(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】輸液用の圧力調節及び調整コネクタ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/168 20060101AFI20240311BHJP
A61M 5/315 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
A61M5/168 500
A61M5/315
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560180
(86)(22)【出願日】2022-03-22
(85)【翻訳文提出日】2023-11-14
(86)【国際出願番号】 US2022021389
(87)【国際公開番号】W WO2022212128
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャダブ、アマールシン デェーリプラオ
(72)【発明者】
【氏名】メノン、ムラリクリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】オースティン、アビン
(72)【発明者】
【氏名】マルヴィヤ、ラーフル
(72)【発明者】
【氏名】ナラワデ、プラヴェーン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD08
4C066EE14
4C066FF05
4C066HH12
4C066LL21
4C066QQ21
4C066QQ35
(57)【要約】
医療用流体を運搬する容器を脈管アクセス装置に結合するためのコネクタは、内部チャンバ内に配設された流体チャネルを含む内部チャンバを規定する内面を有するハウジングを含むことができる。流体チャネルは、対向して配置されたカットアウトの対を含むことができる。コネクタは、内部チャンバ内に配設及び支持され、内部区画と、内部区画の内壁を貫通するアパーチャとを有するスライダをさらに含むことができる。スライダは、(i)医療用流体が出口を通って流れることを可能にするためにスライダのアパーチャがカットアウトの対と軸方向に整合される第1の位置と、(ii)スライダのアパーチャがカットアウトの対と整合されず、スライダの内壁がスライダと流体チャネルとの間の流体接続を遮断する第2の位置との間を相互に移動可能とすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用流体を収容する容器を脈管アクセス装置に接続するためのコネクタであって、
近位端と、出口を規定する遠位端と、内部チャンバ内に配設された流体チャネルを有する前記内部チャンバを規定する内面とを含むハウジングであって、前記流体チャネルが前記近位端から前記遠位端に延び、前記流体チャネルがその長さに沿って対向して配置されたカットアウトの対を備える、ハウジングと、
前記内部チャンバ内に配設及び支持され、前記流体チャネルにわたってスリーブ状に配置されたスライダであって、内部区画と、前記内部区画の内壁を貫通するアパーチャとを含む、スライダとを含み、
前記スライダが、(i)前記医療用流体が前記出口を通って流れることを可能にするために前記スライダの前記アパーチャがカットアウトの前記対と少なくとも部分的に重なり合う第1の位置と、(ii)前記スライダの前記アパーチャがカットアウトの前記対と整合されず、前記スライダの前記内壁が前記スライダと前記流体チャネルとの間の流体接続を遮断する第2の位置との間を相互に移動可能であり、
前記スライダが、前記医療用流体があらかじめ定められた閾値以下の流体圧を印加するとき、前記第1の位置に移動可能であり、前記スライダが、前記医療用流体が前記あらかじめ定められた閾値よりも大きい流体圧を印加するとき、前記第2の位置に移動可能である、コネクタ。
【請求項2】
前記流体チャネルを覆って据え付けられ、前記内部チャンバ内で前記スライダを支持するために前記スライダに対して遠位に結合された弾性部材であって、前記スライダが、(i)前記医療用流体が前記あらかじめ定められた閾値以下の前記流体圧を印加するとき、前記第1の位置まで第1の距離だけ移動することと、(ii)前記医療用流体が前記あらかじめ定められた閾値よりも大きい流体圧を印加するとき、前記第2の位置まで第2の距離だけ移動することとができるように圧縮可能である、弾性部材をさらに含む、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記近位端において前記流体チャネルを覆って据え付けられたエンド・キャップであって、前記医療用流体が前記スライダの前記内部区画へと導かれるように前記医療用流体が前記近位端において前記流体チャネルに入るのを遮る、エンド・キャップをさらに含む、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記第1の距離が0ミリメートル(mm)よりも大きいが2mmよりも小さく、前記第2の距離が2mmに等しい、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記あらかじめ定められた閾値が3.63kPa(25重量ポンド毎平方インチ(psi))に等しい、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記流体チャネルが、前記流体チャネルの外面から半径方向に外向きに突出する止め部を備え、前記止め部は、前記スライダが遠位に移動して前記第2の位置を過ぎるのを防ぐように構成されている、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記弾性部材が前記流体チャネルの外面の周りに延びる蛇腹を備える、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記スライダと前記流体チャネルとの間の前記医療用流体の洩れを防ぐために前記流体チャネルを取り囲む前記スライダのベースに配設されたシールをさらに含む、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記スライダ、前記流体チャネル、及び前記弾性部材を取り囲む前記ハウジングに結合されたカバーと、前記カバーに据え付けられ、前記スライダに流体結合されたニードルレス・コネクタとをさらに含む、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記ニードルレス・コネクタが、前記ニードルレス・コネクタの出口ポートを規定するベース・プレートを備え、前記カバーがその近位端において入口ポートを規定し、前記出口ポート及び前記入口ポートが前記ニードルレス・コネクタの流体チャンバを前記スライダの前記内部区画と流体連通させる、請求項9に記載のコネクタ。
【請求項11】
医療用流体を収容する容器を脈管アクセス装置に接続するためのコネクタであって、
近位端と、出口を規定する遠位端と、内部チャンバ内に配設された流体チャネルを含む前記内部チャンバを規定する内面とを有するハウジングであって、前記流体チャネルが前記近位端から前記遠位端に延び、前記流体チャネルが前記流体チャネルのルーメンを規定する内面を備え、前記内面が少なくとも部分的に前記内面に沿って延びるねじ付き形状を有する、ハウジングと、
前記内部チャンバ内に配設及び支持され、前記流体チャネルにわたってスリーブ状に配置されたスライダとを含み、
前記スライダが、(i)前記医療用流体があらかじめ定められた閾値以下の流体圧を印加するときの、及び前記医療用流体が前記ねじ付き形状に沿って前記出口に流れることを可能にするため前記スライダが前記流体チャネルと流体結合される開位置と、(ii)前記医療用流体が前記あらかじめ定められた閾値よりも大きい流体圧を印加するときの、及び前記スライダと前記流体チャネルとの間の流体接続が遮断される閉位置との間を相互に移動可能である、コネクタ。
【請求項12】
前記流体チャネルを覆って据え付けられ、前記内部チャンバ内で前記スライダを支持するために前記スライダに対して遠位に結合された弾性部材であって、前記スライダが前記開位置と前記閉位置との間で往復運動ができるように圧縮可能である、弾性部材をさらに含む、請求項11に記載のコネクタ。
【請求項13】
ねじ付き形状が、互いに間隔を開けて配置された複数のらせん状ねじ山を備える、請求項12に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記流体チャネルがその長さに沿って対向して配置されたカットアウトの対を備え、前記スライダが内部区画と、前記内部区画の内壁を貫通するアパーチャとを備え、
(i)前記開位置では、前記医療用流体が前記出口を通って流れることを可能にするために前記スライダの前記アパーチャがカットアウトの前記対と軸方向に整合され、(ii)前記閉位置では、前記スライダの前記アパーチャがカットアウトの前記対と整合されない、請求項13に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記スライダ、前記流体チャネル、及び前記弾性部材を取り囲む前記ハウジングに結合されたカバーと、前記カバーに据え付けられ、前記スライダに流体結合されたニードルレス・コネクタとをさらに含む、請求項14に記載のコネクタ。
【請求項16】
前記ニードルレス・コネクタが、前記ニードルレス・コネクタの出口ポートを規定するベース・プレートを備え、前記カバーがその近位端において入口ポートを規定し、前記出口ポート及び前記入口ポートが前記ニードルレス・コネクタの流体チャンバを前記スライダの前記内部区画と流体連通させる、請求項15に記載のコネクタ。
【請求項17】
前記スライダと前記流体チャネルとの間の前記医療用流体の洩れを防ぐために前記流体チャネルを取り囲む前記スライダのベースに配設されたシールをさらに含む、請求項12に記載のコネクタ。
【請求項18】
医療用流体を収容する容器を脈管アクセス装置に接続するためのコネクタであって、
近位端と、出口を規定する遠位端と、内部チャンバ内に配設された流体チャネルを含む前記内部チャンバを規定する内面とを有するハウジングであって、
前記流体チャネルが前記近位端から前記遠位端に延び、その前記内面及び外面を貫通して延びる開口をさらに備える、ハウジングと、
前記内部チャンバ内に据え付けられ、前記医療用流体の圧力を調整するために前記開口を介して回転可能に作動できる圧力調整器と、
前記内部チャンバ内に配設及び支持され、前記流体チャネルにわたってスリーブ状に配置されたスライダとを含み、
前記スライダが、(i)前記医療用流体があらかじめ定められた閾値以下の流体圧を印加するときの、及び前記医療用流体が前記出口に流れることを可能にするため前記スライダが前記流体チャネルと流体結合される開位置と、(ii)前記医療用流体が前記あらかじめ定められた閾値よりも大きい流体圧を印加するときの、及び前記スライダと前記流体チャネルとの間の流体接続が遮断される閉位置との間を相互に移動可能である、コネクタ。
【請求項19】
前記流体チャネルを覆って据え付けられ、前記内部チャンバ内で前記スライダを支持するために前記スライダに対して遠位に結合された弾性部材であって、前記スライダが前記開位置と前記閉位置との間で往復運動ができるように圧縮可能である、弾性部材をさらに含む、請求項18に記載のコネクタ。
【請求項20】
前記スライダ、前記流体チャネル、及び前記弾性部材を取り囲む前記ハウジングに結合されたカバーをさらに備え、
前記カバーが複数の係合特徴を有する外面を備え、
前記圧力調整器が、前記カバーの前記複数の係合特徴に結合するための複数の相補的な係合特徴を含む内面を備える、請求項19に記載のコネクタ。
【請求項21】
前記ハウジングの前記外面が複数の目盛りを備え、前記圧力調整器が、前記圧力調整器の外面の少なくとも一部分の周りに配設されたインジケータをさらに備え、前記圧力調整器が前記流体圧を調整するために回転されるとき、前記圧力調整器の前記複数の係合特徴と前記カバーの前記複数の係合特徴とが係合及び相互接続し、前記圧力調整器を回転させて前記インジケータを並進させ、前記複数の目盛りのうちの1つの目盛りと位置合わせさせる、請求項20に記載のコネクタ。
【請求項22】
前記複数の目盛りがさまざまな流体圧を表す、請求項21に記載のコネクタ。
【請求項23】
前記圧力調整器の前記外面が、前記圧力調整器のグリッピングのための、複数の長手方向に延びるスプラインをさらに備える、請求項21に記載のコネクタ。
【請求項24】
前記スライダと前記流体チャネルとの間の前記医療用流体の洩れを防ぐために前記流体チャネルを取り囲む前記スライダのベースに配設されたシールをさらに含む、請求項21に記載のコネクタ。
【請求項25】
前記スライダ、前記流体チャネル、及び前記弾性部材を取り囲む前記ハウジングに結合されたカバーと、前記カバーに据え付けられ、前記スライダに流体結合されたニードルレス・コネクタとをさらに含む、請求項21に記載のコネクタ。
【請求項26】
前記ニードルレス・コネクタが、前記ニードルレス・コネクタの出口ポートを規定するベース・プレートを備え、前記カバーがその近位端において入口ポートを規定し、前記出口ポート及び前記入口ポートが前記ニードルレス・コネクタの流体チャンバを前記スライダの内部区画と流体連通させる、請求項25に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年3月30日に出願された米国仮出願第63/168,180号に対する優先権を主張するものであり、米国仮出願第63/168,180号の出願の開示全体は、本参照により、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は一般に、シリンジなどの医療用容器を、医療用流体の患者への輸液注入のための脈管アクセス装置に接続するためのコネクタに関し、詳細には、シリンジなどの医療用容器を、安全な輸液圧での医療用流体の輸液注入のための脈管アクセス装置に接続するための圧力調節コネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、脈管アクセス装置は、末梢血管又は中心血管を通じて静脈に挿入される。脈管アクセス装置は、流体(例えば、生理食塩水、血液、薬剤、及び/又は非経口的栄養補給全体)を患者へと輸液する、患者から流体(例えば、血液)を採取する、及び/又は患者の脈管系のさまざまなパラメータをモニタするために使用することができる。
【0004】
しかしながら、脈管アクセス装置は閉塞する可能性がある。脈管アクセス装置が適切に使用され、閉塞しないようにするため、実践の標準が開発されている。これらの標準は、通常フラッシュ手順と称される洗浄手順を含む。これらのフラッシュ手順は、脈管アクセス装置の開通性を維持する。
【0005】
フラッシュ手順は、例えば10mL直径シリンジ・バレルなどのより低い注入圧を生成するように専用に設計されたシリンジの使用によって、或いは閉塞若しくは他の望ましくない作用を引き起こし得る、カテーテル内の砕片若しくは残留物を除去するための「プッシュ・ポーズ」のすなわち脈動性のフラッシュ技法の使用によって高められ得る。
【0006】
しかしながら、フラッシュ流体の末梢IVラインへの高速注入は、カテーテルが据えられている静脈内の一時的な圧力増強につながる。この圧力は、臨床的な合併症を引き起こす静脈の損傷(破裂又は圧壊)及び注入液浸潤/浸出、並びに末梢IVカテーテルの取替えの必要性につながり得る。
【0007】
背景技術節で提供される記述は、単に背景技術節で言及された又は背景節に関連付けられているという理由で従来技術であると想定されるべきではない。背景技術節は、主題の技術の1つ又は複数の態様を記述する情報を含み得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、血管への損傷を回避するために、あらかじめ定められた閾値を下回ったままとなるフラッシュ注入圧を送達するための装置に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示のさまざまな実施例に従い、医療用流体を収容する容器を脈管アクセス装置に接続するためのコネクタが、近位端と、出口を規定する遠位端と、内部チャンバ内に配設された流体チャネルを備える内部チャンバを規定する内面とを有するハウジングと、内部チャンバ内に配設及び支持され、流体チャネルにわたってスリーブ状に配置されたスライダとを含み得る。流体チャネルは、近位端から遠位端に延びることができ、その長さに沿って対向して配置されたカットアウトの対を含むことができる。スライダは、内部区画と、内部区画の内壁を貫通するアパーチャとを含むことができる。スライダは、(i)医療用流体が出口を通って流れることを可能にするためにスライダのアパーチャがカットアウトの対と少なくとも部分的に重なり合う第1の位置と、(ii)スライダのアパーチャがカットアウトの対と整合されず、スライダの内壁がスライダと流体チャネルとの間の流体接続を遮断する第2の位置との間を相互に移動可能であってもよい。スライダは、医療用流体があらかじめ定められた閾値以下の流体圧を印加したとき、第1の位置に移動可能であってもよく、医療用流体があらかじめ定められた閾値を超える流体圧を印加したとき、第2の位置に移動可能であってもよい。
【0011】
本開示のさまざまな実施例に従い、医療用流体を収容する容器を脈管アクセス装置に接続するためのコネクタが、近位端と、出口を規定する遠位端と、内部チャンバ内に配設された流体チャネルを備える内部チャンバを規定する内面とを有するハウジングと、内部チャンバ内に配設及び支持され、流体チャネルにわたってスリーブ状に配置されたスライダとを含み得る。流体チャネルは、近位端から遠位端に延びることができ、流体チャネルのルーメンを規定する内面を含むことができる。内面は、少なくとも部分的に内面に沿って延びるねじ付き形状を有してもよい。スライダは、(i)医療用流体があらかじめ定められた閾値以下の流体圧を印加するときの、及び医療用流体がねじ付き形状に沿って出口に流れることを可能にするためスライダが流体チャネルと流体結合される開位置と、(ii)医療用流体があらかじめ定められた閾値よりも大きい流体圧を印加するときの、及びスライダと流体チャネルとの間の流体接続が遮断される閉位置との間を相互に移動可能であってもよい。
【0012】
本開示のさまざまな実施例に従い、医療用流体を収容する容器を脈管アクセス装置に接続するためのコネクタが、近位端と、出口を規定する遠位端と、内部チャンバ内に配設された流体チャネルを備える内部チャンバを規定する内面とを有するハウジングを含み得る。流体チャネルは近位端から遠位端に延びてもよく、ハウジングはさらにその内面及び外面を貫通して延びる開口をさらに含み得る。コネクタは、内部チャンバ内に据え付けられた、医療用流体の圧力を調整するために開口を介して回転可能に作動できる圧力調整器と、内部チャンバ内に配設及び支持され、流体チャネルにわたってスリーブ状に配置されたスライダとをさらに含み得る。スライダは、(i)医療用流体があらかじめ定められた閾値以下の流体圧を印加するときの、及び医療用流体が出口に流れることを可能にするためスライダが流体チャネルと流体結合される開位置と、(ii)医療用流体があらかじめ定められた閾値よりも大きい流体圧を印加するときの、及びスライダと流体チャネルとの間の流体接続が遮断される閉位置との間を相互に移動可能であってもよい。
【0013】
主題の技術の他の構成が、下記の詳細な記述から当業者にとって容易に明らかとなることが理解され、主題の技術のさまざまな構成が図解によって示され、記述される。理解されることであるが、主題の技術は他の及び異なる構成とすることが可能であり、そのいくつかの詳細は、すべて主題の技術の範囲から逸脱することなくさまざまな他の点において修正可能である。したがって、図面及び詳細な記述は、実際例示的とみなされるべきであり、限定的とみなされるべきでない。
【0014】
下記の図は、実施例のある特定の態様を例示するために含まれており、排他的な実施例とみなされるべきでない。開示された主題は、当業者が思いつき、本開示の利益を有するように、形態及び機能において、かなりの修正、変更、組合せ、及び等価とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示のいくつかの実施例による、シリンジに結合された圧力調節コネクタの等角図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施例による、圧力調節コネクタの断面図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施例による、
図1の圧力調節コネクタの分解斜視図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施例による、
図2の圧力調節コネクタの分解断面図である。
【
図5A】本開示のいくつかの実施例による、流体圧を受けるスライダを含む圧力調節コネクタの部分断面図である。
【
図5B】本開示のいくつかの実施例による、医療用流体の圧力が、あらかじめ定められた閾値以下であるときに開位置にあり、流体圧を受けるスライダを含む圧力調節コネクタの部分断面図である。
【
図6A】本開示のいくつかの実施例による、医療用流体の圧力を受けるスライダを含む圧力調節コネクタの部分断面図である。
【
図6B】本開示のいくつかの実施例による、医療用流体が、あらかじめ定められた閾値よりも大きい流体圧を印加したときに閉位置にあり、医療用流体の圧力を受けるスライダを含む圧力調節コネクタの部分断面図である。
【
図7A】本開示のいくつかの実施例による、動作前の圧力調節コネクタの断面図である。
【
図7B】本開示のいくつかの実施例による、動作前の圧力調節コネクタの断面図である。
【
図7C】本開示のいくつかの実施例による、動作時に開位置にある圧力調節コネクタの断面図である。
【
図7D】本開示のいくつかの実施例による、動作時に開位置にある圧力調節コネクタの断面図である。
【
図7E】本開示のいくつかの実施例による、動作時に閉位置にある圧力調節コネクタの断面図である。
【
図7F】本開示のいくつかの実施例による、動作時に閉位置にある圧力調節コネクタの断面図である。
【
図8A】本開示のいくつかの実施例による、ねじ付き形状を有する流体チャネルを含む圧力調節コネクタの断面図である。
【
図8B】本開示のいくつかの実施例による、ねじ付き形状を有する流体チャネルを含む
図8Aの圧力調節コネクタの拡大部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
下に明記される詳細説明は、主題の技術のさまざまな構成を記述し、主題の技術が実践され得る構成のみを表すことを意図するものではない。詳細説明は、主題の技術の完全な理解を実現するための特定の詳細を含む。したがって、寸法はある特定の態様に関して非限定的な実例として与えられ得る。しかしながら、主題の技術は、これらの特定の詳細なしに実践され得ることが当業者であれば明らかであろう。いくつかの事例では、よく知られている構造及び構成要素は、主題の技術の概念を不明瞭にするのを避けるためにブロック図の形態で示されている。
【0017】
本開示が主題の技術の実例を含み、添付の請求項の範囲を限定するものではないことを理解されたい。次に、主題の技術のさまざまな態様は、限定的ではないが特定の実例によって開示される。本開示において記述されるさまざまな実施例は、異なる様式、及び変形形態において、並びに所望の用途又は実装形態に応じて実行され得る。
【0018】
フラッシュ流体の末梢IVラインへの迅速な注入は、カテーテルが据えられている静脈内の一時的な圧力増強につながる。この圧力はしばしば、臨床的な合併症を引き起こす静脈の損傷(破裂又は圧壊)及び注入液浸潤/浸出、並びにカテーテルの置換えの必要性につながる。
【0019】
フラッシュは、脈管アクセス装置の開通性を維持する点で必須の方策である。現在のフラッシュ方法は、低い輸液圧(例えば、10ミリリットル(mL)直径シリンジ・バレル)を送達するように、及び/又は脈動性のフラッシュ技法(プッシュ・ポーズ薬物輸液とも称される)を実施するように専用に構成された装置を利用することを含む。例えば、試験管内の研究では、短いポーズによって断続される10回の短い1mLボーラスが、固体堆積物の除去において、連続的な低流量技法と比較してより効果的であり得ることが示されている。
【0020】
本開示のさまざまな実施例は、あらかじめ定められた圧力範囲内(例えば、一般的なフラッシュ圧以上であるが静脈破裂圧未満の圧力)のフラッシュ注入圧で流体を送達することができる圧力調節コネクタを提供することに関する。本開示のさまざまな実施例は追加的に、特定の患者ニーズに基づいてユーザが輸液圧を調整できるように構成された圧力調節コネクタを提供することに関する。追加的に、本開示のさまざまな実施例は、従来型プッシュ・ポーズ脈動性フラッシュ技法を置き換えるために出口チャネル内に流れの乱れを作り出すように構成された圧力調節コネクタを提供することに関する。
【0021】
例えば、本開示のさまざまな実施例は、ニードルレス弁コネクタと一体化された圧力制御機構を提供し、以て追加の構成要素に対する必要性を解消し、潜在的に費用節減を実現する。さらに、本明細書に記載のさまざまな実施例の、一体型圧力調整を備えた圧力調節コネクタ及びシステムにより、個々の又はカスタマイズされた患者の健康条件に応じて、ユーザが輸液圧を調整することができるようになる。さらに、本明細書に記載のさまざまな実施例の圧力調節コネクタ及びシステムは、往復運動をするスライダ・アセンブリを用いて流れを調節することによって、安全な輸液圧を維持することができる。その上、本明細書に記載のさまざまな実施例の圧力調節コネクタ及びシステムは、乱流を作り出すねじ付き形状を有する内面を備える流体チャネルを含み、以て現存のコネクタによって施されるプッシュ・ポーズ技法に対する必要性を解消する。
【0022】
図1は、本開示のいくつかの実施例による、シリンジ10に流体結合された圧力調節コネクタ100の等角図を示している。
図2は、本開示のいくつかの実施例による、圧力調節コネクタ100の断面図を示している。
図1に示されるように、いくつかの実施例では、圧力調節コネクタ100は、シリンジ10に収容されている医療用流体が脈管アクセス装置に到達する前に圧力調節コネクタ100を通り抜けるように、プレフィルド又はプレフィラブル・シリンジなどの医療用容器10をIV(静脈内)カテーテルなどの脈管アクセス装置に接続するように構成されてもよい。
【0023】
図1及び
図2を参照すると、圧力調節コネクタ100は、医療用流体が圧力調節コネクタ100を通りニードルレス・コネクタ110からハウジング145の流体出口169に流通するための内部流体チャネル152を有する内部チャンバ149を規定するハウジング145を含んでもよい。いくつかの実施例では、ニードルレス・コネクタ110はシリンジ10に結合されており、医療用流体はシリンジ10を通りニードルレス・コネクタ110を介して圧力調節コネクタ100の流体出口169に送達され得る。他の実施例では、ニードルレス・コネクタ110は延長セット(例えば、IV延長セット(図示せず))に結合されてもよく、医療用流体は延長セットを通りニードルレス・コネクタ110を介して流体出口169に送達され得る。
【0024】
図3は、本開示のいくつかの実施例による、
図1の圧力調節コネクタの分解斜視図を示している。
図4は、本開示のいくつかの実施例による、
図2の圧力調節コネクタの分解断面図を示している。
図3及び
図4に示されるように、
図1及び
図2を引き続き参照して、ハウジング145は近位端148、遠位端158、及び内部チャンバ149を規定する内面167を含んでもよい。図示されているように、内部チャンバ149は、内部チャンバ149内に配設された流体チャネル152を含んでもよい。流体チャネル152は、ハウジング145の近位端148から遠位端158に延びてもよい。流体チャネル152の近位端は、開口164を規定してもよく、流体チャネル152の遠位端は、ハウジング145の出口ポート169を規定してもよい。いくつかの実施例では、流体チャネル152は、その長さに沿って対向して配置されたカットアウト159の対をさらに含んでもよい。エンド・キャップ142は、ニードルレス・コネクタ110からハウジング145に流れ込む流体が開口164を迂回し、代わりに、対向して配置されたカットアウト159の対を介して流体チャネル152に入ることができるように、開口164を覆って配置されてもよい。
【0025】
引き続き
図3及び
図4を参照したまま
図2に戻って参照すると、圧力調節コネクタ100は、内部チャンバ149内に配設及び支持されたスライダ130をさらに含み得る。例えば、いくつかの実施例では、弾性部材135は、流体チャネル152を覆って据え付けられ、内部チャンバ149内でスライダ130を支持するためにスライダ130に対して遠位に結合されてもよい。弾性部材135は、蛇腹の形態であっても、又は任意の類似のばね構成要素であってもよい。
図2に示されるように、スライダ130は、エンド・キャップ142及び流体チャネル152にスリーブ状に配置され、弾性部材135によってそのベースすなわち遠位端で支持されてもよい。
【0026】
いくつかの実施例では、スライダ130は、内壁126と、外壁138と、スライダ130の内壁126と外壁138の間に規定された内部区画131とを有してもよい。スライダ130は、内壁126を貫通するアパーチャ133をさらに含んでもよい。例えば、図示されているように、アパーチャ133は対向する内壁126を貫通して配置されたアパーチャ133の対の形態であってもよい。
【0027】
図5Aは、本開示のいくつかの実施例による、流体圧を受けるスライダを含む圧力調節コネクタの部分断面図を示している。
図5Bは、本開示のいくつかの実施例による、医療用流体の圧力が、あらかじめ定められた閾値以下であるときに開位置にあり、流体圧を受けるスライダを含む圧力調節コネクタの部分断面図を示している。
図5Aに示されるように、遠位流体圧がスライダ130に作用し(
図5A上の矢印F)、遠位圧は、スライダ130の内部区画131のフロアに力Fを作用させ、スライダ130を
図5Bに示される位置まで遠位に押し、以て弾性部材135を圧縮する。下記にさらに詳細に記述することとするが、医療用流体は、ハウジング145に流れ込み、あらかじめ定められた閾値圧以下の流体圧をスライダ130に印加するとき、スライダ130は、流体チャネル152の長さに沿って遠位に、例えば
図5Bに示される第1の位置すなわち開位置に向かって変位され又は別様に移動されてもよい。例えば、弾性部材135は、医療用流体があらかじめ定められた閾値以下の流体圧を印加するとき、スライダ130を第1の位置すなわち開位置まで第1の距離だけ変位させることができるように圧縮することができる。開位置では、スライダ130のアパーチャ133の対は、流体チャネル152のカットアウト159の対と軸方向に整合されて、又は少なくとも部分的に重なり合って、医療用流体50は、内部区画131及び流体チャネル152を介して流れて出口ポート169(
図2に示される)を通ることができるようになり得る。いくつかの実施例では、圧力調節コネクタ100は、スライダ130と流体チャネル152との間の医療用流体の洩れを防ぐために、流体チャネル152を取り囲むスライダ130のベースすなわち遠位端に配設されたシール132をさらに含んでもよい。例えば、シール132は、スライダ130の往復運動を阻害しないことに限定させることができる低摩擦シールとすることができる。いくつかの実施例では、シール132は低摩擦リップ・シールとすることができる。
【0028】
下記にさらに記述することとするが、医療用流体がハウジング145に流れ込み続け、あらかじめ定められた閾値よりも大きい流体圧をスライダ130に印加するとき、スライダ130は、流体チャネル152の長さに沿って遠位に、例えば
図6Bに示される第2の位置すなわち閉位置に向かってさらに変位され又は別様に移動されてもよい。例えば、弾性部材135は、医療用流体があらかじめ定められた閾値よりも大きい流体圧を印加するとき、スライダ130を第2の位置すなわち閉位置まで第2の距離だけ変位させることができるようにさらに圧縮することができる。
図5Aに示されるように、流体チャネル152は、スライダ130がさらに遠位に第2の位置すなわち閉位置を過ぎて移動するのを防ぐために、流体チャネル152の外面から半径方向に外向きに突出する止め部156をさらに含むことができる。閉位置では、スライダ130のアパーチャ133の対は、スライダの内壁126がスライダ130と流体チャネル152との間の流体連通を遮断するように、カットアウト159の対と整合されない、又は別様に重なり合わないようにすることができる。したがって、閾値安全量よりも高い流体圧を有する医療用流体はスライダ130の内部に閉じ込められて、流体チャネル152を介して脈管アクセス装置に流れ込むことができない。したがって、医療用流体の脈管アクセス装置への輸液圧は、安全な輸液圧以下に維持され、以て有利には、現存の輸液コネクタで通常発生する問題を防ぐことになる。例えば、輸液手順に通常関連した問題は、フラッシュ流体の末梢IVラインへの迅速な注入が、カテーテルが挿入されている患者の静脈内の一時的な圧力増強につながることである。この圧力はしばしば、合併症を引き起こす静脈の損傷(破裂又は圧壊)及び注入液浸潤/浸出、並びにPIVカテーテルの置換えの必要性につながる。本明細書に記述されているさまざまな実施例の圧力調節コネクタは、医療用流体の脈管アクセス装置への輸液圧を安全な輸液圧以下に維持するので、現存の輸液コネクタで通常発生する前述の問題は、最小化されるか、又は完全に解消される。本明細書に記述されているさまざまな実施例の圧力調節コネクタは、有利には、静脈破裂圧よりも低いあらかじめ定められた圧力範囲内のフラッシュ注入圧を送達することができる。
【0029】
本開示のさまざまな実施例によると、圧力調節コネクタ100は、ハウジング145に結合され、スライダ130、流体チャネル152、及び弾性部材135を取り囲むカバー125をさらに含むことができる。図示されているように、変形可能な、又は圧縮可能な弁部材115を含むニードルレス・コネクタ110が、カバー125に据え付けられ、スライダ130に流体結合されてもよい。例えば、いくつかの実施例では、ニードルレス・コネクタ110は、ニードルレス弁110の出口ポート122を規定するベース・プレート120を含んでもよい。カバー125は、その近位端において入口ポート123をさらに規定する。図示されているように、ニードルレス・コネクタ110の出口ポート及びカバー125の入口ポート123は、流体圧があらかじめ定められた閾値圧以下のとき、ニードルレス弁110の流体チャンバ111を医療用流体の脈管アクセス装置への送達のためにスライダの内部区画131と流体連通させることができる。いくつかの実施例では、カバーはその外面に複数の係合特徴127を含むことができる。例えば、カバー125は、複数のねじ山127を含むことができる。
【0030】
引き続き
図3及び
図4を参照しながら
図1に戻って参照すると、圧力調節コネクタ100は、内部チャンバ149内に回転可能に据え付けられ、流体チャネル152にスリーブ状に配置された圧力調整器140をさらに含むことができる。例えば、例示されているように、圧力調整器は、内面141及び外面144を有する円筒体の形態であってもよい。いくつかの実施例では、圧力調整器140の内面141は複数の係合特徴129を含むことができる。例えば、
図4に示されているように、圧力調整器140の内面141は複数のねじ山129を含むことができる。
【0031】
いくつかの実施例では、ハウジング45は、ハウジング145の内面167及び外面164を貫通して延び、内部チャンバ149をハウジング145の外側と流体連通させる開口147をさらに含むことができる。したがって、圧力調整器140は、流体圧を調整するために開口147を介してアクセスされ、その中心長手方向軸Xの周りに回転するように操作されることが可能である。例えば、いくつかの実施例では、圧力調整器140とカバー125との組み立てられた構成では、圧力調整器140の複数の係合特徴すなわちねじ山129と、カバーの複数の係合特徴すなわちねじ山127とは、圧力調整器140が内部チャンバ149内でカバー125に対して相対的に回転及び並進することができるように、係合及び相互接続することができる。
【0032】
図1に示されるように、いくつかの実施例では、ハウジング145の外面164は複数の目盛り116を含むことができる。例えば、目盛り116は、圧力調整コネクタ100を通って流れる医療用流体の設定圧力を示すことができる。さらに図示されているように、圧力調整器140は、圧力調整器140の外面の少なくとも一部分の周りに配設されたインジケータ143をさらに含むことができる。例えば、いくつかの実施例では、インジケータ143は所望の色のラインの形態とすることができる。したがって、圧力調整器140が始動されて、又は別様に回転されて流体圧を調整、及び/又は設定するとき、それぞれの圧力調整器140及びカバー125の複数の係合特徴129と127との間の回転係合及び相互接続により、圧力調整器140は軸Xの周りに回転されて遠位又は近位のどちらかに並進されて、所望の設定圧力を示す特定の目盛り116と位置合わせされることが可能である。いくつかの実施例では、複数の長手方向に延びるスプライン170が圧力調整器140の外面に配設されてもよい。複数の長手方向に延びるスプライン170は、圧力調整器140の回転時のグリッピングを高めることができる圧力調整器140上の隆起面を設ける点で有利であり得る。
【0033】
圧力調整器140を含む、本明細書に記述されている圧力調節コネクタのさまざまな実施例は、ユーザ又は他の医療専門家が輸液圧を調整し患者ニーズごとにカスタマイズすることができるようにするので有利である。例えば、いくつかの実施例では、圧力調整器は4つの動作設定で動作することができる(例えば、設定モード1、2、3及び4)。特に、ユーザは親指又は他の指を使用して、インジケータ143が所望の設定モードに位置合わせされるように、圧力調整器を回転させることができる。いくつかの実施例では、圧力調整器140を、最も敏感な患者のうちの何人か、例えば化学療法を受けている患者向けに回転し、設定モード1に設定してもよい。代替的に、圧力調整器140を、より敏感でない患者、例えば小児科の患者及び老齢期の患者向けに回転し、設定モード2に設定してもよい。追加的に、設定モード3が、より高い圧力に対して特に敏感ではないより健康な患者向けに使用されてもよい。いくつかの実施例では、コネクタ100の圧力調節安全機構を迂回することが望まれるとき、設定モード4が使用されてもよい。いくつかの実施例では、積極的な圧力調節を備えない設定モード4がデフォルトの設定モードとして設定されてもよい。したがって、圧力調整器140を近位に又は遠位に移動させることによって、ユーザは有利には、患者に投与されている流体の圧力を所望通りに増大又は低下させることができる。
【0034】
圧力調節コネクタ100の動作は
図7A~
図7Fを参照して下に記述されている。
図7A及び
図7Bは、本開示のいくつかの実施例による、動作前の圧力調節コネクタの断面図である。
図7A及び
図7Bに例示されているように、圧力調節コネクタ100の内部に、医療用流体の流通はなく、弾性部材135は、スライダ130の最も近位位置に対応する位置にスライダ130を維持する。
【0035】
図7C及び
図7Dは、本開示のいくつかの実施例による、動作時に開位置にある圧力調節コネクタの断面図である。
【0036】
ユーザが医療用流体を輸液するために医療用容器(例えば、シリンジ10)のプランジャを押すと、シリンジ10内で流体圧が形成される。したがって、遠位圧がスライダ130の内部区画131のフロア139に作用する。この遠位圧はスライダ130を遠位に変位、又は別様に移動させ、以て弾性部材135を圧縮する。流体圧があらかじめ定められた閾値以下である限り、スライダ130は、弾性部材135によって開位置(
図7C及び
図7D)に維持される。いくつかの実施例では、あらかじめ定められた圧力閾値は、安全な輸液圧と考えられる圧力に対応する。例えば、あらかじめ定められた閾値圧は、およそ3.63kPa(25重量ポンド毎平方インチ(psi))に等しくてもよい。
【0037】
前に記述されているように、並びに
図7C及び
図7Dに例示されているように、開位置では、スライダ130のアパーチャ133の対は、流体チャネル152のカットアウト159の対と整合されて、又は少なくとも部分的に重なり合って、医療用流体50が、内部区画131及び流体チャネル152を介して流れて出口ポート169(
図2に示される)を通ることができるようになり得る。
【0038】
図7E及び
図7Fは、本開示のいくつかの実施例による、動作時に閉位置にある圧力調節コネクタの断面図である。
図7E及び
図7Fに示されているように、流体圧が、安全な輸液と考えられる輸液のためのあらかじめ定められた閾値を超えると、スライダ130に働く遠位力は、スライダ130を流体チャネル152の長さに沿って、例えば
図6Bに示す第2の位置すなわち閉位置に向けて遠位に距離Dだけさらに変位させ、又は別様に移動させることができる。例えば、弾性部材135は、医療用流体があらかじめ定められた閾値又は安全な輸液よりも大きい流体圧を印加するとき、スライダ130を第2の距離だけ第2の位置すなわち閉位置まで変位させることができるようにさらに圧縮することができる。いくつかの実施例では、流体圧が安全な輸液圧(例えば、3.63kPa(25psi))よりも大きいとき、スライダ130は、さらに弾性部材135を圧縮することによってさらに遠位に移動することができる。
【0039】
スライダ130は、スライダ130のベースが、流体チャネル152の外面から半径方向に外向きに突出する止め部156に当接するまで、流体圧によってさらに遠位に変位され続けてもよい。したがって、スライダ130は、
図7Bに示されるように、さらに遠位に第2の位置すなわち閉位置を過ぎて移動するのを防ぐことができる。スライダの総移動又は変位Dがおよそ2ミリメートル(mm)に等しいと、スライダ130は、流体が流体チャネル152に流れ込むのを遮る。前に論じたように、閉位置では、スライダ130のアパーチャ133の対は、スライダ130の内壁126がスライダ130の内部区画131と流体チャネル152のカットアウト159の対との間の流体接続を遮断するように、カットアウト159の対と整合されない、又は別様に重なり合わないようにすることができる。したがって、閾値安全量よりも高い流体圧を有する医療用流体はスライダ130の内部に閉じ込められて、脈管アクセス装置に流れ込むことができない。したがって、医療用流体の脈管アクセス装置への輸液圧は安全な輸液圧以下に維持され、以て有利には、現存の輸液コネクタで通常発生する問題を防ぐことができる。
【0040】
流体圧が、再度、あらかじめ定められた閾値以下である点まで減少すると、弾性部材135は、スライダ130を少なくとも
図7C及び
図7Dの開位置に向けて近位に押すことができる。スライダの内壁126は出口169から離れて近位に移動することができ、アパーチャ133の対とカットアウト159の対は再び重なり合い、又は少なくとも部分的に整合されることができ、以て医療用流体が、アパーチャ133の対とカットアウト159の対の部分的な整合を介して再度流体チャネル152に入ることができるようになる。したがって、次いで、医療用流体は流れて流体チャネル152を通り、圧力調節コネクタ100を出て脈管アクセス装置へと流通することができる。
【0041】
図8Aは、本開示のいくつかの実施例による、ねじ付き形状157を有する流体チャネル152を含む圧力調節コネクタ100の断面図を示している。
図8Bは、本開示のいくつかの実施例による、ねじ付き形状157を有する流体チャネル152を含む
図8Aの圧力調節コネクタ100の拡大部分断面図を示している。本開示のさまざまな実施例に従って、流体チャネル152は、流体チャネル152のルーメン154を規定する内面155を含むことができる。
図8A及び
図8Bに示されているように、内面155は、内面155に少なくとも部分的に沿って延びるねじ付き形状157を有することができる。例えば、いくつかの実施例では、ねじ付き形状は、互いに間隔を開けて配置された複数のらせん状ねじ山を含むことができる。他の実施例では、ねじ付き形状は、互いに間隔を開けて配置された複数の円形ねじ山157を含むことができる。動作の際には、流体が流れて、ねじ付き形状を有するルーメン154の一部分を通るとき、ねじ付き形状は流体に渦を巻かせて、圧力調節コネクタ100を出る流体内に乱流を作り出させることができる。ねじ付き形状157を有する内面155を備える流体チャネル152を含む圧力調節コネクタ100は、医療用流体が移動してねじ付き形状を有する流体チャネル152の一部分を通るときに生じる乱流が、現存のコネクタに実装される別個のプッシュ・ポーズ機構に対する必要性を低減又は別の状況では解消するという点で現存のコネクタよりも有利である。
【0042】
本明細書に記載のさまざまな実施例の圧力調節コネクタ及びシステムはさらに、現存の輸液コネクタに勝るさらなる利点を提供する。例えば、本明細書に記載の圧力調節コネクタ及びシステムは、ニードルレス・コネクタと一体化された圧力制御機構を提供し、以て追加の構成要素に対する必要性を解消し、潜在的に費用節減を実現する。さらに、圧力調整器を有する本明細書に記載のさまざまな実施例の圧力調節コネクタ及びシステムにより、個々の又はカスタマイズされた患者の健康条件に応じて、ユーザが輸液圧を調整することができるようになる。さらに、本明細書に記載のさまざまな実施例の圧力調節コネクタ及びシステムは、往復運動をするスライダ・アセンブリを用いて流れを調節することによって、安全な輸液圧を維持することができる。その上、乱流を作り出すねじ付き形状を有する内面を備える流体チャネルを含む、本明細書に記載のさまざまな実施例の圧力調節コネクタ及びシステムは、現存のコネクタによって施されるプッシュ・ポーズ技法に対する必要性を解消する。
【0043】
さらに、有利には、さまざまな実施例の圧力調節コネクタ及びシステムは、圧力制御機構及び圧力選択機構を組み込むので、有利には、より高い輸液圧と関連した患者に対する痛みを取り除く、又は著しく低減する。
【0044】
主題の技術の条項としての説明
主題の技術は、例えば、下に記載されたさまざまな態様に従って説明される。主題の技術の態様のさまざまな実例は便宜上番号付けされた条項(1、2、3など)として記述される。これらは実例として提供され、主題の技術を限定するものではない。従属条項のいずれも任意の組合せ内に結合されて、それぞれの独立した条項、例えば、条項1又は条項5に入れることができる。他の条項も同様の方式で提示されることが可能である。
【0045】
条項1.医療用流体を収容する容器を脈管アクセス装置に接続するためのコネクタであって、近位端と、出口を規定する遠位端と、内部チャンバ内に配設された流体チャネルを含む内部チャンバを規定する内面とを有するハウジングであって、流体チャネルが近位端から遠位端に延び、流体チャネルがその長さに沿って対向して配置されたカットアウトの対を備える、ハウジングと、内部チャンバ内に配設及び支持され、流体チャネルにわたってスリーブ状に配置されたスライダであって、内部区画と、内部区画の内壁を貫通するアパーチャとを含む、スライダとを含み、スライダが、(i)医療用流体が出口を通って流れることを可能にするためにスライダのアパーチャがカットアウトの対と少なくとも部分的に重なり合う第1の位置と、(ii)スライダのアパーチャがカットアウトの対と整合されず、スライダの内壁がスライダと流体チャネルとの間の流体接続を遮断する第2の位置との間を相互に移動可能であり、スライダが、医療用流体があらかじめ定められた閾値以下の流体圧を印加するとき、第1の位置に移動可能であり、スライダが、医療用流体があらかじめ定められた閾値よりも大きい流体圧を印加するとき、第2の位置に移動可能である、コネクタ。
【0046】
条項2.流体チャネルを覆って据え付けられ、内部チャンバ内でスライダを支持するためにスライダに対して遠位に結合された弾性部材であって、スライダが、(i)医療用流体があらかじめ定められた閾値以下の流体圧を印加するとき、第1の位置まで第1の距離だけ移動することと、(ii)医療用流体があらかじめ定められた閾値よりも大きい流体圧を印加するとき、第2の位置まで第2の距離だけ移動することとができるように圧縮可能である、弾性部材をさらに含む、条項1に記載のコネクタ。
【0047】
条項3.近位端において流体チャネルを覆って据え付けられたエンド・キャップであって、医療用流体がスライダの内部区画へと導かれるように医療用流体が近位端において流体チャネルに入るのを遮る、エンド・キャップをさらに含む、条項2に記載のコネクタ。
【0048】
条項4.第1の距離が0ミリメートル(mm)よりも大きいが2mmよりも小さく、第2の距離が2mmに等しい、条項2に記載のコネクタ。
【0049】
条項5.あらかじめ定められた閾値が3.63kPa(25重量ポンド毎平方インチ(psi))に等しい、条項2に記載のコネクタ。
【0050】
条項6.流体チャネルが、流体チャネルの外面から半径方向に外向きに突出する止め部を備え、止め部は、スライダが遠位に移動して第2の位置を過ぎるのを防ぐように構成されている、条項2に記載のコネクタ。
【0051】
条項7.弾性部材が流体チャネルの外面の周りに延びる蛇腹を備える、条項2に記載のコネクタ。
【0052】
条項8.スライダと流体チャネルとの間の医療用流体の洩れを防ぐために流体チャネルを取り囲むスライダのベースに配設されたシールをさらに含む、条項2に記載のコネクタ。
【0053】
条項9.スライダ、流体チャネル、及び弾性部材を取り囲むハウジングに結合されたカバーと、カバーに据え付けられ、スライダに流体結合されたニードルレス・コネクタとをさらに含む、条項2に記載のコネクタ。
【0054】
条項10.ニードルレス・コネクタが、ニードルレス・コネクタの出口ポートを規定するベース・プレートを備え、カバーがその近位端において入口ポートを規定し、出口ポート及び入口ポートがニードルレス・コネクタの流体チャンバをスライダの内部区画と流体連通させる、条項9に記載のコネクタ。
【0055】
条項11.医療用流体を収容する容器を脈管アクセス装置に接続するためのコネクタであって、近位端と、出口を規定する遠位端と、内部チャンバ内に配設された流体チャネルを含む内部チャンバを規定する内面とを有するハウジングであって、流体チャネルが近位端から遠位端に延び、流体チャネルが流体チャネルのルーメンを規定する内面を備え、内面が少なくとも部分的に内面に沿って延びるねじ付き形状を有する、ハウジングと、内部チャンバ内に配設及び支持され、流体チャネルにわたってスリーブ状に配置されたスライダとを含み、
【0056】
前記スライダが、(i)医療用流体があらかじめ定められた閾値以下の流体圧を印加するときの、及び医療用流体がねじ付き形状に沿って出口に流れることを可能にするためスライダが流体チャネルと流体結合される開位置と、(ii)医療用流体があらかじめ定められた閾値よりも大きい流体圧を印加するときの、及びスライダと流体チャネルとの間の流体接続が遮断される閉位置との間を相互に移動可能である、コネクタ。
【0057】
条項12.流体チャネルを覆って据え付けられ、内部チャンバ内でスライダを支持するためにスライダに対して遠位に結合された弾性部材であって、スライダが開位置と閉位置との間で往復運動ができるように圧縮可能である、弾性部材をさらに含む、条項11に記載のコネクタ。
【0058】
条項13.ねじ付き形状が、互いに間隔を開けて配置された複数のらせん状ねじ山を備える、条項12に記載のコネクタ。
【0059】
条項14.流体チャネルが、その長さに沿って対向して配置されたカットアウトの対を備え、スライダが内部区画と、内部区画の内壁を貫通するアパーチャとを備え、
(i)開位置では、医療用流体が出口を通って流れることを可能にするためにスライダのアパーチャがカットアウトの対と軸方向に整合され、(ii)閉位置では、スライダのアパーチャがカットアウトの対と整合されない、条項13に記載のコネクタ。
【0060】
条項15.スライダ、流体チャネル、及び弾性部材を取り囲むハウジングに結合されたカバーと、カバーに据え付けられ、スライダに流体結合されたニードルレス・コネクタとをさらに含む、条項14に記載のコネクタ。
【0061】
条項16.ニードルレス・コネクタが、ニードルレス・コネクタの出口ポートを規定するベース・プレートを備え、カバーがその近位端において入口ポートを規定し、出口ポート及び入口ポートがニードルレス・コネクタの流体チャンバをスライダの内部区画と流体連通させる、条項15に記載のコネクタ。
【0062】
条項17.スライダと流体チャネルとの間の医療用流体の洩れを防ぐために流体チャネルを取り囲むスライダのベースに配設されたシールをさらに含む、条項12に記載のコネクタ。
【0063】
条項18.医療用流体を収容する容器を脈管アクセス装置に接続するためのコネクタであって、近位端と、出口を規定する遠位端と、内部チャンバ内に配設された流体チャネルを含む内部チャンバを規定する内面とを有するハウジングであって、流体チャネルが近位端から遠位端に延び、その内面及び外面を貫通して延びる開口をさらに備える、ハウジングと、内部チャンバ内に据え付けられ、医療用流体の圧力を調整するために開口を介して回転可能に作動できる圧力調整器と、内部チャンバ内に配設及び支持され、流体チャネルにわたってスリーブ状に配置されたスライダとを含み、前記スライダが、(i)医療用流体があらかじめ定められた閾値以下の流体圧を印加するときの、及び医療用流体が出口に流れることを可能にするためスライダが流体チャネルと流体結合される開位置と、(ii)医療用流体があらかじめ定められた閾値よりも大きい流体圧を印加するときの、及びスライダと流体チャネルとの間の流体接続が遮断される閉位置との間を相互に移動可能である、コネクタ。
【0064】
条項19.流体チャネルを覆って据え付けられ、内部チャンバ内でスライダを支持するためにスライダに対して遠位に結合された弾性部材であって、スライダが開位置と閉位置との間で往復運動ができるように圧縮可能である、弾性部材をさらに含む、条項18に記載のコネクタ。
【0065】
条項20.スライダ、流体チャネル、及び弾性部材を取り囲むハウジングに結合されたカバーをさらに含み、
カバーが複数の係合特徴を有する外面を備え、
圧力調整器が、カバーの複数の係合特徴に結合するための複数の相補的な係合特徴を含む内面を備える、条項19に記載のコネクタ。
【0066】
条項21.ハウジングの外面が複数の目盛りを備え、圧力調整器が、圧力調整器の外面の少なくとも一部分の周りに配設されたインジケータをさらに備え、圧力調整器が流体圧を調整するために回転されるとき、圧力調整器の複数の係合特徴とカバーの複数の係合特徴とが係合及び相互接続し、圧力調整器を回転させてインジケータを並進させ、複数の目盛りのうちの1つの目盛りと位置合わせさせる、条項20に記載のコネクタ。
【0067】
条項22.複数の目盛りがさまざまな流体圧を表す、条項21に記載のコネクタ。
【0068】
条項23.圧力調整器の外面が、圧力調整器のグリッピングのための、複数の長手方向に延びるスプラインをさらに備える、条項21に記載のコネクタ。
【0069】
条項24.スライダと流体チャネルとの間の医療用流体の洩れを防ぐために流体チャネルを取り囲むスライダのベースに配設されたシールをさらに含む、条項21に記載のコネクタ。
【0070】
条項25.スライダ、流体チャネル、及び弾性部材を取り囲むハウジングに結合されたカバーと、カバーに据え付けられ、スライダに流体結合されたニードルレス・コネクタとをさらに含む、条項21に記載のコネクタ。
【0071】
条項26.ニードルレス・コネクタが、ニードルレス・コネクタの出口ポートを規定するベース・プレートを備え、カバーがその近位端において入口ポートを規定し、出口ポート及び入口ポートがニードルレス・コネクタの流体チャンバをスライダの内部区画と流体連通させる、条項25に記載のコネクタ。
【0072】
本開示は、任意の当業者が本明細書に記述されたさまざまな態様を実践することができるようにするために提供される。本開示は、主題の技術のさまざまな実例を提供するが、主題の技術はこれらの実例に限定されない。これらの態様に対するさまざまな修正は、当業者には容易に明らかとなり、本明細書で規定される一般的な原理は他の態様に適用されてもよい。
【0073】
単数における要素への参照は、具体的にそのように述べられていない限り「ただ1つのもの」を意味すると意図されるのではなく「1つ又は複数」を意味すると意図されるものである。具体的に別様に述べられていない限り、用語「いくつか」は1つ又は複数を指す。男性の(例えば、彼の)に関する代名詞は、女性の、及び中性の(例えば、彼女の、及びそれの)を含み、逆もまた同様である。表題及び副題がある場合、便宜上使用されているだけであり、発明を限定するものではない。
【0074】
単語「例示的な」は、本明細書で「実例又は例示として機能すること」を意味するように使用される。本明細書で「例示的な」と記述される任意の態様又は設計は、他の態様又は設計よりも好ましい又は有利であると必ずしも解釈されるべきでない。1つの態様では、本明細書に記述されるさまざまな代替構成及び動作が少なくとも等価であると考えられてもよい。
【0075】
本明細書において使用されているように、一連の項目に先行する語句「のうちの少なくとも1つ」は、項目のうちのいずれかを分離するために用語「又は」を用いて、リストの各項目ではなくリストを全体として修飾するものである。語句「のうちの少なくとも1つ」は、少なくとも1つの項目の選択を必要とするのではなく、むしろこの語句が、項目のうちの任意の項目のうちの少なくとも1つの項目、及び/又は項目の任意の組合せのうちの少なくとも1つの組合せ、及び/又は項目のうちの各項目のうちの少なくとも1つの項目を含むことを意味することを許容するものである。実例として、語句「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」は、Aのみ、Bのみ、若しくはCのみ、又はA、B、及びCの任意の組合せを指すことができる。
【0076】
「態様」などの語句は、そのような態様が主題の技術に対して必須であることも、そのような態様が主題の技術のすべての構成に当てはまることも含意しない。態様に関する開示は、すべての構成、又は1つ若しくは複数の構成に当てはまり得る。態様は1つ又は複数の実例を提供することができる。態様などの語句は1つ又は複数の態様を指すことができ、逆もまた同様である。「実施例」などの語句は、そのような実施例が主題の技術に対して必須であることも、そのような実施例が主題の技術のすべての構成に当てはまることも含意しない。実施例に関する開示は、すべての実施例、又は1つ若しくは複数の実施例に当てはまり得る。実施例は1つ又は複数の実例を提供することができる。実施例などの語句は1つ又は複数の実施例を指すことができ、逆もまた同様である。「構成」などの語句は、そのような構成が主題の技術に対して必須であることも、そのような構成が主題の技術のすべての構成に当てはまることも含意しない。構成に関する開示は、すべての構成、又は1つ若しくは複数の構成に当てはまり得る。構成は1つ又は複数の実例を提供することができる。構成などの語句は1つ又は複数の構成を指すことができ、逆もまた同様である。
【0077】
1つの態様において、別様に述べられていない限り、本明細書に明記されているすべての測定値、値、評点、位置、大きさ、寸法、及び他の仕様は、下記の特許請求項の範囲に含むものを含め、概略であり正確ではない。1つの態様において、それらは、それらが関係する機能と、それらが関連する技術分野において慣例的なことと首尾一貫した合理的な範囲を含むことが意図される。
【0078】
開示されているプロセス又は方法におけるステップ又は動作の特定の順序又は階層は、例示的な手法の図解であることが理解される。実装形態の優先度又はシナリオに基づいて、ステップ、動作、又はプロセスの特定の順序又は階層が再配置されてもよいことが理解される。ステップ、動作、又はプロセスのうちのいくつかは同時に実施されてもよい。いくつかの実装形態の優先度又はシナリオでは、ある特定の動作が実施されてもよく、又は実施されなくてもよい。ステップ、動作、又はプロセスのうちのいくつか又はすべては、ユーザの介入なしに自動的に実施されてもよい。添付の方法請求項は、さまざまなステップ、動作、又はプロセスの要素をサンプル順序で提示しており、提示されている特定の順序又は階層に限定されることを意味していない。
【0079】
当業者に知られている、又は後で知られることになる、本開示全体にわたって記述されているさまざまな態様の要素に対する構造的な及び機能上の均等物は、参照によって本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されることになるのが意図される。その上、本明細書に開示されているいかなるものも、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に供されることが意図されていない。請求項のいかなる要素も、その要素が、語句「ための手段」を使用して明確に記載されていない限り、又は方法請求項の場合において、その要素が、語句「ためのステップ」を使用して記載されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定に基づいて解釈されるべきではない。さらに、用語「含む」、「有する」などが使用される限りにおいて、そのような用語は、「備える」が請求項の中の過渡的な単語として利用されるときに解釈されるように、用語「備える」と同様な方式で包括的であることが意図されている。
【0080】
本開示の発明の名称、背景技術、発明の概要、図面の簡単な説明、及び要約書はここに本開示に組み込まれ、限定的な記述としてではなく本開示の例示的な実例として提供される。本開示は、それらが請求項の範囲又は意味することを限定するために使用されるものではないという理解と共に提出される。さらに、詳細な説明において、記述が例示的な実例を提供しており、さまざまな特徴が、本開示を合理化するために、さまざまな実施例においてグループ化されていることが理解できる。この開示方法は、特許請求されている主題が各請求項において明確に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を示すものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が示すように、発明の主題は、単一の開示されている構成又は動作のすべての特徴よりも少ない特徴にある。以下の特許請求の範囲はここで詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別々に特許請求されている主題としてそれ自体に基づいている。
【0081】
特許請求の範囲は、本明細書に記述されている態様に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲の文言と首尾一貫した完全な範囲が与えられるべきであり、すべての法的均等物を包含するものとする。しかしながら、請求項のいずれも、米国特許法第101条、第102条、又は第103条の要件を満たさない主題を包含することを意図しておらず、また、そのように解釈されるべきではない。
【国際調査報告】