
いくつかの実施形態において、組成物はポリオキシルヒマシ油を含む。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油は、ポリ(アルキレンオキシド)ヒマシ油である。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油は、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)、またはこれらの任意の組み合わせから選択されるポリ(アルキレンオキシド)サブユニットを含む。
【0289】
いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油はPEG化(PEGylated)ヒマシ油である。いくつかの実施形態において、PEG化ヒマシ油中のPEG対ヒマシ油のモル比は、約20:1~約50:1の範囲である。いくつかの実施形態において、PEG対ヒマシ油のモル比は、約25:1~約45:1、または約30:1~約40:1である。いくつかの実施形態において、PEG対ヒマシ油のモル比は、約35:1である。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油はポリオキシル35ヒマシ油である。
【0290】
いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油は、組成物の約0.1%~約20%、0.1%~約15%、0.1%~約10%、または0.1%~約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油は、組成物の約0.1%~約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油は、組成物の約0.1%~約0.5%、約0.1%~約1%、約0.1%~約2%、約0.1%~約5%、約0.5%~約1%、約0.5%~約2%、約0.5%~約5%、約1%~約2%、約1%~約5%、または約2%~約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油は、組成物の約0.5%~約1.5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ポリオキシルヒマシ油は、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、または約1.5%の量で存在する。いくつかの実施形態において、ポリオキシルヒマシ油は、組成物の約0.5%~約1.5%、約0.6%~約1.4%、約0.7%~約1.3%、約0.8%~約1.2%、または約0.9%~約1.1%(w/w)の量で存在する。
【0291】
いくつかの実施形態において、ポリオキシル35ヒマシ油は、組成物の約0.1%~約20%、0.1%~約15%、0.1%~約10%、または0.1%~約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、ポリオキシル35ヒマシ油は、組成物の約0.1%~約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、ポリオキシル35ヒマシ油は、組成物の約0.1%~約0.5%、約0.1%~約1%、約0.1%~約2%、約0.1%~約5%、約0.5%~約1%、約0.5%~約2%、約0.5%~約5%、約1%~約2%、約1%~約5%、または約2%~約5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、ポリオキシル35ヒマシ油は、組成物の約0.5%~約1.5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態では、ポリオキシル35ヒマシ油は、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、または約1.5%の量で存在する。いくつかの実施形態において、ポリオキシル35ヒマシ油は、組成物の約0.5%~約1.5%、約0.6%~約1.4%、約0.7%~約1.3%、約0.8%~約1.2%、または約0.9%~約1.1%(w/w)の量で存在する。
【0292】
いくつかの実施形態において、組成物は眼表面潤滑剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、眼表面潤滑剤は、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒマシ油、またはグリセロールから選択される。いくつかの実施形態において、眼表面潤滑剤はグリセロールである。
【0293】
いくつかの実施形態において、眼表面潤滑剤は、組成物の約0.05%~約2%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、眼表面潤滑剤は、組成物の約0.05%~約0.5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、眼表面潤滑剤は、組成物の約0.05%、約0.1%、約0.15%、約0.2%、約0.25%、約0.3%、約0.4%、または約0.5%(w/w)の量で存在する。いくつかの実施形態において、眼表面潤滑剤は、組成物の約0.05%~約0.1%、約0.05%~約0.15%、約0.05%~約0.2%、約0.05%~約0.25%、約0.05%~約0.3%、約0.05%~約0.4%、約0.05%~約0.5%、約0.1%~約0.15%、約0.1%~約0.2%、約0.1%~約0.25%、約0.1%~約0.3%、約0.1%~約0.4%、約0.1%~約0.5%、約0.15%~約0.2%、約0.15%~約0.25%、約0.15%~約0.3%、約0.15%~約0.4%、約0.15%~約0.5%、約0.2%~約0.25%、約0.2%~約0.3%、約0.2%~約0.4%、約0.2%~約0.5%、約0.25%~約0.3%、約0.25%~約0.4%、約0.25%~約0.5%、約0.3%~約0.4%、約0.3%~約0.5%、または約0.4%~約0.5%(w/w)の量で存在する。
【0294】
いくつかの実施形態において、組成物は緩衝剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、緩衝剤はトリエタノールアミン(トリス)、ヒスチジン、重炭酸、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N’-(2-エタンスルホン酸(HEPES)、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸ナトリウム塩(MES)、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、および、N-トリス[ヒドロキシメチル]メチル-3-アミノプロパンスルホン酸(TAPS)から選択される。いくつかの実施形態において、緩衝剤はトリスである。いくつかの実施形態において、組成物はトリス緩衝生理食塩水を含む。
【0295】
いくつかの実施形態において、組成物は油を含む。いくつかの実施形態において、組成物は油または油の混合物を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、1つ以上の油において混合される4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、植物、植物種子、または木の実に由来する1つ以上の油を含む。いくつかの実施形態において、植物、植物種子、または木の実は、大豆、ごま、オリーブ、野菜、ヒマワリ、もしくは他の植物源、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態において、油はトリグリセリドを含む。いくつかの実施形態において、油は中鎖トリグリセリドを含む。
【0296】
いくつかの実施形態において、組成物はほとんどが油である。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.95%、少なくとも約99.96%、少なくとも約99.97%、少なくとも約99.98%、または少なくとも約99.99%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、油、および、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンから本質的になる。
【0297】
いくつかの実施形態において、組成物は組成物の約1%~約100%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の約1%~約20%、約1%~約40%、約1%~約60%、約1%~約80%、約1%~約100%、約20%~約40%、約20%~約60%、約20%~約80%、約20%~約100%、約40%~約60%、約40%~約80%、約40%~約100%、約60%~約80%、約60%~約100%、または約80%~約100%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の約1%、約20%、約40%、約60%、約80%、または約100%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の少なくとも約1%、約20%、約40%、約60%、または約80%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、組成物の最大で約20%、約40%、約60%、約80%、または約100%(w/w)の量の油を含む。いくつかの実施形態において、組成物は約6.5~約8.5のpHを有する。いくつかの実施形態において、組成物は約6.7~約8.3、約7.0~約8.0、約7.2~約7.8、または約7.3~約7.7のpHを有する。いくつかの実施形態において、組成物は約7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、または8.0のpHを有する。
【0298】
いくつかの実施形態において、組成物は、オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を含む。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は魚組織から単離される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、植物源から単離される。いくつかの実施形態において、オメガ-3脂肪酸は、α-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0299】
処置方法
本明細書で提供される化合物を用いる本明細書で提供される疾患および障害の処置方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、化合物は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンである。いくつかの実施形態において、化合物はオメガ-3脂肪酸である。
【0300】
いくつかの実施形態において、化合物は、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、1日おきに1回、3日おきに1回、4日おきに1回、もしくは7日おきに1回、またはそれらの任意の組み合わせ(例えば、可変投与プロトコル)で、患者の各眼に投与される。いくつかの実施形態において、化合物は、週に1回、週に2回、週に3回、2週に1回、または3週に1回、患者の各眼に投与される。いくつかの実施形態において、化合物は、患者の各眼に1日1回投与される。
【0301】
いくつかの実施形態において、化合物は、1日2回、1日1回、1日おきに1回、3日おきに1回、4日おきに1回、もしくは7日おきに1回、またはそれらの任意の組み合わせ(例えば、可変投与プロトコル)で、患者の片眼に投与される。いくつかの実施形態において、化合物は、週に1回、週に2回、週に3回、週に1回、2週に1回、または3週に1回、患者の片眼に投与される。いくつかの実施形態において、化合物は、患者の片眼に1日1回投与される。
【0302】
いくつかの実施形態において、化合物は、片眼または両眼に対して自由に投与される。
【0303】
いくつかの実施形態において、化合物は、眼の眼表面に投与される。いくつかの実施形態において、化合物は、スポイト、ポンプ、スプレー、クリックペン、またはチューブによって投与される。
【0304】
いくつかの実施形態において、化合物は、デバイスを使用して眼窩周囲皮膚に適用される。いくつかの実施形態において、デバイスは、スポイト、ポンプ、スプレー、クリックペン、またはチューブリザーバデバイスである。いくつかの実施形態において、化合物は、ブラシ、Qチップ、またはスパーテルによって局所投与される。
【0305】
いくつかの実施形態において、化合物は、眼パッドを使用して眼窩周囲皮膚に適用される。アイパッチとしても知られている眼パッドは、眼の眼窩周囲領域を覆うのに充分な大きさの小さい(かつ無菌であり得る)パッドであり、眼窩周囲または眼瞼投与のための製剤の吸収のために特に設計される。いくつかの実施形態において、眼パッドは、あらかじめ選択された用量の有効成分を含む。対象は、特定の期間、眼窩周囲皮膚に眼パッドを適用してもよい。時間は、所望の有効成分の所望の用量に依存し得る。いくつかの実施形態において、眼パッドは、1分、5分、10分、20分、30分、45分、または1時間、患者の眼窩周囲皮膚に適用されてもよい。
【0306】
いくつかの実施形態において、デバイスは、患者の眼窩周囲皮膚上に均一にあらかじめ選択された投与量を放出する。いくつかの実施形態において、化合物は、ローラーデバイスによって眼窩周囲皮膚に適用される。いくつかの実施形態において、化合物は、Qチップによって眼窩周囲皮膚に適用される。いくつかの実施形態において、化合物は、スパーテルよって眼窩周囲皮膚に適用される。いくつかの実施形態において、適用プロセスは、目盛り付きスポイト、シリンジ、クリックペン、またはピペットの使用から開始されてもよい。
【0307】
防腐剤を含まない製剤を使用することが有益であり得る。いくつかの実施形態において、化合物は、使い捨て容器に入れられる。いくつかの実施形態において、使い捨て容器はブローフィルシール(blow-fill-seal)カプセルである。いくつかの実施形態において、使い捨て容器はソフトゲルカプセルである。いくつかの実施形態において、化合物は、複数回使用容器に入れられる。いくつかの実施形態において、複数回使用容器は、エアレスポンプまたは点眼ボトル(drop bottle)である。いくつかの実施形態において、パーケージングは、オメガ-3脂肪酸の酸化によって引き起こされ得る魚臭を最小限に抑えるように設計される。
【0308】
いくつかの実施形態において、化合物は、上眼瞼の上方、下眼瞼の下方、または上眼瞼の上方と下眼瞼の下方の両方の眼窩周囲皮膚に投与される。いくつかの実施形態において、化合物は上眼瞼の上に投与される。いくつかの実施形態において、化合物は、下眼瞼の下に投与される。いくつかの実施形態において、化合物は、上眼瞼の上と下眼瞼の下の両方に投与される。
【0309】
いくつかの実施形態において、眼窩周囲皮膚を通る浸透は、浸透促進剤、テープストリップピング(tape-stripping)、マイクロダーマブレーション(microdermabrasion)、溶媒、パルスレーザー、およびイオン導入によって増加され、これは、リポソーム中またはナノ粒子中に巨大分子、例えば、抗体、siRNAを送達するのに有用であることが分かっている(Fukuta et al. (2020) J Control Release 10: 323-332.)。
【0310】
いくつかの実施形態において、化合物は、デバイスを使用して眼瞼皮膚に適用される。いくつかの実施形態において、デバイスは、スポイト、ポンプ、スプレー、クリックペン、またはチューブリザーバデバイスである。いくつかの実施形態において、化合物は、ブラシ、Qチップ、またはスパーテルによって局所投与される。
【0311】
いくつかの実施形態において、デバイスは、患者の眼瞼皮膚上に均一にあらかじめ選択された投与量を放出する。いくつかの実施形態において、化合物は、ローラーデバイスによって眼瞼皮膚に適用される。いくつかの実施形態において、化合物は、Qチップによって眼瞼皮膚に適用される。いくつかの実施形態において、化合物は、スパーテルよって眼瞼皮膚に適用される。いくつかの実施形態において、適用プロセスは、目盛り付きスポイト、シリンジ、クリックペン、またはピペットの使用から開始されてもよい。
【0312】
いくつかの実施形態において、眼瞼皮膚を通る浸透は、浸透促進剤、テープストリップピング(tape-stripping)、マイクロダーマブレーション(microdermabrasion)、溶媒、パルスレーザー、およびイオン導入によって増加され、これは、リポソーム中またはナノ粒子中に巨大分子、例えば、抗体、siRNAを送達するのに有用であることが分かっている(Fukuta et al. (2020) J Control Release 10: 323-332.)。
【0313】
いくつかの実施形態において、化合物は、予防的に、緊急介入として、または所望の改善効果を達成するために必要に応じて、投与される。
【0314】
特定の定義
本明細書と添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別のことを指定していない限り、複数の指示対象を含む。ゆえに、例えば、「薬剤(an agent)」への言及は複数のこのような薬剤を含み、「細胞」への言及は1以上の細胞(または複数の細胞)、および当業者に知られている同等物などへの言及を含む。分子量などの物理的特性、または化学式などの化学的特性に関する範囲が本明細書で使用されているとき、範囲のすべての組み合わせと部分的な組み合わせ、および範囲内の具体的な実施形態は包含されるように意図されている。数または数の範囲について言及するときの用語「約」は、言及される数または数の範囲が、実験的な可変性の範囲内の(または統計的実験誤差内の)概算であることを意味し、故に、数または数の範囲は明示された数または数の範囲の1%-15%の間で変動することがある。用語「含んでいる(comprising)」(および、「含む(comprise)」または「含む(comprises)」、または「有している(having)」または「含んでいる(including)」などの関連語)は、他の実施形態において、例えば、本明細書に記載される任意の合成物、組成物、方法、またはプロセスなどの実施形態が、記載された特徴「~からなる」または「~から本質的になる」場合があることを除外することを意図したものではない。
【0315】
明細書において使用されるような「処置する」または「処置」は、臨床的結果を含む、対象の疾病における有益な結果または望ましいは結果を得るためのいかなるアプローチも含む。有益なまたは所望の臨床結果には、限定されないが、1つ以上の症状または状態の緩和または改善、疾患の程度の減少、疾患の状態の安定化(すなわち、悪化しない)、疾患進行の遅延または緩徐化、疾患の改善、疾患の再発の減少が挙げられ得る。処置は、疾患が生じることを予防する、すなわち、疾患の症状を軽減する、疾患の根底にある原因を完全にまたは部分的に除去する、疾患の持続期間を短縮する、または上記の組み合わせを行う。
【0316】
明細書において使用されるような「処置する」および「処置」は、予防処置を含むこともある。処置方法は、治療有効量の活性薬剤を対象に投与する工程を含む。投与する工程は、単回投与からなることもあれば、一連の投与を含むこともある。処置期間の長さは、疾病の重症度、患者の年齢、活性薬剤の濃度、処置において使用される組成物の活性、またはそれらの組み合わせなどの様々な因子に依存する。処置または予防のために使用される薬剤の効果的な投与量は、特定の処置または予防レジメンの経過中に増減することがあることも理解されるだろう。結果として投与量の変化が生じ、それは当該技術分野で既知の標準的な診断アッセイによって明白となり得る。いくつかの例では、長期投与が必要とされることもある。例えば、組成物は、ある量で患者を処置するのに十分な期間、対象に投与される。
【0317】
「有効量」、「治療有効量」、または「薬学的有効量」は、検出可能な量の改善から、症状の実質的な軽減/改善または疾患もしくは疾病の治癒までの範囲の効果を含む、網膜疾患または他の眼疾患に有効な活性薬剤の量を指す。その結果は、疾患の徴候、症状、もしくは原因が減少および/もしくは軽減され得るか、または、生物系の任意の他の所望の変化がもたらされ得る。例えば、治療用途のための「有効量」は、眼疾患を臨床的に著しく減少させるのに必要とされる本明細書に記載の薬剤を含む組成物の量である。例えば、所定の態様(例えば、発症の長さ)について、治療有効量は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、40%、50%、60%、75%、80%、90%、または100%の増加または減少を示すだろう。治療薬の有効性も「~倍」増加または減少すると表現され得る。例えば、治療有効量は、対照よりも少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、5倍、またはそれ以上の効果を有しうる。任意の個体の症例における適切な「有効」量は、用量漸増試験などの技術を使用して定められてもよい。
【0318】
「眼窩周囲」という用語は、眼球孔を取り囲む領域を指す。
【0319】
「眼窩前」という用語は、眼窩または眼球孔の前方の領域を指す。
【0320】
「眼瞼」という用語は、眼を覆う皮膚の可動性の襞を指す。
【0321】
「OD」は右眼を指す。
【0322】
「OS」は左眼を指す。
【0323】
「OU」は両眼を指す。
【0324】
「眼窩周囲投与」は、眼窩周囲皮膚への投与を含み、具体的には、上眼瞼、下眼瞼、および眼瞼縁への投与を除外する。
【0325】
「ローション」という用語はエマルジョン液の剤形に説明している。この剤形は通常、皮膚への外部適用のためのものである(US FDA Drug Nomenclature Monograph, number C-DRG-00201)。
【0326】
「クリーム」という用語は、エマルジョンの半固形の剤形について説明しており、通常、ビヒクルとして、>20%の水および揮発性物質、ならびに/または<50%の炭化水素、ワックス、もしくはポリオールを含有している。クリームはローションよりも粘性である。この剤形は通常、皮膚への外部適用のためのものである(US FDA Drug Nomenclature Monograph, number C-DRG-00201)。
【0327】
「軟膏」という用語は、半固形の剤形について説明しており、通常、ビヒクルとして、<20%の水および揮発性物質、ならびに/または>50%の炭化水素、ワックス、もしくはポリオールを含有している。この剤形は通常、皮膚または粘膜への外部適用のためのものである(US FDA Drug Nomenclature Monograph, number C-DRG-00201)。
【0328】
「溶液」という用語は、溶媒、または互いに混和する溶媒の混合物において溶解する1つ以上の化学物質を含有する、透明で均質な液体の剤形について説明している(US FDA Drug Nomenclature Monograph, number C-DRG-00201)。
【0329】
「懸濁液」という用語は、沈澱には十分に大きな固形微粒子を含有する不均一な混合物を指す。
【0330】
「エマルジョン」は、限定されないが、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、10-9の粒径を指すマイクロエマルジョンを意味する。
【0331】
「製剤」および「組成物」は、同等であるように意図され、製薬用途に適切な(すなわち、許容可能な薬物動態的および毒物学的特性を所有するものと同様な治療効果をもたらす)物質の組成物を指す。
【0332】
「皮膚軟化剤」は皮膚を柔らかくし和らげる薬剤である。
【0333】
「保湿剤」は皮膚を湿らせる吸湿剤である。
【0334】
「浸透促進剤」は経皮的な薬物送達を改善する薬剤である。
【0335】
「増粘剤」は最適な適用特性を達成するために製剤の粘度を増大させる。
【0336】
「眼表面」は、角膜および強膜、ならびにそれに関連する眼球結膜である。
【0337】
「眼に許容可能な組成物」は眼に投与することができる組成物である。
【0338】
「薬学的に許容可能な」は、生理学的に許容可能であることと同等であるとして使用される。特定の実施形態において、薬学的に許容可能な組成物または調製物は、保存中の緩衝および保存のための薬剤を含み、投与経路に依存して適切な送達のための緩衝剤および担体を含み得る。
【0339】
「対象」、「患者」、「個体」は、限定するようには意図されておらず、一般的には相互交換することができる。すなわち、「患者」として記載される個体は、所定の疾患を必ずしも有するわけではなく、医学の助言を単に求めていることもある。明細書において使用される「対象」という用語は、示された障害に苦しみやすい動物界のすべてのメンバーを含む。いくつかの態様において、対象は哺乳動物であり、いくつかの態様では、対象はヒトである。
【0340】
本明細書で使用されるように、「局所的な」、「局所適用」、「局所投与」、および「局所的に投与する」は、本明細書において交換可能に使用され、他に指定されない限り、対象の眼の表面または眼窩周囲皮膚に投与することを含む。局所適用または局所投与は、眼への直接的な活性薬剤の送達を結果としてもたらすこともある。
【0341】
組み合わせという用語は、改善されたまたは最適な治療上の利益および安全性を達成するために一緒に使用される別々の実体を指す。最も単純な場合において、組み合わせは、同時に投与される固定用量での2つの治療剤の組み合わせであり得る。この場合、成分は別々に製剤化されてもよく、または単一の製剤中で一緒に混合されてもよい。しかしながら、満足のいく疾患制御を達成するために、治療剤の用量およびそれらの投与の相対的タイミングは、ある程度の柔軟性を必要とすることがある。例えば、2つの治療の組み合わせにおいて、2つの治療のうちの一方の治療を最初に投与することで、他方の(第2の)薬物を添加する前に、そのベースラインの改善レベルを確立することができる。薬物の組み合わせは、異なる製剤、投与方法、および異なる投与経路による薬物の投与を含み得る。例示的な例として、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンは、同じ製剤中に存在する4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミンの有無にかかわらず、VEGF抗体の硝子体内注射、静脈内投与されたVEGF抗体、または眼窩周囲皮膚に局所的に投与されたVEGF抗体とともに、眼窩周囲皮膚に局所的に適用され得る。送達経路および方法のさらなる順列が企図される。
【0342】
「局所製剤」および「局所医薬組成物」は、本明細書において互換的に使用され、眼への局所適用に適した製剤を含む。特定される場合、局所製剤は、眼の表面への局所適用、眼の眼窩周囲皮膚への局所適用のいずれか、またはその両方に好適であり得る。局所製剤は、例えば、その使用者に治療上の利益を与えるために使用され得る。
【0343】
IP受容体は、Gタンパク質共役受容体スーパーファミリーに属する細胞表面タンパク質である。IP受容体の主要な内因性リガンドは、プロスタサイクリン(PGI2)、プロスタグランジンE1(PGE1)、および19(S)-HETE(Woodward D, et al. (2011) Pharmacol Rev 63:471-538; Tunara S et al. (2016) PLOS one 11:0163633)である。
【0344】
血小板活性化因子(PAF)受容体はさらに、Gタンパク質共役受容体スーパーファミリーに属する細胞表面タンパク質である(Ishii S et al. (2002) PGs & Other Lipid Med 68-69: 599-609)。
【0345】
SiRNAは、低分子干渉RNA(small interfering RNA)、低分子阻害RNA、および低分子干渉RNA(short interfering RNA)として様々に記載されているのと同じ実体を表す。
【0346】
実施形態
実施形態1.眼の後部の疾患または障害に苦しむ患者の上記疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量のオメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩を、患者の眼の眼瞼の外皮に投与する工程を含み、オメガ-3脂肪酸は眼の後部への送達のために製剤化される、方法。
【0347】
実施形態2.眼の後部の疾患または障害は網膜疾患を含む、実施形態1に記載の方法。
【0348】
実施形態3.網膜疾患は、網膜または脈絡膜の血管系からの出血を含む、実施形態2に記載の方法。
【0349】
実施形態4.出血は、全身性高血圧症、糖尿病、脂肪肝疾患、肥満症、揺さぶられっ子症候群、頭部外傷、貧血症、または白血病によって引き起こされる、実施形態3に記載の方法。
【0350】
実施形態5.網膜の疾患または障害は、網膜または脈絡膜の血管系からの血漿漏出を含む、実施形態2に記載の方法。
【0351】
実施形態6.血漿漏出は、全身性高血圧症、糖尿病、脂肪肝疾患、肥満症、揺さぶられっ子症候群、頭部外傷、貧血症、または白血病によって引き起こされる、実施形態5に記載の方法。
【0352】
実施形態7.網膜の疾患または障害は、網膜または脈絡膜の血管系に関与する黄斑浮腫形成を含む、実施形態2に記載の方法。
【0353】
実施形態8.眼の後部の疾患または障害は、加齢黄斑変性(滲出型および乾性型)、乾性および滲出型黄斑変性、格子状変性、黄斑円孔、黄斑パッカー、格子状変性、網膜裂孔、網膜剥離、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、網膜中心静脈閉塞、眼内腫瘍、小児、新生児、または遺伝性の網膜障害、遺伝性網膜ジストロフィー、地図状萎縮、網膜色素変性症(レーバー先天黒内障を含む)、サイトメガロウイルス(cmv)網膜感染、感染性網膜炎、網膜芽細胞腫、眼内炎、脈絡網膜炎、近視性黄斑変性および正常眼圧緑内障、緑内障における網膜変性、限定されないが、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、鎌状赤血球網膜症(Sickel cell retinopathy)、放射線/太陽性網膜症、中心性漿液性脈絡網膜症、高血圧網膜症、末梢性網膜症および神経障害を含む様々な網膜症、黄斑浮腫、網膜出血、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性黄斑虚血、地図状萎縮、シュタルガルト病、ブドウ膜炎(中間部ブドウ膜炎、後部ブドウ膜炎、および全ブドウ膜炎を含む)、または、屈折異常(近視、遠視、および乱視)である、実施形態1に記載の方法。
【0354】
実施形態9.網膜の疾患または障害は加齢黄斑変性である、実施形態205~211のいずれか1つに記載の方法。
【0355】
実施形態10.眼の後部の疾患または障害は、後部ブドウ膜炎である、実施形態1に記載の方法。
【0356】
実施形態11.患者に追加の治療剤を投与する工程をさらに含む、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法。
【0357】
実施形態12.追加の治療剤は、VEGF抗体、小分子VEGFアンタゴニスト、VEGF受容体を標的とするsiRNA、TNFα抗体、小分子TNFα受容体アンタゴニスト、TNFα受容体を標的とするsiRNA、炎症性サイトカイン受容体アンタゴニスト、炎症性サイトカインに対する抗体、チロシンキナーゼ阻害剤、セリン/トレオニン-プロテインキナーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤、ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤、免疫抑制薬、抗コリン作動薬、サリドマイド、プロスタグランジン受容体アンタゴニスト、神経保護剤、神経栄養剤、神経再生剤、眼圧降下薬、抗生物質、抗ウイルス剤、補体阻害剤、インターロイキン受容体阻害剤、ロイコトリエン受容体阻害剤、腫瘍形成と発育の阻害剤、血管新生阻害剤、または抗酸化もしくは抗微小血管漏出特性を有する剤である、実施形態11に記載の方法。
【0358】
実施形態13.オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、予防的に、緊急介入として、または所望の改善効果を達成するために必要に応じて、投与される、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0359】
実施形態14.オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、組成物として投与される、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
【0360】
実施形態15.オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、組成物の約0.0001%~約10%(w/w)の量で存在する、実施形態1に記載の方法。
【0361】
実施形態16.組成物は、水溶液、非水溶液、油性溶液、ゲル、懸濁液、エマルジョン、ローション、クリーム、または軟膏である、実施形態14または15に記載の方法。
【0362】
実施形態17.組成物は軟膏である、実施形態14~16のいずれか1つに記載の方法。
【0363】
実施形態18.軟膏はワセリン、蜜蝋、またはカカオバターを含む、実施形態17に記載の方法。
【0364】
実施形態19.軟膏はワセリンおよび中鎖トリグリセリドを含む、実施形態17または18に記載の方法。
【0365】
実施形態20.中鎖トリグリセリドは、C6、C8、C10、およびC12脂肪酸の混合物を含む、実施形態19に記載の方法。
【0366】
実施形態21.中鎖トリグリセリドは、カプリル酸およびカプリン酸の混合物を含む、実施形態19または20に記載の方法。
【0367】
実施形態22.軟膏は、約1:1(v/v)、約2:1(v/v)、約3:1(v/v)、約4:1(v/v)、約5:1(v/v)、または約6:1(v/v)の比でワセリンと中鎖トリグリセリドを含む、実施形態17~21のいずれか1つに記載の方法。
【0368】
実施形態23.軟膏は、約4:1(v/v)の比でワセリンと中鎖トリグリセリドを含む、実施形態22に記載の方法。
【0369】
実施形態24.組成物は水溶液である、実施形態14~16のいずれか1つに記載の方法。
【0370】
実施形態25.水溶液はポリオキシルヒマシ油を含む、実施形態24に記載の方法。
【0371】
実施形態26.ポリオキシルヒマシ油は、ポリエチレングリコール(PEG)化((PEG)-ylated)ヒマシ油である、実施形態25に記載の方法。
【0372】
実施形態27.ポリオキシルヒマシ油はポリオキシル35ヒマシ油である、実施形態25または26に記載の方法。
【0373】
実施形態28.ポリオキシル35ヒマシ油は、組成物の約0.1%~約5%、約0.1%~約10%、約0.1%~約15%、または約0.1%~約20%(w/w)の量で存在する、実施形態27に記載の方法。
【0374】
実施形態29.組成物は眼表面潤滑剤を含む、実施形態24~28のいずれか1つに記載の方法。
【0375】
実施形態30.オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、スポイト、ポンプ、スプレー、クリックペンまたはローラー/リザーバーデバイスによって患者の眼の眼瞼の外皮に適用される、実施形態1~29のいずれか1つに記載の方法。
【0376】
実施形態31.オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、ブラシ、Qチップ、またはスパーテルによって患者の眼の眼瞼の外皮に適用され、適用プロセスは任意選択で、目盛り付きスポイト、シリンジ、クリックペン、またはピペットの使用から開始される、実施形態1~29のいずれか1つに記載の方法。
【0377】
実施形態32.眼瞼皮膚への浸透は、テープストリップピング(tape-stripping)、マイクロダーマブレーション(microdermabrasion)、溶媒、パルスレーザー、イオン導入、またはそれらの組み合わせによって補助される、実施形態1~31のいずれか1つに記載の方法。
【0378】
実施形態33.オメガ-3脂肪酸、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、1日4回、1日3回、1日2回、1日1回、1日おきに1回、3日おきに1回、4日おきに1回、または7日おきに1回、患者の各眼の眼瞼の皮膚に投与される、実施形態1~32のいずれか1つに記載の方法。
【0379】
実施形態34.オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、1日1回投与される、実施形態33に記載の方法。
【0380】
実施形態35.追加の治療剤は、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩である、実施形態11に記載の方法。
【0381】
実施形態36.オメガ-3脂肪酸またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩、および、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン、またはその薬学的に許容可能なエステルもしくは塩は、単一組成物として製剤化および投与される、実施形態35に記載の方法。
【実施例
【0382】
実施例1:両眼の表面へのJV-DE1局所眼投与に関するウサギ研究
網膜のバイオアベイラビリティ試験を、4,5-ジヒドロ-N-[4-[[4-(1-メチルエトキシ)フェニル]メチル]フェニル]-1H-イマダゾール-2-アミン(コード記号 JV-DE1が割り当てられる)で実施した。この研究は、点眼薬に製剤化され、前眼部表面の両側に投与された化合物が網膜において生物学的に利用可能であるという示唆を与えるものであった。JV-DE1のこの薬物動態および眼組織分布研究をニュージーランドウサギで行った。簡潔に述べると、5匹のウサギ(オス)に、両眼に0.12mg/眼の用量でJV-DE1を点眼により投与した。血液試料(1mL)を、両眼への単回眼投与の0、0.5、2、4、8、および24時間後に採取した。各時点で、血液採取後に1匹の動物を安楽死させ、次いで両眼から眼組織試料を採取した。眼房水、眼球結膜、前強膜、後強膜(視神経出口領域)、網膜、角膜、毛様体、および虹彩を採取し、計量した。その後、試料を超低温フリーザーに保存した。続いて、試料中の薬物濃度をLC-MS/MS法により決定した。結果を図2A(右眼)および図2B(左眼)に示す。
【0383】
血漿中のJV-DE1の濃度は、眼投与後のニュージーランドウサギでは低かった。Cmaxは、投与後0.5時間で約2ng/mLであり、投与後24時間で良好なクリアランスであった。JV-DE1は眼組織に広く分布しており、薬物投与は両側性であったため、左眼と右眼で有意な差はなかった。JV-DE1眼組織レベルは、投与後8時間にわたって良好に維持されたが、24時間までに低下した。角膜、前強膜、および眼球結膜は、両眼において最も高いレベルのJV-DE1を有していたが、JV-DE1レベルは、眼球内に位置するこれらの構造ではより低かった。最も有意な知見は、網膜、および網膜の下にあって網膜を支持する後強膜において、予想外に高いレベルのJV-DE1であったことである。これらのデータは、低い血漿レベルと共に、賦形剤としてポリオキシル35ヒマシ油を含有する製剤中のJV-DE1が、治療上有効な薬物濃度を眼の網膜および後極に送達することができたという明確な指標を提供した。
【0384】
実施例2:片眼の表面へのJV-DE1局所眼投与に関するウサギ研究
JV-DE1の薬物送達が、点眼薬の前眼部表面組織との接触後に血液循環を介する以外に、眼の再分布に本質的に限定されたことを検証するために、単眼薬物適用研究を実施した。JV-DE1を、pH7.6のTBS中の2.4%のCrELおよび0.2%のグリセロール中で製剤化した。CrELはポリオキシル35ヒマシ油である。ポリオキシル35ヒマシ油の他の名称としては、マクロゴールグリセロールリシノレエート、PEG-35ヒマシ油、およびポリオキシル35硬化ヒマシ油が挙げられる。簡潔に述べると、生体内動態実験のために、JV-DE1を、0.12mg/眼の用量で、片眼(OD)に、前記眼への点眼を介して投与した。血液試料(1mL)を、単回の点眼薬の眼投与の0、0.5、2、6、および24時間後に採取した。上記時点の各時点で、血液採取後に1匹の動物を安楽死させ、選択した眼組織試料を両眼から採取した。眼房水、眼球結膜、前強膜、後強膜(視神経出口領域)、網膜、角膜、毛様体、および虹彩を採取し、計量した。その後、試料を超低温フリーザーに保存した。続いて、試料中のJV-DE1濃度をLC-MS/MS法により決定した。図3Aは、JV-DE1が様々な時点で投与された眼の様々な部分におけるJV-DE1の濃度を示す。図3Bは、反対側の眼への投与後の様々な時点でJV-DE1を投与されなかった眼の様々な部分におけるJV-DE1の濃度を示す。
【0385】
血漿中のJV-DE1の濃度は、単眼投与後のニュージーランドウサギでは低かった。Cmaxは、投与後0.5時間で約0.95ng/mLであり、投与後24時間までは完全なクリアランスであった。JV-DE1は、化合物を投与された眼(OD)の眼組織に広く分布していた。眼組織レベルでのJV-DE1の濃度は、投与後8時間にわたって良好に維持されたが、24時間までに低下した。角膜、前強膜、および眼球結膜は、処置された眼において最高レベルのJV-DE1を有し、これは、毛様体/虹彩、後強膜、および網膜におけるJV-DE1レベルよりも約100倍高かった。最も有意な知見は、硝子体液中のJV-DE1の予想外のレベルであった。対側の未処置の眼(OS)では、化合物は角膜、後強膜、および網膜においてのみ検出された。しかし、対側の未処置の眼の網膜におけるJV-DE1レベルは、処置された眼のものの10分の1であった。これらのデータは、低血漿レベルと共に、薬物の90%が、眼表面に局所投与された点眼薬の眼球内再分布によって医薬レベルで網膜に到達したことを示した。約10%のみが血流からの送達によって網膜に到達した。
【0386】
実施例3:片眼の眼窩周囲皮膚に投与したJV-DE1のカニクイザル研究
眼球の前部を取り囲む眼窩周囲皮膚への局所適用後のその生体内動態を決定することを含むJV-DE1に関する追加の実験を行った。
【0387】
JV-DE1を中鎖トリグリセリド(MCT)油中で製剤化した。約0.16mgの量のJV-DE1製剤を、眼球の前部を取り囲む眼窩周囲皮膚への円周方向の局所適用によって片眼(OD)に投与した。血液試料(1mL)を、右眼(OD)の眼窩周囲皮膚への単回投与の0、0.5、2、6、および24時間後に採取した。上記あらかじめ指定された時点の各時点で、血液採取後に1匹の動物を安楽死させ、選択した眼組織試料を両眼から採取した。以下の代表的な組織:上眼瞼、角膜、網膜、および硝子体液を採取した。続いて、試料中のJV-DE1濃度をLC-MS/MS法により決定した。結果を以下の表1にまとめている。
【0388】
【表1】
【0389】
血漿中のJV-DE1の濃度は、単回用量の単眼眼窩周囲投与後のカニクイザルでは低かった。Cmaxは、投与期間後6時間にかけて約0.13~0.26ng/mLであり、投与後24時間で完全なクリアランスであった。JV-DE1の濃度は、上眼瞼(適用部位)において最も高かった。網膜におけるJV-DE1濃度は、>200倍~>500倍で角膜における濃度を大幅に超えた。
【0390】
眼窩周囲皮膚への適用後のJV-DE1の眼分布は、眼表面への従来の点眼薬投与に関連する分布とはまったく異なっていた。眼窩周囲投与後の後眼部への化合物の送達は、角膜への化合物の送達よりも実質的に多かった。対照的に、点眼薬投与は、眼窩周囲送達よりもはるかに多くのJV-DE1を角膜および他の前眼部組織(図2A、2B、3A)に送達した。それにもかかわらず、両方の投与経路は、ヒトIP受容体およびPAF受容体に対して得られたJV-DE1 pK値に従って、治療的に意味のある濃度のJV-DE1を網膜および角膜に送達することができた(Bley et al., 2006)。驚くべき発見は、JV-DE1を網膜に送達した眼窩周囲または点眼薬の投与がIPおよびPAF受容体におけるpK値を大幅に超え、その結果、完全な拮抗作用が24時間にわたって達成されることになるということである。網膜および硝子体液に送達されるJV-DE1の高レベルおよび一貫したレベルは、眼に送達される薬物のかなりの量が眼に留まることを示唆している。硝子体液および網膜におけるJV-DE1の急速な蓄積は、特定の条件下で特定の薬物浸透に対するほぼ「開放された経路(open pathway)」を示唆している。
【0391】
眼窩周囲皮膚層から眼瞼に送達される化合物の生体内分布は、以前は実験的調査の対象ではなかった。上眼瞼縁に適用されたビマトプロストは、眼瞼縁の上方の色素沈着過剰誘発皮膚変色が起こらないため、眼窩周囲皮膚には到達しないことが、膨大な患者体験の宝庫から知られている。眼窩周囲皮膚への適用後、上眼瞼において高レベルのJV-DE1が達成された(表1を参照)。JV-DE1は、この薬物動態および生体内分布研究においてサルの右眼(OD)にNIODPを介して165.30±4.65μg/眼(平均±SEM)の用量で投与した。試料処理の便宜上、上眼瞼のみを採取した。24時間後、かなりの量の薬物が上眼瞼/眼窩周囲領域に残った。1000ng/gを超える(すなわち、>1μg/g)同様の量の薬物が網膜に見られ、投与後のすべての試験時点でそのような高いレベルのままであった。他方、薬物レベルは、角膜および硝子体液において最も低かった。網膜で保持された薬物レベルは、投与後0.5、3、6、および24時間の各試験時点で角膜よりも200倍超高かった。JV-DE1は、投与後6時間で網膜において23929.5ng/g(23.9μg/g)のその最大濃度であったが、血漿濃度は0.3ng/ml未満のままであり、定量下限(LLOQ、0.1ng/ml)付近であった。
【0392】
実施例4:眼窩周囲に投与したドコサヘキサエン酸のカニクイザル研究
眼窩周囲皮膚への適用による眼の後部組織、特に網膜への化合物の送達は、JV-DE1に制限または限定されない。これは、表2に示す著しく異なる化合物ドコサヘキサエン酸(DHA)で得られた結果によって支持される。リノール酸中の14.85mg/mLのβ-カロテン+198.02mg/mLのDHAを含む油性溶液を、眼球の前部を取り囲む眼窩周囲皮膚への円周方向の局所適用によって片眼(OD)に投与した。血液試料(1mL)を、片眼(OD)の眼窩周囲皮膚への単回投与の0、0.5、2、6、および24時間後に採取した。上記あらかじめ指定された時点の各時点で、血液採取後に1匹の動物を安楽死させ、選択した眼組織試料を両眼から採取した。以下の代表的な組織:上眼瞼、角膜、網膜、および硝子体液を採取した。試料中のDHA濃度をLC-MS/MS法により決定した。結果を以下の表2にまとめている。DHAは、薬物動態および生体内分布研究においてサルの左眼にNIODPを介して6775.1±92.5μg/眼(平均±SEM)の用量で投与した。再度、試料処理の便宜上、上眼瞼のみを採取した。かなりの量のDHA(>10μg/g)が、投与の0.5、3、6、および24時間後のすべての試験時点で、上眼瞼/眼窩周囲領域、網膜、および角膜で残っていた。DHAは投与後0.5時間で、網膜において110.9μg/gの最大値に急速に達した。硝子体液において、DHAは、定量限界を下回った(BLQ)ままであり、定量下限(LLOQ)は0.5μg/mlであった(図3)。BLQベースラインと比較して、DHAの血漿濃度は1.2~3.1μg/mlであり、NIODPを介して3.65~9.4mM(MW 328.5)と同等であった。血漿Cmaxは投与の5時間後であった。
【0393】
【表2】
【0394】
ドコサヘキサエン酸(DHA)の血漿レベルは、24時間の実験時間の経過を通して本質的に安定していた。投与の0.5、3、6、および24時間後にそれぞれ2.2、3.1、2.1、および1.2μg/mLであった。このDHAの血漿濃度は、サルにおいてその内因性レベル(<0.5μg/ml)より約2~6倍有意に上昇することが分かった。これは、NIODP送達も、ヒト身体の全身健康のためにDHAのより高い全身循環を達成するために有益であり得ることを意味している。AMD処置および他の網膜疾患のためのより多くのDHAオメガ-3臨床試験は、NIODP経路を使用して行われなければならない。NIODPは、眼への注射の必要性をなくすか、または有意に低減し、その結果、網膜薬物送達のために選択される現在の方法を崩壊させる可能性を有する。JV-DE1と比較して、DHAは眼組織に急速に浸透し、上眼瞼における適用部位において急速に減少した。
【0395】
逆に、製剤のβ-カロテン成分は、表3に示すように、投与後に容易に取り込まれず、生体内分布しなかった。したがって、すべての化合物が容易に取り込まれ、眼の後部に分布するわけではない。
【0396】
【表3】
【0397】
眼窩周囲皮膚に適用される化合物の投与は、驚くべきことに、後眼部、ならびに眼表面および眼瞼に治療的かつ有益に有効な量を提供する。眼窩周囲への適用は、化合物を網膜に供給するのに特に有利であった。示される投与経路は、理論によって限定されるものではないが、眼窩周囲投与後の硝子体液および網膜への好ましい浸透が水晶体を迂回することを含み、このことは、点眼薬の場合に、前眼部から網膜を含む眼後部への薬物の通過に大きな障害を提供することを示唆している。
【0398】
実施例5:非侵襲性の眼窩周囲眼用薬物送達
薬物は溶解され、眼の眼窩周囲皮膚への投与によって、非侵襲性かつ非刺激性の製剤を介して眼の前部および後部の両方に送達される。親油性である薬物は、好ましくは眼のこれらの部分に運ばれる。薬物が眼窩周囲皮膚の角質層を通過すると、薬物は、結膜を介して強膜水チャネルに受動的に拡散し得る。強膜水チャネル内の生理学的pHでイオン化可能であり得る薬物は、好ましくは、眼の後部に運ばれ、網膜へのアクセスを制限する保護的な解剖学的および生理学的な障壁によってもたらされる制限を克服する。
【0399】
実施例6:眼組織における内因性DHAレベル
表2に示す眼窩周囲皮膚への投与後の眼組織におけるDHAの生体内分布は、DHAの内因性レベルによるものではない(DHAは生物内から生じ、いかなる外部因子にも起因しない)。眼組織内のDHAの内因性レベルは無視できる。表4は、μg/mLで測定された、眼組織に存在するDHAの内因性レベルを示す。表4における測定の前に、患者にはいかなる薬物製剤も投与しなかった。
【0400】
【表4】
【0401】
実施例7:眼組織における内因性β-カロテンレベル
表3に示す眼窩周囲皮膚への投与後の眼組織におけるβ-カロテンの生体内分布は、β-カロテンの内因性レベルによるものではない(β-カロテンは生物内から生じ、いかなる外部因子にも起因しない)。眼組織内のβ-カロテンの内因性のレベルは無視できる。表5は、μg/mLで測定された、眼組織に存在するβ-カロテンの内因性レベルを示す。表5における測定の前に、患者にはいかなる薬物製剤も投与しなかった。
【0402】
【表5】
【0403】
実施例8:非侵襲性の眼瞼眼用薬物送達
薬物は溶解され、眼の眼瞼皮膚への投与によって、非侵襲性かつ非刺激性の製剤を介して眼の前部および後部の両方に送達される。親油性である薬物は、好ましくは眼のこれらの部分に運ばれる。薬物が眼瞼皮膚の角質層を通過すると、薬物は、結膜を介して強膜水チャネルに受動的に拡散し得る。例えば、DHAおよびJV-DE1は両方とも親油性であり、つまり、両方の化合物は1以上の予測された親油性指標を有する。DHAの予測された親油性指標(対数P値)は約6.8である。JV-DE1の予測された親油性指標(対数P値)は約3.36である。強膜水チャネル内の生理学的pHでイオン化可能であり得る薬物は、好ましくは、眼の後部に運ばれ、網膜へのアクセスを制限する保護的な解剖学的および生理学的な障壁によってもたらされる制限を克服する。例えば、DHAは-1の生理的な電荷を有する。同様に、JV-DE1は+1の生理的な電荷を有する。生理学的なpHの1つを超えるイオン化中心を有する化合物は、眼の後部に到達する可能性が高い。
【0404】
実施例9:JV-DE1およびDHAの薬物送達のための点眼薬との非侵襲性眼送達プラットフォームの比較
非侵襲性眼送達プラットフォーム(NIODP)は、眼窩周囲皮膚への経皮投与と、眼組織のμg/gを超える眼薬、特に網膜薬を送達するための適切な薬物製剤との組み合わせである。眼の抗炎症性および抗微小血管漏出特性を有する高用量(>1μg/g)のJV-DE1を、点眼薬として眼の前眼房に送達することができ、および、NIODPを介して眼の後眼房、特に網膜に送達することができることが実証された。点眼薬として投与されたJV-DE1の体内分布用量勾配は、角膜≧結膜≧前強膜≒虹彩≧毛様体≧後強膜≧眼房水≧網膜であった。NIODPを介した生体内分布は、眼瞼≧網膜≧角膜≧硝子体液であった。オメガ-3抗酸化剤のドコサヘキサエン酸(DHA)もNIODPを介して投与した。DHAについては、NIODPを介した投与のための用量勾配は、眼瞼≒網膜>角膜>>硝子体液=0であった。点眼剤として投与されたJV-DE1は、角膜において高濃度を達成したが、虹彩および毛様体において捕捉され、前眼房水中の濃度は、非常に低いままであり(網膜における濃度とほぼ同じくらい低い)、硝子体液を通過して網膜に至るさらなる拡散の運動量を失ったように見えた。他方、JV-DE1は、結膜から後強膜を通って網膜までの強膜経路を通して良好な濃度勾配のままであった。したがって、JV-DE1点眼薬の60ng/g未満の網膜分布は、角膜経路を介するのではなく強膜経路を介する可能性が高い。
【0405】
同様に、硝子体液中の薬物が、たとえ薬物濃度が角膜中で高かったとしても(DHA)、かなり低かった(JV-DE1)かBLQ(DHA)かのいずれかであったため、JV-DE1およびDHAは、NIODPによって送達された場合に、強膜経路を介して網膜にも到達するようである。この観察は、結膜/強膜注射(眼窩周囲皮膚の下)を介して、非イオン性ノミセル(nomicelles)は、角膜経路を通って網膜に拡散するよりも、強膜水チャネルを通って拡散して網膜に到達することができたという以前の報告と一致している。強膜水チャネルは、水性媒体中のコラーゲン線維、プロテオグリカン、および糖タンパク質のネットワークである。分子量、半径、電荷、および親油性などの薬物の物理化学的特性に応じて、強膜経路は、特定の薬物が前眼部障壁(水晶体、虹彩、および毛様体)を迂回し、薬物を眼の後部に運ぶためのより容易な経路を提供する。
【0406】
図4に要約されるように、点眼薬経路を介して投与される場合、ほとんどの薬物は、角膜経路を通って運ばれ、まれにごくわずかなレベルで網膜に到達するだけである。しかしながら、NIODP経路を介して適用される場合、いったん眼窩周囲皮膚の角質層を通して浸透すると、薬物は、強膜水チャネル(「強膜経路」)を通って網膜に受動的に拡散するか、または角膜経路をとって前眼部に至ることができる。NIODPは、角膜経路を介して前眼部へ、および強膜経路を介して後眼部へ高用量で化合物を送達することができるが、点眼薬は、ほとんどが角膜経路を介して眼の前部へ薬物(JV-DE1)を送達する。標的組織における有効な薬物濃度は、ドライアイ疾患(DED)および他の前眼部炎症性疾患(AOID)、加齢黄斑変性(AMD)、他の後眼部炎症性疾患(POID)および神経変性眼疾患などの標的疾患の処置の成功と、これらの炎症性疾患および神経変性疾患に関連する、結果として生じる視力低下および刺激の進行の予防の成功とを決定する。
【0407】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され、説明されてきたが、そのような実施形態はほんの一例としてのみ提供されることが当業者には明らかであろう。本発明が明細書内で提供される特定の例によって制限されることは意図されていない。本発明は前述の明細書に関して記載されているが、本明細書中の実施形態の記載および例示は、限定的な意味で解釈されることを意味するものではない。当業者であれば、多くの変形、変更、および置換が、本発明から逸脱することなく思い浮かぶであろう。さらに、本発明のすべての態様は、様々な条件および変数に依存する、本明細書で説明された特定の描写、構成、または相対的な比率に限定されないことが理解されよう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替案が、本発明の実施に際して利用され得ることを理解されたい。それゆえ、本発明は、任意のそのような代替物、修正物、変形物、または同等物にも及ぶものと企図される。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義し、この特許請求の範囲内の方法および構造体、ならびにその均等物がそれによって包含されることが意図されている。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
【国際調査報告】