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特表2024-512205カプセル化によって囲まれたコアを含むカプセル化された材料のポケットを調製する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】カプセル化によって囲まれたコアを含むカプセル化された材料のポケットを調製する方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/20 20060101AFI20240312BHJP
   B01J 13/20 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
G02B5/20
B01J13/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547445
(86)(22)【出願日】2022-02-03
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 EP2022052565
(87)【国際公開番号】W WO2022167516
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】21155510.7
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514185611
【氏名又は名称】ユニベルシテイト ゲント
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITEIT GENT
【住所又は居所原語表記】Sint-Pietersnieuwstraat 25, B-9000 Gent, Belgium
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘンス,ツェガー
(72)【発明者】
【氏名】オーベール,タンギ
【テーマコード(参考)】
2H148
4G005
【Fターム(参考)】
2H148AA07
4G005AA01
4G005BB19
4G005DB27X
4G005DB27Z
4G005DD03X
4G005DD03Z
4G005EA09
(57)【要約】
本発明は、カプセル化された材料を含むポケットを調製する方法に関する。ポケットは、最初に基質上に障壁材料の1以上の基部Bを形成し、続いて基部Bの少なくとも一部の上にコア材料を適用し、およびコア材料を備え付けられた基部B上に蓋部Lを形成することによって、形成される。コア材料は、量子ドットなどの少なくとも1の光電子放出性粒子または光電子放出性化合物を含む。本発明はまた、かかる方法によって得られるカプセル化された材料を含む1つのポケットまたは複数のポケット、少なくとも1つのポケットの封入材料を含むデバイス、およびこのようなポケットのカプセル化された材料をある基質から別の基質に移すプロセスに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル化された材料を含む少なくとも1のポケットを調製する方法であって、ポケットは、障壁材料のカプセル化体によってコア材料のコアを含み、方法が、以下、
a.以下、
a1.基質上に障壁材料bを適用すること、障壁材料bは樹脂を含む;
a2.障壁材料bを局所的に硬化し、硬化した障壁材料bの1つの基部Bまたは複数の基部Bを形成すること、各基部Bは別の基部Bから空間的に区別され、および各基部Bが基質のエリアAを覆う;
a3.硬化していない障壁材料bを取り除くこと;
により基質上に1以上の障壁材料の基部Bを形成するステップ、
b.以下、
b1.ステップaから得られた基質上にコア材料cを適用すること、コア材料cは、樹脂および少なくとも1の光電子放出性粒子(photoemissive particle)または光電子放出性化合物(photoemissive compound)を含む;
b2.コア材料cを局所的に硬化し、硬化したコア材料cの1つのコアデポジット(deposit)または複数のコアデポジットを形成すること、硬化したコア材料cの各コアデポジットは基部Bの上部に蓄積され、および硬化したコア材料cの該コアデポジットのいずれもエリアAを越えて広がらない
b3.硬化していないコア材料cを取り除くこと;
により基部Bの少なくとも一部の上部にコア材料cを形成するステップ、
c.以下、
c1.ステップbから得られた基質上に障壁材料lを適用すること、障壁材料lは、樹脂を含む;
c2.障壁材料lを局所的に硬化し、コア材料cを備え付けた各基部Bの上部に硬化した障壁材料lの蓋部Lを形成すること、各蓋部Lは別の蓋部Lから空間的に区別され、コア材料cを備え付けた各基部Bとこの基部B上に形成された蓋部Lとがポケットを形成し、これにより該ポケットは、該ポケットの基部B上に提供されたコア材料cを完全にカプセル化する、
c3.硬化していない障壁材料lを取り除くこと、
により1以上の基部Bを備え付け、およびコア材料を備え付けられた基質上に障壁材料の1以上の蓋部Lを形成するステップ、
を含む、前記方法。
【請求項2】
ステップaが、ステップa1’からa3’のn回の反復を含み、nは少なくとも2であり、およびa1’からa3’が以下、
a1’.iが1からnまでの範囲をとる各反復ステップiについて、基質またはステップaの前の反復ステップから得られた障壁材料を備え付けた基質上に障壁材料bの層を適用すること、これにより1より多い各反復ステップiについて、障壁材料bは、ステップaの前の反復ステップにおいて使用された障壁材料と同じかまたは異なる障壁材料を含む;
a2’.iが1からnまでの範囲をとる各反復ステップiについて、障壁材料bを局所的に硬化し、硬化した障壁材料bの1つの基部デポジットまたは複数の基部デポジットを形成すること、硬化した障壁材料bの各基部デポジットは基質と接触するかまたはステップaの前の反復ステップにおいて得られた硬化した障壁材料のデポジットと接触し、反復ステップnの後に1つの基部Bまたは複数の基部Bを形成し、各基部Bは別の基部Bから空間的に区別され、および各基部Bが基質のエリアAを覆う;
a3’.iが1からnまでの範囲をとる各反復ステップiについて、硬化していない障壁材料bを取り除くこと、
である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップbが、ステップb1’からb3’のm回の反復を含み、mは少なくとも2であり、およびb1’からb3’が以下、
b1’.iが1からmまでの範囲をとる各反復ステップiについて、ステップaから得られた基質上またはステップbの前の反復ステップから得られた基質上にコア材料cの層を適用すること、これにより1より多い各反復ステップiについて、コア材料cは、ステップbの前の反復ステップにおいて使用されたコア材料と同じかまたは異なるコア材料を含む;
b2’.iが1からmまでの範囲をとる各反復ステップiについて、コア材料cを局所的に硬化し、硬化したコア材料cの1つのコアデポジットまたは複数のコアデポジットを形成すること、硬化したコア材料cの各コアデポジットは基部Bと接触するか、またはステップbの前の反復ステップにおいて得られた硬化したコア材料のデポジットと接触し、および硬化したコア材料の該コアデポジットのいずれもエリアAを越えて広がらない、
b3’.iが1からmまでの範囲をとる各反復ステップiについて、硬化していないコア材料cを取り除くこと、
である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ステップcが、ステップc1’からc3’のp回の反復を含み、pは少なくとも2であり、およびc1’からc3’が以下、
c1’.iが1からpまでの範囲をとる各反復ステップiについて、方法のステップbから得られた基質上またはステップcの前の反復ステップから得られた基質上に障壁材料lの層を適用すること、これにより1より多い各反復ステップiについて、障壁材料lは、ステップcの前の反復ステップにおいて使用された障壁材料と同じかまたは異なる障壁材料を含む;
c2’.iが1からpまでの範囲をとる各反復ステップiについて、障壁材料lを局所的に硬化し、反復ステップpの後にコア材料を備え付けられた各基部Bについて蓋部Lを形成するように、硬化した障壁材料lの1つの蓋部デポジットまたは複数の蓋部デポジットを形成し、各蓋部Lは別の蓋部Lから空間的に区別され、これによりコア材料cを備え付けられた各基部Bとこの基部B上に提供された蓋部Lとがポケットを形成し、これによりこの基部B上に提供されるすべてのコア材料は、このポケットの基部Bと蓋部Lとの組み合わせによって完全にカプセル化される;
c3’.iが1からpまでの範囲をとる各反復ステップiについて、硬化していない障壁材料lを取り除くこと、
である先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
障壁材料を硬化すること、および/またはコア材料を硬化することが、光硬化を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
障壁材料および/またはコア材料の適用および局所的に硬化することが、物理マスクまたはデジタル光変調を使用するフォトリソグラフィ、例えば、デジタル光処理(DLP)、レーザーをベースとしたステレオリソグラフィ(SLA)、液晶ディスプレー(LCD)マスキング、液晶ディスプレー(LCD)プロジェクティングまたは多光子リソグラフィ(例えば、二光子リソグラフィ(TPL))を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
障壁材料および/またはコア材料が、光硬化性の樹脂を含み、および任意に少なくとも1の光開始剤および/または少なくとも1の充填剤および/または少なくとも1の色素を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
基部(単数または複数)Bの障壁材料と蓋部(単数または複数)Lの障壁材料とが、同じ材料を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1の光電子放出性粒子または光電子放出性化合物が、量子ドット、有機色素、無機リン光体、金属クラスター、炭素ドット、ドープナノ結晶またはそれらの組み合わせを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
基質が、剥離層を含むか、または方法が、基部Bの障壁材料を適用する前に基質上に剥離層を適用するステップをさらに含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ステップaとステップbとの間に1以上の基部Bの上部に第1の中間層を適用する追加のステップ、および/またはステップbとステップcとの間にコア材料c上に第2の中間層を適用する追加のステップを含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
カプセル化された材料を含むポケットのアレイを調製するための、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に定義されるとおりの方法によって得られるカプセル化された材料のポケットまたはカプセル化された材料のポケットのアレイ。
【請求項14】
請求項13に定義されるとおりのカプセル化された材料の少なくとも1のポケットまたはカプセル化された材料のポケットのアレイを含む、デバイス。
【請求項15】
カプセル化された材料のポケットまたはカプセル化された材料のポケットのアレイを移すプロセスであって、以下、
-請求項1~12のいずれか1項に定義される方法によって得られるカプセル材料のポケットを備え付けられた第1の基質を含む構造体を提供するステップ、構造体は、好ましくは、第1の基質とカプセル化された材料のポケットとの間に剥離層を含む;
-第2の基質にカプセル化された材料のポケットを移すステップ、
を含む、前記プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、カプセル化された材料を含む、少なくとも1のポケット、好ましくは複数のポケットを調製する方法に関する。かかるポケットは、障壁材料を含むカプセル化体によって取り囲まれたコア材料(カプセル化された材料)を含む。本発明はまた、かかる方法によって得られたカプセル化された材料を含む1つのポケットまたは複数のポケットに関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
多くの材料、とりわけナノ材料は、高感度な材料であり、および分解を避けるためにそれらの周囲から保護される必要がある。とりわけ、半導体ナノ結晶または量子ドット(QD)は、酸素または水蒸気に曝露されたときに科学的分解に煩わされる。量子ドットの化学的分解は、放射効率の減少を否応なくもたらすので、避けるべきである。
【0003】
量子ドットは、スペクトル的に狭く、整調できるフォトルミネセンスを特色とし、例えば、ディスプレー、照明およびプロジェクションの用途のためのフォトルミネセンスの色変換器として殊更関心を引く。しかしながら、量子ドットの感度は、ほとんどの用途における量子ドットの使用について、主要で重大な、そして長きにわたる欠点の1つである。照明およびディスプレー用途においては、発光色および強度が数千時間にわたる期間の連続操作の間中変化しないままである必要があるため、この問題点はさらに強くなる。量子ドットは、所謂リモートリン光体として実装され得、これにより量子ドットは、主要な青色LEDから充分に分離されるか、またはそれらは青色LEDチップ上に直接正確に置かれ得る(オンチップアプローチ)。オンチップアプローチは、量子ドットの局所的な加熱(約100℃)を暗に含む。このような加熱は、量子ドットの分解をさらに加速するであろう。
【0004】
例えば、酸素および/または水蒸気による量子ドットの分解についての正確な機序は、いまだ解明されておらず、およびより耐性のある量子ドットを作成することに、世界的に重大な調査努力がさかれている。それにもかかわらず、大規模かつ信頼できる量子ドットの開発のために、ガス拡散障壁が量子ドットベースのデバイスにおいてなんらかの形で実装される必要があることが確立している。
【0005】
酸素および水蒸気から量子ドットを保護するために、量子ドットは、典型的には、カプセル化される。目下、このような材料のカプセル化について2つの主要なストラテジーがある:薄膜カプセル化(TFE)アプローチおよびビーズアプローチ。両方のケースにおいて、量子ドットは、典型的には、ポリマー樹脂に包埋される。樹脂は流し込まれ、薄膜(TFE)として、またはマイクロサイズの粒子(ビーズ)として硬化する。障壁特性は、膜またはビーズ上に無機材料(例えば、SiO、TiOまたはAl)および有機(ポリマー)材料を交互に複数の層を適用することによって実装される。この多層障壁アプローチは、ガス拡散のための蛇行性の経路を作ることによって、無機層における避けられない欠陥の存在を迂回するよう設計される。しかしながら、多層の適用は、典型的には、様々な連続蒸着技法、とりわけ、原子層堆積法(ALD)、化学蒸着法(CVD)またスパッタリングなどの真空蒸着法が必要となる。その結果として、多層の適用は、複雑かつ高価な製造プロセスをもたらす。さらにまた、TFEアプローチを使用してカプセル化された材料は、側面に所謂エッジ・イングレス(edge ingress)効果を被るかもしれない。ビーズアプローチにおいて、量子ドットは、多層障壁によって等方的に保護されているが、マイクロ粒子の周囲全体にわたる無機障壁層の物理蒸着は、技術的に困難のままである。さらにまた、ビーズは、さらなる加工を可能にするためには、別の樹脂と再び混合される必要がある。
【0006】
したがって、酸素および水蒸気による分解から充分に保護されるナノ材料を提供する必要性があることは明確である。とりわけ、酸素および水蒸気による分解から充分に保護される量子ドットを提供する必要性がある。
【0007】
例えば、量子ドットなどのナノ材料は、高感度の材料であるため、量子ドットなどのナノ材料のいかなる加工も、ナノ材料の高感度であるという性質を考慮に入れる必要があることは明確である。このようなナノ材料の加工は、実例として、高温の使用を暗に含むいかなる処理も与えないだろう。加えて、ナノ材料の加工は、好ましくは、大規模製造に適合する。
【発明の概要】
【0008】
本発明の概要
本発明の目的は、先行技術の難点を回避するカプセル化された材料を含むポケットを調製する方法を提供することである。この方法は、とりわけ、カプセル化された材料として量子ドットを含むポケットを調製することに好適である。
【0009】
本発明の別の目的は、これによりカプセル化された材料がエッジ・イングレスを被らない、カプセル化された材料を含むポケットを調製する方法を提供することである。
【0010】
本発明のさらなる目的は、種々の技法を使用して多層カプセル化体の連続形成を必要としないカプセル化された材料を含むポケットを調製する方法を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる目的は、カプセル化された材料を含むポケットのアレイを調製する方法であって、異なるタイプのポケット、例えば、異なるカプセル化された材料を含むポケットを1つのアレイにおいて組み合わせることを可能にする方法を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、カプセル化された材料を含むポケットを調製する方法であって、二次元または三次元における形状の高い汎用性を得ることを可能にする方法を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、カプセル化された材料のポケットの大規模ならびに小型化した製造の調製を可能にする方法を提供することである。
【0014】
本発明のさらなる目的は、カプセル化された材料のポケットを提供すること、およびカプセル化された材料のポケットのアレイを提供することである。
【0015】
さらにまた、本発明の目的は、量子ドットを含むカプセル化された材料を含むポケットを提供すること、および量子ドットを含むカプセル化された材料を含むポケットのアレイを提供することである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、例えば、量子ドットを含む、カプセル化された材料のポケットを含むデバイスを提供することである。
【0017】
本発明のなおさらなる目的は、カプセル化された材料のポケットを移すプロセス、とりわけ量子ドットを含むポケットを移すプロセスを提供することである。
【0018】
本発明の第1の側面に従うと、カプセル化された材料を含む、少なくとも1のポケット、好ましくは、複数のポケットを調製する方法が提供される。このようなカプセル化された材料の少なくとも1のポケットは、障壁材料を含むカプセル化体によって囲われている、好ましくは完全に囲われている、コア材料を含む。本発明に従った方法は、
a.以下、
a1.樹脂を含む障壁材料b、例えば、障壁材料bの層を、基質上に適用すること;
a2.障壁材料bを局所的に硬化し、硬化した障壁材料bの1つの基部Bまたは複数の基部Bを形成すること、各基部Bが別の基部Bから空間的に区別され、および各基部Bが基質のエリアAを覆う;
a3.硬化していない障壁材料bを取り除くこと;
により基質上に1以上の障壁材料の基部Bを形成するステップ、
b.以下、
b1.樹脂および少なくとも1の光電子放出性粒子(photoemissive particle)または光電子放出性化合物(photoemissive compound)を含むコア材料c、例えば、コア材料cの層(樹脂および少なくとも1の光電子放出性粒子または光電子放出性化合物を含む)を、ステップaから得られた基質上に適用すること;
b2.コア材料cを局所的に硬化し、硬化したコア材料cの1つのコアデポジット(deposit)または複数のコアデポジットを形成すること、硬化したコア材料cの各コアデポジットは基部Bの上部に蓄積され、および硬化したコア材料cのいずれもエリアABを越えて広がらない;
b3.硬化していないコア材料cを取り除くこと;
により基部Bの少なくとも一部の上部にコア材料cを形成するステップ、
c.以下、
c1.樹脂を含む障壁材料l、例えば、障壁材料lの層を、ステップbから得られた基質上に適用すること;
c2.局部的に障壁材料lを局所的に硬化し、コア材料cを備え付けた各基部Bの上部に硬化した障壁材料lの蓋部Lを形成すること、各蓋部Lは別の蓋部Lから空間的に区別され、コア材料cを備え付けた各基部Bとこの基部Bの上部に形成された蓋部Lとがポケットを形成し、これにより該ポケットは、該ポケットの基部B上に提供されたコア材料cを完全にカプセル化する、
c3.硬化していない障壁材料lを取り除くこと、
により1以上の基部Bを備え付け、およびコア材料を備え付けられた基質上に障壁材料の1以上の蓋部Lを形成するステップ、
を含む。
【0019】
基部B上に蓄積されたすべてのコア材料cの組み合わせは、コアCと称される。コアCは、コア材料cを適用すること、コア材料cを硬化すること、および硬化していないコア材料cを取り除くことによって、すなわちステップb1~b3を1回実行することによって形成され得る。代替的に、コアCは、ステップb1~b3を1回より多く実行することによって形成され得、これによって同じコア材料cかまたは異なるコア材料cのいずれかが、ステップb1~b3の種々の反復において適用される。
【0020】
具体的な方法において、第1のコア材料c1は、第1のコア材料c1を適用し、第1のコア材料c1を硬化し、および硬化していない第1のコア材料c1を取り除くことによって、すなわちステップb1~b3を実行することによって基部B上に形成される。続いて、第2のコア材料c2は、第2のコア材料c2を適用すること、第2のコア材料c2を硬化すること、および硬化していない第2のコア材料c2を取り除くことによって、すなわちステップb1~b3を2回実行することによって基部B上に形成される。ことによると、障壁材料は、例えば、第2のコア材料を形成することと第2のコア材料を形成することとの間に、第1のコア材料c1のデポジットに接して基部B上に適用される。
【0021】
コアCが、2つより多くの異なるタイプのコア材料、例えば、第1のコア材料c1、第2のコア材料c2およびいずれのさらなるコア材料cnを含んでもよいことは明確である。
【0022】
障壁材料bの適用(ステップa1)、コア材料cの適用(ステップb1)および/または障壁材料lの適用は、当該技術分野において知られているいずれかの技法によってなされ得る。障壁材料b、コア材料cおよび/または障壁材料lを適用する好ましい技法は、押出、ドクターブレード法、ジェット法およびロールツーロール法を適用する技法を含む。
【0023】
障壁材料bの硬化(ステップa2)、コア材料cの硬化(ステップb2)および/または障壁材料lの硬化(ステップc2)は、当該技術分野において知られているいずれかのタイプの硬化を含んでもよい。好ましくは、障壁材料bの硬化、コア材料cの硬化および/または障壁材料lの硬化は、光硬化を含む。光硬化は、光源、典型的には、UVまたは可視の光源にさらすことによって誘導される材料を硬くすることを含む。
【0024】
好ましくは、障壁材料bの適用および局所的な硬化、コア材料cの適用および局所的な硬化、および/または障壁材料lの適用および局所的な硬化は、物理マスクを使用するフォトリソグラフィまたはデジタル光変調を含む。デジタル光変調を使用するフォトリソグラフィの例は、デジタル光処理(DLP)、レーザーをベースとしたステレオリソグラフィ(SLA)、液晶ディスプレー(LCD)マスキング、液晶(light crystal)ディスプレー(LCD)プロジェクティングおよび多光子リソグラフィ(例えば、二光子リソグラフィ(TPL))を含む。
【0025】
障壁材料b、コア材料cおよび/または障壁材料lは、樹脂およびより好ましくは光硬化性の樹脂を含む。樹脂は、典型的には、ポリマーに変換できる固体または粘性物質である。大抵、樹脂は、有機化合物の混合物である。光硬化性の樹脂は、光に曝露された際に硬化/凝固する樹脂である。
【0026】
好ましい(光硬化性の)樹脂は、チオール-エン、アクリラート、エポキシ、ウレタンまたはビニルベースの樹脂またはそれらの混合物を含むフォトポリマーを含む。
【0027】
障壁材料b、コア材料cおよび/または障壁材料lは、少なくとも1の光開始剤および/または少なくとも1の充填剤および/または少なくとも1の色素をさらに含んでもよい。
【0028】
好ましい光開始剤は、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン(DMPA)、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(TPO)、Irgacure(登録商標)またはDarocur(登録商標)の製品ラインからの光開始剤または光開始剤ブレンドを含む。
【0029】
充填剤として、無機充填剤、1D充填剤、2D充填剤またはそれらの組み合わせが考えられ得る。無機充填剤は、例えば、SiO、TiO、またはAl粒子などのオキシド粒子を含む。1D充填剤は、例えば、セルロースベースの材料、例えば、セルロースナノフィブリルを含む。2D充填剤は、例えば、モンモリロナイトナノクレイなどのナノクレイを含む。
【0030】
好ましい色素は、Reactive Orange 16またはOrange Orasol Gなどの光触媒生分解を伴う有機色素を含む。
【0031】
好ましくは、障壁材料bおよび障壁材料lの両方が、水蒸気および酸素障壁特性を有する。
【0032】
障壁材料bおよび障壁材料lは、例えば、光硬化性の樹脂、少なくとも1の光開始剤および例えば、セルロースナノフィブリルのような少なくとも1D充填剤および/または例えば、ナノクレイのような少なくとも1の2D充填剤を含む。
【0033】
障壁材料bおよび障壁材料lは、同じ材料を含んでもよく、または異なる材料を含んでもよい。
【0034】
好ましい態様において、カプセル化された材料のポケットの障壁材料bおよび障壁材料lは、同じ材料を含む。このような態様は、カプセル化された材料のポケットを形成することを可能にし、ここで、コア材料は、1つの材料を含むカプセル化体層に取り囲まれている。
【0035】
コア材料cは、樹脂および少なくとも1の光電子放出性粒子または光電子放出性化合物、例えば、少なくとも1のフォトルミネセンスの粒子または少なくとも1のフォトルミネセンスの化合物を含む。好ましくは、コアは、複数の光電子放出性粒子または光電子放出性化合物を含む。障壁材料bおよび障壁材料lは、好ましくは、いずれの光電子放出性粒子も化合物も含まない。
【0036】
光電子放出性粒子または光電子放出性化合物の例は、量子ドットなどの半導体ナノ結晶、有機色素、無機リン光体、金属クラスター、炭素ドット、ランタニドドープナノ結晶などのドープナノ結晶、またはそれらの組み合わせを含む。
【0037】
殊更好ましいフォトルミネセンスの粒子は、量子ドットを含む。
【0038】
コア材料cは、例えば、光硬化性の樹脂、少なくとも1の光開始剤および量子ドットを含む。
【0039】
本発明に従うと、カプセル化された材料のポケットは、好ましくは、基質上に形成される。基質は、可撓性基質または剛性基質を含んでもよい。好ましい基質は、Siウェハ、ガラス基質、金属基質またはポリマー基質を含む。
【0040】
複数の基部Bが、ステップaにおいて基質上に適用される場合、基質上に適用される異なる基部Bは、同じサイズを有するか、および/または同じ形状を有してもよく、および/または同じエリアAを覆ってもよい。代替的に、異なるタイプの基部は、基質上に、例えば、第1のサイズを有し、および/または第1の形状を有し、および/または基質の第1のエリアAB1を覆っていてもよい第1のタイプの基部B1、第2のサイズを有し、および/または第2の形状を有し、および/または基質の第2のエリアAB1を覆っていてもよい第2のタイプの基部B2、および任意にさらなるサイズを有し、および/またはさらなる形状を有し、および/または基質のさらなるエリアABfを覆っていてもよいさらなるタイプの基部Bfが適用される。
【0041】
ステップbにおいて、コア材料は、基部Bの少なくとも一部上に適用される。好ましくは、コア材料は、すべての基部B上に適用される。代替的に、基部Bの一部にのみ、コア材料を備え付けられる。
【0042】
第1のコア材料c、例えば、コア材料cの層は、ステップaから得られた基質上に、すなわち、1以上の基部Bを備え付けられた基質上に適用される。続いて、このコア材料は、局所的に硬化され、硬化したコア材料cの1つのコアデポジットまたは複数のコアデポジットを形成する。硬化していないコア材料は、次いで取り除かれる。
【0043】
基部B上に蓄積された硬化したコア材料のコアデポジットは、エリアA、すなわち、基材によって覆われた基質のエリア、を越えて広がらない。
【0044】
好ましくは、基部Bの頂面は、コア材料cで完全には覆われない。最も好ましくは、基部Bの頂面の外周は、コア材料で覆われない。他のケースにおいて、基部B上に蓄積されたコア材料の頂面は、コア材料で完全に覆われる。かかるケースにおいて、コア材料は、エリアAに等しいエリアAを覆う。
【0045】
ステップcにおいて、障壁材料の1以上の蓋部Lは、基部Bの少なくとも一部の上部に形成される。第1の障壁材料l、例えば、障壁材料lの層は、1以上の基部Bが備え付けられ、かつコア材料の備え付けられた基質、すなわち、ステップbから得られた基質上に適用される。続いて、障壁材料lは、局所的に硬化され、コア材料cを備え付けられた各基部の上部に硬化した障壁材料の蓋部Lを形成する。次いで、硬化していない障壁材料lは取り除かれる。コア材料cを備え付けられた各基部Bとこの基部Bの上に形成された蓋部Bとが、ポケットを形成する。よって、このようなポケットは、基部Bの障壁材料bおよび蓋部Lの障壁材料を含み、およびこのポケットの基部B上に提供されたコア材料cを完全にカプセル化する。
【0046】
各ポケットについて、蓋部Lは、コア材料の上部ならびにこのポケットの基部B上に蓄積されたコア材料の外側縁を覆う。このように、基部B上に蓄積されたコア材料は、基部Bの障壁材料と蓋部Lの障壁材料との組み合わせにより完全にカプセル化される。その結果として、コア材料およびとりわけコア材料中に存在する光電子放出性粒子(単数または複数)または化合物(単数または複数)は、障壁材料によって完全にカプセル化される。コア材料およびとりわけ光電子放出性粒子(単数または複数)または化合物(単数または複数)は、エッジ・イングレスを被らない。
【0047】
硬化した障壁材料lの蓋部デポジットまたはポケットの蓋部Lは、エリアA、すなわち、基部Bによって覆われた基質のエリアを越えて広がってもよい。よって、蓋部Lによって覆われた基質のエリアAは、エリアAよりも大きくなり得る。
【0048】
他の態様において、エリアAは、エリアAに等しい(およびエリアAを越えて広がらない)。
【0049】
基部Bは、1つの層の基材を適用され、および硬化することによって、または障壁材料の層の適用およびこのような障壁材料を硬化することを複数回繰り返すことによって形成されてもよい。かかるケースにおいて、カプセル化された材料のポケットを調製するための上に記載の方法のステップaは、例えば、ステップa1’~a3’のn回の反復ステップを含み、nは、少なくとも2であり、およびa1’~a3’は以下のステップを含む、
a1’.iが1からnまでの範囲をとる各反復ステップiについて、障壁材料bの層を基質上またはステップaの先の反復ステップから得られた障壁材料を備え付けられた基質上に適用すること、これによりiが1より大きな各反復ステップについて、障壁材料bは、ステップaの先の反復ステップにおいて使用された障壁材料を同じかまたは異なる障壁材料を含む;
a2’.iが1からnまでの範囲をとる各反復ステップiについて、障壁材料bを局所的に硬化し、硬化した障壁材料bの1つの基部デポジットまたは複数の基部デポジットを形成すること、硬化した障壁材料bの各基部デポジットは基質と接触するか、またはステップaの先の反復ステップにおいて得られた硬化した障壁材料のデポジットと接触して、反復ステップn後に1つの基部Bまたは複数の基部Bを形成すること、各基部Bは別の基部Bから空間的に区別され、および各基部B基質のエリアAを覆う;
a3’.iが1からnまでの範囲をとる各反復ステップiについて、硬化していない障壁材料bを取り除くこと。
【0050】
反復ステップnの数は、原則として制限されない。反復ステップnの数は、例えば、2、3、4、5または6である。
【0051】
基部Bが、硬化した障壁材料の1つの基部デポジットまたは硬化した障壁材料の複数の基部デポジット、例えば、互いに接しておよび/または上部に蓄積された複数のデポジットを含んでもよいことは明確である。
【0052】
上に記載のとおりステップaを反復することによって、多くの種類の基部Bおよび/または多くの種類の基部Bの組み合わせが得られ得る。例えば、基質上に複数の基部Bを提供することが可能であり、これにより基部Bは、同じ障壁材料を含んでもよく、またはこれにより基部Bまたは基部Bのいくつかは、異なる障壁材料を含んでもよい。例えば、第1の障壁材料を含む第1のタイプの基部B、第2の障壁材料を含む第2のタイプの基部Bおよび任意にさらなる障壁材料を含む1以上のさらなるタイプの基部を提供することが可能である。さらにまた、基部Bまたは複数の基部Bを提供することが可能であり、これにより各基部Bは、1つのタイプの障壁材料を含むか、または種々のタイプの障壁材料を含む。基部Bは、例えば、第1の障壁材料を含む第1の層、第2の障壁材料を含む第2の層、および任意にさらなる障壁材料を含む1以上のさらなる層を含んでもよい。加えて、基部Bは、互いに接する硬化した障壁材料のデポジットを含んでもよい。このようなデポジットは、同じ障壁材料を含んでもよく、または異なる障壁材料を含んでもよい。基部は、例えば、硬化した第1の障壁材料のデポジット、硬化した第2の障壁材料のデポジットおよび任意に硬化したさらなる障壁材料のデポジットを含み、一緒に1つの基部Bを形成してもよい。
【0053】
1以上の基部Bおよび/または蓋部Lの上部に蓄積されるコア材料はまた、コア材料、障壁材料夫々の適用、およびこのようなコア材料、障壁材料夫々の硬化の複数回の繰り返しによって形成されてもよい。
【0054】
基部B上に蓄積されたコア材料が、コア材料の適用および硬化の複数回の繰り返しによって形成されるケースにおいて、カプセル化された材料のポケットを調製する方法ための上に記載の方法のステップbは、例えば、ステップb1’~b3’のm回の反復ステップを含み、mは少なくとも2であり、およびb1’~b3’は以下のステップを含む、
b1’.iが1からmまでの範囲をとる各反復ステップiについて、コア材料cの層をステップaから得られた基質上またはステップbの先の反復ステップから得られた基質上に適用すること、これによりiが1より大きな各反復ステップについて、コア材料cは、ステップbの先の反復ステップにおいて使用されたコア材料と同じかまたは異なるコア材料を含む;
b2’.iが1からmまでの範囲をとる各反復ステップiについて、コア材料cを局所的に硬化し、硬化したコア材料cの1つのコアデポジットまたは複数のコアデポジットを形成すること、硬化したコア材料cの各コアデポジットは基部Bと接触するか、またはステップbの先の反復ステップにおいて得られた硬化したコア材料のデポジットと接触し、および硬化したコア材料の該コアデポジットのいずれもエリアAを越えて広がらない;
b3’.iが1からmまでの範囲をとる各反復ステップiについて、硬化していないコア材料cを取り除くこと。
【0055】
反復ステップmの数は、原則として制限されない。反復ステップmの数は、例えば、2、3、4、5または6である。
【0056】
基部B上に蓄積されたコア材料が、硬化したコア材料の1つのコアデポジットまたは硬化したコア材料の複数の基部デポジット、例えば、互いに接しておよび/または上部に蓄積されて含んでもよいことは明確である。
【0057】
上に記載のとおりのステップbを反復することによって、コア材料の蓄積および/またはコア材料の組み合わせの蓄積に対する高いフレキシビリティが得られ得る。例えば、すべての基部B上に同じコア材料を適用することが可能であり、または異なる基部B上に異なるコア材料を適用することが可能である。例えば、特定の基部B上に第1のタイプのコア材料を、他の基部B上に第2のタイプのコア材料を、および任意によりさらなる基部B上にさらなるタイプのコア材料を適用することが可能である。好ましい方法において、第1のタイプの量子ドット、例えば、緑色量子ドットを含む第1のタイプのコア材料が、特定の基部B上に適用され、および第2のタイプの量子ドット、例えば赤色量子ドットを含む第2のタイプのコア材料が、他の基部B上に適用される。
【0058】
さらにまた、基部Bは、1つのタイプのコア材料または種々のタイプのコア材料を備え付けられることが可能である。基部Bは、例えば、第1のコア材料を含む第1の層、第2のコア材料を含む第2の層および任意にさらなるコア材料を含む1以上のさらなる層を含んでもよい。好ましい方法において、第1のタイプの量子ドット、例えば、緑色量子ドットを含む第1のタイプのコア材料および第2のタイプの量子ドット、例えば、赤色量子ドットを含む第2のタイプのコア材料が、基部B上に適用される。
【0059】
加えて、基部Bは、互いに接して硬化したコア材料のデポジットを備え付けられてもよい。このようなデポジットは、同じコア材料を含んでもよく、または異なるコア材料を含んでもよい。基部は、例えば、硬化した第1のコア材料のデポジット、硬化した第2のコア材料のデポジットおよび任意に硬化したさらなるコア材料のデポジットを備え付けられてもよい。好ましい方法において、基部Bは、第1のタイプの量子ドット、例えば、緑色量子ドットを含む硬化した第1のタイプのコア材料のデポジットを備え付けられ、および第2のタイプの量子ドット、例えば、赤色量子ドットを含む硬化した第2のタイプのコア材料のデポジットを備え付けられる。
【0060】
1以上の蓋部Lが、障壁材料の適用および硬化を複数回繰り返すことによって形成されるケースにおいて、カプセル化された材料のポケットを調製するための上に記載の方法のステップcは、例えば、ステップc1’~c3’のp回の反復ステップを含み、pは少なくとも2であり、およびc1’~c3’は以下のステップを含む、
c1’.iが1からpまでの範囲をとる各反復ステップiについて、障壁材料lの層を方法ステップbから得られた基質上またはステップcの先の反復ステップから得られた基質上に適用すること、これによりiが1より大きな各反復ステップについて、障壁材料lは、ステップcの先の反復ステップにおいて使用された障壁材料と同じかまたは異なる障壁材料を含む;
c2.iが1からmまでの範囲をとる各反復ステップiについて、障壁材料lを局所的に硬化し、反復ステップp後にコア材料を備え付けられた各基部Bについて蓋部Lを形成するように硬化した障壁材料lの1つの蓋部デポジットまたは複数の蓋部デポジットを形成すること、各蓋部Lは別の蓋部Lから空間的に区別され、これによりコア材料cを備え付けられた各基部Bとこの基部B上に提供された蓋部Lとがポケットを形成し、これによりこの基部B上に提供されたすべてのコア材料は、ポケットの基部Bと蓋部Lとの組み合わせによって完全にカプセル化される;
c3.iが1からpまでの範囲をとる各反復ステップiについて、硬化していない障壁材料lを取り除くこと。
【0061】
反復ステップpの数は、原則として制限されない。反復ステップpの数は、例えば、2、3、4、5または6である。
【0062】
蓋部Lは、硬化した障壁材料lの1つの蓋部デポジットまたは硬化した障壁材料lの複数の蓋部デポジット、例えば、互いに接しておよび/または上部に蓄積されるように含んでもよいことは明確である。
【0063】
硬化した障壁材料の蓋部デポジットは、ステップbにおいて適用されたコア材料と接触してもよく、および/または(iが1より大きな反復ステップについて)cの先の反復ステップにおいて得られた障壁材料と接触してもよい。硬化した障壁材料の蓋部デポジットはまた、(部分的または全体的に)基質と接触してもよい。
【0064】
上に言及されたとおり、各ポケットについて、基部B上に蓄積されたコア材料が、基部Bの障壁材料と蓋部Lの障壁材料の組み合わせによって完全にカプセル化されるように、蓋部Lは、コア材料の上部ならびにこのポケットの基部B上に蓄積されたコア材料の外側縁を覆う。
【0065】
上に記載のとおりのステップcを反復することによって、多くの種類の蓋部Lおよび/または多くの種類の蓋部Lの組み合わせが得られ得る。例えば、複数の蓋部Lを提供することが可能であり、これにより蓋部Lは、同じ障壁材料を含んでもよく、またはこれにより蓋部Lまたは蓋部Lのいくつかは、異なる障壁材料を含んでもよい。例えば、第1の障壁材料を含む第1のタイプの蓋部L、第2の障壁材料を含む第2のタイプの蓋部Lおよび任意にさらなる障壁材料を含む1以上のさらなるタイプの蓋部Lを提供することが可能である。さらにまた、蓋部Lまたは複数の蓋部Lを提供することが可能であり、これにより各蓋部Lは、1つのタイプの障壁材料を含むかまたは、異なるタイプの障壁材料を含む。蓋部Lは、例えば、第1の障壁材料を含む第1の層、第2の障壁材料を含む第2の層および任意にさらなる障壁材料を含む1以上のさらなる層を含んでもよい。加えて、蓋部Lは、互いに接して硬化した障壁材料のデポジットを含んでもよい。このようなデポジットは、同じ障壁材料を含んでもよく、または異なる障壁材料を含んでもよい。蓋部Lは、例えば、硬化した第1の障壁材料のデポジット、硬化した第2の障壁材料のデポジットおよび任意に硬化したさらなる障壁材料のデポジットを含み、一緒に1つの蓋部Lを形成してもよい。
【0066】
本発明に従うカプセル化された材料の1以上のポケットを調製する方法が、1以上の基部Bを形成する数多の反復ステップa1’~a3’および/または基部Bの上部にコア材料を形成する数多の反復ステップb1’~b3’および/または1以上の基部(単数または複数)Bを備え付けられた基質上に障壁材料の1以上の蓋部Lを形成する1以上の反復ステップc1’~c3’を含んでもよいことは明確である。同様に、本発明に従うカプセル化された材料の1以上のポケットを調製する方法は、1以上の基部Bを形成する数多の反復ステップa1’~a3’および/または基部Bの上部にコア材料を形成する数多の反復ステップb1’~b3’および/または1以上の基部(単数または複数)Bを備え付けられた基質上に障壁材料の1以上の蓋部Lを形成する1以上の反復ステップc1’~c3’を含んでもよい。
【0067】
本発明に従う具体的な方法において、基質は、剥離層、例えば、熱剥離層を備え付けられ、およびカプセル化された材料の少なくとも1のポケットは、カプセル化された材料の少なくとも1のポケットが剥離層と接触するように、剥離層を備え付けられた基質に適用される。代替的に、方法は、カプセル化された材料の少なくとも1のポケットの適用前、とりわけ基質上に1以上の基部Bを形成する前に、剥離層、例えば、熱剥離層の適用を含む。
【0068】
剥離層の存在は、カプセル化された材料のポケットの放出を促進してもよい。剥離層が熱剥離層を含むケースにおいて、カプセル化された材料のポケットは、熱の適用によって、例えば、局所的な熱の適用によって基質から放出され得る。
【0069】
本発明に従う方法は、1以上の追加のステップを含んでもよい。方法は、例えば、本発明に従う方法のステップaとステップbとの間に1以上の基部Bの上部に第1の中間層を適用する追加のステップを含む。代替的にまたは加えて、方法は、本発明に従う方法のステップbとステップcとの間にコア材料c上に第2の中間層を適用する追加のステップを含んでもよい。
【0070】
第1および/または第2の中間層は、例えば、ガス拡散障壁層として作用してもよい。
【0071】
第1および/または第2の中間層は、浸漬、押出、ドクターブレード法、ジェット法およびロールツーロール法を適用する技法によって、または原子層堆積によってなどの当該技術分野において知られているいずれかの技法によって適用され得る。第1および/または第2の中間層を適用する好ましい技法は、原子層堆積を含む。
【0072】
第1および/または第2の中間層は、例えば、SiO、TiOまたはAlのようなオキシド層を含む。
【0073】
本発明に従う方法は、とりわけカプセル化された材料を含むポケットのアレイ、とりわけ量子ドットなどのカプセル化された光電子放出性粒子または光電子放出性化合物を含むポケットのアレイを製造するのに好適である。本発明に従う方法は、同一のポケットまたは異なるポケットのどちらでも、いかなるタイプのポケットのアレイを調製することをも可能にするという利点を有する。方法は、ポケットの数ならびにポケット(単数または複数)の位置を選ぶことを可能にする。さらにまた本発明に従う方法は、本出願においてさらに記載されるように個々のピックアップおよび/または移送について1以上のポケットを選択することを可能にする。
【0074】
本発明の第2の側面に従うと、カプセル化された材料のポケットまたはカプセル化された材料の複数のポケットが提供される。カプセル化された材料の複数のポケットは、例えば、カプセル化された材料のポケットのアレイを形成するように配置される。
【0075】
カプセル化された材料のポケットまたはカプセル化された材料のポケットのアレイは、好ましくは、カプセル化された材料のポケットを調製する上記の方法によって得られる。
【0076】
カプセル化された材料のポケットのコア材料は、例えば、量子ドットを含む。
【0077】
複数のポケットまたはポケットのアレイが、同一のポケットまたは異なるポケットを含んでもよいことは明確である。ポケットのアレイは、異なるタイプのコア材料を有するポケットを含み、例えば、異なるタイプの量子ドットを含む。
【0078】
本発明の第3の側面に従うと、カプセル化された材料の1つのポケットまたはカプセル化された材料の複数のポケットを含むデバイス、例えば、カプセル化された材料を含むポケットのアレイが提供される。
【0079】
好ましいデバイスは、量子ドットを含むカプセル化された材料の1つのポケットまたは量子ドットを含むカプセル化された材料の複数のポケット、例えば、量子ドットを含むカプセル化された材料を含むポケットのアレイを含む。
【0080】
このようなデバイスの例は、カプセル化された材料のポケット、例えば、量子ドットを含むポケットが、青色LEDなどの主要な光源によって照らされ、目的に合わせた放射スペクトルを作るデバイスを含む。目的に合わせた放射スペクトルの例は、これらに限定されないが、高い演色性を有する白色光、青色、緑色および赤色の別々の細い線、または単一の細い線を包含する。このような光源は、これらに限定されないが、室内照明、ディスプレーまたはプロジェクションの用途のために使用され得る。
【0081】
本発明の第4の側面に従うと、カプセル化された材料のポケットまたはカプセル化された材料のポケットのアレイを基質から別の基質へ移すプロセスが提供される。方法は、以下のステップを含む、
-上に定義された方法によって得られたカプセル化された材料のポケットを備え付けられた第1の基質を含む構造体を提供すること;
-カプセル化された材料のポケットを第2の基質に移すこと。
【0082】
好ましい態様において、カプセル化された材料のポケットを備え付けられた第1の基質を含む構造体は、剥離層、例えば、第1の基質とカプセル化された材料のポケットとの間に熱剥離層を含む。
【0083】
好ましい方法において、カプセル化された材料のポケットを備えられた第1の基質を含む構造体は、第2の基質と接触させてカプセル化された材料のポケットを第1の基質から第2の基質へと移す。続いて、カプセル化された材料のポケットは、第1の基質から放出され、および第2の基質へと移される。任意に、付着促進層は、カプセル化された材料のポケットを第2の基質に付着するために使用される。
【0084】
第1の基質から第2の基質へとカプセル化された材料のポケットを移す代替の方法は、レーザー誘起前方転写法を含む。
【0085】
光源を形成するために、この移行は、一次光を提供するLEDチップ、例えば、青色LEDストリップ上へのポケットまたは複数のポケットの直接蓄積、一次光源に照らされる導光体上へのポケットまたは複数のポケットの蓄積、またはポケットまたは複数のポケット内に一次光を連結するいずれかの構造体上のポケットまたは複数のポケットの蓄積へ繋がり得る。
【0086】
第1の基質から第2の基質へとカプセル化された材料のポケットを移すさらなる方法は、エラストマースタンプを使用してカプセル化された材料のポケットを第1の基質から第2の基質へと移す、マイクロトランスファープリンティングを含む。
【図面の簡単な説明】
【0087】
図面の簡単な記載
本発明は、添付の図面を参照して、以下により詳細に論じられる:
図1図1は、本発明に従ったカプセル化された材料のポケットを調製する方法を示す;
図2図2は、本発明に従ったカプセル化された材料を含むポケットを示す;
図3図3図4および図5は、カプセル化された材料を含むポケットの種々の態様を示し、ここにおいてポケットの基部B、コア材料および/または蓋部Lは、夫々、種々の硬化した障壁材料bのデポジット、種々の硬化したコア材料cのデポジットおよび種々の硬化した障壁材料lのデポジットを含む;
図4図3図4および図5は、カプセル化された材料を含むポケットの種々の態様を示し、ここにおいてポケットの基部B、コア材料および/または蓋部Lは、夫々、種々の硬化した障壁材料bのデポジット、種々の硬化したコア材料cのデポジットおよび種々の硬化した障壁材料lのデポジットを含む;
図5図3図4および図5は、カプセル化された材料を含むポケットの種々の態様を示し、ここにおいてポケットの基部B、コア材料および/または蓋部Lは、夫々、種々の硬化した障壁材料bのデポジット、種々の硬化したコア材料cのデポジットおよび種々の硬化した障壁材料lのデポジットを含む;
図6図6は、カプセル化された材料のポケットを第1の基質から第2の基質への移行を表す。
【0088】
態様の記載
本発明は、具体的な態様に関して、および特定の図面を参照して記載されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。図面は、概略図にすぎず、非限定的なものである。図面中のいくつかの要素のサイズは、説明のために誇張され縮尺通りに描かれていない場合がある。寸法および相対寸法は、本発明の実施に対する実際の縮小に対応するものではない。
【0089】
範囲の端点を参照するとき、範囲の端点の値は、包含される。
【0090】
本発明を記載するとき、使用される用語は、別様に明記されない限り、以下の定義に従って解釈される。
【0091】
2以上の項目を列挙するとき、用語「および/または」は、列挙される項目のいずれか1つが単独で採用され得ることまたは列挙される項目のいずれか2以上の組み合わせが採用され得ることを意味する。
【0092】
量子ドットという用語は、UV光がこれらの結晶当たるときに様々な色の光を放射し得るナノスケール結晶を指す。このようなナノスケール結晶は、均一または実質的に均一な組成物、例えば、コアを有してもよく、または例えば、コアおよびコアを取り囲むシェルを含むコア/シェル量子ドットのような不均一な組成物を有してもよい。シェルは、コアを取り囲む材料として定義され、および1以上のシェル層を含んでもよい。
【0093】
コアは、例えば、III-V族材料、例えば、III族元素としてGaおよび/またはInを含み、およびV族元素としてN、P、Asおよび/またはSbを含む、例えば、2成分(binary)、3成分(ternary)または4成分(quaternary)のIII-V族材料を含む。好ましいコア材料は、InP、InAs、InSb、GaP、GaAs、GaSb、In(As,P)、In(As,Sb)、(In(P,Sb)、(In,Ga)P、(In,Ga)Asおよび(In,Ga)Sbを含む。さらにまた、コアは、例えば、(In,Zn)PのようなV族プニクタイドと組み合わせて合金化されたII族/III族材料を含んでもよい。
【0094】
シェル材料は、例えば、II-VI属材料、例えば、II(B)族元素としてZnまたはCdを含み、およびVI(A)族元素としてO、S、Seおよび/またはTeを含む、例えば、2成分、3成分または4成分のII-VI属材料を含む。好ましいシェル材料は、ZnSe、ZnS、ZnTe、ZnSSe、ZnCdSeおよびZnSeTeを含む。
【0095】
コア/シェル量子ドットの好ましい例は、InP/ZnSe量子ドット、InP/ZnS量子ドット、InP/ZnSe/ZnS量子ドット、InP/ZnS/ZnSe量子ドット、InP/XYを含み、これにより例えば、InP/CdZn1-xSeまたはInP/ZnTeSe1-xのように、Xは、Cdを含み、ZnおよびYは、S、Se、Teおよびそれらの組み合わせを含む。
【0096】
図1は、本発明に従ったカプセル化された材料のポケットを調製する方法が記載される。
【0097】
最初のステップ(i)は、障壁材料bの適用および光パターニングを示す。障壁材料は、例えば、任意にクレー小板(clay platelet)および/またはセルロースナノフィブリルを含む、光硬化性のアクリラート樹脂を含み、およびドクターブレード法により基質12上に適用される。局所的な硬化は、例えば、デジタル光処理によって達成される。ステップ(ii)において、硬化していない障壁は取り除かれ、および空間的に互いに区別される基部Bが基質12上に形成される。これに続くステップ(iii)において、第1のタイプのコア材料c1の層は、適用され、および局所的に硬化し、基部Bの一部の上部に硬化した第1のタイプのコア材料を形成する(ステップ(iv))。第1のコア材料c1は、例えば、緑色量子ドットを含む光硬化性のチオール-エン樹脂を含み、および例えば、ドクターブレード法によって適用される。局所的な硬化は、例えば、デジタル光処理によって達成され、およびコアC1の形成をもたらす。ステップ(v)において、第2のタイプのコア材料c2の層が適用され、および局所的に硬化し、基部Bの別の一部の上部に硬化した第2のタイプのコア材料c2を形成する(ステップ(vi))。第2のタイプのコア材料c2は、例えば、赤色量子ドットを含む光硬化性のチオール-エン樹脂を含む。いったん硬化すると、コアC2が形成される。続いて、ステップ(vii)において、障壁材料lが適用され、および局所的に硬化し、コア材料を備え付けられた基部B上に蓋部Lを形成する。蓋部Lを形成する障壁材料lは、例えば、基部Bを形成する障壁材料bと同じ材料を含む。障壁材料lは、例えば、任意にクレー小板および/またはセルロースナノフィブリルを含む光硬化性のアクリラート樹脂を含み、およびドクターブレード法によって適用される。局所的な硬化は、例えば、デジタル光処理によって達成される。硬化は、コア材料c(例えば、第1のコア材料c1または第2のコア材料c2)を備え付けられた各基部Bについて硬化した障壁材料の蓋部Lを形成するような方法でなされ、よってポケットを形成する(ステップ(viii))。各ポケットについて、コア材料は、基部Bの障壁材料および蓋部Lの障壁材料によって完全にカプセル化される。
【0098】
図2は、本発明に従うカプセル化された材料のポケット20の説明である。ポケット20は、コア材料21および障壁材料を含むカプセル化体22を含む。コア材料21は、例えば、量子ドットを含む光硬化性のチオール-エン樹脂を含む。カプセル化体22は、例えば、1以上の層を含む。図2に示される態様において、カプセル化体22は、第1の層23および第2の層24を含む。第1の層23は、例えば、セルロースナノフィブリルを含む酸素障壁層を含み、および第2の層24は、例えば、クレー小板を含む水蒸気障壁層を含む。
【0099】
図3図4および図5は、カプセル化された材料を含むポケットの種々の態様を例証し、これにより基部B、コア材料および/または蓋部Lは夫々、硬化した障壁材料bの1以上のデポジット、硬化したコア材料cの1以上のデポジットおよび硬化した障壁材料lの1以上のデポジットを含む。基部B、コア材料および蓋部Lは、1つのステップで蓄積され得るか、または数多の反復ステップを使用して蓄積され得る。
【0100】
図3のポケット30は、最初に基部Bを形成することによって、基質31上に障壁材料bを適用することによって、および障壁材料bを局所的に硬化し、互いに接する硬化した障壁材料bの基部デポジット32を形成することによって得られる。種々のデポジット32は、好ましくは互いに接している。図3において示される種々のデポジットの間に作られた距離は、プロセスを例証するためのものにすぎない。実際には、種々のデポジットは互いに接している。いったん基部Bが形成されると、基部Bを備え付けられた基質上にコア材料cを適用することによって、およびコア材料を局所的に硬化し、硬化したコア材料の基部デポジット34を形成することによって、カプセル化される材料が基部B上に適用される。次のステップにおいて、蓋部Lを、コア材料を備え付けられた基部Bの上部に形成し、ポケット30を形成する。1つの基部B上に蓄積されたすべての硬化したコア材料がコアCを形成する。蓋部Lを形成するために、障壁材料lを基部Bおよびコア材料を備え付けられた基質上に適用する。次いで、この障壁材料lを局所的に硬化し、硬化した障壁材料lのデポジット36が基部B上に蓄積されたコア材料の外側縁を保護するように、基部Bの上部かつ硬化したコア材料のデポジット34に接して硬化した障壁材料のデポジット36を形成する。続いて、障壁材料lが適用され、よって基質が得られる。この障壁材料lを局所的に硬化して、硬化したコア材料cのデポジット34および硬化した障壁材料lのデポジット36を覆う硬化した障壁材料lのデポジット38を形成する。このように、コア材料cを完全にカプセル化した蓋部Lが得られる。デポジット36および38もまた、1つのステップにより得られ得ることは明確である。
【0101】
図4のポケット40は、図3に示される態様においてなされたものと同様の方法で、障壁材料bを適用し、および局所的に硬化し、硬化した障壁材料bのデポジット42を基質41上に形成することによって、最初に基部Bを形成することにより得られる。続いて、第1のコア材料c1を最初に適用し、および局所的に硬化し、硬化した第1のコア材料c1のデポジット44を基部B上に形成することによって、カプセル化される材料が、基部B上に適用される。次のステップにおいて、第2のコア材料c2が適用され、および局所的に硬化し、硬化した第2の材料c2のデポジット45を基部B上に形成する。次いで、図3に示される態様のデポジット36および38と同様の方法で、蓋部Lは、硬化した障壁材料lのデポジット46および48を蓄積することによって形成される。1つの基部B上に蓄積した硬化した第1のコア材料c1のデポジット44および硬化した第2のコア材料c2のデポジットがコアCを形成する。コアCは、基部Bおよび蓋部Lによって、すなわちデポジット42、デポジット46およびデポジット48によって完全にカプセル化される。
【0102】
図5のポケット50は、図3および図4に示される態様においてなされたものと同様の方法で、障壁材料bを適用し、および局所的に硬化し、基質51上に硬化した障壁材料bのデポジット52を形成することによって、最初に基部Bを形成することにより得られる。続いて、第1のコア材料c1を適用し、局所的に硬化し、硬化した第1のコア材料c1のデポジット54を基部B上に形成することによって、カプセル化される材料の第1の層が基部B上に適用される。次いで、硬化した障壁材料lのデポジット56が基部B上に蓄積された第のコア材料c1の外側縁を保護するように、障壁材料lを、適用し、および局所的に硬化し、硬化した障壁材料lのデポジット56を基部Bの上部かつ硬化した第1のコア材料c1のデポジット54に接して形成する。次のステップにおいて、第2のコア材料c2を適用し、および局所的に硬化して、硬化した第2のコア材料c2のデポジット55をデポジット54の上部に形成することによって、カプセル化される材料の第2の層をデポジット54上に適用する。次いで、図3に示される態様のデポジット36および38ならびに図4に示される態様のデポジット46および48と同様の方法で、障壁材料lを適用し、局所的に硬化して、硬化した障壁材料lのデポジット57および58を形成する。
【0103】
図6は、カプセル化された材料のポケット60の1つの基質から別の基質への移行を示す。図6(i)は、剥離層62、例えば、熱剥離層を備え付けられた基質61上に形成されたカプセル化された材料のポケット60を示す。次いで、図6(ii)に示されるとおり、カプセル化された材料のポケット60を備え付けられた基質61を裏返して、および硬化していない樹脂64の薄層に軽く押し付ける。続いて、図6(iii)に示されるとおり、カプセル化された材料のポケット60を備えた基質61を、LEDアレイ66、例えば、青色LEDアレイの上部にはめ込む。各ポケット60は、それによってLEDと接触する。最終的に、例えば、熱を適用して熱剥離層62を取り除くことによって、基質61を取り除く(図6(iv))。
【0104】
好ましい方法において、カプセル化された材料のポケット60上に適用された薄層68の樹脂を硬化させることができるようにLEDを局所的に加熱するまでLEDを照らし、よってポケット60のLEDへの接着を確実にし、および/または基質61からポケット60を開放する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】