(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】ウェルシュ菌に対する特異的死滅能を有する新規なバクテリオファージ、およびこれを含む抗菌組成物
(51)【国際特許分類】
C12N 7/00 20060101AFI20240312BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20240312BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20240312BHJP
A61P 31/02 20060101ALI20240312BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20240312BHJP
A23K 10/16 20160101ALI20240312BHJP
C02F 1/68 20230101ALI20240312BHJP
C02F 1/50 20230101ALI20240312BHJP
C11D 3/48 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
C12N7/00 ZNA
A61P31/04
A61P31/04 171
A61P1/00
A61P31/02
A61K35/76
A23K10/16
C02F1/68 510B
C02F1/68 520Z
C02F1/50 532Z
C02F1/50 510Z
C11D3/48
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551249
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 KR2021007478
(87)【国際公開番号】W WO2022181890
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0024237
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507406611
【氏名又は名称】シージェイ チェルジェダン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ジョン・ス
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジ・ウン
(72)【発明者】
【氏名】ムン,ジュン・オク
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジョン・ピョ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ユ・ジン
(72)【発明者】
【氏名】イ,スン・ウン
【テーマコード(参考)】
2B150
4B065
4C087
4H003
【Fターム(参考)】
2B150AA03
2B150AA05
2B150AB10
2B150AC39
4B065AA98X
4B065BA22
4B065CA43
4B065CA44
4B065CA57
4B065CA60
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC83
4C087MA52
4C087MA55
4C087NA14
4C087ZA66
4C087ZB35
4C087ZC61
4H003FA34
(57)【要約】
本発明は、ウェルシュ菌に対する特異的死滅能を有する新規なバクテリオファージ、およびこれを含む抗菌組成物に関し、新規なバクテリオファージCJ_CP_20-11-1は、ウェルシュ菌を特異的に死滅させる効果を有し、耐酸性および耐熱性に優れ、ウェルシュ菌による感染性疾患の予防または治療用途として抗生剤、飼料添加剤、飲用水添加剤、飼料、飲用水、消毒剤または洗浄剤などに幅広く活用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェルシュ菌(Clostridium perfringens:CP)に特異的死滅能を有し、寄託番号KCCM12932Pとして寄託された、バクテリオファージCJ_CP_20-11-1。
【請求項2】
請求項1に記載のバクテリオファージCJ_CP_20-11-1を有効成分として含む、ウェルシュ菌による感染性疾患の予防または治療用の組成物。
【請求項3】
前記ウェルシュ菌による感染性疾患は壊死性腸炎である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
請求項1に記載のバクテリオファージCJ_CP_20-11-1を有効成分として含む、抗生剤。
【請求項5】
請求項1に記載のバクテリオファージCJ_CP_20-11-1を有効成分として含む、飼料添加剤。
【請求項6】
請求項5に記載の飼料添加剤を含む、飼料。
【請求項7】
請求項1に記載のバクテリオファージCJ_CP_20-11-1を有効成分として含む、飲用水添加剤。
【請求項8】
請求項7に記載の飲用水添加剤を含む、飲用水。
【請求項9】
請求項1に記載のバクテリオファージCJ_CP_20-11-1を有効成分として含む、消毒剤。
【請求項10】
請求項1に記載のバクテリオファージCJ_CP_20-11-1を有効成分として含む、洗浄剤。
【請求項11】
請求項1に記載のバクテリオファージCJ_CP_20-11-1または請求項2に記載の組成物をヒトを除いた動物に投与する段階を含む、ウェルシュ菌による感染性疾患の予防または治療方法。
【請求項12】
前記ウェルシュ菌による感染性疾患は壊死性腸炎である、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェルシュ菌に対する特異的死滅能を有する新規なバクテリオファージ、およびこれを含む抗菌組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)は、グラム陽性の大型偏性嫌気性桿菌であって、鞭毛がなく、芽胞を形成する菌として知られている。ウェルシュ菌は、動物、特に鶏、豚などをはじめとする家畜において下痢などを引き起こす菌であって、サルモネラによる家禽チフスに劣らず、畜産業において重要かつ致命的な病原菌の一つとして認識されている。
【0003】
現在、養鶏および養豚産業において最も頻繁に発病する疾病の一つであるウェルシュ菌感染による壊死性腸炎(Necrotic Enteritis)は、鶏や豚などの小腸の下部に激しい壊死性病変を引き起こし、血液の混じった下痢が排出される症状などを主な症状として引き起こす疾患である。このような壊死性腸炎は、その発病程度に応じて感染動物に脱水症状、間欠的下痢症状などを引き起こし、徐々に動物の身体を衰弱させ、成長障害を誘発するなど、畜産業において非常に問題となっている疾病である。さらに、壊死性腸炎の原因となるウェルシュ菌は、動物の糞便を通じて容易に伝播するため、土壌や汚染された飼料を通じた経口感染などによって共同飼育空間内の動物間で容易に感染し、特に、幼い家畜の発病率が高いので、さらに問題となっている。
【0004】
畜産業などの分野では、家畜の細菌感染による疾患を予防および治療するために、様々な抗生剤が使用されてきたが、抗生剤の誤用および乱用または耐性問題や、動物の体内に残留する可能性などの問題が浮上しながら現在は世界的に抗生剤の投与に多くの制限が設けられている。
【0005】
それにより、最近では特定の細菌に感染して細菌の成長を抑制する細菌特異的ウイルスであるバクテリオファージが抗生剤に比べて宿主特異性が強いことから、新たな抗生剤の代替剤として研究されているが、未だにその数が絶対的に不足しているのが実情である。
【0006】
したがって、養豚および養鶏をはじめとする畜産業において重要な問題となっているウェルシュ菌による感染性疾患を予防および治療するために、広範な溶菌スペクトルを有し、耐酸性および耐熱性に優れ、産業的に活用の可能性が高い新たなバクテリオファージの開発が持続的に求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、ウェルシュ菌に特異的死滅能を有し、寄託番号KCCM12932Pとして寄託されたバクテリオファージCJ_CP_20-11-1、これを有効成分として含むウェルシュ菌による感染性疾患の予防または治療用組成物、抗生剤、飼料添加剤、飲用水添加剤、消毒剤、または洗浄剤、または、前記飼料添加剤を含む飼料、または前記飲用水添加剤を含む飲用水を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1またはこれを有効成分として含むウェルシュ菌による感染性疾患の予防または治療用組成物を利用したウェルシュ菌による感染性疾患の予防または治療方法を提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1、またはこれを有効成分として含むウェルシュ菌による感染性疾患の予防または治療用組成物のウェルシュ菌による感染性疾患の予防剤または治療剤の製造のための用途を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明で開示されるそれぞれの説明および実施形態はそれぞれの他の説明および実施形態にも適用することができる。即ち、本発明で開示された様々な要素のすべての組み合わせは本発明の範疇に属する。また、後述する具体的な記述によって本発明の範疇が制限されるものではない。また、当該技術分野における通常の知識を有する者は、通常の実験のみを使用して本発明に記載された本発明の特定の様態に対する多数の等価物を認識または確認することができる。また、このような等価物は本発明に含まれることが意図されている。
【0012】
一態様は、ウェルシュ菌に特異的死滅能を有し、寄託番号KCCM12932Pとして寄託されたバクテリオファージCJ_CP_20-11-1を提供する。
【0013】
本明細書で使用される用語「ウェルシュ菌(Clostridium perfringens:CP)」は、グラム陽性の嫌気性桿菌であって、鶏、豚などの動物で感染性疾患を引き起こす原因菌に相当する。
【0014】
本明細書で使用される用語「バクテリオファージ(bacteriophage)」は、特定の細菌に感染して当該細菌の成長を抑制する細菌特異的ウイルスであって、単鎖あるいは二重鎖のDNAまたはRNAを遺伝物質として含むウイルスを意味する。
【0015】
他の態様は、前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1を有効成分として含むウェルシュ菌による感染性疾患の予防または治療用組成物を提供する。
【0016】
前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1は上述した通りである。
【0017】
前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1は、ウェルシュ菌に特異的死滅能を有するため、個体にウェルシュ菌による感染性疾患の発病前に投与した場合に、個体に流入するウェルシュ菌を死滅させ、これによる感染を抑制してウェルシュ菌による感染性疾患を予防することができる。また、ウェルシュ菌による感染性疾患が発病した個体に前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1を投与すれば、個体に存在するウェルシュ菌を死滅させることで、これによって引き起こされる症状が緩和または消滅し、ウェルシュ菌による感染性疾患を治療することができる。
【0018】
本明細書で使用される用語「予防」は、バクテリオファージまたは組成物の投与によって個体で疾患の発病を抑制または遅延させるすべての行為を意味し、用語「治療」は、バクテリオファージまたは組成物の投与によって個体で疾患の症状が好転、緩和、または消滅するあらゆる行為を意味する。
【0019】
前記ウェルシュ菌による感染性疾患は、例えば壊死性腸炎であるが、これに制限されない。
【0020】
本明細書で使用される用語「壊死性腸炎(Necrotic Enteritis)」は、ウェルシュ菌によって引き起こされる感染性疾患の一つであって、肉鶏などの家畜で頻繁に発病し、相当な被害をもたらす細菌性疾患に相当する。壊死性腸炎の症状は、小腸でウェルシュ菌が過剰に増殖することによって起こり、消化器粘膜の壊死、急な下痢などを引き起こす。例えば、養豚において甚急性壊死性腸炎の場合、発病後、1日~2日経過後に斃死を起こし、急性壊死性腸炎の場合、血液が混じった下痢を排出してから2日~3日経過後に斃死を引き起こす。また、亜急性壊死性腸炎の場合、下痢(血便を伴わない)が5日~7日間続いてから衰弱および脱水症状を引き起こし、慢性壊死性腸炎の場合、間欠的下痢を誘発し、成長障害を引き起こすことがある。
【0021】
前記ウェルシュ菌による感染性疾患の予防または治療用組成物は、前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1を1×102~1×1012PFU/mLまたは1×105~1×1010PFU/gで含むものであり得る。
【0022】
前記ウェルシュ菌による感染性疾患の予防または治療用組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含むことができ、前記担体と共に製剤化され、食品、医薬品、飼料添加剤または飲用水添加剤などとして提供することができる。
【0023】
本明細書で使用される用語「薬学的に許容可能な担体」は、生体を刺激せず、投与化合物の生物学的活性および特性を阻害しない担体または希釈剤などを意味する。
【0024】
前記組成物に含まれる担体の種類は特に制限されず、当該技術分野で通常使用され、薬学的に許容可能な担体ならば、どれでも使用することができる。前記担体の非制限的な例としては、食塩水、滅菌水、リンガー液、緩衝食塩水、アルブミン注射溶液、テキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロールなどが挙げられる。これらは単独で使用または2種以上を混合して使用することができ、必要に応じて抗酸化剤、緩衝液、静菌剤など他の通常の添加剤を添加することができる。また、希釈剤、分散剤、結合剤および潤滑剤を付加的に添加して水溶液、懸濁液、乳濁液などの注射用剤形、丸薬、カプセル、顆粒または錠剤に製剤化することができる。
【0025】
前記ウェルシュ菌による感染性疾患の予防または治療用組成物は、経口投与または非経口投与により投与することができ、疾患部位への塗布または噴霧する方法を利用することもできる。非経口投与の場合、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、皮下投与または局所投与を利用して投与してもよい。前記組成物の適した塗布、噴霧および投与量は、製剤化方法、投与方式、対象となる動物および患者の年齢、体重、性別、疾患症状の程度、食べ物、投与時間、投与経路、排泄速度および反応感受性などの要因によって多様であり、通常熟練した医師や獣医師は、目的とする治療に効果的な投与量を容易に決定および処方することができる。
【0026】
前記ウェルシュ菌による感染性疾患の予防または治療用組成物の経口投与用剤形としては、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ(lozenge)、水溶性または油性懸濁液、調製粉末または顆粒、エマルジョン、ハードまたはソフトカプセル、シロップまたはエリキシル剤で製剤化することができる。錠剤およびカプセルなどの剤形で製剤化するために、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アミロペクチン、セルロースまたはゼラチンなどの結合剤、リン酸二カルシウムなどの賦形剤、とうもろこしデンプンまたはさつまいもデンプンなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウムまたはポリエチレングリコールワックスなどの潤滑剤を含むことができ、カプセル剤形の場合、上記で言及した物質以外にも脂肪油などの液体担体をさらに含むことができる。
【0027】
前記ウェルシュ菌による感染性疾患の予防または治療用組成物の非経口投与用剤形としては、皮下注射、静脈注射または筋肉内注射などの注射用形態、座薬注入方式または呼吸器を通じて吸入を可能にするエアロゾル剤などのスプレー用で製剤化することができる。注射用剤形で製剤化するためには、本発明の組成物を安定化剤または緩衝剤と共に水で混合して溶液または懸濁液を製造し、これをアンプルまたはバイアルの単位投与用で製剤化することができる。エアロゾル剤などのスプレー用に剤形化する場合、水分散された濃縮物または湿潤粉末が分散するように推進剤などが添加剤と共に配合されてもよい。
【0028】
前記ウェルシュ菌による感染性疾患の予防または治療用組成物は、保存剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、凍結保護剤(cryoprotectant)、または賦形剤などを含むことができる。
【0029】
前記保存剤、安定化剤、または賦形剤は、前記組成物の品質低下(deterioration)を減らすのに十分な有効量で組成物に含まれるものであり得る。
【0030】
本明細書で使用される用語「品質低下」は、組成物などに含まれるバクテリオファージCJ_CP_20-11-1の菌数の減少、活性の低下、またはこれらの組み合わせを含むものであり得る。
【0031】
例えば、前記組成物は、組成物の品質低下を減らすのに十分な有効量の保存剤、安定化剤、または賦形剤を含むことで、自然環境などに存在するバクテリオファージとは異なり、組成物内でバクテリオファージCJ_CP_20-11-1がより長い期間生存するか、または活性が維持されるものであり得る。
【0032】
前記保存剤、安定化剤、または賦形剤は、前記組成物の品質低下を減らすことができるものであれば、当業界で通常用いられるものを制限なく使用することができる。例えば、前記安定化剤は、アルギン酸塩(alginate)、アルギン酸ナトリウム(sodium alginate)、カゼイン、カゼインナトリウム、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(carboxymethylcellulose)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(sodium carboxymethylcellulose)、ペクチン、ゼラチン、アラビアガム、キサンタンガム、デキストラン、シクロデキストリンおよびデンプンで構成される群より選択されるいずれか一つ以上であり得る。
【0033】
前記凍結保護剤は、前記組成物が凍結乾燥された状態である時、組成物の品質低下を減らすのに十分な有効量で組成物に含まれるものであり得る。例えば、凍結乾燥された組成物内で活性が低下するか、または生存できない自然環境などに存在するバクテリオファージとは異なり、前記組成物は、凍結乾燥された状態で組成物の品質低下を減らすのに十分な有効量の凍結保護剤を含むことで、凍結乾燥された組成物内でもバクテリオファージ活性を維持するか、またはバクテリオファージが生存できるものであり得る。
【0034】
前記凍結保護剤は、凍結乾燥された状態の組成物の品質低下を減らすためなら、当業界で通常使用されるものが制限なく用いられる。例えば、前記凍結保護剤は、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide:DMSO)、グルコース、トレハロース、マルトデキストリン、デキストリン、スキムミルクおよびデンプンで構成される群より選択されるいずれか一つ以上であり得る。
【0035】
他の態様は、前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1を有効成分として含む抗生剤を提供する。
【0036】
前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1は上述した通りである。
【0037】
本明細書で使用される用語「抗生剤」は、菌を殺したり菌の成長を抑制できる製剤を意味し、防腐剤、殺菌剤および抗菌剤を総称する。
【0038】
前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1を有効成分として含む抗生剤は、従来の抗生剤に比べてウェルシュ菌に対する特異性が非常に高く、有益菌は殺さずに特定の病原菌のみを死滅させることができ、薬物耐性を誘導しないため、従来の抗生剤に比べて製品寿命を延ばす効果を示すことができる。
【0039】
前記抗生剤は、当業界で通常使用される製造方法によって製造することができる。
【0040】
前記抗生剤は、抗生剤の品質低下を減らすのに十分な有効量の添加剤を含むものであり、前記添加剤は保存剤、安定化剤、賦形剤、または凍結保護剤などであり得る。前記抗生剤は、前記添加剤を含むことで、自然状態に存在するバクテリオファージとは異なり、抗生剤内でバクテリオファージCJ_CP_20-11-1がより長い期間生存するか、または活性が維持されるものであり得る。前記保存剤、安定化剤、賦形剤、または凍結保護剤は、抗生剤の品質低下を減らすことができるものであれば、当業界で通常用いられるものを制限なく使用することができる。
【0041】
他の態様は、前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1を有効成分として含む飼料添加剤を提供する。さらに他の態様は、前記飼料添加剤を含む飼料を提供する。さらに他の態様は、前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1を有効成分として含む飲用水添加剤を提供する。さらに他の態様は、前記飲用水添加剤を含む飲用水を提供する。
【0042】
前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1は上述した通りである。
【0043】
前記飼料添加剤または飲用水添加剤は、バクテリオファージCJ_CP_20-11-1を含む組成物の形態で製造され、飼料または飲用水に混合するか、または前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1を飼料または飲用水の製造時に直接添加する方式で使用するものであり得る。
【0044】
前記飼料添加剤または飲用水添加剤内に含まれるバクテリオファージCJ_CP_20-11-1は、液体状態または乾燥された固体状態であってもよく、具体的には、乾燥された粉末形態であり得る。前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1の乾燥方法は、通風乾燥、自然乾燥、噴霧乾燥または凍結乾燥方法であってもよいが、これらに制限されない。前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1は、乾燥された粉末形態で飼料添加剤または飲用水添加剤の重量に対して0.05~10重量%、具体的には0.1~2重量%で混合されるものであり得る。
【0045】
前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1を有効成分として含む飼料添加剤または飲用水添加剤は、必要に応じてその他の添加剤をさらに含むことができる。前記使用可能な添加剤の非制限的な例としては、飼料または飲用水の品質低下を防止するために添加する結合剤、乳化剤、保存剤など、飼料または飲用水の効用増大のために添加するアミノ酸剤、ビタミン剤、酵素剤、生菌剤、香味剤、非タンパク質窒素化合物(non-protein nitrogen compound:NPN)、ケイ酸塩剤、緩衝剤、着色剤、抽出剤またはオリゴ糖などがあり、これらは単独で添加または2種以上を一緒に添加することができる。
【0046】
前記飼料または飲用水に含まれるバクテリオファージCJ_CP_20-11-1以外の原料は、当業界で通常用いられるものを制限なく使用することができる。前記飼料の非制限的な例としては、穀物類、根菜類、食品加工副産物類、藻類、繊維質類、製薬副産物類、油脂類、デンプン類、瓜類または穀物副産物類などの植物性飼料、タンパク質類、無機物類、油脂類、鉱物性類、油脂類、単細胞タンパク質類、動物性プランクトン類または飲食物などの動物性飼料が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0047】
前記飼料添加剤は、飼料100重量部に対して0.05~10重量部、例えば、0.1~2重量部で含まれるものであり得る。前記飲用水添加剤は、飲用水100重量部に対して0.0001~0.01重量部、例えば、0.001~0.005重量部で含まれる。
【0048】
前記飼料添加剤、飼料、飲用水添加剤または飲用水は、当業界で通常用いられる製造方法によって製造することができる。
【0049】
前記飼料添加剤、飼料、飲用水添加剤または飲用水は、これらの品質低下を減らすのに十分な有効量の添加剤を含むものであり、前記添加剤は、保存剤、安定化剤、賦形剤、または凍結保護剤などであり得る。前記飼料添加剤、飼料、飲用水添加剤または飲用水は前記添加剤を含むことで、自然状態に存在するバクテリオファージとは異なり、飼料添加剤、飼料、飲用水添加剤または飲用水内でバクテリオファージCJ_CP_20-11-1がより長い期間生存するかまたは活性が維持する。前記保存剤、安定化剤、賦形剤、または凍結保護剤は、飼料添加剤、飼料、飲用水添加剤または飲用水の品質低下を減らすことができるものであれば、当業界で通常用いられるものを制限なく使用することができる。
【0050】
他の態様は、前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1を有効成分として含む消毒剤を提供する。さらに他の態様は、前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1を有効成分として含む洗浄剤を提供する。
【0051】
前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1は上述した通りである。
【0052】
前記消毒剤または洗浄剤の剤形は特に制限されず、当業界で公知の剤形で製造されて用いられる。前記消毒剤または洗浄剤は、当業界で通常用いられる製造方法によって製造することができる。
【0053】
前記消毒剤は、ウェルシュ菌を除去するために散布され、動物の活動領域、屠殺場、斃死地域、調理場または調理設備などに散布されるが、これらに制限されない。
【0054】
前記洗浄剤は、ウェルシュ菌に暴露されたまたは暴露される可能性がある動物の皮膚表面または身体の各部位などを洗浄する用途に使用することができるが、これに制限されない。
【0055】
前記消毒剤または洗浄剤は、これらの品質低下を減らすのに十分な有効量の添加剤を含むものであり、前記添加剤は、保存剤、安定化剤、賦形剤、または凍結保護剤などであり得る。前記消毒剤または洗浄剤は前記添加剤を含むことで、自然状態に存在するバクテリオファージとは異なり、消毒剤または洗浄剤内でバクテリオファージCJ_CP_20-11-1がより長い期間生存するかまたは活性が維持する。前記保存剤、安定化剤、賦形剤、または凍結保護剤は、消毒剤または洗浄剤の品質低下を減らすことができるものであれば、当業界で通常用いられるものを制限なく使用することができる。
【0056】
他の態様は、前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1、またはこれを有効成分として含むウェルシュ菌による感染性疾患の予防または治療用組成物をヒトを除いた動物に投与する段階を含む、ウェルシュ菌による感染性疾患の予防または治療方法を提供する。
【0057】
前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1、これを有効成分として含むウェルシュ菌による感染性疾患の予防または治療用組成物、およびウェルシュ菌による感染性疾患は上述した通りである。具体的には、前記ウェルシュ菌による感染性疾患は、例えば壊死性腸炎であり得る。
【0058】
前記予防または治療方法は具体的には、ウェルシュ菌に感染するか、または感染するおそれがある、ヒトを除いた動物に前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1、またはこれを有効成分として含む組成物を薬学的に有効な量で投与する段階を含む。前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1またはこれを有効成分として含む組成物は、薬学的製剤の形態で動物に投与するか、または飼料添加剤または飲用水添加剤の形態で動物の飼料または飲用水に混合してこれを摂食させる方法により投与することができる。
【0059】
前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1またはこれを有効成分として含む組成物の投与経路は、目的組織に到達できる限り経口または非経口の様々な経路により投与することができ、具体的には、口腔、直腸、局所、静脈内、腹腔内、筋肉内、動脈内、経皮、鼻腔内、吸入などにより通常の方式で投与することができる。
【0060】
前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1またはこれを有効成分として含む組成物の適した1日総使用量は、正しい医学的判断範囲内で処置医によって決定することができ、これは当該技術分野における通常の知識を有する者にとって自明な事項である。
【0061】
特定動物に対する前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1またはこれを有効成分として含む組成物の具体的な薬学的有効量は、達成しようとする反応の種類と程度、当該個体の年齢、体重、一般的な健康状態、性別または食餌はもちろん、前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1またはこれを有効成分として含む組成物の投与時間、投与経路および組成物の分泌率、治療期間などを考慮して決定され、同時または異時に共に使用される薬物その他の組成物の成分などをはじめとする様々な因子および医薬分野でよく知られている類似因子により多様化することができる。
【0062】
前記ヒトを除いた動物は、ウェルシュ菌に感染する動物なら特に制限されない。例えば、前記動物は、鳥類および哺乳類であってもよく、具体的には、鶏、鴨、豚などを含んでもよいが、これらに制限されない。
【0063】
他の態様は、前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1、またはこれを有効成分として含むウェルシュ菌による感染性疾患の予防または治療用組成物のウェルシュ菌による感染性疾患の予防剤または治療剤の製造のための用途を提供する。
【0064】
前記バクテリオファージCJ_CP_20-11-1、これを有効成分として含むウェルシュ菌による感染性疾患の予防または治療用組成物、およびウェルシュ菌による感染性疾患は上述した通りである。具体的には、前記ウェルシュ菌による感染性疾患は、例えば壊死性腸炎であり得る。
【発明の効果】
【0065】
新規なバクテリオファージCJ_CP_20-11-1は、ウェルシュ菌を特異的に死滅させる効果を有し、耐酸性および耐熱性に優れ、ウェルシュ菌による感染性疾患の予防または治療用途として、抗生剤、飼料添加剤、飲用水添加剤、飼料、飲用水、消毒剤または洗浄剤などに幅広く活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図1】新規なバクテリオファージCJ_CP_20-11-1の電子顕微鏡写真である。
【
図2】新規なバクテリオファージCJ_CP_20-11-1のpH安定性を確認した結果グラフである。
【
図3】新規なバクテリオファージCJ_CP_20-11-1の60℃での安定性を確認した結果グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下、本発明につき実施例を通じてより詳細に説明する。但し、これらの実施例は一つ以上の具体的な例を例示的に説明するものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0068】
実施例1.ウェルシュ菌(Clostridium perfringens:CP)に対する死滅能を有するバクテリオファージの分離
【0069】
実施例1-1.糞便試料前処理液の製造
韓国ソウル市、京畿道(キョンギド)、忠清道(チュンチョンド)、慶尚道(キョンサンド)地域の農場から養豚、養鶏および畜牛の糞便試料を採取して、各試料20gを80mLのPBSに希釈して10,000rpmで15分間遠心分離した。上澄み液を0.2μmのフィルターでろ過した後、濾液に10%(w/v)塩化ナトリウム水溶液を加え、4℃で12時間保存した。その後、そこに10%(w/v)ポリエチレングリコール8000(Sigma-Aldrich、Cat.No.P2139)を添加して4℃で12時間保存した後、濃縮のために15,000rpmで1時間遠心分離して上澄み液を除去した。沈殿物を10mLのSMバッファー(5.8g/L塩化ナトリウム、2g/L MgSO4・7H2O、0.05M Tris-Cl(pH7.5))に溶かした後、0.2μmのフィルターでろ過してその濾液を4℃で保存した。
【0070】
実施例1-2.バクテリオファージ濃縮液の作製
韓国ソウル市、京畿道(キョンギド)、忠清道(チュンチョンド)、慶尚道(キョンサンド)地域の家畜農家から収集した糞便試料から分離したCP菌株および国立獣医科学検疫院から分譲を受けたCP菌株を2mLのBHI(Brain Heart Infusion)培地に接種して、42℃および嫌気条件で18時間静置培養後、50mLのBHI培地に前記CP菌株培養液1mLおよび前記実施例1-1で得られた糞便試料前処理液1mLを接種して、42℃で18時間混合静置培養した。混合培養液を6,000rpmで20分間遠心分離後、上澄み液を0.2μmのフィルターでろ過し、そこに10%(w/v)ポリエチレングリコール8000を添加して4℃で12時間保存した。その後、濃縮のために15,000rpmで1時間遠心分離して上澄み液を除去し、沈殿物を1mLのSMバッファーに溶かし、0.2μmのフィルターでろ過してその濾液を4℃で保存した。
【0071】
実施例1-3.バクテリオファージのスクリーニングおよび分離
前記実施例1-2で作製したバクテリオファージ濃縮液50μLを0.7%(w/v)寒天(BD DIFCO、Cat.No.44164)5mL、および前記実施例1-2で使用したものと同じCP菌株を600nmで吸光度(O.D.)が2になるように振とう培養した培養液50μLと混合し、直径150mmのBHI平板培地を利用して二重寒天プラークアッセイ(Double-layer agar plaque assay)を行った。軟寒天に形成された溶菌斑を200μLチップでパンチングして、0.5mLのSMバッファーに入れて溶出した。溶出されたバクテリオファージ含有溶液は、同じ形態の単一溶菌斑が形成されるまで二重寒天プラークアッセイ(Double-layer agar plaque assay)を繰り返し純粋なバクテリオファージを含む溶液を分離した。得られたバクテリオファージ含有溶液を0.2μmのフィルターでろ過し、そこに10%(w/v)ポリエチレングリコール8000を添加し、4℃で12時間保存した。その後、濃縮のために15,000rpmで1時間遠心分離して上澄み液を除去し、沈殿物を1mLのSMバッファーに溶かし、0.2μmのフィルターでろ過してその濾液を4℃で保存した。
【0072】
実施例2.分離したバクテリオファージの全ゲノム(whole genome sequencing:WGS)解析
【0073】
CsClグラジエント(gradient)法およびファージDNA分離キット(Norgen Biotek-Corp.Kit,Cat.No.46800)を用いて前記実施例1-3で純粋分離したバクテリオファージ濃縮液1mLからDNAを抽出した。(株)マクロジェン(Macrogen Inc.)に依頼して全ゲノム解析を行い、De novo assemblyするソフトウェア(SPAdes 3.13.0)を用いて遺伝子を組み合わせ、オープンリーディングフレーム(Open reading frame:ORF)はGeneMark.hmmとNCBI ORF finderを用いて行った。BLASTP(E values of<0.1)とPSI-BLAST(E value of<0.005)プログラムを用いて各ORFの機能を命名(annotation)した。
【0074】
その結果、分離したバクテリオファージは、51,423bp、73 ORF、G+Cの含有量34.1%である配列番号1の塩基配列を有することを確認し、これは従来に報告されたClostridium phage CPD4(MK017819.1)と97%の配列同一性を示したが、すべての断片が100%一致するバクテリオファージはないことを確認して、前記バクテリオファージは新たに分離されたバクテリオファージであることが分かった。したがって、前記新規なバクテリオファージをバクテリオファージCJ_CP_20-11-1と命名し、2021年1月18日付でブダペスト条約下の国際寄託機関である韓国微生物保存センター(Korean Culture Center of Microorganisms)に寄託し、寄託番号KCCM12932Pが付与されている。
【0075】
実施例3.バクテリオファージCJ_CP_20-11-1の形態分析
【0076】
高純度のバクテリオファージ溶液を得るために、CsClグラジエント(gradient)法を行った。具体的には、密度が1.7、1.5、1.45または1.3であるSMバッファーに溶解したCsCl溶液を用意し、15mL超遠心分離(ultracentrifuge)用チューブ(Beckman Coulter,Cat.No.Z00901SCA)に前記CsCl溶液を高密度から低密度に層をなすように2mLずつ分注して、最上端に実施例1-3で得られたバクテリオファージCJ_CP_20-11-1濃縮液2mLを分注した。これを4℃および25,000rpmで2時間遠心分離した後、チューブに形成された白色のバクテリオファージ層のみをシリンジ(Satorius,Cat.No.17822-K)で採取した。採取したバクテリオファージ溶液1μLを炭素被覆銅グリッド(carbon-coated copper grid)の上に点滴後、2%ウラニルアセテートで15秒間染色して電子顕微鏡(TEM,JEOL JEM-101,Tokyo,Japan)で形態を観察した。
【0077】
その結果、
図1に示すように、バクテリオファージCJ_CP_20-11-1は形態学的に二十面体の頭部と約100nmの長さの収縮性ある尾部(contractile tail)を持つことが観察され、カウドウイルス目(Caudovirales order)、マイオウイルス科(Myoviridae family)に属することが分かった。
【0078】
実施例4.バクテリオファージCJ_CP_20-11-1のpH安定性の評価
【0079】
バクテリオファージCJ_CP_20-11-1が広いpHの範囲で安定性があるかどうかを確認するために、pH4、7、7.5または10の溶液(pH4:0.2M酢酸ナトリウム(sodium acetate)溶液;pH7、7.5:0.2Mリン酸ナトリウム(sodium phosphate)溶液;およびpH10:0.2Mトリス(Tris-HCl)溶液)を用意した。各pH別溶液450μLと2×1010PFU/mLのバクテリオファージ溶液50μLを混合して4℃で2時間静置後、二重寒天プラークアッセイ(Double-layer agar plaque assay)を行って力価(titer)の増減を評価した。
【0080】
その結果、
図2に示すように、バクテリオファージCJ_CP_20-11-1は、pH7~10で活性を失わず安定的であり、pH4でもpH7.5である群に比べて約1.7ログ程度だけ活性が減少したので、優れた耐酸性を有するバクテリオファージであることが分かった。
【0081】
実施例5.バクテリオファージCJ_CP_20-11-1の熱安定性の評価
【0082】
バクテリオファージCJ_CP_20-11-1が高温で安定性があるかどうかを確認するために、2×108PFU/mLのバクテリオファージ溶液500μLを60℃で0、3、6または24時間静置後、二重寒天プラークアッセイ(Double-layer agar plaque assay)を行って力価(titer)の増減を評価した。
【0083】
その結果、
図3に示すように、バクテリオファージCJ_CP_20-11-1は、60℃で3時間暴露した時、0時間暴露した対照群に比べて約1.0ログの活性減少を示し、6時間暴露時、対照群に比べて約1.9ログの活性減少を示し、24時間暴露時にも対照群に比べて約5.5ログの活性減少があるが、依然として活性を示した。したがって、バクテリオファージCJ_CP_20-11-1は、優れた耐熱性を有するバクテリオファージであることが分かった。
【0084】
実施例6.バクテリオファージCJ_CP_20-11-1の溶菌スペクトル(spectrum)の評価
【0085】
バクテリオファージCJ_CP_20-11-1の溶菌スペクトルを評価するために、韓国ソウル市、京畿道(キョンギド)、忠清道(チュンチョンド)、慶尚道(キョンサンド)地域の家畜農家から収集した糞便試料から分離したCP菌株および国立獣医科学検疫院から分譲を受けたCP菌株総45種をそれぞれBHI液体培地で培養後、0.7%軟寒天5mLに前記菌株培養物各50μLを接種して、ペトリ皿に注ぎプレーティング後、5分間静置した。その後、軟寒天の上に前記実施例1-3で得られたバクテリオファージCJ_CP_20-11-1濃縮液10μLを滴下(spotting)した後、42℃で18時間静置培養した。培養終了後、軟寒天の上に形成された溶菌斑形成の有無によりバクテリオファージCJ_CP_20-11-1の溶菌スペクトルを評価した。
【0086】
【0087】
その結果、表1に示すように、試験した45種のCP菌株全部において溶菌斑が形成され、バクテリオファージCJ_CP_20-11-1は、広スペクトルなCP菌株に死滅能を有することを確認した。
【0088】
以上の説明から、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須的特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施することができることを理解できるであろう。これに関連して、上述した実施例は、すべての面において例示的なものであり、限定的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は、発明の詳細な説明より後述する特許請求の範囲の意味および範囲、およびその等価概念から導き出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【配列表】
【国際調査報告】