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特表2024-512104サスペンションシステムのためのスラスト軸受
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】サスペンションシステムのためのスラスト軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 17/10 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
F16C17/10 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559837
(86)(22)【出願日】2022-04-12
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 DE2022100277
(87)【国際公開番号】W WO2022223072
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0052802
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515009952
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アー・ゲー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Industriestr. 1-3, 91074 Herzogenaurach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ドンギュン チョー
(72)【発明者】
【氏名】チョンデ ロー
(72)【発明者】
【氏名】ソンギュ クォン
(72)【発明者】
【氏名】ドンハ イ
【テーマコード(参考)】
3J011
【Fターム(参考)】
3J011BA06
3J011KA04
3J011MA12
3J011PA03
(57)【要約】
本発明は、サスペンションシステムのためのスラスト軸受に関し、スラスト軸受は、上部要素と、上部要素の下方に設けられている下部要素と、上部要素と下部要素との間に設けられている軸受と、上部要素及び下部要素の両方の側部に径方向に形成されている開口部で上部部分に接合されている、一次封止部分及び二次封止部分と、からなり、1つ以上の表面面積増加要素であって、1つ以上の表面面積増加要素は、上部部分との接触面積を拡大し、かつ、周方向において、表面上の封止部分のうちの1つ以上において形成されており、それによって、上記封止部分が上部部分に接合されている、1つ以上の表面面積増加要素を有し、かつ上部部分の封止部分に接合されている、上部部分の接合点を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サスペンションシステムのためのスラスト軸受であって、前記スラスト軸受は、上部要素(110)と、前記上部要素(110)の下側の下部要素(120)と、前記上部要素(110)と前記下部要素(120)との間の軸受(130)と、前記上部要素(110)と前記下部要素(120)との間のいずれかの側部に径方向に形成された開口部において前記上部要素(110)と連通する一次封止部分及び二次封止部分(151、153)と、からなり、
面積増加要素は、1つ以上の封止部分(151、153)上で、前記上部要素(110)への前記封止部分との周方向に形成された接触表面における前記上部要素(110)への接合表面面積を増加させ、前記上部要素の接続点(111)は、前記上部要素(110)とともに前記面積増加要素によって形成されている、サスペンションシステムのためのスラスト軸受。
【請求項2】
表面面積における周方向の増加を伴う要素は、一次封止点(151)の前記接合表面(1515)上の個々の部分の間に間隔を伴って凹状の窪みの形態で形成されており、前記上部要素の接合点(111)は、面積増加要素に向かって張り出し、前記上部要素(110)の前記接合表面(112)において前記面積増加要素に接続している、請求項1に記載のサスペンションシステムのためのスラスト軸受。
【請求項3】
表面面積における増加を伴う要素は、径方向外向きに面するベース部表面(15173)と、前記ベース部表面(15173)の周方向側部のうちのある側部(15171)と、前記ベース部表面(15173)の底部の底部表面(15172)とを受け入れる、外向きかつ上向きに面する開口部を備えて形成されており、前記接続点(111)は、凸状形状増加領域に突出しており、前記ベース部表面(15173)、前記側部(15171)、及び前記底部表面(15172)に接合されている、請求項2に記載のサスペンションシステムのためのスラスト軸受。
【請求項4】
側部表面(15171)及び前記ベース部表面(15173)は、鋭角を形成している、請求項3に記載のサスペンションシステムのためのスラスト軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サスペンションシステムのためのスラスト軸受の分野に関する。より具体的には、本発明は、径方向及び周方向の剥離を制限し、かつ上部要素と封止点との接触面積を増加させることによって剥離を防止する、サスペンションシステムのためのスラスト軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のサスペンションシステムは、走行中に発生する路面からの力を緩衝する構成要素であり、力がシャーシに直接伝達されることを防止し、かつ運転の快適性を向上させる。これらのシステムがシャーシにどのように取り付けられるか、及びそれらがどのように衝撃を吸収するかに応じて、システムを様々な方法で使用することができ、スラスト軸受が普通の自動車に最も一般的に使用されている。
【0003】
サスペンションシステムは、緩衝器が運転者のステアリング動作に従って回転することができるように、シャーシに取り付けられなければならないため、軸受は、緩衝器内に設けられる。
【0004】
緩衝器の一方の側部はシャーシに堅固に結合されると同時に、他方の側部はステアリングナックルを介して車輪に接続され、操向時にステアリングナックルとともに回転する。道路からの衝撃を吸収する緩衝器も含まれ、プッシュロッドブラケットがシャーシに取り付けられるように構成されている。緩衝器のバンパの上部部分は、断熱材を介してシャーシに取り付けられている。軸受モジュールは、アイソレーターの下側に取り付けられ、ばねへの接続によって支持されている。伝達された衝撃は、緩衝器及びばねが軸に沿って並進及び回転するときに、この構造によって減衰される。
【0005】
スラスト軸受の組み立てられた状況を、韓国公開特許第10-2014-0120452号公報の図2を参照して記載する。
【0006】
図1に示すように、スラスト軸受(1)は、上部要素(10)と、上部要素(10)の下方に配列された下部要素(20)と、上部要素(10)と下部要素(20)との間に位置する軸受(30)と、からなる。
【0007】
軸受(30)は、上部要素(10)に接触する環状の一次軌道(31)と、下部要素(20)に接触する環状の二次軌道(33)と、一次軌道(31)と二次軌道(33)との間に周方向に配列されている複数の回転要素(35)と、からなる。
【0008】
一次封止部分(51)及び二次封止部分(53)が、軸受(30)の径方向内側及び外側の開口部に設けられている。一次封止部分(51)は、軸受(30)の径方向外側で上部要素(10)と下部要素(20)との間にある。二次封止部分(53)は、軸受(30)の径方向内側で上部要素(10)と下部要素(20)との間にある。
【0009】
一次封止部分(51)の上部接続点(511)は、上部要素(10)に接続され、下部部分の封止リップ(513)は、下部部分(20)と接触して配置されている。二次封止部分(53)は、その上部要素が上部要素(10)に挿入されている。一次封止部分(51)及び二次封止部分(53)は、熱可塑性エラストマ、例えば、TPU(熱可塑性ポリウレタン)からなる。
【0010】
上部要素(10)及び下部要素(20)はリング状である。上部要素(10)及び下部要素(20)は、高い剛性を有するエンジニアリングプラスチックで制作されている。上部要素(10)及び下部要素(20)のための可能な材料は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6、又はガラス繊維を伴うナイロン66を含む。
【0011】
金属製の補強材(21)もまた、下部部分(20)に設けられている。ばねパッド(40)は、下部要素(20)の下側に位置している。ばねパッド(40)は、ばねの上部部分と接触している。ばねパッド(40)は、熱可塑性エラストマ、例えば、TPU(熱可塑性ポリウレタン)からなる。
【0012】
図2に示すように、一次封止部分(51)の上部接合点(511)が上部要素(10)に挿入され、上部要素と径方向外側表面である接合表面(515)とが上部要素(10)にと接合される。
【0013】
従来のサスペンションシステムのためのスラスト軸受(1)では、走行時の連続的な疲労荷重により、一次封止部分(51)及び二次封止部分(53)が上部要素(10)から剥離するという問題があった。特に、径方向外側の一次封止部分(51)は、湿気や粉塵に晒されやすい箇所であるため、一次封止部分(51)と上部要素(10)とが剥離しやすかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2001-0107829号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10-2014-0120452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、従来技術が有していた、上記を含む、問題を解決することを目的とし、上部部分と一次封止部分及び/又は二次封止部分との剥離、特に、上部要素と一次封止部分との間の接触面積を増加させることによって防止される剥離を防止するサスペンションシステムのためのスラスト軸受を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的のために、本発明は、サスペンションシステムのためのスラスト軸受を提供し、本スラスト軸受は、上部要素と、上部要素の下方に設けられている下部要素と、上部要素と下部要素との間に設けられている軸受と、上部要素及び下部要素の両方の側部に径方向に形成されている開口部で上部要素に接合されている一次封止部分及び二次封止部分とからなり、
1つ以上の表面面積増加要素であって、1つ以上の表面面積増加要素は、上部部分との接触面積を拡大し、かつ、周方向において、表面上の一次又は二次封止部分のうちの1つ以上において形成されており、それによって、上記封止部分が上部部分に接合されている、1つ以上の表面面積増加要素を有し、かつ上部要素の封止部分に接合されている、上部要素の接合点を有する。
【0017】
サスペンションシステムのためのスラスト軸受において、表面面積における周方向の増加を伴う要素は、一次封止部分の接合表面上の各部分の間にいくつかの間隔を伴って凹状の窪みの形態で形成されており、上部部分の接合点は、上部要素の接合表面上の表面面積における増加を伴う凹状の要素に接合されている、表面面積における増加を伴う凸状の要素として設けられている。
【0018】
サスペンションシステムのためのスラスト軸受において、表面面積における増加を伴う要素は、径方向外向きのベース部と、ベース部表面の両方の周方向側部に設けられた側部と、ベース部表面の底部に設けられた底部表面とを含む、外向きかつ上向きの開口部を備えて形成されており、上部部分の接合点は、ベース部表面と、側部と、底部表面とに接合された凸状の面積増加点である。
【0019】
上記サスペンションシステムのためのスラスト軸受において、側部表面とベース部表面とは、互いに鋭角をなしている。
【発明の効果】
【0020】
本発明のスラスト軸受は、径方向及び周方向の剥離を抑制し、かつ上部要素と封止部分との接触面積を増加させることによって剥離を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】従来のサスペンションシステムのためのスラスト軸受の半断面斜視図である。
図2図1の部分「A」の拡大図及び一次封止点の断面図である。
図3】本発明のサスペンションシステムのためのスラスト軸受アセンブリの断面図である。
図4図3の部分「A」の拡大図であり、一次封止部分と上部要素との間の接合を明確にするための拡大断面図である。
図5図3の部分「A」の拡大図であり、一次封止部分と上部要素との間の修正された接合を示す拡大断面図である。
図6図3の部分「A」の拡大図であり、一次封止部分と上部要素との間の修正された接合を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を記載するために使用される全ての技術用語及び科学用語は、別段の定義がない限り、本開示の技術分野の当業者によって理解されるものと同じ意味を有する。本開示で使用される全ての用語は、本開示の更なる説明を提供することを意図して選択されており、本開示の法的範囲を限定するためのものではない。
【0023】
「備える(comprising)」、「提供される(provided)」、及び「有する(having)」を含む、本明細書で使用される用語は、その用語を含有する数又は文で指定されない限り、オープンエンドの用語として解釈されるべきであり、それは、他の実用的な例の可能性を含むことを理解されたい。
【0024】
本発明を説明するために本明細書において単数形で使用される用語は、別段の指定がない限り、複数でもこの意味を有し得ることが理解される。この事実は、請求項の一次形態にも適用される。
【0025】
本明細書で使用される「一次」及び「二次」という用語は、それらの構成要素の順序又は重要性を限定することなく、いくつかの構成要素を区別することを理解されたい。
【0026】
本明細書で使用するとき、「に接合される(joined to)」及び「に取り付けられる(attached to)」という用語は、1つの構成要素が別の構成要素に直接又は新しい構成要素を介して接合又は取り付けられ得ることを意味する。
【0027】
以下に添付図面を参照して、サスペンションシステムのためのスラスト軸受が詳細に記載される。
【0028】
図3は、本発明のサスペンションシステムのためのスラスト軸受アセンブリの半断面図であり、図4は、図3の部分「A」の拡大図であり、かつ一次封止点と上部部分との間の接合を示すために提供される拡大断面図であり、図5及び図6は、図3の部分「A」の拡大図であり、かつ一次封止部分と上部部分との間の修正された接続を示す拡大断面図である。
【0029】
以下の説明では、図3の左右方向を「径方向」と定義し、図2の上下方向を「上下方向」と定義する。
【0030】
図3に示すように、サスペンションシステムのためのスラスト軸受(100)は、上部要素(110)と、上部要素(110)の下方に設けられる下部要素(120)と、上部要素(110)と下部要素(120)との間に設けられる軸受(130)と、軸受(130)の径方向の両方の側部に形成される開口部に設けられる接合表面に形成されている上部要素(110)と下部要素(120)との間の封止部分と、からなる。
【0031】
上部要素(110)はリング状である。上部要素(110)は、高い剛性を有するエンジニアリングプラスチックで制作されている。上部要素(110)の材料は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6、又はガラス繊維を含むナイロン66を含む。
【0032】
下部要素(120)はリング状である。下部要素(120)は、円筒形要素と、上部要素が屈曲され、かつ径方向外向きに延在するフランジ要素と、からなる。下部要素(120)は、高い剛性を有するエンジニアリングプラスチックから制作されている。下部要素(120)の材料は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6、又はガラス繊維を含むナイロン66を含む。
【0033】
下部要素(120)は、補強材料(121)を更に含有することができる。補強材料(121)は、リング形状であり、かつ金属シートからなる。補強材料(121)は円筒形であり、上部要素は湾曲し、かつ径方向外向きに延在している。
【0034】
補強材料(121)は、下部要素(120)が形成されるときに導入され、形成された下部要素(120)内に位置している。下部要素(120)は、補強材料(121)を挿入部として使用して射出成形される。
【0035】
下部要素(120)は、ばねパッド(140)を更に含む。
【0036】
ばねパッド(140)はリング状であり、かつ下部要素(120)の下部部分として供給される。ばねパッド(140)は、フランジ要素の下部要素としての下部要素(120)の円筒形部分の径方向外側に位置している。サスペンションばねの上部部分は、ばねパッド(140)の下部部分と接触して設けられている。ばねパッド(140)は、熱可塑性エラストマからなる。熱可塑性エラストマは、TPU(熱可塑性ポリウレタン)を含む。ばねパッド(140)は、サスペンションシステムによって伝達される衝撃を吸収することができる熱可塑性エラストマで制作されているため、下部要素(120)と比較して低い硬度を有する。
【0037】
ばねパッド(140)は、補強材料(121)が挿入される下部要素(120)とともに射出成形される。
【0038】
軸受(130)は、上部要素(110)に接触する環状の一次軌道(131)と、下部要素(120)に接触する環状の二次軌道(133)と、一次軌道(131)と二次軌道(133)との間に周方向に整列している複数の回転要素(135)と、からなる。
【0039】
封止部分は、上部要素(110)と下部要素(120)との間の両方の側部に径方向に形成される開口部に設けられている。封止部分は、上部要素(110)に堅固に接続されている。封止部分は、熱可塑性エラストマからなる。熱可塑性エラストマは、TPU(熱可塑性ポリウレタン)を含む。
【0040】
封止部分は、軸受(130)の径方向外側に形成される開口部に設けられるリング状の一次封止部分(151)と、軸受(130)の径方向内側に形成される開口部に設けられる環状の二次封止部分(153)と、からなる。
【0041】
封止部分は、成形中に挿入部によって使用される上部要素(110)とともに射出成形される。封止部分は、上部要素(110)が挿入された状態で射出成形され、表面面積増加要素は、一次封止部分(151)及び二次封止部分(153)のうちの少なくとも一方に形成される。
【0042】
表面面積増加要素(1517)が一次封止部分(151)に形成され、かつ上部要素(110)に接合されている実施例を、図4を参照して以下に説明する。
【0043】
上記一次封止部分(151)はリング状である。上記一次封止部分(151)には、上部要素が径方向内側に屈曲され、そこから封止リップ(1513)が分岐して底部に延在する接合点(1511)が設けられている。封止リップ(1513)の短い部分は、下部要素(120)の上部表面と接触している。
【0044】
上部要素(110)との接合表面(1515)に、一次封止部分(151)の径方向外向きに向かって、上部要素(110)との接触面積を増加させる表面面積増加要素(1517)が形成されている。表面面積増加部(1517)のうちの1つ以上が、接合表面(1515)に沿って周方向に形成されている。表面面積における増加を伴う要素(1517)が、凹状の窪みの形状に形成されている。
【0045】
表面面積における増加を伴う要素(1517)は、径方向外向きに面するベース部表面(15173)と、ベース部表面(15173)の両方の周方向側部に設けられた側部(15171)と、ベース部表面(15173)の下側に設けられた底部表面(15172)とを備える、外向きかつ上向きの開口部を備えて形成されている。
【0046】
上部部分の接合点(111)、すなわち、面積増加要素(1517)に接続している凸状の面積増加要素(1517)が、一次封止部分の接触表面(1515)と接触する上部要素(110)の接合表面(112)上に追加的に設けられている。上部要素の接合点(111)は、一次封止部分(151)が接合される上部要素(110)上の周方向の内側で径方向内向きに張り出して形成されている。上部部分の接合点(111)は、径方向内向きに張り出している上部部分の接合表面(112)上に形成されている。上部要素の複数のこれらの接合点(111)は、周方向に沿って各点の間に、ある特定の間隔で形成されている。
【0047】
一次封止部分(151)は、上部要素(110)を挿入部として使用して射出され、上部要素(110)に接合されている。一次封止部分(151)は、上部要素(110)から射出成形され、上部部分の接合点は挿入部として設けられ、表面面積増加要素(1517)は、上部部分の接合点が設けられる点に形成され、表面面積増加要素(1517)は、上部部分の接合点(111)に接合している。
【0048】
上部部分(111)の接合点は、表面面積における増加を伴う要素(1517)に向かって張り出し、ベース部表面(15173)、側部表面(15171)、及び底部表面(15172)に接合されている。周方向の両方の側部に側部表面(15171)が形成され、上部部分の接合点(111)がベース部表面(15173)及び2つの側部表面(15171)に接合されるので、上部要素(110)及び一次封止部分(151)の相対的な周方向の移動が防止され、それによって、上部要素(110)及び一次封止部分(151)の剥離が抑制される。
【0049】
表面面積増加Vの側部表面(15171)及びベース部表面(15173)は鋭角である。側部表面(15171)及びベース部表面(15173)は鋭角であり、上部部分の接続点(111)はベース部表面(15173)及び2つの側部表面(15171)に接続されるので、上部要素(110)及び一次封止部分(151)の相対的な径方向の移動が防止され、それによって、上部要素(110)及び一次封止部分(151)の径方向の剥離が抑制される。
【0050】
図5及び図6に示すように、表面面積における増加を伴う要素(1517)の側部表面(15171)及びベース部表面(15173)は、直角又は鈍角に配列され得る。
【0051】
封止リップ(1513)は、上部要素(110)の下部部分である接合表面の下側から分岐すべきである。封止リップ(1513)の分岐部が上部要素(110)の下部要素の上方にあるとき、外力が印加されると封止リップ(1513)が変形するため、上部要素(110)と接触表面(1515)との剥離が促進される場合がる。
【符号の説明】
【0052】
100 スラスト軸受
110 上部部分
111 接合点上部部分
112 接合表面上部部分
120 下部部分
121 補強材料
130 軸受
131 一次軌道
133 二次軌道
135 回転要素
140 ばねパッド
151 一次封止部分
153 二次封止部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】