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特表2024-512300モバイル緊急発電及びビークル推進電力システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】モバイル緊急発電及びビークル推進電力システム
(51)【国際特許分類】
   B64D 27/355 20240101AFI20240312BHJP
   H01M 8/249 20160101ALI20240312BHJP
   H01M 8/04313 20160101ALI20240312BHJP
   H01M 8/04858 20160101ALI20240312BHJP
   H01M 8/0438 20160101ALI20240312BHJP
   H01M 8/0432 20160101ALI20240312BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20240312BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20240312BHJP
   H01M 8/04992 20160101ALI20240312BHJP
   B64D 27/34 20240101ALI20240312BHJP
   B64U 10/13 20230101ALI20240312BHJP
   B64U 50/19 20230101ALI20240312BHJP
   B64U 50/32 20230101ALI20240312BHJP
   B64C 29/00 20060101ALI20240312BHJP
   B64U 20/80 20230101ALI20240312BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20240312BHJP
   B60L 50/70 20190101ALI20240312BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20240312BHJP
   B60L 58/30 20190101ALI20240312BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20240312BHJP
   B64U 101/10 20230101ALN20240312BHJP
   B64U 101/61 20230101ALN20240312BHJP
   B64U 101/64 20230101ALN20240312BHJP
【FI】
B64D27/355
H01M8/249
H01M8/04313
H01M8/04858
H01M8/0438
H01M8/0432
H01M8/04746
H01M8/00 A
H01M8/04992
B64D27/34
B64U10/13
B64U50/19
B64U50/32
B64C29/00 A
B64U20/80
B60L50/60
B60L50/70
B60L53/14
B60L58/30
H01M8/10 101
B64U101:10
B64U101:61
B64U101:64
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553058
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 US2022019545
(87)【国際公開番号】W WO2022192398
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/158,922
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523122838
【氏名又は名称】アラカイ テクノロジーズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モリソン、ブライアン ディー.
【テーマコード(参考)】
5H125
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H125AA20
5H125AC07
5H125AC12
5H125BC24
5H126BB06
5H127AA06
5H127AB04
5H127AB29
5H127AC01
5H127BA02
5H127BA22
5H127BA46
5H127BA60
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB37
5H127CC01
5H127DB92
5H127DC42
5H127DC89
5H127FF05
(57)【要約】
大気又はローカル酸素供給からの気体酸素を含む酸化剤、及び、液体水素からの気体水素を含む燃料又は気体水素を処理し、複数の水素燃料電池から電子を収集し、電圧及び電流を供給し、外部使用、及び、ビークル自体の推進システムのためのパワーインバータ及び電力アウトレットと共に使用するために電圧及びトルク又は電流の量及び分配を制御するために共に機能する複数の燃料電池を含む燃料電池モジュールを有する、フルスケール、クリーン燃料、電動ビークルのためのモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム、方法、及び、装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル緊急発電及びビークル推進電力システムであって、
少なくとも1つの電気回路を有する複数の水素燃料電池を含む少なくとも1つの燃料電池モジュール、ここで、前記少なくとも1つの電気回路は、前記複数の水素燃料電池の各水素燃料電池から電子を収集し、電圧及び電流を供給するように構成されており;
前記少なくとも1つの燃料電池モジュールと流体連通する燃料タンクを含む燃料供給サブシステム;及び
少なくとも1つの電気回路からの供給された電圧及び電流の分配を監視及び制御する電力分配監視及び制御サブシステム、
を備え、
前記電力分配監視及び制御サブシステムは:
動作条件を測定するように構成されている1又は複数の感知デバイス;
ビークル推進及び外部補助電源アウトレット又はポートの間の電力の分配を制御するために前記少なくとも1つの燃料電池モジュールを接続する手段;及び
AC電力を生成するとき、前記1又は複数の燃料電池及び前記外部補助電源アウトレット又はポートの間に配置されるパワーインバータ
を備え、DC電力を生成するとき、パワーインバータは必要でなく、
前記モバイル緊急発電及びビークル推進電力システムは、前記少なくとも1つの燃料電池モジュールから必要に応じて電力を選択可能に誘導して、飛行中にビークル推進を、飛行中でないときにビークルの外部の緊急発電を提供する、
モバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの燃料電池モジュールは、前記ビークルの中、又は上に配置され、前記ビークルに推進力を提供する、請求項1に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項3】
前記接続する手段は、前記外部補助電源アウトレット又はポートの1又は複数のソケットのセットについて、電圧及び電流における電力の供給をアクティブ化又は非アクティブ化する、請求項1または2に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項4】
前記接続する手段は制御ネットワークを介して制御される、請求項3に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項5】
前記制御ネットワークは、コントローラエリアネットワーク(CAN)バスを含む、請求項4に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項6】
前記制御ネットワークは、銅ネットワーク、光ファイバネットワーク、又は無線ネットワークのうちの1又は複数として実装される、請求項4に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項7】
前記パワーインバータは、前記接続する手段を使用して、前記外部補助電源アウトレット又はポートに電子的に接続され、前記少なくとも1つの燃料電池モジュールに選択可能に電気的に接続されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項8】
前記接続する手段は制御ネットワークを介して制御される、請求項7に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項9】
前記パワーインバータは、飛行中でないとき、前記接続する手段を制御して、前記少なくとも1つの燃料電池モジュールからの直流(DC)電力を、ユーザによって取り外し可能に接続される1又は複数のソケット及び外部AC又はDC電源プラグに電力を供給するよう構成されている前記外部補助電源アウトレット又はポートに供給される交流電流(AC)電源に変換することによってアクティブ化される、請求項1から8のいずれか一項に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項10】
前記接続する手段の制御は制御ネットワークによって提供される、請求項9に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項11】
前記電力分配監視及び制御サブシステムは更に:
少なくとも温度センサを含む、動作条件を測定するよう構成されている前記1又は複数の感知デバイス;及び
前記複数の水素燃料電池の各水素燃料電池から電子を収集し、電圧及び電流を複数のモータコントローラ及びビークルコンポーネントに供給するよう構成されている前記電気回路、ここで、前記電気回路から戻る電子は圧縮空気における酸素と組み合わさり酸素イオンを形成し、次に、プロトンは酸素イオンと組み合わさりHO分子を形成し、ここで、前記複数のモータコントローラは、測定された動作条件に基づいてアルゴリズムを計算するように構成されている、及び、前記複数のモータコントローラ又は前記パワーインバータ、及び、その外部補助電源アウトレット又はアウトレットの各々について、電圧又は電流の量及び分配を選択及び制御するように構成されているコンピュータプロセッサを含む1又は複数のオートパイロット制御ユニット又はコンピュータユニットによって命令される、
を備える請求項1から10のいずれか一項に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項12】
前記電気回路は、各水素燃料電池内に配置された、電子をアノード側触媒層から収集し、前記外部補助電源アウトレットを含む電力分配監視及び制御サブシステムを含むビークルコンポーネントを駆動する前記電気回路に電圧及び電流を供給するよう構成されている電気コレクタを含み、複数のモータコントローラは、前記ビークルにおける複数のモータ及びプロペラ又はロータアセンブリを制御するよう構成され、ここで、前記電気回路から戻る電子は、圧縮空気における酸素と組み合わさり酸素イオンを形成し、次に、プロトンが酸素イオンと組み合わさりHO分子を形成する、請求項1から11のいずれか一項に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項13】
前記電力分配監視及び制御サブシステムは、前記少なくとも1つの燃料電池モジュールのユーザ選択可能なアクティブ化に基づいて、全体で600キロワット又はより大きい、前記ビークルの搭載発電容量まで、変動する電力出力を制御する、電源のための可変制御を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項14】
1又は複数の回路基板;
1又は複数のプロセッサ;
1又は複数のメモリ;
1又は複数の電子コンポーネント、電気的接続、電気ワイヤ;及び
電気メインバス、及び、外部補助電源アウトレットのアレイのサブセットを選択可能に動作させるように各々が構成されている前記少なくとも1つの燃料電池モジュールを含む1又は複数の電源の間の絶縁を提供する1又は複数のダイオード又は電界効果トランジスタ(FET、IGBT又はSiC)
を更に備える、請求項1から13のいずれか一項に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項15】
前記燃料電池モジュールは更に、モジュールハウジング、燃料送出アセンブリ、再循環ポンプ、冷媒ポンプ、燃料電池制御、センサ、冷媒導管、移送冷媒、接続部、水素注入口、冷媒注入口、空気吸入口、水素排出口、空気排出口、冷媒排出口、及び、前記少なくとも1つの燃料電池モジュールに接続され流体連通する冷媒導管を含み、1又は複数の感知デバイスが、制御ネットワークバスを使用して、温度及び動作条件又はパラメータを1又は複数のオートパイロット制御ユニット又はコンピュータユニットに報告するように構成されており、更に、圧力ゲージ、レベルセンサ、真空ゲージ、温度センサのうちの1又は複数を含み、更に、自己測定するよう構成されている前記少なくとも1つの燃料電池モジュール、自己測定するよう構成されている前記外部補助電源アウトレット、又は、自己測定するよう構成されているモータコントローラのうちの1又は複数を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項16】
冗長ネットワークを通じて投票プロセスを通信し、バルブ、ポンプ、及びそれらの組み合わせを操作する命令を用いて、複数のモータコントローラ、燃料供給サブシステム、少なくとも1つの燃料電池モジュール、及び流体制御ユニットに命令して、燃料、空気、及び/又は冷媒の流れを異なる位置へ変更することにより、前記接続する手段のアクティブ化後の前記外部補助電源アウトレットを制御する、少なくとも2つの冗長オートパイロット制御ユニット又はコンピュータユニットを含む、1又は複数のオートパイロット制御ユニット又はコンピュータユニットを更に備える、請求項1から15のいずれか一項に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項17】
前記モバイル緊急発電及びビークル推進電力システムが搭載された前記ビークルは、フルスケールの電気式垂直離着陸(eVTOL)又は電気飛行体システムを含む、請求項1から16のいずれか一項に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項18】
前記eVTOLは、1又は複数の人間の搭乗者及び/又はペイロードを移送するためのサイズ、寸法及び構成であり、ビークル重量、人間の搭乗者、及び/又は、ペイロードを支持する、複数のモータコントローラ及びロータアセンブリに取り付けられそれらを支持するマルチロータエアフレーム胴体を含み、前記ロータアセンブリの各々は、ロータブレード又はプロペラブレードの複数のペアを含み、前記ロータアセンブリの各々は、前記複数のモータコントローラ、及び、前記複数の水素燃料電池からの電圧及び電流を分配する電力分配監視及び制御サブシステムに電気的に接続され、それらによって制御される、請求項17に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項19】
1又は複数のオートパイロット制御ユニットに有線、光ファイバ、又は無線(RF)接続される、ソフトウェアを含むミッションプランニングコンピュータを更に含む、請求項17または18に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項20】
前記1又は複数のオートパイロット制御ユニットは、コンピュータプロセッサ、及び、シリアルRS232、コントローラエリアネットワーク(CAN)、イーサネット、アナログ電圧入力、アナログ電圧出力、モータ制御のためのパルス幅変調出力、組み込み又はスタンドアロンエアデータコンピュータ、組み込み又はスタンドアロン慣性測定デバイス、及び、1又は複数のクロス通信チャネル又はネットワークから選択されるインタフェースの少なくとも1つを含む入出力インタフェース、及び、命令データの複数のチャネルがシリアル回線を通じて前記1又は複数のオートパイロット制御ユニットに通過するような方式でデータを前記シリアル回線上に組み合わせるための手段を含み、前記シリアル回線において、制御情報が、周期的又は非周期的なレートで反復する複数のフレームにおいてパッケージングされる、請求項19に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項21】
前記eVTOLについての前記外部補助電源アウトレット、制御パネル、ゲージ、及びセンサ出力を含む動作条件を監視及び表示するために使用される標準アビオニクスの構成を有する、簡略化コンピュータ及びディスプレイを更に備える、請求項19または20に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項22】
ビークルシステムの一次電圧の少なくとも一部を、ローカル電流ストレージを提供するための対応する電圧のバッテリを用いて、12V、24V、28V、又は、アビオニクス、ラジエータファンモータ、コンプレッサモータ、水ポンプモータ、及び非推進の目的についての他の標準電圧から成る群のうちの1又は複数を含む標準電圧にダウンシフトするように構成されているDC-DCコンバータ又はスタータ/オルタネータを更に備える、請求項1から21のいずれか一項に記載のモバイル緊急発電及びビークル推進電力システム。
【請求項23】
液体水素(LH)燃料を燃料タンクから移送し、前記LHの状態を気体水素(GH)に変換する、又は、気体水素(GH)を移送する段階;
前記GHを、流体連通及び電気通信する複数の水素燃料電池を含む1又は複数の燃料電池モジュールに移送する段階、それにより、前記複数の水素燃料電池の各々は、合計されて前記1又は複数の燃料電池モジュールの累積的な電圧及び電流になる電圧及び電流を生成し;
1又は複数の空気送出機構を使用して、周囲空気を収集し、圧縮空気に圧縮する段階;
前記1又は複数の空気送出機構からの圧縮空気を、前記1又は複数の空気送出機構と流体連通する前記複数の水素燃料電池を含む前記1又は複数の燃料電池モジュールに移送する段階;
前記複数の水素燃料電池の中の前記GHを、前記複数の水素燃料電池の各々における水素フローフィールドプレートの流入端に組み込まれた第1のチャネルアレイに迂回させ、前記水素フローフィールドプレートの前記第1のチャネルアレイに接続されたアノード気体拡散層(AGDL)を通じて、前記AGDL及び膜電解質アセンブリのプロトン交換膜(PEM)のアノード側に接続されたアノード側触媒層へ前記GHを拡散する段階;
前記複数の水素燃料電池の中の圧縮空気を、前記複数の水素燃料電池の各々における酸素フローフィールドプレートの流入端に組み込まれた第2のチャネルアレイへ迂回させ、前記酸素フローフィールドプレートの前記第2のチャネルアレイに接続されたカソード気体拡散層(CGDL)を含むカソードバッキング層を通じて、前記CGDL、及び、前記膜電解質アセンブリの前記PEMのカソード側に接続されたカソード側触媒層へ前記圧縮空気を拡散する段階;
前記アノード側触媒層との接触を通じて、前記GHを正電荷のプロトン又は水素イオン及び負電荷の電子に分割する段階、ここで、前記PEMは、電荷引力を通じて、プロトンが前記アノード側から前記カソード側に透過することを可能にするが、前記電子を含む他の粒子を制限する;
電圧及び電流を、少なくとも1つの電気回路及び前記少なくとも1つの電気回路に接続された接続する手段に供給し、
複数のモータ及びプロペラ又はロータアセンブリを制御するように構成されている複数のモータコントローラを含み、前記電気回路から戻る電子を前記圧縮空気における酸素と組み合わせて酸素イオンを形成し、次に、前記プロトンを酸素イオンと組み合わせてHO分子を形成する発電サブシステム、及び、
少なくとも前記接続する手段、及び、パワーインバータに接続された外部補助電源アウトレット又はポートに接続されている前記パワーインバータ
のうちの1又は複数を選択可能に駆動する段階
を備える、モバイル緊急発電システムを動作させるための方法。
【請求項24】
1又は複数の感知デバイス、及び、制御ネットワークバスを使用して、動作条件又はパラメータを測定及び報告し、圧力ゲージ、レベルセンサ、真空ゲージ、温度センサ、自己測定するように構成されている前記少なくとも1つの燃料電池モジュール、又は、自己測定するように構成されているモータコントローラのうちの1又は複数からのデータに基づいて、1又は複数のオートパイロット制御ユニット又はコンピュータユニットに通知する段階を更に備える、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記方法は、前記制御ネットワークバスを介して前記パワーインバータによって通信された1又は複数のデジタルフィードバック測定を使用して、前記パワーインバータにおける動作条件の測定を反復し、次に、前記1又は複数の燃料電池モジュールについてのデータを使用して、比較、計算、選択及び制御、及び実行段階を実行して、前記1又は複数の燃料電池モジュールによる電圧及び電流の生成及び供給、及び、前記パワーインバータにおける動作条件を反復的に管理する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、1又は複数の温度感知デバイス又は熱エネルギー感知デバイスを使用してマルチロータ飛行体の動作条件を繰り返し測定し、前記1又は複数の燃料電池モジュールのデータを使用して、比較、計算、選択及び制御、及び実行する段階を実行し、前記1又は複数の燃料電池モジュールによる電圧及び電流又はトルクの生成及び供給、及び前記マルチロータ飛行体の動作条件を繰り返し管理する、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
冗長ネットワークを通じて投票プロセスを通信して、命令を生成する制御アルゴリズムを動作させる1又は複数のオートパイロット制御ユニットを使用して、バルブ、ポンプ、及びそれらの組み合わせを操作する命令を用いて、前記複数のモータコントローラ、燃料供給サブシステム、前記1又は複数の燃料電池モジュール、及び流体制御ユニットに命令し、燃料、空気、及び/又は、冷媒の流れを異なる位置へ変更し、ビークル安定性を管理及び維持し、フィードバックを監視する、少なくとも2つの冗長オートパイロット制御ユニットを含む、1又は複数のオートパイロット制御ユニット又はコンピュータユニットを更に備える、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2021年3月10日に出願された、同時係属中である米国仮特許出願第63/158,922号の優先権及び利益を主張するものであり、すべての主題は両方の出願に共通である。上記仮特許出願の開示は、本明細書において、参照により全体が組み込まれる。
【0002】
本発明は、クリーン燃料、電動ビークルのためのモバイル緊急発電及びビークル推進システム、方法、及び装置に関する。それは、網羅的ではないが、燃料電池モジュール又は他の搭載された動力源が燃料を電気に変換し、電気は次に、ビークルの飛行動作のための複数の電気モータ、及び、地上にあるときは外部電源アウトレットを選択的に動作させるために使用される、先端エアモビリティ(AAM)飛行体を含む搭載された燃料電池駆動電気(排出が少ない又は無い)飛行体ビークルの特定の用途がある。同一の発電システムがビークルを推進し、外部電源をユーザに供給し、それにより、ビークルは、遠隔の場所へ操縦され得、次に、外部アウトレットのアクティブ化の直後に、病院又は養護施設など、外部用途のために緊急発電機器として機能する。
【背景技術】
【0003】
モバイルジェネレータは、電力会社の電気が利用不可能である、又は、電力網の電気に影響を及ぼす自然災害の後など電気が一時的にのみ必要であるエリアにおいて電力を提供するために使用される。多くの場合、トレーラに搭載されたジェネレータが、系統電力が一時的に中断されたエリアへ、又は、照明、音増幅システム、建設現場におけるパワーツール、又は娯楽用アトラクションの一時的設備を供給するために牽引される。トレーラ搭載又はモバイルジェネレータは、病院の緊急又はバックアップ電力、通信サービス設備、セルタワー、データ処理センタ、及び他の施設にも使用され得る。トレーラに搭載されたエンジンジェネレータは多くの場合、ガソリン(石油)、ディーゼル、天然ガス、及びプロパン(液体又は気体)又は水素を含む燃料を燃焼させることによって駆動されるレシプロエンジンを使用する。これにより、ジェネレータを牽引するビークルが、発電機器を牽引するビークルをその意図された目的地まで推進するために追加のエンジン又は発電システムを必要とするという冗長性が生じる。この冗長性により、過剰な電力が消費され、特定の用途に不適切である燃焼排気が排出され、効率性が低下し、モバイル電力を供給するために必要な空間が増加する。また、緊急発電機器及び/又は燃料の配送のためのアクセス道路又はインフラストラクチャの存在を想定し、それらを必要とするが、ハリケーン又は他の自然災害の後にはアクセス可能でないことがあり得る。
【0004】
多くの大都市及び都市圏は、通勤交通により渋滞しており、大動脈は既に容量に達している、又は、容量を超えており、大きい発電機器を牽引することがますます非実用的となっている。燃料電池に関する先端技術は、モバイル配電用途において、より分散された非集中的な移動を可能にし得る。追加的に、オンデマンド、非集約的、及びスケーラブルな方式で動作する、個人用エアビークル(PAV)又は先端エアモビリティ(AAM)ビークルは、モバイル電力送出の有効範囲を延長し得る短距離エアモビリティを提供するが、そのようなシステムは、統合された空域、自動化、及び技術に大きく依存する。小さいエアモビリティビークル又は飛行体は、モバイル発電が、地上の交通渋滞、又は、大容量の空港の利用可能性によって制限されることなく、ある地点から任意の地点へ効率的かつ単純に移動することを可能にする。追加の利益として、自動化された自己操作式のビークルの動作、及び、都市内用途のための環境に配慮した非炭化水素駆動式飛行体の動作を可能にすることを含む。
【0005】
ビークル上で電力を生成及び分配することには、非効率的な性能及び資源の消費、汚染、高いコスト、大きい重量又は空間消費、ビークル構成に対する制限、不要なビークルコンポーネントの複雑性、及び冗長性を含む複数の課題が存在する。そのようなビークルは、先端センサ及び制御技法と組み合わされた、電力を生成するための搭載能力を有する、高い信頼性、安全性、単純性、及び冗長制御の特徴を有する最先端の電気モータ、電子機器、及びコンピュータ技術を必要とする。
【0006】
燃料電池を使用して電力を生成することは魅力的な代替手段であるが、要件により、現在の燃料電池技術を実際的な方式で実装することは難しい。一般に、燃料電池は、化学反応(例えば、酸化還元反応のペア)を通じて直接、燃料及び酸化剤の化学エネルギーを電気に変換する様々なタイプの電気化学電池である。燃料電池の2つの化学反応は、電解質及び2つの電極、それぞれ負のアノード及び正のカソードという3つの異なるセグメント又はコンポーネントの界面で発生する。燃料電池は燃料を消費し、2つの酸化還元反応の最終結果として電流を生成し、この電流を使用して、通常は負荷と呼ばれる電気デバイスに電力を供給するだけでなく、唯一の他の生成物として水又は二酸化炭素及び熱を生成することもできる。燃料、例えば水素がアノードに供給され、空気がカソードに供給される。アノードでの触媒は、燃料に酸化反応を起こさせ、イオン(多くの場合、正に帯電した水素イオン又はプロトン)及び負に帯電した電子を生成し、これらの電子は、カソードへの様々な経路を取る。アノード触媒(例えば、白金粉末)は、燃料を電子及びイオンに分解し、電子は外部回路を通じてアノードからカソードへ移動し、電圧降下を越える電気の流れが作られ、直流の電気が生成される。イオンは電解質を通じてアノードからカソードへ移動し、これにより、多くの場合は正に帯電した水素イオン(プロトン)であるイオンが燃料電池の2つの側の間を移動することを可能にする。電解質物質は、通常、燃料電池のタイプを定義し、水酸化カリウム、炭酸塩、リン酸などのいくつかの物質から作ることができる。イオン又はプロトンは、電解質を通ってカソードに移動する。カソードでは、別の触媒によってイオン、電子、及び酸素が反応する。カソード触媒、多くの場合ニッケルは、イオンを廃棄物に変換し、主な副産物として水を形成する。したがって、水素燃料については、電子は酸素及びプロトンと組み合わさり、発電された電気、水、及び熱だけを生成する。
【0007】
燃料電池は、燃焼ではなく化学的に電気を生成するため、従来の発電所を制限する特定の熱力学的法則(例えば、カルノー制限)の影響を受けない。したがって、燃料電池は、ほとんどの場合、従来の燃料燃焼よりも燃料からエネルギーを抽出するのに効率的である。燃料電池は、電力を外部デバイスへ供給するためのジェネレータとして機能することを含む追加の機能を実行するために修正できるシステムを通じて電力を生成及び管理し、システムの効率性を増加させる。
【0008】
一部の燃料電池は、純粋な水素を必要とし、他の燃料電池は、一部の不純物を許容するが、効率的に実行するためにより高い温度を必要とし得る。液体電解質が一部の電池において循環し、ポンプ及び追加の機器を必要とするので、動的で空間が制限された環境においてそのような電池を使用する実行可能性が減少する。イオン交換膜電解質は、低減されたコストで、強化された効率性及び耐久性を有する。プロトン交換膜(PEM)燃料電池の柔軟な固体の電解質は、漏れる又は割れることがなく、ビークルに好適な十分に低い温度で動作する。これらの燃料は精製される必要があり、燃料を精製するための「リフォーマ」又は電解槽などの前処理された機器が必要であるので、複雑性が増加する一方で、利用可能な空間が減少する。白金触媒は膜の両側に使用されることが多く、コストが高くなる。個別の燃料電池は、わずかな量の直流(DC)電気だけを生成し、多くの場合、スタックに組み立てられた多くの燃料電池を必要とする。これにより、著しい発電が必要であるが、空間、及び、特に重量が最小化される必要がある実装において困難が生じ、変動する性能を達成するために、様々な状況及び条件において、関連する化学反応、電磁、及び熱力学の原理を実装するためのより効率な方法が必要である。
【発明の概要】
【0009】
機能するために追加の資源を消費する又は必要とする代わりに利用可能な資源を使用しながら、ビークル(先端エアモビリティ飛行体を含む)の必要性を動的に満たすために、電力(電圧及び電流)の生成及び分配における効率性及び有効性を改善するために、クリーン燃料、電動ビークルのための、改善された軽量、高電力密度、フォールトトレラント、モバイル緊急発電、及びビークル推進システム、方法、及び装置が必要とされている。更に、ビークル内で使用されるシステムの数、質量、及びサイズを限定しながら、燃料電池及び他の発電コンポーネントに供給するために、格納された液体水素燃料を気体水素燃料に効率的に変換する必要性がある。本発明は、他の望ましい特性に加えて、この必要性に対処する更なる解決手段に関する。具体的には、本発明は、ビークル(例えば、先端エアモビリティ飛行体を含むフルスケールの垂直離着陸有人又は無人飛行体)における燃料電池モジュールを使用する、電力の生成及び分配を管理するためのシステム、方法及び装置に関し、気体水素、液体水素、又は他の一般的な燃料(圧縮された液体又は気体燃料を含む)などの燃料から電気を生成し;電力及び燃料供給及び分配を制御し、機構を操作し、熱力学動作条件又は他のビークル性能を制御するためのシステムを含む。感知されたビークル状態についてのパラメータ値は、推奨されるビークル動作パラメータが超過しそうなときを検出するために使用される。ビークル状態測定からのフィードバックを使用して制御命令を通知することによって、及び、冗長なオートパイロットコンピュータの間で投票することによって、方法及びシステムは、ビークル動作の単純性、安定性、信頼性、安全性、及び低コストに貢献する。電圧及び電流を生成するための1又は複数の搭載された燃料電池モジュール、発電及び過剰な熱又は熱エネルギーの発生を監視及び制御するための電子機器、ならびに、各モータへの命令された電圧及び電流を制御し、その性能(とりわけ、結果として生じるRPM、電流、トルク及び温度などのメトリクスを含み得る)を測定するためのモータコントローラによって電力が提供される。液体水素は、変更された流体の温度を有し得(例えば、体積を膨張させる)、液体Hから気体水素への相転移を引き起こし、気体水素を加熱するために、又は、それを気体状態に変換して次に燃料電池に供給するために、1又は複数の熱交換器が採用され得る。過剰な熱又は廃熱が、熱交換器によって、燃料電池モジュール、モータ、モータコントローラ、バッテリ、回路基板、及び他の電子除去又は放散される。
【0010】
ビークルは、オペレータによる制御入力(例えば、タブレットコンピュータの動きを使用して、スロットル及びジョイスティック命令を模倣する)を受け付け、電気モータコントローラ、先端アビオニクス、及びGPS機器への命令を管理して、場所、地形表示、及び、単純なゲームのような制御システムを提供するための冗長なオートパイロットコンピュータ又は制御ユニットを装備し得る。タブレットコンピュータは、ミッションプランニング及びビークル制御システム機能を提供し、オペレータに対して、ルートを事前に計画して、オートパイロットを通じて無人でシステムを目的地へ移動させる、又は、タブレットコンピュータ自体の動きを通じて、速度、推力、ピッチ、ロール、及びヨー又は他の動作パラメータを手動で制御するための能力を提供する。制御入力は代替的に、鉛直離陸(プロペラRPM又はトルク)制御のためのスロットル、ならびに、ピッチ(機首上げ/下げ角度)及びバンク(左又は右への角度)制御のためのジョイスティック、又は、ユーザの嗜好に応じて、1又は複数の制御要素のうち、ピッチ、バンク及び推力の要素を組み合わせるための多軸ジョイスティックを使用して行われ得る。オートパイロット制御ユニット又はモータ管理コンピュータは、オペレータによる制御入力、又は、オートパイロット方向を測定し、これを、知られている性能表又は関連する計算に従って個別の電気モータのコントローラへの命令に変換し、その後、当該命令に対するモータの反応を監督し、ビークル状態データ(ピッチ、バンク、ヨー、ピッチレート、バンクレート、ヨーレート、垂直加速度、横方向加速度、長手方向加速度、GPS速度、鉛直速度、対気速度、及び他の要素)を監視して、ビークルの動作が所望のエンベロープ内に維持されることを確実にする。オートパイロット制御は、外部発電(インバータを含む)をリモートでアクティブ化し、電力をビークルに搭載された外部アウトレット又はソケットに供給するために使用され得る。
【0011】
本発明の例示的実施形態によれば、モバイル緊急発電及びビークル推進電力システムは、複数の水素燃料電池の各水素燃料電池から電子を収集し、インバータを通じてDC電圧及び電流又は代替的にAC電圧及び電流を供給するように構成されている少なくとも1つの電気回路を有する複数の水素燃料電池を含む少なくとも1つの燃料電池モジュール;少なくとも1つの燃料電池モジュールと流体連通する燃料タンクを含む燃料供給サブシステム;及び、少なくとも1つの電気回路からの供給された電圧及び電流の分配を監視及び制御する電力分配監視及び制御サブシステムを備える。電力分配監視及び制御サブシステムは、動作条件を測定するように構成されている1又は複数の感知デバイス;ビークル推進及び外部補助電源アウトレット又はポートの間で電力の分配を制御するための、少なくとも1つの燃料電池モジュールを接続するための手段;及び、AC電力を生成するとき、1又は複数の燃料電池及び外部補助電源アウトレット又はポートの間に配置されるパワーインバータを含み、DC電力を生成するとき、パワーインバータは必要とされない。これにより、システムは、少なくとも1つの燃料電池モジュールから必要に応じて電力を選択可能に誘導し、ビークル推進、及び、ビークルの外部の緊急発電に提供する。
【0012】
本発明の態様によれば、少なくとも1つの燃料電池モジュールは、ビークル上又は内に配置され得、推進力をビークルに提供する。
【0013】
本発明の態様によれば、接続手段は、外部補助電源アウトレット又はポートの1又は複数のソケットのセットについて、電圧及び電流における電力の供給をアクティブ化又は非アクティブ化し得る。いくつかのそのような実施形態において、例えば、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス又は同等物などの制御ネットワークバスを通じて接続手段が制御される。制御ネットワークは、有線(例えば、銅)ネットワーク、光ファイバネットワーク、又は無線(例えば、RF、4G、5G、又は同等物)ネットワークとして実装され得る。
【0014】
本発明の態様によれば、パワーインバータは、接続手段を使用して、外部補助電源アウトレット又はポートに電子的に接続され、少なくとも1つの燃料電池モジュールに選択可能に電気的に接続され得る。いくつかのそのような実施形態において、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス又は同等物などの制御ネットワークバスを通じて接続手段が制御される。
【0015】
本発明の態様によれば、パワーインバータは、地上にあるとき、接続手段を制御して、少なくとも1つの燃料電池モジュールからの直流(DC)電力を、ユーザによって取り外し可能に接続される1又は複数のソケット及び外部AC又はDC電源プラグに電力を供給するよう構成されている外部補助電源アウトレット又はポートに供給される交流電流(AC)電源に変換することによってアクティブ化される。いくつかのそのような実施形態において、接続手段は、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス又は同等物などの制御ネットワークバスを介して、又は、当業者に知られている他の制御手段を介して制御され得る。
【0016】
本発明の態様によれば、複数のモータコントローラに対して供給される電圧及び電流の分配を監視及び制御するための電力分配監視及び制御サブシステムは更に、少なくとも温度センサを含む、動作条件を測定するように構成されている1又は複数の感知デバイス;及び、複数の水素燃料電池の各水素燃料電池から電子を収集し、電圧及び電流を複数のモータコントローラ及びビークルコンポーネントに供給するように構成されている電気回路を含み得る。電気回路から戻る電子は、圧縮空気における酸素と組み合わされて酸素イオンを形成し得、次に、プロトンは酸素イオンと組み合わされてHO分子を形成し得、ここで、複数のモータコントローラは、測定された動作条件基づいてアルゴリズムを計算するように構成され、且つ、複数のモータアセンブリ又はインバータ及び外部補助電源アウトレット又は複数のアウトレットの各々について電圧又は電流の量及び分配を選択及び制御するように構成されているコンピュータプロセッサを含む、1又は複数のオートパイロット制御ユニット又はコンピュータユニットによって命令され得る。
【0017】
本発明の態様によれば、電気回路は、クリーン燃料航空体における複数のモータ及びプロペラ又はロータアセンブリを制御するように構成されている複数のモータコントローラを含む電力分配監視及び制御サブシステムを含むビークルコンポーネントを駆動する電気回路へ電圧及び電流を供給する各水素燃料電池内に配置された電気コレクタを含み得る。
【0018】
本発明の態様によれば、電力分配監視及び制御サブシステムは、好適なインバータを通じて提供されるとき、DC電力又はAC電力のいずれかとしてのクリーン燃料航空体の搭載された発電容量まで、少なくとも1つの燃料電池モジュールのユーザ選択可能なアクティブ化に基づいて、変動する電力出力を制御する電源のための可変制御を含み得る。電源についての可変制御は、クリーン燃料航空体の全体で600キロワット以上の搭載された発電容量まで、少なくとも1つの燃料電池モジュールのユーザ選択可能なアクティブ化に基づいて、変動する電力出力を制御し得る。
【0019】
本発明の態様によれば、システムは更に、1又は複数の回路基板、1又は複数のプロセッサ、1又は複数のメモリ、1又は複数の電子コンポーネント、電気的接続、電気ワイヤ、及び、1又は複数のダイオード又は電界効果トランジスタ(FET、IGBT又はSiC)を含み得、電気メインバス及び少なくとも1つの燃料電池モジュールを含む1又は複数の電源の間の絶縁を提供する。
【0020】
本発明の態様によれば、1又は複数の感知デバイスは、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス又は同等物などの制御ネットワークバスを使用して、温度及び動作条件又はパラメータを1又は複数のオートパイロット制御ユニット又はコンピュータユニットに報告するように構成され、圧力ゲージ、レベルセンサ、真空ゲージ、温度センサのうちの1又は複数を更に含み、自己測定するよう構成されている少なくとも1つの燃料電池モジュール又は自己測定するよう構成されているモータコントローラを更に含み得る。システムは更に、バルブ、ポンプ、及びその組み合わせを操作する命令を用いて、複数のモータコントローラ、燃料供給サブシステム、少なくとも1つの燃料電池モジュール、及び流体制御ユニットに命令し、燃料、空気、及び/又は冷媒の流れを異なる位置へ変更するために、冗長ネットワークを通じて投票プロセスを通信する少なくとも2つの冗長オートパイロット制御ユニット又はコンピュータユニットを含む、1又は複数のオートパイロット制御ユニット又はコンピュータユニットを含み得る。少なくとも1つの燃料電池モジュールは更に、燃料送出アセンブリ、空気フィルタ、ブロワ、エアフローメータ、再循環ポンプ、冷媒ポンプ、燃料電池制御、センサ、エンドプレート、冷媒導管、接続部、水素注入口、冷媒注入口、酸素吸入口、水素排出口、酸素排出口、冷媒排出口、及び、少なくとも1つの燃料電池モジュールに接続及び流体連通され冷媒を移送する冷媒導管を含み得る。
【0021】
本発明の態様によれば、システムが搭載されたビークルは、フルスケールの電気式の垂直離着陸(eVTOL)又は電気飛行体システムを含み得る。eVTOLは、1又は複数の人間の搭乗者及び/又はペイロードを移送するようなサイズ、寸法及び構成を有し得、各々がプロペラブレード又は複数のロータブレードの複数のペアを有し、各々が複数の水素燃料電池からの電圧及び電流を分配する複数のモータコントローラ及び電力分配監視及び制御サブシステムに電気的に接続されて制御される、複数のモータ及びプロペラ又はアセンブリを支持しそれに取り付けられた、ビークル重量、人間の搭乗者、及び/又はペイロードを支持するマルチロータエアフレーム胴体を備える。
【0022】
本発明の態様によれば、システムは更に、1又は複数のオートパイロット制御ユニットとの有線又は無線(RF)接続を有する、ソフトウェアを含むミッションプランニングコンピュータを備え得る。システムは更に、クリーン燃料航空体との間の衝突回避、交通、緊急検出、及び、天気情報をソフトウェアに提供する、無線接続又は有線接続された放送型自動従属監視(ADSB)又はリモートIDユニットを含み得る。1又は複数のオートパイロット制御ユニットは、シリアルRS232、コントローラエリアネットワーク(CAN)、イーサネット(登録商標)、アナログ電圧入力、アナログ電圧出力、モータ制御のためのパルス幅変調出力、組み込み又はスタンドアロンエアデータコンピュータ、組み込み又はスタンドアロン慣性測定デバイス、1又は複数のクロス通信チャネル又はネットワークから選択されるインタフェースの少なくとも1つを含むコンピュータプロセッサ及び入出力インタフェースを含み得る。システムは更に、動作条件を監視及び表示するために使用される標準的アビオニクス、制御パネル、ゲージ、及び、クリーン燃料航空体についてのセンサ出力の構成を有する、簡略化コンピュータ及びディスプレイを備え得る。
【0023】
本発明の態様によれば、システムは更に、マルチロータ飛行体のシステムの一次電圧の少なくとも一部を、ローカル電流ストレージを提供するための対応する電圧のバッテリを伴う、12V、24V、28V、又は、アビオニクス、ラジエータファンモータ、コンプレッサモータ、水ポンプモータ、及び非推進目的についての他の標準電圧から成る群のうちの1又は複数を含む標準電圧にダウンシフトするよう構成されているDC-DCコンバータ又はスタータ/オルタネータを含み得る。
【0024】
本発明の態様によれば、システムは更に、ピッチ、ロール、ヨー、スロットル及び他の所望の情報をシリアル回線上に組み合わるための手段を含み得、命令データの複数のチャネルは、シリアル回線を通じて1又は複数のオートパイロット制御ユニットに繋がり、制御情報は、定期的又は非定期的なレートで反復する複数のフレームにパッケージ化される。1又は複数のオートパイロット制御ユニットは、複数のモータコントローラの各々への命令を生成する制御アルゴリズムを操作し、クリーン燃料航空体のためのマルチロータ飛行体の安定性を管理及び維持し、フィードバックを監視する。
【0025】
本発明の態様によれば、燃料タンクは更に、カーボンファイバエポキシシェル、プラスチックライナ、金属界面、落下保護を含み得、水素の作動流体を燃料として使用するよう構成されている。燃料タンクは更に、1又は複数の内側タンク及び外側タンク、断熱包装材、1又は複数の極低温内側タンク及び外側タンク間の真空を含み得、これにより、およそ10bar又は140psi(0.965MPa)の液体水素(LH2)を含む動作圧力を生じさせる。
【0026】
本発明の例示的実施形態によれば、モバイル緊急発電システムを動作させる方法は、液体水素(LH)燃料を燃料タンクから移送し、LHの状態を気体水素(GH)に変換する、又は、気体水素を貯蔵タンクに移送する段階;流体連通する複数の水素燃料電池を含む1又は複数の燃料電池モジュールへGHを移送する段階;1又は複数の空気送出機構を使用して、周囲空気を収集し圧縮空気に圧縮する段階;圧縮空気を1又は複数の空気送出機構から、1又は複数の空気送出機構と流体連通する複数の水素燃料電池を含む1又は複数の燃料電池モジュールへ移送する段階;複数の水素燃料電池内のGHを、複数の水素燃料電池の各々における水素フローフィールドプレートの流入端に組み込まれた第1のチャネルアレイ内へ迂回させ、水素フローフィールドプレートの第1のチャネルアレイに接続されたアノード気体拡散層(AGDL)を通じて、AGDLに接続されたアノード側触媒層及び膜電解質アセンブリのプロトン交換膜(PEM)のアノード側へGHを拡散する段階;複数の水素燃料電池内の圧縮空気を、複数の水素燃料電池の各々における酸素フローフィールドプレートの流入端に組み込まれた第2のチャネルアレイへ迂回させ、酸素フローフィールドプレートの第2のチャネルアレイに接続されたカソード気体拡散層(CGDL)を含むカソードバッキング層を通じて、CGDL、及び、膜電解質アセンブリのPEMのカソード側に接続されたカソード側触媒層へ圧縮空気を拡散する段階;及び、アノード側触媒層との接触を通じて、GHを、正電荷のプロトン又は水素イオン、及び、負電荷の電子に分割する段階を備え、ここで、PEMは、プロトンが、電荷引力を通じてアノード側からカソード側へ透過することを可能にするが、電子を含む他の粒子を制限する。方法は更に、電圧及び電流を、少なくとも1つの電気回路及び少なくとも1つの電気回路に接続された接続手段に供給し、複数のモータ及びプロペラ又はロータアセンブリを制御するように構成された複数のモータコントローラを含む、電気回路から戻る電子を圧縮空気における酸素と組み合わせて酸素イオンを形成し、次に、プロトンを酸素イオンと組み合わせて、HO分子を形成する発電サブシステム、及び、少なくとも接続手段に接続されたパワーインバータ、及び、パワーインバータに接続された外部補助電源アウトレット又はポートのうちの1又は複数を選択可能に駆動する段階を備える。
【0027】
本発明の態様によれば、方法は更に、1又は複数の感知デバイス、及び、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス又は同等物などの制御ネットワークバスを使用して、動作条件又はパラメータを測定及び報告し、圧力ゲージ、レベルセンサ、真空ゲージ、温度センサ、自己測定するよう構成される少なくとも1つの燃料電池モジュール、又は、自己測定するよう構成されるモータコントローラのうちの1又は複数からのデータに基づいて、1又は複数のオートパイロット制御ユニット又はコンピュータユニットに通知する段階を備え得る。1又は複数のオートパイロット制御ユニット又はコンピュータユニットは、冗長ネットワークを通じて投票プロセスを通信し、バルブ、ポンプ、及びそれらの組み合わせを操作する命令を用いて、複数のモータコントローラ、燃料供給サブシステム、1又は複数の燃料電池モジュール、及び流体制御ユニットに命令し、異なる位置への燃料、空気、及び/又は、冷媒の流れを変更する、少なくとも2つの冗長オートパイロット制御ユニットを含み得る。方法は、1又は複数の温度感知デバイス又は熱エネルギー感知デバイスを使用して、マルチロータ飛行体における動作条件を測定することを反復し得、次に、1又は複数の燃料電池モジュールについてのデータを使用して、比較、計算、選択及び制御、及び、実行段階を実行し、1又は複数の燃料電池モジュールによる電圧及び電流又はトルクの生成及び供給、及び、マルチロータ飛行体における動作条件を反復的に管理する。方法はまた、制御ネットワークバスを介してインバータによって通信される1又は複数のデジタルフィードバック測定を使用して、インバータにおける動作条件の測定を反復し得、次に、1又は複数の燃料電池モジュールについてのデータを使用して、比較、計算、選択、及び制御段階を実行し、1又は複数の燃料電池モジュールによる電圧及び電流の生成及び供給、及び、インバータ電力サブシステムにおける動作条件を反復的に管理する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
以下の本発明の説明は、添付図面を参照する。
図1】燃料供給及び発電サブシステムを収容する位置及び区画を示す2つの図を示す。
図2A】電気及びシステム接続性、及び、統合システムを制御する論理を含む、本発明を実施するための例示的なシステムブロック図を示す。
図2B】電気及びシステム接続性、及び、統合システムを制御する論理を含む、本発明を実施するための例示的なシステムブロック図を示す。
図2C】電気及びシステム接続性、及び、統合システムを制御する論理を含む、本発明を実施するための例示的なシステムブロック図を示す。
図2D】電気及びシステム接続性、及び、統合システムを制御する論理を含む、本発明を実施するための例示的なシステムブロック図を示す。
図3】本発明のシステムの様々な燃料電池、燃料供給、発電、及びモータ制御コンポーネントの電気及びシステム接続を示す。
図4】ビークル内の燃料電池の構成例を示す。
図5】ビークル内の少なくとも1つの燃料電池モジュールにおける燃料電池の例示的なサブコンポーネントを示す。
図6】ビークル内の燃料電池の例示的な内部サブコンポーネントを示す。
図7】ビークルについての制御パネル、ゲージ、及びセンサ出力の例を示す。
図8】ビークル内の燃料供給サブシステム及び発電サブシステム及びコンポーネントの例示的なプロファイル図を示す。
図9】本発明の実施形態による、マルチロータ飛行体のフレームから飛び出す6個のロータを有するマルチロータ飛行体の複数の図を示し、燃料供給及び発電サブシステムを収容する位置及び区画を示す。
図10】マルチロータ飛行体内の燃料タンク及び燃料供給サブシステムの例示的なサブコンポーネントを示す。
図11】燃料タンク、燃料電池、ラジエータ、熱交換器及び冷却コンポーネントの例示的な図を示す。
図12】1つの例示的実施形態による、本発明を図示するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
全体的な理解を提供するべく、特定の例示的実施形態をここで説明する。しかしながら、当業者であれば、本明細書に説明されるシステム及び方法は、他の好適な用途のためのシステム及び方法を提供するために適合及び修正され得ること、ならびに、本明細書に説明されるシステム及び方法の範囲を逸脱することなく他の追加及び修正が行われ得ることを理解するであろう。
【0030】
別段の定めが無い限り、図示される実施形態は、特定の実施形態の変動する詳細の例示的な特徴を提供するものとして理解され得る。別段の定めが無い限り、図の特徴、コンポーネント、モジュール及び/又は態様は、開示のシステム又は方法から逸脱することなく、別の方式で組み合わされ、分離され、相互に交換され、及び/又は、並び替えられ得る。
【0031】
本発明の例示的実施形態は、軽量、高電力密度、フォールトトレラントの燃料電池が統合されたモバイル緊急発電及びビークル推進システム、AAM飛行体を含む、クリーン燃料、電動ビークルのための方法、及び装置に関する。統合システムは、冷媒を貯蔵及び輸送するように構成される、1又は複数の燃料電池モジュールと流体連通する1又は複数のラジエータを有する少なくとも1つの発電サブシステム及び、複数の流体導管で構成される熱交換器を有する熱エネルギーインタフェースサブシステムを備える。統合システムはまた、1又は複数の燃料電池モジュールと流体連通し、液体水素、気体水素又は同様流体などの燃料を貯蔵及び移送するよう構成されている燃料タンク、1又は複数のベント、1又は複数のアウトレット、及び、1又は複数の排出ポート、熱力学動作条件を測定するよう構成されている1又は複数の温度感知デバイス又は熱エネルギー感知デバイス、及び、コンピュータプロセッサを含むオートパイロット制御ユニットを含む、燃料供給サブシステムを含む。組み合わされたシステムは、燃料電池によって駆動される所望の位置へそれ自体を移送し得、所望の地理的場所において位置を確立すると、燃料電池から、ビークルの外部の所望のシステムへ、そのような外部システムに対する緊急又は補助の電力源として、電力を選択可能に誘導し得る。電源の電力出力は、600キロワット以上であるクリーン燃料ビークルの発電容量まで、少なくとも1つの燃料電池モジュールの選択可能なアクティブ化に基づく。
【0032】
図1図12 (同様の部品は、全体を通して同様の参照番号で指定される)は、本発明による、クリーン燃料電動ビークルのための、軽量、高電力密度、フォールトトレラント、多機能が組み合わされた外部電源及び推進システム、方法及び装置の例示的実施形態又は実施形態を図示する。図面に示される1又は複数の例示的実施形態を参照して、本発明について記載するが、多くの代替形態が本発明を具現化することができることが理解されるべきである。当業者であれば、本発明の思想及び範囲をなお維持するような方式で、要素又は材料のサイズ、形状又はタイプなど、開示される実施形態のパラメータを変更する異なる方式をさらに理解するであろう。
【0033】
図1は、ビークル1000(ここでは例示的なマルチロータ飛行体)内の燃料供給サブシステム900及び発電サブシステム600の例示的な位置を示す図を示す。ビークルのアーキテクチャは、システムとインタフェースされる外部ユーザデバイスを動作させるために、ビークル推進、内部デバイス及びセンサ動作、及び、外部補助電力のための電力を供給する多使用発電サブシステム600を含む。ビークル発電サブシステム600は、搭載された燃料電池又は発電サブシステムによって生成された電力を使用して様々な外部デバイスをアクティブ化又は充電するべく、個人のユーザがアウトレット111に容易にアクセスしてアウトレット111に繋ぎ得るように、ビークルの側面、前面、背面、上、又は下から容易にアクセス可能であるように構成されている、露出された又は凹設されたアウトレット111(例えば、ボディパネル又は耐候性又は防水性カバーで覆われる)を含む外部補助コンポーネントを含む補助電気供給コンポーネントと電子通信する。1又は複数のアウトレット111は、外部補助電源アウトレット111ソケット又はポートのアレイを含み得る。例示的実施形態において、アウトレット111は、インバータ112によって電力供給され、建物の電気アウトレット111に一般的であり、壁のアウトレット111に差し込まれることが意図される消費者用電子デバイスの標準である、標準のA/C電力を提供し、ここで、AC電源プラグ及びソケットは、建物及び他の場所において、電気機器を交流(AC)電源に接続する。アウトレット111は、120ボルト60Hz設備についてのIEC規格60906-2を遵守する、125ボルトにおける15アンペアを含むがこれに限定されるものではない定格の標準アウトレットを含む。これらのパラメータは、電圧及び電流定格、形状、サイズ、及びコネクタタイプに従って変動し得る。当業者によって理解されるように、プラグ及びソケットの異なる標準システムが、特定の法域の規制に基づいて採用され得る。ユーザへの被害を防止するために、様々な絶縁、遮断(回路遮断、GFCI)、及び接地コンポーネントが含まれる。感電のリスクを低減するべく、プラグ及びソケットシステムは、通電中のソケットの凹設されたコンタクトに加えて、絶縁スリーブ、凹設ソケット、及び/又は、プラグが除去されたときにソケット開口をブロックするための自動シャッターを含む安全機能を有し得る。外部補助電源アウトレット111又はポートのアレイは、少なくとも1つの燃料電池モジュールの少なくとも1つの電気回路と電子通信している、ビークル推進及び外部補助電源アウトレット111又はポートのアレイの間での電力分配を制御する電力伝送スイッチなどの接続手段113によってアクティブ化又は非アクティブ化されたインバータ112によって電力供給され得る。接続手段113は、専用トグルスイッチ、押しボタンスイッチ、ロッカースイッチ、ナイフスイッチ、マイクロスイッチ、回路ブレーカ、タッチスイッチ、スライドスイッチ、メンブレンスイッチ、ロータリスイッチ又はダイアル、フット又は圧力スイッチ、補助電力タッチ画面、及び/又は、ミッション制御タブレットコンピュータ36自体を含む、当技術分野において知られている様々なタイプのものであり得る。当技術分野において知られている緊急シャットオフスイッチを含む追加のスイッチはシステムに組み込まれ得る。例えば、電力が外部補助電源アウトレット111、ソケット、又はポートのアレイに供給されているときに表示又は照明する1又は複数の発光ダイオード(LED)を含むスイッチ位置インジケータ又は電力インジケータも含まれ得る。視覚的表示、警告光、及び表示画面を含むフィードバック機構と共に、可変の電圧、アンペア、及び他の動作条件の制御が、アレイの一部としてユーザに対して利用可能であり得る。アレイは、当技術分野においてにおいて知られているサージ保護、スパイク抑制、避雷器サブシステム、又は、他の安全コンポーネントを含み得る。アレイは、アクセスパネル、閉鎖及びロック区画、電気ボックス、又は、アレイを隔離し、損傷及び傷から保護し、又は、それに便利にアクセスするための、当技術分野においてにおいて知られている他の格納手段内に含まれ得る。アレイは、アウトレット111に加えて、USBポート、携帯電話充電ポート、及び誘導充電コンポーネントなど、充電手段を含み得る。これらはすべて、例えば燃料電池モジュール18を使用して発電サブシステム600から電力を提供する。搭載された電源及び電子機器を制御するロジックは、単一の統合されたシステムにおける外部補助電源アウトレット111のアレイの機能(及び、一般に外部発電)も制御し、ペイロードを最小化しながら、効率性、利便性、及び、応答性を改善する。
【0034】
図2A図2B図2C、及び図2Dは、ブロック図の形式で、本発明を実行するために採用され得るシステム100の一種を示す。ここで、ビークルについての発電の管理は、一次フライトディスプレイ12、自動従属監視B(ADSB)又はリモートID送信機/受信機14、典型的には12に組み込まれるグローバルポジショニングシステム(GPS)受信機、燃料ゲージ16、対気速度及び鉛直速度38を計算するためのエアデータコンピュータ、ミッション制御タブレットコンピュータ36及びミッションプランニングソフトウェア34などの搭載された機器、及び、冗長フライトコンピュータ(オートパイロットコンピュータ32又はオートパイロット制御ユニットとも呼ばれる)を含み、これらはすべて、ビークル1000の動作及び位置を監視し、又は、電気を生成する水素駆動燃料電池ベースの発電サブシステム600及び燃料供給サブシステム900を監視及び制御し、それらのシステムの動作の様々な態様、及び、高度、姿勢、地上速度、位置、局地的な地形、経路、気象データ、残りの燃料、モータ電圧及び電流ステータス、意図された目的地、及び、安全な動作の成功に必要である他の情報などの、ビークル1000状態データを表す表示プレゼンテーションを提供する。燃料電池ベースの発電サブシステム600は、貯蔵された水素を圧縮された空気と組み合わせて、水及び熱のみの副産物で電気を生成し、それにより、様々なタイプのポンプ及び冷却システム44及びターボチャージャ又はスーパーチャージャ46も含むことができる燃料電池モジュール18を形成して、燃料電池モジュール18の効率及び/又は性能を最適化する。当業者であれば理解するように、燃料電池はまた、高電圧バッテリアレイ、バッテリ監視、及び、充電器サブシステム又は同様の構成から成る、バッテリ(又は、スーパーキャパシタ、又はそれらの組み合わせ、又は、当業者によって理解されるような他のエネルギー貯蔵システム)サブシステムによって拡張され得る。本開示は、発電システム、及び、エネルギー貯蔵の両方の手段を組み込むハイブリッド貯蔵エネルギーバッテリシステムの両方に対処することを意図している。
【0035】
図2A、2B、2C及び図2Dは、電力(電圧及び電流)を制御、生成、分配、調節、及び監視するロジックを含む、本発明のシステム100の様々な制御インタフェースコンポーネントについての電気及びシステム接続性を含む例示的実施形態のシステム図を示す。ビークル状態(ピッチ、バンク、ロール、ヨー、対気速度、鉛直速度、及び高度)が、a)自律モードをサポートする、ミッション制御タブレットコンピュータ36、サイドアームコントローラのいずれか1つを使用して作られる物理的な動き及び命令を使用して、オペレータによって(命令は、ミッション制御タブレットコンピュータ36及びミッションプランニングソフトウェア34を使用して選択及び予めプログラムされたセキュアなデータリンク又は予め計画されたミッションルートを越えて送信される);又は、b)自律又はUAVモードにおいて、ミッション制御タブレットコンピュータ36及びミッションプランニングソフトウェア34を使用して選択及び予めプログラムされ、離陸前に搭載オートパイロットシステムにアップロードされた、予め計画されたミッションルートを使用して命令される。ミッション制御タブレットコンピュータ36は、シリアル無線制御又は同様のデータリンクを介して、指定されたルート又は位置命令セットをオートパイロットコンピュータ32及び投票部42へ送信し得る。その場合、オートパイロットは次に、その指定されたルート又は位置命令セット(例えば、元の場所から目的地へ移動するルートを形成するための高度及び位置のセット)を利用し得る。例示的実施形態に関与する機器及びプロトコルに応じて、例えば、10~30ミリ秒の「フレーム」内に含まれる1.0~2.0ミリ秒の間で変化するパルス幅によって表される、指定された命令情報を運搬するサーボ制御パルスの反復シリーズを使用して一連の命令が送信され得る。命令データの複数「チャネル」が各「フレーム」内に含まれ得る。ただし、各最大パルス幅は、次のチャネルのパルスが開始できる前に、出力無し(通常はゼロボルト又は論理ゼロ)の期間を有する必要がある。このようにして、命令情報の複数のチャネルは、各フレーム内の単一シリアルパルスストリーム上に多重化される。フレーム内の各パルスのパラメータは、最小パルス幅、最大パルス幅、及び定期的反復レートを有する。モータのRPMは、信号のデューティサイクル又は反復レートによって決定されないが、指定されたパルスの継続時間によって決定されることに留意されたい。オートパイロットは、20msごとにパルスを確認するものと予期することができるが、これはシステム100の要件に応じて、より短く、又はより長くなり得る。フレーム内の各チャネルのパルスの幅は、対応するモータが回転する速度を決定する。例えば、1.2ms未満のパルスは何でも、「モータオフ」又は0RPMとして事前にプログラムし得る(オフ状態のモータは人が自由に回転させることできるが、0RPMになるようにコマンドされたモータはその位置で「ロック」される)、1.2msから最大で2.0msまでの範囲のパルス幅は、それに比例して20%のRPMから100%のRPMまでモータにコマンドする。別の実施形態では、モータコマンドは、オートパイロットからモータコントローラ24にデジタルで送信され得て、ステータス及び/又はフィードバックは、伝送媒体としてRF又は電線又は光ファイバを使用して、適用可能な多くの利用可能なデジタルデータバスの1つであるイーサネット(登録商標)又はCAN(コントローラエリアネットワーク)などのデジタルデータバスを使用して、モータコントローラ24からオートパイロットに返され得る。モデム(モジュレータ-デモジュレータ)は、データリンクデバイスペア内に黙示的に存在し得、その結果、ユーザはイーサネット又はCAN命令を送信し、モデムは、1又は複数のチャネルを介する信頼できる送信及び受信に好適なフォーマットに当該データを変換し、対のモデムは、オートパイロットシステム内の使用のために、受信ノードにおいて、そのフォーマットを元のイーサネット又はCAN命令に再び変換する。当業者によって理解されるように、タブレット又は地上パイロットステーションとビークルとの間に無線データリンクを実装するために、多くの可能な実施形態が利用可能であり、それと同様に、オートパイロット、モータコントローラ24、及び搭載発電及びモータ制御システムを形成する燃料電池及び支援デバイスの間でデータ及びコマンドを送受信するために、可能な限り多くの可能な実施形態が利用可能である。したがって、本明細書におけるCANシステムの任意の言及は、コントローラエリアネットワークだけでなく、当業者に知られている任意の同等物の技術を指すことも意図されている。
【0036】
各オートパイロットにおける受信機は次に、ソフトウェアアルゴリズムを使用して、タブレットコンピュータ又は代替的な制御手段(この例では、ピッチ、バンク及びヨー及びRPMなどの制御入力を表するパルス幅のセット)からのチャネル命令に相関する受信されたチャネルパルスを、必要な出力に変換し、複数(この例では、6)のモータコントローラ24、モータ、及び例えばロータ29又はプロペラの各々を制御し、命令されたビークルの動きを達成する。命令は、直接のワイヤによって、又は、セキュアなRF(無線)信号を通じて、送信機と受信機との間で送信され得、RCフォーマットを使用し得る、又は、イーサネット、CAN、又は別の好適なプロトコルにおいて直接のデジタルデータを使用し得る。オートパイロットはまた、ピッチ、バンク角度、ヨー、加速など、他のビークル状態情報の測定を担当し、それ自体の内部センサ及び利用可能なデータを使用してビークル安定性の維持を担当する。
【0037】
オートパイロットと複数のモータコントローラ24との間の命令インタフェースは、1つの機器セットと別のものの間で変動し、可変DC電圧、可変抵抗、CAN、イーサネット、又は他のシリアルネットワーク命令、RS232又は他のシリアルデータ命令、又はPWM(パルス幅変調)シリアルパルスストリーム、又は、当業者に明らかである他のインタフェース規格などの、各モータコントローラ24への信号オプションを伴い得る。オートパイロットコンピュータ32内で動作する制御アルゴリズムは、必要な状態解析、比較を実行し、個別のモータコントローラ24への結果的な命令を生成し、結果的なビークル状態及び安定性を監視する。投票手段42(例えば、あり得る障害を検出するための入力のうちの三重冗長投票)は、3つのオートパイロットコンピュータ32のうちどの2つが合意しているかを決定し、適切なオートパイロットコンピュータ32出力を対応するモータコントローラ24又は外部補助アウトレット111のアレイに接続するための投票動作を自動的に実行する。飛行安全性の要件及び規制を満たす必要がある他のレベルの冗長性も可能であり、当業者には明らかである。
【0038】
好ましい制御の実施形態において、命令されたビークルの動き及びモータrpm命令はまた、左右及び前後の動きが可能である、ジョイスティック及びスロットルのペア、スロットルを含む従来のサイドアームコントローラのペア、ステアリングホイール又はコントロールヨークによって具現化され得、ここで、ジョイスティック/サイドアームコントローラ/ホイール/ヨークは、命令された動きを示す(ポテンショメータ、ホール効果センサ、又はロータリ可変差動変圧器(RVDT)であり得る)読み取り値を提供する。これは次に、適切なメッセージフォーマットに変換され、ネットワーク命令又は信号によってオートパイロットコンピュータ32へ送信され、これにより、複数のモータコントローラ24、モータ、及びロータ29を制御するために使用され得る。オートパイロットはまた、「左に行く」、「右に行く」、「前に行く」、「後ろに行く」、「左ヨー」、又は「右ヨー」命令を生成可能であり得、その間、オートパイロットは同時に、安定的な水平又はおよそ水平の状態でビークルを維持する。
【0039】
好ましい実施形態における複数のモータ及びロータ29のモータは、航空体モータとして動作することが可能である、(当業者によって理解される水、不凍液、油、又は他の冷媒を含む冷媒によって)空冷又は液冷される、又はその両方である、ブラシレス同期三相AC又はDCモータである。システム100動作の全体を通して、ビークルの制御及び動作が、例えば許容される飛行価値規格まで、人間の生命を保護するために要求される、必要な安全性、信頼性、性能及び冗長性の手段を用いて実行される。
【0040】
ビークルを動作させるための電気エネルギーは、燃料電池モジュール18から導出され、燃料電池モジュール18は、任意選択の大電流ダイオード又は電界効果トランジスタ(FET)20及び回路ブレーカ902を通してモータコントローラ24に電圧及び電流を提供する。高電流コンタクタ904又は同様のデバイスは、スタータ/ジェネレータ26に電圧を印加して燃料電池モジュール18を始動し、電力を生成する、車のイグニッションスイッチと同様に、ビークルキースイッチ40の制御下で作動及び作動解除される。例えば、高電流コンタクタ904は、基本的に、ビークルキースイッチ40によって制御され、かつ、電流がスタータ/ジェネレータ26へ流れることを可能にする大きい真空リレーであり得る。本発明の例示的実施形態によれば、スタータ/ジェネレータ26はまた、電力をビークル1000(例えば飛行体)のアビオニクスシステムに供給する。安定した電力が利用可能になると、モータコントローラ24の各々は個々に、RPMモード又はトルクモードのいずれかでモータを制御することによって、所望の推力を達成するために必要な電圧及び電流を管理し、各モータ及びプロペラ/ロータの組み合わせ28によって推力が生成されることを可能にする。ビークルあたりのモータコントローラ24及びモータ/ロータの組み合わせ28の数は、ビークルのアーキテクチャ、所望のペイロード(重量)、燃料容量、電気モータサイズ、重量、電力、及びビークル構造に応じて、4のように少なくてよく、16以上のように多くてもよい。有利なことに、より小さい電流受容を有する燃料電池及びより小さいモータは、十分な飛行時間を達成する一方で、機能的飛行ビークルの総重量で必要な電圧及び電流を生成し得、1又は複数のモータ又はモータコントローラ24の障害が、オートパイロットによって補償されることを可能にし、上記障害の場合に、継続的な安全飛行及び着陸を可能にする。
【0041】
燃料電池18は搭載された燃料ストレージによって供給される。ビークル1000(例えば、マルチロータ飛行体)燃料タンク22に、元の場所、目的地、又は、燃料補給ステーションで補給する能力は、ビークルの有用性、及び、リモート又は緊急電源用途にとって重要である。モータのエネルギー源を置き換えるために燃料タンク22に燃料を補給する能力は、時間のかかるプロセスであり得る、外部電源から再充電しなければならない、従来の全電気式ビークル(例えば、バッテリ駆動ビークル)で必要とされるダウンタイムを低減させる。燃料電池及び燃料電池モジュール18は、水素によって電力を供給され得る。それに応じて、燃料電池モジュール18は、燃料から電気を作り、ビークル1000上のモータ又は外部電源アウトレット111に電力を提供し得る。燃料電池モジュール18の使用は、バッテリより重量効率が高く、既存のLiイオンバッテリより高いエネルギー密度を提供し、これにより、揚力を生成するためにモータによって必要とされる機能を低減する。さらに、水素燃料電池を使用すると、燃料30が消費されるにつれて重量が減少するため、モータに必要な仕事量が減少する。
【0042】
すべての電気ビークルの性質に起因して、燃料電池モジュール18に加えて、搭載されたバッテリを再充電することを容易にするための外部レセプタクルを用いて、搭載された高電圧バッテリ及び再充電サブシステムを運ぶことも可能である。
【0043】
ビークルの電子システム又はアビオニクス12、14、16、32、34、36、38を動作させ、照明をサポートするための電力が、a)燃料電池モジュール18によって駆動され、電力をアビオニクスバッテリ27に提供する低電圧スタータ-ジェネレータ26、又は、b)エネルギーをアビオニクスバッテリ27に提供するDC-DCコンバータのいずれかによって提供される。DC-DCコンバータが使用される場合、それは、燃料電池モジュール18によって生成された高電圧から電力を引き込み、より高い電圧、本実施形態において典型的には300V DC~600VDCを、12V、24V又は28Vのいずれか又は他の電圧標準にダウンコンバートし、そのいずれも、典型的には小さい飛行体システムにおいて使用される電圧である。ナビゲーション、ストローブ、及び着陸照明は、26~27の電力を引き込み、米国及び外国の規制の下での安全性及び夜の動作のための必要な照明を提供する。補助的照明デバイスをシステム100全体の一部として制御するために、好適な回路ブレーカ902及びスイッチ手段が提供される。これらのデバイスは通常、発光ダイオード(LED)照明として実装され、1又は複数のスイッチによって直接制御され得るか、CAN又はその他のデジタルデータバスコマンドに応答するデータバス制御スイッチによってのいずれかで制御され得る。これらのデバイスはまた、夜間又は照明が弱い条件での使用を容易にするために、外部電源アウトレット111のアレイを照明し得る。図1のbに示されるようなCAN又はデータバス命令システムが採用される場合、複数の「ユーザエクスペリエンス」又はUXデバイスも採用され得、キャビン照明、座席照明、窓照明、窓メッセージ、音声キャンセル又は音声コクーン制御、外部表面照明、外部アウトレット照明、外部表面メッセージ又は広告、座席メッセージ、キャビン全体の乗客命令又は飛行中のメッセージ、乗客重量感知、パーソナルデバイス(例えば、iPhone(登録商標)、タブレット、iPad(登録商標)、(又は、Android(登録商標)、又は、他の同等のデバイス、又は同様の個人用デジタルデバイス)接続及び充電、ならびに、キャビン又はビークル内に追加され得る他の統合機能)など、ユーザエクスペリエンスの強化を提供する。
【0044】
1つの例示的実施形態において、複数のモータ及びロータ29のためのモータのペアは、(オートパイロットがRPM又はトルクモードにおいてモータを制御しているかどうかによって決定される)異なるRPM又はトルク設定で動作するように命令され、オートパイロット制御下で、わずかに異なる量の推力を生成することにより、安定した飛行姿勢を維持するためにオートパイロットの6軸の内蔵又はリモートの慣性センサからの位置フィードバックを使用して、ピッチモーメント、又はバンクモーメント、又はヨーモーメント、又は、高度の変更、又は、横方向の動き、又は、長手方向の動き、又は、同時に上記の任意の組み合わせをビークル1000に与える。物理的な動き及び動きの速度を評価するために各オートパイロットによってセンサデータが読み取られ、これらは、何の新しい動き命令が必要かを評価するために、すべての3次元における命令された動きと比較される。
【0045】
当然、すべてのビークルが、電子機器、計装、又はコントローラ又はモータの同一の組み合わせを採用するわけではなく、一部のビークルは、この組み合わせと異なる、又は、この組み合わせに対する追加の機器を含む。例えば、通信、又は、ビークルにおいて一般的である他の小さい補助電子機器に望ましいことがあり得る無線は示されていない。しかし、組み合わせが何であれ、機器の一部のセットは、オペレータから入力命令を受け付け、それらの入力命令を、逆回転モータ及びロータ29のペアと異なる推力量に変換し、したがって、アセンブリ28におけるロータ29を動作させる電気モータとは異なる推力を生じさせるための異なる命令を使用して、ビークル1000のピッチ、バンク、ヨー、及び/又は、鉛直又は横方向及び長手方向の動き、及び、ビークル1000の垂直及びヨーの動きを生じさせる。ビークル1000の現在の場所及び意図される場所の計装及びディスプレイと組み合わされるとき、機器のセットは、ビークルの内部にいる、又は、データリンクを介して地上にいる、又は、予め計画されたルートの割り当てを通じて自律的に動作させているオペレータが、ビークル1000を操作して、その意図された目的地へ容易かつ安全に誘導することを可能にする。
【0046】
図2A、2B、2C、及び図2Dは、モータ及びロータの組み合わせ28、ロータ29一次フライトディスプレイ12、自動従属監視B(ADSB)、又はリモートID送信機/受信機14、オートパイロットコンピュータ32、ミッション制御タブレットコンピュータ36及びミッションプランニングソフトウェア34を含む。各場合において、ミッション制御タブレットコンピュータ又はサイドアームコントローラは、指定されたルート又は位置命令セット、又は達成されることが意図された動きをオートパイロットコンピュータ32及び投票部42、モータコントローラ24及びエアデータコンピュータへ送信し、対気速度及び鉛直速度38を計算し得る。いくつかの実施形態では、燃料タンク22、アビオニクスバッテリ27、ポンプ及び冷却システム44、ターボチャージャ又はスーパーチャージャ46、及びスタータ/オルタネータも、含まれ、監視され、及び制御され得る。任意の燃料電池18が、搭載された燃料30タンク22によって供給され、燃料を使用して、マルチロータビークル1000のための動力源を生成する。好ましい実施形態は、空冷される、液冷される、又はその両方である、航空体モータとして動作可能なブラシレス同期三相AC又はDCモータを使用する。カムロックなどのコネクタを含むスイッチ機器の近くにタイインパネル(tie-in panel)が設置され得る。タイインパネルはまた、(3相システムのための)相回転インジケータ及び回路ブレーカを含み得る。カムロックコネクタは、200~3000アンペア用途、及び、一般に、480ボルトまでのシステムの定格である。
【0047】
システム1000は、エンベロープ保護を実装することにより、システムのいくつかの態様における障害、及び、少なくとも以下のシステム及びコンポーネント:1)制御ハードウェア;2)制御ソフトウェア;3)制御テスト;4)モータ制御及び電力分配サブシステム;5)モータ;6)燃料電池発電サブシステム、及び7)外部電源機能に関する異常条件の間に予測可能な挙動を生じさせる、予め設計されたフォールトトレランス又はグレイスフルデグラデーションが無い限り、又はあるまで、ビークルをその安全エンベロープの外に押し出すことを、ビークル、人間のオペレータ/監督者/乗客、又は環境が何も行えないことを確実にする。
【0048】
飛行制御ハードウェアは、例えば、Pixhawk、又は、32ビット、64ビット、又はより大きいARMプロセッサ(又は、当技術分野において知られている他の好適なプロセッサ、ここで、特定の実施形態は、プロセッサを採用せず、代わりにFPGA又は当技術分野において知られている同様のデバイスを使用し得る)を有する他の飛行コントローラの冗長セットを含み得る。ビークルは、複数の飛行コントローラで構成され得て、特定の例示的実施形態は、冗長性のためにビークル内に配置された少なくとも3つのPixhawkオートパイロットを用いる。各オートパイロットは、3つの加速度計、3つのジャイロ、3つの磁力計、2つの気圧計、及び少なくとも1つのGPSデバイスを備えるが、ハードウェア及びソフトウェアのデバイスの正確な組み合わせ及び構成は異なり得る。各オートパイロットの内部にあるセンサの組み合わせと投票のアルゴリズムは、各センサタイプから最良値を選択し、各オートパイロット内のスイッチオーバ/センサの障害を処理する。飛行制御ソフトウェアは、1)CADデータ、2)FEAデータ、3)実際のプロペラ/モータ/モータコントローラ/燃料電池の性能データの測定を使用して開発された少なくとも1つのPIDスタイルのアルゴリズムを有し得る。
【0049】
ビークルの6個のモータについての例示的実施形態が示され、各モータは、専用のモータコントローラ24によって制御される。解析及び意思決定のために、各モータの特徴/データを動作させる電気が制御され、投票システムに通信される。モータコントローラ24への通信は、(本実施形態では)信号インテグリティを保護し、電磁気及び雷に対する耐性を提供するために、光ファイバトランシーバがインラインで設置された、デジタルネットワークプロトコルであるCANを介して、オートパイロットとモータコントローラ24との間で行われる。この実施形態において、場合により「フライ・バイ・ライト」としても知られている光ファイバの使用は、ビークルの信頼性を増加させ、地上差分、電圧差分、電磁干渉、照明、電磁干渉の外部ソース(テレビ又はラジオの放送塔、空港レーダ、空中レーダ、及び類似の潜在的な攪乱など)に対する任意の脆弱性を低減する。ネットワーク及び電気又は光又は無線媒体の他の例も、規制要件を満たすことを条件として可能である。モータ性能に関する測定されたパラメータは、モータ温度、IGBT温度、電圧、電流、トルク及び分あたりの回転(RPM)を含む。これらのパラメータの値は、所与の大気、電力、及びピッチ条件下で予想される推力に相関する。
【0050】
燃料電池制御サブシステムは、特定の使用構成に基づいて、様々な数の燃料電池、例えば、フォールトトレランスのために構成された3つの水素燃料電池のセットを有し得る。CANプロトコルを使用して、セルの動作及び制御が可能にされ、管理されるが、多くの他のデータバス及び制御技法が可能であり、当業者にとって明らかである。オートパイロット内に格納される1又は複数の飛行制御アルゴリズムは、CANを介して燃料電池によって供給される電力を制御及び監視する。三重モジュール式冗長オートパイロットは、任意の1つの燃料電池の減少を検出し、自動切り替え又は相互接続の形式を使用して残りの燃料電池を再構成することにより、燃料電池システムが、安全な降下及び着陸を実行するようにビークル1000を動作させることを継続可能であることを確実にし得る。動作パラメータが著しい程度又は予め設定された限界を超過するとき、又は、安全着陸が危険にさらされるような緊急条件が存在するとき、統合緊急手順がアクティブ化される。
【0051】
オートパイロットコンピュータ32は、マイクロプロセッサベースの回路で具現化され、飛行体1000のデータバス、マルチチャネルサーボ又はネットワークコントローラ(入力)35及び37、ならびにモータコントローラ(出力)24と通信するために必要な様々なインタフェース回路を含み、安定性を維持するために慣性及び姿勢の測定を行う。システム全体に関連する、この冗長、フォールトトレラント、複数冗長投票制御及び通信手段及びオートパイロット制御ユニット32。さらに、オートパイロットコンピュータ32はまた、後の解析又は再生のために、ビークル位置及び性能の捕捉に典型的な、位置、ビークル状態データ、速度、高度、ピッチ角度、バンク角度、推力、場所及び他のパラメータの自動記録又は報告のために構成され得る。追加的に記録されたデータは、複製され、耐火性又は耐衝撃性を有する別のコンピュータ又はデバイスへ送信され得る。これらの要件を達成するべく、当該オートパイロットは、組み込み型エアデータコンピュータ(ADC)及び組み込み型慣性測定センサを含むが、これらのデータはまた、小さい別個のスタンドアロンユニットから取得され得る。オートパイロットは、シングル、デュアル、クアッド又は他のコントローラによって操作され得るが、信頼性及び安全性の目的で、好ましい実施形態は、三重冗長オートパイロットを使用し、ユニットは、1又は複数のネットワーク(信頼性及び利用可能性のために2つが好ましい)を使用して、協働的な関係において、情報、決定及び意図される命令を共有する。許容可能なガードバンドの外側の深刻な不一致の場合において、3つのユニットが存在すると想定すると、3票のうち2票は、命令がモータコントローラ24によって実装されると決定し、適切な命令が自動的に選択されたモータコントローラ24へ送信される。ハードウェアのサブセットが、ネットワーク、CANバス、又は例示的実施形態における同等物の状態を監視し、物理的レベルにおいて、バスの混雑又は他の故障が生じたかどうかを判定し、その場合には、復帰(reversionary)CANバスへの自動切り替えが生じる。オペレータは通常、飛行中にコントローラ不一致を通知されないが、動作後の更なる診断のために、結果は記録される。
【0052】
ミッション制御タブレットコンピュータ36は通常、単一又は二重冗長実装であり、各ミッション制御タブレットコンピュータ36は、同一のハードウェア及びソフトウェア、ならびに、ユニットを「一次」又は「バックアップ」として指定するスクリーンボタンを含む。一次ユニットは、障害が無い限り、すべての場合において使用され、これにより、オペレータ(存在する場合)は、タッチアイコンを通じて「バックアップ」ユニットを選択する必要があるか、又は、オートパイロットが一次ユニットの障害を検出したときに、自動フェイルオーバは、バックアップユニットを選択する。公式の予めプログラムされたルートなしで動作するとき、ミッション制御タブレットコンピュータ36は、その内部動きセンサを使用して、オペレータの意図を評価し、所望の動き命令をオートパイロットへ送信する。ミッションプランニングコンピュータ又はタブレットなしで動作するとき、オートパイロットは、接続されたジョイスティック又はサイドアームコントローラのペアから命令を受信する。UAVモードにおいて、又は、有人自動モードにおいて、ミッションプランニングソフトウェア34は、ビークル1000についてのルート、目的地、及びプロファイルを指定するために、出発前に使用される。飛行計画は、一次ミッション制御タブレットコンピュータ36に入力された場合、自動的に対応するオートパイロットへ送信され、オートパイロットは自動的に、それらとバックアップミッション制御タブレットコンピュータ36との間で飛行計画の詳細を相互入力し、その結果、各オートパイロットコンピュータ32及びミッション制御タブレットコンピュータ36は、同一のミッション命令及び意図されたルートを保持する。一次タブレットに障害が生じた場合、バックアップタブレットは既に、同一の詳細を含み、オペレータのアクション又は自動フェイルオーバのいずれかによって選択されたとき、ビークルの制御を担当する。
【0053】
複数のモータ及びロータ29のモータ制御について、各高電流コントローラから、同期AC又はDCブラシレスモータ各モータに接続する3つのフェーズがある。3つのフェーズのうち任意の2つの位置を逆にすると、モータは反対方向に動作する。代替的に、同一の効果を可能するソフトウェア設定がモータコントローラ24内にあるが、ハードワイヤされていることが好ましい。なぜなら、反対方向に動作する指定されたモータはまた、逆のピッチ(これらは場合により、左手及び右手ピッチ、又は、プラー(通常)及びプッシャ(逆)ピッチロータと呼ばれる)のロータを有することにより複数のモータ及びロータ29を形成する必要があるからである。逆回転するペアでモータを動作させることにより、ビークル回転トルクを打ち消す。
【0054】
図示された実施形態において、動作解析及び制御アルゴリズムが、搭載されたオートパイロットコンピュータ32によって実行され、経路及び他の有用なデータがディスプレイ12に提示される。
【0055】
システム動作又は安全性の劣化無しでシステムが単一の障害を切り抜けることを可能にするべく、冗長通信システムが提供される。このリアルタイムシステムにおいて、定性的決定プロセスを実行するために、フォールトトレラント、三重冗長投票制御及び通信手段で実装されるオートパイロットコンピュータ32投票プロセスは、代わりに、動作計画をクロスフィル(cross-filling)することによって、ビークルを動作させるためのデータ及び所望されるパラメータを共有し、各々が、現在のビークル1000状態を定義するそれ自体の状態空間変数、及び、各ノードの健全性を測定する。各ノードは独立的に、(説明された実施形態におけるシリアルCANバスメッセージフォーマットで)モータ制御出力のセットを生成し、各ノードは、それ自体の内部健全性ステータスを評価する。健全性ステータス評価の結果はその後、どのオートパイロットが実際に複数のモータ及びロータ29のモータを制御するかを自動的に選択するために使用される。複数の障害は、緊急システム実装を開始する。
【0056】
アナログスイッチを使用して実装されるマルチウェイ投票部は、1.OK、2.OK、及び3.OKの状態を監視し、それら3個の信号を使用して、どのシリアル信号セットを有効化するかを決定し、その結果、モータ制御メッセージは、制御ノード及びモータコントローラ24の間を通過し得、燃料電池メッセージは、制御ノード及び燃料電池の間を通過し得、ジョイスティックメッセージは、制御ノード及びジョイスティックの間を通過し得る。このコントローラのシリアルバスは、好ましい実施形態では、CANネットワークに代表されるが、PWMパルス列、RS-232、イーサネット、又は同様の通信手段などの他のシリアル通信を使用し得る。代替的な実施形態では、PWMパルス列が用いられ、各チャネルのPWMパルスの幅は、モータコントローラ24が達成すべきRPMのパーセントを指定するために使用される。これにより、制御ノードは、命令をネットワーク上の各モータコントローラ24に発行することが可能となる。投票及び信号切替により、3つのオートパイロットコンピュータからの複数のコマンドストリーム出力に投票して、各オートパイロットの内部の健全性及びステータスに関するシステムの知識を使用して、複数(典型的には、モータごとに1つと、任意の他のサーボシステムごとに1つ)のコマンドストリームの単一セットを生成できる。
【0057】
システム100は、少なくとも1つの燃料電池モジュール、外部補助アウトレット111のアレイに電力供給する回路、及び複数のモータコントローラを含む、様々なサブシステムを監視する感知デバイス又は安全性センサを提供し、その各々は、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス又は同等の制御ネットワークバスを使用して、バルブ、ポンプ、又はその組み合わせについて、パラメータを自己測定及び報告し、1又は複数のオートパイロット制御ユニット32又はコンピュータユニット(CPU)に通知し、熱エネルギーが冷媒から移される流体を使用して燃料供給又は冷却を増加又は減少させることを可能にするよう構成されている。ここで、1又は複数のオートパイロット制御ユニット32は、バルブ及びポンプを動作させて燃料、空気、冷媒の流れを異なる位置に変更する命令を用いて、複数のモータコントローラ24、燃料供給サブシステム、少なくとも1つの燃料電池モジュール18、及び、流体制御ユニットに命令する少なくとも2つの冗長オートパイロット制御ユニットを含み、ここで、少なくとも2つの冗長オートパイロット制御ユニット32は、冗長ネットワークを通じて、投票プロセスを通信し、ここで、CPUを有する少なくとも2つの冗長オートパイロット制御ユニット32は、健全性ステータスインジケータを提供する。信号及びアナログ投票回路は、個々の健全性ステータス指標から、すべてのノードが良好であるか、特定のノードで障害が発生しているか、一連の障害が発生しているか、又はシステムが動作不能か(又は、個々の信号の集約及びクロスチェック検証に基づく他の同様のインジケーション)を判断することにより、例えば、燃料電池モジュールの全体的な健全性を計算する。次いで、投票の結果は、例えば、燃料電池モジュール18又はモータコントローラ24を制御するために送信される適切な信号をトリガする。
【0058】
システムは、複数のモータ及びロータ29の各々の性能を示す様々なセンサ出力の測定値(例えば、RPM、モータ電圧、モータ電流、温度、又は熱力学動作条件)を取得する。測定データは、各モータコントローラの24個のシリアルデータバスを通じて容易にアクセスされ得る。システムは、データに対して様々な解析を実行し、これは、各モータの推力及びビークルの動きに対する貢献を計算するために使用され得る。システムは次に、タブレットスロットル命令又はスロットルレバーがオペレータによってどこに配置されたかを検出することによってスロットル命令を測定し、前のサンプルからの命令された推力の任意の変更に留意する。システム及びオートパイロットコンピュータ32は、組み込まれた慣性センサ、及び/又は、空気データセンサを含む他の搭載されたセンサからのビークル1000測定値(電圧、引き込まれた電流、及び、推定される残りの燃料30、対気速度、鉛直速度、圧力高度、GPS高度、GPS緯度及びGPS経度、外気温度(OAT)、ピッチ角度、バンク角度、ヨー角度、ピッチレート、バンクレート、ヨーレート、長手方向加速度、横方向加速度、及び垂直加速度)の代表的な群、及び、組み込まれたGPS受信機からのデータを受信することによって取得されたGPSデータを収集する。このデータは、オペレータに利用可能になり、次に、進行中の移動又はミッションについての残りの動作期間の解析の一部として使用され(電力の外部供給を含む)、ここで、システムは、意図される命令の行列を検討し、意図されるアクションがビークルの1000の安全マージンの中であるかどうか、及び/又は、電気システム及び燃料タンク22が、マージンを伴って、ミッションの全体的な成功を損なうことなく、ミッションを達成するのに十分な電力を含むかどうかを評価し、そうでない場合、モータコントローラ24命令の行列に調節を行い、任意の必要な更新をオペレータディスプレイに提供し、ビークル性能が調節されたことを示し、次に、ネットワークメッセージを発行し、そのアクション及びステータスを他のオートパイロットノードに示す。システムは次に、ビークル性能及び状態データのすべてをキャプチャし、更新サンプルを不揮発性データストレージデバイス搭載ストレージ(カンマ区切り又は他の単純なファイルフォーマットのデータを含み得る)、典型的には、フラッシュメモリデバイス、又は、他の形態の永続的データストレージに格納する時間かどうかを判定し、全体のシーケンスが反復されるとき、次のティックまで待機することに戻る。位置及び制御命令の一部又はすべては、ビークル1000及び外部機器の間のブロードバンド又は802.11 Wi-Fi(登録商標)ネットワーク又は無線周波数(RF)データリンク又は戦術データリンクメッシュネットワーク又は同様のものを使用することによってビークル1000の外側で実行され得る。それらはまた、ウェブサーバインタフェースを使用して検討及び/又はダウンロードされ、又は、戦術的データリンク、商用テレコム(すなわち4G、5G、又は同様のもの)、Wi-Fi(登録商標)、又は、イリジウムなどの衛星(SatCom)サービスを使用して地上局へ送信され得る。
【0059】
冗長モータ容量、冗長燃料電池機能を用いて動作する、及び、三重冗長オートパイロットによって動作されるビークルの能力を含む、ビークル動作及び制御に対する本発明の手法は、ビークルを場所まで操縦すること、及び、所望の位置における動作中に発電及び供給機能を実行することの両方のために、増加した安全性及び安定性を提供する。
【0060】
図3は、本発明のシステムの様々なモータ制御コンポーネント、及び、ビークル1000についての例示的な燃料供給サブシステム900及び発電サブシステム600の電気及びシステム接続性を示す。電気的接続性は、(対応する複数のモータ及びロータ29の)6個のモータ及びロータアセンブリ28と、モータ及びロータの組み合わせに電力を供給するのに必要な電気コンポーネントを含む。高電流コンタクタ904は、スタータ/ジェネレータ26に電圧を印加して燃料電池モジュール18を始動する、ビークルキースイッチ40の制御下で作動及び作動解除される。本発明の例示的実施形態によれば、イグニッション後、燃料電池モジュール18(例えば、1又は複数の水素駆動燃料電池、又は、炭化水素によって燃料されるモータ)は、(複数のモータ及びロータ29の)6個のモータ及びロータアセンブリ28を駆動するための電気を生じさせる。回路ブレーカ902を有する電力分配監視及び制御サブシステムは、燃料電池モジュール18から複数のモータコントローラ24への生成された電圧及び電流の分配を自律的に監視及び制御する。当業者であれば理解できるように、回路ブレーカ902は、過負荷又は短絡回路の結果として生じる損傷からモータコントローラ24の各々を保護するように設計される。さらに、電気的接続性及び燃料供給サブシステム900は、ダイオード又はFET20を含み、各電源及び電気メインバス及び燃料電池モジュール18との間の絶縁を提供する。ダイオード又はFET20はまた、2つのソースからの電流を共に電気メインバスにダイオードORするという点で、フェイルセーフ回路の一部である。例えば、燃料電池モジュール18の対の1つが故障した場合、ダイオード又はFET20は、現在唯一残っている電流源によって提供される電流を、すべてのモータコントローラ24に等しく共有し分配することを可能にする。そのような場合は、システム障害を明確に構成し、オートパイロットコンピュータ32は、それに従って、可能な限り安全に飛行体を着陸させるように応答する。有利なことに、ダイオード又はFET20は、残りの電流を共有することによって、システムがそのモータの半分を失わないようにする。さらに、ダイオード又はFET20はまた、個々に有効化されるので、1つのモータで障害が発生した、又は劣化が生じた場合、(複数のモータ及びロータ29、例えば逆回転するペアの)適切なモータ及びロータの組み合わせ28が無効化される。例えば、ダイオード又はFET20は、(複数のモータ及びロータ29の)適切なモータ及びロータの組み合わせ28が、そのペアをスイッチオフして、不均衡な推力を回避するために、有効な電流を無効化する。本発明の例示的実施形態によれば、(複数のモータ及びロータ29の)6個のモータ及びロータの組み合わせ28は各々、モータ及びロータ29を含み、6個のモータ及びロータの組み合わせ28の6個のモータの独立した移動を制御するモータコントローラ24に接続される。当業者によって理解されるように、電気的接続性及び燃料供給サブシステム900は、6、8、10、12、14、16、又はより多くの独立したモータコントローラ24及び(複数のモータ及びロータ29の)モータ及びロータアセンブリ28を使用して実装され得る。
【0061】
引き続き図3において、電気的接続性及び燃料供給サブシステム900はまた、冗長バッテリモジュールシステム、ならびに、DC及び/又はAC発電サブシステム600のコンポーネントを示す。電気的接続性及び燃料供給サブシステム900は、燃料タンク22、アビオニクスバッテリ27、ポンプ(例えば、水又は燃料ポンプ)及び冷却システム44、スーパーチャージャ46、及びスタータ/オルタネータを含む。燃料電池18は、搭載された燃料30タンク22によって供給され、燃料を使用して、モータ及びロータの組み合わせ28のための動力源を生成する。発電サブシステム600はまた、外部補助電源アウトレット111のアレイを含み、又は、ポートが、接続手段113によってアクティブ化されるインバータ112によって電力供給され得る。当業者によって理解されるように、燃料電池モジュール18は、複数のモータ及びロータ29を駆動又は回転させる、又は、電力を提供するために、水素又は他の好適な気体燃料30によって燃料補給され得る1又は複数の水素駆動燃料電池を含み得る。
【0062】
図4、5及び6は、ビークル1000の発電サブシステム600内の燃料電池モジュール18の例示的なサブコンポーネントを示す。図4は、ビークル1000内の燃料電池の構成例を示し、図5は、ビークル1000内の少なくとも1つの燃料電池モジュール18における燃料電池の例示的なサブコンポーネントを示す。一実施形態において、1又は複数の燃料電池モジュール18は、空気フィルタ18f、ブロワ18f、エアフローメータ18f、燃料送出アセンブリ73、再循環ポンプ77、冷媒ポンプ76、燃料電池制御18e、センサ、エンドプレート18a、少なくとも1つの気体拡散層18b、少なくとも1つの膜電解質アセンブリ18c、少なくとも1つのフローフィールドプレート18d、冷媒導管84、接続、水素注入口、冷媒注入口、冷媒排出口79、空気を1又は複数の燃料電池モジュール18に供給する1又は複数の空気駆動型ターボチャージャ46、ならびに、1又は複数の燃料電池モジュール18に接続及び流体連通して冷媒31を輸送する冷媒導管84を含む。1又は複数の燃料電池モジュール18は、1又は複数の水素駆動燃料電池をさらに含み得て、各水素駆動燃料電池は、気体水素(GH)又は液体水素(LH)によって燃料を供給され、1又は複数の燃料電池モジュール18は、燃料タンク22からの水素を空気と結合して、電圧及び電流を供給する。燃料電池の容器及び配管は、関連する圧力及び温度についてASMEコード及びDOTコードに合わせて設計されている。
【0063】
一実施形態において、燃料電池モジュール18は、統合マニフォールド、統合ワイヤハーネス、統合電子機器及び制御を含む、部品数を低減するように構成された多機能スタックエンドプレートを含み、スタックエンドプレートは、特定の配管及びフィッティングを不要にし、部品の容易な検査及び交換を可能にし、改善された信頼性と、質量、体積及びノイズの大幅な低減と、二重壁防護の低減とをもたらす。統合電子機器及び制御は、燃料電池モジュール18のための温度センサ又は熱エネルギーセンサとして動作し得る。燃料電池モジュール18は更に、重量の低減、容積出力密度の増加、非常に高い耐振動性、性能及び燃料効率性の改善、耐久性の増加、ならびにそれらの組み合わせのためにスタックが最適化された航空宇宙軽量金属燃料電池コンポーネントから構成され得る。例示的実施形態において、燃料電池モジュール18は、10000時間以上の設計寿命で、72×12×24インチ(182.88×30.48×60.96cm)(L×H×W)の寸法、及び、120kg未満の質量の構成で120kWの電力を生成し得る。各モジュールの動作方向は、ロール、ピッチ、ヨーに対応し、二重壁防護ならびに衝撃及び振動システムの耐性を低減する。
【0064】
図6は、エンドプレート18aによって覆われた燃料電池モジュール18内の例示的なサブコンポーネントを示し、水素フローフィールドプレート及び酸素フローフィールドプレート18dの構成、バッキング層及び触媒を有する膜電解質アセンブリのプロトン交換膜18cの各側におけるアノード及びカソード体積、及び、結果として生じる水素、酸素、及び冷媒の流れベクトルを示す。気体水素燃料は、送出アセンブリ73を介して入り、酸素(O)又は空気(酸素送出コンポーネントによって供給される)は、空気フィルタ/ブロワ/メータ18fからの出力として入り、排出流体は、再循環ポンプ77を介して除去され得る。触媒層が電極/電解質の界面に接着され得る。電極/電解質の界面の触媒層のカソードで液体の水が形成され得て、除去されない場合、燃料電池の性能を妨げ、Oが電極/電解質の界面に到達するのを妨げ、最大電流密度の制限を引き起こす。気体移送を妨害することなくHOが除去されることを可能にするために気体拡散層(GDL)18bが実装され得る。GDL 18bは、電極/電解質の界面への流れ、及び、生成された電流を運ぶための十分な伝導性を可能にし、GDL 18bを通じた水蒸気の拡散、気体流出チャネルからの対流、電解質の循環、及び、水の蒸発を可能にするように多孔性であるが、液体HOは浸透できない。GDL 18bは、フローチャネルを構成するコンダクタの間で電子を通過させるために導電性であり得、バッキング層及びメソポーラス層の両方を含み得る。圧縮されたO/空気はまた、気体フローチャネルを通って流れ、GDL 18bを通って触媒層に拡散し、そこで、電解質層又はアセンブリを通って来るイオン又はプロトンと反応する。一般的な電解質タイプは、アルカリ、融解炭酸塩、リン酸(液体電解質)、固体酸化物(固体)、及びプロトン交換膜(PEM)18cを含む。液体電解質は2つの電極の間に保持される。PEM 18cは、膜電解質アセンブリ(MEA)18cを使用して所定の位置に保持される。PEM 18c(PEMFC)は、ほとんどの場合、電解質として水性の酸性高分子膜を使用し、白金系の電極を有する。
【0065】
動作中、圧力の変化又は1又は複数の熱交換器57を使用する抽出によるGHに変換されたLH、及び、空気フィルタ/ブロワ/メータ18fを介するターボチャージャ又はスーパーチャージャ46(又は、従来の燃料ポンプ及びレギュレータ又は空気又は酸素のローカル貯蔵)からの圧縮空気/Oの流れは、複数の水素燃料電池の1又は複数の燃料電池スタックを含む1又は複数の燃料電池モジュール18に供給される。複数の水素燃料電池の各燃料電池において、送出アセンブリ73からのGH燃料は、吸入口における水素フローフィールドプレート18d流入の第1の端部に入り、水素をアノード層へ分配及び運搬するように設計されたチャネルアレイを含む水素フローフィールドプレート18dにおけるフローチャネルを通じて供給される。過剰なGHは、残りの燃料電池を回避し、将来の燃料電池反応のために水素を再循環させるために流体導管、バルブ、及び再循環ポンプ77に更に接続され流体連通し得るアウトレットにおけるGH流出を介して、そのフローフィールドプレート18dの第2の端部を出るように誘導され得る(又は排出ポート66を使用して排出され得る)。各燃料電池において、ターボチャージャ又はスーパーチャージャ46からの圧縮空気内に含まれる、又は、それから抽出されたOは、吸入口を使用して酸素フローフィールドプレート18d流入の第1の端部に入り、酸素をカソード層へ分配及び運搬するように設計されたチャネルアレイを通じて、各燃料電池におけるプレートのペアのそれぞれの反対のフローフィールドプレート18dにおけるGHの流れに対して垂直角度の方向にフローフィールドプレート18dをトラバースするフローチャネルを通じて供給される。過剰なOは、残りの燃料電池を回避し、将来の燃料電池反応のために酸素を再循環させるために流体導管、バルブ、及び再循環ポンプ77に更に接続され流体連通し得るアウトレットにおけるO及び/又はHO流出を介して、そのフローフィールドプレート18dの第2の端部を出るように誘導され得る(又は排出ポート66を使用して排気としてとして排出され得る)。気体GH及びOの各々は、PEM18cなどのプラスチック膜によって更に分離される2層の触媒によって分離される互いに反対の燃料電池の両側に配置された2つの別個のGDL18bを通じて拡散される(正味の流れは、互いに、及び、燃料電池の中心に向かう)。バッキング層とプラスチック膜触媒との間の界面にある電極のコンポーネントであり得る電極触媒は、酸化反応を含み得る反応を使用して、GH分子を水素イオン又はプロトン及び電子に分解する。一実施形態では、アノード層のアノードで、白金触媒によって、H二水素がH+正に帯電した水素イオン(プロトン)とe-負に帯電した電子に分割される。PEM 18cは、正に帯電したイオンのみを通過させてカソードに到達することを可能にし、その結果、カソードに引き付けられたプロトンはPEM 18cを通過し、一方、電子は、PEM電解質アセンブリ(MEA)がそれらに対してバリアとして機能する場所で制限される。代わりに、負に帯電した電子は、電圧降下に続いて、外部電気回路に沿ってカソードに移動し、電流がアノード側触媒層からカソード側触媒層へ流れ、ビークル1000コンポーネントを駆動するための電気を生じさ、それらは、ストレージに、又は、複数のモータコントローラ24へ直接誘導され、複数のモータ及びロータアセンブリ28を動作させる。電子がフローフィールドプレート18dによって分配された後、GDLを通過するときに白金電極と接触すると、1又は複数の集電体は、金属又は他の適切な導電性媒体を有し、MEAを迂回してカソード層に到達するように指示され得る、外部電気回路への電子の流れを容易にするために使用され得る。外部電気回路を通って移動した後、電子が収集され、又は、そうでなければ、カソード層に堆積され、ここで、電子及び水素イオン又はプロトンは、Oを用いて、第2触媒層の存在下で、水及び熱を生成する。電子は、Oと結合してOイオンを生成し、次いで、PEM 18cを通って到着する水素イオン又はプロトンが、Oのイオンと結合してHOを形成する。次いで、このHOは、カソード側の触媒層を越えてGDLを通ってOフローチャネルに戻され、そこで除去するか、そうでなければ空気流と対流して、流体導管、バルブ、又はポンプにさらに接続され、それらと流体連通し得る、出口でのO及び/又はHO流出を介してそのフローフィールドプレート18dの第2の端部を出ることができ、他の排気気体又は流体にも使用できる排出ポート66を使用して排気として排出され得る。したがって、燃料電池の生成物は、熱、水、及び反応によって生成される電気だけである。他の実施形態では、代わりに、集電体プレート又はGDL圧縮プレートなどの追加の層を実装できる。
【0066】
図7は、それぞれの燃料電池モジュール18の各々に関する残りの燃料、燃料電池温度、及び、モータ性能を含む、燃料電池動作条件(下)及び気象データ(右半分)を示すために提供され得る1種類のディスプレイプレゼンテーション502を示す。他の画面は、画面の下部に並ぶタッチセンサ式のボタンの列から選択できる。図7は、このビークル及びミッションに適合された、利用可能なTSO'd(すなわち、FAA承認)アビオニクスユニットの使用を示す。より単純な形式のアビオニクス(簡略化ビークル動作又はSVOとして知られている)が導入され得る。ここで、当該ディスプレイは概念上、「タブレット」にインストールされて動作するソフトウェアパッケージ、又は、Apple iPad(登録商標)と同様の簡略化コンピュータ及びディスプレイである。同一のディスプレイソフトウェアを実行する2つの同一のユニットを使用することにより、ユーザが複数の異なるディスプレイプレゼンテーションを構成しながら、動作中に1つのディスプレイに障害が生じた場合でも完全な能力を有することを可能にする。これにより、ビークルの全体的な安全性及び信頼性が向上する。
【0067】
図8は、防火壁99の反対側に位置する発電サブシステム600コンポーネントに対するビークル1000内の燃料供給サブシステム900コンポーネントの例示的プロファイル図を示す。いくつかの実施形態では、燃料タンク22、アビオニクスバッテリ27、様々なポンプ及び冷却システム44、スーパーチャージャ46、及びラジエータ60も含まれ、監視され、制御され得る。任意の燃料電池モジュール18は、搭載型燃料タンク22によって供給され、燃料30を使用して、ビークル1000のための動力源を生成する。電池の動作及び制御は、CANプロトコル又は類似のデータバス又はネットワーク又は無線又は他の通信手段を介して可能となる。制御アルゴリズムは、CANを介して燃料電池によって送出される電力を変調及び監視する。
【0068】
図9は、本発明の実施形態によるマルチロータ飛行体である、細長サポートアーム1008及び飛行体ボディ1020を含む例示的なビークル1000の側面図及び上面図を示す。本発明の例示的実施形態によれば、複数の電気モータが細長サポートアーム1008によってサポートされ、ビークル1000が上昇するとき、細長サポートアーム1008は、ビークル1000自体を(懸架して)サポートし、建物又は山の上など、そうでなければアクセスできない場所へ電力を送出することを可能にする。
【0069】
図10は、ビークル1000内の燃料タンク22及び燃料供給サブシステム900の例示的なサブコンポーネントを示す。液体水素貯蔵サブシステム及び燃料供給サブシステム900の燃料タンク22の例示的実施形態は更に、カーボンファイバエポキシシェル又はステンレス鋼又は他のロバストなシェル、プラスチック又は金属ライナ、1又は複数の内側タンク、断熱包装材、内側及び外側タンクの間の真空、金属界面、及び、少なくとも1つの保護リングを含む衝突/落下保護を含み得る。統合システム100燃料供給サブシステム900において、燃料タンク22は、1又は複数の燃料電池及びモジュール18、燃料ライン85、及び、充電のための燃料補給接続を有する少なくとも1つの燃料供給カップリング58と流体連通し、容器及び管85は、関連する圧力及び温度についてASMEコード及びDOTコードに合わせて設計され、すべて、気体水素(GH)、液体水素(LH)、又は、当技術分野において知られている同様の流体燃料から成るグループから選択される燃料30として作動流体を貯蔵及び移送するように構成されている。作動流体は、液体又は気体状態の燃料30、冷媒31、加熱されてもされなくてもよい加圧された又は他の空気を含み得る。燃料タンク22のヘッド側は、複数のバルブ88及び燃料タンク22の動作のための器具を含む。それらは、これらに限定されるものではないが、LH2燃料補給ポートを有する篏合部品A(指定された量まで燃料タンク22を液体水素(LH2)で充填するために使用されるラインを充電するための少なくとも1つの燃料移送カップリング58の雌部品);3/8"B(ベント64)、1/4"(PT)、1/4"(PG&PC)、フィードスルー、真空ポート、真空ゲージ、スペアポート、1/4"センサ(液体検出)を含む篏合部品B;少なくとも1つの1インチ(2.54cm)ユニオン86及び(熱交換器57とのインタフェースへの)排出ライン、及び、充電し、コンポーネント/機械的区画から外部温度帯54へのベーパライザ72及び1又は複数のGH2ベント64接続及びベント64の燃料安全性及び送出連続性を維持するための1/2"安全バルブ88、1bar(0.1MPa)ベント64を含む篏合部品C;1又は複数の自己圧力ビルドアップユニット;少なくとも2つの圧力安全性解放バルブ88;少なくとも1つの真空センサ及びポート、少なくとも1つのレベルセンサ(高キャパシタンス)及びレベルセンサフィードスルー;圧力トランスミッタ、圧力レギュレータ、圧力センサ、圧力ゲージ、コネクタ、ソレノイドバルブ、1又は複数の温度センサ又は感知デバイス又は熱安全センサ、GH2加熱コンポーネント;ラジエータ60;及び、冷媒循環ポンプ、容器、及び、熱交換器57にルーティングされる又は燃料電池冷媒31水のための流体導管と接触する管を含む。
【0070】
図11は、発電サブシステム600のもっとも基本的なコンポーネントと共に、燃料タンク22、燃料電池、ラジエータ60、熱交換器57及び空調コンポーネントを含む燃料供給サブシステム900の例示的な図を示す。統合システム100の燃料供給サブシステム900は、気体水素(GH)、液体水素(LH)、又は同様の流体燃料からなるグループから選択される燃料を貯蔵及び輸送するように構成される、1又は複数の燃料電池と流体連通する燃料タンク22をさらに備える。燃料供給サブシステム900は更に、燃料ライン、少なくとも1つの燃料供給カップリング58、チャージのための燃料補給接続、1又は複数のベント64、1又は複数のバルブ88、1又は複数の圧力レギュレータ、ベーパライザ72、ユニオン86、及び熱交換器57を含み、各々が燃料タンク22と流体連通し、1又は複数の温度感知デバイス又は熱安全センサは、燃料供給サブシステム900における気体の温度及び濃度を監視し、また、1又は複数の圧力ゲージ、1又は複数のレベルセンサ、1又は複数の真空ゲージ、及び、1又は複数の温度センサを含む。オートパイロット制御ユニット32又はコンピュータプロセッサは更に、サブシステムのコンポーネントを動作させ、温度調節プロトコルに基づいて、発電サブシステム600を含む1又は複数のソースから、内部温度帯52(HVACサブシステム62を使用する)、外部温度帯54(少なくとも、少なくとも1つのラジエータ60、1又は複数のファン68、及び/又は、1又は複数の排出ポート66を使用する)、及び、燃料供給サブシステム900(熱交換器57又はベーパライザ72を含む熱エネルギーインタフェースサブシステム56を使用する)を含む1又は複数の熱エネルギーの目的地へを含む熱エネルギー伝達の量及び分配を計算、選択、及び制御するよう構成されている。HVACサブシステムを使用して、内部温度帯52を含む1又は複数のソースから、燃料供給サブシステム900を含む1又は複数の熱エネルギーの目的地への;又は、1又は複数のベントを使用して、外部温度帯54から燃料供給サブシステム900への;及び、それらの組み合わせである分配が生じ得る。図11は、圧力上昇ユニット、LHAltPort、燃料補給ポート、スイッチコンタクトを有する圧力ゲージ、圧力変換/水平/真空ゲージ/圧力レギュレータ、LHをGHに変換するためのベーパライザ72、篏合部品A:LH燃料補給ポート(雌燃料伝達カップリング58)、篏合部品B、3/8"B(ベント64)、篏合部品C1"ユニオン86(熱交換器57を有するインタフェース)と共に、LH400L燃料タンク22を示す。少なくとも1つのラジエータ60、冷媒排出口、例示的な燃料電池モジュール18、冷媒注入口78、空気流感知及び調節、ならびに冷媒(冷却水循環)ポンプ76も示される。図11に示される熱エネルギーインタフェースサブシステムは、燃料30を含む燃料供給サブシステム900に接続され流体連通する第1流体導管、及び、冷媒31を含む発電サブシステム600に接続され流体連通する第2導管に接続するよう構成される熱交換器57又はベーパライザ72を含み、熱エネルギーは、冷媒31から、伝導によって伝導インタフェースを越えて、燃料30へ伝達され、これにより、燃料30を温め、冷媒31を冷却し、1又は複数の温度感知デバイス又は熱エネルギー感知デバイスは更に、燃料温度センサ及び冷媒温度センサを含む。
【0071】
一実施形態では、燃料電池制御システム100は、2つのモータの対ごとに1つの燃料電池、すなわち、6つのモータ及び3つの燃料電池モジュール18を有する。燃料電池モジュール18は、監視、ソースコードのレベルA解析、及び、1つの燃料電池の障害の場合における少なくとも1つのクロスオーバスイッチを有する、三重モジュール型冗長オートパイロットである。
【0072】
図12は、クリーン燃料ビークル1000における軽量、高電力密度、フォールトトレラント燃料電池システムを動作させるための、方法700の一例示的実施形態による本発明を図示するフローチャートを示す。方法700は、液体水素(LH)燃料を燃料タンク22から、燃料タンク22と流体連通する1又は複数の熱交換器57へ移送し、LHの状態を気体水素(GH)に変換する段階702;及び、GHを1又は複数の熱交換器57から、1又は複数の熱交換器57と流体連通する複数の水素燃料電池を含む1又は複数の燃料電池モジュール18へ移送する段階704を含む。方法の段階は、段階706において、複数の水素燃料電池内のGHを、複数の水素燃料電池のそれぞれの水素フローフィールドプレート18dの流入端に埋め込まれた第1のチャネルアレイに迂回させ、GHを第1のチャネルアレイに強制的に通し、GHを、水素フローフィールドプレート18dの第1のチャネルアレイと接触し、接続された表面領域のアノード気体拡散層(AGDL)18bを有するアノードバッキング層を通して、膜電解質アセンブリ(MEA)18cのAGDL及びプロトン交換膜(PEM18c)のアノード側に接続されたアノード側触媒層に拡散させる段階をさらに備える。段階708において、システム100は、吸気口と流体連通している1又は複数のターボチャージャ又はスーパーチャージャ46を使用して、周囲空気を収集して圧縮された空気に圧縮することを実行する。システム100は、段階710において、1又は複数のターボチャージャ又はスーパーチャージャ46から、1又は複数のターボチャージャ又はスーパーチャージャ46と流体連通する複数の水素燃料電池を有する1又は複数の燃料電池モジュール18に圧縮された空気を輸送することと、段階712において、複数の水素燃料電池内の圧縮された空気を、水素フローフィールドプレート18dの反対側に配置された複数の水素燃料電池のそれぞれの酸素フローフィールドプレート18dの流入端に埋め込まれた第2のチャネルアレイに迂回させ、GHを第2のチャネルアレイに強制的に通し、圧縮された空気を、酸素フローフィールドプレート18dの第2のチャネルアレイと接触し、接続された表面領域のカソード気体拡散層(CGDL)18bを有するカソードバッキング層を通して、膜電解質アセンブリのCGDL及びPEM18cのカソード側に接続されたカソード側触媒層に拡散させることとを実行する。段階714において、アノード側触媒層との接触を通じて、LHを正電荷のプロトン又は水素イオン及び負電荷の電子に分割し、ここで、PEM18cは、電荷引力を通じて、プロトンがアノード側からカソード側に透過することを可能にし、電子を含む他の粒子を制限し;段階716において、電圧及び電流を、電気回路及び電気回路と通信する接続手段に供給し;段階718において、接続手段は、複数のモータ及びプロペラ又はロータアセンブリ28を制御するように構成されている複数のモータコントローラ24を含む発電サブシステムを選択可能に駆動し、電気回路から戻る電子を圧縮空気における酸素と組み合わせて酸素イオンを形成し、次に、プロトンを酸素イオンと組み合わせてHO分子を形成し;段階720において、接続手段は選択可能に、少なくとも接続手段に接続されたパワーインバータ及びパワーインバータに接続された外部補助電源アウトレット111に電力供給する。
【0073】
本発明のシステム及び方法は、従来のモバイルジェネレータを置き換え、又は強化するために使用され得、電力会社の電気が利用できない、又は、系統電力によって供給される電気に影響を与える自然災害の後など電気が一時的にだけ必要とされるエリアにおいて電力を提供する。例示的な使用は、系統電力が一時的に中断されたエリアにおける展開、又は、一時的な照明の設備、音量増幅システム、建設現場におけるパワーツール、又は娯楽用アトラクションの供給を含む。本発明はまた、病院、通信サービス設備、セルタワー、データ処理センタ、及び他の施設のための緊急又はバックアップ電力のために使用され得る。本発明は、従来のエンジンジェネレータの問題の多くを克服する。そのような従来のジェネレータは多くの場合、ガソリン(石油)、ディーゼル、天然ガス、及びプロパン(液体又は気体)又は水素を含む燃料を燃焼させることによって駆動されるレシプロエンジンを使用する。これにより、ジェネレータを移送するビークルが、発電機器を移送するビークルをその意図された目的地へ推進するために追加のエンジン又は発電システムを必要とする冗長性が生じる。この冗長性により、過剰な電力が消費され、特定の用途に不適切である燃焼排気気体が排出され、効率性が低下し、モバイル電力を供給するために必要な空間が増加する。また、緊急発電機器の配送のためのアクセス道路又はインフラストラクチャの存在を想定し、それらを必要とするが、ハリケーン又は他の自然災害の後にはアクセス可能でないことがあり得る。
【0074】
加えて、多くの大都市及び都市圏は多くの場合、通勤交通で渋滞しており、大動脈は既に容量に達している、又は超えており、大量の発電機器を移送及び展開することはますます非実用的になっている。本発明はこれらの問題を克服する。燃料電池に関する先端技術は、モバイル配電用途において、より分散された非集中的な移動を可能にし得る。追加的に、オンデマンド、非集約的、及びスケーラブルな方式で動作する、個人用エアビークル(PAV)又は先端エアモビリティ(AAM)ビークルは、モバイル電力送出の有効範囲を延長し得る短距離エアモビリティを提供するが、そのようなシステムは、統合された空域、自動化、及び技術に大きく依存する。小さいエアモビリティビークル又は飛行体は、モバイル発電が、地上の交通渋滞、又は、大容量の空港の利用可能性によって制限されることなく、ある地点から任意の地点へ効率的かつ単純に移動することを可能にする。追加の利益として、自動化された自己操作式のビークルの動作、及び、都市内用途のための環境に配慮した非炭化水素駆動式飛行体の動作を可能にすることを含む。
【0075】
本明細書において説明される方法700及びシステム100は、特定のビークル1000又はハードウェア又はソフトウェア構成に限定されるものではなく、多くのビークル又は動作環境において用途があり得る。例えば、本明細書に説明されるアルゴリズムは、ハードウェア又はソフトウェア、又はそれらの組み合わせで実装され得る。方法700及びシステム100は、1又は複数のコンピュータプログラムにおいて実装され得、コンピュータプログラムは、1又は複数のプロセッサ実行可能命令を含むと理解され得る。コンピュータプログラムは、1又は複数のプログラマブルプロセッサ上で実行し得、プロセッサによって読み取り可能な1又は複数のストレージ媒体(揮発性及び不揮発性メモリ及び/又はストレージ要素を含む)、1又は複数の入力デバイス、及び/又は、1又は複数の出力デバイスに格納され得る。したがって、プロセッサは、1又は複数の入力デバイスにアクセスして入力データを取得でき、1又は複数の出力デバイスにアクセスして出力データを通信できる。入力及び/又は出力デバイスは、ミッション制御タブレットコンピュータ36、ミッションプランニングソフトウェア34プログラム、スロットルペダル、サイドアームコントローラ、ヨーク又は制御ハンドル、又は、プロセッサによってアクセス可能な他の動きを指示するデバイスのうちの1又は複数を含み得、そのような上記の例は、網羅的でなく、限定ではなく例示の目的である。
【0076】
コンピュータプログラムは好ましくは、コンピュータシステムと通信するために、1又は複数の高水準手続き型又はオブジェクト指向プログラミング言語を使用して実装される。しかしながら、プログラムは、所望される場合、アセンブラ又は機械語で実装され得る。言語はコンパイル又は解釈され得る。
【0077】
したがって、本明細書に提供されるプロセッサは、いくつかの実施形態において、ネットワーク又は通信環境において独立に動作され得る3つの同一のデバイスに組み込まれ得、ネットワークは例えば、イーサネットなどのローカルエリアネットワーク(LAN)、又は、RS232又はCANなどのシリアルネットワークを含み得る。ネットワークは、有線、無線RF、光ファイバ又はブロードバンド、又はそれらの組み合わせとすることができ、異なるプロセッサ間の通信を容易にするために、1又は複数の通信プロトコルを使用できる。プロセッサは、分散処理のために構成され得、いくつかの実施形態において、必要に応じてクライアントサーバモデルを利用し得る。従って、方法及びシステムは、複数のプロセッサ及び/又はプロセッサデバイスを利用して、必要なアルゴリズムを実行し、適切なビークル命令を決定し得、3つのユニットにおいて実装される場合、3つのユニットは、それらの間で投票し、講じられるべきアクションについて、3分の2の合意に到着し得る。投票は、他のシステム状態情報を使用して、偶数のユニットが同意しないときに生じ得る任意の同点を壊し得、それにより、システムは、動作のための許容可能なレベルの安全性を提供する合意に到達する。
【0078】
プレゼンテーションを表示するためのプロセッサを内蔵するデバイス又はコンピュータシステムは、例えば、ディスプレイを有するパーソナルコンピュータ、ワークステーション(例えば、Sun、HP)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA(登録商標))又はiPadなどのタブレット、又は、本明細書において提供されるように動作し得るプロセッサと通信可能な別のデバイスを含み得る。従って、本明細書において提供されるデバイスは、網羅的でなく、限定ではなく例示のために提供される。
【0079】
「プロセッサ」又は「プロセッサ」の言及は、スタンドアロン及び/又は分散環境において通信し得る1又は複数のプロセッサを含むと理解され得、したがって、有線又は無線通信を介して他のプロセッサと通信するよう構成され得、そのような1又は複数のプロセッサは、類似又は異なるデバイスであり得る1又は複数のプロセッサ制御デバイス上で動作するよう構成され得る。更に、メモリへの言及は、別段の定めが無い限り、プロセッサ制御デバイスの内部にあり、プロセッサ制御デバイスの外部にあり得、様々な通信プロトコルを使用して有線又は無線ネットワークを介してアクセスされ得る、1又は複数のプロセッサ可読及びアクセス可能メモリ要素及び/又はコンポーネントを含み得、別段の定めが無い限り、外部及び内部メモリデバイスの組み合わせを含むように配置され得、そのようなメモリは、用途に基づいて、連続的、及び/又は、分割され得る。ネットワークへの言及は、別段の定めが無い限り、1又は複数のネットワーク、イントラネット及び/又はインターネットを含み得る。
【0080】
方法及びシステムは、特定の実施形態に関して説明されたが、それらはそのように限定されない。例えば、方法及びシステムは、6、8、10、12、14、16、又はより多くの独立したモータコントローラ24及びモータを有する様々なビークルに応用され得、したがって、異なる機能を提供する。システムは、オペレータの制御下で操作され得る、又は、地上からのネットワーク又はデータリンクを介して操作され得る。ビークルは、搭載型バッテリセル27ストレージ容量を用いて単独で操作され得る、又は、搭載型モータジェネレータ又は他の再充電ソースによって強化された容量を有し得る、又は、更には、エネルギーを飛行体に提供する目的で、テザー又はアンビリカルケーブルの端で操作され得る。上の教示を参照すれば、多くの修正及び変形が明らかとなり得る。本明細書に説明及び図示される部品の詳細、材料及び配置における多くの追加の変更が当業者によって行われ得る。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】