(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-18
(54)【発明の名称】スマート剪断機構および帯状板材のデバイディングシャー
(51)【国際特許分類】
B23D 15/04 20060101AFI20240311BHJP
B23D 15/06 20060101ALI20240311BHJP
B23D 15/14 20060101ALI20240311BHJP
B23D 33/02 20060101ALI20240311BHJP
B23D 35/00 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
B23D15/04
B23D15/06 Z
B23D15/14
B23D33/02 B
B23D35/00 B
B23D35/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561044
(86)(22)【出願日】2021-10-13
(85)【翻訳文提出日】2023-09-29
(86)【国際出願番号】 CN2021123639
(87)【国際公開番号】W WO2022213567
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】202110373765.X
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523375076
【氏名又は名称】中冶賽迪技術研究中心有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊固川
(72)【発明者】
【氏名】李宏▲とう▼
(72)【発明者】
【氏名】楊遠平
【テーマコード(参考)】
3C039
3C051
【Fターム(参考)】
3C039AA25
3C039AA32
3C039AA44
3C039AB02
3C051AA15
3C051BB04
3C051BB12
3C051FF21
3C051GG03
3C051GG04
(57)【要約】
スマート剪断機構および帯状板材のデバイディングシャーを提供する。剪断機構は、上下に対応してフレーム(8)に設置される上刃ホルダ(5)および下刃ホルダ(7)を備え、上刃ホルダ(5)とフレーム(8)との間に左リンク(3)と右リンク(4)とが並設されており、左リンク(3)とフレーム(8)との接続箇所に左偏心軸(1)が設置されており、右リンク(4)とフレーム(8)との接続箇所に右偏心軸(2)が設置されており、上刃ホルダ(5)とフレーム(8)との間にガイドシリンダーロッド(6)がヒンジ接続される。帯状板材のデバイディングシャーが本出願の剪断機構を使用する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に対応してフレーム(8)に設置される上刃ホルダ(5)および下刃ホルダ(7)を備え、上刃ホルダとフレームとの間に左リンク(3)と右リンク(4)とが並設されており、左リンクとフレームとの接続箇所に左偏心軸(1)が設置されており、右リンクとフレームとの接続箇所に右偏心軸(2)が設置されており、上刃ホルダとフレームとの間にガイドシリンダーロッド(6)がヒンジ接続される
ことを特徴とするスマート剪断機構。
【請求項2】
ガイドシリンダーロッドが2つ以下設置され、ガイドシリンダーロッドと上刃ホルダとのヒンジ接続点が上刃ホルダの長手方向に沿う側面の中間部、または上刃ホルダの長手方向における端面、または前記中間部と前記端面との間に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載のスマート剪断機構。
【請求項3】
左リンクおよび右リンクは、シリンダーロッド構造を採用する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスマート剪断機構。
【請求項4】
上刃ホルダに、フレームと垂直方向においてスライド可能に協働するように構成されるスライド板およびローラー(18)が設置されている
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のスマート剪断機構。
【請求項5】
上刃ホルダにまっすぐな刃、傾斜刃、凹状刃または弧状刃が取り付けられる
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のスマート剪断機構。
【請求項6】
上刃ホルダと下刃ホルダとの水平投影が呈する異形構造は、三角形構造、弧状構造、矩形構造または傾斜した構造である
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のスマート剪断機構。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のスマート剪断機構が使用される
ことを特徴とする帯状板材のデバイディングシャー。
【請求項8】
左偏心軸および右偏心軸は、それぞれ1セットの減速機(12)、モータ(13)により駆動され、または、左偏心軸と右偏心軸との間に1セットの減速機(12)、モータ(13)により駆動される同期クラッチギア伝動アッセンブリー(14)が設置されている
ことを特徴とする請求項7に記載の帯状板材のデバイディングシャー。
【請求項9】
フレームに、刃隙間調整装置(9)および押し付けシリンダー(10)が設置されており、押し付けシリンダーと上刃ホルダとの間に押し付け板(11)が設置されている
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の帯状板材のデバイディングシャー。
【請求項10】
ホイールおよびスライド板(15)と、プッシュプルシリンダー(16)と、レールサポータ(17)とをさらに備え、ホイールおよびスライド板は、フレームに設置され、プッシュプルシリンダーを介してレールサポータと転動可能またはスライド可能に協働するように構成され、減速機およびモータは、フレームと一体構造となっている
ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の帯状板材のデバイディングシャー。
【請求項11】
2セットの減速機およびモータにより左偏心軸および右偏心軸がそれぞれ回動駆動され、これによって、前記上刃ホルダが縦方向の運動をしながら前記下刃ホルダと協働して帯状板材の剪断を遂げる
ことを特徴とする請求項7に記載の帯状板材のデバイディングシャー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、冶金機械設備の技術分野に属し、具体的に、停止状態または移動状態での、規格や寸法が異なる冷間金属板材、熱間金属板材に対する先端部剪断、セグメント分割、定尺剪断、尾端部剪断などに使用されるスマート剪断機構および帯状板材のデバイディングシャーに関する。
【0002】
関係出願の相互参照
【0003】
本出願は、2021年04月07日に中国専利局に提出された、出願番号が202110373765.Xであり、名称が「スマート剪断機構および帯状板材のデバイディングシャー」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべては本出願に参照として取り込まれる。
【背景技術】
【0004】
現在、冷間金属板材、熱間金属板材または構造用鋼板を製造する過程における帯状板材に対する先端部剪断、セグメント分割、定尺剪断、尾端部剪断などの剪断、または連続鋳造スラブ、半製品である中間スラブの剪断について、圧延プロセスにおける剪断する材料の厚さまたは幅、帯状板材の熱間状態、冷間状態、運動状態または停止状態にそれぞれ対応する単一用途のものとして、一台の設備が既定の剪断機構を1つだけ有し、すなわち、水平刃式の垂直剪断機構、傾斜刃式の垂直剪断機構または凹刃式の垂直剪断機構、または弧状刃式のローリング剪断機構を有する。だたし、帯状板材の寸法や規格が異なりまたは冷間、熱間状態が異なる場合、下記の欠陥がある。(1)剪断の質が悪く、例えば、帯状板材の幅が1000~5500mmでありまたはそれよりも狭くまたは広く、帯状板材の厚さが1~100mmでありまたはそれよりも薄くまたは厚い寸法にわたってすべての寸法の帯状板材に適用できるものではない。(2)モータが中心距離の大きいギアケースを介して固定された剪断機構および偏心軸を駆動するため、消費したエネルギーが高く、設備が重く、コストが高いなどの問題を招く。(3)帯状板材は運動状態と停止状態とのいずれでも剪断可能であることを実現できない。(4)帯状板材を異形のものに剪断することができない。
【発明の概要】
【0005】
上記に鑑みて、本出願は、剪断の質が悪く、すべての寸法の帯状板材に適用できないなどの問題を解決できるスマート剪断機構および帯状板材のデバイディングシャーを提供する。
【0006】
本出願は、スマート剪断機構を提供する。該スマート剪断機構は、上下に対応してフレームに設置される上刃ホルダおよび下刃ホルダを備え、上刃ホルダとフレームとの間に左リンクと右リンクとが並設されており、左リンクとフレームとの接続箇所に左偏心軸が設置されており、右リンクとフレームとの接続箇所に右偏心軸が設置されており、上刃ホルダとフレームとの間にガイドシリンダーロッドがヒンジ接続される。
【0007】
任意で、ガイドシリンダーロッドが2つ以下設置され、ガイドシリンダーロッドと上刃ホルダとのヒンジ接続点が上刃ホルダの長手方向に沿う側面の中間部、または上刃ホルダの長手方向における端面、または前記中間部と前記端面との間に位置する。
【0008】
任意で、左リンクおよび右リンクは、シリンダーロッド構造を採用する。
【0009】
任意で、上刃ホルダに、フレームと垂直方向においてスライド可能に協働するように構成されるスライド板およびローラーが設置されている。
【0010】
任意で、上刃ホルダにまっすぐな刃、傾斜刃、凹状刃または弧状刃が取り付けられている。
【0011】
任意で、上刃ホルダと下刃ホルダとの水平投影が呈する異形構造は、三角形構造、弧状構造、矩形構造または傾斜した構造である。
【0012】
本出願は、上記のスマート剪断機構が使用される帯状板材のデバイディングシャーをさらに提供する。
【0013】
好ましくは、左偏心軸および右偏心軸は、それぞれ1セットの減速機、モータにより駆動され、または、左偏心軸と右偏心軸との間に1セットの減速機、モータにより駆動される同期クラッチギア伝動アッセンブリーが設置されている。
【0014】
好ましくは、フレームに、刃隙間調整装置および押し付けシリンダーが設置されており、押し付けシリンダーと上刃ホルダとの間に押し付け板が設置されている。
【0015】
好ましくは、帯状板材のデバイディングシャーは、ホイールおよびスライド板と、プッシュプルシリンダーと、レールサポータとをさらに備え、ホイールおよびスライド板は、フレームに設置され、プッシュプルシリンダーを介してレールサポータと転動可能またはスライド可能に協働するように構成され、減速機およびモータは、フレームと一体構造となっている。
【0016】
本出願は、下記の利点を有する。
【0017】
1.本出願によれば、剪断するときに帯状板材の厚さおよび幅によって、異なる形状の刃を切り換えることができ、剪断の質がよく、生産ラインにおけるすべての寸法の帯状板材に適用することができ、例えば、幅が1000~5500mmであり、厚さが1~100mmである帯状板材に適用でき、これらに限定されない。
【0018】
2.本出願は、剪断速度によって刃を迅速に交換することができ、そしてモータにより偏心軸、剪断機構を駆動し、迅速な剪断を実現して生産ニーズを満たし、または偏心軸の位相角を調整し、または油圧でスマートシリンダーロッドを介して剪断機構を駆動して剪断を実現し、省エネ、排出削減の目的を達する。
【0019】
3.本出願によれば、生産ニーズに応じて、運動状態と停止状態とのいずれでも帯状板材を剪断することができ、これによって、生産効率を向上させることができる。
【0020】
要するに、本出願は、冶金鋼鉄工業において、冷間帯状板材または熱間帯状板材、運動状態または停止状態での帯状板材に対する横方向の剪断を実現することができ、そして必要に応じて上刃を、まっすぐな刃、傾斜刃、凹状刃に迅速に交換して垂直剪断機構による平面剪断を実現し、または弧状刃に交換してローリング剪断機構によるローリング剪断を実現することができ、これによって、既存の金属生産に必要な剪断対象である材料の厚さ、幅、熱間状態、冷間状態、運動状態または停止状態などに適する多用途のものになる。
【0021】
本出願の他の利点、目的および特徴について、このあとの部分で説明する。下記の内容に対する研究は、当業者にとってに自明なことであり、または本出願の実施により教示されることである。本出願の目的および利点は、明細書の内容により実現、獲得することができる。
【0022】
本出願の目的、技術案および利点をより明瞭に説明するため、以下、図面を参照しながら、本出願をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本出願に係る帯状板材のデバイディングシャーの正面図である。
【
図2】
図1に示す帯状板材のデバイディングシャーが固定式の構造である場合のP-P側面図である。
【
図3】
図1に示す帯状板材のデバイディングシャーが可動式の構造である場合のP-P側面図である。
【
図4】本出願の剪断機構のガイドシリンダーロッドの近位端の取付を示す模式図である。
【
図5】本出願の剪断機構のガイドシリンダーロッドの遠位端の取付を示す模式図である。
【
図6】本出願の剪断機構の上刃ホルダがまっすぐな刃を採用した場合の模式図である。
【
図7】本出願の剪断機構の上刃ホルダが傾斜刃を採用した場合の模式図である。
【
図8】本出願の剪断機構の上刃ホルダが凹状刃を採用した場合の模式図である。
【
図9】本出願の剪断機構の上刃ホルダが弧状刃を採用した場合の模式図である。
【
図10】本出願の剪断機構の左リンクおよび右リンクがシリンダーロッドを採用した場合の模式図である。
【
図11】本出願の剪断機構の垂直運動による異形剪断を示す模式図である。
【
図12】
図11に示す上刃ホルダと下刃ホルダとの水平投影が三角形構造を呈することを示す図面である
【
図13】
図11に示す上刃ホルダと下刃ホルダとの水平投影が矩形構造を呈することを示す図面である。
【
図14】
図11に示す上刃ホルダと下刃ホルダとの水平投影が弧状構造を呈することを示す図面である。
【
図15】
図11に示す上刃ホルダと下刃ホルダとの水平投影が傾斜した構造を呈することを示す図面である。
【
図16】本出願の帯状板材のデバイディングシャーの剪断機構が同期クラッチギア伝動アッセンブリーにより駆動されることを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、特定の具体的な実施例を用いて本出願の実施形態を説明する。当業者は、本明細書に開示された内容により本出願の他の利点および効果を容易に理解することができる。本出願は、他の異なる具体的な実施形態により実施したり、応用したりすることも可能である。本出願の精神から逸脱しない限り、異なる観点および応用に基づいて、本明細書における各細部に対して各種の改良や変更を行ってもよい。以下の実施例に用いられる図面は、本出願の基本的な構想を例示的に説明するためのものにすぎない。矛盾がない限り、下記の実施例および実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。
【0025】
図1、
図2に示すように、本出願の一実施例による帯状板材のデバイディングシャーは、スマート剪断機構と、フレーム8と、刃隙間調整装置9と、押し付けシリンダー10と、押し付け板11と、減速機12と、モータ13とを備える。スマート剪断機構は、左偏心軸1と、右偏心軸2と、左リンク3と、右リンク4と、上刃ホルダ5と、ガイドシリンダーロッド6と、下刃ホルダ7とにより構成される。具体的に、上刃ホルダ5と下刃ホルダ7とが上下に対応してフレーム8に設置され、上刃ホルダ5とフレーム8との間に左リンク3と右リンク4とが並設される。左リンク3とフレーム8との接続箇所に左偏心軸1が設置されており、右リンク4とフレーム8との接続箇所に右偏心軸2が設置されている。左偏心軸1および右偏心軸2は、それぞれ1セットの減速機12、モータ13によりブレーキ用カップリングを介して駆動される。下刃ホルダ7は、フレーム8に固定され、その頂面が帯状板材の搬送用ローラの搬送路と揃えている。上刃ホルダ5とフレーム8との間にガイドシリンダーロッド6がヒンジ接続される。刃隙間調整装置9は、フレーム8に取り付けられ、主にねじ軸、傾斜板などにより構成され、ねじ軸を介して動力を伝達して傾斜板の昇降移動を駆動し、傾斜板による上刃ホルダ5との接触により上刃ホルダ5と下刃ホルダ7との水平方向における隙間を調整するように構成される。上刃ホルダ5の傾斜板と対向する側に、フレーム8に取り付けられた押し付けシリンダー10が当接される。該押し付けシリンダー10は、バネ或いは油圧シリンダー、押圧ヘッドなどを備え、これによって、上刃ホルダ5を水平に押してフレームに押し付けて隙間をなくす。押し付けシリンダー10と上刃ホルダ5との間に押し付け板11が設置されており、押し付け板11が、別の油圧シリンダーにより駆動されて、剪断時に昇降するように移動して帯状板材を押し付けるように構成される。
【0026】
使用時に、2セットの減速機12およびモータ13により左偏心軸1および右偏心軸2をそれぞれ回動駆動し、これによって、上刃ホルダ5が縦方向の運動をしながら下刃ホルダ7と協働して帯状板材の剪断を遂げる。また、ガイドシリンダーロッド6の自動化制御をさらに利用して本出願の剪断機構に必要な垂直運動の軌跡またはローリング剪断による運動の軌跡を実現するとともに、冷間帯状板材または熱間帯状板材の運動状態または停止状態のいずれでも、横方向の剪断を実現することができる。
【0027】
図4、
図5に示すように、本実施例においてガイドシリンダーロッド6が1つ設置され得る。ガイドシリンダーロッド6と上刃ホルダ5とのヒンジ接続点が上刃ホルダ5の長手方向に沿う側面の中間部、または頂部端面(上刃ホルダの長手方向における端面)、または上記中間部と上記端面との間に位置することができ、いずれの場合でも上刃ホルダを揺動する目的を達することできる。無論、他の実施例において、運動をより安定にするように、ガイドシリンダーロッドが2つ設置され得る。
【0028】
図6~9、
図12~15に示すように、本実施例による上刃ホルダ5にまっすぐな刃、傾斜刃、凹状刃または弧状刃が取り付けられ、あるいは、上刃ホルダ5と下刃ホルダ7との水平投影の呈する異形構造が三角形構造、弧状構造、矩形構造または傾斜した構造である。このようにすれば、上刃ホルダは必要に応じてまっすぐな刃、傾斜刃、凹状刃に迅速に交換して垂直運動による剪断を実現し、または弧状刃に交換してローリング運動による剪断を実現し、あるいは上刃ホルダと下刃ホルダとの水平投影が異形を呈する異形刃に交換して垂直運動による剪断を実現することができる。これによって、既存の金属生産に必要な剪断対象である材料の厚さ、幅、熱間状態、冷間状態、運動状態または停止状態などに適する多用途のものになり、現場で異なる規格や型番の剪断設備の数を減らし、剪断の質がよく、省エネ、排出削減などの市場ニーズを満たすことができる。
【0029】
本実施例による帯状板材のデバイディングシャーは、上下刃迅速交換装置、刃挟持緩め装置および刃昇降装置などをさらに備える。これらが常套手段であるため、ここで説明を省略する。
【0030】
図9、
図10を参照し、以下、本出願の他の一実施例を説明する。該他の一実施例が下記の点において上記の実施例と相違している。左リンク3および右リンク4がいずれもシリンダーロッド構造を採用し、これによって、自動化制御が実現されるとともに、上刃ホルダの昇降が左リンク3および右リンク4により実現される。減速機12およびモータ13が左偏心軸1および右偏心軸2に作用して、それぞれの偏心位相角が調整されることが可能である。例えば、帯状板材の先端部が通過するとき、左リンク3および右リンク4を、収縮するように制御して上刃ホルダ5と下刃ホルダ7との開き量を増加させ、そして帯状板材の先端部が通過後に伸長させ、このようにして、偏心軸の半径、剪断トルク、モータ出力を減少させ、エネルギーを節約することができる。
【0031】
図11を参照し、以下、本出願の他の一実施例を説明する。該他の一実施例による上刃ホルダ5にフレーム8と垂直方向においてスライド可能に協働するように構成されるスライド板およびローラー18が設置されている。これによって、上刃ホルダの垂直運動、特に異形刃を採用した場合の垂直運動による定尺剪断を補足する。
【0032】
図16を参照し、以下、本出願の他の一実施例を説明する。該他の一実施例において左偏心軸1と右偏心軸2との間に1セットの減速機12、モータ13により駆動される同期クラッチギア伝動アッセンブリー14が設置されている。該構造によれば、上刃ホルダの縦方向の運動を安定かつ確実に確保することができ、減速機およびモータのそれぞれの消費したエネルギーを減少させ、コストを抑えることができる。
【0033】
図3を参照し、以下、本出願の他の一実施例を説明する。該他の一実施例において帯状板材のデバイディングシャーは、ホイールおよびスライド板15と、プッシュプルシリンダー16と、レールサポータ17とをさらに備え、ホイールおよびスライド板15がフレーム8に設置され、プッシュプルシリンダー16を介してレールサポータ17と転動可能またはスライド可能に協働するように構成される。減速機12およびモータ13は、フレーム8と一体構造となっている。帯状板材の生産における他の工程に作業スペースを提供するため、固定式の定尺剪断設備を移動式の定尺剪断設備にすることができる。
【0034】
上記は、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を限定するものではない。本発明の精神および範囲から逸脱しない限り、当業者は、本出願に対して各種の変更および変形を行ってもよい。本出願に対して行った変更および変形は、本出願の特許請求の範囲またはそれと均等の範囲内に属する場合、本出願にも含まれる。
【0035】
産業上の利用可能性
【0036】
本出願は、冶金機械設備の技術分野に属し、スマート剪断機構および帯状板材のデバイディングシャーを提供する。本出願の剪断機構は、上下に対応してフレームに設置される上刃ホルダおよび下刃ホルダを備え、上刃ホルダとフレームとの間に左リンクと右リンクとが並設されており、左リンクとフレームとの接続箇所に左偏心軸が設置されており、右リンクとフレームとの接続箇所に右偏心軸が設置されており、上刃ホルダとフレームとの間にガイドシリンダーロッドがヒンジ接続される。本帯状板材のデバイディングシャーが本出願の剪断機構を使用する。本発明は、冶金鋼鉄工業において、冷間帯状板材または熱間帯状板材、運動状態または停止状態での帯状板材に対する横方向の剪断を実現することができ、そして必要に応じて上刃を、まっすぐな刃、傾斜刃または凹状刃に迅速に交換して垂直剪断機構による平面剪断を実現し、または弧状刃に交換してローリング剪断機構によるローリング剪断を実現することができる。
【0037】
なお、本出願に係るスマート剪断機構および帯状板材のデバイディングシャーは、実施可能なものであり、さまざまな産業用途に適用することができる。例えば、本出願に係るスマート剪断機構および帯状板材のデバイディングシャーは、生産ラインにおけるすべての寸法の帯状板材に適用することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 左偏心軸、2 右偏心軸、3 左リンク、4 右リンク、5 上刃ホルダ、6 ガイドシリンダーロッド、7 下刃ホルダ、8 フレーム、9 刃隙間調整装置、10 押し付けシリンダー、11 押し付け板、12 減速機、13 モータ、14 同期クラッチギア伝動アッセンブリー、15 ホイールおよびスライド板、16 プッシュプルシリンダー、17 レールサポータ、18 スライド板及ローラー、a 左偏心位相角、b 右偏心位相角、n 左偏心軸および右偏心軸の回転速度および方向、A ガイドシリンダーロッドと上刃ホルダとのヒンジ接続点、B ガイドシリンダーロッドとフレームとのヒンジ接続点、h 帯状板材の厚さ、L1 刃の長さ、L2 帯状板材の幅、かつL1>L2
【国際調査報告】