(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】弁群統合モジュール、熱管理システム及び車両
(51)【国際特許分類】
B60H 1/22 20060101AFI20240311BHJP
F25B 41/31 20210101ALI20240311BHJP
F16K 27/00 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
B60H1/22 651B
F25B41/31
B60H1/22 651A
F16K27/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560751
(86)(22)【出願日】2022-05-27
(85)【翻訳文提出日】2023-09-29
(86)【国際出願番号】 CN2022095515
(87)【国際公開番号】W WO2022253123
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202110603391.6
(32)【優先日】2021-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】李石柏
(72)【発明者】
【氏名】金▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】許敏
(72)【発明者】
【氏名】叶梅嬌
(72)【発明者】
【氏名】李玉忠
【テーマコード(参考)】
3H051
3L211
【Fターム(参考)】
3H051CC11
3H051CC14
3H051FF03
3L211BA55
(57)【要約】
弁群統合モジュール、熱管理システム及び車両であって、弁群統合モジュールは、複数の内部流路、及び内部流路と外部熱管理システムの熱交換アセンブリを連通するための複数のインターフェイスが設けられる本体(11)と、本体(11)に設けられ且つ内部流路に連通され、オンオフ位置と絞り位置を切り替えるように配置される第1の電動弁(13)および第2の電動弁(16)と、を備え、第1の電動弁(13)の第1の端は車内凝縮器の出口インターフェイス(11004)に連通され、第1の電動弁(13)の第2の端は車外熱交換器の入口インターフェイス(11005)に連通され、第2の電動弁(16)の第1の端は車外熱交換器の出口インターフェイス(11002)に連通され、第2の電動弁(16)の第2の端は選択可能に車内蒸発器の入口インターフェイス(11001)または気液分離器の入口インターフェイス(11003)に連通される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁群統合モジュールにおいて、
複数の内部流路、及び前記内部流路と外部熱管理システムの熱交換アセンブリを連通するための複数のインターフェイスが設けられる本体(11)と、
前記本体(11)に設けられて且つ前記内部流路に連通され、いずれもオンオフ位置と絞り位置との間に切り替え可能であるように配置される第1の電動弁(13)および第2の電動弁(16)と、を備え、
前記第1の電動弁(13)の第1の端は車内凝縮器の出口インターフェイス(11004)に連通され、前記第1の電動弁(13)の第2の端は車外熱交換器の入口インターフェイス(11005)に連通され、前記第2の電動弁(16)の第1の端は車外熱交換器の出口インターフェイス(11002)に連通され、前記第2の電動弁(16)の第2の端は選択可能に車内蒸発器の入口インターフェイス(11001)または気液分離器の入口インターフェイス(11003)に連通されることを特徴とする弁群統合モジュール。
【請求項2】
前記内部流路は内蔵流路と外付け流路を含み、前記本体(11)は第1の分割体(1101)と第2の分割体(1102)を含み、前記第1の分割体(1101)は第1の接続面を有し、前記第2の分割体(1102)は第2の接続面を有し、前記第1の接続面は第2の接続面に密封接続され、前記第1の分割体(1101)の内部に複数本の前記内蔵流路が設けられ、且つ前記第1の分割体(1101)の第1の接続面に少なくとも1つの凹溝が設けられ、前記第1の接続面上の前記凹溝と前記第2の接続面によって共に前記外付け流路が画定されることを特徴とする請求項1に記載の弁群統合モジュール。
【請求項3】
前記凹溝の断面はU形であり、且つ前記凹溝の断面面積は前記第1の電動弁(13)と前記第2の電動弁(16)の弁口面積の10%より大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の弁群統合モジュール。
【請求項4】
車内蒸発器の出口インターフェイス(11006)と前記気液分離器の入口インターフェイス(11003)とを連通する前記内部流路は直線型流路であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の弁群統合モジュール。
【請求項5】
前記弁群統合モジュールは、車内蒸発器の出口インターフェイス(11006)と前記気液分離器の入口インターフェイス(11003)との間に設けられるPT低圧センサ(12)をさらに備えることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の弁群統合モジュール。
【請求項6】
前記弁群統合モジュールは、本体(11)に設けられる電子膨張弁(14)をさらに備え、前記電子膨張弁(14)の第1の端は車外熱交換器の出口インターフェイスに連通され、前記電子膨張弁(14)の第2の端は前記本体(11)に設けられるプレート式熱交換器の入口インターフェイスに連通されることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の弁群統合モジュール。
【請求項7】
前記弁群統合モジュールは本体(11)に設けられる電池パック熱交換器(15)をさらに備え、前記電池パック熱交換器(15)の入口は前記電池パック熱交換器の入口インターフェイス(11021)に連通され、前記電池パック熱交換器(15)の出口は気液分離器に接続されることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の弁群統合モジュール。
【請求項8】
前記電子膨張弁(14)の組立位置と前記車外熱交換器の出口インターフェイス(11002)は前記本体(11)の同じ側に位置することを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の弁群統合モジュール。
【請求項9】
熱管理システムであって、前記熱管理システムの外部熱交換アセンブリと請求項1~8のいずれかに記載の弁群統合モジュールを備え、前記外部熱交換アセンブリはコンプレッサ(2)、車内凝縮器(3)、車外熱交換器(4)、車内蒸発器(5)、気液分離器(6)、PTC風加熱器(7)、ブロワ(8)、PTC水加熱器(9)のうちの複数を備えることを特徴とする熱管理システム。
【請求項10】
請求項9に記載の熱管理システムを備えることを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は車両技術の分野に関し、特に弁群統合モジュール、熱管理システム及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
熱管理システムは車両の重要な構成部分であり、車内の温度環境を変えて、ドライバーと乗客がより良い体験を得るために使用される。複数の熱管理モードを組み合わせて実現するために、通常、システム内に多数の分散した弁を配布し、このような手段は、システムの配布の柔軟性が低く、且つ集積度が低いため、占有スペースが多くなっている。関連技術では、該技術的問題を解決するために、複数の弁を1つのフレームに集積し、しかしながら、このような集積手段は、弁類の制御部材の使用を減らし、熱管理システムの管路配布を簡素化する目的ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の第1の目的は、関連技術に存在する問題を解決するように、弁群統合モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、本開示は、弁群統合モジュールを提供し、
複数の内部流路、及び前記内部流路と外部熱管理システムの熱交換アセンブリを連通するための複数のインターフェイスが設けられる本体と、
前記本体に設けられ且つ前記内部流路に連通され、オンオフ位置と絞り位置を切り替えるように配置される第1の電動弁および第2の電動弁と、を備え、
前記第1の電動弁の第1の端は車内凝縮器の出口インターフェイスに連通され、前記第1の電動弁の第2の端は車外熱交換器の入口インターフェイスに連通され、前記第2の電動弁の第1の端は車外熱交換器の出口インターフェイスに連通され、前記第2の電動弁の第2の端は選択可能に車内蒸発器の入口インターフェイスまたは気液分離器の入口インターフェイスに連通される。
【0005】
選択可能に、前記内部流路は内蔵流路と外付け流路を含み、前記本体は第1の分割体と第2の分割体を含み、前記第1の分割体は第1の接続面を有し、前記第2の分割体は第2の接続面を有し、前記第1の接続面は第2の接続面に密封接続され、前記第1の分割体の内部に複数の前記内蔵流路が設けられ、且つ前記第1の分割体の第1の接続面に少なくとも1つの凹溝が設けられ、前記第1の接続面上の前記凹溝と前記第2の接続面によって共に前記外付け流路が画定されるようにする。
【0006】
選択可能に、前記凹溝の断面はU形であり、且つ前記凹溝の断面面積は前記第1の電動弁と前記第2の電動弁の弁口面積の10%より大きい。
【0007】
選択可能に、車内蒸発器の出口インターフェイスと前記気液分離器の入口インターフェイスを連通する前記内部流路は直線型流路である。
【0008】
選択可能に、前記弁群統合モジュールは、車内蒸発器の出口インターフェイスと前記気液分離器の入口インターフェイスとの間に設けられるPT低圧センサをさらに備える。
【0009】
選択可能に、前記弁群統合モジュールは、本体に設けられる電子膨張弁をさらに備え、前記電子膨張弁の第1の端は車外熱交換器の出口インターフェイスに連通され、前記電子膨張弁の第2の端は前記本体に設けられるプレート式熱交換器の入口インターフェイスに連通される。
【0010】
選択可能に、前記弁群統合モジュールは、本体に設けられる電池パック熱交換器をさらに備え、前記電池パック熱交換器の入口は前記電池パック熱交換器の入口インターフェイスに連通され、前記電池パック熱交換器の出口は気液分離器に接続される。
【0011】
選択可能に、前記電子膨張弁の組立位置と前記車外熱交換器の出口インターフェイスは前記本体の同じ側に位置する。
【0012】
本開示の第2の目的は、前記熱管理システムの外部熱交換アセンブリと上記のいずれかの弁群統合モジュールを備え、前記外部熱交換アセンブリはコンプレッサ、車内凝縮器、車外熱交換器、車内蒸発器、気液分離器、PTC風加熱器、ブロワ、PTC水加熱器のうちの複数を含む熱管理システムを提供することである。
【0013】
本開示の第3の目的は、上記の熱管理システムを備える車両を提供することである。
【発明の効果】
【0014】
本開示は複数の内部通路を有する弁群統合モジュールを設計し、該弁群統合モジュールは本体に設けられる異なるインターフェイスによって内部流路と外部熱管理システムの熱交換アセンブリを連通し、複数の異なる熱管理回路を形成し、モジュールに集積される第1の電動弁と第2の電動弁によって熱管理回路のオンオフまたは絞りを制御し、多種の予め設定された熱管理モードを実現する目的を達成する。上記の技術的解決手段によって設計された弁群統合モジュールは、多種の熱管理モードを実現すると同時に、弁類制御部材の使用を減らし、熱管理システムの管路の接続を簡素化し、車両全体の重量を減少し、コストと燃費を低減し、車両全体の配布スペースを節約する。
【0015】
本開示の他の特徴と利点は、続いた具体的な実施形態部分で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図面は、本開示をさらに理解するために提供され、明細書の一部を構成し、以下の具体的な実施形態とともに本開示を解釈するために使用され、本開示を制限するためのものではない。図面では、
【
図1】本開示の例示的な実施形態による熱管理システムの原理図である。
【
図2】本開示の例示的な実施形態による弁群統合モジュールの組立図である。
【
図3】本開示の例示的な実施形態による弁群統合モジュールの分解図である。
【
図4】本開示の例示的な実施形態による弁群統合モジュールの正面図である。
【
図5】本開示の例示的な実施形態による弁群統合モジュールの底面図である。
【
図6】本開示の例示的な実施形態による弁群統合モジュールの上面図である。
【
図7】本開示の例示的な実施形態による弁群統合モジュールの内部流路の配布模式図である。
【
図8】
図5の弁群統合モジュールのA-A断面図である。
【
図9】
図6の弁群統合モジュールのB-B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を組み合わせて本開示の具体的な実施形態を詳細に説明する。ここで説明される具体的な実施形態は本開示を説明と解釈するためのものに過ぎず、本開示を制限するものではないのを理解すべきである。
【0018】
本開示において、逆の説明をしていない場合、方位語「内、外」は関連部品の内、外を意味する。なお、「第1」、「第2」という用語は区別して説明するためのものであり、相対的重要性を示したり暗示したりするものとは理解できない。また、本開示の叙述では、さらに説明する必要があるのは、特に明確に規定および限定する場合を除き、現れた用語「設置する」、「接続する」、「取り付ける」は、例えば固接するものでもよく、取り外し可能に連結するまたは一体に連結するものでもよく、直接互いに連結するものでもよく、中間の媒介するものを介して互いに連結するものでもよく、2つの素子の内部を互いに連通するものでもよく、広義に理解されるべきである。当事者は、具体的な状況に応じて、本開示における上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0019】
本開示は弁群統合モジュールを提供し、該弁群統合モジュールは多種の予め設定された熱管理モードの中の少なくとも1つを実現するために使用できる。ここでの予め設定された熱管理モードは、エアコン冷房モード、ヒートポンプ暖房モード、電池冷却モード、エアコン冷房及び電池冷却デュアル運転モード、除湿モードなどを含むが、これらに制限されない。これらの熱管理モードの具体的な作動原理について、以降詳細に説明する。
【0020】
上記挙げられた多種の予め設定された熱管理モードを実現するために、熱管理システムは外部熱交換アセンブリと本開示で提供された弁群統合モジュールを備え、熱交換アセンブリはコンプレッサ2、車内凝縮器3、車内蒸発器5、車外熱交換器4、PTC風加熱器7、ブロワ8、PTC水加熱器9のうちの複数を備える。
【0021】
図1~
図9に示すように、本開示で提供される弁群統合モジュールは、本体11、第1の電動弁13及び第2の電動弁16を含み、本体11に複数の内部流路及び内部流路と熱管理システムの熱交換アセンブリを連通するための複数のインターフェイスが設けられる。図示された実施形態において、本体11は、その内に内部流路を設置するように、ブロック状に構成される。指摘する必要がある点として、本開示は、本体11の構造に制限されず、その内に内部流路を設置する目的を達成すればよい。
【0022】
第1の電動弁13と第2の電動弁16はいずれも本体11に設けられ、且つ内部流路に連通される。第1の電動弁13と第2の電動弁16はいずれもオンオフ位置と絞り位置との間で切り替え可能であるように配置される。まず、説明する必要がある点として、第1の電動弁13と第2の電動弁16とは、それぞれ1つの弁体を指し、該弁体は、必要に応じてオンオフと絞り減圧の2つの機能の間に切り替え可能であり、または、電磁弁と膨張弁の両方として使用することもできるともいえる。
【0023】
第1の電動弁13と第2の電動弁16は、任意のオンオフと絞り減圧の2つの機能の間の切り替えを実現できる電動弁を使用することができる。第1の電動弁13を例として、
図3に示すように、第1の電動弁13は球状の弁芯1305、調整座1307及びアクチュエータモータ1301を含むことができ、弁芯1305に互いに繋がり且つ内部流路に連通するための第1の通路と第2の通路が設けられ、調整座1307は弁芯1305を本体11内に保持するために使用され、例えば、調整座1307に雄ねじが設けられ、本体11に雄ねじに合わせるための雌ねじが設けられ、アクチュエータモータ1301は弁芯1305の回転を駆動するために使用され、弁芯1305の回転に伴って、第1の電動弁13がオンオフと絞り減圧の2つの機能の間に切り替える機能を実現する。さらに、第1の電動弁13は、取り付け方向に沿った両端にさらにそれぞれインターフェイスを閉鎖するための環状の密封ブロック1304が設けられる。アクチュエータモータ1301はネジ1301によって本体11に取り付けられる。第2の電動弁13は第1の電動弁16と同様の構造を有することができ、ここで繰り返して説明しない。
【0024】
本開示において、第1の電動弁13の第1の端は車内凝縮器の出口インターフェイス11004に連通され、第1の電動弁13の第2の端は車外熱交換器の入口インターフェイス11005に連通され、第2の電動弁16の第1の端は車外熱交換器の出口インターフェイス11002に連通され、第2の電動弁16の第2の端は選択的に車内蒸発器の入口インターフェイス11001または気液分離器の入口インターフェイス11003に連通される。ここでの連通はオンオフでも、絞りでもよい。
【0025】
上記の手段により、即ち、本開示は複数の内部通路を有する弁群統合モジュールを設計し、該弁群統合モジュールは本体に設けられる異なるインターフェイスによって内部流路と外部熱管理システムの熱交換アセンブリを連通し、複数の異なる熱管理回路を形成し、モジュールに集積される第1の電動弁と第2の電動弁によって熱管理回路のオンオフまたは絞りを制御し、多種の予め設定された熱管理モードを実現する目的を達成する。上記の技術的解決手段によって設計された弁群統合モジュールは、多種の熱管理モードを実現すると同時に、弁類制御部材の使用を減らし、熱管理システムの管路の接続を簡素化し、車両全体の重量を減少し、コストと燃費を低減し、車両全体の配布スペースを節約する。
【0026】
内部流路は多種の手段によって設計することができる。本開示の一実施形態によれば、内部流路は内蔵流路と外付け流路を含むことができる。注意する必要がある点として、流路の内蔵と外付けは本体11の内部と外部に対するものであり、即ち、内蔵流路と外付け流路はいずれも本体11に設けられ、熱管理システムにおける接続管路を指すことはない。本体11は第1の分割体1101と第2の分割体1102を含み、第1の分割体1101は第1の接続面を有し、第2の分割体は第2の接続面を有し、第1の接続面と第2の接続面は密封接続に使用され、即ち、第1の接続面と第2の接続面は互いに突き合わせるために用いられる。内蔵流路は第1の分割体1102の内部に設けられる。第1の分割体1101の第1の接続面に少なくとも1つの凹溝が設けられ、第1の接続面上の凹溝と第2の接続面によって共に外付け流路が画定されることができる。
【0027】
図4~
図9に3本の外付け流路と1本の内蔵流路を有する実施形態が示され、第2の電動弁16の入口11-101と電子膨張弁14の入口11-102を連通することで第1の外付け流路11-1を形成し、第2の電動弁16の出口11-203、電池パック熱交換器の出口インターフェイス1501、車内蒸発器の出口インターフェイス11006、PTセンサ低圧インターフェイス11-202の気液分離器の入口インターフェイス11002を連通することで第1の内蔵流路11-2を形成し、第1の電動弁13の出口11-301と車外熱交換器の入口インターフェイス11005を連通することで第2の内蔵流路11-3を形成し、電子膨張弁14の出口11-401と電池パック熱交換器15の入口1502を連通することで第3の内蔵流路11-4を形成する。理解すべき点として、上記内部流路の設置は、例示的なものであり、干渉しない前提で、その他の任意の可能な内部流路配布手段も本開示に使用でき、ここで限定しない。なお指摘する必要がある点として、一部の実施形態は対応する熱交換アセンブリ、例えば、電池パック熱交換器15またはPT低圧センサ12を備えない場合、対応する内部流路を省略することができる。さらに、外付け流路を形成するための凹溝の断面はU形であってもよく、且つ凹溝の断面面積は第1の電動弁13と第2の電動弁16の弁口面積の10%より大きく、これにより、冷媒が順調に第1の電動弁13と第2の電動弁16の弁口から外付け流路に流入する。なお、車内蒸発器の出口インターフェイス11006と気液分離器の入口インターフェイス11003を連通する内部流路は直線型流路に構成されてもよく、冷媒の流動抵抗を低下させることができる。弁群統合モジュールにPTセンサ12が設けられる場合、PT低圧センサ12は車内蒸発器の出口インターフェイス11006と気液分離器の入口インターフェイス11003との間に設けられることができる。車内蒸発器の出口インターフェイス11006と気液分離器の入口インターフェイス11003との間の内部流路は直線型流路に構成されると、PTセンサ12の測定の正確さを向上させることもできる。
【0028】
本開示の一実施形態によれば、
図1~
図3に示すように、弁群統合モジュールは本体11に設けられる電子膨張弁14を備えてもよく、電子膨張弁14の第1の端は車外熱交換器の出口インターフェイス11002に連通され、第2の電子膨張弁14の第2の端は本体11に設けられる電池パック熱交換器の入口インターフェイスに連通される。電子膨張弁14は本体11に挿入するためのプラグイン部1401を含んでよく、電子膨張弁14と本体11とは、本体11に穿設された尾端ねじ付きピン1402によって固定接続される。
【0029】
弁群統合モジュールは、本体11に設けられる電池パック熱交換器15をさらに備えてもよく、電池パック熱交換器15はネジ1107によって本体11に接続されてよい。電池パック熱交換器15の入口は電池パック熱交換器の入口インターフェイスに連通され、電池パック熱交換器15の出口は気液分離器に接続される。電池パック熱交換器15を取り付けるための方法として、本体11にそれぞれ電池パック熱交換器15の第1の端と第2の端に接続するための接続ジョイント1103、1105、及び電池パック熱交換器15の第1の端と第2の端を密封するためのO型リング1104、1106が設けられ、電池パック熱交換器15は本体11にねじ付きファスナーによって接続される。
【0030】
上記の技術的解決手段により、電池パック冷却の熱管理モードを更に実現することができる。なお、本開示において、
図2に示すように、電子膨張弁14の組立位置と車外熱交換器の出口インターフェイス11002は本体11の同じ側に位置し、第2の電動弁16と電子膨張弁14が同一の入口11002を共有し、電子膨張弁14に接続された入口11-102の流路は短く、曲げ角度を形成しないように確保し、低流動抵抗設計を実現する。
【0031】
以下、
図1~
図9を組み合わせて上記技術的解決手段により実現できる熱管理モードを例示的に説明し、
エアコン冷房モード:
コンプレッサ2は高温高圧ガス冷媒を排出し、車内凝縮器3に入り、冷媒は車内凝縮器3で放熱液化してから車内凝縮器の出口インターフェイス11004から第1の電動弁13に入り、この時、第1の電動弁13は電磁弁に切り替えて使用され且つオン状態にあり、第1の電動弁13の出口11-301から流出する冷媒は第2の内蔵流路11-3から車外熱交換器の入口11-302である車外熱交換器の入口インターフェイス11005に入り、接続管路を通って車外熱交換器4に入り、車外熱交換器4から流出する冷媒は接続管路を通って車外熱交換器の出口インターフェイス11002から第2の電動弁16に入り、このとき、第2の電動弁16は膨張弁に切り替えて使用され、絞り減圧後に第2の電動弁16から流出する冷媒は車内蒸発器入口11001を通って弁群統合モジュールから流出し、接続管路を通って車内蒸発器5に入って環境熱量を吸収して蒸発し、冷却された環境温度はブロワ8によって冷気を乗員室に吹き込んで冷房を実現し、車内蒸発器5から流出する冷媒は接続管路を通って車内蒸発器の出口インターフェイス11006から弁群統合モジュールに入り、第1の内蔵流路11-2を通って気液分離器の入口11003から気液分離器6に入り、最終的にコンプレッサ2に戻り、これにより、1つのエアコン冷房モードの循環を完成する。
【0032】
ヒートポンプ暖房モード:
コンプレッサ2は高温高圧ガス冷媒を排出し、車内凝縮器3に入って放熱し、車内凝縮器3が放熱してPTC風加熱器7と組み合わせ、ブロワ8によって熱気を車内に吹き込み、車内を加熱し、冷媒が車内凝縮器3で放熱液化してから車内凝縮器の出口インターフェイス11004から第1の電動弁13に入り、このとき、第1の電動弁13は膨張弁に切り替えて使用され、絞り減圧後に第1の電動弁13の出口11-301から流出して車外熱交換器の入口11-302である車外熱交換器の入口インターフェイス11005に入り、接続管路を通って車外熱交換器4に入り、車外熱交換器4から流出する冷媒は接続管路を通って車外熱交換器の出口インターフェイス11002から第2の電動弁16に入り、このとき、第2の電動弁は電磁弁に切り替えて使用されて且つオン状態にあり、第2の電動弁16から流出する冷媒は第2の電動弁16の出口11-204から第2の内蔵流路11-3に入り、気液分離器の入口11003を通って気液分離器6に接続され、最終的にコンプレッサ2に戻り、これにより、ヒートポンプ暖房モードの循環を完成する。
【0033】
除湿モード:
コンプレッサ2は高温高圧ガス冷媒を排出し、車内凝縮器3に入り、冷媒は車内凝縮器3で放熱液化してから車内凝縮器の出口インターフェイス11004から第1の電動弁13に入り、この時、第1の電動弁13は電磁弁に切り替えて使用され且つオン状態にあり、第1の電動弁13の出口11-301から流出する冷媒は第2の内蔵流路11-3から車外熱交換器の入口11-302である車外熱交換器の入口インターフェイス11005に入り、接続管路を通って車外熱交換器4に入り、車外熱交換器4から流出する冷媒は接続管路を通って車外熱交換器の出口インターフェイス11002から第2の電動弁16に入り、このとき、第2の電動弁16は膨張弁に切り替えて使用され、絞り減圧後に第2の電動弁16から流出する冷媒は車内蒸発器入口11001を通って弁群統合モジュールから流出し、接続管路を通って車内蒸発器5に入って、冷媒が車内蒸発器5で吸熱してから冷房し、ブロワ8によって室内の空気を車内蒸発器5と循環し、室内の水蒸気は車内蒸発器5の外側を通過する際に凝縮し、除湿の機能を達成する。
【0034】
電池冷却モード:
コンプレッサ2は高温高圧ガス冷媒を排出し、車内凝縮器3に入り、冷媒は車内凝縮器3で放熱液化してから車内凝縮器の出口インターフェイス11004から第1の電動弁13に入り、この時、第1の電動弁13は電磁弁に切り替えて使用され且つオン状態にあり、第1の電動弁13の出口11-301から流出する冷媒は第2の内蔵流路11-3から車外熱交換器の入口11-302である車外熱交換器の入口インターフェイス11005に入り、接続管路を通って車外熱交換器に入り、車外熱交換器4から流出する冷媒は接続管路を通って車外熱交換器の出口インターフェイス11002から弁群統合モジュールに入り、このとき、第2の電動弁16がオフにされ、冷媒は電子膨張弁14によって霧化された後に電池パック熱交換器15に入り、低温冷媒は水路と熱交換し、電池パックを冷却する。
【0035】
エアコン冷房と電池冷却デュアル運転モード:
コンプレッサ2は高温高圧ガス冷媒を排出し、車内凝縮器3に入り、冷媒は車内凝縮器3で放熱液化してから車内凝縮器の出口インターフェイス11004から第1の電動弁13に入り、この時、第1の電動弁13は電磁弁に切り替えて使用され且つオン状態にあり、第1の電動弁13の出口11-301から流出する冷媒は第2の内蔵流路11-3から車外熱交換器の入口11-302である車外熱交換器の入口インターフェイス11005に入り、接続管路を通って車外熱交換器4に入り、車外熱交換器4から流出する冷媒は接続管路を通って車外熱交換器の出口インターフェイス11002から第2の電動弁16に入り、このとき、第2の電動弁16は膨張弁に切り替えて使用され、絞り減圧後に第2の電動弁16から流出する冷媒は車内蒸発器入口11001を通って弁群統合モジュールから流出し、接続管路を通って車内蒸発器5に入って環境熱量を吸収して蒸発し、冷却された環境温度はブロワ8によって冷気を乗員室に吹き込んで冷房を実現する。電子膨張弁14はオンにされ、冷媒は電子膨張弁14によって霧化された後に電池パック熱交換器15に入り、低温冷媒は水路と熱交換し、電池パックを冷却する。
【0036】
本開示の第2の目的は、熱管理システムを提供することであり、前記熱管理システムは熱管理システムの外部熱交換アセンブリと上記のいずれかの実施形態による弁群統合モジュールを備え、外部熱交換アセンブリはコンプレッサ2、車内凝縮器3、車外熱交換器4、車内蒸発器5、気液分離器6、PTC風加熱器7、ブロワ8、PTC水加熱器9のうちの複数を含む。
【0037】
本開示の第3の目的は、車両を提供することであり、前記車両は上記熱管理システムを備え、該熱管理システムのすべての予め設定された熱管理モードを実現することができ、ここで繰り返して説明しない。
【0038】
以上で図面を組み合わせて本開示の好ましい実施形態を詳細に説明したが、本開示は上記実施形態における具体的な細部に制限されず、本開示の技術構想範囲内で、本開示の技術的解決手段に対して様々な簡単な変形を行うことができ、これらの簡単な変形は本開示の保護範囲に属する。
【0039】
また、説明する必要がある点として、上記具体的な実施形態に説明される各具体的な技術的特徴は、矛盾しない場合、任意の適切な方式で組み合わせることができる。不必要な繰り返しを避けるために、本開示は様々な可能な組み合わせ方式を別途に説明しない。
【0040】
なお、本開示の様々な異なる実施形態を任意に組み合わせることができ、本開示の思想を逸脱しない限り、同様に本開示で開示された内容として見なされるべきである。
【関連出願の相互参照】
【0041】
本開示は、2021年05月31日に中国特許局に提案され、出願番号が202110603391.6で、出願名称が「弁群統合モジュール、熱管理システム及び車両」である中国特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容は援用により本開示に組み込まれる。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁群統合モジュールにおいて、
複数の内部流路、及び前記内部流路と外部熱管理システムの熱交換アセンブリを連通するための複数のインターフェイスが設けられる本体(11)と、
前記本体(11)に設けられて且つ前記内部流路に連通され、いずれもオンオフ位置と絞り位置との間に切り替え可能であるように配置される第1の電動弁(13)および第2の電動弁(16)と、を備え、
前記第1の電動弁(13)の第1の端は車内凝縮器の出口インターフェイス(11004)に連通され、前記第1の電動弁(13)の第2の端は車外熱交換器の入口インターフェイス(11005)に連通され、前記第2の電動弁(16)の第1の端は車外熱交換器の出口インターフェイス(11002)に連通され、前記第2の電動弁(16)の第2の端は選択可能に車内蒸発器の入口インターフェイス(11001)または気液分離器の入口インターフェイス(11003)に連通されることを特徴とする弁群統合モジュール。
【請求項2】
前記内部流路は内蔵流路と外付け流路を含み、前記本体(11)は第1の分割体(1101)と第2の分割体(1102)を含み、前記第1の分割体(1101)は第1の接続面を有し、前記第2の分割体(1102)は第2の接続面を有し、前記第1の接続面は第2の接続面に密封接続され、前記第1の分割体(1101)の内部に複数本の前記内蔵流路が設けられ、且つ前記第1の分割体(1101)の第1の接続面に少なくとも1つの凹溝が設けられ、前記第1の接続面上の前記凹溝と前記第2の接続面によって共に前記外付け流路が画定されることを特徴とする請求項1に記載の弁群統合モジュール。
【請求項3】
前記凹溝の断面はU形であり、且つ前記凹溝の断面面積は前記第1の電動弁(13)と前記第2の電動弁(16)の弁口面積の10%より大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の弁群統合モジュール。
【請求項4】
車内蒸発器の出口インターフェイス(11006)と前記気液分離器の入口インターフェイス(11003)とを連通する前記内部流路は直線型流路であることを特徴とする請求項1
または2に記載の弁群統合モジュール。
【請求項5】
前記弁群統合モジュールは、車内蒸発器の出口インターフェイス(11006)と前記気液分離器の入口インターフェイス(11003)との間に設けられるPT低圧センサ(12)をさらに備えることを特徴とする請求項1
または2に記載の弁群統合モジュール。
【請求項6】
前記弁群統合モジュールは、本体(11)に設けられる電子膨張弁(14)をさらに備え、前記電子膨張弁(14)の第1の端は車外熱交換器の出口インターフェイスに連通され、前記電子膨張弁(14)の第2の端は前記本体(11)に設けられるプレート式熱交換器の入口インターフェイスに連通されることを特徴とする請求項1
または2に記載の弁群統合モジュール。
【請求項7】
前記弁群統合モジュールは本体(11)に設けられる電池パック熱交換器(15)をさらに備え、前記電池パック熱交換器(15)の入口は前記電池パック熱交換器の入口インターフェイス(11021)に連通され、前記電池パック熱交換器(15)の出口は気液分離器に接続されることを特徴とする請求項1
または2に記載の弁群統合モジュール。
【請求項8】
前記電子膨張弁(14)の組立位置と前記車外熱交換器の出口インターフェイス(11002)は前記本体(11)の同じ側に位置することを特徴とする請求項1
または2に記載の弁群統合モジュール。
【請求項9】
熱管理システムであって、前記熱管理システムの外部熱交換アセンブリと請求項1
または2に記載の弁群統合モジュールを備え、前記外部熱交換アセンブリはコンプレッサ(2)、車内凝縮器(3)、車外熱交換器(4)、車内蒸発器(5)、気液分離器(6)、PTC風加熱器(7)、ブロワ(8)、PTC水加熱器(9)のうちの複数を備えることを特徴とする熱管理システム。
【請求項10】
請求項9に記載の熱管理システムを備えることを特徴とする車両。
【国際調査報告】