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特表2024-512188多層フレキシブルバッテリー相互接続及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】多層フレキシブルバッテリー相互接続及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/526 20210101AFI20240312BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20240312BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20240312BHJP
   H01M 50/522 20210101ALI20240312BHJP
【FI】
H01M50/526
H01M50/507
H01M50/503
H01M50/522
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545882
(86)(22)【出願日】2022-03-24
(85)【翻訳文提出日】2023-07-27
(86)【国際出願番号】 US2022071318
(87)【国際公開番号】W WO2022204709
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】63/165,582
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/237,333
(32)【優先日】2021-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522021158
【氏名又は名称】セルリンク コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CelLink Corporation
【住所又は居所原語表記】610 Quarry Rd., San Carlos,Califorrnia, 94070 United State of America
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(74)【代理人】
【識別番号】110000763
【氏名又は名称】弁理士法人大同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィンドレイ、ウィル
(72)【発明者】
【氏名】ターラーク、マーク
(72)【発明者】
【氏名】コークレイ、ケヴィン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン、マルコルム パーカー
(72)【発明者】
【氏名】ヘルナンデス、エミリー
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043AA04
5H043AA19
5H043FA04
5H043KA09F
5H043LA02F
(57)【要約】
バッテリーパック内のバッテリーを相互接続するための多層フレキシブルバッテリー相互接続及びその製造方法が提供される。多層フレキシブルバッテリー相互接続は、絶縁層と、一緒に積み重ねられ絶縁層の間に配置された2つの導電層で構成されます。一方の導電層は他方の導電層よりも厚い。薄い方の導電層は、バッテリーに接続するためのフレキシブルタブを備え、いくつかの例では、電圧感知トレースを備える。これらのフレキシブルタブの厚みが薄いため、溶接の品質が保証され、溶接中のエネルギー使用量が少なくなる。これらのフレキシブルタブが溶接されるバッテリーセルの接点は、大幅に厚くなる場合がある。さらに、厚みを薄くすることにより、可融性リンクをフレキシブルタブに組み込むことが可能になる。同時に、2つの導電層が集合的に相互接続内で電流を流し、層が厚くなることで全体の通電容量が強化される。2つの導電層を溶接して電気接続と機械的サポートを確保できる。
【選択図】 図2C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーパック内のバッテリーを相互接続するための多層フレキシブルバッテリー相互接続であって、
第1の絶縁層と、
第2の絶縁層と、
第1の絶縁層と第2の絶縁層との間に配置され、第1の絶縁層に直接接する第1の導電層と、
第1の導電層と第2の絶縁層との間に配置され、それらのそれぞれに直接接する第2の導電層と、
を備え、
第1の導電層は第2の導電層よりも厚く、
第2の導電層は、バッテリーに接続するために第1の導電層を越えて延びる複数の可撓性タブを備える、
多層フレキシブルバッテリー相互接続。
【請求項2】
第1の導電層は第2の導電層より少なくとも2倍厚い、
請求項1に記載の多層フレキシブルバッテリー相互接続。
【請求項3】
第1の導電層は少なくとも300マイクロメートルの厚さを有し、
第2の導電層の厚さは150マイクロメートル未満である、
請求項1に記載の多層フレキシブルバッテリー相互接続。
【請求項4】
第1の導電層と第2の導電層は両方ともアルミニウムから形成される、
請求項1に記載の多層フレキシブルバッテリー相互接続。
【請求項5】
第1の導電層と第2の導電層は異なる材料から形成される、
請求項1に記載の多層フレキシブルバッテリー相互接続。
【請求項6】
第1の導電層と第2の導電層は、互いに離れた複数の溶接位置で溶接される、
請求項1に記載の多層フレキシブルバッテリー相互接続。
【請求項7】
第2の絶縁層は溶接開口部を備え、
複数の溶接箇所はそれぞれ溶接開口部の1つの中に配置される、
請求項6に記載の多層フレキシブルバッテリー相互接続。
【請求項8】
第1の導電層は、第1の導電層の境界全体にわたって均一な厚さを有し、
第2の導電層は、第2の導電層の境界全体にわたって均一な厚さを有する、
請求項1に記載の多層フレキシブルバッテリー相互接続。
【請求項9】
複数のフレキシブルタブは、第1の方向に延びる第1のタブセットを備え、
複数のフレキシブルタブは、第1の方向とは反対の第2の方向に延びる第2のタブセットを備える、
請求項1に記載の多層フレキシブルバッテリー相互接続。
【請求項10】
第1のタブセット内の任意の2つの隣接するタブは、バッテリーパックのバッテリーピッチだけ離間され、
第2のタブセット内の任意の2つの隣接するタブは、バッテリーパックのバッテリーピッチだけ離間される、
請求項9に記載の多層フレキシブルバッテリー相互接続。
【請求項11】
複数のフレキシブルタブのそれぞれは、接点パッド及び可融性リンクを備え、第2の導電層の残りの部分に接点パッドを接続及び支持し、
コンタクトパッドは、バッテリーの1つの中央接点に接続するように構成される、
請求項10に記載の多層フレキシブルバッテリー相互接続。
【請求項12】
第2の絶縁層は接点開口部を備え、
ヒュージブルリンクと大部分の接点パッドがコンタクト開口部に突き出ている、
請求項11に記載の多層フレキシブルバッテリー相互接続。
【請求項13】
第2の絶縁層は、接点開口部を少なくとも部分的に画定する支持タブを備え、
接点パッドの一部は支持タブに接着されている、
請求項12に記載の多層フレキシブルバッテリー相互接続。
【請求項14】
第2の絶縁層は、支持タブと第2の絶縁層の残りの部分との間の界面に沿って延びるフレキシブルスリットを備える、
請求項13に記載の多層フレキシブルバッテリー相互接続。
【請求項15】
第1のタブセット内の任意の2つの隣接するタブは、バッテリーパックのバッテリーピッチ又はバッテリーピッチの2倍だけ離間し、
第2のタブセット内の任意の2つの隣接するタブは、バッテリーパックのバッテリーピッチ又はバッテリーピッチの2倍だけ離間している、
請求項9に記載の多層フレキシブルバッテリー相互接続。
【請求項16】
第1のタブセット及び第2のタブセットの各タブは、接点パッドと、タブの残りの部分に対して接点パッドを接続及び支持するフレキシブルネックを備え、
接点パッドは、隣接する2つのバッテリーのエッジ接点に同時に接続するように構成される、
請求項15に記載の多層フレキシブルバッテリー相互接続。
【請求項17】
第2の絶縁層は接点開口部を備え、
フレキシブルネックと大部分の接点パッドが接点開口部に突き出ている、
請求項16に記載の多層フレキシブルバッテリー相互接続。
【請求項18】
第2の絶縁層は、接触開口部を少なくとも部分的に画定する支持タブを備え、
接触パッドの一部は支持タブに接着している、
請求項17に記載の多層フレキシブルバッテリー相互接続。
【請求項19】
第2の絶縁層は、支持タブと第2の絶縁層の残りの部分との間の界面に沿って延びるフレキシブルスリットを備える、
請求項18に記載の多層フレキシブルバッテリー相互接続。
【請求項20】
第1の絶縁層と第2の絶縁層は互いに直接接着して、第1の導電層と第2の導電層の一部の周囲に境界を形成する、
請求項1に記載の多層フレキシブルバッテリー相互接続。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は、35U.S.C.セクション119(e)に基づいて2021年8月16日に出願された米国仮特許出願第63/237,333号(ドケット番号CLNK018P)及び2021年3月24日に出願された米国仮出願第63/165,582(ドケット番号CLNK016P)の利益を主張し、両仮出願の開示内容全体をあらゆる目的で参照により本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
[0002]充電式バッテリーセル及びこれらのセルで組み立てられたバッテリーパックは、モバイル(例えば、電気自動車)及び定置(例えば、グリッド)用途にエネルギー貯蔵を提供するための有望な技術を表す。市場の普及率を高めるには、バッテリーセルやその他のパックコンポーネントのコストを下げる必要がある。セル(リチウムイオンセルやその他のタイプのセルなど)は現在、バッテリーパックの中で最も高価なコンポーネントであるが、スケールメリット、新素材、設計の改善により、セルのコストは将来低下すると予想される。さらに、バッテリーセルの性能と寿命が向上し、新しい高耐久用途につながるはずである。この傾向では、バッテリーパックの他のコンポーネント、特にバッテリー相互接続のコスト、性能、信頼性がより重視されることになる。さらに、これらのコンポーネントを使用してバッテリーパックを組み立てる新しい効率的な方法が必要になる。
【0003】
[0003]多くの従来のバッテリーパックは、複雑な設計及び特徴を有するかさばる金属プレートを使用して組み立てられている。これらの金属プレートは個々のバッテリーセルを相互接続し、これらのセル及び/又はバッテリーパックの端子間で電流を運ぶ。これらのプレートとバッテリーセルの接続には、例えば個々のセルを過電流や熱暴走から保護するために、特別なヒューズ及び/又はコネクタワイヤーが使用される。これらのヒューズは壊れ易く、パックの動作中によく起こる応力や振動条件下で壊れる可能性がある。さらに、各プレートは通常、独立したコンポーネントであり、大型のバッテリーパックでは複数のプレートが必要になることがよくある。この個別のアセンブリにより、バッテリーパックのコストと複雑さが増大し、バッテリーパックの安全性と堅牢な性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
[0004]バッテリーパック内のバッテリーを相互接続するための多層フレキシブルバッテリー相互接続及びその製造方法が提供される。多層のフレキシブルなバッテリー相互接続は、絶縁層と、一緒に積み重ねられ絶縁層の間に配置された2つの導電層で構成されます。一方の導電層は他方の導電層よりも厚い。より薄い導電層は、バッテリーに接続するためのフレキシブルなタブを備え、いくつかの例では、電圧感知トレースを備える。これらのフレキシブルなタブの厚みが薄いため、溶接の品質が保証され、溶接中のエネルギー使用量が少なくなる。これらのフレキシブルなタブが溶接されるバッテリーセルの接点は、大幅に厚くなる場合がある。さらに、厚みが薄いため、可融性リンクをフレキシブルなタブに組み込むことができる。同時に、2つの導電層が集合的に相互接続内で電流を流し、層が厚くなることで全体の通電容量が強化される。2つの導電層を溶接して電気接続と機械的サポートを確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A図1Aは、いくつかの例による、セルの中心及び端の接点を示す円筒形バッテリーセルの概略上面図である。
図1B図1Bは、いくつかの例による、図1Aの円筒形バッテリーセルの概略側断面図である。
図1C図1Cは、いくつかの例による、複数のバッテリーセル及び相互接続を備えるバッテリーパックの概略上面図である。
図1D図1Dは、追加の相互接続例を備えたバッテリーパックの概略上面図である。
図1E図1Eは、追加の相互接続例を備えたバッテリーパックの概略上面図である。
図2A-2B】図2Aは、いくつかの例による、多層フレキシブルバッテリー相互接続の概略斜視図及び部分断面図である。図2Bは、図2Aの多層フレキシブルバッテリー相互接続部の一部の概略斜視図であり、セルの中心接点に接続するためのフレキシブルなタブに焦点を当てている。
図2C図2Cは、図2Aの多層フレキシブルバッテリー相互接続の概略斜視図であり、相互接続の異なる導電層を示すために1つの絶縁層が除去されている。
図2D図2Dは、図2Cの多層フレキシブルバッテリー相互接続部の一部の概略斜視図であり、セルの中心接点に接続するためのフレキシブルなタブに焦点を当てている。
図2E図2Eは、2つの導電層によって形成され、2つの絶縁層の間に封止された1つのバスバーを示す、多層フレキシブルバッテリーの一部の概略断面図である。
図3図3は、いくつかの例による、異なるタイプのフレキシブルタブ間の距離を示す、多層フレキシブルバッテリー相互接続の概略上面図である。
図4A図4Aは、いくつかの例による、多層フレキシブルバッテリー相互接続によって相互接続された4つのバッテリーセルを示す、バッテリーパックの概略側断面図である。
図4B図4Bは、いくつかの例による、多層フレキシブルバッテリー相互接続によって相互接続された4つのバッテリーセルを示す、バッテリーパックの概略側断面図である。
図4C図4Cは、いくつかの例による、多層フレキシブルバッテリー相互接続によって相互接続された4つのバッテリーセルを示す、バッテリーパックの概略側断面図である。
図4D図4Dは、いくつかの例による、多層フレキシブルバッテリー相互接続によって相互接続された4つのバッテリーセルを示す、バッテリーパックの概略側断面図である。
図5A図5Aは、いくつかの例による、セルへの電気接続を形成する前の、バッテリーセル及び多層フレキシブルバッテリー相互接続の概略側断面図である。
図5B図5Bは、中心接触フレキシブルタブの一例を示す、図5Aの多層フレキシブルバッテリー相互接続の概略上面図である。
図5C図5Cは、いくつかの例による、バッテリーセルと、バッテリーへの電気接続を形成した後の多層フレキシブルバッテリー相互接続の概略側断面図である。
図5D図5Dは、いくつかの例による、バッテリーセルと、バッテリーへの電気接続を形成した後の多層フレキシブルバッテリー相互接続の概略側断面図である。
図5E図5Eは、端点接触フレキシブルタブの一例を示す、多層フレキシブルバッテリー相互接続の概略上面図である。
図6A図6Aは、いくつかの例による、多層フレキシブルバッテリー相互接続の電圧トレースの概略上面図である。
図6B図6Bは、いくつかの例による、多層フレキシブルバッテリー相互接続の電圧トレースの概略上面図である。
図6C図6Cは、いくつかの例による、多層フレキシブルバッテリー相互接続の電圧トレースの概略上面図である。
図6D図6Dは、いくつかの例による、多層フレキシブルバッテリー相互接続の電圧トレースの概略上面図である。
図6E図6Eは、いくつかの例による、バッテリーセル及び電圧トレースを備える多層フレキシブルバッテリー相互接続の概略側面断面図である。
図6F図6Fは、いくつかの例による、バッテリーセルと、信号トレースと、信号トレースに接続されたセンサーとを備える多層フレキシブルバッテリー相互接続との概略側断面図である。
図7A図7Aは、4つの角柱状セルの概略上面図であり、これらのセルの所望の直列接続を示す。
図7B図7Bは、図7Aの4つの角柱状セルの概略上面図であり、セルの上に配置されてセルを相互接続する多層フレキシブルバッテリー相互接続の第1の導電層を示す。
図7C図7Cは、図7Aの4つの角柱状セルの概略上面図であり、セルの上に配置されてセルを相互接続する多層フレキシブルバッテリー相互接続の第1及び第2の導電層を示す。
図7D図7Dは、図7Aの4つの角柱状セルの概略上面図であり、セルの上に配置された相互接続全体を示す。
図8図8は、いくつかの例による、多層フレキシブルバッテリー相互接続を製造する方法に対応するプロセスフローチャートである。
図9図9は、多層フレキシブルバッテリー相互接続を製造する別の方法に対応するプロセスフローチャートである。
図10A図10Aは、多層フレキシブルバッテリー相互接続を製造するために使用されるさまざまなコンポーネント及びアセンブリの概略図である。
図10B図10Bは、多層フレキシブルバッテリー相互接続を製造するために使用されるさまざまなコンポーネント及びアセンブリの概略図である。
図10C図10Cは、多層フレキシブルバッテリー相互接続を製造するために使用されるさまざまなコンポーネント及びアセンブリの概略図である。
図10D図10Dは、多層フレキシブルバッテリー相互接続を製造するために使用されるさまざまなコンポーネント及びアセンブリの概略図である。
図10E図10Eは、多層フレキシブルバッテリー相互接続を製造するために使用されるさまざまなコンポーネント及びアセンブリの概略図である。
図10F図10Fは、多層フレキシブルバッテリー相互接続を製造するために使用されるさまざまなコンポーネント及びアセンブリの概略図である。
図11A-11B】図11Aは、いくつかの例による、バッテリーと、バッテリーに接続された特別に構成された接続部分を有する相互接続回路を備えるバッテリーパックアセンブリの概略断面図である。図11Bは、図11Aのバッテリーパックアセンブリの一部の概略拡大断面図であり、接続部の一例を示す。
図11C図11Cは、図11Bのバッテリーパックアセンブリの一部の概略上面図である。
図12A図12Aは、いくつかの例による、導体タブのタブ開口部を示す、バッテリーパックアセンブリの一部の概略上面図である。
図12B図12Bは、図12Aのバッテリーパックアセンブリの一部の概略断面図であり、いくつかの例による導体タブのタブ開口部を示す。
図13A図13Aは、いくつかの例による、相互接続回路の導体タブとバッテリーとの間の電気接続を形成する前後のバッテリーパックアセンブリの概略断面図である。
図13B図13Bは、いくつかの例による、相互接続回路の導体タブとバッテリーとの間の電気接続を形成する前後のバッテリーパックアセンブリの概略断面図である。
図13C図13Cは、バッテリーへの接続を形成する際に導体ネックに柔軟性を与える導体ネックの部分開口の異なる例を示す、2つの導体ネックの概略断面拡大図である。
図13D図13Dは、バッテリーへの接続を形成する際に導体ネックに柔軟性を与える導体ネックの部分開口の異なる例を示す、2つの導体ネックの概略断面拡大図である。
図14A図14Aは、バッテリーパックアセンブリで使用するための相互接続回路の導体の概略上面図であり、ヒュージブルリンクとして動作可能な導体ネックの部分開口を示している。
図14B図14Bは、図14Aの導体の概略断面図であり、導体ネックの部分的な開口部を示している。
図14C図14Cは、図14Aの導体の拡大概略断面図であり、導体ネックの部分開口部のさまざまな特徴を特定している。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[0040]本開示の例の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むとよりよく理解されるであろう。本明細書で使用される場合、単数形で記載され、単語「a」又は「an」に続く要素又はステップは、そのような除外が明示的に記載されていない限り、複数の前記要素又はステップを除外しないものとして理解されるべきである。さらに、「一例」への言及は、列挙された特徴も組み込む追加の例の存在を排除するものとして解釈されることを意図したものではない。さらに、明示的に反対の記載がない限り、特定の特性を有する要素又は複数の要素を「含む」又は「有する」例には、その特性を持たない追加の要素が含まれる場合がある。
序論
【0007】
[0041]多くの最新のバッテリーパックは、相互接続する必要がある複数のセルを含む。例えば、電気自動車で使用される典型的なバッテリーパックは、円筒形バッテリーセルなどの数千のバッテリーセル、より具体的には、18650セル、21700セル、4680セルなどを有する。多くのバッテリー用途の成功は、多くの場合、そのようなパック内のバッテリーセル間の堅牢で信頼性が高く、安価な相互接続に依存する。上述したように、一部の従来の相互接続は、セル接点に接続するためにバスバーと呼ばれる剛性の金属プレートを使用する。これらのバスバーは大電流を伝達でき、ある程度の機械的サポートを提供できるが、これらのバスバーは製造コストが高くなる。例えば、バスバーの製造には、バッテリーモジュール毎に独自の工具が必要であり、高価になる場合がある。さらに、これらのバスバーは高価であり、バッテリーセルの端子に接続するのが困難である。これらのバスバーの剛性により、バッテリーセルとプレートの相対運動が妨げられ、これらのコンポーネント間の電気接続が切断される可能性がある。最後に、これらのバスバーの厚さによってパック冷却プレート/システムの熱性能も制限され、比エネルギーが最適化されなくなる(電気自動車用途での航続距離の低下など)。
【0008】
[0042]多層フレキシブルバッテリー相互接続は、信頼性の高い電気接続を提供するように特別に構成されており、多くの場合、従来の相互接続よりも製造、セル端子への接続、及びバッテリーパックへの取り付けが容易になり得る。多層のフレキシブルなバッテリー相互接続は、以下でさらに説明する電流溶断機能も提供する。導電層の厚さが薄いために一般に低電流用途に限定される従来のプリント回路とは異なり、多層フレキシブルバッテリー相互接続は、バッテリー接点への溶接能力に影響を与えることなく、あらゆる通電能力を提供するように構成することができる。例えば、印刷された導電性要素の厚さはマスクとエッチングの機能によって制限されるが、一般に高アスペクト比のフィーチャや厚い導体には適していない。さらに、より厚い層に必要な長時間のエッチングにより、フレキシブル回路の製造コストが上昇する。同時に、多くの最新のバッテリーセルとパックは、パックの急速充電又は急速放電中など、少なくとも50A、さらには100Aを超える電流で動作することができる。これにより、十分な導電性を提供するために厚い導電層(例えば、少なくとも200マイクロメートル、さらには少なくとも500マイクロメートルの厚さ)を使用することが必要になる。
【0009】
[0043]厚い導電層にはさまざまな課題があることに留意されたい。第1に、厚い導電層(例えば、200マイクロメートルを超える厚さを有する)は、バッテリーセルに溶接したり、その他の方法で取り付けたりすることが困難である。導電層が厚くなると、溶接を形成するためにより多くのエネルギーが必要となり、バッテリーセルへより多くの熱が放散される。同時に、多くのセルコンポーネント(例えば、セパレーター、電解質など)は熱に敏感であり、高温(70℃を超える温度など)に耐えることができない。さらに、導電層が厚いと、これらの導体からヒューズ/可融性リンクを形成するときにさまざまな課題が生じる。ヒュージブルリンクは、リンクを流れる電流が、部分的にはこのヒュージブルリンクの寸法によって制御される特定の閾値を超えると、バッテリーセルへの電気接続を制御して切断する。例えば、厚い導体をエッチングすると、均一な幅を有する狭いトレースを実現することが困難になる。エッチングの場合、エッチングに伴う過剰なアンダーカットを避けるために、最小の幅対厚さの比(本明細書では「アスペクト比」と呼ぶ)は通常4、さらには5である。例えば、厚さ200マイクロメートルの導体をエッチングしてヒュージブルリンクを形成する場合、得られる幅は少なくとも700~800マイクロメートルにする必要があり、これはほとんどのヒュージング用途/種類のバッテリーセルにとっては長過ぎる可能性がある。さらに、裏面をエッチング液から保護する必要があるため、他のコンポーネントに接触しない可融性リンクを形成することは、通常、エッチングでは不可能である。ヒュージブルリンクとの物理的接触(導体の残りの部分との接触を除く)は望ましくなく、ヒュージブルリンクの熱特性や全体的な性能に干渉する。
【0010】
[0044]本明細書に記載の多層フレキシブルバッテリー相互接続は、上述の従来の相互接続のさまざまな欠陥に対処する。いくつかの例では、多層フレキシブルバッテリー相互接続は、2つの絶縁層(例えば、第1の絶縁層及び第2の絶縁層)と、2つの導電層(例えば、第1の導電層及び第2の導電層)とを備える。一方の導電層(例えば、第1の導電層)は、他方(例えば、第2の導電層)より厚い。2つの導電層はスタックを形成し、このスタックは、絶縁層によって少なくとも部分的に絶縁され、絶縁層間で封止される。より薄い導電層は、スタックの外側、さらには絶縁層の外側まで延びるフレキシブルタブを備える。具体的には、第2の導電層は、より薄いため、バッテリーセルへの多大なエネルギー/加熱を必要とせずに、バッテリーセルへの電気接続(例えば、溶接)を形成することを可能にする(同じ厚さの)フレキシブルタブを有する。導電層が薄いと、レーザー溶接の品質も保証される。例えば、典型的な円筒形バッテリーセルの上部缶の厚さは0.3ミリメートル又は0.4ミリメートルである。導電層の厚さが缶の厚さと同じかそれより厚い場合、溶接性能が低下する。したがって、より薄い導電層をより厚いバッテリーに溶接すると、より高品質の溶接を行うことができる。
【0011】
[0045]さらに、さまざまな可融性リンクをフレキシブルタブに直接組み込むことができる。第1の導電層は厚いため、相互接続を介して追加の電流搬送能力を提供するのに役立つ。いくつかの例では、第1の導電層は第2の導電層より少なくとも2倍厚い。したがって、第1の導電層は、多層フレキシブルバッテリー相互接続内の主要な電流キャリアであってもよい。第1の導電層の厚さを調整して、第2の導電層(及びフレキシブルタブの厚さ)の厚さを変えることなく、多層フレキシブルバッテリー相互接続のこれらの通電能力を変更することができる。
【0012】
[0046]本開示の目的上、「相互接続」という用語は「相互接続回路」と同じ意味で使用され、「導電層」という用語は「導体」又は「導体層」と同じ意味で使用され、「絶縁層」という用語は「絶縁体」と同じ意味で使用される。
【0013】
[0047]いくつかの例では、多層フレキシブルバッテリー相互接続は、セルの同じ側に端子を有する一組のバッテリーセルを電気的に相互接続するために使用され得る。これらのセルは、図1A及び図1Bに概略的に示されるような円筒形セル(例えば、18650セル、21700セル、4680セルなど)、又は図7Aに示され以下に説明されるような角柱形セルであり得る。具体的には、図1Aは、いくつかの例による、第1の接点194(中央接点とも呼ばれる)及び第2の接点195(エッジ接点とも呼ばれる)を示す、円筒形バッテリーセル192の概略上面図である。図1Bは、いくつかの例による、図1Aの円筒形バッテリーセル192の概略側断面図である。
【0014】
[0048]図1Cは、いくつかの例による、複数のバッテリーセル192と、各バッテリーセル192への接続を形成する多層フレキシブルバッテリー相互接続部100とを備えるバッテリーパック190の概略上面図である。多層フレキシブルバッテリー相互接続部100は、バッテリーパック190における一接続例を示す電気図の形式で示される。特に、図1Cのこの例では、多層フレキシブルバッテリー相互接続部100は、第1のバス101と第2のバス102を備える。各バスは、以下にさらに説明するように、2つ以上の導電層によって形成される。これらの導電層のうちの1つ(例えば、より薄いもの)は、バッテリーセル192の第1の接点194及び第2の接点195に接続されるフレキシブルタブ142も形成する。接続は、フレキシブルタブ142の端部に位置する接点パッド145によって形成される。この例では、左列のバッテリーセル192の第1/中央接点194は、第1のバス101のフレキシブルタブ142に接続されている。バッテリーセル192の中央列の第1/中央接点194も、第1のバス101のフレキシブルタブ142に接続されている。したがって、左及び中央の列のすべてのセル192は並列に接続される。バッテリーセル192の中間列の第2/エッジ接点195は、第2のバス102のフレキシブルタブ142に接続される。したがって、第1のバス101と第2のバス102はバッテリーセル192の中間列によって直列に接続される。第2のバス102の各フレキシブルタブ142は、中間列の2つの隣接するセル192、より具体的には、中間列の2つの隣接するセル192の第2/エッジ接点195に接続されることに留意されたい。2つの隣接するセル192の第2/エッジ接点195が互いに隣接して配置され、同じ接点パッド145を用いて達成できるため、このダブルエッジ接点が可能である。この例では、これらの接点が第2/エッジ接点195によって囲まれているため、第1/中央接点194への接続は個別である。最後に、右列のバッテリーセル192の第2/エッジ接点195も第2バス102のフレキシブルタブ142に接続される。したがって、右列と中央列のすべてのセル192は並列に接続される。
【0015】
[0049]図1Dは、バッテリーセル192が多層フレキシブルバッテリー相互接続部100の別の例と相互接続されているバッテリーパック190の概略上面図である。接続スキームは図1Cと同じである。違いは、ダブルエッジ接点を形成するフレキシブルタブ142の位置にある。図1Cを参照すると、左列及び右列のバッテリーセル192へのダブルエッジ接点を形成するフレキシブルタブ142は、X軸に沿って相互に整列される。ここで図1Dを参照すると、左列及び右列のバッテリーセル192へのダブルエッジ接点を形成するフレキシブルタブ142は、Y軸に沿ってバッテリーピッチだけシフトされる。本開示の目的上、「バッテリーピッチ」という用語は、同じ列に配置された2つの隣接するバッテリーの中心間の距離として定義される。円筒形セルの場合、バッテリーのピッチは、セルの直径に同じ列の2つのセル間の隙間を加えたものに等しい。
【0016】
[0050]図1Eは、バッテリーセル192が多層フレキシブルバッテリー相互接続部100のさらに別の例と相互接続されているバッテリーパック190の概略上面図である。ここでも、接続スキームは図1Cと同じである。しかしながら、図1Eの多層フレキシブルバッテリー相互接続部100は、冗長エッジ接点を提供するために、よりフレキシブルなタブ142を有する。具体的には、各バッテリーセル192は、その第2/エッジ接点195に接続された2つの異なるフレキシブルタブ142を有する。この冗長性は、重量やコストに大きな不利益をもたらすことなく、すべてのセルが接続されたままであることを保証するのに役立つ。
[相互接続回路とバッテリーパックの例]
【0017】
[0051]図2Aは、いくつかの例による、バッテリーパック190内のバッテリーセル192を相互接続するための多層フレキシブルバッテリー相互接続部100の概略斜視図である。図2A中の断面図を参照すると、多層フレキシブルバッテリー相互接続部100は、第1の絶縁層110、第2の絶縁層120、第1の導電層130、及び第2の導電層140を備えている。第1の導電層130は、第1の絶縁層110と第2の絶縁層120との間に配置され、第1の絶縁層110に直接接する。第2の導電層140は、第1の導電層130と第2の絶縁層120のそれぞれの間に配置され、それぞれに直接接する。さらに、第1の導電層130は第2の導電層140よりも厚く、すなわち、TFCL>TSCLである。第1の絶縁層110、第1の導電層130、及び第2の導電層140の大部分は、図2Aの斜視図では見えない。
【0018】
[0052]図2Aの斜視図を参照すると、第2の導電層140はフレキシブルタブ142を備えている。フレキシブルタブ142は、例えば図2Bに概略的に示されるように、バッテリーセル192への電気接続を行うために使用される。例えば、図2Bは、2つのフレキシブルタブ142を示している。上部タブは、バッテリーセル192のエッジ接点(破線で概略的に示される)に接続するように構成され、エッジ接点フレキシブルタブ149と呼ばれることがある。底部タブは、バッテリーセル192の中心接点に接続するように構成されており、中心接点フレキシブルタブ148と呼ばれることがある。これら2つのフレキシブルタブ142(中心接点フレキシブルタブ148及びエッジ接点フレキシブルタブ149)は、異なるバス(及び第2の導電層140の異なる部分)の一部であることに留意されたい。
【0019】
[0053]第1の導電層130は、例えば直接インターフェースすることにより、及び/又は溶接により、第2の導電層140に電気的に接続される。より具体的には、第1の導電層130及び第2の導電層140は、導電性スタックと呼ばれるスタック(図2Aの断面図に示すように)を形成する。第2の導電層140、より具体的には、第2の導電層140のフレキシブルタブ142は、バッテリーセル192に接続し、バッテリーセル192と導電性スタックとの間に電流を流す役割を果たす。しかしながら、導電性スタック内では、電流は主に、より厚い第1の導電層130によって伝達される。実際、通電能力は、第1の導電層130と第2の導電層140の相対的な断面積によって決まり、これらの断面積は層の厚さに比例する。
【0020】
[0054]いくつかの例では、第1の導電層130は、第2の導電層140より少なくとも2倍、より具体的には少なくとも3倍厚い。同じ又は他の例では、第1の導電層130は、少なくとも300マイクロメートル、さらには少なくとも350マイクロメートルの厚さを有し、一方、第2の導電層140は、200マイクロメートル未満、又はさらには150マイクロメートル未満の厚さを有する。例えば、第1の導電層130は400マイクロメートルの厚さを有し、第2の導電層140は125マイクロメートルの厚さを有する。上述したように、第1の導電層130の厚さが大きいと、少なくとも50A、さらには100Aを超えるなど、多層フレキシブルバッテリー相互接続部100に大量の電流を流すことができる。さらに、第1の導電層130の厚さが大きいため、(導電性が2倍であるがかなり高価で比重がはるかに高い銅と比較して)アルミニウムなどの導電性の低い材料の使用が可能になる。同時に、第2の導電層140のより薄い厚さにより、多大なエネルギーを使用することなく(そしてその結果、バッテリーセル192を加熱することなく)、フレキシブルタブ142をバッテリーセル192に溶接することができる。
【0021】
[0055]いくつかの例では、第1の導電層130は、第1の導電層130の境界全体にわたって均一な厚さを有する。例えば、第1の導電層130は、同じ金属シートから形成され得る。第1の導電層130の異なる(別々の)部分(同じ多層フレキシブルバッテリー相互接続部100の異なるバスを形成する)は、同じ金属シートから形成することができる。同じ又は他の例では、第2の導電層140は、第2の導電層140の境界全体にわたって均一な厚さを有する。
【0022】
[0056]いくつかの例では、第1の導電層130及び第2の導電層140は、同じ材料、例えばアルミニウムから形成される。銅の代わりにアルミニウムを使用すると、アルミニウムは銅に比べて抵抗率が高く、溶融温度が低いため、達成可能な最小ヒューズ電流定格を下げるのにも役立つ。したがって、アルミニウム導電層に可融性リンクを形成すると、可融パラメータをより正確に制御できる可能性がある。あるいは、第1の導電層130と第2の導電層140は異なる材料から形成される。例えば、第1の導電層130はアルミニウムから形成され、第2の導電層140は銅から形成される。一般に、電力損失を低く抑えながらフォイルを流れる電流を実現するには、第1の導電層130及び第2の導電層140は、十分な導電性(例えば、106S/mを超える、又はさらには107S/mを超える導電率)を有する任意の導電材料から形成され得る。
【0023】
[0057]いくつかの例では、第1の導電層130及び第2の導電層140は、低い電気接触抵抗を提供し、及び/又は耐食性を改善するための表面副層又はコーティングを含み得る。表面副層は、はんだ付け、レーザー溶接、抵抗溶接、超音波溶接、導電性接着剤による接合、又は機械的圧力を含むがこれらに限定されない技術/材料を使用して、電気相互接続を形成するのに役立ち得る。
これらの接続方法に適した表面を提供する表面副層には、スズ、鉛、亜鉛、ニッケル、銀、パラジウム、白金、金、インジウム、タングステン、モリブデン、クロム、銅、それらの合金、有機はんだ付け性保存剤(OSP)、又はその他の導電性材料が含まれるが、これらに限定されない。さらに、表面副層は、スパッタリング、メッキ、冷間溶接、又は他の手段によって適用されてもよい。いくつかの例では、表面副層の厚さは、0.05マイクロメートルから10マイクロメートル、より具体的には0.1マイクロメートルから2.5マイクロメートルの範囲であってもよい。さらに、いくつかの例では、表面副層の上にOSPのコーティングを追加することは、表面副層自体が時間の経過とともに酸化するのを防ぐのに役立つ可能性がある。表面副層は、第1の導電層130及び第2の導電層140のベース副層がアルミニウム又はその合金を含む場合に使用することができる。保護がないと、アルミニウムの露出した表面は絶縁性の自然酸化物を形成する傾向がある。酸化物は、酸素又は水分の存在下で容易に形成される。この場合、長期間安定した表面を提供するために、表面下層は酸素及び/又は水分の内部拡散に対して耐性を持たせることができる。例えば、亜鉛、銀、錫、銅、ニッケル、クロム、又は金メッキを、アルミニウム含有ベース層上の表面層として使用することができる。
【0024】
[0058]図2A及び2Bを参照すると、いくつかの例では、第1の導電層130及び第2の導電層140は、互いに分離された複数の溶接位置109で溶接される。例えば、溶接箇所109はレーザー溶接によって形成されるが、他の形式の溶接(例えば、超音波溶接、抵抗溶接)も範囲内である。これらの溶接位置109は、第1の導電層130と第2の導電層140との間に電流を伝導するのに役立つ。さらに、これらの溶接位置109は、第1の導電層130及び第2の導電層140の配向を維持し、これらの層を相互に支持するのに役立つ。
第1の導電層130及び第2の導電層140に対する追加の支持は、第1の絶縁層110及び第2の絶縁層120によって提供することができ、例えば、第1の絶縁層110及び第2の絶縁層120は、導電スタックを越えて延在し、互いに直接積層されて、図2Eに示され、この図を参照して以下に説明されるように、導電性スタックの周囲に封筒状構造を形成する。
【0025】
[0059]フレキシブルタブ142は、導電性スタックの境界を越えて、より具体的には、第1の導電層130の境界を越えて延びていることに留意すべきである。フレキシブルタブ142はまた、第1の絶縁層110と第2の絶縁層120の境界を越えて延びて、バッテリーセル192との電気接続を形成する。より具体的には、フレキシブルタブ142にアクセスするために、第1の絶縁層110と第2の絶縁層120にさまざまな開口部が形成される。これらの開口部はバッテリーセル192の接点と位置合わせされており、フレキシブルタブ142が開口部内に突出できるようにしている。より具体的には、バッテリーセル192に接続されると、フレキシブルタブ142は、(バッテリーセル192に面する)第1の絶縁層110内に形成された開口部内に突出する。第2の絶縁層120の開口は、フレキシブルタブ142とバッテリーセル192との間に電気接続を形成しながら、フレキシブルタブ142にアクセスするために使用される。
【0026】
[0060]いくつかの例では、第1の絶縁層110及び第2の絶縁層120の開口は、以下にさらに説明するように、これらの絶縁層をそれぞれの導電層に積層する前に形成される。開口部は、パンチング、平台ダイカット、マッチメタルダイカット、雄型/雌型ダイカット、ロータリーダイカット、レーザー切断、レーザーアブレーション、ウォータージェット切断、機械加工、又はエッチングを含むがこれらに限定されない技術を使用して形成され得る。
【0027】
[0061]第1の絶縁層110及び第2の絶縁層120の一方又は両方の厚さは、1マイクロメートルと500マイクロメートルの間、より具体的には10マイクロメートルと125マイクロメートルの間であってもよい。いくつかの例では、第1の絶縁層110及び第2の絶縁層120のそれぞれは、例えば導電層への積層及び相互の積層のために、対応する導電層に面する少なくとも1つの表面上に配置された接着副層を含む。これらの接着副層は、図2Eを参照して以下に説明するように、第1の絶縁層110と第2の絶縁層120を(導電層の境界を越えて)直接積層するために使用することもできる。いくつかの例では、バッテリーセル192に面する第1の絶縁層110の表面は、これらのバッテリーセル192に接着するための接着副層を含む。
【0028】
[0062]第1の絶縁層110及び第2の絶縁層120は、第1の導電層130及び第2の導電層140に電気的絶縁及び機械的支持を提供する。いくつかの例では、第1の絶縁層110及び第2の絶縁層120は、最初にシート状又はロールの形態で加工され、その後、例えば接着材料を使用して導電層に積層され得る。第1の絶縁層110及び第2の絶縁層120は、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、エチルビニルアセテート(EVA)、ポリエチレン(PE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリアミド(PA)、又はポリビニルブチラール(PVB)を含む(又はそれらから形成される)ことができる。
【0029】
[0063]図2A及び図2Bを参照すると、いくつかの例では、第2の絶縁層120は溶接開口部122を備える。複数の溶接位置109のそれぞれは、溶接開口部122のうちの1つの中に配置される。これらの溶接開口部122により、第1の絶縁層110と第2の絶縁層120との間に第1の導電層130と第2の導電層140とが積層された後に溶接が可能になる。
【0030】
[0064]図2C及び図3を参照すると、いくつかの例では、フレキシブルタブ142は、第1の方向(X軸に沿って)に延びる第1のタブセット143と、第1の方向とは反対の第2の方向に延びる第2のタブセット144とを備える。第1のタブセット143は、1つの列に位置するバッテリーセル192への電気接続を形成するために使用され、第2のタブセット144は、隣接する列に位置するバッテリーセル192への電気接続を形成するために使用される。第1のタブセット143及び第2のタブセット144は、任意のタイプのフレックスタブ142によって形成することができることに留意すべきである。例えば、図2Cは、中央接点フレックスタブ148の第1のタブセット143及び第2のタブセット144を特定するが、図3は、エッジ接点フレキシブルタブ149の第1のタブセット143及び第2のタブセット144を特定する。第1のタブセット143及び第2のタブセット144は、同じバス上のタブの位置を単に区別するために使用される。
【0031】
[0065]図3は、さまざまなタイプのタブと、多層フレキシブルバッテリー相互接続部100内のこれらのタブの相対位置を示す。このタブの配置は、図1Cに示し、上述した概略例に対応することに留意されたい。具体的には、多層フレキシブルバッテリー相互接続部100は、第1のバス101及び第2のバス102を備える。第1のバス101及び第2のバス102のそれぞれは、フレキシブルタブ142を備える第1の導電層130及び第2の導電層140を備える(又はそれらによって形成される)。第1のバス101と第2のバス102の導電性構成要素は互いに直接接続されていないことに留意すべきである。しかしながら、これらの導電性構成要素は、バッテリーセル192を介して相互接続することができる。第1のバス101と第2のバス102は、第1のバス101と第2のバス102の互いに対する機械的支持に使用できる第1の絶縁層110と第2の絶縁層120を共有する。
【0032】
[0066]図3を参照すると、第1のバス101及び第2のバス102は、異なるタイプのフレキシブルタブ142を有する。具体的には、第1のバス101を形成する第2の導電層140のフレキシブルタブ142は、バッテリーセルの第1/中央接点194に接続するように構成される。一方、第2のバス102を形成する第2の導電層140のフレキシブルタブ142は、バッテリーセル192の第2/エッジコンタクト195に接続するように構成され、エッジ接点フレキシブルタブ149と呼ばれる。いくつかの例では、各エッジ接点フレキシブルタブ149は、2つの隣接するバッテリーセル192のエッジ接点195に接続するように構成される。
【0033】
[0067]図3に示すように、1つのエッジ接点フレキシブルタブ149及び1つの中央接点フレキシブルタブ148が各バッテリーセル192に接続される。図1Dを参照して上述したいくつかの例では、2つのエッジ接点フレキシブルタブ及び1つの中央接点フレキシブルタブ148が各バッテリーセル192に接続される。いずれの場合でも、エッジ接点フレキシブルタブ149と中央接点フレキシブルタブ148の両方がバッテリーセル192の同じ列上に延在し、相互嵌合アセンブリを形成する。エッジ接点フレキシブルタブ149及び中心接点フレキシブルタブ148の両方が、異なる方向に延びる第1のタブセット143及び第2のタブセット144を有することに留意されたい。
【0034】
[0068]フレキシブルタブ142間のさまざまな間隔(同じ又は異なるセット内、及び/又は同じ又は異なるバス内)が図3に示されている。いくつかの例では、第1のタブセット143は、第2のタブセット144に対して、バッテリーパック190のバッテリーピッチの半分だけオフセットされている。このオフセットは、中心接点フレキシブルタブ148及びエッジ接点フレキシブルタブ149に適用される。
【0035】
[0069]図3の例における中心接点フレキシブルタブ148を参照すると、いくつかの例では、第1のタブセット143内の任意の2つの隣接するタブは、バッテリーパック190のバッテリーピッチだけ離間されている。また、第2のタブセット内の任意の2つの隣接するタブ144は、バッテリーパック190のバッテリーピッチだけ離間されている。
【0036】
[0070]図3の例におけるエッジ接点フレキシブルタブ149を参照すると、いくつかの例では、任意の2つの隣接するエッジ接点フレキシブルタブ149は、バッテリーパック190のバッテリーピッチ又はバッテリーピッチの2倍だけ離間されている。より具体的には、第1のタブセット143の任意の2つの隣接するタブは、バッテリーピッチ又はバッテリーパック190のバッテリーピッチの2倍だけ離間している。同様に、第2のタブセット144内の任意の2つの隣接するタブは、バッテリーパック190のバッテリーピッチ又はバッテリーピッチの2倍だけ離間されている。
【0037】
[0071]図2Bは、接点パッド145と、第2の導電層140の残りの部分に対して接点パッド145を接続し、支持する可融性リンク146とを含む、中心接点フレキシブルタブ148を示す。接点パッド145は、バッテリー192のうちの1つの中心接点195に接続するように構成される。さらに、第2の絶縁層120は、接点開口部口123を備え、可融性リンク146及び接点パッド145の少なくとも大部分が接点開口部123内に突出するようになっている。したがって、可融性リンク146は、第2の絶縁層120の熱質量による影響を受けない(但し、可融性リンク146は、第1の絶縁層110によって少なくとも部分的に支持され得る)。さらに、接点開口部123は、接点パッド145をバッテリーセル192の第1/中央接点194に溶接するときに、接点パッド145へのアクセスを提供する。
【0038】
[0072]図2B並びに図5A、5B、及び5Eを参照すると、いくつかの例では、第2の絶縁層120は、接点開口部123を少なくとも部分的に画定する支持タブ124を備える。接点パッド145の一部は、支持タブ124に接着される。支持タブ124は、少なくともバッテリーセル192への電気接続を形成する前に、接点パッド145を支持する。いくつかの例では、この電気接続を形成している間、接触パッド145は支持タブ124から分離される。あるいは、例えば図5Cに概略的に示すように、電気接続が形成された後でも、接点パッド145は支持タブ124に接着されたままである。さらに別の例では、例えば図5Dに概略的に示すように、この電気接続を形成しながら、支持タブ124が第2の絶縁層120の残りの部分から分離される。
【0039】
[0073]図2B並びに図5A、5B、及び5Eを参照すると、いくつかの例では、第2の絶縁層120は、支持タブ124と第2の絶縁層120の残りの部分との間の界面に沿って延びるフレキシブルスリット125を備える。フレキシブルスリット125は、例えば、接点パッド145がバッテリーセルに向かい、このセルへの電気接続を形成する場合に、支持タブ124の面外屈曲(X-Y平面)を助ける。
【0040】
[0074]図5A及び図5Bを参照すると、いくつかの例では、可融性リンク146の少なくとも一部が第1の絶縁層110に接着している。例えば、第1の絶縁層110は、第1の絶縁層110と第2の絶縁層120によって形成された縁部を越えて延びるリンク支持タブ114を備える。可融性リンク146の一方の表面が第1の絶縁層110に接着している一方で、可融性リンク146の他方の表面は露出されており、それによって、可融性リンク146の性能に対する絶縁層の影響が低減されることに留意されたい。
【0041】
[0075]図2B及び5Eを参照すると、いくつかの例では、エッジ接点フレキシブルタブ149は、接点パッド145及びフレキシブルネック147を備える。フレキシブルネック147は、エッジ接点フレキシブルタブ149の残りの部分に対して接点パッド145を接続するとともに支持する。可融性リンク146とは異なり、フレキシブルネック147ははるかに幅が広く、電流制御機能を提供しない。しかしながら、フレキシブルネック147は、このエッジ接点フレキシブルタブ149の接点パッド145がそれぞれのエッジ接点195に接続されているとき、2つのバッテリーセル192からの電流を支持することができる。全体として、いくつかの例では、接点パッド145は、隣接する2つのバッテリー192のエッジ接点195に同時に接続するように構成される。これらの接続は、図5Eに溶接ゾーンとして概略的に示される。
【0042】
[0076]図5Eを参照すると、いくつかの例では、第2の絶縁層120は、接点開口部123を備える。フレキシブルネック147及び接点パッド145の大部分は、接点開口部123内に突き出ている。接点開口部123は、エッジ接点フレキシブルタブ149がバッテリーセル192との接続を形成するときに、接点パッド145の面外屈曲(X-Y平面)を可能にする。さらに、接点開口部123は、これらの接続を形成している間に接点パッド145にアクセスすることを可能にする。
【0043】
[0077]図2Eを参照すると、いくつかの例では、第1の絶縁層110と第2の絶縁層120は互いに直接接着し、第1の導電層130と第2の導電層140の一部の周囲に境界を形成する。この特徴は、第1の導電層130と第2の導電層140が溶接される前に、これらの層の配向を維持するのに役立つ。さらに、この特徴は、これらの導電層部分を環境から密閉し、例えば、電気的短絡及び/又は腐食を防止する。
【0044】
[0078]いくつかの例では、より厚い導電層がバッテリーセルとより薄い導電層との間に配置され、それによって、より薄い導電層への(すなわち、バッテリーセルの反対側からの)アクセスが提供される。図4A及び4Bを参照すると、第1の導電層130は第2の導電層140より厚い。第2の導電層140は、例えば第2の導電層140を第1の導電層130に溶接するために、第2の絶縁層120の溶接開口部122を通してアクセスすることができる。いくつかの例では、この溶接は、フレキシブルタブ142がバッテリーセル192に溶接されると同時に実行される。特に、図4Aは、それぞれが2つの隣接するバッテリーセル192に接続されるエッジ接点フレキシブルタブ149を示す。図4Bは、それぞれが1つ又は複数のバッテリーセル192に接続された中心接点フレキシブルタブ148を示す。
【0045】
[0079]いくつかの例では、より薄い導電層がバッテリーセルとより厚い導電層との間に配置され、それによってフレキシブルタブ(より薄い導電層の一部である)がバッテリーセルの近くに配置される。言い換えれば、フレキシブルタブは、バッテリーセルに到達するために、より小さな面外の曲がりを有する必要がある。図4C及び4Dを参照すると、第1の導電層130は第2の導電層140より薄い。この例では、フレキシブルタブ142は第1の導電層130の一部である。図4Cは、それぞれが2つの隣接するバッテリー192に接続されるエッジ接点フレキシブルタブ149を示す。図4Dは、それぞれが1つ又は複数のバッテリーセル192に接続された中心接点フレキシブルタブ148を示す。
【0046】
[0080]上述したように、フレキシブルタブ142は、バッテリーセルへの電気接続を形成する前に、導電層の残りの部分と同一平面内に配置される。図5Aは、バッテリーセル192への電気接続を形成する前の、バッテリーセル192及び多層フレキシブルバッテリー相互接続部100の概略側面断面図である。この例では、接続はバッテリーセル192の中心接点195に形成されることになる。図5Bは、図5Aの多層フレキシブルバッテリー相互接続部100の概略上面図である。この例では中心接点フレキシブルタブ148と呼ばれるフレキシブルタブ142は、支持タブ124によって支持される。より具体的には、フレキシブルタブ142の接点パッド145の一部が支持タブ124に接着される。
【0047】
[0081]図5C及び5Dは、バッテリーセル192への電気接続が形成された後のバッテリーセル192及び多層フレキシブルバッテリー相互接続部100の概略側断面図である。具体的には、接点パッド145は面外に曲げられ、第1の絶縁層110の開口部内に突出する。第2の絶縁層120の別の開口部は、この動作中に接点パッド145へのアクセスを提供する。接点パッド145は、バッテリーセル192の中心接点195と直接接触しており、この位置で中心接点195に溶接されている。支持タブ124は、接点パッド145に取り付けられたままであってもよい。図5Dに示されるいくつかの例では、支持タブ124は、第2の絶縁層120の残りの部分から分離される。
[電圧トレースの例]
【0048】
[0082]図6A~6Dは、いくつかの例による、多層フレキシブルバッテリー相互接続部100の電圧トレース150の概略上面図である。 例えば、電圧トレース150は、多層フレキシブルバッテリー相互接続部100の各バスバーにおける電圧を監視するために使用され得る。換言すれば、各電圧トレース150は、異なるバスバーに接続され、このバスバーにおける電圧を監視するために使用される。具体的には、図6Aは、電圧トレース150が第2の導電層140の一部であることを示す。より具体的には、各電圧トレース150は、第2の導電層140の対応する部分とモノリシックであり、同じバスバーを形成する。
【0049】
[0083]いくつかの例では、電圧トレース150(又は第2の導電層140の他の構成要素)は、いくつかの用途(例えば、コネクタ端子への接続の形成)には適さない可能性がある材料から形成される。例えば、電圧トレース150は、はんだ付けが容易ではないアルミニウムから形成される。これらの例では、多層フレキシブルバッテリー相互接続部100は、例えば図6B~6Dに示されるような遷移トレース152を備える。遷移トレース152は、電圧トレース150(例えば、アルミニウム)とは異なる材料(例えば、銅)から形成することができる。各電圧トレース150は、対応する遷移トレース152を有することができる。しかしながら、いくつかの例では、電圧トレース150及び遷移トレース152の数は異なり得る(例えば、未使用のトレース、1つの電圧トレース150に接続された複数の遷移トレース152など)。遷移トレース152は、電圧トレース150と重なり得、(例えば、第2の導電層140が第1の導電層130に溶接される方法で)電圧トレース150に溶接され得る。接続部151は、図6B~6Dにおいて円で概略的に示される。次いで、遷移トレース152は、コネクタ154の端子155に接続され得る。
【0050】
[0084]図6C及び6Dを参照すると、いくつかの例では、遷移トレース152と電圧トレース150を相互接続するための複数のオプションが利用可能である。例えば、絶縁層156は、遷移トレース152と電圧トレース150との間に配置される。いくつかの例では、絶縁層156は、第1の絶縁層110又は第2の絶縁層120のうちの1つであり得る。さらに、遷移トレース152及び電圧トレース150は、例えば、図6C及び6Dに概略的に示されるように、多対多のグリッドを形成するように重なり得る。換言すれば、各遷移トレース152は、複数の電圧トレース150と重なり合う。また、各電圧トレース150は、複数の遷移トレース152と重なり合う。例えば、図6C及び6Dは、各遷移トレース152がすべての電圧トレース150と重なるように、互いに直角に延びる遷移トレース152及び電圧トレース150を示す。
【0051】
[0085]遷移トレース152及び電圧トレース150のこの絶縁、重複、及び配向により、異なる接続オプションが可能になる。具体的には、図6Cでは、左側の遷移トレース152は上部の電圧トレース150に接続され、中間の遷移トレース152は中間の電圧トレース150に接続され、右側の遷移トレース152は底部の電圧トレース150に接続されている。図6Dでは、左側の遷移トレース152は底部の電圧トレース150に接続され、中間の遷移トレース152は上部の電圧トレース150に接続され、右側の遷移トレース152は中間の電圧トレースに接続されている。1つの遷移トレース152を複数の電圧トレース150に接続できることに留意されたい。同様に、複数の遷移トレース152を同じ電圧トレース150に接続できる。当業者であれば、さまざまな重複及び接続のオプションを認識するであろう。
【0052】
[0086]図6Eは、いくつかの例による、バッテリーセル192及び電圧トレース150を備える多層フレキシブルバッテリー相互接続部100の概略側断面図である。ここで、電圧トレース150は、多層フレキシブルバッテリー相互接続部100内の(他の導電層から分離した)別個の層として、例えば他の構成要素と積層されて配置される。例えば、第2の絶縁層120は、電圧トレース150の少なくとも一部と第2の導電層140との間に配置される。第2の絶縁層120は開口部を備え、電圧トレース150は開口部を介して導電層によって形成されるバスバーの1つと接続することができる。図6Eはまた、電圧トレース150を環境から隔離し、第2の絶縁層120に対して電圧トレース150を支持する第3の絶縁層160も示す。
【0053】
[0087]図6Fは、いくつかの例による、バッテリーセル192と、信号トレース158及び信号トレース158に接続されたセンサー159を備える多層フレキシブルバッテリー相互接続部100の概略側断面図である。熱電対、湿度センサー、圧力センサーなどのセンサー159のさまざまな例が範囲内にある。いくつかの例では、センサー159は、図6Fに示すように、導電層のうちの1つ、例えば、第2の導電層140と直接接続する。
[角形セルの相互接続例]
【0054】
[0088]多層フレキシブルバッテリー相互接続部100の上記の例は、円筒形バッテリーセルに関連して説明されているが、説明された特徴の多くは角形バッテリーセルにも適用可能である。図7Aは、4つの角柱状バッテリーセル192の概略上面図であり、これらのバッテリーの所望の直列接続を示している。具体的には、各バッテリーセル192は、第1の接点194及び第2の接点195を備える。図7Aは、角柱状バッテリーセル192の交互の反転位置及びこれらのセルの直列接続を示しているが、他のさまざまな配向及び接続も範囲内である。
【0055】
[0089]図7Bは、図7Aの4つの角柱状セル192の概略上面図であり、セル192上に配置され、セル192を相互接続する多層フレキシブルバッテリー相互接続部100の第2の導電層140を示す。第2の導電層140は、この層のさまざまな特徴を示すために、個別に示されている。当業者は、第2の導電層140が、第1の導電層130、第1の絶縁層110、及び第2の絶縁層120などの他の構成要素を含む多層フレキシブルバッテリー相互接続部100の一部であることを認識するであろう。第2の絶縁層120は図示されていない。当業者はまた、第2の絶縁層120が角柱状バッテリーセル192と第2の導電層140との間に配置され、各セルの第1の接点194及び第2の接点195と位置合わせされた開口部を含むことを認識するであろう。
【0056】
[0090]図7Cは、図7Aの4つの角柱状セル192の概略上面図であり、セルの上に配置され、セルを相互接続する多層フレキシブルバッテリー相互接続部100の第1の導電層130及び第2の導電層140を示す。第1の導電層130は第2の導電層140より厚い。したがって、第2の導電層140のみがセルの第1接点194及び第2接点195に直接溶接される。さらに、第1の導電層130の設置面積は、第2の導電層140の設置面積よりも小さい。第2の導電層140は、第1の導電層130を越えて、特にバッテリー接点上に延在する。 この特徴により、第1の導電層130からの干渉を受けることなく、第2の導電層140をこれらのバッテリー接点に溶接することができる。第2の導電層140は、より薄い層であるため、溶接に必要なエネルギーが少なく、それによってバッテリー接点における過度の温度が回避される。同時に、第1の導電層130は、これらの接点に直接接続することなく、バッテリー接点間に追加の導電性を提供する。
【0057】
[0091]図7Dは、図7Aの4つの角柱状セル192の概略上面図であり、セル上に配置された多層フレキシブルバッテリー相互接続部100全体を示している。具体的には、図7Dは、第1の絶縁層110内のさまざまな開口部を示す。これらの開口部は、さまざまな接続を形成するために使用される。内部溶接開口部118は、第1の導電層130と第2の導電層140の両方の上に配置され、これら2つの導電層を一緒に溶接するために使用される。外部溶接開口部119は、第2の導電層140上に(第1の導電層130上ではない)配置され、第2の導電層140をバッテリー接点に溶接するために使用される。
[多層フレキシブルバッテリー相互接続部の製造例]
【0058】
[0092]図8は、いくつかの例による、多層フレキシブルバッテリー相互接続部100を製造する方法800に対応するプロセスフローチャートである。多層フレキシブルバッテリー相互接続部100のさまざまな例が上記で説明されている。
【0059】
[0093]いくつかの例では、方法800は、第1の絶縁層110をパターニングすること(ブロック810)を含む。第1の絶縁層110の一例が図10Aに示されている。例えば、さまざまな開口部117を連続ベースフィルムに形成して、第1の絶縁層110を得ることができる。これらの開口部117は、多層フレキシブルバッテリー相互接続部100内のフレキシブルタブ142へのアクセスを提供する。
【0060】
[0094]図8に戻ると、いくつかの例では、方法800は、第1の導電層130をパターニングすること(ブロック812)ことを含む。第1の導電層130の一例が図10Bに示されている。例えば、第1の導電層130の別個の部分は、連続ベース金属箔から形成されて、第1の導電層130を生成することができる。これらの部分のそれぞれは、多層フレキシブルバッテリー相互接続部100の異なるバスを表す(例えば、3つの異なる部分を示す図10B)。いくつかの例では、第1の導電層130は、少なくとも第1の導電層130が第1の絶縁層110に積層される前に、一時的な基板(例えば、第1の導電層130のパターニングにも使用される)上に支持される。第1の導電層130が第1の絶縁層110になると、第1の絶縁層110は、第1の導電層130の分離部分に支持を提供する。
【0061】
[0095]図8に戻ると、いくつかの例では、方法800は、第1の導電層130を第1の絶縁層110に積層すること(ブロック814)を含む。例えば、第1の絶縁層110は、第1の導電層130が接着する接着表面を含んでもよい。第1の導電層130及び第1の絶縁層110を含むサブアセンブリの一例が図10Cに示されている。上述したように、第1の絶縁層110は、第1の導電層130の分離された部分に支持を提供する。
【0062】
[0096]図8に戻ると、いくつかの例では、方法800は、第2の絶縁層120をパターニングすること(ブロック820)を含む。第2の絶縁層120の一例が図10Dに示されている。例えば、連続したベースフィルムにさまざまな開口部を形成して、第2の絶縁層120を得ることができる。一部の開口部127は、多層フレキシブルバッテリー相互接続部100内のフレキシブルタブ142へのアクセスを提供する。他の開口部は溶接開口部122であり、上述のように第1の導電層130を第2の導電層140に溶接するために使用される。
【0063】
[0097]図8に戻ると、いくつかの例では、方法800は、第2の導電層140をパターニングすること(ブロック822)を含む。第2の導電層140の一例が図10Eに示されている。例えば、第2の導電層140の別個の部分は、連続的なベース金属箔から形成され、第2の導電層140を生成することができる。これらの部分のそれぞれは、多層フレキシブルバッテリー相互接続部100の異なるバスを表す。さらに、各部分は、バッテリーセルへの電気接続を行うためのフレキシブルタブ142を備える。いくつかの例では、第2の導電層140は、少なくとも第2の導電層140が第2の絶縁層120に積層される前に、一時的な基板(例えば、パターニングにも使用される)上に支持される。
【0064】
[0098]図8に戻ると、いくつかの例では、方法800は、第2の導電層140を第2の絶縁層120に積層すること(ブロック824)を含む。例えば、第2の絶縁層120は、第2の導電層140が接着する接着表面を含んでもよい。第2の導電層140及び第2の絶縁層120を備えるサブアセンブリの一例が図10Fに示されている。第2の導電層140は、この積層操作の後、第2の導電層140の分離された部分を支持する。
【0065】
[0099]図8に戻ると、いくつかの例では、方法800は、第1の導電層130及び第2の導電層140を含むスタックを積層すること(ブロック830)を含む。第1の導電層130は、第1の絶縁層110にあらかじめ積層されていてもよく、一方、第2の導電層140は、第2の絶縁層120にあらかじめ積層されていてもよい。したがって、第1の絶縁層110及び第2の絶縁層120も、この積層スタックの一部である。例えば、例えば図2Eに概略的に示されるように、第1の導電層130及び第2の導電層140を越えて延びる第1の絶縁層110及び第2の絶縁層120の部分は、この動作中に互いに接着する可能性がある。第1の絶縁層110、第1の導電層130、第2の導電層140、第2の絶縁層120の組み合わせは、プライマリースタックと呼ばれることがある。
【0066】
[0100]図8に戻ると、いくつかの例では、方法800は、第1の導電層130を第2の導電層140に溶接すること(ブロック832)を含む。図2A及び2Bを参照して上述したように、第2の絶縁層120は、第2の導電層140にアクセスし、第2の導電層140を第1の導電層130に溶接するために使用される複数の溶接開口部122を備え、それによって溶接位置109を形成する。例えば、この目的のためにレーザー溶接が使用されてもよい。
【0067】
[0101]多層フレキシブルバッテリー相互接続部100が、例えば図6E及び6Fに概略的に示されるように別個の層として提供される電圧トレース又は信号トレースを含む場合、方法800は、第3の絶縁層160をパターニングすること(ブロック840)、電圧トレース150をパターニングすること(ブロック842)、及び電圧トレース150を第3の絶縁層160に積層することによって追加のスタックを形成すること(ブロック844)を含んでもよい。次に、方法800は、この追加のスタックをプライマリースタックに積層し(ブロック850)、いくつかの例では、電圧トレース150を導電層のうちの1つ、例えば、より薄くてもよく、第1の導電層130の上部で電圧トレース150の近くに配置されてもよい第2の導電層140に溶接すること(ブロック852)に進む。
【0068】
[0102]図9は、多層フレキシブルバッテリー相互接続部100を製造する別の方法900に対応するプロセスフローチャートである。方法900の一部の動作は、上述の方法800の対応する動作と同様であり得る。いくつかの例では、方法900は、ブロック810によって表され、上で説明された動作と同様に、第1の絶縁層110をパターニングすること(ブロック910)を含む。方法900は、ブロック812によって表され、上で説明された動作と同様に、第1の導電層130をパターニングすること(ブロック912)を含む。方法900は、ブロック814によって表され、上述した動作と同様に、第1の絶縁層110を第1の導電層130に積層すること(ブロック914)に進む。さらに、方法900は、ブロック822によって表され、上で説明された動作と同様に、第2の導電層140をパターニングすること(ブロック920)に進む。次に、方法900は、第1の絶縁層110、第1の導電層130、及び第2の導電層140を含むスタックを積層すること(ブロック923)に進む。第2の絶縁層120はこのスタックの一部ではないことに留意されたい。第2の絶縁層120は後で追加される。第1の導電層130の境界を越えて延在し、第1の絶縁層110に接着される第2の導電層140の部分、例えば、第1の絶縁層110と重なるフレキシブルタブ142の部分を使用して、第2の導電層140を第1の絶縁層110及び第1の導電層130に対して支持できる場合、方法900は、第2の絶縁層120をパターニングすること(ブロック930)(ブロック820によって表され、上述した動作と同様)に続いて、第1の絶縁層110、第1の導電層130、及び第2の導電層140を含むスタックに第2の絶縁層120を積層すること(ブロック934)、及び第1の導電層130及び第2の導電層140を溶接すること(ブロック940)を含む。
[バッテリーパックの接続例]
【0069】
[0103]図11Aは、いくつかの例によるバッテリーパックアセンブリ1100の概略図である。バッテリーパックアセンブリ1100は、相互接続回路1110及びバッテリー1150を備える。図11Aは、1つのバッテリー1150のみを示しているが、当業者であれば、複数のバッテリーを接続するために、例えば、これらのバッテリーを相互接続するために、及び/又はバッテリーパックアセンブリ1100の他の構成要素(例えば、インバータ)に接続するために、同じ相互接続回路1110が使用され得ることを理解するであろう。相互接続回路1110は、導体1120及び第1の絶縁層1111を備える。導体1120は、導電性要素と呼ばれることもある。いくつかの例では、第1の絶縁層1111は、導体1120に支持を提供する。例えば、相互接続回路1110は、複数の導体を備えることができ、第1の絶縁層1111は、これらの導体を互いに対して支持する(例えば、短絡を防止し、これらの導体を所望の位置に導くため)。第1の絶縁層1111は、導体1120を他の構成要素、例えばバッテリー1150から絶縁するために使用することもできる。いくつかの例では、相互接続回路1110は、導体1120の少なくとも一部が第1の絶縁層1111と第2の絶縁層1112との間に位置するように、第2の絶縁層1112を備える。絶縁層は、誘電体層又は単に誘電体と呼ばれることもある。誘電体及び導電性要素のさまざまな例が上記で説明されている。
【0070】
[0104]いくつかの例では、第1の絶縁層1111は、例えばバッテリー1150に接続するときに導体1120の一部を突出させるために使用される第1の絶縁層開口部1113を含む。同様に、第2の絶縁層1112は、例えば導体1120にアクセスするために使用される第2の絶縁層開口部1114を含んでもよい。例えば、第2の絶縁層開口部1114は、第1の絶縁層開口部1113を通って導体1120の一部にアクセスして、例えばバッテリー1150との電気接触を形成するために、使用され得る。
【0071】
[0105]いくつかの例では、導体1120は、導体トレース1128、導体ネック1126、及び導体タブ1122を備え、導体ネック1126が導体トレース1128と導体タブ1122との間に配置され、これらを接続する。導体トレース1128は、第1の絶縁層開口部1113から延在し、導体1120への他の電気接続を形成するために使用される。導体タブ1122は、以下にさらに説明するように、バッテリー1150に機械的且つ電気的に接続(例えば、溶接)される。導体ネック1126は、導体タブ1122に柔軟性を与え、例えば、導体タブ1122を導体トレース1128に対して面外に配置することを可能にする。例えば、図11Aは、導体トレース1128に対して第1の絶縁層1111の反対側を越えて延びる導体タブ1122を示す。この例では、導体ネック1126は、第1の絶縁層開口部1113を通って突出する。さらに、いくつかの例では、導体ネック1126は、導体タブ1122とバッテリー1150との間の接続を破壊することなく、バッテリー1150が相互接続回路1110の残りの部分に対して(例えば、ある程度まで)移動することを可能にする。
【0072】
[0106]いくつかの例では、バッテリー1150は、バッテリーケース1154、バッテリーキャップ1152、及びバッテリーキャップ絶縁体1156を含む。当業者であれば、バッテリー1150が、図11Aには示されていない追加の構成要素(例えば、電極、電解質)を含むことを理解するであろう。バッテリーキャップ絶縁体1156は、バッテリーケース1154に対してバッテリーキャップ1152を支持し、またバッテリーキャップ1152をバッテリーケース1154から絶縁する。いくつかの例では、バッテリーケース1154はバッテリー1150の一方の端子として動作可能であり、一方、バッテリーキャップ1152は別の端子として動作可能である。図11Aは、バッテリーキャップ1152に接続された導体1120を示しているが、他の例では、導体1120がバッテリーケース1154、例えば、バッテリーキャップ1152の周囲及びバッテリーキャップ絶縁体1156上に延在するバッテリーケース1154の肩部に接続され得ることを当業者は理解するであろう。
【0073】
[0107]いくつかの例では、導体タブ1122は、例えば図11A及び11Bに示されるように、導体タブ1122の残りの部分の厚さよりも薄い厚さを有する接続部分1124を備える。他の例では、導体タブ1122は、例えば図12A及び図12Bに示されるように、1つ又は複数のタブ開口部1130を備える。導体タブ1122は、接続部分1124又は1つ又は複数のタブ開口部1130の周囲でバッテリー1150に溶接される。これらの例のそれぞれを次により詳細に説明する。
【0074】
[0108]上述したように、図11A及び11Bは、導体タブ1122が、導体タブ1122の残りの部分の厚さよりも薄い厚さを有する接続部分1124を備えるバッテリーパックアセンブリ1100の例を示す。例えば、導体1120は同じ金属シートから形成され、この場合、導体1120のすべての構成要素(例えば、導体トレース1128、導体ネック1126、及び導体タブ1122)は同じ厚さを有する。したがって、導体タブ1122の厚さは、導体1120の他の構成要素、例えば、導体トレース1128の通電特性に関連する理由に基づいて選択され得る。いくつかの例では、導体1120の主な厚さは、少なくとも100マイクロメートル、さらには少なくとも200マイクロメートルである。このような厚いシートをバッテリー1150に溶接するには、導体1120及びバッテリー1150をかなり加熱する必要があり、少なくともバッテリーの観点からは望ましくない可能性がある。例えば、バッテリー1150は、高温に敏感な可能性があるさまざまな構成要素(例えば、絶縁体、セパレータ、電解質)を備える。はるかに薄い厚さを有する接続部分1124を使用してバッテリー1150への電気接続を形成することにより、接続部分1124をバッテリー1150に溶接する際の高温暴露を実質的に低減することができる。
【0075】
[0109]いくつかの例では、接続部分1124の厚さは、導体タブ1122の残りの部分の厚さの少なくとも2倍、又は3倍、さらには4倍小さい。いくつかの例では、接続部分1124は、例えば図11Cに示されるように円形である。例えば、接続部分1124の形状(及びサイズ)は、接続部分1124が溶接されるバッテリー部品と同じであってもよい。例えば、バッテリーキャップ1152に溶接された接続部分1124は、円形の設置面積を有してもよい。いくつかの例では、接続部分1124は、この接続部分1124が溶接されるバッテリー部品の面積よりも小さい。より具体的には、接続部分1124のサイズは、溶接要件、例えば溶接ナゲットのサイズによって決定され得る。同じ又は他の例では、導体タブ1122の残りの部分は、接続部分1124を取り囲むエッジ肩部1123を形成する。エッジ肩部1123の厚さは、導体1120の主要な厚さと同じであり、接続部分1124の厚さよりも大きいことに留意されたい。
【0076】
[0110]上述したように、図12A及び図12Bは、導体タブ1122が1つ又は複数のタブ開口部1130を備えるバッテリーパックアセンブリ1100の一例を示す。上述の接続部分1124と同様に、タブ開口部1130により、導体タブ1122をバッテリー1150に溶接するのに必要な電力を低減することができる。例えば、タブ開口部1130は、溶接に使用される導体タブ1122の表面積を増加させる側壁を備える。
【0077】
[0111]いくつかの例では、1つ又は複数のタブ開口部1130のそれぞれは、例えば図12Aに概略的に示されるように、細長い形状を有する。より具体的には、細長い形状は導体ネック1126、より具体的には導体ネック1126の中心軸に対して垂直に延在する。図12Aに示すように、導体ネック1126はX軸に沿って延在する一方、タブ開口部1130の細長い形状はY軸に沿って延在する。
【0078】
[0112]図12Bを参照すると、いくつかの例では、導体タブ1122は、1つ又は複数のタブ開口部1130のそれぞれ内に配置され、バッテリー1150と直接接する溶接ナゲット1134をさらに備える。溶接ナゲット1134は、より多くのタブ開口部1130の側壁1133を利用することによって、導体タブ1122とバッテリー1150との間の境界領域を増加させる。いくつかの例では、導体タブ1122は、抵抗溶接機、レーザー溶接機、及び/又は超音波溶接機を使用して、バッテリー1150に溶接される。しかしながら、他の取り付け形態(例えば、導電性接着剤)も範囲内である。
【0079】
[0113]図13Aを参照すると、いくつかの例では、相互接続回路1110は、バッテリー1150上に配置された実質的に平面構造として提供される。より具体的には、バッテリー1150への接続を形成する前に、各導体1120の導体タブ1122は、導体トレース1128及び導体ネック1126などの導体1120の他の構成要素(及び他の導体)と実質的に同一平面上にある。バッテリー1150に接続する際、各導体ネック1126は、導体タブ1122が第1の絶縁層1111を通って突き出てバッテリー1150に達するように曲げられる。例えば、図13Aに示すプレス固定具をこの目的のために使用することができる。この導体ネックの曲げ動作は、数十、さらには数百のこれらの導体ネックに対して同時に実行することができ、例えば、同じ相互接続回路1110を使用して、同じバッテリーパックの複数のバッテリーに接続することができることに留意されたい。さらに、導体ネック1126の厚さ(例えば、100マイクロメートルを超える、又はさらには200マイクロメートルを超える)は、バッテリーとの接続を形成するためにこれらの複数の導体ネックを同時に曲げるのに必要な力を決定する際の重要な要素となり得る。最後に、導体1120に使用される材料(例えば、アルミニウム)は、かなりの曲げ弾性率を有する可能性があり、その結果、曲げに対する高い抵抗が得られる。これらすべての要因は、バッテリー1150への接続を形成する際に導体ネック1126を曲げるのに大きな力が必要であることを示しており、これは図13Bに概略的に示されている。大きな力には重機が必要であり、アセンブリ全体の一部のコンポーネントが損傷する可能性がある(例えば、特に位置ずれがある場合など)。
【0080】
[0114]例えば、図13Bは、第1の絶縁層1111の端部を越えて延在し、第1の絶縁層開口部1113を通って突出する導体ネック1126を示す。導体ネック1126は、導体トレース1128に近接する第1の屈曲部1131と、導体タブ1122に近接する第2の屈曲部1132とを備える。これらの屈曲部は、図13C及び図13にさらに示される。いくつかの例では、導体ネック1126は、第1の屈曲部1131に1つ又は複数の第1の部分開口部1141、及び/又は第2の屈曲部1132に1つ又は複数の第2の部分開口部1142を備える。特に、図13Cは、5つの第1の部分開口部1141が第1の屈曲部1131の内半径上に配置される例を示す。図13Dは、7つの第1の部分開口部1141が第1の屈曲部1131の外半径上に配置される別の例を示す。いくつかの例では、第1の部分開口部1141は、第1の屈曲部1131の両側に配置され得る。同様に、第2の部分開口部1142は、第2の屈曲部1132の内半径上、第2の屈曲部1132の外半径上、又はその両方に配置され得る。さらに、任意の数の部分的開口部が範囲内に含まれる(例えば、1、2、3、4など)。部分開口部の数を増やすと、各部分開口部の断面を比較的小さく保ちながら、導体ネック1126の柔軟性を改善するのに役立ち得る。部分開口部の断面積を増加させると、導体ネック1126の抵抗が増加し、導体ネック1126の機械的強度が低下することに留意されたい。いくつかの例では、第1の部分開口部1141は、導体ネック1126を横切って(対向する縁の間で)延在する1つ又は複数のスリットを備える。より具体的な例では、これらの複数のスリットは、導体ネック1126の総厚さの約10%から40%の間、より具体的には15%から35%の間、さらには20%から30%の間の深さを有する。
【0081】
[0115]いくつかの例では、導体ネック1126は、例えば図14A~14Cに示されるように、可融性リンクとして動作可能である。具体的には、導体ネック1126は、導体トレース1128及び導体タブ1122から離れて配置された1つ又は複数の部分開口部1160を備える。例えば、部分開口部1160は、例えば図14Aに示されるように、一定の幅(W1)を有する導体ネック1126の部分上に配置される。1つ又は複数の部分開口部1160のそれぞれは、導体ネック1126が可融性リンクとして動作できるように、制御された深さと制御された幅を有する。各開口部1160の深さ(D)及び幅(W2)と、導体ネック1126の幅(W1)、導体ネック1126の厚さ(T)及び導体ネック1126の材料との組み合わせが、この可融性リンクの抵抗及び電流定格を定義する。換言すれば、各開口部1160は、導体ネック1126の最小の断面に対応する。この断面の面積及び長さは、上に挙げたさまざまなパラメータ、例えば、断面の面積=W1*(T-D)によって制御されるが、この断面の長さは、開口部1160の幅(W2)と同じである。いくつかの例では、1つ又は複数の部分開口部1160のそれぞれは、導体ネック1126を横切って延在する。
[結論]
【0082】
[0116]本明細書に記載される方法及び装置は、集積回路、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、太陽電池、及び他の電子部品及び/又は電源を含むがこれらに限定されない電子装置一般の相互接続に拡張することができる。
【0083】
[0117]上記の説明は例示を目的とするものであり、限定するものではないことを理解されたい。例えば、上述の例(及び/又はその態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。さらに、特定の状況又は材料を本明細書に提示された教示に適合させるために、多くの修正を行うことができる。本明細書に記載される寸法、材料の種類、さまざまな構成要素の向き、及びさまざまな構成要素の数及び位置は、いくつかの例のパラメータを定義することを意図しており、決して限定するものではなく、単なる例である。上記の説明を検討すれば、当業者には特許請求の範囲の精神及び範囲内の多くの例及び修正が明らかとなるであろう。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A-2B】
図2C
図2D
図2E
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図11A-11B】
図11C
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図13D
図14A
図14B
図14C
【国際調査報告】