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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】油圧システムと圧力制御方法
(51)【国際特許分類】
   F15B 11/028 20060101AFI20240311BHJP
   F15B 11/08 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
F15B11/028 A
F15B11/08 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558429
(86)(22)【出願日】2022-03-28
(85)【翻訳文提出日】2023-11-15
(86)【国際出願番号】 US2022022203
(87)【国際公開番号】W WO2022204599
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】63/166,845
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598096131
【氏名又は名称】フスコ インターナショナル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】HUSCO INTERNATIONAL, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン トム
(72)【発明者】
【氏名】クンダート アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ブッシュコップフ キャセイ
(72)【発明者】
【氏名】ハムキンス エリック
(72)【発明者】
【氏名】ホルター ベン
(72)【発明者】
【氏名】クイネル コリー ケイ.
【テーマコード(参考)】
3H089
【Fターム(参考)】
3H089AA20
3H089AA60
3H089DB05
(57)【要約】
油圧システムは、入口ワークポートと、機能ワークポートと、制御チャンバと、前記入口ワークポートと前記制御チャンバとの間に配置されたポペットと、を含むポペット制御弁を含む。前記ポペットは開位置と閉位置との間で移動可能である。前記油圧システムは、更に、パイロット制御弁を含む。前記機能ワークポートに相関する圧力が前記パイロット制御弁の第1側に供給され、パイロット源圧力が前記パイロット制御弁の第2側に供給される。前記機能ワークポート内の圧力が設定圧力に達すると、前記機能ワークポートに相関する前記圧力により、前記パイロット制御弁は、前記制御チャンバと前記機能ワークポートの間の流量制限を増加させる位置に強制的に移動させられ、これにより、前記ポペットが前記閉位置に向かう方向に移動し、前記機能ワークポート内の前記圧力を前記設定圧力に制限する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能への流体の流れを制御する油圧システムであって、
入口ワークポートと、機能ワークポートと、制御チャンバと、前記入口ワークポートと前記制御チャンバとの間に配置されたポペットと、を含むポペット制御弁であって、前記ポペットは開位置と閉位置との間で移動可能である、前記ポペット制御弁と、
前記機能ワークポートに相関する圧力が第1側に供給され、パイロット源圧力が第2側に供給される、パイロット制御弁と、
を備え、
前記機能ワークポート内の圧力が設定圧力に達すると、前記機能ワークポートに相関する前記圧力により、前記パイロット制御弁は、前記制御チャンバと前記機能ワークポートの間の流量制限を増加させる位置に強制的に移動させられ、これにより、前記ポペットが前記閉位置に向かう方向に移動し、前記機能ワークポート内の前記圧力を前記設定圧力に制限することを特徴とする油圧システム。
【請求項2】
前記ポペットは、前記入口ワークポートと前記制御チャンバとの間の流体連通を提供する制御通路を含み、
前記ポペットは、前記ポペットが前記閉位置から前記開位置に向かって移動するにつれて、前記制御通路に沿って増加する流れ面積を画定する可変オリフィスを画定する
ことを特徴とする請求項1に記載の油圧システム。
【請求項3】
前記機能ワークポートの下流に配置されたリリーフ弁
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の油圧システム。
【請求項4】
前記リリーフ弁の下流に配置されたセンスオリフィスを更に備えることを特徴とする請求項3に記載の油圧システム。
【請求項5】
前記パイロット制御弁の第1側に供給される前記機能ワークポートに相関する前記圧力は、前記リリーフ弁と前記センスオリフィスの間に位置する
ことを特徴とする請求項4に記載の油圧システム。
【請求項6】
前記機能ワークポート内の前記圧力が前記設定圧力に達すると、前記リリーフ弁は、リリーフ弁閉位置からリリーフ弁開位置に移動するように構成され、これにより、前記リリーフ弁と前記センスオリフィスとの間の圧力が増加する
ことを特徴とする請求項5に記載の油圧システム。
【請求項7】
前記リリーフ弁と前記センスオリフィスとの間の前記圧力が増加すると、前記パイロット制御弁がパイロット弁閉位置に向かって強制的に移動させられ、これにより、前記ポペットが前記閉位置に向かって移動する
ことを特徴とする請求項6に記載の油圧システム。
【請求項8】
前記リリーフ弁と前記センスオリフィスとの間の前記圧力は、前記パイロット制御弁の前記第1側と係合するプッシャロッドに供給される
ことを特徴とする請求項7に記載の油圧システム。
【請求項9】
前記パイロット制御弁は第1パイロット制御弁であり、
前記油圧システムは、更に、前記第1パイロット制御弁と直列に配置された第2パイロット制御弁を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の油圧システム。
【請求項10】
バネが前記第2パイロット制御弁の第1側に係合しており、パイロット源圧力が前記第2パイロット制御弁の第2側に供給される
ことを特徴とする請求項9に記載の油圧システム。
【請求項11】
前記パイロット制御弁は第1パイロット制御弁であり、
前記油圧システムは、更に、第2パイロット制御弁を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の油圧システム。
【請求項12】
前記第1パイロット制御弁は、前記第2パイロット制御弁の第1側と流体連通する出口ポートを含む
ことを特徴とする請求項11に記載の油圧システム。
【請求項13】
前記第1パイロット制御弁の前記第1側に供給される前記機能ワークポートに相関する前記圧力が第1領域に作用し、
前記第1パイロット制御弁の前記第2側に供給される前記パイロット源圧力は、第2領域に作用する
ことを特徴とする請求項12に記載の油圧システム。
【請求項14】
前記第1領域と前記第2領域の面積割合によって、前記機能ワークポートに相関する圧力と前記パイロット源圧力とのバランスがとれ、これにより、前記機能ワークポート内の前記圧力が前記設定圧力に達すると、前記第1パイロット制御弁は、流体の流れが前記出口ポートを介して提供される位置に移動し、前記第2パイロット制御弁を第2パイロット弁閉位置に向けて強制的に移動させ、前記制御チャンバと前記機能ワークポートの間の前記流量制限を増やす
ことを特徴とする請求項13に記載の油圧システム。
【請求項15】
機能への流体の流れを制御する油圧システムであって、
入口ワークポートと、機能ワークポートと、制御チャンバと、前記入口ワークポートと前記制御チャンバとの間に配置されたポペットと、を含むポペット制御弁であって、前記ポペットは、前記ポペットが前記閉位置から前記開位置に向かって移動するにつれて、前記制御チャンバにおいて増加する流れ面積を画定する可変オリフィスを含む、前記ポペット制御弁と、
前記制御チャンバと前記機能ワークポートの間に配置され、プッシャロッドが第1側と係合し、パイロット源圧力が第2側に供給されるパイロット制御弁と、
前記機能ワークポートの下流に配置されたリリーフ弁と、
前記リリーフ弁の下流に配置されたセンスオリフィスと、
を備え、
前記リリーフ弁と前記センスオリフィスとの間のセンス圧力が前記プッシャロッドに供給され、
前記機能ワークポート内の圧力が設定圧力に達すると、前記リリーフ弁は、リリーフ弁閉位置からリリーフ弁開位置に移動するように構成され、これにより、前記センス圧力が増加し、前記プッシャロッドが前記パイロット制御弁をパイロット弁閉位置に向けて強制的に移動させ、前記ポペットは前記閉位置に向かう方向に移動し、前記機能ワークポート内の前記圧力を前記設定圧力に制限することを特徴とする油圧システム。
【請求項16】
前記センス圧力が供給される前記プッシャロッドの側によって画定される面積は、前記パイロット制御弁の前記第2側の面積よりも大きいことを特徴とする請求項15に記載の油圧システム。
【請求項17】
前記リリーフ弁は、電気油圧リリーフ弁であることを特徴とする請求項15に記載の油圧システム。
【請求項18】
前記リリーフ弁は、前記リリーフ弁閉位置から前記リリーフ弁開位置までの前記リリーフ弁の動きを制御する手動調整可能な圧力制限を含むことを特徴とする請求項15に記載の油圧システム。
【請求項19】
前記リリーフ弁は、前記リリーフ弁閉位置から前記リリーフ弁開位置までの前記リリーフ弁の移動を制御する可変圧力制限を含むことを特徴とする請求項15に記載の油圧システム。
【請求項20】
前記ポペットは、前記入口ワークポートと前記制御チャンバとの間の流体連通を提供する制御通路を含むことを特徴とする請求項15に記載の油圧システム。
【請求項21】
機能への流体の流れを制御する油圧システムであって、
入口ワークポートと、機能ワークポートと、制御チャンバと、前記入口ワークポートと前記制御チャンバとの間に配置されたポペットと、を含むポペット制御弁であって、前記ポペットは、前記ポペットが前記閉位置から前記開位置に向かって移動するにつれて、前記制御チャンバにおいて増加する流れ面積を画定する可変オリフィスを含む、前記ポペット制御弁と、
前記制御チャンバと前記機能ワークポートとの間に配置された第1パイロット制御弁と、
前記第1パイロット制御弁と直列に配置された第2パイロット制御弁と、
を備え、
バネが前記第2パイロット制御弁の第1側に係合しており、パイロット源圧力が前記第2パイロット制御弁の第2側に供給され、
前記機能ワークポート内の圧力が設定圧力に達すると、前記第1パイロット制御弁は、第1パイロット弁閉位置に向かって移動し、前記制御チャンバと前記機能ワークポートとの間の制限を増加させるように構成され、これにより、前記ポペットが前記閉位置に向かう方向に移動し、前記機能ワークポート内の前記圧力を前記設定圧力に制限することを特徴とする油圧システム。
【請求項22】
前記機能ワークポート内の前記圧力は、前記第1パイロット制御弁の第1側に供給されることを特徴とする請求項21に記載の油圧システム。
【請求項23】
前記パイロット源圧力は、前記第1パイロット制御弁の前記第2側に供給されることを特徴とする請求項22に記載の油圧システム。
【請求項24】
前記第1パイロット制御弁の前記第2側に供給される前記パイロット源圧力の大きさは、第1パイロット源制御弁によって調整可能であることを特徴とする請求項23に記載の油圧システム。
【請求項25】
前記機能ワークポート内の前記圧力が供給される前記第1パイロット制御弁の前記第1側の面積は、前記パイロット源圧力が供給される前記第1パイロット制御弁の前記第2側の面積よりも小さいことを特徴とする請求項23に記載の油圧システム。
【請求項26】
前記ポペットは、前記入口ワークポートと前記制御チャンバとの間の流体連通を提供する制御通路を含むことを特徴とする請求項21に記載の油圧システム。
【請求項27】
前記機能ワークポートと流体連通するセンスオリフィス
を更に備えることを特徴とする請求項21に記載の油圧システム。
【請求項28】
前記センスオリフィスの下流に配置されたリリーフ弁を更に備えることを特徴とする請求項27に記載の油圧システム。
【請求項29】
前記機能ワークポート内の前記圧力は、前記第1パイロット制御弁の第1側に供給され、
前記センスオリフィスと前記リリーフ弁との間に位置する圧力は、前記第1パイロット制御弁の第2側に供給される
ことを特徴とする請求項28に記載の油圧システム。
【請求項30】
前記機能ワークポート内の前記圧力が前記設定圧力に達すると、前記リリーフ弁は、リリーフ弁閉位置からリリーフ弁開位置に移動するように構成され、これにより、前記センスオリフィスと前記リリーフ弁の間の圧力は前記設定圧力に維持され、前記機能ワークポート内の前記圧力の上昇によって、前記第1パイロット制御弁が第1パイロット弁閉位置に向かって強制的に移動させられる
ことを特徴とする請求項29に記載の油圧システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年3月26日に出願された米国仮特許出願第63/166,845号に基づく優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究の記載
該当無し。
【背景技術】
【0003】
オフハイウェイ(off-highway)機械/車両には、通常、油圧制御できる1つ以上の機能が含まれてる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、機能ワークポートの圧力制御のための油圧システム及び方法を提供する。例えば、機能ワークポートへの流体の流れは、設定圧力を超えて増加する機能ワークポート圧力に応じてパイロット制御弁を強制的に閉位置に向かって移動させることによって制限されてもよい。過剰なワークポート流量を、例えばタンクなどの油圧リザーバに排出する従来の油圧システムとは異なり、本明細書に開示される油圧システムは、過剰な流量をタンクに排出することなくワークポートの圧力を調整し、これにより油圧効率が向上し、システムのパフォーマンスが向上する(例えば、タンクに排出されない圧力/流量は他の機能で利用できる)。
【0005】
一態様では、本開示は、機能への流体の流れを制御する油圧システムを提供する。前記油圧システムは、入口ワークポートと、機能ワークポートと、制御チャンバと、前記入口ワークポートと前記制御チャンバとの間に配置されたポペットと、を含むポペット制御弁を含む。前記ポペットは開位置と閉位置との間で移動可能である。前記油圧システムは、更に、パイロット制御弁を含む。前記機能ワークポートに相関する圧力が前記パイロット制御弁の第1側に供給され、パイロット源圧力が前記パイロット制御弁の第2側に供給される。前記機能ワークポート内の圧力が設定圧力に達すると、前記機能ワークポートに相関する前記圧力により、前記パイロット制御弁は、前記制御チャンバと前記機能ワークポートの間の流量制限を増加させる位置に強制的に移動させられ、これにより、前記ポペットが前記閉位置に向かう方向に移動し、前記機能ワークポート内の前記圧力を前記設定圧力に制限する。
【0006】
一態様では、本開示は、機能への流体の流れを制御する油圧システムを提供する。前記油圧システムは、入口ワークポートと、機能ワークポートと、制御チャンバと、前記入口ワークポートと前記制御チャンバとの間に配置されたポペットと、を含むポペット制御弁を含む。前記ポペットは、前記ポペットが前記閉位置から前記開位置に向かって移動するにつれて、前記制御チャンバにおいて増加する流れ面積を画定する可変オリフィスを含む。前記油圧システムは、更に、前記制御チャンバと前記機能ワークポートの間に配置されるパイロット制御弁を含む。プッシャロッドが前記パイロット制御弁の第1側と係合し、パイロット源圧力が前記パイロット制御弁の第2側に供給される。前記油圧システムは、更に、前記機能ワークポートの下流に配置されたリリーフ弁と、前記リリーフ弁の下流に配置されたセンスオリフィスと、を含む。前記リリーフ弁と前記センスオリフィスとの間のセンス圧力が前記プッシャロッドに供給され、前記機能ワークポート内の圧力が設定圧力に達すると、前記リリーフ弁は、リリーフ弁閉位置からリリーフ弁開位置に移動するように構成され、これにより、前記センス圧力が増加し、前記プッシャロッドが前記パイロット制御弁をパイロット弁閉位置に向けて強制的に移動させ、前記ポペットは前記閉位置に向かう方向に移動し、前記機能ワークポート内の圧力を前記設定圧力に制限する。
【0007】
一態様では、本開示は、機能への流体の流れを制御する油圧システムを提供する。前記油圧システムは、入口ワークポートと、機能ワークポートと、制御チャンバと、前記入口ワークポートと前記制御チャンバとの間に配置されたポペットと、を含むポペット制御弁を含む。前記ポペットは、前記ポペットが前記閉位置から前記開位置に向かって移動するにつれて、前記制御チャンバにおいて増加する流れ面積を画定する可変オリフィスを含む。前記油圧システムは、更に、前記制御チャンバと前記機能ワークポートとの間に配置された第1パイロット制御弁と、第1パイロット制御弁と直列に配置された第2パイロット制御弁と、を備える。バネが前記第2パイロット制御弁の第1側に係合しており、パイロット源圧力が前記第2パイロット制御弁の第2側に供給され、前記機能ワークポート内の圧力が設定圧力に達すると、前記第1パイロット制御弁は、第1パイロット弁閉位置に向かって移動し、前記制御チャンバと前記機能ワークポートとの間の制限を増加させるように構成され、これにより、前記ポペットが前記閉位置に向かう方向に移動し、前記機能ワークポート内の圧力を前記設定圧力に制限する。
【0008】
本開示の前述及び他の態様及び利点は、以下の説明から明らかになるであろう。この説明では、本明細書の一部を形成する添付図面が参照され、そこには、本開示の好ましい構成が例示として示されている。しかしながら、そのような構成は必ずしも本開示の全範囲を表すものではないため、本開示の範囲を解釈するために特許請求の範囲及び本明細書を参照する。
【0009】
以下の詳細な説明を考慮すると、本発明はよりよく理解され、上記以外の特徴、態様、及び利点が明らかになるであろう。このような詳細な説明は、以下の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の態様によるリリーフ弁を含む油圧システムの概略図である。
図2図2は、2つのポンプと2つのポペット制御弁を含む図1の油圧システムの概略図である。
図3図3は、本開示の態様による、第1パイロット制御弁及び第2パイロット制御弁を含む油圧システムの概略図である。
図4図4は、2つのポンプからの単一のワークポートへの流れを制限するように構成された第1パイロット制御弁を備えた図3の油圧システムの概略図である。
図5図5は、第1パイロット制御弁、第2パイロット制御弁、リリーフ弁を含む油圧システムの概略図である。
図6図6は、2つのポンプと2つのポペット制御弁を含む図5の油圧システムの概略図である。
図7図7は、本開示の態様による面積平衡型制御弁を含む油圧システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の任意の態様を詳細に説明する前に、本開示は、その適用において、以下の説明に記載されるか、又は以下の図面に示される構成要素の構成の詳細及び配置に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の構成も可能であり、様々な方法で実施又は実施することができる。また、本明細書で使用される表現及び用語は説明を目的としたものであり、限定するものとみなすべきではないことを理解されたい。本明細書における「含む」(including)、「備える」(comprising)、又は「有する」(having)及びそれらの変形の使用は、その後に列挙される項目及びその等価物、並びに追加の項目を包含することを意味する。別段の指定又は制限がない限り、「取り付けられた」(mounted)、「接続された」(connected)、「支持された」(supported)、及び「結合された」(coupled)という用語及びそれらの変形は広く使用され、直接及び間接の両方による取付、接続、支持、及び結合を包含する。更に、「接続された」及び「結合された」は、物理的又は機械的な接続又は結合に限定されない。
【0012】
以下の考察は、当業者が本開示の態様を作成及び使用できるようにするために提示される。図示された構成に対する様々な修正は当業者には容易に明らかであり、本明細書の一般原理は、本開示の態様から逸脱することなく他の構成及び用途に適用することができる。従って、本開示の態様は、図示された構成に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される原理及び特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきであり、異なる図面の同様の要素には同様の参照番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりではないが、選択された構成を示しており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。当業者は、本明細書に提供される非限定的な例には多くの有用な代替例があり、本開示の範囲内に含まれることを認識するであろう。
【0013】
本明細書における「下流」(downstream)及び「上流」(upstream)という用語の使用は、流体の流れに対する方向を示す用語である。「下流」という用語は流体の流れの方向に対応し、「上流」という用語は流体の流れの方向と反対の方向を指す。
【0014】
一般に、本開示は、1つ又は複数の油圧コンポーネントを介して機能ワークポートへの流れを制限することによって機能ワークポートの圧力を調整する油圧制御を提供する。例えば、油圧コンポーネントは、リリーフ弁、オリフィス、スプール、ポペット、又は制御弁のうちの1つ又は複数を含むことができる。一般に、油圧コンポーネントの少なくとも1つの動きは、機能ワークポート内の圧力と相関していてもよく、これにより、機能ワークポート内の圧力が設定圧力に達すると、油圧コンポーネントが機能に流体の流れを供給するポペット制御弁を閉じてもよく(つまり、ポペットが閉位置に向かって移動してもよく)、これによって、制限が増加し、機能への流体の流れが制限され、機能ワークポート内の圧力を設定圧力に制限する。
【0015】
図1は、本開示の態様によるリリーフ弁を含む油圧システム100の概略図である。油圧システム100は、加圧されたタンク又はリザーバ104から作動流体(例えば、油)をポンプ102の下流に配置されたポペット制御弁106に供給するように構成されたポンプ102を含む。ポペット制御弁106は、1つ又は複数の機能108への流体の流れを制御するように構成されている。機能108は、油圧制御されるオフハイウェイ(off-highway)車両/機械上の任意の構成要素(例えば、アクチュエーター、バケット、モーター、マストなど)であってよい。図示された非限定的な例では、油圧システム100は、機能108への流体の流れを制御する単一のポペット制御弁106を含む。ただし、他の構成も可能である。例えば、ポペット制御弁106は、複数の機能(例えば、2つ以上の機能)への流体の流れを制御することができる。或いは、複数のポペット制御弁106が単一の機能への流体の流れを制御することもできる。
【0016】
図示の非限定的な例では、ポペット制御弁106は、入口ワークポート110と、機能ワークポート112と、制御チャンバ114と、入口ワークポート110と制御チャンバ114との間に配置されたポペット116と、を含む。入口ワークポート110はポンプ102と流体連通し、機能ワークポート112は機能108と流体連通する。ポペット116は制御通路118及び可変オリフィス120を含む。制御通路118はポペット116を通って延び、可変オリフィス120を介して入口ワークポート110と制御チャンバ114との間に流体連通を提供する。可変オリフィス120は、ポペット116が閉位置から開位置に向かって移動するにつれて、制御通路118に沿って増加する流れ面積を画定する。図示の非限定的な例では、可変オリフィス120は、制御チャンバ114に隣接するポペット116の端部内に延びるノッチによって形成される。ノッチは、可変オリフィス120によって画定される流れ面積が、ポペット116は、開位置から閉位置に向かって(例えば、図1において下方に)移動するとともに増加するように構成される。
【0017】
一般に、ポペット制御弁106は、流体の流れを機能108に供給するように構成されている。例えば、ポンプ102からの流体は入口ワークポート110に供給され、入口ワークポート110の圧力が増加して、ポペット116を、流体の流れが入口ワークポート110と機能ワークポート112との間で阻害される閉位置から、入口ワークポート110と機能ワークポート112との間で流体の流れが許容される開位置に強制的に移動させてもよい。ポペット116の位置(例えば、ポペット116が開く閉位置からどのくらい離れているか)及び入口ワークポート110と機能ワークポート112との間の対応する流量制限は、パイロット制御弁124の位置並びに機能ワークポート112及び制御チャンバ114の圧力に依存する。
【0018】
図示の非限定的な例では、パイロット制御弁124は、制御チャンバ114と機能ワークポート112との間に配置されている。幾つかの非限定的な例では、パイロット制御弁124は、任意の数の位置の間で移動可能な(例えば、スプール又はポペットの両端に加えられる力に比例して移動可能な)ポペット又はスプールを含んでもよく、これにより、制御チャンバ114と機能ワークポート112の間の制限を変更し、入口ワークポート110から機能ワークポート112に供給される流体流量を制御する。図示の非限定的な例では、パイロット制御弁124は、制御チャンバ114と流体連通する第1パイロットポート126と、機能ワークポート112と流体連通する第2パイロットポート128とを含む。パイロット制御弁124の第1側130には、機能ワークポート112に相関する圧力が供給され、バネ132によって付勢されている。図示の非限定的な例では、機能ワークポート112に相関する圧力は、パイロット制御弁124の第1側130と係合するプッシャロッド134によってパイロット制御弁124の第1側130に供給される。
【0019】
パイロット制御弁124の第2側136にはパイロット源圧力が供給される。図示の非限定的な例では、パイロット源圧力は、パイロット源制御弁138によってパイロット制御弁124の第2側に提供される。パイロット源制御弁138は、パイロット導管140からパイロット源圧力を選択的に供給するように構成され、例えば、パイロット源制御弁138に結合されたソレノイド142の選択的作動を介して、パイロット源制御弁138は、パイロット源141に接続され、パイロット制御弁124の第2側に接続される。幾つかの非限定的な例では、パイロット源141はポンプ102から供給されてもよい。他の非限定的な例では、パイロット源141は異なるポンプ又は別の流体圧源から供給されてもよい。
【0020】
図示の非限定的な例では、油圧システム100は、機能ワークポート112の下流に配置され、機能ワークポート112と流体連通するリリーフ弁144を含む。リリーフ弁144は、機能ワークポート112からリリーフ弁144を越えての流体連通が阻止されるリリーフ弁閉位置から、機能ワークポート112からリリーフ弁144を通過して流体連通が可能となるリリーフ弁開位置まで移動するように構成されている。一般に、リリーフ弁144は、機能ワークポート112内の圧力が設定圧力に達すると、リリーフ弁閉位置からリリーフ弁開位置に移動するように構成されている。図示の非限定的な例では、リリーフ弁144は、リリーフ弁144を付勢する調整可能な力のソレノイド(例えば、比例ソレノイド)を備えた電気油圧式リリーフ弁であり、設定圧力を選択的に調整するように構成されている。幾つかの非限定的な例では、リリーフ弁144は、リリーフ弁閉位置からリリーフ弁開位置までのリリーフ弁144の動きを制御する手動調整可能な設定圧力(例えば、調整可能なスプリング)を含んでもよい。
【0021】
センスオリフィス146がリリーフ弁144の下流に配置されている。センスオリフィス146の上流側はリリーフ弁144と流体連通しており、センスオリフィス146の下流側は戻り導管148と流体連通している。戻り導管148はタンク104と流体連通している。図示の非限定的な例では、センスオリフィス146は固定オリフィスである。
【0022】
動作中、ポンプ102はポペット制御弁106の入口ワークポート110に流体の流れを供給し、パイロット源制御弁138が開いてパイロット源圧力をパイロット制御弁124の第2側136に供給する。入口ワークポート110内の圧力が増加し、ポペット116を閉位置から開位置に移動させ、流体の流れが機能ワークポート112及び機能108に提供される。パイロット制御弁124の第2側136に供給されるパイロット源圧力は、パイロット制御弁124をパイロット弁開位置に向けて押し、制御チャンバ114と機能ワークポート112との間に流体連通が提供される。制御通路118により入口ワークポート110(ポペット116が開位置にあるときには、機能ワークポート112)と制御チャンバ114と間の流体連通が提供され、パイロット制御弁124により制御チャンバ114と機能ワークポート112との間の流体連通が提供され、ポペット116は、ポペット116の圧力が平衡する開位置に移動する。すなわち、ポペット116は、ポペット116の両側の力(すなわち、圧力×面積)が釣り合う開位置に移動する。
【0023】
一般に、パイロット弁開位置(例えば、弁は図1において右に移動)とパイロット弁閉位置(例えば、弁は図1において左に移動)との間のパイロット制御弁124の位置は、制御チャンバ114と機能ワークポート112の間の制限を制御し、開位置と閉位置との間のポペット116の位置に影響を与え、機能108に供給される流体流量を制御することができる。油圧システム100の動作中、機能ワークポート112の圧力は、1つ又は複数の要因(例えば、高機能負荷、ポンプ圧力、パイロット制御弁124への初期コマンドなど)により変動しうる。機能ワークポート112内の圧力がリリーフ弁144の設定圧力に達すると、リリーフ弁144はリリーフ弁閉位置からリリーフ弁開位置に移動し、流体の流れがセンスオリフィス146を通って提供される。センスオリフィス146を通る流体の流れは、リリーフ弁144とセンスオリフィス146との間の圧力を増加させる。図示の非限定的な例では、パイロット制御弁124の第1側130に供給される機能ワークポート112に相関する圧力は、リリーフ弁144とセンスオリフィス146との間に位置する(つまり、センス圧力)。具体的には、リリーフ弁144とセンスオリフィス146との間に位置するセンス圧力は、パイロット制御弁124の第1側130と係合するプッシャロッド134に供給される。幾つかの非限定的な例では、センス圧力が供給されるプッシャロッド134の側によって画定される面積は、パイロットソース圧力が供給されるパイロット制御弁124の第2側136の面積よりも大きい。このようにして、例えば、パイロット制御弁124は、パイロット源圧力よりも低いセンス圧力で閉位置に向かって強制的に移動させられることができ、これにより、パイロット制御弁124に対する圧力要件が低減される。
【0024】
一般に、リリーフ弁144とセンスオリフィス146との間に位置するセンス圧力の増加により、パイロット制御弁124が、制御チャンバ114と機能ワークポート112との間の流量制限を増加させる位置に強制的に移動させられる。図示された非限定的な例では、リリーフ弁144とセンスオリフィス146との間のセンス圧力がプッシャロッド134に作用し、これにより、パイロット制御弁124がパイロット弁閉位置に向かって強制的に移動させられ、制御チャンバ114と機能ワークポート112との間の流路の制限が増大する。制御チャンバ114と機能ワークポート112との間の制限が増大すると、制御チャンバ114内の圧力が増大し、ポペット116が閉位置に向かう方向に移動するよう強制的に移動させられる。ポペット116を閉位置に向かって移動させると、機能108への流体の流れが制限され、それによって機能ワークポート112内の圧力が制限される。このようにして、例えば、パイロット制御弁124に作用するセンス圧力は、機能ワークポート112内の圧力を設定圧力に制限するように作用する。つまり、ワークポート圧力が設定圧力に達すると、ワークポート圧力はセンス圧力によって検出され、パイロット制御弁124に作用してワークポート圧力を設定圧力に制限し、ワークポート圧力が設定圧力を超えないようにするように、センス圧力は機能ワークポート112に相関する。
【0025】
油圧システム100によって提供されるワークポート圧力制御機能は、様々なポンプ、ワークポート、ポペット制御弁、及び機能構成に対応するように拡張することができる。例えば、図2は、方向制御弁152の入口ポート150に流体の流れを供給する2つのポペット制御弁106を含む油圧システム100を示す。方向制御弁152は、1つの機能ポート154を選択的に移動させて入口ポート150から圧力を供給し、別の機能ポート155をタンク104に接続するように構成されている。両方のパイロット制御弁124には、リリーフ弁144とセンスオリフィス146との間のセンス圧力が供給され、これは、図1に関して上述したように、方向制御弁154の上流の圧力を設定圧力に制限する。
【0026】
図3は、本開示の態様による油圧システム100の別の非限定的な例を示す。図3に示される油圧システム100は、図2の油圧システム100と類似しており、以下に説明するか図面で明らかな場合を除き、同様の構成要素は同様の参照番号を使用して識別される。図示の非限定的な例では、油圧システム100は、2つのポペット制御弁106に供給する2つのポンプ102を含む。ポペット制御弁106のうちの1つの制御を参照した以下の説明は、他のポペット制御弁106にも同様に適用される。
【0027】
図示された非限定的な例では、パイロット制御弁124は第2パイロット制御弁124であり、パイロット源制御弁138は第2パイロット源制御弁138である。油圧システム100は、第1パイロット制御弁156と第1パイロット源制御弁157とを含む。第1パイロット制御弁156は、制御チャンバ114と機能ワークポート112との間に配置され、第2パイロット制御弁124は、第1パイロット制御弁156と直列に配置される。第1パイロットポート126は制御チャンバ114と流体連通しており、第2パイロットポート128は第1パイロット制御弁156の第1パイロットポート158と流体連通している。第1パイロット制御弁156の第2パイロットポート160は、機能ワークポート112と流体連通している。幾つかの非限定的な例では、第1パイロット制御弁156は、任意の数の位置の間で移動可能な(例えば、スプール又はポペットの両端に加えられる力に比例して移動可能な)ポペット又はスプールを含んでもよく、制御チャンバ114と機能ワークポート112の間の制限を変更し、入口ワークポート110から機能ワークポート112に供給される流体流量を制御する。
【0028】
図示の非限定的な例では、第2パイロット制御弁124はプッシャロッド134を含まない。第1パイロット制御弁156の第1側162には、機能ワークポート112に相関する圧力が供給され、具体的には、機能ワークポート112内の圧力が第1パイロット制御弁156の第1側162に供給される。パイロット源圧力は、第1パイロット制御弁156の第2側164に供給される。パイロット源圧力は、第1パイロット源制御弁157によって第1パイロット制御弁156の第2側164に供給される。第1パイロット制御弁156の第2側164に供給されるパイロット源圧力の大きさは、第1パイロット源制御弁157によって、例えば第1パイロット源制御弁157に取り付けられたソレノイド166を作動させることによって調整可能である。図示の非限定的な例では、機能ワークポート112内の圧力が供給される第1側162の面積は、パイロット源圧力が供給される第2側164の面積よりも小さい。このようにして、例えば、第1パイロット制御弁156は、機能ワークポート112内の圧力よりも低いパイロットソース圧力で強制的に閉位置に向かって移動することができる。減圧の大きさは、第1側162と第2側164との間の面積比に関係する。機能ワークポート112の圧力が設定圧力に達したときに,第1パイロット制御弁156が閉位置に向かって移動するように、面積比及び/又はパイロット源圧力の大きさは選択することができる。
【0029】
動作中、ポンプ102は、ポペット制御弁106のうちの1つの入口ワークポート110に流体の流れを供給し、第2パイロット源制御弁138が開いて、第2パイロット源圧力を第2パイロット制御弁124の第2側136に供給する。入口ワークポート110内の圧力が増加し、ポペット116を閉位置から開位置に移動させ、流体の流れが機能ワークポート112及び機能108に提供される(方向制御弁152がシフトして機能への流体連通を可能にする場合)。第2パイロット制御弁124の第2側136に供給されるパイロットソース圧力は、第2パイロット制御弁124を、制御チャンバ114と第2パイロットポート128との間に流体連通が提供される第2パイロット弁開位置に向けて押す。機能ワークポート112内の圧力が設定圧力よりも低い場合、第1パイロット制御弁156の第2側164に供給されるパイロット源圧力は、第1パイロット制御弁を第1パイロット弁開位置に強制的に移動することができ、第1パイロット弁開位置において、第1パイロットポート158と第2パイロットポート160との間に流体連通が提供される。制御通路118により入口ワークポート110(ポペット116が開位置にあるときには、機能ワークポート112)と制御チャンバ114と間の流体連通が提供され、第2パイロット制御弁124と第1パイロット制御弁156は両方とも制御チャンバ114と機能ワークポート112との間の流体連通を可能にし、ポペット116は、ポペット116の圧力が平衡する開位置に移動する。すなわち、ポペット116は、ポペット116の両側の力(すなわち、圧力×面積)が釣り合う開位置に移動する。
【0030】
一般に、第1パイロット弁開位置(例えば、弁は図3において上に移動)と第1パイロット弁閉位置(例えば、弁は図3において下に移動)との間の第1パイロット制御弁156の位置は、制御チャンバ114と機能ワークポート112の間の制限を制御し、開位置と閉位置との間のポペット116の位置に影響を与え、機能108に供給される流体流量を制御することができる。油圧システム100の動作中、機能ワークポート112の圧力は、1つ又は複数の要因(例えば、高機能負荷、ポンプ圧力、第2パイロット制御弁124への初期コマンドなど)により変動しうる。機能ワークポート112内の圧力が設定圧力に達すると、第1パイロット制御弁156の第1側162に作用する機能ワークポート112内の圧力は、第1パイロット制御弁156を第1パイロット弁閉位置に向かって押し、制御チャンバ114と機能ワークポート112との間の制限を増大させる。制御チャンバ114と機能ワークポート112との間の制限が増大すると、制御チャンバ114内の圧力が増大し、ポペット116が閉位置に向かう方向に移動するよう強制的に移動させられる。ポペット116を閉位置に向かって移動させると、機能108への流体の流れが制限され、それによって機能ワークポート112内の圧力が制限される。このようにして、例えば、第1パイロット制御弁156に作用するセンス圧力(すなわち、機能ワークポート112内の圧力)は、機能ワークポート112内の圧力を設定圧力に制限するように作用する。つまり、センス圧力は機能ワークポート112に相関しているので、ワークポート圧力が設定圧力に達すると、ワークポート圧力はセンス圧力によって検出され、第1パイロット制御弁156に作用してワークポート圧力を設定圧力に制限し、ワークポート圧力が設定圧力を超えないようにする。
【0031】
図4は、本開示の態様による油圧システム100の別の非限定的な例を示す。図4に示される油圧システム100は、図3の油圧システム100と類似しており、以下に説明するか、又は図面で明らかな場合を除き、同様の構成要素は同様の参照番号を使用して識別される。図示された非限定的な例では、図3に関して説明した一対の第1パイロット制御弁156によって提供される機能は、図4の油圧システム100において単一の弁(すなわち、第1パイロット制御弁170)に統合される。両方の第2パイロット制御弁124の第2パイロットポート128は、第1パイロット制御弁170の第1パイロットポート172に接続され、流体連通している。第1パイロット制御弁170の第2パイロットポート174は、機能ワークポート112と流体連通している。
【0032】
上述した第1パイロット制御弁156と同様に、第1パイロット制御弁170の第1側176には、機能ワークポート112に相関する圧力が供給され、具体的には、機能ワークポート112内の圧力が第1パイロット制御弁170の第1側176に供給される。パイロット源圧力は、第1パイロット制御弁170の第2側178に供給される。パイロット源圧力は、第1パイロット源制御弁157によって第1パイロット制御弁170の第2側178に供給される。図示の非限定的な例では、機能ワークポート112内の圧力が供給される第1側176の面積は、パイロット源圧力が供給される第2側178の面積よりも小さい。このようにして、例えば、第1パイロット制御弁170は、機能ワークポート112内の圧力よりも低いパイロットソース圧力で強制的に閉位置に向かって移動することができる。減圧の大きさは、第1側176と第2側178との間の面積比に関係する。機能ワークポート112の圧力が設定圧力に達したときに,第1パイロット制御弁170が閉位置に向かって移動するように、面積比及び/又はパイロット源圧力の大きさは選択することができる。
【0033】
一般に、第1パイロット弁開位置(例えば、弁は図4において上に移動)と第1パイロット弁閉位置(例えば、弁は図4において下に移動)との間の第1パイロット制御弁170の位置は、制御チャンバ114と機能ワークポート112の間の制限を制御し、開位置と閉位置との間のポペット116の位置に影響を与え、機能108に供給される流体流量を制御することができる。油圧システム100の動作中、機能ワークポート112の圧力は、1つ又は複数の要因(例えば、高機能負荷、ポンプ圧力、第2パイロット制御弁124への初期コマンドなど)により変動しうる。機能ワークポート112内の圧力が設定圧力に達すると、第1パイロット制御弁170の第1側176に作用する機能ワークポート112内の圧力は、第1パイロット制御弁170を第1パイロット弁閉位置に向かって押し、制御チャンバ114と機能ワークポート112との間の制限を増大させる。制御チャンバ114と機能ワークポート112との間の制限が増大すると、制御チャンバ114内の圧力が増大し、ポペット116が閉位置に向かう方向に移動するよう強制的に移動させられる。ポペット116を閉位置に向かって移動させると、機能108への流体の流れが制限され、それによって機能ワークポート112内の圧力が制限される。このようにして、例えば、第1パイロット制御弁170に作用するセンス圧力(すなわち、機能ワークポート112内の圧力)は、機能ワークポート112内の圧力を設定圧力に制限するように作用する。つまり、センス圧力は機能ワークポート112に相関しているので、ワークポート圧力が設定圧力に達すると、ワークポート圧力はセンス圧力によって検出され、第1パイロット制御弁170に作用してワークポート圧力を設定圧力に制限し、ワークポート圧力が設定圧力を超えないようにする。
【0034】
図5は、本開示の態様による油圧システム100の別の非限定的な例を示す。図5に示される油圧システム100は、図1の油圧システム100と類似しており、以下に説明するか、又は図面で明らかな場合を除き、同様の構成要素は同様の参照番号を使用して識別される。図示された非限定的な例では、パイロット制御弁124は第2パイロット制御弁124であり、油圧システム100は、第1パイロット制御弁180を含む。第1パイロット制御弁180は、制御チャンバ114と機能ワークポート112との間に配置され、第2パイロット制御弁124は、第1パイロット制御弁180と直列に配置される。第1パイロットポート126は制御チャンバ114と流体連通しており、第2パイロットポート128は第1パイロット制御弁180の第1パイロットポート182と流体連通している。第1パイロット制御弁180の第2パイロットポート184は、機能ワークポート112と流体連通している。幾つかの非限定的な例では、第1パイロット制御弁180は、任意の数の位置の間で移動可能な(例えば、スプール又はポペットの両端に加えられる力に比例して移動可能な)ポペット又はスプールを含んでもよく、制御チャンバ114と機能ワークポート112の間の制限を変更し、入口ワークポート110から機能ワークポート112に供給される流体流量を制御する。
【0035】
図示の非限定的な例では、第2パイロット制御弁124はプッシャロッド134を含まない。第1パイロット制御弁180の第1側186には、機能ワークポート112に相関する圧力が供給され、具体的には、機能ワークポート112内の圧力が第1パイロット制御弁180の第1側186に供給される。ばね188は、第1パイロット制御弁180の第2側190に対して付勢されており、センス圧力が第1パイロット制御弁180の第2側190に供給される。
【0036】
機能ワークポート112と流体連通するセンスオリフィス192及びリリーフ弁194がセンスオリフィス192の下流に配置される。第1パイロット制御弁180の第2側190に供給されるセンス圧力は、センスオリフィス192とリリーフ弁194との間に位置する。一般に、リリーフ弁194は、リリーフ弁194を通過する流体連通が阻害されるリリーフ弁閉位置と、リリーフ弁194を通過する流体連通が可能になるリリーフ弁開位置と、の間で移動するように構成されている。一般に、リリーフ弁194は、機能ワークポート112内の圧力が設定圧力に達すると、リリーフ弁閉位置からリリーフ弁開位置に移動するように構成される。図示の非限定的な例では、リリーフ弁194は、リリーフ弁194に付勢する調整可能な力のソレノイド(例えば、比例ソレノイド)を備えた電気油圧式リリーフ弁であり、設定圧力を選択的に調整するように構成されている。幾つかの非限定的な例では、リリーフ弁194は、リリーフ弁閉位置からリリーフ弁開位置までのリリーフ弁194の動きを制御する手動調整可能な設定圧力(例えば、調整可能なバネ)を含んでもよい。
【0037】
一般に、第1パイロット弁開位置(例えば、弁は図5において上に移動)と第1パイロット弁閉位置(例えば、弁は図5において下に移動)との間の第1パイロット制御弁180の位置は、制御チャンバ114と機能ワークポート112の間の制限を制御し、開位置と閉位置との間のポペット116の位置に影響を与え、機能108に供給される流体流量を制御することができる。油圧システム100の動作中、機能ワークポート112の圧力は、1つ又は複数の要因(例えば、高機能負荷、ポンプ圧力、第2パイロット制御弁124への初期コマンドなど)により変動しうる。リリーフ弁194は、機能ワークポート112内の圧力が設定圧力に達すると、リリーフ弁閉位置からリリーフ弁開位置に移動するように構成され、これによって、センスオリフィス192とリリーフ弁194の間のセンス圧力は設定圧力に維持され、機能ワークポート112内の圧力の上昇により、第1パイロット制御弁180が第1パイロット弁閉位置に向かって強制的に移動させられ、制御チャンバ114と機能ワークポート112との間の制限を増大させる。制御チャンバ114と機能ワークポート112との間の制限が増大すると、制御チャンバ114内の圧力が増大し、ポペット116が閉位置に向かう方向に強制的に移動させられる。ポペット116を閉位置に向かって移動させると、機能108への流体の流れが制限され、それによって機能ワークポート112内の圧力が制限される。このようにして、例えば、第1パイロット制御弁180に作用する機能ワークポート112内の圧力は、機能ワークポート112内の圧力を、設定圧力とセンスオリフィス192における圧力降下の合計である合計圧力に制限するように作用する。つまり、ワークポート圧力が設定圧力に達すると、ワークポート圧力は第1パイロット制御弁180に作用してワークポート圧力を合計圧力に制限し、ワークポート圧力が合計圧力を超えないようにするように、第1パイロット制御弁180に供給される圧力は機能ワークポート112に相関する。
【0038】
図6は、方向制御弁152の入口ポート150に流体の流れを供給する2つのポペット制御弁106を含む構成に適用される図5の油圧システム100を示す。両方の第1パイロット制御弁180には、リリーフ弁194とセンスオリフィス192との間の圧力が供給され、これは、第1パイロット制御弁180の第2側190の設定圧力を少なくとも維持し、機能ワークポート112内の圧力を設定圧力よりも高くすることができ、第1パイロット制御弁180を第1パイロット弁閉位置に向けて強制的に移動させる。次いで、機能ワークポート112内の圧力は、図5に関して上述したように、設定圧力とセンスオリフィス192における圧力降下の合計である合計圧力に制限される。
【0039】
図7は、本開示の態様による油圧システム100の別の非限定的な例を示す。図7に示される油圧システム100は、図1の油圧システム100と類似しており、以下に説明するか、又は図面で明らかな場合を除き、同様の構成要素は同様の参照番号を使用して識別される。図示された非限定的な例では、パイロット制御弁124は第2パイロット制御弁124であり、パイロット源制御弁138は第2パイロット源制御弁138である。油圧システム100は、第1パイロット制御弁200と第1パイロット源制御弁201とを含む。第1パイロット制御弁200は、第2パイロット制御弁124の第1側130と流体連通する出口ポート202を含む。具体的には、出口ポート202の圧力がプッシャロッド134に供給される。第1パイロット制御弁は、パイロット導管140と流体連通する入口ポート204を含む。機能ワークポート112に相関する圧力が、第1パイロット制御弁200の第1側206に供給され、第1領域に作用する。具体的には、機能ワークポート112内の圧力は、第1領域上の第1側206に供給される。パイロット源圧力は、第1パイロット源制御弁201によって第1パイロット制御弁200の第2側208に供給され、第2領域に作用する。第1領域と第2領域の面積割合によって、機能ワークポート112に相関する圧力とパイロット源圧力とのバランスがとれ、これにより、機能ワークポート112内の圧力が設定圧力より大きいと、第1パイロット制御弁200は、流体の流れが出口ポート202を介して提供される位置に移動し、第2パイロット制御弁124を第2パイロット弁閉位置に向けて強制的に移動させ、制御チャンバ114と前記機能ワークポート112の間の流量制限を増やす。例えば、第1パイロット制御弁200は、入口ポート204と出口ポート202の間の流体連通が阻害される第1パイロット弁閉位置(図7において中央位置)から、入口ポート204と出口ポート202との間に流体連通が提供される第1パイロット弁開位置(例えば、図7において弁を下に移動)に、移動可能であり。入口ポート204は、パイロット源に接続されるように示されているが、幾つかの非限定的な例では、メインポンプ圧力102又は機能ワークポート112における圧力に接続することができる。第1パイロット制御弁200は、機能ワークポート112内の圧力に基づいて、第1パイロット弁閉位置と第1パイロット弁開位置との間で移動可能である。
【0040】
油圧システム100の動作中、機能ワークポート112の圧力は、1つ又は複数の要因(例えば、高機能負荷、ポンプ圧力、パイロット制御弁124への初期コマンドなど)により変動しうる。機能ワークポート112内の圧力が(面積比とパイロット源圧力の大きさで設定される)設定圧力に達すると、第1パイロット制御弁200は、第1パイロット弁開位置に向かって強制的に移動させられ、パイロット源圧力は、入口ポート204から出口ポート202に供給され、出口ポート202からプッシャロッド134に供給される。プッシャロッド134に供給されるパイロットソース圧力は、第2パイロット制御弁124を、制御チャンバ114と機能ワークポート112との間の流量制限を増大させる位置に強制的に移動させる。図示された非限定的な例では、プッシャロッド134に作用するパイロット源圧力は、第2パイロット制御弁124を第2パイロット弁閉位置に向かって強制的に移動させ、制御チャンバ114と機能ワークポートとの間の流路の制限が増大する。制御チャンバ114と機能ワークポート112との間の制限が増大すると、制御チャンバ114内の圧力が増大し、ポペット116が閉位置に向かう方向に移動するよう強制的に移動させられる。ポペット116を閉位置に向かって移動させると、機能108への流体の流れが制限され、それによって機能ワークポート112内の圧力が制限される。このようにして、例えば、第1パイロット制御弁200に作用するセンス圧力は、機能ワークポート112内の圧力を設定圧力に制限するように作用する。つまり、ワークポート圧力が設定圧力に達すると、ワークポート圧力はセンス圧力によって検出され、第1パイロット制御弁200に作用してワークポート圧力を設定圧力に制限し、ワークポート圧力が設定圧力を超えないようにするように、センス圧力は機能ワークポート112に相関する。
【0041】
本明細書では、明瞭で簡潔な明細を記載できるように実施形態を説明したが、本発明から離れることなく実施形態を様々に組み合わせたり分離したりできることが意図されており、理解されるであろう。例えば、本明細書に記載されるすべての好ましい特徴は、本明細書に記載される本発明のすべての態様に適用可能であることが理解されるであろう。
【0042】
従って、本発明を特定の実施形態及び例に関連して説明してきたが、本発明は必ずしもそのように限定されるものではなく、多くの他の実施形態、例、使用法、修正、並びに、実施形態、例、及び使用法からの逸脱は、本明細書に添付される特許請求の範囲に包含されることが意図されている。本明細書で引用される各特許及び刊行物の全開示は、あたかもそのような特許又は刊行物のそれぞれが参照により個別に本明細書に組み込まれるかのように、参照により組み込まれる。
【0043】
本発明の様々な特徴及び利点は、特許請求の範囲に記載されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】