(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】ロッド状の物品を整列させるための設備および方法
(51)【国際特許分類】
A24C 5/32 20060101AFI20240311BHJP
A24C 5/01 20200101ALI20240311BHJP
A24C 5/34 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
A24C5/32
A24C5/01
A24C5/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559728
(86)(22)【出願日】2022-03-28
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 EP2022058077
(87)【国際公開番号】W WO2022207541
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ボシ ルカ
(72)【発明者】
【氏名】バティスティ フィリッポ
【テーマコード(参考)】
4B144
【Fターム(参考)】
4B144CB28
4B144CB33
4B144CB35
4B144CB42
4B144CF00
4B144CG01
4B144CL02
4B144CL07
4B144CM01
4B144CM03
4B144CM14
(57)【要約】
参照要素を備えるロッド状の物品を整列させるための設備および方法。設備は、参照要素を備えるロッド状の物品(1)を収容および搬送するためのコンベア(2)と、ロッド状の物品をコンベア内に保持して、ロッド状の物品の一時的な回転を可能にする保持手段とを備える。設備は、参照要素の位置を検出することによって、ロッド状の物品(1)の回転位置を検出するための検出装置(6)と、保持手段によって保持されたロッド状の物品(1)を物品の長軸方向軸を中心にして回転させるための機械式位置決めユニット(90、91)と、検出装置(6)によって提供された、ロッド状の物品(1)の参照要素の回転位置に関する情報を、機械式位置決めユニット(90、91)のアクチュエータに送信するためのコントローラ(8)とをさらに備える。アクチュエータは、機械式位置決めユニット(90、91)によってロッド状の物品(1)が長軸方向軸を中心にして検出位置から定義された位置に回転されるように、機械式位置決めユニット(90、91)を起動するように適合されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
参照要素を備えるロッド状の物品を整列させるための設備であって、
参照要素を備えるロッド状の物品を収容および搬送するためのコンベアと、
前記ロッド状の物品を前記コンベア内に保持するための保持手段であって、前記ロッド状の物品の一時的な回転を可能にする、保持手段と、
前記参照要素の位置を検出することによって、前記ロッド状の物品の回転位置を検出するための検出装置と、
前記保持手段によって保持された前記ロッド状の物品を前記物品の長軸方向軸を中心にして回転させるための機械式位置決めユニットと、
前記検出装置によって提供された、前記ロッド状の物品の前記参照要素の前記回転位置に関する情報を、前記機械式位置決めユニットのアクチュエータに送信するためのコントローラと、を備え、前記機械式位置決めユニットによって前記ロッド状の物品が前記物品の前記長軸方向軸を中心にして検出位置から定義された位置に回転されるように、前記アクチュエータが前記機械式位置決めユニットを起動させるように適合されている、設備。
【請求項2】
前記参照要素が、前記ロッド状の物品の中に配設されたサセプタバンド、または前記ロッド状の物品の外側に提供されたマーカーである、請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記コンベアが、幾つかの丸溝を備える丸溝付きコンベアドラムであり、各丸溝がロッド状の物品を収容するためのものである、請求項1~2のいずれか一項に記載の設備。
【請求項4】
前記定義された位置で前記ロッド状の物品を切断するための切断装置を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の設備。
【請求項5】
前記コンベアからある距離で、かつそれと平行に配設された案内要素をさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の設備。
【請求項6】
前記機械式位置決めユニットが、前記コンベア内に保持されたロッド状の物品に接触し、それを回転させるための移動ベルトを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の設備。
【請求項7】
前記アクチュエータが、前記移動ベルトの速度、または前記コンベアに至る前記移動ベルトの距離のうちの少なくとも一つを制御するように適合されている、請求項6に記載の設備。
【請求項8】
前記機械式位置決めユニットが、前記コンベア内に保持された前記ロッド状の物品を転がすための少なくとも一つの起動ローラーを備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の設備。
【請求項9】
前記少なくとも一つの起動ローラーが前記コンベア内に配設されている、請求項8に記載の設備。
【請求項10】
前記少なくとも一つの起動ローラーが前記コンベア内の座内の開口部に配設されている、請求項9に記載の設備。
【請求項11】
前記機械式位置決めユニットが、幾つかのロッド状の物品を回転させるための複数の回転要素を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の設備。
【請求項12】
前記丸溝付きコンベアドラムの各丸溝が、前記機械式位置決めユニットが前記開口部を通過して、前記丸溝に収容された前記物品を回転させるための開口部を備える、請求項3に記載の設備。
【請求項13】
前記コンベアの解放場所に配設された出力制御を備え、前記出力制御が、前記解放場所でのロッド状の物品内の前記参照要素の状態を検出して、前記検出された状態を品質仕様と比較するためのものであり、かつ前記機械式位置決めユニットの前記アクチュエータをトリガして前記機械式位置決めユニットを調整するためのものである、請求項1~12のいずれか一項に記載の設備。
【請求項14】
参照要素を備えるロッド状の物品を整列させるための方法であって、
参照要素を備えるロッド状の物品をコンベアの座内に受容することと、
前記参照要素を備える前記ロッド状の物品を搬送および保持することと、
前記ロッド状の物品を保持しながら、前記ロッド状の物品の前記参照要素の位置を検出することによって、前記ロッド状の物品の回転位置を検出することと、
前記ロッド状の物品の前記参照要素の検出位置に関する情報を使用することと、機械式位置決めユニットによって前記ロッド状の物品を前記物品の長軸方向軸を中心にして前記検出位置から定義された位置に機械的に回転させることと、を含む方法。
【請求項15】
前記ロッド状の物品をその定義された位置で切断し、それによってサセプタバンドの形態の前記参照要素を20度~70度の切断角度で切断する、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、参照要素を備えるロッド状の物品を整列させるための設備および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
誘導加熱を使用する電子加熱非燃焼式装置において、ロッド状の消耗品は、サセプタバンドの近傍のエアロゾル形成基体を加熱するための、交番磁場によって誘導加熱されるサセプタバンドを備える。消耗品を製造する際に、連続的なサセプタバンドはエアロゾル形成基体の中に挿入される。連続的なロッドが形成され、その後個々のセグメントへと切断され、このセグメントは、他のセグメントと組み合わせられて、誘導加熱装置で使用される消耗品を形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ロッドにおいて、サセプタバンドは中央に割り当てられるべきである。サセプタバンドは、切断プロセスによって損傷または変形されるべきではない。サセプタの場所と完全性の両方は、加熱効率、温度分布を変化させる場合があり、または消耗品の性能の一貫性の欠如につながる場合がある。
【0004】
ロッドを切断するために、ロッドをコンベアドラムの丸溝の中に定置して、円形状ナイフで切断してもよい。しかしながら、ロッドは典型的に、例えばホッパーにおいて、マスフローからコンベアドラムに来るため、コンベアドラム上のロッドの位置はランダムであり、そのためコンベアドラムの軸に対するロッド内部のサセプタバンドの回転位置はランダムである。その結果として、サセプタバンドが円形状ナイフによって切断される切断角度はランダムである。
【0005】
欧州特許公開第EP 3461352号から、たばこ加工産業の物品を回転させて、これによって物品内の磁気バンドがすべて、その丸溝に対して同じ垂直または水平位置を有することが知られている。磁気バンドは、物品内の磁気バンドと相互作用する磁化装置によって回転される。機械的手段は非常に信頼性が高いことが知られているため、機械的手段を使用してロッド状の物品を整列させるための設備および方法を提供することが望ましいことになる。物品の回転位置が、好ましくは切断前に、すべての物品に対して定義されていて、好ましくは物品を切断するために最適化されている、こうした設備および方法を有することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
参照要素を備えるロッド状のエアロゾル発生物品を整列させるための設備が提供されている。設備は、参照要素を備えるロッド状の物品を収容および搬送するためのコンベアを備える。設備は、ロッド状の物品をコンベア内に保持するための保持手段を備え、保持手段はロッド状の物品の一時的な回転を可能にする。設備は、参照要素の位置を検出することによって、ロッド状の物品の回転位置を検出するための検出装置と、保持手段によって保持されたロッド状の物品を物品の長軸方向軸を中心にして回転させるための機械式位置決めユニットと、検出装置によって提供された、ロッド状の物品の参照要素の回転位置に関する情報を、機械式位置決めユニットのアクチュエータに送信するためのコントローラとをさらに備える。そこでアクチュエータは、機械式位置決めユニットによってロッド状の物品が物品の長軸方向軸を中心にして検出位置から定義された位置に回転されるように、機械式位置決めユニットを起動するように適合されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、サセプタバンドを備えるロッド状のエアロゾル発生物品の斜視切開図を示す。
【
図2】
図2は、切断位置にあるエアロゾル発生物品の詳細図を示す。
【
図3】
図3は、切断されているエアロゾル発生物品を示す。
【
図4】
図4は、丸溝付きコンベアドラム上のロッド状の物品の切断プロセスを概略的に示す。
【
図5】
図5は、二つの実施形態の機械式位置決めユニットを有する設備を示す。
【
図6】
図6は、別の実施形態の機械式位置決めユニットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
物品、特にタバコ産業または喫煙産業のロッド状の物品を回転させる機械的手段は、信頼性があり、高速で、うまく制御でき、かつ微細に調整可能であることが知られている。加えて、機械的手段は、例えば装置の近傍のすべての磁性または磁化可能材料と相互作用する傾向がある磁化装置の磁場と比較して、意図された物体にのみ特異的に作用する。
【0009】
マスフローから出る物品の固定された空間的な向きが必要とされる、幾つかの用途がある。例えば、物品の定義された部分に施される印刷、特定の角度での物品の切断、または物品の局部的な部分の検出。
【0010】
こうしたロッド状の物品の回転位置を検出できるように、物品は参照要素を備える。参照要素は、物品の長軸方向の回転軸に対して回転対称ではない。しかしながら、物品の長軸方向の中央面(180度対称)に対して対称であってもよい。この回転非対称は、物品の参照要素の位置を検出することによって、物品の回転方向の向きを検出および定義することを可能にする。参照要素は、例えば物品内の構成要素または物品上の外部マーキングなど、物品の内部または物品の外側にありうる。
【0011】
ロッド状の物品は、例えばロッド状のエアロゾル発生物品、ロッド状のフィルター要素、またはタバコ加工産業で周知の任意のロッド状の物品であってもよい。
【0012】
参照要素は、エアロゾル発生物品の中に配設されたサセプタバンド、またはロッド状の物品の外側に提供されたマーカーであることが好ましい。マーカーは、例えば印刷されてもよく、型押しされてもよく、パンチされてもよく、またはレーザー穿孔であってもよい。
【0013】
特に、別のセグメントとのサセプタバンドの特定の相互の相対的な位置が望ましい、または必須である、例えば他のセグメントとの組み立てのために、切断または別段の加工をされるべきサセプタバンドを備える物品において、サセプタバンドの位置は、すべての物品について定義されていて、かつ一貫しているべきである。例えば、物品内のサセプタバンドのランダムな向きは、不規則な切断、サセプタバンドの変形、または切断ナイフの寿命の短縮につながる場合があることが分かっている。それ故に、機械式位置決めユニットは、例えば物品を切断するなど、物品をさらに処理する前に、ロッド状の物品と相互作用して、物品の最適化された回転位置決めを達成することが有益である場合がある。
【0014】
本発明において、参照要素の位置が検出され、検出位置が定義された位置から逸脱する場合、物品は、参照要素の回転位置が定義された位置に対応するまで回転される。コントローラは、基準要素の検出位置に関するそれぞれの情報を、機械式位置決めユニットのアクチュエータに送信する。アクチュエータは機械式位置決めユニットを起動して、定義された位置に物品が到着するまで物品を回転させる。
【0015】
コンベアは保持手段を備えてもよい。保持手段はコンベアの中に組み込まれてもよい。物品はコンベア内で、例えば下流に配設された機械式位置決めユニットに搬送されている間、保持手段によって保持されている。
【0016】
コンベアは、コンベアバンドまたはコンベアドラムであってもよい。コンベアは好ましくは、幾つかの座を備えてもよく、各座は座内にロッド状のエアロゾル発生物品を収容するためのものである。
【0017】
座を有するコンベアは、物品を受容場所(ここで物品はコンベアの座内に受容されていて、かつ保持手段によってその中に保持されている)から、さらに下流に位置する検出場所(ここで物品の参照要素の回転位置を検出するために検出装置が配設されている)に個別にかつ安全に搬送してもよい。
【0018】
好ましくは、コンベアは、幾つかの丸溝を備える丸溝付きコンベアドラムであり、各丸溝はエアロゾル発生物品を収容するためのものである。典型的に、ロッド状の物品は半完成品および構成要素であり、または消耗品の複数の構成要素の組み合わせである。コンベアドラムの回転を通して、物品は、スペースを取らない様態で、コンベアドラムの周囲に沿って異なる場所に搬送されてもよい。
【0019】
設備は、物品が定義された位置にある時にロッド状の物品上にマーカーを適用するためのマーキング装置を備えてもよい。
【0020】
設備は、物品が定義された位置にある時にロッド状の物品を切断するための切断装置を備えてもよい。マーキング装置または切断装置は、機械式位置決めユニットの下流に配設されている。それ故に、ロッド状の物品は、マーキング装置によってマーキングされる前に、または切断装置によって切断される前に、定義された位置に位置付けられていることが確実である。
【0021】
物品は、真っ直ぐな切れ刃を有するナイフ、または円形状の切れ刃を有するナイフによって切断されてもよい。切断装置は、少なくとも一つの円形状切断ナイフを備えることが好ましい。一部の実施形態において、切断装置は、幾つかの切断ナイフ、好ましくは幾つかの円形状切断ナイフを備える。
【0022】
切断装置は、一連の円形状切断ナイフを備えることが好ましい。一連の円形状切断ナイフは、相互に平行に配設されてもよい。一連の切断ナイフは、相互に連続して配設されてもよい。一連の切断ナイフは、相互にオフセットして連続して、および相互に平行に配設されてもよい。ロッド状の物品の典型的な切断プロセスにおいて、ロッドは並列で1回、2回、または3回同時に切断される。切断されたロッドは、さらに下流に搬送され、好ましくは切断された物品が望ましい長さを有するまで、さらなる切断ナイフによって再度(好ましくは数回)切断されていることが好ましい。望ましい長さは、消耗品のセグメントとして使用される物品の最終的な長さであってもよい。所望の長さは、製造ラインのさらに下流に、例えば所望の長さを有する物品が他のセグメントに取り付けられた後、さらなる切断工程がある場合があるため、最終的な長さよりも長い長さであってもよい。
【0023】
サセプタバンドの位置に対する切断ナイフの相対的な位置は、切断の質に大きい影響を及ぼすことが分かっている。ロッド状の物品のきれいな切断のために、切断ナイフの平面とロッド状の物品の長軸方向軸とは、相互に直角を成すべきであることが一般的に認識されている。また、サセプタバンドと切断刃の間の最適化された切断角度が、切断の質だけでなく、切断ナイフの寿命も改善することも分かっている。
【0024】
ロッド状の物品の定義された位置において、物品内のサセプタバンドの形態の参照要素が切断装置によって切断される切断角度は、90度よりも小さいことが好ましく、好ましくは20度~70度であることが好ましい。切断角度は30度~60度、例えば45度プラスまたはマイナス5度であることがより好ましい。
【0025】
切断角度は、切断装置がサセプタバンドを切断し始める瞬間での、サセプタバンドの平面と切断装置の切れ刃の位置との間で定義される。切断装置が直線的なナイフである場合、切断角度は、サセプタバンドの平面と直線的なナイフの真っ直ぐな切れ刃との間で定義される。切断装置が回転切断ナイフである場合、切断角は、切れ刃がサセプタバンドを切断し始める瞬間での、サセプタバンドの平面と回転切断ナイフの切れ刃の接線との間で定義される。
【0026】
それ故に、ロッド状の物品の定義された位置は、サセプタバンドと切断装置の間の上述の切断角度が満たされる、物品内のサセプタバンドの回転位置に対応することが好ましい。それに応じて、コントローラは、機械式位置決めユニットが起動して物品を回転させるように、かつ物品が切断角度の定義された範囲内の回転位置に対応する定義された位置に達するまで、サセプタバンドの検出位置に関するそれぞれの情報を、機械式位置決めユニットのアクチュエータに送信する。
【0027】
保持手段は吸引手段を備えることが好ましい。吸引手段は、コンベア内の座に適用可能であり、座はロッド状の物品を収容するよう適合されていることが好ましい。保持手段は、ロッド状の物品の一時的な回転を可能にするように設計されていることが好ましい。これは、例えば物品を回転させる間の吸引力を低減することによって、または物品が回転される位置において吸引力を妨げることによって、達成されてもよい。本発明の一部の実施形態において、吸引手段は、好ましくは物品の回転を妨げることなく、物品がその座から外れるのを防止するために提供されている保持面または案内要素によって置き換えられてもよい。
【0028】
設備は、ロッド状の物品がコンベアから落下するのを防止するために、コンベアからある距離で、かつそれと平行に配設された案内要素を備えることが好ましい。案内要素はまた、物品がコンベア内で、次の座または丸溝の中に滑ることを防止する場合がある。案内要素は、コンベア内の物品を案内要素の下方に通すことを可能にするように、ただし物品をコンベア内に、例えばコンベアドラムの丸溝内に保つように配設かつ構築されている。
【0029】
機械式位置決めユニットは、案内要素に組み込まれてもよい。
【0030】
機械式位置決めユニットは、様々な手段によって実現されてもよい。機械式位置決めユニットは、コンベアの中に組み込まれてもよく、またはコンベアの外部にあってもよい。
【0031】
例えば、機械式位置決めユニットは、コンベア内に保持されたロッド状の物品に接触し、それを回転させるための移動ベルトを備えてもよい。移動ベルトは、作動式無限ベルトであってもよい。移動ベルトは、コンベア内の物品に触れることができるように、コンベアからある距離で配設されてもよい。
【0032】
物品の回転は、移動ベルトが物品に接触している期間、または物品に接触している時の移動ベルトの速度、または物品に接触している移動ベルトの長さ、または物品に加えられた移動ベルトの圧力、またはそれらの組み合わせのいずれかの影響を受ける。
【0033】
機械式位置決めユニットのアクチュエータは、移動ベルトの速度、またはコンベアに至る移動ベルトの距離のうちの少なくとも一つを制御するように適合されていることが好ましい。移動ベルトが、回転される物品と接触している間、接触圧力は、移動ベルトによって物品に加えられる回転の程度を増大する場合がある。
【0034】
アクチュエータは、回転されるロッド状の物品との移動ベルトの接触持続時間、接触長さ、または接触圧力を定義してもよく、好ましくは物品はコンベアの座内に収容されている。
【0035】
移動ベルトは、一つの物品のみに接触してもよく、または幾つかの物品に同時に接触してもよい。幾つかの物品に同時に接触する、およびそれらを回転させる時は、物品と移動ベルトの間の接触が終了するとすぐに、各物品の所定の位置が達成されることを確実にしなければならない。コントローラには、幾つかの物品の個々の定義された位置、ならびに同時に回転される幾つかの物品に加えられる回転の程度が提供されてもよい。
【0036】
機械式位置決めユニットは、直線的に移動可能な曲面を備えてもよく、その表面は、保持手段によって保持されたエアロゾル発生物品と接触し、それに圧力を加えるためのものである。曲面は、回転される物品(複数可)と接触させられる場合がある。曲面は静止面であることが好ましい。曲面の直線移動は、曲面が、回転される物品と接触する状態、および接触しない状態をもたらす。曲面は、コンベアの回転時に物品が曲面を通過する時に、物品と曲面の間に摩擦を生じさせる。曲面の直線移動は、物品に対して直角を成して起こることが好ましい、または曲面の直線移動は、コンベアに対して半径方向であってもよい。例えば回転ドラムコンベアなどのコンベア上で運ばれる物品から離れて、およびそれに向かって曲面を移動することによって、曲面による物品の回転の量を変化させてもよい。
【0037】
機械式位置決めユニットは、コンベア内に保持されたエアロゾル発生物品を転がすための少なくとも一つの起動ローラーを備えてもよい。
【0038】
少なくとも一つの起動ローラーは、コンベア内に配設されてもよい。少なくとも一つの起動ローラーは、例えば上述の通りの案内要素の中に、コンベアと向かい合って配設されてもよい。
【0039】
少なくとも一つの起動ローラーは、コンベア内の座内の開口部に配設されてもよい。それ故に、座に収容された物品は、座内の少なくとも一つの起動ローラーによって回転されてもよい。
【0040】
少なくとも一つの起動ローラーは、座の一部であってもよい。少なくとも一つの起動ローラーはまた、物品が位置決め場所に移動される時に、座に割り当てられてもよい。それ故に、少なくとも一つの起動ローラーは、回転されるすべての物品の回転を担う単一の機械式位置決めユニットの一部であってもよい。少なくとも一つの起動ローラーは、コンベアに組み込まれてもよい。少なくとも一つの起動ローラーは、特定の物品のみに割り当てられてもよい。一つの起動ローラーはまた、幾つかの物品に同時に割り当てられてもよい。それ故に、機械式位置決めユニットは、平行または続発のいずれかで、幾つかの物品の回転を個別に作動させる幾つかのアクチュエータを備えてもよい。各物品の正しい定義された位置を確実にするために、例えば切断する前に、コントローラは、幾つかの物品によって同時に実施されるすべての回転を処理するように適合されてもよい。
【0041】
丸溝付きコンベアドラムの好ましい実施形態において、丸溝付きコンベアドラムの各丸溝は、位置決めユニットが開口部を通過して、丸溝に収容された物品を回転させるための開口部を備えてもよい。例えば、起動ローラーは、コンベアドラムの内部に配設されてもよく、またドラムの特定の丸溝が、起動ローラーによって丸溝内の物品が、定義された位置に回転される位置に回転した時に、丸溝の開口部の中に通ってもよい。
【0042】
機械式位置決めユニットは、幾つかのエアロゾル発生物品を同時に回転させるための複数の回転要素を備えてもよい。複数の回転要素は、一連の個別に回転可能なレバーであることが好ましい。
【0043】
検出装置は、ロッド状の物品の画像を捕捉するために様々な方法で設計されてもよい。物品の可視外部を検出するためのカメラなどの視覚システムとは別に、他の検出システムも、特に残りの物品の性質と比較して、参照要素の性質に応じて使用可能である。例えば、参照要素の物理的または化学的構造に応じて、異なる検出装置を使用してもよい。
【0044】
それ故に、例えばX線は、物品内の異なる構成要素の異なるX線吸収特性を利用してもよい。例えば、サセプタバンドは、エアロゾル形成基体中に含有される強磁性材料のものである。他の例は、磁場に供される時に、磁気インクまたはサセプタバンドなどの誘導性材料からの磁場応答を検出するための誘導センサーである。またはさらに、サセプタバンドが以前に誘導加熱されている時に、赤外線(IR)センサーを使用して、サセプタバンドなどの誘導加熱可能参照要素における上昇した温度を検出してもよい。
【0045】
検出装置は、カメラ、X線検出装置、誘導検出装置、または赤外線センサーのうちのいずれか一つを備えることが好ましい。カメラでは、ロッド状のエアロゾル発生物品の少なくとも一部分の画像が提供されることが好ましい。
【0046】
検出装置は、一つの物品または幾つかの物品の回転位置を同時に検出してもよい。
【0047】
設備は、コンベアの解放場所に、またはその近くに配設された出力制御を備えてもよい。出力制御は、検出された状態を品質仕様と比較するために解放場所でのロッド状の物品内の参照要素の状態を検出するためのものであり、かつ品質仕様を満たさない時にロッド状の物品を廃棄物として拒絶するためのものであり、かつ拒絶されたロッド状の物品が所定の廃棄物閾値を超える場合、機械式位置決めユニットのアクチュエータをトリガして機械式位置決めユニットを調整するためのものである。
【0048】
出力制御によって、設備のプロセス全体の最終結果が制御され、機械式位置決めユニットを調整するために使用されてもよい。出力制御によって提供された出力信号は、機械式位置決めユニットの(特に切断角度またはマーキング位置の)微調整を提供するために使用されてもよい。これは、位置決めされた、切断された、マーク付けされた、または他の方法で処理された物品のなおさらなる改善、および廃棄物の低減をもたらしてもよい。
【0049】
切断された物品内の参照要素(例えばサセプタバンド)の状態は、許容されるために、かつ廃棄物として拒絶されないために、所定の品質仕様を満たさなければならない。
【0050】
出力制御は、例えばロッド状の物品内の参照要素の回転位置、または物品上もしくは物品内の参照要素の絶対位置を検出してもよい。例えば、出力制御は、例えば物品の中心から外れ、かつロッド状の物品の周囲方向へのサセプタバンドの参照要素の変位を検出してもよい。出力制御はまた、例えばサセプタバンドが変形した(例えば曲がった)形状を有するか、またはマーカーが誤った形状を有するか、もしくは置き間違えられた場合、参照要素の形態を検出してもよい。これらのパラメータは、許容されるために、ある特定の所定の閾値内でなければならない。所定の閾値を超える場合、物品は、所定の品質仕様を満たしていないとして検出され、物品は廃棄物として拒絶される。
【0051】
出力制御は、品質仕様を満たさない参照要素の状態を含む欠陥のある物品を拒絶する拒絶システムを備えることが好ましい。
【0052】
廃棄物比(欠陥のある物品と供された物品との比)が所定の廃棄物閾値を超える場合、出力制御によって参照要素の状態について検出された情報を使用して機械式位置決めユニットをトリガする。出力制御は例えば、ロッド状の物品の少なくとも一部分の画像を提供するように配設されたカメラを備えてもよい。カメラは、物品上または物品内の参照要素の形態および位置を検出してもよい。カメラは、切断されたロッド状のエアロゾル発生物品の少なくとも一方の端の画像を提供するように配設されていることが好ましい。一般にカメラは、切断された物品の参照要素の位置を検出してもよい。カメラからの情報は、物品上または物品内の参照要素の所定のパラメータと比較されてもよい。
【0053】
廃棄物の廃棄物閾値は、廃棄物を低減するために、機械式位置決めユニットの調整をトリガするために設定されていることが好ましい。プロセス全体に対して許容される廃棄物は、例えば1パーセントであってもよい。廃棄物が増加し、この1パーセントの閾値を超えると、廃棄物を低減するために、機械式位置決めユニットの調整がトリガされる。
【0054】
設備は、コンベアの移動速度を測定するための速度センサーを備えてもよい。速度センサーはコントローラに連結されている。それ故に、物品の回転位置決めに影響を与えうるコンベアの移動速度の任意の変化が検出され、機械式位置決め手段を調節するために使用されてもよい。それ故に、物品の回転位置を動的に調整し、結果として物品上の参照要素の回転位置、例えば物品内のサセプタバンドの位置、またはサセプタバンドの切断角度も調整することが可能である。これは、コンベアが最終動作速度にまだ達していない、およびコンベアによって受容されている、かつ例えばコンベア上で切断されている間に、物品の搬送速度が変化するプロセスのランプアップ中に、有利である。例えば、切断中に概して、円形状ナイフによってロッドに加えられる小さなスピニング効果がある。このロッドのスピンは、ロッドを切断するために必要な時間に関連するため、それ故に機械のランプアップ中に、機械の加速を補償することができるように調整可能な切断角度を有することが好ましい。別の実施例において、一部の機械式位置決めユニットは、物品に回転を及ぼし、この回転は、物品が機械式位置決めユニットと接触している持続時間に依存し、それ故に回転は、機械式位置決めユニットを通過するコンベアの速度に依存する。
【0055】
参照要素を備えるロッド状の物品を整列させるための方法も提供されている。方法は、参照要素を備えるロッド状の物品をコンベアの座内に受容することと、参照要素を備えるロッド状の物品を搬送および保持することと、ロッド状の物品を保持しながらロッド状の物品の参照要素の位置を検出することによってロッド状の物品の回転位置を検出することとを含む。方法は、ロッド状の物品の参照要素の検出位置に関する情報を使用することと、機械式位置決めユニットによってロッド状の物品を物品の長軸方向軸を中心にして検出位置から定義された位置に機械的に回転させることとをさらに含む。
【0056】
方法は、ロッド状の物品を一時的に解放し、それによってロッド状の物品が、定義された位置に回転することを可能にし、次いでロッド状の物品を定義された位置に固定することを含むことが好ましい。
【0057】
物品を保持すること、および回転することは、物品を回転させる力が保持する力に打ち勝つ場合、同時に実施されてもよい。物品を保持することは、物品を回転させるために低減されている、または妨げられていることが好ましい。例えば、物品に加えられた吸引力は、物品の回転を可能にするために低減されてもよい。加えられた吸引力はまた、保持グリップから物品を解放するために妨げられてもよい。しかしながら、本発明の一部の実施形態において、保持手段自体が変更されてもよく、例えば物品に加えられた吸引力から、好ましくは物品の回転と干渉することなく、物品がその座から外れるのを防止するために提供されている保持面または案内要素に切り替えてもよい。物品がその長軸方向軸を中心にして、その定義された位置に回転された時に、物品は、例えば物品に吸引力を加えることによって、さらなる処理工程のために定義された位置に固定されていることが好ましい。
【0058】
方法は、ロッド状の物品を定義された位置に固定した状態に保つことと、物品を切断またはマーキングすることとを含むことが好ましい。固定することは、定義された位置にて切断またはマーキングを実施することを可能とする。それ故に、物品は、切断またはマーキング前に、および切断またはマーキング中に、定義された位置に保たれている。物品のさらなる処理に応じて、物品はまた、切断またはマーキング後に定義された位置に保たれていることが好ましい。
【0059】
方法は、ロッド状の物品の少なくとも一部分の目視検査、ロッド状の物品の少なくとも一部のX線検査、誘導参照要素(例えばサセプタバンドなどど)の誘導率測定、または物品内の誘導加熱された誘導参照要素の赤外線測定のうちのいずれか一つによって、参照要素の回転位置を検出することを含んでもよい。異なる検出方法が、ユーザーのニーズに従って選択されてもよい。例えば、幾つかの切断工程がその後実施される場合、検出装置は、参照要素の位置、または参照要素の形態、または参照要素の位置と形態の組み合わせのいずれかを検出する能力を有することが好ましい。例えば、検出装置は、物品内のサセプタの位置、またはエアロゾル発生物品内のその長さに沿ったサセプタの形態、または物品内のサセプタの位置とエアロゾル発生物品内のその長さに沿ったサセプタの形態との組み合わせを検出してもよい。これによって、機械式位置決めユニットは、例えばロッド状の物品の長さに沿って、参照要素の平均位置に対して最良の結果を達成するために起動されてもよい。
【0060】
物品内部の参照要素の位置の検出はまた、後に配設された幾つかの切断工程が提供されている時に、かつ後に配設された幾つかの機械式位置決めユニットが提供されている時に、好ましい場合がある。切断される物品の一部に対して検出された位置は、特に物品が長い長さを有する場合、物品の別の一部の検出された位置と異なる場合がある。それに応じて、第一の情報は、第一の位置で物品を切断する最も上流に配設された機械式位置決めユニットのアクチュエータに送信されてもよく、第二の情報は、第二の位置で物品を切断するより下流に配設された機械式位置決めユニットのアクチュエータに送信されてもよい。第一の情報および第二の情報は異なってもよく、物品または切断された物品の回転の程度は異なってもよい。
【0061】
方法は典型的に、ロッド状の物品を受容場所から検出場所に、位置決め場所に、および切断場所またはマーキング場所に搬送することを含む。検出場所は、受容場所にまたは受容場所の下流に配設されている。検出場所は、検出装置の結果を分析するために十分な時間を有するために、かつコントローラが必要な情報を機械式位置決めユニットのアクチュエータに提供するために、物品の整列プロセスの可能な限り上流に配設されていることが好ましい。位置決め場所は、検出場所の下流に配設されている。検出場所と位置決め場所の間の距離は、物品の搬送速度および、検出装置がロッド状の物品の回転位置を検出するのに必要な時間を考慮に入れるように適合されてもよい。切断場所またはマーキング場所は、位置決め場所の下流に配設されている。
【0062】
方法は、切断場所またはマーキング場所の下流に配設されたさらなる検出場所およびさらなる切断を含んでもよい。物品は、既に上述の通り、幾つかの切断工程で幾つかのセグメントに切断されてもよい。
【0063】
方法は、最終的なロッド状の物品の参照要素の状態を検出する出力制御であって、欠陥のある参照要素を有する最終的なロッド状の物品を廃棄物として拒絶する出力制御をさらに備えてもよい。廃棄物が所定の廃棄物閾値を超える場合、方法は、ロッド状の物品内の参照要素の検出された出力状態に関する情報を使用して、機械式位置決めユニットをトリガし、それによってロッド状の物品の回転を調整することを含む。
【0064】
それ故に、任意の欠陥のある物品、それ故に参照要素の検出された状態が所定の品質仕様を満たさない任意の物品は、廃棄物として拒絶されることが好ましい一方で、機械式位置決めユニットの調整は、廃棄物比が所定の廃棄物閾値を超える時にのみ、初期化されていることが好ましい。
【0065】
最終物品は、最終切断工程後、またはマーキング工程後の物品であり、またはコンベアから解放される準備ができた物品である。出力制御は、最終的な切断されたエアロゾル発生物品内のサセプタバンドの状態を検出し、欠陥のあるサセプタバンドを有する最終的な切断されたエアロゾル発生物品を廃棄物として拒絶することが好ましい。
【0066】
方法は、ロッド状の物品の搬送速度を測定することと、搬送速度に応じて、エアロゾル発生物品内のサセプタバンドの回転位置の検出、またはロッド状の物品の定義された位置への回転のうちの少なくとも一つを調整することと含むことが好ましい。
【0067】
方法は、エアロゾル発生物品をその定義された位置で切断し、それによって、90度よりも小さい、好ましくは20度~70度の切断角度でサセプタバンドの形態の参照要素を切断することを含むことが好ましい。切断角度は、30度~60度、例えば45度プラスまたはマイナス5度であることがより好ましい。
【0068】
方法は、ロッド状の物品に加えられた吸引力によってロッド状の物品を保持することを含むことが好ましい。
【0069】
方法は、移動ベルト、起動ローラー、または複数の回転要素によってロッド状の物品に接触することによってロッド状の物品を回転させることを含むことが好ましい。
【0070】
方法は、ロッド状の物品を丸溝付きコンベアドラムの丸溝内で搬送することを含むことが好ましい。丸溝付きコンベアドラムを使用する時に、方法は、ロッド状の物品を丸溝付きコンベアドラムの丸溝に連続的に提供することを含むことが好ましい。方法は、ロッド状の物品のそれぞれを個別に検出し、物品の参照要素の検出された回転位置に従って、定義された位置に回転させることをさらに含むことが好ましい。
【0071】
ロッド状の物品はその後、検出装置によって検出され、その後、機械式位置決めユニットによって回転されてもよい。そこで物品はその後、単一の検出装置によって検出され、単一の機械式位置決めユニットによって回転されてもよい。幾つかのロッド状の物品はまた、同時に回転されてもよく、好ましくは幾つかの物品のそれぞれに割り当てられた、それら物品の機械式位置決めユニットであってもよい。
【0072】
本明細書で使用される「サセプタ」という用語は、電磁エネルギーを熱に変換する能力を有する材料を指す。交流電磁場内に位置する時、典型的に渦電流が誘導され、またサセプタの中でヒステリシス損失が生じ、サセプタの加熱を生じさせる場合がある。サセプタは、エアロゾル形成基体と熱的に接触する状態で位置しているため、エアロゾル形成基体はサセプタによって加熱され、基体からエアロゾル形成物質を放出する。
【0073】
サセプタは、エアロゾル形成基体から材料を放出するのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタは、金属または炭素を含む。好ましいサセプタは、鉄材料または強磁性材料(例えば、フェライト鉄、強磁性鋼などの強磁性合金、ステンレス鋼、またはアルミニウム)を含んでよく、またはこれらから成ってもよい。サセプタは、好ましくは5パーセント超の、好ましくは20パーセント超の、好ましくは50パーセントまたは90パーセント超の強磁性材料もしくは常磁性材料を含む。好ましいサセプタは、摂氏約150度~摂氏約300度の温度に加熱されてもよい。好ましくは、サセプタは、摂氏約200度~摂氏約270度、例えば摂氏235度の温度に加熱されてもよい。
【0074】
サセプタシート材料は金属バンドであることが好ましい。
【0075】
サセプタシート材料はステンレス鋼バンドであることが好ましい。しかしながら、サセプタ材料はまた、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、ニオブ、インコネル合金(オーステナイトニッケルクロム系超合金)、金属化フィルム、セラミック(例えば、ジルコニアなど)、遷移金属(例えば、鉄、コバルト、ニッケルなど)、または半金属構成要素(例えば、ホウ素、炭素、ケイ素、リン、アルミニウムなど)も含んでもよく、またはそれらで作製されてもよい。
【0076】
サセプタバンドは、好ましくは約2ミリメートル~約8ミリメートル、より好ましくは約3ミリメートル~5ミリメートル、例えば4ミリメートルの幅と、好ましくは約0.03ミリメートル~約1ミリメートル、より好ましくは約0.05ミリメートル~約0.5ミリメートル、例えば約0.07ミリメートル~0.2ミリメートルの厚さとを有する基本的な長方形の形状を有することが好ましい。サセプタバンドの幅は、サセプタバンドが中に配設されているロッド状のエアロゾル発生物品の幅または直径よりも小さい。
【0077】
原則として、特定の値に関連して「約」という用語が本明細書全体を通して使用される時はいつでも、「約」という用語に続く値は、技術的な考慮に起因して、厳密に正確なその特定の値である必要はないと理解される。しかしながら、特定の値に関連して使用される「約」という用語は常に、用語「約」に続く特定の値を含み、また明示的に開示することが理解される。ロッド状の物品は、ロッド直径が、好ましくは約3ミリメートル~約12ミリメートルの範囲内、より好ましくは約4ミリメートル~約8ミリメートルの範囲内、例えば7ミリメートルであるロッドの形態を有する。ロッドは円形状または楕円形の断面を有することが好ましい。しかしながら、ロッドはまた、矩形または多角形の断面を有してもよい。
【0078】
エアロゾル発生物品の形態のロッド状の物品は、エアロゾルを形成する能力を有するエアロゾル形成基体を含む。エアロゾル形成基体は固体であり、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0079】
エアロゾル形成基体は、ロッドに集合された、かつサセプタバンドが提供された、かつラッパーによって取り囲まれた一つ以上の均質化したたばこ材料シートを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含むことが好ましい。
【0080】
エアロゾル形成基体を形成するたばこシートは、たばこ粒子、繊維粒子、エアロゾル形成体、結合剤、および例えば風味も含んでもよい。
【0081】
エアロゾル形成たばこ基体は、たばこ材料、繊維、結合剤、およびエアロゾル形成体を含む、好ましくは捲縮したたばこシートであることが好ましい。たばこシートはキャストリーフであることが好ましい。キャストリーフは、たばこ粒子、繊維粒子、エアロゾル形成体、例えばグリセロールまたはプロピレングリコール、結合剤、および例えば風味も含むスラリーから形成されている再構成たばこの一形態である。
【0082】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0083】
実施例1:参照要素を備えるロッド状の物品を整列させるための設備であって、設備が、参照要素を備えるロッド状の物品を収容および搬送するためのコンベアと、ロッド状の物品をコンベア内に保持するための保持手段であって、ロッド状の物品の一時的な回転を可能にする保持手段と、参照要素の位置を検出することによって、ロッド状の物品の回転位置を検出するための検出装置と、物品の長軸方向軸の周りで、保持手段によって保持されたロッド状の物品を回転させる機械式位置決めユニットと、検出装置によって提供された、ロッド状の物品の参照要素の回転位置に関する情報を、機械式位置決めユニットのアクチュエータに送信するためのコントローラとを備え、アクチュエータが、機械式位置決めユニットによってロッド状の物品が長軸方向軸を中心にして検出位置から定義された位置に回転されるように、機械式位置決めユニットを起動するように適合されている、設備。
【0084】
実施例2:参照要素が、ロッド状の物品の中に配設されたサセプタバンド、またはロッド状の物品の外側に提供されたマーカーである、実施例1に記載の設備。
【0085】
実施例3:コンベアが、幾つかの丸溝を備える丸溝付きコンベアドラムであり、各丸溝がロッド状の物品を収容するためのものである、実施例1~2のいずれか一つに記載の設備。
【0086】
実施例4:定義された位置でロッド状の物品にマーカーを適用するためのマーキング装置を備える、実施例1~3のいずれか一つに記載の設備。
【0087】
実施例5:定義された位置でロッド状の物品を切断するための切断装置を備える、実施例1~4のいずれか一つに記載の設備。
【0088】
実施例6:切断装置が少なくとも一つの円形状切断ナイフを備える、実施例5に記載の設備。
【0089】
実施例7:切断装置が、相互に平行に配設された、または相互に連続して配設された、または相互に平行に配設および相互に連続して配設された一連の円形状切断ナイフを備える、実施例6に記載の設備。
【0090】
実施例8:参照要素がサセプタバンドであり、ロッド状の物品の定義された位置において、物品内のサセプタバンドが切断装置によって切断される角度が20度~70度であるように、切断装置が設備の中に位置付けられている、実施例5~7のいずれか一つに記載の設備。
【0091】
実施例9:保持手段が、コンベア内の座に適用可能な吸引手段を備える、実施例1~8のいずれか一つに記載の設備。
【0092】
実施例10:コンベアからある距離で、かつそれと平行に配設された案内要素を備える、実施例1~9のいずれか一つに記載の設備。
【0093】
実施例11:機械式位置決めユニットが、コンベア内に保持されたロッド状の物品に接触し、それを回転させるための移動ベルトを備える、実施例1~10のいずれか一つに記載の設備。
【0094】
実施例12:アクチュエータが、移動ベルトの速度、またはコンベアに至る移動ベルトの距離のうちの少なくとも一つを制御するように適合されている、実施例11に記載の設備。
【0095】
実施例13:機械式位置決めユニットが、コンベア内に保持されたロッド状の物品に接触し、圧力を加えるための直線的に移動可能な曲面を備える、実施例1~12のいずれか一つに記載の設備。
【0096】
実施例14:機械式位置決めユニットが、コンベア内に保持されたロッド状の物品を転がすための少なくとも一つの起動ローラーを備える、実施例1~13のいずれか一つに記載の設備。
【0097】
実施例15:少なくとも一つの起動ローラーがコンベア内に配設されている、実施例14に記載の設備。
【0098】
実施例16:少なくとも一つの起動ローラーが、コンベア内の座内の開口部に配設されている、実施例15に記載の設備。
【0099】
実施例17:機械式位置決めユニットが、幾つかのロッド状の物品を回転させるための複数の回転要素を備える、実施例1~11のいずれか一つに記載の設備。
【0100】
実施例18:複数の回転要素が、個別に回転可能な一連のレバーである、実施例17に記載の設備。
【0101】
実施例19:丸溝付きコンベアドラムの各丸溝が、位置決めユニットが開口部を通過して、丸溝に収容された物品を回転させるための開口部を備える、実施例3に記載の設備。
【0102】
実施例20:検出装置が、カメラ、X線検出装置、誘導検出装置、または赤外線センサーのうちのいずれか一つを備える、実施例1~19のいずれか一つに記載の設備。
【0103】
実施例21:コンベアの解放場所に配設された出力制御を備え、出力制御が、解放場所でのロッド状の物品内の参照要素の状態を検出して、検出された状態を品質仕様と比較するためのものであり、かつ機械式位置決めユニットのアクチュエータをトリガして機械式位置決めユニットを調整するためのものである、実施例1~20のいずれか一つに記載の設備。
【0104】
実施例22:出力制御が、ロッド状の物品の少なくとも一部分の画像を提供するなどのために配設されたカメラを備える、実施例21に記載の設備。
【0105】
実施例23:コンベアの移動速度を測定するための速度センサーを備え、速度センサーがコントローラに連結されている、実施例1~22のいずれか一つに記載の設備。
【0106】
実施例24:参照要素を備えるロッド状の物品を整列させる方法であって、方法が、参照要素を備えるロッド状の物品をコンベアの座内に受容することと、参照要素を備えるロッド状の物品を搬送および保持することと、ロッド状の物品を保持しながら、ロッド状の物品の参照要素の位置を検出することによって、ロッド状の物品の回転位置を検出することと、ロッド状の物品の参照要素の検出位置に関する情報を使用することと、機械式位置決めユニットによってロッド状の物品を物品の長軸方向軸を中心にして検出位置から定義された位置に機械的に回転させることとを含む方法。
【0107】
実施例25:方法であって、その方法においてロッド状の物品を一時的に解放して、ロッド状の物品が定義された位置に回転することを可能にし、次いでロッド状の物品を定義された位置に固定する、実施例24に記載の方法。
【0108】
実施例26:ロッド状の物品が、切断またはマーキングされる間、定義された位置に固定された状態に保たれる、実施例22に記載の方法。
【0109】
実施例27:方法であって、その方法においてロッド状の物品の少なくとも一部分の目視検査、ロッド状の物品の少なくとも一部のX線検査、誘導参照要素の誘導率測定、または物品内の誘導加熱された誘導参照要素の赤外線測定のうちのいずれか一つによって、参照要素の回転位置を検出する、実施例22~26のいずれか一つに記載の方法。
【0110】
実施例28:方法であって、その方法においてロッド状の物品を受容場所から検出場所に、位置決め場所に、および切断場所またはマーキング場所に搬送し、検出場所が受領場所にまたは受領場所の下流に配設されていて、位置決め場所が検出場所の下流に配設されていて、切断場所またはマーキング場所が位置決め場所の下流に配設されている、実施例22~27のいずれか一つに記載の方法。
【0111】
実施例29:切断場所またはマーキング場所の下流に配設されたさらなる検出場所およびさらなる切断場所を備える、実施例28に記載の方法。
【0112】
実施例30:最終的なロッド状の物品の参照要素の状態を検出し、欠陥のある参照要素を有する最終的なロッド状の物品を廃棄物として拒絶し、廃棄物が所定の廃棄物閾値を超える場合、最終的なロッド状の物品内の参照要素の検出された出力状態に関する情報を使用して、機械式位置決めユニットをトリガし、それによってロッド状の物品の回転を調整する出力制御をさらに備える、実施例22~28のいずれか一つに記載の方法。
【0113】
実施例31:方法であって、その方法においてロッド状の物品の搬送速度を測定し、搬送速度に応じて、ロッド状の物品の参照要素の回転位置の検出、または物品のその定義された位置への回転のうちの少なくとも一つを調整する、実施例22~30のいずれか一つに記載の方法。
【0114】
実施例32:方法であって、その方法においてロッド状の物品をその定義された位置で切断し、それによってサセプタバンドの形態の参照要素を20度~70度の切断角度で切断する、実施例26~31のいずれか一つに記載の方法。
【0115】
実施例33:方法であって、その方法において物品に加えられた吸引力によってロッド状の物品を保持する、実施例22~32のいずれか一つに記載の方法。
【0116】
実施例34:方法であって、その方法において移動ベルト、起動ローラー、または複数の回転要素によってロッド状の物品に接触することによって、ロッド状の物品を回転させる、実施例22~33のいずれか一つに記載の方法。
【0117】
実施例35:方法であって、その方法においてロッド状の物品を丸溝付きコンベアドラムの丸溝内で搬送する、実施例22~34のいずれか一つに記載の方法。
【0118】
実施例36:丸溝付きコンベアドラムの丸溝にロッド状の物品を連続的に提供して、ロッド状の物品のそれぞれを個別に検出し、物品の参照要素の検出された回転位置に従って、定義された位置に回転させる、実施例35に記載の方法。
【0119】
実施例37:ロッド状の物品がその後、検出装置によって検出され、その後、機械式位置決めユニットによって回転される、実施例36に記載の方法。
【0120】
実施例38:幾つかのロッド状の物品が同時に回転される、実施例36に記載の方法。
【0121】
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【0122】
図1は、サセプタバンド10の形態の参照要素を備えるロッド状のエアロゾル発生物品1の切開図を示す。連続的な平面状のサセプタバンド10は、連続的なエアロゾル形成基体11の中心に沿って配設されている。基体11は、均質化したたばこ材料のシートの集合体であってもよい。物品1は、ラッピング材料12、例えば紙ラッパーで巻かれている。物品1は、連続的なロッドから切断されていて、最終的な消耗品を作り出すためにその後、他のセグメントと組み合わせられる最終的なプラグの長さの倍数の長さを典型的に有する。最終的な消耗品は、サセプタバンド10、およびサセプタバンド10の近傍のエアロゾル形成基体11を誘導加熱することによるエアロゾル発生のための電子誘導加熱装置で使用されてもよい。
【0123】
通常、当初のロッドは、120mmの長さを有し、幾つかの切断工程によって10個のプラグへと切断され、各プラグはその後、12mmの長さを有する。
【0124】
図2において、切断される直前の物品1の詳細図を示す。物品1は、コンベアドラム2の丸溝21内に配設されている。コンベアドラムは、幾つかの個々の並列配設されたディスク23から組み立てられていて、それらの円周に丸溝21を形成する。ディスク23には、物品1を切断する時に、切断ナイフ33がディスク23の間に入るように、ディスク23の間にスリットが提供されている。丸溝21には、コンベアドラム2の内部と、コンベアドラム(ここには図示せず)の内部に配設された吸引装置と連通する貫通孔24が提供されている。物品1は、定義された最適位置に回転されていて、これはこの実施形態において、サセプタバンド10と切断ナイフ33の間の相対位置によって定義されている。
【0125】
サセプタバンドを備えるエアロゾル形成基体で作製されたプラグを備える消耗品の使用の効率に関する重要な点は、プラグ内部の長方形のサセプタバンドが、プラグの中央長軸方向軸に沿って配設されてプラグの中央にあることである。切断中、サセプタバンド10は移動、変形、損傷、または曲げられてはならない。サセプタバンドの形状およびプラグ内部のサセプタバンドの位置のこうした望ましくない改変は、最終的な消耗品の加熱を変化させ、エアロゾル形成基体の非効率性および廃棄物だけでなく、一貫性のない消耗品も作り出す。
【0126】
円形状ナイフ33によって実施される切断前のエアロゾル形成基体ロッド内部のサセプタバンドの向きは、切断の質に非常に大きい影響を及ぼすようである。
【0127】
効率的な切断を有するためのサセプタバンドの最も良好な向きは、およそ45度±5度の切断角度150であることが分かっている。こうした最適な位置は
図3において、詳細に示されている。
【0128】
物品1または物品内のサセプタバンド10の向きはそれぞれ、円形状ナイフ33がサセプタバンド10を切断し始める前に計算される。45度の切断角度150は、サセプタバンド10の平面を通過する直線100と円形状ナイフ33の円周121または外径の接線120との間の角度を考慮して計算される。
【0129】
図4の概要に示す通り、サセプタバンド10を備えるエアロゾル発生物品1、しかし場合によっては任意の他の参照要素を備えるロッド状の物品がホッパー4に提供されていて、これはコンベアドラム2の上方に配設されている。次いで、重力および吸引力を使用して、物品は受容場所において丸溝付きコンベアドラム2の丸溝21の中に供給されている。
【0130】
物品1は、コンベアドラム2の内部から丸溝に加えられた吸引力によって丸溝21に保持されている。
【0131】
物品1は、コンベアドラム2の回転(矢印22によって示されている)によって、その後の第一、第二、および第三の切断場所に搬送され、ここで物品は、回転している円形状ナイフ33によって横断方向に切断される。
【0132】
図4の実施形態において、切断は、三つの異なる切断ナイフ配設を使用して、三つの切断工程で実施される。第一の切断配設30において、例えば物品に二つの切断が施されていて、第二の切断配設31において、例えば三つの切断が施されていて、第三の最後の切断配設32において、例えば物品1に四つの切断が施されている。
【0133】
切断される前に、物品1は検出装置6を通過する。検出装置6は、参照要素の位置を検出し、参照要素の回転非対称によって、丸溝21内の物品の回転位置を検出する。ここで検出装置は、物品1内のサセプタバンド10の回転位置を検出する。検出装置は、検出装置6を通過する物品または幾つかの物品の画像を撮影するカメラであってもよい。
【0134】
切断装置3は、三つの切断配設30、31、32を備える。各切断配設は、共通の回転可能な切断シャフト300、310、320上に平行に配設されている少なくとも一つの、しかし好ましくは二つ以上の円形状ナイフ33を備える。三つの切断配設30、31、32は、コンベアドラム2の周囲および移動方向に沿って、続いて、かつ好ましくは等距離で配設されている。
【0135】
切断装置3は、案内要素5の中に組み込まれている。案内要素5は、コンベアドラム2の周囲と平行に配設された湾曲したプレートである。案内要素5は、切断または未切断の物品1が丸溝21から外れるのを防止する。案内要素5は、丸溝21の物品1を切断するために、切断ナイフ33がスリットを通過するためのスリットを備える。
【0136】
吸引力は、ホッパー4の下にのみ提供されてもよい。吸引力はまた、ホッパー4から案内要素5に提供されてもよい。
【0137】
図4で分かりうる通り、物品1はドラム2にランダムな回転方向の向きで供給されている。それ故に、物品1内のサセプタバンドまたは他の参照要素の向きもランダムである。このランダムなサセプタの向きは、サセプタバンドの不適切な切断(変位した、曲がった、または変形したサセプタバンド)に起因して、機械上で、例えば15パーセントを超える高い拒絶を発生する。加えて、サセプタバンドおよび切断角度の良好な向きは、円形状ナイフの寿命を延ばすのに役立つ。
【0138】
サセプタバンドの向きを、最適化された切断位置、すなわち定義された位置に変更するために、物品は、切断装置3の上流に配設された少なくとも一つの機械的位置ユニット(
図4に示さず)によって回転される。それによって、サセプタバンド10の実際の回転位置に関する情報が、機械式位置決めユニットと通信している検出装置6によって提供されている。
【0139】
設備には、最後の切断配設32の下流に配設された出力制御7がさらに提供されている。出力制御は、サセプタバンドの非効率な切断を検出する。出力制御7は、参照要素の状態、例えば最終的な切断された物品の回転位置を検出するために、例えばカメラまたは他の(好ましくは光学的)装置を備える。出力制御7は例えば、切断されたロッド状のエアロゾル発生物品1の少なくとも一つの端部分、または物品の両端、または切断された物品内のサセプタバンドの画像を提供してもよい。
【0140】
出力制御7は、
図5においてより詳細に示されている機械式位置決めユニットと通信している。参照要素の状態、例えば最終的な切断された物品内のサセプタバンドの形態または位置に関する情報は、欠陥のある物品または許容可能な物品を決定するために使用される。廃棄物閾値を超えた場合、この情報を使用して、機械式位置決めユニットのアクチュエータに作用し、エアロゾル発生物品の回転を定義された位置に調整する。
【0141】
出力制御7によって、切断プロセス全体の最終的な結果が制御され、機械式位置決めユニットを調整するために使用されてもよい。これは、切断された物品のなおさらなる改善、および廃棄物の低減をもたらす場合がある。出力制御7は、損傷または欠陥のある切断された物品1を排出するために、排出ユニット(図示せず)に情報を与える最終的な制御ユニットとして特異的にまたは追加的に使用されてもよい。
【0142】
図5において、二つの異なる機械式位置決めユニット90、91を備える簡略化された設備セットアップが示されている。
【0143】
参照要素を備える物品1は、コンベアドラム2上に提供されている。物品はコンベアドラム上で受容場所から検出場所に搬送され、ここで参照要素の位置は検出装置6によって検出される。物品1は、移動ベルト900を備える機械式位置決めユニット90にさらに搬送される。移動ベルトは、移動ベルトの下を通過する時に物品1に接触するように配設された無限ベルトである。移動ベルト900は、起動ローラー901によって移動される。移動ベルトは、矢印で示されている前後方向に移動可能であることが好ましい。移動ベルト900はまた、単一の方向にのみ移動可能であってもよい。物品1は、摩擦力によって、およびコンベア2とベルト900の移動速度の差によって回転するように作製されている。
【0144】
一部の実施形態において、位置決めユニット90を半径方向に移動することによって、移動ベルトが物品に接触する持続時間、または移動ベルト900によって物品に作用する力を変更することが可能である。
【0145】
参照要素の位置、およびコンベアドラム2上の物品1の回転位置に関する検出装置6からの情報は、コントローラ8に提供される。コントローラ8において、検出装置6からの情報を使用して、機械式位置決めユニット90またはそのアクチベータの動作を計算する。コントローラ8は、機械式位置決めユニット90を通過する物品がその定義された位置に回転されるように、起動ローラー901に応分の情報を提供して、移動ベルト900を移動する。
【0146】
図示の目的で、直線的に移動可能な曲面910を備える機械式位置決めユニット91の第二の実施形態が、同じ設備内に図示されている。曲面910は、物品が表面910を通過する時に物品に接触するように適合されている。曲面と物品の間の摩擦力は、物品がコンベアドラム2上を移動する時に、物品を回転させ、その一方で曲面910は静止状態である。曲面910は、半径方向にコンベア2から離れておよびコンベアに向かって直線的に移動可能である。曲面910による接触持続時間および加圧力によって、物品1の回転の程度が定義されてもよい。応分の動作情報が、コントローラ8から受信される。
【0147】
物品1を切断するために最適化された定義された位置にある物品は、切断場所にさらに搬送され、ここで切断ナイフ33によって切断される。
【0148】
設備には、出力制御7(例えば位置決めおよび切断プロセスの結果を検出するカメラ)が提供されてもよい。出力制御7はコントローラ8と通信している。欠陥のある物品、例えば不明確または不正確な切断の出力制御の任意の情報は、コントローラに提供されて、廃棄物の分別のために、および場合によっては位置決めユニット90、91の調整のために使用される。
【0149】
簡略化の理由から、コンベア2上に物品を保持する任意の案内要素は、
図5において省略されている。機械式位置決めユニット90、91ならびに切断ナイフ33は、こうした案内要素上に配設されてもよく、またはこうした案内要素に組み込まれてもよい。案内要素には、機械式位置決めユニット90、91が案内要素を通過するための応分の開口部が提供されている。
【0150】
図6および
図7において、コンベアドラム2の丸溝21内で幾つかのロッド状の物品1を同時に回転している機械式位置決めユニット92が示されている。機械式位置決めユニット92は、相互に面しているコンベア2の両側に配設された二つのディスク形状カムチャンバ93を備える。幾つかのレバー94(ここでは12個のレバー)は、カムチャンバ93の内周上に等距離で配設されている。各レバー94には、物品の対向する端に接触するために、物品の長軸方向軸の軸方向に、内側を向く接触突出部96が提供されている。
【0151】
各レバー94には、物品が接触突出部96と接触している時に物品を回転させるための駆動要素95(例えば小型モーター)が提供されている。駆動要素95は、90度の最大回転を可能にすることが好ましい。駆動要素95は、検出装置6からの情報に従ってコントローラ8によって動作される。
【0152】
各レバー94は、カムチャンバ93に配設されたカムプロファイルによって駆動される。カムプロファイルは、接触突起部96がドラム(凹曲線)上の物品1に従うことができるように、レバー94を回転させることを可能にする。加えて、各レバー94は、最小圧力を物品の端に加えて、駆動要素95による物品の回転を可能にするために、カムプロファイルに従って軸方向に移動することができる。
【0153】
図6および
図7の実施形態において、四つの物品が同時に回転されている一方で、各物品は、その駆動要素95によって個別に回転されてもよい。
【0154】
図面に示された実施例は主に、参照要素がサセプタバンドである実施形態である。しかしながら、参照要素は、例えば物品の片側上のみの印刷形態、局所レーザー穿孔、または類似のものなどのマーカーとして、異なるように実現されてもよい。加えて、物品の位置決めは、最適な切断位置を考慮して記載されている。しかしながら、位置決めはまた、例えば物品のマーキングのために実施されてもよい。加えて、位置決めはまた、コンベアドラム上の単一のアクションとして実施されてもよく、その一方で物品のさらなる取り扱いプロセスが、物品の正確な位置を必要とする製造ラインのさらに下流で実施される。
【0155】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字AはA±2%として理解される。この文脈内で、数字Aは、数字Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用される通りの一部の場合において、Aが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
【国際調査報告】