(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】頭痛および顔面痛の治療のためのシステム、インプラントユニット、および方法
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20240311BHJP
A61N 1/05 20060101ALI20240311BHJP
A61N 1/378 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/05
A61N1/378
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559746
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 EP2022056789
(87)【国際公開番号】W WO2022207316
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523160117
【氏名又は名称】マン アンド サイエンス エスアー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ファン ブイテン, ジャン-ピエール
(72)【発明者】
【氏名】メヴル, エルヴェ
(72)【発明者】
【氏名】トーブ, ロベール
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053CC10
4C053JJ01
4C053JJ06
4C053JJ13
4C053JJ21
4C053KK10
(57)【要約】
本明細書に開示されるものは、頭痛を治療するための神経刺激システムであり、システムは、対象の身体内での埋込のために構成されるインプラントユニットと、対象の身体の外部の場所のために構成される外部ユニットと、充電およびプログラミングユニットとを備え、外部ユニットは、プロセッサと、電源と、電源およびプロセッサと電気通信する一次伝送ユニットとを備え、インプラントユニットは、少なくとも1つの導線と、少なくとも1つの導線に取り付けられる変調電極の少なくとも1つの対と、少なくとも1つの導線と電気通信する二次伝送ユニットとを備え、プロセッサは、一次伝送ユニットと二次伝送ユニットとの間の結合を確立し、該結合を介して電源からインプラントユニットに電力を伝送するように構成される。そのような方法は、例えば、疼痛信号の伝搬が所望されない、疼痛管理において有益であり得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭痛および顔面痛を治療するための神経刺激システム(100)であって、前記システム(100)は、
対象(700)の身体の外部の場所のために構成される、外部ユニット(200)と、
対象(700)の身体内での埋込のために構成される、インプラントユニット(300)と
を備え、
前記外部ユニット(200)は、
プロセッサ(210)と、
電源(220)と、
前記電源(220)および前記プロセッサ(210)と電気通信する、一次伝送ユニット(230)と
を備え、
前記インプラントユニット(300)は、
少なくとも1つの導線(310)と、
前記少なくとも1つの導線(310)に取り付けられる、変調電極(320)の少なくとも1つの対と、
前記少なくとも1つの導線(310)および前記変調電極(320)と電気通信する、二次伝送ユニット(330)と
を備え、
前記プロセッサ(210)は、前記一次伝送ユニット(230)と前記二次伝送ユニット(330)との間の結合を確立し、前記結合を介して前記電源(220)から前記インプラントユニット(300)に電力および/またはデータを伝送するように構成される、システム(100)。
【請求項2】
前記システム(100)が、充電ユニット(400)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記変調電極(320)が、前記少なくとも1つの導線(310)に沿って位置し、前記電極(320)が、特に、前記導線(310)に沿って均一に離間されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記インプラントユニット(300)が、前記対象(700)の皮下組織への前記少なくとも1つの導線(310)の固定のためのタイン(350)を備えることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記外部ユニット(200)が、前記対象(700)の皮膚への取付のために構成されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記外部ユニット(200)が、外部源からエネルギーを導出するために構成される、エネルギー採取ユニット(260)を備えることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記電源(220)が、バッテリ(221)を備えることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記充電ユニット(400)が、前記外部ユニット(200)の前記バッテリ(221)を充電するために構成されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記システム(100)がさらに、前記神経刺激の調節のために構成される、遠隔制御装置(500)を備えることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載のシステム(100)。
【請求項10】
前記一次伝送ユニット(230)と前記二次伝送ユニット(330)との間の前記結合が、容量結合、誘導結合、光、超音波、および/または無線周波数結合を備えることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載のシステム(100)。
【請求項11】
先行する請求項のいずれかに記載の神経刺激システム(100)における使用のためのインプラントユニット(300)であって、
前記インプラントユニット(300)は、対象(700)の皮膚における切開部(600)を通した前記対象(700)の身体内での埋込のために構成され、
前記インプラントユニット(300)はさらに、前記対象(700)の組織内のトンネル(610)内での埋込のために構成される、インプラントユニット(300)。
【請求項12】
前記インプラントユニット(300)が、前記対象(700)の皮膚における0.5~3.5cmの切開部(600)を通した埋込のために構成され、前記インプラントユニット(300)がさらに、前記切開部(600)から前記対象(700)のイニオン(710)の近傍の場所に向かってつながる、前記対象(700)の組織内のトンネル(610)内での埋込のために構成されることを特徴とする、請求項13に記載のインプラントユニット(300)。
【請求項13】
前記インプラントユニット(300)が、後頭神経(720)の近傍の場所のために構成されることを特徴とする、請求項13または14に記載のインプラントユニット(300)。
【請求項14】
前記請求項のいずれかに記載の神経刺激システム(100)を使用する神経筋組織の電気刺激のための方法であって、前記方法は、
外部ユニット(200)からインプラントユニット(300)に刺激パラメータを送信することと、
前記内部ユニット(300)を用いて電気刺激パターンを発生させることであって、前記電気刺激パターンは、少なくとも1つの変調信号を備える、ことと、
対象(700)の身体内に位置するインプラントユニット(300)に前記電気刺激パターンを送達することと、
前記電気刺激パターンを調節することであって、前記電気刺激パターンを調節することは、電極構成を変更し、前記電気刺激パターンの電圧、電流振幅、パルス周波数、および/またはパルス幅を増加または減少させることを含む、ことと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
以降で説明される開示される主題は、電気神経刺激のためのシステムおよび方法を指す。さらに、頭痛および顔面痛の治療における電気神経刺激のための方法の使用が、参照される。
【背景技術】
【0002】
(背景)
神経変調、すなわち、神経の電気刺激は、身体の独自の自然な神経プロセスと相互作用することによって、多くの生理学的条件および障害を治療する機会を提示する。神経刺激は、中枢、末梢、または自律神経系における電気的または化学的な活性の抑制(例えば、遮断)、変調、修正、調整、または療法的改変を含む。
【0003】
例えば、神経の刺激または神経信号の遮断を通して、神経系の活性を変調させることによって、いくつかの異なる目標が、達成され得る。運動神経細胞が、筋収縮を引き起こすために、適切な時点で刺激され得る。感覚神経細胞が、例えば、疼痛を緩和するために遮断される、または、例えば、信号を対象に提供するために刺激され得る。他の実施例では、自律神経系の変調が、心拍数および血圧等の種々の不随意の生理学的パラメータを調節するために使用され得る。神経変調は、そのいくつかの実施例が下記に詳細に説明される、いくつかの疾患または生理学的条件を治療する機会を提供し得る。
【0004】
本開示の目的のために、用語「刺激」および「変調」は、他に何も規定されない場合、同義的に使用される。
【0005】
典型的には、神経刺激装置は、電気パルスの形態における療法をもたらし、具体的神経またはその区分等の標的場所に近接する2つ以上の電極を含む。電気刺激は、これらが、療法を必要とするユーザにもたらされるべき電気刺激療法を定義するため、電極の極性、電圧または電流振幅、パルス周波数、パルス幅、電極の構成および選択、ならびにその他等の種々のパラメータを通して調節可能である。そのようなパラメータは、所望の刺激および刺激療法から所望される結果をもたらすように事前プログラムされる、またはプログラム可能であり得る。
【0006】
神経刺激が印加され得る条件の中に、片頭痛の発生がある。従来の治療は、典型的には、様々な強さの鎮痛剤の使用を伴う。しかしながら、痛覚における神経関与に起因して、神経刺激を目標とする方法および装置は、異なる解決策をもたらし得る。頭部における痛覚は、求心性または感覚神経細胞を介して脳に伝達される。そのような神経細胞は、大後頭神経、小後頭神経、第3後頭神経、および三叉神経を含み得る。対象が、片頭痛等の間、頭痛および顔面痛を被るとき、これらの神経の抑制は、痛覚を減少または排除する役割を果たし得る。
【0007】
神経刺激はまた、他の条件、例えば、群発頭痛、またはさらには睡眠呼吸障害および高血圧に対する有効な解決策であり得る。前述は、神経変調が有益であり得る条件のいくつかの実施例にすぎないが、しかしながら、以降で説明される本発明の実施形態は、必ずしも上記に説明される条件のみを治療することに限定されない。
【0008】
(従来技術)
神経変調のための公知の埋込可能システムは、通常、3つの部分、すなわち、導線、再充電可能または非再充電可能埋込可能パルス発生器、ならびにパルス発生器および導線を接続するための延在部から構成される。これらの延在部は、パルス発生器が、腹部または脇腹内に埋込されるため、後頭神経への電気刺激の送達のために要求される。しかしながら、本技術は、いくつかの不利点を有する。例えば、これは、一部の患者において疼痛面積の不十分な網羅につながる。加えて、そのような大きいデバイスの埋込は、長い侵襲性の外科手術手技を要求する。別の欠点が、トンネル作成および延在に関する過剰な必要性が、可能性として考えられる感染、転位、導線破損および浸食リスクにつながるという事実から生じる。最後に、非再充電可能埋込パルス発生器は、より高い再置換率およびより高い費用の結果を伴う再置換に関する必要性を生じさせる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(開示される主題の概要)
本開示の目的のうちの1つは、従来技術の不利点に応答し、電気神経刺激のための改良されたシステムを提供することである。特に、単純かつ時間効率の高い埋込手技を可能にし、新しい技術およびインプラント技法によって結果を改善し、既存の技術の負担を回避するシステムが、提供されるべきである。
【0010】
本開示の一側面によると、頭痛および顔面痛を治療するための神経刺激システムが、提供され、本システムは、対象の身体内での埋込のために構成される、インプラントユニットと、対象の身体の外部の場所のために構成される、外部ユニットとを備え、外部ユニットは、プロセッサと、電源と、電源およびプロセッサと電気通信する、一次伝送ユニットとを備え、インプラントユニットは、少なくとも1つの導線と、少なくとも1つの導線に取り付けられる、変調電極の少なくとも1つの対と、少なくとも1つの導線およびその電子機器と電気通信する、二次伝送ユニットとを備え、外部ユニットのプロセッサは、一次伝送ユニットと二次伝送ユニットとの間の結合を確立し、該結合を介して電源からインプラントユニットに電力を伝送するように構成される。
【0011】
インプラントユニットは、好ましくは、所望の神経刺激タスクを実施するために、基本的な回路網のみを備えてもよい。有利なこととして、これは、インプラントユニットがその筐体内に埋設されるその独自のエネルギーまたは電力リザーバを要求しないことにつながる。代わりに、電力供給は、例えば、直接RF伝送(すなわち、BLE-Bluetooth(登録商標)低エネルギー)による外部ユニットとインプラントユニットとの間、または医師プログラマとインプラントユニットとの間の誘導経皮無線周波数リンク(RF)を介して達成されてもよい。さらなる実施形態によると、インプラントユニットは、シールされた筐体内に封入される、以下、すなわち、1つ以上の信号を外部一次伝送ユニットから受信する、および/またはそれに送信するための二次伝送ユニットまたはアンテナ、AC/DCコンバータ、CPUまたはメモリ(例えば、超低電力マイクロコントローラ)、少なくとも1つの電流源、少なくとも1つの変調電極を備える刺激導線、プログラム可能刺激プロファイルルックアップテーブル、ブートローダ組み込みソフトウェア、電圧または電流源に接続された変調電極を構成するためのアナログマルチプレクサのうちの1つ以上を備えてもよい。
【0012】
提示されるインプラントユニットの好ましい機能の中には、以下、すなわち、ルックアップテーブル内に記憶される刺激プロファイルに従って神経刺激療法を実行すること、患者およびその上のインプラントユニットの両方の診断を定期的に実行すること、インプラントユニットと外部との間の誘導伝送チャネルが確立されるとき、患者および/またはインプラントユニットのステータスに関するデータまたは更新を外部ユニットに送信することがあってもよい。
【0013】
好ましくは、外部ユニットは、長方形、円形、または楕円形であり、外部キャリアに取り付けられてもよい。さらにより好ましい実施形態では、外部ユニットは、対象の耳の後方に適合するように人間工学的に設計される。外部ユニットはさらに、筐体を備えてもよく、筐体は、プロセッサと、一次伝送ユニットと、電源とを含有することができる。外部ユニットに関する実施例は、パッチ、ボタン、イヤーピース、または他のレセプタクルを含む。一実施形態では、例えば、外部ユニットの筐体は、外部ユニットが、所望の場所に共形化するように構成され得るように、可撓性材料を含んでもよい。ある実施形態によると、外部ユニットは、筐体内にカプセル化され、さらに、以下、すなわち、1つ以上の誘導信号を内部二次伝送ユニットから受信する、および/またはそれに送信するための一次伝送ユニットまたはアンテナ、DC/ACコンバータ、電源、CPUまたはメモリ(例えば、マイクロコントローラ)、二色LED(例えば、赤色および/または緑色光を放出するため)、一次および二次アンテナが相互と整合されている場合に患者にフィードバックを与えるための振動器モジュール、インプラントユニットから送信されるインプラントユニットステータスならびにアラートおよび警告を受信する復調器、プッシュボタンのうちの1つ以上を備えてもよい。
【0014】
外部ユニットの好ましい機能の中には、以下、すなわち、誘導結合を介してインプラントユニットに供給するための電力を提供すること、充電ユニット上に設置されるとき、外部ユニット内に位置するバッテリを再充電すること、インプラントユニットと外部との間の誘導伝送チャネルが確立されるとき、インプラントユニットからデータを受信すること、該データを充電ユニットに転送すること、二色LEDに給電すること等があってもよい。
【0015】
好ましい実施形態では、一次伝送ユニットは、コイルアンテナであってもよい。コイルは、任意の好適な伝導性材料から作製されてもよく、伝導性コイルの任意の好適な配列(直径、コイルの数、コイルのレイアウト等)を含むように構成されてもよい。一次伝送ユニットとしての使用のために好適なコイルは、約0.5cm~10cmの直径を有してもよく、円形、長方形、または楕円形であってもよい。いくつかの実施形態では、コイルアンテナは、約0.5cm~2.5cmの直径を有してもよい。一次伝送ユニットとしての使用のために好適なコイルアンテナは、任意の数の巻線を有してもよい。さらに、一次伝送ユニットとしての使用のために好適なコイルアンテナは、約0.1mm~2mmのワイヤ直径を有してもよい。別の実施形態によると、伝送ユニットは、印刷回路基板アンテナであり得る、またはこれは、外部ユニットの筐体上に直接印刷されることができる。
【0016】
外部キャリアは、対象の皮膚への取付のために構成されてもよい。例えば、キャリアは、例えば、接着剤または機械的手段を通して、対象の皮膚への接着のために構成される、可撓性皮膚パッチであってもよい。また、磁力を介して外部ユニットを対象の皮膚に取り付けることが、可能性として考えられ、外部キャリアは、磁気双極子を備え、個別の反対の双極子が、対象の皮膚の直下に位置する。この場合では、反対の双極子は、好ましくは、インプラントユニットの一部であってもよい。取付のさらなる手段は、面ファスナベースのシステム(例えば、Velcro(登録商標))または耳ひもベースのシステムを含むことができ、これは、いかなる皮膚接着パッチも要求しないであろう。外部キャリアは、可撓性または剛性であってもよい、または可撓性部分と、剛性部分とを有してもよい。外部ユニットの外部キャリアおよび/または筐体はさらに、任意の好適な材料から構築されてもよい。特に、外部キャリアまたは筐体は、外部ユニットが、所望の場所に共形化するように構成され得るように、可撓性材料を含んでもよい。可撓性基質の材料は、限定ではないが、プラスチック、シリコーン、織成天然繊維、および他の好適なポリマー、コポリマー、ならびにそれらの組み合わせを含んでもよい。本発明の好ましい実施形態によると、外部キャリアの設計は、例えば、少なくとも部分的に空気透過性であることによって、皮膚が「呼吸」することを可能にし得る。さらに、外部キャリアは、軟質材料から成ってもよい。外部ユニットの任意の部分が、特定の用途の要件に応じて、可撓性または剛性であってもよい。外部ユニットは、対象に添着されるように構成されてもよい。例えば、頭痛および顔面痛を患う対象に関して、外部ユニットは、乳様突起のレベルにおいて対象の耳の後方に取り付けられてもよい。外部ユニットに関する好適な場所は、外部ユニットとインプラントユニットとの間の通信によって判定されてもよい。加えて、外部ユニットは、外部ユニットの最適な位置に関するフィードバックを対象に提供する、信号を発生させてもよい。最適な位置は、例えば、埋込可能ユニットから外部ユニットへのフィードバックに基づいて測定されてもよい。いったん所望の位置が検出されると、外部ユニット内に位置する振動器モジュールが、内部ユニットと外部ユニットとの正しい整合を示す振動信号を与えてもよい。
【0017】
さらに、キャリアは、筐体を選択的または可撤式に接続するためのコネクタを含み、コネクタは、筐体の陥凹によって受容されるように外部キャリアから延在または突出してもよい。代替として、筐体は、外部キャリアの陥凹によって受容されるべきコネクタを備えることができる。好ましくは、外部キャリアは、対象の耳の後方の湾曲面積内での設置に適合するであろう、機械的に可撓性の長方形または円形パッチであろう。
【0018】
付加的実施形態によると、本システムはさらに、医師外部ユニットと、医師プログラミングユニットとを備えてもよい。医師外部ユニットは、例えば、それの上にインストールされた特殊化ソフトウェアを有する、本開示の意味における通常の外部ユニットであってもよく、特殊化ソフトウェアは、医師による使用に特化している。医師プログラミングユニットは、外部コンピューティングユニット、例えば、PCまたはタブレットもしくはスマートフォンのような類似するハンドヘルドまたはポータブルデバイスであってもよい。ともに、医師外部ユニットおよび医師プログラミングユニットは、療法テンプレートを準備し、具体的名称で構成を記憶するように構成されてもよい。さらに、医師プログラミングユニットは、インプラントユニットのセキュアな識別に役立ち、インプラントユニットと医師外部ユニットとの間のセキュアなペアリングを確立してもよい。医師外部ユニットおよび医師プログラミングユニットのさらなる機能は、インプラントユニット内に記憶される患者履歴ログファイルを検証すること、療法を準備/ロードし、患者の来院の間に試験刺激シーケンスを実行すること、患者の来院の間に試験された療法をプログラムすること、患者の来院の間にインプラントユニットからステータス報告(例えば、電極のインピーダンス、アラートまたは警告、履歴ログファイル等)を受信すること、プログラムの前に療法を可視化する(例えば、電極構成、電流振幅、パルス持続時間、オン/オフ周期等を示す)ためのユーザフレンドリーなインターフェースを提供することを含んでもよい。医師外部ユニットとインプラントユニットとの間のデータ転送が、リアルタイムで行われ得ることを理解されたい。
【0019】
変調電極はさらに、変調信号を供給されると、一方向性および/または双方向性の電場を引き起こすように構成されてもよい。本目的のために、変調電極は、ステンレス鋼、金、白金、イリジウム、白金-イリジウム、白金-金、伝導性ポリマー等の伝導性および生体適合性材料から作製されてもよい。特に、電極は、変調信号を供給されると、後頭神経を変調させるために十分な実質的に一方向性および/または双方向性の電場を促進するように構成されてもよい。さらに、変調電極は、約0.2mm~20mmのおおよその距離だけ離間され得る、アノードおよびカソード電極対を含んでもよい。三極電極(例えば、+-+)のような他の構成も、同様に使用されてもよい。さらに、単極電極システムが、使用されてもよく、埋込可能ユニットの筐体は、(大きい)不関電極を備える。インプラントはまた、構成を選択するためのスイッチマトリクスのような電子コンポーネントを備えてもよい。
【0020】
外部ユニットは、インプラントユニットと通信するように構成されてもよい。外部ユニットの回路網は、例えば、インプラントユニット内の二次伝送ユニット上に電気二次信号を引き起こし得る、一次伝送ユニット上の電気一次信号を発生させるように構成されてもよい。しかしながら、ある実施形態では、(例えば、神経の変調のための一方向性の電場を発生させるために)変調電極において一時的または持続的DC(直流)場誘導信号を提供することが、有利であり得る。加えて、ACおよびDC信号の組み合わせが、本開示のシステムで実装されてもよい。二次伝送ユニット上のAC二次信号をDC場誘導信号に変換するために、インプラントユニットは、信号修正装置、例えば、復調器またはAC/DCコンバータを含んでもよい。AC/DCコンバータは、当業者に公知の任意の好適なコンバータを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、AC/DCコンバータは、例えば、ダイオードならびに適切なコンデンサおよび抵抗器を含む、整流回路コンポーネントを含んでもよい。代替実施形態では、インプラントユニットは、変調電極においてAC場誘導信号を提供するために、AC/ACコンバータを含む、またはいかなるコンバータも含まなくてもよい。
【0021】
上記に記述されるように、二次信号は、変調電極の間に電場を発生させるように構成されてもよい。いくつかの事例では、二次伝送ユニット上の二次信号からもたらされる発生された電場の大きさ、配向、エネルギー密度、および/または持続時間は、電極の近傍の1つ以上の神経を変調させるために十分な電流流動を引き起こし得る。そのような場合では、二次信号は、変調信号と称され得、関連付けられる一次信号は、変調制御信号と称され得る。他の事例では、電場誘導信号の大きさおよび/または持続時間は、神経変調をもたらさない電場を発生させ得る。そのような場合では、電場誘導信号は、サブ変調信号と称され得る。
【0022】
いくつかの事例では、電場誘導信号からもたらされる発生された電場の大きさおよび/または持続時間は、変調電極の近傍の1つ以上の神経を変調させるために十分であり得る。そのような場合では、電場誘導信号は、変調信号と称され得る。他の事例では、電場誘導信号の大きさおよび/または持続時間は、神経変調をもたらさない電場を発生させ得る。そのような場合では、電場誘導信号は、サブ変調信号と称され得る。種々のタイプの電場誘導信号が、変調信号を成してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、変調信号は、中程度の振幅および中程度の持続時間を含んでもよい一方、他の実施形態では、変調信号は、より高い振幅およびより短い持続時間を含んでもよい。電極を横断する電場誘導信号の種々の振幅および/または持続時間は、変調信号をもたらし得、電場誘導信号が変調信号のレベルまで上昇するかどうかは、多くの因子(例えば、刺激されるべき特定の神経からの距離、神経が分岐しているかどうか、神経に対する誘導電場の配向、電極と神経との間に存在する組織のタイプ等)に依存し得る。
【0023】
別の実施形態によると、電源は、外部ユニット内の場所に恒久的または可撤式に結合されてもよい。電源はさらに、プロセッサと電気通信するように構成される、電力の任意の好適な源を含んでもよい。例えば、電源は、ペーパーバッテリ、薄膜バッテリ、または他のタイプのバッテリ等の再充電可能および/または交換可能バッテリを含んでもよい。いくつかの実施形態では、電源は、略平坦な可撓性バッテリを含んでもよい。電源は、本システムのための、特に、刺激のための電力を提供してもよい。多くの実施形態では、外部ユニットのサイズは、可能な限り小さくなければならないため、外部ユニットの合計サイズは、電源、例えば、バッテリのサイズによって判定されるであろう。好ましくは、電源は、500mm2よりも小さい、またはそれに等しい面積を有する。
【0024】
好ましい実施形態によると、本システムは、外部ユニットの電源を充電するために構成される、充電ユニットを含む。例えば、日中に外部ユニットの電源を再充電することが、意図されることができる。充電ユニットは、以下、すなわち、電力供給のためのワイヤコネクタ(例えば、USBタイプコネクタ)、外部ユニットを再充電するための誘導リンクを確立するための伝送ユニットまたはアンテナ、CPUまたはメモリ(例えば、マイクロコントローラ)、ウェブサーバへの接続のために構成されるローカルエリアネットワークまたはインターネットインターフェース(例えば、Wi-Fiインターフェース)、少なくとも1つのLED、ウェブサーバに情報を転送するために構成される4Gモジュールのうちの1つ以上を備えてもよい。
【0025】
外部ユニットの好ましい機能の中には、以下、すなわち、外部ユニットの再充電可能バッテリを再充電すること、ディスプレイまたは類似するユーザインターフェース上に外部ユニットのバッテリステータスを表示すること、充電プロセスをシグナリングする1つ以上のLEDを駆動すること、アラートの受信をシグナリングするLEDを駆動すること、ローカルエリアネットワークまたはインターネットインターフェース(例えば、Wi-Fiインターフェース)を使用して、外部ユニット上に記憶され、インプラントユニットによって送信されたデータをウェブサーバに送信することがあってもよい。
【0026】
インプラントユニットの回路網、すなわち、変調電極、電子機器、アンテナ、および接続ワイヤは、金、白金、イリジウム、白金-イリジウム、白金-金、伝導性ポリマー等の伝導性および/または生体適合性材料を含んでもよい。好ましくは、埋込ユニットは、電子コンポーネント(すなわち、電極、ワイヤ、伝送ユニット、絶縁体等)を除いて、1つのみの材料(例えば、シリコーン)を使用して、実質的に一体部品において製造される。代替として、生物学的糊剤が、刺激ブリッジおよび伝送ユニットをともに継合するために使用されてもよい。
【0027】
別の好ましい実施形態によると、また、導線が、可撓性キャリアを備え、二次伝送ユニットおよび少なくとも1つの導線が、それぞれ、皮膚の下での埋込のために定寸および構成される可撓性キャリアに接続されることが、可能性として考えられる。その場合では、変調電極を備える導線はまた、刺激ブリッジと称され得る。二次伝送ユニットは、可撓性キャリア上に搭載される、または別様にそれと統合されてもよい。さらに、二次伝送ユニットは、コイルアンテナを含んでもよい。そのようなコイルアンテナは、任意の好適な伝導性材料から作製されてもよく、伝導性コイルの任意の好適な配列(直径、コイルの数、コイルのレイアウト等)を含むように構成されてもよい。二次伝送ユニットとしての使用のために好適なコイルアンテナは、約0.5cm~5cmの直径を有してもよく、円形、長方形、または楕円形であってもよい。二次伝送ユニットとしての使用のために好適なコイルアンテナは、任意の数の巻線を有してもよい。さらに、二次伝送ユニットとしての使用のために好適なコイルアンテナは、約0.1mm~2mmのワイヤ直径を有してもよい。別の実施形態によると、伝送ユニットは、印刷回路基板アンテナであり得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、インプラントの可撓性キャリアは、可撓性の生体適合性材料および/または絶縁材料から成る。そのような材料は、例えば、シリコーン、フェニルトリメトキシシラン(PTMS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、パリレンC、ポリイミド、液体ポリイミド、積層ポリイミド、黒色エポキシ、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、カプトン等を含んでもよい。上記に加えて、インプラントは、生体適合性材料の少なくとも1つの層内にカプセル化されてもよく、セラミック材料、ULTEM等の熱可塑性材料、または他の適合性材料を含んでもよい。
【0029】
インプラントユニットは、(例えば、バッテリの形態における)電源を備えていないため、これは、小さく保たれることができる。したがって、これは、短い低侵襲性の手技を通して埋込されることができる。特に、本開示によるシステムは、30分を上回って続くはずではない1日入院において埋込されてもよい。可撓性キャリアはまた、患者の皮膚の下への埋込のために好適な厚さを伴って加工されてもよい。例えば、インプラントユニットは、4mm未満、特に、約2mm未満の厚さを有してもよい。好ましい実施形態では、インプラントは、乳様突起のレベルでの対象の皮膚における3cmの切開部を通した埋込のために構成される。
【0030】
上記に加えて、変調電極は、少なくとも1つの導線に並んで位置してもよい。導線は、変調電極を備え、好ましくは、電極がいくつかの神経の縦方向に沿って相互から離間されるように、変調されるべき1つ以上の神経の近傍での埋込のために構成されてもよい。変調電極のうちの1つが、導線の端部のうちの一方に位置する場合、有益であり得る。例えば、変調電極は、約1mm~20mmまたは5mm~10mmの距離だけ離間されてもよい。好ましい実施形態では、少なくとも1つの導線は、導線に沿って均一に離間された8つの変調電極(「八極子導線」)を備えてもよい。電極はさらに、印加電気信号に応答して、電場を促進するように構成され、電場は、変調されるべき神経の縦方向に延在する力線を含んでもよい。
【0031】
少なくとも1つの導線および変調電極は、刺激ブリッジを形成してもよい。本実施形態による刺激ブリッジは、伸長形状を有する。好ましくは、刺激ブリッジの長さは、刺激ブリッジの幅または直径の少なくとも20倍である。さらに好ましい実施形態によると、刺激ブリッジの長さは、刺激ブリッジの幅または直径の少なくとも50倍である。例えば、導線は、1~3mmの直径と、最大100mmの長さとを有してもよい。いったん埋込されると、少なくとも1つの刺激ブリッジは、これが対象のイニオンの約1~1.5cm上方の点に向かって指向されるような方法で対象の身体内に位置してもよい。好ましくは、少なくとも1つの刺激ブリッジは、二次伝送ユニットからの最大距離を有する、導線の端部における変調電極を備える。刺激ブリッジは、特に、少なくとも1つの変調電極が、可撓性キャリア上に搭載され得る、二次伝送ユニットに近接する導線に沿って位置するような方法で、埋込のために構成されてもよい。二次伝送ユニットは、次いで、これが、三叉神経頸部複合体およびC2の後根神経節の連結部であるため、C2脊椎骨の近傍に位置してもよい。インプラントユニットの二次伝送ユニットの精密な場所はまた、対象の皮膚に取り付けられるときの外部ユニットの位置を判定する。
【0032】
本明細書に説明されるような刺激ブリッジを用いることで、より広い神経面積を刺激することのみが可能であることと対照的に、単一の神経を精密に神経支配または刺激することが、可能性として考えられる。明白なこととして、後者は、説明されるような刺激ブリッジを用いた単一神経刺激に加えて、依然として可能性として考えられる。
【0033】
好ましくは、刺激ブリッジの導線は、横方向断面において視認されるとき、楕円形、長方形、または玉形であり、電極は、刺激されるべき神経に面している導線の側上にのみ配置される。このように、刺激信号は、はるかに精密な様式において集束されることができ、これは、ひいては、よりエネルギー効率的となる。断面において視認されるときに楕円形または玉形状を有する刺激ブリッジは、いったん埋込されると、その丸みを帯びた「縁」が対象または患者にとってのより高い快適性につながり得るという付加的利点を有する。
【0034】
好ましい実施形態によると、導線または刺激ブリッジは、両側刺激または片側刺激のために構成されてもよく、片側刺激は、短い導線を備え、両側刺激は、長い導線を備える。例えば、短い導線(片側刺激)が、10cmよりも短い、または約10cmの長さである一方、長い導線(両側刺激)が、10cmよりも長いことが意図され得る。両側刺激のために構成される刺激ブリッジは、例えば、合計16個の電極(すなわち、2つの明確に異なる区分がそれぞれ、8つの変調電極を備える)を備えてもよい。
【0035】
さらに、両側刺激は、2つの切開部、すなわち、乳様突起のレベルにおける1つの小さい(3cm)切開部と、刺激ブリッジの埋込のためのイニオンの1~1.5cm上方の第2のものとを要求する。しかしながら、好ましい実施形態によると、1つのみのチャネルが、刺激の両方の形態(片側および両側)のために要求されるであろう。10cmよりも長い、すなわち、両側刺激のために構成される導線を有する刺激ブリッジを用いることで、小さい切開部のみを用いて対象のより大きい神経面積を刺激することが、可能性として考えられる。したがって、インプラントユニットを埋込する医療手技は、比較的に短く保たれ、依然として、非常に効率的な神経刺激を可能にすることができる。
【0036】
プロセッサは、プログラム可能な電子機器を備え、一次伝送ユニットから対象の皮膚の下に、すなわち、皮下組織の下に埋込されたインプラントユニットの二次伝送ユニットへの変調信号の伝送を引き起こすように構成されてもよい。プロセッサはさらに、変調信号の1つ以上の特性を調節し、インプラントユニットの二次伝送ユニットによって受信されると、後頭神経の神経変調閾値を下回る少なくとも変調電極における電流を引き起こすように適合されるサブ変調制御信号を発生させ、インプラントユニットの二次伝送ユニットによって受信されると、後頭神経の神経変調閾値を上回る変調電極における電流を引き起こすように適合される変調信号を発生させるように構成されてもよい。このように、外部ユニットは、無線周波数によって磁場を発生させることができ、これは、ひいては、インプラントユニットの変調電極を通して後頭神経野の刺激を発生させる。したがって、個別の埋込手技の間に多くの時間を要し得る、筋肉の深くに埋込されたインプラントパルス発生器(IPG)を有すること、またはループを作製する、過剰なトンネル作成を行うこと、またはIPGに至るまで延在部を追加することに関する必要性は、もはや存在しない。好ましくは、外部ユニットと(埋込された)インプラントユニットとの間の距離は、5cm未満、特に、1cm未満である。
【0037】
ある実施形態によると、プロセッサは、明確に異なる事前プログラムされた変調プロトコル(1つ以上の「モード」を含む)に基づいて、一次伝送ユニットからインプラントユニットの二次伝送ユニットへの変調信号の伝送を引き起こすようにプログラム可能であってもよい。例えば、「夜間モード」プロトコルが、提供されてもよく、プロトコルは、
-具体的範囲またはパーセンテージ内で変調信号の電圧または電流振幅を減少させること、
-デューティサイクルにオフ周期を追加すること、
-「トニックモード」の代わりに「バーストモード」に切り替えること
を含む。
バースト刺激は、典型的には、トニック刺激よりも高い周波数において、かつそれよりもはるかに低い振幅においてパルスの群を送達し、患者によって検出可能ではないと見なされ、したがって、一晩中はっきり示される。このように、有効な刺激が、中断させることなく、または別様に不快であることなく、患者の睡眠の間に維持されることができる。
【0038】
少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの入力変数に対して論理演算を実施するように構成され得る、任意の電気回路を含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、したがって、1つ以上の集積回路、マイクロチップ、マイクロコントローラ、およびマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含んでもよい。
【0039】
さらなる実施形態によると、外部ユニットは、刺激データを記憶するように構成される、プロセッサと電気接続する記憶ユニットを備えてもよい。そのようなデータは、対象の任意の形態の生理学的パラメータ、例えば、対象および刺激パラメータのフィードバックを備えることができる。このように、プロセッサは、患者フィードバックに基づいて、すなわち、記憶された生理学的パラメータに基づいて、予測的刺激制御を実施することができる。
【0040】
さらに、外部ユニットは、外部源からエネルギーを導出するために構成される、エネルギー採取ユニットを備えてもよい。外部源は、太陽光発電、熱出力(例えば、対象の体熱の形態における)、運動エネルギー(対象の移動に起因する)、または同等物であってもよい。エネルギー採取ユニットはさらに、外部ユニットの電源に接続され、それによって、該電源を再充電してもよい。
【0041】
好ましい実施形態の一部として、インプラントユニットは、対象の組織への少なくとも1つの導線の固定のためのタインまたはスパイクを備えてもよい。このように、そうでなければ対象の頸部移動に起因して起こるであろう、組織からのインプラントユニットの転位は、回避されることができる。タインは、可撓性キャリア上および/またはインプラントユニットの少なくとも1つの導線上に配置されることができ、好ましくは、生体適合性材料から作製されてもよい。別の実施形態によると、インプラントユニットの主要本体の固定は、メッシュを備えてもよい。また、RX機械ならびに導線およびRXマーカの可視化のための画面の使用によって、外科手術手技の間に正しい設置を検証するために、RXマーカが導線に沿って設置されることが、可能性として考えられる。
【0042】
さらに、外部ユニットと内部ユニットとの間の通信を最適化するために、インプラントユニットが、頭部の実質的に無毛の領域内での埋込のために構成されることが、可能性として考えられる。大後頭神経、小後頭神経、および第3後頭神経等の後頭神経、ならびに二次的な三叉神経頸部複合体の変調は、刺激ブリッジを通して可能であり、片頭痛からのもの等の頭痛および顔面痛を治療するために有用であろう。深部脳構造および脊髄を刺激しないことが、意図され得る。神経刺激は、代わりに、薬理学的治療では効果がない、慢性片頭痛(CM)および慢性群発頭痛(CCH)に焦点を当てられてもよい。それらの患者に関して、特に、CCHに関して、依然として、満たされていない医療的必要性が、存在する。
【0043】
本システムはさらに、神経刺激の調節のために構成される、遠隔制御装置を備えてもよい。遠隔制御装置は、対象が、個別の神経の電気刺激を自己調節することを可能にする。これは、特に、持続的刺激を要求する、慢性片頭痛および慢性群発頭痛(CCH)を患う患者にとって有用である。ある実施形態では、遠隔制御装置は、コンピュータ上または任意の好適なハンドヘルドデバイス上(例えば、モバイル電話上またはタブレット上)にインストールされるべき専用ソフトウェア(「アプリ」)の形態であり得る。
【0044】
インプラントユニットの二次伝送ユニットと外部ユニットの一次伝送ユニットとの間の結合は、容量結合、誘導結合、超音波、光、および/または無線周波数結合を備えることができる。特に、一次伝送ユニットおよび二次伝送ユニットのそのような結合は、一次伝送ユニットに印加される信号に応答して、二次伝送ユニット上に信号を引き起こす、一次伝送ユニットと二次伝送ユニットとの間の任意の相互作用を含んでもよく、各信号は、電力および/またはデータを備えてもよい。いくつかの実施形態では、一次および二次伝送ユニットの間の結合は、容量結合、誘導結合、無線周波数結合等、およびそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。一次伝送ユニットと二次伝送ユニットとの間の結合の結果として、一次信号が、一次伝送ユニット上に存在するとき、二次信号が、二次伝送ユニット上に生じ得る。そのような結合は、誘導/磁気結合、RF結合/伝送、容量結合、または一次伝送ユニット上に発生される一次信号に応答して、二次信号が二次伝送ユニット上に発生され得る、任意の他の機構を含んでもよい。
【0045】
別の実施形態によると、インプラントユニットは、外部ユニットによって構成されるプロセッサに加えて、プロセッサを備えてもよい。インプラントユニットのプロセッサは、したがって、内部プロセッサと称され得る。実装されるとき、内部プロセッサは、それの上にインストールされた少なくとも1つのソフトウェアプログラムを備えてもよい。したがって、内部プロセッサは、刺激療法を実行および診断し、インプラントユニットが問題に遭遇する場合にアラートおよび警告(AおよびW)を外部ユニットに送信するように構成されてもよい。
【0046】
好ましい実施形態として、頭痛および顔面痛を治療するためのシステムは、患者の皮膚に取り付けられる外部キャリアに取り付けられる、外部ユニットを備え得る。本「患者外部ユニット」は、その一次伝送ユニットを介して、対象の皮膚の下に埋込されるインプラントユニットとの伝送リンクを確立してもよい。さらに、外部ユニットは、誘導を介してインプラントユニットに電力を供給してもよい。インプラントユニットは、次いで、無線伝送を介して外部ユニットと通信するように構成されてもよく、さらに、インプラントユニットの内部プロセッサ上にインストールされたソフトウェアプログラムを開始する、ブートローダを備えてもよい。最後に、インプラントユニットは、刺激療法を実行および診断し、インプラントユニットが問題に遭遇する場合にアラートおよび警告(AおよびW)を外部ユニットに送信するように構成されてもよい。本システムはさらに、誘導結合を介して「患者外部ユニット」を充電するための充電ユニットを備えてもよい。しかしながら、充電ユニットはさらに、外部ユニット上に記憶され、インプラントユニットから外部ユニットに送信されたAおよびWデータを収集するように構成されてもよい。さらに、充電ユニットは、オンまたはオフにされ得る、充電器LEDと、非常用LEDとを備えてもよい。例えば、充電器LEDは、外部ユニットが充電ユニットによって充電されている限りオンにされてもよい。同様に、非常用LEDは、充電ユニットが外部ユニットからAおよびWデータを受信するときにオンにされてもよい。加えて、充電ユニットは、ウェブサーバに接続し、ログファイルならびにAおよびW報告(存在する場合)をアップロードしてもよい。
【0047】
加えて、好ましいシステムは、外部ユニットに接続可能な医師プログラミングユニットを備えてもよい。外部ユニットが、医師プログラミングユニットに接続されるとき、これはまた、「医師外部ユニット」と称され得る。「医師外部ユニット」は、「患者外部ユニット」と同一のデバイスであってもよい、またはこれは、医師にのみによって使用される異なる外部デバイスであってもよい。医師プログラミングユニットは、外部コンピューティングユニット、例えば、PCまたはタブレットもしくはスマートフォンのような類似するハンドヘルドまたはポータブルデバイスであってもよい。ともに、医師外部ユニットおよび医師プログラミングユニットは、療法テンプレートを準備し、具体的名称で構成を記憶するように構成されてもよい。さらに、医師プログラミングユニットは、インプラントユニットのセキュアな識別に役立ち、インプラントユニットと医師外部ユニットとの間のセキュアなペアリングを確立してもよい。医師プログラミングユニットおよび医師プログラミングユニットのさらなる機能は、インプラントユニット内に記憶される患者履歴ログファイルを検証すること、療法を準備/ロードし、患者の来院の間に試験刺激シーケンスを実行すること、患者の来院の間に試験された療法をプログラムすること、患者の来院の間にインプラントユニットからステータス報告(例えば、アラートまたは警告、履歴ログファイル等)を受信すること、プログラムの前に療法を可視化する(例えば、電極構成、電流振幅、パルス持続時間、オン/オフ周期等を示す)ためのユーザフレンドリーなインターフェースを提供することを含んでもよい。
【0048】
本開示の別の側面によると、先述の請求項のいずれかによる神経刺激システムにおける使用のためのインプラントユニットが、提示され、インプラントユニットは、対象の皮膚の切開部を通した対象の身体内での埋込のために構成され、インプラントユニットはさらに、切開部からつながる対象の脂肪組織内のトンネルを通した対象の身体内での埋込のために構成される。好ましくは、切開部は、0.5~3.5cmの長さである。さらに、インプラントユニットは、対象の脂肪組織または皮下組織内のトンネル内での埋込のために構成されてもよく、トンネルは、切開部から、後頭面積を網羅するイニオンの2~3cm上方の場所に向かってつながる。
【0049】
本開示のまた別の側面によると、神経刺激システムを使用する神経筋組織の電気刺激のための方法が、本明細書で説明され、本方法は、外部ユニットからインプラントユニットに刺激パラメータを送信することと、外部ユニットを用いて電気刺激パターンを発生させることであって、電気刺激パターンは、少なくとも1つの変調信号を備える、ことと、対象の身体内に位置するインプラントユニットに電気刺激パターンを送達することと、電気刺激パターンを調節することであって、電気刺激パターンを調節することは、電極構成を変更し、電気刺激パターンの電圧、電流振幅、パルス周波数、および/またはパルス幅を増加または減少させることを含む、こととを含む。そのような方法は、例えば、疼痛信号の伝搬が所望されない、疼痛管理において有益であり得る。好ましくは、患者または対象における慣れを低減させるために、本方法は、1つ以上の確率的要素を含むことができる。例えば、刺激パラメータは、電気刺激パターンの電圧、電流振幅、パルス周波数、および/またはパルス幅が、確率的様式において変動し得るように、定義された範囲内の確率的挙動を備えてもよい。さらに、電極構成内の電極は、異なる時間に異なる神経面積を確率的に神経支配し、それによって、ランダムな刺激パターンを発生させてもよい。
【0050】
本方法はさらに、インプラントユニットの二次伝送ユニットにおいて交流(AC)信号を受信することを含んでもよく、インプラントユニットは、AC信号に応答して、電圧信号を発生させる。本方法はさらに、変調されるべき神経の近傍での埋込のために構成される、変調電極の少なくとも1つの対に電圧信号を印加することを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
本明細書に組み込まれ、その一部を成す、付随の図面は、開示される主題のいくつかの実施例を図示する。図面は、以下を描写する。
【0052】
【
図1】
図1は、本開示の例示的実施形態による、インプラントユニットと、外部ユニットとを備える、片側神経刺激のためのシステムを伴う対象の概略背面図を描写する。
【0053】
【
図2】
図2は、本開示の例示的実施形態による、インプラントユニットと、外部ユニットとを備える、両側神経刺激のためのシステムを伴う対象の概略背面図を描写する。
【0054】
【
図3】
図3は、片側変調電極構成を備える、インプラントユニットの例示的実施形態の概略図を描写する。
【0055】
【
図4】
図4は、両側変調電極構成を備える、インプラントユニットの例示的実施形態の概略図を描写する。
【0056】
【
図5】
図5は、例示的実施形態による、頭痛および顔面痛を治療するためのシステムのフローチャートを描写する。
【発明を実施するための形態】
【0057】
(例示的実施形態の詳細な説明)
図1は、片側神経刺激のためのシステム100を伴う対象の概略背面図を描写し、本システムは、本開示の例示的実施形態による、インプラントユニット300と、外部ユニット200とを備える。外部ユニット200は、対象700または患者の外部の場所のために構成される。
図1に示されるような外部ユニット200は、対象に取り付けられない。しかしながら、これは、実際には、対象700に添着されるように構成されてもよい。例えば、頭痛を患う対象に関して、外部ユニット200は、おおよそC2脊椎骨のレベルにおいて、乳様突起の近傍に取り付けられてもよい。外部ユニット200に関する好適な場所は、外部ユニット200と対象内に埋込されたインプラントユニット300との間の通信によって判定されてもよい。外部ユニット200は、対象700の皮膚への取付のために構成される、外部キャリア240を備えてもよい。例えば、キャリア240は、例えば、接着剤または機械的手段を通して、対象700の皮膚への接着のために構成される、可撓性皮膚パッチであってもよい。また、磁力を介して外部ユニット200を対象700の皮膚に取り付けることが、可能性として考えられ、外部キャリア240は、磁極を備え、個別の反対の極が、対象700の皮膚の直下に位置する。取付のさらなる手段は、面ファスナベースのシステム(例えば、Velcro(登録商標))を含むことができる。外部キャリア240は、可撓性または剛性であってもよい、または可撓性部分と、剛性部分とを有してもよい。外部ユニット200の外部キャリア240および/または筐体250は、任意の好適な材料から構築されてもよい。特に、外部ユニットまたは筐体250は、外部ユニットが、所望の場所に共形化するように構成され得るように、可撓性材料を含んでもよい。可撓性基質の材料は、限定ではないが、プラスチック、シリコーン、織成天然繊維、および他の好適なポリマー、コポリマー、ならびにそれらの組み合わせを含んでもよい。外部ユニットの任意の部分が、特定の用途の要件に応じて、可撓性または剛性であってもよい。
【0058】
外部ユニット200はさらに、対象に近接する代替場所に添着されるように構成されてもよい。例えば、一実施形態では、外部ユニット200は、対象の身体の一部の周囲に被着するように構成され得る、ストラップまたはバンドに固定して、または可撤式に接着するように構成されてもよい。代替として、または加えて、外部ユニット200は、その場所に接着することなく、対象の身体の外部の所望の場所に留まるように構成されてもよい。
【0059】
外部ユニット200は、筐体250を備えてもよい。筐体250は、コンポーネント、例えば、一次伝送ユニット230またはプロセッサ210を保定するために構成される、任意の好適な容器を含んでもよい。加えて、外部ユニット200は、
図1に図式的に図示されるが、筐体250は、任意の好適なサイズおよび/または形状であってもよく、剛性または可撓性であってもよい。
【0060】
一次伝送ユニット230は、約0.5cm~5cmの直径を有するコイルアンテナの形態であってもよく、好ましくは、円形または楕円形であってもよい。一次伝送ユニットとしての使用のために好適なコイルアンテナは、任意の数の巻線を有してもよい。さらに、一次伝送ユニットとしての使用のために好適なコイルアンテナは、約0.1mm~2mmのワイヤ直径を有してもよい。
【0061】
前述で議論されるように、外部ユニット200は、所望の場所に接着するように構成されてもよい。故に、いくつかの実施形態では、筐体250または外部キャリア240の少なくとも1つの側面は、接着材料を含んでもよい。接着材料は、生体適合性材料を含んでもよく、対象が、外部ユニット200を所望の場所に取り付け、使用の完了に応じて、外部ユニット200を除去することを可能にし得る。接着剤は、外部ユニット200の単回または複数回使用のために構成されてもよい。好適な接着材料は、限定ではないが、生体適合性糊剤、糊、エラストマ、熱可塑性物質、およびエマルションを含んでもよい。
【0062】
さらに、外部ユニット200は、電源220と関連付けられてもよい。電源220は、外部ユニットに対する外部場所において外部ユニット200に可撤式に結合可能であってもよい。代替として、電源220は、外部ユニット200に恒久的に結合されてもよい。電源220が、外部ユニット200に恒久的に結合される場合、電源220が再充電可能であることが、意図される。電源220はさらに、プロセッサと電気通信するように構成される、電力の任意の好適な源を含んでもよい。一実施形態では、例えば、電源220は、バッテリ221を含んでもよい。
【0063】
図1のシステムはさらに、刺激ブリッジ350を備える、インプラントユニット300を開示し、刺激ブリッジ350は、導線310と、二次伝送ユニット330と、変調電極320の対とを含む。
図1における導線310は、約10cmの長さであり、導線310に沿って均一に離間される、変調電極320の8つの対(「八極子導線」)を備える。さらに、インプラントユニット300は、バッテリなしであり、インプラントユニット300が
図1に示される刺激ブリッジ350の形態であることを可能にする。インプラントユニット300は、したがって、これが対象700の皮膚の切開部600を通した対象700の身体内での埋込のために構成されるため、本明細書に開示されるような神経刺激システム100における使用のために好適であり、切開部は、0.5~3.5cmの長さである。さらに、インプラントユニット100は、対象の組織内のトンネル610内での埋込のために構成されてもよく、トンネル610は、切開部600から、対象700のイニオン710の近傍の、例えば、後頭神経720の近傍の場所に向かってつながる。
【0064】
外部ユニット200の一次伝送ユニット230とインプラントユニット300の二次伝送ユニット330との結合に応じて、サブ変調信号または変調信号が、外部ユニット200からインプラントユニット300の変調電極320に伝送されてもよい。外部ユニット200の回路網は、例えば、インプラントユニット300内の二次伝送ユニット330上に電気二次信号を引き起こし得る、一次伝送ユニット230上の電気一次信号を発生させるように構成されてもよい。二次信号は、次いで、それから離間されるとき、神経の終末線維を変調させるために十分な電場を変調電極320の間に発生させるように構成されてもよい。
【0065】
図2は、本開示の例示的実施形態による、インプラントユニット300と、外部ユニット200とを備える、両側神経刺激のためのシステム100を伴う対象の概略背面図を描写する。
図2に示される実施形態は、両側刺激のために好適である、長い導線310または刺激ブリッジ350が使用される点において、
図1のものと異なる。
図2に示される刺激ブリッジ350の導線310は、約20cmの長さである。好ましくは、これは、2つの切開部600を使用する埋込手技のために構成される。
【0066】
特に、両側神経刺激は、乳様突起のレベルにおける3cmの長さの1つの小さい切開部600と、第2の切開部600とを要求し、第2の切開部は、刺激ブリッジ350の埋込のためにイニオンの1~1.5cm上方に位置する。10cmよりも長い、すなわち、両側刺激のために構成される導線310を有する刺激ブリッジ350を用いることで、小さい切開部600のみを用いて対象700の大きい神経面積を刺激することが、可能性として考えられる。したがって、対象700内にインプラントユニットを埋込する医療手技は、短く保たれ、依然として、非常に効率的な神経刺激を可能にすることができる。
【0067】
図3は、片側変調電極320構成を備える、インプラントユニット300の例示的実施形態の概略図を描写する。特に、
図3のインプラントユニット300は、刺激ブリッジ350と、二次伝送ユニット330とから成る。刺激ブリッジ350は、約10cmの長さの導線310、ならびに導線310に取り付けられる、変調電極320の8つの対(
図3にE1-E8とも標識化される)(「八極子導線」)を備える。
図3に示される実施形態によると、変調電極320は、導線310に沿って均一に離間される。
【0068】
図3のインプラントユニット300は、バッテリなしであり、インプラントユニット300が
図3に示される刺激ブリッジ350の薄型かつ比較的に小さい形態であることを可能にする。そのようなインプラントユニット300は、これが対象700の皮膚の切開部600を通した対象700の身体内での埋込のために構成されるため、本明細書に開示されるような神経刺激システム100における使用のために好適であり、切開部は、0.5~3.5cmの長さである。さらに、インプラントユニット300は、対象700の組織内のトンネル610内での埋込のために構成されてもよく、トンネル610は、切開部600から、対象700のイニオン710の近傍の、例えば、後頭神経720の近傍の場所に向かってつながる。
【0069】
図3の刺激ブリッジ350の電極320構成では、任意の個々の変調電極E1-E8は、アノード(A)またはカソード(C)としてプログラムされることができる、またはこれは、接続されないまま(NC)にされることができる。好ましい実施形態によると、少なくとも1つの電極320は、アノードとして定義されてもよい、および/または少なくとも1つの電極320は、カソードとして定義されてもよい。残りの2~7つの電極は、アノードまたはカソードとして並列に置かれてもよい。
【0070】
図4は、両側変調電極320構成を備える、インプラントユニット300の例示的実施形態の概略図を描写する。
図4のインプラントユニット300は、刺激ブリッジ350が両側刺激のために好適なより長い導線310を備える点において、
図3の実施形態と異なる。
図3に示される刺激ブリッジ350の導線310は、約20cmの長さである。
【0071】
図4に示されるように、刺激ブリッジ350は、2つの接続された区画から構成され、各区画は、それぞれ、変調電極320aおよび320bの8つの対を備える。二次伝送ユニット330に接続される、刺激ブリッジ350の区画に取り付けられる、変調電極320aは、近位電極320a(
図4にPE1-PE8とも標識化される)と呼ばれる。同様に、二次伝送ユニット330に直接接続されない、刺激ブリッジ350の区画に取り付けられる、変調電極320bは、遠位電極320b(
図4にDE1-DE8とも標識化される)と呼ばれる。
【0072】
図4の刺激ブリッジ350の電極320構成によると、任意の個々の変調電極PE1-PE8またはDE1-DE8は、アノード(A)またはカソード(C)としてプログラムされることができる、またはこれは、接続されないまま(NC)にされることができる。好ましい実施形態によると、少なくとも1つの電極320は、アノードとして定義されてもよい、および/または少なくとも1つの電極320は、カソードとして定義されてもよい。
【0073】
図5は、例示的実施形態による、頭痛および顔面痛を治療するためのシステム100のフローチャートを描写する。本実施形態によると、外部ユニット200は、患者の皮膚に取り付けられる、外部キャリア240に取り付けられてもよい。本「患者外部ユニット」200(
図5の患者EU)は、その一次伝送ユニット230を介して、患者700の皮膚の下に埋込されるインプラントユニット300との伝送リンクを確立する。さらに、「患者外部ユニット」200は、誘導を介してインプラントユニット300に電力を供給してもよい。
【0074】
システム100の示される実施形態によると、インプラントユニット300は、無線伝送を介して外部ユニット200と通信するように構成される。インプラントユニットはさらに、インプラントユニットのプロセッサ上にインストールされたソフトウェアプログラムを開始する、ブートローダを備えてもよい。最後に、インプラントユニット300は、刺激療法を実行および診断し、インプラントユニット300が問題に遭遇する場合にアラートおよび警告(AおよびW)を外部ユニット200に送信するように構成されてもよい。
【0075】
システム100はさらに、誘導結合を介して外部ユニット200を充電するための充電ユニット400を備える。しかしながら、
図5の実施形態によると、充電ユニット400はさらに、患者外部ユニット200上に記憶され、インプラントユニット300から外部ユニット200に送信されたAおよびWデータを収集するように構成されてもよい。さらに、充電ユニット400は、オンまたはオフにされ得る、充電器LEDと、非常用LEDとを備えてもよい。例えば、充電器LEDは、外部ユニット200が充電されている限りオンにされてもよい。同様に、非常用LEDは、充電ユニット400が外部ユニット200からAおよびWデータを受信するときにオンにされてもよい。加えて、充電ユニット400は、ウェブサーバに接続し、ログファイルまたはAおよびW報告をアップロードしてもよい。
【0076】
最後に、
図5によって示されるように、システム100は、外部ユニット200に接続可能な医師プログラミングユニット800を備えてもよい。外部ユニット200が、医師プログラミングユニット800に接続されるとき、これはまた、「医師外部ユニット」200(
図5の医師EU参照)と称され得る。「医師外部ユニット」200は、次いで、「患者外部ユニット」(
図5の患者EU参照)と同一のデバイスであるか、またはこれは、医師にのみによって使用される異なる外部デバイスであるかのいずれかであってもよい。医師プログラミングユニット800は、外部コンピューティングユニット、例えば、PCまたはタブレットもしくはスマートフォンのような類似するハンドヘルドまたはポータブルデバイスであってもよい。ともに、医師外部ユニット200および医師プログラミングユニット800は、療法テンプレートを準備し、具体的名称で構成を記憶するように構成される。さらに、医師プログラミングユニット800は、インプラントユニット300のセキュアな識別に役立ち、インプラントユニット300と医師外部ユニット200との間のセキュアなペアリングを確立してもよい。医師プログラミングユニット800および医師プログラミングユニット200のさらなる機能は、インプラントユニット300内に記憶される患者履歴ログファイルを検証すること、療法を準備/ロードし、患者の来院の間に試験刺激シーケンスを実行すること、患者の来院の間に試験された療法をプログラムすること、患者の来院の間にインプラントユニット300からステータス報告(例えば、アラートまたは警告、履歴ログファイル等)を受信すること、プログラムの前に療法を可視化する(例えば、電極構成、電流振幅、パルス持続時間、オン/オフ周期等を示す)ためのユーザフレンドリーなインターフェースを提供することを含んでもよい。
【0077】
本発明は、本明細書に説明される実施形態のうちの1つに限定されず、多数の他の方法で修正されてもよい。
【0078】
請求項、本明細書、および図によって開示される全ての特徴、ならびに構造的詳細、空間的配列、および方法論的ステップを含む、全ての利点は、それ自体で、または相互との種々の組み合わせによってのいずれかで、本発明に不可欠であり得る。
【0079】
【国際調査報告】