(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】甘味性穀粉によって不透明化した組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 7/10 20160101AFI20240312BHJP
C08L 3/02 20060101ALI20240312BHJP
C08L 89/00 20060101ALI20240312BHJP
A23L 2/38 20210101ALI20240312BHJP
A23L 23/00 20160101ALI20240312BHJP
A23C 9/13 20060101ALI20240312BHJP
A23C 11/00 20060101ALI20240312BHJP
A23C 20/00 20060101ALI20240312BHJP
A23G 9/42 20060101ALI20240312BHJP
A23L 2/62 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
A23L7/10 Z
C08L3/02
C08L89/00
A23L2/38 J
A23L23/00
A23C9/13
A23C11/00
A23C20/00
A23G9/42
A23L2/62
A23L2/00 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552523
(86)(22)【出願日】2022-03-03
(85)【翻訳文提出日】2023-09-12
(86)【国際出願番号】 US2022018608
(87)【国際公開番号】W WO2022187422
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】512035620
【氏名又は名称】コーンプロダクツ ディベロップメント インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【氏名又は名称】齋藤 都子
(74)【代理人】
【識別番号】100135895
【氏名又は名称】三間 俊介
(72)【発明者】
【氏名】ケイトリン メイラー
(72)【発明者】
【氏名】マット ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】レスリー ドリュー
(72)【発明者】
【氏名】エイドリアン スペランザ
(72)【発明者】
【氏名】アファフ マカリアス
【テーマコード(参考)】
4B001
4B014
4B023
4B036
4B117
4J002
【Fターム(参考)】
4B001AC20
4B014GB18
4B014GG01
4B014GG04
4B023LC03
4B023LE30
4B023LG08
4B023LP07
4B023LP20
4B036LF03
4B036LH22
4B036LP17
4B117LC01
4B117LG24
4B117LL05
4J002AB041
4J002AD002
(57)【要約】
本明細書はまた、甘味性穀粉及び組成物中の甘味性穀粉の使用を開示する。好ましい実施形態では、組成物は、食用である。いくつかの実施形態では、甘味性穀粉は、不透明化剤として使用され、二酸化チタン又は炭酸カルシウムなどの一般的な白色化剤を置き換えるために使用することができる。例示的な組成物は、流動性又は溶融性であり、組成物の約1重量%~約6重量%の量の甘味性穀粉を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルファ化甘味性穀粉であって、少なくとも約65%又は約65%~約85%の量の可溶性デンプンを含み、好ましくは、前記甘味性穀粉が、スイートコーン穀粉である、アルファ化甘味性穀粉。
【請求項2】
前記穀粉の少なくとも約5重量%、又は約5重量%~約9重量%のタンパク質含量を有する、請求項1に記載の甘味性穀粉。
【請求項3】
前記穀粉の約5重量%未満の不溶性デンプン含量を有する、請求項1又は2に記載の甘味性穀粉。
【請求項4】
100~200nm、又は100~150nm、又は120~140nmの粒径分布の平均粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の甘味性穀粉。
【請求項5】
0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散指数を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の甘味性穀粉。
【請求項6】
組成物であって、
a.前記組成物の少なくとも約30重量%の含水量と、
b.前記組成物の約1重量%~約6重量%、又は前記組成物の約2重量%~約6重量%、若しくは3重量%~6重量%の量の甘味性穀粉と、を含み、
任意選択的に、前記甘味性穀粉が、スイートコーン穀粉であり、
任意選択的に、前記含水量が、
i)(前記組成物の)30重量%~60重量%、又は40重量%~50重量%、及び
ii)前記組成物の約60重量%超、又は約75重量%超、又は約80重量%超、又は約85重量%超からなる群から選択される範囲にある、組成物。
【請求項7】
前記甘味性穀粉が、清澄化されたスイートコーン穀粉である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
甘味性穀粉以外の供給源に由来する第2のデンプンを更に含み、
前記第2のデンプンが、前記組成物の1重量%超の量、又は
a.(前記組成物の)約1重量%~約10重量%、若しくは約1重量%~約5重量%、若しくは約1重量%~約3重量%、及び
b.(前記組成物の)約10重量%~約35重量%、若しくは約15重量%~約35重量%、若しくは約20重量%~約35重量%、若しくは約20重量%~約30重量%からなる群から選択される範囲の量にあり、
任意選択的に、前記第2のデンプンが、コーン、ワキシーコーン、タピオカ、ワキシータピオカ、ジャガイモ、ワキシージャガイモ、米、ワキシー米、エンドウマメ、及びそれらの混合物からなる群から選択される供給源に由来する、請求項6又は7に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも約30、又は少なくとも約35、又は少なくとも約40、又は少なくとも約50、又は少なくとも約55、又は約55~約70、又は約60~約70のハンターL値を有する、請求項6~8のいずれか一項に記載の組成物
【請求項10】
前記組成物の約5重量%~約20重量%、又は約5%~約15%、又は約10%~約15%の量の、甘味性穀粉以外の供給源に由来する第2の植物を更に含み、
任意選択的に、第2のタンパク質が、植物タンパク質であり、
任意選択的に、第2のタンパク質が、エンドウマメ、レンズマメ、ヒヨコマメ、ソラマメ、ジャガイモ、キノア、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される供給源に由来するものである、請求項6~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、二酸化チタン又は炭酸カルシウムを含まない、請求項6~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、イミテーションチーズ、ヴィーガンのチーズ類似品、冷凍デザート、アイスクリーム、乳製品不使用のアイスクリーム類似品、冷凍ソース、飲料、ソース、グレービー、ヨーグルト、代替ヨーグルト、代替乳飲料、及び非乳製品クリーマーからなる群から選択される、請求項6~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
流動性食用組成物であって、
a.前記組成物の約60重量%超、又は約75重量%超、又は約80重量%超、又は約85重量%超の含水量と、
b.前記組成物の約1重量%~約6重量%、又は前記組成物の約2重量%~約6重量%、若しくは3重量%~6重量%の量の甘味性穀粉と、を含み、
任意選択的に、前記甘味性穀粉が、スイートコーン穀粉である、流動性食用組成物。
【請求項14】
前記組成物が、前記甘味性穀粉に由来しない第2のデンプンを更に含み、前記第2のデンプンが、(前記組成物の)約1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約5重量%、又は約1重量%~約3重量%の量にある、請求項12に記載の流動性組成物。
【請求項15】
前記第2のデンプンが、天然デンプンである、請求項11又は12に記載の流動性組成物
【請求項16】
前記第2のデンプンが、加工デンプンであり、任意選択的に、前記加工が、アルファ化、熱抑制、化学抑制、アセチル化、ヒドロプロピル化、酸化、酸加水分解、酵素加水分解、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項11又は12に記載の流動性組成物
【請求項17】
前記甘味性穀粉が、清澄化されたスイートコーン穀粉である、請求項11~15のいずれか一項に記載の流動性組成物。
【請求項18】
前記組成物が、飲料、ソース、グレービー、ヨーグルト、代替ヨーグルト、代替乳飲料、及び非乳製品クリーマーからなる群から選択される、請求項11~16のいずれか一項に記載の流動性組成物。
【請求項19】
少なくとも約30、又は少なくとも約35、又は少なくとも約40、又は少なくとも約50のハンターL値を有する、請求項11~17のいずれか一項に記載の流動性組成物。
【請求項20】
前記組成物が、二酸化チタン又は炭酸カルシウムを含まない、請求項11~18のいずれか一項に記載の流動性組成物。
【請求項21】
溶融性食用組成物であって、
a.(前記組成物の)30重量%~60重量%、又は40重量%~50重量%の含水量と、
b.前記組成物の約1重量%~約6重量%、又は前記組成物の約2重量%~約6重量%、若しくは3重量%~6重量%の量の甘味性穀粉と、を含み、
好ましくは、前記甘味性穀粉が、スイートコーン穀粉である、溶融性食用組成物
【請求項22】
甘味性穀粉以外の供給源に由来する第2のデンプンを更に含み、前記第2のデンプンが、(前記組成物の)約10重量%~約35重量%、又は約15重量%~約35重量%、又は約20重量%~約35重量%、又は約20重量%~約30重量%の量にあり、
任意選択的に、前記第2のデンプンが、ワキシーデンプンからなる群から選択される供給源に由来し、任意選択的に、前記デンプンが、ワキシーコーン、ワキシータピオカ、ワキシージャガイモ、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項20に記載の溶融性食用組成物。
【請求項23】
前記第2のデンプンが、加工デンプンであり、任意選択的に、前記加工が、熱抑制、アルファ化、化学抑制、アセチル化、ヒドロプロピル化、酸化、酸加水分解、酵素加水分解、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項20又は21に記載の溶融性食用組成物。
【請求項24】
前記第2のデンプンが、天然デンプンである、請求項20又は21に記載の溶融性食用組成物。
【請求項25】
任意選択的に、前記甘味性穀粉とは異なる供給源に由来する第2のタンパク質を更に含み、前記タンパク質が、前記組成物の約5重量%~約20重量%、又は約5%~約15%、又は約10%~約15%の量にあり、
任意選択的に、前記第2のタンパク質が、植物タンパク質であり、
任意選択的に、前記第2のタンパク質が、エンドウマメ、レンズマメ、ヒヨコマメ、ソラマメ、ジャガイモ、キノア、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される供給源に由来する、請求項20~23のいずれか一項に記載の溶融性食用組成物。
前記組成物が、少なくとも約25%、又は25%~60%の溶融広がり%を有する、請求項20~24のいずれか一項に記載の溶融性組成物。
【請求項26】
前記組成物が、溶融したときに約55超、又は約55~約70、又は約60~約70のハンターL値を有する、請求項20~25のいずれか一項に記載の溶融性組成物。
【請求項27】
前記組成物が、イミテーションチーズ、ヴィーガンのチーズ類似品、冷凍デザート、アイスクリーム、乳製品不使用のアイスクリーム類似品、冷凍ソースからなる群から選択される、請求項20~26のいずれか一項に記載の溶融性組成物。
【請求項28】
前記組成物が、二酸化チタン又は炭酸カルシウムを含まない、請求項20~27のいずれか一項に記載の溶融性組成物。
【請求項29】
甘味性穀粉の使用が、請求項6~28のいずれか一項に記載の組成物に不透明性を提供し、任意選択的に、甘味性穀粉が、スイートコーン穀粉又は清澄化されたスイートコーン穀粉である、使用。
【請求項30】
組成物を製造する方法であって、甘味性穀粉と第2の成分とを混合することを含み、
任意選択的に、前記甘味性穀粉が、スイートコーン穀粉又は清澄化されたスイートコーン穀粉であり、
任意選択的に、前記組成物が、請求項1~29のいずれか一項に記載の組成物である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書はまた、甘味性穀粉及び組成物中の甘味性穀粉の使用を開示する。好ましい実施形態では、組成物は食用である。いくつかの実施形態では、甘味性穀粉は、不透明化剤として使用され、二酸化チタン又は炭酸カルシウムなどの一般的な白色化剤を置き換えるために使用することができる。
【0002】
不透明化剤(曇り剤、白色化剤、又は淡色化剤とみなすことができる)は、食用組成物中で使用される。特に有用な不透明化剤は、飲料、ソース、グレービー、ヨーグルト、代替ヨーグルト、代替乳飲料、及び非乳製品クリーマーなどの流動性組成物に不透明性、又は白色化、又は淡色化を提供することができるものであり、固体不透明化剤が沈降するか、又はそうでなければ低減された不透明化効果を有することが一般的である。白色化又は淡色化効果に関して、これらは、ハンターLを参照することなどによる種々の比色計算と比較して観察することができ、白色化剤は、同じ組成物であるが不透明化剤を使用する組成物と比較して、組成物のハンターL値を増加させる傾向がある。
【0003】
不透明化剤は市場に存在するが、種々の理由のために、他のものに対する必要性が残されている。場合によっては、二酸化チタン及び炭酸カルシウムのような一般的な不透明化剤は、少なくとも一部の消費者又は規制機関によって好ましくないと見られる。他の場合には、配合者は、ヴィーガン又は低脂肪といった特定の食事の要求を満たすために、乳固形分又は脂肪のような不透明化剤を除去することを望む。
【0004】
本明細書は、組成物中の不透明化剤として有用な甘味性穀粉を記載する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される甘味性穀粉は、曇り剤、白色化剤、及び淡色化剤としてのそれらの効果を含む不透明化剤として使用される。いくつかの実施形態では、甘味性穀粉は、二酸化チタン、炭酸カルシウム、脂肪又は乳固形分のような組成物中の一般的な不透明化剤を置き換えるために使用される。他の実施形態では、甘味性穀粉を用いて製造された組成物は、別の非甘味性穀粉又は非甘味性デンプンを用いて製造された食用組成物よりも、乳固形分、高脂肪含量又は二酸化チタンを用いて製造された同じ食用組成物に近いハンターL値を有する。いくつかの実施形態では、開示される甘味性穀粉は、飲料又は半透明液体中の乳固形分、油又は二酸化チタンの不透明化効果を置き換えるための曇り剤として使用される。
【0005】
本明細書に開示される技術は、以下の図面を参照してより良く理解することができ、図面は、開示される技術の全範囲を制限することを意図するものではない
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本明細書に記載されるスイートコーン穀粉を用いて及び用いずに製造された種々のベシャメルスタイルのソースの色プロファイルのグラフである。
【
図2】本 明細書に記載されるスイートコーン穀粉を用いて及び用いずに製造された種々のベシャメルスタイルのソースのグラフである。
【0007】
組成物は、不透明化剤、淡色化剤、又は白色化剤が使用される任意の組成物であってもよい。好ましい実施形態では、組成物は食用組成物である。いくつかの実施形態では、スイートコーン穀粉は、濁った飲料(clouded beverage)、ソース、グレービー、ヨーグルト、代替ヨーグルト、代替乳飲料、及び非乳製品クリーマーを含むが、これらに限定されない、流動性食用組成物中の曇り剤又は淡色化剤として使用される。本明細書に記載される更に他の実施形態では、甘味性穀粉は、溶融することができる固体組成物を含む固体食用組成物(溶融性固体食用組成物)中で使用される。いくつかの実施形態では、甘味性穀粉は、組成物が溶融したときに、溶融性固体食用組成物を淡色化、白色化、又は不透明化するために使用される。他の実施形態では、溶融性固体食用組成物は、イミテーションチーズ、ヴィーガンのチーズ類似品、冷凍デザート、アイスクリーム、乳製品不使用のアイスクリーム類似品、冷凍ソースである。溶融性固体食用組成物、例えば、イミテーションチーズ、ヴィーガンのチーズ類似品、冷凍デザート、アイスクリーム、乳製品不使用のアイスクリーム類似品、冷凍ソースは、それらが溶融するときに、それらの色及び不透明性を失う。実施形態では、甘味性穀粉を使用して製造されたヴィーガンのチーズ類似品は、他の非甘味性穀粉デンプンを使用するよりも、二酸化チタンを使用して製造されたヴィーガンのチーズにより近いハンターL値を有する。
【0008】
本明細書中の「甘味性穀粉」という用語は、優性対立遺伝子としてのSu-1、及び劣性対立遺伝子としてのsu-1と略記することができる、劣性sugary-1遺伝子を含む穀物、穀類又は穀粒の胚乳から得られる穀粉を意味する。甘味性穀粉のための供給源に関して制限することを意図するものではないが、甘味性穀粉のための有用な供給源は、スイートコーンである。本明細書中のスイートコーンと呼ばれるsugary-1劣性コーンは、コーンのシルバークイーン変種として入手可能である。sugary-1遺伝子は既知であり、デンプンの生合成におけるその役割は他者によって研究されている。(例えば、James,M.G.,et al,「Characterization of the maize gene sugary1,a determinant of starch composition in kernels,」Plant Cell vol.7,pp.417-429(1995)を参照されたい。)以下は、甘味性穀粉を更に説明するために提供されるが、デンプン生合成経路における劣性sugary-1遺伝子の効果の完全な理解を制限することを意図するものではない。劣性sugary-1遺伝子は、デンプンの正常な合成を妨害し、アミロペクチン又はアミロースにおいて一般的であるよりも実質的により多くのグリコシド間のアルファ-1-6連結を有するデンプンポリマーを形成する。これらの異常デンプンポリマーは、(アミロース及びアミロペクチンで一般的であるような)顆粒を形成せず、デンプンを水に可溶化するために典型的に必要とされる更なる処理なしに水に可溶性であり、換言すれば、それらは、デンプン顆粒の事前の糊化なしに可溶性である。
【0009】
甘味性穀粉及びスイートコーン穀粉は、穀粉を得るために、甘味性穀類又はスイートコーン穀粒を製粉することによって得ることができる。甘味性穀粉は、他の穀粉と同様に、(とりわけ)多糖類、繊維、脂質、タンパク質、及び灰分を含有する。しかしながら、甘味性穀粉は、実質的な可溶性デンプンを天然に有することにより、ほとんどの穀粉とは異なる。本明細書中の甘味性穀粉及びスイートコーン穀粉は、デンプンの代わりに穀粉として分類されるのに十分なタンパク質を有する。最も広義には、スイートコーン穀粉は、少なくとも0.5重量%のタンパク質(一般的なコーンスターチに関して)、又は少なくとも約1.0重量%のタンパク質(高アミロースコーンスターチに関して)を有する。好ましい実施形態では、甘味性穀粉及びスイートコーン穀粉は、未処理の製粉製品中に約5%超のタンパクを超えるタンパク質含量を有するか、又は清澄化された製品中のタンパク質に対して2%~4%を有する。
【0010】
本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味性穀粉、好ましくは、スイートコーン穀粉は、65重量%~85重量%の可溶性デンプンを含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味性穀粉は、少なくとも約5%(重量%)、又は約5%~約9%のタンパク質を含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味性穀粉は、穀粉の約10重量%~約30重量%の顆粒デンプン(アミロース及びアミロペクチン)、又は約13%~約30%、若しくは約20%~約30%を含む。顆粒デンプン及びタンパク質は、一般に、更なる処理なしでは不溶性である。
【0011】
本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味性穀粉は、少なくともいくらかのタンパク質及び顆粒デンプンを除去するために清澄化され得る。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味性穀粉は、濾過若しくは遠心分離、又は穀粉内のデンプン、可溶性物質、タンパク質などの構成成分を分離する他の既知の手順によって清澄化され得る。例えば、遠心分離を使用して、可溶性構成成分が上清に残り、不溶性構成成分から注ぐことができる。任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、より均一な組成物を得るために、(例えば、精密濾過、限外濾過、又は逆浸透濾過を使用して)高圧濾過されない。
【0012】
本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉又は清澄化されたスイートコーン穀粉は、0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散指数を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、本明細書に記載される清澄化された甘味性穀粉又は清澄化されたスイートコーン穀粉内の可溶性デンプンは、0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散指数を有する
【0013】
任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉又は清澄化されたスイートコーンは、100~200nm、又は100~150nm、又は120~140nmの平均粒径を有する。任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉又は清澄化されたスイートコーン内の可溶性デンプンは、100~200nm、又は100~150nm、又は120~140nmの平均粒径を有する。多分散指数及び平均粒径は、動的光散乱を使用して溶液中で測定することができる。
【0014】
本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、約80%~約95%の可溶性デンプンを含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、穀粉の約80重量%~約90重量%の可溶性デンプンを含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、好ましくは、清澄化されたスイートコーン穀粉である。
【0015】
本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、穀粉の約2重量%超の量のスイートコーンタンパク質含量を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、穀粉の約2重量%~約4重量%の量のスイートコーンタンパク質含量を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、甘味性穀粉よりも少ない不溶性デンプン含量を有する。任意の実施形態では、清澄化された甘味性穀粉は、穀粉の約5重量%未満の不溶性デンプン含量を有する。
【0016】
本明細書に記載される甘味性穀粉、又は清澄化された甘味性穀粉、又はスイートコーン穀粉、又は清澄化されたスイートコーン穀粉の任意の実施形態は、食用組成物を製造するために使用することができる。本明細書に記載される任意の実施形態では、食用組成物は、組成物の少なくとも約30重量%の含水量と、組成物の約1重量%~約10重量%、若しくは約1重量%~約5重量%、又は組成物の約2重量%~約4重量%の量の甘味性穀粉と、を含む。食用組成物は、固体形態若しくは液体形態にあってもよく、又は流動性若しくは溶融性である。本明細書に記載される食用組成物の任意の実施形態では、甘味性穀粉は、二酸化チタンを置き換えるために食用組成物中で使用される。本明細書に記載される食用組成物の任意の実施形態では、甘味性穀粉は、組成物のハンターL値を増加させるために食用組成物中で使用される。
【0017】
甘味性穀粉、又は清澄化された甘味性穀粉、又はスイートコーン穀粉、又は清澄化されたスイートコーン穀粉の任意の実施形態は、例えば、ドラム乾燥若しくは噴霧蒸煮(spray cooking)を使用して、又は他の方法によって、糊化又はアルファ化される。
【0018】
本明細書に記載される食用組成物は、食用組成物中に一般的に使用される他の成分を含んでもよい。本明細書に記載される任意の実施形態では、食用組成物は、組成物の1重量%超の量の、甘味性穀粉由来ではないデンプンを更に含む。かかるデンプンは、コーン、ワキシーコーン、タピオカ、ワキシータピオカ、ジャガイモ、ワキシージャガイモ、米、ワキシー米、エンドウマメ、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない群から選択され得る。食用組成物中に使用されるデンプンは、天然デンプンであってもよい。食用組成物中に使用されるデンプンはまた、加工デンプンであってもよい。本明細書の食用組成物中には、熱抑制、アルファ化、アセチル化、ヒドロプロピル化、酸化、酸加水分解、酵素加水分解、及びそれらの組み合わせを含む、任意の食品グレードの加工デンプンを使用することができる。他の有用な加工としては、架橋(化学抑制)及びオクテニルコハク酸加工が挙げられる。
【0019】
任意の実施形態では、本明細書に記載される食用組成物は、組成物の約1重量%超、又は約1重量%~約20重量%の量の植物タンパク質を更に含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、食用組成物は、エンドウマメ、レンズマメ、ヒヨコマメ、ソラマメ、ジャガイモ、キノア、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される植物タンパク質を含む。
【0020】
他の有用な成分としては、ガム(キサンタンガム、アカシアガム、ローカストビーンガムを含むが、これらに限定されない)、並びにカルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのガム様材料を含む親水コロイド、繊維(難消化性デンプン又は可溶性繊維を含む)、ペクチン、香味料、調味料、酸味料、塩、防腐剤、水及び他の水性成分、並びに着色剤が挙げられる。
【0021】
実施形態では、可溶性甘味性穀粉を含む食用組成物は、流動性組成物、例えば、限定されないが、ソース又はグレービー又は飲料又は非乳製品クリーマーである。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味性穀粉は、食品組成物中の白色化若しくは淡色化剤、又は曇り剤として流動性食用組成物中で使用される。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味性穀粉は、甘味性穀粉又は二酸化チタンを含まない食品組成物と比較して食品組成物のハンターL値を増加させるために、流動性食用組成物中で使用される。本明細書に記載される任意の実施形態では、流動性食用組成物は、組成物の約0.70重量%~約6重量%、若しくは約1重量%~約6重量%、若しくは約1重量%~約4重量%、若しくは約1.4重量%~約3.8重量%、若しくは約1.9重量%~約3.8重量%、又は約2重量%~約6重量%、若しくは約3重量%~約6重量%の量の可溶性デンプンを含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、流動性食用組成物は、約0.01%~約1.0%、又は約0.05%~約0.6%、又は約0.05%~約0.48%、又は約0.05%~約0.3%、又は約0.05%~約0.2%の量の甘味タンパク質、好ましくは、スイートコーンタンパク質を含む。
【0022】
本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味性穀粉を含む食用組成物は、加熱されると流動性になるか、又はより流動性になる組成物を意味する、溶融性食用組成物である。本明細書に記載される任意の実施形態では、溶融性食用組成物は、(組成物の)30重量%~60重量%、若しくは40重量%~50重量%の含水量と、組成物の約1重量%~約10重量%、若しくは約1重量%~約5重量%、又は(組成物の)約2重量%~約4重量%の量の甘味性穀粉と、を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、溶融性食用組成物は、(組成物の)約10重量%~約35重量%、又は約15重量%~約35重量%、又は約20重量%~約35重量%、又は約20重量%~約30重量%の量の、甘味性穀粉由来ではないデンプンを含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、溶融性食用組成物は、組成物の約0.70重量%~約6重量%、若しくは約1重量%~約6重量%、若しくは約1重量%~約4重量%、若しくは約1.4重量%~約3.8重量%、若しくは約1.9重量%~約3.8重量%、又は約2%~約6%、若しくは約3%~約6%の量の可溶性デンプンを含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、溶融性食用組成物は、約0.05%~約0.6%、又は約0.05%~約0.48%、又は約0.05%~約0.3%、又は約0.05%~約0.2%の量のスイートコーンタンパク質を含む。
【0023】
任意の実施形態では、溶融性組成物は、(組成物の)約10重量%~約35重量%、又は約15重量%~約35重量%、又は約20重量%~約35重量%、又は約20重量%~約30重量%の量の甘味性穀粉由来ではないデンプンを更に含み、デンプンは、ワキシーコーン、ワキシータピオカ、ワキシージャガイモ、及びそれらの混合物からなる群から選択される。本明細書に記載される溶融性食用組成物の任意の実施形態では、非甘味性穀粉デンプンは天然デンプンである。本明細書に記載される溶融性組成物の任意の実施形態では、非甘味性穀粉デンプンは、加工デンプンであり、好ましくは、加工は、熱抑制、化学抑制、アルファ化、ヒドロキシプロピル化、アセチル化、酸加水分解、酵素加水分解、酸化、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0024】
本明細書に記載される任意の実施形態では、溶融性食用組成物は、組成物の約5重量%~約20重量%、又は約5%~約15%、又は約10%~約15%の量の植物タンパク質を含む。溶融性食用組成物の一実施形態では、溶融性食用組成物は、エンドウマメ、レンズマメ、ヒヨコマメ、ソラマメ、ジャガイモ、キノア、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される植物タンパク質を含む。
【0025】
本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味性穀粉を含む食用組成物は、溶融性食用組成物である。任意の組成物において、甘味性穀粉を含む溶融性食用組成物は、約232℃で5分間加熱したときに、少なくとも約25%、又は約25%~約60%の溶融広がりを有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、溶融性食用組成物の甘味性穀粉は、スイートコーン穀粉又は二酸化チタンを含まない組成物と比較して、溶融相における組成物のハンターL値を増加させるために使用される。
【0026】
本明細書に記載される任意の実施形態では、溶融した溶融性食用組成物は、イミテーションチーズ、ヴィーガンのチーズ類似品、冷凍デザート、アイスクリーム、乳製品不使用のアイスクリーム類似品、冷凍ソースである。本明細書に記載される任意の実施形態では、溶融性食用組成物は、約20%未満、若しくは約15%未満、若しくは約10%未満のカゼイン含量を有するか、又はカゼインが添加されていない。溶融性食品組成物が溶融するにつれて、より透明になることが観察される。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味性穀粉又はスイートコーン穀粉(清澄化されているか否かにかかわらず)は、溶融性食用組成物が溶融されるときに観察されるハンターL値の低下を低減するために使用される。本明細書に記載される任意の実施形態では、溶融性食用組成物は、組成物が溶融したときに、約55超、又は約55~約70、又は約60~約70のハンターL値を有する。
【0027】
本明細書中の「甘味性穀粉」という用語は、優性対立遺伝子としてのSu-1、及び劣性対立遺伝子としてのsu-1と略記することができる、劣性sugary-1遺伝子を含む穀物、穀類又は穀粒の胚乳から得られる穀粉を意味する。甘味性穀粉のための供給源に関して制限することを意図するものではないが、甘味性穀粉のための有用な供給源は、スイートコーンである。本明細書中のスイートコーンと呼ばれるsugary-1劣性コーンは、コーンのシルバークイーン変種として入手可能である。sugary-1遺伝子は既知であり、デンプンの生合成におけるその役割は他者によって研究されている。(例えば、James,M.G.,et al,「Characterization of the maize gene sugary1,a determinant of starch composition in kernels,」Plant Cell vol.7,pp.417-429(1995)を参照されたい。)以下は、甘味性穀粉を更に説明するために提供されるが、デンプン生合成経路における劣性sugary-1遺伝子の効果の完全な理解を制限することを意図するものではない。劣性sugary-1遺伝子は、デンプンの正常な合成を妨害する。スイートコーンに関して、スイートコーン穀粒中のデンプンのかなりの部分(時には65%超)は、デンプンポリマーが、アミロペクチン又はアミロースにおいて一般的であるよりもグリコシド間に実質的により多くのアルファ-1-6連結を有する、化学構造を有する。これらの異常デンプンポリマーは、(アミロース及びアミロペクチンで一般的であるような)顆粒を形成せず、デンプンを水に可溶化するために典型的に必要とされる更なる処理なしに水に可溶性であり、換言すれば、それらは、デンプン顆粒の事前の糊化なしに可溶性である。
【0028】
本明細書中の「清澄化甘味性穀粉」は、組成物からタンパク質及び不溶性デンプンのうちの少なくとも一部を除去するように処理されている甘味性穀粉を指す。清澄化された甘味性穀粉は、甘味性穀粉のサブセットであり、甘味性穀粉への言及は、清澄化された甘味性穀粉及び甘味性穀粉のうちの1つに制限されることが文脈から明らかでない限り、清澄化された甘味性穀粉を含む。同様に、スイートコーン穀粉は、文脈によって制限されない限り、清澄化されたスイートコーン穀粉を含む。甘味性穀粉又はスイートコーン穀粉を使用して作られる本明細書中の全ての実施形態は、清澄化された甘味性穀粉又は清澄化されたスイートコーン穀粉を使用して作られてもよい。
【0029】
本明細書中の「可溶性デンプン」は、デンプンの顆粒構造を破壊するために熱及び水分を使用するプロセス(糊化と呼ばれる)に供されることなく可溶性であるデンプンを指す。可溶性デンプンは、本明細書で使用される場合、可溶性であり、劣性sugary-1遺伝子を有する穀物、穀類、又は穀粒(例えば、スイートコーン穀粒を含むが、これに限定されない)の胚乳から得られる、デンプンである。可溶性デンプンは、アミロペクチン又はアミロースにおいて一般的であるよりも実質的により多くのグリコシド間のアルファ-1-6連結を有する。可溶性デンプンの増加したアルファ-1-6連結は、可溶性デンプンを糊化されたアミロース又はアミロペクチンデンプンから区別可能にし、糊化アミロース及びアミロペクチンは、その用語が本明細書において使用される場合、「可溶性デンプン」の定義内にはない。対照的に、不溶性デンプンは、それを水溶液中に溶解させる前に糊化を必要とするデンプン、又は水溶液中に全く溶解しないデンプンを指す。
【0030】
本明細書中の「天然デンプン」は、化学的、酵素的、又は物理的に加工されていないデンプン(可溶性又は不溶性)を指す。
【0031】
本明細書中の「熱抑制された」デンプンは、実質的に無水状態(2%未満の水分)で熱処理されて、デンプンが化学的に架橋されたもの(すなわち、化学的に抑制されたデンプン)のように機能するように加工されたデンプンを指す。デンプンを熱抑制するための有用な方法は、国際公開第95-04082号に記載されており、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0032】
本明細書中の、デンプン及びフラワーに関する「糊化」及び「アルファ化」は、当該技術分野において既知の用語であり、当該技術分野内のそれらの完全な意味を有する。本明細書中の糊化及びアルファ化デンプン及びフラワーは、天然デンプン又はフラワーの定義内にはない。
【0033】
本明細書中の「イミテーションチーズ」は、乳の代わりに、又は乳に加えて成分を含むチーズ様組成物を指す。かかる代替成分としては、カゼイン、デンプン(又は加工デンプン)、甘味性穀粉が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
本明細書中の「ヴィーガンのチーズ類似品」は、動物由来のタンパク質を含まない様々なイミテーションチーズを指す。
【0035】
本明細書中の「溶融広がり%」は、以下の試験を使用する、組成物の元の試料と加熱した試料との間の直径のパーセント変化を指す。試料(円筒形、直径39.5mm、厚さ5mm)を、450°F(232℃)に予熱したオーブン内のオーブン安全皿内で5分間加熱する。試料を5分間冷却し、試料の直径を再び測定する。
【0036】
数字を修飾するための「約」の使用は、プラス又はマイナス10%を記述した数を含むことを意味する。特許請求の範囲における値の法的に許容される記述は、概ねその値を意味する。特許請求の範囲、又は明細書における約の使用は、対象にする等価物の全範囲を制限することを意図するものではない。
【0037】
特定の実施形態を例示及び説明してきたが、当業者であれば、前述の明細書を読んだ後、方法、及び本技術の変更、均等物での置換、及びその他の種類の改変を実施することができる。上記の各態様及び実施形態はまた、他の態様及び実施形態のいずれか又は全てに関して開示されるような、かかる変形形態又は態様を含むか、又はそれらに組み込まれることができる。
【0038】
本技術はまた、本技術の個々の態様の単一の例示として意図される、本明細書に記載される態様に関して限定されるものではない。当業者には明らかであるように、本技術の多くの修正及び変更は、その趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができる。本技術の範囲内の機能的に等価な方法は、本明細書で列挙されるものに加えて、前述の記載から当業者に明らかとなろう。かかる修正及び変更は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。本技術は、当然のことながら、変化し得る、方法、複合体、試薬、化合物、組成物、標識化合物、又は生物学的系に限定されないことを理解されたい。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別途記載のない限り、又は別様に文脈と明確に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施することができる。本明細書で使用される用語は、態様の説明のみを目的とするものであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。それゆえ、本明細書は、添付の特許請求の範囲、その定義、及びそれらの任意の等価物のみによって示される本技術の広さ、範囲、及び趣旨のみの例示としてみなされることが意図される。本明細書中の言語は、いかなる特許請求されていない要素も必須であることを示すものとして解釈されるべきではない。
【0039】
本明細書に例示的に記載される実施形態は、本明細書で具体的に開示されていない任意の要素(1つ又は複数)、限定(1つ又は複数)のない状況で好適に実践され得る。したがって、例えば、「含む(comprising)」、「含む、挙げられる(including)」、「含有する(containing)」などの用語は、拡大的に読み取られ、限定するものではない。追加的に、本明細書で用いられる用語及び表現は、説明の用語として使用されており、限定するものではなく、かかる用語及び表現の使用において示され及び記載される特徴又はその部分の任意の等価物を排除する意図はないが、特許請求される技術の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。加えて、「から本質的になる」という語句は、具体的に列挙されたそれらの要素、並びに特許請求の範囲の技術の基本的及び新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない追加の要素を含むと理解されよう。「からなる」という語句は、指定されていない任意の要素を除外する。
【0040】
加えて、本開示の特徴又は態様がマーカッシュ群に関して記載されている場合、当業者は、本開示がまた、マーカッシュ群のメンバーの任意の個々のメンバー又はサブグループに関して記載されることを認識するであろう。一般的な開示内に含まれるより狭い種及び下位集団の各々はまた、その技術の一部を形成する。これは、切除された材料が本明細書に具体的に記述されているかどうかにかかわらず、属から任意の主題を除去する条件又は否定的な制限を有する技術の概念の記載を含む。
【0041】
当業者に理解されるように、任意の及び全ての目的のため、特に記載された説明を提供するという観点から、本明細書に開示される全ての範囲はまた、任意の及び全ての可能な部分範囲及びそれらの部分範囲の組み合わせも包含する。いかなる列記された範囲も、少なくとも半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分割されている同じ範囲を十分に説明かつ可能にするものと容易に認識され得る。非限定的な例として、本明細書で考察される各範囲は、下3分の1、中3分の1、及び上3分の1などに容易に分割することができる。また、当業者によって理解されるように、「最大」、「少なくとも」、「超」、「未満」などの言語は全て、記述された数を含み、後に上で考察される部分範囲に分割され得る範囲を指す。最後に、当業者には理解されるように、範囲は、各々の個々の部材を含み、各別個の値は、本明細書において個々に記述されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0042】
本明細書に開示される技術は、以下の非限定的な態様を参照することによって更に理解することができる。
1.甘味性穀粉であって、少なくとも約65%又は少なくとも約85%の量の可溶性デンプンを含み、好ましくは、甘味性穀粉が、スイートコーン穀粉である、甘味性穀粉。
2.穀粉の約0.5重量%超、又は穀粉の約1重量%超、若しくは約2重量%超、若しくは約5重量%超、若しくは約5重量%~約9重量%の量のタンパク質含量を有する、請求項1に記載の甘味性穀粉。
3.穀粉の約5重量%未満の不溶性デンプン含量を有する、請求項1又は2に記載の甘味性穀粉。
4.100~200nm、又は100~150nm、又は120~140nmの粒径分布の平均粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の甘味性穀粉。
5.0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散指数を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の甘味性穀粉。
6.甘味性穀粉、好ましくは、スイートコーン穀粉であり、穀粉が、穀粉の約2重量%超、又は穀粉の約2重量%~約4重量%の量のタンパク質含量を有する清澄化されたスイートコーン穀粉である、請求項1~5のいずれか一項に記載の甘味性穀粉。
7.甘味性穀粉が、アルファ化されており、任意選択的に、甘味性穀粉が、噴霧蒸煮又はドラム乾燥によってアルファ化されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の甘味性穀粉。
8.組成物であって、組成物の少なくとも約30重量%の含水量と、組成物の約1重量%~約6重量%、又は組成物の約2重量%~約6重量%、若しくは3重量%~6重量%の量の甘味性穀粉と、を含む、組成物。
9.甘味性穀粉が、清澄化された甘味性穀粉、スイートコーン穀粉、及び清澄化されたスイートコーン穀粉からなる群から選択される、請求項8に記載の組成物。
10.甘味性穀粉が、清澄化されたスイートコーン穀粉である、請求項8又は9に記載の組成物。
11.甘味性穀粉以外の供給源に由来するデンプンを更に含み、デンプンが、組成物の1重量%超の量にある、請求項8~10のいずれか一項に記載の組成物。
12.組成物が、甘味性穀粉以外の供給源に由来するデンプンを有し、デンプンが、(組成物の)約1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約5重量%、又は約1重量%~約3重量%の量にある、請求項8~11のいずれか一項に記載の組成物。
13.甘味性穀粉以外の供給源に由来するデンプンを更に含み、デンプンが、(組成物の)約10重量%~約35重量%、又は約15重量%~約35重量%、又は約20重量%~約35重量%、又は約20重量%~約30重量%の量にある、請求項8~12のいずれか一項に記載の組成物。
14.甘味性穀粉以外の供給源に由来するデンプンを更に含み、デンプンが、コーン、ワキシーコーン、タピオカ、ワキシータピオカ、ジャガイモ、ワキシージャガイモ、米、ワキシー米、エンドウマメ、及びそれらの混合物からなる群から選択される供給源に由来する、請求項8~13のいずれか一項に記載の組成物。
15.甘味性穀粉からのデンプンが、天然デンプンである、請求項8~14のいずれか一項に記載の組成物。
16.甘味性穀粉以外の供給源に由来するデンプンが、加工デンプンであり、任意選択的に、加工が、熱抑制、化学抑制、アルファ化、アセチル化、ヒドロプロピル化、酸化、酸加水分解、酵素加水分解、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8~15のいずれか一項に記載の組成物。
17.組成物が、組成物の約0.70重量%~約6重量%、若しくは約1重量%~約6重量%、若しくは約1重量%~約4重量%、若しくは約1.4重量%~約3.8重量%、若しくは約1.9重量%~約3.8重量%、又は約2%~約6%、若しくは約3%~約6%の量の可溶性デンプンを含む、請求項8~16のいずれか一項に記載の組成物。
18.組成物が、約0.01%~1% 約0.05%~約0.6%、又は約0.05%~約0.48%、又は約0.05%~約0.3%、又は約0.05%~約0.2%の量のスイートコーンタンパク質を含む、請求項8~17のいずれか一項に記載の組成物。
19.含水量が、組成物の約60重量%超、又は約75重量%超、又は約80重量%超、又は約85重量%超である、請求項8~18のいずれか一項に記載の組成物。
20.少なくとも約30、又は少なくとも約35、又は少なくとも約40、又は少なくとも約50のハンターL値を有する、請求項8~19のいずれか一項に記載の組成物。
21.流動性組成物である、請求項8~20のいずれか一項に記載の組成物。
22.組成物が、飲料、ソース、グレービー、及び非乳製品クリーマーからなる群から選択される、請求項8~21のいずれか一項に記載の組成物。
23.請求項8~22のいずれか一項に記載の組成物の、(組成物の)30重量%~60重量%、又は40重量%~50重量%の含水量。
24.甘味性穀粉以外の供給源に由来する植物タンパク質を更に含み、任意選択的に、植物タンパク質が、エンドウマメ、レンズマメ、ヒヨコマメ、ソラマメ、ジャガイモ、キノア、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される供給源に由来する、請求項8~23のいずれか一項に記載の組成物。
25.甘味性穀粉以外の供給源に由来する植物タンパク質を更に含み、タンパク質が、組成物の約5重量%~約20重量%、又は約5%~約15%、又は約10%~約15%の量にある、請求項8~24のいずれか一項に記載の組成物。
26.溶融性組成物である、請求項8~25のいずれか一項に記載の組成物。
27.組成物が、少なくとも約25%、又は25%~60%の溶融広がり%を有する、請求項8~26のいずれか一項に記載の組成物。
28.組成物が、溶融したときに約55超、又は約55~約70、又は約60~約70のハンターL値を有する、請求項8~27のいずれか一項に記載の組成物。
29.イミテーションチーズ又はヴィーガンのチーズ類似品である、請求項8~28のいずれか一項に記載の組成物。
30.約20%未満、若しくは約15%未満、若しくは約10%未満のカゼイン含量を有するか、又はカゼインが添加されていない、請求項8~29のいずれか一項に記載の組成物。
31.組成物が、二酸化チタン又は炭酸カルシウムを含まない、請求項8~30のいずれか一項に記載の食用組成物。
32.食用組成物であって、組成物の少なくとも約30重量%の含水量と、組成物の約1重量%~約6重量%、又は組成物の約2重量%~約6重量%、若しくは3重量%~6重量%の量の甘味性穀粉と、を含む、食用組成物。
33.甘味性穀粉が、清澄化された甘味性穀粉、スイートコーン穀粉、及び清澄化されたスイートコーン穀粉からなる群から選択される、請求項32に記載の食用組成物。
34.甘味性穀粉が、清澄化されたスイートコーン穀粉である、請求項32又は33に記載の食用組成物。
35.甘味性穀粉以外の供給源に由来するデンプンを更に含み、デンプンが、組成物の1重量%超の量にある、請求項32~34のいずれか一項に記載の食用組成物。
36.組成物が、甘味性穀粉以外の供給源に由来するデンプンを有し、デンプンが、(組成物の)約1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約5重量%、又は約1重量%~約3重量%の量にある、請求項32~35のいずれか一項に記載の食用組成物。
37.甘味性穀粉以外の供給源に由来するデンプンを更に含み、デンプンが、(組成物の)約10重量%~約35重量%、又は約15重量%~約35重量%、又は約20重量%~約35重量%、又は約20重量%~約30重量%の量にある、請求項32~36のいずれか一項に記載の食用組成物。
38.甘味性穀粉以外の供給源に由来するデンプンを更に含み、デンプンが、コーン、ワキシーコーン、タピオカ、ワキシータピオカ、ジャガイモ、ワキシージャガイモ、米、ワキシー米、エンドウマメ、及びそれらの混合物からなる群から選択される供給源に由来する、請求項32~37のいずれか一項に記載の食用組成物。
39.甘味性穀粉以外の供給源に由来するデンプンが、天然デンプンである、請求項32~38のいずれか一項に記載の食用組成物。
40.甘味性穀粉以外の供給源に由来するデンプンが、加工デンプンであり、任意選択的に、加工が、熱抑制、化学抑制、アルファ化、アセチル化、ヒドロプロピル化、酸化、酸加水分解、酵素加水分解、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項32~39のいずれか一項に記載の食用組成物。
41.組成物が、組成物の約0.70重量%~約6重量%、若しくは約1重量%~約6重量%、若しくは約1重量%~約4重量%、若しくは約1.4重量%~約3.8重量%、若しくは約1.9重量%~約3.8重量%、又は約2%~約6%、若しくは約3%~約6%の量の可溶性デンプンを含む、請求項32~40のいずれか一項に記載の食用組成物。
42.組成物が、約0.01%~1% 約0.05%~約0.6%、又は約0.05%~約0.48%、又は約0.05%~約0.3%、又は約0.05%~約0.2%の量のスイートコーンタンパク質を含む、請求項32~41のいずれか一項に記載の食用組成物。
43.含水量が、組成物の約60重量%超、又は約75重量%超、又は約80重量%超、又は約85重量%超である、請求項32~42のいずれか一項に記載の食用組成物。
44.少なくとも約30、又は少なくとも約35、又は少なくとも約40、又は少なくとも約50のハンターL値を有する、請求項32~43のいずれか一項に記載の食用組成物。
45.流動性組成物である、請求項32~44のいずれか一項に記載の食用組成物。
46.組成物が、飲料、ソース、グレービー、及び非乳製品クリーマーからなる群から選択される、請求項32~45のいずれか一項に記載の食用組成物。
47.請求項32~46のいずれか一項に記載の食用組成物の、(組成物の)30重量%~60重量%、又は40重量%~50重量%の含水量。
48.甘味性穀粉以外の供給源に由来する植物タンパク質を更に含み、任意選択的に、植物タンパク質が、エンドウマメ、レンズマメ、ヒヨコマメ、ソラマメ、ジャガイモ、キノア、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される供給源に由来する、請求項32~47のいずれか一項に記載の食用組成物。
49.甘味性穀粉以外の供給源に由来する植物タンパク質を更に含み、植物タンパク質が、組成物の約5重量%~約20重量%、又は約5%~約15%、又は約10%~約15%の量にある、請求項32~48のいずれか一項に記載の食用組成物。
50.溶融性組成物である、請求項32~49のいずれか一項に記載の食用組成物。
52.組成物が、少なくとも約25%、又は25%~60%の溶融広がり%を有する、請求項32~50のいずれか一項に記載の食用組成物。
52.組成物が、溶融したときに約55超、又は約55~約70、又は約60~約70のハンターL値を有する、請求項32~51のいずれか一項に記載の食用組成物。
53.イミテーションチーズ又はヴィーガンのチーズ類似品である、請求項32~52のいずれか一項に記載の食用組成物。
54.約20%未満、若しくは約15%未満、若しくは約10%未満のカゼイン含量を有するか、又はカゼインが添加されていない、請求項32~53のいずれか一項に記載の食用組成物。
55.組成物が、二酸化チタン又は炭酸カルシウムを含まない、請求項32~53のいずれか一項に記載の食用組成物。
56.流動性食用組成物であって、組成物の約60重量%超、又は約75重量%超、又は約80重量%超、又は約85重量%超の含水量と、組成物の約1重量%~約6重量%、又は組成物の約2重量%~約6重量%、若しくは3重量%~6重量%の量の甘味性穀粉と、を含む、流動性食用組成物。
57.組成物が、甘味性穀粉由来ではないデンプンを有し、デンプンが、(組成物の)約1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約5重量%、又は約1重量%~約3重量%の量にあり、デンプンが、(i)天然デンプン、又は(ii)加工デンプンのいずれかであり、加工が、アルファ化、熱抑制、化学抑制、アセチル化、ヒドロプロピル化、酸化、酸加水分解、酵素加水分解、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項56に記載の流動性組成物
58.組成物が、組成物の約0.70重量%~約6重量%、若しくは約1重量%~約6重量%、若しくは約1重量%~約4重量%、若しくは約1.4重量%~約3.8重量%、若しくは約1.9重量%~約3.8重量%、又は約2%~約6%、若しくは約3%~約6%の量の可溶性デンプンを含む、請求項56又は57に記載の流動性組成物。
59.組成物が、約0.01%~1% 約0.05%~約0.6%、又は約0.05%~約0.48%、又は約0.05%~約0.3%、又は約0.05%~約0.2%の量のスイートコーンタンパク質を含む、請求項56~58のいずれか一項に記載の流動性組成物。
60.甘味性穀粉が、清澄化された甘味性穀粉、スイートコーン穀粉、及び清澄化されたスイートコーン穀粉からなる群から選択される、請求項56~59のいずれか一項に記載の流動性組成物。
61.甘味性穀粉が、清澄化されたスイートコーン穀粉である、請求項56~60のいずれか一項に記載の流動性組成物。
62.組成物が、飲料、ソース、グレービー、及び非乳製品クリーマーからなる群から選択される、請求項56~61のいずれか一項に記載の流動性組成物。
63.少なくとも約30、又は少なくとも約35、又は少なくとも約40、又は少なくとも約50のハンターL値を有する、請求項56~62のいずれか一項に記載の流動性組成物。
64.組成物が、二酸化チタン又は炭酸カルシウムを含まない、請求項56~64のいずれか一項に記載の流動性組成物。
65.溶融性食用組成物であって、(組成物の)30重量%~60重量%、又は40重量%~50重量%の含水量と、組成物の約1重量%~約6重量%、又は組成物の約2重量%~約6重量%、若しくは3重量%~6重量%の量の甘味性穀粉と、を含む、溶融性食用組成物。
66.甘味性穀粉以外の供給源に由来するデンプンを更に含み、デンプンが、(組成物の)約10重量%~約35重量%、又は約15重量%~約35重量%、又は約20重量%~約35重量%、又は約20重量%~約30重量%の量にある、請求項65に記載の溶融性食用組成物。
67.スイートコーン以外の供給源に由来するデンプンを更に含み、デンプンが、(i)天然デンプン、又は(ii)加工デンプンのいずれかであり、加工が、熱抑制、アルファ化、化学抑制、アセチル化、ヒドロプロピル化、酸化、酸加水分解、酵素加水分解、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項65又は66に記載の溶融性食用組成物。
68.スイートコーン穀粉以外の供給源に由来するデンプンが、天然デンプンである、請求項65~68のいずれか一項に記載の溶融性食用組成物。
69.組成物が、約0.01%~1% 約0.05%~約0.6%、又は約0.05%~約0.48%、又は約0.05%~約0.3%、又は約0.05%~約0.2%の量のスイートコーンタンパク質を含む、請求項65~69のいずれか一項に記載の溶融性食用組成物。
70.含水量が、組成物の約60重量%超、又は約75重量%超、又は約80重量%超、又は約85重量%超である、請求項65~69のいずれか一項に記載の食用組成物。
71.甘味性穀粉が、清澄化された甘味性穀粉、スイートコーン穀粉、及び清澄化されたスイートコーン穀粉からなる群から選択される、請求項65~70のいずれか一項に記載の溶融性食用組成物、
72.甘味性穀粉が、清澄化されたスイートコーン穀粉である、請求項65~71のいずれか一項に記載の溶融性食用組成物。
73.甘味性穀粉以外の供給源に由来するデンプンが、ワキシーデンプンからなる群から選択される供給源に由来し、任意選択的に、デンプンが、ワキシーコーン、ワキシータピオカ、ワキシージャガイモ、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項65~72のいずれか一項に記載の溶融性食用組成物。
74.甘味性穀粉以外の供給源に由来する植物タンパク質を更に含み、任意選択的に、植物タンパク質が、エンドウマメ、レンズマメ、ヒヨコマメ、ソラマメ、ジャガイモ、キノア、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される供給源に由来する、請求項65~73のいずれか一項に記載の溶融性食用組成物。
75.組成物の約5重量%~約20重量%、又は約5%~約15%、又は約10%~約15%のタンパク質含量を更に含む、請求項65~74のいずれか一項に記載の溶融性組成物。
76.組成物が、少なくとも約25%、又は25%~60%の溶融広がり%を有する、請求項65~75のいずれか一項に記載の溶融性組成物。
77.組成物が、溶融したときに約55超、又は約55~約70、又は約60~約70のハンターL値を有する、請求項65~76のいずれか一項に記載の溶融性組成物。
78.イミテーションチーズ又はヴィーガンのチーズ類似品である、請求項65~77のいずれか一項に記載の溶融性組成物。
79.約20%未満、若しくは約15%未満、若しくは約10%未満のカゼイン含量を有するか、又はカゼインが添加されていない、請求項65~78のいずれか一項に記載の溶融性組成物。
80.組成物が、二酸化チタン又は炭酸カルシウムを含まない、請求項56~64のいずれか一項に記載の溶融性組成物。
81.請求項1~80のいずれか一項に記載の様式における、請求項1~8のいずれか一項に記載の甘味性穀粉又はスイートコーン穀粉の使用。
82.組成物を製造する方法であって、請求項1~81のいずれか一項に記載の甘味性穀粉と、第2の成分とを混合することを含み、好ましくは、甘味性穀粉が、スイートコーン穀粉であり、好ましくは、組成物が、食用組成物である、方法。
83.アルファ化甘味性穀粉であって、少なくとも約65%又は約65%~約85%の量の可溶性デンプンを含み、好ましくは、甘味性穀粉が、スイートコーン穀粉である、アルファ化甘味性穀粉。
84.穀粉の少なくともおよそ約5重量%、又は約5重量%~約9重量%のタンパク質含量を有する、請求項83に記載の甘味性穀粉。
85.穀粉の約5重量%未満の不溶性デンプン含量を有する、請求項83又は84に記載の甘味性穀粉。
85.100~200nm、又は100~150nm、又は120~140nmの粒径分布の平均粒径を有する、請求項83~85のいずれか一項に記載の甘味性穀粉。
86.0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散指数を有する、請求項83~86のいずれか一項に記載の甘味性穀粉。
87.組成物であって、a)組成物の少なくとも約30重量%の含水量と、b)組成物の約1重量%~約6重量%、又は組成物の約2重量%~約6重量%、若しくは3重量%~6重量%の量の甘味性穀粉と、を含み、好ましくは、甘味性穀粉が、スイートコーン穀粉であり、任意選択的に、含水量が、i)(組成物の)30重量%~60重量%、又は40重量%~50重量%、及びii)組成物の約60重量%超、又は約75重量%超、又は約80重量%超、又は約85重量%超からなる群から選択される範囲にある、組成物。
88.甘味性穀粉が、清澄化されたスイートコーン穀粉である、請求項87に記載の組成物。
89.甘味性穀粉以外の供給源に由来する第2のデンプンを更に含み、第2のデンプンが、組成物の1重量%超の量、又はa)(組成物の)約1重量%~約10重量%、若しくは約1重量%~約5重量%、若しくは約1重量%~約3重量%、及び(組成物の)約10重量%~約35重量%、若しくは約15重量%~約35重量%、若しくは約20重量%~約35重量%、若しくは約20重量%~約30重量%のv0からなる群から選択される範囲の量にあり、任意選択的に、第2のデンプンが、コーン、ワキシーコーン、タピオカ、ワキシータピオカ、ジャガイモ、ワキシージャガイモ、米、ワキシー米、エンドウマメ、及びそれらの混合物からなる群から選択される供給源に由来する、請求項87又は88に記載の組成物。
90.少なくとも約30、又は少なくとも約35、又は少なくとも約40、又は少なくとも約50、又は少なくとも約55、又は約55~約70、又は約60~約70のハンターL値を有する、請求項87~89のいずれか一項に記載の組成物。
91.組成物の約5重量%~約20重量%、又は約5%~約15%、又は約10%~約15%の量の、甘味性穀粉以外の供給源に由来する第2の植物を更に含み、任意選択的に、第2のタンパク質が、植物タンパク質であり、任意選択的に、第2のタンパク質が、エンドウマメ、レンズマメ、ヒヨコマメ、ソラマメ、ジャガイモ、キノア、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される供給源に由来するものである、請求項87~90のいずれか一項に記載の組成物。
92.組成物が、二酸化チタン又は炭酸カルシウムを含まない、請求項87~91のいずれか一項に記載の組成物。
93.組成物が、イミテーションチーズ、ヴィーガンのチーズ類似品、冷凍デザート、アイスクリーム、乳製品不使用のアイスクリーム類似品、冷凍ソース、飲料、ソース、グレービー、ヨーグルト、代替ヨーグルト、代替乳飲料、及び非乳製品クリーマーからなる群から選択される、請求項87~92のいずれか一項に記載の組成物。
94.流動性食用組成物であって、a)組成物の約60重量%超、又は約75重量%超、又は約80重量%超、又は約85重量%超の含水量と、b)組成物の約1重量%~約6重量%、又は組成物の約2重量%~約6重量%、若しくは3重量%~6重量%の量の甘味性穀粉と、を含み、任意選択的に、甘味性穀粉が、スイートコーン穀粉である、流動性食用組成物。
95.組成物が、甘味性穀粉に由来しない第2のデンプンを更に含み、デンプンが、(組成物の)約1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約5重量%、又は約1重量%~約3重量%の量にあり、任意選択的に、第2のデンプンが、ワキシーデンプンからなる群から選択される供給源に由来し、任意選択的に、デンプンが、ワキシーコーン、ワキシータピオカ、ワキシージャガイモ、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項94に記載の流動性組成物。
96.デンプンが、天然デンプンである、請求項94又は95に記載の流動性組成物
97.第2のデンプンが、加工デンプンであり、任意選択的に、加工が、アルファ化、熱抑制、化学抑制、アセチル化、ヒドロプロピル化、酸化、酸加水分解、酵素加水分解、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項94~96のいずれか一項に記載の流動性組成物。
98.甘味性穀粉が、清澄化されたスイートコーン穀粉である、請求項94~97のいずれか一項に記載の流動性組成物。
99.組成物が、飲料、ソース、グレービー、ヨーグルト、代替ヨーグルト、代替乳飲料、及び非乳製品クリーマーからなる群から選択される、請求項94~98のいずれか一項に記載の流動性組成物。
100.少なくとも約30、又は少なくとも約35、又は少なくとも約40、又は少なくとも約50のハンターL値を有する、請求項94~99のいずれか一項に記載の流動性組成物。
101.組成物が、二酸化チタン又は炭酸カルシウムを含まない、請求項94~100のいずれか一項に記載の流動性組成物。
102.溶融性食用組成物であって、a)(組成物の)30重量%~60重量%、又は40重量%~50重量%の含水量と、b)組成物の約1重量%~約6重量%、又は組成物の約2重量%~約6重量%、若しくは3重量%~6重量%の量の甘味性穀粉と、を含み、任意選択的に、甘味性穀粉が、スイートコーン穀粉である、溶融性食用組成物。
103.甘味性穀粉以外の供給源に由来する第2のデンプンを更に含み、第2のデンプンが、(組成物の)約10重量%~約35重量%、又は約15重量%~約35重量%、又は約20重量%~約35重量%、又は約20重量%~約30重量%の量にあり、任意選択的に、第2のデンプンが、ワキシーデンプンからなる群から選択される供給源に由来し、任意選択的に、デンプンが、ワキシーコーン、ワキシータピオカ、ワキシージャガイモ、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項102に記載の溶融性食用組成物。
104.第2のデンプンが、加工デンプンであり、任意選択的に、加工が、熱抑制、アルファ化、化学抑制、アセチル化、ヒドロプロピル化、酸化、酸加水分解、酵素加水分解、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項102又は103に記載の溶融性食用組成物。
105.第2のデンプンが、天然デンプンである、請求項102~104のいずれか一項に記載の溶融性食用組成物。
106.任意選択的に、甘味性穀粉とは異なる供給源に由来する第2のタンパク質を更に含み、タンパク質が、組成物の約5重量%~約20重量%、又は約5%~約15%、又は約10%~約15%の量にあり、任意選択的に、第2のタンパク質が、植物タンパク質であり、任意選択的に、第2のタンパク質が、エンドウマメ、レンズマメ、ヒヨコマメ、ソラマメ、ジャガイモ、キノア、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される供給源に由来する、請求項102~105のいずれか一項に記載の溶融性食用組成物。
107.組成物が、少なくとも約25%、又は25%~60%の溶融広がり%を有する、請求項102~106のいずれか一項に記載の溶融性組成物。
108.組成物が、溶融したときに約55超、又は約55~約70、又は約60~約70のハンターL値を有する、請求項102~107のいずれか一項に記載の溶融性組成物。
109.組成物が、イミテーションチーズ、ヴィーガンのチーズ類似品、冷凍デザート、アイスクリーム、乳製品不使用のアイスクリーム類似品、冷凍ソースからなる群から選択される、請求項102~108のいずれか一項に記載の溶融性組成物。
110.組成物が、二酸化チタン又は炭酸カルシウムを含まない、請求項102~109のいずれか一項に記載の溶融性組成物。
111.甘味性穀粉の使用は、請求項1~110のいずれか一項に記載の組成物に不透明性を提供し、任意選択的に、甘味性穀粉は、スイートコーン穀粉又は清澄化されたスイートコーン穀粉である
112.組成物を製造する方法であって、甘味性穀粉と、第2の成分とを混合することを含み、任意選択的に、甘味性穀粉が、スイートコーン穀粉又は清澄化されたスイートコーン穀粉であり、任意選択的に、組成物が、請求項1~111のいずれか一項に記載の組成物である、方法
【0043】
本明細書に開示される技術は、以下の実施例を参照してより良く理解することができ、実施例は、例示目的のために提供され、本技術の全範囲をいかなる方法においても制限するものではない。
【0044】
実施例1-TiO2代替物としての褐色グレービー中の様々な量のスイートコーン穀粉
本出願人らは、褐色グレービー中の二酸化チタン(「TiO2」)のための代替物としてのスイートコーン穀粉の有効性を評価した。表1は、試験した配合物を報告する。
【0045】
【0046】
グレービーを、最初に二酸化チタンをビーフブロス中で分散するまで混合することによって作製した。デンプン、糖、ビーフフレーバー、タマネギ粉末、パプリカ、カラメル色素、及びスイートコーン穀粉(それが使用された試料中)を一緒に混合し、次いで、分散するまで水と混合した。ブロスを、水及び乾燥成分の分散混合物に添加し、これを190℃~195℃で蒸煮した(数分間)。次いで、バターを蒸煮した混合物に添加し、全ての成分を均一かつ滑らかになるまで混合した。
【0047】
試料1は、二酸化チタンを含む陽性対照グレービーを構成する。試料2は、二酸化チタン又はスイートコーン穀粉を含まない陰性対照グレービーを構成する。試料3は、1%の清澄化されていないスイートコーン穀粉を使用する。試料4及び試料5は、3%の清澄化されていないスイートコーン穀粉を使用する。試料4では、乾燥成分にスイートコーン穀粉を添加する。試料5では、固体及び水を添加する前に、スイートコーン穀粉をビーフブロス混合物中に分散させる。
【0048】
グレービーの色を比色計を使用して測定し、ハンターL、a及びb値を使用して報告する。比色結果を、表2に報告する。
【0049】
【0050】
見られるように、スイートコーン穀粉を使用する全ての試料は、陰性対照である試料2よりも高いL、a及びb値を有し、二酸化チタンを使用する試料1により近いL、a及びb値を有した。より詳細には、値は、スイートコーン穀粉又は二酸化チタンを使用する褐色グレービー試料が、スイートコーン穀粉又は二酸化チタンを使用しなかった試料2よりもより明るく、より赤く、より黄色であることを示している。
【0051】
本出願人らはまた、試料3aと呼ばれる、1%の清澄化されたスイートコーン穀粉(9%未満のスイートコーンタンパク質及び85%超の可溶性コーン穀粉デンプン)を使用して、褐色グレービーを作製した。試料3aは、それぞれ28.68、2.61及び3.28のハンターL、a及びb値を有していた。試料3a(清澄化されたスイートコーン穀粉)は、試料3(清澄化されていないスイートコーン穀粉)のものと同様のハンターL、a及びb値を有していた。
【0052】
実施例2-TiO2代替物としてのスイートコーン穀粉を使用する褐色グレービー中の様々な量の抑制デンプン
スイートコーン穀粉を使用する褐色グレービーの試料3、試料4、及び試料5は、二酸化チタンを使用する試料1よりも濃厚であった。本出願人らは、褐色グレービーの粘度及び着色に対する、使用される熱抑制されたデンプンの量の調整の効果を評価した。異なる量の抑制デンプンを使用する褐色グレービーの配合を、表3に報告する。
【0053】
【0054】
試料1は、実施例1に記載されるような二酸化チタンを使用する同じグレービーである。それは、(グレービーの)4重量%の熱抑制されたデンプンを使用する。試料6は、スイートコーン穀粉又は二酸化チタンを使用しないグレービーである。試料6は、(グレービーの)5重量%の熱抑制されたデンプンを使用する。試料7は、(グレービーの)3重量%の清澄化されていない可溶性コーン穀粉、及び3%の熱抑制されたデンプンを使用する。グレービーは、実施例1に記載される方法を使用して作製した。グレービーの粘度並びにそれらのハンターL、a及びb値を、表4に報告する。
【0055】
【0056】
見られるように、試料1よりも少ない熱抑制されたデンプンを使用する試料7は、試料1と同じ測定粘度を有し、同等の色プロファイルを有した。これは、スイートコーン穀粉からの着色が褐色グレービーの粘度とは異なっており、スイートコーン穀粉を使用して食品配合物中の二酸化チタンを効果的に置き換えることができ、かつ配合物を加工してそれらの二酸化チタン類似体の粘度に一致させることができることを示す。
【0057】
実施例3-モッツァレラスタイルのチーズ類似品
モッツァレラスタイルのチーズ類似品を使用して、固体系中の二酸化チタンを置き換えるための清澄化されていないスイートコーン穀粉の使用を調査した。モッツァレラスタイルのチーズ類似品についての配合を、表5に報告する。
【0058】
【0059】
試料8は、二酸化チタン又はスイートコーン穀粉を有しない陰性対照である。試料9は、0.10%の二酸化チタン(重量%)を使用する陽性対照であり、試料8と比較して対応する水使用量が低減している。試料10~試料12は、3%のスイートコーン穀粉(重量%)を使用する。スイートコーン穀粉と二酸化チタンとの間の固体使用量の差を補うために、配合を調整することを必要とした。試料10は、試料8と比較して含水量を3%(重量%)低減させた。試料11は、含水量を1.5%(重量%)低減させ、アルファ化タピオカデンプン(重量%)を低減させた。試料12は、含水量を0.10%(重量%)低減させ、これは試料9に一致し、試料12は、アルファ化タピオカを3%(重量%)低減させる。
【0060】
チーズ類似品の試料8~試料12を以下のように作製した。水及びパーム油を除く全ての成分は乾燥成分であり、ジップロックバッグ中で振盪することによって混合し、振盪した。37℃及び速度2.5に設定したThermomixに水を添加した。次いで、乾燥成分をゆっくりと混合し、2分間混合した。電子レンジ中でパーム油を溶融し、Thermomixにゆっくり添加する。速度2.5で3分間混合を続けてエマルジョンを形成した。速度2.5で80℃(加熱設定90℃)に加熱した。試料の温度が80℃に達したら、速度2に低減させ、温度設定を80℃に低減させた。速度2で7分間保持した。混合物を型に注ぎ、細断する前に約4℃で少なくとも48時間冷蔵する。
【0061】
チーズ類似品の試料を以下のように調製した。試料を調製する前に、チーズ類似品を4℃で2週間冷蔵した。最初にチーズ類似品を17~18mmのスライスにスライスし、直径39.5mmのチーズボーラーを使用してスライスからコアを得ることによって、テクスチャー分析のための試料を得た。一般的なチーズを使用して類似品ブロックから細断することによって、溶融したチーズの色分析のための試料を得た。直径39.5mmのチーズボーラー試料から5mmの断面をスライスすることによって、溶融広がり試料を得た。調製後、全ての試料を分析するまで更に冷蔵した。
【0062】
試験前及び試験後の速度を1秒当たり8mmに設定した、TAXT II Plusテクスチャー分析器を使用して、チーズボーラー試料をテクスチャーについて分析し、プローブを2秒間にわたって10mmの距離を移動するように設定し、10gのトリガー力で登録した。試料を、硬さ、凝集性、及び咀嚼性について測定した。試験を重複して実行した。結果を、表6に報告する。
【0063】
【0064】
冷蔵した試料を、ハンタースケールL、a及びb、並びに黄色度指数(「YI(yellowness index)」)を使用する比色計を使用して、色について分析した。細断されたモッツァレラスタイルのチーズ類似品からの、チーズ類似品の未溶融ブロック及びチーズ類似品溶融相に対して測定を行った。表7は、未溶融及び溶融したモッツァレラスタイルのチーズ類似品の色値を報告する。
【0065】
【0066】
表8に見られるように、ブロック形態では、全ての試料が同等の色を有し、全ての試料が同様の明度及び黄色度指数を有していた。溶融形態では、二酸化チタン又はスイートコーン穀粉を有しない試料8は、試料9~試料12(二酸化チタン又はスイートコーン穀粉のいずれかを有する)よりも暗い。これは、スイートコーン穀粉が、色プロファイルに関して、未溶融及び溶融したモッツァレラスタイルのチーズ類似品の両方において有用な代替二酸化チタンであることを示す。
【0067】
試料(直径39.5mm、深さ5mm)をオーブン安全皿内に置くことによって、試料の溶融特性について試験した。試料の水平及び垂直直径を測定し、試料を450°F(232℃)に予熱したオーブン内で5分間加熱した。試料を5分間冷却し、溶融したディスクの垂直及び水平直径を測定した。溶融広がり%を計算し、表8に報告する。
【0068】
【0069】
表6~8に見られるように、スイートコーン穀粉は、二酸化チタンによって提供される色プロファイルを置き換えるために使用することができ、二酸化チタン対照のようなテクスチャー特性を有するモッツァレラスタイルのチーズ類似品の作製を提供するために再配合することができる。
【0070】
実施例4-モデル低脂肪ベシャメルスタイルのソースにおける不透明化剤としてのスイートコーン穀粉の使用
不透明化剤としてのスイートコーン穀粉の使用を、低脂肪ベシャメルスタイルのソースにおいて更に評価した。表9は、比較した配合を提供する。試料13は、全脂肪ベシャメルスタイルのソース(全乳を使用する)であり、試料13は、スイートコーン穀粉を含まない。試料14は、低脂肪ベシャメルスタイルのソース(脱脂粉乳を使用する)であり、試料14は、スイートコーン穀粉を含まない。試料14は、清澄化されていないスイートコーン穀粉を含む低脂肪ベシャメルスタイルのソースである。
【0071】
【0072】
ソースを以下のように作製した。デンプン、フラワー(使用する場合)、及び塩をブレンド(乾燥)し、次いで、乳と混合した。スラリーを混合し、90℃及び1.5の速度に設定したThermomixミキサーを使用して15分間加熱した。蒸煮時間が残り5分になると、バターは溶融してスラリーになった。
【0073】
ソースの色プロファイル(L、a、及びb)を、ハンター比色計を使用して測定した。結果を
図1に提供する。試料13(全乳を使用するがスイートコーン穀粉を使用しない)、及び14(脱脂粉乳を使用するがスイートコーン穀粉を使用しない)を比較すると、試料14は、より暗く(より低い明度値(L))、異なる色相(異なるa及びb値)を有する。試料15(脱脂粉乳及びスイートコーン穀粉を使用する)は、試料13の色とより密接に一致し、試料14よりも高いL、a、及びb値を有する(すなわち、試料15の値は、整数系列上でより正であり、より負でない)。
【0074】
試料の粘度を
図2に報告し、これは、全ての試料が約5000cP(試料13)~約7000cP(試料14)の範囲の同等の粘度を有することを示す
【手続補正書】
【提出日】2023-10-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルファ化スイートコーン穀粉であって、少なくとも約65%又は約65%~約85%の量の可溶性デンプンを含み、好ましくは、前記甘味性穀粉が、スイートコーンコーン穀粉である、アルファ化スイートコーン穀粉。
【請求項2】
前記穀粉の少なくとも約5重量%、又は約5重量%~約9重量%のタンパク質含量を有する、請求項1に記載の甘味性穀粉。
【請求項3】
0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散指数を有する、請求項1又は2に記載の甘味性穀粉。
【請求項4】
組成物であって、
a.前記組成物の少なくとも約30重量%の含水量と、
b.前記組成物の約1重量%~約6重量%の量のスイートコーン穀粉と、を含み、
前記組成物が、少なくとも約30のハンターL値を有する、組成物。
【請求項5】
前記甘味性穀粉が、清澄化されたスイートコーン穀粉である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
流動性食用組成物であり、
前記含水量が、約60%超であることと、
前記組成物の約1重量%~約6重量%の量の前記スイートコーン穀粉と、を含み
前記組成物が、飲料、ソース、グレービー、ヨーグルト、代替ヨーグルト、代替乳飲料、及び非乳製品クリーマーからなる群から選択される、請求項4又は5に記載の組成物。
【請求項7】
溶融性食用組成物であり、
前記組成物が、30%~60%の含水率を有し、
前記組成物が、前記組成物の約1重量%~約6重量%の量のスイートコーン穀粉を有し、
前記組成物が、溶融したときに約55超のハンターL値を有し、かつ
イミテーションチーズ、ヴィーガンのチーズ類似品、冷凍デザート、アイスクリーム、乳製品不使用のアイスクリーム類似品、冷凍ソースからなる群から選択される、請求項4又は5に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、少なくとも約25%の溶融広がり%を有する、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、二酸化チタン又は炭酸カルシウムを含まない、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【国際調査報告】