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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】フラッパーバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/36 20060101AFI20240311BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20240311BHJP
   B64D 37/08 20060101ALI20240311BHJP
   F16K 15/03 20060101ALI20240311BHJP
   F16K 15/16 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
F16K1/36 Z
B64C1/00 A
B64C1/00 B
B64D37/08
F16K15/03 A
F16K15/16 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559810
(86)(22)【出願日】2022-03-29
(85)【翻訳文提出日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 US2022022369
(87)【国際公開番号】W WO2022212394
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】17/217,066
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513079797
【氏名又は名称】エセックス インダストリーズ, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100136630
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 祐啓
(74)【代理人】
【識別番号】100201514
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 悦
(72)【発明者】
【氏名】チェイス, ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ハンプトン, フィル
【テーマコード(参考)】
3H052
3H058
【Fターム(参考)】
3H052AA01
3H052BA22
3H052CA01
3H052CA17
3H052EA16
3H058AA07
3H058BB24
3H058CA01
3H058CA22
3H058EE12
(57)【要約】
可撓性本体コーティング内に取り付けられた略剛性のフラップを備えるフラッパーバルブ。可撓性本体のヒンジは、浸透構造を有する内部補強材料を使用することによって形成され、浸透構造によって、バルブ形成中に本体材料が補強材料に入り込むことを可能にする。これにより、耐摩耗性に優れたより頑丈なヒンジが提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラッパーバルブであって、
フラッパーと、
補強材料のシートであって、前記補強材料が浸透性構造を有する、補強材料のシートと、
本体であって、前記本体が、前記補強材料と、前記フラッパーの周囲の周りの前記フラッパーの一部分とを囲み、前記本体が、前記フラッパーの各主表面の一部分にわたって延在するリングを形成し、前記本体材料が、前記補強材料の前記浸透性構造に浸透している、本体と、を備え、
前記フラッパーの前記周囲の周りに延在する前記本体が、前記フラッパーから離間したコネクタ部分を形成し、前記本体がまた、前記フラッパーの前記周囲と前記補強材料のシートを横切って延在する前記コネクタ部分との間にトラフを形成し、
前記トラフは、前記フラッパーが前記本体の前記コネクタ部分に対して回転するための自然ヒンジを形成する、バルブ。
【請求項2】
前記フラッパーが、ディスクの形状である、請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
前記コネクタ部分を通る開口部を更に備える、請求項1に記載のバルブ。
【請求項4】
前記コネクタ部分を通る少なくとも1つの追加の開口部を更に備える、請求項3に記載のバルブ。
【請求項5】
前記開口部が、前記本体及び前記補強材料を通って延在する、請求項3に記載のバルブ。
【請求項6】
前記フラッパーが、金属、ガラス繊維、又はプラスチックのうちの少なくとも1つから形成されている、請求項1に記載のバルブ。
【請求項7】
前記補強材料が、織布を含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項8】
前記補強材料が、形成されたメッシュを含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項9】
前記補強材料が、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ナイロン、又はポリパラフェニレンテレフタラミドのうちの少なくとも1つから形成されている、請求項1に記載のバルブ。
【請求項10】
前記本体が、ゴム又はプラスチックのうちの少なくとも1つから形成されている、請求項1に記載のバルブ。
【請求項11】
前記本体の一部分が、前記補強材料と前記フラッパーとの間にある、請求項1に記載のバルブ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年3月30日に出願された米国特許出願第17/217,066号の優先権を主張し、その継続であり、当該出願の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、フラッパーバルブに関する。特に、燃料が燃料ポンプから離れる方向に移動するのを抑制するための、航空機で使用するための耐摩耗性を向上させたフラッパーバルブに関する。
【背景技術】
【0003】
動力飛行が人類の最も偉大な業績の1つであることは、容易に想像がつく。近代的な航空機は、素晴らしいエンジニアリングであり、航空機を空中に浮かせたままにするためのスキル要件も感動的である。航空機に関する全てのことが、地上ベースの車両のものとはかなり異なる。その理由は一目瞭然である。航空機は三次元空間で動作し、いずれの固体表面によっても支持されない。地上ベースの車両は、典型的には、主な動作中に地面と接触し続ける必要があるため、二次元空間でのみ動作する。
【0004】
三次元空間での動作は、地上ベースの車両が単に有しない多くの懸念を航空機に提示する。最初の例では、安全性は、航空機内のオペレータであるか、乗客であるかにかかわらず、人間は本来、空に生息するものではないため、主要な懸念事項である。航空機は、人間の乗客又は乗組員を安全に下船させるために、典型的には、安全な停止を可能しない環境で動作しているという事実に対処しなければならない。地上ベースの車両は、典型的には、その動作に懸念がある場合、停止せることができ、乗客及びオペレータが下船することができ、車両を安全に検査及び修理することができる。したがって、ほとんどの場合、動作の故障に関する地上ベースの車両の主要な懸念は、安全に停止し、行き先に到達することができないことである。
【0005】
航空機では、典型的には、空中で安全に停止する方法はない。代わりに、航空機が空中で懸念を発見した場合、航空機は依然として着陸場所を有する必要があり、安全な着陸には典型的には、航空機が何にも当たらずに制御された方式で地球に戻るのに十分な航空機の動作性と十分な着陸スペースが必要である。空中にいる航空機は、正しく動作し続ける限り、効果的に安全である。これは、主に重力が地上で安全に保つのを助ける地上ベースの車両とは対照的に、空から航空機を離そうとするように航空機に対する重力の引っ張りによるものである。
【0006】
更に、航空機の動作はまた、二次元ではなく三次元の動きの中で動作する必要があるため、地上ベースの車両の動作よりもはるかに複雑である。これらのうちの主要なものの1つは、航空機が安全に空中に運ばれている間でさえ、重力が依然として航空機とその内容物の両方に作用しているということである。空気は典型的には、通常の動作中に航空機自体を快適に支持するが、内容物は、慣性と重力の両方の影響下で航空機本体内を移動することができるため、別の問題を提示する。事実上、航空機の内容物は、飛行自体ではなく、航空機との接触によって空中に保持される。
【0007】
航空機の内容物が重力の影響下で航空機自体に対して移動する現象は周知であり、しばしば非常に有用である。例えば、航空機が急速に上昇して落下する放物線飛行の概念は、航空機が落下しているとき、航空機構造に拘束されていない乗客が客室の周りを効果的に「浮遊」することができるように、無重力感について人々を訓練するために使用される。実際、彼らは重力の影響を受けているが、航空機が周囲を関連する速度で降下しているため、接触していない。多くのジェットコースターなどの地上ベースの車両でさえ、この動きのシミュレーションを提供することが可能である。しかしながら、そのような場合には、典型的には、効果を限定する地上ベースの車両に乗客を保つために必要とされる制止が必要とされる。
【0008】
放物線飛行は、無重力訓練に有用であり得るが、商業輸送飛行では、そうなることははるかに少なく、このため、商業飛行は、典型的には、乗客を航空機に接続することを保つために乗客制止(例えば、シートベルト)を利用する。乗客だけでなく、積載物が動き回ることを抑制するための積載物の制止は、実際には航空機ではほぼ普遍的である。航空機内の積載物は、典型的には、それらの動きを抑制するために、航空機のフレームに剛性的に接続されるか、又は他の方法で制止される。例えば、商業航空機に積載された手荷物や貨物は、重い貨物ネットを使用することによって、又は単にスペースをかなりしっかりと積載することによって、垂直方向で適切な位置に制止されることが多い。これにより、飛行中の個々の荷物の移動が抑制される。
【0009】
典型的には、予期しない積載物の移動は、地上ベース車両では航空機ほど主要な懸念事項ではない。地上ベースの車両は、例えば、本が急な停止で座席から滑り落ちたり、車両が急旋回するときに別の乗客に押し込まれたりするなど、積載物のシフトに問題がある可能性があるが、これらは重力よりも慣性の影響である。重く積載された車両(ロードトラックなど)の積載物は、典型的には再調整されるので、車両が異なる方向に加速している点の間、それら自身の慣性を維持することができない。例えば、大型トラックは、風や強力な曲がり角のアクションによる潜在的な危険を軽減するために、積載物のバランスを取る必要がある。しかしながら、地上ベースの車両の大きな積載物でさえ、急な斜面などの特定の限られた状況では、航空機に対する重力だけで潜在的に動かされる。
【0010】
小型地上ベースの車両では、典型的には、いかなる形態の積載のバランス化も必要ない。例えば、ほとんどの乗用車は、客室内で乗客が不均等に分布した状態で安全に動作することができる。しかしながら、大型車両の場合、不正確に分布した積載物は、制御の喪失、揺れ及びロールオーバー、並びに他の関連する懸念をもたらす可能性があるため、積載のバランス化は主要な懸念となり得る。更に、運搬中に移動する可能性のある不適切に固定された積載物は、積載物の移動及び悪い積載のバランス化又は運動中の積載のバランス化の変化をもたらす可能性がある。しかしながら、これらの影響は、繰り返しになるが、重力というよりも慣性によって引き起こされることが多い。
【0011】
航空機では積載のバランス化の問題が大きくなる。航空機は、慣性を介して積載物が移動する全ての同じ問題を被るが、また、それらの積載物とそれら自身に対する重力の影響に対処しなくてはならない。例えば、航空機の一方の側面を重くすることは、動作の非効率性をもたらすだけでなく、航空機自体を空中に維持する能力が低下し、予想される制御が失われる可能性があるため、航空機は、典型的には、一方の側面が他方の側面よりも重くなることを抑制するような方式で積載される必要がある。航空機における積載のバランス化及び一般的な積載の固定における主要な懸念の1つは、燃料移動である。
【0012】
離陸時の典型的な民間航空機は、典型的には、総重量の25~50%が燃料である。したがって、燃料重量及び重量分布は、航空機において実質的な問題となることが多い。更に、航空機燃料は、典型的には、液体であり、飛行中に消費される。したがって、航空機内の燃料位置は、航空機への重力の影響に強く依存しており、燃料は、タンク又は他の構造物に拘束され得るが、タンクが飛行中の異なる点で異なる量の燃料をその内部に有することになるため、重力又は燃料自身の慣性の下で燃料が流れるのを防ぐことは非常に困難である。
【0013】
したがって、燃料が既知の場所に維持され、予期外に動き回ることが許されないことが非常に重要である。例えば、燃料が航空機内のタンク間を自由に移動することができる場合、又は異なるタンクから不正確に使用される場合、燃料が消費されるにつれて航空機に不安定性をもたらす可能性がある。同時に、航空機の燃料タンクは、燃料をエンジンや他の構成要素に移すことができる必要がある。更に、特定のタンク内の燃料ポンプの故障又はマルチエンジン航空機内のエンジンの故障は、二次タンクから特定のエンジンに燃料を供給して航空機を空中に保ち、燃料が現在予想外の方式で消費されるときに積載のバランス化を維持する能力を提供する必要性をもたらす可能性がある。
【0014】
完璧な動作条件下であっても、航空機内の燃料の移動は特定の問題になる可能性がある。航空機の動作中に何か問題が発生したときに、状況は実質的に悪化する可能性がある。具体的には、意図されたように飛行する航空機でさえ、典型的には水平(又はそれらの本体が地面に略平行)に留まらない。したがって、燃料及び他の液体材料が向かう必要がある場所に正しく供給されることを確実にするために、移動(「スロッシング」)及びバルブ及び同様のデバイスを扱う貯蔵施設を提供する必要がある。多くの場合、最も単純な燃料の流れでさえ、単方向の方式で維持される必要があるか、又は燃料ポンプ又は他の構造が燃料に作用することができるタンクの領域に少なくとも燃料が維持される必要がある。望ましくない燃料の運動のための1つの場所は、燃料バルクヘッド開口部と関連している。これらでは、燃料ポンプが燃料にアクセスすることができる領域に燃料が維持されることが概して望ましい。
【0015】
バルクヘッドなどの開口部を通る液体の移動を制御するための簡単で効果的な解決策は、フラッパーバルブである。フラッパーバルブは、典型的には、ヒンジを備えた開口部への蓋を備える単純な構造である。バルブは、開口部から離れる方向に押されるときに開かれ得るが、開口部を取り囲む剛性構造がフラッパーバルブの動きをブロックするため、典型的には他の方向に開かれ得ない。しかしながら、フラッパーを開口部から離れる方向に開くことは、多くの場合、付勢部材によって、及び多くの場合、フラッパー上に置かれた液体自体の質量によって抑制される。
【0016】
フラッパーバルブは、典型的なトイレのフラッシュ機構においてほぼ至る所にあるため、多くの人がフラッパーバルブに精通している。フラッパーバルブは、典型的には、トイレの背側にある貯蔵タンクのベースの穴に対して封止する。これにより、準備ができているときに水をタンクに保持することができる。フラッシュレバーを回すときに、ユーザは、開口部から離れる方向に、バルブを所定の位置に保持しているタンク内の水を介して、フラッパーをヒンジの周りに上方に回転させる。これにより穴を開き、タンク内の水がボウルのクリーニングを通って急いで流れる。十分に高い水位は、フラッパーバルブを浮かせる際にも保持する。タンク内の水位が十分に低下すると、フラッパーの質量が残りの水の支持能力を克服し、重力がフラッパーを穴に引き戻す。その後、水がフラッパーを素早く覆い、タンクに入る水の質量が再びフラッパーを穴の所定の位置に保持する。
【0017】
航空宇宙用途では、フラッパーバルブは必ずしもトイレバルブよりもはるかに複雑ではない。従来、航空宇宙フラッパーバルブは、単に剛性材料のフラップであり、このフラップは、ヒンジにリベット留めされ、このヒンジは、封止される穴の近くのバルクヘッドに留められる。これらは、燃料の質量及び/又はバルクヘッド構造自体を使用して穴を閉じ、必要に応じて燃料が容易に(少なくとも一方向に)流れるようにしながら、予想されるときに閉じたままにする目的に適している。このような単純なバルブは、例えば、アクティブモニタリングを必要とせずに、タンク又は領域間で比較的均等な燃料レベルを維持するのに役立つ可能性がある。
【0018】
しかしながら、このシンプルな構造にも問題がある。フラッパーバルブは比較的故障しやすい。具体的には、従来のフラッパーバルブは、ヒンジで弱い点を有し、ヒンジの材料は、ヒンジの材料が繰り返し曲げられることが多いため、ヒンジを形成する材料は、ひび割れ、変形、又は破損する可能性がある。これは、繰り返される変形が非常に小さい領域で激しい摩耗をもたらすため、自然ヒンジが使用される場合に特に当てはまる。更に、フラッパーバルブ構造において金属部を使用して剛性及び強度を提供することは、電気嵐のような静的蓄積及び放電並びに電気の伝達の可能性を作成する。航空機燃料システムにおける放電が回避されることが直ちに明らかになるべきであり、したがって、金属ヒンジは、典型的には、航空宇宙フラッパーバルブにおける自然ヒンジの置換として使用することができない。したがって、多くの場合、最も耐摩耗性のある材料は、フラッパーバルブ構造には利用できない。
【発明の概要】
【0019】
以下は、本発明のいくつかの態様の基本的な理解を提供するための本発明の要約である。この要約は、本発明の重要又は重大な要素を識別すること、又は本発明の範囲を定めることを意図していない。本節の唯一の目的は、後で提示されるより詳細な説明の前段階として、本発明のいくつかの概念を簡略化された形式で提示することである。
【0020】
当該技術分野におけるこれら及び他の問題のために、本明細書に記載のものは、とりわけ、可撓性本体コーティング内に取り付けられた略剛性のフラップを含むフラッパーバルブである。可撓性本体のヒンジは、浸透構造を有する内部補強材料を使用することによって形成され、浸透構造によって、バルブ形成中に本体材料が補強材料に入り込むことを可能にする。これにより、耐摩耗性に優れたより頑丈なヒンジが提供される。バルブは、金属構成要素なしで構築することができるか、又は非金属絶縁構成要素内の金属構成要素を利用して、バルブの静電気放電又は電気搬送能力を抑制することができ、航空宇宙用途で特に使用される。
【0021】
本明細書には、とりわけ、フラッパーと、補強材料のシートであって、補強材料は、浸透構造を有する、シートと、本体であって、本体は、補強材料及びフラッパーの少なくとも一部分を封入し、本体材料は、補強材料の浸透構造を通って浸透する、本体と、を備え、本体は、当該フラッパーの周囲の周りに延在し、当該フラッパーから離間したコネクタ部分を形成し、当該本体はまた、当該フラッパーの当該周囲と補強材料のシートを横切って延在する当該コネクタ部分との間にトラフを形成し、当該トラフは、当該フラッパーが当該本体の当該コネクタ部分に対して回転するための自然ヒンジを形成する、フラッパーバルブが記載される。
【0022】
バルブの一実施形態では、フラッパーはディスクの形状である。
【0023】
バルブの一実施形態では、当該フラッパーの当該周囲の周りに延在する本体は、当該周囲の周りにリングを形成し、リングは、当該フラッパーの各主表面の一部分にわたって延在する。
【0024】
一実施形態では、バルブは、当該コネクタ部分を通る開口部を更に備える。
【0025】
一実施形態では、バルブは、当該コネクタ部分を通る少なくとも1つの追加的な開口部を更に備える。
【0026】
バルブの一実施形態では、開口部は、当該本体及び当該補強材料を通って延在する。
【0027】
バルブの一実施形態では、フラッパーは、金属、ガラス繊維、又はプラスチックのうちの少なくとも1つから形成されている。
【0028】
バルブの一実施形態では、補強材料は、織布を含む。
【0029】
バルブの一実施形態では、補強材料は、形成されたメッシュを含む。
【0030】
バルブの一実施形態では、補強材料は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ナイロン、又はポリパラフェニレンテレフタラミドのうちの少なくとも1つから形成されている。
【0031】
バルブの一実施形態では、本体は、ゴム又はプラスチックのうちの少なくとも1つから形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】フラッパーバルブの一実施形態の正面斜視図を提供する。
図2】内部構成要素の位置決めを見ることができるように、可撓性本体が部分的に半透明に描かれた、図1のフラッパーバルブの正面図を提供する。
図3】内部構成要素の位置決めを見ることができるように、可撓性本体が部分的に半透明に描かれた、図1の図を提供する。
図4】前面を下向きにした図3のエッジビューを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1図4は、多層浸透自然ヒンジの使用によるヒンジ領域の強化によって、向上した寿命を有するように設計されたフラッパーバルブ(100)の一実施形態を提供する。バルブ(100)のフラッパー(101)は、典型的には、金属、ガラス繊維、又はプラスチックなどの硬質材料の単一部品から形成されている。航空機用途では、フラッパー(101)は、好ましくは不十分又は非導電性材料(例えば、アルミニウム)であるが、これは決して必要ではない。フラッパー(101)は、バルブ(100)の実質的な「バルブ」を含み、典型的には、フラッパーバルブ(100)が配置される開口部を外圧又は作動力から保護するのに役立つ。したがって、フラッパーバルブ(100)が可変的に開閉するように設計されている開口部を覆うように、典型的にはサイズ及び形状が決められている。
【0034】
描写される実施形態では、フラッパー(101)は、薄いディスクの形状であるが、これは決して必要ではない。しかしながら、円形ディスクの形状は、フラッパーバルブ(100)によって封止されるほとんどのポート又は開口部が丸いか、又は丸いフラッパー(101)によって封止され得るため、最も一般的である可能性が高い。更に、丸いフラッパー(101)形状は、フラッパー(101)が、典型的には、フラッパー(101)の残りの構造よりも容易に曲がることができる任意の点又は突起を有しないことを意味する。
【0035】
フラッパー(101)は、図4で最もよく見られるように、ヒンジ(113)に隣接して位置決めされる。一実施形態では、ヒンジ(113)は、ナックル及びピントルを間に有する2つのリーフを有する機械的ヒンジを備えてもよい。しかしながら、一般に、ヒンジ(113)は、本体(105)の材料と組み合わせてヒンジ(113)を横切って延在する可撓性の補強材料(103)から形成された自然ヒンジを実際に備えることが好ましい。
【0036】
自然ヒンジは、素材の自然な柔軟性を効果的に利用していると認識されるべきである。したがって、本設計の一態様は、ヒンジ(113)の線以外の線に沿ったフラッパーの移動を抑制する。これを行うために、ヒンジ(113)は、効果的には、図4に最もよく見ることができるように、本体(105)のフラッパー部分(201)と、バルブ(100)をバルブ(100)が作用する開口部の近くの領域に接続するために使用される本体(105)のコネクタ部分(301)と呼ばれるものとの間のトラフ(213)の形態である。
【0037】
トラフ(213)は、略線形であり、本体(105)が典型的には最も薄い本体(105)の部分である。しかしながら、これは決して必要ではなく、トラフ(213)は、実際には、他の構成要素よりも断面において少ない材料を含まなくてもよい。しかしながら、トラフ(213)を残りの本体(105)部分(201)及び(301)よりも薄くすることは、本体(105)の曲げの目的のために自然な弱い点を提供する。したがって、図2のページから、又はトラフ(213)の線及びフラッパー(101)のディスクの平面に対して略直交する方向においてコネクタ部分(301)に対してフラッパー部分(201)に力が加えられると、トラフ(213)での本体(105)の自然な弱い点は、典型的には、フラッパー部分(201)がトラフ(213)でのコネクタ部分(301)に対して移動することをもたらす。
【0038】
トラフ(213)は、典型的には、補強材料(103)の一部分にわたって延在し、ヒンジ(113)の補強材料(103)部を作製する。したがって、トラフ(213)は、フラッパー部分(201)が、トラフ(213)で本体(105)材料及び補強材料(103)の両方を通って曲がるコネクタ部分(301)に対して非可撓性の部品として移動できるように、フラッパー(101)から離間された回転ラインを提供する。
【0039】
補強材料(103)は、好ましくは、トラフ(213)で曲げることができるように可撓性である。補強材料(103)はまた、好ましくは、補強材料(103)に穴がある浸透構造又は他の同様の構造を有する。一実施形態では、補強材料(103)は、織られ、編まれ、又はそれ以外の場合、略平面のシートに形成される、自然及び/又は合成の糸から形成される布、網、又は同様の材料を含んでもよい。好ましくは、そのような補強材料(103)は、補強材料(103)の浸透を作成するために比較的開いた織り方を有する。別の実施形態では、補強材料(103)は、プラスチックメッシュなどの穴を内蔵した単一の部品として形成されたメッシュ材料を含んでもよいが、これに限定されない。プラスチックメッシュは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ナイロン、又はポリパラフェニレンテレフタラミドなどの材料で形成されてもよいが、これらに限定されない。
【0040】
バルブ(100)の形成において、補強材料(103)及びフラッパー(101)は、様々な構成要素のかなりの部分を効果的に封入する可撓性本体(105)の材料を使用して相互接続される。本体(105)は、典型的には、フロロシリコーン、ニトリルブタジエン、又はシリコーンなどのゴムを含むが、代替的には、可撓性プラスチック又は他の可撓性材料を含んでもよい。本体(105)の材料を本体(105)に形成するために、選択された材料は、典型的には、圧縮又は射出成形技術を使用して形成され、補強材料(103)及びフラッパー(101)は、成形プロセスの一部として本体(105)材料に成形される。
【0041】
具体的には、本体(105)は、典型的には、図4に最もよく示されるように、ヒンジ(103)及びフラッパー(101)が本体(105)の内部にあるように形成される。図2及び図4において最もよく見ることができるように、補強材料(103)は、典型的には、リング(115)を形成するフラッパー(101)の周囲のフラッパー(101)の一部分と重複する。補強材料(103)は、接着剤又は機械的留め具の使用などによってフラッパー(101)に直接取り付けられてもよく、又は本体(105)材料の使用によってのみフラッパー(101)に取り付けられてもよい。この後者の構成では、本体(105)材料は、補強材料(103)の穴に浸透し、フラッパー(101)に直接接触してもよい。これは、接着効果を有することができ、及び/又はフラッパー(101)を取り囲んで移動を抑制するのに役立てることができる。
【0042】
図2及び図3で最もよく見ることができるように、本体(105)は、典型的には、フラッパー(101)の構造全体を覆うのではなく、その周囲を単に取り囲み、フラッパー(101)の主表面の両方にわたって短い距離を延在し、フラッパー(101)の周囲の周りにリング(115)を効果的に形成する。したがって、図1の前側(501)で最もよく見ることができるように、フラッパー(101)の両側の材料の内側の円が見える。
【0043】
この構造は、バルブ(100)が開口部の上に位置決めされるときに、フラッパー(103)自体が典型的には、開口部を取り囲む表面と接触しないことを提供する。代わりに、フラッパー(101)の周囲の周りにリング(115)を形成する本体(105)部分は、典型的には、開口部を取り囲む表面と接触するであろう。したがって、本体(105)の材料が電気的に絶縁されている限り、本体(105)は、開口部の表面からフラッパー(101)への任意の電気的な流れを抑制するであろう。フラッパー(101)の全体を覆う必要がないことは、材料コストの低減及び構造の簡素化をもたらすことができる。代替的な実施形態では、本体(105)材料は、フラッパー(101)全体を完全に囲むか、又は封入するであろう。
【0044】
本体(105)は、典型的には、補強材料(103)を完全に囲むか、又は封入する。補強材料(103)が封入されない範囲で、補強材料(103)は、典型的には、本体(105)の端部上、又は穴(107)の縁部内にあるであろう。これらの場所では、補強材料(103)のシートの縁部が露出してもよい。しかしながら、当業者は、そのような小さなアクセスポイントを含めても、補強材料(103)が本体(105)によって効果的に封入されていることを変更しないと理解するであろう。
【0045】
本体(105)への本体材料の形成は、典型的には、得られたバルブ(100)にその形状及び構造を与える。更に、補強材料(103)及びフラッパー(101)が所定の位置にある本体(105)の形成は、典型的には、本体(105)の材料が補強材料(103)を囲むだけでなく、本体材料が補強材料(103)の穴に浸透し、本体材料のストランドが補強材料(103)を通って配置されるようにする。これらのストランドはまた、本体(105)の残りの部分と一体的に形成されてもよい。
【0046】
この効果は、本体(105)材料が流動可能な状態にあるときに本体(105)材料を圧力下に置く形成技術によって強化することができ、これは、補強材料(103)の浸透部を通して本体材料をよりよく強制するのに役立てることができる。このように本体(105)を形成することは、フラッパー(101)を動かすための曲げ作用が、実際には、補強材料(103)と本体材料(105)の組み合わせによって、挟まれた層だけでなく、効果的に統一された構造として行われることを意味する。
【0047】
補強材料(103)は、図4に最もよく見ることができるように、フラッパー(101)の一方の側にあるが、本体材料(105)は、典型的には、一方の側が略平面になるように配置される。すなわち、本体(105)の背側(401)は、典型的には、リング(115)、トラフ(113)、及び接続部分(301)にわたって略平面である。他方又は前側(501)は、典型的には、平面ではない。具体的には、前側(501)は、トラフ(113)を形成するくぼみを含む。更に、描写される実施形態における接続部分(301)の構造は、本体(105)に対して実質的な厚さを有することができる、フラッパー(101)の構造を内部に含まないため、フラッパー部分(201)ほど厚くない。しかしながら、図4に最もよく見ることができるように、バルブ(100)は、依然として、略平らなシートの形態である。
【0048】
平面の背側(401)は、典型的には、バルブ(100)が使用されているとき、開口部に隣接して配置される側面を含む。このようにして、平らなときのバルブ(100)の位置は、開口部を封止するのに役立つ。他の方法での設置が可能であるが、取り付けが正しく行われない限り、接続部分(301)に対してある角度に置かれたフラッパー部分(201)からの隙間を作成する可能性がある。更に、トラフ(113)は、少なくともある程度、両方向に移動することができる自然ヒンジを形成するが、側面(401)に向かって曲がるバルブ(100)の運動範囲(例えば、側面(401)は180度未満の角度(鈍角又は鋭角)に曲げられ、一方、側面(501)は180度を超える角度(優角)に曲げられる)はより大きいことは明らかである。具体的には、側面(401)に向かって曲がることは、トラフ(213)の壁(313)が離れて広がっており、相互作用しないことを意味するが、反対方向に側面(501)に向かって曲がると、典型的には、トラフ(213)の壁(313)が最終的に互いに衝突し、そのような曲がりの利用可能な角度が制限される可能性が高い。
【0049】
開閉する開口部を取り囲む表面にバルブ(100)を取り付けるために、バルブ(100)は、接続部分(301)を通る1つ以上の穴又は開口部(107)を含んでもよい。これらは、典型的には、接続部分(301)を適切な表面に保持する留め具を接続するために使用される。これらの留め具は、任意の形態であってもよいが、典型的には、リベット、ネジ、又は同様の材料を含む。典型的には、トラフ(213)に略直交する線の周りに対称的に本体(101)を通って、フラッパー(101)のディスクの中心軸を通って典型的に位置決めされる少なくとも2つの開口部(107)がある。このようにして、フラッパー(101)は、バルブ(100)の残りの構造が、バルブ(100)が開閉するように設計されている開口部を取り囲む表面にしっかりと取り付けられても、トラフ(213)で回転ラインの周りを自由に移動することができる。シンクロニシティは、バルブを所定の位置に取り付けることを容易にし、バルブ(100)が開口部(107)内の留め具の周りをスライド又は回転することを抑制することもできる。
【0050】
図から見ることができるように、開口部(107)もまた補強材料(103)を通過することが一般的に好ましい。しかしながら、これは決して必要ではない。開口部(107)を補強材料(103)に通すことは、本体材料によってだけでなく、補強材料(103)によってもヒンジ(113)で行われたのと同様の方法で開口部(107)の周りの領域を補強するのに役立つ。これは、開口部(107)をより強くし、バルブ(100)を留め具から引き離すことができにくくするのに役立てることができる。
【0051】
本発明は、現在有用な実施形態であると考えられるものを含む特定の実施形態の説明と併せて開示されてきたが、詳細な説明は、例示的であることが意図されており、本開示の範囲を限定するものと理解されるべきではない。当業者に理解されるように、本明細書に詳細に記載される実施形態以外の実施形態が、本発明に包含される。記載される実施形態の修正及び変形が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われてもよい。
【0052】
更に、本開示の任意の単一の構成要素に対して与えられた範囲、値、特性、又は特徴のうちのいずれかは、本明細書全体を通して与えられたように、適合性がある場合、本開示の他の構成要素のうちのいずれかに対して与えられた任意の範囲、値、特性、又は特徴と互換的に使用されて、構成要素の各々に対して定義された値を有する一実施形態を形成することができると理解されよう。更に、属又はカテゴリに提供される範囲は、別段の定めがない限り、属内の種又はカテゴリのメンバーにも適用することができる。
【0053】
「一般的に」という修飾語及び本件で使用されている同様の修飾語は、当業者によって、デバイスを修飾された用語に適合させるための認識可能な試みに適応し、それにもかかわらず適合しない場合があると理解されるであろう。これは、「平行」などの用語が、純粋に幾何学的な構成概念であり、現実の構成要素又は関係が、幾何学的な意味における真の「平行」ではないからである。幾何学的記述及び数学的記述からの変動は、とりわけ、形状変動、欠陥及び不完全性、不均一な熱膨張、及び自然摩耗をもたらす製造公差のために避けられない。更に、オブジェクトごとに、物質の本質に起因して幾何学的記述及び数学的記述が失敗するレベルの拡大が存在する。したがって、当業者は、「一般的に」という用語及び本明細書で企図されている関係が、そのような修飾語の包含にかかわらず、これら及び他の考慮事項を考慮して、用語の文字通りの幾何学的意味からの様々な変動を含むことを理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】