(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】治療効果転帰を推測するための多電極システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20240311BHJP
A61B 18/12 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B18/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558564
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-11-06
(86)【国際出願番号】 US2022021888
(87)【国際公開番号】W WO2022204479
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522244964
【氏名又は名称】ガルヴァナイズ セラピューティクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】カステルビ, クイム
(72)【発明者】
【氏名】ニール, ロバート イー. ザ セカンド
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK16
4C160KK32
4C160KK36
4C160MM33
4C160MM43
(57)【要約】
本明細書に説明されるものは、単極治療送達システムと、それとの併用のための方法である。そのようなシステムは、エネルギー送達電極と、分散電極と、基準電極と、エネルギー送達電極、分散電極、および基準電極と電気連通する、ジェネレータとを含むことができる。ジェネレータは、エネルギー送達電極が標的組織に近接し、分散電極が標的組織から遠隔にある間、エネルギー送達電極および分散電極を使用して、インピーダンス測定信号を標的組織に送達するように構成される。ジェネレータはまた、エネルギー送達電極と基準電極との間の電圧を測定し、インピーダンス測定信号の電流と、エネルギー送達電極と基準電極との間の電圧とに基づいて、標的組織のインピーダンスを監視するように構成される。監視されるインピーダンスは、例えば、治療効果転帰を推測するために使用されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単極治療送達システムであって、
エネルギー送達電極と、
分散電極と、
基準電極と、
前記エネルギー送達電極、前記分散電極、および前記基準電極と電気連通するジェネレータであって、前記ジェネレータは、
前記エネルギー送達電極が標的組織に近接し、前記分散電極が前記標的組織から遠隔にある間、前記エネルギー送達電極および前記分散電極を使用して、インピーダンス測定信号を標的組織に送達することと、
前記エネルギー送達電極と前記基準電極との間の電圧を測定することと、
前記インピーダンス測定信号の電流と、前記エネルギー送達電極と前記基準電極との間の前記電圧とに基づいて、前記標的組織のインピーダンスを監視することと
を行うように構成される、ジェネレータと
を備える、単極治療送達システム。
【請求項2】
前記ジェネレータは、直接的にまたは間接的に前記インピーダンス測定信号の電流を測定する、または前記インピーダンス測定信号の電流を制御するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ジェネレータは、
前記エネルギー送達電極および前記分散電極を使用して、単極治療信号を前記標的組織に送達することと、
前記単極治療信号が前記標的組織に送達されることに先立って、前記インピーダンス測定信号を前記標的組織に送達し、それによって、ベースラインインピーダンス測定値が取得されることを可能にすることと、
前記単極治療信号が前記標的組織に送達された後に、前記インピーダンス測定信号のさらなるインスタンスを前記標的組織に送達し、それによって、治療後インピーダンス測定値が取得されることを可能にすることと
を行うように構成される、請求項1または2のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項4】
前記インピーダンス測定信号は、低周波数部分と、高周波数部分とを含み、
前記インピーダンス測定信号の低周波数部分は、前記インピーダンス測定信号の高周波数部分に時間的に先行する、または逆もまた同様である、
請求項1-3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記ベースラインインピーダンス測定値および前記治療後インピーダンス測定値の両方に基づいて、前記単極治療信号の送達によって引き起こされる前記標的組織に対する変化を示すメトリックを計算する
ように構成される、請求項3または4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記コントローラは、
前記単極治療信号が送達された後の時間tにおいて測定される治療後低周波数インピーダンス位相角値測定値∠Z
LF(t)と、前記単極治療信号が送達されることに先立った時間t=0において測定されるベースライン低周波数インピーダンス位相角値測定値∠Z
LF(0)との間の差異を計算することと、
前記治療後低周波数インピーダンス位相角値測定値∠Z
LF(t)と前記ベースライン低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF(0)との間の前記差異に基づいて、インピーダンスベースのインジケータ(IBI)を計算することと
を含むIBIを計算することによって、前記単極治療信号の送達によって引き起こされる前記標的組織に対する変化を示す前記メトリックを計算するように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラによって取得されるベースラインインピーダンス測定値および前記治療後インピーダンス測定値のうちの少なくとも一方は、高周波数インピーダンス規模値Z
HFを含み、前記コントローラは、前記インピーダンスベースのインジケータ(IBI)を計算するとき、前記高周波数インピーダンス規模値Z
HFによって、前記治療後低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF(t)と前記ベースライン低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF(0)との間の前記差異をスケーリングするように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記コントローラは、方程式
【数1】
を使用して、前記IBIを計算するように構成され、式中、
∠Z
LF(0)は、前記単極治療信号が送達されることに先立った時間t=0において測定される低周波数インピーダンス位相角値であり、
∠Z
LF(t)は、前記単極治療信号が送達された後の時間tにおいて測定される低周波数インピーダンス位相角値であり、
Z
HFは、前記単極治療信号が送達されることに先立って、または前記単極治療信号が送達された後に測定される高周波数インピーダンス規模値である、
請求項5-7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記単極治療信号は、パルス化電場(PEF)治療信号を含む、請求項1-8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記単極治療信号は、
無線周波数(RF)治療信号、
マイクロ波治療信号、
極低温治療信号、
電気化学治療信号、または
高周波数超音波信号
のうちの1つを含む、請求項1-8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
単極治療信号を患者の標的組織に送達するためのエネルギー送達電極および分散電極を使用するように構成される単極治療送達システムとの併用のための方法であって、前記方法は、
前記エネルギー送達電極が前記標的組織に近接し、前記分散電極が前記標的組織から遠隔にある間、前記エネルギー送達電極および前記分散電極を使用して、インピーダンス測定信号を前記標的組織に送達することと、
前記エネルギー送達電極と、前記分散電極と明確に異なる基準電極との間の電圧を測定することと、
前記インピーダンス測定信号の電流と、前記エネルギー送達電極と、前記分散電極と明確に異なる前記基準電極との間の前記電圧とに基づいて、前記標的組織のインピーダンスを監視することと
を含む、方法。
【請求項12】
前記インピーダンス測定信号の電流は、直接的にまたは間接的に測定される、またはこれは制御されるので既知である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記インピーダンス測定信号を前記標的組織に送達する第1のインスタンス、前記エネルギー送達電極と前記基準電極との間の前記電圧を測定する第1のインスタンス、および前記標的組織のインピーダンスを監視する第1のインスタンスが、前記エネルギー送達電極および前記分散電極を使用して、単極治療信号が前記標的組織に送達されることに先立って実施され、それによって、ベースラインインピーダンス測定値が取得されることを可能にし、
前記ベースラインインピーダンス測定値が取得されることに続いて、前記方法はさらに、前記エネルギー送達電極および前記分散電極を使用して、前記単極治療信号を前記標的組織に送達することを含み、
前記単極治療信号を前記標的組織に送達することに続いて、前記方法は、前記インピーダンス測定信号を前記標的組織に送達する第2のインスタンス、前記エネルギー送達電極と前記基準電極との間の前記電圧を測定する第2のインスタンス、および前記標的組織のインピーダンスを監視し、それによって、治療後インピーダンス測定値が取得されることを可能にする第2のインスタンスを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記インピーダンス測定信号は、低周波数部分と、高周波数部分とを含み、
前記インピーダンス測定信号の低周波数部分は、前記インピーダンス測定信号の高周波数部分に時間的に先行する、または逆もまた同様である、
請求項11-13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記ベースラインインピーダンス測定値および前記治療後インピーダンス測定値の両方に基づいて、前記単極治療信号の送達によって引き起こされる前記標的組織に対する変化を示すメトリックを計算することをさらに含む、請求項13または14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記単極治療信号の送達によって引き起こされる前記標的組織に対する変化を示す前記メトリックを計算することは、
前記単極治療信号が送達された後の時間tにおいて測定される治療後低周波数インピーダンス位相角値測定値∠Z
LF(t)と、前記単極治療信号が送達されることに先立った時間t=0において測定されるベースライン低周波数インピーダンス位相角値測定値∠Z
LF(0)との間の差異を計算することと、
前記治療後低周波数インピーダンス位相角値測定値∠Z
LF(t)と前記ベースライン低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF(0)との間の前記差異に基づいて、インピーダンスベースのインジケータ(IBI)を計算することと
を含むIBIを計算することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ベースラインインピーダンス測定値および前記治療後インピーダンス測定値のうちの少なくとも一方は、高周波数インピーダンス規模値Z
HFを含み、
前記治療後低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF(t)と前記ベースライン低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF(0)との間の前記差異は、前記インピーダンスベースのインジケータ(IBI)を計算するとき、前記高周波数インピーダンス規模値Z
HFによってスケーリングされる、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記IBIを計算することは、方程式
【数2】
を使用して実施され、式中、
∠Z
LF(0)は、前記単極治療信号が送達されることに先立った時間t=0において測定される低周波数インピーダンス位相角値であり、
∠Z
LF(t)は、前記単極治療信号が送達された後の時間tにおいて測定される低周波数インピーダンス位相角値であり、
Z
HFは、前記単極治療信号が送達されることに先立って、またはその後に測定される高周波数インピーダンス規模値である、
請求項15-17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記単極治療信号は、パルス化電場(PEF)治療信号を含む、請求項11-18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記単極治療信号は、
無線周波数(RF)治療信号、
マイクロ波治療信号、
極低温治療信号、
電気化学治療信号、または
高周波数超音波信号
のうちの1つを含む、請求項11-18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記方法は、前記単極治療信号の送達から結果として生じる治療効果転帰を推測するために使用される、請求項11-20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記方法は、単極治療送達システムの少なくとも1つのプロセッサによって実施され、その少なくとも1つのプロセッサは、前記単極治療送達システムのコントローラの一部であることができる、請求項11-21のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(優先権の主張)
本願は、その開示があらゆる目的のために参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2021年3月25日に出願され、「Multi-Electrode System and Method for Deducing Treatment Effect Outcomes」と題された、米国仮特許出願第63/166,145号の優先権および利益を主張する。
【0002】
身体への電気エネルギーの送達は、神経刺激から、組織のアブレーション、薬物送達、およびさらなるものまでの範囲に及ぶ、様々な用途において使用されている。典型的には、1つまたはそれを上回る電極が、侵襲的または非侵襲的のいずれかにおいて身体に適用され、波形ジェネレータに電気的に接続される。エネルギーが、治療または療法を実施するように、1つまたはそれを上回る電極を介して身体に送達される。治療の進捗または成功を監視するための能力は、エネルギー送達のために標的化された組織の場所に応じて変動し得る。皮膚の表面アブレーションは、典型的には、容易に可視化可能である。他の標的場所は、監視することがより厄介である、心臓内等、身体に内在する。心臓組織に送達される無線周波数波を使用するアブレーション療法が、上室性頻脈、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群(WPW)、心室頻脈等の様々な心不整脈を治癒させるために、ごく最近では、心房細動の管理として使用されている。無線周波数(RF)アブレーションは、アブレーション加熱が、組織温度を沸点付近まで上昇させ、入射超音波と相互作用し、輝度走査において高エコー領域を生産する、著しい音響散乱として、ガス気泡を生成するため、アブレーション区域(壊死区域または熱損傷)内にガス気泡を誘発する。その結果、臨床医は、気泡に関連する高エコー領域を観察し、アブレーション区域を予備的に評価するために輝度走査を採用している。しかしながら、RFアブレーションを監視するステップにおける輝度走査の性能は、オペレータに依存し、困難である。補足として、超音波エラストグラフィ技法が、広範囲にわたって吟味されている。RFアブレーションを監視することにおける超音波エラストグラフィの基本原理は、アブレートされた組織が、正常な未治療組織と比較してより堅いことである。超音波エラストグラフィは、徐々に、RFアブレーションを撮像するために使用される、顕著な技法になりつつある。
【0003】
しかしながら、壊死区域または熱損傷を形成しない、他のタイプのエネルギーが、身体内で使用されており、したがって、そのような監視技法は、使用可能ではない。例えば、パルス化電場(PEF)療法は、非熱エネルギーを身体組織に送達する。そのようなエネルギーは、組織内の細胞を変性または破壊させるが、組織の間質構築構造および構造関連機能を提供する、組織の下層のタンパク質細胞外基質を維持する。その結果、治療効果の直接的可視化または治療の深度または体積のリアルタイムの監視は、直接的可視化または典型的な撮像モダリティによっては、適正かつ正確に解釈されることはできない。これは、特に、細胞死が療法の標的化された目的ではない、PEFの印加に関して当てはまる。
【0004】
臨床医にリアルタイムのフィードバックを提供するための1つの提案される解決策は、電流、抵抗、またはインピーダンス等のパルス化された電気エネルギーメトリックを吟味することである。これは、双極電極システムに関して提案済である。臨床医は、生来の療法パルスメトリックを使用するか、または療法電極を使用し、また、検査信号を送達することに依拠するかのいずれかである。有効性は、罹患した領域に対する電極の近接近性に依拠し、概して、それらを、性質が変化している組織内に浸漬し、影響を及ぼされた変化の提示を可能にする。研究環境では、プロービングシステムの感受性を増加させるために、4プローブシステムが、時として、採用される。しかしながら、これらのシステムは、生体内環境内で確立することがより複雑であり、したがって、概して、高度に制御された環境および条件下での学術調査のために確保される。同様に、そのようなシステムは、双極電極システムのみに適用可能である。
【0005】
したがって、改良されたリアルタイム監視システムが、生体内での使用のために、特に、単極エネルギー送達システムのために所望される。そのようなシステムは、信頼性があり、コスト効率的であり、使用が容易であるべきである。これらの目的の少なくともいくつかは、本明細書に説明されるシステム、方法、およびデバイスによって充足されるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術のある実施形態は、単極治療送達システムであって、エネルギー送達電極と、分散電極と、基準電極と、エネルギー送達電極、分散電極、および基準電極と電気連通する、ジェネレータとを備える、単極治療送達システムを対象とする。あるそのような実施形態では、ジェネレータは、エネルギー送達電極が標的組織に近接し、分散電極が標的組織から遠隔にある間、エネルギー送達電極および分散電極を使用して、インピーダンス測定信号を標的組織に送達するように構成される。ジェネレータはまた、エネルギー送達電極と基準電極との間の電圧を測定するように構成される。加えて、ジェネレータは、インピーダンス測定信号の電流と、エネルギー送達電極と基準電極との間の電圧とに基づいて、標的組織のインピーダンスを監視するように構成される。あるそのような実施形態では、ジェネレータは、直接的にまたは間接的にインピーダンス測定信号の電流を測定する、またはインピーダンス測定信号の電流を制御するように構成される。
【0007】
ある実施形態によると、ジェネレータは、エネルギー送達電極および分散電極を使用して、単極治療信号を標的組織に送達し、単極治療信号が標的組織に送達されることに先立って、インピーダンス測定信号を標的組織に送達し、それによって、ベースラインインピーダンス測定値が取得されることを可能にし、単極治療信号が標的組織に送達された後に、インピーダンス測定信号のさらなるインスタンスを標的組織に送達し、それによって、治療後インピーダンス測定値が取得されることを可能にするように構成される。
【0008】
ある実施形態によると、インピーダンス測定信号は、低周波数部分と、高周波数部分とを含み、インピーダンス測定信号の低周波数部分は、インピーダンス測定信号の高周波数部分に時間的に先行する、または逆もまた同様である。
【0009】
ある実施形態によると、コントローラは、ベースラインインピーダンス測定値および治療後インピーダンス測定値の両方に基づいて、単極治療信号の送達によって引き起こされる、標的組織に対する変化を示す、メトリックを計算するように構成される。
【0010】
ある実施形態によると、コントローラは、単極治療信号が送達された後の、時間tにおいて測定される、治療後低周波数インピーダンス位相角値測定値∠ZLF(t)と、単極治療信号が送達されることに先立った、時間t=0において測定される、ベースライン低周波数インピーダンス位相角値測定値∠ZLF(0)との間の差異を計算するステップと、治療後低周波数インピーダンス位相角値測定値∠ZLF(t)とベースライン低周波数インピーダンス位相値測定値∠ZLF(0)との間の差異に基づいて、インピーダンスベースのインジケータ(IBI)を計算するステップとを含む、IBIを計算するステップによって、単極治療信号の送達によって引き起こされる、標的組織に対する変化を示すメトリックを計算するように構成される。
【0011】
ある実施形態によると、コントローラによって取得されるベースラインインピーダンス測定値および治療後インピーダンス測定値のうちの少なくとも一方は、高周波数インピーダンス規模値Z
HFを含む。加えて、コントローラは、コントローラがインピーダンスベースのインジケータ(IBI)を計算するとき、高周波数インピーダンス規模値Z
HFによって、治療後低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF(t)とベースライン低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF(0)との間の差異をスケーリングするように構成される。より具体的には、ある実施形態によると、コントローラは、方程式
【化1】
を使用して、IBIを計算するように構成され、式中、
∠Z
LF(0)は、単極治療信号が送達されることに先立った、時間t=0において測定される、低周波数インピーダンス位相角値であり、
∠Z
LF(t)は、単極治療信号が送達された後の、時間tにおいて測定される、低周波数インピーダンス位相角値であり、
Z
HFは、単極治療信号が送達されることに先立って、または単極治療信号が送達された後に測定される、その規模値がスケーリング係数として使用される、高周波数インピーダンス規模値である。
【0012】
ある実施形態によると、単極治療信号は、パルス化電場(PEF)治療信号を含む。代替として、単極治療信号は、無線周波数(RF)治療信号、マイクロ波治療信号、極低温治療信号、電気化学治療信号、または高周波数超音波信号のうちの1つを含む。
【0013】
本技術のある実施形態は、エネルギー送達電極および分散電極を使用し、単極治療信号を患者の標的組織に送達するように構成される、単極治療送達システムとの併用のための方法を対象とする。下記の議論から理解されるであろうように、そのような方法は、単極治療信号の送達から結果として生じる治療効果転帰を推測するために使用されることができる。
【0014】
ある実施形態によると、そのような方法は、エネルギー送達電極が標的組織に近接し、分散電極が標的組織から遠隔にある間、エネルギー送達電極および分散電極を使用して、インピーダンス測定信号を標的組織に送達するステップを含む。本方法はまた、エネルギー送達電極と、分散電極と明確に異なる、基準電極との間の電圧を測定するステップも含む。加えて、本方法は、インピーダンス測定信号の電流と、エネルギー送達電極と、分散電極と明確に異なる基準電極との間の電圧とに基づいて、標的組織のインピーダンスを監視するステップを含む。インピーダンス測定信号の電流は、(例えば、電流計または同等物を使用して)直接測定されることができる。代替として、インピーダンス測定信号の電流は、例えば、既知の抵抗を有するレジスタを横断する電圧降下を測定し、オームの法則(例えば、I=V/R)を使用して電流を計算することによって、間接的に測定されることができる。代替として、電流は、制御された電流源または同等物を使用して制御されるので既知であることができる。
【0015】
ある実施形態によると、インピーダンス測定信号を標的組織に送達する第1のインスタンス、エネルギー送達電極と基準電極との間の電圧を測定する第1のインスタンス、標的組織のインピーダンスを監視する第1のインスタンスが、エネルギー送達電極および分散電極を使用して、単極治療信号が標的組織に送達されることに先立って実施され、それによって、ベースラインインピーダンス測定値が取得されることを可能にする。ベースラインインピーダンス測定値が取得されることに続いて、本方法はさらに、エネルギー送達電極および分散電極を使用して、単極治療信号を標的組織に送達するステップを含む。その後、単極治療信号を標的組織に送達するステップに続いて、本方法は、インピーダンス測定信号を標的組織に送達する第2のインスタンス、エネルギー送達電極と基準電極との間の電圧を測定する第2のインスタンス、標的組織のインピーダンスを監視し、それによって、治療後インピーダンス測定値が取得されることを可能にする、第2のインスタンスを含む。
【0016】
ある実施形態によると、インピーダンス測定信号は、低周波数部分と、高周波数部分とを含み、インピーダンス測定信号の低周波数部分は、インピーダンス測定信号の高周波数部分に時間的に先行する、または逆もまた同様である。
【0017】
ある実施形態によると、本方法は、ベースラインインピーダンス測定値および治療後インピーダンス測定値の両方に基づいて、単極治療信号の送達によって引き起こされる、標的組織に対する変化を示す、メトリックを計算するステップを含むことができる。より具体的には、ある実施形態によると、単極治療信号の送達によって引き起こされる、標的組織に対する変化を示す、メトリックを計算するステップは、単極治療信号が送達された後の、時間tにおいて測定される、治療後低周波数インピーダンス位相角値測定値∠ZLF(t)と、単極治療信号が送達されることに先立った、時間t=0において測定される、ベースライン低周波数インピーダンス位相角値測定値∠ZLF(0)との間の差異を計算するステップと、治療後低周波数インピーダンス位相角値測定値∠ZLF(t)とベースライン低周波数インピーダンス位相値測定値∠ZLF(0)との間の差異に基づいて、インピーダンスベースのインジケータ(IBI)を計算するステップとを含む、IBIを計算するステップを含む。
【0018】
ある実施形態によると、ベースラインインピーダンス測定値および治療後インピーダンス測定値のうちの少なくとも一方は、高周波数インピーダンス規模値Z
HFを含む。あるそのような実施形態では、治療後低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF(t)とベースライン低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF(0)との間の差異は、IBIを計算するとき、高周波数インピーダンス規模値Z
HFによってスケーリングされる。より具体的には、ある実施形態によると、IBIは、方程式
【化2】
を使用して計算され、式中、
∠Z
LF(0)は、単極治療信号が送達されることに先立った、時間t=0において測定される、低周波数インピーダンス位相角値であり、
∠Z
LF(t)は、単極治療信号が送達された後の、時間tにおいて測定される、低周波数インピーダンス位相角値であり、
Z
HFは、単極治療信号が送達されることに先立って、またはその後に測定される、その規模値がスケーリング係数として使用される、高周波数インピーダンス規模値である。
【0019】
上記の要約された方法のうちの1つまたはそれを上回るものは、単極治療信号の送達から結果として生じる治療効果転帰を推測するために使用されることができる。
【0020】
ある実施形態によると、上記の要約された方法のうちの1つまたはそれを上回るものは、単極治療送達システムの少なくとも1つのプロセッサによって実施され、その少なくとも1つのプロセッサは、単極治療送達システムのコントローラの一部であることができる。
【0021】
本概要は、詳細な説明において下記にさらに説明される、一連の概念を単純化された形態で導入するために提供される。本概要は、請求される主題の重要となる特徴または不可欠な特徴を識別することを意図しておらず、請求される主題の範囲を決定することの補助として使用されることも意図していない。請求される主題は、背景に記載される任意または全ての欠点を解決する実装に限定されるものではない。
【0022】
これらおよび他の実施形態は、添付される図面に関連する以下の説明においてさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない図面では、同様の番号が、異なる図内の類似する構成要素を説明し得る。異なる文字添字を有する同様の番号が、類似する構成要素の異なる事例を表し得る。図面は、概して、限定としてではなく、実施例として、本書において議論される種々の実施形態を図示する。
【0024】
【
図1】
図1は、そのような単極送達システムの例示的実施形態を図示する。
【0025】
【
図2】
図2は、
図1に図示される療法エネルギー送達カテーテルの実施形態のより近接した図を提供する。
【0026】
【
図3】
図3は、エネルギー送達アルゴリズムによって処方される信号の波形のある実施形態を図示する。
【0027】
【
図4】
図4は、肺組織変性システムのある実施形態の概略図である。
【0028】
【
図5】
図5は、
図1等に従う、患者への単極エネルギー送達の概略図を提供し、患者は、体内管腔を有する楕円形の塊として図示される。
【0029】
【
図6】
図6A-6Bは、従来の2電極方法および本明細書に説明される多電極方法を使用して同一のサンプルにわたって実施される、例示的測定を提供する。
【0030】
【
図7】
図7は、組織を横断して展開された電圧信号を測定するときの、
図5において被られるインピーダンスのモデルを提供する。
【0031】
【
図8】
図8は、患者の身体の外側に、皮膚に対して基準電極を位置付けるステップを図示する。
【0032】
【
図9】
図9は、
図8において被られるインピーダンスのモデルを提供する。
【0033】
【
図10】
図10は、治療信号の送達の間に低周波数測定値および高周波数インピーダンス測定値を採取するステップを図示する。
【0034】
【
図11】
図11は、療法治療が実施される前および後の、低周波数インピーダンス値の2つの異なる組織のウェッセルインピーダンスプロットを示す。
【0035】
【
図12】
図12A-12Bは、療法パルスの印加にわたる、低周波数および高周波数におけるインピーダンス値の時間的発展を図示する。
【0036】
【
図13】
図13A-13Bは、典型的な2電極設定を使用し、本明細書に説明される3電極設定のある実施形態を使用する、測定において療法治療を送達した後のインピーダンスベースのインジケータ(IBI)発展を図示する。
【0037】
【
図14】
図14は、単一のパッド内にともに形成された、基準電極および分散電極を図示する。
【0038】
【
図15】
図15は、基準電極が、エネルギー送達体により近接した場所における、患者の皮膚に対して位置付けられる、ある実施形態を図示する。
【0039】
【0040】
【
図17】
図17は、基準電極が、身体管腔内に常駐するように、カテーテルのシャフトに沿って配置される、ある実施形態を図示する。
【0041】
【0042】
【
図19】
図19は、第1の基準電極がエネルギー送達体の近位のシャフトに沿って配置され、第2の基準電極がエネルギー送達体の遠位のシャフトに沿って配置される、ある実施形態を図示する。
【0043】
【0044】
【
図21】
図21は、情報またはデータを表示するための種々のエリアを含むディスプレイを有する、ジェネレータを図示する。
【0045】
【
図22】
図22A-22Bは、完了インジケータのある実施例を図示する。
【0046】
【
図23】
図23は、進捗インジケータのある実施例を図示する。
【0047】
【
図24】
図24は、進捗のリアルタイムのグラフィカルな可視化を提供する、棒グラフを図示する。
【0048】
【
図25】
図25は、IBI値のスクロールディスプレイを図示する。
【0049】
【
図26】
図26は、単一のIBI値のディスプレイを図示する。
【0050】
【
図27】
図27は、経時的に変化する、完了の数値割合として提供される、進捗を図示する。
【0051】
【
図28】
図28は、治療の浸透の深度として提供される、進捗を図示する。
【0052】
【
図29】
図29は、それぞれが、各個々の治療の完了を示す、IBI閾値に接近する、一連の治療棒グラフを図示する。
【0053】
【
図30】
図30は、複数の閾値に接近する、一連の治療棒グラフを図示する。
【0054】
【
図31】
図31は、線グラフとして伝達される、進捗ステータスを図示する。
【0055】
【
図32】
図32は、複数の治療にわたる、線グラフとして伝達される、治療進捗を図示する。
【0056】
【
図33】
図33は、様々な治療情報を提供するように表示される、表を図示する。
【0057】
【
図34】
図34および35は、本技術のある実施形態による方法を要約するために使用される、高レベルのフロー図である。
【
図35】
図34および35は、本技術のある実施形態による方法を要約するために使用される、高レベルのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
詳細な説明
様々な療法エネルギー送達システムは、単極送達方法に依拠する。単極送達は、その下で治療効果が生じる、比較的に小さいアクティブ電極と、患者の身体上またはその中の他所において大きい分散電極(帰還電極とも称される)とを使用する、治療部位への電流の印加と見なされる。電流は、これがアクティブ電極から分散電極までの回路を完成させるにつれて、患者を通して通過する。
【0059】
例示的単極システム
そのような単極送達システムのある実施例が、
図1に図示される。
図1は、患者Pの治療において使用される、肺組織変性システム100のある実施形態を図示する。本実施形態では、システム100は、ジェネレータ104に接続可能である、療法エネルギー送達カテーテル102を備える。カテーテル102は、その遠位端の近傍の少なくとも1つのエネルギー送達体108と、その近位端における取っ手110とを有する、伸長シャフト106を備える。ジェネレータ104へのカテーテル102の接続は、他の特徴の中でも、電気エネルギーをエネルギー送達体108に提供する。本実施形態では、カテーテル102は、
図1に図示されるように、様々な方法によって、気管支鏡112内の管腔等を通して、患者Pの気管支通路の中に挿入可能である。
【0060】
図2は、
図1に図示される、療法エネルギー送達カテーテル102の実施形態のより近接した図を提供する。本実施形態では、エネルギー送達体108は、単一の単極エネルギー送達電極を備えるが、しかしながら、そのさらなる実施例が本明細書に提供されるであろう、他のタイプ、数、および配列も、使用され得ることを理解されたい。本実施形態では、エネルギー送達体108は、電極としての役割を果たす、渦巻形状バスケットを形成する、近位端拘束部122および遠位端拘束部124によって拘束される、複数のワイヤまたはリボン120から成る。代替実施形態では、ワイヤまたはリボンは、渦巻形状に形成される代わりに、直線である(すなわち、直線形状バスケットを形成するように構成される)。さらに別の実施形態では、エネルギー送達体108は、管からレーザ切断される。いくつかの実施形態では、エネルギー送達体108は、自己拡張可能であり、圧潰構成において標的化されたエリアに送達される。本圧潰構成は、例えば、エネルギー送達体108にわたってシース126を設置することによって達成されることができる。
図2では、(シース126内の)カテーテルシャフト106は、近位端拘束部122において終端し、遠位端拘束部124を、本質的に拘束されておらず、カテーテル102のシャフト106に対して自由に移動する状態のままにする。シース126をエネルギー送達体108にわたって前進させるステップは、遠位端拘束部124が、前方に移動し、それによって、エネルギー送達体108を延長/圧潰させ、拘束することを可能にする。
【0061】
カテーテル102は、その近位端における、取っ手110を含む。いくつかの実施形態では、取っ手110は、取っ手除去ボタン130を押下すること等によって除去可能である。本実施形態では、取っ手110は、エネルギー送達体操作ノブ132を含み、ノブ132の移動は、バスケット形状電極の拡張または後退/圧潰を引き起こす。本実施例では、取っ手110はまた、気管支鏡112との接続のための気管支鏡作用ポートスナップ134と、ジェネレータ104との接続のためのケーブルプラグ差込型ポート136とを含む。
【0062】
図1に戻って参照すると、本実施形態では、療法エネルギー送達カテーテル102は、患者Pの皮膚の外部に適用される、分散(帰還)電極140に加えて、ジェネレータ104と接続可能である。したがって、本実施形態では、単極エネルギー送達は、カテーテル102の遠位端の近傍に配置されるエネルギー送達体108と帰還電極140との間にエネルギーを供給することによって、達成される。本明細書にさらに詳細に説明されるであろうように、双極エネルギー送達および他の配列が、代替として、使用され得ることを理解されたい。本実施形態では、ジェネレータ104は、ユーザインターフェース150と、1つまたはそれを上回るエネルギー送達アルゴリズム152と、プロセッサ154と、データ記憶/読出ユニット156(メモリおよび/またはデータベース等)と、送達されるべきエネルギーを生成し、貯蔵する、エネルギー貯蔵サブシステム158とを含む。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るコンデンサが、エネルギー貯蔵/送達のために使用されるが、新しい技術が開発されるにつれて、任意の好適な要素が、使用されてもよい。加えて、1つまたはそれを上回る通信ポートが、含まれる。
【0063】
いくつかの実施形態では、療法エネルギーは、パルス化電場を含み、細胞外基質間の組織レベルの構築タンパク質等の臨界解剖学的構造の破壊を殆どまたは全く伴わない、標的組織の除去を可能にする、高電圧パルスによって特徴付けられる。様々なエネルギー送達アルゴリズム152が、そのようなエネルギーを送達するために使用され得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、アルゴリズム152は、各エネルギーパケットが一連の高電圧パルスを含む、一連のエネルギーパケットを含む波形を有する、信号を処方する。そのような実施形態では、アルゴリズム152は、いくつかのものを挙げると、パケットの数、パケット内のパルスの数、パルスシーケンスの基本周波数から成る、印加されるエネルギーのエネルギー振幅(例えば、電圧)および持続時間等の信号のパラメータを規定する。付加的パラメータは、後の節においてより詳細に説明されるであろう、二相性パルスにおける極性間の切替時間と、二相性サイクル間の不感時間と、パケット間の休止時間とを含んでもよい。パケット間に、固定された休止周期が、存在してもよい、またはパケットは、心臓サイクルに対してゲートされ、したがって、患者の心拍数に伴って変動可能であってもよい。意図的な可変の休止周期アルゴリズムが、存在してもよい、またはいかなる休止周期も、パケット間に適用されない場合がある。センサ情報、および自動遮断仕様、および/または同等物に基づくフィードバックループが、含まれてもよい。
【0064】
図3は、エネルギー送達アルゴリズム152によって処方される信号の波形400のある実施形態を図示する。ここで、2つのパケット、すなわち、第1のパケット402および第2のパケット404が、示され、パケット402、404は、休止周期406によって分離される。本実施形態では、各パケット402、404は、(第1の正パルスピーク408と、第1の負パルスピーク410とを含む)第1の二相性サイクルと、(第2の正パルスピーク408’と、第2の負パルスピーク410’とを含む)第2の二相性サイクルとから成る。第1および第2の二相性パルスは、各パルス間の不感時間412(すなわち、中断)によって分離される。本実施形態では、二相性パルスは、設定電圧416が正および負ピークに関して同一であるように、対称的である。ここで、二相性の対称的な波はまた、正電圧波の規模および時間が、負電圧波の規模および時間にほぼ等しくあるように、矩形波である。
【0065】
他の実施形態では、いくつかのものを挙げると、一連の純粋な単相性パルス(例えば、短い(<10μs)または長い(>10μs)パルスのシーケンスが、それらの間に比較的に長い(>1ms)遅延を伴って送達され、全て、同一の極性である)、交互に入れ替わる単相性パルス(例えば、長いパルスのシーケンスが、それらの間に比較的に長い遅延を伴って送達され、交互に入れ替わる極性である)、および二相性パルス(パルスが、極性の変化間に比較的に短時間の遅延(<1ms)を伴って送達される)等の、他の波形が、使用され得ることを理解されたい。同様に、パケットが、存在するとき、パケットは、それらの間の遅延でバンドルされてもよい。同様に、サイクル遅延または位相遅延等の遅延が、パケット内に存在してもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、ジェネレータ104が、3つのサブシステム、すなわち、1)高エネルギー貯蔵システム、2)高電圧中周波数切替増幅器、および3)システム制御部、ファームウェア、およびユーザインターフェースから成ることを理解されたい。システムコントローラは、患者の心臓律動に対するパルス化エネルギー出力の同期化を可能にする、心臓同期化トリガモニタを含む。ジェネレータは、AC(交流電流)主電源電力を取り込み、複数のDC(直流)電力供給源に給電する。ジェネレータのコントローラは、DC電力供給源に、エネルギー送達が開始される前に、高エネルギーコンデンサ貯蔵バンクを充電するように命令する。療法エネルギー送達の開始において、ジェネレータのコントローラ、高エネルギー貯蔵バンク、および二相パルス増幅器は、同時に動作し、高電圧中周波数出力を形成する。
【0067】
プロセッサ154は、例えば、汎用目的プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、および/または同等物であることができる。プロセッサ154は、システム100と関連付けられるアプリケーションプロセスおよび/または他のモジュール、プロセスおよび/または機能、および/またはシステム100と関連付けられるネットワークを起動および/または実行するように構成されることができる。
【0068】
本明細書で使用されるように、用語「モジュール」は、例えば、メモリ、プロセッサ、電気トレース、光学コネクタ、(ハードウェア内で実行する)ソフトウェア、および/または同等物を含み得る、動作可能に結合される電気構成要素の任意のアセンブリおよび/またはセットを指す。例えば、プロセッサ内で実行されるモジュールは、そのモジュールと関連付けられる1つまたはそれを上回る具体的機能を実施することが可能である、ハードウェアベースのモジュール(例えば、FPGA、ASIC、DSP)および/またはソフトウェアベースのモジュール(例えば、メモリ内に記憶される、および/またはプロセッサにおいて実行されるコンピュータコードのモジュール)の任意の組み合わせであることができる。
【0069】
データ記憶/読出ユニット156は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリバッファ、ハードドライブ、データベース、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能な読取専用メモリ(EEPROM)、読取専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、および/または同等物であることができる。データ記憶/読出ユニット156は、プロセッサ154に、システム100と関連付けられるモジュール、プロセス、および/または機能を実行させるための命令を記憶することができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、データ記憶/読出ユニット156は、その上に、種々のコンピュータ実装動作を実施するための命令またはコンピュータコードを有する、非一過性コンピュータ可読媒体(非一過性プロセッサ可読媒体とも称され得る)を伴う、コンピュータ記憶装置製品を備える。コンピュータ可読媒体(すなわち、プロセッサ可読媒体)は、これがそれ自体で一過性の伝搬信号(例えば、空間またはケーブル等の伝送媒体上で情報を搬送する、伝搬電磁波)を含まないという意味において非一過性である。媒体およびコンピュータコード(コードとも称され得る)は、具体的な目的または複数の目的のために設計および構築されるものであることができる。非一過性コンピュータ可読媒体の実施例は、限定ではないが、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、および磁気テープ等の磁気記憶媒体、コンパクトディスク/デジタルビデオディスク(CD/DVD)、コンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、およびホログラフィデバイス等の光学記憶媒体、光ディスク等の光磁気記憶媒体、搬送波信号処理モジュール、およびASIC、プログラマブル論理デバイス(PLD)、読取専用メモリ(ROM)、およびランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス等、プログラムコードを記憶および実行するように特別に構成される、ハードウェアデバイスを含む。本明細書に説明される他の実施形態は、例えば、本明細書に議論される命令および/またはコンピュータコードを含み得る、コンピュータプログラム製品に関連する。
【0071】
コンピュータコードの実施例は、限定ではないが、マイクロコードまたはマイクロ命令、コンパイラによって生産されるもの等の機械命令、ウェブサービスを生産するために使用されるコード、およびコンピュータによってインタープリタを使用して実行される、より高レベル命令を含有するファイルを含む。例えば、実施形態は、命令型プログラミング言語(例えば、C、Fortran等)、関数型プログラミング言語(Haskell、Erlang等)、論理型プログラミング言語(例えば、Prolog)、オブジェクト指向プログラミング言語(例えば、Java(登録商標)、C++等)または他の好適なプログラミング言語および/または開発ツールを使用して実装されることができる。コンピュータコードの付加的実施例は、限定ではないが、制御信号、暗号化されたコード、および圧縮されたコードを含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、システム100は、例えば、有線ネットワークおよび/または無線ネットワークとして実装される、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、仮想ネットワーク、電気通信ネットワーク、データネットワーク、および/またはインターネット等の任意のタイプのネットワークであり得る、ネットワークに通信可能に結合されることができる。いくつかの実施形態では、任意または全ての通信が、セキュアな通信(例えば、セキュアソケットレイヤ(SSL))および/または暗号化の任意の好適なタイプおよび/または方法を使用してセキュリティ保護されることができる。他の実施形態では、任意または全ての通信は、セキュリティ保護されない場合がある。
【0073】
ユーザインターフェース150は、タッチ画面および/またはより従来的なボタンを含み、オペレータが、患者データを打ち込む、治療アルゴリズム(すなわち、エネルギー送達アルゴリズム152)を選択する、エネルギー送達を開始する、記憶/読出ユニット156上に記憶された記録を閲覧する、または別様にジェネレータ104と通信することを可能にすることができる。
【0074】
本明細書に開示されるシステムのうちのいずれかは、オペレータ定義入力を可能にするように構成される、ユーザインターフェース150を含むことができる。オペレータ定義入力は、エネルギー送達の持続時間またはエネルギー送達パルスの他のタイミング側面、パワー、標的温度、動作モード、またはそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、種々の動作モードは、システム開始および自己検査、オペレータ入力、アルゴリズム選択、事前治療システムのステータスおよびフィードバック、エネルギー送達、エネルギー送達後の表示またはフィードバック、治療データの精査および/またはダウンロード、ソフトウェア更新、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、システム100はまた、外部心臓モニタ170等、心電図(ECG)を入手するための機構も含む。例示的心臓モニタは、AccuSync Medical Research Corporationから入手可能である。いくつかの実施形態では、外部心臓モニタ170は、ジェネレータ104に動作可能に接続される。ここで、心臓モニタ170は、ECGを持続的に入手するために使用される。外部電極172が、患者Pに適用され、ECGを入手してもよい。ジェネレータ104は、1つまたはそれを上回る心臓サイクルを分析し、患者Pにエネルギーを印加することが安全である、時間周期の始まりを識別し、したがって、エネルギー送達と心臓サイクルを同期化するための能力を提供する。いくつかの実施形態では、本時間周期は、エネルギーパルスがT波上で送達される場合に生じ得る不整脈の誘発を回避するために、R波の数ミリ秒(ms)以内である。そのような心臓同期化が、典型的には、単極エネルギー送達を使用するときに、利用されるが、しかしながら、これが、他の事例においても利用され得ることを理解されたい。
【0076】
いくつかの実施形態では、プロセッサ154は、他の活動の中でも、エネルギー送達アルゴリズムを修正する、および/またはその間で切り替わり、エネルギー送達および任意のセンサデータを監視し、フィードバックループを介して監視されたデータに反応する。いくつかの実施形態では、プロセッサ154が、1つまたはそれを上回る測定されるシステムパラメータ(例えば、電流)、1つまたはそれを上回る測定される組織パラメータ(例えば、インピーダンス)、および/またはそれらの組み合わせに基づいて、フィードバック制御ループを起動させるために1つまたはそれを上回るアルゴリズムを実行するように構成されることを理解されたい。
【0077】
データ記憶/読出ユニット156は、送達される治療に関連するデータを記憶し、随意に、デバイス(例えば、ラップトップまたはサムドライブ)を通信ポートに接続することによって、ダウンロードされることができる。いくつかの実施形態では、本デバイスは、例えば、データ記憶/読出ユニット156上に記憶され、プロセッサ154によって実行可能である、命令等の情報のダウンロードを指示するために使用される、ローカルソフトウェアを有する。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース150は、オペレータが、限定ではないが、コンピュータデバイス、タブレット、モバイルデバイス、サーバ、ワークステーション、クラウドコンピューティング装置/システム、および/または同等物等のデバイスおよび/またはシステムにデータをダウンロードすることを選択することを可能にする。有線および/または無線コネクティビティを可能にし得る、通信ポートは、真上に説明されているもの等のデータダウンロードだけではなく、カスタマムアルゴリズムをアップロードすることまたはソフトウェア更新を提供すること等のデータアップロードも可能にすることができる。
【0078】
本明細書に説明されるように、様々なエネルギー送達アルゴリズム152が、プログラム可能である、またはメモリまたはデータ記憶/読出ユニット156内に記憶されること等、ジェネレータ104の中に予めプログラムされることができる。代替として、エネルギー送達アルゴリズムは、データ記憶/読出ユニットの中に追加され、プロセッサ154によって実行されることができる。これらのアルゴリズム152はそれぞれ、プロセッサ154によって実行されてもよい。アルゴリズムの実施例は、本明細書において下記に詳細に説明されるであろう。いくつかの実施形態では、カテーテル102は、いくつかのものを挙げると、温度、インピーダンス、抵抗、静電容量、伝導率、誘電率、および/またはコンダクタンスを決定するために使用され得る、1つまたはそれを上回るセンサ160を含む。センサデータは、療法を計画立案する、療法を監視する、および/またはプロセッサ154を介して直接的フィードバックを提供するために使用されることができ、これは、次いで、エネルギー送達アルゴリズム152を改変することができる。例えば、インピーダンス測定値は、印加されるべき初期線量を決定するために使用されることができるだけではなく、さらなる治療の必要性があるかどうかを決定するために使用されることもできる。
【0079】
本明細書に開示されるシステムのうちのいずれかが、温度、インピーダンス、エネルギー送達パルスの治療持続時間または他のタイミング側面、治療パワー、および/またはシステムステータス等の入力に応答して治療に動的に応答し、調節する、および/またはそれを終結させ得る、自動化された治療送達アルゴリズムを含み得ることを理解されたい。
【0080】
いくつかの実施形態では、撮像が、
図1に図示されるように、別個の結像画面180と接続される気管支鏡112等の商業的に利用可能なシステムを使用して、達成される。撮像モダリティが、カテーテル102に組み込まれ得る、またはカテーテル102とともに、またはそれと連動して併用され得ることを理解されたい。撮像モダリティは、任意の好適な機構を使用して、カテーテル102に、機械的、動作可能、および/または通信可能に結合されることができる。
【0081】
図4は、肺組織変性システム100のある実施形態の概略図である。本実施形態では、カテーテル102は、単極エネルギー送達のために構成される。示されるように、分散(中性)または帰還電極140が、ジェネレータ104に動作可能に接続されながら、患者の皮膚に添着され、カテーテル102を介して送達されるエネルギーのための帰還経路を提供する。エネルギー送達カテーテル102は、1つまたはそれを上回るエネルギー送達体108(電極から成る)、1つまたはそれを上回るセンサ160、1つまたはそれを上回る撮像モダリティ162、1つまたはそれを上回るボタン164、および/または位置付け機構166(例えば、限定ではないが、引動ワイヤを伴う取っ手上のレバーおよび/またはダイヤル、伸縮自在管、シース、および/または同等物等)を含む。1つまたはそれを上回るエネルギー送達体108は、組織と接触するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、フットスイッチ168が、ジェネレータ104に動作可能に接続され、エネルギー送達を開始するために使用される。
【0082】
前述に述べられるように、ユーザインターフェース150は、タッチ画面および/またはより従来的なボタンを含み、オペレータが、患者データを打ち込む、治療アルゴリズム152を選択する、エネルギー送達を開始する、記憶/読出ユニット156上に記憶された記録を閲覧する、または別様にジェネレータ104と通信することを可能にすることができる。プロセッサ154は、エネルギー送達アルゴリズムを管理および実行し、エネルギー送達および任意のセンサデータを監視し、フィードバックループを介して監視されたデータに反応する。データ記憶/読出ユニット156は、送達される治療に関連するデータを記憶し、デバイス(例えば、ラップトップまたはサムドライブ)を通信ポート167に接続することによって、ダウンロードされることができる。
【0083】
カテーテル102は、ジェネレータ104および/または別個の結像画面180に動作可能に接続される。撮像モダリティ162が、カテーテル102の中に組み込まれる、またはカテーテル102とともに、またはそれと連動して併用されることができる。代替として、または加えて、商業的に利用可能なシステム(例えば、気管支鏡)等の別個の撮像モダリティまたは装置169が、使用されることができる。別個の撮像装置169は、任意の好適な機構を使用して、カテーテル102に、機械的、動作可能、および/または通信可能に結合されることができる。
【0084】
インピーダンス測定
図5は、
図1等に従う、患者Pへの単極エネルギー送達の概略図を提供する。ここで、患者Pは、肺気道を表す、体内管腔BLを有する、楕円形の塊として図示される。他の実施形態では、身体管腔BLが、身体内の異なるタイプの管腔を表すことを理解されたい。カテーテル102のシャフト106は、エネルギー送達体108がその中に位置付けられるように、身体管腔BLの中に挿入される。エネルギーが、エネルギー送達体108から送達されると、エネルギーは、種々の界面および組織層(破線によって示される)を通して、身体の外側に、皮膚Sに対して位置付けられる、分散電極140まで伝わる。特に、エネルギーは、エネルギー送達体108(例えば、電極)および局所組織LT(例えば、気道壁)の界面を通して、局所組織LTを通して、体内組織BTを通して、皮膚Sを通して、および分散電極140および皮膚Sの界面を通して流動する。分散電極140は、広いエリアにわたってエネルギーを引き出す、広範接触エリアを有する。したがって、患者の身体の広い部分が、電気導管としての役割を果たし、治療強度を身体質量の全体を通して療法量以下のレベルに希釈する。組織システム全体の電気的性質およびメトリックは、比較的に小さい体積の罹患または治療された組織と、身体の大部分からのはるかにより大きい体積の罹患していない組織とを含む。その結果、測定可能な方法において局所的効果の存在および量を判別することは、その比較的に低い比率に起因して、非常に困難である。
【0085】
組織効果を特性評価するために使用されている1つの電気的性質は、インピーダンスである。インピーダンスは、種々の周波数の交流電流の流動に対する、組織の対抗のある尺度である。患者の身体は、非常に複雑な構造内の様々なタイプの組織から成り、各組織は、生体細胞の3次元配列から成る。細胞間液と、細胞膜とを含有する、生体細胞は、タンパク質の細胞外液および細胞外基質中に懸濁され、交流電気信号に対する周波数依存挙動を示す。交流電気励起下において、生体細胞および組織は、組織組成および印加される信号の周波数に依存する、複雑な生体電気インピーダンスまたは電気生体インピーダンスを生産する。したがって、生体組織の電気インピーダンスの周波数応答は、それらの生理学的および生理科学的ステータスによって非常に影響を受け、治療および他の効果に起因する、対象間、組織間、および生理学的および生理科学的変化に応じて変動する。故に、組織の複雑な生体インピーダンスの測定は、その治療ステータスを含む、そのステータスについての情報を提供することができる。したがって、インピーダンスは、治療の間の種々の時間における、組織のリアルタイムの監視において使用されることができる。
【0086】
特定の組織の電気インピーダンスが、電流信号が組織に提供されるときに組織を横断して展開される、電圧信号を測定することによって推定されることができる。数学的に、インピーダンス(Z)は、測定された電圧信号(V)を印加された電流信号(I)によって除算することによって測定される。インピーダンス(Z)は、複素量であり、これは、組織性質に応じて、特定の位相角(θ)を有するであろう。電気インピーダンス断層撮影測定では、身体組織の生体電気インピーダンスは、低振幅低周波数交流電流を、組織表面(組織境界)に取り付けられる表面電極のアレイを通して、組織に注入することによって測定される。細胞膜は、電気コンデンサとして挙動するため、(理想的には、10Hz~10kHzの)低周波数における生体組織の電気的性質は、細胞膜の生理学的変化に対して最も高い感受性を示すであろう。パルス電場技術を使用する、細胞膜において誘発される変化は、その容量性挙動に及ぼす影響を有し、したがって、これらの低周波数におけるインピーダンスに影響を及ぼすであろう。しかしながら、いくつかのパルス化電場治療は、筋肉組織の望ましくない電気刺激を回避または低減させること等のために、(理想的には、100kHzを上回る、またはそれに等しい)高周波数信号を使用する。本範囲の高周波数において、従来の分散電極の固有インピーダンスが、無視されることができる。しかしながら、同一の電極が、細胞膜変化を検出するためにより感知可能なもの等の低周波数信号のために使用されることが意図されている場合、固有分散電極インピーダンスは、測定されるインピーダンス値全体に有意に影響を及ぼし得る。本望ましくない干渉は、組織の容量性挙動の検出を妨げ得、したがって、着目領域における組織性質のわずかな変化は、検出可能ではないであろう。これは、
図6Aに図示される。
【0087】
図7は、組織を横断して展開された電圧信号を測定するときの、
図5において被られるインピーダンスのモデルを提供する。測定されるインピーダンスは、送達電極インピーダンスZ
e(エネルギー送達体108と局所組織LTの界面に関連する)、局所組織インピーダンスZ
LT、体内組織インピーダンスZ
BT、皮膚インピーダンスZ
S、および分散電極インピーダンスZ
de(分散電極140および皮膚Sの界面に関連する)として識別され得る、少なくとも5つの個々のインピーダンスから成る。典型的には、皮膚インピーダンスZsおよび分散電極インピーダンスZ
deは、不釣り合いに大きく、他の測定値を圧倒する。したがって、これらのインピーダンスを最小限化(すなわち、皮膚インピーダンスZsおよび分散電極インピーダンスZ
deを最小限化)し、他のインピーダンス値内の変化、例えば、かつ最も重要なこととして、局所組織インピーダンスZ
LTへの変化の識別を可能にすることが、所望される。
【0088】
いくつかの実施形態では、そのような最小限化は、
図8に図示されるように、患者Pの身体の外側に、皮膚Sに対して位置付けられる、基準電極200を使用して達成される。再び、患者Pは、
図5に図示されるように、同一の組織および界面を伴う、楕円形の塊として図示される。エネルギーが、治療の間にエネルギー送達体108から送達されると、エネルギーは、種々の界面および組織層(破線によって示される)を通して、分散電極140まで伝わる。
【0089】
基準電極200は、電流信号がエネルギー送達体108と分散電極140との間に注入されるときに誘発される電圧を測定するために使用される。本明細書に説明される測定設定を使用すると、基準電極200に向かって流動する電流の不在は、
図6Bに図示されるように、分散電極140の周囲の測定の感受性を最小限化する。したがって、
図6A-6Bは、従来の2電極方法を使用して(
図6A)、および本明細書に説明される本技術のある実施形態による、多電極(3電極)方法を使用して(
図6B)同一の組織サンプル上で実施される、インピーダンス測定を示す。従来の2電極方法は、インピーダンス測定値を取得するためにエネルギー送達体108および分散電極140のみを使用するステップを指す。対照的に、多電極(3電極)方法は、インピーダンス測定信号を送達するためにエネルギー送達体108および分散電極140を使用し、1つまたはそれを上回るインピーダンス測定値を取得するためにエネルギー送達体108および基準電極200を使用するステップを指す。従来の2電極方法とは異なり、多電極方法は、細胞膜の容量性挙動に対応する生体組織のナイキストプロット(コールコールプロットとしても公知である)の特徴的な半円形形状を観察することを可能にする。
【0090】
分散電極140は、パルス化電場(PEF)エネルギーまたはRFエネルギー等の治療エネルギーを標的組織に送達するためにエネルギー送達体108とともに併用されるタイプの帰還電極である。エネルギー送達体108は、エネルギー送達体108に近接する、またはより具体的には、その1つまたはそれを上回るエネルギー送達電極に近接する組織に治療療法を送達するように構成(例えば、サイズ決め)される、1つまたはそれを上回るエネルギー送達電極(アクティブ電極としても公知である)を含む。対照的に、不関電極とも称され得る、分散電極140は、エネルギー送達電極より大きく、エネルギー送達体108のエネルギー送達電極と分散電極140との間に送達される治療に殆どまたは全く寄与しないように、構成(例えば、サイズ決め)される(例えば、患者の皮膚上に設置されるように構成される)電極である。言い換えると、分散電極140と接触している患者組織(例えば、皮膚)上には、治療信号に応答する治療効果が、殆どまたは全く存在しないことが意図される。分散電極140がエネルギー送達体108のエネルギー送達電極と分散電極140との間に送達される治療に殆どまたは全く寄与しない確率を増加させるために、分散電極140は、個々のエネルギー送達電極の表面積の少なくとも2倍(すなわち、2×)である、表面積を有するべきであり、好ましくは、個々のエネルギー送達電極の表面積の少なくとも10倍(すなわち、10×)である、表面積を有し、理想的には、個々のエネルギー送達電極の表面積の少なくとも100倍(すなわち、100×)である、表面積を有する。より一般的には、エネルギー送達体108のエネルギー送達電極の表面積に対する分散電極140の表面積が大きいほど、より好ましい。
【0091】
図9は、
図8において被られるインピーダンスのモデルを提供する。前述に述べられるように、組織を横断して展開される電圧信号を測定するステップは、少なくとも以下のインピーダンス、すなわち、送達電極インピーダンスZ
e(エネルギー送達体108と局所組織LTの界面に関連する)、局所組織インピーダンスZ
LT、体内組織インピーダンスZ
BT、皮膚インピーダンスZ
S、および分散電極インピーダンスZ
deを提供する。基準電極インピーダンスZ
reおよび基準皮膚インピーダンスZ
rSを通して流動する電流の不在は、測定される電位が、分散電極インピーダンスZ
deおよび皮膚インピーダンスZ
Sに依存しないであろうことを含意する。その結果、これらのインピーダンスの圧倒的値は、最小限化され、局所組織インピーダンスZ
LT等の着目インピーダンスを明瞭にすることができる。
【0092】
いくつかの事例では、測定値は、依然として、(例えば、呼吸、移動等から結果として生じる)着目エリアの外側の組織の電気性質によって影響を受け得る。低周波数におけるインピーダンスのみを査定する、治療効果を監視することによって、治療エリアの外側の組織に影響を及ぼす、無関連の変化は、潜在的に、測定されたデータの誤った解釈を誘発し得る。例えば、肺実質は、空気含有量が減少するため、呼気の間に(吸気の間と比較して)より高い伝導率を示す。同時に、療法パルスは、罹患した組織の伝導率を増加させるであろう。それに従って、患者の呼気の間にインピーダンス測定を実施することは、成功治療洞察として誤って解釈され得る。巨視的な患者変化に対して強い治療効果メトリックを取得するために、実験的なインピーダンスベースのインジケータ(IBI)が、パルス電場治療によって誘発された変化に関連する、よりロバストなメトリックとして提供される。
【0093】
本技術のある実施形態によると、IBIは、方程式
【化3】
を使用して、生成され、式中、
∠Z
LF(0)は、治療信号が送達されることに先立った、時間t=0において測定される、低周波数インピーダンス位相角値であり、
∠Z
LF(t)は、治療信号が送達された後の、時間tにおいて測定される、低周波数インピーダンス位相角値であり、
Z
HFは、治療信号が送達される前または後に測定される、高周波数インピーダンス規模値である。
【0094】
生体組織のインピーダンス位相角(∠Z)は、生体組織の細胞膜の容量性挙動と高度に相関する。提供されるメトリックは、時間(t)にわたるインピーダンス位相の低減を監視するために使用される、療法エネルギー(例えば、単極治療信号)を送達する前である、t=0において測定される、初期インピーダンス位相角値∠Z
LF(0)を使用する。低周波数における連続位相角インピーダンス測定値(すなわち、∠Z
LF(t))および高周波数におけるインピーダンス規模測定値(すなわち、Z
HF)もまた、取得されるべきである。より具体的には、
図10は、治療信号の送達、続いて、インピーダンス測定信号の送達、続いて、別の治療信号の送達を示す。
図10の実施例では、標的組織のインピーダンスを測定するために使用されるため、その名称が与えられる、インピーダンス測定信号(Z測定信号とも称され得る)は、高周波数部分(高周波数においてZ測定値と標識される)に時間的に先行する、低周波数部分(低周波数においてZ測定値と標識される)を含む。しかしながら、インピーダンス測定信号が、代替として、低周波数部分に時間的に先行する、高周波数部分を含み得ることに留意されたい。ある実施形態によると、インピーダンス測定信号の送達は、その間に低周波数インピーダンス位相測定値(すなわち、∠Z
LF(t))が取得される、低周波数電流信号の送達と、続いて、その間に高周波数インピーダンス規模測定値(すなわち、Z
HF)が取得される、高周波数電流信号の送達とを含む。言い換えると、インピーダンス測定信号は、低周波数部分(例えば、低周波数電流信号)と、高周波数部分(例えば、高周波数電流信号)とを含み、インピーダンス測定信号の低周波数部分は、インピーダンス測定信号の高周波数部分に時間的に先行する、または逆もまた同様である。
図10には、インピーダンス測定信号が、一対の治療信号の送達の間に送達されているものとして示される。
図10に具体的に示されていないが、インピーダンス測定信号のインスタンスもまた、その標的組織への任意の治療信号の送達に先立って、標的組織に送達され、それによって、ベースラインインピーダンス測定値が標的組織に関して取得されることを可能にすることができる。療法エネルギー(例えば、単極治療信号)を送達する前である、t=0において測定される、インピーダンス位相角値∠Z
LF(0)は、ベースラインインピーダンス測定値のある実施例である。
【0095】
用語「低周波数(LF)」および「高周波数(HF)」は、本明細書において信号の周波数を指すために使用されるように、相互に相関する用語である。より具体的には、本用語が本明細書において使用されるように、高周波数信号は、低周波数信号の周波数の少なくとも2倍(すなわち、2×)であり、好ましくは、低周波数信号の周波数の少なくとも10倍(すなわち、10×)であり、理想的には、低周波数信号の周波数の少なくとも100倍(すなわち、100×)である、周波数を有する。
図10を参照して上記に解説されるように、本技術のある実施形態に従って使用される、インピーダンス測定信号は、低周波数部分と、高周波数部分とを含み、インピーダンス測定信号の低周波数部分は、インピーダンス測定信号の高周波数部分に時間的に先行する、または代替として、インピーダンス測定信号の高周波数部分は、インピーダンス測定信号の低周波数部分に時間的に先行する。より具体的には、インピーダンス測定信号の低周波数部分は、1Hz~200MHzの範囲内であることができ、好ましくは、1Hz~100kHzの範囲内であり、理想的には、10Hz~10kHzの範囲内である。インピーダンス測定信号の高周波数部分は、50kHz~1GHzの範囲内であることができ、好ましくは、50kHz~200MHzの範囲内であり、理想的には、100kHz~3MHzの範囲内である。
【0096】
前述に記載されるように、着目領域の外側(すなわち、局所組織LTの外側)のインピーダンスの急な変化はまた、測定されるインピーダンス規模に影響を及ぼし得る。
図11は、療法治療が実施される前(丸ドット)および後(黒ドット)の、低周波数インピーダンス値(ドット)の2つの異なる組織(左および右)のウェッセルインピーダンスプロットを示す。同一の治療強度下において、全身インピーダンスの場合には、位相(破線角度)の変化は、下半身インピーダンスの場合におけるものより比較的に低い。
【0097】
嵩張る身体インピーダンスに対して位相変化をスケーリングするために、直近のインピーダンス位相測定値(すなわち、∠ZLF(t))と基礎位相値(すなわち、∠ZLF(0))の間の位相の相対変化が、高周波数における電流インピーダンス規模(すなわち、ZHF)によってスケーリングされ、これは、治療によって誘発される、変化の影響を比較的に受けない値である。高周波数における標的組織の電流インピーダンス規模(すなわち、ZHF)は、治療信号によって影響を受けないはずであるため、高周波数における標的組織の電流インピーダンス規模(すなわち、ZHF)は、標的組織への治療信号の送達の前、または標的組織への治療信号の送達に続いてのいずれかの測定値であることができる。
【0098】
ある実施形態によると、単極治療信号の規模は、インピーダンス測定信号の規模の少なくとも10倍(すなわち、10×)であるべきであり、理想的には、インピーダンス測定信号の規模の少なくとも50倍(すなわち、50×)である。例えば、単極治療信号の規模は、1,000V~5,000Vの範囲内(例えば、3,000V)であることができ、インピーダンス測定信号の規模は、0.1V~100Vの範囲内(例えば、1V)であることができる。
【0099】
図12A-12Bは、療法パルスの印加にわたる、低周波数300および高周波数302におけるインピーダンス値の時間的発展を示す。
図12Aは、典型的な2電極設定を使用した測定値を示し、
図12Bは、本明細書に説明される3電極設定を使用した測定値を示す。
【0100】
図13A-13Bは、療法治療を送達した後の、典型的な2電極設定を使用した(
図13A)、および本明細書に説明される3電極設定を使用した(
図13B)測定値におけるIBI発展を示す。
【0101】
付加的な基準電極実施形態
基準電極200が、様々な代替場所に位置付けられ得ることを理解されたい。一実施形態では、基準電極200および分散電極140は、
図14に図示されるもの等の単一のパッド内にともに形成される。ここで、各電極200、140は、導電性材料の層から成り、両方の電極200、140は、単一のシートまたはパッド250上に配置され、さらに、相互から電気的に絶縁される。これは、パッド250が、便宜上、単一のアクションにおいて患者の皮膚Sに添着されることを可能にする。典型的には、パッド250は、皮膚Sと接触する、電解質ゲルによって被覆される。したがって、二重電極を使用することは、より少ないゲルを使用し、より少ない清掃を要求する。本アプローチを使用すると、主な実施形態によって説明されるように、電極のうちの一方は、電流注入のため(すなわち、インピーダンス測定信号の送達のため)の分散電極140として採用され、他方の電極は、誘発される電圧および対応するインピーダンスを監視するための基準電極200として採用されるであろう。
【0102】
他の実施形態では、基準電極200は、治療エリアに分散電極140より近接して位置付けられる。例えば、
図15は、基準電極200が、エネルギー送達体108に分散電極140より近接する場所において患者の皮膚Sに対して位置付けられる、ある実施形態を図示する。再び、患者Pは、
図5に図示されるように、同一の組織および界面を伴う、楕円形の塊として図示される。エネルギーが、治療の間にエネルギー送達体108から送達されると、エネルギーは、種々の界面および組織層(破線によって示される)を通して、分散電極140まで伝わる。基準電極200は、治療エネルギーが存在せず、インピーダンス測定のために設計されたエネルギーが使用されるときの周期の間に電圧降下を検出するために使用される。
【0103】
図16は、
図15において被られるインピーダンスのモデルを提供する。前述に述べられるように、組織を横断して展開される電圧信号を測定するステップは、少なくとも以下のインピーダンス、すなわち、送達電極インピーダンスZ
e(エネルギー送達体108と局所組織LTの界面に関連する)、局所組織インピーダンスZ
LT、体内組織インピーダンスZ
BT、皮膚インピーダンスZ
S、および分散電極インピーダンスZ
de(分散電極140および皮膚Sの界面に関連する)を提供する。基準電極200において電圧信号を測定するステップは、分散電極インピーダンスZ
deと、皮膚インピーダンスZ
Sと、体内組織インピーダンスZ
BTの一部とを構成し得る、基準電極インピーダンスZ
re、基準皮膚インピーダンスZ
rS、および基準体内組織インピーダンスZ
rBTを提供する。その結果、これらのインピーダンスの圧倒的値は、最小限化され、局所組織インピーダンスZ
LT等の着目インピーダンスを明瞭にすることができる。
【0104】
他の実施形態では、基準電極200は、治療エリアに近接して、その中に、またはそれに隣接して(すなわち、局所組織に近接して、その中に、またはそれに隣接して)等、内部的に位置付けられる。例えば、
図17は、基準電極200が、身体管腔BL内に常駐するように、カテーテル102のシャフト106に沿って配置される、ある実施形態を図示する。再び、患者Pは、
図5に図示されるように、同一の組織および界面を伴う、楕円形の塊として図示される。エネルギーが、治療の間にエネルギー送達体108から送達されると、エネルギーは、種々の界面および組織層(破線によって示される)を通して、分散電極140まで伝わる。基準電極200は、治療エネルギーが存在せず、インピーダンス測定のために設計されたエネルギーが使用されるときの周期の間に電圧降下を検出するために使用される。
【0105】
図18は、
図17において被られるインピーダンスのモデルを提供する。前述に述べられるように、組織を横断して展開される電圧信号を測定するステップは、少なくとも以下のインピーダンス、すなわち、送達電極インピーダンスZ
e(エネルギー送達体108と局所組織LTの界面に関連する)、局所組織インピーダンスZ
LT、体内組織インピーダンスZ
BT、皮膚インピーダンスZ
S、および分散電極インピーダンスZ
de(分散電極140および皮膚Sの界面に関連する)を提供する。基準電極200において電圧信号を測定するステップは、送達電極インピーダンスZ
eを構成し得る、基準電極インピーダンスZ
reを提供する。その結果、実施された測定は、潜在的な体内組織インピーダンスZ
BTの影響を受けず、したがって、局所組織における変化に対して実施される測定の感受性を増加させるであろう。
【0106】
基準電極200が、カテーテル102の外側に搭載される、またはカテーテル102と一体型であり得ることを理解されたい。同様に、基準電極200は、カテーテル102内の管腔を通して通過されるデバイス上に搭載される、またはそれと一体型であってもよい。例えば、基準電極200は、基準電極200を治療エリアの近傍に位置付けるように、カテーテル102の少なくとも一部を通して通過可能である、ガイドワイヤ上に配置されてもよい。
【0107】
他の実施形態では、2つの基準電極(第1の基準電極200aおよび第2の基準電極200b)が、治療エリアの近傍、その中、またはそれに隣接して等、内部的に位置付けられる。例えば、
図19は、第1の基準電極200aがエネルギー送達体108の近位のシャフト106に沿って配置され、第2の基準電極200bがエネルギー送達体108の遠位のシャフト106に沿って(またはガイドワイヤ上に)配置される、ある実施形態を図示する。エネルギーが、治療の間にエネルギー送達体108から送達されると、エネルギーは、種々の界面および組織層(破線によって示される)を通して、分散電極140まで伝わる。基準電極200a、200bは、治療エネルギーが存在せず、インピーダンス測定のために設計されたエネルギーが使用されるとき(すなわち、インピーダンス測定信号がエネルギー送達体108および分散電極140を使用して送達されるとき)の周期の間にそれらの間の電圧降下を検出するために使用される。
【0108】
図20は、
図19において被られるインピーダンスのモデルを提供する。前述に述べられるように、組織を横断して展開される電圧信号を測定するステップは、少なくとも以下のインピーダンス、すなわち、送達電極インピーダンスZ
e(エネルギー送達体108と局所組織LTの界面に関連する)、局所組織インピーダンスZ
LT、体内組織インピーダンスZ
BT、皮膚インピーダンスZ
S、および分散電極インピーダンスZ
de(分散電極140および皮膚Sの界面に関連する)を提供する。第1の基準電極200aにおいて電圧信号を測定するステップは、送達電極インピーダンスZ
eを構成し得る、基準電極インピーダンスZ
reを提供する。第2の基準電極200bにおいて電圧信号を測定するステップは、送達電極インピーダンスZ
eを構成し得る、基準電極インピーダンスZ
re’を提供する。その結果、実施された測定は、療法電極界面におけるインピーダンスZ
eの影響を受けず、したがって、局所組織における変化に対して実施される測定の感受性を増加させるであろう。
【0109】
取り扱われる実施形態が、単極エネルギー送達を伴うが、本明細書に説明されるデバイス、システム、および方法のうちの少なくともいくつかが、双極エネルギー送達において利用され得ることを理解されたい。特に、基準電極200の使用およびIBI値の生成が、代替として、エネルギーを双極配列において送達するときに使用され得る。
【0110】
インピーダンスベースのインジケータの実装
インピーダンスベースのインジケータ(IBI)は、様々な方法において使用されることができる。例えば、IBI値は、治療の間に、いくつかのものを挙げると、進捗を監視する、治療の完全性を確実にする、および/または(手動または自動的のいずれかで)治療プロトコルを改変するために使用され得るフィードバックを提供すること等のために使用されることができる。同様に、IBI値は、履歴記録または将来の分析のために治療を記録するためにも使用され得る。いくつかの実施形態では、IBI値は、機械学習アルゴリズム等を介したIBI値の生成を改良するために使用される。
【0111】
前述に述べられるように、いくつかの実施形態では、ジェネレータ104は、タッチ画面および/またはより従来的なボタンを含み、オペレータが、患者データを打ち込む、治療アルゴリズム(すなわち、エネルギー送達アルゴリズム152)を選択する、エネルギー送達を開始する、記憶/読出ユニット156上に記憶された記録を閲覧する、または別様にジェネレータ104と通信することを可能にし得る、ユーザインターフェース150を含む。いくつかの実施形態では、ジェネレータ104は、ディスプレイ500を含む。そのようなディスプレイ500は、ユーザインターフェース150(例えば、タッチ画面)と一体型であってもよい、または別個(例えば、ディスプレイ画面)であってもよい。いずれの場合でも、ディスプレイ500が、ジェネレータ104と別個であるが、ジェネレータ104および/または他の装置と通信し得ることを理解されたい。
【0112】
図21は、ディスプレイ500を有する、ジェネレータ104を図示する。本実施形態では、ディスプレイ500は、情報またはデータを表示するための種々のエリアを含む。例えば、いくつかの実施形態では、ディスプレイ500は、いくつかのものを挙げると、臓器タイプ(例えば、心臓、肺、頸部等)、組織タイプ(例えば、内皮細胞、心筋等)、疾患タイプ(例えば、慢性気管支炎、喘息、心房細動等)、および/または治療標的深度(例えば、0.1mm、0.5mm、1mm、2mm等)等の標的情報を表示するための、エリアA1を含む。典型的には、そのような情報は、静的であり、ユーザインターフェース150等を介して予めプログラムされる、またはプログラム可能である。いくつかの実施形態では、そのような情報は、治療アルゴリズム152を選択するために使用される。
【0113】
いくつかの実施形態では、ディスプレイ500は、電圧、周波数、治療持続時間、パケット番号等の波形情報に関するエリアA2を含む。いくつかの実施形態では、そのような情報は、静的であり、ユーザインターフェース150等を介して予めプログラムされる、またはプログラム可能である。いくつかの実施形態では、そのような情報は、治療波形を生成する、および/または治療アルゴリズム152を選択するために使用される。他の実施形態では、ユーザは、エリアA2内に表示される選択肢等から特定の治療アルゴリズム152を選択する。いくつかの実施形態では、治療の間にリアルタイムで送達されるパケットの数を表示する、パケット計数器を含むもの等、情報の少なくとも一部は、動的である。
【0114】
いくつかの実施形態では、ディスプレイは、進捗情報のためのエリアA3を含む。いくつかの実施形態では、進捗情報は、治療プロトコルの全体を通した種々の時間において測定されるもの等のインピーダンスベースのインジケータ(IBI)を利用する。IBIは、組織の条件を示すため、これは、組織が全面的に治療されることに対する近接度と、全面的な治療が到達されたときを伝達することができる。したがって、組織の完全な治療と相関する、IBI値が、確立される。本IBI値は、ユーザから入力された情報に基づいて、予めプログラムされる、または決定される。いくつかの実施形態では、治療の完了が、特定の標的組織部位において達成されたときを単純に示す、完了インジケータ502が、ディスプレイ500上に提供される。
図22A-22Bは、治療の完了に先立って、治療の間に照明する、「未完了」と標識される第1の部分504を備える、完了インジケータ502のある実施例を図示する(
図22A)。インジケータ502はまた、いったん治療が完了されると照明する、「完了」と標識される第2の部分506も含む(
図22B)。典型的には、未完了から完了への遷移は、所定のIBI値に到達することに基づく。しかしながら、他の測定値も、遷移を決定することにおいて使用され得ることを理解されたい。また、インジケータ502が、治療の完了に応じて照明する、単一の部分から成り得ることも理解されたい。しかしながら、いくつかの事例では、「未完了」標識の照明によって、完了に至るまでの治療の間に、ユーザにフィードバックを提供することが所望される。また、他のタイプの標識も使用され得ること、または色照明または音等の他のタイプのインジケーションも使用され得ることも理解されたい。
【0115】
他の実施形態では、治療のリアルタイムの進捗が、
図23に図示されるもの等の進捗インジケータ510によって伝達される。本実施形態では、インジケータ510は、治療進捗として照明可能である、一連の部分を備える。例えば、本実施形態では、インジケータ510は、5つの照明可能部分(510a、510b、510c、510d、510e)を備える。各部分は、これが治療のステータスに基づいて照明される、閾値を有する。いくつかの実施形態では、閾値は、IBI値と相関する。治療が進捗するにつれて、標的組織が、種々の時点において評価され、経時的にIBI値を生成する。IBI値は、治療が進捗するにつれて増加することが予期される。測定/生成されたIBI値が、閾値IBI値を超える度に、インジケータ510の相関部分が、照明される。実施例として、
図23は、標的組織が、測定されたIBI値が最初の3つの部分510a、510b、510cに関する閾値を超過し、それによって、それらの部分を照明する程度まで治療されている、治療シナリオを図示する。最後の部分510eは、完了を示し、これは、測定されたIBI値が、完了に関する閾値を充足すると照明されるであろう。他の実施形態では、進捗が、
図24に図示されるように、棒グラフ522等を含む、リアルタイムのグラフィカルな可視化520によって示される。本実施形態では、棒グラフ522は、治療の進行全体を通してサイズが漸進的に増大する。典型的には、可視化520は、棒グラフ522のサイズが治療の完了と相関する程度(例えば、25%完了、50%完了、75%完了、100%完了)についてユーザにコンテキストを提供するための種々の閾値インジケータ524を含む。典型的には、閾値がIBI値と相関することを理解されたい。治療が進捗するにつれて、標的組織が、種々の時点において評価され、経時的にIBI値を生成する。測定されたIBI値が、次の閾値IBI値を超える度に、棒グラフ522が、次のレベルまで上昇する。任意の数の閾値インジケータ524が、提供され得、棒グラフ522が、徐々にまたは段階的に増加し得ることを理解されたい。
【0116】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る測定されたIBI値が、治療の全体を通してユーザに数の形態において提供される。例えば、
図25は、ユーザが治療の進捗および進行率を決定するために利用し得る、IBI値(例えば、0.62、0.65、0.79、0.81、0.85等)のスクロールディスプレイ530を図示する。いくつかの事例では、ユーザは、所望のIBI値に精通しており、単純に測定の流れを監視することができる。他の事例では、ルックアップチャートが、IBI値と既知の組織ステータスを相関させることを補助するために提供される。任意の好適な数の過去のIBI値が、任意の所与の時間に提供され得ることを理解されたい。同様に、
図26に図示されるもの等の単一のIBI値が、履歴値を伴うことなく提供され得ることも理解されたい。そのような実施形態では、単一のIBI値は、ユーザが、直近に測定されたIBI値を参照することが可能であるように、手技の間に変化する。進行情報が、IBI値以外の形態において提供され得ることを理解されたい。例えば、
図27は、経時的に変化する、完了の数値割合として提供される、進捗を図示する。同様に、
図28は、治療の浸透の深度として提供される、進捗を図示する。したがって、いくつかの実施形態では、測定されたIBI値は、組織浸透の深度と相関し、浸透深度は、(ミリメートルまたは別の測定単位等において)ユーザに提供される。
【0117】
いくつかの実施形態では、
図29に図示されるもの等の治療進捗が、複数の治療にわたってユーザに提供される。例えば、肺通路を治療するとき、治療は、ある長さの通路を治療するように、通路に沿った一連の標的場所に提供されてもよい。いくつかの実施形態では、治療進捗は、通路に沿った第1の標的場所へのエネルギーの印加の間に提供される。次いで、本デバイスは、典型的には、第1の標的場所に隣接またはそれと重複する、第2の標的場所にエネルギーを提供するために、通路に沿って移動される。治療進捗は、次いで、第2の標的場所へのエネルギーの印加の間に提供されることができる。これは、所望される数の治療場所に関して継続する。
図29は、それぞれが、各個々の治療の完了を示すIBI閾値に接近する、一連の治療棒グラフ550a、550b、550cを図示する。したがって、第1の棒グラフ550aは、第1の治療場所における治療の進行の全体を通してサイズが漸進的に増大する。いったん完了が到達されると、エネルギーが、第2の治療場所に送達される。第2の棒グラフ550bは、第2の治療場所における治療の進行の全体を通してサイズが漸進的に増大する。同様に、いったん完了が到達されると、エネルギーが、第3の治療場所に送達される。第3の棒グラフ550cは、第3の治療場所における治療の進行の全体を通してサイズが漸進的に増大する。したがって、ユーザは、治療のそれぞれの進捗を経時的に追跡することが可能である。
【0118】
治療の完了以外の進捗も、追跡され得ることを理解されたい。例えば、それぞれが着目ステータスを示す、様々な閾値が、設定されてもよい。例示的ステータスは、浸透の種々の深度、細胞に及ぼす種々の影響(例えば、可逆的変性、恒久的細胞死等)、および他のものを含む。
図30は、複数の閾値562a、562b、562cに接近する、一連の治療棒グラフ560を図示する。そのような閾値が、既知のIBI値によって、治療進捗として設定されてもよく、測定されたIBI値は、閾値562a、562b、562cに関連する、成長する棒グラフ560を介して表示されることができる。いったん所望の閾値が到達されると、ユーザは、治療を停止させる、または次の治療場所に移行することができる。同様に、治療が、いったん完了または所望の閾値等が到達されると、測定されたIBI値に基づいて自動的に終了され得ることを理解されたい。
【0119】
いくつかの実施形態では、進捗ステータスが、線グラフ等の他の形式において伝達される。
図31は、治療プロトコルの間に測定されたIBI値を図示する。したがって、線570は、経時的なIBI値進捗を示す。そのような線570は、典型的には、リアルタイムで提供され、そのため、ユーザは、治療の進捗を追跡することができる。図示されるように、線570は、ユーザが目標の履行を予測かつ可視化し得るように、特定の効果または治療完了等の閾値572に接近する。
図32に図示されるもの等の治療進捗が、複数の治療にわたってユーザに提供され得ることを理解されたい。ここで、線グラフは、複数の治療にわたって継続する。例えば、線570aの第1の区画が、第1の治療場所における治療の進行の全体を通して、閾値に漸進的に接近する。いったん閾値572が到達されると、エネルギーが、第2の治療場所に送達され、再びベースラインにおいて開始する。線570bの第2の部分は、第2の治療場所における治療の進行の全体を通して、漸進的に増加する。同様に、いったん完了が到達されると、エネルギーが、第3の治療場所に送達される。線570cの第3の部分は、第3の治療場所における治療の進行の全体を通して、漸進的に増加する。したがって、ユーザは、治療のそれぞれの進捗を経時的に追跡することが可能である。
【0120】
いくつかの実施形態では、
図33に図示されるもの等の表580が、表示され、様々な治療情報を提供する。本実施形態では、表580は、パケット番号582と、対応するIBI値584と、直前の測定からのIBI値の変化586と、(例えば、IBI値に基づく)完了に向かって作製される、進捗のパーセント588とを含む。表内の値は、典型的には、リアルタイムで更新され、ユーザが治療の進捗を追跡することを可能にする。
【0121】
ディスプレイ500等を介してユーザに提供される情報(例えば、標的情報、波形情報、進捗情報等)が、様々な方法において利用され得ることを理解されたい。例えば、情報は、特に、治療プロトコルにおいて複数の組織エリアを治療するときに、適切な治療エリアが選択されていることを確実にするために、治療が始まる前に利用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る試験信号(例えば、100ボルト等の非常に低い電圧)が、治療エリアが、直前に治療されたかどうか、随意に、これが治療された程度を決定するために利用され得る、少なくとも1つのIBI値を生成するように送達される。いくつかの実施形態では、直前に完了された治療の決定が、本システム内のジェネレータ104または他のデバイスが、直前に治療されたエリアに治療エネルギーを送達しないように防止する。随意に、ユーザは、エネルギー送達体108を新しい治療場所に再度位置付けてもよい。ユーザがエネルギー送達体108を再度位置付ける量は、70%の重複、20%の重複のような(例えば、IBIによって示されるような)先行する治療重複の信頼度パーセントに基づいてもよい。例えば、IBIが、試験信号から予期されるIBI利得の50%の低減を示す場合、ユーザは、エネルギー送達体108がエネルギー送達体108接触距離の長さの半分だけ直前に治療された部位と重複しており、したがって、エネルギー送達体108の長さの付加的な半分だけ、直前の治療から離れるような方向にエネルギー送達体108を越えるであろうと仮定し得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、治療エリアのわずかな程度の重複を有することを目指してもよい。そのような実施形態では、ユーザは、IBIがわずかな程度の重複(例えば、5%、10%、20%)を示す、エネルギー送達体108の設置を標的としてもよい。これは、治療エリア重複の過度の不必要な領域を伴わない、接する治療エリアを形成することを補助し得る。本方法は、危険である、または単純に意義のある臨床的恩恵を生じさせ得ない、過剰治療および/または望ましくない付随的組織効果を低減させ得る。
【0122】
他の実施形態では、情報は、治療が所望に応じて設定され、進捗していることの保証として、ユーザに提供されてもよい。例えば、ユーザは、手技内の次のステップを予測し、完了が到達されるであろうときを予測することが可能となり得る。同様に、提供された情報は、治療が所望に応じて進捗していない、またはエラーに遭遇している場合等に、ユーザによって、進行の間に治療に干渉する、またはそれを改変するために利用されてもよい。ユーザは、次いで、本デバイスおよび/または治療に対して変更を行い、所望の影響(例えば、電圧を増加または低減させる、治療計画に付加的なパケットを追加する、治療計画における残りのパケットの送達を中断する、電極設置を調節する、新しいアルゴリズムを選択すること等)を達成し得る。いくつかの実施形態では、情報は、1つまたはそれを上回るアラームシステムをトリガし、ユーザに望ましくない状況を通知することを補助する。同様に、いくつかの実施形態では、情報は、自動シャットダウンまたは他の安全手段をトリガする。
【0123】
また、ディスプレイ500を介してユーザに提供される情報(および/または他の進捗情報)が、ジェネレータ104によって、治療プロトコルの間に治療を改変するために自動的に利用され得ることも理解されたい。したがって、情報は、治療の全体を通して治療パラメータを調節するためのフィードバックループとして作用し得る。
【0124】
同様に、情報は、機械学習において使用され、有用な進捗情報を提供し、随意に、治療プロトコルを自動的に改変するための、ジェネレータ104の能力を改善し得る。そのような状況において、情報は、典型的には、記録され、治療転帰(例えば、潜在的または実際の治療不足エリア、過剰治療エリア等)と相関する。これらの分析は、IBI値の推測能力を確立および/または強化し、したがって、データセットが拡張し続けるにつれてIBIへの反復的かつ進化する有用性を構築するために使用され得る。記録されたデータはまた、ユーザによって、手技を要約し、再治療またはより綿密なフォローアップから恩恵を享受し得る、組織エリアを検出するためにも利用され得る。
【0125】
本明細書に説明されるデバイス、システム、および方法が、様々な単極エネルギー送達システムと併用され得、本明細書に説明される肺組織変性システム100に限定されないことを理解されたい。例示的な代替物システムは、限定ではないが、2020年12月18日に出願され、「TREATMENT OF CARDIAC TISSUE WITH PULSED ELECTRIC FIELDS」と題された、第PCT/US2020/066205号および2020年4月17日に出願され、「DEVICES, SYSTEMS AND METHODS FOR THE TREATMENT OF ABNORMAL TISSUE」と題された、第PCT/US2020/028844号(その両方とも、あらゆる目的のために参照することによって組み込まれる)に説明されるものを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるシステムおよびデバイスが、血管、食道、胃、膵管、胆管、小腸、大腸、結腸、直腸、膀胱、尿道、尿収集管、子宮、膣、卵管、尿管、腎尿細管、脊柱管、脊髄、気道、鼻腔、口、心腔、心臓管腔、腎臓管腔、および/または臓器管腔等の管腔構造内またはそれに近接する組織を治療するときのものであることを理解されたい。管腔内アクセスは、身体内の種々の管腔内からの標的組織の治療を可能にする。管腔は、いくつかのものを挙げると、通路、管、輸送管、および空洞を含む、身体内の管状形状または中空構造の内側の空間である。例示的管腔構造は、いくつかのものを挙げると、血管、食道、胃、小腸および大腸、結腸、膀胱、尿道、尿収集管、子宮、膣、卵管、尿管、腎臓、腎尿細管、脊柱管、脊髄、および身体の全体を通した他のもの、および肺、心臓、および腎臓等の臓器内の構造およびそれらを含む構造を含む。いくつかの実施形態では、標的組織は、近傍の管腔構造を介してアクセスされる。いくつかの事例では、エネルギー送達デバイスが、種々の管腔構造または管腔系の分枝部を通して前進され、標的組織場所に到達する。例えば、血管を介して標的組織部位にアクセスすると、エネルギー送達デバイスは、遠隔で挿入され、血管系の種々の分枝部を通して前進され、標的部位に到達し得る。同様に、管腔構造が、鼻、口、尿道、または直腸等の天然孔内で生じる場合、進入が、天然孔を通して生じ得、エネルギー送達デバイスが、次いで、管腔系の分枝部を通して前進され、標的組織場所に到達する。代替として、管腔構造が、切開または他の方法を介して標的組織の近傍に進入されてもよい。これは、大きい系の部分ではない、または別様にアクセスすることが困難である、管腔構造にアクセスするときに当てはまり得る。
【0126】
様々な解剖学的場所が、本明細書に説明されるシステムおよび方法を用いて腔内で治療され得ることを理解されたい。実施例は、管腔構造自体、管腔構造の近傍に位置する、身体の全体を通した軟質組織、および限定ではないが、肝臓、膵臓、胆嚢、腎臓、前立腺、卵巣、リンパ節およびリンパ排液管、下層筋肉組織、骨組織、脳、眼、甲状腺等を含む、管腔構造からアクセス可能な中実臓器を含む。また、様々な組織場所が、経皮的に、または他の方法によってアクセスされ得ることも理解されたい。
【0127】
いくつかのものを挙げると、消化器系(例えば、口、腺、食道、胃、十二指腸、空腸、回腸、腸、結腸、直腸、肝臓、胆嚢、膵臓、肛門管等)の細胞、呼吸器系(例えば、鼻腔、咽頭喉頭、気管、気管支、肺等)の細胞、泌尿器系(例えば、腎臓、尿管、膀胱、尿道等)の細胞、生殖器系(例えば、生殖器、卵巣、卵管、子宮、子宮頸部、膣、睾丸、副睾丸、精管、精嚢、前立腺、腺、陰茎、陰嚢等)の細胞、内分泌系(例えば、脳下垂体、松果腺、甲状腺、副甲状腺、副腎)の細胞、循環器系(例えば、心臓、動脈、静脈等)の細胞、リンパ系(例えば、リンパ節、骨髄、胸腺、脾臓等)の細胞、神経系(例えば、脳、脊髄、神経、神経節等)の細胞、筋肉系の細胞、および皮膚の細胞を含む、標的組織細胞が、身体の全体を通した任意の場所において治療され得る。
【0128】
本明細書に説明されるデバイス、システム、および方法が、特に、治療効果の直接的可視化または治療の深度または体積のリアルタイムの監視が、直接的可視化または典型的撮像モダリティによって適正かつ正確に解釈され得ない、患者の治療のために好適であり得ることを理解されたい。これは、薬品または遺伝の取込を伴う治療等、細胞死が療法の標的化された目的ではない、PEFの印加に関して特に当てはまる。
【0129】
例えば、いくつかの実施形態では、より微妙な較正された変化が、観察される、監視される、または測定され、直前に決定されたメトリックまたはそれらの具体的な設定(それらのベースラインインピーダンスプロファイル、絶対値等)に関して患者内で本システムを最初に試験することによって確立されるメトリックと比較されてもよい。他の実施形態では、IBI/虚数インピーダンス差を監視するステップが、行われ、それらが生成しているかどうかを確認し、次いで、それらがミリ秒、秒、または数10秒の過程等にわたって分解するかどうかを確認する。いくつかの実施形態では、治療は、その値が同一のレベルに戻るように分解しなくなるまで継続する。さらに他の実施形態では、付加的(第3等の)周波数が、使用されてもよく、監視するステップが、それらが全て相互に対して変化する程度を観察するために行われる。したがって、周波数の任意の数の(または連続的)評価が、使用され得、複数の比較からの付加的パターンが、使用され、治療進行に関してさらにより粒度の細かい情報を提供し得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、1kHz対100kHzを監視するステップは、細胞死を示し得るが、50kHz~100kHzで発散する変化は、細胞に及ぼす可逆的効果を含む、他の現象に対する洞察を提供し得る。
【0130】
いくつかの実施形態では、分散電極および/または基準電極が、患者の皮膚の表面上ではなく、患者内に位置し得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、分散電極および/または基準電極は、針の形態にある、または針上に位置する。例えば、1つまたはそれを上回る細い皮下針が、使用され得る。同様に、分散電極および/または基準電極は、腹腔鏡手技または開腹手技等の手技を通して、患者の組織の上または中に設置されてもよい。別の実施例に関して、分散電極および/または基準電極は、気管支鏡(例えば、
図1の112)の遠位端またはカテーテルシャフト(例えば、
図1の106)を身体管腔の中に導入するために使用される、導入器シースの上または近傍に設置されてもよい。
【0131】
図34および35は、上記に紹介された本技術のある実施形態による方法を要約するために使用される、高レベルのフロー図である。より具体的には、
図34および35と関連して要約される方法は、エネルギー送達電極(例えば、108)および分散電極(例えば、140)を使用し、単極治療信号を患者(例えば、P)の標的組織に送達するように構成される、単極治療送達システム(例えば、100)との併用のためのものである。下記の議論から理解されるであろうように、そのような方法は、単極治療信号の送達から結果として生じる治療効果転帰を推測するために使用されることができる。
【0132】
図34を参照すると、ステップ602は、エネルギー送達電極が標的組織に近接し、分散電極が標的組織から遠隔にある間、エネルギー送達電極および分散電極を使用して、インピーダンス測定信号を標的組織に送達するステップを伴う。ステップ604は、エネルギー送達電極と、分散電極(例えば、140)と明確に異なる、基準電極(例えば、200)との間の電圧を測定するステップを伴う。ステップ606は、インピーダンス測定信号の電流およびエネルギー送達電極と、分散電極と明確に異なる、基準電極との間の電圧に基づいて、標的組織のインピーダンスを監視するステップを伴う。インピーダンス測定信号の電流は、(例えば、電流計または同等物を使用して)直接測定されることができる。代替として、インピーダンス測定信号の電流は、例えば、既知の抵抗を有するレジスタを横断する電圧降下を測定し、オームの法則(例えば、I=V/R)を使用して電流を計算することによって、間接的に測定されることができる。代替として、電流は、制御された電流源または同等物を使用して制御されるので既知であることができる。インピーダンス測定信号のある実施例が、
図10を参照して上記に示され、議論される。
図10を参照して上記に説明されたように、ある実施形態によると、インピーダンス測定信号は、低周波数部分と、高周波数部分とを含み、インピーダンス測定信号の低周波数部分は、(
図10に示されるように)インピーダンス測定信号の高周波数部分に時間的に先行する、または逆もまた同様である。
【0133】
ここで
図35を参照すると、ある実施形態によると、(ステップ606aにおいて)インピーダンス測定信号を標的組織に送達する第1のインスタンスであって、エネルギー送達電極と基準電極との間の電圧を測定し、標的組織のインピーダンスを監視する、第1のインスタンス(これらのステップの第1のインスタンスが、
図35において602a、604a、および606aと標識される)が、エネルギー送達電極および分散電極を使用して、単極治療信号が標的組織に送達されることに先立って実施され、それによって、ベースラインインピーダンス測定値が取得されることを可能にする。
【0134】
ベースラインインピーダンス測定値が取得されることに続いて、本方法はさらに、ステップ608において、エネルギー送達電極および分散電極を使用して単極治療信号を標的組織に送達するステップを含む。その後、単極治療信号が標的組織に送達されることに続いて、本方法は、(ステップ606bにおいて)インピーダンス測定信号を標的組織に送達する、第2のインスタンスであって、エネルギー送達電極と基準電極との間の電圧を測定し、標的組織のインピーダンスを監視し(これらのステップの第2のインスタンスは、
図35において602b、604b、および606bと標識される)、それによって、治療後インピーダンス測定値が取得されることを可能にする、第2のインスタンスを含む。
【0135】
ある実施形態によると、本方法は、ステップ610において、ベースラインインピーダンス測定値および治療後インピーダンス測定値の両方に基づいて、単極治療信号の送達によって引き起こされる、標的組織に対する変化を示す、メトリックを計算するステップを含むことができる。より具体的には、ある実施形態によると、単極治療信号の送達によって引き起こされる、標的組織に対する変化を示すメトリックは、インピーダンスベースのインジケータ(IBI)を含む。IBIを計算するステップは、単極治療信号が送達された後の、時間tにおいて測定される、治療後低周波数インピーダンス位相角値測定値∠ZLF(t)と、単極治療信号が送達されることに先立った、時間t=0において測定される、ベースライン低周波数インピーダンス位相角値測定値∠ZLF(0)との間の差異を計算するステップと、治療後低周波数インピーダンス位相角値測定値∠ZLF(t)とベースライン低周波数インピーダンス位相値測定値∠ZLF(0)との間の差異に基づいて、IBIを計算するステップとを含む。
【0136】
ある実施形態によると、ベースラインインピーダンス測定値および治療後インピーダンス測定値のうちの少なくとも一方は、スケーリング係数として使用される、高周波数インピーダンス規模値Z
HFを含む。あるそのような実施形態では、治療後低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF(t)とベースライン低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF(0)との間の差異は、インピーダンスベースのインジケータ(IBI)を計算するとき、高周波数インピーダンス規模値Z
HFによってスケーリングされる。より具体的には、ある実施形態によると、IBIは、方程式
【化4】
を使用して計算され、式中、
∠Z
LF(0)は、単極治療信号が送達されることに先立った、時間t=0において測定される、低周波数インピーダンス位相角値であり、
∠Z
LF(t)は、単極治療信号が送達された後の、時間tにおいて測定される、低周波数インピーダンス位相角値であり、
Z
HFは、単極治療信号が送達されることに先立って、またはその後に測定される、高周波数インピーダンス規模値である。
【0137】
ある実施形態によると、単極治療信号は、パルス化電場(PEF)治療信号を含む。代替として、単極治療信号は、無線周波数(RF)治療信号、マイクロ波治療信号、極低温治療信号、電気化学治療信号、または高周波数超音波信号であることができる。他の変形例もまた、可能性として考えられ、本明細書に説明されるある実施形態の範囲内である。
【0138】
上記の詳述される説明は、詳述される説明の一部を形成する、付随の図面の参照を含む。図面は、例証として、本発明が実践され得る、具体的な実施形態を示す。これらの実施形態は、本明細書では、「実施例」とも称される。そのような実施例は、示される、または説明されるものに加えて、要素を含み得る。しかしながら、本発明者らはまた、示される、または説明されるそれらの要素のみが提供される、実施例を考慮している。また、本発明者らはまた、本明細書に示される、または説明される、特定の実施例(またはそれらの1つまたはそれを上回る側面)に関するか、または他の実施例(またはそれらの1つまたはそれを上回る側面)に関するかのいずれかの、示される、または説明されるそれらの要素(またはそれらの1つまたはそれを上回る側面)の任意の組み合わせまたは並び替えを使用する実施例も考慮している。
【0139】
参照することによってそのように組み込まれる、本書と任意の文書との間に矛盾する使用法が生じた場合には、本書での使用法が、優先される。
【0140】
本書では、用語「a」または「an」が、特許文書において一般的であるように、「at least one(少なくとも1つ)」または「one or more(1つまたはそれを上回る)」の任意の他の事例または使用法から独立して、「one or more than one(1つまたは1つを上回る)」を含むように使用される。本書では、用語「or(または)」は、別様に示されない限り、「AまたはB」が、「BではなくA」と、「AではなくB」と、「AおよびB」とを含むように、「非排他的または」を指すために使用される。本書では、用語「including(~を含む)」および「in which(その中で)」は、個別の用語「comprising(~を備える)」および「wherein(その中で)」の平易な英語の均等物として使用される。また、以下の請求項では、用語「including(~を含む)」および「comprising(~を備える)」は、非制約的であり、すなわち、請求項内でそのような用語の後に列挙されるものに加えて、要素を含む、システム、デバイス、物品、組成、形成、またはプロセスも、依然として、その請求項の範囲内にあると見なされる。また、以下の請求項では、用語「第1」、「第2」、および「第3」等は、標識として使用されるにすぎず、それらの目的に数値要件を課すことを意図していない。
【0141】
上記の説明は、例証的であり、制限的ではないことを意図している。例えば、上記に説明される実施例(またはそれらの1つまたはそれを上回る側面)は、相互との組み合わせにおいて使用され得る。他の実施形態も、上記の説明の精査に応じて、当業者等によって使用されることができる。要約は、37C.F.R.§1.72(b)に準拠し、読者が、本技術開示の性質を迅速に確認することを可能にするために提供される。これが、請求項の範囲または意味を解釈または限定するために使用されないであろうという理解を伴って思量されたい。また、上記の詳細な説明では、種々の特徴が、本開示を簡潔にするために、ともに群化されている場合がある。これは、請求されていない開示された特徴がいずれの請求項にも不可欠であることを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ないものにあり得る。したがって、以下の請求項は、本明細書において、実施例または実施形態として詳細な説明の中に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として独立し、そのような実施形態が、種々の組み合わせまたは並び替えにおいて相互と組み合わせられ得ることが考慮される。本発明の範囲は、そのような請求項が享有する均等物の全範囲とともに、添付される請求項を参照して決定されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単極治療送達システムであって、
エネルギー送達電極と、
分散電極と、
基準電極と、
前記エネルギー送達電極、前記分散電極、および前記基準電極と電気連通するジェネレータであって、前記ジェネレータは、
前記エネルギー送達電極が標的組織に近接し、前記分散電極が前記標的組織から遠隔にある間、前記エネルギー送達電極および前記分散電極を使用して、インピーダンス測定信号を標的組織に送達することと、
前記エネルギー送達電極と前記基準電極との間の電圧を測定することと、
前記インピーダンス測定信号の電流と、前記エネルギー送達電極と前記基準電極との間の前記電圧とに基づいて、前記標的組織のインピーダンスを監視することと
を行うように構成される、ジェネレータと
を備える、単極治療送達システム。
【請求項2】
前記ジェネレータは、直接的にまたは間接的に前記インピーダンス測定信号の電流を測定する、または前記インピーダンス測定信号の電流を制御するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ジェネレータは、
前記エネルギー送達電極および前記分散電極を使用して、単極治療信号を前記標的組織に送達することと、
前記単極治療信号が前記標的組織に送達されることに先立って、前記インピーダンス測定信号を前記標的組織に送達し、それによって、ベースラインインピーダンス測定値が取得されることを可能にすることと、
前記単極治療信号が前記標的組織に送達された後に、前記インピーダンス測定信号のさらなるインスタンスを前記標的組織に送達し、それによって、治療後インピーダンス測定値が取得されることを可能にすることと
を行うように構成される、請求項
1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ジェネレータは、コントローラを含み、
前記コントローラは、
前記ベースラインインピーダンス測定値および前記治療後インピーダンス測定値の両方に基づいて、前記単極治療信号の送達によって引き起こされる前記標的組織に対する変化を示すメトリックを計算する
ように構成される、請求項
3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記単極治療信号が送達された後の時間tにおいて測定される治療後低周波数インピーダンス位相角値測定値∠Z
LF(t)と、前記単極治療信号が送達されることに先立った時間t=0において測定されるベースライン低周波数インピーダンス位相角値測定値∠Z
LF(0)との間の差異を計算することと、
前記治療後低周波数インピーダンス位相角値測定値∠Z
LF(t)と前記ベースライン低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF(0)との間の前記差異に基づいて、インピーダンスベースのインジケータ(IBI)を計算することと
を含むIBIを計算することによって、前記単極治療信号の送達によって引き起こされる前記標的組織に対する変化を示す前記メトリックを計算するように構成される、請求項
4に記載のシステム。
【請求項6】
前記コントローラによって取得されるベースラインインピーダンス測定値および前記治療後インピーダンス測定値のうちの少なくとも一方は、高周波数インピーダンス規模値Z
HFを含み、前記コントローラは、前記インピーダンスベースのインジケータ(IBI)を計算するとき、前記高周波数インピーダンス規模値Z
HFによって、前記治療後低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF(t)と前記ベースライン低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF(0)との間の前記差異をスケーリングするように構成される、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラは、方程式
【数1】
を使用して、前記IBIを計算するように構成され、式中、
∠Z
LF(0)は、前記単極治療信号が送達されることに先立った時間t=0において測定される低周波数インピーダンス位相角値であり、
∠Z
LF(t)は、前記単極治療信号が送達された後の時間tにおいて測定される低周波数インピーダンス位相角値であり、
Z
HFは、前記単極治療信号が送達されることに先立って、または前記単極治療信号が送達された後に測定される高周波数インピーダンス規模値である、
請求項
4に記載のシステム。
【請求項8】
前記単極治療信号は、パルス化電場(PEF)治療信号を含む、請求項
3に記載のシステム。
【請求項9】
前記単極治療信号は、
無線周波数(RF)治療信号、
マイクロ波治療信号、
極低温治療信号、
電気化学治療信号、または
高周波数超音波信号
のうちの1つを含む、請求項
3に記載のシステム。
【請求項10】
前記ジェネレータは、前記単極治療信号の送達から結果として生じる治療効果転帰を推測するようにさらに構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項11】
前記単極治療信号の規模は、前記インピーダンス測定信号の規模の少なくとも10倍であり、
前記単極治療信号の規模は、1,000V~5,000Vの範囲内であり、
前記インピーダンス測定信号の規模は、0.1V~100Vの範囲内である、
請求項3に記載のシステム。
【請求項12】
前記インピーダンス測定信号は、低周波数部分と、高周波数部分とを含み、
前記インピーダンス測定信号の低周波数部分は、前記インピーダンス測定信号の高周波数部分に時間的に先行する、または逆もまた同様である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記インピーダンス測定信号の前記高周波数部分の周波数は、前記インピーダンス測定信号の前記低周波数部分の周波数の少なくとも2倍である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記インピーダンス測定信号の前記高周波数部分の周波数は、50kHz~200MHzの範囲内であり、
前記インピーダンス測定信号の前記低周波数部分の周波数は、1Hz~100kHzの範囲内である、
請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記インピーダンス測定信号の前記高周波数部分の周波数は、100kHz~3MHzの範囲内であり、
前記インピーダンス測定信号の前記低周波数部分の周波数は、10Hz~10kHzの範囲内である、
請求項12に記載のシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
これらおよび他の実施形態は、添付される図面に関連する以下の説明においてさらに詳細に説明される。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
単極治療送達システムであって、
エネルギー送達電極と、
分散電極と、
基準電極と、
上記エネルギー送達電極、上記分散電極、および上記基準電極と電気連通するジェネレータであって、上記ジェネレータは、
上記エネルギー送達電極が標的組織に近接し、上記分散電極が上記標的組織から遠隔にある間、上記エネルギー送達電極および上記分散電極を使用して、インピーダンス測定信号を標的組織に送達することと、
上記エネルギー送達電極と上記基準電極との間の電圧を測定することと、
上記インピーダンス測定信号の電流と、上記エネルギー送達電極と上記基準電極との間の上記電圧とに基づいて、上記標的組織のインピーダンスを監視することと
を行うように構成される、ジェネレータと
を備える、単極治療送達システム。
(項目2)
上記ジェネレータは、直接的にまたは間接的に上記インピーダンス測定信号の電流を測定する、または上記インピーダンス測定信号の電流を制御するように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目3)
上記ジェネレータは、
上記エネルギー送達電極および上記分散電極を使用して、単極治療信号を上記標的組織に送達することと、
上記単極治療信号が上記標的組織に送達されることに先立って、上記インピーダンス測定信号を上記標的組織に送達し、それによって、ベースラインインピーダンス測定値が取得されることを可能にすることと、
上記単極治療信号が上記標的組織に送達された後に、上記インピーダンス測定信号のさらなるインスタンスを上記標的組織に送達し、それによって、治療後インピーダンス測定値が取得されることを可能にすることと
を行うように構成される、項目1または2のいずれか1項に記載のシステム。
(項目4)
上記インピーダンス測定信号は、低周波数部分と、高周波数部分とを含み、
上記インピーダンス測定信号の低周波数部分は、上記インピーダンス測定信号の高周波数部分に時間的に先行する、または逆もまた同様である、
項目1-3のいずれか1項に記載のシステム。
(項目5)
上記コントローラは、
上記ベースラインインピーダンス測定値および上記治療後インピーダンス測定値の両方に基づいて、上記単極治療信号の送達によって引き起こされる上記標的組織に対する変化を示すメトリックを計算する
ように構成される、項目3または4のいずれか1項に記載のシステム。
(項目6)
上記コントローラは、
上記単極治療信号が送達された後の時間tにおいて測定される治療後低周波数インピーダンス位相角値測定値∠Z
LF
(t)と、上記単極治療信号が送達されることに先立った時間t=0において測定されるベースライン低周波数インピーダンス位相角値測定値∠Z
LF
(0)との間の差異を計算することと、
上記治療後低周波数インピーダンス位相角値測定値∠Z
LF
(t)と上記ベースライン低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF
(0)との間の上記差異に基づいて、インピーダンスベースのインジケータ(IBI)を計算することと
を含むIBIを計算することによって、上記単極治療信号の送達によって引き起こされる上記標的組織に対する変化を示す上記メトリックを計算するように構成される、項目5に記載のシステム。
(項目7)
上記コントローラによって取得されるベースラインインピーダンス測定値および上記治療後インピーダンス測定値のうちの少なくとも一方は、高周波数インピーダンス規模値Z
HF
を含み、上記コントローラは、上記インピーダンスベースのインジケータ(IBI)を計算するとき、上記高周波数インピーダンス規模値Z
HF
によって、上記治療後低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF
(t)と上記ベースライン低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF
(0)との間の上記差異をスケーリングするように構成される、項目6に記載のシステム。
(項目8)
上記コントローラは、方程式
【数1-1】
を使用して、上記IBIを計算するように構成され、式中、
∠Z
LF
(0)は、上記単極治療信号が送達されることに先立った時間t=0において測定される低周波数インピーダンス位相角値であり、
∠Z
LF
(t)は、上記単極治療信号が送達された後の時間tにおいて測定される低周波数インピーダンス位相角値であり、
Z
HF
は、上記単極治療信号が送達されることに先立って、または上記単極治療信号が送達された後に測定される高周波数インピーダンス規模値である、
項目5-7のいずれか1項に記載のシステム。
(項目9)
上記単極治療信号は、パルス化電場(PEF)治療信号を含む、項目1-8のいずれか1項に記載のシステム。
(項目10)
上記単極治療信号は、
無線周波数(RF)治療信号、
マイクロ波治療信号、
極低温治療信号、
電気化学治療信号、または
高周波数超音波信号
のうちの1つを含む、項目1-8のいずれか1項に記載のシステム。
(項目11)
単極治療信号を患者の標的組織に送達するためのエネルギー送達電極および分散電極を使用するように構成される単極治療送達システムとの併用のための方法であって、上記方法は、
上記エネルギー送達電極が上記標的組織に近接し、上記分散電極が上記標的組織から遠隔にある間、上記エネルギー送達電極および上記分散電極を使用して、インピーダンス測定信号を上記標的組織に送達することと、
上記エネルギー送達電極と、上記分散電極と明確に異なる基準電極との間の電圧を測定することと、
上記インピーダンス測定信号の電流と、上記エネルギー送達電極と、上記分散電極と明確に異なる上記基準電極との間の上記電圧とに基づいて、上記標的組織のインピーダンスを監視することと
を含む、方法。
(項目12)
上記インピーダンス測定信号の電流は、直接的にまたは間接的に測定される、またはこれは制御されるので既知である、項目11に記載の方法。
(項目13)
上記インピーダンス測定信号を上記標的組織に送達する第1のインスタンス、上記エネルギー送達電極と上記基準電極との間の上記電圧を測定する第1のインスタンス、および上記標的組織のインピーダンスを監視する第1のインスタンスが、上記エネルギー送達電極および上記分散電極を使用して、単極治療信号が上記標的組織に送達されることに先立って実施され、それによって、ベースラインインピーダンス測定値が取得されることを可能にし、
上記ベースラインインピーダンス測定値が取得されることに続いて、上記方法はさらに、上記エネルギー送達電極および上記分散電極を使用して、上記単極治療信号を上記標的組織に送達することを含み、
上記単極治療信号を上記標的組織に送達することに続いて、上記方法は、上記インピーダンス測定信号を上記標的組織に送達する第2のインスタンス、上記エネルギー送達電極と上記基準電極との間の上記電圧を測定する第2のインスタンス、および上記標的組織のインピーダンスを監視し、それによって、治療後インピーダンス測定値が取得されることを可能にする第2のインスタンスを含む、
項目11に記載の方法。
(項目14)
上記インピーダンス測定信号は、低周波数部分と、高周波数部分とを含み、
上記インピーダンス測定信号の低周波数部分は、上記インピーダンス測定信号の高周波数部分に時間的に先行する、または逆もまた同様である、
項目11-13のいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
上記ベースラインインピーダンス測定値および上記治療後インピーダンス測定値の両方に基づいて、上記単極治療信号の送達によって引き起こされる上記標的組織に対する変化を示すメトリックを計算することをさらに含む、項目13または14のいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
上記単極治療信号の送達によって引き起こされる上記標的組織に対する変化を示す上記メトリックを計算することは、
上記単極治療信号が送達された後の時間tにおいて測定される治療後低周波数インピーダンス位相角値測定値∠Z
LF
(t)と、上記単極治療信号が送達されることに先立った時間t=0において測定されるベースライン低周波数インピーダンス位相角値測定値∠Z
LF
(0)との間の差異を計算することと、
上記治療後低周波数インピーダンス位相角値測定値∠Z
LF
(t)と上記ベースライン低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF
(0)との間の上記差異に基づいて、インピーダンスベースのインジケータ(IBI)を計算することと
を含むIBIを計算することを含む、項目15に記載の方法。
(項目17)
ベースラインインピーダンス測定値および上記治療後インピーダンス測定値のうちの少なくとも一方は、高周波数インピーダンス規模値Z
HF
を含み、
上記治療後低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF
(t)と上記ベースライン低周波数インピーダンス位相値測定値∠Z
LF
(0)との間の上記差異は、上記インピーダンスベースのインジケータ(IBI)を計算するとき、上記高周波数インピーダンス規模値Z
HF
によってスケーリングされる、
項目16に記載の方法。
(項目18)
上記IBIを計算することは、方程式
【数2-1】
を使用して実施され、式中、
∠Z
LF
(0)は、上記単極治療信号が送達されることに先立った時間t=0において測定される低周波数インピーダンス位相角値であり、
∠Z
LF
(t)は、上記単極治療信号が送達された後の時間tにおいて測定される低周波数インピーダンス位相角値であり、
Z
HF
は、上記単極治療信号が送達されることに先立って、またはその後に測定される高周波数インピーダンス規模値である、
項目15-17のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
上記単極治療信号は、パルス化電場(PEF)治療信号を含む、項目11-18のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
上記単極治療信号は、
無線周波数(RF)治療信号、
マイクロ波治療信号、
極低温治療信号、
電気化学治療信号、または
高周波数超音波信号
のうちの1つを含む、項目11-18のいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
上記方法は、上記単極治療信号の送達から結果として生じる治療効果転帰を推測するために使用される、項目11-20のいずれか1項に記載の方法。
(項目22)
上記方法は、単極治療送達システムの少なくとも1つのプロセッサによって実施され、その少なくとも1つのプロセッサは、上記単極治療送達システムのコントローラの一部であることができる、項目11-21のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】