IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ レイセオン カンパニーの特許一覧

特表2024-512229一体型シール要素を備えたケーブルアセンブリ
<>
  • 特表-一体型シール要素を備えたケーブルアセンブリ 図1
  • 特表-一体型シール要素を備えたケーブルアセンブリ 図2
  • 特表-一体型シール要素を備えたケーブルアセンブリ 図3
  • 特表-一体型シール要素を備えたケーブルアセンブリ 図4
  • 特表-一体型シール要素を備えたケーブルアセンブリ 図5
  • 特表-一体型シール要素を備えたケーブルアセンブリ 図6
  • 特表-一体型シール要素を備えたケーブルアセンブリ 図7A
  • 特表-一体型シール要素を備えたケーブルアセンブリ 図7B
  • 特表-一体型シール要素を備えたケーブルアセンブリ 図8
  • 特表-一体型シール要素を備えたケーブルアセンブリ 図9
  • 特表-一体型シール要素を備えたケーブルアセンブリ 図10
  • 特表-一体型シール要素を備えたケーブルアセンブリ 図11
  • 特表-一体型シール要素を備えたケーブルアセンブリ 図12
  • 特表-一体型シール要素を備えたケーブルアセンブリ 図13
  • 特表-一体型シール要素を備えたケーブルアセンブリ 図14
  • 特表-一体型シール要素を備えたケーブルアセンブリ 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】一体型シール要素を備えたケーブルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H05K 9/00 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
H05K9/00 L
H05K9/00 C
H05K9/00 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548821
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-08-14
(86)【国際出願番号】 US2021062379
(87)【国際公開番号】W WO2022173498
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】17/176,090
(32)【優先日】2021-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】デルジェニオ,ジョゼフ エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ハンプトン,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】グリックマン,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ロンバード,トレイシー
【テーマコード(参考)】
5E321
【Fターム(参考)】
5E321AA01
5E321AA03
5E321AA11
5E321AA21
5E321AA23
5E321BB32
5E321BB35
5E321BB41
5E321BB57
5E321BB60
5E321CC16
5E321CC30
5E321GG09
(57)【要約】
電気システム用のアセンブリが提供される。この電気システムアセンブリには、電気ケーブルとシール要素が含まれる。シール要素は電気ケーブルを取り囲み、電気ケーブルと一体的に構成される。シール要素は、導電性ポリマー複合材料から構成されるか、そうでなければ導電性ポリマー複合材料を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気システム用のアセンブリであって、
電気ケーブルと、
前記電気ケーブルを取り囲み、前記電気ケーブルと一体的に構成されるシール要素であって、導電性ポリマー複合材料を含む、前記シール要素と、
を含む、アセンブリ。
【請求項2】
前記電気ケーブルが可撓性のリボンケーブルとして構成されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記電気ケーブルが、シースと前記シース内の導電体とを含み、
前記シール要素が前記シースに直接接着されている、
請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記導電性ポリマー複合材料が、ポリマー発泡体と、前記ポリマー発泡体内に埋め込まれた複数の金属粒子とを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記導電性ポリマー複合材料が、無線周波数(RF)信号の伝送を遮断するように構成されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記シール要素が第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、
前記電気ケーブルが前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間にある、
請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記シール要素が多角形の断面形状を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記シール要素を前記電気ケーブルに接着する導電性接着剤をさらに含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
壁を含むハウジングをさらに含み、
前記電気ケーブルが前記壁の開口部を通過し、
前記シール要素が前記開口部内に設置され、前記シール要素は前記電気ケーブルと前記ハウジングとの間の環状隙間を塞ぐように構成されている、
請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記壁が第1の面と第2の面とを有し、前記開口部は前記第1の面と前記第2の面との間で前記壁を通って延び、
かつ、
前記シール要素の第1の部分は前記第1の面から突出するか、または
前記シール要素の第2の部分は前記第2の面から突出するか、
のうち少なくとも1つである、
請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記開口部が、前記壁にダブテールスロットを含む、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記ハウジングが蓋をさらに含み、
前記シール要素が前記壁と前記蓋との間に挟まれている、
請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記ハウジングが、第1のコンパートメント及び第2のコンパートメントを備えて構成されており、
前記壁が、前記第1のコンパートメントと前記第2のコンパートメントとの間にあり、
前記電気ケーブルの第1の端部は前記第1のコンパートメント内にあり、
前記電気ケーブルの第2の端部は前記第2のコンパートメント内にある、
請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項14】
電気システム用のアセンブリであって、
第1のコンパートメント、第2のコンパートメント、及び前記第1のコンパートメントと前記第2のコンパートメントとの間にあり前記第1のコンパートメント及び前記第2のコンパートメントを形成する壁を含むハウジングであって、前記壁は開口部を備えて構成されている、前記ハウジングと、
電気ケーブル及びシール要素を含むケーブルアセンブリであって、少なくとも前記開口部を通る無線周波数信号の伝送を防止するように構成されている、前記ケーブルアセンブリと、
を含み、
前記電気ケーブルは、前記開口部を通って前記第1のコンパートメント及び前記第2のコンパートメント内に延び、
前記シール要素は前記開口部に設置され、前記電気ケーブルに接着されている、
アセンブリ。
【請求項15】
前記シール要素が前記電気ケーブルを取り囲む、請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記シール要素が導電性ポリマー複合材料を含む、請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記シール要素が第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントは前記開口部内に設置され、
前記電気ケーブルが前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間にある、
請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項18】
製造方法であって、
シール要素を電気ケーブルと一体的に形成してケーブルアセンブリを提供することと、
前記ケーブルアセンブリをハウジングと共に配置することであって、前記ハウジングは壁と、前記壁を通って延びる開口部とを含み、前記電気ケーブルは前記開口部を通って突出し、前記シール要素は、前記ケーブルアセンブリが前記開口部を塞いで少なくとも前記開口部を通した無線周波数信号の伝送を防ぐように構成されるように、前記開口部内に設置される、前記配置することと、
を含む製造方法。
【請求項19】
前記シール要素が第1のセグメントと第2のセグメントとを含み、
前記シール要素を前記形成することが、前記電気ケーブルを前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとに接着することを含み、前記電気ケーブルは前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間にある、
請求項18に記載の製造方法。
【請求項20】
前記シール要素が導電性ポリマー複合材料を含む、請求項18に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年2月15日に出願された米国特許出願第17/176,090号の優先権の利益を主張するものであり、この出願は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
政府のライセンス権
本発明は、米国国防総省から授与された契約番号FA8730-17-C-0010の下、政府の援助を受けてなされた。米国政府は、本発明における一定の権利を有する。
【0003】
本開示は、一般に電気システムに関し、より具体的には、電気システム用のケーブルアセンブリに関する。
【背景技術】
【0004】
コントローラなどの電気システムは、電気回路を収容するための内部コンパートメントを含む場合がある。内部コンパートメントの外側にあるデバイスと通信する際には、電気回路に接続されたケーブルをハウジングの壁の穴に通す場合がある。しかしながら、環境の細片(例えば、塵)及び/または不要な信号(例えば、ノイズ)も穴を通過する可能性がある。このような細片やノイズは、電気回路の正常な動作を妨げる可能性がある。したがって、特に穴をシールするようハウジングを組み立てる場合には、ケーブルに係合する個別のガスケットをハウジングに設けることが当技術分野では知られている。しかしながら、このようなガスケットの配置は、壁がハウジングの内部に位置する場合には困難となる場合がある。壁にシールされた端子(例えば、レセプタクル)を設けることも知られており、その場合はコンパートメント内のケーブルが端子の一方の側に嵌合され、コンパートメント外のケーブルが端子のもう一方の側に嵌合される。しかしながら、このようなシールされた端子は嵩張ることが多く、コンパクトなサイズの電気システムには適さない場合がある。したがって、当技術分野では改良されたケーブルアセンブリが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様によれば、電気システム用のアセンブリが提供される。この電気システムアセンブリには、電気ケーブルとシール要素が含まれる。シール要素は電気ケーブルを取り囲み、電気ケーブルと一体的に構成される。シール要素は、導電性ポリマー複合材料から構成されるか、そうでなければ導電性ポリマー複合材料を含む。
【0006】
本開示の別の態様によれば、電気システム用の別のアセンブリが提供される。この電気システムアセンブリには、ハウジングとケーブルアセンブリが含まれる。ハウジングは、第1のコンパートメント、第2のコンパートメント及び壁を含む。壁は、第1のコンパートメントと第2のコンパートメントとの間にあり、第1のコンパートメントと第2のコンパートメントを形成する。壁は開口部を備えて構成されている。ケーブルアセンブリには、電気ケーブルとシール要素が含まれる。ケーブルアセンブリは、少なくとも無線周波数信号が開口部を通って伝送されるのを防ぐように構成されている。電気ケーブルは、開口部を通って第1のコンパートメント及び第2のコンパートメント内に延びる。シール要素は開口部に設置され、電気ケーブルに接着される。
【0007】
本開示の別の態様によれば、製造方法が提供される。この製造方法では、シール要素が電気ケーブルと一体的に形成されてケーブルアセンブリが提供される。ケーブルアセンブリはハウジングと共に配置される。ハウジングは、壁と、壁を通って延びる開口部とを含む。電気ケーブルは開口部から突き出ている。シール要素は、ケーブルアセンブリが開口部を塞ぐように開口部内に設置され、開口部を通る無線周波数信号の伝送を少なくとも防止するように構成される。
【0008】
シール要素は、第1のセグメントと第2のセグメントを含むことができる。シール要素の形成は、電気ケーブルを第1のセグメントと第2のセグメントとに接着することを含んでもよく、電気ケーブルは第1のセグメントと第2のセグメントとの間にある。
【0009】
シール要素は、導電性ポリマー複合材料から構成され得るか、そうでなければ導電性ポリマー複合材料を含み得る。
【0010】
電気ケーブルは、可撓性のリボンケーブルとして構成され得る。
【0011】
電気ケーブルは、シースと、シース内の導電体とを含むことができる。シール要素はシースに直接接着されてもよい。
【0012】
導電性ポリマー複合材料は、ポリマー発泡体と、ポリマー発泡体内に埋め込まれた複数の金属粒子とを含むことができる。
【0013】
導電性ポリマー複合材料は、無線周波数(RF)信号の伝送を遮断するように構成され得る。
【0014】
シール要素は、第1のセグメントと第2のセグメントを含むことができる。電気ケーブルは、第1のセグメントと第2のセグメントとの間にあってもよい。
【0015】
シール要素は、多角形の断面形状を有していてもよい。
【0016】
電気システムアセンブリは、導電性接着剤を含んでもよい。この導電性接着剤は、シール要素を電気ケーブルに接着することができる。
【0017】
電気システムアセンブリは、ハウジングを含んでもよい。このハウジングは壁を含んでもよい。電気ケーブルは壁の開口部を通過することができる。シール要素は開口部内に設置されてもよい。シール要素は、電気ケーブルとハウジングとの間の環状隙間を塞ぐように構成され得る。
【0018】
壁は第1の面と第2の面を有してもよい。開口部は、第1の面と第2の面との間の壁を通って延びることができる。シール要素の第1の部分は、第1の面から突出することができる。加えて、または代わりに、シール要素の第2の部分が第2の面から突出することができる。
【0019】
開口部は、壁のダブテールスロットとして構成されてもよいし、そうでなければダブテールスロットを含んでもよい。
【0020】
ハウジングはまた、蓋を含んでもよい。シール要素は、壁と蓋との間に挟まれ得る。
【0021】
ハウジングは、第1のコンパートメント及び第2のコンパートメントを備えて構成され得る。壁は、第1のコンパートメントと第2のコンパートメントとの間にあってもよい。電気ケーブルの第1の端部は、第1のコンパートメント内にあってもよい。加えて、または代わりに、電気ケーブルの第2の端部は第2のコンパートメント内にあってもよい。
【0022】
シール要素は電気ケーブルを取り囲んでもよい。
【0023】
シール要素は、導電性ポリマー複合材料から構成され得るか、そうでなければ導電性ポリマー複合材料を含み得る。
【0024】
シール要素は、第1のセグメントと第2のセグメントを含むことができる。第1のセグメント及び第2のセグメントは、開口部内に設置され得る。電気ケーブルは、第1のセグメントと第2のセグメントとの間にあってもよい。
【0025】
本開示は、上記及び/または下記に開示される個々の特徴の任意の1つまたは複数を単独で、またはそれらの任意の組み合わせで含み得る。
【0026】
本発明の特徴及び動作は、下記の説明及び添付図面に照らして、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】電気システムの概略図である。
図2】電気システムのハウジングのx-z平面における断面図である。
図3図2の線3-3に沿ったx-y平面における電気システムハウジングの断面図である。
図4図2の線4-4に沿ったy-z平面における電気システムハウジングの断面図である。
図5】電気システムハウジングのベース上の蓋を外した電気システムの斜視図である。
図6】破線で概略的に示された隠れた内部導電体を有するケーブルアセンブリの図である。
図7A図6の線7A-7Aに沿ったケーブルアセンブリ用の電気ケーブルの断面図である。
図7B図6の線7B-7Bに沿ったケーブルアセンブリ用の別の電気ケーブルの断面図である。
図8図6の線8-8に沿ったケーブルアセンブリの断面図であり、ここでは、説明を容易にするために、電気ケーブルが内部部品なしで示されている。
図9】シール要素材料の一部の断面図である。
図10】電気システムのy-z平面における部分断面図である。
図11】電気システムのx-z平面における部分断面図である。
図12】スロット/開口部の周囲及びシール要素の周囲を概略的に示す。
図13】電気システムハウジングのy-z平面における部分断面図である。
図14】ケーブルアセンブリの断面図である。
図15】電気システムを製造する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は電気システム20を示す。この電気システム20は、電気システム及び/または電子システムとして構成されてもよく、または電気システム及び/または電子システムを含んでもよい。電気システム20は、例えば、航空機、地上及び/または水上車両または装置用のコントローラとして構成され得る。しかしながら、本開示は、このような例示的な電気システム構成に限定されない。例えば、電気システム20は、さらに、または代替として、通信システム、監視システム、ジャンクションボックス、及び/または本明細書に開示されるような1つまたは複数のケーブルアセンブリを利用することができる他の任意の電気システムとして構成され得るか、またはそれらを含むことができる。
【0029】
図1の電気システム20は、第1の電気部品22、第2の電気部品24、及び1つまたは複数の単体の独立型ケーブルアセンブリ26A及び26B(総称して「26」と呼ばれる)を含む。図1の電気システム20は、電気システム部品22、24、及び26のうちの1つまたは複数を収容するための電気システムハウジング28も含む。
【0030】
図2を参照すると、電気システムハウジング28は、1つまたは複数の内部コンパートメント30A及び30B(総称して「30」と呼ばれる)、例えば、チャンバー、キャビティなどを備えて構成される。図2の内部コンパートメント30は、電気システムハウジング28のベース32及び蓋34によって集合的に形成される。
【0031】
図2のハウジングベース32は、ベース壁36(例えば、底壁)、外周壁38(例えば、外壁)、及び少なくとも1つの内壁40(例えば、内部壁、隔壁、仕切りなど)を含む。ベース壁36は、電気システムハウジング28の第1の(例えば、底部)端部42に位置する平面壁であってもよい。図3を参照すると、ベース壁36は、電気システムハウジング28の対向する第1の側部44と第2の側部46との間で長さ方向に(例えば、x軸に沿って)延びる。ベース壁36は、電気システムハウジング28の対向する第3の側部48と第4の側部50との間で幅方向に(例えば、y軸に沿って)延びる。
【0032】
外周壁38はベース壁36に接続されている。外周壁38は、ハウジング側部44、46、48、及び50のうちの1つまたは複数に(例えば、その上に、隣接して、または近接して)位置する。外周壁38は、縦横(例えば、x-y)平面において電気システムハウジング28の周囲境界を提供する(例えば、長方形の)管状構成を有する。図3の外周壁38は、例えば、複数の外周壁セグメント52~55を含む。第1の壁セグメント52は、ハウジングの第1の側部44に位置する。第2の壁セグメント53は、ハウジングの第2の側部46に位置する。第3の壁セグメント54は、ハウジングの第3の側部48に位置する。第4の壁セグメント55は、ハウジングの第4の側部50に位置する。図3の第1の壁セグメント52及び第2の壁セグメント53のそれぞれは、第3の壁セグメント54と第4の壁セグメント55との間で幅方向に(例えば、y軸に沿って)延び、第3の壁セグメント54と第4の壁セグメント55とに接続されている。図3の第3の壁セグメント54及び第4の壁セグメント55のそれぞれは、第1の壁セグメント52と第2の壁セグメント53との間で長さ方向に(例えば、x軸に沿って)延び、第1の壁セグメント52と第2の壁セグメント53とに接続されている。図2を参照すると、壁セグメント52~55のそれぞれは、ベース壁36から外周壁38の遠位端58まで垂直に(例えば、z軸に沿って)突出し、この外周壁遠位端58は、電気システムハウジング28の第2の(例えば、上部)端部60に近接してもよい。
【0033】
内壁40はベース壁36に接続されている。内壁40は、ベース壁36から内壁40の遠位端62まで垂直に(例えば、z軸に沿って)突き出ている。この内壁遠位端62は、外周壁遠位端58と同一平面上にあってもよい(図3及び図4も参照)。内壁40は、対向面64及び66、例えば壁面を有し、それらの間で長さ方向(例えば、x軸に沿って)に延びる。図3を参照すると、内壁40は、第3の壁セグメント54と第4の壁セグメント55との間で幅方向に(例えば、y軸に沿って)延び、第3の壁セグメント54と第4の壁セグメント55とに接続されている。図4も参照されたい。
【0034】
図3の内壁40は、1つまたは複数のスロット68A及び68B(総称して「68」と呼ばれる)、例えばチャネル、ノッチなどを含む。これらのスロット68は、第3の壁セグメント54と第4の壁セグメント55との間の内壁40に沿った幅方向(例えば、y軸)のそれぞれの別個の位置に配置される。これらのスロット68のそれぞれは、内壁の第1の面64と内壁の第2の面66との間で内壁40を通って長さ方向に(例えば、x軸に沿って)延びる。スロット68のそれぞれは、それぞれの対向するスロット側面70A、70B(総称して「70」と呼ばれる)と72A、72B(総称して「72」と呼ばれる)の間で内壁40内を幅方向に(例えば、y軸に沿って)延びる。図4も参照されたい。図4を参照すると、スロット68のそれぞれは、内壁遠位端62からそれぞれのスロット端面74A、74B(総称して「74」と呼ばれる)まで内壁40内に垂直に(例えば、z軸に沿って)延びる。
【0035】
図2及び図4を参照すると、ハウジング蓋34は、ハウジングの第2の端部60でハウジングベース32の開放端を囲むように構成される。図2及び図4のハウジング蓋34は、例えば、ハウジングベース32、より具体的には、ハウジングベース部品40及び52~55の1つまたは複数またはすべてと係合する(例えば、垂直にシールする、接触するなど)平面部材として構成される。ハウジング蓋34は、ハウジングベース32に取り外し可能に取り付けられてもよい(例えば、機械的に固定されてもよい)。図2のハウジング蓋34は、ハウジングの第1の側部44とハウジングの第2の側部46との間でそれらに達して長さ方向に(例えば、x軸に沿って)に延びる。図4のハウジング蓋34は、ハウジングの第3の側部48とハウジングの第4の側部50との間でそれらに達して幅方向に(例えば、y軸に沿って)に延びる。
【0036】
図3を参照すると、第1のコンパートメント30Aは、第1の壁セグメント52と内壁40及びその第1の面64との間で長さ方向に(例えば、x軸に沿って)延び、それらによって形成される。第1のコンパートメント30Aは、第3の壁セグメント54と第4の壁セグメント55との間で幅方向に(例えば、y軸に沿って)延び、第3の壁セグメント54と第4の壁セグメント55とによって形成される。図2を参照すると、第1のコンパートメント30Aは、ベース壁36とハウジング蓋34との間で垂直に(例えば、z軸に沿って)延び、ベース壁36とハウジング蓋34とによって形成される。
【0037】
図3を参照すると、第2のコンパートメント30Bは、第2の壁セグメント53と内壁40及びその第2の面66との間で長さ方向に(例えば、x軸に沿って)延び、それらによって形成される。第2のコンパートメント30Bは、第3の壁セグメント54と第4の壁セグメント55との間で幅方向に(例えば、y軸に沿って)延び、第3の壁セグメント54と第4の壁セグメント55とによって形成される。図2を参照すると、第2のコンパートメント30Bは、ベース壁36とハウジング蓋34との間で垂直に(例えば、z軸に沿って)延び、ベース壁36とハウジング蓋34とによって形成される。
【0038】
図4を参照すると、第1のスロット68Aはハウジング蓋34によって囲まれる。これにより、ハウジング蓋34及び内壁40は、電気システムハウジング28内に第1の開口部76A(例えば、貫通孔)を集合的に形成することができる。以下に説明するように(図5を参照)、第1のスロット68Aが第1のケーブルアセンブリ26Aを受け入れる前に、第1の開口部76A/第1のスロット68Aは第1のコンパートメント30Aと第2のコンパートメント30Bを一緒に流体連結する。図3も参照されたい。
【0039】
第2のスロット68Bはハウジング蓋34によって囲まれる。これにより、ハウジング蓋34及び内壁40は、電気システムハウジング28内に第2の開口部76B(例えば、貫通孔)を集合的に形成することができる。以下に説明するように(図5を参照)、第2のスロット68Bが第2のケーブルアセンブリ26Bを受け入れる前に、第2の開口部76B/第2のスロット68Bは第1のコンパートメント30Aと第2のコンパートメント30Bを一緒に流体連結する。図3も参照されたい。
【0040】
電気システムハウジング28及びその部品32及び34のそれぞれは、限定されないが、金属などの導電性材料から構築され得る。導電性材料の例には、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、炭素(C)、及び前述の金属の1つまたは複数を含む合金などの(例えば、耐食性)金属合金が含まれ得るが、これらに限定されない。導電性材料は、保護コーティングでコーティングされてもよく、このコーティングは、それぞれの構成要素(例えば、28、32、34)に腐食保護を提供するように選択されてもよい。
【0041】
図5を参照すると、第1の電気部品22は、電子回路として構成されてもよく、あるいは電子回路を含んでもよい。図5の第1の電気部品22は、例えば、プリント回路基板(PCB)78及び1つまたは複数の回路要素(例えば、80A~H、総称して「80」と呼ばれる)、例えば電子部品を含む。これらの回路要素80は、プリント回路基板78に取り付けられる。回路要素80のそれぞれは、プリント回路基板78上の1つまたは複数のそれぞれの導電経路(例えば、トラック)と電気的に連結される。回路要素80の例には、処理デバイス(複数可)、メモリデバイス(複数可)、抵抗器(複数可)、コンデンサ(複数可)、トランジスタ(複数可)、インダクタ(複数可)、ダイオード(複数可)、スイッチ(複数可)、入力装置(複数可)、出力装置(複数可)などが含まれるが、これらに限定されない。図5の各回路要素80A及び80Bは、特に、端子82A、82B(総称して「82」と呼ばれる)、例えば、これに限定されないが、レセプタクルなどの入力及び/または出力(I/O)デバイスとして構成される。
【0042】
第1の電気部品22は、第1のコンパートメント30A内に配置される。第1の電気部品22は、電気システムハウジング28、より具体的には、例えばベース壁36に取り付けられる。
【0043】
第2の電気部品24は、電子回路として構成されてもよく、あるいは電子回路を含んでもよい。図5の第2の電気部品24は、例えば、プリント回路基板(PCB)84及び1つまたは複数の回路要素(例えば、86A~F、総称して「86」と呼ばれる)、例えば電子部品を含む。これらの回路要素86は、プリント回路基板84に取り付けられる。回路要素86のそれぞれは、プリント回路基板84上の1つまたは複数のそれぞれの導電経路(例えば、トラック)と電気的に連結される。回路要素86の例には、処理デバイス(複数可)、メモリデバイス(複数可)、抵抗器(複数可)、コンデンサ(複数可)、トランジスタ(複数可)、インダクタ(複数可)、ダイオード(複数可)、スイッチ(複数可)、入力装置(複数可)、出力装置(複数可)などが含まれるが、これらに限定されない。図5の各回路要素86は、特に、端子88A、88B(総称して「88」と呼ばれる)、例えば、これに限定されないが、レセプタクルなどの入力及び/または出力(I/O)デバイスとして構成される。
【0044】
第2の電気部品24は、第2のコンパートメント30B内に配置される。第2の電気部品24は、電気システムハウジング28、より具体的には、例えばベース壁36に取り付けられる。
【0045】
ケーブルアセンブリ26A、26Bのそれぞれは、(例えば、可撓性の)電気ケーブル90A、90B(総称して「90」と呼ばれる)及びシール要素92A、92B(総称して「92」と呼ばれる)を含む。図5のケーブルアセンブリ26のそれぞれはまた、1つまたは複数の端子94A、94B(総称して「94」と呼ばれる)及び96A、96B(総称して「96」と呼ばれる)、例えば、これに限定されないが、プラグなどの入力及び/または出力(I/O)デバイスを含む。
【0046】
図6を参照すると、電気ケーブル90は、電気を伝送し、及び/または信号を通信するように適合されている。この電気ケーブル90は、(例えば、シールドされた)同軸リボンまたは(例えば、シールドされた)フレックスケーブルなどの(例えば、可撓性の)リボンケーブルであってもよいが、これらに限定されない。図6の電気ケーブル90は、電気ケーブル90の対向する長手方向端部100及び102の間で、それぞれのケーブルアセンブリ26の長手方向中心線98に沿って長手方向に延びる長さを有する。
【0047】
図6の電気ケーブル90は、シース104と、シース104内に少なくとも部分的に配置される、及び/またはシース104によって覆われる1つまたは複数の導電体106とを含む。導電体106は、導電性ワイヤまたは導電性層、例えば、積層体内の薄膜として構成され得る。各導電体106は、金属、例えば、銅(Cu)などの導電性材料から構築され得る。シース104は、ポリマーなどの誘電性/非導電性材料から構築され得る。
【0048】
図7A及び7Bを参照すると、電気ケーブル90はまた、限定されないが、織物金属または不織金属などのシールド材料108を含んでもよい。このシールド材料108は、1つまたは複数の導電体106を外部干渉からシールドするように適合されている。図7Aを参照すると、シールド材料108は、それぞれの個別の導電体106の周囲に巻き付けられてもよい。図7Bを参照すると、シールド材料108は、代替的に(またはさらに)導電体106のグループの周囲に巻き付けられてもよい。図7A及び7Bのシールド材料108は、シース104内に埋め込まれてもよく、あるいはシース104によって覆われてもよい。
【0049】
図6を参照すると、シール要素92は、ケーブルの第1の端部100とケーブルの第2の端部102との間の中心線98に沿って長手方向に、例えば、端部100と端部102との間のほぼ中間に配置される。シール要素92は、電気ケーブル90と一体的に構成される。シール要素92は、例えば、電気ケーブル90に接着(例えば、付着)されてもよい。あるいは、シール要素92は、電気ケーブル90上に共に成形されてもよい。
【0050】
図8のシール要素92は、電気ケーブル90の中間部分を包み込む/取り囲む。シール要素92は、シール要素92の対向する第1の側部110及び第2の側部112の間でそれらに達して側方に延びる。シール要素92は、シール要素92の対向する第3及び第4の側部114及び116の間でそれらに達して横方向に延び、シール要素の側部114及び116のそれぞれは、シール要素の側部110及び112の間でそれらに達して側方に延びる。図6を参照すると、シール要素92は、シール要素92の対向する第1の端部118及び第2の端部120の間でそれらに達して中心線98に沿って長手方向に延び、シール要素の側部110、112、114及び116のそれぞれがシール要素の端部118及び120の間でそれらに達して長手方向に延びる。
【0051】
図8のシール要素92は、複数のセグメント122及び124、例えば、半分を含む。シール要素の第1のセグメント122は、シール要素の第3の側部114に位置する。シール要素の第2のセグメント124は、シール要素の第4の側部116に位置する。各シール要素のセグメント122、124は、シール要素の側部110及び112の間でそれらに達して側方に延びる。したがって、シール要素のセグメント122及び124の側面126A及び126B、128A及び128Bは、シール要素の側部110、112においてそれぞれ同一平面である。各シール要素のセグメント122、124は、それぞれのシール要素の側部114、116からそれぞれの境界面130、132まで横方向に延びる。図6を参照すると、各シール要素のセグメント122、124(図8の124を参照)は、シール要素の端部118及び120の間でそれらに達して長手方向に延びる。
【0052】
図8を参照すると、シール要素の第1のセグメント122は、電気ケーブル90の第1の側部134の隣に配置される。第1のセグメント境界面130は、例えば導電性の非腐食性及び/または感圧性接着剤などの導電性接着剤によって、電気ケーブル90/シース104に(例えば直接的に)接着される。導電性接着剤の例としては、導電性シリコン接着剤、及び、導電性室温加硫(RTV)接着剤、例えば、導電性RTVシリコン接着剤が挙げられ得るが、これらに限定されない。シール要素の第2のセグメント124は、シール要素の第1のセグメント122及びその境界面130と同様に、電気ケーブル90の第2の側部136に隣接して配置される。第2のセグメント境界面132は、例えば導電性接着剤によって電気ケーブル90/シース104及び第1のセグメント境界面130に(例えば直接的に)接着される。電気ケーブル90の中間部分は、シールセグメントセグメント122と124との間に配置される(例えば、挟まれる)。これにより、電気ケーブル90の中間部分は、シール要素92内に側方及び横方向に配置され、シール要素92によって長手方向に覆われる。
【0053】
シール要素92及びそのセグメント122及び124は、そこを通る信号ノイズ、例えば、少なくとも無線周波数(RF)信号などであるが、これに限定されない電磁干渉(EMI)、の伝送を遮断するように適合された材料から構築され得る。シール要素92及びそのセグメント122及び124は、例えば、導電性ポリマー複合材料から構築され得る。図9を参照すると、この複合材料は、(例えば、独立気泡の)ポリマー発泡体138と、ポリマー発泡体138内に埋め込まれた複数の導電性(例えば、金属)粒子140とを含むことができる。ポリマー発泡体138の一例は、(例えば、導電性、低密度の)ウレタン発泡体である。導電性粒子140の一例は、銀(Ag)メッキされた銅(Cu)粒子である。しかしながら、本開示は、前述の例示的な発泡体/粒子材料に限定されない。さらに、シール要素の材料は、特定の環境要素、例えば、ほこり、湿気などの通過を遮断するように適合されてもよい。
【0054】
図10を参照すると、ケーブルアセンブリ26のそれぞれは、スロット68/開口部76A及び76B(総称して「76」と呼ばれる)のそれぞれ1つと嵌合される。特に、各シール要素92及びそのセグメント122及び124は、スロット68/開口部76のそれぞれの1つの中に設置される。図10及び11を参照すると、各シール要素の第3の側部114は、スロット端面74のそれぞれ1つに係合する(例えば、垂直に押し付けられる)。各シール要素の第4の側部116は、ハウジング蓋34の内面142に係合する(例えば、垂直に押し付けられる)。図10を参照すると、各シール要素の側部110、112は、スロット側面70、72のそれぞれ1つに係合する(例えば、幅方向に押し付けられる)。これにより、各シール要素92は、電気ケーブル90のそれぞれ1つと電気システムハウジング28との間の(例えば、環状の)隙間をシールする/塞ぐ。換言すれば、各ケーブルアセンブリ26(例えば、シール要素92と電気ケーブル90の組み合わせ)は、開口部76のそれぞれ1つをシールする/塞ぐ。この配置により、図11を参照すると、各電気ケーブル90は、第1のコンパートメント30Aから第2のコンパートメント30Bまで開口部76のそれぞれ1つを通過し(例えば、延び、突出し)、一方、それぞれのケーブルアセンブリ26及びそのシール要素92は、それぞれの開口部76を通るコンパートメント30間の望ましくない信号(例えば、RF信号)の伝送を防止または低減する。
【0055】
各シール要素92の長さ144は、内壁40の幅146より大きくてもよい。図11の各シール要素92の第1の部分は、内壁の第1の面64から第1のコンパートメント30A内に端部118まで突き出ている。図11の各シール要素92の第2の部分は、さらに(または代わりに)、内壁の第2の面66から第2のコンパートメント30B内に端部120まで突き出ている。
【0056】
図12を参照すると、各シール要素92の寸法(例えば、幅148及び/または高さ150)は、それぞれのケーブルアセンブリ26(図6参照)を電気システムハウジング28(図2~4参照)と組み立てる前に、それぞれの開口部76の対応する寸法(例えば、幅152及び/または高さ154)よりも大きいサイズにすることができる。したがって、各シール要素92が図10及び図11のそれぞれのスロット68内に挿入/設置されると、シール要素材料は(例えばわずかに)圧縮され、ハウジング部品32及び34に押し付けられる。
【0057】
再び図5を参照すると、各電気ケーブル90の第1の部分及び端部は、第1のコンパートメント30A内に配置される。各電気ケーブル90の第2の部分及び端部は、第2のコンパートメント30B内に配置される。端子94、96のそれぞれは、端子82、88のそれぞれ1つと嵌合される(例えば、差し込まれる)。これにより、各ケーブルアセンブリ26は、第1のコンパートメント30Aの第1の電気部品22を第2のコンパートメント30Bの第2の電気部品24に電気的に連結する。
【0058】
いくつかの実施形態では、図4を参照すると、各スロット68及び関連する開口部76は、例えば、関連する電気ケーブル90の長さ及び/または関連するケーブルアセンブリ26(図6を参照)の長手方向の中心線98に垂直な平面、例えば、図4の平面で見たときに、多角形の断面形状を有することができる。この多角形の断面形状は、図4に示すような長方形の断面形状であってもよい。あるいは、図13を参照すると、多角形の断面形状は、(例えば、二等辺)台形の断面形状であってもよい。各スロット68は、例えば、ダブテールスロットとして構成され得る。当然のことながら、本開示は、前述の例示的な断面形状に限定されない。
【0059】
いくつかの実施形態では、図8を参照すると、各シール要素92は、例えば、関連する電気ケーブル90の長さ及び/または関連するケーブルアセンブリ26の長手方向の中心線98に垂直な平面、例えば、図8の平面で見たときに、多角形の断面形状を有することができる。この多角形の断面形状は、図8に示すような長方形の断面形状であってもよい。あるいは、図14を参照すると、多角形の断面形状は、(例えば、二等辺)台形の断面形状であってもよい。当然のことながら、本開示は、前述の例示的な断面形状に限定されない。
【0060】
いくつかの実施形態では、各シール要素92及び各関連するスロット68/開口部76は、同様の/共通の断面幾何形状を有し得る。例えば、各シール要素92は、図8または図14の断面幾何形状を有してもよく、各関連する各スロット68/開口部76は、図4または図13の断面幾何形状を有してもよい。しかしながら、他の実施形態では、シール要素92の少なくとも1つは、関連するスロット68/開口部76とは異なる断面幾何形状を有してもよい。例えば、各シール要素92は、図8の断面幾何形状を有してもよく、各関連する各スロット68/開口部76は、図13の断面幾何形状を有してもよい。このような構成により、各スロット68の側面70及び72は、組立中(例えば、スロット68と嵌合した後だがハウジング蓋34の配置前)、関連するケーブルアセンブリ26を保持することができる。
【0061】
図15は、電気システムを製造する方法1500のフロー図である。説明を容易にするために、以下では電気システムを上述の電気システム20として説明する。しかしながら、製造方法1500は、このような例示的な電気システムの製造に限定されない。
【0062】
ステップ1502では、電気システムハウジング28が提供される。
【0063】
ステップ1504では、第1の電気部品22が提供される。
【0064】
ステップ1506では、第1の電気部品22は、第1のコンパートメント30A内に配置される。
【0065】
ステップ1508では、第2の電気部品24が提供される。
【0066】
ステップ1510では、第2の電気部品24は、第2のコンパートメント30B内に配置される。
【0067】
ステップ1512では、第1の電気ケーブル90Aが提供される。
【0068】
ステップ1514では、第1のシール要素92Aが第1の電気ケーブル90Aと一体的に形成される。導電性接着剤は、例えば、シール要素の第1のセグメント122の第1のセグメント境界面130に塗布されてもよい。第1の電気ケーブル90Aは、シール要素の第1のセグメント122に隣接して配置され、導電性接着剤によって第1のセグメント境界面130に接着され得る。導電性接着剤はまた、シール要素の第2のセグメント124の境界面132に塗布されてもよい。このシール要素の第2のセグメント124は、第1の電気ケーブル90A及びシール要素の第1のセグメント122に隣接して配置され得る。導電性接着剤は、シール要素の第2のセグメント124を第1の電気ケーブル90Aに接着するだけでなく、シール要素の第2のセグメント124をシール要素の第1のセグメント122に接着して電気的に連結することができる。続いて、接着されたシール要素のセグメント122及び124を切断(例えば、ダイカット)して、第1のシール要素の側部110、112に同一平面126A及び126B、128A及び128Bを提供することができる。
【0069】
第1のシール要素92Aの第1の電気ケーブル90Aへの接着は、第1のシール要素92Aを第1の電気ケーブル90Aに(例えば永久的に)固定することができる。これにより、接着によって、第1のシール要素92A及び第1の電気ケーブル90Aが単体の独立型の第1のケーブルアセンブリ26A内に形成される。換言すれば、第1のケーブルアセンブリ26Aは、完全なユニットであってもよく、独立型の本体として移動されてもよい。これは、例えば、ケーブルがハウジングに配置された後に初めてケーブルと共に配置される個別のシール要素とは対照的である。これは、例えば、ハウジングの縁を蓋にシールするためにも使用される個別のシール要素とも対照的である。
【0070】
ステップ1516では、第2の電気ケーブル90Bが提供される。
【0071】
ステップ1518では、第2のシール要素92Bが第2の電気ケーブル90Bと一体的に形成される。導電性接着剤は、例えば、シール要素の第1のセグメント122の境界面130に塗布されてもよい。第2の電気ケーブル90Bは、シール要素の第1のセグメント122に隣接して配置され、導電性接着剤によって第1のセグメント境界面130に接着され得る。導電性接着剤はまた、シール要素の第2のセグメント124の境界面132に塗布されてもよい。このシール要素の第2のセグメント124は、第2の電気ケーブル90B及びシール要素の第1のセグメント122に隣接して配置され得る。導電性接着剤は、シール要素の第2のセグメント124を第2の電気ケーブル90Bに接着するだけでなく、シール要素の第2のセグメント124をシール要素の第1のセグメント122に接着して電気的に連結することができる。続いて、接着されたシール要素のセグメント122及び124を切断(例えば、ダイカット)して、第2のシール要素の側部110、112に同一平面126A及び126B、128A及び128Bを提供することができる。
【0072】
第2のシール要素92Bの第2の電気ケーブル90Bへの接着は、第2のシール要素92Bを第2の電気ケーブル90Bに(例えば永久的に)固定することができる。これにより、接着によって、第2のシール要素92B及び第2の電気ケーブル90Bが単体の独立型の第2のケーブルアセンブリ26B内に形成される。換言すれば、第2のケーブルアセンブリ26Bは、完全なユニットであってもよく、独立型の本体として移動されてもよい。これは、例えば、ケーブルがハウジングに配置された後に初めてケーブルと共に配置される個別のシール要素とは対照的である。これは、例えば、ハウジングの縁を蓋にシールするためにも使用される個別のシール要素とも対照的である。
【0073】
ステップ1520では、例えば上述したように、各ケーブルアセンブリ26が第1の電気部品22及び第2の電気部品24に電気的に連結される。
【0074】
ステップ1522では、第1のケーブルアセンブリ26A及び第2のケーブルアセンブリ26Bが電気システムハウジング28と共に配置される。例えば、第1のシール要素92Aは、上述のように第1のスロット68A内に設置され得る。同様に、第2のシール要素92Bは、上述のように第2のスロット68B内に設置され得る。続いて、ハウジング蓋34をハウジングベース32に取り付けることができ、これにより、ハウジング蓋34とハウジングベース32及びその内壁40との間に各シール要素92を挟む。
【0075】
本開示の様々な実施形態について説明してきたが、本開示の範囲内でさらに多くの実施形態及び実装が可能であることは当業者には明らかであろう。例えば、本明細書に記載される本開示は、特定の特徴を含むいくつかの態様及び実施形態を含む。これらの特徴は個別に説明することができるが、これらの特徴の一部またはすべてを態様のいずれか1つと組み合わせて本開示の範囲内に留まり得ることは本開示の範囲内である。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等物を考慮する場合を除き、制限されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】