(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】人体の支持要素を実現するための方法及びそのようにして得られる支持要素
(51)【国際特許分類】
B62J 1/00 20060101AFI20240312BHJP
B62K 21/26 20060101ALI20240312BHJP
B29C 64/386 20170101ALI20240312BHJP
B33Y 50/00 20150101ALI20240312BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20240312BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240312BHJP
B29C 64/10 20170101ALI20240312BHJP
B60N 2/38 20060101ALI20240312BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20240312BHJP
A47C 27/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
B62J1/00
B62K21/26
B29C64/386
B33Y50/00
B33Y80/00
B33Y10/00
B29C64/10
B60N2/38
B60N2/90
A47C27/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023553481
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 IB2022051911
(87)【国際公開番号】W WO2022185262
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】102021000005111
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523333445
【氏名又は名称】セラ ロイヤル グループ エッセ.ピ.ア.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビゴリン,バーバラ
(72)【発明者】
【氏名】マルファッティ,マルコ
【テーマコード(参考)】
3B087
3B096
3D013
4F213
【Fターム(参考)】
3B087CC18
3B087DE10
3B096AB00
3D013CG01
4F213AA31
4F213AA42
4F213AG18
4F213AH26
4F213AP02
4F213AR02
4F213AR12
4F213AR15
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL67
4F213WL85
4F213WL96
(57)【要約】
第1構成要素すなわち支持構成要素、第2構成要素すなわちパッド構成要素を備えた、人体用の支持要素を作製するための方法であって、少なくとも第2構成要素すなわちパッド構成要素が3次元印刷手法によって得られる、方法と、そのようにして得られる支持要素及び支持要素を得るための方法を実施するための装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば自転車又は車両全般のサドル、自転車又は車両全般のハンドルバー用グリップ(100)、人体用のサドル又はシート用衝撃吸収又は懸架要素(200)などの、人体の支持要素(1)を作製するための方法であって、前記支持要素(1)は、第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)と、該第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)に拘束された第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)とを備え、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)は、複数のセル(10)を含むハニカム構造を含み、前記方法は、
ユーザの人体の少なくとも1つの解剖学的部分によって試験要素に加えられた圧力を検出する手段を提供する工程であって、前記検出手段は、複数の出力信号を生成するように設計されている、工程と、
前記圧力検出手段によって、前記ユーザの人体の少なくとも1つの解剖学的部分によって前記試験要素に加えられた圧力を、例えば圧力マッピング工程によって検出する工程と、
前記複数の出力信号を、前記検出工程から圧力値の形態で得る工程と、
前記複数の信号を、前記ユーザの人体の前記少なくとも1つの解剖学的部分によって前記試験要素に加えられた圧力に関連する圧力マップを定義する第1データ系列に処理及び/又は翻訳する手段を提供する工程であって、前記第1データ系列は、例えば圧力値の増加に対応する、例えば白色及び/又は灰色から黒色までの一連の色の濃淡を含む、工程と、
前記複数の信号を前記第1データ系列に処理及び/又は翻訳する工程と、
前記支持要素(1、100、200)及び/又は前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)の3次元デジタルファイル又はデジタルモデルを得るために、前記第1データ系列を第2データ系列に変換する手段を提供する工程と、
前記第1データ系列を前記第2データ系列に変換する工程であって、例えば、前記第2データ系列が、前記複数のセル(10)の各セル(10)の位置、密度及び/若しくは立体構造、並びに/又は前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)の各セル(10)の前記分枝若しくは区分(11)及び頂点(12)の厚さ、並びに/又は前記支持要素(1、100、200)の種類及び/若しくは立体構造に関する情報を含み、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)及び又は前記支持要素(1、100、200)の前記3次元デジタルファイル又はデジタルモデルを得る、工程と、
前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)及び又は前記支持要素(1、100、200)の3次元印刷手段を提供する工程と、
前記ハニカム構造を含む前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)を、3次元印刷手法によって印刷する工程、及び又は、前記複数のセル(10)を、前記3次元デジタルファイル若しくはデジタルモデルに存在する情報に基づき、3次元印刷手法によって印刷する工程と、を含み、
前記印刷工程は、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)並びに/又は前記複数のセル(10)の前記分枝若しくは区分(11)及び頂点(12)を構成する材料を提供及び印刷する工程を含み、前記材料は可塑性及び/又は高分子材料である、方法。
【請求項2】
前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)を提供する工程と、
前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)と、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)とを、接触及び/又は拘束及び/又は接着させる工程と、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記検出工程が、
圧力マッピング工程及び/又は前記検出手段によって、圧力センサと、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3)に対応する比較着座面と、を備えた試験サドルに着座しているユーザによって加えられた圧力を検出すること、又は
圧力マッピング工程及び/又は前記検出手段によって、圧力センサと、前記グリップ(100)の前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(103)に対応する比較面と、を備えた試験グリップを備えた自転車又は車両のハンドルバー上に載っているユーザの手及び/又は胴体上部及び/又は腕によって加えられた圧力を検出すること、又は
圧力マッピング工程及び/又は前記検出手段によって、試験サドルに着座しているユーザによって加えられた圧力と、圧力センサを備え、前記衝撃吸収要素(200)に対応する試験衝撃吸収要素によって加えられた懸架及び/又は緩衝とを検出すること、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
例えば、個人データ、年齢、性別、体重、身長、体格、姿勢などのユーザデータ、及び/又はペダリング形式、ランニング形式、自転車又は車両上の姿勢、実行されるパフォーマンスの種類などの、運動又はペダリング行為を実行するための様式/好みに関連するデータを取得するデバイスを提供する工程と、前記データを前記取得デバイスに入力することによって、該入力データも前記第1データ系列に翻訳する工程と、を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1データ系列に特定の意味を帰属させるために、前記第1データ系列を、例えばクラウドストレージシステムなどのアドホックデータベースに含まれる他のユーザのデータと比較する工程であって、前記意味は、場合により前記ユーザのカテゴリの定義を含むことができ、前記カテゴリは、前記第1データ系列と同類又は類似の応答を提示する他のユーザのデータ及び/又はファイルを含む、工程と、
データの収集及び処理のために、例えばモバイルデバイス用アプリなどのソフトウェア及び/又はアプリケーション、並びに検出デバイス、ソフトウェア及び場合によりクラウドの間のインターフェースシステムを提供する工程と、
前記第2データ系列を取得するために、前記第1データ系列及び/又は前記ユーザに帰属する前記カテゴリを処理する工程と、
前記3次元印刷手法による印刷工程のために、前記3次元デジタルファイル又はデジタルモデルを3D印刷機に提供する工程と、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記可塑性及び/又は高分子材料が、熱硬化性又は熱可塑性材料であり、及び/又はポリウレタン(PU)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂の群の少なくとも1つの成分、他の高分子などのうちの少なくとも1つを含む材料であり、及び/又は、前記方法が、前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)を構成する材料を提供及び成形する工程を含み、前記材料が、熱硬化性材料又は熱可塑性材料、又は強化粒子を担持した及び/又は含む材料である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記3次元印刷手法による印刷工程が、「デジタルライト合成:Digital Light Synthesis」すなわちDLS方式、又はDLPすなわち「光造形:Digital Light Processing」方式、又はFDMすなわち「熱溶解積層:Fused Deposition Modeling」方式、又はMJFすなわち「マルチジェットフュージョン:Multi Jet fusion」方式、又はSLSすなわち「選択的レーザ焼結:Selective Laser Sintering」方式の3次元印刷工程を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記3次元印刷手法による印刷工程が、
前記複数のセル(10)の各セルを印刷することであって、前記複数のセル(10)は、多面体及び/若しくは平行四辺形の形状、又はエンドユーザ及び/若しくは製造者の必要性に応じて定義された任意の他の形状を有し、及び/又は格子又は架橋又はオープンセルを持つ実質的に3次元の構造又は立体構造を有し、及び/又は例えば三角形、正方形又は長方形、六角形、五角形、八角形などの略平行六面体又は多角形の立体構造を有する少なくとも1つの面を含み、及び/又は前記面は、前記面が第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)に対して外側、内側、横方向及び/又は略垂直に配置されているかに応じて様々な寸法及び/又は立体構造を有する、印刷すること、及び/又は
前記少なくとも1つの面及び/又は前記少なくとも1つのセル(10)について、少なくとも3つの前記頂点(12)で互いに合わさる少なくとも3つの略直線状の前記分枝又は区分(11)を印刷すること、を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記3次元印刷手法による印刷工程が、
前記ユーザの解剖学的構造及び/又は重量及び/又は所望の必要性に基づき、前記支持要素(1、100、200)及び/又は前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)及び/又は前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)のセルごとに及び/又は領域ごとに、それぞれ異なる立体構造及び/又はサイズ及び/又は密度及び/又は剛度を有する複数のセル(10)を含む前記ハニカム構造を印刷すること、及び/又は
前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)の外面(8、108、208)を構成するように、前記複数のセル(10)の外面を互いに実質的に同一平面上に印刷すること、を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
例えば可塑性材料又は天然材料からなる薄膜又は薄層の形態の被覆要素を提供する工程と、該被覆要素を前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)の上に配置する、及び/又は前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)を覆うように配置する工程と、を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記印刷工程が、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)について、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)の最外周を構成するように適合された、略環状に展開する実質的に連続した末端縁(13)を印刷する工程を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)を、少なくとも2つの部分で提供する、及び/又は前記支持要素(1)が自転車又は車両のサドルである場合には、前記サドルの前部(F)に向かって細長い立体構造を有する第1部分(14)と、前記サドルの後部(R)に拡張された立体構造を有する第2部分(15)と、を備えた右側部(3a)及び左側部(3b)で提供する工程であって、及び/又は前記右側部(3a)が、前記サドルの前部(F)から後部(R)まで略長手方向に展開する空間(16)によって前記左側部(3b)から分離される、工程を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
例えば自転車又は車両全般のサドル、自転車又は車両全般のハンドルバー用グリップ(100)、人体用のサドル又はシート用衝撃吸収又は懸架要素(200)などの、人体の支持要素(1)を作製するための装置であって、前記支持要素(1)は、第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)と、該第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)に拘束された第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)とを備え、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)は、複数のセル(10)を含むハニカム構造を含み、前記装置は、
ユーザの人体の少なくとも1つの解剖学的部分によって試験要素に加えられた圧力を検出する手段であって、該検出手段は複数の出力信号を生成するように設計されている、手段と、
前記複数の信号を、前記ユーザの人体の少なくとも1つの解剖学的部分によって前記試験要素に加えられた圧力に関連する圧力マップを定義する第1データ系列に処理及び/又は翻訳する手段であって、前記第1データ系列は、例えば圧力値の増加に対応する、例えば白色及び/又は灰色から黒色までの一連の色の濃淡を含む、手段と、
前記支持要素(1、100、200)の3次元デジタルファイル又はデジタルモデルを得るために、前記第1データ系列を第2データ系列に変換する手段であって、例えば、前記第2データ系列が、前記複数のセル(10)の各セル(10)の位置、密度及び/若しくは立体構造、並びに/又は前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)の各セル(10)の分枝若しくは区分(11)及び頂点(12)の厚さ、並びに/又は前記支持要素(1、100、200)の種類及び/若しくは形状に関する及び/又はそれらを定義する情報を含む、手段と、
前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)及び/又は前記支持要素(1、100、200)を、前記3次元デジタルファイル若しくはデジタルモデルに存在する情報に基づき印刷する3次元印刷する手段であって、該3次元印刷手段が、「デジタルライト合成」すなわちDLS方式、又はDLPすなわち「光造形」方式、又はFDMすなわち「熱溶解積層」方式、又はMJFすなわち「マルチジェットフュージョン」方式、又はSLSすなわち「選択的レーザ焼結」方式の3次元印刷を含む、手段と、
を備える装置。
【請求項14】
前記検出手段が、前記試験要素上に配置された複数の圧力センサを備え、及び/又は前記処理及び/又は翻訳手段が、前記第1データ系列を生成するために、前記検出手段によって得られた前記複数の信号を処理及び/又は翻訳するように構成された、少なくとも第1コンピュータプログラム又はソフトウェアを有する第1コンピュータ化論理ユニットを備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記変換手段が、前記第1データセットを前記第2データセットに翻訳するように構成された少なくとも1つの第2コンピュータプログラム又はソフトウェアを有する第2コンピュータ化論理ユニットを備える、請求項13又は14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
他のユーザのデータを取得又は記憶するように設計された取得手段を備え、場合により前記第1データ系列に特定の意味を帰属させるために、例えばクラウドストレージシステムなどのアドホックデータベースに含まれるか又は記憶された前記他のユーザのデータと前記第1データ系列とを比較する手段を含み、前記意味は、場合により前記ユーザのカテゴリの定義を含むことができ、前記カテゴリは、前記第1データ系列と同類又は類似の応答を提示する他のユーザのデータ及び/又はファイルを含む、請求項13から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記他のユーザのデータが、年齢、性別、体重、身長、体格、姿勢などの個人データ、及び/又は、ペダリング形式、ランニング形式、自転車若しくは車両上の姿勢、実行されるパフォーマンスの種類などの、運動又はペダリング行為の実行の様式/好みに関連するデータである、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記比較手段が、前記第1又は第2コンピュータ化論理ユニットに記憶された少なくとも第3コンピュータプログラム又はソフトウェアを備え、該第3コンピュータプログラム又はソフトウェアが、前記第1データ系列と、前記第1データ系列と同類又は類似の応答を提示する前記他のユーザのデータ及び/又はファイルとを関連付け又は結合するように構成される、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
例えば自転車又は車両全般のサドル、自転車又は車両全般のハンドルバー用グリップ(100)、人体用のサドル又はシート用衝撃吸収又は懸架要素(200)などの、人体の支持要素であって、該支持要素(1、100、200)は、第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)と、該第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)に拘束された第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)とを備え、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法で得られる支持要素であって、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)が分枝又は区分(11)及び頂点(12)を備えた複数のセル(10)を含むハニカム構造を含み、3次元印刷によって作製され、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)並びに/又は前記複数のセル(10)の前記分枝若しくは区分(11)及び頂点(12)が、可塑性及び/又は高分子材料で作製されることを特徴とする、支持要素。
【請求項20】
前記支持要素(1、100、200)、及び/又は前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)が、3次元印刷によって作製され、及び/又は前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)に拘束された前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)が、前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)に固定又は接着される、請求項19に記載の支持要素。
【請求項21】
前記複数のセル(10)が、多面体及び/若しくは平行四辺形の形状、又はエンドユーザ及び/若しくは製造者の必要性に応じて定義された任意の他の形状を有し、及び/又は格子又は架橋又はオープンセルを持つ実質的に3次元の構造又は立体構造を有し、及び/又は例えば三角形、正方形又は長方形、六角形、五角形、八角形などの略平行六面体又は多角形の立体構造を有する少なくとも1つの面を含み、及び/又は前記面は、前記面が第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)に対して外側、内側、横方向及び/又は略垂直に配置されているかに応じて様々な寸法及び/又は立体構造を有する、請求項19又は20に記載の支持要素。
【請求項22】
前記支持要素(1、100、200)及び/又は前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)及び/又は前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)及び/又は複数のセル(10)を含む前記ハニカム構造が、前記ユーザの解剖学的構造及び/又は重量及び/又は所望の必要性に基づき、前記支持要素(1、100、200)及び/又は前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)及び/又は前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)のセルごとに及び/又は領域ごとに、それぞれ異なる立体構造及び/又はサイズ及び/又は密度及び/又は剛度を有する、請求項19から21のいずれか一項に記載の支持要素。
【請求項23】
前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)が、第1面(4、104、204)と、該第1面(4、104、204)の反対側の第2面(5、105、205)と、前記第1面(4、104、204)及び前記第2面(5、105、205)間の距離によって与えられる厚さ(6、106、206)とを備える一方、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)が、前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)の前記第1面(4、104、204)への接触及び/又は拘束が可能な内面(7、107、207)と、該内面(7、107、207)の反対側の外面(8、108、208)と、内面(7、107、207)及び外面(8、108、208)間の距離によって与えられる厚さ(9、109、209)とを備え、及び/又は前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)が、前記支持要素(1、100、200)の弾性部分及び/又は衝撃吸収部分及び/又は快適部分を構成する一方、前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)が、前記支持要素(1)の剛性位置を構成して、ユーザの体重を支持し、及び/又は前記支持要素(1、100、200)の剛性構造を確保する、請求項19から22のいずれか一項に記載の支持要素。
【請求項24】
前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)の前記外面(8、108、208)を構成するように前記複数のセル(10)の外面が互いに実質的に同一平面上にあり、及び/又は前記少なくとも1つの面又は前記少なくとも1つのセル(10)が、少なくとも3つの前記頂点(12)で互いに合わさる少なくとも3つの略直線状の前記分枝又は区分(11)を含む、請求項19から23のいずれか一項に記載の支持要素。
【請求項25】
前記支持要素(1、100、200)が、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、102、203)の上に配置された、及び/又は前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、102、203)を覆うように配置された、例えば可塑性材料又は天然材料から作製される薄膜又は薄層の形態の被覆要素を備え、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)は、該第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)の最外周を構成し、略環状に延在する実質的に連続した末端縁(13)を備える、請求項19から24のいずれか一項に記載の支持要素。
【請求項26】
前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)が、少なくとも2つの部分からなり、及び/又は前記支持要素が自転車又は車両のサドル(1)である場合には、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3)が、前記サドルの前部(F)に向かって細長い立体構造を有する第1部分(14)と、前記サドルの後部(R)に拡張された立体構造を有する第2部分(15)と、を備えた右側部(3a)及び左側部(3b)を備え、及び/又は前記右側部(3a)が、前記サドルの前部(F)から後部(R)まで略長手方向に展開する空間(16)によって前記左側部分(3b)から分離される、請求項19から25のいずれか一項に記載の支持要素。
【請求項27】
前記支持要素がハンドルバー用グリップ(100)の形態であり、前記第1構成要素すなわち支持構成要素(102)が、略円形の断面を有する略管状の形状を有し、前記第1面(104)は、自転車又は車両のハンドルバーの一端に接触及び/又は配置及び/又は拘束されるように適合される一方、前記第2面(105)は、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(103)と接触するように適合され、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(103)が、略円形及び/又は環状の断面を有する管状立体構造を有し、前記第1構成要素すなわち支持構成要素(102)に接触及び/又は拘束することができる前記内面(107)を備え、前記外面(108)は、使用時に、例えばユーザの手と接触するように配置されるか、又は被覆要素によって被覆されることが可能な、請求項19から25のいずれか一項に記載の支持要素(1)。
【請求項28】
前記支持要素が、人体用のサドル又はシート用の衝撃吸収要素(200)の形態であり、前記第1構成要素すなわち支持構成要素(202)が、前記第2構成要素(203)に接触及び/又は連結及び/又は拘束することができる第1円板状基部(202a)と、該第1円板状基部(202a)の反対側に位置する第2環状基部(202b)とを備え、前記第1円板状基部(202a)と前記第2環状基部(202b)とは、略円形断面を有する貫通開口(202d)を備え、延在部が少なくとも前記環状基部(202b)を含む略管状壁(202c)によって接続され、該壁(202c)は、前記環状基部(202b)及び/又は前記円板状基部(202a)に対して、例えば自転車サドルのフォークの後部を収容するための使用に適合した凹状領域を構成し、及び/又は、前記第2構成要素(203)が、略半球状の立体構造を有し、半球状キャップ(203a)と平坦基部(203b)とを備える、請求項19から25のいずれか一項に記載の支持要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自転車又は車両全般のサドル、自転車又は車両全般のハンドルバー用グリップ、人体用のサドル又はシート用衝撃吸収要素(又は懸架要素、いわゆる「弾性体」)などの、人体の支持要素を製造する方法に関し、この方法は、ユーザの解剖学的な必要性又は他の必要性に適合した支持要素を得ることを可能にする。
【0002】
本発明はまた、この方法によって得られる支持要素、及び本発明の方法の目的を実施することができる装置に向けられる。
【背景技術】
【0003】
3次元(3D)印刷手法を用いる技術については、様々な製造分野において、設計及び研究全般がますます広範に進められている。
【0004】
3D印刷という用語は、通常、3次元デジタルモデルから始まる積層造形技術による、様々な機能及び立体構造を有する3次元物体の作成を指す。デジタルモデルは、特定のソフトウェアによって得ることができ、その後、様々な技術及び/又は3Dプリンタで仕上げることによって実現することができる。
【0005】
第1構成要素すなわち支持構成要素と、第2弾性構成要素すなわちパッド構成要素とで通常構成される、人体の支持要素もまた知られている。
【0006】
これらの支持要素は、標準化された方法で、ユーザの特定の必要性、更には解剖学的な必要性への適合可能性なしに作製されるという欠点を有することが非常に多い。
【0007】
したがって、ユーザの様々な必要性を満たすために、容易にモデル化及び/又はカスタマイズすることができる支持要素、並びにそれを得るための簡単かつ迅速な方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、既知の技術について上記で見出された欠点を克服することである。
【0009】
本発明の目的は、支持体を個別化することが可能な、人体の支持体の作製方法を提供することである。
【0010】
本発明の更なる目的は、迅速かつ簡単な支持要素の作製方法を提供することである。
【0011】
これらの目的及び後に明らかになる他の目的は、添付の請求項1に記載の人体の支持要素の製造方法によって達成される。
【0012】
本発明の更なる目的は、カスタマイズされた種類の人体の支持要素を迅速かつ簡単な方法で得ることを可能にする、人体の支持要素を作製するための装置を提供することである。
【0013】
本発明のこの態様によれば、装置は添付の請求項13に従ってもたらされる。
【0014】
本発明の特定の目的は、例えば自転車サドル又は車両全般、自転車又は車両全般のハンドルバー用グリップ、人体用のサドル又はシート用衝撃吸収要素、例えばサイクリング用ヘルメット、サイクリングショートパンツ用パッド、スポーツ及び/又はサイクリング靴用ソールなどの人体の支持要素を提供することであり、これは解剖学的なものを含むユーザの特定の必要性に基づいてカスタマイズすることができる。
【0015】
本発明の更なる目的は、高い機械的特性を示すことができる人体の支持要素を提供することである。
【0016】
本発明のこの態様によれば、人体の支持要素は、添付の請求項19に従ってもたらされる。
従属請求項は、本発明の好ましい有利な実施形態を指す。
【0017】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面に例として示されている支持要素の実施形態による実施例の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一態様による自転車サドルの上面図である。
【
図2】
図1の自転車サドルをわずかに上方から見た側面図である。
【
図4】前の図に示されたサドルの側部の詳細図である。
【
図5】本発明の一態様による自転車ハンドルバー用グリップの側面斜視図である。
【
図8】本発明による支持要素の更なる様態をわずかに斜視した側面図である。
【
図9】本発明の一態様による支持要素を取得及び製造する工程を概略的に示す図である。
【
図10】ユーザからの圧力マップの一例を示す図である。
【
図11】アプリ内の3次元パッドのボリュームの一例を示す図である。
【
図12】各モデルについて1回生成される、アプリ内のUVマップの一例を示す図である。
【
図13】
図12のモデルのUVマップに基づき、パッドの少なくとも1つの曲率にしたがった
図10の圧力マップを示し、少なくとも1つのアルゴリズムを介して少なくとも1つの曲率に自動的に合致している。
【
図14】様々なセルのサイズ及び密度を少なくとも決定するアルゴリズムによって生成される、印刷パッドを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付図面において、同一部分又は同一構成要素には同じ参照符号を付している。
本発明は、例えば、自転車又は車両全般のサドル、自転車又は車両全般のハンドルバー用グリップ、人体用のサドル又はシート用衝撃吸収要素(又は懸架要素、いわゆる「弾性体」)などの、人体の支持要素1に関する。
【0020】
本発明はまた、その主題として、本明細書にしたがって作製される、例えばサイクリング用ヘルメットの衝撃又は打撃を吸収するための挿入物又は要素、例えば自転車サドルの支持構成要素とパッド構成要素との間に、又はパッド構成要素の上に、又は場合によりパッド構成要素を覆う被覆要素の頂部に配置される衝撃吸収挿入物、サイクリングショートパンツ用パッド挿入物、スポーツ及び/又はサイクリング靴のソール又は内部インソールなどを有することができ、これらに限定されない。
【0021】
前述の
図1~
図4を参照すると、自転車サドル1の形態の支持要素1が示されており、
図5~
図7には、自転車又は車両のハンドルバー用グリップ100の形態の支持要素1が示されており、最後に
図8には、人体用のサドル又はシート用の衝撃吸収要素(又は懸架要素、いわゆる「弾性体」)200の形態の支持要素1が示されている。
【0022】
いずれの場合も、以下の説明は、反対のことが明示されない限り、上記に示された変形例の1つに限定されることはなく、記載された特徴を有する人体の支持要素全てに適用可能であることが意図される。
【0023】
特に、支持要素1は、第1構成要素すなわち支持構成要素2と、第2構成要素すなわちパッド構成要素3とを備える。
【0024】
少なくとも1つの様態では、第1構成要素2は支持構成要素であり、第2構成要素は第1構成要素2によって支持されるパッド構成要素3である。
【0025】
第2構成要素すなわちパッド構成要素3は、人体の支持要素1の弾性部分及び/又は衝撃吸収部分及び/又は快適部分を構成する。
【0026】
一方、第1構成要素すなわち支持構成要素2は、人体の支持要素1の最も剛性の高い部分を構成し、ユーザの体重を支持し、及び/又は支持要素1の剛性構造を確保するのに役立つ。
【0027】
したがって、第1構成要素すなわち支持構成要素2は、第2構成要素すなわちパッド構成要素3よりも剛性が高く、弾性が低い。結果として、第2構成要素すなわちパッド構成要素3は、第1構成要素すなわち支持構成要素2よりも弾性が高く、剛性が低い。
【0028】
人体の支持要素1はまた、第2構成要素すなわちパッド構成要素3の上に配置される、及び/又は第2構成要素すなわちパッド構成要素3を覆う、例えばプラスチック材料又は天然材料で作製された薄膜又は薄層の形態の被覆要素を備えることができる。本発明の少なくとも1つの様態に存在しない可能性のあるこの被覆要素は、添付の図に示されていない。被覆要素は、汚れ、埃、又は水分若しくは流体などの他の粒子が第2構成要素すなわちパッド構成要素3の内部に入るのを防止することができる。
【0029】
一方、被覆要素が存在しない場合、支持要素1の構造は、汚れ、埃及び他の粒子を除去するために、必要に応じて容易かつ迅速に洗浄及び/又はすすぎができるようなものとする。
【0030】
更に、本発明の少なくとも1つの様態によれば、被覆要素は、支持要素の快適性を高める機能を有することができる。実際に、第2構成要素すなわちパッド構成要素3は、支持要素1の快適な支持面を保証しないような構造を有する可能性があり、したがって、被覆要素の存在によってこの欠点を取り除き、人体の支持のための快適性を回復することができる。
【0031】
本発明の少なくとも1つの様態によれば、被覆要素は、存在する場合には人体との接触面を構成する一方、存在しない場合には、人体との接触面を構成することができるのは第2構成要素すなわちパッド構成要素3となる。
【0032】
いずれの場合も、第2構成要素すなわちパッド構成要素3は、第1構成要素すなわち支持構成要素2の第1面4に固定及び/又は接着及び/又は拘束される。第1構成要素すなわち支持構成要素2はまた、第1面4の反対側の第2面5を備え、第1面4及び第2面5間の距離によって与えられる厚さ6を有する。
【0033】
同様に、第2構成要素すなわちパッド構成要素3は、第1構成要素すなわち支持構成要素2の第1面4に接触及び/又は固定及び/又は接着及び/又は拘束されることができる内面7と、内面7の反対側にあり、存在する場合、上述の被覆要素に接触及び/又は被覆されるのに適した外面8とを有する。
【0034】
本発明の1つの様態では、外面8は人体との接触面を構成することができる。
第2構成要素すなわちパッド構成要素3はまた、内面7及び外面8間の距離によって与えられる厚さ9を有する。
【0035】
本発明の少なくとも1つの様態では、第2構成要素すなわちパッド構成要素3は、第1構成要素すなわち支持構成要素2の第1面4の延在に実質的に対応するか、わずかに高く、又はわずかに低く延在することができる。
【0036】
人体の支持要素1、又はその第1構成要素すなわち支持構成要素2及び/又はその第2構成要素すなわちパッド構成要素3は、3次元印刷によって作製される。
【0037】
より詳細には、少なくとも1つの様態では、第2構成要素すなわちパッド構成要素3は、複数のセル10から構成される。したがって、第2構成要素すなわちパッド構成要素3は、この複数のセル10によって形成されるハニカム構造を有する。本発明の1つの様態では、第2構成要素すなわちパッド構成要素3は、複数のセル10によって形成されたこのハニカム構造のみからなる。
【0038】
各セル10は、多面体及び/若しくは平行四辺形の形状、又はエンドユーザ及び/又は製造者の必要性に応じて定義された任意の他の形状を有することができる。
【0039】
各セル10は、複数の面によって形成された実質的に3次元の構造又は立体構造を有する。
各面は、例えば三角形、正方形又は長方形、六角形、五角形、八角形などの、略平行六面体又は多角形の立体構造を有する。
【0040】
本発明の更なる様態によれば、各セルはジャイロイド構造を有することができる。この種のセル10は、第2構成要素すなわちパッド構成要素3の重量及び厚さに関して利点をもたらすことができる。
【0041】
更に、そのようなセル立体構造10は、非連続的な、及び/又は凹凸のある、及び/又は波状の、人体の載置表面を決定することが可能である。この表面に載ることが人体にとって不快である場合、その欠点を取り除くために、この表面を被覆要素で覆うことができる。
【0042】
セル10の様々な面の寸法及び/又は立体構造は、対象の面が第1構成要素すなわち支持構成要素2に対して外側、内側、横方向及び/又は略垂直に配置されているかに応じて変化し得る。
【0043】
本発明の少なくとも1つの態様の特徴は、第2構成要素すなわちパッド構成要素3を構成する複数のセル10が、それらの最外面が互いに実質的に同一平面上にある最外セル10(つまり、第1構成要素すなわち支持構成要素2に対して反対の位置に配置される)を有することである。このようにして、最外セル10の外面は、第2構成要素すなわちパッド構成要素3の外面8又はユーザとの接触面を構成する。
【0044】
本発明の少なくとも1つの態様では、複数のセル10は、少なくとも1層又は互いに重ね合わされた少なくとも一対の層にしたがって配置される。
【0045】
それゆえに、このように配置された複数のセル10の最外面を有する最外層は、不都合又は不連続性を生じることなく、ユーザにとって優れた支持快適性をもたらすことができる。
【0046】
様々なセル10の面は、
図3に詳細が見られるように、セル10の少なくとも3つの頂点12で合わさる少なくとも3つの略直線状の分枝又は区分11(又はそれぞれの面に対する側面)を含む。
【0047】
図示のように、頂点12は、分枝又は区分11と区別できない可能性があるが、それらは、セルの同じ面、同じセルの異なる面、及び隣接するセルにその両方が存在する区分11と次の区分との間の接触点であるため、識別可能である。
【0048】
各セル10は、略平行な平面上にある2つの面と、その平行面に対して略垂直若しくは直交して、又はある程度の勾配を伴って配置された少なくとも2つの他の面とを有することができる。平行面は、互いに軸方向にずれていてもよく、又は軸方向に揃えて配置されてもよい。
【0049】
更に、1層の複数のセル10の面は、隣接する層の複数の面10の面に対してずらして配置することができる。
【0050】
本発明の1つの様態では、セル10及び又はセル10の面によって囲まれた空間は、空の空間からなる。この様態では、分枝又は区分11及び頂点12のみが有形構造を有し、及び/又は所与の材料で作製される一方、セル10の他の領域は空であり、及び/又はいかなる所与の材料でも作製されず、開口で形成される。したがって、第2構成要素すなわちパッド構成要素3の弾性及び/又は緩衝及び/又は支持能力は、主に分枝又は区分11及び頂点12によってもたらさられ、それにより上述の特徴又は特性を決定する。
【0051】
例えば
図4に見られるように、本発明の少なくとも1つの様態では、第2構成要素すなわちパッド構成要素3の最外周を構成する実質的に連続した末端縁13が存在する。この末端縁13は、第2構成要素すなわちパッド構成要素3の全周に沿って略環状に延在する。
【0052】
例えば
図1及び
図2に見られるように、第2構成要素すなわちパッド構成要素3は、右側部3a及び左側部3bの少なくとも2つの部分から構成することができる。各右側部3a及び左側部3bは、上述のように複数のセル10を備える。
【0053】
自転車サドルの場合、各右側部3a及び左側部3bは、サドルの前部Fに向かって細長い立体構造を有する第1部分14と、サドルの後部Rに拡張した立体構造を有する第2部分15とを有する。右側部3a及び左側部3bの第2部分15は、ユーザの臀部の後部を支持するように適合される。
【0054】
図示されるように、右側部3aは、空間16によって左側部3bから分離される。
空間16は、サドルの前部Fから後部Rまで略長手方向に展開し、その少なくとも1つの様態では、展開の大部分において実質的に一定の厚みを有する。サドルの後部Rでは、空間16の厚みを(サドルの前部Fにおける厚みに対して)広げることができる。
【0055】
この様態では、右側部3a及び左側部3bは、空間16にも延在する第1構成要素すなわち支持構成要素2に拘束及び/又は接続される。したがって、空間16は、第1構成要素すなわち支持構成要素2によって底部で閉じられる。後者はまた、第2構成要素すなわちパッド構成要素3の下に延在する。
【0056】
右側部3及び左側部3bは、例えば、ユーザがペダリング中に左右で異なる圧力を加える場合、及び/又は姿勢が非対称となる場合に、例えば、それらの様々な区域の密度に基づき、並びに/又は揚力及び/若しくは柔軟性の程度に基づき、互いに異なる特徴を有することができる。
【0057】
更に、第1支持構成要素又は構成要素2の外周縁17は、第2構成要素すなわちパッド構成要素3の末端縁13に対して(少なくともその延在部の一部について)実質的に対応して配置することができる。
【0058】
支持要素1が自転車サドルである図示されていない様態では、第2構成要素すなわちパッド構成要素3は、第1構成要素すなわち支持構成要素2の形状に実質的に対応する立体構造を有する固有のものとすることができる。すなわち、第2構成要素すなわちパッド構成要素3は、サドルの前部Fにおいて、細長い又は先細りの立体構造を有することができる一方、サドルの後部Rにおいて、より拡張された立体構造を有することができる。
【0059】
本発明の特有の特徴は、第2構成要素すなわちパッド構成要素3が、第2構成要素すなわちパッド構成要素3のセルごとに、及び/又は領域ごとに異なる立体構造及び/又はサイズ及び/又は密度及び/又は剛度を有するセル10を有することができるという事実にある。
【0060】
例えば、第2構成要素すなわちパッド構成要素3は、セル10、例えばハニカムセルから構成することができ、セル10のサイズ及びそれを構成する辺又は分枝の厚みによって機械的応答を調整することができる。大きなセルは、より薄い分枝と同様に、「たわみ」がより大きくなる。反対に、より小さいセル又はより厚い又はより厚い分枝を有するセルは、破砕に対する耐性がより大きくなる。
【0061】
サドルの場合には、人体の軟性組織(例えば、サドルの先端部及び/又は前部F)に配置され、それを支持する、よりたわむ領域と、あるいはその逆に、人体の骨(例えば、坐骨及び/又は例えばサドルの後部R及び/又はその最も広い部分に対応する)においてより大きな支持を提供することができる、より持続性及び/又はより耐性のある領域とを含む傾向がある。
【0062】
更に、本発明の少なくとも1つの様態では、パッド構成要素3は、人体を支持するようには設計されない領域(例えば、サドル又はテールの後部などの着座しない領域)に、高度に構造化されていないセルを含むことにより、構造を軽くする。
【0063】
更に、本発明の少なくとも1つの様態では、(例えば、別のセルではなく複数の特定のセルが存在する)異なる領域の位置は、ユーザ又はサイクリストを試験することによって生成された圧力マップによって決定される。特定のセルの形状は、より高い圧力の領域、及びより低い圧力の領域又は圧力のない領域に割り当てられる。
【0064】
セルの領域及び寸法を識別並びに解釈する方法は、例えば、本説明で説明されるプロセス及び装置の結果である。
【0065】
したがって、複数のセル10の類型(例えば、セル10の形状及び/又はサイズ)、及び/又は分枝又は区分11の類型(例えば、分枝又は区分11の数及び/又は厚さ及び/又は長さ)が、考慮されるサドル(又は支持要素1)の区域又は領域に応じて、様々な弾性を決定する。こうして、サドル又は支持要素1は、ユーザの実際の必要性に基づき、快適性及び/又は緩衝性の程度に関して区域ごとに異なる応答が可能な、様々な区域を有する。
【0066】
第2構成要素すなわちパッド構成要素3の領域ごとに存在する弾性及び/又は快適性及び/又は緩衝性の変化は、第2構成要素すなわちパッド構成要素3が特定の解剖学的構造及び/又は重量及び/又はユーザのペダリング形式に関連する必要性に従って作製されるという事実によってもたらされる。こうして、支持要素1は、より大きな支持を必要とするユーザ領域において、密度がより高くなる。逆に、密度がより低い領域は、ユーザがより小さな支持及び/又はより大きな快適性を必要とする支持要素1の領域に対応する。
【0067】
ユーザの必要性は、例えば、(試験、モデル若しくは比較支持要素、及び/又は試験、モデル若しくは比較第2構成要素すなわちパッド構成要素におけるユーザの)圧力マッピング法によって検出することができる。
【0068】
例えば、支持要素1が自転車サドルである場合、ユーザは、(圧力センサを備えた)適切な試験サドルに着座させられ、それによって、ユーザが試験サドルに(自らの下側後部に)加えた圧力を検出し、関連する記録を得ることが可能になる。
【0069】
試験サドルは、得ようとするサドル型支持要素1の当接面と実質的に同様の、及び/又はそれに対応する当接面を有する。
【0070】
支持要素がグリップ100である場合、それは、例えば圧力センサを備えた試験グリップに、ユーザの手及び/又は胴体上部及び/又は腕によって加えられる圧力である。
【0071】
支持要素が衝撃吸収要素200である場合、それは、ユーザの圧力を測定すると同時に、例えば、(例えば実験室でシミュレートされた)各種の地形上で、(試験衝撃吸収要素を備えた)サドルの懸架/制振を測定するという問題になる。
【0072】
したがって、圧力信号及び/又はユーザによって試験支持要素に加えられた圧力を検出することができる一連のセンサを場合により備えた、圧力検出デバイスが存在する。
【0073】
検出デバイスはまた、例えば個人データ(年齢、性別、体重、身長、体格、姿勢など)、及び/又はペダリング形式、ランニング形式、自転車又は車両上の姿勢、実行したいパフォーマンスの種類などの運動又はペダリング行為を実行するためのその様式/好みに関連するデータなどの、ユーザ(又はサイクリスト)データを取得するためのデバイスを含むことができる。
【0074】
したがって、検出デバイスは、使用時にユーザが相互作用する試験サドル(又は試験グリップ又は試験衝撃吸収要素)と、試験支持要素(試験サドル又は試験グリップ又は試験衝撃吸収要素)にユーザが加えた圧力を検出するのに適したデータ取得デバイス及びセンサシステムと、の両方を含む。
【0075】
これらの入力データ及び/又は検出信号を解釈するためのデバイスも存在することによって、これらを分析して、例えば、これらが場合により特定の解釈及び/又は分析と併せて報告されるファイルを得ることができる。
【0076】
したがって、このマッピングプロセスによって、ユーザから見出された圧力データを示すファイルが現われ、場合によっては、個人データ及びスポーツ活動を行うための好みにリンクされたユーザの他のデータと比較及び/又は相関され、そのようなファイルは、例えば、他のユーザのファイルと共にデータベースに収集することができる。また、関心がある場合、本発明の少なくとも1つの様態では、データベースに存在するファイル及びデータを互いに比較することができ、それによって様々なユーザからの同類又は同等の応答を示すファイルを含むユーザのカテゴリを定義し、第1データ系列が取得されたユーザが属すると思われるユーザ又はサイクリストの種類を定義する。
【0077】
本発明の少なくとも1つの様態では、ファイルは、ユーザの圧力マップに関連し得る。ユーザが試験サドルに加える圧力の圧力マップの例を
図10に示す。
【0078】
したがって、検出デバイスは、ユーザの解剖学的構造及び好みに関する第1データ系列を生成するために、入力データ及び/又は検出信号を処理することができるユニットを備えるか、又はそれに接続することができる。
【0079】
したがって、本発明による方法は、ユーザの人体の少なくとも1つの解剖学的部分によって試験物又は試験要素に加えられる圧力を、圧力検出手段を用いて、例えばマッピング工程圧力によって検出する可能性を含む。
【0080】
以下でよりよく理解されるように、検出デバイスはまた、支持要素1の実現の場所に対して遠隔位置に配置することができる。なぜなら、その位置で見出された/入力されたデータは、適切なサポート又はオンラインを用いて更に分析し、その後送信するか、又はクラウドなどのプラットフォームにアップロードすることによって実際の生産に使用できるためである。
【0081】
前述のパラメータの集合を基に、場合によってはユーザが分類されるカテゴリを考慮し、可能な圧力マップ並びにユーザが示す様式/好みを考慮して、支持要素1の特定の形状及び特定の所望の特徴を定義する優先的な一致又は組み合わせが得られる。
【0082】
したがって、第1データ系列及び/又はユーザが属する任意のカテゴリは、本発明による支持要素の種類及び/又は立体構造を定義する第2データ系列を得るように処理される。
【0083】
例えば、第2データ系列は、複数のセル10の各セル10の位置、密度及び/若しくは立体構造、並びに/又は第2構成要素すなわちパッド構成要素3、103、203の各セル10の分枝又は区分11及び頂点12の厚さ、並びに/又は支持要素1、100、200の種類及び/若しくは立体構造に関する情報を含み、かつ/又はそれらを定義する。
【0084】
したがって、上記は、取得されたデータの処理と、それに続く、支持要素1を作製するのに適したデバイスによって読み取ることができるファイルへの変換とを表す。
【0085】
したがって、検出デバイスは、例えば、インターネット又はプライベートネットワークなどのテレマティックネットワークを介して、又はケーブルを介して、又はワイファイ、ブルートゥースなどを介して、モバイル若しくは固定デバイスを介して接続することができる。このテレマティック接続は、支持要素及び/又は少なくとも第2構成要素すなわちパッド構成要素が実際に作製される3次元印刷機と行うこともできる。
【0086】
次いで、第1データ系列は、3次元プリンタによって読み取ることができる第2データ系列及び/又は特殊ファイルに変換される。
【0087】
したがって、上記は本質的に、
-少なくとも、特定のユーザ向けにカスタマイズされた支持要素及び/又は第2構成要素すなわちパッド構成要素3を定義するのに有用な、ユーザパラメータ及び測定値を収集することができる検出デバイスを提供すること、
-場合により、上記データの特定の意味を定義するために、上記データをクラウドストレージシステムなどのアドホックデータベースと比較すること、
-データを収集及び処理するために、モバイルデバイス用アプリなどのソフトウェア及び/又はアプリケーション、並びに検出デバイス、ソフトウェア、及び場合によりクラウド間のインターフェースシステムを提供すること、
-例えば支持要素1の3D印刷などの、支持要素1の実現のための使用/読み取りに適したファイルへデータを変換及び/又は翻訳すること、及び/又は
-3次元印刷手法を用いて印刷する工程のために、デジタルファイル又は3Dデジタルモデルを3D印刷機に供給すること、を含む。
【0088】
したがって、これは全て、取得データの取得及び解釈工程、並びにそれらの処理及び場合によっては特定のアルゴリズムを用いた適切な結果ファイルへの変換について言及している。
【0089】
本発明の少なくとも1つの様態において、例えばユーザの理想的なプロファイルを定義するために、前述の任意のカテゴリ及び又は一致を判断する目的で、以下の工程:
-例えば、場合により性別に基づいて分けられた50人から100人のサイクリストを含み得る実例を考慮した、静的(少なくとも1人のサイクリストの個人データ、位置など)及び動的(ペダリング様式、パフォーマンスの種類など)の両方の既存のパラメータを評価すること、
-これらのパラメータに値を割り当てることによって、ユーザの少なくとも1つのカテゴリを定義すること、
-どのカテゴリが個別のパラメータに最も応答するかを識別するために、個別のパラメータと識別されたユーザカテゴリとを比較すること、
-識別されたユーザカテゴリと、決定されたサドルなどの支持要素1の立体構造とを相関付けることにより、少なくともその定義された立体構造を有する支持要素1を生成すること、
のうちの少なくとも1つを提供することが可能である。
【0090】
これは全て、適切なアルゴリズム及びデータベースによって達成することができる。
代替的な様態では、カテゴリ及び又は集約データを介することなく非常に正確なデータを有することが可能であり、したがって、正確なデータを使用して3Dファイルを直接作成する。
【0091】
一実施形態の例によれば、異なるユーザの様々な圧力測定値の研究から、又は単一のユーザファイルから、結果として得られた一致から、一連の信号が得られ、これらの信号は、特定のアルゴリズムによって、支持要素1のデジタルファイル又はデジタル3次元モデルのデータに翻訳され、支持要素1は、前述のように、第2構成要素すなわちパッド構成要素3を有し、この第2構成要素すなわちパッド構成要素3は複数のセル10によって形成され、この複数のセル10の立体構造及び寸法は、上記のようにユーザが支持要素に加え、測定された圧力に基づき、セルごと又は区域ごとに変化し得ることによって、特定の密度をもたらす。
【0092】
こうして、第2構成要素すなわちパッド構成要素3は、ユーザの特定の必要性に応じて、必要な支持及び必要な快適性(及び/又は弾性)を有する。
【0093】
この3次元ファイル又はモデルを作成するために、測定ファイルから、その後の支持要素1の3D印刷に使用することができる変換ファイルにデータを転送するための特別なインターフェースを準備することが有用であり得る。次いで、本発明の少なくとも1つの様態では、2次元ファイル(圧力マップなどであり得る)から、例えば複数のセル10を生成する3次元プリンタによって読み取り可能な3次元ファイルに実質的に移行させることが可能である。したがって前述の通り、この3次元ファイル又はモデルは、次に、3次元印刷技術によって支持要素1及び/又はその第2構成要素すなわちパッド構成要素3を形成するために使用される。
【0094】
セル10の位置、立体構造及び密度並びに/又は剛度などの表示を含む、生成された3次元ファイルは、事前定義された3Dボリュームの基体から始まり、サドル及び/又は支持要素1及び/又はその第2構成要素すなわちパッド構成要素3の最終的な形状又は立体構造を識別する。基本的には、事前定義された3Dボリュームを、3Dセルで「埋める」又は満たす。したがって、少なくとも1つの様態では、2次元ファイルから3次元が自動的に生成されるのではなく、圧力領域によって値、色又はグレースケールで表されるデータを2次元ファイルから読み取り、ここでこのデータを、事前定義された3Dボリューム内において様々な密度及び厚さで繰り返される、事前定義されたセルの形状に対応させることができる。
【0095】
特定の種類のセルは、特定の色又は圧力値10に対応する。
【0096】
このファイルは、別の製造プロセス(以下に詳細に示されるスライシング)を経て、3D印刷実行可能コードになる。
【0097】
この手順の一例を、例えば
図9に示す。
具体的には、左図は、試験サドル上のユーザの圧力マッピングの例を示し、中央図は、圧力マッピングの種類から、第2構成要素すなわちパッド構成要素3の複数のセル10の特定の立体構造を決定する3次元ファイル又はモデルの例を示し、最後に、右図は、3次元印刷技術によって印刷された完成物を示す。
【0098】
更なる様態によれば、圧力が検出されると、ユーザの圧力マップが生成され、その出力は所与の寸法を有する長方形の写真又は画像である(例えば、
図10に示す)。寸法は、以下に詳細に示すように、アプリ内での自動配置を可能にするために極めて重要である。この過程は、例えば、複数の圧力信号を、圧力マップを定義する第1データ系列へ処理及び/又は翻訳する手段によって行われる。
【0099】
例えば、この写真若しくは画像又はこの圧力マップは、少なくともユーザと試験要素との各接触点及び/又は接触領域について、(実際に検出された圧力値に対応する)特定の圧力値を示す。これは、ユーザと試験要素との接触面全体に沿って、場合によっては接触面に近い領域にも生じる。
【0100】
この写真又は画像は、それをデカルト作業面上に自動的に配置するアプリに取り込まれ、アプリ内では、印刷対象のパッド構成要素3を構成する、及び/又はアプリによって決定されるボリュームも表示される。
【0101】
専用アプリに示されるパッド構成要素3の3次元ボリュームの例は、例えば
図11に表される。パッド構成要素3のボリュームは、行われる使用の種類に応じて変化し得る。例えば、サドルが専門的な状況及び/又は競技などで使用される種類の場合には、より抑制された及び/又は小型のボリュームになり得るが、サドルが主に都市及び/又は愛好家用に使用される場合には、より大きな衝撃吸収面積を有する、より大きなボリュームになり得る。本発明の少なくとも1つの様態では、この選択は、ユーザが特定の使用及び/又はペダリングのカテゴリに属するかを定義することによって行われる。
【0102】
印刷対象のボリュームは、(
図13に示すように)UVマップを通じて(設計段階で各モデルについて1回のみ)マッピングされる。
印刷対象のパッド構成要素3の3Dボリュームは、パッド構成要素3の外面8の少なくとも一部に、又は少なくとも外面8全体に、パッド構成要素3自体の空気力学及び/又は人間工学及び/又は快適性及び/又は正しい解剖学的構造を確保するのに必要な曲率に使用時に対応する、少なくとも1つの曲率を有する。
【0103】
圧力マップは、このUVマップに接続され、後者は、3Dボリュームの少なくとも1つの曲率の立体構造に対応する立体構造をとる(又は例えば、二重曲率、すなわち、ZX平面及びZY平面の両方における3Dボリュームの少なくとも1つの曲率の交差によって与えられる形状を提示する立体構造であり、これらの平面は、支持要素の形象及び/又はボリュームと交差するデカルト平面及び/又は直交平面に対応する。例えば、本発明の少なくとも1つの様態では、表示される様々な平面上に直線部分を有さない有機形状が得られる。)ことによって、印刷対象のパッド構成要素3の形状に、より良好に従うことができる。専用アプリ内の少なくとも1つのアルゴリズムを介して、ユーザが試験サドルに加えた圧力の変化を判断する圧力マップの様々なグレー(又は白から黒)の濃淡が自動的に読み取られ、アルゴリズムは、黒の深さ及び/又はグレースケールの強度に基づき、3Dボリューム及び/又はUVマップで判断された特定のパラメータを各単一セルに割り当て、例えば製造者によって確立された特定の基準を用いて、その密度及びサイズを調整する(印刷されたパッド構成要素は、例えば
図14に見られる)。この工程は、例えば、圧力マップを定義する第1データ系列を第2データ系列に変換して、特にセル10の密度、立体構造及び若しくは位置、並びに/又はセル10の分枝もしくは区分11の厚みを参照して、パッド構成要素3の3次元デジタルファイル又はデジタルモデルを得ることによって実行される。
【0104】
論理によれば、より大きな圧力(黒色)を有する点では、セルの密度がより低くなる、及び/又は各セル10の分枝又は区分11の直径がより小さくなる可能性があり、その結果、パッド構成要素のその部分の抵抗がより小さくなり、したがって、加えられる圧力が緩和されて、ユーザにとってより良好な快適性が得られる、と予測している。
【0105】
反対に、圧力がより低い領域(例えば、薄い灰色)では、アルゴリズムの論理は全く反対となり、セルの密度がより高く、及び/又は各セル10の分枝又は区分11の直径がより大きくなることによって、パッド構成要素からのより大きな抵抗及び支持を確保する。
【0106】
一方、圧力が検出されない場合(白色)、アルゴリズムは、例えば、分解された又は空のセルというパラメータを各セル10に割り当て、パッド構成要素3の重量を減少させる。
【0107】
当然ながら、灰色の中間の濃淡は、上に示したものに対して中間の密度及び/又は分枝若しくは区分11の直径を提供する。
【0108】
このようにして、解剖学的なものを含むユーザの実際の必要性に従って測定するようにカスタマイズされた支持要素1を得ることが可能である。
【0109】
例えば、3D印刷によって得られる最終的な支持要素では、各セル10は、特定の圧力データに基づき、及び/又はそれが属するカテゴリ若しくはユーザの必要性及び好みに基づき、配置及び/又は成形及び/又は作製され、支持要素自体又は少なくともその第2構成要素すなわちパッド構成要素の完全なカスタマイズが得られる。
【0110】
この場合、上述の通り、本発明の少なくとも1つの様態では、ユーザが属する可能性のあるカテゴリ及び/又はユーザの特定の必要性を定義することによって、及び又は、上述のデータの分析から得られる支持要素1の立体構造を分析することによって、上述のような異なる特徴を有する様々な領域の位置特定を行うこともできる。
【0111】
本発明の一態様によれば、第1構成要素すなわち支持構成要素2もまた、3次元印刷手法によって作製することができる。
【0112】
この場合、第1構成要素すなわち支持構成要素2は複数のセルを有さないが、それは、第1構成要素すなわち支持構成要素2が支持機能を実行しなければならず、セル内の空隙の存在によってこの機能が損なわれる可能性があるためである。
【0113】
第1構成要素支持又は構成要素2をセルで埋めることはできないが、本発明の少なくとも1つの様態では、それらの使用をシミュレーションする負荷の印加から得られる張力領域に基づき中空にすることができ、これらのマップは、有限要素シミュレーション法を用いて定義され、構成要素トポロジーを取り出し、非応力領域を削除することができる。この種の手法から、積層印刷のみが作成/生産することのできる複雑な形状を生成することができる。
【0114】
したがって、第1構成要素すなわち支持構成要素2が3次元的に成形されることによって、必要な機械的特徴を有することのできる、実質的に連続した、及び/又は中実な構造を得られる。
【0115】
任意選択的に、この印刷工程はまた、第1構成要素すなわち支持構成要素2と、第2構成要素すなわちパッド構成要素3との接合及び/又は接着を含む。
【0116】
第2構成要素すなわちパッド構成要素3、並びに/又はセル10の分枝若しくは区分11及び頂点12を構成する材料は、例えば熱硬化性材料又は熱可塑性材料などの可塑性材料及び/又は高分子材料である。
【0117】
そのような可塑性及び/又は高分子材料は、例えば、以下の材料又は樹脂:ポリウレタン(PU)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂の群の少なくとも1つの成分、好ましくはTPU、他の高分子などのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0118】
可塑性及び/又は高分子材料はまた、本発明の少なくとも1つの様態では、例えば炭素繊維、ガラス繊維、ケブラなどの強化繊維を含むことができる。
【0119】
本発明の一態様によれば、DLP又はDLSタイプの3次元印刷技術は液体出発材料を使用するため、印刷材料に強化繊維を含まない。これは、第2構成要素すなわちパッド構成要素3に特に当てはまる。
【0120】
一方、第1構成要素すなわち支持構成要素2の実現については、3次元印刷手法は、第2構成要素すなわちパッド構成要素3を印刷する技術、例えばFDM又はMJF又はSLS又はその他とは異なることが可能で、その場合、これらの強化繊維を担持した材料を使用することが可能である。
【0121】
したがって、上述の技術を本発明に用いることにより、例えば発泡が必須のポリウレタンで作製される通常のパッド構成要素とは異なり、通常の発泡金型や、金型及び関連発泡機械が設置されるカルーセルがもはや必要とされないため、製造プロセスを見直すことができる。本発明に適用される3D印刷技術はまた、ポリウレタンパッドを製造するために現在必要とされている化学物質の管理の複雑さを低減することができ、結果として、ポリウレタン発泡相に起因する廃棄物の排出及び処分についても低減する。
【0122】
第1構成要素すなわち支持構成要素2もまた3D印刷によって作製される様態では、作製材料は、第1構成要素すなわちパッド構成要素3を構成するものと同じ又は異なる熱硬化性材料、又は熱可塑性材料、又は充填剤若しくは補強繊維を含む材料である。
【0123】
この場合、第1構成要素すなわち支持構成要素2もカスタマイズされ、このようにして解剖学的なものを含むユーザの実際の必要性に応答する。
【0124】
一方、第1構成要素すなわち支持構成要素2が3D印刷ではなく従来の手法によって作製される場合、第1構成要素すなわち支持構成要素2は、例えば、炭素及び/又は熱可塑性材料及び/又は複合材料で作製することができる。
【0125】
支持要素1が例えば自転車サドルである様態における、自転車自体のフレームに第2構成要素すなわち支持構成要素2を接続することができるフォーク構成要素は、例えば鋼及び/又は炭素、及び/又は新種の材料で作製することができる。
【0126】
本発明の技術はまた、最小生産注文をなくすことを可能にする。更に、支持要素1に必要な修正又は設計変更は、関連する3次元ファイルの更新を行うのみになる。
【0127】
したがって、支持要素1は、ユーザの様々な必要性に完全に適合可能な要素である。
例えば
図5~
図7に示す様態では、支持要素1は、ハンドルバーグリップ100の形状を有する。前述の要素と同一の要素には、同じ参照番号の100の位を増やして示す。
【0128】
したがって、ハンドルバーグリップ100は、第1構成要素すなわち支持構成要素102と、第2構成要素すなわちパッド構成要素103とを備える。
【0129】
第1構成要素又は支持構成要素102は、既に説明したものと実質的に同じ特徴を有するため、繰り返さない。構成段階では、第1構成要素又は支持構成要素102は略円形の断面を有する略管状の形状であり、第1面104と、第2面105と、厚さ106とを有する。
【0130】
第1面104は、自転車又は同様の車両のハンドルバーの一端に接触及び/又は配置及び/又は拘束することができ、第2面105は、第2構成要素すなわちパッド構成要素103と接触することができる。
【0131】
第1構成要素又は支持構成要素102はまた、近位端102aと、近位端102aの反対側の遠位端102bとを有し、使用時に自転車又は車両のハンドルバーに対してより外側に配置されるように適合される。
【0132】
近位端102aには、既知の種類の自転車又は車両のハンドルバーに締結するための手段があってもよく、したがってこれ以上説明しない。
【0133】
第2構成要素すなわちパッド構成要素103はまた、略円形及び/又は環状の断面を有する管状立体構造を有し、第1構成要素又は支持構成要素102と接触及び/又は結着することができる内面107と、内面107の反対側の外面108とを備える。
【0134】
本発明の少なくとも一態様では、外面108は、使用時に、例えばユーザの手に接触して配置されるように、又は存在する場合には上述の被覆要素によって覆われるように適合される。
【0135】
第2構成要素すなわちパッド構成要素103はまた、内面107及び外面108間の距離に対応する厚さ109を有する。
【0136】
この場合も、パッド構成要素は、上述した特性を有する複数のセル10から構成される。
本発明の少なくとも一様態では、第2構成要素すなわちパッド構成要素103は、その略円形部分によって遠位端102bを覆うことができる。
【0137】
代替的な様態では、略円形部分の代わりに、遠位端102bを覆う及び/又は閉じるための例えば既知の種類の適切なキャップを設けることができる。
【0138】
図8において、支持要素1は、人体用のサドル又はシート用衝撃吸収要素200の立体構造を有する。衝撃吸収要素200は、人体用のサドル又はシート用懸架要素として定義することができる。
【0139】
前述の要素と同一の要素には、同じ参照番号の100の位を増やして示す。
【0140】
衝撃吸収要素200は、第1構成要素すなわち支持構成要素202と、第2構成要素203とを備える。
【0141】
第1構成要素すなわち支持構成要素202は、既に説明したものと実質的に同じ特徴を有するため、繰り返さない。構成段階において、第1構成要素すなわち支持構成要素202は、略管状壁202cによって接続された、第1円板状基部202aと、第2環状基部202bとを備える。円板状基部202aは、第2構成要素203に接触及び/又は連結及び/又は拘束することができる。一方、環状基部202bは、円板状基部202aの反対側にある。略円形断面を有する貫通開口202dも存在し、その延在部は、少なくとも環状基部202bを含むが、円板状基部202aまでの略管状壁202cも含むことができる。
【0142】
壁202cは、環状基部202b及び/又は円板状基部202aに対して、例えば自転車サドルのフォーク(図示せず)の後部(場合によってはフック型又は略円形を有する)を収容するための使用に適した凹状領域を構成する。
【0143】
第2構成要素203は、自転車サドル又はシート用衝撃吸収又は懸架要素を構成し、上述の特徴を有する複数のセル10からなる。
【0144】
第2構成要素203は、略半球状の立体構造を有し、半球状キャップ203aと平坦基部203bとを備える。
平坦基部203bは、第1構成要素すなわち支持構成要素202の円板状基部202aと接触及び/又は接合するように適合されている。
【0145】
また、この場合、第1構成要素202及び/又は円板状基部202aの外周縁部17に拘束される周縁部13が存在することが可能である。
【0146】
半球状キャップ203aの頂部領域において、支持要素200は、それ自体既知の種類の接続手段によってサドル又はシートに接続される。
【0147】
この実施形態では、円板状基部202aは、第2構成要素203への結着に適した第2面205と、第1面204(例えば環状基部202bにある)と、厚さ206とを有する。厚さ206は、円板状基部202aの厚さと、環状基部202cの厚さと、壁202cの高さとの合計によって与えられる。開口部202dは、少なくとも厚さ寸法206以下の延在部を有することができる。
【0148】
第2構成要素203はまた、第1構成要素すなわち支持構成要素202との接触及び/又は結着に適した内面207と、内面207の反対側の外面208とを有する。
【0149】
外面208は、存在する場合、上述のような被覆要素で覆うことができる。
衝撃吸収要素200の第2構成要素203も、内面207及び外面208間の距離に対応する厚さ209を有する。
【0150】
概して、上述の様々な実施形態を考慮すると、複数のセル10は、一種の「ラテックス」又は架橋又はオープンセル構造を形成する。
【0151】
本発明の1つの様態では、第2構成要素すなわちパッド構成要素は、第1構成要素すなわち支持構成要素上に直接成形することができる。あるいは、特別な接着手段によってその上に結着することができる。
【0152】
少なくとも1つの第2構成要素すなわちパッド構成要素の密度の変化又はトランザクションは、不連続領域において、又は支持要素1及び/又は第2構成要素すなわちパッド構成要素の延在部全体に沿って連続的に生じ得る。
【0153】
後者の場合、互いに異なる特性又は密度を有する領域又は区域の実現は、連続離断することなく、つまり、第2構成要素すなわちパッド構成要素の延在部全体について漸進的かつ連続的な方法で得られる。この解決策は、例えばパッド要素の従来の製造方法、この場合発泡手法及び/又は既知の成形装置などでは達成できない。
【0154】
3次元印刷技術は、商品名「デジタルライト合成」(又はDLS)で知られているものとすることができ、3次元デジタルファイル又はデジタルモデルから印刷製品を得ることが可能であり、非常に迅速な技術であることが分かっている。
【0155】
上述のように、他の3次元印刷手法も使用することができる。
第2構成要素すなわちパッド構成要素が第1構成要素すなわち支持構成要素上に直接成形される様態では、第2構成要素すなわちパッド構成要素を上述のように成形し、次いで第1構成要素すなわち支持構成要素上の所定の位置に配置し、これを硬化のために熱源にさらした際に後者に結着することが可能である。
【0156】
更に又は代替的に、UVを用いて初期重合を行い、次いで、例えば好適なオーブンによって熱を加えて内部架橋を促進することが可能である。
こうして、第1構成要素すなわち支持構成要素の高分子の格子との接合も形成され、その接着又は安定的かつ持続的な接合を決定づける。
【0157】
この段階は、第1構成要素すなわち支持構成要素上に配置する、及び/又は塗布する好適なプライマーを使用した後に、第2構成要素すなわちパッド構成要素をその上に配置することによって容易に行うことができる。
【0158】
更に、被覆材料又は被覆要素は、3Dでの印刷材料の重合を利用して同じ方法で処理することにより、部品を一緒に固定する、及び/又はこの被覆要素を第2構成要素及び/又は第1構成要素に固定することができ、第2構成要素及び/又は第1構成要素はまた、可能な被覆材料又は被覆要素に掛止することができ、この被覆材料又は被覆要素は、例えば合成材料又は他の材料で作製されているが、第2構成要素及び/又は第1構成要素への適用に化学的に適合するように好適に処理される。
【0159】
いずれの場合も、3次元印刷手法による少なくとも第2構成要素すなわちパッド構成要素の実現後に、支持要素が組み立てられ、販売できるようになる。
本発明の目的はまた、例えば、自転車又は車両全般のサドルなどの人体の支持要素1、自転車又は車両全般のハンドルバー用グリップ100、人体用のサドル又はシート用衝撃吸収又は懸架要素200を実現するための装置である。
【0160】
本発明はまた、例えばサイクリング用ヘルメットの衝撃又は打撃を吸収するための挿入物又は要素、例えば自転車サドルの支持構成要素とパッド構成要素との間に、又はパッド構成要素の上に、又はパッド構成要素を覆う任意の被覆要素の上に配置された衝撃吸収挿入物、サイクリングショートパンツ用パッド挿入物、スポーツ及び/又はサイクリング靴のソール又は内部ソールなどを作製するための装置に関連し得る。
【0161】
支持要素1は、第1構成要素すなわち支持構成要素2、102、202と、第1構成要素すなわち支持構成要素2、102、202に拘束された第2構成要素すなわちパッド構成要素3、103、203とを含み、第2構成要素すなわちパッド構成要素3、103、203は、複数のセル10を含むハニカム構造を備える。
【0162】
この装置は、ユーザの人体の少なくとも1つの解剖学的部分によって試験要素に加えられる圧力を検出する手段を備え、この圧力は複数の出力信号を生成するために使用することができる。特に、本発明の少なくとも1つの変形例では、検出手段は、試験要素に配置された複数の圧力センサを備えることができる。
【0163】
次いで、複数の信号を、ユーザの人体の少なくとも1つの解剖学的部分によって試験要素に加えられる圧力に関連する圧力マップを定義する第1データ系列へ処理及び/又は翻訳する手段が提供される。特に、本発明の少なくとも1つの変形例では、処理及び/又は翻訳手段は、検知手段によって得られた複数の出力信号(例えば、検知手段又は圧力センサによって測定された一連の圧力値)を処理及び/又は翻訳するように構成された第1コンピュータプログラム又はソフトウェアを少なくとも有する第1コンピュータ化論理ユニットを備えることができ、それによって、第1データ系列(例えば圧力値の増加に対応する、例えば白色及び/又は灰色から黒色の一連の色の濃淡であって、例えば白色は圧力ゼロに対応し、黒色は最大検出圧力に対応し、中間圧力は測定圧力値が高いほど暗い灰色の濃淡に対応する)を生成する。
【0164】
次いで、装置は、第1データ系列を第2データ系列(例えば、区分又は分枝11の位置、密度、構成、厚さ及び/又は長さ、頂点12の厚さ及び/又はサイズに対応する)に変換する手段を提供して、当該支持要素1、100、200の3次元デジタルファイル又はデジタルモデルを得る。
【0165】
したがって、本発明の少なくとも1つの様態による第2データ系列は、3D印刷ファイルによる出力で表され、このファイルは、プリンタ又は3D印刷機に自動的に読み込まれて支持要素を実現することができる。
【0166】
この出力を得るために第1データ系列(圧力マップ)の値が用いられ、この値は、アルゴリズムによって処理されて圧力マップの様々な色の濃淡、例えば灰色を解釈し、表面及び/又は少なくとも1つの曲率で構成される中実なボリュームから、圧力マップ並びにセル密度10、区分又は分枝11の厚さ、及びセル10自体の形状を定義するアルゴリズムに基づいて、複数のセル10によって埋められたボリューム、及び/又は、胞状及び/又は格子状構造によって埋められたボリュームを作成する。
【0167】
特に、本発明の少なくとも1つの変形例では、変換手段は、第1データ系列を第2データ系列に翻訳するように構成された、少なくとも第2コンピュータプログラム又はソフトウェアを有する第2コンピュータ化論理ユニットを備えることができる。当該第2コンピュータプログラム又はソフトウェアは、有利には、第1データ系列を第2データ系列に変換するための少なくとも1つのデータ分割又はデータスライスアルゴリズムを含むことができる。このデータ分割又はデータスライスアルゴリズムは、第1データ系列よりも容易に閲覧可能かつ解釈可能な第2データ系列を得ることを可能にする。
【0168】
最後に、3次元デジタルファイル又はデジタルモデルに存在する情報に基づいて、支持要素1、100、200を3次元印刷するための手段が提供される。特に、本発明の少なくとも1つの変形例では、3次元印刷手段は、好ましくは、例えば「デジタルライト合成:Digital Light Synthesis」すなわちDLS方式、又はDLPすなわち「光造形:Digital Light type Processing」方式、又はFDMすなわち「熱溶解積層:Fused Deposition Modeling」方式、又はMJFすなわち「マルチジェットフュージョン:Multi Jet fusion」方式、又はSLSすなわち「選択的レーザ焼結:Selective Laser Sintering」方式の3次元印刷を含むことができる。
【0169】
続いて、本発明の少なくとも1つの変形例では、装置は、他のユーザのデータを取得又は記憶するように設計された取得手段を備えることができ、そのようなデータは、例えば、年齢、性別、体重、身長、体格、姿勢などの個人データ、及び/又は、例えばペダリング形式、ランニング形式、自転車又は車両上の姿勢、実行したいパフォーマンスの種類などの、運動又はペダリング行為を実行するための様式/好みに関連するデータであり得る。
【0170】
更に、本発明の少なくとも1つの変形例では、装置は、第1データ系列に特定の意味を割り当てるために、第1データ系列を、例えばクラウドストレージシステムなどのアドホックデータベースに含まれるか又は記憶された他のユーザのデータと比較する手段を備えることができ、この意味には、場合によってはユーザのカテゴリの定義を含んでもよく、カテゴリには、第1データ系列と同類又は類似の応答を提示する他のユーザのデータ及び/又はファイルが含まれる。特に、比較手段は、存在する場合、第1又は第2コンピュータ化論理ユニットに記憶された少なくとも第3コンピュータプログラム又はソフトウェア、例えば結合又は「一致」アルゴリズムを有利に含むことができる。そのような第3コンピュータプログラム又はソフトウェアは、第1データ系列と、第1データ系列と同類又は同等の応答を有する他のユーザのデータ及び/又はファイルとを関連付ける又は一致させるように構成される。
【0171】
例えば、このように、パッド構成要素の特定の3Dモデル又はボリュームを識別することができ、このボリュームは、特定の収集データを介して対象のユーザをも含む特定のユーザカテゴリに、より適していると考えられる。
【0172】
このように、本発明が、意図された目的をどのように達成するかが明らかにされた。
このようにして考案された本発明は、多数の修正及び変形が可能であり、それらは全て本発明の概念の範囲内にある。
1つの様態又は実施形態について提示された特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、別の様態又は実施形態の特徴と組み合わせることができる。
更に、全ての詳細は、他の技術的に等価な要素で置き換えることができる。実際には、使用される材料、並びに条件付きの形状及び寸法は、以下の特許請求の範囲の保護の範囲を放棄することなく、必要条件に従って任意であり得る。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば自転車又は車両全般のサドル、自転車又は車両全般のハンドルバー用グリップ(100)、人体用のサドル又はシート用衝撃吸収又は懸架要素(200)などの、人体の支持要素(1)を作製するための方法であって、前記支持要素(1)は、第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)と、該第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)に拘束された第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)とを備え、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)は、複数のセル(10)を含むハニカム構造を含み、
各セル(10)は分枝若しくは区分(11)及び頂点(12)を含み、前記方法は、
ユーザの人体の少なくとも1つの解剖学的部分によって試験要素に加えられた圧力を検出する手段を提供する工程であって、前記検出手段は、複数の出力信号を生成するように設計されている、工程と、
前記圧力検出手段によって、前記ユーザの人体の少なくとも1つの解剖学的部分によって前記試験要素に加えられた圧力を、圧力マッピング工程によって検出する工程と、
前記複数の出力信号を、前記検出工程から圧力値の形態で得る工程と、
前記複数の信号を、前記ユーザの人体の前記少なくとも1つの解剖学的部分によって前記試験要素に加えられた圧力に関連する圧力マップを定義する第1データ系列に処理及び/又は翻訳する手段を提供する工程であって、前記第1データ系列は、例えば圧力値の増加に対応する、例えば白色及び/又は灰色から黒色までの一連の色の濃淡を含む、工程と、
前記複数の信号を前記第1データ系列に処理及び/又は翻訳する工程と、
前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)の3次元デジタルファイルを得るために、前記第1データ系列を第2データ系列に変換する手段を提供する工程と、
前記第1データ系列を前記第2データ系列に変換する工程であって、例えば、前記第2データ系列が、前記複数のセル(10)の各セル(10)の位置、密度及び/若しくは立体構造、並びに/又は前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)の各セル(10)の前記分枝若しくは区分(11)及び頂点(12)の厚さ、並びに/又は前記支持要素(1、100、200)の種類及び/若しくは立体構造に関する情報を含み、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)前記3次元デジタルファイルを得る、工程と、
前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)の3次元印刷手段を提供する工程と、
前記ハニカム構造を含む前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)を、前記3次元デジタルファイルに存在する情報に基づき、3次元印刷手法によって印刷する工程
であって、
前記印刷工程は、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)並びに前記複数のセル(10)の前記分枝若しくは区分(11)及び頂点(12)を構成する材料を提供及び印刷する工程を含み、前記材料は可塑性又は高分子材料であり、
前記3次元印刷手法によって印刷する前記工程は、多面体または平行四辺形の形状を有する前記複数のセル(10)の各セルを印刷することを含む工程と、
前記第1データ系列に特定の意味を帰属させるために、前記第1データ系列を、例えばクラウドストレージシステムなどのアドホックデータベースに含まれる他のユーザのデータと比較する工程であって、
前記意味は、前記ユーザのカテゴリの定義を含み、前記カテゴリは、前記第1データ系列と同類又は類似の応答を提示する他のユーザのデータ及び/又はファイルを含む、工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)を提供する工程と、
前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)と、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)とを、接触及び拘束又は接着させる工程と、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記検出工程が、
前記圧力マッピング工程及び前記検出手段によって、圧力センサと、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3)に対応する比較着座面と、を備えた試験サドルに着座しているユーザによって加えられた圧力を検出すること、又は
前記圧力マッピング工程及び前記検出手段によって、圧力センサと、前記グリップ(100)の前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(103)に対応する比較面と、を備えた試験グリップを備えた自転車又は車両のハンドルバー上に載っているユーザの手又は胴体上部又は腕によって加えられた圧力を検出すること、又は
前記圧力マッピング工程及び前記検出手段によって、試験サドルに着座しているユーザによって加えられた圧力と、圧力センサを備え、前記衝撃吸収要素(200)に対応する試験衝撃吸収要素によって加えられた懸架及び/又は緩衝とを検出すること、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
個人データ、年齢、性別、体重、身長、体格、姿勢のユーザデータ、及び/又はペダリング形式、ランニング形式、自転車又は車両上の姿勢、実行されるパフォーマンスの種類の、運動又はペダリング行為を実行するための様式/好みに関連するデータを取得するデバイスを提供する工程と、前記データを前記取得デバイスに入力することによって、該入力データも前記第1データ系列に翻訳する工程と、を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
データの収集及び処理のために、例えばモバイルデバイス用アプリなどのソフトウェア及び/又はアプリケーション、並びに検出デバイス、ソフトウェア及び場合によりクラウドの間のインターフェースシステムを提供する工程と、
前記第2データ系列を取得するために、前記第1データ系列及び前記ユーザに帰属する前記カテゴリを処理する工程と、
前記3次元印刷手法による印刷工程のために、前記3次元デジタルファイルを3D印刷機に提供する工程と、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記可塑性又は高分子材料が、熱硬化性又は熱可塑性材料であり、又はポリウレタン(PU)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂の群の少なくとも1つの成分、他の高分子などのうちの少なくとも1つを含む材料であり、又は、前記方法が、前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)を構成する材料を提供及び成形する工程を含み、前記材料が、熱硬化性材料又は熱可塑性材料、又は強化粒子
材料を担持した及び/又は含む材料である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記3次元印刷手法による印刷工程が、「デジタルライト合成:Digital Light Synthesis」すなわちDLS方式、又はDLPすなわち「光造形:Digital Light Processing」方式、又はFDMすなわち「熱溶解積層:Fused Deposition Modeling」方式、又はMJFすなわち「マルチジェットフュージョン:Multi Jet fusion」方式、又はSLSすなわち「選択的レーザ焼結:Selective Laser Sintering」方式の3次元印刷工程を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記3次元印刷手法による印刷工程が、
前記複数のセル(10)の各セルを印刷することであって、前記複数のセル(10)は、例えば三角形、正方形又は長方形、六角形、五角形、八角形などの略平行六面体又は多角形の立体構造を有する少なくとも1つの面を含むこと、又は
前記少なくとも1つの面又は前記少なくとも1つのセル(10)について、少なくとも3つの前記頂点(12)で互いに合わさる少なくとも3つの略直線状の前記分枝又は区分(11)を印刷すること、を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記3次元印刷手法による印刷工程が、
前記ユーザの解剖学的構造及び/又は重量及び/又は所望の必要性に基づき、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)のセルごとに及び/又は領域ごとに、それぞれ異なる立体構造及び/又はサイズ及び/又は密度及び/又は剛度を有する複数のセル(10)を含む前記ハニカム構造を印刷すること、又は
前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)の外面(8、108、208)を構成するように、前記複数のセル(10)の外面を互いに実質的に同一平面上に印刷すること、を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
例えば可塑性材料又は天然材料からなる薄膜又は薄層の形態の被覆要素を提供する工程と、該被覆要素を前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)の上に配置する、又は前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)を覆うように配置する工程と、を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記印刷工程が、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)について、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)の最外周を構成するように適合された、略環状に展開する実質的に連続した末端縁(13)を印刷する工程を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)を、少なくとも2つの部分で提供する、及び/又は前記支持要素(1)が自転車又は車両のサドルである場合には、前記サドルの前部(F)に向かって細長い立体構造を有する第1部分(14)と、前記サドルの後部(R)に拡張された立体構造を有する第2部分(15)と、を備えた右側部(3a)及び左側部(3b)で提供する工程であって、又は前記右側部(3a)が、前記サドルの前部(F)から後部(R)まで略長手方向に展開する空間(16)によって前記左側部(3b)から分離される、工程を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
例えば自転車又は車両全般のサドル、自転車又は車両全般のハンドルバー用グリップ(100)、人体用のサドル又はシート用衝撃吸収又は懸架要素(200)などの、人体の支持要素(1)を作製するための装置であって、前記支持要素(1)は、第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)と、該第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)に拘束された第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)とを備え、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)は、複数のセル(10)を含むハニカム構造を含み、
各セル(10)は分枝若しくは区分(11)及び頂点(12)を含み、前記複数のセルの各セルは多面体または平行四辺形の形状を有する前記装置は、
ユーザの人体の少なくとも1つの解剖学的部分によって試験要素に加えられた圧力を検出する手段であって、該検出手段は複数の出力信号を生成するように設計されている、手段と、
前記複数の信号を、前記ユーザの人体の少なくとも1つの解剖学的部分によって前記試験要素に加えられた圧力に関連する圧力マップを定義する第1データ系列に処理及び/又は翻訳する手段であって、前記第1データ系列は、例えば圧力値の増加に対応する、例えば白色及び/又は灰色から黒色までの一連の色の濃淡を含む、手段と、
前記支持要素(1、100、200)の3次元デジタルファイルを得るために、前記第1データ系列を第2データ系列に変換する手段であって、例えば、前記第2データ系列が、前記複数のセル(10)の各セル(10)の位置、密度及び/若しくは立体構造、並びに/又は前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)の各セル(10)の
前記分枝若しくは区分(11)及び頂点(12)の厚さ、並びに/又は前記支持要素(1、100、200)の種類及び/若しくは形状に関する及び/又はそれらを定義する情報を含む、手段と、
前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)を、前記3次元デジタルファイルに存在する情報に基づき印刷する3次元印刷する手段であって、該3次元印刷手段が、「デジタルライト合成」すなわちDLS方式、又はDLPすなわち「光造形」方式、又はFDMすなわち「熱溶解積層」方式、又はMJFすなわち「マルチジェットフュージョン」方式、又はSLSすなわち「選択的レーザ焼結」方式の3次元印刷を含む、手段と、
他のユーザのデータを取得又は記憶するように設計された手段と、
前記第1データ系列に特定の意味を帰属させるために、前記第1データ系列を、例えばクラウドストレージシステムなどのアドホックデータベースに含まれる他のユーザのデータと比較する手段であって、前記意味は、前記ユーザのカテゴリの定義を含み、前記カテゴリは、前記第1データ系列と同類又は類似の応答を提示する他のユーザのデータ及び/又はファイルを含む、手段と、
を備える装置。
【請求項14】
前記検出手段が、前記試験要素上に配置された複数の圧力センサを備え、又は前記処理及び/又は翻訳手段が、前記第1データ系列を生成するために、前記検出手段によって得られた前記複数の信号を処理及び/又は翻訳するように構成された、少なくとも第1コンピュータプログラム又はソフトウェアを有する第1コンピュータ化論理ユニットを備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記変換手段が、前記第1データセットを前記第2データセットに翻訳するように構成された少なくとも1つの第2コンピュータプログラム又はソフトウェアを有する第2コンピュータ化論理ユニットを備える、請求項13又は14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記他のユーザのデータが、年齢、性別、体重、身長、体格、姿勢などの個人データ、及び/ペダリング形式、ランニング形式、自転車若しくは車両上の姿勢、実行されるパフォーマンスの種類などの、運動又はペダリング行為の実行の様式/好みに関連するデータである、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記比較手段が、前記第1又は第2コンピュータ化論理ユニットに記憶された少なくとも第3コンピュータプログラム又はソフトウェアを備え、該第3コンピュータプログラム又はソフトウェアが、前記第1データ系列と、前記第1データ系列と同類又は類似の応答を提示する前記他のユーザのデータ及び/又はファイルとを関連付け又は結合するように構成される、請求項13から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
自転車又は車両全般のサドル、自転車又は車両全般のハンドルバー用グリップ(100)、人体用のサドル又はシート用衝撃吸収又は懸架要素(200)などの、人体の支持要素であって、該支持要素(1、100、200)は、第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)と、該第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)に拘束された第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)とを備え、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法で得られる支持要素であって、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)が分枝又は区分(11)及び頂点(12)を備えた複数のセル(10)を含むハニカム構造を含み、3次元印刷によって作製され、
前記複数のセル(10)の各セルは多面体または平行四辺形の形状を有し、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)並びに前記複数のセル(10)の前記分枝若しくは区分(11)及び頂点(12)が、可塑性又は高分子材料で作製されることを特徴とする、支持要素。
【請求項19】
前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)が、3次元印刷によって作製され、又は前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)に拘束された前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)が、前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)に固定又は接着される、請求項18に記載の支持要素。
【請求項20】
前記複数のセル(10)の各セルが、例えば三角形、正方形又は長方形、六角形、五角形、八角形の略平行六面体又は多角形の立体構造を有する少なくとも1つの面を含む、請求項18又は19に記載の支持要素。
【請求項21】
複数のセル(10)を含む前記ハニカム構造が、前記ユーザの解剖学的構造及び/又は重量及び/又は所望の必要性に基づき、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)のセルごとに又は領域ごとに、それぞれ異なる立体構造及び/又はサイズ及び/又は密度及び/又は剛度を有する、請求項18から20のいずれか一項に記載の支持要素。
【請求項22】
前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)が、第1面(4、104、204)と、該第1面(4、104、204)の反対側の第2面(5、105、205)と、前記第1面(4、104、204)及び前記第2面(5、105、205)間の距離によって与えられる厚さ(6、106、206)とを備える一方、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)が、前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)の前記第1面(4、104、204)への接触及び拘束が可能な内面(7、107、207)と、該内面(7、107、207)の反対側の外面(8、108、208)と、内面(7、107、207)及び外面(8、108、208)間の距離によって与えられる厚さ(9、109、209)とを備え、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)が、前記支持要素(1、100、200)の弾性部分及び/又は衝撃吸収部分及び/又は快適部分を構成する一方、前記第1構成要素すなわち支持構成要素(2、102、202)が、前記支持要素(1)の剛性位置を構成して、ユーザの体重を支持し、及び前記支持要素(1、100、200)の剛性構造を確保する、請求項18から21のいずれか一項に記載の支持要素。
【請求項23】
前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)の前記外面(8、108、208)を構成するように前記複数のセル(10)の外面が互いに実質的に同一平面上にあり、又は前記少なくとも1つの面又は前記少なくとも1つのセル(10)が、少なくとも3つの前記頂点(12)で互いに合わさる少なくとも3つの略直線状の前記分枝又は区分(11)を含む、請求項18から22のいずれか一項に記載の支持要素。
【請求項24】
前記支持要素(1、100、200)が、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、102、203)の上に配置された、又は前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、102、203)を覆うように配置された、例えば可塑性材料又は天然材料から作製される薄膜又は薄層の形態の被覆要素を備え、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)は、該第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)の最外周を構成し、略環状に延在する実質的に連続した末端縁(13)を備える、請求項18から23のいずれか一項に記載の支持要素。
【請求項25】
前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3、103、203)が、少なくとも2つの部分からなり、及び前記支持要素が自転車又は車両のサドル(1)である場合には、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(3)が、前記サドルの前部(F)に向かって細長い立体構造を有する第1部分(14)と、前記サドルの後部(R)に拡張された立体構造を有する第2部分(15)と、を備えた右側部(3a)及び左側部(3b)を備え、又は前記右側部(3a)が、前記サドルの前部(F)から後部(R)まで略長手方向に展開する空間(16)によって前記左側部分(3b)から分離される、請求項18から24のいずれか一項に記載の支持要素。
【請求項26】
前記支持要素がハンドルバー用グリップ(100)の形態であり、前記第1構成要素すなわち支持構成要素(102)が、略円形の断面を有する略管状の形状を有し、前記第1面(104)は、自転車又は車両のハンドルバーの一端に接触及び配置又は拘束されるように適合される一方、前記第2面(105)は、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(103)と接触するように適合され、前記第2構成要素すなわちパッド構成要素(103)が、略円形又は環状の断面を有する管状立体構造を有し、前記第1構成要素すなわち支持構成要素(102)に接触及び/又は拘束することができる前記内面(107)を備え、前記外面(108)は、使用時に、例えばユーザの手と接触するように配置されるか、又は被覆要素によって被覆されることが可能な、請求項18から24のいずれか一項に記載の支持要素(1)。
【請求項27】
前記支持要素が、人体用のサドル又はシート用の衝撃吸収要素(200)の形態であり、前記第1構成要素すなわち支持構成要素(202)が、前記第2構成要素(203)に接触及び連結又は拘束することができる第1円板状基部(202a)と、該第1円板状基部(202a)の反対側に位置する第2環状基部(202b)とを備え、前記第1円板状基部(202a)と前記第2環状基部(202b)とは、略円形断面を有する貫通開口(202d)を備え、延在部が少なくとも前記環状基部(202b)を含む略管状壁(202c)によって接続され、該壁(202c)は、前記環状基部(202b)及び/又は前記円板状基部(202a)に対して、例えば自転車サドルのフォークの後部を収容するための使用に適合した凹状領域を構成し、及び/又は、前記第2構成要素(203)が、略半球状の立体構造を有し、半球状キャップ(203a)と平坦基部(203b)とを備える、請求項18から24のいずれか一項に記載の支持要素。
【国際調査報告】