(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】X線撮像システムのための患者シールドおよびその方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/06 20060101AFI20240311BHJP
A61B 6/02 20060101ALI20240311BHJP
A61B 6/42 20240101ALI20240311BHJP
A61B 6/50 20240101ALI20240311BHJP
【FI】
A61B6/06 500
A61B6/02 500A
A61B6/42 500Z
A61B6/50 500E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558178
(86)(22)【出願日】2022-03-21
(85)【翻訳文提出日】2023-10-11
(86)【国際出願番号】 US2022021139
(87)【国際公開番号】W WO2022204024
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501214292
【氏名又は名称】ホロジック, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Hologic, Inc.
【住所又は居所原語表記】250 Campus Drive, 01752 Marlborough, MA,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】デフレイタス, ケネス エフ.
(72)【発明者】
【氏名】レン, バオルイ
(72)【発明者】
【氏名】バーチフィールド, ブレント エル.
(72)【発明者】
【氏名】ジン, ジェンシュエ
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093AA11
4C093CA34
4C093CA37
4C093DA06
4C093EC15
4C093ED21
4C093FA55
(57)【要約】
撮像システムが、ガントリと、圧縮アームアセンブリとを含む。圧縮アームアセンブリは、圧縮パドルを支持する支持アームと、プラットフォームと、X線レセプタとを含む。X線管ヘッドが、X線源を含む。患者シールドシステムが、圧縮パドルとX線源との間に配置される。患者シールドシステムは、アームと、キャリアと、シールドと、キャリア上でシールドを支持する少なくとも1つの脚部とを含む。0°管ヘッド角度が、X線源が支持プラットフォームに直交していることとして画定され、少なくとも1つの脚部は、少なくとも1つの脚部が-8°~-15°および+8°~+15°管ヘッド角度であるように、支持アーム上に位置付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の乳房を撮像するための撮像システムであって、前記撮像システムは、
ガントリと、
前記ガントリに回転可能に結合された圧縮アームアセンブリであって、前記圧縮アームアセンブリは、圧縮パドルを支持する支持アームと、プラットフォームと、前記プラットフォームの下方に配置されたX線レセプタとを備えている、圧縮アームアセンブリと、
前記ガントリに回転可能に結合され、前記圧縮アームアセンブリに対して独立して回転可能であるX線管ヘッドであって、前記X線管ヘッドは、前記X線管ヘッドを介して第1の平面に沿って移動可能であるX線源を備えている、X線管ヘッドと、
少なくとも部分的に前記圧縮パドルと前記X線源との間に配置された患者シールドシステムと
を備え、
前記患者シールドシステムは、
前記支持アームに除去可能に結合されたアームと、
前記アームにスライド可能に結合されたキャリアと、
シールドと、
前記シールドを前記キャリアに結合しているブラケットと
を備え、
前記ブラケットは、前記シールドに結合されたシールドマウントと、前記キャリアに結合されたキャリアマウントとを備え、前記シールドマウントは、前記シールドが前記キャリアに対してスライドして移動させられることを可能にするように前記キャリアマウントと係合され、前記ブラケットは、前記第1の平面に平行な第2の平面内にある前記シールドのための進行経路を画定し、前記進行経路は、弓形形状を有する、撮像システム。
【請求項2】
前記シールドは、平坦なプレートを備えている、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記進行経路に沿った前記シールドの角度変位は、少なくとも60°である、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記キャリアマウントは、前記シールドマウントに係合するように構成された支持体と、前記支持体から延び、前記キャリアに結合するように構成された脚部の対とを備え、開口部が、前記支持体、前記脚部の対、および前記キャリアによって画定され、前記開口部は、X線が前記患者シールドシステムを通過することを可能にするように形状およびサイズを決定されている、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項5】
0°管ヘッド角度が、前記X線管ヘッドが前記プラットフォームに直交していることとして画定され、前記シールドは、前記0°管ヘッド角度に対して少なくとも-30°と+30°との間で前記進行経路に沿って移動可能である、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項6】
前記シールドは、第1の縁と、反対側の第2の縁とを有し、前記シールドが、前記第1の縁に向かう方向に移動させられるとき、前記第1の縁は、30°を越えて位置付け可能であり、前記シールドが、前記第2の縁に向かう方向に移動させられるとき、前記第2の縁は、-30°を越えて位置付け可能である、請求項5に記載の撮像システム。
【請求項7】
前記ブラケットは、前記キャリアに対する前記シールドの位置を固定するための係止機構をさらに備えている、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項8】
前記弓形形状は、前記X線管ヘッドの回転軸の周りに画定されている、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項9】
患者の乳房を撮像するための撮像システムであって、前記撮像システムは、
ガントリと、
前記ガントリに回転可能に結合された圧縮アームアセンブリであって、前記圧縮アームアセンブリは、圧縮パドルを支持する支持アームと、プラットフォームと、前記プラットフォームの下方に配置されたX線レセプタとを備えている、圧縮アームアセンブリと、
前記ガントリに回転可能に結合され、前記圧縮アームアセンブリに対して独立して回転可能であるX線管ヘッドであって、前記X線管ヘッドは、X線源を備えている、X線管ヘッドと、
少なくとも部分的に前記圧縮パドルと前記X線源との間に配置された患者シールドシステムと
を備え、
前記患者シールドシステムは、
前記支持アームに除去可能に結合されたアームと、
前記アームにスライド可能に結合されたキャリアと、
シールドと、
前記キャリア上で前記シールドを支持している少なくとも1つの脚部と
を備え、
0°管ヘッド角度が、前記X線源が前記支持プラットフォームに直交していることとして画定され、前記少なくとも1つの脚部は、前記少なくとも1つの脚部が-8°~-15°および+8°~+15°管ヘッド角度であるように、前記支持アーム上に位置付けられている、撮像システム。
【請求項10】
前記X線源が、±8°管ヘッド角度にあるとき、前記少なくとも1つの脚部の画像アーチファクトは、撮像中に発生させられない、請求項9に記載の撮像システム。
【請求項11】
前記X線源が、±15°管ヘッド角度にあるとき、前記少なくとも1つの脚部の画像アーチファクトは、撮像中に発生させられない、請求項9に記載の撮像システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの脚部の断面外形は、形状において円形である、請求項9に記載の撮像システム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの脚部は、脚部の対を備えている、請求項9に記載の撮像システム。
【請求項14】
患者の乳房を撮像する方法であって、前記方法は、
第1の撮像位置において圧縮アームアセンブリを位置付けることであって、前記圧縮アームアセンブリは、圧縮パドルを支持する支持アームと、プラットフォームと、前記プラットフォームの下方に配置されたX線レセプタとを含む、ことと、
前記圧縮パドルと前記プラットフォームとの間で前記患者の乳房を固定することと、
少なくとも部分的に前記患者とX線管ヘッドのX線源のX線場との間にシールドを位置付けることであって、前記シールドは、少なくともアームおよびキャリアによって前記支持アームに結合され、前記シールドは、前記キャリアを介して前記アームに沿って線形に、かつブラケットを介して前記アームに直交する平面に沿って横方向に前記支持アームに対して移動可能であり、前記シールドの進行経路は、横断面に沿って形状において弓形である、ことと、
少なくとも1つの第1の撮像モードにおいて1つ以上の第1のX線画像を取得することであって、前記少なくとも1つの第1の撮像モードは、0°管ヘッド角度に対して±7°以下の管ヘッド角度にある、ことと、
第2の撮像モードにおいて1つ以上の第2のX線画像を取得することであって、前記第2の撮像モードは、前記0°管ヘッド角度に対して±7°を上回る管ヘッド角度にあり、前記シールドは、前記第2の撮像モードのX線場に対して位置付けられる、ことと
を含む、方法。
【請求項15】
前記圧縮アームアセンブリに対する前記シールドの位置を係止することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの第1の撮像モードは、トモシンセシス撮像を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの第1の撮像モードは、マンモグラフィ撮像を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの第1の撮像モードは、トモシンセシスおよびマンモグラフィ撮像を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の撮像モードは、拡張トモシンセシスである、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記圧縮アームアセンブリを位置付けることは、MLO撮像位置において前記圧縮アームアセンブリを位置付けることを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、PCT特許国際出願として2022年3月21日に出願され、2021年8月6日に出願された米国仮出願第63/260,029号および2021年3月26日に出願された米国仮出願第63/166,820号の利益および優先権を主張し、それらの出願は、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
X線撮像中の圧縮は、いくつかの目的を果たす。例えば、それは、(1)X線束の方向において乳房をより薄くし、それによって、圧縮されていない乳房のより厚い部分を撮像するために要求されるレベルから患者放射線暴露を減らし、(2)X線束の方向において厚さにおいて乳房をより均一にし、それによって、乳房画像全体にわたる像平面におけるより均一な暴露を促進し、(3)X線照射中に乳房を固定し、それによって、画像ぼけを減らし、(4)乳房組織を胸壁から外に、撮像照射野の中に至らせ、したがって、より多くの組織の撮像を可能にする。乳房が、圧縮されているとき、典型的に、技師は、乳房を操作し、それを適切に位置付け、乳房組織を胸壁に向かって画像野から外に押す圧縮が有する傾向に対抗する。
【0003】
マンモグラフィおよびトモシンセシスのための標準的な圧縮方法は、移動可能な剛体の放射線透過性圧縮パドルを使用する。乳房は、典型的に、平坦である乳房支持プラットフォーム上の撮像エリア内に設置され、パドルは、次いで、通常、技師または他の医療専門家が乳房を定位置に保持している間、乳房を圧縮する。技師は、画像レセプタの視野内の適切な組織撮像範囲を確実にするためにも乳房を操作し得る。加えて、患者シールドが、技師によって患者とX線場との間に位置付けられ、患者が画像の中に侵入することを制限し得る。
【0004】
少なくともいくつかの公知の患者シールドが、撮像システムに結合され、それらは、標準的なマンモグラフィおよびトモシンセシス撮像のために形状およびサイズを決定されている。しかしながら、いくつかの公知の撮像システムは、増加したより広角の撮像位置(例えば、管ヘッドによる60°掃引)も可能にし、それは、患者シールドが及ぶべき撮像エリアを増加させる。したがって、患者シールドの改良が、所望される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一側面において、技術は、患者の乳房を撮像するための撮像システムに関し、撮像システムは、ガントリと、ガントリに回転可能に結合された圧縮アームアセンブリであって、圧縮アームアセンブリは、圧縮パドルを支持する支持アームと、プラットフォームと、プラットフォームの下方に配置されたX線レセプタとを含む、圧縮アームアセンブリと、ガントリに回転可能に結合され、圧縮アームアセンブリに対して独立して回転可能であるX線管ヘッドであって、X線管ヘッドは、X線管ヘッドを介して第1の平面に沿って移動可能であるX線源を含む、X線管ヘッドと、少なくとも部分的に圧縮パドルとX線源との間に配置された患者シールドシステムとを含み、患者シールドシステムは、支持アームに除去可能に結合されたアームと、アームにスライド可能に結合されたキャリアと、シールドと、シールドをキャリアに結合しているブラケットとを含み、ブラケットは、シールドに結合されたシールドマウントと、キャリアに結合されたキャリアマウントとを含み、シールドマウントは、キャリアマウントと係合され、シールドがキャリアに対してスライドして移動させられることを可能にし、ブラケットは、第1の平面に平行な第2の平面内にあるシールドのための進行経路を画定し、進行経路は、弓形形状を有する。
【0006】
ある例では、シールドは、平坦なプレートを含む。別の例では、進行経路に沿ったシールドの角度変位は、少なくとも60°である。なおも別の例では、キャリアマウントは、キャリアに固定された放射線透過性プレートを含む。また別の例では、キャリアマウントは、シールドマウントに係合するように構成された支持体と、支持体から延び、キャリアに結合するように構成された脚部の対とを含み、開口部が、支持体、脚部の対、およびキャリアによって画定され、開口部は、X線が患者シールドシステムを通過することを可能にするように形状およびサイズを決定されている。
【0007】
別の側面において、技術は、患者の乳房を撮像するための撮像システムに関し、撮像システムは、ガントリと、ガントリに回転可能に結合された圧縮アームアセンブリであって、圧縮アームアセンブリは、圧縮パドルを支持する支持アームと、プラットフォームと、プラットフォームの下方に配置されたX線レセプタとを含む、圧縮アームアセンブリと、ガントリに回転可能に結合され、回転軸の周囲で圧縮アームアセンブリに対して独立して回転可能であるX線管ヘッドであって、X線管ヘッドは、X線管ヘッドを介して第1の平面に沿って回転可能であるX線源を含む、X線管ヘッドと、少なくとも部分的に圧縮パドルとX線源との間に配置された患者シールドシステムとを含み、患者シールドシステムは、支持アームに除去可能に結合され、縦方向軸を画定するアームと、アームにスライド可能に結合されたキャリアと、シールドと、シールドをキャリアに結合しているブラケットとを含み、ブラケットは、シールドが縦方向軸に直交する横断面に沿って移動することを可能にするように構成され、横断面に沿ったシールドのための進行経路は、弓形形状を有する。
【0008】
ある例では、0°管ヘッド角度が、X線管ヘッドがプラットフォームに直交していることとして画定され、シールドは、0°管ヘッド角度に対して少なくとも-30°と+30°との間で進行経路に沿って移動可能である。別の例では、シールドは、第1の縁と、反対側の第2の縁とを有し、シールドが、第1の縁に向かう方向に移動させられるとき、第1の縁は、30°を越えて位置付け可能であり、シールドが、第2の縁に向かう方向に移動させられるとき、第2の縁は、-30°を越えて位置付け可能である。なおも別の例では、ブラケットは、キャリアに対するシールドの位置を固定するためのさらに係止機構を含む。また別の例では、弓形形状は、回転軸の周りに画定される。
【0009】
別の側面において、技術は、患者の乳房を撮像する方法に関し、方法は、圧縮アームアセンブリを位置付けることであって、圧縮アームアセンブリは、圧縮パドルを支持する支持アームと、プラットフォームと、プラットフォームの下方に配置されたX線レセプタとを含む、ことと、圧縮パドルとプラットフォームとの間で患者の乳房を固定することと、少なくとも部分的に患者とX線管ヘッドのX線源のX線場との間にシールドを位置付けることであって、シールドは、少なくともアームおよびキャリアによって支持アームに結合され、シールドは、キャリアを介してアームに沿って線形に、かつブラケットを介してアームに直交する平面に沿って横方向に支持アームに対して移動可能であり、シールドの進行経路は、横断面に沿って形状において弓形である、ことと、少なくとも1つの第1の撮像モードにおいて1つ以上の第1のX線画像を取得することであって、少なくとも1つの第1の撮像モードは、0°管ヘッド角度に対して±7°以下の管ヘッド角度にある、ことと、第2の撮像モードにおいて1つ以上の第2のX線画像を取得することであって、第2の撮像モードは、0°管ヘッド角度に対して±7°を上回る管ヘッド角度にあり、シールドは、第2の撮像モードのX線場に対して位置付けられる、こととを含む。
【0010】
ある例では、方法は、圧縮アームアセンブリに対するシールドの位置を係止することをさらに含む。別の例では、少なくとも1つの第1の撮像モードは、トモシンセシス撮像を含む。なおも別の例では、少なくとも1つの第1の撮像モードは、マンモグラフィ撮像を含む。また別の例では、少なくとも1つの第1の撮像モードは、トモシンセシスおよびマンモグラフィ撮像を含む。ある例では、第2の撮像モードは、拡張トモシンセシスである。別の例では、圧縮アームアセンブリを位置付けることは、MLO撮像位置において圧縮アームアセンブリを位置付けることを含む。
【0011】
別の側面において、技術は、患者の乳房を撮像するための撮像システムに関し、撮像システムは、ガントリと、ガントリに回転可能に結合された圧縮アームアセンブリであって、圧縮アームアセンブリは、圧縮パドルを支持する支持アームと、プラットフォームと、プラットフォームの下方に配置されたX線レセプタとを含む、圧縮アームアセンブリと、ガントリに回転可能に結合され、圧縮アームアセンブリに対して独立して回転可能であるX線管ヘッドであって、X線管ヘッドは、X線源を含む、X線管ヘッドと、少なくとも部分的に圧縮パドルとX線源との間に配置された患者シールドシステムとを含み、患者シールドシステムは、支持アームに除去可能に結合されたアームと、アームにスライド可能に結合されたキャリアと、シールドと、キャリア上でシールドを支持している少なくとも1つの脚部とを含み、0°管ヘッド角度が、X線源が支持プラットフォームに直交していることとして画定され、少なくとも1つの脚部は、少なくとも1つの脚部が-8°~-15°および+8°~+15°管ヘッド角度であるように、支持アーム上に位置付けられている。
【0012】
ある例では、X線源が、±8°管ヘッド角度にあるとき、少なくとも1つの脚部の画像アーチファクトは、撮像中に発生させられない。別の例では、X線源が、±15°管ヘッド角度にあるとき、少なくとも1つの脚部の画像アーチファクトは、撮像中に発生させられない。なおも別の例では、少なくとも1つの脚部の断面外形は、形状において三角形である。また別の例では、少なくとも1つの脚部の断面外形は、形状において円形である。ある例では、少なくとも1つの脚部の断面外形は、形状において四辺形である。別の例では、少なくとも1つの脚部は、脚部の対を含む。
【0013】
別の側面において、技術は、患者の乳房を撮像する方法に関し、方法は、圧縮パドルを支持する支持アームと、プラットフォームと、プラットフォームの下方に配置されたX線レセプタとを含む圧縮アームアセンブリ内で患者の乳房を固定することと、少なくとも部分的に患者とX線管ヘッドのX線場との間にシールドを位置付けることであって、シールドは、管ヘッド平面の一方の側に位置付けられ、少なくとも1つの脚部が、シールドを支持し、管ヘッド平面を横断して延びている、ことと、トモシンセシス撮像中に患者の乳房の複数のX線投影画像を取得することであって、複数のX線投影画像のうちの少なくとも2つは、少なくとも1つの脚部からの画像アーチファクトを含み、少なくとも1つの脚部は、少なくとも2つのX線投影画像内の画像アーチファクトの場所が互いに重複しないように形状およびサイズを決定されている、ことと、少なくとも2つのX線投影画像を処理することと、処理された少なくとも2つのX線投影画像に基づいて、1つ以上のトモシンセシス画像を再構築することとを含む。
【0014】
ある例では、少なくとも2つのX線投影画像を取得することは、-8°~-15°および+8°~+15°管ヘッド角度のX線照射を放出することを含む。別の例では、少なくとも2つのX線投影画像を処理することは、画像アーチファクトの場所を識別することと、背景値を用いて画像アーチファクトをセグメント化することとを含む。なおも別の例では、画像アーチファクトの場所を識別することは、画像アーチファクトの2つの最外側縁の位置を決定することを含む。また別の例では、方法は、少なくとも1つの脚部の部分的画像アーチファクトを伴うX線投影画像を処理することをさらに含み、2つの最外側縁のうちの少なくとも1つの決定された位置に基づいて、適合曲線が、発生させられ、それによって、部分的画像アーチファクトの縁が、2つの最外側縁を有する少なくとも2つのX線投影画像から決定される。ある例では、1つ以上のトモシンセシス画像を再構築することは、空間ドメインまたは周波数ドメインにおける逆投影を使用して実施される。
【0015】
別の側面において、技術は、患者の乳房を撮像する方法に関し、方法は、圧縮パドルを支持する支持アームと、プラットフォームと、プラットフォームの下方に配置されたX線レセプタとを含む圧縮アームアセンブリ内で患者の乳房を固定することと、少なくとも部分的に患者とX線管ヘッドのX線場との間にシールドを位置付けることであって、シールドは、管ヘッド平面の一方の側に位置付けられ、少なくとも1つの脚部が、シールドを支持し、管ヘッド平面を横断して延びている、ことと、トモシンセシス撮像中に患者の乳房の複数のX線投影画像を取得することであって、複数のX線投影画像のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの脚部からの画像アーチファクトを含む、ことと、少なくとも1つのX線投影画像における画像アーチファクトの場所を識別することと、背景値を用いて画像アーチファクトをセグメント化することと、セグメント化された少なくとも1つのX線投影画像に基づいて、1つ以上のトモシンセシス画像を再構築することとを含む。
【0016】
ある例では、少なくとも1つのX線投影画像を取得することは、-8°~-15°および+8°~+15°管ヘッド角度のX線照射を放出することを含む。別の例では、画像アーチファクトを有する少なくとも1つのX線投影画像は、少なくとも1つの脚部からの画像アーチファクトを有する少なくとも2つのX線投影画像を含み、少なくとも1つの脚部は、少なくとも2つのX線投影画像内の画像アーチファクトの場所が、互いに重複しないように形状およびサイズを決定される。なおも別の例では、画像アーチファクトの場所を識別することは、画像アーチファクトの2つの最外側縁の位置を決定することを含む。また別の例では、方法は、少なくとも1つの脚部の部分的画像アーチファクトを伴うX線投影画像を処理することをさらに含み、2つの最外側縁のうちの少なくとも1つの決定された位置に基づいて、適合曲線が、発生させられ、それによって、部分的画像アーチファクトの縁が、2つの最外側縁を有する少なくとも2つのX線投影画像から決定される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、例示的撮像システムの概略図である。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【
図6】
図6は、
図1の撮像システムの別の部分的斜視図である。
【0023】
【
図7】
図7は、例示的患者シールドシステムの斜視図である。
【0024】
【
図8】
図8は、
図7の患者シールドシステムのブラケットおよびシールドの分解図である。
【0025】
【
図9】
図9は、
図7の患者シールドシステムのブラケットおよびシールドの断面図である。
【0026】
【
図10】
図10は、患者の乳房を撮像する方法を図示するフローチャートを描写する。
【0027】
【
図11】
図11は、撮像システムに取り付けられた患者シールドシステムの部分的斜視図である。
【0028】
【
図12】
図12は、
図11に示されるような撮像システムに取り付けられた患者シールドシステムの正面図である。
【0029】
【0030】
【
図14】
図14は、
図11および12に示される患者シールドシステムとともに使用され得る別の脚部の概略図である。
【0031】
【
図15】
図15は、
図11および12に示される患者シールドシステムとともに使用され得る別の脚部の概略図である。
【0032】
【
図16】
図16は、患者シールドシステムの脚部を通して撮影された撮像システムからの投影画像を描写する。
【0033】
【0034】
【
図18】
図18は、患者の乳房を撮像する別の方法を図示するフローチャートを描写する。
【0035】
【
図19】
図19は、別の患者シールドシステムの斜視図である。
【0036】
【発明を実施するための形態】
【0037】
本明細書に説明される技術は、シールドの到達範囲を増加させ、撮像システム上の広角撮像に適応するスライドシールドを有する患者シールドシステムに関する。シールドの到達範囲を増加させることによって、患者快適性が、広角撮像位置(例えば、60°管ヘッド掃引)であっても撮像システムの可動X線管ヘッドとの接触を制限することによって、増加させられる。シールドは、固定中の快適性のための撮像システムにおける患者の位置付けおよび支持にも役立つことができる。加えて、シールドは、広角撮像位置における撮像中、患者がX線場の中に侵入することを防ぐ。
【0038】
このタイプのスライドシールドを支持するための1つの選択肢は、X線管ヘッドの広角画像位置を含む撮像エリアの外側に位置付けられたフレームを有することである。しかしながら、広角撮像エリアの外側にあるフレームを使用することは、技師が患者の乳房を位置付けるための圧縮アームアセンブリへのアクセスを制限する大きいフレームをもたらす。したがって、本明細書に説明される患者シールドシステムは、圧縮アームアセンブリに結合され、後退(例えば、支持プラットフォームの前縁に対して前方または後方)のために調節可能であり得、それによって、シールドが、移動させられ、支持プラットフォームおよび圧縮パドルへの技師アクセスを可能にし得る。加えて、シールドは、広角画像位置であっても、患者とX線場との間にシールドを位置付けるように、後退方向に対して横断面に沿ってスライドすることができる。
【0039】
本明細書に説明される例では、シールドは、患者とX線場との間に位置付けられ、したがって、患者シールドシステムの一部は、シールドの位置を支持するために、X線撮像エリアを通して延びている。患者シールドシステムは、X線撮像エリアを通して延び、シールドのスライド移動を可能にするブラケットを含む。ある側面において、ブラケットの少なくとも一部は、X線源の焦点に隣接して位置付けられた放射線透過性材料から形成され、それによって、画像減衰が減らされ得る。この例では、X線ビームは、1つ以上の画像取得のためにブラケットを通して放出される。画像が、ブラケットの側において取得されるとき、画像取得プロセスは、これらの角度位置をスキップし得るか、または、ブラケットから生じ得る任意の画像アーチファクトが、ワークステーションによって減らされること、または除去されることができる。別の側面において、ブラケットは、X線撮像システムを通して延びている間隔を置かれた脚部の対によって形成され得る。したがって、開口部が、形成され、X線ビームが妨害を伴わずに通過することを可能にする。画像が、脚部位置において取得されるとき、画像取得プロセスは、これらの角度部分をスキップし得るか、または、ブラケットから生じ得る任意の画像アーチファクトが、ワークステーションによって減らされること、または除去されることができる。ある側面において、画像取得プロセスは、脚部位置を通して撮影し得、ワークステーションは、投影画像を処理することによって、画像アーチファクト補正を提供し、結果として生じる再構築画像を改良するように構成される。
【0040】
故に、患者シールドシステムおよびスライドシールドは、撮像手技中に移動している構成要素との患者の接触を減らし、または防止し、移動している構成要素の周囲での患者快適性を増加させるように構成される。加えて、シールドは、撮像手技中に患者がX線場に進入することを防ぐ。しかしながら、患者シールドシステムおよびシールドは、技師が固定のために患者の乳房を位置付けるためのアクセスも提供する。したがって、コンボ撮像システムでは、本明細書に説明される患者シールドシステムおよびスライドシールドは、依然として、技師が患者の乳房を固定するための圧縮アームアセンブリへのアクセスを可能にしながら、シールドが、マンモグラフィおよびトモシンセシス撮像位置のみならず、広角撮像位置にも適応し得るように、支持プラットフォームに対して位置付けられるように構成される。
【0041】
加えて、患者シールドシステムのブラケットは、堅牢であり、患者が、シールドを押し、力を患者シールドシステムに加えているときであっても、シールドの片持支持スライド位置を支持することが可能である。したがって、シールドは、その延長位置において撮像システムのX線場の中に偏向することなく患者を支持することができる。
【0042】
図1は、例示的撮像システム100の概略図である。
図2は、撮像システム100の斜視図である。同時に
図1および2を参照するが、以下で説明される全ての要素が、両方の図に描写されているわけではない。撮像システム100は、圧縮アームアセンブリ104を介してX線撮像(例えば、マンモグラフィ、トモシンセシス、および/または広角撮像)のために患者の乳房102を固定するように構成されている。例では、圧縮アームアセンブリ104は、静止乳房支持プラットフォーム106と、移動可能圧縮パドル108とを含む。乳房支持プラットフォーム106および圧縮パドル108の各々は、それぞれ、圧縮面110および112を有し、圧縮面112は、支持プラットフォーム106に向かって移動し、乳房102を圧縮し、固定するように構成される。公知のシステムでは、圧縮面110、112は、乳房102に直接接触するようにさらされる。支持プラットフォーム106はまた、X線画像レセプタ114と、随意に、傾斜機構116とを格納する。圧縮アームアセンブリ104は、X線源120から発する撮像X線ビーム118の経路内にあり、それによって、ビーム118が、画像レセプタ114に衝突する。
【0043】
圧縮パドル108および支持プラットフォーム106は、第1の支持アーム122上に支持され、X線源120は、X線管ヘッド124とも称される第2の支持アーム上に支持される。支持アーム122、124は、ガントリ126上に搭載される。マンモグラフィに関して、支持アーム122および124は、撮像システム100が、各向きにおいてマンモグラム投影画像を撮影し得るように、頭尾方向(CC)および内外斜位方向(MLO)ビュー等の異なる撮像向きの間で軸128の周りで一体として回転することができる。動作時、画像レセプタ114は、画像が撮影される間、支持プラットフォーム106に対して定位置にとどまる。圧縮アームアセンブリ104は、異なる撮像向きへの支持アーム122、124の移動のために、乳房102を解放する。トモシンセシスに関して、支持アーム122は、定位置にとどまり、乳房102は、固定され、定位置にとどまる一方、少なくとも管アーム124は、軸128の周りで圧縮アームアセンブリ104および圧縮された乳房102に対してX線源120を回転させる。撮像システム100は、乳房102に対するX線ビーム118のそれぞれの角度において、乳房102の複数のトモシンセシス投影画像を撮影する。広角撮像に関して、同様に、支持アーム122は、定位置にとどまり、乳房102は、固定され、定位置にとどまる一方、少なくとも管アーム124は、軸128の周りで圧縮アームアセンブリ104および圧縮された乳房102に対してX線源120を回転させる。撮像システム100は、乳房102に対するX線ビーム118のそれぞれの角度において、乳房102の少なくとも1つの広角画像を撮影する。したがって、圧縮アームアセンブリ104および管ヘッド124は、合致させられた回転が撮像手技のために要求または所望されない限り、互いに独立して回転させられ得る。
【0044】
同時に、随意に、画像レセプタ114は、乳房支持プラットフォーム106に対して傾けられ、第2の支持アーム124の回転に合わせられ得る。傾斜は、X線源120の回転と同じ角度を通してであることができるが、X線ビーム118が複数の画像の各々のために画像レセプタ114上の実質的に同じ位置にとどまるように選択された異なる角度を通してでもあり得る。傾斜は、軸130まわりであることができ、軸130は、必要ではないが、画像レセプタ114の像平面内にあり得る。画像レセプタ114に結合された傾斜機構116は、画像レセプタ114を傾斜運動において駆動することができる。トモシンセシス撮像および/または広角撮像に関して、乳房支持プラットフォーム106は、水平であり得るか、または、水平に対してある角度(例えば、マンモグラフィにおける従来のMLO撮像のためのそれに類似する向き)にあり得る。撮像システム100は、もっぱらマンモグラフィシステム、広角システム、または、もっぱらトモシンセシスシステム、または、複数の形態の撮像を実施し得る「コンボ」システムであり得る。そのようなコンボシステムの一例が、Selenia Dimensionsという商標で本明細書の譲受人によって提供されている。
【0045】
本明細書に使用されるように、広角撮像は、典型的なトモシンセシス撮像より広い管ヘッド角度、例えば、±7°または±7.5°を上回る角度位置であると見なされる。いくつかの例では、トモシンセシス撮像は、±7°内の位置にあり得る一方、他の例では、トモシンセシス撮像は、±7.5°内の位置にあり得る。ある側面において、広角撮像は、管ヘッド124の60°走査を含む。広角撮像は、コンピュータトモグラフィ(CT)画像取得、広角拡張トモシンセシス(例えば、最大±30°およびそれを含む撮像角度)、高エネルギー撮像取得等を含むことができる。いくつかの例では、広角撮像からの取得は、トモシンセシスおよび/またはマンモグラフィ取得と組み合わせて使用され得る。
【0046】
撮像システム100が、動作させられると、画像レセプタ114は、撮像X線ビーム118による照明に応答して、撮像情報を生成し、乳房X線画像を処理および発生させるために、それを画像プロセッサ132に供給する。ソフトウェアを含む、システム制御およびワークステーションユニット134が、システムの動作を制御し、オペレータと相互作用し、コマンドを受信し、処理されたX線画像を含む情報を配信する。
【0047】
圧縮パドル108は、支持アーム122に沿って線形に移動可能であるパドル支持体136を介して支持アーム122に結合され、支持プラットフォーム106に対して患者の乳房102を固定するために使用される。加えて、撮像システム100は、支持アーム122に除去可能に結合された患者シールドシステム138を含む。患者シールドシステム138は、少なくとも部分的に圧縮パドル108とX線源120との間に配置され、スライドシールド140を含む。シールド140は、撮像手技中に移動している構成要素(例えば、管ヘッド124)との患者の接触を減らし、または防止し、撮像システム100の移動している構成要素の周囲での患者快適性を増加させるように構成される。加えて、シールド140は、撮像手技中に患者がX線場に進入することを防ぐ。しかしながら、シールド140は、技師が固定のために患者の乳房102を位置付けるためのアクセスも提供する。したがって、撮像システム100のようなコンボ撮像システムでは、本明細書に説明される患者シールドシステム138およびスライドシールド140は、技師が患者の乳房102を固定するための圧縮アームアセンブリ104へのアクセスを可能にしながら、シールド140が、マンモグラフィおよびトモシンセシス撮像位置だけではなく、広角撮像位置に適応し得るように、支持プラットフォーム106に対して位置付けられるように構成される。
【0048】
図3は、撮像システム100の部分的側面図である。患者シールドシステム138は、アーム142を含み、アーム142は、圧縮アームアセンブリ104の支持アーム122に除去可能に結合する。例では、アーム142は、より堅い接続が形成されるように、かつ患者シールドシステム138の片持支持構成を支持ために、2点取り付けを介して支持アーム122に結合し得る。キャリア144が、アーム142にスライド可能に結合され、それによって、シールド140が、支持アーム122および支持プラットフォームの前縁に対して後退し、技師のための圧縮アームアセンブリ104へのアクセスを促進し得る。ある側面において、アーム142は、縦方向軸を画定し、シールド140は、キャリア144を介して縦方向軸に沿ってスライドし得る。患者シールドシステム138は、シールド140をキャリア144に結合しているブラケット146も含む。
【0049】
X線管ヘッド124は、X線源120が、管ヘッド平面148に沿って回転するように、圧縮アームアセンブリ104に対して回転可能である。管ヘッド平面148は、X線管ヘッド124の回転軸128(
図1に示される)に直交し、乳房支持プラットフォーム106に直交する。管ヘッド平面148は、X線画像レセプタ114(
図1に示される)の前縁にも対応する。X線源120は、支持プラットフォーム106に向かってX線ビーム118を放出し、ビーム118は、画像レセプタ114の位置に対応するようにコリメートされる。
図3に図示されるように、X線源120は、圧縮アームアセンブリ104に対して0°管ヘッド角度に位置付けられる。本明細書に使用されるように、0°管ヘッド角度は、X線源120が支持プラットフォーム106に直交し、管ヘッド平面148内にあることに対応し、管ヘッド124および圧縮アームアセンブリ104は、回転軸128の周りで同じ回転位置にある。ある側面において、0°管ヘッド角度は、MLO画像位置またはCC画像位置に対応することができる。少なくとも0°管ヘッド角度位置において、患者シールドシステム138は、患者とX線場との間にシールド140を位置付けるために、管ヘッド平面148を通して延びているので、X線ビーム118は、シールド140がX線場への患者アクセスを制限するために使用されているとき、患者シールドシステム138を通過する。したがって、ブラケット146は、患者シールドシステム138からの画像アーチファクトが取得されるX線画像において形成されることを減らし、または防止しながら、X線ビーム118が患者シールドシステム138を通過することを可能にするように構成される。
【0050】
例では、シールド140は、平坦なプレートであり、それが管ヘッド平面148に平行であるように、圧縮アームアセンブリ104上に位置付けられ得る。シールド140を平坦なプレートとして形成することによって、シールド140は、要求または所望に応じて移動させられ、広角撮像位置であっても、X線ビーム118の撮像野から外にとどまることができる。したがって、ブラケット146は、本明細書に説明されるように、シールド140のスライド移動中、管ヘッド平面148に対するシールド140の平行位置を維持するように構成される。
【0051】
図4は、撮像システム100の部分的正面図である。
図4に図示されるように、撮像システム100は、MLO画像構成において位置付けられている。したがって、圧縮アームアセンブリ104および管ヘッド124の両方が、回転させられるが、しかしながら、管ヘッド124は、依然として、0°管ヘッド角度150に位置付けられ、支持プラットフォーム106(
図1に示される)に直交する。0°管ヘッド角度150において、撮像システム100は、撮像システム100がマンモグラフィ撮像モードにおいて動作しているとき、X線ビーム118を介してMLOマンモグラフィX線画像を取得することができる。加えて、または代替として、撮像システム100は、トモシンセシス撮像モードにおいて動作し、トモシンセシス角度152(0°管ヘッド角度150を含むことも、そうではないこともある)においてX線ビーム118を介して複数のX線画像を撮影することができる。ある側面において、トモシンセシス角度152は、0°管ヘッド角度150に対して約15°の範囲内(-7.5°~+7.5°の範囲内)であり得る。別の側面において、トモシンセシス角度152は、0°管ヘッド角度150に対して約14°の範囲内(-7°~+7°の範囲内)であり得る。患者シールドシステム138のブラケット146は、画像アーチファクトが減らされ、または防止されるように、トモシンセシス角度152および0°管ヘッド角度150において放出されたX線ビーム118が、患者シールドシステム138を通過することを可能にするように構成される。患者が、MLO画像構成のために位置付けられるとき、管ヘッド124の位置および移動は、典型的に、患者に対して近すぎることはない。しかしながら、管ヘッド124が、より広角に移動させられるとき、管ヘッド124およびX線場は、患者に対してより近くに移動し、それによって、より広角の構成に適応するためのシールド140を必要とする。
【0052】
撮像システム100はまた、広角画像モードにおいて動作し、広角154においてX線ビーム118を介して1つ以上の広角画像を取得するように構成される。ある側面において、広角154は、トモシンセシス角度152の外側の0°管ヘッド角度150に対して約60°の範囲内(-30°~+30°の範囲内)約60°±30°の範囲内であり得る。いくつかの例では、約±7.5°~±15.5°の角度が、ブラケット146の位置に対応し得、それは、画像アーチファクトを生成し得、したがって、これらの撮像角度は、撮像手技から排除され得る。他の例では、約±7°~±15.5°の角度が、ブラケット146の位置に対応し得る。したがって、広角154は、X線ビーム118が、ブラケット146の位置に対応する投影角度を通して放出されないように、約±15.5°~±30°であり得る。他の例では、ワークステーションは、アーチファクトが減らされ、または除去されるように、ブラケット146からの画像アーチファクトを有する画像角度を処理するために使用され得る。X線管ヘッド124が、広角154の位置に沿って移動するとき、X線場も、患者シールドシステム138のブラケット146の外側にある位置に移動する。ブラケット146は、シールド140が、患者がこれらの広角154においてX線ビーム118の中に侵入することを減らす(または、防止する)ために使用され得るように、シールド140が、キャリア144(
図3に示される)および圧縮アームアセンブリ104に対してスライドすることを可能にする。
【0053】
ブラケット146は、患者シールドシステム138上にシールド140のための進行経路156を画定し、進行経路156は、管ヘッド平面148(同様に
図3に示される)に平行であり、それからオフセットされたシールド平面157(
図3に示される)に沿っている。この構成は、シールド140が、X線場の中に侵入することなく、技師によって圧縮アームアセンブリ104に対して移動およびスライドさせられることを可能にする。進行経路156はまた、シールド140が、広角154においてX線管ヘッド124の移動に干渉しないように弓形形状を有する。ある側面において、弓形進行経路156の中心点は、X線管ヘッド124の回転軸128(
図1に示される)である。したがって、管ヘッド124およびシールド140の両方は、回転軸128の周りに選択的に、かつ独立して位置付け可能である。ある例では、シールド140の進行経路156は、約60°であり、全ての3つの撮像モードにおける管ヘッド124の掃引移動に対応する。別の例では、シールド140の進行経路156は、0°管ヘッド角度150に対して少なくとも±30°である。例えば、シールド140は、2つの対向する縁158、160を含み、シールド140の進行経路156は、第1の縁158の方向に移動させられるとき、第1の縁158が30°を越えて位置付けられることを可能にし、第2の縁160の方向に移動させられるとき、第2の縁160が-30°を越えて位置付けられることを可能にする。弓形進行経路に沿ってシールド140をスライドさせることによって、撮像システム100が、MLO位置にあるとき、支持プラットフォームとシールド140との間の距離は、シールド140が患者の位置により密接して関連し得るように維持されることができる。
【0054】
図5は、撮像システム100の部分的斜視図である。
図6は、撮像システム100の別の部分的斜視図である。同時に
図5および6を参照すると、ブラケット146は、部分的に図示され、ブラケット146は、患者シールドシステム138上のキャリア144にシールド140を結合するために利用される。患者シールドシステム138は、圧縮アームアセンブリ104に結合され、X線管ヘッド124とは別個である。ブラケット146は、キャリア144に結合するように構成される、キャリアマウント162を含む。キャリアマウント162は、圧縮アームアセンブリ104上のその位置が固定され得るように、患者シールドシステム138によって支持される。キャリアマウント162は、
図5および6に部分的にのみ示され、キャリアマウント162をキャリア144に結合するための2つの異なる構成を図示する。
【0055】
一例では、キャリアマウント162は、キャリア144に固定される、プレート164を含む。プレート164は、管ヘッド平面148(
図3に示される)を通して延び、それによって、管ヘッド124がマンモグラフィまたはトモシンセシスモードにおいて位置付けられ、X線ビームがプレートを通して放出されるとき、プレート164は、X線場内にある。この構成は、例えば、
図3に図示される。したがって、プレート164は、X線画像における画像アーチファクトを減らすように、均一な厚さを有する放射線透過性材料(例えば、発泡体コアを伴う炭素繊維)から形成される。例えば、プレート164をX線源の焦点により近接して位置付けることによって、撮像されているプレート164は、X線画像においてわずかな減衰のみを生成し得、X線画像は、依然として、診断のために使用されることができ、および/または、ワークステーションによる画像の処理中に減衰を減らされ、または排除されることができる。プレート164は、シールド140の進行経路156に沿って細長であり、キャリアマウント162のシールド140との係合長を増加させ、広角位置(例えば、
図5および6に示されるような)に移動させられたとき、シールド140の片持支持構成を支持する。
【0056】
別の例では、キャリアマウント162は、互いに間隔を置かれ、キャリア144に固定された脚部166の対を含む。脚部166は、管ヘッド平面148を通して延びているが、しかしながら、脚部166間の空間は、管ヘッド124がマンモグラフィまたはトモシンセシスモードにおいて位置付けられるとき、ブラケット146がX線場の外側に配置されるように、開放されている。シールド140の進行経路156に沿って脚部166の間隔を置くことによって、シールド140は、片持支持構成にあるときに支持される。いくつかの例では、脚部166は、トモシンセシスモードと広角モードとの間の境界におけるX線ビームに適応する一方、脚部166が画像アーチファクトを形成し得る管ヘッド124の角度位置を減らすために、三角形断面形状を有し得る。いくつかの例では、撮像システム100は、管ヘッド平面148を通して延びている脚部166の位置に対応する角度場所において投影画像を撮影しないように構成され得る。
【0057】
図7は、撮像システム100(
図1-6に示される)とともに使用され得る例示的患者シールドシステム200の斜視図である。患者シールドシステム200は、圧縮アームアセンブリの支持アームに除去可能に結合するように構成されたアーム202を含む。アーム202は、縦方向軸204を画定し、アーム202の一方の端部は、アームプレート206を含む。アームプレート206は、圧縮アームアセンブリに解放可能に固定される。係止機構210が、支持アーム上のアーム202の位置を係止するために使用され得る。例では、アームプレート206は、圧縮アームアセンブリ上に患者シールドシステム200を支持するために、堅い2点接続を提供する。
【0058】
キャリア212が、アーム202の他方の端部に結合され、シールド216のためのブラケット214を支持するように構成される。キャリア212は、キャリア212が縦方向軸204に沿ってスライドし得る(218)ように、アーム202にスライド可能に結合される。キャリア212は、アーム202に沿ったキャリア212の位置付けを促進するボタン222を含む端部を伴う横部材220を含む。
【0059】
ブラケット214は、シールド216を支持するように構成され、シールド216のための弓形形状進行経路も画定する。シールド216は、縦方向軸204に直交する横断面に沿って移動し、シールド216は、この横断面上で平行である。ブラケット214は、管ヘッド平面148(
図3に示される)を横断して延び、したがって、X線ビームが少なくともいくつかの撮像角度において患者シールドシステム200を通過するように形状およびサイズを決定される。ブラケット214は、シールド216に結合するシールドマウント224と、キャリア212に結合されたキャリアマウント226とを有する。シールドマウント224とキャリアマウント226とは、シールド216が進行経路に沿って、キャリア212およびアーム202に対してスライドして移動させられる(228)ことを可能にするように、係合される。キャリアマウント226は、キャリア212に固定され、シールドマウント224は、キャリアマウント226およびキャリア212に対してスライド可能である。キャリアマウント226は、キャリア212に対するシールド216の位置を固定するように構成された係止機構230を各側に含むことができる。シールド216の各側に係止機構230を設置することによって、技師は、患者の両側において作業するとき、シールド216の位置をより容易に固定することができる。
【0060】
キャリアマウント226は、シールドマウント224に係合するように構成された支持体232と、支持体232から延び、キャリア212の横部材220に結合するように構成された脚部234の対とを含む。X線が患者シールドシステム200を通過することを可能にするようにサイズを決定および成形された開口部236が、支持体232、脚部234の対、およびキャリア212によって画定される。
【0061】
図8は、患者シールドシステム200(
図7に示される)のブラケット214およびシールド216の分解図である。
図9は、ブラケット214およびシールド216の断面図である。同時に
図8および9を参照すると、キャリアマウント226の支持体232は、T形軌道242を形成するように一緒に結合する2つの軌道部分238、240から形成される。シールドマウント224は、シールド216に結合され、T形軌道242内にスライド的に受け取られる対応するT形フランジ244を形成する。対応する弓形溝246が、シールドマウント224およびキャリアマウント226の両方において画定され、それらは、ローラボール248を保持するように構成されている。溝246は、少なくとも部分的にシールド216の進行経路を画定し、ローラボール248は、キャリアマウント226に対するシールドマウント224のスライド移動を促進する。他の例では、封入されたローラが、シールド216のスライド移動を促進するために使用され得る。係止機構230は、支持体232上に搭載され、技師がシールド216の位置を手動で係止することを可能にする。例えば、係止機構230は、シールドマウント224内の戻り止めの中に係合するように構成されたピンを含み得る。
【0062】
例では、シールドマウント224は、シールド216の全長にわたって延びているが、シールド216から外向きに延びていない。この構成は、技師が患者シールドシステム200の周囲でより容易に作業し、患者を位置付けることが可能であることを促進する。シールド216は、シールド216をシールドマウント224に結合することを促進するために、フレーム250も含み得る。
【0063】
動作時、シールド216は、要求または所望に応じて、技師によって弓形進行経路に沿って位置付け可能であり、係止機構230は、シールド216が、患者を撮像システムに位置付けるための位置に保持されることを可能にする。シールド216は、大きい管ヘッド掃引角度に適応するための広い運動範囲を有し、したがって、大きいモーメントアームが、シールド216が最も左または右位置に位置付けられたとき、患者シールドシステム200内に形成され得る。脚部234の間隔を置き、シールドマウント224の両側を包囲する支持体232を使用することによって、ブラケット214は、堅牢であり、患者がシールド216を押し、患者シールドシステム200に力を加えたときであっても、シールド216の片持支持位置を支持することが可能である。加えて、ブラケット214は、シールド216が、その延長位置において、撮像システムのX線場の中に偏向することなく患者を支持し得るように、シールド216の全長にわたって延びている。
【0064】
図10は、患者の乳房を撮像する方法300を図示するフローチャートを描写する。方法300は、要求または所望に応じて、本明細書に説明される撮像システムまたは任意の他の撮像システム上で実施されることができる。方法300は、圧縮アームアセンブリを位置付けることから開始される(動作302)。圧縮アームアセンブリは、圧縮パドルを支持する支持アームと、プラットフォームと、プラットフォームの下方に配置されたX線レセプタとを含む。患者の乳房は、次いで、圧縮パドルとプラットフォームとの間で固定される(動作304)。いくつかの例では、圧縮アームアセンブリを位置付けることは、MLO撮像位置において圧縮アームアセンブリを位置付けることを含む。
【0065】
シールドが、少なくとも部分的に患者とX線管ヘッドのX線場との間に位置付けられる(動作306)。シールドは、少なくともアームおよびキャリアによって支持アームに結合される。シールドは、キャリアを介してアームに沿って線形に、かつブラケットを介してアームに直交する平面に沿って横方向に支持アームに対して移動可能であり、シールドの進行経路は、横断面に沿って形状において弓形である。シールドが位置付けられると、1つ以上の第1のX線画像が、少なくとも1つの第1の撮像モードにおいて取得される(動作308)。少なくとも1つの第1の撮像モードは、0°管ヘッド角度に対して±7°以下の管ヘッド角度にある。別の例では、少なくとも1つの第1の撮像モードは、0°管ヘッド角度に対して±7.5°以下の管ヘッド角度にある。ある側面において、少なくとも1つの第1の撮像モードは、トモシンセシス撮像を含む。別の側面において、少なくとも1つの第1の撮像モードは、マンモグラフィ撮像を含む。なおも別の側面において、少なくとも1つの第1の撮像モードは、トモシンセシスおよびマンモグラフィ撮像を含む。また別の側面において、第2の撮像モードは、拡張トモシンセシスである。
【0066】
1つ以上の第2のX線画像が、次いで、第2の撮像モードにおいて取得される(動作310)。第2の撮像モードは、0°管ヘッド角度に対して±7.5°を上回る管ヘッド角度にあり、シールドは、第2の撮像モードのX線場に対して位置付けられる。別の例では、第2の撮像モードは、0°管ヘッド角度に対して±7°を上回る管ヘッド角度にあり、シールドは、第2の撮像モードのX線場に対して位置付けられる。ある側面において、第2の撮像モードは、0°管ヘッド角度に対して±15.5°以上の管ヘッド角度にあり、この例では、投影画像が、画像アーチファクトが患者シールドシステムのブラケットによって形成される結果をもたらす位置(例えば、±7.5°~±15.5°)に関して排除され得る。いくつかの例では、方法300は、圧縮アームアセンブリに対してシールドを定位置に係止することも含むことができる(動作312)。
【0067】
図11は、撮像システム402に取り付けられた患者シールドシステム400の部分的斜視図である。
図12は、撮像システム402に取り付けられた患者シールドシステム400の正面図である。同時に
図11および12を参照すると、患者シールドシステム400は、パドル支持体404とX線管ヘッド406との間に配置され、支持アーム408に結合される。患者シールドシステム400は、アーム412に結合されたキャリア410を含む。加えて、患者シールドシステム400は、シールド(図示せず)を支持するように構成されたブラケット414を含む。ブラケット414は、キャリア410とシールドとの間に延びている脚部416の対を含む。脚部416の対は、距離418だけ互いに間隔を置かれる。間隔距離418は、シールドが片持支持構成において支持されることを可能にする。加えて、間隔距離418は、脚部416の画像アーチファクトが、撮像手技中に減らされ、または防止されるように、いかなる構造もない患者シールドシステム400内のエリアを提供する。
【0068】
図12に図示されるように、管ヘッド406は、0°管ヘッド角度に位置付けられる。脚部416の各々の内面420は、管ヘッド406が、脚部416が対応するX線画像において画像アーチファクトを形成することなく、±8°の間で移動し得るように、間隔を置かれる(418)。間隔距離418は、乳房支持プラットフォームの圧縮面に実質的に平行である方向に延びている。したがって、間隔距離418は、X線源が0°管ヘッド角度にあるとき、X線ビーム方向に実質的に直交する。この間隔距離418は、15°のトモシンセシス走査が、脚部416からの干渉を伴わずに実施されることを可能にする。さらに、管ヘッド406から発する作業または位置付け光は、患者シールドシステム400によって遮断されない。加えて、脚部416は、管ヘッド406に対して下向き方向422にオフセットされる。オフセット方向422は、管ヘッド406が、脚部416においてピンチポイントを形成することなく、患者シールドシステム400に対して回転することを可能にし、技師を保護する。オフセット方向422は、乳房支持プラットフォームの圧縮面に実質的に直交する方向に延びている。したがって、オフセット方向422は、X線源が0°管ヘッド角度にあるとき、X線ビーム方向に実質的に平行である。
【0069】
例では、脚部416の各々の断面外形は、形状において実質的に三角形である。三角形形状は、下向き方向に向けられており、内面420が、±8°管ヘッド角度位置において向けられ、外面424が±15°管ヘッド角度位置において向けられている。各脚部416は、内面と外面との間に延びている上面426も含む。したがって、患者シールドシステム400は、各脚部416が、-15°~-8°または+8~+15°管ヘッド角度のいずれかに位置付けられるように、撮像システム402上に位置付けられる。脚部の断面外形は、シールドを支持するための脚部416の構造的強度を増加させ、ある投影角度における撮像手技中に画像アーチファクトを減らす(または、防止する)ように構成される。例えば、脚部416のサイズ、形状、および位置は、-15°~-8°および+8°~+15°管ヘッド角度範囲外にある投影角度における脚部416の画像アーチファクトを防止する一方、脚部416のサイズ、形状、および位置は、-15°~-8°および+8°~+15°管ヘッド角度範囲内にある投影角度における脚部416の画像アーチファクトを減らす。加えて、-15°~-8°および+8°~+15°管ヘッド角度範囲の各脚部416の位置は、撮像システム402上の患者シールドシステム400のコンパクト性を増加させ、したがって、技師のための作業空間を増加させる。
【0070】
図13は、患者シールドシステム400(
図11および12に示される)の脚部416の概略図である。例では、脚部416は、内面420が±8°管ヘッド角度と整列させられる、三角形の断面外形を有する。ある側面において、±8°角度は、X線源430のX線撮像エリア外縁をX線検出器(図示せず)の一方の縁(例えば、より近接する縁)と整列させる(428)ことに基づき、それによって、脚部416は、撮像エリアの外側にあり、脚部416のいかなる画像アーチファクトも、±8°投影角度において形成されない。外面424は、±15°管ヘッド角度と整列させられる。ある側面において、±15°角度は、X線源430のX線撮像エリア外縁をX線検出器の他方の縁(例えば、より遠い縁)と整列させる(432)ことに基づき、それによって、脚部416は、撮像エリアの外側にあり、脚部416のいかなる画像アーチファクトも、±15°投影角度において形成されない。したがって、X線源430は、脚部416の少なくとも一部を通してX線ビーム434を発射するので、脚部416は、X線管ヘッド角度が-15°~-8°および+8°~+15°であるときのみ画像アーチファクトを発生させる。
【0071】
画像アーチファクトの影幅436は、少なくとも部分的に脚部416の上面426に基づく。故に、より大きい上面426は、より小さい上面より大きい影幅436を作成する。しかしながら、より小さい上面426は、脚部416の断面積低減により、より大きい上面426より小さい脚部416の構造的強度に対応する。故に、脚部416の断面形状は、患者シールドシステムの性能を増加させるように、他の形状をとることができる。さらに、本明細書に説明される例では、脚部416の影幅436は、画像アーチファクトが2つの隣接する投影角度において発生させられるとき、脚部416の画像アーチファクトが、画像位置において重複せず、したがって、投影画像が、再構築において使用され得るような幅である。他の断面形状の2つの例が、
図14および15を参照して下記にさらに説明されるが、しかしながら、任意の他の形状も、要求または所望に応じて、利用されることができる。
【0072】
撮像システムの動作中、X線管ヘッドは、患者の乳房の複数の投影画像を撮影するように回転する。いくつかの例では、X線源430は、±60°の間で管ヘッドとともに回転し、所定の角度回転において投影画像を取得することができる。ある側面において、投影画像は、約1°ごとに取得され得る。故に、X線源430が、-15°~-8°または+8°~+15°の管ヘッド角度にあり、脚部416の位置に対応するとき、X線ビーム434は、脚部416を通して意図的に発射され、画像アーチファクトが、投影画像において意図的に形成される。したがって、患者シールドシステム内の脚部416の構造および位置は、脚部416の画像アーチファクトを含む投影角度の数を減らし、かつ投影画像内の画像アーチファクト影の幅を減らす。ある側面において、X線源430が±8°管ヘッド角度にあるとき、脚部416の画像アーチファクトは、撮像中に発生させられない。別の側面において、X線源430が±15°管ヘッド角度にあるとき、脚部416の画像アーチファクトは、撮像中に発生させられない。
【0073】
図14は、患者シールドシステム400(
図11および12に示される)とともに使用され得る別の脚部450の概略図である。ある構成要素は、上で説明され、したがって、必ずしもさらに説明されない。この例では、脚部450は、それが-15°~-8°または+8°~+15°管ヘッド角度にあり、上で説明されるものに類似するように、撮像システム上に位置付けられている。しかしながら、脚部450は、円の断面外形を有する。円形周辺は、内面420が、±8°管ヘッド角度との整列を維持する一方、外面424が、±15°管ヘッド角度との整列を維持するようにサイズを決定される。上面426は、円形周辺上でより小さく、したがって、脚部450によって発生させられる影幅452は、減らされ、
図13を参照して上で説明される三角形形状例と比較したときより小さい。画像アーチファクトサイズを減らすように脚部450を形状およびサイズを決定することによって、より多くの情報が、投影撮像手技を介して得られることができる。ある側面において、円形周辺のサイズは、
図13に示される三角形形状に内接することに基づく(例えば、円形周辺は、三角形の辺の各々に接する)。
【0074】
図15は、患者シールドシステム400(
図11および12に示される)とともに使用され得る別の脚部475の概略図である。ある構成要素は、上で説明され、したがって、必ずしもさらに説明されない。この例では、脚部475は、それが-15°~-8°または+8°~+15°管ヘッド角度にあり、上で説明されるものに類似するように、撮像システム上に位置付けられている。しかしながら、脚部475は、四辺形および菱形形状の断面外形を有する。四辺形周辺は、内面420が、±8°管ヘッド角度との整列を維持する一方、外面424が、±15°管ヘッド角度との整列を維持するようにサイズを決定される。上面426は、上で説明される円形周辺に類似するサイズを有し、したがって、脚部475によって発生させられる影幅477は、減らされ、
図13を参照して上で説明される三角形形状例と比較したときより小さい。この例では、影幅477は、
図14を参照して上で説明される円の影幅に実質的に等しくあり得る。画像アーチファクトサイズを減らすように脚部475を形状およびサイズを決定することによって、より多くの情報が、投影撮像手技を介して得られることができる。ある側面において、菱形形状のサイズは、円形周辺が、四辺形の辺の各々に接するように、
図14に示される円形周辺が菱形に内接することに基づく。多角形、長円形等の脚部の他の断面形状も、本明細書に想定されることを理解されたい。
【0075】
図16は、患者シールドシステムの脚部502を通して撮影された撮像システムからの複数の投影画像500を描写する。上で説明されるように、本明細書に説明される撮像システムは、トモシンセシス撮像モードおよび/または拡張または広角トモシンセシスモードにおいて動作することができる。トモシンセシス走査中、管ヘッドは、患者の乳房に対して回転し、側面において、±60°管ヘッド角度間の所定の角度において投影画像500を取得することができる。一例では、撮像システムは、±30°管ヘッド角度間で57個の投影画像を取得するように構成される。患者シールドシステムの脚部は、-15°~-8°および+8°~+15°管ヘッド角度に配置されているので、これらの57個の投影画像のうちの少なくともいくつかは、X線ビームを横断して延びている患者シールドシステムの脚部502の対によって発生させられた画像アーチファクト504を含む。
図16は、脚部502の対のうちの一方を通して撮影された投影画像のフレーム14-20を図示する一方、フレーム36-42は、脚部502の対のうちの他方のものを通して撮影された投影画像に対応する。
【0076】
上で説明されるように、脚部502は、脚部502を通してX線ビームを発射する各投影角度において、投影画像内にある対応する画像アーチファクト504が隣接する画像と重複しないように、形状およびサイズを決定される。例えば、フレーム17に示される画像アーチファクト504の上縁506は、フレームが互いに重ねられたとき、フレーム18に示される画像アーチファクト504の底縁508と重複しない。投影画像間の画像アーチファクト重複を防止することによって、より多い数のフレームが、トモシンセシス再構築中に使用されることができる。ある側面において、画像アーチファクトが投影画像間で重複する場合、それらの対応するフレームは、再構築のために使用されないこともある。いくつかの例では、投影画像を用いて実施されるトモシンセシス再構築は、脚部の画像アーチファクト504を有する画像(例えば、-15°~-8°および+8°~+15°管ヘッド角度の投影画像)を破棄し、使用しないこともある。しかしながら、-15°~-8°および+8°~+15°管ヘッド角度の投影画像の全てを破棄することは、再構築画像の品質を低下させ得る。したがって、他の例では、撮像システムは、撮像補正を実施することによって、再構築中、脚部の画像アーチファクト504を含む投影画像を依然として使用し得る。
【0077】
例では、撮像システムの画像プロセッサ(例えば、メモリと、プロセッサとを含む、
図1に示される画像プロセッサ132)は、各投影画像内の画像アーチファクト504の場所を識別し、画像アーチファクト504をセグメント化して除き、処理およびセグメント化された投影画像に基づいて、複数の投影画像500をトモシンセシス再構築に再構築するために使用される。例えば、画像プロセッサは、各投影画像内の画像アーチファクト504の上縁および底縁506、508を識別することができる。画像アーチファクト504の場所が識別されると、画像アーチファクト場所は、セグメント化されて除かれ、均一な背景と置換される。ある側面において、画像アーチファクト504の位置特定は、ピクセルによって実施されることができ、画像アーチファクト504のピクセルは、均一であり、いかなる画像データも提供しない背景値によって置換される。セグメント化が、要求または所望に応じて、空間(例えば、ピクセル)ドメインまたは周波数ドメインのいずれかにおいて実施され得ることを理解されたい。投影画像における画像アーチファクト値を除去することによって、処理されたトモシンセシス画像の再構築は、以下で説明されるような
図17に示されるように、影が再構築において形成されることなく、実施されることができる。
【0078】
図17は、投影画像500(
図16に示される)からの再構築画像510、512を描写する。逆投影再構築が、画像アーチファクト補正を伴わずに投影画像500に対して実施されると、影514が、再構築画像510において形成される。これらの影514は、望ましくなく、再構築画像510の品質を低下させる。対照的に、撮像されたアーチファクトが、(例えば、上で説明されるプロセスを介して)補正されると、逆投影再構築がセグメント化された投影画像500に対して実施されるとき、影は、再構築画像512において形成されない。したがって、再構築画像512は、再構築が、脚部の画像アーチファクトがセグメント化されて除かれた後に実施される場合、より良好な品質である。
【0079】
継続して
図16を参照すると、再構築のために使用される投影画像500の数が減らされるとき、トモシンセシス走査の性能および精度は、低下させられる。故に、患者シールドシステムの脚部502のサイズ、形状、および位置は、脚部502からの画像アーチファクト504を含む投影画像500の数を減らす。これは、トモシンセシス走査の性能および精度を増加させる。加えて、X線ビームを用いて脚部502を通して撮影し続け、次いで、結果として生じる投影画像500を補正することによって、再構築のために使用される撮像データを増加させることによって、トモシンセシス走査の性能および精度をさらに増加させる。撮像性能は、画像アーチファクト504が含まれる場合に投影画像を完全に除去することと比較したとき、例えば、(例えば、画像アーチファクト504がセグメント化されて除かれた)投影画像の85%を使用することによって、増加させられる。
【0080】
いくつかの例では、投影画像500は、撮像中に現れた撮像システムの他の構成要素をフレーム上に有し得る。例えば、これらの構成要素は、コリメータ、X線検出器等の一部であり得る。いくつかの側面において、画像アーチファクト504が、検出器縁に近接し、部分的にのみ撮像されているとき(例えば、フレーム14、20、36、および42)、撮像システムの他の構成要素のせいで、これらのアーチファクトの上縁または底縁506、508を識別することは、困難であり得る。したがって、画像プロセッサは、画像アーチファクト504全体を示すフレーム(例えば、フレーム15-19および37-41)における上縁または底縁506、508のいずれかに対する適合曲線を発生させ、次いで、画像アーチファクト504をセグメント化して除くことに先立って、適合曲線に基づいて、部分的にのみ示される画像アーチファクト504の上縁506または底縁508を決定することによって、画像アーチファクト補正プロセスの精度をさらに増加させることができる。
【0081】
適合曲線を発生させるために、画像プロセッサは、画像アーチファクト504全体を示す2つ以上のフレームにおける画像アーチファクト504の上縁506の場所を識別する。これらのフレームは、例えば、
図16に図示されるフレーム15-19またはフレーム37-41であり得る。上縁506の適合曲線に基づいて、画像プロセッサは、フレーム14または36における上縁506を決定することができる。同様に、画像プロセッサは、画像アーチファクト504全体を示す2つ以上のフレームにおける画像アーチファクト504の底縁508の場所を識別する。これらのフレームは、例えば、フレーム15-19またはフレーム37-41であり得る。底縁508の適合曲線に基づいて、画像プロセッサは、フレーム20または42における底縁508を決定することができる。上記の例は、画像アーチファクト504の縁場所に基づく適合曲線を説明するが、他の適合曲線も、要求または所望に応じて使用され得ることを理解されたい。例えば、画像アーチファクト504のエリア場所に基づく適合曲線が、使用されることができる。画像プロセッサは、管ヘッド角度が変化するにつれて、および要求または所望に応じて、各投影画像における倍率の差異(例えば、レセプタからのX線源の距離)を考慮することができる。
【0082】
図18は、患者の乳房を撮像する別の方法600を図示するフローチャートを描写する。方法600は、要求または所望に応じて、上で説明される撮像システムまたは任意の他の撮像システム上で実施されることができる。方法600は、圧縮アームアセンブリにおいて患者の乳房を固定することから開始される(動作602)。圧縮アームアセンブリは、圧縮パドルを支持する支持アームと、プラットフォームと、プラットフォームの下方に配置されたX線レセプタとを含む。加えて、シールドが、少なくとも部分的に患者とX線管ヘッドのX線場との間に位置付けられる(動作604)。シールドは、管ヘッド平面の一方の側に、少なくとも1つの脚部がシールドを支持し、管ヘッド平面を横断して延びている状態で位置付けられる。
【0083】
患者の乳房の複数のX線投影画像が、トモシンセシス撮像中に取得される(動作606)。複数のX線投影のうちの少なくとも2つは、少なくとも1つの脚部からの画像アーチファクトを含み、少なくとも1つの脚部は、少なくとも2つのX線投影画像内の画像アーチファクトの場所が、互いに重複しないように形状およびサイズを決定される。ある側面において、少なくとも2つのX線投影画像を取得することは、-15°~-8°および/または+8°~+15°管ヘッド角度のX線照射を放出することと、患者シールドの脚部を通して撮影することとを含む。
【0084】
少なくとも2つのX線投影画像は、画像アーチファクトをセグメント化して除くように処理される(動作608)。いくつかの例では、投影画像を処理することは、画像内の画像アーチファクトの場所を識別することと、背景値を用いて画像アーチファクトをセグメント化することとを含む。画像アーチファクトの場所識別は、画像アーチファクトの2つの最外側縁の位置を決定することを含むことができる。画像アーチファクトの最外側縁位置を決定することによって、方法は、少なくとも1つの脚部の部分的画像アーチファクトを有するX線投影画像を処理することを含むことができる。2つの最外側縁のうちの少なくとも1つの決定された位置に基づいて、適合曲線が、部分的画像アーチファクトの縁が、2つの最外側縁を有する少なくとも2つのX線投影画像から決定されるように発生させられることができる。故に、部分的画像アーチファクトの処理は、増加した精度を有する。
【0085】
処理された少なくとも2つのX線投影画像に基づいて、1つ以上のトモシンセシス画像が、次いで、再構築される(動作610)。この再構築は、要求または所望に応じて、空間ドメインまたは周波数ドメインにおける逆投影を使用して実施されることができる。
【0086】
図19は、別の患者シールドシステム700の斜視図である。
図20は、患者シールドシステム700の後面図である。同時に
図19および20を参照すると、患者シールドシステム700は、撮像システム100(
図1-6に示される)とともに使用されるように構成され、上で説明される実施形態と同様に機能する。患者シールドシステム700は、撮像システム100の圧縮アームアセンブリに解放可能に固定されるように構成されたアームプレート704を有するアーム702を含む。この例では、アームプレート704は、要求または所望に応じて、1つ以上のハンドル706と、係止機構708とを含み得る。キャリア710が、アーム702の他方の端部に結合され、シールド714のためのブラケット712を支持するように構成される。キャリア710は、アーム702に沿って選択的にスライド可能である。キャリア710は、アーム702に沿ったキャリア710の位置付けを促進するためのボタン718を含む端部を伴う横部材716を含む。
【0087】
ブラケット712は、シールド714を支持し、本明細書に説明されるような高角度撮像手技のためにシールド714が撮像システム100上に選択的に位置付けられることを可能にするように構成される。ブラケット712は、シールド714に結合するシールドマウント720と、キャリア710に結合されたキャリアマウント722とを含む。例では、キャリアマウント722は、軌道を画定し、シールドマウント720は、軌道内でスライドするように構成される。キャリアマウント722は、シールドマウント720の移動を促進するための1つ以上のスライド軸受(例えば、上部、底部、および/または側部スライド軸受)を含み得る。スライド軸受は、上で説明されるようなローラであり得る。他の例では、スライド軸受は、対応する軌道がシールドマウント720内に形成されたキャリアマウント722によって支持されたV形ローラ(例えば、環状V形溝を伴うローラ)であり得る。また他の例では、シールドマウント720が、V形ローラを支持し得る一方、キャリアマウント722は、対応する軌道を画定する。
【0088】
シールドマウント720の後部において、患者シールドシステム700は、シールド714の各側における係止機構724を含み得、係止機構724は、キャリアマウント722に対するシールドマウント720およびシールド714の位置を固定するように構成されている。ある例では、係止機構724は、キャリアマウント722に摩擦力を及ぼす付勢ロッドを介して結合されたレバーの対であり得る。この構成は、患者シールド714を保持するとき、技師によるシールド714の片手での位置付けを可能にする。他の例では、係止機構724は、シールド714が本明細書に説明されるように機能することを可能にする任意の他の構造を有することができる。
【0089】
キャリアマウント722は、シールドマウント720と係合される支持体726と、支持体726から延び、キャリア710の横部材716に結合された脚部728の対とを含む。この例では、脚部728の対は、実質的に円筒形であり、撮像手技中に画像アーチファクト側を減らすように、
図14を参照して上で説明される脚部と同様に、円形断面外形を有する。
【0090】
いくつかの例では、キャリアマウント722は、キャリアマウント722に対するシールドマウント720の自動的移動を可能にする電子駆動装置730(例えば、モータおよび駆動部材)を含み得る。シールド714の自動的運動制御を(例えば、
図1に示されるシステム制御およびワークステーション134を介して)提供することによって、シールド714は、圧縮アームアセンブリ104(
図1に示される)が移動させられる方法に基づいて、自動的に位置付けられるように構成されることができる。他の例では、技師は、電子駆動装置730を使用し、要求または所望に応じて、シールド714を位置付けることができる。
【0091】
手動シールド714移動または自動的シールド714移動のいずれかに関して、シールドマウント720および/またはキャリアマウント722は、撮像システム上のシールド714の位置を決定するために、1つ以上のセンサ732を含み得る。例では、センサ732は、シールド714の位置を提供し、位置に基づいて、シールド714を移動させるべき方向または場所を技師に示すことができる。他の例では、センサ732は、電子駆動装置730の移動方向を決定するために使用され得る。
【0092】
例では、シールド714の側面は、ウイング734の対を含み得る。ウイング734は、各々がシールド714の平面内で、またはシールド714の平面に対して角度付けられた位置において整列させられ得るように、手動で旋回可能であり得る。ある側面において、ウイング734は、シールド714の平面に実質的に直交して位置付けられることができる。ウイング734が、シールド714の平面内に整列させられるとき、ウイング734は、シールド714の運動の角度範囲が抑制されないように、少なくとも部分的にキャリアマウント722内に延び得る。ウイング734は、患者快適性を増加させるように、シールド714の表面積を増加させる一方、患者支持および快適性を増加させるように、シールド714の側面にリターンも提供する。ウイング734は、患者が撮像中にX線ビームに干渉することもさらに制限する。側面において、ウイング734は、要求または所望に応じて、シールド714から除去可能であり得る。
【0093】
シールド714は、実質的に透明な窓部材738を支持するフレーム736も含み得る。ある側面において、フレーム736は、透明窓部材738の周辺の周りに完全に延びている。他の側面において、フレーム736は、透明窓部材738の周辺の周りに部分的にのみ延びている。なおも他の側面において、シールド714自体が、実質的に透明な材料から形成され得る。患者がシールド714を通して見ることを可能にすることによって、患者快適性および落ち着きが、増加させられる。加えて、技師のための可視性が、増加させられる。
【0094】
(実施例)
【0095】
本明細書に説明されるシステムおよび方法の例証的例が、下記に提供される。本明細書に説明されるシステムまたは方法の実施形態は、いずれか1つ以上の以下で説明される付記またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
付記1. 患者の乳房を撮像するための撮像システムであって、撮像システムは、
ガントリと、
ガントリに回転可能に結合された圧縮アームアセンブリであって、圧縮アームアセンブリは、圧縮パドルを支持する支持アームと、プラットフォームと、プラットフォームの下方に配置されたX線レセプタとを含む、圧縮アームアセンブリと、
ガントリに回転可能に結合され、圧縮アームアセンブリに対して独立して回転可能であるX線管ヘッドであって、X線管ヘッドは、X線管ヘッドを介して第1の平面に沿って移動可能であるX線源を含む、X線管ヘッドと、
少なくとも部分的に圧縮パドルとX線源との間に配置された患者シールドシステムと
を含み、
患者シールドシステムは、
支持アームに除去可能に結合されたアームと、
アームにスライド可能に結合されたキャリアと、
シールドと、
シールドをキャリアに結合しているブラケットと
を含み、
ブラケットは、シールドに結合されたシールドマウントと、キャリアに結合されたキャリアマウントとを含み、シールドマウントは、キャリアマウントと係合され、シールドがキャリアに対してスライドして移動させられることを可能にし、ブラケットは、第1の平面に平行な第2の平面内にあるシールドのための進行経路を画定し、進行経路は、弓形形状を有する、撮像システム。
付記2. シールドは、平坦なプレートを含む、本明細書の付記のいずれか1項に記載の撮像システム。
付記3. 進行経路に沿ったシールドの角度変位は、少なくとも60°である、本明細書の付記のいずれか1項に記載の撮像システム。
付記4. キャリアマウントは、キャリアに固定された放射線透過性プレートを含む、本明細書の付記のいずれか1項に記載の撮像システム。
付記5. キャリアマウントは、シールドマウントに係合するように構成された支持体と、支持体から延び、キャリアに結合するように構成された脚部の対とを含み、開口部が、支持体、脚部の対、およびキャリアによって画定され、開口部は、X線が患者シールドシステムを通過することを可能にするように形状およびサイズを決定されている、本明細書の付記のいずれか1項に記載の撮像システム。
付記6. 患者の乳房を撮像するための撮像システムであって、撮像システムは、
ガントリと、
ガントリに回転可能に結合された圧縮アームアセンブリであって、圧縮アームアセンブリは、圧縮パドルを支持する支持アームと、プラットフォームと、プラットフォームの下方に配置されたX線レセプタとを含む、圧縮アームアセンブリと、
ガントリに回転可能に結合され、回転軸の周囲で圧縮アームアセンブリに対して独立して回転可能であるX線管ヘッドであって、X線管ヘッドは、X線管ヘッドを介して第1の平面に沿って回転可能である、X線源を含む、X線管ヘッドと、
少なくとも部分的に圧縮パドルとX線源との間に配置された患者シールドシステムと
を含み、
患者シールドシステムは、
支持アームに除去可能に結合され、縦方向軸を画定するアームと、
アームにスライド可能に結合されたキャリアと、
シールドと、
シールドをキャリアに結合しているブラケットと
を含み、
ブラケットは、シールドが縦方向軸に直交する横断面に沿って移動することを可能にするように構成され、横断面に沿ったシールドのための進行経路は、弓形形状を有する、撮像システム。
付記7. 0°管ヘッド角度が、X線管ヘッドがプラットフォームに直交していることとして画定され、シールドは、0°管ヘッド角度に対して少なくとも-30°と+30°との間で進行経路に沿って移動可能である、本明細書の付記のいずれか1項に記載の撮像システム。
付記8. シールドは、第1の縁と、反対側の第2の縁とを有し、シールドが、第1の縁に向かう方向に移動させられるとき、第1の縁は、30°を越えて位置付け可能であり、シールドが、第2の縁に向かう方向に移動させられるとき、第2の縁は、-30°を越えて位置付け可能である、本明細書の付記のいずれか1項に記載の撮像システム。
付記9. ブラケットは、キャリアに対するシールドの位置を固定するための係止機構をさらに含む、本明細書の付記のいずれか1項に記載の撮像システム。
付記10. 弓形形状は、回転軸の周りに画定される、本明細書の付記のいずれか1項に記載の撮像システム。
付記11. 患者の乳房を撮像する方法であって、方法は、
第1の撮像位置において圧縮アームアセンブリを位置付けることであって、圧縮アームアセンブリは、圧縮パドルを支持する支持アームと、プラットフォームと、プラットフォームの下方に配置されたX線レセプタとを含む、ことと、
圧縮パドルとプラットフォームとの間で患者の乳房を固定することと、
少なくとも部分的に患者とX線管ヘッドのX線源のX線場との間にシールドを位置付けることであって、シールドは、少なくともアームおよびキャリアによって支持アームに結合され、シールドは、キャリアを介してアームに沿って線形に、かつブラケットを介してアームに直交する平面に沿って横方向に支持アームに対して移動可能であり、シールドの進行経路は、横断面に沿って形状において弓形である、ことと、
少なくとも1つの第1の撮像モードにおいて1つ以上の第1のX線画像を取得することであって、少なくとも1つの第1の撮像モードは、0°管ヘッド角度に対して±7°以下の管ヘッド角度にある、ことと、
第2の撮像モードにおいて1つ以上の第2のX線画像を取得することであって、第2の撮像モードは、0°管ヘッド角度に対して±7°を上回る管ヘッド角度にあり、シールドは、第2の撮像モードのX線場に対して位置付けられる、ことと
を含む、方法。
付記12. 圧縮アームアセンブリに対するシールドの位置を係止することをさらに含む、本明細書の付記のいずれか1項に記載の方法。
付記13. 少なくとも1つの第1の撮像モードは、トモシンセシス撮像を含む、本明細書の付記のいずれか1項に記載の方法。
付記14. 少なくとも1つの第1の撮像モードは、マンモグラフィ撮像を含む、本明細書の付記のいずれか1項に記載の方法。
付記15. 少なくとも1つの第1の撮像モードは、トモシンセシスおよびマンモグラフィ撮像を含む、本明細書の付記のいずれか1項に記載の方法。
付記16. 第2の撮像モードは、拡張トモシンセシスである、本明細書の付記のいずれか1項に記載の方法。
付記17. 圧縮アームアセンブリを位置付けることは、MLO撮像位置において圧縮アームアセンブリを位置付けることを含む、本明細書の付記のいずれか1項に記載の方法。
付記18. 患者の乳房を撮像するための撮像システムであって、
ガントリと、
ガントリに回転可能に結合された圧縮アームアセンブリであって、圧縮アームアセンブリは、圧縮パドルを支持する支持アームと、プラットフォームと、プラットフォームの下方に配置されたX線レセプタとを含む、圧縮アームアセンブリと、
ガントリに回転可能に結合され、圧縮アームアセンブリに対して独立して回転可能であるX線管ヘッドであって、X線管ヘッドは、X線源を含む、X線管ヘッドと、
少なくとも部分的に圧縮パドルとX線源との間に配置された患者シールドシステムと
を含み、
患者シールドシステムは、
支持アームに除去可能に結合されたアームと、
アームにスライド可能に結合されたキャリアと、
シールドと、
キャリア上でシールドを支持している少なくとも1つの脚部と
を含み、
0°管ヘッド角度が、X線源が支持プラットフォームに直交していることとして画定され、少なくとも1つの脚部は、少なくとも1つの脚部が-8°~-15°および+8°~+15°管ヘッド角度であるように、支持アーム上に位置付けられている、撮像システム。
付記19. X線源が、±8°管ヘッド角度にあるとき、少なくとも1つの脚部の画像アーチファクトは、撮像中に発生させられない、本明細書の付記のいずれか1項に記載の撮像システム。
付記20. X線源が、±15°管ヘッド角度にあるとき、少なくとも1つの脚部の画像アーチファクトは、撮像中に発生させられない、本明細書の付記のいずれか1項に記載の撮像システム。
付記21. 少なくとも1つの脚部の断面外形は、形状において三角形である、本明細書の付記のいずれか1項に記載の撮像システム。
付記22. 少なくとも1つの脚部の断面外形は、形状において円形である、本明細書の付記のいずれか1項に記載の撮像システム。
付記23. 少なくとも1つの脚部の断面外形は、形状において四辺形である、本明細書の付記のいずれか1項に記載の撮像システム。
付記24. 少なくとも1つの脚部は、脚部の対を備えている、本明細書の付記のいずれか1項に記載の撮像システム。
付記25. 患者の乳房を撮像する方法であって、方法は、
圧縮パドルを支持する支持アームと、プラットフォームと、プラットフォームの下方に配置されたX線レセプタとを含む圧縮アームアセンブリ内で患者の乳房を固定することと、
少なくとも部分的に患者とX線管ヘッドのX線場との間にシールドを位置付けることであって、シールドは、管ヘッド平面の一方の側に位置付けられ、少なくとも1つの脚部が、シールドを支持し、管ヘッド平面を横断して延びている、ことと、
トモシンセシス撮像中に患者の乳房の複数のX線投影画像を取得することであって、複数のX線投影画像のうちの少なくとも2つは、少なくとも1つの脚部からの画像アーチファクトを含み、少なくとも1つの脚部は、少なくとも2つのX線投影画像内の画像アーチファクトの場所が互いに重複しないように形状およびサイズを決定されている、ことと、
少なくとも2つのX線投影画像を処理することと、
処理された少なくとも2つのX線投影画像に基づいて、1つ以上のトモシンセシス画像を再構築することと
を含む、方法。
付記26. 少なくとも2つのX線投影画像を取得することは、-8°~-15°および+8°~+15°管ヘッド角度のX線照射を放出することを含む、本明細書の付記のいずれか1項に記載の方法。
付記27. 少なくとも2つのX線投影画像を処理することは、画像アーチファクトの場所を識別することと、背景値を用いて画像アーチファクトをセグメント化することとを含む、本明細書の付記のいずれか1項に記載の方法。
付記28. 画像アーチファクトの場所を識別することは、画像アーチファクトの2つの最外側縁の位置を決定することを含む、本明細書の付記のいずれか1項に記載の方法。
付記29. 少なくとも1つの脚部の部分的画像アーチファクトを伴うX線投影画像を処理することをさらに含み、2つの最外側縁のうちの少なくとも1つの決定された位置に基づいて、適合曲線が、発生させられ、それによって、部分的画像アーチファクトの縁は、2つの最外側縁を有する少なくとも2つのX線投影画像から決定される、本明細書の付記のいずれか1項に記載の方法。
付記30. 1つ以上のトモシンセシス画像を再構築することは、空間ドメインまたは周波数ドメインにおける逆投影を使用して実施される、本明細書の付記のいずれか1項に記載の方法。
付記31. 患者の乳房を撮像する方法であって、方法は、
圧縮パドルを支持する支持アームと、プラットフォームと、プラットフォームの下方に配置されたX線レセプタとを含む圧縮アームアセンブリ内で患者の乳房を固定することと、
少なくとも部分的に患者とX線管ヘッドのX線場との間にシールドを位置付けることであって、シールドは、管ヘッド平面の一方の側に位置付けられ、少なくとも1つの脚部が、シールドを支持し、管ヘッド平面を横断して延びている、ことと、
トモシンセシス撮像中に患者の乳房の複数のX線投影画像を取得することであって、複数のX線投影画像のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの脚部からの画像アーチファクトを含む、ことと、
少なくとも1つのX線投影画像における画像アーチファクトの場所を識別することと、
背景値を用いて画像アーチファクトをセグメント化することと、
セグメント化された少なくとも1つのX線投影画像に基づいて、1つ以上のトモシンセシス画像を再構築することと
を含む、方法。
付記32. 少なくとも1つのX線投影画像を取得することは、-8°~-15°および+8°~+15°管ヘッド角度のX線照射を放出することを含む、本明細書の付記のいずれか1項に記載の方法。
付記33. 画像アーチファクトを有する少なくとも1つのX線投影画像は、少なくとも1つの脚部からの画像アーチファクトを有する少なくとも2つのX線投影画像を含み、少なくとも1つの脚部は、少なくとも2つのX線投影画像内の画像アーチファクトの場所が互いに重複しないように、形状およびサイズを決定される、本明細書の付記のいずれか1項に記載の方法。
付記34. 画像アーチファクトの場所を識別することは、画像アーチファクトの2つの最外側縁の位置を決定することを含む、本明細書の付記のいずれか1項に記載の方法。
付記35. 少なくとも1つの脚部の部分的画像アーチファクトを伴うX線投影画像を処理することをさらに含み、2つの最外側縁のうちの少なくとも1つの決定された位置に基づいて、適合曲線が、発生させられ、それによって、部分的画像アーチファクトの縁が、2つの最外側縁を有する少なくとも2つのX線投影画像から決定される、本明細書の付記のいずれか1項に記載の方法。
【0096】
本開示は、可能な例のうちのいくつかのみが示された付随の図面を参照して、技術のいくつかの例を説明する。しかしながら、他の側面も、多くの異なる形態において具現化されることができ、本明細書に記載される例に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの例は、本開示が、徹底的かつ完全であり、可能な例の範囲を当業者に完全に伝えるように提供された。本明細書に説明される異なる例の任意の数の特徴が、1つの単一の例に組み合わせられてもよく、本明細書に説明される特徴の全てより少ない、またはそれを上回るものを有する代替例が、可能である。本明細書に採用される専門用語が、特定の例を説明する目的のみのために使用され、限定であることを意図していないことを理解されたい。本明細書に使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」が、文脈が明確に別様に決定付けない限り、複数指示物を含むことに留意されたい。
【0097】
具体的例が、本明細書に説明されたが、技術の範囲は、それらの具体的例に限定されない。当業者は、技術の範囲内である他の例または改良を認識するであろう。したがって、具体的構造、行為、または媒体は、例証的例としてのみ開示される。技術による例はまた、本明細書に別様に記載されない限り、一般に開示されるが、明示的に組み合わせにおいて例示されないものの要素または構成要素を組み合わせ得る。技術の範囲は、以下の請求項およびそれにおける任意の均等物によって定義される。
【国際調査報告】