(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】モータ駆動式空気ポンプと、分配装置と、生成物容器とを備える生成物分配システム
(51)【国際特許分類】
B05B 7/04 20060101AFI20240312BHJP
B05B 15/652 20180101ALI20240312BHJP
F04B 49/06 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
B05B7/04
B05B15/652
F04B49/06 341E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546295
(86)(22)【出願日】2022-02-21
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 NL2022050089
(87)【国際公開番号】W WO2022177434
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】509103532
【氏名又は名称】ディスペンシング・テクノロジーズ・ベスローテン・フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】Dispensing Technologies B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ネルヴォ, パウロ
(72)【発明者】
【氏名】ハーヘンス, マルティヌス ヴィルヘルムス
(72)【発明者】
【氏名】ファン ヴェイク, ドミニクス ヤン
【テーマコード(参考)】
3H145
4D073
4F033
【Fターム(参考)】
3H145AA26
3H145AA42
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4F033QH10
(57)【要約】
本発明は、空気入口及び空気出口を有するモータ駆動式空気ポンプと、分配装置とを備えた分配システムに関する。分配装置は、空気ポンプに取り外し可能に接続される。分配装置は、ポンプの空気出口に接続された空気コネクタと、混合物出口と、生成物入口と、空気コネクタ、混合物出口、生成物入口に接続された生成物取込みシステムと、を備える。分配システムは、分配される生成物の為の生成物容器を含む。生成物容器は、生成物入口に接続される。本発明によれば、生成物容器は分配装置に一体化されている。生成物取込みシステムは、生成物を容器から吸引するための排出器および/または容器を加圧するための容器空気入口を含んでもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ駆動式空気ポンプと、分配装置と、分配される生成物の為の生成物容器とを備えた分配システムであって、
前記モータ駆動式空気ポンプは、空気入口および空気出口を有し、
前記分配装置は、前記空気ポンプに取り外し可能に接続され、
前記ポンプの前記空気出口に接続された空気コネクタと、
混合物出口と、
生成物入口と、
前記空気コネクタ、前記混合物出口、前記生成物入口に接続された生成物取込みシステムと、
を備え、
前記生成物容器は、前記生成物入口に接続され、前記分配装置に一体化される、分配システム。
【請求項2】
前記生成物取込みシステムは、
空気の流れ方向を考慮して、前記空気コネクタの下流に配置された排出器を備え、または、前記排出器から成り、
前記生成物入口は、前記排出器内に進出、または前記排出器の下流に進出し、
前記混合物出口は、前記排出器の下流に配置され、
前記排出器は、前記混合物出口よりも小さい横断面積を有する、請求項1に記載の分配システム。
【請求項3】
互換性のある複数の分配装置を更に備える、請求項1~2のいずれか一項に記載の分配システム。
【請求項4】
前記生成物入口が前記排出器に対して一定の角度で配置される、請求項2~3のいずれか一項に記載の分配システム。
【請求項5】
前記生成物入口が前記排出器に対して実質的に垂直である、請求項2~3のいずれか一項に記載の分配システム。
【請求項6】
前記排出器は、前記空気の流れの方向を考慮して収束する、請求項2~5ののいずれか一項に記載の分配システム。
【請求項7】
前記生成物入口に配置された流れ制限部を更に備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の分配システム。
【請求項8】
前記生成物入口に配置された一方向弁を更に備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の分配システム。
【請求項9】
複数の生成物入口をさらに備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の分配システム。
【請求項10】
前記排出器と前記混合物出口との間に混合物導管を更に備え、前記生成物入口は、離間された場所で前記混合物出口に進出する、請求項9に記載の分配システム。
【請求項11】
隣接する生成物入口間の前記混合物導管内に配置された流れ制限部を更に備える、請求項10に記載の分配システム。
【請求項12】
前記生成物容器がバッグイン容器を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の分配システム。
【請求項13】
前記空気ポンプは、電気モータと、前記電気モータに接続された電源とを備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の分配システム。
【請求項14】
前記空気ポンプは、前記空気入口を通して周囲空気を吸い込み、前記周囲空気を0.1~2.0バール、好ましくは、0.25~1.0バール、より好ましくは、約0.5バールの過大圧力まで加圧し、加圧された空気を空気出口を通して供給するように構成される、請求項1~13のいずれか一項に記載の分配システム。
【請求項15】
前記空気ポンプが可変出力を有し、前記出力を制御するコントローラを備える、請求項1~14のいずれか一項に記載の分配システム。
【請求項16】
前記空気ポンプの前記モータは、可変速度および/または可変電力を有し、前記コントローラは、前記モータの速度および/または電力を制御するように構成される、請求項15に記載の分配システム。
【請求項17】
前記空気ポンプは、前記コントローラに接続された送受信装置を備える、請求項15または16に記載の分配システム。
【請求項18】
前記分配装置または前記生成物容器に接続された識別子をさらに含み、前記送受信装置が前記識別子と通信するように構成される、請求項17に記載の分配システム。
【請求項19】
前記送受信装置は、外部装置と通信するように構成される、請求項17または18に記載の分配システム。
【請求項20】
前記空気ポンプ、分配装置および/または生成物容器は、前記分配システムが手持ち式であるように構成される、請求項1~19のいずれか一項に記載の分配システム。
【請求項21】
前記生成物取込みシステムが、前記容器に前記空気コネクタを接続する容器入口を備える、又は、前記容器入口から成り、
前記生成物入口は、前記混合物出口に接続される、請求項1~20のいずれか一項に記載の分配システム。
【請求項22】
前記生成物取込みシステムが、前記空気コネクタおよび前記混合物出口の間の更なる流れ接続部を更に備える、請求項1~21のいずれか一項に記載の分配システム。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか一項に記載の分配システムで使用されることが明らかに意図されたモータ駆動式空気ポンプ。
【請求項24】
請求項1~23のいずれか一項に記載の分配システムで使用されることが明らかに意図された分配装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生成物を分配するシステムに関する。特に、本発明は、生成物と加圧ガス、具体的には空気との混合物を分配する分配システムに関する。このような生成物分配システムは、分配装置およびポンプを備えることができる。分配装置は、生成物容器に接続可能であってもよい。
【0002】
様々な分配システムが知られている。既知の生成物分配システムの一例は、加圧された推進剤と生成物との混合物を耐圧容器に含むエアロゾルである。生成物分配システムの更なる例は、例えば、WO 2009/116858 A1およびWO2013/043938 A2に開示されている。
【0003】
改善された生成物分配システムが必要とされている。
【0004】
本発明は、空気入口と空気出口とを有するモータ駆動式空気ポンプと、分配装置と、分配される生成物のための生成物容器とを備える分配システムを提供する。分配装置は、ポンプの空気出口に接続された空気コネクタと、混合物出口と、生成物入口と、空気コネクタ、混合物出口、生成物入口に接続された生成物取込みシステムとを備える。生成物容器は、生成物入口に接続され、分配装置に一体化される。
【0005】
分配装置を空気ポンプに着脱可能に接続することにより、分配装置を空気ポンプから取り出すことができ、例えば、容器を洗浄または補充することができる。
【0006】
生成物容器は分配装置に一体化されているので、分配装置は、一体化された容器に格納された生成物に適合させることができる。このようにして、その一体化された容器を有するカスタマイズされた分配装置は、標準的な空気ポンプに接続可能なカートリッジを形成することができる。
【0007】
生成物取込みシステムは、生成物容器から生成物を引き出すことができる。
【0008】
分配システムの一実施形態において、生成物取込みシステムは、空気の流れ方向において考慮される場合、空気コネクタの下流に配置された排出器を備えてもよく、または排出器から構成されてもよく、生成物入口は排出器内またはその下流に進出し、混合物出口は排出器の下流に配置され、排出器は混合物出口よりも小さな横断面積を有する。この実施形態において、排出器は、比較的高速で排出器を通過する空気によって生成される不足圧力によって生成物容器から生成物を引き出すことができる。このようにして、非常に効率的な生成物ポンプが生み出される。容器から吸引された生成物および空気は混合物を形成し、混合物は混合物出口を通して分配される。混合物出口の比較的大きな横断面積は、所望の低圧を生み出すのに役立ち、追加的または代替的に、モータ駆動式空気ポンプから必要とされる動力を制限して、目詰まりの危険性を低減することができる。生成物は液体または顆粒、例えば粉末であってよく、混合物はミストとして分配されてよい。生成物分配システムは比較的単純かつコンパクトであり、その製造コストを比較的低くすることができる。
【0009】
さらなる実施形態において、分配システムは、複数の互換性のある分配装置を更に備えることができる。これにより、それぞれが別個の容器に設けられた様々な生成物を分配するために空気ポンプを使用することができる。
【0010】
可能な用途の例として、脱臭剤などの第1の生成物を含む第1のカートリッジを提供することができ、ヘアスプレーなどの第2の生成物を含む第2のカートリッジを提供することができる。排出器に必要とされるパラメータは、例えば、混合物出口における空気と生成物との所望の比および/または液体の粘度のために、生成物に対して異なってもよい。両方のカートリッジを同じモータ駆動式空気ポンプと共に使用することができ、したがって、そのような空気ポンプは1つだけ必要とされる。使用者は、単に所望のカートリッジを使用して所望の生成物を分配することができる。排出器および容器は同じカートリッジの一部であるので、排出器は、必要とされる分配挙動のために理想的に設計できる。したがって、使用者は、適切な生成物を適切な噴霧パラメータと組み合わせることに関心がない。実際、排出器と容器の正しい組み合わせがカートリッジ内で互いに一体化されているので、使用者は、不適切な排出器と容器の組み合わせを選択することができない。
【0011】
他の液体のような他の生成物、例えばオリーブ油、水、洗浄生成物または薬剤のような化粧品とは関係のない他の生成物も分配することができる。さらに、粉末であっても分配することができる。
【0012】
このような実施形態の追加的または代替的な利点は、分配される生成物と接触する必要がない分配システムの部分が分配システムから分離されたままであることである。特に、生成物とモータ駆動式空気ポンプとの接触を避けることができるので、ポンプを汚染から守ることができる。従って、例えば、同じポンプを使用して、異なる生成物のための分配装置間の交差汚染を危険にさらすことなく、分配装置を異なる生成物を保持する同様の分配装置と交換することによって、異なる生成物を分配することができる。
【0013】
分配システムが1つの同じ生成物および/または1つの同じ分配装置に使用される場合であっても、例えば、クリーニング、メンテナンスを必要とするか、またはポンプの操作を損なう可能性があるモータ駆動式空気ポンプの可動部分における生成物の蓄積を回避するために、モータ駆動式空気ポンプの生成物汚染を防止することが有利である。従って、生成物汚染を回避することによって、モータ駆動式空気ポンプの寿命を延ばすことができる。特に、モータ駆動式空気ポンプの寿命は、分配装置の単一の容器を使い切ることができる寿命、例えば、多数回などの複数回を超えることがある。
【0014】
混合物の出口が外部に漏れ出すことがある。排出器から混合物出口まで延びるチャネルまたは他の種類の流体接続を設けることができる。特に、チャネルまたは接続は、排出器からの流体が混合物出口に向かう以外の任意の方向に流れることを防止することができる。
【0015】
特に、容器および空気コネクタは、平行に、例えば平行にのみ(厳密に平行に)配置されてもよく、それによって、空気コネクタと容器との間の直列接続を排除する。このようにして、空気コネクタから容器への空気の流れが防止される。従って、容器内の生成物の汚染を防止することができ、これは特に、容器が空にされる前に複数回使用される場合、および/または生成物が水分および/または酸素などの大気物質にさらされたときに分解されやすい場合に有利である。
【0016】
代替的または追加的に、厳密に平行な設計は、容器内の圧力上昇を防止することができ、その結果、容器が漏れる可能性が低減される。その結果、容器を比較的軽量に設計することができる。
【0017】
厳密に平行な設計は、以下に説明するように、いわゆるバッグイン容器と組み合わせた場合に特に有利である。実際、バッグイン容器を使用する場合、生成物がバッグから分配されるときに空気がバッグと容器との間の空間に流入することが許されるならば、周囲空気と容器内の生成物との間のいかなる接触も回避することができる。
【0018】
あるいは、容器はバッグから構成されてもよく、さもなければ収縮性または変形可能であってもよく、これにより、さらなる分配を不可能にする容器内の低圧を生じさせることなく、生成物をバッグから分配することができる。
【0019】
あるいは、生成物が分配されるときに空気を取り込むために、空気入口または通気口を容器内に配置することもできる。このような場合には、空気と生成物との接触を排除することはできないが、本実施形態は、過大圧力がないために漏洩のリスクが低減されるという事実から利益を得ることができる。生成物に対する空気の影響を相殺または緩和するために、容器内の空気入口にフィルタを設けることができる。空気入口は、追加的にまたは代替的に、容器内への空気の流入を可能にするが、容器内の空気入口を通って容器外への生成物の流れを防止する止め弁、すなわち一方向弁を備えてもよい。空気入口に、篩(sieve)または膜のような空気透過性であるが液体不透過性の要素を設けることも可能である。
【0020】
さらに別の代替として、噴霧が停止したときに、空気を混合物出口を介して容器内に逆流させることができる。このような構成において、噴霧中に容器内に一時的な低圧が発生する可能性があり、これは、例えば混合物出口を介して容器内を流れる空気によって解決される。このような構成は、入口、弁等のような追加の構成要素を必要としないという利点を有する。
【0021】
空気コネクタおよび容器の並列配置の代替として、直列構成もまた考慮される。このような構成において、分配装置は、空気コネクタを容器に接続する容器空気入口を備えることができる。従って、容器は、空気コネクタの下流に配置され、分配システムのモータ駆動式空気ポンプが操作されるときに空気コネクタから来る空気を受け取ることができる。生成物入口は混合物出口に接続されているので、生成物は生成物入口を通って混合物出口に向かって流れ、分配される。
【0022】
空気コネクタから容器に入る空気は、容器内の圧力を増大させ、それによって、生成物を容器から生成物入口を介して混合物出口を通して追い出すことができる。
【0023】
このような構成において、排出器は任意であり、したがって省略することができる。したがって、例示的な実施形態において、空気コネクタ、容器および混合物出口の厳密な直列構成が提供される。そのような実施形態において、空気コネクタ、容器および混合物出口の間に非常に直接的な接続があるので、特に優雅で堅牢であるという利点を有する。この例示的な実施形態における分配システムは、生成物のみを分配することができ、すなわち、生成物と空気との混合物を分配しないことに留意されたい。そのため、混合物出口を生成物出口と呼ぶこともある。
【0024】
この例示的な実施形態において、ビンとバッグとの間の空気コネクタから空気を送ることによって、ビン内バッグ容器と特によく組み合わせることができる。その結果、ビン内の圧力が増加すると、生成物がバッグから追い出される。これにより、容器内の生成物に空気が接触することなく、生成物を適切に分配することができる。もちろん、空気と生成物との接触が望まれる場合には、生成物が収容されている容器またはバッグに空気を送ることも可能である。
【0025】
空気および生成物の特定の混合物の分配を可能にするために、空気コネクタと混合物出口との間に更なる流体接続を行うことができる。このような構成において、空気コネクタおよび容器は直列および並列に構成される。従って、空気コネクタからの空気と、空気コネクタからの空気によって容器から強制的に追い出される生成物とは、混合物出口またはその上流で合流する。このような構成において、生成物と空気との間の混合比は、分配装置の寸法に応じて比較的正確に予め定めることができる。特に、流れ制限部は、空気と生成物の所望の混合物を分配するための適切な比の流れ抵抗を提供するように、生成物入口および/または更なる流体接続部に配置されてもよい。
【0026】
もちろん、上述のように混合物出口よりも小さな横断面積を有する排出器を、空気コネクタ、容器および混合物出口の直列接続と共に、例えば更なる流体接続の一部として使用することができる。排出器は、容器から生成物を回収するのを助けることができる。排出器は、追加的にまたは代替的に、流れ制限部として機能してもよい。
【0027】
強化された噴霧性能を達成するために、混合物出口は、噴霧ノズルおよび/または混合チャンバを備えることができることに留意されたい。噴霧ノズルおよび/または混合チャンバの使用は、そのような構成では空気が混合出口を通って流れないので、比較的高速で移動する空気の存在によって引き起こされる乱流挙動によって噴霧性能が高められないので、厳密な直列構成と組み合わせて使用することが特に有利である。
【0028】
一実施形態において、生成物入口は、排出器に対してある角度で配置されてもよい。このようにして、コンパクトな分配装置が得られる。
【0029】
さらなる実施形態において、生成物入口は排出器に対して実質的に垂直であってもよい。これにより、生成物容器を空気導管の近くに配置することができ、生成物入口の長さを最小にすることができる。
【0030】
分配システムの一実施形態において、排出器は、空気の流れ方向において考慮される場合、収束することができる。これにより、排出器内の空気の流れが加速され、排出器から流出する空気の圧力がさらに低下し、生成物に作用する吸引力が増大する。
【0031】
一実施形態によると、分配システムは、分配される生成物の正確な投与を保証するために、生成物入口に配置された流れ制限部を更に備えることができる。
【0032】
さらに別の実施形態において、分配システムは、生成物入口に配置された一方向弁をさらに備えることができる。これにより、分配システムは、生成物が容器から漏れる危険を伴うことなく、任意のランダムな向きで使用することができる。
【0033】
さらなる実施形態において、分配システムは、複数の生成物入口を備えることができる。このようにして、例えば2成分液体を分配するために、異なる生成物を混合物として分配することができる。
【0034】
その場合、分配システムは、さらに、排出器と混合物出口との間に混合物導管を備えてもよく、ここで、生成物入口は、間隔を置いて離れた位置で混合物出口を開口してもよい。これにより、所定の混合比を達成するように制御された方法で、個々の生成物を空気ストリームに引き込み、所定の混合比を達成することができる。
【0035】
さらなる実施形態において、分配システムは、隣接する生成物入口の間の混合物導管に配置され、混合物を混合物出口に向かって加速する流れ制限部を備えることができる。
【0036】
一実施形態において、生成物容器は、バッグイン容器を備えることができる。このようなバッグイン容器は、生成物が周囲の空気と接触することなく保持され、分配されることを可能にし、従って生成物の汚染または劣化を防止する。さらに、バッグイン容器から生成物を引き出すためには、比較的小さな負圧しか必要とされない。
【0037】
空気ポンプが電気モータと、電気モータに接続された電源とを備える場合には、コンパクトで、簡単で、クリーンで、低騒音の分配システムが得られる。
【0038】
分配システムの一実施形態において、空気ポンプは、空気入口を通して周囲空気を吸引し、周囲空気を0.1-2.0バール、好ましくは0.25-1.0バール、より好ましくは約0.5バールの過大圧力まで加圧し、加圧空気を空気出口を通して引き出すように構成することができる。これらの空気圧の値では、強力な吸引力が排出器で生成可能であり、一方、依然として、生成物が分配される速度および空気ポンプに対する動力要件の両方を制限する。
【0039】
さらに別の実施形態において、空気ポンプは可変出力を有してもよく、出力を制御するコントローラを備えてもよい。このようにして、使用者は、分配システムの出力を調整することができる。
【0040】
この目的のために、空気ポンプのモータは、可変速度および/または可変電力を有してもよく、コントローラは、モータの速度および/または電力を制御するように構成されてもよい。
【0041】
分配システムを遠隔制御信号に基づいて制御できるようにするために、空気ポンプは、コントローラに接続された送受信装置を備えてもよい。
【0042】
さらなる実施形態において、分配システムは、分配装置または生成物容器に接続された識別子を備えてもよく、送受信装置は、識別子と通信するように構成されてもよい。このようにして、空気ポンプの操作は、分配装置または生成物容器の識別に基づいて調整することができる。例えば、容器がより高粘度の液体または粉末を含むと識別された場合には、空気ポンプの出力を増大させることができる。同じことは、分配装置が例えば比較的狭いノズルを有すると識別される場合にも適用することができる。
【0043】
分配システムの一実施形態において、送受信装置は、外部装置と通信するように構成されてもよい。これにより、例えばスマートフォンまたはタブレットにインストールされたアプリを介してシステムを制御することができる。
【0044】
分配システムの更なる実施形態において、空気ポンプ、分配装置および/または生成物容器は、分配システムが手で持てるように構成されてもよい。このようにして、使用者は、分配システムが常に使用可能であるように分配システムを持ち運ぶことができる。
【0045】
本発明はまた、上述のような分配システムで使用するためのモータ駆動式空気ポンプ、およびそのような分配システムで使用するための分配装置に関する。最後に、本発明は、このような分配装置と、生成物入口に接続された生成物容器との組み合わせに関する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
以下、添付図面を参照しながら、多数の例示的な実施形態によって本発明を明らかにする。
【
図1】
図1は、第1の実施形態による分配システムの概略図であり、空気ポンプと、一体化された生成物容器が取り外し可能に接続された分配装置とを有する。
【
図2】
図2は、
図1の空気ポンプおよび分配装置が互いに開放された後の状態を示す。
【
図3】
図3は、生成物入口に一方向弁を有する分配システムの第2の実施形態の概略図である。
【
図4】
図4は、生成物容器がバッグ・イン・ボトルである分配システムの第3の実施形態を示す。
【
図5】
図5は、分配装置が空気ポンプと一体に形成され、生成物容器が分配装置に取り外し可能に接続されている、分配システムの第4の実施形態の概略図である。
【
図6】
図6は、生成物入口が排出器に対して鋭角に配向される分配システムの第5の実施形態を示す。
【
図7】
図7は、2つの生成物容器が、直列接続でそれぞれ排出器および混合物導管と生成物連通している、分配システムの第6の実施形態の概略図である。
【
図8】
図8は、2つの生成物容器が集合的に排出器と生成物連通状態にある、分配システムの第7の実施形態を示す。
【
図9】
図9は、分配システムと通信する移動装置と組み合わせて、空気ポンプがコントローラおよび送受信装置を含む分配システムの8つの実施形態の概略図である。
【
図10】分
図10A-分
図10Lは、分配システムの様々な実施形態において使用可能な、分配装置のための様々な構成の概略図である。
【
図12】
図12は、カートリッジがバッグ・イン・ボトル型容器の一部を形成する、
図4の実施形態の変形例を示す。
【
図13】
図13は、容器が空気コネクタに直列および並列に接続される分配システムの第10の実施形態の概略図である。
【
図14】
図14は、容器が空気コネクタに直列に接続される分配システムの第11の実施形態の概略図である。
【0047】
【詳細な説明】
【0048】
分配システム1は、モータ駆動式空気ポンプ20と、分配装置6(
図1)とを備えている。空気ポンプ20は、空気入口4と空気出口5とを有する。図示された実施形態において、空気ポンプ20は、例えば、ファン、ピストンポンプまたはワッブル式(wobble)ポンプなどの空気流発生器2を備え、この空気流発生器2は、モータ3に接続され、これによって駆動される。この実施形態において、分配装置6は、空気ポンプ20に解放可能に接続されるように示されている。これにより、分配装置6を同様の接続を有する別の分配装置と交換したり、補充して再設置したりすることができる。
【0049】
分配装置6は、分配装置が空気ポンプ20に接続されたときに空気出口5に接続される空気コネクタ7と、空気コネクタ7と生成物連通する排出器8とを備える。分配装置6は、生成物Pが少なくとも部分的に充填された容器11に接続することができる生成物入口10(
図10)を更に備えている。この実施形態において、生成物入口10は、排出器8のすぐ下流に進出している。さらに、生成物入口10に配置された流れ制限部23があることが示される。浸漬管12が生成物入口10から生成物容器11内に延びている。最後に、分配装置6は、排出器8の下流に配置された混合物出口13を備える。
【0050】
図示された実施形態において、生成物容器11は分配装置6内に一体化されており、その結果、これらの2つの部品が一緒になって、交換可能または再充填可能なカートリッジ36を形成する。
【0051】
しかしながら、別の実施形態において、生成物容器11は、分配装置6(
図5)の生成物入口10に接続可能な生成物出口15を有する別個の部品であってもよい。この実施形態において、分配装置6は空気ポンプ20と一体化されるように示されているので、分配システム1全体は依然として2つ以下の構成部品を有している。この実施形態は、前の実施形態の空気出口および空気コネクタを欠き、その代わりに、空気流発生器2から排出器8まで延びる空気導管9を有する。
【0052】
なお、分配装置6は、
図10に示すように、空気ポンプ20および生成物容器11とは別体であってもよい。このようにして、分配システム1は、3つの構成要素を備える。
【0053】
図示された実施形態において、排出器8(すなわち排出器の中心軸)と生成物入口10(すなわち入口の中心軸)は互いに角度αで配置されている。この角度αは、
図1に示すように直角であってもよく、生成物入口10と排出器8とが略垂直であるが、
図6に示すように鋭角αを選択することも考えられる。このような鋭角αは、生成物Pと空気Aとの混合を改善するのに有利であり得る。例えば、生成物出口15が一点鎖線で示されるように生成物容器11’上に偏心的に配置される場合など、コンパクトなシステムを提供する理由から、鋭角αを選択してもよい。
【0054】
分
図10A-分
図10Lに示すように、空気コネクタ7、排出器8、生成物入口10および混合物出口13は、分配される生成物Pの特性および/またはエアポンプ20の特性に応じて、様々な構成を有してもよい。全ての構成において、排出器8が混合物出口13内で突出している位置16における排出器8の横断面積は、混合物出口13の横断面積よりも小さい。
【0055】
この横断面積は、排出器8内の空気Aの流速vaを決定し、ベルヌイの原理に従って、これが今度は排出器8内の空気圧paを決定する。混合物出口13の横断面積は排出器8の横断面積よりも大きいので、排出器8から出る空気流は膨張および減速し、その結果、周囲圧力pambに向かって圧力が上昇する。排出器8またはその出口16内の大気圧pambより低い空気圧paは、容器11内の生成物Pに吸引力を及ぼし、生成物Pは生成物入口10を通って排出器8に吸引される。生成物入口10内の(任意の)流れ制限部23は、生成物Pが空気Aと混合される、容器11から排出器8への生成物の流れを調整するのに役立つ。得られた混合物Mは、混合物出口13を通って排出され、そこから微細なミスト18として分配される。
【0056】
分
図10Aは、分配装置6の最も基本的な構成を示しており、ここで、排出器8は、比較的広い直線壁の凹部として表される混合物出口13と比較した場合に比較的狭い直線チャネルである。生成物入口10は、排出器8のすぐ下流で混合物出口13を開口するように示されている。
【0057】
分
図10B-分
図10Fは、分配装置6の構成を示しており、ここでも、混合物出口13は、比較的広い直線壁の凹部として表されており、一方、空気コネクタ7も同様に示されている。空気コネクタ7および混合物出口13は排出器8によって接続されるように示されており、生成物入口10は様々な位置および異なる向きで示されている。分
図10Bでは、生成物入口10は分
図10Aと同じであるが、分
図10Cでは、排出器8のさらに下流に配置されていることが示されており、これにより、分配される生成物に加えられる吸引力が弱くなる可能性がある。一方、
図10Dでは、生成物入口10が排出器8内で後退することが示されており、これは生成物に対してより強い吸引をもたらす可能性がある。分
図10Eでは、生成物入口10は、分
図10Aおよび分
図10Bと同様に、噴射器8のすぐ下流に鋭角に配置されているが、分
図10Fでは、生成物入口10は、生成物Pの流れが空気流Aと平行になるように、混合物出口13内で膨張する。
【0058】
分
図10G-分
図10Iは、分
図10B-分
図10Dと同様の構成を示しており、空気コネクタ7は収束するように示され、混合物出口13は発散するように示されている。このようにして、流れにおける圧力損失が最小化される。分
図10Jは分
図10Iと同様であるが、生成物入口10を排出器8に対して直角ではなく鋭角で示す。
【0059】
【0060】
分
図10A-分
図10Lの概略図は、直壁および鋭い縁のみを示すが、実際には、空力損失を最小にするために、壁は湾曲し、縁は丸められてもよいことは明らかであろう。
【0061】
これまで説明した全ての実施形態において、モータ3は電気モータであり、空気ポンプ20は、スイッチ22を含む回路21を介してモータ3に接続された、例えばバッテリなどの電源19をさらに含む。スイッチ22が閉じられると、電気モータ3に電力が供給され、空気流発生器2が操作されて空気入口4を通して周囲空気を吸い込み、吸い込まれた周囲空気を加圧し、空気出口5を通して加圧空気を供給する。スイッチ22は、分配装置6が空気ポンプ20に接続されたときに自動的に閉じることができ、または分配システム1の使用者によって操作可能であってもよい。スイッチ22は開放されてもよく、分配装置6(
図2)から切断されるときはいつでも、空気ポンプ20はオフに切り換えられる。
【0062】
この実施形態において、空気流発生器2および電気モータ3は、0.1-2.0バール、好ましくは、0.25-1.0バール、より好ましくは、約0.5バールの過大圧力まで周囲空気を加圧することができるような寸法にされており、空気入口4および空気出口5が構成されている。この範囲の圧力は、広範囲に変化する粘度を有する広範囲の生成物が微細ミスト18として分配可能であること、すなわち霧化できることを確実にする。生成物は、比較的濃い(即ち、高粘度の)油から、比較的薄い水溶性の液体までの範囲でもよく、さらには微細な粒状物または粉末でもよい。
【0063】
別の実施形態において、分配装置6は、生成物入口10内に配置された一方向弁24を備え、この場合、一方向弁24は、流れ制限部(
図3)を含まない。この弁24は、ここではバネ25によって閉位置に付勢されているように示されており、生成物Pが容器11から漏れるのを防止する。これにより、ここでは直立位置で示されている分配システム1を任意のランダムな向きで使用することが可能になり、従って、有用性が大幅に向上する。さらに、一方向弁24は、分配システム1を例えば使用者のバッグまたはポケットに入れて、生成物をこぼす危険なしに運ぶことを可能にする。別個のバネまたは他の付勢要素による代わりに、一方向弁24は、それが構成される材料、例えばシリコーン、ゴムまたはエラストマーの固有の柔軟性によって、その閉じた位置に付勢されてもよい。
【0064】
分配システム1は、様々な生成物容器と共に使用することができる。一方向弁24も含む一実施形態では、生成物容器11は、バッグイン容器(
図4)であってよい。この実施形態において、生成物容器は、比較的柔軟な内部容器すなわち「バッグ」26を含み、これは、比較的剛性の外部容器すなわち「ビン」27内に配置される。内部容器26と外部容器27との間の空間28は、開口29を介して大気と生成物連通している。このようなバッグイン容器は、分配される生成物が大気に晒されることを防止する。さらに、排出器8は、比較的限定された不足圧力を発生させるだけで、生成物をバッグイン容器から吸い込むことができる。この実施形態では浸漬管は必要ではないが、バッグイン容器を使用するには、生成物入口10に配置される一方向弁24が必要である。生成物入口10はさらに、流れ制限部23を含むように示されている。
【0065】
カートリッジ36内に別個のバッグ・イン・ボトル型容器11を配置する代わりに、カートリッジ36自体の一部がバッグ・イン・ボトル(
図12)の比較的剛性の高い外部容器または「ビン」27を形成することも考えられる。この場合、開口29は、外壁、ここではカートリッジ36の底壁に直接形成される。
【0066】
これまで示された実施形態は単一の生成物容器11のみを含んでいたが、分配システム1が複数の生成物入口を含むことも考えられる。
図7の実施形態において、分配装置6は2つの生成物入口10A、10Bを含む。生成物入口10A、10Bは、2つの生成物PAおよびPBを含むことができるそれぞれの生成物容器11A、11B内に突出する2つの浸漬管12A、12Bに接続される。これらの生成物PA、PBは、例えば、使用前に別々に貯蔵しなければならない組成物の2つの成分であってよい。
【0067】
第1の生成物入口10Aは、第1の生成物PAを排出器8のすぐ下流の場所に導き、そこで空気Aと混合して第1の混合物M1を形成する。この第1の混合物M1は、流れ制限部17を含む混合物導管14を通って案内される。第2の生成物入口10Bは、第2の生成物PBを流れ制限部17の下流の混合物導管の部分に導き、そこで第1の混合物M1と混合されて第2の混合物M2を形成する。次いで、この第2の混合物M2は、混合物出口13から微細ミスト18として分配される。本実施形態において、制限部17の横断面積が排出器8の横断面積よりも大きく、混合物出口13の横断面積が制限部17の横断面積よりも大きいので、流れ方向に沿って流速が減少し、圧力が増加する。流れ制限部17の直径を適切に選択することにより、2つの生成物PA:PBの混合比を所望の値に設定することができる。
【0068】
よりコンパクトな実施形態において、2つの生成物入口10A、10Bは、収束して排出器8(
図8)の近くで合流することができる。この場合、第1の生成物入口10Aは排出器8に対して鋭角α1であり、排出器8と第2の排出器入口10Bとの間の角度α2は鈍角である。2つの生成物入口10Aおよび生成物入口10Bが排出器8に出会う場合、2つの生成物PAおよび生成物PBは空気Aと混合して最終混合物Mを形成し、それは再び混合物出口13を通って放出される。本実施形態において、
図7の実施形態と同様に、第1の生成物入口10Aおよび第2の生成物入口10B内の流れ制限部23A、23Bは、2つの生成物PA、PBのそれぞれの流量、ひいてはこれらの生成物の混合比を調整する役割を果たす。
【0069】
これまで示された実施形態において、空気ポンプ20は、オンまたはオフの2つの状態を有する。
図9に示される分配システム1の別の実施形態において、空気ポンプ20は可変出力を有し、出力を制御するコントローラ30を備える。出力は、例えば、空気入口4と空気出口5との間の弁またはスロットルのような制御可能な要素によって、または空気流発生器2の可変構成によって、異なる方法で変化させることができる。図示された実施形態において、空気ポンプ20のモータ3は、可変速度および/または可変電力を有し、コントローラ30は、モータ3の速度および/または電力を制御するように構成される。
【0070】
コントローラ30は、例えばスライドノブまたはロータリノブによって手動で操作することができるが、図示の実施形態において、空気ポンプ20は、コントローラ30に接続された送受信装置31を備えており、これにより空気ポンプ20を遠隔制御することができる。この実施形態において、生成物容器11を含む分配装置6に接続された識別子32がある。この識別子32は、生成物容器11に収容されている生成物Pに関する情報、例えば、その粘度を含むことができる。さらに、または代替的に、識別子32は、分配装置の構成に関する情報、例えば、排出器8および種々の流れ制限部17、23に関する情報を含むことができる。これらの情報はすべて、適切なモータ速度および/またはモータ出力の設定に関連してもよい。送受信装置31は識別子32と通信するように構成されており、識別子32からの情報をコントローラ30に転送することができる。次に、コントローラ30は、最適な速度および/または電力設定を決定し、それに応じてモータ3を制御することができる。
【0071】
識別子32は単に識別コードを含み、コントローラ30は生成物Pおよび/または分配装置6の特性に関する必要な情報を含むルックアップテーブルを含むことも考えられる。識別子32は、例えばRFIDタグであってもよく、送受信装置31はRFIDリーダを備えてもよい。
【0072】
代替的または追加的に、送受信装置31は、例えばスマートフォンまたはタブレットなどの外部装置33と通信するように構成されてもよい。分配システム1を制御するためのプログラムまたはアプリケーションが外部装置にインストールされてもよく、使用者はGUIを介してプログラムまたはアプリケーションと通信してもよい。プログラムまたはアプリケーションは、外部装置33に命令を送受信装置31に送信させ、したがってコントローラ30に送信させるか、または送受信装置31を介してコントローラ30から情報を受信させることができる。使用者は、例えば、生成物容器11の状態に関する情報(例えば、その内容物の性質および/または残っている生成物の量)、または空気ポンプ20または分配装置6に関する情報(例えば、使用統計、メンテナンスメッセージなど)を要求することができる。また、使用者は、将来の使用のためにコントローラ30に記憶可能な情報(例えば、個人設定)を入力することもできる。
【0073】
分配システム1の送受信装置31と外部装置33との間の通信は、例えばBluetooth、WifiまたはGSMのような任意の既知のプロトコルによって実施することができる。
【0074】
分配システム1の実際的な実施形態は、
図11に示される。本実施形態において、空気ポンプ20および生成物容器11は、分配装置6の両側に配置される。空気ポンプ20は細長い円筒形のハウジングを有するように示されており、一方、分配装置6は比較的小さな円筒形のハウジングを有する。混合物出口13は、分配装置6の円筒形ハウジングから突出するノズルを備える。生成物容器11は半球形であり、分配装置6上に逆さに、すなわち生成物出口(図示せず)を下向きにして配置されている。生成物容器11は、コネクタ37、例えばバヨネットまたはネジによって分配装置6に解放可能に接続されるように示されている。分
図11Cでは、電源19に再充電するための充電ケーブル35を受けるソケット34が示されている。分配システム1は、手持ち式であるように設計され、寸法決めされることが示されており、例えば従来の脱臭剤分配装置と同様の寸法を有することができる。
【0075】
分配システム1の別の実施形態は、
図13に示される。分配システム1は、
図1および
図2のものと同様である。そのため、相違点のみをここで説明する。
図13の分配システム1に対する変形、例えば上述の実施形態を参照して説明した変形が可能であることに留意されたい。
図13の分配装置6は、生成物空気入口99が設けられている点で
図1の分配装置6と異なる。生成物空気入口99は、空気コネクタ7と容器11とを接続しており、モータ駆動式空気ポンプ20の操作時に空気コネクタ7から容器11に空気が流入するようになっている。容器11内に入ってくる空気は、容器11内の生成物Pを加圧し、それによって生成物入口10を通して強制的に排出し、最終的には混合物出口13を介して分配装置6から排出する。
図13の生成物入口10は、空気と生成物Pが混合して微細なミスト18として一緒に分配されるように、流れ制限部である排出器8で、又は、その近傍に依然として進出している。空気コネクタ7から容器11及び排出器8の両方に空気が流れると、容器11は空気コネクタ7に直列及び並列に接続される。
【0076】
分配システム1のさらに別の実施形態は、
図14に示される。分配システム1は、
図13のものと同様である。そのため、相違点のみをここで説明する。分配装置6は、排出器8が設けられていない点で
図1のものと異なる。従って、
図13の並列接続は除去され、従って、容器11は、空気コネクタ7にのみ直列接続される。分配装置6は、空気コネクタ7を介して供給される空気により容器11内の圧力が上昇した後に作動し、これにより、生成物Pを容器11から押し出す。生成物Pは、生成物入口11を介して容器11から出て、混合物出口13から流出する。なお、本実施形態において、生成物Pは必ずしも空気と混合されるわけではないので、混合物出口13を生成物出口13と称することもある。
【0077】
このようにして、容易に持ち運ぶことができる単一の手持ち式空気ポンプを使用して多種多様な生成物を霧化することができる。分配システム1は、例えば、デオドラント、オードトワレ、日やけ用ローション、ドライシャンプーなどを分配するために、個人的なケアのために使用されてもよい。あるいは、分配システム1は、例えば、油、調味料または洗浄剤を分配するために、家庭環境で使用されてもよい。冷却目的で水ミストを分配するためにシステムが使用されることも考えられる。分配システムは、その使用に依存して種々の構成および設計を有することができる、低コストおよび軽量の器具であり得る。
【0078】
本発明は様々な例示的実施形態によって例示されてきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内で変更可能であることは明らかである。
【国際調査報告】