(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】電磁弁及び空調システム
(51)【国際特許分類】
F16K 31/06 20060101AFI20240312BHJP
F25B 41/20 20210101ALI20240312BHJP
F25B 41/32 20210101ALI20240312BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
F16K31/06 305L
F25B41/20 Z
F25B41/32
F25B1/00 387B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550118
(86)(22)【出願日】2022-01-11
(85)【翻訳文提出日】2023-10-05
(86)【国際出願番号】 CN2022071294
(87)【国際公開番号】W WO2022188540
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】202120531796.9
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】馮 忠波
(72)【発明者】
【氏名】田 鵬
(72)【発明者】
【氏名】馬 小紅
【テーマコード(参考)】
3H106
【Fターム(参考)】
3H106DA07
3H106DA13
3H106DA23
3H106DC02
3H106DD03
3H106GB06
3H106GB19
3H106KK23
(57)【要約】
電磁弁(100)及び空調システムを提供し、電磁弁(100)は、弁体(110)及び芯金(120)を含み、弁体(110)は、弁チャンバと、弁チャンバに連通された入口(1101)及び出口(1102)とを有し、芯金(120)に通路(1201)が設けられており、通路(1201)の一端は弁チャンバに連通され、他端は密封部材(121)により閉鎖され、芯金(120)は復帰可能に密封部材(121)によって出口(1102)で閉鎖され、電磁弁(100)は、第1オリフィス(131)及び/又は第2オリフィス(132)を有し、第1オリフィス(131)は密封部材(121)に設けられ、出口(1102)で閉鎖されるとき、第1オリフィス(131)の一端は出口(1102)に連通され、他端は通路(1201)により弁チャンバに連通され、第2オリフィス(132)は弁体(110)に設けられ、弁チャンバ及び出口(1102)に連通されている。空調システムは電磁弁(100)を利用して、並列する毛細管及び電磁弁を設ける必要がなく、設備コストを下げると同時に、構造を簡素化することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁体及び芯金を含み、
前記弁体は、弁チャンバと、前記弁チャンバに連通された入口及び出口とを有し、
前記芯金に通路が設けられており、前記通路の一端は前記弁チャンバに連通され、他端は密封部材により閉鎖され、前記通路と前記弁体との間には、前記芯金を復帰可能に前記密封部材によって前記出口で閉鎖させるための復帰部材が接続されている電磁弁であって、
第1オリフィス及び/又は第2オリフィスを有し、
前記第1オリフィスは前記密封部材に設けられ、前記芯金が前記出口で閉鎖されるとき、前記第1オリフィスの一端は前記出口に連通され、他端は前記通路により前記弁チャンバに連通され、
前記第2オリフィスは前記弁体に設けられ、前記弁チャンバ及び前記出口に連通される、電磁弁。
【請求項2】
前記密封部材の中心位置に設けられ、且つ前記通路の中心線方向に延びる前記第1オリフィスを含む、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項3】
それぞれ前記通路の中心線方向に延び、且つ間隔をおいて配置された少なくとも2つの前記第1オリフィスを含む、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項4】
前記弁体は本体部を有し、前記本体部の内部空洞は、前記弁チャンバの一部を画定し、前記入口及び前記出口は、それぞれ前記本体部に設けられ、
前記第2オリフィスは、前記本体部に設けられ、前記第2オリフィスは前記内部空洞及び前記出口に連通される、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項5】
間隔をおいて配置された少なくとも2つの前記第2オリフィスを含む、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項6】
前記芯金は球状構造であり、前記電磁弁は前記第2オリフィスのみ有する、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項7】
前記弁体は、ダクト部及び本体部を含み、
前記ダクト部は筒状構造をなし、前記ダクト部の一端の筒口は閉鎖され、前記芯金は前記ダクト部の筒チャンバ内に設けられ、且つ筒壁との間に隙間を有し、
前記本体部は前記ダクト部の他端の筒口に設けられ、前記本体部の内部空洞は、前記ダクト部の筒チャンバに連通されて前記弁チャンバを共に画定し、前記入口及び前記出口は、それぞれ前記本体部に設けられる、請求項1に記載の電磁弁。
【請求項8】
前記ダクト部の筒チャンバ内に、前記ダクト部の一端の筒口を閉鎖する吸引子部材が設けられており、前記復帰部材は、前記吸引子部材と前記芯金の前記通路との間に接続される、請求項7に記載の電磁弁。
【請求項9】
前記通路内に段差構造が設けられており、前記復帰部材の一端が前記段差構造の段差面に接続され、他端が前記通路から突出して前記吸引子部材に接続される、請求項8に記載の電磁弁。
【請求項10】
圧縮機及び油分離器を含み、前記圧縮機は、オイル吐出口及び空気吸入口を有し、前記油分離器は、オイル入口及びオイル出口を有し、前記オイル吐出口は前記オイル入口に連通される空調システムであって、
請求項1から9のいずれか一項に記載の電磁弁を更に含み、前記電磁弁の入口は前記オイル出口に連通され、前記電磁弁の出口は前記空気吸入口に連通される、空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本開示は、2021年3月11日に提出した出願番号202120531796.9に基づく中国出願「電磁弁及び空調システム」の優先権を主張し、その全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、空調システム及びその付属品の技術分野に関し、特に、電磁弁及び空調システムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の空調システムでは、圧縮機は冷媒及び潤滑油を吐出し、油分離器によって分離された後、その分離された潤滑油は並列する毛細管及び電磁弁によって圧縮機の空気吸入口へ逆流される。圧縮機の吐出する潤滑油が多いとき、潤滑油が確実に適時に圧縮機へ逆流されるように電磁弁が開かれ、圧縮機の油不足による損傷を防止する。しかしながら、空調システムが上記の従来の形態を採用すると、圧縮機のオイル戻り配管に並列する毛細管及び電磁弁を設ける必要があるため、コストが高く、構造が複雑であるという欠点がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態の一側面は、弁体及び芯金を含み、弁体は、弁チャンバと、弁チャンバに連通された入口及び出口とを有し、芯金に通路が設けられており、通路の一端は弁チャンバに連通され、他端は密封部材により閉鎖され、通路と弁体との間には、芯金を復帰可能に密封部材によって出口で閉鎖させるための復帰部材が接続されている電磁弁であって、第1オリフィス及び/又は第2オリフィスを有し、第1オリフィスは密封部材に設けられ、芯金が出口で閉鎖されるとき、第1オリフィスの一端は出口に連通され、他端は通路により弁チャンバに連通され、第2オリフィスは弁体に設けられ、弁チャンバ及び出口に連通される、電磁弁を提供する。
【0005】
本開示の実施形態の他の側面は、圧縮機及び油分離器を含み、圧縮機は、オイル吐出口及び空気吸入口を有し、油分離器は、オイル入口及びオイル出口を有し、オイル吐出口はオイル入口に連通される空調システムであって、本開示で提案し且つ上記の実施形態に記載の電磁弁を更に含み、電磁弁の入口はオイル出口に連通され、電磁弁の出口は空気吸入口に連通される、空調システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】例示的な実施形態による電磁弁の断面図である。
【
図3】他の例示的な実施形態による電磁弁の断面図である。
【
図5】他の例示的な実施形態による電磁弁の部分拡大図である。
【
図6】他の例示的な実施形態による電磁弁の部分拡大図である。
【
図7】例示的な実施形態による空調システムの部分システム模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、図面を参照して例示的な実施形態についてより詳細に説明する。しかしながら、例示的な実施形態は様々な形態で実施でき、ここで述べる実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろこれらの実施形態の提示により本開示が包括的且つ完全なものとなり、例示的な実施形態の概念を当業者に包括的に伝えるものとなる。図面における同一の符号は、同一又は類似の構成を示すため、それらの詳細な説明を省略する。
【0008】
図1を参照すると、本開示で提案する電磁弁の断面図が代表的に示されている。この例示的な実施形態では、本開示で提案する電磁弁は、空調システムに適用される圧縮機の逆流形態を例として説明する。当業者であれば、本開示の関連する設計を他のタイプの空調システム又は他の設備に適用するために、下記の具体的な実施形態に様々な変形、追加、置換、削除、又は他の変更を行ったとしても、これらの変更は依然として本開示で提案する電磁弁の原理の範囲内であることが容易に理解される。
【0009】
図1に示すように、本実施形態では、本開示で提案する電磁弁は、弁体110及び芯金120を含む。
図2を参照すると、
図2には、
図1に示すA部の拡大図が代表的に示されている。以下、上記の図面を参照して、本開示で提案する電磁弁のそれぞれの主な構成部分の構造、接続方式、及び機能関係について詳細に説明する。
【0010】
図1及び
図2に示すように、本実施形態では、弁体110は、弁チャンバと、入口1101及び出口1102とを有し、入口1101及び出口1102は、それぞれ弁チャンバに連通されている。芯金120に通路1201が設けられており、通路1201の一端は弁チャンバに連通され、通路1201の他端は密封部材121により閉鎖される。通路1201と弁体110との間には、芯金120を復帰可能に密封部材121によって出口1102で閉鎖させるための復帰部材122が接続されている。これに基づき、電磁弁は第1オリフィス131を有する。第1オリフィス131は密封部材121に設けられ、芯金120が出口1102で閉鎖されるとき、第1オリフィス131の一端は出口1102に連通され、第1オリフィス131の他端は通路1201によって弁チャンバに連通され、これにより、電磁弁は、芯金120が閉じられる際にも一定の流量を有する。これによれば、電磁弁が空調システムの圧縮機のオイル戻り形態に適用される際、圧縮機の吐出する冷媒及び潤滑油が油分離器によって分離された後、電磁弁によって圧縮機の空気吸入口に逆流できる。正常な運転中、潤滑油は電磁弁のオリフィスによって圧縮機へ逆流され、圧縮機の吐出する潤滑油が多いとき、潤滑油が確実に適時に圧縮機へ逆流されるように電磁弁が開かれる。上記の構造設計により、空調システムは、本開示で提案する電磁弁を利用して、並列する毛細管及び電磁弁を設ける必要がなく、設備コストを大幅に下げると同時に、システム構造を簡素化することができる。
【0011】
任意に、
図1及び
図2に示すように、本実施形態では、電磁弁は、密封部材121の中心位置に設けられ、且つ通路1201の中心線方向に延びる1つの第1オリフィス131を含む。これによれば、本開示は、潤滑油が通路1201及び第1オリフィス131を経由して出口1102まで流れることを確保できる。
【0012】
任意に、
図1及び
図2に示すように、本実施形態では、密封部材121はほぼ柱状構造であってもよく、即ち、密封部材121の断面はほぼ矩形状であってもよい。これに基づき、密封部材121は、真ん中に位置するように芯金120上に設けられてもよく、即ち、密封部材121の中心線は通路1201の中心線とほぼ一致してもよい。これによれば、第1オリフィス131が通路1201の中心線方向に延びていると、ほぼ密封部材121の中心線方向に延びていることにもなる。
【0013】
任意に、
図1及び
図2に示すように、本実施形態では、弁体110は、ダクト部111及び本体部112を含んでもよい。具体的には、ダクト部111は、ほぼ筒状構造であってもよく、ダクト部111の一端の筒口が閉鎖され、芯金120はダクト部111の筒チャンバ1111内に設けられていると共に、芯金120とダクト部111の筒壁との間に隙間Gを有する。本体部112はダクト部111の他端の筒口に設けられ、本体部112は内部空洞1121を有し、内部空洞1121はダクト部111の筒チャンバ1111に連通され、これにより電磁弁の弁チャンバを共に画定し、これに基づき、電磁弁の入口1101及び出口1102は、それぞれ本体部112に設けられてもよい。
【0014】
更に、
図1に示すように、弁体110がダクト部111を含んで筒状構造をなすと共に、一端の筒口が閉鎖されている構造設計に基づいて、本実施形態では、ダクト部111の筒チャンバ1111内に、ダクト部111の一端の筒口を閉鎖する吸引子部材113が設けられていてもよい。これに基づき、復帰部材122は、吸引子部材113と芯金120の通路1201との間に接続されてもよい。
【0015】
更に、
図1に示すように、ダクト部111の筒チャンバ1111内に吸引子部材113が設けられている構造設計に基づいて、本実施形態では、通路1201内に段差構造1202が設けられ、復帰部材122の一端が段差構造1202の段差面に接続され、復帰部材122の他端が通路1201から突出して吸引子部材113に接続されてもよい。
【0016】
任意に、
図1に示すように、本実施形態では、復帰部材122は復帰スプリングを含んでもよい。
【0017】
任意に、
図2に示すように、本実施形態では、芯金120には、ほぼ芯金120の径方向に延び、且つ芯金120の通路1201に連通される均衡化孔1202が設けられてもよい。
【0018】
上述した本開示で提案する電磁弁の第1実施形態の詳細な説明に基づいて、以下、第1実施形態における電磁弁の動作原理について概略的に説明する。
【0019】
芯金120が閉じられたとき、即ち、芯金120が密封部材121によって電磁弁の出口1102で閉鎖された場合、油分離器によって分離された潤滑油は依然として、「入口1101→弁チャンバ(内部空洞1121→均衡化孔1202→筒チャンバ1111)→通路1201→第1オリフィス131→出口1102」の経路を経由して電磁弁を流れることができ、これにより、電磁弁は閉状態で一定の流量を有する。
【0020】
油分離器によって分離された潤滑油が多いとき、電磁弁が開放され、芯金120が開かれ、即ち、芯金120が出口1102から離脱して、潤滑油は、「入口1101→弁チャンバ(内部空洞1121)→出口1102」の経路を経由して電磁弁を流れることができ、当然、同時に「入口1101→弁チャンバ(内部空洞1121→筒チャンバ1111)→通路1201→第1オリフィス131→出口1102」の経路を経由して電磁弁を流れることもでき、それによって高い流量の流れを満足する。
【0021】
電磁弁の実施形態2
上述した本開示で提案する電磁弁の第1実施形態の詳細な説明に基づいて、以下、
図3及び
図4を参照して、本開示で提案する電磁弁の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、本開示で提案する電磁弁は、上記の第1実施形態とほぼ同じ構造設計を採用し、以下、第2実施形態における電磁弁の主な相違点について説明する。
【0022】
図3に示すように、本開示で提案する第2実施形態における電磁弁の断面図が代表的に示され、
図4には、
図3に示すB部の拡大図が代表的に示されている。
【0023】
図3及び
図4に示すように、本実施形態では、密封部材121はほぼ球状構造をなしている。これに基づき、本開示で提案する電磁弁は、第2オリフィス132を有し、且つ第1オリフィス131を有しない。具体的には、第2オリフィス132は、弁体110に設けられ、且つ第2オリフィス132は、弁チャンバ及び出口1102に連通されている。これによれば、球状構造をなす密封部材121は、芯金120の作動中に回転が生じやすいため、密封部材121に第1オリフィス131を設けないことで、密封部材121の回転によって、第1オリフィス131が通路1201及び出口1102に連通できなくなることを避けることができる。弁体110に第2オリフィス132を設けることにより、弁チャンバ及び出口1102に直接に連通することができ、本開示で提案する電磁弁が閉状態においても一定の流量を有することも確保できる。
【0024】
任意に、
図3及び
図4に示すように、本実施形態では、弁体110は、本体部112を有してもよく、本体部112の内部空洞1121は、弁チャンバの一部を画定し、且つ電磁弁の入口1101及び出口1102は、それぞれ本体部112に設けられている。これに基づき、第2オリフィス132は本体部112に設けられ、且つ第2オリフィス132は、内部空洞1121及び出口1102に連通されてもよい。
【0025】
なお、他の実施形態では、本開示で提案する電磁弁に第2オリフィス132のみ設けられている場合、電磁弁の密封部材121は、他の構造、例えば、第1実施形態における電磁弁の密封部材121と同じ構造であってもよく、本実施形態に限られない。
【0026】
上述した本開示で提案する電磁弁の第2実施形態の詳細な説明に基づいて、以下、第2実施形態における電磁弁の動作原理について概略的に説明する。
【0027】
芯金120が閉じられたとき、即ち、芯金120が密封部材121によって電磁弁の出口1102で閉鎖された場合、油分離器によって分離された潤滑油は依然として、「入口1101→弁チャンバ(内部空洞1121→第2オリフィス132→出口1102」の経路を経由して電磁弁を流れることができ、これにより、電磁弁は閉状態で一定の流量を有する。
【0028】
油分離器によって分離された潤滑油が多いとき、電磁弁が開放され、芯金120が開かれ、即ち、芯金120が出口1102から離脱して、潤滑油は、「入口1101→弁チャンバ(内部空洞1121)→出口1102」の経路を経由して電磁弁を流れることができ、当然、同時に「入口1101→弁チャンバ(内部空洞1121→第2オリフィス132→出口1102」の経路を経由して電磁弁を流れることもでき、それによって高い流量の流れを満足する。
【0029】
電磁弁の実施形態3
上述した本開示で提案する電磁弁の第1実施形態及び第2実施形態の詳細な説明に基づいて、以下、
図5を参照して、本開示で提案する電磁弁の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、本開示で提案する電磁弁は、上記の第1実施形態及び第2実施形態とほぼ同じ構造設計を採用し、以下、第3実施形態における電磁弁の主な相違点について説明する。
【0030】
図5に示すように、本開示で提案する第3実施形態における電磁弁の部分拡大図が代表的に示され、これにより、
図1におけるA部の拡大領域に対応する
図2を参照することができる。
【0031】
図5に示すように、本実施形態では、本開示で提案する電磁弁は、第1オリフィス131及び第2オリフィス132を有する。具体的には、第1オリフィス131は密封部材121に設けられ、且つ第1オリフィス131は、通路1201及び出口1102に連通されている。第2オリフィス132は弁体110に設けられ、且つ第2オリフィス132は、弁チャンバ及び出口1102に連通されている。上記の構造設計により、本開示で提案する電磁弁は、第1オリフィス131及び第2オリフィス132を利用して、電磁弁が閉状態においても一定の流量を有することができる。
【0032】
上述した本開示で提案する電磁弁の第3実施形態の詳細な説明に基づいて、以下、第3実施形態における電磁弁の動作原理について概略的に説明する。
【0033】
芯金120が閉じられたとき、即ち、芯金120が密封部材121によって電磁弁の出口1102で閉鎖された場合、油分離器によって分離された潤滑油は依然として、「入口1101→弁チャンバ(内部空洞1121→均衡化孔1202→筒チャンバ1111)→通路1201→第1オリフィス131→出口1102」及び「入口1101→弁チャンバ(内部空洞1121)→第2オリフィス132→出口1102」の経路を経由して電磁弁を流れることができ、これにより、電磁弁は閉状態で一定の流量を有する。
【0034】
油分離器によって分離された潤滑油が多いとき、電磁弁が開放され、芯金120が開かれ、即ち、芯金120が出口1102から離脱して、潤滑油は、「入口1101→弁チャンバ(内部空洞1121)→出口1102」の経路を経由して電磁弁を流れることができ、当然、同時に「入口1101→弁チャンバ(内部空洞1121→筒チャンバ1111)→通路1201→第1オリフィス131→出口1102」及び「入口1101→弁チャンバ(内部空洞1121)→第2オリフィス132→出口1102」の経路を経由して電磁弁を流れることもでき、それによって高い流量の流れを満足する。
【0035】
電磁弁の実施形態4
上述した本開示で提案する電磁弁の第3実施形態の詳細な説明に基づいて、以下、
図6を参照して、本開示で提案する電磁弁の第4実施形態について説明する。第4実施形態では、本開示で提案する電磁弁は、上記の第3実施形態とほぼ同じ構造設計を採用し、以下、第4実施形態における電磁弁の主な相違点について説明する。
【0036】
図6に示すように、本開示で提案する電磁弁の第4実施形態における部分拡大図が代表的に示され、これにより、
図1におけるA部の拡大領域に対応する
図2を参照することができる。
【0037】
図6に示すように、本実施形態では、本開示で提案する電磁弁は、3つの第1オリフィス131及び2つの第2オリフィス132を有する。具体的には、3つの第1オリフィス131は、密封部材121に設けられて間隔をおいて配置され、且つ第1オリフィス131は、通路1201及び出口1102に連通されている。2つの第2オリフィス132は、弁体110に設けられて間隔をおいて配置され、且つ第2オリフィス132は、弁チャンバ及び出口1102に連通されている。上記の構造設計により、本開示で提案する電磁弁は、3つの第1オリフィス131及び2つの第2オリフィス132を利用して、電磁弁が閉状態においても一定の流量を有することができる。
【0038】
なお、他の実施形態では、本開示で提案する電磁弁が第1オリフィス131のみ有する場合、第1オリフィス131の数は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。本開示で提案する電磁弁が第2オリフィス132のみ有する場合、第2オリフィス132の数は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。本開示で提案する電磁弁が第1オリフィス131及び第2オリフィス132を同時に有する場合、第1オリフィス131の数は1つであってもよく、2つ以上であってもよく、第2オリフィス132の数は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。また、電磁弁が第1オリフィス131及び第2オリフィス132を同時に有する場合、第1オリフィス131と第2オリフィス132の数は、同じであってもよいが、これに限られない。
【0039】
ここで、図面に示され且つ本明細書に記載された電磁弁は、本開示の原理を採用し得る様々な電磁弁のうちの幾つかの例示に過ぎないことに留意すべきである。本開示の原理は、図面に示された電磁弁又は本明細書に記載された電磁弁の任意の詳細又は任意の部材のみに限られないことが明確に理解されるべきである。
【0040】
上記のように、本開示で提案する電磁弁は、第1オリフィス及び/又は第2オリフィスを設けることにより、芯金が出口で閉鎖される際にも、電磁弁は一定の流量を有する。これによれば、圧縮機の吐出する冷媒及び潤滑油が油分離器によって分離された後、電磁弁によって圧縮機の空気吸入口に逆流できる。正常な運転中、潤滑油は電磁弁のオリフィスによって圧縮機へ逆流され、圧縮機の吐出する潤滑油が多いとき、潤滑油が確実に適時に圧縮機へ逆流されるように電磁弁が開かれる。上記の構造設計により、空調システムは、本開示で提案する電磁弁を利用して、並列する毛細管及び電磁弁を設ける必要がなく、設備コストを大幅に下げると同時に、システム構造を簡素化することができる。
【0041】
上述した本開示で提案する電磁弁の幾つかの例示的な実施形態の詳細な説明に基づいて、以下、
図7を参照して、本開示で提案する空調システムの例示的な実施形態について説明する。
【0042】
図7を参照すると、本開示で提案する空調システムの部分システム模式図が代表的に示され、具体的には、空調システムの圧縮機のオイル戻り部分が示されている。この例示的な実施形態では、本開示で提案する空調システムは、圧縮機のオイル戻り設計を含むことを例として説明する。当業者であれば、本開示の関連する設計を他のタイプの空調システム又は他のプロセスに適用するために、下記の具体的な実施形態に様々な変形、追加、置換、削除、又は他の変更を行ったとしても、これらの変更は依然として、本開示で提案する空調システムの原理の範囲内であることが容易に理解される。
【0043】
図7に示すように、本実施形態では、本開示で提案する空調システムは、圧縮機200及び油分離器300を含む。具体的には、圧縮機200は、オイル吐出口及び空気吸入口を有し、油分離器300は、オイル入口及びオイル出口を有し、オイル吐出口はオイル入口に連通されている。これに基づき、空調システムは、本開示で提案し且つ上記の実施形態で詳細に説明した電磁弁100を更に含み、電磁弁100の入口は、第1配管410によってオイル出口に連通され、電磁弁100の出口は、第2配管420によって空気吸入口に連通されている。これによれば、本開示で提案する電磁弁100を採用することにより、正常な運転中、潤滑油は電磁弁100のオリフィスによって圧縮機200へ逆流され、圧縮機200の吐出する潤滑油が多いとき、潤滑油が確実に適時に圧縮機200へ逆流されるように電磁弁100が開かれる。上記の構造設計により、本開示で提案する空調システムは、並列する毛細管及び電磁弁100を設ける必要がなく、設備コストを大幅に下げると同時に、システム配管を簡素化し、電磁弁100及び空調システムを保護することができる。
【0044】
ここで、図面に示され且つ本明細書に記載された空調システムは、本開示の原理を採用し得る様々な空調システムのうちの幾つかの例示に過ぎないことに留意すべきである。本開示の原理は、図面に示された空調システム又は本明細書に記載された空調システムの任意の詳細又は任意の部材のみに限られないことが明確に理解されるべきである。
【0045】
上記のように、本開示で提案する空調システムは、本開示で提案する電磁弁を採用することにより、正常な運転中、潤滑油は電磁弁のオリフィスによって圧縮機へ逆流され、圧縮機の吐出する潤滑油が多いとき、潤滑油が確実に適時に圧縮機へ逆流されるように電磁弁が開かれる。上記の構造設計により、本開示で提案する空調システムは、並列する毛細管及び電磁弁を設ける必要がなく、設備コストを大幅に下げると同時に、システム構造を簡素化することができる。
【0046】
幾つかの典型的な実施形態を参照して本開示を説明したが、使用される用語は、説明及び例示のためのものであり、限定的なものではないことが理解されるべきである。本開示は、開示の精神又は本質から逸脱することなく、様々な形態で具体的に実施することができるため、上記の実施形態は、前述の詳細のいずれかに限定されず、添付された特許請求の範囲により限定される精神及び範囲内で広く解釈されるべきであり、したがって、特許請求の範囲又はそれと等価的な範囲内に入る全ての変更及び変形は、いずれも添付された特許請求の範囲によってカバーされるべきであることが理解されるべきである。
【国際調査報告】