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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】エネルギー・セル
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/24 20060101AFI20240312BHJP
   B01J 19/08 20060101ALI20240312BHJP
   F03G 7/06 20060101ALI20240312BHJP
   F03G 7/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H05H1/24
B01J19/08 E
F03G7/06 J
F03G7/00 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550136
(86)(22)【出願日】2022-02-21
(85)【翻訳文提出日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 GB2022050473
(87)【国際公開番号】W WO2022175691
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】2102409.6
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523313090
【氏名又は名称】イーエヌジー8 リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ENG8 LIMITED
【住所又は居所原語表記】2 Irish Town,Gibraltar,GX11 1AA (GI)
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルトゥニン,セルゲイ
(72)【発明者】
【氏名】クラコフスキー,オレグ
(72)【発明者】
【氏名】バック,ハスレン マシュー
(72)【発明者】
【氏名】チュティナ,ヴァレリア
【テーマコード(参考)】
2G084
4G075
【Fターム(参考)】
2G084AA11
2G084AA15
2G084AA21
2G084BB23
2G084CC03
2G084CC08
2G084CC34
2G084CC35
2G084DD17
2G084DD37
2G084DD63
2G084FF32
2G084FF39
2G084HH42
2G084HH45
4G075AA02
4G075AA42
4G075AA45
4G075AA46
4G075AA51
4G075AA61
4G075AA65
4G075BD09
4G075CA02
4G075CA47
4G075CA54
4G075DA02
4G075EB34
4G075EB41
4G075EC01
4G075EC21
4G075FA11
4G075FB02
4G075FB04
4G075FB06
4G075FB11
4G075FC02
4G075FC04
4G075FC11
4G075FC15
(57)【要約】
作動流体を受けとるチャンバであって、チャンバを通って作動流体が流れることを可能にする少なくとも1つの取り入れ口および取り出し口を有するチャンバと、作動流体に電気エネルギーを印加してチャンバ内にプラズマを発生させる、チャンバ内の少なくとも1つの電極と、を含むエネルギー・セルであって、チャンバを通して作動流体を循環させる流体循環システムと、チャンバから出力される流体から仕事を取り出す仕事取り出しシステムと、をさらに含むエネルギー・セル。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動流体を受けとるチャンバであって、前記チャンバを通って作動流体(複数可)が流れることを可能にする少なくとも1つの取り入れ口および取り出し口を有するチャンバと、
前記作動流体に電気エネルギーを印加して前記チャンバ内にプラズマを発生させる、前記チャンバ内の少なくとも1つの電極と、
を含むエネルギー・セルであって、
前記チャンバを通して作動流体を循環させる流体循環システムと、
前記チャンバから出力される流体から仕事を取り出す仕事取り出しシステムと、
をさらに含むエネルギー・セル。
【請求項2】
少なくとも1つの電極が、少なくとも1つの作用電極と少なくとも1つの安定化電極とを含む、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項3】
少なくとも1つの電極が、カソード、アノード、および安定化電極を含む、請求項1または2に記載のエネルギー・セル。
【請求項4】
前記チャンバの本体がカソードまたはアノードである、請求項1から3のいずれか一項に記載のエネルギー・セル。
【請求項5】
前記エネルギー・セルが、プラズマの位置および/または形状を制御する電磁場発生装置をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のエネルギー・セル。
【請求項6】
前記電極に結合された高電圧エネルギー源をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のエネルギー・セル。
【請求項7】
熱エネルギーを変換して動力を提供する、または発電装置を駆動するエンジンを、前記仕事取り出しシステムが含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のエネルギー・セル。
【請求項8】
前記仕事取り出しシステムが熱交換器を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のエネルギー・セル。
【請求項9】
前記仕事取り出しシステムが、蒸気を用いた動力発生システム、例えば蒸気エンジンまたは蒸気タービンを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のエネルギー・セル。
【請求項10】
作動流体を受けとり、少なくとも1つの取り入れ口を有するチャンバと、
前記作動流体に電気エネルギーを印加して前記チャンバ内にプラズマを発生させる、前記チャンバ内の少なくとも1つの電極と、
少なくとも1つの取り入れ口を通して作動流体を供給する流体供給部と、
プラズマおよび作動流体を排出する取り出し口と、
を含むエネルギー・セルであって、
前記取り出し口に流体連通する膨張チャンバと、
前記膨張チャンバに付随する仕事取り出しシステムと、
をさらに含む、エネルギー・セル。
【請求項11】
前記膨張チャンバが、エンジンのチャンバまたはシリンダである、請求項10に記載のエネルギー・セル。
【請求項12】
前記エンジンが、前記膨張チャンバに燃料を導入するさらなる取り入れ口(複数)を含む、請求項11に記載のエネルギー・セル。
【請求項13】
従来型のスパーク・プラグの代わりにエンジンに取り付けることができるモジュール式ユニットである、請求項10から12のいずれか一項に記載のエネルギー・セル。
【請求項14】
前記プラズマ・チャンバの取り出し口がノズルである、請求項10から13のいずれか一項に記載のエネルギー・セル。
【請求項15】
作動流体を受けとるチャンバであって、前記チャンバを通って作動流体が流れることを可能にする少なくとも1つの取り入れ口と取り出し口とを有するチャンバと、
前記作動流体に電気エネルギーを印加して前記チャンバ内にプラズマを発生させる、前記チャンバ内の少なくとも1つの電極と、
前記チャンバ内を通して作動流体を循環させる流体循環システムと、
閉サイクル熱交換システムであって、プラズマ・チャンバに結合されて、前記チャンバからのエネルギーを使用して蒸気を発生させる蒸気発生装置を含み、その蒸気を、熱エンジンに供給して熱をトルクに変換する、および蒸気を動力とする発電装置に供給する、閉サイクル熱交換システムと、
を含むパワー・プラント。
【請求項16】
前記電極、そして具体的には前記カソード(複数可)が、複数の材料、具体的には圧力継手、具体的には前記エネルギー・セルの筐体を前記カソードに締結する圧力継手、絶縁体、および導電性材料から作られ得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項17】
前記電極、そして具体的には前記カソード(複数可)が、複数の材料、具体的には前記エネルギー・セルの筐体に前記カソードを締結する圧力継手、絶縁体、および導電性材料であって有機封止材、ガラス、または金属材料を使用して一体に融合された導電材料から作られ得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項18】
前記電極、そして具体的には前記カソード導電体が、有機封止材、ガラス、または金属材料を使用して融合された複数の金属およびまたは金属合金から作られ得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項19】
前記電極、そして具体的には前記カソード(複数可)導電体が、機械的に一体に接合された複数の金属およびまたは金属合金から作られ得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項20】
前記電極、そして具体的には前記カソード(複数可)導電体が、管または中実ロッドであり得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項21】
前記電極、そして具体的にはカソード(複数可)電気絶縁体が、無孔性誘電体複合ガラス材料であり得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項22】
前記電極、そして具体的には前記カソード(複数可)電気絶縁体が、無孔性誘電体有機材料であり得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項23】
前記電極、そして具体的には前記カソード(複数可)電気絶縁体が、無孔性誘電体有機材料またはガラス材料であり得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項24】
前記電極、そして具体的には前記カソード(複数可)導電体が、機械的に一体に、そして有機封止材、ガラス、または金属材料を使用して接合された複数の金属およびまたは金属合金から作られ得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項25】
前記電極、そして具体的には前記カソードが、独立した流体冷却回路を有し得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項26】
前記電極、そして具体的には前記カソード(複数可)導電体が、中実または多孔性材料から作られた末端構成部品を有し得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項27】
前記電極、そして具体的には前記カソード(複数可)導電体が、前記作動流体を脱出させる複数の脱出孔を含む末端構成部品を有し得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項28】
前記電極、そして具体的には前記カソード(複数可)導電体が、電極から前記作動流体が出るさいに作動流体内に渦効果を生じさせる1つまたは複数の脱出孔を含む末端構成部品を有し得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項29】
前記電極、そして具体的には前記カソード(複数可)導電体が、金属およびまたは金属合金、ハイブリッド金属、またはハイブリッド金属/セラミック、または金属/ガラスを含む末端構成部品を有し得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項30】
前記電極、そして具体的には前記カソード(複数可)導電体が、浸食されると電解質になる構成要素を含有する末端構成部品を有し得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項31】
前記電極、そして具体的には前記カソード(複数可)導電体が、浸食されると触媒になる構成要素を含有する末端構成部品を有し得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項32】
前記電極、そして具体的には前記カソード(複数可)導電体が、浸食されると電解質および触媒になる構成要素を含有する末端構成部品を有し得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項33】
前記電極、そして具体的には前記カソード(複数可)およびまたは制御電極(複数可)が、浸食されると電解質および触媒となる構成要素を含有する材料を含み得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項34】
前記電極、そして具体的には前記カソード(複数可)が、アルカリ金属、アルカリ金属合金、およびまたはアルカリ金属を有する、金属もしくはセラミックのマトリクスを含み得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項35】
前記電極、そして具体的には前記カソード、およびまたは制御電極(複数可)が、周期律表第10族の遷移金属、およびまたは周期律表第10族の遷移金属と合金化された金属、およびまたはアルカリ金属を有する金属またはセラミックのマトリクス中で周期律表第10族の遷移金属を含み得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項36】
流体の注入により、前記エネルギー・セルのカソードおよび他の領域および構成部品を冷却することが可能である、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項37】
ネジおよびまたはテーパー付きネジを用いて、前記エネルギー・セルの本体に機械的に前記電極が締結され得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項38】
取付けプレートとネジ付きボルトを用いて、前記エネルギー・セル本体に機械的に前記電極が締結され得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項39】
前記電極が前記カソード内にバネを有することで、前記電極およびまたは電極構成部品を所定の位置に締結する特定範囲の圧力を提供し得る、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項40】
前記エネルギー・セルの本体が冷却回路を含み、熱交換器として機能する、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項41】
前記作動流体が、前記エネルギー・セルの一端のところで前記チャンバから導入され取り出される、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項42】
前記作動流体が、前記チャンバ側面から、または一端と前記チャンバ側面とから導入され取り出される、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項43】
前記エネルギー・セルの本体が複数のプラズマ・ゾーンを含む、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項44】
前記エネルギー・セルの内部本体が琺瑯加工されている、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項45】
前記エネルギー・セルの本体の構成部品が、金属、有機、またはガラス系の封止材料で封止される、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項46】
前記エネルギー・セルの本体の構成部品が、はんだ、またはろう、およびまたは溶接を用いて接合される、およびまたは封止される、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項47】
前記エネルギー・セルの本体が、ガラスまたはガラス複合材料から作られる、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項48】
前記エネルギー・セルの本体が、透明ガラスまたは透明有機材料から作られる、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項49】
光起電力材料である、およびまたは熱電材料からなる外層を、前記エネルギー・セルの本体が有する、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項50】
アンテナである外層を、前記エネルギー・セルの本体が有する、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項51】
窓、およびまたは光を集束させるレンズを、前記エネルギー・セルの本体が有する、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項52】
感光性センサおよびまたは電磁センサ(複数可)を備えた1つまたは複数の光学的に透明なおよびまたは電磁気的に透明な窓(複数可)を、前記エネルギー・セルの本体が有する、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項53】
前記エネルギー・セルの本体が誘電体セラミックから作られる、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項54】
前記エネルギー・セルの本体が有機材料から作られる、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項55】
前記エネルギー・セルの本体が、中央の管と2つのエンドピースから作られ、前記部品の1つまたは複数が誘電材料から作られる、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項56】
前記エネルギー・セルの本体が、3つ未満の部品から作られ、前記部品の1つが誘電材料から作られる、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項57】
前記エネルギー・セルの本体が、ガラスまたはガラス複合材料から作られる、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項58】
前記エネルギー・セルの本体が磁性材料から作られる、およびまたは電磁回路を組み込んでいる、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項59】
前記エネルギー・セルの本体が、その周囲に保護ケーシングおよびまたは絶縁ケーシングを有する、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項60】
前記エネルギー・セルの本体が、機械的およびまたは電気的なクイックリリース留め具を有する、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項61】
前記エネルギー・セルの本体が、衝撃およびまたは振動を吸収する取付け具を有する、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項62】
前記エネルギー・セルの本体が、その周囲に保護ケーシングを有する、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項63】
直列または並列になった請求項1に記載の複数のエネルギー・セルを含むエネルギー・セル・システム。
【請求項64】
流体ポンプおよびまたは圧縮されたリザーバ(複数可)、またはエネルギー・セル内に導入できる流体を組み込んだ、請求項1に記載の1つまたは複数のエネルギー・セルを含むエネルギー・セル・システム。
【請求項65】
前記エネルギー・セル内に流体が導入される前に、圧力センサおよびまたは流量計を有する流体ポンプ(複数可)およびまたは前記流体の圧縮されたリザーバ(複数可)を組み込んだ、請求項1に記載の1つまたは複数のエネルギー・セルを含むエネルギー・セル・システム。
【請求項66】
前記エネルギー・セルに流体が導入される前に、圧力センサおよびまたは流量計を有する手動制御または遠隔制御の可変圧力開放弁(複数可)を有する、手動制御または遠隔制御の可変速度流体ポンプ(複数可)およびまたは前記流体の圧縮されたリザーバ(複数可)を組み込んだ、請求項1に記載の1つまたは複数のエネルギー・セルを含むエネルギー・セル・システム。
【請求項67】
高圧回路が前記作動流体を循環させ、低圧回路が使用されて前記作動流体から仕事を取り出し、熱交換器が前記回路を分離している、請求項1に記載のエネルギー・セルを含むエネルギー・セル・システム。
【請求項68】
生成ガスを捕捉するガス・セパレータに接続された前記作動流体を高圧回路が循環させ、低圧回路が使用されて前記作動流体を冷却する、およびまたは前記システムから仕事を取り出す、請求項1に記載のエネルギー・セルを含むエネルギー・セル・システム。
【請求項69】
高圧回路が、ガス圧ダンパ、およびまたはガスを充填されたシリンダを組み込んでいる、請求項1に記載のエネルギー・セルを含むエネルギー・セル・システム。
【請求項70】
前記エネルギー・セル内に前記作動流体が導入されるのに先だって前記作動流体を加熱するプレヒータが設置されている、請求項1記載のエネルギー・セルを含むエネルギー・セル・システム。
【請求項71】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、前記エネルギー・セルに入る前記作動流体と、そこから出る前記作動流体との間で、熱交換器を使用して熱交換を行う、エネルギー・セル・システム。
【請求項72】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、作動流体用の前記高圧回路が、循環ポンプ、新しい作動流体を導入するポンプ、および前記高圧回路から作動流体を解放する弁を有する、エネルギー・セル・システムであって、前記作動流体を解放する弁が、大気中、およびまたは熱交換器中、およびまたは蒸気を動力とするエンジン中に排気し得る、エネルギー・セル・システム。
【請求項73】
1つまたは複数の流体を、独立に、または一体に、そして同一のまたは異なる量および速度で導入することができる、請求項1に記載のエネルギー・セルを含むエネルギー・セル・システム。
【請求項74】
前記エネルギー・セル・チャンバ内に前記作動流体が導入される前に渦を発生させる、エネルギー・セルの前またはエネルギー・セル本体内の渦発生装置を組み込んだ、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項75】
流体(複数可)ポンプまたは圧縮ガスシリンダ(複数可)と、渦発生装置との間に、流量計およびまたは温度センサを備えた渦発生装置を組み込んだ、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項76】
流体(複数可)ポンプまたは圧縮ガスシリンダ(複数可)と、渦発生装置との間に流量計を備えた圧力センサおよびまたは温度センサを組み込んだ、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項77】
前記エネルギー・セル内に前記作動流体が導入される前に、流体導電性センサおよびまたは温度センサを組み込んだ、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項78】
前記エネルギー・セル内に前記作動流体が導入される前に、作動流体含有量センサおよびまたは温度センサを組み込んだ、請求項1に記載のエネルギー・セル。
【請求項79】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、電解質、触媒、および作動流体の測定および投入の機構を含むエネルギー・セル・システム。
【請求項80】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、設定圧力背圧調整装置を備えたエネルギー・セル・システム。
【請求項81】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、手動制御または遠隔制御の可変圧力背圧調整装置を備えたエネルギー・セル・システム。
【請求項82】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、前記背圧調整装置の上流およびまたは下流にガス・セパレータを備えたエネルギー・セル・システム。
【請求項83】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、前記背圧調整装置の上流および下流にガス貯蔵装置およびまたはセパレータを備えたエネルギー・セル・システム。
【請求項84】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、緊急圧力開放弁を組み込んだエネルギー・セル・システム。
【請求項85】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、圧力作動電気遮断スイッチを組み込んだエネルギー・セル・システム。
【請求項86】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、入力流体入力管上に逆流防止弁を組み込んだエネルギー・セル・システム。
【請求項87】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、ドライバ、パルス成形装置、およびパルス発生装置を備えたDC電源およびまたはAC電源を組み込んだエネルギー・セル・システム。
【請求項88】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、ドライバ、パルス成形装置、パルス発生装置キャパシタ、およびまたはテスラ型コイルを備えたDC電源を組み込んだエネルギー・セル・システム。
【請求項89】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、キャパシタおよびまたはテスラ型コイルを備えたDCプラズマ発生装置を組み込んだエネルギー・セル・システム。
【請求項90】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、高電圧DC電源とパルス発生装置を組み込んで、パルス状のおよびまたは断続的なパルス状の高電圧DC電流を供給するエネルギー・セル・システム。
【請求項91】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、高電圧AC電源とパルス発生装置を組み込んで、断続的なパルス状の高電圧AC電流を供給するエネルギー・セル・システム。
【請求項92】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、別個の接地/アース・コネクタを組み込んだエネルギー・セル・システム。
【請求項93】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、電流、電圧、アンペア数、パルスの周波数、ならびに断続的なパルスを制御できるDCプラズマ発生装置を組み込んだエネルギー・セル・システム。
【請求項94】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、前記エネルギー・セルからの光およびまたは電磁放射の出力周波数に整合させた入力電気信号を制御する自動フィードバック・ループを組み込んだエネルギー・セル・システム。
【請求項95】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、前記エネルギー・セルの内部および/または外部の条件をモニタリングおよび制御する制御システムを備えたエネルギー・セルおよびプラズマ発生装置を組み込んだエネルギー・セル・システム。
【請求項96】
請求項1に記載の1つまたは複数のエネルギー・セルを含み、前記エネルギー・セルに前記流体が導入される前に、手動制御または遠隔制御の投入ユニット(複数可)を組み込んだエネルギー・セル・システム。
【請求項97】
加圧されまたは加圧されずに熱を貯蔵し得る熱バッテリを組み込んだ、請求項1に記載の1つまたは複数のエネルギー・セルを含む、エネルギー・セル・システム。
【請求項98】
前記エネルギー・セルに前記作動流体が入る前に、高圧作動流体回路に接続されたガスで満たされたシリンダの形態のガス・ダンパを組み込んだ、請求項1に記載の1つまたは複数のエネルギー・セルを含むエネルギー・セル・システム。
【請求項99】
作動流体回路または他の伝熱流体回路(複数可)のいずれかに接続されたガス吸収式熱交換器を組み込んだ、請求項1に記載の1つまたは複数のエネルギー・セルを含むエネルギー・セル・システム。
【請求項100】
水垢を除去するおよびまたはフィルタの構成部品を前記給水システムが有する、請求項1に記載の1つまたは複数のエネルギー・セルを含むエネルギー・セル・システム。
【請求項101】
前記構成部品間の流体接続管が可撓性である、請求項1に記載の1つまたは複数のエネルギー・セルを含むエネルギー・セル・システム。
【請求項102】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、前記エネルギー・セルの不適切なアクセスまたは動作を無効にする安全性機能を組み込んだエネルギー・セル・システム。
【請求項103】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、前記エネルギー・セルの不適切なアクセスまたは動作を無効にするセキュリティ機能を組み込んだエネルギー・セル・システム。
【請求項104】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、課金システムに組み込まれたエネルギー入出力を測定する機構を組み込んだエネルギー・セル制御システム。
【請求項105】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、流量計、熱電対、アンテナ、作動流体誘電センサ、光学センサなどの測定機器を備えたエネルギー・セル・制御システム。
【請求項106】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、センサからの情報を通信する無線周波数の送信機および受信機を使用するエネルギー・セル制御システム。
【請求項107】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、センサからの情報を通信する光ファイバ・リンクを使用するエネルギー・セル制御システム。
【請求項108】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、センサと制御システムの間にフェライト・クランプなどの信号対ノイズフィルタ、または電位充電シグナル・プロセッサを備えたエネルギー・セル制御システム。
【請求項109】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含み、光学および/または電磁センサからの情報に基づいて、前記エネルギー・セルへの電気入力の電圧、アンペア数、周波数、パルス形態、およびパルス間のギャップを手動または自動で制御するエネルギー・セル制御システム。
【請求項110】
請求項1に記載のエネルギー・セルを含むエネルギー・セル制御システムであって、前記システムの動作条件を最適化する機械学習能力を備えたシステム。
【請求項111】
安全性ケーシングおよびまたはセキュリティ・ケーシングを備えた請求項1に記載のエネルギー・セルを含むエネルギー・セル制御システム。
【請求項112】
改ざん検出機構を備えた、およびまたは警報応答機構と結合された、請求項1に記載のエネルギー・セルを含むエネルギー・セル制御システム。
【請求項113】
無許可の動作を防止するコード化されたセキュリティ・アクセスを備えた、請求項1に記載のエネルギー・セルを含むエネルギー・セル制御システムであって、前記コード化されたアクセスセキュリティが、数値およびまたは生体署名の形態である可能性のある、システム。
【請求項114】
請求項1に記載のエネルギー・セル、および上記請求項の1つまたは複数のうちの複数を組み込んだ、請求項1に記載のエネルギー・セルを含むエネルギー・セル・システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ発生装置と称される高電圧給電ユニットから、プラズマを発生させる電気を供給される、エネルギー・セル(energy cell)と称される、プラズマを含むセル(cell、小室)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カソード、アノード、および随意の安定化電極を含み、安定化電極によって、流体内のプラズマの領域、プラズマ発生方法、およびその使用を安定化させる、エネルギー・セルおよびプラズマ発生方法が提案されている。このようなエネルギー・セルは、2019年12月4日の出願日を有する同時係属中の特許出願第GB1917736.9号明細書、および2019年12月11日に出願された関連出願第NL2024421号明細書、および2021年12月3日に出願された国際出願PCT/EP2020/084425号明細書に記載されている(それぞれの内容は、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0003】
エネルギー・セル、プラズマ発生装置、およびこれらを内部に組み込んだシステムのさらなる開発により、エネルギー・セルおよび方法に向けた様々な改良および用途、そして具体的にはエネルギー・セルの使用につながった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様によれば、
作動流体を受けとるチャンバであって、チャンバを通って作動流体が流れることを可能にする少なくとも1つの取り入れ口および取り出し口を有するチャンバと、
作動流体に電気エネルギーを印加してチャンバ内にプラズマを発生させる、チャンバ内の少なくとも1つの電極と、
を含むエネルギー・セルであって、チャンバを通して作動流体を循環させる流体循環システムと、
エネルギー・セルから出力される流体から仕事を取り出す仕事取り出しシステムと、
をさらに含むエネルギー・セルが提供される。
【0005】
特定の理論に拘束されることなく、実施形態に準拠するチャンバを通る流体の循環は、エネルギー・セルの効率を高め大きな利点を提供すると考えられる。具体的には、作動流体の循環によって、プラズマ・チャンバを電解質が通過することが可能になり得る。当業者は、様々な触媒が作動流体中に含まれ得ることを理解するであろう。特定の触媒を選択することにより、プラズマ・セル動作の効率が最適化され得るが、本出願人は現在のところ、これを副次的な考慮事項であって、エネルギー条件がより重要であると考えている。実施形態では、電気エネルギーは、急峻波形を有する高電圧パルスとして印加され得る。そのようなパルスは、プラズマ・セルに通電する最も効果的な方法を提供し得る。本出願人は、微視的粒子の合成におけるクーロン障壁を、極めて高い温度および力場を生成することなく実施形態において乗り越えられ得ると考えている。これは例えば、プラズマ・ゾーンの内部に電気エネルギーの高勾配を生成する結果であり得る。
【0006】
エネルギー・セルは、少なくとも1つの作用電極と、少なくとも1つの安定化電極と含み得る。電極は、複数の作用電極を含み得る。複数の電極は、カソード、アノード、および安定化電極を含み得る。安定化電極は、作動流体内のプラズマの領域を安定化させ得る。電極は、カソード・プラズマまたはアノード・プラズマのいずれかを発生させるように構成され得る。チャンバの本体は、カソードまたはアノードであり得る。
【0007】
作動流体内に発生するプラズマは、流体内の1つまたは複数のプラズマ・バブルの形態であり得る。エネルギー・セルは、プラズマの位置および/または形状を制御する電磁場発生装置をさらに含み得る。
【0008】
理論に拘束されるものではないが、エネルギー・セル内の条件によって、濃縮された水素イオンおよび酸素イオンで満たされたプラズマ・ゾーン内にマイクロバブルを出現させることが可能になり、これらのイオンは、キャビテーションが発生する場合に作動流体からのエネルギー解放の効率を高めることにつながるものである。
【0009】
別の例では、電極が、液体の水などの流体中に浸漬される代わりに、電極はガス、蒸気、またはエアロゾルの流体流中にあり得る。この流れは、流体の渦流の形態であり得る。これは、流体の稠度と表面積を最大にし、電解質およびまたは触媒を流体内に分散させるという潜在的な利点を有する。
【0010】
電解質およびまたは触媒はエネルギー・セルに、作動流体(複数可)内で加えられ得るか、または電極、具体的には、しかし限定はされないが、カソードの崩壊を通じて、およびカソードを構成していた原子、分子、およびマイクロ粒子が流体蒸気内に輸送されるのを通じて加えられ得る。
【0011】
理論に拘束されるものではないが、原子、イオン、分子、微視的粒子は、電解質として、およびまたは触媒として作用し得る。放電は、流体流をイオン化し、渦は、流体からのエネルギー解放の効率を高めることにつながる濃縮された水素、酸素、およびその他のイオンの領域を作り出す。渦の安定性は、プラズマ場の安定化を助ける。
【0012】
流体の注入によって、エネルギー・セルのカソードおよび他の領域、ならびに構成部品を冷却することが可能になる。
【0013】
理論に束縛されるものではないが、作動流体から解放されるエネルギーは、エネルギー・セル内部に関する物理的および電磁的条件に関連する光の形態であり得る。
【0014】
エネルギー・セル内部で発生した熱は、作動流体およびまたは別個の冷却回路から除去され得る。エネルギー・セルの本体は、エネルギー吸収を最大にするように、そして冷却回路を含むように、設計され得る。
【0015】
作動流体の誘電特性は、温度に依存し得る。エネルギー・セルに作動流体を導入するのに先立って作動流体を加熱するプレヒータを設置することで、作動流体の誘電特性を最適化することが可能である。またこれにより、システムのエネルギー効率を高めることが可能であり、それは、排出された作動流体を、熱交換器およびまたは電気式プレヒータを介して入力作動流体を加熱するのに使用して、起動時間およびエネルギーを最小限にすることができるからである。
【0016】
水および他のガスの混合物を、圧縮空気、またはアルゴンなどの不活性ガス、または二酸化炭素などの活性ガスの形態でエネルギー・セル内に導入すると、プラズマ安定性と作動流体からのエネルギー解放とに関して、渦の条件および渦内の条件を最適化することができる。
【0017】
作動流体の誘電特性およびその他の特性は、エネルギー・セルのプラズマ安定性および効率に寄与し得る。電解質、ならびに/または電解質および/もしくは触媒投入ユニットに結合した触媒の導電性および含有量を測定する作動流体上のセンサによって、作動流体の電解質および/または触媒濃度を動作中に最適化できることが見出されている。逆に、追加の水を加えて作動流体を希釈して、エネルギー・セル内の動作条件を最適化し得る。
【0018】
水および他のガスの混合物を、圧縮空気、またはアルゴンなどの不活性ガス、または二酸化炭素などの活性ガスの形態でエネルギー・セル内に導入すると、プラズマ安定性と作動流体からのエネルギー解放とに関して、渦の条件および渦内の条件を最適化することができる。
【0019】
システムのエネルギー出力は、システム内の慣性、および作動流体からのエネルギー解放に寄与する様々な要因に起因して、少なくとも2倍変動する可能性があり、よってエネルギー・セル内の圧力を劇的に上昇させることができる。エネルギー・セル内の圧力揺らぎを均等にするためには、背圧調整装置が有効であることが見出されている。
【0020】
1回の反復で、背圧調整装置の圧力設定を手動制御または遠隔制御することによって、正確な動作圧力を設定できることが見出されている。
【0021】
システムのエネルギー出力は、作動流体からのエネルギー解放に寄与する様々な要因に起因するシステムの慣性に起因して、少なくとも2倍変動し得る。エネルギー・セルを安全に動作させるためには、システムの最大動作圧力に近づきつつあるときに作動する緊急圧力開放弁、圧力作動電気遮断スイッチ、またはそれら両方の組み合わせを組み込むことを含め、複数の安全性対策を講じることができることが見出されている。
【0022】
システムが停止している、または流体圧送システムに破損が生じる際には、エネルギー・セル内の圧力が入力流体配管内の圧力より大きくなり得る。入力流体システムの材料や構成部品は、エネルギー・セル内に見いだされる温度で動作するようには設計されていない場合がある。流体入力システムの損傷/故障を防止するために、入力流体入力管上に逆流防止弁のあることが有利であることが見出されている。
【0023】
エネルギー・セル内の構成部品の温度調節のもう1つの方法は、電流だけでなくパルスの周波数も制御するとともに、断続的なパルス状のACまたはDC電流を供給することである。
【0024】
エネルギー・セルは、電極に結合された高電圧エネルギー源をさらに含み得る。高電圧エネルギー源は、AC、DC、またはパルス状の高電圧エネルギー源であってもよい。
【0025】
受動的であっても能動的であってもよい制御電極(複数可) を組み込むことにより、プラズマ場の形状およびサイズを制御することができ、プラズマ・ゾーン内の作動流体のイオン化を含め、最適な動作条件および効率につながる。
【0026】
プラズマは、1つまたは複数の電気的な入力源、例えば、プラズマを点火するためのものおよびプラズマを維持するためのものによって、点火され維持され得る。このやり方では、点火を実行する、そしてエネルギー・セル内のエネルギー揺らぎを緩衝させてプラズマ場を安定化させる、キャパシタまたはテスラ型コイルを組み込み得る。
【0027】
エネルギー・セルおよびプラズマ発生装置を含むシステムは、エネルギー・セルの内部および/または外部の条件をモニタリングする制御システムを含む。そのような制御システムは、構成部品の動作温度および最高プラズマ場効率を含む、エネルギー・セルの最適な効率および機能性を保証する。
【0028】
前記システムは、不正アクセスを防止する、そしてエネルギー・セル・システムの不適切なアクセスまたは動作を無効にする、安全性機能および/またはセキュリティ機能を組み込む場合がある。
【0029】
上記システムは、エネルギーの入力および出力を測定する機構を組み込み得、そして課金システムに組み込まれ得る。
【0030】
一例では、プラズマ発生装置からの以下の電気入力範囲によって、エネルギー・セルが機能可能になることが分かっている。6kV、1Aでパルスは5Aまで、そうしたパルスの持続時間は5~40μs、周波数は40kHzであってもよい。これらの範囲は、エネルギー・セルの形状とサイズに依存する。キャパシタおよびまたはテスラ型コイルは、10分の1未満の持続時間の、そして10倍より大きい短期の電圧を発生させ得る。キャパシタおよびまたはテスラ型コイルは、電流を吸収することで、プラズマ場の破壊を防止し得る。
【0031】
プラズマ場およびプラズマ発生装置によって生成される、エネルギー・セル内およびその周辺の電磁気的条件は、流量計、熱電対、アンテナ、作動流体誘電センサ、光学センサなどの測定機器からの読み取り値に影響を与えるかなりの量の電磁ノイズを発生させる。このノイズが制御システムに伝達されるのを最小化するために、wifiリンクなどの無線周波数の送信機および受信機を設置して、制御システムを測定機器から分離し得る。これはまた、フェライト・クランプおよびまたは電位充電シグナル・プロセッサ(複数可)などのフィルタを使用して行う場合もある。これは光ファイバー接続で実現され得る。
【0032】
エネルギー・セルに接続された光学センサおよび/または電磁センサが制御ユニットに情報を送信することも、1回の反復において見出された。エネルギー・セルに入る電気の電圧、アンペア数、周波数は、センサによって受けとられる光子および/または電磁エネルギーの出力に整合させるのが好ましいことが見出された。これは、静的な動作条件として設定するか、または制御システムによって自動的に調整することができる。
【0033】
制御ユニットは、エネルギー・セルへの入力を調整する。システムがフィードバック・ループを有さないならば、エネルギー・セル内のカソードおよび他の構成部品の故障または急速な経時劣化につながる過熱があり得る。
【0034】
システム内の慣性によって、センサと制御システムとの間に時間差が生じ、これによって、エネルギー・セル内のカソードおよび他の構成部品の過熱が生じ得る。機械学習アルゴリズムを適用することによって、このコードは、エネルギー・セル内の条件を予測し、制御システムを介して作用することができる。
【0035】
水および他のガス/流体の注入流と圧力は、エネルギー・セルに入る電気エネルギーと、圧力解放値を介して解放される圧力とを用いて能動的に調整される。このスキームを図25に示す。
【0036】
仕事取り出しシステムは、エネルギー・セルから出力される流体から熱エネルギーを除去し得る。
【0037】
仕事取り出しユニットには、例えば、熱エネルギーをトルクに変換して動力を提供する、または発電装置を駆動するエンジンを組み込んでもよい。
【0038】
仕事取り出しシステムは、熱交換器を含み得る。熱交換器が多くの実用的な用途を有し得ること、例えば、空間加熱システムまたは冷凍システムに一体化され得ることは、理解されよう。多段式熱交換器、例えば直列または並列にされた複数の熱交換器が使用され得る。加えて、あるいはこれに代えて、仕事取り出しシステムは、流体の物質移動のための調整装置を含み得る。
【0039】
仕事取り出しシステムは、蒸気を用いた動力発生システム、例えば蒸気エンジンまたは蒸気タービンを含み得る。
【0040】
仕事取り出しシステムは、エネルギー伝達用の非接触型システム、例えばアンテナ;エネルギー・セルの内部または周囲に組み込まれた熱電池または光電池を含み得る。例えば、実施形態のエネルギー・セルは、光子源と、出力を指向させる1つまたは複数の光学/電磁レンズとを含む一体型の光学/電磁式の送信器を備えることができ得る。次いで、光電池、例えば冷却された光電池が、送信された光/電磁エネルギーを受信するために使用され得る。
【0041】
エネルギー・セルはまた、光発生(透明な本体)、レーザ、レンズ付き本体、ピストンを組み込んだ機械体、直接推力(蒸気ロケット)、運動エネルギー移動(ウォーター・ジェット切断)、および上記の組み合わせなどの出力を直接使用する直接仕事に使用され得る。
【0042】
エネルギー・セルは、仕事を生成するシリンダに、およびシリンダそれ自体として、熱/圧力バッテリとしてエネルギーを貯蔵するシリンダに、直接接続され得る。
【0043】
エネルギー・セルは、仕事を生成しエネルギーを貯蔵するのに使用できる、例えばH2、O2、H2O2等を含む様々なガスを、電気化学の変形形態を通じて発生させ得る。
【0044】
エネルギー・セルは圧力容器であり得る。エネルギー・セルおよび流体循環システムは、作動流体を圧力下で維持するように構成され得る。例えば、作動流体は最低100KPa(1バール)に加圧される。例えば、流体は、エネルギー・セルが行おうとする仕事に応じて、少なくとも10000KPa(100バール)、例えば50000KPa(500バール)またはそれ以上に加圧される。
【0045】
チャンバは非導電性のエンド・キャップを含み得る。本体およびエンド・キャップは、ガラス、セラミックス、およびまたは複合材料などの誘電材料から作製され得る。
【0046】
チャンバは、非導電性ケーシングまたは電磁的に透明なケーシング、またはそれら両方の組み合わせを含み得る。
【0047】
圧力容器は、活電極であり得る。圧力容器内のチャンバは、誘電体のスリーブ、管、およびもしくは誘電体コーティングを含み得る、ならびに/または絶縁シュラウドを含み得る。
【0048】
流体循環システムは、エネルギー・セルに流体を供給するのに先立ってこれを加圧するための、および/または流体を循環させる原動力を提供するための、少なくとも1つのポンプを含み得る。流体循環システムは、エネルギー・セルに流体が入るのに先立って流体を調整するためのプレヒータを含み得る。プレヒータは、エネルギー・セルから出力される加熱された流体を受けとる熱交換器を使用し得る。
【0049】
流体循環システムは、流体の供給部を含み得る。流体は、例えば水であり得る。流体循環システムは、流体添加剤の供給部、例えば触媒(例えば触媒塩)および/または金属イオン(電解質として作用する)の供給部を含み得る。水は、蒸留水および/または脱イオン水であり得る。添加剤は、水の導電性を調整し得る。
【0050】
作用電極は、フロースルー電極であり得る。チャンバの少なくとも1つの取り入れ口と取り出し口は、作動流体流をフロースルー電極に通すように指向させ得る。
【0051】
エネルギー・セルは、制御装置をさらに含み得る。制御装置は、チャンバを通る流体流を制御し得る。制御装置は、(加えてまたは代わりに)電極に印加されるエネルギーを制御し得る。制御装置は、燃料電池からの仕事取り出しの要求に応答して流体流を制御し得る。制御装置は、システム内への流体の供給を制御し得、例えば、流体中の添加剤の濃度を制御し得る。
【0052】
エネルギー・セルは、エネルギー・セルに外部熱入力を供給するプレヒータをさらに含み得る。制御装置は、(例えばプラズマ発生を最適化するために)ヒータを制御し得る。
【0053】
理論に拘束されるものではないが、使用中、作動流体は、直接加熱およびエネルギー・セルのチャンバの誘導加熱の両方によって加熱されると考えられる。従って、流体中のプラズマ発生は、流体および筐体を加熱するエネルギーを解放し得る。効率を求めて、チャンバの外部が絶縁され得る。環境から保護するために、エネルギー・セルの外部は絶縁される得るか、または機械的振動もしくは衝撃およびノイズの吸収システムを備え得る。
【0054】
流体中のプラズマ放電の開始および安定化、特に、流体中にプラズマ放電を生成して、2つの電位電極(すなわち、カソードおよびアノード)の間の界面によって分離された二相のガス蒸気相領域および液相領域を形成することは、安定化電極を用いてガス蒸気領域と液体領域との間の界面を安定化させることによって実行され得る。従って、安定化電極は、流体内のプラズマ放電の領域を安定化させる。具体的には、安定化電極は、プラズマ放電の領域と流体との間の界面を安定化させ得る。安定化はまた、磁性材料または電磁気学的装置を、エネルギー・セルのケーシングに組み込むか、またはエネルギー・セルのケーシングに追加することによって、エネルギー・セル内で特定の電磁気学的条件を発生させることでも実現され得る。本明細書で使用されるとおり、「安定化する」という用語および類似の用語は、界面のところでの熱的および電気的揺らぎを最小にするためにプラズマの領域と流体との間の界面が維持されることを意味することが意図される。
【0055】
安定化電極は、プラズマ放電を開始し、その後、放電の崩壊を抑制することによって、安定化/維持機能を実行することができる。安定化電極は、カソードとアノードの間に配置されることが多い。随意に、安定化電極は、アノードまたはカソードのいずれかの上に配置される場合もあり、この場合、安定化電極は、カソードおよび/またはアノードから分離される。本明細書で使用されるとおり、「の間」という用語は、当技術分野において与えられる通常の意味であることが意図されており、具体的には、安定化電極がプラズマ放電を遮断しこれと相互作用する場合のある、よってその安定化機能をこの電極が実行することが可能になる場所を指す。プラズマ放電は、カソードと安定化電極との間で生成される。さらに、そのような構成によって、安定化電極とカソードまたはアノードとの間にプラズマ放電を閉じ込めることが可能になる。
【0056】
安定化電極は、帯電した粒子、例えばシード電子を流体中に放出し得、これによってプラズマ放電の開始と維持の両方を強化する。
【0057】
随意に、1つまたは複数の給電構成が、電極(すなわち、カソード、アノード、または安定化電極)をまたいで結合されて、回路を形成し得る。実例としては、高電圧直流(DC)給電装置が、カソードおよびアノードに結合され得る。加えて、高周波交流(AC)給電装置が、カソードおよび安定化電極に結合され得る。しかし、プラズマ条件によっては、安定化電極は、給電されない場合があるので、高周波AC給電装置に結合されない場合がある。あるいは、プラズマ条件によっては、高周波AC給電装置と安定化電極との間の結合は、安定化の必要性が検出された場合にのみ給電されるようにして、不活性または周期的に不活性であり得る。プラズマ放電の開始と安定化の過程は、カソード(またはアノード)と安定化電極との間の高周波高電圧スパーク放電を使用することによって強化され、スパーク放電の電流はプラズマ放電電流(DC給電装置によって供給される)よりも低い。関連して、高周波高電圧スパーク放電の電位は、カソードのところでのプラズマ放電の電位よりも高く設定される。加えて、または随意に、カソードおよびアノードへの給電は、AC、DC、およびまたはインパルス的性質のいずれかとすることができる。加えて、または随意に、安定化電極への給電は、AC、DC、またはインパルス的性質のいずれかとすることができる。
【0058】
安定化電極は、特定の所与の用途に最も好適な構成に応じて、多くの形状のうちの1つを採用し得る。例えば、安定化電極は、プレート、球、ロッド、またはそれらの組み合わせの形状に形成され得る。随意に、安定化電極は、湾曲した形状(例えば、湾曲したプレート、または「ボウル」形状)、例えば、湾曲した半楕円形状を有し得、これは、カソードに関して見たときに凸状または凹状であり得る。同じく、安定化電極は、実質的に平坦、正方形、楕円形、または放物線状に構成され得る。多くの場合、二軸方向の断面が一般的に大きい形状が選択されるが、これは、そうした形状がプラズマとの相互作用およびプラズマの安定化を効率的に促進するからである。従って、ロッドまたはプレートが選択されることが多い。
【0059】
安定化電極は多孔性であり得る。例えば、安定化電極は、その表面に沿って穿孔を有し得る。これらの穿孔は、安定化電極の表面を完全に貫通して延在しているか、または安定化電極の表面内に部分的にのみ延在する表面陥没の形態をとり得る。この穿孔によって、流体内の帯電した粒子および分子が、安定化電極の表面を通り抜けてシステムから外へ収集点に向かうことが可能になる。
【0060】
あるいは、安定化電極は、無孔性で中実であり得る。
【0061】
上記で概説した給電構成に戻ると、高電圧DC給電装置とカソードまたはアノードとの間に、随意にデカップリング・インダクタが介在し得る。デカップリング・インダクタは、交流および高周波信号が高電圧DC給電装置に到達し場合によってはこれを損傷させるのを防ぐことによって、DC給電装置を保護する働きをする。あるいは、デカップリング・インダクタは、高電圧DC給電装置とアノードとの間に介在し得る。デカップリング・インダクタは、カソードおよびアノード極と直列に配置されていれば、原理的には回路内のいずれの好適な位置に介在していてもよい。
【0062】
加えて、そして随意に、高周波AC給電装置と安定化電極との間にデカップリング・キャパシタが介在し得る。デカップリング・キャパシタは、DC給電装置に関連する直流電流がAC給電装置に到達し場合によってはこれを損傷させるのを防ぐことによって、AC給電装置を保護する働きをする。デカップリング・キャパシタは、デカップリング・インダクタがカソードおよびアノードと直列に配置されていれば、原理的には回路内のいずれの好適な位置に介在していてもよい。
【0063】
カソード、アノード、および安定化電極の間を流れる電流を調整するために、様々なスイッチング素子が実装され得る。これらのスイッチング素子には、固体スイッチング素子、電気真空スイッチング素子、電子スイッチング素子などを挙げてもよいが、これらには限定されない。
【0064】
いくつかの実施形態では、エネルギー・セルは、過程からのエネルギーを利用するおよびまたは貯蔵する膨張チャンバと、一体化されるまた併用され得る。
【0065】
本発明の別の態様によれば、
作動流体を受けとる、そして少なくとも1つの取り入れ口を有するチャンバと、
作動流体に電気エネルギーを印加してチャンバ内にプラズマを発生させる、チャンバ内の少なくとも1つの電極と、
少なくとも1つの取り入れ口を通して作動流体を供給する流体供給部と、
プラズマおよび作動流体を排出する取り出し口と、
を含むエネルギー・セルであって、
取り出し口と流体連通する膨張チャンバと、
膨張チャンバに付随する仕事取り出しシステムと、
をさらに含むエネルギー・セルが提供される。
【0066】
膨張チャンバは、例えば、エンジンのチャンバまたはシリンダであってもよい。エンジンは、追加の燃料、例えば炭化水素および空気を、(プラズマ発生装置からのプラズマが燃料の点火を生じさせるような)膨張チャンバ内に導入するさらなる取り入れ口を含み得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、エネルギー・セルは、代替点火源として従来型のスパーク・プラグの代わりにエンジンに取り付けることができるモジュール式ユニットとして形成され得る(これは、例えば、出力および/または効率の向上において利点を提供し得る)。従って、いくつかの実施形態では、取り出し口は、雄ネジ体に囲まれ得る。
【0068】
エネルギー・セルは、チャンバ内に注入された流体(液体、エアロゾル、またはガス)の電気化学反応を生じさせる、アノードまたはカソードのロッドを内部に備えたアノードまたはカソード本体を含み得る。これにより、温度および圧力の急激な増加が生じ得、次いでこの圧力は、膨張チャンバ(エンジンのシリンダである場合もある)内に膨張し得る。この膨張によって、クランクシャフトが回転しトルクが生じることによって、仕事が生じる。プラズマ・チャンバ内に注入される作動流体は、水のみ、または水および/もしくは炭化水素ガスであり得る。
【0069】
プラズマ・チャンバの取り出し口は、管であり得るが、しかしいくつかの実施形態では、ノズル(例えば、取り出し口は円錐形/ベンチュリの形状)であり得る。取り出し口をノズルに成形することによって、プラズマ・チャンバ内の圧力条件が最適化され得る。本出願人は、プラズマ・チャンバ内への水の導入によって、電磁エネルギーの吸収が増加し得、例えば、そのようなエネルギーが熱に変換され得、この熱が次いで、プラズマ・チャンバ内のガスの圧力を増加させ、このガスが次いで、膨張チャンバ内に膨張することを見出した。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態は、自己完結型で輸送可能なモジュール式パワー・プラントを提供するために使用され得る。本発明の別の態様では、
作動流体を受けとるチャンバであって、チャンバを通して作動流体が流れることを可能にする少なくとも1つの取り入れ口と取り出し口とを有するチャンバと、
作動流体に電気エネルギーを印加してチャンバ内にプラズマを発生させる、チャンバ内の少なくとも1つの電極と、
チャンバ内を通して作動流体を循環させる流体循環システムと、
を有するエネルギー・セルと、
プラズマ・チャンバに結合され、チャンバからのエネルギーを使用して蒸気を発生させる蒸気発生装置、および蒸気を動力とする発電装置を含む閉サイクル熱交換システムと、
を含むパワー・プラントが提供される。
【0071】
よって、実施形態において、自己完結型パワー・プラントは、電気エネルギーがエネルギー・セルに入力され、蒸気を動力とする発電装置を使用して仕事が取り出される、蒸気発電サイクルを使用し得ることが理解されよう。
【0072】
理論に拘束されるものではないが、得られた実験データからは、主要なエネルギー・ベクトルが、エネルギー・セル内に導入される流体であることが示されている。プラズマ発生装置からの電気エネルギーは、エネルギー・セル内の作動流体をイオン化するために使用される。流体から解放されているエネルギーは、光子(光)の形態をとる電磁気である。エネルギー・セル内で生成されている電磁気的および物理的条件により、流体はイオン化し、イオンはエネルギーを失い、エネルギーは光子として解放される。この過程は発熱性であり、性能係数は1より大きくあり得る。エネルギー・セルから解放されている高温流体に加えて、水素、酸素、過酸化水素もまた生成される。これらは、ガス・セパレータを介して分離される、およびまたは貯蔵され得る。
【0073】
別途言明されているのでない限り、記載される要素のそれぞれは、当業者に理解されるであろう他のいずれの要素とも組み合わせて使用してもよい。さらに、本発明の全ての態様は、その態様に関連して記載された特徴を好ましくは「含む」ものの、特許請求の範囲に概略的に記載されたそれらの特徴から「なる」または「本質的になる」ことが具体的に想定される。加えて、全ての用語は、本明細書において別途具体的に定義されているのでない限り、当技術分野において共通に理解される意味を与えられることが意図される。
【0074】
さらに、本発明の考察において、反対の言明がなされているのでない限り、パラメータの許容範囲の上限または下限についての択一的値の開示は、そうした択一的値の小さい方と大きい方との間にある、前記パラメータの各中間値も、それ自体、パラメータについて可能な値として開示されていることを暗に示すものとして解釈されるものとする。
【0075】
加えて、別途明示されているのでない限り、本出願に現れる全ての数値は、「約」という用語によって修飾されていると理解されるものとする。
【0076】
以下、本発明をさらに容易に理解するために、以下の図および具体例を参照しつつさらに記載する。
【0077】
本発明の実施形態は、様々な方法で実施してもよく、その実施形態は以下、添付図面を参照しつつ、例としてのみ記載するものとし、それらの図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
図1】本発明の実施形態に準拠する燃料電池の概略図である。
図2A】本発明の実施形態で使用されるエネルギー・セル内に流体を通過させる構成の例、ならびに2つ以上のプラズマ・ゾーンを示す図である。
図2B】本発明の実施形態で使用されるエネルギー・セル内に流体を通過させる構成の例、ならびに2つ以上のプラズマ・ゾーンを示す図である。
図2C】本発明の実施形態で使用されるエネルギー・セル内に流体を通過させる構成の例、ならびに2つ以上のプラズマ・ゾーンを示す図である。
図2D】本発明の実施形態で使用されるエネルギー・セル内に流体を通過させる構成の例、ならびに2つ以上のプラズマ・ゾーンを示す図である。
図2E】本発明の実施形態で使用されるエネルギー・セル内に流体を通過させる構成の例、ならびに2つ以上のプラズマ・ゾーンを示す図であり、渦発生装置および複数の流体の流れを有するエネルギー・セル構成を例示している。
図3A】本発明の実施形態で使用されるHVパルス電源の例示的構成を示す。
図3B】本発明の実施形態で使用されるHVパルス電源の例示的構成を示す。
図4A】本発明の実施形態で使用される受動安定化電極を使用する例示的構成を示す。
図4B】本発明の実施形態で使用される受動安定化電極を使用する例示的構成を示す。
図4C】本発明の実施形態で使用される受動安定化電極を使用する例示的構成を示す。
図4D】本発明の実施形態で使用される受動安定化電極を使用する例示的構成を示す。
図4E】本発明の実施形態で使用される受動安定化電極を使用する例示的構成を示す。
図5A】本発明の実施形態で使用される能動安定化電極を使用する例示的構成を示す。
図5B】本発明の実施形態で使用される能動安定化電極を使用する例示的構成を示す。
図5C】本発明の実施形態で使用される能動安定化電極を使用する例示的構成を示す。
図5D】本発明の実施形態で使用される能動安定化電極を使用する例示的構成を示す。
図5E】本発明の実施形態で使用される能動安定化電極を使用する例示的構成を示す。
図6A】実施形態で使用される電極構成の例を示す。
図6B】実施形態で使用される電極構成の例を示す。
図7A】実施形態で使用される電極構成の例を示す。
図7B】実施形態で使用される電極構成の例を示す。
図8A】実施形態で使用される電極構成の例を示す。
図8B】実施形態で使用される電極構成の例を示す。
図9A】実施形態で使用される電極構成の例を示す。
図9B】実施形態で使用される電極構成の例を示す。
図10A】実施形態で使用される電極構成の例を示す。
図10B】実施形態で使用される電極構成の例を示す。
図11A】実施形態で使用される電極構成の例を示す。
図11B】実施形態で使用される電極構成の例を示す。
図12A】実施形態で使用される電極構成の例を示す。
図12B】実施形態で使用される電極構成の例を示す。
図13A】実施形態で使用される電極構成の例を示す。
図13B】実施形態で使用される電極構成の例を示す。
図14A】実施形態で使用される電極構成の例を示す。
図14B】実施形態で使用される電極構成の例を示す。
図15A】実施形態で使用される電極構成の例を示す。
図15B】実施形態で使用される電極構成の例を示す。
図16A】エネルギー・セルの例示的構成を示す。
図16B】エネルギー・セルの例示的構成を示す。
図17A】エネルギー・セルの例示的構成を示す。
図17B】エネルギー・セルの例示的構成を示す。
図18A】エネルギー・セルの例示的構成を示す。
図18B】エネルギー・セルの例示的構成を示す。
図19A】エネルギー・セルの例示的構成を示す。
図19B】エネルギー・セルの例示的構成を示す。
図20A】エネルギー・セルの例示的構成を示す。
図20B】エネルギー・セルの例示的構成を示す。
図21】渦発生装置を備えたエネルギー・セルの構成の例である。
図22A】光子を直接電気に変換できる、または光源および熱源として使用できるエネルギー・セルの例である。
図22B】光子を直接電気に変換できる、または光源および熱源として使用できるエネルギー・セルの例である。22bはまた、熱電外層またはアンテナの使用も例示する。
図23】実施形態で使用される制御システムの概略図である。
図24】実施形態で使用されるノイズ・フィルタ・システムの概略図である。
図25】列挙された主要構成部品に加え、制御システムと、エネルギー・セル上のセンサとの間の無線周波数リンクを備えたエネルギー・セル・システムの例である。
図26A】実施形態に準拠するエネルギー・セルについての構成の例である。
図26B】実施形態に準拠するエネルギー・セルについての構成の例である。
図26C】実施形態に準拠するエネルギー・セルについての構成の例である。
図27】エネルギー・セルについての様々な構成を示す。
図28A】実施形態で使用される小型燃料電池ユニットを示す。
図28B】実施形態で使用される小型燃料電池ユニットを示す。
図29】実施形態で使用される仕事取り出しシステムの例である。
図30】実施形態で使用される仕事取り出しシステムの例である。
図31A】実施形態で使用されるエネルギー・セルについての熱交換構成の例である。
図31B】実施形態で使用されるエネルギー・セルについての熱交換構成の例である。
図32A】実施形態に準拠する複数区画のセルである。
図32B】実施形態に準拠する複数区画のセルである。
図33】実験的な実施形態において異なる圧力で生成された電力に対する熱の比に関する実験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0079】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。以下の記載は、当業者が本発明を理解できるように単に使用されるだけであり、読者が容易に理解および/または想定し得る他の実施形態への本発明の適用可能性を制限する意図はないことに留意されたい。
【0080】
図1は、本発明の実施形態に準拠するエネルギー・セルを例示する。このエネルギー・セルは、作動流体を受けとるチャンバ3を有するエネルギー・セルを含む。チャンバは、チャンバを通して作動流体が流れることを可能にする少なくとも1つの取り入れ口および取り出し口を有する。複数の電極5、7a、7b、および8がチャンバ内に設けられている。電極は高電圧給電装置1および2に接続されて、作動流体に電気エネルギーを印加してチャンバ内にプラズマを発生させる。例示の実施形態では、第1の給電装置1は、分離された電極4とチャンバ3の本体に接続されている。第2の給電装置2は、分離された電極10にキャパシタCを介して接続され、安定化電極8に電力を供給する。電極6はフロースルー電極である。電極7a、7bは、アノードであり(しかし代わりにカソードの場合もある)、チャンバ3の本体に電気的に接続されている。9に示されるとおりのプラズマの領域が、使用中のチャンバ内に発生する。アイソレータ11が、内部電極に設けられている。エネルギー・セルは、作動流体をチャンバ内に循環させる流体循環システムをさらに含む(図1における「流体流」の矢印で示される)。仕事取り出しシステムは、エネルギー・セルから出力される流体から仕事を取り出すために設けられている。仕事取り出しシステムの例が、例えば図26および図27を参照して、以下にさらに記載される。
【0081】
エネルギー・セルは、先願の第PCT/EP2020/084425号明細書に概ね記載されているとおりに動作する。しかし、以下の点に注意することが重要である。すなわち、プラズマ発生用のエネルギー・セル内では、カソード(カソード・プラズマ)だけでなく、アノード(アノード・プラズマ)も使用することができる。またプラズマの位置および形状は、電磁場を通じて制御され得る。
【0082】
エネルギー・セル3の本体は、外部高電圧給電装置の接続回路に応じて、カソードまたはアノードとすることができる。エネルギー・セル筐体は、動作時に安全でなければならず、したがって接地されていることが有益である。
【0083】
電力1の主な高電圧源は、直流または交流、およびパルス電流とすることができる。また、安定化電極に接続するための追加の高電圧給電装置2を、直流だけでなく、交流およびパルス電流とすることができる。
【0084】
エネルギー・セルの作用電極5、7a、7b、および安定化電極8は、これらに電圧が印加されて流体(水、電解質、またはガスもしくはエアロゾルを含む他の物質)がこれらを通過する場合にフロースルーとすることができ、一例として、ノズルとしての機能を有することができる。これにより、エネルギー・セルの設計の簡素化と、さらにいくつかの利点との両方が可能になる。例えば、電極の冷却、およびエネルギー・セル筐体内を循環する液体をさらに良好な加熱による、電極寿命の向上である。エネルギー・セルの筐体内の液体の取り入れ口と取り出し口は、例えば、最上部とは、または最下部とは、または同時に最上部および最下部とは、または側面とは、異なるものとすることができ、流体の方向の他の選択肢および組み合わせも、構造に応じて可能である。
【0085】
電極、特にカソードは、中実のまたは多孔性の材料から作られ得るので、作動流体は、エネルギー・セル内に導入されるとカソードを冷却する。カソードは、独立した冷却回路を使って冷却され得る。カソードは、金属合金、ハイブリッド金属、ハイブリッド金属/セラミック、または金属/ガラスから構成され得る。材料の具体的な選択は、構造と導電性のために高温材料を使用して電極の寿命を最大化すること、そしてエネルギー・セルに入る流体の流れへのイオン化/蒸発を通じて特定の金属をプラズマ・ゾーン内に導入することが意図されている。
【0086】
図1は、安定化電極8が高電圧給電装置2に接続されていることを示す。しかし、この給電装置は、高周波交流だけでなくパルス電流および直流とすることができる。安定化電極が追加の高電圧給電装置から給電されない場合があるが、この場合にはその給電装置を除外することができる。直流によって給電される場合には、キャパシタCは除外され得る。また、電極7a、および7bは、AC、DC、またはパルス状の高電圧給電装置1に接続することができる。
【0087】
チャンバ3は加圧され得る。エネルギー・セルは、高圧(最高500バールおよびそれ以上)、そしてそれに応じて、高温(最高600℃およびそれ以上)で、さらに効率的に動作できることが見出された。このモードによって、接続された装置との、例えば、伝熱流体のエクセルギーが、エネルギー・セルとそれに接続される装置の出力密度にとって重要であるような熱エンジンとの、エネルギー・セルのさらに効率的な動作が得られる。
【0088】
内部流体の誘電特性は、異なる温度と圧力で変化し、これが性能との関係に影響する。実施形態は、PLCによって制御されるプラズマ発生装置からエネルギー・セルへの電磁入力を最適化するフィードバック・ループを含み得る。
【0089】
エネルギー・セルのケーシング3は、高温誘電体またはコーティングを使用することによる、任意の可能な方法によって、電気的損失を低減するために内部で絶縁および/または分離することができる。さらに、特別な場合(液体、ガス、およびエアロゾルを含む流体であって、そのような例の1つとしてH2Oから作られるものを使用する場合)、低い導電性:10μs*S/cm未満)では、エネルギー・セル筐体の内壁の絶縁はまったく必要ない場合がある。エネルギー・セルのケーシング3は、電気的ならびに熱的損失を低減させてエネルギー・セルのエネルギー効率を高めるために、外部で絶縁および/または隔離することができる。
【0090】
プラズマ発生装置の本体3が、金属だけでなく、誘電特性、温度、圧力、および流体との相互作用、例えば内部で加熱される液体、ガス、およびエアロゾルなどであって、そのような例の1つがHOであるものを含む流体との相互作用の観点での動作に関する要件を満たす他のいかなる材料で作ることもできることに留意するのが望ましい。これは、セラミックス、ガラス、複合材料などの使用を含む可能性がある。
【0091】
実施形態で使用される電極構成の例が以下に与えられる。
【0092】
アノード、カソード、および安定化電極の形状は、例えば、ロッド、コーン、プレート、管、王冠状、または他の幾何学的形状など、様々とすることができることは理解されよう。様々な構成を、以下でさらに考察する。図面が概して鉛直の向きで示されているが、これは必須ではなく、実際には、エネルギー・セルは、(例えば、エネルギー・セルの他の構成部品に応じて)使用時に便利ないずれの配置をとってもよいことは、留意するに値する。
【0093】
上記により、当業者に本発明の実施形態の一般的な理解を提供するであろうが、様々な修正が可能であること、および幅広い用途の可能性を実施形態が有することは理解されよう。従って、以下、いくつかの重要な変形形態を記載する。
【0094】
プラズマ・チャンバ流
図面には、スルーフロー電極を通してエネルギー・セルに流体を供給する様々な構成が提供されている。実施形態で使用され得るる、エネルギー・セル内を通る流体の通過に関して可能な選択肢のいくつかを図2に示す。図2Aの配置は、エネルギー・セルに最上部から最下部へフロー電極を通して流体を供給する変形形態を示す。図2Bの配置は、エネルギー・セルに最下部から最上部へ中空電極を通して流体を供給する変形形態を示す。図2Cの配置は、エネルギー・セルに外側から内側へフロー電極を通して流体を供給する変形形態を示す。図2Dの配置は、エネルギー・セルに内側から外側へフロー電極を通して流体を供給する変形形態を示す。
【0095】
図2Eでは、エネルギー・セルに入る流体は、渦発生装置、または適切な形状のカソードを通して導入され、エネルギー・セル内に渦を作り出す。そのような方法で注入される流体は、ガス、液体、エアロゾル、または前述の流体の混合物であり得る。
【0096】
電源
図3は、実施形態における高電圧パルス電源に使用され得る構成を示す。具体的には、図3Aおよび3Bは、高電圧インパルス給電装置の可能な選択肢の構成のブロック図を示す。構造的には、高電圧インパルス給電装置の2つの変形形態は、出力パルスの極性が異なるだけ、つまりエネルギー・セルの接地電極に対して正または負であるだけである。電源ブロックは、許容される電圧と電流のパラメータを設定する高電圧DC給電装置である。電力切り替えユニットであるパワー・モジュールは、高電圧DC給電装置から給電され、所与の振幅、周波数、形状、持続時間のパルスを形成し、これをエネルギー・セルの電極に供給する。駆動発生装置パルス発生装置であるパルス・ジェネレータは、パルスの周波数と持続時間を発生させる。パルス成形装置は、要求されるパルス形状の成形を行う。ドライバは、発生したパルスを電力切り替えユニットに供給し、電力スイッチを制御する。
【0097】
提示された型の高電圧スイッチング給電装置は、最高30kVのパルスを、最高1000Aの振幅電流、最高1MHzの周波数、および1から100%のデューティ・サイクルの変化で発生させることが可能である。
【0098】
図4は、実施形態における主高電圧給電装置の接続に使用され得る配置を示す。図4Aから図4Eは、受動安定化電極を有する代替構成を示す。図4Aは、直接極性のDCモードで主HVをオンにし、マイナス接地であることを示す。図4Bは、逆極性のDCモードで主HVをオンにし、プラスが接地されていることを示す。図4Cは、ACモードで主HVをオンにし、出力電圧の周波数の変化に従って電極の極性が変化し、電極の1つが接地されていることを示す。図4Dは、直接極性のパルスモードで主HVをオンにし、マイナスが接地されていることを示す。図4Eは、逆極性のパルスモードで主HVをオンにし、プラスが接地されていることを示す。
【0099】
図5Aから図5Eは、能動安定化電極を使用する代替構成を示す。図5Aは、直接極性のDCモードで主HVをオンに示し、マイナスが接地されていることを示す。図5Bは、逆極性のDCモードで主HVをオンにし、プラスが接地されていることを示す。図5Cは、ACモードで主HVをオンにし、出力電圧の周波数の変化に従って電極の極性が変化し、電極の1つが接地されていることを示す。図5Dは、直接極性のパルスモードで主HVをオンにし、マイナスが接地されていることを示す。図5Eは、逆極性のパルスモードで主HVをオンにし、プラスが接地されていることを示す;II。
【0100】
可能な電極構成のさらなる詳細を、以下、図6から図15を参照しつつ考察する。電極の様々な修正形態が、目的と場所に応じたエネルギー・セルの実施形態において使用され得る。記載された変形形態では、アノード、カソード、および安定化電極の3つのタイプの電極が考慮され、これらは受動的(外部電圧との接続なし)、および能動的(外部電圧との接続がある場合)とすることができる。エネルギー・セル本体に関して、使用される電極は、エネルギー・セル本体から電気的に分離されているか、またはエネルギー・セル本体に電気的に接続されているかのいずれかとすることができる。加えて、エネルギー・セルの筐体からの流体の取り入れと取り出しに関して、電極は、非フロースルーとフロースルー(流体が電極を通過することができる)とすることができる。
【0101】
電極
使用される電極についての主な要件は、以下のとおりであり、電極の設計は、高温、圧力、内部の流体、および高電圧接続時の電気的強度の条件下で動作するための要件を満たさなければならない。使用される電極では、誘電体、導電性構成要素、および作用電極に使用される材料には、最高600℃(およびそれ以上)の温度と最高500バール(およびそれ以上)の圧力での動作性の提供を考慮して、特別な要件が課される。これらの条件下では、強度と、動作中の熱膨張パラメータへの順応性とについての要件が考慮される。電極の作用構成要素は、導電性で耐熱性の材料(例えば、タングステンなど)から作られており、高温にさらされない作用電極構成要素は、電解過程の影響に最も耐性のある材料(例えば、チタンおよびその化合物)から作られている。
【0102】
本発明の実施形態に準拠するエネルギー・セルにおいて使用され得る多くの電極構成が存在する。そのような様々な電極が図6から図15に例示されており、以下、簡単に概説される。任意の所与の発生装置にとって最も適切な電極タイプの選択は、様々な要因に基づいてなされ得ること、そしてそのような最適化が、当業者によって容易に実行でき得ることは理解されよう。
【0103】
図6は、組み立てられた非フロースルー絶縁アノードまたはカソード、ならびに安定化電極の設計の変形形態を示す。この電極は、組み立てられた非フロースルー絶縁電極であり、中央の導電性ロッド61;絶縁体62;電極本体63、および円柱状作用電極64を含む。
【0104】
図7は、組み立てられた非フロースルー絶縁アノードまたはカソード、ならびに安定化電極である。この電極は、中央の導電性ロッド71、絶縁体72、電極本体73、円板形状の作用電極74を含む。
【0105】
図8は、モノリシックな(すなわち分解できない)非フロースルー絶縁アノードまたはカソード、ならびに安定化電極である。電極は、中央の導電性ロッド81、絶縁体82、および本体83を含む。
【0106】
図9は、組み立てられた非フロースルー非絶縁アノードまたはカソード、ならびに単一の作用ロッドを有する安定化電極の設計の変形形態である。電極は、中央の導電性ロッド91、絶縁体92、電極ホルダ93を含む。
【0107】
図10は、組み立てられた非フロースルー非絶縁アノードまたはカソード、ならびに複数の作用ロッドを有する安定化電極の設計の変形形態である。電極は、複数の導電性ロッド101、絶縁体102、および電極ホルダ103を含む。
【0108】
図11は、円柱状作用ロッドを備えた、組み立てられた非フロースルー受動絶縁安定化電極の設計変形形態を示している。この絶縁受動安定化電極は、電極基部111、絶縁体112、電極本体113、および円柱状作用電極114を含む。
【0109】
図12は、円柱状作用ロッドを備えた、組み立てられた非フロースルー絶縁能動安定化電極の設計変形形態である。この電極は、中央の導電性ロッド121、電極基部122、絶縁体123、絶縁電極本体124、および円柱状作用電極125を含む。
【0110】
図13は、円柱状作用ロッドを備えた組み立てられたフロースルー非絶縁安定化電極の設計の変形形態を示す。組み立てられたフロースルー非絶縁安定化電極は、基部131、管状電極132、絶縁ワッシャ133、絶縁体134、および円柱状作用管状電極135を含む。
【0111】
図14は、円柱状作用ロッドを備えた、組み立てられた非絶縁フロースルー電極の設計変形形態を示す。この電極は、基部144、絶縁ワッシャ142、絶縁体143、管状電極144、および円柱状作用管状電極145を含む。
【0112】
図15は、「王冠」タイプの作用面を備えた、組み立てられた非フロースルー受動絶縁安定化電極の一例を示す。この電極は、絶縁基部151、複数の電流搬送ロッド152、ディスク・ケージ153、および複数のロッド形状の作用電極154を含む。
【0113】
エネルギー・セル構成
本発明の実施形態のさらなる理解が得られるように、実施形態で使用されるエネルギー・セルの例を図16から19に示す。本発明の範囲から逸脱することなく、形状、使用される材料、電極の設計および目的、技術的条件および目的に関して様々な設計のエネルギー・セルが可能であることは理解されよう。
【0114】
図16aおよび16bは、最下部に能動安定化電極、および最上部に主電極(アノードまたはカソード)を備えたエネルギー・セルの設計変形形態を示す。発生装置は、カソード(またはアノード)161、最上部フランジ162、本体163、プラズマ・チャンバ164、覗き窓165、安定化電極166、および最下部フランジ167を含む。
【0115】
図17Aおよび17Bは、最下部に受動安定化マルチロッド電極、および最上部に主電極(アノードまたはカソード)を備えたエネルギー・セルの設計変形形態を示す。この実施形態は、カソード(またはアノード)171、最上部フランジ172、本体173、プラズマ・チャンバ174、覗き窓175、安定化電極176、および最下部フランジ177を含む。
【0116】
図18Aおよび18Bは、2つの作用プラズマ・チャンバを備えたエネルギー・セルの設計の変形形態を示す。この設計では、受動安定化電極は、同じタイプの2つの他のフロースルー電極(カソードまたはアノードのいずれか)の間の中央に配置されている。図は、フロースルー・カソード(またはアノード)181、絶縁アノード(またはカソード)182、最上部フランジ183、本体184、プラズマ・チャンバ185、覗き窓186、安定化電極187、フロースルー・カソード(またはアノード)188、および最下部フランジ189を示す。
【0117】
図19Aおよび19Bは、1つのチャンバ内に2群の作用電極が位置するエネルギー・セルの設計の変形形態を示す。この設計は、能動安定化電極と主作用電極(アノードまたはカソード)の逆の配置を使用している。図は、カソード(またはアノード)191、最上部フランジ192、本体193、プラズマ・チャンバ194、安定化電極195、および最下部フランジ196を示す。
【0118】
図20Aおよび20Bは、二次回路に熱を伝達する熱交換器を備えたエネルギー・セルの設計の変形形態を示す。この設計は、主作用電極(アノードまたはカソード)と受動安定化電極の逆の配置を使用している。図は、最上部フランジ201、カソード(またはアノード)202、本体203、プラズマ・チャンバ204、安定化電極205、熱交換グリッド206を示す。
【0119】
図21は、渦発生装置と熱交換器を備えた、圧力ケーシングおよびまたは磁気ケーシングを除いたエネルギー・セルの設計の変形形態を示す。1.は水の取り入れ口であり、2.は電極を固定する固定ナットである。3.は熱交換器である。4.は空気入力部である。5.は旋回または渦発生装置である。6.は制振ガスケットである。7および8.はガスケットである。9.は制振ガスケットである。10.はプラスチックプラグである。11.は排出孔である。12および13はプラスチックプラグである。14は固定ナットである。
【0120】
図22は、ヒータ、光源、および電磁放射源として使用できる透明筐体を備えたエネルギー・セルの設計の変形形態を示す。図22Aの1および3は、エンド・キャップである。2.はガラスもしくはポリカーボネート、またはアクリルのケーシングである。図22Bでは1.は冷却取り出し口である。2.は光起電力ケーシングを表す。3.は熱電ケーシングを表す。4.は冷却剤取り入れ口である。
【0121】
制御システム
実施形態で使用される制御の一例を図23に示す。プログラム測定システムは、ハードウエア部分とソフトウエア部分とからなる。プログラム測定システムの一般的な図を示す。プログラム測定システムは、6つのモジュールと主計算機とからなる。プラズマ燃料電池のパラメータをモニタリングするセンサが、
- プラズマ燃料電池内部の温度センサ、
- 燃料電池冷却システム取り入れ口のところの水温センサ、
- 燃料電池冷却システムの取り出し口のところの水温センサ、
- プラズマ燃料電池筐体温度センサ、
- プラズマ燃料電池内の圧力センサ、
- プラズマ燃料電池冷却システム内の圧力センサ、
F - プラズマ燃料電池冷却システム内の水流センサ、
からなる。
【0122】
プログラム測定システムの2つのモジュールが、独立して働く、
1. 水冷却器制御装置
2. 遮断弁制御装置。
【0123】
これらのモジュールは、システムから熱水および蒸気を解放し、所望の温度までこれを冷却した後、冷却システムに供給するように設計されている。
【0124】
「電気エネルギー計」モジュールは、プラズマ燃料電池用の高電圧給電装置の筐体内に位置し、無線Wi-Fiまたは代替のラジオ通信装置ネットワークによって情報を伝達する。エネルギー・セル内の条件をモニタリングする手段として、光電システムまたはアンテナが組み込まれ得る。
【0125】
流体からの仕事の移動および/または流体からの熱移動は、エネルギー・セル内のプラズマ・チャンバを通じて、エネルギー・セルの壁、またはエネルギー・セルの周囲を通じてなされ得ることは理解されよう。そのような方法によって、エネルギー・セル内外の温度および圧力を制御することが可能になり得る。本発明の実施形態による一変形形態では、エネルギー・セルを構成する材料の寿命を延ばすために、エネルギー・セルの外部温度が冷却され得る。
【0126】
実施形態は、仕事;例えば熱エネルギー、電気エネルギー、機械的エネルギー、電磁エネルギー、化学エネルギー、化学処理、およびこれらの組み合わせを発生させるシステムへのエネルギー・セルの組み込みを含み得る。そのような実施形態は、トルク・コンバータ、熱電池、光電池、またはアンテナのうちの1つまたは複数に接続されたエネルギー・セル(または複数のエネルギー・セル)を含み得る。これらは、システムに給電する、および/またはシステムからエネルギーを転送する追加のまたはこれに代わる方法を提供し得る。実施形態で使用される仕事取り出しシステムの様々な実施形態を、以下にさらに記載する。
【0127】
システムは概して高圧で動作するので、過圧に由来するエネルギー・セルの物理的安全性から、ガス圧ダンパ、圧力開放弁、および圧力作動式電子電力遮断装置などの装置が、エネルギー・セルおよびパワー・エレクトロニクスに組み込まれる場合がある。作動流体/伝熱流体の制御は、背圧調整装置を有して、または有さずに、流れ制御値を介してなされ得る。
【0128】
流れ込む作動流体は、エネルギー・セル内の圧力を制御する手段としても使用され得る高圧ポンプを介して、エネルギー・セルに送られる。
【0129】
エネルギー・セルを通ってその中に、またはその周囲に向かう作動流体およびまたは伝熱流体は、仕事取り出しシステム(例えば、トルク・コンバータまたは他の接続された装置)の排気からの廃熱を利用するためにシステムに接続された予熱器または熱交換器を通過し得、そしてエネルギー・セル内の動作条件を最適化する、エネルギー・セル自体の流れ制御弁を含み得る。
【0130】
実施形態のシステム内では、パワー・エレクトロニクスがエネルギー・セルに接続されて、電磁的、機械的、化学的、およびまたは熱的形態でエネルギーを生成し得る。
【0131】
入出力を制御するシステムを管理してエネルギー・セルの動作を保証するために、制御システムが採用され得る。制御装置は、システム内のセンサに物理的または電子的に接続され得る。センサは、制御システムにフィードバック入力を提供するように構成され得る。前記センサは、プラズマの電気物理学的条件をモニタリングする電磁センサを含み得る。例えば、感光セルまたはアンテナが、エネルギー・セルからの、またはエネルギー・セル内の電磁放射を検出するように構成され得る。
【0132】
図24は、信号対ノイズ比を最大化するために、エネルギー・セル上およびその周囲のセンサと制御システムとの間に設置され得るノイズ相殺装置の例示である。
【0133】
図25は、高電圧パルス電流を供給するプラズマ発生装置を含む他の接続された構成部品を示す、中央のエネルギー・セルから構成されるエネルギー・セル・システムの図である。無線通信リンク、この場合にはwifiのものが示されて、エネルギー・セルと制御システムとの間の物理的な切断により信号対ノイズ比を最大化することを例示している。1.はエネルギー・セルである。2.は熱交換器である。3.は4つの温度センサ/熱電対を示す。4.は2つの制御流れセンサを示す。5.は水流量計である。6.は圧力計である。7.は2台の水ポンプである。8.は水フィルタである。9.は最低部の電極に接続された高電圧プラズマ発生装置である。10.はガス・コンプレッサである。
【0134】
仕事取り出しシステム
本発明の実施形態において使用される場合のある、エネルギー・セルから機械的エネルギーを取り出す複数の方法が存在することは理解されよう。このような様々な実施形態を、以下、例を挙げて簡単に記載する。
【0135】
実施形態は、必要とされる機械的エネルギーの形態に応じて、ピストン・エンジン、バンケル(Wankel)/ロータリ・エンジン、タービン、または上記の組み合わせなどのトルク・コンバータに接続され得る。そのような実施形態は、ピストン・エンジンなどの高圧で上流のトルク・コンバータを、タービンなどの下流の低圧トルク・コンバータとともに含み得る。
【0136】
エネルギー・セルからの伝熱流体およびまたは作動流体の出力は、仕事を作り出すために直接使用され得るか、または作動流体は、出力された熱エネルギーを伝達する外部の熱交換器に通され得る。これは、チラーや空気調節装置などの場合のように相変化を生み出す、または追加の圧力を発生させてトルク・コンバータを駆動する、または熱もしくは上記の組み合わせを提供することである可能性がある。熱交換構成(これは、エネルギー・セルのチャンバに、またはチャンバからの流体の出力部に組み込まれ得る)の例を図31Aに示す。各実施形態では(軸方向に指向された)チャネル311が、筐体の外壁内に形成されており、ケーシングの本体から熱を取り出すために水などの流体が供給され得る。図31Bの実施形態では、チャンバ壁内への熱の移動を促すために、半径方向内方に突出する複数のフィン321を有するようにチャンバの内部形状も修正されている。エネルギー・セル・チャンバ内にこのようにチャネルを形成することで、いくつかの実施形態ではチャンバ壁から直接熱を取り出すことによって仕事取り出しを直接的に統合することが可能になり得ることは理解されよう。同様に、エネルギー・セルから仕事を取り出す実施形態において、チャンバ周囲の冷却ジャケットの他の形態を使用でき得ることは理解されよう。
【0137】
別の配置が図28Aおよび28Bに示されており、ここでは、流体流を提供するインジェクタ284と、チャンバ281を画定する本体282とを含み、アノードも提供する燃料電池の小型版が提供されている。スパーク・プラグ型の絶縁カソード283がチャンバ内に配置されている。ノズル取り出し口285が、チャンバ281からの作動流体の取り出し口を提供する。作動流体はノズルから膨張チャンバ内に排出され、(例えばピストン装置を介して)機械的な仕事取り出しを与え得る。ノズル285の形状およびサイズは、インジェクタ284からの流体の供給時にチャンバ281内で所望の作用圧力が維持されるのを保証するように選択され得る。ノズル285の外側本体には、使用時にセルを膨張チャンバに接続できるようにする雄ネジが設けられていることに留意されたい。雄ネジは、エンジンのシリンダヘッド内の従来型のスパーク・プラグ用のねじ付き開口部と合うように選択され得る、したがって、この小型燃料電池は、最小限の修正で従来型内燃エンジンに後付けされ得る。そのような構成で使用され得、ノズル285から排出されるプラズマおよび作動流体は、燃焼チャンバに入り得、そうすると、これは膨張してシリンダに仕事をさせ、燃焼チャンバ内のガスに点火する(すなわち、従来型のスパーク・プラグまたはグロー・プラグの機能を実行する)ための熱源を提供し得る。そのような配置では、実施形態の小型燃料電池は、向上した出力および/または効率をエンジンに提供し得る。
【0138】
ガスの膨張から機械的な仕事を取り出すことができる機械の例を図29および図30に示す。そのような機械は、シリンダ291、302内で実施形態に準拠する電極を使用して(例えば、上述のような小型セルを使用する)プラズマ点火から直接動力を供給されるか、または実施形態のエネルギー・セルによって加熱される作動流体を介して動力を供給される可能性のあり得ことは、理解されよう。シリンダは、ピストン301のいずれかの側にポート292を含み得、ピストン301は、例えばフライ・ホイール304に接続され得るリンク・ロッド303を往復運動させるように配置される。
【0139】
追加の仕事を発生させる1つの方法は、作動流体/伝熱流体の出力を揮発性ガスと組み合わせることである。例えば、出力は水素と組み合わせることができる可能性がある。流体と揮発性ガスは、空気を含み流体に点火する酸素含有ガスと混合され得る。水素と酸素は、エネルギー・セルによって生成することができ、そのようなシステム内に供給されてガスどうしの再結合を通じて仕事を生み出すことができる。そのような実施形態は、コンパクトな高エネルギー・セルを提供し得る。
【0140】
実施形態のエネルギー・セルは、熱バッテリ/エネルギー貯蔵ユニットとして使用され得る。代わりにまたはこれに加えて、実施形態は、別個の熱バッテリ/エネルギー貯蔵ユニットに接続され得る。そのような配置は、システムを始動させるために、またはシステム内部のエネルギー要件およびまたは出力を釣り合わせるために、使用することができる。オルタネータが、前記システムに給電するおよびまたはシステムから転送される電気を生成するために、実施形態におけるトルク・コンバータに接続され得る。本発明のいくつかの実施形態では、機械エネルギー、熱エネルギー、化学エネルギー、およびまたは電気エネルギーの組み合わせをシステムから転送することができる。オルタネータは、例えば、バッテリ/エネルギー貯蔵ユニットを充電するために使用され得る。そのような配置は、システムの始動、ならびにまたはシステム内部のエネルギー要件およびもしくは出力を釣り合わせるために、使用することができる。
【0141】
作動流体および/または伝熱流体から仕事を取り出すために、複数の熱サイクルを使用することができ、熱サイクルは、ランキンサイクル、ブレイトンサイクルなどを含む。
【0142】
用途
本出願人は、本発明の実施形態に向けた複数の用途の可能性を特定しており、これらを以下、簡単に記載する。
【0143】
図29および図230は、蒸気エンジンの例を示しており、この蒸気エンジンは、レシプロ・エンジン、ロータリ・エンジン、またはタービンであり得、そして複式であってもよい1、2、または4ストロークのピストン・エンジンであり得る。
【0144】
車両、発電装置、航空機、船舶を含むがこれらに限定されない様々な用途に、エネルギー・セルが上記エンジンと共に組み込まれ得る。
【0145】
図26Aから図26Cの部分切り取り切断図に見られるとおり、電力ユニットは、エネルギー・セル261を含み、パワー・エレクトロニクス262と、制御装置と、調整、モニタリング、および課金のアルゴリズム263と、セキュリティ・システム264とを含む計算機を介して制御される。リザーバ266が、適切なフィルタリング・システムとともに液体の供給用に提供される。流れ制御システム267が、緊急圧力開放弁を含む。流れ制御システム267は、加圧して流れに原動力を与えるよう提供された高圧ポンプ273およびポンプ・モータ274を用いて、流体をユニット内全体に循環させる。凝縮器268と熱交換器269が、ユニット内に設けられている。ユニットはまた、プラズマ・チャンバ用の流入液体再加熱熱交換器270、逆流防止弁271、および圧力ダンパ272を含む。すべての必要な構成部品が単一のユニットに一体化されていること、そしてプラントは完全な熱サイクルを動作させることができることは理解されよう。
【0146】
幾つかの実施形態では、本発明は、航空機内で使用されるか、または航空機に組み込まれ得る。いくつかの実施形態は、乗用車の自動車を含み得る。
【0147】
図27には、クイックリリース電力コネクタ278、クイックリリース水圧および空気圧コネクタ277を含む、エネルギー・セル・システム内のエネルギー・セルの速やかな取替えを可能にする特徴を有する保護筐体および絶縁ケーシング275を備えた、いくつかの異なるサイズのエネルギー・セルが示されている。276は、持ち上げおよび操作用の留め具を特定している。
【0148】
いくつかの実施形態で使用されるプラズマ・セルは、複数の区画とともに配置され得る。例えば、図32Aおよび32Bは、共通の外側本体内に直線的な構成で配置された3つの仕切り391を含むそのようなセルを示す。各仕切りは、カソード、アノードと、第1の仕切りについては接地392などの制御電極群とを備えている。多区画セルにとって可能性のある用途の1つは、脱塩などの浄化を提供することである。例えば、海水などの物質は、1つの段から次段へと、塩や他の汚染物質を溶液から析出させて分離させつつ、順次流され得る。システムを通した供給は、例えば、溶液の化学物質をさらに低減させるためにループにすることができる可能性がある。
【0149】
実験的検証
エネルギー・セルの実験版を試験して、プロトタイプの実施形態を使用して、熱対電力比(Q/P)を調査した。
【0150】
試験用エネルギー・セルには、計測装置とデータ収集装置を設けた。熱電対と圧力センサを主流内に設けた。インペラ式流量計を取り入れ口に設けた。
【0151】
試験装置を、セルに給電することにより予熱した。次いで、プラズマが形成されるように入力給電を調整し、高圧水ポンプを始動させた。プラズマを安定化させるためにポンプのスピード、給電、およびセル圧力を調整し、温度を安定化させるために装置を約10分間運転した。試験装置は開ループで制御した。圧力維持弁を使用して圧力設定点を設定し、プラズマを安定させるように給電を調整した。その後、装置を安定させるようにして、操作者の調整なしで5分間、データを記録した。分析からは、装置が1分未満で熱的安定を達成することが示されたので、セトリング時間は充分であった。次いで、約25、40、30、25、40バール(それぞれ2.5、4.0、3.0、2.5、4.0MPa)で(順番に)試験を実行した。最後の40バールの試験点の完了後、装置を停止させて冷却した。
【0152】
データは、データ・ロガーを用いて1秒間隔で記録した。データをプロットして、圧力、温度、流れが少なくとも2分間安定であった各条件での区画を選択した。データを時間平均し、次いで処理して、装置全体のエンタルピー上昇を計算した。これは、「プラズマ下部」と「プラズマ上部」の温度とセル圧力を使用して行った。各データ点で、Refprop(NISTデータベース23 v8.0)を使用して、装置の取り入れ口と取り出し口のエンタルピーを計算した。電力については三相電力測定値を使用した。高圧ポンプを駆動するために必要な電力は測定しなかったが、理想的なポンプ仕事を推定して、熱出力と比較して無視できることを見出した。
【0153】
セル全体のエンタルピー上昇(Q)を入力電気量(P)で割った比を図40のグラフに示す。ここで見られるように、装置の熱対電力比は、1.33から1.84(セル圧力とともに上昇)であった。この試験はプロトタイプ装置で実行されただけであることが理解され、そしてしたがって、、効率はさらに改善される可能性があり、測定の信頼性がさらに高まり得ることが理解されるであろう。しかし、この実験は、良い概念実証を示していると考えられ、効果的で確実に動く、実施形態に準拠するエネルギー・セルの問題ない動作を実証した。
【0154】
本発明を、その好ましい実施形態を参照しながら、特に示し説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定められる本出願の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態および細部における様々な変更をその中で行ってもよいことは、当業者に理解されよう。そのような変形形態は、本出願の範囲の対象に含まれることが意図される。したがって、本出願の実施形態に関する先の記載は、限定することを意図するものではない。むしろ、本発明に対する限定は、特許請求の範囲において提示される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図19A
図19B
図20A
図20B
図21
図22A
図22B
図23
図24
図25
図26A
図26B
図26C
図27
図28A
図28B
図29
図30
図31A
図31B
図32A
図32B
図33
【国際調査報告】