IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴォルタ ラブズ,インク.の特許一覧

特表2024-512325液滴操作のための方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-19
(54)【発明の名称】液滴操作のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/68 20180101AFI20240312BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20240312BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20240312BHJP
   C12M 1/42 20060101ALI20240312BHJP
   C12N 15/10 20060101ALI20240312BHJP
   C12Q 1/6844 20180101ALI20240312BHJP
   C40B 40/08 20060101ALI20240312BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALI20240312BHJP
【FI】
C12Q1/68
C12N15/09 Z
C12M1/34 Z
C12M1/42
C12N15/09 200
C12N15/10 110Z
C12Q1/6844 Z
C40B40/08
C12Q1/6869 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553522
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 US2022018549
(87)【国際公開番号】W WO2022187381
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】63/155,692
(32)【優先日】2021-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/250,101
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/255,721
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/287,412
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ANDROID
(71)【出願人】
【識別番号】520329058
【氏名又は名称】ヴォルタ ラブズ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ランフォード,ウィリアム,カイ
(72)【発明者】
【氏名】レンホフ,アキム
(72)【発明者】
【氏名】ジュンキンス,デヴィン,ライアー
(72)【発明者】
【氏名】ゴーヴィンダラジャン,イシャン
(72)【発明者】
【氏名】ムハンマド,アブドゥル,マジード
(72)【発明者】
【氏名】メランド,ラファエル
(72)【発明者】
【氏名】マスターズ,リアム
(72)【発明者】
【氏名】ウマパティ,ウダヤン
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029BB20
4B029CC01
4B029FA15
4B029GA08
4B029GB06
4B029GB10
4B063QA13
4B063QA18
4B063QQ28
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QQ62
4B063QR08
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR42
4B063QS03
4B063QS25
4B063QS34
4B063QS36
4B063QX02
(57)【要約】
【解決手段】本明細書に記載されるのは、誘電体エレクトロウェッティング(EWOD)を用いて、アレイ上で様々な生物学的アッセイを実施するためのシステムおよび方法である。本システムおよび方法は、少なくとも1つの液滴を使用して、1つの生体試料、または複数の生体試料を処理し得る。1つの液滴、または複数の液滴は、本明細書に記載されるシステムおよび方法を使用して操作され得る。さらに本明細書に記載されるのは、アレイ上での生物学的アッセイの実行を容易にするための、アレイの改良である。
【選択図】図27
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオポリマーを生成する方法であって、
a.表面に隣接する複数の液滴を提供する工程であって、前記複数の液滴が、第1の試薬を含む第1の液滴、および第2の試薬を含む第2の液滴を含む、工程と、
b.前記第1の液滴および前記第2の液滴を互いに対して動かし、(i)前記第1の液滴を前記第2の液滴と接触させ、(ii)前記第1の試薬および前記第2の試薬を含む融合液滴を形成する工程と、
c.前記融合液滴において、少なくとも(i)前記第1の試薬および(ii)前記第2の試薬を使用して、前記バイオポリマーの少なくとも一部を形成する工程と
を含み、
前記バイオポリマーの少なくとも一部を生成することが、10分以下の時間で実行される、方法。
【請求項2】
前記バイオポリマーは、ポリヌクレオチドである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バイオポリマーは、ポリペプチドである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリヌクレオチドは、約10~約250の塩基を含む、請求項1または2のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記ポリヌクレオチドは、約260~約1kbを含む、請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記ポリヌクレオチドは、約1kb~約10,000kbを含む、請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記(b)、前記(c)、またはその両方の間に、合成液滴に振動が加えられる、請求項1~6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記融合液滴に接触するように洗浄液滴を動かすことを含む1つ以上の洗浄工程をさらに含む、請求項1~7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上の洗浄工程に振動が加えられる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記表面は、誘電体である、請求項1~9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記表面は、1つ以上の電極の上に配置された誘電体層を含む、請求項1~9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記表面は、ポリマーフィルムの表面である、請求項1~9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
前記表面は、前記表面に結合した1つ以上のオリゴヌクレオチド含む、請求項1~9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
前記表面は、潤滑液体層の表面である、請求項1~9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
前記複数の液滴は、第3の試薬を含む第3の液滴を含む、請求項1~14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
前記第1の試薬、前記第2の試薬、前記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、1つ以上の官能性ビーズを含む、請求項1~15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項17】
前記官能性ビーズは、それに固定された1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
振動は、前記第1の液滴、前記第2の液滴、前記第3の液滴、洗浄液滴、またはそれらの混合物のいずれかに加えられる、請求項1~17のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
前記第1の試薬、前記第2の試薬、前記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、ポリメラーゼを含む、請求項1~18のいずれか1つに記載の方法。
【請求項20】
前記第1の試薬、前記第2の試薬、前記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、バイオモノマーを含む、請求項1~19のいずれか1つに記載の方法。
【請求項21】
前記バイオモノマーはアミノ酸である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記バイオモノマーは核酸分子である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記核酸分子は、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、またはウラシルを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の試薬、前記第2の試薬、前記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、1つ以上の官能性ディスクを含む、請求項1~23のいずれか1つに記載の方法。
【請求項25】
前記官能性ディスクは、それに固定された1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の試薬、前記第2の試薬、前記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、合成または重合を媒介する酵素を含む、請求項1~25のいずれか1つに記載の方法。
【請求項27】
前記酵素は、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ(PNPase)、末端デヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)、DNAポリメラーゼベータ、DNAポリメラーゼラムダ、DNAポリメラーゼミューおよびDNAポリメラーゼのXファミリー由来の他の酵素からなる群に由来する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、前記融合液滴内に20分以下で生成される、請求項1~27のいずれか1つに記載の方法。
【請求項29】
前記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、前記融合液滴内に15分以下で生成される、請求項1~28のいずれか1つに記載の方法。
【請求項30】
前記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、前記融合液滴内に10分以下で生成される、請求項1~29のいずれか1つに記載の方法。
【請求項31】
前記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、前記融合液滴内に1分以下で生成される、請求項1~30のいずれか1つに記載の方法。
【請求項32】
前記融合液滴は、温度制御される、請求項1~31のいずれか1つに記載の方法。
【請求項33】
前記第1の液滴、前記第2の液滴、前記第3の液滴、または前記融合液滴は、磁場に供される、請求項1~32のいずれか1つに記載の方法。
【請求項34】
前記第1の液滴、前記第2の液滴、前記第3の液滴、または前記融合液滴は、光に供される、請求項1~33のいずれか1つに記載の方法。
【請求項35】
前記第1の液滴、前記第2の液滴、前記第3の液滴、または前記融合液滴は、pH変化に供される、請求項1~34のいずれか1つに記載の方法。
【請求項36】
前記第1の液滴、前記第2の液滴、前記第3の液滴、または前記融合液滴は、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)を含む、請求項1~35のいずれか1つに記載の方法。
【請求項37】
前記デオキシヌクレオシド三リン酸は、保護基を有することがある、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記保護基は、反応中に除去され得る、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の液滴、前記第2の液滴、前記第3の液滴、または前記融合液滴は、片側のみで表面と接触する、請求項1~38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項40】
前記第1の液滴、前記第2の液滴、前記第3の液滴、または前記融合液滴の容積は、1ナノリットル(1nl)~500マイクロリットル(500μl)の間である、請求項1~39のいずれか1つに記載の方法。
【請求項41】
前記第1の液滴、前記第2の液滴、前記第3の液滴、または前記融合液滴の容積は、1マイクロリットル(1μl)~500マイクロリットル(500μl)の間である、請求項1~40のいずれか1つに記載の方法。
【請求項42】
前記第1の液滴、前記第2の液滴、前記第3の液滴、または前記融合液滴の容積は、1マイクロリットル(1μl)~200マイクロリットル(200μl)の間である、請求項1~41のいずれか1つに記載の方法。
【請求項43】
前記バイオポリマーを第2のバイオポリマーにライゲートする工程をさらに含む、請求項1~42のいずれか1つに記載の方法。
【請求項44】
前記第2のバイオポリマーが請求項1~43のいずれか1つに記載の方法を使用して生成された、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
試料を処理するための方法であって、
a.アレイを提供する工程であって、前記アレイが、
i)複数の電極、および
ii)前記試料を支持するように構成された表面
を含み、
ここで、前記アレイが電気機械的アクチュエータに結合され、前記電気機械的アクチュエータが前記アレイを振動させるように構成される、工程と、
b.前記表面に前記液滴を導入する工程と、
c.前記電気機械的アクチュエータを、振動の周波数を前記アレイに印加するように方向付ける工程と
を含む、方法。
【請求項46】
前記試料は液滴である、請求項1~45のいずれか1つに記載の方法。
【請求項47】
前記液滴は、1ナノリットル~1ミリリットルを含む、請求項1~46のいずれか1つに記載の方法。
【請求項48】
前記液滴は生体材料を含む、請求項1~47のいずれか1つに記載の方法。
【請求項49】
前記生体試料は1つ以上の生体分子を含む、請求項1~48のいずれか1つに記載の方法。
【請求項50】
前記生体分子は、核酸分子、タンパク質、ポリペプチド、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項1~49のいずれか1つに記載の方法。前記液滴は、1ナノリットル~1ミリリットルを含む、請求項1~49のいずれか1つに記載の方法。
【請求項51】
電場を供給して前記表面の湿潤特性を改変するように、前記複数の電極の少なくともサブセットを方向付ける工程をさらに含む、請求項1~50のいずれか1つに記載の方法。
【請求項52】
前記電気機械的アクチュエータはカンチレバーを備える、請求項1~51のいずれか1つに記載の方法。
【請求項53】
前記電気機械的アクチュエータは、前記アレイに結合された1つ以上の結合部材を備える、請求項1~52のいずれか1つに記載の方法。
【請求項54】
前記1つ以上の結合部材は、電磁気アクチュエータ、圧電アクチュエータ、超音波トランスデューサ、回転偏心質量、振動リンケージ機構を有する1つ以上のモータ、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項1~53のいずれか1つに記載の方法。
【請求項55】
前記1つ以上のモータは、ブラシ付き、ブラシレス、ステッパ、またはそれらのいずれかの組合せである、請求項1~54のいずれか1つに記載の方法。
【請求項56】
前記電磁気のアクチュエータは、電磁気ボイスコイルアクチュエータを含む、請求項1~55のいずれか1つに記載の方法。
【請求項57】
前記振動周波数はグラジエントを含む、請求項1~56のいずれか1つに記載の方法。
【請求項58】
前記グラジエントは、前記カンチレバーが前記アレイに結合される部位の近くから上昇する、請求項1~57のいずれか1つに記載の方法。
【請求項59】
前記振動はパターンを含む、請求項1~58のいずれか1つに記載の方法。
【請求項60】
前記パターンは正弦波である、請求項1~59のいずれか1つに記載の方法。
【請求項61】
前記パターンは正方形である、請求項1~60のいずれか1つに記載の方法。
【請求項62】
前記表面は誘電体の上面であり、前記誘電体は前記複数の電極の上に配置される、請求項1~61のいずれか1つに記載の方法。
【請求項63】
前記表面は、誘電体の上に配置される層を含み、前記誘電体は前記複数の電極の上に配置される、請求項1~62のいずれか1つに記載の方法。
【請求項64】
前記層は液体を含む、請求項1~63のいずれか1つに記載の方法。
【請求項65】
前記層はコーティングを含む、請求項1~64のいずれか1つに記載の方法。
【請求項66】
前記コーティングは疎水性ある、請求項1~65のいずれか1つに記載の方法。
【請求項67】
前記層はフィルムを含む、請求項1~66のいずれか1つに記載の方法。
【請求項68】
前記フィルムは誘電体膜である、請求項1~67のいずれか1つに記載の方法。
【請求項69】
前記誘電体膜は、天然ポリマー材料、合成ポリマー材料、フッ素化材料、表面改質、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項1~68のいずれか1つに記載の方法。
【請求項70】
前記天然ポリマー材料は、シェラック、琥珀、羊毛、絹、天然ゴム、セルロース、ワックス、ヒザラガイ、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項1~69のいずれか1つに記載の方法。
【請求項71】
前記合成ポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアセタール、ポリシルフォン、ポリフェニレンエーテル(polyphenulene ether)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ塩化ビニル、合成ゴム、ネオプレン、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、シリコーン、パラフィルム(parafilm)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリオキシメチレン(polyoxymethlyene)、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド(ポリフェニルエーテル)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ乳酸、合成セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、パラフィン(paraffins)、微結晶性ワックス、エポキシ、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項1~70のいずれか1つに記載の方法。
【請求項72】
前記フッ素化材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレン(perfluoroalkoxytetrafluoroethylene)コポリマー(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテルコポリマー(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロポリエーテル(perfluoropolyether)(PFPE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項1~71のいずれか1つに記載の方法。
【請求項73】
前記表面改質は、シリコーン、シラン、フルオロポリマー処理、パリレンコーティング(parylene coating)、いずれかの他の適切な表面化学改質プロセス、セラミック、粘土鉱物、ベントナイト、カオリナイト、蛭石、黒鉛、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項1~72のいずれか1つに記載の方法。
【請求項74】
前記液体は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン(polyalphaolefin)、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項1~73のいずれか1つに記載の方法。
【請求項75】
前記液体は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項1~74のいずれか1つに記載の方法。
【請求項76】
前記第1の複数の電極、前記誘電体、前記試料を含む前記液滴を支持するように構成された前記表面、またはそれらのいずれかの組合せは、前記アレイから取り外し可能である、請求項1~75のいずれか1つに記載の方法。
【請求項77】
前記振動の前記周波数は、前記表面または前記表面の一部を0.05ミリメートル(mm)~10mm変位させる、請求項1~76のいずれか1つに記載の方法。
【請求項78】
前記振動の前記周波数は、1ヘルツ(hz)~20キロヘルツ(khz)である、請求項1~77のいずれか1つの方法。
【請求項79】
アレイ上で液滴を動かす方法であって、前記アレイが、いずれの電極も恒久的に接地されない複数の電極、および、前記試料を含む前記液滴を支持するように構成された表面を備え、前記方法が、
a.前記複数の電極の少なくとも1つのサブセットを電圧で活性化して、前記表面の湿潤特性を改変する工程
を含み、
前記アレイが、恒久的な基準電極を備えていない、方法。
【請求項80】
時変電圧が、前記液滴および1つ以上の不活性電極に隣接する電流戻り経路を生成し、それによって前記液滴の動きを誘導する、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記複数の電極は、同一平面上にある、請求項79~80のいずれか1つに記載の方法。
【請求項82】
前記時変電圧は、双極性である、請求項79~81のいずれか1つに記載の方法。
【請求項83】
前記時変電圧は、約1Hz~約20kHzである、請求項79~82のいずれか1つに記載の方法。
【請求項84】
前記複数の電極の少なくとも前記サブセットが活性化されると、記システムは、前記液滴および1つ以上の不活性電極に隣接する電流戻り経路をさらに備える、請求項79~83のいずれか1つに記載の方法。
【請求項85】
前記複数の電極の少なくとも前記サブセットの前記活性化は、1つ以上の隣接する電極において拮抗的電流駆動スキームを生成する、請求項79~84のいずれか1つに記載の方法。
【請求項86】
試料を処理するためのシステムであって、
a.複数の電極と、
b.前記複数の電極の上に配置された誘電体層であって、前記試料を含む液滴を支持するように構成された表面を含む誘電体層と、
c.前記複数の電極と前記誘電体層に隣接する間隙に配置される液体と
を備える、システム。
【請求項87】
前記液体は、前記複数の電極と前記誘電体層との間に接着力を発生させる、請求項86に記載のシステム。
【請求項88】
前記液体は誘電材料を含む、請求項86~87のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項89】
前記液体は、前記間隙に配置された空気の導電率を防止または低減する、請求項86~88のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項90】
前記誘電体層は、天然ポリマー材料、合成ポリマー材料、フッ素化材料、表面改質、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項86~89のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項91】
前記天然ポリマー材料は、シェラック、琥珀、羊毛、絹、天然ゴム、セルロース、ワックス、ヒザラガイ、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項86~90のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項92】
前記合成ポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアセタール、ポリシルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ塩化ビニル、合成ゴム、ネオプレン、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、シリコーン、パラフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド(ポリフェニルエーテル)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ乳酸、合成セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、パラフィン、微結晶性ワックス、エポキシ、またはそのいずれかの組合せを含む、請求項86~91のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項93】
前記フッ素化材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレンコポリマー(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテルコポリマー(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項86~92のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項94】
前記表面改質は、シリコーン、シラン、フルオロポリマー処理、パリレンコーティング、いずれかの他の適切な表面化学改質プロセス、セラミック、粘土、鉱物、ベントナイト、カオリナイト、蛭石、黒鉛、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項86~93のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項95】
前記液体は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項86~94のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項96】
前記液体は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項86~95のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項97】
前記表面は液体層を含む、請求項86~96のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項98】
前記液体層は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項86~97のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項99】
前記液体層は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項86~98のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項100】
前記誘電体層は取り外し可能である、請求項86~99のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項101】
前記接着は、前記液体を前記表面上に固定するのに充分であり、前記液体は重力に耐性を示す、請求項86~100のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項102】
前記液体は、前記表面上での前記液滴の動きを容易にするために前記表面を優先的に濡らすように選択される、請求項86~101のいずれか1つに記載のシステム。
【請求項103】
核酸試料を環状化させる方法であって、
a.エレクトロウェッティングアレイに隣接し、前記核酸試料を含む液滴を提供する工程と、
b.前記液滴を1つ以上の試薬液滴と組合せる工程と、
c.前記エレクトロウェッティングアレイを使用して前記液滴を処理し、前記核酸試料を環状化させる工程と、
d.前記液滴を前記1つ以上の試薬液滴から分離して、前記液滴中で環状化核酸試料を得る工程とを含む、方法。
【請求項104】
前記エレクトロウェッティングアレイは、誘電体基板を含む、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記エレクトロウェッティングアレイは、1つ以上の試薬液滴をさらに含む、請求項103~104のいずれか1つに記載の方法。
【請求項106】
前記1つ以上の試薬液滴は、前記核酸試料を環状化させるための1つ以上の試薬を含む、請求項103~105のいずれか1つに記載の方法。
【請求項107】
a.前記試料液滴を前記1つ以上の試薬液滴と組合せる工程と、
b.前記試料液滴を前記1つ以上の試薬液滴から分離する工程と、
c.前記1つ以上の試薬液滴を第2の液滴と組合せる工程と
をさらに含む、請求項103~106のいずれか1つに記載の方法。
【請求項108】
前記液滴は、前記核酸試料を環状化させるための1つ以上の試薬を含む、請求項103~107のいずれか1つに記載の方法。
【請求項109】
(b)は、前記エレクトロウェッティングアレイに対して1つ以上の液滴操作を実行して前記液滴を処理することをさらに含み、前記1つ以上の液滴操作は、前記1つ以上の試薬液滴を前記液滴と接触させることを含む、請求項103~108のいずれか1つに記載の方法。
【請求項110】
前記エレクトロウェッティングアレイは、前記エレクトロウェッティングアレイの表面の下に1つ以上の電極を備え、および前記1つ以上の液滴操作は、前記1つ以上の電極のうちの少なくとも1つの電極に電圧を印加して、前記1つ以上の試薬液滴、前記試料液滴、またはその両方を操作することを含む、請求項103~109のいずれか1つに記載の方法。
【請求項111】
前記1つ以上の液滴操作は、前記1つ以上の試薬液滴、前記試料液滴、またはその両方に振動を加えることを含む、請求項103~110のいずれか1つに記載の方法。
【請求項112】
前記1つ以上の液滴操作は、前記エレクトロウェッティングアレイに振動を加えることを含む、請求項103~111のいずれか1つに記載の方法。
【請求項113】
単一の重合酵素を使用して、前記核酸試料を配列決定反応に供することをさらに含む、請求項103~112のいずれか1つに記載の方法。
【請求項114】
少なくとも70キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得る工程をさらに含む、請求項103~113のいずれか1つに記載の方法。
【請求項115】
少なくとも80キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得る工程をさらに含む、請求項103~114のいずれか1つに記載の方法。
【請求項116】
約200キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得る工程をさらに含む、請求項103~115のいずれか1つに記載の方法。
【請求項117】
少なくとも100(Gb)の配列決定データが産生される、請求項103~116のいずれか1つに記載の方法。
【請求項118】
少なくとも500Gbの配列決定データが産生される、請求項103~117のいずれか1つに記載の方法。
【請求項119】
少なくとも512Gbの配列決定データが産生される、請求項16に記載の方法。
【請求項120】
少なくとも10Gbのデータが産生される、請求項103~119のいずれか1つに記載の方法。
【請求項121】
少なくとも30Gbのデータが産生される、請求項103~120のいずれか1つに記載の方法。
【請求項122】
前記配列決定反応は、反復パス含む、請求項103~121のいずれか1つに記載の方法。
【請求項123】
前記配列決定リードの1つ以上のサブリードが産生される、請求項103~122のいずれか1つに記載の方法。
【請求項124】
コンセンサス配列が、前記配列決定リードの前記サブリードから産生される、請求項103~123のいずれか1つに記載の方法。
【請求項125】
前記配列決定リードは、約1.84未満のA260/A280比を含む、請求項103~124のいずれか1つに記載の方法。
【請求項126】
環状化核酸試料を生成する工程をさらに含む、請求項103~125のいずれか1つに記載の方法。
【請求項127】
前記環状化核酸試料は、標的配列を含む、請求項103~126のいずれか1つに記載の方法。
【請求項128】
前記環状化核酸試料は、前記標的配列を含む複数の配列を含む、請求項103~127のいずれか1つに記載の方法。
【請求項129】
前記複数の配列の少なくとも80%は、前記標的配列を含む、請求項103~128のいずれか1つに記載の方法。
【請求項130】
(a)の前に、前記エレクトロウェッティングアレイ上の生体試料から前記核酸試料を導き出す工程をさらに含む、請求項103~129のいずれか1つに記載の方法。
【請求項131】
液滴中の動きを誘導するためのシステムであって、
a.磁場に結合するように構成された材料から形成された少なくとも1つのビーズを含む前記液滴を支持するように構成された表面と、
b.磁石に結合されたアクチュエータであって、前記磁石が、前記磁場を供給するように構成され、前記アクチュエータが、前記表面に平行な平面に沿って前記磁場を並進させるように構成される、アクチュエータと、
c.前記アクチュエータに動作可能に結合されたコントローラであって、前記コントローラが、前記磁場が前記平面に沿って並進する間に前記液滴が前記表面に沿って動きを受けるように前記磁場を前記平面に沿って並進させるべく前記アクチュエータを方向付けるように構成される、コントローラと
を備える、システム。
【請求項132】
前記アクチュエータはスイッチである、請求項130に記載のシステム。
【請求項133】
前記アクチュエータは、前記磁石に結合されたモータを備え、前記モータは、前記表面に平行な方向に沿って前記磁石を並進させるように構成される、請求項130に記載のシステム。
【請求項134】
電場を前記表面に供給するように構成された電極であって、前記電場および前記磁場が、前記液滴を前記動きに供するのに充分なものである、電極をさらに備え、請求項130に記載のシステム。
【請求項135】
前記アクチュエータは、前記平面に平行な少なくとも2つの軸に沿って並進させるように前記磁石を動かすように構成される、請求項130に記載のシステム。
【請求項136】
前記磁石は永久磁石を含む、請求項130に記載のシステム。
【請求項137】
前記磁石は、少なくとも1つの電磁石を含む、請求項130に記載のシステム。
【請求項138】
前記アクチュエータは、ピボットを備え、および前記ピボットは、前記表面に結合される、請求項130に記載のシステム。
【請求項139】
前記表面は、1つ以上の電極上に配置された誘電体を含む、請求項130に記載のシステム。
【請求項140】
前記1つ以上の磁石は、前記表面より下に配置される、請求項130に記載のシステム。
【請求項141】
前記表面は液体層を含む、請求項130に記載のシステム。
【請求項142】
前記液体層は、前記表面に対する親和性を含む液体を含む、請求項130に記載のシステム。
【請求項143】
前記部材は、ピボットを備え、前記ピボットは、前記表面に結合される、請求項130に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2021年3月2日に出願された米国仮特許出願第63/155,692号、2021年9月29日に出願された米国仮特許出願63/250,101号、2021年10月14日に出願された米国仮特許出願第63/287,412号、および2021年12月8日に出願された米国仮特許出願第63/287,412号の利点を主張し、これらは、参照によってそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
生体試料は、様々な用途のために処理され得る。例えば、デオキシリボ核酸(DNA)分子またはリボ核酸(RNA)分子は、遺伝子変異体を同定するために処理(例えば、配列決定)され得、これは、癌などの疾患を同定するのに有用であり得る。そのような生体試料は、液滴などの区画で処理され得る。DNAまたはRNAの配列は、核酸配列決定などの配列特定によって決定され得る。
【0003】
生体試料を含む液滴は、表面に隣接している液滴を移動させるために電極からの電場を使用するエレクトロウェッティングの使用によって操作され得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示のいくつかの態様は、核酸試料を環状化させる方法を提供し、該方法は、エレクトロウェッティングアレイに隣接して液滴を提供する工程であって、試料液滴は核酸試料を含む工程、および核酸試料を環状化させるように液滴を処理するためにエレクトロウェッティングアレイを使用する工程を含む。いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングアレイは誘電体基板を含む。いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングアレイは1つ以上の試薬液滴をさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の試薬液滴は、核酸試料を環状化させるための1つ以上試薬を含む。いくつかの実施形態では、上記方法はさらに、試料液滴を1つ以上の試薬液滴と組合せる工程、試料液滴を1つ以上の試薬液滴から分離する工程、および1つ以上の試薬液滴を第2の液滴と組合せる工程を含む。いくつかの実施形態では、液滴は、核酸試料を環状化させるための1つ以上の試薬を含む。いくつかの実施形態では、(b)は、エレクトロウェッティングアレイに対して1つ以上の液滴操作を実行して液滴を処理することをさらに含み、1つ以上の液滴操作は、1つ以上の試薬液滴を液滴と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングアレイは、エレクトロウェッティングアレイの表面の下に1つ以上の電極を備え、および1つ以上の液滴操作は、1つ以上の電極のうちの少なくとも1つの電極に電圧を印加して、1つ以上の試薬液滴、試料液滴、または両方を操作することを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の液滴操作は、1つ以上の試薬液滴、試料液滴、または両方に振動を加えることを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上液滴作用は、エレクトロウェッティングアレイに振動を加えることを含む。いくつかの実施形態では、方法は、核酸試料を配列決定反応にさらすために単一の重合酵素を使用することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも70キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも80キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、約200キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも100(Gb)の配列決定データが産生される。いくつかの実施形態では、少なくとも500Gbの配列決定データが産生される。いくつかの実施形態では、少なくとも512Gbの配列決定データが産生される。いくつかの実施形態では、少なくとも10Gbのデータが産生される。いくつかの実施形態では、少なくとも30Gbのデータが産生される。いくつかの実施形態では、配列決定反応は反復パスを含む。いくつかの実施形態では、配列決定リードの1つ以上のサブリードが産生される。いくつかの実施形態では、配列決定リードのサブリードからコンセンサス配列が産生される。いくつかの実施形態では、配列決定リードは、約1.84未満のA260/A280比を含む。いくつかの実施形態では、方法は、環状化核酸試料を生成する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、環状化核酸試料は標的配列を含む。いくつかの実施形態では、環状化核酸試料は、標的配列を含む複数の配列を含む。いくつかの実施形態では、複数の配列の少なくとも80%は標的配列を含む。いくつかの実施形態では、方法は、(a)の前に、エレクトロウェッティングアレイ上の生体試料から核酸試料を導き出す工程をさらに含む。
【0005】
本開示の別の態様は、核酸試料を配列決定する方法であり、該方法は、(a)エレクトロウェッティングアレイに隣接して核酸試料を含む液滴を提供する工程、(b)エレクトロウェッティングアレイを使用して液滴を処理して核酸試料を環状化させる工程、および(c)単一の重合酵素を使用して環状化核酸試料を配列決定反応に供する工程を含む。環状核酸試料を配列決定するための方法であって、単一の重合酵素を使用して、上記核酸試料を配列決定反応に供し、少なくとも70キロベースの長さを有する配列決定リードを得る工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、配列決定反応中に核酸試料に組み込まれた塩基を検出するために導波路を使用することさらに含む。いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングアレイは誘電体基板を含む。いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングアレイは1つ以上の試薬液滴をさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の試薬液滴は、核酸試料を環状化させるための1つ以上試薬を含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、試料液滴を1つ以上の試薬液滴と組合せる工程、試料液滴を1つ以上の試薬液滴から分離する工程、および1つ以上の試薬液滴を第2の液滴と組合せる工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、液滴は、核酸試料を環状化させるための1つ以上の試薬を含む。いくつかの実施形態では、(b)は、エレクトロウェッティングアレイに対して1つ以上の液滴操作を実行して液滴を処理することをさらに含み、1つ以上の液滴操作は、1つ以上の試薬液滴を液滴と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングアレイは、エレクトロウェッティングアレイの表面の下に1つ以上の電極を備え、および1つ以上の液滴操作は、1つ以上の電極のうちの少なくとも1つの電極に電圧を印加して、1つ以上の試薬液滴、試料液滴、または両方を操作することを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の液滴操作は、1つ以上の試薬液滴、試料液滴、または両方に振動を加えることを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上液滴作用は、エレクトロウェッティングアレイに振動を加えることを含む。いくつかの実施形態では、方法は、核酸試料を配列決定反応にさらすために単一の重合酵素を使用することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも70キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも80キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、約200キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも100(Gb)の配列決定データが産生される。いくつかの実施形態では、少なくとも500Gbの配列決定データが産生される。いくつかの実施形態では、少なくとも512Gbの配列決定データが産生される。いくつかの実施形態では、少なくとも10Gbのデータが産生される。いくつかの実施形態では、少なくとも30Gbのデータが産生される。いくつかの実施形態では、配列決定反応は反復パスを含む。いくつかの実施形態では、配列決定リードの1つ以上のサブリードが産生される。いくつかの実施形態では、配列決定リードのサブリードからコンセンサス配列が産生される。いくつかの実施形態では、配列決定リードは、約1.84未満のA260/A280比を含む。いくつかの実施形態では、方法は、環状化核酸試料を生成する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、環状化核酸試料は標的配列を含む。いくつかの実施形態では、環状化核酸試料は、標的配列を含む複数の配列を含む。いくつかの実施形態では、複数の配列の少なくとも80%は標的配列を含む。いくつかの実施形態では、方法は、(a)の前に、エレクトロウェッティングアレイ上の生体試料から核酸試料を導き出す工程をさらに含む。
【0006】
本開示の別の態様は、より長いインサートサイズを有する環状化核酸試料を生成する方法であり、該方法は、(a)エレクトロウェッティングアレイに隣接して核酸試料を含む液滴を提供する工程、(b)エレクトロウェッティングアレイを使用して液滴を処理して核酸試料を環状化させる工程、および(c)単一の重合酵素を使用して環状化核酸試料を配列決定反応に供する工程を含む。いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングアレイは誘電体基板を含む。いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングアレイは1つ以上の試薬液滴をさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の試薬液滴は、核酸試料を環状化させるための1つ以上試薬を含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、試料液滴を1つ以上の試薬液滴と組合せる工程、試料液滴を1つ以上の試薬液滴から分離する工程、および1つ以上の試薬液滴を第2の液滴と組合せる工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、液滴は、核酸試料を環状化させるための1つ以上の試薬を含む。いくつかの実施形態では、(b)は、エレクトロウェッティングアレイに対して1つ以上の液滴操作を実行して液滴を処理することをさらに含み、1つ以上の液滴操作は、1つ以上の試薬液滴を液滴と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングアレイは、エレクトロウェッティングアレイの表面の下に1つ以上の電極を備え、および1つ以上の液滴操作は、1つ以上の電極のうちの少なくとも1つの電極に電圧を印加して、1つ以上の試薬液滴、試料液滴、または両方を操作することを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の液滴操作は、1つ以上の試薬液滴、試料液滴、または両方に振動を加えることを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上液滴作用は、エレクトロウェッティングアレイに振動を加えることを含む。いくつかの実施形態では、方法は、核酸試料を配列決定反応にさらすために単一の重合酵素を使用することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも70キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも80キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、約200キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも100(Gb)の配列決定データが産生される。いくつかの実施形態では、少なくとも500Gbの配列決定データが産生される。いくつかの実施形態では、少なくとも512Gbの配列決定データが産生される。いくつかの実施形態では、少なくとも10Gbのデータが産生される。いくつかの実施形態では、少なくとも30Gbのデータが産生される。いくつかの実施形態では、配列決定反応は反復パスを含む。いくつかの実施形態では、配列決定リードの1つ以上のサブリードが産生される。いくつかの実施形態では、配列決定リードのサブリードからコンセンサス配列が産生される。いくつかの実施形態では、配列決定リードは、約1.84未満のA260/A280比を含む。いくつかの実施形態では、方法は、環状化核酸試料を生成する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、環状化核酸試料は標的配列を含む。いくつかの実施形態では、環状化核酸試料は、標的配列を含む複数の配列を含む。いくつかの実施形態では、複数の配列の少なくとも80%は標的配列を含む。いくつかの実施形態では、方法は、(a)の前に、エレクトロウェッティングアレイ上の生体試料から核酸試料を導き出す工程をさらに含む。
【0007】
本開示の別の態様は、配列決定ライブラリを生成する方法であり、該方法は、(a)複数の配列を含む複数の核酸分子を含む核酸試料を提供する工程、(b)核酸試料を使用して配列決定ライブラリを生成する工程であって、配列決定ライブラリが、その相補体の複数の配列の少なくとも80%を含む、工程、(c)上記エレクトロウェッティングアレイを使用して上記液滴を処理し、上記核酸試料を環状化させる工程、(d)上記試料液滴を上記1つ以上の試薬液滴から分離する工程、および(e)上記1つ以上の試薬液滴を上記試料液滴と組合せて、環状化核酸試料を得る工程を含む。いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングアレイは誘電体基板を含む。いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングアレイは1つ以上の試薬液滴をさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の試薬液滴は、核酸試料を環状化させるための1つ以上試薬を含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、試料液滴を1つ以上の試薬液滴と組合せる工程、試料液滴を1つ以上の試薬液滴から分離する工程、および1つ以上の試薬液滴を第2の液滴と組合せる工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、液滴は、核酸試料を環状化させるための1つ以上の試薬を含む。いくつかの実施形態では、(b)は、エレクトロウェッティングアレイに対して1つ以上の液滴操作を実行して液滴を処理することをさらに含み、1つ以上の液滴操作は、1つ以上の試薬液滴を液滴と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングアレイは、エレクトロウェッティングアレイの表面の下に1つ以上の電極を備え、および1つ以上の液滴操作は、1つ以上の電極のうちの少なくとも1つの電極に電圧を印加して、1つ以上の試薬液滴、試料液滴、または両方を操作することを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の液滴操作は、1つ以上の試薬液滴、試料液滴、または両方に振動を加えることを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上液滴作用は、エレクトロウェッティングアレイに振動を加えることを含む。いくつかの実施形態では、方法は、核酸試料を配列決定反応にさらすために単一の重合酵素を使用することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも70キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも80キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、約200キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも100(Gb)の配列決定データが産生される。いくつかの実施形態では、少なくとも500Gbの配列決定データが産生される。いくつかの実施形態では、少なくとも512Gbの配列決定データが産生される。いくつかの実施形態では、少なくとも10Gbのデータが産生される。いくつかの実施形態では、少なくとも30Gbのデータが産生される。いくつかの実施形態では、配列決定反応は反復パスを含む。いくつかの実施形態では、配列決定リードの1つ以上のサブリードが産生される。いくつかの実施形態では、配列決定リードのサブリードからコンセンサス配列が産生される。いくつかの実施形態では、配列決定リードは、約1.84未満のA260/A280比を含む。いくつかの実施形態では、方法は、環状化核酸試料を生成する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、環状化核酸試料は標的配列を含む。いくつかの実施形態では、環状化核酸試料は、標的配列を含む複数の配列を含む。いくつかの実施形態では、複数の配列の少なくとも80%は標的配列を含む。いくつかの実施形態では、方法は、(a)の前に、エレクトロウェッティングアレイ上の生体試料から核酸試料を導き出す工程をさらに含む。
【0008】
本開示の別の態様は、核酸試料を環状化させる方法であり、該方法は、エレクトロウェッティングアレイに隣接して核酸試料を含む液滴を提供する工程、液滴を1つ以上の試薬液滴と組合せる工程、核酸試料を環状化させるように液滴を処理するためにエレクトロウェッティングアレイを使用する工程、液滴を1つ以上の試薬液滴から分離する工程、および1つ以上の試薬液滴を試料液滴と組合せて、環状化核酸試料を得る工程を含む。いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングアレイは誘電体基板を含む。いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングアレイは1つ以上の試薬液滴をさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の試薬液滴は、核酸試料を環状化させるための1つ以上試薬を含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、試料液滴を1つ以上の試薬液滴と組合せる工程、試料液滴を1つ以上の試薬液滴から分離する工程、および1つ以上の試薬液滴を第2の液滴と組合せる工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、液滴は、核酸試料を環状化させるための1つ以上の試薬を含む。いくつかの実施形態では、(b)は、エレクトロウェッティングアレイに対して1つ以上の液滴操作を実行して液滴を処理することをさらに含み、1つ以上の液滴操作は、1つ以上の試薬液滴を液滴と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングアレイは、エレクトロウェッティングアレイの表面の下に1つ以上の電極を備え、および1つ以上の液滴操作は、1つ以上の電極のうちの少なくとも1つの電極に電圧を印加して、1つ以上の試薬液滴、試料液滴、または両方を操作することを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の液滴操作は、1つ以上の試薬液滴、試料液滴、または両方に振動を加えることを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上液滴作用は、エレクトロウェッティングアレイに振動を加えることを含む。いくつかの実施形態では、方法は、核酸試料を配列決定反応にさらすために単一の重合酵素を使用することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも70キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも80キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、約200キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも100(Gb)の配列決定データが産生される。いくつかの実施形態では、少なくとも500Gbの配列決定データが産生される。いくつかの実施形態では、少なくとも512Gbの配列決定データが産生される。いくつかの実施形態では、少なくとも10Gbのデータが産生される。いくつかの実施形態では、少なくとも30Gbのデータが産生される。いくつかの実施形態では、配列決定反応は反復パスを含む。いくつかの実施形態では、配列決定リードの1つ以上のサブリードが産生される。いくつかの実施形態では、配列決定リードのサブリードからコンセンサス配列が産生される。いくつかの実施形態では、配列決定リードは、約1.84未満のA260/A280比を含む。いくつかの実施形態では、方法は、環状化核酸試料を生成する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、環状化核酸試料は標的配列を含む。いくつかの実施形態では、環状化核酸試料は、標的配列を含む複数の配列を含む。いくつかの実施形態では、複数の配列の少なくとも80%は標的配列を含む。いくつかの実施形態では、方法は、(a)の前に、エレクトロウェッティングアレイ上の生体試料から核酸試料を導き出す工程をさらに含む。
【0009】
本開示の別の態様は、バイオポリマーを生成する方法であり、該方法は、表面に隣接している複数の液滴を提供する工程であって、上記複数の液滴は、第1の試薬を含む第1の液滴、および第2の試薬を含む第2の液滴を含む、工程、上記第1の液滴および上記第2の液滴を互いに対して動かせて、(i)上記第1の液滴を上記第2の液滴と接触させ、および(ii)上記第1の試薬および上記第2の試薬を含む融合液滴を形成する工程、上記融合液滴において、少なくとも(i)上記第1の試薬および(ii)上記第2の試薬を使用して、上記バイオポリマーの少なくとも一部を形成し、(b)~(c)は10分以下の時間で実行される、工程を含む。いくつかの実施形態では、上記バイオポリマーはポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、上記バイオポリマーはポリペプチドである。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドは、約10~約250の塩基を含む。幾つかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドは、約260~約1kbを含む。幾つかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドは、約1kb~約10,000kbを含む。いくつかの実施形態では、振動は、(b)、(c)、または両方の間に上記合成液滴に加えられる。いくつかの実施形態では、方法は、上記融合液滴に接触するように洗浄液滴を動かせることを含む1つ以上の洗浄工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、振動は、上記1つ以上の洗浄工程に加えられる。いくつかの実施形態では、上記表面は誘電体である。いくつかの実施形態では、上記表面は、1つ以上の電極の上に配置された誘電体層を含む。いくつかの実施形態では、上記表面は、ポリマーフィルムの表面である。いくつかの実施形態では、表面は、表面に結合した1つ以上のオリゴヌクレオチド含む。いくつかの実施形態では、上記表面は、潤滑液体層の表面である。いくつかの実施形態では、上記複数の液滴は、第3の試薬を含む第3の液滴を含む。いくつかの実施形態では、上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、1つ以上の官能性ビーズを含む。いくつかの実施形態では、上記官能性ビーズは、それに固定された1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、振動は、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、洗浄液滴、またはそれらの混合物のいずれかに加えられる。いくつかの実施形態では、上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態では、上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、バイオモノマーを含む。いくつかの実施形態では、上記バイオモノマーはアミノ酸である。いくつかの実施形態では、上記バイオモノマーは核酸分子である。いくつかの実施形態では、上記核酸分子は、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、またはウラシルに含む。いくつかの実施形態では、上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、1つ以上の官能性ディスクを含む。いくつかの実施形態では、上記官能性ディスクは、それに固定された1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、合成または重合を媒介する酵素を含む。いくつかの実施形態では、上記酵素は、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ(PNPase)、末端デヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)、DNAポリメラーゼベータ、DNAポリメラーゼラムダ、DNAポリメラーゼミュー、およびDNAポリメラーゼのXファミリー由来の他の酵素からなる群に由来する。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に20分以下で生成される。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に15分以下で生成される。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に10分以下で生成される。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に1分以下で生成される。いくつかの実施形態では、上記融合液滴は温度制御される。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、磁場に供される。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、光に供される。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、pH変化に供される。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)を含む。いくつかの実施形態では、上記デオキシヌクレオシド三リン酸は、保護基を有し得る。いくつかの実施形態では、上記保護基は、反応中に除去され得る。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、片側のみで表面と接触する。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴の体積は、1ナノリットル(1nl)~500マイクロリットル(500μl)の間である。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴の体積は、1マイクロリットル(1μl)~500マイクロリットル(500μl)の間である。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴の体積は、1マイクロリットル(1μl)~200マイクロリットル(200μl)の間である。いくつかの実施形態では、上記方法は、上記バイオポリマーを第2のバイオポリマーにライゲートする工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、上記第2のバイオポリマーは、本明細書に開示されるいずれかの方法を使用して生成された。
【0010】
本開示の別の態様は、バイオポリマーを生成する方法を提供し、上記方法は、表面に隣接している複数の液滴を提供する工程であって、上記複数の液滴は、第1の試薬を含む第1の液滴と、第2の試薬を含む第2の液滴とを含む、工程、上記第1の液滴および上記第2の液滴を互いに対して動かせて、(i)上記第1の液滴を上記第2の液滴と接触させ、および(ii)上記第1の試薬および上記第2の試薬を含む融合液滴を形成する工程、および上記融合液滴において、少なくとも(i)上記第1の試薬および(ii)上記第2の試薬を使用して、上記バイオポリマーの少なくとも一部を形成し、ここで、振動が、(b)、(c)、または両方に加えられる、工程を含む。いくつかの実施形態では、上記バイオポリマーはポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、上記バイオポリマーはポリペプチドである。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドは、2~10,000,000の核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、方法は、上記融合液滴に接触するように洗浄液滴を動かせることを含む1つ以上の洗浄工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、振動は、上記1つ以上の洗浄工程に加えられる。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に30分以下で生成される。いくつかの実施形態では、上記表面は誘電体である。いくつかの実施形態では、上記表面は、1つ以上の電極の上に配置された誘電体層を含む。いくつかの実施形態では、上記表面は、ポリマーフィルムの表面である。いくつかの実施形態では、表面は、表面に結合した1つ以上のオリゴヌクレオチド含む。いくつかの実施形態では、上記表面は、潤滑液体層の表面である。いくつかの実施形態では、上記複数の液滴は、第3の試薬を含む第3の液滴を含む。いくつかの実施形態では、上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、1つ以上の官能性ビーズを含む。いくつかの実施形態では、上記官能性ビーズは、それに固定された1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態では、上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、バイオモノマーを含む。いくつかの実施形態では、上記バイオモノマーはアミノ酸である。いくつかの実施形態では、上記バイオモノマーは核酸分子である。いくつかの実施形態では、上記核酸分子は、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、またはウラシルである。いくつかの実施形態では、上記第1の試薬は、1つ以上の官能性ディスクを含む。いくつかの実施形態では、上記官能性ディスクは、それに固定された1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または両方は、合成または重合を媒介する酵素を含む。いくつかの実施形態では、上記酵素は、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ(PNPase)、末端デヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)、DNAポリメラーゼベータ、DNAポリメラーゼラムダ、DNAポリメラーゼミュー、およびDNAポリメラーゼのXファミリー由来の他の酵素からなる群に由来する。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に20分以下で生成される。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に15分以下で生成される。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に10分以下で生成される。いくつかの実施形態では、上記融合液滴は加熱される。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、磁場に供される。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、光に供される。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、pH変化に供される。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)を含む。いくつかの実施形態では、上記デオキシヌクレオシド三リン酸は、保護基を有し得る。いくつかの実施形態では、上記保護基は、反応中に除去され得る。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、片側のみで表面と接触する。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴の体積は、1ナノリットル(1nl)~500マイクロリットル(500μl)の間である。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴の体積は、1マイクロリットル(1μl)~500マイクロリットル(500μl)の間である。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴の体積は、1マイクロリットル(1μl)~200マイクロリットル(200μl)の間である。
【0011】
本開示の別の態様は、核酸試料を処理するための方法を含み、該方法は、エレクトロウェッティングアレイに隣接して生体試料を提供する工程であって、上記試料液滴は上記核酸試料を含む、工程、および上記核酸試料を、上記エレクトロウェッティングアレイに隣接している上記生体試料から抽出し、上記核酸試料は、少なくとも約70キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを含む、工程を含む。いくつかの実施形態では、上記長さは、少なくとも約80キロベース(kb)である。いくつかの実施形態では、上記長さは、少なくとも約200キロベース(kb)である。いくつかの実施形態では、上記配列決定リードは、約1.84未満のA260/A280比を含む。
【0012】
本開示の別の態様は、液滴中で動きを誘導するためのシステムを提供し、上記システムは、(a)磁場に結合するように構成された材料から形成された少なくとも1つのビーズを含む上記液滴を支持するように構成された表面、(b)磁石に結合されたアクチュエータであって、上記磁石は、上記磁場を供給するように構成され、および上記アクチュエータは、上記表面に平行な平面に沿って上記磁場を並進させるように構成される、アクチュエータ、および(c)上記アクチュエータに動作可能に結合されたコントローラであって、上記コントローラが、上記磁場が上記平面に沿って並進する間に上記液滴が上記表面に沿って動きを受けるように、上記磁場を上記平面に沿って並進させるべく上記アクチュエータに方向付けるように構成される、コントローラとを含む。いくつかの実施形態では、上記アクチュエータはスイッチである。いくつかの実施形態では、上記アクチュエータは、上記磁石に結合されたモータを備え、上記モータは、上記表面に平行な方向に沿って上記磁石を並進させるように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、電場を上記表面に供給するように構成された電極をさらに含み、上記電場および上記磁場は、上記液滴を上記動きに供するのに充分なものである。いくつかの実施形態では、上記アクチュエータは、上記平面に平行な少なくとも2つの軸に沿って並進させるように上記磁石を動かすように構成される。いくつかの実施形態では、上記磁石は、永久磁石を含む。いくつかの実施形態では、上記磁石は、少なくとも1つの電磁石を含む。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、ピボットを含み、上記ピボットは上記表面に結合される。いくつかの実施形態では、上記表面は、1つ以上の電極の上に配置された誘電体を含む。いくつかの実施形態では、上記1つ以上の磁石は、上記表面の下に配置される。いくつかの実施形態では、上記表面は液体層を含む。いくつかの実施形態では、上記液体層は、上記表面に対する親和性を含む液体を含む。
【0013】
本開示の別の態様は、試料を処理するためのシステムを提供し、上記システムは、(a)複数の電極、(b)上記複数の電極の上に配置された誘電体層であって、上記試料を含む液滴を支持するように構成された表面を備える誘電体層、および(c)上記複数の電極と上記誘電体層に隣接する間隙に配置される液体とを備える。いくつかの実施形態では、上記液体は、上記複数の電極と上記誘電体層との間に接着を生成する。いくつかの実施形態では、上記液体は、誘電性材料を含む。いくつかの実施形態では、上記液体は、上記間隙に配置された空気の導電率を防止または低減する。いくつかの実施形態では、上記誘電体層は、天然ポリマー材料、合成ポリマー材料、フッ素化材料、表面改質、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、上記天然ポリマー材料は、シェラック、琥珀、羊毛、絹、天然ゴム、セルロース、ワックス、ヒザラガイ、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、上記合成ポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアセタール、ポリシルフォン、ポリフェニレンエーテル(polyphenμlene ether)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ塩化ビニル、合成ゴム、ネオプレン、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、シリコーン、パラフィルム(parafilm)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリオキシメチレン(polyoxymethlyene)、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド(ポリフェニルエーテル)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ乳酸、合成セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、パラフィン(paraffins)、微結晶性ワックス、エポキシ、またはそのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、上記フッ素化材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレン(perfluoroalkoxytetrafluoroethylene)コポリマー(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテルコポリマー(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロポリエーテル(perfluoropolyether)(PFPE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、上記表面改質は、シリコーン、シラン、フルオロポリマー処理、パリレンコーティング(parylene coating)、他の適切な表面化学改質プロセス、セラミック、粘土、鉱物、ベントナイト、カオリナイト、蛭石、黒鉛、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、上記液体は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン(polyalphaolefin)、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、上記液体は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、上記表面は液体層を含む。いくつかの実施形態では、上記液体層は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、上記液体層は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、上記誘電体層は取り外し可能である。いくつかの実施形態では、上記接着は、上記液体を上記表面上に固定するのに充分であり、上記液体は重力に耐性がある。いくつかの実施形態では、上記液体は、上記表面を優先的に濡らして上記表面上での上記液滴の動きを容易にするように選択される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の新規な特徴を、具体的に添付の特許請求の範囲とともに説明する。本発明の特徴と利点は、本発明の原理が用いられる例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明と、以下の添付図面(本明細書では「図(“Figure”および“FIG.”)」とも称される)とを参照することにより、より良く理解されるであろう。
図1】誘電体コーティングの適用の様々な工程と、平坦化プロセスの工程を備えたプリント回路基盤の側面部分を示す。
図2】本明細書に記載されるアレイに使用されるコンピュータシステムの画像を表す。
図3A】電極アレイ上の基準電極の配置のための例示的なシステムおよび方法を例証する。図3Aは、基準電極として機能する液体コーティングを表す。
図3B】電極アレイ上の基準電極の配置のための例示的なシステムおよび方法を例証する。図3Bは、導電性のイオン化された粒子を表す。
図4】本明細書に記載されるシステムおよび方法を使用して単離されたDNAのサイズの分布に関するデータを示す。
図5A】本明細書に記載されるシステムおよび方法を使用した、バイオポリマー(例えば、DNA)の合成およびアセンブリのための構成を示す。図5Aおよび図5Bは、DNAの合成を得るための例示的なワークフローを示す。
図5B】本明細書に記載されるシステムおよび方法を使用した、バイオポリマー(例えば、DNA)の合成およびアセンブリのための構成を示す。図5Aおよび図5Bは、DNAの合成を得るための例示的なワークフローを示す。
図5C】本明細書に記載されるシステムおよび方法を使用した、バイオポリマー(例えば、DNA)の合成およびアセンブリのための構成を示す。図5Cは、DNAの長鎖分子を合成するためにヌクレオチドの付加を段階的に実施する単一反応部位についての概略図を示す。
図6】本明細書に記載されるシステムおよび方法を使用したNGSライブラリ調製のオンチップ対オフチップ実験のためのライブラリ粒度分布を示す。
図7】本明細書に記載されるシステムおよび方法を使用したNGSライブラリ調製のオンチップ対オフチップ実験のためのライブラリを配列決定するための品質を示す。
図8】本明細書に記載されるシステムおよび方法を使用したNGSライブラリ調製のオンチップ対オフチップ実験のためのライブラリを配列決定するための複製レベルを示す。
図9A】NGSライブラリ調製の実験に対するアダプター汚染のレベルを示す。
図9B】NGSライブラリ調製の実験に対するアダプター汚染のレベルを示す。
図10】本明細書に記載されるシステムおよび方法を使用したNGSライブラリ調製の実験のためのヒトゲノム全体のレベルカバレッジを示す。
図11】本明細書に記載されるシステムおよび方法を使用したNGSライブラリ調製の実験のための一塩基多型(SNP)感度を示す。
図12】本明細書に記載されるシステムおよび方法を使用した、例示的な模式的NGSワークフローを示す。例示的なワークフローは、本明細書に記載されるアレイ上の生体試料を操作すること(例えば、細胞の溶解、タンパク質の消化、およびDNAクリーンアップ)を含む。
図13A】本明細書に記載されるいくつかの実施形態によるアレイを示す。
図13B】本明細書に記載されるいくつかの実施形態によるアレイを示す。
図14A】本明細書に記載されるいくつかの実施形態によるアレイを示す。
図14B】本明細書に記載されるいくつかの実施形態によるアレイを示す。
図15】本明細書に記載されるような専用基準電極を伴わないシステムの回路マップを示す。
図16A】磁気ビーズを使用したDNAの抽出のための誘電体上の振動支援エレクトロウェッティングの一用途を例示する。
図16B】磁気ビーズを使用したDNAの抽出のための誘電体上の振動支援エレクトロウェッティングの一用途を例示する。
図17A】高い接触角の液滴(図17A)が、より低い接触角の液滴(図17B)よりも振動に対してより大きな応答を経験する傾向があることを示す。
図17B】高い接触角の液滴(図17A)が、より低い接触角の液滴(図17B)よりも振動に対してより大きな応答を経験する傾向があることを示す。
図18A】電気機械的アクチュエータの実施形態を示す。
図18B】電気機械的アクチュエータの実施形態を示す。
図19A】電気機械的アクチュエータのさらなる実施形態を示す。
図19B】電気機械的アクチュエータのさらなる実施形態を示す。
図20】電気機械的アクチュエータの作動力を液滴振動に、最終的には効果的な混合に効率的に結合する実施形態を示す。
図21】振動支援EWODシステムの固有周波数を所望の周波数範囲に対して低く調整する実施形態を示す。
図22】本明細書に記載されるアレイ上の対象の1つ以上の液滴の蒸発制御のための油の利用を含む、本開示の実施形態を示す。
図23】本明細書に記載されるアレイに組み込まれた核酸配列決定アッセイ(例えば、ナノポア配列決定)を含む本開示の実施形態を示す。
図24】本開示の方法およびデバイスを使用したGM12878細胞からの高分子量(HMW)DNA抽出の結果を示す。
図25A】本開示の方法およびデバイスを使用した、全ヒト血液試料からの高分子量(HMW)DNA抽出の結果を示す。
図25B】本開示の方法およびデバイスを使用した、全ヒト血液試料からの高分子量(HMW)DNA抽出の結果を示す。
図25C】本開示の方法およびデバイスを使用した、全ヒト血液試料からの高分子量(HMW)DNA抽出の結果を示す。
図26A】試料および/または試薬の手動的取り扱いと比較して、本開示の方法およびデバイスを使用した改善されたgDNA抽出結果を示す。
図26B】試料および/または試薬の手動的取り扱いと比較して、本開示の方法およびデバイスを使用した改善されたgDNA抽出結果を示す。
図27】試料および/または試薬の手動的取り扱いと比較して、本開示の方法およびデバイスを使用した改善されたgDNA抽出結果を示す。
図28】試料および/または試薬の手動的取り扱いと比較して、本開示の方法およびデバイスを使用して抽出されたgDNAを使用するMinION配列決定システムにおける改善された配列決定結果を示す。
図29】本開示の方法およびデバイスを使用して抽出されたgDNAを使用してMinION配列決定システム上で生成された改善された配列決定データを示す。
図30】本開示の方法およびデバイスを使用して抽出されたgDNAを使用してMinION配列決定システム上で生成された改善された配列決定データを示す。
図31A】本開示の方法およびデバイスを使用して抽出された1つのGM12878および1つの全血試料についてのライブラリ断片サイズの分布を示す。
図31B】本開示の方法およびデバイスを使用して抽出された1つのGM12878および1つの全血試料についてのライブラリ断片サイズの分布を示す。
図32A】本開示の方法およびデバイスを使用して抽出されたgDNAを使用するMinION配列決定システム上のリード長の分布を示す。
図32B】本開示の方法およびデバイスを使用して抽出されたgDNAを使用するMinION配列決定システム上のリード長の分布を示す。
図33A】本開示の方法およびデバイスを使用して抽出されたgDNAを使用する、Pacific Biosciences of California HiFi配列決定システムにおける配列決定結果を示し、リード長(33A)、サブリード長(33B)、リード質の分布(33C)、HiFiリード長の分布(33D)、およびリード長に対する予測精度のモデル(33E)を含む。
図33B】本開示の方法およびデバイスを使用して抽出されたgDNAを使用する、Pacific Biosciences of California HiFi配列決定システムにおける配列決定結果を示し、リード長(33A)、サブリード長(33B)、リード質の分布(33C)、HiFiリード長の分布(33D)、およびリード長に対する予測精度のモデル(33E)を含む。
図33C】本開示の方法およびデバイスを使用して抽出されたgDNAを使用する、Pacific Biosciences of California HiFi配列決定システムにおける配列決定結果を示し、リード長(33A)、サブリード長(33B)、リード質の分布(33C)、HiFiリード長の分布(33D)、およびリード長に対する予測精度のモデル(33E)を含む。
図33D】本開示の方法およびデバイスを使用して抽出されたgDNAを使用する、Pacific Biosciences of California HiFi配列決定システムにおける配列決定結果を示し、リード長(33A)、サブリード長(33B)、リード質の分布(33C)、HiFiリード長の分布(33D)、およびリード長に対する予測精度のモデル(33E)を含む。
図33E】本開示の方法およびデバイスを使用して抽出されたgDNAを使用する、Pacific Biosciences of California HiFi配列決定システムにおける配列決定結果を示し、リード長(33A)、サブリード長(33B)、リード質の分布(33C)、HiFiリード長の分布(33D)、およびリード長に対する予測精度のモデル(33E)を含む。
図34】本開示の方法およびデバイスを使用して抽出されたDNAの平均濃度/純度の増加を示す。
図35A】本開示の方法およびデバイスがさらに利用されるにつれて、本開示の方法およびデバイスの増加する実験および増加するワークフローロバスト性を示す。
図35B】本開示の方法およびデバイスがさらに利用されるにつれて、本開示の方法およびデバイスの増加する実験および増加するワークフローロバスト性を示す。
図36A】本明細書に記載されるアレイ/基板上の液滴中に含有される磁気応答性材料の動きを誘導するための可動磁石を備える、本明細書に記載されるシステムおよびデバイスの実施形態を示す。
図36B】本明細書に記載されるアレイ/基板上の液滴中に含有される磁気応答性材料の動きを誘導するための可動磁石を備える、本明細書に記載されるシステムおよびデバイスの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の様々な実施形態が本明細書中に示され、記載されてきたが、そのような実施形態が一例として提供されているにすぎないことは当業者に明らかであろう。多くの変更、変化、および置換は、本発明から逸脱することなく当業者に理解され得る。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が利用され得ることを理解されたい。
【0016】
「少なくとも」、「~より大きい」、または「~以上」との用語が一連の2つ以上の数値における最初の数値の前に付けられる場合は常に、「少なくとも」、「~より大きい」、または「~以上」のと用語は、一連の数値における数値の各々に適用される。例えば、1、2、または3以上は、1以上、2以上、または3以上と同等である。
【0017】
「~以下(no more than)」、「~未満」、または「~以下(less than or equal to)」との用語が一連の2つ以上の数値における最初の数値の前に付けられる場合は常に、「~以下(no more than)」、「~未満」、または「~以下(less than or equal to)」との用語は、一連の数値における数値の各々に適用される。例えば、3、2、または1以下は、3以下、2以下、または1以下と同等である。
【0018】
「スライド角度」との用語は通常、本明細書で使用される場合、所与のサイズの液滴が重力下で動き始める水平からの角度を指す。例えば、4°で5マイクロリットル(μl)の液滴を保持するが、それが5°で滑ることを可能にする表面は、5°の5μlのスライド角度を有する場合がある。各種用途の場合、70°、60°、50°、40°、30°、25°、20°、15°、10°、5°、3°、2°、1°未満、またはそれと同等、またはそれより小さい5μlのスライド角度が使用されてもよい。スライド角度が小さければ小さいほど、表面がより滑りやすく、および通常より、液滴が表面にわたって移動するのに必要とされる電圧が小さくなる。
【0019】
「接触角ヒステリシス」との用語は、本明細書で使用される場合、通常、接触角を前進および後退する間に観察された差を指す。例えば、より低い表面癒着を有する表面において、液体の液滴が表面にわたって移動する際に、前縁と表面との間の接触角対後縁と表面との間の接触角は、ほぼ同じである。しかし、癒着がより高い表面では、前端と後端の間の接触角の差はより大きくなり得る。低い表面の粗度、高い表面の疎水性、および低い表面エネルギーにより、結果として、この角度の差がより少なくなる。70°、60°、50°、40°、30°、25°、20°、15°、10°、7°、5°、3°、2°未満、またはそれと同等、またはそれより少ない接触角ヒステリシス(すなわち、前端と後端の間の接触角の差)が使用されてもよい。
【0020】
「液滴」との用語は、本明細書で使用される場合、通常、流体(例えば、液体)の分離体積または有限体積を指す。液滴は、界面によって別の相から分離された1つの相によって生成され得る。液滴は、別の相から分離された1つ目の相であり得る。液滴は、単一相または複数の相(例えば、ポリマーを含む水相)を含み得る。液滴は、表面に隣接して配置されるか、または別個の相(例えば、空気などの気相)に接している液相であり得る。
【0021】
「生体試料」との用語は、本明細書で使用される場合、通常、生体材料を指す。そのような生体材料は、生物活性を示すか、または生物活性であり得る。そのような生体材料は、デオキシリボ核酸(DNA)分子、リボ核酸(RNA)分子、ポリペプチド(例えば、タンパク質)、またはそれらのいずれかの組合せであり得るか、またはそれを含み得る。生体試料(または、試料)は、生検、コア生検、針吸引液、または細針吸引液などの組織試料であり得る。試料は、血液試料、尿試料、糞便試料、または唾液試料などの流体試料であり得る。試料は皮膚試料であってもよい。試料は頬のスワブであってもよい。試料は血漿または血清の試料であってもよい。試料は、植物由来の試料、水試料、または土試料であり得る。試料は地球外生物であり得る。地球外生物の試料は、生体材料を含み得る。試料は、無細胞(または遊離細胞)試料であり得る。無細胞試料は、細胞外ポリヌクレオチドを含んでもよい。細胞外ポリヌクレオチドは、血液、血漿、血清、尿、唾液、粘フィルムの排出物、唾液、便、および涙からなる群から選択され得る身体の試料から単離され得る。試料は1つの真核細胞または複数の真核細胞を含み得る。試料は1つの原核細胞または複数の原核細胞を含み得る。試料はウイルスを含み得る。試料は、生物に由来する化合物を含み得る。試料は植物由来であり得る。試料は動物由来であり得る。試料は、疾患を抱えている疑いがあるか、または疾患を保有する動物に由来し得る。試料は哺乳動物由来であり得る。
【0022】
「%グリセロール」との用語は、本明細書で使用される場合、通常、水溶液中のグリセロールと比較した溶液の粘度を指し、ここで、水中のグリセロールの量(体積による)がパーセンテージの値によって決定される。例えば、約「30%グリセロール」の粘度を有する本明細書に記載される溶液は、溶液の粘度が約30%グリセロールを含む水溶液中のグリセロールの同等であることを表す。
【0023】
「対象」との用語は、本明細書で使用される場合、通常、哺乳動物(例えば、ヒト)または鳥類(例えば、トリ)などの動物、あるいは植物などの他の生物を指す。対象は、脊椎動物、哺乳動物、げっ歯類(例えば、マウス)、霊長類、サル、またはヒトであり得る。動物としては、限定されないが、家畜、スポーツ動物、および愛玩動物が挙げられ得る。対象は、健康なまたは無症候性の個人、疾患(例えば、癌)または疾患の素因を有するか、または有すると疑われる個人、治療を必要とするか、または治療を必要とする疑いのある個人、あるいはそれらのいずれかの組合せであり得る。対象は患者であり得る。
【0024】
本明細書で使用される「電気機械的アクチュエータ」との用語は、一般的に、振動および/または音響力を本明細書に記載されるアレイに加えるために利用することができる、非ヒト構造を指す。非限定的な例として、電気機械的アクチュエータは、振動機構またはカンチレバー、モータ駆動リンケージ、および/または回転質量を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される電気機械的アクチュエータは、種々の可撓性要素(例えば、線形屈曲部)を備える、または従来の軸受を伴う、可撓性構造である。
【0025】
「変動係数」との用語は、本明細書で使用される場合、通常、再現性および精度を指す。これは方程式1によって得ることができ、ここで、sは異なる材料の応答性の標準偏差であり、xはすべての材料の平均の応答性である。
【0026】
【数1】
【0027】
「クロストーク」との用語は、本明細書で使用される場合、通常、液滴の汚染を指す。クロストークは、別の液滴から得られる液滴、生体試料、またはそれらの組合せのパーセンテージを指し得る。p1は液滴中の興味の対象となる材料を表し、p2は興味の対象となる液滴中に存在する他の液滴から材料の合計であり、クロストークは方程式2によって得られ得る。
【0028】
【数2】
【0029】
エレクトロウェッティングデバイスおよびシステム
エレクトロウェッティングデバイスを使用して、水(または他の水性、極性、または導電性溶液)の個々の液滴を場所から場所に移動させることができる。水の表面張力および湿潤性は、エレクトロウェッティング効果を使用して、電場強度によって変更され得る。エレクトロウェッティング効果は、固体と液体の間に印加される電位差による固液接触角の変化から生じ得る。液滴の幅全体で変化し得る湿潤表面張力の差、および対応する接触角の変化は、可動部または物理的接触なしに液滴を移動させる原動力を提供することができる。エレクトロウェッティングデバイスは、電極を覆う適切な電気的および表面優先度を有する誘電体層を有する電極のグリッドを含んでもよく、すべてが剛性絶縁基板上に置かれる。エレクトロウェッティングデバイスのさらなる例は、WO2021041709に見出すことができ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0030】
電極グリッドの表面は、水との接着性が低くなるように調製され得る。これにより、水滴が、電場のグラジエントおよび液滴の幅全体にわたる表面張力により生成される小さな力によって、表面に沿って移動することが可能になる。接着性の低い表面は、液滴から残された痕跡を低減し得る。痕跡が小さいと、液滴の相互汚染が減少し得、液滴の移動中の試料の損失が減少し得る。表面への低い接着力はまた、液滴運動のための低い作動電圧および液滴運動の再現可能な挙動を可能にし得る。例えば、接触角ゴニオメーターまたは電荷結合素子(CCD)カメラを使用するなど、スライド角度および接触角ヒステリシスを含む、表面と液滴との間の低接着力を測定するいくつかの方法がある。
【0031】
低い表面接着を達成するためのいくつかの方法があり得る;数ナノメートル以内で滑らかになるまでの機械的研磨、化学エッチング、またはそれらの組合せ、表面の凹凸を埋めるためのコーティングの塗布、表面の凹凸を埋めるための液体の適用、望ましい表面特性(疎水性、親水性、生物付着、電場強度による変化など)を作り出すための表面の化学的修飾。
【0032】
エレクトロウェッティングのためのリキッド・オン・リキッドのエレクトロウェッティング(LLEW)
「リキッド・オン・リキッドエレクトロウェッティング(liqμid-on-liqμid-electrowetting)」(LLEW)と称されるエレクトロウェッティング機構は、液体-液体-気体界面で生じるエレクトロウェッティング現象を利用する。低い表面エネルギー液体(油など)の層の表面に乗っており、かつ気体(空気、窒素、アルゴンなど)によって実質的に取り囲まれる液滴は、接触線で液体-液体-気体界面を作り出す。油は、固体基板のテクスチャ表面によって固体基板上の所定の位置に安定化され得、金属電極の導電層は、この固体の本体に埋め込まれ得る。いくつかの実施形態では、電位が液滴の高さにわたって印加されると、液体-液体-気体界面は、依然として油の上に乗っている間に、液滴に油を湿潤させ、表面にわたって拡散させ得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、リキッド・オン・リキッドエレクトロウェッティング技術は、生体および化学的試料を含有し得る液滴を操作するために使用され得る。いくつかの実施形態では、液滴は、左から右に動いてもよく、3つの電極のうちの最左端の電極に、その最左端の電極上の正の電圧によって引き付けられ得、結果として、液体-液体表面において電場の付加および増強された湿潤を伴う。いくつかの実施形態では、電圧は、最左端の電極から引き出され、中心電極に印加される。いくつかの実施形態では、中心電極にわたる増強された湿潤のために、液滴は、中心位置に引き付けられ得る。いくつかの実施形態では、電圧は、左電極および中心電極から引き出され、右電極に印加され、右電極にわたる増強された湿潤は、液滴を右に引き寄せている。
【0034】
いくつかの実施形態では、差次的な湿潤は、LLEW表面上の2つの液滴を電極アレイ上に融合させるために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、2つの液滴が、最左端および最右端の電極に引き付けられている。いくつかの実施形態では、電圧は、左および右の電極から除去され、中心電極に印加される。2つの液滴は、左右から中央に引き付けられ、融合し始め得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、そのようなマイクロ流体選択的湿潤デバイスは、例えば、液滴輸送、液滴統合、液滴混合、液滴分割、液滴分注、液滴変形、またはそれらの組み合わせなどのマイクロ流体液滴作動を実行することが可能であり得る。その後、このLLEW液滴作動は、液体アッセイなどの生物学的実験を自動化するためのマイクロ流体デバイス、医学的診断法のためのデバイス、および多くのラボオンチップ用途で使用され得る。
【0036】
さらなるLLEW液滴作動の例は、WO2021041709において見出すことができ、これは、参照によりその全体として本明細書に組み込まれる。
【0037】
いくつかの実施形態では、低表面エネルギー液体(例えば、油)は、固体表面をテクスチャ加工することなく、固体表面上の定位置で安定化され得る。これらの実施形態では、液体層の安定化は、下地表面および液体層の表面間の化学親和力に依存する。いくつかの実施形態では、液体層は潤滑剤フィルムである。いくつかの実施形態では、潤滑剤フィルムは、下地表面の表面を優先的に濡らすように熱力学的に安定である。いくつかの実施形態では、下地表面は固体基板である。いくつかの実施形態では、固体基板は誘電体である。いくつかの実施形態では、下地表面はフィルムである。いくつかの実施形態では、フィルムは誘電体フィルムである。いくつかの実施形態では、この安定性の達成は重要であり、誘電体の表面に対する潤滑剤液体の親和性によって支配される。いくつかの実施形態では、誘電体のフッ素化表面に対して、フッ素化潤滑剤液体を使用することが有利であり得る。類似の化学構造は、より大きな親和性をもたらし、したがって、潤滑剤は、安定した方法で表面を濡らす可能性がより高い。いくつかの実施形態では、炭化水素ベース表面または(シリコーンおよび未処理のポリマープラスチックなどの)シリコーン化表面を備えた誘電体を使用する場合、(シリコーンオイルなどの)炭化水素ベース潤滑剤液体を使用することが有利であり得る。
【0038】
本開示の態様は、試料を処理するためのシステムを含み、該システムは、複数の電極、複数の電極の上に配置された誘電体層であって、試料を含む液滴を支持するように構成された表面を備える誘電体層、および表面に隣接する液体であって、液体は、表面に対する化学親和性を備え、および化学親和性は、液体を表面上に固定化するのに充分であり、かつ重力に耐性を示す、液体を含む。いくつかの実施形態では、誘電体層は、天然ポリマー材料、合成ポリマー材料、フッ素化材料、表面改質、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、天然ポリマー材料は、シェラック、琥珀、羊毛、絹、天然ゴム、セルロース、ワックス、ヒザラガイ、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、合成ポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアセタール、ポリシルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ塩化ビニル、合成ゴム、ネオプレン、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、シリコーン、パラフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド(ポリフェニルエーテル)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ乳酸、合成セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、パラフィン、微結晶性ワックス、エポキシ、またはそのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、フッ素化材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレン(perfluoroalkoxytetrafluoroethylene)コポリマー(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテルコポリマー(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、表面改質は、シリコーン、シラン、フルオロポリマー処理、パリレンコーティング、他の適切な表面化学改質プロセス、セラミック、粘土、鉱物、ベントナイト、カオリナイト、蛭石、黒鉛、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、液体は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、液体は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、表面は液体層を含む。いくつかの実施形態では、液体層は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、液体層は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、誘電体層は取り外し可能である。
【0039】
液滴操作のための誘電体上でのエレクトロウェッティング(EWOD)
いくつかの実施形態ではと、誘電体上でのエレクトロウェッティング(EWOD)は、水性、極性、導電性の液体(L)の湿潤性は、液滴と導電性電極、との間の誘電体フィルムを横断する電場によって変調される現象である。電極への電荷を加減によって絶縁誘電体層の湿潤性が変化し、その湿潤性の変化が液滴の接触角の変化に反映される。接触角の変化により、液滴の形状が変化し、移動し、より小さな液滴に分割することができるか、別の液滴と統合することができる。さらなる例のEWOD液滴作動は、WO2021041709において見出すことができ、これは、参照によりその全体として本明細書に組み込まれる。
【0040】
アレイの特性
本明細書に記載されるのは、液滴作動を誘導するためのEWODを容易にするために構成されたアレイおよび基板である。アレイは、複数の要素を含み得、該要素は、複数の加熱器、複数の冷却器、複数の磁場発生器、複数のエレクトロポレーションユニット、複数の光源、複数の放射線源、複数の核酸シーケンサー、複数の生体タンパク質チャネル、複数の固体ナノポア、複数のタンパク質シーケンサー、複数の音響トランスデューサ、複数の微小電気機械システム(MEMS)トランスデューサ、液体のディスペンサーとしての複数の毛細管、重力を使用して液体を分注または移送するための複数の穴、電場を使用して液体を分注または移送するための穴内の複数の電極、光学検査のための複数の穴、膜を通して液体が相互作用するための複数の穴、またはそれらのいずれかの組合せを含み得る。複数の要素は、約100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5、4、3、2個、またはそれ以下の各要素を含んでもよい。複数の要素は、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはそれ以上の各要素を含んでもよい。
【0041】
加熱器は、約150℃、125℃、100℃、75℃、50℃、25℃、またはそれ以下の最高温度を有し得る。加熱器は、熱電性であり得るか、抵抗性であり得るか、または熱伝達媒体(再循環温水ループなど)によって加熱され得る。冷却器は、約-50℃、-25℃、-10℃、-5℃、0℃、10℃またはそれ以上の最低温度を有し得る。冷却器は、熱電性であるか、蒸発性であるか、または熱伝達媒体(例えば、水冷却器)によって冷却され得る。
【0042】
磁場発生器は、磁気ビーズベースの動作のため、または磁場を必要とする他の動作のためであり得る。磁場発生器は電磁石であってもよい。
【0043】
エレクトロポレーションユニットは、液滴の両側の2つ以上の電極であってもよい。
【0044】
光源は、広帯域、単色、またはそれらの組合せであってもよい。光源は、白熱光源、発光ダイオード(LED)、レーザー、またはそれらの組合せであってもよい。光源は、偏光、コリメート光、またはそれらの組合せを放出してもよい。複数の放射線源は、紫外線(10nm~400nmの波長の光)、x線、ガンマ線、アルファ粒子、ベータ粒子、またはそれらの組合せを放出してもよい。放射線源はコリメートされてもよい。
【0045】
エレクトロウェッティング用の基板
エレクトロウェッティングマイクロ流体デバイスは、電極アレイ(120)の上に直接、滑りやすい(低い表面エネルギーの意味で)表面を作ることによって形成され得る。電極アレイは、液滴を作動させるために電気的に帯電する導電性プレートから構成され得る。アレイ中の電極は、いずれかのレイアウト、例えば、長方形のグリッド、または個別の経路の集合体で配置され得る。電極自体は、1つ以上の導電性金属(金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、プラチナ、チタンを含む)、1つ以上の導電性オキシド(酸化インジウムスズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛)、1つ以上の導電性有機化合物(PEDOTおよびポリアセチレンを含む)、1つ以上の半導体(二酸化ケイ素を含む)、あるいはそれらのいずれかの組合せで作られ得る。電極アレイをレイアウトするための基板は、いずれかの厚さおよびいずれかの硬さを有するいずれかの絶縁材料であり得る。
【0046】
電極アレイは、標準的なリジッドおよびフレキシブルプリント回路基板上で製造され得る。PCBのための基板は、FR4(ガラス-エポキシ)、FR2(ガラス-エポキシ)、Rogers材料(炭化水素-セラミック)、または絶縁金属基板(IMS)、ポリイミドフィルム(Kapton、Pyraluxを含む市販のブランドの例)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terapthalate)(PET)、セラミック、あるいは1μm~10,000μmの厚さの他の市販の基板であり得る。いくつかの実施形態では、500μm~2000μmの厚さが利用されてもよい。
【0047】
電極アレイはまた、アクティブマトリックス技術、パッシブマトリクス技術、例えば、フィルムトランジスタ(TFT)技術などを用いて製造され得る導体素子、半導体素子、またはそれらのいずれかの組合せで作られ得る。電極アレイはまた、従来のCMOSまたはHV-CMOS製造技術を用いて製造されたピクセルのアレイで作られ得る。
【0048】
電極アレイはまた、インジウムスズ酸化物(ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガラスのシート上に堆積したフッ素ドープ酸化スズ(FTO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、および他の絶縁基板などの透明導電性材料で製造され得る。
【0049】
電極アレイはまた、ガラス上で堆積された金属、ポリエチレンテレフタレート(PET)、および他の絶縁基板で製造され得る。
【0050】
エレクトロウェッティングマイクロ流体デバイスを構築する際に、積層の多くの層(1~50の層)が、電気的相互接続ルーティングの複数の層(2~50層)を隔離するために使用され得る。積層の最外層の1つは、液滴を作動させるための電極パッドを含み得、基準電極を備え得る。相互接続は、作動および容量性感知のために電気パッドを高電圧に接続することができる。作動電圧は1V~350Vであり得る。この作動電圧は、AC信号またはDC信号であり得る。
【0051】
さらなる実施形態では、基板は専用基準電極を有さない。従来の専用基準電極を有する回路は、液滴を接地するように作用する抵抗性戻り経路を含む。専用基準電極がなければ、戻り経路は、不活性電極と誘電体膜を横断する液滴との間に形成される容量素子を含む(図15)。このため、この電流戻り経路が有効であるためには、時変電圧で電極を活性化することが必要である。この時変電圧は双極であり得、その場合、高電圧信号は「0V」不活性電極に対して正および負の両方である。別の実施形態では、時変電圧は単極であってもよく、その場合、高電圧信号は正のみであり、隣接する電極は、液滴を横断する電場が周期的に方向を反転するように拮抗的に駆動される。
【0052】
さらなるEWOD液滴作動用の基板の例は、WO2021041709において見出され得、これは、参照によりその全体として本明細書に組み込まれる。
【0053】
本開示のいくつかの態様は、様々な表面を提供する。いくつかの実施形態では、表面は誘電体である。いくつかの実施形態では、表面は、1つ以上の電極の上に配置された誘電体層を含む。いくつかの実施形態では、表面はポリマーフィルムの表面である。いくつかの実施形態では、表面は、表面に結合した1つ以上のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、表面は潤滑剤液体層の表面である。
【0054】
電極アレイ上での滑らかな誘電体表面の作成
液滴を電極アレイから電気的に隔離するために、誘電体の層は電極アレイの上面上に適用され得る。この誘電体層の上面は、液滴運動に対する抵抗性をほとんどまたはまったく提供しない上面で形成され得、その結果、液滴は、低い作動電圧(滑り性、滑りやすさ、疎水性、またはそれらのいずれかの組合せの程度に応じて、100V未満、80V未満、50V未満、40V未満、30V未満、20V未満、15V未満、10V未満、8V未満、またはそれ以下のDC)を用いて移動され得る。低抵抗性の滑りやすい表面を達成するために、誘電体表面は、滑らかな表面のトポグラフィーを有し得、疎水性であり得るか、そうでなければ液滴に対する低い接着力を提供し得る。化学処理も、誘電体表面に直接適用され得る。
【0055】
滑らかなトポグラフィー表面は、典型的にその粗さ値を特徴とする。実験により、液滴の運動をもたらすのに必要な電圧は、表面がより滑らかになるにつれて変化し得ることがわかった。滑り性は、2μm、1μm、500nm、またはそれ以下であり得る。例のEWOD液滴作動用の滑らかな誘電体表面の作製方法の例は、WO2021041709において見出され得、これは、参照によりその全体として本明細書に組み込まれる。
【0056】
表面化学修飾(官能化)
図1を参照すると、表面エネルギーは、化学修飾によって、例えば、電極(120)、誘電体(130)、またはそれらのいずれかの組合せを、例えば、疎水性材料または低表面エネルギー材料(840)、例えば、フルオロカーボンベースのポリマー(フルオロポリマー)、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはその他の疎水性表面コーティングなどでコーティングすることによって減少され得る。
【0057】
表面コーティングは、スピンコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、ドロップコーティング、化学蒸着、または他の方法を含む1つ以上の方法によって適用され得る。
【0058】
場合によっては、誘電体(電場を伝播させながら液滴を電気パッドの電荷から絶縁するための)と疎水性または親水性またはその両方のコーティング(接着を減少させ、滑らかな液滴の運動を可能にするための)の両方として機能するコンフォーマルコーティングを選択することが望ましい場合がある。
【0059】
液滴の運動、統合、および分割
開放表面エレクトロウェッティングデバイス上で、液滴を移動させるか、統合するか、分割するか、またはそれらのいずれかの組合せを行うことができる。同じ原理が2つのプレート構成(挟まれた液滴)にも当てはまる。
【0060】
いくつかの実施形態では、電極に電圧を印加すると、覆っている表面が親水性になり、液滴がそれを湿らすことができる。電圧が2つの隣接する電極に印加されると、液滴は、両方の作動電極にわたって広がり得る。電圧が電極から除去され、別の隣接する電極に印加されると、表面は元の疎水性状態に戻り、液滴は押し出され得る。電極グリッドに印加される電圧を順次制御することによって、表面上の液滴の位置を正確に制御することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、2つの液滴が同じ電極の方へ引っ張られると、それらは表面張力のために自然に統合され得る。この原理は、複数の電極に広がるより大きな量の液滴を作成するべく、多くの液滴を統合するために適用することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、液滴は、複数の電極(少なくとも3つの電極)にわたって印加される一連の電圧を通して、2つのより小さいものに分割されてもよい。いくつかの実施形態では、単一の大きな液滴は、単一の電極の上に圧密化される。いくつかの実施形態では、等しい電圧が、3つの隣接する電極に同時に印加され、これにより、単一の液滴が3つの隣接する電極に拡散することができる。いくつかの実施形態では、中心電極をオフにすることによって、液滴を強制的に2つの外側電極に移動させてもよい。2つの外部電極の両方に等しい電位があるため、液滴は2つの小さな液滴に分割され得る。
【0063】
ラブ・イン・ア・ボックス(Lab in a box)(デスクトップデジタルウェットラボ)
これまでに説明された製造方法のいずれかの組合せは、このセクションで説明される用途に使用され得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているのは、種々様々の生体プロトコル/アッセイ/試験を自動化することができる、汎用マシンを提供し得るデバイスである。デバイスは、開閉可能な蓋を有し得るボックスを含んでもよい。蓋は、デジタルマイクロ流体チップとして形成され得る電極アレイ上の液滴の運動を観察するための透明な窓を有し得る。ボックスは、液滴を移動させ、統合し、分割することができるデジタルマイクロ流体チップを収容することができ、その中で液滴は生物学的試薬を運ぶことができる。マイクロ流体チップにはさらに、摂氏150℃以上程度の高さから液滴を加熱するか、または摂氏-20℃以下程度の低さから液滴を冷却することができる1つ以上の加熱器または冷却器を有し得る。
【0065】
本開示の態様は、熱制御を提供する。いくつかの実施形態では、オンチップ熱制御がある。
【0066】
液滴は、1つ以上の「液体ディスペンサー」によってチップ上に分注され得る。液体ディスペンサーはそれぞれ、例えば、電気流体ポンプ、シリンジポンプ、単純なチューブ、ロボットピペッター、インクジェットノズル、音響排出デバイス(acoustic ejection device)、または他の圧力または非圧力駆動デバイスであり得る。液滴は、「試薬カートリッジ」と標識されたリザーバーから液体ディスペンサーに供給され得る。「lab-in-a-box」は、マイクロ流体チップと直接相互作用する最大数百の試薬カートリッジを備え得る。
【0067】
液滴は、デジタルマイクロ流体チップからマイクロプレートに移動され得る。マイクロプレートは、試料を保持することができるウェルを備えたプレートであり得る。マイクロプレートは、単一プレートの1~100万のウェルを有し得る。複数のマイクロプレートは、ボックス内のチップと相互作用し得る。マイクロ流体チップからマイクロプレートに液滴を分注するために、様々な形状のエレクトロウェッティングチップが使用されてもよい。場合によっては、分注チップは、ピペットチップに似た円錐の形態であり得る。別の実施形態では、分注開口部はシリンダーであり得る。別の実施形態では、分注装置は、間に間隙を有する2つの平行なプレートであり得る。別の実施形態では、分注装置は、少なくとも1つの液滴が開放表面上を移動する、単一の開放表面であり得る。分注メカニズムはまた、例えば、電気流体ポンプ、シリンジポンプ、チューブ、毛細管、紙、芯、またはチップの単純な穴などの他の多くのメカニズムを使用することができる。
【0068】
本開示の態様は、マイクロ流体で分注チップを提示する。
【0069】
「lab-in-a-box」は、内部温度、湿度、照明条件、液滴サイズ、圧力、液滴コーティング、酸素濃度、またはそれらのいずれかの組合せを調節するように制御された気候であり得る。ボックスの内部は真空であり得る。ボックスの内部は様々なガスの組合せでパージされ得る。ガスは、空気、アルゴン、窒素、または二酸化炭素を含み得る。
【0070】
ボックスの中心にあるデジタルマイクロ流体チップは、取り外され、洗浄され、交換され得る。
【0071】
ボックスの中心にあるデジタルマイクロ流体チップは使い捨てであってもよい。
【0072】
デジタルマイクロ流体デバイスは、様々なアッセイ、例えば、光学分光学、または超音波トランスデューサを実行するためのセンサを含み得る。
【0073】
デジタルマイクロ流体デバイスは、DNAサイズ選択、DNA精製、タンパク質精製、プラスミド抽出、および磁気ビーズを使用する他の生物学的ワークフローのための磁気ビーズベースの分離ユニットを含み得る。デバイスは、単一チップ上で1~100万の多数の磁気ビーズベースの操作を同時に実施することができる。
【0074】
ボックスには、チップを上、横、下から見る複数のカメラが装備され得る。カメラは、チップ上の液滴の位置を特定し、液滴の量を測定し、混合を測定し、進行中の反応を分析するために使用され得る。これらのセンサからの情報は、電極への電気の流れを制御するコンピュータへのフィードバックとして提供され得、その結果、液滴を正確に制御して、正確な液滴の位置決め、混合などで高いスループット率を達成することができる。これらのセンサからの情報は、機械学習アルゴリズムまたはニューラルネットワークに提供され得る。この機械学習データはさらに、割り当てられたプロトコルが適切に実行されたことを確実にするために使用され得る。これは、非定型的事象を示し得る、アッセイ中に生じる事象の自動監視および追跡を可能にし得る、機械学習分類器の確立を通して達成され得る。機械学習アルゴリズムはさらに、ボックスがアッセイを最適化および改善することを可能にし得る。実行データのデータベースにわたって異常な流体現象の検出は、アッセイ性能を最適化するのに役立ち得る。このデータは、ボックスにおけるアッセイ結果および信頼性を改善するのに役立ち得る。
【0075】
ラブ・イン・ア・ボックスは、プレートスタンピング、段階希釈、プレート複製、プレート再整列などのマイクロプレート操作を実行するために使用され得る。
【0076】
ラブ・イン・ア・ボックスは、PCR増幅とDNAアセンブリ((Gibson Assembly、Golden Gate Assembly)、分子クローニング、DNAライブラリ調製、RNAライブラリ調製DNAシーケンシング、単一細胞選別、細胞インキュベーション、細胞培養、細胞アッセイ、細胞溶解、DNA抽出、タンパク質質抽出、RNA抽出、RNAと無細胞タンパク質発現のための装備を含み得る。
【0077】
処理ステーション
エレクトロウェッティングチップ(ラボインボックス筐体の有無に関わらず)は、さまざまな機能のための1つ以上のステーションを含み得る。
【0078】
混合および分割のステーション
いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングデバイスは、1つ以上の混合ステーションを組み込んでもよい。いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングベースの混合ステーションの2×2コレクションは、並行して操作され得る。単一の混合ステーションは、作動電極の3×3グリッドを有し得る。混合ステーションはそれぞれ、生体試料、化学試薬、および液体を混合するために使用され得る。例えば、2つの試薬の液滴は混合ステーションで集められ、3×3グリッドの外部の8つの電極の周りに融合液滴を流すか、または2つの元の液滴を混合するように設計された他のパターンを行うことによって混合され得る。各混合ステーション間の中心間の間隔は9mmであり得、標準の96ウェルプレートの間隔に相当する。
【0079】
混合ステーションは、多くの異なる構成を有するように拡張されてもよい。単一のミキサーはそれぞれ、A×Bパターンのいずれかの数の作動電極で構成され得る。さらに、ミキサー間の間隔は任意であり、用途(他のSDSプレートなど)に適合するように変更され得る。並列の混合ステーションはまた、M×Nパターンのいずれかの数の個々のミキサーを有し得る。並列の混合ステーションは、開放表面、閉じたプレート、または液体入口穴を備えた閉じたプレートを含むがこれらに限定されない、いずれかの構成の上面プレートを有し得る。
【0080】
混合ステーションは、分割ステーションとして使用され得る。分割ステーションは、1つの液滴を複数の液滴に分割するためのエレクトロウェッティング力を使用することができる。エレクトロウェッティング力に加えて、ジエレクトロウェッティング力、誘電泳動効果、音響力、疎水性ナイフ、またはそれらのいずれかの組合せを含む、液滴を分割するための他の方法を使用することができる。分割は、試薬または試料の分割など、さまざまな目的に使用されてもよい。その後、分割された液滴を他の液滴と混合して、他の液滴中で反応を実施することができる。分割された液滴は、分割されていない液滴と同じセンサおよび方法によって分析され得る。
【0081】
分割された液滴は、少なくとも1つの標的液滴の一定の量を維持するために標的液滴と混合され得、ここで、少なくとも1つの標的液滴は、(例えば、蒸発、それ自体が分割されるなどにより)量を失っている。液滴を混合するための命令は、コンピュータまたはスマートフォンなどの取り付けられたデバイスから来る場合がある。
【0082】
温度制御ステーション
いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングチップは、1つ以上の温度制御ステーションを含んでもよい。ステーションはそれぞれ、混合し、加熱し(例えば、150℃以下の温度まで)、冷却し(例えば、-20℃以下まで)、蒸発による液体の損失を補償し、ならびに試料の温度を均質化するなどの、液体試料に適用される1つ以上の機能を統合することができる。加熱または冷却は、金属トレース、アルミ箔ヒーター、基板外部のペルチェ素子、またはそれらの組合せによって実現され得る。場合によっては、個別の発熱体により、各ステーションが、各素子の熱伝達力およびステーション間の熱伝導レベルに応じて、個別の温度、例えば、-20℃、25℃、37℃、および95℃に制御され得る
【0083】
並列の温度制御ステーションは、並列の混合ステーションと同じ構成のいずれかで構成され得る。
【0084】
本開示の態様は、融合液滴が温度制御されることを提供する。
【0085】
加熱器は、約150℃、125℃、100℃、75℃、50℃、25℃、またはそれ以下の最高温度を有し得る。加熱器は、熱電性であり得るか、抵抗性であり得るか、または熱伝達媒体(再循環温水ループなど)によって加熱され得る。冷却器は、約-50℃、-25℃、-10℃、-5℃、0℃、10℃、またはそれ以上の最低温度を有し得る。冷却器は、熱電性であるか、蒸発性であるか、または熱伝達媒体(例えば、水冷却器)によって冷却され得る。
【0086】
本明細書に記載される温度制御ステーションは、液体試料に加えられる温度を正確に制御および操作するように構成され得る。いくつかの実施形態では、温度制御ステーションは、液体試料を約0.1℃~約1℃だけ加熱/冷却するように構成される。いくつかの実施形態では、温度制御ステーションは、液体試料を、約0.1℃~約0.2℃、約0.1℃~約0.3℃、約0.1℃~約0.4℃、約0.1℃~約0.5℃、約0.1℃~約0.6℃、約0.1℃~約0.7℃、約0.1℃~約0.8℃、約0.1℃~約0.9℃、約0.1℃~約1℃、約0.2℃~約0.3℃、約0.2℃~約0.4℃、約0.2℃~約0.5℃、約0.2℃~約0.6℃、約0.2℃~約0.7℃、約0.2℃~約0.8℃、約0.2℃~約0.9℃、約0.2℃~約1℃、約0.3℃~約0.4℃、約0.3℃~約0.5℃、約0.3℃~約0.6℃、約0.3℃~約0.7℃、約0.3℃~約0.8℃、約0.3℃~約0.9℃、約0.3℃~約1℃、約0.4℃~約0.5℃、約0.4℃~約0.6℃、約0.4℃~約0.7℃、約0.4℃~約0.8℃、約0.4℃~約0.9℃、約0.4℃~約1℃、約0.5℃~約0.6℃、約0.5℃~約0.7℃、約0.5℃~約0.8℃、約0.5℃~約0.9℃、約0.5℃~約1℃、約0.6℃~約0.7℃、約0.6℃~約0.8℃、約0.6℃~約0.9℃、約0.6℃~約1℃、約0.7℃~約0.8℃、約0.7℃~約0.9℃、約0.7℃~約1℃、約0.8℃~約0.9℃、約0.8℃~約1℃、または約0.9℃~約1℃だけ加熱/冷却するように構成される。いくつかの実施形態では、温度制御ステーションは、液体試料を約0.1℃、約0.2℃、約0.3℃、約0.4℃、約0.5℃、約0.6℃、約0.7℃、約0.8℃、約0.9℃、または約1℃だけ加熱/冷却するように構成される。いくつかの実施形態では、温度制御ステーションは、液体試料を少なくとも約0.1℃、約0.2℃、約0.3℃、約0.4℃、約0.5℃、約0.6℃、約0.7℃、約0.8℃、または約0.9℃だけ加熱/冷却するように構成される。いくつかの実施形態では、温度制御ステーションは、液体試料を最大で約0.1℃、約0.2℃、約0.3℃、約0.4℃、約0.5℃、約0.6℃、約0.7℃、約0.8℃、約0.9℃、または約1℃だけ加熱/冷却するように構成される。いくつかの実施形態では、温度制御ステーションは、液状試料を約0.5℃だけ加熱/冷却するように構成される。いくつかの実施形態では、温度制御ステーションは、目標温度の約0.1℃~約1℃以内で液状試料の温度を維持するために、液状試料を加熱/冷却するように構成される。
【0087】
磁気ビーズステーション
いくつかの実施形態では、磁気ビーズステーションは、電極グリッド上の核酸、タンパク質、細胞、緩衝液、磁気ビーズ、洗浄緩衝液、溶出緩衝液、および他の液体を含む試料を含み得る。ステーションは、核酸単離、細胞単離、タンパク質単離、ペプチド精製、バイオポリマーの単離または精製、免疫沈降、インビボ診断、エキソソーム単離、細胞活性化、細胞増殖、単離、あるいは特定の生体分子のそれらのいずれかの組合せなどの作用を実行するために、試料と試薬を混合し、加熱または他のプロセスを順番に適用するように構成され得る。液体の混合および加熱に加えて、各磁性ビーズステーションは、強く変化する磁場を局所的にオンおよびオフする機能を有していてもよく、これにより、例えば、エレクトロウェッティングチップの底部に磁気ビーズを移動させることができる。磁気ビーズステーションはそれぞれ、エレクトロウェッティング力または他の力によって過剰な上清を除去し、液体を洗浄する能力を有し得る。
【0088】
場合によっては、試料は、単一プレートのエレクトロウェッティングデバイスを備えた開放表面上にあり得る。場合によっては、試料は、2枚のプレート間にはさまれ得る。並列の混合ステーションについて上述されるように、複数の磁気ビーズステーションは、並行に操作されるように構成され得る。
【0089】
本開示のいくつかの態様は、液滴または試薬が1つ以上の磁気ビーズを含むことを規定する。いくつかの実施形態では、第1の液滴または試薬は、1つ以上の磁気ビーズを含む。いくつかの実施形態では、第2の液滴または試薬は、磁気ビーズである。いくつかの実施形態では、第3の液滴または試薬は、1つ以上の磁気ビーズを含む。いくつかの実施形態では、融合液滴または試薬は、1つ以上の磁気ビーズを含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、磁気ビーズステーションは、固定磁石、永久磁石、または電気磁石に対応するアレイおよび/または基板上の固定位置である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるアレイおよび/または基板は、可動磁石に動作可能に結合される。アレイおよび/または基板が可動磁石に結合される実施形態では、本明細書に記載される磁気ビーズステーションは、アレイおよび/または基板の平面に沿って移動させることができる。
【0091】
可動磁石
本開示は、液滴中の動きを誘導するシステムを提供し、該システムは、(a)磁場に結合するように構成された材料から形成された少なくとも1つのビーズを含む上記液滴を支持するように構成された表面と、(b)磁石に結合されたアクチュエータであって、上記磁石は、上記磁場を供給するように構成され、および上記アクチュエータは、上記表面に平行な平面に沿って上記磁場を並進させるように構成される、アクチュエータと、(c)上記アクチュエータに動作可能に結合されたコントローラであって、上記コントローラが、上記磁場が上記平面に沿って並進する間に上記液滴が上記表面に沿って動きを受けるように、上記磁場を上記平面に沿って並進させるべく上記アクチュエータに方向付けるように構成される、コントローラとを含む。いくつかの実施形態では、上記アクチュエータはスイッチである。いくつかの実施形態では、上記アクチュエータは、上記磁石に結合されたモータを備え、上記モータは、上記表面に平行な方向に沿って上記磁石を並進させるように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、電場を上記表面に供給するように構成された電極であって、上記電場および上記磁場は、上記液滴を上記動きに供するのに充分なものである、電極をさらに含む。いくつかの実施形態では、上記アクチュエータは、上記平面に平行な少なくとも2つの軸に沿って並進させるように上記磁石を動かすように構成されている。いくつかの実施形態では、上記磁石は、永久磁石を含む。いくつかの実施形態では、上記磁石は、少なくとも1つの電磁石を含む。いくつかの実施形態では、上記アクチュエータは、ピボットを備え、上記ピボットは、上記表面に結合される。いくつかの実施形態では、上記表面は、1つ以上の電極上に配置された誘電体を含む。いくつかの実施形態では、上記1つ以上の磁石は、上記表面より下に配置される。いくつかの実施形態では、上記表面は液体層を含む。いくつかの実施形態では、上記液体層は、上記表面に対する親和性を含む液体を含む。
【0092】
磁場を使用する液滴操作の例は、図37に提供される。磁場に結合するように構成された材料で形成されたビーズは、表面上の液滴中に提供される(図37A)。磁場は表面に供給され、アクチュエータは、表面および液滴に平行な平面に沿って磁場を並進させ、それによって、ビーズを液滴の外側に移動させる(図37B)。液滴操作は、磁場を有する本開示のいずれかのシステムにおいて実施することができる。
【0093】
EWOD対応の磁気ビーズ洗浄
磁気粒子は、制御可能な局在磁場によってチップの表面上で操作され得る。磁気粒子は、例えば、ミクロスフェアから作製され得る。局在磁場の制御は、例えば、ソレノイド、磁石、磁石の対、またはそれらのいずれかの組合せを粒子の近傍に配置することによって、またはEWODチップ内に磁場を生成することによって達成され得る。磁気ビーズベースの分離および洗浄は、EWOD対応アレイ上で実行され得る。液滴は、液滴の位置決めをさらに可能にし得る作動電極を使用して操作され得る。磁場を利用して磁気粒子を狭い領域に集中させることができる。液体は、EWODベース、誘電泳動ベース、または他の起電力ベースの作動によって磁気粒子から分離され得る。オープンプレートおよびツープレートシステムでは分離が可能である。液滴はEWOD作動を用いて位置決めすることができるため、液体処理ロボット(liquid handling robot)を使用してチップから流体を吸引し、チップ表面上に磁気粒子を残すことがさらにできる。液体の除去は、毛細管力、空気力、EWODもしくは誘電湿潤などの起電力、またはそれらのいずれかの組合せを使用することによって、アレイ内の穴または複数の穴を通して達成され得る。この廃液は、アレイより下に配置されたリザーバに収集することができる。コンピュータビジョンベースのアルゴリズムを使用して、磁気ビーズを含むプロセスについて液体ハンドラおよび/またはアレイに通知し、フィードバックを提供することができる。そのプロセスは、例えば、上清の吸引、ビーズの再懸濁、上清の除去中に上清とともに磁気ビーズの吸引を防止すること、またはそれらのいずれかの組合せを含んでもよい。
【0094】
核酸送達ステーション
いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングチップは、1つ以上の核酸送達ステーションを含むことがある。核酸送達ステーションはそれぞれ、様々な挿入方法を介して、遺伝物質、他の核酸、および生物製剤を細胞に挿入するように設計され得る。この挿入は、強電場を適用すること、強磁界を適用すること、超音波を適用すること、レーザービームを適用すること、または他の技術によって実施され得る。1つ以上の核酸送達ステーションは、エレクトロウェッティングデバイス上のシングルトンとして構成され得るか、または、複数の核酸送達ステーションが、並行して操作され得るように提供され得る。
【0095】
光学検査ステーション
いくつかの実施形態では、光学的検出およびアッセイ法を使用する1つ以上の光学検査ステーションは、エレクトロウェッティングデバイス上に提供されることがある。光源(例えば、広スペクトル光、単一周波数など)は、光学系を通過して、(例えば、フィルター、回折格子、ミラーなどを含み得る)光を調整し、エレクトロウェッティングデバイス上に位置する試料を照射することができる。エレクトロウェッティングデバイスの同じ側または反対側に配置され得る光学検出器は、分析のために試料を通過する光のスペクトルを検出するように構成され得る。光学検査は、例えば、核酸の濃度の測定、核酸の品質の測定、細胞の密度の測定、2つの液体間の混合の程度の測定、試料の体積の測定、試料の蛍光の測定、試料の吸光度の測定、タンパク質の定量化、比色分析、光学分析、またはそれらのいずれかの組合せのために使用され得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、試料は、単一プレートのエレクトロウェッティングデバイスを備えた開放表面上にあり得る。いくつかの実施形態では、試料は、2枚のプレート間にはさまれ得る。いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングチップおよび電極は透明であり得る。いくつかの実施形態では、光源から試料を通って光検出器まで光を通過させるために、または試料、試薬、または反応物を導入するために、試料が配置される電極に穴があり得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、光学的検出は、光学的検出用の2×2の試料フォーマットまたは96ウェルプレートフォーマット、あるいは、例えば、100万の試料を測定するためのいずれかのM×Nフォーマットに配置された試料に対して、実行され得る。試料および対応する測定ユニットは、いずれかの規則的および不規則な形式で配置され得る。
【0098】
液体処理ステーション
いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングデバイスは、生体試料、化学試薬、および液体をソースウェル、プレート、またはリザーバからエレクトロウェッティングチップ上に投入するための1つ以上のステーションを含んでもよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、液滴は、音響液滴放出によってエレクトロウェッティング表面上に投入され得る。ソースプレートは、ウェル内に液体を保持してもよく、音響結合流体を介して圧電トランスデューサと結合されてもよい。圧電音響トランスデューサからの音響エネルギーは、ウェル中の試料上に集束され得る。いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングチップは上部上であり、逆さまである。液滴は、電圧によって引き起こされる追加の湿潤力のためにエレクトロウェッティングチップに接着し得、このことは、装置の液滴選別機能に寄与する。音響エネルギーによってウェルから放出された液滴は、上部エレクトロウェッティングデバイスに接着するか、または音響注入ステーションに移動された液滴に組み込まれ得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングデバイスは、生体試料、化学試薬、および液体をマイクロダイアフラムポンプベースのディスペンサーを通して、エレクトロウェッティングチップ上に投入するように設計される、1つ以上のステーションを備えてもよい。
【0101】
音響液滴放出技術またはマイクロダイアフラムポンプのいずれかは、ピコリットル、ナノリットル、またはマイクロリットルの体積の液滴を分注するために使用され得る。いくつかの実施形態では、ソースプレートの上方に配置されたエレクトロウェッティングデバイスは、ウェルプレートから放出された液滴を捉え、エレクトロウェッティング力によって液滴を保持する。このようにして、例えば、生体試薬、化学試薬、またはそれらの組合せを含む試料は、エレクトロウェッティングチップ上に分注され得る。いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングプレートは底部上にあり、音響液滴放出トランスデューサまたはマイクロダイアフラムポンプは上部上にある。投入弁およびより大きなマイクロダイアフラムポンプを使用して、マイクロダイアフラムポンプへの流体流を計量することができる。この方法では、ディスペンサーは、いずれかの場所のエレクトロウェッティングチップ上に試料を置くために使用され得る。
【0102】
場合によっては、エレクトロウェッティングチップが、オープンプレート構成(第2のプレートなし)であり、液滴がチップ上に直接投入され得る。場合によっては、エレクトロウェッティングチップは、電極アレイと接地電極との間に液滴を挟む第2のプレートを有する場合がある。場合によっては、第2のプレート(地面の有無に関わらずカバープレート)は、液滴の通過を可能にする穴を有し得る。場合によっては、液滴が、オープンプレートに初めにロードされ得、その後、第2のプレートが加えられ得る。場合によっては、エレクトロウェッティングチップ上にロードされた液体は、チップが音響リキッドハンドラーの内部にあるときにワークフローを実行する準備ができている。場合によっては、エレクトロウェッティングチップにロードされた液体は、チップが音響リキッドハンドラーまたはマイクロダイアフラムポンプの外部にあるときにワークフローを実行する準備ができている。場合によっては、ワークフローの実行中に、液体がエレクトロウェッティングチップにロードされる。場合によっては、音響液滴噴射装置またはマイクロダイアフラムポンプは、エレクトロウェッティングデバイス上を移動できる場所を確認可能なキャリッジ(3Dプリンターノズルのようなもの)に取り付けられ得、その結果、エレクトロウェッティングデバイス上の特定のポイントに液滴が注入され得る。
【0103】
場合によっては、ソースと目的地の両方がエレクトロウェッティングチップであり得る。このシナリオでは、チップは、電極アレイが互いに向き合うように構築され得る。場合によっては、液滴は、音響場または電場および様々な湿潤親和性を使用して、上部と下部のエレクトロウェッティングチップ間で、および、上部間で前後に移動され得る。ここで、チップの両側上に音響トランスデューサおよび結合体液が存在し得る。場合によっては、エレクトロウェッティングチップ上の試料は、ソースであり得、目的地がウェルプレートであり得る。ここで、試料は、音響液滴放出を使用して、エレクトロウェッティングチップから、ウェルプレート上へと移され得る。
【0104】
ウェルプレート内のウェル間の間隔、したがって、液体がエレクトロウェッティングチップ上にロードされる(および、エレクトロウェッティングチップから移される)フォーマットは、標準のウェルプレート形態または他のいずれかのSDSウェルプレート形態またはいずれかの形態であり得る。プレート中のウェル数は、1~100万の範囲のいずれかの数であり得る。
【0105】
音響液滴放出デバイスまたはマイクロダイアフラムポンプデバイスからの試料がロードされたエレクトロウェッティングチップは、混合ステーション、インキュベーションステーション、磁気ビーズステーション、核酸送達ステーション、光学検査ステーション、他の機能、またはそれらのいずれかの組合せの機能の1つ以上と組み合わされ得る。
【0106】
オンチップの乾燥/凍結乾燥試薬
化学試薬、生体試薬、またはその組合せは、アレイの表面上で凍結乾燥/乾燥/スポットされ得る。試薬は、アレイに適合する使い捨てカートリッジの表面上にスポットされ得る。試薬は、緩衝液、塩、界面活性剤、核酸、タンパク質、安定化剤、マイクロビーズ、酵素、抗生物質、またはそれらのいずれかの組合せを含むが、これらに限定されない。試薬は、液体処理システム、EWOD作動、手動ピペッティング、またはそれらのいずれかの組合せによって、適切な溶液に可溶化または再懸濁され得る。無数の分子生物学ワークフロー/プロセスのためのキットは、部分的または全体的に、乾燥試薬を使用して生成され得る。キットは、保存のための冷蔵条件を含み得る。分子生物学プロセスは、次世代シーケンシングおよび微生物分析ワークフロー(例えば、抗生物質耐性株検出)のための核酸ライブラリの調製を含み得るが、これらに限定されない。
【0107】
振動支援型混合
液体の液滴は、様々な方法で混合することができる。本開示は、デジタルマイクロ流体デバイスの表面上の液体の混合を支援するためにデジタルマイクロ流体表面の振動を使用することができる方法を提供する。振動は、デジタルマイクロ流体デバイスの表面上の液滴内に小規模の流体の動きを生成し得る。動きは、拡散を促進し、混合プロセスを急速に加速し得る。振動支援型液滴混合の利点の例は、磁気微粒子(例えば、ビーズ)上へのDNAの効率的な捕捉および最終的により高い収率のDNA抽出である。いくつかの実施形態では、開放表面を備えるエレクトロウェッティングアレイが提供される。
【0108】
デジタルマイクロ流体プラットフォームに関する共通の問題は、あらゆる種類の試薬および液滴とのロバストな混合を達成することである。例えば、高粘度の液滴は、純粋にエレクトロウェッティングに基づく動きを使用して効果的に混合することが極めて困難であり得る。これらの種類の粘性液滴は、DNAを磁気ビーズに効率的に結合させる必要がある高濃度試料材料からのDNA抽出を含む広範囲の用途において重要である。これらの用途において混合するために純粋にエレクトロウェッティングに基づく動きを使用することは、非常に不良な混合をもたらし、したがって、試料液滴からの非常に不良なDNA抽出をもたらす。
【0109】
デジタルマイクロ流体表面への振動および/または音響力の適用が、表面上の液体の混合を支援するために使用可能なデバイス、システム、および方法の実施が、本明細書に記載される。振動は、適切な周波数および振幅に調整されると、拡散を促進し、混合プロセスを急速に加速する小規模流体運動を液滴内に生じさせる。図72は、磁気ビーズを使用して、DNAの抽出のためのこの技術の1つのそのような適用を示す。図72において、DNA試料の粘度は、振動が使用されない限り、効率的な混合を妨げる。その結果、磁気微粒子上へのDNAの効率的な捕捉になり、最終的に、より高い収率のDNA抽出がもたらされる。図72Aは、振動支援型混合前の懸濁ビーズを示す。図72Bは、振動支援型混合後にビーズとDNAのペレットが形成されたことを示す。
【0110】
振動はさらに、液滴の移動度の向上に寄与する。これは、粒子を含有する液滴に特に当てはまる。振動がない場合、大きな粒子は、液滴と基板との間の界面に沈降する傾向があり得る。これらの粒子が液滴の接触線に存在する場合、それらは、液滴を適所に固定するように作用し、その移動度を制限し得る。振動の導入によって、粒子が接触線に沈降しないようにすることができの際に、粒子を運ぶ液滴のエレクトロウェッティング移動度の信頼性が大幅に改善される。
【0111】
振動ベースの混合は、エレクトロウェッティングベースの混合と相乗的である。振動混合は、液滴の部分内に粒子を分散させるのに効果的であるが、液滴全体にわたるマクロスケール混合では、特に表面との接触角が低い液滴では効果的でないことが多い。エレクトロウェッティングベースの液滴混合は、この問題に対処するのに役立ち、振動およびエレクトロウェッティングの両方が共に作用して、様々な組成物の多種多様な液滴の混合を迅速かつ効果的に達成することができる。
【0112】
振動周波数および振幅は、液滴およびシステムダイナミクスに合わせる必要がある。液滴の共振ダイナミクスは、液滴の体積、表面張力、粘度など多くの要因に依存する。より高い接触角を有する液滴は、振動に対してより大きい応答を示す傾向があるが、表面上により容易に広がる(およびより低い接触角を有する)液滴は、同等の混合を達成するためにより大きい振幅を必要とする(図73)。図73は、高い接触角の液滴(図73A)が、より低い接触角の液滴(図73B)よりも振動に対してより大きな応答を経験する傾向があることを示す。振動を使用して液滴の充分な混合を達成するために、デジタルマイクロ流体デバイス全体またはその部分は、数マイクロメートルから数ミリメートルまでのいかなる場所に移動させることができる。0.1mm~10mmの移動は、この目的のための良好な範囲である。上記の振動支援型混合スキームでは、典型的な振動周波数は1hz~20khzの範囲である。
【0113】
振動以外に、いくつかの実施形態では、混合困難液滴を混合するための他の方法が使用されてもよい。磁気ビーズの再懸濁に補助が必要とされる場合、交流磁場を使用して、液滴内で磁気ビーズを再懸濁および混合することができる。これは、回転式の永久磁石の使用によって、または液滴の周囲の複数の軸に配向された電磁コイルによって達成され得る。電極グリッド自体を使用して、液滴の下の電極上の電圧を振動させる交流回路を使用して共振を励起することによって、液滴を混合することが可能である。この作動は、応答の大きさを増加させるために液滴自体への低インピーダンス経路を有することから利益を得ることができる。
【0114】
本開示は、エレクトロウェッティングベースの液滴混合の方法を提供する。いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティングベースの液滴混合は、振動およびエレクトロウェッティングの両方を含む。いくつかの実施形態では、振動およびエレクトロウェッティングは、共に作用し、多種多様な液滴を混合する。いくつかの実施形態では、様々な組成物の振動およびエレクトロウェッティングを迅速かつ効果的に達成することができる。エレクトロウェッティングベースの液滴混合のための周波数は、変調されてもよい。エレクトロウェッティングベースの液滴混合のための振幅は、変調されてもよい。
【0115】
デジタルマイクロ流体表面の振動は、いくつかの手段によって達成することができる。一実施形態では、表面自体がばね要素として使用されてもよく、それによって、表面の一端が固定され、他方が電気機械的アクチュエータに取り付けられる。いくつかの実施形態では、電気機械的アクチュエータは、振動機構またはカンチレバーである(図74)。図74Aに示される実施形態は、表面の長さにわたって振動エネルギー中にグラジエントを産生する。カンチレバーの振動エッジのより近くに位置する液滴は、固定端のより近くに位置する液滴よりもはるかに大きな振幅を経験する。例えば、電磁アクチュエータ、ボイスコイルアクチュエータ、圧電アクチュエータ、超音波トランスデューサ、回転偏心質量、モータ駆動リンケージ、および振動リンケージ機構を備えたブラシ付き/ブラシレス/ステッピングモータを使用することができる。
【0116】
別の実施形態では、表面全体が垂直に平進される(図74B)。これは、種々の可撓性要素(例えば、線形屈曲部)を備える電気機械的アクチュエータを用いて、または従来の軸受を用いて達成され得る。図74Bに示される実施形態は、(充分に剛性の基板が使用されると仮定して)表面全体にわたって均一な振動振幅を生成する。
【0117】
本明細書で説明される表面の運動を拘束する振動機構は、電磁アクチュエータ、圧電アクチュエータ、超音波トランスデューサ、回転偏心質量、ならびに振動リンケージ機構を備えたブラシ付き/ブラシレス/ステッピングモータを含む、いくつかの異なる方法を通して作動されてもよい(図75A)。
【0118】
電磁ボイスコイルアクチュエータは、広範囲の周波数および振幅で作動させることができ、これらは独立して制御することができる。さらに、アクチュエータを励起して異なる効果を達成するために、様々な波形を使用することができる。正弦波は、例えば、静かな振動を生成するために使用することができ、方形波は、表面をより積極的に励起するために使用することができる。
【0119】
図75に示される実施形態は、作動力を液滴振動に効率的に結合し、最終的に効果的な混合に効率的に結合するために、特徴付けられ、理解されなければならない動的システムをもたらす(図76)。結果として生じる動的システムは、受動ばね、ダンパ、または質量等の外部要素の使用を通して修正または増強されてもよい。これらの要素は、例えば、システムの共振周波数を、表面上の液滴の共振周波数と整列した共振周波数にシフトするために使用することができる。これは、受動的または能動的に(作動ばね要素を用いて)行うことができる。いくつかの実施形態では、使い捨てウィジェットが、より高い安定性および信頼性のある性能のためにシステムを修正するように、表面とシステムとの間でシステムに取り付けられてもよい。このウィジェットは、スポンジクリップであってもよく、システム内の表面の振動を容易にし得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、システムは、デジタル平準化インターフェースの使用を通して、ユーザによって平準化されてもよい。このデジタル平準化は、振動混合の機能性を増加させ、振動誘導液滴分裂の発生を減少させ得る。この平準化インターフェースは、システムを適正に水平にする方法についてユーザに指示してもよく、表面の角度を検出するように構成される水平モジュールを通して、システムが適正に水平にされていることを確実にしてもよい。
【0121】
いくつかの実施形態では、ボイスコイルアクチュエータが、振動を生成するために使用されてもよい。ボイスコイルアクチュエータは、永久磁場アセンブリとコイルアセンブリとを備えてもよい。ボイスコイルアクチュエータは、広範囲の周波数および振幅で作動され得る。ボイスコイルアクチュエータは、種々の波形を介して励起されてもよい。正弦波は、例えば、静かな振動を生成するために使用することができ、方形波は、表面をより積極的に励起するために使用することができる。
【0122】
いくつかの実施形態では、モータ駆動リンケージが、振動を生成するために使用されてもよい(図75B)。従来のブラシレスモータ、ブラシ付きモータ、またはステッパモータを使用して、シャフトを回転させることができる。シャフトは、剛体または屈曲リンケージに接続されてもよく、回転されると、出力の振動運動をもたらす。モータ駆動リンケージは、効率を改善し、より少ない入力電力でより大きい振幅振動を可能にするために、例えば、受動ばね、質量、および減衰要素で増強されてもよい。例えば、ばね要素は、リンケージの出力と振動基板との間に配置されてもよい。この実施形態は、表面のシステムダイナミクスおよび運動制約機構にあまり依存しないが、結果として、よく調整された動的システムと同等の振動出力を達成するために、より多くの電力入力を必要とし得る。
【0123】
いくつかの実施形態では、回転偏心質量が、振動を発生させるために使用され得る。回転偏心質量は、回転点から中心を外れていてもよい。モータは、振動基板に(直接または結合ばねを介してのいずれかで)取り付けられてもよい。モータは、オフセット質量を回転させて振動加速度を生成し得る。回転偏心質量の動作は、不均等な求心力を引き起こし得、これは、次に、モータを後方および前方に移動させ得る。加速度の振幅および周波数は、直接リンクされ得る。
【0124】
しかし、システムの共振周波数は、入力電力と出力電力との間の最良の効率を達成するために、共振ピークでまたは共振ピークの近くで励起され得る。いくつかの実施形態では、共振周波数から遠くにシステムを励起することも有利であり得る。これは、例えば、広範囲の周波数にわたってほぼ同等の振幅で液滴を励起することが望ましい場合に有益であり得る。この特定の場合は、システムの固有周波数を所望の周波数範囲に対して低く調整することによって容易に達成することができ、広い周波数範囲にわたってほぼ一定の加速度振幅をもたらす(図77)。
【0125】
別の実施形態では、クローズド・ループ制御は、周波数から独立した振幅の精密な制御のために利用することができる。これは、例えば、振動プラットフォームに取り付けられた加速度計の使用によって達成することができる。マイクロコントローラは、センサと通信し、リアルタイムで加速度振幅を算出することができる。ある所望の加速度振幅が与えられると、マイクロコントローラは、増幅器利得を調整し、振動振幅を正確に制御するために振動アクチュエータの駆動波形を変調することができる。
【0126】
機械的に誘導される振動に加えて、いくつかの実施形態では、液滴はさらに、エレクトロウェッティングまたは他の非接触力の使用によって純粋に振動させることができる。いくつかの実施形態では、振動支援型混合のために使用され得る他の非接触力は、音波または超音波を含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、エレクトロウェッティング振動支援型混合は、特定の周波数で電場の振幅または極性を切り替えることによって達成することができる。最適な振動支援型混合のために、この周波数は、液滴の共振周波数(または共振周波数の倍数)に近接しなければならない。10μL~200μLの液滴の場合、この周波数はしばしば10Hz~100Hzの範囲にある。いくつかの実施形態では、電場の極性のみが、液滴の下または隣接する電極を交互に充電および放電することによって切り替えられる一方、周囲の電極は、反対極性信号で駆動される。
【0128】
本開示のいくつかの態様は、バイオポリマーを生成する方法を提供し、該方法は、(a)表面に隣接する複数の液滴を提供する工程であって、上記複数の液滴は、第1の試薬を含む第1の液滴と、第2の試薬を含む第2の液滴とを含む、工程と、(b)上記第1の液滴および上記第2の液滴を互いに対して運動させて、(i)上記第1の液滴を上記第2の液滴と接触させ、(ii)上記第1の試薬および上記第2の試薬を含む融合液滴を形成する工程と、(c)上記融合液滴において、少なくとも(i)上記第1の試薬および(ii)上記第2の試薬を使用して、上記バイオポリマーの少なくとも一部を形成する工程とを含み、ここで、(b)~(c)は10分以下の時間で実行される、方法。いくつかの実施形態では、振動は、(b)、(c)、または両方の間に上記合成液滴に加えられる。
【0129】
本開示の態様は、試料を処理するためのシステムを含み、該システムは、アレイであって、複数の電極、および試料を支持するように構成された表面を備えるアレイと、アレイに結合された電気機械的アクチュエータであって、アクチュエータは、アレイを振動させるように構成されている、電気機械的アクチュエータと、複数の電極、または電気機械的アクチュエータに動作可能に結合されたコントローラであって、コントローラは、電場を供給して上記表面の湿潤特性を改変するように、上記複数の電極の少なくともサブセットを方向付けるか、または電気機械的アクチュエータに、振動の周波数をアレイに印加するように方向付けるために構成された、コントローラとを含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、(i)および(ii)を実行するように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラは、複数の電極および電気機械的アクチュエータに結合される。いくつかの実施形態では、試料は液滴である。幾つかの実施形態では、液滴は、約1ナノリットル~1ミリリットルを含む。いくつかの実施形態では、液滴は生体材料を含む。いくつかの実施形態では、生体試料は、1つ以上の生体分子を含む。いくつかの実施形態では、生体分子は、核酸分子、タンパク質、ポリペプチド、またはいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、電気機械的アクチュエータはカンチレバーを含む。いくつかの実施形態では、電気機械的アクチュエータは、アレイに結合された1つ以上の結合部材を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の結合部材は、電磁アクチュエータ、圧電アクチュエータ、超音波トランスデューサ、回転偏心質量、振動リンケージ機構を有する1つ以上のモータ、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のモータはブラシ付き、ブラシレス、ステッパ、またはそれらのいずれかの組合せである。いくつかの実施形態では、電磁アクチュエータは、電磁ボイスコイルアクチュエータを含む。いくつかの実施形態では、振動の周波数はグラジエントを含む。いくつかの実施形態では、グラジエントは、カンチレバーがアレイに連結される部位付近から上昇する。いくつかの実施形態では、振動はパターンを含む。いくつかの実施形態では、パターンは正弦波である。いくつかの実施形態では、パターンは正方形である。いくつかの実施形態では、表面は、誘電体の上面であり、誘電体は複数の電極の上に配置される。いくつかの実施形態では、上面は層を含む。いくつかの実施形態では、層は液体を含む。いくつかの実施形態では、層はコーティングを含む。いくつかの実施形態では、コーティングは疎水性である。いくつかの実施形態では、層はフィルムを含む。いくつかの実施形態では、フィルムは誘電体フィルムである。いくつかの実施形態では、誘電体フィルムは、天然ポリマー材料、合成ポリマー材料、フッ素化材料、表面改質、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、天然ポリマー材料は、シェラック、琥珀、羊毛、絹、天然ゴム、セルロース、ワックス、ヒザラガイ、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、合成ポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアセタール、ポリシルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ塩化ビニル、合成ゴム、ネオプレン、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、シリコーン、パラフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド(ポリフェニルエーテル)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ乳酸、合成セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、パラフィン、微結晶性ワックス、エポキシ、またはそのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、フッ素化材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレンコポリマー(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテルコポリマー(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、表面改質は、シリコーン、シラン、フルオロポリマー処理、パリレンコーティング、他の適切な表面化学改質プロセス、セラミック、粘土、鉱物、ベントナイト、カオリナイト、蛭石、黒鉛、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、液体は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、液体は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の複数の電極、誘電体、試料を含む液滴を支持するように構成された表面、またはそれらのいずれかの組合せは、アレイから除去可能である。
【0130】
いくつかの実施形態では、電気機械的アクチュエータは、表面または表面の一部分を0.05ミリメートル(mm)~10mm移動させるように構成される。いくつかの実施形態では、表面または表面の一部分は、約0.05mm~約10mm移動される。いくつかの実施形態では、表面または表面の部分は、約0.05mm~約0.1mm、約0.05mm~約0.5mm、約0.05mm~約1mm、約0.05mm~約2mm、約0.05mm~約3mm、約0.05mm~約4mm、約0.05mm~約5mm、約0.05mm~約6mm、約0.05mm~約7mm、約0.05mm~約8mm、約0.05mm~約9mm、約0.05mm~約10mm、約0.1mm~約0.5mm、約0.1mm~約1mm、約0.1mm~約2mm、約0.1mm~約3mm、約0.1mm~約4mm、約0.1mm~約5mm、約0.1mm~約6mm、約0.1mm~約7mm、約0.1mm~約8mm、約0.1mm~約9mm、約0.1mm~約10mm、約0.5mm~約1mm、約0.5mm~約2mm、約0.5mm~約3mm、約0.5mm~約4mm、約0.5mm~約5mm、約0.5mm~約6mm、約0.5mm~約7mm約0.5mm~約8mm、約0.5mm~約9mm、約0.5mm~約10mm、約1mm~約2mm、約1mm~約3mm、約1mm~約4mm、約1mm~約5mm、約1mm~約6mm、約1mm~約7mm、約1mm~約8mm、約1mm~約9mm、約1mm~約10mm、約2mm~約3mm、約2mm~約4mm、約2mm~約5mm、約2mm~約6mm、約2mm~約7mm、約2mm~約8mm、約2mm~約9mm、約2mm~約10mm、約3mm~約4mm、約3mm~約5mm、約3mm~約6mm、約3mm~約7mm、約3mm~約8mm、約3mm~約9mm、約3mm~約10mm、約4mm~約5mm、約4mm~約6mm、約4mm~約7mm、約4mm~約8mm、約4mm~約9mm、約4mm~約10mm、約5mm~約6mm、約5mm~約7mm、約5mm~約8mm、約5mm~約9mm、約5mm~約10mm、約6mm~約7mm、約6mm~約8mm、約6mm~約9mm、約7mm~約8mm、約7mm~約9mm、約7mm~約10mm、約8mm~約9mm、または約9mm~約10mm移動される。いくつかの実施形態では、表面または表面の部分は、約0.05mm、約0.1mm、約0.5mm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、または約10mmから移動される。いくつかの実施形態では、表面または表面の部分は、少なくとも約0.05mm、約0.1mm、約0.5mm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、または約8mmから移動される。いくつかの実施形態では、表面または表面の部分は、最大で、約0.1mm、約0.5mm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、または約10mmから移動される。
【0131】
いくつかの実施形態では、振動の周波数は、1ヘルツ(hz)~20キロヘルツ(khz)である。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、約1Hz~10Hzである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、約1Hz~約2Hz、約1Hz~約3Hz、約1Hz~約4Hz、約1Hz~約5Hz、約1Hz~約6Hz、約1Hz~約7Hz、約1Hz~約8Hz、約1Hz~約9Hz、約1Hz~約10Hz、約2Hz~約3Hz、約2Hz~約4Hz、約2Hz~約5Hz、約2Hz~約6Hz、約2Hz~約7Hz、約2Hz~約8Hz、約2Hz~約9Hz、約2Hz~約10Hz、約3Hz~約4Hz、約3Hz~約5Hz、約3Hz~約6Hz、約3Hz~約7Hz、約3Hz~約8Hz、約3Hz~約9Hz、約3Hz~約10Hz、約4Hz~約5Hz、約4Hz~約6Hz、約4Hz~約7Hz、約4Hz~約8Hz、約4Hz~約9Hz、約4Hz~約10Hz、約5Hz~約6Hz、約5Hz~約7Hz、約5Hz~約8Hz、約5Hz~約9Hz、約5Hz~約10Hz、約6Hz~約7Hz、約6Hz~約8Hz、約6Hz~約9Hz、約6Hz~約10Hz、約7Hz~約8Hz、約7Hz~約9Hz、約7Hz~約10Hz、約8Hz~約9Hz、約8Hz~約10Hz、または約9Hz~約10Hzである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、約1Hz、約2Hz、約3Hz、約4Hz、約5Hz、約6Hz、約7Hz、約8Hz、約9Hz、または約10Hzからである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、少なくとも約1Hz、約2Hz、約3Hz、約4Hz、約5Hz、約6Hz、約7Hz、約8Hz、または約9Hzからである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、最大で、約2Hz、約3Hz、約4Hz、約5Hz、約6Hz、約7Hz、約8Hz、約9Hz、または約10Hzからである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、約10Hz~1,000Hzである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、約10Hz~約100Hz、約10Hz~約200Hz、約10Hz~約300Hz、約10Hz~約400Hz、約10Hz~約500Hz、約10Hz~約600Hz、約10Hz~約700Hz、約10Hz~約800Hz、約10Hz~約900Hz、約10Hz~約1,000Hz、約100Hz~約200Hz、約100Hz~約300Hz、約100Hz~約400Hz、約100Hz~約500Hz、約100Hz~約600Hz、約100Hz~約700Hz、約100Hz~約800Hz、約100Hz~約900Hz、約100Hz~約1,000Hz、約200Hz~約300Hz、約200Hz~約400Hz、約200Hz~約500Hz、約200Hz~約600Hz、約200Hz~約700Hz、約200Hz~約800Hz、約200Hz~約900Hz、約200Hz~約1,000Hz、約300Hz~約400Hz、約300Hz~約500Hz、約300Hz~約600Hz、約300Hz~約700Hz、約300Hz~約800Hz、約300Hz~約900Hz、約300Hz~約1,000Hz、約400Hz~約500Hz、約400Hz~約600Hz、約400Hz~約700Hz、約400Hz~約800Hz、約400Hz~約900Hz、約400Hz~約1,000Hz、約500Hz~約600Hz、約500Hz~約700Hz、約500Hz~約800Hz、約500Hz~約900Hz、約500Hz~約1,000Hz、約600Hz~約700Hz、約600Hz~約800Hz、約600Hz~約900Hz、約600Hz~約1,000Hz、約700Hz~約800Hz、約700Hz~約900Hz、約700Hz~約1,000Hz、約800Hz~約900Hz、約800Hz~約1,000Hz、または約900Hz~約1,000Hzである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、約10Hz、約、100Hz、約200Hz、約300Hz、約400Hz、約500Hz、約600Hz、約700Hz、約800Hz、約900Hz、または約1,000Hzからである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、少なくとも約10Hz、約100Hz、約200Hz、約300Hz、約400Hz、約500Hz、約600Hz、約700Hz、約800Hz、または約900Hzからである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、最大で約100Hz、約200Hz、約300Hz、約400Hz、約500Hz、約600Hz、約700Hz、約800Hz、約900Hz、または約1,000Hzからである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、約1kHz~20kHzである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、約1kHz~約2.5kHz、約1kHz~約5kHz、約1kHz~約7.5kHz、約1kHz~約10kHz、約1kHz~約12.5kHz、約1kHz~約15kHz、約1kHz~約17.5kHz、約1kHz~約20kHz、約2.5kHz~約5kHz、約2.5kHz~約7.5kHz、約2.5kHz~約10kHz、約2.5kHz~約12.5kHz、約2.5kHz~約15kHz、約2.5kHz~約17.5kHz、約2.5kHz~約20kHz、約5kHz~約7.5kHz、約5kHz~約10kHz、約5kHz~約12.5kHz、約5kHz~約15kHz、約5kHz~約17.5kHz、約5kHz~約20kHz、約7.5kHz~約10kHz、約7.5kHz~約12.5kHz、約7.5kHz~約15kHz、約7.5kHz~約17.5kHz、約7.5kHz~約20kHz、約10kHz~約12.5kHz、約10kHz~約15kHz、約10kHz~約17.5kHz、約10kHz~約20kHz、約12.5kHz~約15kHz、約12.5kHz~約17.5kHz、約12.5kHz~約20kHz、約15kHz~約17.5kHz、約15kHz~約20kHz、または約17.5kHz~約20kHzである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、約1kHz、約2.5kHz、約5kHz、約7.5kHz、約10kHz、約12.5kHz、約15kHz、約17.5kHz、または約20kHzである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、少なくとも約1kHz、約2.5kHz、約5kHz、約7.5kHz、約10kHz、約12.5kHz、約15kHz、または約17.5kHzである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、最大で約2.5kHz、約5kHz、約7.5kHz、約10kHz、約12.5kHz、約15kHz、約17.5kHz、または約20kHzである。
【0132】
本開示の別の態様は、試料を処理するための方法を含み、該方法は、アレイを提供する工程であって、該アレイは、複数の電極、および試料を支持するように構成された表面を備え、ここで、アレイは電気機械的アクチュエータに結合され、および電気機械的アクチュエータはアレイを振動させるように構成される、工程と、表面に液滴を導入する工程と、電気機械的アクチュエータに、振動の周波数をアレイに印加するように指示する工程とを含む。いくつかの実施形態では、試料は液滴である。幾つかの実施形態では、液滴は、約1ナノリットル~1ミリリットルを含む。いくつかの実施形態では、液滴は生体材料を含む。いくつかの実施形態では、生体試料は、1つ以上の生体分子を含む。いくつかの実施形態では、生体分子は、核酸分子、タンパク質、ポリペプチド、またはいずれかの組合せを含む。幾つかの実施形態では、液滴は、約1ナノリットル~1ミリリットルを含む。いくつかの実施形態では、方法は、電場を供給して表面の湿潤特性を改変するように、複数の電極の少なくともサブセットを方向付ける工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、電気機械的アクチュエータはカンチレバーを含む。いくつかの実施形態では、電気機械的アクチュエータは、アレイに結合された1つ以上の結合部材を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の結合部材は、電磁アクチュエータ、圧電アクチュエータ、超音波トランスデューサ、回転偏心質量、振動リンケージ機構を有する1つ以上のモータ、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のモータは、ブラシ付き、ブラシレス、ステッパ、またはそれらのいずれかの組合せである。いくつかの実施形態では、電磁アクチュエータは、電磁ボイスコイルアクチュエータを含む。いくつかの実施形態では、振動の周波数はグラジエントを含む。いくつかの実施形態では、グラジエントは、カンチレバーがアレイに連結される部位付近から上昇する。いくつかの実施形態では、振動はパターンを含む。いくつかの実施形態では、パターンは正弦波である。いくつかの実施形態では、パターンは正方形である。いくつかの実施形態では、表面は、誘電体の上面であり、誘電体は複数の電極の上に配置される。いくつかの実施形態では、表面は、誘電体の上に配置される層を含み、ここで、誘電体は複数の電極の上に配置される。いくつかの実施形態では、層は液体を含む。いくつかの実施形態では、層はコーティングを含む。いくつかの実施形態では、コーティングは疎水性である。いくつかの実施形態では、層はフィルムを含む。いくつかの実施形態では、フィルムは誘電体フィルムである。いくつかの実施形態では、上記誘電体フィルムは、天然ポリマー材料、合成ポリマー材料、フッ素化材料、表面改質、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、天然ポリマー材料は、シェラック、琥珀、羊毛、絹、天然ゴム、セルロース、ワックス、ヒザラガイ、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、合成ポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアセタール、ポリシルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ塩化ビニル、合成ゴム、ネオプレン、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、シリコーン、パラフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド(ポリフェニルエーテル)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ乳酸、合成セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、パラフィン、微結晶性ワックス、エポキシ、またはそのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、フッ素化材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレンコポリマー(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテルコポリマー(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、表面改質は、シリコーン、シラン、フルオロポリマー処理、パリレンコーティング、他の適切な表面化学改質プロセス、セラミック、粘土、鉱物、ベントナイト、カオリナイト、蛭石、黒鉛、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、液体は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、液体は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の複数の電極、誘電体、試料を含む液滴を支持するように構成された表面、またはそれらのいずれかの組合せは、アレイから除去可能である。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、表面または表面の部分を0.05ミリメートル(mm)~10mm移動させる。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、1ヘルツ(hz)~20キロヘルツ(khz)である。
【0133】
本開示のさらなる態様は、第1の試料を第2の試料と接触させる方法を含み、ここで、第1の試料は第1の液滴に含有され、第2の試料は第2の液滴に含有され、該方法は、アレイを提供する工程であって、該アレイは、複数の電極、および第1の液滴および第2の液滴を支持するように構成された表面を備え、アレイは、電気機械的アクチュエータに結合され、および電気機械的アクチュエータは、アレイを振動させるように構成される、工程と、第1の液滴および第2の液滴を表面に導入する工程と、複数の電極の少なくともサブセットを、電場を供給して、表面の湿潤特性を変化させ、それによって、第1の液滴および第2の液滴の動きを誘導するように方向付ける工程であって、第1の液滴および第2の液滴の動きは、第1の液滴および第2の液滴が収束して混合液滴を生成することを含む、工程と、電気機械的アクチュエータを、振動の周波数を表面に印加するように方向付け、それによって、第1の試料を第2の試料と接触させる工程とを含む。いくつかの実施形態では、第1の試料、第2の試料、または両方は、粘性流体を含む。いくつかの実施形態では、第1の試料、第2の試料、または両方は、生体試料を含む。いくつかの実施形態では、第3の試薬を含む第3の液滴が存在する。いくつかの実施形態では、生体試料は、1つ以上の生体分子を含む。いくつかの実施形態では、生体分子は、核酸分子、タンパク質、ポリペプチド、またはいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、第1の試料、第2の試料、または両方は、生体アッセイ用の試薬を含む。いくつかの実施形態では、第1の試料、第2の試料、または両方は、1つ以上の細胞溶解試薬を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の細胞溶解試薬は、生体試料または生体試料のサブセットに結合するように構成された基板を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子は、10キロベース(kb)、20kb、30kb、40kb、または50kbよりも多く含む。いくつかの実施形態では、生体試料の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%より多くは、基板に結合する。いくつかの実施形態では、基板は官能性ビーズである。いくつかの実施形態では、第1の試薬は、1つ以上の官能性ビーズを含む。いくつかの実施形態では、第2の試薬は、1つ以上の官能性ビーズを含む。いくつかの実施形態では、第3の試薬は、1つ以上の官能性ビーズを含む。いくつかの実施形態では、第1の試薬、第2の試薬、および/または、第3の試薬の組合せは、1つ以上の官能性ビーズを含む。いくつかの実施形態では、官能性ビーズは、それに固定された1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1の試薬は、ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態では、第2の試薬は、ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態では、第3の試薬は、ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態では、第1の試薬、第2の試薬、および/または、第3の試薬の組合せは、ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態では、第1の試薬は、バイオモノマーを含む。いくつかの実施形態では、第2の試薬は、バイオモノマーを含む。いくつかの実施形態では、第3の試薬は、バイオモノマーを含む。いくつかの実施形態では、第1の試薬、第2の試薬、および/または、第3の試薬の組合せは、バイオモノマーを含む。いくつかの実施形態では、バイオモノマーは、アミノ酸である。いくつかの実施形態では、バイオモノマーは、核酸分子である。いくつかの実施形態では、核酸分子は、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、またはウラシルを含む。いくつかの実施形態では、基板は官能性ディスクである。いくつかの実施形態では、第1の試薬は、1つ以上の官能性ディスクを含む。いくつかの実施形態では、第2の試薬は、1つ以上の官能性ディスクを含む。いくつかの実施形態では、3試薬は1つ以上の平円板を含む。いくつかの実施形態では、第1の試薬、第2の試薬、および/または、第3の試薬の組合せは、1つ以上の官能性ディスクを含む。いくつかの実施形態では、官能性ディスクは、それに固定された1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、方法は、(d)の後に、複数の電極の少なくともサブセットを方向付けて、電場を供給して表面の湿潤特性を変化させることによって混合液滴の少なくとも一部に動きを誘導することによって、混合液滴の少なくとも一部を除去する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも混合液滴の部分は、生体試料を含まない。いくつかの実施形態では、方法は、(e)の前に、またはそれと同時に、表面に磁場を印加する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、磁場は基板を固定する。いくつかの実施形態では、電気機械的アクチュエータはカンチレバーを含む。いくつかの実施形態では、電気機械的アクチュエータは、アレイに結合された1つ以上の結合部材を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の結合部材は、電磁アクチュエータ、圧電アクチュエータ、超音波トランスデューサ、回転偏心質量、振動リンケージ機構を有する1つ以上のモータ、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のモータ、はブラシ付き、ブラシレス、ステッパ、またはそれらのいずれかの組合せである。いくつかの実施形態では、電磁アクチュエータは、電磁ボイスコイルアクチュエータを含む。いくつかの実施形態では、振動の周波数はグラジエントを含む。いくつかの実施形態では、グラジエントは、カンチレバーがアレイに連結される部位付近から上昇する。いくつかの実施形態では、振動はパターンを含む。いくつかの実施形態では、パターンは正弦波である。いくつかの実施形態では、パターンは正方形である。いくつかの実施形態では、表面は、誘電体の上面であり、誘電体は複数の電極の上に配置される。いくつかの実施形態では、表面は、誘電体の上に配置される層を含み、ここで、誘電体は複数の電極の上に配置される。いくつかの実施形態では、層は液体を含む。いくつかの実施形態では、層はコーティングを含む。いくつかの実施形態では、コーティングは疎水性である。いくつかの実施形態では、層はフィルムを含む。いくつかの実施形態では、フィルムは誘電体フィルムである。いくつかの実施形態では、上記誘電体フィルムは、天然ポリマー材料、合成ポリマー材料、フッ素化材料、表面改質、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、天然ポリマー材料は、シェラック、琥珀、羊毛、絹、天然ゴム、セルロース、ワックス、ヒザラガイ、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、合成ポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアセタール、ポリシルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ塩化ビニル、合成ゴム、ネオプレン、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、シリコーン、パラフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド(ポリフェニルエーテル)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ乳酸、合成セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、パラフィン、微結晶性ワックス、エポキシ、またはそのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、フッ素化材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレンコポリマー(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテルコポリマー(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、表面改質は、シリコーン、シラン、フルオロポリマー処理、パリレンコーティング、他の適切な表面化学改質プロセス、セラミック、粘土、鉱物、ベントナイト、カオリナイト、蛭石、黒鉛、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、液体は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、液体は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せをさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の複数の電極、誘電体、試料を含む液滴を支持するように構成された表面、またはそれらのいずれかの組合せは、アレイから除去可能である。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、表面または表面の部分を0.05ミリメートル(mm)~10mm移動させる。
【0134】
いくつかの実施形態では、電気機械的アクチュエータは、表面または表面の部分を0.05ミリメートル(mm)~10mm移動させるように構成される。いくつかの実施形態では、表面または表面の部分は、約0.05mm~約10mm移動される。いくつかの実施形態では、表面または表面の部分は、約0.05mm~約0.1mm、約0.05mm~約0.5mm、約0.05mm~約1mm、約0.05mm~約2mm、約0.05mm~約3mm、約0.05mm~約4mm、約0.05mm~約5mm、約0.05mm~約6mm、約0.05mm~約7mm、約0.05mm~約8mm、約0.05mm~約9mm、約0.05mm~約10mm、約0.1mm~約0.5mm、約0.1mm~約1mm、約0.1mm~約2mm、約0.1mm~約3mm、約0.1mm~約4mm、約0.1mm~約5mm、約0.1mm~約6mm、約0.1mm~約7mm、約0.1mm~約8mm、約0.1mm~約9mm、約0.1mm~約10mm、約0.5mm~約1mm、約0.5mm~約2mm、約0.5mm~約3mm、約0.5mm~約4mm、約0.5mm~約5mm、約0.5mm~約6mm、約0.5mm~約7mm、約0.5mm~約8mm、約0.5mm~約9mm、約0.5mm~約10mm、約1mm~約2mm、約1mm~約3mm、約1mm~約4mm、約1mm~約5mm、約1mm~約6mm、約1mm~約7mm、約1mm~約8mm、約1mm~約9mm、約1mm~約10mm、約2mm~約3mm、約2mm~約4mm、約2mm~約5mm、約2mm~約6mm、約2mm~約7mm、約2mm~約8mm、約2mm~約8mm、約2mm~約9mm、約2mm~約10mm、約3mm~約4mm、約3mm~約5mm、約3mm~約6mm、約3mm~約7mm、約3mm~約8mm、約3mm~約9mm、約3mm~約10mm、約4mm~約5mm、約4mm~約6mm、約4mm~約7mm、約4mm~約8mm、約4mm~約9mm、約4mm~約10mm、約5mm~約6mm、約5mm~約7mm、約5mm~約8mm、約5mm~約9mm、約5mm~約10mm、約6mm~約7mm、約6mm~約8mm、約6mm~約9mm、約7mm~約8mm、約7mm~約9mm、約7mm~約10mm、約8mm~約9mm、または約9mm~約10mm移動される。いくつかの実施形態では、表面または表面の部分は、約0.05mm、約0.1mm、約0.5mm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、または約10mmから移動される。いくつかの実施形態では、表面または表面の部分は、少なくとも約0.05mm、約0.1mm、約0.5mm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、または約8mmから移動される。いくつかの実施形態では、表面または表面の部分は、最大で、約0.1mm、約0.5mm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、または約10mmから移動される。
【0135】
いくつかの実施形態では、振動の周波数は、1ヘルツ(hz)~20キロヘルツ(khz)である。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、1ヘルツ(hz)~20キロヘルツ(khz)である。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、約1Hz~10Hzである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、約1Hz~約2Hz、約1Hz~約3Hz、約1Hz~約4Hz、約1Hz~約5Hz、約1Hz~約6Hz、約1Hz~約7Hz、約1Hz~約8Hz、約1Hz~約9Hz、約1Hz~約10Hz、約2Hz~約3Hz、約2Hz~約4Hz、約2Hz~約5Hz、約2Hz~約6Hz、約2Hz~約7Hz、約2Hz~約8Hz、約2Hz~約9Hz、約2Hz~約10Hz、約3Hz~約4Hz、約3Hz~約5Hz、約3Hz~約6Hz、約3Hz~約7Hz、約3Hz~約8Hz、約3Hz~約9Hz、約3Hz~約10Hz、約4Hz~約5Hz、約4Hz~約6Hz、約4Hz~約7Hz、約4Hz~約8Hz、約4Hz~約9Hz、約4Hz~約10Hz、約5Hz~約6Hz、約5Hz~約7Hz、約5Hz~約8Hz、約5Hz~約9Hz、約5Hz~約10Hz、約6Hz~約7Hz、約6Hz~約8Hz、約6Hz~約9Hz、約6Hz~約10Hz、約7Hz~約8Hz、約7Hz~約9Hz、約7Hz~約10Hz、約8Hz~約9Hz、約8Hz~約10Hz、または約9Hz~約10Hzである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、約1Hz、約2Hz、約3Hz、約4Hz、約5Hz、約6Hz、約7Hz、約8Hz、約9Hz、または約10Hzからである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、少なくとも約1Hz、約2Hz、約3Hz、約4Hz、約5Hz、約6Hz、約7Hz、約8Hz、または約9Hzからである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、最大で、約2Hz、約3Hz、約4Hz、約5Hz、約6Hz、約7Hz、約8Hz、約9Hz、または約10Hzからである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、約10Hz~1,000Hzである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、約10Hz~約100Hz、約10Hz~約200Hz、約10Hz~約300Hz、約10Hz~約400Hz、約10Hz~約500Hz、約10Hz~約600Hz、約10Hz~約700Hz、約10Hz~約800Hz、約10Hz~約900Hz、約10Hz~約1,000Hz、約100Hz~約200Hz、約100Hz~約300Hz、約100Hz~約400Hz、約100Hz~約500Hz、約100Hz~約600Hz、約100Hz~約700Hz、約100Hz~約800Hz、約100Hz~約900Hz、約100Hz~約1,000Hz、約200Hz~約300Hz、約200Hz~約400Hz、約200Hz~約500Hz、約200Hz~約600Hz、約200Hz~約700Hz、約200Hz~約800Hz、約200Hz~約900Hz、約200Hz~約1,000Hz、約300Hz~約400Hz、約300Hz~約500Hz、約300Hz~約600Hz、約300Hz~約700Hz、約300Hz~約800Hz、約300Hz~約900Hz、約300Hz~約1,000Hz、約400Hz~約500Hz、約400Hz~約600Hz、約400Hz~約700Hz、約400Hz~約800Hz、約400Hz~約900Hz、約400Hz~約1,000Hz、約500Hz~約600Hz、約500Hz~約700Hz、約500Hz~約800Hz、約500Hz~約900Hz、約500Hz~約1,000Hz、約600Hz~約700Hz、約600Hz~約800Hz、約600Hz~約900Hz、約600Hz~約1,000Hz、約700Hz~約800Hz、約700Hz~約900Hz、約700Hz~約1,000Hz、約800Hz~約900Hz、約800Hz~約1,000Hz、または約900Hz~約1,000Hzである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、約10Hz、約、100Hz、約200Hz、約300Hz、約400Hz、約500Hz、約600Hz、約700Hz、約800Hz、約900Hz、または約1,000Hzからである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、少なくとも約10Hz、約100Hz、約200Hz、約300Hz、約400Hz、約500Hz、約600Hz、約700Hz、約800Hz、または約900Hzからである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、最大で約100Hz、約200Hz、約300Hz、約400Hz、約500Hz、約600Hz、約700Hz、約800Hz、約900Hz、または約1,000Hzからである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、約1kHz~20kHzである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、約1kHz~約2.5kHz、約1kHz~約5kHz、約1kHz~約7.5kHz、約1kHz~約10kHz、約1kHz~約12.5kHz、約1kHz~約15kHz、約1kHz~約17.5kHz、約1kHz~約20kHz、約2.5kHz~約5kHz、約2.5kHz~約7.5kHz、約2.5kHz~約10kHz、約2.5kHz~約12.5kHz、約2.5kHz~約15kHz、約2.5kHz~約17.5kHz、約2.5kHz~約20kHz、約5kHz~約7.5kHz、約5kHz~約10kHz、約5kHz~約12.5kHz、約5kHz~約15kHz、約5kHz~約17.5kHz、約5kHz~約20kHz、約7.5kHz~約10kHz、約7.5kHz~約12.5kHz、約7.5kHz~約15kHz、約7.5kHz~約17.5kHz、約7.5kHz~約20kHz、約10kHz~約12.5kHz、約10kHz~約15kHz、約10kHz~約17.5kHz、約10kHz~約20kHz、約12.5kHz~約15kHz、約12.5kHz~約17.5kHz、約12.5kHz~約20kHz、約15kHz~約17.5kHz、約15kHz~約20kHz、または約17.5kHz~約20kHzである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、約1kHz、約2.5kHz、約5kHz、約7.5kHz、約10kHz、約12.5kHz、約15kHz、約17.5kHz、または約20kHzである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、少なくとも約1kHz、約2.5kHz、約5kHz、約7.5kHz、約10kHz、約12.5kHz、約15kHz、または約17.5kHzである。いくつかの実施形態では、振動の周波数は、最大で約2.5kHz、約5kHz、約7.5kHz、約10kHz、約12.5kHz、約15kHz、約17.5kHz、または約20kHzである。
【0136】
代替実施
開放表面上の液滴(単一プレート構成)または2つのプレートの間に挟まれた液滴(2プレート構成)
エレクトロウェッティング液滴操作のために、液滴は、開放表面(単一のプレート)上に置かれてもよく、または2つのプレート(ダブルプレート)の間に挟まれ得る。ダブルプレート構成では、液滴は、典型的には、100μm~500μm離れている2つのプレートの間に挟まれ得る。2枚のプレート構成は、一方の側上に作動電圧を提供するための電極を有し、他方の側は、基準電極(例えば、共通の地上信号機)を提供することができる。2枚のプレート構成での基準電極への液滴の一定の接触は、液滴上の電場からのより強い力を提供し、したがって、液滴に対する頑強な制御を提供する。2枚のプレート構成液滴では、より低い作動電圧で分割され得る。単一のプレート構成では、作動電極および基準電極が同じ側にある。
【0137】
2枚のプレートエレクトロウェッティングシステムは、上に記載される表面処理によって改善され得る。2枚のプレートシステムでは、液滴は、わずかな距離で隔てられたプレートの間に挟まれ得る。プレート間の間隔は、別の流体、または空気だけで満たされ得る。上記の技術を使用して、2枚のプレートの液体に面する表面を、2μm、1μm、または500nmまで滑らかにすることで、2プレートシステムをより低い電圧で操作し、液滴ピ二ングを減少させ、後に残るトラックを減少させ、相互汚染を減少させ、試料の損失を減少させることができる場合がある。
【0138】
本開示のいくつかの態様は、片側のみで表面と接触する試薬または液滴を提供する。いくつかの実施形態では、第1の試薬または液滴は、片側のみで表面と接触する。いくつかの実施形態では、第2の試薬または液滴は、片側のみで表面と接触する。いくつかの実施形態では、第3の試薬または液滴は、片側のみで表面と接触する。いくつかの実施形態では、融合試薬または液滴は、片側のみで表面と接触する。
【0139】
オプトエレクトロウェッティングおよび光エレクトロウェッティング
いくつかの実施形態では、電極のアレイに直接電位を印加することは、エレクトロウェッティングを使用して液滴を作動させる1つの方法である。しかし、この従来のエレクトロウェッティングメカニズムとは異なる代替的なエレクトロウェッティングメカニズムが存在する。液滴を作動させるために光を使用する2つの注目すべきメカニズムは、本明細書に記載されるオプトエレクトロウェッティングおよび光エレクトロウェッティングである。上記の滑らかな表面および滑りやすい表面を作成するエレクトロウェッティングアレイを製造するための一般原理は、前述の従来のエレクトロウェッティングだけでなく、オプトエレクトロウェッティング、光エレクトロウェッティング、および他の形態のエレクトロウェッティングにも適用可能である。
【0140】
「リキッド・オン・リキッドオプトエレクトロウェッティング」を得るために、液体フィルムを光伝導体のグリッド上に置くことができる。潤滑液体層の下に電極のグリッドを有する代わりに、グリッドは、パッドのグリッド内に、または単一の光伝導回路として、光活性光伝導体で形成され得る。光が光伝導体照射されると、パターンが形成され、エレクトロウェッティング効果が得られ得る。テクスチャード加工された固体および油は、下にある表面が光にさらされて異なる湿潤を作り出すように、十分に透光性であるように選択され得る。
【0141】
オプトエレクトロウェッティング
オプトエレクトロウェッティング機構は、AC電源が取り付けられた従来のエレクトロウェッティング回路の下に光伝導体を使用してもよい。通常の(暗い)状態では、システムのインピーダンスの大部分は、光伝導領域にあるため、電圧降下の大部分はここで発生する可能性がある。しかし、光がシステムに照射されると、キャリアの生成および再結合により、光伝導体の導電率が急上昇し、光伝導体にわたる電圧降下が減少する。その結果、絶縁層にわたって電圧降下が生じ、電圧の関数として接触角が変化する。
【0142】
光エレクトロウェッティング
いくつかの実施形態では、光エレクトロウェッティングは、入射光を使用して、表面(典型的には、疎水性表面)の湿潤特性を変更したものである。通常のエレクトロウェッティングは、誘電体でコーティングされた導体(液体/絶縁体/導体のスタック上に位置する液滴中で観察されるが、光エレクトロウェッティングは、導体を半導体(液体/絶縁体/半導体のスタック)と置き換えることによって観察され得る。
【0143】
半導体のバンドギャップの上の入射光は、下にある半導体の空乏領域における電子正孔対の生成を介して光誘起キャリアを生成することができる。これは、これにより、絶縁体/半導体のスタックの静電容量が変更され、その結果、スタックの表面上にある液滴の接触角が変更される。この図は、光エレクトロウェッティング効果の原理を例証する。ゼロバイアス(0V)では、絶縁体が疎水性の場合、導電性液滴は、大きな接触角を有する(左の画像)。バイアスが増加すると(p型半導体では正、n型半導体では負)、液滴は広がり、すなわち、接触角が減少する(中央の画像)。光(半導体のバンドギャップよりも優れているエネルギーを有する)の存在下では、液滴は、絶縁体/半導体界面で空間電荷領域の厚さが減少するため、より広がる。
【0144】
本開示のいくつかの態様は、試薬を光に供することを提供する。いくつかの実施形態では、第1の液滴は光に供する。いくつかの実施形態では、第2の液滴は光に供する。いくつかの実施形態では、第3の液滴は光に供する。いくつかの実施形態では、融合液滴は光に供する。
【0145】
液滴操作中の液滴補正のための方法およびシステム
一態様では、本開示は、複数の生体試料を処理する方法を提供する。方法は、アレイに隣接して、複数の生体試料を含み得る複数の液滴を受け取る工程と、少なくともアレイを使用して、複数の液滴間のクロストークが5%未満で、複数の液滴またはその誘導体、またはアレイの少なくとも1つのパラメータの変動係数(CV)が20%未満で、複数の液滴またはその誘導体中の複数の生体試料を処理する工程とを含み得る。これは複数の生体試料を処理するために使用され得る。アレイは、本明細書の他の場所で記載されるように、エレクトロウェッティングデバイスであってもよい。
【0146】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのパラメータは、液滴サイズ、液滴体積、液滴位置、液滴速度、液滴湿潤、液滴温度、液滴pH、液滴中のビーズ、液滴中の細胞数、液滴の色、化学材料の濃度、生体物質の濃度、またはそれらのいずれかの組合せからなる群から選択される1つ以上のメンバーを含み得る。少なくとも1つのパラメータは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のパラメータであり得る。少なくとも1つのパラメータは、液滴の測定可能な特性であってもよい。
【0147】
いくつかの実施形態では、液滴内の化学物質または生体物質の濃度は、あらかじめ定められた閾値を超えないように、またはそれを下回らないように監視される。いくつかの実施形態では、化学物質または生体物質の濃度のあらかじめ定められた閾値は、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%である。
【0148】
位置は、液滴、試薬、生体試料、アレイの構成要素、アレイの位置、アレイの領域、アレイに隣接する領域、アレイの点、またはそれらのいずれかの組合せであってもよい。位置は、少なくとも0.001%、0.01%、0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、またはそれ以上補正され得る。位置は、最大で99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、15%、10%、5%、1%、0.1%、0.01%、0.001%、またはそれ以下補正され得る。位置は、0.001%~20%、0.01%~10%、0.01%~5%、または0.1%~1%補正され得る。
【0149】
液滴体積は、少なくとも1ピコリットル(pL)、10pL、100pL、1ナノリットル(nL)、10nL、100nL、1μL、10μL、100μL、1ミリリットル(mL)、10mL、またはそれ以上の体積を含み得る。液滴体積は、最大で10mL、1mL、100μL、10μL、1μL、100nL、10nL、1nL、100pL、10pL、1pL、またはそれ以下の体積を含み得る。液滴体積は、少なくとも0.001%、0.01%、0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、またはそれ以上補正され得る。液滴体積は、最大で99%、95%修正されることがある(90%)、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、15%、10%、5%、1%、0.1%、0.01%、0.001%、またはそれ以下補正され得る。液滴体積は、0.001%~20%、0.01%~10%、0.01%~5%、または0.1%~1%補正され得る。いくつかの実施形態では、液滴の体積が所定の閾値を下回る場合、液滴が補充される。いくつかの実施形態では、あらかじめ定められた閾値は、少なくとも1ピコリットル(pL)、10pL、100pL、1ナノリットル(nL)、10nL、100nL、1μL、10μL、100μL、1ミリリットル(mL)、10mL、またはそれ以上の体積であり得る。いくつかの実施形態では、あらかじめ定められた閾値は、最大で10mL、1mL、100μL、10μL、1μL、100nL、10nL、1nL、100pL、10pL、1pL、またはそれ以下の体積であり得る。いくつかの実施形態では、液滴の体積が所定の閾値を超える場合、液滴が低減される。いくつかの実施形態では、あらかじめ定められた閾値は、少なくとも1ピコリットル(pL)、10pL、100pL、1ナノリットル(nL)、10nL、100nL、1μL、10μL、100μL、1ミリリットル(mL)、10mL、またはそれ以上の体積であり得る。いくつかの実施形態では、あらかじめ定められた閾値は、最大で10mL、1mL、100μL、10μL、1μL、100nL、10nL、1nL、100pL、10pL、1pL、またはそれ以下の体積であり得る。
【0150】
生体試料は、核酸、タンパク質、細胞、塩、緩衝液または酵素を含んでもよく、液滴は、核酸単離、細胞単離、タンパク質単離、ペプチド精製、バイオポリマーの単離またあるいは精製、免疫沈降、インビトロ診断、エキソソーム単離、細胞活性化、細胞増殖、または特定の生体分子の単離のための1つ以上の試薬を含み、および液滴は、核酸単離、細胞単離、タンパク質単離、ペプチド精製、バイオポリマーの単離または精製、免疫沈降、インビトロ診断、エキソソーム単離、細胞活性化、細胞増殖、または特定の生体分子の単離を行うために試薬によって操作される。生物学的試料の存在は、少なくとも0.001%、0.01%、0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、またはそれ以上の量で補正され得る。生物学的試料の存在は、最大で99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、15%、10%、5%、1%、0.1%、0.01%、0.001%、またはそれ以下の量で補正され得る。生物学的試料の存在は、0.001%~20%、0.01%~10%、0.01%~5%、または0.1%~1%の量で補正され得る。
【0151】
生体材料の活性は、酵素活性、細胞活性、小分子活性、試薬活性を含んでもよく、活性は、親和性、特異性、反応性、速度、阻害、毒性(例えば、IC50、LD50、EC50、ED50、GI50など)、またはそのいずれかの組合せの尺度であってもよい。生体試料の活性は、少なくとも0.001%、0.01%、0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、またはそれ以上の量で補正され得る。生体試料の活性は、最大で99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、15%、10%、5%、1%、0.1%、0.01%、0.001%、またはそれ以下の量で補正され得る。生体試料の活性は、0.001%~20%、0.01%~10%、0.01%~5%、または0.1%~1%の量で補正され得る。
【0152】
いくつかの実施形態では、液滴は、室温(約25℃)で約0%グリセロール~約60%グリセロールの粘度を有する。いくつかの実施形態では、液滴は、室温(約25℃)で約0%グリセロール~約10%グリセロール、約0%グリセロール~約15%グリセロール、約0%グリセロール~約20%グリセロール、約0%グリセロール~約25%グリセロール、約0%グリセロール~約30%グリセロール、約0%グリセロール~約35%グリセロール、約0%グリセロール~約40%グリセロールの粘度を有する、約0%グリセロール~約45%グリセロール、約0%グリセロール~約50%グリセロール、約0%グリセロール~約55%グリセロール、約0%グリセロール~約60%グリセロール、約10%グリセロール~約15%グリセロール、約10%グリセロール~約20%グリセロール、約10%グリセロール~約25%グリセロール、約10%グリセロール~約30%グリセロール、約10%グリセロール~約35%グリセロール、約10%グリセロール~約40%グリセロール、約10%グリセロール~約45%グリセロール、約10%グリセロール~約50%グリセロール、約10%グリセロール~約55%グリセロール、約10%グリセロール~約60%グリセロール、約15%グリセロール~約20%グリセロール、約15%グリセロール~約25%グリセロール、約15%グリセロール~約30%グリセロール、約15%グリセロール~約35%グリセロール、約15%グリセロール~約40%グリセロール、約15%グリセロール~約45%グリセロール、約15%グリセロール~約50%グリセロール、約15%グリセロール~約55%グリセロール、約15%グリセロール~約60%グリセロール、約20%グリセロール~約25%グリセロール、約20%グリセロール~約30%グリセロール、約20%グリセロール~約35%グリセロール、約20%グリセロール~約40%グリセロール、約20%グリセロール~約45%グリセロール、約20%グリセロール~約50%グリセロール、約20%グリセロール~約55%グリセロール、約20%グリセロール~約60%グリセロール、約25%グリセロール~約30%グリセロール、約25%グリセロール~約35%グリセロール、約25%グリセロール~約40%グリセロール、約25%グリセロール~約45%グリセロール、約25%グリセロール~約50%グリセロール、約25%グリセロール~約55%グリセロール、約25%グリセロール~約60%グリセロール、約30%グリセロール~約35%グリセロール、約30%グリセロール~約40%グリセロール、約30%グリセロール~約45%グリセロール、約30%グリセロール~約50%グリセロール、約30%グリセロール~約55%グリセロール、約30%グリセロール~約60%グリセロール、約35%グリセロール~約40%グリセロール、約35%グリセロール~約45%グリセロール、約35%グリセロール~約50%グリセロール、約35%グリセロール~約55%グリセロール、約35%グリセロール~約60%グリセロール、約40%グリセロール~約55%グリセロール、約40%グリセロール~約50%グリセロール、約40%グリセロール~約55%グリセロール、約40%グリセロール~約60%グリセロール、約45%グリセロール~約50%グリセロール、約45%グリセロール~約45%グリセロール、約45%グリセロール~約60%グリセロール、約50%グリセロール~約55%グリセロール、約50%グリセロール~約60%グリセロール、または約55%グリセロール~約60%グリセロールの粘度を有する。いくつかの実施形態では、液滴は、約0%グリセロール、約10%グリセロール、約15%グリセロール、約20%グリセロール、約25%グリセロール、約30%グリセロール、約35%グリセロール、約40%グリセロール、約45%グリセロール、約50%グリセロール、約55%グリセロール、または約60%グリセロールの粘度を有する。いくつかの実施形態では、液滴は、室温(約25℃)で少なくとも約0%グリセロール、約10%グリセロール、約15%グリセロール、約20%グリセロール、約25%グリセロール、約30%グリセロール、約35%グリセロール、約40%グリセロール、約45%グリセロール、約50%グリセロール、または約55%グリセロールの粘度を有する。いくつかの実施形態では、液滴は、最大で約10%グリセロール、約15%グリセロール、約20%グリセロール、約25%グリセロール、約30%グリセロール、約35%グリセロール、約40%グリセロール、約45%グリセロール、約50%グリセロール、約55%グリセロール、または約60%グリセロールの粘度を有する。いくつかの実施形態では、液滴は、室温(約25℃)で約40%グリセロールの粘度を有する。
【0153】
いくつかの実施形態では、液滴は、室温(約25℃)で約0.1センチポアズ(cP)~約200cPの粘度を有する。いくつかの実施形態では、液滴は、室温(約25℃)で約0.1cP~約1cP、約0.1cP~約2cP、約0.1cP~約5cP、約0.1cP~約10cP、約0.1cP~約30cP、約0.1cP~約50cP、約0.1cP~約70cP、約0.1cP~約100cP、約0.1cP~約150cP、約0.1cP~約200cP、約1cP~約2cP、約1cP~約5cP、約1cP~約10cP、約1cP~約30cP、約1cP~約50cP、約1cP~約70cP、約1cP~約100cP、約1cP~約150cP、約1cP~約200cP、約2cP~約5cP、約2cP~約10cP、約2cP~約30cP、約2cP~約50cP、約2cP~約70cP、約2cP~約100cP、約2cP~約150cP、約2cP~約200cP、約5cP~約10cP、約5cP~約30cP、約5cP~約50cP、約5cP~約70cP、約5cP~約100cP、約5cP~約150cP、約5cP~約200cP、約10cP~約30cP、約10cP~約50cP、約10cP~約70cP、約10cP~約100cP、約10cP~約150cP、約10cP~約200cP、約30cP~約50cP、約30cP~約70cP、約30cP~約100cP、約30cP~約150cP、約30cP~約200cP、約50cP~約70cP、約50cP~約100cP、約50cP~約150cP、約50cP~約200cP、約70cP~約100cP、約70cP~約150cP、約70cP~約200cP、約100cP~約150cP、約100cP~約200cP、約150cP~約200cP、の粘度を有する。いくつかの実施形態では、液滴は、室温(約25℃)で約0.1cP、約1cP、約2cP、約5cP、約10cP、約30cP、約50cP、約70cP、約100cP、約150cP、または約200cPの粘度を有する。いくつかの実施形態では、液滴は、室温(約25℃)で少なくとも約0.1cP、約1cP、約2cP、約5cP、約10cP、約30cP、約50cP、約70cP、約100cP、または約150cPの粘度を有する。いくつかの実施形態では、液滴は、室温(約25℃)で最大で約1cP、約2cP、約5cP、約10cP、約30cP、約50cP、約70cP、約100cP、約150cP、または約200cPの粘度を有する。
【0154】
いくつかの実施形態では、液滴は、室温(約25℃)で約0%グリセロール~約30%グリセロールの粘度を有する。いくつかの実施形態では、液滴は、室温(約25℃)で約0%グリセロール~約5%のグリセロール、約0%グリセロール~約7.5%グリセロール、約0%グリセロール~約10%グリセロール、約0%グリセロール~約12.5%グリセロール、約0%グリセロール~約15%グリセロール、約0%グリセロール~約17.5%グリセロール、約0%グリセロール~約20%グリセロール、約0%グリセロール~約22.5%グリセロール、約0%グリセロール~約25%グリセロール、約0%グリセロール~約27.5%グリセロール、約0%グリセロール~約30%グリセロール、約5%グリセロール~約7.5%グリセロール、約5%グリセロール~約10%グリセロール、約5%グリセロール~約12.5%グリセロール、約5%グリセロール~約15%グリセロール、約5%グリセロール~約17.5%グリセロール、約5%グリセロール~約20%グリセロール、約5%グリセロール~約22.5%グリセロール、約5%グリセロール~約25%グリセロール、約5%グリセロール~約27.5%グリセロール、約5%グリセロール~約30%グリセロール、約7.5%グリセロール~約10%グリセロール、約7.5%グリセロール~約12.5%グリセロール、約7.5%グリセロール~約15%グリセロール、約7.5%グリセロール~約17.5%グリセロール、約7.5%グリセロール~約20%グリセロール、約7.5%グリセロール~約22.5%グリセロール、約7.5%グリセロール~約25%グリセロール、約7.5%グリセロール~約27.5%グリセロール、約7.5%グリセロール~約30%グリセロール、約10%グリセロール~約12.5%グリセロール、約10%グリセロール~約15%グリセロール、約10%グリセロール~約17.5%グリセロール、約10%グリセロール~約20%グリセロール、約10%グリセロール~約22.5%グリセロール、約10%グリセロール~約25%グリセロール、約10%グリセロール~約27.5%グリセロール、約10%グリセロール~約30%グリセロール、約12.5%グリセロール~約15%グリセロール、約12.5%グリセロール~約17.5%グリセロール、約12.5%グリセロール~約20%グリセロール、約12.5%グリセロール~約22.5%グリセロール、約12.5%グリセロール~約25%グリセロール、約12.5%グリセロール~約27.5%グリセロール、約12.5%グリセロール~約30%グリセロール、約15%グリセロール~約17.5%グリセロール、約15%グリセロール~約20%グリセロール、約15%グリセロール~約22.5%グリセロール、約15%グリセロール~約25%グリセロール、約15%グリセロール~約27.5%グリセロール、約15%グリセロール~約30%グリセロール、約17.5%グリセロール~約20%グリセロール、約17.5%グリセロール~約22.5%グリセロール、約17.5%グリセロール~約25%グリセロール、約17.5%グリセロール~約27.5%グリセロール、約17.5%グリセロール~約30%グリセロール、約20%グリセロール~約22.5%グリセロール、約20%グリセロール~約25%グリセロール、約20%グリセロール~約27.5%グリセロール、約20%グリセロール~約30%グリセロール、約22.5%グリセロール~約25%グリセロール、約22.5%グリセロール~約27.5%グリセロール、約22.5%グリセロール~約30%グリセロール、約25%グリセロール~約27.5%グリセロール、約25%グリセロール~約30%グリセロール、または約27.5%グリセロール~約30%グリセロールの粘度を有する。いくつかの実施形態では、液滴は、室温(約25℃)で約0%グリセロール、約5%グリセロール、約7.5%グリセロール、約10%グリセロール、約12.5%グリセロール、約15%グリセロール、約17.5%グリセロール、約20%グリセロール、約22.5%グリセロール、約25%グリセロール、約27.5%グリセロール、または約30%グリセロールの粘度を有する。いくつかの実施形態では、液滴は、室温(約25℃)で少なくとも約0%グリセロール、約5%グリセロール、約7.5%グリセロール、約10%グリセロール、約12.5%グリセロール、約15%グリセロール、約17.5%グリセロール、約20%グリセロール、約22.5%グリセロール、約25%グリセロール、または約27.5%グリセロールの粘度を有する。いくつかの実施形態では、液滴は、室温(約25℃)で最大で約5%グリセロール、約7.5%グリセロール、約10%グリセロール、約12.5%グリセロール、約15%グリセロール、約17.5%グリセロール、約20%グリセロール、約22.5%グリセロール、約25%グリセロール、約27.5%グリセロール、または約30%の粘度を有する。
【0155】
いくつかの実施形態では、液滴は、室温(約25℃)で約0.5cP~約15cPの粘度を有する。いくつかの実施形態では、液滴は、室温(約25℃)で約0.5cP~約1cP、約0.5cP~約2cP、約0.5cP~約3cP、約0.5cP~約4cP、約0.5cP~約5cP、約0.5cP~約7cP、約0.5cP~約9cP、約0.5cP~約11cP、約0.5cP~約13cP、約0.5cP~約15cP、約1cP~約2cP、約1cP~約3cP、約1cP~約4cP、約1cP~約5cP、約1cP~約7cP、約1cP~約9cP、約1cP~約11cP、約1cP~約13cP、約1cP~約15cP、約2cP~約3cP、約2cP~約4cP、約2cP~約5cP、約2cP~約7cP、約2cP~約9cP、約2cP~約11cP、約2cP~約13cP、約2cP~約15cP、約3cP~約4cP、約3cP~約5cP、約3cP~約7cP、約3cP~約9cP、約3cP~約11cP、約3cP~約13cP、約3cP~約15cP、約4cP~約5cP、約4cP~約7cP、約4cP~約9cP、約4cP~約11cP、約4cP~約13cP、約4cP~約15cP、約5cP~約7cP、約5cP~約9cP、約5cP~約11cP、約5cP~約13cP、約5cP~約15cP、約7cP~約9cP、約7cP~約11cP、約7cP~約13cP、約7cP~約15cP、約9cP~約11cP、約9cP~約13cP、約9cP~約15cP、約11cP~約13cP、約11cP~約15cP、または約13cP~約15cPの粘度を有する。いくつかの実施形態では、液滴は、室温(約25℃)で約0.5cP、約1cP、約2cP、約3cP、約4cP、約5cP、約7cP、約9cP、約11cP、約13cP、または約15cPの粘度を有する。いくつかの実施形態では、液滴は、室温(約25℃)で少なくとも約0.5cP、約1cP、約2cP、約3cP、約4cP、約5cP、約7cP、約9cP、約11cP、または約13cPの粘度を有する。いくつかの実施形態では、液滴は、室温(約25℃)で最大で約1cP、約2cP、約3cP、約4cP、約5cP、約7cP、約9cP、約11cP、約13cP、または約15cPの粘度を有する。
【0156】
液滴半径は、少なくとも0.0001μm、0.001μm、0.01μm、0.1μm、1μm、5μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、500μm、1,000μm、5,000μm、10,000μm、50,000μm、100,000μm、またはそれ以上であり得る。液滴半径は、最大で100,000μmであり得、50,000μm、10,000μm、5,000μm、1,000μm、500μm、100μm、90μm、80μm、70μm、60μm、50μm、40μm、30μm、20μm、10μm、5μm、1μm、0.1μm、0.01μm、0.001μm、0.0001μm、またはそれ以下であり得る。液滴半径は、1,000μm~0.0001μm、500μm~0.01μm、または100μm~1μmであり得る。液滴半径は、少なくとも0.001%、0.01%、0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、またはそれ以上の量で補正され得る。液滴半径は、最大で99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、15%、10%、5%、1%、0.1%、0.01%、0.001%、またはそれ以下の量で補正され得る。液滴半径は、0.001%~20%、0.01%~10%、0.01%~5%、または0.1%~1%の量で補正され得る。
【0157】
いくつかの実施形態では、液滴のサイズが所定の閾値を下回る場合、液滴が補充される。いくつかの実施形態では、液滴のサイズが所定の閾値を超える場合、液滴が低減される。いくつかの実施形態では、あらかじめ定められた閾値は、少なくとも0.0001μm、0.001μm、0.01μm、0.1μm、1μm、5μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、500μm、1,000μm、5,000μm、10,000μm、50,000μm、10,0000μm、またはそれ以上の半径であり得る。いくつかの実施形態では、あらかじめ定められた閾値は、最大で10,0000μm、50,000μm、10,000μm、5,000μm、1,000μm、500μm、100μm、90μm、80μm、70μm、60μm、50μm、40μm、30μm、20μm、10μm、5μm、1μm、0.1μm、0.01μm、0.001μm、0.0001μm、またはそれ以下の体積であり得る。
【0158】
液滴形状は、平坦、円形、球形、長方形、楕円形、円形、またはそれらのいずれかの組合せであってもよい。液滴形状は、いずれかの形状に補正することができる。液滴は、平坦、円形、球形、長方形、楕円形、円形、またはそれらのいずれかの組合せであるように補正されてもよい。
【0159】
液滴高さは、少なくとも0.0001μm、0.001μm、0.01μm、0.1μm、1μm、5μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、500μm、1,000μm、5,000μm、10,000μm、50,000μm、100,000μm、またはそれ以上であり得る。液滴高さは、最大で10,0000μmであることがある、50,000μm、10,000μm、5,000μm、1,000μm、500μm、100μm、90μm、80μm、70μm、60μm、50μm、40μm、30μm、20μm、10μm、5μm、1μm、0.1μm、0.01μm、0.001μm、0.0001μm、またはそれ以下であり得る。液滴高さは、1,000μm~0.0001μm、500μm~0.01μm、または100μm~1μmであり得る。液滴高さは、少なくとも0.001%、0.01%、0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、またはそれ以上の量で補正され得る。液滴高さは、最大で99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、15%、10%、5%、1%、0.1%、0.01%、0.001%、またはそれ以下の量で補正され得る。液滴高さは、0.001%~20%、0.01%~10%、0.01%~5%、または0.1%~1%の量で補正され得る。
【0160】
いくつかの実施形態では、液滴のpHは、本明細書に開示される1つ以上の方法によって監視される。いくつかの実施形態では、液滴のpHは、あらかじめ定められた閾値内に維持される。いくつかの実施形態では、液滴のpHは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13を超えないように維持される。いくつかの実施形態では、液滴のpHは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13を下回らないように維持される。
【0161】
いくつかの実施形態では、達成される相対湿度レベルは、約50%~約100%、約60%~約100%、約70%~約100%、約80%~約100%、または約90%~約100%である。いくつかの実施形態では、達成される相対湿度レベルは、約89%~約100である。いくつかの実施形態では、達成される相対湿度レベルは、約89%~約90%、約89%~約91%、約89%~約92%、約89%~約93%、約89%~約94%、約89%~約95%、約89%~約96%、約89%~約97%、約89%~約98%、約89%~約99%、約89%~約100%、約90%~約91%、約90%~約92%、約90%~約93%、約90%~約94%、約90%~約95%、約90%~約96%、約90%~約97%、約90%~約98%、約90%~約99%、約90%~約100%、約91%~約92%、約91%~約93%、約91%~約94%、約91%~約95%、約91%~約96%、約91%~約97%、約91%~約98%、約91%~約99%、約91%~約100%、約92%~約93%、約92%~約94%、約92%~約95%、約92%~約96%、約92%~約97%、約92%~約98%、約92%~約99%、約92%~約100%、約93%~約94%、約93%~約95%、約93%~約96%、約93%~約97%、約93%~約98%、約93%~約99%、約93%~約100%、約94%~約95%、約94%~約96%、約94%~約97%、約94%~約98%、約94%~約99%、約94%~約100%、約95%~約96%、約95%~約97%、約95%~約98%、約95%~約99%、約95%~約100%、約96%~約97%、約96%~約98%、約96%~約99%、約96%~約100%、約97%~約98%、約97%~約99%、約97%~約100%、約98%~約99%、約98%~約100%、または約99%~約100%である。いくつかの実施形態では、達成される相対湿度は、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約100%である。いくつかの実施形態では、達成される相対湿度は、少なくとも約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%である。いくつかの実施形態では、達成される相対湿度は、最大で約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約100%である。
【0162】
蒸発の制御だけでなく、加熱したアレイは、液滴温度の正確な制御のためにも使用され得る。液滴は、アレイ基板上に、またはアレイ基板の下に埋め込まれた加熱器を用いて、開放表面上で加熱され得る。何らかの形の環境制御がないと、これらの基板加熱器は、内部液滴温度と加熱器表面の温度との間に大きな温度差が生じる可能性がある。これらの大きな温度差は、不正確な液滴温度制御につながる可能性があり、例えば、周囲の気流に基づく大きな温度変動の影響を受ける場合がある。さらに、環境温度の制御がないと、加熱器温度と液滴温度との差は、例えば、液滴表面積対体積比、液滴サイズ、および温度設定値を含むパラメータの関数であり得る。これらの筐体は、加熱した湿空気が逃げるのを防ぐために完全に密封されてもよいが、部分的に開いたままにされてもよい。例えば、この設計により、冷却温度環境内での凝縮の制御が可能になる。
【0163】
EWOD液滴作動用の滑らかな誘電体表面の作製方法の例は、WO2021041709において見出され得、これは、参照によりその全体として本明細書に組み込まれる。
【0164】
専用基準電極を備えていないアレイ
本開示のいくつかの態様では、本明細書に記載されたアレイは、1つ以上の専用基準電極を備えていない。これらの態様では、EWODは、電流戻り経路として作動電極に近接する1つ以上の電極/作動電極に隣接する電極を使用することによって誘導することができる。
【0165】
本開示のこれらの態様は、液滴を処理するためのシステムを含み、該システムは、アレイであって、複数の電極であって、複数の電極のいずれの電極も恒久的に接地されていない、複数の電極、および試料を含む液滴を支持するように構成された表面を備える、アレイと、複数の電極に動作可能に結合されるコントローラであって、コントローラは、表面の湿潤特性を改変するために、複数の電極の少なくともサブセットを時変電圧で活性化するように構成されている、コントローラとを含む。いくつかの実施形態では、システムは、上を覆う電極を備えていない。いくつかの実施形態では、複数の電極は、電極および隣接する電極に隣接する電流戻り経路を生成するのに充分な液滴との断面または重複を含む少なくとも1つの電極と、隣接する電極とを備える。いくつかの実施形態では、複数の電極は同一平面上にある。いくつかの実施形態では、時変電圧は双極である。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1Hz~約20kHzである。
【0166】
いくつかの実施形態では、シリコーン油などの油の層は、疎水性コーティングとして、また接地されたときの基準電極として機能することできる(図3A。油の層は、わずかに導電性、または極性であってもよい。誘電体表面は、本明細書に記載された方法を含むが、これらに限定されない方法によって導入されたマイクロ構造体を含有していることがある。これらのマイクロ構造体は、油を吸着することができ、例えば、一時的に接地された作動電極、専用の接地電極、アレイ上の他の場所での専用の接続、またはそれらのいずれかの組合せによって接地電位に接続することができる。
【0167】
いくつかの実施形態では、イオン化空気は、アレイ内の液滴を包囲することがある(図3B)。イオン化空気は、エレクトロウェッティング作動のための基準電極としてアレイに使用され得る。イオン化空気は、イオン化空気送風機を通して導入され、液滴に方向付けられてもよい。液滴は、表面または液滴の帯電(すなわち、ピニング)により、ある位置に恒久的に固着し得る。液滴ピニングは、送風機を通して導入されたイオンで液滴を中和することによって軽減することができる。
【0168】
いくつかの実施形態では、時変電圧は、1ヘルツ(hz)~20キロヘルツ(khz)である。いくつかの実施形態では、時変電圧は、1ヘルツ(hz)~20キロヘルツ(khz)である。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1Hz~10Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1Hz~約2Hz、約1Hz~約3Hz、約1Hz~約4Hz、約1Hz~約5Hz、約1Hz~約6Hz、約1Hz~約7Hz、約1Hz~約8Hz、約1Hz~約9Hz、約1Hz~約10Hz、約2Hz~約3Hz、約2Hz~約4Hz、約2Hz~約5Hz、約2Hz~約6Hz、約2Hz~約7Hz、約2Hz~約8Hz、約2Hz~約9Hz、約2Hz~約10Hz、約3Hz~約4Hz、約3Hz~約5Hz、約3Hz~約6Hz、約3Hz~約7Hz、約3Hz~約8Hz、約3Hz~約9Hz、約3Hz~約10Hz、約4Hz~約5Hz、約4Hz~約6Hz、約4Hz~約7Hz、約4Hz~約8Hz、約4Hz~約9Hz、約4Hz~約10Hz、約5Hz~約6Hz、約5Hz~約7Hz、約5Hz~約8Hz、約5Hz~約9Hz、約5Hz~約10Hz、約6Hz~約7Hz、約6Hz~約8Hz、約6Hz~約9Hz、約6Hz~約10Hz、約7Hz~約8Hz、約7Hz~約9Hz、約7Hz~約10Hz、約8Hz~約9Hz、約8Hz~約10Hz、または約9Hz~約10Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1Hz、約2Hz、約3Hz、約4Hz、約5Hz、約6Hz、約7Hz、約8Hz、約9Hz、または約10Hzからである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、少なくとも約1Hz、約2Hz、約3Hz、約4Hz、約5Hz、約6Hz、約7Hz、約8Hz、または約9Hzからである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、最大で、約2Hz、約3Hz、約4Hz、約5Hz、約6Hz、約7Hz、約8Hz、約9Hz、または約10Hzからである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約10Hz~1,000Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約10Hz~約100Hz、約10Hz~約200Hz、約10Hz~約300Hz、約10Hz~約400Hz、約10Hz~約500Hz、約10Hz~約600Hz、約10Hz~約700Hz、約10Hz~約800Hz、約10Hz~約900Hz、約10Hz~約1,000Hz、約100Hz~約200Hz、約100Hz~約300Hz、約100Hz~約400Hz、約100Hz~約500Hz、約100Hz~約600Hz、約100Hz~約700Hz、約100Hz~約800Hz、約100Hz~約900Hz、約100Hz~約1,000Hz、約200Hz~約300Hz、約200Hz~約400Hz、約200Hz~約500Hz、約200Hz~約600Hz、約200Hz~約700Hz、約200Hz~約800Hz、約200Hz~約900Hz、約200Hz~約1,000Hz、約300Hz~約400Hz、約300Hz~約500Hz、約300Hz~約600Hz、約300Hz~約700Hz、約300Hz~約800Hz、約300Hz~約900Hz、約300Hz~約1,000Hz、約400Hz~約500Hz、約400Hz~約600Hz、約400Hz~約700Hz、約400Hz~約800Hz、約400Hz~約900Hz、約400Hz~約1,000Hz、約500Hz~約600Hz、約500Hz~約700Hz、約500Hz~約800Hz、約500Hz~約900Hz、約500Hz~約1,000Hz、約600Hz~約700Hz、約600Hz~約800Hz、約600Hz~約900Hz、約600Hz~約1,000Hz、約700Hz~約800Hz、約700Hz~約900Hz、約700Hz~約1,000Hz、約800Hz~約900Hz、約800Hz~約1,000Hz、または約900Hz~約1,000Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約10Hz、約、100Hz、約200Hz、約300Hz、約400Hz、約500Hz、約600Hz、約700Hz、約800Hz、約900Hz、または約1,000Hzからである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、少なくとも約10Hz、約100Hz、約200Hz、約300Hz、約400Hz、約500Hz、約600Hz、約700Hz、約800Hz、または約900Hzからである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、最大で約100Hz、約200Hz、約300Hz、約400Hz、約500Hz、約600Hz、約700Hz、約800Hz、約900Hz、または約1,000Hzからである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1kHz~20kHzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1kHz~約2.5kHz、約1kHz~約5kHz、約1kHz~約7.5kHz、約1kHz~約10kHz、約1kHz~約12.5kHz、約1kHz~約15kHz、約1kHz~約17.5kHz、約1kHz~約20kHz、約2.5kHz~約5kHz、約2.5kHz~約7.5kHz、約2.5kHz~約10kHz、約2.5kHz~約12.5kHz、約2.5kHz~約15kHz、約2.5kHz~約17.5kHz、約2.5kHz~約20kHz、約5kHz~約7.5kHz、約5kHz~約10kHz、約5kHz~約12.5kHz、約5kHz~約15kHz、約5kHz~約17.5kHz、約5kHz~約20kHz、約7.5kHz~約10kHz、約7.5kHz~約12.5kHz、約7.5kHz~約15kHz、約7.5kHz~約17.5kHz、約7.5kHz~約20kHz、約10kHz~約12.5kHz、約10kHz~約15kHz、約10kHz~約17.5kHz、約10kHz~約20kHz、約12.5kHz~約15kHz、約12.5kHz~約17.5kHz、約12.5kHz~約20kHz、約15kHz~約17.5kHz、約15kHz~約20kHz、または約17.5kHz~約20kHzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1kHz、約2.5kHz、約5kHz、約7.5kHz、約10kHz、約12.5kHz、約15kHz、約17.5kHz、または約20kHzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、少なくとも約1kHz、約2.5kHz、約5kHz、約7.5kHz、約10kHz、約12.5kHz、約15kHz、または約17.5kHzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、最大で約2.5kHz、約5kHz、約7.5kHz、約10kHz、約12.5kHz、約15kHz、約17.5kHz、または約20kHzである。
【0169】
いくつかの実施形態では、複数の電極の少なくともサブセットの活性化ときに、システムは、液滴および1つ以上の不活性電極に隣接する電流戻り経路をさらに備える。いくつかの実施形態では、複数の電極の少なくともサブセットの活性化は、1つ以上の隣接する電極において拮抗電流駆動スキームを生成する。いくつかの実施形態では、システムは誘電体層をさらに備える。いくつかの実施形態では、誘電体層は、厚さを含み、厚さは、複数の電極によって生成される電流を接地するのに充分である。いくつかの実施形態では、厚さは0.025マイクロメートル(μm)~10,000μmである。
【0170】
いくつかの実施形態では、誘電体層の厚さは、約0.025μm~約10,000μmである。いくつかの実施形態では、誘電体層の厚さは、約0.025μm~約0.05μm、約0.025μm~約0.1μm、約0.025μm~約1μm、約0.025μm~約10μm、約0.025μm~約50μ、約0.025μm~約100μmである、約0.025μm~約200μm、約0.025μm~約500μm、約0.025μm~約1,000μm、約0.025μm~約5,000μm、約0.025μm~約10,000μm、約0.05μm~約0.1μm、約0.05μm~約1μm、約0.05μm~約10μm、約0.05μm~約50μm、約0.05μm~約100μm、約0.05μm~約200μm、約0.05μm~約500μm、約0.05μm~約1,000μm、約0.05μm~約5,000μm、約0.05μm~約10,000μm、約0.1μm~約1μm、約0.1μm~約10μm、約0.1μm~約50μm、約0.1μm~約100μm、約0.1μm~約200μm、約0.1μm~約500μm、約0.1μm~約1,000μm、約0.1μm~約5,000μm、約0.1μm~約10,000μm、約1μm~約10μm、約1μm~約50μm、約1μm~約100μm、約1μm~約200μm、約1μm~約500μm、約1μm~約1,000μm、約1μm~約5,000μm、約1μm~約10,000μm、約10μm~約50μm、約10μm~約100μm、約10μm~約200μm、約10μm~約500μm、約10μm~約1,000μm、約10μm~約5,000μm、約10μm~約10,000μm、約50μm~約100μm、約50μm~約200μm、約50μm~約500μm、約50μm~約1,000μm、約50μm~約5,000μm、約50μm~約10,000μm、約100μm~約200μm、約100μm~約500μm、約100μm~約1,000μm、約100μm~約5,000μm、約100μm~約10,000μm、約200μm~約500μm、約200μm~約1,000μm、約200μm~約5,000μm、約200μm~約10,000μm、約500μm~約1,000μm、約500μm~約5,000μm、約500μm~約10,000μm、約1,000μm~約5,000μm、約1,000μm~約10,000μm、または約5,000μm~約10,000μmである。いくつかの実施形態では、誘電体層の厚さは、約0.025μm、約0.05μm、約0.1μm、約1μm、約10μm、約50μm、約100μm、約200μm、約500μm、約1,000μm、約5,000mm、または約10,000μmである。いくつかの実施形態では、誘電体層の厚さは、少なくとも約0.025μm、約0.05μm、約0.1μm、約1μm、約10μm、約50μm、約100μm、約200mm、約500μm、約1,000mm、または約5,000μmである。いくつかの実施形態では、誘電体層の厚さは、最大で約0.05μm、約0.1μm、約1μm、約10μm、約50μm、約100μm、約200μm、約500μm、約1,000μm、約5,000μm、または約10,000μmである。
【0171】
いくつかの実施形態では、誘電体層は、天然ポリマー材料、合成ポリマー材料、フッ素化材料、表面改質、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、天然ポリマー材料は、シェラック、琥珀、羊毛、絹、天然ゴム、セルロース、ワックス、ヒザラガイ、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、合成ポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアセタール、ポリシルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ塩化ビニル、合成ゴム、ネオプレン、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、シリコーン、パラフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド(ポリフェニルエーテル)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ乳酸、合成セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HΜMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、パラフィン、微結晶性ワックス、エポキシ、またはそのいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、フッ素化材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレコポリマー(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテルコポリマー(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、表面改質は、シリコーン、シラン、フルオロポリマー処理、パリレンコーティング、いずれかの他の適切な表面化学改質プロセス、セラミック、粘土鉱物、ベントナイト、カオリナイト、蛭石、黒鉛、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、表面は液体層を含む。いくつかの実施形態では、液体層は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成石油、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、液体層は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組み合わせをさらに含む。いくつかの実施形態では、システムは、誘電体層および複数の電極に隣接する間隙に配置される液体をさらに備える。いくつかの実施形態では、液体は、複数の電極と誘電体層との間に接着を生成する。いくつかの実施形態では、液体は、誘電材料を含む。いくつかの実施形態では、液体は、間隙に配置された空気の導電率を防止または低減する。いくつかの実施形態では、液体は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成石油、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、液体は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。
【0172】
本開示のこの態様の他の実施形態は、液滴を処理するためのシステムを含み、該システムは、アレイであって、いずれの電極も恒久的に接地されない複数の電極、および試料を含む液滴を支持するように構成された表面を備えるアレイと、複数の電極に動作可能に結合されたコントローラであって、上記コントローラは、複数の電極の少なくともサブセットを電圧で活性化し、表面の湿潤特性を変更するよう構成されたコントローラとを含み、ここで、アレイは恒久的な基準電極を備えていない。いくつかの実施形態では、電圧は時変電圧である。いくつかの実施形態では、システムは、上を覆う電極を含まない。いくつかの実施形態では、複数の電極は、隣接する電極および電極に隣接する電流戻り経路を生成するのに充分な液滴との断面または重複を含む少なくとも1つの電極を含む。いくつかの実施形態では、複数の電極は同一平面上にある。いくつかの実施形態では、時変電圧は双極である。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1Hz~約20kHzである。
【0173】
いくつかの実施形態では、時変電圧は、1ヘルツ(hz)~20キロヘルツ(khz)である。いくつかの実施形態では、時変電圧は、1ヘルツ(hz)~20キロヘルツ(khz)である。いくつかの実施形態では、時変電圧は約1Hz~約10Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1Hz~約2Hz、約1Hz~約3Hz、約1Hz~約4Hz、約1Hz~約5Hz、約1Hz~約6Hz、約1Hz~約7Hz、約1Hz~約8Hz、約1Hz~約9Hz、約1Hz~約10Hz、約2Hz~約3Hz、約2Hz~約4Hz、約2Hz~約5Hz、約2Hz~約6Hz、約2Hz~約7Hz、約2Hz~約8Hz、約2Hz~約9Hz、約2Hz~約10Hz、約3Hz~約4Hz、約3Hz~約5Hz、約3Hz~約6Hz、約3Hz~約7Hz、約3Hz~約8Hz、約3Hz~約9Hz、約3Hz~約10Hz、約4Hz~約5Hz、約4Hz~約6Hz、約4Hz~約7Hz、約4Hz~約8Hz、約4Hz~約9Hz、約4Hz~約10Hz、約5Hz~約6Hz、約5Hz~約7Hz、約5Hz~約8Hz、約5Hz~約9Hz、約5Hz~約10Hz、約6Hz~約7Hz、約6Hz~約8Hz、約6Hz~約9Hz、約6Hz~約10Hz、約7Hz~約8Hz、約7Hz~約9Hz、約7Hz~約10Hz、約8Hz~約9Hz、約8Hz~約10Hz、または約9Hz~約10Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1Hz、約2Hz、約3Hz、約4Hz、約5Hz、約6Hz、約7Hz、約8Hz、約9Hz、または約10Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、少なくとも約1Hz、約2Hz、約3Hz、約4Hz、約5Hz、約6Hz、約7Hz、約8Hz、または約9Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、最大で約2Hz、約3Hz、約4Hz、約5Hz、約6Hz、約7Hz、約8Hz、約9Hz、または約10Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約10Hz~約1,000Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約10Hz~約100Hz、約10Hz~約200Hz、約10Hz~約300Hz、約10Hz~約400Hz、約10Hz~約500Hz、約10Hz~約600Hz、約10Hz~約700Hz、約10Hz~約800Hz、約10Hz~約900Hz、約10Hz~約1,000Hz、約100Hz~約200Hz、約100Hz~約300Hz、約100Hz~約400Hz、約100Hz~約500Hz、約100Hz~約600Hz、約100Hz~約700Hz、約100Hz~約800Hz、約100Hz~約900Hz、約100Hz~約1,000Hz、約200Hz~約300Hz、約200Hz~約400Hz、約200Hz~約500Hz、約200Hz~約600Hz、約200Hz~約700Hz、約200Hz~約800Hz、約200Hz~約900Hz、約200Hz~約1,000Hz、約300Hz~約400Hz、約300Hz~約500Hz、約300Hz~約600Hz、約300Hz~約700Hz、約300Hz~約800Hz、約300Hz~約900Hz、約300Hz~約1,000Hz、約400Hz~約500Hz、約400Hz~約600Hz、約400Hz~約700Hz、約400Hz~約800Hz、約400Hz~約900Hz、約400Hz~約1,000Hz、約500Hz~約600Hz、約500Hz~約700Hz、約500Hz~約800Hz、約500Hz~約900Hz、約500Hz~約1,000Hz、約600Hz~約700Hz、約600Hz~約800Hz、約600Hz~約900Hz、約600Hz~約1,000Hz、約700Hz~約800Hz、約700Hz~900Hz、約700Hz~約1,000Hz、約800Hz~約900Hz、約800Hz~~約1,000Hz、または約900Hz~約1,000Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約10Hz、約100Hz、約200Hz、約300Hz、約400Hz、約500Hz、約600Hz、約700Hz、約800Hz、約900Hz、または約1,000Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、少なくとも約10Hz、約100Hz、約200Hz、約300Hz、約400Hz、約500Hz、約600Hz、約700Hz、約800Hz、または約900Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、最大で約100Hz、約200Hz、約300Hz、約400Hz、約500Hz、約600Hz、約700Hz、約800Hz、約900Hz、または約1,000Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1kHz~約20kHzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1kHz~約2.5kHz、約1kHz~約5kHz、約1kHz~約7.5kHz、約1kHz~約10kHz、約1kHz~約12.5kHz、約1kHz~約15kHz、約1kHz~約17.5kHz、約1kHz~約20kHz、約2.5kHz~約5kHz、約2.5kHz~約7.5kHz、約2.5kHz~約10kHz、約2.5kHz~約12.5kHz、約2.5kHz~約15kHz、約2.5kHz~約17.5kHz、約2.5kHz~約20kHz、約5kHz~約7.5kHz、約5kHz~約10kHz、約5kHz~約12.5kHz、約5kHz~約15kHz、約5kHz~約17.5kHz、約5kHz~約20kHz、約7.5kHz~約10kHz、約7.5kHz~約12.5kHz、約7.5kHz~約15kHz、約7.5kHz~約17.5kHz、約7.5kHz~約20kHz、約10kHz~約12.5kHz、約10kHz~約15kHz、約10kHz~約17.5kHz、約10kHz~約20kHz、約12.5kHz~約15kHz、約12.5kHz~約17.5kHz、約12.5kHz~約20kHz、約15kHz~約17.5kHz、約15kHz~約20kHz、または約17.5kHz~約20kHzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1kHz、約2.5kHz、約5kHz、約7.5kHz、約10kHz、約12.5kHz、約15kHz、約17.5kHz、あまたは約20kHzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、少なくとも約1kHz、約2.5kHz、約5kHz、約7.5kHz、約10kHz、約12.5kHz、約15kHzまたは約17.5kHzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、最大で約2.5kHz、約5kHz、約7.5kHz、約10kHz、約12.5kHz、約15kHz、約17.5kHz、または約20kHzである。
【0174】
いくつかの実施形態では、複数の電極の少なくともサブセットの活性化時に、システムは、液滴および1つ以上の不活性電極に隣接する電流戻り経路をさらに備える。いくつかの実施形態では、複数の電極の少なくともサブセットの活性化は、1つ以上の隣接する電極において拮抗電流駆動スキームを生成する。いくつかの実施形態では、システムは誘電体層をさらに備える。いくつかの実施形態では、誘電体層は、厚さを含み、厚さは、複数の電極によって生成される電流を接地するのに充分である。いくつかの実施形態では、厚さは、0.025マイクロメートル(μm)~10,000μmである。
【0175】
いくつかの実施形態では、誘電体層の厚さは、約0.025μm~約10,000μmである。いくつかの実施形態では、誘電体層の厚さは、約0.025μm~約0.05μm、約0.025μm~約0.1μm、約0.025μm~約1μm、約0.025μm~約10μm、約0.025μm~約50μ、約0.025μm~約100μm、約0.025μm~約200μm、約0.025μm~約500μm、約0.025μm~約1,000μm、約0.025μm~約5,000μm、約0.025μm~約10,000μm、約0.05μm~約0.1μm、約0.05μm~約1μm、約0.05μm~約10μm、約0.05μm~約50μm、約0.05μm~約100μm、約0.05μm~約200μm、約0.05μm~約500μm、約0.05μm~約1,000μm、約0.05μm~約5,000μm、約0.05μm~約10,000μm、約0.1μm~約1μm、約0.1μm~約10μm、約0.1μm~約50μm、約0.1μm~約100μm、約0.1μm~約200μm、約0.1μm~約500μm、約0.1μm~約1,000μm、約0.1μm~約5,000μm、約0.1μm~約10,000μm、約1μm~約10μm、約1μm~約50μm、約1μm~約100μm、約1μm~約200μm、約1μm~約500μm、約1μm~約1,000μm、約1μm~約5,000μm、約1μm~約10,000μm、約10μm~約50μm、約10μm~約100μm、約10μm~約200μm、約10μm~約500μm、約10μm~約1,000μm、約10μm~約5,000μm、約10μm~約10,000μm、約50μm~約100μm、約50μm~約200μm、約50μm~約500μm、約50μm~約1,000μm、約50μm~約5,000μm、約50μm~約10,000μm、約100μm~約200μm、約100μm~約500μm、約100μm~約1,000μm、約100μm~約5,000μm、約100μm~約10,000μm、約200μm~約500μm、約200μm~約1,000μm、約200μm~約5,000μm、約200μm~約10,000μm、約500μm~約1,000μm、約500μm~約5,000μm、約500μm~約10,000μm、約1,000μm~約5,000μm、約1,000μm~約10,000μm、または約5,000μm~約10,000μmである。いくつかの実施形態では、誘電体層の厚さは、約0.025μm、約0.05μm、約0.1μm、約1μm、約10μm、約50μm、約100μm、約200μm、約500μm、約1,000μm、約5,000mm、または約10,000μmである。いくつかの実施形態では、誘電体層の厚さは、少なくとも約0.025μm、約0.05μm、約0.1μm、約1μm、約10μm、約50μm、約100μm、約200mm、約500μm、約1,000mm、または約5,000μmである。いくつかの実施形態では、誘電体層の厚さは、最大で約0.05μm、約0.1μm、約1μm、約10μm、約50μm、約100μm、約200μm、約500μm、約1,000μm、約5,000μm、または約10,000μmである。
【0176】
いくつかの実施形態では、誘電体層は、天然ポリマー材料、合成ポリマー材料、フッ素化材料、表面改質、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、天然ポリマー材料は、シェラック、琥珀、羊毛、絹、天然ゴム、セルロース、ワックス、ヒザラガイ、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、合成ポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアセタール、ポリシルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ塩化ビニル、合成ゴム、ネオプレン、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、シリコーン、パラフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド(ポリフェニルエーテル)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ乳酸、合成セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HΜMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、パラフィン、微結晶性ワックス、エポキシ、またはそのいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、フッ素化材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレコポリマー(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテルコポリマー(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、表面改質は、シリコーン、シラン、フルオロポリマー処理、パリレンコーティング、いずれかの他の適切な表面化学改質プロセス、セラミック、粘土鉱物、ベントナイト、カオリナイト、蛭石、黒鉛、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、表面は液体層を含む。いくつかの実施形態では、液体層は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成石油、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、液体層は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組み合わせをさらに含む。いくつかの実施形態では、システムは、誘電体層および複数の電極に隣接する間隙に配置される液体をさらに含む。いくつかの実施形態では、上記液体は、複数の電極と誘電体層との間に接着を生成する。いくつかの実施形態では、液体は、誘電材料を含む。いくつかの実施形態では、液体は、間隙に配置された空気の導電率を防止または低減する。いくつかの実施形態では、液体は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成石油、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、液体は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。
【0177】
本開示のこの態様の別の実施形態は、アレイ上で液滴を動かすための方法を含み、該アレイが、いずれかの電極も恒久的に接地されない複数の電極、および、試料を含む液滴を支持するように構成された表面を備え、該方法は、複数の電極の少なくとも1つのサブセットを時変電圧で活性化して、表面の湿潤特性を改変する工程を含み、ここで、上記時変電圧が、液滴および1つ以上の不活性電極に隣接する電流戻り経路を生成し、それによって液滴の動きを誘導する。いくつかの実施形態では、複数の電極は同一平面上にある。いくつかの実施形態では、時変電圧は双極である。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1Hz~約20kHzである。
【0178】
いくつかの実施形態では、時変電圧は、1ヘルツ(hz)~20キロヘルツ(khz)である。いくつかの実施形態では、時変電圧は、1ヘルツ(hz)~20キロヘルツ(khz)である。いくつかの実施形態では、時変電圧は約1hz~約10hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1Hz~約2Hz、約1Hz~約3Hz、約1Hz~約4Hz、約1Hz~約5Hz、約1Hz~約6Hz、約1Hz~約7Hz、約1Hz~約8Hz、約1Hz~約9Hz、約1Hz~約10Hz、約2Hz~約3Hz、約2Hz~約4Hz、約2Hz~約5Hz、約2Hz~約6Hz、約2Hz~約7Hz、約2Hz~約8Hz、約2Hz~約9Hz、約2Hz~約10Hz、約3Hz~約4Hz、約3Hz~約5Hz、約3Hz~約6Hz、約3Hz~約7Hz、約3Hz~約8Hz、約3Hz~約9Hz、約3Hz~約10Hz、約4Hz~約5Hz、約4Hz~約6Hz、約4Hz~約7Hz、約4Hz~約8Hz、約4Hz~約9Hz、約4Hz~約10Hz、約5Hz~約6Hz、約5Hz~約7Hz、約5Hz~約8Hz、約5Hz~約9Hz、約5Hz~約10Hz、約6Hz~約7Hz、約6Hz~約8Hz、約6Hz~約9Hz、約6Hz~約10Hz、約7Hz~約8Hz、約7Hz~約9Hz、約7Hz~約10Hz、約8Hz~約9Hz、約8Hz~約10Hz、または約9Hz~約10Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1Hz、約2Hz、約3Hz、約4Hz、約5Hz、約6Hz、約7Hz、約8Hz、約9Hz、または約10Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、少なくとも約1Hz、約2Hz、約3Hz、約4Hz、約5Hz、約6Hz、約7Hz、約8Hz、または約9Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、最大で約2Hz、約3Hz、約4Hz、約5Hz、約6Hz、約7Hz、約8Hz、約9Hz、または約10Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約10Hz~約1,000Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約10Hz~約100Hz、約10Hz~約200Hz、約10Hz~約300Hz、約10Hz~約400Hz、約10Hz~約500Hz、約10Hz~約600Hz、約10Hz~約700Hz、約10Hz~約800Hz、約10Hz~約900Hz、約10Hz~約1,000Hz、約100Hz~約200Hz、約100Hz~約300Hz、約100Hz~約400Hz、約100Hz~約500Hz、約100Hz~約600Hz、約100Hz~約700Hz、約100Hz~約800Hz、約100Hz~約900Hz、約100Hz~約1,000Hz、約200Hz~約300Hz、約200Hz~約400Hz、約200Hz~約500Hz、約200Hz~約600Hz、約200Hz~約700Hz、約200Hz~約800Hz、約200Hz~約900Hz、約200Hz~約1,000Hz、約300Hz~約400Hz、約300Hz~約500Hz、約300Hz~約600Hz、約300Hz~約700Hz、約300Hz~約800Hz、約300Hz~約900Hz、約300Hz~約1,000Hz、約400Hz~約500Hz、約400Hz~約600Hz、約400Hz~約700Hz、約400Hz~約800Hz、約400Hz~約900Hz、約400Hz~約1,000Hz、約500Hz~約600Hz、約500Hz~約700Hz、約500Hz~約800Hz、約500Hz~約900Hz、約500Hz~約1,000Hz、約600Hz~約700Hz、約600Hz~約800Hz、約600Hz~約900Hz、約600Hz~約1,000Hz、約700Hz~約800Hz、約700Hz~900Hz、約700Hz~約1,000Hz、約800Hz~約900Hz、約800Hz~約1,000Hz、または約900Hz~約1,000Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約10Hz、約100Hz、約200Hz、約300Hz、約400Hz、約500Hz、約600Hz、約700Hz、約800Hz、約900Hz、または約1,000Hzのである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、少なくとも約10Hz、約100Hz、約200Hz、約300Hz、約400Hz、約500Hz、約600Hz、約700Hz、約800Hz、または約900Hzのである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、最大で約100Hz、約200Hz、約300Hz、約400Hz、約500Hz、約600Hz、約700Hz、約800Hz、約900Hz、または約1,000Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1kHz~約20kHzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1kHz~約2.5kHz、約1kHz~約5kHz、約1kHz~約7.5kHz、約1kHz~約10kHz、約1kHz~約12.5kHz、約1kHz~約15kHz、約1kHz~約17.5kHz、約1kHz~約20kHz、約2.5kHz~約5kHz、約2.5kHz~約7.5kHz、約2.5kHz~約10kHz、約2.5kHz~約12.5kHz、約2.5kHz~約15kHz、約2.5kHz~約17.5kHz、約2.5kHz~約20kHz、約5kHz~約7.5kHz、約5kHz~約10kHz、約5kHz~約12.5kHz、約5kHz~約15kHz、約5kHz~約17.5kHz約5kHz~約20kHz、約7.5kHz~約10kHz、約7.5kHz~約12.5kHz、約7.5kHz~約15kHz、約7.5kHz~約17.5kHz、約7.5kHz~約20kHz、約10kHz~約12.5kHz、約10kHz~約15kHz、約10kHz~約17.5kHz、約10kHz~約20kHz、約12.5kHz~約15kHz、約12.5kHz~約17.5kHz、約12.5kHz~約20kHz、約15kHz~約17.5kHz、約15kHz~約20kHz、または約17.5kHz~約20kHz。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1kHz、約2.5kHz、約5kHz、約7.5kHz、約10kHz、約12.5kHz、約15kHz、約17.5kHz、または約20kHzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、少なくとも約1kHz、約2.5kHz、約5kHz、約7.5kHz、約10kHz、約12.5kHz、約15kHz、または約17.5kHzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、最大で約2.5kHz、約5kHz、約7.5kHz、約10kHz、約12.5kHz、約15kHz、約17.5kHz、または約20kHzである。
【0179】
いくつかの実施形態では、複数の電極の少なくともサブセットの活性化時に、システムは、液滴および1つ以上の不活性電極に隣接する電流戻り経路をさらに備える。いくつかの実施形態では、複数の電極の少なくともサブセットの活性化は、1つ以上の隣接する電極において拮抗的電流駆動スキームを生成する。
【0180】
本開示のこの態様の別の実施形態は、アレイ上で液滴を動かすための方法を含み、該アレイが、いずれかの電極も恒久的に接地されない複数の電極、および、試料を含む上記液滴を支持するように構成された表面を備え、該方法は、複数の電極の少なくとも1つのサブセットを電圧で活性化して、表面の湿潤特性を改変する工程を含み、ここで、アレイが、恒久的な基準電極を備えず、時変電圧が、液滴および1つ以上の不活性電極に隣接する電流戻り経路を生成し、それによって液滴の動きを誘導する。いくつかの実施形態では、複数の電極は同一平面上にある。いくつかの実施形態では、時変電圧は双極である。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1Hz~約20kHzである。
【0181】
いくつかの実施形態では、時変電圧は、1ヘルツ(hz)~20キロヘルツ(khz)である。いくつかの実施形態では、時変電圧は、1ヘルツ(hz)~20キロヘルツ(khz)である。いくつかの実施形態では、時変電圧は約1hz~約10hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1Hz~約2Hz、約1Hz~約3Hz、約1Hz~約4Hz、約1Hz~約5Hz、約1Hz~約6Hz、約1Hz~約7Hz、約1Hz~約8Hz、約1Hz~約9Hz、約1Hz~約10Hz、約2Hz~約3Hz、約2Hz~約4Hz、約2Hz~約5Hz、約2Hz~約6Hz、約2Hz~約7Hz、約2Hz~約8Hz、約2Hz~約9Hz、約2Hz~約10Hz、約3Hz~約4Hz、約3Hz~約5Hz、約3Hz~約6Hz、約3Hz~約7Hz、約3Hz~約8Hz、約3Hz~約9Hz、約3Hz~約10Hz、約4Hz~約5Hz、約4Hz~約6Hz、約4Hz~約7Hz、約4Hz~約8Hz、約4Hz~約9Hz、約4Hz~約10Hz、約5Hz~約6Hz、約5Hz~約7Hz、約5Hz~約8Hz、約5Hz~約9Hz、約5Hz~約10Hz、約6Hz~約7Hz、約6Hz~約8Hz、約6Hz~約9Hz、約6Hz~約10Hz、約7Hz~約8Hz、約7Hz~約9Hz、約7Hz~約10Hz、約8Hz~約9Hz、約8Hz~約10Hz、または約9Hz~約10Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1Hz、約2Hz、約3Hz、約4Hz、約5Hz、約6Hz、約7Hz、約8Hz、約9Hz、または約10Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、少なくとも約1Hz、約2Hz、約3Hz、約4Hz、約5Hz、約6Hz、約7Hz、約8Hz、または約9Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、最大で約2Hz、約3Hz、約4Hz、約5Hz、約6Hz、約7Hz、約8Hz、約9Hz、または約10Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約10Hz~約1,000Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約10Hz~約100Hz、約10Hz~約200Hz、約10Hz~約300Hz、約10Hz~約400Hz、約10Hz~約500Hz、約10Hz~約600Hz、約10Hz~約700Hz、約10Hz~約800Hz、約10Hz~約900Hz、約10Hz~約1,000Hz、約100Hz~約200Hz、約100Hz~約300Hz、約100Hz~約400Hz、約100Hz~約500Hz、約100Hz~約600Hz、約100Hz~約700Hz、約100Hz~約800Hz、約100Hz~約900Hz、約100Hz~約1,000Hz、約200Hz~約300Hz、約200Hz~約400Hz、約200Hz~約500Hz、約200Hz~約600Hz、約200Hz~約700Hz、約200Hz~約800Hz、約200Hz~約900Hz、約200Hz~約1,000Hz、約300Hz~約400Hz、約300Hz~約500Hz、約300Hz~約600Hz、約300Hz~約700Hz、約300Hz~約800Hz、約300Hz~約900Hz、約300Hz~約1,000Hz、約400Hz~約500Hz、約400Hz~約600Hz、約400Hz~約700Hz、約400Hz~約800Hz、約400Hz~約900Hz、約400Hz~約1,000Hz、約500Hz~約600Hz、約500Hz~約700Hz、約500Hz~約800Hz、約500Hz~約900Hz、約500Hz~約1,000Hz、約600Hz~約700Hz、約600Hz~約800Hz、約600Hz~約900Hz、約600Hz~約1,000Hz、約700Hz~約800Hz、約700Hz~900Hz、約700Hz~約1,000Hz、約800Hz~約900Hz、約800Hz~~約1,000Hz、または約900Hz~約1,000Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約10Hz、約100Hz、約200Hz、約300Hz、約400Hz、約500Hz、約600Hz、約700Hz、約800Hz、約900Hz、または約1,000Hzのである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、少なくとも約10Hz、約100Hz、約200Hz、約300Hz、約400Hz、約500Hz、約600Hz、約700Hz、約800Hz、または約900Hzのである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、最大で約100Hz約200Hz(約300Hz、約400Hz)、約500Hz、約600Hz、約700Hz、約800Hz、約900Hz、または約1,000Hzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1kHz~約20kHzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1kHz~約2.5kHz、約1kHz~約5kHz、約1kHz~約7.5kHz、約1kHz~約10kHz、約1kHz~約12.5kHz、約1kHz~約15kHz、約1kHz~約17.5kHz、約1kHz~約20kHz、約2.5kHz~約5kHz、約2.5kHz~約7.5kHz、約2.5kHz~約10kHz、約2.5kHz~約12.5kHz、約2.5kHz~約15kHz、約2.5kHz~約17.5kHz、約2.5kHz~約20kHz、約5kHz~約7.5kHz、約5kHz~約10kHz、約5kHz~約12.5kHz、約5kHz~約15kHz、約5kHz~約17.5kHz、約5kHz~約20kHz、約7.5kHz~約10kHz、約7.5kHz~約12.5kHz、約7.5kHz~約15kHz、約7.5kHz~約17.5kHz、約7.5kHz~約20kHz、約10kHz~約12.5kHz、約10kHz~約15kHz、約10kHz~約17.5kHz、約10kHz~約20kHz、約12.5kHz~約15kHz、約12.5kHz~約17.5kHz、約12.5kHz~約20kHz、約15kHz~約17.5kHz、約15kHz~約20kHz、または約17.5kHz~約20kHz。いくつかの実施形態では、時変電圧は、約1kHz、約2.5kHz、約5kHz、約7.5kHz、約10kHz、約12.5kHz、約15kHz、約17.5kHzまたは約20kHzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、少なくとも約1kHz、約2.5kHz、約5kHz、約7.5kHz、約10kHz、約12.5kHz、約15kHzまたは約17.5kHzである。いくつかの実施形態では、時変電圧は、最大で約2.5kHz、約5kHz、約7.5kHz、約10kHz、約12.5kHz、約15kHz、約17.5kHz、または約20kHzである。
【0182】
いくつかの実施形態では、複数の電極の少なくともサブセットの活性化時に、システムは、液滴および1つ以上の不活性電極に隣接する電流戻り経路をさらに含む。いくつかの実施形態では、複数の電極の少なくともサブセットの活性化は、1つ以上の隣接する電極において拮抗的電流駆動スキームを生成する。
【0183】
使い捨てカートリッジ
交換可能なカートリッジおよび/または上面フィルムと共にEWODプラットフォームが使用され得る様々な方法は、本明細書に記載されている。例えば、フィルムまたは膜等の交換可能、可撓性、またはそれらの組合せの構築物は、作動および/または基準電極の再利用を可能にする。交換可能なカートリッジはさらに、別々の実験または同じ実験において試料間の相互汚染を排除し得る。使い捨てカートリッジ構築物は、流体の導入および除去のために、誘電体、疎水性層、基準電極、入口、出口、またはそれらのいずれかの組合せの組合せを含有していることがある。交換可能な構築物は、アレイに恒久的に結合され得る。構築物は、接着剤、熱、真空の印加、強力な静的電場、またはそれらのいずれかの組合せを使用して、作動電極に結合することができる。EWOD液滴作動用の使い捨てカートリッジの例は、WO2021041709において見出され得、これは、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる。
【0184】
大容量試料処理
いくつかの実施形態では、(例えば、マイクロリットルスケール、センチリットルスケール、またはミリリットルスケールの)大容量試料の処理は、ディスペンサーを使用して出発物質(例えば、生体試料)をアリコートにセグメント化または分画し、その後、アリコートをアレイの処理領域に導入することによって行われ得る。投入材料は、アレイ上で液滴として並行してまたは連続的に処理することができる。投入材料は、例えば、生体試料(例えば、血液、組織、または血漿)または環境試料(例えば、水または土)であってもよい。アレイ上の試料処理は、例えば、核酸(例えば、DNA、RNA)の抽出、特定の細胞型(例えば、免疫細胞サブタイプ、循環腫瘍細胞、または組織生検から単離された細胞)の単離、または細胞外小胞(例えば、エキソソーム)の単離を含み得る。
【0185】
アレイスケーリング
多重化
いくつかの実施形態では、駆動信号の数は、試料(例えば、96の個々のタイル上で同時に処理された96の試料)の並列処理のために、単一のアレイタイルから多数のアレイタイル(例えば、10、20、30、40、50、100、500、またはより多くのアレイタイル)へのスケーリングのために低減され得る。例えば、共通の駆動信号を使用して、複数のタイル上の電極を同時に作動させることができる。さらに、各タイル上の基準電極は、別個の信号によって駆動されてもよい。いずれかの与えられた時間では、特定のタイル上の基準電極の活性化は、そのタイル上の液滴移動度を可能にし得るが、他の(例えば、非活性)タイル上の液滴は、起電力を経験し得ない。
【0186】
再構成可能なベイ内で互いに隣り合って積み重ねられたいくつかの再構成可能なアレイタイルを含む構成は、実行のために活性化されるタイルの数に対するカスタマイズを提供し得る。アセンブリは、再構成可能なトレイ内に単一のタイルまたはタイルの列を装填することを可能にし得る。再構成可能なベイ、トレイ、およびタイルは、いずれかの形状であり得る。複数のトレイを再構成可能なベイに投入して、例えば、8、96、384、1,536、6,144、24,576、またはそれ以上の試料を並行して処理することができる。ベイ、トレイ、およびタイルは、垂直に、水平に、またはそれらの組合せで積み重ねることができる。
【0187】
本開示の態様は、マイクロ流体分注チップを提示する。本開示の別の態様は、ディスペンス(dispense)付属品を提示する。いくつかの実施形態では、ディスペンス付属品はチップトレイである。いくつかの実施形態では、ディスペンス付属品は洗浄剤ステーションである。いくつかの実施形態では、ディスペンス付属品は、バーコード分注チップである。
【0188】
蒸発の個別制御対全体制御
アレイ上の1つ以上の液滴(試料)の蒸発の調節は、アレイまたは複数のアレイ上の複数の試料を処理することによって達成することができる。本明細書に記載される方法を使用してアレイタイル上に単一の液滴を封入することは、大規模処理を達成し得る。アレイタイル全体または複数のアレイタイルは、1つ以上の液滴を同時に封入するように被覆されてもよい。筐体は、液滴処理の前、間、および/または後にアレイ上に下げることができる。
【0189】
一般の試薬ディスペンサー
同じセットの試薬(例えば、生体試料、化学試薬、溶液、核酸(例えば、DNA、RNA、PNAなど)、光学試薬など)が、試料を処理する間にアレイの1つ以上のタイルに導入され得る。タイルにわたって試薬を分布する共有ディスペンサーは、そのような試薬の導入を達成し得る。これらのディスペンサーは、本明細書に記載される分注機構を含んでもよい。ディスペンサーは、1つ以上の別個のチャネルを備え得る。別個のチャネルの各チャネルは、所与のプロセスを通して単一の試薬を分注するために利用されてもよい。ディスペンサーは、単一のチャネルのみを備えてもよい。単一のチャネルは、単一のプロセスで様々な試薬を分注するために使用され得る。起こり得るすべての相互汚染を防止するために、異なる試薬を分注する間に単一のチャネルを洗浄するために、洗浄溶液が使用されてもよい。本明細書に記載されるディスペンサーはさらに、アレイ表面から試料/試薬を吸引するために使用され得る。洗浄工程は、連続的吸引工程の間に実行することができる。
【0190】
アレイまたは複数のアレイは、本明細書に説明されるような液体取扱自動化機器の内部で配置されてもよい。試料および試薬は、液体ハンドラによってアレイ上に分注され得る。アレイまたはその複数のアレイは、液体ハンドラーから(例えば、手動または自律的に)除去され、液体ハンドラに隣接して位置し得る。
【0191】
単一の試料から複数の試料
生体および化学的自動化ワークフローをアレイ上に開発および展開するための2段階アプローチは、本明細書に記載される方法およびシステムを使用して行われてもよい。ワークフローは、単一のアレイ構成要素上で開発されてもよく、反応は、(例えば、手動または自律的に)反復されてもよい。最適化されたワークフローは、複数のアレイにわたって展開することができる。例えば、単一の試料処理ユニット上の次世代配列決定(NGS)試料調製ワークフローを開発することができる。その後、開発された単一のNGS試料調製ワークフローは、96の試料を並行して処理することが可能なアレイ上に展開され得、これらの96の試料のそれぞれは、開発された単一のNGS試料調製ワークフローに従って処理される。
【0192】
フィルム複合物
液滴中に電荷の蓄積を防止するために、パターン電極が、誘電体基板の液滴に面する表面上に使用され得る。このパターン電極は、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、スパッタリング、および気相堆積技法を含む、いくつかの異なる加工方法を使用して作製されてもよい。印刷プロセスで使用される金属インクは、印刷電極の特性を決定する上で重要な役割を果たす。銀粒子インクは、規則的に約10μmまでのフィーチャサイズを生成することができ、約1μmの典型的な最小堆積厚さを有する。
【0193】
コーティングスタックの疎水性層を生成するために薄い(典型的には1μm未満の)共形疎水性コーティングが使用される場合、印刷電極の厚さは、液滴が表面上で自由に移動することができるか、または定位置にピン留めされるかを決定する際に重要である。典型的には、印刷された特徴のトレース高さは、液滴自体よりも実質的に小さいことが望ましい。100μL以下の液滴の場合、薄い疎水性コーティングを有する1μm厚のトレースは、動きを大幅に妨げる可能性がある。
【0194】
したがって、図13Aおよび13Bに示されるように、薄い共形疎水性コーティングを使用するとき、1μmより実質的に薄い電極をパターン化することが望ましい。金属粒子を沈殿させる化学反応を利用する粒子を含まないインク配合物は、はるかに小さい特徴サイズ(約5μm)に達し、はるかに薄いトレース(100nm未満)を生成することができる。これらのインクは、従来の印刷プロセスを使用してパターン化することができ、PETおよびPI誘電体を含む種々の基板と適合性である。図13Aは、アレイを横断して輸送される液滴(10210)を示す。いくつかの実施形態では、アレイは、基板(10205)に隣接する電極(10220)の第1の層を含む。誘電体層(10240)は、電極の第1の層(10220)の上に提供され得る。電極の第2の層(10225)は、誘電体層(10240)の上に提供され得る。コンフォーマルコーティング(10235)は、第2の電極層(10225)の上に提供され得る。いくつかの実施形態では、コンフォーマルコーティングは疎水性である。電極が厚すぎる(例えば、いくつかのスクリーン印刷法によって製造される)場合、それらは、液滴の移動を妨げるピンニング特徴(10230)を生成し得る。したがって、電極は、図13Bに示されるように、液滴の移動を妨害しない、粒子を含まない電極の層(10227)を生成するように、本明細書に開示される方法によって印刷されてもよい。
【0195】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される構成は、数セクション上に記載されるカートリッジに適用することができる。
【0196】
フィルムフレームからタイルへの印加
エレクトロウェッティングデバイスの一実施形態では、薄い(5μm未満)多孔質フィルムを使用して、液滴が自由に移動することができる液体注入表面を作り出すことができる。この多孔質フィルムは、3つの層(誘電体、多孔質、フレーム)をフレームの周囲に接着するフィルムフレームを用いて誘電体フィルムに取り付けることができる。この接着は、湿式接着剤、乾式接着剤を用いて、または熱積層によって達成することができる。これらの接着戦略は、フィルムの領域において(例えば、フレームの周辺に沿って)またはフィルムの表面全体にわたって選択的に実施することができる。
【0197】
熱積層は、材料の特定の組合せを使用するときに可能である。誘電体フィルムは、テクスチャ加工された多孔質膜(例えば、PTFE多孔質膜)への熱積層を可能にするために、PET、FEP、またはPFAから構成され得る。この熱積層プロセスは、液体を注入して、高性能液滴移動度を可能にする液体注入表面を生成することができる多孔性上面を維持する、強固なフィルムをもたらす。
【0198】
電極アレイ全体にわたって一貫した液滴移動度を達成するために、フィルムまたはコーティングのスタックアップが電極アレイおよび基板と一貫して密接に接触することが必要である。この密接な接触を達成するために、様々な方法を使用することができる。基板との緊密な接触を確保するために、引張装置を使用してフィルムベースのコーティングを伸張させることができる。代替的、真空圧力を使用して、基板中の小さな穴または多孔性特徴を通して基板に対してフィルムをしっかりと引っ張ることができる。
【0199】
図14Aおよび14Bに示されるように、基板(10305)が、電極(10320)を備えて設けられ得る。いくつかの実施形態では、フィルム(10335)は、電極(10320)の上に設けられ、フィルムフレーム(10330)によって適所に保持され得る。
フィルムが取り付けられるとき、フィルム(10335)と電極アレイ(10320)との間に気泡(10355)が入ることがある。これらは、スキージまたはブラシの使用により、フィルムの縁部に容易に押し込むことができる。いくつかの実施形態では、図14Bに描写されるように、充填剤流体(10350)が、フィルム層と基板との間の良好な接着を確実にするために使用される。充填剤流体(10350)の薄層を電極アレイ(10320)と底部フィルム層(10335)との間に配置して、フィルムの皺を滑らかにし、表面張力によって空隙を除去することができる。充填剤流体は、シリコーン油またはフッ素化油を含む様々な絶縁材料を含み得る。
【0200】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される構成は、数セクション上に記載されるカートリッジに適用することができる。
【0201】
アレイ中の電極に隣接する充填剤流体の使用
充填剤流体が電極と本明細書に開示されるアレイの残りの構成要素との間に接着力を提供することができる、取り外し可能なアレイおよび/またはカートリッジを含む実施形態に加えて、本明細書に記載されるアレイの電極に隣接する充填剤流体は、さらなる利点を提供することができる。例えば、任意の2つの隣接する電極間の空隙を充填する際に、充填剤流体は、高絶縁破壊材料として作用し、空気の破壊を防止する。空気は、典型的に、約1キロボルト/ミリメートルの破壊電圧を有する。したがって、2つの隣接する電極間の間隙を減少させることは、液滴の滑らかな移行を可能にするのに有益である一方、2つの電極間の間隙が減少した場合、ある時点で、エレクトロウェッティングデバイスは導通し始め、エレクトロウェッティングデバイスを非機能的にする。充填剤流体を添加して2つの電極間の間隙を充填することによって、信頼性の高い液滴運動のために高電圧でアレイの操作性を依然として維持しながら、電極間の間隙を減少することができる。いくつかの実施形態では、充填剤流体は液体である。さらに、いくつかの実施形態、特にアレイが誘電体の表面上に配置された液体層を含む実施形態では、充填剤流体液体は、誘電体の表面上に配置された液体層とは異なる組成であり得る。
【0202】
本開示の態様は、試料を処理するためのシステムを含み、該システムは、複数の電極、複数の電極の上に配置された誘電体層であって、試料を含む液滴を支持するように構成された表面を備える誘電体層、複数の電極および誘電体層に隣接する間隙に配置される液体を備える。いくつかの実施形態では、液体は、複数の電極と誘電体層との間に接着を生成する。いくつかの実施形態では、液体は、誘電性材料を含む。いくつかの実施形態では、液体は、間隙に配置された空気の導電率を防止または低減する。いくつかの実施形態では、誘電体層は、天然ポリマー材料、合成ポリマー材料、フッ素化材料、表面改質、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、天然ポリマー材料は、シェラック、琥珀、羊毛、絹、天然ゴム、セルロース、ワックス、ヒザラガイ、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、合成ポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアセタール、ポリシルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ塩化ビニル、合成ゴム、ネオプレン、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、シリコーン、パラフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド(ポリフェニルエーテル)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ乳酸、合成セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、パラフィン、微結晶性ワックス、エポキシ、またはそのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、フッ素化材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレンコポリマー(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテルコポリマー(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、表面改質は、シリコーン、シラン、フルオロポリマー処理、パリレンコーティング、他の適切な表面化学改質プロセス、セラミック、粘土、鉱物、ベントナイト、カオリナイト、蛭石、黒鉛、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、液体は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、液体は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、表面は液体層を含む。いくつかの実施形態では、液体層は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、液体層は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、誘電体層は取り外し可能である。いくつかの実施形態では、上記誘電体層は、天然ポリマー材料、合成ポリマー材料、フッ素化材料、表面改質、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、上記天然ポリマー材料は、シェラック、琥珀、羊毛、絹、天然ゴム、セルロース、ワックス、ヒザラガイ、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、上記合成ポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアセタール、ポリシルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ塩化ビニル、合成ゴム、ネオプレン、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、シリコーン、パラフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド(ポリフェニルエーテル)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ乳酸、合成セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、パラフィン、微結晶性ワックス、エポキシ、またはそのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、上記フッ素化材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレンコポリマー(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテルコポリマー(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、上記表面改質は、シリコーン、シラン、フルオロポリマー処理、パリレンコーティング、他の適切な表面化学改質プロセス、セラミック、粘土、鉱物、ベントナイト、カオリナイト、蛭石、黒鉛、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、上記液体は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、上記液体は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、上記表面は液体層を含む。いくつかの実施形態では、上記液体層は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、上記液体層は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、上記誘電体層は取り外し可能である。いくつかの実施形態では、上記接着は、上記液体を上記表面上に固定するのに充分であり、上記液体は重力に耐性を示す。いくつかの実施形態では、上記液体は、上記表面を優先的に濡らして上記表面上での上記液滴の動きを容易にするように選択される。
【0203】
液滴の監視
本開示は、エレクトロウェッティングアレイ上の少なくとも1つの液滴を監視するための方法を提供する。液滴は、エレクトロウェッティングアレイ上で動作中であり得る。液滴は反応状態であり得る。
【0204】
EWOD液滴作動用の表面上で液滴を監視するための方法の例は、WO2021041709において見出され得、これは、参照によりその全体として本明細書に組み込まれる。
【0205】
核酸を分析するための方法
高分子量(HMW)核酸の単離および移動
無傷のゲノムDNAは、約100メガベース(Mb)を超える長さであり得るが、単離プロトコルは、ゲノムDNAを10~200キロベース(Kb)の長さの断片に断片化し得る。しかしながら、配列決定技術は、より長いリード長(例えば、約1Mbを超える)を処理することができるので、無傷のゲノムDNA分子の低い収率(例えば、100kb未満)は、DNA単離技術の未解決の制限である。
【0206】
HMW核酸は、例えば、全血、血清、または唾液から抽出され得る。HMW核酸は、全細胞から抽出することができる。核酸はDNAであってもよい。核酸はRNAであってもよい。核酸は、例えば、ライブラリ調製、増幅、配列決定、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ゲル電気泳動、および他のプロセスを含む様々な用途のために抽出され得る。
【0207】
本明細書に記載されるのは、核酸(例えば、DNA)の(例えば、空気置換ピペット操作のせん断力による)機械的断片化を最小化するシステムおよび方法である。本明細書に記載されるのは、例えば、伝統的な取扱いデバイスのデッドボリュームによる試料損失を低減するシステムおよび方法である。本明細書に記載されるシステムおよび方法は、ハイスループットおよび高分子量(HMW)DNA単離を自動化することが可能であり得、中央値DNA断片サイズは、少なくとも約1Kb、10Kb、100Kb、1,000Kb、10,000Kb、100,000Kb、1,000,000Kb、またはそれ以上である。本明細書に記載されるシステムおよび方法は、ハイスループットおよび高分子量DNA単離を自動化することが可能であり得、中央値DNA断片サイズは、最大で約1,000,000Kb、100,000Kb、10,000Kb、1,000Kb、100Kb、10Kb、1Kb、またはそれ以下である。本明細書に記載されるシステムおよび方法は、ハイスループットおよび高分子量DNA単離を自動化することが可能であり得、中央値DNA断片サイズは、約1Kb~約1,000,000kb、100kb~約500,000kb、または約1,000kb~約100,000kbである。
【0208】
本明細書に記載されるのは、エレクトロウェッティングアレイ上での全血抽出のためのシステムおよび方法である。いくつかの実施形態では、少なくとも約10μL~少なくとも約500μLの全血が抽出に使用される。いくつかの実施形態では、少なくとも約100μLの全血が抽出に使用される。いくつかの実施形態では、約10μL~約250μLである。いくつかの実施形態では、少なくとも約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、または約150である。いくつかの実施形態では、最大で約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約150、約200、約250、約300、約350、約500、約450、約500、またはそれ以上のμLの全血が抽出に使用される。いくつかの実施形態では、少なくとも約0.2~最大で約5μgのDNAが、100μLの血液から抽出される。いくつかの実施形態では、少なくとも約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、または5μgのDNAが、100μLの血液から抽出される。
【0209】
本明細書に記載されるのは、HMW DNA単離に適している反応体積を操作することができる普遍的なオープン型エレクトロウェッティングオン誘電体(EWOD)システムおよび方法である。例えば、磁気ビーズ分離および加熱器/冷却器などの能力を同じシステムに統合することによって、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、カスタム機器を備えなくてもよい。本明細書に記載されるシステムおよび方法は、実行可能なワークフローの数を増加するための直接的な再プログラミングを提供することができ、例えば、可変入力、試薬、インキュベーション、洗浄工程、および単一のデバイス上でプログラム可能な様式で制御される多数の液滴を伴う新しいレシピを可能にする。
【0210】
本明細書に記載されるシステムは、少なくとも2つの構成(例えば、小間隙によって別離された2つのプレート間に挟まれた液滴、または開放表面上の液滴)で電極の2Dまたは3Dグリッド上の液滴を操作することができる。例えば、(例えば、25μmの電極寸法を有する)2つのプレートPDMシステム上で、5pLの液滴を等分し、輸送し、別の液滴と混合することができる。開放表面上で、(例えば、2mmの電極寸法を有する)EWODデバイス液滴(例えば、約200μL)を操作することができる。本明細書に記載されるシステムは、例えば、バルクDNA抽出(例えば、100μl~1ml)ならびに単細胞および個々の核を封入するのに充分に小さい液滴(例えば、50nL)に適している体積を取り扱うことができる。
【0211】
さらに、細胞試料からのHMW DNAの収量を増大させるために、強化された撹拌技術をアレイ上で実施することができる。撹拌技術は、例えば、機械的ブザー、シェーカー、ボルテックス、超音波処理、またはそれらのいずれかの組合せなどの方法を含み得る。混合を強化するために、磁気マイク撹拌器を試料に導入することができる。これらの撹拌器は、本明細書で説明される異なる磁石構成と連結されてもよい。異なる形状の磁石を使用して、アレイ上の磁気ビーズの形状および広がりを変更することができる。調整可能な強度を有する磁石を使用して、アレイ上で操作される磁気ビーズを収容することができる。
【0212】
安定化緩衝液中で細胞から抽出されたDNAは、無傷のHMW DNAを産生することができる。例えば、アルギン酸塩ヒドロゲルは、HMW DNAを安定化させるためにスキャフォールド材料として使用することができる。アルギン酸塩は、カチオンの存在下で安定したゲルを形成し得、ゲル化条件は穏やかであり得、ゲル化プロセスは、例えば、カルシウムイオンを抽出することによって(例えば、クエン酸塩またはEDTAを添加することによって)逆転され得る。抽出されたDNAは、オンチップで形成された高粘度/低剪断溶液(例えば、アルギン酸塩液滴)中で安定化され得る。この安定化方法は、実質的な分解なしにHMWゲノムDNAの(例えば、研究室内で、または現場間で輸送することによって)転移を可能にし得る。HMW DNAは、剪断を防止するための試薬(例えば、アルギン酸塩ヒドロゲル)中に保存することができる。抽出されたHMW DNAは、例えば、抽出後にチューブに移すか、またはEWODアレイ上に保存することができる。
配列決定の前にDNA剪断を防止するために、HMW DNA抽出に使用されるのと同じデバイス上で配列決定ライブラリをアセンブルすることができる。同様に、ナノポアは、試料移動なしに直接配列決定のためにアレイに統合され得る。
【0213】
試料の調製
円形試料調製
本開示は、配列決定のための試料調製の方法を提供する。本方法は、高分子量(HMW)核酸抽出を行う工程を含み得る。方法は、試料調製をさらに含み得る。試料調製の方法は、環状核酸をもたらし得る。一例では、核酸はデオキシリボ核酸(DNA)であり得る。試料調製の方法は、環状化または環化であり得る。一例では、ポリメラーゼおよび/またはリガーゼの添加によって、二本鎖核酸が環状形態へ変換し得る。核酸は、DNA「粘着性」末端の共有結合的閉鎖によって環状化され得る。核酸は、冗長末端配列間の組換えによって環状化され得る。核酸は、ウィルスDNA末端でのタンパク質の結合を介して環状化され得る。核酸、エレクトロウェッティングアレイ上で環状化され得る。
【0214】
本開示は、エレクトロウェッティングアレイ上での試料調製の方法を提供する。試料調製の方法は、配列決定のために試料を調製する工程を含み得る。試料調製の方法は、環状コンセンサス配列決定(CCS)のために試料を調製する工程を含み得る。試料調製の方法は、環状化であり得る。試料調製の方法は、ローリングサークル増幅(RCA)のために試料を調製する工程を含み得る。核酸は、エレクトロウェッティングアレイに隣接して液滴を提供することによって環状化させることができ、液滴は核酸を含む。核酸は、液滴を1つ以上の試薬液滴と組合せることによって環状化され得る。1つ以上の試薬は、核酸試料を環状化させるための試薬であり得る。1つ以上の試薬は酵素であり得る。酵素の例は、ポリメラーゼおよびリガーゼを含むことがある。一例では、単一の重合酵素を使用して、核酸試料を配列決定反応に供することができる。
【0215】
核酸は、エレクトロウェッティングアレイを使用して液滴を処理して核酸を環状化させることによって環状化され得る。環状化核酸試料は、1つ以上の試薬液滴から分離され得る。試料液滴は、1つ以上の試薬液滴と組み合わされ、その後、1つ以上の試薬液滴から分離され得る。次いで、1つ以上の試薬液滴は、第2の液滴と組合せられ得る。本方法は、エレクトロウェッティングアレイ上で1つ以上の液滴操作を実行して液滴を処理する工程をさらに含んでもよく、1つ以上の液滴操作は、1つ以上の試薬液滴を液滴と接触させることを含む。核酸環状化の例はさらに、Pacific Biosciences of Californiaの「Template Preparation and Sequencing Gμide」(https://www.pacb.com/wp-content/μploads/2015/09/Gμide-Pacific-Biosciences-Template-Preparation-and-Sequencing.pdfを参照されたい)およびWO2009120374において提供され得、それらは、参照によりその全体により本明細書に組み込まれる。
【0216】
核酸試料調製の方法は、高い配列決定リードを得られる。核酸試料調製の方法は、少なくとも約70キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得られる。核酸試料調製の方法は、少なくとも約80kbの長さを有する配列決定リードを得られる。核酸試料調製の方法は、少なくとも約200kbの長さを有する配列決定リードを得られる。核酸試料調製の方法は、少なくとも約70kb、少なくとも約80kb、少なくとも約90kb、少なくとも約100kb、少なくとも約110kb、少なくとも約120kb、少なくとも約130kb、少なくとも約140kb、少なくとも約150kb、少なくとも約160kb、少なくとも約170kb、少なくとも約180kb、少なくともaboμt190 kb、少なくとも約200kb、またはそれ以上の長さを有する配列決定リードを得られる。一例では、核酸試料調製の方法は、エレクトロウェッティングアレイ上で行われ得る。別の例では、核酸はデオキシリボ核酸(DNA)であり得る。
【0217】
核酸試料調製の方法は、少なくとも約100ギガバイト(Gb)の配列決定データを得られる。核酸試料調製の方法は、少なくとも約10Gbのデータを得られる。核酸試料調製の方法は、少なくとも約30Gbの配列決定データを得られる。核酸試料調製の方法は、少なくとも約500Gbの配列決定データを得られる。核酸試料調製の方法は、少なくとも約512Gbの配列決定データを得られる。核酸試料調製の方法は、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約350、少なくとも約400、少なくとも約450、少なくとも約500Gb、またはそれ以上の配列決定データを得られる。
【0218】
環状化核酸試料は、標的配列を含む複数の配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約80%は、標的配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、またはそれ以上は、標的配列を含み得る。
【0219】
本明細書に開示されるような核酸試料を調製する方法は、高純度の核酸試料を提供し得る。核酸試料の純度は、吸光度を測定することによって評価されてもよい。吸光度リードは、分光光度計で行うことができる。純度を測定する方法は、少なくとも1つの分子を含む試料を提供する工程、260ナノメートル(nm)での上記試料の吸光度を測定する工程、280nmでの上記試料の吸光度を測定する工程、および280nmに対する260nmでの吸光度の比(A260/A280比)を提供する工程を含み得る。本明細書に開示されるような核酸試料を調製する方法は、最大で約1.93のA260/A280比を有する少なくとも1つの配列決定リードを提供し得る。本明細書に開示されるような核酸試料を調製する方法は、最大で約1.84のA260/A280比を有する少なくとも1つの配列決定リードを提供し得る。本明細書に開示されるような核酸試料を調製する方法は、最大で約5、最大で4.5、最大で約4、最大で約3.5、最大で約3、最大で約2.5、最大で約2、最大で約1.9、最大で約1.8、最大で約1.7、最大で1.6、最大で約1.5、最大で約1.4、最大で約1.3、最大で約1.2、最大で約1.1、またはそれ以下のA260/A280比を有する少なくとも1つの配列決定リードを提供し得る。
【0220】
環状化核酸試料は、標的配列を含む複数の配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約80%は、標的配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、またはそれ以上は、標的配列を含み得る。
【0221】
本開示は、より長いインサートサイズを有する環状化核酸試料を産生する方法を提供し、該方法は、(a)エレクトロウェッティングアレイに隣接し、上記核酸試料を含む液滴を提供する工程と、(b)エレクトロウェッティングアレイを使用して液滴を処理し、核酸試料を環状化させる工程と、(c)単一の重合酵素を使用して環状化核酸試料を配列決定反応に供する工程とを含む。エレクトロウェッティングアレイは、1つ以上の試薬液滴をさらに含むことがある。1つ以上の試薬液滴は、核酸試料を環状化させるための1つ以上の試薬を含むことがある。方法は、試料液滴を1つ以上の試薬液滴と組合せる工程と、試料液滴を1つ以上の試薬液滴から分離する工程と、1つ以上の試薬液滴を第2の液滴と組合せる工程とをさらに含んでもよい。本方法は、エレクトロウェッティングアレイ上で1つ以上の液滴操作を実行して液滴を処理する工程をさらに含んでもよく、1つ以上の液滴操作は、1つ以上の試薬液滴を液滴と接触させることを含む。
【0222】
より長いインサートサイズを有する環状化核酸試料を産生する方法は、高い配列決定リードを得られる。より長いインサートサイズを有する環状化核酸試料を産生する方法は、少なくとも約70キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得られる。より長いインサートサイズを有する環状化核酸試料を産生する方法は、少なくとも約80kbの長さを有する配列決定リードを得られる。より長いインサートサイズを有する環状化核酸試料を産生する方法は、少なくとも約200kbの長さを有する配列決定リードを得られる。
【0223】
より長いインサートサイズを有する環状化核酸試料を産生する方法は、配列決定リードを得ることがある、少なくとも約70kb、少なくとも約80kb、少なくとも約90kb、少なくとも約100kb、少なくとも約110kb、少なくとも約120kb、少なくとも約130kb、少なくとも約140kb、少なくとも約150kb、少なくとも約160kb、少なくとも約170kb、少なくとも約180kb、少なくとも約190kb、少なくとも約200kb、またはそれ以上の長さを有する配列決定リードを得られる。
【0224】
一例では、より長いインサートサイズを有する環状化核酸試料を産生する方法は、エレクトロウェッティングアレイ上で行われ得る。核酸はデオキシリボ核酸(DNA)であり得る。
【0225】
より長いインサートサイズを有する環状化核酸試料を産生する方法は、少なくとも約100ギガバイト(Gb)の配列決定データを得られる。より長いインサートサイズを有する環状化核酸試料を産生する方法は、少なくとも約10Gbの配列決定データを得られる。より長いインサートサイズを有する環状化核酸試料を産生する方法は、少なくとも約30Gbの配列決定データを得られる。より長いインサートサイズを有する環状化核酸試料を産生する方法は、少なくとも約500Gbの配列決定データを得られる。より長いインサートサイズを有する環状化核酸試料を産生する方法は、少なくとも約512Gbの配列決定データを得られる。より長いインサートサイズを有する環状化核酸試料を産生する方法は、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約350、少なくとも約400、少なくとも約450、少なくとも約500Gb、またはそれ以上の配列決定データを得られる。
【0226】
環状化された核酸試料は、標的配列を含む複数の配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約80%は、標的配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、またはそれ以上は、標的配列を含み得る。
【0227】
より長いインサートサイズを有する環状化核酸試料を産生する方法は、高純度の核酸試料を提供し得る。核酸試料の純度は、吸光度を測定することによって評価されてもよい。吸光度リードは、分光光度計で行うことができる。純度を測定する方法は、少なくとも1つの分子を含む試料を提供する工程、260ナノメートル(nm)での上記試料の吸光度を測定する工程、280nmでの上記試料の吸光度を測定する工程、および280nmに対する260nmでの吸光度の比(A260/A280比)を提供する工程を含み得る。より長いインサートサイズを有する環状化核酸試料を産生する方法は、最大で約1.93のA260/A280比を有する少なくとも1つの配列決定リードを提供し得る。より長いインサートサイズを有する環状化核酸試料を産生する方法は、最大で約1.84のA260/A280比を有する少なくとも1つの配列決定リードを提供し得る。より長いインサートサイズを有する環状化核酸試料を産生する方法は、最大で約5、最大で4.5、最大で約4、最大で約3.5、最大で約3、最大で約2.5、最大で約2、最大で約1.9、最大で約1.8、最大で約1.7、最大で1.6、最大で約1.5、最大で約1.4、最大で約1.3、最大で約1.2、で約1.1、またはそれ以下のA260/A280比を有する少なくとも1つの配列決定リードを提供し得る。
【0228】
環状化された核酸試料は、標的配列を含む複数の配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約80%は、標的配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、またはそれ以上は、標的配列を含み得る。
【0229】
本開示は、核酸試料を環状化させる方法を提供し、該方法は、エレクトロウェッティングアレイに隣接し、液滴を提供する工程であって、液滴は核酸試料を含む、工程と、液滴を1つ以上の試薬液滴と組合せる工程と、エレクトロウェッティングアレイを使用して液滴を処理し、核酸試料を環状化させる工程と、液滴を1つ以上の試薬液滴から分離する工程と、1つ以上の試薬液滴を試料液滴と組合せて、環状化核酸試料を得る工程を含む。エレクトロウェッティングアレイは、1つ以上の試薬液滴をさらに含むことがある。1つ以上の試薬液滴は、核酸試料を環状化させるための1つ以上の試薬を含むことがある。本方法は、試料液滴を1つ以上の試薬液滴と組合せる工程と、試料液滴を1つ以上の試薬液滴から分離する工程と、1つ以上の試薬液滴を第2の液滴と組合せる工程とをさらに含んでもよい。本方法は、エレクトロウェッティングアレイ上で1つ以上の液滴操作を実行して液滴を処理する工程をさらに含んでもよく、1つ以上の液滴操作は、1つ以上の試薬液滴を液滴と接触させることを含む。
【0230】
核酸試料を環状化させる方法は、少なくとも約70kb、少なくとも約80kb、少なくとも約90kb、少なくとも約100kb、少なくとも約110kb、少なくとも約120kb、少なくとも約130kb、少なくとも約140kb、少なくとも約150kb、少なくとも約160kb、少なくとも約170kb、少なくとも約180kb、少なくとも約190kb、少なくとも約200kb、またはそれ以上の長さを有する配列決定リードを得られる。
【0231】
一例では、核酸試料を環状化させる方法は、エレクトロウェッティングアレイ上で行われ得る。核酸はデオキシリボ核酸(DNA)であり得る。
【0232】
核酸試料を環状化させる方法は、少なくとも約100ギガバイト(Gb)の配列決定データを得られる。核酸試料を環状化させる方法は、少なくとも約10Gbのデータを得られる。核酸試料を環状化させる方法は、少なくとも約30Gbのデータを得られる。核酸試料を環状化させる方法は、少なくとも約500Gbのデータを得られる。核酸試料を環状化させる方法は、少なくとも約512Gbのデータを得られる。核酸試料を環状化させる方法は、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約350、少なくとも約400、少なくとも約450、少なくとも約500Gb、またはそれ以上の配列決定データを得られる。
【0233】
環状化された核酸試料は、標的配列を含む複数の配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約80%は、標的配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、またはそれ以上は、標的配列を含み得る。
【0234】
核酸試料を環状化させる方法は、高純度の核酸試料を提供し得る。核酸試料の純度は、吸光度を測定することによって評価されてもよい。吸光度リードは、分光光度計で行うことができる。純度を測定する方法は、少なくとも1つの分子を含む試料を提供する工程、260ナノメートル(nm)での上記試料の吸光度を測定する工程、280nmでの上記試料の吸光度を測定する工程、および280nmに対する260nmでの吸光度の比(A260/A280比)を提供する工程を含み得る。核酸試料を環状化させる方法は、最大で約1.9のA260/A280比を有する少なくとも1つの配列決定リードを提供し得る。核酸試料を環状化させる方法は、最大で約1.84のA260/A280比を有する少なくとも1つの配列決定リードを提供し得る。核酸試料を環状化させる方法は、最大で約5、最大で4.5、最大で約4、最大で約3.5、最大で約3、最大で約2.5、最大で約2、最大で約1.93、最大で約1.8、最大で約1.7、最大で1.6、最大で約1.5、最大で約1.4、最大で約1.3、最大で約1.2、で約1.1、またはそれ以下のA260/A280比を有する少なくとも1つの配列決定リードを提供し得る。
【0235】
環状化された核酸試料は、標的配列を含む複数の配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約80%は、標的配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、またはそれ以上は、標的配列を含み得る。
【0236】
本開示は、配列決定ライブラリを生成するための方法を提供し、該方法は、(a)複数の配列を含む複数の核酸分子を含む核酸試料を提供する工程と、(b)核酸試料を使用して配列決定ライブラリを生成する工程であって、配列決定ライブラリが、その相補体の複数の配列の少なくとも80%を含む、工程、(c)上記エレクトロウェッティングアレイを使用して上記液滴を処理し、上記核酸試料を環状化させる工程と、(d)上記液滴を上記1つ以上の試薬液滴から分離する工程と、(e)上記1つ以上の試薬液滴を上記試料液滴と組合せて、環状化核酸試料を得る工程を含む。エレクトロウェッティングアレイは、1つ以上の試薬液滴をさらに含むことがある。1つ以上の試薬液滴は、核酸試料を環状化するための1つ以上の試薬を含むことがある。方法は、試料液滴を1つ以上の試薬液滴と組合せる工程と、試料液滴を1つ以上の試薬液滴から分離する工程と、1つ以上の試薬液滴を第2の液滴と組合せる工程とをさらに含んでもよい。本方法は、エレクトロウェッティングアレイ上で1つ以上の液滴操作を実行して液滴を処理する工程をさらに含んでもよく、1つ以上の液滴操作は、1つ以上の試薬液滴を液滴と接触させることを含む。
【0237】
配列決定ライブラリを生成するための方法は、少なくとも約70kb、少なくとも約80kb、少なくとも約90kb、少なくとも約100kb、少なくとも約110kb、少なくとも約120kb、少なくとも約130kb、少なくとも約140kb、少なくとも約150kb、少なくとも約160kb、少なくとも約170kb、少なくとも約180kb、少なくとも約190kb、少なくとも約200kb、またはそれ以上の長さを有する配列決定リードを得られる。
【0238】
一例では、配列決定ライブラリを生成するための方法は、エレクトロウェッティングアレイ上で行われ得る。核酸はデオキシリボ核酸(DNA)であり得る。
【0239】
配列決定ライブラリを生成するための方法は、少なくとも約100ギガバイト(Gb)の配列決定データを得られる。配列決定ライブラリを生成するための方法は、少なくとも約10Gbのデータを得られる。配列決定ライブラリを生成するための方法は、少なくとも約30Gbのデータを得られる。配列決定ライブラリを生成するための方法は、少なくとも約500Gbのデータを得られる。配列決定ライブラリを生成するための方法は、少なくとも約512Gbのデータを得られる。配列決定ライブラリを生成するための方法は、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約350、少なくとも約400、少なくとも約450、少なくとも約500Gb、またはそれ以上の配列決定データを得られる。
【0240】
環状化された核酸試料は、標的配列を含む複数の配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約80%は、標的配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、またはそれ以上は、標的配列を含み得る。
【0241】
配列決定ライブラリサイズを生成するための方法は、高純度の核酸試料を提供し得る。核酸試料の純度は、吸光度を測定することによって評価されてもよい。吸光度リードは、分光光度計で行うことができる。純度を測定する方法は、少なくとも1つの分子を含む試料を提供する工程、260ナノメートル(nm)での上記試料の吸光度を測定する工程、280nmでの上記試料の吸光度を測定する工程、および280nmに対する260nmでの吸光度の比(A260/A280比)を提供する工程を含み得る。配列決定ライブラリを生成するための方法は、最大で約1.93のA260/A280比を有する少なくとも1つの配列決定リードを提供し得る。配列決定ライブラリを生成するための方法は、最大で約1.84のA260/A280比を有する少なくとも1つの配列決定リードを提供し得る。配列決定ライブラリを生成するための方法は、最大で約5、最大で4.5、最大で約4、最大で約3.5、最大で約3、最大で約2.5、最大で約2、最大で約1.9、最大で約1.8、最大で約1.7、最大で1.6、最大で約1.5、最大で約1.4、最大で約1.3、最大で約1.2、で約1.1、またはそれ以下のA260/A280比を有する少なくとも1つの配列決定リードを提供し得る。
【0242】
環状化された核酸試料は、標的配列を含む複数の配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約80%は、標的配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、またはそれ以上は、標的配列を含み得る。
【0243】
次世代シーケンシング(NGS)の試料調製
本明細書に記載されるシステムおよび方法は、NGS試料調製のハイスループット自動化のための完全デジタルを達成し得る。全ゲノム配列決定(WSG)ライブラリは、本明細書中に記載されるシステムおよび方法を使用して、精製されたDNAから出発して調製され得る。例えば、DNAは、本明細書に記載されるアレイ上で酵素的に断片化され、末端修復され、Aオーバーハングが加えることができる。デュアルインデックス付きバーコードをDNA断片上にライゲーションすることができ、最終ライゲーション産物を精製し、磁気ビーズに基づく精製によってサイズ選択することができる。本方法は、本明細書に記載される単一のデバイス上で実行されてもよい。一例では、ライブラリ調製は、アダプターを核酸の両端に接着させることを含む。NGSのための試料調製の例としては、Illumina,Inc.のCluster Generation technology(その全体が参照により本明細書に組み込まれる「Technology Spotlight:Illumina Sequencing Technology」を参照)が挙げられるが、これに限定されない。NGSのための試料調製の方法は、全ゲノム配列決定(WGS)に資することがある。NGSのための試料調製の方法は、ハイブリダイゼーション捕獲を使用する工程を含み得る。NGSのための試料調製の方法は、感度および配列決定を改善するために固有の分子識別子(ΜMI)を使用する工程を含み得る。
【0244】
本開示は、エレクトロウェッティングアレイ上での試料調製の方法を提供する。試料調製の方法は、配列決定のために試料を調製する工程を含み得る。試料調製の方法は、NGSのために試料を調製する工程を含み得る。本方法は、試料液滴および少なくとも1つの試薬液滴を提供する工程を含み得る。本方法は、エレクトロウェッティングアレイ上で液滴操作を使用して、試料液滴を少なくとも1つの試薬液滴と接触させる工程をさらに含み得る。1つ以上の試薬液滴は、NGSのための試料調製を行うための1つ以上の試薬を含むことがある。1つ以上試薬の試薬は、例えば、IlluminaのNovaSeq 6000キット(その全体が参照により本明細書に組み込まれる「NovaSeq 6000 Reagent Kit」を参照)の一部であり得る。ブリッジ増幅は、配列決定に備えて実施されることがある。NGSのための試料調製は、単管プロトコルを用いてエレクトロウェッティングアレイ上で実行され得る。NGSのための試料調製は、自動化された方法を通してエレクトロウェッティングアレイ上で実行され得る。NGSのための試料調製は、エレクトロウェッティングアレイ上で、少なくとも約1~少なくとも約14日間実行され得る。NGSのための試料調製は、エレクトロウェッティングアレイ上で、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14日またはそれ以上以実行され得る。NGSのための試料調製は、少なくとも約1~少なくとも約10μgのDNAを得られる。NGSのための試料調製は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10μg、またはそれ以上のDNAを得られる。NGSのための試料調製は、少なくとも約10~少なくとも約500kbのリード長を得られる。NGSのための試料調製は、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500kb、またはそれ以上のリード長を得られる。NGSのための試料調製は、種々のインサートサイズを使用することを含み得る。NGSのための試料調製は、インサートサイズとして約100bp~約600bpを使用することを含み得る。NGSのための試料調製は、インサートサイズとして約100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、23、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600bp、またはそれ以上を使用することを含み得る。NGSのための試料調製は、インサートサイズとして約300~約450bpを使用することを含み得る。NGSのための試料調製は、様々なライブラリサイズを得られる。NGSのための試料調製は、約100bp~約600bpのライブラリサイズを得られる。NGSのための試料調製は、ライブラリサイズとして約100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、23、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600bp、またはそれ以上を得られる。NGSのための試料調製は、ライブラリサイズとして約400~約600bpを得られる。
【0245】
本開示は、ナノポア配列決定のための試料調製のためのシステムおよび方法を提供する。いくつかの実施形態では、ナノポア配列決定は、核酸をワンステップリアルタイムPCR(RT-PCR)に供し、その後、ナノポアデバイス上で核酸を配列決定することを含み得る。試料調製は、エレクトロウェッティングアレイ上の液滴操作を使用して、少なくとも1つの試料液滴を少なくとも1つの試薬液滴と接触させることによって、エレクトロウェッティングアレイ上で行われてもよい。エレクトロウェッティングアレイ上でのナノポア配列決定のための試料調製は、高いN50、または全ゲノム長の50%における最短コンティグの配列長を得られる。エレクトロウェッティングアレイ上でのナノポア配列決定のための試料調製は、少なくとも約10kb~少なくとも約50kbのN50を得られる。エレクトロウェッティングアレイ上でのナノポア配列決定のための試料調製は、少なくとも約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、またはそれ以上のN50を得られる。エレクトロウェッティングアレイ上のナノポア配列決定のための試料調製は、より高い細孔占有率を有する核酸を得られる。エレクトロウェッティングアレイ上でのナノポア配列決定のための試料調製は、少なくとも約24時間の高細孔占有率を有する核酸を得られる。エレクトロウェッティングアレイ上でのナノポア配列決定のための試料調製は、少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30時間、またはそれ以上の時間の高細孔占有率を有する核酸を得られる。ナノポア配列決定の例は、NanoporeのMinION配列決定(MinIONの製品説明を参照;Lu,Hengyun,Francesca Giordano,and Zemin Ning.「Oxford Nanopore MinION sequencing and genome assembly」.Genomics,proteomics & bioinformatics 14.5(2016):265-279;これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)を含むが、これに限定されない。
【0246】
増幅
本開示は、増幅のための試料調製の方法を提供する。増幅は、配列決定のための準備であり得る。増幅は、二本鎖核酸への開始タンパク質結合に関与していることがある。開始タンパク質は、二本鎖核酸の1つの鎖の5’末端に結合することがある。開始タンパク質は、二本鎖核酸において少なくとも1つのニックを引き起こし得る。ヘリカーゼ依存性増幅は、ヘリカーゼが二本鎖核酸を解き、および少なくとも1つの一本鎖結合タンパク質が二本鎖核酸の少なくとも1つの鎖を被覆するときに起こり得る。このプロセスは、一本鎖結合(SSB)タンパク質依存性増幅であり得る。核酸はデオキシリボ核酸(DNA)であり得る。増幅の方法は、ローリングサークル増幅(RCA)を含み得る。増幅の方法は、ブリッジ増幅を含み得る。
【0247】
RCA
本開示は、増幅を行う方法を提供する。増幅は、配列決定のための準備であり得る。増幅は、二本鎖核酸への開始タンパク質結合に関与していることがある。開始タンパク質は、二本鎖核酸の1つの鎖の5’末端に結合することがある。開始剤タンパク質は、二本鎖核酸において少なくとも1つのニックを引き起こし得る。ヘリカーゼ依存性増幅は、ヘリカーゼが二本鎖核酸を解き、および少なくとも1つの一本鎖結合タンパク質が二本鎖核酸の少なくとも1つの鎖を被覆するときに起こり得る。このプロセスは、一本鎖結合(SSB)タンパク質依存性増幅であり得る。核酸はデオキシリボ核酸(DNA)であり得る。増幅の方法は、ローリングサークル増幅(RCA)を含み得る。
【0248】
ローリングサークル増幅の例は、米国特許第9,290,800号、米国特許第11,067,562号;米国公開ΜS20190360997;PacBio SMRT配列決定(https://www.pacb.com/smrt-science/smrt-sequencing/を参照);Wenger,Aaron M.,et al. ”Accμrate circular consensus long-read sequencing improves variant detection and assembly of a human genome.”Nature biotechnology 37.10(2019):1155-1162;IlluminaのCirSeq(https://www.Illumina.com/science/sequencing-method-explorer/kits-and-arrays/cirseq.html);Acevedo,A.,Andino R.,”Library preparation for highly accurate population sequencing of RNA viruses.”Nat Protoc.2014 Jul;9(7):1760-9);Hunt,M.,Silva,N.D.,Otto,T.D.et al.”Circlator:automated circularization of genome assemblies using long sequencing reads.” Genome Biol 16,294(2015);およびWilson,Brandon D et al.”High-Fidelity Nanopore Sequencing of Μltra-Short DNA Targets.”Analytical chemistry vol.91,10(2019):6783-6789に記載されるような核酸の環状化プロトコールであるが、これらに限定されなく、これらの文献は全体として参照により本明細書に組み込まれる)。
【0249】
増幅の方法は、エレクトロウェッティングアレイ上で行われることがある。エレクトロウェッティングアレイは、1つ以上の試薬液滴をさらに含むことがある。1つ以上の試薬液滴は、核酸試料を環状化するための1つ以上の試薬を含むことがある。1つ以上の試薬液滴は、ローリングサークル増幅(RCA)を実行する1つ以上試薬を含み得る。1つ以上の試薬は、酵素であってもよい。酵素の例は、ニッキング酵素、DNAポリメラーゼ、およびRCRタンパク質を含み得る。1つ以上の試薬は、例えば、二価金属イオン、すなわち、Mg2+、Mn2+、Ca2+および/またはFe2+を含む、対照核酸、緩衝溶液および/または塩溶液であり得る。1つ以上の試薬は、一本鎖核酸を調製し得る。
【0250】
増幅を行う方法は、少なくとも約70kb、少なくとも約80kb、少なくとも約90kb、少なくとも約100kb、少なくとも約110kb、少なくとも約120kb、少なくとも約130kb、少なくとも約140kb、少なくとも約150kb、少なくとも約160kb、少なくとも約170kb、少なくとも約180kb、少なくとも約190kb、少なくとも約200kb、またはそれ以上の長さを有する配列決定リードを得られる。
【0251】
一例では、増幅を行う方法は、エレクトロウェッティングアレイ上で行われ得る。核酸はデオキシリボ核酸(DNA)であり得る。
【0252】
増幅を行う方法は、少なくとも約100ギガバイト(Gb)の配列決定データを得られる。増幅を行う方法は、少なくとも約10Gbのデータを得られる。増幅を行う方法は、少なくとも約30Gbのデータを得られる。RCAを行う方法は、少なくとも約500Gbのデータを得られる。増幅を行う方法は、少なくとも約512Gbのデータを得られる。増幅を行う方法は、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約350、少なくとも約400、少なくとも約450、少なくとも約500Gb、またはそれ以上の配列決定データを得られる。
【0253】
環状化核酸試料は、標的配列を含む複数の配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約80%は、標的配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、またはそれ以上は、標的増幅を含み得る。
【0254】
増幅を行う方法は、高純度の核酸試料を提供し得る。核酸試料の純度は、吸光度を測定することによって評価されてもよい。吸光度リードは、分光光度計で行うことができる。純度を測定する方法は、少なくとも1つの分子を含む試料を提供する工程、260ナノメートル(nm)での上記試料の吸光度を測定する工程、280nmでの上記試料の吸光度を測定する工程、および280nmに対する260nmでの吸光度の比(A260/A280比)を提供する工程を含み得る。増幅を行う方法は、最大で約1.93のA260/A280比を有する少なくとも1つの配列決定リードを提供し得る。増幅を行う方法は、最大で約1.84のA260/A280比を有する少なくとも1つの配列決定リードを提供し得る。増幅を行う方法は、最大で約5、最大で4.5、最大で約4、最大で約3.5、最大で約3、最大で約2.5、最大で約2、最大で約1.9、最大で約1.8、最大で約1.7、最大で1.6、最大で約1.5、最大で約1.4、最大で約1.3、最大で約1.2、で約1.1、またはそれ以下のA260/A280比を有する少なくとも1つの配列決定リードを提供し得る。
【0255】
環状化核酸試料は、標的配列を含む複数の配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約80%は、標的配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、またはそれ以上は、標的配列を含み得る。
【0256】
ブリッジ増幅
【0257】
本開示は、増幅を行う方法を提供する。増幅は、配列決定のための準備であり得る。増幅は、ブリッジ増幅を含み得る。二本鎖核酸分子が提供され、変性され得る。変性二本鎖核酸分子の元の鋳型を洗い流し、それによって一本鎖核酸分子を得ることができる。一本鎖核酸分子は、フローセル表面に共有結合され得る。一本鎖の分子はブリッジを形成し得る。ブリッジに相補的な第2の鎖が形成され得、それによって、二本鎖核酸ブリッジが得られる。第2の鎖は、ポリメラーゼを介して形成され得る。その後、2つの鎖を分離して、2つの別個の一本鎖核酸分子を得ることができる。このプロセスを繰り返してもよい。鎖のうちのいくつかはフローセル表面から除去され得る。残りの鎖の3’末端が遮断されることがある。配列決定プライマーは、残りの各鎖のアダプター配列とハイブリダイズし得る。ブリッジ増幅の例は、Illumina,Inc.のCluster Generation technology(その全体が参照により本明細書に組み込まれる「Technology Spotlight:Illumina Sequencing Technology」を参照)を含むが、これに限定されない。
【0258】
本開示は、エレクトロウェッティングアレイ上でのブリッジ増幅を行う方法を提供する。エレクトロウェッティングアレイは、1つ以上の試薬液滴をさらに含むことがある。1つ以上の試薬液滴は、ブリッジ増幅を実行するための1つ以上の試薬を含むことがある。1つ以上の試薬は、例えば、IlluminaのNovaSeq 6000キット(その全体が参照により本明細書に組み込まれる「NovaSeq 6000 Reagent Kit」を参照)の一部であり得る。ブリッジ増幅は、配列決定に備えて実施されることがある。
【0259】
配列決定
環状コンセンサス配列決定
本開示は、核酸試料を配列決定する方法を提供する。配列決定の方法は、長いリードを生成し得る。配列決定の方法は、長い高精度(HiFi)リードを生成し得る。配列決定の方法は、単一の鋳型分子の複数のパスを含み得る。一例では、配列決定の方法は、環状コンセンサス配列決定であり得る。配列決定反応は、複数のパスを含み得る。各パスは、少なくとも1つの配列決定リードを産生し得る。配列決定リードの1つ以上のサブリードが産生され得る。コンセンサス配列は、配列決定リードのサブリードから産生され得る。
【0260】
環状コンセンサス配列決定の例は、Wenger,Aaron M.,et al.”Accurate circular consensus long-read sequencing improves variant detection and assembly of a human genome.”Nature biotechnology 37.10(2019):1155-1162;IlluminaのCirSeq(https://www.Illumina.com/science/sequencing-method-explorer/kits-and-arrays/cirseq.html);Acevedo,A.,Andino R.,”Library preparation for highly accurate population sequencing of RNA viruses.”Nat Protoc.2014 Jul;9(7):1760-9);Hunt,M.,Silva,N.D.,Otto,T.D.et al.”Circlator:automated circularization of genome assemblies using long sequencing reads.”Genome Biol 16,294(2015);およびWilson,Brandon D et al.”High-Fidelity Nanopore Sequencing of Μltra-Short DNA Targets.”Analytical chemistry vol.91,10(2019):6783-6789;米国特許第7,906,284号;米国特許第10,563,255号;およびWO2009120374に提供され、これらすべては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0261】
本開示は、核酸試料を配列決定の方法を提供し、該方法は、(a)エレクトロウェッティングアレイに隣接し、核酸試料を含む液滴を提供する工程と、(b)エレクトロウェッティングアレイを使用して液滴を処理し、核酸試料を環状化させる工程と、(c)単一の重合酵素を使用して環状化核酸試料を配列決定反応に供する工程とを含む。
【0262】
配列決定の方法は、試料液滴を1つ以上の試薬液滴と組合せる工程と、試料液滴を1つ以上の試薬液滴から分離する工程と、1つ以上の試薬液滴を第2の液滴と組合せる工程とをさらに含むことがある。方法は、エレクトロウェッティングアレイ上で1つ以上の液滴操作を実行して液滴を処理する工程をさらに、1つ以上の液滴操作は、1つ以上の試薬液滴を液滴と接触させることを含む。
【0263】
エレクトロウェッティングアレイは、1つ以上の試薬液滴をさらに含むことがある。1つ以上の試薬液滴は、核酸試料を環状化するための1つ以上の試薬を含むことがある。1つ以上の試薬液滴は、ローリングサークル増幅(RCA)を実行する1つ以上試薬を含み得る。1つ以上の試薬は、酵素であってもよい。酵素の例は、ニッキング酵素、DNAポリメラーゼ、およびRCRタンパク質を含み得る。1つ以上の試薬は、例えば、二価金属イオン、すなわち、Mg2+、Mn2+、Ca2+および/またはFe2+を含む、対照核酸、緩衝溶液および/または塩溶液であり得る。1つ以上の試薬は、一本鎖核酸を調製し得る。
【0264】
配列決定の方法は、少なくとも約70kb、少なくとも約80kb、少なくとも約90kb、少なくとも約100kb、少なくとも約110kb、少なくとも約120kb、少なくとも約130kb、少なくとも約140kb、少なくとも約150kb、少なくとも約160kb、少なくとも約170kb、少なくとも約180kb、少なくとも約190kb、少なくとも約200kb、またはそれ以上の長さを有する配列決定リードを得られる。
【0265】
一例では、配列決定の方法は、エレクトロウェッティングアレイ上で行われ得る。核酸はデオキシリボ核酸(DNA)であり得る。
【0266】
配列決定の方法は、少なくとも約100ギガバイト(Gb)の配列決定データを得られる。配列決定の方法は、少なくとも約10Gbのデータを得られる。配列決定の方法は、少なくとも約30Gbの配列決定データを得られる。配列決定の方法は、少なくとも約500Gbの配列決定データを得られる。配列決定の方法は、少なくとも約512Gbの配列決定データを得られる。配列決定の方法は、少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約90、少なくとも約100、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約350、少なくとも約400、少なくとも約450、少なくとも約500Gb、またはそれ以上の配列決定データを得られる。
【0267】
環状化核酸試料は、標的配列を含む複数の配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約80%は、標的配列を含み得る。複数の配列の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、またはそれ以上は、標的増幅を含み得る。
【0268】
配列決定の方法は、高純度の核酸試料を提供し得る。核酸試料の純度は、吸光度を測定することによって評価されてもよい。吸光度リードは、分光光度計で行うことができる。純度を測定する方法は、少なくとも1つの分子を含む試料を提供する工程、260ナノメートル(nm)での上記試料の吸光度を測定する工程、280nmでの上記試料の吸光度を測定する工程、および280nmに対する260nmでの吸光度の比(A260/A280比)を提供する工程を含み得る。配列決定の方法は、最大で約1.93のA260/A280比を有する少なくとも1つの配列決定リードを提供し得る。配列決定の方法は、最大で約1.84のA260/A280比を有する少なくとも1つの配列決定リードを提供し得る。配列決定の方法は、最大で約5、最大で4.5、最大で約4、最大で約3.5、最大で約3、最大で約2.5、最大で約2、最大で約1.9、最大で約1.8、最大で約1.7、最大で1.6、最大で約1.5、最大で約1.4、最大で約1.3、最大で約1.2、で約1.1、またはそれ以下のA260/A280比を有する少なくとも1つの配列決定リードを提供し得る。
【0269】
次世代配列決定
本開示は、核酸試料を配列決定する方法を提供する。配列決定の方法は、合成による配列決定(SBS)を含み得る。4つの異なる蛍光で標識されたデオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)および少なくとも1つのポリメラーゼが提供され得る。少なくとも1つの蛍光性dNTPを、配列決定すべき少なくとも1つの核酸分子と混合し、続いて画像化することができる。蛍光色素およびターミネーターは、dNTPから取り除かれることがある。少なくとも1つの核酸は、この様式で配列決定され続けることができる。一例では、各サイクル中の4つの画像、および各dNTPは、異なる強度を放出し得る。別の例では、各サイクル中に2つの画像が撮影され得、クライスター強度をプロットし得る。SBSの例は、Illumina,Inc.のCluster Generation technology(その全体が参照により本明細書に組み込まれる”Technology Spotlight:Illumina Sequencing Technology”を参照)を含むが、これに限定されない。
【0270】
本開示は、エレクトロウェッティングアレイ上で核酸試料を配列決定する方法を提供する。方法は、試料液滴を1つ以上の試薬液滴と組合せる工程と、試料液滴を1つ以上の試薬液滴から分離する工程と、1つ以上の試薬液滴を第2の液滴と組合せる工程とを含み得る。一態様では、1つ以上の試薬液滴は、NGSのための少なくとも1つの試薬を含有している。一態様では、1つ以上試薬液滴は、SBSのための少なくとも1つの試薬を含有している。試薬は、例えば、IlluminaのNovaSeq 6000キット(その全体が参照により本明細書に組み込まれる「NovaSeq 6000 Reagent Kit」を参照)の一部であり得る。
【0271】
次世代配列決定(NGS)ライブラリ調製および蒸発補償
本明細書に記載される蒸発補償技術は、NGSライブラリ調製の反応動態に影響を及ぼさず、本明細書に記載される広範な生物学的および化学的ワークフローへの適用性を提供する。さらに、そのような化学/生物学的反応の各々についての蒸発損失について同じアレイからいくつかの実験を実行することができ、データセットを構築することができる。例えば、データセットは、反応体積を、例えば、20%、10%、5%、1%、またはそれ以下の誤差のマージン内に維持するために必要とされる補償体積を算出するために使用され得る。体積損失がある反応では、補償体積を時限式に導入することができる(例えば、感知およびフィードバックなしの開ループ式である)。代替的に、データセットを機械学習モデルに通して、反応の特性に基づいて補償体積をどのように推定するかを学習するアルゴリズムを開発することができる。機械学習モデルに供給するためのデータセットは、アレイに隣接するセンサから生成され得、またはアレイの外部のセンサから生成され得る。同様に、同時混合および加熱によるライゲーションの改善またはアレイ上の能動混合に応答した断片化の改善についてのデータセットを使用して、機械学習アルゴリズムを使用したNGS試料調製ワークフローの性能を最適化することができる。
【0272】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、クリーンアップ、および定量的PCR(qPCR)
核酸分子は、本明細書に記載されるアレイ上での熱サイクリングベースのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅され得る。アレイの固定領域は、加熱または冷却されてもよい。代替的に、アレイ上の異なる領域を、異なる温度または温度範囲に加熱または冷却することができる。例えば、PCR試薬および試料を含有している1つ以上の液滴は、アレイの異なるゾーン間で往復してPCRを実行することができる。センサ(例えば、蛍光カメラ)を使用して、アレイ上の液滴の信号(例えば、蛍光)を照らし、記録することができる。検出はリアルタイムで行ってもよく、qPCR機能を提供する。例えば、qPCR操作中、信号は、dsDNA結合色素(例えば、SYBR)または蛍光発生プローブ(例えば、TaqMan)をモニタリングすることによって読み取ることができる。信号は、各PCRサイクル中に新たに生成されたPCR産物の蓄積と共に増加し得る。qPCRを実行するために、液滴からのアリコート(例えば、液滴体積は、pL-mLスケールであり得る)を使用することができる。このアリコート中のqPCRをリアルタイムで監視することによって、主要試料の性能を推測することができ、それに応答して必要とされる増幅の量を調節することができる。アレイまたは複数のアレイ上のPCRおよびqPCR操作を多重化して、様々なアンプリコン(例えば、遺伝子、対象のマーカー、NGSライブラリなど)を並行して追跡することができる。PCRおよびqPCRは、例えば、NGSライブラリの定量化、遺伝子発現、または標的検出(例えば、診断)のために使用され得る。
【0273】
ナノリットルNGS
投入材料および試薬の量は、本明細書に記載されるアレイ上のナノリットルサイズまたはピコリットルサイズの反応体積(例えば、液滴)にスケールダウンすることができる。試薬濃度は、(例えば、正確な反応化学量論のために)一定のままであり得る。試薬の出発および最終濃度は、(例えば、増加または減少して)一定のままでなくてもよく、例えば、ナノリットルまたはピコリットルサイズの反応体積において反応効率を最適化する。
【0274】
アレイ(例えば、EWODアレイまたはDEPアレイ)または固体支持体(例えば、ガラス)の開放表面上のナノリットルまたはピコリットルサイズの液滴は、2つのプレートの間に挟まれた液滴と比較して、アレイのはるかに小さい面積に接触し得る。より小さい面積占有率は、多数の液滴(例えば、数千ナノリットルの液滴および数百万ピコリットルの液滴である)をアレイの小さいフットプリント(例えば、標準的なSBSウェルプレートのサイズ)に詰めることを可能にし得る。例えば、滑らかな滑りやすい表面を備え、第2の表面から(例えば、第2のプレートから)界面力を有さない開放アレイ上で、ナノリットルサイズの液滴を輸送し、力(例えば、EWODからの起電力)で混合することができる。さらに、液滴は、例えば、加熱され得るか、冷却され得るか、磁場に供され得るか、またはそれらの任意の組合せであり得る。ナノリットルまたはピコリットルサイズの液滴の作動は、液滴接触面積(例えば、0.00001ミリメートル(mm)、0.0001mm、0.001mm、0.01mm、0.1mm、1mm、10mm、100mm、1,000mm、またはそれ以上)に匹敵する寸法の電極上で達成され得る。代替的に、ナノリットルまたはピコリットルサイズの液滴を取り囲む電極の連続セットを同時に活性化して、液滴の輸送に充分な起電力を生成することができる。このスケールの反応体積および電極サイズは、少なくとも約1、10、100、1,000、10,000、10,0000、1,000,000、またはそれ以上の反応を並行して進行させることができる(例えば、ナノリットルレベルまたはピコリットルレベルのハイスループットアプリケーションを可能にする)。反応、電極、投入材料、試薬、またはそれらの任意の組合せのスケールダウンプロセスは、ソフトウェアシミュレーションを使用して自動化されてもよい。
【0275】
酵素的バイオポリマー合成
バイオポリマー(例えば、ポリヌクレオチドおよびポリペプチド)は、連続して、並行して、またはそれらの組合せで試薬を分注および移動させることによって、アレイ上で合成され得る。試薬は、例えば、ヌクレオシド三リン酸、ヌクレオチド、酵素、緩衝液、ビーズ、解除剤、水、塩、またはそれらのいずれかの組合せを含み得る。例えば、ポリヌクレオチド(例えば、DNA)合成は、アレイ上の特定位置を官能化することによって、アレイの表面上で直接発生し得る。例えば、官能化された位置は、反応部位として作用し得る。DNA合成はさらに、アレイ(例えば、EWOD)によって操作される液滴に含まれるビーズ上で実行され得る。DNA合成は、ミリリットル、マイクロリットル、ナノリットル、ピコリットル、またはフェムトリットルのスケールの体積でアレイ上で実行され得る。DNA断片は、例えば、ギブソンアセンブリなどのプロセスによってアレイ上で直接より長い断片にアセンブルされ得る。液滴のコンビナトリアル融合は、例えば、多様なDNA断片を作製するために使用され得る。アセンブルされたDNA断片の品質は、例えば、IlluminaまたはOxford Nanopore Technologiesに基づく配列決定などの下流配列決定のためのアレイ上の配列決定ライブラリ調製によって評価され得る。
【0276】
本開示は、アレイ上で少なくとも1つのバイオポリマーを合成するためのシステムおよび方法を提供する。いくつかの実施形態では、試料液滴は、少なくとも1つの試薬液滴と接触させられる。いくつかの実施形態では、試料液滴および少なくとも1つの試薬液滴は、液滴操作によって接触させられる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの試薬は、酵素的バイオポリマー合成のための試薬を含む。本明細書に開示される方法において使用される試薬および材料は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,870,872号に見出され得る。いくつかの実施形態では、合成の生体生成物が産生される。本開示のいくつかの態様では、合成の生体生成物はポリヌクレオチドである。本開示の他の態様では、合成の生体生成物はポリペプチドである。
【0277】
本開示の別の態様は、バイオポリマーを生成する方法であり、該方法は、表面に隣接する複数の液滴を提供する工程であって、上記複数の液滴は、第1の試薬を含む第1の液滴と、第2の試薬を含む第2の液滴とを含む、工程と、上記第1の液滴および上記第2の液滴を互いに対して運動させて、(i)上記第1の液滴を上記第2の液滴と接触させ、(ii)上記第1の試薬および上記第2の試薬を含む融合液滴を形成する工程と、上記融合液滴において、少なくとも(i)上記第1の試薬および(ii)上記第2の試薬を使用して、上記バイオポリマーの少なくとも一部を形成する工程とを含み、ここで、(b)~(c)は10分以下の時間で実行される。いくつかの実施形態では、上記バイオポリマーはポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、上記バイオポリマーはポリペプチドである。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドは、約10~約250の塩基を含む。幾つかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドは、約260~約1kbを含む。幾つかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドは、約1kb~約10,000kbを含む。いくつかの実施形態では、振動は、(b)、(c)、または両方の間に上記合成液滴に加えられる。いくつかの実施形態では、方法は、上記融合液滴に接触するように洗浄液滴を動かせることを含む1つ以上の洗浄工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、振動は、上記1つ以上の洗浄工程に加えられる。いくつかの実施形態では、上記表面は誘電体である。いくつかの実施形態では、上記表面は、1つ以上の電極の上に配置された誘電体層を含む。いくつかの実施形態では、上記表面は、ポリマーフィルムの表面である。いくつかの実施形態では、表面は、表面に結合した1つ以上のオリゴヌクレオチド含む。いくつかの実施形態では、上記表面は、潤滑液体層の表面である。いくつかの実施形態では、上記複数の液滴は、第3の試薬を含む第3の液滴を含む。いくつかの実施形態では、上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらの任意の組合せは、1つ以上の官能性ビーズを含む。いくつかの実施形態では、上記官能性ビーズは、それに固定された1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、振動は、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、洗浄液滴、またはそれらの混合物のいずれかに加えられる。いくつかの実施形態では、上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらの任意の組合せは、ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態では、上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらの任意の組合せは、バイオモノマーを含む。いくつかの実施形態では、上記バイオモノマーはアミノ酸である。いくつかの実施形態では、上記バイオモノマーは核酸分子である。いくつかの実施形態では、上記核酸分子は、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、またはウラシルに含む。いくつかの実施形態では、上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらの任意の組合せは、1つ以上の官能性ディスクを含む。いくつかの実施形態では、上記官能性ディスクは、それに固定された1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらの任意の組合せは、合成または重合を媒介する酵素を含む。いくつかの実施形態では、上記酵素は、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ(PNPase)、末端デヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)、DNAポリメラーゼベータ、DNAポリメラーゼラムダ、DNAポリメラーゼミューおよびDNAポリメラーゼのXファミリー由来の他の酵素からなる群に由来する。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に20分以下で生成される。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に15分以下で生成される。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に10分以下で生成される。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に1分以下で生成される。いくつかの実施形態では、上記融合液滴は温度制御される。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、磁場に供される。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、光に供される。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、pH変化に供される。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)を含む。いくつかの実施形態では、上記デオキシヌクレオシド三リン酸は、保護基を有し得る。いくつかの実施形態では、上記保護基は、反応中に除去され得る。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、片側のみで表面と接触する。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴の体積は、1ナノリットル(1nl)~500マイクロリットル(500μl)の間である。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴の体積は、1マイクロリットル(1μl)~500マイクロリットル(500μl)の間である。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴の体積は、1マイクロリットル(1μl)~200マイクロリットル(200μl)の間である。いくつかの実施形態では、上記方法は、上記バイオポリマーを第2のバイオポリマーにライゲートする工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、上記第2のバイオポリマーは、本明細書に開示される任意の方法を使用して生成された。
【0278】
本開示の別の態様は、バイオポリマーを生成する方法を提供し、該方法は、表面に隣接する複数の液滴を提供する工程であって、上記複数の液滴は、第1の試薬を含む第1の液滴と、第2の試薬を含む第2の液滴とを含む、工程と、上記第1の液滴および上記第2の液滴を互いに対して運動させて、(i)上記第1の液滴を上記第2の液滴と接触させ、(ii)上記第1の試薬および上記第2の試薬を含む融合液滴を形成する工程と、上記融合液滴において、少なくとも(i)上記第1の試薬および(ii)上記第2の試薬を使用して、上記バイオポリマーの少なくとも一部を形成する工程とを含み、振動が、(b)、(c)、または両方に加えられる。いくつかの実施形態では、上記バイオポリマーはポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、上記バイオポリマーはポリペプチドである。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドは、2~10,000,000の核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、方法は、上記融合液滴に接触するように洗浄液滴を動かせることを含む1つ以上の洗浄工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、振動は、上記1つ以上の洗浄工程に加えられる。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に30分以下で生成される。いくつかの実施形態では、上記表面は誘電体である。いくつかの実施形態では、上記表面は、1つ以上の電極の上に配置された誘電体層を含む。いくつかの実施形態では、上記表面は、ポリマーフィルムの表面である。いくつかの実施形態では、表面は、表面に結合した1つ以上のオリゴヌクレオチド含む。いくつかの実施形態では、上記表面は、潤滑液体層の表面である。いくつかの実施形態では、上記複数の液滴は、第3の試薬を含む第3の液滴を含む。いくつかの実施形態では、上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、1つ以上の官能性ビーズを含む。いくつかの実施形態では、上記官能性ビーズは、それに固定された1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、ポリメラーゼを含む。いくつかの実施形態では、上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらの任意の組合せは、バイオモノマーを含む。いくつかの実施形態では、上記バイオモノマーはアミノ酸である。いくつかの実施形態では、上記バイオモノマーは核酸分子である。いくつかの実施形態では、上記核酸分子は、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、またはウラシルである。いくつかの実施形態では、上記第1の試薬は、1つ以上の官能性ディスクを含む。いくつかの実施形態では、上記官能性ディスクは、それに固定された1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または両方は、合成または重合を媒介する酵素を含む。いくつかの実施形態では、上記酵素は、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ(PNPase)、末端デヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)、DNAポリメラーゼベータ、DNAポリメラーゼラムダ、DNAポリメラーゼミュー、およびDNAポリメラーゼのXファミリー由来の他の酵素からなる群に由来する。
【0279】
いくつかの実施形態では、上記融合液滴は加熱される。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、磁場に供される。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、光に供される。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、pH変化に供される。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)を含む。いくつかの実施形態では、上記デオキシヌクレオシド三リン酸は、保護基を有し得る。いくつかの実施形態では、上記保護基は、反応中に除去され得る。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、片側のみで表面と接触する。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴の体積は、1ナノリットル(1nl)~500マイクロリットル(500μl)の間である。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴の体積は、1マイクロリットル(1μl)~500マイクロリットル(500μl)の間である。いくつかの実施形態では、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴の体積は、1マイクロリットル(1μl)~200マイクロリットル(200μl)の間である。
【0280】
本開示の別の態様は、核酸試料を処理するための方法を含み、該方法は、エレクトロウェッティングアレイに隣接して生体試料を提供する工程であって、上記試料液滴は上記核酸試料を含む、工程、および上記核酸試料を、上記エレクトロウェッティングアレイに隣接している上記生体試料から抽出し、上記核酸試料は、少なくとも約70キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを含む、工程を含む。いくつかの実施形態では、上記長さは、少なくとも約80キロベース(kb)である。いくつかの実施形態では、上記長さは、少なくとも約200キロベース(kb)である。いくつかの実施形態では、上記配列決定リードは、約1.84未満のA260/A280比を含む。
【0281】
本開示のいくつかの態様では、バイオポリマーは、第2のバイオポリマーにライゲーションされる。いくつかの実施形態では、第2のバイオポリマーは、本開示に記載される方法のいずれか1つを使用して生成される。試薬(例えば、ヌクレオシド三リン酸、磁気ビーズ、酵素、塩、水、切断剤、または脱ブロッキング試薬)を保存するためのリザーバは、アレイの表面上に統合されるか、アレイの上に統合されるか、または本明細書に記載される分注方法を使用して外部リザーバから分注されてもよい。
【0282】
バイオポリマーはポリヌクレオチド物であり得る。ポリヌクレオチドは、少なくとも10、100、1,000、10,000、100,000、1,000,000、またはそれ以上の塩基対長であり得る。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの長さは、約1塩基である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの長さは、約1塩基~約750塩基である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの長さは、約1塩基~約10塩基、約1塩基~約20塩基、約1塩基~約50塩基、約1塩基~約100塩基、約1塩基~約150塩基、約1塩基~約200塩基、約1塩基~約250塩基、約1塩基~約500塩基、約1塩基~約750塩基、約1塩基~約1塩基、約10塩基~約20塩基、約10塩基~約50塩基、約10塩基~約100塩基、約10塩基~約150塩基、約10塩基~約200塩基、約10塩基~約250塩基、約10塩基~約500塩基、約10塩基~約750塩基、約10塩基~約1塩基、約20塩基~約50塩基、約20塩基~約100塩基、約20塩基~約150塩基、約20塩基~約200塩基、約20塩基~約250塩基、約20塩基~約500塩基、約20塩基~約750塩基、約20塩基~約1塩基、約50塩基~約100塩基、約50塩基~約150塩基、約50塩基~約200塩基、約50塩基~約250塩基、約50塩基~約500塩基、約50塩基~約750塩基、約50塩基~約1塩基、約100塩基~約150塩基、約100塩基~約200塩基、約100塩基~約250塩基、約100塩基~約500塩基、約100塩基~約750塩基、約100塩基~約1塩基、約150塩基~約200塩基、約150塩基~約250塩基、約150塩基~約500塩基、約150塩基~約750塩基、約150塩基~約1塩基、約200塩基~約250塩基、約200塩基~約500塩基、約200塩基~約750塩基、約200塩基~約1塩基、約250塩基~約500塩基、約250塩基~約750塩基、約250塩基~約1塩基、約500塩基~約750塩基、約500塩基~約1塩基、または約750塩基~約1塩基である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの長さは、約1塩基、約10塩基、約20塩基、約50塩基、約100塩基、約150塩基、約200塩基、約250塩基、約500塩基、約750塩基、または約1塩基である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの長さは、少なくとも約1塩基、約10塩基、約20塩基、約50塩基、約100塩基、約150塩基、約200塩基、約250塩基、約500塩基、または約750塩基である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの長さは、最大で約10塩基、約20塩基、約50塩基、約100塩基、約150塩基、約200塩基、約250塩基、約500塩基、約750塩基、または約1塩基である。
【0283】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの長さは、約1キロベース(kb)~約250キロベース(kb)である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの長さは、約1キロベース(kb)~約2キロベース(kb)、約1キロベース(kb)~約3キロベース(kb)、約1キロベース(kb)~約4キロベース(kb)、約1キロベース(kb)~約5キロベース(kb)、約1キロベース(kb)~約10キロベース(kb)、約1キロベース(kb)~約20キロベース(kb)、約1キロベース(kb)~約50キロベース(kb)、約1キロベース(kb)~約100キロベース(kb)、約1キロベース(kb)~約150キロベース(kb)、約1キロベース(kb)~約200キロベース(kb)、約1キロベース(kb)~約250キロベース(kb)、約2キロベース(kbs)~約3キロベース(kbs)、約2キロベース(kbs)~約4キロベース(kbs)、約2キロベース(kbs)~約5キロベース(kbs)、約2キロベース(kbs)~約10キロベース(kbs)、約2キロベース(kbs)~約20キロベース(kbs)、約2キロベース(kbs)~約50キロベース(kbs)、約2キロベース(kbs)~約100キロベース(kbs)、約2キロベース(kbs)~約150キロベース(kbs)、約2キロベース(kbs)~約200キロベース(kbs)、約2キロベース(kbs)~約250キロベース(kbs)、約3キロベース(kbs)~約4キロベース(kbs)、約3キロベース(kbs)~約5キロベース(kbs)、約3キロベース(kbs)~約10キロベース(kbs)、約3キロベース(kbs)~約20キロベース(kbs)、約3キロベース(kbs)~約50キロベース(kbs)、約3キロベース(kbs)~約100キロベース(kbs)、約3キロベース(kbs)~約150キロベース(kbs)、約3キロベース(kbs)~約200キロベース(kbs)、約3キロベース(kbs)~約250キロベース(kbs)、約4キロベース(kbs)~約5キロベース(kbs)、約4キロベース(kbs)~約10キロベース(kbs)、約4キロベース(kbs)~約20キロベース(kbs)、約4キロベース(kbs)~約50キロベース(kbs)、約4キロベース(kbs)~約100キロベース(kbs)、約4キロベース(kbs)~約150キロベース(kbs)、約4キロベース(kbs)~約200キロベース(kbs)、約4キロベース(kbs)~約250キロベース(kbs)、約5キロベース(kbs)~約10キロベース(kbs)、約5キロベース(kbs)~約20キロベース(kbs)、約5キロベース(kbs)~約50キロベース(kbs)、約5キロベース(kbs)~約100キロベース(kbs)、約5キロベース(kbs)~約150キロベース(kbs)、約5キロベース(kbs)~約200キロベース(kbs)、約5キロベース(kbs)~約250キロベース(kbs)、約10キロベース(kbs)~約20キロベース(kbs)、約10キロベース(kbs)~約50キロベース(kbs)、約10キロベース(kbs)~約100キロベース(kbs)、約10キロベース(kbs)~約150キロベース(kbs)、約10キロベース(kbs)~約200キロベース(kbs)、約10キロベース(kbs)~約250キロベース(kbs)、約20キロベース(kbs)~約50キロベース(kbs)、約20キロベース(kbs)~約100キロベース(kbs)、約20キロベース(kbs)~約150キロベース(kbs)、約20キロベース(kbs)~約200キロベース(kbs)、約20キロベース(kbs)~約250キロベース(kbs)、約50キロベース(kbs)~約100キロベース(kbs)、約50キロベース(kbs)~約150キロベース(kbs)、約50キロベース(kbs)~約200キロベース(kbs)、約50キロベース(kbs)~約250キロベース(kbs)、約100キロベース(kbs)~約150キロベース(kbs)、約100キロベース(kbs)~約200キロベース(kbs)、約100キロベース(kbs)~約250キロベース(kbs)、約150キロベース(kbs)~約200キロベース(kbs)、約150キロベース(kbs)~約250キロベース(kbs)、または約200キロベース(kbs)~約250キロベース(kbs)である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの長さは、約1キロベース(kb)、約2キロベース(kbs)、約3キロベース(kbs)、約4キロベース(kbs)、約5キロベース(kbs)、約10キロベース(kbs)、約20キロベース(kbs)、約50キロベース(kbs)、約100キロベース(kbs)、約150キロベース(kbs)、約200キロベース(kbs)、または約250キロベース(kbs)である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの長さは、少なくとも約1キロベース(kb)、約2キロベース(kbs)、約3キロベース(kbs)、約4キロベース(kbs)、約5キロベース(kbs、10キロベース(kbs)、約20キロベース(kbs)、約50キロベース(kbs)、約100キロベース(kbs)、約150キロベース(kbs)、約)、または約200キロベース(kbs)である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの長さは、最大で約2キロベース(kbs)、約3キロベース(kbs)、約4キロベース(kbs)、約5キロベース(kbs)、約10キロベース(kbs)、約20キロベース(kbs)、約50キロベース(kbs)、約100キロベース(kbs)、約150キロベース(kbs)、約200キロベース(kbs)、または約250キロベース(kbs)である。
【0284】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの長さは、約250キロベース(kbs)~約10,000キロベース(kbs)である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの長さは、約250キロベース(kbs)~約500キロベース(kbs)、約250キロベース(kbs)~約750キロベース(kbs)、約250キロベース(kbs)~約1,000キロベース(kbs)、約250キロベース(kbs)~約2,000キロベース(kbs)、約250キロベース(kbs)~約3,000キロベース(kbs)、約250キロベース(kbs)~約4,000キロベース(kbs)、約250キロベース(kbs)~約5,000キロベース(kbs)、約250キロベース(kbs)~約10,000キロベース(kbs)、約500キロベース(kbs)~約750キロベース(kbs)、約500キロベース(kbs)~約1,000キロベース(kbs)、約500キロベース(kbs)~約2,000キロベース(kbs)、約500キロベース(kbs)~約3,000キロベース(kbs)、約500キロベース(kbs)~約4,000キロベース(kbs)、約500キロベース(kbs)~約5,000キロベース(kbs)、約500キロベース(kbs)~約10,000キロベース(kbs)、約750キロベース(kbs)~約1,000キロベース(kbs)、約750キロベース(kbs)~約2,000キロベース(kbs)、約750キロベース(kbs)~約3,000キロベース(kbs)、約750キロベース(kbs)~約4,000キロベース(kbs)、約750キロベース(kbs)~約5,000キロベース(kbs)、約750キロベース(kbs)~約10,000キロベース(kbs)、約1,000キロベース(kbs)~約2,000キロベース(kbs)、約1,000キロベース(kbs)~約3,000キロベース(kbs)、約1,000キロベース(kbs)~約4,000キロベース(kbs)、約1,000キロベース(kbs)~約5,000キロベース(kbs)、約1,000キロベース(kbs)~約10,000キロベース(kbs)、約2,000キロベース(kbs)~約3,000キロベース(kbs)、約2,000キロベース(kbs)~約4,000キロベース(kbs)、約2,000キロベース(kbs)~約5,000キロベース(kbs)、約2,000キロベース(kbs)~約10,000キロベース(kbs)、約3,000キロベース(kbs)~約4,000キロベース(kbs)、約3,000キロベース(kbs)~約5,000キロベース(kbs)、約3,000キロベース(kbs)~約10,000キロベース(kbs)、約4,000キロベース(kbs)~約5,000キロベース(kbs)、約4,000キロベース(kbs)~約10,000キロベース(kbs)、または約5,000キロベース(kbs)~約10,000キロベース(kbs)である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの長さは、約250キロベース(kbs)、約500キロベース(kbs)、約750キロベース(kbs)、約1,000キロベース(kbs)、約2,000キロベース(kbs)、約3,000キロベース(kbs)、約4,000キロベース(kbs)、約5,000キロベース(kbs)、または約10,000キロベース(kbs)である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの長さは、少なくとも約250キロベース(kbs)、約500キロベース(kbs)、約750キロベース(kbs)、約1,000キロベース(kbs)、約2,000キロベースkbs)、約3,000キロベース(kbs)、約4,000キロベース(kbs)、または約5,000キロベース(kbs)である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドの長さは、最大で約500キロベース(kbs)、約750キロベース(kbs)、約1,000キロベース(kbs)、約2,000キロベースkbs)、約3,000キロベース(kbs)、約4,000キロベース(kbs)、約5,000キロベース(kbs)、または約10,000キロベース(kbs)である。
【0285】
本開示のいくつかの態様では、ポリヌクレオチドは、約2~約10,000,000の核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、約1核酸~約1,000核酸を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、約1核酸~約2核酸、約1核酸~約5核酸、約1核酸~約10核酸、約1核酸~約25核酸、約1核酸~約50核酸、約1核酸~約100核酸、約1核酸~約250核酸、約1核酸~約500核酸、約1核酸~約750核酸、約1核酸~約1,000核酸、約2核酸~約5核酸、約2核酸~約10核酸、約2核酸~約25核酸、約2核酸~約50核酸、約2核酸~約100核酸、約2核酸~約250核酸、約2核酸~約500核酸、約2核酸~約750核酸、約2核酸~約1,000核酸、約5核酸~約10核酸、約5核酸~約25核酸、約5核酸~約50核酸、約5核酸~約100核酸、約5核酸~約250核酸、約5核酸~約500核酸、約5核酸~約750核酸、約5核酸~約1,000核酸、約10核酸~約25核酸、約10核酸~約50核酸、約10核酸~約100核酸、約10核酸~約250核酸、約10核酸~約500核酸、約10核酸~約750核酸、約10核酸~約1,000核酸、約25核酸~約50核酸、約25核酸~約100核酸、約25核酸~約250核酸、約25核酸~約500核酸、約25核酸~約750核酸、約25核酸~約1,000核酸、約50核酸~約100核酸、約50核酸~約250核酸、約50核酸~約500核酸、約50核酸~約750核酸、約50核酸~約1,000核酸、約100核酸~約250核酸、約100核酸~約500核酸、約100核酸~約750核酸、約100核酸~約1,000核酸、約250核酸~約500核酸、約250核酸~約750核酸、約500核酸~約1,000核酸、約500核酸~約750核酸、約250核酸~約1,000核酸、または約750核酸~約1,000核酸を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、約1核酸、約2核酸、約5核酸、約10核酸、約25核酸、約50核酸、約100核酸、約250核酸、約500核酸、約750核酸、または約1,000核酸を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、少なくとも約1核酸、約2核酸、約5核酸、約10核酸、約25核酸、約50核酸、約100核酸、約250核酸、約500核酸、または約750核酸を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、最大で約2核酸、約5核酸、約10核酸、約25核酸、約50核酸、約100核酸、約250核酸、約500核酸、約750核酸、または約1,000核酸を含む。
【0286】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、約1,000核酸~約10,0000核酸を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、約1,000核酸~約2,000核酸、約1,000核酸~約5,000核酸、約1,000核酸~約7,500核酸、約1,000核酸~約10,000核酸、約1,000核酸~約20,000核酸、約1,000核酸~約50,000核酸、約1,000核酸~約75,000核酸、約1,000核酸~約10,0000核酸、約2,000核酸~約5,000核酸、約2,000核酸~約7,500核酸、約2,000核酸~約10,000核酸、約2,000核酸~約20,000核酸、約2,000核酸~約50,000核酸、約2,000核酸~約75,000核酸、約5,000核酸~約10,0000核酸、約5,000核酸~約7,500核酸、約2,000核酸~約10,000核酸、約5,000核酸~約20,000核酸、約5,000核酸~約50,000核酸、約5,000核酸~約75,000核酸、約5,000核酸~約10,0000核酸、約7,500核酸~約10,000核酸、約7,500核酸~約20,000核酸、約7,500核酸~約50,000核酸、約7,500核酸~約75,000核酸、約7,500核酸~約10,0000核酸、約10,000核酸~約20,000核酸、約10,000核酸~約50,000核酸、約10,000核酸~約75,000核酸、約20,000核酸~約10,0000核酸、約10,000核酸~約50,000核酸、約20,000核酸~約75,000核酸、約20,000核酸~約10,0000核酸、約50,000核酸~約75,000核酸、約50,000核酸~約10,0000核酸、または約75,000核酸~約10,0000核酸を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、でつの、約1,000核酸、約2,000核酸、約5,000核酸、約7,500核酸、約10,000核酸、約20,000核酸、約50,000核酸、約75,000核酸、または約10,0000核酸を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、少なくとも約1,000核酸、約2,000核酸、約5,000核酸、約7,500核酸、約10,000核酸、約20,000核酸、約50,000核酸、または約75,000核酸を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、最大で約2,000核酸、約5,000核酸、約7,500核酸、約10,000核酸、約20,000核酸、約50,000核酸、約75,000核酸、または約100,000核酸を含む。
【0287】
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、約100,000核酸~約10,000,000核酸を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、約100,000核酸~約200,000核酸、約100,000核酸~約750,000核酸、約100,000核酸~約1,000,000核酸、約100,000核酸~約2,000,000核酸、約100,000核酸~約5,000,000核酸、約100,000核酸~約7,500,000核酸、約100,000核酸~約10,000,000核酸、約200,000核酸~約750,000核酸、約200,000核酸~約1,000,000核酸、約200,000核酸~約2,000,000核酸、約200,000核酸~約5,000,000核酸、約200,000核酸~約7,500,000核酸、約200,000核酸~約10,000,000核酸、約750,000核酸~約1,000,000核酸、約750,000核酸~約5,000,000核酸、約750,000核酸~約5,000,000核酸、約750,000核酸~約7,500,000核酸、約750,000核酸~約10,000,000核酸、約1,000,000核酸~約2,000,000核酸、約1,000,000核酸~約5,000,000核酸、約1,000,000核酸~約7,500,000核酸、約1,000,000核酸~約10,000,000核酸、約2,000,000核酸~約5,000,000核酸、約2,000,000核酸~約7,500,000核酸、約2,000,000核酸~約10,000,000核酸、約5,000,000核酸~約7,500,000核酸、約5,000,000核酸~約10,000,000核酸、または約7,500,000核酸~約10,000,000核酸を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、約10,0000核酸、約200,000核酸、約750,000核酸、約1,000,000核酸、約2,000,000核酸、約5,000,000核酸、約7,500,000核酸、または約10,000,000核酸を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、少なくとも約100,000核酸、約200,000核酸、約750,000核酸、約1,000,000核酸、約2,000,000核酸、約5,000,000核酸、または約7,500,000核酸を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、最大で約200,000、核酸、約750,000核酸、約1,000,000核酸、約2,000,000核酸、約5,000,000核酸、約7,500,000核酸、または約10,000,000核酸を含む。
【0288】
いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に20分以下で生成される。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に15分以下で生成される。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に10分以下で生成される。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、5分以下~20分以下で生成される。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、約20分以下~約19分以下、約20分以下~約18分以下、約20分以下~約17分以下、約20分以下~約16分以下、約20分以下~約15分以下、約20分以下~約14分以下、約20分以下~約13分以下、約20分以下~約12分以下、約20分以下~約11分以下、約20分以下~約10分以下、約20分以下~約5分以下、約19分以下~約18分以下、約19分以下~約17分以下、約19分以下~約16分以下、約19分以下~約15分以下、約19分以下~約14分以下、約19分以下~約13分以下、約19分以下~約12分以下、約19分以下~約11分以下、約19分以下~約10分以下、約19分以下~約5分以下、約18分以下~約17分以下、約18分以下~約16分以下、約18分以下~約15分以下、約18分以下~約14分以下、約18分以下~約13分以下、約18分以下~約12分以下、約18分以下~約11分以下、約18分以下~約10分以下、約18分以下~約5分以下、約17分以下~約16分以下、約17分以下~約15分以下、約17分以下~約14分以下、約17分以下~約13分以下、約17分以下~約12分以下、約17分以下~約11分以下、約17分以下~約10分以下、約17分以下~約5分以下、約16分以下~約15分以下、約16分以下~約14分以下、約16分以下~約13分以下、約16分以下~約12分以下、約16分以下~約11分以下、約16分以下~約10分以下、約16分以下~約5分以下、約15分以下~約14分以下、約15分以下~約13分以下、約15分以下~約12分以下、約15分以下~約11分以下、約15分以下~約10分以下、約15分以下~約5分以下、約14分以下~約13分以下、約14分以下~約12分以下、約14分以下~約11分以下、約14分以下~約10分以下、約14分以下~約5分以下、約13分以下~約12分以下、約13分以下~約11分以下、約13分以下~約10分以下、約13分以下~約5分以下、約12分以下~約11分以下、約12分以下~約10分以下、約12分以下~約5分以下、約11分以下~約10分以下、約11分以下~約5分以下、または約10分以下~約5分以下で生成される。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、約20分以下、約19分以下、約18分以下、約17分以下、約16分以下、約15分以下、約14分以下、約13分以下、約12分以下、約11分以下、約10分以下、または約5分以下で生成される。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、少なくとも約20分以下、約19分以下、約18分以下、約17分以下、約16分以下、約15分以下、約14分以下、約13分以下、約12分以下、約11分以下、または約10分以下で生成される。いくつかの実施形態では、上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、最大で約19分以下約18分以下、約17分以下、約16分以下、約15分以下、約14分以下、約13分以下、約12分以下、約11分以下、約10分以下、または約5分以下で生成される。
【0289】
1、10、100、1,000、10,000、10,0000、1,000,000、またはそれ以上の反応を、単一のアレイまたは複数のアレイ上で並行して実行する場合がある。ポリヌクレオチド(例えば、DNA)配列を有する液滴を、磁気ビーズを使用して、精製およびサイズ選択することができる。精製されたDNA配列を、例えば、ギブソンアセンブリなどのDNAアセンブリ技術を使用して、コンビナトリアル方法で融合およびアセンブルすることができる。アセンブルされたポリヌクレオチド(例えば、DNA)は、エラーを含有していることがある。エラーを修正するために、アセンブルされたポリヌクレオチド(例えば、DNA)は、ミスマッチ結合タンパク質またはミスマッチ切断タンパク質(例えば、MμtS、T4エンドヌクレアーゼVII、またはT7エンドヌクレアーゼI)で処理され得る。
【0290】
酵素的プロセスを使用して、DNAを合成するためのアレイを、本明細書に記載されるように垂直または水平にスタックすることができる。スタックは、クラウドサーバインフラストラクチャに接続されてもよい。例えば、ユーザが、例えばDNA、遺伝子プール、RNA、ガイドRNA、または他のバイオポリマーの配列を入手する場合、ユーザは、クラウドインフラストラクチャに直接接続するコンピュータ上のダッシュボードとインタクトすることができる。合成のための入力配列を提出すると、アレイの有限セットは要求に応じてインスタンス化され得る。アレイの数は、例えば、1~数十億とすることができる。アレイがインスタンス化されると、合成プロセス全体が自律的に実行され得る。
【0291】
試料定量化
アレイ上の核酸(例えば、DNA)の光学ベースの(例えば、蛍光)検出は、例えば、インターカレート蛍光色素(例えば、SYBR Green)を使用することによって実装され得る。蛍光ベースの測定を行うために、アレイの別の部分から試料検出ゾーン(5710)内に試料を配置することができる。試料検出ゾーンは、光学的に透明な経路(例えば、透光性である、または表面に穴)であってもよい。励起源、励起フィルター、ミラー、放出フィルター、検出センサ、またはそれらの任意の組み合わせは、光が励起し、光学的に透明な経路を通って戻ることを可能にするように、試料より下に位置付けられ得る。
【0292】
例えば、サイズ選択ユニットは、蛍光ベースの検出ゾーンに先行してもよい。サイズに基づく分離ユニットは、電気泳動またはキャピラリー電気泳動を用いて、核酸断片をそれらのサイズに基づいて分離することができる。サイズ分離された試料は、試料の蛍光信号分布が試料のサイズ分布を示し得る検出ゾーンを通過させることができる。試料の全蛍光を使用して、試料中の全核酸の濃度を定量化することができる。
【0293】
核酸シーケンサーは、マクサム・ギルバート・シーケンサーまたはサンガー・シーケンサーであり得る。生体タンパク質チャネルは、生物学的ナノポアであり得る。生体タンパク質チャネルは溶血素またはMspAポリンであり得る。固体ナノポアは、窒化ケイ素またはグラフェンであってもよい。タンパク質シーケンサーは、質量分析計、単分子シーケンサー、またはエドマン分解シーケンサーであり得る。核酸配列決定は、合成による配列決定、パイロ配列決定、ハイブリダイゼーションによる配列決定、ライゲーションによる配列決定、DNAの重合中に放出されるイオンの検出による配列決定、単分子配列決定、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。単分子配列決定は、ナノポア配列決定であり得る。単分子配列決定は、単分子リアルタイム(SMRT)配列決定であり得る。
【0294】
いくつかの実施形態では、核酸および/またはタンパク質配列決定/同定アッセイは、本明細書に記載のEWODシステム、デバイス、および/またはアレイに組み込むことができる。いくつかの実施形態では、ナノポアセンサは、生体分子感知および配列決定を行うために、本明細書に説明されるEWODシステム、デバイス、および/またはアレイに統合されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるEWODシステム、デバイス、および/またはアレイならびにナノポアセンサは全て、モノリシックシリコーン内に加工されることができる。いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるEWODシステム、デバイス、および/またはアレイは、標準的な電子機器製造の実践(例えば、本明細書で説明されるような)によって製造することができ、およびナノポアセンサは、シリコーン加工を用いて製造され、本明細書で説明されるEWODシステム、デバイス、および/またはアレイに隣接して載置されるか、またはそれに結合され得る。いくつかの実施形態では、ナノポアセンサは、感知のためのタンパク質ベースの細孔を含有してもよく、または全体として固体状態であってもよい。
【0295】
いくつかの実施形態では、ナノポアは、液滴と同じ平面上で、本明細書に記載されるEWODシステム、デバイス、および/またはアレイに組み込まれてもよい。いくつかの実施形態では、ナノポアは、エレクトロウェッティング表面/アレイの上方、下方、または側方に位置してもよい。本明細書で説明されるEWODシステム、デバイス、および/またはアレイは、それを通して生体試料を含有する液滴がナノポアセンサに移送される穴を有してもよい。
【0296】
本開示のこの態様の実施形態を図23に例示する。
【0297】
音響トランスデューサは、亜音速、超音波、またはそれらの組み合わせであり得る。音響トランスデューサは、音響結合媒体によってアレイにつながれ得る。音響結合媒体は、固体または液体であり得る。MEMSトランスデューサは、力、圧力、または温度を測定することができる。液体ディスペンサーとしての毛細管は、直径約2ミリメートル(mm)、直径1.5mm、直径1mm、直径0.5mm、直径0.25mm、またはそれ以下であり得る。アレイには、1、2、3、4、5、10、50、100、またはそれ以上の毛細管が存在し得る。重力を使用して液体を分注または移送するための穴は、穴の疎水性を増加または減少させるために異なる材料で処理され得る。アレイには、1、2、3、4、5、10、50、100、またはそれ以上の穴が存在し得る。穴は、直径が少なくとも約100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、1,000μm、1,100μm、1,200μm、1,300μm、1,400μm、1,500μm、1,600μm、1,700μm、1,800μm、1,900μm、2,000μm、またはそれ以上であり得る。穴は、直径が最大で約2,000μm、1,900μm、1,800μm、1,700μm、1,600μm、1,500μm、1,400μm、1,300μm、1,200μm、1,000μm、900μm、800μm、700μm、600μm、500μm、400μm、300μm、200μm、100μm、またはそれ以下であり得る。穴は、直径が100μm~500μmであり得る。液体を分注または移送するための穴内の電極は、エレクトロウェッティング効果を使用することがある。穴は、光学検査用であり得る。穴は、本明細書に記載されるサイズのものであり得る。液体が膜を介して相互作用するための穴は、本明細書に記載の材料の膜を有し得る。穴は、電場、空気圧、光学検査を使用した液体の分注または移送の任意の組み合わせに使用でき、液体が膜を介して相互作用することを可能にする。
【0298】
アレイは、液体取扱ユニットとインターフェースしてもよく、上記液体取扱ユニットは、上記アレイに隣接する複数の液滴を方向付け得る。液体取扱ユニットは、ロボット液体取扱システム、音響液体ディスペンサー、シリンジポンプ、インクジェットノズル、マイクロ流体デバイス、針、ダイヤフラムベースのポンプディスペンサー、圧電ポンプ、および他の液体ディスペンサーからなる群から選択され得る。ロボット液体取扱システムは、固定の液体分配プラットフォームであってもよく、またはマッピング液体分配のために電動式であってもよい。ロボット液体取扱システムは、液体を分注するための1つ以上の先端を有し得る。音響液体ディスペンサーは、1ナノリットル(nL)未満の液体体積を分注する場合がある。音響液体ディスペンサーは、液体貯蔵のための約1~1600ウェルを有し得る。シリンジポンプは、1~10またはそれ以上のシリンジを並行して取り扱うように構成され得る。シリンジポンプは、1mL未満~50mLまたはそれ以上の容量のシリンジを使用してもよい。インクジェットノズルは、固定ヘッドまたは使い捨てヘッドノズルであってもよい。インクジェットノズルは、約1ノズル~10ノズルまたはそれ以上のノズルのアレイを含み得る。インクジェットノズルは、圧電気アクチュエータまたは熱液滴生成によって駆動され得る。マイクロ流体デバイスは、1~1,000チャネルまたはそれ以上に及ぶマイクロ流体チャネルのアレイを含み得る。マイクロ流体デバイスは、液体が液滴に分注される前に、反応を開始するために使用され得る。針は、サイズが7ゲージ未満~24ゲージまたはそれ以上に及ぶ。ニードルは、1ニードル~100ニードルまたはそれ以上の数のニードルを有するアレイを含み得る。ダイヤフラムポンプは、ゴム、熱可塑性物質、フッ素化ポリマー、別のプラスチック、またはそれらの任意の組み合わせから作製されるダイヤフラムを有してもよい。
【0299】
アレイは、試薬格納ユニット、試料格納ユニット、複数の試薬格納ユニット、複数の試料格納ユニット、またはそれらの任意の組み合わせに連結され得る。 試薬格納ユニット、試料格納ユニット、複数の試薬格納ユニット、複数の試料格納ユニット、またはそれらの任意の組み合わせは、少なくとも1つのマルチウェルプレート、チューブ、ボトル、リザーバ、インクジェットカートリッジ、プレート、ペトリ皿、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。マルチウェルプレートは、少なくとも約2、6、12、24、48、96、384、1536、3456、9600、またはそれ以上のウェルを含み得る。チューブは、エッペンドルフチューブまたはファルコンチューブから選択され得る。ボトルは、ガラス、ポリカーボネート、ポリエチレン、またはボトル内に貯蔵され得るものに適合する別の材料から作製され得る。ボトルは、約10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、200mL、300mL、400mL、500mL、600mL、700mL、800mL、900mL、1L、2L、3L、4L、5L、またはそれ以上の容量を有し得る。ボトルは複製可能であり得る。リザーバは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)溶媒リザーバであり得る。リザーバは、ガラス、ポリカーボネート、ポリエチレン、またはリザーバ内に貯蔵され得るものに適合する別の材料から作製されてもよい。リザーバは、約10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、200mL、300mL、400mL、500mL、600mL、700mL、800mL、900mL、1L、2L、3L、4L、5L、6L、7L、8L、9L、10L、15L、20L、25L、30L、35L、40L、45L、50Lより大きい容量、またはそれ以上の容量を有し得る。インクジェットカートリッジは、市販されているか、アレイ用に特別に作製されているか、またはこれらの組み合わせであってもよい。インクジェットカートリッジは、熱的方法、圧電的方法、またはそれらの組み合わせによって液体を分注してもよい。インクジェットカートリッジは、再充填可能、使い捨てであってもよく、または再充填可能な構成要素と使い捨ての構成要素の両方を有してもよい。インクジェットカートリッジは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の異なる液体を含有してもよい。プレートは、細胞増殖のための培地であり得る。細胞増殖のための培地は寒天であってもよい。寒天は、細胞増殖の促進のための栄養素を有し得る。細胞増殖の促進のための栄養素は、血液、血液由来、糖、他の必須栄養素、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。ペトリ皿はプレートを組み込んでもよい。ペトリ皿は裸であってもよい。ペトリ皿は、ガラス、プラスチック、またはそれらの組み合わせから作製されてもよい。ペトリ皿は、複製生物検出および計数(RODAC)プレートであり得る。マルチウエルプレートの複数のウェルは、熱伝導性、電子受容性、またはこれらの組み合わせであってもよい。試薬または試料は、電場、磁場、音響波、熱、圧力、振動、液体取扱いユニット、またはそれらの組み合わせによって、ウェルの中または外で操作され得る。
【0300】
アレイはコーティングを含んでもよい。コーティングは疎水性コーティングであってもよい。コーティングは親水性コーティングであってもよい。コーティングは、疎水性および親水性コーティングの両方を含んでもよい。コーティングは、洗浄によって洗浄されてもよい。コーティングは、蒸発を減少させ得る。コーティングは、蒸発を10%~100%減少させ得る。コーティングは、蒸発を50%~100%減少させ得る。コーティングは、生物接着を減少させ得る。コーティングは、生物付着を10%~100%減少させ得る。コーティングは、生物付着に耐性があり得る。コーティングは、生物付着防止であり得る。疎水性コーティングは、フルオロポリマー、ポリエチレン、またはポリスチレンであり得る。疎水性コーティングはまた、脂肪酸、多環芳香族化合物などの分子による表面の修飾であり得る。例えば、オレイン酸は、表面に結合して、表面の疎水性を高める炭素鎖を提示する場合がある。親水性コーティングは、ポリ・ビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどの親水性ポリマーであり得る。疎水性コーティングと親水性コーティングの両方を含むコーティングは、上記の親水性ポリマーと疎水性ポリマーの組み合わせであり得るか、または親水性と疎水性の両方の特性を有するポリマー、例えば、コポリマーであり得る。
【0301】
コーティングは、洗浄によって容易に清潔にされ得る。そのようなコーティングは、それらの試料の容易な除去を可能にするために、その上に置かれた試料に対して滑りやすい場合がある。液滴は、液滴内から液滴の外部の環境への、その環境から液滴内への、またはそれらの任意の組み合わせの材料の蒸発を防止または低減するためのコーティングを含み得る。そのようなコーティングは、液滴内からの内容物の蒸発を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上減少させ得る。コーティングは、ポリマーコーティング(例えば、ポリエチレングリコール)であり得る。コーティングは、液滴のまわりの皮として形成され得る。コーティングは、例えば、液滴を、ポリマー材料(例えば、ポリマーまたはポリマー前駆体)を含む流体と接触させることによって生成され得る。ポリマー材料が水滴と接触するとき、流体が水中に拡散して、重合または架橋が誘導され得る。
【0302】
コーティングは、殺生物性または非毒性であることによって、生物付着または望ましくない生物種の蓄積を低減することができる。殺生物性コーティングの例は、トリブチルスズまたは他の殺生物剤などの生物学的システムに対して毒性のある部分を含むコーティングであり得る。非毒性コーティングの例には、フルオロポリマーまたはポリジメチルシロキサンなどの生物種の付着が減少されるコーティングが含まれ得る。そのようなコーティングは、抗生物付着性であり得る。
【0303】
変動係数は、15%、10%、5%、または1%未満であり得る。例えば、液滴サイズの1%の変動係数は、多数の液滴に対して実行される同じ一連のプロセスで、液滴サイズの変化の標準偏差を液滴サイズの平均減少で割った値が1%になることを意味する。
【0304】
複数の生体試料の処理は、核酸配列決定を含み得る。核酸配列決定は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含み得る。PCRは、高度に多重化されたPCR、定量PCR、液滴デジタルPCR、逆転写酵素PCR、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。高度に多重化されたPCRは、単一または多数の鋳型PCR反応であり得る。定量PCRは、SybrグリーンまたはTaqManプローブなど、リアルタイムでPCR産物を示すための様々なメーカーを使用することができる。液滴デジタルPCRは、1マイクロリットル未満から50マイクロリットルを超える初期液滴を使用することができ、油水エマルジョン技術を介してそれらの液滴を、10,000を超える液滴に分離することができる。逆転写酵素PCRは、1工程または2工程であり得る(つまり、1つの液滴のみまたは複数の液滴を完了する必要がある場合がある)。逆転写酵素PCRは、蛍光測定を使用して行うことができる、産物のエンドポイントまたはリアルタイムの定量化を利用することができる。
【0305】
複数の生体試料の処理は、ゲノム配列決定のための試料調製を含み得る。ゲノム配列決定の調製には、宿主細胞、無細胞DNA、またはそれらの任意の組み合わせからDNAを除去することが含まれ得る。ゲノム配列決定の調製には、配列決定に十分なDNAを提供するための増幅が含まれ得る。ゲノム配列決定の調製は、DNAの酵素的断片化、DNAの機械的断片化、またはそれらの任意の組み合わせを利用し得る。
【0306】
複数の生体試料の処理は、遺伝子のコンビナトリアルアセンブリを含み得る。遺伝子のコンビナトリアルアセンブリは、Gibson Assembly、制限酵素クローニング、gBlocksフラグメントアセンブリ(IDT)、BioBricksアセンブリ、NEBuilder HiFi DNAアセンブリ、Golden Gateアセンブリ、部位特異的変異導入、配列およびリガーゼ非依存的クローニング(SLIC)、環状ポリメラーゼ伸長クローニング(CPEC)、およびシームレスライゲーションクローニング抽出物(SLiCE)、トポイソメラーゼ媒介性ライゲーション、相同組換え、Gatewayクローニング、GeneArt遺伝子合成、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0307】
複数の生体試料の処理は、無細胞タンパク質の発現を含み得る。無細胞タンパク質の発現は、毒性タンパク質を発現するために使用され得る。無細胞タンパク質の発現は、非天然アミノ酸を取り込むために使用され得る。無細胞タンパク質の発現は、エネルギー源として、ホスホエノールピルバート、アセチルホスフェート、クレアチンホスフェート、またはそれらの任意の組み合わせを利用することができる。無細胞タンパク質の発現は、周囲温度、周囲温度より低い温度(例えば、0℃)、周囲温度より高い温度(例えば、60℃)、またはそれらの任意の組み合わせで行われ得る。
【0308】
複数の生体試料の処理は、プラスミドDNA抽出のための調製を含み得る。プラスミドDNA抽出のための調製は、溶解された細胞溶液からDNAを沈殿させることを含み得る。プラスミドDNA抽出のための調製は、スピンカラムベースの分離技術を使用することを含み得る。プラスミドDNA抽出のための調製は、フェノール-クロロホルム抽出を含み得る。
【0309】
複数の生体試料の処理は、リボソーム、ミトコンドリア、小胞体、ゴルジ体、リソソーム、ペルオキシソーム、中心小体、またはそれらの任意の組み合わせを抽出することを含み得る。リボソーム、ミトコンドリア、小胞体、ゴルジ体、リソソーム、ペルオキシソーム、中心小体、またはそれらの任意の組み合わせは、無傷のままであり得る。
【0310】
複数の生体試料の処理は、細胞からの核酸の抽出を含み得る。細胞からの核酸の抽出は、核酸の長い鎖を抽出することをさらに含み得、ここで、核酸の長い鎖は完全に無傷のままである。核酸の長い鎖は、少なくとも10,100、1,000、10,000、10,0000、1,000,000、またはそれ以上の塩基対長であり得る。核酸の抽出は、オクチルグルコシド、ドデシル硫酸ナトリウム、またはオクチルフェノールエトキシレートなどの界面活性物質および界面活性剤の添加による細胞の溶解を含み得る。核酸の抽出は、超遠心分離を含む遠心分離を含み得る。
【0311】
複数の生体試料の処理は、質量分析法のための試料の調製を含み得る。質量分析法のための試料の調製は、細胞溶解、消化、タンパク質増幅、DNA増幅、または他の標準的な試料の調製を含み得る。質量分析法のための試料の調製は、エレクトロスプレイイオン化(ESI)基板への試料の適用、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)マトリックス中への取り込み、またはイオン化のための他の調製を含み得る。質量分析法は、イオントラップ、四重極、および他の検出方法を含み得る。質量分析計の入口は、少なくとも1つの液滴に直接つながれ得る。質量分析計の入口は、1つ以上の液滴に隣接し得る。質量分析法のための試料は、ピペッティングによって質量分析計の入口に移送され得る。
【0312】
複数の生体試料の処理は、核酸配列決定のための試料の抽出およびライブラリ調製を含み得る。核酸配列決定は、合成による配列決定、パイロシークエンシング、ハイブリダイゼーションによる配列決定、ライゲーションによる配列決定、DNAの重合中に放出されたイオンの検出による配列決定、一分子配列決定、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。一分子配列決定は、ナノポア配列決定であり得る。一分子配列決定は、単一分子リアルタイム(SMRT)配列決定であり得る。
【0313】
複数の生体試料の処理は、オリゴヌクレオチド合成、酵素的合成、またはそれらの任意の組み合わせを使用するDNA合成を含み得る。オリゴヌクレオチド合成は、固体状態であり得るか、液相であり得るか、溶液中で実施され得るか、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。オリゴヌクレオチド合成は、少なくとも2、5、10、20、30、40、50、100、200、300、400、500、またはそれ以上のヌクレオチドであり得るオリゴヌクレオチドを生成することができる。酵素的合成は、ポリメラーゼ、トランスフェラーゼ、他の酵素、またはそれらの任意の組み合わせを使用し得る。
【0314】
複数の生体試料の処理は、DNAデータの保存、保存されたDNAのランダムアクセス、およびDNA配列決定によるDNAデータの検索を含み得る。DNAデータ保存は、約10、50、100、150、200、250、500、1,000、5,000、10,000、10,0000、1,000,000、またはそれ以上の塩基対を有するDNA鎖を利用し得る。DNA配列決定は、少なくとも1つのPCR反応、マクサム・ギルバート・シーケンサー、サンガー・シーケンサー、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。核酸配列決定は、合成による配列決定、パイロシークエンシング、ハイブリダイゼーションによる配列決定、ライゲーションによる配列決定、DNAの重合中に放出されたイオンの検出による配列決定、一分子配列決定、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。一分子配列決定は、ナノポア配列決定であり得る。一分子配列決定は、単一分子リアルタイム(SMRT)配列決定であり得る。
【0315】
複数の生体試料の処理は、シーケンサーに直接統合された核酸抽出および試料調製を含み得る。核酸抽出および試料調製は、アレイ上で直接実施され得る。核酸抽出および試料調製は、アレイに隣接して実施され得る。シーケンサーは、アレイに隣接し得る。シーケンサーは、アレイにつながれ得る。シーケンサーは、アレイ上に直接あってもよい。
【0316】
複数の生体試料の処理は、CRISPRゲノム編集を含み得る。編集は、Cas9タンパク質、Cpf1エンドヌクレアーゼ、crRNA、tracrRNA、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。修復DNA鋳型は、編集プロセス中に使用され得る。修復DNA鋳型は、一本鎖オリゴヌクレオチド、二本鎖オリゴヌクレオチド、または二本鎖DNAプラスミドであり得る。
【0317】
複数の生体試料の処理は、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)ゲノム編集を含み得る。複数の生体試料の処理は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ遺伝子編集を含み得る。
【0318】
複数の生体試料の処理は、少なくとも1つのハイスループットプロセスを含み得る。ハイスループットプロセスは、入力を必要としないように自動化され得る。ハイスループットプロセスは、本明細書に記載されている試料タイプの少なくとも1つに適用されるアッセイまたは特徴付け方法の少なくとも1つを含み得る。
【0319】
複数の生体試料の処理は、複数の細胞に対する複数の化合物のスクリーニングを含み得る。化合物は、1つ以上の化合物であり得る。化合物は、生物学的効果を示し得る。生物学的効果は、細胞増殖の促進または阻害、開始または終了する細胞プロセスの信号伝達、細胞分裂の誘導などであり得る。
【0320】
化合物は抗菌性であり得る。抗菌化学物質は、少なくとも5%から99%を越えるまで細菌の増殖を阻害することができる。抗菌化学物質は、細菌を死滅させることができる。
【0321】
化合物は、生物学的活性のためにスクリーニングされ得る。化合物は、生物学的活性を決定するためにアレイのセンサを使用することができる。例えば、蛍光検出器のアレイを使用して、目的の化合物に曝露された生体試料中の蛍光タンパク質の相対量を決定することができる。同様に、例えば、顕微鏡を使用して、化合物への曝露後の細胞種の総数をアッセイすることができる。化合物は単離され得る。単離は、遠心分離、ピペッティングまたは別の液体移送技術による移送、沈殿、クロマトグラフィー技術(例えば、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィーなど)、蒸留、凍結乾燥、または再結晶化を含み得る。生物学的活性のためのスクリーンは、少なくとも1つの液滴中の少なくとも1つの生体試料を少なくとも1つの化学物質と混合することを含み得る。
【0322】
細胞は細菌細胞であり得る。細菌細胞は、疾患の原因となり得る。細菌細胞は、抗生物質に耐性があり得る。細菌細胞は、遺伝子組換えされている場合がある。
【0323】
細胞は真核細胞であり得る。真核細胞は、単細胞生物(例えば、原生動物、藻類)、珪藻、真菌細胞、昆虫細胞、動物細胞、哺乳動物細胞、またはヒト細胞であり得る。真核細胞は、単細胞生物(例えば、原生動物、藻類)、珪藻、真菌、昆虫、動物、哺乳動物、またはヒトに由来し得る。真核細胞は、より大きな組織または臓器に由来し得る。真核細胞は、遺伝子組換えされ得る。真核細胞は、疾患を有している疑いがあり得るか、または有し得る。
【0324】
細胞は原核細胞であり得る。原核細胞は、遺伝子組換えされ得る。
【0325】
複数の生体試料の処理は、細胞を培養することを含み得、それによって培養細胞を生成する。細胞の培養は、個別の液滴で生じ得る。細胞の培養は、個別の物理的な区画で生じ得る。細胞の培養は、自主的に(必要とされた入力なしで)行われ得る。細胞の培養は、固体、液体、または半固体の培地で実施され得る。細胞の培養は、2次元または3次元で生じ得る。細胞の培養は、周囲条件または非周囲条件(例えば、高温、低圧など)の下で行われ得る。個別の物理的な区画は、個別のエレクトロウェッティングチップであり得る。
【0326】
培養細胞の間、または培養細胞と少なくとも1つの生体試料との間の相互作用が決定され得る。培養細胞の2つ以上の試料の相互作用は、混合することによって決定され得る。少なくとも1つの生体試料の相互作用および培養細胞は、混合するか、培養細胞を生体試料に直接適用するか、または生体試料を培養細胞に直接適用することによって決定され得る。培養細胞の適用には、目的の試料上に、液体の細胞培養物を移すか、または固体の細胞培養物を置くことが含まれ得る。
【0327】
培養細胞は、本明細書に記載される1つのアレイ、または複数のアレイ上で分析され得る。
【0328】
培養細胞は、培養物から単離され得る。単離は、遠心分離、ピペッティングまたは別の液体移送技術による移送、沈殿、培養物からの細胞の掻き取り、またはクロマトグラフィー技術(例えば、細胞クロマトグラフィー)を含み得る。単離細胞は、外部容器に移され得る。外部容器は、生体分子スクリーニング協会(society for biomolecular screening)(SBS)のフォーマットプレート、ペトリ皿、ボトル、ボックス、別の培地などであり得る。
【0329】
単離細胞は、核酸配列決定のために調製され得る。
【0330】
単離細胞は、タンパク質分析のために調製され得る。タンパク質分析は、アミノ酸分析、サイズ分析、吸収分析、ケルダール法、デュマ法、ウエスタンブロット分析、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析、液体クロマトグラフィー-質量分析(LC/MS)分析、または酵素結合免疫吸着分析(ELISA)分析であり得る。
【0331】
単離細胞は、メタボローム解析のために調製され得る。メタボローム解析は、水性代謝物プロファイリング、脂質代謝物プロファイリング、核磁気共鳴分光法(NMR)分析、または質量分光分析であり得る。
【0332】
アレイは、複数の凍結乾燥された試薬、乾燥した試薬、保存されたビーズ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。複数の凍結乾燥された試薬、乾燥した試薬、保存されたビーズ、またはそれらの任意の組み合わせは、再構成され得る。凍結乾燥された試薬は、タンパク質、細菌、微生物、ワクチン、医薬品、分子バーコード、オリゴヌクレオチド、プライマー、ハイブリダイゼーションのためのDNA配列、酵素(例えば、グルコシダーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、DNAポリメラーゼなど)、および脱水された化学物質を含み得る。乾燥した試薬は、化学粉末(例えば、塩、金属酸化物など)、生物学的に誘導された化学物質、乾燥緩衝化学物質、他の生物活性化学物質などを含み得る。保存されたビーズは、磁気ビーズ、細菌、酵素、オリゴヌクレオチド、またはモレキュラーシーブを保存するためのビーズであり得る。分子バーコードは、少なくとも5、10、20、30、40、50、60、またはそれ以上の塩基対を有するDNA断片であり得る。オリゴヌクレオチドは、少なくとも2、5、10、20、30、40、50、100、200、300、400、500、またはそれ以上のヌクレオチドであり得る。プライマーは、DNAまたはRNAであり得る。ハイブリダイゼーションのためのDNA配列は、ヌクレオチド順序の小さな違いを検出するために使用され得る。DNA配列は、ミスマッチ検出タンパク質と共に使用されてもよい。
【0333】
液滴、複数の液滴、それらの誘導体、またはそれらの任意の組み合わせは、凍結乾燥された試薬、乾燥した試薬、保存されたビーズ、またはそれらの任意の組み合わせを再構成するために使用され得る。上記再構成は、凍結乾燥された試薬、乾燥した試薬、保存されたビーズ、またはそれらの任意の組み合わせの、コロイドを可溶化するか、懸濁するか、または形成し得る。試薬は、アレイの構成要素にあらかじめ製造することができる。
【0334】
いくつかの実施形態では、上記複数の液滴は、第3の試薬を含む、第3の液滴を含む。
【0335】
アレイは、固体、液体、気体、またはそれらの任意の組み合わせとして、複数の試薬を保存することができる。アレイは、保存された試薬を凝縮、昇華、解凍、蒸発、またはそれらの任意の組み合わせを行うことができる。試薬は、試薬は、圧縮ガス(例えば、空気、アルゴン、窒素、酸素、二酸化炭素など)、溶媒(例えば、水、ジメチルスルホキシド、アセトン、エタノールなど)、洗浄剤(例えば、エタノール、 SDS、液体石鹸など)、または溶液(例えば、緩衝液、液体に溶解した化学物質など)であり得る。保存された試薬の物理的な状態の変換を実行するアレイの例では、固体二酸化炭素(ドライアイス)を昇華させて、冷たい二酸化炭素ガスを液滴に提供することができる。別の例は、アレイが水を沸騰させて、蒸気を液滴に導入するか、またはアレイを洗浄することができる。
【0336】
アレイは、複数の液体を分注する場合がある。アレイは、マイクロ流体デバイス、ダイヤフラムポンプ、ノズル、圧電ポンプ、針、チューブ、音響ディスペンサー、毛細管、またはそれらの任意の組み合わせなどを用いて、例えば、ピペッティング、凝縮、デカンテーション、またはそれらの任意の組み合わせなど、種々の方法を使用して、複数の液体を分注してもよい。複数の液体は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、500、1,000、またはそれ以上の液体であってもよい。
【0337】
アレイは、複数の液体を混合することができる。混合は、撹拌、超音波処理、振動、ガス流、バブリング、振盪、旋回、およびエレクトロウェッティング力によって実行され得る。複数の液体は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、500、1,000、またはそれ以上の液体であり得る。液体は、少なくとも1つの液滴の形態であり得る。少なくとも1つの液滴は、エレクトロウェッティングアレイ上にあり得る。
【0338】
複数の生体試料の処理は、自動化されてもよい(例えば、ユーザ入力なしで実行できるようにする)。自動化は、実行するためのプログラムを使用する場合がある。プログラムは、機械学習アルゴリズムであり得る。プログラムは、ニューラルネットワークを利用し得る。自動化は、デバイスによって制御され得る。デバイスは、コンピュータ、タブレット、スマートフォン、またはコードを実行することができる他のデバイスであり得る。自動化は、処理を実施するためにアレイ(例えば、センサ、リキッドハンドリングデバイスなど)の1つ以上の構成要素とインターフェースことができる。いくつかの実施形態では、自動化は、アレイ上の液滴のサイズを追跡するカメラを使用することができる。コンピュータビジョン・プログラムによって決定されるように、液滴が蒸発により十分な体積を失った時、自動化は、プリプログラムされた体積を維持するために、正確な量の液体を液滴に分注するように液体処理ユニットに命じる。この実施形態では、開放型構成は、液滴のより容易な観察を可能にすることができる。自動化プログラムはまた、機械学習分類器を使用して、エラーを示し得る非定型事象についてアッセイを監視する自己診断式であってもよい。機械学習アルゴリズムはまた、自動化されたアッセイの性能を改善するために使用され得る。機械学習データは、アッセイ開発を改善し得る制御アルゴリズムの変化を示唆するように、コンパイルおよび分析され得る。
【0339】
アレイは、再使用可能であり得る。アレイは、交換可能な表面を有し得る。アレイは、交換可能なフィルムを有し得る。アレイは、交換可能なカートリッジを有し得る。交換可能なカートリッジは、フィルムを含み得る。コーティングはアレイに取り付けられ得る。フィルムは、真空を使用してアレイに固定され得る。フィルムは、接着剤を使用してアレイにつながれ得る。接着剤は、非反応性、感圧性、接触反応性、熱反応性(例えば、嫌気性、複剤(multi-part)(例えば、ポリエステル、ポリオール、アクリルなど)、予混合、凍結、単剤(one-part))、天然、合成、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。接着剤は、噴霧、ブラッシング、ローリングによって、または、フィルムあるいはアプリケーターによって適用され得る。接着剤は、限定されないが、シリコーン、アクリル、エポキシ、ポリウレタン、デンプン、シアノアクリレート、ポリイミド、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。アレイは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、500、1,000、またはそれ以上の回数、再利用され得る。交換可能な表面は、アレイへの取り外しと再取り付けが簡単であり得る。複製可能な表面は、液体の層であり得る。液体は油であり得る。交換可能なフィルムは、ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリジメチルシロキサンなど)であることがある。交換可能なフィルムは、1ナノメートルから1ミリメートルまでの厚さであり得る。交換可能なカートリッジは、新しいエレクトロウェッティングチップを含み得る。交換可能なカートリッジは、エレクトロウェッティングチップの電極上に置かれる、新しい表面を含み得る。
【0340】
アレイは洗浄され得る。アレイは、完全に洗浄され得る。アレイは、部分的に洗浄され得る。アレイは、試薬分注アレイに保存された材料を使用して洗浄され得る。アレイは、固形洗浄剤(例えば、粉末石鹸、固体の抗菌剤など)、液体の洗浄剤(例えば、液状石鹸、エタノールなど)、またはガス状の洗浄剤(例えば、蒸気)を使用して洗浄され得る。アレイの約1%~100%は洗浄可能であり得る。
【0341】
アレイは使い捨てであってもよい。使い捨てアレイは、試料アセンブリ全体を含み得る。使い捨てアレイは、エレクトロウェッティングチップの表面を含み得る。使い捨てアレイは、容易に取り外すことができる。
【0342】
アレイの生体分子の体積は、混合物として操作され得る。生体分子の体積は、複数の核酸、タンパク質配列、またはそれらの組み合わせを含み得る。複数の核酸、タンパク質配列、またはそれらの組み合わせは、アレイの別の構成要素による混合物への物理的接触なしに、局所的な表面電荷の調節によって操作され得る。例えば、エレクトロウェッティングチップは、液滴の表面の湿潤特性を変更することによって、多くの核酸を含む液滴を移動させるために使用され得る。これにより、液滴はアレイの別の構成要素から接触することなく移動することができる。混合物は、液滴内にある場合がある。液滴は、少なくとも1ピコリットル(pL)、10pL、100pL、1ナノリットル(nL)pL、10nL、100nL、1μL、10μL、100μL、1ミリリットル(mL)、10mL以上の体積を含み得る。混合物は、DNAリガーゼ活性を有するタンパク質を含み得る。混合物は、DNAトランスポゼース活性を有するタンパク質を含み得る。DNAリガーゼ活性を有するタンパク質は、ウイルス(例えば、T4)、細菌(例えば、大腸菌)、または哺乳動物(例えば、ヒトDNAリガーゼ1)に由来し得る。DNAトランスポゼース活性を有するタンパク質は、細菌(例えば、Tn5)または哺乳動物(例えば、sleeping beauty(SB)トランスポゼース)に由来し得る。アッセイの生体分子の体積は、少なくとも1mmの混合物の横方向の地理空間的な移動により操作され得る。アッセイの生体分子の体積は、コマンドのあらかじめ定められているか、またはプリプログラムされたセットによって操作され得る。コマンドは、アレイの特定の位置に関する場合がある。
【0343】
アレイは、鎖置換増幅反応、自立配列複製および増幅反応、またはQ3レプリカーゼ増幅反応を実施するための試薬を含み得る。鎖置換増幅反応を実施するための試薬は、Bst DNAポリメラーゼ、cas9、またはタンパク質に刻み目をつける別のヘミホスホロチオエート型ニッキングタンパク質(hemiphosphorothioate form nicking protein)であり得る。自立配列複製および増幅反応の試薬は、トリ骨髄芽球症ウイルス(AMV)逆転写酵素(RT)、大腸菌RNase H、T7 RNAポリメラーゼ、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。Q3レプリカーゼ増幅反応のための試薬は、Q3バクテリオファージ、大腸菌、またはそれらの任意の組み合わせに由来し得る。
【0344】
アレイは、DNAリガーゼ、ヌクレアーゼ、または制限エンドヌクレアーゼを含む試薬を含み得る。DNAリガーゼは、ウイルス(例えば、T4)、細菌(例えば、大腸菌)、または哺乳動物(例えば、ヒトDNAリガーゼ1)に由来し得る。ヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼ(分子の末端から開始する消化)またはエンドヌクレアーゼ(分子の末端以外の場所から消化する)であり得る。ヌクレアーゼは、デオキシリボヌクレアーゼ(DNA上で操作する)またはリボヌクレアーゼ(RNA上で操作する)であり得る。制限エンドヌクレアーゼは、I型、II型、III型、IV型、またはV型の制限エンドヌクレアーゼであり得る。制限エンドヌクレアーゼの一例は、cas9またはジンクフィンガーヌクレアーゼであり得る。
【0345】
アレイは、増幅核酸産物の調製のための試薬を含み得る。増幅核酸産物の調製のための試薬は、Bst DNAポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオチド三リン酸、大腸菌DNAポリメラーゼ1の断片、トリ骨髄芽球症ウイルス逆転写酵素、RNase H、T7 DNA依存性RNAポリメラーゼ、Taqポリメラーゼ、他のDNAポリメラーゼ/転写酵素、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0346】
アレイは、疾患の診断または予後のためのキットまたはシステムの製造における構成要素であり得る。キットは、生体試料を処理することができる。生体試料は、患者に由来する試料であり得る。いくつかの実施形態では、アレイは疾患を持っていた疑いをかけられた患者に由来した試料を処理するために使用されてもよい。その疾患は、Centers for Disease Control and Prevention(CDC)によって分類された疾患であり得る。アレイは、試料を試薬と混合することができる。アレイは、細胞を血清から分離するための試薬と試料を混合することができる。アレイは、細胞またはその誘導体を処理することができる。アレイは、細胞またはその誘導体を、アレイにつながれた光学デバイスに移すことができる。細胞またはその誘導体は、本明細書に記載される方法に従って処理され得る。
【0347】
アレイは、核酸切断活性を有するタンパク質を含み得る。アレイは、RNA切断活性を有する生体分子を含み得る。核酸切断活性を有するタンパク質は、リボヌクレアーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。RNA切断活性を有する生体分子は、小さなリボ核酸分解性リボザイム、大きなリボ核酸分解性リボザイム、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0348】
試薬の交換可能なセットは、少なくとも1つの固相支持体によって導入され得る。固相支持体は、紙片であり得る。固相支持体は、マイクロビーズであり得る。固相支持体は、柱であり得る。柱は、支持体の底部に取り付けられ得るか、または支持体に組み込まれ得る。固相支持体は、細長い微小ウェルであり得る。固相支持体は、スライドガラス、スクープ、またはプラスチックフィルムであり得る。固相支持体は、ビーズであり得る。ビーズは磁気性であり得る。試薬の交換可能なセットは、化学試薬(例えば、小分子、金属など)、生物種(例えば、タンパク質、DNA、RNAなど)、処理試薬(例えば、PCR試薬など)であり得る。
【0349】
試薬の交換可能なセットは、少なくとも1つの第2の支持体によって導入され得る。第2の支持体は、細長い微小ウェルであり得る。第2の支持体は、SBSプレート、ペトリ皿、ボトル、スライド、または別の容器であってもよい。試薬の交換可能なセットは、化学試薬(例えば、小分子、金属など)、生物種(例えば、タンパク質、DNA、RNAなど)、処理試薬(例えば、PCR試薬など)であり得る。
【0350】
アレイは、鋳型非依存性ポリメラーゼを含み得る。鋳型非依存性ポリメラーゼは、末端デオキシヌクレオチドトランスフェラーゼ(TdT)であり得る。アレイは、核酸重合を制限する酵素を含み得る。核酸重合を制限する酵素は、アピラーゼであり得る。アレイは、核酸分子における少なくとも1つの端子「C」末尾の存在を検出するためにセンサを有し得る。少なくとも1つの端子「C」末尾は単離され得る。アピラーゼは、大腸菌、S.tuberosum、または節足動物に由来し得る。
【0351】
アレイの複数の生体試料は、乾燥によって保存され得る。乾燥は、加熱、真空、流動ガス、凍結乾燥、またはそれらの任意の組み合わせによって実施され得る。試料は、アレイ上で、または別の容器に保存され得る。別の容器は、スライドガラス、ペトリ皿、培地ボトル、チューブ、または(マイクロ)ウェルアレイであり得る。
【0352】
アレイの複数の生体試料は、再水和によって回収され得る。再水和は、乾燥した複数の生体試料に液体を添加するか、または液体を含むガスを吹き付けることによって実施され得る。再水和された複数の生体試料は、上述の液体処理メカニズムのいずれかにより操作され得る。
【0353】
複数の生体試料は、SBSフォーマットで複数のアレイ上に、または複数のアレイの任意のランダムな位置に堆積され得、それにより、少なくとも1つの堆積された生体試料を生成する。SBSフォーマットは、96ウェルプレートの寸法であり得る。堆積した生体試料は、固体または液体であり得る。
【0354】
複数の生体試料は、チップ上での試料の操作に備えて、市販の音響リキッドハンドラーを使用して堆積させることができる。音響リキッドハンドラーは、EchoRまたはATS Gen5Rであり得る。少なくとも1つの堆積した生体試料は、無細胞合成に使用され得る。少なくとも1つの堆積した生体試料は、大きなDNA構築物をコンビナトリアルにアセンブルするために使用され得る。DNA構築物をコンビナトリアルにアセンブルすることは、Gibsonアセンブリ、環状ポリメラーゼ伸長クローニング、およびDNA Assembler法であってもよい。
【0355】
複数の生体試料の処理は、以下のアッセイ:デジタルPCR、核酸の等温増幅、抗体媒介検出、酵素結合免疫測定法(ELISA)、電気化学検出、比色分析法、蛍光定量的アッセイ、および小核試験の少なくとも1つ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0356】
デジタルPCRアッセイは、最大で約1,000マイクロリットル、900マイクロリットル、800マイクロリットル、700マイクロリットル、600マイクロリットル、500マイクロリットル、400マイクロリットル、300マイクロリットル、200マイクロリットル、100マイクロリットル、50マイクロリットル、10マイクロリットル、1マイクロリットル、0.1マイクロリットル、0.01マイクロリットル、0.001マイクロリットル、0.0001マイクロリットル、またはそれ以下の液滴を処理することができる。デジタルPCRは、少なくとも約0.0001マイクロリットル、0.001マイクロリットル、0.01マイクロリットル、0.1マイクロリットル、1マイクロリットル、10マイクロリットル、50マイクロリットル、100マイクロリットル、200マイクロリットル、300マイクロリットル、400マイクロリットル、500マイクロリットル、600マイクロリットル、700マイクロリットル、800マイクロリットル、900マイクロリットル、1,000マイクロリットル、またはそれ以上の初期液滴を使用し得る。デジタルPCRは、約100マイクロリットル~約1マイクロリットルの初期の液滴を使用し得る。デジタルPCRは、約50マイクロリットル~約1マイクロリットルの初期の液滴を使用し得る。いくつかの実施形態では、デジタルPCRアッセイは、1つの液滴または複数の液滴を、少なくとも約1、2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、またはそれ以上の液滴に分離し得る。1つの液滴または複数の液体は、油水エマルジョン技術によって分離され得る。
【0357】
核酸の等温増幅は、PCR、鎖置換増幅(SDA)、ローリングサークル増幅(RCA)、ループ介在等温増幅(LAMP)、核酸配列ベースの増幅(NASBA)、ヘリカーゼ依存性増幅(HDA)、レコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、クロス-プライミング増幅(CPA)、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0358】
抗体媒介検出は、細胞、タンパク質、核酸分子(例えば、DNA、RNA、PNAなど)、ホルモン、抗体、小分子、またはそれらの任意の組み合わせを検出するために使用され得る。抗体媒介検出は、細胞、タンパク質、核酸、またはそれらの任意の組み合わせを検出するために特異的な抗原結合部位を含む抗体を含み得る。抗体は天然由来であり得る。抗体は合成抗体であり得る。合成抗体は、組換抗体、核酸アプタマー、非免疫グロブリンタンパク質足場、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0359】
酵素免疫測定法(ELISA)は、直接型、サンドイッチ型、競合型、逆型、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。ELISAは、ペプチド、タンパク質、抗体、ホルモン、小分子、またはそれらの任意の組み合わせなどの物質を検出するか、定量化するか、またはそれらの組み合わせを行い得る。
【0360】
電気化学検出は、酸化ベースまたは還元ベースの電気化学検出であり得る。酸化ベースまたは還元ベースの電気化学検出は、導電率測定、電位差測定、ボルタメトリ、電流測定、電量測定、インピーダンス測定(impedimetric)、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。電気化学検出は、細胞、タンパク質、核酸、ホルモン、小分子、抗体、またはそれらの任意の組み合わせを検出するために使用され得る。電気化学検出は、生体試料の酸化反応または還元反応から生成された電流を検出することができる。電気化学検出は、生体試料の酸化反応または還元反応から生成された電流を検出することができる。
【0361】
比色分析法は、細胞、核酸、タンパク質、小分子、抗体、ホルモン、またはそれらの任意の組み合わせを検出するために使用され得る。比色分析法は、少なくとも240nm、280nm、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、950nm、1,000nm、1250nm、1500nm、1750nm、2000nm、2400nm、またはそれ以上の波長の吸収度を検定するために使用され得る。比色分析法は、最大で2400nm、2000nm、1750nm、1500nm、1250nm、1,000nm、950nm、900nm、850nm、800nm、750nm、700nm、650nm、600nm、550nm、500nm、450nm、400nm、350nm、300nm、280nm、240nm、またはそれ以下の波長の吸収度を検定するために使用され得る。比色分析法は、約2400nm~約240nmの波長の吸収度を検定するために使用され得る。比色分析法は、約1,000nm~約100nmの波長の吸収度を検定するために使用され得る。比色分析法は、約900nm~約400nmの波長の吸収度を検定するために使用され得る。比色分析法は、固体、液体、または気体の試料上で実施されることがある。比色分析法は、広帯域の光源(例えば、白熱光源、LEDなど)、レーザー源、またはそれらの組み合わせを使用することができる。光源は、試料と相互作用する前後に、様々な光学素子(例えば、レンズフィルター、ミラーなど)を通過する場合がある。透過光または反射光は、電荷結合素子(CCD)、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード、またはそれらの任意の組み合わせを介して(例えば、ミラー、光ファイバなどによって)検出され得る。検出器は、例えば、モノクロメータまたは1つのフィルターまたはフィルターのセットなどの波長選択デバイスにつながれ得る。
【0362】
蛍光定量的アッセイは、細胞、核酸、タンパク質、小分子、抗体、ホルモン、またはそれらの任意の組み合わせを検出するために使用され得る。蛍光定量的アッセイは、少なくとも240nm、280nm、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、950nm、1,000nm、1250nm、1500nm、1750nm、2000nm、2400nm、またはそれ以上の波長の吸収度を検定するために使用され得る。蛍光定量的アッセイは、最大で2400nm、2000nm、1750nm、1500nm、1250nm、1,000nm、950nm、900nm、850nm、800nm、750nm、700nm、650nm、600nm、550nm、500nm、450nm、400nm、350nm、300nm、280nm、240nm、またはそれ以下の波長の吸収度を検定するために使用され得る。蛍光定量的アッセイは、約2400nm~約240nmの波長の発光を検定するために使用され得る。蛍光定量的アッセイは、約1,000nm~約100nmの波長の発光を検定するために使用され得る。蛍光定量的アッセイは、約900nm~約400nmの波長の発光を検定するために使用され得る。蛍光定量的アッセイは、広帯域の光源(例えば、白熱光源、LEDなど)、レーザー源、またはそれらの組み合わせを使用することができる。光源は、試料と相互作用する前後に、様々な光学素子(例えば、レンズ、フィルター、ミラーなど)を通過する場合がある。蛍光を発した光は、CCD、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード、またはそれらの任意の組み合わせによって検出され得る。検出器は、モノクロメータまたは1つのフィルターまたはフィルターのセットなどの波長選択デバイスにつながれ得る。例えば、蛍光定量的アッセイは、還元型では蛍光を発するが酸化型では蛍光を発しないため、還元型NADPHの濃度を決定するために使用することができる。この例では、経時的に観察された蛍光の強度は、試料中の還元されたNADPHの量と直線的に対応する。
【0363】
小核試験は、生体試料中の小核の存在を評価することができる。小核には、小核には、DNA切断から生成された染色体断片(染色体切断物質)または分裂装置の破壊によって生成された染色体全体(異数性誘発物質)が含まれている可能性がある。小核試験は、遺伝子毒性化合物を同定するために使用することができる。遺伝子毒性化合物は発癌性物質であり得る。小核試験は、インビボまたはインビトロで実施され得る。インビボ小核試験は、生体試料からの骨髄または末梢血を利用する場合がある。インビトロ小核試験は、複数の生体試料に由来する細胞または組織を利用する場合がある。
【0364】
複数の生体試料の処理は、少なくとも1つの選択された核酸またはポリヌクレオチドの等温増幅を含み得、これには、機械的な操作なしに試料の少なくとも1つの等温増幅反応を可能にするのに有効な複数の試薬を含有する液滴を統合することによって、少なくとも1つの核酸を含み得る少なくとも1つの試料を提供すること;および、核酸を増幅するために、少なくとも1つの等温増幅反応を実施することが含まれる。
【0365】
すくなくとも1つの選択された核酸の少なくとも1つの等温増幅は、PCR、鎖置換増幅(SDA)、ローリングサークル増幅(RCA)、ループ介在等温増幅(LAMP)、核酸配列ベースの増幅(NASBA)、ヘリカーゼ依存性増幅(HDA)、レコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、クロス-プライミング増幅(CPA)、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。少なくとも1つの等温増幅は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の等温増幅であり得る。
【0366】
統合する液滴は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の液滴であり得る。複数の試薬は、本明細書に記載される等温増幅試薬のいずれかであり得る。
【0367】
複数の生体試料の処理は、少なくとも1つの液滴上のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)産物を検出するためのデバイスを含み得る。液滴は水滴であり得る。デバイスは、複数の核酸とタンパク質分子とを含む少なくとも1つの液滴をエレクトロウェッティングアレイ上に作成し;水滴がアレイ表面上に存在する間、PCR反応を実施し;検出器を用いて液滴を調べることができる。PCR産物は、DNAまたはRNAであり得る。タンパク質分子は、PCR反応で利用されるか、または反応の進行を報告するために使用される、酵素であり得る(例えば、蛍光)。PCR反応の性能は、試料を撹拌すること(例えば、撹拌、振動、エレクトロウェッティングに基づいた移動など)、試料を加熱または冷却すること(前述の加熱器および冷却器のアレイを使用して)、および液滴サイズを制御することを含み得る。検出器は、本明細書に記載される任意の検出器であり得る。
【0368】
デバイスは、複数のレポーター分子を含み得る。レポーター分子は、蛍光レポーター分子であり得る。複数の蛍光レポーター分子は、PCR反応中に少なくとも1つのクエンチャー分子から少なくとも1つの酵素によって分離され得る。少なくとも1つの酵素は、ポリメラーゼ、オキシドレダクターゼ、トランスフェラーゼ、ヒドロラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼ、またはリガーゼを含み得る。複数の蛍光レポーター分子は、タンパク質、発光小分子、発光核酸、またはナノ粒子であり得る。
【0369】
核酸は、センサによって検出され得る。センサは、放射標識を検出することができる。センサは、蛍光標識を検出することができる。センサは、発色団を検出することができる。センサは、レドックス標識を検出することができる。センサは、p-n-型拡散ダイオードであり得る。核酸は、スマートフォンによって検出され得る。
【0370】
複数の生体試料の処理は、アレイ上の少なくとも1つの生体分子を結合することを含み得る。少なくとも1つの生体分子は、表面上で固定化され得る。少なくとも1つの生体分子は、拡散性マトリックス上で固定化され得る。少なくとも1つの生体分子は、拡散性ビーズ上で固定化され得る。少なくとも1つの生体分子は、タンパク質、生物学的システムに由来する化合物(例えば、信号分子、補助因子など)、医薬品、生物学的活性を示すかまたは示す疑いのある分子、炭水化物、脂質、核酸、天然物、または栄養素であり得る。固定化は、吸着、イオン相互作用、共有結合、またはインターカレーションによるものであり得る。表面は、エレクトロウェッティングチップ、ポリマー、誘電体、金属、繊維ベースのシート(例えば、紙片)、または固定相(例えば、シリカゲル)であり得る。拡散性マトリックスは、ポリマー、組織(例えば、コレギアン(collegian))またはエアロゲルであり得る。拡散性ビーズは、ポリマービーズ、モレキュラーシーブ、または生体材料で形成されたビーズ(例えば、ビーズタンパク質または核酸)であり得る。生体分子の位置はコード体系によって特定され得る。コード体系は、生体分子の位置を決定するためのプリプログラムされた方法であってもよい。コード体系は、それが固定化される部分に基づいてよい。
【0371】
いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、特定の波長を発するための蛍光標識であり得る。いくつかの実施形態では、蛍光標識は、光源による励起時に発光する。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、380~450nmの波長で発光する。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、450~495nmの波長で発光する。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、495~570nmの波長で発光する。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、570~590nmの波長で発光する。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、590~620nmの波長で発光する。いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、620~750nmの波長で発光する。いくつかの実施形態では、交換可能な光学フィルターが、コンピュータビジョンシステムによって利用される。いくつかの実施形態では、光学フィルターは、コンピュータビジョンシステムのより1つ以上の光学センサまたは画像センサと組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、光学フィルターは、特定のタイプの試料に対応する1つまたは複数の標識のみがシステムによって検出またはモニタリングされるように、検出可能な標識によって生成される波長をフィルターリングするために提供される。いくつかの実施形態では、システムは、1以上の光学センサを含み得、ここで、各光学センサは、本明細書に記載されるように、特定のタイプの試料に対応する特定の標識をモニタリングするための特定のフィルターを設けている。
【0372】
いくつかの実施形態では、アレイは、機械的操作なしに、2つ以上の非連続的な液体体積からの複数の生体分子の相互作用を誘導することができる。相互作用は、混合、化学反応、吸着、または酵素反応であり得る。機械的操作なしとは、相互作用の動く部分が2つ以上の非連続的な液体体積であり得ることを意味する場合がある。複数の生体分子は、タンパク質、生物学的システムに由来する化合物(例えば、信号分子、補助因子など)、医薬品、生物学的活性を示すかまたは示す疑いのある分子、炭水化物、脂質、核酸、天然物、または栄養素の少なくとも1つであり得る。
【0373】
アレイは、機械的操作なしに、増幅核酸産物を調製することができる。アレイは、機械的操作なしに、核酸試料に対して診断試験を行なうことができる。アレイは、機械的操作なしに、生体試料に対して診断試験または予後試験を実施することができる。複数の生体試料は、核酸バイオマーカーを含んでいる疑いがあり得る。
【0374】
アレイは、少なくとも1つの液滴と接触し、かつ上記少なくとも1つの液滴によって吸収され得る気体源を含み得る。少なくとも1つの液滴は、デバイスで操作され得る。気体は、空気、窒素、アルゴン、二酸化炭素、水素、または水蒸気であり得る。少なくとも1つの液滴は、気体の少なくとも0%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または99%以上を吸収することができる。操作は、気体が少なくとも1つの液滴に及ぼす圧力に起因し得る。
【0375】
複数の生体試料は、鎖置換増幅反応、自立配列複製、増幅反応、またはQ3レプリカーゼ増幅反応を実施するための試薬を含み得る。鎖置換増幅反応を実施するための試薬は、Bst DNAポリメラーゼ、cas9、またはタンパク質に刻み目をつける別のヘミホスホロチオエート型ニッキングタンパク質(hemiphosphorothioate form nicking protein)であり得る。自立配列複製および増幅反応の試薬は、トリ骨髄芽球症ウイルス(AMV)逆転写酵素(RT)、大腸菌RNase H、T7 RNAポリメラーゼ、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。Q3レプリカーゼ増幅反応のための試薬は、Q3バクテリオファージ、大腸菌、またはそれらの任意の組み合わせに由来し得る。
【0376】
生体試料のアレイを処理するために、アレイは、リモートコンピュータから少なくとも1つの命令を受信し得る。少なくとも1つの命令は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1,000、またはそれ以上の指示であり得る。リモートコンピュータは、命令を送ることができるシステムであり得る(例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、スマートフォン、特定用途向け集積回路など)。リモートコンピュータは、少なくとも1つの命令を送るためにユーザ入力を必要としない場合がある。
【0377】
アレイは、生体試料のアレイ上でプロセスを実施するためにプリプログラムされ得る。プリプログラミングは、プロセスの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1,000、またはそれ以上の工程であり得る。プリプログラミングは、アレイ(例えば、ハードドライブ、フラッシュメモリユニット、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、テープカセットなど)に格納され得るか、または、命令を送信することができる接続システム(例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、スマートフォン、特定用途向け集積回路など)に格納され得る。
【0378】
アレイは、DNA配列に関連する情報を受け取ることができる。DNA配列に関連する情報は、DNA配列の長さ、DNA配列の組成(例えば、所与の塩基の総数、塩基の配列など)、または特定のDNAの存在を含み得る。DNA配列は、自動プロセスを引き起こすことができる。DNA配列に関連する情報は、自動プロセスを引き起こすことができる。自動プロセスは、少なくとも1つの構成オリゴヌクレオチド配列へのDNA配列の変換を含み得る。少なくとも1つの構成オリゴヌクレオチド配列は、アセンブルされ得るか、エラー修正されるか、DNAアンプリコンに再アセンブルされるか、またはそれらの組み合わせが行われ得る。DNAアンプリコンは、RNA、タンパク質、生体粒子、またはそれらの任意の組み合わせの直接的な産生物であり得る。生体粒子は、ウイルスに由来し得る。
【0379】
アレイは、DNA鋳型からの少なくとも1つのペプチドまたは抗体を産生することができる。アレイは、インビボの方法(例えば、産生するために細胞を使用する)または無細胞の産生(例えば、産生するための生体を必要としない)を使用して産生することができる。ペプチドは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、またはそれ以上のアミノ酸であり得る。アミノ酸は、天然に存在する場合もあれば、天然に存在しない場合もある。抗体は、表面に結合していても、遊離していてもよい。抗体は、複数の生体試料のいずれかに由来し得る。
【0380】
アレイは、動電力、エレクトロウェッティング力、誘電エレクトロウェッティング力、誘電泳動効果、音響力、疎水性ナイフ(hydrophobic knife)、またはそれらの任意の組合せによって、少なくとも1つの液滴を複数の液滴に分割し得る。エレクトロウェッティング力は、上述のアレイの構成によって引き起こされ得る。誘電泳動効果は、光誘導性であり得る(効果を誘導するために電磁放射線が使用されてもよい)。誘電泳動効果は、フォトリソグラフィ、レーザーアブレーション、電子ビームパターニング、またはそれらの任意の組み合わせによって作成された、ワイヤ、シート、電極、またはそれらの任意の組み合わせによって引き起こされ得る。ワイヤ、シート、および電極は、金属(例えば、金、銅、銀、チタンなど)、金属の合金、半導体(例えば、ケイ素、窒化ガリウム)、または導電性オキシド(例えば、インジウムスズ酸化物)で作られていてもよい。音響力は超音波であり得る。音響力は、トランスデューサによって生成され得る。疎水性ナイフは、疎水性ミクロトームまたは疎水性カミソリ刀であり得る。
【0381】
分割により、試薬が分注され得る。試薬は、本明細書に記載される試薬のいずれかであり得る。
【0382】
分割により、試料が分注され得る。試料は、複数の生体試料であり得る。試料は、非生体試料であり得る(例えば、化学物質)。
【0383】
分割された液滴は、反応を実行するために混合され得る。その反応は、増幅反応、化学変換、結合反応、抗菌剤と微生物との反応、または上記の反応であり得る。
【0384】
分割された液滴は、センサを使用して分析され得る。センサは、上述のセンサのアレイのセンサのいずれかであり得る。
【0385】
分割された液滴は、少なくとも1つの標的液滴上で一定の体積を維持するために、少なくとも1つの標的液滴と混合され得る。一定の体積は、コンピュータ・ビジョン(つながれたカメラおよびアルゴリズム)、質量分析あるいは光学分光法(例えば、吸光分光法)によって決定され得る。
【0386】
アレイは多相流体を処理することができる。流体は、少なくとも2、3、4、5、6、またはそれ以上の相を有し得る。例えば、それ自体が油の液滴に囲まれているコロイドを含む水滴は、3つの相を有する。
【0387】
アレイは、細胞選別、細胞分離、少なくとも1つのビーズでの操作、またはそれらの任意の組み合わせのために誘電泳動力(DEP)を使用する場合がある。DEPは、光誘導性であり得る(効果を誘導するために電磁放射線が使用されてもよい)。DEPは、フォトリソグラフィ、レーザーアブレーション、電子ビームパターニング、またはそれらの任意の組み合わせによって作成された、ワイヤー、シート、電極、またはそれらの任意の組み合わせによって引き起こされ得る。ワイヤー、シート、および電極は、金属(例えば、金、銅、銀、チタンなど)、金属の合金、半導体(例えば、ケイ素、窒化ガリウム)、または導電性オキシド(例えば、インジウムスズ酸化物)で作られていてもよい。ビーズは、磁気ビーズ、細菌を貯蔵するためのビーズ、酵素、オリゴヌクレオチド、核酸、抗体、PCRプライマー、リガンド、モレキュラーシーブ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。選別および分離は、生の臨床試料中の少なくとも1つの細胞を予濃縮するために使用され得る。生の臨床試料は、複数の生体試料に由来してもよい。生の臨床試料は、疾患を抱える対象、または疾患を抱えると疑われる対象に由来していてもよい。
【0388】
1つの生体試料または複数の生体試料は、1つのアレイまたは複数のアレイ上に堆積され得る。複数のアレイは、少なくとも2つのアレイを含み得る。複数のアレイのうち1つのアレイは表面を含み得る。表面は、ガラス、ポリマー、セラミック、金属、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。表面は、EWODアレイ、DEWアレイ、DEPアレイ、マイクロ流体アレイ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。複数のアレイは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1,000、またはそれ以上のアレイを含み得る。複数のアレイは、最大で1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、または2つのアレイを含み得る。複数のアレイは、1,000~2のアレイ、500~2のアレイ、500~100のアレイ、100~2のアレイ、100~50のアレイ、50~2のアレイ、50~10のアレイ、または10~2のアレイを含み得る。複数のアレイのうち1つのアレイは、複数のアレイの別のアレイに隣接していてもよい。アレイは、水平に、垂直に、または対角線上に隣接していてもよい。
【0389】
表面は、最大で1,000μm、500μm、100μm、90μm、80μm、70μm、60μm、50μm、40μm、30μm、20μm、10μm、5μm、1μm、0.1μm、0.01μm、またはそれ以下の厚さを有し得る。表面は、少なくとも0.01μm、0.1μm、1μm、5μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、500μm、1,000μm、またはそれ以上の厚さを有し得る。表面は、1,000μm~0.01μm、500μm~1μm、100μm~1μm、または50μm~1μmの厚さを有し得る。
【0390】
表面は、最大で1,000μm、500μm、100μm、90μm、80μm、70μm、60μm、50μm、40μm、30μm、20μm、10μm、5μm、1μm、0.1μm、0.01μm、0.001μm、またはそれ以下の粗さを有し得る。表面は、少なくとも0.001μm、0.01μm、0.1μm、1μm、5μm、10μm、20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、500μm、1,000μm、またはそれ以上の粗さを有し得る。表面は、1,000μm~0.001μm、500μm~0.01μm、100μm~0.1μm、または50μm~0.1μmの粗さを有し得る。
【0391】
表面は、表面に対する湿潤親和特性を有する液体の層を含んでもよい。液体は、液滴またはその複数と非混和性であってもよい。液体は、表面上に分注されてもよい。液体の上面は、表面に直接接触する液滴と比較して、液滴または複数の液滴と表面との間の摩擦を低減し得る。
【0392】
複数のアレイは、チャネル、穴、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。 複数のアレイは、複数のチャネル、複数の穴、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。チャネルまたは複数のそれらチャネルは、少なくとも1つの表面にわたって横断してもよい。気体、液体、固体、またはそれらの任意の組み合わせが、チャネルまたは穴を通して移送され得る。気体、液体、固体、またはそれらの任意の組み合わせは、複数のチャネルまたは複数の穴を通して移送されてもよい。気体、液体、固体、またはそれらの任意の組み合わせは、あるアレイから別のアレイに移送されてもよい。アレイは互いに隣接していてもよい。気体、液体、固体、またはそれらの任意の組み合わせは、1つのアレイから少なくとも1つの他のアレイに移送されてもよい。気体、液体、固体、またはそれらの任意の組み合わせは、1つのアレイから、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10つ、またはそれ以上のアレイに移送されてもよい。
【0393】
複数の液滴の少なくとも2つの液滴は、少なくとも1つの膜によって分離され得る。膜は、金属、セラミック(例えば、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、酸化ジルコニウムなど。)、均質フィルム(例えば、ポリマー(例えば、酢酸セルロース、ニトロセルロース、セルロースエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオリド、ポリビニルクロリドなど))、不均質固体(例えば、ポリマー混合物、混合ガラスなど)、液体(例えば、エマルジョン液体膜、固定化(支持)、液体フィルム、溶融塩、中空糸含有液体膜など)、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。膜は、膜の一方の側から他方の側への分子、イオン、またはそれらの組み合わせの通過を可能にし得る。膜は、不透過性、半透過性、透過性、またはそれらの組み合わせであってもよい。透過性は、サイズ、溶解度、電荷、親和性、またはそれらの組み合わせに従って分離し得る。膜は多孔性または半多孔性であってもよい。膜は、生物学的、合成、またはそれらの組み合わせであり得る。膜は、ある液滴の成分を別の液滴に交換することを容易にすることができる。膜は、受動拡散、能動拡散、受動輸送、能動輸送、またはそれらの任意の組み合わせを容易し得る。膜は、カチオン交換膜、電荷モザイク膜、バイポーラ膜、アニオン交換膜、アルカリアニオン交換膜、プロトン交換膜、またはそれらの組み合わせであり得る。膜は、1つのアレイまたは複数のアレイに恒久的あるいは一時的に取り付けられ得る。
【0394】
反応時間
本開示の態様は、反応時間が30分以下であるバイオポリマーを生成する方法を提供する。いくつかの実施形態では、反応時間は約1分~約30分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1分~約2分、約1分~約3分、約1分~約4分、約1分~約5分、約1分~約10分、約1分~約15分、約1分~約20分、約1分~約25分、約1分~約30分、約2分~約3分、約2分~約4分、約2分~約5分、約2分~約10分、約2分~約15分、約2分~約20分、約2分~約25分、約2分~約30分、約3分~約4分、約3分~約5分、約3分~約10分、約3分~約15分、約3分~約20分、約3分~約25分、約3分~約30分、約4分~約5分、約4分~約10分、約4分~約15分、約4分~約20分、約4分~約25分、約4分~約30分、約5分~約10分、約5分~約15分、約5分~約20分、約5分~約25分、約5分~約30分、約10分~約15分、約10分~約20分、約10分~約25分、約10分~約30分、約15分~約20分、約15分~約25分、約15分~約30分、約20分~約25分、約20分~約30分、または約25分~約30分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1分、約2分、約3分、約4分、約5分、約10分、約15分、約20分、約25分、または約30分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、少なくとも約1分、約2分、約3分、約4分、約5分、約10分、約15分、約20分、または約25分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、最大で約2分、約3分、約4分、約5分、約10分、約15分、約20分、約25分、または約30分である。いくつかの実施形態では、反応時間は約10分である。
【0395】
本開示の態様は、ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子が、融合液滴内において30分以下で生成されることを提供する。いくつかの実施形態では、融合液滴内の反応時間は、約1分~約30分である。いくつかの実施形態では、融合液滴内の反応時間は、約1分~約2分、約1分~約3分、約1分~約4分、約1分~約5分、約1分~約10分、約1分~約15分、約1分~約20分、約1分~約25分である、約1分~約30分、約2分~約3分、約2分~約4分、約2分~約5分、約2分~約10分、約2分~約15分、約2分~約20分、約2分~約25分、約2分~約30分、約3分~約4分、約3分~約5分、約3分~約10分、約3分~約15分、約3分~約20分、約3分~約25分、約3分~約30分、約4分~約5分、約4分~約10分、約4分~約15分、約4分~約20分、約4分~約25分、約4分~約30分、約5分~約10分、約5分~約15分、約5分~約20分、約5分~約25分、約5分~約30分、約10分~約15分、約10分~約20分、約10分~約25分、約10分~約30分、約15分~約20分、約15分~約25分、約15分~約30分、約20分~約25分、約20分~約30分、または約25分~約30分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、約1分、約2分、約3分、約4分、約5分、約10分、約15分、約20分、約25分、または約30分である。いくつかの実施形態では、反応時間は、少なくとも約1分、約2分、約3分、約4分、約5分、約10分、約15分、約20分、または約25分である。いくつかの実施形態では、融合液滴内の反応時間は、最大で約2分、約3分、約4分、約5分、約10分、約15分、約20分、約25分、または約30分である。いくつかの実施形態では、融合液滴内の反応時間は、約10分である。
【0396】
洗浄工程
本開示のいくつかの態様は、1つ以上の洗浄工程を提供する。いくつかの実施形態では、1つ以上の洗浄工程は、融合液滴に接触するように、洗浄液滴を運動させる工程を含む。いくつかの実施形態では、振動は、上記1つ以上の洗浄工程に適用される
【0397】
dNTP
本開示のいくつかの態様は、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)を含む液滴または試薬を提供する。いくつかの実施形態では、第1の液滴または試薬は、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)を含む。いくつかの実施形態では、第2の液滴または試薬は、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)を含む。いくつかの実施形態では、第3の液滴または試薬は、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)を含む。いくつかの実施形態では、融合液滴または試薬は、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)を含む。いくつかの実施形態では、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)は、保護基を有し得る。いくつかの実施形態では、上記保護基は、反応中に除去され得る。
【0398】
ユーザ体験
本開示のいくつかの態様では、ユーザ体験は、いくつかのワークフローの工程を含み得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、実行の各バッチに対して独自仕様のVolta消耗品カートリッジを装填する。いくつかの実施形態では、ユーザは、実行の各バッチについて、試薬をディスペンサーに投入する。いくつかの実施形態では、ユーザは、実行の各バッチにつき試料をロードする。いくつかの実施形態では、試料はピペットを介して投入される。いくつかの実施形態では、ユーザは、タッチスクリーンインターフェースを起動し、ランの開始時にワークフローおよび任意の他のパラメータを選択する。いくつかの実施形態では、ユーザは、バッチの完了時に、またはバッチ中にオフライン処理が必要とされる場合、試料をアンロードする。いくつかの実施形態では、試料はピペットを介して取り出される。
【0399】
サブシステム
本開示のいくつかの態様は、サブシステムを提供する。いくつかの実施形態では、サブシステムは、4つの反応を同時に操作し得る。いくつかの実施形態では、反応は、エレクトロウェッティング、磁気、他の機械的自由度、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、機器は、1つのサブシステムを含み得る。いくつかの実施形態では、機器は、2つのサブシステムを含み得る。いくつかの実施形態では、機器は、4つの反応を同時に操作し得る。いくつかの実施形態では、機器は、8つの反応を同時に操作し得る。
【0400】
コンピュータハードウェア
本開示のいくつかの態様は、コンピュータハードウェアの使用を提供する。いくつかの実施形態では、ハードウェアは、本明細書で説明するプロセッサのうちの1つまたは複数を備える。いくつかの実施形態では、本明細書で説明する1つまたは複数のプロセッサは統合モジュールである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つまたは複数のプロセッサは、NVIDIA(登録商標)Jetson Nano(商標)Developer Kitプロセッサである。
【0401】
コンピュータシステム
本明細書で説明する様々なプロセスは、適切にプログラムされた汎用コンピュータ、専用コンピュータ、およびコンピューティングデバイスによって実装され得る。典型的には、プロセッサ(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ、1つ以上のマイクロコントローラ、1つ以上のデジタル信号プロセッサ)は、命令(例えば、メモリまたは同様のデバイスから)を受信し、それらの命令を実行し、それによって、それらの命令によって定義される1つまたは複数のプロセスを実行する。命令は、1つ以上のコンピュータプログラム、1つ以上のスクリプト(10)、または他の形態で具現化されてもよい。処理は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、コンピューティングデバイス、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、もしくは同様のデバイス、またはそれらの任意の組合せ上で実行され得る。処理およびその上で動作するデータを実装するプログラムは、種々の媒体を使用して記憶および伝送されてもよい。いくつかの場合では、ハードワイヤード回路またはカスタムハードウェアが、プロセスを実装することができるソフトウェア命令のうちのいくつかまたはすべての代わりに、またはそれらと組み合わせて使用されてもよい。記載されたもの以外のアルゴリズムが使用されてもよい。
【0402】
プログラムおよびデータは、コンピュータ、プロセッサ、もしくは同様のデバイスによって読み取りおよび/または書き込みできる、目的に適した様々な媒体、または異種媒体の組合せに記憶することができる。媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、光学または磁気20媒体、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックラム、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVD、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理的媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EEPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、あるいは他のメモリ技術を含んでもよい。伝送媒体は、プロセッサに結合されたシステムバスを備えるワイヤ(25)を含めて、同軸ケーブル、銅線、および光ファイバを含む。
【0403】
データベースは、データベース管理システムまたはアドホックメモリ編成スキームを使用して実装され得る。記載されたものに対する代替のデータベース構造が容易に用いられ得る。データベースは、ローカルに、またはそのようなデータベース内のデータにアクセスするデバイスから遠隔に記憶され得る。
【0404】
いくつかの場合では、処理は、1つまたは複数のデバイスと(たとえば、通信ネットワークを介して)通信しているコンピュータを含むネットワーク環境において実行され得る。コンピュータは、任意の有線または無線媒体(例えば、インターネット、LAN、WANまたはイーサネット(登録商標)、トークンリング、電話回線、ケーブル回線、無線チャネル、光通信回線、商用オンラインサービスプロバイダ、掲示板システム、衛星通信リンク、またはそれらの組み合わせ)を介して直接または間接的にデバイスと通信し得る。デバイスのそれぞれは、それ自体、コンピュータ、またはコンピュータと通信するように適合されたIntel(登録商標)Pentium(登録商標)もしくはCentrino(商標)プロセッサに基づくものなどの他のコンピューティングデバイスを備え得る。任意の数および種類のデバイスが、コンピュータと通信する場合がある。
【0405】
サーバコンピュータまたは中央化権限が、必要もしくは望ましい場合もそうでない場合もある。様々な場合において、ネットワークは、中央権限デバイスを含んでも含まなくてもよい。様々な処理機能が、中央権限サーバ、いくつかの分散サーバのうちの1つ、または他の分散デバイス上で実行され得る。
【0406】
本開示は、本開示の方法を実施するようにプログラムされたコンピュータシステムを提供する。図2は、本明細書で説明されるシステム上で液滴またはその複数を操作するようにプログラムされるか、または別様に構成される、コンピュータシステム(1301)を示す。コンピュータシステム(1301)は、例えば、液滴サイズ、液滴体積、液滴位置、液滴速度、液滴湿潤、液滴温度、液滴pH、液滴中のビーズ、液滴中の細胞の数、液滴色、化学物質の濃度、生物学的物質の濃度、またはそれらの任意の組み合わせ等の本開示の試料操作の種々の態様を調節することができる。コンピュータシステム(1101)は、ユーザの電子デバイス、または電子デバイスに対して遠隔に位置するコンピュータシステムであり得る。電子デバイスは、モバイル電子デバイスであり得る。
【0407】
コンピュータシステム((1301))は、中央処理装置(CPU、本明細書では「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」ともいう)(1305)を含み、これは、シングルコアもしくはマルチコアプロセッサ、または並列処理のための複数のプロセッサであり得る。コンピュータシステム(1301)はまた、メモリまたはメモリロケーション(1310)(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ)と、電子記憶ユニット(1315)(たとえば、ハードディスク)と、1つまたは複数の他のシステムと通信するための通信インターフェース(1320)(たとえば、ネットワークアダプタ)と、キャッシュ、他のメモリ、データストレージ、電子ディスプレイアダプタ、またはそれらの任意の組合せなどの周辺デバイス(1325)とを含む。メモリ(1310)、記憶ユニット(1315)、インターフェース(1320)、および周辺デバイス(1325)は、マザーボードなどの通信バス(実線)を介してCPU(1305)と通信する。記憶ユニット(1315)は、データを記憶するためのデータ記憶ユニット(またはデータリポジトリ)であり得る。コンピュータシステム(1301)は、通信インターフェース(1320)を用いてコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)(1330)に動作可能に結合することができる。ネットワーク(1330)は、インターネット、インターネット、エクストラネット、もしくはそれらの任意の組み合わせ、またはインターネットと通信するイントラネット、エクストラネット、もしくはそれらの任意の組み合わせであり得る。ネットワーク(1330)は、場合によっては、電気通信、データネットワーク、またはそれらの任意の組合せである。ネットワーク(1330)は、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にすることができる1つまたは複数のコンピュータサーバを含むことができる。ネットワーク(1330)は、場合によってはコンピュータシステム(1301)の助けを借りて、コンピュータシステム(1301)に結合されたデバイスがクライアントまたはサーバとして振る舞うことを可能にし得るピアツーピアネットワークを実装することができる。
【0408】
CPU(1305)は、プログラムまたはソフトウェアで具現化することができる機械可読命令のシーケンスを実行することができる。命令は、メモリ(1310)などのメモリロケーションに記憶され得る。命令は、CPU(1305)に向けることができ、その後、本開示の方法を実施するようにCPU(1305)をプログラムまたは構成することができる。CPU(1305)によって実行される動作の例は、フェッチ、復号、実行、およびライトバックを含むことができる。
【0409】
CPU(1305)は、集積回路などの回路の一部とすることができる。システム(1101)の1つまたは複数の他の構成要素を回路に含めることができる。いくつかの場合では、回路は特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0410】
記憶装置(1315)は、ドライバー、ライブラリ、およびセーブされたプログラムなどのファイルを記憶することができる。記憶装置(1315)は、ユーザーデータ、例えばユーザの個人設定およびユーザのプログラムを記憶することができる。コンピュータシステム(1301)は、場合によっては、イントラネットまたはインターネットを通じてコンピュータシステム(1301)と通信状態にあるリモートサーバー上に位置付けられるなど、コンピュータシステム(1301)の外側にある1つ以上の追加のデータ記憶装置を含み得る。
【0411】
コンピュータシステム(1301)は、ネットワーク(1330)を介して1つまたは複数のリモートコンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム(1301)は、ユーザの遠隔コンピュータシステム(例えば、モバイル電子デバイス)と通信することができる。リモートコンピュータシステムの例は、パーソナルコンピュータ(例えば、ポータブルPC)、スレートまたはタブレットPC(例えば、Apple(登録商標)iPad、Samsung(登録商標))を含むGalaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標)iPhone、Android対応デバイス、Blackberry(登録商標))、または携帯情報端末である。ユーザは、ネットワーク(1330)を介してコンピュータシステム(1301)にアクセスすることができる。
【0412】
本明細書に記載されるような方法は、例えばメモリ(1310)または電子記憶装置(1315)の上など、コンピュータシステム(1301)の電子記憶装置の位置に記憶された機械(例えばコンピュータプロセッサ)実行可能コードによって実施することができる。いくつかの実施形態では、マシン実行可能なまたはマシン読み取り可能なコードは、ソフトウェアの形で提供されうる。 使用中、コードはプロセッサ(1305)により実行され得る。場合によっては、コードは、記憶装置(1315)から検索され、且つプロセッサ(1305)による即時のアクセスのためにメモリ(1310)に記憶することができる。いくつかの状況において、電子記憶装置(1315)は排除することができ、機械実行可能命令はメモリ(1310)に記憶される。
【0413】
コードは、コードを実行するのに適したプロセッサを持つ機械との使用のために予めコンパイルされ且つ構成することができ、或いは、実行時間中にコンパイルすることができる。コードは、予めコンパイルされた様式か、コンパイルされたままの様式で、コードを実行可能なように選択できる、プログラミング言語で提供され得る。
【0414】
コンピュータシステム(1301)などの、本明細書で提供されるシステムと方法の態様は、プログラミングの際に統合することができる。この技術の様々な態様は、典型的にはマシン(またはプロセッサ)実行可能コード、関連データ、またはそれらの組み合わせの形態で、マシン可読媒体の一種に搭載されているか、または組み込まれた「製品」または「製造品目」とみなすことができる。マシン実行可能コードは、メモリ(例えば、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスクなどの電子記憶装置に記憶することができる。「ストレージ」タイプの媒体は、様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなどの、コンピュータ、プロセッサなどの有形のメモリ、またはそれらの関連するモジュールのいずれかまたはすべてを含むことができ、ソフトウェアプログラミングのためにいつでも一時的なストレージを提供し得る。ソフトウェアの全部または一部は、時には、インターネットまたは様々な他の電気通信ネットワークを介して通信され得る。このような通信は、例えば、管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへといった、あるコンピュータまたはプロセッサから、別のコンピュータまたはプロセッサへの、ソフトウェアのローディングを可能にする場合がある。したがって、ソフトウェア要素を保持しうる別のタイプの媒体には、ローカルデバイス間の有線および光陸上通信線ネットワーク、および様々なエアリンクを介して使用されるような、光、電気、および電磁波が含まれる。有線または無線リンク、光リンクなどの、このような波を運ぶ物理的要素もまた、ソフトウェアを保持する媒体とみなしてもよい。本明細書に使用されるように、非一時的な有形「記憶」媒体に限定されない限り、コンピュータまたはマシンの「可読媒体」などの用語は、実行のためのプロセッサに命令を提供する際に関与する任意の媒体を指す。
【0415】
従って、コンピュータ実行可能コードなどの機械可読媒体は、有形記憶媒体、搬送波媒体、又は物理送信媒体を含むがこれらに限定されない、多くの形態をとってもよい。不揮発性ストレージ媒体は、例えば、図面に示されるデータベースなどを実装するために使用されることもあるような、任意のコンピュータ(複数可)などにおける、記憶装置のいずれかなどの光学ディスクまたは磁気ディスクを含む。揮発性ストレージ媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリのような動的メモリを含む。触知可能物伝送媒体は同軸ケーブル、銅線、およびファイバーオプティクス、コンピュータシステム内のバスを含むワイヤーを含む。搬送波送信媒体は、電気または電磁信号、または無線周波数(RF)および赤外線(IR)データ通信中に生成されるような音響波または光波の形態をとり得る。したがって、コンピュータ可読媒体の共通の形式として、例えば:フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の磁気媒体、CD-ROM、DVDまたはDVD-ROM、他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する他の物理的な記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、データまたは命令を伝送する搬送波、そのような搬送波を伝送するケーブルまたはリンク、あるいはコンピュータがプログラミングコード、データ、またはそれらの任意の組合せを読み取り得る任意の他の媒体が挙げられる。コンピュータ可読媒体のこれら多くの形態は、プロセッサに、実行のための1つ以上命令の1のシーケンスを搬送することに関与し得る。
【0416】
コンピュータシステム(1301)は、例えば、液滴操作、試料操作、またはそれらの組み合わせに関連する情報を提供するためのユーザインターフェース(UI)(1340)を備える、電子ディスプレイ(1335)を含むか、またはそれと通信することができる。UIの例は、限定することなく、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)およびウェブベースのユーザインターフェースを含む。
【0417】
本開示の方法とシステムは、1つ以上のアルゴリズムによって実施することができる。アルゴリズムは、中央処理装置(1105)による実行の後にソフトウェアによって実施することができる。アルゴリズムは、例えば、追加の液体を液滴に提供し、液滴の蒸発した溶媒を置換し、液滴の経路をマッピングし、またはそれらの任意の組み合わせを行うことができる。
【0418】
システムのビデオ、入力、および制御は、ウェブベースのソフトウェアアプリケーションを通してアクセスされてもよい。ソフトウェアを通したユーザ入力は、例えば、液滴運動、液滴サイズ、およびアレイの画像を含んでもよく、ユーザ入力は、クラウドベースのコンピューティングシステム内に記録および記憶されてもよい。記憶されたユーザ入力は、機械学習ベースのアルゴリズムを知らせるために、サブセットまたは全体としてアクセスおよび検索されてもよい。液滴運動パターンは、訓練ナビゲーションアルゴリズムで使用するために記録および分析されてもよい。訓練されたアルゴリズムは、液滴運動の自動化のために使用され得る。空間流体特性は、トレーニングプロトコル最適化および生成アルゴリズムで使用するために記録および分析され得る。訓練されたアルゴリズムは、生体プロトコルおよび液滴運動プロトコルを最適化するために、または新しい生体プロトコルおよび液滴運動プロトコルの生成において使用され得る。生体品質管理技術(例えば、増幅ベースの定量化、蛍光ベース、吸光度ベースの定量化、表面プラズモン共鳴法、および核酸断片サイズを分析するためのキャピラリー電気泳動法)を使用して、アレイ上で実施されるワークフローの有効性を分析することができる。これらの技法からのデータは、次いで、出力を改善するために、機械学習アルゴリズムへの入力として使用され得る。このプロセスは、システムが出力を反復的に改善することができるように自動化される場合がある。
【実施例
【0419】
実施例1:専用基準電極を伴わないエレクトロウェッティング
片面エレクトロウェッティングシステム(例えば、本明細書に記載されるデバイスおよびシステム)では、伝導性の上面プレートは、液滴のための電流戻り経路として使用されない。代わりに、専用のコプレナー(またはほぼコプレナー電極が能動的に駆動される電極パッドと併せて使用されることが一般的である。これは、小滴内の蓄積電荷のための低インピーダンス放電経路を提供するためである。これらの電極は、以下の活性電極グリッドと同じ間隔を有するグリッドメッシュの形状をとることが多い。
【0420】
これらのコプレーナー(またはほぼコプレーナー)の基準電極の製作および実装は、エレクトロウェッティングシステムおよびそのようなシステムを利用するための方法を非常に複雑にし得る。表面上の液滴の流体運動性を妨害することなく、液滴への低インピーダンス接続を達成することは、大きな困難であり得る。代わりに、本明細書に提示されるシステムおよび方法は、隣接する電極を電流戻り経路として使用することによって、専用基準電極の必要性をなくす。これらのシステムおよび方法は、同等のエレクトロウェッティング性能を提供し、かつ、専用基準電極の統合に関連する製造の困難を完全に排除する。
【0421】
従来の専用基準電極を有する回路は、液滴を接地するように作用する抵抗性戻り経路を含む。専用の基準電極がなければ、戻り経路は、不活性電極と誘電体膜を横切る液滴との間に形成される容量要素を含む(図15)。このため、この電流戻り経路を有効にするためには、時変電圧で電極を活性化する必要がある。この時変電圧は双極であり得、その場合、高電圧信号は「0V」の非アクティブ電極に対して正および負の両方である。別の実施形態では、時変電圧は単極であってもよく、その場合、高電圧信号は正のみであり、隣接する電極は、液滴を横断する電場が周期的に方向を反転するように拮抗的に駆動される。
【0422】
回路は、広範囲の周波数で駆動することができる。下限は、励起に対する液滴の流体力学的応答によって、および約100nL~100μLの範囲の液滴(しかし、本明細書に記載される体積を含み得る)について、決定され、これは通常最大約100Hzである。周波数範囲の上限は、回路のRC時定数によって決定され、実際には、導電経路内の電流制限抵抗の結果として~1kHzに制限される。この周波数範囲は、より高い電流(例えば、最大20kHz)をサポートする専用高電圧回路の使用によって拡張することができる。
【0423】
実施例2:アレイの表面上に配置された潤滑流体を備えるエレクトロウェッティングアレイ
エレクトロウェッティングまたは他のデジタルマイクロ流体または液滴操作アプローチを用いた液滴の効率的な操作のために、低摩擦表面を共に提供する潤滑油フィルムを有する滑らかな誘電体フィルム(テクスチャレス)を使用することができる。先行技術の開示(US20190262829A1)では、潤滑油フィルムは、テクスチャ加工された表面上に形成される。しかしながら、潤滑油を保持するために多孔質誘電体フィルムを必要とせず、代わりにフィルムの表面と潤滑油との間の化学的親和性に依存する代替の手法が、本明細書において提案される。
【0424】
液滴がテクスチャ表面上に配置される液体表面を横断して運動する、本明細書に説明されるデバイスおよびシステムと同様に、テクスチャのない表面の場合でも、液滴は、潤滑性のフィルムの表面の上にある。潤滑性のフィルムは、液滴と混和しない潤滑液を含む。潤滑剤フィルムは、誘電体の表面を優先的に濡らし、液滴が潤滑剤フィルムの上面に位置するように、熱力学的に安定である。この安定性を達成することは重要であり、誘電体の表面に対する液体潤滑剤の親和性に左右される。誘電体のフッ素化表面については、フッ素化液体潤滑剤を使用することが有利であり得る。類似の化学構造は、より大きな親和性をもたらし、したがって、潤滑剤は、安定した方法で表面を濡らす可能性がより高い。他方で、炭化水素系表面またはシリコーン化表面を有する誘電体(シリコーンおよび未処理のポリマープラスチックなど)を使用する場合、炭化水素系潤滑剤液体(シリコーンオイルなど)を使用することが有利であり得る。
【0425】
潤滑性のフィルムは、以下、
【0426】
シリコーン油:ポリジメチルシロキサン、ポリメチル水素シロキサン/水素シリコーン油、アミノシリコーン油、フェニルメチルシリコーン油、ジフェニーシリコーン油、ビニルシリコーン油、ヒドロキシシリコーン油、シクロシロキサン、ポリアルキレンオキシドシリコーン、
【0427】
フッ素化油:ペルフルオロポリエーテル(PFPE)、ペルフルオロアルカン、フッ素化イオン流体、フッ素化シリコーン油、ペルフルオロアルキルエーテル、パーフルオロトリ-n-ブチルアミン(FC-40)、ヒドロフルオロエーテル(HFE)液、
【0428】
他の潤滑剤:イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪酸および二塩基酸のエステル、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、
を含み得るが、これらに限定されない。
【0429】
潤滑剤液体は、界面活性剤、電解質、レオロジー調整剤、ワックス、グラファイト、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子を含む、他の機能性添加剤を含有してもよい。
【0430】
実施例3:誘電体より下に充填剤流体を含むエレクトロウェッティングアレイ
本明細書に記載されるデバイスおよびシステムは、概して、コプレナー(またはほぼコプレナー)電極の層上に配置された誘電体層を含む。本明細書には、デバイスおよびシステムが誘電体層の下に配置された充填流体を含むさらなる実施形態が記載される。
【0431】
フィルムより下の充填流体は、表面張力によって誘電フィルムを下にあるPCB基板および電極グリッドと密接に接触させた状態に保つ働きをする。誘電体フィルムが電極アレイの表面に適用されるとき、油の層は、フィルムと電極との間の空隙および電極間の空隙を満たす。したがって、電極とフィルムとの間の空隙を充填しながら、油層は表面張力を介してフィルムを表面に付着させたままにする。さらに、あらゆる2つの隣接する電極間の空隙をオイルで満たすことにより、高絶縁破壊材料として作用し、空気が絶縁破壊するのを防止する。
【0432】
空気は、典型的には、約1キロボルト/ミリメートルの破壊電圧を有する。したがって、2つの隣接する電極間のギャップを低減することは、液滴の滑らかな移行を可能にするのに有益であるが、2つの電極間のギャップが何らかの点で低減される場合、それは導通し始め、エレクトロウェッティングデバイスを非機能的にする。2つの電極間の間隙を充填するためにオイルを添加することによって、電極間の間隙が低減され、信頼できる液滴運動のために高い電圧を利用することができる。
【0433】
誘電体フィルムより下の油の層はまた、フィルムの表面を滑らかにする利点を有する。これは、誘電体フィルムが潤滑層上で容易に伸張および伸張解除することを可能にする。この容易な延伸-伸張解除は、フィルムにしわのないフィルムの沈降を可能にする。フィルムのしわは、液滴が可動性になるのを妨げ、かつ/または液滴の運動にさらなる障害をもたらし得る。最後に、誘電体フィルムより下に油の層を有することは、電極アレイからのフィルムの着脱を容易にする方法を提供する。ここで、充填油層は、半恒久的な接着剤として作用し、デバイスの使用時に電極アレイ上に誘電体層を保持する。しかしながら、誘電体層が電極アレイの表面に恒久的に固定されていないため、ユーザは、誘電体層を表面から容易に除去することができる。油を使用しないことの代替は、誘電体フィルム/層が電極アレイに恒久的に取り付けられること、またはユーザが、表面全体にわたって均等に表面にフィルムを引き下ろすために、より複雑な機器を必要とすることを意味する。これらの実施形態では、電極アレイ上の充填流体の使用は、カートリッジが液滴を支持する表面を含むことができる除去可能な「カートリッジ」を伴うデバイスおよびシステムを可能にし得る。
【0434】
実施例4:酵素的DNA合成
本明細書に記載のアレイ上で、水性媒体中における酵素触媒プロセスを用いてポリヌクレオチド(例えば、DNA)を合成する方法を実施した。末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TDT)は、DNAの3’末端と5’末端との間のホスホジエステル結合の形成を触媒する鋳型非依存性ポリメラーゼである。図5Aおよび図5Bは、DNAの合成を提供するための例示的なワークフローを示す。図5Cは、DNAの長い分子を合成するためにヌクレオチドの段階的付加を行う単一反応部位の概略図を示す。
【0435】
本開示の態様は、試薬が合成または重合を媒介する酵素を含むことを提供する。いくつかの実施形態では、第1の試薬、第2の試薬、第3の試薬、またはそれらの任意の組み合わせは、合成または重合を媒介する酵素を含む。いくつかの実施形態では、酵素は、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ(PNPase)、末端デヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)、DNAポリメラーゼベータ、DNAポリメラーゼラムダ、DNAポリメラーゼミュー、およびDNAポリメラーゼのXファミリー由来の他の酵素からなる群由来である。
【0436】
保護されていない3’-ヒドロキシル基を有する出発DNA材料を含有する液滴を、官能性磁気ビーズを含有する液滴と混合する。短時間の撹拌後、DNA分子は磁気ビーズに結合される。あるいは、出発DNA物質を含有する液滴を、DNAを固体支持体に固定化するように官能化されたアレイの位置に分配する。切断可能/除去可能部分を有するヌクレオシド5’-トリホスフェートを含有する液滴を、固定化された出発DNAを含有する液滴と混合する。次いで、液滴中の、出発DNAの保護されていない3’-ヒドロキシル末端とヌクレオシド三リン酸の5’-リン酸末端との間の5’から3’へのホスホジエステル結合を触媒するTDT酵素を融合し、固定化DNAを含有する液滴と混合する。反応物を室温以上で5~30分間インキュベートする。
【0437】
次いで、脱ブロッキング剤を含有する液滴を後続の反応混合物と混合し、遊離3-ヒドロキシルを有するヌクレオチドを生成する。固定化のために磁気ビーズを使用する場合、次いで、磁場を印加して、ビーズをアレイの表面に引き下げ、過剰な液体を除去する。次いで、洗浄緩衝液をビーズ上に流すことによって、ビーズを複数回(例えば、2~4)洗浄する。次いで、洗浄した液体を、アレイの廃棄領域に廃棄する。上記の方法を繰り返すことによって、さらなるヌクレオチドをDNAに付加する。ヌクレオシド三リン酸の各付加中に、コントローラは、それぞれのリザーバーからヌクレオシド三リン酸の1つをアレイに分注するように指示する。複数回の反復の後、既知の配列のポリヌクレオチドが産生され、ビーズまたはアレイの機能的表面のいずれかに固定化されて留まる。最終的なDNA産物は、液滴に切断剤を含有させることによって切断され、表面(例えば、ビーズまたはアレイの表面)から放出される。次いで、最終生成物を液滴中に懸濁させ、アレイから回収する。
【0438】
DNA合成のエラーは、ミスマッチ結合、およびミスマッチ切断タンパク質で修正することができる。ミスマッチ結合タンパク質(例えば、MutS)を磁気ビーズに結合し、少なくとも1つのエラー(例えば、二重らせんの歪みとして識別される)を有するアセンブルされたDNAを含む液滴と混合する。例えば、エラーを含むDNA分子を磁気ビーズに結合し、エラーのないDNAは、ビーズに付着しない。その後、磁場を使用してビーズをアレイの別の領域に移動させ、少なくとも1つのエラーを含むDNAを除去する。起電力(例えば、EWOD)を使用して、エラーのないDNAを含む過剰な液体をビーズから分離する。
【0439】
あるいは、例えば、T4エンドヌクレアーゼVIIまたはT7エンドヌクレアーゼIなどのミスマッチ切断酵素を使用して、エラーを修正する。切断酵素を含む液滴を、アセンブルされたDNAを含む液滴と混合する。ミスマッチ切断酵素は、エラーまたはその近くの領域を標的とする。その後、磁気ビーズベースの分離を使用して、エラーのないフラグメントを回収する。あるいは、エキソヌクレアーゼを使用して、ミスマッチ切断酵素によって残された断片上の追加のエラーを除去する。これらのトリミングされた断片は、液滴内のPCRアセンブリを使用して正しくアセンブルされる。
【0440】
アセンブルし、エラー補正したDNAを、PCRを使用して液滴中で増幅する。その後、PCRからの最終生産物を、本明細書に記載される方法を使用して、アレイ上でのシーケンシングのためのライブラリに調製する。合成されたDNAの最終的な配列検証のために、本明細書に記載されるシーケンシング技術のいずれかを使用して、ライブラリを配列決定する。
【0441】
本明細書に記載のプロトコルは、10塩基開始DNAを使用するプラットフォームを使用して実施した。2つの反応を実施して、5および10のチミン塩基のベースDNAへの付加を合成した。結果を、青色光照射を備えたzure 600上で変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて分析した。可視化のためにDNAをフルオレセイン色素にコンジュゲートした。アガロースゲルアッセイによって合成を確認した。
【0442】
本明細書に記載されるプロトコルはまた、PCR増幅において使用するための機能的DNAプライマーを調製するためにも使用されている。フォワードおよびリバースプライマーを200pmolスケールで合成し、手動の合成後処理を必要とした。プライマーの機能性は、40サイクルPCRプロトコルを実施することによってアッセイし、2%アガロースゲル(e-ゲルEX)を使用して結果を分析した。ゲルアッセイによって確認された結果は、本明細書に記載されるシステムおよび方法を使用して合成されたプライマーが、エンドポイントPCR分析に基づいて、IDT DNAプライマーと同等の機能を有することを示唆する。
【0443】
実施例5:高分子量(HMW)核酸の抽出
様々な源(例えば、哺乳動物、細菌、植物)からの細胞は、細胞を含む液滴を、溶解剤(例えば、界面活性剤または酵素)を含む別の液滴と融合させることによって、アレイ上で直接溶解される。この混合物を、細胞の溶解、および該当する場合は核の溶解を促進するために、EWODアレイ上で加熱および混合する(例えば、別々にまたは同時に)。タンパク質、RNA、またはそれらの組み合わせの酵素消化を、試料の純度を向上させるために実施する。細胞を溶解している間、溶解反応の進行および溶解効率を、DNA特異的蛍光染色によってモニタリングする。固相(例えば、ビーズベースの捕捉または沈殿(例えば、塩およびエタノールまたはフェノール-クロロホルム抽出))によって、DNAをアレイ上で直接精製する。回収したDNAを、最小限の剪断でEWODによって操作し、アレイの様々な位置に移す。アレイで実施される洗浄サイクルの数を増やすことによって、高品質のロングリードシーケンスに不可欠なDNA純度が向上する。シリカナノ構造磁気ディスクを使用して、小さなDNA断片を取り出す。緩衝液でさらに連続溶出を実施することによって、回収したDNAの収率が増大する。
【0444】
DNA抽出後、試料をPulse Field Gel Electrophoresis(PFGE)によって分析し、互いに対する各試料のサイズ分布を定量化し、市販のラダー(BioRad)およびImageJ(NIH)プロファイル分析ツールを分析する。入力が小さい場合(細胞入力など)、回収/サイズ分布は、低い入力量のためのFemto Pulse(Agilent)およびqPCRによって測定する。ゲノムの完全性を、追加の補完的な方法、例えば、 BioNano Genomics Saphyr Systemによって評価し、これにより、マクロスケールでの迅速で費用効果の高いプロトタイピングと、Saphyr Systemを使用したデータの独立した比較が可能になる。
【0445】
EWOD表面の不動態化は、溶液と表面に沈着したPEG200またはBlockAid(Invitrogen)不動態化デバイスの存在下で、DNAの沈着および保持を試験することによって決定される。測定値は、i)Hoechst 33342で使用した後の表面を染色すること、ii)Lambda DNA(New England Biolabs、線形化、48.5Kb)の市販の調製物の表面保持を計算すること、および/または、iii)試料のqPCRをおよび/または計量%欠損、予め、またポスト操作、試料の操作前と操作後のqPCRによる損失%およびDNAの10コピーから10コピーまでの入力量を測定することによって得られる。
【0446】
哺乳動物の細胞溶解、RNA、およびタンパク質消化と、その後のHMW DNA単離を、EWODアレイ上で実施した。高分子量のDNA断片の分布は図4で見られ、165,000bpより大きなDNA断片が試料から単離されている。溶出時間が長いほど、より多くのDNAが回収され(例えば、より高いピークで示される)、より高いDNA収量を得る方法となる。
【0447】
これらの技術を利用して、以下の実施例に記載されるように、配列決定のためのDNAライブラリを調製した。
【0448】
実施例6:次世代配列決定(NGS)ライブラリ調製:
224ナノグラム(ng)の精製ゲノムDNAを出発物質として使用し、Genome In A Bottle NA12878をDNA源として使用した。最終ライブラリを、サーマルサイクラー上で、別個のPCR後領域において実行される2サイクルのPCRによって増幅した。対照ライブラリを、データ比較のために、手動で、オフチップで実施した。ライブラリをQubitによって定量化し、断片サイズ分布をBioAnalyzerによって評価した。これに従ってライブラリを正規化し、aNextSeq500上で配列決定した(例えば、インデックスについて初期中間出力を2×75サイクルおよび2×8サイクルで実行した浅い配列決定、続いて高出力の2×150サイクルで実行した追加のカバレッジ生成)。アダプターのトリミングなしで、Illuminaのbcl2fastq v2.20を使用して、シーケンシングデータを逆多重化した。十分に確立されたアルゴリズム(例えば、FASTQC、BWA-MEM、SAMtools、Picard、およびGATK)を使用して、バイオインフォマティクス解析を実施した。
【0449】
チップ上(オンチップ)で調製したライブラリは、配列決定に充分な材料を生成した(表1)。オフチップの対照は、オンチップ実験より~2.3倍多くのDNA材料を生成する。しかし、平均断片サイズは、オンチップとオフチップの両方のライブラリ(表1および図6)について上述されたものより高かった。全ての配列決定およびマッピングQCデータは、本明細書に記載のシステムおよび方法を用いて、Q30>90%(図7)、PFリードの%>90%の高品質配列決定ライブラリが生成されたことを示した(表1)。
【0450】
【表1】
【0451】
オンチップライブラリとオフチップライブラリの両方の重複レベルは低く(図8)、全体で10%未満であった(表1)。重複したリードのレベルが低いことは、アダプター中の限られた含有量にも反映されていた。本発明者らの初期の浅い配列決定(2×75)は、<1%のアダプター汚染を示したが(図9A)、配列決定の深さおよびリード長を2×150に増加させると、オンチップおよびオフチップライブラリについてそれぞれ最大15%および10%のアダプターが検出された(図9B)。オンチップとオフチップの差は、オフチップ対照と比較して、オンチップライブラリに対して生成されるリードの数が多いためであり得る。
【0452】
パスフィルターリードのマッピング率は高く(>99%)、ゲノム全体のカバレッジは両方のライブラリ間で同等であり(図10)、オンチップライブラリとオフチップライブラリのカバレッジの中央値はそれぞれ9倍と7倍であった。変異体および一塩基多型(SNP)をコールする能力を決定した。ヘテロ接合(HET)一塩基多型(SNP)感度は、オンチップとオフチップとの間で同様のカバレッジで同等であった。これは、遺伝子間領域の両方のライブラリで同一の遺伝子型変異体が検出されたTP53遺伝子座上のSNPを注視することによって確認された(図11)。
【0453】
LSK-110ライゲーションベースのライブラリ調製をプラットフォーム上で行ない、Oxford Nanopore MinIONでの分析のためのライブラリを作製した。キット消耗品を調製し、プラットフォーム自体のための消耗可能なフィルムと共にプラットフォームに投入した。次いで、GM12878細胞由来の1μLのHMW gDNAをプラットフォームに投入した。システムの自動化調製プロトコルをロードし、起動した。自動化プロトコルの最後に、ライブラリをビーズに付着させ、37℃で10分間のインキュベーションを使用し、続いて磁気ラックを用いて、手動で溶出させた。調製したライブラリを含む12μLの上清を分析のためにOxford Nanoporeシステムに移した。実験からの結果を表2に示し、2つの異なる実験の実行についてのリード長を示すヒストグラムを図32Aおよび図32Bに示す。
【0454】
【表2】
【0455】
プラットフォーム上での調製は、図27の結果に見られるように、手動調製と比較して40%高い収率を含有するライブラリをもたらした。ライブラリはまた、図28に示されるように、手動で調製された試料と比較した場合、高い相対的細孔占有率によって、MinION配列決定化学との高いレベルの適合性を示した。ベースコール品質スコアはまた、図30に見られるように、手動で調製されたライブラリに由来するものと非常に類似していた。配列決定データはまた、図29に示されるように、プラットフォームからのgDNAが23kbのN50をもたらすことも実証した。
【0456】
実施例7:アレイ上での配列決定のためのDNA試料調製のワークフロー:
本明細書に記載のアレイ上のNGSのためのワークフローの例を図12に示す。アレイ上の液滴中の細胞は、化学的または酵素的細胞溶解試薬を含む別の液滴を導入することによってアレイ上で溶解される。液滴に含まれるタンパク質は、アレイの別の液滴に含まれる分解酵素を導入することによって分解され、DNA分子に特異的な磁気粒子が、DNA分子を含む液滴に導入される。磁気ビーズをアレイの表面に付着させるか、または磁気ビーズを液滴中に懸濁させる。DNA分子は、アレイの磁場(例えば、本明細書に記載される可動磁石)を使用して、細胞残屑および分解タンパク質から分離され、単離される。溶液中に懸濁された磁気粒子に付着された単離されたDNAは、図36A~36Bに描写されるように、基板の表面に平行な平面にわたって可動磁石を平行移動させることによって、液滴から分離される。単離されたDNA被覆ビーズは、磁気ビーズ洗浄プロセスを受ける。DNAは、アレイ上の、アレイに隣接する、またはアレイから離れたDNAシーケンサーに導入される。DNAを配列決定する。
【0457】
実施例8:振動支援型混合装置を用いた高分子量DNA抽出
目標
この実験において、意図される目標は、血液、哺乳動物細胞、および培養微生物などの生体試料から、長く清浄なDNAを抽出することである。典型的には、目的は、50kb(50キロベース)を超える長さのDNAを単離し、DNA配列決定および光学マッピングなどの下流の応用に充分な核酸材料を単離することである。
【0458】
ワークフローは、生体試料(例えば、細胞、血液)中の細胞を溶解することから開始する。溶解は、エレクトロウェッティングアレイ上で、2つの液滴(一方は溶解する必要がある細胞を含有し、他方は溶解試薬を含有する)を混合することによって行われる。溶解した細胞は、DNAの長い断片、タンパク質および他の細胞デブリ(集合的に「細胞溶解物」と呼ばれる)を含むすべてを内部から放出する。この細胞溶解物の混合物は、一般にかなり粘性である。粘性流体は、エレクトロウェッティング力に応答して移動しないか、または激しく損なわれた移動(例えば、運動を誘発するのにより多くのエネルギーが必要とされる)を経験する。
【0459】
このタイプの細胞溶解物混合物から核酸分子(例えば、DNA、RNA)を単離するための典型的な方法は、核酸分子に結合する親和性を有する磁気応答性官能性基材(例えば、ビーズ、ディスク)を使用することによる。したがって、たとえ磁気ビーズが細胞溶解物を含む混合物に添加されたとしても、細胞溶解物の粘度およびエレクトロウェッティングに対するその非応答性のため、基材を溶解物と混合することは困難である。基材は、流体内で静止したままであり、核酸分子に充分に結合しない。ほとんどの場合、核酸分子の単離を完了するためにワークフローの次の工程に進むことは困難であり得る。これは、混合物から過剰な流体を除去することが困難であり得るためだが、それは基材に結合した核酸分子から全てを分離するのに必須である。過剰な流体が分離されたとしても、基材に結合した核酸分子の量は、典型的には非常に少ない。その結果、ほとんどの核酸分子が失われ、目的の試料から単離された%は非常に低い。
【0460】
このシステムに振動/音響力を導入することにより、粘性細胞溶解物を磁性基質と(例えば、DNAをビーズと)混合することが可能になる。このことは、溶解物中のDNAのほとんどがビーズに結合することを促す。DNAがビーズに結合すると、過剰な流体の粘性は低くなる。次いで、過剰な低粘性流体は、本明細書に記載のより標準的なエレクトロウェッティングを用いてビーズから容易に分離することができる。
【0461】
細胞溶解物からビーズへの効率的なDNA結合を可能にすることに加えて、振動支援型混合は、ビーズからのDNAの非常に効率的な溶出(ビーズからのDNAの取り外し)を可能にする。これは、典型的には、DNAを有するビーズが、DNAが放出される溶液中に懸濁される場合に起こる。この場合、効率は、DNAがどれだけ速く溶出されるか、およびビーズに結合したDNAがどれだけ多く溶出されるかによって測定される。
【0462】
方法
DNAは、振動補助混合ありおよびなしのエレクトロウェッティングアレイ上で750,000個のヒト細胞(GM12878)から抽出した。これらの細胞は、約4500ngの全ゲノムDNAを含有すると推定される。それぞれのアッセイの結果を表3に例示する。振動支援型混合では、回収された全DNAは約2830ngまたは約63%である。一方、振動がないと、回収された全DNAは480ngまたはわずか約11%である。振動支援型混合は、本発明者らが混合のためにエレクトロウェッティングのみに依存する場合と比較して、DNAのはるかに高い結合および単離を可能にする。
【0463】
【表3】
【0464】
実施例9:振動支援型混合とともに磁気応答性ビーズを使用するDNA洗浄
核酸分子(DNAまたはRNA)が目的の分子である用途(例えば、次世代DNA配列決定(NGS)、タンパク質配列決定、定量的PCR(qPCR)、液滴デジタルPCR(ddPCR)、ならびにDNA、RNA、タンパク質および他の生体分子を固定化するための他の分子生物学的用途として)では、官能性基材を、既知のサイズの分子への結合、既知の種類の分子への結合、ならびに一般的に他の汚染物質からの単離およびクリーンアップのための結合のために使用することができる。ビーズの典型的な使用法、特に汚染物質から核酸を洗浄するための典型的な使用法は、以下の図に示すように見える。
【0465】
【表4】
【0466】
このクリーンアップワークフローがエレクトロウェッティングデバイス上で実行される場合、これはすべて以下のように液滴中で行われる:
【0467】
最初に、目的の核酸からなる液滴を、官能化された基材からなる別の液滴と融合させる。この工程の間、核酸はビーズに選択的に結合し、全ての汚染物質を溶液中に残す。
【0468】
次いで、強い局所磁場を印加することによって、基材をエレクトロウェッティングアレイの表面に引き下げる。基材がペレット化されると、汚染物質からなる液体は、エレクトロウェッティング力を用いて基材から引き離される。さらに、エレクトロウェッティングアレイの表面上の基材ペレットは、エタノールなどの洗浄液で1回以上洗浄され得る。
【0469】
最後に、磁場を下げて水または他の溶出緩衝液の液滴を加えることによって基材を懸濁させる。次いで、ビーズに結合した核酸は、水性条件下で溶液中に放出される。
【0470】
上記の3工程プロセスにおいて、混合の質は、ワークフローの終わりに回収される核酸の量に直接影響を及ぼす。特に、核酸固定化の最初の工程において、液体中の基材が良好に混合されて溶液中の核酸の大部分に結合することが重要である。同様に、最後のステップで溶出される核酸の量は、混合の質に直接的に比例する。
【0471】
エレクトロウェッティングデバイス(例えば、本明細書に記載されるデバイス)では、エレクトロウェッティング運動のみを使用する混合は、すぐ上で記載された混合工程における充分な結合および上で記載された充分な溶出を達成するほど良好ではない場合がある。これは、クリーンアッププロセス中に失われる非結合核酸をもたらす。エレクトロウェッティング装置上での振動支援型混合では、基材に結合する核酸の量が多い。同様に、振動支援型混合では、基材から溶出する核酸は、核酸のほとんどを溶出させる。結果として、振動支援型混合により、DNAの大部分が回収される。
【0472】
方法
これを実証するために、SPRI(Solid Phase Reversible Immobilization)磁気ビーズを用いた汚染物質を伴うDNAのクリーンアップ反応を行った。
【0473】
このワークフローでは、約2900ngのDNAを入力として使用し、上に示す3つのステップを用いたクリーンアップを実施した。ワークフローは、振動支援型混合を伴わずに、および振動支援型混合を伴って実施した。両方の反応を約5分間行った。以下の表4に示されるように、振動支援型混合DNAクリーンアップにより、2444ngのDNAが回収された。一方、振動がない場合、約931ngのDNAしか回収されなかった。振動支援型混合は、エレクトロウェッティングデバイス上で行われるクリーンアッププロセスにおいて、同じ投入材料から2.5倍多い量のDNAを回収する。
【0474】
【表5】
【0475】
振動支援型混合 概要
概して、振動支援型混合は、純粋なエレクトロウェッティングベースの混合だけでは達成することが困難である生物学的および化学的に意味のある高品質の結果を達成するのに役立つ。上記実施例は、
1.一定の分子の回収%;
2.試料のより速い処理;および
3.細胞溶解物などの困難な試料からDNAを単離する際の高い効率
における改善を例示する。
【0476】
概して、振動支援型混合は、いくつかの他の生物学的プロセスの性能を改善することができる。これから利益を得ることができるいくつかの追加のプロセスには、次世代配列決定、タンパク質配列決定、PCR、核酸制限、核酸消化、核酸増幅、遺伝子編集、分子クローニング、バイオポリマー合成、バイオポリマーアセンブリ、DNA修復、RNA修復、DNAライゲーション、DNAエラー検出、およびDNA複製における、任意のおよびすべての酵素反応ならびにビーズベースの反応が含まれる。特に、これらの反応において、振動支援型混合は、以下の利点を提供する:
1.これらのプロセスを加速し、したがって反応の完了の時間を短縮する;
2.これらの酵素の効率的利用を支援する;
3.入力試料の使用を低減するのを支援する、および;
4.最小限のエラーで反応を実施する。
【0477】
さらに、この技術は、核酸、タンパク質、塩、界面活性剤、ビーズ、細胞、代謝産物、有機分子および無機分子を含有する液体を用いた一般的な生物学的および化学的処理に拡張することができる。
【0478】
実施例10:GM12878細胞およびヒト全血からの高分子量(HMW)ゲノムDNA(gDNA)の抽出
様々なソース(例えば、哺乳動物、細菌、植物)からの細胞は、細胞を含む液滴を、溶解剤(例えば、界面活性剤または酵素)を含む別の液滴と融合させることによって、アレイ上で直接溶解される。この混合物を、細胞の溶解、および該当する場合は核の溶解を促進するために、EWODアレイ上で加熱および混合する(例えば、別々にまたは同時に)。タンパク質、RNA、またはそれらの組み合わせの酵素消化を、試料の純度を向上させるために実施する。細胞を溶解している間、溶解反応の進行および溶解効率を、DNA特異的蛍光染色によってモニタリングする。固相(例えば、ビーズベースの捕捉または沈殿(例えば、塩およびエタノールまたはフェノール-クロロホルム抽出))によって、DNAをアレイ上で直接精製する。回収したDNAを、最小限の剪断でEWODによって操作し、アレイの様々な位置に移す。アレイで実施される洗浄サイクルの数を増やすことによって、高品質のロングリードシーケンスに不可欠なDNA純度が向上する。シリカナノ構造磁気ディスクを使用して、小さなDNA断片を取り出す。緩衝液でさらに連続溶出を実施することによって、回収したDNAの収率が増大する。
【0479】
DNA抽出後、試料をPulse Field Gel Electrophoresis(PFGE)によって分析し、互いに対する各試料のサイズ分布を定量化し、市販のラダー(BioRad)およびImageJ(NIH)プロファイル分析ツールを分析する。入力が小さい場合(細胞入力など)、回復/サイズ分布は、低い入力量のためのFemto Pulse(Agilent)およびqPCRによって測定する。ゲノムの完全性を、追加の補完的な方法、例えば、 BioNano Genomics Saphyr Systemによって評価し、これにより、マクロスケールでの迅速で費用効果の高いプロトタイピングと、Saphyr Systemを使用したデータの独立した比較が可能になる。
【0480】
EWOD表面の不動態化は、溶液と表面に沈着したPEG200またはBlockAid(Invitrogen)不動態化デバイスの存在下で、DNAの沈着および保持を試験することによって決定される。測定値は、i)Hoechst 33342で使用した後の表面を染色すること、ii)Lambda DNA(New England Biolabs、線形化、48.5Kb)の市販の調製物の表面保持を計算すること、および/または、iii)試料のqPCRをおよび/または計量%欠損、予め、またポスト操作、試料の操作前と操作後のqPCRによる損失%およびDNAの10コピーから10コピーまでの入力量を測定することによって得られる。
【0481】
哺乳動物の細胞溶解、RNA、およびタンパク質消化と、その後のHMW DNA単離を、EWODアレイ上で実施した。高分子量のDNA断片の分布は図4に見られ、165,000bpより大きなDNA断片が試料から単離されている。溶出時間が長いほど、より多くのDNAが回収され(例えば、より高いピークで示される)、より高いDNA収量を得る方法となる。
【0482】
本明細書で言及される自動抽出手順は、GM12878細胞から単離されたHMW DNAを誘導するために、EWODアレイ上で実施された。プラットフォームは、試料との手動的相互作用を必要とすることなく、自動化されたDNA結合、ビーズペレット化、洗浄およびクリーンアップ、そして最後に溶出を実施した。図24および表5の結果に示されるように、5μgを超えるDNAが1時間未満で抽出され、高純度であり、10kbを超える長さを有した。
【0483】
【表6】
【0484】
同じシステムを、ヒト全血試料からHMW gDNAを抽出するために使用した。図25A~25Cに見られるように、平均約1.2μgのDNAが、レーンあたり100μLの全血あたり1時間で誘導された。複数の抽出レーンを同時に実行し、gDNAの迅速な高収率単離をもたらした。PFGEゲル分析を実施して、手動で実施した抽出と比較して、抽出した断片の長さを評価した。図26Aおよび26Bの結果は、プラットフォーム上で実施された抽出が、同様の、またはより大きい平均gDNA断片長を有したことを実証する。
【0485】
同様の技術を用いたアッセイは、GM06852、GM09237、GM20241、GM07537、およびK562を含む複数の哺乳動物細胞株で成功裏に実施されている。
【0486】
実施例11:細胞核酸に対する全ゲノム配列決定
ゲノムの完全性は、Oxford Nanoporeデバイスを介したロングリードシーケンシングによって示される。DNAは、Qiagen HMWキットおよびLomanプロトコルとともに本明細書に記載されるプロトコルを使用して抽出することができる。>1mbの長さに鎖を維持するための最適化されたプロトコルに従って、ライブラリを調製する。抽出の再現性は、サイズ性能の評価の堅牢性を確実にするために、QiagenおよびLomanのライブラリのそれぞれ最低3つと、7つのFlexomicsライブラリを配列決定することによって評価する。規則的な入力および低い入力(例えば、1,000の細胞)ライブラリを評価する。低い入力では、~24のサブセットがそれぞれ、1,000の細胞をバーコード付けされ、下流の配列決定に十分な材料(理論的に~150ng)を提供する。
【0487】
細胞HMW DNA入力は、例えば、i)バランスのとれたライブラリ調製を確実にするために、担体DNA、例えば、Lambda DNAの補充、またはii)細胞の絶対数の希釈と、後の反応のためのライブラリ調製および分析試薬のスケーリングによって滴定される。Lambda DNAは、ビオチン化され(例えば、Pierce 3’ビオチン化キット、Thermo Fisherを使用)、枯渇させて、配列決定の前にオンターゲットライブラリを濃縮する。ONTトランスポゼースライブラリ調製の性能は、例えば、試料を別個のチューブに移動させずに、デバイス上で評価した。
【0488】
様々なプラットフォームにわたる全ゲノム配列決定のための試料の調製が実証されてきた。本明細書に記載される抽出プロトコルを用いてGM12878から抽出されたHMW gDNAおよびヒト全血から抽出されたHMW gDNAを使用して、Illumina NovaSeq 6000のためのライブラリを調製した。次いで、配列決定データを、手動抽出から得られたgDNAと比較した。表6および表7の結果は、自動化プラットフォームに由来する試料が、手動で調製された試料と同様の品質であることを実証する。
【0489】
【表7】
【0490】
【表8】
これらの調製物およびアッセイはまた、ライブラリ調製物が一貫性および信頼性の両方を有することを実証するために、同じ入力およびプロトコルを使用して繰り返した。表8の結果は、IlluminaシーケンサーのためにEWODプラットフォーム上で調製されたライブラリが、gDNAのソースにわたって高い品質スコアを確実に生成したことを示す。
【0491】
【表9】
【0492】
合理化された単一液滴反応の自動化されたワークフローの一貫性を実証するために、Illumina配列決定システム用のライブラリ調製手順を繰り返した。Agilent Tape Stationを使用して、挿入断片およびライブラリ断片のサイズを分析し、結果を表9に示す。1つのGM12878および1つの全血試料についてのライブラリ断片サイズの分布を、それぞれ図31Aおよび図31Bに示す。
【0493】
【表10】
【0494】
これらのワークフローにおいて産生された断片の機能性も分析して、qPCRベースのライブラリ定量を使用して機能性を確かめた。これらの実験からのデータを表10に示す。
【0495】
【表11】
【0496】
ライブラリは、自動プラットフォームを使用して、GM07537細胞株のSMRT細胞から抽出したgDNAからPacBio Sequel IIシーケンサーのために同様に調製した。PacBio機器での配列決定のためのライブラリの調製は、PacBio SMRTbell v3.0キットを使用して達成した。ヌクレアーゼを含まない水溶液中の新鮮な80%エタノールおよび溶出緩衝液中の35%AMPure PBビーズ溶液を調製した。これらの2つの溶液を、ヌクレアーゼを含まない水と共にディスペンサーデックに入れた。残りの試薬は、試料あたりの必要とされる量に基づいて計算された必要とされる体積を有し、表11に列挙される体積で試薬カートリッジ上にピペットで移された。
【0497】
【表12】
【0498】
次いで、ユーザインターフェース上の「消耗品投入」ボタンを押すことによって、Volta消耗品をプラットフォームに投入した。システムによって促されたとき、フィルム消耗品を投入した。次いで、46μLのHMW gDNAを、広口径チップを用いてプラットフォーム上にピペットで移した。HWM gDNAの質量は300ng~5μgであり、15k~18k塩基対長であった。A260/280は1.8であり、A260/230は2.0~2.2の間であった。
【0499】
プラットフォームが完全に調製された後、適切なライブラリ調製プロトコルがユーザによってロードされた。いったん起動されると、機器は、ユーザによる介入を伴わずに、自動化されたワークフロー全体を実施した。プロトコルの実行が完了すると、広い穴のピペットチップを使用して、クリーンアップされたライブラリを含有する上清の1.5μLを吸引し、そして1.5mlのLoBindチューブの中へ分注した。1Lのライブラリを9μLの溶出緩衝液で希釈し、QubitおよびFemtoPulseを使用して分析して、精製されたライブラリの品質を判定した。試料が品質管理チェックに成功したことを確認すると、次いで、それを使用して、PacBio配列決定機器を使用してgDNAを配列決定した。これらの方法は、本開示に記載の方法を用いてアレイ上の液滴形態の中で実施した。
【0500】
実験の結果を図33A~Eに示す。生の配列出力は、512Gbのデータをもたらし、これは、アッセイを行う研究室によって経験される約300~400Gbの平均出力を上回る。環状コンセンサス配列決定も試料に対して実施し、HiFiデータの16~20Gbの予想平均と比較して32.5GbのHiFiをもたらした。これらの結果は、単一のSMRT細胞のゲノムのlOxカバレッジを実証し、無傷性および純度に関する高品質抽出ならびにPacBio配列決定化学との高い適合性の両方を確証する。
【0501】
実施例12:QIAseq FX DNAキットを使用するNext Genライブラリ調製
QIAseq機器での配列決定のためのライブラリの調製は、QIAseq FX DNAライブラリキットを使用して達成した。ヌクレアーゼフリー水溶液中の新鮮な80%エタノール溶液を調製した。これを、ヌクレアーゼを含まない水およびAMPure XPビーズと共に、Dispenser Deckに入れた。残りの試薬は、試料あたりの必要とされる量に基づいて計算された必要とされる体積を有し、表12に列挙される体積で試薬カートリッジ上にピペットで移された。
【0502】
【表13】
【0503】
次いで、ユーザインターフェース上の「消耗品投入」ボタンを押すことによって、Volta消耗品をプラットフォームに投入した。システムによって促されたとき、フィルム消耗品を投入した。次いで、35μLのHMW gDNAを、200μLチップを用いてプラットフォーム上にピペットで移した。HWM gDNAの質量は10ng~1μgであり、A260/280は1.8であり、A260/230は2.0~2.2の間であった。
【0504】
プラットフォームが完全に調製された後、適切なライブラリ調製プロトコルがユーザによってロードされ、そして所望の断片化時間が選択された。いったん起動されると、機器は、ユーザによる介入を伴わずに、自動化されたワークフロー全体を実施した。プロトコルの実行が完了すると、のピペットチップを使用して、クリーンアップされたライブラリを含有する上清の30μLを吸引し、そして1.5mlのLoBindチューブの中へ分注した。次いで、クリーンアップされたライブラリの品質を判定するために、Qubitを使用して1μLのライブラリを分析した。試料が品質管理チェックに成功したことを確認すると、次いで、それを使用して、PacBio配列決定機器を使用してgDNAを配列決定した。これらの方法は、本開示に記載の方法を用いてアレイ上の液滴形態の中で実施した。
【0505】
実施例13:プラットフォームの継続的な使用に起因する効率の増大およびコストの低減
信頼できる計装は、ワークフロー実験能力の増加を可能にした。これは、より速い実験をもたらし、ワークフローのロバスト性を増大させた。プラットフォーム上で実行された累積的実験を図35Aに示す。灰色のボックス内のドットは、許容可能な生物学的出力を有するアプリケーションを自動化するための独特の実験を表すが、外側のドットは、内部で検証されるか、または外部展開実行のいずれかである。このことは、図35Bに示すように、プラットフォームの経験が増加するにつれて、新しい自動化されたワークフローを開発するために必要な投資が、FTE月数で計られるように、経時的に減少することを実証している。より多数のアッセイが開発されるにつれて、さらなる効率が実証されることになろう。
【0506】
プラットフォームからの生物学的出力の品質もまた、プラットフォームとのユーザ経験が増加するにつれて増加するであろう。図34は、経時的に、プラットフォームを使用して抽出されたDNAの平均濃度が増加したことを示す。抽出されたDNAの純度は、同じ期間にわたって増加することも示されている。プラットフォーム上の抽出からのDNAの品質ならびに他の用途のための出力のさらなる増加は、プラットフォームが使用されている時間およびプラットフォームを使用する人の数が増加するにつれて実証されるであろう。
【0507】
ユーザアッセイ作成ソフトウェアの設計は、アッセイ開発速度および効率の将来の増加に寄与する。ユーザは、プログラミング、ソフトウェア、またはハードウェア操作のほとんど必要な知識を伴わずに、容易にプロトコルを変更し、個々のアプリケーションのために各プログラムをカスタマイズすることができるであろう。また、作成されたプロトコルを格納し、さらに開発速度を高める共同開発を容易にする、ユーザにとって利用可能なデータベースも存在することになる。これは、より多くのユーザへのプラットフォームのより広範な配布、およびより多くのアプリケーションのためのプラットフォームにおけるプロトコルの開発の結果から明らかになるであろう。
【0508】
プラットフォーム動作の分析から導出される機械学習アルゴリズムの使用はまた、経時的に、プラットフォームの使用からより大きな効率およびコスト節約をもたらすであろう。これらのアルゴリズムは、アッセイの実施中に生じるエラーの検出および単離を支援する。次いで、アルゴリズムは、同じプロトコルのすべての他のユーザが、当該プロトコルを実行するすべてのユーザに基づく機械学習から利益を得ることを可能にする。これは、このタイプの累積学習および修正を可能にしない機器と比較して、有意により大きなプロトコル開発および改良を可能にする。
【0509】
実施例14:ソフトウェアアーキテクチャ
ユーザがアレイデバイス上の液滴(作動は、液滴を運動、混合、加熱または他の操作に供することを意味する)の作動を構成することを可能にするユーザインターフェースは、本明細書で説明される方法およびシステムを指図するように構成されるコンピュータプロセッサに適用され得る。ユーザインターフェース上で、アレイデバイス上で実行される生物学的または化学的プロトコルを定義することができる。このインターフェースを通して、プロトコルで使用される液体(処方体積等)に関する情報は、ユーザによって手動で入力されるか、または自然言語処理アルゴリズムを使用して自動的に投入されてもよい。規定されたボリュームは、アレイデバイスにとって互換性のあるボリューム(アレイデバイス上で適切であるボリューム)に変換され得る。この変換は、最大値および最小値を正規化し、次いで相対中間体積を計算することによって達成することができる。異なる化学的性質を有する液体は、アレイデバイス上で異なって広がり、したがって、アレイデバイス上の異なる数の作動電極を占有することが可能であり得る。これらの液滴体積は、正規化された範囲内でアレイデバイス上の移動性を改善するように調整され得る。
【0510】
ソフトウェアインターフェースは、「液滴相互作用特性」と呼ばれる一組の値を記憶する。これらは、試薬適合性(試薬が生物学的特性に影響を及ぼすことなく接触する能力)、経時的なその温度の履歴、その体積または試薬濃度の履歴を含み得るが、それらに限定されない。液滴相互作用特性は、ユーザによって手動で入力されてもよく、または温度プローブおよび光学センサ等のセンサを使用して、ソフトウェアによって自動的に記録されてもよい。これらの特性は、どの液滴がアレイデバイス上の同じ領域に接触し得るかを決定するために使用され得る。これらの相互作用特性はまた、液滴が互いに接触する(同じ経路を混合または横断する)能力および順序を決定するために使用され得る。液滴は、ユーザインターフェースおよび自動液滴経路を生成するために、ソフトウェア内で共通特性によってグループ化され得る。プロトコルは、液滴をアレイデバイスに添加することによって生成され得る。グリッド領域上の液滴フットプリントは、自動的に計算された体積を使用して決定され得る。これらのフットプリントは、液滴によって汚染された面積を決定するために使用され得る。汚染された領域は、記憶され、アレイデバイス上の液滴配置および清浄な使用可能領域を決定する目的で、ユーザに表示されてもよい。これらの反応を通して、ソフトウェアは、蒸発および湿度制御方法およびシステムをアレイに向け、液滴、アレイ自体、ならびにアレイおよび/または液滴に隣接する領域の一定の物理的特性を維持することができる。
【0511】
プロトコルがデバイス上で実行されている間、「液滴相互作用特性」が記録されてもよい。これらの特性には、構成試薬、温度、試料の存在、およびプロトコルの実行中のエラーが含まれるが、これらに限定されない。これらの特性は、アレイデバイス上の液滴のライブビデオフィード上に表示され得るか、または実行中にプロトコルのシミュレーションを通してアクセスされ得る。選択された液滴によって以前に覆われていた領域は、シミュレートされたグリッド領域においてビデオフィード上で強調表示されてもよく、または物理的グリッド領域上に(アレイデバイス上に搭載されたプロジェクタを介して)投影されてもよい。
【0512】
デバイス(アレイデバイスまたはアレイデバイスを使用する機器)の動作および性能に関するデータは、様々なセンサおよびソフトウェア構成要素によって収集され得る。これらのセンサは、光学センサ、容量センサ、温度センサ、および湿度センサを含んでもよいが、それらに限定されない。ソフトウェアコンポーネントは、限定されないが、ワイヤレス通信、有線通信、デバイス接続、およびユーザ対話を含み得る。収集されたデータは、デバイスの動作および誤動作を診断するために記録され得る。このデータはまた、リアルタイムでエラーを検出するために使用されてもよい。これらの検出は、ユーザの介入が必要とされるときにリアルタイムでユーザに通知するために使用され得る。この介入は、デバイス上で利用可能な制御(例えば、物理的ボタンまたはソフトウェアUI要素)によってローカルで、またはユーザまたはサポートチームによって遠隔的に管理されてもよい。収集されたデータはまた、ユーザインターフェースを最適化するために使用されてもよい。
【0513】
デジタルプロジェクタは、グリッド領域上に搭載されてもよい。このプロジェクタは、ユーザがグリッド領域上に液体を手動でピペッティングするのを支援するために使用され得る。これは、ユーザを所望の位置または領域に誘導するために、線または他のパターンを投影することによって達成されてもよい。液滴位置、体積、および他の液滴特性に関する情報は、プロトコルの監視においてユーザを補助するために、動作中にグリッド領域上に投影されてもよい。ピペッティング中の所望の体積への進捗などのユーザ支援もまた、デバイスと対話するときに表示され得る。物理的グリッド領域をソフトウェアシミュレーションと相関させるために、アレイ上の位置、汚染領域(別の液滴によって既に横断された領域)、および将来の経路を強調するために、液滴上に色が投影され得る。
【0514】
ニューラルネットワークは、画像内の液滴の有無を試験するように訓練されてもよい。これらの機械学習モデルは、アレイデバイスのグリッドエリアにわたる様々な視野について訓練され得る。次いで、どの電極領域が液滴と接触しているかを決定するために、モデルが使用され得る。スライディングウィンドウ法等のアルゴリズムを使用して、液滴位置の信頼性が割り当てられ、次いで、計画されたプロトコルによって規定されるものに基づいて、予期される液滴位置に相関されてもよい。このデータは、電極状態を調節し、動作中の潜在的なエラーにフラグを立てるために使用され得る。ニューラルネットワークはまた、液滴の画像をそれらの体積に相関させるように訓練されてもよい。これらのモデルは、異なる特性を有する液滴体積を正確に予測するために、種々のタイプの液体について作成されてもよい。このデータは、液滴蒸発などの用途で使用するためのフィードバックを制御するために使用され得る。これらのモデルは、デバイス動作中に液滴のライブビデオフィード上で使用され得る。これらのモデルはまた、ニューラルネットワーク分析のためのデータベースにおいて学習画像をコンパイルすることによって、アッセイの改善を迅速に増加させるために使用され得る。
【0515】
生物学的プロトコル文書は、液体混合および加熱などの物理的操作、ならびに必要な試薬および液体体積を定義する。これらのプロトコルは、試薬濃度および混合速度などのこれらの試薬および操作を定義するためのパラメータを含む段階的指示に分解される。アレイデバイス上のこれらの操作および液体の実現可能性は、パラメータを調べ、アレイデバイスの既知の限界を比較して適合性を推定することによって決定することができる。試薬、物理的操作、液滴体積および化学反応を含むがこれらに限定されないこれらの特性の適合性は、実験的に決定され得る。次いで、これらの特性を使用して、標準プロトコルがアレイデバイスと互換性があるかまたは互換性がないかを判定するために使用されるフィルターを開発することができる。次いで、これらの互換性のあるプロパティおよび互換性のないプロパティについての記述子のリストがコンパイルされ、自然言語処理モデルを作成するために使用され得る。このモデルは、標準プロトコル文書から全体構造ならびに前述の適合性特性を抽出するように訓練されてもよい。抽出された情報は、標準プロトコルがデバイスと互換性があるかどうかを決定するためにフィルターに通され得る。いったん互換性が決定されると、キーとなる情報は、次に、標準プロトコル動作のデバイス固有動作への変換を通知するために使用され得る。これらの動作は、コンパイルされ、デバイス互換プロトコルを生成するために使用され得る。さらに、生物学的プロトコル文書を探し出し、それらをデータベースにコンパイルすることができるウェブスクレーピングアルゴリズムを開発することができる。次いで、データベース内のデータは、互換性を決定し、デバイスプロトコルに変換する自然言語処理モデルへの入力として供給され得る。次いで、これらのプロトコルを収集し、プロトコルのライブラリに加えることができる。
【0516】
本発明の好ましい実施形態が本明細書中で示され且つ記載されてきたが、このような実施形態はほんの一例として提供されるものであることは、当業者に明らかであろう。本発明が明細書内で提供される特定の例によって制限されることは意図されていない。本発明は前述の明細書に関して記載されているが、本明細書中の実施形態の記載および例示は、限定的な意味で解釈されることを意味するものではない。当業者であれば、多くの変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく思いつくだろう。さらに、本発明のすべての態様は、様々な条件および変数に依存する、本明細書で説明された特定の描写、構成、または相対的な比率に限定されないことが理解されよう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替案が、本発明の実施に際して利用され得ることを理解されたい。それゆえ、本発明は、任意のそのような代替物、修正物、変形物、または同等物にも及ぶものと企図される。以下の請求項は本発明の範囲を定義するものであり、この請求項とその均等物の範囲内の方法、および構造体がそれによって包含されるものであるということが意図されている。
【0517】
現在の好ましい実施形態
実施形態1
1.試料を処理するためのシステムであって、
a.アレイであって、
i.複数の電極、および
ii.上記試料を支持するように構成された表面を備える、アレイと、
b.上記アレイに結合された電気機械的アクチュエータであって、上記アクチュエータは、上記アレイを振動させるように構成されている、電気機械的アクチュエータと、
c.上記複数の電極、または上記電気機械的アクチュエータに動作可能に結合されたコントローラであって、上記コントローラは、
i.電場を供給して表面の湿潤特性を改変するように、複数の電極の少なくともサブセットを方向付けるか、または
ii.上記電気機械的アクチュエータに、振動の周波数を上記アレイに印加するように方向付けるために較正された、コントローラと
を含む、システム。
2.上記コントローラは、(i)および(ii)を実行するように構成されている、段落1に記載のシステム。
3.上記コントローラは、上記複数の電極および上記電気機械的アクチュエータに結合されている、段落1~2のいずれか1つに記載のシステム。
4.上記試料は液滴である、段落1~3のいずれか1つに記載のシステム。
5.上記液滴は1ナノリットル~1ミリリットルを含む、段落1~4のいずれか1つに記載のシステム。
6.上記液滴は生体材料を含む、段落1~5のいずれか1つに記載のシステム。
7.上記生体試料は1つ以上の生体分子を含む、段落1~6のいずれか1つに記載のシステム。
8.上記生体分子は、核酸分子、タンパク質、ポリペプチド、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落1~7のいずれか1つに記載のシステム。
9.上記電気アクチュエータは、カンチレバーを備える、段落1~8のいずれか1つに記載のシステム。
10.上記電気アクチュエータは、上記アレイに結合された1つ以上の結合部材を備える、段落1~9のいずれか1つに記載のシステム。
11.上記1つ以上の結合部材は、電磁アクチュエータ、圧電アクチュエータ、超音波トランスデューサ、回転偏心質量、振動リンケージ機構を有する1つ以上のモータ、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落1~10のいずれか1つに記載のシステム。
12.上記1つ以上のモータは、ブラシ付き、ブラシレス、ステッパ、またはそれらのいずれかの組合せである、段落1~11のいずれか1つに記載のシステム。
13.上記電磁気のアクチュエータは、電磁気ボイスコイルアクチュエータを含む、段落1~12のいずれか1つに記載のシステム。
14.上記振動周波数はグラジエントを含む、段落1~13のいずれか1つに記載のシステム。
15.上記グラジエントは、上記カンチレバーが上記アレイに結合される部位の近くから上昇する、段落1~14のいずれか1つに記載のシステム。
16.上記振動はパターンを含む、段落1~15のいずれか1つに記載のシステム。
17.上記パターンは正弦波である、段落1~16のいずれか1つに記載のシステム。
18.上記パターンは正方形である、段落1~17のいずれか1つに記載のシステム。
19.上記表面は誘電体の上面であり、上記誘電体は上記複数の電極の上に配置される、段落1~18のいずれか1つに記載のシステム。
20.上記上面は層を含む、段落1~19のいずれか1つに記載のシステム。
21.上記層は液体を含む、段落1~20のいずれか1つに記載のシステム。
22.上記層はコーティングを含む、段落1~21のいずれか1つに記載のシステム。
23.上記コーティングは疎水性である、段落1~22のいずれか1つに記載のシステム。
24.上記層はフィルムを含む、段落1~23のいずれか1つに記載のシステム。
25.上記フィルムは誘電体フィルムである、段落1~24のいずれか1つに記載のシステム。
26.上記誘電体フィルムは、天然ポリマー材料、合成ポリマー材料、フッ素化材料、表面改質、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落1~25のいずれか1つに記載のシステム。
27.上記天然ポリマー材料は、シェラック、琥珀、羊毛、絹、天然ゴム、セルロース、ワックス、ヒザラガイ、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落1~26のいずれか1つに記載のシステム。
28.上記合成ポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアセタール、ポリシルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ塩化ビニル、合成ゴム、ネオプレン、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、シリコーン、パラフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド(ポリフェニルエーテル)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ乳酸、合成セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、パラフィン(paraffins)、微結晶性ワックス、エポキシ、またはそのいずれかの組合せを含む、段落1~27のいずれか1つに記載の方法。
29.上記フッ素化材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレン(perfluoroalkoxytetrafluoroethylene)コポリマー(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテルコポリマー(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロポリエーテル(perfluoropolyether)(PFPE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落1~28のいずれか1つに記載のシステム。
30.上記表面改質は、シリコーン、シラン、フルオロポリマー処理、パリレンコーティング(parylene coating)、いずれかの他の適切な表面化学改質プロセス、セラミック、粘土、鉱物、ベントナイト、カオリナイト、蛭石、黒鉛、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落1~29のいずれか1つに記載のシステム。
31.上記液体は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン(polyalphaolefin)、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落1~30のいずれか1つに記載のシステム。
32.上記液体は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落1~31のいずれか1つに記載のシステム。
33.上記第1の複数の電極、上記誘電体、上記試料を含む上記液滴を支持するように構成された上記表面、またはそれらのいずれかの組合せは、上記アレイから取り外し可能である、段落1~32のいずれか1つに記載のシステム。
34.上記電気機械的アクチュエータは、上記表面または上記表面の一部を0.05ミリメートル(mm)~10mm移動させるように構成されている、段落1~33のいずれか1つに記載の方法。
35.上記振動の周波数は、1ヘルツ(hz)~20キロヘルツ(khz)である、段落1~34のいずれか1つのシステム。
36.試料を処理するための方法であって、
a.アレイを提供する工程であって、該アレイは、
i.複数の電極、および
ii.上記試料を支持するように構成された表面を備え、
ここで、上記アレイは電気機械的アクチュエータに結合され、上記電気機械的アクチュエータは上記アレイを振動させるように構成される、工程と、
b.上記表面に上記液滴を導入する工程と、
c.上記電気機械的アクチュエータに、振動の周波数を上記アレイに印加するように方向付ける工程と
を含む、方法。
37.上記試料は液滴である、段落36のいずれか1つに記載の方法。
38.上記液滴は、約1ナノリットル~1ミリリットルを含む、段落36~3のいずれか1つに記載の方法。
39.上記液滴は生体材料を含む、段落36~38のいずれか1つに記載の方法。
40.上記生体試料は1つ以上の生体分子を含む、段落36~39のいずれか1つに記載の方法。
41.上記生体分子は、核酸分子、タンパク質、ポリペプチド、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落36~40のいずれか1つに記載の方法。上記液滴は、1ナノリットル~1ミリリットルを含む、段落36~40のいずれか1つに記載の方法。
42.電場を供給して上記表面の湿潤特性を改変するように、上記複数の電極の少なくともサブセットを方向付ける工程をさらに含む、段落36~41のいずれか1つに記載の方法。
43.上記電気機械的アクチュエータはカンチレバーを備える、段落36~42のいずれか1つに記載の方法。
44.上記電気機械的アクチュエータは、上記アレイに結合された1つ以上の結合部材を備える、段落36~43のいずれか1つに記載の方法。
45.上記1つ以上の結合部材は、電磁アクチュエータ、圧電アクチュエータ、超音波トランスデューサ、回転偏心質量、振動リンケージ機構を有する1つ以上のモータ、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落36~44のいずれか1つに記載の方法。
46.上記1つ以上のモータは、ブラシ付き、ブラシレス、ステッパ、またはそれらのいずれかの組合せである、段落36~45のいずれか1つに記載の方法。
47.上記電磁気のアクチュエータは、電磁気ボイスコイルアクチュエータを含む、段落36~46のいずれか1つに記載の方法。
48.上記振動周波数はグラジエントを含む、段落36~47のいずれか1つに記載の方法。
49.上記グラジエントは、上記カンチレバーが上記アレイに結合される部位の近くから上昇する、段落36~48のいずれか1つに記載の方法。
50.上記振動はパターンを含む、段落36~49のいずれか1つに記載の方法。
51.上記パターンは正弦波である、段落36~50のいずれか1つに記載の方法。
52.上記パターンは正方形である、段落36~51のいずれか1つに記載の方法。
53.上記表面は誘電体の上面であり、上記誘電体は上記複数の電極の上に配置される、段落36~52のいずれか1つに記載の方法。
54.上記表面は、誘電体の上に配置される層を含み、上記誘電体は上記複数の電極の上に配置される、段落36~53のいずれか1つに記載の方法。
55.上記層は液体を含む、段落36~54のいずれか1つに記載の方法。
56.上記層はコーティングを含む、段落36~55のいずれか1つに記載の方法。
57.上記コーティングは疎水性である、段落36~56のいずれか1つに記載の方法。
58.上記層はフィルムを含む、段落36~57のいずれか1つに記載の方法。
59.上記フィルムは誘電体フィルムである、段落36~58のいずれか1つに記載の方法。
60.上記誘電体フィルムは、天然ポリマー材料、合成ポリマー材料、フッ素化材料、表面改質、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落36~59のいずれか1つに記載の方法。
61.上記天然ポリマー材料は、シェラック、琥珀、羊毛、絹、天然ゴム、セルロース、ワックス、ヒザラガイ、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落36~60のいずれか1つに記載の方法。
62.上記合成ポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアセタール、ポリシルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ塩化ビニル、合成ゴム、ネオプレン、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、シリコーン、パラフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド(ポリフェニルエーテル)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ乳酸、合成セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、パラフィン、微結晶性ワックス、エポキシ、またはそのいずれかの組合せを含む、段落36~61のいずれか1つに記載の方法。
63.上記フッ素化材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレンコポリマー(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテルコポリマー(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落36~62のいずれか1つに記載の方法。
64.上記表面改質は、シリコーン、シラン、フルオロポリマー処理、パリレンコーティング、いずれかの他の適切な表面化学改質プロセス、セラミック、粘土、鉱物、ベントナイト、カオリナイト、蛭石、黒鉛、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落36~63のいずれか1つに記載の方法。
65.上記液体は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落36~64のいずれか1つに記載の方法。
66.上記液体は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落36~65のいずれか1つに記載の方法。
67.上記第1の複数の電極、上記誘電体、上記試料を含む上記液滴を支持するように構成された上記表面、またはそれらのいずれかの組合せは、上記アレイから取り外し可能である、段落36~66のいずれか1つに記載の方法。。
68.上記振動の上記周波数は、上記表面または上記表面の一部を0.05ミリメートル(mm)~10mm移動させる、段落36~67のいずれか1つに記載の方法。
69.上記振動の周波数は、1ヘルツ(hz)~20キロヘルツ(khz)である、段落36~68のいずれか1つに記載の方法。
70.第1の試料を第2の試料と接触させる方法であって、上記第1の試料が第1の液滴中に含有され、上記第2の試料が第2の液滴中に含有され、該方法は、
a.アレイを提供する工程であって、該アレイは、
i.複数の電極、および
ii.第1の液滴および第2の液滴を支持するように構成された表面をふくみ、
ここで、上記アレイは電気機械的アクチュエータに結合され、上記電気機械的アクチュエータは上記アレイを振動させるように構成される、工程と、
b.上記第1の液滴および上記第2の液滴を上記表面に導入する工程と、
c.上記複数の電極の少なくともサブセットに、電場を供給して上記表面の湿潤特性を変化させ、それによって上記第1の液滴および上記第2の液滴の動きを誘導するように方向付ける工程であって、上記第1の液滴および上記第2の液滴の上記動きは、収束して混合液滴を生成するように上記第1の液滴および上記第2の液滴を含む、工程と、
d.上記電気機械的アクチュエータを、振動の周波数を上記表面に印加するように方向付け、それによって上記第1の試料を上記第2の試料と接触させる工程とを含む、方法。
71.上記第1の試料、上記第2の試料、または両方は、粘性流体を含む、段落70に記載の方法。
72.上記第1の試料、上記第2の試料、または両方は、生体試料を含む、段落70~71のいずれか1つに記載の方法。
73.上記生体試料は1つ以上の生体分子を含む、段落70~72のいずれか1つに記載の方法。
74.上記生体分子は、核酸分子、タンパク質、ポリペプチド、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落70~73のいずれか1つに記載の方法。
75.上記第1の試料、上記第2の試料、または両方は、生体アッセイ用の試薬を含む、段落70~74のいずれか1つに記載の方法。
76.上記第1の試料、上記第2の試料、または両方は、1つ以上の細胞溶解試薬を含む、段落70~75のいずれか1つに記載の方法。
77.上記1つ以上の細胞溶解試薬は、上記生体試料または上記生体試料のサブセットに結合するように構成された基質を含む、段落70~76のいずれか1つに記載の方法。
78.上記核酸分子は、100を超える塩基、1キロ塩基(kb)、20kb、30kb、40kb、または50kbを含む、段落70~77のいずれか1つに記載の方法。
79.生体試料の10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、または90%超が上記基質に結合する、段落70~78のいずれか1つに記載の方法。
80.上記基板は官能性ビーズである、段落70~79のいずれか1つに記載の方法。
81.上記基板は官能性ディスクである、段落70~80のいずれか1つに記載の方法。
82.e.(d)の後に、上記複数の電極の少なくともサブセットに電場を供給して上記表面の湿潤特性を変化させ、それによって上記混合液滴の上記少なくとも上記部分に運動を誘導させることによって、上記混合液滴の少なくとも一部を除去する工程を
さらに含む、段落70~81のいずれか1つに記載の方法。
83.上記混合液滴の上記少なくとも上記部分は、上記生体試料を含まない、段落70~82のいずれか1つに記載の方法。
84.(e)の前に、またはそれと同時に、磁場を上記表面に印加する工程をさらに含む、段落70~83のいずれか1つに記載の方法。
85.上記磁場が上記基板を固定する、段落70~84のいずれか1つに記載の方法。
86.上記電気機械的アクチュエータはカンチレバーを備える、段落70~85のいずれか1つに記載の方法。
87.上記電気機械的アクチュエータは、上記アレイに結合された1つ以上の結合部材を備える、段落70~86のいずれか1つに記載の方法。
89.上記1つ以上の結合部材は、電磁アクチュエータ、圧電アクチュエータ、超音波トランスデューサ、回転偏心質量、振動リンケージ機構を有する1つ以上のモータ、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落70~87のいずれか1つに記載の方法。
90.上記1つ以上のモータは、ブラシ付き、ブラシレス、ステッパ、またはそれらのいずれかの組合せである、段落70~89のいずれか1つに記載の方法。
91.上記電磁気のアクチュエータは、電磁気ボイスコイルアクチュエータを含む、段落70~90のいずれか1つに記載の方法。
92.上記振動周波数はグラジエントを含む、段落70~91のいずれか1つに記載の方法。
93.上記グラジエントは、上記カンチレバーが上記アレイに結合される部位の近くから上昇する、段落70~92のいずれか1つに記載の方法。
94.上記振動はパターンを含む、段落70~93のいずれか1つに記載の方法。
95.上記パターンは正弦波である、段落70~94のいずれか1つに記載の方法。
96.上記パターンは正方形である、段落70~95のいずれか1つに記載の方法。
97.上記表面は誘電体の上面であり、上記誘電体は上記複数の電極の上に配置される、段落70~96のいずれか1つに記載の順序。
98.上記表面は、誘電体の上に配置される層を含み、上記誘電体は上記複数の電極の上に配置される、段落70~97のいずれか1つに記載の方法。
99.上記層は液体を含む、段落70~98のいずれか1つに記載の方法。
100.上記層はコーティングを含む、段落70~99のいずれか1つに記載の方法。
101.上記コーティングは疎水性である、段落70~100のいずれか1つに記載の方法。
102.上記層はフィルムを含む、段落70~101のいずれか1つに記載の方法。
103.上記フィルムは誘電体フィルムである、段落70~102のいずれか1つに記載の方法。
104.上記誘電体フィルムは、天然ポリマー材料、合成ポリマー材料、フッ素化材料、表面改質、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落70~103のいずれか1つに記載の方法。
105.上記天然ポリマー材料は、シェラック、琥珀、羊毛、絹、天然ゴム、セルロース、ワックス、ヒザラガイ、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落70~104のいずれか1つに記載の方法。
106.上記合成ポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアセタール、ポリシルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ塩化ビニル、合成ゴム、ネオプレン、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、シリコーン、パラフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド(ポリフェニルエーテル)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ乳酸、合成セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、パラフィン、微結晶性ワックス、エポキシ、またはそのいずれかの組合せを含む、段落70~105のいずれか1つに記載の方法。
107.上記フッ素化材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレンコポリマー(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテルコポリマー(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落70~106のいずれか1つに記載の方法。
108.上記表面改質は、シリコーン、シラン、フルオロポリマー処理、パリレンコーティング、いずれかの他の適切な表面化学改質プロセス、セラミック、粘土、鉱物、ベントナイト、カオリナイト、蛭石、黒鉛、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落70~107のいずれか1つに記載の方法。
109.上記液体は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落70~108のいずれか1つに記載の方法。
110.上記液体は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落70~109のいずれか1つに記載の方法。
111.上記第1の複数の電極、上記誘電体、上記試料を含む上記液滴を裏付けるように構成された上記表面、またはそれらのいずれかの組合せは、上記アレイから取り外し可能である、段落70~110のいずれか1つに記載の方法。
112.前述の請求項のうちのいずれか1つの方法、上記振動の上記周波数は、上記表面または上記表面の一部を0.05ミリメートル(mm)~10mm移動させる、段落70~111のいずれか1つに記載の方法。
113.上記振動の周波数は、1ヘルツ(hz)~20キロヘルツ(khz)である、段落70~112のいずれか1つに記載の方法。
114.液滴を処理するためのシステムであって、
a.アレイであって、
i.複数の電極であって、上記複数の電極のいずれの電極も恒久的に接地されていない、複数の電極、および
ii.上記試料を含む液滴を支持するように構成された表面を備える、アレイと、
b.上記複数の電極に動作可能に結合されるコントローラであって、上記コントローラは、
i.上記表面の湿潤特性を改変するために、上記複数の電極の少なくともサブセットを時変電圧で活性化するように構成されている、コントローラと
を含む、システム。
115.上を覆う電極を備えていない、段落114に記載のシステム。
116.上記複数の電極は、上記電極および隣接する電極に隣接する電流戻り経路を生成するのに充分な上記液滴との断面または重複を含む少なくとも1つの電極を備えていない、段落114~115のいずれか1つに記載のシステム。
117.上記液滴と少なくとも1つの電極との上記重複は、上記液滴において最小限のエネルギー状態または平衡状態を生成するのに充分なものである、段落114~116のいずれか1つに記載のシステム。
118.上記複数の電極は、同一平面上にある、段落114~117のいずれか1つに記載のシステム。
119.上記時変電圧は、双極性である、段落114~118のいずれか1つに記載のシステム。
120.上記時変電圧は、約1Hz~約20kHzである、段落114~119のいずれか1つに記載のシステム。
121.上記複数の電極の少なくとも上記サブセットが活性化されると、上記システムは、上記液滴および1つ以上の不活性電極に隣接する電流戻り経路をさらに備える、段落114~120のいずれか1つに記載のシステム。
122.上記複数の電極の少なくとも上記サブセットの上記活性化は、1つ以上の隣接する電極において拮抗的電流駆動スキームを生成する、段落114~121のいずれか1つに記載のシステム。
123.誘電体層をさらに含む、段落114~122のいずれか1つに記載のシステム。
124.上記誘電体層は厚さを含み、上記厚さは、上記複数の電極によって生成される電流を接地するのに充分なものである、段落114~123のいずれか1つに記載のシステム。
125.上記誘電体層は、厚さを含み、上記厚さが少なくとも部分的な電気的バリアとして機能するのに充分なものである、段落114~124のいずれか1つに記載のシステム。
126.上記厚さは0.025マイクロメートル(μm)~10,000μmである、段落114~125のいずれか1つに記載のシステム。
127.上記誘電体層は、天然ポリマー材料、合成ポリマー材料、フッ素化材料、表面改質、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落114~126のいずれか1つに記載のシステム。
128.上記天然ポリマー材料は、シェラック、琥珀、羊毛、絹、天然ゴム、セルロース、ワックス、ヒザラガイ、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落114~127のいずれか1つに記載のシステム。
129.上記合成ポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアセタール、ポリシルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ塩化ビニル、合成ゴム、ネオプレン、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、シリコーン、パラフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド(ポリフェニルエーテル)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ乳酸、合成セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、パラフィン、微結晶性ワックス、エポキシ、またはそのいずれかの組合せを含む、段落114~128のいずれか1つに記載のシステム。
130.上記フッ素化材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレンコポリマー(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテルコポリマー(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落114~129のいずれか1つに記載のシステム。
131.上記表面改質は、シリコーン、シラン、フルオロポリマー処理、パリレンコーティング、いずれかの他の適切な表面化学改質プロセス、セラミック、粘土、鉱物、ベントナイト、カオリナイト、蛭石、黒鉛、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落114~130のいずれか1つに記載のシステム。
132.上記表面は液体層を含む、段落114~131のいずれか1つに記載のシステム。
133.上記液体層は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落114~132のいずれか1つに記載のシステム。
134.上記液体層理は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落114~133のいずれか1つに記載のシステム。
135.上記誘電体層および上記複数の電極に隣接する間隙に配置された液体をさらに備える、段落114~134のいずれか1つに記載のシステム。
136.上記液体は、上記複数の電極と上記誘電体層との間に接着力を発生させる、段落114~135のいずれか1つに記載のシステム。
137.上記液体は誘電体材料を含む、段落114~136のいずれか1つに記載のシステム。
138.上記液体は、上記間隙に配置された空気の導電率を防止または低減する、段落114~137のいずれか1つに記載のシステム。
139.上記液体は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落114~138のいずれか1つに記載のシステム。
140.上記液体は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落114~139のいずれか1つに記載のシステム。
141.液滴を処理するためのシステムであって、該システムは、
a.アレイであって、
i.複数の電極であって、上記複数の電極のいずれの電極も恒久的に接地されていない、複数の電極、および
ii.上記試料を含む液滴を支持するように構成された表面を備える、アレイと、
b.上記複数の電極に動作可能に結合されるコントローラであって、上記コントローラは、
i.上記表面の湿潤特性を改変するために、上記複数の電極の少なくともサブセットを電圧で活性化させるように構成されているコントローラとを含み、
ここで、上記アレイは恒久的な基準電極を備えていない、システム。
142.上記電圧は時変電圧である、段落141のいずれか1つに記載のシステム。
143.上に配置される電極を備えていない、段落141~142のいずれか1つに記載のシステム。
144.上記複数の電極は、上記電極および隣接する電極に隣接する電流戻り経路を生成するのに充分な上記液滴との断面または重複を含む少なくとも1つの電極を備える、段落141~143のいずれか1つに記載のシステム。
145.上記液滴と少なくとも1つの電極との上記重複は、上記液滴において最小限のエネルギー状態または平衡状態を生成するのに充分なものである、段落141~144のいずれか1つに記載のシステム。
146.上記複数の電極は、同一平面上にある、段落141~145のいずれか1つに記載のシステム。
147.上記時変電圧は、双極性である、段落141~146のいずれか1つに記載のシステム。
148.上記時変電圧は、約1Hz~約20kHzである、段落141~147のいずれか1つに記載のシステム。
149.上記複数の電極の少なくとも上記サブセットが活性化されると、上記システムは、上記液滴および1つ以上の不活性電極に隣接する電流戻り経路をさらに備える、段落141~148のいずれか1つに記載のシステム。
150.上記複数の電極の少なくとも上記サブセットの上記活性化は、1つ以上の隣接する電極において拮抗的電流駆動スキームを生成する、段落141~149のいずれか1つに記載のシステム。
151.上記は誘電体である、段落141~150のいずれか1つに記載のシステム。
152.上記誘電体層は厚さを含み、上記厚さは、上記複数の電極によって生成される電流を接地するのに充分なものである、段落141~151のいずれか1つに記載のシステム。
153.上記誘電体層は、厚さを含み、上記厚さが少なくとも部分的な電気的バリアとして機能するのに充分なものである、段落141~152のいずれか1つに記載のシステム。
154.上記厚さは0.025マイクロメートル(μm)~10,000μmである、段落141~153のいずれか1つに記載のシステム。
155.上記誘電体層は、天然ポリマー材料、合成ポリマー材料、フッ素化材料、表面改質、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落141~154のいずれか1つに記載のシステム。
156.上記天然ポリマー材料は、シェラック、琥珀、羊毛、絹、天然ゴム、セルロース、ワックス、ヒザラガイ、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落141~155のいずれか1つに記載のシステム。
157.上記合成ポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアセタール、ポリシルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ塩化ビニル、合成ゴム、ネオプレン、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、シリコーン、パラフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド(ポリフェニルエーテル)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ乳酸、合成セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、パラフィン、微結晶性ワックス、エポキシ、またはそのいずれかの組合せを含む、段落141~156のいずれか1つに記載のシステム。
158.上記フッ素化材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレンコポリマー(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテルコポリマー(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落141~157のいずれか1つに記載のシステム。
159.上記表面改質は、シリコーン、シラン、フルオロポリマー処理、パリレンコーティング、いずれかの他の適切な表面化学改質プロセス、セラミック、粘土、鉱物、ベントナイト、カオリナイト、蛭石、黒鉛、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落141~158のいずれか1つに記載のシステム。
160.上記表面は液体層を含む、段落141~159のいずれか1つに記載のシステム。
161.上記液体層は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落141~160のいずれか1つに記載のシステム。
162.上記液体層は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落141~161のいずれか1つに記載のシステム。
163.上記誘電体層および上記複数の電極に隣接する間隙に配置された液体をさらに備える、段落141~162のいずれか1つに記載のシステム。
164.上記液体は、上記複数の電極と上記誘電体層との間に接着力を発生させる、段落141~163のいずれか1つに記載のシステム。
165.上記液体は誘電材料を含む、段落141~164のいずれか1つに記載のシステム。
166.上記液体は、上記間隙に配置された空気の導電率を防止または低減する、段落141~165のいずれか1つに記載のシステム。
167.上記液体は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落141~166のいずれか1つに記載のシステム。
168.上記液体は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落141~167のいずれか1つに記載のシステム。
169.アレイ上で液滴を動かす方法であって、上記アレイは、そのうちのいずれの電極も恒久的に接地されていない複数の電極、
および上記試料を含む上記液滴を裏付けるように構成された表面を備え、上記方法は、
a.上記表面の湿潤特性を改変するために、上記複数の電極の少なくともサブセットを時変電圧で活性化する工程を含み、
ここで、上記時変電圧は、上記液滴および1つ以上の不活性電極に隣接する電流戻り経路を生成し、それによって上記液滴の動きを誘導する、方法。
170.上記複数の電極は、同一平面上にある、段落169のいずれか1つに記載の方法。
171.上記時変電圧は、双極性である、段落169~170のいずれか1つに記載の方法。
172.上記時変電圧は、約1Hz~約20kHzである、段落169~171のいずれか1つに記載の方法。
173.上記複数の電極の少なくとも上記サブセットが活性化されると、上記システムは、上記液滴および1つ以上の不活性電極に隣接する電流戻り経路をさらに備える、段落169~172のいずれか1つに記載の方法。
174.上記複数の電極の少なくとも上記サブセットの上記活性化は、1つ以上の隣接する電極において拮抗的電流駆動スキームを生成する、段落169~173のいずれか1つに記載の方法。
175.アレイ上で液滴を動かす方法であって、上記アレイは、そのうちのいずれの電極も恒久的に接地されていない複数の電極、
および上記試料を含む上記液滴を裏付けるように構成された表面を備え、上記方法は、
a.上記表面の湿潤特性を改変するために、上記複数の電極の少なくともサブセットを電圧で活性化する工程を含み、
上記アレイは恒久的な基準電極を備えていない、方法。
176.上記時変電圧は、上記液滴および1つ以上の不活性電極に隣接する電流戻り経路を生成し、それによって上記液滴の動きを誘導する、段落175に記載の方法。
177.上記複数の電極は、同一平面上にある、段落175~176のいずれか1つに記載の方法。
178.上記時変電圧は、双極性である、段落175~177のいずれか1つに記載の方法。
179.上記時変電圧は、約1Hz~約20kHzである、段落175~178のいずれか1つに記載の方法。
180.上記複数の電極の少なくとも上記サブセットが活性化されると、上記システムは、上記液滴および1つ以上の不活性電極に隣接する電流戻り経路をさらに備える、段落175~179のいずれか1つに記載の方法。
181.上記複数の電極の少なくとも上記サブセットの上記活性化は、1つ以上の隣接する電極において拮抗的電流駆動スキームを生成する、段落175~180のいずれか1つに記載の方法。
182.試料を処理するためのシステムであって、該システムは、
a.複数の電極と、
b.上記複数の電極の上に配置された誘電体層であって、上記試料を含む液滴を裏付けるように構成された表面を備える誘電体層と、
c.上記複数の電極と上記誘電体層に隣接する間隙に配置される液体とを備える、システム。
183.上記液体は、上記複数の電極と上記誘電体層との間に接着力を発生させる、段落182に記載のシステム。
184.上記液体は誘電材料を含む、段落182~183のいずれか1つに記載のシステム。
185.上記液体は、上記間隙に配置された空気の導電率を防止または低減する、段落182~184のいずれか1つに記載のシステム。
186.上記誘電体層は、天然ポリマー材料、合成ポリマー材料、フッ素化材料、表面改質、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落182~185のいずれか1つに記載のシステム。
187.上記天然ポリマー材料は、シェラック、琥珀、羊毛、絹、天然ゴム、セルロース、ワックス、ヒザラガイ、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落182~186のいずれか1つに記載のシステム。
188.上記合成ポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアセタール、ポリシルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ塩化ビニル、合成ゴム、ネオプレン、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、シリコーン、パラフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド(ポリフェニルエーテル)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ乳酸、合成セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、パラフィン、微結晶性ワックス、エポキシ、またはそのいずれかの組合せを含む、段落182~187のいずれか1つに記載のシステム。
189.上記フッ素化材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレンコポリマー(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテルコポリマー(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落182~188のいずれか1つに記載のシステム。
190.上記表面改質は、シリコーン、シラン、フルオロポリマー処理、パリレンコーティング、いずれかの他の適切な表面化学改質プロセス、セラミック、粘土、鉱物、ベントナイト、カオリナイト、蛭石、黒鉛、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落182~189のいずれか1つに記載のシステム。
191.上記液体は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落182~190のいずれか1つに記載のシステム。
192.上記液体は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落182~191のいずれか1つに記載のシステム。
193.上記表面は液体層を含む、段落182~192のいずれか1つに記載のシステム。
194.上記液体層は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落182~193のいずれか1つに記載のシステム。
195.上記液体層は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落182~194のいずれか1つに記載のシステム。
196.上記誘電体層は取り外し可能である、段落182~195のいずれか1つに記載のシステム。
197.試料を処理するためのシステムであって、
a.複数の電極と、
b.上記複数の電極の上に配置された誘電体層であって、上記試料を含む液滴を支持するように構成された表面を備える誘電体層と、
c.上記表面に隣接する液体であって、上記液体が上記表面に対する化学親和力を含み、および上記化学親和力が上記液体を上記表面上に固定するのに充分であり、かつ上記液体が重力に抵抗する、液体と
を備える、システム。
198.上記誘電体層は、天然ポリマー材料、合成ポリマー材料、フッ素化材料、表面改質、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落197に記載のシステム。
199.上記天然ポリマー材料は、シェラック、琥珀、羊毛、絹、天然ゴム、セルロース、ワックス、ヒザラガイ、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落197~198のいずれか1つに記載のシステム。
200.上記合成ポリマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアセタール、ポリシルフォン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ塩化ビニル、合成ゴム、ネオプレン、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、シリコーン、パラフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド(ポリフェニルエーテル)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリ乳酸、合成セルロースエーテル(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルヒドロキシエチルセルロース)、パラフィン、微結晶性ワックス、エポキシ、またはそのいずれかの組合せを含む、段落197~199のいずれか1つに記載のシステム。
201.上記フッ素化材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレンコポリマー(PFA)、パーフルオロメチルビニルエーテルコポリマー(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロポリエーテル(PFPE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落197~200のいずれか1つに記載のシステム。
202.上記表面改質は、シリコーン、シラン、フルオロポリマー処理、パリレンコーティング、いずれかの他の適切な表面化学改質プロセス、セラミック、粘土、鉱物、ベントナイト、カオリナイト、蛭石、黒鉛、二硫化モリブデン、雲母、窒化ホウ素、ギ酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落197~201のいずれか1つに記載のシステム。
203.上記液体は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落197~202のいずれか1つに記載のシステム。
204.上記液体は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落197~203のいずれか1つに記載のシステム。
205.上記表面は液体層を含む、段落197~204のいずれか1つに記載のシステム。
206.上記液体層は、シリコーン油、フッ素化油、イオン性液体、鉱油、強磁性流体、ポリフェニルエーテル、植物油、飽和脂肪および二塩基酸のエステル類、グリース、脂肪酸、トリグリセリド、ポリアルファオレフィン、ポリグリコール炭化水素、他の非炭化水素合成油、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落197~205のいずれか1つに記載のシステム。
207.上記液体層は、界面活性剤、電解液、レオロジー調整剤、ワックス、黒鉛、グラフェン、二硫化モリブデン、PTFE粒子、またはそれらのいずれかの組合せを含む、段落197~206のいずれか1つに記載のシステム。
208.上記誘電体層は取り外し可能である、段落197~207のいずれか1つに記載のシステム。
実施形態2
1.バイオポリマーを生成する方法であって、該方法は、
a.表面に隣接する複数の液滴を提供する工程であって、上記複数の液滴は、第1の試薬を含む第1の液滴と、第2の試薬を含む第2の液滴とを含む、工程と、
b.上記第1の液滴および上記第2の液滴を互いに対して運動させて、(i)上記第1の液滴を上記第2の液滴と接触させ、(ii)上記第1の試薬および上記第2の試薬を含む融合液滴を形成する工程と、
c.上記融合液滴において、少なくとも(i)上記第1の試薬および(ii)上記第2の試薬を使用して、上記バイオポリマーの少なくとも一部を形成する工程とを含み、
ここで、(b)~(c)は10分以下の時間で実行される、方法。
2.上記バイオポリマーは、ポリヌクレオチドである、段落1に記載の方法。
3.上記バイオポリマーは、ポリペプチドである、段落1に記載の方法。
4.上記ポリヌクレオチドは、約10~約250の塩基を含む、段落1または2のいずれか1つに記載の方法。
5.上記ポリヌクレオチドは、約260~約1kbを含む、段落1~3のいずれか1つに記載の方法。
4.上記ポリヌクレオチドは、約1kb~約10,000kbを含む、段落1~3のいずれか1つに記載の方法。
7.(b)、(c)、またはその両方の間に上記合成液滴に振動が加えられる、段落1~6のいずれか1つに記載の方法。
8.上記融合液滴に接触するように洗浄液滴を運動させることを含む1つ以上の洗浄工程をさらに含む、段落1~7のいずれか1つに記載の方法。
9.上記1つ以上の洗浄工程に振動が加えられる、段落8に記載の方法。
10.上記表面は、誘電体である、段落1~9のいずれか1つに記載の方法。
11.上記表面は、1つ以上の電極の上に配置された誘電体層を含む、段落1~9のいずれか1つに記載の方法。
12.上記表面は、ポリマーフィルムの表面である、段落1~9のいずれか1つに記載の方法。
13.上記表面は、表面に結合した1つ以上のオリゴヌクレオチド含む、段落1~9のいずれか1つに記載の方法。
14.上記表面は、潤滑液体層の表面である、段落1~9のいずれか1つに記載の方法。
15.上記複数の液滴は、第3の試薬を含む第3の液滴を含む、段落1~14のいずれか1つに記載の方法。
16.上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、1つ以上の官能性ビーズを含む、段落1~15のいずれか1つに記載の方法。
17.上記官能性ビーズは、それに固定された1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む、段落16に記載の方法。
18.振動は、上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、洗浄液滴、またはそれらの混合物のいずれかに加えられる、段落1~17のいずれか1つに記載の方法。
19.上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬またはそれらのいずれかの組合せは、ポリメラーゼを含む、段落1~18のいずれか1つに記載の方法。
20.上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬またはそれらのいずれかの組合せは、バイオモノマーを含む、段落1~19のいずれか1つに記載の方法。
21.上記バイオモノマーはアミノ酸である、段落20に記載の方法。
22.上記バイオモノマーは核酸分子である、段落20に記載の方法。
23.上記核酸分子は、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、またはウラシルを含む、段落22に記載の方法。
24.上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、1つ以上の官能性ディスクを含む、段落1~23のいずれか1つに記載の方法。
25.上記官能性ディスクは、それに固定された1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む、段落24に記載の方法。
26.上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、合成または重合を媒介する酵素を含む、段落1~25のいずれか1つに記載の方法。
27.上記酵素は、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ(PNPase)、末端デヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)、DNAポリメラーゼベータ、DNAポリメラーゼラムダ、DNAポリメラーゼミューおよびDNAポリメラーゼのXファミリー由来の他の酵素からなる群に由来する、段落26に記載の方法。
28.上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内で20分以下で生成される、段落1~27のいずれか1つに記載の方法。
29.上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に15分以下で生成される、段落1~28のいずれか1つに記載の方法。
30.上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内で10分以下で生成される、段落1~29のいずれか1つに記載の方法。
31.上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に1分以下で生成される、段落1~30のいずれか1つに記載の方法。
32.上記融合液滴は、温度制御される、段落1~31のいずれか1つに記載の方法。
33.上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、磁場に供される、段落1~32のいずれか1つに記載の方法。
34.上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、光に供される、段落1~33のいずれか1つに記載の方法。
35.上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、pH変化に供される、段落1~34のいずれか1つに記載の方法。
36.上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)を含む、段落1~35のいずれか1つに記載の方法。
37.上記デオキシヌクレオシド三リン酸は、保護基を有していてもよい、段落36に記載の方法。
38.上記保護基は、反応中に削除され得る、段落37に記載の方法。
39.上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、片側のみで表面と接触する、段落1~38のいずれか1つに記載の方法。
40.上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴の体積は、1ナノリットル(1nl)~500マイクロリットル(500ml)である、段落1~39のいずれか1つに記載の方法。
41.上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴の体積は、1マイクロリットル(1μl)~500マイクロリットル(500μl)の間である、段落1~40のいずれか1つに記載の方法。
42.上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴の体積は、1マイクロリットル(1μl)~200マイクロリットル(200μl)の間である、段落1~41のいずれか1つに記載の方法。
43.上記バイオポリマーを第2のバイオポリマーにライゲートする工程をさらに含む、段落1~42のいずれか1つに記載の方法。
44.上記第2のバイオポリマーは、段落1~43のいずれか1つに記載の方法を使用して生成された、段落43に記載の方法。
45.バイオポリマーを生成する方法であって、該方法は、
a.表面に隣接する複数の液滴を提供する工程であって、上記複数の液滴は、第1の試薬を含む第1の液滴と、第2の試薬を含む第2の液滴とを含む、工程と、
b.上記第1の液滴および上記第2の液滴を互いに対して運動させて、(i)上記第1の液滴を上記第2の液滴と接触させ、(ii)上記第1の試薬および上記第2の試薬を含む融合液滴を形成する工程と、
c.上記融合液滴において、少なくとも(i)上記第1の試薬および(ii)上記第2の試薬を使用して、上記バイオポリマーの少なくとも一部を形成する工程とを含み、
振動が、(b)、(c)、または両方に加えられる、方法。
46.上記バイオポリマーは、ポリヌクレオチドである、段落45に記載の方法。
47.上記バイオポリマーは、ポリペプチドである、段落45または46に記載の方法。
48.上記ポリヌクレオチドは、2~10,000,000の核酸分子を含む、段落45~47のいずれか1つに記載の方法。
49.上記融合液滴に接触するように洗浄液滴を運動させことを含む1つ以上の洗浄工程をさらに含む、段落45~48のいずれか1つに記載の方法。
50.上記1つ以上の洗浄工程に振動が加えられる、段落49に記載の方法。
51.上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に30分以下で生成される、段落45~50のいずれか1つに記載の方法。
52.上記表面は、誘電体である、段落45~51のいずれか1つに記載の方法。
53.上記表面は、1つ以上の電極の上に配置された誘電体層を含む、段落45~51のいずれか1つに記載の方法。
54.上記表面は、ポリマーフィルムの表面である、段落45~51のいずれか1つに記載の方法。
55.上記表面は、表面に結合した1つ以上のオリゴヌクレオチド含む、段落45~51のいずれか1つに記載の方法。
56.上記表面は、潤滑液体層の表面である、段落45~51のいずれか1つに記載の方法。
57.上記複数の液滴は、第3の試薬を含む第3の液滴を含む、段落45~56のいずれか1つに記載の方法。
58.上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、1つ以上の官能性ビーズを含む、段落45~57のいずれか1つに記載の方法。
59.上記官能性ビーズは、それに固定された1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む、段落45~58のいずれか1つに記載の方法。
60.上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、ポリメラーゼを含む、段落45~59のいずれか1つに記載の方法。
61.上記第1の試薬、上記第2の試薬、上記第3の試薬、またはそれらのいずれかの組合せは、バイオモノマーを含む、段落45~60のいずれか1つに記載の方法。
62.上記バイオモノマーはアミノ酸である、段落61に記載の方法。
63.上記バイオモノマーは核酸分子である、段落61に記載の方法。
64上記核酸分子は、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、またはウラシルである、段落63に記載の方法。
65.第1の試薬は、1つ以上の官能性ディスクを含む、段落45~64のいずれか1つに記載の方法。
66.上記官能性ディスクは、それに固定された1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む、段落45~65に記載の方法。
67.上記第1の液滴、第2の液滴、第3の液滴、またはその両方は、合成または重合を媒介する酵素を含む、段落45~66のいずれか1つに記載の方法。
68.上記酵素は、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ(PNPase)、末端デヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)、DNAポリメラーゼベータ、DNAポリメラーゼラムダ、DNAポリメラーゼミューおよびDNAポリメラーゼのXファミリー由来の他の酵素からなる群に由来する、段落67に記載の方法。
69.上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に20分以下で生成される、段落45~68のいずれか1つに記載の方法。
70.上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に15分以下で生成される、段落45~69のいずれか1つに記載の方法。
71.上記ポリヌクレオチドの少なくとも1つの核酸分子は、上記融合液滴内に10分以下で生成される、段落45~70のいずれか1つに記載の方法。
72.上記融合液滴は、加熱される、段落45~71のいずれか1つに記載の方法。
73.上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、磁場に供される、段落45~71のいずれか1つに記載の方法。
74.上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合された液滴は、光に供される、段落45~71のいずれか1つに記載の方法。
75.上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合された液滴は、pH変化に供される、段落45~71のいずれか1つに記載の方法。
76.上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)を含む、段落45~75のいずれか1つに記載の方法。
77.上記デオキシヌクレオシド三リン酸は、保護基を有していてもよい、段落76に記載の方法。
78.上記保護基は、反応中に削除され得る、段落77に記載の方法。
79.上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴は、片側のみで表面と接触する、段落45~78のいずれか1つに記載の方法。
80.上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴の体積は、1ナノリットル(1nl)~500マイクロリットル(500μl)の間である、段落45~79のいずれか1つに記載の方法。
81.上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴の体積は、1マイクロリットル(1μl)~500マイクロリットル(500μl)の間である、段落45~80のいずれか1つに記載の方法。
82.上記第1の液滴、上記第2の液滴、上記第3の液滴、または上記融合液滴の体積は、1マイクロリットル(1μl)~200マイクロリットル(200μl)の間である、段落45~81のいずれか1つに記載の方法。
実施形態3
1.核酸試料を環状化させる方法であって、上記方法は、
(a)エレクトロウェッティングアレイに隣接し、上記核酸試料を含む液滴を提供する工程と、
(b)上記エレクトロウェッティングアレイを使用して上記液滴を処理し、上記核酸試料を環状化させる工程と、を含む方法。
2.上記エレクトロウェッティングアレイは、誘電体基板を含む、段落1に記載の方法。
3.上記エレクトロウェッティングアレイは、1つ以上の試薬液滴をさらに含む、段落1に記載の方法。
4.上記1つ以上の試薬液滴は、上記核酸試料を環状化させるための1つ以上の試薬を含む、段落1に記載の方法。
5.(a)上記試料液滴を上記1つ以上の試薬液滴と組合せる工程と、
(b)上記試料液滴を上記1つ以上の試薬液滴から分離する工程と、
(c)上記1つ以上の試薬液滴を第2の液滴と組合せる工程とをさらに含む、段落4に記載の方法。
6.上記液滴は、上記核酸試料を環状化させるための1つ以上の試薬を含む、段落1に記載の方法。
7.(b)は、上記エレクトロウェッティングアレイに対して1つ以上の液滴操作を実行して上記液滴を処理することをさらに含み、上記1つ以上の液滴操作は、上記1つ以上の試薬液滴を上記液滴と接触させることを含む、段落4に記載の方法。
8.上記エレクトロウェッティングアレイは、上記エレクトロウェッティングアレイの表面の下に1つ以上の電極を備え、および上記1つ以上の液滴操作は、上記1つ以上の電極のうちの少なくとも1つの電極に電圧を印加して、上記1つ以上の試薬液滴、上記試料液滴、またはその両方を操作することを含む、段落3に記載の方法。
9.上記1つ以上の液滴操作は、上記1つ以上の試薬液滴、上記試料液滴、またはその両方に振動を加えることを含む、段落7に記載の方法。
10.上記1つ以上の液滴操作は、上記エレクトロウェッティングアレイに振動を加えることを含む、段落7に記載の方法。
11.単一の重合酵素を使用して、上記核酸試料を配列決定反応に供することをさらに含む、段落1に記載の方法。
12.少なくとも70キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得る工程をさらに含む、段落1に記載の方法。
13.少なくとも80キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得る工程をさらに含む、段落1に記載の方法。
14.約200キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得る工程をさらに含む、段落1に記載の方法。
15.少なくとも100(Gb)の配列決定データが産生される、段落1に記載の方法。
16.少なくとも500Gbの配列決定データが産生される、段落15に記載の方法。
17.少なくとも512Gbの配列決定データが産生される、段落16に記載の方法。
18.少なくとも10Gbの配列決定データが産生される、段落1に記載の方法。
19.少なくとも30Gbの配列決定データが産生される、段落18に記載の方法。
20.上記配列決定反応は、反復パスを含む、段落11に記載の方法。
21.上記配列決定リードの1つ以上のサブリードが産生される、段落12に記載の方法。
22.配列決定リードの上記サブリードからコンセンサス配列が産生される、段落12に記載の方法。
23.上記配列決定リードは、約1.84未満のA260/A280比を含む、段落13に記載の方法。
24.環状化核酸試料を生成する工程をさらに含む、段落1に記載の方法。
25.上記環状化核酸試料は、標的配列を含む、段落24に記載の方法。
26.上記環状化核酸試料は、上記標的配列を含む複数の配列を含む、段落24に記載の方法。
27.上記複数の配列の少なくとも80%は、上記標的配列を含む、段落25に記載の方法。
28.(a)の前に、上記エレクトロウェッティングアレイ上の生体試料から上記核酸試料を導き出す工程をさらに含む、段落1に記載の方法。
29.核酸試料を配列決定する方法であって、上記方法は、
(a)エレクトロウェッティングアレイに隣接し、上記核酸試料を含む液滴を提供する工程と、
(b)上記エレクトロウェッティングアレイを使用して上記液滴を処理し、上記核酸試料を環状化させる工程と、
(c)単一の重合酵素を使用して上記環状化核酸試料を配列決定反応に供する工程と、を含む方法。
30.環状核酸試料を配列決定するための方法であって、単一の重合酵素を使用して上記核酸試料を配列決定反応に供し、少なくとも70キロベースの長さを有する配列決定リードを得る工程を含む方法。
31.上記配列決定反応中に上記核酸試料に組み込まれた塩基を検出するために導波路を使用する工程をさらに含む、段落29に記載の方法。
32.より長いインサートサイズを有する環状化核酸試料を産生する方法であって、(a)エレクトロウェッティングアレイに隣接し、上記核酸試料を含む液滴を提供する工程と、(b)上記エレクトロウェッティングアレイを使用して上記液滴を処理し、上記核酸試料を環状化させる工程と、(c)単一の重合酵素を使用して上記環状化核酸試料を配列決定反応に供する工程と、を含む方法。
33.配列決定ライブラリを生成するための方法であって、(a)複数の配列を含む複数の核酸分子を含む核酸試料を提供する工程と、(b)上記核酸試料を使用して上記配列決定ライブラリを生成する工程とを含み、上記配列決定ライブラリが、その相補体の上記複数の配列の少なくとも80%を含む、方法。
34.核酸試料を環状化させる方法であって、
(a)エレクトロウェッティングアレイに隣接し、上記核酸試料を含む液滴を提供する工程と、
(b)上記液滴を1つ以上の試薬液滴と組合せる工程と、
(c)上記エレクトロウェッティングアレイを使用して上記液滴を処理し、上記核酸試料を環状化させる工程と、
(d)上記液滴を上記1つ以上の試薬液滴から分離する工程と、
(e)上記1つ以上の試薬液滴を上記試料液滴と組合せて、環状化核酸試料を得る工程を含む、方法。
35.上記エレクトロウェッティングアレイは誘電体基板を含む、段落34に記載の方法。
36.上記エレクトロウェッティングアレイは、1つ以上の試薬液滴をさらに含む、段落34~35のいずれか1つに記載の方法。
37.上記1つ以上の試薬液滴は、上記核酸試料を環状化させるための1つ以上の試薬を含む、段落34~36のいずれか1つに記載の方法。
38.(a)上記試料液滴を上記1つ以上の試薬液滴と組合せる工程と、
(b)上記試料液滴を上記1つ以上の試薬液滴から分離する工程と、
(c)上記1つ以上の試薬液滴を第2の液滴と組合せる工程と、をさらに含む、段落34~37のいずれか1つに記載の方法。
39.上記液滴は、上記核酸試料を環状化させるための1つ以上の試薬を含む、段落34~38のいずれか1つに記載の方法。
40.(b)は、上記エレクトロウェッティングアレイに対して1つ以上の液滴操作を実行して上記液滴を処理することをさらに含み、上記1つ以上の液滴操作は、上記1つ以上の試薬液滴を上記液滴と接触させることを含む、段落34~39のいずれか1つに記載の方法。
41.上記エレクトロウェッティングアレイは、上記エレクトロウェッティングアレイの表面の下に1つ以上の電極を備え、および上記1つ以上の液滴操作は、上記1つ以上の電極のうちの少なくとも1つの電極に電圧を印加して、上記1つ以上の試薬液滴、上記試料液滴、またはその両方を操作することを含む、段落34~40のいずれか1つに記載の方法。
42.上記1つ以上の液滴操作は、上記1つ以上の試薬液滴、上記試料液滴、またはその両方に振動を加えることを含む、段落34~41のいずれか1つに記載の方法。
43.上記1つ以上の液滴操作は、上記エレクトロウェッティングアレイに振動を加えることを含む、段落34~42のいずれか1つに記載の方法。
44.単一の重合酵素を使用して、上記核酸試料を配列決定反応に供することをさらに含む、段落34~43のいずれか1つに記載の方法。
45.少なくとも70キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得る工程をさらに含む、段落34~44のいずれか1つに記載の方法。
46.少なくとも80キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得る工程をさらに含む、段落34~45のいずれか1つに記載の方法。
47.約200キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを得る工程をさらに含む、段落34~46のいずれか1つに記載の方法。
48.少なくとも100(Gb)の配列決定データが産生される、段落34~47のいずれか1つに記載の方法。
49.少なくとも500Gbの配列決定データが産生される、段落34~48のいずれか1つに記載の方法。
50.少なくとも512Gbの配列決定データが産生される16、段落16に記載の方法。
51.少なくとも10Gbの配列決定データが産生される、段落34~50のいずれか1つに記載の方法。
52.少なくとも30Gbの配列決定データが産生される、段落34~51のいずれか1つに記載の方法。
53.上記配列決定反応は、反復パスを含む、段落34~52のいずれか1つに記載の方法。
54.上記配列決定リードの1つ以上のサブリードが産生される、段落34~53のいずれか1つに記載の方法。
55.コンセンサス配列が、配列決定リードの上記サブリードから産生される、段落34~54のいずれか1つに記載の方法。
56.上記配列決定リードは、約1.84未満のA260/A280比を含む、段落34~55のいずれか1つに記載の方法。
57.環状化核酸試料を生成する工程をさらに含む、段落34~56のいずれか1つに記載の方法。
58.上記環状化核酸試料は、標的配列を含む、段落34~57のいずれか1つに記載の方法。
59.上記環状化核酸試料は、上記標的配列を含む複数の配列を含む、段落34~58のいずれか1つに記載の方法。
60.上記複数の配列の少なくとも80%は、上記標的配列を含む、段落34~59のいずれか1つに記載の方法。
61.(a)の前に、上記エレクトロウェッティングアレイ上の生体試料から上記核酸試料を導き出す工程をさらに含む、段落34~60のいずれか1つに記載の方法。
62.核酸試料を処理する方法であって、上記方法は、
(a)エレクトロウェッティングアレイに隣接し、生体試料を提供する工程であって、上記試料液滴は、上記核酸試料を含む、工程と、
(b)上記エレクトロウェッティングアレイに隣接し、上記生体試料から上記核酸試料を抽出する工程であって、上記核酸試料は、少なくとも約70キロベース(kb)の長さを有する配列決定リードを含む、工程とを含む、方法。
63.上記長さは、少なくとも約80キロベース(kb)である、段落61に記載の方法。
64.上記長さは、少なくとも約200キロベース(kb)である、段落61に記載の方法。
65.上記配列決定リードは、約1.84未満のA260/A280比を含む、段落61に記載の方法。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図19A
図19B
図20
図21
図22
図23
図24
図25A
図25B
図25C
図26A
図26B
図27
図28
図29
図30
図31A
図31B
図32A
図32B
図33A
図33B
図33C
図33D
図33E
図34
図35A
図35B
図36A
図36B
【国際調査報告】