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特表2024-512090ロッド状のエアロゾル発生物品を整列させるための設備および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】ロッド状のエアロゾル発生物品を整列させるための設備および方法
(51)【国際特許分類】
   A24C 5/32 20060101AFI20240311BHJP
   A24C 5/01 20200101ALI20240311BHJP
   A24C 5/34 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
A24C5/32
A24C5/01
A24C5/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559729
(86)(22)【出願日】2022-03-28
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 EP2022058076
(87)【国際公開番号】W WO2022207540
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】21165558.4
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】エルビ エフィシオ
【テーマコード(参考)】
4B144
【Fターム(参考)】
4B144CB35
4B144CB36
4B144CB42
4B144CF06
4B144CL01
4B144CL07
4B144CM01
4B144CM14
(57)【要約】
サセプタバンド(10)を備えるロッド状のエアロゾル発生物品(1)を整列させるための設備および方法。設備は、サセプタバンド(10)を備えるエアロゾル発生物品(1)を収容および搬送するためのコンベア(2)と、エアロゾル発生物品(1)をコンベア(2)内に保持するための保持手段とを備え、保持手段は、エアロゾル発生物品(1)の一時的な回転を可能にするように適合されている。設備は、保持手段によって保持されたエアロゾル発生物品(1)を物品の長軸方向軸を中心にして、定義された位置に回転させるための磁気式位置決めユニット(6)と、エアロゾル発生物品(1)を定義された位置で切断するための切断装置(3)とをさらに備え、磁気式位置決めユニットは少なくとも一つの回転可能な磁気シャフト(61)を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サセプタバンドを備えるロッド状のエアロゾル発生物品を整列させるための設備であって、
サセプタバンドを備えるエアロゾル発生物品を収容および搬送するためのコンベアと、
前記エアロゾル発生物品を前記コンベア内に保持するための保持手段であって、前記エアロゾル発生物品の一時的な回転を可能にするように適合された保持手段と、
前記保持手段によって保持された前記エアロゾル発生物品を前記物品の長軸方向軸を中心にして、定義された位置に回転させるための磁気式位置決めユニットと、
前記定義された位置で前記エアロゾル発生物品を切断するための切断装置と、を備え、
前記磁気式位置決めユニットが、少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトを備える、設備。
【請求項2】
前記少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトが直径方向に磁化されている、請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトが、前記エアロゾル発生物品を切断するために少なくとも一つのスリットを通過する前記切断装置の部分のために、前記少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトの長軸方向回転軸の周りに円周方向に延びる前記少なくとも一つのスリットを備えるロッドの形態を有する、請求項1~2のいずれか一項に記載の設備。
【請求項4】
前記少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトの長軸方向回転軸が、前記コンベア内の座の長軸方向軸と平行に配設されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の設備。
【請求項5】
エアロゾル発生物品が前記コンベアから落下するのを防止するために、前記コンベアからある距離で、かつそれと平行に配設された案内要素を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の設備。
【請求項6】
前記磁気式位置決めユニットが前記案内要素上に据え付けられている、請求項5に記載の設備。
【請求項7】
前記切断装置が前記案内要素上に据え付けられている、請求項5~6のいずれか一項に記載の設備。
【請求項8】
前記切断装置が少なくとも一つの円形状切断ナイフを備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の設備。
【請求項9】
相互に連続して配設された幾つかの回転可能な磁気シャフトを備え、回転可能な磁気シャフトが円形状切断ナイフの上流に配設されている、請求項8に記載の設備。
【請求項10】
前記磁気式位置決めユニットが永久磁石を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の設備。
【請求項11】
前記コンベアが、幾つかの丸溝を備える丸溝付きコンベアドラムであり、各丸溝がエアロゾル発生物品を収容するためのものである、請求項1~10のいずれか一項に記載の設備。
【請求項12】
前記少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトの長軸方向回転軸が、前記丸溝付きコンベアドラムの前記丸溝と平行に配設されている、請求項11に記載の設備。
【請求項13】
切断されたエアロゾル発生物品内の前記サセプタバンドの状態を検出するために、前記検出された状態を品質仕様と比較するために、前記品質仕様を満たさない場合、切断されたエアロゾル発生物品を廃棄物として拒絶するために、かつ前記拒絶された切断エアロゾル発生物品が、所定の廃棄物閾値を超える場合、前記少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトを調整するための前記磁気式位置決めユニットをトリガするために、出力制御を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の設備。
【請求項14】
サセプタバンドを備えるロッド状のエアロゾル発生物品を整列させるための方法であって、
コンベアの座内にサセプタバンドを備えるエアロゾル発生物品を受容することと、
前記エアロゾル発生物品を前記コンベアの前記座内で搬送および保持することと、
回転可能な磁気シャフトを備える磁気式位置決めユニットによって、前記エアロゾル発生物品を前記物品の長軸方向軸を中心にして、定義された位置に無接触回転させることと、前記定義された位置で前記エアロゾル発生物品を切断し、それによって20度~70度の切断角度にて前記サセプタバンドを切断することと、を含む、方法。
【請求項15】
最終的な切断されたエアロゾル発生物品内の前記サセプタバンドの状態を検出する出力制御をさらに備え、
欠陥のあるサセプタバンドを有する最終な切断されたエアロゾル発生物品を廃棄物として拒絶することと、
前記廃棄物が所定の廃棄物閾値を超える場合、前記切断されたエアロゾル発生物品内の前記サセプタバンドの検出された出力条件に関する情報を使用して、前記回転可能な磁気シャフトを回転させ、かつそれによって前記エアロゾル発生の回転を調整することと、を含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サセプタバンドを備えるロッド状のエアロゾル発生物品を整列させるための設備および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
誘導加熱を使用する電子加熱非燃焼式装置において、ロッド状の消耗品は、サセプタバンドの近傍のエアロゾル形成基体を加熱するための、交番磁場によって誘導加熱されるサセプタバンドを備える。消耗品を製造する際に、連続的なサセプタバンドはエアロゾル形成基体の中に挿入される。連続的なロッドが形成され、その後個々のセグメントへと切断され、このセグメントは、他のセグメントと組み合わせられて、誘導加熱装置で使用される消耗品を形成する。
【0003】
ロッドにおいて、サセプタバンドは中央に割り当てられるべきである。サセプタバンドは、切断プロセスによって損傷または変形されるべきではない。サセプタの場所と完全性の両方は、加熱効率、温度分布を変化させる場合があり、または消耗品の性能の一貫性の欠如につながる場合がある。
【0004】
ロッドを切断するために、ロッドをコンベアドラムの丸溝の中に定置して、円形状ナイフで切断してもよい。しかしながら、ロッドは典型的に、マスフロー、例えばホッパーからコンベアドラムに来るため、コンベヤドラム上のロッドの位置はランダムであり、そのためコンベアドラムの軸に対するロッド内部のサセプタバンドの回転位置はランダムである。その結果として、サセプタバンドが円形状ナイフによって切断される切断角度はランダムである。
【0005】
欧州特許公開第EP 3461352号から、たばこ加工産業の物品を回転させて、これによって物品内の磁気バンドがすべて、その丸溝に対して同じ垂直または水平位置を有することが知られている。磁気バンドは、物品内の磁気バンドと相互作用する磁化装置によって回転される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ロッド状の物品を磁気的手段によって整列するための設備および方法であって、物品内のサセプタバンドの回転位置が、すべての物品に対して定義されていて、かつ物品を切断するために最適化されている設備および方法を提供することが望ましいことになる。具体的に、単純なセットアップを有するこうした設備および方法を有することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、サセプタバンドを備えるロッド状のエアロゾル発生物品を整列させるための設備が提供されている。設備は、サセプタバンドを備えるエアロゾル発生物品を収容および搬送するためのコンベアと、エアロゾル発生物品をコンベア内に保持するための保持手段とを備え、保持手段は、エアロゾル発生物品の一時的な回転を可能にするように適合されている。設備は、保持手段によって保持されたエアロゾル発生物品を物品の長軸方向軸を中心にして、定義された位置に回転させるための磁気式位置決めユニットと、定義された位置でエアロゾル発生物品を切断するための切断装置とをさらに備え、磁気式位置決めユニットは少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】サセプタバンドを備えるエアロゾル発生物品の斜視切開図を示す。
図2】丸溝付きコンベアドラム上のロッド状の物品の切断プロセスを概略的に示す。
図3】磁気式位置決めユニットを用いた切断プロセスを示す。
図4】組み込まれた磁気シャフトを有する案内要素の斜視図を示す。
図5】磁気シャフトの概略断面を示す。
図6】磁気シャフトおよびエアロゾル発生物品の異なる相対的な向きを示す。
図7】磁気シャフトおよびエアロゾル発生物品の異なる相対的な向きを示す。
図8】切断位置にあるエアロゾル発生物品の詳細図を示す。
図9】切断されているエアロゾル発生物品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
エアロゾル発生物品はコンベアで搬送される。コンベアは保持手段を備えることが好ましい。保持手段は、コンベアの中に組み込まれてもよい。物品は、コンベア内で、例えば受容場所から、下流に配設された磁気式位置決めユニットに搬送される間、保持手段によって保持されている。
【0010】
例えば、別のセグメントとのサセプタバンドの特定の相互の相対的な位置が望ましい、または必須である、他のセグメントとの組み立てのために、切断または別段の加工をされるべきサセプタバンドを備える物品において、サセプタバンドの位置は、すべての物品について定義されていて、かつ一貫しているべきである。例えば、物品内のサセプタバンドのランダムな向きは、不規則な切断、サセプタの変形、または切断ナイフの寿命の低減にさえもつながる場合があることが分かっている。それ故に、物品を切断する前に、物品の最適化された回転位置決めを達成するために、磁気式位置決めユニットがエアロゾル発生物品内のサセプタバンドと相互作用することは有益である場合がある。サセプタバンドに作用する磁気式位置決めユニットの磁気力によって、物品は、物品内のサセプタバンドの回転位置が、定義された位置に対応するまで、その長軸方向軸を中心に回転される。磁気式位置決めユニットの使用は、磁気式位置決めユニットが、サセプタバンドの元の回転位置と関係なく、サセプタバンドと相互作用するため、有利である。加えられた磁気力は、サセプタバンドを回転させ、磁力線と整列させる。回転可能な磁気シャフトを備える磁気式位置決めユニットは、物品の定義された位置が、切断装置に対するサセプタバンドの最適化された切断角に対応するように配設されている。
【0011】
要するに、磁気式位置決め装置の磁気力は、物品内のサセプタバンドに連結されている。必要とされる場合、サセプタバンドと、サセプタバンドを有する物品とを回転させるために、磁気シャフトを回転させる。本発明は、磁場の不均質性を使用して、磁気シャフトの磁力線に対するサセプタバンドの元の位置に基づいて、サセプタバンドを所望の位置に回転させる。磁気シャフトのこの調整可能な回転配向によって、切断装置に対するサセプタバンドの任意の整列が実現される場合がある。
【0012】
切断ナイフに対するサセプタバンドの相対的な位置は、切断の品質に大きい影響を及ぼすことが分かっている。ロッド状の物品のきれいな切断のために、切断ナイフの平面とロッド状の物品の長軸方向軸とは、相互に直角を成すべきであることが一般的に認識されている。また、サセプタバンドと切断刃の間の最適化された切断角が、切断の品質だけでなく、切断ナイフの寿命も改善することも分かっている。
【0013】
エアロゾル発生物品の定義された位置において、物品内のサセプタバンドが切断装置によって切断される切断角度は、90度より小さいことが好ましく、20度~70度であることが好ましい。切断角度は、30度~60度、例えば45度プラスまたはマイナス5度であることがより好ましい。
【0014】
切断角は、切断装置がサセプタバンドを切断し始める瞬間での、サセプタバンドの平面と切断装置の切れ刃の位置との間で定義される。切断装置が直線的なナイフである場合、切断角度は、サセプタバンドの平面と直線的なナイフの真っ直ぐな切れ刃との間で定義される。切断装置が回転切断ナイフである場合には、切断角は、切れ刃がサセプタバンドを切断し始める瞬間での、サセプタバンドの平面と回転切断ナイフの切れ刃の接線との間で定義される。
【0015】
少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトは、直径方向に磁化されることが好ましい。それ故に、磁極は磁気シャフトの長さに沿って延びる。磁極は各々、磁気シャフトの半分にわたって延びることが好ましい。
【0016】
少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトはロッドの形態を有することが好ましい。磁気シャフトの長手で対称的な形態は、ロッド状の物品の長さ、好ましくは全長にわたって一貫して作用するために有利である。ロッドの形態の回転可能な磁気シャフトは、少なくとも一つのスリットを備えてもよい。スリットは、切断装置の部品が少なくとも一つのスリットを通過してエアロゾル発生物品を切断するために、少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトの長軸方向回転軸の周りを円周方向に延びる。スリットは、切断ナイフがスリットを通過するように意図されている。これによって、切断される物品の近くに切断装置を位置付けることができる。それ故に、切断装置および磁気式位置決めユニットの構造は、非常にコンパクトに保たれる場合がある。加えて、物品の位置決めは、物品を切断する直前に発生してもよく、これによって物品は、定義された位置から不注意によって変位される前に切断されてもよい。
【0017】
磁気シャフトは、最適化された回転位置にシャフトをもたらすように回転可能であり、これによってサセプタバンドとの相互作用は、物品の最適化された回転位置と、サセプタに対する最適化された切断角とにつながる。磁気シャフトの回転可能性が、実行中の整列プロセス中に磁気シャフトの回転位置の調整を可能にすることが好ましい。例えば、磁気シャフトの回転可能性は、実行中のプロセス中に微調整を可能にする、または設備のランプアップ中など、位置決めプロセスの開始中に調整を可能にすることが好ましい。以下により詳細に記述する通り、少なくとも一つの、または好ましくは幾つかの磁気シャフトに対する適切なプロセス制御およびアクチュエータが提供されてもよい。
【0018】
少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトの長軸方向回転軸は、コンベア上に保持される物品の長軸方向軸と平行に配設されていることが好ましい。それ故に、少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトの回転軸は、コンベア内の座の長軸方向軸と平行に配設されていることが好ましい。回転可能な磁気シャフトは、好ましくは回転可能な磁気シャフトがそれに応じて物品の全長にわたって延びてもよいように、コンベアの幅、好ましくは幅全体にわたって延びるように配設されてもよい。
【0019】
典型的に、少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトの回転軸は、コンベアの移動方向と垂直に配設されていて、物品の長軸方向軸も、コンベアの移動方向と垂直に配設されている。
【0020】
設備は、エアロゾル発生物品がコンベアから落下するのを防止するために、コンベアからある距離で、かつそれと平行に配設された案内要素を備えることが好ましい。案内要素はまた、物品がコンベア内で、次の座または丸溝の中に滑ることを防止する場合がある。案内要素は保持手段の一部であってもよい。案内要素は、コンベア内の物品を案内要素の下方に通すことを可能にするように、ただし物品をコンベア内に、例えばコンベアドラムの丸溝内に保つように配設かつ構築されている。
【0021】
本発明の設備において、磁気式位置決めユニットは、コンベアの外部に配設されている。磁気式位置決めユニットは、コンベアの完全に外部に配設されていることが好ましい。コンベアに対する磁気式位置決めユニットの外部位置は、コンベアの構造、およびコンベアと磁気式位置決めユニットとの相互作用を単純化する場合がある。例えば、位置決めユニットは、完全に静止して、かつコンベアの形態または構造と無関係に配設されてもよい。
【0022】
本発明の一部の実施形態において、磁気式位置決めユニットまたは少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトは、案内要素上に据え付けられてもよい。磁気式位置決めユニット全体は、案内要素上に据え付けられていることが好ましい。
【0023】
切断装置はまた、案内要素上に据え付けられてもよい。磁気式位置決めユニット、または切断装置、または磁気式位置決めユニットと切断装置の両方を案内要素上に据え付けるなど、設備の異なる構成要素を組み合わせることによって、設備のコンパクトでスペースを取らない構造を達成してもよい。
【0024】
設備は、エアロゾル発生物品を切断するための切断装置を備える。切断装置は、磁気式位置決めユニットの下流に配設されている。この配設は、エアロゾル発生物品が、切断装置によって切断される前に、定義された位置に位置付けられていることを確実にする場合がある。物品は、真っ直ぐな切れ刃を有するナイフ、または円形の切れ刃を有するナイフによって切断されてもよい。切断装置は、少なくとも一つの円形状切断ナイフを備えることが好ましい。一部の実施形態において、切断装置は、幾つかの切断ナイフ、好ましくは幾つかの円形状切断ナイフを備える。
【0025】
切断装置は、一連の円形状切断ナイフを備えることが好ましい。一連の円形状切断ナイフは、相互に平行に配設されてもよい。一連の円形状切断ナイフは、相互に連続して配設されてもよい。一連の切断ナイフは、相互にオフセットして連続して、および相互に平行に配設されてもよい。ロッド状のエアロゾル発生物品の典型的な切断プロセスにおいて、ロッドは並列で1回、2回、または3回同時に切断される。切断されたロッドは、さらに下流に搬送され、好ましくは切断された物品が望ましい長さを有するまで、さらなる切断ナイフによって再度(好ましくは数回)切断されることが好ましい。望ましい長さは、消耗品のセグメントとして使用される物品の最終的な長さであってもよい。所望の長さは、製造ラインのさらに下流に、例えば所望の長さを有する物品が他のセグメントに取り付けられた後、さらなる切断工程がある場合があるため、最終的な長さよりも長い長さであってもよい。
【0026】
設備は、相互に連続して配設された幾つかの回転可能な磁気シャフトを備え、回転可能な磁気シャフトは円形状切断ナイフの上流に配設されていることが好ましい。相互に連続して配設された幾つかの回転可能な磁気シャフトを有することによって、ロッド状のエアロゾル発生物品は、後続の切断工程で切断される前に、定義された位置に正しく位置付けられてもよい。例えば、物品は、切断工程によってわずかに変位していてもよく、またはサセプタバンドは、切断される物品の長さに沿って物品内に不規則に位置付けられていてもよい。物品または切断された物品の更新された位置決めによって、好ましくはその後の各切断工程の前に、設備内でサセプタバンドの欠陥のある切断によって生じる場合がある廃棄物の量が減少する場合がある。
【0027】
幾つかの回転可能な磁気シャフトの各回転可能な磁気シャフトは、一連の円形状切断ナイフのうちの異なる円形状切断ナイフに割り当てられていることが好ましい。
【0028】
磁気式位置決めユニットのこうした配設によって、サセプタバンドの向きの検出のための視覚的またはその他の検出システムは、切断の上流でも、その後の切断工程の間でも必要とされない。
【0029】
幾つかの回転可能な磁気シャフトのすべては、直径方向に磁化されることが好ましい。
【0030】
幾つかの回転可能な磁気シャフトのすべては、スリットを備えるロッドの形態を有し、スリットは、幾つかの回転可能な磁気シャフトの長軸方向軸の周りで円周方向に延びることが好ましい。スリットは、相互から等しく距離を置いていることが好ましい。
【0031】
磁気式位置決めユニットは、永久磁石または電磁石を備えてもよい。磁気式位置決めユニットは永久磁石のみを備えることが好ましい。永久磁石は、そうでなければ電磁石を動作させるために必要とされる電源とは無関係であるため、有利である。
【0032】
コンベアは、好ましくはロッド状のエアロゾル発生物品を座内に収容するための幾つかの座を備える、コンベアバンドまたはコンベアドラムであってもよい。
【0033】
座を有するコンベアは、物品を受容場所(ここで物品はコンベアの座内に受容されていて、かつ保持手段によってその中に保持されている)から、さらに下流に位置する位置決め場所および切断場所に個別にかつ安全に搬送してもよい。
【0034】
好ましくは、コンベアは、幾つかの丸溝を備える丸溝付きコンベアドラムであり、各丸溝はエアロゾル発生物品を収容するためのものである。典型的に、エアロゾル発生物品は、半完成製品、および構成要素、または複数の構成要素の消耗品である。コンベアドラムの回転を通して、物品は、安全でスペースを取らない様態で、コンベアドラムの周囲に沿って異なる場所に搬送されてもよい。
【0035】
少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトの回転軸は、丸溝付きコンベアドラムの丸溝と平行に配設されていることが好ましい。
【0036】
保持手段は吸引手段を備えることが好ましい。吸引手段は、エアロゾル発生物品を収容するための座である、コンベア内の座に適用可能であることが好ましい。保持手段は、エアロゾル発生物品の一時的な回転を可能にするように設計されていることが好ましい。これは、例えば物品を回転させる間の吸引力を低減することによって、または物品が回転される場所において吸引力を妨げることによって、達成されてもよい。
【0037】
設備は、切断されたエアロゾル発生物品内のサセプタバンドの状態を検出するために、検出された状態を品質仕様と比較するために、品質仕様を満たさない場合、切断されたエアロゾル発生物品を廃棄物として拒絶するために、かつ拒絶された切断エアロゾル発生物品が、所定の廃棄物閾値を超える場合、少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトを調整するための磁気式位置決めユニットをトリガするために、出力制御を備えてもよい。
【0038】
出力制御によって、切断プロセス全体の最終的な結果は、磁気式位置決めユニットを調整するために制御および使用されてもよい。これは、切断された物品のなおさらなる改善、および廃棄物の低減をもたらす場合がある。
【0039】
切断された物品内のサセプタバンドの状態は、許容され、かつ廃棄物として拒絶されないために、所定の品質仕様を満たさなければならない。
【0040】
出力制御は、例えば切断されたエアロゾル発生物品内のサセプタバンドの回転位置、または物品内のサセプタバンドの絶対的な位置を検出してもよい。例えば、出力制御は、物品の中心から外れた、ロッド状の物品の周囲の方向でのサセプタバンドの変位を検出してもよい。出力制御はまた、例えばサセプタバンドが変形した(例えば曲がった)形状を有する場合、サセプタバンドの形態も検出してもよい。これらのパラメータは、許容されるために、ある特定の所定の閾値内でなければならない。所定の閾値を超える場合、物品は、所定の品質仕様を満たしていないとして検出され、物品は廃棄物として拒絶される。
【0041】
出力制御は、品質仕様を満たさないサセプタバンドの状態を含む欠陥のある物品を拒絶する拒絶システムを備えることが好ましい。
【0042】
廃棄物比(欠陥のある物品と供された物品との比)が所定の廃棄物閾値を超える場合、少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトを調整するために、出力制御によってサセプタバンドの状態について検出された情報を使用して磁気式位置決めユニットをトリガする。出力制御は例えば、切断されたロッド状のエアロゾル発生物品の少なくとも一つの端の画像を提供するなどのために配設されたカメラを備えてもよい。カメラは、切断された物品内のサセプタバンドの形態および位置を検出してもよい。これは、切断された物品内のサセプタバンドの所定のパラメータと比較されてもよい。検出されたパラメータのうちのいずれか一つが、事前設定された品質仕様から外れている場合、欠陥のある物品は廃棄物として拒絶される。この廃棄物に対する廃棄物閾値は、廃棄物を低減するために、少なくとも一つの磁気シャフトの調整をトリガするために設定されていることが好ましい。切断プロセス全体に対する許容される廃棄物は、例えば1パーセントであってもよい。廃棄物が増加し、この1パーセントの閾値を超える場合、廃棄物を低減するために、磁気シャフト調整がトリガされる。
【0043】
磁気式位置決めユニットは、少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトを回転させるためのアクチュエータを備えてもよい。磁気式位置決めユニットは、幾つかの回転可能な磁気シャフトを回転させるための幾つかのアクチュエータを備えてもよい。幾つかの回転可能な磁気シャフトの各々は、幾つかの回転可能な磁気シャフトの一つずつを個別に回転させるためのアクチュエータを備えることが好ましい。
【0044】
回転可能な磁気シャフトは、サセプタに対して最適化された切断角が、磁気シャフトの段階的な調整によって達成されうるように、物品の回転位置およびそれに応じて物品内のサセプタ角度を動的に調整することを可能にする。これは、多くの点で有利である。例えば、物品は、搬送中または以前の切断工程中に変位される場合があり、これによってコンベアの中に供給された時に切断されていなかった物品内のサセプタバンドの初期位置が、切断される前にサセプタバンドの実際の位置にもはや対応しない場合がある。別の例は、サセプタバンドの平面の位置が、物品の長さにわたって同一ではない場合があることでありうる。それ故に、サセプタバンドの位置が、切断されていない物品の端でのみ測定される場合、これは、例えば切断されていない物品の真ん中から切断された場合など、切断された物品内のサセプタバンドの位置に対応しない場合がある。また別の実施例は、コンベアがまだその最終的な動作速度に達していなく、またコンベアによって受容されている、かつコンベア上で切断されている間に、物品の搬送速度が変化する、切断プロセスのランプアップである場合がある。切断中に概して、円形状ナイフによってロッド上に加えられる小さいスピニング効果がある。このロッドのスピンは、ロッドを切断するために必要な時間に関連するため、それ故に機械のランプアップ中に、機械の加速を補償することができるように調整可能な切断角度を有することが好ましい。
【0045】
設備は、コンベアの移動速度を測定するための速度センサーを備えてもよい。速度センサーは、磁気式位置決めユニットを制御するコントローラに連結されていることが好ましい。
【0046】
本発明によると、サセプタバンドを備えるロッド状のエアロゾル発生物品を整列させるための方法も提供されている。方法は、サセプタバンドを備えるエアロゾル発生物品をコンベアの座内に受容することと、エアロゾル発生物品をコンベアの座内で搬送および保持することと、回転可能な磁気シャフトを備える磁気式位置決めユニットによって、エアロゾル発生物品を物品の長軸方向軸を中心にして、所定の位置に無接触回転させることとを含む。本方法は、定義された位置でエアロゾル発生物品を切断することであって、それによって20度~70度、好ましくは30度~60度、例えば45プラスまたはマイナス5度の切断角度にてサセプタバンドを切断することをさらに含む。
【0047】
方法は、エアロゾル発生物品を一時的に解放して、エアロゾル発生物品が定義された位置に回転することを可能にし、次いでエアロゾル発生物品を定義された位置で固定することを含む。
【0048】
物品を保持すること、および回転することは、物品を回転させる力が保持する力に打ち勝つ場合、同時に実施されてもよい。物品を保持することは、物品を回転させるために低減されている、または妨げられていることが好ましい。例えば、物品に加えられた吸引力は、物品の回転を可能にするために一時的に低減されてもよい。加えられた吸引力はまた、物品を解放するために一時的に妨げられてもよい。しかしながら、本発明の一部の実施形態において、保持手段自体でさえも変更されてもよく、例えば物品に加えられた吸引力から、好ましくは物品の回転と干渉することなく、物品がその座から外れるのを防止するために提供されている保持面または案内要素に切り替えてもよい。物品がその長軸方向軸を中心にして、その定義された位置に回転された時に、物品は、例えば物品へと吸引力を加えることによって、さらなる処理工程のために定義された位置に固定されていることが好ましい。
【0049】
本方法は、エアロゾル発生物品を定義された位置に固定することと、エアロゾル発生物品を切断することとを含むことが好ましい。固定することは、定義された位置にて切断を実施することを可能とする。それ故に、物品は、切断の前および切断中に、定義された位置に保たれている。物品のさらなる処理に応じて、物品はまた、切断後、定義された位置に保たれてもよい。
【0050】
本方法は、コンベア外部の回転可能な磁気シャフトを備える磁気式位置決めユニットを配設することを含むことが好ましい。
【0051】
方法は典型的に、物品がコンベア上で受容されている受容場所から、物品の回転位置決めが実施される位置決め場所に、および物品が切断される切断場所にエアロゾル発生物品を搬送することを含み、位置決め場所は、受容場所の下流に配設されていて、また切断場所は、位置決め場所の下流に配設されている。
【0052】
方法は少なくとも、切断場所の下流に配設されたさらなる切断場所を備えてもよい。物品は、既に上述の通り、同じ切断工程、および幾つかの後続の切断工程で、幾つかのセグメントへと切断されてもよい。
【0053】
幾つかの後続の切断工程が提供されている場合、方法は、切断場所の各々および少なくとも一つのさらなる切断場所の上流の定義された位置にエアロゾル発生物品を回転させることを含むことが好ましい。回転可能な磁気シャフトは、切断場所の各々およびさらなる切断場所の上流に提供されてもよい。これは、物品が切断される、または再度切断される直前に、定義された位置からの物品内のサセプタバンドの回転位置の何らかの逸脱が調整される場合があるので有利である。
【0054】
方法は、コンベアと平行に配設された案内要素を提供することであって、案内要素がコンベアからのエアロゾル発生物品の落下を防止する、案内要素を提供することと、磁気式位置決めユニットを案内要素上に据え付けることとを含むことが好ましい。
【0055】
方法は、エアロゾル発生物品を丸溝付きコンベアドラムの丸溝内で搬送することを含むことが好ましい。丸溝付きコンベアドラムを使用する時に、方法は、エアロゾル発生物品を丸溝付きコンベアドラムの丸溝に連続的に提供することを含むことが好ましい。
【0056】
方法は、エアロゾル発生物品の各々を、定義された位置に個別に回転させることをさらに含むことが好ましい。幾つかのエアロゾル発生物品は、同時に回転されてもよい。
【0057】
方法は、エアロゾル発生物品の搬送速度に応じて、回転可能なシャフトの回転を適合させることを含んでもよい。
【0058】
方法は、物品に加えられた吸引力によってコンベアドラム上にエアロゾル発生物品を保持することを含むことが好ましい。
【0059】
方法は、最終的な切断されたエアロゾル発生物品内のサセプタバンドの状態を検出する、かつ欠陥のあるサセプタバンドを有する最終的な切断されたエアロゾル発生物品を廃棄物として拒絶する出力制御をさらに含んでもよい。廃棄物が所定の廃棄物閾値を超える場合、方法は、切断されたエアロゾル発生物品内のサセプタバンドの検出された出力条件に関する情報を使用して、回転可能な磁気シャフトを回転させ、それによってエアロゾル発生物品の回転を調整することを含む。
【0060】
それ故に、任意の欠陥物品、それ故にサセプタバンドの検出された状態が所定の品質仕様を満たさない任意の物品は、廃棄物として拒絶されていることが好ましい一方で、磁気式位置決めユニットの調整は、廃棄物比が所定の廃棄物閾値を超える時にのみ初期化されていることが好ましい。
【0061】
本明細書で使用される「サセプタ」という用語は、電磁エネルギーを熱に変換する能力を有する材料を指す。交流電磁場内に位置する時、典型的に渦電流が誘導され、またサセプタの中でヒステリシス損失が生じ、サセプタの加熱を生じさせる場合がある。サセプタは、エアロゾル形成基体と熱的に接触する状態で位置しているため、エアロゾル形成基体はサセプタによって加熱され、基体からエアロゾル形成物質を放出する。
【0062】
サセプタは、エアロゾル形成基体から材料を放出するのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタは、金属または炭素を含む。好ましいサセプタは、鉄材料または強磁性材料(例えば、フェライト鉄、強磁性鋼などの強磁性合金、ステンレス鋼、またはアルミニウム)を含んでよく、またはこれらから成ってもよい。サセプタは、好ましくは5パーセント超の、好ましくは20パーセント超の、好ましくは50パーセントまたは90パーセント超の強磁性材料もしくは常磁性材料を含む。好ましいサセプタは、摂氏約150度~摂氏約300度の温度に加熱されてもよい。好ましくは、サセプタは、摂氏約200度~摂氏約270度、例えば摂氏235度の温度に加熱されてもよい。
【0063】
サセプタシート材料は金属バンドであることが好ましい。
【0064】
サセプタシート材料はステンレス鋼バンドであることが好ましい。しかしながら、サセプタ材料はまた、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、ニオブ、インコネル合金(オーステナイトニッケルクロム系超合金)、金属化フィルム、セラミック(例えば、ジルコニアなど)、遷移金属(例えば、鉄、コバルト、ニッケルなど)、または半金属構成要素(例えば、ホウ素、炭素、ケイ素、リン、アルミニウムなど)も含んでもよく、またはそれらで作製されてもよい。
【0065】
サセプタバンドは、好ましくは約2ミリメートル~約8ミリメートル、より好ましくは約3ミリメートル~5ミリメートル、例えば4ミリメートルの幅と、好ましくは約0.03ミリメートル~約1ミリメートル、より好ましくは約0.05ミリメートル~約0.5ミリメートル、例えば約0.07ミリメートル~0.2ミリメートルの厚さを有する基本的な長方形の形状を有することが好ましい。サセプタバンドの幅は、サセプタバンドが中に配設されているロッド状のエアロゾル発生物品の幅または直径よりも小さい。
【0066】
原則として、特定の値に関連して「約」という用語が本明細書全体を通して使用される時はいつでも、「約」という用語に続く値は、技術的な考慮に起因して、厳密に正確なその特定の値である必要はないと理解される。しかしながら、特定の値に関連して使用される「約」という用語は常に、用語「約」に続く特定の値を含み、また明示的に開示することが理解される。エアロゾル発生物品は、ロッド直径が、好ましくは約3ミリメートル~約12ミリメートルの範囲内、より好ましくは約4ミリメートル~約8ミリメートルの範囲内、例えば7ミリメートルであるロッドの形態を有する。ロッドは円形状または楕円形の断面を有することが好ましい。しかしながら、ロッドはまた、矩形または多角形の断面を有してもよい。
【0067】
エアロゾル発生物品は、エアロゾルを形成する能力を有するエアロゾル形成基体を備える。エアロゾル形成基体は固体であり、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0068】
エアロゾル形成基体は、ロッドに集合された、かつサセプタバンドが提供された、かつラッパーによって取り囲まれた一つ以上の均質化したたばこ材料シートを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含むことが好ましい。
【0069】
エアロゾル形成基体を形成するたばこシートは、たばこ粒子、繊維粒子、エアロゾル形成体、結合剤、および例えば風味も含んでもよい。
【0070】
エアロゾル形成たばこ基体は、たばこ材料、繊維、結合剤、およびエアロゾル形成体を含む、好ましくは捲縮したたばこシートであることが好ましい。たばこシートはキャストリーフであることが好ましい。キャストリーフは、たばこ粒子、繊維粒子、エアロゾル形成体、例えばグリセロールまたはプロピレングリコール、結合剤、および例えば風味も含むスラリーから形成されている再構成たばこの一形態である。
【0071】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0072】
実施例1:サセプタバンドを備えるロッド状のエアロゾル発生物品を整列させるための設備であって、
サセプタバンドを備えるエアロゾル発生物品を収容および搬送するためのコンベアと、
エアロゾル発生物品をコンベア内に保持するための保持手段であって、エアロゾル発生物品の一時的な回転を可能にするように適合された保持手段と、
保持手段によって保持されたエアロゾル発生物品を物品の長軸方向軸を中心にして、定義された位置に回転させるための磁気式位置決めユニットと、
定義された位置でエアロゾル発生物品を切断するための切断装置と、を備え、
磁気式位置決めユニットが、少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトを備える、設備。
実施例2:少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトが直径方向に磁化されている、実施例1に記載の設備。
実施例3:少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトが、エアロゾル発生物品を切断するために少なくとも一つのスリットを通過する前記切断装置の部分のために、少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトの長軸方向回転軸の周りに円周方向に延びる少なくとも一つのスリットを備えるロッドの形態を有する、実施例1~2のいずれか一つに記載の設備。
実施例4:少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトの長軸方向回転軸が、コンベア内の座の長軸方向軸と平行に配設されている、実施例1~3のいずれか一つに記載の設備。
実施例5:エアロゾル発生物品がコンベアから落下するのを防止するために、コンベアからある距離で、かつそれと平行に配設された案内要素を備える、実施例1~4のいずれか一つに記載の設備。
実施例6:磁気式位置決めユニットがコンベアの外部に配設されている、実施例5または実施例6のいずれか一つに記載の設備。
実施例7:磁気式位置決めユニットが、案内要素上に据え付けられている、実施例5または実施例6に記載の設備。
実施例8:切断装置が案内要素上に据え付けられている、実施例5~7のいずれか一つに記載の設備。
実施例9:切断装置が少なくとも一つの円形状切断ナイフを備える、実施例1~8のいずれか一つに記載の設備。
実施例10:切断装置が、相互に平行に配設された一連の円形状切断ナイフを備える、実施例9に記載の設備。
実施例11:切断装置が、相互に連続して配設された一連の円形状切断ナイフを備える、実施例9または実施例10に記載の設備。
実施例12:相互に連続して配設された幾つかの回転可能な磁気シャフトを備え、回転可能な磁気シャフトが円形状切断ナイフの上流に配設されている、実施例11に記載の設備。
実施例13:幾つかの回転可能な磁気シャフトの各回転可能な磁気シャフトが、一連の円形状切断ナイフの異なる円形状切断ナイフに割り当てられている、実施例12に記載の設備。
実施例14:幾つかの回転可能な磁気シャフトのすべてが直径方向に磁化されている、実施例12~13のいずれか一つに記載の設備。
実施例15:幾つかの回転可能な磁気シャフトが、円周状スリットを備えるロッドの形態を有し、スリットが、幾つかの回転可能な磁気シャフトの長軸方向軸の周りで円周方向に延びる、実施例14に記載の設備。
実施例16:磁気式位置決めユニットが永久磁石を備える、実施例1~15のいずれか一つに記載の設備。
実施例17:磁気式位置決めユニットが電磁石を備える、実施例1~16のいずれか一つに記載の設備。
実施例18:コンベアが幾つかの座を備え、各座がエアロゾル発生物品を座内に収容するためのものである、実施例1~17のいずれか一つに記載の設備。
実施例19:コンベアが、幾つかの丸溝を備える丸溝付きコンベアドラムであり、各丸溝がエアロゾル発生物品を収容するためのものである、実施例1~18のいずれか一つに記載の設備。
実施例20:少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトの回転軸が、丸溝付きコンベアドラムの丸溝と平行に配設されている、実施例19に記載の設備。
実施例21:保持手段が、コンベア内の座に適用可能な吸引手段を備える、実施例1~20のいずれか一つに記載の設備。
実施例22:切断されたエアロゾル発生物品内のサセプタバンドの状態を検出するために、検出された状態を品質仕様と比較するために、品質仕様を満たさない場合、切断されたエアロゾル発生物品を廃棄物として拒絶するために、かつ拒絶された切断エアロゾル発生物品が、所定の廃棄物閾値を超える場合、少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトを調整するための磁気式位置決めユニットをトリガするために、出力制御を備える、実施例1~21のいずれか一つに記載の設備。
実施例23:出力制御が、切断されたロッド状のエアロゾル発生物品の少なくとも一つの端の画像を提供するなどのために配設されたカメラを備える、実施例22に記載の設備。
実施例24:磁気式位置決めユニットが、少なくとも一つの回転可能な磁気シャフトを回転させるためのアクチュエータを備える、実施例1~23のいずれか一つに記載の設備。
実施例25:幾つかの回転可能な磁気シャフトの各々が、幾つかの回転可能なシャフトの一つずつを個別に回転させるためのアクチュエータを備える、実施例12に記載の設備。
実施例26:サセプタバンドを備えるロッド状のエアロゾル発生物品を整列させるための方法であって、
コンベアの座内にサセプタバンドを備えるエアロゾル発生物品を受容することと、
エアロゾル発生物品をコンベアの座内で搬送および保持することと、
回転可能な磁気シャフトを備える磁気式位置決めユニットによって、エアロゾル発生物品を物品の長軸方向軸を中心にして、定義された位置に無接触回転させることと、
定義された位置でエアロゾル発生物品を切断し、それによって20度~70度の切断角度にてサセプタバンドを切断することと、を含む、方法。
実施例27:エアロゾル発生物品を一時的に解放して、エアロゾル発生物品が定義された位置に回転することを可能にし、次いでエアロゾル発生物品を定義された位置で固定する、実施例26に記載の方法。
実施例28:切断角度が30度~60度、例えば45度プラスまたはマイナス5度である、実施例26~27のいずれか一つに記載の方法。
実施例29:コンベアの外部に磁気式位置決めユニットを配設する、実施例26~28のいずれか一つに記載の方法。
実施例30:受容場所から位置決め位置に、および切断位置にエアロゾル発生物品を搬送することであって、前記位置決め場所が、上流の受容場所と下流の切断位置との間に配設されている、実施例26~29のいずれか一つに記載の方法。
実施例31:切断場所の下流に配設された少なくとも一つのさらなる切断場所を備える、実施例30に記載の方法。
実施例32:各切断場所および少なくとも一つのさらなる切断場所の上流の定義された位置にエアロゾル発生物品を回転させる、実施例31に記載の方法。
実施例33:各切断場所および少なくとも一つのさらなる切断場所の上流に回転可能な磁気シャフトを提供する、実施例32に記載の方法。
実施例34:コンベアからのエアロゾル発生物品の落下を防止する、コンベアと平行に配設された案内要素を提供し、かつ磁気式位置決めユニットを案内要素上に据え付ける、実施例26~33のいずれか一つに記載の方法。
実施例35:エアロゾル発生物品を丸溝付きコンベアドラムの丸溝内で搬送する、実施例26~34のいずれか一つに記載の方法。
実施例36:エアロゾル発生物品を丸溝付きコンベアドラムの丸溝に連続的に提供し、かつエアロゾル発生物品の各々を定義された位置に個別に回転させる、実施例35に記載の方法。
実施例37:幾つかのエアロゾル発生物品が同時に回転される、実施例36に記載の方法。
実施例38:エアロゾル発生物品の搬送速度に応じて回転可能なシャフトの回転を適合させる、実施例26~37のいずれか一つに記載の方法。
実施例39:物品に加えられた吸引力によってエアロゾル発生物品を保持する、実施例26~38のいずれか一つに記載の方法。
実施例40:最終的な切断されたエアロゾル発生物品内のサセプタバンドの状態を検出し、欠陥のあるサセプタバンドを有する最終的な切断されたエアロゾル発生物品を廃棄物として拒絶し、かつ廃棄物が所定の廃棄物閾値を超える場合、切断されたエアロゾル発生物品内のサセプタバンドの検出された出力条件に関する情報を使用して、回転可能な磁気シャフトを回転させ、それによってエアロゾル発生の回転を調整する、出力制御をさらに備える、実施例26~39のいずれか一つに記載の方法。
【0073】
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【0074】
図1は、サセプタバンド10を備えるロッド状のエアロゾル発生物品1の切開図を示す。連続的な平面状のサセプタバンド10は、連続的なエアロゾル形成基体11の中心に沿って配設されている。基体11は、均質化したたばこ材料のシートの集合体であってもよい。物品1は、ラッピング材料12、例えば紙ラッパーで巻かれている。物品1は、連続的なロッドから切断されていて、最終的な消耗品を作り出すためにその後、他のセグメントと組み合わせられる最終的なプラグの長さの倍数の長さを典型的に有する。最終的な消耗品は、サセプタバンド10を誘導加熱することによって、かつこれによって、サセプタバンド10の近傍でエアロゾル形成基体11を誘導加熱することによって、エアロゾル発生のための電子誘導加熱装置で使用されてもよい。
【0075】
通常、当初のロッドは、120mmの長さを有し、幾つかの切断工程によって10個のプラグへと切断され、各プラグはその後、12mmの長さを有する。
【0076】
図2により詳細に示す通り、エアロゾル発生物品1の切断は、三つの異なる切断ナイフ配設を使用する三つの切断工程で実施される。第一の切断配設30において、物品に二つの切断が適用され、第二の切断配設31において、三つの切断が適用され、第三の最後の切断配設32において、物品1に四つの切断が適用される。
【0077】
サセプタバンド10を備えるエアロゾル発生物品1は、コンベアドラム2の上方に配設されているホッパー4内に提供されている。次いで、重力および吸引力を使用して、物品は受容場所において丸溝付きコンベアドラム2の丸溝21の中に供給されている。
【0078】
物品1は、コンベアドラム2から丸溝に加えられた吸引力によって丸溝21内に保持されている。
【0079】
物品1は、コンベアドラム2の回転(矢印22によって示されている)によって、その後の第一、第二、および第三の切断場所に搬送され、ここで物品は、回転している円形状ナイフ33によって横断方向に切断される。
【0080】
切断装置3は、三つの切断配設30、31、32を備える。各切断配設は、共通の回転可能な切断シャフト300、310、320上に並列に配設されている少なくとも一つの、しかし好ましくは二つ以上の円形状ナイフ33を備える。三つの切断配設30、31、32は、コンベアドラム2の周囲および移動方向に沿って、続いて、かつ好ましくは等距離で配設されている。
【0081】
切断装置3は、案内要素5の中に組み込まれている。案内要素5は、コンベアドラム2の周囲と平行に配設された湾曲したプレートである。案内要素5は、前または後のいずれかで切断される物品1が、丸溝21から外れるのを防止する。案内要素5は、丸溝21の物品1を切断するために、切断ナイフ33がスリットを通過するためのスリットを備える。
【0082】
吸引力は、ホッパー4の下にのみ提供されてもよい。吸引力はまた、ホッパー4から案内要素5に提供されてもよい。
【0083】
図2で分かりうる通り、物品1はドラム2にランダムな回転方向の向きで供給されている。これによって、物品1内のサセプタバンドの向きもランダムである。このランダムなサセプタの向きは、サセプタバンドの不適切な切断(変位した、曲がった、または変形したサセプタバンド)に起因して、機械上で、例えば15パーセントを超える高い拒絶を発生する。加えて、サセプタバンドおよび切断角度の良好な向きは、円形状ナイフの寿命を延ばすのに役立つ。
【0084】
図3において、各々が磁気シャフト61を備える三つの磁気式位置決めユニット6を含む、図2のセットアップが示されている。磁気シャフト61は、コンベアドラム2の幅にわたって延び、コンベアドラム内の丸溝21と平行に配設されている。磁気シャフト61は、丸溝21内の物品1の長軸方向軸と平行に、かつそれに応じて、物品1のサセプタバンド10と本質的に平行に配設されている。サセプタバンドに作用する磁気シャフト61の磁気力は、サセプタが物理的に磁力線と整列する傾向があるため、物品を回転するように強制してもよい。
【0085】
切断ナイフ33の位置に対するサセプタバンド10の最適な向きは、定義された位置として設定されている。磁気シャフト61は、物品が切断される前に磁気シャフト61の磁気力が物品を定義された位置に回転させうる位置まで、磁気シャフトの長軸方向回転軸を中心に回転される。磁気シャフト61を回転させるための適切なアクチュエータが存在するが、図面に示されていない。磁気シャフト61につき一つのアクチュエータが提供されていて、磁気シャフトを個別に、かつ分離して回転させることが好ましい。
【0086】
磁気シャフト61は、二つの磁極において長軸方向に分割されている直径方向に磁化された永久磁石である。
【0087】
磁気シャフト61は各々、切断配設30、31、32のすぐ上流に配設されている。これによって、物品1は、物品の搬送または以前の切断に起因する不注意による変位に関係なく、定義された位置に回転されてもよい。図3の実施形態において、漸次調整によって各磁気シャフトを回転させることは、最適な配向に到達するために切断の前にサセプタバンドを整列させることが可能である。
【0088】
位置決めユニット6は、案内要素5の中に組み込まれている。具体的に、磁気シャフト61は、案内要素5上に据え付けられている。
【0089】
設備には、最後の切断配設32の下流に配設された出力制御7が提供されている。出力制御は、サセプタバンドの欠陥のある切断、または概して、物品内のサセプタバンドの誤配置または変形を検出する。出力制御7は、最終的に切断された物品内のサセプタバンドの位置および形態を検出するために、例えばカメラまたは他の(好ましくは光学的)装置を備える。出力制御は例えば、切断されたロッド状のエアロゾル発生物品1の少なくとも一つの端の画像、または物品の両端の画像、または切断物品内のサセプタバンド全体の画像を提供してもよい。
【0090】
サセプタバンドは真っ直ぐで、かつ物品の断面の中心に配設されるべきである。サセプタバンドが切断中に変形した場合、またはサセプタバンドが変位している場合、変形および変位の量は、出力制御の検出値と所定の品質仕様との比較によって検出される。例えば、サセプタバンドの形態、回転位置、横方向変位などの検出されたパラメータの各々について、所定の閾値を超えてはならない。例えば、サセプタバンドは、物品の円周に1ミリメートルよりも近いべきではない。物品の円周に1ミリメートルよりも近いなど、サセプタバンドが変位している場合、物品は欠陥と見なされ、廃棄物として拒絶される。それ故に、最終的に切断された物品中のサセプタバンドの状態に関する情報は、物品を許容する、または欠陥のある物品、それ故に欠陥のあるサセプタバンドを含む物品を拒絶するために使用される。設備は、準じた拒絶システム(図示せず)を備えてもよい。
【0091】
出力制御は、磁気式位置決めユニット6と、具体的に位置決めユニット6の磁気シャフト61のうちの一つまたはすべてと通信する。拒絶された欠陥のある物品、それ故に廃棄物の量が、ある特定の所定の廃棄物閾値を超える場合、出力制御7によって検出された情報はその後、回転可能な磁気シャフト61を回転させるために、それによってエアロゾル発生物品の回転を調整するために使用される。
【0092】
出力制御によって、切断プロセス全体の最終的な結果は、磁気式位置決めユニットを調整するために制御および使用されてもよい。これは、切断された物品のなおさらなる改善、および廃棄物の低減をもたらす場合がある。出力制御7は、損傷または欠陥のある切断された物品1を排出するために、排出ユニット(図示せず)に情報を与える最終的な制御ユニットとして特異的にまたは追加的に使用されてもよい。
【0093】
図4において、案内要素5は別個に示されている。案内要素の内側は、コンベアドラム2の周囲に対応する湾曲した形態と対等である。案内要素5には、切断装置3の切断ナイフ33がスリット61を通過するための円周状スリット61が提供されている。案内要素5の外側には溝52が提供されている。溝52は、コンベアドラム内の丸溝21と平行に配設されている。磁気シャフト61だけでなく切断配設30、31、32(図4に図示せず)も、磁気シャフト61が丸溝内の物品と平行に配設されているように、溝内に収容されている。磁気シャフト61を収容するための案内要素5上の溝52の提供は、物品に対する磁気シャフトの磁気的効果を最適化するために、磁気シャフト61が物品の非常に近くに位置付けられることを可能にする。この配設は、本発明の設備の非常にコンパクトなセットアップを可能にする。
【0094】
案内要素5の材料だけでなく、例えばコンベアドラム、切断装置などの設備のさらなる要素の材料は、磁気式位置決めユニットと干渉しないために、非磁性かつ磁化可能でない材料で作製されていることが好ましい。
【0095】
図5は、直径20mmのロッド形状を有する模範的な磁気シャフト61の長軸方向の断面を示す。磁気シャフト61の長さ610は約118mmである。永久磁石の形態の磁気シャフトは図5において、磁気シャフト61の上半分上の一方の磁極で、およびシャフト61の下半分上のもう一方の磁極で、直径方向に磁化されている。磁気シャフトには、磁気シャフト61の長軸方向回転軸の周りに円周方向に延びる、幾つかの、ここでは九つのスリット611が提供されている。
【0096】
スリット611は、切断ナイフ33が磁気シャフト61に入ることを可能にする2mmの幅を有し、磁気式位置決めユニット6および切断装置3のコンパクトな構造を可能にする。加えて、切断は、物品1が位置付けられた直後に実施されてもよく、物品の想定外の変位のための時間を残さない。
【0097】
図6および図7は、サセプタバンドを備える物品1に対して異なる磁気的な向きを発生するように回転された二つの磁気シャフト61を示す図である。磁気シャフト61の回転は、固定された機械セットアップでの定義された位置への物品の回転を引き起こすためにのみ使用されない場合がある。また、例えば機械のランプアップ中に変化する場合があるドラムの速度のような、特定の可変プロセスパラメータに従ってサセプタ角度を動的に調整するためにも使用される場合がある。こうした実施形態において、異なる設備パラメータも、磁気シャフトを回転させる時に考慮される。
【0098】
図8は、切断される直前の物品1の詳細図を示す。図8において、案内要素5は省略されている。物品1は、コンベアドラム2の丸溝21内に配設されている。コンベアドラムは、幾つかの個々の並列配設されたディスク23から組み立てられていて、それらの円周に丸溝21を形成する。ディスク23には、物品1を切断する時に、切断ナイフ33がディスク23の間に入るように、ディスク23の間にスリットが提供されている。丸溝21には、コンベアドラム2の内部と、コンベアドラム内部に配設された吸引装置と連通する貫通孔24が提供されている。切断される前に、物品1は、磁気式位置決めユニットによって、以前に定義された最適位置に回転され、これは概して、サセプタバンド10と切断ナイフ33の間の相対的な位置によって定義されている。
【0099】
前文で考察した通り、消耗品の性能の効率および一貫性を確実にするために、切断中にサセプタバンド10を、移動、変形、損傷、または曲げてはならない。プラグ内部のサセプタバンドの形状および位置のこうした望ましくない改変は、最終的な消耗品の加熱を変化させ、またエアロゾル形成基体の非効率性および廃棄物だけでなく、一貫性のない消耗品も作り出す。
【0100】
円形状ナイフ33によって実施される切断前のエアロゾル形成基体ロッド内部のサセプタバンドの向きは、切断の質に非常に大きい影響を及ぼすようである。
【0101】
効率的な切断を有するためのサセプタバンドの最も良好な向きは、およそ45度±5度の切断角度150であることが分かっている。こうした最適な位置は図9において、より詳細に示されている。
【0102】
物品中のサセプタバンド10の配向は、円形状ナイフ33がサセプタバンド10を切断し始める場所および瞬間について計算される。切断ナイフ33に対する45度の切断角度150は、サセプタバンド10の平面を通過する直線100と円形状ナイフ33の円周121の接線120との間の角度を考慮して計算される。
【0103】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字AはA±2%として理解される。この文脈内で、数字Aは、数字Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用される通りの一部の場合において、Aが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】