IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リップルズ リミテッドの特許一覧

特表2024-512244流動性物質上に形成された食用画像の品質を高めるための振動抑制
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】流動性物質上に形成された食用画像の品質を高めるための振動抑制
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/44 20060101AFI20240312BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240312BHJP
   A23P 30/00 20160101ALI20240312BHJP
   A23P 20/18 20160101ALI20240312BHJP
【FI】
A47J31/44 430
B41J2/01 301
A23P30/00
A23P20/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549981
(86)(22)【出願日】2022-02-10
(85)【翻訳文提出日】2023-08-16
(86)【国際出願番号】 IB2022051182
(87)【国際公開番号】W WO2022175790
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】63/150,598
(32)【優先日】2021-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521313463
【氏名又は名称】リップルズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Ripples Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】ブロット モル マイケル
(72)【発明者】
【氏名】フックス オフィール
(72)【発明者】
【氏名】エリアフ エヤル
(72)【発明者】
【氏名】ヤコビ オリ
(72)【発明者】
【氏名】ハヌナ オウリ
(72)【発明者】
【氏名】サドット アヴネル
【テーマコード(参考)】
2C056
4B048
4B104
【Fターム(参考)】
2C056HA60
4B048PE08
4B048PN02
4B048PN23
4B104AA27
4B104BA90
4B104EA06
(57)【要約】
システム(11)が、(a)第1の流動性物質基材(FMS)(69)を含むサンプルをその上に配置するトレイ(44)と、(b)第1のFMS(69)上に形成された第2のFMS層(68)上に食用物質で形成された画像を印刷する印刷アセンブリ(22)と、(c)トレイ(44)を機械的に支持し、サンプル及びトレイ(44)を軸に沿って移動させることによってサンプルと印刷アセンブリ(22)との間の距離(41)を制御する軸機構(10)と、(d)印刷アセンブリ(22)に結合されて印刷アセンブリ(22)を機械的に支持する支持部材(55、56)と、(e)(i)印刷アセンブリ(22)と、(ii)軸機構(10)、トレイ(44)及びサンプルのうちの少なくとも1つとの間に配置されて、(i)印刷アセンブリ(22)、軸機構(10)及びトレイ(44)のうちの少なくとも1つと(ii)サンプルとの間の振動を抑制するように構成された振動ダンパー(37、45、111)と、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の流動性物質基材を含むサンプルをその上に配置するように構成されたトレイと、
前記サンプルの前記第1の流動性物質基材上に形成された第2の流動性物質基材層上に、食用物質で形成された画像を印刷するように構成された印刷アセンブリと、
前記トレイを機械的に支持し、前記トレイ及び前記サンプルを軸に沿って移動させることによって前記サンプルと前記印刷アセンブリとの間の距離を制御するように構成された軸機構と、
前記印刷アセンブリに結合されて該印刷アセンブリを機械的に支持するように構成された支持部材と、
(i)前記印刷アセンブリと(ii)前記軸機構、前記トレイ及び前記サンプルのうちの少なくとも1つとの間に配置されて、(i)前記印刷アセンブリ、前記軸機構及び前記トレイのうちの少なくとも1つと(ii)前記サンプルとの間の振動を抑制するように構成された1又は2以上の振動ダンパーと、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記1又は2以上の振動ダンパーは、前記支持部材及び前記軸機構の少なくとも一方に結合されて前記支持部材と前記軸機構との間の振動を抑制するように構成されたベースを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1又は2以上の振動ダンパーは、前記軸機構のブラケットに結合されて、前記軸機構を通じて前記サンプルに加わる振動を抑制するように構成された、少なくとも圧縮性バンパー(CB)を含む、
請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記圧縮性バンパーは熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含む、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記TPUは、ショア40~ショア70の硬度を有する、
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記1又は2以上の振動ダンパーは、前記トレイ上に配置されて前記軸機構と前記サンプルとの間の振動を抑制するように構成されたパッドを含む、
請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項7】
前記パッドは、ショア60~ショア85の硬度を有するシリコンを含む、
請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項8】
(i)モータと、(ii)(a)滑車及び(b)ベルトを有するギアボックスとを含むモーションアセンブリを含み、該モーションアセンブリは、前記トレイを移動させるように前記軸機構を駆動するよう構成される、
請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項9】
食用画像の印刷品質を高める方法であって、
流動性物質基材を含むサンプルをトレイ上に配置して、前記トレイ及び前記サンプルを印刷アセンブリに対して移動させることと、
前記流動性物質基材の表面上に、食用物質で形成された前記食用画像を印刷することと、
(i)前記印刷アセンブリ、軸機構及び前記トレイのうちの少なくとも1つと(ii)前記サンプルとの間の振動を抑制することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記振動を抑制することが、(i)前記トレイを機械的に支持して前記トレイを移動させる軸機構と、(ii)前記印刷アセンブリを機械的に支持する支持部材とに結合されたベースによって前記振動を抑制することを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記振動を抑制することが、前記トレイを機械的に支持して前記トレイを移動させる軸機構のブラケットに結合された圧縮性バンパー(CB)によって振動を抑制することを含む、
請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記CBは熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記TPUは、ショア40~ショア70の硬度を有する、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記振動を抑制することは、(i)前記トレイを機械的に支持して前記トレイを移動させる軸機構と(ii)前記サンプルとの間の振動を抑制するように前記トレイ上に配置されたパッドによって振動を抑制することを含む、
請求項9又は10に記載の方法。
【請求項15】
(i)流動性物質基材を含むサンプルをその上に配置するトレイを機械的に支持し、軸に沿って移動させる軸機構と、(ii)前記流動性物質基材上に食用物質で形成された画像を印刷する印刷アセンブリに結合されて該印刷アセンブリを機械的に支持する支持部材と、をベースに結合することと、
(i)前記印刷アセンブリと、(ii)前記軸機構、前記トレイ及び前記サンプルのうちの少なくとも1つとの間に、(i)前記印刷アセンブリ、前記軸機構及び前記トレイのうちの少なくとも1つと(ii)前記サンプルとの間の振動を抑制する1又は2以上の振動ダンパーを配置することと、
を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項16】
前記1又は2以上の振動ダンパーを配置することは、前記軸機構のブラケットに、前記軸機構を通じてサンプルに加わる振動を抑制する圧縮性バンパー(CB)を結合することを含む、
請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
前記CBは熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含む、
請求項16に記載の製造方法。
【請求項18】
前記TPUは、ショア40~ショア70の硬度を有する、
請求項17に記載の製造方法。
【請求項19】
前記CBを前記ブラケットに結合することは、前記CBと前記印刷アセンブリとの間に隙間を保持することを含む、
請求項16に記載の製造方法。
【請求項20】
前記1又は2以上の振動ダンパーを配置することは、前記軸機構と前記サンプルとの間の振動を抑制するパッドを前記トレイ上に配置することを含む、
請求項15に記載の生産方法。
【請求項21】
前記パッドは、ショア60~ショア85の硬度を有するシリコンを含む、
請求項20に記載の製造方法。
【請求項22】
前記トレイを移動させるように前記軸機構を駆動するモーションアセンブリを前記軸機構に結合することを含み、前記モーションアセンブリは、(i)モータと、(ii)(a)滑車及び(b)ベルトを有するギアボックスとを含む、
請求項15又は16に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に流動性物質基材(flowable-matter substrates)上に食用画像を印刷するためのシステムに関し、具体的には、流動性物質上に印刷される食用画像の品質を高める方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかのシステムは、コーヒー、ビール及び/又はその泡などの流動性物質基材上に画像を印刷するように構成される。印刷プロセス中に様々なタイプの内部及び/又は外部振動が存在する場合、印刷画像の品質が低下する恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0317519号明細書
【特許文献2】国際公開第2007/013061号
【特許文献3】国際公開第2005/069729号
【発明の概要】
【0004】
本明細書で説明する本発明の実施形態は、(a)少なくとも第1の流動性物質基材を含むサンプルをその上に配置するように構成されたトレイと、(b)サンプルの第1の流動性物質基材上に形成された第2の流動性物質基材層上に、食用物質で形成された画像を印刷するように構成された印刷アセンブリと、(c)トレイを機械的に支持し、トレイ及びサンプルを軸に沿って移動させることによってサンプルと印刷アセンブリとの間の距離を制御するように構成された軸機構と、(d)印刷アセンブリに結合されて、印刷アセンブリを機械的に支持するように構成された支持部材と、(e)(i)印刷アセンブリと(ii)軸機構、トレイ及びサンプルのうちの少なくとも1つとの間に配置されて、(i)印刷アセンブリ、軸機構及びトレイのうちの少なくとも1つと(ii)サンプルとの間の振動を抑制するように構成された1又は2以上の振動ダンパーと、を含むシステムを提供する。
【0005】
いくつかの実施形態では、1又は2以上の振動ダンパーが、支持部材及び軸機構の少なくとも一方に結合されて支持部材と軸機構との間の振動を抑制するように構成されたベースを含む。他の実施形態では、1又は2以上の振動ダンパーが、軸機構のブラケットに結合されて、軸機構を通じてサンプルに加わる振動を抑制するように構成された、少なくとも圧縮性バンパー(CB)を含む。さらに他の実施形態では、圧縮性バンパーが熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含む。
【0006】
ある実施形態では、TPUが、ショア40~ショア70の硬度を有する。別の実施形態では、1又は2以上の振動ダンパーが、トレイ上に配置されて軸機構とサンプルとの間の振動を抑制するように構成されたパッドを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、パッドが、ショア60~ショア85の硬度を有するシリコンを含む。他の実施形態では、システムが、(i)モータと、(ii)(a)滑車及び(b)ベルトを有するギアボックスとを含むモーションアセンブリを含み、モーションアセンブリは、トレイを移動させるように軸機構を駆動するよう構成される。
【0008】
本発明の実施形態によれば、流動性物質基材を含むサンプルをトレイ上に配置して、トレイ及びサンプルを印刷アセンブリに対して移動させることを含む、食用画像の印刷品質を高める方法がさらに提供される。流動性物質基材の表面上に食用物質で形成された食用画像が印刷される。(i)印刷アセンブリ、軸機構及びトレイのうちの少なくとも1つと(ii)サンプルとの間の振動が抑制される。
【0009】
本発明の実施形態によれば、(i)流動性物質基材を含むサンプルをその上に配置するトレイを機械的に支持し、軸に沿って移動させる軸機構と、(ii)流動性物質基材上に食用物質で形成された画像を印刷する印刷アセンブリに結合されて印刷アセンブリを機械的に支持する支持部材と、をベースに結合することを含む製造方法がさらに提供される。(i)印刷アセンブリと、(ii)軸機構、トレイ及びサンプルのうちの少なくとも1つとの間には、(i)印刷アセンブリ、軸機構及びトレイのうちの少なくとも1つと(ii)サンプルとの間の振動を抑制する1又は2以上の振動ダンパーが配置される。
【0010】
本発明は、図面と共に行う本発明の実施形態についての以下の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】本発明の実施形態による、流動性物質基材(FMS)上に食用画像を印刷するシステムの概略的絵図である。
図1B】本発明の実施形態による、流動性物質基材(FMS)上に食用画像を印刷するシステムの概略的絵図である。
図2A】本発明の実施形態による、その上に食用画像が印刷されるFMSを含むサンプルを垂直方向に移動させるアセンブリの概略的絵図である。
図2B】本発明の実施形態による、その上に食用画像が印刷されるFMSを含むサンプルを垂直方向に移動させるアセンブリの概略的絵図である。
図3A】本発明の実施形態による、システムのベースに結合された印刷アセンブリ及びパネルの側面図である。
図3B】本発明の実施形態による、システムのベースに結合されたトレイ及び垂直軸機構(VAM)の側面図である。
図4】本発明の実施形態による、システムの圧縮性バンパーの概略的絵図である。
図5】本発明の実施形態による、FMS上に印刷される食用画像の品質を高める方法である。
図6】本発明の実施形態による、FMS上に食用画像を印刷するように構成されたシステムの製造方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(概要)
後述する本発明の実施形態は、流動性物質(FMS)上に形成される食用画像の品質を、食用画像の形成中に発生する振動を抑制することによって高める技術を提供する。例えば、XYステージによって印刷ヘッドがFMSに対して動くと振動が発生する。なお、(例えば、印刷によって)その上に画像が形成されるターゲット基材が液体及び/又は泡などの流動性媒体を含む場合には、固体基材などの粘度の高いターゲット基材と比べて印刷画像の品質が振動の影響を受けやすい。
【0013】
いくつかの実施形態では、最上部のFMSの上面に食用画像を印刷するシステムが、数ある中でもとりわけ、食用画像を生成するための印刷アセンブリと、トレイと、トレイを移動させるための垂直軸機構(VAM)と、印刷アセンブリを機械的に支持するための支持部材と、1又は2以上の振動ダンパーとを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、トレイが、コーヒー又はビール又はカクテル上に発生した好適な泡などの第1及び第2のFMSを有するグラス又はカップなどの容器を保持するように構成される。以下の説明はビール及び泡に関するが、他のいずれかの好適なタイプの1又は2以上のFMSにも等しく準用可能である。
【0015】
いくつかの実施形態では、印刷アセンブリが、麦芽などの食用物質の1又は2以上のリザーバと、泡に対して移動して泡の上面に食用物質から形成された画像を印刷するように構成された1又は2以上の印刷ヘッドとを含む。以下で詳述するVAMは、グラスを保持するトレイをシステムの軸(例えば、垂直軸)に沿って移動させることによって泡と印刷アセンブリとの間の距離を制御するように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、VAMが、(i)システムのベースに結合されて垂直軸に沿って延びる1又は2以上のリアシャフトと、(ii)モーションアセンブリによって回転してトレイを垂直軸に沿って移動させるように構成されたねじシャフトなどの回転シャフトとを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、システムのプロセッサが、モーションアセンブリ及びVAMを、(i)トレイに対してビールグラスが配置又は除去される搬入/搬出位置(loading/unloading position)と、(ii)泡表面に食用画像を印刷するために印刷ヘッドがビールグラスに対して移動する印刷位置と、の間でトレイを垂直軸に沿って移動させるように制御するよう構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、システムが、少なくともVAMを覆うように構成されたカバーを含む。カバーは、少なくともVAMを取り囲んで密閉するように、従って上述したFMSがこぼれた時にVAMを保護するように構成された2つのU字型パネルなどの1又は2以上のパネルを含むことができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、支持部材が、システムのベースと印刷アセンブリとの間に結合されて印刷アセンブリを機械的に支持するように構成された1又は2以上のパネルを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、システムが、1又は2以上のブラケットによって定められてモーションアセンブリの歯車(又はその他の部品)を収容するように構成されたハウジングを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、システムが、(i)印刷アセンブリ、VAM、及びシステムの他の振動源のうちの少なくとも1つと、(ii)グラス内に含まれる流動性物質基材(例えば、ビール及び/又は泡)と、の間の振動を抑制するように構成された1又は2以上の振動ダンパーを含む。本実施例では、システムが、ベースと、パッドと、1又は2以上の圧縮性バンパーなどの少なくとも3つの振動ダンパーとを含み、これらについては全て後述する。
【0022】
上述したように、ベースは、(i)印刷アセンブリを支持するパネル、及び(ii)VAMの少なくともリアシャフトの両方に結合される。いくつかの実施形態では、ベースが(例えば、約3Kgよりも大きい)十分な質量を有し、印刷アセンブリが印刷位置において泡に食用画像を適用する際にビールから十分に(例えば、約12Cm~約27Cm)離れている。このような実施形態では、ベースが、(支持部材を介して)印刷アセンブリと(VAMを介して)トレイとの間の振動を吸収及び/又は抑制するように構成される。
【0023】
いくつかの実施形態では、通常はシリコン、或いは他のいずれかの好適な材料又は化合物から形成されるパッドがトレイとグラスとの間に配置され、シリコンの機械的特性(例えば、約ショア60~ショア85の硬度)に基づいて、(トレイを介して)少なくともVAMとグラスに含まれるFMSとの間の振動を抑制するように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、1又は2以上の圧縮性バンパーが、上述したブラケットのうちの少なくとも1つに結合されて、機械アセンブリとVAMとの間の振動を吸収及び/又は抑制するように構成される。なお、本実施例では、機械アセンブリ及びVAMが互いに直接結合されておらず、パネルとブラケットとの間に圧縮性バンパーが配置される。この構成では、例えば食用画像を印刷する際に印刷アセンブリにおいて発生する振動などのシステム内で発生する振動が圧縮性バンパーによって抑制され、従って印刷プロセス中にFMSに伝わることがない。
【0025】
開示する技術は、食用画像の印刷中に発生する可能性があるシステムのアセンブリ又は部品と食用FMSとの間の振動を抑制することによって、食用FMS上に印刷される食用画像の品質を高めるものである。
【0026】
(システムの説明)
図1Aは、本発明の実施形態による、1又は2以上の流動性物質基材(FMS)上に食用画像を印刷するように構成されたシステム11の概略的絵図である。
【0027】
いくつかの実施形態では、システム11が、印刷アセンブリ22、トレイ44、及び垂直軸機構(VAM)10を含む。本実施例では、VAM10が印刷アセンブリ22とトレイ44との間に配置され、システム11の垂直軸であるZ軸に沿ってトレイ44を印刷アセンブリ22に対して移動させるように構成される。VAM10及びトレイ44については、以下の図2A及び図2Bで詳細に説明する。トレイ44は、システム11のベース37と印刷アセンブリ22との間をZ軸に沿って移動するように構成される。
【0028】
本開示の文脈では、「垂直軸」という用語及び「Z軸」という用語が同義的に使用され、図1A(並びに以下の図1B図2A及び図2B)のXYZ座標系のZ軸に沿ってトレイ44を移動させる軸を意味する。
【0029】
いくつかの実施形態では、トレイ44が、1又は2以上のFMSを有する容器などのサンプルを保持し、システム11の垂直軸に沿って移動させるように構成される。本実施例では、容器が、本明細書で説明する1又は2以上のFMSを含むように構成されたグラス70又はカップを含む。
【0030】
本開示の文脈及び特許請求の範囲におけるFMSという用語は、以下に限定するわけではないが、カクテル、ミルクセーキ、ビール、コーヒー、紅茶、(例えば、チャイ、抹茶)、フルーツシェイク、野菜シェイク、ソーダ及びヨーグルトなどの飲料などの液体の食用物質表面などのいずれかの流動できる物質を意味する。これに加えて又は代えて、FMSは泡(例えば、飲料の泡)を含むこともできる。泡の例としては、ビールの泡、コーヒーのクレマ泡、卵白の泡、ミルクの泡、及びミルク代用物の泡、大豆泡、アクアファバ(aquafaba)の泡、ひよこ豆の泡、ニトロ泡(すなわち、飲料と窒素の泡との泡混合物を生じる窒素注入飲料)、キラヤ抽出物(quillaia extract)、ユッカ抽出物(yucca extract)、又は他のいずれかの好適なタイプの泡を挙げることができる。
【0031】
図1Aの例では、FMSが、(i)グラス70に注がれたビール69などの飲用液体と、(ii)ビール69上に形成された、本明細書では表面67と呼ぶ上面を有する麦芽ベースの泡68とを含む。或いは、FMSは、(i)ビール69ではなく液体コーヒーと、(ii)泡68の代わりにコーヒー上に載せられた泡立ったミルク、又は上述したような他のいずれかの好適なタイプのFMSとを含むこともできる。
【0032】
いくつかの実施形態では、印刷アセンブリ22が、典型的には不透明な、金属又はポリマー又はこれらの組み合わせ、或いは他のいずれかの好適な材料から形成された、本明細書ではカバー18とも呼ぶハウジングを含む。或いは、カバー18は半透明又は完全に透明であることもできる。
【0033】
いくつかの実施形態では、印刷アセンブリ22が、(i)1又は2以上のタイプの食用インク(例えば、麦芽ベース又はコーヒーベースの溶液)を受け取り、(ii)XYステージ12のX軸14及び/又はY軸16に沿って移動し、(iii)泡68上に食用画像を生成するように泡68の表面67に(例えば、インクジェット印刷によって)食用インクを適用するように構成された1又は2以上の印刷ヘッド34を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、印刷アセンブリ22が、印刷プロセスの観察を可能にするとともに、例えば印刷アセンブリ22のメンテナンス動作(例えば、印刷ヘッド34の交換)にも使用できる透明窓15を含むことができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、システム11が、パッケージによって又はPCB間に隠すことができ、従ってPCB32上の破線枠として示すプロセッサ33などの複数の能動及び受動電子装置を有する、本実施例ではプリント基板(PCB)32である1又は2以上の基板を含む。PCB32は、以下に限定するわけではないが、メモリデバイス、入力/出力(IO)ポート及び通信装置、チップセット、コントローラ、並びにその他の能動及び/又は受動装置(例えば、1又は2以上の抵抗器、コンデンサ及びインダクタ)などの他の装置(図示せず)を含むこともできる。
【0036】
通常、プロセッサ33は、本明細書で説明する機能を実行するようにソフトウェアでプログラムされた汎用プロセッサを含む。ソフトウェアは、例えばネットワークを介して電子形態でプロセッサにダウンロードすることも、或いはこれに代えて又は加えて、磁気、光学又は電子メモリなどの非一時的有形媒体上に提供及び/又は記憶することもできる。
【0037】
いくつかの実施形態では、システム11が、PCB32とシステム11の様々なコンポーネント及びモジュールとの間で、並びにPCB32とシステム11の外部のエンティティとの間で交換される信号を送信するように構成されたケーブル又はいずれかの好適な無線通信装置(図示せず)を含む。例えば、プロセッサ33は、上述したケーブルを介して又は無線で、表面67上に印刷するための画像を外部ソースから受け取るように構成される。その後、プロセッサ33は、例えばXYステージ12のコントローラ及び1又は2以上の印刷ヘッド34に、泡68の表面67上に食用画像を印刷する命令を示す印刷信号を送信するように構成される。
【0038】
いくつかの実施形態では、システム11が、それぞれカバー18の前面及び背面に結合された、本明細書で説明する前面パネル及び背面パネルを含む。本開示の文脈における「前面」という用語は、例えばバーテンダーなどのシステム11のオペレータに面したシステム11の側を意味し、「背面」という用語は、例えば表面67上に食用画像が印刷された後にグラス70を受け取ることができる顧客に面したシステム11の側を意味する。
【0039】
いくつかの実施形態では、顧客に面したシステム11の背面パネル21が、限定するわけではないが商業広告などのいずれかの好適なコンテンツを表示するように構成された固定式又は取り替え式のサイネージ(signage)を含むことができる。別の実施形態では、背面パネル21が、以下に限定するわけではないが、顧客によって選択されるデジタル画像のギャラリー、顧客によって選択された又は顧客のモバイル装置から受け取られた画像、コマーシャルビデオ、インターネットブラウザ、(例えば、選択されたテレビチャンネルから受け取られた)放送コンテンツ、顧客によって選択された映画、又はその他のいずれかの好適なコンテンツなどのいずれかの好適なコンテンツを表示するように構成されたディスプレイを含むことができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、前面パネルが、システム11を制御するグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)として機能するように構成された、例えばフラットパネルのタッチ画面などのいずれかの好適なタイプのディスプレイ20を含むことができる。バーテンダー、又は限定するわけではないがシステム11のサービス技術者などのシステム11の他のいずれかのユーザは、ディスプレイ20上に表示されたGUIを使用することができる。これに加えて又は代えて、システム11は、プロセッサ33によって表示されるGUIとのソフトウェアインターフェイスを有するスマートフォン又はタブレットなどの遠隔制御装置(図示せず)を含むこともできる。このような事例では、ディスプレイ20及び背面パネル21の少なくとも一方がさらなる又は別の用途を有することもできる。
【0041】
FMS上に食用画像を印刷するこの方法は、例えばRipples(商標)LTD.(イスラエル国、Petah Tikva)によって製造されたRIPPLE MAKER(商標)及びシステムに実装され、例えば米国特許出願公開第2009/0317519号に詳述されており、この文献は引用により本明細書に組み入れられる。さらに、米国特許出願公開第2009/0317519号には、システム11を制御するためのGUIの使用例、システム11によって表面67に適用されるデジタル画像の設計、及びデジタル画像を受け取り、表示して表面67に適用する方法も記載されている。
【0042】
いくつかの実施形態では、プロセッサ33が、(以下の図2A及び図2Bに示す)モーションアセンブリ及びVAM10を、トレイ44をシステム11の垂直軸に沿って移動させるように制御するよう構成される。本実施例では、トレイ44が、(i)トレイ44に対してグラス70が配置又は除去される搬入/搬出位置と、(ii)泡68の表面67上に食用画像を印刷するために印刷ヘッド34がグラス70に対して移動する印刷位置との間で移動する。
【0043】
図1Aの例では、トレイ44が印刷位置に配置されているが、トレイ44は、表面67のインク画像を印刷するための好ましい条件が得られるように泡68の表面67を印刷アセンブリ22から特定の距離41(例えば、約1cm未満)に位置付けるようにZ軸に沿って印刷アセンブリ22に向かって上昇する。
【0044】
いくつかの実施形態では、システム11が、プロセッサ33によって使用される、トレイ44の位置を制御するための信号を生成するように構成された1又は2以上のセンサ(図示せず)を含むことができる。例えば、センサは、システム11の2つの部品間の距離を示す信号を生成することができる。このような実施形態では、プロセッサ33が、センサから受け取られた信号に基づいて、垂直軸に沿ったトレイ44の位置を制御するように構成される。
【0045】
本開示の文脈における、いずれかの数値又は数値範囲を表す「約」又は「おおよそ」という用語は、部品又は一群のコンポーネントが本明細書で説明するようなその用途のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示す。
【0046】
システム11の例では、グラス70がトレイ44によって保持され、以下の図2A及び図2Bで詳細に説明するように移動アセンブリによって移動する。いくつかの事例では、グラス70が垂直軸に沿って移動する際に、泡68及びビール69の一方又は両方がグラス70からこぼれてVAM10が濡れてしまうことがある。このように濡れてしまうと、システム11の日常的動作が妨げられ、(少なくともVAM10に対する)過度のメンテナンスが必要になり、ひどい場合にはシステム11の誤作動が生じる恐れがある。
【0047】
いくつかの実施形態では、システム11が、上述したこぼれた可能性のあるFMSによって濡れないように少なくともVAM10を覆うように構成されたカバー54を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、カバー54が、本実施例では印刷アセンブリ22を通して示すようなU字形を有するパネル55及び56である1又は2以上のパネルを含むことができ、これらについては以下の図2A及び図2Bにさらに詳細に示して説明する。いくつかの実施形態では、パネル55及び56が、少なくともVAM10を取り囲んで密閉し、従って上述したようにFMSがこぼれることによってVAMが濡れないようにVAMを保護するように構成される。
【0049】
いくつかの実施形態では、カバー54のパネル55が、本明細書では表面77と呼ぶ前面を有し、この前面はグラス70に面しており、ビール69及び泡68の少なくとも一方がこぼれた場合にVAM10を濡らすのを阻止するように構成される。本実施例では、パネル55が単一の表面77を有するが、他の実施形態では、パネル55が、泡68及びビール69の少なくとも一方がこぼれてVAM10を濡らすことを阻止するのに適した他のいずれかの構成を有することができる。例えば、パネル55は、単一の表面77を有する代わりに、斜面に沿って配置されて1又は2以上のこぼれたFMSをシステム11の配水管に運ぶように構成された2又は3以上の表面を有することもできる。
【0050】
いくつかの実施形態では、パネル55が、例えば表面77に対して直角に曲がった表面78などのさらなる表面を有することができる。このような実施形態では、表面77及び78に加えて、印刷アセンブリ22を通して示し、以下の図1B図2A及び図2Bにも示して説明するような、表面77に対して直角に曲がってパネル55の隠れた側に配置されてパネル55のU字形を形成するさらなる表面(図示せず)も設けられる。
【0051】
いくつかの実施形態では、カバー54のパネル56も、パネル55の表面78から所定の距離に配置された表面79を含むU字形を有することができ、各表面78及び79の対間には、上述したFMS(例えば、泡68及びビール69)を有するグラス70に面していないスリット66が定められる。このような実施形態では、たとえ泡68及び/又はビール69がこぼれたとしても、VAM10が濡れることはありえない。
【0052】
いくつかの実施形態では、例えば図1A(及び以下の図1B図2A及び図2B)のXYZ座標系のYZ平面において互いに整列した表面78及び79を、システム11のZ軸に沿って延びるスリット66を有するYZ平面における単一の表面とみなすことができる。
【0053】
なお、カバー54、VAM10、及び本開示に関連するシステム11のさらなる部品及びアセンブリについては、以下の図2A及び図2Bで詳細に説明する。
【0054】
他の実施形態では、システム11が、1又は2以上の印刷ヘッド34に加えて又は代えて、泡68の表面67上に食用画像を適用する他のいずれかの好適な装置を含むこともできる。このような表面67にインク画像のデザインを適用する技術は、例えば国際公開第2007/013061号及び国際公開第2005/069729号に記載されており、これらの文献の開示は全てが引用により本明細書に組み入れられる。
【0055】
他の実施形態では、VAM10が、システム11の他のいずれかの好適な位置に位置して、印刷アセンブリ22及びトレイ44を互いに対して移動させる他のいずれかの好適な構成を有することができる。
【0056】
このシステム11の特定の構成は、本発明の実施形態によって対処されるいくつかの問題点を示して、このようなシステムの性能を高める上でのこれらの実施形態の適用を実証するために、一例として示すものである。しかしながら、本発明の実施形態は、決してこの特定の種類のシステム例に限定されるものではなく、本明細書で説明する原理は、いずれかの好適なタイプの1又は2以上のFMS上に食用物質を印刷するための他の種類のシステムにも同様に適用することができる。
【0057】
さらに、システム11の説明は概念を明確にするために単純化しており、システム11の構成は、通常は開示する発明の説明に必須ではない、従ってシステム11のモジュール、アセンブリ及び部品の説明から意図的に省略したさらなるコンポーネントを含むこともできる。
【0058】
図1Bは、本発明の実施形態による、搬入/搬出位置におけるシステム11の概略的絵図である。
【0059】
いくつかの実施形態では、図1Bの例のトレイ44が、トレイ44の上面47とシステム11のベース37のベース面43とが概ね同じ高さであるような搬入/搬出位置にある。いくつかの実施形態では、ベース37が、骨格及び1又は2以上のカバーを含むことができる。骨格(図示せず)は、典型的には金属又は他のいずれかの好適な材料から形成され、典型的には約3Kgよりも重い重量を有する。本実施例では表面43を有する1又は2以上のカバーは、金属、ポリマー、セラミック、又はこれらのいずれかの好適な組み合わせを含むことができる。他の実施形態では、ベース37が、骨格及びカバーの両方を含むユニットを含むことができる。
【0060】
この位置では、表面67が、搬入/搬出位置に適した、印刷アセンブリ22から異なる距離41に配置される。例えば、搬入/搬出位置では、グラス70の上面が、(i)トレイ44上へのグラス70の搬入、及び(ii)トレイ44からのグラス70の搬出を安全に行えるほど十分に大きな距離(例えば、約10cm)に配置される。この位置では、システム11が、グラス70の搬入/搬出中にグラスと印刷アセンブリ22のいずれかの部分との間の衝突を防ぐように構成される。
【0061】
(こぼれた流動性物質基材による垂直軸機構の濡れの阻止)
図2Aは、本発明の実施形態による、グラス70を垂直方向に移動させるアセンブリの概略的絵図である。図2Aの例では、トレイ44が、上記の図1Aに示すような印刷位置に配置され、或いは上記の図1A及び図1Bで詳細に説明した搬入/搬出位置と印刷位置との間でZ軸に沿って移動中である。
【0062】
いくつかの実施形態では、VAM10が、本実施例では(i)(詳細については後述する)カップリング機構(CM)88がZ軸に沿って移動している間にCM88を支持するように構成された2つのリアシャフト92、及び(ii)CM88を移動させるために(後述するように)回転するように構成された、本実施例ではねじシャフト94である回転シャフトとしての、1又は2以上のシャフトを含む。なお、シャフト92及び94はCM88のボア98に通され、従ってCM88は、図2Aに示して以下で詳細に説明するように、シャフト92に沿って摺動してシャフト94と共にZ軸に沿って移動するように構成される。
【0063】
いくつかの実施形態では、システム11が、モータ96(例えば、いずれかの好適なタイプの電気モータ(例えば、ブラシレスモータ)を含むモーションアセンブリ(MA)90を含み、モータ96は、内部エンコーダ(図示せず)を有するとともに、プロセッサ33、又はプロセッサ33から命令を受け取る他のいずれかの好適なタイプのモーションコントローラによって制御される。
【0064】
他の実施形態では、モータ96が、垂直軸に沿った移動の角度位置(又は線形位置)、速度及び加速度の正確な制御を可能にする回転アクチュエータ(又はリニアアクチュエータ)を含むサーボモータ又はステッピングモータを含むことができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、MA90が、歯車91A、91B及び91Cを含む。本構成では、歯車91Aがねじシャフト94に結合されてねじシャフト94を回転させるように構成され、歯車91Bがモータ96に結合されてモータ96によって回転するように構成され、歯車91Cが歯車91Aと歯車91Bとの間で回転運動を伝えるようにこれらの歯車間に一体化される。モータ96は、CM88を垂直軸に沿って移動させるために歯車91Aを回転させる。これによって歯車91Cが回転し、この回転が歯車91Aの回転及びねじシャフト94のさらなる回転を引き起こす。なお、ねじシャフト94は、CM88をシステム11の垂直軸に沿って移動させるように、回転運動を線形運動に変換するように構成される。
【0066】
他の実施形態では、MA90が、限定するわけではないが滑車及びベルトなどの他の好適なタイプのギアボックスを含むことができる。別の実施形態では、MA90が、シャフトに直接結合されたモータを含むことができ、本実施例ではモータ90をねじシャフト94に直接結合することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、パネル55及び56の各々がU字形を有し、従ってパネル55及び56は、表面78及び79間の所定の距離において向かい合っている時に、例えば上記の図1Aで説明して上記の図1Bにも示すように、実質的にVAM10及びMA90を取り囲んでそれぞれのスリット66を定める。
【0068】
いくつかの実施形態では、CM88が、CM88とねじシャフト94との間に結合するように構成されたクランプ72を有する。なお、クランプ72及びCM88はトレイ44に結合され、従ってねじシャフト94が回転するとCM88及びトレイ44の両方が垂直軸に沿って移動し、ボア98は、垂直軸に沿った滑らかで真っ直ぐな移動を制御するようにシャフト92に沿って摺動する。いくつかの事例では、グラス70が垂直軸に沿って移動する際に発生し得る振動によってグラス70から泡68及び/又はビール69がこぼれ、及び/又は泡68の表面67に印刷された画像がぼやける傾向にある。いくつかの実施形態では、シャフト92及び94に沿ったボア98の摺動が、上述した望ましくない振動を伴うことなく垂直軸に沿ったCM88及びトレイ44の上述した滑らかな移動を可能にする。
【0069】
いくつかの実施形態では、CM88が、CM88のブロック内にネックとして形成された1又は2以上のテノン(tenons)87を有する。図2Aに示すように、CM88の各テノン87は、表面78と79との間又はパネル55と56との間にそれぞれ定められるそれぞれのスリット66内に配置される。
【0070】
いくつかの実施形態では、テノン87が、パネル55及び56によって取り囲まれたCM88の第1の区画と、トレイ44に結合されたCM88の第2の区画との間を接続するブリッジとして機能する。このような実施形態では、各テノン87が、それぞれのスリット66に沿って摺動してCM88及びトレイ44を垂直軸に沿って移動させるように構成される。
【0071】
いくつかの実施形態では、トレイ44が、CM88に結合されたフレーム89を含む。本実施例では、フレーム89及びCM88が単一の(例えば、成形)部品から形成されているが、他の実施形態では、いずれかの好適な技術及び構成を使用してCM88及びフレーム89を互いに結合することができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、トレイ44が、シリコン又は好適なドーパントを有するシリコンマトリックスなどのいずれかの好適な材料から形成されたパッド45を含む。パッド45は、FMS(例えば、ビール69及び泡68)及びその他の種類の流体を通すことができ、パッド45の表面47は、トレイ44のXY平面を横切ってグラス70が滑るのを防ぐほど十分に粗いテクスチャを有する。パッド45は、パッド45上の意図されるグラス70の位置を(例えば、バーテンダーに)示す円形区画80を有する。円形区画80については、以下の図2Bにさらに詳細に示す。なお、パッド45は、トレイ44上にグラス70を配置する際にフレーム89に挿入され、例えばフレーム89及び/又はパッド45を洗浄するためにフレーム89から取り外すことができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、パッド45が同心円のパターンを有するが、他の実施形態では、パッド45が同心円に加えて又は代えて他のいずれかの好適なパターンを有することができ、或いはいずれのパターンも有していない均一な表面を有することができる。さらに、パッド45のパターンは、いずれかの種類の1又は2以上のラベルでカスタマイズすることもできる。本実施例では、パッド45パッド45がripples(商標)ラベルを有しているが、他の実施形態では、パッド45が、例えばビール又はコーヒー供給者のブランドなどの、商業目的でカスタマイズされた他のラベルを有することもできる。上述したように、パッド45は、ラベルがなければ均一な及び/又は平坦な上面を有することができる。
【0074】
次に、上述したトレイ44のフレーム89とCM88とを含む単一部品を示す挿入図93を参照する。なお、本明細書では、概念を明確にして以下の説明の提示を理解しやすくするために、パッド45、パネル55及び56、並びにシャフト92及び94を除去している。
【0075】
いくつかの実施形態では、フレーム89が、トレイ44上にこぼれたFMS及びその他の流体を例えば下水システムのパイプラインに通すように構成された開口部83を有する。挿入図93には、それぞれのシャフト92及び94に沿って摺動するボア98、及びそれぞれのスリット66に沿って摺動するテノン87もより明確に示す。
【0076】
ここで、再び図2Aの全体図を参照する。いくつかの実施形態では、ベース37が、典型的にはCM88の開口部83と整列するとともにパッド45の円形区画80とも整列することができる開口部39を有する。開口部83及び39は、FMS及びその他の流体を上述した下水システムのパイプラインに通すように整列する。
【0077】
図2Bは、本発明の実施形態による、グラス70を垂直に移動させるために使用されるVAM10及びトレイ44、並びにパネル55及び56及びCM88の概略的絵図である。
【0078】
図2Bの例では、トレイ44が、上記の図1Bに示すような搬入/搬出位置に配置されている。さらに、トレイ44のパッド45上には、パッド45の1つの実施形態例を示すようにグラス70が配置されていない。
【0079】
上記の図1Bで説明したように、トレイ44の上面47及びベース37のベース面43は概ね同じ高さである。いくつかの実施形態では、表面43及び47をXY平面上で同じ高さにすることにより、システム11のユーザ(例えば、バーテンダー)が、グラス70とトレイ44のフレーム89などのシステム11のいずれかの部分との間の望ましくない衝突を伴うことなくXY平面を横切ってグラス70を移動させることができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、図2A及び図2Bに図示し説明する構成において、1又は2以上のFMS及び/又は他の流体がこぼれた場合でもパネル55及び56によって(そして大部分が例えば上記の図1A及び図1Bで説明したようなパネル55の表面77によって)阻まれ、VAM10及び/又はMA90及びパネル55及び56によって取り囲まれた他のコンポーネントを濡らすことは一切あり得ない。さらに、いくつかの実施形態では、こぼれたFMS(及び/又は他の流体)が全て開口部83を通じて下水に洗い流され、従ってシステム11内に残らないように、フレーム89が好適な勾配を有することができる。なお、パネル55及び56は、たとえ搬入/搬出位置であっても、(スリット66を除く)VAM10をFMSによる濡れからほぼ完全に密閉する。さらに、スリット66は狭く、例えば約7mm~10mmの(Y軸に沿った)幅を有し、グラス70に面していないので、FMSが大量にこぼれてもVAM10が濡れることはあり得ない。
【0081】
これらのシステム11のVAM10、MA90、CM88、トレイ44、並びにパネル55及び56の特定の構成は、本発明の実施形態によって対処されるいくつかの問題点を示して、このようなシステムの性能を高める上でのこれらの実施形態の適用を実証するために、一例として示すものである。しかしながら、本発明の実施形態は、決して上述したこれらの特定のタイプのモジュール例、アセンブリ例及び部品例に限定されるものではなく、本明細書で説明する原理は、いずれかの1又は2以上の流動性物質基材の1又は2以上の表面に(印刷又はその他の好適な技術を使用して)画像を適用するように構成された他のシステムの他のタイプのモジュール及び/又はアセンブリ及び/又は部品にも同様に適用することができる。
【0082】
(流動性物質上に食用画像を印刷するシステムにおける振動の抑制)
図3Aは、本発明の実施形態による、印刷アセンブリ22、パネル55及び56、並びにベース37の側面図である。
【0083】
いくつかの実施形態では、パネル55及び56が、印刷アセンブリ22のシャーシ103とベース37との間に結合される。図3Aに示す本構成では、パネル55及び56が、とりわけ印刷アセンブリ22を機械的に支持するように構成された支持部材として機能する。図3Aに示すように、パネル55及び56はベース37に結合される。
【0084】
図3Bは、本発明の実施形態による、ベース37に結合されたトレイ44及びVAM10の側面図である。いくつかの実施形態では、トレイ44がとりわけフレーム89を含み、CM88に結合される。いくつかの実施形態では、トレイ44が、本実施例ではY軸である軸に沿ってねじシャフト94によって移動し、リアシャフト92に沿って摺動するように構成される。パッド45上にはグラス70が配置され、例えば上記の図2A及び図2Bで詳細に説明したようにトレイ44と共に移動する。
【0085】
いくつかの実施形態では、システム11が、(i)MA90と(上記の図3Aに示す)シャーシ103との間に配置されたブラケット101、並びに(ii)モータ96と歯車91A、91B及び91Cとの間に配置されたブラケット102を含み、これらについては上記の図2A及び図2Bで詳細に説明している。
【0086】
なお、本構成では、印刷アセンブリ22とグラス70に含まれるFMS(例えば、ビール69及び泡68)との間で直接振動が伝わるのを防ぐように、ブラケット101とシャーシ103との間に隙間が存在する。いくつかの実施形態では、隙間のサイズが約1mm~5cm、又は他のいずれかの好適なサイズであることができる。これらの振動又は衝撃は、システム11に加わる外力によって発生することも、或いは本明細書で説明するようにシステム11内で発生することもある。
【0087】
いくつかの実施形態では、システム11が、ブラケット101及び102によって定められてMA90の歯車91A、91B及び91Cを収容するように構成されたハウジング104を含む。
【0088】
いくつかの事例では、泡68の表面67に食用画像を適用するためにXYステージ12が印刷ヘッド34を移動させると、この動きによってXY平面におけるシステム11の振動が発生することがある。このような振動は、グラス70(例えば、泡68及びビール69)内に含まれた流動性物質基材を不要に動かすことにより、表面67上に印刷される食用画像の品質を低下させる恐れがある。
【0089】
上述したように、ビール69及び泡68の振動は、表面67上における食用画像の印刷プロセスを妨げることがあり、ひどい場合(例えば、振動の大きさが大きい場合)には、例えば上記の図2A及び図2Bで説明したようにビール69及び/又は泡68がこぼれてしまうこともある。
【0090】
いくつかの実施形態では、システム11が、(i)印刷アセンブリ22及びシステム11の他の振動源と、(ii)グラス70内に含まれる流動性物質基材(例えば、泡68及びビール69)、又はいずれかの好適なタイプの流動性物質基材を含む他のいずれかのサンプルと、の間の振動を抑制するように構成された、本明細書では振動ダンパーとも呼ぶ複数の振動減衰機構を含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、ベース37が、(i)(a)パネル55及び56、並びに(b)VAM10に個別に結合され、(ii)(例えば、約3Kgよりも大きい)十分な質量を有し、(iii)印刷アセンブリ22が泡68の表面67に食用画像を適用する際にビール69及び泡68から十分に(例えば、約12Cm~約27Cm)離れていることによって、第1の振動ダンパーとして機能する。
【0092】
なお、VAM10、並びにパネル55及び56は、いずれもベース37に結合されているが、以下の図4に詳細に示すように互いに直接的に結合されていない。従って、VAM10並びにパネル55及び56が互いに直接的に振動を伝えることはできず、ベース37などの1又は2以上の振動ダンパーを介して振動が伝わる。
【0093】
いくつかの実施形態では、パッド45が、約ショア60~ショア85の硬度を有する好適なタイプのシリコン(又は別の好適な物質又は化合物)から形成される。本開示の文脈及び特許請求の範囲では、「ショア」という用語及び「ショア硬度」という用語を同義的に使用しており、これらは、ASTMインターナショナルとも呼ばれる米国材料試験協会(American Society for Testing and Materials:ASTM)のデュロメータスケールに基づいて定義される。
【0094】
いくつかの実施形態では、パッド45の物質を、パッド45が、とりわけシステム11(例えば、XYステージ12によってXY面内に発生する振動、及び/又はVAM10によってZ軸に沿って発生する振動、及び/又は他のいずれかのタイプの望ましくない振動)とグラス70に含まれるサンプル(例えば、ビール69及び泡68)との間の振動を抑制するように構成された第2の振動ダンパーとして機能するように選択することができる。
【0095】
図4は、本発明の実施形態による、システム11に実装される圧縮性バンパー(CB)111の概略的絵図である。
【0096】
いくつかの実施形態では、CB111が、印刷アセンブリ22によって表面67上に形成される食用画像の品質を高めるとともに、高振幅振動においてビール69及び/又は泡68がこぼれるのを防ぐように、印刷アセンブリ22とVAM10との間の第3の振動ダンパーとして機能するように構成される。
【0097】
いくつかの実施形態では、CB111が、結合先の要素間の振動を吸収及び/又は抑制するように構成された熱可塑性ポリウレタン(TPU)又はその他のいずれかの好適な材料から形成される。本実施例では、TPUが、ASTM及び/又はASTMインターナショナルのデュロメータスケールに基づく約ショア40~ショア70の、典型的には本明細書ではショア硬度50とも呼ぶショア50の硬度を有し、デュロメータスケールについてはパッド45の硬度に関しても上述している。
【0098】
他の実施形態では、CB111が、限定するわけではないがショア50以外の耐久性及び/又は硬度などのいずれかの好適な機械的特性を有する他のいずれかの好適な物質を含むことができる。なお、システム11の構成では、CB111の圧縮性が、以下で詳細に説明するようなCB111に結合されたシステム11の独立部品間の振動を抑制するように構成される。
【0099】
本実施例では、ブラケット102が、(上記の図2A及び図2Bで詳述した)ねじシャフト及びモータとMA90の歯車との間を結合する開口部を有する。本構成では、(上記の図2A及び図2Bに詳細に示す)ねじシャフトと歯車91Aとの間を接続する第1の開口部と、モータと歯車91Bとの間を接続する第2の開口部とを示す。
【0100】
いくつかの実施形態では、ブラケット102が、ハウジング104のファセットを形成してブラケット101にも結合されるように複数の表面を有する。本実施例では、ブラケット101が平坦な形状を有し、とりわけハウジング104の上部ファセットとして機能する。
【0101】
他の実施形態では、ハウジング104が、ブラケットの有無にかかわらず他のいずれかの好適な形状を有する。さらに、ブラケット101及び102は、上述した及び後述する機能性、及び/又はシステム11の他のいずれかの機能性を満たす他のいずれかの好適な設計を有することもできる。
【0102】
いくつかの実施形態では、各CB111が、パネル56の形状にぴったりと適合して(i)パネル56と(ii)ハウジング104のブラケット101及び102との間の緩衝器として機能する区画116を含む。同様に、各CB111は、(提示及び概念を明確にするために図示していない)パネル55の形状にぴったりと適合して(i)パネル55と(ii)ハウジング104のブラケット101及び102との間の緩衝器として機能する区画114を含む。各CB111は、区画114と区画116との間の区画115をさらに含む。なお、本実施例では、区画115が、区画114及び116をそれぞれパネル55及び56の形状に適合させるように区画114及び116よりも狭い。
【0103】
いくつかの実施形態では、印刷アセンブリ22のシャーシ103がパネル55及び66に結合され、パネル55及び66によって支持される。なお、上述したように、シャーシ103は、ブラケット101及びCB111から切り離されてブラケット101及びCB111の上方に浮いている。このような実施形態では、CB111が、(i)印刷アセンブリ22のシャーシ103に結合されたパネル55及び56と、(ii)VAM10に結合されたブラケット101及び102の少なくとも一方との間で伝わる振動を抑制するように構成される。例えば、シャーシ103がXY平面内で振動すると、振動がパネル56に伝わり、CB111の区画115及び116によって抑制される。同様に、シャーシ103がXY平面内で振動すると、振動がパネル55に伝わり、CB111の区画114及び115によって抑制される。
【0104】
次に、本発明の実施形態による、CB111の区画114及び115の内部構造の概略的絵図を示す挿入図120を参照する。挿入図120の例では、CB111がその内部構造を示すように(例えば、Z軸の周囲で)回転している。なお、本明細書では概念を明確にするために内部構造を示しており、他の実施形態では、CB111が他のいずれかの好適な形状を有することができ、及び/又は互いに結合又は分離できるいずれかの好適な数の区画を含むことができる。
【0105】
いくつかの実施形態では、区画114が、ブラケット101上に適合するように構成されたトレンチ122と、ブラケット101及び102に接触して配置された表面118及び124とを含む。CB111の区画114は、ブラケット102に接触して配置された表面119をさらに含む。さらに、CB111は、ブラケット101の上面を覆って配置された区画112、及び下面117を含む。
【0106】
ここで、再び図4の全体図を参照する。なお、本構成では、システム11が2つのCB111を含み、各CB111は、区画114及び116が同じ形状を有するように対称的な構成を有する。
【0107】
他の実施形態では、各CBが異なる形状を有することができ、対称的又は非対称的な構成を有することができる。
【0108】
次に、CB111の区画114がブラケット101及び102上にどのように適合するかを示す挿入図100を参照する。
【0109】
いくつかの実施形態では、例えばX軸において(パネル55を介して)印刷アセンブリ22と(ブラケット101及び102を介して)VAM10との間に発生する振動を抑制するように、区画114の表面124がブラケット102に接触して配置される。例えばY軸において(パネル55を介して)印刷アセンブリ22と(ブラケット101及び102を介して)VAM10との間に発生する振動を抑制するように、表面118がブラケット101及び102に接触して配置され、表面119がブラケット102に接触して配置される。例えばZ軸において(シャーシ55を介して)印刷アセンブリ22と(ブラケット101及び102を介して)VAM10との間に発生する振動を抑制するように、区画112がブラケット101の上面を覆って配置される。なお、この構造は、システム11のXYZ座標において発生する振動のあらゆる重なり合いを抑制するように構成される。
【0110】
いくつかの実施形態では、通常はCB111の区画112が印刷アセンブリ22のシャーシ103から切り離されるが、それでもZ軸に沿って形成される振動の振幅が十分に大きい場合には緩衝器及び振動ダンパーとして機能する。換言すれば、CB111をブラケット101及び102に接触して配置した場合、(i)CB111の区画112と(ii)印刷アセンブリ22のシャーシ103(又は他のいずれかの部品)との間の隙間が保持される。この隙間が印刷アセンブリ22とVAM10との間の直接的な振動の伝播を低減することにより、通常、1又は2以上のCB111は、(i)パネル55及び/又は56と(ii)VAM10との間の振動を抑制する。
【0111】
このような実施形態では、ブラケット101及び/又は102を(i)表面118、119及び124、並びに(ii)区画112と共に配置することにより、CB111が、印刷アセンブリ22とVAM10との間に発生するあらゆる振動を抑制するように構成される。
【0112】
図3A図3B及び図4で説明した実施形態に基づけば、XYZ軸において発生するあらゆる振動が上述した第1、第2及び第3の振動ダンパーのうちの1つ又は2つ以上によって抑制されることにより、印刷アセンブリ22によって泡68の表面67上に生成される食用画像の品質が高まる。
【0113】
このシステム11の振動ダンパーの特定の構成は、本発明の実施形態によって対処されるいくつかの問題点を示して、このようなシステムの性能を高める上でのこれらの実施形態の適用を実証するために、一例として示すものである。しかしながら、本発明の実施形態は、決してこの特定のタイプの構成例に限定されるものではなく、本明細書で説明する原理は、いずれかの好適なタイプの1又は2以上のFMS上に食用物質を印刷するいずれかのタイプのシステムにおいて使用される他の種類の振動減衰技術にも同様に適用することができる。具体的には、本発明の実施形態は、決してこの特定のCB111の構成に限定されるものではなく、本明細書で説明する原理は、他のいずれかの好適な設計及び/又は形状の他のいずれかの種類の圧縮性バンパーにも同様に実装することができる。
【0114】
(流動性物質上に形成される食用画像の品質を高めるための振動の抑制)
図5は、本発明の実施形態による、FMS上に印刷される食用画像の品質を高める方法である。本実施例では、FMSが、グラス70に含まれるビール69及び泡68を含み、泡68の表面67上に画像が形成される。
【0115】
方法は、FMS位置決めステップ200から開始し、上記の図1A~2Bで詳細に説明したように、ビール69及び泡68を含むグラスをトレイ44上に配置し、トレイ44を印刷アセンブリ22に対して移動させる。
【0116】
画像形成ステップ202において、例えば上記の図1A及び図1Bで詳細に説明したように、泡68の表面67に食用画像を適用する。
【0117】
方法を終了する振動抑制ステップ204において、表面67に形成された食用画像の品質を高めるために、システム11内で形成された振動を抑制する。いくつかの実施形態では、方法が、印刷アセンブリ22とグラス70内に含まれるFMS(例えば、ビール69及び泡68)との間の振動を抑制することを含む。いくつかの実施形態では、通常はステップ202及び204が同時に実行されるが、本明細書では概念を明確にするために異なるステップで示している。
【0118】
(流動性物質基材上に食用画像を印刷するシステムの製造)
図6は、本発明の実施形態による、システム11の少なくとも一部の製造方法を概略的に示すフローチャートである。なお、図6の方法は、システム11内の振動ダンパー、具体的には圧縮性バンパー111の組み立てに焦点を当てている。
【0119】
方法は、トレイ及びVAMの組み立てステップ300から開始し、例えば上記の図2Aに示すように、VAM10の少なくともリアシャフト92をベース37に結合し、CM88に結合されたトレイ44をリアシャフト92及びねじシャフト94に沿って摺動させ、MA90とねじシャフト94との間を結合する。
【0120】
支持部材結合ステップ302において、印刷アセンブリ22のベース37とシャーシ103との間にパネル55及び56を組み立てる。なお、印刷アセンブリ22は、本実施例では泡68の表面67である最上部のFMSに食用画像を印刷できるように組み立てられる。
【0121】
振動結合組み立てステップ304において、上記の図4で詳細に説明したように、システム11のVAM10内でブラケット101及び102を組み立て、(i)パネル55及び56と(ii)ブラケット101及び102との間に、(a)印刷アセンブリ22と(b)トレイ44とVAM10との間の振動を抑制するように構成された圧縮性バンパー111を組み立てる。
【0122】
本明細書で説明した実施形態は、主に流動性物質基材上に食用画像を印刷するシステムに対応するものであるが、本明細書で説明した方法及びシステムは、いずれかの種類の食品印刷システムなどの他の用途で使用することもできる。
【0123】
従って、上述した実施形態は一例として示したものであり、本発明は本明細書で具体的に図示し説明した内容に限定されるものではないと理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、本明細書で上述した様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせ、並びに上記の説明を読んだ時点で当業者に浮かぶであろう、先行技術には開示されていないこれらの変形例及び修正例を含む。引用により本特許出願に組み入れられる文書は、これらの組み入れられた文書におけるいずれかの用語が本明細書において明示的又は非明示的に行っている定義と矛盾する形で定義されている限りにおいては本明細書における定義のみを考慮すべきである点を除き、本出願の不可欠な部分とみなすべきである。
【符号の説明】
【0124】
56 パネル
91A 歯車
100 挿入図
101 ブラケット
102 ブラケット
103 シャーシ
104 ハウジング
111 圧縮性バンパー
112 区画
114 区画
115 区画
116 区画
117 下面
118 表面
119 表面
120 挿入図
122 トレンチ
124 表面
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A-3B】
図4
図5
図6
【国際調査報告】