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特表2024-512233直流電熱器具のスマート温度制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】直流電熱器具のスマート温度制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02H 5/04 20060101AFI20240312BHJP
   F24D 13/02 20060101ALI20240312BHJP
   H05B 3/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H02H5/04 170
F24D13/02 G
H05B3/00 310E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549117
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(85)【翻訳文提出日】2023-08-14
(86)【国際出願番号】 KR2022000202
(87)【国際公開番号】W WO2022203171
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0037138
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523309266
【氏名又は名称】エスピー ケア インダストリー カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】523308007
【氏名又は名称】キム ミン ジャ
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】キム ミン ジャ
(72)【発明者】
【氏名】イ ファ ジン
【テーマコード(参考)】
3K058
3L072
【Fターム(参考)】
3K058AA42
3K058BA02
3K058CA04
3K058CA23
3K058CA39
3K058CA52
3K058CB02
3L072AB04
3L072AC02
(57)【要約】
DC電熱器具に感温性絶縁樹脂を用いた感熱線を使用し、正確な温度制御及び局部過熱を防止できる経済的な電熱器具のスマート温度制御装置が提供される。
前記電熱器具の発熱ケーブルは、感温性絶縁樹脂で覆われ、前記直流電源によって発熱される発熱線と;前記感温性絶縁樹脂の外側を螺旋状に巻いた感熱線と;を含み、前記温度制御装置は、前記直流電源を電力制御素子を介して前記発熱線に供給して前記発熱線を発熱させる発熱周期と、前記発熱線にパルス信号電圧を供給して温度感知電流を発生させる温度感知周期とを交互に有するように制御し、前記温度感知周期には、前記パルス信号電圧により前記感温性絶縁樹脂を介して前記感熱線に流れる前記温度感知電流による温度感知電圧信号を入力され、前記温度感知電圧信号に応じて前記発熱周期に前記電力制御素子を制御して前記電熱器具の発熱温度を制御することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源を用いる電熱器具の温度制御装置において、
前記電熱器具の発熱ケーブルは、
感温性絶縁樹脂で覆われ、前記直流電源によって発熱される発熱線と;
前記感温性絶縁樹脂の外側を螺旋状に巻いた感熱線と;を含み、
前記温度制御装置は、
前記直流電源を電力制御素子を介して前記発熱線に供給して前記発熱線を発熱させる発熱周期と、前記発熱線にパルス信号電圧を供給して温度感知電流を発生させる温度感知周期とを交互に有するように制御し、
前記温度感知周期には、前記パルス信号電圧により前記感温性絶縁樹脂を介して前記感熱線に流れる前記温度感知電流による温度感知電圧信号を入力され、前記温度感知電圧信号に応じて前記発熱周期に前記電力制御素子を制御して前記電熱器具の発熱温度を制御する、温度制御装置。
【請求項2】
前記温度制御装置は、前記温度感知周期にOFF/ON出力信号を前記電力制御素子のゲートに1回以上出力して前記電力制御素子をTURN-OFF/ONさせることにより前記パルス信号電圧を生成する、請求項1に記載の温度制御装置。
【請求項3】
前記温度制御装置は、前記温度感知周期を300~1000ms毎に15~30ms間行う、請求項1に記載の温度制御装置。
【請求項4】
前記温度制御装置は、
前記パルス信号電圧が前記感温性絶縁樹脂を介して前記感熱線に流れる温度感知電流を感知し温度感知信号電圧を生成する温度感知信号部と;
前記温度感知信号部の温度感知信号電圧から入力された信号電流を増幅して温度感知制御電圧を生成する温度感知制御電圧変換部と;
前記発熱線に供給する直流電源の供給を制御する前記電力制御素子を含む出力制御部と;及び
プログラムされたプロセスによって、前記電力制御素子に発熱周期及び感知周期に対する制御信号を送信し、前記温度感知制御電圧変換部の温度感知制御電圧を入力され、前記出力制御部の前記電力制御素子のON/OFFを制御することを含む中央制御装置と;を含む、請求項1に記載の温度制御装置。
【請求項5】
前記温度感知信号部は、
前記感熱線の一側端子S1と他側端子S2とは、第1感知ノードSV1で接続され、前記第1感知ノードSV1と前記発熱線の他側端子に接続された第1端子ノードnd1の間に第1電圧感知コンデンサを接続し、前記第1電圧生成コンデンサに前記発熱線の発熱温度に応じた温度感知信号電圧が生成される、請求項4に記載の温度制御装置。
【請求項6】
前記第1電圧生成コンデンサは、前記感温性絶縁樹脂のキャパシタ容量の100~1000倍に相当するキャパシタ容量値を有する、請求項5に記載の温度制御装置。
【請求項7】
前記温度感知制御電圧変換部は、前記第1感知ノードSV1から入力端ダイオードD2を介して第2分配抵抗R2と直列に接続された第3分配抵抗R3を介し、第2電源部DC-と接続され、
前記第2分配抵抗R2と第3分配抵抗R3との接続点は、電流増幅型第1トランジスタTR1のベースと接続となり、
前記電流増幅型第1トランジスタTR1のコレクタは第4抵抗R4を介して前記直流電源の第1電源部DC+と接続され、
前記電流増幅型第1トランジスタTR1のエミッタは、第2コンデンサC2が並列に接続された第5抵抗R5を介して前記第2電源部DC-と接続され、前記第1トランジスタTR1のエミッタは、中央制御装置の温度感知電圧端子に入力され、
前記中央制御装置は、前記温度感知電圧端子に入力された温度感知制御電圧が設定された温度電圧より高いと判断されると、前記電力制御素子をTURN-OFFに制御する、請求項5に記載の温度制御装置。
【請求項8】
前記温度制御装置は、内部温度制御回路に直流動作電源を供給する動作電源部をさらに含み、
前記温度感知制御電圧変換部は、前記電流増幅型第1トランジスタTR1のエミッタと第2コンデンサC2との接続点に前記中央制御装置保護用第3ダイオードD3を介して前記動作電源部の+5[V]側に接続し、
前記中央制御装置は、前記温度感知電圧端子に入力される温度感知電圧が予め設定された正常入力電圧の範囲である4.8[V]を超える電圧、又は0.2[V]未満の電圧であると判断されると、前記電力制御素子をTURN-OFFに制御し、その後再起動しないように中央制御装置の前記電力制御素子の制御出力を停止するように制御する、請求項7に記載の温度制御装置。
【請求項9】
前記発熱線の一側端子H1は、前記直流電源の第1電源部DC+に接続され、
前記発熱線の他側端子H2は、前記出力制御部の第1電力制御素子FET1の一側端子に接続され、
前記第1電力制御素子の他側端子と一側端子とが接続され、直列に接続された第2電力制御素子の他側端子が第2電源部DC-と接続される、請求項4に記載の温度制御装置。
【請求項10】
前記第1電力制御素子及び第2電力制御素子のゲートは、それぞれ前記中央制御装置のゲート出力端子A、Bに接続され、
前記第1電力制御素子の両側端子には、第6分配抵抗R6が並列に接続され、前記第2電力制御素子の両側端子には、第7分配抵抗R7が並列に接続され、前記第6分配抵抗R6と第7分配抵抗R7が接続される接続点2は、中央制御装置の動作感知信号端子SV4と接続され、
前記接続点2は、第4ダイオードD4を介して前記動作電源部の+5[V]側に接続され、前記第6分配抵抗R6と第7分配抵抗R7の抵抗値は前記接続点2の感知電圧が正常な温度感知周期から1~4[V]の範囲内で設定されるように抵抗値を配分し、
前記中央制御装置は、温度感知周期で前記動作信号感知端子SV4に設定された正常感知電圧の範囲を超える電圧、又は未満の電圧が入力されると、前記ゲート出力端子A、Bを介してOFF制御信号を出力し、その後、再起動しないように前記中央制御装置のゲート出力端子A、Bの出力を停止するように制御する、請求項9に記載の温度制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流電源を用いた電熱器具において、感温性絶縁樹脂を用いた感熱線を使用することにより、発熱線に沿って全区間にわたって正確な温度感知を行うことができるスマート温度制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
交流電源を使用して電気暖房を目的とする電気敷布団、電気カーペットには発熱線を使用して発熱をすることになる。
【0003】
電気カーペットのような電熱器具では、発熱線に電流を流し、発熱した熱によってカーペットの温度を暖かく保つ。発熱線に電流が流れると熱が発生して温度が上昇することになるが、適切に温度制御をしないと発熱線の温度は上昇し続け、過熱による火傷や火災が発生する恐れがある。したがって、電熱器具の発熱部が常に所望の温度範囲に留まるように温度制御装置を介して正確に温度制御をしなければならない。現在、電気用品安全基準法令によれば、電熱器具で放熱される最高温度は95℃以下と規定されている。
【0004】
電熱器具の温度を制御する方法は、発熱線の温度を感知する温度センサ及び温度過昇防止装置であるバイメタルセンサを測定部位別に別途設けて温度を感知し供給電力を制御する方式及び発熱線と並列に巻かれた感熱線間で温度が上昇するとインピーダンスが減少する感温性絶縁樹脂を介在し、前記感温性絶縁樹脂を介して感熱線に流れる交流の電流変化を感知して温度を制御する方式が主に研究されてきた。
【0005】
温度センサと温度過昇防止装置を使用すると、電気カーペットを正常な状態で広げて使用するときは、温度制御がスムーズに作動することができるが、電気カーペットの上に重い物体が置かれたり、温度センサやバイメタルセンサが設置されていない部分が折りたたまれた状態では温度感知が正しくできず、局部的に過熱が発生することがある。
【0006】
電気カーペットを製造する際、発熱線は1人用の場合、100cm x 180cmの面積に長さ25m、2人用の場合は、140cm x 180cmの面積に長さ約34m程度を使用しますが、上記のように、長く続いたすべての部分に温度センサやバイメタルセンサを均等に設置することは製造工程の側面や、経済的な面で困難である。これにより通常、電気カーペットの場合、2~3箇所に温度センサやバイメタルセンサが設置されることになる。このような電気カーペットの場合、温度センサやバイメタルが設置されないところが折れたりして過熱になるときは、正確な温度が感知されない構造的な特徴を持つことになる。
【0007】
感熱線方式は、発熱線の外部に温度によってインピーダンスが変化するナイロン樹脂で絶縁を行い、ナイロン樹脂の外部に感熱線を巻いた後、その外部には外装用絶縁材で被覆することになる。
【0008】
このような感温性絶縁樹脂を用いた感熱線方式は、発熱線と感熱線が並列に並べて設置されており、感熱線が設置されたすべての区間で温度感知が可能で局部過熱の防止も可能な特徴により、別途の温度センサやバイメタルを使用した方式に比べて作業性とコスト面、安全性でも優れた方式といえる。
【0009】
このような感温性絶縁樹脂を用いた感熱線方式は、温度が上昇すると絶縁誘電体のインピーダンスが減少する特性上、絶縁樹脂である誘電体に電流が流れる交流電源を用いた電熱装置に対する温度感知装置として主に研究されてきた。
【0010】
しかしながら、直流電源を用いた電熱器具の場合、感温性絶縁樹脂を用いた感熱線方式により電熱温度を制御する装置については、まだ開発されたことはない。
【0011】
これは、感温性絶縁樹脂として使用される物質は主にナイロン成分であり、ナイロンは誘電体として、交流信号は誘電体を通過することができるが、直流信号は誘電体の絶縁抵抗で遮断されて感知されないからである。
【0012】
近年、DC直流電源を使用して電磁波が発生せず、携帯性の良い電気敷布団、電気カーペットなどDC電熱器が多く開発されている。
【0013】
大韓民国登録実用新案公報20-0296244号では、交流入力電圧を直流に変換後、マイクロコントローラを使用してサイリスタをゼロボルトでトリガすることを特徴とする電子マット用直流自動温度調整器についての内容が紹介されている。
【0014】
現在使用されているDCクッション、DCマットの場合、使用電圧は主に5V~24Vを使用することになるが、交流220Vに比べて電圧が低く、安全性に優れ、交流ではない直流なので電磁波が発生せず、電源がバッテリーにより供給され、持ち運びできるメリットがある。
【0015】
DCマットの場合、AC-DC変換アダプターを使用するか、携帯用バッテリーを使用してDC12V又は24VのDC電圧を使用する製品が開発されています。
【0016】
開発されたDC電熱製品は、温度制御のために主に温度感知センサとバイメタルセンサを用いた温度制御方式が用いられる。しかし、このようなバイメタル方式は、上述のように折り畳まれた部分や、局部的な過熱時に容易に感知されない問題点と、発熱ケーブル配置作業時にセンサを設置して接続しなければならない作業が含まれ、作業性が悪く、製造コスト面において不利な問題がある。
【0017】
したがって、直流電源を用いた電気カーペット、電気マットなどの電熱器具、自動車内部に使用する発熱体などで折り畳まれた部分や、局部的な過熱にも正確に温度を制御でき、作業性が良く、経済的に製造できるスマートな温度制御装置が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする技術的課題】
【0018】
本発明は、DC電熱器具に感温性絶縁樹脂を用いた感熱線を使用して正確な温度制御及び局部過熱を防止できる経済的なスマート温度制御装置を提供するものである。
【0019】
本発明のさらに他の目的は、DC電熱器具の局部的な発熱、発熱線の故障及び温度制御用電力素子の故障から電熱器具を安全に保護することができ、経済的に製造できるDC電熱器具の温度制御装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の一態様によれば、直流電源を用いた電熱器具の温度制御装置において、前記電熱器具の発熱ケーブルは、感温性絶縁樹脂で覆われ、前記直流電源によって発熱される発熱線と;前記感温性絶縁樹脂の外側を螺旋状に巻いた感熱線とを含み、前記温度制御装置は、前記直流電源を電力制御素子を介して前記発熱線に供給して前記発熱線を発熱させる発熱周期と、前記発熱線にパルス信号電圧を供給して温度感知電流を発生させる温度感知周期とを交互に有するように制御し、前記温度感知周期には、前記パルス信号電圧により前記感温性絶縁樹脂を介して前記感熱線に流れる前記温度感知電流による温度感知電圧信号を入力され、前記温度感知電圧信号に応じて前記発熱周期に前記電力制御素子を制御して前記電熱器具の発熱温度を制御することを特徴とする。
【0021】
また、前記温度制御装置は、前記温度感知周期にOFF/ON出力信号を前記電力制御素子のゲートに1回以上出力して前記電力制御素子をTURN-OFF/ONさせることにより前記パルス信号電圧を生成することを特徴とする。
【0022】
また、前記温度制御装置は、前記温度感知周期を300~1000ms毎に15~30ms間行うことを特徴とする。
【0023】
更に、前記温度制御装置は、前記パルス信号電圧が前記感温性絶縁樹脂を介して前記感熱線に流れる温度感知電流を感知して温度感知信号電圧を生成する温度感知信号部と;前記温度感知信号部の温度感知信号電圧から入力された信号電流を増幅して温度感知制御電圧を生成する温度感知制御電圧変換部と;前記発熱線に供給する直流電源の供給を制御する前記電力制御素子を含む出力制御部と;及びプログラムされたプロセスによって、前記電力制御素子に発熱周期及び感知周期に対する制御信号を送信し、前記温度感知制御電圧変換部の温度感知制御電圧を入力され、前記出力制御部の前記電力制御素子のON/OFFを制御することを含む中央制御装置とを含むことを特徴とする。
【0024】
また、前記温度感知信号部は、前記感熱線の一側端子S1と他側端子S2とが第1感知ノードSV1で接続され、前記第1感知ノードSV1と前記発熱線の他側端子に接続された第1端子ノードnd1の間に第1電圧感知コンデンサを接続することを特徴とし、前記第1電圧生成コンデンサに前記発熱線の発熱温度に応じた温度感知信号電圧が生成されることを特徴とする。
【0025】
更に、前記第1電圧生成コンデンサは、前記感温性絶縁樹脂のキャパシタ容量の100~1000倍に相当するキャパシタ容量値を有することを特徴とする。
【0026】
また、前記温度感知制御電圧変換部は、前記第1感知ノードSV1から入力端ダイオードD2を介して第2分配抵抗R2と直列に接続された第3分配抵抗R3を介し、第2電源部DC-と接続され、前記第2分配抵抗R2と第3分配抵抗R3との接続点は、電流増幅型第1トランジスタTR1のベースと接続となり、前記電流増幅型第1トランジスタTR1のコレクタは第4抵抗R4を介して前記直流電源の第1電源部DC+と接続され、前記電流増幅型第1トランジスタTR1のエミッタは、第2コンデンサC2が並列に接続された第5抵抗R5を介して前記接地と接続され、前記第1トランジスタTR1のエミッタは、中央制御装置の温度感知電圧端子に入力されることを特徴とし、前記中央制御装置は、前記温度感知電圧端子に入力された温度感知制御電圧が設定された温度電圧より高いと判断されると、前記電力制御素子をTURN-OFFに制御することを特徴とする。
【0027】
更に、前記温度制御装置は、内部温度制御回路に直流動作電源を供給する動作電源部をさらに含み、前記温度感知制御電圧変換部は、前記電流増幅型第1トランジスタTR1のエミッタと第2コンデンサC2との接続点に前記中央制御装置保護用第3ダイオードD3を介して前記動作電源部の+5[V]側に接続することを特徴とし、前記中央制御装置は、前記温度感知電圧端子に入力される温度感知電圧が予め設定された正常入力電圧の範囲である4.8[V]を超える電圧、又は0.2[V]未満であると判断された場合、前記電力制御素子をTURN-OFFに制御し、その後再起動しないように中央制御装置の前記電力制御素子の制御出力を停止するように制御することを特徴とする。
【0028】
また、前記発熱線の一側端子H1は、前記直流電源の第1電源部DC+に接続され、前記発熱線の他側端子H2は、前記出力制御部の第1電力制御素子FET1の一側端子に接続され、前記第1電力制御素子の他側端子と一側端子とが接続され、直列に接続された第2電力制御素子の他側端子が第2電源部DC-と接続されることを特徴とする。
【0029】
なお、前記第1電力制御素子及び第2電力制御素子のゲートは、それぞれ前記中央制御装置のゲート出力端子A、Bに接続され、第1電力制御素子の両側端子には第6分配抵抗R6が並列に接続され、第2電力制御素子の両側端子には、第7分配抵抗R7が並列に接続され、第6分配抵抗R6と第7分配抵抗R7の接続点2は、中央制御装置の動作感知信号端子SV4と接続されることを特徴とし、前記接続点2は、第4ダイオードD4を介して前記動作電源部の+5[V]側に接続され、前記第6分配抵抗R6と第7分配抵抗R7の抵抗値は、接続点2の感知電圧が正常な温度感知周期から1~4[V]の範囲内で設定されるように抵抗値を配分したことを特徴とし、前記中央制御装置は、温度感知周期で前記動作信号感知端子SV4に設定された正常感知電圧の範囲を超える電圧、又は未満の電圧が入力されると、前記ゲート出力端子A、Bを介してOFF制御信号を出力し、その後、再起動しないように中央制御装置のゲート出力端子A、Bの出力を停止するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一実施形態によれば、DC電熱器具の発熱線の周囲に感温性絶縁樹脂を用いた感熱線を使用することにより、発熱線に沿って全区間にわたって正確な温度感知を行うことができ、正確な温度制御及び局部過熱を防止できる温度制御装置を提供することができる。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、DC電熱カーペットやマット製造時、別途の温度感知センサやバイメタルセンサ等の設置工程を除くことができ、感温性絶縁樹脂で被覆した発熱線に感熱線を巻いた発熱ケーブルをマットに配置して縫製する簡単な作業工程により、DC電熱カーペットやマットを経済的に製造することができ、最小の電子部品のみを用いて経済的に温度制御装置を製造することができる。
【0032】
本発明の一実施形態に係る温度制御装置は、発熱線と直流電圧が印加された状態でパルス信号が発生する感知周期毎に感温性絶縁樹脂を介して感熱線に流れる充放電電流による温度感知電圧信号の入力を受け取ることができ、正確な温度感知ができる。
【0033】
本発明の一実施形態による温度制御装置は、発熱線の一部で局部過熱が発生しても全発熱線区間を通じて温度感知することができ、従来の温度センサとバイメタルを用いた温度制御装置に比べて正確かつ迅速に温度制御ができる効果を持つことができる。
【0034】
本発明の一実施形態による温度制御装置は、簡単な回路構成を適用して最小の部品で効果的にDC電力による発熱温度を制御することができ、作業性が良く、製造工程を減らすことができ、経済的である。
【0035】
本発明の一実施形態による温度制御装置は、発熱線と感熱線との間の絶縁が破壊されて螺旋接触した場合でもこれを感知する回路を構成し、効果的かつ迅速に発熱回路を遮断することができる。
【0036】
また、本発明の一実施形態に係る温度制御装置は、電力制御素子2個を直列に接続して発熱線に直流電源を供給する回路特性により、電力制御素子のいずれかが故障して発熱による制御ができない時でも効果的かつ迅速に発熱回路を遮断することができる。
【0037】
本発明の一実施形態に係る電熱器具の温度制御装置は、直流電源を用いることで電磁波の発生を低減することができ、使用電圧が低いため感電事故の危険がなく、温度センサと温度過昇防止装置であるバイメタルセンサを用いなくても温度感知や局部過熱防止が可能な利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明の一実施形態に係る直流電源の温度制御装置を示した図である。
図2】本発明の一実施形態に係る発熱ケーブルの構造を示した図である。
図3】温度制御装置に第1電圧生成コンデンサC1を設けていない状態で感熱線SW1に誘起される温度感知信号を示した写真である。
図4】本発明の一実施形態によって、温度感知信号部17に第1電圧生成コンデンサC1を設けた状態で、感熱線SW1から入力される温度感知信号電圧波形を示した写真である。
図5】本発明の一実施形態によって、温度感知信号部17に第1電圧生成コンデンサC1を設けた状態で、感熱線SW1から入力される温度感知信号電圧波形を示したものであり、図4に比べて発熱線の温度が高い場合を示した写真である。
【発明の実施のための形態】
【0039】
本出願で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに他を意味しない限り、複数の表現を含む。
【0040】
本出願において、ある部分がある構成要素を「含む」と言うとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0041】
また、本発明の実施形態の構成要素を説明する際に、第1、第2などの用語を用いることができる。この用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によってその構成要素の性質、順番、順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」、または「接続」されると記載されている場合、その構成要素は他の構成要素に直接連結、結合、または接続することができるが、その構成要素と他の構成要素間に別の構成要素が「連結」、「結合」、または「接続」されてもよいことが理解されるべきである。
【0042】
以下、本発明の実施に係る感熱線方式と温度測定周期方式を適用した直流電源を用いた温度制御装置について詳細に説明する。
【0043】
図1は、本発明の一実施形態による直流電源の温度制御装置を示したものである。
【0044】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による電熱器具の発熱ケーブルは、発熱線HW1の外部と感熱線SW1との間に感温性絶縁樹脂(Temperature Sensitive insulating Resin、TSR)が充填されて絶縁される。
【0045】
本発明において感温性絶縁樹脂TSRは、温度が上昇するとインピーダンスが低下し、温度が下がるとインピーダンスが増加する絶縁体樹脂を意味する。
【0046】
例えば、本発明の一実施形態では、感温性絶縁樹脂にはナイロン樹脂が適用される。
【0047】
ナイロン樹脂は絶縁物である誘電体(dielectric)であり、低温ではインピーダンスが大きく、温度が高くなるほどインピーダンスが減少する特徴があり、絶縁体の特徴を有しており、直流電流は流れないが、交流電流ではコンデンサとして作用し、充放電感知電流が流れる特性を持つことになる。
【0048】
本発明の一実施形態による発熱ケーブルは、感温性絶縁樹脂で覆われ、直流電源によって発熱される発熱線と;前記感温性絶縁樹脂の外側を螺旋状に巻いた感熱線と;を含むことを特徴とする。例えば、本発明の一実施形態に係る発熱ケーブルは、中心部に発熱線HW1が形成されて、感熱線SW1と絶縁が維持できる程度に近接して感熱線の周囲に配置し、その間を感温性絶縁樹脂TSRで絶縁した構造で形成される。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、前記感熱線SW1は、感温性絶縁樹脂の温度を測定する温度感知線の用途に使用される。
【0050】
図2は、本発明の一実施形態による発熱ケーブルの構造を示したものである。
【0051】
図2を参照すると、本発明の一実施形態による感熱線方式の発熱ケーブルは、中心に位置する発熱線HW1、前記発熱線HW1の外部に温度によってインピーダンスが変化する感温性絶縁樹脂(TSR:temperature-sensitive insulating resin)であるナイロン樹脂で被覆し、ナイロン樹脂の外部に感熱線SW1を巻いた後、その外側には外装用絶縁材であるPVCで被覆することを特徴とする。
【0052】
発熱線HW1に直流を流すと、感熱線SW1には交流と異なり直流に対して絶縁体である感温性絶縁樹脂TSRにより直流が遮断され温度感知電流が流れなくなる。
【0053】
しかし、前記発熱線HW1に時間とともに変化するパルス信号電圧を供給すると、前記感熱線SW1には発熱線HW1に供給されたパルス信号電圧によるパルス信号電流が感温性絶縁樹脂TSRを介して前記感熱線SW1に伝えられ、接地側に流れることができる。
【0054】
前記パルス信号電圧によるパルス信号電流が感温性絶縁樹脂TSRを介して感熱線SW1に伝達される電流は、感温性絶縁樹脂が温度によってインピーダンスが変化するため、感温性絶縁樹脂の温度によって変化することになる。例えば、感温性絶縁樹脂の温度が上がるとパルス電圧による電流が増加し、感温性絶縁樹脂の温度が下がるとパルス電圧による電流が減少することになる。
【0055】
本発明の一実施形態に係る温度制御装置は、上記のようなパルス信号電圧による感温性絶縁樹脂を通る電流が温度に応じて変化する特徴を利用して、温度感知周期で温度を感知して発熱線HW1に流れる電流を制御することにより、発熱線HW1の発熱温度を制御することを特徴とする。
【0056】
例えば、本発明の一実施形態に係る温度制御装置は、直流電源を電力制御素子を介して発熱線HW1に供給し前記発熱線HW1を発熱させる発熱周期と前記発熱線HW1にパルス信号電圧が供給され温度感知電流を発生させる温度感知周期を交互に有するように制御する。前記温度感知周期には、前記パルス信号電圧により前記発熱線HW1から前記感温性絶縁樹脂を介して前記感熱線に流れる感知電流による温度感知電圧信号を入力され、前記温度感知電圧信号に応じて前記発熱周期に前記電力制御素子を制御して前記電熱器具の放熱温度を制御することを特徴とする。
【0057】
本発明の一実施形態では、温度感知周期(一実施形態では20ms)の間に発熱線HW1に直流電源を供給する電力制御素子をTURN-OFF/ON動作させることにより、パルス信号電圧を生成することを特徴とする。
【0058】
さらに別の実施形態では、別途のパルス発生器によって温度感知周期の間にパルス信号電圧を発熱線に供給することができる。
【0059】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る温度制御装置において、前記発熱線HW1の一側端子H1は、直流電源の第1電源部DC+に接続され、発熱線HW1の他側端子H2は、前記電力制御素子FET1、FET2の第1一側端子が接続された第1端子ノードnd1と接続され、前記第1電力制御素子FET1と直列に接続された第2電力制御素子FET2を介して接地側と接続されるように回路が構成される。
【0060】
また、第2電源部DC-は電源接地に接続される。
【0061】
また、前記感熱線SW1の一側端子S1と他側端子S2は、第1感知ノードSV1と共に接続され、前記第1感知ノードSV1と前記発熱線HW1の他側端子H2と接続された第1端子ノードnd1との間に第1電圧生成コンデンサC1が接続される。
【0062】
本発明の一実施形態によれば、前記第1電圧生成コンデンサC1には、前記発熱線の発熱温度に応じて前記感熱線SW1を介して温度感知信号電圧が生成されることを特徴とする。
【0063】
また、前記温度制御装置は、前記温度感知周期にOFF/ON出力信号を前記電力制御素子のゲートに1回以上出力して前記電力制御素子をTURN-OFF/ONさせることによりパルス信号電圧を生成させることを特徴とする。
【0064】
本発明の一実施形態に係る温度制御装置は、発熱周期には、前記直流電源の直流供給電圧による電流が発熱線HW1と電力制御素子FET1、FET2を通って流れ前記発熱線HW1を発熱させ、感知周期には、パルス信号電圧による感知電流が前記感温性絶縁樹脂TSRを介して前記感熱線SW1に流れることにより、温度制御装置が前記感知電流の変化を利用して前記電力制御素子の開/閉を制御することを特徴とする。
【0065】
本発明の一実施形態に係る温度制御装置は、発熱線HW1及び内蔵された温度制御回路に直流動作電源を供給する動作電源部11と;パルス信号電圧が感温性絶縁樹脂TSRを介して感熱線SW1に流れる温度感知電流を感知して温度感知信号電圧を生成する温度感知信号部17と;温度感知信号部17の温度感知信号電圧から入力された信号電流を増幅して温度感知制御電圧に変換する温度感知制御電圧変換部13と;発熱線HW1に供給する直流電源の供給を制御する電力制御素子を含む出力制御部14、15と;プログラムされたプロセスに従って、前記出力制御部の電力制御素子14、15に発熱周期及び温度感知周期に対する制御信号を送信し、温度感知制御電圧変換部13の温度感知制御電圧を入力され、前記出力制御部のON/OFFを制御し、各部を制御する中央制御装置20と;及びユーザによって動作温度を設定するように入力される温度設定部12と;を含むことを特徴とする。
【0066】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるDC電熱器具の直流電源は、供給電圧をDC24Vで供給することを例に説明する。これは本発明を説明するための一実施形態に過ぎず、同じ技術的特徴を適用することによって12V、5Vなどの全てのDC電圧で使用することができる。
【0067】
また図1を参照して説明すると、前記温度感知信号部17において、感熱線SW1の一側端子S1と他側端子S2は、第1感知ノードSV1に接続され、前記第1感知ノードSV1と前記発熱線HW1の他側端子に接続された第1端子ノードnd1との間に第1電圧生成コンデンサC1が接続される。前記第1電圧生成コンデンサC1には、前記発熱線の発熱温度に応じて前記感熱線SW1に流れる電流により温度感知信号電圧が生成されることを特徴とする。
【0068】
また、前記第1端子ノードnd1は、第1電力制御素子FET1の一側端子と接続される。
【0069】
前記温度感知制御電圧変換部13は、前記第1感知ノードSV1から入力端ダイオードD2を介して第2分配抵抗R2と直列に接続された第3分配抵抗R3を介して接地と接続することになる。前記第2分配抵抗R2と第3分配抵抗R3との接続点に第2感知ノードSV2が生成され、前記第2感知ノードSV2は、電流増幅型第1トランジスタTR1の ベースと接続になる。前記電流増幅型第1トランジスタTR1のコレクタは第4抵抗R4を介して前記直流電源の第1電源部DC+と接続され、前記電流増幅型第1トランジスタTR1のエミッタは第2コンデンサC2が並列に接続された第5抵抗R5を介して接地と接続される。また、前記第1トランジスタTR1のエミッタは、温度感知制御電圧変換部13の出力端で第3感知ノードSV3である温度感知電圧端子と接続され、中央制御装置20に入力される。
【0070】
本発明の一実施形態によれば、入力端ダイオードD2を介して入力される温度感知信号電圧の電流は非常に微弱であるため、NPN電流増幅型第1トランジスタTR1をエミッタフォロワ方式で結線して電流増幅することを特徴とする。温度感知制御電圧変換部13では、直流電源の第1電源部DC+ - 第4抵抗R4 - 電流増幅型第1トランジスタTR1のコレクタ - エミッタ - 第5抵抗R5 - 接地の順に増幅された電流が流れることになる。
【0071】
第5抵抗R5の両端に流れる電流は、第2コンデンサC2に充電されて温度感知制御電圧が生成され、温度感知制御電圧は第3感知ノードSV3である温度感知電圧端子を介してマイコン20に入力される。
【0072】
また、温度感知制御電圧変換部13は、第1マイコン保護回路をさらに含む。
【0073】
第1マイコン保護回路は、前記電流増幅型第1トランジスタTR1のエミッタと第2コンデンサC2の接続点を第1マイコン保護用第3ダイオードD3を介して動作電源部の+5V側に接続する。第1マイコン保護回路によりマイコン20に入力される電圧は+5Vを超えないようになる。第1マイコン保護回路は、過熱等の原因で感温性絶縁樹脂の絶縁が破壊され、発熱線HW1と感熱線SW1が螺旋接触となるなどの理由で、マイコン20に24[V]の高い電圧及び+5[V]を超過する電圧が入力されるのを防ぐためである。
【0074】
本発明の一実施形態では、温度感知制御電圧変換部13で温度感知信号電圧から入力された信号電流を増幅する方法として、第1トランジスタTR1のエミッタフォロワ方式を用いたが、他の実施形態では前記NPN第1トランジスタTR1の代わりに、OP、AMPなどの入力電圧信号を増幅するための均等手段などに置き換えて使用することができる。
【0075】
更に図1を参照して説明すると、直流電源による電流が発熱線HW1に流れるとき、発熱線HW1にかかる電圧分布を察すると、第1電力制御素子FET1と第2電力制御素子FET2がTURN-ON状態で発熱線H1点には入力電圧そのまま24[V]が現れ、発熱線H2の電圧は接地電位と同じ0[V]が現れる。
【0076】
本発明の一実施形態による温度制御装置の中央制御装置は、1チップ内に中央処理装置が内蔵されたマイコンを適用することができる。
【0077】
本発明の一実施形態では、マイコンの設定された温度感知周期には、第1電力制御素子FET1と第2電力制御素子FET2が20msの間にON/TURN-OFF/TURN-ON状態となり、発熱線HW1の他側端子であるH2端子と接続された第1端子ノードnd1点の電圧は、24V-0V-24Vのパルス信号電圧が発生することになる。温度感知周期に発生する24V-0V-24Vのパルス信号電圧は、温度感知周期の時間によって変化する特性により、前記感温性絶縁樹脂を介して発熱線HW1と感熱線SW1との間にパルス信号電圧による電流が充放電となり、第1感知ノードSV1点には温度感知信号が現れる。
【0078】
この時、充放電される電流は、印加電圧が交流電圧220[V]とは異なり、非常に低い24[V]に過ぎず、非常に微弱なパルス信号電圧による温度感知信号電流が鋸歯状に流れて温度変化による区別が明確ではない恐れがあり得る。
【0079】
図3は、温度感知信号部17に第1電圧生成コンデンサC1を設けない状態で第1感知ノードSV1点で感熱線SW1に誘起される温度感知信号を示したものである。
【0080】
図3を参照すると、発熱線HW1と感熱線SW1との間に載置された感温性絶縁樹脂のインピーダンスが大きい状態で、感熱線SW1の一側端子S1に出力される温度感知信号は鋸歯状の形態の傾斜に流れることになり、温度変化に伴う電流は測定が可能であるが、温度変化による区分が明確に区分されて現れない。
【0081】
本発明の一実施形態では、上記のような微弱な鋸歯状波信号を区分が明確な矩形波信号に変換するために、上記第1感知ノードSV1と上記発熱線HW1の他側端子H2に接続された第1端子ノードnd1の間に第1電圧感知コンデンサC1を接続することを特徴とする。
【0082】
図4は、本発明の一実施形態による温度感知信号部17に第1電圧生成コンデンサC1を設けた状態で感熱線SW1から入力される温度感知信号電圧波形を示したものである。
【0083】
図5は、本発明の一実施形態による温度感知信号部17に第1電圧生成コンデンサC1を設けた状態で感熱線SW1から入力される温度感知信号電圧波形を示し、図4に比べて発熱線の温度が高い場合を示したものである。
【0084】
図4、5は、本発明の一実施形態による温度感知周期を400ms周期でTURN-ONし、20msの間TURN-OFF/ONに設定したものである。
【0085】
図4は、発熱線の温度が正常状態より低い場合の第1感知ノードと第2感知ノードの電圧波形を示したものである。
【0086】
図4に示したように、第1感知ノードSV1と第1端子ノードnd1との間に第1電圧生成コンデンサC1を接続すると、第1感知ノードnd1と第2感知ノードSV2には、温度感知信号電圧が矩形波で明確に現れることができる。
【0087】
本発明の一実施形態では、発熱線HW1は長さ25mを使用し、20℃で感温性絶縁樹脂のキャパシタ容量が3nFで測定された。本発明の一実施形態によれば、発熱線HW1の温度が上昇し、感温性絶縁樹脂の温度が90℃になると、感温性絶縁樹脂のキャパシタは3nFから10nFにキャパスタ容量が増加するようになる。この理由は、感温性絶縁樹脂TSRの特性により温度が上昇するほどインピーダンスが減少するためである。
【0088】
交流入力電源220[V]を使用すれば、このような温度によるコンデンサ容量の変化を利用して直接温度制御が可能である。しかし、24[V]直流電源を使用する場合には、温度感知信号電流が微弱で温度制御用に用いることは難しくなる。
【0089】
容量リアクタンスは、Xc=1/(2πfC)として算出することができる。これを決定する周波数は、商用交流電源では60Hzの正弦波交流が供給されるが、本発明の一実施形態によれば、温度感知周期に用いられるパルス信号電圧は2~Hzの矩形波が供給される。
【0090】
これにより、温度感知パルス信号が発生している間は直流電源による電流が流れない状態であるため、発熱線HW1の消費電力は小さくなる。すなわち、温度感知周期にパルス信号が多くなるほど(周波数が大きくなると)発熱線HW1の発熱に使用される消費電力が少なくなることを意味する。
【0091】
本発明の一実施形態に係る感温性絶縁樹脂TSRのインピーダンス特性は、交流を供給したときと比較したとき、発熱線の温度が同じ状態でコンデンサが同じであっても交流に比べて周波数が低いため、インピーダンスは相対的で大きな状態になる。
【0092】
また、交流220Vに比べて直流24Vを使用するため、感温性絶縁樹脂TSRを通じて流れる温度感知信号電流は、交流に比べてキャパシティが同じであっても電圧が低いため、交流電圧を使用する場合よりもキャパシティを流れる電流の量は非常に小さくなる欠点が発生し得る。
【0093】
本発明の一実施形態では、このような欠点を補うために、感熱線の一側端子S1と他側端子S2が接続された第1感知ノードSV1と第1端子ノードnd1との間の第1電圧感知 コンデンサC1を接続して、第1感知ノードSV1に温度信号電流が蓄積されたパルス波形が明確に現れるようにしたことを特徴とする。
【0094】
様々な実験結果、前記第1電圧生成コンデンサC1の容量は、常温で感温性絶縁樹脂のキャパシタ容量の100~1000倍に相当する0.3~3uFが好ましいと分析された。
【0095】
さらに、本発明の好ましい実施形態では、1uFを好ましい最適用量と分析した。
【0096】
図3の場合、第1電圧生成コンデンサC1を設けない場合には、前記発熱線HW1と感熱線SW1との間のキャパシタ容量が3nFであり、インピーダンスが非常に大きな影響で、温度感知信号電圧波形がきちんと現れないことが分かる。
【0097】
図4は、容量1uFの第1電圧生成コンデンサC1を設けた状態での初期波形を示す。図4において、第1感知ノードSV1の場合は、100:1プローブを用いて測定したものであり、第2感知ノードSV2は1:1プローブを用いて測定したものを示す。
【0098】
初期発熱線HW1の発熱により感温性絶縁樹脂TSRの温度が低い状態で、第1感知ノードSV1の波形は発熱電流が流れる発熱周期では-20[V]を示し、発熱電流が流れない温度感知周期であるTURN-OFF/ON区間では矩形波パルス波形の電圧が+4[V]で現れる。
【0099】
第2感知ノードSV2では、感知電流が入力端ダイオードD1 - 第2分配抵抗R2 - 第3分配抵抗R3 - 接地順に流れることにより、第3分配抵抗R3両端の電圧波形が現れる。
【0100】
第2感知ノードSV2では、温度感知周期に第1感知ノードSV1の波形よりやや低い3[V]の波形が現れる。
【0101】
図5は、発熱線の温度が正常状態に上昇した場合の第1感知ノードと第2感知ノードの電圧波形を示す。
【0102】
発熱線HW1の発熱により感温性絶縁樹脂TSRの温度が上昇すると、感温性絶縁樹脂TSRのキャパシタが増加する。すなわち、上述したように温度が上昇し、感温性絶縁樹脂TSRの温度が90℃になると、感温性絶縁樹脂のキャパシタは3[nF]から10[nF]に容量が増加する。感温性絶縁樹脂TSRの温度が90℃に上昇した場合に、第1感知ノードSV1の波形は、発熱周期に-10[V]、温度感知周期には約+15[V]以上が現れる。また、第2感知ノードSV2において温度感知周期に15[V]のパルス波形が現れることが分かる。
【0103】
すなわち、本発明の一実施形態によれば、温度感知周期に電力制御素子を短時間でTURN-OFF/ONする動作のみでパルス信号電圧が生成され、温度変化に伴う温度感知信号電圧が第1感知ノードSV1及び第2感知ノードSV2に生成されることが分かる。
【0104】
一方、温度上昇によって温度感知信号電圧波形が生成されるが、電流が微弱でマイコンで分析が困難な脆弱性を有することがある。本発明の一実施形態では、この脆弱性を補完し、温度変化による温度感知制御電圧に対してマイコンでの分析精度を高めるために、温度感知信号電圧を0~5[V]の範囲で区分が明確に現れる温度感知制御電圧に変換する温度感知制御電圧変換部13をさらに含むことを特徴とする。本発明の温度感知制御電圧変換部13は、NPNトランジスタのエミッタフォロワ方式を用いて信号電流を増幅して変換することを特徴とする。
【0105】
本発明の一実施形態に係る温度感知制御電圧変換部13では、温度感知信号部17から入力された感知信号電圧を電流増幅型第1トランジスタTR1のベースに入力して電流増幅を行ってから、エミッタに出力された信号を変換して温度感知制御電圧信号として使用することになる。
【0106】
本発明の一実施形態では、前記温度感知制御電圧変換部13から出力される温度感知制御電圧信号が中央制御装置20であるマイコンに入力され、マイコンでは、前記入力された温度感知制御電圧信号を設定された基準値と比較して、基準値範囲を外れた場合、出力制御部14、15の電力制御素子FET1、FET2のゲートに制御信号を送り、前記発熱線HW1の電源供給を制御することにより、発滅温度を円滑に制御できる。
【0107】
本発明の一実施形態によれば、前記中央制御装置20は、1つのチップの中に中央処理装置が含まれ、マイクロプロセッサにLSI(large scale integration)による演算処理装置、記憶装置、入・出力装置などを追加したマイコンチップが使用される。
【0108】
本発明の一実施形態によれば、動作電源部11は、5VのDC電圧を各部の制御電圧に供給する。
【0109】
動作電源部11には、動作電源の開閉(ON/OFF)を切り替える電源スイッチを含む。
【0110】
電源をONすると、マイコンである中央制御装置20に電源が供給される。電源をOFFすると、中央制御装置20に電源が遮断され、第1、2電力制御素子FET1、FET2はOFF状態となり、発熱線HW1の電源供給が中断される。
【0111】
本発明の一実施形態に係る温度設定部12は、ユーザにより可変抵抗器VR1の抵抗値を加減することにより、所望の設定温度を選択することができる。
【0112】
中央制御装置20は、温度設定部12で選択された設定温度に対応する電圧と温度感知制御電圧変換部13から入力された温度感知制御電圧信号とを比較し、温度感知制御電圧信号が設定温度に対応する電圧より低い場合、中央制御装置20の出力をON信号に保持する。また、入力された温度感知制御電圧信号が設定温度に対応する電圧より高い場合、中央制御装置20のA,B出力をOFF信号として出力するようにプログラムされる。
【0113】
また、中央制御装置20は、設定された温度検出周期には、A、B出力端子で周期的にOFF-ON信号を出力する温度測定パルス信号を発生させる。
【0114】
本発明の一実施形態による温度測定パルス信号は、温度感知周期に設定された時間の間、第1、2電力制御素子FET1、FET2ゲートにLOW/HIGH信号を1回以上出力して発生することを特徴とする。
【0115】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記温度測定パルス信号により第1、2電力制御素子FET1、FET2は、設定された時間である20msでON-TURN-OFF-TURN-ON動作が行われ、発熱線HW1には瞬間的なパルス電圧が印加される。
【0116】
上記のように中央制御装置20は、設定された発熱周期にはON信号を保持し、温度感知周期には設定された時間の間OFF-ON出力信号をA、Bに出力して前記電力制御素子であるFET1とFET2をTURN-OFF/TURN-ONさせる。また、中央制御装置20は、前記周期的に温度感知周期毎に発生する TURN-OFF/TURN-ONされるパルス信号電圧を前記発熱線HW1に供給することにより、前記感温性絶縁樹脂TSRを通じて流れる温度感知電流による温度感知信号を温度感知制御電圧に入力されて前記FET1とFET2を制御することを特徴とする。
【0117】
本発明の一実施形態によれば、中央制御装置20は、電力制御素子を介して前記発熱線HW1に直流電源を供給して前記発熱線HW1を発熱させる発熱周期と前記発熱線HW1にパルス信号電圧を供給して温度感知電流を発生させる温度感知周期を交互に有するように制御する。本発明の一実施形態では、温度検出期間は、300~1000ms毎に15~30msの間行われることを特徴とする。すなわち、300~1000msの間、電力制御素子FET1、FET2がON状態を保持して発熱線HW1に直流電源が供給され、続いて15~30msの間は電力制御素子FET1、FET2がTURN-OFF-TURN-ON動作することにより、前記発熱線HW1に温度測定パルス信号電圧が供給される。
【0118】
様々な実験結果、25m程度の発熱線HW1で製造される直流電熱器具の場合、温度感知周期は、400ms毎に20ms間行われることが正確な温度制御及びエネルギー消費効率の面で最も好ましいと分析された。例えば、好ましい実施形態では、中央制御装置20において、A、B出力端子は、400msの間はON信号(HIGH)が保持され、続く20msの間はOFF-ON(LOW-HIGH)信号が出力され、続いて再び400msの間、ON(HIGH)信号が保持されることが交互に行われるように制御される。すなわち、発熱電流が流れる時間は400msの間であり、20msの間は発熱電流が流れない。
【0119】
好ましい実施形態では、1秒に20msの間に2回の温度測定パルス信号が発生するので、非常に速い速度でリアルタイム温度感知を行うことになる。
【0120】
様々な実験に基づく好ましい実施形態では、発熱周期と温度感知周期の比は20:1に設定された。この比率は、電力機構の用途に応じて30:1、40:1、50:1に変更して使用することができる。比率が大きくなるほど発熱線HW1に流れる電流は効率が良くなることがあるが、温度感知頻度が少なくなり温度感知効率は低下することがある。したがって、この比率は、感温性絶縁樹脂の種類、厚さ、発熱線の長さによって変動的に適用することができる。
【0121】
本発明の他の実施形態では、第1電源部DC+は、発熱線HW1の一側端子H1間に設定電流以上の過電流が流れると回路を遮断するヒューズ部F1をさらに含むことができる。
【0122】
本発明の一実施形態による温度制御装置の動作状態を図1を参照して説明すると、以下の通りである。
【0123】
電源スイッチをONに動作させると、第1電源部DC+ - 電流ヒューズF1 - 発熱線片側端子H1 - 発熱線HW1 - 発熱線他側端子H2 - 第1電力制御素子FET1 - 第2電力制御素子FET2 - 接地の順に電流が流れる。
【0124】
直流電流が流れると、発熱線の発熱により感温性絶縁樹脂温度が上昇することになり、感温性絶縁樹脂のインピーダンスが低下する。
【0125】
発熱線により感温性絶縁樹脂の温度が上昇すると、温度感知制御電圧変換部13の出力が接続された第3感知ノードSV3の温度感知制御電圧が上昇して入力となる。マイコンである中央制御装置20では、温度設定部12で設定された温度電圧より温度感知制御電圧が高いと判断すると、中央制御装置20の出力端子A、Bを介して出力信号をHIGH→LOWに切り替えて、第1、2電力制御素子FET1、FET2をTURN-OFFに制御する。
【0126】
中央制御装置20の出力端A、Bの出力信号がLOWになると、第1、2電力制御素子FET1、FET2がTURN-OFFして発熱電流が流れなくなり、これにより電熱器具の温度も下がることになる。
【0127】
電熱器具の温度が下がると、感温性絶縁樹脂のインピーダンスが再び増加し、温度感知制御電圧変換部13に入力される第2感知端子SV2の温度感知信号電圧は減少し、温度感知制御電圧変換部13の出力電圧である温度感知制御電圧が減少する。
【0128】
中央制御装置20にプログラムされた順序によって第3感知端子SV3から入力された温度感知制御電圧信号が温度設定部12で設定された電圧未満に下がると、中央制御装置20は、出力端子A、Bを介して出力信号をLOW→HIGHに切り換え、第1、2電力制御素子FET1、FET2を再びTURN-ONに制御する。このような過程を繰り返すことにより、発熱線HW1による発熱温度は設定温度範囲で一定に保つことができる。
【0129】
本発明の一実施形態に係る温度制御装置では、感温性絶縁樹脂の絶縁破壊、電力制御素子の故障及び温度制御装置の内部故障等の故障が発生した場合、動作電源がONされた状態で温度感知制御電圧信号が予め設定された正常入力電圧の範囲外に入力されるように回路構成となることを特徴とする。
【0130】
また、本発明の一実施形態に係る中央制御装置20では、動作電源がONされた状態で温度感知制御電圧信号が予め設定された正常入力電圧の範囲外であると判断された場合、第1、2電力制御素子FET1、FET2をTURN-OFFするようにプログラムに設定して制御する。さらに、上記の場合、再起動にならないように中央制御装置20のA、B出力を停止するように制御する。また、同時に表示部16のLEDを警告形態で点滅させてユーザがこれを認識できるように制御する構成をさらに含むことができる。
【0131】
本発明の一実施形態において、中央制御装置20に上記のように予め設定された正常入力電圧の範囲は、最大値4.8[V]から最小値0.2[V]に設定される。
【0132】
すなわち、供給電源スイッチがONされた状態で第3感知端子SV3に入力される温度感知電圧が予め設定された正常入力電圧の範囲である4.8[V]を超える電圧、又は0.2[V]未満の電圧であると判断すると、FET1、FET2をTURN-OFFに制御し、その後再起動をしないように中央制御装置20のA、B出力を停止するように制御を行うとともに、表示部16のLEDを警告形態で点滅させるようにプログラムされる。
【0133】
電熱器具のうち、電気カーペットの場合、使用中に重い物体が上がっていたり、電気カーペットの一部が折れたりする場合が発生する。この時、その部位は他の部位に比べて局部的な過熱が発生することになる。
【0134】
局部的な過熱が発生すると、発熱線の全区間のうち、局部的な過熱となった部分が温度が最も高い状態になり、この現象が持続すると火災につながる可能性がある。
【0135】
本発明の一実施形態に係る電気カーペットの場合、発熱線と感熱線との間に載置された全区間のナイロン樹脂インピーダンスは並列に構成された状態であり、いずれかの部分に局部的な過熱が発生すると、その部分の感温性絶縁樹脂の温度も同様に上昇する。局部的な過熱部位の温度が設定された温度以上となり、第1温度感知ノードSV1の温度感知信号電圧による第3温度感知ノードSV3の温度感知制御電圧が設定された電圧範囲を超えて上昇することになる。したがって、中央制御装置20では、このような局部的な温度上昇による温度感知信号電圧を感知し、出力端子A、Bを介して出力信号をHIGH→LOWに切り替えて第1、2電力制御素子FET1、FET2をTURN-OFFに制御することにより、直流電源の供給を遮断して過熱を防止することができる。
【0136】
また、電熱器具である電気カーペットを使用中、過熱または外部環境により感温性絶縁樹脂の絶縁が破壊され、発熱線と感知線がショートする現象が発生する可能性がある。
【0137】
この場合、図1を参照すると、第1電源部DC+ - F1 - H1 - 発熱線HW1 - ショート部分 - 感熱線SW1 - S1、S2 - D2 - R2 - R3 - 接地の順に電流が流れるようになる。第2感知ノードSV2には直流電源24[V]が第2分配抵抗及び第3分配抵抗に分配され、10[V]以上の高い温度感知信号電圧がかかることになる。これにより、本発明の一実施形態に係る温度感知制御電圧変換部13のTR1のエミッタ側に多くの電流が流れ、第2コンデンサC2の両端の電圧は5[V]を超えるようになる。
【0138】
本発明の一実施形態では、電圧制限ダイオードD3を含む第1マイコン保護回路によって第2コンデンサC2に接続された第3感知ノードSV3には、5[V]を超える電圧は、第3ダイオードD3により動作電源部11に流れ、最大電圧が5[V]が入力されるように制限される。
これにより、本発明の一実施形態に係る温度制御装置は、発熱線HW1と感熱線SW1がショートした場合、中央制御装置20の入力端子である第3感知ノードSV3には温度感知制御電圧信号5[V]が入力される。第3感知ノードSV3に5[V]が入力されると、中央制御装置20は予め設定された正常入力電圧の範囲(4.8~0.2[V])を超えて入力されたと判断し、第1、2電力制御素子FET1、FET2をTURN-OFFで制御することになる。以後再起動しないように中央制御装置20のA、B出力を停止するように制御することにより、発熱線HW1と感熱線SW1がショートした場合、これにより事故につながらないように安全に制御することができる。
【0139】
また、電熱器具である電気カーペットの故障タイプには、長期間使用時にスイッチング素子が故障してスイッチング制御ができない故障タイプが発生する。このようにスイッチング制御ができない場合、過熱によりゲートにLOW信号を送ってもスイッチング素子は引き続きオン状態を保持し過熱による事故につながる可能性がある。本発明の一実施形態に係る温度制御装置では、このような故障タイプを防止するために、出力制御部14、15の構成を、電力制御素子2個を直列に接続し、中央制御装置20では同時にゲート出力端子A、Bを介して2つの電力制御素子のゲートに同じ制御信号を送信するように構成されたことを特徴とする。
【0140】
すなわち、例えば、本発明の一実施形態に係る発熱線HW1の一側端子H1は、直流電源の第1電源部DC+に接続され、発熱線HW1の他側端子H2は第1電力制御素子FET1の一側端子と接続され、前記第1電力制御素子FET1の他側端子と一側端子とが接続され直列に接続された第2電力制御素子FET2の他側端子は、直流電源部の第2電源部DC-と接続になる。前記第1電力制御素子FET1と第2電力制御素子FET2のゲート1、2は、それぞれ中央制御装置20の第1、2ゲート出力端子A、Bに接続されて、前記中央制御装置20は、常に第1、2ゲート出力端子A、Bに同じ制御信号を送信する。
【0141】
また、第1電力制御素子FET1の両側端子には第6分配抵抗R6が並列に接続され、第2電力制御素子FET2の両側端子には第7分配抵抗R7が並列に接続されて、第6分配抵抗R6と第7分配抵抗R7との接続点は、中央制御装置20の動作信号感知端子SV4と接続される。さらに、前記接続点は、第2マイコン保護用第4ダイオードD4を介して動作電源部の+5[V]側に接続する。本発明の一実施形態では、第4ダイオードD4を含む第2マイコン保護回路によって前記接続点と接続された動作信号感知端子SV4には、5[V]を超える電圧は第4ダイオードD4により動作電源部11に流し、最大電圧が5[V]が入力されるように制限されることを特徴とする。また、本発明の一実施形態に係る温度制御装置は、前記第6分配抵抗R6と第7分配抵抗R7との接続点の感知電圧が温度感知周期で1~4[V]の範囲内で設定されるため抵抗値を配分するように第6分配抵抗R6と第7分配抵抗R7の抵抗値を23~21:1~3の範囲に配分したことを特徴とする。この場合、中央制御装置20は、動作信号感知端子SV4に温度感知周期に設定された正常感知電圧の範囲を超過又は未満に電圧が入力されると、第1、2ゲート出力端子A、BにOFF制御信号(LOW信号)を出力し、その後再起動しないように中央制御装置20のA、B出力を停止するように制御する。また、中央制御装置20は、同時に表示部16のLEDを警告形態で点滅させるように制御する。
【0142】
本発明の好ましい実施形態では、前記感知電圧を温度感知周期に2.5[V]の電圧値を有するように第6分配抵抗R6と第7分配抵抗R7の抵抗値を21.5:2.5に配分して設定したことを特徴とする。この場合、中央制御装置20は、動作信号感知端子SV4において、温度感知周期に正常感知電圧の範囲である3[V]を超える電圧や、2[V]未満で電圧が入力されると、第1、2 ゲート出力端子A、BにOFF制御信号(LOW信号)を出力し、その後プロセスが進行しないように、第1、2ゲート出力端子A、Bの出力を停止するように制御する。
【0143】
本発明の一実施形態に係る出力制御部14、15は、上記のような第1電力制御素子FET1と第2電力制御素子FET2とを直列に接続した構成を含むことで、いずれかの電力制御素子がショート不良になっても安全に発熱回路を遮断できるようにする効果がある。
【0144】
好ましい実施形態である第6分配抵抗R6と第7分配抵抗R7の抵抗値を21.5:2.5に配分して設定した状態で図1を参照して説明すると、次のように動作する。
【0145】
通常の発熱周期では、400msの間FET1とFET2はON状態であり、続く温度感知周期である20msの間OFF状態に交互に続いて発熱線HW1に電流が流れるようになる。発熱周期である400msの間は、FET1とFET2はON状態で他側端子が接地と接続された状態であるため、動作信号感知端子SV4には接地電位である0[V]が現れる。続いて温度感知周期である20msの間、第1電力制御素子FET1と第2電力制御素子FET2がOFF状態では、第6分配抵抗R6の一側端子と第7分配抵抗R7の他側端子には、24[V]の電圧がかかることになる。第6分配抵抗R6と第7分配抵抗R7の抵抗値が21.5:2.5に配分されていて、正常に動作する場合には、動作信号感知端子SV4の感知電圧は2.5[V]がマイコン20に入力される。
【0146】
もし第1電力制御素子FET1に内部ショート不良が発生した場合には、第6配分抵抗R6は並列に接続された第1電力制御素子FET1によってショートされた状態であるため、第7配分抵抗R7の両端には20msの間24[V]パルス電圧が印加され、これにより第2マイコン保護回路により動作信号感知端子SV4の感知電圧は最大電圧である5[V]が入力される。中央制御装置20は、動作信号感知端子SV4に3[V]を超える電圧が入力されたと判断し、第1、2ゲート出力端子A、BにOFF制御信号(LOW信号を出力することにより、第2電力制御素子FET2がOFFに動作し、発熱線HW1の直流電源供給を遮断することができる。
【0147】
また、もし、第2電力制御素子FET2に内部ショート不良が発生した場合には、第7配分抵抗R7は並列に接続された第2電力制御素子FET2によりショートされた状態であるため、動作信号感知端子SV4は接地電位である0[V]が入力される。
【0148】
中央制御装置20は、動作信号感知端子SV4に2[V]未満の電圧が入力されたと判断し、第1、2ゲート出力端子A、BにOFF制御信号(LOW信号)を出力するように制御することにより、第1電力制御素子FET1がOFFに動作し、発熱線HW1の直流電源の供給を遮断することができる。
【0149】
また、発熱線HW1の断線時には、第1電源部DC+が遮断された状態であるため、温度感知周期に動作信号感知端子SV4は接地電位である0[V]が入力される。この場合、中央制御装置20は、動作信号感知端子SV4に正常感知電圧範囲未満の電圧が入力されたと判断し、第1、2ゲート出力端子A、BにOFF制御信号(LOW 信号)を出力するように制御し、その後プロセスを中断し、同時に表示部16のLEDを警告形態で点滅させるように制御する。したがって、ユーザはすぐに故障状況を検出することができる。
【0150】
以上説明したように、本発明の一実施形態による直流電源を用いた電熱器具の温度制御装置は、発熱線の全区間にわたって正確に温度変化を感知して正確な温度制御を行うことができる。
【0151】
また、本発明の一実施形態に係る直流電源を用いた電熱器具の温度制御装置は、局部的な過熱や、発熱線の絶縁破壊等による螺旋接触、発熱線の断線による故障時にもこれを迅速に感知して回路を遮断し、LED点滅による通知手段を提供することにより、電熱器具を安全に保護することができる。
【符号の説明】
【0152】
HW1: 発熱線
SW1: 感熱線
TSR: 感温性絶縁樹脂
11: 動作電源部
12: 温度設定部
13: 温度感知制御電圧変換部
14、15:出力制御部
16: 表示部
17: 温度感知信号部
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源を用いる電熱器具の温度制御装置において、
前記電熱器具の発熱ケーブルは、
感温性絶縁樹脂で覆われ、前記直流電源によって発熱される発熱線と;
前記感温性絶縁樹脂の外側を螺旋状に巻いた感熱線と;を含み、
前記温度制御装置は、
前記直流電源を電力制御素子を介して前記発熱線に供給して前記発熱線を発熱させる発熱周期と、前記発熱線にパルス信号電圧を供給して温度感知電流を発生させる温度感知周期とを交互に有するように制御し、
前記温度感知周期には、前記パルス信号電圧により前記感温性絶縁樹脂を介して前記感熱線に流れる前記温度感知電流による温度感知電圧信号を入力され、前記温度感知電圧信号に応じて前記発熱周期に前記電力制御素子を制御して前記電熱器具の発熱温度を制御する、温度制御装置。
【請求項2】
前記温度制御装置は、前記温度感知周期にOFF/ON出力信号を前記電力制御素子のゲートに1回以上出力して前記電力制御素子をTURN-OFF/ONさせることにより前記パルス信号電圧を生成する、請求項1に記載の温度制御装置。
【請求項3】
前記温度制御装置は、前記温度感知周期を300~1000ms毎に15~30ms間行う、請求項1に記載の温度制御装置。
【請求項4】
前記温度制御装置は、
前記パルス信号電圧が前記感温性絶縁樹脂を介して前記感熱線に流れる温度感知電流を感知し温度感知信号電圧を生成する温度感知信号部と;
前記温度感知信号部の温度感知信号電圧から入力された信号電流を増幅して温度感知制御電圧を生成する温度感知制御電圧変換部と;
前記発熱線に供給する直流電源の供給を制御する前記電力制御素子を含む出力制御部と;及び
プログラムされたプロセスによって、前記電力制御素子に発熱周期及び感知周期に対する制御信号を送信し、前記温度感知制御電圧変換部の温度感知制御電圧を入力され、前記出力制御部の前記電力制御素子のON/OFFを制御することを含む中央制御装置と;を含む、請求項1に記載の温度制御装置。
【請求項5】
前記温度感知信号部は、
前記感熱線の一側端子S1と他側端子S2とは、第1感知ノードSV1で接続され、前記第1感知ノードSV1と前記発熱線の他側端子に接続された第1端子ノードnd1の間に第1電圧生成コンデンサを接続し、前記第1電圧生成コンデンサに前記発熱線の発熱温度に応じた温度感知信号電圧が生成される、請求項4に記載の温度制御装置。
【請求項6】
前記第1電圧生成コンデンサは、前記感温性絶縁樹脂のキャパシタ容量の100~1000倍に相当するキャパシタ容量値を有する、請求項5に記載の温度制御装置。
【請求項7】
前記温度感知制御電圧変換部は、前記第1感知ノードSV1から入力端ダイオードD2を介して第2分配抵抗R2と直列に接続された第3分配抵抗R3を介し、第2電源部DC-と接続され、
前記第2分配抵抗R2と第3分配抵抗R3との接続点は、電流増幅型第1トランジスタTR1のベースと接続となり、
前記電流増幅型第1トランジスタTR1のコレクタは第4抵抗R4を介して前記直流電源の第1電源部DC+と接続され、
前記電流増幅型第1トランジスタTR1のエミッタは、第2コンデンサC2が並列に接続された第5抵抗R5を介して前記第2電源部DC-と接続され、前記第1トランジスタTR1のエミッタは、中央制御装置の温度感知電圧端子に接続され、
前記中央制御装置は、前記温度感知電圧端子に入力された温度感知制御電圧が設定された温度電圧より高いと判断されると、前記電力制御素子をTURN-OFFに制御する、請求項5に記載の温度制御装置。
【請求項8】
前記温度制御装置は、内部温度制御回路に直流動作電源を供給する動作電源部をさらに含み、
前記温度感知制御電圧変換部は、前記電流増幅型第1トランジスタTR1のエミッタと第2コンデンサC2との接続点に前記中央制御装置保護用第3ダイオードD3を介して前記動作電源部の+5[V]側に接続し、
前記中央制御装置は、前記温度感知電圧端子に入力される温度感知電圧が予め設定された正常入力電圧の範囲である4.8[V]を超える電圧、又は0.2[V]未満の電圧であると判断されると、前記電力制御素子をTURN-OFFに制御し、その後再起動しないように中央制御装置の前記電力制御素子の制御出力を停止するように制御する、請求項7に記載の温度制御装置。
【請求項9】
前記発熱線の一側端子H1は、前記直流電源の第1電源部DC+に接続され、
前記発熱線の他側端子H2は、前記出力制御部の第1電力制御素子FET1の一側端子に接続され、
前記第1電力制御素子の他側端子と一側端子とが接続され、直列に接続された第2電力制御素子の他側端子が第2電源部DC-と接続される、請求項4に記載の温度制御装置。
【請求項10】
前記温度制御装置は、内部回路に直流動作電源を供給する動作電源部をさらに含み、前記第1電力制御素子及び第2電力制御素子のゲートは、それぞれ前記中央制御装置のゲート出力端子A、Bに接続され、
前記第1電力制御素子の両側端子には、第6分配抵抗R6が接続され、前記第2電力制御素子の両側端子には、第7分配抵抗R7が接続され、前記第6分配抵抗R6と第7分配抵抗R7が接続される接続点2は、中央制御装置の動作信号感知端子SV4と接続され、
前記接続点2は、第4ダイオードD4を介して前記動作電源部の+5[V]側に接続され、前記第6分配抵抗R6と第7分配抵抗R7の抵抗値は前記接続点2の感知電圧が正常な温度感知周期から1~4[V]の範囲内で設定されるように抵抗値を配分し、
前記中央制御装置は、温度感知周期で前記動作信号感知端子SV4に設定された正常感知電圧の範囲を超える電圧、又は未満の電圧が入力されると、前記ゲート出力端子A、Bを介してOFF制御信号を出力し、その後、再起動しないように前記中央制御装置のゲート出力端子A、Bの出力を停止するように制御する、請求項9に記載の温度制御装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
また、前記温度感知信号部は、前記感熱線の一側端子S1と他側端子S2とが第1感知ノードSV1で接続され、前記第1感知ノードSV1と前記発熱線の他側端子に接続された第1端子ノードnd1の間に第1電圧生成コンデンサを接続することを特徴とし、前記第1電圧生成コンデンサに前記発熱線の発熱温度に応じた温度感知信号電圧が生成されることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
また、前記温度感知制御電圧変換部は、前記第1感知ノードSV1から入力端ダイオードD2を介して第2分配抵抗R2と直列に接続された第3分配抵抗R3を介し、第2電源部DC-である接地と接続され、前記第2分配抵抗R2と第3分配抵抗R3との接続点は、電流増幅型第1トランジスタTR1のベースと接続となり、前記電流増幅型第1トランジスタTR1のコレクタは第4抵抗R4を介して前記直流電源の第1電源部DC+と接続され、前記電流増幅型第1トランジスタTR1のエミッタは、第2コンデンサC2が並列に接続された第5抵抗R5を介して前記接地と接続され、前記第1トランジスタTR1のエミッタは、中央制御装置の温度感知電圧端子に入力されることを特徴とし、前記中央制御装置は、前記温度感知電圧端子に入力された温度感知制御電圧が設定された温度電圧より高いと判断されると、前記電力制御素子をTURN-OFFに制御することを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
なお、前記第1電力制御素子及び第2電力制御素子のゲートは、それぞれ前記中央制御装置のゲート出力端子A、Bに接続され、第1電力制御素子の両側端子には第6分配抵抗R6が接続され、第2電力制御素子の両側端子には、第7分配抵抗R7が接続され、第6分配抵抗R6と第7分配抵抗R7の接続点2は、中央制御装置の動作信号感知端子SV4と接続されることを特徴とし、前記接続点2は、第4ダイオードD4を介して前記動作電源部の+5[V]側に接続され、前記第6分配抵抗R6と第7分配抵抗R7の抵抗値は、接続点2の感知電圧が正常な温度感知周期から1~4[V]の範囲内で設定されるように抵抗値を配分したことを特徴とし、前記中央制御装置は、温度感知周期で前記動作信号感知端子SV4に設定された正常感知電圧の範囲を超える電圧、又は未満の電圧が入力されると、前記ゲート出力端子A、Bを介してOFF制御信号を出力し、その後、再起動しないように中央制御装置のゲート出力端子A、Bの出力を停止するように制御することを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
本発明の一実施形態に係る温度制御装置は、発熱線直流電圧が印加された状態でパルス信号が発生する感知周期毎に感温性絶縁樹脂を介して感熱線に流れる充放電電流による温度感知電圧信号の入力を受け取ることができ、正確な温度感知ができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
第1マイコン保護回路は、前記電流増幅型第1トランジスタTR1のエミッタと第2コンデンサC2の接続点を第1マイコン保護用第3ダイオードD3を介して動作電源部の+5V側に接続する。第1マイコン保護回路により中央制御装置20に入力される電圧は+5Vを超えないようになる。第1マイコン保護回路は、過熱等の原因で感温性絶縁樹脂の絶縁が破壊され、発熱線HW1と感熱線SW1が螺旋接触となるなどの理由で、中央制御装置20に24[V]の高い電圧及び+5[V]を超過する電圧が入力されるのを防ぐためである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
本発明の一実施形態では、上記のような微弱な鋸歯状波信号を区分が明確な矩形波信号に変換するために、上記第1感知ノードSV1と上記発熱線HW1の他側端子H2に接続された第1端子ノードnd1の間に第1電圧生成コンデンサC1を接続することを特徴とする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
図4に示したように、第1感知ノードSV1と第1端子ノードnd1との間に第1電圧生成コンデンサC1を接続すると、第1感知ノードSV1と第2感知ノードSV2には、温度感知信号電圧が矩形波で明確に現れることができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0093】
本発明の一実施形態では、このような欠点を補うために、感熱線の一側端子S1と他側端子S2が接続された第1感知ノードSV1と第1端子ノードnd1との間の第1電圧生成コンデンサC1を接続して、第1感知ノードSV1に温度信号電流が蓄積されたパルス波形が明確に現れるようにしたことを特徴とする。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0125
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0125】
発熱線により感温性絶縁樹脂の温度が上昇すると、温度感知制御電圧変換部13の出力が接続された第3感知ノードSV3温度感知制御電圧が上昇して入力となる。マイコンである中央制御装置20では、温度設定部12で設定された温度電圧より温度感知制御電圧が高いと判断すると、中央制御装置20の出力端子A、Bを介して出力信号をHIGH→LOWに切り替えて、第1、2電力制御素子FET1、FET2をTURN-OFFに制御する。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0127
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0127】
電熱器具の温度が下がると、感温性絶縁樹脂のインピーダンスが再び増加し、温度感知制御電圧変換部13に入力される第2感知ノードSV2の温度感知信号電圧は減少し、温度感知制御電圧変換部13の出力電圧である温度感知制御電圧が減少する。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0128
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0128】
中央制御装置20にプログラムされた順序によって第3感知ノードSV3から入力された温度感知制御電圧信号が温度設定部12で設定された電圧未満に下がると、中央制御装置20は、出力端子A、Bを介して出力信号をLOW→HIGHに切り換え、第1、2電力制御素子FET1、FET2を再びTURN-ONに制御する。このような過程を繰り返すことにより、発熱線HW1による発熱温度は設定温度範囲で一定に保つことができる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0135
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0135】
本発明の一実施形態に係る電気カーペットの場合、発熱線と感熱線との間に載置された全区間のナイロン樹脂インピーダンスは並列に構成された状態であり、いずれかの部分に局部的な過熱が発生すると、その部分の感温性絶縁樹脂の温度も同様に上昇する。局部的な過熱部位の温度が設定された温度以上になると、第1温度感知ノードSV1の温度感知信号電圧による第3温度感知ノードSV3の温度感知制御電圧が設定された電圧範囲を超えて上昇することになる。したがって、中央制御装置20では、このような局部的な温度上昇による温度感知信号電圧を感知し、出力端子A、Bを介して出力信号をHIGH→LOWに切り替えて第1、2電力制御素子FET1、FET2をTURN-OFFに制御することにより、直流電源の供給を遮断して過熱を防止することができる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0141
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0141】
また、第1電力制御素子FET1の両側端子には第6分配抵抗R6が接続され、第2電力制御素子FET2の両側端子には第7分配抵抗R7が接続されて、第6分配抵抗R6と第7分配抵抗R7との接続点は、中央制御装置20の動作信号感知端子SV4と接続される。さらに、前記接続点は、第2マイコン保護用第4ダイオードD4を介して動作電源部の+5[V]側に接続する。本発明の一実施形態では、第4ダイオードD4を含む第2マイコン保護回路によって前記接続点と接続された動作信号感知端子SV4には、5[V]を超える電圧は第4ダイオードD4により動作電源部11に流し、最大電圧が5[V]が入力されるように制限されることを特徴とする。また、本発明の一実施形態に係る温度制御装置は、前記第6分配抵抗R6と第7分配抵抗R7との接続点の感知電圧が温度感知周期で1~4[V]の範囲内で設定されるため抵抗値を配分するように第6分配抵抗R6と第7分配抵抗R7の抵抗値を23~21:1~3の範囲に配分したことを特徴とする。この場合、中央制御装置20は、動作信号感知端子SV4に温度感知周期に設定された正常感知電圧の範囲を超過又は未満に電圧が入力されると、第1、2ゲート出力端子A、BにOFF制御信号(LOW信号)を出力し、その後再起動しないように中央制御装置20のA、B出力を停止するように制御する。また、中央制御装置20は、同時に表示部16のLEDを警告形態で点滅させるように制御する。
【国際調査報告】