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特表2024-512307封入のために甘味穀粉を使用する方法及び生成物
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  • 特表-封入のために甘味穀粉を使用する方法及び生成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】封入のために甘味穀粉を使用する方法及び生成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/10 20160101AFI20240312BHJP
   A23L 29/10 20160101ALI20240312BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20240312BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20240312BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20240312BHJP
   C08L 3/02 20060101ALI20240312BHJP
   C08L 3/04 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
A23L7/10 H
A23L29/10
A23L5/00 N
A23L2/00 B
A23L2/52
C08L3/02
C08L3/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553289
(86)(22)【出願日】2022-03-01
(85)【翻訳文提出日】2023-09-01
(86)【国際出願番号】 US2022018247
(87)【国際公開番号】W WO2022192028
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/159,368
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512035620
【氏名又は名称】コーンプロダクツ ディベロップメント インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 都子
(74)【代理人】
【識別番号】100135895
【弁理士】
【氏名又は名称】三間 俊介
(72)【発明者】
【氏名】ケイトリン メイラー
(72)【発明者】
【氏名】マット ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】アファフ マカリアス
【テーマコード(参考)】
4B023
4B035
4B117
4J002
【Fターム(参考)】
4B023LC02
4B023LE30
4B023LG08
4B023LK05
4B023LK07
4B023LK08
4B023LL04
4B023LP14
4B023LP20
4B035LC16
4B035LE01
4B035LE20
4B035LG12
4B035LG19
4B035LG21
4B035LG34
4B035LG54
4B035LP21
4B035LP24
4B117LC02
4B117LE01
4B117LG24
4B117LK10
4B117LK13
4B117LL06
4B117LP03
4J002AB041
4J002AB042
4J002AB053
4J002AD033
4J002FD312
4J002GC00
4J002HA07
4J002HA09
(57)【要約】
本明細書に開示される技術は、封入用混合物、封入用組成物、封入済生成物、及びそれらの製造方法に関する。組成物及び生成物は、乳化剤及び甘味穀粉を含み、油系成分を封入するのに有用である。このような組成物及び生成物は、マルトデキストリンを使用することなく、良好な油保持性及び良好な耐酸化性を有するように配合することができる。いくつかの実施形態では、甘味穀粉は、スイートコーン粉である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合物であって、
a.乳化剤と、
b.甘味穀粉と、を含み、
任意選択的に、前記甘味穀粉が、スイートコーン粉又は清澄化スイートコーン粉である、混合物。
【請求項2】
前記甘味穀粉が、前記組成物の約50重量%~約90重量%、又は約50重量%~約80重量%、又は約70重量%~約80重量%の量である、請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
前記乳化剤が、加工デンプンであり、
任意選択的に、前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンである、請求項1又は2に記載の混合物。
【請求項4】
前記乳化剤が、前記組成物の重量で、約10重量%~約50重量%、又は約20重量%~約40重量%、又は約20重量%~約30重量%の量である、請求項1~3のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項5】
前記組成物が、約1.5重量%~約9%重量%、又は約2重量%~約9重量%、又は約3重量%~約9重量%、又は約5重量%~約9重量%の量のスイートコーンタンパク質を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項6】
酸化防止剤を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項7】
グルコースシロップを更に含み、
任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記組成物の約1重量%~約30重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約20重量%~約30重量%の量である、請求項1~6のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項8】
前記組成物が、マルトデキストリンを含まない、請求項1~7のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項9】
生成物であって、
a.活性成分と、
b.甘味穀粉と、を含み、
任意選択的に、前記甘味穀粉が、スイートコーン粉又は清澄化スイートコーン粉である、生成物。
【請求項10】
前記生成物が、噴霧乾燥される、請求項9に記載の生成物。
【請求項11】
前記活性成分が、水性成分である、請求項9又は10に記載の生成物。
【請求項12】
前記活性成分及び甘味穀粉が、凝集生成物である、請求項9~11のいずれか一項に記載の生成物。
【請求項13】
前記活性成分が、油系成分であり、
任意選択的に、前記油系成分が、前記生成物の約5重量%超、又は約10重量%超、又は約10重量%~約25重量%の量で使用される、請求項9~12のいずれか一項に記載の生成物。
【請求項14】
前記活性成分が、前記甘味穀粉によって少なくとも部分的に封入されている、請求項9~12のいずれか一項に記載の生成物。
【請求項15】
a.乳化剤と、
b.前記封入済生成物の約5重量%超、又は前記封入済生成物の約10重量%超、又は約10重量%~約25重量%、又は約10重量%~約20重量%、又は約15重量%~約25重量%の量の油と、を更に含む封入済生成物であって、
任意選択的に、前記甘味穀粉が、前記封入済生成物の約10重量%~約25重量%、又は前記封入済生成物の約10重量%~約14重量%、又は前記封入済生成物の約18重量%~約24重量%の量である、請求項9に記載の生成物。
【請求項16】
前記乳化剤が、加工デンプンであり、
任意選択的に、前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンであり、
任意選択的に、前記乳化剤が、前記封入済生成物の約1重量%~約10重量%又は前記封入済生成物の約4重量%~約8重量%の量である、請求項15に記載の生成物。
【請求項17】
酸化防止剤を更に含み、
任意選択的に、前記酸化防止剤が、グルコースシロップであり、
任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記封入済生成物の約1重量%~約10重量%又は約4重量%~約8重量%の量である、請求項9~16のいずれか一項に記載の生成物。
【請求項18】
前記生成物が、マルトデキストリンを含まない、請求項9~17のいずれか一項に記載の生成物。
【請求項19】
組成物を作製する方法であって、
a.甘味穀粉と活性成分とを混合して混合物を形成する工程と、
b.前記混合物を噴霧乾燥する工程と、を含み、
任意選択的に、前記甘味穀粉が、スイートコーン粉又は清澄化スイートコーン粉である、方法。
【請求項20】
前記活性成分が、水性成分である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記活性成分が、油系成分であり、
前記混合工程が、乳化剤及び水又は水溶液を、前記甘味穀粉及び活性成分と混合することを更に含み、
任意選択的に、前記油系成分が、前記生成物の約5重量%超、又は約10重量%超、又は約10重量%~約25重量%の量で使用され、
任意選択的に、前記甘味穀粉が、前記封入用組成物の約10%~約20%、又は前記封入用組成物の約10%~約14%、又は前記封入用組成物の約16%~約20%の量である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記混合工程が、約2.5ミクロン未満、又は約1.5ミクロン未満、又は約0.5ミクロン~約1.5ミクロンの平均液滴サイズを有するエマルジョンを形成する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記乳化剤が、加工デンプンであり、
任意選択的に、前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンであり、
任意選択的に、前記乳化剤が、前記封入用組成物の約1重量%~約10重量%、又は前記封入用組成物の約4重量%~約8重量%の量である、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記混合工程が、前記混合工程において酸化防止剤を前記他の成分と混合することを更に含み、
任意選択的に、酸化防止剤が、グルコースシロップであり、
任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記封入用組成物の約1重量%~約10重量%又は約4重量%~約8重量%の量であり、
任意選択的に、グルコースシロップが、封入用組成物が、約5~約19、又は約5~約7、又は約11~約13、又は約17~約19、又は約18のデキストロース当量を有するような量である、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記方法が、マルトデキストリンを添加することを含まない、請求項21~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
食用組成物における請求項9~18に記載の生成物の使用。
【請求項27】
飲料に香味付けするための、請求項26に記載の封入済生成物の使用。
【請求項28】
請求項9~18のいずれか一項に記載の生成物においてマルトデキストリンを置換するための甘味穀粉の使用であって、
任意選択的に、前記甘味穀粉が、スイートコーン粉又は清澄化スイートコーン粉である、使用。
【請求項29】
清澄化甘味穀粉であって、約85重量%超、又は約80重量%~約95重量%、又は約80重量%~約90重量%の量の可溶性デンプンを含み、
任意選択的に、前記清澄化甘味穀粉が、約0.5%タンパク質超若しくは約1.0%タンパク質超の量、又は好ましくは、a)前記穀粉の約2重量%超、b)約2重量%~約4重量%、及びc)約5重量%~約9重量%からなる群から選択される量のタンパク質を更に含み、
任意選択的に、前記甘味穀粉が、前記穀粉の約5重量%未満の不溶性デンプン含量を有し、
任意選択的に、前記清澄化甘味穀粉が、スイートコーン粉である、清澄化甘味穀粉。
【請求項30】
約0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散性指数を有し、
任意選択的に、清澄化甘味穀粉が、約100~約200nm、又は約100~約150nm、又は約120~約140nmの粒径分布の平均粒径を有する、請求項29に記載の甘味穀粉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、甘味穀粉を使用した封入用組成物及び封入済生成物、並びにそれらの製造方法が開示される。生成物及び組成物は、飲料を含む食用組成物で使用するための香味油系成分を送達するなどの様々な用途のための成分を封入又は担持するのに有用である。
【0002】
一般に、特に飲料、香味又は着色成分は、封入されるか、又はそうでなければ担体上に充填されて粉末を形成する。粉末は有用な貯蔵及び送達形態であり、所望の適用において容易に分解して成分を放出する。封入済生成物は、一般に、油系成分を使用して製造され、この油系成分は、粉末を製造するための噴霧乾燥中、及び粉末形態での貯蔵中に、水中油型エマルジョン内の油滴を安定化及び保護する組成物を使用して封入される。エマルジョン安定化及び成分保護は、封入用組成物中の異なる成分によって実行することができる。エマルジョンは乳化剤、しばしば加工デンプンによって安定化され、成分保護は担体によって提供される。マルトデキストリンは、エマルジョンに(噴霧乾燥をより困難にする)実質的な粘度を与えることなく、比較的多量で使用することができ(それにより噴霧乾燥を容易にし)、封入からの油損失に対する良好なバリアを形成するため、担体として使用されることが多い。
【0003】
しかしながら、いくつかの市場セグメントでは、マルトデキストリンは望ましくない。したがって、封入済生成物においてマルトデキストリンの機能を提供する他の担体を見出す必要性が存在する。少なくとも1つの態様において、本明細書は、マルトデキストリンに置き換えるための封入製剤中の担体としての甘味穀粉の使用を開示する。様々な態様において、本明細書は、同様の油保持能力及び低粘度のマルトデキストリン封入済生成物を有する、甘味穀粉を使用する封入用組成物及び封入済生成物を開示する。他の態様では、開示される封入済生成物は、マルトデキストリン担体を使用する封入済生成物と同等以上に、封入された油系成分を酸化から保護することができる。開示される技術の他の態様及び属性は、本明細書に記載される。
【0004】
本明細書に開示される技術は、例証目的のためのみに提供され、本発明の全範囲を限定するものではない添付図面を参照して更に説明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】封入済生成物を作製するために使用される水中油型エマルジョンの実施形態の油滴サイズ分布を比較する。
【0006】
本明細書において、「甘味穀粉」という用語は、劣性糖味-1遺伝子(優性対立遺伝子としてSu-1、及び劣性対立遺伝子としてsu-1と略記することができる)を含む穀類、穀粒(grain)、又は穀粒(kernel)から得られる穀粉を意味する。甘味穀粉の供給源に関して限定することを意図しないが、甘味穀粉の有用な供給源はスイートコーンである。本明細書中でスイートコーンと呼ばれる糖味-1劣性コーンは、コーンのシルバークイーン変種として入手可能である。糖味-1遺伝子は公知であり、デンプンの生合成におけるその役割は他者によって研究されている。(例えば、James,M.G.ら、「Characterization of the maize gene sugary1,a determinant of starch composition in kernels」、Plant Cell 第7巻、417~429頁(1995年)を参照されたい)。以下は、甘味穀粉を更に説明するために提供されるが、デンプン生合成経路における劣性糖味-1遺伝子の効果の完全な理解を限定することを意図するものではない。劣性糖味-1遺伝子は、デンプンの正常な合成を妨害し、アミロペクチン又はアミロースにおいて一般的であるよりも実質的に多くのグリコシド間のα-1-6結合を有するデンプンポリマーを形成する。これらの異常デンプンポリマーは、(アミロース及びアミロペクチンに共通するように)顆粒を形成せず、デンプンを水に可溶化するために典型的に必要とされる更なる処理なしで水に可溶性である。言い換えれば、それらは、デンプン粒の事前のゼラチン化なしに可溶性である。
【0007】
甘味穀粉及びスイートコーン粉は、甘味穀粒又はスイートコーン穀粒を製粉して穀粉を得ることによって得ることができる。甘味穀粉は、他の穀粉と同様に、(特に)多糖類、繊維、脂質、タンパク質、及び灰分を含有する。しかしながら、甘味穀粉は、実質的な量の可溶性デンプンを天然に有することにより、ほとんどの穀粉とは異なる。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味穀粉、好ましくはスイートコーン粉は、75重量%~85重量%の可溶性デンプンを含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味穀粉は、穀粉の約10重量%~約30重量%、又は約13重量%~約30重量%、又は約20重量%~約30重量%の粒状デンプン(アミロース及びアミロペクチン)を含む。粒状デンプン及びタンパク質は、一般に、更なる処理なしでは不溶性である。
【0008】
本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味穀粉は、少なくとも一部のタンパク質及び粒状デンプンを除去するために清澄化され得る。最も広い意味において、清澄化される甘味穀粉は、天然の甘味穀粉中に見出されるよりも少ないタンパク質を有するが、食品産業において一般的に理解されているデンプンの定義から外れるのに十分な残留タンパク質を有する任意の生成物である。一般的なコーンスターチ又は蝋状のコーンスターチについては、約0.5重量%を超えるタンパク質である。高アミロースコーンスターチについては、約1.0重量%より多いタンパク質である。しかしながら、好ましい実施形態では、甘味穀粉又はスイートコーン粉は、約2%~9%のタンパク質含量を有するように清澄化される。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味穀粉は、穀粉の不溶性成分が、上清中に残る可溶性成分から分離される際に遠心分離によって清澄化されてもよく、可溶性成分は、不溶性成分から注ぎ出すことができるか、又はそれ以外の方法で不溶性成分から分離することができる。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味穀粉は、約75%超又は約80%~約95%の可溶性デンプンを含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味穀粉は、穀粉の約80重量%~約90重量%の可溶性デンプンを含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味穀粉は、穀粉の約5重量%超の量のスイートコーンタンパク質含量を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味穀粉は、穀粉の約5重量%~約9重量%の量のスイートコーンタンパク質含量を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味穀粉は、甘味穀粉よりも不溶性デンプン含量が少ない。任意の実施形態では、甘味穀粉は、穀粉の約5重量%未満の不溶性デンプン含量を有する。
【0009】
任意の実施形態では、甘味穀粉は、より均一な組成物を得るために、(例えば、精密濾過、限外濾過、又は逆浸透濾過を使用して)高圧濾過されない。本明細書に記載される任意の実施形態では、本明細書に記載される甘味穀粉又はスイートコーン粉は、0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散性指数を有する。多分散性指数(「PDI」)は、一組の粒子のサイズによる不均一性を反映する単位のない測定値である。本明細書に記載される甘味穀粉などの巨視的システム内では、多分散性指数は、動的光散乱を使用して測定することができる。
【0010】
いずれかの実施形態では、甘味穀粉又はスイートコーンは、約100~約200nm、又は約100~約150nm、又は約120~約140nmの平均粒径を有する。任意の実施形態では、甘味穀粉又はスイートコーン中の可溶性デンプンは、約100~約200nm、又は約100~約150nm、又は約120~約140nmの平均粒径を有する。多分散性指数及び平均粒径は、動的光散乱を使用することによって甘味穀粉の溶液中で測定することができる。
【0011】
別の態様では、本明細書に開示される技術は、甘味穀粉及び活性成分を含む噴霧乾燥生成物に関する。いくつかの実施形態では、活性成分は、水性成分であってもよい。他の実施形態では、活性成分は、脂質系、又は脂肪系、又は油系の成分であってもよい。本明細書内で、活性成分は広く使用されており、薬学的活性成分、又は栄養成分、又は香り若しくは香味などの非栄養機能性成分、及びそれらの混合物を含む。活性成分は、単一成分であってもよいし、成分の組合せであってもよい。噴霧乾燥生成物には、凝集生成物及び封入済生成物並びにそれらの混合物が含まれる。封入済生成物ではない噴霧乾燥生成物及び凝集生成物において、活性成分を担持し、噴霧乾燥組成物を効率的に得るのに十分なバルク材料を提供するために、甘味穀粉を他の成分と混合してもよい。封入済生成物のために、甘味穀粉は乳化剤と混合される。乳化剤は、水-油界面を安定化して、水相中の小さな油滴サイズを維持する。噴霧乾燥中に、甘味穀粉及び任意選択的に乳化剤は、油滴の周りにコーティングを提供して、封入活性成分を得る。
【0012】
別の態様では、本明細書は、活性成分を封入するために水性成分と混合することができる混合物を開示する。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用混合物は、乳化剤と甘味穀粉とを含む。本明細書に記載される封入用混合物の任意の実施形態では、甘味穀粉は、組成物の約50重量%~約90重量%、又は約50重量%~約80重量%、又は約7重量%~約80重量%の量である。本明細書に記載される封入用混合物の任意の実施形態では、乳化剤は加工デンプンである。本明細書に記載される封入用混合物の任意の実施形態では、乳化剤は、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンである。本明細書に記載される封入用混合物の任意の実施形態では、乳化剤は、混合物の重量の約10重量%~約50重量%、又は約20重量%~約40重量%、又は約20重量%~約30重量%の量である。
【0013】
本明細書に記載される封入用混合物の任意の実施形態では、甘味穀粉はスイートコーン粉であり、スイートコーン粉は、穀粉の約5重量%超、又は穀粉の約5重量%~約9重量%の量のスイートコーンタンパク質を含む。本明細書に記載される封入用混合物の実施形態では、混合物は、約1.5%~約9%、又は約2%~約9%、又は約3%~約9%、又は約5%~約9%の量の甘味穀粉からのタンパク質を含む。
【0014】
本明細書に記載される封入用混合物の任意の実施形態では、酸化防止剤を更に含む。本明細書に記載される封入用混合物の任意の実施形態では、グルコースシロップを更に含み、任意選択的に、グルコースシロップは、混合物の約1重量%~約30重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約20重量%~約30重量%の量である。本明細書に記載される封入用混合物の任意の実施形態では、組成物は、マルトデキストリンを含まない。
【0015】
本明細書に開示される任意の実施形態では、封入用組成物は、活性成分を封入するために使用することができる組成物である。任意の実施形態では、本明細書に記載される封入用組成物は、乳化剤と甘味穀粉とを含む。
【0016】
任意の実施形態では、本明細書は、乳化剤が加工デンプンである封入用組成物を開示する。任意の実施形態では、本明細書は、乳化剤がコハク酸加工デンプン、例えばオクテニルコハク酸加工デンプンである封入用組成物を開示する。任意の実施形態では、本明細書は、乳化剤が組成物の約1重量%~約10重量%の量である封入用組成物を開示する。任意の実施形態では、本明細書は、乳化剤が組成物の約4重量%~約8重量%の量である封入用組成物を開示する。
【0017】
任意の実施形態では、本明細書は、甘味穀粉が組成物の約10%~約20%の量である封入用組成物を開示する。任意の実施形態では、本明細書は、甘味穀粉が組成物の約10%~約14%の量である封入用組成物を開示する。任意の実施形態では、本明細書は、甘味穀粉が組成物の約16%~約20%の量である封入用組成物を開示する。いずれかの実施形態では、本明細書は、組成物の約0.5%~約2.0%又は約0.5%~約1.5%の量のスイートコーンタンパク質(甘味穀粉によって提供される)を更に含む封入用組成物を開示する。
【0018】
本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、少なくともいくつかの実施形態では食品グレードの酸化防止剤であり、様々な実施形態ではグルコースシロップである酸化防止剤を更に含む。他の有用な酸化防止剤としては、コーンシロップ、コーンシロップ固形物、マルトデキストリン、グルコース、マルトース、又は還元力(フリーラジカルをクエンチするために水素を供与する能力)を有する任意の他の炭水化物が挙げられる。更に他の有用な酸化防止剤としては、フェノール化合物、カロチノイド、キレート剤が挙げられる。1種以上の前述の酸化防止剤及び酸化防止剤のタイプの混合物も有用である。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入済生成物は、グルコースシロップを更に含む。
【0019】
本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、組成物の約1重量%~約10重量%又は約4重量%~約8重量%の量のコーンシロップ又はグルコースシロップを更に含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、乳化剤、甘味穀粉、及び組成物のデキストロース当量値を変更するのに十分なグルコースシロップを含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、乳化成分と甘味穀粉成分とを含む乳化剤を含み、乳化剤は、約5~約19のデキストロース当量を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、a)約6又は約5~約7、b)約12又は約11~約13、及びc)約18又は約17~約19からなる群から選択されるデキストロース当量を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、約18のデキストロース当量を有する。
【0020】
本明細書に開示される任意の実施形態では、封入用組成物は、乳化剤、甘味穀粉、及び任意選択的に酸化防止剤を含む水性分散液である。本明細書に開示される任意の実施形態では、封入用組成物は、組成物の60重量%超又は約60重量%~約80重量%の量の水を含む分散液である。
【0021】
本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、油系成分を更に含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、組成物の約5重量%超、又は約10重量%超、又は約10重量%~約25重量%の量の油系成分を更に含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、組成物の約15重量%~約25重量%の量の油系成分を更に含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、組成物の約18重量%~約22重量%の量の油系成分を更に含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、乳化剤及び甘味穀粉(両方とも本明細書の他の箇所に記載される)を含む水性分散液と、この段落に記載される油系成分とを含むエマルジョンである。
【0022】
本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物はマルトデキストリンを含まない。
【0023】
また、本明細書に記載されているのは、本明細書に記載されているエマルジョンを噴霧乾燥することによって得られる封入済生成物である。任意の実施形態では、封入済生成物は、甘味穀粉、乳化剤、及び油、並びに任意選択的に酸化防止剤を含む。本明細書に記載される封入済生成物の任意の実施形態では、生成物は、封入済生成物の約0.5重量%超、又は封入済生成物の約1重量%~約9重量%、又は封入済生成物の約1重量%~約6重量%の量のスイートコーンタンパク質を更に含む。本明細書に記載される封入済生成物の任意の実施形態では、甘味穀粉は、封入済生成物の約10重量%~約25重量%、又は封入済生成物の約10重量%~約14重量%、又は封入済生成物の約18重量%~約24重量%の量である。本明細書に記載される封入済生成物の任意の実施形態では、油は、封入済生成物の約5重量%超、又は封入済生成物の約10重量%超、又は封入済生成物の約10重量%~約25重量%、又は封入済生成物の約10重量%~約20重量%、又は封入済生成物の約15重量%~約25重量%の量である。本明細書に記載される封入済生成物の任意の実施形態では、乳化剤は、封入済生成物の約1重量%~約10重量%又は封入済生成物の約4重量%~約8重量%の量である。
【0024】
任意の実施形態では、封入済生成物を作製する方法は、約2.5ミクロン未満、約1.5ミクロン未満、及び約0.5ミクロン~約1.5ミクロンからなる群から選択される平均液滴サイズを有するエマルジョンを得ることを含む。規定された液滴サイズを有するエマルジョン(本明細書に記載されるような)は、任意の一般的に利用可能な混合装置を使用して、約1,000~約10,000rpmのうちの1つ以上の混合速度を使用して、油系成分と水性分散液との混合物を混合することによって作製される。少なくとも1つの実施形態では、規定された液滴サイズを有するエマルジョンは、第1に、油系成分と水溶液とを第1の速度で混合することによって粗エマルジョンを作製し、第2に、粗エマルジョンを第2のより速い速度(第1及び第2の速度の両方とも1,000~10,000rpmの範囲である)で更に混合することによって均質化エマルジョンを作製する、2段階乳化プロセスで作製される。本明細書に開示される任意の実施形態では、粗エマルジョンを作製するために使用される第1の速度は、約4000~約6000rpmである。本明細書に開示される任意の実施形態では、エマルジョンを均質化するために使用される第2の速度は、約6000~約8000rpmである。
【0025】
任意の実施形態では、封入済生成物を作製する方法は、所望の粒径を有するように、油系成分と水溶液とのエマルジョンを噴霧乾燥することを含む。任意の実施形態では、封入済生成物は、一般に約100ミクロン未満程度の粒径を有するように、従来の噴霧乾燥装置を使用して噴霧乾燥される。任意の実施形態では、封入済生成物は、約25ミクロン~約75ミクロンの平均粒径を有するように噴霧乾燥される。
【0026】
別の態様において、本明細書は、乳化剤、甘味穀粉、油系成分、及び任意選択的に、好ましくはグルコースシロップであり得る還元剤を含む封入済生成物を開示する。全ての前記成分は、本明細書に記載される属性を有し、記載される量で使用される。本明細書に記載される封入済生成物は、一般に100ミクロン未満程度の粒径を有し、様々な実施形態では、25~75ミクロンの平均粒径を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入済生成物は、生成物の約5重量%超、又は約10重量%超、又は約10重量%~約25重量%の量の油系成分を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入済生成物は、生成物の約10重量%~約20重量%の量の油系成分を有する。任意の実施形態では、封入済生成物は、約13%~約18%の量の油系成分を有する。
【0027】
封入済生成物又は他の最終生成物は、封入用組成物の記載された実施形態と一致するが、担持又は封入された成分を考慮した乳化剤及び甘味穀粉含量(重量による)を有する。加えて、それらは、記載された実施形態のエマルジョンの実施形態と一致するが、水分の実質的な排除を考慮した乳化剤及び甘味穀粉含量(重量による)を有する。
【0028】
別の態様では、本明細書は、食用組成物、好ましくは飲料における封入済生成物の使用を開示する。別の態様において、本明細書は、食用組成物、好ましくは飲料を製造する方法であって、封入済生成物と第2の成分とを混合することを含む方法を開示する。
【0029】
第2の成分は、食用組成物において有用な任意の第2の成分である。有用な第2の成分としては、コーンスターチ、タピオカデンプン、エンドウマメデンプン、ソラマメデンプン、レンズマメデンプン、ヒヨコマメデンプン、タピオカデンプン、ジャガイモデンプン、サゴデンプン、及びこれらの混合物を含むがこれらに限定されないデンプン、並びにこのようなデンプンの高アミローゼ変異体及び低アミローゼ変異体が挙げられる。そのようなデンプンはまた、小麦粉、タピオカ粉、米粉、及び挽き割りトウモロコシ粉を含む穀粉及び粉内にあってもよい。有用なデンプンは、加工されていても加工されていなくてもよい。加工デンプンは、リン酸塩又はアジピン酸塩を使用することを含めて架橋されてもよく、又はヒドロキシプロピル化及びアセチル化を含めて安定化されてもよい。有用なデンプンは、せん断、酵素、酸、又は酸化を用いて変換又は加水分解され得る。デンプンはまた、加水分解以外の目的のために酸化によって有用に加工され得る。有用なデンプンは、熱抑制、アニーリング、又は湿熱処理などによって物理的に加工されてもよい。加工及び非加工デンプンは、アルファ化されてもよく、又はさもなければ冷水可溶性にされてもよい。
【0030】
第2の成分としては、デキストロース、アルロース、タガトース、フルクトース、グリセロール、スクロース、エリトリトール、レバウジオシド(A、B、J、Mなど)、及びグルコシル化ステビアグリコシド、並びに高フルクトースコーンシロップを含むコーンシロップなどの甘味料が挙げられる。甘味料は、固体、又は粉末、又は液体、又はシロップの形態で提供され得る。
【0031】
第2の成分としてはまた、ガム及びガム様材料を含むガムが挙げられ、ゲル化デンプン、アラビアゴム、キサンタンガム、タラガム、コンニャク、カラギーナン、ローカストビーンガム、ゲランガム、グアーガム、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0032】
第2の成分はまた、動物性脂肪及び乳脂肪を含む脂肪(植物油以外)を含む。有用な水性成分としては、水、ミルク、シロップ、又は他の炭水化物含有液体、又は酸性液体、又は塩基性液体が挙げられる。
【0033】
第2の成分はまた、種々の他の香味料、調味料、及び着色料を含む。
【0034】
以下の定義は、本明細書で開示される技術を理解するのに有用であり得る。
【0035】
本明細書において、用語「デキストロース当量」(「DE」と略す)は、糖生成物中に存在する還元糖の量を測定し、デキストロースに対する乾燥ベースの百分率として表される。例えば、デキストロース当量値10(又は「DE10」)を有する生成物は、デキストロースの還元力の約10%を有する。デキストロース当量はまた、デンプン糖の平均重合度(DP)の指標を与える。デキストロース当量は、当該技術分野において十分に理解されている用語であり、提供される定義は、例示目的のみのためであり、用語の完全な理解を限定することを意図しない。デキストロース当量は、当技術分野で公知の方法によって測定することができる。
【0036】
本明細書において、「甘味穀粉」という用語は、劣性糖味-1遺伝子(優性対立遺伝子としてSu-1、及び劣性対立遺伝子としてsu-1と略記することができる)を含む穀類、穀粒(grain)、又は穀粒(kernel)から得られる穀粉を意味する。甘味穀粉の供給源に関して限定することを意図しないが、甘味穀粉の有用な供給源はスイートコーンである。本明細書中でスイートコーンと呼ばれる糖味-1劣性コーンは、コーンのシルバークイーン変種として入手可能である。糖味-1遺伝子は公知であり、デンプンの生合成におけるその役割は他者によって研究されている。(例えば、James,M.G.ら、「Characterization of the maize gene sugary1,a determinant of starch composition in kernels」、Plant Cell 第7巻、417~429頁(1995年)を参照されたい)。以下は、甘味穀粉を更に説明するために提供されるが、デンプン生合成経路における劣性糖味-1遺伝子の効果の完全な理解を限定することを意図するものではない。劣性糖味-1遺伝子は、デンプンの正常な合成を妨げる。スイートコーンに関して、スイートコーン穀粒中のデンプンのかなりの部分(時には65%超)は、グリコシド間に実質的により多くのアルファ-1-6結合を有する化学構造であり、これは、アミロペクチン又はアミローゼにおいて一般的であるよりも多い。これらの異常デンプンポリマーは、(アミロース及びアミロペクチンに共通するように)顆粒を形成せず、デンプンを水に可溶化するために典型的に必要とされる更なる処理なしで水に可溶性である。言い換えれば、それらは、デンプン粒の事前のゼラチン化なしに可溶性である。
【0037】
本明細書において、「清澄化甘味穀粉」とは、組成物からタンパク質及び不溶性デンプンの少なくとも一部を除去するように加工された甘味穀粉を指す。清澄化甘味穀粉は、甘味穀粉のサブセットであり、甘味穀粉への言及は、清澄化甘味穀粉又は甘味穀粉のうちの1つに限定されることが文脈から明らかでない限り、清澄化甘味穀粉を含む。同様に、スイートコーン粉は、文脈によって限定されない限り、清澄化スイートコーン粉を含む。甘味穀粉又はスイートコーン粉を使用して作られる本明細書中の全ての実施形態は、清澄化甘味穀粉又は清澄化スイートコーン粉を使用して作製され得る。
【0038】
本明細書において、「可溶性デンプン」とは、デンプンの粒状構造を破壊するために熱及び水分を使用するプロセス(糊化と呼ばれる)に供されることなく可溶性であるデンプンを指す。可溶性デンプンは、本明細書で使用される場合、可溶性であり、劣性糖味-1遺伝子を有する穀類、穀粒(grain)、又は穀粒(kernel)(例えば、限定されないが、スイートコーン穀粒を含む)から得られるデンプンである。可溶性デンプンは、アミロペクチン又はアミロースにおいて一般的であるよりも実質的により多くのグリコシド間のα-1-6結合を有する。可溶性デンプンの増加したα1-6結合は、可溶性デンプンを糊化アミロース又はアミロペクチンデンプンから区別できるようにする。糊化アミロース及びアミロペクチンは、その用語が本明細書において使用される場合、「可溶性デンプン」の定義内にはない。対照的に、不溶性デンプンは、水溶液中に溶解する前に糊化を必要とするデンプン、又は水溶液中に全く溶解しないデンプンを指す。
【0039】
本明細書において、「グルコースシロップ」という用語は、グルコースシロップ(又は糖菓用グルコース又はコーンシロップ)及び類似の生成物として市販されている生成物のクラスを含む。一般に、グルコースシロップは、デンプン(コーンスターチであることが多いが、必ずしもそうである必要はない)を加水分解して、短鎖多糖類を含むシロップを形成することによって得られる。それらのグレードに応じて、グルコースシロップは、10%~少なくとも約90%のグルコースを有することができる。グルコースシロップは、それらのデキストロース当量値に基づいて販売することができ、DE42及びDE63グルコースシロップは、一般的に入手可能な商用グレードである。本明細書に記載される様々な実施形態は、あるタイプ又はグレードのグルコースシロップの使用に限定されない。加えて、全てのグルコースシロップは、測定可能な固形分を有する。本明細書における少なくともいくつかの実施形態は、乾燥生成物としてグルコースシロップを記載する。グルコースシロップの残りの水分は生成物を乾燥させるために除去されるが、グルコースシロップからの主に短鎖多糖類は最終乾燥生成物中に残る。グルコースシロップの主に短鎖多糖類は、少なくとも分子量(及び/又は重合度の差)に基づく高速液体クロマトグラフィを使用して、甘味穀粉中の他の多糖類(主にデンプン)及びタンパク質から区別することができ、本明細書内の「グルコースシロップ」の意味に含まれる。
【0040】
数字を修飾するための「約」の使用は、プラス又はマイナス10%を記述した数を含むことを意味する。請求項における値の法的に許容される記述は、概ねその値を意味する。特許請求の範囲、又は明細書における約の使用は、対象にする等価物の全範囲を制限することを意図するものではない。
【0041】
特定の実施形態を例示及び説明してきたが、当業者であれば、前述の明細書を読んだ後、方法、及び本技術の変更、均等物での置換、及びその他の種類の改変を実施することができる。上記の各態様及び実施形態はまた、他の態様及び実施形態のいずれか又は全てに関して開示されるような、かかる変形形態又は態様を含むか、又はそれらに組み込まれることができる。
【0042】
本技術はまた、本技術の個々の態様の単一の例示として意図される、本明細書に記載される態様に関して限定されるものではない。当業者には明らかであるように、本技術の多くの修正及び変更は、その趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができる。本技術の範囲内の機能的に等価な方法は、本明細書で列挙されるものに加えて、前述の記載から当業者に明らかとなろう。かかる修正及び変更は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。本技術は、当然のことながら、変化し得る、方法、複合体、試薬、化合物、組成物、標識化合物、又は生物学的系に限定されないことを理解されたい。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別途記載のない限り、又は別様に文脈と明確に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施することができる。本明細書で使用される用語は、態様の説明のみを目的とするものであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。それゆえ、本明細書は、添付の特許請求の範囲、その定義、及びそれらの任意の等価物のみによって示される本技術の広さ、範囲、及び趣旨のみの例示として見なされることが意図される。本明細書中の言語は、いかなる特許請求されていない要素も必須であることを示すものとして解釈されるべきではない。
【0043】
本明細書に例示的に記載される実施形態は、本明細書で具体的に開示されていない任意の要素(1つ又は複数)、限定(1つ又は複数)のない状況で好適に実践され得る。したがって、例えば、「含む(comprising)」、「含む、挙げられる(including)」、「含有する(containing)」などの用語は、拡大的に読み取られ、限定するものではない。追加的に、本明細書で用いられる用語及び表現は、説明の用語として使用されており、限定するものではなく、かかる用語及び表現の使用において示され及び記載される特徴又はその部分の任意の等価物を排除する意図はないが、特許請求される技術の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。加えて、「から本質的になる」という語句は、具体的に列挙されたそれらの要素、並びに特許請求の範囲の技術の基本的及び新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない追加の要素を含むと理解されよう。「からなる」という語句は、指定されていない任意の要素を除外する。
【0044】
加えて、本開示の特徴又は態様がマーカッシュ群に関して記載されている場合、当業者は、本開示がまた、マーカッシュ群のメンバーの任意の個々のメンバー又はサブグループに関して記載されることを認識するであろう。一般的な開示内に含まれるより狭い種及び下位集団の各々はまた、その技術の一部を形成する。これは、切除された材料が本明細書に具体的に記述されているかどうかにかかわらず、属から任意の主題を除去する条件又は否定的な制限を有する技術の概念の記載を含む。
【0045】
当業者に理解されるように、任意の及び全ての目的のため、特に記載された説明を提供するという観点から、本明細書に開示される全ての範囲はまた、任意の及び全ての可能な部分範囲及びそれらの部分範囲の組合せも包含する。いかなる列記された範囲も、少なくとも半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分割されている同じ範囲を十分に説明かつ可能にするものと容易に認識され得る。非限定的な例として、本明細書で考察される各範囲は、下3分の1、中3分の1、及び上3分の1などに容易に分割することができる。また、当業者によって理解されるように、「最大」、「少なくとも」、「超」、「未満」などの言語は全て、記述された数を含み、後に上で考察される部分範囲に分割され得る範囲を指す。最後に、当業者には理解されるように、範囲は、各々の個々のメンバーを含み、各別個の値は、本明細書において個々に記述されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0046】
本明細書に開示される技術は、例示の目的で提供され、本発明の全範囲を限定することを意図しない以下の態様を参照することによって更に理解することができる。
【0047】
1.乳化剤と、甘味穀粉とを含む封入用混合物。
【0048】
2.前記甘味穀粉が、前記組成物の約50重量%~約90重量%、又は約50重量%~約80重量%、又は約70重量%~約80重量%の量である、請求項1に記載の封入用混合物。
【0049】
3.前記乳化剤が、加工デンプンである、請求項1又は2に記載の封入用混合物。
【0050】
4.前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンである、請求項1~3のいずれか一項に記載の封入用混合物。
【0051】
5.前記乳化剤が、前記組成物の約10重量%~約50重量%、又は約20重量%~約40重量%、又は約20重量%~約30重量%の量である、請求項1~4のいずれか一項に記載の封入用混合物。
【0052】
6.前記甘味穀粉が、スイートコーン粉であり、前記穀粉の約5重量%超又は約5重量%~約9重量%の量のスイートコーンタンパク質を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の封入用混合物。
【0053】
7.前記組成物が、約1.5~約9%、又は約2%~約9%、又は約3%~約9%、又は約5%~約9%を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の封入用混合物。
【0054】
8.酸化防止剤を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の封入用混合物。
【0055】
9.グルコースシロップを更に含み、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記組成物の約1重量%~約30重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約20重量%~約30重量%の量である、請求項1~8のいずれか一項に記載の封入用混合物。
【0056】
10.前記組成物が、マルトデキストリンを含まない、請求項1~9のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0057】
11.先行する請求項のいずれか一項に記載の封入用混合物と水性成分とを含む封入用組成物であって、任意選択的に、前記水性成分が、前記組成物の60重量%超又は約60重量%~約80重量%の量である、封入用組成物。
【0058】
12.前記乳化剤が、加工デンプンである、請求項11に記載の封入用組成物。
【0059】
13.前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンである、請求項11又は12に記載の封入用組成物。
【0060】
14.前記乳化剤が、前記組成物の約1重量%~約10重量%又は約4重量%~約8重量%の量である、請求項11~13のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0061】
15.前記甘味穀粉が、スイートコーン粉であり、前記穀粉の約5重量%超又は約5重量%~約9重量%の量のスイートコーンタンパク質を更に含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0062】
16.前記甘味穀粉が、前記組成物の約10%~約20%の量、又は組成物の約10重量%~約14重量%、又は組成物の約16重量%~約20重量%の量である、請求項11~15のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0063】
17.酸化防止剤を更に含む、請求項11~16のいずれか一項に記載の植物系乳化剤。
【0064】
18.グルコースシロップを更に含み、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記組成物の約1重量%~約10重量%又は約4重量%~約8重量%の量である、請求項11~17のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0065】
19.前記組成物の約0.5%~約2.0%又は約0.5%~約1.5%の量のスイートコーンタンパク質を更に含む、請求項11~18のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0066】
20.前記組成物が、水性分散液である、請求項11~19のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0067】
21.前記組成物が、マルトデキストリンを含まない、請求項11~20のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0068】
22.約5~約19のデキストロース当量を有し、任意選択的に、前記デキストロース当量が、約5~約7、又は約11~約13、又は約17~約19である、請求項11~21のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0069】
23.約18のデキストロース当量を有する、請求項11~22のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0070】
24.前記甘味穀粉が、0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散性指数を有する、請求項11~23のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0071】
25.前記甘味穀粉が、清澄化甘味穀粉、スイートコーン粉、及び清澄化スイートコーン粉からなる群から選択され、好ましくは、前記甘味穀粉が、清澄化スイートコーン粉である、請求項11~24のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0072】
26.a)乳化剤及び甘味穀粉を含む水性分散液と、b)前記エマルジョンの約5重量%超、又は約10重量%超、又は約10重量%~約25重量%、又は約15重量%~約25重量%の量の油系成分と、を含むエマルジョン。
【0073】
27.前記油系成分が、前記エマルジョンの約18重量%~約22重量%の量である、請求項26に記載のエマルジョン。
【0074】
28.前記乳化剤が、加工デンプンである、請求項26又は27に記載のエマルジョン。
【0075】
29.前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンである、請求項26~28のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0076】
30.前記乳化剤が、前記エマルジョンの約1重量%~約10重量%、又は前記エマルジョンの約4重量%~約8重量%の量である、請求項26~29のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0077】
31.前記エマルジョンの約0.5%~約2.0%又は約0.5%~約1.5%の量のスイートコーンタンパク質を更に含む、請求項26~30のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0078】
32.前記甘味穀粉が、前記エマルジョンの約10%~約20%、又は約10%~約14%、又は約16%~約20%の量である、請求項26~31のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0079】
33.酸化防止剤を更に含む、請求項26~32のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0080】
34.グルコースシロップを更に含み、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記エマルジョンの約1重量%~約10重量%又は約4重量%~約8重量%の量である、請求項26~33のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0081】
35.前記エマルジョンの約60重量%超、又は約60重量%~約80重量%の量の水を有する、請求項26~34のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0082】
36.前記エマルジョンが、マルトデキストリンを含まない、請求項26~35のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0083】
37.約5~約19、又は約5~約7、又は約11~約13、又は約17~約19のデキストロース当量を有する、請求項26~36のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0084】
38.約18のデキストロース当量を有する、請求項26~37のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0085】
39.前記甘味穀粉が、清澄化甘味穀粉、スイートコーン粉、及び清澄化スイートコーン粉からなる群から選択され、好ましくは、前記甘味穀粉が、清澄化スイートコーン粉である、請求項26~38のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0086】
40.活性成分と甘味穀粉とを含む生成物。
【0087】
41.前記生成物が、噴霧乾燥されている、請求項40に記載の生成物。
【0088】
42.前記活性成分及び甘味穀粉が、凝集生成物である、請求項40又は41に記載の生成物。
【0089】
43.前記活性成分が、前記甘味穀粉によって少なくとも部分的に封入されている、請求項41~42のいずれか一項に記載の生成物。
【0090】
44.前記活性成分が、水性成分である、請求項41~43のいずれか一項に記載の生成物。
【0091】
45.前記活性成分が、油系成分であり、任意選択的に、前記油系成分が、前記生成物の約5重量%超、又は約10重量%超、又は約10重量%~約25重量%の量で使用される、請求項41~44のいずれか一項に記載の生成物。
【0092】
46.前記甘味穀粉が、清澄化甘味穀粉、スイートコーン粉、及び清澄化スイートコーン粉からなる群から選択され、最も好ましくは、前記甘味穀粉が、清澄化スイートコーン粉である、請求項41~45のいずれか一項に記載の生成物。
【0093】
47.前記生成物の前記甘味穀粉が、スイートコーン粉であり、前記生成物が、前記生成物の約0.5重量%超、又は生成物の約1重量%~約9重量%、又は生成物の約1重量%~約6重量%の量のスイートコーンタンパク質を更に含む、請求項41~46のいずれか一項に記載の生成物。
【0094】
48.乳化剤と、甘味穀粉と、封入済生成物の約5重量%超、又は封入済生成物の約10重量%超、又は封入済生成物の約10重量%~約25重量%、又は封入済生成物の約10重量%~約20重量%、又は封入済生成物の約15重量%~約25重量%の量の油と、を含む、封入済生成物。
【0095】
49.前記乳化剤が、加工デンプンである、請求項48に記載の封入済生成物。
【0096】
50.前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンである、請求項48又は49に記載の封入済生成物。
【0097】
51.前記乳化剤が、前記封入済生成物の約1重量%~約10重量%又は前記封入済生成物の約4重量%~約8重量%の量である、請求項48~50のいずれか一項に記載の封入済生成物。
【0098】
52.前記甘味穀粉が、スイートコーン粉であり、前記生成物が、前記封入済生成物の約0.5重量%超、又は封入済生成物の約1重量%~約9重量%、又は封入済生成物の約1重量%~約6重量%の量のスイートコーンタンパク質を更に含む、請求項48~51のいずれか一項に記載の封入済生成物。
【0099】
53.前記甘味穀粉が、前記封入済生成物の約10重量%~約25重量%、又は封入済生成物の約10重量%~約14重量%、又は封入済生成物の約18重量%~約24重量%の量である、請求項48~52のいずれか一項に記載の封入済生成物。
【0100】
54.酸化防止剤を更に含み、任意選択的に、前記酸化防止剤が、グルコースシロップである、請求項48~53のいずれか一項に記載の封入済生成物。
【0101】
55.グルコースシロップを更に含み、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記封入済生成物の約1重量%~約10重量%又は約4重量%~約8重量%の量である、請求項48~54のいずれか一項に記載の封入済生成物。
【0102】
56.前記生成物が、粉末であり、任意選択的に、前記封入済生成物が、前記エマルジョンを噴霧乾燥することによって作製される、請求項48~55のいずれか一項に記載の封入済生成物。
【0103】
57.前記封入済生成物が、マルトデキストリンを含有しない、請求項48~56のいずれか一項に記載の封入済生成物。
【0104】
58.前記甘味穀粉が、清澄化甘味穀粉、スイートコーン粉、及び清澄化スイートコーン粉からなる群から選択され、最も好ましくは、前記甘味穀粉が、清澄化スイートコーン粉である、請求項48~57のいずれか一項に記載の封入済生成物。
【0105】
59.組成物を製造する方法であって、甘味穀粉と活性成分とを混合して混合物を形成する工程と、前記混合物を噴霧乾燥する工程とを含む、方法。
【0106】
60.前記活性成分が、水性成分である、請求項59に記載の方法。
【0107】
61.前記活性成分が、油系成分であり、任意選択的に、前記油系成分が、前記生成物の約5重量%超、又は約10重量%超、又は約10重量%~約25重量%の量で使用される、請求項59又は60に記載の方法。
【0108】
62.封入済生成物を製造する方法であって、乳化剤、甘味穀粉、及び水又は水溶液を混合して封入用組成物を得ることと、油系成分を前記封入用組成物と混合してエマルジョンを形成することと、前記エマルジョンを噴霧乾燥して前記封入済生成物を得ることとを含む、方法。
【0109】
63.前記エマルジョンが、約2.5ミクロン未満、又は約1.5ミクロン未満、又は約0.5ミクロン~約1.5ミクロンの平均液滴サイズを有するように乳化される、請求項62に記載の方法。
【0110】
64.前記乳化剤が、加工デンプンである、請求項62又は63に記載の方法。
【0111】
65.前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンである、請求項62~64のいずれか一項に記載の方法。
【0112】
66.前記乳化剤が、前記封入用組成物の約1重量%~約10重量%又は封入用組成物の約4重量%~約8重量%の量である、請求項62~65のいずれか一項に記載の方法。
【0113】
67.前記甘味穀粉が、前記甘味穀粉の約5重量%超、又は前記甘味穀粉の約5重量%~約9重量%の量のスイートコーンタンパク質を更に含む、請求項62~66のいずれか一項に記載の方法。
【0114】
68.前記甘味穀粉が、スイートコーン粉であり、前記封入用組成物が、約0.5重量%~約2.0重量%又は約0.5重量%~約1.5重量%のスイートコーンタンパク質を更に含み、前記スイートコーンタンパク質が、前記エマルジョンによって提供される、請求項62~67のいずれか一項に記載の方法。
【0115】
69.前記甘味穀粉が、前記封入用組成物の約10%~約20%、又は封入用組成物の約10%~約14%、又は封入用組成物の約16%~約20%の量である、請求項62~68のいずれか一項に記載の方法。
【0116】
70.工程a)において酸化防止剤を混合して前記封入用組成物を形成する工程を更に含む、請求項62~69のいずれか一項に記載の方法。
【0117】
71.工程a)においてグルコースシロップを混合して前記封入用組成物を形成する工程を更に含み、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記封入用組成物の約1重量%~約10重量%又は約4重量%~約8重量%の量である、請求項62~70のいずれか一項に記載の方法。
【0118】
72.前記封入用組成物が、前記封入用組成物の60重量%超又は約60重量%~約80重量%の量の水を有する、請求項62~71のいずれか一項に記載の方法。
【0119】
73.前記封入用組成物が、約5~約19、又は約5~約7、又は約11~約13、又は約17~約19、又は約18のデキストロース当量を有する、請求項62~72のいずれか一項に記載の方法。
【0120】
74.前記油系成分が、前記生成物の約5重量%超、又は生成物の約10重量%超、又は生成物の約10重量%~約25重量%、又は生成物の約15重量%~約25重量%の量である、請求項62~73のいずれか一項に記載の方法。
【0121】
75.約18%~約22%の量の油系成分を更に含む、請求項62~74のいずれか一項に記載の方法。
【0122】
76.前記方法が、マルトデキストリンの添加を含まない、請求項62~75のいずれか一項に記載の方法。
【0123】
77.前記甘味穀粉が、0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散性指数を有する、請求項62~76のいずれか一項に記載の方法。
【0124】
78.前記甘味穀粉が、清澄化甘味穀粉、スイートコーン粉及び清澄化スイートコーン粉からなる群から選択され、最も好ましくは、前記甘味穀粉が、清澄化スイートコーン粉である、請求項62~77のいずれか一項に記載の方法。
【0125】
79.食用組成物における、先行する請求項のいずれか一項に記載の封入済生成物の使用。
【0126】
80.飲料に香味付けするための、請求項79に記載の封入済生成物の使用。
【0127】
81.食用組成物を作製する方法であって、前記請求項のいずれか一項に記載の封入済生成物を第2の食用成分と共に添加することを含む、方法。
【0128】
82.前記食用組成物が、飲料である、請求項82に記載の方法。
【0129】
83.前記請求項のいずれかに記載の封入用組成物又は封入済生成物においてマルトデキストリンを置換するための甘味穀粉の使用。
【0130】
84.甘味穀粉が、スイートコーン粉であり、前記穀粉の約5重量%超又は穀粉の約5重量%~約9重量%の量のスイートコーンタンパク質を含む、請求項83に記載の甘味穀粉の使用。
【0131】
85.前記甘味穀粉が、前記組成物の約10%~約20%、組成物の約10%~約14%、及び組成物の約16%~約20%からなる群から選択される量である、請求項83又は84に記載の甘味穀粉の使用。
【0132】
86.0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散性指数を有する、請求項83又は85のいずれか一項に記載の甘味穀粉の使用。
【0133】
87.前記甘味穀粉が、清澄化甘味穀粉、スイートコーン粉及び清澄化スイートコーン粉からなる群から選択され、最も好ましくは、前記甘味穀粉が清澄化スイートコーン粉である、請求項84又は86のいずれか一項に記載の使用。
【0134】
88.清澄化甘味穀粉であって、約75重量%超、又は約80重量%~約95重量%、又は約80重量%~約90重量%の量の可溶性デンプンを含む、清澄化甘味穀粉。
【0135】
89.約0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散性指数を有する、請求項88に記載の甘味穀粉。
【0136】
90.約0.5%タンパク質超若しくは約1.0%タンパク質超の量、又は好ましくは、a)前記穀粉の約2重量%超、b)約2重量%~約4重量%、及びc)約5重量%~約9重量%からなる群から選択される量のタンパク質含量を有する、請求項88又は89に記載の清澄化甘味穀粉。
【0137】
91.前記穀粉の約5重量%未満の不溶性デンプン含量を有する、請求項88~90のいずれか一項に記載の清澄化甘味穀粉。
【0138】
92.約100~約200nm、又は約100~約150nm、又は約120~約140nmの粒径分布の平均粒径を有する、請求項88~91のいずれか一項に記載の清澄化甘味穀粉。
【0139】
93.スイートコーン粉である、請求項88~92のいずれか一項に記載の清澄化甘味穀粉。
【0140】
95.a)乳化剤と、b)甘味穀粉とを含む混合物であって、任意選択的に、甘味穀粉がスイートコーン粉又は清澄化スイートコーン粉である、混合物。
【0141】
96.前記甘味穀粉が、前記組成物の約50重量%~約90重量%、又は約50重量%~約80重量%、又は約70重量%~約80重量%の量である、請求項95に記載の混合物。
【0142】
97.前記乳化剤が、加工デンプンであり、任意選択的に、前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンである、請求項95又は96に記載の混合物。
【0143】
98.前記乳化剤が、前記組成物の約10重量%~約50重量%、又は約20重量%~約40重量%、又は約20重量%~約30重量%の量で使用される、請求項95~97のいずれか一項に記載の混合物。
【0144】
99.前記組成物が、約1.5重量%~約9重量%、又は約2重量%~約9重量%、又は約3重量%~約9重量%、又は約5重量%~約9重量%の量のスイートコーンタンパク質を含む、請求項95~98のいずれか一項に記載の混合物。
【0145】
100.酸化防止剤を更に含む、請求項95~99のいずれか一項に記載の混合物。
【0146】
101.グルコースシロップを更に含み、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記組成物の約1重量%~約30重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約20重量%~約30重量%の量である、請求項95~100のいずれか一項に記載の混合物。
【0147】
102.前記組成物が、マルトデキストリンを含まない、請求項95~101のいずれか一項に記載の組成物。
【0148】
103.エマルジョンであって、a)水、乳化剤、及び甘味穀粉を含む水性分散液と、b)エマルジョンの約5重量%超、又はエマルジョンの約10重量%超、又は約10重量%~約25重量%、又は約15重量%~約25重量%の量の油系成分とを含み、任意選択的に、前記甘味穀粉が、前記エマルジョンの約10%~約20%、又は約10%~約14%、又は約16%~約20%の量であり、任意選択的に、前記甘味穀粉が、スイートコーン粉又は清澄化スイートコーン粉である、エマルジョン。
【0149】
104.前記油系成分が、前記エマルジョンの約18重量%~約22重量%の量である、請求項103に記載のエマルジョン。
【0150】
105.前記乳化剤が、加工デンプンであり、前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンであり、任意選択的に、前記乳化剤が前記エマルジョンの約1重量%~約10重量%又は約4重量%~約8重量%の量である、請求項103又は104に記載のエマルジョン。
【0151】
106.前記エマルジョンの約0.5%~約2.0%又は約0.5%~約1.5%の量のスイートコーンタンパク質を更に含む、請求項103~105のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0152】
107.酸化防止剤を更に含み、任意選択的に、前記酸化防止剤が、グルコースシロップであり、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記エマルジョンの約1重量%~約10重量%又は約4重量%~約8重量%の量であり、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記エマルジョンが約5~約19、又は約5~約7、又は約11~約13、又は約17~約19、又は約18のデキストロース当量を有するような量であり、任意選択的に、前記エマルジョンが、マルトデキストリンを含まない、請求項103~106のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0153】
108.前記エマルジョンの約60重量%超、又は約60重量%~約80重量%の量の水を有する、請求項103~106のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0154】
109.a)活性成分と、b)甘味穀粉とを含み、前記甘味穀粉が、スイートコーン粉又は清澄化スイートコーン粉である、生成物。
【0155】
110.前記生成物が、噴霧乾燥されている、請求項109に記載の生成物。
【0156】
111.前記活性成分が、水性成分である、請求項109又は110に記載の生成物。
【0157】
112.前記活性成分及び甘味穀粉が、凝集生成物である、請求項109~111のいずれか一項に記載の生成物。
【0158】
113.前記活性成分が、油系成分であり、任意選択的に、前記油系成分が、前記生成物の約5重量%超、又は約10重量%超、又は約10重量%~約25重量%の量で使用される、請求項109~112のいずれか一項に記載の生成物。
【0159】
114.前記活性成分が、前記甘味穀粉によって少なくとも部分的に封入されている、請求項109~113のいずれか一項に記載の生成物。
【0160】
115.封入済生成物であって、a)乳化剤と、c)封入済生成物の約5重量%超、又は封入済生成物の約10重量%超、又は封入済生成物の約10重量%~約25重量%、又は封入済生成物の約10重量%~約20重量%、又は封入済生成物の約15重量%~約25重量%の量の油と、を更に含み、任意選択的に、前記甘味穀粉が、前記封入済生成物の約10重量%~約25重量%、又は封入済生成物の約10重量%~約14重量%、又は封入済生成物の約18重量%~約24重量%の量である、請求項109に記載の生成物。
【0161】
116.前記乳化剤が、加工デンプンであり、任意選択的に、前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンであり、任意選択的に、前記乳化剤が、前記封入済生成物の約1重量%~約10重量%又は封入済生成物の約4重量%~約8重量%の量である、請求項115に記載の生成物。
【0162】
117.酸化防止剤を更に含み、任意選択的に、前記酸化防止剤が、グルコースシロップであり、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記封入済生成物の約1重量%~約10重量%又は約4重量%~約8重量%の量である、請求項109~116のいずれか一項に記載の生成物。
【0163】
118.前記封入済生成物が、マルトデキストリンを含まない、請求項109~117のいずれか一項に記載の封入済生成物。
【0164】
119.組成物を作製する方法であって、a)甘味穀粉と活性成分とを混合して混合物を形成することと、b)前記混合物を噴霧乾燥することとを含み、任意選択的に、前記甘味穀粉が、スイートコーン粉又は清澄化スイートコーン粉である、方法。
【0165】
120.前記活性成分が、水性成分である、請求項119に記載の方法。
【0166】
121.前記活性成分が、油系成分であり、前記混合が、乳化剤及び水又は水溶液を前記甘味穀粉及び活性成分と更に混合することを更に含み、任意選択的に、前記油系成分が、前記生成物の約5重量%超、又は生成物の約10重量%超、又は生成物の約10重量%~約25重量%の量で使用され、任意選択的に、前記甘味穀粉が、前記封入用組成物の約10%~約20%、又は封入用組成物の約10%~約14%、又は封入用組成物の約16%~約20%の量である、請求項119又は120に記載の方法。
【0167】
122.前記エマルジョンが、約2.5ミクロン未満、又は約1.5ミクロン未満、又は約0.5ミクロン~約1.5ミクロンの平均液滴サイズを有するように乳化される、請求項121に記載の方法。
【0168】
123.前記乳化剤が、加工デンプンであり、任意選択的に、前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンであり、任意選択的に、前記乳化剤が、前記封入用組成物の約1重量%~約10重量%又は封入用組成物の約4重量%~約8重量%の量である、請求項120又は121に記載の方法。
【0169】
124.工程a)において酸化防止剤を混合して前記封入用組成物を形成する工程を更に含み、任意選択的に、前記酸化防止剤が、グルコースシロップであり、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記封入用組成物の約1重量%~約10重量%又は約4%~約8%の量であり、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記封入用組成物が約5~約19、又は約5~約7、又は約11~約13、又は約17~約19、又は約18のデキストロース当量を有するような量である、請求項119~123のいずれか一項に記載の方法。
【0170】
125.前記方法が、マルトデキストリンを添加することを含まない、請求項119~124のいずれか一項に記載の方法。
【0171】
126.食用組成物における、先行する請求項のいずれか一項に記載の封入済生成物の使用。
【0172】
127.飲料に香味付けするための、請求項126に記載の封入済生成物の使用。
【0173】
128.先行する請求項のいずれか一項に記載の封入用組成物又は封入済生成物においてマルトデキストリンを置換するための甘味穀粉の使用であって、任意選択的に、前記甘味穀粉が、スイートコーン粉又は清澄化スイートコーン粉である、使用。
【0174】
129.清澄化甘味穀粉であって、前記穀粉の約75重量%超、又は約80重量%~約95重量%、又は約80重量%~約90重量%の量の可溶性デンプンを含む、清澄化甘味穀粉。
【0175】
130.約0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散性指数を有する、請求項129に記載の甘味穀粉。
【0176】
131.約0.5%タンパク質超若しくは約1.0%タンパク質超の量、又は好ましくは、a)前記穀粉の約2重量%超、b)約2重量%~約4重量%、及びc)約5重量%~約9重量%からなる群から選択される量のタンパク質含量を有する、請求項129又は130に記載の清澄化甘味穀粉。
【0177】
132.前記穀粉の約5重量%未満の不溶性デンプン含量を有する、請求項129~131のいずれか一項に記載の清澄化甘味穀粉。
【0178】
133.約100~約200nm、又は約100~約150nm、又は約120~約140nmの粒径分布の平均粒径を有する、請求項129~132のいずれか一項に記載の清澄化甘味穀粉。
【0179】
134.スイートコーン粉である、請求項129~133のいずれか一項に記載の清澄化甘味穀粉。
【0180】
135.清澄化甘味穀粉であって、前記穀粉の約75重量%超、又は約80重量%~約95重量%、又は約80重量%~約90重量%の量の可溶性デンプンを含み、任意選択的に、約0.5%タンパク質超若しくは約1.0%タンパク質超、又は好ましくはa)穀粉の約2重量%超、b)約2重量%~約4重量%からなる群から選択される量のタンパク質を更に含み、任意選択的に、前記甘味穀粉が、前記穀粉の約5重量%未満の不溶デンプン含量を有し、任意選択的に、前記清澄化甘味穀粉が、スイートコーン粉である、清澄化甘味穀粉。
【0181】
136.約0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散性指数を有し、任意選択的に、前記清澄化甘味穀粉が、約100~約200nm、又は約100~約150nm、又は約120~約140nmの粒径分布の平均粒径を有する、請求項135に記載の甘味穀粉。
【0182】
本明細書に開示される技術は、以下の実施例を参照して更に理解することができるが、これらの実施例は、例示の目的のためだけに提供され、本発明の全範囲を限定することを意図しない。
【0183】
実施例1-スイートコーン粉を使用して封入済生成物を作製する方法
香味封入製剤のための担体としてのスイートコーン粉(「SCF」)の効力を、18-デキストロース等価マルトデキストリン(「DE18MD」)と比較した。香味油を封入するために製剤を作製した。封入製剤は、乳化剤としてOSA加工デンプンを含み、いくつかの実施形態では、酸化防止剤としてグルコースシロップ、デキストロース当量62、及び82%固形分を含んだ。スイートコーン粉及びグルコースシロップを含有するサンプルでは、スイートコーン粉及びグルコースシロップの混合物に対して約18のデキストロース等価物を得る量でコーンシロップを添加した。サンプルは、噴霧乾燥させた封入済生成物内に約20%の油充填量を提供するように設計された。全てのサンプルを、油保持及び耐酸化性について評価した。封入製剤の処方を表1に報告する。
【表1】
【0184】
封入済生成物を以下のように作製した。乳化剤(OSA-デンプン)、担体、及び任意選択的に、グルコースシロップを、分散又は溶解するまで水と混合して、封入用組成物を形成した。次いで、香味油を封入用組成物に添加して、封入油滴を有する水中油型エマルジョンを形成した。最初に5000RPMで2分間混合して粗エマルジョンを形成し、次に7000RPMで3分間混合して粗エマルジョンを均質化した。封入油滴のサイズを表2に報告する。測定はレーザ回折粒度分布測定装置(Beckman Coulter)を用いて行った。表2は、様々な測定値の液滴サイズ(ミクロン)を報告する。D90は、液滴サイズ分布の90パーセンタイルにおける液滴の最大サイズを報告する(測定された液滴の90%が、測定されたサイズ以下であった)。同様に、D50は、50パーセンタイルにおける液滴の最大サイズを報告し(測定された液滴の50%が、測定されたサイズ以下であった)、D10は、10パーセンタイルにおける液滴のサイズを報告する(測定された液滴の10%が、測定されたサイズ以下であった)。測定値は、分析された直径に従ってレーザ回折粒径分析器によって報告される通りである。表2はまた、バッチ中の液滴について測定された平均及びモード粒径を報告する。
【表2】
【0185】
封入された油滴のサイズ分布プロファイルを図2に示す。注目すべきことに、全ての場合において、スイートコーン粉(バッチ2~4)を用いて作製されたサンプルの液滴サイズは、マルトデキストリン(バッチ1)を用いて作製されたサンプルよりも一般に小さく、スイートコーン粉が小さい液滴サイズを有する良好なエマルジョンを形成したことを示し、スイートコーン粉がエマルジョンを十分に安定化させて、噴霧乾燥時にエマルジョンが封入済生成物を形成することを可能にすることを示す。また、スイートコーン粉(可溶性デンプンを含む)及びコーンシロップ(酸化防止剤)の量を変更して、マルトデキストリンサンプルの液滴サイズ分布により近い液滴サイズ分布を有する製剤を提供することができることも分かる(バッチ1対バッチ3参照)。
【0186】
表1からの均質エマルジョンを以下の条件下で噴霧乾燥した。目標粒径50ミクロン、入口温度140℃~180℃、出口温度85℃~90℃。処理したサンプルの粒径を、Malvern粒径分析器を使用して測定し、結果を表3に報告する。表3は、封入粒子の粒径分布のD90、D50、及びD10、並びに粒子のモード粒径を報告する。
【表3】
【0187】
全ての封入済生成物を噴霧乾燥して粒径分布を制御し、全ての噴霧乾燥試料を測定して、同様の粒径分布を有することが分かった。バッチをガラスバイアルに保存して、機能分析を待った。試料を、解析まで凍結温度(新鮮な試料と考えられる約-18℃)で保存するか、又はエージング試験のために50℃で14日間インキュベートした。
【0188】
実施例2-封入製剤中の担体としてのスイートコーン粉の効力
4つの封入済生成物を、油保持(新鮮な封入済生成物の重量%としての油-すなわち、封入プロセス中に保持された油の量)、及び酸化安定性(すなわち、経時的なオレンジ油酸化生成物の増加)について試験した。(冷凍庫からの新鮮な試料の)油保持測定値を表2に示し、封入済生成物の重量に対する油の重量百分率として表す。封入済生成物中の油を、水による封入の破壊によって測定した。次いで、アセトンを添加して封入材料を沈殿させた。次いで、香味油の量を、ガスクロマトグラフィ/質量分析(GC/MS)選択イオンモニタリング(SIM)を使用して定量化した。Stabilwax-DAカラム(30m×0.25mm×0.25μm)を固定相として使用し、ヘリウムをキャリアガスとして選択した。油レベルを、内部標準として安息香酸エチルを用いる内部較正方法を使用して定量化した。
【表4】
【0189】
封入製剤の酸化安定性を表4に報告する。酸化安定性は、封入からの揮発性酸化生成物の増加を測定する。結果はppmで報告される。全揮発性酸化生成物を、封入済生成物の新鮮なサンプル、及び50℃の温度で2週間貯蔵した封入済生成物のサンプル(エージングしたサンプル)について測定した。
【0190】
酸化生成物を、ガスクロマトグラフィ/質量分析(GC/MS)選択イオンモニタリング(SIM)を使用して測定した。Stabilwax-DAカラム(30m×0.25mm×0.25μm)を固定相として使用し、ヘリウムをキャリアガスとして選択した。封入済生成物中の油を、水による封入の破壊によって測定した。次いで、アセトンを添加して封入材料を沈殿させた。標的酸化生成物は、リモネンオキシド、カルボン、及びカルベオールであった。次いで、内部標準として安息香酸エチルを用いる内部較正方法を使用して、オレンジ油酸化生成物レベルを定量化した。
【表5】
【0191】
図1及び表3~5から分かるように、全てのサンプルは、同様の油保持率、新鮮な試料中の同様の量の酸化生成物、及び同様の粒径分布を有していた。また、バッチ3及び4に見られるように、スイートコーン粉及びグルコースシロップを使用することは、酸化に対して最も高い安定度を提供し、マルトデキストリンを使用するサンプル又は酸化防止剤を使用しないサンプルと比較して、それらが改善された貯蔵寿命を有することを示唆する。
図1
【手続補正書】
【提出日】2023-09-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、甘味穀粉を使用した封入用組成物及び封入済生成物、並びにそれらの製造方法が開示される。生成物及び組成物は、飲料を含む食用組成物で使用するための香味油系成分を送達するなどの様々な用途のための成分を封入又は担持するのに有用である。
【0002】
一般に、特に飲料、香味又は着色成分は、封入されるか、又はそうでなければ担体上に充填されて粉末を形成する。粉末は有用な貯蔵及び送達形態であり、所望の適用において容易に分解して成分を放出する。封入済生成物は、一般に、油系成分を使用して製造され、この油系成分は、粉末を製造するための噴霧乾燥中、及び粉末形態での貯蔵中に、水中油型エマルジョン内の油滴を安定化及び保護する組成物を使用して封入される。エマルジョン安定化及び成分保護は、封入用組成物中の異なる成分によって実行することができる。エマルジョンは乳化剤、しばしば加工デンプンによって安定化され、成分保護は担体によって提供される。マルトデキストリンは、エマルジョンに(噴霧乾燥をより困難にする)実質的な粘度を与えることなく、比較的多量で使用することができ(それにより噴霧乾燥を容易にし)、封入からの油損失に対する良好なバリアを形成するため、担体として使用されることが多い。
【0003】
しかしながら、いくつかの市場セグメントでは、マルトデキストリンは望ましくない。したがって、封入済生成物においてマルトデキストリンの機能を提供する他の担体を見出す必要性が存在する。少なくとも1つの態様において、本明細書は、マルトデキストリンに置き換えるための封入製剤中の担体としての甘味穀粉の使用を開示する。様々な態様において、本明細書は、同様の油保持能力及び低粘度のマルトデキストリン封入済生成物を有する、甘味穀粉を使用する封入用組成物及び封入済生成物を開示する。他の態様では、開示される封入済生成物は、マルトデキストリン担体を使用する封入済生成物と同等以上に、封入された油系成分を酸化から保護することができる。開示される技術の他の態様及び属性は、本明細書に記載される。
【0004】
本明細書に開示される技術は、例証目的のためのみに提供され、本発明の全範囲を限定するものではない添付図面を参照して更に説明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】封入済生成物を作製するために使用される水中油型エマルジョンの実施形態の油滴サイズ分布を比較する。
【0006】
本明細書において、「甘味穀粉」という用語は、劣性糖味-1遺伝子(優性対立遺伝子としてSu-1、及び劣性対立遺伝子としてsu-1と略記することができる)を含む穀類、穀粒(grain)、又は穀粒(kernel)から得られる穀粉を意味する。甘味穀粉の供給源に関して限定することを意図しないが、甘味穀粉の有用な供給源はスイートコーンである。本明細書中でスイートコーンと呼ばれる糖味-1劣性コーンは、コーンのシルバークイーン変種として入手可能である。糖味-1遺伝子は公知であり、デンプンの生合成におけるその役割は他者によって研究されている。(例えば、James,M.G.ら、「Characterization of the maize gene sugary1,a determinant of starch composition in kernels」、Plant Cell 第7巻、417~429頁(1995年)を参照されたい)。以下は、甘味穀粉を更に説明するために提供されるが、デンプン生合成経路における劣性糖味-1遺伝子の効果の完全な理解を限定することを意図するものではない。劣性糖味-1遺伝子は、デンプンの正常な合成を妨害し、アミロペクチン又はアミロースにおいて一般的であるよりも実質的に多くのグリコシド間のα-1-6結合を有するデンプンポリマーを形成する。これらの異常デンプンポリマーは、(アミロース及びアミロペクチンに共通するように)顆粒を形成せず、デンプンを水に可溶化するために典型的に必要とされる更なる処理なしで水に可溶性である。言い換えれば、それらは、デンプン粒の事前のゼラチン化なしに可溶性である。
【0007】
甘味穀粉及びスイートコーン粉は、甘味穀粒又はスイートコーン穀粒を製粉して穀粉を得ることによって得ることができる。甘味穀粉は、他の穀粉と同様に、(特に)多糖類、繊維、脂質、タンパク質、及び灰分を含有する。しかしながら、甘味穀粉は、実質的な量の可溶性デンプンを天然に有することにより、ほとんどの穀粉とは異なる。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味穀粉、好ましくはスイートコーン粉は、75重量%~85重量%の可溶性デンプンを含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味穀粉は、穀粉の約10重量%~約30重量%、又は約13重量%~約30重量%、又は約20重量%~約30重量%の粒状デンプン(アミロース及びアミロペクチン)を含む。粒状デンプン及びタンパク質は、一般に、更なる処理なしでは不溶性である。
【0008】
本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味穀粉は、少なくとも一部のタンパク質及び粒状デンプンを除去するために清澄化され得る。最も広い意味において、清澄化される甘味穀粉は、天然の甘味穀粉中に見出されるよりも少ないタンパク質を有するが、食品産業において一般的に理解されているデンプンの定義から外れるのに十分な残留タンパク質を有する任意の生成物である。一般的なコーンスターチ又は蝋状のコーンスターチについては、約0.5重量%を超えるタンパク質である。高アミロースコーンスターチについては、約1.0重量%より多いタンパク質である。しかしながら、好ましい実施形態では、甘味穀粉又はスイートコーン粉は、約2%~9%のタンパク質含量を有するように清澄化される。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味穀粉は、穀粉の不溶性成分が、上清中に残る可溶性成分から分離される際に遠心分離によって清澄化されてもよく、可溶性成分は、不溶性成分から注ぎ出すことができるか、又はそれ以外の方法で不溶性成分から分離することができる。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味穀粉は、約75%超又は約80%~約95%の可溶性デンプンを含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味穀粉は、穀粉の約80重量%~約90重量%の可溶性デンプンを含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味穀粉は、穀粉の約5重量%超の量のスイートコーンタンパク質含量を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味穀粉は、穀粉の約5重量%~約9重量%の量のスイートコーンタンパク質含量を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、甘味穀粉は、甘味穀粉よりも不溶性デンプン含量が少ない。任意の実施形態では、甘味穀粉は、穀粉の約5重量%未満の不溶性デンプン含量を有する。
【0009】
任意の実施形態では、甘味穀粉は、より均一な組成物を得るために、(例えば、精密濾過、限外濾過、又は逆浸透濾過を使用して)高圧濾過されない。本明細書に記載される任意の実施形態では、本明細書に記載される甘味穀粉又はスイートコーン粉は、0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散性指数を有する。多分散性指数(「PDI」)は、一組の粒子のサイズによる不均一性を反映する単位のない測定値である。本明細書に記載される甘味穀粉などの巨視的システム内では、多分散性指数は、動的光散乱を使用して測定することができる。
【0010】
いずれかの実施形態では、甘味穀粉又はスイートコーンは、約100~約200nm、又は約100~約150nm、又は約120~約140nmの平均粒径を有する。任意の実施形態では、甘味穀粉又はスイートコーン中の可溶性デンプンは、約100~約200nm、又は約100~約150nm、又は約120~約140nmの平均粒径を有する。多分散性指数及び平均粒径は、動的光散乱を使用することによって甘味穀粉の溶液中で測定することができる。
【0011】
別の態様では、本明細書に開示される技術は、甘味穀粉及び活性成分を含む噴霧乾燥生成物に関する。いくつかの実施形態では、活性成分は、水性成分であってもよい。他の実施形態では、活性成分は、脂質系、又は脂肪系、又は油系の成分であってもよい。本明細書内で、活性成分は広く使用されており、薬学的活性成分、又は栄養成分、又は香り若しくは香味などの非栄養機能性成分、及びそれらの混合物を含む。活性成分は、単一成分であってもよいし、成分の組合せであってもよい。噴霧乾燥生成物には、凝集生成物及び封入済生成物並びにそれらの混合物が含まれる。封入済生成物ではない噴霧乾燥生成物及び凝集生成物において、活性成分を担持し、噴霧乾燥組成物を効率的に得るのに十分なバルク材料を提供するために、甘味穀粉を他の成分と混合してもよい。封入済生成物のために、甘味穀粉は乳化剤と混合される。乳化剤は、水-油界面を安定化して、水相中の小さな油滴サイズを維持する。噴霧乾燥中に、甘味穀粉及び任意選択的に乳化剤は、油滴の周りにコーティングを提供して、封入活性成分を得る。
【0012】
別の態様では、本明細書は、活性成分を封入するために水性成分と混合することができる混合物を開示する。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用混合物は、乳化剤と甘味穀粉とを含む。本明細書に記載される封入用混合物の任意の実施形態では、甘味穀粉は、組成物の約50重量%~約90重量%、又は約50重量%~約80重量%、又は約7重量%~約80重量%の量である。本明細書に記載される封入用混合物の任意の実施形態では、乳化剤は加工デンプンである。本明細書に記載される封入用混合物の任意の実施形態では、乳化剤は、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンである。本明細書に記載される封入用混合物の任意の実施形態では、乳化剤は、混合物の重量の約10重量%~約50重量%、又は約20重量%~約40重量%、又は約20重量%~約30重量%の量である。
【0013】
本明細書に記載される封入用混合物の任意の実施形態では、甘味穀粉はスイートコーン粉であり、スイートコーン粉は、穀粉の約5重量%超、又は穀粉の約5重量%~約9重量%の量のスイートコーンタンパク質を含む。本明細書に記載される封入用混合物の実施形態では、混合物は、約1.5%~約9%、又は約2%~約9%、又は約3%~約9%、又は約5%~約9%の量の甘味穀粉からのタンパク質を含む。
【0014】
本明細書に記載される封入用混合物の任意の実施形態では、酸化防止剤を更に含む。本明細書に記載される封入用混合物の任意の実施形態では、グルコースシロップを更に含み、任意選択的に、グルコースシロップは、混合物の約1重量%~約30重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約20重量%~約30重量%の量である。本明細書に記載される封入用混合物の任意の実施形態では、組成物は、マルトデキストリンを含まない。
【0015】
本明細書に開示される任意の実施形態では、封入用組成物は、活性成分を封入するために使用することができる組成物である。任意の実施形態では、本明細書に記載される封入用組成物は、乳化剤と甘味穀粉とを含む。
【0016】
任意の実施形態では、本明細書は、乳化剤が加工デンプンである封入用組成物を開示する。任意の実施形態では、本明細書は、乳化剤がコハク酸加工デンプン、例えばオクテニルコハク酸加工デンプンである封入用組成物を開示する。任意の実施形態では、本明細書は、乳化剤が組成物の約1重量%~約10重量%の量である封入用組成物を開示する。任意の実施形態では、本明細書は、乳化剤が組成物の約4重量%~約8重量%の量である封入用組成物を開示する。
【0017】
任意の実施形態では、本明細書は、甘味穀粉が組成物の約10%~約20%の量である封入用組成物を開示する。任意の実施形態では、本明細書は、甘味穀粉が組成物の約10%~約14%の量である封入用組成物を開示する。任意の実施形態では、本明細書は、甘味穀粉が組成物の約16%~約20%の量である封入用組成物を開示する。いずれかの実施形態では、本明細書は、組成物の約0.5%~約2.0%又は約0.5%~約1.5%の量のスイートコーンタンパク質(甘味穀粉によって提供される)を更に含む封入用組成物を開示する。
【0018】
本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、少なくともいくつかの実施形態では食品グレードの酸化防止剤であり、様々な実施形態ではグルコースシロップである酸化防止剤を更に含む。他の有用な酸化防止剤としては、コーンシロップ、コーンシロップ固形物、マルトデキストリン、グルコース、マルトース、又は還元力(フリーラジカルをクエンチするために水素を供与する能力)を有する任意の他の炭水化物が挙げられる。更に他の有用な酸化防止剤としては、フェノール化合物、カロチノイド、キレート剤が挙げられる。1種以上の前述の酸化防止剤及び酸化防止剤のタイプの混合物も有用である。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入済生成物は、グルコースシロップを更に含む。
【0019】
本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、組成物の約1重量%~約10重量%又は約4重量%~約8重量%の量のコーンシロップ又はグルコースシロップを更に含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、乳化剤、甘味穀粉、及び組成物のデキストロース当量値を変更するのに十分なグルコースシロップを含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、乳化成分と甘味穀粉成分とを含む乳化剤を含み、乳化剤は、約5~約19のデキストロース当量を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、a)約6又は約5~約7、b)約12又は約11~約13、及びc)約18又は約17~約19からなる群から選択されるデキストロース当量を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、約18のデキストロース当量を有する。
【0020】
本明細書に開示される任意の実施形態では、封入用組成物は、乳化剤、甘味穀粉、及び任意選択的に酸化防止剤を含む水性分散液である。本明細書に開示される任意の実施形態では、封入用組成物は、組成物の60重量%超又は約60重量%~約80重量%の量の水を含む分散液である。
【0021】
本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、油系成分を更に含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、組成物の約5重量%超、又は約10重量%超、又は約10重量%~約25重量%の量の油系成分を更に含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、組成物の約15重量%~約25重量%の量の油系成分を更に含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、組成物の約18重量%~約22重量%の量の油系成分を更に含む。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物は、乳化剤及び甘味穀粉(両方とも本明細書の他の箇所に記載される)を含む水性分散液と、この段落に記載される油系成分とを含むエマルジョンである。
【0022】
本明細書に記載される任意の実施形態では、封入用組成物はマルトデキストリンを含まない。
【0023】
また、本明細書に記載されているのは、本明細書に記載されているエマルジョンを噴霧乾燥することによって得られる封入済生成物である。任意の実施形態では、封入済生成物は、甘味穀粉、乳化剤、及び油、並びに任意選択的に酸化防止剤を含む。本明細書に記載される封入済生成物の任意の実施形態では、生成物は、封入済生成物の約0.5重量%超、又は封入済生成物の約1重量%~約9重量%、又は封入済生成物の約1重量%~約6重量%の量のスイートコーンタンパク質を更に含む。本明細書に記載される封入済生成物の任意の実施形態では、甘味穀粉は、封入済生成物の約10重量%~約25重量%、又は封入済生成物の約10重量%~約14重量%、又は封入済生成物の約18重量%~約24重量%の量である。本明細書に記載される封入済生成物の任意の実施形態では、油は、封入済生成物の約5重量%超、又は封入済生成物の約10重量%超、又は封入済生成物の約10重量%~約25重量%、又は封入済生成物の約10重量%~約20重量%、又は封入済生成物の約15重量%~約25重量%の量である。本明細書に記載される封入済生成物の任意の実施形態では、乳化剤は、封入済生成物の約1重量%~約10重量%又は封入済生成物の約4重量%~約8重量%の量である。
【0024】
任意の実施形態では、封入済生成物を作製する方法は、約2.5ミクロン未満、約1.5ミクロン未満、及び約0.5ミクロン~約1.5ミクロンからなる群から選択される平均液滴サイズを有するエマルジョンを得ることを含む。規定された液滴サイズを有するエマルジョン(本明細書に記載されるような)は、任意の一般的に利用可能な混合装置を使用して、約1,000~約10,000rpmのうちの1つ以上の混合速度を使用して、油系成分と水性分散液との混合物を混合することによって作製される。少なくとも1つの実施形態では、規定された液滴サイズを有するエマルジョンは、第1に、油系成分と水溶液とを第1の速度で混合することによって粗エマルジョンを作製し、第2に、粗エマルジョンを第2のより速い速度(第1及び第2の速度の両方とも1,000~10,000rpmの範囲である)で更に混合することによって均質化エマルジョンを作製する、2段階乳化プロセスで作製される。本明細書に開示される任意の実施形態では、粗エマルジョンを作製するために使用される第1の速度は、約4000~約6000rpmである。本明細書に開示される任意の実施形態では、エマルジョンを均質化するために使用される第2の速度は、約6000~約8000rpmである。
【0025】
任意の実施形態では、封入済生成物を作製する方法は、所望の粒径を有するように、油系成分と水溶液とのエマルジョンを噴霧乾燥することを含む。任意の実施形態では、封入済生成物は、一般に約100ミクロン未満程度の粒径を有するように、従来の噴霧乾燥装置を使用して噴霧乾燥される。任意の実施形態では、封入済生成物は、約25ミクロン~約75ミクロンの平均粒径を有するように噴霧乾燥される。
【0026】
別の態様において、本明細書は、乳化剤、甘味穀粉、油系成分、及び任意選択的に、好ましくはグルコースシロップであり得る還元剤を含む封入済生成物を開示する。全ての前記成分は、本明細書に記載される属性を有し、記載される量で使用される。本明細書に記載される封入済生成物は、一般に100ミクロン未満程度の粒径を有し、様々な実施形態では、25~75ミクロンの平均粒径を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入済生成物は、生成物の約5重量%超、又は約10重量%超、又は約10重量%~約25重量%の量の油系成分を有する。本明細書に記載される任意の実施形態では、封入済生成物は、生成物の約10重量%~約20重量%の量の油系成分を有する。任意の実施形態では、封入済生成物は、約13%~約18%の量の油系成分を有する。
【0027】
封入済生成物又は他の最終生成物は、封入用組成物の記載された実施形態と一致するが、担持又は封入された成分を考慮した乳化剤及び甘味穀粉含量(重量による)を有する。加えて、それらは、記載された実施形態のエマルジョンの実施形態と一致するが、水分の実質的な排除を考慮した乳化剤及び甘味穀粉含量(重量による)を有する。
【0028】
別の態様では、本明細書は、食用組成物、好ましくは飲料における封入済生成物の使用を開示する。別の態様において、本明細書は、食用組成物、好ましくは飲料を製造する方法であって、封入済生成物と第2の成分とを混合することを含む方法を開示する。
【0029】
第2の成分は、食用組成物において有用な任意の第2の成分である。有用な第2の成分としては、コーンスターチ、タピオカデンプン、エンドウマメデンプン、ソラマメデンプン、レンズマメデンプン、ヒヨコマメデンプン、タピオカデンプン、ジャガイモデンプン、サゴデンプン、及びこれらの混合物を含むがこれらに限定されないデンプン、並びにこのようなデンプンの高アミローゼ変異体及び低アミローゼ変異体が挙げられる。そのようなデンプンはまた、小麦粉、タピオカ粉、米粉、及び挽き割りトウモロコシ粉を含む穀粉及び粉内にあってもよい。有用なデンプンは、加工されていても加工されていなくてもよい。加工デンプンは、リン酸塩又はアジピン酸塩を使用することを含めて架橋されてもよく、又はヒドロキシプロピル化及びアセチル化を含めて安定化されてもよい。有用なデンプンは、せん断、酵素、酸、又は酸化を用いて変換又は加水分解され得る。デンプンはまた、加水分解以外の目的のために酸化によって有用に加工され得る。有用なデンプンは、熱抑制、アニーリング、又は湿熱処理などによって物理的に加工されてもよい。加工及び非加工デンプンは、アルファ化されてもよく、又はさもなければ冷水可溶性にされてもよい。
【0030】
第2の成分としては、デキストロース、アルロース、タガトース、フルクトース、グリセロール、スクロース、エリトリトール、レバウジオシド(A、B、J、Mなど)、及びグルコシル化ステビアグリコシド、並びに高フルクトースコーンシロップを含むコーンシロップなどの甘味料が挙げられる。甘味料は、固体、又は粉末、又は液体、又はシロップの形態で提供され得る。
【0031】
第2の成分としてはまた、ガム及びガム様材料を含むガムが挙げられ、ゲル化デンプン、アラビアゴム、キサンタンガム、タラガム、コンニャク、カラギーナン、ローカストビーンガム、ゲランガム、グアーガム、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0032】
第2の成分はまた、動物性脂肪及び乳脂肪を含む脂肪(植物油以外)を含む。有用な水性成分としては、水、ミルク、シロップ、又は他の炭水化物含有液体、又は酸性液体、又は塩基性液体が挙げられる。
【0033】
第2の成分はまた、種々の他の香味料、調味料、及び着色料を含む。
【0034】
以下の定義は、本明細書で開示される技術を理解するのに有用であり得る。
【0035】
本明細書において、用語「デキストロース当量」(「DE」と略す)は、糖生成物中に存在する還元糖の量を測定し、デキストロースに対する乾燥ベースの百分率として表される。例えば、デキストロース当量値10(又は「DE10」)を有する生成物は、デキストロースの還元力の約10%を有する。デキストロース当量はまた、デンプン糖の平均重合度(DP)の指標を与える。デキストロース当量は、当該技術分野において十分に理解されている用語であり、提供される定義は、例示目的のみのためであり、用語の完全な理解を限定することを意図しない。デキストロース当量は、当技術分野で公知の方法によって測定することができる。
【0036】
本明細書において、「甘味穀粉」という用語は、劣性糖味-1遺伝子(優性対立遺伝子としてSu-1、及び劣性対立遺伝子としてsu-1と略記することができる)を含む穀類、穀粒(grain)、又は穀粒(kernel)から得られる穀粉を意味する。甘味穀粉の供給源に関して限定することを意図しないが、甘味穀粉の有用な供給源はスイートコーンである。本明細書中でスイートコーンと呼ばれる糖味-1劣性コーンは、コーンのシルバークイーン変種として入手可能である。糖味-1遺伝子は公知であり、デンプンの生合成におけるその役割は他者によって研究されている。(例えば、James,M.G.ら、「Characterization of the maize gene sugary1,a determinant of starch composition in kernels」、Plant Cell 第7巻、417~429頁(1995年)を参照されたい)。以下は、甘味穀粉を更に説明するために提供されるが、デンプン生合成経路における劣性糖味-1遺伝子の効果の完全な理解を限定することを意図するものではない。劣性糖味-1遺伝子は、デンプンの正常な合成を妨げる。スイートコーンに関して、スイートコーン穀粒中のデンプンのかなりの部分(時には65%超)は、グリコシド間に実質的により多くのアルファ-1-6結合を有する化学構造であり、これは、アミロペクチン又はアミローゼにおいて一般的であるよりも多い。これらの異常デンプンポリマーは、(アミロース及びアミロペクチンに共通するように)顆粒を形成せず、デンプンを水に可溶化するために典型的に必要とされる更なる処理なしで水に可溶性である。言い換えれば、それらは、デンプン粒の事前のゼラチン化なしに可溶性である。
【0037】
本明細書において、「清澄化甘味穀粉」とは、組成物からタンパク質及び不溶性デンプンの少なくとも一部を除去するように加工された甘味穀粉を指す。清澄化甘味穀粉は、甘味穀粉のサブセットであり、甘味穀粉への言及は、清澄化甘味穀粉又は甘味穀粉のうちの1つに限定されることが文脈から明らかでない限り、清澄化甘味穀粉を含む。同様に、スイートコーン粉は、文脈によって限定されない限り、清澄化スイートコーン粉を含む。甘味穀粉又はスイートコーン粉を使用して作られる本明細書中の全ての実施形態は、清澄化甘味穀粉又は清澄化スイートコーン粉を使用して作製され得る。
【0038】
本明細書において、「可溶性デンプン」とは、デンプンの粒状構造を破壊するために熱及び水分を使用するプロセス(糊化と呼ばれる)に供されることなく可溶性であるデンプンを指す。可溶性デンプンは、本明細書で使用される場合、可溶性であり、劣性糖味-1遺伝子を有する穀類、穀粒(grain)、又は穀粒(kernel)(例えば、限定されないが、スイートコーン穀粒を含む)から得られるデンプンである。可溶性デンプンは、アミロペクチン又はアミロースにおいて一般的であるよりも実質的により多くのグリコシド間のα-1-6結合を有する。可溶性デンプンの増加したα1-6結合は、可溶性デンプンを糊化アミロース又はアミロペクチンデンプンから区別できるようにする。糊化アミロース及びアミロペクチンは、その用語が本明細書において使用される場合、「可溶性デンプン」の定義内にはない。対照的に、不溶性デンプンは、水溶液中に溶解する前に糊化を必要とするデンプン、又は水溶液中に全く溶解しないデンプンを指す。
【0039】
本明細書において、「グルコースシロップ」という用語は、グルコースシロップ(又は糖菓用グルコース又はコーンシロップ)及び類似の生成物として市販されている生成物のクラスを含む。一般に、グルコースシロップは、デンプン(コーンスターチであることが多いが、必ずしもそうである必要はない)を加水分解して、短鎖多糖類を含むシロップを形成することによって得られる。それらのグレードに応じて、グルコースシロップは、10%~少なくとも約90%のグルコースを有することができる。グルコースシロップは、それらのデキストロース当量値に基づいて販売することができ、DE42及びDE63グルコースシロップは、一般的に入手可能な商用グレードである。本明細書に記載される様々な実施形態は、あるタイプ又はグレードのグルコースシロップの使用に限定されない。加えて、全てのグルコースシロップは、測定可能な固形分を有する。本明細書における少なくともいくつかの実施形態は、乾燥生成物としてグルコースシロップを記載する。グルコースシロップの残りの水分は生成物を乾燥させるために除去されるが、グルコースシロップからの主に短鎖多糖類は最終乾燥生成物中に残る。グルコースシロップの主に短鎖多糖類は、少なくとも分子量(及び/又は重合度の差)に基づく高速液体クロマトグラフィを使用して、甘味穀粉中の他の多糖類(主にデンプン)及びタンパク質から区別することができ、本明細書内の「グルコースシロップ」の意味に含まれる。
【0040】
数字を修飾するための「約」の使用は、プラス又はマイナス10%を記述した数を含むことを意味する。請求項における値の法的に許容される記述は、概ねその値を意味する。特許請求の範囲、又は明細書における約の使用は、対象にする等価物の全範囲を制限することを意図するものではない。
【0041】
特定の実施形態を例示及び説明してきたが、当業者であれば、前述の明細書を読んだ後、方法、及び本技術の変更、均等物での置換、及びその他の種類の改変を実施することができる。上記の各態様及び実施形態はまた、他の態様及び実施形態のいずれか又は全てに関して開示されるような、かかる変形形態又は態様を含むか、又はそれらに組み込まれることができる。
【0042】
本技術はまた、本技術の個々の態様の単一の例示として意図される、本明細書に記載される態様に関して限定されるものではない。当業者には明らかであるように、本技術の多くの修正及び変更は、その趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができる。本技術の範囲内の機能的に等価な方法は、本明細書で列挙されるものに加えて、前述の記載から当業者に明らかとなろう。かかる修正及び変更は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。本技術は、当然のことながら、変化し得る、方法、複合体、試薬、化合物、組成物、標識化合物、又は生物学的系に限定されないことを理解されたい。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別途記載のない限り、又は別様に文脈と明確に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施することができる。本明細書で使用される用語は、態様の説明のみを目的とするものであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。それゆえ、本明細書は、添付の特許請求の範囲、その定義、及びそれらの任意の等価物のみによって示される本技術の広さ、範囲、及び趣旨のみの例示として見なされることが意図される。本明細書中の言語は、いかなる特許請求されていない要素も必須であることを示すものとして解釈されるべきではない。
【0043】
本明細書に例示的に記載される実施形態は、本明細書で具体的に開示されていない任意の要素(1つ又は複数)、限定(1つ又は複数)のない状況で好適に実践され得る。したがって、例えば、「含む(comprising)」、「含む、挙げられる(including)」、「含有する(containing)」などの用語は、拡大的に読み取られ、限定するものではない。追加的に、本明細書で用いられる用語及び表現は、説明の用語として使用されており、限定するものではなく、かかる用語及び表現の使用において示され及び記載される特徴又はその部分の任意の等価物を排除する意図はないが、特許請求される技術の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。加えて、「から本質的になる」という語句は、具体的に列挙されたそれらの要素、並びに特許請求の範囲の技術の基本的及び新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない追加の要素を含むと理解されよう。「からなる」という語句は、指定されていない任意の要素を除外する。
【0044】
加えて、本開示の特徴又は態様がマーカッシュ群に関して記載されている場合、当業者は、本開示がまた、マーカッシュ群のメンバーの任意の個々のメンバー又はサブグループに関して記載されることを認識するであろう。一般的な開示内に含まれるより狭い種及び下位集団の各々はまた、その技術の一部を形成する。これは、切除された材料が本明細書に具体的に記述されているかどうかにかかわらず、属から任意の主題を除去する条件又は否定的な制限を有する技術の概念の記載を含む。
【0045】
当業者に理解されるように、任意の及び全ての目的のため、特に記載された説明を提供するという観点から、本明細書に開示される全ての範囲はまた、任意の及び全ての可能な部分範囲及びそれらの部分範囲の組合せも包含する。いかなる列記された範囲も、少なくとも半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分割されている同じ範囲を十分に説明かつ可能にするものと容易に認識され得る。非限定的な例として、本明細書で考察される各範囲は、下3分の1、中3分の1、及び上3分の1などに容易に分割することができる。また、当業者によって理解されるように、「最大」、「少なくとも」、「超」、「未満」などの言語は全て、記述された数を含み、後に上で考察される部分範囲に分割され得る範囲を指す。最後に、当業者には理解されるように、範囲は、各々の個々のメンバーを含み、各別個の値は、本明細書において個々に記述されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0046】
本明細書に開示される技術は、例示の目的で提供され、本発明の全範囲を限定することを意図しない以下の態様を参照することによって更に理解することができる。
【0047】
1.乳化剤と、甘味穀粉とを含む封入用混合物。
【0048】
2.前記甘味穀粉が、前記組成物の約50重量%~約90重量%、又は約50重量%~約80重量%、又は約70重量%~約80重量%の量である、請求項1に記載の封入用混合物。
【0049】
3.前記乳化剤が、加工デンプンである、請求項1又は2に記載の封入用混合物。
【0050】
4.前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンである、請求項1~3のいずれか一項に記載の封入用混合物。
【0051】
5.前記乳化剤が、前記組成物の約10重量%~約50重量%、又は約20重量%~約40重量%、又は約20重量%~約30重量%の量である、請求項1~4のいずれか一項に記載の封入用混合物。
【0052】
6.前記甘味穀粉が、スイートコーン粉であり、前記穀粉の約5重量%超又は約5重量%~約9重量%の量のスイートコーンタンパク質を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の封入用混合物。
【0053】
7.前記組成物が、約1.5~約9%、又は約2%~約9%、又は約3%~約9%、又は約5%~約9%を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の封入用混合物。
【0054】
8.酸化防止剤を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の封入用混合物。
【0055】
9.グルコースシロップを更に含み、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記組成物の約1重量%~約30重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約20重量%~約30重量%の量である、請求項1~8のいずれか一項に記載の封入用混合物。
【0056】
10.前記組成物が、マルトデキストリンを含まない、請求項1~9のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0057】
11.先行する請求項のいずれか一項に記載の封入用混合物と水性成分とを含む封入用組成物であって、任意選択的に、前記水性成分が、前記組成物の60重量%超又は約60重量%~約80重量%の量である、封入用組成物。
【0058】
12.前記乳化剤が、加工デンプンである、請求項11に記載の封入用組成物。
【0059】
13.前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンである、請求項11又は12に記載の封入用組成物。
【0060】
14.前記乳化剤が、前記組成物の約1重量%~約10重量%又は約4重量%~約8重量%の量である、請求項11~13のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0061】
15.前記甘味穀粉が、スイートコーン粉であり、前記穀粉の約5重量%超又は約5重量%~約9重量%の量のスイートコーンタンパク質を更に含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0062】
16.前記甘味穀粉が、前記組成物の約10%~約20%の量、又は組成物の約10重量%~約14重量%、又は組成物の約16重量%~約20重量%の量である、請求項11~15のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0063】
17.酸化防止剤を更に含む、請求項11~16のいずれか一項に記載の植物系乳化剤。
【0064】
18.グルコースシロップを更に含み、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記組成物の約1重量%~約10重量%又は約4重量%~約8重量%の量である、請求項11~17のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0065】
19.前記組成物の約0.5%~約2.0%又は約0.5%~約1.5%の量のスイートコーンタンパク質を更に含む、請求項11~18のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0066】
20.前記組成物が、水性分散液である、請求項11~19のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0067】
21.前記組成物が、マルトデキストリンを含まない、請求項11~20のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0068】
22.約5~約19のデキストロース当量を有し、任意選択的に、前記デキストロース当量が、約5~約7、又は約11~約13、又は約17~約19である、請求項11~21のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0069】
23.約18のデキストロース当量を有する、請求項11~22のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0070】
24.前記甘味穀粉が、0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散性指数を有する、請求項11~23のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0071】
25.前記甘味穀粉が、清澄化甘味穀粉、スイートコーン粉、及び清澄化スイートコーン粉からなる群から選択され、好ましくは、前記甘味穀粉が、清澄化スイートコーン粉である、請求項11~24のいずれか一項に記載の封入用組成物。
【0072】
26.a)乳化剤及び甘味穀粉を含む水性分散液と、b)前記エマルジョンの約5重量%超、又は約10重量%超、又は約10重量%~約25重量%、又は約15重量%~約25重量%の量の油系成分と、を含むエマルジョン。
【0073】
27.前記油系成分が、前記エマルジョンの約18重量%~約22重量%の量である、請求項26に記載のエマルジョン。
【0074】
28.前記乳化剤が、加工デンプンである、請求項26又は27に記載のエマルジョン。
【0075】
29.前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンである、請求項26~28のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0076】
30.前記乳化剤が、前記エマルジョンの約1重量%~約10重量%、又は前記エマルジョンの約4重量%~約8重量%の量である、請求項26~29のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0077】
31.前記エマルジョンの約0.5%~約2.0%又は約0.5%~約1.5%の量のスイートコーンタンパク質を更に含む、請求項26~30のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0078】
32.前記甘味穀粉が、前記エマルジョンの約10%~約20%、又は約10%~約14%、又は約16%~約20%の量である、請求項26~31のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0079】
33.酸化防止剤を更に含む、請求項26~32のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0080】
34.グルコースシロップを更に含み、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記エマルジョンの約1重量%~約10重量%又は約4重量%~約8重量%の量である、請求項26~33のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0081】
35.前記エマルジョンの約60重量%超、又は約60重量%~約80重量%の量の水を有する、請求項26~34のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0082】
36.前記エマルジョンが、マルトデキストリンを含まない、請求項26~35のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0083】
37.約5~約19、又は約5~約7、又は約11~約13、又は約17~約19のデキストロース当量を有する、請求項26~36のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0084】
38.約18のデキストロース当量を有する、請求項26~37のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0085】
39.前記甘味穀粉が、清澄化甘味穀粉、スイートコーン粉、及び清澄化スイートコーン粉からなる群から選択され、好ましくは、前記甘味穀粉が、清澄化スイートコーン粉である、請求項26~38のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0086】
40.活性成分と甘味穀粉とを含む生成物。
【0087】
41.前記生成物が、噴霧乾燥されている、請求項40に記載の生成物。
【0088】
42.前記活性成分及び甘味穀粉が、凝集生成物である、請求項40又は41に記載の生成物。
【0089】
43.前記活性成分が、前記甘味穀粉によって少なくとも部分的に封入されている、請求項41~42のいずれか一項に記載の生成物。
【0090】
44.前記活性成分が、水性成分である、請求項41~43のいずれか一項に記載の生成物。
【0091】
45.前記活性成分が、油系成分であり、任意選択的に、前記油系成分が、前記生成物の約5重量%超、又は約10重量%超、又は約10重量%~約25重量%の量で使用される、請求項41~44のいずれか一項に記載の生成物。
【0092】
46.前記甘味穀粉が、清澄化甘味穀粉、スイートコーン粉、及び清澄化スイートコーン粉からなる群から選択され、最も好ましくは、前記甘味穀粉が、清澄化スイートコーン粉である、請求項41~45のいずれか一項に記載の生成物。
【0093】
47.前記生成物の前記甘味穀粉が、スイートコーン粉であり、前記生成物が、前記生成物の約0.5重量%超、又は生成物の約1重量%~約9重量%、又は生成物の約1重量%~約6重量%の量のスイートコーンタンパク質を更に含む、請求項41~46のいずれか一項に記載の生成物。
【0094】
48.乳化剤と、甘味穀粉と、封入済生成物の約5重量%超、又は封入済生成物の約10重量%超、又は封入済生成物の約10重量%~約25重量%、又は封入済生成物の約10重量%~約20重量%、又は封入済生成物の約15重量%~約25重量%の量の油と、を含む、封入済生成物。
【0095】
49.前記乳化剤が、加工デンプンである、請求項48に記載の封入済生成物。
【0096】
50.前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンである、請求項48又は49に記載の封入済生成物。
【0097】
51.前記乳化剤が、前記封入済生成物の約1重量%~約10重量%又は前記封入済生成物の約4重量%~約8重量%の量である、請求項48~50のいずれか一項に記載の封入済生成物。
【0098】
52.前記甘味穀粉が、スイートコーン粉であり、前記生成物が、前記封入済生成物の約0.5重量%超、又は封入済生成物の約1重量%~約9重量%、又は封入済生成物の約1重量%~約6重量%の量のスイートコーンタンパク質を更に含む、請求項48~51のいずれか一項に記載の封入済生成物。
【0099】
53.前記甘味穀粉が、前記封入済生成物の約10重量%~約25重量%、又は封入済生成物の約10重量%~約14重量%、又は封入済生成物の約18重量%~約24重量%の量である、請求項48~52のいずれか一項に記載の封入済生成物。
【0100】
54.酸化防止剤を更に含み、任意選択的に、前記酸化防止剤が、グルコースシロップである、請求項48~53のいずれか一項に記載の封入済生成物。
【0101】
55.グルコースシロップを更に含み、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記封入済生成物の約1重量%~約10重量%又は約4重量%~約8重量%の量である、請求項48~54のいずれか一項に記載の封入済生成物。
【0102】
56.前記生成物が、粉末であり、任意選択的に、前記封入済生成物が、前記エマルジョンを噴霧乾燥することによって作製される、請求項48~55のいずれか一項に記載の封入済生成物。
【0103】
57.前記封入済生成物が、マルトデキストリンを含有しない、請求項48~56のいずれか一項に記載の封入済生成物。
【0104】
58.前記甘味穀粉が、清澄化甘味穀粉、スイートコーン粉、及び清澄化スイートコーン粉からなる群から選択され、最も好ましくは、前記甘味穀粉が、清澄化スイートコーン粉である、請求項48~57のいずれか一項に記載の封入済生成物。
【0105】
59.組成物を製造する方法であって、甘味穀粉と活性成分とを混合して混合物を形成する工程と、前記混合物を噴霧乾燥する工程とを含む、方法。
【0106】
60.前記活性成分が、水性成分である、請求項59に記載の方法。
【0107】
61.前記活性成分が、油系成分であり、任意選択的に、前記油系成分が、前記生成物の約5重量%超、又は約10重量%超、又は約10重量%~約25重量%の量で使用される、請求項59又は60に記載の方法。
【0108】
62.封入済生成物を製造する方法であって、乳化剤、甘味穀粉、及び水又は水溶液を混合して封入用組成物を得ることと、油系成分を前記封入用組成物と混合してエマルジョンを形成することと、前記エマルジョンを噴霧乾燥して前記封入済生成物を得ることとを含む、方法。
【0109】
63.前記エマルジョンが、約2.5ミクロン未満、又は約1.5ミクロン未満、又は約0.5ミクロン~約1.5ミクロンの平均液滴サイズを有するように乳化される、請求項62に記載の方法。
【0110】
64.前記乳化剤が、加工デンプンである、請求項62又は63に記載の方法。
【0111】
65.前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンである、請求項62~64のいずれか一項に記載の方法。
【0112】
66.前記乳化剤が、前記封入用組成物の約1重量%~約10重量%又は封入用組成物の約4重量%~約8重量%の量である、請求項62~65のいずれか一項に記載の方法。
【0113】
67.前記甘味穀粉が、前記甘味穀粉の約5重量%超、又は前記甘味穀粉の約5重量%~約9重量%の量のスイートコーンタンパク質を更に含む、請求項62~66のいずれか一項に記載の方法。
【0114】
68.前記甘味穀粉が、スイートコーン粉であり、前記封入用組成物が、約0.5重量%~約2.0重量%又は約0.5重量%~約1.5重量%のスイートコーンタンパク質を更に含み、前記スイートコーンタンパク質が、前記エマルジョンによって提供される、請求項62~67のいずれか一項に記載の方法。
【0115】
69.前記甘味穀粉が、前記封入用組成物の約10%~約20%、又は封入用組成物の約10%~約14%、又は封入用組成物の約16%~約20%の量である、請求項62~68のいずれか一項に記載の方法。
【0116】
70.工程a)において酸化防止剤を混合して前記封入用組成物を形成する工程を更に含む、請求項62~69のいずれか一項に記載の方法。
【0117】
71.工程a)においてグルコースシロップを混合して前記封入用組成物を形成する工程を更に含み、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記封入用組成物の約1重量%~約10重量%又は約4重量%~約8重量%の量である、請求項62~70のいずれか一項に記載の方法。
【0118】
72.前記封入用組成物が、前記封入用組成物の60重量%超又は約60重量%~約80重量%の量の水を有する、請求項62~71のいずれか一項に記載の方法。
【0119】
73.前記封入用組成物が、約5~約19、又は約5~約7、又は約11~約13、又は約17~約19、又は約18のデキストロース当量を有する、請求項62~72のいずれか一項に記載の方法。
【0120】
74.前記油系成分が、前記生成物の約5重量%超、又は生成物の約10重量%超、又は生成物の約10重量%~約25重量%、又は生成物の約15重量%~約25重量%の量である、請求項62~73のいずれか一項に記載の方法。
【0121】
75.約18%~約22%の量の油系成分を更に含む、請求項62~74のいずれか一項に記載の方法。
【0122】
76.前記方法が、マルトデキストリンの添加を含まない、請求項62~75のいずれか一項に記載の方法。
【0123】
77.前記甘味穀粉が、0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散性指数を有する、請求項62~76のいずれか一項に記載の方法。
【0124】
78.前記甘味穀粉が、清澄化甘味穀粉、スイートコーン粉及び清澄化スイートコーン粉からなる群から選択され、最も好ましくは、前記甘味穀粉が、清澄化スイートコーン粉である、請求項62~77のいずれか一項に記載の方法。
【0125】
79.食用組成物における、先行する請求項のいずれか一項に記載の封入済生成物の使用。
【0126】
80.飲料に香味付けするための、請求項79に記載の封入済生成物の使用。
【0127】
81.食用組成物を作製する方法であって、前記請求項のいずれか一項に記載の封入済生成物を第2の食用成分と共に添加することを含む、方法。
【0128】
82.前記食用組成物が、飲料である、請求項82に記載の方法。
【0129】
83.前記請求項のいずれかに記載の封入用組成物又は封入済生成物においてマルトデキストリンを置換するための甘味穀粉の使用。
【0130】
84.甘味穀粉が、スイートコーン粉であり、前記穀粉の約5重量%超又は穀粉の約5重量%~約9重量%の量のスイートコーンタンパク質を含む、請求項83に記載の甘味穀粉の使用。
【0131】
85.前記甘味穀粉が、前記組成物の約10%~約20%、組成物の約10%~約14%、及び組成物の約16%~約20%からなる群から選択される量である、請求項83又は84に記載の甘味穀粉の使用。
【0132】
86.0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散性指数を有する、請求項83又は85のいずれか一項に記載の甘味穀粉の使用。
【0133】
87.前記甘味穀粉が、清澄化甘味穀粉、スイートコーン粉及び清澄化スイートコーン粉からなる群から選択され、最も好ましくは、前記甘味穀粉が清澄化スイートコーン粉である、請求項84又は86のいずれか一項に記載の使用。
【0134】
88.清澄化甘味穀粉であって、約75重量%超、又は約80重量%~約95重量%、又は約80重量%~約90重量%の量の可溶性デンプンを含む、清澄化甘味穀粉。
【0135】
89.約0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散性指数を有する、請求項88に記載の甘味穀粉。
【0136】
90.約0.5%タンパク質超若しくは約1.0%タンパク質超の量、又は好ましくは、a)前記穀粉の約2重量%超、b)約2重量%~約4重量%、及びc)約5重量%~約9重量%からなる群から選択される量のタンパク質含量を有する、請求項88又は89に記載の清澄化甘味穀粉。
【0137】
91.前記穀粉の約5重量%未満の不溶性デンプン含量を有する、請求項88~90のいずれか一項に記載の清澄化甘味穀粉。
【0138】
92.約100~約200nm、又は約100~約150nm、又は約120~約140nmの粒径分布の平均粒径を有する、請求項88~91のいずれか一項に記載の清澄化甘味穀粉。
【0139】
93.スイートコーン粉である、請求項88~92のいずれか一項に記載の清澄化甘味穀粉。
【0140】
95.a)乳化剤と、b)甘味穀粉とを含む混合物であって、任意選択的に、甘味穀粉がスイートコーン粉又は清澄化スイートコーン粉である、混合物。
【0141】
96.前記甘味穀粉が、前記組成物の約50重量%~約90重量%、又は約50重量%~約80重量%、又は約70重量%~約80重量%の量である、請求項95に記載の混合物。
【0142】
97.前記乳化剤が、加工デンプンであり、任意選択的に、前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンである、請求項95又は96に記載の混合物。
【0143】
98.前記乳化剤が、前記組成物の約10重量%~約50重量%、又は約20重量%~約40重量%、又は約20重量%~約30重量%の量で使用される、請求項95~97のいずれか一項に記載の混合物。
【0144】
99.前記組成物が、約1.5重量%~約9重量%、又は約2重量%~約9重量%、又は約3重量%~約9重量%、又は約5重量%~約9重量%の量のスイートコーンタンパク質を含む、請求項95~98のいずれか一項に記載の混合物。
【0145】
100.酸化防止剤を更に含む、請求項95~99のいずれか一項に記載の混合物。
【0146】
101.グルコースシロップを更に含み、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記組成物の約1重量%~約30重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約20重量%~約30重量%の量である、請求項95~100のいずれか一項に記載の混合物。
【0147】
102.前記組成物が、マルトデキストリンを含まない、請求項95~101のいずれか一項に記載の組成物。
【0148】
103.エマルジョンであって、a)水、乳化剤、及び甘味穀粉を含む水性分散液と、b)エマルジョンの約5重量%超、又はエマルジョンの約10重量%超、又は約10重量%~約25重量%、又は約15重量%~約25重量%の量の油系成分とを含み、任意選択的に、前記甘味穀粉が、前記エマルジョンの約10%~約20%、又は約10%~約14%、又は約16%~約20%の量であり、任意選択的に、前記甘味穀粉が、スイートコーン粉又は清澄化スイートコーン粉である、エマルジョン。
【0149】
104.前記油系成分が、前記エマルジョンの約18重量%~約22重量%の量である、請求項103に記載のエマルジョン。
【0150】
105.前記乳化剤が、加工デンプンであり、前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンであり、任意選択的に、前記乳化剤が前記エマルジョンの約1重量%~約10重量%又は約4重量%~約8重量%の量である、請求項103又は104に記載のエマルジョン。
【0151】
106.前記エマルジョンの約0.5%~約2.0%又は約0.5%~約1.5%の量のスイートコーンタンパク質を更に含む、請求項103~105のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0152】
107.酸化防止剤を更に含み、任意選択的に、前記酸化防止剤が、グルコースシロップであり、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記エマルジョンの約1重量%~約10重量%又は約4重量%~約8重量%の量であり、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記エマルジョンが約5~約19、又は約5~約7、又は約11~約13、又は約17~約19、又は約18のデキストロース当量を有するような量であり、任意選択的に、前記エマルジョンが、マルトデキストリンを含まない、請求項103~106のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0153】
108.前記エマルジョンの約60重量%超、又は約60重量%~約80重量%の量の水を有する、請求項103~106のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【0154】
109.a)活性成分と、b)甘味穀粉とを含み、前記甘味穀粉が、スイートコーン粉又は清澄化スイートコーン粉である、生成物。
【0155】
110.前記生成物が、噴霧乾燥されている、請求項109に記載の生成物。
【0156】
111.前記活性成分が、水性成分である、請求項109又は110に記載の生成物。
【0157】
112.前記活性成分及び甘味穀粉が、凝集生成物である、請求項109~111のいずれか一項に記載の生成物。
【0158】
113.前記活性成分が、油系成分であり、任意選択的に、前記油系成分が、前記生成物の約5重量%超、又は約10重量%超、又は約10重量%~約25重量%の量で使用される、請求項109~112のいずれか一項に記載の生成物。
【0159】
114.前記活性成分が、前記甘味穀粉によって少なくとも部分的に封入されている、請求項109~113のいずれか一項に記載の生成物。
【0160】
115.封入済生成物であって、a)乳化剤と、c)封入済生成物の約5重量%超、又は封入済生成物の約10重量%超、又は封入済生成物の約10重量%~約25重量%、又は封入済生成物の約10重量%~約20重量%、又は封入済生成物の約15重量%~約25重量%の量の油と、を更に含み、任意選択的に、前記甘味穀粉が、前記封入済生成物の約10重量%~約25重量%、又は封入済生成物の約10重量%~約14重量%、又は封入済生成物の約18重量%~約24重量%の量である、請求項109に記載の生成物。
【0161】
116.前記乳化剤が、加工デンプンであり、任意選択的に、前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンであり、任意選択的に、前記乳化剤が、前記封入済生成物の約1重量%~約10重量%又は封入済生成物の約4重量%~約8重量%の量である、請求項115に記載の生成物。
【0162】
117.酸化防止剤を更に含み、任意選択的に、前記酸化防止剤が、グルコースシロップであり、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記封入済生成物の約1重量%~約10重量%又は約4重量%~約8重量%の量である、請求項109~116のいずれか一項に記載の生成物。
【0163】
118.前記封入済生成物が、マルトデキストリンを含まない、請求項109~117のいずれか一項に記載の封入済生成物。
【0164】
119.組成物を作製する方法であって、a)甘味穀粉と活性成分とを混合して混合物を形成することと、b)前記混合物を噴霧乾燥することとを含み、任意選択的に、前記甘味穀粉が、スイートコーン粉又は清澄化スイートコーン粉である、方法。
【0165】
120.前記活性成分が、水性成分である、請求項119に記載の方法。
【0166】
121.前記活性成分が、油系成分であり、前記混合が、乳化剤及び水又は水溶液を前記甘味穀粉及び活性成分と更に混合することを更に含み、任意選択的に、前記油系成分が、前記生成物の約5重量%超、又は生成物の約10重量%超、又は生成物の約10重量%~約25重量%の量で使用され、任意選択的に、前記甘味穀粉が、前記封入用組成物の約10%~約20%、又は封入用組成物の約10%~約14%、又は封入用組成物の約16%~約20%の量である、請求項119又は120に記載の方法。
【0167】
122.前記エマルジョンが、約2.5ミクロン未満、又は約1.5ミクロン未満、又は約0.5ミクロン~約1.5ミクロンの平均液滴サイズを有するように乳化される、請求項121に記載の方法。
【0168】
123.前記乳化剤が、加工デンプンであり、任意選択的に、前記乳化剤が、コハク酸加工デンプン又はオクテニルコハク酸加工デンプンであり、任意選択的に、前記乳化剤が、前記封入用組成物の約1重量%~約10重量%又は封入用組成物の約4重量%~約8重量%の量である、請求項120又は121に記載の方法。
【0169】
124.工程a)において酸化防止剤を混合して前記封入用組成物を形成する工程を更に含み、任意選択的に、前記酸化防止剤が、グルコースシロップであり、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記封入用組成物の約1重量%~約10重量%又は約4%~約8%の量であり、任意選択的に、前記グルコースシロップが、前記封入用組成物が約5~約19、又は約5~約7、又は約11~約13、又は約17~約19、又は約18のデキストロース当量を有するような量である、請求項119~123のいずれか一項に記載の方法。
【0170】
125.前記方法が、マルトデキストリンを添加することを含まない、請求項119~124のいずれか一項に記載の方法。
【0171】
126.食用組成物における、先行する請求項のいずれか一項に記載の封入済生成物の使用。
【0172】
127.飲料に香味付けするための、請求項126に記載の封入済生成物の使用。
【0173】
128.先行する請求項のいずれか一項に記載の封入用組成物又は封入済生成物においてマルトデキストリンを置換するための甘味穀粉の使用であって、任意選択的に、前記甘味穀粉が、スイートコーン粉又は清澄化スイートコーン粉である、使用。
【0174】
129.清澄化甘味穀粉であって、前記穀粉の約75重量%超、又は約80重量%~約95重量%、又は約80重量%~約90重量%の量の可溶性デンプンを含む、清澄化甘味穀粉。
【0175】
130.約0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散性指数を有する、請求項129に記載の甘味穀粉。
【0176】
131.約0.5%タンパク質超若しくは約1.0%タンパク質超の量、又は好ましくは、a)前記穀粉の約2重量%超、b)約2重量%~約4重量%、及びc)約5重量%~約9重量%からなる群から選択される量のタンパク質含量を有する、請求項129又は130に記載の清澄化甘味穀粉。
【0177】
132.前記穀粉の約5重量%未満の不溶性デンプン含量を有する、請求項129~131のいずれか一項に記載の清澄化甘味穀粉。
【0178】
133.約100~約200nm、又は約100~約150nm、又は約120~約140nmの粒径分布の平均粒径を有する、請求項129~132のいずれか一項に記載の清澄化甘味穀粉。
【0179】
134.スイートコーン粉である、請求項129~133のいずれか一項に記載の清澄化甘味穀粉。
【0180】
135.清澄化甘味穀粉であって、前記穀粉の約75重量%超、又は約80重量%~約95重量%、又は約80重量%~約90重量%の量の可溶性デンプンを含み、任意選択的に、約0.5%タンパク質超若しくは約1.0%タンパク質超、又は好ましくはa)穀粉の約2重量%超、b)約2重量%~約4重量%からなる群から選択される量のタンパク質を更に含み、任意選択的に、前記甘味穀粉が、前記穀粉の約5重量%未満の不溶デンプン含量を有し、任意選択的に、前記清澄化甘味穀粉が、スイートコーン粉である、清澄化甘味穀粉。
【0181】
136.約0.35超、又は約0.37超、又は約0.37~約0.43の多分散性指数を有し、任意選択的に、前記清澄化甘味穀粉が、約100~約200nm、又は約100~約150nm、又は約120~約140nmの粒径分布の平均粒径を有する、請求項135に記載の甘味穀粉。
【0182】
本明細書に開示される技術は、以下の実施例を参照して更に理解することができるが、これらの実施例は、例示の目的のためだけに提供され、本発明の全範囲を限定することを意図しない。
【0183】
実施例1-スイートコーン粉を使用して封入済生成物を作製する方法
香味封入製剤のための担体としてのスイートコーン粉(「SCF」)の効力を、18-デキストロース等価マルトデキストリン(「DE18MD」)と比較した。香味油を封入するために製剤を作製した。封入製剤は、乳化剤としてOSA加工デンプンを含み、いくつかの実施形態では、酸化防止剤としてグルコースシロップ、デキストロース当量62、及び82%固形分を含んだ。スイートコーン粉及びグルコースシロップを含有するサンプルでは、スイートコーン粉及びグルコースシロップの混合物に対して約18のデキストロース等価物を得る量でコーンシロップを添加した。サンプルは、噴霧乾燥させた封入済生成物内に約20%の油充填量を提供するように設計された。全てのサンプルを、油保持及び耐酸化性について評価した。封入製剤の処方を表1に報告する。
【表1】
【0184】
封入済生成物を以下のように作製した。乳化剤(OSA-デンプン)、担体、及び任意選択的に、グルコースシロップを、分散又は溶解するまで水と混合して、封入用組成物を形成した。次いで、香味油を封入用組成物に添加して、封入油滴を有する水中油型エマルジョンを形成した。最初に5000RPMで2分間混合して粗エマルジョンを形成し、次に7000RPMで3分間混合して粗エマルジョンを均質化した。封入油滴のサイズを表2に報告する。測定はレーザ回折粒度分布測定装置(Beckman Coulter)を用いて行った。表2は、様々な測定値の液滴サイズ(ミクロン)を報告する。D90は、液滴サイズ分布の90パーセンタイルにおける液滴の最大サイズを報告する(測定された液滴の90%が、測定されたサイズ以下であった)。同様に、D50は、50パーセンタイルにおける液滴の最大サイズを報告し(測定された液滴の50%が、測定されたサイズ以下であった)、D10は、10パーセンタイルにおける液滴のサイズを報告する(測定された液滴の10%が、測定されたサイズ以下であった)。測定値は、分析された直径に従ってレーザ回折粒径分析器によって報告される通りである。表2はまた、バッチ中の液滴について測定された平均及びモード粒径を報告する。
【表2】
【0185】
封入された油滴のサイズ分布プロファイルを図1に示す。注目すべきことに、全ての場合において、スイートコーン粉(バッチ2~4)を用いて作製されたサンプルの液滴サイズは、マルトデキストリン(バッチ1)を用いて作製されたサンプルよりも一般に小さく、スイートコーン粉が小さい液滴サイズを有する良好なエマルジョンを形成したことを示し、スイートコーン粉がエマルジョンを十分に安定化させて、噴霧乾燥時にエマルジョンが封入済生成物を形成することを可能にすることを示す。また、スイートコーン粉(可溶性デンプンを含む)及びコーンシロップ(酸化防止剤)の量を変更して、マルトデキストリンサンプルの液滴サイズ分布により近い液滴サイズ分布を有する製剤を提供することができることも分かる(バッチ1対バッチ3参照)。
【0186】
表1からの均質エマルジョンを以下の条件下で噴霧乾燥した。目標粒径50ミクロン、入口温度140℃~180℃、出口温度85℃~90℃。処理したサンプルの粒径を、Malvern粒径分析器を使用して測定し、結果を表3に報告する。表3は、封入粒子の粒径分布のD90、D50、及びD10、並びに粒子のモード粒径を報告する。
【表3】
【0187】
全ての封入済生成物を噴霧乾燥して粒径分布を制御し、全ての噴霧乾燥試料を測定して、同様の粒径分布を有することが分かった。バッチをガラスバイアルに保存して、機能分析を待った。試料を、解析まで凍結温度(新鮮な試料と考えられる約-18℃)で保存するか、又はエージング試験のために50℃で14日間インキュベートした。
【0188】
実施例2-封入製剤中の担体としてのスイートコーン粉の効力
4つの封入済生成物を、油保持(新鮮な封入済生成物の重量%としての油-すなわち、封入プロセス中に保持された油の量)、及び酸化安定性(すなわち、経時的なオレンジ油酸化生成物の増加)について試験した。(冷凍庫からの新鮮な試料の)油保持測定値を表2に示し、封入済生成物の重量に対する油の重量百分率として表す。封入済生成物中の油を、水による封入の破壊によって測定した。次いで、アセトンを添加して封入材料を沈殿させた。次いで、香味油の量を、ガスクロマトグラフィ/質量分析(GC/MS)選択イオンモニタリング(SIM)を使用して定量化した。Stabilwax-DAカラム(30m×0.25mm×0.25μm)を固定相として使用し、ヘリウムをキャリアガスとして選択した。油レベルを、内部標準として安息香酸エチルを用いる内部較正方法を使用して定量化した。
【表4】
【0189】
封入製剤の酸化安定性を表4に報告する。酸化安定性は、封入からの揮発性酸化生成物の増加を測定する。結果はppmで報告される。全揮発性酸化生成物を、封入済生成物の新鮮なサンプル、及び50℃の温度で2週間貯蔵した封入済生成物のサンプル(エージングしたサンプル)について測定した。
【0190】
酸化生成物を、ガスクロマトグラフィ/質量分析(GC/MS)選択イオンモニタリング(SIM)を使用して測定した。Stabilwax-DAカラム(30m×0.25mm×0.25μm)を固定相として使用し、ヘリウムをキャリアガスとして選択した。封入済生成物中の油を、水による封入の破壊によって測定した。次いで、アセトンを添加して封入材料を沈殿させた。標的酸化生成物は、リモネンオキシド、カルボン、及びカルベオールであった。次いで、内部標準として安息香酸エチルを用いる内部較正方法を使用して、オレンジ油酸化生成物レベルを定量化した。
【表5】
【0191】
表3~5から分かるように、全てのサンプルは、同様の油保持率、新鮮な試料中の同様の量の酸化生成物、及び同様の粒径分布を有していた。また、バッチ3及び4に見られるように、スイートコーン粉及びグルコースシロップを使用することは、酸化に対して最も高い安定度を提供し、マルトデキストリンを使用するサンプル又は酸化防止剤を使用しないサンプルと比較して、それらが改善された貯蔵寿命を有することを示唆する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧乾燥生成物であって、
a.活性成分と、
b.甘味穀粉と、を含み、
任意選択的に、前記甘味穀粉が、スイートコーン粉又は清澄化スイートコーン粉である、噴霧乾燥生成物。
【請求項2】
前記活性成分が、油系成分である、請求項1に記載の生成物。
【請求項3】
封入済生成物であり、
a.乳化剤と、
b.前記封入済生成物の約5重量%超の量の油と、を更に含み、
前記甘味穀粉が、前記封入済生成物の約10重量%~約25重量%、又は前記封入済生成物の約10重量%~約14重量%の量である、請求項1に記載の生成物。
【請求項4】
酸化防止剤を更に含む、請求項9に記載の生成物。
【請求項5】
前記生成物がマルトデキストリンを含まない、請求項9に記載の生成物。
【請求項6】
組成物を作製する方法であって、
a.甘味穀粉と活性成分とを混合して混合物を形成する工程と、
b.前記混合物を噴霧乾燥する工程と、を含み、
任意選択的に、前記甘味穀粉が、スイートコーン粉又は清澄化スイートコーン粉である、方法。
【請求項7】
前記混合工程が、約2.5ミクロン未満の平均液滴サイズを有するエマルジョンを形成するように、前記混合工程が、前記甘味穀粉及び活性成分を乳化剤と更に混合する、請求項6に記載の方法。
前記混合工程が、前記甘味穀粉及び前記活性成分を、酸化防止剤と共にグルコースシロップと混合して、約5~約19のデキストロース当量を有する封入用組成物を得ることを更に含み、前記封入用組成物が工程a)から得られた混合物である、請求項19に記載の方法。
【請求項8】
約85%超の量の可溶性デンプンを含む、清澄化スイートコーン粉であって、
前記清澄化スイートコーン粉が、約0.5%タンパク質超の量のタンパク質を更に含み、
前記甘味穀粉が、前記穀粉の約5重量%未満の不溶性デンプン含量を有する、清澄化スイートコーン粉。
【請求項9】
約0.35超の多分散性指数を有する、請求項8に記載の甘味穀粉。
【国際調査報告】