(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】抗微生物組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 33/38 20060101AFI20240312BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20240312BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20240312BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240312BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20240312BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20240312BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20240312BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20240312BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240312BHJP
A61Q 15/00 20060101ALI20240312BHJP
C11D 1/04 20060101ALI20240312BHJP
C11D 3/48 20060101ALI20240312BHJP
C11D 3/33 20060101ALI20240312BHJP
C11D 3/02 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
A61K33/38
A61P31/00
A61K47/18
A61K47/12
A61K47/22
A61K8/19
A61K8/36
A61K8/44
A61Q19/10
A61Q15/00
C11D1/04
C11D3/48
C11D3/33
C11D3/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552537
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(85)【翻訳文提出日】2023-08-30
(86)【国際出願番号】 EP2022055018
(87)【国際公開番号】W WO2022184657
(87)【国際公開日】2022-09-09
(32)【優先日】2021-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】596081005
【氏名又は名称】クラリアント・インターナシヨナル・リミテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【氏名又は名称】虎山 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】タラム・ラグーヴェーア
(72)【発明者】
【氏名】ラヴェーンドラ・アダスミリ
(72)【発明者】
【氏名】ソニ・アニル・クマール
(72)【発明者】
【氏名】カルマコンダ・ラメシュ
(72)【発明者】
【氏名】ダディラ・パヴァン・クマール
(72)【発明者】
【氏名】チルクリ・ラムヤ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4C086
4H003
【Fターム(参考)】
4C076CC32
4C076DD41
4C076DD51
4C076DD60
4C076FF46
4C083AB032
4C083AB211
4C083AB212
4C083AB222
4C083AB332
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4C083AC241
4C083AC242
4C083AC422
4C083AC432
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4C083AC581
4C083AC582
4C083AC712
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4C083AC851
4C083AC852
4C083AD042
4C083AD282
4C083CC17
4C083CC23
4C083EE03
4C086AA01
4C086AA02
4C086HA01
4C086MA03
4C086MA05
4C086NA14
4C086ZB32
4H003AB02
4H003AB09
4H003AB10
4H003AB11
4H003DA01
4H003DA02
4H003EA11
4H003EA12
4H003EA14
4H003EA16
4H003EB07
4H003EB08
4H003ED02
(57)【要約】
本発明は、抗微生物組成物、当該組成物の製造方法、およびその使用に関する。前記抗微生物組成物は、少なくとも1種の銀化合物、少なくとも1種のアミノ酸、少なくとも1種の脂肪酸、および水を含む。パーソナルケアおよびホームケア組成物における前記抗微生物組成物の使用が記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の銀化合物、少なくとも1種のアミノ酸、少なくとも1種の脂肪酸、および水を含む抗微生物組成物。
【請求項2】
前記銀化合物が、酸化銀、銀ハロゲン化物、クエン酸銀、酢酸銀、硝酸銀、炭酸銀、硫酸銀、硫化銀、リン酸銀、安息香酸銀、サリチル酸銀およびこれらの混合物から選択され、好ましくは前記銀化合物が酸化銀である、請求項1に記載の抗微生物組成物。
【請求項3】
前記銀化合物が、抗微生物組成物の全重量を基準として、0.01~0.3重量%で存在する、請求項1または2に記載の抗微生物組成物。
【請求項4】
前記アミノ酸が、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、リジン、ロイシン、イソロイシン、グリシン、グルタミン酸、セリン、トレオニン、グルタミン、ヒスチジン、メチオニン、プロリン、チロシン、システイン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびこれらの混合物から選択され、好ましくは前記アミノ酸がアルギニンである、請求項1~3のいずれか1つに記載の抗微生物組成物。
【請求項5】
前記アミノ酸が、抗微生物組成物の全重量を基準として、0.2~6重量%で存在する、請求項1~4のいずれか1つに記載の抗微生物組成物。
【請求項6】
前記脂肪酸が、C
6~C
22の炭素鎖長を有する脂肪族酸である、請求項1~5のいずれか1つに記載の抗微生物組成物。
【請求項7】
前記脂肪酸が、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘンイコシル酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、エライジン酸、バクセン酸、オレイン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、パウリン酸、エルカ酸、リノール酸、エイコサジエン酸、リノールエライジン酸、ドコサジエン酸、α-およびγ-リノレン酸、ピノレン酸、α-およびβ-エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ-γ-リノレン酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸、ボセオペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、オズボンド酸、クルパノドン酸、ドコサヘキサエン酸及びそれらの混合物から選択され、好ましくは、前記脂肪酸がカプリル酸である、請求項1~6のいずれか1つに記載の抗微生物組成物。
【請求項8】
前記脂肪酸が、抗微生物組成物の全重量を基準として、0.025~0.75重量%で存在する、請求項1~7のいずれか1つに記載の抗微生物組成物。
【請求項9】
パーソナルケア組成物またはホームケア組成物における、好ましくは抗微生物剤としての、請求項1~8のいずれか1つに記載の抗微生物組成物の使用。
【請求項10】
前記パーソナルケア組成物が、ハンドウォッシュ、ボディウォッシュ、デオドラントまたは制汗剤であり、前記ホームケア組成物が、洗濯用洗剤、繊維柔軟剤または多目的洗浄剤である、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
請求項1~8のいずれか1つに記載の抗微生物組成物を含む、パーソナルケア組成物またはホームケア組成物。
【請求項12】
パーソナルケア組成物またはホームケア組成物の全重量を基準として、0.0001~10重量%の抗微生物組成物を含む、請求項11に記載のパーソナルケア組成物またはホームケア組成物。
【請求項13】
前記パーソナルケア組成物が、ハンドウォッシュ、ボディウォッシュ、デオドラントまたは制汗剤であり、前記ホームケア組成物が、洗濯用洗剤、繊維柔軟剤または多目的洗浄剤である、請求項11または12に記載のパーソナルケア組成物またはホームケア組成物。
【請求項14】
請求項1~8のいずれか1つに記載の抗微生物組成物を製造するための方法であって、前記組成物が、少なくとも1種の銀化合物、少なくとも1種のアミノ酸、少なくとも1種の脂肪酸および水を混合することによって製造される、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀化合物を含む抗微生物組成物に関する。より具体的には、本発明は、パーソナルケアまたはホームケア組成物に使用することができる銀化合物を含む抗微生物組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
微生物および感染のリスクは、世界中で重大な関心事である。ある研究によれば、感染の約80%は表面接触から始まる。細菌および真菌は我々の周囲のあらゆる場所に存在し、条件が好都合であるときはいつでも繁殖することができる。これは、主要な公衆衛生問題である汚染および感染性疾患の拡散をもたらし得る。
【0003】
銀は、抗微生物性であることが長く知られている。例えば、過去10年の間に硝酸塩が他の問題を引き起こすことが示されるまで、新生児は盲目の眼の感染を防ぐために、日常的に硝酸銀を綿棒で塗られていた。銀は、日常生活に存在するほとんどの有害微生物、例えば、大腸菌(E.coli)、緑膿菌(P.aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)、アクネ菌(P.acnes)、黒麹カビ(A.niger)、カンジダ・アルビカンス(C.albicans)、癜風菌(M.furfur)に対して有効であることが証明されている広範囲の抗微生物剤である。スルファジアジン銀は一般に、微粉化形態の1%スルファジアジン銀を含有する外用(topical)クリームの形態の抗生物質熱傷包帯として使用される。それは抗微生物活性を有し、グラム陰性およびグラム陽性細菌に対して殺菌性である。
【0004】
US5688981(特許文献1)は、光感受性および抗微生物活性を示す新規な銀キレート剤および界面活性剤を開示している。銀は、エチレンジアミン三酢酸(ED3A)またはN-アシルED3Aでキレートされる。抗微生物活性は、非常に低い銀レベルでも示される。
【0005】
EP2986698(特許文献2)は、固形石けんの使用に特有の比較的短い接触時間において、グラム陽性およびグラム陰性細菌に対する改善された殺生物活性を提供する固形石けん、特に高pH固形石けんを開示している。
【0006】
EP3099773(特許文献3)は、界面活性剤、オリゴダイナミック金属、キレート剤、および1つまたは複数の孤立電子対を有する部位を含む基を有するポリマーを含むクレンジング組成物を開示している。開示された組成物は、比較的短い接触時間で、グラム陽性およびグラム陰性細菌に対する改善された殺生物活性を提供する。
【0007】
EP3099772(特許文献4)は、オリゴダイナミック金属またはそのイオン、キレート剤、および1重量%未満のフリーのアルカリを含む水性組成物を開示している。
【0008】
JP5377003(特許文献5)は、製剤の安定性を改善し、UV放射による変色を回避するための、フィチン酸およびエチレンジアミン四酢酸などのキレート剤と混合された酸化銀を開示している。
【0009】
フィチン酸は、イノシトールポリホスフェートも呼ばれ、生理学的pHでフィチン酸アニオンを生成する。フィチン酸およびフィチン酸イオンは両方とも、亜鉛、カルシウムおよび鉄などの食餌性ミネラルに対して強い結合親和性を有し、それらの吸収を阻害し、析出物形成をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】US5688981
【特許文献2】EP2986698
【特許文献3】EP3099773
【特許文献4】EP3099772
【特許文献5】JP5377003
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
良好な安定性を有し、高い抗微生物有効性を提供し、費用効果が高く、非毒性である、銀化合物を含む組成物を提供することが継続的に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
従って、1つの態様において、本発明は、少なくとも1種の銀化合物、少なくとも1種のアミノ酸、少なくとも1種の脂肪酸、および水を含む抗微生物組成物を提供する。
【0013】
別の態様において、本発明は、パーソナルケアまたはホームケア組成物における、好ましくは抗微生物剤としての、本明細書に記載される抗微生物組成物の使用を提供する。
【0014】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の抗微生物組成物を含むパーソナルケアまたはホームケア組成物を提供する。
【0015】
さらに別の態様では、本発明は、本明細書に記載の抗微生物組成物を製造するための方法であって、前記組成物が、少なくとも1種の銀化合物、少なくとも1種のアミノ酸、少なくとも1種の脂肪酸および水を混合することによって製造される前記方法を提供する。
【0016】
発明の詳細な説明
銀、亜鉛、銅および他の金属は、抗微生物クレンジング/洗浄組成物において広く使用されている。しかしながら、それらの(特に銀の)酸化物およびいくつかの塩は、pH、熱および光に対して感受性である。そのような条件下では、活性金属は変色して茶色、灰色または黒色の粒子を形成する傾向がある。粒子は、沈殿および/または凝集しやすい。さらに、ほとんどの酸化銀および塩は、水に難溶性である。銀をベースとする抗微生物剤は、非常に良好な抗微生物効果を有する。しかしながら、それらの有効性は、特にクレンジング/洗浄組成物のアルカリ性環境において、経時的に徐々に減少する傾向があることが多い。
【0017】
驚くべきことに、銀化合物を脂肪酸およびアミノ酸と組み合わせることにより、UV照射および/またはpH変化による組成物の変色が防止され、安定性が改善されることが見出された。長期貯蔵後でさえ、組成物中に凝集または析出は存在しない。従って、本発明は、安定で非毒性の抗微生物組成物、および費用効果が高く、商業生産のためにスケールアップできる抗微生物組成物を製造するための方法を提供する。
【0018】
本願では、本発明の全ての態様の全ての実施態様におけるのを含めて、別段の特定がない限り、以下の定義が適用される。別段の記載がない限り、全てのパーセントは、それぞれ、各成分または組成物全体の重量(w/w)による。「重量%」は、重量によるパーセントを意味し;「体積%」は、体積によるパーセントを意味し;「モル%」は、モルによるパーセントを意味する。別段の記載がない限り、全ての比は重量比(重量当たりの重量)である。好ましくは、「部」への言及、例えば1部のXと3部のYとの混合物は、重量による比である。+/-は、標準偏差を示す。全ての範囲は、包含的であり、組み合わせ可能である。別段の記載がない限り、全ての測定は、23℃および周囲条件で行われると理解され、ここで、「周囲条件」は約1気圧(atm)の圧力および約50%の相対湿度におけることを意味する。「相対湿度」は、同じ温度および圧力での飽和水分レベルと比較した空気の水分含有量の比率(パーセントとして表される)を示す。相対湿度は、湿度計、特にVWR(登録商標)Internationalからのプローブ湿度計を用いて測定することができる。本明細書において、「分(min)」は「分(minute)」または「分(minutes)」を意味する。本明細書において、「モル(mol)」はモルを意味する。本明細書において、数字に続く「g」は、「グラム(gram)」または「グラム(grams)」を意味する。「Ex.」は「例」を意味する。本明細書では、「q.s.」および「Q.S.」はquantum satesを意味し、従って必要量を意味する。含有量の文脈において、これは、全体として100重量%を得るための質量を指す。例えば、水は、全ての成分の100重量%の合計を得るまで充填される。pHの文脈において、「q.s.」は、所望のpHを得るために必要な酸および塩基の量が使用されることを意味する。
【0019】
本明細書で使用される場合に、用語「含む(comprising)」は、引き続いて記載される要素に限定されるものではなく、むしろ、機能的に重要であるか又は重要でない特定されていない要素を包含することを意味する。換言すると、列挙されたステップ、要素または選択肢は、網羅的である必要はない。用語「含む(including)」または「有する(having)」が使用される場合はいつでも、これらの用語は、上記で定義された「含む(comprising)」と等価であることを意味する。本発明の組成物が特定の成分または材料を「含む(including)」または「含む(comprising)」と記載される場合、組成物が記載された成分または材料「から本質的になる」かまたは「からなる」ことができるより狭い実施態様も企図される。
【0020】
「誘導体」は、所定の化合物のアミド、エーテル、エステル、アミノ、カルボキシル、アセチル、酸、塩および/またはアルコール誘導体を含むが、これらに限定はされない。少なくとも1つの実施態様において、「その(それらの)誘導体」は、アミド、エーテル、エステル、アミノ、カルボキシル、アセチル、酸、塩およびアルコール誘導体を意味する。
【0021】
本明細書で使用される場合に、「抗微生物」は、微生物、例えば細菌、真菌またはウイルスを殺すか、またはその増殖を阻害する物質である。抗微生物物質は、微生物を殺す(殺微生物性(microbiocidal))か、または微生物の増殖を防止する(静微生物性(microbiostatic))かのいずれかである。
【0022】
本明細書で使用される場合に、用語「ppm」又は「parts per million」は、溶液の濃度の大きさである。1ppmは、100万重量部もしくは体積部の溶液における、1重量部もしくは体積部の溶質である。
【0023】
「化粧用に許容可能な」は、記載された組成物または成分が、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などを伴わずに、ヒトケラチン組織と接触して使用するのに適しているという点で最も広い意味で理解することができる。ケラチン組織に直接適用される目的を有する本明細書に記載される全ての組成物は、化粧用に許容可能なものである。
【0024】
本発明は、少なくとも1種の銀化合物、少なくとも1種のアミノ酸、少なくとも1種の脂肪酸、および水を含む抗微生物組成物を提供する。
【0025】
銀化合物
本発明の抗微生物組成物は、少なくとも1種の銀化合物を含む。使用され得る適切な銀化合物としては酸化銀、銀ハロゲン化物、例えば塩化銀、ヨウ化銀、臭化銀、フッ化銀、クエン酸銀、酢酸銀、硝酸銀、炭酸銀、硫酸銀、硫化銀、リン酸銀、安息香酸銀、サリチル酸銀、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定はされない。好ましい実施態様において、使用される銀化合物は、酸化銀であってもよい。
【0026】
銀化合物は、抗微生物組成物の全重量を基準として、0.01~0.3重量%、好ましくは0.09~0.11重量%、より好ましくは0.095~0.105重量%、最も好ましくは0.099~0.101重量%で存在し得る。
【0027】
アミノ酸
本発明の抗微生物組成物は、少なくとも1種のアミノ酸を含む。様々なアミノ酸およびそれらの誘導体のうちのいずれかを使用することができる。好適なアミノ酸は、脂肪族、非環式もしくは芳香族側鎖を有する、および/またはヒドロキシル基もしくは硫黄基を含有する、α-、β-、γ-もしくはδ-アミノ酸であり得る。適切なアミノ酸の例は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、リジン、ロイシン、イソロイシン、グリシン、グルタミン酸、セリン、トレオニン、グルタミン、ヒスチジン、メチオニン、プロリン、チロシン、システイン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびこれらの混合物であるが、これらに限定はされない。さらなる例は、非タンパク質構成アミノ酸、例えばヒドロキシプロリン、シトルリン、オルニチン、セレノメチオニン、セレノシステインおよびそれらの混合物である。最も好ましくは、使用されるアミノ酸はアルギニンである。
【0028】
好ましくは、アミノ酸は、抗微生物組成物の全重量を基準として、0.2~6重量%、より好ましくは1.0~3.0重量%、最も好ましくは1.5~2.5重量%で存在する。
【0029】
脂肪酸
本発明の抗微生物組成物は、少なくとも1種の脂肪酸を含む。適切な脂肪酸には、C6~C22の炭素鎖長を有する、直鎖状または分枝状の飽和および不飽和脂肪酸が含まれる。好ましい実施態様において、脂肪酸は、C6~C22の炭素鎖長を有する脂肪族酸である。脂肪酸は、飽和または不飽和脂肪酸であってもよい。例えば、不飽和脂肪酸は、モノ不飽和、ジ不飽和、トリ不飽和、テトラ不飽和、ペンタ不飽和またはヘキサ不飽和であってもよい。適切な脂肪酸の例には、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘンイコシル酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、エライジン酸、バクセン酸、オレイン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、パウリン酸、エルカ酸、リノール酸、エイコサジエン酸、リノールエライジン酸、ドコサジエン酸、α-およびγ-リノレン酸、ピノレン酸、α-およびβ-エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ-γ-リノレン酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸、ボセオペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、オズボンド酸、クルパノドン酸、ドコサヘキサエン酸及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定はされない。好ましい実施態様において、脂肪酸はカプリル酸である。
【0030】
好ましくは、脂肪酸は、抗微生物組成物の全重量を基準として、0.025~0.75重量%、より好ましくは0.1~0.5重量%、最も好ましくは0.2~0.3重量%で存在する。
【0031】
好ましい実施態様では、銀化合物(特に好ましくは酸化銀)が、抗微生物組成物の全重量を基準として、0.01~0.3重量%で存在し;
アミノ酸(特に好ましくはアルギニン)が、抗微生物組成物の全重量を基準として、0.2~6重量%で存在し;そして
脂肪酸(特に好ましくはカプリル酸)が、抗微生物組成物の全重量を基準として、0.025~0.75重量%で存在する。
【0032】
好ましい実施態様において、銀化合物(特に好ましくは酸化銀)が、抗微生物組成物の全重量を基準として、0.09~0.11重量%で存在し;
アミノ酸(特に好ましくはアルギニン)が、抗微生物組成物の全重量を基準として、1.0~3.0重量%で存在し;そして
脂肪酸(特に好ましくはカプリル酸)が、抗微生物組成物の全重量を基準として、0.1~0.5重量%で存在する。
【0033】
好ましい実施態様において、銀化合物(特に好ましくは酸化銀)が、抗微生物組成物の全重量を基準として、0.095~0.105重量%で存在し;
アミノ酸(特に好ましくはアルギニン)が、抗微生物組成物の全重量を基準として、1.5~2.5重量%で存在し;そして
脂肪酸(特に好ましくはカプリル酸)が、抗微生物組成物の全重量を基準として、0.2~0.3重量%で存在する。
【0034】
特に好ましい実施態様において、本発明の抗微生物組成物は、以下を含む:
抗微生物組成物の全重量を基準として、0.01~0.3重量%の酸化銀;
抗微生物組成物の全重量を基準として、0.2~6重量%のアルギニン;および
抗微生物組成物の全重量を基準として、0.025~0.75重量%のカプリル酸。
【0035】
水
本発明の抗微生物組成物は、水を含む。水は、経済的および生態学的な理由から有用である。本明細書で使用される場合に、水は、脱塩水、脱イオン水、蒸留水、ミネラルウォーターまたは水道水、好ましくは脱塩水であり得る。
【0036】
少なくとも1つの好ましい実施態様において、本発明の抗微生物組成物は、組成物の全重量を基準として、10~99.9重量%、または10~98.5重量%、または10~98重量%、または10~97.8重量%、または10~97.5重量%、または10~97重量%、または10~95重量%、または20~94重量%、または30~93重量%、または40~92重量%、または50~91重量%、または60~90重量%、または70~90重量%の水を含む。
【0037】
本発明の抗微生物組成物は、追加的な溶媒を含んでもよい。有利には、溶媒は化粧用に許容可能である。任意選択的に、前記組成物は、水混和性または水溶性溶媒、例えば低級アルキルアルコール、を含む。少なくとも1つの実施態様において、前記組成物は、C1~C5アルキル一価アルコール、好ましくはC2~C3アルキル一価アルコールを含む。存在してよいアルコールは、特に、1~4個の炭素原子を有する低級一価もしくは多価アルコール、例えば好ましくはエタノールまたはイソプロパノールである。
【0038】
任意選択的に、前記組成物は水溶性多価アルコールを含む。少なくとも1つの実施態様では、前記の水溶性多価アルコールは、分子中に2つ以上のヒドロキシル基を有する多価アルコールである。少なくとも1つの実施態様では、前記の水溶性多価アルコールは、以下からなる群から選択される:二価アルコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール;三価アルコール、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6-ヘキサントリオール等;四価アルコール、例えばペンタエリトリトール;五価アルコール、例えばキシリトール(xylytol)等;六価アルコール、例えばソルビトール、マンニトール;多価アルコールポリマー、例えばジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン;二価アルコールアルキルエーテル、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ-2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル;二価アルコールアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル;二価アルコールエーテルエステル、例えばエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジペート、エチレングリコールジスクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート;グリセリンモノアルキルエーテル、例えばキシルアルコール(xyl alcohol)、セラキルアルコール(selachyl alcohol)、バチルアルコール;糖アルコール、例えばソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、スクロース、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン糖、マルトース、キシリトース(xylytose)、デンプン糖還元アルコール、グリソリッド、テトラヒドロフルフリルアルコール、POEテトラヒドロフルフリルアルコール、POPブチルエーテル、POP POEブチルエーテル、トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル、POPグリセリンエーテル、POPグリセリンエーテルリン酸、POP POEペンタンエリトリトールエーテルおよびそれらの混合物。天然の溶媒も使用することができる。少なくとも1つの実施態様において、前記組成物は、植物油、蜂蜜、植物性糖組成物、およびそれらの混合物からなる群から選択される溶媒を含む。
【0039】
好ましい実施態様において、抗微生物組成物は、1ヶ月間、好ましくは3ヶ月間、より好ましくは6ヶ月間、加速安定性条件で、光および熱に対して安定である。好ましい実施態様において、抗微生物組成物は、少なくとも1ヶ月間、好ましくは少なくとも3ヶ月間、より好ましくは少なくとも6ヶ月間、加速安定性条件で、光および熱に対して安定である。別段の記載がない限り、加速安定性条件という用語は、40±2℃の温度および75±5%の湿度を指す。
【0040】
本発明の抗微生物組成物は、当技術分野において公知の方法によって製造することができる。好ましい実施態様において、抗微生物組成物は、本発明の方法によって製造される。
【0041】
本発明は、本明細書に記載の抗微生物組成物を製造するための方法であって、前記組成物が、少なくとも1種の銀化合物、少なくとも1種のアミノ酸、少なくとも1種の脂肪酸および水を混合することによって製造される前記方法を提供する。
【0042】
好ましい実施態様において、本発明の抗微生物組成物は、以下のステップを含む方法によって製造される:
a.水と少なくとも1種のアミノ酸を室温で混合し、反応ブレンドを加熱するステップ;
b.少なくとも1種の銀化合物を上記反応ブレンドに添加し、少なくとも2時間維持するステップ;
c.水を上記反応ブレンドへ添加するステップ;
d.少なくとも1種の脂肪酸を添加し、撹拌下で1~2時間上記反応ブレンドを維持するステップ;
e.前記反応ブレンドをろ過して、抗微生物組成物を得るステップ;
f.任意選択的に、水を前記抗微生物組成物に添加して、銀濃度を所望のレベルに調節するステップ。
【0043】
「反応ブレンド」は、出発物質と任意選択的に任意の溶媒または反応に使用されるかもしくは反応に有用な他の物質との混合物として理解されるべきである。
【0044】
少なくとも1つの実施態様において、ステップ(a)における加熱は、反応ブレンドを少なくとも35℃、より好ましくは少なくとも40℃、さらにより好ましくは少なくとも45℃、最も好ましくは40℃~50℃に加熱することによって行われる。
【0045】
少なくとも1つの実施態様において、ステップ(b)における維持は、少なくとも3時間、より好ましくは少なくとも4~6時間、最も好ましくは少なくとも4時間行われる。
【0046】
少なくとも1つの実施態様において、ステップ(c)は、少なくとも25℃、より好ましくは少なくとも30℃、さらにより好ましくは少なくとも35℃、最も好ましくは30℃~35℃で行われる。
【0047】
少なくとも1つの実施態様において、ステップ(e)におけるろ過は、室温でハイフローベッド(hyflowbed)を使用して行われる。
【0048】
好ましくは、本発明の抗微生物組成物は、パーソナルケア組成物またはホームケア組成物に組み込まれる。好ましい実施態様において、本発明の抗微生物組成物は、パーソナルケア組成物に組み込まれる。別の好ましい実施態様において、本発明の抗微生物組成物は、ホームケア組成物に組み込まれる。
【0049】
好ましい実施態様において、本発明の抗微生物組成物は、抗微生物効果をもたらすために、パーソナルケア組成物またはホームケア組成物に組み込まれる。
【0050】
好ましくは、本発明の抗微生物組成物は、抗微生物剤として使用される。
【0051】
本発明は、パーソナルケアまたはホームケア組成物における、好ましくは抗微生物剤としての、本明細書に記載される抗微生物組成物の使用を提供する。好ましくは、本発明は、パーソナルケアまたはホームケア組成物中の抗微生物剤としての、本明細書に記載の抗微生物剤組成物の使用を提供する。好ましい実施態様において、本発明は、パーソナルケア組成物における、本明細書に記載される抗微生物組成物の使用を提供する。別の好ましい実施態様において、本発明は、ホームケア組成物における、本明細書に記載される抗微生物組成物の使用を提供する。好ましい実施態様において、本発明は、パーソナルケア組成物における抗微生物剤としての、本明細書に記載の抗微生物組成物の使用を提供する。別の実施態様において、本発明は、ホームケア組成物における抗微生物剤としての、本明細書に記載の抗微生物組成物の使用を提供する。
【0052】
本発明は、本明細書に記載の抗微生物組成物を含むパーソナルケアまたはホームケア組成物を提供する。好ましい実施態様において、本発明は、本明細書に記載の抗微生物組成物を含むパーソナルケア組成物を提供する。別の好ましい実施態様において、本発明は、本明細書に記載の抗微生物組成物を含むホームケア組成物を提供する。
【0053】
好ましくは、パーソナルケア組成物は、シャンプー、ヘアおよび/または皮膚コンディショナー、ボディウォッシュ、ハンドウォッシュ、フェイシャルクレンザー、フェースマスク、バブルバス、インティメイトウォッシュ(intimate wash)、バスオイル、クレンジングミルク、ミセラーウォーター、メイクアップリムーバー、クレンジングワイプ、ヘアマスク、香料(perfume)、液体石けん、シェービングソープ、シェービングフォーム、クレンジングフォーム、デイクリーム、アンチエイジングクリーム、ボディミルク、ボディローション、ボディムース、フェイスセラム、アイクリーム、サンスクリーンローション、サンクリーム、フェイスクリーム、アフターシェーブローション、プレシェービングクリーム、脱毛クリーム、皮膚ホワイトニングジェル、セルフタンニングクリーム、抗ニキビジェル、マスカラ、ファンデーション、プライマー、コンシーラー、頬紅、ブロンザー、ブレミッシュバーム(bb)クリーム、アイライナー、ナイトクリーム、アイブロウジェル、ハイライター、リップステイン、手用消毒剤、ヘアオイル、除光液(nail varnish remover)、ヘアスタイリングジェル、アンチフリッツセラム、スカルプトリートメント、毛髪着色剤、枝毛修復液(split end fluid)、デオドラント、制汗剤、ベビークリーム、防虫剤、ハンドクリーム、サンスクリーンジェル、フットクリーム、エクスフォリエーター(角質除去剤)、ボディスクラブ、セルライトトリートメント、固形石けん、キューティクルクリーム、リップクリーム、ヘアトリートメント、アイシャドー、浴用添加剤、ボディミスト、オードトワレ、潤滑ジェル、モイスチャライザー、セラム、トナー、アクアソルベ(aqua sorbet)、クリームジェル、スタイリングムース、ドライシャンプー、リップスティック(lip stick)、リップグロス、ボディオイル、シャワーミルク、イルミネーター、リップクレヨン、ヘアスプレー、コーミングクリーム、サンブロック、軟膏およびリップスティック(lipstick)からなる群から選択される。
【0054】
好ましい実施態様において、パーソナルケア組成物は、ハンドウォッシュ、ボディウォッシュ、デオドラントまたは制汗剤である。
【0055】
少なくとも1つの好ましい実施態様において、パーソナルケア組成物は、皮膚上で使用するためのものである。
【0056】
少なくとも1つの好ましい実施態様において、パーソナルケア組成物は、身体に使用するためのものである。
【0057】
少なくとも1つの好ましい実施態様において、パーソナルケア組成物は、手において使用するためのものである。
【0058】
特定の実施態様において、パーソナルケア組成物はボディウォッシュである。
【0059】
特定の実施態様において、パーソナルケア組成物はハンドウォッシュである。
【0060】
特定の実施態様において、パーソナルケア組成物はデオドラントまたは制汗剤である。
【0061】
少なくとも1つの好ましい実施態様において、前記組成物は、エマルションまたはジェル、好ましくは水中油型(o/w)エマルション、クリームジェルまたはヒドロジェルである。
【0062】
好ましくは、ホームケア組成物は、洗濯用洗剤(laundry detergent)、繊維柔軟剤(fabric softener)、多目的洗浄剤(multipurpose cleaner)、家庭用洗浄剤(household cleaner)、硬質表面用洗浄剤(hard surface cleaner)、例えば床用洗浄剤(floor cleaner)、トイレ用洗浄剤(toilet cleaner)、浴室用洗浄剤(bathroom cleaner)、台所用洗浄剤(kitchen cleaner)からなる群から選択される。また好ましくは、ホームケア組成物は、手洗い用食器洗剤組成物であってもよい。好ましい実施態様において、ホームケア組成物は、洗濯用洗剤、繊維柔軟剤または多目的洗浄剤である。
【0063】
少なくとも1つの好ましい実施態様において、ホームケア組成物は繊維上で使用するためのものである。
【0064】
少なくとも1つの好ましい実施態様において、パーソナルケア組成物は、硬質表面上での使用のためのものである。
【0065】
特定の実施態様において、ホームケア組成物は洗濯用洗剤である。洗濯用洗剤は、例えば、液体の形態または粉末の形態であってもよい。
【0066】
特定の実施態様において、ホームケア組成物は繊維柔軟剤である。
【0067】
特定の実施態様において、ホームケア組成物は多目的洗浄剤である。
【0068】
特定の実施態様において、ホームケア組成物は硬質表面用洗浄剤である。
【0069】
多目的洗浄剤または硬質表面用洗浄剤は、例えば、セラミック表面、石表面、磁器表面、ガラス表面、ステンレス鋼表面、金属表面、プラスチック表面、リノリウム表面または木材表面を洗浄するために使用することができる。
【0070】
好ましい実施態様において、多目的洗浄剤または硬質表面用洗浄剤は:
- 洗浄剤が使用された表面において、洗浄効果を達成するために、または
- 洗浄剤が使用された表面に、親水性特性を付与するために、または
- 洗浄剤が使用された表面に光沢をもたらすために、または
- 洗浄剤が使用された表面の乾燥の速度を改善するために、または
- 洗浄剤が使用された表面において、恒久的な特性、好ましくは「ステイン防止(anti-stain)」、「トレース防止(anti-trace)」または「ストリーク防止(anti-streak)」特性を達成するために、または
- 洗浄剤が使用された表面の再汚染を減少させるために、または
- 洗浄剤が使用された表面の反復的な洗浄を促進するために、
- 洗浄剤が使用された表面において、修復効果を達成するために、または
- 洗浄剤が使用された表面におけるグリース残渣またはライムソープ残渣を除去するために、または
- 洗浄剤が使用された表面において、スケールを除去するかまたは新たに堆積するスケールを減少させるために、または
- 洗浄剤が使用された表面におけるバイオフィルムの形成を最小化または防止するために、または
- 洗浄剤が使用された表面のすすぎを促進するために、
使用することができる。
【0071】
一実施態様において、多目的洗浄剤または硬質表面用洗浄剤は、施用後に表面上に残る(「リーブオン」施用)。
【0072】
別の実施態様において、多目的洗浄剤または硬質表面用洗浄剤は、施用後に表面から除去され、好ましくは水ですすぎ落とされる(「リンスオフ」施用)。
【0073】
典型的には、パーソナルケアまたはホームケア組成物は、パーソナルケアまたはホームケア組成物の全重量を基準として、0.0001~10重量%、好ましくは0.0005~10重量%、より好ましくは0.001~10重量%、特に好ましくは0.01~5重量%の抗微生物組成物を含む。
【0074】
典型的には、本発明のパーソナルケアまたはホームケア組成物における少なくとも1種の銀化合物の量は、本発明のパーソナルケアまたはホームケア組成物の全重量を基準として、0~10重量%、好ましくは0.0001~10重量%、より好ましくは0.0005~5重量%、特に好ましくは0.0005~1重量%である。好ましくは、少なくとも1種の銀化合物は、本発明のパーソナルケアまたはホームケア組成物中に、1ppm~10000ppm、より好ましくは5ppm~1000ppm、最も好ましくは5ppm~100ppm存在する。
【0075】
本発明のパーソナルケア組成物またはホームケア組成物は、1種または複数のさらに別の成分を含むことができ、それらはパーソナルケア組成物またはホームケア組成物の少なくとも0.01重量%、好ましくは少なくとも0.05重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量%、さらにより好ましくは少なくとも0.5重量%、特に好ましくは少なくとも1重量%の量であり得る。
【0076】
好ましくは、前記のさらに別の成分は、pH調整剤(acidity regulator)、着色剤、コンディショニング剤、乳化剤、被膜形成剤、香料、グロッサー、湿潤剤、潤滑剤、モイスチャライザー、顔料、防腐剤、皮膚浸透性強化剤、安定剤、界面活性剤、増粘剤、および粘度調整剤からなる群から選択される。より好ましくは、前記のさらに別の成分は、pH調整剤、グロッサー、潤滑剤および界面活性剤からなる群から選択される。
【0077】
適切な潤滑剤は、例えば、6~18個の炭素原子を有する脂肪アルコール成分である。界面活性剤は、例えば、非ポリマー性のカチオン性第四級アンモニウム化合物、特にセトリモニウムクロリド(CTAC)から選択することができる。
【0078】
本発明のパーソナルケアまたはホームケア組成物は、任意選択的に、アニオン性界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホネート、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルカンスルホネート、アルキルエーテルカルボン酸、スルホスクシネート、イセチオネート、タウレート、グリシネートおよび/またはアシルグルタメートを含むことができる。上記の界面活性剤のアルキル鎖は、合成または天然起源のものであってよく、直鎖状または分岐状配列の8~30個、好ましくは8~18個、より好ましくは12~14個の炭素原子からなる。一実施態様において、アニオン性界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネートおよびアルキルエーテルスルフェートから選択される。好ましいアルキルベンゼンスルホネートは、C8~C15、好ましくはC12~C14のアルキル鎖長を有する直鎖状アルキルベンゼンスルホネートである。
【0079】
本発明に従って使用されるアニオン性界面活性剤は、好ましくは、脂肪族スルフェート、例えば脂肪アルコールスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、ジアルキルエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、および脂肪族スルホネート、例えばアルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、エーテルスルホネート、n-アルキルエーテルスルホネート、エステルスルホネートおよびリグノスルホネートである。同様に、本発明の文脈において使用可能なものは、アルキルベンゼンスルホネート、脂肪酸シアナミド、スルホスクシネート(スルホコハク酸エステル)、スルホスクシナメート、スルホスクシンアミド、脂肪酸イセチオネート、アシルアミノアルカンスルホネート(脂肪酸タウリド)、脂肪酸サルコシネート、エーテルカルボン酸およびアルキル(エーテル)ホスフェート、ならびにまた[α]-スルホ脂肪酸塩、アシルグルタメート、モノグリセリドジスルフェートおよびグリセロールジスルフェートのアルキルエーテルである。
【0080】
これらの中で、脂肪アルコールスルフェートおよび/または脂肪アルコールエーテルスルフェート、特に脂肪アルコールスルフェートが好ましい。脂肪アルコールスルフェートは、対応するアルコールでの硫酸化反応の生成物であり、一方、脂肪アルコールエーテルスルフェートは、アルコキシル化アルコールでの硫酸化反応の生成物である。当業者には概して、アルコキシル化アルコールは、アルキレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドと、本発明の文脈におけるアルコール、好ましくは長鎖アルコールとの反応生成物を意味すると理解される。概して、nモルのエチレンオキシドおよび1モルのアルコールは、反応条件に応じて、異なるエトキシル化度の付加生成物の複合混合物を生じる。アルコキシル化のさらなる実施態様は、アルキレンオキシドの混合物、好ましくはエチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合物の使用を含む。好ましい脂肪アルコールエーテルスルフェートは、1~4個のエチレンオキシド単位(EO)、特に1~2個のEO、例えば1.3個のEOでの低レベルのエトキシ化を有する脂肪アルコールのスルフェートである。
【0081】
アニオン性界面活性剤は、典型的には塩の形態で使用されるが、酸の形態でも使用される。前記塩は、好ましくはアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩およびモノ-、ジ-もしくはトリアルカノールアンモニウム塩、例えばモノ-、ジ-もしくはトリエタノールアンモニウム塩、特にリチウム、ナトリウム、カリウムもしくはアンモニウム塩、より好ましくはナトリウムもしくはカリウム塩、特に好ましくはナトリウム塩である。
【0082】
少なくとも1つの実施態様において、アニオン性界面活性剤は、アシルグリシネート界面活性剤である。好ましくは、アシルグリシネート界面活性剤は、式(Y)に従う:
【0083】
【化1】
[式中、
R
1aは、6~30個、好ましくは8~22個、特に好ましくは8~18個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の飽和アルキル基、または6~30個、好ましくは8~22個、特に好ましくは12~18個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の、モノ-もしくはポリ不飽和アルケニル基であり、Q
a
+はカチオンである。少なくとも1つの好ましい実施態様において、Q
a
+は、Li
+、Na
+、K
+、Mg
++、Ca
++、Al
+++、NH
4
+、モノアルキルアンモニウムイオン、ジアルキルアンモニウムイオン、トリアルキルアンモニウムイオンおよびテトラアルキルアンモニウムイオン、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。任意選択的に、R
1aは、(C
1-C
22)-アルキルまたは(C
2-C
10)-ヒドロキシアルキルである。少なくとも1つの好ましい実施態様において、アシルグリシネート界面活性剤は、ナトリウムココイルグリシネートおよびカリウムココイルグリシネートから選択される。少なくとも1つの好ましい実施態様において、アシルグリシネート界面活性剤は、式(Y)に従い、式中、R
1aがC
11-アルキル、C
12-アルキル、C
13-アルキルまたはC
14-アルキル、特に好ましくはC
11-アルキルまたはC
13-アルキルであるものから選択される。少なくとも1つの好ましい実施態様において、アシルグリシネート界面活性剤は、式(Y)に従い、式中、R
1aがC
15-アルキル、C
16-アルキル、C
17-アルキルまたはC
18-アルキル、特に好ましくはC
15-アルキルまたはC
17-アルキルであるものから選択される。
【0084】
少なくとも1つの実施態様において、アニオン性界面活性剤は、グルタメート界面活性剤である。好ましくは、アニオン性界面活性剤は、式(Z)に一致するグルタメート界面活性剤又はその塩である:
【0085】
【化2】
[式中、
R’は、HOOC-CH
2-CH
2-またはM
+-OOC-CH
2-CH
2-(式中、M
+はカチオンである)であり、Rは、6~30個、好ましくは8~22個、より好ましくは8~18個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の飽和アルキル基であるか、または6~30個、好ましくは8~22個、より好ましくは12~18個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のモノ-もしくはポリ不飽和アルケニル基である]。少なくとも1つの好ましい実施態様において、M
+は金属カチオンである。少なくとも1つの好ましい実施態様において、M
+は、Li
+、Na
+、K
+、Mg
++、Ca
++、Al
+++、NH
4
+、モノアルキルアンモニウムイオン、ジアルキルアンモニウムイオン、トリアルキルアンモニウムイオンおよびテトラアルキルアンモニウムイオン、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの好ましい実施態様において、グルタメート界面活性剤は、ココイルグルタミン酸ナトリウムおよびココイルグルタミン酸カリウムから選択される。少なくとも1つの好ましい実施態様において、グルタメート界面活性剤は、式(Z)に従い、式中、RがC
11-アルキル、C
12-アルキル、C
13-アルキルまたはC
14-アルキル、特に好ましくはC
11-アルキルまたはC
13-アルキルであるものから選択される。少なくとも1つの好ましい実施態様において、グルタメート界面活性剤は、式(Z)に従い、式中、RがC
15-アルキル、C
16-アルキル、C
17-アルキルまたはC
18-アルキル、特に好ましくはC
15-アルキルまたはC
17-アルキルであるものから選択される。少なくとも1つの好ましい実施態様において、前記組成物は、0.01重量%~30重量%、好ましくは1重量%~25重量%、より好ましくは5重量%~20重量%、さらにより好ましくは12重量%~18重量%のグルタメート界面活性剤を含む。
【0086】
パーソナルケアまたはホームケア組成物は、例えば、0.5重量%~45重量%、好ましくは1重量%~30重量%、より好ましくは2重量%~25重量%、より好ましくは5重量%~20重量%、より好ましくは12重量%~18重量%のアニオン性界面活性剤を含むことができる。
【0087】
さらなる界面活性剤は、非イオン性、両性および/またはカチオン性界面活性剤、例えばベタイン、アミドベタイン、アミンオキシド、アミドアミンオキシド、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルポリグリコシドまたは第四級アンモニウム化合物であり得る。
【0088】
さらなる非イオン性界面活性剤は、例えば、アルコキシレート、例えばポリグリコールエーテル、脂肪アルコールポリグリコールエーテル(脂肪アルコールアルコキシレート)、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、末端基キャップポリグリコールエーテル、混合エーテルおよびヒドロキシ混合エーテル、ならびに脂肪酸ポリグリコールエステルであってもよい。同様に、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー、および脂肪酸アルカノールアミド、および脂肪酸ポリグリコールエーテルが使用可能である。本発明に従って使用することができるさらなる重要なクラスの非イオン性界面活性剤は、ポリオール界面活性剤のものであり、ここでは特にグリコ界面活性剤、例えばアルキルポリグリコシド、特にアルキルポリグルコシドである。
【0089】
好適な脂肪アルコールポリグリコールエーテルは、最大30までのアルコキシル化レベルを有する、エチレンオキシド(EO)-および/またはプロピレンオキシド(PO)-アルコキシル化、非分岐もしくは分岐、飽和もしくは不飽和C8~C22アルコールであり、好ましくは、30未満、より好ましくは1~20、特に好ましくは1~12、格別に好ましくは1~8のエトキシル化レベルを有する、エトキシル化C10~C18脂肪アルコール、例えば8EOを有するC12~C14脂肪アルコールエトキシレートである。
【0090】
アルキルポリグリコシドは、合成方法に従ってモノアルキル化オリゴマーまたはポリマー糖の混合物をもたらす、有機合成化学の関連する方法による、糖およびアルコールの反応によって得ることができる界面活性剤である。好ましいアルキルポリグリコシドは、アルコールがより好ましくは分枝または非分枝C8~C18-アルキル鎖を有する、長鎖脂肪アルコールまたは長鎖脂肪アルコールの混合物であり、糖のオリゴマー化レベル(DP)が1~10、好ましくは1~6、より好ましくは1.1~3、特に好ましくは1.1~1.7である、アルキルポリグルコシド、例えばC8~C10-アルキル-1,5-グルコシド(DP1.5)である。
【0091】
少なくとも1つの実施態様において、非イオン性界面活性剤は、N-メチル-N-アシルグルカミン類、好ましくは式(X)のN-メチル-N-アシルグルカミン類から選択される:
【0092】
【化3】
[式中、R
aは、5~23個の炭素原子を有する飽和または不飽和炭化水素鎖から選択される]。好ましくは、式(X)におけるR
aは、7~17個の炭素原子を有する飽和または不飽和炭化水素鎖から選択される。好ましい実施態様において、式(X)におけるR
aは、7~17個の炭素原子を有する飽和炭化水素鎖から選択される。好ましい実施態様において、式(X)におけるR
aは、7~17個の炭素原子を有する不飽和炭化水素鎖から選択される。
【0093】
また好ましくは、式(X)中のRa-C=O残基は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、又はそれらの混合物に由来する。また好ましくは、式(X)中のRa-C=O残基は、ヤシ油に由来する。また好ましくは、式(X)中のRa-C=O残基は、9-デセン酸、9-ドデセン酸、又はそれらの混合物に由来する。
【0094】
前記パーソナルケアまたはホームケア組成物は、例えば、0.5重量%~20重量%、好ましくは1重量%~10重量%、より好ましくは2重量%~5重量%の非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0095】
本発明に従って使用可能な両性界面活性剤(双性イオン界面活性剤)としては、ベタイン、アミンオキシド、アルキルアミドアルキルアミン、アルキル置換アミノ酸、アシル化アミノ酸およびバイオサーファクタントが挙げられる。
【0096】
適切なベタインは、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、イミダゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタイン)およびアミドスルホベタイン、ならびにまたホスホベタインである。適切なベタインおよびスルホベタインの例は、INCIに従って命名された以下の化合物である:アーモンダミドプロピルベタイン、アプリコットアミドプロピルベタイン、アボカダミドプロピルベタイン、ババスアミドプロピルベタイン、ベヘンアミドプロピルベタイン、ベヘニルベタイン、ベタイン、カノラミドプロピルベタイン、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、カルニチン、セチルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココベタイン、ココヒドロキシスルタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、ココ-スルタイン、デシルベタイン、ジヒドロキシエチルオレイルグリシネート、ジヒドロキシエチルダイズグリシネート、ジヒドロキシエチルステアリルグリシネート、ジヒドロキシエチル獣脂グリシネート、ジメチコンプロピルPG-ベタイン、エルカミドプロピルヒドロキシスルタイン、水添獣脂ベタイン、イソステアラミドプロピルベタイン、ラウラアミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルスルタイン、乳脂脂肪酸アミドプロピルベタイン(Milkamidopropylbetaine)、ミンクアミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルタイン、オレイルベタイン、オリーブアミドプロピルベタイン、パームアミドプロピルベタイン、パルミタミドプロピルベタイン、パリミトイルカルニチン、パーム核アミドプロピルベタイン、ポリテトラフルオロエチレンアセトキシプロピルベタイン、リシノレアミドプロピルベタイン、セサミドプロピルベタイン、ソイアミドプロピルベタイン、ステアラミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、獣脂アミドプロピルベタイン、獣脂アミドプロピルヒドロキシスルタイン、獣脂ベタイン、獣脂ジヒドロキシエチルベタイン、ウンデシレナミドプロピルベタインおよびコムギ胚芽油脂肪酸アミドプロピルベタイン。
【0097】
本発明に従って適切なアミンオキシドとしては、アルキルアミンオキシド、特にアルキルジメチルアミンオキシド、アルキルアミドアミンオキシドおよびアルコキシアルキルアミンオキシドが挙げられる。
【0098】
適切なアミンオキシドの例は、INCIに従って命名された以下の化合物である:アーモンダミドプロピルアミンオキシド、ババスアミドプロピルアミンオキシド、ベヘナミンオキシド、コカミドプロピルアミンオキシド、コカミドプロピルアミンオキシド、コカミンオキシド、ココ-モルホリンオキシド、デシルアミンオキシド、デシルテトラデシルアミンオキシド、ジアミノピリミジンオキシド、ジヒドロキシエチルC8~C10アルコキシプロピルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルC9~C11アルコキシプロピルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルC12~C15アルコキシプロピルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルココアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウラミンオキシド、ジヒドロキシエチルステアラミンオキシド、ジヒドロキシエチル獣脂アミンオキシド、水添パーム核アミンオキシド、水添獣脂アミンオキシド、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルC12~C15アルコキシプロピルアミンオキシド、イソステアラミドプロピルアミンオキシド、イソステアラミドプロピルモルホリンオキシド、ラウラミドプロピルアミンオキシド、ラウラミンオキシド、メチルモルホリンオキシド、乳脂脂肪酸アミドプロピルアミンオキシド、ミンクアミドプロピルアミンオキシド、ミリスタミドプロピルアミンオキシド、ミリスタミンオキシド、ミリスチル/セチルアミンオキシド、オレアミドプロピルアミンオキシド、オレアミンオキシド、オリーブアミドプロピルアミンオキシド、パルミタミドプロピルアミンオキシド、パルミタミンオキシド、PEG-3ラウラミンオキシド、カリウムジヒドロキシエチルコカミンオキシドホスフェート、カリウムトリホスホノメチルアミンオキシド、セサミドプロピルアミンオキシド、ソイアミドプロピルアミンオキシド、ステアラミドプロピルアミンオキシド、ステアラミンオキシド、獣脂アミドプロピルアミンオキシド、獣脂アミンオキシド、ウンデシレナミドプロピルアミンオキシドおよびコムギ胚芽油脂肪酸アミドプロピルアミンオキシド。
【0099】
例示的なアルキルアミドアルキルアミンは、INCIに従って命名された以下の化合物である:ココアンホジプロピオン酸、ココベタインアミドアンホプロピオネート、DEA-ココアンホジプロピオネート、二ナトリウムカプロアンホジアセテート、二ナトリウムカプロアンホジプロピオネート、二ナトリウムカプリロアンホジアセテート、二ナトリウムカプリロアンホジプロピオネート、二ナトリウムココアンホカルボキシエチルヒドロキシプロピルスルホネート、二ナトリウムココアンホジアセテート、二ナトリウムココアンホジプロピオネート、二ナトリウムイソステアロアンホジアセテート、二ナトリウムイソステアロアンホジプロピオネート、二ナトリウムラウレス-5カルボキシアンホジアセテート、二ナトリウムラウロアンホジアセテート、二ナトリウムラウロアンホジプロピオネート、二ナトリウムオレオアンホジプロピオネート、二ナトリウムPPG-2-イソデセス-7カルボキシアンホジアセテート、二ナトリウムステアロアンホジアセテート、二ナトリウム獣脂アンホジアセテート、二ナトリウムコムギ胚芽油脂肪酸アンホジアセテート(Disodium Wheatgermamphodiacetate)、ラウロアンホジプロピオン酸、クオタニウム-85、ナトリウムカプロアンホアセテート、ナトリウムカプロアンホヒドロキシプロピルスルホネート、ナトリウムカプロアンホプロピオネート、ナトリウムカプリロアンホアセテート、ナトリウムカプリロアンホヒドロキシプロピルスルホネート、ナトリウムカプリロアンホプロピオネート、ナトリウムココアンホアセテート、ナトリウムココアンホヒドロキシプロピルスルホネート、ナトリウムココアンホプロピオネート、ナトリウムコーンアンホプロピオネート、ナトリウムイソステアロアンホアセテート、ナトリウムイソステアロアンホプロピオネート、ナトリウムラウロアンホアセテート、ナトリウムラウロアンホヒドロキシプロピルスルホネート、ナトリウムラウロアンホPG-アセテートホスフェート、ナトリウムラウロアンホプロピオネート、ナトリウムミリストアンホアセテート、ナトリウムオレオアンホアセテート、ナトリウムオレオアンホヒドロキシプロピルスルホネート、ナトリウムオレオアンホプロピオネート、ナトリウムリシノレオアンホアセテート、ナトリウムステアロアンホアセテート、ナトリウムステアロアンホヒドロキシプロピルスルホネート、ナトリウムステアロアンホプロピオネート、ナトリウム獣脂アンホプロピオネート(Sodium Tallamphopropionate)、ナトリウム獣脂アンホアセテート、ナトリウムウンデシレノアンホアセテート、ナトリウムウンデシレノアンホプロピオネート、ナトリウムコムギ胚芽油脂肪酸アンホアセテート(Sodium Wheat Germamphoacetate)および三ナトリウムラウロアンホPG-アセテートクロリドホスフェート。
【0100】
例示的なアルキル置換アミノ酸は、INCIに従って命名された以下の化合物である:アミノプロピルラウリルグルタミン、コカミノ酪酸、コカミノプロピオン酸、DEA-ラウラミノプロピオネート、二ナトリウムコカミノプロピルイミノジアセテート、二ナトリウムジカルボキシエチルココプロピレンジアミン、二ナトリウムラウリミノジプロピオネート、二ナトリウムステアリミノジプロピオネート、二ナトリウム獣脂イミノジプロピオネート、ラウラミノプロピオン酸、ラウリルアミノプロピルグリシン、ラウリルジエチレンジアミノグリシン、ミリスタミノプロピオン酸、ナトリウムC12-C15アルコキシプロピルイミノジプロピオネート、ナトリウムコカミノプロピオネート、ナトリウムラウラミノプロピオネート、ナトリウムラウリミノジプロピオネート、ナトリウムラウロイルメチルアミノプロピオネート、TEA-ラウラミノプロピオネートおよびTEA-ミリスタミノプロピオネート。
【0101】
前記パーソナルケアまたはホームケア組成物は、例えば、0.5重量%~20重量%、好ましくは1重量%~10重量%、より好ましくは2重量%~5重量%の両性または双性イオン界面活性剤を含み得る。
【0102】
少なくとも1つの実施態様において、本発明のパーソナルケアまたはホームケア組成物は、0.01重量%~70重量%、好ましくは0.1重量%~40重量%、より好ましくは1重量%~30重量%、特に好ましくは2重量%~20重量%の界面活性剤の全量を含む。
【0103】
本発明のパーソナルケアまたはホームケア組成物はまた、グロッサーを含んでもよい。グロッサーの適切な例には、シリコーンが含まれる。シリコーンの例としては、揮発性または非揮発性の非イオン性シリコーン液、シリコーン樹脂およびシリコーン半固体もしくは固体が挙げられる。揮発性シリコーンは、20℃で少なくとも2mmの水銀の蒸気圧として定義される測定可能な蒸気圧を有する、直鎖状または環状シリコーンである。ポリアルキルシロキサン類、ポリアリールシロキサン類、ポリアルキルアリールシロキサン類、ポリエーテルシロキサンコポリマー、アミン官能性シリコーン、またはそれらの混合物を含む、水不溶性で非揮発性のシリコーン液もまた適切である。
【0104】
本発明のパーソナルケア組成物またはホームケア組成物は、0.05~5重量%、好ましくは0.5~5重量%の少なくとも1種の油成分を含有し得る。典型的な油は、多くの場合にエステルである有機油である。上記油成分には、脂肪酸のグリセリルエステル、またはトリグリセリド、ヤシ油、アーモンド油、杏仁油、アボカド油、ババス油、月見草油、アマナズナ種子油、ブドウ種子油、マカダミア・ターニフォリア種子油、トウモロコシ油、メドウフォーム種子油、ミンク油、オリーブ油、パーム核油、サフラワー油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、コムギの胚種油およびトウツバキ種子油が含まれ得る。また、油成分として適切なのは、ソルビタンエステルである。
【0105】
本発明のパーソナルケアまたはホームケア組成物は、0.1~10重量%、好ましくは0.2~5重量%、より好ましくは0.2~3重量%、またより好ましくは0.5~5重量%の少なくとも1種のレオロジー改質剤、特に、ゲル化剤および増粘剤を含有することができる。例は、セルロース系増粘剤、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース、グアーガム、例えばヒドロキシプロピルグアー、微生物由来のゴム、例えばキサンタンゴムおよびスクレログルカンゴム、および合成増粘剤、例えばアクリル酸および/またはアクリルアミドプロパンスルホン酸の架橋ホモ-またはコポリマーである。他のレオロジー改質剤には、脂肪酸アミド、例えばココヤシジエタノールアミドおよびモノエタノールアミド、およびカルボン酸アルキルエーテルのオキシエチレン化モノエタノールアミドが含まれる。
【0106】
レオロジー改質剤は、構造化材料としても知られている。一般的な構造化材料としては、「カルボマー」として知られるポリマー材料が挙げられ、例えば、Lubrizol Corporationから商標Carbopol(登録商標)で入手可能な架橋ポリアクリル酸ポリマーが挙げられる。別のクラスの(メタ)アクリル酸ポリマーは、アルカリ膨潤性エマルション(ASE)ポリマーである。ASEポリマーとしては、例えば、DowからのAculyn(登録商標)38コポリマーが挙げられる。カルボマーおよびASEポリマーは、流体力学的増粘剤として知られる物質のクラスに属する。これらの流体力学的増粘剤は、それらのポリマー構造中に酸基を含み、当該酸基は、脱プロトン化されると、互いに反発するアニオン性電荷を形成し、ポリマー鎖を膨張させ、絡み合わせる。膨張および鎖の絡み合いは、脱プロトン化ポリマーによってもたらされる増粘および懸濁効果を生じさせることができる。これらの流体力学的増粘剤の特性は、それらの分子量、酸基含有量、架橋度、および膨潤の程度によって影響を受ける。これらの増粘剤は「空間充填」または「体積排除」としても知られており、それらの濃度が増加するにつれて粘度および降伏点の両方を増加させる傾向がある。使用において、流体力学的ポリマーは一般に、シアシニングまたは非ニュートン挙動を示す組成物を生じさせる。別のクラスの(メタ)アクリル酸系レオロジー改質剤は、疎水変性アルカリ膨潤性(HASE)ポリマーである。ASEポリマーと同様に、HASEポリマーは酸基を含み、それらの脱プロトン化がポリマー膨潤をもたらす。さらに、HASEポリマーは、疎水性側基、鎖またはブロックを含み、これらは、互いに会合性相互作用を生じ、ならびにそれらが使用される組成物中に存在する他の疎水性種、例えば、界面活性剤、脂肪酸、他の増粘剤などの疎水性基と会合性相互作用を生じる。会合は、ポリマー鎖ネットワーク全体に分布する疎水性領域を作り出す。これはまた、可溶化剤として材料の特性を向上させるのを助けることができる。DowからのAculyn(登録商標)22およびAculyn(登録商標)28コポリマー、ならびにLubrizol CorporationからのAqua SF1(登録商標)コポリマーは、一般的に使用されるHASE材料に該当する。米国特許第4,529,773号(Witiak et al.)は、6.5超のpHへの中和により活性化され、引き続き、界面活性剤の存在下で酸性化されたアルカリ可溶性エマルションポリマーを報告している。これらは、酸性組成物における有用な増粘剤として記載されている。前記ポリマーは、以下を含むモノマー系の共重合から形成される:(1)メタクリル酸またはアクリル酸、(2)C8~C30アルキルのメタクリル酸またはアクリル酸エステル、あるいはそこでより具体的に記載されているように、ポリエチレングリコールのヒドロカルビルモノエーテル、(3)C1~C4アルキルアクリレートまたはメタクリレート、ならびに任意選択的に、(4)少量のポリエチレン性不飽和モノマー。
【0107】
少なくとも1つの実施態様において、レオロジー改質剤の量は、それが0%でない場合、パーソナルケアまたはホームケア組成物の全重量を基準として、好ましくは最大で5重量%、より好ましくは0.1重量%~3重量%、特に好ましくは0.5重量%~2.5重量%、格別に好ましくは1重量%~2重量%である。少なくとも1つの実施態様において、レオロジー改質剤の量は、それが0%でない場合、パーソナルケアまたはホームケア組成物の全重量を基準として、好ましくは最大で5重量%、より好ましくは0.001重量%~0.3重量%、特に好ましくは0.01重量%~0.2重量%、格別に好ましくは0.01重量%~0.15重量%である。少なくとも1つの実施態様において、前記組成物は、0cPs~20,000cPsの粘度を有する。少なくとも1つの実施態様において、前記組成物は、0.1cPs~10,000cPs、または1cPs~5,000cPs、または5cPs~3,500cPsの粘度を有する。
【0108】
開示される成分は、いくつかの例では、2つ以上の分類に該当することができ、例えば、いくつかの脂肪アルコール誘導体は、脂肪酸誘導体としても分類できることは理解されよう。しかしながら、所与の分類は、その特定の化合物を限定することを意図するものではなく、分類および命名の便宜のために行われる。非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook, Fourteenth Edition (2014)、およびCTFA Cosmetic Ingredient Handbook, Second Edition, 1992に見出される。好ましくは、脂肪アルコールが14~30個または16~22個の炭素原子を有する。これらの脂肪アルコールは、飽和であり、直鎖状または分枝状であり得る。脂肪アルコールの例は、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール及びそれらの混合物である。好ましい脂肪酸は、10~30個または12~22個の炭素原子を有する。これらの脂肪酸は、飽和されていてよく、そして直鎖状または分枝状であることができる。ここには、これらの脂肪酸の塩も含まれる。脂肪酸の例は、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セバシン酸またはそれらの混合物である。
【0109】
好ましい実施態様において、前記パーソナルケアまたはホームケア組成物は、水、グリコール、エタノール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される溶媒を含む。
【0110】
好ましい実施態様において、前記パーソナルケアまたはホームケア組成物は、水性、アルコール性または水性-アルコール性溶媒を含み、当該水性、アルコール性または水性-アルコール性溶媒は、水、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、イソブタノール、ブタノール、ブチルグリコール、ブチルジグリコール、グリセロール、またはそれらの混合物を含み;好ましくは前記の水性、アルコール性または水性-アルコール性溶媒は水、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、グリセロールまたはそれらの混合物を含み;より好ましくは、前記の水性、アルコール性または水性-アルコール性溶媒は水、イソプロパノール、1,2-プロピレングルコール、1,3-プロピレングリコールまたはそれらの混合物を含み;さらにより好ましくは、前記の水性、アルコール性または水性-アルコール性溶媒は、水からなるか、または水とアルコールとの混合物からなり、ここで当該アルコールはイソプロパノール、1,2-プロピレングリコールおよび1,3-プロピレングリコールからなる群から選択される。
【0111】
天然の溶媒も使用することができる。少なくとも1つの実施態様において、前記パーソナルケアまたはホームケア組成物は、植物油、蜂蜜、植物性糖組成物、およびそれらの混合物からなる群から選択される溶媒を含む。
【0112】
少なくとも1つの実施態様において、前記パーソナルケアまたはホームケア組成物は、化粧品学、薬学および皮膚病学の分野において一般的な少なくとも1種の添加剤を含み、これらを以下では助剤と呼ぶ。少なくとも1つの好ましい実施態様において、前記組成物は助剤を含む。少なくとも1つの好ましい実施態様において、前記助剤は、化粧用に許容可能である。少なくとも1つの好ましい実施態様において、前記助剤は、ワックス、界面活性剤、カチオン性ポリマー、皮膜形成剤、過脂剤、再脂化剤(refatting agents)、泡安定剤、安定剤、活性な生物起源物質、防腐剤、防腐増強成分(preservation boosting ingredients)、抗真菌物質、抗ふけ剤、染料または顔料、微粒子物質、乳白剤、研磨剤、吸収剤、アンチケーキング剤、増量剤、真珠光沢剤、直接染料、香料または芳香剤、担体、溶媒または希釈剤、噴射剤、機能性酸、活性成分、皮膚光沢剤、セルフタンニング剤、角質剥離剤、酵素、抗ニキビ剤、デオドラントおよび制汗剤、粘度調節剤、増粘剤およびゲル化剤、pH調整剤、緩衝剤、酸化防止剤、キレート剤、収斂剤、サンスクリーン、日焼け防止剤、UVフィルター、コンディショニング剤(例えばヘアコンディショニング剤または皮膚コンディショニング剤)、エモリエント、湿潤剤、皮膚保護剤(occlusive agents)、シラミ駆除剤、消泡剤、香味剤、電解質、酸化剤および還元剤からなる群から選択される。
【0113】
少なくとも1つの実施態様では、パーソナルケアまたはホームケア組成物は、水溶性ビタミンおよびそれらの誘導体、水溶性アミノ酸およびそれらの塩および/または誘導体、粘度調整剤、染料、不揮発性溶媒または希釈剤(水溶性および不溶性)、真珠光沢助剤、増粘剤、泡増強剤、追加の界面活性剤または非イオン性共界面活性剤、シラミ駆除剤、pH調整剤、香料、防腐剤、キレート剤、タンパク質、皮膚活性剤、サンスクリーン、UV吸収剤、ビタミン、ナイアシンアミド、カフェイン、ミノキシジル、およびそれらの組み合わせを含む。少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケア組成物は、組成物の全重量に基づいて、0重量%~5重量%のビタミンおよびアミノ酸を含む。パーソナルケアまたはホームケア組成物はまた、顔料物質、例えば無機、ニトロソ、モノアゾ、ジスアゾ、カロテノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン、植物性、天然色素(水溶性成分、例えばC.I.名を有するものを含む)を含み得る。パーソナルケアまたはホームケア組成物は、0重量%、好ましくは0.0001重量%~5重量%の顔料物質を含み得る。
【0114】
少なくとも1つの実施態様において、前記パーソナルケアまたはホームケア組成物は、室温(25℃)で液体である任意の脂肪物質である油状物質を含む。少なくとも1つの実施態様において、前記パーソナルケアまたはホームケア組成物は、シリコーン油(揮発性または非揮発性、直鎖状、分岐状または環状、任意選択的に有機的変性が施されている);フェニルシリコーン;シリコーン樹脂およびシリコーンゴム;鉱油、例えばパラフィン油またはワセリン油;動物起源の油、例えばペルヒドロスクアレン、ラノリン;植物起源の油、例えば液体トリグリセリド、例えばヒマワリ油、トウモロコシ油、ダイズ油、米油、ホホバ油、ババス油(babusscu oil)、パンプキン油(pumpkin oil)、ブドウ種子油、ゴマ油、クルミ油、アンズ油、マカダミア油、アボカド油、甘扁桃油、タネツケバナ油(lady’s-smock oil)、ヒマシ油、カプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド、オリーブ油、ピーナッツ油、ナタネ油、アルガン油、アビシニアン油およびヤシ油;合成油、例えばピュアセリン油(purcellin oil)、イソパラフィン、直鎖状および/または分岐状脂肪アルコールおよび脂肪酸エステル、好ましくは、6~18個、好ましくは8~10個の炭素原子を有するゲルべアルコール;直鎖状(C6-C13)脂肪酸と直鎖状(C6-C20)脂肪アルコールとのエステル;分岐状(C6-C13)カルボン酸と直鎖状(C6-C20)脂肪アルコールとのエステル、直鎖状(C6-C18)脂肪酸と分岐状アルコール、特に2-エチルヘキサノールとのエステル;直鎖状および/または分岐状脂肪酸と多価アルコール(例えば、ダイマージオール、トリマージオール等)および/またはゲルベアルコールとのエステル;(C6-C10)脂肪酸をベースとするトリグリセリド;エステル、例えばジオクチルアジペート、ジイソプロピルダイマージリノレエート;プロピレングリコール/ジカプリレートまたはワックス、例えば蜜蝋、パラフィンワックスまたはマイクロワックス(単独でまたは親水性ワックス、例えばセチルステアリルアルコール等と組み合わせて);フッ素化および過フッ素化油;フッ素化シリコーン油;前述の化合物の混合物からなる群から選択される油状物質を含む。
【0115】
少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケアまたはホームケア組成物は、非イオン性共乳化剤を含む。少なくとも1つの実施態様において、非イオン性共乳化剤は、例えば、0~30モルのエチレンオキシドおよび/または0~5モルのプロピレンオキシドと、8~22個の炭素原子を有する直鎖状脂肪アルコールとの、12~22個の炭素原子を有する脂肪酸との、アルキル基中に8~15個の炭素原子を有するアルキルフェノールとの、およびソルビタンまたはソルビトールエステルとの付加物;0~30モルのエチレンオキシドとグリセロールとの付加物の(C12-C18)脂肪酸モノエステルおよびジエステル;6~22個の炭素原子を有する飽和および不飽和脂肪酸のグリセロールモノエステルおよびジエステルならびにソルビタンモノエステルおよびジエステル、ならびに適宜それらのエチレンオキシド付加物;15~60モルのエチレンオキシドとヒマシ油および/または水素化ヒマシ油との付加物;ポリオールエステルおよび特にポリグリセロールエステル、例えばポリグリセリルポリリシノレエートおよびポリグリセリルポリ-12-ヒドロキシステアレートから選択される。同様に、1種または複数のこれらのクラスの物質からの化合物の混合物も適切である。適切なイオノゲン共乳化剤の例には、アニオン性乳化剤、例えばモノ-、ジ-またはトリ-リン酸エステルが含まれるが、カチオン性乳化剤、例えばモノ-、ジ-またはトリ-アルキルクワット(alkyl quats)、およびそれらのポリマー誘導体も含まれる。
【0116】
少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケアまたはホームケア組成物は、カチオン性ポリマーを含む。適切なカチオン性ポリマーには、INCI名「ポリクオタニウム」で知られるもの、特にポリクオタニウム-31、ポリクオタニウム-16、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-39、ポリクオタニウム-28、ポリクオタニウム-2、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-11、ならびにまたポリクオタニウム-37&鉱油&PPGトリデセス(Salcare SC95)、PVP-ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、グアー-ヒドロキシプロピルトリアンモニウムクロリド、ならびにまたアルギン酸カルシウムおよびアルギン酸アンモニウムが含まれる。さらに、カチオン性セルロース誘導体;カチオン性デンプン;ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドとのコポリマー;4級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー;ポリグリコールとアミンとの縮合生成物;4級化コラーゲンポリペプチド;4級化コムギポリペプチド;ポリエチレンイミン;例えばアミドメチコーンなどのカチオン性シリコーンポリマー;アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンとのコポリマー;ポリアミノポリアミドおよびカチオン性キチン誘導体(例えば、キトサン等)を使用することが可能である。
【0117】
少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケアまたはホームケア組成物は過脂肪剤を含む。過脂肪剤として、例えば、ポリエトキシル化ラノリン誘導体、レシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド、および脂肪酸アルカノールアミドなどの物質を使用することが可能であり、後者は同時に泡安定剤として機能する。利用可能なモイスチャライザーには、例えばイソプロピルパルミテート、グリセロールおよび/またはソルビトールが含まれる。
【0118】
少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケアまたはホームケア組成物は、ケア添加剤を含む。パーソナルケアまたはホームケア組成物は、ケア添加剤として、通例のセラミド、擬似セラミド、脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミド、コレステロール、コレステロール脂肪酸エステル、脂肪酸、トリグリセリド、セレブロシド、リン脂質、パンテノールおよび類似の物質とブレンドすることができる。
【0119】
機能性酸は、施用時に皮膚または毛髪に臨床的機能性を付与するために使用される酸性物質である。適切な機能性酸としては、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸、乳酸、レチノイン酸および類似の物質も挙げられる。
【0120】
少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケアまたはホームケア組成物は、収斂剤を含む。少なくとも1つの実施態様において、収斂剤は、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化物水和物、酸化アルミニウム水和物(ベーマイト)および水酸化物、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウムまたは亜鉛のクロロ水和物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施態様において、前記パーソナルケアまたはホームケア組成物は、0.001重量%~10重量%、または0.01重量%~9重量%、または0.05重量%~8重量%、または0.1重量%~5重量%の収斂剤を含む。
【0121】
少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケア組成物は脱臭剤を含む。少なくとも1つの実施態様において、脱臭剤は、アラントイン、ビサボロールおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施態様において、前記パーソナルケア組成物は、0.001重量%~10重量%、または0.01重量%~9重量%、または0.05重量%~8重量%、または0.1重量%~5重量%の脱臭剤を含む。
【0122】
少なくとも1つの実施態様において、前記パーソナルケア組成物は、日焼け防止剤および/またはUVフィルターを含む。適切な日焼け防止剤およびUVフィルターは、WO-2013/017262A1の第32頁第11行~第33頁の最後に開示されている。少なくとも1つの実施態様において、日焼け防止剤および/またはUVフィルターは、4-アミノ安息香酸、3-(4’-トリメチルアンモニウム)-ベンジリド-ボラン-2-オン-メチルスルフェート、カンファーベンズアルコニウムメトスルフェート、3,3,5-トリメチル-シクロヘキシルサリチレート、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸およびそれらのカリウム-、ナトリウム-およびトリエタノールアミン塩、3,3’-(1,4-フェニレンジメチン)-ビス-(7,7-ジメチル-2-オキソビシクロ[2.2.1]-ヘプタン-1-メタンスルホン酸)およびその塩、1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、3-(4’-スルホ)-ベンジリデン-ボルナン-2-オンおよびその塩、2-シアン-3,3-ジフェニル-アクリル酸-(2-エチルヘキシルエステル)、N-[2(および4)-(2-オキソボルン-3-イリデンメチル)ベンジル]-アクリルアミドのポリマー、4-メトキシ-桂皮酸-2-エチル-ヘキシルエステル、エトキシル化エチル-4-アミノベンゾエート、4-メトキシ-桂皮酸-イソアミルエステル、2,4,6-トリス-[p-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-メチル-3-(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリルオキシ)-ジシロキサニル)-プロピル)フェノール、4,4’-[(6-[4-((1,1-ジメチルエチル)-アミノ-カルボニル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-イル)ジイミノ]ビス-(安息香酸-2-エチルヘキシルエステル)、3-ベンゾフェノン、4-ベンゾフェノン(酸)、3-(4’-メチルベンジリデン)-D,L-カンファー、3-ベンジリデン-カンファー、サリチル酸-2-エチルヘキシルエステル、4-ジメチルアミノ安息香酸-2-エチルヘキシルエステル、ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンゾフェノン-5-スルホン酸およびそのナトリウム塩、4-イソプロピルベンジルサリチレート、N,N,N-トリメチル-4-(2-オキソボルン-3-イリデンメチル)アニリウムメチルスルフェート、ホモサレート(INN)、オキシベンゾン(INN)、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸およびそのナトリウム、カリウムおよびトリエタノールアミン塩、オクチルメトキシ桂皮酸、イソペンチル-4-メトキシ桂皮酸、イソアミル-p-メトキシ桂皮酸、2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン(オクチルトリアゾン)フェノール、2,2(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-メチル-3-(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリル)オキシ)-ジシロキサニル)プロピル(ドロメトリゾールトリシロキサン)安息香酸、4,4-((6-(((1,1-ジメチルエチル)アミノ)カルボニル)フェニル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ジイミノ)ビス,ビス(2-エチルヘキシル)エステル)安息香酸、4,4-((6-(((1,1-ジメチルエチル)アミノ)-カルボニル)フェニル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ジイミノ)ビス,ビス(2-エチルヘキシル)エステル)、3-(4’-メチルベンジリデン)-D,L-カンファー(4-メチルベンジリデンカンファー)、ベンジリデン-カンファー-スルホン酸、オクトクリレン、ポリアクリルアミドメチル-ベンジリデン-カンファー、2-エチルヘキシルサリチレート(オクチルサリチレート)、4-ジメチル-アミノ安息香酸エチル-2-ヘキシルエステル(オクチルジメチルPABA)、PEG-25 PABA、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾ-フェノン-5-スルホン酸(5-ベンゾフェノン)およびそのナトリウム塩、2,2’-メチレン-ビス-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(テトラメチル-ブチル)-1,1,3,3-フェノール、2-2’-ビス-(1,4-フェニレン)1H-ベンズイミダゾール-4,6-ジスルホン酸のナトリウム塩、(1,3,5)-トリアジン-2,4-ビス((4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ)-フェニル)-6-(4-メトキシフェニル)、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエート、グリセリルオクタノエート、ジ-p-メトキシ桂皮酸、p-アミノ-安息香酸およびそのエステル、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン、4-(2-β-グルコピラノキシ)プロポキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、オクチルサリチレート、メチル-2,5-ジイソプロピル桂皮酸、シノキセート、ジヒドロキシ-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ-5,5’-ジスルホベンゾフェノンの二ナトリウム塩、ジヒドロキシベンゾフェノン、1,3,4-ジメトキシフェニル-4,4-ジメチル-1,3-ペンタンジオン、2-エチルヘキシル-ジメトキシベンジリデン-ジオキソイミダゾリジンプロピオネート、メチレン-ビス-ベンズトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホネート、ビス-エチルヘキシルオキシフェノール-メトキシフェノール-トリアジン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、テレフタリリデンジカンファー-スルホン酸、2,4,6-トリス[4,2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、メチル-ビス(トリメチルシロキシ)シリル-イソペンチルトリメトキシ桂皮酸、アミル-p-ジメチルアミノベンゾエート、アミル-p-ジメチルアミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-p-ジメチルアミノベンゾエート、イソプロピル-p-メトキシ桂皮酸/ジイソプロピル桂皮酸エステル、2-エチルヘキシル-p-メトキシ桂皮酸、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸および三水和物、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホネートナトリウム塩、フェニル-ベンズイミダゾール-スルホン酸、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケア組成物は、0.001重量%~10重量%、好ましくは0.05重量%~5重量%、さらにより好ましくは0.1重量%~3重量%、最も好ましくは0.05重量%~1重量%の日焼け防止剤および/またはUVフィルターを含む。少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケア組成物は、0.01~10重量%、または0.1~5重量%、より好ましくは0.2~2重量%の量の光保護物質を含む。適切な光保護物質には、特に、EP1084696A1(L’OREAL)(参照により本明細書に組み込まれる)において特定されている光保護物質の全てが含まれる。好ましい実施態様において、光保護物質は、2-エチルヘキシル4-メトキシシンナメート、メチルメトキシシンナメート、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸、ポリエトキシル化p-アミノベンゾエートおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0123】
少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケアまたはホームケア組成物は酸化防止剤を含む。少なくとも1つの実施態様において、酸化防止剤は、アミノ酸、ペプチド、糖、イミダゾール、カロチノイド(carotinoids)、カロチン、クロロゲン酸、リポ酸、チオール、チオールグリコシルエステル、チオールN-アセチルエステル、チオールメチルエステル、チオールエチルエステル、チオールプロピルエステル、チオールアミルエステル、チオールブチルエステル、チオールラウリルエステル、チオールパルミトイルエステル、チオールオレイルエステル、チオールリノレイルエステル、チオールコレステリルエステル、チオールグリセリルエステル、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸、金属キレート剤、ヒドロキシ酸、脂肪酸、葉酸、ビタミンC、トコフェロール、ビタミンA、スチルベン、それらの誘導体および組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施態様では、酸化防止剤は、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン、ウロカニン酸(urocaninic acid)、D,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシン、β-カロチン、α-カロチン、リコピン、ジヒドロリポ酸、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタチオニンスルホキシミン、ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸(phytinic acid)、ラクトフェリン、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、フミン酸、胆汁酸、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸、ブチルヒドロキシアニソール、トリヒドロキシブチロフェノン、ユビキノン(ubichinon)、ユビキノール(ubichinol)、アスコルビルパルミテート、Mg-アスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート、ビタミンEアセテート、ビタミンAパルミテート、カルノシン、マンノース、ZnO、ZnSO4、セレンメチオニン、スチルベン、スーパーオキシドジスムターゼおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施態様では、酸化防止剤は、ビタミンA、ビタミンA誘導体、ビタミンE、ビタミンE誘導体およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケア組成物は、0.001重量%~10重量%、好ましくは0.05重量%~5重量%、さらにより好ましくは0.1重量%~3重量%、最も好ましくは0.05重量%~1重量%の酸化防止剤を含む。
【0124】
少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケアまたはホームケア組成物は、0.01重量%~10重量%、好ましくは0.05重量%~5重量%の少なくとも1種の粒子状物質を含む。適切な物質は例えば、室温(25℃)で固体であり、粒子の形態にある物質である。少なくとも1つの実施態様において、粒子状物質は、シリカ、ケイ酸塩、アルミン酸塩、粘土土、雲母、不溶性塩からなる群から選択され、特に不溶性無機金属塩、金属酸化物、例えば二酸化チタン、鉱物および不溶性ポリマー粒子が適切である。前記粒子はパーソナルケアまたはホームケア組成物中に、未溶解で、好ましくは安定に分散した形態で存在し、そして、ケラチン基質への施用および溶媒の蒸発に続いて、固体形態で当該基質上に堆積することができる。安定な分散は、固体粒子が沈むのを防止するのに十分に大きい降伏点をパーソナルケアまたはホームケア組成物に付与することによって達成することができる。適切な降伏点は、適切な量で適切なゲル形成剤を使用して達成することができる。少なくとも1つの実施態様において、粒子状物質は、シリカ(シリカゲル、二酸化ケイ素)および金属塩、特に無機金属塩からなる群から選択され、シリカが特に好ましい。金属塩は、例えば、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属ハロゲン化物、例えば塩化ナトリウムまたは塩化カリウム;アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属硫酸塩、硫酸ナトリウムまたは硫酸マグネシウムである。
【0125】
任意選択的に、本発明に従って適切な追加的な消毒剤および/または防腐剤は、例えば、アルコール、アルデヒド、抗微生物酸およびそれらの塩、カルボン酸エステル、酸アミド類、フェノール類、フェノール誘導体、ジフェニル類、ジフェニルアルカン類、尿素誘導体、酸素および窒素アセタール類およびホルマール類、ベンズアミジン類、イソチアゾール類およびそれらの誘導体、例えばイソチアゾリン類およびイソチアゾリノン類、フタルイミド誘導体、ピリジン誘導体、抗微生物界面活性化合物、グアニジン類、抗微生物両性化合物、キノリン類、1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタン、ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、ヨウ素、ヨードフォアおよび過酸化物の群からの活性抗微生物成分である。好ましい活性抗微生物成分は、好ましくは、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、ブタン-1,3-ジオール、フェノキシエタノール、1,2-プロピレングリコール、グリセロール、ウンデシレン酸(undecylenoic acid)、クエン酸、乳酸、安息香酸、サリチル酸、チモール、2-ベンジル-4-クロロフェノール、2,2’-メチレンビス(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、N-(4-クロロフェニル)-N-(3,4-ジクロロフェニル)尿素、N,N’-(1,10-デカンジイルジ-1-ピリジニル-4-イリデン)ビス(1-オクタンアミン)ジヒドロクロリド、N,N’-ビス(4-クロロフェニル)-3,12-ジイミノ-2,4,11,13-テトラアザテトラデカンジイミドアミド、抗微生物性第四級界面活性化合物、グアニジン類を含む群から選択される。好ましい抗微生物性表面活性四級化合物は、例えば、「Praxis der Sterilisation, Desinfektion - Konservierung: Keimidentifizierung - Betriebshygiene」[Practical Sterilization, Disinfection - Preservation: Microbe Identification - Commercial Hygiene](5th edition - Stuttgart; New York: Thieme, 1995)に記載されているように、アンモニウム、スルホニウム、ホスホニウム、ヨードニウムまたはアルソニウム基を含有する。
【0126】
少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケアまたはホームケア組成物は、コンディショニング剤を含む。少なくとも1つの実施態様において、コンディショニング剤は、乳化された液体粒子を形成する、水不溶性、水分散性、不揮発性の液体である。少なくとも1つの実施態様において、コンディショニング剤は、シリコーン(例えば、シリコーン油、カチオン性シリコーン、シリコーンゴム、高屈折率シリコーン、およびシリコーン樹脂)、有機コンディショニング油(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、および脂肪エステル)、カチオン性コンディショニング界面活性剤、高融点脂肪化合物、またはそれらの組み合わせである。
【0127】
少なくとも1つの実施態様において、コンディショニング剤はシリコーンである。好ましくは、パーソナルケアまたはホームケア組成物は、組成物の全重量に基づいて、0.01%~10%、または0.1%~5%のシリコーンコンディショニング剤を含む。適切なシリコーンコンディショニング剤、およびシリコーンのための任意の懸濁剤は、US-5,104,646に記載されている。少なくとも1つの実施態様では、前記組成物は、ポリジメチルシロキサン、(ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェニルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるシリコーンゴムを含む。
【0128】
少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケアまたはホームケア組成物は、末端アミノシリコーンを含む。本明細書で定義される「末端アミノシリコーン」は、シリコーン主鎖の一方または両方の末端に1つまたは複数のアミノ基を含むシリコーンを意味する。少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケアまたはホームケア組成物は、ペンダントアミノ基を含むシリコーン化合物を実質的に含まない。一実施態様において、パーソナルケア組成物またはホームケア組成物は、末端アミノシリコーン以外のシリコーン化合物を実質的に含まない。少なくとも1つの実施態様において、末端アミノシリコーンのシリコーン主鎖の少なくとも1つの末端のアミノ基は、第一級アミン、第二級アミンおよび第三級アミンからなる群から選択される。少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケアまたはホームケア組成物は、式(S)に従う末端アミノシリコーンを含む:
(RF)aG3-a-Si-(OSiG2)n-O-SiG3-a(RF)a (S)
[式中、
Gは、水素、フェニル、ヒドロキシまたはC1-C8アルキル、好ましくはメチルであり;
aは、1~3の値を有する整数、好ましくは1であり;
bは、0、1または2、好ましくは1であり;
nは、0~1999であり;
RFは、一般式CqH2qLに従う一価の基であり、ここでqは、2~8の値を有する整数であり、Lは以下の群から選択され:-N(RT)CH2-CH2-N(RT)2;-N(RT)2;-N(RT)3A-;-N(RT)CH2-CH2-NRTH2A-;ここで、RTは、水素、フェニル、ベンジル、または飽和炭化水素基、好ましくは1~20個の炭素原子を有するアルキル基であり;A-は、ハロゲン化物イオンである]。
【0129】
少なくとも1つの実施態様において、式(S)に一致する末端アミノシリコーンは、a=1、q=3、G=メチルを有し、nは1000~2500、あるいは1500~1700であり、Lは-N(CH3)2である。式(S)に対応する適切な末端アミノシリコーンは、a=0、G=メチルを有し、nは100~1500または200~800であり、Lは以下の基から選択され:-N(RT)CH2-CH2-N(RT)2;-N(RT)2;-N(RT)3A-;-N(RT)CH2-CH2-NRTH2A-;ここで、RTは、水素、フェニル、ベンジル、または飽和炭化水素基、好ましくは1~20個の炭素原子を有するアルキル基であり;A-は、ハロゲン化物イオンであり、あるいは、Lは-NH2である。少なくとも1つの実施態様において、末端アミノシリコーンは、ビス-アミノメチルジメチコン、ビス-アミノエチルジメチコン、ビス-アミノプロピルジメチコン、ビス-アミノブチルジメチコンおよびそれらの混合物からなる群から選択される。一実施態様において、末端アミノシリコーンの粘度は、25℃で測定して、1,000~30,000cPs、または5,000~20,000cPsである。
【0130】
少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケアまたはホームケア組成物は、前記組成物の全重量に基づいて、0.1%~20%、または0.5%~10%、または1%~6%の末端アミノシリコーンを含む。
【0131】
少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケアまたはホームケア組成物は、高融点脂肪化合物を含む。高融点脂肪化合物は、25℃以上の融点を有する。少なくとも1つの実施態様において、高融点脂肪化合物は、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪アルコール誘導体、脂肪酸誘導体およびそれらの混合物からなる群から選択される。高融点化合物の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary, Fifth Edition, 1993、およびCTFA Cosmetic Ingredient Handbook, Second Edition, 1992に見出される。前記組成物は、組成物の全重量に基づいて、0.1%~40%、または1%~30%、または1.5%~16%、または1.5%~8%の高融点脂肪化合物を含み得る。これは、改善されたコンディショニング利益、例えば濡れた毛髪への施用中の滑りやすい感触、乾いた毛髪上での柔らかさ及び保湿感、を提供する点で有利である。少なくとも1つの実施態様では、脂肪アルコールは、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールおよびそれらの混合物からなる群から選択される。少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケアまたはホームケア組成物は、直鎖状脂肪アルコールを含み、当該直鎖状脂肪アルコールはラメラゲルマトリックス中に含まれる。ラメラゲルマトリックスは、種々のコンディショニング利益、例えば濡れた毛髪への施用中の滑りやすい感触、乾いた毛髪上での柔らかさ及び保湿感、を提供するために適している。前記直鎖状脂肪アルコールは、8~24個の炭素原子を含み得る。一実施態様において、直鎖状脂肪アルコールは、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびそれらの混合物からなる群から選択される。一実施態様において、全直鎖状脂肪アルコールと末端アミノシリコーンとの重量比は、0.5:1~10:1、または1:1~5:1、または2.4:1~2.7:1である。
【0132】
少なくとも1つの実施態様において、ラメラゲルマトリックスは、カチオン性コンディショニング界面活性剤および高融点脂肪化合物を含む。ラメラゲルマトリックスを提供する観点から、カチオン性コンディショニング界面活性剤および高融点脂肪化合物は、カチオン性界面活性剤と高融点脂肪化合物との重量比が1:1~1:10、または1:1~1:6の範囲になるようなレベルで含有される。
【0133】
少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケアまたはホームケア組成物は、カチオン性コンディショニング界面活性剤を含む。少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケアまたはホームケア組成物は、組成物の全重量に基づいて、0.05%~3.0%、または0.075%~2.0%、または0.1%~1.0%のカチオン性コンディショニング界面活性剤を含む。少なくとも1つの実施態様において、カチオン性コンディショニング界面活性剤は、ラメラゲルマトリックス中に含まれる。換言すると、パーソナルケアまたはホームケア組成物は、ラメラゲルマトリックスを含み、当該ラメラゲルマトリックスは、カチオン性コンディショニング界面活性剤を含む。
【0134】
少なくとも1つの実施態様において、カチオン性コンディショニング界面活性剤は式(C)に従う:
【0135】
【化4】
[式中、R
71、R
72、R
73およびR
74の少なくとも1つは、8~30個の炭素原子の脂肪族基、22個までの炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリールまたはアルキルアリール基から選択され;R
71、R
72、R
73およびR
74の残りは、1~22個の炭素原子を有する脂肪族基、および22個までの炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリールまたはアルキルアリール基からなる群から独立して選択され;
Xは、ハロゲン、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ニトレート、スルホネート、スルフェート、アルキルスルフェート、アルキルスルホネート基、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される]。
【0136】
少なくとも1つの実施態様において、カチオン性コンディショニング界面活性剤は、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、メチルスルフェートまたはエチルスルフェート、およびステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、メチルスルフェートまたはエチルスルフェートからなる群から選択される。より長いアルキル基は、より短いアルキル基を有するカチオン性界面活性剤と比較して、濡れた毛髪および乾燥した毛髪に改善された滑らかさおよび柔らかい感触を提供すると考えられる。また、そのようなカチオン性界面活性剤は、より短いアルキル基を有するものと比較して、刺激の低減をもたらすことができると考えられる。
【0137】
少なくとも1つの実施態様において、カチオン性界面活性剤は、ジアルキル(C14~C18)ジメチルアンモニウムクロリド、ジ獣脂アルキルジメチルアンモニウムクロリド、二水素化獣脂アルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド及びこれらの混合物からなる群から選択されるジ-長鎖アルキル四級化アンモニウム塩である。
【0138】
少なくとも1つの実施態様において、カチオン性界面活性剤は、炭素数12~22のアルキル基を有する第三級アミドアミンである。前記の第三級アミドアミンは、ステアラミドプロピルジメチル-、ステアラミドプロピルジエチル-、ステアラミドエチルジエチル-、ステアラミドエチルジメチル-、パルミタミドプロピルジメチル-、パルミタミドプロピルジエチル-、パルミタミドエチルジエチル-、パルミタミドエチルジメチル-、ベヘナミドプロピルジメチル-、ベヘナミドプロピルジエチル-、ベヘナミドエチルジエチル-、ベヘナミドエチルジメチル-、アラキダミドプロピルジメチル-、アラキダミドプロピルジエチル-、アラキダミドエチルジエチル-、及びアラキダミドエチルジメチル-アミン、ジエチルアミノエチルステアラミド、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。第三級アミドアミンは、酸と組み合わせて使用してもよい。酸は、典型的には塩形成アニオンとして使用される。一実施態様において、前記酸は、乳酸、リンゴ酸、塩酸、1-グルマチン酸(1-glumatic acid)、酢酸、クエン酸およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0139】
少なくとも1つの実施態様において、カチオン性界面活性剤は、セチルトリモニウムクロリド(CTAC)、ステアリルトリモニウムクロリド(STAC)、ベヘントリモニウムメトスルフェート、ステアロイルアミドプロピルジメチルアミン(SAPDMA)、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリドおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0140】
任意選択的に、本発明のホームケア組成物は、1種または複数の腐食防止剤を含むことができる。適切な腐食防止剤(INCI腐食防止剤)は例えば、INCIに従って命名された以下の物質である:シクロヘキシルアミン、リン酸二アンモニウム、シュウ酸二リチウム、ジメチルアミノメチルプロパノール、シュウ酸二カリウム、リン酸二カリウム、リン酸二ナトリウム、ピロリン酸二ナトリウム、テトラプロペニルコハク酸二ナトリウム、ヘキソキシエチルジエチルアンモニウム、ホスフェート、ニトロメタン、ケイ酸カリウム、アルミン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ステアラミドプロピルジメチコン、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸四ナトリウムおよびトリイソプロパノールアミン。
【0141】
本発明のパーソナルケアまたはホームケア組成物は、香料をさらに含んでもよい。使用され得る香料は、個々の香り化合物(odorant compounds)、例えばエステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素タイプの合成生成物である。エステルタイプの香り化合物は、例えば、ベンジルアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、p-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネートおよびベンジルサリチレートである。前記エーテルには、例えば、ベンジルエチルエーテルが含まれ、前記アルデヒドには、例えば、8~18個の炭素原子を有する直鎖状アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアル(lilial)及びブルゲオナール(bourgeonal)が含まれ、前記ケトンには、例えばイオノン、α-イソメチルイオノン及びメチルセドリルケトンが含まれ、前記アルコールには、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール及びテルピネオールが含まれ、前記炭化水素には、主としてテルペン類及びバルサム類が含まれる。一緒になって心地よい香りのノートを生成する異なる香り物質(odorants)の混合物を使用することが好ましい。使用される香料もまた、植物または動物起源から得ることができるような天然の香り物質混合物、例えば、パイン油、カンキツ油、ジャスミン油、ユリ油、バラ油またはイランイラン油であることができる。芳香成分として通常使用される比較的低揮発性の精油、例えばセージ油、カモミール油、チョウジ油、メリッサ油、ハッカ油、シナモン葉油、リンデンブロッサム油、ジュニパーベリー油、ベチバー油、オリバナム油、ガルバナム油およびラブダナム油(ladanum oil)もまた香油として適切である。本発明のパーソナルケアまたはホームケア組成物における香料の量は、それが0%でない場合、パーソナルケアまたはホームケア組成物の全重量を基準として、好ましくは0.001重量%~2重量%、より好ましくは0.01重量%~2重量%である。
【0142】
本発明のパーソナルケアまたはホームケア組成物中に任意選択的に存在する染料および顔料、有機または無機染料のいずれかは、化粧品指令からの対応のポジティブリスト、または化粧品着色剤のEUリストから選択することができる。真珠光沢顔料、例えばパールエッセンス(魚の鱗からのグアニン/ヒポキサンチン混晶)およびマザーオブパール(粉砕貝殻)、単結晶真珠光沢顔料、例えば、オキシ塩化ビスマス(BiOCl)、層基材顔料(layer-substrate pigments)、例えば、雲母/金属酸化物、TiO2から構成される銀-白色真珠光沢顔料、干渉顔料(TiO2、様々な層厚)、着色光輝顔料(color luster pigments)(Fe2O3)および組み合わせ顔料(TiO2/Fe2O3、TiO2/プルシアンブルー、TiO2/カーマイン)も有利に使用される。本発明のパーソナルケアまたはホームケア組成物における染料および顔料の量は、それが0%でない場合、好ましくは、パーソナルケア組成物またはホームケア組成物の全重量を基準として、0.01重量%~1.0重量%である。
【0143】
少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケアまたはホームケア組成物は、アルカリ化剤またはpH調整剤を含む。少なくとも1つの実施態様において、アンモニアまたは苛性ソーダが適切であるが、有機および無機塩基の水溶性の生理学的に許容可能な塩も考慮できる。任意選択的に、pH調整剤は、炭酸水素アンモニウム、アンモニア、モノエタノールアミン、炭酸アンモニウムから選択される。少なくとも1つの実施態様において、アルカリ化剤は、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、トリス(ヒドロキシル-メチル)-アミノメタン、2-アミノ-1-ブタノール、トリス-(2-ヒドロキシプロピル)-アミン、2,2-イミノビスエタノール、リジン、イミノ尿素(炭酸グアニジン)、テトラヒドロ-1,4-オキサジン、2-アミノ-5-グアニジン-吉草酸、2-アミノエタンスルホン酸、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、グルカミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムおよび酸化マグネシウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0144】
酸性pH値を確立するために、酸を含めることができる。少なくとも1つの実施態様において、前記パーソナルケアまたはホームケア組成物は、塩酸、リン酸、酢酸、ギ酸、硫酸、塩酸、クエン酸およびそれらの混合物からなる群から選択される酸を含む。消費者の受け入れが高いという点でクエン酸が最も好ましい。少なくとも1つの実施態様において、酸性pHは、緩衝液、例えばホスフェート緩衝液、TRIS緩衝液またはクエン酸緩衝液で調整される。緩衝剤は、単独で、または酸と組み合わせて使用することができる。
【0145】
本発明のホームケア組成物は、任意選択的に、洗剤組成物、特に洗濯用洗剤組成物において一般に使用される慣用の成分を含んでもよい。任意成分の例には、ビルダー、漂白剤、漂白活性化合物、漂白活性化剤、漂白剤触媒、光漂白剤(photobleaches)、移染防止剤、色保護剤、再付着防止剤、分散剤、繊維柔軟剤、静電防止剤、蛍光増白剤、酵素、酵素安定剤、泡調整剤、消泡剤、悪臭低下剤(malodour reducers)、防腐剤、消毒剤、ヒドロトロープ、繊維潤滑剤、収縮防止剤、バッファー、香料、加工助剤、着色剤、染料、顔料、防食剤、フィラーまたは安定剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0146】
洗浄力増強のために、ポリマーをホームケア洗浄組成物、特に液体洗濯用洗剤組成物において使用することが有利であり得る。このポリマーは、好ましくは、ポリアルコキシル化ポリエチレンイミン(EPEI)である。ポリエチレンイミン類は、エチレンイミン単位-CH2CH2NH-から構成される物質であり、分岐状の場合、窒素上の水素がエチレンイミン単位の別の鎖によって置き換えられている。これらのポリエチレンイミン類は、例えば、触媒、例えば二酸化炭素、重亜硫酸ナトリウム、硫酸、過酸化水素、塩酸、酢酸等の存在下でエチレンイミンを重合することによって、製造することができる。これらのポリアミン骨格を製造するための具体的な方法は、US2,182,306、US3,033,746、US2,208,095、US2,806,839およびUS2,553,696に開示されている。
【0147】
ホームケア洗浄組成物、特に液体洗濯用洗剤組成物は、他のポリマー材料、例えば、移染防止ポリマー、再付着防止ポリマーおよびコットンソイルリリースポリマー(cotton soil release polymers)、特に変性セルロース材料をベースとするものを含んでいてもよい。特に、EPEIが存在しない場合、調製物は、ポリエチレングリコールおよび酢酸ビニルのポリマー、例えばWO2007/138054に記載されている軽度グラフトコポリマーをさらに含んでもよい。グラフトベースとしての水溶性ポリアルキレンオキシドおよびビニルエステル成分の重合によって形成される側鎖をベースとするそのような両親媒性グラフトポリマーは、高レベルの油性汚れ除去を維持しながら界面活性剤レベルの低減を可能にする能力を有する。
【0148】
少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケアまたはホームケア組成物は、ヒドロトロープを含む。本明細書において、「ヒドロトロープ」は、水でも従来の界面活性剤でもなく、かつ、界面活性剤および他の成分、特に任意のポリマーおよび/または金属イオン封鎖剤の液体中での可溶化を助けて、それを等方性にする溶媒である。ヒドロトロープは、ホームケア洗浄組成物において特に有用である。適切なヒドロトロープの中で、以下のものが注目に値する:モノプロピレングリコール(MPG)、グリセロール、クメンスルホン酸ナトリウム、エタノール、他のグリコール、例えばジプロピレングリコール、ジエーテルおよび尿素。MPGおよびグリセロールが好ましいヒドロトロープである。
【0149】
少なくとも1つの実施態様において、金属イオン封鎖剤が、前記組成物中に、特にホームケア洗浄組成物中に含まれる。好ましい金属イオン封鎖剤としては、有機ホスホネート類、アルカンヒドロキシホスホネート類およびカルボキシレート類が挙げられ、例えば、Thermphosから商標DEQUESTで入手可能である。好ましい金属イオン封鎖剤のレベルは、組成物の全重量に基づいて、10重量%未満、より好ましくは5重量%未満である。特に好ましい金属イオン封鎖剤は、例えばDequest2010として販売されている、HEDP(1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸)である。Dequest(登録商標)2066(ジエチレントリアミンペンタ(メチレン-ホスホン酸)またはヘプタナトリウム(DTPMP)も適切である。金属イオン封鎖剤とも呼ばれる錯化剤(INCIキレート剤)は、組成物の安定性または外観に対する金属イオンの悪影響、例えば濁りを防止するために、金属イオンを錯化し不活性化することができる成分である。まず第1に重要なことは、多くの成分と不適合である水硬度のカルシウムおよびマグネシウムイオンを錯化することである。重金属、例えば鉄または銅のイオンの錯化は、第2に、完成した組成物の酸化分解を遅延させる。さらに、錯化剤は洗剤作用を促進する。
【0150】
適切な例は、INCIに従って命名された以下の錯化剤である:アミノトリメチレン、ホスホン酸、β-アラニン二酢酸、カルシウム二ナトリウムEDTA、クエン酸、シクロデキストリン、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジアンモニウムシトレート、ジアンモニウムEDTA、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、二ナトリウムEDTA、二ナトリウムアザシクロヘプタンジホスホネート、二ナトリウムEDTA、ピロリン酸二ナトリウム、EDTA、エチドロン酸、ガラクタル酸、グルコン酸、グルクロン酸、HEDTA、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、メチルシクロデキストリン、三リン酸五カリウム、五ナトリウムアミノトリメチレンホスホネート、三リン酸五カリウム、五ナトリウムアミノトリメチレンホスホネート、五ナトリウムエチレンジアミンテトラメチレンホスホネート、ペンテト酸五ナトリウム、三リン酸五ナトリウム、ペンテト酸、フィチン酸、クエン酸カリウム、カリウムEDTMP、グルコン酸カリウム、ポリリン酸カリウム、カリウムトリホスホノメチルアミンオキシド、リボン酸、ナトリウムキトサンメチレンホスホネート、クエン酸ナトリウム、ナトリウムジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネート、ナトリウムジヒドロキシエチルグリシネート、ナトリウムEDTMP、グルセプト酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、ナトリウムグリセレス-1ポリホスフェート、ヘキサメタリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、フィチン酸ナトリウム、ナトリウムポリジメチルグリシノフェノールスルホネート、トリメタリン酸ナトリウム、TEA-EDTA、TEA-ポリホスフェート、テトラヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、エチドロン酸四カリウム、ピロリン酸四カリウム、四ナトリウムEDTA、エチドロン酸四ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、三カリウムEDTA、三ナトリウムジカルボキシメチルアラニネート、三ナトリウムEDTA、三ナトリウムHEDTA、三ナトリウムNTAおよびリン酸三ナトリウム。
【0151】
任意選択的に、漂白剤をホームケア組成物に添加することができる。適切な漂白剤としては、過酸化物、過酸及び/又は過ホウ酸塩が挙げられ、H2O2が特に好ましい。
【0152】
本発明のホームケア組成物はまた、酵素、好ましくはプロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、ヒドロラーゼおよび/またはセルラーゼを含んでもよい。それらは、従来技術において確立された任意の形態で、ホームケア組成物、特に洗剤組成物に添加することができる。液体またはゲル形態の洗剤組成物の場合、これらは特に、酵素の溶液を、有利には最大濃度で、低い水レベルと、および/または添加された安定剤と共に含む。あるいは、酵素は、例えば、酵素溶液を、好ましくは天然ポリマーと一緒に噴霧乾燥または押出することにより、封入することができ、または、カプセル、例えば酵素が、固化ゲルにおけるように、または酵素含有コアが水-、空気-および/または化学物質不浸透性の保護層でコーティングされたコア-シェルタイプのものにおけるように、封入されたカプセルの形態であることができる。コーティング層において、さらなる活性成分、例えば安定剤、乳化剤、顔料、漂白剤または染料をさらに使用することが可能である。この種のカプセルは、それ自体は公知の方法によって、例えば撹拌造粒もしくはローラー造粒によって、または流動床プロセスにおいて施用される。有利には、この種の顆粒は、例えば、ポリマー性被膜形成の施用を通して、低いダストレベルを有し、コーティングのために貯蔵安定性である。
【0153】
加えて、ホームケア組成物中に存在する酵素を、例えば物理的効果、酸化またはタンパク質分解切断の結果としての、損傷、例えば不活性化、変性または破壊から保護するために、酵素安定剤が、酵素含有ホームケア組成物中に存在することが可能である。適切な酵素安定剤は、いずれの場合にも使用される酵素に応じて、特に以下である:ベンズアミジン塩酸塩、ホウ砂、ホウ酸、ボロン酸またはそれらの塩もしくはエステル、特に芳香族基を有する誘導体、例えば置換フェニルボロン酸またはそれらの塩もしくはエステル;ペプチドアルデヒド(還元C末端を有するオリゴポリペプチド)、アミノアルコール、例えばモノ-、ジ-、トリエタノール-およびプロパノールアミンおよびそれらの混合物、C12までの脂肪族カルボン酸、例えばコハク酸、他のジカルボン酸または上記酸の塩;および末端基でキャップされた脂肪酸アミドアルコキシレート;低級脂肪族アルコールおよび特にポリオール、例えばグリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコールまたはソルビトール;ならびに還元剤および酸化防止剤、例えば亜硫酸ナトリウムおよび還元糖である。さらなる適切な安定剤は、従来技術から知られている。安定剤の組み合わせ、例えば、ポリオール、ホウ酸および/またはホウ砂の組合せ、ホウ酸またはホウ酸塩、還元塩およびコハク酸または他のジカルボン酸との組み合わせ、あるいはホウ酸またはホウ酸塩とポリオールまたはポリアミノ化合物とのおよび還元塩との組合せを使用することが好ましい。
【0154】
少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケアまたはホームケア組成物、特に液体洗濯用洗剤組成物はバッファーを含む。アニオン性界面活性剤の産生のために任意選択的に含まれる剤に加えて、pH制御のためにはバッファーの存在が好ましい。可能なバッファーは、1種または複数のエタノールアミン、例えば、モノエタノールアミン(MEA)またはトリエタノールアミン(TEA)である。これらは、好ましくは1.0~15重量%のレベルで組成物において使用される。他の適切なアミノアルコールバッファー物質は、MEAを含む、61g/molを超える分子量を有する化合物からなる群から選択され得る。既に述べた材料に加えて、適切な材料には以下が含まれる:モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノアミノヘキサノール、2-[(2-メトキシエチル)メチルアミノ]-エタノール、プロパノールアミン、Nーメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノブタノールアミン、イソブタノールアミン、モノペンタノールアミン、1-アミノ-3-(2-メトキシエトキシ)-2-プロパノール、2-メチル-4-(メチルアミノ)-2-ブタノールおよびそれらの混合物。アミノエタノールバッファーの可能な代替物は、アルカリ水酸化物、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである。
【0155】
少なくとも1つの実施態様において、ホームケア組成物は、手洗い用食器洗浄組成物である。少なくとも1つの実施態様において、手洗い用食器洗浄組成物は、アニオン性界面活性剤を含む。少なくとも1つの実施態様において、手洗い用食器洗浄組成物は、5重量%~25重量%のアニオン性界面活性剤を含む。少なくとも1つの実施態様において、手洗い用食器洗浄組成物は、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤と、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤または双性イオン界面活性剤から選択されるさらに別の界面活性剤とを含む界面活性剤系を含む。好ましくは、手洗い用食器洗浄組成物は、ココアミドプロピルベタインまたはアミンオキシドを含む。好ましくは、アミンオキシドは、ラウリルアミンオキシド、ココイルアミンオキシド、またはそれらの組み合わせである。少なくとも1つの実施態様において、手洗い用食器洗浄組成物のpH値は、pH5.0~pH10、好ましくはpH5.5~9.0である。アミンオキシドを含む手洗い用食器洗浄組成物の場合、当該手洗い用食器洗浄組成物は、好ましくはpH7.5~pH9.5、最も好ましくはpH8.0~pH9.0のpHを有する。
【0156】
少なくとも1つの実施態様において、ホームケア組成物は、硬質表面洗浄剤である。少なくとも1つの実施態様において、硬質表面洗浄剤は、アニオン性界面活性剤を含む。少なくとも1つの実施態様において、硬質表面洗浄剤は、1重量%~10重量%のアニオン性界面活性剤を含む。少なくとも1つの実施態様において、硬質表面洗浄剤は、非イオン性界面活性剤を含む。少なくとも1つの実施態様において、硬質表面洗浄剤は、1重量%~10重量%の非イオン性界面活性剤を含む。少なくとも1つの実施態様において、硬質表面洗浄剤は、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤と、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン界面活性剤またはそれらの組み合わせから選択されるさらに別の界面活性剤とを含む界面活性剤系を含む。好ましくは、硬質表面洗浄剤は、直鎖状アルキルベンゼンスルホネートおよび脂肪アルコールエトキシレートを含む。少なくとも1つの実施態様において、硬質表面洗浄剤のpH値は、pH5.0~pH11、好ましくはpH6.0~pH9.0である。
【0157】
少なくとも1つの実施態様において、ホームケア組成物は、1種または複数の界面活性剤を含む液体洗濯用洗剤組成物である。好ましくは、液体洗濯用洗剤組成物の1種または複数の界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性および双性イオン性界面活性剤からなる群から選択され、より好ましくは、アニオン性、ノニオン性および双性イオン性界面活性剤からなる群から選択される。好ましくは、液体洗濯用洗剤組成物中の1種または複数の界面活性剤は、液体洗濯用洗剤組成物の全重量を基準として、少なくとも5重量%、より好ましくは5重量%~65重量%、さらにより好ましくは6~60重量%、極めて好ましくは7重量%~55重量%の量で存在する。
【0158】
少なくとも1つの実施態様において、パーソナルケア組成物またはホームケア組成物は液体形態である。代替的な実施態様において、前記パーソナルケアまたはホームケア組成物は固体形態にある。任意選択的に、前記パーソナルケアまたはホームケア組成物は、粉末形態または粒状形態にある。これは、長距離にわたって液体(これは通常重い)を輸送する必要がなく、経済的および環境的な利点を有するという点で有利である。固体形態は、組成物を噴霧乾燥するか、またはロータリーエバポレーターを使用することによって達成することができる。前記パーソナルケアまたはホームケア組成物は、例えば水を添加することによって、輸送された後に液体形態に変換することができる。
【0159】
抗微生物組成物を含む例示的なパーソナルケア調製物を、以下の表1に示す。
【0160】
【0161】
抗微生物組成物を含む例示的なホームケア調製物を、以下の表2、3および4に示す。
【0162】
【0163】
【0164】
【0165】
以下の実施例は、それによって本発明を限定することなく、本発明を説明することを意図するものである。
【実施例】
【0166】
例
例1-抗微生物組成物の調製
25℃のRBFに60mlのDM水を仕込み、それに20gのL-アルギニンを添加した。全体を40℃に加熱し、反応ブレンドを10分間または透明な溶液が得られるまで維持した。40~45℃で上記反応ブレンドに酸化銀1.04gを仕込み、混合物を40~45℃で4時間維持した。全体を35℃に冷却し、それに700mlの水を添加した。30~35℃で30分間撹拌しながら維持した。30~35℃で2.5gのカプリル酸を添加し、同じ温度で1時間撹拌しながら維持した。ハイフローベッドを用いて反応産物を室温でろ過した。90mlの水でRBFを洗浄し、ハイフローベッドを通して溶液をろ過した。ろ液を銀含有量についてアッセイし、水を添加することによって銀の最終濃度(0.09~0.11%)を調整した。
【0167】
使用した酸化銀、アルギニン、カプリル酸および水の様々な量を以下の表5に示す。
【0168】
【0169】
例7-酸化銀含有量のアッセイ
例E1~E6の抗微生物組成物の精密に秤量した約10.0gの液体サンプルを、10mlの水と5mlの濃硝酸との混合物を有する100mlの滴定容器に加えた。混合物を2.0分間超音波処理し、自動滴定装置(Metrohm 916 Ti Touch)により0.05Nチオシアン酸カリウムを用いて滴定した。
【0170】
サンプル中の酸化銀の含有量を、以下の式により決定した:
【0171】
【数1】
式中、
V=サンプルのために使用したチオシアン酸カリウム0.05Nの体積(ml)
F=チオシアン酸カリウム0.05Nの使用率
W=サンプルの重量(g)
【0172】
抗微生物組成物E1~E6を、それらの酸化銀含有量についてアッセイした。結果を以下の表6に示す。
【0173】
【0174】
例8-抗微生物活性の試験
抗微生物活性について、決定された値は、特定の接触時間後に既知の細菌集団をゼロに減少させるのに必要な抗微生物剤の最小発育阻止濃度(MIC)であった。使用されるプレーティングアウト方法に応じて、殺す割合を、(必要に応じて)それぞれ個々の生物または生物のセットについて決定することもできる。抗微生物活性をBS EN1040に従って試験した。
【0175】
原理
防腐剤の既知のアリコートを、弱栄養溶液中に投入し、既知の濃度の微生物種と共にインキュベートした。微生物種は、混合または単一種の細菌、酵母または真菌のいずれかであり得る。所定の時間間隔(複数可)の後、サンプルのアリコートを、スプレッドプレート法を用いてプレートアウトし、生存種の数を決定した。防腐剤処理されていないコントロールを使用することによって、防腐剤がゼロ成長をもたらしたレベルを決定することができる。
【0176】
細菌曝露接種材料の調製
4℃で保管した寒天斜面から採取した白金耳量の細菌を、10mlのトリプトン大豆ブロス中で均質化し、30℃±2.5℃で16時間(150rpmで振とうしながら)インキュベートした。この期間の後、溶液が約5×105個の生細胞/mlを含むように、溶液をマキシマムリカバリー希釈液(maximum recover diluent)を用いて調整した(一晩培養物は約1×109cfu/mlを含有し、従って、上記の接種材料レベルを生成するのに必要な希釈は、これに基づいて計算した)。曝露接種材料中の実際の数は、標準的なスプレッドプレートカウント技術を用いて決定した。
【0177】
酵母および真菌培養物の調製
4℃で保存した麦芽抽出寒天斜面から白金耳量の培養物を回収し、10mlのマキシマムリカバリー希釈液中で均質化した。これを30秒間ボルテックスし、溶液が約5×105個生細胞/mlを含有するように、マキシマムリカバリー希釈液を用いて懸濁液を調整した。接種材料中の実際の数は、標準的なスプレッドプレートカウント技術を用いて決定した。
【0178】
10mlの2%Tween溶液を麦芽抽出斜面ストック培養物に添加し、30秒間ボルテックスすることによって、真菌を調製した。溶液が約5×105個生胞子/mlを含有するように、マキシマムリカバリー希釈液を用いて懸濁液を調整した。接種材料中の実際の数は、標準的なスプレッドプレートカウント技術を用いて決定した。
【0179】
MIC詳細設定方法
滅菌ホスフェートバッファーまたは他の適切な希釈剤を用いて、新鮮な防腐剤ストック溶液を調製した。表7に従い、無菌試験管に無菌的に無菌ホスフェートバッファーおよび防腐剤溶液を加えた。試験する生物に適した温度で前記管をインキュベートした。一定間隔、通常1、3、7日で、試験溶液から0.1mlのアリコートを採取し、スプレッドプレート法を用いてプレートアウトした。必要に応じて、保存効力をより正確に決定するために、段階希釈を行ってもよい。
【0180】
【0181】
試験管のインキュベーションに適した温度は以下の通りであった:
細菌培養30±2.5℃、および酵母/真菌培養25±2.5℃。
【0182】
殺傷率(kill rate)を、以下の方法で算出した:
【0183】
【数2】
対数殺傷率に関する通則:
1Log減少=90%
2Log減少=99%
3Log減少=99.9%
4Log減少=99.99%
5Log減少=99.999%。
【0184】
抗微生物組成物に関するMICデータを以下の表8に示す。
【0185】
【0186】
例9-抗微生物組成物を含有するパーソナルケア組成物
本発明の抗微生物組成物を含むパーソナルケア組成物を、以下の表9および10に従って製造した。
【0187】
【0188】
【0189】
例18-抗微生物組成物を含有するホームケア組成物
本発明の抗微生物組成物を含むホームケア組成物を、以下の表11、12および13に従って製造した。
【0190】
【0191】
【0192】
【0193】
例30-抗微生物組成物を含むパーソナルケアおよびホームケア組成物の抗細菌効力
例9~29のパーソナルケアおよびホームケア組成物の抗細菌効力を、上記例8に概要を述べた方法を用いて実施した。結果を以下の表14に示す。
【0194】
【0195】
結論:
上記データは、細菌、酵母および真菌に対する、上記抗微生物組成物の良好な効力を示している。上記組成物はまた、2.6~9.0の幅広いpH領域にわたって安定であり、種々の調製物において適合性である。
【0196】
例31-抗微生物組成物の安定性試験
E3の抗微生物組成物を、加速安定性を試験するために使用した。50gの3つのサンプルをE3から採取し、40±2℃の温度および75±5%の湿度で保持した。安定性を、0、1、3および6カ月の時間区間で試験した。結果を以下の表15に示す。
【0197】
【0198】
本発明の抗微生物組成物を含むパーソナルケアおよびホームケア組成物は、室温で、ならびに加速安定性条件(例31のとおり)で、3カ月間、外観、粘度またはpHの変化なしに、安定なままである。
【国際調査報告】