(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】高電圧スタックドトランジスタ増幅器
(51)【国際特許分類】
H03F 1/22 20060101AFI20240312BHJP
H03F 3/195 20060101ALI20240312BHJP
H03F 3/68 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H03F1/22
H03F3/195
H03F3/68 220
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539111
(86)(22)【出願日】2022-02-23
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 US2022070774
(87)【国際公開番号】W WO2022212983
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516132747
【氏名又は名称】メイコム テクノロジー ソリューションズ ホールディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ストラブル ウェイン マック
(72)【発明者】
【氏名】ソム シャミット
(72)【発明者】
【氏名】藤井 恒平
(72)【発明者】
【氏名】マーティン クイン
(72)【発明者】
【氏名】ナギー ウォルター
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA13
5J500AA21
5J500AA41
5J500AC35
5J500AC36
5J500AC57
5J500AC91
5J500AF03
5J500AF10
5J500AF20
5J500AH09
5J500AH16
5J500AH24
5J500AH25
5J500AH29
5J500AH33
5J500AK12
5J500AK29
5J500AK66
5J500AM17
5J500AQ03
5J500AQ04
5J500AQ05
5J500AT01
(57)【要約】
インテグレーテッド増幅器、インテグレーテッド増幅器のレイアウト、および増幅器のパッケージ化構造の種々の観点が記載される。1つの実施例では、増幅器は、増幅器セル、および増幅器セル中のゲート共通形トランジスタに結合されたバイアシングネットワークを有する。増幅器セルは、カスコード接続関係をなすソース共通形トランジスタおよびゲート共通形トランジスタを含み、ソース共通形トランジスタおよびゲート共通形トランジスタのうちの少なくとも一方は、フィールドプレートを含む。数ある利点のうちでとりわけ、信頼性、性能を損なうことなく、また追加のオフチップ部品、例えば抵抗器やインダクタのバイアシングネットワークを必要としないで、明細書において説明する増幅器に比較的高い電圧でバイアスをかけることができ、しかも、かかる増幅器は、依然として、シングルのソース共通形トランジスタのように動作することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
増幅器であって、
カスコード接続関係をなすソース共通形トランジスタおよびゲート共通形トランジスタを含む増幅器セルを有し、前記ソース共通形トランジスタおよび前記ゲート共通形トランジスタのうちの少なくとも一方は、フィールドプレートを含み、
前記増幅器セル内の前記ゲート共通形トランジスタに結合されたバイアシングネットワークをさらに有する、増幅器。
【請求項2】
前記増幅器のための出力と前記ゲート共通形トランジスタのゲートとの間に結合された安定化キャパシタをさらに有する、請求項1記載の増幅器。
【請求項3】
前記安定化キャパシタのキャパシタンスが、前記増幅器のための動作周波数にわたり前記増幅器の正の実出力インピーダンスを維持する、請求項2記載の増幅器。
【請求項4】
前記ゲート共通形トランジスタのゲートは、前記バイアシングネットワークのバイアスノードに結合されている、請求項1記載の増幅器。
【請求項5】
前記バイアシングネットワークは、前記増幅器のための出力と、前記増幅器セルと、前記増幅器のためのグラウンドとの間に結合された抵抗器電圧分配器ネットワークを含む、請求項1記載の増幅器。
【請求項6】
前記ゲート共通形トランジスタのゲートは、前記抵抗器電圧分配器ネットワークに沿ってバイアスノードに結合されている、請求項5記載の増幅器。
【請求項7】
前記バイアシングネットワークは、前記抵抗器電圧分配器ネットワークと直列に結合されたインダクタをさらに含む、請求項5記載の増幅器。
【請求項8】
前記バイアシングネットワークは、供給トランジスタをさらに含み、
前記供給トランジスタのゲートは、前記抵抗器電圧分配器ネットワークに沿ってバイアスノードに結合され、
前記ゲート共通形トランジスタのゲートは、前記供給トランジスタのソースに結合されている、請求項5記載の増幅器。
【請求項9】
前記ソース共通形トランジスタのドレインは、前記カスコード接続関係をなして前記ゲート共通形トランジスタのソースに電気的に結合されている、請求項1記載の増幅器。
【請求項10】
前記増幅器セルは、第2のゲート共通形トランジスタをさらに含む、請求項1記載の増幅器。
【請求項11】
前記増幅器セルは、前記ゲート共通形トランジスタのゲートと前記増幅器のためのグラウンドとの間に結合された抵抗器‐キャパシタネットワークをさらに含み、
前記抵抗器‐キャパシタネットワークは、前記ゲート共通形トランジスタの前記ゲートのところに高周波グラウンドを提供する、請求項1記載の増幅器。
【請求項12】
前記増幅器セルと前記バイアシングネットワークとの間に結合された安定化抵抗器をさらに有する、請求項1記載の増幅器。
【請求項13】
前記増幅器のパワーハンドリング容量が、400Wを超える、請求項1記載の増幅器。
【請求項14】
前記増幅器のための動作供給電圧は、50Vを超える、請求項1記載の増幅器。
【請求項15】
第2の増幅器セルをさらに有し、前記第2の増幅器セルは、カスコード接続関係をなす第2のソース共通形トランジスタおよび第2のゲート共通形トランジスタを含み、
前記増幅器の出力に関し、前記第2の増幅器セルは、前記増幅器セルと並列に配置され、
前記バイアシングネットワークは、前記増幅器セルと前記第2の増幅器セルの両方にバイアスをかけるために前記増幅器セルおよび前記第2の増幅器セルに結合されている、請求項1記載の増幅器。
【請求項16】
前記増幅器セルの出力は、前記第2の増幅器セルの出力に直接結合されている、請求項15記載の増幅器。
【請求項17】
前記増幅器セルの入力と前記第2の増幅器セルの入力との間に結合された安定化抵抗器をさらに有する、請求項15記載の増幅器。
【請求項18】
前記増幅器セルと前記バイアシングネットワークとの間に結合された安定化抵抗器をさらに有する、請求項15記載の増幅器。
【請求項19】
前記増幅器セルと前記バイアシングネットワークとの間に結合された第1の安定化抵抗器と、
前記増幅器セルと前記第2の増幅器セルとの間に結合された第2の安定化抵抗器とをさらに有する、請求項15記載の増幅器。
【請求項20】
第2のバイアシングネットワークをさらに有し、前記ゲート共通形トランジスタのゲートと前記第2のゲート共通形トランジスタのゲートは、両方とも、前記バイアシングネットワークおよび前記第2のバイアシングネットワークに結合されている、請求項15記載の増幅器。
【請求項21】
バイアス相互接続給電ラインをさらに有し、
前記バイアシングネットワークは、前記バイアス相互接続給電ラインの第1の端部のところに結合され、
前記第2のバイアシングネットワークは、前記バイアス相互接続給電ラインの第2の端部のところに結合されている、請求項20記載の増幅器。
【請求項22】
前記バイアス相互接続給電ラインの前記第1の端部のところで前記増幅器セルと前記バイアシングネットワークとの間に結合された安定化抵抗器と、
前記バイアス相互接続給電ラインに沿って前記増幅器セルと前記第2の増幅器セルとの間に結合された第2の安定化抵抗器と、
前記バイアス相互接続給電ラインの前記第2の端部のところで前記第2の増幅器セルと前記第2のバイアシングネットワークとの間に結合された第3の安定化抵抗器とをさらに有する、請求項21記載の増幅器。
【請求項23】
増幅器であって、
第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを含む増幅器セルと、
前記増幅器のための出力と前記第2のトランジスタのゲートとの間に結合された安定化キャパシタと、
前記増幅器セルのためのバイアシングネットワークと、を有し、前記バイアシングネットワークは、前記出力と前記第2のトランジスタのためのゲートとの間に結合されている、増幅器。
【請求項24】
前記第1のトランジスタは、ソース共通形トランジスタから成り、
前記第2のトランジスタは、ゲート共通形トランジスタから成り、
前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタは、カスコード接続関係をなして結合されている、請求項23記載の増幅器。
【請求項25】
前記第1のトランジスタおよび前記第2のトランジスタのうちの少なくとも一方は、フィールドプレートを含んでいる、請求項23記載の増幅器。
【請求項26】
前記安定化キャパシタのキャパシタンスは、前記増幅器のための動作周波数にわたって前記増幅器のための正の実出力インピーダンスを維持する、請求項23記載の増幅器。
【請求項27】
前記バイアシングネットワークは、前記出力と前記増幅器セルと前記増幅器のためのグラウンドとの間に結合された抵抗器電圧分配器ネットワークを含む、請求項23記載の増幅器。
【請求項28】
前記バイアシングネットワークは、供給トランジスタをさらに含み、
前記供給トランジスタのゲートは、前記抵抗器電圧分配器ネットワークに沿ってバイアスノードに結合され、
前記第2のトランジスタの前記ゲートは、前記供給トランジスタのソースに結合されている、請求項27記載の増幅器。
【請求項29】
前記増幅器セルは、前記第2のトランジスタの前記ゲートと前記増幅器のためのグラウンドとの間に結合された抵抗器‐キャパシタネットワークをさらに含む、請求項23記載の増幅器。
【請求項30】
前記増幅器セルと前記バイアシングネットワークとの間に結合された安定化抵抗器をさらに有する、請求項23記載の増幅器。
【請求項31】
第2の増幅器セルをさらに有し、
前記出力に関し、前記第2の増幅器セルは、前記増幅器セルと並列に配置され、
前記バイアシングネットワークは、前記増幅器セルと前記第2の増幅器セルの両方にバイアスをかけるために前記増幅器セルおよび前記第2の増幅器セルに結合されている、請求項23記載の増幅器。
【請求項32】
第2のバイアシングネットワークをさらに有し、
前記バイアシングネットワークおよび前記第2のバイアシングネットワークは、前記増幅器セルと前記第2の増幅器セルの両方にバイアスをかけるために前記増幅器セルおよび前記第2の増幅器セルに結合されている、請求項31記載の増幅器。
【請求項33】
半導体ダイ上に実装されたインテグレーテッド増幅器であって、
増幅器セルを有し、前記増幅器セルは、カスコード接続関係をなすソース共通形トランジスタおよびゲート共通形トランジスタを含み、前記ソース共通形トランジスタおよび前記ゲート共通形トランジスタのうちの少なくとも一方は、フィールドプレートを含み、前記ゲート共通形トランジスタは、前記半導体ダイ上に形成された複数の接点を有し、
前記インテグレーテッド増幅器のための出力と前記ゲート共通形トランジスタのゲートとの間に結合された安定化キャパシタをさらに有し、前記安定化キャパシタは、前記半導体ダイ上の前記ゲート共通形トランジスタの前記複数の接点間に形成されている、インテグレーテッド増幅器。
【請求項34】
前記安定化キャパシタは、前記ゲート共通形トランジスタの前記複数の接点間に分散して配置された複数の安定化キャパシタから成る、請求項33記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項35】
前記安定化キャパシタは、前記ゲート共通形トランジスタの前記複数の接点相互間に延びる相互接続給電フィンガに沿って分布して配置されている、請求項33記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項36】
前記安定化キャパシタは、複数の安定化キャパシタから成り、
前記複数の安定化キャパシタは、前記ゲート共通形トランジスタの前記複数の接点相互間に延びる複数の相互接続給電フィンガに沿って分布して配置されている、請求項33記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項37】
前記ソース共通形トランジスタおよび前記ゲート共通形トランジスタは、前記半導体ダイ上に並置配列関係をなして形成されている、請求項33記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項38】
前記ソース共通形トランジスタおよび前記ゲート共通形トランジスタは、バイアス相互接続給電ラインが前記ソース共通形トランジスタと前記ゲート共通形トランジスタとの間に延びている状態で、前記半導体ダイ上に並置配列関係をなして形成されている、請求項33記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項39】
前記増幅器セルのためのバイアシングネットワークと、
前記バイアシングネットワークと前記増幅器セルとの間に結合されたバイアス相互接続給電ラインとをさらに有し、
前記バイアス相互接続給電ラインは、前記半導体ダイ上に並置配列関係をなす前記ソース共通形トランジスタと前記ゲート共通形トランジスタとの間に延びるとともに前記ソース共通形トランジスタと前記ゲート共通形トランジスタを分離している、請求項37記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項40】
前記増幅器セルは、前記ゲート共通形トランジスタのための抵抗器‐キャパシタネットワークをさらに含み、前記抵抗器‐キャパシタネットワークは、前記ゲート共通形トランジスタのゲートと前記インテグレーテッド増幅器のためのグラウンドとの間に結合されている、請求項39記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項41】
前記抵抗器‐キャパシタネットワークの抵抗器は、前記バイアス相互接続給電ラインとインライン関係をなして形成されるとともに結合されている、請求項40記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項42】
前記抵抗器‐キャパシタネットワークは、前記ソース共通形トランジスタと前記ゲート共通形トランジスタの間に延びるとともに前記ゲート共通形トランジスタと前記ソース共通形トランジスタを分離する前記バイアス相互接続給電ラインを通って前記ゲート共通形トランジスタの前記ゲートから前記ソース共通形トランジスタのソースまで結合されている、請求項40記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項43】
前記抵抗器‐キャパシタネットワークのキャパシタは、前記ソース共通形トランジスタのソースのための金属特徴部を備えている、請求項41記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項44】
前記インテグレーテッド増幅器のパワーハンドリング容量は、400Wを超える、請求項33記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項45】
前記インテグレーテッド増幅器の動作供給電圧は、50Vを超える、請求項33記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項46】
半導体ダイ上に実装されたインテグレーテッド増幅器であって、
増幅器セルを有し、前記増幅器セルは、前記半導体ダイ上に第2のトランジスタと並置配列関係をなす第1のトランジスタを有し、
増幅器セルのためのバイアシングネットワークをさらに有し、
前記バイアシングネットワークと前記増幅器セルとの間に結合されたバイアス相互接続給電ラインをさらに有し、前記バイアス相互接続給電ラインは、前記半導体ダイ上の前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとの間に延びるとともに前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタを分離している、インテグレーテッド増幅器。
【請求項47】
前記インテグレーテッド増幅器のための出力と前記第2のトランジスタのゲートとの間に結合された安定化キャパシタをさらに有し、前記安定化キャパシタは、前記第2のトランジスタの複数の接点間で前記半導体ダイ上に形成されている、請求項46記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項48】
前記安定化キャパシタは、前記第2のトランジスタの前記複数の接点相互間に延びる相互接続給電フィンガに沿って分布して配置されている、請求項47記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項49】
前記増幅器セルは、前記第2のトランジスタのための抵抗器‐キャパシタネットワークをさらに含み、前記抵抗器‐キャパシタネットワークは、前記第2のトランジスタのゲートと前記インテグレーテッド増幅器のためのグラウンドとの間に結合されている、請求項46記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項50】
前記抵抗器‐キャパシタネットワークは、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタの間に延び、かつ前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタを分離する前記バイアス相互接続給電ラインを通って前記第2のトランジスタの前記ゲートから前記第1のトランジスタのソースまで結合されている、請求項49記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項51】
前記抵抗器‐キャパシタネットワークの抵抗器は、前記バイアス相互接続給電ラインとインライン関係をなして形成されるとともに結合されている、請求項49記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項52】
前記抵抗器‐キャパシタネットワークのキャパシタは、前記第1のトランジスタのソースのための金属特徴部を備えている、請求項49記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項53】
第2の増幅器セルをさらに有し、前記第2の増幅器セルは、
第3のトランジスタを含み、前記第3のトランジスタは、前記半導体ダイ上に第4のトランジスタと並置関係をなして配置され、
前記バイアス相互接続給電ラインは、前記第3のトランジスタと前記第4のトランジスタとの間に延び、かつ前記第3のトランジスタと前記第4のトランジスタを分離している、請求項46記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項54】
前記増幅器セルと前記第2の増幅器セルとの間に結合された分離抵抗器をさらに有し、
前記分離抵抗器は、前記バイアス相互接続給電ラインとインライン関係をなして形成されるとともに結合されている、請求項請求項53記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項55】
半導体ダイ上に実装されたインテグレーテッド増幅器であって、
増幅器セルと、
前記増幅器セルのためのバイアシングネットワークと、を有し、
前記バイアシングネットワークは、2つのドレイン共通形トランジスタ、2つの電流源トランジスタ、および前記2つのドレイン共通形トランジスタと前記2つの電流源トランジスタとの間に位置するバイアスノードを含み、
前記2つのドレイン共通形トランジスタは、異なるチャネル幅を有し、
前記2つの電流源トランジスタは、異なるチャネル幅を有する、インテグレーテッド増幅器。
【請求項56】
前記2つのドレイン共通形トランジスタのゲートが互いに結合されている、請求項55記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項57】
前記2つの電流源トランジスタのゲートが互いに結合されている、請求項55記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項58】
前記増幅器セルのための出力と前記2つのドレイン共通形トランジスタのゲートとの間に結合された抵抗器電圧分配器ネットワークをさらに有する、請求項55記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項59】
前記2つのドレイン共通形トランジスタのゲートと前記バイアスノードとの間に結合されたキャパシタをさらに有する、請求項55記載のインテグレーテッド増幅器。
【請求項60】
パッケージ化増幅器デバイスであって、
入力リード、出力リード、およびグラウンドリードを備えたデバイスパッケージを有し、
前記デバイスパッケージ内に固定された第1の半導体ダイ上に実装されている第1のインテグレーテッド増幅器を有し、
前記デバイスパッケージ内に固定された第2の半導体ダイ上に実装されている第2のインテグレーテッド増幅器を有し、前記第1のインテグレーテッド増幅器の出力は、前記デバイスパッケージ内の前記第2のインテグレーテッド増幅器の出力と並列に結合され、
前記第1の半導体ダイと前記第2の半導体ダイとの間に結合されたボンドワイヤを有する、パッケージ化増幅器デバイス。
【請求項61】
前記デバイスパッケージ内に固定された第3の半導体ダイ上に実装されている第3のインテグレーテッド増幅器をさらに有し、前記第3のインテグレーテッド増幅器の出力は、前記デバイスパッケージ内の前記第1のインテグレーテッド増幅器の前記出力および前記第2のインテグレーテッド増幅器の前記出力と並列に結合され、
前記第2の半導体ダイと前記第3の半導体ダイとの間に結合された第2のボンドワイヤをさらに有する、請求項60記載のパッケージ化増幅器デバイス。
【請求項62】
第1のキャパシタを備えた第3の半導体ダイと、
第2のキャパシタを備えた第4の半導体ダイと、
前記第3の半導体ダイと前記第4の半導体ダイとの間に結合された第2のボンドワイヤとをさらに有する、請求項60記載のパッケージ化増幅器デバイス。
【請求項63】
前記パッケージ化増幅器デバイスのパワーハンドリング容量は、2,000Wを超える、請求項60記載のパッケージ化増幅器デバイス。
【請求項64】
前記パッケージ化増幅器デバイスのための動作供給電圧は、50Vを超える、請求項60記載のパッケージ化増幅器デバイス。
【請求項65】
前記デバイスパッケージは、第2の入力リードおよび第2の出力リードをさらに備えている、請求項60記載のパッケージ化増幅器デバイス。
【請求項66】
パッケージ化増幅器デバイスであって、
パッケージリードを備えたデバイスパッケージを有し、前記パッケージリードは3つのパッケージリードから成り、
半導体ダイ上に実装されたインテグレーテッド増幅器を有し、前記半導体ダイは、前記デバイスパッケージ内に固定され、
前記インテグレーテッド増幅器は、
カスコード接続関係をなすソース共通形トランジスタおよびゲート共通形トランジスタを含む増幅器セルを有し、前記ソース共通形トランジスタおよび前記ゲート共通形トランジスタのうちの少なくとも一方は、フィールドプレートを含み、
前記増幅器セルのためのバイアシングネットワークを有し、
前記インテグレーテッド増幅器のための出力は、前記3つのパッケージリードのうちの出力リードに結合され、
前記インテグレーテッド増幅器のための入力は、前記3つのパッケージリードのうちの入力リードに結合されている、パッケージ化増幅器デバイス。
【請求項67】
前記デバイスパッケージ内に固定された第2の半導体ダイ上に実装されている第2のインテグレーテッド増幅器をさらに有し、前記インテグレーテッド増幅器の前記出力は、前記デバイスパッケージ内の前記第2のインテグレーテッド増幅器の出力と並列に結合され、
前記半導体ダイと前記第2の半導体ダイとの間に結合されたボンドワイヤをさらに有する、請求項66記載のパッケージ化増幅器デバイス。
【請求項68】
キャパシタを含む第2の半導体ダイをさらに有し、前記第2の半導体ダイは、前記デバイスパッケージ内の前記インテグレーテッド増幅器に結合されている、請求項66記載のパッケージ化増幅器デバイス。
【請求項69】
前記出力リードは、前記デバイスパッケージの導電性フランジから成り、
前記半導体ダイは、はんだを用いて前記導電性フランジに固定され、
前記第2の半導体ダイは、エポキシを用いて前記導電性フランジに固定されている、請求項68記載のパッケージ化増幅器デバイス。
【請求項70】
パッケージ化増幅器デバイスであって、
入力リード、出力リード、およびグラウンドリードを備えたデバイスパッケージを有し、
前記デバイスパッケージ内に固定された第1の半導体ダイ上に実装されている第1のインテグレーテッド増幅器を有し、
前記第1のインテグレーテッド増幅器の出力ボンドパッドと前記出力リードとの間に結合された第1のボンドワイヤを有し、
前記デバイスパッケージ内に固定された第2の半導体ダイ上に実装されている第2のインテグレーテッド増幅器を有し、
前記第2のインテグレーテッド増幅器の出力ボンドパッドと前記出力リードとの間に結合された第2のボンドワイヤを有し、前記第1のインテグレーテッド増幅器の出力が前記第2のインテグレーテッド増幅器の出力と並列に結合されるようになっており、
前記第1の半導体ダイと前記第2の半導体ダイとの間に結合された第3のボンドワイヤを有する、パッケージ化増幅器デバイス。
【請求項71】
キャパシタを含む第3の半導体ダイと、
前記入力リードと前記第3の半導体ダイの入力ボンドパッドとの間に結合された第4のボンドワイヤと、
前記第3の半導体ダイの出力ボンドパッドと前記第1のインテグレーテッド増幅器の入力ボンドパッドとの間に結合された第5のボンドワイヤとをさらに有する、請求項70記載のパッケージ化増幅器デバイス。
【請求項72】
前記出力リードは、前記デバイスパッケージの導電性フランジから成り、
前記第1の半導体ダイおよび前記第2の半導体ダイは、はんだを用いて前記導電性フランジに固定され、
前記第3の半導体ダイは、エポキシを用いて前記導電性フランジに固定されている、請求項71記載のパッケージ化増幅器デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本願は、2021年3月31日に出願された米国特許非仮出願第17/219,118号の優先権主張出願であり、この米国特許非仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【0002】
半導体業界は、コストがより安くかつサイズのより小さいインテグレーテッドデバイス、特にモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)の需要を引き続き目の当たりにしている。MMICデバイスは、マイクロ波周波数で動作可能に設計された集積回路(IC)を含む。動作のうちでとりわけ、電力増幅、ミキシング、および高周波スイッチングのためにMMICデバイスを利用する場合がある。半導体業界は、電圧が高くかつ電力が高いインテグレーテッドデバイスの需要もまた引き続き目の当たりにしておりかかるインテグレーテッドデバイスとしては、高電圧高電力型MMIC電力増幅回路(増幅器)が挙げられる。
【0003】
ソース共通形増幅器は、基本的な単段電界効果トランジスタ(FET)増幅器技術のうちの1つである。ソース共通形FET増幅器では、入力信号がFET増幅器のゲート端子のところに提供され、出力信号がFET増幅器のドレインのところに提供される。FET増幅器のソース端子は、入力端子と出力端子のいずれについても利用されず、ソース端子は、「共通」端子とみなされる。バイポーラ接合トランジスタでは、類似の回路トポロジーは、相互コンダクタンス増幅器または電圧増幅器と称されるのが通例である。
【発明の概要】
【0004】
インテグレーテッド増幅器、インテグレーテッド増幅器のレイアウト、および増幅器のパッケージ化構造の種々の観点を記載する。1つの実施例では、増幅器は、増幅器セルおよびバイアシングネットワークを有する。増幅器セルは、カスコード接続関係にあるソース共通形トランジスタおよびゲート共通形トランジスタを含み、ソース共通形トランジスタおよびゲート共通形トランジスタのうちの少なくとも一方は、フィールドプレートを含む。バイアシングネットワークは、増幅器セル内のゲート共通形トランジスタに結合される。ソース共通形トランジスタのドレインはまた、カスコード接続関係にあるゲート共通形トランジスタのソースに電気的に結合されるのがよい。場合によっては、増幅器セルは、第2のゲート共通形トランジスタ、第3のゲート共通形トランジスタ、またはより多くのゲート共通形トランジスタをさらに含むことができる。実施形態の1つの観点では、安定化キャパシタが増幅器のための出力とゲート共通形トランジスタのゲートとの間に結合されるのがよい。安定化キャパシタのキャパシタンスは、増幅器のための動作周波数にわたって増幅器のための正の実出力インピーダンスを維持することができる。
【0005】
もう1つの観点では、ゲート共通形トランジスタのゲートは、バイアシングネットワークのバイアシングノードに結合されるのがよい。バイアシングネットワークは、増幅器のための出力と、増幅器セルと、増幅器のためのグラウンド(アース)との間に結合された抵抗器電圧分配器ネットワークを含むのがよい。ゲート共通形トランジスタのゲートは、抵抗器電圧分配器ネットワークに沿ってバイアシングノードに結合されるのがよい。バイアシングネットワークは、諸実施形態のもう1つの観点では、抵抗器電圧分配器ネットワークと直列に結合されたインダクタを含むのがよい。バイアシングネットワークは、供給トランジスタをさらに含むのがよい。供給トランジスタのゲートは、抵抗器電圧分配器ネットワークに沿ってバイアシングノードに結合されるのがよく、ゲート共通形トランジスタのゲートは、供給トランジスタのソースに結合されるのがよい。
【0006】
諸実施形態のもう1つの観点では、増幅器セルは、ゲート共通形トランジスタのゲートと増幅器のためのグラウンドとの間に結合された抵抗器‐キャパシタネットワークをさらに含むのがよい。抵抗器‐キャパシタネットワークは、ゲート共通形トランジスタのゲートのところに高周波グラウンドを提供することができる。増幅器は、増幅器セルとバイアシングネットワークとの間に結合された安定化抵抗器をさらに有するのがよい。
【0007】
増幅器は、第2の増幅器セルをさらに有するのがよい。第2の増幅器セルは、カスコード接続関係をなす第2のソース共通形トランジスタおよび第2のゲート共通形トランジスタを含むのがよい。増幅器の出力に関し、第2の増幅器セルは、増幅器セルと並列に配置されるのがよい。バイアシングネットワークは、増幅器セルと第2の増幅器セルの両方にバイアスをかけるために増幅器セルおよび第2の増幅器セルに結合されるのがよい。増幅器セルの出力は、第2の増幅器セルの出力に直接結合されるのがよい。
【0008】
安定化抵抗器が増幅器セルの入力と第2の増幅器セルの入力との間に結合されるのがよい。安定化抵抗器が増幅器セルとバイアシングネットワークとの間に結合されるのがよい。第1の安定化抵抗器が増幅器セルとバイアシングネットワークとの間に結合されるのがよく、第2の安定化抵抗器が増幅器セルと第2の増幅器セルとの間に結合されるのがよい。
【0009】
増幅器は、第2のバイアシングネットワークをさらに有するのがよく、ゲート共通形トランジスタのゲートと第2のゲート共通形トランジスタのゲートは、両方とも、バイアシングネットワークおよび第2のバイアシングネットワークに結合される。増幅器は、バイアス相互接続給電ラインをさらに有するのがよい。バイアシングネットワークは、バイアス相互接続給電ラインの第1の端部のところに結合されるのがよく、第2のバイアシングネットワークは、バイアス相互接続給電ラインの第2の端部のところに結合されるのがよい。増幅器は、バイアス相互接続給電ラインの第1の端部のところで増幅器セルとバイアシングネットワークとの間に結合された安定化抵抗器と、バイアス相互接続給電ラインに沿って増幅器セルと第2の増幅器セルとの間に結合された第2の安定化抵抗器と、バイアス相互接続給電ラインの第2の端部のところで第2の増幅器セルと第2のバイアシングネットワークとの間に結合された第3の安定化抵抗器とをさらに有するのがよい。
【0010】
増幅器のパワーハンドリング容量は、一実施例では400Wを超えるのがよく、増幅器のための動作供給電圧は、50Vを超えるのがよい。増幅器は、他の電力範囲および他の動作供給電圧下で動作することができる。
【0011】
もう1つの実施例では、増幅器は、増幅器セルと、増幅器のための出力と第2のトランジスタのゲートとの間に結合された安定化キャパシタと、増幅器セルのためのバイアシングネットワークとを有するのがよい。増幅器セルは、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを含む。安定化キャパシタのキャパシタンスは、増幅器のための動作周波数にわたって増幅器のための正の実出力インピーダンスを維持するのがよい。バイアシングネットワークは、増幅器の出力と第2トランジスタのためのゲートとの間に結合される。第1のトランジスタは、ソース共通形トランジスタであるのがよく、第2のトランジスタは、ゲート共通形トランジスタであるのがよく、第1のトランジスタと第2のトランジスタは、カスコード接続関係をなして結合されるのがよい。もう1つの観点では、第1のトランジスタおよび第2のトランジスタのうちの少なくとも一方は、フィールドプレートを含む。
【0012】
バイアシングネットワークは、出力と増幅器セルと増幅器のためのグラウンドとの間に結合された抵抗器電圧分配器ネットワークを含むのがよい。バイアシングネットワークは、供給トランジスタをさらに含むのがよい。供給トランジスタのゲートは、抵抗器電圧分配器ネットワークに沿ってバイアシングノードに結合されるのがよく、第2のトランジスタのゲートは、供給トランジスタのソースに結合されるのがよい。増幅器セルは、第2のトランジスタのゲートと増幅器のためのグラウンドとの間に結合された抵抗器‐キャパシタネットワークをさらに含むのがよい。増幅器は、増幅器セルとバイアシングネットワークとの間に結合された安定化抵抗器をさらに有するのがよい。
【0013】
諸実施形態のもう1つの観点では、増幅器は、第2の増幅器セルを有するのがよい。出力に関し、第2の増幅器セルは、増幅器セルと並列に配置されるのがよい。バイアシングネットワークは、増幅器セルと第2の増幅器セルの両方にバイアスをかけるために増幅器セルおよび第2の増幅器セルに結合されるのがよい。増幅器は、第2のバイアシングネットワークをさらに有するのがよい。バイアシングネットワークおよび第2のバイアシングネットワークは、増幅器セルと第2の増幅器セルの両方にバイアスをかけるために増幅器セルおよび第2の増幅器セルに結合されるのがよい。
【0014】
もう1つの実施例では、半導体ダイ上に実装されたインテグレーテッド増幅器が増幅器セルを有する。増幅器セルは、カスコード接続関係をなすソース共通形トランジスタおよびゲート共通形トランジスタを含む。ゲート共通形トランジスタは、半導体ダイ上に形成された複数の接点を有する。インテグレーテッド増幅器は、インテグレーテッド増幅器のための出力とゲート共通形トランジスタのゲートとの間に結合された安定化キャパシタをさらに有する。安定化キャパシタは、半導体ダイ上のゲート共通形トランジスタの複数の接点間に形成されるのがよい。
【0015】
諸実施形態のもう1つの観点では、安定化キャパシタは、ゲート共通形トランジスタの複数の接点間に分散して配置された複数の安定化キャパシタを含む。安定化キャパシタは、ゲート共通形トランジスタの複数の接点相互間に延びる相互接続給電フィンガに沿って分布して配置されるのがよい。安定化キャパシタは、多数の安定化キャパシタを含むのがよく、安定化キャパシタは、ゲート共通形トランジスタの接点相互間に延びる多数の相互接続給電フィンガに沿って分布して配置されるのがよい。
【0016】
諸実施形態のもう1つの観点では、ソース共通形トランジスタおよびゲート共通形トランジスタは、半導体ダイ上に並置配列関係をなして形成されるのがよい。ソース共通形トランジスタおよびゲート共通形トランジスタは、半導体ダイ上に並置関係をなして配列されるのがよい。ソース共通形トランジスタおよびゲート共通形トランジスタは、バイアス相互接続給電ラインがソース共通形トランジスタとゲート共通形トランジスタとの間に延びている状態で、半導体ダイ上に並置関係をなして配列されるのがよい。
【0017】
インテグレーテッド増幅器は、増幅器セルのためのバイアシングネットワークと、バイアシングネットワークと増幅器セルとの間に結合されたバイアス相互接続給電ラインとをさらに有するのがよい。バイアス相互接続給電ラインは、半導体ダイ上に並置配列関係をなすソース共通形トランジスタとゲート共通形トランジスタとの間に延びるとともにソース共通形トランジスタとゲート共通形トランジスタを分離するのがよい。
【0018】
増幅器セルは、ゲート共通形トランジスタのための抵抗器‐キャパシタネットワークをさらに含むのがよい。抵抗器‐キャパシタネットワークは、ゲート共通形トランジスタのゲートとインテグレーテッド増幅器のためのグラウンドとの間に結合されるのがよい。抵抗器‐キャパシタネットワークの抵抗器は、バイアス相互接続給電ラインとインライン関係をなして形成されるとともに結合されるのがよい。抵抗器‐キャパシタネットワークは、ソース共通形トランジスタとゲート共通形トランジスタの間に延びるとともにゲート共通形トランジスタとソース共通形トランジスタを分離するバイアス相互接続給電ラインを通ってゲート共通形トランジスタのゲートからソース共通形トランジスタのソースまで結合されるのがよい。抵抗器‐キャパシタネットワークのキャパシタは、ソース共通形トランジスタのソースのための金属特徴部を備えるのがよい。
【0019】
もう1つの実施例では、半導体ダイ上に実装されたインテグレーテッド増幅器が増幅器セル、増幅器セルのためのバイアシングネットワーク、およびバイアシングネットワークと増幅器セルとの間に結合されたバイアス相互接続給電ラインを有する。増幅器セルは、半導体ダイ上の第2のトランジスタと並置配列関係にある第1のトランジスタを有するのがよい。バイアス相互接続給電ラインは、半導体ダイ上の第1のトランジスタと第2のトランジスタとの間に延びるとともに第1のトランジスタと第2のトランジスタを分離するのがよい。
【0020】
インテグレーテッド増幅器は、インテグレーテッド増幅器のための出力と第2のトランジスタのゲートとの間に結合された安定化キャパシタをさらに有するのがよい。安定化キャパシタは、第2のトランジスタの複数の接点間で半導体ダイ上に形成されるのがよい。安定化キャパシタは、第2のトランジスタの複数の接点相互間に延びる相互接続給電フィンガに沿って分布して配置されるのがよい。
【0021】
増幅器セルは、第2のトランジスタのための抵抗器‐キャパシタネットワークをさらに含むのがよい。抵抗器‐キャパシタネットワークは、第2のトランジスタのゲートとインテグレーテッド増幅器のためのグラウンドとの間に結合されるのがよい。抵抗器‐キャパシタネットワークは、第1のトランジスタと第2のトランジスタの間に延び、かつ第1のトランジスタと第2のトランジスタを分離するバイアス相互接続給電ラインを通って第2のトランジスタのゲートから第1のトランジスタのソースまで結合されるのがよい。抵抗器‐キャパシタネットワークの抵抗器は、バイアス相互接続給電ラインとインライン関係をなして形成されるとともに結合されるのがよい。抵抗器‐キャパシタネットワークのキャパシタは、第1のトランジスタのソースのための金属特徴部を備えるのがよい。
【0022】
諸実施形態のもう1つの観点では、インテグレーテッド増幅器は、第2の増幅器セルをさらに有するのがよい。第2の増幅器セルは、半導体ダイ上に第4のトランジスタと並置関係をなして配置された第3のトランジスタを含むのがよい。バイアス相互接続給電ラインは、第3のトランジスタと第4のトランジスタとの間に延び、かつ第3のトランジスタと第4のトランジスタを分離するのがよい。インテグレーテッド増幅器は、増幅器セルと第2の増幅器セルとの間に結合された分離抵抗器をさらに有するのがよい。分離抵抗器は、バイアス相互接続給電ラインとインライン関係をなして形成されるとともに結合されるのがよい。
【0023】
もう1つの実施例では、半導体ダイ上に実装されたインテグレーテッド増幅器が増幅器セルおよび増幅器セルのためのバイアシングネットワークを有する。バイアシングネットワークは、2つのドレイン共通形トランジスタ、2つの電流源トランジスタ、および2つのドレイン共通形トランジスタと2つの電流源トランジスタとの間に位置するバイアスノードを含む。2つのドレイン共通形トランジスタは、異なるチャネル幅を有するのがよく、2つの電流源トランジスタは、異なるチャネル幅を有するのがよい。2つのドレイン共通形トランジスタのゲートは、互いに結合されるのがよい。2つの電流源トランジスタのゲートは、互いに結合されるのがよい。
【0024】
諸実施形態のもう一つの観点では、インテグレーテッド増幅器は、増幅器セルのための出力と2つのドレイン共通形トランジスタのゲートとの間に結合された抵抗器電圧分配器ネットワークをさらに有するのがよい。インテグレーテッド増幅器は、2つのドレイン共通形トランジスタのゲートとバイアスノードとの間に結合されたキャパシタをさらに有するのがよい。
【0025】
もう1つの実施例では、パッケージド増幅器デバイスは、入力リード、出力リード、およびグラウンドリードを備えたデバイスパッケージ、デバイスパッケージ内に固定された第1の半導体ダイ上に実装されている第1のインテグレーテッド増幅器、デバイスパッケージ内に固定された第2の半導体ダイ上に実装されている第2のインテグレーテッド増幅器、および第1の半導体ダイと第2の半導体ダイとの間に結合されたボンドワイヤを有する。第1のインテグレーテッド増幅器の出力は、デバイスパッケージ内の第2のインテグレーテッド増幅器の出力と並列に結合されるのがよい。
【0026】
パッケージド増幅器デバイスは、デバイスパッケージ内に固定された第3の半導体ダイ上に実装されている第3のインテグレーテッド増幅器をさらに有するのがよい。第3のインテグレーテッド増幅器の出力は、デバイスパッケージ内の第1のインテグレーテッド増幅器の出力および第2のインテグレーテッド増幅器の出力と並列に結合されるのがよい。パッケージド増幅器デバイスは、第2の半導体ダイと第3の半導体ダイとの間に結合されたボンドワイヤをさらに有するのがよい。パッケージド増幅器デバイスは、第1のキャパシタを備えた第3の半導体ダイ、第2のキャパシタを備えた第4の半導体ダイ、および第3の半導体ダイと第4の半導体ダイとの間に結合されたボンドワイヤをさらに有するのがよい。
【0027】
諸実施形態のもう1つの観点では、パッケージド増幅器デバイスのパワーハンドリング容量は、2,000Wを超えるのがよく、パッケージド増幅器デバイスのための動作供給電圧は、50Vを超えるのがよい。パッケージド増幅器は、他の電力範囲および他の動作供給電圧下で動作することができる。
【0028】
もう1つの実施例では、パッケージド増幅器デバイスは、パッケージリードを備えたデバイスパッケージおよび半導体ダイ上に実装されているインテグレーテッド増幅器を有する。パッケージリードは、一ケース内に設けられた3本のパッケージリードから成るのがよい。半導体ダイは、デバイスパッケージ内に固定されるのがよい。インテグレーテッド増幅器は、増幅器セルを有する。増幅器セルは、カスコード接続関係をなすソース共通形トランジスタおよびゲート共通形トランジスタを含み、増幅器セルのためのバイアシングネットワークが設けられる。インテグレーテッド増幅器のための出力は、3つのパッケージリードのうちの出力リードに結合されるのがよく、インテグレーテッド増幅器のための入力は、3つのパッケージリードのうちの入力リードに結合されるのがよい。
【0029】
諸実施形態のもう1つの観点では、パッケージド増幅器デバイスは、デバイスパッケージ内に固定された第2の半導体ダイ上に実装されている第2のインテグレーテッド増幅器をさらに有するのがよい。インテグレーテッド増幅器の出力は、デバイスパッケージ内の第2のインテグレーテッド増幅器の出力と並列に結合されるのがよく、ボンドワイヤが半導体ダイと第2の半導体ダイとの間に結合されるのがよい。パッケージド増幅器デバイスは、第2の半導体ダイをさらに有するのがよい。第2の半導体ダイは、キャパシタを含むのがよく、第2の半導体ダイは、デバイスパッケージ内のインテグレーテッド増幅器に結合されるのがよい。諸実施形態のもう1つの観点では、出力リードは、デバイスパッケージの導電性フランジを含むのがよく、半導体は、はんだを用いて導電性フランジに固定されるのがよく、第2の半導体ダイは、エポキシを用いて導電性フランジに固定されるのがよい。
【0030】
もう1つの実施例では、パッケージド増幅器デバイスは、入力リード、出力リード、およびグラウンドリードを備えたデバイスパッケージ、デバイスパッケージ内に固定された第1の半導体ダイ上に実装されている第1のインテグレーテッド増幅器、第1のインテグレーテッド増幅器の出力ボンドパッドと出力リードとの間に結合された第1のボンドワイヤ、およびデバイスパッケージ内に固定された第2の半導体ダイ上に実装されている第2のインテグレーテッド増幅器、および第2のインテグレーテッド増幅器の出力ボンドパッドと出力リードとの間に結合された第2のボンドワイヤを有し、第1のインテグレーテッド増幅器の出力が第2のインテグレーテッド増幅器の出力と並列に結合されるようになっており、パッケージド増幅器デバイスは、第1の半導体ダイと第2の半導体ダイとの間に結合された第3のボンドワイヤをさらに有する。
【0031】
パッケージド増幅器デバイスは、キャパシタを含む第3の半導体ダイ、入力リードと第3の半導体ダイの入力ボンドパッドとの間に結合された第4のボンドワイヤ、および第3の半導体ダイの出力ボンドパッドと第1のインテグレーテッド増幅器の入力ボンドパッドとの間に結合された第5のボンドワイヤをさらに有する。
【0032】
本開示の諸観点は、以下の図面を参照すると良好に理解できる。注目されるように、図中の要素は、必ずしも縮尺通りには描かれておらず、そうではなく、実施例の原理の説明に強調点が置かれている。図面中、同一の参照符号は、幾つかの図全体にわたって、同一または対応の要素を示しているが、必ずしも同一の要素が示されているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本明細書において説明する種々の実施例に係る例示の増幅段を示す図である。
【
図2】本明細書において説明する種々の実施例に係る安定化キャパシタを備えたもう1つの実施例としての増幅段を示す図である。
【
図3】本明細書において説明する種々の実施例に係るチョークコイルを含むバイアシングネットワークをそなえたもう1つの実施例としての増幅段を示す図である。
【
図4】本明細書において説明する種々の実施例に係るバイアス供給トランジスタを含むバイアシングネットワークを備えたもう1つの実施例としての増幅段を示す図である。
【
図5】本明細書において説明する種々の実施例に係るバイアス安定化抵抗器を備えたもう1つの実施例としての増幅段を示す図である。
【
図6】本明細書において説明する種々の実施例に係る追加のトランジスタ断を含むもう1つの実施例としての増幅段を示す図である。
【
図7】本明細書において説明する種々の実施例に係るバイアス安定化抵抗器を備えたもう1つの実施例としての増幅段を示す図である。
【
図8】本明細書において説明する種々の実施例に係る例示のスタックド増幅器を示す図である。
【
図9】本明細書において説明する種々の実施例に係るスタックド増幅器の一礼としての半導体ダイレイアウトを示す図である。
【
図10】本明細書において説明する種々の実施例に係る
図9に示されているレイアウトの一領域を示す図である。
【
図11】本明細書において説明する種々の実施例に係る
図10に示されている一領域の拡大図である。
【
図12】本明細書において説明する種々の実施例に係る
図10に示されている一領域のもう1つの拡大図である。
【
図13】本明細書において説明する種々の実施例に係るパッケージド増幅器デバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
ある特定の用途に関し、比較的高い供給電圧で動作することができる高周波(RF)半導体増幅器デバイスを開発する必要性がある。高い出力電力、高い利得、および高い効率を達成するとともに、さらに高い負荷インピーダンスで動作するためには、高い供給電圧を利用するのがよい。また、高い負荷インピーダンスを使用すると、その結果として、RF周波数における整合損失が少なくなる。
【0035】
しかしながら、半導体増幅器デバイスを高い電圧で動作させると、デバイス中のトランジスタ増幅器についてピーク電界強度が高くなり、しかも接合温度が高くなるので、場合によっては信頼性が低くなる場合がある。これら信頼性に関する問題に取り組む一手法は、供給電圧を2つ、3つ、またはそれ以上のトランジスタ前後で低下させるトランジスタ回路トポロジーを使用することである。この種の回路トポロジーでは、トランジスタの各々に分配された直流電流(DC)電圧は、個々のトランジスタの任意のものの最大定格電圧を超えることはない。このやり方は、トランジスタ相互間のピーク電界強度および接合部温度を効果的に減少させることができる。例えば、カスコードトランジスタ回路トポロジーを用いた場合、個々のトランジスタのピーク電界強度または接合部温度を増大させないで動作供給電圧を2倍にすることができる。
【0036】
1つのトランジスタ回路トポロジー方式では、トランジスタ回路は、簡単にするために、簡単なソース共通形(ソース接地形)トランジスタのための接続しか必要とせず、このトランジスタ回路は、かかる簡単なソース共通形トランジスタのように挙動する。かかる回路トポロジーは、ゲート端子、ドレイン端子、およびグラウンド(アース)端子を有し、この場合、回路にバイアスをかけるためまたは他の目的のために、追加の端子または接続部を用いない。トランジスタ回路トポロジーはまた、信頼性、性能を犠牲にせず、または、抵抗器およびインダクタのバイアシングネットワークのようなオフチップ部品を含む追加の部品を必要としないで、高い供給電圧で動作することができる。
【0037】
幾つかのトランジスタの回路トポロジーを用いて電圧降下を分散させる上での1つの課題は、安定動作の維持である。アプローチのうちでとりわけ、安定化抵抗器は、カスコードトランジスタ回路トポロジー中のゲート共通形(ゲート接地形)トランジスタ上に実装されたRF接地キャパシタと直列に結合されるのがよい。しかしながら、安定化抵抗器および抵抗器‐キャパシタネットワークは、あらゆる場合において安定化を保証するのに十分であるとは限らない。例えば、フィールドプレートを有するトランジスタを用い、またはドレインキャパシタンスに対して極めて小さなゲートを有する回路の場合、安定化抵抗器および抵抗器‐キャパシタネットワークは、動作電圧および動作周波数の全範囲にわたり安定性を保証するに十分であるとは言えない。
【0038】
上記の技術的状況において、本明細書において記載する実施形態は、高電圧増幅器向きに積み重ね可能な新規なトランジスタ回路トポロジーに関する。実施形態の幾つかの新規な特徴および新規な観点を回路レベル、デバイスレイアウトレベル、およびデバイス包装レベルで説明する。1つの観点では、本明細書において説明する増幅器に比較的高い電圧でバイアスをかけるのがよく、かかる増幅器は、信頼性、性能を犠牲にすることなく、または追加のオフチップ部品を必要とすることなく、依然として単一のソース共通形トランジスタのように動作する。
【0039】
本明細書において説明する増幅器は、数個のスタックド(stacked:積み重ね型)トランジスタ回路が高い電力容量が得られるよう並列に配列された場合であっても、1つの入力、1つの出力、および1つのグラウンド端子しか必要としない。インテグレーテッド(integrated:集積型)増幅器デバイスの安定性は、デバイスのパッケージ内のオンチップ特徴部とチップ相互間特徴の両方によって向上する。パッケージド(packaged:パッケージ化)増幅器デバイスは、追加の外部バイアシングまたは追加のオフチップ部品を必要としない。実施形態のこれら観点および幾つかの他の観点について以下にさらに詳細に説明する。
【0040】
図1は、本明細書において説明する種々の実施形態に係る増幅段10を示している。
図2~
図7に示した他の増幅段と同様に、増幅段10は、比較的高い動作供給電圧で安定した動作が可能であるように設計された高電圧トランジスタ増幅器の代表的な例として提供されている。
図1の記載は、網羅的ではなく、増幅段10は、図示されていない他の部品を含むことができる。加うるに、場合によっては
図1に示される1つ以上の部品を省くことができる。増幅段10は、種々の仕方で、例えば、別々の部品を用いて、1つ以上の半導体ダイ上に形成された集積回路デバイスとして、あるいは、別々の部品および集積回路デバイスの組み合わせとして形成できる。また、増幅段10は、他の部品付きでまたは他の部品なしで適当な半導体パッケージ内にパッケージ化でき、これについては、以下にさらに詳細に説明する。
【0041】
一実施例では、増幅段10のトランジスタ(および本明細書において説明する他のトランジスタ)は、第III~第V族の元素半導体材料で形成でき、かかる半導体材料としては、第III族窒化物(アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、およびこれらの合金(AlGaIn)を主成分とする窒化物)、ガリウムヒ素(GaAs)、インジウムリン(InP)、インジウムガリウムリン(InGaP)、アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)、およびこれらの化合物が挙げられる。他の場合、増幅段10のトランジスタは、第IV族元素半導体材料で形成されるのがよく、かかる半導体材料としては、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、およびこれらの化合物が挙げられる。増幅段10は、インテグレーテッドデバイスとして具体化される場合、半導体製造プロセスにおける任意適当なステップのシーケンスを用いて形成されるのがよい。
【0042】
図1に示すように、増幅段10は、入力12、出力14、増幅器セル20、バイアシングネットワーク30、および安定化ネットワーク40を含む。増幅器セル20は、ソース共通形トランジスタ22およびゲート共通形トランジスタ24を含む。ソース共通形トランジスタ22とゲート共通形トランジスタ24は、カスコード接続関係をなして結合されている。バイアシングネットワーク30は、直列接続電圧分配器中に配置された抵抗器32,34を含み、安定化ネットワーク40は、キャパシタ42および抵抗器44を含む。
【0043】
トランジスタ22のゲート端子は、入力12に結合され、トランジスタ22のソース端子は、増幅段10のためのグラウンド(アース)に結合され、トランジスタ22のドレイン端子は、トランジスタ24のソースに結合されている。トランジスタ24のドレインは、出力14に結合され、トランジスタ24のゲートは、安定化ネットワーク40を介してグラウンドに結合されている。バイアシングネットワーク30は、出力14と、増幅器セル20と、増幅段10のためのグラウンドとの間に結合されている。トランジスタ24のゲートは、バイアシングネットワーク30のバイアスノード36に結合され、このバイアスノードは、抵抗器32,34相互間に位置している。
【0044】
トランジスタ22,24は、エンハンスメント型電界効果トランジスタ(FET)として具体化されるのがよく、ただし、他形式のトランジスタを利用することができる。かくして、トランジスタ22のゲートがアースされると、トランジスタ22のゲートにおける電位がピンチオフ電圧よりも低いので、トランジスタ22(および増幅段10)は、電流を流さない(または、実質的に流さない)よう設計されている。1つの実施例では、トランジスタ22,24は、任意適当なサイズ(例えば、ゲート幅)の第III~第V族半導体FETデバイスとして具体化されるのがよく、ただし、本明細書で説明する技術的思想は、他の半導体材料で作られたトランジスタに利用できる。
【0045】
トランジスタ22は、1つ以上のフィールドプレート、例えば、ソース接続フィールドプレート、ゲート接続フィールドプレート、またはソース接続フィールドプレートとゲート接続フィールドプレートの両方を含むのがよい。同様に、トランジスタ24は、ソース接続フィールドプレート、ゲート接続フィールドプレート、またはソース接続フィールドプレートとゲート接続フィールドプレートの両方を含むのがよい。他の場合、トランジスタ22,24は、フィールドプレートを含まない。トランジスタ22とトランジスタ24は、1つの実施例では、サイズと電力取り扱い能力に関して整合される(または、実質的に整合される)のがよく、ただし、トランジスタ22,24は、互いに比較してサイズがばらばらであってもよい。トランジスタ22,24の他の観点について以下にさらに詳細に説明する。
【0046】
作用を説明すると、動作供給電圧を増幅段10の出力14に印加するのがよく、RF入力信号を増幅段10の入力12に印加するのがよい。この状態では、増幅器セル20は、入力12のところで受け取ったRF入力信号を増幅し、そして増幅した出力信号を出力14のところに提供する。増幅段10の動作供給電圧は、比較的高いのがよく、例えば50~150V以上であり、ただし、場合によってはこれよりも低い電位を使用することができる。特定の実施例として、増幅段10の動作供給電圧は、80V、90V、100V、110V、120V、130V以上であるのがよい。増幅段10の全電力取り扱い容量は、種々の要因のうちでとりわけ、トランジスタ22,24のサイズに基づいて様々であってよい。増幅段10の電力取り扱い容量は、種々の要因のうちでとりわけ、トランジスタ22,24のサイズに基づいて様々であってよい。大型のトランジスタ22,24では、増幅段10の電力取り扱い容量は、大きいのがよい。増幅段10とほぼ同じ幾つかの段もまた、一緒に積み重ねられて並列に結合されるのがよい。
【0047】
増幅段10の動作中、バイアシングネットワーク30は、動作供給電圧を分配してこれをトランジスタ22,24に印加する。抵抗器32,34の値は、トランジスタ24のソースのところの電圧が、出力14に印加された動作供給電圧の1/2に実質的に等しくなるように選択されるのがよい。すなわち、トランジスタ22がターンオフしたとき(すなわち、トランジスタ22のゲート電圧がトランジスタ22のピンチオフ電圧未満である場合)、バイアシングネットワーク30は、増幅段10の全動作供給電圧を均等に(または実質的に均等に)分配してこれをトランジスタ22,24に印加する。バイアシングネットワーク30は、増幅段10のための動作供給電圧が比較的高い場合であっても、トランジスタ22,24のドレインソース電圧をこれらデバイスのための最大電圧定格内に維持するのを助ける。
【0048】
1つの実施例では、抵抗器32,34の抵抗は、互いに全く同一またはほぼ同一であるのがよく、ただし、抵抗器32,34のそれぞれの抵抗は、互いと比較して様々であってよい。抵抗器32,34は、比較的高インピーダンスのものであるのがよく、例えば、キロオームまたは数キロオーム範囲の抵抗である。抵抗器32,34に高いインピーダンスを使用することにより、電力損失を回避するとともに、増幅段10の全体的効率を向上させることができる。しかしながら、増幅器セル20にバイアスをかけるために比較的大きな電流を送る必要がある場合、抵抗器32,34の抵抗は、低いのがよい。増幅段10がインテグレーテッドデバイスとして形成されている場合、抵抗器32,34もまた、トランジスタ22,24を含む同一の半導体ダイ上に集積されるのがよく、その結果、外部バイアシング部品または他のオフチップ部品が不要になっている。
【0049】
増幅段10の安定動作が得るための1つの関心は、増幅段10の出力インピーダンス(すなわち、出力14に注目して)が、増幅段10の動作範囲にわたってどのように変化するかである。増幅段10の動作供給電圧および動作周波数は、とりわけ増幅段10の安定性に影響を及ぼす2つの動作上の要因である。さらに、トランジスタ22,24は、場合によっては、ソースフィールドプレートを含むのがよい。ソースフィールドプレートを含むトランジスタは、高い動作電圧では固有ドレイン‐ゲートキャパシタンスの漸減を示す場合がある。かくして、トランジスタ24は、高い動作供給電圧では低い固有ドレイン‐ゲートキャパシタンスを示す場合がある。この状態は、幾つかの動作条件下において、出力14のところに負の実出力インピーダンスを生じさせる場合があり、それにより、トランジスタ24は、不安定状態になる。500MHz~50GHzのRF入力信号で試験した場合、増幅段10は、動作供給電圧が漸増している場合、特に、高い動作供給電圧および高い動作周波数では、負の実出力インピーダンスの漸増を示すことが判明した。
【0050】
安定化ネットワーク40は、増幅段10の不安定な動作を回避するのを助けることができる。安定化ネットワーク40は、トランジスタ24のゲートと増幅段10のグラウンドとの間に結合された抵抗器‐キャパシタネットワークを含む。
図1に示す実施例では、安定化ネットワーク40は、直列に結合されたキャパシタ42と抵抗器44を含む。キャパシタ42および抵抗器44は、
図1に示す配置構成例と比較して変更があってもよい。例えば、抵抗器44は、トランジスタ24のゲートに直接結合されてもよく、キャパシタ42は、抵抗器44と増幅段10のためのグラウンドとの間に結合されてもよい。安定化ネットワーク40は、場合によっては、他の抵抗器・キャパシタネットワークを含むことができる。
【0051】
増幅段10の動作条件にわたり、増幅段10の安定性を増大させるためにキャパシタ42は、利用されるのがよい。抵抗器44はまた、増幅段10の動作周波数範囲にわたって増幅段10の安定性を増大させるために利用されるのがよい。キャパシタ42のキャパシタンスは、例えば、0.2pF/mm~0.10pF/mmの値に選択されるのがよく、ただし、他のキャパシタンスを用いることができる。1つの場合、キャパシタ42のキャパシタンスは、増幅段10の動作を試験するために0.6pFに選択された。抵抗器44の抵抗は、例えば1Ωmm~200Ωmmの値に選択されるのがよく、ただし、他の抵抗を用いることができる。
【0052】
500MHzから50GHzまでの動作周波数範囲および25Vから100V超までの動作供給電圧範囲にわたり、抵抗器44の抵抗を10Ωから100Ωまでの範囲で変化させた。増幅段10は、抵抗器44の高い値で安定性の増大を示すことが判明した。増幅段10の性能は、出力14のところに良好な出力インピーダンスを与えた状態で、広範な動作供給電圧にわたり広範な入力周波数の増幅を可能にするのに適している。しかしながら、増幅段10は、場合によっては、抵抗器44の比較的高い値の場合であっても、特に高い動作周波数および供給電圧で負の実出力インピーダンスを示すことができる。
【0053】
他の観点を参照すると、
図2は、追加の安定化キャパシタ60を備えた増幅段50を示している。
図2に示す増幅段50は、
図1に示す増幅段10と類似しているが、安定化キャパシタ60をさらに含む。安定化キャパシタ60は、高い動作電圧でフィールドプレートを有するトランジスタの固有ドレイン‐ゲートキャパシタンスの減少に取り組むために利用されるのがよい。安定化キャパシタ60は、トランジスタ24のドレインとゲートとの間に結合されている。キャパシタ60のキャパシタンスは、例えば、0.01pF/mm~0.5pF/mmの値に選択されるのがよく、ただし、他のキャパシタンスを用いることができる。キャパシタ60のキャパシタンスは、増幅段10のための動作供給電圧、トランジスタ24のサイズ、トランジスタ24に用いられる任意のフィールドプレート(もしあれば)の形式およびサイズ、ならびに他の要因に基づいて選択されるのがよい。1つの場合、キャパシタ60のキャパシタンスは、増幅段50の動作を試験するために0.25pFに選択された。
【0054】
500MHzから50GHzまでの動作周波数範囲および100V以上の動作供給電圧範囲にわたり、増幅段50の性能は、出力14のところに良好な出力インピーダンスを与えた状態で、広範な動作供給電圧にわたり広範な入力周波数の増幅を可能にするのに適している。キャパシタ60が0.25pFに選択された場合、増幅段50は、比較的高い動作周波数および供給電圧(それぞれ、50GHzおよび100Vを含む)であっても正の実出力インピーダンスを示すに過ぎなかった。
【0055】
実施形態の他の観点は、
図1および
図2に示すバイアシングネットワーク30の変形を含む。バイアシングネットワーク30内における抵抗器32,34によって提供される直列接続電圧分配器は、幾つかの動作状態において欠点を露呈する場合がある。例えば、動作供給電圧が増大しているときに、バイアシングネットワーク30は、比較的多くの電流を流し、それにより効率が低下する。バイアシングネットワーク30のRFインピーダンスはまた、トランジスタ24に負荷をかける。これらの懸念に取り組む一手法が
図3に示されている。
【0056】
図3は、バイアシングネットワーク80がチョークコイル82を含んでいる増幅段70を示している。
図3に示す増幅段70は、
図2に示す増幅段50に類似しているが、バイアシングネットワーク80の一部品としてチョークコイル82をさらに含む。チョークコイル82は、バイアシングネットワーク30と比較して、バイアシングネットワーク80に大きなRFインピーダンスを与えるために利用されるのがよい。バイアシングネットワーク80に大きなDCインピーダンスを与えるために抵抗器32,34の抵抗もまた共に増大させるのがよい。増幅段70の性能は、広範な動作供給電圧にわたり、特に高い動作供給電圧において、比較的高い効率で広範な入力周波数の増幅を可能にするのに適している。
【0057】
しかしながら、増幅段70もまた、ある特定の用途および動作条件については欠点を露呈する場合がある。例えば、チョークコイル82は、余分な部品であり、これは、増幅段70の全体的な帯域幅を制限する場合がある。チョークコイル82をオフチップ部品として具体化することが必要な場合があり、このオフチップ部品は、ある特定の用途については望ましくない場合がある。バイアシングネットワーク80が高いRFドライブ下において十分に大きな順方向ゲート電流をトランジスタ24に供給することが困難な場合があり、というのは、高い抵抗が抵抗器32,34について選択されるからである。これらの懸念に取り組む一手法が
図4に示されている。
【0058】
図4は、バイアシングネットワーク92がバイアス供給トランジスタ94を含んでいる増幅段90を示している。
図4に示す増幅段90は、
図2に示す増幅段50に類似しているが、バイアシングネットワーク92は、特に高い動作供給電圧およびRFドライブでは、バイアシングネットワーク30およびバイアシングネットワーク80と比較して、ある特定の改良点を提供している。
図4に示すように、バイアス供給トランジスタ94のドレインは、出力14に結合されている。トランジスタ94のソースは、抵抗器96に結合され、抵抗器96は、増幅段90のためのグラウンドに結合されている。トランジスタ94のゲートは、抵抗器32,34相互間でバイアスノード36に結合されている。さらに、トランジスタ24のゲートは、バイアスノード36に結合されているのではなく、トランジスタ94のソースのところのバイアスノード98に結合されている。
【0059】
トランジスタ94は、トランジスタ22,24を形成するために用いられたのと同一の半導体材料および製造ステップを用いて形成されたFETトランジスタとして具体化されるのがよい。しかしながら、トランジスタ94は、トランジスタ22,24よりも寸法(例えば、チャネル幅)が著しく小さいのがよく、というのは、トランジスタ94は、増幅器として利用されないからである。例えば、トランジスタ94は、トランジスタ22,24の約40~80倍小型であってよい(つまり、サイズがトランジスタ22,24の約1/40~1/80であってよい)。
【0060】
トランジスタ94は、出力14のところに高いRFインピーダンスと高いDCインピーダンスの両方をもたらす。それと同時に、トランジスタ94は、高い動作供給電圧であっても、しかも高いRF駆動下にあっても、トランジスタ24への電流を効率的に送ることができる。また、トランジスタ24への駆動電流を送る機能に悪影響を及ぼすことなく、抵抗器32,34について高い抵抗を選択できる。一例として、抵抗器32,34は、数百キロオームの範囲内で選択されるのがよい。
【0061】
図5は、バイアス安定化抵抗器45を含むもう1つの例示の増幅段90Aを示している。増幅段90Aは、
図4に示す増幅段90に類似しているが、バイアス安定化抵抗器45をさらに含む。バイアス安定化抵抗器45は、バイアス供給トランジスタ94のソースのところのバイアスノード98と、トランジスタ24のゲートとの間に結合されている。
【0062】
上述の技術的思想を拡張することができ、それにより高い動作供給電圧であってもこれと併用することができる。
図6は、高い動作供給電圧との併用が可能な追加のトランジスタ段を含む増幅段100を示している。増幅段100は、入力12、出力14、増幅器セル110、バイアシングネットワーク120、第1の安定化ネットワーク130、第2の安定化ネットワーク140、第1の安定化キャパシタ160、および第2の安定化キャパシタ162を含む。
【0063】
増幅器セル110は、カスコード配列状態にあるソース共通形トランジスタ112、第1のゲート共通形トランジスタ114、および第2のゲート共通形トランジスタ116を含む。バイアシングネットワーク120は、直列接続された電圧分配器中に配置された抵抗器121~123、第1のバイアス供給トランジスタ124、第2のバイアス供給トランジスタ125、および抵抗器126を含む。第1の安定化ネットワーク130は、キャパシタ131および抵抗器132を含み、第2の安定化ネットワーク140は、キャパシタ141および抵抗器142を含む。
【0064】
トランジスタ112のゲート端子は、入力12に結合され、トランジスタ112のソース端子は、増幅段100のためのグラウンドに結合され、トランジスタ112のドレイン端子は、トランジスタ114のソースに結合されている。トランジスタ114のドレインは、トランジスタ116のソースに結合され、トランジスタ114のゲートは、第1の安定化ネットワーク130を介してグラウンドに結合されている。トランジスタ116のドレインは、出力14に結合され、トランジスタ116のゲートは、第2の安定化ネットワーク140を介してグラウンドに結合されている。バイアシングネットワーク120は、出力14と増幅器セル110と増幅段100のためのグラウンドとの間に結合されている。バイアスをかけるため、トランジスタ116のゲートは、バイアシングネットワーク30内のトランジスタ124のソースのところのバイアスノードに結合され、トランジスタ114のゲートは、バイアシングネットワーク30内のトランジスタ125のソースのところのバイアスノードに結合されている。
【0065】
トランジスタ112,114,116は、高効率電力増幅器として用いられるためのエンハンスメント型FETとして具体化されるのがよく、ただし、他形式のトランジスタを利用することができる。かくして、トランジスタ112のゲートをアースすると、トランジスタ112のゲートのところの電位がピンチオフ電圧よりも低いので、トランジスタ112(および増幅段100)は、電流を流さない(または実質的に流さない)よう設計されている。トランジスタ112,114,116は、任意適当なサイズ(例えば、ゲート幅)の第III~第V族半導体FETデバイスとして具現化されるのがよく、ただし、本明細書において説明している技術的思想を他の半導体材料で形成されたトランジスタに利用することができる。
【0066】
トランジスタ112,114,116は、1つ以上のフィールドプレート、例えば、ソース接続フィールドプレート、ゲート接続フィールドプレート、またはソース接続フィールドプレートとゲート接続フィールドプレートの両方を含むのがよい。他の場合においては、トランジスタ112,114,116は、フィールドプレートを含まない。トランジスタ112,114,116は、1つの実施例では、サイズと電力取り扱い能力に関して整合される(または、実質的に整合される)のがよく、ただし、トランジスタ112,114,116は、互いに比較してサイズがばらばらであってもよい。トランジスタ112,114,116は、
図1~
図4に示す増幅器セル20のトランジスタと比較して、サイズが様々であってよい。場合によっては、トランジスタ112,114,116のサイズの合計は、トランジスタ22,24のサイズの合計よりも大きいのがよい。他の場合、トランジスタ112,114,116のサイズの合計は、トランジスタ22,24のサイズの合計よりも小さいのがよい。全体として、増幅段100は、高い動作供給電圧で使用可能に設計されているのがよく、というのは、出力14のところに印加される動作供給電圧をトランジスタ112,114,116に分配することができるからである。
【0067】
作用を説明すると、動作供給電圧を増幅段100の出力14に印加するのがよく、RF入力信号を増幅段100の入力12に印加するのがよい。この状態では、増幅段100は、入力12のところで受け取ったRF入力信号を増幅し、増幅した出力信号を出力14のところに提供する。増幅段100の動作供給電圧は、増幅段10の動作供給電圧よりも高いのがよく、というのは、増幅段100は、増幅器セル20よりも多くのトランジスタを含むからである。例えば、増幅段10の動作供給電圧は、100~150V以上であるのがよいが、増幅段100は、任意特定の電圧範囲にわたる使用には限定されない。特定の実施例では、増幅段10の動作供給電圧は、100V、110V、120V、130V、140V、150V以上であるのがよい。場合によっては、増幅段100の利得および全電力取り扱い容量は、増幅段10の利得および全電力取り扱い容量よりも高いのがよい。増幅段100はまた、電力取り扱い容量をさらに増大させるために同一(または類似設計)の1つ、2つ、3つ、4つ以上の増幅段と並列に接続されるのがよい。
【0068】
増幅段100の動作中、バイアシングネットワーク120は、動作供給電圧をトランジスタ112,114,116に分配する。抵抗器121,122,123の値は、トランジスタ116のソースのところの電圧が、出力14に印加された動作供給電圧の3分の2(2/3)に実質的に等しくなるよう選択されるのがよい。抵抗器121,122,123もまた、トランジスタ114のソースのところの電圧が、出力14に印加された動作供給電圧の3分の1(1/3)に実質的に等しくなるよう選択されるのがよい。1つの実施例では、抵抗器121,122,123の抵抗は、互いに同一またはほぼ同一であるのがよく、ただし、抵抗器121,122,123のそれぞれの抵抗は、互いに比較してばらつきがあってもよい。抵抗器121,122,123は、比較的高いインピーダンスであるのがよく、例えば、数百キロオーム範囲の抵抗であるのがよい。抵抗器121,122,123の高インピーダンスの使用により、電力損失を回避するとともに、増幅段100の全体的な効率を向上させることができる。
【0069】
増幅段100では、比較的高い動作電圧でフィールドプレートを有するトランジスタの固有ドレイン‐ゲートキャパシタンスの減少に取り組むために安定化キャパシタ160,162を利用するのがよい。第1の安定化キャパシタ160は、トランジスタ116のソースとトランジスタ114のゲートとの間に結合されている。第2の安定化キャパシタ162は、トランジスタ116のドレインとゲートとの間に結合されている。安定化キャパシタ160,162のキャパシタンスは、増幅段100のための動作供給電圧、トランジスタ114,116のサイズ、トランジスタ114,116に用いられる任意のフィールドプレート(もしあれば)の形式およびサイズ、ならびに他の要因に基づいて選択されるのがよい。
【0070】
図7は、第1のバイアス安定化抵抗器133および第2のバイアス安定化抵抗器143を含む、もう1つの例示の増幅段100Aを示している。増幅段100Aは、
図6に示す増幅段100に類似しているが、抵抗器133,143をさらに含む。第1のバイアス安定化抵抗器133は、第2のバイアス供給トランジスタ125のソースとトランジスタ114のゲートとの間に結合されている。第2のバイアス安定化抵抗器143は、第1のバイアス供給トランジスタ124のソースとトランジスタ116のゲートとの間に結合されている。
【0071】
図8は、本明細書において説明する種々の実施例としての例示のスタックド増幅器200を示している。スタックド増幅器200は、比較的高い動作供給電圧および比較的高い電力容量では、安定した動作が得られるよう設計された高電圧スタックドトランジスタ増幅器の代表的な一例として提供されている。
図8の記載は、網羅的ではなく、スタックド増幅器200は、
図8に示されていない他の部品を含むのがよい。加うるに、場合によっては
図8に示す1つ以上の部品を省くことができる。スタックド増幅器200は、種々の仕方で、例えば、別々の部品を用いて、1つ以上の基板上に形成された集積回路デバイスとして、あるいは、別々の部品および集積回路デバイスの組み合わせとして形成できる。好ましい実施形態では、スタックド増幅器200は、単一の半導体ダイ上に形成されるとともに実装される。スタックド増幅器200はまた、他の部品付きでまたは他の部品なしで適当な半導体デバイスパッケージ内にパッケージ化でき、これについては、以下にさらに詳細に説明する。
【0072】
スタックド増幅器200は、考えるやり方のうちでとりわけ、スタックド増幅器200の入力と出力との間に並列形態で配列された増幅段210~214を含む。増幅段210~214の各々は、
図5に示す増幅段90Aに類似している。他の場合、スタックド増幅器200は、増幅段10、50、70、90、100、または100Aを用いて形成できる。5つの増幅段210~214が
図8に示されているが、スタックド増幅器200は、増幅段の任意特定の数には限定されない。他の場合、スタックド増幅器200は、スタックド並列配列状態をなす6つ、7つ、8つ以上の増幅段を含むことができ、
図9は、6つの増幅段の例示としてのレイアウトを示している。変形例として、スタックド増幅器200は、4つ以下の増幅段を有してもよく、増幅段210~214のうちの1つ以上を省いてもよい。
【0073】
スタックド増幅器200は、考えるやり方のうちでとりわけ、増幅段210~214の入力にそれぞれ結合された多数の入力220~224をさらに有する。分離抵抗器230~233が増幅段210~214の動作(および電位)を互いに対して安定化するよう、
図8に示されているように入力220~224相互間に結合されている。分離抵抗器230~233は、比較的小さい抵抗、例えば、100Ω未満、50Ω未満、または10Ω未満の抵抗を有するのがよく、ただし、任意適当な抵抗を用いることができる。
【0074】
スタックド増幅器200は、出力226をさらに有し、増幅段210~214の出力は全て、出力226に結合されている。スタックド増幅器200は、ステッチパッド227,228と、ステッチ抵抗器237,238をさらに有する。ステッチパッド227,228は、スタックド増幅器200をもう1つのスタックド増幅器に並列に電気的に結合するために用いられるのがよく、これについては以下に詳細に説明する。ステッチ抵抗器237,238は、分離抵抗器230~233に類似している。以下の
図8を参照して説明するように、入力220~224は、電気的接続部のためのボンドワイヤを定着させるボンドパッドとして具体化されるのがよい。出力226およびステッチパッド227,228もまた、ボンドワイヤを定着させるためのボンドパッドとして具体化されるのがよい。
【0075】
スタックド増幅器200は、バイアシングネットワーク240をさらに有する。バイアシングネットワーク240は、バイアスノード258にかかるバイアス電圧をもたらし、バイアスノードは、バイアス相互接続給電ライン260に沿って分離抵抗器261~264を介して増幅段211~214の各々に結合されている。かくして、バイアシングネットワーク240は、増幅段210内のトランジスタ24にバイアス電圧をもたらし、バイアシングネットワーク240はまた、バイアス電圧を考えるやり方のうちでとりわけ、増幅段211~214の各々のトランジスタに提供する。場合によっては、スタックド増幅器200は、バイアシングネットワーク240に類似した2つ以上のバイアシングネットワークを有するのがよい。
図8を参照すると、例えば、スタックド増幅器200は、増幅器214の上方に(例えば、図面の紙面の上のところに)追加のバイアシングネットワークを有するのがよく、追加のバイアシングネットワークもまた、バイアス相互接続給電ライン260に結合されるのがよい。
【0076】
バイアシングネットワーク240は、電圧分配器に配列された抵抗器241,242、抵抗器243、トランジスタ250~253、およびキャパシタ245を含む。トランジスタ250のソースは、抵抗器243を介して出力226に結合されている。トランジスタ250のドレインは、トランジスタ251のソースに結合され、トランジスタ251のドレインは、バイアスノード258およびトランジスタ252のソースに結合されている。トランジスタ252のドレインは、トランジスタ253のソースに結合され、トランジスタ253のドレインは、スタックド増幅器200のためのグラウンドに結合されている。トランジスタ250,251のゲートは、両方とも、キャパシタ245に結合され、キャパシタ245はまた、バイアスノード258に結合されている。トランジスタ252,253のゲートは、両方とも、スタックド増幅器200のためのグラウンドに結合されている。
【0077】
本明細書において説明する他のバイアシングネットワークと同様、バイアシングネットワーク240は、トランジスタ24のソースのところの電圧が、トランジスタ22をターンオフしたときに出力226に印加された動作供給電圧の半分であるよう設計されている。抵抗器241~243の値は、トランジスタ22,24相互間の当該等しい(または実質的に等しい)電圧バイアスについてバイアスノード258のところの正確なバイアス電圧を達成するよう選択されるのがよい。かくして、トランジスタ22がターンオフされると(すなわち、トランジスタ22のゲート電圧がトランジスタ22のためのピンチオフ電圧よりも低い場合)、バイアシングネットワーク240は、実質的に、全動作供給電圧をトランジスタ22,24に等しく分配する。加うるに、キャパシタ245は、トランジスタ251のゲート‐ソース接合部のところに低いRFインピーダンスをもたらす。キャパシタ245は、増幅段210の出力のところのRF電圧スイング下においてトランジスタ250,251の順方向導通を阻止する。かくして、キャパシタ245は、増幅段210についてRF入力および出力電力範囲にわたってノード258のところに一定のDC電圧を維持するのを助ける。
【0078】
バイアシングネットワーク240は、高い動作供給電圧、例えば約80V~150V以上の動作供給電圧と共に用いられた場合、特に安定性および効率が得られるよう設計されている。高い動作供給電圧では、トランジスタ250~253の接合部温度は、懸念となる場合があり、トランジスタ250~253は、損傷をもたらす接合部温度を計算に入れて、かかる接合部温度を回避するよう設計されている。
【0079】
トランジスタ250,251は、共通のドレインまたはソースフォロワとして接続され、トランジスタ252,253は、電流源として接続される。動作中、トランジスタ250を通って流れる電流は、トランジスタ251を通って流れる電流と同じ値であり、トランジスタ252を通って流れる電流は、トランジスタ253を通って流れる電流と同じ値である。出力226のところに印加される全動作供給電圧の半分近くがトランジスタ250,251前後で降下し、かかる電圧の半分近くがトランジスタ252,253前後で降下する。
【0080】
しかしながら、トランジスタ250,251相互間の電圧降下は、必ずしも同一ではない。1つの設計では、トランジスタ250前後の電圧降下は、トランジスタ251前後の電圧降下よりも大きく、というのは、トランジスタ251にかかるドレイン‐ソース電圧は、おおよそトランジスタ251のピンチオフ電圧だからである。対をなすトランジスタ250,251にかかる前後の電圧のバルク(およびバランス)は、トランジスタ250前後で降下する。同様に、トランジスタ252,253相互間の電圧降下は、必ずしも同一ではない。トランジスタ252前後の電圧降下は、トランジスタ253前後の電圧降下よりも高く、というのは、トランジスタ253にかかるドレイン‐ソース電圧は、おおよそトランジスタ253のピンチオフ電圧だからである。対をなすトランジスタ252,253にかかる電圧のバルク(およびバランス)は、トランジスタ252前後で降下する。かくして、トランジスタ250,252の取り扱う電力は、トランジスタ251,253の取り扱う電力よりも多く、トランジスタ250,252の接合部温度は、大きな懸念を引き起こすものである。
【0081】
上述の動作上の懸念を考慮して、トランジスタ250のサイズ(例えば、全ゲート幅)は、トランジスタ251のサイズよりも大きいのがよく、トランジスタ252のサイズは、トランジスタ253のサイズよりも大きいのがよい。かくして、トランジスタ251中の電流密度は、トランジスタ250中の電流密度よりも大きいのがよく、トランジスタ253中の電流密度は、トランジスタ252中の電流密度よりも大きいのがよい。トランジスタ250~253の接合部温度は、依然として適当な動作パラメータの範囲内に維持され、というのは、トランジスタ250~253の各々の全電力取り扱いがそれぞれそのサイズでバランス取りされるからである。トランジスタ250~253およびバイアシングネットワーク240の追加の観点につき
図11を参照して以下において説明する。
【0082】
作用を説明すると、動作供給電圧をスタックド増幅器200の出力226に印加するのがよく、同じRF入力信号を入力220~224の各々に印加するのがよい。この状態では、増幅段210~214は、RF入力信号を増幅し、増幅された出力信号を出力226のところに提供する。スタックド増幅器200の動作供給電圧は、比較的高いのがよく、例えば、50~150V以上である。半導体ダイ上に実装されると、スタックド増幅器200の全電力取り扱い容量は、1つの実施例として、増幅段の数、ダイのサイズ、ダイ上のレイアウト密度、および他の要因に応じて400W~600Wであるのがよい。特定の実施例として、スタックド増幅器200の電力取り扱い容量は、400W、450W、500W、550W、600W以上であるのがよい。しかしながら、スタックド増幅器200の全電力取り扱い容量は、任意特定の範囲には限定されない。スタックド増幅器200に類似していて各々が別個の半導体ダイ上に形成されるとともに実装された複数のスタックド増幅器もまた高い電力定格であってもこれに到達するよう単一の半導体パッケージ内に一緒に配列されるのがよい。幾つかのスタックド増幅器を単一の半導体パッケージ内に一緒にパッケージ化する実施例につき
図13を参照して以下に説明する。
【0083】
他の観点を参照すると、
図9は、スタックド増幅器200のための例示の半導体ダイレイアウト300を示している。レイアウト300は、
図8に示すスタックド増幅器200が半導体ダイ301上にどのように配列できるかの代表的な例として提供されている。
図9の記載は、網羅的ではなく、レイアウト300は、
図9に示していない他の特徴を有してもよい。加うるに、
図9に示す1つ以上のレイアウトの特徴は、場合によっては省いてもよい。半導体ダイ301は、Si基板、炭化ケイ素(SiC)基板、または基板上に窒化ガリウム材料を被着させた別の適当な基板を含むのがよい。トランジスタおよび他の能動型デバイスが窒化ガリウム材料中に形成されるのがよい。他の場合、半導体ダイ301は、Si基板を有するのがよく、トランジスタおよび他の能動型デバイスは、Si基板に形成されるのがよい。しかしながら、本明細書において説明している技術的思想は、任意特定の種々の基板または半導体材料の使用には限定されず、かかる技術的思想を拡張して多種多様な半導体材料に用いることができる。
【0084】
図9に示すように、増幅段210~215は、図面ページの左から右へ、並置配列関係をなして位置決めされまたは積み重ねられている。増幅段210のトランジスタ22,24もまた、この図面ページの下から上へ、並置配列関係をなして位置決めされている。バイアシングネットワーク240は、増幅段210の左側に位置決めされ、同様なバイアシングネットワーク270は、増幅段215の右側に位置決めされている。バイアス相互接続給電ライン260は、バイアシングネットワーク240からバイアシングネットワーク270にレイアウト300を横切って延び、そしてトランジスタ22,24を互いに分離している。
【0085】
半導体ダイ301上に実装されると、スタックド増幅器200の全電力取り扱い容量は、一例として、ダイ301のサイズ、ダイ301上のレイアウト密度(例えば、増幅段210~215の数および寸法)、および他の要因に応じて、400W~600Wであるのがよい。半導体ダイ301は、高い電力取り扱い性を達成するために、多くのスタックド増幅器を含む追加のダイに1つのデバイスパッケージ内に並列に接続されるのがよい。
【0086】
図9はまた、レイアウト300の周囲周りの多数のボンドパッドを示している。増幅段210~215のための入力220~225が
図9のボンドパッドとして図示されている。入力220~225は、分離抵抗器230~234によって電気的に分離されている。増幅段210~215のための出力226もまた、ボンドパッドとして図示されている。分離抵抗器は、増幅段210~215のそれぞれの出力と
図9に示す実施例の出力226のためのボンドパッドとの間に組み込まれてはいない。これとは異なり、増幅段210~215の出力は全て、出力226のためのボンドパッドに直接結合されている。
【0087】
ステッチパッド227,228もまた、
図9のレイアウト300の左側のところにボンドパッドとして図示されている。ステッチ抵抗器237は、ステッチパッド227を入力220のためのボンドパッドから分離している。同様に、ステッチ抵抗器238は、ステッチパッド228を出力226のためのボンドパッドから分離している。レイアウト300は、右側にステッチパッド227A,228Aをさらに有し、これらステッチパッドは、ステッチパッド227,228とほぼ同じである。ステッチパッド227,228,227A,228Aを用いると、半導体ダイ301を、スタックド増幅器200と類似したスタックド増幅器を含む1つまたは2つの他の半導体ダイに電気的に結合することができる。他の半導体ダイは、デバイスパッケージ内の半導体ダイ301と並置関係をなして位置決めされるのがよい。ボンドワイヤを用いると、ステッチパッド227,228,227A,228Aを他の半導体ダイ上の同様なステッチパッドに結合することができる。幾つかのスタックド増幅器を単一の半導体デバイスパッケージ内に一緒にパッケージ化する実施例につき
図13を参照して以下に説明する。
【0088】
図10は、本明細書において説明する種々の実施例による
図9に示したレイアウト300の一領域を示している。
図10ならびに
図11および
図12に示すレイアウト300の特徴は、代表的なものであり縮尺通りには描かれていない。以下に説明する個々の特徴は、図示の特徴と比較して寸法形状において様々であってよく、このことは、実施形態の技術的思想および利点から逸脱しない。
【0089】
図面ページ上の左から右へ、入力220のためのボンドパッドは、トランジスタ22のゲートに電気的に結合されている。トランジスタ22は、トランジスタ24と並置配列関係をなして位置決めされ、バイアス相互接続給電ライン260は、トランジスタ22,24相互間に延びて、これらトランジスタを互いに分離している。バイアシングネットワーク240は、中心がトランジスタ22,24の上方に配置されている。多くの金属相互接続部302が、トランジスタ22のドレインからバイアス相互接続給電ライン260の上(または下)を通って、トランジスタ24のソースまで延びている。トランジスタ24のドレインは、出力226のためのボンドパッドに電気的に結合されている。
【0090】
また、
図10に示すように、トランジスタ22のレイアウトは、かみ合い形のソース特徴部310、ゲート特徴部312、およびドレイン特徴部314を含む。ソース特徴部310、ゲート特徴部312、およびドレイン特徴部314は、レイアウト300内で多数の行をなして延びている。
図10には個別的には見えないが、ソース特徴部310は、半導体ダイ301の頂面上に設けられたソース接点を含むのがよく、ソース金属特徴部(例えば、ソース金属層、ソースフィールドプレート、またはソースフィールドプレートの一部など)は、トランジスタ22のソース領域中の半導体ダイ301の表面に接触している。ゲート特徴部312は、半導体ダイ301の頂面上に設けられたゲート接点を含むのがよく、ゲート金属特徴部(例えば、ゲート金属層、ゲートフィールドプレート、またはゲートフィールドプレートの一部など)は、トランジスタ22のゲート領域内の半導体ダイ301の表面に接触している。ドレイン特徴部314は、半導体ダイ301の頂面上に設けられたドレイン接点を含むのがよく、ドレイン金属特徴部(例えば、ドレイン金属層、ドレインフィールドプレート、またはドレインフィールドプレートの一部など)は、トランジスタ22のドレイン領域内の半導体ダイ301の表面と接触している。
【0091】
トランジスタ24のレイアウトは、かみ合い形のドレイン特徴部320、ゲート特徴部312、およびソース特徴部324を含む。ドレイン特徴部320、ゲート特徴部312、およびソース特徴部324は、レイアウト300内で多数の行をなして延びている。
図10には個別的には見えないが、ドレイン特徴部320は、半導体ダイ301の頂面上に設けられたドレイン接点を含むのがよく、ドレイン金属特徴部(例えば、ドレイン金属層、ドレインフィールドプレート、またはドレインフィールドプレートの一部など)は、トランジスタ24のドレイン領域中の半導体ダイ301の表面に接触している。ゲート特徴部322は、半導体ダイ301の頂面上に設けられたゲート接点を含むのがよく、ゲート金属特徴部(例えば、ゲート金属層、ゲートフィールドプレート、またはゲートフィールドプレートの一部など)は、トランジスタ24のゲート領域内の半導体ダイ301の表面に接触している。ソース特徴部324は、半導体ダイ301の頂面上に設けられたソース接点を含むのがよく、ソース金属特徴部(例えば、ソース金属層、ソースフィールドプレート、またはソースフィールドプレートの一部など)は、トランジスタ24の4ソース領域内の半導体ダイ301の表面と接触している。
【0092】
スタックド増幅器200の他の部品もまた、レイアウト300に示されている。特に、トランジスタ24のゲートとグラウンドとの間に結合されたキャパシタ42および抵抗器44が図示されている。さらに、トランジスタ24のドレインとゲートとの間に結合された安定化キャパシタ60が図示されている。以下にさらに詳細に説明するように、キャパシタ42、抵抗器44、および安定化キャパシタ60は各々、レイアウト300中のトランジスタ22,24の種々の特徴部相互間に(2つ特徴相互間、および3つ以上の特徴部相互間)に分布して配置されている。
【0093】
図11は、
図10に示した位置領域の拡大図である。
図11は、バイアシングネットワーク240の記載を含む。バイアシングネットワーク240は、バイアスノード258にバイアス電圧をもたらし、バイアスノード258は、バイアス相互接続給電ライン260に沿って、分離抵抗器261を通って、とりわけトランジスタ24に結合される。バイアシングネットワーク240は、他の部品のうちで、電圧分配器内に配列された抵抗器241,242、トランジスタ250~253、およびキャパシタ245を含む。バイアシングネットワーク240は、高い動作供給電圧で、例えば約80V~150V以上の動作供給電圧で動作することができるよう設計されている。高い動作供給電圧では、トランジスタ250~253の接合部温度は、懸念となる場合があり、トランジスタ250~253は、損傷をもたらす接合部温度を計算に入れて、かかる接合部温度を回避するよう設計されている。
【0094】
トランジスタ250,251は、共通のドレインまたはソースフォロワとして接続され、トランジスタ252,253は、電流源として接続される。動作中、トランジスタ250を通って流れる電流は、トランジスタ251を通って流れる電流と同じ値であり、トランジスタ252を通って流れる電流は、トランジスタ253を通って流れる電流と同じ値である。バイアシングネットワーク240の全動作供給電圧の半分近くがトランジスタ250,251前後で降下し、かかる電圧の半分近くがトランジスタ252,253前後で降下する。
【0095】
しかしながら、トランジスタ250,251相互間の電圧降下は、必ずしも同一ではない。トランジスタ250前後の電圧降下は、トランジスタ251前後の電圧降下よりも大きく、というのは、トランジスタ251前後のドレイン‐ソース電圧は、おおよそトランジスタ251のピンチオフ電圧だからである。電圧のバルク(およびバランス)は、トランジスタ250前後で降下する。同様に、トランジスタ252,253相互間の電圧降下は、必ずしも同一ではない。トランジスタ252前後の電圧降下は、トランジスタ253前後の電圧降下よりも高く、というのは、トランジスタ253前後のドレイン‐ソース電圧は、おおよそトランジスタ253のピンチオフ電圧だからである。電圧のバルク(およびバランス)は、トランジスタ252前後で降下する。かくして、トランジスタ250,252の取り扱う電力は、トランジスタ251,253の取り扱う電力よりも多く、トランジスタ250,252の接合部温度は、大きな懸念を引き起こすものである。
【0096】
上述の動作上の懸念を考慮し、トランジスタ250のサイズ(例えば、トランジスタ250内の全てのゲートフィンガのゲート幅“W1”について測定)は、トランジスタ251のサイズよりも大きい。同様に、トランジスタ252のサイズ(例えば、トランジスタ252内の全てのゲートフィンガのゲート幅“W2”について測定)は、トランジスタ253のサイズより大きい。かくして、トランジスタ251の電流密度は、トランジスタ250の電流密度よりも高く、トランジスタ253の電流密度は、トランジスタ252の電流密度よりも高い。トランジスタ250~253の接合部温度は、依然として適当な動作パラメータの範囲内に維持されるが、というのは、トランジスタ250~253の各々の全電力取り扱いがそれぞれそのサイズでバランス取りされるからである。
【0097】
上述したように、バイアシングネットワーク240は、バイアスノード258にかかるバイアス電圧を提供する。バイアス電圧は、バイアス相互接続給電ライン260に沿って、とりわけ、トランジスタ24に結合されている。多くの抵抗器が、レイアウト300の一部として、バイアス相互接続給電ライン260に沿ってインラインで結合され、または挿入されている。例えば、分離抵抗器261がバイアス相互接続給電ライン260に沿ってインラインで挿入されている。他の分離抵抗262~264(
図8参照)はまた、
図11では見えないが、バイアス相互接続給電ライン260に沿って増幅段210~215相互間に挿入されている。
【0098】
加うるに、抵抗器44は、バイアス相互接続給電ライン260に沿って、バイアス相互接続給電ライン260とキャパシタ42との間に結合されている。キャパシタ42および抵抗器44は、安定化ネットワーク40の部品であり、安定化ネットワーク40は、トランジスタ24のゲートとグラウンドとの間に結合されている(
図5および
図8を参照)。レイアウト300では、バイアス相互接続給電ライン260がトランジスタ22,24を分離している(特に、これらのトランジスタの接点を互いに分離している)が、トランジスタ24のための安定化ネットワーク40は、トランジスタ24のゲートからバイアス相互接続給電ライン260を横切ってトランジスタ22の特徴部に結合されている。
【0099】
図11に示すように、キャパシタ42は、トランジスタ22のソース金属特徴部のところに位置決めされて一部がこれと一体化されている。トランジスタ22のソースは、インソースバイア330を介してグラウンドに結合されている。インソースバイア330は、半導体ダイ301を通って半導体ダイ301の頂側に位置するトランジスタ22のソース金属層を半導体ダイ301の後側に位置する金属グラウンド平面に電気的に結合している。
【0100】
キャパシタ42は、半導体ダイ301上に金属・絶縁・金属(MIM)キャパシタとして形成されており、底部金属層、底部金属層上の誘電体層、および誘電体層上のソース金属層を備えている。例示として、キャパシタ42の誘電体層は、窒化ケイ素(Si
3N
4)、二酸化ケイ素、五酸化タンタル(Ta
2O
5)、シリコン窒化酸化膜(SiO
xN
y)、または他の適当な誘電体であるのがよい。トランジスタ22のソース金属層は、インソースバイア330によって、半導体ダイ301の後側に位置するグラウンド金属面に電気的に結合されている。
図10に戻ってこれを参照すると、抵抗器44は、多くの互いに分離された抵抗素子中にバイアス相互接続給電ライン260に沿って分布して配置されるように示されている。キャパシタ42はまた、トランジスタ22のソース特徴部310相互間に分布して配置されるように示されている。
【0101】
半導体ダイ301上に形成された抵抗器44、分離抵抗器261、および他の抵抗器は、ニクロム、窒化タンタル、ケイ化タングステン、または他の適当な材料を用いて形成されるのがよい。抵抗器はまた、打ち込みまたは拡散ドーパントを介して、または他の仕方でバルク抵抗器として形成されてもよい。とりわけ抵抗器44および分離抵抗器261をバイアス相互接続給電ライン260とともに配置することにより、レイアウト300中の増幅段210の部品を集積する上でコンパクトでありかつ効率的な手法が提供される。同様に、キャパシタ42をトランジスタ22のソース金属層とともに配置することによっても、レイアウト300中の増幅段210の部品を集積するコンパクトでありかつ効率的な手法が得られる。
【0102】
図12は、
図10に示す一領域のもう1つの拡大図である。
図12は、バイアス相互接続給電ライン260に沿ってインラインで挿入された分離抵抗器261,262を示している。抵抗器44が抵抗器44A~44Cで形成されているので、抵抗器44の分散性が
図12にも示されている。同様に、キャパシタ42がキャパシタ42A~42Cによって形成されているので、キャパシタ42の分散性質もまた
図12に示されている。
【0103】
バイアス相互接続給電ライン260の追加の特徴もまた
図12に示されている。特に、バイアス相互接続給電ライン260はまた、バイアス給電ラインフィンガ260A,260Bに結合されており、これらバイアス給電ラインフィンガは、トランジスタ24の接点相互間でトランジスタ24のチャネル幅と同じ方向に側方に延びている。安定化キャパシタ60は、キャパシタ60A~60Fによって形成されているので(
図8参照)、かかる安定化キャパシタ60の分散性もまた、
図12に示されている。
【0104】
キャパシタ60A~60Cは、片面金属層としてのバイアス給電ラインフィンガ260A、バイアス給電ラインフィンガ260A上に被着された誘電体の層、および誘電体層上に被着された別の金属層によって形成されており、これらは、トランジスタ24のドレインと出力226のボンドパッドに結合されている。キャパシタ60D~60Fは、片面金属層としてのバイアス給電ラインフィンガ260B、バイアス給電ラインフィンガ260B上に被着された誘電体の層、および誘電体層上に被着された別の金属層によって形成されており、これらは、トランジスタ24のドレインと出力226のボンドパッドに結合されている。かくして、安定化キャパシタ60は、トランジスタ24の複数の接点相互間で半導体ダイ301上に形成されている。トランジスタ24の複数の接点相互間への安定化キャパシタ60の分散配置により、レイアウト300内の増幅段210の部品を集積するコンパクトでありかつ効率的な手法が得られる。
【0105】
図13は、本明細書において説明する種々の実施形態としてのパッケージド増幅器デバイス400を示している。
図13のパッケージド増幅器デバイス400の記載は、代表的なものであって、縮尺通りには描かれていない。以下に説明する個々の特徴は、図示の特徴と比較して寸法形状において様々であってよく、このことは、実施形態の技術的思想および利点から逸脱しない。パッケージド増幅器デバイス400は、半導体パッケージ410内に固定された多数の半導体ダイを含む。半導体パッケージ410は、セラミック製のエアキャビティ(air cavity)パッケージ、ポリマーオーバーモールド製のエアキャビティ・パッケージ、または類似のエアキャビティ・パッケージとして具体化されるのがよい。しかしながら、以下に説明するデバイス包装という技術的思想は、任意の特定の形式の半導体パッケージとの使用には限定されず、他形式のパッケージを用いることができる。
【0106】
半導体パッケージ410は、導電性フランジ411、フレーム412、およびリード420~422を有する。リード420~422は、導電性であり、これらリードは、入力信号および出力信号用に使用されるのがよい。導電性フランジ411は、銅、モリブデン、銅とモリブデンの積層板、または適当な導電性および熱的特性を備えた他の物質で作られるのがよい。導電性フランジ411は、はんだ、ねじ、または他の締結具を用いて大型回路に接続可能なプリント回路板または他の領域に固定されるのがよい。導電性フランジ411は、導電性であるので、半導体パッケージ410のもう1つのリードとみなされる場合があり、代表的には、グラウンド(アース)リードとして利用される。導電性フランジ411は、
図13に示すように、締結具用のアイレットを有するのがよい。アイレットは、他の場合、例えば導電性フランジ411をプリント回路板または他の基板に固定するためにはんだが用いられる場合、省かれてもよい。
【0107】
フレーム412は、半導体パッケージ410内のエアキャビティを包囲し、導電性フランジ411の頂面430は、フレーム412内で露出されている。半導体ダイの多数のコラム440~443がフレーム412内で導電性フランジ411の頂面430に固定されている。
図13に示すように、コラム440は、半導体ダイ301(
図9もまた参照)と、半導体ダイ451,452を含む。コラム441~443中のとりわけ半導体ダイ301,451,452は各々、サーマルエポキシ、はんだ(例えば、金‐錫プレフォーム)、これらの組み合わせ、または他の適当な手段を用いて頂面430に固定されるのがよい。1つの実施例では、半導体ダイ301は、金‐錫プレフォームはんだを用いて頂面430に固定され、半導体ダイ451,452は、サーマルエポキシを用いて頂面430に固定されている。
【0108】
半導体ダイ301は、本明細書において説明したスタックド増幅器200を含む。半導体ダイ451,452の両方は、入力インピーダンス整合が得られるよう1つ以上のキャパシタを有する。場合によっては、半導体ダイ451,452のうちの一方または両方は、入力インピーダンス整合が得られるようにするために抵抗器‐キャパシタネットワークを形成するよう抵抗器をさらに含むのがよい。スタックド増幅器200のための基本および第二高調波成端、制御、および入力インピーダンス整合が得られるよう半導体ダイ451,452を一緒に利用するのがよい。入力インピーダンス整合のための必要性に応じて、半導体ダイ451を省いてもよく、半導体ダイ452を省いてもよく、あるいは半導体ダイ451,452の両方を省いてもよい。
【0109】
コラム441~443の各々は、半導体ダイ301,451,452に類似した半導体ダイをさらに有する。コラム441~443は、入力リード420と出力リード421との間で互いに並列に結合されている。かくして、パッケージド増幅器デバイス400は、コラム440~443の4つのスタックド増幅器を有し、かかる4つのスタックド増幅器は、半導体ダイ301上に実装されたスタックド増幅器200、およびスタックド増幅器200に類似している(すなわち、サイズ、能動型デバイスの数、能動型デバイスの比率などが合っている)のがよい3つの追加のスタックド増幅器が挙げられる。
【0110】
群をなす半導体ダイ480が半導体パッケージ410に固定された後、
図13に示すように、半導体ダイは、入力リード420に、互いに、しかも出力リード421に電気的に結合される。特に、ボンドワイヤ460が入力リード420と半導体ダイ452上のボンドパッドとの間に結合されている。ボンドワイヤ461は、半導体ダイ452上のボンドパッドと、半導体ダイ451上のボンドパッドとの間に結合されている。ボンドワイヤ462は、半導体ダイ451上のボンドパッドと、半導体ダイ301上のボンドパッドとの間に結合されている。加うるに、ボンドワイヤ463は、半導体ダイ301上のボンドパッドと出力リード421との間に結合されている。ボンドワイヤ462は、ダイ451からスタックド増幅器200(
図9参照)の入力220~225のためのボンドパッドに結合されている。ボンドワイヤ463は、スタックド増幅器200の出力226のためのボンドパッドから出力リード421に結合されている。任意適当な形式および数のボンドワイヤ、例えば、厚さ1.5ミルの金ボンドワイヤを使用することができる。
【0111】
追加のボンドワイヤもまた、コラム440中の半導体ダイ301,451,452をコラム441中の対応の半導体ダイに電気的に結合するよう使用できる。例えば、ボンドワイヤ470は、半導体ダイ301上のステッチパッド228A(
図9参照)と、
図13の右側の半導体ダイ上の同様のステッチパッドとの間に結合されるのがよい。同様に、ボンドワイヤ471は、半導体ダイ301上のステッチパッド227A(
図9参照)と、
図13の右側の半導体ダイ上の同様のステッチパッドとの間に結合されるのがよい。ボンドワイヤ472は、半導体ダイ451上のステッチパッドと、
図13の右側の半導体ダイ上の同様のステッチパッドとの間に結合されるのがよい。加うるに、ボンドワイヤ473は、半導体ダイ452上のステッチパッドと、
図13の右側の半導体ダイ上の同様のステッチパッドとの間に結合されるのがよい。追加のボンドワイヤもまた、コラム441中の半導体ダイをコラム442中の半導体ダイに結合するとともに、コラム442中の半導体ダイをコラム443中の半導体ダイに結合するために用いられるのがよい。このように、群をなす半導体ダイ480中のある特定の回路ノードのところのそれぞれの電位を互いに整合させるとともに関係づけることができ、それによりパッケージド増幅器デバイス400の安定性を維持するのを助ける。
【0112】
全体としてパッケージド増幅器デバイス400を見ると、群をなす半導体ダイ480は、ひとまとめに、単一の3端子能動型デバイスとして動作する。特に、半導体ダイ480は、単一のソース共通形トランジスタ増幅器として動作し、入力リード420は、ゲート入力として働き、出力リード421は、ドレイン出力として働き、フランジ411は、共通ソースとして働く。パッケージド増幅器デバイス400は、半導体ダイ480に類似しているが、入力リード422と、出力リード423と、およびフランジ411との間に電気的に結合された一群の半導体ダイ490をさらに有するのがよい。一群の半導体ダイ490は、一緒になってひとまとめとして、パッケージド増幅器デバイス400のもう1つの単一の3端子能動型デバイスとしても動作することができる。半導体ダイ480と半導体ダイ490は、一緒になって、場合によってはDモード増幅器を形成するよう使用でき、ただし、他の回路構成を用いることができる。
【0113】
他の場合、パッケージド増幅器デバイス400は、一群の半導体ダイ490、入力リード422、および出力リード423を省くことができる。この場合、パッケージド増幅器デバイス400は、3つの端子またはパッケージリードのみを有し、またはこれらからなる単一の3端子能動型デバイスとして見える場合がある。さらに他の場合、パッケージド増幅器デバイス400は、半導体ダイ480の群、半導体ダイ490の群、またはこれら両方の群内に互いに結合された半導体ダイの追加のコラムを有するのがよい。さらに、パッケージド増幅器デバイス400は、追加のリードおよび追加のダイの群を有することができ、他の変形例は、本実施形態の範囲内にある。
【0114】
セラミック製、ポリマー製、または他の蓋(図示せず)を半導体ダイの全てが定位置に固定されてワイヤボンドされた後、フレーム412上にまたはこの中に配置されるのがよく、蓋は、接着剤、ボンド、または他の手段を用いて定位置に固定または封着されるのがよい。場合によっては、蓋はフレーム412に気密封止されるのがよく、半導体パッケージ410は、気密封止パッケージであるのがよい。
【0115】
パッケージド増幅器デバイス400は、抵抗器やインダクタのバイアシングネットワークのようなオフチップ部品を必要としないで、高電圧スタックドトランジスタ増幅器のための解決策を提供する。パッケージド増幅器デバイス400はまた、信頼性または性能を犠牲にすることなく、設計によって高供給電圧で動作することができる。パッケージド増幅器デバイス400は、
図13に示す実施例における7つの追加の同様な増幅器と一緒に半導体ダイ301上のスタックド増幅器200を有する。追加のスタックド増幅器は、大型パッケージを用いて並列に組み合わされるのがよい。かくして、パッケージド増幅器デバイス400の全電力取り扱い容量は、2,000~4,000W以上に達することができる。パッケージド増幅器デバイス400の全電力取り扱い容量の特定の実施例は、2,000W、2,500W、3,000W、3,500W、4,000W以上であるのがよく、ただし、これよりも数の少ないスタックド増幅器を用いて低い電力取り扱い容量もまた可能である。
【0116】
本明細書において説明した技術的思想と一致する中で本明細書において説明した増幅段およびスタックド増幅器は、ソフトウェア中の多くの回路素子としてシミュレート可能である。例えば、増幅段10,50,70,90,90A,100,100Aは、1つ以上のコンピューティングデバイス上でシミュレート可能である。同様に、スタックド増幅器200は、1つ以上のコンピューティングデバイス上でシミュレート可能である。半導体製造プロセスのうちの1つ以上の観点、例えば、増幅器を形成するために用いられる製造プロセスのドーパント分布、応力分布、デバイス幾何学的形状、および他の観点をシミュレートすることができる。製造プロセスのシミュレーションを利用すると、増幅器のトランジスタおよび他の素子(例えば、抵抗器、インダクタ、キャパシタなど)の1つ以上の個々の動作特性をモデル化することができる。
【0117】
増幅器の1つ以上の動作特性、例えば、利得帯域幅、安定性、雑音指数(NF)、および他の特性もまたシミュレートできる。シミュレーションを利用すると、増幅器の半導体デバイス(例えば、トランジスタ)および他の素子(例えば、抵抗器、インダクタ、キャパシタなど)の特性をモデル化することができる。かくして、増幅器は、1つ以上の回路シミュレータ、半導体デバイスモデル化、半導体プロセスシミュレーション、または関連テクノロジーコンピュータ支援設計(TCAD)ソフトウェアツールを用いてシミュレートできる。
【0118】
各回路素子は、ソフトウェアを用いてシミュレートされると、当該回路素子をシミュレートするためにある特定のパラメータと関連したコードのモジュールまたはリストとして具体化ができる。回路素子をシミュレートするためのソフトウェアは、例えば、プログラミング言語で書かれた人間に解読可能な命令文を含むソースコード、または適当な実行システム、例えば、コンピュータシステムまたは他のシステムにおけるプロセッサによって認識可能な機械命令を含む機械語の形態で具体化されたプログラム命令を含むのがよい。各回路素子は、ハードウェアで具体化された場合、一回路または多数の電気的に相互に接続された回路を表すことができる。
【0119】
1つ以上のコンピューティングデバイスは、とりわけ本明細書において説明した分散型増幅器を形成する回路素子をシミュレートするためのソフトウェアを実行するのがよい。コンピューティングデバイスは、少なくとも1つの処理回路を含むのがよい。かかる処理回路は、例えば、ローカルインターフェースに結合された1つ以上のプロセッサおよび1つ以上の記憶装置またはメモリデバイスを含むのがよい。ローカルインターフェースは、例えば、付随アドレス/コントロールバス、または任意適当なバス構造を備えたデータバスを含むのがよい。
【0120】
記憶装置またはメモリデバイスは、処理回路のプロセッサによって実行可能なデータまたはコンポーネントを記憶することができる。例えば、分散型増幅器の1つ以上の回路素子と関連したデータを、1つ以上の記憶装置内に記憶させて、コンピューティングデバイス中の1つ以上のプロセッサによる処理が可能なように関連付けられるのがよい。同様に、回路素子および/または他のコンポーネントをシミュレートするためのソフトウェアを1つ以上の記憶装置内に記憶して、コンピューティングデバイス中の1つ以上のプロセッサによって実行可能であるようにするのがよい。
【0121】
本明細書において説明したトランジスタは、1つ以上のフィールドプレート、例えば、ソース接続フィールドプレート、ゲート接続フィールドプレート、またはソース接続フィールドプレートおよびゲート接続フィールドプレートの両方を含むのがよい。FETトランジスタについて上述したが、本明細書において説明した技術的思想をバイポーラ接続トランジスタに利用でき、本明細書において説明した増幅器セルを、バイポーラ接続トランジスタを用いて具体化できる。他形式のFETトランジスタのうちで、本明細書において説明したトランジスタは、高効率電力増幅器として使用可能な高電子移動度トランジスタ(HEMT)、スードモルフィック高電子移動度トランジスタ(pHEMT)、メタモルフィック高電子移動度トランジスタ(mHEMT)、および横方向拡散金属酸化膜半導体トランジスタ(LDMOS)として形成されるのがよい。
【0122】
本明細書において説明したトランジスタは、多種多様な半導体材料および半導体製造プロセスを用いて形成できる。半導体材料の例としては、ケイ素(Si)およびゲルマニウム(Ge)、これらの化合物を含む第IV族元素半導体材料、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、およびインジウム(In)、およびこれらの化合物を含む第III族元素半導体材料が挙げられる。半導体トランジスタ増幅器は、ある特定の例では、第III~第V族直接バンドギャップ半導体技術から構成でき、というのは、これらのデバイスによって提供される高いバンドギャップおよび電子移動度により、数ある利点の内でとりわけ、高い電子速度および高い絶縁破壊電圧が得られるからである。かくして、幾つかの実施例では、本技術的思想を第III~第V族直接バンドギャップ能動型半導体デバイス、例えば、第III族窒化物(アルミニウム(Al)‐、ガリウム(Ga)‐、インジウム(In)‐、およびそれらの合金(AlGaIn)を主成分とする窒化物)、GaAs、InP、InGaP、AlGaAsなどのデバイスに利用できる。しかしながら、この原理および技術的思想は、他の半導体材料で作られたトランジスタおよび他の能動デバイスにも利用できる。
【0123】
本明細書において説明した技術的思想は、Si上GaN(Si上に形成されたGaN)トランジスタおよびデバイス、SiC上GaNトランジスタおよびデバイス、ならびに他形式の半導体材料で具体化できる。本明細書において用いられる「窒化ガリウム材料」またはGaN半導体材料という語句は、窒化ガリウムおよびその合金のうちの任意のもの、例えばとりわけ、窒化アルミニウムガリウム(AlxGa(1‐x)N)、窒化インジウムガリウム(InyGa(1‐y)N)、窒化アルミニウムインジウムガリウム(AlxInyGa(1‐x‐y)N)、窒化ガリウムヒ素リン(GaAsaPbN(1‐a‐b))、窒化アルミニウムインジウムガリウムリン(AlxInyGa(1‐x‐y)AsaPbN(1‐a‐b))を意味している。代表的には、ヒ素および/またはリンが存在する場合には、低濃度(例えば、5重量パーセント未満)の状態である。「窒化ガリウム」またはGaN半導体という用語は、窒化ガリウムを直接意味し、その合金は含まれない。
【0124】
上述した特徴、構造、または特性を任意適当な仕方で1つ以上の実施形態に組み合わせることができ、種々の実施形態において説明した特徴は、可能な場合には交換可能である。上記説明中、多くの特定の細部が本開示の実施形態を十分に理解するために提供されている。しかしながら、当業者であれば理解されるように、本開示の技術的解決策を特定の細部のうちの1つ以上がなくても実施でき、あるいは他の方法、他のコンポーネント、他の材料などを採用することができる。他の場合、周知の構造、材料、または作用は、本開示の観点を分かりにくくすることを避けるために細部が図示されておらずまたは説明されていない。
【0125】
相対的な用語、例えば、「上」、「下」、「上方」、「下方」、「頂」、「底」、「右」、「左」という用語がある特定の構造的特徴の相対的な空間関係を説明するために用いられる場合があるが、これらの用語は、実施例における方向として便宜上用いられているだけでる。理解されるべきこととして、デバイスを上下逆さまにした場合、「上方」のコンポーネントは、「下方」のコンポーネントになる。構造または特徴を別の構造または特徴「上に」位置する(または上に形成される)と記載されている場合、かかる構造は、当該構造と他の構造との間に介在する任意他の構造または特徴なしで他の構造上に直接位置する(すなわち、接触する)場合がある。構造または特徴が別の構造または特徴を「覆って」位置する(または覆って形成されている)と記載されている場合、当該構造は、これらの間に介在する他の構造または特徴が設けられた状態で、または設けられていない状態で、他の構造を覆って位置決めされる場合がある。2つのコンポーネントが互いに「結合され」と記載されている場合、当該コンポーネントは、他のコンポーネントがこれらの間に電気的に結合されるとともに介在した状態で、または設けられていない状態で、互いに電気的に結合される場合がある。2つのコンポーネントが互いに「直接結合され」と記載されている場合、当該コンポーネントは、他のコンポーネントがこれらの間に電気的に結合されていない状態で、互いに電気的に結合される場合がある。
【0126】
原文明細書において用いられている例えば“a”、“an”、“the”、“said”という用語が、1つ以上の要素およびコンポーネントの存在を指示示するために用いられている。原文明細書において用いられている“comprise”(訳文では「~を有する」としている場合が多い)、“include”(「~を含む」)、“have”(「~を備える」)、“contain”(「~を含む」)、およびこれらの変形語は、別段の指定がなければ、列挙した要素、コンポーネント成分などに加えて、非限定的に用いられており、これら用語は、追加の要素、コンポーネントなどを包含しまたは含む場合がある。「第1」、「第2」などの用語は、対象の数に対する限定ではなく、単に標識として用いられている。
【0127】
実施形態を本明細書において詳細に説明したが、かかる説明は例示である。本明細書において記載した実施形態の特徴は、代表的なものであり、変形実施形態では、ある特徴およびある要素を追加することができまたは省くことができる。加うるに、本明細書において記載した実施形態の諸観点の改造は、特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によって実施でき、本発明の範囲には、改造例および均等構造を含むよう最も広い解釈が与えられるべきである。
【国際調査報告】