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特表2024-512158マイクロ流体デバイス上へのタンパク質共局在デバイス(PCD)の組み込み
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】マイクロ流体デバイス上へのタンパク質共局在デバイス(PCD)の組み込み
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/68 20180101AFI20240311BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20240311BHJP
   C12N 15/115 20100101ALN20240311BHJP
   C07K 16/00 20060101ALN20240311BHJP
   C07K 2/00 20060101ALN20240311BHJP
   C12Q 1/6876 20180101ALN20240311BHJP
   C07K 17/00 20060101ALN20240311BHJP
   C12N 15/10 20060101ALN20240311BHJP
   C12N 15/11 20060101ALN20240311BHJP
【FI】
C12Q1/68
C12M1/34 Z
C12N15/115 Z
C07K16/00
C07K2/00
C12Q1/6876 Z
C07K17/00
C12N15/10 110Z
C12N15/11 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560853
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-11-30
(86)【国際出願番号】 US2022022515
(87)【国際公開番号】W WO2022212479
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】63/168,837
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505373306
【氏名又は名称】ソマロジック オペレーティング カンパニー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ボーウェン シェーン
(72)【発明者】
【氏名】ロゼムンド ポール
(72)【発明者】
【氏名】ゴピナート アシュウィン
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
4H045
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029AA09
4B029BB15
4B029BB20
4B029FA12
4B063QA01
4B063QA18
4B063QQ79
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR48
4B063QR62
4H045AA30
4H045AA40
4H045BA60
4H045CA40
4H045DA75
4H045EA50
(57)【要約】
本明細書では、1つ以上の分析物分子のサンプル中での存在を検出するための構造体及び方法が提供されている。いくつかの実施形態では、1つ以上の分析物分子は、1つ以上の超分子構造体を使用して検出される。いくつかの実施形態では、超分子構造体は双安定性であり、超分子構造体は、サンプルからの1つ以上の分析物分子との相互作用により不安定状態から安定状態に移行する。いくつかの実施形態では、安定状態の超分子構造体は、分析物分子の検出及び定量化の信号を提供するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析物捕獲データの生成方法であって、
基板の表面に複数の超分子構造体を付着させることであって、前記超分子構造体はそれぞれコア構造体に付着した1つ以上の親和性結合剤を含む、前記付着させることと、
前記表面を、分析物を含むサンプルに曝露させることと、
前記表面を調べて、結合した分析物の1つ以上の捕獲部位を同定することと、
前記捕獲部位をデコードマッピングファイルと比較して、定性的または定量的な分析物捕獲データを生成することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記コア構造体はDNAオリガミを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板は、フローセルまたはフローセルの一部を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記親和性結合剤は、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー、フルオロフォア、ダルピン、触媒、重合開始剤、ポリマー、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記表面及び前記サンプルをインキュベートすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記デコードマッピングファイルは、前記表面上での超分子構造体及び関連する親和性結合剤の配置に関する位置データを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
分析物捕獲データの生成方法であって、
基板の表面に複数の超分子構造体を付着させることであって、前記超分子構造体はそれぞれコア構造体に付着した1つ以上の親和性結合剤を含む、前記付着させることと、
前記表面のデコードマッピングファイルを生成することであって、前記デコードマッピングファイルは前記表面上での超分子構造体及び関連する親和性結合剤の配置に関する位置データを含む、前記生成することと、
サンプルへの曝露後に前記表面上の1つ以上の分析物の1つ以上の捕獲部位を前記デコードマッピングファイルと比較して、定性的または定量的な分析物捕獲データを生成することと、
を含む、方法。
【請求項8】
前記コア構造体はDNAオリガミを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記基板は、フローセルまたはフローセルの一部を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記親和性結合剤は、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー、フルオロフォア、ダルピン、触媒、重合開始剤、ポリマー、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
分析物捕獲データの生成方法であって、
基板の表面に複数の超分子構造体を付着させることであって、前記超分子構造体はそれぞれコア構造体に付着した1つ以上の親和性結合剤を含む、前記付着させることと、
前記表面を、1つ以上の分析物を含むサンプルに曝露させることと、
前記表面上の各捕獲部位で捕獲した分析物を決定して、定性的または定量的な分析物捕獲データを生成することと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記コア構造体はDNAオリガミを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記基板は、フローセルまたはフローセルの一部を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記親和性結合剤は、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー、フルオロフォア、ダルピン、触媒、重合開始剤、ポリマー、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記表面及び前記サンプルをインキュベートすることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
分析物捕獲データの生成方法であって、
溶液中で1つ以上の分析物を含むサンプルに複数の超分子構造体を曝露させることであって、前記超分子構造体はそれぞれコア構造体に付着した1つ以上の親和性結合剤を含む、前記曝露させることと、
前記溶液を処理して、分析物に結合していない超分子構造体を除去することと、
前記溶液中に存在する前記超分子構造体及び前記分析物の複合体を脱構築して、分析物のそれぞれの結合事象に関連する1つ以上の一意の識別子をそれぞれの超分子構造体に放出させることと、
前記溶液中の前記1つ以上の一意の識別子を単離させることと、
前記1つ以上の一意の識別子を含む前記溶液に、1つ以上のアダプタータイプを播種した表面を曝露させることと、
前記1つ以上のアダプターと相互作用した前記1つ以上の一意の識別子の読み出し操作を実行して、定性的または定量的な分析物捕獲データを生成することと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記超分子構造体及び前記サンプルを溶液中でインキュベートすることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ以上の一意の識別子は、バーコード配列を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記1つ以上のアダプタータイプは、1つ以上のプライマーを含み、前記1つ以上のプライマーの少なくとも1サブセットは、前記1つ以上の一意の識別子の少なくとも一部と相補的である、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記コア構造体はDNAオリガミを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記表面はフローセルの一部として設けられる、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記親和性結合剤は、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー、フルオロフォア、ダルピン、触媒、重合開始剤、ポリマー、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
分析物捕獲データの生成方法であって、
溶液中で1つ以上の分析物を含むサンプルに複数の超分子構造体を曝露させることであって、前記超分子構造体はそれぞれコア構造体に付着した1つ以上の親和性結合剤を含む、前記曝露させることと、
前記溶液を処理して、分析物に結合している超分子構造体を除去することと、
分析物に結合しておらず溶液中に残留している超分子構造体を脱構築して、前記残留している超分子構造体が親和性を有する1つまたは複数の分析物を指示する1つ以上の一意の識別子を放出することと、
前記溶液中の前記1つ以上の一意の識別子を単離させることと、
前記1つ以上の一意の識別子を含む前記溶液に、1つ以上のアダプタータイプを播種した表面を曝露させることと、
前記1つ以上のアダプターと相互作用した前記1つ以上の一意の識別子の読み出し操作を実行して、定性的または定量的な分析物捕獲データを生成することと、
を含む、方法。
【請求項24】
複数の超分子構造体を含む基板であって、
各超分子構造体は、
複数のコア分子を含むコア構造体と、
第一セットの位置で前記超分子コアに結合した1つ以上の捕獲分子と、
第二セットの位置で前記超分子コアに結合した1つ以上の検出器分子と、
前記第一セットの位置及び前記第二セットの位置以外の位置で前記超分子コアに結合した1つ以上のバーコード配列であって、前記コア構造体、前記捕獲分子、前記検出器分子、またはそれらの組み合わせを同定する、前記1つ以上のバーコード配列と、
を含み、
前記捕獲分子または前記検出器分子の一方または両方は関心対象分析物に選択的に結合する、基板。
【請求項25】
前記バーコード配列は、核酸配列を含む、請求項24に記載の基板。
【請求項26】
前記複数の超分子構造体の各コア構造体は、互いに同一である、請求項24に記載の基板。
【請求項27】
前記基板は、固体担体、固体基板、ポリマーマトリックス、または分子縮合物を含む、請求項24に記載の基板。
【請求項28】
前記関心対象分析物は、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、それらの複合体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項24に記載の基板。
【請求項29】
各超分子構造体はナノ構造体である、請求項24に記載の基板。
【請求項30】
前記コア構造体ごとの前記複数のコア分子は、1つ以上の核酸鎖、1つ以上の分岐核酸、1つ以上のペプチド、1つ以上の小分子、またはそれらの組み合わせを含む、請求項24に記載の基板。
【請求項31】
各コア構造体は、独立して、足場デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、足場リボ核酸(RNA)オリガミ、足場ハイブリッドDNA:RNAオリガミ、一本鎖DNAタイル構造体、多本鎖DNAタイル構造体、一本鎖RNAオリガミ、多本鎖RNAタイル構造体、複数の足場を備えた階層構成DNAもしくはRNAオリガミ、ペプチド構造体、またはそれらの組み合わせを含む、請求項24に記載の基板。
【請求項32】
前記超分子構造体ごとに前記1つ以上の捕獲分子及び前記1つ以上の検出器分子は、独立して、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNA及びDNA)、フルオロフォア、ダルピン、触媒、重合開始剤、ポリマー、またはそれらの組み合わせを含む、請求項24に記載の基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ流体デバイス上へのタンパク質共局在デバイス(PCD)の組み込みに関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年3月31日に出願された「INTEGRATION OF A PROTEIN COLOCALIZATION DEVICE(PCD) ONTO A MICROFLUIDIC DEVICE」と題された米国仮出願第63/168,837号の優先権及び利益を主張するものであり、その開示は、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に援用されている。
【背景技術】
【0002】
個別化医療の現在の状態は、大部分が個人内に存在する遺伝子の定量化に焦点を当てており、圧倒的にゲノム中心である。このようなアプローチは極めて強力であることが証明されているが、臨床医に個人の健康状態の全体像を提供するものではない。これは、遺伝子が個人の「青写真」であり、病気を発症する尤度を示すに過ぎないからである。個人のこれらの「青写真」は、個人の健康に何らかの影響を与えるために、まずRNAに転写され、次に細胞内の様々なタンパク質分子、すなわち実際の「アクター」に翻訳される必要がある。
【0003】
タンパク質の濃度、タンパク質とタンパク質との間の相互作用(タンパク質-タンパク質相互作用またはPPI)、及びタンパク質と小分子との間の相互作用は、種々の臓器の健康、恒常性調節機構、及びこれらの系の外部環境との相互作用に複雑に関連している。したがって、タンパク質及びPPIに関する定量的情報は、所与の時点での個人の健康状態の完全な写真を作成するだけでなく、新たに発生する健康問題を予測するために不可欠である。例えば、心筋が受ける(例えば、心臓発作中の)ストレスの量は、末梢血中に存在するトロポニンI/II及びミオシン軽鎖の濃度を測定することにより推論されることができる。同様のタンパク質バイオマーカーも同定されており、妥当性確認されており、多種多様な臓器機能不全(例えば、肝疾患及び甲状腺疾患)、特異的ながん(例えば、大腸癌または前立腺癌)、及び感染症(例えば、HIV及びジカ)に対して展開されている。これらのタンパク質の間の相互作用も薬剤開発にとって重要であり、ますます非常に需要のあるデータセットになっている。体液の所与のサンプル内でタンパク質及び他の分子を検出して定量化する能力は、このようなヘルスケア開発の不可欠な構成要素である。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、一般に、サンプル中の分析物分子の検出及び定量化のためのシステム、構造体、及び方法に関する。
【0005】
本明細書で提供されているのは、いくつかの実施形態では、サンプル中に存在する分析物分子の検出方法であり、この方法は、a)i)複数のコア分子を含むコア構造体、ii)第一位置でコア構造体に結合した捕獲分子、及びiii)第二位置でコア構造体に結合した検出器分子を含む超分子構造体を提供することであって、超分子構造体が不安定状態であるため、検出器分子は第二位置でのそれらの間の結合の開裂により検出器分子がコア構造体から解離するように構成される、提供することと、b)サンプルを超分子構造体と接触させることであって、それにより超分子構造体が不安定状態から安定状態に移行し、ここで検出器分子及び捕獲分子は分析物分子への結合を通じて結合することによって、検出器分子と捕獲分子との間に結合を形成する、接触させることと、c)検出器分子とコア構造体との間の結合を第二位置で開裂するためのトリガを提供することであって、検出器分子は捕獲分子との結合を介してコア構造体に結合したままである、提供することと、d)安定状態に移行した超分子構造体により提供される信号に基づいて分析物分子を検出することとを含む。
【0006】
本明細書で提供されているのは、いくつかの実施形態では、サンプル中に存在する1つ以上の分析物分子の検出方法であり、この方法は、a)i)複数のコア分子を含むコア構造体、ii)第一位置でコア構造体に結合した捕獲分子、及びiii)第二位置でコア構造体に結合した検出器分子をそれぞれが含む複数の超分子構造体を提供することであって、超分子構造体が不安定状態であるため、検出器分子は第二位置でのそれらの間の結合の開裂により検出器分子がコア構造体から解離するように構成される、提供することと、b)サンプルを複数の超分子構造体と接触させることであって、それにより少なくとも1つの超分子構造体が不安定状態から安定状態に移行し、ここで対応する検出器分子及び捕獲分子は1つ以上の分析物分子のうちの1つの分析物分子への結合を通じて結合することによって、対応する検出器分子と捕獲分子との間に結合を形成する、接触させることと、c)各検出器分子と対応するコア構造体との間の結合を複数の超分子構造体の第二位置で開裂するためのトリガを提供することであって、安定状態に移行した少なくとも1つの超分子構造体の検出器分子は対応する捕獲分子との結合を介して対応するコア構造体に結合したままである、提供することと、d)安定状態に移行した少なくとも1つの超分子構造体のそれぞれの超分子構造体により提供される信号に基づいて1つ以上の分析物分子のそれぞれの分析物分子を検出することとを含む。いくつかの実施形態では、方法は、安定状態に移行しなかった任意の超分子構造体から解離した任意の検出器分子から複数の超分子構造体を単離させることをさらに含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法は、サンプル中の分析物分子の濃度を定量化することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法は、検出された分析物分子を同定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法は、単一分子以上のカウントでサンプル中に分析物分子が存在する場合、信号に基づいて分析物分子を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法について、サンプルは複合体生体試料を含み、方法は単一分子感度を提供することによって、複合体生体試料中の分子濃度の範囲のダイナミックレンジ及び定量的捕獲を増加させる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法について、分析物分子は、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、それらの複合体、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法について、各超分子構造体はナノ構造体である。
【0008】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法について、各コア構造体はナノ構造体である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法について、コア構造体ごとの複数のコア分子は、所定の形状に配置される、及び/または所定の分子量を有する。いくつかの実施形態では、所定の形状は、別の超分子構造体との交差反応性を制限する、または阻止するように構成される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法について、コア構造体ごとの複数のコア分子は、1つ以上の核酸鎖、1つ以上の分岐核酸、1つ以上のペプチド、1つ以上の小分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法について、各コア構造体は、独立して、足場デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、足場リボ核酸(RNA)オリガミ、足場ハイブリッドDNA:RNAオリガミ、一本鎖DNAタイル構造体、多本鎖DNAタイル構造体、一本鎖RNAオリガミ、多本鎖RNAタイル構造体、複数の足場を備えた階層構成DNAもしくはRNAオリガミ、ペプチド構造体、またはそれらの組み合わせを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法について、トリガはデコンストラクタ分子、トリガ信号、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、デコンストラクタ分子は、DNA、RNA、ペプチド、有機小分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、トリガ信号は、光信号、電気信号、またはその両方を含む。いくつかの実施形態では、トリガ光信号は、マイクロ波信号、紫外照明、可視照明、近赤外照明、またはそれらの組み合わせを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法について、それぞれの分析物分子は、1)化学結合を介してそれぞれの超分子構造体の捕獲分子に結合する、及び/または2)化学結合を介してそれぞれの超分子構造体の検出器分子に結合する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法について、超分子構造体ごとの捕獲分子及び検出器分子は、独立して、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNA及びDNA)、フルオロフォア、ダルピン、触媒、重合開始剤、PEG様のポリマー、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法について、超分子構造体ごとに、a)捕獲分子は、捕獲バーコードを介してコア構造体に結合し、捕獲バーコードは、第一捕獲リンカー、第二捕獲リンカー、及び第一捕獲リンカーと第二捕獲リンカーとの間に配置された捕獲架橋体を含み、第一捕獲リンカーは、コア構造体上の第一位置に結合する第一コアリンカーに結合し、捕獲分子及び第二捕獲リンカーは、第三捕獲リンカーへの結合によって結合し、b)検出器分子は、検出器バーコードを介してコア構造体に結合し、検出器バーコードは、第一検出器リンカー、第二検出器リンカー、及び第一検出器リンカーと第二検出器リンカーとの間に配置された検出器架橋体を含み、第一検出器リンカーは、コア構造体上の第二位置に結合する第二コアリンカーに結合し、検出器分子及び第二検出器リンカーは、第三検出器リンカーへの結合によって結合する。いくつかの実施形態では、捕獲架橋体及び検出器架橋体は、ポリマーコアを独立して含む。いくつかの実施形態では、捕獲架橋体のポリマーコア及び検出器架橋体のポリマーコアは、独立して、特異的な配列の核酸(DNAもしくはRNA)、またはPEG様のポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第一コアリンカー、第二コアリンカー、第一捕獲リンカー、第二捕獲リンカー、第三捕獲リンカー、第一検出器リンカー、第二検出器リンカー、及び第三検出器リンカーは、反応性分子またはDNA配列ドメインを独立して含む。いくつかの実施形態では、各反応性分子は、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHSエステル、特異的な配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、PEG様もしくは重合開始剤様の1つ以上のポリマー、またはそれらの組み合わせを独立して含む。いくつかの実施形態では、捕獲バーコードと、1)第一コアリンカー、及び/または2)第三捕獲リンカーとの間の結合は、化学結合を含む。いくつかの実施形態では、化学結合は共有結合を含む。いくつかの実施形態では、検出器バーコードと、1)第二コアリンカー、及び/または2)第三検出器リンカーとの間の結合は、化学結合を含む。いくつかの実施形態では、化学結合は共有結合を含む。いくつかの実施形態では、トリガは、1)第一検出器リンカーと第二コアリンカーとの間の結合、及び/または2)第一捕獲リンカーと第一コアリンカーとの間の結合を開裂する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法について、捕獲分子は化学結合を介して第三捕獲リンカーに結合する、及び/または検出器分子は化学結合を介して第三検出器リンカーに結合する。いくつかの実施形態では、捕獲分子は、第三捕獲リンカーに共有結合する、及び/または検出器分子は第三検出器リンカーに共有結合する。
【0011】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法について、不安定状態中の各超分子構造体はそれぞれ捕獲分子及び検出器分子を含み、これら捕獲分子及び検出器分子は、所定の距離で離隔されることで、第一超分子構造体の捕獲分子及び/または検出器分子と、第二超分子構造体の対応する捕獲分子及び/または検出器分子との間の交差反応の発生が減少する、または阻害される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法について、所定の距離は、約3nm~約40nmである。
【0012】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法について、各超分子構造体は、コア構造体に結合したアンカー分子をさらに含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子はアンカーバーコードを介してコア構造体に結合し、アンカーバーコードは、第一アンカーリンカー、第二アンカーリンカー、及び第一アンカーリンカーと第二アンカーリンカーとの間に配置されたアンカー架橋体を含み、第一アンカーリンカーは、コア構造体上の第三位置に結合する第三コアリンカーに結合し、アンカー分子は第二アンカーリンカーに結合する。いくつかの実施形態では、アンカー分子は、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHSエステル、特異的な配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、PEG様もしくは重合開始剤様の1つ以上のポリマー、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、アンカー架橋体はポリマーコアを含む。いくつかの実施形態では、アンカー架橋体のポリマーコアは、特異的な配列の核酸(DNAもしくはRNA)、またはPEG様のポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第三コアリンカー、第一アンカーリンカー、第二アンカーリンカー、及びアンカー分子は、アンカー反応性分子またはDNA配列ドメインを独立して含む。いくつかの実施形態では、各アンカー反応性分子は、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHSエステル、特異的な配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、PEG様もしくは重合開始剤様の1つ以上のポリマー、またはそれらの組み合わせを独立して含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子は化学結合を介して第二アンカーリンカーに結合する。いくつかの実施形態では、アンカー分子は第二アンカーリンカーに共有結合する。いくつかの実施形態では、トリガは、1)第二アンカーリンカーをアンカー分子から、2)第一アンカーリンカーを第三コアリンカーから、またはそれらの組み合わせをさらに開裂する。いくつかの実施形態では、第一位置及び第二位置はコア構造体の第一側に位置しており、第三位置はコア構造体の第二側に位置している。
【0013】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法について、信号は、安定状態に移行した超分子構造体に対応する、検出器バーコード、捕獲バーコード、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法は、対応する信号がそれぞれの捕獲分子及び検出器分子に結合した分析物分子の検出のためにそれぞれ検出器バーコードを含むように、各検出器バーコードを、安定状態に移行した少なくとも1つの超分子構造体の対応する検出器分子から分離することをさらに含む。いくつかの実施形態では、分離した各検出器バーコードは、それぞれ検出器分子に結合した分析物分子に対応するDNA信号を提供する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの分離した検出器バーコードは、遺伝子型同定、qPCR、配列決定、またはそれらの組み合わせを使用して分析される。いくつかの実施形態では、サンプル中の複数の分析物分子は、安定状態に移行した1つ以上の超分子構造体を介して多重化することによって同時に検出される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法について、超分子構造体ごとの捕獲分子及び検出器分子は、1つ以上の特異的なタイプの分析物分子に結合するように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された複数の超分子構造体を使用することを含む任意の方法について、複数の超分子構造体の各コア構造体は互いに同一である。いくつかの実施形態では、各超分子構造体は、複数の超分子構造体間の交差反応を減少させる、または脱離させるために、所定の形状、サイズ、分子量、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、各超分子構造体は、複数の捕獲分子及び検出器分子を含む。いくつかの実施形態では、各超分子構造体は、複数の超分子構造体間の交差反応を減少させる、または脱離させるために、捕獲分子及び検出器分子の所定のストイキオメトリを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された複数の超分子構造体を使用することを含む任意の方法について、不安定状態の各超分子構造体は捕獲分子及び検出器分子をさらに含み、これら捕獲分子及び検出器分子は、所定の距離で離隔されることで、第一超分子構造体及び第二超分子構造体の捕獲分子及び/または検出器分子間の交差反応の発生が減少する、または阻害される。いくつかの実施形態では、所定の距離は、約3nm~約40nmである。いくつかの実施形態では、任意の2つの超分子構造体間の平均距離は、それぞれの超分子構造体の捕獲分子と検出器分子との間の所定の距離よりも大きい。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造体は、1つ以上のウィジェット、1つ以上の固体担体、1つ以上のポリマーマトリックス、1つ以上の固体基板、1つ以上の分子縮合物、またはそれらの組み合わせに付着している。いくつかの実施形態では、任意の2つの超分子構造体間の平均距離は、それぞれの超分子構造体の捕獲分子と検出器分子との間の所定の距離よりも大きい。いくつかの実施形態では、1つ以上のポリマーマトリックスの各ポリマーマトリックスは、ハイドロゲルビーズを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子基板は、ハイドロゲルビーズに付着している。いくつかの実施形態では、各超分子構造体は、対応する超分子構造体のそれぞれのコア構造体に結合した対応するアンカー分子を介してハイドロゲルビーズと共重合している。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子構造体は、ハイドロゲルビーズ内に包埋している。いくつかの実施形態では、各ハイドロゲルビーズは、単一細胞解像度で細胞間分析物分子の検出のために、サンプル中の単一細胞と接触している。いくつかの実施形態では、1つ以上の固体基板の各固体基板は微粒子を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子基板は、微粒子の固体表面に付着している。いくつかの実施形態では、微粒子は、ポリスチレン粒子、シリカ粒子、磁性粒子または常磁性粒子を含む。いくつかの実施形態では、各固体基板は、単一細胞解像度で細胞間分析物分子の検出のために、サンプル中の単一細胞と接触している。いくつかの実施形態では、1つ以上の固体基板の各固体基板は平面基板を含む。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造体は平面基板上に配置され、平面基板は、複数の結合部位を含み、各結合部位は、対応する超分子構造体と結合するように構成される。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造体は、同じ分析物分子を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、平面基板を使用することを含む任意の方法について、安定状態に移行した少なくとも1つの超分子構造体の検出器分子と結合するように構成された複数の信号伝達素子を提供することをさらに含む。いくつかの実施形態では、各信号伝達素子は、蛍光分子またはマイクロビーズ、蛍光ポリマー、高荷電ナノ粒子またはポリマーを含む。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造体のうちの少なくとも1つの超分子構造体は、他の超分子構造体とは異なる分析物分子を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、平面基板を使用することを含む任意の方法について、平面基板上での各超分子構造体の位置を同定するために、各超分子構造体をバーコード化することをさらに含む。いくつかの実施形態では、平面基板を使用することを含む任意の方法について、安定状態に移行した少なくとも1つの超分子構造体の検出器分子と結合するように構成された複数の信号伝達素子を提供することをさらに含む。いくつかの実施形態では、各信号伝達素子は、蛍光分子またはマイクロビーズ、蛍光ポリマー、高荷電ナノ粒子またはポリマーを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法について、サンプルは、生体粒子または生体分子を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法について、サンプルは、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、ウイルス粒子、エキソソーム、オルガネラ、またはそれらの任意の複合体を含有する水溶液を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された任意の方法について、サンプルは、組織診、血液、血漿、尿、唾液、涙、脳脊髄液、細胞外液、培養細胞、培地、廃棄組織、植物物質、合成タンパク質、細菌及び/またはウイルスのサンプルもしくは真菌組織、またはそれらの組み合わせを含む。
【0017】
本明細書において、いくつかの実施形態では、サンプル中の1つ以上の分析物分子を検出するための基板が提供されており、この基板は複数の超分子構造体を含み、各超分子構造体は、a)複数のコア分子を含むコア構造体と、b)第一位置で超分子コアに結合した捕獲分子と、c)第二位置で超分子コアに結合した検出器分子とを含み、超分子構造体は不安定状態にあるため、検出器分子は第二位置でのそれらの間の結合の開裂によってコア構造体から解離するように構成され、各超分子構造体は、検出器分子、捕獲分子、及び1つ以上の分析物分子のうちのそれぞれの分析物分子の間の相互作用によって不安定状態から安定状態に移行するように構成され、トリガと相互作用すると、安定状態に移行したそれぞれの超分子構造体は、それぞれの分析物分子を検出するための信号を提供する。
【0018】
いくつかの実施形態では、トリガと相互作用すると、不安定状態中の超分子構造体に結合した各検出分子は、超分子構造体から解離するようになる。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造体の各コア構造体は互いに同一である。いくつかの実施形態では、任意の2つの超分子構造体間の平均距離は、それぞれの超分子構造体の捕獲分子と検出器分子との間の所定の距離よりも大きい。いくつかの実施形態では、基板は、固体担体、固体基板、ポリマーマトリックス、または分子縮合物を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは複合体生体試料を含み、方法は単一分子感度を提供することによって、複合体生体試料中の分子濃度の範囲のダイナミックレンジ及び定量的捕獲を増加させる。いくつかの実施形態では、1つ以上の分析物分子は、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、それらの複合体、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、各超分子構造体はナノ構造体である。いくつかの実施形態では、各コア構造体はナノ構造体である。いくつかの実施形態では、コア構造体ごとの複数のコア分子は、所定の形状に配置される、及び/または所定の分子量を有する。いくつかの実施形態では、所定の形状は、別の超分子構造体との交差反応性を制限する、または阻止するように構成される。いくつかの実施形態では、コア構造体ごとの複数のコア分子は、1つ以上の核酸鎖、1つ以上の分岐核酸、1つ以上のペプチド、1つ以上の小分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、各コア構造体は、独立して、足場デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、足場リボ核酸(RNA)オリガミ、足場ハイブリッドDNA:RNAオリガミ、一本鎖DNAタイル構造体、多本鎖DNAタイル構造体、一本鎖RNAオリガミ、多本鎖RNAタイル構造体、複数の足場を備えた階層構成DNAもしくはRNAオリガミ、ペプチド構造体、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、トリガはデコンストラクタ分子、トリガ信号、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、デコンストラクタ分子は、DNA、RNA、ペプチド、有機小分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、トリガ信号は、光信号、電気信号、またはその両方を含む。いくつかの実施形態では、トリガ光信号は、マイクロ波信号、紫外照明、可視照明、近赤外照明、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、それぞれの分析物分子は、1)化学結合を介して捕獲分子に結合する、及び/または2)化学結合を介して検出器分子に結合する。いくつかの実施形態では、超分子構造体ごとの捕獲分子及び検出器分子は、独立して、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNA及びDNA)、フルオロフォア、ダルピン、触媒、重合開始剤、PEG様のポリマー、またはそれらの組み合わせを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、基板の超分子構造体ごとに、a)捕獲分子は、捕獲バーコードを介してコア構造体に結合し、捕獲バーコードは、第一捕獲リンカー、第二捕獲リンカー、及び第一捕獲リンカーと第二捕獲リンカーとの間に配置された捕獲架橋体を含み、第一捕獲リンカーは、コア構造体上の第一位置に結合する第一コアリンカーに結合し、捕獲分子及び第二捕獲リンカーは、第三捕獲リンカーへの結合によって結合し、b)検出器分子は、検出器バーコードを介してコア構造体に結合し、検出器バーコードは、第一検出器リンカー、第二検出器リンカー、及び第一検出器リンカーと第二検出器リンカーとの間に配置された検出器架橋体を含み、第一検出器リンカーは、コア構造体上の第二位置に結合する第二コアリンカーに結合し、検出器分子及び第二検出器リンカーは、第三検出器リンカーへの結合によって結合する。いくつかの実施形態では、捕獲架橋体及び検出器架橋体は、ポリマーコアを独立して含む。いくつかの実施形態では、捕獲架橋体のポリマーコア及び検出器架橋体のポリマーコアは、独立して、特異的な配列の核酸(DNAもしくはRNA)、またはPEG様のポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第一コアリンカー、第二コアリンカー、第一捕獲リンカー、第二捕獲リンカー、第三捕獲リンカー、第一検出器リンカー、第二検出器リンカー、及び第三検出器リンカーは、反応性分子またはDNA配列ドメインを独立して含む。いくつかの実施形態では、各反応性分子は、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHSエステル、特異的な配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、PEG様もしくは重合開始剤様の1つ以上のポリマー、またはそれらの組み合わせを独立して含む。いくつかの実施形態では、捕獲バーコードと、1)第一コアリンカー、及び/または2)第三捕獲リンカーとの間の結合は、化学結合を含む。いくつかの実施形態では、化学結合は共有結合を含む。いくつかの実施形態では、検出器バーコードと、1)第二コアリンカー、及び/または2)第三検出器リンカーとの間の結合は、化学結合を含む。いくつかの実施形態では、化学結合は共有結合を含む。いくつかの実施形態では、トリガは、1)第一検出器リンカーと第二コアリンカーとの間の結合、及び/または2)第一捕獲リンカーと第一コアリンカーとの間の結合を開裂する。いくつかの実施形態では、捕獲分子は化学結合を介して第三捕獲リンカーに結合する、及び/または検出器分子は化学結合を介して第三検出器リンカーに結合する。いくつかの実施形態では、捕獲分子は、第三捕獲リンカーに共有結合する、及び/または検出器分子は第三検出器リンカーに共有結合する。いくつかの実施形態では、不安定状態中の各超分子構造体はそれぞれ捕獲分子及び検出器分子を含み、これら捕獲分子及び検出器分子は、所定の距離で離隔されることで、第一超分子構造体の捕獲分子及び/または検出器分子と、第二超分子構造体の対応する捕獲分子及び/または検出器分子との間の交差反応の発生が減少する、または阻害される。所定の距離は、約3nm~約40nmである。
【0020】
いくつかの実施形態では、各超分子構造体は、コア構造体に結合したアンカー分子をさらに含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子はアンカーバーコードを介してコア構造体に結合し、アンカーバーコードは、第一アンカーリンカー、第二アンカーリンカー、及び第一アンカーリンカーと第二アンカーリンカーとの間に配置されたアンカー架橋体を含み、第一アンカーリンカーは、コア構造体上の第三位置に結合する第三コアリンカーに結合し、アンカー分子は第二アンカーリンカーに結合する。いくつかの実施形態では、アンカー分子は、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHSエステル、特異的な配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、PEG様もしくは重合開始剤様の1つ以上のポリマー、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、アンカー架橋体はポリマーコアを含む。いくつかの実施形態では、アンカー架橋体のポリマーコアは、特異的な配列の核酸(DNAもしくはRNA)、またはPEG様のポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第三コアリンカー、第一アンカーリンカー、第二アンカーリンカー、及びアンカー分子は、アンカー反応性分子またはDNA配列ドメインを独立して含む。いくつかの実施形態では、各アンカー反応性分子は、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHSエステル、特異的な配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、PEG様もしくは重合開始剤様の1つ以上のポリマー、またはそれらの組み合わせを独立して含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子は化学結合を介して第二アンカーリンカーに結合する。いくつかの実施形態では、アンカー分子は第二アンカーリンカーに共有結合する。いくつかの実施形態では、トリガは、1)第二アンカーリンカーをアンカー分子から、2)第一アンカーリンカーを第三コアリンカーから、またはそれらの組み合わせをさらに開裂する。いくつかの実施形態では、第一位置及び第二位置はコア構造体の第一側に位置しており、第三位置はコア構造体の第二側に位置している。
【0021】
いくつかの実施形態では、信号は、安定状態に移行した超分子構造体に対応する、検出器バーコード、捕獲バーコード、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、安定状態に移行した少なくとも1つの超分子構造体の対応する検出器分子からの各検出器バーコードは、対応する信号が対応する検出器分子に結合した分析物分子の検出のためにそれぞれ検出器バーコードを含むように、対応する検出器分子から分離するように構成される。いくつかの実施形態では、分離した各検出器バーコードは、それぞれ検出器分子に結合した分析物分子に対応するDNA信号を提供する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの分離した検出器バーコードは、遺伝子型同定、qPCR、配列決定、またはそれらの組み合わせを使用して分析されるように構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子構造体は、サンプルを多重化するように構成され、サンプル中の複数の分析物分子は同時に検出される。いくつかの実施形態では、超分子構造体ごとの捕獲分子及び検出器分子は、1つ以上の特異的なタイプの分析物分子に結合するように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、複数の超分子構造体の各コア構造体は互いに同一である。いくつかの実施形態では、各超分子構造体は、複数の超分子構造体間の交差反応を減少させる、または脱離させるために、所定の形状、サイズ、分子量、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、各超分子構造体は、複数の捕獲分子及び検出器分子を含む。いくつかの実施形態では、各超分子構造体は、複数の超分子構造体間の交差反応を減少させる、または脱離させるために、捕獲分子及び検出器分子の所定のストイキオメトリを含む。いくつかの実施形態では、不安定状態の各超分子構造体は捕獲分子及び検出器分子をさらに含み、これら捕獲分子及び検出器分子は、所定の距離で離隔されることで、第一超分子構造体及び第二超分子構造体の捕獲分子及び/または検出器分子間の交差反応の発生が減少する、または阻害される。いくつかの実施形態では、所定の距離は、約3nm~約40nmである。いくつかの実施形態では、任意の2つの超分子構造体間の平均距離は、それぞれの超分子構造体の捕獲分子と検出器分子との間の所定の距離よりも大きい。
【0023】
いくつかの実施形態では、各基板は、ウィジェット、固体担体、ポリマーマトリックス、固体基板、または分子縮合物を含む。いくつかの実施形態では、任意の2つの超分子構造体間の平均距離は、それぞれの超分子構造体の捕獲分子と検出器分子との間の所定の距離よりも大きい。いくつかの実施形態では、ポリマーマトリックスは、ハイドロゲルビーズを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子基板は、ハイドロゲルビーズに付着している。いくつかの実施形態では、各超分子構造体は、対応する超分子構造体のそれぞれのコア構造体に結合した対応するアンカー分子を介してハイドロゲルビーズと共重合している。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子構造体は、ハイドロゲルビーズ内に包埋している。いくつかの実施形態では、各ハイドロゲルビーズは、単一細胞解像度で細胞間分析物分子の検出のために、サンプル中の単一細胞と接触しているように構成される。いくつかの実施形態では、固体基板は微粒子を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子基板は、微粒子の固体表面に付着している。いくつかの実施形態では、微粒子は、ポリスチレン粒子、シリカ粒子、磁性粒子または常磁性粒子を含む。いくつかの実施形態では、各固体基板は、単一細胞解像度で細胞間分析物分子の検出のために、サンプル中の単一細胞と接触しているように構成される。いくつかの実施形態では、固体基板は平面基板を含む。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造体は平面基板上に配置され、平面基板は、複数の結合部位を含み、各結合部位は、対応する超分子構造体と結合するように構成される。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造体は、同じ分析物分子を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、複数の信号伝達素子は、安定状態に移行した少なくとも1つの超分子構造体の検出器分子と結合するように構成される。いくつかの実施形態では、各信号伝達素子は、蛍光分子またはマイクロビーズ、蛍光ポリマー、高荷電ナノ粒子またはポリマーを含む。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造体のうちの少なくとも1つの超分子構造体は、他の超分子構造体とは異なる分析物分子を検出するように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、サンプルは、生体粒子または生体分子を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、ウイルス粒子、エキソソーム、オルガネラ、またはそれらの任意の複合体を含有する水溶液を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、組織診、血液、血漿、尿、唾液、涙、脳脊髄液、細胞外液、培養細胞、培地、廃棄組織、植物物質、合成タンパク質、細菌及び/またはウイルスのサンプルもしくは真菌組織、またはそれらの組み合わせを含む。
【0025】
本明細書において、いくつかの実施形態では、サンプル中の分析物分子を検出するための超分子構造体が提供されており、この超分子構造体は、a)複数のコア分子を含むコア構造体と、b)第一位置で超分子コアに結合した捕獲分子と、c)第二位置で超分子コアに結合した検出器分子とを含み、超分子構造体は不安定状態にあるため、検出器分子は第二位置でのそれらの間の結合の開裂によってコア構造体から解離するように構成され、超分子構造体は、検出器分子、捕獲分子、及び分析物分子の間の相互作用によって不安定状態から安定状態に移行するように構成され、トリガと相互作用すると、安定状態に移行した超分子構造体は、分析物分子を検出するための信号を提供する。
【0026】
いくつかの実施形態では、サンプルは複合体生体試料を含み、方法は単一分子感度を提供することによって、複合体生体試料中の分子濃度の範囲のダイナミックレンジ及び定量的捕獲を増加させる。いくつかの実施形態では、分析物分子は、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、それらの複合体、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、超分子構造体はナノ構造体である。いくつかの実施形態では、コア構造体はナノ構造体である。いくつかの実施形態では、コア構造体の複数のコア分子は、所定の形状に配置される、及び/または所定の分子量を有する。いくつかの実施形態では、所定の形状は、別の超分子構造体との交差反応性を制限する、または阻止するように構成される。いくつかの実施形態では、コア構造体ごとの複数のコア分子は、1つ以上の核酸鎖、1つ以上の分岐核酸、1つ以上のペプチド、1つ以上の小分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、コア構造体は、独立して、足場デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、足場リボ核酸(RNA)オリガミ、足場ハイブリッドDNA:RNAオリガミ、一本鎖DNAタイル構造体、多本鎖DNAタイル構造体、一本鎖RNAオリガミ、多本鎖RNAタイル構造体、複数の足場を備えた階層構成DNAもしくはRNAオリガミ、ペプチド構造体、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、トリガはデコンストラクタ分子、トリガ信号、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、デコンストラクタ分子は、DNA、RNA、ペプチド、有機小分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、トリガ信号は、光信号、電気信号、またはその両方を含む。いくつかの実施形態では、トリガ光信号は、マイクロ波信号、紫外照明、可視照明、近赤外照明、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、分析物分子は、1)化学結合を介して捕獲分子に結合する、及び/または2)化学結合を介して検出器分子に結合する。いくつかの実施形態では、超分子構造体ごとの捕獲分子及び検出器分子は、独立して、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNA及びDNA)、フルオロフォア、ダルピン、触媒、重合開始剤、PEG様のポリマー、またはそれらの組み合わせを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、超分子構造体について、a)捕獲分子は、捕獲バーコードを介してコア構造体に結合し、捕獲バーコードは、第一捕獲リンカー、第二捕獲リンカー、及び第一捕獲リンカーと第二捕獲リンカーとの間に配置された捕獲架橋体を含み、第一捕獲リンカーは、コア構造体上の第一位置に結合する第一コアリンカーに結合し、捕獲分子及び第二捕獲リンカーは、第三捕獲リンカーへの結合によって結合し、b)検出器分子は、検出器バーコードを介してコア構造体に結合し、検出器バーコードは、第一検出器リンカー、第二検出器リンカー、及び第一検出器リンカーと第二検出器リンカーとの間に配置された検出器架橋体を含み、第一検出器リンカーは、コア構造体上の第二位置に結合する第二コアリンカーに結合し、検出器分子及び第二検出器リンカーは、第三検出器リンカーへの結合によって結合する。いくつかの実施形態では、捕獲架橋体及び検出器架橋体は、ポリマーコアを独立して含む。いくつかの実施形態では、捕獲架橋体のポリマーコア及び検出器架橋体のポリマーコアは、独立して、特異的な配列の核酸(DNAもしくはRNA)、またはPEG様のポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第一コアリンカー、第二コアリンカー、第一捕獲リンカー、第二捕獲リンカー、第三捕獲リンカー、第一検出器リンカー、第二検出器リンカー、及び第三検出器リンカーは、反応性分子またはDNA配列ドメインを独立して含む。いくつかの実施形態では、各反応性分子は、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHSエステル、特異的な配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、PEG様もしくは重合開始剤様の1つ以上のポリマー、またはそれらの組み合わせを独立して含む。いくつかの実施形態では、捕獲バーコードと、1)第一コアリンカー、及び/または2)第三捕獲リンカーとの間の結合は、化学結合を含む。いくつかの実施形態では、化学結合は共有結合を含む。いくつかの実施形態では、検出器バーコードと、1)第二コアリンカー、及び/または2)第三検出器リンカーとの間の結合は、化学結合を含む。いくつかの実施形態では、化学結合は共有結合を含む。いくつかの実施形態では、トリガは、1)第一検出器リンカーと第二コアリンカーとの間の結合、及び/または2)第一捕獲リンカーと第一コアリンカーとの間の結合を開裂する。いくつかの実施形態では、捕獲分子は化学結合を介して第三捕獲リンカーに結合する、及び/または検出器分子は化学結合を介して第三検出器リンカーに結合する。いくつかの実施形態では、捕獲分子は、第三捕獲リンカーに共有結合する、及び/または検出器分子は第三検出器リンカーに共有結合する。いくつかの実施形態では、不安定状態中の超分子構造体はそれぞれ捕獲分子及び検出器分子を含み、これら捕獲分子及び検出器分子は、所定の距離で離隔されることで、超分子構造体の捕獲分子及び/または検出器分子と、別の超分子構造体の対応する捕獲分子及び/または検出器分子との間の交差反応の発生が減少する、または阻害される。いくつかの実施形態では、所定の距離は、約3nm~約40nmである。
【0028】
いくつかの実施形態では、超分子構造体は、コア構造体に結合したアンカー分子をさらに含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子はアンカーバーコードを介してコア構造体に結合し、アンカーバーコードは、第一アンカーリンカー、第二アンカーリンカー、及び第一アンカーリンカーと第二アンカーリンカーとの間に配置されたアンカー架橋体を含み、第一アンカーリンカーは、コア構造体上の第三位置に結合する第三コアリンカーに結合し、アンカー分子は第二アンカーリンカーに結合する。いくつかの実施形態では、アンカー分子は、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHSエステル、特異的な配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、PEG様もしくは重合開始剤様の1つ以上のポリマー、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、アンカー架橋体はポリマーコアを含む。いくつかの実施形態では、アンカー架橋体のポリマーコアは、特異的な配列の核酸(DNAもしくはRNA)、またはPEG様のポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第三コアリンカー、第一アンカーリンカー、第二アンカーリンカー、及びアンカー分子は、アンカー反応性分子またはDNA配列ドメインを独立して含む。いくつかの実施形態では、各アンカー反応性分子は、アミン、チオール、DBCO、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、NHSエステル、特異的な配列の一本鎖核酸(RNAもしくはDNA)、PEG様もしくは重合開始剤様の1つ以上のポリマー、またはそれらの組み合わせを独立して含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子は化学結合を介して第二アンカーリンカーに結合する。いくつかの実施形態では、アンカー分子は第二アンカーリンカーに共有結合する。いくつかの実施形態では、トリガは、1)第二アンカーリンカーをアンカー分子から、2)第一アンカーリンカーを第三コアリンカーから、またはそれらの組み合わせをさらに開裂する。いくつかの実施形態では、第一位置及び第二位置はコア構造体の第一側に位置しており、第三位置はコア構造体の第二側に位置している。
【0029】
いくつかの実施形態では、信号は、安定状態に移行した超分子構造体に対応する、検出器バーコード、捕獲バーコード、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、安定状態に移行した超分子構造体の対応する検出器分子からの検出器バーコードは、対応する信号が対応する検出器分子に結合した分析物分子の検出のためにそれぞれ検出器バーコードを含むように、対応する検出器分子から分離するように構成される。いくつかの実施形態では、分離した検出器バーコードは、それぞれ検出器分子に結合した分析物分子に対応するDNA信号を提供する。いくつかの実施形態では、分離した検出器バーコードは、遺伝子型同定、qPCR、配列決定、またはそれらの組み合わせを使用して分析されるように構成される。いくつかの実施形態では、超分子構造体の捕獲分子及び検出器分子は、1つ以上の特異的なタイプの分析物分子に結合するように構成される。
【0030】
いくつかの実施形態では、超分子構造体は、別の超分子構造体との交差反応を減少させる、または脱離させるために、所定の形状、サイズ、分子量、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、超分子構造体は、複数の捕獲分子及び検出器分子を含む。いくつかの実施形態では、超分子構造体は、別の超分子構造体との交差反応を減少させる、または脱離させるために、捕獲分子及び検出器分子の所定のストイキオメトリを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、サンプルは、生体粒子または生体分子を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、ウイルス粒子、エキソソーム、オルガネラ、またはそれらの任意の複合体を含有する水溶液を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、組織診、血液、血漿、尿、唾液、涙、脳脊髄液、細胞外液、培養細胞、培地、廃棄組織、植物物質、合成タンパク質、細菌及び/またはウイルスのサンプルもしくは真菌組織、またはそれらの組み合わせを含む。
【0032】
ここで、開示されたデバイス、送達システム、または方法の特異的な実施形態が図面を参照して説明される。この詳細な説明のいかなる部分も、いずれかの特定の構成要素、特徴、またはステップが本発明にとって必須であることを黙示することを意図したものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】超分子構造体及び関連するサブコンポーネントの例示的な描写を示す。
図2】会合した3本腕核酸ジャンクションに基づいた超分子構造体及び関連するサブコンポーネントの例示的な描写を示す。
図3図2による3本腕核酸ジャンクションに基づいた超分子構造体の個々のサブコンポーネントの例示的な描写を示す。
図4図2による3本腕核酸ジャンクションに基づいた超分子構造体のサブコンポーネントに対応するデコンストラクタ分子の例示的な描写を示す。
図5】会合したDNAオリガミに基づいた超分子構造体及び関連するサブコンポーネントの例示的な描写を示す。
図6図5によるDNAオリガミに基づいた超分子構造体の個々のサブコンポーネントの例示的な描写を示す。
図7図5によるDNAオリガミに基づいた超分子構造体のサブコンポーネントに対応するデコンストラクタ分子の例示的な描写を示す。
図8】トリガを受ける(例えば、デコンストラクタ分子との相互作用)前後の不安定状態中の超分子構造体の例示的な描写を示す。
図9】トリガを受ける(例えば、デコンストラクタ分子との相互作用)前後の安定状態中の超分子構造体の例示的な描写を示す。
図10】分析物分子との相互作用後の不安定状態から安定状態への超分子構造体の移行、ならびにトリガを受ける(例えば、デコンストラクタ分子との相互作用)前及び後のそれぞれの配置の例示的な描写を提供する。
図11】分析物分子との相互作用後の安定状態から不安定状態への超分子構造体の移行、ならびにトリガを受ける(例えば、デコンストラクタ分子との相互作用)前及び後のそれぞれの配置の例示的な描写を提供する。
図12】複数の超分子構造体を使用して分析物分子を検出して定量化する方法の例示的な描写を提供する。
図13】複数の超分子構造体と付着したハイドロゲルビーズを形成するための方法の例示的な描写を提供する。
図14】液滴技術を使用して、複数の超分子構造体と付着したハイドロゲルビーズを形成するための方法の例示的な描写を提供する。
図15】固体基板上に複数の超分子構造体(例えば、微粒子)を付着させる例示的な描写を提供する。
図16】ハイドロゲルビーズ内に包埋した複数の超分子構造体を使用して分析物分子を検出して定量化するための方法の例示的な描写を提供する。
図17】細胞間分析物分子を検出して定量化するための方法の一部として、液滴中のハイドロゲルビーズ内に包埋した単一細胞及び超分子構造体の捕捉の例示的な描写を提供する。
図18】細胞間分析物分子を検出して定量化するための方法の一部として、ハイドロゲルビーズ内に包埋した単一細胞及び超分子構造体を封入する液滴を収集して処理する例示的な描写を提供する。
図19】細胞間分析物分子を検出して定量化するための方法の一部として、液滴中の捕獲した細胞間分析物分子(図18参照)及びバーコードビーズを用いて超分子構造体を捕捉する例示的な描写を提供する。
図20】細胞間分析物分子を検出して定量化するための方法の一部として、液滴中の捕獲した細胞間分析物分子(図18参照)及びバーコードビーズを用いて超分子構造体を封入する液滴の収集及び処理の例示的な描写を提供する。
図21】基板に付着した複数の超分子構造体を使用して分析物分子を検出して定量化するための方法の例示的な描写を提供する。
図22】本技術の態様による、例示的なマイクロ流体デバイスを側方から見た描写を提供する。
図23】本技術の態様による、例示的なマイクロ流体デバイスを前方から見た描写を提供する。
図24】本技術の態様による、1つ以上のタイプのアダプターが設けられているサンプル対向面を有する基板の一例の描写を提供する。
図25】本技術の態様による、バーコード素子及び隣接するアダプター(例えば、プライマー)配列を含むコンジュゲート構造体の描写を提供する。
図26】本技術の態様による、捕獲部位の空間位置を使用して分析物捕獲データを生成するために実行され得るステップを含むプロセスフローの一例の描写を提供する。
図27】本技術の態様による、分析物捕獲データを生成するために実行され得るステップを含むプロセスフローのさらなる一例の描写を提供する。
図28】本技術の態様による、溶液フェーズ中に分析物捕獲が発生する分析物捕獲データを生成するために実行され得るステップを含むプロセスフローの一例の描写を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本明細書では、1つ以上の分析物分子のサンプル中での存在を検出するための構造体及び方法が開示されている。いくつかの実施形態では、1つ以上の分析物分子は、1つ以上の超分子構造体を使用して検出される。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子構造体は、互いの交差反応性を最小にするように特異的に設計されている。いくつかの実施形態では、超分子構造体は双安定性であり、超分子構造体は、サンプルからの1つ以上の分析物分子との相互作用により不安定状態から安定状態に移行する。いくつかの実施形態では、安定状態の超分子構造体は、分析物分子の検出及び定量化の信号を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、信号がDNA信号に相関していることによって、分析物分子の検出及び定量化は、分析物分子の存在をDNA信号に変換することを含む。
【0035】
サンプル
いくつかの実施形態では、サンプルは、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、それらの複合体、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、サンプル中の分析物分子は、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、それらの複合体、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、分析物分子は、インタクトなタンパク質、変性タンパク質、部分もしくは完全分解タンパク質、ペプチド断片、変性核酸、分解核酸断片、それらの複合体、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、組織、細胞、組織及び/または細胞の環境、またはそれらの組み合わせから得られる。いくつかの実施形態では、サンプルは、組織診、血液、血漿、尿、唾液、涙、脳脊髄液、細胞外液、培養細胞、培地、廃棄組織、植物物質、合成タンパク質、細菌、ウイルスのサンプル、真菌組織、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、精製の有無にかかわらず、細胞、組織、体液(例えば、血液)、環境サンプル、またはこれらの組み合わせなどの一次供給源から単離する。いくつかの実施形態では、細胞は、機械的プロセスまたは他の細胞溶解法(例えば、溶解バッファー)を使用して溶解する。いくつかの実施形態では、サンプルは、機械的プロセス(例えば、遠心分離)、精密濾過、クロマトグラフィーカラム、他の濾過方法、またはそれらの組み合わせを使用して濾過される。いくつかの実施形態では、サンプルを1つ以上の酵素で処理して、1つ以上の核酸または1つ以上のタンパク質を除去する。いくつかの実施形態では、サンプルは、インタクトなタンパク質、変性タンパク質、部分または完全分解タンパク質、ペプチド断片、変性核酸または分解核酸断片を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは、1人以上の個人、1つ以上の動物、1つ以上の植物、またはそれらの組み合わせから収集される。いくつかの実施形態では、サンプルは、感染症、免疫不全、がん、遺伝性疾患、変性疾患、生活習慣病、損傷、希少疾患、加齢性疾患、またはそれらの組み合わせを含む疾患または障害を有する個々の人、動物及び/または植物から収集される。
【0036】
超分子構造体
いくつかの実施形態では、超分子構造体は、分子を空間的に組織化することができるプログラム可能な構造体である。いくつかの実施形態では、超分子構造体は、結合した複数の分子を含む。いくつかの実施形態では、超分子構造体の複数の分子は、互いのうちの少なくともいくつかと相互作用する。いくつかの実施形態では、超分子構造体は特異的な形状を有する。いくつかの実施形態では、超分子ナノ構造体は、超分子構造体の複数の分子に基づいて所定の分子量を有する。いくつかの実施形態では、超分子構造体はナノ構造体である。いくつかの実施形態では、複数の分子は、結合、化学結合、物理的付着、またはそれらの組み合わせによって結合している。いくつかの実施形態では、超分子構造体は、特異的な形状及び分子量の大きい分子実体を含み、この分子実体は、互いに特異的に相互作用する明確に規定された数のより小さい分子から形成されている。いくつかの実施形態では、超分子構造体の構造的、化学的、及び物理的な特性は、明示的に設計されている。いくつかの実施形態では、超分子構造体は、所定の距離に従って離隔している複数のサブコンポーネントを含む。いくつかの実施形態では、超分子構造体の少なくとも一部は剛性である。いくつかの実施形態では、超分子構造体の少なくとも一部は半剛性である。いくつかの実施形態では、超分子構造体の少なくとも一部は柔軟性である。
【0037】
図1は、コア構造体13、捕獲分子2、検出器分子1、及びアンカー分子18を含む超分子構造体40の例示的な実施形態を提供する。いくつかの実施形態では、超分子構造体は、1つ以上の捕獲分子2と、1つ以上の検出器分子1と、任意選択で1つ以上のアンカー分子18とを含む。いくつかの実施形態では、超分子構造体はアンカー分子を含まない。いくつかの実施形態では、超分子構造体はポリヌクレオチド構造体である。
【0038】
いくつかの実施形態では、コア構造体13は、結合した1つ以上のコア分子を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のコア分子は、結合している2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、50、100、200または500個の一意の分子を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のコア分子は、一意の約2分子から一意の約1000分子を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のコア分子は、互いに相互作用し、超分子構造体の特異的な形状を画定する。いくつかの実施形態では、複数のコア分子は、可逆的な非共有結合の相互作用によって互いに相互作用する。いくつかの実施形態では、コア構造体の特異的な形状は、三次元(3D)配置である。いくつかの実施形態では、1つ以上のコア分子は特異的な分子量を与える。いくつかの実施形態では、コア構造体13はナノ構造体である。場合により、1つ以上のコア分子は、1つ以上の核酸鎖(例えば、DNA、RNA、非天然核酸)、1つ以上の分岐核酸、1つ以上のペプチド、1つ以上の小分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、コア構造体は、ポリヌクレオチド構造体を含む。いくつかの実施形態では、コア構造体の少なくとも一部は剛性である。いくつかの実施形態では、コア構造体の少なくとも一部は半剛性である。いくつかの実施形態では、コア構造体の少なくとも一部は柔軟性である。いくつかの実施形態では、コア構造体は、足場デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、足場リボ核酸(RNA)オリガミ、足場ハイブリッドDNA/RNAオリガミ、一本鎖DNAタイル構造体、多本鎖DNAタイル構造体、一本鎖DNAオリガミ、一本鎖RNAオリガミ、一本鎖RNAタイル構造体、多本鎖RNAタイル構造体、複数の足場を備えた階層構成DNA及び/またはRNAオリガミ、ペプチド構造体、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、DNAオリガミは足場である。いくつかの実施形態では、RNAオリガミは足場である。いくつかの実施形態では、ハイブリッドDNA/RNAオリガミは足場である。いくつかの実施形態では、コア構造体は、所定の二次元(2D)形状または3D形状を有するDNAオリガミ、RNAオリガミ、またはハイブリッドDNA/RNAオリガミを含む。
【0039】
図1に示されるように、いくつかの実施形態では、コア構造体13は、捕獲分子2(例えば、抗体、アプタマー、またはナノボディなどの親和性結合剤)、検出器分子1(例えば、抗体、アプタマー、またはナノボディなどの親和性結合剤)、表面への超分子構造体40の結合を促進するように相補的な断片を基板の表面上にグラフトするためのアンカー分子18(例えば、プライマーなどのオリゴマー(オリゴヌクレオチドなど))、またはそれらの組み合わせに結合するように構成される。いくつかの実施形態では、捕獲分子2、検出器分子1、及び/またはアンカー分子18は、コアナノ構造体13に結合する場合、このコアナノ構造体に対して固定化される。いくつかの実施形態では、1つ以上のコア分子のうちの任意の数は、捕獲分子2、検出器分子1、及び/またはアンカー分子18と結合を形成するように構成された1つ以上のコアリンカー10、12、14を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のコア分子のうちの任意の数は、捕獲分子2、検出器分子1、及び/またはアンカー分子18と結合を形成するように構成される1つ以上のコアリンカー10、12、14と結合するように構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上のコアリンカーは、化学結合を介して1つ以上のコア分子に結合する。いくつかの実施形態では、1つ以上のコアリンカーのうちの少なくとも1つは、コア反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、各コア反応性分子は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特異的な配列の一本鎖核酸(例えば、RNAもしくはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)もしくは1つ以上の重合開始剤)を独立して含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のコアリンカーのうちの少なくとも1つは、DNA配列ドメインを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、コア構造体13は、1)コア構造体上の所定の第一位置で捕獲分子2、2)コア構造体上の所定の第二位置で検出器分子1、及び任意選択で3)コア構造体上の所定の第三位置でアンカー分子18に結合する。いくつかの実施形態では、特定の第一コアリンカー12はコア構造体上の第一位置に配置され、特定の第二コアリンカー10はコア構造体上の第二位置に配置される。いくつかの実施形態では、第一位置での1つ以上のコア分子は、第一コアリンカー12との結合を形成するように改変される。いくつかの実施形態では、第一コアリンカー12は、コア構造体13の延出部である。いくつかの実施形態では、第二位置での1つ以上のコア分子は、第二コアリンカー10との結合を形成するように改変される。いくつかの実施形態では、第二コアリンカー10は、コア構造体13の延出部である。いくつかの実施形態では、コア構造体13の3D形状、ならびに第一位置及び第二位置の相対距離は、捕獲分子2と検出器分子1との間の分子間相互作用を最大にするように特定される。いくつかの実施形態では、コア構造体13の3D形状、ならびに第一位置及び第二位置の相対距離は、捕獲分子2と検出器分子1との間の分子間相互作用を最大にするように、捕獲分子2と検出器分子1との間の所望の距離を得るように特定される。
【0041】
本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、捕獲分子2と検出器分子1との間の距離は、約3nm、4nm、5nm、6nm、10nm、12nm、15nm、20nm、30nm、または40nmである。いくつかの実施形態では、捕獲分子2と検出器分子1との間の距離は、約1nm~約60nmである。いくつかの実施形態では、捕獲分子2と検出器分子1との間の距離は、約1nm~約2nm、約1nm~約5nm、約1nm~約10nm、約1nm~約20nm、約1nm~約40nm、約1nm~約60nm、約2nm~約5nm、約2nm~約10nm、約2nm~約20nm、約2nm~約40nm、約2nm~約60nm、約5nm~約10nm、約5nm~約20nm、約5nm~約40nm、約5nm~約60nm、約10nm~約20nm、約10nm~約40nm、約10nm~約60nm、約20nm~約40nm、約20nm~約60nm、または約40nm~約60nmであり、それらの間の増分を含む。いくつかの実施形態では、捕獲分子2と検出器分子1との間の距離は、約1nm、約2nm、約5nm、約10nm、約20nm、約40nm、または約60nmである。いくつかの実施形態では、捕獲分子2と検出器分子1との間の距離は、少なくとも約1nm、約2nm、約5nm、約10nm、約20nm、または約40nmである。いくつかの実施形態では、捕獲分子2と検出器分子1との間の距離は、最大で約2nm、約5nm、約10nm、約20nm、約40nm、または約60nmである。
【0042】
いくつかの実施形態では、特定の第三コアリンカー14は、コア構造体13上の第三位置上に配置される。いくつかの実施形態では、第三位置での1つ以上のコア分子は、第三コアリンカー14との結合を形成するように改変される。いくつかの実施形態では、第三コアリンカー12は、コア構造体13の延出部である。いくつかの実施形態では、第一位置及び第二位置はコア構造体13の第一側上に配置され、任意選択の第三位置はコア構造体13の第二側上に配置される。
【0043】
いくつかの実施形態では、捕獲分子2は、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNA及びDNA)、フルオロフォア、ナノボディ、ダルピン、触媒、重合開始剤、PEG様のポリマー、有機分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、検出器分子1は、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNA及びDNA)、フルオロフォア、ナノボディ、ダルピン、触媒、重合開始剤、PEG様のポリマー、有機分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子18は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子18は反応性分子を含有するDNA鎖を含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子は、表面への超分子構造体(例えば、コア構造体13)の結合を促進するために基板表面上に相補的な断片がグラフトされるオリゴマー(例えば、プライマーなどのオリゴヌクレオチド)を含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子18は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特異的な配列の一本鎖核酸(例えば、RNAもしくはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)もしくは1つ以上の重合開始剤)を含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子18は、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNA及びDNA)、フルオロフォア、ナノボディ、ダルピン、触媒、重合開始剤、PEG様のポリマー、有機分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、捕獲分子2及び対応する検出器分子1の単一対は、コア構造体13に結合する。いくつかの実施形態では、捕獲分子2及び対応する検出器分子1の複数の対は、コア構造体13に結合する。いくつかの実施形態では、捕獲分子2及び対応する検出器分子1の複数の対を互いから離隔して、クロストークを最小にする、すなわち、第一対からの捕獲分子及び/または検出器分子が第二対からの捕獲分子及び/または検出器分子と相互作用することを最小にする。
【0044】
いくつかの実施形態では、超分子構造体の各コンポーネントは、独立して改変されてもよく、または調整されてもよい。いくつかの実施形態では、超分子構造体のコンポーネントの1つ以上を改変して、超分子構造体自体の2D及び3D幾何学的形状を改変することができる。いくつかの実施形態では、超分子構造体のコンポーネントの1つ以上を改変して、コア構造体の2D及び3D幾何学的形状を改変することができる。いくつかの実施形態では、超分子ナノ構造体のコンポーネントを独立して改変するためのそのような能力により、固体表面(例えば、平面状の表面または微粒子)及び3D体積(例えば、ハイドロゲルマトリックス内)での1つ以上の超分子構造体の組織化の精密な制御が可能になる。
【0045】
バーコードの捕獲
図1に示されるように、いくつかの実施形態では、捕獲分子2は、捕獲バーコード20を介してコア構造体13に結合している。いくつかの実施形態では、捕獲バーコード20は捕獲分子2と結合を形成し、捕獲バーコード20はコア構造体13と結合を形成する。いくつかの実施形態では、捕獲バーコード20は、第一捕獲リンカー11、第二捕獲リンカー6、及び捕獲架橋体7を含む。いくつかの実施形態では、第一捕獲リンカー11は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、第一捕獲リンカー11は反応性分子を含み、この反応性分子は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、アジド、アクリダイト、特異的な配列の一本鎖核酸(例えば、RNAもしくはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)もしくは1つ以上の重合開始剤)を含む。いくつかの実施形態では、第一捕獲リンカー11はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第二捕獲リンカー6は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、第二捕獲リンカー6は反応性分子を含み、この反応性分子は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、ビオチン、マレイミド、アジド、アクリダイト、特異的な配列の一本鎖核酸(例えば、RNAもしくはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)もしくは1つ以上の重合開始剤)を含む。いくつかの実施形態では、第二捕獲リンカーはDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、捕獲架橋体7はポリマーを含む。いくつかの実施形態では、捕獲架橋体7は、特異的な配列の核酸(例えば、DNAまたはRNA)を含有するポリマーを含む。いくつかの実施形態では、捕獲架橋体7はPEGのようなポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第一捕獲リンカー11は、捕獲架橋体7にその第一末端で付着しており、第二捕獲リンカー6は、捕獲架橋体7にその第二末端で付着している。いくつかの実施形態では、第一捕獲リンカー11は、化学結合を介して捕獲架橋体7に付着している。いくつかの実施形態では、第二捕獲リンカー6は、化学結合を介して捕獲架橋体7に付着している。いくつかの実施形態では、第一捕獲リンカー11は、物理的付着を介して捕獲架橋体7に付着している。いくつかの実施形態では、第二捕獲リンカー6は、物理的付着を介して捕獲架橋体7に付着している。
【0046】
いくつかの実施形態では、捕獲バーコード20は、第一捕獲リンカー11と第一コアリンカー12との間の結合によってコア構造体13に結合している。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるように、第一コアリンカー12は、コア構造体13上の第一位置に配置される。いくつかの実施形態では、第一捕獲リンカー11及び第一コアリンカー12は、化学結合によって結合している。いくつかの実施形態では、第一捕獲リンカー11及び第一コアリンカー12は、共有結合によって結合している。いくつかの実施形態では、第一捕獲リンカー11と第一コアリンカー12との間の結合は、トリガを受けると可逆的である。いくつかの実施形態では、トリガは、デコンストラクタ分子との相互作用(「捕獲デコンストラクタ分子」、例えば、図4、7の参照符号30)またはトリガ信号への曝露を含む。いくつかの実施形態では、捕獲デコンストラクタ分子は、核酸(DNAもしくはRNA)、ペプチド、有機小分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、トリガ信号は、光信号を含む。いくつかの実施形態では、トリガ信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外照明、可視照明、または近赤外照明を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、捕獲バーコード20は、第二捕獲リンカー6と、捕獲分子2に結合している第三捕獲リンカー5との間の結合を介して捕獲分子2に結合している。いくつかの実施形態では、第三捕獲リンカー5は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、第三捕獲リンカー5は反応性分子を含み、この反応性分子は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特異的な配列の一本鎖核酸(例えば、RNAもしくはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)もしくは1つ以上の重合開始剤)を含む。いくつかの実施形態では、第三捕獲リンカー5はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、捕獲分子2は、化学結合を介して第三捕獲リンカー5に結合している。いくつかの実施形態では、捕獲分子2は、共有結合を介して第三捕獲リンカー5に結合している。いくつかの実施形態では、第二捕獲リンカー6及び第三捕獲リンカー5は、化学結合によって結合している。いくつかの実施形態では、第二捕獲リンカー6及び第三捕獲リンカー5は、共有結合によって結合している。いくつかの実施形態では、第二捕獲リンカー6と第三捕獲リンカー5との間の結合は、トリガを受けると可逆的である。いくつかの実施形態では、トリガは、デコンストラクタ分子との相互作用(「捕獲バーコード放出分子」、例えば、図4、7の参照符号31)またはトリガ信号への曝露を含む。いくつかの実施形態では、捕獲バーコード放出分子は、核酸(DNAもしくはRNA)、ペプチド、有機小分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、トリガ信号は、光信号を含む。いくつかの実施形態では、トリガ信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外照明、可視照明、または近赤外照明を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、トリガを受けると、第一捕獲リンカー11と第一コアリンカー12との間の結合のみが切断されることによって、第一位置で捕獲分子とコアナノ構造体13との結合が切断される。いくつかの実施形態では、捕獲バーコード20は、コア構造体13及び捕獲分子2から分離すると、分析物分子を検出するための信号を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、捕獲バーコード20から提供された信号はDNA信号である。
【0049】
上記を念頭に置き、現実世界の状況での捕獲架橋体7の1つの実装及びその使用を特徴付けることによって、実際に捕獲架橋体7は、1つ以上のユニバーサルアダプター(例えば、プライマー)がコンジュゲートしているDNAライブラリー素子として実装され得、またはそうであることが理解され得る。このような状況では、DNAライブラリーは、コンジュゲートしている特異的な親和性結合剤(例えば、抗体、アプタマー、またはナノボディなどの捕獲分子2)に対するバーコード(例えば、捕獲バーコード20)であることができる。
【0050】
検出器バーコード
図1に示されるように、いくつかの実施形態では、検出器分子1は、検出器バーコード21を介してコア構造体13に結合している。いくつかの実施形態では、検出器バーコード21は検出器分子1と結合を形成し、検出器バーコード21はコア構造体13と結合を形成する。いくつかの実施形態では、検出器バーコードは、第一検出器リンカー9、第二検出器リンカー4、及び検出器架橋体8を含む。いくつかの実施形態では、第一検出器リンカー9は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、第一検出器リンカー9は反応性分子を含み、この反応性分子は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特異的な配列の一本鎖核酸(例えば、RNAもしくはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)もしくは1つ以上の重合開始剤)を含む。いくつかの実施形態では、第一検出器リンカー9はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第二検出器リンカー4は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、第二検出器リンカー4は反応性分子を含み、この反応性分子は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特異的な配列の一本鎖核酸(例えば、RNAもしくはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)もしくは1つ以上の重合開始剤)を含む。いくつかの実施形態では、第二検出器リンカー4はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、検出器架橋体8はポリマーを含む。いくつかの実施形態では、検出器架橋体8は、特異的な配列の核酸(DNAまたはRNA)を含有するポリマーを含む。いくつかの実施形態では、検出器架橋体8はPEGのようなポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第一検出器リンカー9は、検出器架橋体8にその第一末端で付着しており、第二検出器リンカー4は、検出器架橋体8にその第二末端で付着している。いくつかの実施形態では、第一検出器リンカー9は、化学結合を介して検出器架橋体8に付着している。いくつかの実施形態では、第二検出器リンカー4は、化学結合を介して検出器架橋体8に付着している。いくつかの実施形態では、第一検出器リンカー9は、物理的付着を介して検出器架橋体8に付着している。いくつかの実施形態では、第二検出器リンカー4は、物理的付着を介して検出器架橋体8に付着している。
【0051】
いくつかの実施形態では、検出器バーコード21は、第一検出器リンカー9と第二コアリンカー10との間の結合によってコア構造体13に結合している。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるように、第二コアリンカー10は、コア構造体13上の第二位置に配置される。いくつかの実施形態では、第一検出器リンカー9及び第二コアリンカー10は、化学結合によって結合している。いくつかの実施形態では、第一検出器リンカー9及び第二コアリンカー10は、共有結合によって結合している。いくつかの実施形態では、第一検出器リンカー9と第二コアリンカー10との間の結合は、トリガを受けると可逆的である。いくつかの実施形態では、トリガは、デコンストラクタ分子との相互作用(「検出器デコンストラクタ分子」、例えば、図4、7の参照符号28)またはトリガ信号への曝露を含む。いくつかの実施形態では、検出器デコンストラクタ分子は、核酸(DNAもしくはRNA)、ペプチド、有機小分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、トリガ信号は、光信号を含む。いくつかの実施形態では、トリガ信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外照明、可視照明、または近赤外照明を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、検出器バーコード21は、第二検出器リンカー4と、検出器分子1に結合した第三検出器リンカー3との間の結合を介して検出器分子1に結合している。いくつかの実施形態では、第三検出器リンカー3は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、第三検出器リンカー3は反応性分子を含み、この反応性分子は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特異的な配列の一本鎖核酸(例えば、RNAもしくはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)もしくは1つ以上の重合開始剤)を含む。いくつかの実施形態では、第三検出器リンカー3はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、検出器分子1は、化学結合を介して第三検出器リンカー3に結合している。いくつかの実施形態では、検出器分子1は、共有結合を介して第三検出器リンカー3に結合している。いくつかの実施形態では、第二検出器リンカー4及び第三検出器リンカー3は、化学結合によって結合している。いくつかの実施形態では、第二検出器リンカー4及び第三検出器リンカー3は、共有結合によって結合している。いくつかの実施形態では、第二検出器リンカー4と第三検出器リンカー3との間の結合は、トリガを受けると可逆的である。いくつかの実施形態では、トリガは、デコンストラクタ分子との相互作用(「検出器バーコード放出分子」、例えば、図4、7の参照符号29)またはトリガ信号への曝露を含む。いくつかの実施形態では、検出器バーコード放出分子は、核酸(DNAもしくはRNA)、ペプチド、有機小分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、トリガ信号は、光信号を含む。いくつかの実施形態では、トリガ信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外照明、可視照明、または近赤外照明を含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、トリガを受けると、第一検出器リンカー9と第二コアリンカー10との間の結合のみが切断されることによって、第二位置で検出器分子とコア構造体13との結合が切断される。いくつかの実施形態では、検出器バーコード21は、コア構造体13及び検出器分子1から分離すると、分析物分子を検出するための信号を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、検出器バーコード21から提供された信号はDNA信号である。
【0054】
上記を念頭に置き、現実世界の状況での検出器架橋体8の1つの実装及びその使用を特徴付けることによって、実際に検出器架橋体8は、1つ以上のユニバーサルアダプター(例えば、プライマー)がコンジュゲートしているDNAライブラリー素子として実装され得、またはそうであることが理解され得る。このような状況では、DNAライブラリーは、コンジュゲートしている特異的な親和性結合剤(例えば、抗体またはナノボディなどの検出器分子1)に対するバーコード(例えば、検出器バーコード21)であることができる。
【0055】
アンカーバーコード
図1に示されるように、いくつかの実施形態では、アンカー分子18は、アンカーバーコードを介してコア構造体13に結合している。いくつかの実施形態では、アンカーバーコードは、アンカー分子18と結合を形成し、アンカーバーコードは、コア構造体13と結合を形成する。いくつかの実施形態では、アンカーバーコードは、第一アンカーリンカー15、第二アンカーリンカー17、及びアンカー架橋体16を含む。いくつかの実施形態では、第一アンカーリンカー15は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、第一アンカーリンカー15は反応性分子を含み、この反応性分子は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特異的な配列の一本鎖核酸(例えば、RNAもしくはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)もしくは1つ以上の重合開始剤)を含む。いくつかの実施形態では、第一アンカーリンカー15はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第二アンカーリンカー17は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、第二アンカーリンカー17は反応性分子を含み、この反応性分子は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特異的な配列の一本鎖核酸(例えば、RNAもしくはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)もしくは1つ以上の重合開始剤)を含む。いくつかの実施形態では、第二アンカーリンカー17はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、アンカー架橋体16はポリマーを含む。いくつかの実施形態では、アンカー架橋体16は、特異的な配列の核酸(DNAまたはRNA)を含有するポリマーを含む。いくつかの実施形態では、アンカー架橋体16はPEGのようなポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第一アンカーリンカー15は、アンカー架橋体16にその第一末端で付着しており、第二アンカーリンカー17は、アンカー架橋体16にその第二末端で付着している。いくつかの実施形態では、第一アンカーリンカー15は化学結合を介してアンカー架橋体16に付着している。いくつかの実施形態では、第二アンカーリンカー17は、物理的付着を介してアンカー架橋体16に付着している。いくつかの実施形態では、第一アンカーリンカー15は化学結合を介してアンカー架橋体16に付着している。いくつかの実施形態では、第二アンカーリンカー17は、物理的付着を介してアンカー架橋体16に付着している。
【0056】
いくつかの実施形態では、アンカーバーコードは、第一アンカーリンカー15と第三コアリンカー14との間の結合によってコア構造体13に結合している。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるように、第三コアリンカー14は、コア構造体13上の第三位置に配置される。いくつかの実施形態では、第一アンカーリンカー15及び第三コアリンカー14は、化学結合によって結合している。いくつかの実施形態では、第一アンカーリンカー15及び第三コアリンカー14は、共有結合によって結合している。いくつかの実施形態では、第一アンカーリンカー15と第三コアリンカー14との間の結合は、トリガを受けると可逆的である。いくつかの実施形態では、トリガは、デコンストラクタ分子との相互作用(「アンカーデコンストラクタ分子」、例えば、図4、7の参照符号32)またはトリガ信号への曝露を含む。いくつかの実施形態では、アンカーデコンストラクタ分子は、核酸(DNAもしくはRNA)、ペプチド、有機小分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、トリガ信号は、光信号を含む。いくつかの実施形態では、トリガ信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外照明、可視照明、または近赤外照明を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、アンカーバーコードは、第二アンカーリンカー17とアンカー分子18との間の結合を介してアンカー分子18に結合している。本明細書に開示されるように、いくつかの実施形態では、アンカー分子は、反応性分子、反応性分子、DNA配列ドメイン、反応性分子を含有するDNA配列ドメイン、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子18は化学結合を介して第二アンカーリンカー17に結合する。いくつかの実施形態では、アンカー分子18は共有結合を介して第二アンカーリンカー17に結合する。いくつかの実施形態では、第二アンカーリンカー17とアンカー分子18との間の結合は、トリガを受けると可逆的である。いくつかの実施形態では、トリガは、デコンストラクタ分子との相互作用(「アンカーバーコード放出分子」、例えば、図4、7の参照符号33)またはトリガ信号への曝露を含む。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード放出分子は、核酸(DNAもしくはRNA)、ペプチド、有機小分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、トリガ信号は、光信号を含む。いくつかの実施形態では、トリガ信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外照明、可視照明、または近赤外照明を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、トリガを受けると、第一アンカーリンカー15と第三コアリンカー14との間の結合のみが切断されることによって、第三位置でアンカー分子とコア構造体13との結合が切断される。
【0059】
いくつかの実施形態では、捕獲デコンストラクタ分子、捕獲バーコード放出分子、検出器デコンストラクタ分子、及び検出器バーコード放出分子は、同じタイプの分子を含む。いくつかの実施形態では、捕獲デコンストラクタ分子、捕獲バーコード放出分子、検出器デコンストラクタ分子、及び検出器バーコード放出分子は、異なるタイプの分子を含む。いくつかの実施形態では、捕獲デコンストラクタ分子、捕獲バーコード放出分子、検出器デコンストラクタ分子、検出器バーコード放出分子、アンカーデコンストラクタ分子、及びアンカーバーコード放出分子は、同じタイプの分子を含む。いくつかの実施形態では、捕獲デコンストラクタ分子、捕獲バーコード放出分子、検出器デコンストラクタ分子、検出器バーコード放出分子、アンカーデコンストラクタ分子、及びアンカーバーコード放出分子は、異なるタイプの分子を含む。いくつかの実施形態では、捕獲デコンストラクタ分子、捕獲バーコード放出分子、検出器デコンストラクタ分子、検出器バーコード放出分子、アンカーデコンストラクタ分子、及びアンカーバーコード放出分子のいずれかの組み合わせは、同じタイプの分子を含む。
【0060】
代替のバーコード配置
前述の説明が捕獲分子2、検出器分子1、及びアンカー分子18にそれぞれ会合し得るバーコード(例えば、バーコード配列)の使用を説明しているが、他のバーコード配置及び/またはアプローチも企図されることを理解されたい。例として、捕獲分子2、検出器分子1、及びアンカー分子18のそれぞれに会合した別個の一意のバーコードの代替に、実際には、これらの分子のいくつかまたはすべては、所与のバーコードが検出器分子、捕獲分子、及びアンカー分子のそれぞれの既知の組み合わせを有する全体的な超分子構造体40に会合し得るようにそれぞれの一意のバーコードに関して合わせて群化され得る。この状況におけるバーコードは、それぞれの検出器分子、捕獲分子、またはアンカー分子の結合ではなく、超分子構造体40自体に会合しもよい。このアプローチによれば、それぞれの超分子構造体40上のバーコードの存在は、それぞれの超分子構造体40に結合する、検出器分子と捕獲分子との所与の組み合せ、検出器分子と捕獲分子とアンカー分子との所与の組み合せ、検出器分子とアンカー分子との所与の組み合わせ、捕獲分子とアンカー分子との所与の組み合わせなどを指示することができる。このようにして、超分子構造体40に会合する所与のバーコードの検出を使用して、捕獲分子、検出器分子、及び/またはアンカー分子の既知の組み合わせを有する超分子構造体40の存在または機能を推論することができる。
【0061】
このような状況において、コア構造体13への捕獲分子2、検出器分子1、及び/またはアンカー分子18の結合は、これらの分子のそれぞれに対する別個のバーコードの使用から分離してよい。すなわち、それぞれの超分子構造体40上に存在するそれぞれの捕獲分子2、検出器分子1、及び/またはアンカー分子18(またはこれらの分子の組み合わせ)を指示するバーコード配列は、それ自体、コア構造体13上の別の1つまたは複数の位置に存在してもよい。したがって、この状況におけるバーコードは、それぞれの捕獲分子2、検出器分子1、またはアンカー分子18をコア構造体13に保持する結合の一部ではないが、代替に、コア構造体13上に局在する別個の構造体であってもよい。従ってこの例では、捕獲分子2、検出器分子1、及び/またはアンカー分子18をコア構造体13に接続する分子架橋体は、結合構造体であってよく、それでもそれらが付着するそれぞれの分子に一意である可能性があるが、同定またはバーコード機能を有していない。しかしながら、コア構造体13を捕獲分子2、検出器分子1、及び/またはアンカー分子18に結合しない別個のバーコードが使用される場合であっても、本明細書で説明される検出器バーコード、捕獲バーコード、及び/またはアンカーバーコードは、様々な操作機能または操作を容易にするために、それぞれの結合構造体の一部として依然としてそれに加えて存在し得ることを理解されたい。すなわち、本明細書で説明されるような目的で結合構造体とは別のバーコードを使用することは、捕獲分子2、検出器分子1、及び/またはアンカー分子18をコア構造体13に保持する結合構造体の一部として存在する他のバーコードの存在または使用を排除しない。
【0062】
認識され得るように、バーコード機能が結合構造体に限定されない現在説明されている状況では、捕獲分子2、検出器分子1、及び/またはアンカー分子18のための結合構造体が存在するよりも多くのバーコードが超分子構造体40上に設けられ得る。すなわち、バーコード機能をそれぞれの結合構造体に関連させることにより、有用なバーコードの数はそれぞれの結合構造体の数(したがって、検出器分子、捕獲分子、及び/またはアンカー分子の数)に相応して制限される。結合機能とは別にバーコード機能を提供することによって、それぞれの超分子構造体40上に結合構造体が存在するよりも、多くのバーコード配列は所与の超分子構造体40に関連していることができる。例として、所与のコア構造体13(例えば、DNAオリガミコア構造体)は、結合構造体として使用されるオリゴマーなどの分子構造体の付着に適しているが、バーコード配列の付着にも適している数百(例えば、200、250、300、500)箇所の位置を有してもよい。単一の検出器分子1、捕獲分子2、及びアンカー分子18がコア構造体13に付着している状況では、これらのような部位は3つのみが使用され、超分子構造体40に関する情報(例えば、存在する検出器分子及び捕獲分子、存在する検出器分子、捕獲分子、及びアンカー分子など)を伝達する1つ以上のバーコード配列に関連して利用可能な残りの部位の一部または全部が残される。本明細書で説明されるように、これにより、バーコード配列が結合構造体に限定されている状況と比較して、信号または信号対雑音の増加という点での利点を提供することができる(ただし、上述のように、そのようなバーコード配列は、そのように望まれる場合には、結合構造体の一部としてさらに提供され得る)。また、このようにして1つより多いタイプのバーコードを使用して、超分子構造体40に関する情報を伝達し得ることも理解されたい。例えば、特定の実施形態は、超分子構造体40に関する情報(例えば、存在する捕獲分子及び検出器分子)を凝集体で伝達するバーコードを使用することができ、異なるバーコードをコア構造体13に会合させて、所望のどの粒度でも情報を提供することができる。例えば、別個のバーコードを使用して、検出器分子及び捕獲分子のそれぞれを同定することができるが、それでもそのような別個のバーコードをコア構造体13上の複数部位に付着させることで、結合構造体に会合する単一バーコードに対する処理中に増加した信号を提供することができる。
【0063】
3本腕核酸ジャンクションに基づいた超分子構造体
図2~3は、3本腕核酸ジャンクション及び関連するサブコンポーネントを含む超分子構造体40の例示的な描写を提供する。図2は完全な超分子構造体を提供し、図3図2からの超分子構造体を構成するサブコンポーネントを提供する。いくつかの実施形態では、超分子構造体のサブコンポーネントは、五(5)個のDNA鎖(参照符号20~24)、1個の末端修飾25を備えた一(1)個のDNA鎖、及び単一DNAリンカー3、5で修飾された二(2)個の抗体(1、2)を含む。図4は、図2での超分子構造体40からのそれぞれのサブコンポーネントを開裂するように構成されたそれぞれのデコンストラクタ分子の例示的な描写を提供する。図2図4での参照符号1~18は、図1に同じ参照符号が提供されているそれぞれのコンポーネントに対応する。
【0064】
図2~3に示されるように、超分子構造体のいくつかの実施形態では、コア構造体は、第一コア鎖23及び第二コア鎖24という2つの鎖を含み、それぞれが図2図4にそれぞれA及び
でラベル付けされた部分的に相補的なDNA配列ドメインを含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、コア構造体の第一コア鎖23は、DNA配列ドメインを含有する第一コアリンカー12を含む。いくつかの実施形態では、第一コア鎖23は、図2図4に「A」とラベル付けされたDNA配列ドメインを含み、これは、構造不定のDNA領域によって第一コアリンカー12から分離している。いくつかの実施形態では、構造不定のDNA領域はポリマースペーサーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマースペーサーは、特異的な配列の核酸(DNAまたはRNA)を含む。いくつかの実施形態では、ポリマースペーサーは、PEGのようなポリマーを含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、第一コアリンカー12は、捕獲バーコード鎖20上の第一捕獲リンカー11に相補的である。いくつかの実施形態では、捕獲バーコード鎖20は、捕獲バーコード鎖20の両端に、第一捕獲リンカー11及び第二捕獲リンカー6を含有するDNA鎖を含む。いくつかの実施形態では、第一捕獲リンカー11はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第二捕獲リンカー6はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、捕獲バーコード鎖20は、第一捕獲リンカー11と第二捕獲リンカー6との間の内に一意の捕獲バーコード配列7をさらに含む。いくつかの実施形態では、一意の捕獲バーコード配列7は、特異的な配列の核酸(DNAまたはRNA)を含む。いくつかの実施形態では、一意の捕獲バーコード配列7はPEGのようなポリマーを含む。いくつかの実施形態では、捕獲バーコード20は、トーホールド(「TH」)と呼ばれる短いドメインを含む。いくつかの実施形態では、捕獲バーコード配列7はトーホールド(「TH」)を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、第二捕獲リンカー6は第三捕獲リンカー5に相補的である。いくつかの実施形態では、第三捕獲リンカー5はDNA配列ドメインである。いくつかの実施形態では、捕獲分子2は27で第三捕獲リンカー5に結合している。いくつかの実施形態では、捕獲分子2は第三捕獲リンカー5に共有結合している。いくつかの実施形態では、捕獲分子2は捕獲抗体である。
【0068】
いくつかの実施形態では、コア構造体の第二コア鎖24は、DNA配列ドメインを含有する第二コアリンカー10を含む。いくつかの実施形態では、第二コア鎖24は、図2~4に
とラベル付けされたDNA配列ドメインを含み、これは、構造不定のDNA領域によって第二コアリンカー10から分離している。いくつかの実施形態では、構造不定のDNA領域はポリマースペーサーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマースペーサーは、特異的な配列の核酸(DNAまたはRNA)を含む。いくつかの実施形態では、ポリマースペーサーは、PEGのようなポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第二コアストランド24は、配列ドメイン
に隣接する第三コアリンカー14をさらに含む。いくつかの実施形態では、第三コアリンカー14はDNA配列ドメインを含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、第二コアリンカー10は、検出器バーコード鎖21上の第一検出器リンカー9に相補的である。いくつかの実施形態では、検出器バーコード鎖21は、検出器バーコードセクション21の両端に第一検出器リンカー9及び第二検出器リンカー4を含有するDNA鎖を含む。いくつかの実施形態では、第一検出器リンカー9はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第二検出器リンカー4はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、検出器バーコード鎖21は、第一検出器リンカー9と第二検出器リンカー4との間の内に一意の検出器バーコード配列8をさらに含む。いくつかの実施形態では、一意の検出器バーコード配列8は、特異的な配列の核酸(DNAまたはRNA)を含む。いくつかの実施形態では、一意の検出器バーコード配列8はPEGのようなポリマーを含む。いくつかの実施形態では、検出器バーコード21は、トーホールド(「TH」)と呼ばれる短いドメインを含む。いくつかの実施形態では、検出器バーコード配列8はトーホールド(「TH」)を含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、第二検出器リンカー4は第三検出器リンカー3に相補的である。いくつかの実施形態では、第三検出器リンカー3はDNA配列ドメインである。いくつかの実施形態では、検出器分子1は26で第三検出器リンカー3に結合している。いくつかの実施形態では、検出器分子1は第三捕獲リンカー3に共有結合している。いくつかの実施形態では、検出器分子1は検出器抗体である。
【0071】
いくつかの実施形態では、第三コアリンカー14は、アンカーバーコード鎖22上の第一アンカーリンカー15に相補的である。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード鎖22は、アンカーバーコードセクション22の両端に第一アンカーリンカー15及び第二アンカーリンカー17を含有するDNA鎖を含む。いくつかの実施形態では、第一アンカーリンカー15はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第二アンカーリンカー17はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード鎖22は、第一アンカーリンカー15と第二アンカーリンカー17との間の内に一意のアンカーバーコード配列16をさらに含む。いくつかの実施形態では、一意のアンカーバーコード配列16は、特異的な配列の核酸(DNAまたはRNA)を含む。いくつかの実施形態では、一意のアンカーバーコード配列16はPEGのようなポリマーを含む。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード22は、トーホールド(「TH」)と呼ばれる短いドメインを含む。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード配列16はトーホールド(「TH」)を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、第二アンカーリンカー17はアンカー分子18に相補的である。いくつかの実施形態では、アンカー分子18はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子18は25で末端修飾34に結合している。いくつかの実施形態では、末端修飾34は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、末端修飾34は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、末端修飾34は反応性分子を含み、この反応性分子は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特異的な配列の一本鎖核酸(例えば、RNAもしくはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)もしくは1つ以上の重合開始剤)を含む。
【0073】
図4は、超分子構造体40上で異なる反応をトリガするために使用され得るデコンストラクタ分子の例示的な実施形態を提供する。いくつかの実施形態では、検出器デコンストラクタ分子28は、TH’ドメインから構成され、このTH’ドメインの配列は、検出器バーコード21上のTHドメイン及び第二コア鎖24上の第二コアリンカー10(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、検出器デコンストラクタ分子28は、検出器バーコード21とコア構造体(例えば、第二コア鎖24)との間の結合を開裂するように構成される。いくつかの実施形態では、検出器バーコード放出分子29は、TH’ドメインから構成され、このTH’ドメインの配列は、検出器バーコード21上のTHドメイン及び第三検出器リンカー3(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、検出器バーコード放出分子28は、検出器バーコード21と検出器分子1との間の結合を開裂するように構成される。
【0074】
いくつかの実施形態では、捕獲デコンストラクタ分子30は、TH’ドメインを含み、このTH’ドメインの配列は、捕獲バーコード20上のTHドメイン及び第一コア鎖23上の第一コアリンカー12(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、捕獲デコンストラクタ分子30は、捕獲バーコード20とコア構造体(例えば、第一コア鎖23)との間の結合を開裂するように構成される。いくつかの実施形態では、捕獲バーコード放出分子31は、TH’ドメインを含み、このTH’ドメインの配列は、捕獲バーコード20上のTHドメイン及び第三捕獲リンカー5(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、捕獲バーコード放出分子31は、捕獲バーコード20と捕獲分子2との間の結合を開裂するように構成される。
【0075】
いくつかの実施形態では、アンカーデコンストラクタ分子32は、TH’ドメインを含み、このTH’ドメインの配列は、アンカーバーコード22上のTHドメイン及び第二コア鎖上の第三コアリンカー14(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、アンカーデコンストラクタ分子32は、アンカーバーコード22とコア構造体(例えば、第二コア鎖24)との間の結合を開裂するように構成される。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード放出分子33は、「TH’」ドメインを含み、このTH’ドメインの配列は、アンカーバーコード22上の「TH」ドメイン及びアンカー分子18(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード放出分子33は、アンカーバーコード22とアンカー分子18との間の結合を開裂するように構成される。
【0076】
いくつかの実施形態では、異なるDNAドメイン配列(参照符号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、A、
、TH、捕獲バーコード20、検出器バーコード21、及びアンカーバーコード22)のそれぞれは、約2ヌクレオチド~約80ヌクレオチドの核酸配列を独立して含む。
【0077】
DNAオリガミに基づいた超分子構造体
図5図6は、DNAオリガミ及び関連するサブコンポーネントを含む超分子構造体40の例示的な描写を提供する。図5は完全な超分子構造体を提供し、図6図5からの超分子構造体を構成するサブコンポーネントを提供する。いくつかの実施形態では、超分子構造体のサブコンポーネントは、三(3)個のDNA鎖(参照符号20~22)、1個の末端修飾25を備えた一(1)個のDNA鎖、及び単一DNAリンカー3、5で修飾された二(2)個の抗体(1、2)を含む。図6は、図5での超分子構造体40からのそれぞれのサブコンポーネントを開裂するように構成されたそれぞれのデコンストラクタ分子の例示的な描写を提供する。図5図7での参照符号1~18は、図1に同じ参照符号が提供されているそれぞれのコンポーネントに対応する。
【0078】
いくつかの実施形態では、コア構造体13は、足場DNAオリガミを含み、「足場」鎖と呼ばれる円形のssDNA分子は、ssDNA「足場」鎖の特異的なサブセクションと相互作用する「ステープル」鎖と呼ばれる2つ以上の短いssDNAと相互作用することにより、所定の2Dまたは3D形状に折り畳まれる。
【0079】
図5図6に示されるように、超分子構造体のいくつかの実施形態では、コア構造体13はDNAオリガミを含む。いくつかの実施形態では、コア構造体13は、DNA配列ドメインを含有する第一コアリンカー12を含む。いくつかの実施形態では、第一コアリンカー12は、捕獲バーコード鎖20上の第一捕獲リンカー11に相補的である。いくつかの実施形態では、捕獲バーコード鎖20は、捕獲バーコード鎖20の両端に、第一捕獲リンカー11及び第二捕獲リンカー6を含有するDNA鎖を含む。いくつかの実施形態では、第一捕獲リンカー11はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第二捕獲リンカー6はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、捕獲バーコード鎖20は、第一捕獲リンカー11と第二捕獲リンカー6との間の内に一意の捕獲バーコード配列7をさらに含む。いくつかの実施形態では、一意の捕獲バーコード配列7は、特異的な配列の核酸(DNAまたはRNA)を含む。いくつかの実施形態では、一意の捕獲バーコード配列7はPEGのようなポリマーを含む。いくつかの実施形態では、捕獲バーコード20は、トーホールド(「TH」)と呼ばれる短いドメインを含む。いくつかの実施形態では、捕獲バーコード配列7はトーホールド(「TH」)を含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、第二捕獲リンカー6は第三捕獲リンカー5に相補的である。いくつかの実施形態では、第三捕獲リンカー5はDNA配列ドメインである。いくつかの実施形態では、捕獲分子2は27で第三捕獲リンカー5に結合している。いくつかの実施形態では、捕獲分子2は第三捕獲リンカー5に共有結合している。いくつかの実施形態では、捕獲分子2は捕獲抗体である。
【0081】
いくつかの実施形態では、コア構造体13は、DNA配列ドメインを含有する第二コアリンカー10を含む。いくつかの実施形態では、第二コアリンカー10は、検出器バーコード鎖21上の第一検出器リンカー9に相補的である。いくつかの実施形態では、検出器バーコード鎖21は、検出器バーコードセクション21の両端に第一検出器リンカー9及び第二検出器リンカー4を含有するDNA鎖を含む。いくつかの実施形態では、第一検出器リンカー9はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第二検出器リンカー4はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、検出器バーコード鎖21は、第一検出器リンカー9と第二検出器リンカー4との間の内に一意の検出器バーコード配列8をさらに含む。いくつかの実施形態では、一意の検出器バーコード配列8は、特異的な配列の核酸(DNAまたはRNA)を含む。いくつかの実施形態では、一意の検出器バーコード配列8はPEGのようなポリマーを含む。いくつかの実施形態では、検出器バーコード21は、トーホールド(「TH」)と呼ばれる短いドメインを含む。いくつかの実施形態では、一意の検出器バーコード配列8はトーホールド(「TH」)を含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、第二検出器リンカー4は第三検出器リンカー3に相補的である。いくつかの実施形態では、第三検出器リンカー3はDNA配列ドメインである。いくつかの実施形態では、検出器分子1は26で第三検出器リンカー3に結合している。いくつかの実施形態では、検出器分子1は第三捕獲リンカー3に共有結合している。いくつかの実施形態では、検出器分子1は検出器抗体である。
【0083】
いくつかの実施形態では、コア構造体13は、DNA配列ドメインを含有する第三コアリンカー14を含む。いくつかの実施形態では、第三コアリンカー14は、アンカーバーコード鎖22上の第一アンカーリンカー15に相補的である。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード鎖22は、アンカーバーコードセクション22の両端に第一アンカーリンカー15及び第二アンカーリンカー17を含有するDNA鎖を含む。いくつかの実施形態では、第一アンカーリンカー15はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、第二アンカーリンカー17はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード鎖22は、第一アンカーリンカー15と第二アンカーリンカー17との間の内に一意のアンカーバーコード配列16をさらに含む。いくつかの実施形態では、一意の検出器バーコード配列16は、特異的な配列の核酸(DNAまたはRNA)を含む。いくつかの実施形態では、一意の検出器バーコード配列16はPEGのようなポリマーを含む。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード22は、トーホールド(「TH」)と呼ばれる短いドメインを含む。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード配列16はトーホールド(「TH」)を含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、第二アンカーリンカー17はアンカー分子18に相補的である。いくつかの実施形態では、アンカー分子18はDNA配列ドメインを含む。いくつかの実施形態では、アンカー分子18は25で末端修飾34に結合している。いくつかの実施形態では、末端修飾34は反応性分子を含む。いくつかの実施形態では、末端修飾34は反応性分子を含み、この反応性分子は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特異的な配列の一本鎖核酸(例えば、RNAもしくはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)もしくは1つ以上の重合開始剤)を含む。
【0085】
図6は、超分子構造体40上で異なる反応をトリガするために使用され得るデコンストラクタ分子の例示的な実施形態を提供する。いくつかの実施形態では、検出器デコンストラクタ分子28は、TH’ドメインから構成され、このTH’ドメインの配列は、検出器バーコード21上のTHドメイン及びコアナノ構造体13上の第二コアリンカー10(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、検出器デコンストラクタ分子28は、検出器バーコード21とコア構造体13との間の結合を開裂するように構成される。いくつかの実施形態では、検出器バーコード放出分子29は、TH’ドメインから構成され、このTH’ドメインの配列は、検出器バーコード21上のTHドメイン及び第三検出器リンカー3(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、検出器バーコード放出分子28は、検出器バーコード21と検出器分子1との間の結合を開裂するように構成される。
【0086】
いくつかの実施形態では、捕獲デコンストラクタ分子30は、TH’ドメインを含み、このTH’ドメインの配列は、捕獲バーコード20上のTHドメイン及びコアナノ構造体13上の第一コアリンカー12(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、捕獲デコンストラクタ分子30は、捕獲バーコード20とコア構造体13との間の結合を開裂するように構成される。いくつかの実施形態では、捕獲バーコード放出分子31は、TH’ドメインを含み、このTH’ドメインの配列は、捕獲バーコード20上のTHドメイン及び第三捕獲リンカー5(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、捕獲バーコード放出分子31は、捕獲バーコード20と捕獲分子2との間の結合を開裂するように構成される。
【0087】
いくつかの実施形態では、アンカーデコンストラクタ分子32は、TH’ドメインを含み、このTH’ドメインの配列は、アンカーバーコード22上のTHドメイン及びコアナノ構造体13上の第三コアリンカー14(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、アンカーデコンストラクタ分子32は、アンカーバーコード22とコア構造体13との間の結合を開裂するように構成される。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード放出分子33は、TH’ドメインを含み、このTH’ドメインの配列は、アンカーバーコード22上のTHドメイン及びアンカー分子18(例えば、DNA配列ドメイン)に相補的である。いくつかの実施形態では、アンカーバーコード放出分子33は、アンカーバーコード22とアンカー分子18との間の結合を開裂するように構成される。
【0088】
超分子構造体の安定及び不安定状態
いくつかの実施形態では、超分子構造体は、1つ以上の安定状態配置を含む。いくつかの実施形態では、超分子構造体は、1つ以上の不安定状態配置を含む。いくつかの実施形態では、超分子構造体は、安定状態配置及び不安定状態配置を有する双安定配置を含む。いくつかの実施形態では、安定及び不安定という2つの状態は、一意の分子(例えば、デコンストラクタ分子)及び/またはトリガ信号を受けると、構造上インタクトのままである個々の超分子構造体の能力に基づいて規定される。いくつかの実施形態では、超分子構造体が安定状態である場合、超分子構造体の一部である全ての異なるコンポーネントは、デコンストラクタ分子及び/またはトリガ信号への曝露後でさえ、互いに物理的に接続されたままである。いくつかの実施形態では、超分子構造体が不安定状態である場合、デコンストラクタ分子及び/またはトリガ信号に曝露されると、超分子構造体の規定されたセクション(例えば、1つ以上のサブコンポーネント)が物理的に開裂する、すなわち、超分子構造体から解離する(分離する)。いくつかの実施形態では、超分子構造体は(本明細書に記載されるように)分析物分子との相互作用時に安定状態から不安定状態に移行するように構成される。いくつかの実施形態では、超分子構造体は(本明細書に記載されるように)分析物分子との相互作用時に不安定状態から安定状態に移行するように構成される。いくつかの実施形態では、超分子構造体の状態変化をトリガする分析物分子は、タンパク質、タンパク質のクラスター、ペプチド断片、ペプチド断片のクラスター、DNA、RNA、DNAナノ構造体、RNAナノ構造体、脂質、有機分子、無機分子、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、不安定状態配置中の超分子構造体は、コア構造体13と捕獲分子2との間の結合が開裂し得ると、捕獲分子2がコアナノ構造体13から解離する物理的状態を含む。いくつかの実施形態では、不安定状態配置は、コアナノ構造体13と検出器分子1との間の結合が開裂し得ると、検出器分子1がコアナノ構造体13から解離する物理的状態を含む。いくつかの実施形態では、不安定状態配置は、コアナノ構造体13と捕獲分子2との間の結合、及びコアナノ構造体13と検出器分子1との間の結合が開裂し得ると、捕獲分子2及び検出器分子1がコアナノ構造体13から解離する物理的状態を含む。いくつかの実施形態では、トリガ(例えば、本明細書に記載されたデコンストラクタ分子または本明細書に記載されたトリガ信号)を受けると、コアナノ構造体13と、1)捕獲分子2、2)検出器分子1、または3)その両方との間の結合が開裂する。図8は、不安定状態中の超分子構造体40の例示的な描写を提供し、検出器分子1は、最初に検出器バーコード21との結合を介してコア構造体13に結合している。引き続き図8を参照すると、デコンストラクタ分子42(例えば、検出器デコンストラクタ分子28)との相互作用後、検出器バーコード21とコア構造体13との間の結合を開裂することで、検出器分子1はコアナノ構造体13から解離する。いくつかの実施形態では、不安定状態中、コアナノ構造体13上の捕獲分子2及び検出器分子1は、コアナノ構造体13の物理配置によってのみ拘束され、互いに関して自由拡散している。
【0090】
いくつかの実施形態では、安定状態配置は、コア構造体13と捕獲分子2との間の結合が開裂する際に、捕獲分子2がコアナノ構造体13に結合したままである物理的状態を含む。いくつかの実施形態では、安定状態配置は、コア構造体13と検出器分子1との間の結合が開裂する際に、検出器分子1がコア構造体13に結合したままである物理的状態を含む。いくつかの実施形態では、安定状態配置は、捕獲分子2及び検出器分子1が互いに関して近位に位置決めされる物理的状態を含む。いくつかの実施形態では、検出器分子1及び捕獲分子2は、互いの間の明示的な結合形成の有無にかかわらず、互いに対して近位に位置決めされる。いくつかの実施形態では、検出器分子1及び捕獲分子2は互いに結合している。いくつかの実施形態では、検出器分子1及び捕獲分子2は化学結合によって互いに結合している。いくつかの実施形態では、検出器分子1及び捕獲分子2は、捕獲分子と検出器分子との間に位置している別の分子との結合(例えば、サンドイッチ形成)によって結合している。いくつかの実施形態では、検出器分子及び捕獲分子は(本明細書に記載されるように)サンプルからの分析物分子44との結合によって結合している。図9は、捕獲分子2が分析物分子44との結合によって検出器分子1に結合している安定状態中の超分子構造体40の例示的な描写を提供する。引き続き図9を参照すると、デコンストラクタ分子42との相互作用により、検出器分子1とコア構造体13との間の結合が開裂するが、検出器分子1は、捕獲分子2との結合によってコアナノ構造体13に結合したままである。本明細書でさらに説明されるように、いくつかの実施形態では、捕獲分子及び/または検出器分子は、サンプルからの1つ以上の特異的なタイプの分析物分子との結合を形成するように構成される。いくつかの実施形態では、デコンストラクタ分子及び/またはトリガ信号との相互作用は、捕獲分子と検出器分子との間の結合を開裂させない。
【0091】
図10は、不安定状態から安定状態に移行する超分子構造体の例示的な実施形態を提供する。本明細書に記載されるように、不安定状態配置中の超分子構造体40は、対応するデコンストラクタ分子42(例えば、検出器デコンストラクタ分子28)及び/またはトリガ信号との相互作用時に検出器分子1から分離する(検出器分子は超分子構造体から解離する)。図10を引き続き参照すると、いくつかの実施形態では、サンプルからの分析物分子44との相互作用は、捕獲分子及び検出器分子を、その間に位置する分析物分子と共に結合させること(例えば、サンドイッチ形成)によって、超分子構造体40を不安定状態から安定状態に移行させる。いくつかの実施形態では、分析物分子44は単一分子を含む。いくつかの実施形態では、分析物分子は、複数の分析物分子を代わりに含む。いくつかの実施形態では、分析物分子は、分子クラスターを代わりに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されており、図10に示されるように、超分子構造体が安定状態である場合、対応するデコンストラクタ分子との相互作用により、コア構造体13と検出器バーコード21との間の結合が開裂し、検出器分子1は、捕獲分子2及び分析物分子44との結合によってコア構造体13に結合したままである。
【0092】
図11は、安定状態から不安定状態に移行する超分子構造体40の例示的な実施形態を提供する。本明細書に記載されるように、超分子構造体40は、検出器分子1が捕獲分子2に結合しているため、対応するデコンストラクタ分子及び/またはトリガ信号との相互作用時にコア構造体13に結合したままである安定状態配置にある。図11を引き続き参照すると、いくつかの実施形態では、サンプルからの分析物分子44との相互作用により、捕獲分子2と検出器分子1と間の結合が開裂するため、分析物分子44が捕獲分子1のみに結合していることにより、超分子構造体が不安定状態に移行し、検出器分子1は、検出器バーコード21との結合のみによってコアナノ構造体13に結合している。いくつかの実施形態では、分析物分子44は単一分子を含む。いくつかの実施形態では、分析物分子は、複数の分析物分子を代わりに含む。いくつかの実施形態では、分析物分子は、分子クラスターを代わりに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されており、図11に示されるように、超分子構造体が不安定状態にある場合、対応するデコンストラクタ分子42との相互作用により、コア構造体13と検出器バーコード21との間の結合が開裂するため、検出器分子1はコア構造体13から解離する(分離する)。
【0093】
いくつかの実施形態では、捕獲分子2と検出器分子1との間の結合を開裂する分析物分子44との相互作用の際に、超分子構造体40は安定状態から不安定状態に移行し、分析物分子44は検出器分子1と結合する。それにより、捕獲分子2は、対応するデストラクタ分子42(例えば、捕獲デストラクタ分子30)との相互作用時に、コア構造体13から解離する。
【0094】
分析物分子の検出方法
本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子構造体は、サンプル中の1つ以上の分析物分子の検出を可能にする。いくつかの実施形態では、超分子構造体は、サンプル中の所与の分析物分子の存在に関する情報をDNA信号に変換する。いくつかの実施形態では、DNA信号は、超分子構造体上に位置する捕獲バーコードまたは検出器バーコードに対応し、捕獲分子及び検出器分子は、分析物分子に同時に結合している(例えば、サンドイッチ形成)。いくつかの実施形態では、捕獲バーコード及び/または検出器バーコードが任意の不安定な超分子構造体上に位置していると、そこから、デコンストラクタ分子及び/またはトリガ信号のようなトリガを用いて解離する。いくつかの実施形態では、DNA信号は、それに応じて配列決定されてから、特異的な分析物分子を同定し、それと相関される。
【0095】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、分析物分子の存在を検出することは、単一、または複数の、一意の拡散分子を溶液中に制御可能に放出し、この溶液を使用して、超分子構造体の状態変化をトリガしたサンプルからの分析物分子の特性を同定するだけでなく、定量化することを含む。いくつかの実施形態では、一意の核酸分子は、それぞれの超分子構造体の捕獲バーコード及び/または検出器バーコードによって与えられる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、分析物分子の存在を検出することは、状態変化に関係する光信号または電気信号を生じ、カウントすることで、溶液中の分析物分子の濃度を定量化することができることを含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、多重化によって複数の分析物分子をサンプル中で同時に検出し、複数の超分子構造体は、配列決定及び分析物同定のための複数の信号(例えば、検出器バーコード、捕獲バーコード)を提供する。いくつかの実施形態では、サンプル中の分析物を検出するために本明細書に記載された方法は、複数の超分子構造体を使用することにより、高スループット及び高多重化能力を提供する。いくつかの実施形態では、高スループット及び高多重化能力により、分析物分子の検出及び定量化の正確度が高くなる。いくつかの実施形態では、サンプル中の分析物を検出するために本明細書に記載された方法は、タンパク質分子を含むバイオポリマーを、迅速で、かつ高い感度及び再現性で特徴付ける、及び/または同定するように構成される。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造体は、交差反応性に関連する誤差を制限するように構成される。いくつかの実施形態では、それらのような交差反応性に関連する誤差は、超分子構造体の捕獲及び/または検出器分子が別の超分子構造体の捕獲及び/または検出器分子と相互作用すること(例えば、分子間相互作用)を含む。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造体の各コア構造体は互いに同一である。いくつかの実施形態では、各超分子構造体の構造的、化学的、及び物理的な特性は、明示的に設計される。いくつかの実施形態では、同一のコア構造体は、超分子構造体間の交差反応性を制限するために、所定の形状、サイズ、分子量、所定の数の捕獲分子及び検出器分子、対応する捕獲分子及び検出器分子間の所定の距離(本明細書に記載されている)、対応する捕獲分子及び検出器分子間の所定のストイキオメトリ、またはそれらの組み合わせを有する。いくつかの実施形態では、各コア構造体の分子量は、コア分子の最大純度と同じであり、精密である。いくつかの実施形態では、各コア構造体は、少なくとも1つの捕獲分子及び少なくとも1つの対応する検出器分子を含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、状態変化(不安定から安定へのもの)が主に分子間相互作用(同じ超分子構造体上の捕獲分子及び検出器分子)によって駆動されることから、複数の超分子構造体は、サンプルからの異なる分析物分子と独立して相互作用する。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造体は、特定のサブコンポーネントが同じであることから、構造的な類似性を共有することができるが、サンプルからの分析物分子と超分子構造体との間の相互作用は、対応する捕獲分子及び検出器分子によって規定される。いくつかの実施形態では、所与の超分子構造体上の検出器分子及び捕獲分子の各対は、サンプル中の特定の分析物分子と特異的に相互作用し得ると、特定の分析物分子との相互作用時に超分子構造体の状態が変化し得る。いくつかの実施形態では、各超分子構造体は、それぞれの対の検出器分子及び捕獲分子に対応する一意のDNAバーコードを含む。いくつかの実施形態では、所与の超分子構造体上の一対の検出器分子及び捕獲分子は、サンプル中の1つより多い分析物分子と相互作用するように設計される。
【0098】
いくつかの実施形態では、各超分子構造体は、典型的な複合体生体試料内の広範囲の分子濃度を定量的に捕らえるために必要とされる可能な限り高いダイナミックレンジを単一分子感度が確保するように構成される。いくつかの実施形態では、単一分子感度は、単一分析物分子と結合することによって不安定状態から安定状態(またはその逆)に移行するように構成された所与の超分子構造体の捕獲分子及び検出器分子を含む。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造体は、非特異的な相互作用だけでなくユーザが引き起こすあらゆる誤差を低減させるために必要なサンプル操作を制限する、または除去する。
【0099】
いくつかの実施形態では、複数の超分子構造体が溶液中に与えられる。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造体は、1つ以上の基板に付着している。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造体は、1つ以上のウィジェットに付着している。いくつかの実施形態では、複数の超分子構造体は、1つ以上の固体基板、1つ以上のポリマーマトリックス、1つ以上の分子縮合物、またはそれらの組み合わせに付着している。いくつかの実施形態では、1つ以上のポリマーマトリックスは、1つ以上のハイドロゲル粒子を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のポリマーマトリックスは、1つ以上のハイドロゲルビーズを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の固体基板は、1つ以上の平面基板を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の固体基板は、1つ以上のマイクロビーズを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の固体基板は、1つ以上の微粒子を含む。
【0100】
図12は、1つ以上の超分子構造体を使用して、サンプル中の1つ以上の分析物分子を検出するための例示的な方法を提供する。いくつかの実施形態では、1つ以上の分析物を含むサンプル(例えば、分析物プール102)は、1つ以上の超分子構造体40(例えば、超分子構造体プール100)と接触している。いくつかの実施形態では、超分子構造体は、複数のウィジェットに付着している。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、複数の超分子構造体は、1つ以上の固体基板、1つ以上のポリマーマトリックス、1つ以上の分子縮合物、またはそれらの組み合わせに付着しているように設けられる。図13図14は、ハイドロゲルビーズに付着した超分子構造体(例えば、ハイドロゲルビーズ内に包埋した超分子構造体)の例を提供する。図15は、固体基板、例えば微粒子に付着した超分子構造体の一例を提供する。いくつかの実施形態では、サンプルは、水溶液を含み、超分子構造体と混合されて、結合溶液が形成される。いくつかの実施形態では、サンプルを超分子構造体と接触させることは、サンプルを超分子構造体とインキュベートすることを含む。いくつかの実施形態では、サンプル及び超分子構造体は、所定の環境条件によってインキュベーター内でインキュベートされる。いくつかの実施形態では、サンプルは、約30秒から約24時間までの期間に超分子構造体とインキュベートされる。いくつかの実施形態では、サンプルは、約30秒~約1分、約1分~約5分、約5分~約30分、約30分~約1hr、約1hr~約5時間、約5時間~約12時間、約12時間~約24時間、約24時間~約48時間の期間に超分子構造体とインキュベートされる。
【0101】
図12を引き続き参照すると、いくつかの実施形態では、超分子構造体は全て不安定状態にある(参照符号100で示されるように)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、分析物分子と、対応する捕獲分子2及び検出器分子1との間の相互作用は、それぞれの超分子構造体を不安定状態から安定状態に移行させる(例えば、参照符号104で示されるような、捕獲分子、分析物分子、及び検出器分子によるサンドイッチ形成)。いくつかの実施形態では、特定のタイプの分析物分子は、特定の対の捕獲分子及び検出器分子と結合する。いくつかの実施形態では、所与の対の捕獲分子及び検出器分子は、1つより多いタイプの分析物分子と結合するように構成される。いくつかの実施形態では、任意の所与の超分子構造体の不安定状態から安定状態への切り替えは、それに結合した特異的な捕獲分子及び検出器分子ならびにサンプル中の分析物分子に依存している。いくつかの実施形態では、超分子構造体の状態変化が主に分子間相互作用(超分子構造体上に位置しているコンポーネント)に依存している場合、2つの異なる超分子構造体間の潜在的な分子間相互作用は、結合溶液中での超分子構造体の正味濃度を制限することにより最小になる、または脱離することで、任意の2つの超分子構造体間の平均距離は、所与の超分子構造体上の1対の捕獲分子及び検出器分子の間の最大分子間距離よりも大きくなる。
【0102】
図12から分かるように、参照符号104は、サンプルに接触した後、少なくとも1つの超分子構造体が分析物分子との相互作用(例えば、捕獲分子、分析物分子及び検出器分子が同時に結合しているサンドイッチ形成)によって安定状態に移行し、少なくとも1つの超分子構造体は、それぞれの捕獲分子及び検出器分子がサンプルからの分析物分子と結合または相互作用しなかったため、不安定状態のままであった。
【0103】
サンプルを所定の時間超分子構造体と接触させた後、図12に示すように、サンプルと超分子構造体との結合溶液はトリガを受けることで、検出器分子とコア構造体との間の結合が開裂する(参照符号106)。いくつかの実施形態では、トリガは1つ以上のデコンストラクタ分子(例えば、検出器デコンストラクタ分子、図4、7の参照符号28)を含む溶液を、結合溶液に導入することを含む。いくつかの実施形態では、トリガは、結合溶液がトリガ信号を受けることを含む。いくつかの実施形態では、トリガは、結合溶液中にデコンストラクタ分子を導入することと、結合溶液がトリガ信号を受けることとの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、デコンストラクタ分子は、核酸(DNAもしくはRNA)、ペプチド、有機小分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、トリガ信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外照明、可視照明、または近赤外照明を含む。いくつかの実施形態では、結合溶液は、所定の時間にトリガを受ける。いくつかの実施形態では、結合溶液は、1つ以上のデコンストラクタ分子と所定の時間インキュベートされる。いくつかの実施形態では、結合溶液は、デコンストラクタ分子と、約30秒から約24時間までの期間にインキュベートされる。いくつかの実施形態では、結合溶液は、約30秒~約1分、約1分~約5分、約5分~約30分、約30分~約1hr、約1hr~約5時間、約5時間~約12時間、約12時間~約24時間、約24時間~約48時間の期間にデコンストラクタ分子とインキュベートされる。
【0104】
図12の参照符号106に示されるように、いくつかの実施形態では、結合溶液がトリガを受けることによって、検出器バーコード(例えば、図1の参照符号21)とコア構造体13との間の結合など、超分子構造体の検出器分子とコア構造体との間の結合が開裂する。いくつかの実施形態では、開裂は、核酸(DNA/RNA)鎖置換、光学的開裂、化学的開裂、当該技術分野で既知の別の技術、またはそれらの組み合わせによって達成される。安定状態に移行した超分子構造体の場合、検出器分子1は、対応する捕獲分子2との結合を介してコア構造体13に結合したままであるように示されている。不安定状態のままであった超分子構造体の場合、検出器分子は、それぞれの超分子構造体から解離する(112)ように示されている。いくつかの実施形態では、解離した検出器分子1は、それぞれの検出器バーコード21に結合したままである。
【0105】
いくつかの実施形態では、解離した検出器分子1(及び対応する検出器バーコード21)は、結合溶液からさらに分離する。いくつかの実施形態では、解離した検出器分子は、ポリエチレングリコール(PEG)沈殿により、結合溶液から分離する。いくつかの実施形態では、結合溶液中の各コア構造体を、マイクロビーズ、固体担体及び/または磁性ビーズに、それぞれのコア構造体上の対応するアンカー分子を介して結合させた後、遠心分離、ミクロン濾過、クロマトグラフィーまたはそれらの組み合わせによって解離した検出器分子を分離させることにより、解離した検出器分子が結合溶液から分離する。
【0106】
いくつかの実施形態では、解離した検出器分子が結合溶液から分離した後、それぞれの捕獲分子に(例えば、安定状態に移行した超分子構造体上に位置しているように)結合している、対応する検出器分子から検出器バーコード21が開裂する。いくつかの実施形態では、検出器バーコード21は、核酸(DNA/RNA)鎖置換、光学的開裂、化学的開裂、またはそれらの組み合わせによって、対応する検出器分子から開裂する。いくつかの実施形態では、検出器バーコードは、トリガを受けることによって、対応する検出器分子から開裂する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、トリガはデコンストラクタ分子、トリガ信号、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、デコンストラクタ分子は、検出器バーコード放出分子(例えば、図4及び図7の参照符号29)を含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、開裂した検出器バーコード21は、超分子構造体を含む溶液から単離する(図12の参照符号108)。いくつかの実施形態では、開裂した検出器バーコード21は、ポリエチレングリコール(PEG)沈殿により溶液から単離する。いくつかの実施形態では、溶液中のコア構造体をマイクロビーズ、固体担体及び/または磁性ビーズに、それぞれのコア構造体上の対応するアンカー分子を介して結合させた後、遠心分離、ミクロン濾過、クロマトグラフィーまたはそれらの組み合わせによって開裂した検出器バーコード21を単離させることにより、開裂した検出器バーコードを溶液から単離させる。
【0108】
いくつかの実施形態では、開裂した検出器バーコードは、それぞれの検出器分子に結合したそれぞれの分析物分子に相関する信号を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、検出器バーコードはDNA鎖を含む。いくつかの実施形態では、検出器バーコードは、分析物分子に相関するDNA信号を提供する。いくつかの実施形態では、図12の参照符号110に示されるように、単離した検出器バーコード21を分析して、サンプル中の対応する分析物分子を同定する、及び/または定量化する。いくつかの実施形態では、単離した検出器バーコードの分析は、遺伝子型同定、qPCR、配列決定、またはそれらの組み合わせを含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、図12に示される分析物分子を検出するための方法は、それぞれの検出器分子に(例えば、安定状態に移行した超分子構造体上に位置しているように)結合している、対応する捕獲分子から捕獲バーコード20が開裂することを含む。いくつかの実施形態では、捕獲バーコード20は、核酸(DNA/RNA)鎖置換、光学的開裂、化学的開裂、またはそれらの組み合わせによって、対応する検出器分子から開裂する。いくつかの実施形態では、検出器バーコードは、トリガを受けることによって、対応する検出器分子から開裂する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、トリガはデコンストラクタ分子、トリガ信号、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、デコンストラクタ分子は、捕獲バーコード放出分子(例えば、図4及び図7の参照符号31)を含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、開裂した捕獲バーコード20は、超分子構造体を含む溶液から単離する(図12の参照符号108)。いくつかの実施形態では、開裂した捕獲バーコード20は、ポリエチレングリコール(PEG)沈殿により溶液から単離する。いくつかの実施形態では、溶液中のコア構造体をマイクロビーズ、固体担体及び/または磁性ビーズに、それぞれのコア構造体上の対応するアンカー分子を介して結合させた後、遠心分離、ミクロン濾過、クロマトグラフィーまたはそれらの組み合わせによって開裂した捕獲バーコード20を単離させることにより、開裂した捕獲バーコードを溶液から単離させる。
【0111】
いくつかの実施形態では、開裂した捕獲バーコードは、それぞれの検出器分子に結合したそれぞれの分析物分子に相関する信号を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、捕獲バーコードはDNA鎖を含む。いくつかの実施形態では、捕獲バーコードは、分析物分子と相関するDNA信号を提供する。いくつかの実施形態では、図12の参照符号110に示されるように、単離した捕獲バーコード21を分析して、サンプル中の対応する分析物分子を同定する、及び/または定量化する。いくつかの実施形態では、単離した捕獲バーコードの分析は、遺伝子型同定、qPCR、配列決定、またはそれらの組み合わせを含む。
【0112】
上記は、解離した検出器分子(すなわち、分析物の分子(複数可)が結合した検出器分子)の単離及び/または除去後に主に分析及び単離を行うことで、結合した検出器分子が定量的及び/または定性的な検出プロセスのための基礎を形成する、例示的な実施態様及び変形形態に関する。しかしながら、当業者であれば、相補的知識の保存の原理のもと、そのような実施態様だけでなく、本明細書で論じられる他の実施形態では、代替に、結合した検出器分子を単離させる及び/または除去することで、解離した検出器分子で分析を行うことによって、対応する情報が決定され得ることが理解され得る。すなわち、利用される捕獲分子及び検出器分子のフルセットに関する知識により、結合した検出器分子または解離した検出器分子のいずれでも検出を、関心対象の1つ以上の分析物の定性的または定量的な評価に相関させることが可能になる。
【0113】
ハイドロゲルビーズまたは固体基板を備えた超分子構造体
本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子構造体には、1つ以上のハイドロゲルビーズ及び/または1つ以上の固体基板が設けられる。いくつかの実施形態では、ハイドロゲルビーズは、ハイドロゲルマトリックスに重合した1つ以上の超分子構造体を含む。図13は、ハイドロゲルビーズ120を形成するための例示的な実施形態を提供し、1つ以上のモノマー122及び1つ以上の架橋分子124を混合させてハイドロゲルを形成することに加えて、1つ以上の超分子構造体40を導入する。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子構造体40は、ハイドロゲルマトリックスと共重合して、ハイドロゲルビーズ120を形成する。いくつかの実施形態では、ハイドロゲルビーズ120は、ハイドロゲルマトリックスに付着した1つ以上の超分子構造体を含む。いくつかの実施形態では、ハイドロゲルビーズ120は、ハイドロゲルマトリックス内に包埋した1つ以上の超分子構造体を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子構造体40のそれぞれのアンカー分子18は、ハイドロゲルマトリックス120と共重合する。いくつかの実施形態では、1つ以上のモノマー122はアクリルアミドを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の架橋剤はビス-アクリルアミドを含む。いくつかの実施形態では、各ハイドロゲルビーズは、微細加工ツールを使用して形成される。いくつかの実施形態では、各ハイドロゲルビーズは、乳化重合を使用して形成される。図14は、ハイドロゲルビーズ120を形成するための例示的な実施形態を提供し、このハイドロゲルビーズは、1つ以上のモノマー、1つ以上の架橋剤、及び1つ以上の超分子構造体40を液滴内に捕捉する(126)ことを含む。いくつかの実施形態では、液滴は油滴である。いくつかの実施形態では、液滴寸法は特定される。いくつかの実施形態では、重合が液滴内で起こることにより、1つ以上のハイドロゲルビーズ120が形成される。いくつかの実施形態では、重合は、開始剤及び/または触媒との相互作用により起こる。
【0114】
図15は、1つ以上の超分子構造体40が固体基板128に付着している、例示的な実施形態を提供する。いくつかの実施形態では、超分子構造体40のそれぞれのアンカー分子18は、固体基板128の固体表面と結合する。いくつかの実施形態では、固体基板128は微粒子を含む。いくつかの実施形態では、微粒子は、ポリスチレン粒子、シリカ粒子、磁性粒子または常磁性粒子を含む。いくつかの実施形態では、固体基板128はマイクロビーズを含む。いくつかの実施形態では、マイクロビーズは、ポリスチレンビーズ、シリカビーズ、磁性ビーズ、または常磁性ビーズを含む。
【0115】
本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、単一ハイドロゲルビーズ内に包埋した、または固体基板に付着した複数の超分子構造体は、他の超分子構造体との交差反応性(クロストーク、分子間相互作用)を制限するまたは脱離するように所定の距離で離隔される。いくつかの実施形態では、各ハイドロゲルビーズまたは固体基板に付着した超分子構造体の数、サイズ及び/またはストイキオメトリは、各超分子構造体間に所定の距離を達成するように特定される。いくつかの実施形態では、各ハイドロゲルビーズまたは固体基板に付着した超分子構造体の表面及び体積の密度は、分子間相互作用を最小にするまたは脱離することによって、複数の超分子構造体間のクロストークの可能性を低減させるように制御される。いくつかの実施形態では、所与のハイドロゲルビーズまたは固体基板(例えば、微粒子)上の任意の2つの超分子構造体間の距離は、超分子構造体の捕獲分子と検出器分子との間の最大距離より大きいため、異なる超分子構造体からの分子の間の分子間相互作用が最小になる。
【0116】
図16は、1つ以上のハイドロゲルビーズ内に包埋した、または1つ以上の固体基板(例えば、微粒子)に付着した1つ以上の超分子構造体を使用して、サンプル中の1つ以上の分析物分子を検出するための例示的な方法を提供する。図16は、ハイドロゲルビーズプール200が設けられる、例示的な実施形態を示し、1つ以上の超分子構造体は1つ以上のハイドロゲルビーズ120内に包埋している。いくつかの実施形態では、ハイドロゲルビーズプールの代わりに、固体基板プールが設けられ、本明細書に記載され、図15に示されるように、1つ以上の固体基板(例えば、微粒子)に1つ以上の超分子構造体が付着している。いくつかの実施形態では、1つ以上の分析物分子を含むサンプル(例えば、分析物プール202)は、ハイドロゲルビーズ120内に包埋した超分子構造体と接触する。いくつかの実施形態では、サンプルは、水溶液を含み、ハイドロゲルビーズプール200と混合されて、結合溶液が形成される。いくつかの実施形態では、サンプルを超分子構造体と接触させることは、サンプルを超分子構造体とインキュベートすることを含む。いくつかの実施形態では、サンプル及び超分子構造体は、所定の環境条件によってインキュベーター内でインキュベートされる。いくつかの実施形態では、サンプルは、約30秒から約24時間までの期間に超分子構造体とインキュベートされる。いくつかの実施形態では、サンプルは、約30秒~約1分、約1分~約5分、約5分~約30分、約30分~約1hr、約1hr~約5時間、約5時間~約12時間、約12時間~約24時間、約24時間~約48時間の期間に超分子構造体とインキュベートされる。
【0117】
図16を引き続き参照すると、いくつかの実施形態では、超分子構造体は全て不安定状態にある(例示的なハイドロゲルビーズ120によって示されるように)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、分析物分子と、対応する捕獲分子2及び検出器分子1との間の相互作用は、それぞれの超分子構造体を不安定状態から安定状態に移行させる(例えば、参照符号204で示されるような、捕獲分子、分析物分子、及び検出器分子によるサンドイッチ形成)。いくつかの実施形態では、特定のタイプの分析物分子は、特定の対の捕獲分子及び検出器分子と結合する。いくつかの実施形態では、所与の対の捕獲分子及び検出器分子は、1つより多いタイプの分析物分子と結合するように構成される。いくつかの実施形態では、任意の所与の超分子構造体の不安定状態から安定状態への切り替えは、それに結合した特異的な捕獲分子及び検出器分子ならびにサンプル中の分析物分子に依存している。いくつかの実施形態では、超分子構造体の状態変化が主に分子間相互作用(超分子ナノ構造体)に依存している場合、2つの異なる超分子構造体間の潜在的な分子間相互作用は、ハイドロゲルビーズ内に包埋した、または固体基板に付着した超分子構造体(本明細書に記載のような)の正味濃度を制限することにより最小になる、または脱離することで、任意の2つの超分子構造体間の平均距離は、所与の超分子構造体上の1対の捕獲分子及び検出器分子の間の最大分子間距離よりも大きくなる。
【0118】
いくつかの実施形態では、サンプルに接触した後、少なくとも1つの超分子構造体が安定状態(例えば、捕獲分子、分析物分子及び検出器分子が同時に結合しているサンドイッチ形成)に移行し、少なくとも1つの超分子構造体は、それぞれの捕獲分子及び検出器分子がサンプルからの分析物分子と結合または相互作用しなかったため、不安定状態のままである。
【0119】
図16を引き続き参照すると、サンプルを所定の時間超分子構造体と接触させた後、サンプルと超分子構造体との結合溶液はトリガを受けることで、それぞれの超分子構造体の検出器分子とコア構造体との間の結合が開裂する。いくつかの実施形態では、トリガは1つ以上のデコンストラクタ分子(例えば、検出器デコンストラクタ分子、図4、7の参照符号28)を含む溶液を、結合溶液に導入することを含む。いくつかの実施形態では、トリガは、結合溶液がトリガ信号を受けることを含む。いくつかの実施形態では、トリガは、結合溶液中にデコンストラクタ分子を導入することと、結合溶液がトリガ信号を受けることとの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、デコンストラクタ分子は、核酸(DNAもしくはRNA)、ペプチド、有機小分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、トリガ信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外照明、可視照明、または近赤外照明を含む。いくつかの実施形態では、結合溶液は、所定の時間トリガを受ける。いくつかの実施形態では、結合溶液は、1つ以上のデコンストラクタ分子と所定の時間インキュベートされる。いくつかの実施形態では、結合溶液は、デコンストラクタ分子と、約30秒から約24時間までの期間にインキュベートされる。いくつかの実施形態では、結合溶液は、約30秒~約1分、約1分~約5分、約5分~約30分、約30分~約1hr、約1hr~約5時間、約5時間~約12時間、約12時間~約24時間、約24時間~約48時間の期間にデコンストラクタ分子とインキュベートされる。
【0120】
図16の参照符号206に示されるように、いくつかの実施形態では、結合溶液がトリガを受けることによって、検出器バーコード(例えば、図1の参照符号21)とコア構造体13との間の結合などによって、検出器分子とそれぞれのコア構造体との間の結合が開裂する。いくつかの実施形態では、開裂は、核酸(DNA/RNA)鎖置換、光学的開裂、化学的開裂、当該技術分野で既知の別の技術、またはそれらの組み合わせによって達成される。安定状態に移った超分子構造体の場合、検出器分子1は、対応する捕獲分子2との結合を介してコア構造体13に結合したままであるように示されている。不安定状態のままであった超分子構造体の場合、検出器分子は、それぞれのコア構造体から解離する(212)ように示されている。いくつかの実施形態では、参照符号206によって示されるように、解離した検出器分子は、ハイドロゲルビーズ(または固体基板)から分離する。いくつかの実施形態では、解離した検出器分子2は、それぞれの検出器バーコード21に結合したままである。
【0121】
いくつかの実施形態では、解離した検出器分子及び対応する検出器バーコードは、結合溶液からさらに分離する。いくつかの実施形態では、解離した検出器分子は、ポリエチレングリコール(PEG)沈殿により、結合溶液から分離する。いくつかの実施形態では、結合溶液中のコア構造体をマイクロビーズ、固体担体及び/または磁性ビーズに、それぞれのコア構造体上の対応するアンカー分子を介して結合させた後、遠心分離、ミクロン濾過、クロマトグラフィーまたはそれらの組み合わせによって解離した検出器分子を分離させることにより、解離した検出器分子が結合溶液から分離する。
【0122】
いくつかの実施形態では、解離した検出器分子が結合溶液から分離した後、それぞれの捕獲分子に(例えば、安定状態に移行した超分子構造体上に位置しているように)結合している、対応する検出器分子から検出器バーコード21が開裂する。いくつかの実施形態では、検出器バーコードは、核酸(DNA/RNA)鎖置換、光学的開裂、化学的開裂、またはそれらの組み合わせによって、対応する検出器分子から開裂する。いくつかの実施形態では、検出器バーコードは、トリガを受けることによって、対応する検出器分子から開裂する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、トリガはデコンストラクタ分子、トリガ信号、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、デコンストラクタ分子は、検出器バーコード放出分子(例えば、図4及び図7の参照符号29)を含む。
【0123】
図16に参照符号207によって示されるように、いくつかの実施形態では、開裂した検出器バーコード21は、対応するハイドロゲルビーズまたは固体基板から分離する。いくつかの実施形態では、開裂した検出器バーコード21は、超分子構造体を含む溶液から単離する(図16の参照符号208)。いくつかの実施形態では、開裂した検出器バーコード21は、ポリエチレングリコール(PEG)沈殿により溶液から単離する。いくつかの実施形態では、溶液中のコア構造体をマイクロビーズ、固体担体及び/または磁性ビーズに、それぞれのコア構造体上の対応するアンカー分子を介して結合させた後、遠心分離、ミクロン濾過、クロマトグラフィーまたはそれらの組み合わせによって開裂した検出器バーコード21を単離させることにより、開裂した検出器バーコード21を溶液から単離させる。
【0124】
いくつかの実施形態では、開裂した検出器バーコード21は、それぞれの検出器分子に結合した分析物分子に相関する信号を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、検出器バーコードはDNA鎖を含む。いくつかの実施形態では、検出器バーコードは、分析物分子に相関するDNA信号を提供する。いくつかの実施形態では、図16の参照符号210に示されるように、単離した検出器バーコード21を分析して、サンプル中の対応する分析物を同定する。いくつかの実施形態では、単離した検出器バーコード21を分析して、サンプル中の対応する分析物分子を同定する、及び/または定量化する。いくつかの実施形態では、単離した検出器バーコードの分析は、遺伝子型同定、qPCR、配列決定、またはそれらの組み合わせを含む。
【0125】
単一細胞内での分析物分子の検出
図17図20は、単一細胞内に位置する分析物分子を検出するための例示的な方法を提供する。いくつかの実施形態では、ハイドロゲルビーズへの超分子構造体の付着、または固体基板(例えば、マイクロビーズ)上への超分子構造体の付着により、細胞間分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)の検出及び細胞間分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)の定量化が単一細胞解像度で可能になる。いくつかの実施形態では、細胞間分析物分子は、それぞれの細胞の外側には存在しない場合がある。いくつかの実施形態では、単一細胞解像度での細胞間分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)の検出及び細胞間分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)の定量化は、単一細胞プロテオミクスアッセイを含む。図17図20は、分析物分子を検出するための例示的な方法を提供し、超分子構造体は、ハイドロゲルビーズ内に包埋するように設けられる。いくつかの実施形態では、図17図20に示された方法は、代替に、固体基板(例えば、マイクロビーズ)に付着した超分子構造体を設けることを含む。
【0126】
図17は、マイクロ流体液滴形成チップを使用して、1つ以上の超分子構造体が付着しているハイドロゲルビーズと単一細胞を捕捉する(302)ことを含む例示的な第一ステップを提供し、形成された各液滴304は、単一細胞及びハイドロゲルビーズを封入する。いくつかの実施形態では、各液滴304は、1つ以上の単一細胞及び1つ以上のハイドロゲルビーズを封入する。いくつかの実施形態では、超分子構造体は、本明細書に記載されている方法(例えば、図13図14)を使用して、ハイドロゲルビーズに付着している(例えば、ハイドロゲルビーズ内に包埋している)。いくつかの実施形態では、1つ以上の超分子構造体は、特異的な細胞間分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)と相互作用するように構成される。いくつかの実施形態では、他の方法及び/またはマイクロ流体チップの設計を使用して、1つ以上のハイドロゲルビーズと単一細胞の捕捉を達成する。
【0127】
図18は、捕捉した単一細胞及びハイドロゲルビーズを含有する液滴304を、結合溶液中で収集し、液滴304を処理するための例示的な実施形態を提供する。いくつかの実施形態では、細胞間分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)は、各細胞から、同じ液滴304内のハイドロゲルビーズ上またはその周囲に移動する。いくつかの実施形態では、細胞間分析物分子を移動させることは、液滴内に捕捉されている細胞を溶解させることを含む(図18の参照符号306、ステップ1)。いくつかの実施形態では、溶解は、機械的処理または溶解バッファーの導入を含む。結合溶液に示されるように、いくつかの実施形態では、ハイドロゲルビーズに対応する全ての超分子構造体は不安定状態にある。いくつかの実施形態では、ライセートの内容物(例えば、分析物分子44)は、その後、液滴内でハイドロゲルビーズと相互作用する(308)(ステップ2)ことが可能になることによって、特異的な細胞間分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)は、ハイドロゲルビーズと付着した随伴超分子構造体(例えば、捕獲分子2及び検出器分子1)によって捕獲されることが可能になる。いくつかの実施形態では、ライセートの内容物(例えば、分析物分子)は、約30秒~約24時間の期間にハイドロゲルビーズと相互作用することが可能になる。いくつかの実施形態では、ライセートの内容物(例えば、分析物分子)は、約30秒~約1分、約1分~約5分、約5分~約30分、約30分~約1hr、約1hr~約5時間、約5時間~約12時間、約12時間~約24時間、約24時間~約48時間の期間にハイドロゲルビーズと相互作用することが可能になる。
【0128】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、分析物分子と、対応する捕獲分子2及び検出器分子1との間の相互作用は、それぞれの超分子構造体を不安定状態から安定状態に移行させる(参照符号309で示されるような)。いくつかの実施形態では、特定のタイプの分析物分子は、特定の対の捕獲分子及び検出器分子と結合する(例えば、捕獲分子、分析物分子、及び検出器分子によるサンドイッチ形成)。いくつかの実施形態では、所与の対の捕獲分子及び検出器分子は、1つより多いタイプの分析物分子と結合するように構成される。いくつかの実施形態では、任意の所与の超分子構造体の不安定状態から安定状態への切り替えは、それに結合した特異的な捕獲分子及び検出器分子ならびに細胞中の分析物分子に依存している。
【0129】
所定の時間ライセートの内容物がハイドロゲルと相互作用することが可能になった後、いくつかの実施形態では、液滴を引き続き切断してから、ハイドロゲルビーズを洗浄する。いくつかの実施形態では、ハイドロゲルビーズは、それぞれの超分子構造体の検出器分子とコア構造体との間の結合を開裂するためのトリガを受ける。いくつかの実施形態では、トリガは1つ以上のデコンストラクタ分子(例えば、図4、7からの検出器デコンストラクタ分子28)を含む溶液を、ハイドロゲルビーズを含む結合溶液に導入することを含む(参照符号310)。いくつかの実施形態では、トリガは、結合溶液がトリガ信号を受けることを含む。いくつかの実施形態では、トリガは、結合溶液がデコンストラクタ分子及びトリガ信号を受けることを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、デコンストラクタ分子は、核酸(DNAもしくはRNA)、ペプチド、有機小分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、トリガ信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外照明、可視照明、または近赤外照明を含む。いくつかの実施形態では、ハイドロゲルビーズは、所定の時間トリガを受ける。いくつかの実施形態では、ハイドロゲルビーズは、約30秒から約24時間までトリガを受ける。いくつかの実施形態では、ハイドロゲルビーズは、約30秒~約1分、約1分~約5分、約5分~約30分、約30分~約1hr、約1hr~約5時間、約5時間~約12時間、約12時間~約24時間、約24時間~約48時間までトリガを受ける。
【0130】
いくつかの実施形態では、トリガ(例えば、図4図7からの検出器デコンストラクタ分子28)は、対応する捕獲分子に結合していない(すなわち、捕獲分子、検出器分子、及び分析物分子を含むサンドイッチ形成に関与していない)ハイドロゲルビーズから全ての検出器分子を放出する。
【0131】
いくつかの実施形態では、ハイドロゲルビーズが所定の時間トリガを受けた後、ハイドロゲルビーズを1回以上洗浄して、弱く結合した任意の分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)またはそれぞれの超分子構造体から解離した任意の検出器分子を除去する(参照符号312、ステップ4)。いくつかの実施形態では、所定の回数の洗浄後、各ハイドロゲルビーズは、単一細胞から特異的に捕獲した分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)を含む。
【0132】
図19図20は、図18に示された方法から得られたハイドロゲルビーズの各含量を分析するための方法の例示的な描写を提供する。いくつかの実施形態では、ハイドロゲルビーズの各含量を独立して分析し、各ハイドロゲルビーズを個々にバーコードにする。図19はマイクロ流体液滴形成システムの例示的な図解を提供し、このマイクロ流体液滴形成システムは、1)単一ハイドロゲルビーズであって、それ自体の内部に単一細胞からの1つ以上の分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)を運搬する、単一ハイドロゲルビーズを、2)一意のバーコードビーズ318に、封入する(314)液滴316を形成するように設計される。いくつかの実施形態では、各バーコードビーズは一意の核酸鎖320を含み、この一意の核酸鎖は、20から60塩基の間の長さであり、開裂可能なリンカー322を介してビーズに接合する。いくつかの実施形態では、バーコードビーズ上の開裂可能なリンカーは、電磁信号(光)または化学信号を使用して切断される。
【0133】
図20は、各ハイドロゲルビーズ上に一意のバーコードを移動させるための方法の例示的な図解を提供し、これら両方は、単一液滴316内に存在する(参照符号324、ステップ1)。いくつかの実施形態では、バーコード320は、バーコードビーズ318から開裂することで、それぞれの液滴316内のハイドロゲルビーズと相互作用することが可能になる。本明細書に記載されるように、バーコード320は、電磁信号(例えば、光、UV光、DTT)または化学信号を受けることによって、バーコードビーズ318から開裂する。いくつかの実施形態では、バーコード320をバーコードビーズから開裂させると、バーコード320は、それぞれの液滴316内の超分子構造体上の検出器バーコード21に結合する(参照符号326、ステップ2)。いくつかの実施形態では、液滴はその後破壊される。いくつかの実施形態では、検出器バーコードと結合しなかったバーコード鎖320が分離する(参照符号328)。いくつかの実施形態では、ハイドロゲルビーズを洗浄して、溶液からあらゆる残りのバーコード鎖を除去する(参照符号320)。いくつかの実施形態では、バーコードになった検出器バーコード332は、検出器分子から分離し、さらに分析される。いくつかの実施形態では、バーコードになった検出器バーコード332は、核酸(DNA/RNA)鎖置換、光学的開裂、化学的開裂、またはそれらの組み合わせによって、対応する検出器分子から開裂する。いくつかの実施形態では、検出器バーコードは、トリガを受けることによって、対応する検出器分子から開裂する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、トリガはデコンストラクタ分子、トリガ信号、またはそれらの組み合わせを含む。
【0134】
いくつかの実施形態では、分離したそれぞれのバーコードになった検出器バーコード332は、一意の細胞を同定する一意のバーコード320を有する第一セクション320、及び分析物分子(例えば、タンパク質または抗原)のアイデンティティを提供する第二セクション21という2つのセクションを有する。いくつかの実施形態では、まとめると、バーコードになった検出器バーコード332の分析は、単一細胞解像度で細胞間分析物分子(例えば、タンパク質、抗原)の濃度の特性を明らかにすることを可能にする。いくつかの実施形態では、バーコードになった検出器バーコード332を分析して、サンプル中の対応する分析物分子を同定する、及び/または定量化する。いくつかの実施形態では、バーコードになった検出器バーコード332の分析は、遺伝子型同定、qPCR、配列決定、またはそれらの組み合わせを含む。
【0135】
表面アッセイを用いた分析物分子の検出
図21は、本明細書に記載されるような超分子構造体を使用して、サンプル中の分析物の単一分子をカウントする(すなわち、単一分子解像度でサンプル中の分析物分子を検出する)、表面に基づいたアッセイを使用して、サンプル中の分析物分子を検出するための方法の例示的な図解を提供する。いくつかの実施形態では、超分子構造体は、DNAオリガミコアを含有するコア構造体を含む。いくつかの実施形態では、完全に平面である、部分的に平面である(例えば、平面である局在的な表面特徴もしくは素子を有する)、完全に湾曲している(例えば、チューブもしくは円柱である)、または部分的に湾曲している(例えば、平面である局在的な表面特徴もしくは素子を有する)1つまたは複数の表面を有することを含む、種々の構成のものであってよい基板400が設けられる。特定の実施形態が活性領域に対応する基板表面にわたって均一なまたは一貫した化学環境を提供し得るが、他の実施形態では、局在的な異なる化学環境は、ランダムな配置か規則的な配置(例えば、異なる化学的なパターニングまたはエッチング、異なる化学的なパターニングまたは環境に対応する局在的な表面及び/または化学的特徴など)かいずれで基板の表面上に設けられてもよい。異なる化学的なパターニング、コーティング、または環境に関連し得る局在的な表面特徴の例には、トレンチ、プラットフォーム、ペデスタル、ウェルなどが含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、基板400は、(a)基板400上のすべての特徴の基準座標として機能するフィデューシャルマーカー402、(b)個々のコア構造体(例えば、DNAオリガミ)が固定化され得る規定の1セットのマイクロパターン形成結合部位406、(c)基板400の表面と超分子構造体(捕獲分子及び検出器分子、コア構造体分子を含む)との間の相互作用を最小にする、または阻止するバックグラウンド不動態化404を含み得る。いくつかの実施形態では、フィデューシャルマーカーは、基板上の他の特徴の基準特徴として使用される、表面上に画定された幾何学的特徴を含む。いくつかの実施形態では、フィデューシャルマーカー402は、コア構造体または超分子構造体の他の分子(例えば、DNAオリガミ)と相互作用しないポリマーまたは自己組織化単分子膜でコーティングされる。いくつかの実施形態では、バックグラウンド不動態化404は、基板400の表面とサンプルの分析物分子との間の相互作用を最小にする、または阻止する。いくつかの実施形態では、基板400は、結合部位406の形成前に画定される、FET、リング共振器、フォトニック結晶または微小電極のような光学デバイスまたは電気デバイスを含む。いくつかの実施形態では、結合部位406は基板400上にマイクロパターン形成している。いくつかの実施形態では、表面上の結合部位406は周期的パターンである。いくつかの実施形態では、表面上の結合部位406は非周期的パターン(例えば、ランダム)である。いくつかの実施形態では、最小距離は、任意の2つの結合部位406の間に特定される。いくつかの実施形態では、任意の2つの結合部位406間の最小距離は、少なくとも約200nmである。いくつかの実施形態では、任意の2つの結合部位406間の最小距離は、少なくとも約40nmから約5000nmである。基板の考慮事項に基づいて、他の実施態様では、任意の2つの結合部位406間の最小距離は、少なくとも約5μmから約100μmの範囲内であってもよい。いくつかの実施形態では、結合部位406の幾何学的形状は、円形、正方形、三角形または他の多角形の形状を含む。いくつかの実施形態では、不動態化404に使用される化学基は、トリメチルシリル(TMS)のような中性荷電分子、PEGのような非荷電ポリマー、双性イオンポリマー、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、結合部位406を画定するために使用される化学基は、シラノール基、カルボキシル基、チオール、他の基、またはそれらの組み合わせを含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、単一超分子構造体40は、それぞれの結合部位406に付着している(ステップ1)。参照符号416は、個々に、そして基板上に会合して配置された、超分子構造体40のコンポーネントの描写を提供する(コンポーネントは本明細書の、例えば、図1図2図3図5図6で説明される)。いくつかの実施形態では、超分子構造体40は、DNAオリガミを含有するコア構造体13を含み、超分子構造体40は、DNAオリガミ配置技術を使用して各結合部位上に付着している(ステップ1)。いくつかの実施形態では、超分子構造体40は、それぞれの結合部位406に付着する前に会合する。いくつかの実施形態では、DNAオリガミは、DNAオリガミ配置技術を用いて結合部位への結合を容易にするために一意の形状及び寸法を有する。いくつかの実施形態では、DNAオリガミ配置には、個々のDNAオリガミ(例えば、コア構造体)を表面(例えば、マイクロパターン形成した表面)上に組織化するための指向性自己組織化技術が含まれる。いくつかの実施形態では、DNAオリガミ配置の代替に、超分子ナノ構造体40の反応性基は、結合部位上で予め組織化されたDNAオリガミに結合している。いくつかの実施形態では、超分子ナノ構造体を対応する結合部位に結合するためのこれらの方法の両方は、DNAオリガミ配置技術を使用してマイクロパターン形成した結合部位上に1つ以上の分子を組織化する能力に依存する。いくつかの実施形態では、基板は、このステップ後、かなりの期間、クリーンな環境に保管されることができる。
【0137】
図21を引き続き参照すると、いくつかの実施形態では、分析物分子を含む(本明細書に記載の)サンプルを基板と接触させる(ステップ2)。いくつかの実施形態では、サンプルは、フローセルを使用して基板と接触している。いくつかの実施形態では、サンプルは、結合部位406に付着した超分子構造体を備えた基板上でインキュベートされる。いくつかの実施形態では、インキュベーション期間は、約1秒以下から約48時間までであり得る。例として、例示的であるが非限定的な例のインキュベーション期間の範囲を提供するために、いくつかの実施形態では、インキュベーション期間は、約1秒(またはそれ未満)~約1分、約1秒(またはそれ未満)~30秒、約30秒~約1分、約1分~約5分、約5分~約30分、約30分~約1hr、約1hr~約5時間、約5時間~約12時間、約12時間~約24時間、約24時間~約48時間であり得る。さらに、採用された感知または読み出し機構に応じて、応答時間(これらのような状況でのインキュベーション期間に対応し得る)は、リアルタイム(例えば、1秒未満)であり得る。例えば、電界効果トランジスタまたは他の電気的な読み出し感知機構の使用により、応答をリアルタイムで測定することが可能になってもよい。
【0138】
いくつかの実施形態では、分析物分子44は、サンプル中では、表面400上の超分子構造体40と相互作用する。いくつかの実施形態では、特異的な分析物分子44の単一コピーは捕獲分子及び検出器分子の両方と同時に結合することで、特定の超分子構造体は不安定状態から安定状態418に切り替わる(本明細書に、例えば、図8図10に記載されるように)。いくつかの実施形態では、特定の分析物の単一コピーは、既に互いに結合している捕獲分子及び検出器分子と同時に相互作用して、超分子構造体を安定状態から不安定状態に切り替えてもよい(本明細書に、例えば、図11に記載されているように)。
【0139】
引き続き図21を参照すると、いくつかの実施形態では、その後、基板はトリガを受ける。いくつかの実施形態では、トリガはデコンストラクタ分子(例えば、図7の検出器デコンストラクタ分子28)を含む。いくつかの実施形態では、トリガはトリガ信号を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、デコンストラクタ分子(例えば、検出器デコンストラクタ分子28)は、核酸(DNAもしくはRNA)、ペプチド、有機小分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、トリガ信号は、電気信号、マイクロ波信号、紫外照明、可視照明、または近赤外照明を含む。いくつかの実施形態では、デコンストラクタ分子は、基板に付着した超分子構造体と会合すると、この超分子構造体と相互作用することが可能になる。いくつかの実施形態では、デコンストラクタ分子は、基板を含むフローセルに導入される。いくつかの実施形態では、デコンストラクタ分子は、約30秒から約24時間まで超分子構造体とインキュベートされる(ステップ3)。いくつかの実施形態では、インキュベーション期間は、約30秒~約1分、約1分~約5分、約5分~約30分、約30分~約1hr、約1hr~約5時間、約5時間~約12時間、約12時間~約24時間、約24時間~約48時間までであり得る。
【0140】
いくつかの実施形態では、デコンストラクタ分子との相互作用により、不安定状態中のすべての超分子構造体の検出器分子及び検出器バーコードが開裂するため、これらの検出器分子及び検出器バーコードは基板400から物理的に開裂する。いくつかの実施形態では、物理的に開裂した検出器分子及び検出器バーコードは、インキュベーションステップの最後に1つ以上のバッファーによる洗浄中に除去される。単一分析物分子の捕獲により、基板上の超分子構造体が安定状態に移行した、いくつかの実施形態では、それでも、対応する検出器分子及び検出器バーコードが超分子構造体420に結合していることによって、分析物介在性サンドイッチ(すなわち、捕獲分子、分析物分子、及び検出器分子間の結合)が対応する検出器分子と捕獲分子との間に形成されるため、基板に安定に結合する。
【0141】
図21を引き続き参照すると、いくつかの実施形態では、検出器バーコードは、安定状態に移行した超分子構造体の位置にあると、信号伝達素子414のための結合部位422として使用される(ステップ4)。いくつかの実施形態では、信号伝達素子は、蛍光分子またはマイクロビーズ、蛍光ポリマー、高荷電ナノ粒子またはポリマーを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の信号伝達素子は、構造体上の超分子構造体と相互作用することが可能になる。いくつかの実施形態では、信号伝達素子は、基板を含むフローセルに導入される。いくつかの実施形態では、検出器バーコードは、ローリングサークル増幅もしくはハイブリダイゼーション連鎖反応、架橋増幅、または排除増幅に基づいたアプローチなどのプロセスでは、高蛍光ポリマーを成長させるための重合開始剤として使用される。
【0142】
いくつかの実施形態では、ステップ4に記載されるように信号伝達素子414を導入すると、個々の分析物捕獲事象(すなわち、捕獲分子、検出器分子、及び分析物分子間の結合)すべてにより、それぞれの分析物(捕獲分子及び検出器分子と結合したもの)の位置に信号伝達素子が存在する表面が得られる。いくつかの実施形態では、信号伝達素子は、光学活性であり、基板400内で顕微鏡または集積型光センサを使用して測定されることができる。いくつかの実施形態では、信号伝達素子は、電気活性であり、集積型電気センサを使用して測定され得る。いくつかの実施形態では、信号伝達素子は、磁気活性であり、集積型磁気センサを使用して測定され得る。いくつかの実施形態では、各信号事象は、対応する検出器分子及び捕獲分子によって決定される同じタイプの分析物分子(同じタイプの分析物分子の単一コピー)の捕獲に関連しているため、信号伝達素子が存在する位置の数をカウントすることにより、サンプル中の分析物分子の濃度が定量化される。
【0143】
いくつかの実施形態では、図21に記載された分析物の検出方法は、コア構造体のそれぞれのアンカー部分を通じて基板の表面上で既に組織化されたDNAオリガミにコア構造体が結合している超分子コアを使用する。
【0144】
いくつかの実施形態では、図21に記載された分析物の検出方法は、単一タイプの分析物分子の検出を可能にする。いくつかの実施形態では、図21に記載される分析物の検出方法は、複数のタイプの分析物分子の検出(多重化した分析物分子の検出)を可能にする。いくつかの実施形態では、各超分子構造体は、この超分子構造体に会合するそれぞれの捕獲分子及び検出器分子を一意に同定するようにバーコードになることによって、捕獲したそれぞれの分析物分子がバーコード(複数可)に基づいて同定されることが可能になる。いくつかの実施形態では、各超分子構造体は、それぞれのアンカー分子を使用してバーコードになる。本明細書で説明されるように、捕獲分子及び検出器分子は、探索中の分析物に親和性を有する抗体、ナノボディ、アプタマー、Somamer、オリゴヌクレオチド、または小分子であってよい。
【0145】
マイクロ流体構造体を使用した分析物分子の検出-例示的な実施態様
表面アッセイを使用する分析物検出に関する前述の議論を念頭に置いて、超分子構造体40の付着用の基板としてマイクロ流体デバイス500の使用に関するさらなる例を提供する。これらの例では、ランダムな配置か、超分子構造体40を結合するために化学的に適応している規則正しい位置またはパターン形成した位置かいずれかで、本明細書に記載された超分子構造体40が結合し得る基板を含むマイクロ流体デバイス500が設けられ得る。実際には、本明細書で使用されるマイクロ流体デバイス500が流体(例えば、流体試料)を流すことができる流入口及び流出口レーンを含むことが理解され得る。図22及び図23を参照すると、このようなデバイスは、頂部基板504及び底部基板506(流路の上限及び下限を画定する)によって形成され得、インターポーザ508は、頂部基板504及び底部基板506を離隔し、側壁部、ならびにマイクロ流体通路502及びサンプルチャンバの幾何学的形状を画定し得る。
【0146】
本明細書で説明されるように、流体試料を上に流し得るマイクロ流体デバイス500の基板表面は、設けられると、関心対象の分子(例えば、DNA、RNA、タンパク質、ペプチド、代謝物、または任意の生体関連分子)に結合することができる、超分子構造体40、またはそのような超分子構造体40から開裂した親和性結合剤(例えば、抗体、アプタマー、ナノボディなど)の付着表面として使用される。本明細書で説明されるように、関心対象の分子(例えば、分析物44)に対する超分子構造体40の結合機構は、特異性によって関心対象の分子に付着して捕獲するために、関心対象の特定の分子(例えば、タンパク質)に対して特異的であり得る。最も単純なシナリオでは、所与のマイクロ流体構造体500は(関心対象の単一分子に対応する)シングルプローブタイプを含むように構成され得る。その他の結合では、所与のマイクロ流体構造体500は、代替に、それぞれが関心対象の異なる分子に対応する、数十個、数百個、数千個、数百万個または数十億個のプローブタイプを含むように構成されることができる。
【0147】
図24を参照すると、本例による、マイクロ流体サンプルチャンバまたは通路の二次元(2D)のサンプル対向面520が示されている。そのような1つの実施態様では、サンプル対向面520は、1つ以上のユニバーサルアダプターまたは付着機構を含むハイドロゲルまたは他の適切なコーティング522でコーティングされる。例として、表面520は、本明細書に記載されるように、アンカー分子18に付着を形成することができる、対応する(例えば、相補的またはその他方法で化学的にハイブリッド形成する)付着分子526が播種されてもよく、またはその付着分子を化学的に付着させてもよい。理解され得るように、付着分子526は、表面520上でランダムに分布してもよく(これにより、超分子構造体40がランダム化方法もしくは無指向性方法で表面520に付着する)、または規則正しい方法もしくはパターン形成した方法で分布してもよい(これにより、超分子構造体40が表面520に規則正しい方法もしくはその他の拘束方法で付着する)。例示的かつ非限定的な例として、付着分子526は、超分子構造体44のアンカー分子18の一部に相補的なオリゴヌクレオチドなど、適切なオリゴマー、ビオチン、ストレプトアビジンなどであり得ることにより、付着分子526と相補的なアンカー分子18との間の相互作用は、超分子構造体40を表面520に結合する。より一般的には、アンカー分子18は、反応性分子を含み得るため、付着分子526は、対応して、アンカー分子18が反応する分子を含み得る。いくつかの実施形態では、アンカー分子18は、付着分子526としての相補的な核酸鎖と相互作用(例えば、ハイブリッド形成)することができるDNA鎖を含む。さらなる実施形態では、アンカー分子18は、アミン、チオール、DBCO、NHSエステル、マレイミド、ビオチン、アジド、アクリダイト、特異的な配列の一本鎖核酸(例えば、RNAもしくはDNA)、またはポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)もしくは1つ以上の重合開始剤)を含み、これらによって、付着分子526は、結合すること、またはその他の方法で付着を形成することができる。追加の実施形態では、アンカー分子18は、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNA及びDNA)、ナノボディ、ダルピン、触媒、重合開始剤、PEG様のポリマー、有機分子、またはそれらの組み合わせを含み、これらのいずれかまたはすべてと、付着分子526は結合できてもよく、またはその他の方法で付着を形成できてもよい。
【0148】
実際には、表面520上の生存可能な付着分子の密度を制御するように、付着分子526の濃度、絶対数、及び/または配置を制御してもよく、または調整してもよい。このようにして、特定された数の超分子構造体40は、最適またはその他の所望の密度で表面520に結合し得る。以下でより詳細に述べられるように、特定の実施態様では、これは、さらなる有用性のために、表面520上の精密な、または標的にした配置と組み合わされてもよい。
【0149】
図示の例では、サンプル対向面520は、1つ以上の追加のタイプのユニバーサルアダプター構造体530を構成してもよく、またはその他の方法で含んでもよく、本明細書で使用される場合、捕獲及び増幅操作(例えば、ILLUMINA(登録商標)アダプター、THERMO FISHER(登録商標)アダプターなど)を容易にするプライマーを含む(ただしこれらに限定されない)ことが理解され得る。これらのようなアダプター構造体530は、操作中、超分子構造体40と、例えば超分子構造体40に結合した分析物と、相互作用し得る。例として、アダプター構造体530A及び530Bは、個々の分析物捕獲事象(すなわち、捕獲分子2、検出器分子1、及び分析物分子44間の結合)に応答して重合を開始することができる1つ以上のタイプの増幅試薬(例えば、プライマーなどの重合開始剤)の形態を取り得る。増幅試薬と分析物結合事象との間の相互作用に応答した重合の結果、信号伝達素子414がそれぞれの分析物の近くに結合し得る(例えば、捕獲分子及び検出器分子と結合し得る)。
【0150】
いくつかの実施形態では、信号伝達素子414は、光学活性(例えば、蛍光)であり得、基板の外部または一部として設けられた顕微鏡または光センサを使用して、測定される、及び/または局在化することができる。他の実施形態では、信号伝達素子は、電気活性であり、基板の一部または外部として設けられた電気センサを使用して、測定されてもよく、及び/または局在化してもよい。さらなる実施形態では、信号伝達素子は、磁気活性であり、基板の一部または外部として設けられた磁気センサを使用して、測定されてもよく、及び/または局在化してもよい。特定の実施態様では、各信号事象は、対応する検出器分子及び捕獲分子によって決定される同じタイプの分析物分子(同じタイプの分析物分子の単一コピー)の捕獲に関連しているため、信号伝達素子が存在する位置の数をカウントすることにより、サンプル中の分析物分子が定量化される。
【0151】
以下の例に関して理解され得るように、そして全体を通して論じられるように、特定の実施態様では、超分子構造体40を親和性結合剤(例えば、検出器分子1及び捕獲分子2)によって官能化することができ、親和性結合剤は、本明細書で論じられる抗体、アプタマー、ナノボディ、または他の適切な親和性結合剤として実装され得る。それに対応して、本明細書で説明されるように、それぞれの親和性結合剤と会合した各超分子構造体40上に1つまたは2つの一意の識別子が存在し得る。例えば、1つの一意の識別子は、使用される場合、両方の抗体に対して(抗体に基づいた実施態様または実施例では)同じバーコード配列であってもよく、2つの抗体は同じであってもよく、または異なってもよい。単一親和性結合剤(例えば、捕獲分子2または検出器分子1のみ)を用いる実施態様では、1つの一意の識別子のみが存在する。3つ以上の親和性結合剤(例えば、追加の捕獲分子または検出器分子)が存在する例では、1つ、2つ、3つ以上の一意の識別子が存在してもよく、または特異的な超分子構造体もしくは超分子構造体の組み合わせに親和性結合剤のセットを規定するために使用される単一識別子であってもよい。
【0152】
本明細書で使用されるように、そして全体を通して論じられるように、一意の識別子(例えば、図1の捕獲架橋体7または検出架橋体8)は、オリゴマー(例えば、オリゴヌクレオチド)、ポリマーであってもよく、または互いにコンジュゲートしている一意のオリゴマーの複合体の組み合わせであってもよい。例として、オリゴマーの組み合わせから構成され得る1つの可能な複合体の一意の識別子は、DNA配列決定によって支援される増幅スキームに統合される準備ができている識別子である。
【0153】
そのような例では、複合体セットは、親和性結合剤(例えば、捕獲分子2または検出器分子1)の識別子に会合する一意のDNA配列(例えば、バーコード540)であってもよい。この一意のDNA配列は、図25に示されるように、基板の表面520上のハイドロゲルマトリックスにグラフトされるプライマーに相補的なプライマー542A、542B(例えば、P5及びP7、したがってP5’及びP7’)と隣接し得る(例えば、プライマーにコンジュゲートし得る)。そのような一例では、基板の表面520上に存在するアダプター構造体530A及び530Bは、プライマー542A、542B(例えば、相補的プライマー)に相補的であってもよい。したがって、本明細書で使用されるように、プライマー542及びバーコード配列540のコンジュゲート系列544は、親和性結合剤(例えば、捕獲分子2または検出器分子1)にコンジュゲートし得、本明細書に記載される超分子構造体40と統合され得る一意の識別子(例えば、図1の捕獲架橋体7または検出器架橋体8)を含む。
【0154】
図25の前述の構造体を考慮して、アッセイが行われ、関心対象の分析物が親和性結合剤によって捕獲される場合、親和性結合剤のうちの1つと、会合する一意の識別子との結合を超分子構造体40から切断する後続の開裂(例えば、脱構築)ステップを行うことができる。このようにして、1つのプライマー(例えば、プライマー542A)は、超分子構造体40に一方の側の上で付着したままであり、もう1つのプライマー(例えば、プライマー542B)は、溶液中で付着していない(すなわち、遊離している)。
【0155】
これにより、様々な考え得る選択肢が可能になる。例として、1つの可能な選択肢によれば、非付着(すなわち、遊離)プライマー452Bは、基板の表面520上へのハイブリッド形成を介して相補的プライマー530Bによって捕獲されることができる。次いでこれは、表面520へのプライマー542Bのハイブリッド形成を介した表面520への超分子構造体40の第二付着点(例えば、結合)である(第一付着点はアンカー分子118と、超分子構造体40を最初に表面520に結合させた付着分子526とを介する)。
【0156】
この第二ハイブリッド形成の結合後、他のプライマー542Aと超分子構造体40との間のリンカーが開裂することができ、プライマー542B及び相補的アダプター530Bによって形成された結合を介して、コンジュゲート系列544(バーコード配列540の形態のライブラリー素子を含む)が表面520に結合する。その後、このライブラリー素子を直接読み出してもよく、または増幅して(例えば架橋増幅によって)クラスターを形成し、そのクラスターを配列決定によって読み出してもよい。
【0157】
あるいは、別個の選択肢は、プライマー542Aから超分子構造体40の間の結合を切断して、ライブラリー素子(すなわち、バーコード配列540)を溶液中で遊離させて残すことである。溶液中にあると、プライマー542Aと相補的アダプター530Aとの間、またはプライマー542Bと相補的アダプター530Bとの間のハイブリッド形成を介して、ライブラリー素子を表面520上に再捕獲することができる。表面520に捕獲されると、ライブラリー素子を、直接読み出してもよく、または増幅して、クラスターを形成し得ることで、このクラスターを配列決定によって読み出してもよい。
【0158】
実施例1
上記の構造体及び処理の選択肢を考慮して、本技術の企図された範囲を示すだけでなく、説明を容易にするために、例示的であるが非限定的な種々の実施例が提供される。実施例として、図26を参照すると、この実施例では、1つ以上の配置またはタイプの超分子構造体40は、ステップ550に示されるように、上述のような(すなわち、適切な結合及び配置の方法を用いて)表面520上に設けられた対応する付着構造体526に結合している。前述のように、そのような結合は、表面520の上でランダムであってもよく、またはパターン形成した位置もしくはその他の規則正しい位置にあってもよい。図26に示されるように、アッセイ操作及びマッピング操作という2セットの追加のステップを行うことができる。説明の目的で、これらのステップは、並行して示されるが(すなわち、マッピングはアッセイ操作から(例えば、アッセイ操作の前に異なる実体または人によって)独立して実行されることができるが)、それらは順次に実行されることもできる(すなわち、アッセイも実行する実体または人によって実行されるアッセイへの先行ステップとしてマップが生成される)。実際には、マッピングステップは、アッセイを実行する同じ実体によって実行されてもよいが、代替に、異なる実体によって、例えばアッセイの実行中に基板を引き続き使用するために実体が調製して設けることによって、実行されてもよい。したがって、示されたステップが直列または並列に実行されてよく、特定のステップが異なる実体によって実行されてもよいことを理解されたい。
【0159】
マッピング操作に関して、図26に戻り参照すると、表面520に所望の超分子構造体(複数可)40が播かれると、超分子構造体40の親和性結合剤に会合したバーコード配列540を読み取り、それぞれの超分子構造体が結合している表面520上の物理的な空間位置を同定するデコードマッピングファイル564を生成することができる(ステップ562)。すなわち、デコードマッピングファイル564は、ライブラリー素子に対応する、同定したバーコード配列540に表面520上のそれぞれの空間位置を関連させる、またはマッピングする。
【0160】
次いで、マッピングした表面520を、検出及び/または定量化する1つ以上の分析物を含む1つ以上のサンプル552に曝露することができる(ステップ554)。実施例として、流体の分析物含有サンプル552を、所定の速度、周期、体積などで、表面520上に連続的、周期的または断続的に流して、サンプル(複数可)552内に存在する分析物を、表面520に付着した超分子構造体40の親和性結合剤に結合させることができる。特定の実施態様では、インキュベーションまたは待機期間556(例えば、10秒、30秒、1分、5分、10分等)も、後の検出のために結合事象を促進するまたは最適化するために提供することができる。このようにしてサンプル552が処理されると、本明細書に記載されるように、分析物が結合した超分子構造体40を調べて(ステップ558)、分析物分子を捕獲した超分子構造体40が表面520に結合している部位に対応する捕獲部位560を同定することができる。実施例として、本明細書に記載される脱構築操作または開裂操作を行って、分析物に結合した親和性結合剤のライブラリー素子を露出させることができる。増幅ステップの結果として1つ以上の蛍光信号伝達素子が付着している状態で、露出したそれぞれのライブラリー素子に対して増幅操作を行うことができる。実施例として、1つの実施態様では、ローリングサークル増幅またはハイブリダイゼーション連鎖反応などの増幅プロセスでは、高蛍光ポリマーを成長させるための重合開始剤として、検出器バーコードを使用することができる。
【0161】
次に、表面520の幾何学的形状に対する蛍光ラベルの位置を(1つ以上のフィデューシャルマーカーなどを使用して)決定して、捕獲部位データを生成することができる。このようにしてまたは同等の技術によって、同定した捕獲部位560を、デコードマッピングファイル564と併せて使用して(例えば、比較ステップ566)、分析物捕獲の定量的及び/または定性的測定値または評価(データ570)を生成することができる。理解され得るように、この実施例によれば、配列操作を行うことなく(すなわち、ライブラリー素子に対応するそれぞれのバーコードを配列決定することなく)、アッセイ結果からの読み出しが起こる。その代わりに、表面520に対する結合事象の空間位置を使用して、それぞれのライブラリー素子を同定する。
【0162】
この実施例ではデコードマップに基づいたアプローチを説明しているが、増幅なしで空間または位置に基づいた読み出しを達成するために同等の機構を採用することができることが理解され得る。例えば、超分子構造体40のランダムな分布を可能にした後、デコードマップを生成する代わりに、既知のまたは規則正しい方法で超分子構造体40が表面520上に代わりに播かれてもよい(例えば、付着分子の選択的または標的にした配置、配置中の組織分布及び/または化学的特徴(例えば、ナノウェル)の使用などによって、これにより、所与の超分子構造体40(ならびにそれらの対応する親和性結合剤及びライブラリー素子)の位置が分かる。そのようなシナリオでは、読み出しは同等の方法(例えば、蛍光信号伝達素子の増幅及び付着)で成し遂げられてよく、結果の生成は、同定した空間的捕獲部位と、親和性結合剤及びライブラリー素子の既知の配置とを使用して行われてよい。このようなシナリオでは、デコードマップは、標的としたまたは拘束した播種操作に基づいて基本的に既知である。
【0163】
また図26に示されるワークフローを修正して、本明細書で説明される超分子構造体40の変形形態を考慮してもよく、及び/または活用してもよいことを理解されたい。実施例として、本明細書に記載されるように、超分子構造体40のコア構造体13は、親和性結合剤分子に結合するために使用される結合構造体の一部ではないが、超分子構造体40上に存在する親和性結合剤を同定するために使用されることができる、1つまたは複数のバーコードの複数のコピーを付着していることができる。すなわち、超分子構造体40は1つ以上のバーコードの複数のコピーを含み得、これら複数のコピーは、超分子構造体40上に存在する親和性結合剤を同定するために使用され得、親和性結合剤を超分子構造体40に付着させるために使用される結合構造体の一部ではない。
【0164】
このような実施例では、表面520を有する基板の製造中に親和性結合剤及びバーコードによる超分子構造体40の播種が起こった場合、その後の捕獲データの生成を容易にするために、デコードマッピングファイル564を製造時に生成し得る。基板のデコードマッピングデータ564は、超分子構造体40上に播種したバーコード(複数可)のコピーの増幅の有無にかかわらず生成され得る。特に、読み出し機構に応じて、コア構造体13上に存在するバーコードの複数のコピーにより、超分子構造体40ごとに複数のバーコードを使用することに関連して、信号が増大するため、デコードマッピングファイル564を増幅なしで生成することが可能になる。そのような状況であっても、有益であると決定される場合、ある程度の量の増幅を行ってもよい。デコードマッピングファイル564が予め生成されているこのシナリオでは、ユーザがデコードマッピング操作を実行する必要がないため、エンドユーザのワークフローが高速になる可能性がある。その代わりに、一実施形態では、ユーザは、単にプローブ(例えば、オリゴマー)を増幅させて、信号を探してから、信号が観察された位置(すなわち、捕獲部位560)をデコードマッピングファイル564と比較する(ステップ566)。
【0165】
ユーザがコア構造体13に播種して超分子構造体40を形成するワークフローでは、超分子構造体40の配置をデコードすることは、上述のように、脱構築または開裂操作を使用してバーコードを配列決定するかデコードするかいずれかにより実施され得る。結果として生じるデコードマッピングファイル564の使用は、その他の方法で上述のように進められてもよい。
【0166】
実施例2
図27を参照すると、さらなる実施例が提示されている。この実施例では、読み出しは空間位置(例えば、デコードマップまたはナノウェル配置)に基づいていない。図27に示されるように、初期ステップは概して図26に関して記載されているステップに対応する。例えば、1つ以上の配置またはタイプの超分子構造体40は、ステップ550に示されるように、上述のような(すなわち、適切な結合及び配置の方法を用いて)表面520上に設けられた対応する付着構造体526に結合している。そのような結合は、表面520の上でランダムであってもよく、またはパターン形成した位置もしくはその他の規則正しい位置にあってもよい。次いで、播種した表面520を、検出及び/または定量化する1つ以上の分析物を含む1つ以上のサンプル552に曝露することができる(ステップ554)。実施例として、流体の分析物含有サンプル552を、所定の速度、周期、体積などで、表面520上に連続的、周期的または断続的に流して、サンプル(複数可)552内に存在する分析物を、表面520に付着した超分子構造体40の親和性結合剤に結合させることができる。特定の実施態様では、インキュベーションまたは待機期間556(例えば、10秒、30秒、1分、5分、10分等)も、後の検出のために結合事象を促進するまたは最適化するために提供することができる。このようにしてサンプル552が処理されると、分析物が結合した超分子構造体40を調べて(ステップ580)、超分子構造体40を有するどの部位が分析物分子を捕獲したのか、及び(多分析物アッセイでは)どの分析物(複数可)が捕獲されたかを同定することができる。実際に、これは、本明細書で論じられるように、同定した捕獲部位で親和性結合剤のバーコードを読み取ることによって成し遂げられ得る。例えば、特定の実施形態では、配列に基づいたアプローチを使用して、分析物捕獲事象に関連してバーコードを読み出すことができる。他の実施形態では、異なるバーコードに付着した異なる特性の信号伝達素子による増幅アプローチを利用することができることによって、異なる分析物に関連する捕獲事象を同定して区別するための撮像に基づいたアプローチを使用することが可能になる。このようにして、分析物捕獲の定量的及び/または定性的な測定値または評価(データ570)を、空間デコードデータなしで生成することができる。
【0167】
実施例3
図28を参照すると、さらなる実施例が提示されている。この実施例では、分析物結合が起こるのは、表面520上ではなく溶液フェーズ中である。図28に示されるように、1つ以上の配置またはタイプの超分子構造体40は溶液中に設けられる。検出及び/または定量化される1つ以上の分析物を含む1つ以上のサンプル552を、溶液中で超分子構造体40と結合させることができる(ステップ590)。実施例として、流体の分析物含有サンプル552は、超分子構造体40を含む溶液と混合し得、またはその逆も同様であり得る。特定の実施態様では、インキュベーションまたは待機期間556(例えば、10秒、30秒、1分、5分、10分等)も、後の検出のために結合事象を促進するまたは最適化するために提供することができる。
【0168】
超分子構造体40及び分析物を含む溶液を処理して(ステップ594)、関心対象の分析物を捕獲したそれらの超分子構造体を、捕獲しなかった超分子構造体から分離させることができる。分析物分子を捕獲した超分子構造体を含む結果として得られた溶液596に、デコンストラクタ分子を曝露させ得ると、または追加し得ると(ステップ600)、本明細書に説明されるように、溶液中で超分子構造体40からそれぞれの一意の識別子(複数可)(例えば、ライブラリー素子またはバーコード)を開裂するように作用することにより、一意の識別子が放出される(604)ことができる。次いで、放出された一意の識別子604を残りの溶液から分離して(ステップ608)、単離した一意の識別子612を得ることができる。理解され得るように、特定の実施態様では、一意の識別子の放出は、分析物捕獲事象がDNAライブラリー作製事象に対応するように、DNAライブラリーの作製に対応し得る。特定の状況では、これは実質的にタンパク質捕獲アッセイをDNA配列決定ライブラリー調製キットに変える。
【0169】
図28に戻りを参照すると、次いで、本明細書で論じられるように、単離した一意の識別子612を、調製した表面520上に流し(ステップ620)、この表面520上に播種した対応する(例えば、相補的)アダプターに結合させることができる。次いで、本明細書に説明されるように(例えば、信号伝達素子を付着するための増幅、配列決定操作などを介して)表面520に付着した一意の識別子を読み出すことができ(ステップ624)、その結果として定性的または定量的な分析物捕獲データ570を生成することができる。上述のように、表面にはアダプターがランダムに播かれてもよく、または規則正しくもしくはパターンに従って播かれてもよく、分析物捕獲データ570の生成には、必要に応じて、デコードマッピングデータを利用してもよい。このアプローチは、表面520上で捕獲が行われる場合、2D捕獲問題を解決する際に三次元(3d)捕獲問題を解決することを含む、特定の利点を提供する。
【0170】
本発明の好適な実施形態が本明細書に示され記載されたが、そのような実施形態は、ほんの一例として提供されることが当業者に自明であろう。ここで、当業者は、多数の変化形、変更、及び置換を本発明から逸脱することなく想定するであろう。本明細書に記載される本発明の実施形態に対する種々の代替手段が、本発明の実施において採用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲に含まれる方法及び構造、ならびにそれらの等価物が、それにより包含されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図21
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図24
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図26
図27
図28
【手続補正書】
【提出日】2023-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析物捕獲データの生成方法であって、
溶液中で1つ以上の分析物を含むサンプルに複数の超分子構造体を曝露させることであって、前記超分子構造体はそれぞれコア構造体に付着した1つ以上の親和性結合剤を含む、前記曝露させることと、
前記溶液を処理して、分析物に結合していない超分子構造体を除去することと、
前記溶液中に存在する前記超分子構造体及び前記分析物の複合体を脱構築して、分析物のそれぞれの結合事象に関連する1つ以上の一意の識別子をそれぞれの超分子構造体に放出させることと、
前記溶液中の前記1つ以上の一意の識別子を単離させることと、
前記1つ以上の一意の識別子を含む前記溶液に、1つ以上のアダプタータイプを播種した表面を曝露させることと、
前記1つ以上のアダプターと相互作用した前記1つ以上の一意の識別子の読み出し操作を実行して、定性的または定量的な分析物捕獲データを生成することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記超分子構造体及び前記サンプルを溶液中でインキュベートすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上の一意の識別子は、バーコード配列を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上のアダプタータイプは、1つ以上のプライマーを含み、前記1つ以上のプライマーの少なくとも1サブセットは、前記1つ以上の一意の識別子の少なくとも一部と相補的である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記コア構造体はDNAオリガミを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記表面はフローセルの一部として設けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記親和性結合剤は、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー、フルオロフォア、ダルピン、触媒、重合開始剤、ポリマー、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
分析物捕獲データの生成方法であって、
溶液中で1つ以上の分析物を含むサンプルに複数の超分子構造体を曝露させることであって、前記超分子構造体はそれぞれコア構造体に付着した1つ以上の親和性結合剤を含む、前記曝露させることと、
前記溶液を処理して、分析物に結合している超分子構造体を除去することと、
分析物に結合しておらず溶液中に残留している超分子構造体を脱構築して、前記残留している超分子構造体が親和性を有する1つまたは複数の分析物を指示する1つ以上の一意の識別子を放出することと、
前記溶液中の前記1つ以上の一意の識別子を単離させることと、
前記1つ以上の一意の識別子を含む前記溶液に、1つ以上のアダプタータイプを播種した表面を曝露させることと、
前記1つ以上のアダプターと相互作用した前記1つ以上の一意の識別子の読み出し操作を実行して、定性的または定量的な分析物捕獲データを生成することと、
を含む、方法。
【請求項9】
複数の超分子構造体を含む基板であって、
各超分子構造体は、
複数のコア分子を含むコア構造体と、
第一セットの位置で前記超分子コアに結合した1つ以上の捕獲分子と、
第二セットの位置で前記超分子コアに結合した1つ以上の検出器分子と、
前記第一セットの位置及び前記第二セットの位置以外の位置で前記超分子コアに結合した1つ以上のバーコード配列であって、前記コア構造体、前記捕獲分子、前記検出器分子、またはそれらの組み合わせを同定する、前記1つ以上のバーコード配列と、
を含み、
前記捕獲分子または前記検出器分子の一方または両方は関心対象分析物に選択的に結合する、基板。
【請求項10】
前記バーコード配列は、核酸配列を含む、請求項9に記載の基板。
【請求項11】
前記複数の超分子構造体の各コア構造体は、互いに同一である、請求項9に記載の基板。
【請求項12】
前記基板は、固体担体、固体基板、ポリマーマトリックス、または分子縮合物を含む、請求項9に記載の基板。
【請求項13】
前記関心対象分析物は、タンパク質、ペプチド、ペプチド断片、脂質、DNA、RNA、有機分子、無機分子、それらの複合体、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項9に記載の基板。
【請求項14】
各超分子構造体はナノ構造体である、請求項9に記載の基板。
【請求項15】
前記コア構造体ごとの前記複数のコア分子は、1つ以上の核酸鎖、1つ以上の分岐核酸、1つ以上のペプチド、1つ以上の小分子、またはそれらの組み合わせを含む、請求項9に記載の基板。
【請求項16】
各コア構造体は、独立して、足場デオキシリボ核酸(DNA)オリガミ、足場リボ核酸(RNA)オリガミ、足場ハイブリッドDNA:RNAオリガミ、一本鎖DNAタイル構造体、多本鎖DNAタイル構造体、一本鎖RNAオリガミ、多本鎖RNAタイル構造体、複数の足場を備えた階層構成DNAもしくはRNAオリガミ、ペプチド構造体、またはそれらの組み合わせを含む、請求項9に記載の基板。
【請求項17】
前記超分子構造体ごとに前記1つ以上の捕獲分子及び前記1つ以上の検出器分子は、独立して、タンパク質、ペプチド、抗体、アプタマー(RNA及びDNA)、フルオロフォア、ダルピン、触媒、重合開始剤、ポリマー、またはそれらの組み合わせを含む、請求項9に記載の基板。
【国際調査報告】