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特表2024-512315保護されたインピーダンス低減コーティングを有する電極
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】保護されたインピーダンス低減コーティングを有する電極
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20240312BHJP
   A61B 5/268 20210101ALI20240312BHJP
   A61B 5/287 20210101ALI20240312BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B5/268
A61B5/287
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553384
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(85)【翻訳文提出日】2023-10-27
(86)【国際出願番号】 US2022018199
(87)【国際公開番号】W WO2022187161
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】63/156,030
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511177374
【氏名又は名称】セント・ジュード・メディカル,カーディオロジー・ディヴィジョン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ペダーセン
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ オルソン
【テーマコード(参考)】
4C127
4C160
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127LL08
4C127LL15
4C127LL21
4C160KK03
4C160KK13
4C160KK16
4C160KK36
4C160KK38
4C160KK39
4C160KK63
4C160MM38
(57)【要約】
カテーテルは、近位端および遠位端を備えているシャフトと、カテーテルに結合された導体と、導体に結合された電極とを備えている。電極は、少なくとも1つの凹部と、少なくとも1つの凹部内に配置されたインピーダンス低減層とを備えている。インピーダンス低減層は、凹部の深さよりも小さい厚さを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、
近位端および遠位端を有するシャフトと、
導体と、
前記導体に結合される電極であって、少なくとも1つの凹部と前記少なくとも1つの凹部に配置されるインピーダンス低減層とを備える、前記電極と、
を備え、
前記インピーダンス低減層は、前記凹部の深さよりも小さい厚さを有する、カテーテル。
【請求項2】
前記電極は、診断用電極である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記電極は、治療用電極または刺激電極である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記導体および前記電極を有するフレキシブル回路をさらに備え、
前記フレキシブル回路は、前記カテーテルに取り付けられるか、または前記カテーテルに一体化される、
請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
少なくとも1つの前記凹部は、レーザエッチング、リソグラフィエッチング、機械加工、積層造形、堆積プロセス、またはインプレッションベースのプロセスによって形成される、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記凹部は、隆起した金属製の縁部によって画定される、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記インピーダンス低減層は、導電性ポリマーベースのコーティングである、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記インピーダンス低減層は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)、またはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、p-トシレート(PEDOT)を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
少なくとも1つの前記凹部の深さは、少なくとも5ミクロンであり、
前記インピーダンス低減層の厚さは、5ミクロン未満である、
請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記電極は、リング電極であり、
少なくとも1つの前記凹部は、前記電極の溝であり、
前記導体は、ワイヤである、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記溝は、U字形またはV字形の断面形状を有する、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記導体は、フレキシブル回路に沿って配置されたトレースであり、
前記電極は、前記フレキシブル回路に設けられる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項13】
少なくとも1つの前記凹部は、前記電極の表面領域にわたってパターンとして繰り返される、請求項11記載のカテーテル。
【請求項14】
カテーテルの製造方法であって、
導体と少なくとも1つの凹部とを有する電極を前記カテーテルに結合することと、
インピーダンス低減層を前記電極の前記少なくとも1つの凹部に配置することと、
を含み、
前記インピーダンス低減層は、前記凹部の深さよりも小さい厚さを有する、方法。
【請求項15】
前記インピーダンス低減層は、前記電極の表面積のすべてよりも小さい面積を被覆する、請求項14記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの前記凹部は、前記電極の表面領域にわたってパターンとして繰り返される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記導体と前記電極を前記カテーテルに結合することは、
前記導体および前記電極を有するフレキシブル回路を前記カテーテルに取り付けること、または、
前記導体および前記電極を有する前記フレキシブル回路を前記カテーテルに一体化させることをさらに含む、請求項14に記載のカテーテル。
【請求項18】
少なくとも1つの前記凹部は、前記電極の表面において円筒形状に延びる部分間の領域である、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの前記凹部は、レーザエッチング、リソグラフィエッチング、機械加工、積層造形、堆積プロセス、またはインプレッションベースのプロセスによって形成される、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つの前記凹部は、金属材料で形成される隆起縁部を備える、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記隆起縁部は、前記電極の中央部分をマスキングし、露出部分をメッキすることにより形成される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記電極は、フレキシブル基板上に形成される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
カテーテルであって、
近位端および遠位端を有するシャフトと、
導体と、
基板の上面に配置されるとともに前記導体に結合される電極であって、インピーダンス低減層を備える前記電極を備える基板と、
前記基板の前記上面上に配置されており、前記電極の少なくとも一部を露出させる開口部を有するとともに前記電極よりも厚い保護層と、
を備える、カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年3月3日に出願された米国仮特許出願第63/156,030号の利益および優先権を主張し、その全文が、本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、カテーテル、例えば種々の病状の診断または治療用のカテーテルに関する。
【0003】
カテーテルは、長年にわたって心臓の医療処置に使用されてきた。カテーテルは、例えば、侵襲的な処置なしではアクセスできない体内の特定の位置に配置されながら、心不整脈の診断および治療に使用することができる。一般に、マッピングカテーテルまたは診断用カテーテルは、電気生理学診断および体内組織の3次元モデル生成に使用することができる。アブレーションカテーテルなどの他のカテーテルは、一部の心不整脈の治療に使用できる。カテーテルによってはマッピングおよびアブレーションの両方の機能を果たすように構成されている。マッピングカテーテルに関連して、カテーテルの先端部分は、組織内の電気生理学的信号(例えば、生体信号)を測定する1つ以上の電極を有していることが多い。様々な構成のマッピングカテーテルが存在する。マッピングカテーテルによっては、電気生理学的測定を行う単一の電極を有するが、マッピングカテーテルによっては、組織に沿って様々な位置で同時に測定値を収集する電極アレイなど、複数の電極を備えることができる。より多くの測定データを収集するために、カテーテルの電極の数を増加することが望ましい可能性がある。場合によっては、同時データ収集はマッピングおよび診断の目的にも有利であることができる。
【0004】
体内では幾何学的制約があるため、カテーテルにおける電極の配置、および増加した数の電極の使用は困難になり得る。電極のサイズおよび間隔を小さくすることによって、カテーテルにおける電極の数および密度を増加することができる。しかしながら、電極のサイズを小さくすると、それに対応して電気生理学的測定値を収集する電極の表面積が減少する。電極のサイズが小さくなるにつれて、場合によっては電極の電気的性能に影響が出る可能性がある。電極は、インピーダンスを低減するためにインピーダンス低減層でコーティングすることができる。このような層は摩耗しやすい可能性がある。前述の記述は、単に本分野を説明することを意図しており、特許請求の範囲を否定するものとしてとられるべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態はカテーテルに関する。カテーテルは、近位端および遠位端を備えているシャフトと、導体と、導体に結合された電極とを備えている。電極は、少なくとも1つの凹部と、少なくとも1つの凹部内に配置されたインピーダンス低減層とを備えている。インピーダンス低減層は、凹部の深さよりも小さい厚さを有する。
【0006】
別の実施形態は、体内で電気信号を提供または受信するためのカテーテルに関する。カテーテルは基板と電極とを備えている。電極はカテーテルの遠位端に配置されている。電極は、インピーダンス低減層と、基板の上に配置された導電性材料とを備えている。導電性材料は少なくとも1つの凹部を有し、インピーダンス低減層は、導電性材料の、少なくとも1つの凹部の上方にある少なくとも一部が摩耗からインピーダンス低減層を保護するように、少なくとも1つの凹部内に配置されている。
【0007】
別の実施形態は、カテーテルの製造方法に関する。本方法は、導体および電極をカテーテルに結合することと、電極に少なくとも1つの凹部を設けることと、電極の少なくとも1つの凹部にインピーダンス低減層を配置することとを含む。インピーダンス低減層は、凹部の深さよりも小さい厚さを有する。
【0008】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの凹部は、少なくとも1つの凹部の位置でマスキングし、電極の残りの部分をメッキしてカップ状構造を形成することによって設けられる。残りの部分は、その位置でのマスキング後に露出している。いくつかの実施形態では、電極はフレキシブル基板に形成され、その位置でのマスキングはフレキシブルテープを使用する。
【0009】
いくつかの実施形態は、近位端および遠位端を備えているシャフトと、導体と、基板の上面に配置され、導体に結合された電極を備えた基板と、保護層とを備えたカテーテルに関する。電極は、インピーダンス低減層を備えており、保護層は基板の上面の上に配置されている。保護層は、電極の少なくとも一部を露出させる開口部を有し、電極よりも厚い。
【0010】
いくつかの実施形態では、電極は、凹部の繰り返しパターンを備えている。いくつかの実施形態では、凹部はレーザエッチングによって形成される。いくつかの実施形態では、凹部は、金属材料の隆起縁部を用いて形成される。いくつかの実施形態では、電極はマッピングカテーテルにおけるリング電極である。いくつかの実施形態では、電極はフレキシブル回路に配置されている。いくつかの実施形態では、電極はアブレーション電極である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明からより完全に理解され、類似の参照番号は類似の要素を指し示す:
【0012】
図1】いくつかの実施形態による、体内で医療デバイスをナビゲートし操作するためのシステムの概略図である。
図2A】いくつかの実施形態による、カテーテルの少なくとも1つのアームに沿った1つ以上の電極の概略上面図である。
図2B】いくつかの実施形態による、バスケットカテーテルの少なくとも1つのスプラインに沿った1つ以上の電極の概略斜視図である。
図2C】いくつかの実施形態による、アブレーションカテーテルの概略側面図である。
図3】いくつかの実施形態による、インピーダンス低減層を有する少なくとも1つの電極を備えたカテーテルの概略断面図である。
図4】いくつかの実施形態による、カテーテルに使用する電極の概略上面平面図である。
図5】いくつかの実施形態による、図4に示された電極の、線5-5に関する概略断面図である。
図6】いくつかの実施形態による、カテーテル用電極の電極表面パターンの概略斜視図である。
図7】いくつかの実施形態によるカテーテル用電極の電極表面パターンの概略斜視図である。
図8】いくつかの実施形態による、カテーテル用電極の電極表面パターンの概略斜視図である。
図9】いくつかの実施形態によるカテーテル用の電極セットの概略上面平面図である。
図10】いくつかの実施形態による、図9に示す電極のうちの1つの概略上面平面図である。
図11】いくつかの実施形態による、図9に示す電極の、線11-11に関する概略断面図である。
図12】いくつかの実施形態によるカテーテル用のリング電極の概略斜視図である。
図13】いくつかの実施形態によるカテーテル用のリング電極の概略斜視図である。
図14】いくつかの実施形態によるカテーテル用の電極セットの概略上面平面図である。
図15】いくつかの実施形態によるカテーテル用の電極の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
電極(可撓性の高密度マッピングカテーテル用電極、マップアブレートカテーテル、ならびにアブレーション治療用カテーテルを含むが、これらに限定されない)のいくつかの実施形態が本明細書に開示される。一般に、カテーテルの先端部分は、患者の電気生理学的信号を測定するため、位置検出のため、または患者の組織への治療または刺激(副治療)のためにエネルギーを供給する1つ以上の電極を備えている。電極の金属表面の上のインピーダンス低減コーティングは、電極と電極に接触する組織との間のインピーダンスを低減することができる。インピーダンス低減コーティングまたはインピーダンス低減層は、摩耗しやすい可能性がある。電極は、いくつかの実施形態では、使用中、包装中、および保管中の電極への機械的接着の破壊からインピーダンス低減層(例えば、ポリマーまたは他のコーティング)を保護するように構成されている。いくつかの実施形態では、電極は、インピーダンス低減層で部分的にコーティングすることができ、インピーダンス低減層を保護するように構成することができ、それでもなお、コーティングされていない電極の性能特性を十分に上回る性能特性を達成することができる。いくつかの実施形態では、電極は、インピーダンス低減層で部分的にコーティングする、または完全にコーティングすることができ、インピーダンス低減層を保護するように構成された保護層の開口部に設けることができ、それでもなお、コーティングされていない電極の性能特性を十分に上回る性能特性を達成することができる。
【0014】
図1を参照すると、体112内の医療デバイスをナビゲートし操作するためのシステム100の一実施例は、体112から抜き出して表示された(exploded away)心臓(例えば、組織116)に入るように概略的に示されているマッピングカテーテルまたはアブレーションカテーテルなどのカテーテル102を備えている。しかしながら、システム100は、診断または治療のために体112内で使用される多種多様な医療デバイスに関連する適用を見出すことができることを理解すべきである。さらに、システム100は、体112の組織116(例えば、心臓組織)以外の部分の診断または治療に使用される医療デバイスをナビゲートするために使用できることを理解すべきである。
【0015】
カテーテル102は、ハンドル124と、ハンドル124の近位端にあるケーブルコネクタまたはインタフェース126と、シャフト104(本明細書ではカテーテルシャフトとも呼ぶ)とを備えることができる。シャフト104は、近位端130と、遠位端132とを備えることができる。先端部分106は遠位端132に配置することができる。ハンドル124は、医師がカテーテル102を保持するための場所を提供し、さらに、シャフト104を体112内で操縦または案内するための手段を提供することができる。例えば、ハンドル124は、ハンドル124からシャフト104の遠位端132までカテーテル102を通って延びる1本以上のプルワイヤの長さを変更する手段を備えることができる。ハンドル124の構造は様々であることができる。
【0016】
シャフト104は、ポリウレタンなどの従来の材料から作製することができ、導体156、流体、または手術道具を収容および/または輸送するように構成された1つ以上の内腔を画定することができる。シャフト104は、従来の導入器を介して、体112内の血管または他の構造に導入されることができる。次いで、ガイドワイヤもしくはプルワイヤ、または遠隔制御誘導システムを含む当該技術分野で公知の他の手段を使用して、体112を通って組織116などの所望の位置までシャフト104を操縦または案内することができる。シャフト104はさらに、流体(潅流液および体液を含む)、医薬品、および/または手術道具もしくは器具の輸送、送達、および/または除去を可能にすることができる。任意の数の方法を使用して、シャフト104を体112内の領域に導入することができることに留意すべきである。これには、導入器、シース、ガイドシース、ガイド部材、ガイドワイヤ、または他の類似のデバイスを挙げることができる。議論を容易にするために、全体を通して「導入器」という用語が使用される。
【0017】
いくつかの実施例では、システム100は、位置決めシステムと、ディスプレイ140と、電子制御ユニット(ECU)142とを備えることができる。ECU142は、中央演算処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)などを挙げることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施例では、ECUは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、および電気的に消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、フラッシュメモリなどのメモリを備えることができる。
【0018】
位置決めシステムは、いくつかの実施形態では、電場ベースの位置決めシステム136および磁場ベースの位置決めシステム138を含む電場ベース(インピーダンスベース)および磁場ベースのハイブリッドシステムである。例えば、位置決めシステムは、Abbott LaboratoriesのEnSite Precision(商標) Cardiac Mapping Systemであることができる。位置決めシステムは、体112内のカテーテル102、先端部分106、および同様のデバイスの位置および配向を決定するために提供される。例えば、先端部分106の位置または配向は、位置決め電極134などの先端部分106の1つ以上の電極の基準または位置に基づくことができる。いくつかの実施例では、位置決め電極134は、図1の実施例に示すリング電極を備えることができる。システム136は、低振幅の電気信号が胸郭を通過するとき、カテーテル102の位置決め電極134などの1つ以上の電極にて測定された電位または電場強度を用いて、オームの法則および基準電極の相対位置(例えば、冠状静脈洞内)を使用して、1対の外部パッチ電極に対するカテーテル102の相対位置を決定できるように、体112は分圧器(または電位計もしくは加減抵抗器)として機能するという原理に基づいて動作する。
【0019】
図1に示す構成では、電場ベースの位置決めシステム136は3対のパッチ電極144をさらに備えており、これらのパッチ電極144は、3次元座標系146内でカテーテル102の位置を決定するときに使用される電気信号を生成するために設けられている。パッチ電極144は、組織116に関する電気生理学(EP)的データ(例えば、電気生理学的信号)を生成するためにも使用できる。体112内に軸特異的な電場を形成するために、パッチ電極は体112の対向する表面(例えば、胸部および背部、胸郭の左側および右側、ならびに頸部および脚部)に配置され、概ね直交するX軸、Y軸およびZ軸を形成する。典型的に、基準電極は、胃の近くに配置され、基準値を提供し、ナビゲーションシステムの座標系146の起点として機能する。
【0020】
図1に描かれているように、この例示的な電場ベースの位置決めシステム136に従って、パッチ電極は、右側パッチ144X1、左側パッチ144X2、頸部パッチ144Y1、脚部パッチ144Y2、胸部パッチ144Z1、および背中パッチ144Z2を含む。各パッチ電極は、スイッチ148(例えば、多重化スイッチ)および信号発生器150に接続されている。パッチ電極144X1、144X2は第1の(X)軸に沿って配置され、パッチ電極144Y1、144Y2は第2の(Y)軸に沿って配置され、パッチ電極144Z1、144Z2は第3の(Z)軸に沿って配置される。正弦波電流はパッチ電極の各対を通して駆動され、カテーテル102に関連する1つ以上の位置センサ(例えば、位置決め電極134)の電圧測定値が得られる。測定された電圧はパッチ電極からの位置決めセンサの距離の関数である。測定された電圧は基準電極の電位と比較され、ナビゲーションシステムの座標系146内の位置センサの位置が決定される。
【0021】
本実施例の磁場ベースの位置決めシステム138は、体112内でのカテーテル102の位置および配向を検出するために磁場を用いる。このようなシステムでは、体112内に磁場を発生させ、磁場の強度、配向、および周波数を制御するために、3つの直交して配置されたコイル(図示せず)を有する磁場発生器152を採用することができる。磁場発生器152は、患者の上方もしくは下方(例えば、患者テーブルの下)または別の適切な位置に配置することができる。磁場はコイルによって発生し、カテーテル102に関連する1つ以上の位置センサの電流または電圧測定値が得られる。測定された電流または電圧がコイルからのセンサの距離に比例するため、システム138の座標系154内のセンサの位置を決定することができる。
【0022】
カテーテル102が体112内、および電場ベースの位置決めシステム136によって生成された電場内を移動すると、位置決め電極134からの電圧測定値が変化し、それによって電場内およびシステム136によって確立された座標系146内におけるカテーテル102の位置が示される。位置決め電極134は、ECU142に位置信号を伝達するように構成することができる。
【0023】
カテーテル102は、幾何学的モデリングまたは電気生理学的マッピングだけでなく、治療を行うように構成することができる。いくつかの実施例では、カテーテル102は、組織116からの電気生理学的信号を検出するか、または組織116を焼灼するためのエネルギーを供給するように構成された少なくとも1つの電極108を備えることができる。一実施例では、少なくとも1つの電極108は、少なくとも1つの電極108にアブレーションエネルギーを供給するように構成された電気信号を送達するために、アブレーション発生器122に通信可能に結合することができる。アブレーション発生器122は、いくつかの実施形態では、Abbott Laboratories社のAmpere(商標) Generatorであることができ、485キロヘルツ(kHz)の正弦波電気信号を提供する。他の種類、周波数、および形態のRF信号は、アブレーション発生器122から提供することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電極108は、例えば、限定するものではないが、心臓マッピングおよび/またはアブレーション(例えば、RFアブレーションまたは不可逆電気穿孔法(IREアブレーション)/パルスフィールドアブレーション(PFA))を含む種々の診断および治療目的のために使用され得る電極アセンブリである。アブレーション発生器122は、PFA用に構成することができる。いくつかの実施形態では、先端部分106は、図2A図2Bを参照して後述するグリッドカテーテルまたはバスケットカテーテルに関連する先端電極を備えている。電極108および電極134は、一般に、電極のインピーダンスを低減するために、またいくつかの実施例では、小型化された電極のインピーダンスの増大を緩和するために、インピーダンス低減コーティングまたはインピーダンス低減層を備えることができる。電極108および電極134は、電極108および電極134の凹みに配置されたインピーダンス低減層で部分的に(例えば、8%以上、25%以上など)コーティングすることができる。電極108および電極134をインピーダンス低減層で部分的にコーティングすることにより、いくつかの実施形態では、同様の性能を達成し、インピーダンス低減層を保護するように電極108および電極134を構成することができる。凹みは、本明細書で論じられる電極の実施形態に関してより詳細に説明されるように、電極108および電極134のネイティブ材料による摩耗からインピーダンス低減層を保護する。
【0024】
いくつかの実施形態では、電極108および電極134は、インピーダンス低減層(例えば、ポリマー系インピーダンス低減層)で部分的にコーティングされた白金イリジウムネイティブ材料を含む。ネイティブ材料は、金、白金、または他の導電性材料であることもできる。インピーダンス低減層により、電極108および電極134は、すべての周波数でより低いインピーダンスを有し、より広い電流対電圧応答を有し、それにより、より良好な電子流を提供することができる。
【0025】
アブレーションに使用される電極108をインピーダンス低減層でメッキまたはコーティングすることによって、エネルギーはより効率的に供給され、それにより、より少ないエネルギーで(例えば、少なくとも5分の1に低減される)より多くの組織を捕捉することができる。アブレーション処置において、より少ないエネルギーでより効果的な電流/電力供給を行うことは、いくつかの実施形態では、望ましくない筋肉および神経の刺激を解決する可能性がある。マッピングに使用される電極108をインピーダンス低減層でメッキまたはコーティングすることによって、いくつかの実施形態では、低インピーダンス故により良い性能が達成される(例えば、信号対雑音の改善、低増幅要件、低フィルタリング要件など)。高密度マッピングおよびアブレーションに使用される電極108をメッキまたはコーティングすることによって、不整脈源または解剖学的活性化経路(または起始位置)の焦点同定だけでなく、いくつかの実施形態では組織の最小有効領域のアブレーションが達成される。
【0026】
いくつかの実施例では、カテーテル102は、ポンプ120を介して生理食塩水などの生体適合性潅流液を送達するための流体源118に任意選択で接続することができる。ポンプ120は、図示されているように、流体源118からの重力供給による定量ローラポンプまたは可変容量シリンジポンプを備えることができる。コネクタまたはインタフェース126は、ポンプ120およびアブレーション発生器122から延びる導管またはケーブル用の機械的接続、流体接続、および電気接続を提供する。カテーテル102は、温度センサ、追加の電極、および対応するコンダクタまたはリード線などの、本明細書では図示されていない他の従来の構成要素も備えることができる。
【0027】
ECU142は、カテーテル102、アブレーション発生器122、およびハイブリッド位置決めシステムを含むシステム100の様々な構成要素の動作を制御および監視するためのデバイスを提供する。ECU142はまた、組織116の電気生理学的特性(例えば、信号)、組織116および体112に対するカテーテル102の位置および配向を決定し、組織116のアブレーションを制御し、またはそれらの任意の組み合わせを行うデバイスも提供することができる。ECU142は、ディスプレイ140を制御するために使用されるディスプレイ信号を生成するためのデバイスも提供する。
【0028】
ディスプレイ140は、診断および治療を支援するために情報を医師に伝えるために設けられる。ディスプレイ140は、1つ以上の従来のコンピュータモニタまたは他のディスプレイデバイスを含むことができる。ディスプレイ140は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を医師に提示することができる。GUIは、例えば、組織116の幾何形状の画像、組織116に関連する電気生理学的データ(例えば、電極108からの信号のマップ)、様々な位置決め電極134の経時的な電圧レベルを示すグラフ、ならびにカテーテル102および他の医療デバイスの画像、ならびに組織116に対するカテーテル102および他のデバイスの位置を示す関連情報を含む様々な情報を含むことができる。
【0029】
図2Aを参照すると、カテーテル202は、Abbott LaboratoriesのAdvisor(商標) HD Grid Mapping Catheter、Sensor Enabled(商標)デバイスの先端部分のような先端部分206を備えている。先端部分206は、少なくとも1つのアーム205に沿って1つ以上の電極208を備えている。先端部分206は、いくつかの実施形態では平面構成を有することができる。いくつかの実施形態では、先端部分206は、図2Bに示すように、少なくとも1つのスプライン203に配置された電極208を有するバスケットカテーテルとして構成されている。カテーテル202は、マッピング処置で使用されるものとして論じられているが、電極208は、どのタイプの医療処置でも使用することができ、マッピング処置における使用に限定されない。電極208の数は、例えば1、2、4、8、16、32、48、128など様々であることができ、様々なマトリックスレイアウトまたはパターンで設けることができる。
【0030】
図2Aおよび図2Bの実施例では、カテーテル202は、図1で先に説明したように、患者の心臓内の電気生理学的信号をマッピングするために使用できるマッピングカテーテルであることができる。様々な実施例において、カテーテル202は、マッピングカテーテル、アブレーションカテーテル、二重機能マッピング/アブレーションカテーテル、または他のタイプのカテーテルであることができる。図2Aおよび図2Bの実施例では、カテーテル202は、各アーム205(図2A)またはスプライン203(図2B)に沿って分散されたパターンで複数の電極208を備えることができる。いくつかの実施例では、電極208の密度を増加させることにより、カテーテル202(例えば、カテーテル202の先端部分206)に沿った電極208の数を増加させ、組織内の電気生理学的信号の測定分解能(およびそれに応じた電気生理学的マップ)を向上させ、またはそれらの組み合わせを提供することができる。電極208の密度は、電極208の間隔を減少させるか、電極208の接触表面積A1を減少させるか、またはその両方を行うことによって増加させることができる。電極208の接触表面積A1が減少する場合、組織と、組織と接触している電極208との間のインピーダンスは、それに応じて増加し得る。例えば、電気生理学的信号のインピーダンスは、抵抗成分とリアクタンス成分とを含むことができる。抵抗成分およびリアクタンス成分は、電極208の接触表面積A1の減少に対応して増加し得る。別の実施例では、電気生理学的信号の周波数が低下するにつれて、リアクタンス成分は、抵抗成分よりも大きな割合で増加し得る。さらなる実施例では、接触表面積A1が減少するにつれて、リアクタンス成分は抵抗成分よりも大きな割合で増加増加し得る。したがって、リアクタンス成分は、接触表面積A1の減少、電気生理学的信号の周波数の低下、またはそれらの組み合わせに対応して増加し得る。電極208は小規模電極であることができる。本明細書で論じられるように、小規模電極は、1平方ミリメートル未満の接触表面積A1を有することができる。いくつかの実施形態では、電極208は、小規模電極よりも大きい。いくつかの実施形態では、電極208は、1平方ミリメートルより大きい(例えば、1平方ミリメートル、2平方ミリメートル、2.5平方ミリメートル、5平方ミリメートルなど)接触表面積を有する。
【0031】
電極208は、一般に、電極208のインピーダンスを低減するために、また、いくつかの実施例では、小型化された電極208のインピーダンスの増大を緩和するために、インピーダンス低減層209を備えることができる。一実施例では、電極208の抵抗成分、リアクタンス成分、または両方の成分は、電極208にインピーダンス低減層209を含めることによって低減することができる。別の実施例では、ある周波数範囲(例えば、1~20,000Hz)にわたって、抵抗成分、リアクタンス成分、またはそれらの組み合わせは、インピーダンス低減層209を備えることによって低減することができる。インピーダンス低減層209は、一般に、電極のインピーダンスを低減し、いくつかの実施例では、小型化された電極のインピーダンスの増大を緩和するために使用することができる。電極208のインピーダンスを低減することにより、電気生理学的信号測定の忠実度を高めることができる。実施形態によっては、電極208すべてがインピーダンス低減層209によって部分的に被覆されているが、実施形態によっては、電極208のすべてよりも少ない数がインピーダンス低減層209によって部分的に被覆されている。いくつかの実施形態では、摩耗しやすい位置に配置されている電極208はインピーダンス低減層209で部分的にコーティングされるが、摩耗しにくい位置に配置されている電極208はインピーダンス低減層209で完全にコーティングされる。いくつかの実施形態では、電極208は、ECU142および/またはアブレーション発生器122に接続されたワイヤに結合される。
【0032】
いくつかの実施例では、1つ以上の電極208はフレキシブル回路210(図2B)に配置することができる。フレキシブル回路210は、カテーテル202のシャフト204およびスプライン203に取り付けることができる。例えば、フレキシブル回路210は、フレキシブル回路210をシャフト204またはスプライン203の形状に適合するように相補的な形状を備えることができる。いくつかの実施形態では、スプライン203は、フレキシブル回路210が取り付けられるチューブを備えている。電極208は、設計基準に応じて、様々なサイズおよび形状の領域ならびに構成だけでなく様々な厚さを有する。いくつかの実施形態では、電極208は、楕円形、正方形、矩形、菱形、六角形、または円形の平坦な平面電極であることができる。電極208は、いくつかの実施形態では、比較的平坦であるか、または立体形状を有することができる。いくつかの実施形態では、電極208は、スプライン203またはアーム205を取り囲むリング形状の電極であることができる。いくつかの実施形態では、電極208は、C字形状であり、スプライン203またはアーム205を部分的に取り囲む。いくつかの実施形態では、電極208は、インピーダンス低減層209(例えば、電荷注入能力を高め、電極208のインピーダンスを低減する固有導電性ポリマー(ICP))で部分的にコーティングされたリング形状の白金/イリジウム金属構造である。
【0033】
いくつかの実施形態では、電極208のうちの1つ以上の電極の表面は、1つ以上の凹部を有するようにパターン化または構成されており、インピーダンス低減層209は、1つ以上の凹部に配置されている。インピーダンス低減層209は、ネイティブ電極表面(例えば、金属表面)がインピーダンス低減層209の上に突出するように配置され、(例えば、挿入、引き抜き、バルブ、シース先端などによる)潜在的に研磨作用のある負荷からインピーダンス低減層209を保護する。いくつかの実施形態では、レーザパターン、リソグラフィでエッチングされたパターン、微細加工されたパターン、積層造形パターン、堆積ベース(例えば、蒸着、コールドスプレーなど)のパターン、またはインプレッション系(例えば、打ち抜き、コイニング、ローレット加工など)のパターンが電極208の表面に形成され、インピーダンス低減層209は、パターンに関連する凹部(例えば、間隙)に入り、それによってインピーダンス低減層209を保護する。いくつかの実施形態では、より大きなアスペクト特徴(例えば、ポケットの周囲の隆起縁部)を使用してコーティングを保護する。より大きなアスペクトの特徴は、いくつかの実施形態では、メッキ/マスキングステップ、積層造形ステップ、および/または電極208を作成するために使用される金属化中に構築される。いくつかの実施形態では、インピーダンス低減層209は、凹部またはより大きなアスペクトの特徴の深さよりも小さな厚さを有する。
【0034】
図2Aの実施例では、電極214はシャフト204上に配置されている。電極214の表面は、1つ以上の凹部を有するようにパターン化または構成され、インピーダンス低減層215は、上記の電極208と同様に、1つ以上の凹部に配置される。電極214は、いくつかの実施形態では、ワイヤに取り付けられたリング電極である。
【0035】
図2Cを参照すると、アブレーションカテーテル222は、カテーテル222のシャフト226に固定して取り付けられた1つ以上のフレキシブル回路224を備えている。例えば、フレキシブル回路224は接着剤を用いてシャフト226に取り付けることができる。図2Cの実施例では、カテーテル222は4つのフレキシブル回路224を備えることができる。フレキシブル回路224は、シャフト226の外径に沿って互いから半径方向に90°ずつずらして配置することができる。フレキシブル回路224は、その上に離間された複数の電極208を備えることができる。電極208は、本明細書でさらに説明するように、インピーダンス低減層209を備えることができる。さらなる実施例では、フレキシブル回路224は、以下に説明する中間層を備えることができる。カテーテル222は、シャフト226の遠位端にアブレーション電極230を備えることができる。アブレーション電極230はインピーダンス低減層231を備えることができる。いくつかの実施形態では、電極208および電極230のうちの1つ以上の表面は、1つ以上の凹部を有するようにパターン化または構成されており、インピーダンス低減層209およびインピーダンス低減層231は、1つ以上の凹部に配置されている。したがって、電極208のインピーダンス低減層209およびアブレーション電極230のインピーダンス低減層231は摩耗から保護される。アブレーション電極230は組織にアブレーション療法を提供することができ、電極208は診断、マッピング、または焼灼部位の特定のために組織内の電気生理学的信号を測定するために使用することができる。
【0036】
図3を参照すると、カテーテル402はその上に配置された少なくとも1つの電極408を備えている。図3の実施例では、電極408は接触表面領域409にインピーダンス低減層418を備えている。描かれているように、電極408はフレキシブル回路410に備えられていてもよい。フレキシブル回路410は、アーム205、スプライン203、またはシャフト204およびシャフト226(図2A図2B、および図2Cの実施例に示す)などの、カテーテル402の基板404に取り付けることができる。一実施例では、接着剤423をダイエレクトリック層412と基板404との間に配置し、フレキシブル回路410を基板404に取り付けることができる。フレキシブル回路410は、図3の実施例に示す単一導電層のフレキシブル回路、または複数の導電層を有するフレキシブル回路であることができる。電極408は端部425から端部427まで延びている。フレキシブル回路410は、電極408と同様にさらなる電極を収容することができる。
【0037】
図3の実施例において、フレキシブル回路410は、第1のダイエレクトリック層412と、導体414と、第2のダイエレクトリック層416と、インピーダンス低減層418を備えた電極408とを備えることができる。ダイエレクトリック層412またはダイエレクトリック層416などのダイエレクトリック層は、電気絶縁性ポリマー、例えばポリイミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルイミド、種々のフルオロポリマー、コポリマー、または他の適切なフレキシブル基板を含むことができる。導電層は、第1のダイエレクトリック層412に配置され、導体414を形成することができる。導体414は、銅、銅ニッケル合金、ニチノール、インコネル、銀充填エポキシ、炭素、アルミニウム、金、銀、白金、それらの合金などを含むが、これらに限定されない材料から構成することができる。様々な実施例において、導体414は、接着剤で第1のダイエレクトリック層412に適用される金属フィルムであることができ、または導体414はダイエレクトリック層412に電着することができる。一実施例では、金属フィルムをエッチングして導体414を形成し、例えば、電極408とECU142との間の電気信号をルーティングするために電気トレースの形状を形成し、接触表面領域409を画定することができる。導体414は、10ミクロン~125ミクロン、または25ミクロン~125ミクロン(これらの数値を含む)の厚さT1を有することができ、複数の層であることができる。接触表面領域409は、いくつかの実施形態では、電極408が体112に接触することができる領域であり、ダイエレクトリック層416およびインピーダンス低減層418のアパーチャ内の導体414の露出部分を含む。
【0038】
さらなる実施例では、導体414は、カテーテル402の基板404、例えば、カテーテル402のアーム(例えば、アーム205)、スプライン(例えば、スプライン203)、シャフト(例えば、シャフト104)、または先端部分(例えば、先端部分206)に直接取り付けることができる。一実施例では、導体414は、接着剤で基板404に適用される金属フィルムであることができる。他の種々の実施例では、導体414は、電着、エアロゾル噴射、蒸着、化学蒸着などを用いて基板404に適用することができる。
【0039】
インピーダンス低減層418は、導体414に配置することができる。インピーダンス低減層418は、組織と導体414との間のインピーダンスを低減することができる。いくつかの実施例では、インピーダンス低減層418は、組織と電極408との間のインピーダンスを低減するように構成された表面テクスチャを有することができるか、またはこれと組み合わせることができる。インピーダンス低減層418は、例えば、電着、蒸着、化学蒸着、エアロゾル噴射、箔の適用、またはインピーダンス低減層418を適用する他のタイプの方法を含むが、これらに限定されない1つ以上の技術によって、導体414に配置することができる。インピーダンス低減層418は、1μm~30μm、好ましくは1μm~5μm(これらの数値を含む)の厚さT2を有することができる。さらなる実施例では、導体414は、カテーテル402の基板404、例えば、カテーテル402のスプライン(例えば、図2Bのスプライン203)、アーム(例えば、図2Aのアーム205)、シャフト(例えば、図1のシャフト104)、または先端部分(例えば、先端部分206)に直接取り付けることができる。インピーダンス低減層418の材料は後述する。
【0040】
第2のダイエレクトリック層416は、導体414を電気的に絶縁し保護するために、導体414の上に配置することができる。第2のダイエレクトリック層416は、体内の組織に配置するための接触表面領域409を設けるために電極408を露出させる1つ以上のアパーチャ420を備えることができる。いくつかの実施例では、アパーチャ420は、レーザ切断、打ち抜き、エッチングなどによって構築することができる。図4の実施例では、電極408の接触表面領域409は、アパーチャ420を通って延びることができる。他の実施例では、第2のダイエレクトリック層416は、導体414だけでなく、電極408の一部分(例えば、インピーダンス低減層418)の上に配置することができる。したがって、第2のダイエレクトリック層416は、フレキシブル回路410、例えば、導体414、第1のダイエレクトリック層412、またはそれらの組み合わせに対する電極408の取り付け強度を高めることができる。第1のダイエレクトリック層412、第2のダイエレクトリック層416、またはその両方は、25μm~125μm、好ましくは25μm~50μm(これらの数値を含む)の厚さを有することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、導体414は、接触表面領域409の位置においてインピーダンス低減層418の上面より上に延びる部分426を有するように構成された1つ以上の層である。部分426は、パターニング、メッキ、または選択的堆積を含むが、これらに限定されない任意の技術によって形成することができる。いくつかの実施形態では、金属層は、接触表面領域409の導体414の上に堆積される。堆積された金属層は、部分426を残すようにマスクされエッチングされるか、または部分426は、導体414において選択的に成長される。いくつかの実施形態では、インピーダンス低減層418は、部分426が形成された後に形成される。インピーダンス低減層418は、いくつかの実施形態では2つ以上の層である。いくつかの実施形態では、中間層は、導体414とインピーダンス低減層418との間に配置することができる。一実施例では、中間層は、導体414およびインピーダンス低減層418の材料と適合性のある材料を含むことができる。例えば、中間層は、導体414とインピーダンス低減層418との間の接着を促進することができる。一実施例では、中間層は、金または金合金を含むことができ、部分426は中間層で形成することができる。部分426は、金、白金などの導電性材料でコーティングすることができる。電極408は、積層造形プロセスで形成することができる。
【0042】
部分426は、いくつかの実施形態では、インピーダンス低減層418の上面よりも上に延びており、インピーダンス低減層418の摩耗保護を提供する。いくつかの実施形態では、部分426がインピーダンス低減層418と組織116(図1)との間の接触を過度に妨げないように、部分426は、インピーダンス低減層418の上面より上に5ミクロン未満(例えば、1~2ミクロン)延びる。いくつかの実施形態では、部分426は、接触表面領域409のための凹部411を画定する隆起、円柱、または他の構造である。凹部411は、任意のパターンで設けることができる。例えば、凹部411は、市松模様パターン、円形パターン、直線パターン、同心円パターンなどであることができる。
【0043】
図4および図5を参照すると、電極454は、カテーテル102(図1)の遠位端132に取り付けられるなど、カテーテルに使用することができる。電極454は、いくつかの実施形態では矩形または正方形の形状である。いくつかの実施形態では、電極454の主な表面領域は、丸い形、五角形、八角形、菱形、円形、楕円形、または任意の適切な形状である。電極454のパターンは、いくつかの実施形態では、他の電極または同じ電極にて繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、電極454は、角柱状、円柱状、または比較的平坦である。
【0044】
いくつかの実施形態では、電極454は、凹み457およびインピーダンス低減層458を有する導電層450を備えている。導電層450の材料として、導体414(図3)に関連する材料を用いることができる。いくつかの実施形態では、導電層450は、ECU142(図1)に接続された導体と一体化されるか、またはその一部である。電極454の周辺の縁部460、縁部462、縁部464、および縁部466は、インピーダンス低減層458のための凹部457を画定する。導電層450は、インピーダンス低減層458のための材料(例えば、ポリマー系材料)と比較して頑丈な材料(例えば、白金/イリジウムなどの金属)からなる1つ以上の層を備えている。いくつかの実施形態では、導電層450の最上層は、下層よりも優れた摩耗特性を有するか、または下層よりも組織とのより優れた適合性を有する。縁部460、縁部462、縁部464、および縁部466は、いくつかの実施形態では、インピーダンス低減層458の上に突出し、電極454が受ける摩耗作用のある負荷からインピーダンス低減層458を保護する。例えば、縁部460、縁部462、縁部464、および縁部466は、インピーダンス低減層458を摩耗から保護するために、インピーダンス低減層458から十分に高い位置まで延びている。縁部460、462、464および466は、傾斜した、または垂直な壁を有することができる。縁部460、縁部462、縁部464、および縁部466とインピーダンス低減層458の上面との間の高さの差は、設計パラメータに応じて変化する可能性がある。いくつかの実施形態では、その差は1~20ミクロンである。いくつかの実施形態では、その差は約2~8(例えば、3ミクロン)ミクロンである。インピーダンス低減層458は、いくつかの実施形態では、インピーダンス低減層418と同じ材料である。
【0045】
いくつかの実施例では、インピーダンス低減層458は、柔軟な共形の材料である。インピーダンス低減層458ならびに本明細書で論じる他のインピーダンス低減層としては、導電性伸縮性ポリマー、印刷可能な導電性ポリマー、導電性伸縮性インク、酸化イリジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブリボン、カーボンナノチューブエアロゲル、単層カーボンナノチューブまたは多層カーボンナノチューブと化合されたポリ[スチレン-b-(エチレン-co-ブチレン)-b-スチレンのトリブロックコポリマー、ポリ(スチレン-co-エチレンブチレン-co-スチレンに共有結合したポリアニリン(PANI)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):p-トシレート(PEDOT)、ポリアクリル酸(PAA)が注入された金(Au)もしくはチタン(Ti)もしくはパラジウム(Pd)イオン、銅(例えば、銅ナノ粒子)、金(例えば、金ナノ粒子)、銀(例えば、銀ナノ粒子)、亜鉛(例えば、亜鉛ナノ粒子)、球状クエン酸安定化Auナノ粒子、Auナノワイヤ、ガリウムヒ素(GaAs)ナノリボン、シリコン(Si)ナノリボン、シリコンナノワイヤ、グラフェンと銀ナノワイヤのハイブリッドフォームを挙げることができるが、これらに限定されない。インピーダンス低減層458が金、チタン、パラジウム、銅、銀、亜鉛などの剛性材料を含む場合、導電層450をより柔軟な材料と組み合わせて複合材料を形成することができる。別の実施例では、インピーダンス低減層458は、導電性材料の伸展性および柔軟性を高めて柔軟な導電性材料を形成するための少なくとも1つの歪み緩和機能を備えることができる。いくつかの実施形態では、インピーダンス低減層458は、強力な高分子電解質(PSS)アニオンおよび別のアニオンと組み合わされたPDOT分子を含むPEDOT系導電性ポリマーコーティングである。
【0046】
いくつかの実施形態では、インピーダンス低減層458は、電極454の露出表面領域または接触表面領域の90%~8%を被覆している。電極454の接触表面領域は、いくつかの実施形態では、電極454が体112に電気的に接触することができる領域であり、インピーダンス低減層458および導電層450の、体112(図1)に接触するために露出している領域を含む。いくつかの実施形態では、インピーダンス低減層458は、電極454の電極454の接触表面領域の75%~12%を被覆する。いくつかの実施形態では、インピーダンス低減層458は、電極454の接触表面領域の60%~8%を被覆する。いくつかの実施形態では、インピーダンス低減層458は、電極454の露出表面積の約44%を被覆している。
【0047】
図6を参照すると、接触表面領域409(図4)のような接触表面領域、またはリング電極の表面は、走査型電子顕微鏡にスキャンに表されるようなパターン620を備えることができる。導電層(例えば、金属層)が基板に設けられるか、または他の方法で形成された後、導電層は、中に含まれるポリマーコーティングを保護する凹部を有する電極表面を提供するために、レーザパターニングに供される。パターン620は、導電層の間隙または凹部624を画定する円筒形プルーム622を備えている。パターン620は、1~30μmを含むが、これに限定されない高さを有するプルーム622を備えることができる。凹部624は、約20μmの深さを有し、プルーム622は、いくつかの実施形態では、互いから25μm離間されている。インピーダンス低減層(インピーダンス低減層418(図3)およびインピーダンス低減層458(図4)と同様)は、プルーム622の上面からインピーダンス低減層418を除去するために、浸漬に続いて化学機械研磨を行うことによって、凹部624に設けることができる。他の堆積プロセスを用いてインピーダンス低減層を設けることができる。パターン720は、設計上の考慮事項に応じてより粗く、またはより細かくすることができ、プルーム622の密度は、摩耗保護レベルおよびインピーダンス低減量などの設計パラメータに応じて変化させることができる。
【0048】
図7を参照すると、接触表面領域409(図4)のような接触表面領域は、走査型電子顕微鏡にスキャンに表されるようなパターン730を備えることができる。導電層(例えば、金属層)が基板に設けられるか、または他の方法で形成された後、導電層は、パターン620と同様にパターン730に従って、電極表面を提供するために、レーザパターニングに供される。パターン730は、導電層のくぼみ、谷部または凹部734を画定する隆起732を含む。隆起は、いくつかの実施形態では、15~30ミクロン離れており、凹部734は、1~30ミクロンの深さである。インピーダンス低減層は、隆起732の上面からインピーダンス低減層を除去するために浸漬に続いて化学機械研磨を行うことによって、凹部734に設けることができる。
【0049】
図8を参照すると、接触表面領域409(図4)のような接触表面領域は、走査型電子顕微鏡にスキャンに表されるようなパターン840を備えることができる。導電層(例えば、金属層)が基板に設けられるか、または他の方法で形成された後、導電層は、パターン620と同様にパターン840に従って、電極表面を提供するためにレーザパターニングに供される。パターン840は、導電層の凹部を画定する斑点状のパターンである。インピーダンス低減層は、浸漬に続いて化学機械研磨を行うことによって、凹部に設けることができる。
【0050】
パターン620、パターン730、およびパターン840は単なる例示である。他のパターンまたはテクスチャを利用することもできる。例えば、円形の同心円状隆起パターン、矩形パターン、または楕円形パターンを提供することができる。パターン620、パターン730、およびパターン840は、インピーダンス低減層の特定の被覆率および保護レベルをもたらすように調整することができる。例えば、隆起および谷部の密度は、設計上の考慮事項に合わせて調整することができる。より大きな、またはより小さな隆起および凹部を、インピーダンスおよび保護レベルなどの設計上の考慮事項に応じて提供することができる。いくつかの実施形態では、電極のパターンは、導電層を脱合金することによって形成され、表面異常を増加させることができる。例えば、選択的浸出を用いて、合金から選択的に1つの元素を除去することができる(例えば、腐食プロセス)。パターンは、打ち抜き、化学エッチング、または他の表面除去プロセスによって形成することもできる。
【0051】
図9図10を参照すると、電極902、電極904、および電極906のセット900がフレキシブル回路908に配置されており、いくつかの実施形態ではカテーテル102(図1)の先端部分106に取り付けることができる。プリント配線導体または導電性トレース912およびプリント配線導体または導電性トレース914は、ECU142(図1)と通信可能であり、それぞれ電極904および電極906に接続することができる。電極902、電極904、および電極906は、カテーテル用途で電気信号を提供または受信するために使用することができる。電極902、電極904、および電極906は、図9図11を参照して後述するように、凹状の中央部分926を備えている。
【0052】
電極902は、凹状の中央部分926を画定する隆起924を備えている。インピーダンス低減層928は、凹状の中央部分926に配置されている。図11において、X軸932は、図10の線11-11に沿った断面水平方向距離をミリメートル単位で画定し、Y軸930は、図10の線11-11に沿った断面垂直方向距離をミクロン単位で画定する。
【0053】
凹部926は9ミクロンの深さを有し、インピーダンス低減層928の上面は隆起924の上面より4ミクロン低い。インピーダンス低減層928は、電極902の表面積の約9分の1の表面積を有する(例えば、電極902は、インピーダンス低減層928によって約11パーセント被覆されている)。いくつかの実施形態では、インピーダンス低減層928は、電極902の露出表面領域または接触表面領域の90%~8%を被覆する。インピーダンス低減層928の上面から上に隆起924が延びていることにより、インピーダンス低減層928の保護を提供する。
【0054】
いくつかの実施形態では、電極902は、電極902の形状に金属材料をマスキングおよびエッチングすることによって形成される。金属材料の上の不均一な金の分布は、縁部または隆起924および凹部926を形成するために使用される。いくつかの実施形態では、マスキングを用いて、金材料の隆起924を画定することができる。他の材料を利用することもできる。
【0055】
図12を参照すると、リング電極1300は電極208(図2)の1つとして使用することができる。リング電極1300は、凹部1302を備えている。凹部1302は、インピーダンス低減層1304を備えている。凹部1302は、いくつかの実施形態では、機械加工溝、エッチング溝、またはレーザ形成された溝である。リング電極1300は、ECU142、アブレーション発生器122、またはシステム100の他の構成要素に接続するためのワイヤに結合することができる。
【0056】
図12では垂直方向の溝として示されているが、凹部1302は、いくつかの実施形態では、斜めの溝または他のパターンの溝である。いくつかの実施形態では、溝は断面がV字形またはU字形である。インピーダンス低減層1304は、インピーダンス低減層1304がリング電極1300の外面1306よりも下にあるため、凹部1302内のインピーダンス低減層1304の配置により、電極1300のネイティブ材料によって保護される。いくつかの実施形態では、凹部1302は、外面1306から2~60ミクロン(例えば、5ミクロン)の深さを有し、インピーダンス低減層1304は、1ミクロン~30ミクロン(例えば、1ミクロン~5ミクロン)の厚さである。いくつかの実施形態では、凹部1302の深さとインピーダンス低減層1304の厚さとの差は、外面1306がインピーダンス低減層1304よりも1~30ミクロン(例えば、4ミクロン)上にあるように、1~30ミクロンである。
【0057】
図13を参照すると、リング電極1320は、電極208(図2)の1つとして使用することができ、リング電極1300と同様である。リング電極1320は、凹部1322を備えている。凹部1322は、インピーダンス低減層1324を含んでいる。凹部1322は、いくつかの実施形態では、機械加工溝、またはレーザ形成された溝である。いくつかの実施形態では、凹部1322は、外面1326から2~60ミクロン(例えば、5ミクロン)の深さを有し、インピーダンス低減層1324は、1ミクロン~30ミクロン(例えば、1ミクロン~5ミクロン)の厚さである。いくつかの実施形態では、凹部1322の深さとインピーダンス低減層1324の厚さとの差は、外面1326がインピーダンス低減層1324よりも1~30ミクロン(例えば、4ミクロン)上にあるように、1~30ミクロンである。
【0058】
図14を参照すると、いくつかの実施形態では、電極1402、電極1404、および電極1408のセット1400は、フレキシブル基板1401に配置されたフレキシブル回路の一部であり、カテーテル102(図1)の先端部分106に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、電極1402、電極1404、および電極1408は、DuPont de Nemours, Inc.により製造されるKapton(登録商標)テープ基板、または他のフレキシブル基板1401に設けられている。フレキシブル基板1401は、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルイミド、種々のフルオロポリマー、コポリマー、または他の適切なフレキシブル基板材料であることができる。電極1402、電極1404、電極1406、および電極1408はそれぞれ、電極1402、電極1404、電極1406、および電極1408のそれぞれの中央部分に設けられたインピーダンス低減層を備えている。プリント配線導体または導電性トレースは、ECU142(図1)と通信可能であり、電極1402、電極1404、および電極1406に接続することができる。電極1402、電極1404、電極1406、および電極1408は、カテーテル用途で電気信号を提供または受信するために使用することができる。
【0059】
電極1402、電極1404、電極1406、および電極1408はそれぞれ、電極1402、電極1404、電極1406、および電極1408のそれぞれの外縁部1410内の凹状の中央部分を備えている。凹部は、凹状の中央部分926(図9)と同様であることができる。いくつかの実施形態では、凹部は7~12ミクロンの深さを有し、インピーダンス低減層の上面は、外縁部1410の上面より3~5ミクロン下にある。インピーダンス低減層は、インピーダンス低減層928(図9)と同様であることができ、電極1402、電極1404、電極1406、および電極1408の各々の表面積よりも小さい表面積を有することができる。インピーダンス低減層は、各中央部分に設けることができる(例えば、電極1402、電極1404、電極1406、および電極1408の各々の表面積の約9分の1を有する)。いくつかの実施形態では、インピーダンス低減層は、電極1402、電極1404、電極1406、および電極1408それぞれの露出表面領域または接触表面領域の90%~8%を被覆する。インピーダンス低減層の上面から上に外縁部1410が延びていることにより、インピーダンス低減層の保護を提供する。中央部分だけでなく外縁部1410も、図6図7、および図8を参照して説明したようにパターニングし、インピーダンス低減層にさらなる保護を提供することができる。
【0060】
製造中、フレキシブル基板1401はマスク1412で被覆される。マスク1412は、電極1402、電極1404、電極1406、および電極1408のそれぞれの中央部分をマスクするためのKaptonテープ片または他の適切な材料であることができる。いくつかの実施形態では、電極1402、電極1404、電極1406、および電極1408は、電極1402、電極1404、電極1406、および電極1408の形状に金属材料をマスキングおよびエッチングすることによって形成される。金属材料は、銅、銅合金、または他の導電性材料であり、比較的平坦な上面を有することができる。マスク1412は金属材料の上に設けられ、電極1402、電極1404、電極1406、および電極1408の各々の露出部分1422、露出部分1424、露出部分1426、露出部分1428を備えている。
【0061】
マスク1412は、外縁部1410上に設けられたセグメント1432、セグメント1434、セグメント1436、およびセグメント1438を備えている。図14に示すマスク1412の特定のパターンは例示的なものである。セグメント1432、セグメント1434、セグメント1436、およびセグメント1438は、凹状の中央部分に関連する中央マスク部分1442を所定の位置に保持するための支柱または支持部材として機能することができる。マスク1412のセグメント1432、セグメント1434、セグメント1436、およびセグメント1438に関連するパターンは、セグメントをより少なく、またはより多く有する構成を備えた種々の構成を有することができる。セグメント1432、セグメント1434、セグメント1436、およびセグメント1438を使用しない他の支持構成を利用して、中央マスク部分1442を所定の位置に保持することができる。
【0062】
マスク1412が適用された後、電極1402、電極1404、電極1406、および電極1408はメッキされ、それによって凹状の中央部分よりも厚い外縁部1410が形成される。銅、金、および他の金属メッキ技術を利用することができる。メッキ操作の結果、電極1402、電極1404、電極1406、および電極1408は、外縁部1410が凹状の中央部分の上に隆起し、インピーダンス低減層(例えば、電極902(図9図11)と同様)の保護を提供するようなカップ形状になる。いくつかの実施形態では、電極1402、電極1404、電極1406、および電極1408は、U字形の断面を有し、凹状の中央部分は、インピーダンス低減層で完全にまたは部分的にコーティングされる。セグメント1432、セグメント1434、セグメント1436、およびセグメント1438の下の部分も凹んでいてもよい。メッキ後、マスク1412は除去され、インピーダンス低減層を適用することができる。インピーダンス低減層は、電極1402、電極1404、電極1406、および電極1408の上面全体に適用することができ、電極1402、電極1404、電極1406、および電極1408の各々の外縁部1410から機械的または化学的に(例えば、エッチング、化学機械研磨、機械研磨、または他の技術によって)除去することができる。インピーダンス低減層は、いくつかの実施形態では、セグメント1432、セグメント1434、セグメント1436、およびセグメント1438の位置に配置されたままであってもよい。
【0063】
図15を参照すると、電極1502がフレキシブル基板1508に配置されており、このフレキシブル基板はフレキシブル回路として使用することができ、いくつかの実施形態ではカテーテル102(図1)の先端部分106に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、電極1502は、マスク1512で被覆されたKaptonテープ片またはフレキシブル基板1508に設けられている。フレキシブル基板1508は、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルイミド、種々のフルオロポリマー、コポリマー、または他の適切なフレキシブル基板材料であることができる。マスク1512は、電極1502を保護するためのKaptonテープまたは他の適切な材料であることができる。マスク1512は、フレキシブル基板1508の材料と同様の材料で作ることができる。プリント配線導体または導電性トレースは、ECU142(図1)と通信可能であり、電極1502に接続することができる。電極1502は、カテーテル用途で電気信号を提供または受信するために使用することができる。マスク512および基板1508は、いくつかの実施形態では20~200ミクロンの厚さである。
【0064】
いくつかの実施形態では、電極1502の上面1514はマスク1512の上面1518の下にある。いくつかの実施形態では、マスク1512は電極1502よりも厚い。基板1508は、いくつかの実施形態ではマスク1512の半分の厚さである。マスク1512は、いくつかの実施形態では電極1502よりも3~12ミクロン厚い。インピーダンス低減層928(図9)と同様のインピーダンス低減層が、電極1502の上面1514に設けられる。いくつかの実施形態では、厚さの差は、電極1502の上面1514のインピーダンス低減層から上面518まで2~60ミクロン(例えば、5ミクロン)である。
【0065】
インピーダンス低減層は、いくつかの実施形態では、1~30ミクロン(例えば、1~5ミクロン)の厚さである。インピーダンス低減層を有する電極1502は、いくつかの実施形態では、18ミクロン~170ミクロンの厚さである。いくつかの実施形態では、インピーダンス低減層は、電極1502の露出表面領域または接触表面領域の100%~8%を被覆する。電極1502にてインピーダンス低減層の上面より上に延びているマスク1512により、インピーダンス低減層の保護を提供する。電極1502は、図6図7、および図8を参照して説明したようにパターニングされ、インピーダンス低減層にさらなる保護を提供することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、マスク1512は、電極1502が形成され、インピーダンス低減層が適用された後に、基板1508の上面1522に適用される。いくつかの実施形態では、マスク1512は、電極1502が形成された後、かつインピーダンス低減層が適用される前に、基板1508の上面1522に適用される。いくつかの実施形態では、マスク1512は、電極1502が形成された前、かつインピーダンス低減層が適用される前に、基板1508の上面1522に適用される。電極1502のためのメッキ操作は、マスク1512が適用される前または後に行うことができる。マスク1512は、接着剤によって、またはラミネーションプロセスで基板1508に固定することができる。マスク1512と基板1508との組み合わせは、いくつかの実施形態では、埋め込み電極または座ぐられている電極1502を保護するサンドイッチ構造を形成する。マスク1512は、いくつかの実施形態では、電極1502の磨耗を防止する保護層である。
【0067】
種々の装置、システム、および方法の種々の実施形態(実施例)が本明細書に記載される。本明細書に記載され、添付の図面に示されている実施形態の全体的な構造、機能、製造、および使用を十分に理解するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、当業者には、このような特定の詳細がなくても実施形態が実施され得ることが理解されよう。他の例では、本明細書に記載された実施形態を不明瞭にしないように、周知の操作、構成要素、および要素は詳細に記載されていない。当業者であれば、本明細書に記載され図示された実施形態は非限定的な例であり、したがって、本明細書に開示された特定の構造的詳細および機能的詳細は代表的なものであり得、必ずしも実施形態の範囲を限定するものではなく、その範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ規定されることを理解するであろう。
【0068】
本明細書全体を通して「種々の実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、「実施形態」などへの言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書中の所々の「種々の実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「一実施形態では」、「実施形態では」などの表現の出現が、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではない。さらに、特定の機能、構造、または特徴は、1つ以上の実施形態で任意の適切な方法で組み合わせてもよい。したがって、一実施形態に関連して図示または記載される特定の特徴、構造、または特性は、限定されることなく、全体的または部分的に、1つ以上の他の実施形態の特徴、構造、または特性と組み合わせてもよい。
【0069】
「近位」および「遠位」という用語は、本明細書全体を通して、患者を治療するために使用される器具の一端を操作する臨床医に言及して使用されてもよいことが理解されよう。用語「近位」とは、臨床医に最も近い器具の部分を意味し、用語「遠位」とは、臨床医から最も離れて位置の部分を意味する。簡潔さおよび明瞭さのため、本明細書では「垂直」、「水平」、「上」および「下」などの空間用語は図示した実施形態に関して使用されてもよいことがさらに理解されるであろう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向および位置で使用されてもよく、これらの用語は、限定的ならびに絶対的であることを意図したものではない。
【0070】
参照により本明細書に組み込まれるとされる任意の特許、刊行物、または他の開示資料の全部または一部は、組み込まれる資料が本開示に記載される既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる。本明細書に明示的に記載された開示は、このように、必要な程度まで、本明細書に参照により組み込まれたいかなる矛盾する資料にも優先する。本明細書に参照により組み込むとされるが、ただし、本明細書に記載した既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾する、任意の資料またはその一部は、組み込まれる資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれる。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-10-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、
近位端および遠位端を有するシャフトと、
導体と、
前記導体に結合される電極であって、少なくとも1つの凹部と前記少なくとも1つの凹部に配置されるインピーダンス低減層とを備える、前記電極と、
を備え、
前記インピーダンス低減層は、前記凹部の深さよりも小さい厚さを有する、カテーテル。
【請求項2】
前記電極は、診断用電極である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記電極は、治療用電極または刺激電極である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記導体および前記電極を有するフレキシブル回路をさらに備え、
前記フレキシブル回路は、前記カテーテルに取り付けられるか、または前記カテーテルに一体化される、
請求項1から3のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項5】
少なくとも1つの前記凹部は、レーザエッチング、リソグラフィエッチング、機械加工、積層造形、堆積プロセス、またはインプレッションベースのプロセスによって形成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記凹部は、隆起した金属製の縁部によって画定される、請求項1から5のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記インピーダンス低減層は、導電性ポリマーベースのコーティングである、請求項1から6のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記インピーダンス低減層は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)、またはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、p-トシレート(PEDOT)を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項9】
少なくとも1つの前記凹部の深さは、少なくとも5ミクロンであり、
前記インピーダンス低減層の厚さは、5ミクロン未満である、
請求項1から8のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記電極は、リング電極であり、
少なくとも1つの前記凹部は、前記電極の溝であり、
前記導体は、ワイヤである、請求項1から9のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記溝は、U字形またはV字形の断面形状を有する、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記導体は、フレキシブル回路に沿って配置されたトレースであり、
前記電極は、前記フレキシブル回路に設けられる、請求項1から11のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項13】
少なくとも1つの前記凹部は、前記電極の表面領域にわたってパターンとして繰り返される、請求項11記載のカテーテル。
【請求項14】
カテーテルの製造方法であって、
導体と少なくとも1つの凹部とを有する電極を前記カテーテルに結合することと、
インピーダンス低減層を前記電極の前記少なくとも1つの凹部に配置することと、
を含み、
前記インピーダンス低減層は、前記凹部の深さよりも小さい厚さを有する、方法。
【請求項15】
前記インピーダンス低減層は、前記電極の表面積のすべてよりも小さい面積を被覆する、請求項14記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの前記凹部は、前記電極の表面領域にわたってパターンとして繰り返される、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記導体と前記電極を前記カテーテルに結合することは、
前記導体および前記電極を有するフレキシブル回路を前記カテーテルに取り付けること、または、
前記導体および前記電極を有する前記フレキシブル回路を前記カテーテルに一体化させることをさらに含む、請求項14から16のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項18】
少なくとも1つの前記凹部は、前記電極の表面において円筒形状に延びる部分間の領域である、請求項14から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの前記凹部は、レーザエッチング、リソグラフィエッチング、機械加工、積層造形、堆積プロセス、またはインプレッションベースのプロセスによって形成される、請求項14から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つの前記凹部は、金属材料で形成される隆起縁部を備える、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記隆起縁部は、前記電極の中央部分をマスキングし、露出部分をメッキすることにより形成される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記電極は、フレキシブル基板上に形成される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
カテーテルであって、
近位端および遠位端を有するシャフトと、
導体と、
基板の上面に配置されるとともに前記導体に結合される電極であって、インピーダンス低減層を備える前記電極を備える基板と、
前記基板の前記上面上に配置されており、前記電極の少なくとも一部を露出させる開口部を有するとともに前記電極よりも厚い保護層と、
を備える、カテーテル。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
参照により本明細書に組み込まれるとされる任意の特許、刊行物、または他の開示資料の全部または一部は、組み込まれる資料が本開示に記載される既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる。本明細書に明示的に記載された開示は、このように、必要な程度まで、本明細書に参照により組み込まれたいかなる矛盾する資料にも優先する。本明細書に参照により組み込むとされるが、ただし、本明細書に記載した既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾する、任意の資料またはその一部は、組み込まれる資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれる。
なお、本明細書には、国際出願時における以下の項目が含まれる。
(項目1)
カテーテルであって、
近位端および遠位端を有するシャフトと、
導体と、
前記導体に結合される電極であって、少なくとも1つの凹部と前記少なくとも1つの凹部に配置されるインピーダンス低減層とを備える、前記電極と、
を備え、
前記インピーダンス低減層は、前記凹部の深さよりも小さい厚さを有する、カテーテル。
(項目2)
前記電極は、診断用電極である、項目1に記載のカテーテル。
(項目3)
前記電極は、治療用電極または刺激電極である、項目1に記載のカテーテル。
(項目4)
前記導体および前記電極を有するフレキシブル回路をさらに備え、
前記フレキシブル回路は、前記カテーテルに取り付けられるか、または前記カテーテルに一体化される、
項目1に記載のカテーテル。
(項目5)
少なくとも1つの前記凹部は、レーザエッチング、リソグラフィエッチング、機械加工、積層造形、堆積プロセス、またはインプレッションベースのプロセスによって形成される、項目1に記載のカテーテル。
(項目6)
前記凹部は、隆起した金属製の縁部によって画定される、項目1に記載のカテーテル。
(項目7)
前記インピーダンス低減層は、導電性ポリマーベースのコーティングである、項目1に記載のカテーテル。
(項目8)
前記インピーダンス低減層は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)、またはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、p-トシレート(PEDOT)を含む、項目1に記載のカテーテル。
(項目9)
少なくとも1つの前記凹部の深さは、少なくとも5ミクロンであり、
前記インピーダンス低減層の厚さは、5ミクロン未満である、
項目1に記載のカテーテル。
(項目10)
前記電極は、リング電極であり、
少なくとも1つの前記凹部は、前記電極の溝であり、
前記導体は、ワイヤである、項目1に記載のカテーテル。
(項目11)
前記溝は、U字形またはV字形の断面形状を有する、項目10に記載のカテーテル。
(項目12)
前記導体は、フレキシブル回路に沿って配置されたトレースであり、
前記電極は、前記フレキシブル回路に設けられる、項目1に記載のカテーテル。
(項目13)
少なくとも1つの前記凹部は、前記電極の表面領域にわたってパターンとして繰り返される、項目11記載のカテーテル。
(項目14)
カテーテルの製造方法であって、
導体と少なくとも1つの凹部とを有する電極を前記カテーテルに結合することと、
インピーダンス低減層を前記電極の前記少なくとも1つの凹部に配置することと、
を含み、
前記インピーダンス低減層は、前記凹部の深さよりも小さい厚さを有する、方法。
(項目15)
前記インピーダンス低減層は、前記電極の表面積のすべてよりも小さい面積を被覆する、項目14記載の方法。
(項目16)
少なくとも1つの前記凹部は、前記電極の表面領域にわたってパターンとして繰り返される、項目14に記載の方法。
(項目17)
前記導体と前記電極を前記カテーテルに結合することは、
前記導体および前記電極を有するフレキシブル回路を前記カテーテルに取り付けること、または、
前記導体および前記電極を有する前記フレキシブル回路を前記カテーテルに一体化させることをさらに含む、項目14に記載のカテーテル。
(項目18)
少なくとも1つの前記凹部は、前記電極の表面において円筒形状に延びる部分間の領域である、項目14に記載の方法。
(項目19)
少なくとも1つの前記凹部は、レーザエッチング、リソグラフィエッチング、機械加工、積層造形、堆積プロセス、またはインプレッションベースのプロセスによって形成される、項目14に記載の方法。
(項目20)
少なくとも1つの前記凹部は、金属材料で形成される隆起縁部を備える、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記隆起縁部は、前記電極の中央部分をマスキングし、露出部分をメッキすることにより形成される、項目19に記載の方法。
(項目22)
前記電極は、フレキシブル基板上に形成される、項目21に記載の方法。
(項目23)
カテーテルであって、
近位端および遠位端を有するシャフトと、
導体と、
基板の上面に配置されるとともに前記導体に結合される電極であって、インピーダンス低減層を備える前記電極を備える基板と、
前記基板の前記上面上に配置されており、前記電極の少なくとも一部を露出させる開口部を有するとともに前記電極よりも厚い保護層と、
を備える、カテーテル。
【国際調査報告】