(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】カプセル用の切断装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B26D 3/08 20060101AFI20240312BHJP
B26D 7/06 20060101ALI20240312BHJP
B26D 1/02 20060101ALI20240312BHJP
B26D 5/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
B26D3/08 Z
B26D7/06 D
B26D1/02 C
B26D5/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549674
(86)(22)【出願日】2022-02-16
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 IB2022051362
(87)【国際公開番号】W WO2022175824
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】102021000003656
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102022000002165
(32)【優先日】2022-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507015435
【氏名又は名称】サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァ
【住所又は居所原語表記】Via Selice Provinciale,17/A,I-40026 IMOLA(Bologna),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッラ,ファブリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】ランツォーニ,リッカルド
(72)【発明者】
【氏名】スカラナーロ,マウリツィオ
【テーマコード(参考)】
3C021
【Fターム(参考)】
3C021DB06
(57)【要約】
開示された切断装置及び方法は、保証バンドを画定する優先的な切断線をカプセルに形成するためのものであり、鉛直の回転軸を中心にして回転して複数の供給ユニットを担持するカルーセルを備える。各供給ユニットは、カプセルがナイフに到達する前にカプセルの向きを検出する光学センサを使用してカプセルをナイフに供給するように構成される。各供給ユニットは、回転可能な下部支持体及び回転可能な上部スピンドルを備える。各下部支持体は、カム手段により軸方向に移動可能に制御され、カプセルがナイフに到達する前の光学センサの検出に基づきカプセルの向きを変更し得る各モータにより回転駆動される。各上部スピンドルは、カプセルがナイフ上で回転している間にカプセルと係合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル(2)を供給するための供給手段と、
前記供給手段によって供給される各カプセル(2)に保証バンドを形成するための切断手段(3)と、
各カプセルの向きを検出する検出手段(13)、各カプセルの向きを変えるための駆動手段(10)、及び前記検出手段の検出に基づいて前記駆動手段(10)を制御するように構成された制御手段を備える制御ユニットと、
を備える、切断装置(1)であって、
前記カプセル(2)が前記切断手段(3)に対して所望の向きで前記切断手段に到達するように、前記制御ユニットは、前記カプセルが前記切断手段(3)に到達する前に各カプセル(2)の向きを変えるように構成されている、
ことを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記供給手段は、前記切断手段(3)が配置される経路に沿って移動可能な少なくとも1つの供給ユニット(4)を備え、前記少なくとも1つの供給ユニット(4)は、少なくとも1つのカプセル(2)を供給するように構成され、スピンドル回転軸を中心にして回転可能なスピンドル(6)を備え、前記スピンドル(6)は、前記カプセルが前記切断手段(3)上で回転している間に、前記カプセル(2)と係合するように構成され、前記スピンドル(6)は、特に、上向きの前記カプセル(2)の内面と係合するように構成されている、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記カプセルが前記切断手段(3)上で回転している間に前記スピンドル(6)が前記カプセル(2)と係合しているときに、前記スピンドル回転軸を回転させるように構成されたモータ手段(7)を更に備える、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記供給手段は、カルーセル回転軸を中心にして回転可能であって、前記少なくとも1つの供給ユニット(4)を支持するように構成されたカルーセル(5)を備え、当該装置は、前記モータ手段(7)の回転軸の回転により前記スピンドル回転軸の回転を生じさせるように構成された運動伝達手段(8)を備え、当該装置は、特に、前記カルーセル回転軸が前記モータ手段(7)の前記回転軸と同軸状又は一致するように構成されている、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記運動伝達手段(8)が、1以上の可撓性部材、及び/又は前記モータ手段(7)の回転軸と前記スピンドル回転軸とを連結するように構成された1以上のギヤを備える、
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記供給手段は、少なくとも1つのカプセル(2)を供給するように構成された少なくとも1つの供給ユニット(3)を備え、前記少なくとも1つの供給ユニット(4)は、支持体回転軸を中心にして回転可能な支持体(9)を備え、前記支持体(9)は、前記カプセル(2)と係合し、前記カプセル(2)が前記切断手段(3)に到達する前に、前記カプセル(2)の前記支持体回転軸に対する向きを変更する前記駆動手段(10)から回転運動を入力するように構成され、前記カプセル(2)が、前記切断手段(3)に対して所望の向きで前記切断手段と接触する、
請求項1から5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記支持体(9)は、吸着保持手段を使用して前記カプセル(2)と係合するように構成され、前記支持体(9)は、特に、下向きの前記カプセルの外面と係合するように構成されている、
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの供給ユニット(4)は、スピンドル回転軸を中心にして回転可能なスピンドル(6)を備え、前記支持体(9)が、前記スピンドルに近づいたり遠ざかったりするようにして前記スピンドルに対し両方向において軸方向の移動を実行可能であり、前記支持体(9)の軸方向の移動は、特に、カム手段によって案内され、前記カム手段は、特に、固定されたカムプロフィール(11)と、前記支持体(9)に連結されたタペットとを備える、
請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記供給手段は2以上の供給ユニット(4)を備え、各供給ユニットが少なくとも1つのカプセル(2)を供給するように構成され、前記2以上の供給ユニット(4)は、閉ループ状の経路に沿って移動可能であり、特に、回転可能なカルーセル(5)上に配置され、各供給ユニット(4)が、特に、前述したとおり請求項2から8のいずれかに記載の少なくとも1つの供給ユニット(4)によって実現されている、
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記供給手段は、カルーセル回転軸を中心にして回転可能なカルーセル(5)を備え、前記カルーセル(5)は、2以上の供給ユニット(4)を支持するように構成され、各供給ユニットが、少なくとも1つのカプセル(2)を前記切断手段(3)に供給するように構成され、各供給ユニット(4)が、スピンドル回転軸を中心にして回転可能なスピンドル(6)を備え、前記スピンドル(6)は、前記カプセルが前記切断手段(3)上で回転している間に前記カプセル(2)と係合するように構成され、前記スピンドル(6)が、上向きの前記カプセル(2)の内面と係合するように構成され、前記駆動手段(10)が、前記2以上の供給ユニット(4)の各々について、前記カルーセルによって担持される少なくとも1つのモータを備え、前記各供給ユニット(4)が、支持体回転軸を中心にして回転可能な支持体(9)を備え、前記支持体(9)は、前記カプセル(2)と係合し、前記カプセル(2)が前記切断手段(3)に到達する前に前記カプセル(2)の前記支持体回転軸に対する向きを変更する前記モータからの回転運動を入力するように構成され、前記カプセルが前記切断手段(3)に対して所望の向きで接触し、前記支持体(9)が、下向きの前記カプセル(2)の外面に係合するように構成されている、
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記運動伝達手段(8)は、前記カプセル(2)が前記切断手段(3)上で回転している間に前記モータ手段(7)の軸の回転により前記スピンドル回転軸の回転を生じさせるように構成されており、前記支持体(9)は、前記カプセル(2)が前記切断手段(3)上で回転している間に前記支持体回転軸が空転可能となるように、構成されている、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
2以上の供給ユニット(4)の各々が、前記カプセル(2)が前記切断手段(3)上で回転している間に、前記スピンドル回転軸が空転可能である一方で前記各モータが前記支持体を支持体回転軸周りに回転させるように、構成されている、
各モータが
請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記検出手段(13)が、例えばカメラのような光学手段を備え、及び/又は、前記駆動手段(10)が、前記カプセル(2)と一緒に前記供給手段によって経路に沿って移送される少なくとも1つのモータを備え、及び/又は、前記制御手段は、プログラム可能な電子手段と、前記プログラム可能な電子手段上で実行されるコンピュータ指示とを備える、
請求項1から12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
各カプセル(2)に保証バンドを形成するため、カプセル(2)を切断手段(3)に供給する工程と、
各カプセル(2)の向きを検出する工程と、
前記検出に基づいて、各カプセル(2)の向きを変更する工程と、
を備え、特に請求項1から13のいずれかに記載の切断装置(1)によって実施される、切断方法であって、
前記カプセルが前記切断手段(3)に対して所望の向きで前記切断手段に到達するように、前記変更は、前記カプセル(2)が前記切断手段(3)に到達する前に実行される、
ことを特徴とする、方法。
【請求項15】
カプセル(2)を支持体上に設置する工程と、
駆動手段(10)により支持体回転軸を中心にして前記支持体(9)を回転させ、前記カプセルを駆動手段上で回転させる工程と、
前記駆動手段(10)から別個のモータ手段(7)によってスピンドル回転軸を中心にしてスピンドル(6)を回転させる工程と、
前記カプセル(2)が前記支持体(9)と前記スピンドル(6)との間で係合するように、前記支持体(9)及び前記スピンドル(6)を互いに近づける工程と、
前記カプセル(2)が前記支持体(9)と前記スピンドル(6)との間に係合し始めるときに、前記支持体回転軸を中心にした前記カプセル(2)の回転速度が、前記スピンドル(6)の前記スピンドル回転軸を中心にした前記スピンドル(6)の回転速度と等しくなるように、前記駆動手段(10)及び前記モータ手段(7)を駆動する工程と、
前記カプセル(2)に保証バンドを形成するため、前記カプセル(2)を回転させながら前記切断手段(3)に接触させる工程と、
備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記支持体(9)の少なくとも一部を前記駆動手段(10)から切り離す工程を備える、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記支持体(9)を前記駆動手段(10)から切り離す前記工程は、前記カプセル(2)が前記支持体(9)と前記スピンドル(6)との間に係合された後に実行される、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記支持体(9)を前記駆動手段(10)から切り離す前記工程は、前記カプセル(2)が前記切断手段(3)に回転しながら接触する前に実行される、
請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
検出手段(13)によって前記カプセル(2)の角度位置を読み出す最初の工程と、
前記切断操作を開始する時点で前記切断手段(3)に対して所望の向きを得るのに適した前記カプセル(2)の所望の回転を決定するために、前記検出手段(13)から出力される信号を処理する次の工程と、
請求項15から18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記支持体(9)と前記スピンドル(6)との間で相互に近づける工程を備え、当該相互接近の工程の間、前記カプセル(2)が、前記支持体(9)に担持され、前記支持体は、前記切断手段(3)に対する所望の向きを得るため、基準姿勢に対する前記カプセル(2)の角度姿勢を補正する、
請求項15から19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記補正は、前記カプセル(2)が前記スピンドル(6)と接触するときに終了し、それにより、前記スピンドルが、更なる角度補正の動作を実行することなく前記カプセル(2)を前記切断手段(3)に移送する、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記駆動手段(10)は、検出手段(13)によりカプセルの角度位置を読み出す予備工程の後に、運転サイクルを繰り返し実行し、当該運転サイクルが、少なくとも、
前記支持体(9)を前記スピンドル(6)と同じ角速度で回転させるように前記駆動手段(10)が前記支持体(9)に回転運動を伝達する、前記支持体(9)を角加速させる最初の工程と、
前記駆動手段(10)がもはや前記支持体(9)に回転運動を伝達しないよう前記駆動手段(10)が前記支持体(9)から解放され、前記カプセル(2)が前記スピンドル(6)によって回転させられる、一定の角速度の中間工程と、
最終の減速段階の工程と、を含む、
請求項15から21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記切断手段(3)に対する所望の向きを得るため、基準姿勢に対する前記カプセル(2)の角度姿勢を補正する工程を備え、当該補正工程は、前記加速段階の間に実行される、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
切断装置、特に、請求項1から13のいずれかに記載の切断装置、及び/又は請求項13から23のいずれかに記載の方法を実行するための切断装置であって、
カプセル(2)を供給するための供給手段と、
前記供給手段によって供給された各カプセル(2)に保証バンドを形成するための切断手段(3)と、を備え、
前記供給手段は、前記切断手段(3)が配置された経路に沿って移動可能であり、少なくとも1つのカプセル(2)を供給するように構成された少なくとも1つの供給ユニット(4)を備え、
前記少なくとも1つの供給ユニット(4)は、支持体回転軸を中心に回転可能な支持体(9)と、スピンドル回転軸を中心に回転可能なスピンドル(6)とを備え、
前記カプセル(2)が、最初に前記支持体(9)によって係合され、次に前記カプセルが前記切断手段(3)上で回転している間に前記支持体(9)と前記スピンドル(6)との間で係合されるようにして、前記支持体(9)及び前記スピンドル(6)が構成され、
当該切断装置は、前記支持体回転軸を中心に前記支持体(9)を回転させるための駆動手段(10)と、前記駆動手段(10)とは別個であり、前記スピンドル回転軸を中心に前記スピンドル(6)を回転させるためのモータ手段(7)と、前記カプセル(2)が前記支持体(9)と前記スピンドル(6)との間に係合しているときに前記支持体(9)の前記支持体回転軸を中心とする回転層度が前記スピンドル(6)の前記スピンドル回転軸を中心とする回転速度と等しくなるように、前記駆動手段(10)及び前記モータ手段(7)を駆動するように構成された制御手段と、を備える、
装置。
【請求項25】
前記支持体(9)の第1部分(24)を前記支持体(9)の第2部分(26)から切り離すように構成された切離し手段(23,25)を備え、前記第2部分(26)は、前記カプセル(2)と、前記駆動手段(10)に接続されている前記第1部分(24)とを担持し、前記カプセル(2)が前記支持体(9)と前記スピンドル(69との間に係合された後に、及び/又は前記カプセル(2)が前記切断手段(3)に回転しながら接触する前に、前記駆動手段(10)から前記第2部分(26)への動力の伝達を遮断する、
請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記切離し手段は、少なくとも1つのスプライン結合(23)を備える、
請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記切離し手段は、磁石(25)を備えた少なくとも1つの装置を備える、
請求項25又は26に記載の装置。
【請求項28】
前記制御手段は、前記カプセル(2)が前記切断手段(3)に対して所望の向きで前記切断手段(3)に到達するように各カプセル(2)の向きを変更するため、前記検出手段の検出に基づいて前記駆動手段(10)を制御するように構成されている、
請求項24から27のいずれかに記載の装置。
【請求項29】
前記供給手段は、カルーセル回転軸を中心にして回転可能であって前記少なくとも1つの供給ユニット(4)を支持するように構成されたカルーセル(5)を備え、前記モータ手段(7)は、前記カルーセル(5)を前記カルーセル回転軸を中心にして回転させるように構成され、当該装置は、前記カルーセル回転軸を前記スピンドル回転軸に接続するように構成された1以上のギヤ(22)を備えた運動伝達手段(8)を備える、
請求項24から28のいずれかに記載の装置。
【請求項30】
前記支持体(9)は、吸着保持手段を使用して前記カプセル(2)と係合するように構成され、前記支持体(9)は、下向きの前記カプセルの外面と係合するように構成されている、
請求項24から29のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、切断装置及び方法に関し、特に、容器のカプセル、例えば樹脂製で、瓶のような容器を閉栓するために使用可能なカプセルに切れ込みを入れるための装置及び方法に関する。
【0002】
具体的には、非限定的であるが、本発明は、カプセルを最初に開封するときに破壊されることを目的としたタンパーリング(tamper ring)又は保証バンド(guarantee band)を形成するためにカプセルの側壁に切れ込みを入れることに関する。
【0003】
特に、冒頭クレームのプリアンブルに記載された装置を参照する。このような装置が、例えば、特許文献EP 3103603 A1から公知である。
【0004】
固定されたナイフ上でカプセルを回転することによって、カプセルに周方向の切れ込みを形成することが公知である。その結果、保証バンドを画定する優先的な破壊線が、カプセルの壁に形成される。
【0005】
この点で、先行技術は改善可能である。
【0006】
特に、カプセルがナイフに接触するときに適切な方法でナイフに対するカプセルの向きが合うように、カプセルをナイフに供給することが望ましい。特に、少なくとも2つの所望の位置で壁の切り込みを開始及び終了すべく、360°未満で、すなわち全周ではなく、カプセルの壁に沿って切り込みを入れることが必要である。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、公知の容器に代わる容器用のカプセルに切れ込みを入れるための装置及び/又は方法を提供することを1つの目的とする。
【0008】
先行技術の上記課題を解決することを1つの目的とする。
【0009】
カプセルにタンパーリングを正確に形成するのに適した容器用のカプセルに切れ込みを入れることを可能にすることを1つの目的とする。
【0010】
「繋がった(tethered)」カプセル、すなわち、開封後に容器に取り付けられたままとなるカプセルに切れ込みを入れるのを容易化することを1つの目的とする。
【0011】
1つの利点は、容器用のカプセルに切れ込みを入れるための、構造的に単純で安価な装置を提供することである。
【0012】
1つの利点は、壁の設定点でカプセルの壁に1又は複数の切れ込み入れることを正確に実行可能になることである。
【0013】
1つの実施形態では、切断装置が、回転可能なカルーセルと、カルーセルによって回転されてカプセルを切断手段に供給する2以上の供給ユニットと、カプセルが切断装置に到達する前に各カプセルの向きを検出する検出手段と、を備え、各供給ユニットは、カプセルを担持するための下部支持体と、カプセルが切断手段上で回転している間にカプセルと係合する上部スピンドルと、を備え、各下部支持体は、その回転軸を中心に回転可能であり、検出手段の検出に基づいてカプセルの向きを変更するようにモータから回転運動を入力するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明は、その実施形態の一部を非限定的な例示のために図示している添付の図面を参照して、より良く理解され且つ実施され得る。
【
図1】本発明に従って製造された第1実施形態に係る装置の立断面図。
【
図3】本発明に従って製造された第2実施形態に係る装置の立断面図。
【
図7】本発明に従って製造された第3実施形態に係る装置の立断面図。
【
図9】本発明に従って製造された第4実施形態に係る装置の平面図。
【
図10】垂直方向に並進するカプセルの支持体を案内するためのカム手段の形状のプロフィールを示す図。
【
図11】垂直方向に並進するカプセルの支持体を案内するためのカム手段の形状のプロフィールを示す図。
【
図12】本発明に従って製造された装置の図をいくつか重ねて示す平面図。
【
図13】上記装置で使用可能なカプセルの下部支持体の実施形態の立断面図。
【
図14】上記装置で使用可能なカプセルの下部支持体の実施形態の立断面図。
【
図15】本発明に従って製造された装置の第5例の立面の部分断面図。
【
図16】各スピンドルの上端を含む電力供給ユニットの一部を示す、
図15の拡大詳細図。
【
図17】カプセルと接触している支持部分が、駆動手段から回転運動を入力する支持部と連結されず、当該回転運動を入力しない非連結作動状態において、カプセルが各スピンドルと各支持体との間に係合する領域を含む供給ユニットの一部を示す、
図15の拡大詳細図。
【
図18】カプセルと接触している支持部分がスプライン結合の係合を通じて駆動手段から回転運動を入力する連結作動状態において
図17の領域を示す、
図15の拡大詳細図。
【
図19】
図17と同様の非連結作動状態における切断装置の例の第2のバージョンであって、カプセルと接触している支持部分を駆動手段から回転運動を入力している支持部分から解放するように構成された連結解除手段がマグネット式であるバージョンを示す、
図15の拡大詳細図。
【
図21】本発明に係る切断方法のサイクルの一例の作動段階の時系列と対比して、カルーセルの1回転完了に対応する時間に対する、カルーセル軸を中心とするカプセル輸送カルーセルの角度位置の関数として、支持体を回転駆動する駆動手段のロータの回転速度の曲線を示す図。
【
図22】カプセルの初期(ランダム)位置に応じて互いに異なる3つの場合において、カルーセル軸を中心とするカルーセルの角度位置の関数として、カプセルを支持するベースの回転軸を中心とする当該ベース(プレート)の角度位置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上述の図面を参照して、単純化を目的として、異なる実施形態の同一の要素は同一の参照符号が付されている。
【0016】
符号1は、カプセル2に切れ込みを入れるための切断装置の全体を示す。特に、切断装置1は、樹脂製のカプセル2であって、例えば瓶のような容器を閉栓するのに適したカプセル2に切れ込みを入れるために使用されることができる。特に、切断装置1は、カプセルを最初の開封時に破壊されるように意図されたタンパーリング又は保証バンドを形成するために、カプセルの側壁に切れ込みを入れるために使用されることができる。特に、切断装置1は、「繋がった(tethered)」カプセル、すなわち、開封後に容器に装着されたままのカプセルを形成するために使用されることができる。
【0017】
切断装置1は、特に、カプセル2を供給するための供給手段を備えることができる。切断装置1は、特に、供給手段によって供給される各カプセル2に保証バンドを形成するために切断手段3を備えることができる。供給手段は、特に、1以上の供給ユニット4を備え、各供給ユニット4は、切断装置3が配列されている経路に沿って移動可能である。いくつかの図面では、切断装置3が実際には本明細書に開示される全ての実施形態に存在していても、図示の単純化のため、切断装置3が図示されていない。各供給ユニット4は、特に、少なくとも1つのカプセル2を供給するように構成されることができる。
【0018】
切断手段3は、特に、1以上のブレード又はナイフを備えることができる。これらは、互いに重なり合ってカプセル2の(周方向の)経路の一部に沿って配列され、また、カプセルに1以上の切断(切込み)を実行するように構成されることができる。切断手段3は、特に、1以上の鉛直の及び/又は傾斜したブレード又はナイフを備え、これらは、特に、「繋がった」カプセルを形成するように構成されている。
【0019】
供給手段は、特に、カルーセル回転軸を中心にして回転可能な少なくとも1つのカルーセル5を備えることができる。カルーセル5は、特に、供給ユニット4を支持するように構成されることができる。モータ手段(例えば、公知のタイプのモータ)によってカルーセル回転軸を回転させることができる。各供給ユニット4は、特に、様々な供給ユニット4がカルーセル5上で互いに角度的に間隔をあけて配置されている特定の実施形態のように、閉ループ状の経路に沿って配列されることができる。各供給ユニット4は、特に、スピンドル回転軸を中心にして回転可能なスピンドル6を備えることができる。スピンドル6は、特に、カプセルが切断手段3上で回転している間に、カプセル2と係合するように構成されることができる。スピンドル6は、特に、上向きのカプセル2の内面と係合するように構成されることができる(図示される実施形態のように、各カプセル2はスカート部又は側壁を備え、側壁は、下に配置された閉鎖壁で閉鎖され、上に開放される)。
【0020】
切断装置1は、特に、カプセルが切断手段3上で回転している間にスピンドルがカプセル2と係合すると、スピンドル回転軸を回転させるように構成されたモータ手段7を備えることができる。スピンドル回転軸を回転させるモータ手段7は、特に、カルーセル回転軸を回転させるように構成されたモータ手段と同じであってもよい。スピンドル回転軸を回転させるモータ手段7は、特に、カルーセル回転軸を回転させるように構成されたモータ手段の位相に関して所望の位相に従って、調整されてもよい。
【0021】
切断装置1は、特に、モータ手段7の回転軸の回転によって各スピンドルについてスピンドル回転軸の回転を生じさせるように構成された運動伝達手段8を備えることができる。運動伝達手段8は、特に、(添付図面のように)モータ手段7の回転軸とスピンドル回転軸とを一緒に連結するように(プーリ上に)配置された1以上の可撓性部材を備えることができる。他の実施形態では、運動伝達手段は、特に、(上述の1以上の可撓性部材に加えて又はこれに代えて)1以上のギヤを備えてもよく、あるいは他のタイプの運動連鎖(kinematic chain)を備えてもよい。
【0022】
各供給ユニット4は、特に、支持体回転軸を中心にして回転可能な支持体9を備えることができる。支持体9は、特に、各カプセル2と係合するように構成され得る。また、支持体9は、カプセル2が切断手段3に到達する前に、カプセル2の支持体回転軸に対する向きを変更するように構成された駆動手段10から回転運動を入力するように構成され、その結果、カプセル2は、切断手段に対して所望の向きで切断手段3と接触する。
【0023】
支持体9は、特に(本明細書で開示される実施形態のように)、(例えば公知のタイプの)吸引保持手段によってカプセル2と係合するように構成されることができる。支持体9は、特に、下向きのカプセル2の外面(特に、下に配置されたカプセルの閉鎖壁の外面)と係合するように構成されることができる。支持体9は、特に(本明細書で開示される実施形態のように)、(鉛直方向に固定され得る)各スピンドル6が互いに近づいたり遠ざかったりするように、各スピンドル6に対して両方向において、軸方向(例えば、鉛直)に運動可能であってもよい。支持体9の軸方向の運動は、特に(本明細書で開示される実施形態のように)、カム手段によって案内されることができる。カム手段は、特に、固定プロフィール11と、可動タペットとの間に連結されることができ、タペットは、支持体9と一体に移動可能である(例えば、タペットは支持体9に一体化されている)。固定プロフィール11は、特に、周方向に延在してもよい。
図10は、一方向(例えば、時計回り)のカルーセル5の運動を考慮した、形状11のプロフィール(平面上で延在する)、及びカム手段によって案内されるカプセル2の各経路の実施形態を図示している。
図10では、カプセル2の運動が上から下に示されている。
【0024】
符号12で経路部が図示されており、カプセルの角度位置(位相)は、支持体9を(駆動手段10によって)回転させることによって調整され、検出手段13によって実行されるカプセル2の向きの検出に基づいてカプセル2を搬送する。
【0025】
図11では、逆方向(例えば、反時計回り)でのカルーセル5の運動を考慮した、形状11のプロフィール(平面上で延在する)、及びカプセル2の各経路の実施形態が図示されており、カプセル2の運動は下から上に示されている。
【0026】
切断装置1は、特に、少なくとも1つの制御ユニットを備えることができ、制御ユニットは、特に、各カプセル2の向きを検出するように構成された上述の検出手段13を備えることができる。制御ユニットは、特に、各カプセル2の向きを変更するように構成された上述の駆動手段10を備えることができる。制御手段は、特に、検出手段13の検出に基づいて駆動手段10を制御するように構成された制御手段を備えることができる。制御手段は、特に、電子的でプログラム可能な制御手段(例えば、電子プロセッサ)を備え、制御手段には、プログラム可能な電子手段で実施されるコンピュータ指示が提供される。検出手段13は、特に、例えばカメラタイプの光学検出手段を備えることができる。検出手段13は、特に、少なくとも1つのセンサ(カメラ)を備えることができ、当該センサは、特に、供給ユニット4によって移送される経路に沿って配列され、固定されている。
【0027】
制御ユニットは、特に、カプセルが切断手段3に到達する前に各カプセル2の向きを変更可能なように構成され、その結果、カプセル2が、切断手段3に対して所望の向きで切断手段3に到達し、カプセル2の所望点で切断(切込み)が開始する。駆動手段10は、特に、各供給ユニット4について、カルーセル5上に配置され、カルーセルによって回転駆動され、各回転可能な支持体9と動作可能に関連付けられる少なくとも1つのモータ(例えば、電気モータ)を備えることができる。各供給ユニット4に関し、カプセル2の向きを変更して所望の角度位置に達するように、各回転可能な支持体(スピンドル6よりも下方にある)が、各モータから回転運動を入力する。
【0028】
上述の運動伝達手段8が設けられた実施形態において、カプセル2が切断手段3上で回転している間にモータ手段7の回転軸の回転によって各スピンドル回転軸の回転を生じさせるように構成されてもよい。各支持体は、特に、カプセル2が切断手段3上で回転している間に、支持体回転軸が(下にある支持体9に対して摺動し得るカプセル2に)固定されるように構成されてもよく、カプセル2が切断手段3上で回転している間に、(カプセル2が下にある支持体9に対して摺動できないように)支持体回転軸が空転可能なように構成されてもよい。
【0029】
各供給ユニット4が次のように構成された実施形態を提供することも可能である。すなわち、カプセル2が切断手段3上で回転している間に、駆動手段10(供給ユニット4の対応のモータ)が支持体回転軸を駆動する一方で、(例えば、スピンドル回転軸を従動回転軸に接続するための上述の運動伝達手段8の構成を省略して)スピンドル回転軸が空転可能となるように、各供給ユニット4が構成されてもよい。
【0030】
支持体9は様々な方法で製造され得る。特に、支持体9は、単一の下部プレート(特に
図2に示すように、上に突出してカプセルと相互作用可能な周縁部を省略したプレート)を備えることができ、当該プレートは、スカート側部との実質的に相互作用することなしに、(これらの実施形態において下に配置された)カプセルの平坦端部と(吸着による保持で)接触し、支持するように相互作用する。支持体9は、特に(例えば
図6に示すように)、カプセルを横方向に少なくとも部分的に収容し、スカート側部との相互作用し得るビーカー状のプレートを備えることができる。支持体9は、特に、支持体9のバネ状の運動を許容する弾性手段(例えば、
図6、
図13、
図14に図示される)を備えることができる。ビーカー状のプレート、及び/又はバネ状の運動により、特に支持体9がモータ手段によって回転しているときに、カプセルの保持が促される。
【0031】
支持体9には、係合手段(例えば、ローレット)が設けられていてもよく、係合手段は、切断手段上でのカプセルの回転運動を(摺動なしに)促進するために切断領域に配置された逆係合手段(例えば、固定逆ローレット)と係合するように構成される。
【0032】
支持体9は、特に(例えば、
図13及び
図14に示すように)、可動部(例えば、ヒンジ動)が設けられた横方向カプセル収容手段を備えることができ、カプセルの側部を横方向に収容する閉鎖状態と、カプセルを自由にする開放状態とを採用し得る。
【0033】
上述のとおり、支持体9は、特に、支持体のバネ状の運動のために構成された弾性手段を備えることができる。この弾性手段は、特に、カプセル支持プレートと、管状要素との間に配置されることができ、軸方向に移動可能であり、横方向収容手段を搬送可能である(
図13に示すように)。例えば
図14に示すように、管状要素がカプセル支持プレートと弾性手段との間に介在するようにして弾性手段が配置されてもよい。
【0034】
動作中、次の工程を備え得る切断方法が実行される。すなわち、切断方法は、各カプセル2に保証バンド又はタンパーリングを形成すべくカプセル2を切断手段3に供給する工程と、各カプセル2の向き(又は角度配置)を検出する工程と、この検出に基づいて各カプセル2の向きを変更する工程とを備える。カプセル2の向きを変更する工程は、カプセルが切断手段3に到達する前に実行され、各カプセル2が切断手段3に対して所望の向き又は角度位置で切断手段3に到達する。切断装置1は、特に、上述のとおり、カプセルを最初に開封したときに破壊されることを意図されたタンパーリングを形成することを目的として、カプセル2の(側)壁に1以上の切断(切込み)を実行するように構成されることができる。
【0035】
動作中、当初は、切断対象の各カプセル2は、支持体回転軸に対してランダムな向きで各供給ユニット4に到達する。検出手段13は、各カプセル2の実際の向き(又は「位相」)、特に、切断手段の前のカプセル経路に沿った支持体回転軸に対するカプセル2の角度位置を決定するように構成されている。前述したとおり、カルーセル5は、互いに角度的に間隔をあけて配置された複数の供給ユニット4を支持する。したがって、様々な供給ユニット4が、周方向の経路に沿ってカルーセル回転軸を中心にして移動可能である。
【0036】
前述したとおり、各供給ユニット4には、(下部)支持体9が設けられており、当該支持体は、特に、その上に置かれたカプセル2を例えば真空によって保持するプレートを備えることができる。検出手段13によって検出されたカプセル2の向きに応じて、切断装置1の電子制御手段は、次の切断(切込み)を実行する前にカプセルを切断手段3に対して所望の位相(対応する角度位置)に位置付けるため、各供給ユニット4のモータによって支持体回転軸を中心にして支持体9を回転させるように構成されている。
【0037】
更に、支持体9は、カム手段11のプロフィールによって支持体回転軸と平行な(鉛直の)方向において各スピンドル6に近づくように(すなわち、上方に)並進するよう案内される。したがって、カプセル2の供給には、カプセル2を担持する下部支持体9の回転と、下部支持体9の上向きの並進との組み合わせによる角度位置の調整、一種の「角度位相調整(angular phasing)」を含む動きが含まれる。回転の調整は、駆動手段10(例えば、各供給ユニット4用の1つの電気モータ)を駆動し、形状11のプロフィールに並進して近づくことによって行われる。形状11は、別のカプセル2をピックアップするために支持体9が下降位置に(すなわち、下降運動を伴って)復帰するのを案内するように、形成及び配置されている。
【0038】
上部スピンドル6は、鉛直方向に固定されることができ、モータ手段7によってスピンドル回転軸を中心にして回転可能であり、運動伝達手段8は、スピンドル6を前述したモータ手段7に接続する。
【0039】
供給手段は、特に、検出手段13の上流にある切断カルーセル5(
図8における時計回り方向に回転する)にカプセル2を挿入するため、入口装置14(例えば入口カルーセル、
図8参照)を備えることができる。供給手段は、特に、切断手段3(
図8では不図示)の下流にある切断カルーセル5からカプセル2を取り出すため、出口装置15(例えば、出口カルーセル、
図8参照)を備えることができ、切断手段3は、検出手段13と出口装置15との間のカプセルの経路に沿って配列されている。
【0040】
入口装置14は、特に、検出手段13の上流にある切断カルーセル5(
図9における反時計回り方向に回転する)にカプセルを挿入するため、入口カルーセルに代えて又は加えて、リニアコンベヤ(
図9を参照)を備えることができる。出口装置15は、特に、出口カルーセルに代えて又は加えて、検出手段13と出口装置15との間のカプセル2の経路に沿って配列された切断手段3の下流にある切断カルーセル5からカプセル2を取り出すため、リニアコンベヤ(
図9を参照)を備えることができる。
【0041】
切断装置1は、特に、折りたたみ装置16(例えば、
図12に示すようにカルーセル型)と連続ラインで接続されることができ、折りたたみ装置16は、切断装置1から来るカプセル2を受け取り、各カプセル2について保証バンドの折りたたみを実行するように構成される。
図12は、カプセル入口17、カプセル出口18、及び、カプセル入口17とカプセル出口18との間に配置された複数のカプセル搬送カルーセルを概略的に重ね合わせたものと共に、カプセルを加工するためのプラントを図示する。複数の搬送カルーセルには、特に、入口装置14、切断カルーセル5、中間カルーセル19、折りたたみ装置16、及び出口装置15が含まれ得る。
【0042】
入力装置14は、カプセル2を切断カルーセル5に渡す。切断カルーセル5は、代わりに、大型カルーセル又は小型カルーセルを備えてもよい。切断カルーセル5は、カプセル2を中間カルーセル19に渡す。中間カルーセル19は、カプセル2を折りたたみ装置16に渡す。折りたたみ装置16は、代わりに、大型カルーセル又は小型カルーセルを備えてもよい。折りたたみ装置16は、カプセル2を出口装置15に渡す。
【0043】
大型の切断カルーセル5及び大型の折りたたみ装置16の組み合わせや、大型の切断カルーセル5及び小型の折りたたみ装置16の組み合わせや、小型の切断カルーセル5及び大型の折りたたみ装置16の組み合わせや、小型の切断カルーセル5及び小型の折りたたみ装置16の組み合わせのように、様々な組み合わせを提供できる。特定の実施形態において、切断カルーセル5は大型であり、折りたたみ装置16は大型又は小型であってもよい。特定の実施形態において、加工されているカプセルの進行方向を基準にして、切断カルーセル5が折りたたみ装置16の前に配置されてもよく、又は折りたたみ装置16の後に配置されてもよい。
【0044】
ある切断工程において、カプセル2は、上部スピンドル6に当接する下部支持体9に(ある位相で、すなわち所望の向き又は角度位置で)担持される。次に、カプセル2が切断手段3に到達すると、スピンドル6は、切断手段3上で摺動することなく回転しているカプセル2と共に回転することができる。切断工程中、下部支持体9のモータは、(下部支持体9が上述のカプセル2の位相調整を実行可能にするだけのために以前にオンに切り換えられていた場合には)オフになってもよい。また、底面を備えるカプセル2は、(下部支持体9のモータが中立状態でオフのままであれば)支持体9の板に対して摺動できなくなってもよく、(モータが中立状態でなければ)支持体9のプレートに対して摺動可能であってもよい。
【0045】
カルーセル5は、支持体9(特に、支持体プレート)上に置かれている複数の供給ユニット4を回転させ、各供給ユニット4について、対応するカプセル2の(光学的)検出が行われる。検出には、特に、鉛直軸に対するカプセルの角度位置を決定するのに適したカプセル2の要素又は幾何学的特徴を検出することが含まれる。
【0046】
カプセル2の回転、すなわち、カプセルの角度位置を調整するための調整運動は、駆動手段10、すなわち各供給ユニット4と関連付けられたモータによって実行され、駆動手段10は、支持体9(カプセル支持体プレート、及びプレートと一体回転するカプセル2)に運動学的に接続されている。調整回転は、カプセル2を角度基準位置、すなわちカプセル2がカプセルの正確な点で(固定された)切断手段3に接触できるようにする所望の角度位置に搬送するための角度と同じである。したがって、カプセル2は、切断手段3に適切に供給されることができ、カプセルは切断手段3上で滑ることなく回転できる。カプセル上における切断手段3の切断動作は、前もって実行された角度位置の調整により、カプセル3の所望の点で開始する。切断工程は、上部スピンドル6を用いて実行される。上部スピンドル6は、回転駆動され、また、カプセル2を回転させる。そのため、切断手段3(1又は複数のナイフ)上でのカプセル2の回転運動を伴う一方で、下部支持体9は、(プレート上で滑るカプセル2と共に)静止したままであり、又は中立で回転するようにモータ駆動から切り離される。
【0047】
あるいは、切断工程は、下部支持体9を用いて実行されてもよい。下部支持体9は、回転駆動され、また、カプセル2を回転させる。そのため、切断手段3(1又は複数のナイフ)上でのカプセル2の回転運動を伴う一方で、上部スピンドル6は、空転するようにモータ駆動がなくてもよく、切断手段3用の当接要素としてのみ実質的に機能する。
【0048】
なお、ここで開示された解決策(能動的な上部スピンドル又は受動的な上部スピンドル)の両方において、スピンドル回転軸は、カプセルの幾何学的な軸線と同軸状であってもよく、カプセル2の幾何学的な軸線に対して偏心していてもよい(すなわち、同軸でなくてもよい)。
【0049】
駆動手段10は、支持体9(プレート、又はカプセル2の下部支持ベース)の回転を駆動するように構成されている。支持体9によって搬送されているカプセル2がスピンドル6と接触する少なくともその瞬間又はその瞬間の直前のスピンドル6が回転速度と同じ角速度で、支持体9が回転するように、駆動手段10は構成されている。換言すれば、特に、カプセル2とスピンドル6とが相互に接触するときにカプセル2とスピンドル6との間の相対回転速度がゼロとなるよう、スピンドル6の回転と支持体9の回転とが協調されるように、(電子的でプログラム可能な)制御手段が構成されてもよい。実際には、特定の例において、支持体9によって移送されるカプセル2の上向きの経路又は軌跡中に、カプセル2とスピンドル6との間の相互接触と同じ瞬間、又は少なくともそれより前の瞬間に、カプセル2とスピンドル6との間の相対回転速度を相殺するような所望の回転速度に到達するまで、支持体9は回転するということが生じる。これにより、特に、スピンドル6との相互作用に起因して、例えば支持体9に対する、カプセル2の不所望な変位を避けることができる。
【0050】
特に、例えばカプセルの位置を読み込む少なくとも第1工程を備え得る制御モードを実行するように制御手段が構成されていてもよい。この第1工程は、特に、検出手段13によるカプセルの角度位置又は向きを獲得することと、検出手段13から出力される信号を処理することとを備えてもよく、この処理において、切断手段3との相互作用が開始する瞬間における切断手段3に対する所望の向きを続いて取得するのに適したカプセル2の所望の回転(特に、支持体9上でカプセル2を受け取る位置に対する回転の程度)を決定する。
【0051】
制御モードが、特に、少なくとも第2の加速段階を備えてもよく、この第2加速段階では、支持体9の所望の回転が一旦決定されると、回転速度を上昇させる(特に、相対的に高い加速度で、いずれにせよカプセル2の安定性とシステムの慣性条件とを両立する)ことによって、支持体9が(スピンドル6の回転と一致する方向に)回転し始め、上向きの運動が開始する(すなわち、上に配置されているスピンドル6に近づいていく)。この第2の加速段階において、カプセル2を所望の瞬間に所望の角度位置に到達させるべく、制御手段が支持体9の回転速度を調整するように駆動手段10を制御可能なように、電子データ処理モジュールは、制御手段に、カプセル2が所望の瞬間に到達する必要がある所望の角度位置(例えば、鉛直の及び/又は傾斜した切断がカプセル2に正確な角度位置で形成されるように、切断段階が開始する瞬間、又は鉛直の及び/又は傾斜した切断を実行する瞬間に、切断手段3に対してカプセル2が取らなければならない角度位置)を送信してもよい。この支持体9の回転速度を変更する工程は、特に、基準軌跡を基準として、カプセルの軌跡を修正する工程(経路部12において実行される)を含んでいてもよい。
【0052】
制御手段は、特に、少なくともカプセル解放の第3段階(第2段階に続く)を備えていてもよく、第3段階は、接触工程と、(接触工程に続く)切離し工程とを備える。接触工程において、支持体9は、カプセル2をスピンドル6と接触するように移動させる。カプセル2は、スピンドル6と接触するや否や、切断手段3を所望の角度位置に到達させるべく、スピンドル6の角速度と等しい角速度で(すなわち、カプセル2とスピンドル6との間の相対速度をゼロにして)回転し、適切な向きの角度に位置付けられる。切離し工程において、支持体9は、もはや駆動手段10による(特に電気モータによる)回転運動を入力しないように、駆動手段10から機械的に切り離される。それにより、支持体9は、実質的に空転可能となり、カプセル2は、モータ手段7によって回転駆動される状態を継続しているスピンドル6のみ(特に、カプセル2を介して支持体9を回転させるスピンドル6であってもよい)によって引っ張られる。このように、カプセル2が切断手段3に到達する前に支持体9を駆動手段10から解放し、スピンドル6のみをカプセル2の回転を案内する状態で維持することにより、切断手段3によって実行される切断が、特に正確で信頼性が高くなることがわかる。
【0053】
切断装置1は、特に、少なくとも支持体9の一部であってカプセル2を搬送する部分を駆動手段10から(特に、機械的に)切り離すための切離し手段を備えてもよい。このような切離し手段は、特に、(カプセル2が既にスピンドル6に係合されているときであって、カプセル2が切断手段3に到達する前に)上述の切離し工程に介入するように構成される。図面において、符号24は、駆動手段10に接続される支持体9の第1部分を示しており、この第1部分は、切離し手段によってカプセル2を担持する第2部分26(例えば、カプセル支持プレート)に接続される。カプセル2が駆動手段10によって回転駆動されるべきときに、第2部分26は第1部分24に接続されている。
【0054】
上記の切離し手段は、特に、係合解除のための弾性手段(例えば、バネ)と、ガイド装置とを備えるスプライン結合23を備えていてもよい。ガイド装置は、支持体9、特に支持体9のうちカプセル2を担持している部分が駆動手段10によって回転される必要があるときに、スプライン結合23を機能する状態に保ち、また、支持体9のうちカプセル2を担持している部分が駆動手段10から解放されてスピンドル6のみによって回転しなければならないときに、スプライン結合23を自由なままにする(弾性手段によって非機能化されてもよい)。
図17は、非係合状態(それにより、駆動手段10は、少なくともカプセル2が切断手段3に相互作用している期間において、支持体9のうちカプセル2を担持している部分に運動を伝達しない)にあるスプライン結合23の例を示す。
図18では、スプライン結合23が係合状態(それにより、駆動手段10は、少なくともカプセル2が切断手段3に相互作用している期間において、支持体9のうちカプセル2を担持している部分に運動を伝達する)で図示されている。
【0055】
上述の切離し手段は、特に、駆動手段10と、支持体9のうちカプセル2を担持している部分との間に配置された磁気装置を備えてもよく、磁気装置は、作動接続状態(
図20)と、動作可能な切離し状態(
図19)とをとることができる。作動接続状態(
図20)において、(駆動手段10に接続された)第1部分24が、例えば1以上の磁石25により、カプセル2を担持している第2部分26に接続され、第2部分26は、この作動接続状態において、駆動手段10に接続され、したがってカプセル2を回転させることができる。動作可能な切離し状態(
図19)においては、もはやカプセル2を回転させていない駆動手段10から第2部分26を解放しなければならないときに、第1部分24が、例えば(カム型の)固定されたガイドシステムによって案内され、第2部分26から切り離される。
【0056】
(例えば
図16に示されるような)実施形態において、運動伝達手段8は、ギヤ型の、特にカルーセル6の軸の回転運動をカルーセル5によって担持されている様々なスピンドル6に伝達するように構成された2以上のギヤを備えた、伝達手段22を備えてもよい。スピンドル6の運動を伝達するためのギヤ型の伝達手段22は、支持体9を駆動手段10から切り離すための切離し手段と組み合わされ、例えば、様々な機械部材間の結合における遊びの大幅な減少又は実質的な除去、及び/又はカプセル2の高精度な動きと、その結果として生じる高精度な切断のような、幾つかの利点を達成可能である。また、高い精度は、ある切断装置と別の切断装置の間で均一に高い再現性をもってもたらされることがわかった。可動工具(特に、様々なスピンドル6)と固定工具(特に、切断手段3)との間の相互位置(又は位相)を、切断装置の任意の動作速度で正確かつ信頼性の高い方法で制御することが可能である。
【0057】
一例として、切断装置の動作には、以下の動作段階によって定義されるロジックが含まれ得る。
【0058】
動作段階は、特に、支持体9を回転させる駆動手段10の駆動(電子的にプログラム可能な制御手段による)を備えてもよく、駆動手段10は、カプセル2を位相調整すること(すなわち、カプセル2の所望の位置への切込みを実行すべく、切断手段3に対してカプセル2の所望の角度を達成すること)と、カプセル2がスピンドル6に向かう上向きの軌跡においてスピンドルそのものに接触する瞬間にカプセル2の所望の回転速度(スピンドル6の回転速度に等しい)を達成することとの両方を実行する。
【0059】
駆動手段10は、特に、電気モータ、例えばブラシレスモータ(例えばステッピングモータ、インバータ付きの同期モータ等のような、他のタイプのモータを使用することが可能であっても)を備えていてもよい。この電気モータは、特に、電子カムにより制御されてもよい。特に、少なくとも、(検出手段13を備える)検査システムから出力する信号を受信したときから、カプセル2のスピンドル6に向けた移送の動きに至るまでの支持体9が辿る経路の全体において、支持体9の運動(特に、角速度及び/又は角加速度)を制御するように、電子カムは構成されてもよい。検査システムから出力する信号(すなわち、検出手段13により検出されて電子モジュール処理器によって処理されるカプセル2の角度位置)は、特に、ある特定の補正角を示すものであってもよく、この補正角は、基準の向きに対するカプセル2の向きを変更するのに適した回転と対応する。この補正角は、各支持体9に対する基本制御セットと組み合わせて使用され、この基本制御セットは、補正角がゼロと等しい場合、すなわち、カプセル2の向きが基準の向きと等しいときにおいて、相対回転速度をゼロでカプセル2をスピンドル6と接触させるのに適した支持体9の回転制御と本質的に一致する。基本セットからの補正は、一般に、支持体9が辿る経路の、基礎セットが追従するデフォルトの経路からの、増加又は減少をもたらす。補正は、カプセル2のスピンドル6に向かう移送の前に、支持体9によって実行され完結される。その結果、支持体9に担持されているカプセルが、スピンドル6に係合されてスピンドル6のみによって回転駆動されているときに(駆動手段10が支持体9から解放されているため)、カプセル2は、次の切断手段3による切断の実行と関連して最適な角度位置又は向き(位相)に既に位置づけられる。
【0060】
図21は、本題の装置の動作の一例を二次元グラフで示しており、横軸に、カルーセル5の完全な1回転(検出手段13の位置から開始)を表し、縦軸に、駆動手段10(ブラシレスモータ)のロータの回転速度を表し、様々な連続する動作段階を実行する時間間隔が、駆動手段10の回転速度の曲線の下方に示されている。特に、
図21は、検出手段13によって検出された画像を処理するための時間間隔Aと、(駆動手段10のロータに機械的に接続された)支持体9の加速ランプの時間間隔Bと、駆動手段10のロータが支持体9から解放されるので駆動手段10が支持体9から解放される(且つロータが一定の回転速度で駆動されうる)時間間隔Cと、支持体9の減速ランプの時間間隔Dと、支持体9の角度位置の補正が実行される(駆動手段10が基準制御に対して計算された補正角で支持体9を回転させる)時間間隔Eと、カプセル挿入の時間間隔Fと、カプセル取出しの時間間隔Hと、連結の時間間隔Jと、切断の時間間隔Kとを示す。時間間隔Fの間、支持体9からスピンドル6までのカプセル2の移動の伝達が実行され、時間間隔Hの間、特に、スピンドル6からのカプセル2の取出しが実行され(カプセル2は、例えば次の処理に向けて経路を継続しうる)、時間間隔Jの間、支持体9が駆動手段10のロータとの結合に戻り、時間間隔Kの間、切断手段3によりカプセル2の切断が実行される。なお、時間間隔Kは、時間間隔F及び/又は時間間隔Gの後である。時間間隔Kは、時間間隔H及び/又は時間間隔Jより前である。
【0061】
図22は、本題の装置の動作の一例を二次元グラフで示しており、横軸に、カルーセルが完全に1回転する間のカルーセル5の角度位置(検出手段13の位置から開始する)を表し、縦軸に、支持体9の角度位置を表す。3つの曲線は、3つの異なる補正角(検出手段13の検出から開始するカプセル2の3つの異なる向き又は初期角度位置に対応し、これらの向き又は角度位置は実質的にランダムである)の場合における支持体9の角度位置を表す。駆動手段10によって制御される補正角が異なるため、スピンドル6のカプセル2への挿入開始時点にて支持体9がとる3つの異なる角度位置が強調表示されている(特定の例では、
図21において矢印20で示されるとおり、この時点はカルーセル56の回転角100°で発生する)。実際には、この特定の例では、駆動手段10が支持体9に依然接続されているときに、向きの補正がもっぱら駆動手段10によって実行される。カプセル2がスピンドル6に移送されるときにカプセル2は正しい角度位置にあり、そのため、モータ手段7はカプセル2の角度位置の補正に貢献しない。しかしながら、モータ手段7が駆動手段10と協働して補正を実行してもよい。あるいは、このようなカプセル2の向きの補正(「位相調整」)はモータ手段7のみによって実行されてもよい。
【0062】
上述のとおり、
図16は、特に、スピンドル6の運動を制御するように構成されたギヤ型の伝達手段22の一例における運動伝達手段8を示している。カプセル2の所望の角度位置に少なくとも1つの鉛直の及び/又は傾斜した切れ込みを形成することを目的として、スピンドル6は、切断手段3を使用して「位相調整された」状態におかれる、すなわち、カプセル2での切れ込みはカプセル2の所望の角度位置で形成される。
【0063】
図19及び
図20は、スピンドル結合23による連結解放装置を備え、駆動手段10から支持体9を切り離すように構成された切離し手段の一例を示す(支持体9がもはや駆動手段10に機械的に接続されていないため、支持体9を実質的に空転させ、その結果、支持体9の回転を案内するのはカプセル2であって、その逆ではない)。
図20及び
図21は、1以上の磁石25を備える連結解放装置により支持体9を駆動手段10から切り離すように構成された切離し手段の一例を示す。
【国際調査報告】